(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-10-18
(54)【発明の名称】水の脱塩のための波駆動可変レバレッジポンプ
(51)【国際特許分類】
F04B 17/00 20060101AFI20241010BHJP
F04B 35/00 20060101ALI20241010BHJP
【FI】
F04B17/00 B
F04B35/00 Z
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024527144
(86)(22)【出願日】2022-11-07
(85)【翻訳文提出日】2024-06-06
(86)【国際出願番号】 US2022079402
(87)【国際公開番号】W WO2023081888
(87)【国際公開日】2023-05-11
(32)【優先日】2021-11-08
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】524170511
【氏名又は名称】ブルーディーザル インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100078282
【氏名又は名称】山本 秀策
(74)【代理人】
【識別番号】100113413
【氏名又は名称】森下 夏樹
(74)【代理人】
【識別番号】100181674
【氏名又は名称】飯田 貴敏
(74)【代理人】
【識別番号】100181641
【氏名又は名称】石川 大輔
(74)【代理人】
【識別番号】230113332
【氏名又は名称】山本 健策
(72)【発明者】
【氏名】テイト, ジョゼフ ビー.
【テーマコード(参考)】
3H069
3H076
【Fターム(参考)】
3H069AA02
3H069BB02
3H069CC07
3H069DD01
3H069EE47
3H076AA02
3H076BB21
3H076CC31
(57)【要約】
水の脱塩のための波駆動可変レバレッジポンプが、開示される。1つの実施形態に従って、可変レバレッジポンプは、プラットフォームおよびそれから延びる少なくとも1つのレバーアームを備えるパドルを備える。少なくとも1つのレバーアームは、プラットフォームと枢動可能に結合されている。ポンプは、プラットフォームと枢動可能に結合されている第一の先端およびパドルと枢動可能に結合されている第二の先端を有するポンプをさらに備える。少なくとも1つのレバーアームの枢動点は、プラットフォームに対してポンプの枢動点の上方に位置する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
可変レバレッジポンプであって、
プラットフォームと、
少なくとも1つのレバーアームを備えるパドルであって、それから前記少なくとも1つのレバーアームが延びており、前記少なくとも1つのレバーアームが、前記プラットフォームと枢動可能に結合されているパドルと、
ポンプであって、
前記プラットフォームと枢動可能に結合されている第一の先端、および
前記パドルと枢動可能に結合されている第二の先端であって、前記少なくとも1つのレバーアームの枢動点が前記プラットフォームに対してポンプの枢動点の上方に位置する、第二の先端
を備えるポンプと
を備える可変レバレッジポンプ。
【請求項2】
前記パドルが浮力を持つ、請求項1に記載の可変レバレッジポンプ。
【請求項3】
前記少なくとも1つのレバーアームが、第一のレバーアームおよび第二のレバーアームを備え、前記第一のレバーアームが、前記パドルの第一の先端から延び、前記第二のレバーアームが前記パドルの第二の先端から延びる、請求項1に記載の可変レバレッジポンプ。
【請求項4】
前記ポンプが、少なくとも800重量ポンド毎平方インチ(PSI)の水圧を出力するように構成されている、請求項1に記載の可変レバレッジポンプ。
【請求項5】
前記ポンプの前記第二の先端が、前記パドルと枢動可能に結合されているピストンロッドを備える、請求項1に記載の可変レバレッジポンプ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願への相互参照)
本出願は、2021年11月8日に提出された米国仮特許出願第63/276,683号(発明の名称、「Wave Driven Variable Leverage Pump For Water Desalination」)の優先権およびその利益を主張し、それは、その全体が参照によって本明細書に組み込まれている。
【0002】
(技術分野)
本開示は、概してポンプ技術に、より具体的には、脱塩のためのモーション駆動ポンプに、関連する。
【背景技術】
【0003】
(背景)
いくつかの場合、逆浸透プロセスは、飲料水を生み出すために海水から塩を取り除くために使われることができる。水から塩を取り除くことは、本明細書では「脱塩」と呼ばれ得る。水が逆浸透膜を通り抜けるために、水は、少なくとも800PSIまで加圧されることが必要とされ得る。従って、水の動的脱塩を可能にする改良されたポンプが望まれる。
【0004】
前述の関連技術の例およびそれに伴う制限は、実例的であり排他的でないことを意図し、「先行技術」であると認められない。関連技術の他の制限は、本明細書の一読および図面の検討において、当業者に明らかになるだろう。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0005】
(要旨)
水の脱塩のための波駆動可変レバレッジポンプが、開示される。1つの実施形態に従って、可変レバレッジポンプ(例えば、波駆動可変レバレッジポンプ)は、プラットフォーム、およびパドルを備え、パドルは、それから延びる少なくとも1つのレバーアームを備える。少なくとも1つのレバーアームは、プラットフォームと枢動可能に結合されている。ポンプは、プラットフォームと枢動可能に結合されている第一の先端およびパドルと枢動可能に結合されている第二の先端を有するポンプをさらに備える。少なくとも1つのレバーアームの枢動点は、プラットフォームに対してポンプの枢動点の上方に位置する。
【0006】
上記のおよび他の好ましい特性は、実装および事象の組み合わせの様々な新規な詳細を含み、ここでより詳しく添付図面を参照して記載され、特許請求の範囲において指摘されるだろう。本明細書に記載される特定のシステムおよび方法は、図解によってのみ示され、制限的なものとして示されないと理解されるだろう。当業者によって理解されるように、本明細書に記載される原理および特性は、本発明のいずれかの範囲から逸脱することなく様々かつ数々の実施形態において用いられ得る。前述および以下の記載から想定されることができるように、本明細書に記載されるそれぞれおよび全ての特性ならびに2またはそれより多くのそのような特性のそれぞれおよび全ての組み合わせは、そのような組み合わせ中に含まれる特性が相互に矛盾しない場合、本開示の範囲内に含まれる。加えて、任意の特性または特性の組み合わせは、本発明のいずれかの任意の実施形態から具体的に排除され得る。
【0007】
いくつかの実施形態の記載、それに対する動機付けおよび/またはその有用性を含む前述の要旨は、本開示の理解において読者を助力することを意図し、特許請求の範囲のいずれかの範囲を決して制限しない。
【図面の簡単な説明】
【0008】
添付図面は、本明細書の一部として含まれ、現在好ましい実施形態を図示し、上記で与えられる概略的記載および下記で与えられる好ましい実施形態の詳細な記載と共に、本明細書に記載される原理を説明し教示するのに役立つ。
【0009】
【
図1A】
図1Aは、いくつかの実施形態に従う、例示的な可変レバレッジポンプの図解である。
【0010】
【
図1B】
図1Bは、いくつかの実施形態に従う、例示的な可変レバレッジポンプの図解である。
【0011】
【
図2】
図2は、いくつかの実施形態に従って、可変レバレッジポンプに対応する例示的な脱塩システムの図解である。
【0012】
本開示は、様々な修正および代替的な形態の対象となるが、それらの特定の実施形態は、図面における例によって示されており、本明細書に詳細に記載されるだろう。本開示は、開示される特定の形態に制限されると理解されるべきではないが、反対に、その意図は、本開示の要旨および範囲に含まれる全ての修正、同等物および代替を包含することである。
【発明を実施するための形態】
【0013】
(詳細な説明)
水の脱塩のための可変なレバレッジポンプが、開示される。図解の簡単さおよび明確さのために、適切と考えられる場合、参照番号は、対応するまたは類似する要素を指し示すために、図の間で繰り返され得ることが想定される。加えて、数々の具体的な内容は、本明細書に記載される例示的な実施形態の理解を通して提供するために、明記される。しかし、本明細書に記載される例示的な実施形態がこれらの具体的な内容を用いずに実行され得ることは、当業者によって理解されるだろう。
【0014】
(波駆動可変レバレッジポンプ)
可変レバレッジポンプの実施形態が、本明細書において記載される。可変レバレッジポンプは、水(例えば、海水)をポンプするために、浮力および慣性力を使い得る。例として、可変レバレッジポンプは、高圧力(例えば、800重量ポンド毎平方インチ(PSI)を超える圧力)で海水をポンプするために、波のパワーを使い得る。本明細書で記載されるように、逆浸透プロセスは、脱塩のために使われ、飲料水を生み出すことができる。従って、本明細書で記載される可変レバレッジポンプは、脱塩プロセスのために逆浸透膜を通して水(例えば、海水)をポンプするために使われ得る。
【0015】
いくつかの実施形態において、可変レバレッジポンプ(本明細書において「可変レバレッジアクチュエータ」とも呼ばれる)は、パドルを含み得る。パドルは、浮力のある(例えば、浮動する)パドルであり得る。パドルは、1またはそれより多くのレバーと結合され(例えば、取り付けられ)得る。1またはそれより多くのレバーのそれぞれの支点は、プラットフォームと枢動可能に結合され(例えば、取り付けられ)得る。例として、プラットフォームは、水域の底(例えば、海底)に隣接して(例えば、上において)位置づけされる安定したプラットフォームであり得る。いくつかの場合、可変レバレッジポンプは、パドルが水の表面近くで浮動するように、水(例えば、海水)域中の適当な深さまで沈み得る。レバー102は、それぞれのレバー支点104の周りを回転し得る。
【0016】
図1Aおよび
図1Bは、例示的な可変レバレッジポンプ100の図解である。可変レバレッジポンプ100は、パドル101、1またはそれより多くのレバー102、ポンプ103(ピストン103とも呼ばれる)、1またはそれより多くのレバー支点104、ピストンロッド105、力結合部106、ポンプ支点107およびプラットフォーム108を含み得る。
図1Aに示されるように、パドル101は、レバー102aおよびレバー102b(レバー102とひとまとめに呼ばれる)と結合され得る。いくつかの場合、パドル101は、楕円形の立体または他の形状であり得る。パドル101は、(例えば、可変レバレッジポンプ100が水中に沈んでいるときに)レバー102の重さを支えるために、少なくとも閾値レベルの浮力を有し得る。レバー102のそれぞれは、それぞれのレバー支点104によってプラットフォーム108に結合され(例えば、ひとまとめに結合され)得る。
図1Aに示されるように、レバー102aおよびレバー102bは、それぞれレバー支点104aおよびレバー支点104b(レバー支点104と枢動可能に呼ばれる)によって、プラットフォーム108に枢動可能に結合され得る。
【0017】
いくつかの実施形態では、パドル101は、力結合部106によってピストンロッド105と結合され(例えば、枢動可能に結合され)得る。ピストンロッド105は、ポンプ103(「ピストン」とも呼ぶ)と結合され得る。ピストンロッド105がポンプ103中へ入るとき(例えば、パドル101が垂直位置から偏向している間)、ポンプ103が圧力を発生させることのみを行い得るように、ポンプ103は、単一作用ポンプであり得る。ポンプ103は、ポンプ支点107によってプラットフォーム108と結合され(例えば、枢動可能に結合され)得る。ポンプ103は、ポンプ支点107の周りを回転し得る。パドル101、レバー102、ポンプ103、ピストンロッド105およびプラットフォーム108の結合に基づいて、レバー102は、ポンプ103内でピストンロッド105を作動させ得る。レバー102は、回転し、パドル1の回転運動に基づいてポンプ103内でのピストンロッド105の作動を引き起こし得る。ポンプ103内でピストンロッド105を作動させることは、ポンプ103に、ポンプ103へ利用可能な液体(例えば、水)を加圧させ得る。
【0018】
いくつかの実施形態では、パドル101は、繊維ガラス材料(例えば、低質量繊維ガラス材料)を含む浮力のある材料を含み、かつ/または、浮力のある材料から成り得る。それぞれのレバー102は、ステンレス鋼および/またはモネル合金材料を含み、かつ/またはステンレス鋼および/またはモネル合金材料から成り得る。ポンプ103およびピストンロッド105は、ステンレス鋼および/またはモネル合金材料をそれぞれ含み、かつ/またはステンレス鋼および/またはモネル合金材料から成り得る。いくつかの場合、プラットフォーム108は、モルタルおよび/または石膏(例えば、セメント)材料を含み得る。いくつかの場合、プラットフォーム108は、1またはそれより多くの金属(例えば、鋼、鉄など)構造を含み得る。プラットフォーム108は、(単数または複数の)金属構造と組み合わされるモルタルおよび/または石膏材料を含むフェロセメント材料から成り得る。
【0019】
いくつかの場合、逆浸透膜は、ポンプ103と結合され得る。可変レバレッジポンプ100と共に使われる逆浸透膜の例は、Applied Membranes, Inc.によって製造されるModel M-S2521A membraneであり得る。液体が800PSIの最小圧力で膜の側面にかけられるとき、液体(例えば、水)が膜を通して流れ得るように、逆浸透膜は、800PSIの閾値圧力を有し得る。ハウジングは、逆浸透膜を含み得、ポンプ103と結合され得る。膜を含むハウジングは、ステンレス鋼および/またはモネル合金材料を含み、かつ/または、ステンレス鋼および/またはモネル合金材料から成り得る。可変レバレッジポンプ100と共に使われる逆浸透膜を含むハウジングの例は、Spectra Watermakers, Inc.によって製造されるハウジングであり得る。
【0020】
いくつかの実施形態では、レバー102に対応するレバー支点104は、ポンプ103に対応するポンプ支点107の上方の距離に位置づけされることができる。レバー支点104は、プラットフォーム108に対してポンプ支点107の上方に位置づけされ得る。このような位置づけは、可変レバレッジポンプ100の可変レバレッジ能力を可能にし、それは、可変レバレッジポンプ100が水中に沈んでいるとき、可変な波からパワーを抽出することに優位であることができる。可変な波は、変動する振幅および/または変動する周期の波のことを呼び得る。
【0021】
いくつかの実施形態では、可変レバレッジポンプ100が水中に沈んでいるとき、波動がパドル1に作用することができる。波動は、浮力および慣性力によるものを含む複数の方法で、パドル101に作用し得る。浮力は、パドル101およびレバー102を垂直(例えば、直立)位置へ動かす力であり得る。慣性力は、パドル101およびレバー102を垂直位置から水平位置へ向かって偏向させる力であり得る。慣性力は、パドル101を偏向させ得、それにより力結合部106を通してピストンロッド105への下向きの力を生み出す。力結合部106を介するピストンロッド105への下向きの力は、ピストンロッド105を作動させ得、それにより、ポンプ103を加圧する。ポンプ103を作動させることは、ポンプ103中に含まれる、および/または、ポンプ103へ使用可能な水(例えば、海水)を、本明細書に記載される逆浸透膜を通して押し出させ得る。例えば、可変レバレッジポンプ100が水中に沈んでいるとき、波の力(例えば、慣性力を含む)によるポンプ103中のピストンロッド105の作動は、閾値レベルの圧力(例えば、800PSI)で水を加圧するポンプ103に基づいて、逆浸透膜を通して水を押し出すことができる。
【0022】
いくつかの実施形態では、パドル101が、本明細書に記載されるように、垂直位置に位置づけされているとき、任意の適当な波は、パドル101に作用し、パドル101を動かし(例えば、変位させ)、ポンプ103中に圧力を発生させ得る。パドル101へより大きな力をかける波は、垂直位置からのパドル101およびレバー102の増大した変位を引き起こし得る。パドル101にかけられる最適な力は、垂直位置から(例えば、水平位置へ向かって)のパドル101の最大変位を引き起こす力であり得る。(例えば、ピストンロッド105を介して)ポンプ103にかけられ得る最大の力は、ポンプ103の面積(例えば、それを通してピストンロッド105が作動させられる面積)の関数、およびポンプ103に結合される逆浸透膜に対応する閾値圧力であり得る。例として、ポンプ103へかけられることができる最大の力は、ポンプ103の面積に膜の閾値圧力を掛けたものとして画定され得、このとき膜の閾値圧力は800PSIであり得る。
【0023】
図1Bに関して、パドル101、レバー102、ポンプ103およびピストンロッド105が垂直(例えば、直立)位置10に位置づけされているとき、ピストンロッド105を介するポンプ103上への動きが0に近づくと、可変レバレッジポンプ100のメカニカルアドバンテージは、無限大に近づく。パドル101が、垂直位置120から水平位置に向かって(例えば、慣性力を介して)偏向させられると、メカニカルアドバンテージは、比例して小さくなり、ピストンロッド105の動きは増大する。
図1Bは、可変レバレッジポンプ100における、偏向とメカニカルアドバンテージとの関係を図示する。
【0024】
いくつかの実施形態では、
図1Bに関して、パドル101の幾何的な中心は、力の中心109と呼ばれ得る。レバー102の長さは、Lと呼ばれ得る。レバー支点104と力結合部106との間の長さは、L’と呼ばれ得る。レバー支点104とポンプ支点107との間の垂直距離(例えば、支点オフセット)は、Eと呼ばれ得る。可変な負荷アームはTと呼ばれ得、式1によって画定され得る。
(1) T=tan(Φ’)L’
【0025】
角度Φ’は、
図1Bに示されるように、レバー102とピストンロッド105との間の角度であり得る。角度Φは、
図1Bに示されるように、垂直位置120に対するパドル101の力点109の中心の角度であり得、それは、パドル偏向と呼ばれ得る。パドル101の力点109の中心が垂直位置120に位置づけされているとき、角度Φは、0°であり得る。パドル101の力点109の中心が、プラットフォーム108に平行に位置づけされているとき、角度Φは90°であり得る。力結合部106におけるレバレッジは、式2によって画定され得る。
【数1】
【0026】
パドル101および(単数または複数の)レバー102が垂直位置120からさらに偏向させられると、Tはより大きくなり、力結合部106におけるレバレッジは、それに応じて低下する。パドル偏向角度Φが90°であるとき、TはEと等しくあり得、このときEは、支点オフセットである。可変レバレッジポンプ100の最小レバレッジは、式3によって画定され得る。
【数2】
【0027】
垂直位置120からの(単数または複数の)レバー102の偏向(パドル偏向角度Φによって測定される)が大きくなるほど、垂直位置120から(単数または複数の)レバー102を動かすために必要とされる力は大きくなる。例として、可変レバレッジポンプ100が水中に沈んでいるとき、より小さく、より弱い力の波が、(単数または複数の)レバー102の小さい偏向でポンプ103内のピストンロッド105を作動させることができる。より大きく、より強い力の波が、(単数または複数の)レバー102の大きい偏向でポンプ103内のピストンロッド105を作動させることができる。波は、波の力とポンプ103の抵抗との間で平衡に達するまで、パドル101および(単数または複数の)レバー102を偏向させ得る。波の力およびポンプ103の抵抗は、自動パワーマッチングのシステムを形成することができる。垂直位置120から偏向させられているパドル101および(単数または複数の)レバー102に基づいて、パドル101の浮力は、垂直位置120へ負荷のかかっていないパドル101および(単数または複数の)レバー102を動かし、戻すことができる。
【0028】
いくつかの場合では、可変レバレッジポンプ100が水中に沈んでいるとき、ポンプ103が作用する空洞(例えば、ポンプ103中に含まれる)は、水で満たされ得る。空洞(例えば、ポンプ103中に含まれる空洞)は、パドル101および(単数または複数の)レバー102が垂直位置120に位置づけされているとき、完全に水で満たされ得る。パドル101および(単数または複数の)レバー102が(例えば、波からの力に基づいて)垂直位置120から偏向させられているとき、ポンプ103は、ポンプ103中に含まれる水を、逆浸透膜(例えば、脱塩のための)を通してポンプ103の外へ押し出し得、それにより、ポンプ103中に含まれる水の量を低下させる。負荷のかかっていないパドル101および(単数または複数の)レバー102が(例えば、パドル101の浮力によって)垂直位置120へ戻り、ピストンロッド105がポンプ103の外へ動かされると、ポンプ103の空洞は、水で再び満たされ得る。
【0029】
例として、可変レバレッジポンプ100は、長さL=20フィートかつ支点オフセットE=2フィートである(単数または複数の)レバー102を含み得る。このような例に対して、可変レバレッジポンプ100のレバレッジ範囲は、8から∞未満であり得る。パドル101および(単数または複数の)レバー102にかけられる1トンの慣性波の力は、16トンの最小のピストンロッド105の力を発生させることができる。ピストンロッド105の各フルストロークは、2フィートの支点オフセットと等しくあり得る。直径6インチのポンプ103に対して、1100PSIを超える圧力が、生み出されることができ、それは、可変レバレッジポンプ100が、長さが少なくともおよそ60フィートのプラットフォーム108を含むことを必要とすることができる。このような可変レバレッジポンプ100は、日常的に数千ガロンの脱塩化された水を生み出すことが可能であり得る。
【0030】
他の例において、可変レバレッジポンプ100は、長さL=20フィート、支点オフセットE=2フィートの(単数または複数の)レバー102、ポンプ103に対する5インチの直径、ポンプ103に対する3フィートのストローク長さおよび60フィート×30フィートの寸法を有するプラットフォーム108を含み得る。このような可変レバレッジポンプ100について、パドル101が1ストロークあたり4秒のポンプ103の各ストロークに対し垂直位置120から45°動かされる(例えば、半分の偏向へ動かされる)とき、ピストンロッド105は、ポンプ103に、逆浸透膜を通して1ストロークあたりおよそ1ガロンの水をポンプさせるために、およそ1フィート動くことができる。可変レバレッジポンプ100が1ストロークあたり4秒で24時間動作する期間に対して、可変レバレッジポンプ100は、1日あたりおよそ21,600ストロークで動作し、逆浸透膜を通しておよそ21,600ガロンの水をポンプし得る。いくつかの場合、ポンプされた水のおよそ80%が飲料水を産出するので、可変レバレッジポンプ100は、24期間にわたっておよそ17,280ガロンの飲料水を産出する。
【0031】
図2は、いくつかの実施形態に従って、可変レバレッジポンプに対応する例示的な脱塩システム200の図解である。
図2に示されるように、脱塩システム200は、取り入れ口202、プレフィルター206、ポンプ210、逆浸透膜214、水出力部218および塩水出力部222を含むことができる。取り入れ口202は、プレフィルター206と結合され得る。プレフィルター206は、取り入れ口202およびポンプ210と結合され得る。ポンプ210は、プレフィルター206および逆浸透膜214と結合され得る。逆浸透膜214は、ポンプ210と結合され得、水出力部218および塩水出力部222を含み得る。プレフィルター206および逆浸透膜214は、それぞれのハウジング中にそれぞれ含まれ得る。各ハウジングは、1またはそれより多くのコネクタ(例えば、ブラケット)によってポンプ210と結合され得る。
【0032】
いくつかの実施形態では、ポンプ210は、ピストンロッド212を含み、かつ/またはそうでなければ、結合され得る。ポンプ210は、本明細書に記載されるようなポンプ(例えば、ポンプ103)の任意の、および/または全ての特性を含み得る。いくつかの場合、ポンプ210は、
図1Aおよび
図1Bに関して本明細書に記載されるようなポンプ103と類似し得る。ピストンロッド212は、本明細書に記載されるようなピストンロッド(例えば、ピストンロッド105)の任意の、および/または全ての特性を含み得る。いくつかの場合、ピストンロッド212は、
図1Aおよび
図1Bに関して本明細書に記載されるようなピストンロッド105と類似し得る。ポンプ210およびピストンロッド212は、本明細書に記載されるような可変レバレッジポンプ(例えば、可変レバレッジポンプ100)の一部であり得る。ピストンロッド212は、パドル(例えば、パドル101)を介してポンプ210内で作動させられ得、それにより脱塩プロセスのために逆浸透膜214を通して水を押し出す。
【0033】
いくつかの実施形態では、脱塩システム200は、水中に沈み得、取り入れ口202を介して受け取った水を脱塩し得る。
図2に示される方向矢印は、脱塩システム200を通って流れる水の例示的な方向を表示する。脱塩システム200が水中に沈んでいるとき、水は、取り入れ口202中へ流れ得る。取り入れ口202中へ流れた後、水は、プレフィルター206を通って流れ得る。プレフィルター206は、水から破片および/または任意の他の異物をろ過し得る。プレフィルター206が、プレフィルター206を通って流れる水をろ過した後、水は、ポンプ210へ流れ得る。水は、ポンプ210に対応する空洞へ流れ、満たし得る。いくつかの場合、水は、ポンプ210に残り得、逆浸透膜214を通して流れなくてもよい。逆浸透膜214を通して水を流れさせるために、閾値量の圧力が、(例えば、ポンプ210によって)水にかけられることが必要とされ得る。例として、水が膜を通って流れるために必要とされる水圧の閾値量は、800PSIであり得る。
【0034】
いくつかの場合、ピストンロッド212は、ポンプ210内で作動し得、それにより、ポンプ210に蓄積される水に圧力をかける。ポンプ210内でピストンロッド212を作動させることは、水を加圧し、逆浸透膜214を通して、加圧された水を押し出し得る。逆浸透膜214を通って流れる水は、淡水の飲料水であり得る。飲料水は、水出力部218を通って逆浸透膜214のハウジングから出得る。水出力部218は、飲料水を受け取るように構成されている貯蔵タンクおよび/または任意の適当な容器とされ得る。いくつかの場合、逆浸透膜214を透過しない物質を含む塩水は、塩水出力部222を通って逆浸透膜214のハウジングから出得る。
【0035】
(用語)
本明細書で使われる句および用語は、説明の目的のためであり、制限的とみなされるべきでない。
【0036】
測定結果、大きさ、量および同様のものは、本明細書で、範囲形式で表記され得る。範囲形式における記載は、単に利便性および簡潔さのために提供され、本発明の範囲に対する柔軟性のない制限として解釈されるべきでない。従って、範囲の記載は、その範囲内の個々の数値と同様に全ての可能な部分範囲を具体的に開示したと考えられるべきである。例えば、1~20メートルのような範囲の記載は、1メートル、2メートル、1~2メートル、2メートル未満、10~11メートル、10~12メートル、10~13メートル、10~14メートル、11~12メートル、11~13メートルなどのような部分範囲を具体的に開示したと考えられるべきである。
【0037】
さらに、図内の構成要素間またはシステム間の接続は、接続を方向づけるように制限されることを意図しない。それよりも、これらの構成要素間のデータまたは信号は、中間構成要素によって、修正されるか、再フォーマットされるか、またはそうでなければ変更され得る。また、追加のまたはより少数の接続が使われ得る。用語「結合される」「接続される」または「通信可能に結合される」は、直接接続、1またはそれより多くの中間デバイスを通した間接接続、無線接続などを含むことを理解されるだろう。
【0038】
明細書における「1つの実施形態」「好ましい実施形態」「実施形態」「いくつかの実施形態」または「複数の実施形態」への参照は、その実施形態との接続において記載される特定の特性、構造、特徴または機能が、本発明の少なくとも1つの実施形態に含まれており、1より多い実施形態に含まれ得ることを意味する。また、明細書において様々な場面で上記に留意される句の出現は、同じ単数または複数の実施形態を必ずしも参照しない。
【0039】
明細書における様々な場面でのある用語の使用は、図解の目的だけのためであり、制限的と解釈されるべきでない。役割、機能または供給源は、単一の役割、機能または供給源に制限されない。これらの用語の使用法は、関連する役割、機能または供給源のグループ化を参照し得、それは、区分または統合され得る。
【0040】
さらに、当業者は、以下を認識するだろう。(1)あるステップは、随意に行われ得る。(2)ステップは、本明細書に述べられる特定の順序に制限されなくてもよい。(3)あるステップは、異なる順序において行われ得る。(4)あるステップは、同時にまたは一斉に行われ得る。
【0041】
明細書および特許請求の範囲において使われる、用語「およそ」、句「およそ等しい」および他の同様の句(例えば、「Xは、およそYの値を有する」または「Xは、およそYと等しい」)は、1つの値(X)が他の値(Y)の予め決められた範囲内であることを意味すると理解されるべきである。予め決められた範囲は、特に断りのない限り、プラスまたはマイナス20%、10%、5%、3%、1%、0.1%または0.1%未満であり得る。
【0042】
明細書においておよび特許請求の範囲において使われる不定冠詞「a」および「an」は、反対のことが明確に指し示されない限り、「少なくとも1つ」を意味すると理解されるべきである。明細書においておよび特許請求の範囲において使われる句「および/または」は、そのように結び付けられる要素の「どちらかまたは両方」、つまりいくつかの場合は結び付けて存在し、他の場合は結び付けないで存在する要素を意味すると理解されるべきである。「および/または」と共にリスト化される複数の要素は、同じように、つまりそのように結び付けられている要素のうち「1またはそれより多く」と解釈されるべきである。「および/または」の節によって具体的に識別される要素以外の他の要素が、具体的に識別されるそれらの要素に関連しても、関連しなくても、随意に存在し得る。それゆえ、非制限的な例として、「Aおよび/またはB」への言及は、「備える」のようなオープンエンド言語との結び付きにおいて使われるとき、1つの実施形態において、Aのみ(B以外の要素を随意に含む)を指し、他の実施形態において、Bのみ(A以外の要素を随意に含む)を指し、さらに他の実施形態において、AとBとの両方(他の要素を随意に含む)を指すことができる。
【0043】
明細書においておよび特許請求の範囲において使われるとき、「または」は、上記で定義されるような「および/または」と同じ意味を有すると理解されるべきである。例えば、リスト中の項目を分類するとき、「または」または「および/または」は、包括的なもの、つまり、要素の数またはリストおよび随意でリストにない追加の項目のうち、少なくとも1つを含むものだけでなく1より多くを含むものと解釈されるだろう。「のうち1つだけ」もしくは「のうちちょうど1つ」、または特許請求の範囲で使われる「から成る」のような、反対のことが明確に指し示される用語だけが、要素の数またはリストのうちちょうど1つの要素を含むことを指すだろう。概して、使われる用語「または」は、「どちらか」「のうち1つ」「のうち1つだけ」または「のうちちょうど1つ」のような排他性の用語が続くとき、排他的な代替(つまり「1つまたはもう一方だが両方でない」)を指し示すものとのみ解釈されるだろう。特許請求の範囲で使われる「から本質的に成る」は、特許法の分野において使われるようなその一般的な意味を有するだろう。
【0044】
明細書においておよび特許請求の範囲において使われるとき、句「少なくとも1つ」は、1またはそれより多くの要素のリストへ言及して、要素のリスト中の要素のうち任意の1またはそれより多くから選択される少なくとも1つの要素を意味すると理解されるべきであるが、要素のリスト内で具体的にリスト化されるそれぞれおよび全ての要素のうち少なくとも1つを必ずしも含まず、要素のリスト中の要素の任意の組み合わせを排除しない。この定義は、句「少なくとも1」が指す要素のリスト内で具体的に識別される要素以外の要素は、具体的に識別されるそれらの要素に関連しても、関連しなくても、随意に存在し得ることもまた可能にする。それゆえ、非制限的な例として、「AおよびBのうち少なくとも1つ」(または、同等に「AまたはBのうち少なくとも1つ」または同等に「Aおよび/またはBのうち少なくとも1つ」)は、1つの実施形態において、Bが存在せず(および随意にB以外の要素を含む)少なくとも1つの(随意に1より多くを含む)Aを指し、他の実施形態において、Aが存在せず(および随意にA以外の要素を含む)少なくとも1つの(随意に1より多くを含む)Bを指し、さらに他の実施形態において、(随意に他の要素を含む)少なくとも1つの(随意に1より多くを含む)A、および少なくとも1つの(随意に1より多くを含む)Bを指すことができる。
【0045】
「含む」「備える」「有する」「含有する」「係る」およびそれらの変化形は、それらの後にリスト化される項目および追加の項目を網羅すると意味される。
【0046】
特許請求の範囲において請求項要素を修飾するための、「第一」「第二」「第三」などのような序数詞の使用は、他の請求項要素に対する1つの請求項要素の任意の優先度、優先順位もしくは順序、または方法の作用が行われる時間的順序を、単独で含意しない。序数詞は、ある名前を有する1つの請求項要素を同じ名前を有する(序数詞の使用は除く)他の要素と区別し、請求項要素を区別するラベルとして単に使われる。
【0047】
主題の特定の実施形態が、記載された。他の実施形態は、下記の特許請求の範囲の範囲内にある。例えば、請求項中に列挙される動作は、異なる順序で行われて、依然として所望の結果を達成することができる。1つの例として、添付図面に描写されるプロセスは、所望の結果を達成するために、示される特定の順序または一連の順序を必ずしも必要としない。ある実装において、マルチタスクおよび並行プロセスは、有用であり得る。他のステップまたは段階が、提供され得、またはステップまたは段階が、記載されるプロセスから省略され得る。従って、他の実装は、下記の特許請求の範囲の範囲内にある。
【0048】
先行する例および実施形態が、例示的でありかつ本開示の範囲を制限しないことが、当業者によって想定されるだろう。本明細書の一読および図面の検討において、当業者に明らかになる全ての順列、拡張、同等物、組み合わせおよびそれらの改良が、本開示の本旨および範囲内に含まれるころが意図される。任意の請求項の要素は、複数の従属関係、構成および組み合わせを有することを含め異なって配置され得ることもまた留意される。
【0049】
それゆえ本発明の少なくとも1つの実施形態のいくつの側面を記載したので、様々な代替、修正および改良が当業者に容易に浮かぶだろうとうことが想定される。このような代替、修正および改良は、本開示の一部であることが意図され、本発明の本旨および範囲内であることが意図される。従って、前述の記載および図面は、ほんの一例である。
【国際調査報告】