(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-10-18
(54)【発明の名称】電子タバコカートリッジ
(51)【国際特許分類】
A24F 40/42 20200101AFI20241010BHJP
A24F 40/465 20200101ALI20241010BHJP
【FI】
A24F40/42
A24F40/465
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024526919
(86)(22)【出願日】2022-11-02
(85)【翻訳文提出日】2024-05-01
(86)【国際出願番号】 CN2022129148
(87)【国際公開番号】W WO2023078278
(87)【国際公開日】2023-05-11
(31)【優先権主張番号】202111310217.9
(32)【優先日】2021-11-05
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】524167566
【氏名又は名称】楽美星辰(深▲せん▼)生物科技有限公司
【氏名又は名称原語表記】LEMEI XINGCHEN (SHENZHEN) BIOTECHNOLOGY CO., LTD.
【住所又は居所原語表記】Room 2101, Building A, Zhihui Plaza, No. 4068 Qiaoxiang Road, Gaofa Community, Shahe Subdistrict Nanshan District, Shenzhen, Guangdong 518053, China
(74)【代理人】
【識別番号】110002262
【氏名又は名称】TRY国際弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】李 継紅
【テーマコード(参考)】
4B162
【Fターム(参考)】
4B162AA03
4B162AA05
4B162AA22
4B162AB01
4B162AB12
4B162AC08
4B162AC14
4B162AC22
4B162AC41
(57)【要約】
本発明は、偏向部、喫煙基材部、中空部及びフィルター部が順次包装部材に配置される電子タバコカートリッジに関する。包装部材は中空の紙筒である。偏向部は包装部材の遠位端に配置され、包装部材の内壁と第1仕切り部から構成される。第1仕切り部は包装部材の内壁に接着又は糊付けされ、偏向部と喫煙基材部とを分断する。本発明は、電子タバコ用カートリッジの多様な構造を提供するものである。その中、第1項の発明は、抵抗式又は電磁挿入式集中加熱式ベープ及び抵抗式又は電磁円周加熱式ベープに共通可能な電子タバコ用カートリッジの構造を開示する。同カートリッジ内の誘導子は一端が閉じ、もう一端が開く。その開き端はカートリッジの遠位端に向いて配置される。挿入式喫煙具加熱を使用する場合、喫煙具の加熱片または加熱針は、開口部から喫煙基体内にスムーズに挿入することができる。この時、誘導子本体はヒートシンクとして熱伝導の役割をより良く果たすことができる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
包装部材にフローガイド部、エアロゾル形成基材部、中空部、フィルター部の順で設置されており、
前記包装部材は、中空の紙筒であり、
前記フローガイド部は包装部材の遠位端に配置され、フローガイド部は包装部材の内筒壁と第1分割部材によって共に取り囲まれ、
前記第1分割部材は、包装部材の内筒壁に貼着または接着され、フローガイド部とエアロゾル形成基材部を分断し、
前記エアロゾル形成基材部にはエアロゾル形成基材とインダクタが装填され、エアロゾル形成基材はタバコおよび/または非タバコ植物から作られた粒子であり、
前記インダクタは、連続シート状または柱状の磁気伝導性材料を1回以上折り曲げて形成され、
前記インダクタの縦断面は不完全に閉じた幾何学的形状をしていて、インダクタには1つの端と2つの脚部があり、インダクタに閉じた端を端と、開いた2つの側面を脚部と呼び、
前記インダクタは、エアロゾル形成基材内に配置され、エアロゾル形成基材に囲まれ、
前記中空部は、第2分割部材、包装部材の内筒壁およびフィルター部によって囲まれ、
前記第2分割部材は、前記包装部材の内筒壁に貼着または接着され、前記中空部と前記エアロゾル形成基材部を仕切り、
前記フィルター部は、前記包装部材の近位端に設けられ、該フィルター部は、エアロゾルを濾過及び冷却できる材料で作られ、
前記第1分割部材及び前記第2分割部材は、いずれも可撓性シート材であり、いずれも縦断面が「]」状又は「[」状である
ことを特徴とする電子タバコカートリッジ。
【請求項2】
前記インダクタは、連続磁気伝導性材料を所定の折り曲げ線に沿って1回折り曲げたものであり、
前記折り曲げ線は、磁気伝導性材料の長さ方向の1/2の位置にあり、折り曲げ後に形成されるインダクタの縦断面は、「>」の形状であることを特徴とする請求項1に記載の電子タバコカートリッジ。
【請求項3】
前記インダクタは、一回折り曲げの後、連続的な磁気伝導性材料で作られ、
前記インダクタは、「U」字形の縦断面を有することを特徴とする請求項1に記載の電子タバコカートリッジ。
【請求項4】
前記インダクタは、一回の折り曲げの後、連続的な磁気伝導性材料から作られ、
曲率を有し、
前記円弧は、前記包装部材の内筒直径の50%~100%の直径を有することを特徴とする請求項1に記載の電子タバコカートリッジ。
【請求項5】
前記インダクタは、連続的な磁気伝導性材料を2回折り曲げたものであり、
前記インダクタは、縦断面が枠形であることを特徴とする請求項1に記載の電子タバコカートリッジ。
【請求項6】
前記インダクタは、奇数回折り曲げられた後、連続的な磁気伝導性材料から作られ、
前記奇数は≧3であり、前記端分の縦断面は鋸歯状又は波状であり、
前記脚部分の縦断面は「八」字状又は「II」字状であることを特徴とする請求項1に記載の電子タバコカートリッジ。
【請求項7】
前記インダクタの2つの脚部には、外側に折り曲げて形成された突起部がさらに設けられており、
前記突起部は、前記包装部材の内筒壁に支持されていることを特徴とする請求項3および4のいずれかに記載の電子タバコカートリッジ。
【請求項8】
前記インダクタは、支持部を更に備え、
前記の支持部は、2つの脚部の端をインダクタの開口方向の外方に折り曲げることにより形成され、
2つの支持部の最外端は、包装部材の内筒壁に支持されていることを特徴とする請求項7に記載の電子タバコカートリッジ。
【請求項9】
前記インダクタの高さ≦前記エアロゾル形成基材部の長さであり、
前記インダクタの2つの脚部間の最大距離≦前記包装部材の内筒直径であることを特徴とする請求項2~6のいずれかに記載の電子タバコカートリッジ。
【請求項10】
前記インダクタは、支持部を更に備え、
前記支持部は、2つの脚部の端を前記インダクタの開口方向外方に折り曲げて形成され、
前記2つの支持部の最外端は、前記包装部材の内筒壁に支持されていることを特徴とする請求項9に記載の電子タバコカートリッジ。
【請求項11】
前記第1分割部材と前記第2分割部材は共に内輪封止部と外輪嵌合部からなり、
前記内輪封止部と外輪嵌合部とは、一体の可撓性シート材の異なる構成要素であり、
前記内輪封止部は、一体型可撓性シート材の中央部分であり、円環状である、
前記内輪封止部の直径は前記包装部材の内筒直径と同じであり、
前記外輪嵌合部は、前記一体型可撓性シート材の前記内輪封止部以外の部分である、
前記可撓性シート材は、3000CU~20000CUの高透明成形紙、パンチ紙、パンチアルミ箔、パンチアルミ箔紙、パンチ耐高温プラスチックフィルム、パンチシリコーンシート、パンチゲルシート、パンチポリ乳酸シートのいずれかである
ことを特徴とする請求項1に記載の電子タバコカートリッジ。
【請求項12】
前記外輪嵌合部は、前記内輪封止部の外周以外の外周に沿う部分が折り曲げられた後、包装部材の内筒壁に貼着又は接着され、平面状又は皺を呈する部分であることを特徴とする請求項11に記載の電子タバコカートリッジ。
【請求項13】
前記外輪嵌合部も折り曲げる前に切断され、内輪封止部の外周に一体的に接続されて円環状、連続ジグザグ状、連続波状、連続歯車状を形成するか、その部分は接続されて内輪封止部の外周上に複数の不連続な突出部を形成することを特徴とする請求項12に記載の電子タバコカートリッジ。
【請求項14】
前記第2分割部材は、円筒状の押し込みロッドにより前記包装部材内に押し込まれて所定位置に貼着又は接着され、
前記円筒状の押し込みロッドの表面には、軸方向に多数の溝が設けられ、
前記外輪嵌合部は、該溝の作用により前記外輪嵌合部と前記包装部材の内筒壁の間に切欠部を形成することを特徴とする請求項11に記載の電子タバコカートリッジ。
【請求項15】
前記脚部の端は、第1分割部材に向けて設けられ、
前記端は、前記第2分割部材に向けて設けられていることを特徴とする請求項9に記載の電子タバコカートリッジ。
【請求項16】
前記端は前記第1分割部材に向かって設けられ、前記脚部の前記端は前記第2分割部材に向かって設けられていることを特徴とする請求項9に記載の電子タバコカートリッジ。
【請求項17】
前記フィルター部は、中実フィルターロッド単独、または中実フィルターロッドと中空フィルターロッドの組合せからなり、中空フィルターロッドと中実フィルターロッドとは密接に連結されていてもいなくてもよく、
前記中空フィルターロッドは、少なくとも1つのエアロゾル通路を備え、エアロゾル通路の横断面の総面積は、包装部材の横断面の総面積の30%~90%であることを特徴とする請求項1に記載の電子タバコカートリッジ。
【請求項18】
前記磁気伝導性材料が電磁エネルギーを熱に変換できる材料、具体的には常磁性金属または強磁性金属または金属合金であり、
前記シート状磁気伝導性材料が0.5~4mmの幅および0.01~0.2mmの厚さを有し、
前記柱状磁気伝導性材料が0.05~2mmの直径を有することを特徴とする請求項1に記載の電子タバコカートリッジ。
【請求項19】
連続シート状磁気伝導性材料または円柱状磁気伝導性材料を選択し、シート状磁気伝導性材料の幅および厚さ、または円柱状磁気伝導性材料の直径が要件を満たすかどうかを判断し、
連続磁気伝導性材料をあらかじめ決められた長さに切断し、切断後に得られた磁気伝導性材料は、金型に入れられ、1回以上折り曲げることにより所定形状のインダクタと順に製造され、
切断後に得られた磁気伝導性材料は金型内に配置され、少なくとも1回折り曲げさせることにより、所定の形状のインダクタを製作する。前記インダクタの縦断面は不完全に閉じた幾何学的形状をしていて、1つの端と2つの脚部がある。インダクタに閉じた端を端と、開いた2つの側面を脚部と呼ぶことを特徴とする電子タバコカートリッジ用インダクタ。
【請求項20】
前記2つの脚部の端を前記インダクタの開口方向外方に折り曲げて支持部を形成し、又は、2つの脚部は、インダクタの開口方向外方に折り曲げて突起部を形成することを特徴とする請求項19に記載の電子タバコカートリッジ用インダクタ。
【請求項21】
装填時に、前記インダクタが装填装置によって喫煙装置カートリッジの包装部材に装填され、インダクタの2つの脚部、2つの支持部、または2つの突起部の間の幅の最も広いところが包装部材の内筒壁に取り付けられ、エアロゾル形成基材がインダクタを取り囲むように包装部材に装填されることを特徴とする請求項19または20に記載の電子タバコカートリッジに使用するインダクタ。
【請求項22】
包装部材にフローガイド部、エアロゾル形成基材部、中空部、フィルター部の順で設置されており、
前記包装部材は、中空の紙筒であり、
前記フローガイド部は包装部材の遠位端に配置され、フローガイド部は包装部材の内筒壁と第1分割部材によって共に取り囲まれ、
前記第1分割部材は、包装部材の内筒壁に貼着または接着され、フローガイド部とエアロゾル形成基材部を分断し、
前記エアロゾル形成基材部にはエアロゾル形成基材が装填され、
前記エアロゾル形成基材はタバコおよび/または非タバコ植物から作られた粒子であり、
前記中空部は、第2分割部材と、包装部材内筒壁とフィルター部に囲まれており、
前記第2分割部材は、包装部材の内筒壁に貼着又は接着され、中空部とエアロゾル形成基材部を分断し、
前記フィルター部は、中実フィルターロッド単独、または中実フィルターロッドと中空フィルターロッドの組み合わせからなり、中空フィルターロッドと中実フィルターロッドとは密接に連結されていてもいなくてもよく、
前記中空フィルターロッドは、少なくとも1つのエアロゾル通路を備え、エアロゾル通路の横断面の総面積は、包装部材の横断面の総面積の30%~90%であり、
前記第1分割部材及び前記第2分割部材は、いずれも可撓性シート材であり、いずれも縦断面が「]」状又は「[」状である
ことを特徴とする電子タバコカートリッジ。
【請求項23】
前記エアロゾル形成基材部には、インダクタで装填され、
前記インダクタは、連続のシート状または柱状の磁気伝導性材料が折り曲げられて作られた幾何学的構造を有し、
前記インダクタは、エアロゾル形成基材内に配置され、エアロゾル形成基材に取り囲まれていることを特徴とする要求項22記載の電子タバコカートリッジ。
【請求項24】
前記第1分割部材及び前記第2分割部材は、共に内輪封止部及び外輪嵌合部からなり、
前記内輪封止部と前記外輪嵌合部は、一体型可撓性シート材の異なる構成要素であり、
前記内輪封止部は、一体型可撓性シート材の中央部分であり、円環状であり、
前記内輪封止部直径は包装部材の内筒直径であり、
前記外輪嵌合部は、一体型可撓性シート材の前記内輪封止部以外の部分であり、
前記可撓性シート材は、3000CU~20000CUの高透明成形紙、パンチ紙、パンチアルミ箔、パンチアルミ箔紙、パンチ耐高温プラスチックフィルム、パンチシリコーンシート、パンチゲルシート、パンチポリ乳酸シートのいずれかであることを特徴とする請求項22に記載の電子タバコカートリッジ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、加熱式不燃電子タバコ技術分野に属し、特に挿入型喫煙装置と巻き付け型電磁誘導加熱器の両方に好適な電子タバコカートリッジに関する。
【背景技術】
【0002】
加熱式不燃タバコは、当初フィリップ モリスインターナショナルなどの外資系タバコ会社大手が開発したもので、特製のカートリッジを加熱装置に装填し、低温焼成によりタバコからニコチンとエアロゾルを放出させる特殊なものである。その低温焼成温度は約300℃で、従来の紙巻きタバコの燃焼温度800℃以上よりはるかに低い。加熱式不燃たばこのエアロゾルに含まれる発がん性物質の含有量は、通常の紙巻きたばこに比べて80%少なく、喫煙者の変異原物質の摂取量を70%減少させ、喫煙者の気管支炎と肺炎の発生率をそれぞれ46%と36%減少させ、たばこ製品が人体に与える危害を大幅に減少させ、たばこの消費の新しい潮流を形成した。
【0003】
現在、不燃性カートリッジを加熱する方法は主に2種がある:1つは加熱ピンや加熱シートを備える喫煙装置に挿入して電気で加熱する方法である。もう1つは電磁誘導原理を利用した包み込み加熱方法である。
【0004】
電気加熱を使用する場合、喫煙装置の加熱ピンや加熱シートをカートリッジ内のエアロゾル発生物に挿入する必要があり、これにより加熱ピンまたは加熱シートが喫煙装置を加熱して、使用者が吸入するエアロゾルを生成する。この加熱方法では、加熱ピンまたは加熱シートがカートリッジに挿入されると、挿入時発生する推力によって、カートリッジ内の喫煙装置または他の機能部が変位する。この問題を解決するために、先行技術では、挿入時発生する推力を打ち消すために、喫煙装置の後端に隔離部材を使用することが多かった。加熱完了後、加熱ピンまたは加熱シートをカートリッジから引き抜く必要がある。この時、カートリッジ内のエアロゾル発生物は加熱ピンまたは加熱シートに付着するか、加熱ピンまたは加熱シートを追って喫煙装置内に入るため、喫煙装置の清掃が非常に困難になる。喫煙装置内にエアロゾル発生物が長期間蓄積されると、喫煙装置の破損につながりやすく、ひいては消費者に損失を与えることになる。先行技術における上記問題の解決策は、カートリッジの喫煙装置の端を封止シートで覆うか、加熱シートまたは加熱ピンの通路を有するプラグで封止することである。
【0005】
電磁誘導加熱を使用する場合、喫煙装置内の電磁コイルを設置し、カートリッジ内のエアロゾル形成基材と直接物理的に接触する受容器をあらかじめ設置する必要がある。誘導源は交番電磁界を発生させる。カートリッジが喫煙装置に挿入されると、交番電磁界が受容体に熱を誘導して渦電流および/またはヒステリシス損失を発生させ、受容体自体が加熱されてエアロゾル形成基材を加熱し、それによって使用者が吸入するエアロゾルを生成する。この加熱方法では、インダクタはカートリッジに内蔵されているため、押し込んだり引き出したりする問題はないが、既存受容体は、エアロゾル発生物の中心に設置された金属シート、またはカートリッジの内筒壁に沿って設置されたコイルである。金属シート加熱の場合、熱はインダクタから放射され、製品の中心から周囲へと徐々に移動する。その移動過程で、熱は徐々に失われる。この場合、中心部のエアロゾル発生物と周縁部のエアロゾル発生物が受ける熱量が同じでないため、加熱が極めて不均一になり、エアロゾル発生物の中心部が過熱され、周縁部が加熱不足になるという現象が生じやすい。コイル加熱の場合、金属シー加熱の場合とは逆に、熱はまず外周方向のエアロゾル発生物に加えられ、その後徐々に中心部に伝達され、伝達の過程で熱が徐々に失われる。この場合、中心部のエアロゾル発生物と周縁部のエアロゾル発生物に加わる熱量が同じでないため、加熱ムラが生じ、エアロゾル発生物の中心部に加わる熱量が不足し、周縁部に加わる熱量が過剰になるという現象が生じやすい。
【0006】
喫煙装置の構造によって、電気加熱に適した現行電子タバコカートリッジと電磁誘導加熱に適した電子タバコカートリッジは構造上それぞれ異なる。即ち、現行電気加熱用喫煙装置カートリッジは電磁式加熱喫煙装置に適合させることができず、電磁加熱用喫煙装置カートリッジは電気加熱喫煙装置に適合させることができない。電磁誘導加熱には、電気加熱時の挿入・抜去に伴う問題がないため、将来的には電磁誘導加熱が電気加熱に代わる主流になると思われる。しかし、現段階では、消費者のほとんどが電気加熱喫煙装置を使用しており、電磁誘導式喫煙装置を使用している消費者は少数である。この時、一種の喫煙装置しか持っていない消費者が普通に使用できる、両方の喫煙装置に好適する電子タバコカートリッジを提供することが急務となる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明の目的は、従来技術の欠点に対処し、挿入式電気加熱喫煙装置と周囲電磁誘導加熱喫煙装置の両方に好適する電子タバコカートリッジを提供することにある。
<発明に関わる専門用語>
【0008】
本発明で使用する専門用語を以下に説明する。
遠位端:相対的な概念であり、具体的には、使用時に使用者の口元から離れるか、口元に近づかないカートリッジの一端を指す。
近位端:遠位端と対照的に、具体的には、使用中に使用者の口元に接触するカートリッジの一端を指す。
貼着:2つの部品が互いに密接に接触し、2つの部品間の弾性または摩擦によって一方の部品が他方の部品に近づけられる貼り付けること。
接着:接着剤で2つの部品を接合すること。
内筒壁:円筒外壁または外筒壁とは対照的で、特に紙筒からなる包装部材の筒の内筒壁を指す。
シート材:長さが厚さよりはるかに大きくて、一定の幅を持つ材料を指す。その幅は、特定の値であるか、特定の値の範囲内で変動するグラデーションであってもいい。
柱状材料:互いに平行で一致する2つの端面と、その2つの端面を結ぶ曲面で構成される材料を指す。
折り:材料の表面に設定された直線に沿って、材料に連続的に力を加え、材料を斜めに成形する操作を指す。
曲げ:特定の円弧に沿って材料に一定の力を加え、少なくとも1つの円弧部を成形する操作を指す。
可撓性シート材:ある程度の可撓性を持ち、折り曲げや折り畳みなどの変形力にも壊れることなく耐えることができるシート材料を指す。
縦断面:インダクタ形成材料のシート状材料または柱状材料の中心線に囲まれた平面をカートリッジを切断してから形成される断面を指す。
横断面:包装部材の両端面に平行な平面に沿ってカートリッジを切断してから形成される断面を指す。
鋸歯状:歯先が鋸歯のように連続屈曲によって形成された形状を指す。
波状:複数の円弧が連続的に曲げられて結合することによって形成される波線に似た形状を指す。
歯車状:同じ大きさ、同じ形の複数の台形の底を相互に連結することによって形成される歯車に似た形状を指す。
枠形:3本の線分で囲まれ、隣り合う2つの線分の間に直角に設定され、枠に似た形状を指す。
インダクタの高さ:カートリッジの軸方向に沿って、カートリッジ内のインダクタがカバーする最大距離を指す。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明は、以下の技術手段によって達成される:
第1発明:
本発明は、フローガイド部、エアロゾル形成基材部、中空部及びフィルター部が順次包装部材に配置される電子タバコカートリッジに関する。
【0010】
前記包装部材は中空の紙筒である。包装部材の役割はフローガイド部、エアロゾル形成基材部、中空部、フィルター部を包装するものである。包装部材は100~300℃の条件下で加熱しても変形や臭いが発生しない紙材料で作られる。包装部材の長さは25~60mm、包装部材の外筒直径は5.5~8mm、包装部材の厚さは0.05~2mmである。包装部材はロール成形機でプレハブされ、その外筒壁には自身の長さと同等なチップペーパーを包んで、美的な役割や製品情報印刷役割を果たすことができる。
【0011】
前記フローガイド部は、前記包装部材の遠位端に設けられ、包装部材の内筒壁と第1分割部材によって形成される。フローガイド部の役割は、カートリッジが喫煙装置に挿入されたときに、カートリッジの遠位端と喫煙装置の間に一定の空間を形成して、空気流の通路として機能させることである。これにより、カートリッジの遠位端と喫煙装置の内部平面の密接によって生じる大きくて好ましくない吸引抵抗を防止するほか、エアロゾル発生物が加熱されたときに、喫煙装置に含まれるグリース成分が装置内に析出し、装置の汚染につながることを防止することできる。オプションとして、フローガイド部の包装部材の筒壁を貫通する複数の通気孔を開口して、吸引抵抗をさらに減少させ、複数の空気流の通路を提供し、喫煙カートリッジの遠位端からしか空気を供給されない現状を変えることができる。カートリッジのフローガイド部の長さは、0.5~6mm、好ましくは1~4mm、より好ましくは1mmに設計できる。
【0012】
前記第1分割部材は、前記包装部材の内筒壁に貼着または接着され、前記フローガイド部と前記エアロゾル形成基材部を分断する。第1分割部材は、フローガイド部とエアロゾル形成基材部を分断する役割を果たすだけでなく、エアロゾル形成基材を包む又は密封する役割も果たし、エアロゾル形成基材の脱落を防止できる。一方、吸気経路となる微小な空気孔も設けられている。装填を設計する際、貼着方式を採用する場合、第1分割部材と包装部材の内筒壁の接続は密閉されていないため、第1分割部材に空気孔を設けず、通気性の高い成形紙を選択するだけで、吸気経路を設けるという要求を満たすことができる。接着方式を採用する場合、第1分割部材と包装部材部分の内筒壁の間の密封接続が密封される。第1分割部材と包装部材部分の内筒壁の間に隙間がない場合、吸気経路を設けるために、打ち抜く形式を取る必要がある。第1分割部材と包装部材部品の内筒壁の間に隙間がある場合、第1分割部材に空気孔を設ける必要があるかどうかは、実際の状況に応じて判断すればよい。
【0013】
第1分割部材の厚さは、0.1~3μm、好ましくは0.8~2μm、最も好ましくは1.05μmである。
【0014】
前記エアロゾル形成基材部には、エアロゾル形成基材とインダクタとが装填されてある。
【0015】
前記エアロゾル形成基材は、タバコ及び/非タバコから作られた粒子である。前記タバコ粒子は、焙煎、風乾、天日乾燥、白煎り、その他のフレーバータバコのフレークまたはフィラメントを再焙煎後に粉砕および造粒することにより得られる。前記非タバコ粒子は、タバコ以外の植物の根、茎、葉、花、果実または種子を粉砕および造粒することによって得られる。エアロゾル形成基材部の長さは10~20mm、好ましくは12~16mm、より好ましくは15mmである。
【0016】
前記インダクタは、連続シート状または柱状の磁気伝導性材料を1回以上折り曲げて形成される。前記インダクタの縦断面は不完全に閉じた幾何学的形状をしている。インダクタには1つの端と2つの脚部があり、インダクタに閉じた端を端と、開いた2つの側面を脚部と呼ぶ。前記インダクタは、エアロゾル形成基材内に配置され、エアロゾル形成基材に囲まれる。インダクタはエアロゾル形成基材部内で密閉されていない幾何形状を有するので、好ましいインダクタが縦断面を「>」字形状とする場合、エアロゾル形成基材部の内部空間を体積の近い4つのゾーンa、b、c、d(
図12参照)に分割でき、4つのゾーンをまた均質化できる。電磁誘導加熱装置を使用する場合、インダクタの役割は、カートリッジが装置内に挿入された後、装置内の電磁コイルによって発生する交番磁界を感じ、発熱してエアロゾル形成基材を均一に加熱することである。挿入式電気加熱装置を使用する場合、加熱ピンはカートリッジに挿入され加熱を開始するが、エアロゾル形成基材よりも熱伝導率が高いため、インダクタは加熱された後、より均一にエアロゾル形成基材に熱を伝えることができる。加熱方法にかかわらず、インダクタの存在により、エアロゾル形成基材部の全領域においてエアロゾル形成基材に均一に熱を伝えることができるため、より均一な加熱が保証され、加熱効率がさらに向上する。
【0017】
前記中空部は、第2分割部材、包装部材の内筒壁及びフィルター部によって囲まれている。中空部の主な役割は、温度を冷却することである。中空部には、香料粒子や冷却粒子を添加することもできる。カートリッジ内の中空部の長さは5~15mm、好ましくは8~12mm、最も好ましくは10mmである。香料粒子は、多孔質基材に直接担持された香料/フレーバーから作られた粒子、または天然に香料成分を有する他の植物粒子であり、熱を吸収して変形を生じる能力を有する他の無害な材料から作ることもできる。中空部には、必要に応じて冷却要素や濾過要素も設けることができる。冷却要素は、エアロゾル温度をより早く最適な吸引温度まで下げるベンチュリー効果を生み出すために、中空フィルターロッドから選択してもよい。
【0018】
前記第2分割部材は、包装部材の内筒壁に貼着または接着され、前中空部とエアロゾル形成基材部を分断する;前記第2分割部材を設けることにより、エアロゾル形成基材が中空部内に侵入することを防止し、エアロゾル形成基材を包装又は密封する役割を果たす。第2分割部材には、第1分割部材と同様に、エアロゾルの通路として微小な空気孔が設けられている。装填を設計する際、貼着方式を使用する場合、第2分割部材と包装部材の内筒壁が密封されていないので、第2分割部材は空気穴のないものを選択できる。空気吸入経路を提供する要求を満たすために、高透過性の成形紙のみを選択してもよい。第2分割部材と包装部材の内筒壁の間が接着密封されている場合、空気孔を形成してエアロゾルの通路を提供するために、パンチの形を取る必要がある。第1分割部材と包装部材内筒壁の間に隙間がある場合、第1分割部材に空気孔を設ける必要があるかどうかは、実際の状況に応じて判断すればよい。
【0019】
第2分割部材の厚さは、0.1~3μm、好ましくは0.8~2μm、最も好ましくは1.05μmである。
【0020】
前記第1分割部材及び前記第2分割部材は、可撓性シート材である。可撓性シート材は、3000CU~20000CUの高透明成形紙、パンチ紙、パンチアルミ箔、パンチアルミ箔紙、パンチ耐高温プラスチックフィルム、パンチシリコーンシート、パンチゲルシート、パンチポリ乳酸シートのいずれかである。第1分割部材および第2分割部材の縦断面は、いずれも「]」状または「[」状である。前記第1分割部材及び前記第2分割部材は、前記カートリッジの軸方向に沿って、「][」、「[]」、「]]」、及び「[[」の4形態で設けられる。好ましくは「]]」態様である。
【0021】
前記フィルター部は、前記包装部材の近位端に設けられ、該フィルター部は、エアロゾルを濾過及び冷却できる材料で作られる。フィルターの主な役割は、エアロゾルを冷却し濾過することである。フィルターは、アセテート繊維またはPLA繊維で作られてもよい。
【0022】
フィルターは、単一の中実フィルターロッド、または中実フィルターロッドと中空フィルターロッドの組み合わせで構成できる。フィルターが単一の中実フィルターロッドで形成されている場合、フィルターロッドの長さは5~20mm、好ましくは6~12mm、最も好ましくは10mmである。フィルターが中実フィルターロッドと中空フィルターロッドの組み合わせによって形成される場合、組み合わされたフィルターの長さは10~20mm、好ましくは18mmであり、中実フィルターロッドの長さは10mmであり、中空フィルターロッドの長さは8mmである。
【0023】
前記中空フィルターロッドには、香りを高める役割を果たすポッピングビーズを設けることもできる。
【0024】
好ましくは、前記インダクタは、連続磁気伝導性材料を所定の折り曲げ線に沿って1回折り曲げたものである。前記折り曲げ線は、磁気伝導性材料の長さ方向の1/2に位置し、折り曲げ後に形成されるインダクタの縦断面は「>」字状になる。
【0025】
好ましくは、前記インダクタは、一旦曲げられた連続的な磁気伝導性材料から作られ、前記インダクタは、」「U」字形の縦断面を有する。この形態では、インダクタは、インダクタの両脚部に外向きに折り曲げた突起部を設けることもできる。これによって、インダクタは包装部材の内筒壁に支持される。
【0026】
ある。前記包装部材の内筒直径の50%~100%の直径を有する。この形態を用いる場合、インダクタの2つの脚部に、外側に折り曲げて形成された突起部を設けることも可能であり、この突起部によってインダクタが包装部材の内筒壁に支持される。
【0027】
好ましくは、前記インダクタは、連続的な磁気伝導性材料を2回折り曲げたものであり、前記インダクタの縦断面は、枠の形状をしている。
【0028】
好ましくは、前記インダクタは、奇数回折り曲げた連続磁気伝導性材料で作られ、前記奇数は≧3である。
【0029】
前記端は、鋸歯状または波状の縦断面を有し、前記脚部は、「8」または「II」形状の縦断面を有する。
【0030】
インダクタは、上述した構造の態様にかかわらず、インダクタに支持部を設けてもよい。
【0031】
前記支持部は、2つの脚部の端をインダクタの開口方向外方に折り曲げさせることにより形成され、2つの支持部の最外端は、包装部材の内筒壁に支持される。最も好ましくは、支持部は脚部に対して鈍角に設定される。直角や鋭角に設定しても同様の効果が得られる。さらに、好ましくは、支持部と脚部を円弧のR角によって滑らかに連結できる。
【0032】
上記支持部及び突起部の設定は、主にインダクタと包装部材内筒壁の接触面積を小さくすることで、伝熱過程で支持部が発熱した際に紙製の包装部材が過熱され、包装部材が焦げて臭いが発生するという事態の発生を抑えることを目的としている。また、インダクタが包装部材内で位置ずれしないように安定して支持でき、インダクタの面積をさらに大きくできるので、放熱面積を大きくして伝熱効率を向上させる役割を果たすことができる。
【0033】
ある場合、インダクタの曲面は、包装部材の内筒壁に当接し、支持の役割を果たすことができる。また、この構造のインダクタにさらに突起部を設けた場合には、この突起部によってインダクタが包装部材の内筒壁に支持されるように、突起部も支持の役割を果たすことができる。いずれの場合も、支持部を設けずに使用することもできるし、支持部を延長して、支持部と突起部や円弧面とが一体となって支持の役割を果たすようにすることもできる。
【0034】
インダクタの縦断面が 「U」字形で、インダクタの2つの脚部に外側に折り曲げた突起部が設けられている場合、インダクタを支持部なしで支持することも、支持部を延長して支持部と突起部または円弧面を一緒に支持の役割を果たすように支持することもできる。
【0035】
インダクタの構造にかかわらず、インダクタが常にエアロゾル形成基材部に位置するように、インダクタの高さはエアロゾル形成基材部の長さ以下に設定されている。また、インダクタがエアロゾル形成基材部に安定して支持されるように、インダクタに設けられた2つの脚部の間の最大距離は、包装部材の内筒直径以下とする。本明細書において、2つの脚部の間の最大距離には、インダクタ自体に使用されるシート材の厚さや、柱状材料の直径が含まれる。さらに、インダクタ上の2つの脚部間の最大距離が、包装部材の内筒直径よりも小さい場合には、支持部を設けた方が、積載時に便利である。なぜなら、この場合、インダクタは包装部材に押し込むだけでよく、他の補助支持手段を設けなくても、インダクタは支持部によって支持されるからである。支持部がなくてもインダクタは使用可能であり、同じ機能を果たすが、インダクタを包装部材内に装填する際には、位置決め装置によってインダクタを包装部材内に位置決めし、包装部材内にエアロゾル形成基材を装填する際には、位置決め装置を取り外す必要がある。インダクタの2つの脚部の最大間隔が包装部材の内筒直径に等しい場合、インダクタは包装部材の中に押し込まれ、インダクタの弾性により2つの脚部の一部または端が包装部材の内筒壁に自然に取り付けるため、支持部を設ける必要がない。なお、上記のいずれの場合であっても、突起部を設けるか否かは需要に応じて任意である。
【0036】
好ましくは、前記第1分割部材および第2分割部材は、いずれも、内輪封止部と外輪嵌合部とからなり、前記内輪封止部は、前記エアロゾル形成基材に直接接触し包装部材と一体となってエアロゾル形成基材を包装する役割を果たす。外輪嵌合部は、包装部材を貼着または接着する際に、包装部材の内筒壁に接触する部分を提供する役割を果たす。前記内輪封止部と外輪嵌合部は、一体型可撓性シート材の異なる部分である。前記内輪封止部は、一体型可撓性シート材の中心部分であり、円環状である。前記内輪封止部の直径は包装部材の内筒直径と同じであるか、包装部材の内筒直径に直接かつ限りなく近い。前記外輪嵌合部は、前記内輪封止部以外の前記可撓性シート材と一体の部分である。さらに、前記外輪嵌合部は、前記内輪封止部の外周以外の周縁部に沿う部分であって、折り曲げられて包装部材の内筒壁に貼着又は接着され、平面状又は皺を呈する。
【0037】
さらに、前記外輪嵌合部は、内輪封止部の外周に一体的に取り付けられて円環状、連続鋸歯状、連続波状、連続歯車形状を形成するように、または内輪封止部の外周に部分的に取り付けられて複数の不連続な突出部を形成するように、折り曲げ前に切断されることもある。切断により、外輪嵌合部の体積を減らすほか、可撓性シート材の消費量も減すことができる。
【0038】
さらに、外輪嵌合部を内輪封止部の外周に一体的に取り付けて円環状に形成した場合には、第1又は第2分割部材は、押し込みロッドによって押し込まれた後に皺を有する形態となり、包装部材の内筒壁に貼着又は接着される。
【0039】
さらに、外輪嵌合部を内輪封止部の外周に一体的に取り付けて連続鋸歯状、連続波状又は連続歯車状とする場合、素材の第1又は第2分割部材は、押込みレバーにより押し込まれて包装部材の内筒壁に貼着又は接着された後に皺を有する形態となる場合と、切断時に切り取られる部分の面積の大きさに応じて平坦な状態となる場合とがある。
【0040】
さらに、外輪嵌合部を部分的に取り付けて内輪封止部の外周に複数の不連続な突出部を形成する場合、第1または第2分割部材は、押し込みロッドによって押し込まれた後に切欠部形状となり、包装部材の内筒壁に貼着または接着される。
【0041】
好ましくは、前記第1分割部材の外輪嵌合部は、切断後に形成される連続形状が、包装部材の内側内筒壁に対して、皺になったり、膨らんだり、隙間が残ったりすることなく、平坦に適合する程度に、包装部材の内筒壁に貼着または接着される。
【0042】
好ましくは、前記第2分割部材素材が前記押込みレバーによって前記包装部材内に押し込まれ、所定の位置に貼着又は接着される際に、前記押込みレバーの表面に軸方向に沿って設けられた多数の溝が任意に設けられる。第2分割部材が全体として包装部材に押し込まれる過程で、外輪嵌合部上の余剰部分は皺を形成していたはずであるが、溝の存在により、これらの余剰部分は、その後、押出力の作用下で溝に入り込む。それにより、溝の作用下で、前記外輪嵌合部と包装部材の内筒壁の間に切欠部が形成される。この切欠部は、貼着によるものであれ、接着によるものであれ、常に存在する可能性がある。この切欠部は、吸引抵抗を調整し、通気度を高めるために、ヒュームの流れの通路として使用でき、また、第2分割部材を形成する可撓性シート材のパンチの数を回避または減少させることを可能にできる。
【0043】
好ましくは、前記インダクタの脚部の端は、第1分割部材に向かって設けられる。前記の端は、第2分割部材に向かって設けられている。この構造のカートリッジは、抵抗式または電磁式外周加熱喫煙装置、および抵抗式または電磁外周式加熱喫煙装置に汎用できる。挿入式加熱喫煙装置が使用される場合、インダクタの両脚部の間の開口部は、加熱ピンまたは加熱シートをエアロゾル発生物に挿入するために使用できる。このときインダクタは、熱をエアロゾル発生物の隅々までより均一に分布させるための熱伝達媒体として使用できる。電磁式外周加熱喫煙装置が使用される場合、インダクタはエアロゾル発生物に熱を供給する熱発生器として作用し、またそれ自体で発生した熱がエアロゾル発生物により均等に伝わるようにして加熱効率を向上させることができる。
【0044】
前記インダクタは、第1分割部材に設置される。前記脚部の端は、前記第2分割部材に設置される。この構造のカートリッジは、抵抗式または電磁外周式加熱喫煙装置にのみ使用される。インダクタは発熱体として喫煙装置に熱を供給する同時に、自ら発生した熱をより均一に喫煙装置に伝達できるようにし、加熱効率を向上させる。
【0045】
好ましくは、前記フィルター部は、中実フィルターロッド単独又は中実フィルターロッドと中空フィルターロッドの組合せからなり、中空フィルターロッドと中実フィルターロッドとは密接に接続されていてもいなくてもよい。前記中空フィルターロッドは、少なくとも1つのエアロゾル通路を備える。エアロゾル通路の横断面の総面積は、包装部材の横断面の総面積の30%~90%である。
【0046】
好ましく、フィルター部は、中実フィルターロッドと中空フィルターロッドの組み合わせである。中空フィルターロッドは、中空部に近いフィルターの側面に設けられる。この時、中空フィルターロッドのエアロゾル通路の存在により、エアロゾル通路を通ってフィルター部のエアロゾルがベンチュリー効果を発生させて温度を急速に低下させ、中空フィルターロッドの冷却後、エアロゾルは次に中実フィルターロッドに入って温度をさらに低下させ、濾過して使用者が吸入するため、使用者が煙を吸入する時に口の中が熱くなることはない。
【0047】
フィルター部が中実フィルターロッドのみで構成されている場合、エアロゾルの冷却効果を確保するために中空部に冷却要素をさらに追加でき、エアロゾルの濾過効果を確保するために中空部に濾過要素を追加できる。冷却要素と濾過要素は、従来技術における成熟した解決策であり、ここでは繰り返さない。
【0048】
前記磁気伝導性材料は、電磁エネルギーを熱に変換できる材料である。具体的には、常磁性または強磁性金属または金属合金、好ましくは、鉄-ニッケル合金、マンガン-亜鉛フェライト材料、ニッケル-亜鉛フェライト材料、コバルト合金、純鉄またはステンレス鋼である。前記コバルト合金は、好ましくは、コバルト基高温合金、希土類コバルト硬磁性合金またはタングステン-コバルト合金である。前記ステンレス鋼は、好ましくは、マルテンサイト鋼、フェライト鋼、オーステナイト鋼またはオーステナイト-フェライト(二相)ステンレス鋼である。
【0049】
前記磁気伝導性材料のシートは0.5-4mmの幅と0.01-0.2mmの厚さを有し、前記磁気伝導性材料の柱は0.05-2mmの直径を有する。
【0050】
第2発明:
本発明、以下の手順によって製造される電子タバコカートリッジ用のインダクタに関する。
【0051】
連続シート状磁気伝導性材料または円柱状磁気伝導性材料を選択し、シート状磁気伝導性材料の幅および厚さ、または円柱状磁気伝導性材料の直径が要件を満たすかどうかを判断する。要件を満たさないものは、材料加工によって要件を満たす材料にする。具体的な要件としては、シート状磁気伝導性材料の幅は0.5~4mm、厚みは0.01~0.2mm。前記柱状の磁気伝導性材料の直径は0.05~2mmである。
【0052】
シート状の磁気伝導性材料を使用する場合、磁気伝導性材料の幅を一定の範囲内で滑らかにテーパ状にし、磁気伝導性材料の2つの長辺が連続鋸歯状、連続波状又は連続歯車状となるようにしてもよい。また、磁気伝導性材料の2つの長辺に、円弧状または矩形状の複数の溝を一様に設けてもよい。
【0053】
柱状磁気伝導性材料を使用する場合は、磁気伝導性材料の表面に切削加工により連続糸状を形成してもよい。あるいは、磁気伝導性材料に複数の円形または矩形の溝を設けてもよい。
【0054】
連続磁気伝導性材料は所定の長さに切断される。所定の長さは、使用されるカートリッジのエアロゾル形成基材部の長さに応じて設定され、通常、エアロゾル形成基材部の長さの1.5~4倍である。
【0055】
切断後に得られた磁気伝導性材料は金型内に配置され、少なくとも1回折り曲げさせることにより、所定の形状のインダクタを製作する。前記インダクタの縦断面は不完全に閉じた幾何学的形状をしていて、1つの端と2つの脚部がある。インダクタに閉じた端を端と、開いた2つの側面を脚部と呼ぶ。
【0056】
また、製作されたインダクタの2つの脚部の端は、インダクタの開口方向外側に折り曲げて支持部を形成してもよく、2つの脚部をインダクタの開口方向外側に折り曲げて形成した突起部を設けてもよく、支持部または突起部の両方を設けてもよい。
【0057】
製作されたインダクタが包装部材に装填されるとき、インダクタは装填装置によってカートリッジの包装部材に装填され、インダクタはインダクタの2つの脚部、2つの支持部、または2つの突起部の間の最も広いところが包装部材の内筒壁に取り付けられ、エアロゾル形成基材がインダクタを取り囲むように包装部材に装填される。前記装填装置は、好ましくは押し込み式装填装置であり、遠位端から押し込むか、近位端から押し込むかを選択できる。
【0058】
本発明で言及されていないその他の要素は、第1発明と同様であり、ここでは繰り返さない。
【0059】
第3発明:
本発明は、フローガイド部、エアロゾル形成基材部、中空部及びフィルター部が順次包装部材に配置される電子タバコカートリッジに関する。
【0060】
前記包装部材は中空の紙筒である。包装部材の役割はフローガイド部、エアロゾル形成基材部、中空部、フィルター部を包装するものである。包装部材は100~300℃の条件下で加熱しても変形や臭いが発生しない紙材料で作られる。包装部材の長さは25~60mm、包装部材の外筒直径は5.5~8mm、包装部材の厚さは0.05~2mmである。包装部材はロール成形機でプレハブされ、その外筒壁には自身の長さと同等なチップペーパーを包んで、美的な役割や製品情報印刷役割を果たすことができる。
【0061】
前記フローガイド部は、前記包装部材の遠位端に設けられ、包装部材の内筒壁と第1分割部材によって形成される。フローガイド部の役割は、カートリッジが喫煙装置に挿入されたときに、カートリッジの遠位端と喫煙装置の間に一定の空間を形成して、空気流の通路として機能させることである。これにより、カートリッジの遠位端と喫煙装置の内部平面の密接によって生じる大きくて好ましくない吸引抵抗を防止するほか、エアロゾル発生物が加熱されたときに、喫煙装置に含まれるグリース成分が装置内に析出し、装置の汚染につながることを防止することできる。オプションとして、フローガイド部の包装部材の筒壁を貫通する複数の通気孔を開口して、吸引抵抗をさらに減少させ、複数の空気流の通路を提供し、喫煙カートリッジの遠位端からしか空気を供給されない現状を変えることができる。カートリッジのフローガイド部の長さは、好ましくは0.5~24mm、より好ましくは1mmに設計できる。
【0062】
前記第1分割部材は、前記包装部材の内筒壁に貼着または接着され、前記フローガイド部と前記エアロゾル形成基材部を分断する。第1分割部材は、フローガイド部とエアロゾル形成基材部を分断する役割を果たすだけでなく、エアロゾル形成基材を包む又は密封する役割も果たし、エアロゾル形成基材の脱落を防止できる。一方、吸気経路となる微小な空気孔も設けられている。装填を設計する際、貼着方式を採用する場合、第1分割部材と包装部材の内筒壁の接続は密閉されていないため、第1分割部材に空気孔を設けず、通気性の高い成形紙を選択するだけで、吸気経路を設けるという要求を満たすことができる。接着方式を採用する場合、第1分割部材と包装部材部分の内筒壁の間の密封接続が密封される。吸気経路を設けるために、打ち抜く形式を取る必要がある。第1分割部材の厚さは0.1~3μm、好ましくは0.8~2μm、最も好ましくは1.05μmである。
【0063】
前記エアロゾル形成基材部には、エアロゾル形成基材が装填されてある。前記エアロゾル形成基材は、タバコ及び/非タバコから作られた粒子である。前記タバコ粒子は、焙煎、風乾、天日乾燥、白煎り、その他のフレーバータバコのフレークまたはフィラメントを再焙煎後に粉砕および造粒することにより得られる。前記非タバコ粒子は、タバコ以外の植物の根、茎、葉、花、果実または種子を粉砕および造粒することによって得られる。エアロゾル形成基材部の長さは10~20mm、好ましくは12~16mm、より好ましくは13mmである。
【0064】
前記中空部は、第2分割部材、包装部材の内筒壁、フィルターによって囲まれている。中空部の役割は主に温度を冷却することである。中空部には香料粒子を添加することもできる。カートリッジ内の中空部の長さは5~15mm、好ましくは8~12mm、最も好ましくは10mmである。香料粒子は、フレーバー/香料から直接作られた粒子、または香料成分を担持した他の粒子である。また、必要に応じて中空部に冷却要素や濾過要素を設けることもできる。前記第2分割部材は、包装部材の内筒壁に嵌合または接着され、中空部とエアロゾル形成基材部を分断する。前記第2分割部材は、エアロゾル形成基材部を前記中空部から分断し、エアロゾル形成基材部が前記中空部に進入するのを防止する。これにより、エアロゾル形成基材部を包装又は密封する。第1分割部材と同様に、第2分割部材にはエアロゾル通路として微小な空気孔が設けられている。装填を設計するとき、貼着の場合、第2分割部材と包装部材の内筒壁は密閉されていないので、第2分割部材は空気穴のないものを選択でき、吸気経路を設けるという要求を満たすために、通気性の高い成形紙のみを使用してもよい。接着の場合、第2分割部材と内筒壁の包装部材を密封接続する。この時、エアロゾルの通路を確保するため、打ち抜き方式を採用する必要がある。第2分割部材の厚さは0.1-3μm、好ましくは0.8-2μm、最も好ましくは1.05μmである。
【0065】
可撓性シート材は、3000CU~20000CUの高透明成形紙、パンチ紙、パンチアルミ箔、パンチアルミ箔紙、パンチ耐高温プラスチックフィルム、パンチシリコーンシート、パンチゲルシート、パンチポリ乳酸シートのいずれかである。第1分割部材および第2分割部材の縦断面は、いずれも「]」状または「[」状である。前記第1分割部材及び前記第2分割部材は、前記カートリッジの軸方向に沿って、「][」、「[]」、「]]」、及び「[[」の4形態で設けられる。好ましくは「]]」態様である。
【0066】
前記フィルター部は、前記包装部材の近位端に設けられ、該フィルター部は、エアロゾルを濾過及び冷却できる材料で作られる。フィルターの主な役割は、エアロゾルを冷却し濾過することである。フィルターは、アセテート繊維またはPLA繊維で作られてもよい。フィルターの長さは5~20mm、好ましくは8~12mm、最も好ましくは10mmである。前記フィルター部は、エアロゾルを濾過及び冷却できる材料で作られ、包装部材の近位端に設けられる。前記フィルター部は、中実フィルターロッド単独、または中実フィルターロッドと中空フィルターロッドの組み合わせからなり、中空フィルターロッドと中実フィルターロッドとは密接に連結されていてもいなくてもよい。前記中空フィルターロッドは、少なくとも1つのエアロゾル通路を備え、エアロゾル通路の横断面の総面積は、包装部材の横断面の総面積の30%~90%である。
【0067】
上記構造の電子タバコカートリッジは、インダクタを備えていないため、抵抗式または電磁挿入式喫煙装置の使用にのみ適している。
【0068】
喫煙装置の電磁式外周加熱に必要な場合、上記カートリッジ構造のエアロゾル形成基材部にインダクタを設けることもできる。このインダクタは、磁気伝導性材料の連続シートまたはカラムを折り曲げさせた閉じた幾何学的構造体である。前記インダクタは、エアロゾル形成基材内に配置され、エアロゾル形成基材によって取り囲まれる。前記幾何学的構造は、楕円形、長方形、三角形、または他の不規則な閉ループ構造である。インダクタは閉じた幾何学的構造を有するため、金型による一括成形も可能である。
【0069】
インダクタのため、カートリッジは電磁式外周加熱喫煙装置に使用できる。インダクタは閉じた形状として設計されているため、カートリッジが抵抗加熱または電磁挿入中心加熱によって加熱される場合、加熱ピンまたは加熱シートがカートリッジ内に挿入されることはない。従って、これらのカートリッジは外周式加熱喫煙装置にのみ適しており、挿入式加熱喫煙装置には適していない。
【0070】
前記磁気伝導性材料は、電磁エネルギーを熱に変換できる材料である。具体的には、常磁性または強磁性金属または金属合金、好ましくは、鉄-ニッケル合金、マンガン-亜鉛フェライト材料、ニッケル-亜鉛フェライト材料、コバルト合金、純鉄またはステンレス鋼である。前記コバルト合金は、好ましくは、コバルト基高温合金、希土類コバルト硬磁性合金またはタングステン-コバルト合金である。前記ステンレス鋼は、好ましくは、マルテンサイト鋼、フェライト鋼、オーステナイト鋼またはオーステナイト-フェライト(二相)ステンレス鋼である。前記磁気伝導性材料のシートは0.5-4mmの幅と0.01-0.2mmの厚さを有し、前記磁気伝導性材料の柱は0.05-2mmの直径を有する。
【0071】
前記第1分割部材と前記第2分割部材は共に内輪封止部と外輪嵌合部品から構成される。前記内輪封止部と前記外輪嵌合部は、一体型可撓性シート材の異なる部分である。前記内輪封止部は、一体型可撓性シート材の中心であり、円環状である。前記内輪封止部の直径は前記包装部材の内筒直径と同じである。前記外輪嵌合部は、前記一体型可撓性シート材の前記内輪封止部以外の部分である。可撓性シート材は、3000CU~20000CUの高透明成形紙、パンチ紙、パンチアルミ箔、パンチアルミ箔紙、パンチ耐高温プラスチックフィルム、パンチシリコーンシート、パンチゲルシート、パンチポリ乳酸シートのいずれかである。
【0072】
本発明において、インダクタの設定方法及びそのインダクタの具体的形状が第1発明と異なるほか、その他の不特定部分は第1発明と同様であるので、ここでは繰り返さない。
【0073】
本発明のインダクタは、以下の手段により製造される:
連続シート状磁気伝導性材料または円柱状磁気伝導性材料を選択し、シート状磁気伝導性材料の幅および厚さ、または円柱状磁気伝導性材料の直径が要件を満たすかどうかを判断する。要件を満たさないものは、材料加工によって要件を満たす材料にする。具体的な要件としては、シート状磁気伝導性材料の幅は0.5~4mm、厚みは0.01~0.2mm。前記柱状の磁気伝導性材料の直径は0.05~2mmである。
【0074】
シート状の磁気伝導性材料を使用する場合、磁気伝導性材料の幅を一定の範囲内で滑らかにテーパ状にし、磁気伝導性材料の2つの長辺が連続鋸歯状、連続波状又は連続歯車状となるようにしてもよい。また、磁気伝導性材料の2つの長辺に、円弧状または矩形状の複数の溝を一様に設けてもよい。
【0075】
柱状磁気伝導性材料を使用する場合は、磁気伝導性材料の表面に切削加工により連続糸状を形成してもよい。あるいは、磁気伝導性材料に複数の円形または矩形の溝を設けてもよい。
【0076】
連続磁気伝導性材料は所定の長さに切断される。所定の長さは、使用されるカートリッジのエアロゾル形成基材部の長さに応じて設定され、通常、エアロゾル形成基材部の長さの1.5~4倍である。
【0077】
切断後に得られた磁気伝導性材料は、金型に入れられ、折り曲げさせることによってインダクタの所定の形状にされる。製作されたインダクタの磁気伝導性材料の端は、密に接合され、閉じた幾何形状を形成する。
【0078】
使用時、製作されたインダクタを装填装置でカートリッジの包装部材に装填し、インダクタを完全に取り囲むようにエアロゾル形成基材を包装部材に装填する。前記装填装置は好ましくは押し込み式である。装填は遠位端または近位端のいずれかから行うことができる。前記押し込み式装填装置は、装填中に前記インダクタが変形しないように注意しなければならない。
【発明の効果】
【0079】
先行技術と比較して、本発明は以下の有益な効果を有する:
1、本発明において、電子タバコ用カートリッジの様々な構造が開示されている。その中で、第1の発明は、抵抗式又は電磁挿入式中央加熱喫煙装置及び抵抗式または電磁外周式加熱喫煙装置に普遍的に適用可能な電子タバコの煙カートリッジの構造を開示する。この構造のカートリッジ内のインダクタは、閉鎖端と開放端の形態であり、開放端はカートリッジの遠位端に向かって設けられている。挿入式加熱喫煙装置を採用する場合、喫煙装置の加熱片または加熱ピンは、妨げられることなく、開口部からエアロゾル形成基材内にスムーズに挿入できる。このとき、インダクタはヒートシンクとして機能し、熱をよりよく伝えることができる;外周式加熱喫煙装置を採用する場合、インダクタは電磁エネルギーを誘導して熱を発生させ、喫煙装置を加熱する加熱素子として機能する。本発明は、現行カートリッジが挿入式加熱と外周式加熱喫煙装置に共通できない技術課題を解決し、使用者が常に喫煙装置製品を切り替えなければならないことによる不便を回避できる。
2、本第1の発明において、インダクタは特定の構造形態に設計される。好ましい構造が「>」字形状である場合、インダクタはエアロゾル形成基材部においてエアロゾル形成基材を近接した大きさの4つの領域に分割し、各領域のエアロゾル形成基材はインダクタから伝達される熱をより均一に得られる。その結果、エアロゾル形成基材はより均一に加熱され、炭化がより十分に行われる。
3、本第1発明において、インダクタの開放端をカートリッジの近位端に向けて設置するための技術的解決策も開示されている。この技術的解決策は、抵抗式または電磁外周式加熱喫煙装置に適している。
4、本第1発明および第3発明において、フローガイド部が開示されている。フローガイド部を設けることにより、カートリッジが喫煙装置に挿入されると、カートリッジの遠位端と喫煙装置の間に一定の空間が形成され、空気通路として機能することにより、カートリッジの遠位端面と喫煙装置の内部平面の密接な接触による大きく不利な吸引抵抗を防止するほか、喫煙装置が加熱されたときに、喫煙装置に含まれるグリース成分が装置に析出し、装置を汚染することも防止できる。また、フローガイド部の包装部材の筒壁に、筒壁を貫通して多数の通気孔を開口して、吸引抵抗をさらに低減し、複数の通気路を設けて、カートリッジの遠位端からしか吸入できない現行カートリッジの難題も解決できる。
5、本発明において、第1分割部材と第2分割部材を設けることにより、喫煙装置を包装して閉じ込める。第1分割部材の可撓性シート材の面積は、包装部材の紙管端面の面積よりも大きく、筒状のプッシャーで押し込むことにより紙管内に固定され、貼着や接着により包装部材内に設置される。従来のカートリッジの遠位端面に直接シールシートを貼り付ける方法と比較すると、より速く、より便利で、より確実であり、包装部材の端面に局所的なシール不良が発生しないほか、フローガイド部のスペースも確保できる。第2分割部材の材料は、シート状の柔軟な材料によって設定され、カートリッジの構造において、プラスチック、シリコーン、ポリ乳酸またはアセテートからなる現行の分割部材に取って代わる。それにより、製造加工コストが極めて低くなり、吸引抵抗の制御が容易になる。さらに重要なことは、分割部材に紙素材を使用する場合、環境保護の要件を満たすことができる。
6、本第1発明において、第2分割部材を装填する際、押し込みロッドの表面に軸線方向に多数の溝を設けることができる。第2分割部材を全体として包装部材に押し込む過程で、外輪嵌合部の余剰部分には皺が形成されていたはずであるが、これらの余剰部分は、その後、押出力の作用下で溝に入り込む。それにより、溝の作用下で、前記外輪嵌合部と包装部材の内筒壁の間に切欠部が形成される。その切欠部は、貼着でも接着でも、常に存在できる。この切欠部は、吸引抵抗を調整し通気性を高めるためのエアロゾル通路として使用でき、また、第2分割部材を形成する可撓性シート材のパンチ数を回避または減少させることができる。
7、本第1の発明において、インダクタの様々な構造が開示されている。前記インダクタは、支持部と突起部を設けることにより、インダクタがずれないように支持部の安定性を高めるだけでなく、発熱面積を大きくでき、熱伝導の効率を向上させることができる。
8、本本第2発明において、本発明のインダクタの加工・製造方法も開示されている。この方法は簡便であり、大規模な工業生産を容易にすることができる。
9、本第3発明において、シート状又はピンの挿入加熱喫煙装置にのみ適用可能な電子タバコ用喫煙装置カートリッジの構造も開示されている。この喫煙装置カートリッジの構造は、フローガイド部を備え、プラスチックまたはシリコーンからなる既存の分割部材の代わりに可撓性シート材料を使用するものであり、製造効率が高く、製造コストが非常に低く、環境保護の要件を満たすことができる。また、喫煙装置の電磁式外周加熱にのみ使用される電子タバコ用喫煙装置カートリッジの構造も開示されている。この構造のインダクタボディは閉じた幾何学的構造であり、熱伝達の均一性をさらに確保し、熱伝達効率をさらに向上させることができる。
10、本発明において、第1分割部材及び第2分割部材は、いずれも内輪封止部と外側環状埋込部分とからなる。内輪封止部と外輪嵌合部とは、一体型可撓性シート材の異なる構成要素である。この構造の分割部材の製造及び加工工程は簡単で安価であり、これにより、カートリッジの加工コストをさらに低減できる。
【図面の簡単な説明】
【0080】
【
図1-11】本発明の電子タバコカートリッジの構造を示す概略図である。
【
図12】エアロゾル形成基材部が均等に分割された本発明の構造を示す概略図である。
【
図13-21】本発明のインダクタの縦断面を示す概略図である。
【
図22】第1の分割部材または第2分割部材の構造を示す概略図である。
【
図23】第1分割部材または第2分割部材がカートリッジに設置される態様概略図である。
【
図24-32】本発明のカートリッジが異なる喫煙装置に適合する態様概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0081】
以下、添付図面および実施例を使って、本発明を詳しく説明するが、本発明の請求範囲は実施例によって限定されるものではない。
【0082】
このうち、実施例1-実施例18は、本発明の第1発明の実施形態である。
【0083】
実施例19~実施例21は、本第2発明の実施形態である。
【0084】
実施例22~実施例24は、本第3発明の実施形態である。
【実施例1】
【0085】
図5に示すように、本実施例は、包装部材にフローガイド部、エアロゾル形成基材部、中空部、フィルター部を順次配置してなる電子タバコカートリッジである。前記包装部材は、中空の紙筒である。前記包装部材の長さは25mmであり、前記包装部材の外筒直径は5.5mmであり、前記包装部材の厚さは0.05mmであるため、前記包装部材の内筒直径は5.45mmと計算できる。ここで、フローガイド部の長さを2mm、エアロゾル形成基材部の長さを10mm、中空部の長さを5mm、フィルター部の長さを8mmとする。
【0086】
フローガイド部は包装部材の遠位端に保留され、フローガイド部は包装部材の内筒壁と第1分割部材によって囲まれている。フローガイドの遠位端は開いている。第1分割部材がパーセル内に挿入されると、フローガイド部が自然に形成される。前記第1分割部材は、包装部材の内筒壁に貼着し、フローガイド部とエアロゾル形成基材部を分断する。
【0087】
前記エアロゾル形成基材部はエアロゾル形成基材とインダクタで装填される。前記エアロゾル形成基材はタバコ植物から作られた粒子である。前記タバコ粒子は、焙煎されたタバコから粉砕と造粒によって得られる。製作されたタバコ粒子の粒径は3~5mmである。
【0088】
図13Aに示すように、前記インダクタは、磁気伝導性材料の連続シートを所定の折り曲げ線に沿って一回折り曲げたものである。0.5mmの幅および0.01mmの厚さを有する鉄-ニッケル合金シートの形態の前記シート状の磁気伝導性材料である。前記折り曲げ線は、磁気伝導性材料の長さ方向の1/2に位置し、折り曲げ後に形成されるインダクタの縦断面は、「>」字形状である。
【0089】
インダクタは、鋭利な角部を形成するために曲げられ、端、鋭利な角部の形成のために一端が閉じられ、脚部のために状態の両側が開放されている。前記インダクタは、エアロゾル形成基材内に配置され、エアロゾル形成基材によって取り囲まれている。前記インダクタの端は、前記第2分割部材に近接して設置され、前記2つの脚部の端は、前記包装部材の内筒壁に設置されて支持される;インダクタの高さは8mmで、インダクタの2つの脚部の最大間隔は5.45mmである。シート状磁気伝導性材料は剛性を有し、曲げ加工されたインダクタは変形を復元する弾性力を有し、この弾性力によりインダクタは包装部材の内筒壁に安定して支持される。
図12に示すように、インダクタは、包装部材内のエアロゾル形成基材を4つの領域a、b、c、dに均等に分割しており、各領域のエアロゾル形成基材の量はほぼ同じである。
【0090】
前記中空部は、前記第2分割部材、前記包装部材の内筒壁及び前記フィルター部によって形成される。前記第2分割部材は、包装部材の内筒壁に貼着し、中空部をエアロゾル形成基材部から分断する。中空部は包装部材に確保された空洞である。中空部は緩衝材として機能し、冷却する。特に、加熱されたエアロゾル形成基材によって生成された高温のエアロゾルは、中空部によって形成された長い通路を通過する際に、自然に温度が下がる。
【0091】
冷却の必要性に応じて、冷却要素や中空フィルターロッドを中空部に追加し、冷却をさらに補助することもできる。また、中空部に香料粒子や冷却粒子を装填したり、包装部材の内筒壁に噴霧したりすることもできる。
【0092】
前記フィルター部は、包装部材の近位端に設けられている。フィルターはアセテート繊維製のフィルターロッドであり、煙を濾過して冷却し、エアロゾル形成基材から発生する煙が使用者の吸入に適するようにする役割を果たす。フィルターは、中実のフィルターロッドによって個別に濾過されるように選択されており、その結果、吸引抵抗が低くなっている。
【0093】
第1および第2分割部材はいずれも、内輪封止部と外輪嵌合部を含む。前記内輪封止部は、前記エアロゾル形成基材に直接接触し、前記包装部材とともに、前記エアロゾル形成基材を包装する役割を果たし、前記外輪嵌合部は、前記包装部材を貼着または接着する際に、前記包装部材の内筒壁と接触する部分を提供する役割を果たす。前記内輪封止部と外輪嵌合部は、一体型可撓性シート材の異なる構成要素である。
図22bに示すように、前記内輪封止部は、一体型可撓性シート材の中央部分であり、円環状である。前記内輪封止部の直径は包装部材の内筒直径と同じであるか、包装部材の内筒直径に直接かつ限りなく近い。前記外輪嵌合部は、前記一体可撓性シート材の前記内輪封止部以外の部分である。
【0094】
前記可撓性シート材は、3000CU~20000CUの高透明成形紙から選択される。前記第1分割部材及び前記第2分割部材の縦断面は、いずれも「]」形状である。押し込みロッドによって包装部材に押し込まれた後の包装部材における第1分割部材及び第2分割部材の横断面を
図23cに示す。
【0095】
製造時、100~300℃で加熱しても変形や臭気が生じない紙素材をロール成形機で丸めて包装部材にする。次に、予め切断され形成された第2分割部材を包装部材の遠位端から押し込みロッドを通して包装部材内の指定された位置まで押し込む。次に、曲げて形成されたインダクタを、包装部材の遠位端から押し込み装置を介して包装部材内の指定された位置まで押し込む。準備されたエアロゾル形成基材を装填装置を介して包装部材の遠位端から包装部材内に装填する。エアロゾル形成基材の装填完了後、第2分割部材を包装部材の遠位端からプッシュステムを介して包装部材内の指定位置まで押しこむ。最後に、包装部材内に中空部分が保留された後、フィルターロッドを包装部材の近位端から装填装置を介して包装部材内に装填する。
【0096】
美的要件およびその他の商業的要件に従って、チップペーパーまたは他のステッカーを包装部材の外壁に貼り付けることができる。
【0097】
よりスムーズな接続のために、本実施例においても、インダクタの端には滑らかな接続処理が施されている。 本実施例のカートリッジ内のインダクタの縦断面図を
図13aに示す。本実施例のカートリッジは、電磁誘導式加熱喫煙装置及び挿入電気加熱喫煙装置のいずれにも適用可能である。電磁誘導加熱装置を使用する場合、インダクタの役割は、カートリッジが装置内に挿入された後、装置内の電磁コイルによって発生する交番磁界を感じ、発熱してエアロゾル形成基材を均一に加熱することである。インダクタを「>」形状に設定すると、熱が伝わりやすくなる。挿入式電気加熱装置を使用する場合、加熱ピンはカートリッジに挿入され加熱を開始するが、エアロゾル形成基材よりも熱伝導率が高いため、インダクタは加熱された後、より均一にエアロゾル形成基材に熱を伝えることができる。インダクタを「>」形状に配置することにより、加熱ピンの挿入が容易になり、加熱ピンがカートリッジに挿入される際にインダクタからの抵抗が生じないようになる。加熱方法にかかわらず、インダクタの存在により、エアロゾル形成基材部のa、b、c、dエアロゾル形成基材に均一に熱を伝えることができるため、より均一な加熱が保証され、加熱効率がさらに向上する。
【0098】
より好ましい実施例は、インダクタの脚部の端を曲げることによって支持部分を形成することである(
図13bを参照)。支持部を備えたインダクタは、支持部を介して包装部材の内筒壁に支持できる。
【実施例2】
【0099】
包装部材の長さは60mm、外筒直径は8mm、包装部材の厚さは2mmであるため、包装部材の内筒直径は、6mmと計算できる。ここで、フローガイド部の長さを5mm、エアロゾル形成基材部の長さを20mm、中空部の長さを15mm、フィルター部の長さを20mmとする。
【0100】
エアロゾル形成基材部にはエアロゾル形成基材とインダクタが装填されている。エアロゾル形成基材は非タバコ植物から作られた粒子である。非タバコ植物粒子は、茶葉を粉砕および粒子化することによって得られる。製造されるタバコ粒子のサイズは2~3mmである。
【0101】
前記磁気伝導性材料は直径0.05mmの円柱状マンガン亜鉛フェライト材である。カートリッジ内のインダクタの縦断面図を
図14aに示す。前記インダクタは、1回曲げた後、連続円柱状の磁気伝導性材料でできている。前記インダクタの縦断面は「U」字形で、インダクタの高さは18mm、インダクタの2つの脚部の間の最大距離は3mmである。
【0102】
前記フィルターは、包装部材の基端に配置されている。フィルター部は中実フィルターロッドとアセテート繊維製の中空フィルターロッドを組み合わせている。中実フィルターロッドの長さは11mm、中空フィルターロッドの長さは9mmである。中空フィルターロッド内のエアロゾルチャネルの横断面の総面積は、包装部材の横断面の総面積の30%である。中空フィルターロッドは、フィルターの中空部に近い側に配置される。このとき、中空フィルターロッド内にエアロゾル通路が存在するため、エアロゾルがフィルター内のエアロゾル通路を通過する際にベンチュリー効果が発生し、急激に温度が低下する。フィルターロッドは固体フィルターロッドに挿入され、さらなる処理が行われ、冷却および濾過された後、使用者に供給される。それにより、使用者の口に吸われたエアロゾルはもう熱くなくなる。
【0103】
前記第1分割部材の縦断面は「[」の形状をしている。第2分割部材の縦断面はいずれも「]」形状である。第1分割部材および第2の分割部材は、パンチアルミ箔からなる。
【0104】
図22aに示すように、第1分割部材および第2分割部材の外輪嵌合部は円環状である。押し込みロッドによって包装部材内に押し込まれた後の包装部材内の第1分割部材および第2分割部材の横断面を
図23cに示す。その他は実施例1と同様である。
【0105】
本実施例のインダクタには支持部や突起部が無く、また、インダクタの2つ脚部の間の距離が3mmであるため、本実施例のインダクタを装填する際には、定位機能を備えた押し込みロッドを使用する必要がある。インダクタが包装部材の適当な位置に押し込まれると、エアロゾル形成基材の装填を開始する。装填しながら押し込みレバーを引き抜いて、インダクタの中心軸と包装部材の中心軸を一致させる。また、インダクタの中心軸と包装部材の中心軸が完全に一致していなくても、加熱ピンや追加ピースの挿入に影響を与えない限り、この誤差は許容される。
【実施例3】
【0106】
インダクタの2つの脚部には、外側へ折り曲げて形成された突起部が設けられている。前記突起部は包装部材の内筒壁で支持されるが、このときのインダクタの2つの脚部の最大距離は2つの突起部の頂点間の距離となり、6mmとなる。脚部の端を外側に折り曲げて支持部を形成する。 支持部の最外端の間隔も6mmである。本実施例のカートリッジのインダクタの縦断面図を
図14dに示す。
【0107】
なお、本実施例におけるインダクタは、必要に応じて突起部を設けず、支持部のみを設けてもよい。支持部を折ることによって形成された構造を
図14bに示す。支持部を曲げることによって形成された構造を
図14cに示す。その他は実施例2と同様である。
【実施例4】
【0108】
包装部材の長さは45mm、包装部材の外筒直径は7.1mm、包装部材の厚さは0.1mmであるため、包装部材の内筒直径は7mmであると計算できる。ここで、フローガイド部の長さを0.5mm、エアロゾル形成基材部の長さを10mm、中空部の長さを14.5mm、フィルター部の長さを20mmとする。
【0109】
前記エアロゾル形成基材部にはエアロゾル形成基材とインダクタが装填されている。前記エアロゾル形成基材は非タバコ植物から作られた粒子である。前記非タバコ植物粒子は、キャッサバを粉砕および粒子化することによって得られる。
【0110】
前記インダクタは、1回曲げた連続的な磁気伝導性材料で作られている。前記磁気伝導性材料は、幅4mm、厚さ0.2mmのニッケル亜鉛フェライト材料である。
前記インダクタの縦断面は半円より大きい円弧であるため、インダクタの2つの脚部間の最大距離は円弧の直径になる。前記円弧の直径は包装部材の内筒直径の90%、つまり6.3mmである。インダクタの高さは6mmである。本実施例のカートリッジのインダクタの縦断面図を
図15aに示す。
【0111】
本実施例におけるインダクタの2つの脚部間の最大距離は6.3mmであり、包装部材の内管の直径は7mmである。したがって、装填の際には、位置決め機能を備えた押し込みロッドを使用し、実施例2の押し込みロッドを引き抜きながら装填方法に従って装填する必要がある。
【0112】
本実施例では、第1分割部材および第2分割部材は、いずれもパンチ紙からなる。図 1 に示すように、本実施例における第1分割部材の縦断面は「]」状、第2分割部材の縦断面は、いずれも「[」の形状をしている。
図22cに示すように、第1分割部材と第2分割部材の外輪嵌合部は、複数の連続円弧状に切り込まれており、花のような形状をしている。この構造の分割部材(すなわち、第1分割部材と第2分割部材を含む)を包装部材内に押し込んだ後の、外輪嵌合部が包装部材の内筒壁に存在しないことによって形成される皺を
図23bに示す。この構造により皺が小さくなり、吸引抵抗が軽減される。その他は実施例1と同様である。
【実施例5】
【0113】
インダクタの2つの脚部には、外側に折り曲げられた支持部が設けられている。前記支持部は包装部材の内筒壁に支持されている。このとき、インダクタの2つの脚部間の最大距離は、2つの支持部の端点間の距離であり、7mmとなる。本実施例のカートリッジのインダクタの縦断面図を
図15bに示す。
【0114】
図15cに示すように、本実施例のインダクタには、必要に応じてさらに突起部を設けることができる。突起部の2つの端点間の距離は、包装部材の内筒直径であることが好ましく、7mmとなる。その他は実施例4と同様である。
【実施例6】
【0115】
包装部材の長さは55mm、包装部材の外筒直径は7.5mm、包装部材の厚さは1.2mmであるため、包装部材の内筒直径は6.3mmと計算できる。ここで、フローガイド部の長さを5mm、エアロゾル形成基材部の長さを15mm、中空部の長さを15mm、フィルター部の長さを20mmとする。
【0116】
前記インダクタは、連続円柱状の磁気伝導性材料を2回折り曲げて作られている。
【0117】
前記インダクタの縦断面は枠形であり、インダクタの高さは14mmである。インダクタの2つの脚部間の最大距離は 3.15mm である。本実施例のカートリッジ内のインダクタの縦断面図を
図16aに示す。カートリッジは、
図16aに示すような「枠形」のインダクタを使用する。設置の際はエアロゾル形成基材を装填しながら押し込みロッドを引き出す必要がある。インダクタをより良く支持するために、インダクタの脚部の両端に支持部を折り曲げて形成してもよい。
図16bに示すように、2つの支持部分の最外端間の距離は6.3mmである。
【0118】
本実施例では、第1分割部材はパンチアルミ箔紙からなり、第2分割部材はパンチ紙からなる。
【0119】
このうち、第1分割部材は、
図22dに示すように、パンチアルミ箔紙を複数の鋭角を有する形状に切り出し、その鋭角部が外輪嵌合部となる。鋭角部は内輪封止部まで完全に切断されておらず、第2分割部材は、
図22gに示すように、複数の鋭い角を有する形状に切断される。鋭角部は外輪嵌合部であり、この鋭角部は内輪封止部まで完全にせん断されており、隣接する2つの鋭角部の間には連続性がない。
【0120】
本実施例における第1分割部材は、包装部材内に貼着して配置されている。第2の分割構成要素は、接着によって包装部材内に配置される。前記第1分割部材は押し込みロッドを通して包装部材内に押し込まれた後の横断面を
図23dに示す。第2分割部材は押し込みロッドを通して包装部材内に押し込まれた後の横断面を
図23aに示す。その他は実施例1と同様である。
【実施例7】
【0121】
包装部材の長さは50mm、包装部材の外筒直径は6.6mm、包装部材の厚さは0.1mmであるため、包装部材の内筒直径は6.4mmであると計算できる。ここで、フローガイド部の長さを5mm、エアロゾル形成基材部の長さを15mm、中空部の長さを12mm、フィルター部の長さを18mmとする。
【0122】
前記インダクタは、奇数回曲げられた後の連続的な磁気伝導性材料でできており、奇数は 3 である。
図18aに示すように、前記端の縦断面は鋸歯状、脚部の縦断面は「II」状、インダクタの高さは14mm、インダクタの2つの脚部間の最大距離は3.2mmである。
【0123】
図18aに示すインダクタを採用したカートリッジの場合、装着時に押し込みロッドを引き抜きながらエアロゾル形成基材を装填する必要があるため、定位可能な押し込みロッドを使用する必要がある。
【0124】
本実施例では、第1分割部材および第2分割部材は、いずれもパンチシリコーンシートからなる。写真2に示すように、本実施例における第1分割部材の縦断面形状は「[」形状である。第2分割部材の縦断面は、いずれも「[」の形状をしている。
図22eに示すように、第1分割部材および第2分割部材の外輪嵌合部は、複数の連続台形に切り込まれており、隣り合う2つの台形は繋がっておらず、歯車に近い形状となっている。第1分割部材および第2分割部材が押し込みロッドによって包装部材内に押し込まれた後、包装部材の横断面は、
図23aに示すように滑らかで平坦な構造を有する。
【0125】
前記フィルター部は、包装部材の基端に配置されている。フィルター部はアセテート繊維製の中実フィルターロッドと中空フィルターロッドを組み合わせたもので、中実フィルターロッドの長さは10mm、中空フィルターロッドの長さは8mmである。中空フィルターロッド内のエアロゾルチャネルの横断面の総面積は、包装部材の横断面の総面積の50%である。中空フィルターロッドは、フィルターの中空部に近い側に配置される。このとき、中空フィルターロッド内にエアロゾルチャンネルが存在するため、エアロゾルがフィルター部のエアロゾル通路を通過すると、ベンチュリー効果が発生して温度が急速に下がり、中空フィルターロッドで冷却されたエアロゾルは固体フィルターロッドに入り、さらに冷却され、ろ過されてから、フィルター部に供給される。それにより、使用者の口中に入ったエアロゾルが熱くなくなる。その他は実施例1と同様である。
【実施例8】
【0126】
前記脚部の縦断面は「八」の字型で、インダクタの2つの脚部間の最大距離は6.4mmである。本実施例のカートリッジのインダクタの縦断面図を
図17aに示す。その他は実施例7と同様である。
【実施例9】
【0127】
前記インダクタは、奇数回曲げられた後の連続的な磁気伝導性材料で作られている。前記奇数は5であり、形成されたインダクタの縦断面構造は
図17bに示す。本実施例におけるインダクタの2つの脚部間の最大距離が6.4mm未満の場合には、必要に応じて支持部を設けてもよい。支持部は、2つの脚部の端をインダクタの開口方向の外側に向けて折り曲げることによって形成される。2つの支持部の最外端は、包装部材の内筒壁に支持されている。具体的な構造を
図17cに示す。他は実施例8と同様である。
【実施例10】
【0128】
前記インダクタは、奇数回曲げられた後の連続的な磁気伝導性材料で作られている。前記奇数は5で、形成されたインダクタの縦断面の構造を
図18bに示す。本実施例におけるインダクタの2つの脚部間の最大距離が6.4mm未満の場合には、必要に応じて支持部を設けてもよい。
【0129】
支持部は、2つの脚部の端をインダクタの開口方向の外側に向けて折り曲げることによって形成される。2つの支持部の最外端は、包装部材の内筒壁に支持されている。具体的な構造を
図18cに示す。その他は実施例7と同様である。
【実施例11】
【0130】
包装部材の長さは41mm、包装部材の外筒直径は6.6mm、包装部材の厚さは0.1であるため、包装部材の内筒直径は6.4mmであると計算できる。ここで、フローガイド部の長さを1mm、エアロゾル形成基材部の長さを15mm、中空部の長さを10mm、フィルター部の長さを15mmとする。
【0131】
前記インダクタは、奇数回曲げられた後の連続的な磁気伝導性材料で作られている。
【0132】
前記奇数は3である。前記先端の縦断面は波状で、脚部の縦断面は「II」の字型になっている。インダクタの高さは12mm、インダクタの2つの脚部間の最大距離は3.2mmである。本実施例のカートリッジのインダクタの縦断面図を
図20aに示す。
【0133】
本実施例では、第1分割部材および第2分割部材は、いずれもパンチゲルシートからなる。
図2に示すように、本実施例における第1分割部材の縦断面形状と第2分割部材の縦断面はいずれも「[」形状である。
図22fに示すように、第1分割部材および第2分割部材の外輪嵌合部は、複数の連続台形に切り込まれており、隣接する2つの台形が密に結合されて歯車状の外輪を形成し、内輪嵌合部に近い位置は円環状に近い形状を呈する。前記押し込みロッドを通して包装部材内に押し込まれた後の包装部材内の第1分割部材および第2分割部材の横断面を
図23dに示す。外輪嵌合部は絞られると皺が発生する。その他は実施例1と同様である。
【実施例12】
【0134】
脚部の縦断面は「八」の字型で、インダクタの2つの脚部間の最大距離は6.4mmである。本実施例のカートリッジのインダクタの縦断面図を
図19aに示す。その他は実施例11と同様である。
【実施例13】
【0135】
前記インダクタは、奇数回曲げられた後の連続的な磁気伝導性材料で作られている。前記奇数は5である。この構造のインダクタを
図20bに示す。本実施例におけるインダクタの2つの脚部間の最大距離が6.4mm未満の場合には、必要に応じて支持部を設けることができる。前記支持部は、2つの脚部の端をインダクタの開口方向の外側に向けて折り曲げることによって形成される。2つの支持部の最外端は、包装部材の内筒壁に支持されている。特定の構造を
図20cに示す。その他は実施例11と同様である。
【実施例14】
【0136】
前記インダクタは連続磁気伝導性材料を5回折り曲げて作られている。製作されたインダクタの構造を
図19bに示す。本実施例におけるインダクタの2つの脚部間の最大距離が6.4mm未満の場合には、必要に応じて支持部を設けることができる。前記支持部は、2つの脚部の端をインダクタの開口方向の外側に向けて折り曲げることによって形成される。2つの支持部の最外端は、包装部材の内筒壁に支持されている。具体的な構造を
図19cに示す。その他は実施例12と同様である。
【実施例15】
【0137】
包装部材の長さは60mm、包装部材の外筒直径は8mm、包装部材の厚さは0.05mmであるため、包装部材の内筒直径は7.95mmであると計算できる。ここで、フローガイド部の長さを5mm、エアロゾル形成基材部の長さを20mm、中空部の長さを15mm、フィルター部の長さを20mmとする。
【0138】
前記インダクタは、連続シート状の磁気伝導性材料で4回折り曲げて作られている。前記磁気伝導性材料は、幅3.6mm、厚さ0.096mm のコバルトベースの高温合金である。前記インダクタの縦断面を
図21aに示す。形成されたインダクタの端は滑らかな構造を有する。脚部は「><」の形状で、インダクタの高さは18mm、インダクタの2つの脚部間の最小距離は2mmである。インダクタの2つの脚部間の最大距離は7.95mmである。本実施例におけるインダクタの端は、必要に応じて円弧状に曲げることもでき、それにより、
図21bに示すような構造形態を形成できる。その他は実施例1と同様である。
【実施例16】
【0139】
前記実施例1~16で説明した第2分割部材を押し込みロッドにより包装部材内に押し込み、所定の位置に貼着または接着することにより、押し込みロッドの表面に軸方向で若干の溝を設けることができる。押し込みロッドの溝は一定の角度を有しており、押し込みロッドの軸方向の溝の深さは緩やかである。押し込みロッドの先端の溝が最も深く、押し込みロッドの中央の溝が最も浅くなっている。
【0140】
第2分割部材体全体を包装部材内に押し込むと、外輪嵌合部の余剰部分に皺が発生してしまう。しかし、溝の存在により、押出力の作用によりこれらの余剰部分が溝に入り込み、外輪嵌合部が外輪嵌合部と包装部材の内筒壁の間に位置することになる。
図23eに示すように、切欠部が形成される。貼着にしても接着にしても、切欠部は常に存在する。切欠部を形成することにより、エアロゾル通路となり吸引抵抗の調整や通気性の向上を図ることができるほか、第2分割部材を構成する可撓性シート材のパンチ数を回避または低減できる。
【実施例17】
【0141】
前記実施例1~16で説明したカートリッジのインダクタ装着方向は、
図1、
図2、
図5、
図10に示すとおりである。インダクタの脚部の端は第1分割部材側に配置され、インダクタの脚部の端は第2分割部材側に配置される。
図24、25、28、30を参照してください。この構造のカートリッジは、抵抗式または電磁挿入式中心加熱喫煙装置、抵抗式または電磁外周式加熱喫煙装置に一般的に使用されている。挿入式喫煙装置を使用する場合、インダクタの2つの脚部の間の開口部により、加熱ピンまたは加熱シートを喫煙装置に挿入できる。このとき、インダクタは熱伝達媒体として機能し、エアロゾル発生物のすべての隅に熱をより均一に分配する。外周式加熱喫煙装置を使用する場合、インダクタはエアロゾル発生物に熱を提供する発熱体として機能する同時に、インダクタ自体が発生する熱がより均一にエアロゾル発生物に伝わり、加熱効率を向上させる。
【実施例18】
【0142】
前記実施例1~16で説明したインダクタのカートリッジへの装着方向は以下の通りである。
図6と
図7に示すように、インダクタの端は第1分割部材側に配置され、インダクタの脚部の端は第2分割部材側に配置される。
図29と
図31のように、この構造のカートリッジは抵抗式または電磁外周式加熱喫煙装置のみに使用され、インダクタはエアロゾル発生物に熱を与える発熱体として機能し、それ自体が発生する熱をより均一にエアロゾル発生物に伝え、エアロゾル発生物の加熱効果を向上させる。
【実施例19】
【0143】
次の手順で作られ、電子タバコカートリッジに使用されるインダクタである。
(1)磁気伝導性材料として連続鉄ニッケル合金を選択し、材料加工により幅4mm、厚さ0.2mmのシート材とする。
(2)連続磁気伝導性材料をエアロゾル形成基材部の2.5倍の長さに切断する。
(3)切断された磁気伝導性材料を金型に入れ、1回折り曲げて所定の形状のインダクタを製作する。前記インダクタの縦断面は不完全に閉じた幾何学的形状をしていて、インダクタには1つの端と2つの脚部があり、インダクタに閉じた端を端と、開いた2つの側面を脚部と呼ぶ。準備されたインダクタを図 13a に示す。
(4)
図13bに示すように、製作されたインダクタの2つの脚部の端を、インダクタの開口部の方向に外側に向かって折り曲げて、支持部分を形成する。
【0144】
製作されたインダクタを包装部材に装填する際には、インダクタの2つの脚部または2つの支持部の間の最も広い部分が包装部材内筒壁に取り付けられるように、エアロゾル形成基材を、インダクタを囲むように装填する。
【0145】
前記装填装置は、好ましくは押し込み式装填装置であり、遠位端から押し込むか、近位端から押し込むかを選択できる。
【実施例20】
【0146】
磁気伝導性材料として連続オーステナイト鋼を選択する。材料加工により幅2mm、厚さ0.05mmのシート材とし、連続磁気伝導性材料をエアロゾル形成基材部の3倍の長さに切断する。切断された磁気伝導性材料を金型内に配置し、1回の曲げ加工で所定形状のインダクタを製作する。前記インダクタの縦断面は不完全に閉じた幾何学的形状をする。インダクタには1つの端と2つの脚部があり、インダクタに閉じた端を端と、開いた2つの側面を脚部と呼ぶ。準備されたインダクタを
図14aに示す。
【0147】
図14bに示すように、製作されたインダクタの2つの脚部の端を、インダクタの開口部の方向に外側に向かって折り曲げて、支持部も形成できる。
【0148】
インダクタの2つの脚部と支持部のなす角をR角で円弧処理することも可能である。処理後の効果を
図14cに示す。
【0149】
支持部の有無に関わらず、制作されたインダクタの2つの脚部を外側に折り曲げて突起部を作ることができる。突起部分を含むインダクタの構造を
図14dに示す。
【0150】
製作されたインダクタが包装部材に装填されるとき、インダクタは装填装置によってカートリッジの包装部材に装填され、インダクタはインダクタの2つの脚部、2つの支持部、または2つの突起部の間の最も広いところが包装部材の内筒壁に取り付けられ、エアロゾル形成基材がインダクタを取り囲むように包装部材に装填される。前記装填装置は、好ましくは押し込み式装填装置であり、遠位端から押し込むか、近位端から押し込むかを選択できる。
【実施例21】
【0151】
磁気伝導性材料として連続タングステンコバルト合金を選択し、材料加工により直径0.15mmの柱状材料とする。 連続磁気伝導性材料をエアロゾル形成基材部の4倍の長さに切断し、切断した磁気伝導性材料を金型に配置し、5回折り曲げて所定形状のインダクタを製作する。前記インダクタの縦断面は不完全に閉じた幾何学的形状をする。インダクタには1つの端と2つの脚部があり、インダクタに閉じた端を端と、開いた2つの側面を脚部と呼ぶ 準備されたインダクタを
図17bに示す。
【0152】
製作されたインダクタの2つの脚部の端を、インダクタの開口方向の外側に折り曲げて支持部も形成できる。インダクタの2つの脚部と支持部のなす角をR角で円弧処理することも可能である。処理後の効果を
図17cに示す。
【0153】
製作されたインダクタを包装部材に装填する際、インダクタの2つの脚部と2つの支持部の間の幅の最も広いところで包装部材の内筒壁に取り付けられ、エアロゾル形成基材をインダクタを取り囲むように包装部材内に装填する。前記装填装置は、好ましくは押し込み式装填装置であり、遠位端から押し込むか、近位端から押し込むかを選択できる。
【実施例22】
【0154】
包装部材内にフローガイド部、エアロゾル形成基材部、中空部、フィルター部が順に配置されて構成される電子タバコカートリッジである。
【0155】
前記包装部材は中空の紙筒である。包装部材の長さは50mm、包装部材の外筒直径は8mm、包装部材の厚さは0.5mmであるため、包装部材の内筒直径は7.5mmであると計算できる。
【0156】
包装部材はロール成形機でプレハブされ、その外筒壁には自身の長さと同等なチップペーパーを包んで、美的な役割や製品情報印刷役割を果たすことができる。
【0157】
前記フローガイド部は包装部材の遠位端に配置される。フローガイド部は、包装部材の内筒壁と第1分割部材とによって形成される。フローガイド部は、カートリッジが喫煙装置に挿入されたときに、カートリッジの遠位端と喫煙装置との間に空間を作り、空気流路として機能するため、カートリッジの遠位端と喫煙装置が詰まって大きく不利な吸引抵抗が生じるのを防ぐ役割を果たす。オプションとして、フローガイド部を包む包装部材の筒壁にも筒壁を貫通する複数の通気孔を開けて、吸引抵抗をさらに低減する。また、複数の空気通路を設けることにより、現行カートリッジがその遠位端から吸気する現状を変える。フローガイド部がカートリッジにある長さは2mmである。
【0158】
前記第1分割部材は、包装部材の内筒壁に接着され、フローガイド部とエアロゾル形成基材部を分断する。第1分割部材は、フローガイド部とエアロゾル形成基材部を分断する機能だけでなく、エアロゾル形成基材を包み込む又はシールしてエアロゾル形成基材の脱落を防止する機能も有する。一方、吸気通路を提供するために小さな空気穴がある。第1分割部材の厚さは1.05μmである。
【0159】
前記エアロゾル形成基材部にはエアロゾル形成基材が装填されている。前記エアロゾル形成基材はタバコ粒子である。前記タバコ粒子は、焙煎、風乾、天日乾燥、白煎り、その他のフレーバータバコのフレークまたはフィラメントを再焙煎後に粉砕および造粒することにより得られる。エアロゾル形成基材部の長さは15mmである。
【0160】
前記中空部は、第2分割部材、包装部材の内筒壁、フィルターによって囲まれている。中空部の役割は主に温度を冷却することである。中空部には香料粒子を添加することもできる。カートリッジ内の中空部の長さは13mmである。香料粒子は、フレーバー/香料から直接作られた粒子、または芳香成分を担持した他の粒子である。
【0161】
前記第2分割部材は、包装部材の内筒壁に貼着され、中空部とエアロゾル形成基材部を分断する第2分割部材は、エアロゾル形成基材部を前記中空部から分断し、エアロゾル形成基材部が前記中空部に進入するのを防止する。これにより、エアロゾル形成基材部を包装又は密封する。装填を設計する時、第2分割部材と包装部材の内筒壁の間にはシール接続がないため、第2分割部材に空気穴を設けず、高透過性の成形紙のみを使用して空気入口を設けるという要件を満たすだけでよい。第2分割部材の厚さは1.05μmである。
【0162】
前記第1分割部材はパンチング紙であり、第2分割部材は2000CUの高透明成形紙であり、第1分割部材と第2分割部材の縦断面はいずれも「]」型である。
【0163】
前記フィルター部はエアロゾルを濾過、冷却できる材料で作られており、包装部材の近位端に配置されている。フィルター部は中実フィルターロッドと中空フィルターロッドから構成される。このうち、中実フィルターロッドの長さは11mm、中空フィルターロッドの長さは9mmであり、中空フィルターロッドと中実フィルターロッドとは密接に連結されていてもいなくてもよい。中空フィルターロッドには少なくとも1つのエアロゾル通路が設けられており、エアロゾル通路の横断面の総面積は、包装部材の横断面の総面積の30%である。
【0164】
インダクタが設けられていないため、本実施例の喫煙装置カートリッジは、抵抗式または電磁挿入式中心加熱喫煙装置にのみ適用可能である。具体的な使用方法については、図 26と27を参照してください。
【実施例23】
【0165】
前記エアロゾル形成基材部にもインダクタを装填する。前記インダクタは、閉じた幾何学的構造を形成するように折り曲げられた連続シートまたは円柱状の磁気伝導性材料で作られる。前記インダクタは、エアロゾル形成基材内に配置され、エアロゾル形成基材によって取り囲まれている。その他は実施例23と同様である。
【0166】
前記幾何学的構造は、楕円形、長方形、三角形、または他の不規則な閉ループ構造である。インダクタは閉じた幾何学的構造であるため、前記インダクタは金型を通して1回のパスで予備成形することもできる。このインダクタは閉じた幾何学的構造を有するため、金型による一括成形も可能である。本実施例では円形幾何学構造のインダクタを選択する。カートリッジ内の構造を
図11に示す。
【0167】
本実施例のインダクタは以下の方法で製作される。
連続シート状磁気伝導性材料または円柱状磁気伝導性材料を選択し、シート状磁気伝導性材料の幅および厚さ、または円柱状磁気伝導性材料の直径が要件を満たすかどうかを判断する。要件を満たさないものは、材料加工によって要件を満たす材料にする。具体的な要件としては、シート状磁気伝導性材料の幅は0.5~4mm、厚みは0.01~0.2mm。前記柱状の磁気伝導性材料の直径は0.05~2mmである。
【0168】
シート状の磁気伝導性材料を使う。この磁気伝導性材料の幅は一定の範囲内で滑らかに段階的に変化できる。この磁気伝導性材料の2つの長辺は、連続鋸歯状、連続波状又は連続歯車状を呈する。複数の円弧状または長方形の溝を磁気伝導性材料の両長辺に均等に設けることもできる。
【0169】
柱状磁気伝導性材料を使用する場合は、磁気伝導性材料の表面に切削加工により連続糸状を形成してもよい。あるいは、磁気伝導性材料に複数の円形または矩形の溝を設けてもよい。
【0170】
連続磁気伝導性材料は所定の長さに切断される。所定の長さは、使用されるカートリッジのエアロゾル形成基材部の長さに応じて設定され、通常、エアロゾル形成基材部の長さの1.5~4倍である。
【0171】
切断後に得られた磁気伝導性材料は、金型に入れられ、折り曲げさせることによってインダクタの所定の形状にされる。製作されたインダクタの磁気伝導性材料の端は、密に接合され、閉じた幾何形状を形成する。
【0172】
使用時、製作されたインダクタを装填装置でカートリッジの包装部材に装填し、インダクタを完全に取り囲むようにエアロゾル形成基材を包装部材に装填する。前記装填装置は好ましくは押し込み式である。装填は遠位端または近位端のいずれかから行うことができる。前記押し込み式装填装置は、装填中に前記インダクタが変形しないように注意しなければならない。
【0173】
図32に示すように、インダクタにより、この構造のカートリッジは、抵抗式または電磁外周式加熱喫煙装置に適用できる。インダクタは閉じた幾何学的構造を持つように設計されているため、抵抗式または電磁外周式加熱喫煙装置を使用する場合、加熱ピンまたは加熱シートをタバコカートリッジに挿入してはならない。したがって、この構造のカートリッジは、外周式加熱喫煙装置にのみ適しており、挿入式加熱喫煙装置には適していない。
【実施例24】
【0174】
前記第1分割部材および第2分割部材は、それぞれ内輪封止部と外輪嵌合部を備えている。前記内輪封止部と外輪嵌合部は一体の可撓性シート材の別部品である。前記内輪封止部は一体型可撓性シート材の中央部であり、円形である。前記内輪封止部の直径は包装部材の内筒直径と同じである。前記外輪嵌合部は内輪封止部を除く全体が可撓性シート材である。
【0175】
前記外輪嵌合部も折り曲げる前に切断され、内輪封止部の外周に一体的に接続されて円環状、連続ジグザグ状、連続波状、連続歯車状を形成するか、その部分は接続されて内輪封止部の外周上に複数の不連続な突出部を形成する。
【0176】
外輪嵌合部が内輪封止部の外周に一体的に接続されて円環を形成する場合、第1または第2分割部材は、押し込みロッドによって押し込まれて包装部材の内筒壁に貼着または接着され、皺状の形状となる。
【0177】
外輪嵌合部が内輪封止部の外周に連続鋸歯状、連続波状又は連続歯車状となるように一体的に接続されている場合、第1または第2分割部材は、押し込みロッドにより押し込まれて包装部材の内筒壁に貼着または接着された後、皺であっても平坦な状態であってもよい。これは、切断された部分の面積によって異なる。
【0178】
外輪嵌合部が部分的に接続されて内輪封止部の周上に複数の不連続な突出部が形成される場合、第1または第2分割部材は、押し込みロッドによって押し込まれて包装部材の内筒壁に貼着または接着されて平坦な形状となる。その他は実施例23と同様である。
【符号の説明】
【0179】
1 包装部材
2 エアロゾル形成基材部
3 中空部
4 中実フィルター
5 インダクタ
6 フローガイド部
7 エアロゾル形成基材
8 第1分割部材
9 第2分割部材
10 中空フィルターロッド
11 エアゾール通路
12 脚部
13 端
14 支持部
15 突起部
16 内輪封止部
17 外輪嵌合部
18 切欠部
19 喫煙装置
20 加熱ピンまたは加熱シート
21 誘導コイル
【国際調査報告】