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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-10-18
(54)【発明の名称】回路基板
(51)【国際特許分類】
   H05K 3/46 20060101AFI20241010BHJP
   H05K 1/18 20060101ALI20241010BHJP
   H01L 23/12 20060101ALI20241010BHJP
【FI】
H05K3/46 Q
H05K1/18 R
H01L23/12 F
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024526751
(86)(22)【出願日】2022-11-04
(85)【翻訳文提出日】2024-05-02
(86)【国際出願番号】 KR2022017264
(87)【国際公開番号】W WO2023080721
(87)【国際公開日】2023-05-11
(31)【優先権主張番号】10-2021-0151753
(32)【優先日】2021-11-05
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】517099982
【氏名又は名称】エルジー イノテック カンパニー リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100114188
【弁理士】
【氏名又は名称】小野 誠
(74)【代理人】
【識別番号】100119253
【弁理士】
【氏名又は名称】金山 賢教
(74)【代理人】
【識別番号】100129713
【弁理士】
【氏名又は名称】重森 一輝
(74)【代理人】
【識別番号】100137213
【弁理士】
【氏名又は名称】安藤 健司
(74)【代理人】
【識別番号】100183519
【弁理士】
【氏名又は名称】櫻田 芳恵
(74)【代理人】
【識別番号】100196483
【弁理士】
【氏名又は名称】川嵜 洋祐
(74)【代理人】
【識別番号】100160255
【弁理士】
【氏名又は名称】市川 祐輔
(74)【代理人】
【識別番号】100219265
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴木 崇大
(74)【代理人】
【識別番号】100203208
【弁理士】
【氏名又は名称】小笠原 洋平
(74)【代理人】
【識別番号】100216839
【弁理士】
【氏名又は名称】大石 敏幸
(74)【代理人】
【識別番号】100228980
【弁理士】
【氏名又は名称】副島 由加里
(74)【代理人】
【識別番号】100151448
【弁理士】
【氏名又は名称】青木 孝博
(74)【代理人】
【識別番号】100146318
【弁理士】
【氏名又は名称】岩瀬 吉和
(72)【発明者】
【氏名】チュン,ジチュル
(72)【発明者】
【氏名】シン,ジョンベ
(72)【発明者】
【氏名】イ,スミン
(72)【発明者】
【氏名】チョン,ジェフン
【テーマコード(参考)】
5E316
5E336
【Fターム(参考)】
5E316AA32
5E316AA43
5E316CC04
5E316CC05
5E316CC09
5E316CC10
5E316CC32
5E316CC33
5E316CC38
5E316CC39
5E316DD13
5E316DD32
5E316DD33
5E316EE09
5E316FF01
5E316FF15
5E316FF18
5E316GG15
5E316GG17
5E316HH22
5E316JJ02
5E316JJ03
5E316JJ06
5E316JJ12
5E316JJ13
5E316JJ25
5E336AA08
5E336AA14
5E336BB03
5E336BB15
5E336BC25
5E336CC31
5E336CC52
5E336CC53
5E336CC56
5E336EE01
5E336GG30
(57)【要約】
実施例に係る回路基板は、第1絶縁層と、前記第1絶縁層の上に配置され、キャビティを含む第2絶縁層と、前記第2絶縁層の上に配置され、前記キャビティと垂直に重なったオープン部を含む第1保護層と、を含み、前記キャビティは、前記第1絶縁層に向かうほど幅が減少する第1傾斜を有し、前記オープン部は、前記第1傾斜と異なる第2傾斜を有し、幅が変化する第1領域を含み、前記オープン部の第1領域の少なくとも一部は、前記キャビティの全体領域のうち前記第1保護層と隣接した領域の幅と同一である。
【選択図】2a
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1絶縁層と、
前記第1絶縁層の上に配置され、キャビティを含む第2絶縁層と、
前記第2絶縁層の上に配置され、前記キャビティと垂直に重なったオープン部を含む第1保護層と、を含み、
前記キャビティは、前記第1絶縁層に向かうほど幅が減少する第1傾斜を有し、
前記オープン部は、前記第1傾斜と異なる第2傾斜を有し、幅が変化する第1領域を含み、
前記オープン部の第1領域の少なくとも一部は、前記キャビティの全体領域のうち前記第1保護層と隣接した領域の幅と同一である、回路基板。
【請求項2】
前記キャビティと垂直に重なった前記第1絶縁層の上面に対する前記第1領域の第2傾斜は、80度~100度の間の範囲を有する、請求項1に記載の回路基板。
【請求項3】
前記キャビティと垂直に重なった前記第1絶縁層の上面に対する前記キャビティの前記第1傾斜は、91度~130度の間の範囲を有する、請求項2に記載の回路基板。
【請求項4】
前記オープン部は、前記第1保護層の上面に隣接し、前記第1及び第2傾斜と異なる第3傾斜を有する第2領域を含む、請求項1から3のいずれか一項に記載の回路基板。
【請求項5】
前記オープン部の前記第2領域の内壁の少なくとも一部は、曲面を含む、請求項4に記載の回路基板。
【請求項6】
前記オープン部の前記第1領域は、前記第2絶縁層の上面と隣接し、前記第1保護層の内側方向に陥没した陥没部を含む、請求項1から3のいずれか一項に記載の回路基板。
【請求項7】
前記第2傾斜は、前記第1保護層の上面と隣接した前記オープン部の内壁の一端と、前記第1保護層の下面と隣接した前記オープン部の内壁の他端の間の傾斜であり、
前記キャビティと垂直に重なった前記第1絶縁層の上面に対する前記第1傾斜は、前記キャビティと垂直に重なった前記第1絶縁層の上面に対する前記第2傾斜より小さい、請求項1に記載の回路基板。
【請求項8】
前記第2傾斜は、前記第1傾斜より大きく、かつ、95度~160度の間の範囲を有する、請求項7に記載の回路基板。
【請求項9】
前記オープン部は、前記第1保護層の内側方向に向けてふくらんだ複数の凸部を含む平面形状を有する、請求項7に記載の回路基板。
【請求項10】
前記キャビティは、前記第2絶縁層の内側方向に向けてふくらんだ複数の第2凸部を含み、
前記第1凸部のサイズは、前記第2凸部のサイズと異なる、請求項9に記載の回路基板。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
実施例は、回路基板及びこれを含む半導体パッケージに関するものである。
【背景技術】
【0002】
最近、無線データトラフィックの需要を充足するために、改善した5G(5th generation)通信システムまたはpre-5G通信システムを開発するための努力がなされている。
【0003】
高いデータ伝送率を達成するために、5G通信システムは超高周波(mmWave)帯域(sub 6G(6GHz)、28G(28GHz)、38G(38GHz)またはそれ以上の周波数)を使用する。このような高い周波数帯域は、波長の長さによりmmWaveと呼ばれる。
【0004】
超高周波帯域おける電波の経路損失緩和及び電波の伝達距離を増加させるために、5G通信システムではビームフォーミング(beamforming)、massive MIMO(マッシブマイモ)、アレイアンテナ(array antenna)等の集積化技術が開発されている。
【0005】
このような周波数帯域で波長が数百個の活性アンテナで構成される点を考慮すると、アンテナシステムが相対的に大きくなる。
【0006】
これは、活性アンテナシステムを構成する多数の基板、即ち、アンテナ基板、アンテナ給電基板、送受信機(transceiver)基板、そして基底帯域(baseband)基板が1つの小型装置(one compactunit)として集積されなければならないことを意味する。
【0007】
これにより、従来の5G通信システムに適用される回路基板は、上記のような多数の基板が集積化された構造を有し、このため相対的に厚い厚さを有していた。これにより、従来では、回路基板を構成する絶縁層の厚さを薄くすることで、回路基板の全体的な厚さを減らしていた。
【0008】
しかし、前記絶縁層の厚さを薄くして回路基板を製作することには限界があり、ひいては前記絶縁層の厚さが薄くなることにより回路パターンが安定的に保護されない問題がある。
【0009】
これにより、最近では、回路基板にドリルビット(drill bit)を利用して素子を内蔵するためのキャビティ(cavity)を形成したり、素子の安着のために離型フィルム等の副資材を使用したり、サンドブラスト(sand blast)を利用して素子を内蔵するためのキャビティを形成した。
【0010】
このとき、従来の回路基板にキャビティを形成するためには、キャビティ加工領域で所望の深さのキャビティを形成するために、ストップ層が必要であった。しかし、前記ストップ層を使用する場合、キャビティが形成された後には、前記ストップ層を除去する過程が必ず行わなければならず、これによる工程が複雑となる問題がある。
【0011】
また、前記ストップ層は金属で形成され、これにより従来では、前記キャビティが形成された後にエッチング工程を行って前記ストップ層を除去した。しかし、前記ストップ層のエッチング工程中に、前記キャビティ内に配置されたパッドも一緒に除去される問題があり、これにより前記パッドの変形が発生する問題がある。また、上記のような問題は、サンドブラスト工程を利用してキャビティを形成する場合にも同じく発生する。
【0012】
また、従来の回路基板の形成工程を見ると、複数の絶縁層を積層する第1工程、前記複数の絶縁層にキャビティを形成する第2工程、前記複数の絶縁層の上に保護層を形成する第3工程及び前記保護層に前記キャビティと垂直に重なるオープン部を形成する第4工程を含む。このとき、キャビティを形成する工程は、前記オープン部を形成する工程より先に行われる。これにより前記保護層にオープン部を形成する工程で、工程偏差により前記保護層のオープン部の幅が前記キャビティの幅より大きく形成される。そして、前記保護層のオープン部の幅が前記キャビティの幅より大きいことにより、前記オープン部と内壁と前記キャビティの内壁の間の領域に対応するデッド領域(dead region)が形成される問題がある。そして、前記デッド領域は、回路基板の全体的なサイズを増加させている。そして、前記領域と垂直に重なる領域に回路パターン層が存在する場合、前記回路パターン層がキャビティまたはオープン部を介して露出する信頼性問題が発生し得る。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0013】
実施例では、新しい構造の回路基板及びこれを含む半導体パッケージを提供しようとする。
【0014】
また、実施例では、絶縁層のキャビティと保護層のオープン部の間の幅の差を最小化してデッド領域を除去することができる回路基板及びこれを含む半導体パッケージを提供しようとする。
【0015】
また、実施例では、絶縁層のキャビティ及び保護層のオープン部内に形成されるモールディング層の密着力を向上させることができる回路基板及びこれを含む半導体パッケージを提供しようとする。
【0016】
また、実施例では、ストップ層を含まずにキャビティ形成が可能な回路基板及びこれを含む半導体パッケージを提供しようとする。
【0017】
また、実施例では、キャビティの底面に一定レベル以上の表面粗さを付与してモールディング層との密着力を向上させることができる半導体パッケージを提供しようとする。
【0018】
提案される実施例で達成しようとする技術的課題は、以上で言及した技術的課題に制限されるものでは、なく、言及されていないさらに他の技術的課題は、以下の記載から実施例が属する技術分野で通常の知識を有した者に明確に理解されるだろう。
【課題を解決するための手段】
【0019】
実施例に係る回路基板は、第1絶縁層と、前記第1絶縁層の上に配置され、キャビティを含む第2絶縁層と、前記第2絶縁層の上に配置され、前記キャビティと垂直に重なったオープン部を含む第1保護層と、を含み、前記キャビティは、前記第1絶縁層に向かうほど幅が減少する第1傾斜を有し、前記オープン部は、前記第1傾斜と異なる第2傾斜を有し、幅が変化する第1領域を含み、前記オープン部の第1領域の少なくとも一部は、前記キャビティの全体領域のうち前記第1保護層と隣接した領域の幅と同一である。
【0020】
また、前記キャビティと垂直に重なった前記第1絶縁層の上面に対する前記第1領域の第2傾斜は、80度~100度の間の範囲を有する。
【0021】
また、前記キャビティと垂直に重なった前記第1絶縁層の上面に対する前記キャビティの前記第1傾斜は、91度~130度の間の範囲を有する。
【0022】
また、前記オープン部は、前記第1保護層の上面に隣接し、前記第1及び第2傾斜と異なる第3傾斜を有する第2領域を含む。
【0023】
また、前記オープン部の前記第2領域の内壁の少なくとも一部は、曲面を含む。
【0024】
また、前記オープン部の前記第1領域は、前記第2絶縁層の上面と隣接し、前記第1保護層の内側方向に陥没した陥没部を含む。
【0025】
また、前記第2傾斜は、前記第1保護層の上面と隣接した前記オープン部の内壁の一端と、前記第1保護層の下面と隣接した前記オープン部の内壁の他端の間の傾斜であり、前記キャビティと垂直に重なった前記第1絶縁層の上面に対する前記第1傾斜は、前記キャビティと垂直に重なった前記第1絶縁層の上面に対する前記第2傾斜より小さい。
【0026】
また、前記第2傾斜は、前記第1傾斜より大きく、かつ、95度~160度の間の範囲を有する。
【0027】
また、前記オープン部は、前記第1保護層の内側方向に向けてふくらんだ複数の凸部を含む平面形状を有する。
【0028】
また、前記キャビティは、前記第2絶縁層の内側方向に向けてふくらんだ複数の第2凸部を含み、前記第1凸部のサイズは、前記第2凸部のサイズと異なる。
【0029】
また、前記第1凸部のサイズは、前記第2凸部のサイズより大きい。
【0030】
また、前記第1絶縁層の上面に配置された第1回路パターン層を含み、前記第1回路パターン層は、前記キャビティと垂直に重なった前記第1絶縁層の第1上面の上に配置された第1パッド部と、前記キャビティと垂直に重ならない第1絶縁層の第2上面の上に配置された第2パッド部と、前記第1及び第2パッド部の間を連結するトレースとを含む。
【0031】
また、前記トレースは、前記第1絶縁層の第1上面の上に配置され、一端が前記第1パッド部と直接連結される第1部分と、前記第1絶縁層の第2上面の上に配置され、他端が前記第2パッド部と連結される第2部分とを含む。
【0032】
また、前記第2絶縁層は、前記キャビティと垂直に重なり、前記キャビティの底面に対応する部分を含み、前記キャビティの底面は、前記第1絶縁層の上面より高く位置し、かつ、前記第1回路パターン層の上面より低く位置する。
【0033】
また、前記キャビティの底面は、前記第1絶縁層に対して凹んだ凹部分と、前記第1絶縁層に対してふくらんだ凸部分を含む。
【0034】
一方、実施例に係るパッケージ基板は、第1絶縁層と、前記第1絶縁層の上に配置された第1回路パターン層と、前記第1絶縁層の上に配置され、キャビティを含む第2絶縁層と、前記第2絶縁層の上に配置され、前記キャビティと垂直に重なったオープン部を含む第1保護層と、を含み、前記第1回路パターン層のうち前記キャビティと垂直に重なった第1回路パターン層の上に配置された接続部と、前記接続部の上に配置されたチップを含み、前記キャビティは、前記第1絶縁層に向かうほど幅が減少する第1傾斜を有し、前記オープン部は、前記第1傾斜と異なる第2傾斜を有し、幅が変化する第1領域を含み、前記オープン部の第1領域の少なくとも一部は、前記キャビティの全体領域のうち前記第1保護層と隣接した領域の幅と同一である。
【0035】
また、前記キャビティ及び前記オープン部の少なくとも一部を埋めながら配置されるモールディング層を含む。
【0036】
また、前記チップは、前記第1絶縁層の上で幅方向に互いに離隔するか、上下方向に配置される第1チップ及び第2チップを含む。
【発明の効果】
【0037】
実施例の回路基板は、第1絶縁層、前記第1絶縁層の上に配置された第2絶縁層及び前記第2絶縁層の上に配置された第1保護層を含む。そして、前記第2絶縁層には、キャビティが形成され、前記第1保護層には、前記キャビティと垂直に重なるオープン部が形成される。
【0038】
このとき、実施例では、回路基板を製造する工程で、前記第1保護層にオープン部を形成した後に、前記第1保護層をマスクとして前記第2絶縁層にキャビティを形成する。これにより、実施例の前記第1保護層のオープン部は、前記キャビティの幅と同一な領域を含むことができる。例えば、実施例の第1保護層のオープン部の厚さ方向への領域のうち少なくとも一部は、前記キャビティの厚さ方向への領域のうち少なくとも一部の幅と同一幅を有することができる。これにより、実施例では、前記第1保護層のオープン部の幅と前記キャビティのオープン部の幅の差を最小化することができ、前記幅の差により発生するデッド領域を除去または最小化することができる。また、実施例では、前記デッド領域を除去またはそのサイズを最小化することにより、回路基板の全体的なサイズを減らすことができ、これにより回路基板をスリム化することができる。
【0039】
また、実施例の第1保護層のオープン部は、前記第1保護層の上面と隣接し、かつ、幅が変化する領域を含む。例えば、前記第1保護層のオープン部の内壁は、前記第1保護層の上面と隣接し、かつ、曲面を有する部分を含む。そして、実施例では、前記第1保護層のオープン部の内壁が曲面を有する部分を含むようにして、前記キャビティ内にチップを実装する工程で、前記チップの配置が容易となるようにすることによって工程性を向上させることができる。さらに、実施例では、前記キャビティ内にモールディング層を埋める工程におけるモールディング層の流れ性を向上させることができ、ひいては前記モールディング層との密着力を向上させることができる。
【0040】
また、実施例の第1保護層のオープン部の内壁は、前記キャビティと隣接した領域から、前記第1保護層の内側領域に陥没した陥没部を含む。このとき、前記陥没部は、前記第2絶縁層の上面のうち少なくとも一部が前記第1保護層によって覆われないデッド領域であり得る。このとき、実施例の第1保護層は、前記陥没部と垂直に重なる領域を含む。これにより、実施例では、前記陥没部がデッド領域として機能しないようにし、これにより比較例に比べてデッド領域の大きさを減らすことができ、ひいてはデッド領域を除去することができる。
【0041】
また、実施例では、前記陥没部が前記キャビティを埋めるモールディング層で充填されるようにする。これにより、実施例では、前記第1保護層、前記第2絶縁層及び前記モールディング層の間の接触面積を増加させることができ、これによる前記モールディング層の密着力を向上させることができる。
【0042】
一方、実施例の第2絶縁層は、前記キャビティと垂直に重なった第1領域と前記第1領域以外の第2領域を含む。そして、前記第2絶縁層の第1領域は一定厚さを有する。これにより、実施例の前記キャビティは、前記第2絶縁層を貫通する構造ではなく、前記第1絶縁層の上に前記第1領域が残存する非貫通構造を有することができる。これにより、実施例では、前記第2絶縁層にキャビティを形成する工程で必須的に必要なストップ層を除去することができ、これによる前記ストップ層の形成及びこれを除去する工程を省略することによった製造工程を簡素化することができる。
【0043】
また、実施例の回路基板は、第1回路パターン層を含む。このとき、前記第2絶縁層の第1領域はキャビティの底面を構成する。そして、前記第2絶縁層の第1領域の厚さは、前記第1回路パターン層の厚さの20%~95%の範囲を満足するようにする。これにより、実施例では、前記第2絶縁層の第1領域が前記第1回路パターン層より大きい厚さを有することによって発生する前記第1回路パターン層の未露出のような問題を解決することができ、ひいては前記第2絶縁層の第1領域で前記第1絶縁層の上面が露出することによった信頼性問題を解決することができる。
【0044】
また、実施例における第1回路パターン層は、前記第1領域と垂直に重なった領域に配置された第1パターン部及び前記第2領域と垂直に重なった領域に配置された第2パターン部を含む。このとき、実施例のキャビティはストップ層なしにレーザー工程により形成され、これにより前記第1領域と垂直に重なった領域にトレースの配置が可能である。例えば、実施例の第1回路パターン層は、前記第1パターン部と第2パターン部の間を直接連結するトレースを含む。これにより、実施例では、前記トレースの配置が可能となることにより、前記トレースを利用して前記第1パターン部と第2パターン部の間の直接連結が可能である。よって、実施例では、前記第1パターン部と第2パターン部の間の信号伝送距離を減らすことができ、これによる信号伝送損失を最小化することができる。また、実施例のトレースは、前記第1領域に配置される第1部分と前記第2領域に配置される第2部分を含む。このとき、前記トレースの第1部分は、前記キャビティを形成するレーザー工程で、幅の変化が発生し得る。例えば、前記トレースの第1部分の幅は、前記第2部分の幅より小さくてもよい。これにより実施例では、前記第1領域におけるトレースの幅を微細化することができ、これによる回路集積度を向上させることができる。
【0045】
また、実施例の第2絶縁層の第1領域は、レーザー工程によるエッグプレート形状を有し、一定レベル以上の表面粗さを有することができる。これにより、実施例では、前記キャビティを埋めるモールディング層と前記第2絶縁層の間の接合力を向上させることができ、これによる半導体パッケージの物理的信頼性を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0046】
図1a図1aは、第1比較例の回路基板の断面図である。
図1b図1bは、図1aの回路基板の平面図である。
図1c図1cは、第2比較例の回路基板の断面図である。
図2a図2aは、第1実施例に係る回路基板を示した図面である。
図2b図2bは、第1実施例に係る回路基板を示した図面である。
図3a図3aは、図2a及び図2bのうちいずれか1つのキャビティ領域を拡大した図面である。
図3b図3bは、図3aの平面図である。
図3c図3cは、図3aに対応する一製品の顕微鏡写真を示したものである。
図4a図4aは、図2a及び図2bのうちいずれか1つのオープン部領域を拡大した第1図面である。
図4b図4bは、図2a及び図2bのうちいずれか1つのオープン部領域を拡大した第2図面である。
図4c図4cは、図2a及び図2bのうちいずれか1つのオープン部領域を拡大した第3図面である。
図4d図4dは、図4cに対応する一製品の顕微鏡写真を示したものである。
図5a図5aは、第2実施例に係る回路基板を示した図面である。
図5b図5bは、図5aのオープン部及びキャビティ領域を拡大した図面である。
図6図6は、第1実施例に係る半導体パッケージを示した図面である。
図7図7は、第2実施例に係る半導体パッケージを示した図面である。
図8図8は、図2aに図示された回路基板の製造方法を工程順に示した図面である。
図9図9は、図2aに図示された回路基板の製造方法を工程順に示した図面である。
図10図10は、図2aに図示された回路基板の製造方法を工程順に示した図面である。
図11図11は、図2aに図示された回路基板の製造方法を工程順に示した図面である。
図12図12は、図2aに図示された回路基板の製造方法を工程順に示した図面である。
【発明を実施するための形態】
【0047】
以下、添付された図面を参照して、本発明の好ましい実施例を詳しく説明する。
【0048】
ただし、添付された図面を参照して本発明の好ましい実施例を詳細に説明する。なお、本発明の技術思想は、説明される一部実施例に限定されるものではなく、多様な形態に具現することができ、本発明の技術思想の範囲内であれば、実施例間の構成要素を選択的に結合または置き換えて用いることができる。
【0049】
また、本発明の実施例で用いられる用語(技術及び科学的用語を含む)は、明白に特定して記述されない限り、本発明が属する技術分野で通常の知識を有した者に一般的に理解できる意味と解釈され、辞書に定義された用語のように一般的に使用される用語は、かかわる技術の文脈上の意味を考慮してその意味を解釈できるだろう。また、本発明の実施例で用いられる用語は、実施例を説明するためのものであり、本発明を制限しようとするものではない。
【0050】
本明細書において、単数形は、記載上特に限定しない限り複数形も含むことができ、「A及びB、Cのうち少なくとも1つ(または1つ以上)」と記載される場合、A、B、Cで組合せることのできる全ての組合せのうち1つ以上を含むことができる。また、本発明の実施例の構成要素の説明において、第1、第2、A、B、(a)、(b)等の用語を用いることができる。
【0051】
このような用語は、その構成要素を他の構成要素と区別するためのものであり、その用語によって当該構成要素の本質または順序等が限定されるものではない。ある構成要素が他の構成要素に「連結」、「結合」または「接続」されると記載された場合、その構成要素は他の構成要素に直接的に連結または接続される場合と、各構成要素の間にさらに他の構成要素が「連結」、「結合」または「接続」される場合を全て含む。
【0052】
また、各構成要素の「上または下」に形成または配置されると記載される場合、「上または下」は、2つの構成要素が直接接触する場合だけではなく、1つ以上のさらに他の構成要素が2つの構成要素の間に形成または配置される場合も含む。また「上または下」と表現される場合、1つの構成要素を基準として、上側方向だけではなく下側方向の意味も含むことができる。
【0053】
本発明の実施例の説明の前に、比較例に係る回路基板について説明することにする。
【0054】
図1aは、第1比較例の回路基板の断面図であり、図1bは、図1aの回路基板の平面図であり、図1cは、第2比較例の回路基板の断面図である。
【0055】
図1aを参照すると、第1比較例に係る回路基板は、キャビティCを含む。
【0056】
第1比較例に係る回路基板は、複数の絶縁層のうち少なくとも1つの絶縁層を貫通する構造を有し、キャビティCが形成される。
【0057】
具体的に、第1比較例の回路基板の絶縁層は、第1絶縁層10及び前記第1絶縁層10の上に配置された第2絶縁層20を含む。
【0058】
そして、前記キャビティCは、前記第2絶縁層20を貫通して形成される。また、回路基板は、絶縁層の表面に配置された回路パターン層を含む。
【0059】
例えば、回路基板は、第1絶縁層10の上面に配置された第1回路パターン層30を含む。また、回路基板は、第1絶縁層10の下面に配置された第2回路パターン層40を含む。また、回路基板は、第2絶縁層20の上面に配置された第3回路パターン層50を含む。
【0060】
また、回路基板は、前記第1絶縁層10を貫通する貫通電極60を含む。前記貫通電極60は、前記第1絶縁層10の上面に配置された第1回路パターン層30と下面に配置された第2回路パターン層40の間を電気的に連結する。
【0061】
前記第1絶縁層10の上面は、前記キャビティCと垂直に重なった第1領域及び前記第1領域を除いた第2領域を含む。このとき、以下で説明される前記第1絶縁層10の第1領域は、第1絶縁層10の第1上面ということができ、第1絶縁層10の第2領域は、第1絶縁層10の第2上面ということができる。
【0062】
そして、前記第1回路パターン層30は、前記第1絶縁層10の上面の第1領域及び第2領域にそれぞれ配置されてもよい。このとき、第1比較例ではストップ層(不図示)を利用して前記第2絶縁層20を貫通するキャビティCを形成することができる。
【0063】
これにより、前記第1回路パターン層30は、前記第1絶縁層10の上面の第1領域に配置されたパッド部32と、前記第1絶縁層10の上面の第2領域に配置されるストップパターン34を含む。前記ストップパターン34は、前記第1絶縁層10の上面の第1領域と第2領域の境界領域に配置される。例えば、前記ストップパターン34は、前記第1絶縁層10の上面の第2領域に配置され、側面が前記キャビティCの内壁の一部を構成することができる。例えば、第1比較例のキャビティCは、第2絶縁層20を含む第1内壁と、前記ストップパターン34を含む第2内壁を含むことができる。
【0064】
すなわち、図1bのように、第1比較例では、前記ストップパターン34が前記第1絶縁層10の上面で、前記第1領域と第2領域の境界領域を取り囲んで配置される。
【0065】
これにより、第1比較例では、前記キャビティCを形成するためにストップ層を形成する工程及び前記ストップ層を除去して前記ストップパターン34を形成する工程を含み、これによる製造工程が複雑となる問題がある。
【0066】
また、第1比較例では、前記ストップ層を除去するエッチング工程で、前記第1回路パターン層30のパッド部32の一部も一緒にエッチングされる問題があり、これによる前記パッド部32の変形が発生する問題がある。また、第1比較例では、前記パッド部32の変形時に、前記パッド部32の上にソルダーボールのような接続部が安定的に安着されない信頼性問題が発生し得る。
【0067】
また、第1比較例で、前記第1絶縁層10の上面の第1領域には、パッド部32は前記第1絶縁層10の上面の第2領域に配置された他のパターン部36と直接連結されない問題がある。
【0068】
例えば、第1比較例では、前記キャビティCに対応する境界領域にストップパターン34が配置される。これによりパッド部32と前記パターン部36の間を連結するトレースTが存在する場合、前記トレースTは、前記ストップパターン34と電気的に接触することになり、これによる電気的信頼性問題が発生し得る。例えば、第1比較例で、前記トレースTが少なくとも2つ以上存在する場合、前記トレースTは、前記ストップパターン34によって互いに電気的に連結される問題が発生し、これにより互いに電気的に分離されるべきパッド部が前記ストップパターン34によって互いに電気的に連結されることによるショート問題が発生し得る。
【0069】
これにより、第1比較例で、前記パッド部32と前記パターン部36はトレースを介して互いに直接連結される構造ではなく、貫通電極60を介して連結される構造を有する。よって、第1比較例では、前記パッド部32と前記パターン部36が前記第1絶縁層10の上面で互いに直接連結される構造を持てない、これらの間の信号伝送ラインの長さが長くなる問題があり、前記信号伝送ラインの長さが長くなることによりノイズに脆弱となり、信号伝送損失が増加する問題がある。
【0070】
一方、第1比較例における回路基板は、第2絶縁層20の上に配置された保護層70を含む。前記保護層70は、前記キャビティCと垂直に重なるオープン部71を含む。前記保護層70のオープン部71は、前記キャビティCと垂直に重なる。このとき、前記保護層70のオープン部71の幅は、前記キャビティCの幅より大きい。
【0071】
これは、前記保護層70のオープン部71が形成される時点が前記キャビティCが形成される時点より遅いからである。
【0072】
具体的に、第1比較例では、前記第2絶縁層20にキャビティCを形成した後に、前記第2絶縁層20の上に保護層70を形成し、それにより前記保護層70にオープン部71を形成する。このとき、前記オープン部71の幅が前記キャビティCの幅より小さい場合、前記キャビティC内にチップ(不図示)が正常に実装されない問題がある。これにより、第1比較例では、前記オープン部71を形成する工程における工程偏差等を考慮して、前記キャビティCより大きい幅を有するように前記オープン部71を形成している。これにより、第1比較例では、前記オープン部71の側壁から前記キャビティCの側壁の間の水平領域に対応するデッド領域DRが存在することになる。そして、前記デッド領域DRは、回路基板の全体的なサイズを増加させる問題点がある。
【0073】
また、図1cのように、第2比較例では、前記ストップ層と前記キャビティCの幅を互いに同一となるして、前記回路基板にストップパターン34が残らないようにしている。しかし、レーザー工程における工程誤差により、実質的に前記ストップ層の幅に対応するように前記キャビティCを形成するのは容易ではなく、前記ストップ層の幅が前記キャビティCの幅より大きい場合、図1aのようなストップパターン34の一部が残る問題がある。また、第2比較例で、前記ストップ層の幅が前記キャビティCの幅より小さい場合、前記キャビティCが前記ストップ層が配置されない領域にも形成され、これにより前記第1絶縁層10の上面に陥没部10rが形成される問題がある。そして、前記陥没部10rは、前記第1絶縁層10の下面に配置された第2回路パターン層40にダメージが発生する問題があり、これによる電気的信頼性または物理的信頼性問題が発生し得る。また、第2比較例の回路基板も、第1比較例と同一なオープン部71を含む保護層70を含む。そして、第2比較例の回路基板にもデッド領域DRが含まれている。
【0074】
このとき、第1及び第2比較例で、前記保護層70のオープン部71及び前記キャビティCが互いに同一幅を有するように工程条件を設定することができる。しかし、前記オープン部71は、露光及び現像工程により形成され、これにより、工程偏差により前記オープン部71と前記キャビティCを互いに同一幅で形成するのに限界がある。また、前記オープン部71と前記キャビティCが同一幅を有するように前記工程条件を設定したしても、前記オープン部71の形成工程で発生する工程偏差により、前記オープン部71の幅が前記キャビティCの幅より小さい幅を有することになり、これにより前記キャビティC内で正確な位置にチップが配置されない等のさらなる信頼性問題が発生することになる。
【0075】
よって、実施例では、第1及び第2比較例の問題点を解決することができる新しい構造の回路基板及びこれを含む半導体パッケージを提供しようとする。
【0076】
例えば、実施例では、ストップ層なしにも、レーザー工程により回路基板にキャビティCを形成できるようにする。例えば、実施例の第1回路パターン層は、第1絶縁層の第1領域に配置された第1パッド部と、第2領域に配置された第2パッド部の間を互いに直接連結するトレースを含むことができるようにする。例えば、実施例のキャビティCは、第2絶縁層を貫通する構造ではなく、非貫通構造を有するようにする。例えば、実施例のキャビティCの底面は、前記第2絶縁層の下面より高く位置することを特徴とするようにする。
【0077】
また、実施例では、キャビティとオープン部が互いに同一幅を有するようにして、これによるデッド領域を除去することができるようにする。
【0078】
これに対しては、以下でより詳しく説明することにする。
【0079】
<電子デバイス>
実施例の説明の前に、実施例の回路基板にチップが実装された構造を有する半導体パッケージは、電子デバイスに含ませることができる。
【0080】
このとき、電子デバイスは、メインボード(不図示)を含む。前記メインボードは、多様な部品と物理的及び/または電気的に連結される。例えば、メインボードは、実施例の半導体パッケージと連結される。例えば、実施例の回路基板は、パッケージ基板で提供されてもよい。そして、前記パッケージ基板には多様なチップが実装される。前記半導体パッケージには、揮発性メモリ(例えば、DRAM)、不揮発性メモリ(例えば、ROM)、フラッシュメモリ等のメモリチップと、セントラルプロセッサ(例えば、CPU)、グラフィックプロセッサ(例えば、GPU)、デジタル信号プロセッサ、暗号化プロセッサ、マイクロプロセッサ、マイクロコントローラ等のアプリケーションプロセッサチップと、アナログ-デジタルコンバータ、ASIC(application-specific IC)等のロジックチップのうち少なくとも1つを含むことができる。
【0081】
そして、実施例では、前記電子デバイスのメインボードと連結される半導体パッケージの厚さを減らしながら、1つの基板に互いに異なる種類の2つ以上のチップが実装された半導体パッケージを提供する。
【0082】
このとき、前記電子デバイスは、スマートフォン(smart phone)、個人用情報端末機(personal digital assistant)、デジタルビデオカメラ(digital video camera)、デジタルスチルカメラ(digital still camera)、ネットワークシステム(network system)、コンピュータ(computer)、モニター(monitor)、タブレット(tablet)、ラップトップ(laptop)、ネットブック(netbook)、テレビ(television)、テレビゲーム(video game)、スマートウォッチ(smart watch)、オートモーティブ(Automotive)等であってもよい。ただし、これに限定されるものではなく、これら以外にもデータを処理する任意の他の電子機器であってもよいことはもちろんである。
【0083】
以下では、実施例に係る回路基板及びこれを含む半導体パッケージについて説明することにする。
【0084】
<回路基板>
以下、添付した図面を参照して本発明の実施例を詳しく説明すると次のようである。
【0085】
図2a及び図2bは、第1実施例に係る回路基板を示した図面である。
【0086】
また、図3aは、図2a及び図2bのうちいずれか1つのキャビティ領域を拡大した図面であり、図3bは、図3aの平面図であり、図3cは、図3aに対応する一製品の顕微鏡写真を示したものである。
【0087】
また、図4aは、図2a及び図2bのうちいずれか1つのオープン部領域を拡大した第1図面であり、図4bは、図2a及び図2bのうちいずれか1つのオープン部領域を拡大した第2図面であり、図4cは、図2a及び図2bのうちいずれか1つのオープン部領域を拡大した第3図面であり、図4dは、図4cに対応する一製品の顕微鏡写真を示したものである。
【0088】
以下では、図2a及び図2bを参照して、実施例の回路基板の全体的な構造を説明し、図3a~図3cを参照して、実施例の回路基板のキャビティの構造について説明し、図4a~図4dを参照して、実施例の第1保護層のオープン部の構造について説明することにする。
【0089】
図2a及び図2bを参照すると、回路基板100は、第1絶縁層110、第2絶縁層120、第3絶縁層130、回路パターン層141、143、144、145、146、147、148、貫通電極V1、V2、V3、V4、V5、V6、V7、保護層151、152を含む。
【0090】
第1絶縁層110は、回路基板100の内側に配置された絶縁層であってもよい。前記第1絶縁層110の上には、第2絶縁層120が配置される。また、第1絶縁層110の下には、第3絶縁層130が配置される。
【0091】
このとき、図面には、第1絶縁層110が回路基板100の全体積層構造で、中央に配置されるものと図示したが、これに限定されない。すなわち、前記第1絶縁層110は、回路基板100の全体積層構造で、上部側にかたよった位置に配置されてもよく、これと逆に下部側にかたよった位置に配置されてもよい。
【0092】
ここで、図2aを参照すると、第1絶縁層110の上部には、第2絶縁層120が配置される。このとき、第2絶縁層120は、複数の層構造を有する。例えば、第2絶縁層120は、前記第1絶縁層110の上面の上に配置された第2-1絶縁層121と、前記第2-1絶縁層121の上面の上に配置された第2-2絶縁層122と、前記第2-2絶縁層122の上面の上に配置された第2-3絶縁層123を含むことができる。このとき、図面には、前記第2絶縁層120が3層構造を有するものと図示したが、これに限定されない。すなわち、第2絶縁層120は2層以下に構成されてもよく、これと違うように4層以上の構造を持って構成されてもよい。
【0093】
また、図2aのように、第1絶縁層110の下には、第3絶縁層130が配置される。このとき、第3絶縁層130は、複数の層構造を有する。例えば、第3絶縁層130は、前記第1絶縁層110の下面の下に配置された第3-1絶縁層131と、前記第3-1絶縁層131の下面の下に配置された第3-2絶縁層132と、前記第3-2絶縁層132の下面の下に配置された第3-3絶縁層133を含むことができる。このとき、図面上には、前記第3絶縁層130が3層構造を有するものと図示したが、これに限定されない。すなわち、第2絶縁層130は2層以下に構成されてもよく、これと違うように4層以上の構造を持って構成されてもよい。
【0094】
また、図面には、回路基板100が絶縁層を基準として7層構造を有するものと図示したが、これに限定されない。例えば、回路基板100は、絶縁層を基準として6層以下の層数を有してもよく、これと違うように8層以上の層数を有してもよい。
【0095】
一方、図2aでは、第2絶縁層120及び第3絶縁層130がそれぞれ複数の層構造を有するものと説明したが、これに限定されない。例えば、第2絶縁層120及び第3絶縁層130は単層で構成されてもよい。
【0096】
すなわち、図2bに図示されたように、第1絶縁層110の上及び下には、それぞれ1層の第2絶縁層120及び第3絶縁層130が配置されてもよい。
【0097】
これにより、図2aでは、複数の層で構成される第2絶縁層120にキャビティ(後述)が形成され、これにより前記キャビティは、複数の層構造を有することができる。
【0098】
また、図2bでは、単一層で構成される第2絶縁層120にキャビティが形成されてもよい。
【0099】
すなわち、図2aにおける第1実施例と、図2bにおける第2実施例の差は、第2絶縁層が複数の層で構成されるのかそれとも単一層で構成されるのかにある。また、図2aにおける第1実施例と、図2bにおける第2実施例の差は、前記第2絶縁層に形成されるキャビティが複数の絶縁層に形成されるのか、それとも単一絶縁層に形成されるのかにある。
【0100】
すなわち、実施例の第2絶縁層120は、複数の層で構成されてもよく、これと違うように単一層で構成されてもよい。そして、複数の層または単一層の第2絶縁層120内には、キャビティが形成されてもよい。
【0101】
第1絶縁層110、第2絶縁層120及び第3絶縁層130は、配線を変更することができる電気回路が編成されている基板として、表面に回路パターンを形成することができる絶縁材料で作られたプリント、配線板及び絶縁基板を全て含むことができる。
【0102】
例えば、第1絶縁層110は、リジド(rigid)またはフレキシブル(flexible)であってもよい。例えば、前記第1絶縁層110は、ガラスまたはプラスチックを含むことができる。詳しくは、前記第1絶縁層110は、ソーダライムガラス(soda lime glass)またはアルミノケイ酸ガラス等の化学強化/半強化ガラスを含むか、ポリイミド(Polyimide、PI)、ポリエチレンテレフタレート(polyethylene terephthalate、PET)、プロピレングリコール(propylene glycol、PPG)、ポリカーボネート(PC)等の強化或は軟性プラスチックを含むか、サファイアを含むことができる。
【0103】
例えば、前記第1絶縁層110は、光等方性フィルムを含むことができる。一例として、前記第1絶縁層110は、COC(Cyclic Olefin Copolymer)、COP(Cyclic Olefin Polymer)、光等方ポリカーボネート(polycarbonate、PC)または光等方ポリメチルメタクリレート(PMMA)等を含むことができる。
【0104】
また、前記第1絶縁層110は、部分的に曲面を有しながら撓むことができる。即ち、第1絶縁層110は、部分的には平面を有し、部分的には曲面を有しながら撓むことができる。具体的に、前記第1絶縁層110の端部が曲面を有しながら撓むか、ランダムな曲率を含む表面を有しながら撓むか曲がることができる。
【0105】
また、前記第1絶縁層110は、柔軟な特性を有するフレキシブル(flexible)基板であってもよい。また、前記第1絶縁層110は、湾曲(curved)または折り曲げ(bended)基板であってもよい。
【0106】
好ましくは、前記第1絶縁層110は、プリプレグ(PPG、prepreg)を含むことができる。前記プリプレグは、ガラス繊維糸(glass yarn)で織造されたガラス布(glass fabric)のような織物シート(fabric sheet)形態の繊維層にエポキシ樹脂等を含浸した後熱圧着を行うことで形成さてもよい。ただし、実施例は、これに限定されるものではなく、前記第1絶縁層110を構成するプリプレグは炭素繊維糸で織造された織物シート形態の繊維層を含むことができる。
【0107】
前記第1絶縁層110は、樹脂及び前記樹脂内に配置される強化繊維を含むことができる。前記樹脂は、エポキシ樹脂であってもよいが、これに限定されるものではない。前記樹脂は、エポキシ樹脂に特別に制限されず、例えば分子内にエポキシ基が1つ以上含まれてもよく、これと違うようにエポキシ基が2つ以上含まれてもよく、これと違うようにエポキシ基が4つ以上含まれてもよい。また、前記第1絶縁層110の樹脂は、ナフタレン(naphthalene)基が含まれてもよく、例えば芳香族アミン型であってもよいが、これに限定されるものではない。例えば、前記樹脂はビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、ビスフェノールS型エポキシ樹脂、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、アルキルフェノールノボラック型エポキシ樹脂、ビフェノール型エポキシ樹脂、アラルキル型エポキシ樹脂、ジシクロペンタジエン型エポキシ樹脂、ナフタレン型エポキシ樹脂、ナフトール型エポキシ樹脂、フェノール類とフェノール性ヒドロキシル基を有する芳香族アルデヒドとの縮合物のエポキシ樹脂、ビフェノールアラルキル型エポキシ樹脂、フルオレン型エポキシ樹脂、キサンテン型エポキシ樹脂、TGIC(triglycidyl isocyanurate)、ゴム変性型エポキシ樹脂及びリン(phosphorous)系エポキシ樹脂等を挙げることができ、ナフタレン系エポキシ樹脂、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、フェノールノボラックエポキシ樹脂、クレゾールノボラックエポキシ樹脂、ゴム変性型エポキシ樹脂、及びリン(phosphorous)系エポキシ樹脂を含むことができる。また、前記強化繊維は、ガラス繊維、炭素繊維、アラミド繊維(例えば、アラミド系の有機材料)、ナイロン(nylon)、シリカ(silica)系の無機材料またはチタニア(titania)系の無機材料を用いることができる。前記強化繊維は、前記樹脂内で、平面方向に互いに交差する形態で配列される。
【0108】
一方、前記ガラス繊維、炭素繊維、アラミド繊維(例えば、アラミド系の有機材料)、ナイロン(nylon)、シリカ(silica)系の無機材料またはチタニア(titania)系の無機材料を用いることができる。
【0109】
また、前記第2絶縁層120及び第3絶縁層130は、前記第1絶縁層110と同じ絶縁物質を含むことができ、これと違うように他の絶縁物質を含むことができる。
【0110】
例えば、前記第2絶縁層120及び第3絶縁層130は、前記第1絶縁層110と同一なプリプレグを含むことができる。
【0111】
好ましくは、実施例の第2絶縁層120及び第3絶縁層130は、RCC(Resin Coated Copper)で構成されてもよい。
【0112】
すなわち、第1実施例の第2絶縁層120及び第3絶縁層130をそれぞれ構成する複数の層は、それぞれRCCで構成されてもよい。また、第2実施例の第2絶縁層120及び第3絶縁層130は、それぞれRCCで構成されてもよい。
【0113】
これにより、前記第2絶縁層120及び第3絶縁層130は、5μm~20μmの厚さを有することができる。例えば、第2絶縁層120が複数の層構造を有する場合、前記複数の層のそれぞれの厚さは、5μm~20μmを有することができる。また、前記第2絶縁層120が単一層を有する場合、前記単一層の第2絶縁層120の厚さは、5μm~20μmを有することができる。
【0114】
すなわち、比較例における回路基板を構成する絶縁層は、ガラス繊維を含むプリプレグ(PPG)で構成された。このとき、比較例における回路基板は、プリプレグを基準としてガラス繊維の厚さを減らしにくい。これは、前記プリプレグの厚さが減少する場合、前記プリプレグに含まれたガラス繊維が前記プリプレグの表面に配置された回路パターンと電気的に接続され、これによるクラックリストが誘発されるからである。これにより、比較例における回路基板は、プリプレグの厚さを減少させる場合、これによる誘電体破壊及び回路パターンの損傷が発生し得た。これにより、比較例における回路基板は、プリプレグを構成するガラス繊維の厚さにより全体的な厚さを減少させるのに限界があった。
【0115】
また、比較例における回路基板は、ガラス繊維を含んだプリプレグのみで絶縁層として構成されるので、高い誘電率を有している。しかし、高い誘電率を有する誘電体の場合、高周波用として接近しにくい問題がある。すなわち、比較例における回路基板は、ガラス繊維の誘電率が高い関係で高周波数帯域で誘電率が破壊される現象が発生することになる。
【0116】
これにより、実施例では、低誘電率のRCCを利用して絶縁層を構成するようにして、これによる回路基板の厚さをスリムにしながら高周波数帯域でも信号損失が最小化される信頼性が高い回路基板を提供することができる。
【0117】
一方、実施例の第2絶縁層120をRCCで構成することにより、プリプレグで構成される比較例に比べてプリント回路基板の厚さを画期的に減少させることができる。これにより、実施例では、低誘電率材料で作られたRCCを利用して比較例に比べてプリント回路基板の厚さを最小5μm減らすことができる。
【0118】
ただし、プリプレグの誘電率である3.0レベルで10%改善された2.7の低誘電率を持ったRCCを使用しても、比較例に比べて厚さの減少率は10%に過ぎない。よって、実施例では、電子素子のようなチップが実装される部分にレーザー加工によりキャビティを形成させて最適の回路基板を提供することができるようにする。
【0119】
このとき、第1絶縁層110、第2絶縁層120及び第3絶縁層130のうち少なくとも1つは、回路設計を根拠として回路部品を接続する電気配線を配線図形で表現し、絶縁物の上に電気導体を再現することができる。また、第1絶縁層110、第2絶縁層120及び第3絶縁層130のうち少なくとも1つは、電気部品を搭載し、これらを回路的に連結する配線を形成することができ、部品の電気的連結機能以外の部品を機械的に固定させることができる。
【0120】
前記第1絶縁層110、第2絶縁層120及び第3絶縁層130の表面には、回路パターン層が配置されてもよい。
【0121】
例えば、第1絶縁層110の上面には、第1回路パターン層141が配置されてもよい。例えば、前記第1回路パターン層141は、前記第1絶縁層110の上面に互いに一定間隔離隔して配置される複数の回路パターン部を含むことができる。
【0122】
第1絶縁層110の下面には、第2回路パターン層142が配置されてもよい。第2回路パターン層142は、互いに一定間隔離隔しながら、前記第1絶縁層110の下面に複数個配置されてもよい。このとき、前記第2回路パターン層142が前記第1絶縁層110の下面の下に突出する構造にて形成されるものと図示したが、これに限定されるものではない。例えば、実施例の回路基板の製造工法によって、前記第2回路パターン層142は、前記第1絶縁層110内に埋め込まれる構造(例えば、前記第3絶縁層130の上面の上に突出した構造)を有してもよい。
【0123】
また、第2絶縁層120の表面にも回路パターン層が配置されてもよい。例えば、第2-1絶縁層121の上面には、第3回路パターン層143が配置されてもよい。また、第2-2絶縁層122の上面には、第4回路パターン層144が配置されてもよい。また、第2-3絶縁層123の上面には、第5回路パターン層145が配置されてもよい。
【0124】
また、図2bのように、前記第2絶縁層120が単一層である場合、前記単一の第2絶縁層120の上面には、回路パターン層143が配置されてもよい。
【0125】
また、第3絶縁層130の表面にも回路パターンが配置されてもよい。例えば、第3絶縁層130が単一層で構成された場合、前記単一層の第3絶縁層130の下面には、回路パターン層146が配置されてもよい。
【0126】
また、第3絶縁層130が複数の層で構成された場合、第3-1絶縁層131の下面には、第6回路パターン層146が配置されてもよい。また、第3-2絶縁層132の下面には、第7回路パターン層147が配置されてもよい。また、第3-3絶縁層133の下面には、第8回路パターン層148が配置されてもよい。
【0127】
一方、上記のような第1~第8回路パターン層141、142、143、144、145、146、147、148は、電気的信号を伝達する配線として、電気伝導性が高い金属物質からなることができる。このために、前記第1~第8回路パターン層141、142、143、144、145、146、147、148は、金(Au)、銀(Ag)、白金(Pt)、チタン(Ti)、スズ(Sn)、銅(Cu)及び亜鉛(Zn)から選択される少なくとも1つの金属物質からなることができる。また、前記第1~第8回路パターン層141、142、143、144、145、146、147、148は、ボンディング力が優れる金(Au)、銀(Ag)、白金(Pt)、チタン(Ti)、スズ(Sn)、銅(Cu)、亜鉛(Zn)から選択される少なくとも1つの金属物質を含むペーストまたはソルダーペーストからなることができる。好ましくは、前記第1~第8回路パターン層141、142、143、144、145、146、147、148は、電気伝導性が高く、かつ比較的安価な銅(Cu)からなることができる。
【0128】
前記第1~第8回路パターン層141、142、143、144、145、146、147、148は、通常のプリント回路基板の製造工程であるアディティブ法(Additive process)、サブトラクティブ法(Subtractive Process)、MSAP(Modified Semi Additive Process)及びSAP(Semi Additive Process)法等で可能であり、ここでは詳細な説明を省略する。
【0129】
一方、第1回路パターン層141は、第1絶縁層110の上面に配置される。
【0130】
このとき、第1絶縁層110の上面は、複数の領域を含むことができる。
【0131】
例えば、前記第1絶縁層110の上面は、キャビティCと垂直に重なる第1領域R1を含む。また、前記第1絶縁層110の上面は、前記キャビティCと垂直に重ならない、前記第1領域R1以外の第2領域R2を含む。このとき、以下で説明される前記第1絶縁層110の第1領域R1は、第1絶縁層110の第1上面ということができ、第1絶縁層110の第2領域R2は、第1絶縁層110の第2上面ということができる。
【0132】
そして、前記第1回路パターン層141は、前記第1絶縁層110の上面の第1領域R1及び第2領域R2にそれぞれ配置されてもよい。
【0133】
例えば、前記第1回路パターン層141は、前記第1絶縁層110の上面の第1領域R1に配置される第1パッド部141aを含む。前記第1パッド部141aは実装パッドであってもよい。例えば、前記第1パッド部141aの少なくとも一部は、前記キャビティ160内に配置されてもよい。そして、前記第1パッド部141aは、前記キャビティ160内に配置されるチップ(後述)が実装されるパッドであってもよい。例えば、前記第1パッド部141aは、ワイヤを介して前記チップと連結されるワイヤボンディングパッドであってもよい。例えば、前記第1パッド部141aは、前記チップの端子が配置されるフリップチップボンディングパッドであってもよい。これに対しては、以下でより詳しく説明することにする。
【0134】
一方、第1~第8回路パターン層141、142、143、144、145、146、147、148は、それぞれ層間導通のためのビアと連結されるパターンと、信号伝達のためのパターンと、電子素子等と連結されるパッドを含むことができる。
【0135】
第1絶縁層110、第2絶縁層120及び第3絶縁層130には、互いに異なる層に配置された回路パターンを互いに電気的に連結する貫通電極V1、V2、V3、V4、V5、V6、V7が配置されてもよい。貫通電極V1、V2、V3、V4、V5、V6、V7は、前記第1絶縁層110、第2絶縁層120及び第3絶縁層130のうち少なくともいずれか1つを貫通することができる。
【0136】
そして、貫通電極V1、V2、V3、V4、V5、V6、V7の両端は、互いに異なる絶縁層に配置された回路パターン層とそれぞれ連結され、それにより電気的信号を伝達することができる。
【0137】
第1絶縁層110には、第1貫通電極V1が配置されてもよい。第1貫通電極V1は、前記第1絶縁層110の上面及び下面を貫通して配置されてもよい。第1貫通電極V1の第1絶縁層110の上面に配置された第1回路パターン層141と前記第1絶縁層110の下面に配置された第2回路パターン層142を電気的に連結することができる。
【0138】
第2絶縁層120には、貫通電極が形成される。
【0139】
例えば、第2-1絶縁層121には、第2貫通電極V2が配置されてもよい。第2貫通電極V2は、第1絶縁層110の上面に配置された第1回路パターン層141と、前記第2-1絶縁層121の上面に配置された第3回路パターン層143を電気的に連結することができる。
【0140】
また、第2-2絶縁層122には、第3貫通電極V3が配置されてもよい。第3貫通電極V3は、前記第2-2絶縁層122の上面に配置された第4回路パターン層144と前記第2-1絶縁層121の上面に配置された第3回路パターン層143を電気的に連結することができる。
【0141】
また、第2-3絶縁層123には、第4貫通電極V4が配置されてもよい。第4貫通電極V4は、前記第2-3絶縁層123の上面に配置された第5回路パターン層145と前記第2-2絶縁層122の上面に配置された第4回路パターン層144を電気的に連結することができる。
【0142】
また、第2絶縁層120が単一層で構成された場合、単一層の第2絶縁層120には、第2貫通電極V2のみが配置されてもよい。
【0143】
第3絶縁層130には、貫通電極が形成される。
【0144】
例えば、第3-1絶縁層131には、第5貫通電極V5が配置されてもよい。第5貫通電極V5は、第1絶縁層110の下面に配置された第2回路パターン層142と、前記第3-1絶縁層131の下面に配置された第6回路パターン層146を電気的に連結することができる。
【0145】
また、第3-2絶縁層132には、第6貫通電極V6が配置されてもよい。第6貫通電極V6は、前記第3-2絶縁層132の下面に配置された第7回路パターン層147と前記第3-1絶縁層131の下面に配置された第6回路パターン層146を電気的に連結することができる。
【0146】
また、第3-3絶縁層133には、第7貫通電極V7が配置されてもよい。第7貫通電極V7は、前記第3-3絶縁層133の下面に配置された第8回路パターン層148と前記第3-2絶縁層132の下面に配置された第7回路パターン層147を電気的に連結することができる。
【0147】
また、第3絶縁層130が単一層で構成された場合、単一層の第3絶縁層130には、第5貫通電極V5のみが配置されてもよい。
【0148】
一方、前記貫通電極V1、V2、V3、V4、V5、V6、V7は、前記第1絶縁層110、第2絶縁層120及び第3絶縁層130のうちいずれか1つの絶縁層のみを貫通してもよく、これと違うように複数の絶縁層を共通で貫通して配置されてもよい。これにより、貫通電極V1、V2、V3、V4、V5、V6、V7は、互いに隣接する絶縁層ではなく、少なくとも2層以上離れた絶縁層の表面の上に配置された回路パターン層を互いに連結することもできる。
【0149】
一方、前記貫通電極V1、V2、V3、V4、V5、V6、V7は、前記複数の絶縁層のうち少なくとも1つの絶縁層を貫通する貫通ホール(不図示)の内部を伝導性物質で充填して形成することができる。
【0150】
前記貫通ホールは、機械、レーザー及び化学加工のうちいずれか1つの加工方式によって形成される。前記ビアホールが機械加工によって形成される場合には、ミーリング(Milling)、ドリル(Drill)及びルーティング(Routing)等の方式を用いることができ、レーザー加工によって形成される場合には、UVやCOレーザー方式を用いることができ、化学加工によって形成される場合には、アミノシラン、ケトン類等を含む薬品を利用して前記複数の絶縁層のうち少なくとも1つの絶縁層を開放することができる。
【0151】
一方、前記レーザーによる加工は、光学エネルギーを表面に集中させて材料の一部を溶かして蒸発させ、所望の形態を取る切断方法として、コンピュータープログラムによる複雑な形状も容易に加工することができ、他の方法では切断しにくい複合材料も加工することができる。
【0152】
また、前記レーザーによる加工は、切断直径が最小0.005mmまで可能であり、加工可能な厚さ範囲が広い長所がある。
【0153】
前記レーザー加工ドリルとして、YAG(Yttrium Aluminum Garnet)レーザーやCO2レーザーや紫外線(UV)レーザーを利用することが好ましい。YAGレーザーは、銅箔層及び絶縁層の全てを加工することができるレーザーであり、COレーザーは、絶縁層のみを加工できるレーザーである。
【0154】
前記貫通ホールが形成されると、前記貫通ホールの内部を伝導性物質で充填して前記貫通電極V1、V2、V3、V4、V5、V6、V7を形成することができる。前記貫通電極V1、V2、V3、V4、V5、V6、V7を形成する金属物質は、銅(Cu)、銀(Ag)、スズ(Sn)、金(Au)、ニッケル(Ni)及びパラジウム(Pd)から選択されるいずれか1つの物質であってもよく、前記伝導性物質の充填は、無電解メッキ、電解メッキ、スクリーンプリント(Screen Printing)、スパッタリング(Sputtering)、蒸発法(Evaporation)、インクジェット法及びディスペンシングのうちいずれか一つまたはこれらを組合わせた方式を利用することができる。
【0155】
一方、第1絶縁層110、第2絶縁層120及び第3絶縁層130のうち最外郭に配置された絶縁層の表面には、保護層151、152が配置されてもよい。例えば、複数の絶縁層のうち最上側に配置された最上側絶縁層の上面には、第1保護層151が配置されてもよい。例えば、第2絶縁層120のうち最上側に配置された第2-3絶縁層123の上面には、第1保護層151が配置されてもよい。
【0156】
また、複数の絶縁層のうち最下側に配置された最下側絶縁層の下面には、第2保護層152が配置されてもよい。例えば、第3絶縁層130のうち最下側に配置された第3-3絶縁層133の下面には、第2保護層152が配置されてもよい。
【0157】
また、第2絶縁層120及び第3絶縁層130がそれぞれ単一層で構成された場合、前記第1保護層151は、第2絶縁層120の上面に配置されてもよく、第2保護層152は、第3絶縁層130の下面に配置されてもよい。
【0158】
前記第1保護層151及び第2保護層152は、それぞれオープン部を含むことができる。例えば、第1保護層151は、第2-3絶縁層123の上面に配置された第5回路パターン層145の上面のうち少なくとも一部と垂直にオーバーラップするオープン部を含むことができる。
【0159】
また、第2保護層152は、第3-3絶縁層133の下面に配置された第8回路パターン層148の下面のうち少なくとも一部と垂直にオーバーラップするオープン部を含むことができる。
【0160】
また、前記第1保護層151は、前記第2絶縁層120に形成されるキャビティ160と垂直に重なるオープン部151aを含む。前記第1保護層151のオープン部151aは、前記キャビティ160と垂直に重なり、これによりチップが配置される空間を提供することができる。このとき、前記第1保護層151の幅は、前記第2絶縁層120に形成されたキャビティ160の幅に対応することができる。例えば、前記オープン部151aの厚さ方向への領域のうち少なくとも一領域は、前記キャビティ160の厚さ方向への領域のうち少なくとも一領域と同一幅を有することができる。これにより、実施例では、前記オープン部151aの幅が前記キャビティ160の幅より大きいことによって発生するデッド領域を除去することができ、これにより回路基板のサイズを減らすことができる。これに対しては、以下でより詳しく説明することにする。
【0161】
このような第1保護層151及び第2保護層152は、絶縁性物質を含むことができる。第1保護層151及び第2保護層152は、回路パターンの表面を保護するために塗布された後加熱して硬化する多様な物質を含むことができる。前記第1保護層151及び第2保護層152は、レジスト(resist)層であってもよい。例えば、第1保護層151及び第2保護層152は、有機高分子物質を含むソルダーレジスト層であってもよい。一例として、前記第1保護層151及び第2保護層152はエポキシアクリレート系の樹脂を含むことができる。詳しくは、第1保護層151及び第2保護層152は、樹脂、硬化剤、光開始材、顔料、溶媒、フィラー、添加剤、アクリル系のモノマー等を含むことができる。ただし、実施例はこれに限定されず、前記第1保護層151及び第2保護層152は、フォトソルダーレジスト層、カバーレイ(cover-lay)及び高分子物質のうちいずれか1つであってもよいことはもちろんである。
【0162】
前記第1保護層151及び第2保護層152の厚さは、1μm~20μmを有することができる。前記第1保護層151及び第2保護層152の厚さは、1μm~15μmを有することができる。例えば、前記第1保護層151及び第2保護層152の厚さは、5μm~20μmを有することができる。前記第1保護層151及び第2保護層152の厚さが20μm超過である場合には、回路基板100の厚さが増加する。前記第1保護層151及び第2保護層152の厚さが1μm未満である場合には、回路基板100に含まれた回路パターン層が安定的に保護されないことによる電気的信頼性または物理的信頼性が低下する。
【0163】
以下では、実施例のキャビティ160及びオープン部151aについて具体的に説明することにする。
【0164】
まず、以下では、第2絶縁層120に形成されるキャビティ160について説明することにする。
【0165】
第2絶縁層120には、キャビティ160が形成される。このとき、前記キャビティ160は、複数の層または単層で構成される第2絶縁層120に形成されてもよい。このとき、キャビティ160は、前記複数の層で構成された第2絶縁層120のうち少なくとも1つの絶縁層を貫通して配置され、少なくとも他の1つの絶縁層を非貫通することができる。
【0166】
すなわち、比較例のキャビティは絶縁層を貫通して形成される。例えば、比較例におけるキャビティは、第2絶縁層の上面及び下面を貫通する構造を有する。
【0167】
これと違うように、実施例のキャビティ160は、前記第2絶縁層120の上面及び下面を貫通する構造ではなく、非貫通する構造を有することができる。例えば、前記キャビティの底面は、前記第2絶縁層の下面より高く位置することができる。
【0168】
すなわち、第1実施例のキャビティ160は、前記第2絶縁層120に形成される。例えば、第1実施例のキャビティ160は、第2-1絶縁層121、第2-2絶縁層122及び第2-3絶縁層123に形成されるこ。例えば、第2実施例のキャビティ160は、1層で構成された第2絶縁層120に形成されてもよい。
【0169】
このとき、前記第2絶縁層120が複数の層構造を有する場合、比較例では、前記キャビティが前記第2絶縁層の上面から下面まで貫通する構造にて形成される。これにより、比較例におけるキャビティの底面は、前記第2絶縁層120の下面と同一平面であるか、前記第1絶縁層110の上面と同一平面であってもよい。
【0170】
この反面、実施例の回路基板に形成されたキャビティ160は、第2絶縁層120を非貫通する構造を有することができる。例えば、実施例のキャビティ160は、第2絶縁層の一部である第2-2絶縁層122及び第2-3絶縁層123を貫通し、かつ、前記第2絶縁層の残りの一部である前記第2-1絶縁層121を非貫通して形成される。これにより、前記キャビティ160の底面は、前記第2-1絶縁層121の下面より高く位置することができる。
【0171】
これにより、キャビティ160は、第2-1絶縁層121内に配置される第1パートP1と、第2-2絶縁層122内に配置される第2パートP2と、第2-3絶縁層123内に配置される第3パートP3を含むことができる。ここで、実施例の第2絶縁層122が3層構造を有することにより、前記キャビティ160が第1~第3パートP1、P2、P3で構成されるものと図示したが、これに限定されない。例えば、第2絶縁層120が2層構造を有する場合、前記キャビティ160は、第1及び第2パートのみを含むことができる。例えば、前記第2絶縁層120が5層構造を有する場合、前記キャビティ160は、第1~第5パートを含むことができる。ただし、実施例のキャビティ160を構成する複数のパートのうち第1絶縁層110と一番隣接したパートは非貫通構造に対応する溝形状を有することができる。
【0172】
前記第1パートP1は、前記第2-1絶縁層121に形成される。このとき、第1パートP1は、前記第2-1絶縁層121に形成され、前記第2-1絶縁層121を非貫通する溝(Groove)であってもよい。
【0173】
前記第2パートP2は、前記第2-2絶縁層122に形成される。前記第2パートP2は、前記第2-2絶縁層122を貫通し、前記キャビティ160の中央領域を形成する貫通ホールであってもよい。
【0174】
前記第3パートP3は、前記第2-3絶縁層123に形成される。前記第3パートP3は、前記第2-3絶縁層123を貫通し、前記キャビティ160の上部領域を形成する貫通ホールであってもよい。
【0175】
すなわち、キャビティ160は、前記第1パートP1、第2パートP2及び第3パートP3の組合せで構成されてもよい。このとき、前記第1パートP1の厚さ(または深さ)は、前記第2-1絶縁層121の厚さより小さくてもよい。よって、前記キャビティ160は、前記第2-1絶縁層121を非貫通して形成される。
【0176】
また、前記第2絶縁層120が単層で形成されてもよい。前記第2絶縁層120が単層構造を有する場合、前記キャビティ160は、前記第1パートP1のみを含んでもよい。
【0177】
前記第2絶縁層120は、キャビティ160と垂直に重なる第1領域R1及び前記第1領域R1を除いた第2領域R2を含むことができる。前記第2絶縁層120の第1領域R1は、前記キャビティ160が形成された領域を意味することができる。このとき、前記第2絶縁層120の第1領域R1は、前記第2絶縁層120の第1絶縁部分ということができ、前記第2領域R2は、前記第2絶縁層の第2絶縁部分ということもできる。
【0178】
一方、前記第2絶縁層120が複数の層で構成される場合、前記第2絶縁層120の第1領域R1は、前記複数の第2絶縁層のうち最下側に配置された第2絶縁層の一部領域を含むことができ、前記第2絶縁層120の第2領域R2は、前記複数の第2絶縁層120を全て含む領域であり得る。
【0179】
そして、前記第2絶縁層120の第1領域R1の厚さH2は、前記第2絶縁層120の第2領域の厚さH1と異なってもよい。
【0180】
前記第2絶縁層120の第1領域R1の厚さH2は、図2aの第1実施例では、複数の層で構成された第2絶縁層のうち第2-1絶縁層120における厚さを意味することができる。前記第2絶縁層120の第1領域R1の厚さH2は、図2bの第2実施例では、単一層で構成された第2絶縁層120の厚さを意味することができる。
【0181】
一方、実施例の第2絶縁層120は、複数の層で構成されてもよく、これと違うように単一層で構成されてもよく、このときの第2絶縁層120の第1領域R1における厚さH1は、実質的に同一であってもよい。
【0182】
前記第2絶縁層120の第1領域R1の厚さH2は、前記第1回路パターン層141の厚さH3より薄くてもよい。例えば、前記第2絶縁層120の第1領域R1の上面S2(例えば、キャビティの底面)は、屈曲を有することができる。例えば、前記第2絶縁層120の第1領域R1の上面S2は、平面ではない曲面を有することができる。そして、前記第2絶縁層120の第1領域R1の厚さH2は、前記第2絶縁層120の第1領域R1の平均厚さを意味することができる。前記第2絶縁層120の第1領域R1の厚さH2は、前記第1回路パターン層141の厚さH3より小さくてもよい。例えば、前記第2絶縁層120の第1領域R1の上面S2は、前記第1回路パターン層141の上面より低く位置することができる。
【0183】
好ましくは、前記第2絶縁層120の第1領域R1の厚さH2は、前記第1回路パターン層141の厚さH3の20%~95%の範囲を満足することができる。好ましくは、前記第2絶縁層120の第1領域R1の厚さH2は、前記第1回路パターン層141の厚さH3の25%~90%の範囲を満足することができる。好ましくは、前記第2絶縁層120の第1領域R1の厚さH2は、前記第1回路パターン層141の厚さH3の30%~85%の範囲を満足することができる。
【0184】
前記第2絶縁層120の第1領域R1の厚さH2が前記第1回路パターン層141の厚さH3の20%より小さいと、キャビティ160を形成するレーザー工程における工程偏差により、前記第1絶縁層110の上面が損傷する問題が生じ得る。また、前記第2絶縁層121の第1領域R1の厚さH2が前記第1回路パターン層141の厚さH3の95%より大きいと、前記キャビティ160を形成するレーザー工程における工程偏差により、前記第2絶縁層120の第1領域R1の上面S2が前記第1回路パターン層141の上面より高く位置する問題が発生し得る。そして、このような場合、前記第1絶縁層110の第1領域R1に配置された第1回路パターン層141の第1パッド部141aの上面が前記第2絶縁層120の第1領域R1によって覆われることにより、チップ実装工程における問題が発生し得る。
【0185】
このとき、比較例では、上記のような複数の絶縁層内にキャビティを形成するために、保護層やストップ層を第1絶縁層の上に配置した状態でキャビティ形成工程を行った。これにより、従来では所望の深さ(第2絶縁層を全て貫通する深さ)だけキャビティを形成することができた。ただし、従来では、前記キャビティが形成された後に前記保護層やストップ層を除去するエッチング工程を行わなければならなかった。これにより、従来では、前記保護層やストップ層を除去するエッチング工程中に前記第1絶縁層の上に配置されるパッド部の一部も一緒に除去され、これにより前記パッド部の信頼性に問題が発生し得る。このとき、サンドブラスト(sand blast)やレーザー工程時に必要な保護層やストップ層の厚さは3umないし10umレベルであり、これにより前記エッチング工程時前記パッドの全体厚さのうち前記保護層やストップ層の厚さに対応するだけ除去される問題があった。
【0186】
これにより、実施例では、前記保護層やストップ層を形成させていない状態でキャビティを容易に形成することができるようにし、これにより前記保護層やストップ層の除去工程中に発生する信頼性問題を解決するようにする。
【0187】
そしてこれは、前記キャビティを形成する工程条件のコントロールにより前記第2絶縁層120を貫通しない構造を有するように前記キャビティ160を形成することができる。
【0188】
このとき、前記キャビティ160は、レーザー工程によって形成することができる。ここで、前記保護層やストップ層がない状態で、前記レーザー工程により所望の深さまでキャビティを形成するのが容易でない。このとき、実施例では、前記キャビティ160が持つべき最小深さ及び最大深さの間の範囲を基準として、前記レーザーの工程条件をコントロールして所望の深さまで前記キャビティ160を形成できるようにする。ここで、前記コントロールされる工程条件は、レーザー工程速度及びレーザーエネルギー密度を含むことができる。すなわち、前記レーザー工程の進行時間を固定した状態で、前記工程速度及びエネルギー密度条件を変更することにより、前記キャビティ160の深さをum単位でコントロール可能である。これにより、実施例では、前記レーザー工程速度及びエネルギー密度を調整して前記キャビティが持つべき最小深さ及び最大深さの間の範囲内で前記キャビティ160を形成できるようにする。前記キャビティ160の最大深さは、前記第2絶縁層120の上面から下面までの垂直距離より小さくてもよい。
【0189】
具体的に、前記キャビティ160は内壁S1及び底面S2を含む。
【0190】
前記キャビティ160の内壁S1及び底面S2は、特定の表面粗さを有することができる。このとき、実施例では、前記キャビティ160の内壁S1及び底面S2が特定の表面粗さを有するようにさらなる工程を行うものではなく、前記キャビティ160を形成するためのレーザー工程時に前記表面粗さが形成されるようにすることができる。
【0191】
すなわち、前記キャビティ160の底面S2は、前記第2絶縁層120の第1領域R1の上面を意味することができる。そして、前記第2絶縁層120の第1領域R1の上面S2またはキャビティ160の底面S2は、屈曲を有することができる。
【0192】
例えば、実施例のキャビティ160の底面S2の表面粗さRaは、0.5μm~3μmの間の範囲を有することができる。例えば、実施例のキャビティ160の底面S2の表面粗さは、0.7μm~2.8μmの間の範囲を有することができる。例えば、実施例のキャビティ160の底面S2の表面粗さRaは、0.8μm~2.5μmの間の範囲を有することができる。これは、実施例で下記のような形状を有するレーザー工程を行うことによるものである。例えば、実施例のキャビティ160の底面S2の表面粗さRaは、0.8μm~2.5μmの間の範囲をはずれる場合、ストップ層なしに実施例のような形状を持ったキャビティ160を形成し難くなる。
【0193】
一方、実施例では、ガウシアンビームを利用して前記キャビティ160を形成するようにする。このとき、前記キャビティ160の最外郭部分は、前記ガウシアンビームの中心点を利用して加工を行う。すなわち、前記ガウシアンビームの中心点は一番大きいエネルギー密度のレーザーが発生し、これにより前記最外郭部分におけるキャビティ160の内壁の傾斜角は比較例に比べて小さくなることができる。
【0194】
例えば、キャビティ160の内壁S1は、前記第2絶縁層120の上面から下面に行くほど幅が減少する傾斜を有することができる。
【0195】
例えば、前記キャビティ160の内壁S1の傾斜は、前記第1絶縁層110の第1領域R1の上面に対する傾斜角を意味することができる。
【0196】
このとき、前記キャビティ160の内壁S1の傾斜は、91度~130度の範囲を有することができる。例えば、前記キャビティ160の内壁S1の傾斜は、93度~125度の範囲を有することができる。例えば、前記キャビティ160の内壁S1の傾斜は、95度~120度の範囲を有することができる。
【0197】
前記キャビティ160の内壁S1の傾斜が91度より小さい場合、前記キャビティ160が前記第2絶縁層120の下面から上面に行くほど幅が増加する逆台形形状を有することになる。そして、このような場合、前記キャビティ160内にチップを配置する過程で、前記チップの配置位置がずれる問題が発生し、これによるチップがずれた状態で実装される問題が発生し得る。また、前記キャビティ160の内壁S1の傾斜が130度より大きい場合、前記キャビティ160の下部幅と上部幅の差により、前記キャビティ160が占める空間が増加し、これによる回路基板の体積(例えば、水平方向への幅または垂直方向への厚さ)が増加したり、回路集積度が減少することになる。
【0198】
前記キャビティ160の底面S2または第2絶縁層120の第1領域R1の上面S2は、エッグプレート(egg plate)形状を有することができる。例えば、前記キャビティ160の底面S2または第2絶縁層120の第1領域R1の上面S2は、第1部分S2-1及び第2部分S2-2を含むことができる。
【0199】
例えば、前記キャビティ160の底面S2または第2絶縁層120の第1領域R1の上面S2の第1部分S2-1は、前記第2絶縁層120の下面に向けて凹んだ凹部であってもよい。また、前記キャビティ160の底面S2または第2絶縁層120の第1領域R1の上面S2の第2部分S2-2は凸部であってもよい。
【0200】
前記第1部分S2-1は、前記第2絶縁層120にキャビティ160を形成する過程で、前記第2絶縁層120に照射される一定幅を有するレーザービーム(例えば、ガウシアンビーム)に対応するように形成される。例えば、前記第1部分S2-1の幅W3は、前記キャビティ160の形成工程で、前記第2絶縁層120に照射されるレーザービームの幅に対応することができる。
【0201】
また、前記第2部分S2-2は、前記第2絶縁層120にキャビティ160を形成する過程で、レーザービームの移動により形成される部分であってもよい。例えば、キャビティ160を形成するレーザー工程は、第1位置で第1レーザービームを照射し、前記第1位置から一定間隔離隔した第2位置で第2レーザービームを照射する工程を含むことができる。そして、前記第2部分S2-2は、前記第1位置と第2位置における離隔幅に対応するように形成される。例えば、前記第2部分S2-2の幅W4は、前記第1位置と前記第2位置の離隔幅に対応することができる。例えば、前記第2部分S2-2の幅W4は、前記キャビティ160の形成工程で行われるレーザービームの移動幅に対応することができる。
【0202】
このとき、前記第1部分S2-1の幅W3または第2部分S2-2の幅W4は、前記第1回路パターン層141の第1パッド部141aの幅W1または第1パッド部141aの間の離隔間隔W2より小さくてもよい。
【0203】
例えば、前記第1部分S2-1の幅W3または第2部分S2-2の幅W4は、前記第1回路パターン層141の第1パッド部141aの幅W1または第1パッド部141aの間の離隔間隔W2の5%~90%の範囲を満足することができる。例えば、前記第1部分S2-1の幅W3または第2部分S2-2の幅W4は、前記第1回路パターン層141の第1パッド部141aの幅W1または第1パッド部141aの間の離隔間隔W2の10%~85%以下を有することができる。例えば、前記第1部分S2-1の幅W3または第2部分S2-2の幅W4は、前記第1回路パターン層141の第1パッド部141aの幅W1または第1パッド部141aの間の離隔間隔W2の15%~80%以下を有することができる。
【0204】
前記第1部分S2-1の幅W3または第2部分S2-2の幅W4が前記第1回路パターン層141の第1パッド部141aの幅W1または第1パッド部141aの間の離隔間隔W2の5%より小さいと、前記キャビティ160を形成する工程で必要となる時間が増加し、これによる工程性が低下する。例えば、前記第1部分S2-1の幅W3または第2部分S2-2の幅W4が前記第1回路パターン層141の第1パッド部141aの幅W1または第1パッド部141aの間の離隔間隔W2の90%より大きいと、前記第1パッド部141aの上面よりも前記第2部分S2-2の上端が高く位置し、これによるチップ実装時にチップの平坦度が減少する。例えば、例えば、前記第1部分S2-1の幅W3または第2部分S2-2の幅W4が前記第1回路パターン層141の第1パッド部141aの幅W1または第1パッド部141aの間の離隔間隔W2の90%より大きいと、前記第2部分S2-2の上端の高さを前記第1パッド部141aの上面の高さより低く形成し難くなる。そして、これはチップ実装時に、チップの下面の一部が前記第2部分S2-2と接触することにより、前記チップの実装位置がずれる問題を引き起こす。
【0205】
このとき、実施例で、前記キャビティ160の底面S2または第2絶縁層120の第1領域R1の上面S2には、前記第1部分S2-1及び前記第2部分S2-2が規則的に形成される。例えば、前記キャビティ160の底面S2または第2絶縁層120の第1領域R1の上面S2には、幅方向または長さ方向に第1部分S2-1及び前記第2部分S2-2が規則的に形成される。
【0206】
そして、前記第2絶縁層120の第1領域R1の厚さH2は、前記第1部分S2-1の高さH2-1と第2部分S2-2の厚さH2-2の平均厚さを意味することができる。また、前記厚さは高さと表現することもできる。
【0207】
一方、実施例の第1回路パターン層141は、前記第1パッド部141a、第2パッド部141b及びトレース141Cを含む。
【0208】
具体的に、前記第1回路パターン層141の第1パッド部141aは、前記第1絶縁層110の上面の第1領域R1に配置される。例えば、前記第1パッド部141aは、前記キャビティ160と垂直に重なることができる。
【0209】
また、前記第1回路パターン層141の第2パッド部141bは、前記第1絶縁層110の上面の第2領域R2に配置される。例えば、前記第2パッド部141bは、前記キャビティ160と垂直に重ならなくてもよい。
【0210】
また、実施例の第1回路パターン層141は、トレース141Cを含む。そして、前記トレース141Cは、前記第1パッド部141aと第2パッド部141bの間を直接連結することができる。
【0211】
具体的に、比較例では、ストップ層に対応するストップパターン34が前記キャビティ160の枠領域に配置され、これにより前記第1パッド部と第2パッド部を直接連結するトレースの形成が不可能であった。
【0212】
この反面、実施例では、ストップ層なしにキャビティ160の形成が可能であり、これにより前記第1パッド部141aと第2パッド部141bの間を直接連結するトレース141Cの形成が可能である。
【0213】
前記トレース141Cは、複数の部分に区分される。
【0214】
例えば、前記トレース141Cは、前記第1パッド部141aに隣接し、前記第1絶縁層110の上面の第1領域R1に配置される第1部分141C1を含むことができる。
【0215】
また、前記トレース141Cは、前記第2パッド部141bに隣接し、前記トレース141Cの第1部分141C1から延長され、前記第1絶縁層110の上面の第2領域R2に配置される第2部分141C2を含むことができる。
【0216】
上記のように、実施例は、前記第1パッド部141aと第2パッド部141bの間を直接連結するトレース141Cの形成が可能であり、これにより前記第1パッド部141aと第2パッド部141bの間における信号伝送距離を比較例に比べて減らすことができる。例えば、比較例では、前記トレースの形成が不可能であり、これにより前記第1パッド部と第2パッド部の間を連結するためには少なくとも2つの貫通電極を含んでいた。この反面、実施例では、前記貫通電極なしにも前記第1パッド部141aと第2パッド部141bの間を直接連結することができ、これによる信号伝送距離を減らし、これによる信号伝送損失を最小化することができる。
【0217】
一方、図3bのように、前記キャビティ160の平面形状は少なくとも1つの凸部160aを含むことができる。すなわち、前記キャビティ160は、レーザー工程により形成される。前記レーザー工程は、一定するレーザーエネルギー密度を有するレーザービームを一定間隔離隔させながら、前記第2絶縁層120に照射する工程を含む。これにより、実施例の前記キャビティ160の内壁の平面形状は、前記キャビティ160から離れる外側方向にふくらんだ複数の凸部160aを含むことができる。また、前記キャビティ160の内壁の平面形状は、前記複数の凸部160aの間に位置し、前記キャビティ160の内側方向に向けて凹んだ複数の凹部160bを含むことができる。そして、前記複数の凸部160a及び前記複数の凹部160bの形状は、前記エネルギー密度に対応することができる。例えば、前記複数の凸部160aの形状は、レーザー工程におけるレーザービームのサイズに対応することができる。例えば、前記凸部160aのサイズは、レーザー工程におけるレーザービームのサイズに対応することができる。前記複数の凹部160bは、前記レーザー工程におけるレーザービームの離隔間隔に対応する形状を有することができる。例えば、前記凹部160bのサイズは、前記レーザービームの離隔間隔に対応することができる。
【0218】
一方、図面上には、前記キャビティ160の平面形状が凸部160a及び凹部160bを含むとしたが、これに限定されない。
【0219】
例えば、前記キャビティ160を形成するためのレーザー工程におけるレーザービームの離隔間隔が減少することにより、前記キャビティ160の平面形状は凸部160aのみを含んでもよい。
【0220】
一方、前記第1保護層151は、前記キャビティ160と垂直に重なるオープン部151aを含む。
【0221】
このとき、第1実施例の前記第1オープン部151aは、前記第1保護層151を露光及び現像する工程により形成されてもよい。
【0222】
このとき、前記キャビティ160は、厚さ方向に行くほど幅が変化する領域を含む。
【0223】
また、前記第1保護層151のオープン部151aは、前記キャビティ160の幅と同一幅を有する領域を含む。
【0224】
例えば、前記第1保護層151のオープン部151aの少なくとも一領域の幅は、前記キャビティ160の少なくとも一領域の幅と同一であってもよい。
【0225】
このとき、第1実施例の前記第1保護層151のオープン部151aは、前記第1保護層151を露光及び現像する工程により形成することができる。これにより、前記第1保護層151のオープン部151aの内壁は、90度に近い傾斜を有することができる。ただし、前記第1保護層151を露光及び現像する工程条件に応じて、前記オープン部151aの内壁は、90度を基準として一定偏差の傾斜を有することができる。
【0226】
例えば、前記第1保護層151のオープン部151aは、前記第2絶縁層120に向かうほど幅が増加する領域を含むことができる。例えば、前記第1保護層151のオープン部151aは、前記第2絶縁層120に向かうほど幅が減少する領域を含むことができる。例えば、前記第1保護層151のオープン部151aは、前記第2絶縁層120に向かうほど幅が変化しない領域を含むことができる。
【0227】
好ましくは、図4aに図示されたように、前記第1保護層151のオープン部151aは、前記第1保護層151の上面から下面に行くほど幅の変化がなくてもよい。ただし、図4aは理想的なオープン部151aの形状を示したものであり、前記オープン部151aは、実質的に幅が変化する領域を含むことができる。
【0228】
例えば、前記第1保護層151のオープン部151aは、90度に近い傾斜A1を有する第1領域151S1を含むことができる。このとき、第1実施例の前記第1保護層151のオープン部151aは、前記第1領域151S1のみを含むことができる。このとき、図面には、前記第1領域151S1が幅が変化しない90度の傾斜を有するものと図示したが、これは理想的な形状を示したものであり、実質的に前記第1領域151S1は、幅が変化する部分を含むことができる。
【0229】
好ましくは、前記第1保護層151のオープン部151aの第1領域151S1の傾斜は、80度~100度の間の範囲を有することができる。例えば、前記オープン部151aの第1領域151S1の傾斜は、82度~98度の間の範囲を有することができる。例えば、前記オープン部151aの第1領域151S1の傾斜は、85度~95度の間の範囲を有することができる。前記第1領域151S1の傾斜は、前記キャビティ160と垂直に重なる第1絶縁層の上面に対する前記オープン部151aの内壁の傾斜の平均値を示したものであってもよい。
【0230】
これにより、実施例では、前記第1保護層151のオープン部151aの第1領域151S1の一部は、前記キャビティ160の幅と同一幅を有することができる。
【0231】
例えば、前記第1保護層151のオープン部151aの第1領域151S1は、前記キャビティ160の幅と同一な部分を含むことができる。例えば、前記キャビティ160の厚さ方向への全体領域のうち前記オープン部151aと隣接した領域の幅は、前記オープン部151aの第1領域151S1の少なくとも一部の幅と同一であってもよい。
【0232】
よって、実施例では、前記第1保護層151のオープン部151aの幅と前記キャビティ160の幅の差によるデッド領域を除去することができ、これにより回路基板の全体的なサイズを減らすことができる。
【0233】
一方、実施例の第1保護層151のオープン部151aの幅と前記キャビティ160の幅が同一であってもよい理由は、次のようである。
【0234】
比較例では、前記絶縁層にキャビティを形成した後に、前記保護層にオープン部を形成した。
【0235】
これと違うように、実施例では、前記第1保護層151にオープン部151aを形成した後に、前記オープン部と垂直に重なるようにキャビティ160を形成する。これにより、実施例の前記キャビティ160の幅は、実質的に前記オープン部151aの幅と同一であってもよい。
【0236】
具体的に、実施例の前記第1保護層151の強度は、前記第2絶縁層120の強度より大きくてもよい。例えば、前記第1保護層151に含まれるフィラーの含量は、前記第2絶縁層120に含まれるフィラーの含量より大きくてもよい。
【0237】
これにより、前記第1保護層151を加工するための第1エネルギー密度は、前記第2絶縁層120を加工するための第2エネルギー密度より大きくてもよい。
【0238】
例えば、前記第2エネルギー密度のレーザーが前記第1保護層151及び前記第2絶縁層120に照射される場合、前記第1保護層151は加工されないものの、前記第2絶縁層120のみを加工することができる。
【0239】
これにより、実施例では、前記第2絶縁層120にキャビティ160を形成する前に、前記第2絶縁層120の上に第1保護層151のオープン部151aを形成する。
【0240】
そして、実施例では、前記オープン部151aを含む前記第1保護層151をマスクとして、前記第2絶縁層120に前記オープン部151aと実質的に同一幅を有するキャビティ160を形成する工程を行うことができる。
【0241】
すなわち、前記オープン部151aが形成された後に、前記第1保護層151の上に第2エネルギー密度のレーザーを照射する場合、前記第1保護層151は加工されないものの、前記第1保護層151のオープン部151aと垂直に重なった第2絶縁層120の一領域のみが加工される。これにより、実施例では、前記第1保護層151をマスクとして、前記オープン部151aと垂直に重なるキャビティ160を形成することにより、前記オープン部151aの幅と前記オープン部151aと一番隣接した領域におけるキャビティ160の幅を同一となるようにすることができる。これにより、実施例では、前記オープン部151aとキャビティ160の幅の差により形成されるデッド領域を除去することができる。
【0242】
一方、図4bに図示されたように、前記第1保護層151のオープン部151aは、前記第1保護層151の上面151Tに行くほど幅が増加する傾斜を有する第2領域151S2を含むことができる。このとき、前記第2領域151S2の内壁は、曲面を含むことができる。例えば、前記第1保護層151のオープン部151aは、前記第1領域151S1及び前記第1領域151S1から延長され、曲面を含む第2領域151S2を含むことができる。そして、前記第2領域151S2は、前記第1保護層151の上面151Tに隣接することができる。
【0243】
前記第2領域151S2の傾斜A2は、120度~160度の間の範囲を満足することができる。例えば、前記第2領域151S2の傾斜A2は、125度~155度の間の範囲を満足することができる。例えば、前記第2領域151S2の傾斜A2は、130度~150度の間の範囲を満足することができる。このとき、前記第2領域151S2の傾斜A2は、前記第2領域151S2の一端及び他端の間を連結する仮想の直線と、基準面の間の内角を意味することができる。例えば、前記基準面は、第1絶縁層110の上面または下面と平行な仮想の直線であってもよい。例えば、前記基準面は、前記第2絶縁層120の上面または下面と平行な仮想の直線であってもよい。例えば、前記基準面は、前記第1保護層151の上面または下面と平行な仮想の直線であってもよい。
【0244】
このとき、前記第2領域151S2は、前記第1保護層151にオープン部151aが形成された後に、前記キャビティ160を形成するためのレーザー工程時に形成される。
【0245】
すなわち、前記キャビティ160を形成するレーザー工程は、前記第1保護層151をマスクとして行われる。
【0246】
このとき、前記レーザー工程時に、前記第1保護層151のオープン部151aの内壁の上端部分には、持続的なレーザービームが照射され、これにより上記のような曲面を含む第2領域151S2を含むことができる。ここで、実施例では、前記キャビティ160を形成するためのレーザー工程の工程条件を調節して、前記第1保護層151のオープン部151aの内壁に前記第2領域151S2が含まれないようにすることができる。ただし、実施例では、前記第1保護層151のオープン部151aの内壁に曲面を有する前記第2領域151S2が含まれるようにする。
【0247】
そして、前記第1保護層151のオープン部151aの内壁の上端部である第2領域151S2は、前記デッド領域を形成しない条件で、前記キャビティ160と垂直に重なるオープン部151aの幅を増加させる機能をすることができる。そして、前記第1保護層151のオープン部151aの内壁に第2領域151S2が含まれるようにすることで、前記キャビティ160内にチップを実装する工程における容易性を提供することができる。また、実施例では、前記キャビティ160をモールディングするモールディング層(後述)を塗布する過程で、前記第2領域151S2の曲面に沿って前記モールディング層が前記キャビティ160内に移動するようにガイドすることができ、これによる工程容易性を提供することができる。さらに、実施例では、前記第1保護層151のオープン部151aの内壁の第2領域151S2が曲面を有することにより、前記モールディング層との接触面積を増加させることができ、これにより前記モールディング層との密着力を向上させることができる。
【0248】
一方、図4cに図示されたように、前記第1保護層151のオープン部151aは、陥没部151Uを含むことができる。前記陥没部151Uは、前記第1保護層151のオープン部151aの内壁のうち前記第2絶縁層120と隣接した領域に形成される。前記陥没部151Uは、前記第1保護層151のオープン部151aの内壁で前記第1保護層151の内側方向に陥没したアンダーカットを意味することができる。実施例の前記陥没部151Uの水平距離UWは、0.1μm~10μmの間の範囲を満足することができる。例えば、実施例の陥没部151Uの水平距離UWは、0.5μm~8μmの間の範囲を満足することができる。例えば、実施例の陥没部151Uの水平距離UWは、0.7μm~6μmの間の範囲を満足することができる。
【0249】
前記陥没部151Uの水平距離UWが10μmより大きいと、前記陥没部151Uの水平距離UWに対応する面積だけ前記第1保護層151と前記第2絶縁層120の間の接触面積が減り、これにより前記第2絶縁層120から前記第1保護層151が分離する脱落問題が発生し得る。また、前記陥没部151Uの水平距離UWが0.1μmより小さいと、以下で説明される前記陥没部151Uの機能による効果が微小となる。
【0250】
このとき、前記陥没部151Uは比較例のように、前記第2絶縁層の上面のうち少なくとも一部が前記第1保護層によって覆われないデッド領域を形成することができる。しかし、実施例の第1保護層151は、前記陥没部151Uと垂直に重なる領域を含む。これにより、実施例では、前記陥没部151Uがデッド領域として機能しないようにし、これにより比較例に比べてデッド領域の大きさを減らすことができる。
【0251】
一方、実施例の前記陥没部151Uは、前記第1保護層151にオープン部151aを形成する工程で行う露光条件に応じて形成される。
【0252】
例えば、実施例では、前記第1保護層151にオープン部151aを形成するために、前記第1保護層151の全体領域のうち前記オープン部151aと垂直に重ならない領域を露光する工程を行う。このとき、実施例では、前記露光工程の条件を調節して、前記第1保護層151の厚さ方向への領域のうち前記第2絶縁層120と隣接した領域の一部は、露光が行われないようにして、これにより前記アンダーカットに対応する陥没部151Uが形成されるようにすることができる。
【0253】
すなわち、実施例では、前記第1保護層151にオープン部151aを形成する工程における露光及び現像条件を調節することにより、前記第1保護層151のオープン部151aに形成される陥没部151Uを除去することができ、ひいては前記陥没部151Uの水平距離UWを調節することができる。そして、実施例では、前記第1保護層151のオープン部151aに一定範囲の水平距離UWを有する陥没部151Uが形成されるようにして、実施例に係るデッド領域のサイズを減らすことができるようにすると共に、前記モールディング層との密着力を向上させることができる。
【0254】
例えば、実施例の前記第1保護層151のオープン部151aの陥没部151Uは、前記モールディング層の形成工程で、前記モールディング層で充填される。これにより、実施例では、前記第2絶縁層120、前記第1保護層151及び前記モールディング層の間の接合面積を増加させることができ、これにより相互間の密着力を確保することができる。
【0255】
一方、上記における第1保護層151のオープン部151aは、露光及び現像工程により形成され、前記第2絶縁層120におけるキャビティ160はレーザー工程により形成された。
【0256】
これと違うように、第2実施例の第1保護層のオープン部及び前記第2絶縁層のキャビティは、両方ともレーザー工程により形成されてもよい。ただし、前記オープン部を形成するレーザー工程と前記キャビティを形成するレーザー工程は、一度に行われるものではなく、複数の工程に区分されて行われる。例えば、実施例の前記第1保護層にオープン部を形成する第1レーザー工程を行い、それよって前記第1レーザー工程が完了した後に、前記第2絶縁層にキャビティを形成する第2レーザー工程を行うことができる。これにより、実施例の前記第1保護層に形成されるオープン部の内壁の傾斜は、前記第1レーザー工程における工程条件に対応することができ、前記第2絶縁層120に形成されるキャビティの内壁の傾斜は、前記第2レーザー工程における工程条件に対応することができる。
【0257】
図5aは、第2実施例に係る回路基板を示した図面であり、図5bは、図5aのオープン部及びキャビティ領域を拡大した図面である。
【0258】
以下では、図5a~図5bを参照して第2実施例に係る回路基板について具体的に説明することにする。
【0259】
このとき、図5a及び図5bの第2実施例の回路基板は、第1保護層に形成されるオープン部の形状を除けば、実質的に図2a~図2bの第1実施例の回路基板と同一である。これにより、以下では、第2実施例の第1保護層に形成されるオープン部を中心に説明することにする。
【0260】
第2実施例の回路基板は、第1絶縁層210、第2絶縁層220及び第3絶縁層230を含む。このとき、第2絶縁層220及び第3絶縁層230は、図2aに図示されたように複数の層で構成されてもよい。
【0261】
また、第2実施例の回路基板は、回路パターン層241、242、243、246を含む。また、第2実施例の回路基板は貫通電極V1、V2、V5を含む。また、第2実施例の回路基板は、第1保護層251及び第2保護層252を含む。
【0262】
そして、前記第2絶縁層220は、キャビティ260を含む。また、第1保護層251は、オープン部251aを含む。このとき、第2絶縁層220に形成されるキャビティ260は、実質的に第1実施例の回路基板のキャビティ160と同一構造及び形状を有し、よってこれに対する詳細な説明は省略することにする。
【0263】
一方、第2実施例の第1保護層251は、オープン部251aを含む。
【0264】
このとき、前記第1保護層251のオープン部251aの平面形状は、複数の凸部を含む。例えば、前記第1保護層251のオープン部251aの平面形状は、図3bで説明したキャビティの平面形状に対応する凸部及び凹部を含むことができる。すなわち、第2実施例の前記第1保護層251のオープン部251aは、第1レーザー工程により形成され、これにより前記第1保護層251のオープン部251aの平面形状は、前記第1レーザー工程における工程条件に対応するように、前記第1保護層251の内側方向(またはオープン部から離れる方向)にふくらんだ凸部を含むことができる。また、前記第1保護層251のオープン部251aの平面形状は、前記第1保護層21の外側方向(またはオープン部に向かう方向)に凹んだ凹部を含むことができる。また、前記第1保護層251のオープン部の平面形状は、凸部のみを含むことができる。
【0265】
このとき、前記キャビティ260の凸部のサイズ(または直径)は、前記オープン部251aの凸部のサイズと異なってもよい。好ましくは、前記キャビティ260の凸部のサイズ(または直径)は、前記オープン部251aの凸部のサイズより大きくてもよい。これは、前記オープン部251aを形成するための第1レーザー工程におけるレーザービームのサイズは、前記キャビティを形成するための第2レーザー工程におけるレーザービームのサイズより大きいからである。これについては、以下で説明することにする。
【0266】
このとき、前記オープン部251aは、第2絶縁層220に隣接するほど幅が漸減する傾斜を有する。例えば、前記第1保護層251のオープン部251aは、前記キャビティ260と幅が同一な領域を含み、かつ、前記キャビティが有する第1傾斜とは異なる第2傾斜を有する第1領域を含む。
【0267】
また、前記キャビティ260は、前記第1保護層251から離れるほど幅が漸減する第1傾斜を有する。例えば、前記オープン部251aは、前記キャビティ260に隣接するほど幅が漸減する第2傾斜を有する。
【0268】
前記キャビティ260の第1傾斜は、前記第2絶縁層220の上面と隣接した前記キャビティ260の内壁の一端と、前記第2絶縁層220の下面または前記キャビティ260の底面と隣接した前記キャビティ260の内壁の他端の間を連結する傾斜を意味することができる。
【0269】
また、前記オープン部251aの第2傾斜は、前記第1保護層251の上面と隣接した前記オープン部251aの内壁の一端と、前記第1保護層251の下面に隣接した前記オープン部251aの内壁の他端の間を連結する傾斜を意味することができる。
【0270】
このとき、前記オープン部251aの厚さ方向への領域のうち少なくとも一部は、前記キャビティ260の厚さ方向への領域のうち少なくとも一部の幅と同一幅を有することができる。
【0271】
例えば、前記オープン部251aは、前記キャビティ260の上部領域と同一幅を有する領域を含む。例えば、前記オープン部251aの下部領域は、前記キャビティ260の上部領域と同一幅を有することができる。
【0272】
このとき、第2実施例の前記オープン部251a及びキャビティ260は、それぞれレーザー工程により形成される。例えば、前記オープン部251aは、第1レーザー工程により形成され、前記キャビティ260は、第2レーザー工程により形成される。ここで、前記第1レーザー工程の工程条件と、前記第2レーザー工程の工程条件は互いに異なる。
【0273】
具体的に、前記第1レーザー工程におけるレーザーのエネルギー密度は、前記第2レーザー工程におけるエネルギー密度より大きい。
【0274】
例えば、前記オープン部251aを形成する第1レーザー工程におけるレーザーパワー(または強度)は、前記キャビティ260を形成する第2レーザー工程におけるレーザーパワー(または強度)より大きくてもよい。
【0275】
例えば、前記第1レーザー工程におけるレーザーパワーは、0.18mJより大きくてもよい。例えば、前記第1レーザー工程におけるレーザーパワーは、0.18mJないし2.0mJの範囲を有することができる。例えば、前記第1レーザー工程におけるレーザーパワーは、0.18mJないし1.5mJの範囲を有することができる。例えば、前記第1レーザー工程におけるレーザーパワーは、0.18mJないし1.3mJの範囲を有することができる。前記第1レーザー工程におけるレーザーパワーが0.18mJより小さい場合、前記第1保護層251にオープン部251aを形成するための工程時間が増加したり、前記オープン部251aが正常に形成されなくなる。
【0276】
一方、前記第2レーザー工程におけるレーザーパワーは、0.17mJより小さくてもよい。例えば、前記第2レーザー工程におけるレーザーパワーは、0.05mJないし0.17mJの間の範囲を有することができる。例えば、前記第2レーザー工程におけるレーザーパワーは、0.06mJないし0.17mJの間の範囲を有することができる。例えば、前記第2レーザー工程におけるレーザーパワーは、0.09mJないし0.17mJの間の範囲を有することができる。前記第2レーザー工程におけるレーザーパワーが0.05mJより小さいと、前記キャビティ260の形成に必要な工程時間が増加したり、前記キャビティ260が正常に形成されなくなる。前記第2レーザー工程におけるレーザーパワーが0.17mJより大きいと、前記キャビティ260を形成する工程で、前記第1保護層251も一緒に加工され、これにより前記第1保護層251のオープン部251aのサイズが大きくなる問題がある。
【0277】
具体的に、0.17mJレーザーパワーを利用して第1保護層251及び第2絶縁層220を加工する場合、前記第1保護層251は加工されないものの、前記第2絶縁層220のみが加工される。これにより、第2実施例では、前記第2レーザー工程時に、前記第1保護層251に形成されたオープン部251aのサイズが拡張する問題を解決すると共に、前記第1保護層251をマスクとして前記キャビティ260を容易に形成することができる。
【0278】
一方、上記で説明したように、前記キャビティ260の内壁S1の傾斜は、91度~130度の範囲を有することができる。例えば、前記キャビティ260の内壁S1の傾斜は、93度~125度の範囲を有することができる。例えば、前記キャビティ260の内壁S1の傾斜は、95度~120度の範囲を有することができる。
【0279】
前記第1保護層251のオープン部251aの内壁251Sの傾斜A3は、前記キャビティ260の内壁S1の傾斜より大きくてもよい。これは、前記第1保護層251にオープン部251aを形成する第1レーザー工程では、別途のマスクが配置されていない状態でレーザー工程が行われ、前記キャビティ260を形成する工程では、前記第1保護層251がマスクの機能をするからである。
【0280】
前記第1保護層251のオープン部251aの内壁251Sの傾斜A3は、前記キャビティ260の内壁S1の傾斜より大きく、かつ、95度~160度の間の範囲を有することができる。例えば、前記第1保護層251のオープン部251aの内壁251Sの傾斜A3は、前記キャビティ260の内壁S1の傾斜より大きく、かつ、98度~155度の間の範囲を有することができる。例えば、前記第1保護層251のオープン部251aの内壁251Sの傾斜A3は、前記キャビティ260の内壁S1の傾斜より大きく、かつ、100度~150度の間の範囲を有することができる。
【0281】
これにより、実施例では、前記第1保護層251のオープン部251aの内壁251Sの傾斜A3が前記キャビティ260の内壁S1の傾斜より大きいようにすることにより、前記キャビティ260にチップを配置する工程における容易性を確保することができる。さらに、実施例では、前記第1保護層251のオープン部251aの内壁251Sが有する傾斜A3の特徴によって、モールディング層を形成する工程におけるモールディング層の流れ性を向上させることができ、ひいては前記モールディング層との接触面積を増加させて密着力を向上させることができる。
【0282】
一方、前記キャビティ260の内壁S1の傾斜は、90度に近いほどよい。このとき、前記キャビティ260を形成する第2レーザー工程におけるレーザービームのサイズが大きくなるほど前記キャビティ260の内壁S1の傾斜は増加する。
【0283】
また、前記オープン部251aの内壁251Sの傾斜A3は、前記キャビティ260の内壁S1の傾斜とは違うように160度に近いほど、モールディング層との密着力を高めるのに有利となる。
【0284】
これにより、前記キャビティ260を形成する第2レーザー工程における第2レーザービームのサイズは、前記オープン部251aを形成する第1レーザー工程における第1レーザービームのサイズより小さくてもよい。
【0285】
例えば、前記第1レーザー工程における第1ビームのサイズは100μm~300μmを有することができる。そして、前記第2レーザー工程における第2ビームのサイズは30μm~200μmを有することができる。すなわち、前記第1レーザー工程における第1ビームのサイズは、上記した範囲内で前記第2ビームのサイズより大きいサイズを有することができる。また、前記第2レーザー工程における第2ビームのサイズは、上記した範囲内で前記第1レーザービームのサイズよりは小さくてもよい。
【0286】
これにより、前記キャビティ260の平面形状における凸部の大きさは、前記オープン部251aの平面形状における凸部の大きいより小さい。
【0287】
<半導体パッケージ>
図6は、第1実施例に係るパッケージ基板を示した図面であり、図7は、第2実施例に係る半導体パッケージを示した図面である。
【0288】
このとき、実施例の半導体パッケージは、図2a、図2b及び図5aに図示された回路基板のうちいずれか1つの回路基板をパッケージ基板として使用することができる。以下では、図2aに図示された回路基板をパッケージ基板として利用した半導体パッケージについて説明することにする。ただし、実施例はこれに限定されず、図2b及び図5aに図示された回路基板をパッケージ基板として利用して半導体パッケージを提供することもできる。
【0289】
実施例の半導体パッケージに含まれた回路基板の説明は省略することにする。
【0290】
回路基板は、キャビティ160を含み、前記キャビティ160には、第1パッド部141aが配置される。例えば、前記第1パッド部141aは、前記キャビティ160と垂直に重なることができる。
【0291】
また、前記第2絶縁層120の第1領域R1は、前記第1パッド部141aの間に配置され、それよって前記第1パッド部141aを支持することができる。このとき、前記第1パッド部141aの上面は、前記第2絶縁層120の第1領域R2の上面より高く位置する。これにより、前記チップ180は、第2絶縁層の第1領域によって影響を受けることなく、前記第1パッド部141aの上に安定的に実装される。すなわち、前記第1パッド部141aの高さより前記第2絶縁層121の第1領域の高さが高いと、前記チップ180は、前記第1パッド部141aの上に傾いた状態で実装され、ひいては前記第1パッド部141aと電気的接続状態に不良が発生し得る。
【0292】
このとき、前記チップ180は、回路基板100のキャビティ160内に配置される電子部品であってもよく、これは能動素子と受動素子とに区分される。そして、前記能動素子は、非線形部分を積極的に利用した素子であり、受動素子は、線形及び非線形特性が両方とも存在しても非線形特性は利用しない素子を意味する。そして、前記受動素子には、トランジスタ、IC半導体チップ等が含まれ、前記受動素子には、コンデンサー、抵抗及びインダクター等を含むことができる。前記受動素子は、能動素子である半導体チップの信号処理速度を高めたり、フィルタリング機能等をするために、通常のプリント回路基板に実装される。
【0293】
一方、前記第1パッド部141aの上には接続部170が配置される。前記接続部170の平面形状は四角形を有することができる。前記接続部170は、前記第1パッド部141aの上に配置され、前記チップ180を固定すると共に、前記チップ180と前記第1パッド部141aの間を電気的に連結する。このために、第1パッド部141aは、伝導性物質からなることができる。一例として、前記接続部170はソルダーボールであってもよい。前記接続部170は、ソルダーに異種成分の物質が含有されてもよい。前記ソルダーは、SnCu、SnPb、SnAgCuのうち少なくともいずれか1つからなることができる。そして、前記異種成分の物質は、Al、Sb、Bi、Cu、Ni、In、Pb、Ag、Sn、Zn、Ga、Cd及びFeのうちいずれか1つを含むことができる。
【0294】
一方、前記チップ180の上面は、前記回路基板100の最上層の表面より高く位置することができる。ただし、実施例はこれに限定されず、前記チップ180の種類によって、前記チップ180の上面が前記回路基板100の最上層の表面と同一高さに配置されてもよく、これと違うように低く配置されてもよい。
【0295】
図7を参照すると、実施例で、半導体パッケージ200aは、回路基板及び前記回路基板のキャビティ160内に実装されたチップ180aを含む。
【0296】
また、半導体パッケージ200aは、前記キャビティ160内に配置され、前記チップ180aを覆うモールディング層190をさらに含む。
【0297】
前記モールディング層190は、選択的に前記キャビティ160内に配置され、前記キャビティ160内に実装されたチップ180aを保護することができる。
【0298】
前記モールディング層190は、モールディング用樹脂で構成されてもよく、例えば、EMC(Epoxy molding compound)であってもよい。ただし、実施例はこれに限定されず、前記モールディング層190はEMC以外にも多様な他のモールディング用樹脂で構成されてもよい。
【0299】
回路基板100は、キャビティ160を含み、前記キャビティ160には、第1パッド部141aが露出することができる。このとき、前記キャビティ160内で前記第1パッド部141aが形成された領域を除いた残りの領域には、前記第2-1絶縁層121が配置される。
【0300】
実施例のモールディング層190は、前記キャビティ160の内壁S1及び底面S2と接触して配置される。このとき、前記キャビティ160の内壁S1及び底面S2は一定表面粗さを有し、これにより前記モールディング層190との接合力を向上させることができる。
【0301】
このとき、前記モールディング層190は、前記第1保護層151のオープン部151aに形成された陥没部151Uを充填しながら形成される。
【0302】
<回路基板の製造方法>
以下では、添付された図面を参照して実施例に係る回路基板の製造方法について説明することにする。
【0303】
図8図12は、図2aに図示されたプリント回路基板の製造方法を工程順に示した図面である。ただし、実施例はこれに限定されず、以下の製造方法を基準として、図2bまたは、図5aに図示された回路基板を製造することもできる。
【0304】
図8を参照すると、第1絶縁層110を用意し、前記第1絶縁層110の表面に第1及び第2回路パターン層141、142を形成することができ、前記第1絶縁層110を貫通して前記第1及び第2回路パターン層141、142を電気的に連結する第1貫通電極V1を形成することができる。
【0305】
前記第1絶縁層110はプリプレグであってもよいが、これに限定されるものではない。
【0306】
前記第1絶縁層110の表面には、金属層(不図示)が積層される。前記金属層は、前記第1絶縁層110の上に銅を含む金属を無電解メッキして形成される。また、前記金属層は、前記第1絶縁層110に無電解メッキをして形成するのとは違うように、CCL(Copper Clad Laminate)を使用することができる。
【0307】
前記金属層を無電解メッキして形成する場合、前記第1絶縁層110の上面に粗さを付与してメッキが円滑に行われるようにすることができる。そして、前記金属層をパターニングして、前記第1絶縁層110の上面及び下面にそれぞれ第1及び第2回路パターン層141、142を形成する。このとき、前記第1回路パターン層141は、以後前記第1絶縁層110の上に実装されるチップ180、180aと接続部170を介して連結される第1パッド部141aを含むことができる。
【0308】
上記のような第1及び第2回路パターン層141、142は、通常のプリント回路基板の製造工程であるアディティブ法(Additive process)、サブトラクティブ法(Subtractive Process)、MSAP(Modified Semi Additive Process)及びSAP(Semi Additive Process)法等で可能であり、ここでは詳細な説明を省略する。
【0309】
次に、図9を参照すると、前記第1絶縁層110の上部及び下部にそれぞれ第2絶縁層120及び第3絶縁層130を積層する工程を行うことができる。
【0310】
このとき、第2絶縁層120は、複数の層構造を有する。例えば、第2絶縁層120は、前記第1絶縁層110の上面の上に配置された第2-1絶縁層121と、前記第2-1絶縁層121の上面の上に配置された第2-2絶縁層122と、前記第2-2絶縁層122の上面の上に配置された第2-3絶縁層123を含むことができる。
【0311】
また、第3絶縁層130は、複数の層構造を有する。例えば、第3絶縁層130は、前記第1絶縁層110の下面の下に配置された第3-1絶縁層131と、前記第3-1絶縁層131の下面の下に配置された第3-2絶縁層132と、前記第3-2絶縁層132の下面の下に配置された第3-3絶縁層133を含むことができる。
【0312】
ただし、実施例はこれに限定されず、図2bに図示されたように前記第2絶縁層120及び第3絶縁層130は単一層で構成されてもよい。
【0313】
また、前記第2絶縁層120及び第3絶縁層130は、RCCで構成されてもよい。
【0314】
すなわち、第1実施例の第2絶縁層120及び第3絶縁層130をそれぞれ構成する複数の層は全てRCCで構成されてもよい。また、第2実施例の第2絶縁層120及び第3絶縁層130を構成するそれぞれの単一層はRCCで構成されてもよい。
【0315】
また、第2絶縁層120の表面に回路パターンを形成する工程を行うことができる。例えば、第2-1絶縁層121の上面に互いに一定間隔離隔して複数の第3回路パターン層143を形成する工程を行うことができる。また、第2-2絶縁層122の上面に互いに一定間隔離隔する複数の第4回路パターン層144を形成する工程を行うことができる。また、第2-3絶縁層123の上面に互いに一定間隔離隔して配置される複数の第5回路パターン層145を形成する工程を行うことができる。
【0316】
また、第3絶縁層130の表面に回路パターンを形成する工程を行うことができる。例えば、第3-1絶縁層131の下面に互いに一定間隔離隔して配置される複数の第6回路パターン層146を形成する工程を行うことができる。また、第3-2絶縁層132の下面に互いに一定間隔離隔して配置される複数の第7回路パターン層147を形成する工程を行うことができる。また、第3-3絶縁層133の下面に互いに一定間隔離隔して配置される複数の第8回路パターン層148を形成する工程を行うことができる。
【0317】
また、前記1絶縁層110、第2絶縁層120及び第3絶縁層130には、互いに異なる層に配置された回路パターンを互いに電気的に連結する貫通電極V1、V2、V3、V4、V5、V6、V7を形成する工程を行うことができる。
【0318】
次に、図10参照すると、実施例では、前記第2絶縁層120の上に第1保護層151を形成し、前記第3絶縁層130の下に第2保護層152を形成する工程を行うことができる。
【0319】
このとき、前記第1保護層151及び第2保護層152にはオープン部が形成されていない状態である。
【0320】
次に、図11を参照すると、実施例では、前記第1保護層151及び第2保護層152にオープン部を形成する工程を行うことができる。すなわち、実施例の第1保護層151及び第2保護層152には、以上で説明したオープン部151a以外にも、回路パターン層と垂直に重なるオープン部をさらに含む。
【0321】
このとき、第1実施例では、前記第1保護層151の全体領域のうちオープン部151aが形成される領域を除いた残りの領域を露光及び硬化し、それよって前記露光及び硬化されていない領域を現像して除去する工程を行うことにより、前記オープン部151aを形成することができる。これにより、前記第1保護層151に形成されるオープン部151aは、図4a~図4cに図示された形状のうちいずれか1つの形状を有することができる。
【0322】
ただし、実施例はこれに限定されず、前記第1保護層におけるオープン部は、第1レーザー工程を行うことにより形成することができる。そして、前記第1保護層におけるオープン部が第1レーザー工程により形成される場合、前記オープン部は、図5a及び図5bに図示された形状を有することができる。
【0323】
次に、実施例では、図12に図示されたように、前記第1保護層151をマスクとしてレーザー工程を行うことにより、前記第1保護層151のオープン部151aと垂直に重なるキャビティ160を形成する工程を行うことができる。
【0324】
以上の実施例で説明された特徴、構造、効果等は、本発明の少なくとも1つの実施例に含まれ、必ず1つの実施例に限定されるものでは、ない。また、各実施例に例示された特徴、構造、効果等は、実施例が属する分野で通常の知識を有する者によって、別の実施例に対して組合せまたは変形して実施可能である。よって、そのような組合せと変形に係る内容は、本発明の範囲に含まれると解釈されるべきである。
【0325】
また、以上では、実施例を中心に説明したが、これは単なる例示であり、本発明を限定するものでは、なく、本発明が属する分野で通常の知識を有した者であれば、本実施例の本質的な特性を逸脱しない範囲内で、以上で例示されていない多様な変形と応用が可能である。例えば、実施例に具体的に提示された各構成要素は、変形して実施することができる。そして、そのような変形と応用に係る差異点は、添付される請求の範囲で規定する本発明の範囲に含まれると解釈されるべきである。
図1a
図1b
図1c
図2a
図2b
図3a
図3b
図3c
図4a
図4b
図4c
図4d
図5a
図5b
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
【手続補正書】
【提出日】2024-05-08
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1絶縁層と、
前記第1絶縁層の上に配置され、キャビティを含む第2絶縁層と、
前記第2絶縁層の上に配置され、前記キャビティと垂直に重なったオープン部を含む第1保護層と、を含み、
前記キャビティは、前記第1絶縁層に向かうほど幅が減少する第1傾斜を有し、
前記オープン部は、前記第1傾斜と異なる第2傾斜を有し、幅が変化する第1領域を含み、
前記オープン部の第1領域の少なくとも一部は、前記キャビティの全体領域のうち前記第1保護層と隣接した領域の幅と同一である、回路基板。
【請求項2】
前記キャビティと垂直に重なった前記第1絶縁層の上面に対する前記第1領域の第2傾斜は、80度ないし100度の間の範囲を有する、請求項1に記載の回路基板。
【請求項3】
前記キャビティと垂直に重なった前記第1絶縁層の上面に対する前記キャビティの前記第1傾斜は、91度ないし130度の間の範囲を有する、請求項2に記載の回路基板。
【請求項4】
前記オープン部は、前記第1保護層の上面に隣接し、前記第1及び第2傾斜と異なる第3傾斜を有する第2領域を含む、請求項1に記載の回路基板。
【請求項5】
前記オープン部の前記第2領域の内壁の少なくとも一部は、曲面を含む、請求項4に記載の回路基板。
【請求項6】
前記オープン部の前記第1領域は、前記第2絶縁層の上面と隣接し、前記第1保護層の内側方向に陥没した陥没部を含む、請求項1に記載の回路基板。
【請求項7】
前記第2傾斜は、前記第1保護層の上面と隣接した前記オープン部の内壁の一端と、前記第1保護層の下面と隣接した前記オープン部の内壁の他端の間の傾斜であり、
前記キャビティと垂直に重なった前記第1絶縁層の上面に対する前記第1傾斜は、前記キャビティと垂直に重なった前記第1絶縁層の上面に対する前記第2傾斜より小さい、請求項1に記載の回路基板。
【請求項8】
前記第2傾斜は、前記第1傾斜より大きく、かつ、95度ないし160度の間の範囲を有する、請求項7に記載の回路基板。
【請求項9】
前記オープン部は、前記第1保護層の内側方向に向けてふくらんだ複数の第1凸部を含む平面形状を有する、請求項7に記載の回路基板。
【請求項10】
前記キャビティは、前記第2絶縁層の内側方向に向けてふくらんだ複数の第2凸部を含み、
前記第凸部のサイズは、前記第凸部のサイズと異なる、請求項9に記載の回路基板。
【請求項11】
前記第2凸部のサイズは、前記第1凸部のサイズより大きい、請求項10に記載の回路基板。
【請求項12】
前記第1絶縁層の上面に配置された第1回路パターン層を含み、
前記第1回路パターン層は、
前記キャビティと垂直に重なった前記第1絶縁層の第1上面の上に配置された第1パッド部と、
前記キャビティと垂直に重ならない第1絶縁層の第2上面の上に配置された第2パッド部と、
前記第1及び第2パッド部の間を連結するトレースと、を含む、請求項1に記載の回路基板。
【請求項13】
前記トレースは、
前記第1絶縁層の第1上面の上に配置され、一端が前記第1パッド部と直接連結される第1部分と、
前記第1絶縁層の第2上面の上に配置され、他端が前記第2パッド部と連結される第2部分と、を含む、請求項12に記載の回路基板。
【請求項14】
前記第2絶縁層は、前記キャビティと垂直に重なり、前記キャビティの底面に対応する部分を含み、
前記キャビティの底面は、前記第1絶縁層の上面より高く位置し、かつ、前記第1回路パターン層の上面より低く位置する、請求項12に記載の回路基板。
【請求項15】
前記キャビティの底面は、前記第1絶縁層に対して凹んだ凹部分と、前記第1絶縁層に対してふくらんだ凸部分を含む、請求項14に記載の回路基板。
【請求項16】
第1絶縁層と、
前記第1絶縁層の上に配置され、キャビティを含む第2絶縁層と、
前記第2絶縁層の上に配置され、前記キャビティと垂直に重なったオープン部を含む第1保護層と、
前記キャビティ内に配置された半導体素子と、を含み、
前記キャビティは、前記第1絶縁層に向かうほど幅が減少する第1傾斜を有し、
前記オープン部は、前記第1傾斜と異なる第2傾斜を有し、幅が変化する第1領域を含み、
前記オープン部の第1領域の少なくとも一部は、前記キャビティの全体領域のうち前記第1保護層と隣接した領域の幅と同一である、半導体パッケージ基板。
【請求項17】
前記キャビティと垂直に重なった前記第1絶縁層の上面に対する前記第1領域の第2傾斜は、80度ないし100度の間の範囲を有し、
前記キャビティと垂直に重なった前記第1絶縁層の上面に対する前記キャビティの前記第1傾斜は、91度ないし130度の間の範囲を有する、請求項16に記載の半導体パッケージ基板。
【請求項18】
前記オープン部は、前記第1保護層の上面に隣接し、前記第1及び第2傾斜と異なる第3傾斜を有する第2領域を含み、
前記オープン部の前記第2領域の内壁の少なくとも一部は、曲面を含む、請求項16に記載の半導体パッケージ基板。
【請求項19】
前記オープン部の前記第1領域は、前記第2絶縁層の上面と隣接し、前記第1保護層の内側方向に陥没した陥没部を含む、請求項16に記載の半導体パッケージ基板。
【請求項20】
前記第2傾斜は、前記第1保護層の上面と隣接した前記オープン部の内壁の一端と、前記第1保護層の下面と隣接した前記オープン部の内壁の他端の間の傾斜であり、
前記キャビティと垂直に重なった前記第1絶縁層の上面に対する前記第1傾斜は、前記キャビティと垂直に重なった前記第1絶縁層の上面に対する前記第2傾斜より小さい、請求項16に記載の半導体パッケージ基板。
【国際調査報告】