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特表2024-538366容器の外面を取り囲む高CTE密閉アセンブリを備えた医薬品容器
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  • 特表-容器の外面を取り囲む高CTE密閉アセンブリを備えた医薬品容器 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-10-18
(54)【発明の名称】容器の外面を取り囲む高CTE密閉アセンブリを備えた医薬品容器
(51)【国際特許分類】
   A61J 1/05 20060101AFI20241010BHJP
   A61J 3/00 20060101ALI20241010BHJP
【FI】
A61J1/05 310
A61J1/05 315Z
A61J3/00 301
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024527171
(86)(22)【出願日】2022-10-31
(85)【翻訳文提出日】2024-07-04
(86)【国際出願番号】 US2022048348
(87)【国際公開番号】W WO2023086225
(87)【国際公開日】2023-05-19
(31)【優先権主張番号】63/277,488
(32)【優先日】2021-11-09
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】397068274
【氏名又は名称】コーニング インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100073184
【弁理士】
【氏名又は名称】柳田 征史
(74)【代理人】
【識別番号】100175042
【弁理士】
【氏名又は名称】高橋 秀明
(74)【代理人】
【識別番号】100224775
【弁理士】
【氏名又は名称】南 毅
(72)【発明者】
【氏名】カーソン,マイケル パトリック
(72)【発明者】
【氏名】クリスティ,デイン アルファンソ
(72)【発明者】
【氏名】ムーア,ギャラン グレゴリー
(72)【発明者】
【氏名】オマリー,コナー トーマス
(72)【発明者】
【氏名】サラフィアン,アダム ロバート
(72)【発明者】
【氏名】シャウト,ロバート アンソニー
(72)【発明者】
【氏名】ウェラー,マーク オーウェン
(72)【発明者】
【氏名】ウー,ジアンタオ
【テーマコード(参考)】
4C047
【Fターム(参考)】
4C047AA02
4C047AA05
4C047BB01
4C047BB03
4C047BB11
4C047CC04
4C047DD03
4C047DD04
4C047DD05
4C047DD06
4C047DD22
4C047GG37
(57)【要約】
密閉医薬品容器は、肩部、その肩部から延在する首部、その首部から延在するフランジ、および密閉アセンブリを含む。そのフランジは、首部から延在する裏面と、裏面から延在する、フランジの外径を規定する外面と、その外面と密閉医薬品容器に開口を画成する内面との間に延在する上部シール面とを備える。密閉アセンブリは、栓および栓をフランジに固定する金属含有キャップを備える。その栓は、フランジの上部シール面の上に延在し、開口を覆うシール部分、およびフランジの外面に少なくとも部分的に沿って延在するリムを備える。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
密閉医薬品容器において、
肩部、
前記肩部から延在する首部、
前記首部から延在するフランジであって、
前記首部から延在する裏面と、
前記裏面から延在する、前記フランジの外径を規定する外面と、
前記外面と前記密閉医薬品容器に開口を画成する内面との間に延在する上部シール面と、
を備えたフランジ、および
密閉アセンブリであって、
前記フランジの上部シール面の上に延在し、前記開口を覆うシール部分、および該フランジの外面に少なくとも部分的に沿って延在するリムを備えた栓と、
前記栓を前記フランジに固定する金属含有キャップと、
を備えた密閉アセンブリ、
を含む、密閉医薬品容器。
【請求項2】
前記栓のリムが、前記フランジの全外面に沿って延在する、請求項1記載の密閉医薬品容器。
【請求項3】
内側半径方向に延在する切り抜き部分が前記フランジの外面に形成され、前記栓のリムが、該切り抜き部分内に収まるように作られた形状を有する、請求項1記載の密閉医薬品容器。
【請求項4】
前記栓が、前記シール部分の反対にある前記リムの端部から半径方向内側に、前記フランジの裏面に沿って延在するリップを含む、請求項1記載の密閉医薬品容器。
【請求項5】
前記リムが、前記栓の外縁に沿って配置された高分子リングを含む、請求項1記載の密閉医薬品容器。
【請求項6】
前記栓が-20℃以下のガラス転移温度(Tg)を有し、
前記密閉アセンブリが、前記密閉医薬品容器が-20℃以下の温度に冷却されたときに、該密閉医薬品容器のヘリウム漏れ速度を1.4×10-6cm/秒以下に維持する、請求項1記載の密閉医薬品容器。
【請求項7】
前記密閉アセンブリが、前記密閉医薬品容器が-80℃以下の温度に冷却されたときに、該密閉医薬品容器のヘリウム漏れ速度を1.4×10-6cm/秒以下に維持する、請求項6記載の密閉医薬品容器。
【請求項8】
前記密閉アセンブリが、前記密閉医薬品容器が-100℃以下の温度に冷却されたときに、該密閉医薬品容器のヘリウム漏れ速度を1.4×10-6cm/秒以下に維持する、請求項6記載の密閉医薬品容器。
【請求項9】
前記上部シール面が、前記開口の端部を通って延在する平面に対してある角度で延在する傾斜シール面であり、それによって該傾斜シール面と該平面との間の距離が、前記外面からの半径方向距離が減少するにつれて増加するようになっている、請求項1記載の密閉医薬品容器。
【請求項10】
前記角度が5度より大きい、請求項9記載の密閉医薬品容器。
【請求項11】
前記角度が45度以下である、請求項9記載の密閉医薬品容器。
【請求項12】
前記フランジが高分子から作られている、請求項1記載の密閉医薬品容器。
【請求項13】
前記栓のガラス転移温度が-10℃以下である、請求項1記載の密閉医薬品容器。
【発明の詳細な説明】
【優先権】
【0001】
本出願は、その内容が依拠され、ここに全て引用される、2021年11月9日に出願された米国仮特許出願第63/277488号の米国法典第35編第119条の優先権の恩恵を主張するものである。
【技術分野】
【0002】
本明細書は、広く、医薬品組成物を貯蔵するためのガラス容器などの容器に関し、より詳しくは、比較的低い温度に曝されたときの密閉性を改善するために、高い熱膨張係数を有する材料から形成された密閉アセンブリ含むガラス容器に関する。
【背景技術】
【0003】
バイアルや注射器などの医薬品容器は、典型的に、収容材料の完全性を維持するために、栓や他の蓋で密閉される。蓋は、典型的に、合成ゴムや他のエラストマーから製造される。そのような材料は、容器の内部を密閉するために容器に挿入し易くする弾性と高い透過抵抗を有益に有する。しかしながら、典型的に使用される蓋の材料の弾性は、低温では低下することがある。例えば、蓋の材料として現在使用されている合成ゴムは、-70℃以上かつ-10℃以下の転移温度を有するであろう。そのような合成ゴムから作られた蓋は、転移温度より低いと、固体として挙動し、ガラスと、容器に蓋を固定するために使用される圧着キャップの熱膨張係数の間の比較的大きい差を補うために弾性的に膨張することができないであろう。このことを考えると、医薬品容器のための既存の密閉アセンブリは、-20℃以下の温度では機能しないであろう。
【0004】
ある生体物質(例えば、血液、血清、タンパク質、幹細胞、および他の腐りやすい生体液)は、有用な状態でいるために、従来のエラストマーのガラス転移温度より低い温度で貯蔵する必要がある。例えば、特定のRNA系ワクチンは、活性状態でいるために、ドライアイス温度(例えば、約-80℃)または液体窒素温度(例えば、約-180℃)で貯蔵する必要があるであろう。そのような低温では、閉鎖部材(例えば、ガラスまたはプラスチック容器、栓、アルミニウムキャップ)に寸法変化が生じ、シールの完全性に問題が発生し、中に貯蔵された物質が潜在的に汚染されるかもしれない。
【発明の概要】
【0005】
1つの実施の形態において、密閉医薬品容器は、肩部;その肩部から延在する首部;その首部から延在するフランジであって、首部から延在する裏面と、裏面から延在する、フランジの外径を規定する外面と、その外面と密閉医薬品容器に開口を画成する内面との間に延在する上部シール面とを備えたフランジ;および密閉アセンブリであって、フランジの上部シール面の上に延在し、開口を覆うシール部分、およびフランジの外面に少なくとも部分的に沿って延在するリムを備えた栓と、栓をフランジに固定する金属含有キャップとを備えた密閉アセンブリを含む。
【0006】
別の実施の形態において、密閉医薬品容器は、肩部;その肩部から延在する首部;その首部から延在するフランジ;首部とフランジを通って延在する開口を画成する内面であって、フランジが、その内面から延在する上部シール面およびその上部シール面から延在する外面を含む、内面;および密閉アセンブリであって、フランジの上部シール面の上に延在し、開口を覆うシール部分、およびフランジの外面に少なくとも部分的に沿って延在するリムを備えた栓と、フランジに圧着された金属含有キャップであって、栓を上部シール面に対して圧縮する金属含有キャップとを備えた密閉アセンブリを含む。
【0007】
さらに別の実施の形態において、医薬品容器を密閉する方法は、医薬品容器において、肩部、その肩部から延在する首部、およびその首部から延在するフランジであって、首部から延在する裏面と、その裏面から延在する、フランジの外径を規定する外面と、その外面から開口を画成する医薬品容器の内面まで延在する上部シール面とを備えたフランジを含む医薬品容器を提供する工程;その医薬品容器に医薬品組成物を入れる工程;フランジの上部シール面の上に延在し、開口を覆うシール部分およびフランジの外面に少なくとも部分的に沿って延在するリムを備えた栓を提供する工程;および栓の上に、フランジに対して金属含有キャップを圧着して、栓を上部シール面に対して圧縮する工程を含む。
【0008】
さらに別の実施の形態において、密閉医薬品容器は、肩部;その肩部から延在する首部;およびその首部から延在するフランジであって、首部から延在する裏面と、裏面から延在する、フランジの外径を規定する外面と、外面と密閉医薬品容器に開口を画成する内面との間に延在する上部シール面とを備えたフランジを含み、内側半径方向に延在する切り抜き部分がフランジの外面に形成されている。
【0009】
密閉医薬品容器を密閉する方法は、密閉医薬品容器において、肩部、その肩部から延在する首部、およびその首部から延在するフランジであって、首部から延在する裏面と、その裏面から延在する、フランジの外径を規定する外面と、その外面から開口を画成する密閉医薬品容器の内面まで延在する上部シール面とを備えたフランジを含む密閉医薬品容器を提供する工程;その密閉医薬品容器に医薬品組成物を入れる工程;フランジの上部シール面の上に延在し、開口を覆うシール部分、およびフランジの外面に少なくとも部分的に沿って延在するリムを備えた栓を提供する工程;および栓の上に、フランジに対して金属含有キャップを圧着して、栓を上部シール面に対して圧縮する工程を含む。
【0010】
ここに記載された実施の形態により与えられるこれらと追加の特徴は、図面と共に、以下の詳細な説明を鑑みて、より十分に理解されるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図面に示された実施の形態は、実質的に、説明のためであり、例示であり、請求項に定義された主題を限定する意図はない。説明に役立つ実施の形態の以下の詳細な説明は、同様の構造が同様の参照番号で示されている、以下の図面と併せて読まれた場合に、理解することができる。
図1】ここに図示され記載された1つ以上の実施の形態による、医薬品容器の実施の形態の断面図
図2】ここに図示され記載された1つ以上の実施の形態による、医薬品容器の別の実施の形態の部分断面図
図3】ここに図示され記載された1つ以上の実施の形態による、医薬品容器の別の実施の形態の部分断面図
図4】ここに図示され記載された1つ以上の実施の形態による、医薬品容器の別の実施の形態の部分断面図
図5】ここに図示され記載された1つ以上の実施の形態による、医薬品容器の別の実施の形態の部分断面図
図6】ここに図示され記載された1つ以上の実施の形態による、医薬品容器の別の実施の形態の部分断面図
【発明を実施するための形態】
【0012】
ここで、比較的低い貯蔵温度(例えば、-30℃以下、-50℃以下、-60℃以下、-70℃以下、-80℃以下、-100℃以下、-125℃以下、-150℃以下、-175℃以下、-180℃以下)で容器の密閉完全性を維持する密閉アセンブリを備えた密閉医薬品容器の実施の形態を詳しく参照する。実施の形態において、ここに記載された医薬品容器の構造は、医薬品容器と、その中に挿入される密閉アセンブリとの間の界面でシールの維持を促進するために、1つ以上の態様において、既存の医薬品容器の構造と異なることがある。例えば、ここに記載された医薬品容器の実施の形態は、肩部、首部、および密閉アセンブリの栓がそれに対してキャップで押し付けられる上部シール面を含むフランジを備えたバイアル(けれども、他の容器形状も本開示の範囲に含まれる)であることがある。密閉医薬品容器がそのような低い貯蔵温度に冷却されたときに、シールの維持を促進するために、上部シール面の様々な特徴が適応されることがある。例えば、実施の形態において、上部シール面は、医薬品容器の中心軸からの半径方向距離の増加と共に降下する傾斜シール面を含むことがある。その傾斜シール面は、圧着プロセス中に栓に対して印加される初期力を増加させ、より低い温度に冷却されたときの栓の収縮の耐性を増加させるように、医薬品容器の端部に広がる平面に対して0度以上(例えば、0度超かつ45度以下)の角度で降下することがある。実施の形態において、上部シール面は、上部シール面と栓との間の接触面積を最大にするために、医薬品容器の中心軸に垂直に延在する(例えば、89.5度以上かつ90度以下の角度で延在する)。実施の形態において、密閉完全性を増加させるために、上部シール面の様々な他の特徴(例えば、表面粗さ、平坦性など)が調整されることがある。
【0013】
実施の形態において、ここに記載された医薬品容器の密閉アセンブリは、低い貯蔵温度でのシール維持を促進するために、材料の様々な組合せから形成されることがある。本明細書の密閉アセンブリは、栓、および金属含有キャップであって、その金属含有キャップで栓に印加される十分なシール力を維持するために、低い貯蔵温度での金属含有キャップに対する栓の過剰な変形を防ぐように調整された組成物から形成された金属含有キャップを含むことがある。例えば、実施の形態において、金属含有キャップは、そのCTEを既存のアルミニウム圧着キャップよりも増加させる材料から作られることがある。実施の形態において、金属含有キャップは、より高いCTEを提供するために、Alの代わりに、ZnまたはMgの少なくとも一方から作られることがある。実施の形態において、金属含有キャップは、アルミニウム含有高分子複合材料から作られる。実施の形態において、金属含有キャップは、Zn、Al、Mg、Cuの少なくとも1つを含む金属合金から作られる。実施の形態において、栓は、既存の純粋なゴム栓より低いCTEを有する材料から作られる。例えば、実施の形態において、その栓は、0質量%超かつ30質量%以下のケイ素系充填材を含む高分子複合材料から作られることがある。そのケイ素系充填材は、SiOガラス粒子または様々なケイ酸塩(例えば、コージエライト、ベータユークリプタイト、ベータスポジュメン)またはその組合せを含むことがある。栓のCTEは、低い貯蔵温度でその収縮を減少させるために、290×10-7/K以下であることがある。
【0014】
ここに用いられているように、「容器密閉完全性」という用語は、汚染物質の侵入の確率を維持する、またはガス透過率の可能性を医薬品容器内に貯蔵される物質に基づく所定の閾値より低く減少させるために、閾値サイズより大きい間隙を含まない、医薬品容器と密閉アセンブリとの間(例えば、医薬品容器の上部シール面と栓との間)の界面でのシールの維持を称する。例えば、実施の形態において、容器密閉完全性は、USP<1207>(2016)に記載されたヘリウム漏れ試験中にヘリウム漏れ速度が1.4×10-6cm/秒以下に維持されれば、維持される。
【0015】
ここに記載された医薬品容器の実施の形態において、医薬品容器を形成するガラス組成物の構成成分(例えば、SiO、Al、Bなど)の濃度は、特に明記のない限り、酸化物基準のモルパーセント(モル%)で指定される。
【0016】
「実質的に含まない」という用語は、ガラス組成物中の特定の構成成分の濃度および/または不在を記載するために使用される場合、その構成成分がガラス組成物に意図的に加えられていないことを意味する。しかしながら、そのガラス組成物は、0.05モル%未満の量の汚染物質または混入物として微量の構成成分を含有することがある。
【0017】
ここに用いられている「CTE」という用語は、特に明記のない限り、約-200℃から約300℃の温度範囲に亘る熱膨張係数を称する。
【0018】
ここに用いられているように、「約」という用語は、量、サイズ、配合物、パラメータ、および他の数量と特徴が、正確ではなく、正確である必要はないが、公差、変換係数、四捨五入、測定誤差など、および当業者に公知の他の要因を反映して、所望に応じて、近似である、および/またはそれより大きいかまたは小さいこともあることを意味する。値または範囲の端点を記載する上で、「約」という用語が使用される場合、言及される特定値または端点は含まれる。本明細書における数値または範囲の端点に「約」が付いているか否かにかかわらず、2つの実施の形態:「約」で修飾されているもの、および「約」で修飾されていないものが記述される。範囲の各々の端点は、他方の端点と関係してと、他方の端点とは関係なくの両方で有意であることがさらに理解されよう。
【0019】
ここに用いられているような方向を表す用語-例えば、上、下、右、左、前、後、上部、底部-は、描かれている図面に関してのみ使用され、絶対的な向きを暗示する意図はない。
【0020】
ここに用いられているように、名詞は、文脈上明白に他の意味に解釈すべき場合を除いて、複数の対象を含む。それゆえ、例えば、成分に対する言及は、文脈上明白に他の意味に解釈すべき場合を除いて、そのような成分を2つ以上有する態様を含む。
【0021】
ここで図1を参照すると、医薬製剤を貯蔵するための医薬品容器100の1つの実施の形態が、断面で概略示されている。医薬品容器100は、ガラス容器102およびガラス容器102の開口105でガラス容器102に連結された密閉アセンブリ104を備える。密閉アセンブリ104は、栓106および金属含有キャップ108を備える。図1に示された実施の形態において、栓106は、挿入部分117およびシール部分119を含む。挿入部分117は、シール部分119がガラス容器102の上部シール面110と接触するまで、ガラス容器102の開口105に挿入される。次に、シール部分119は、上部シール面110でシールを形成するために、金属含有キャップ108の圧着によって上部シール面110に対して圧縮される。ガラス容器102および密閉アセンブリ104の様々な態様は、ここに記載されているように、低い貯蔵温度でのガラス容器102の容器密閉完全性の維持を確実にするために設計されている。本明細書に詳しく述べられるように、栓のCTEは、フランジ(ガラス、セラミック、高分子、金属などから形成されることがある)のCTEと等しいか、またはそれより大きいことを認識すべきである。
【0022】
ガラス容器102は、概して、本体112を備える。本体112は、ガラス容器102の内面114と外面116の間に延在する壁厚Tを有し、中心軸Aを有し、概して、内部容積118を取り囲む。図1に示されたガラス容器102の実施の形態において、本体112は、概して、壁部分120および床部分122を含む。壁部分120は、踵部分124を通じて床部分122に移行する。図示された実施の形態において、ガラス容器102の壁部分120は、フランジ126、フランジ126から延在する首部128、胴部115、および首部128と胴部115との間に延在する肩部130を画成する。床部分122は、踵部分124を通じて胴部115に結合されている。実施の形態において、ガラス容器102は、中心軸Aに対して対称であり、胴部115、首部128、およびフランジ126の各々は、実質的に円筒形である。
【0023】
実施の形態において、ガラス容器102は、USP<660>に準拠するタイプ1Bのホウケイ酸ガラス組成物などのホウケイ酸ガラス組成物を含む、USP<660>に定義されたタイプI、タイプIIまたはタイプIIIのガラスから形成されることがある。あるいは、ガラス容器102は、ここに全て引用される米国特許第8551898号明細書に開示されたものなどの、アルカリアルミノケイ酸塩ガラス組成物、またはここに全て引用される米国特許第9145329号明細書に記載されたものなどのアルカリ土類アルミノケイ酸塩ガラス組成物から形成されることがある。実施の形態において、ガラス容器102は、ソーダ石灰ガラス組成物から構成されることがある。実施の形態において、ガラス容器102は、0×10-7/K以上かつ100×10-7/K以下(例えば、30×10-7/K以上かつ70×10-7/K以下)の熱膨張係数を有する組成物から構成される。
【0024】
ガラス容器102は、特定の形状因子(すなわち、バイアル(vial))を有するのが図1に示されているが、ガラス容器102は、制限なく、Vacutainers(登録商標)、カートリッジ、注射器、アンプル、瓶、フラスコ、バイアル(phials)、管、ビーカーなどを含む他の形状因子を有してもよいことを理解すべきである。さらに、ここに記載されたガラス容器は、制限なく、医薬品包装、飲料容器などを含む多種多様な用途に使用できることを理解すべきである。
【0025】
ここではガラス容器102と称されているが、ガラス容器102は、例えば、高分子、金属、セラミックなど、ガラス以外の材料から形成されてもよいことを認識すべきである。さらに、これらの材料の熱膨張係数は、0×10-7/K以上かつ8,000×10-7/K以下であり得る。
【0026】
ガラス容器102の壁厚Tは、実施に応じて様々であってよい。実施の形態において、ガラス容器102の壁厚Tは、6ミリメートル(mm)以下、例えば、4mm以下、2mm以下、1.5mm以下、または1mm以下であることがある。いくつかの実施の形態において、壁厚Tは、0.1mm以上かつ6mm以下、0.3mm以上かつ4mm以下、0.5mm以上かつ4mm以下、0.5mm以上かつ2mm以下、または0.5mm以上かつ1.5mm以下であることがある。実施の形態において、壁厚Tは、0.9mm以上かつ1.8mm以下であることがある。壁厚Tは、ガラス容器102内の軸方向位置に応じて、変動することがある。
【0027】
図1に示されるように、フランジ126は、裏面132、外面136、および上部シール面110を有する。外面136は、フランジ126の外径を規定することがある。実施の形態において、密閉アセンブリ104の金属含有キャップ108は、任意の適切な圧着方法(例えば、空気圧圧着装置など)によりフランジ126の周りに圧着される。密閉プロセス中、栓106が開口105に挿入され、圧着中に、金属含有キャップ108に圧縮力が印加される。例えば、図1に示されるように、金属含有キャップ108は、フランジ126の裏面132と接触して、栓106を圧縮状態に維持し、圧着プロセス後にシールを形成する底部分109を含む。栓106を圧縮すると、金属含有キャップ108が所定の位置に圧着された後に、栓106に対する圧縮を維持する残留シール力がフランジ126内に生じる。実施の形態において、フランジ126の裏面132と直接接触する金属含有キャップ108の底部分109の長さは、-80℃以下の貯蔵温度で栓106内に残留シール力を維持するのを促進するために、1mm以上の長さ111(例えば、図1に示されたX方向の)を有する。
【0028】
医薬品容器100が-30℃以下(例えば、-30℃以下、-80℃以下、-100℃以下、-125℃以下、-150℃以下、-175℃以下、-180℃)の比較的低い貯蔵温度に冷却されたときに、医薬品容器100の構成成分の各々が、その成分の熱的性質に依存する体積収縮を経ることがある。図1に示されるように、金属含有キャップ108の底部分109と上部113との間に配置される材料の体積が、栓106のシール部分119およびガラス容器102のフランジ126を取り囲む。栓106とフランジ126の組合せが、金属含有キャップ108の収縮の量よりも大きい量で収縮する場合、金属含有キャップ108により与えられる栓106の圧縮は小さくなり、上部シール面110でシールが損なわれる可能性が増すであろう。
【0029】
例えば、図1に示されるように、フランジ126と栓106の合計高さ138(すなわち、図1に示されたZ方向の)は、金属含有キャップ108の上部113と底部分109との間の距離とほぼ等しい。そのような状態において、金属含有キャップ108は、シールを形成するために上部シール面110に対して栓106を圧縮することができる。しかしながら、合計高さ138が金属含有キャップ108よりも大きい程度まで収縮すると、栓106の圧縮は減少し、残留シール力が低下するであろう。栓106の圧縮を維持するために、金属含有キャップ108、栓106、およびガラス容器102の収縮ΔLは、以下の関係:
【0030】
【数1】
【0031】
を満たし、式中、各成分のΔLの収縮は、
【0032】
【数2】
【0033】
で近似されることがあり、式中、Lは成分の初期寸法であり、α(T)は、金属含有キャップ108、栓106、およびガラス容器102の各々を構成する材料の温度依存性CCTEである。
【0034】
実施の形態において、栓106は、高分子系材料(例えば、ブチルゴムまたは他の合成ゴム)から作られる。そのような材料は、-70℃以上かつ-10℃以下のガラス転移温度(Tg)を有することがある。そのような材料は、-20℃以下のガラス転移温度(Tg)を有することがある。栓106は、Tg未満では、ガラス状固体のように挙動し(例えば、形状回復能力を失い)、上部シール面110でのシール力が低下するであろう。例えば、栓106がそのTgより低く冷却された場合、栓106は、上部シール面110と金属含有キャップ108の上部113との間の間隙の全てを満たさず、シールを損なう可能性が増すことがある。すなわち、栓106は、そのガラス転移温度より低く冷却されると、2つの異なる材料として:転移温度より高い温度では超弾性材料として、転移温度より低い温度では固体ガラスとして効果的に挙動する。ここで式2によれば、フランジ126と金属含有キャップ108の上部113との間に配置された栓106の収縮は、初期温度Tから最終温度Tに冷却されたときに:
【0035】
【数3】
【0036】
と近似されることがあり、式中、αガラスは、栓106のゴムがそのガラス転移温度Tgより低く変わるガラス様材料のCTEを称する。実施の形態において、シールを維持するために、金属含有キャップ108と栓106は、金属含有キャップ108の収縮がガラス容器102と栓106の合計収縮以上となるように構成されることがある。そのような関係を満たすのを促進するために、金属含有キャップ108の収縮が増することがある、栓106とフランジ126の収縮が減少することがある、またはその任意の組合せであることがある。それに加え、またはそれに代えて、ガラス容器102の構造は、栓106に与えられる初期キャッピング圧縮を増加させ、それによって、栓106の収縮の耐性を大きくするように設計されることがある。
【0037】
実施の形態において、金属含有キャップ108は、約240×10-7/KのCTEを有することがある、アルミニウムから作られる。栓106を作る典型的なゴム(例えば、Butyl 325、Butyl 035など)は、1,000×10-7/K以上のCTEを有することがある。すなわち、純粋にCTEの差の観点から、金属含有キャップ108は、栓106より少なく収縮する傾向があり、より低い貯蔵温度でシール力が減少する。上述したCTEの不一致に加え、図1に示されるように、栓106は、金属含有キャップ108よりも大きい体積百分率の密閉アセンブリ104を構成し、さらに、栓106がより大きい熱収縮を経る傾向を増すであろう。
【0038】
図1に示された実施の形態において、低い貯蔵温度での金属含有キャップ108の収縮を圧倒する栓の収縮のそのような傾向に対抗するために、ガラス容器102の構造を既存のガラス容器から逸脱するように改良して、金属含有キャップ108を圧着するプロセスの最中に栓106の圧縮をより大きくしてきた。詳しくは、実施の形態において、上部シール面110は、ここに全て引用される、米国特許出願公開第2021/0212893号明細書に開示されたものなど、傾斜シール面140を含む。傾斜シール面140は、フランジ126の外面136とガラス容器102の内面114との間に延在する。この傾斜シール面140は、開口105の端部154に広がる平面152に対してある角度150で延在する。平面152は、開口105でガラス容器102の上部にある(例えば、傾斜シール面140の頂部にある)平面であることがある。実施の形態において、平面152は、ガラス容器102の基準点(例えば、床部分122、図1参照)から最も離れた上部シール面110の周りに延在する地点を接続する。平面152は、ガラス容器102の中心軸Aに垂直な方向(例えば、図1に示されたX方向)にガラス容器102の上部に広がる。実施の形態において、平面152は、開口105を画成する内面114の部分に垂直に延在する。
【0039】
ここに記載された角度150は、「フランジ角度」と称されることがある。平面152に対するフランジ角度は、様々な異なるやり方で測定されることがある。例えば、実施の形態において、傾斜シール面140の伸張方向を判定するために、ガラス容器102の画像を取り込むことがあり、画像処理技術を使用して、傾斜シール面140の角度150(平面152に対する)を決定することがある。実施の形態において、傾斜シール面140の伸張方向は、傾斜シール面140の頂部(例えば、裏面132からZ方向に最大距離を有する)と、傾斜シール面140上の第2の最高地点との間に延在する平面を見つけることによって測定される(例えば、傾斜シール面140の伸張方向は、傾斜シール面140の頂部および平面152に対して頂部より低い傾斜シール面140の別の地点にある平面により測定される)。実施の形態において、傾斜シール面140の伸張方向は、内面114から外側に、外面136から内側に所定の距離(例えば、0.1mm、0.2mm、0.5mm、1.0mmなど)にある傾斜シール面140上の複数の地点を接続することによって測定される(例えば、これらの地点は、内面114と外面136との間に延在する空間地点の均一分布で解釈されることがある)。実施の形態において、傾斜シール面140の伸張方向は、傾斜シール面140の全てに亘り分布した複数の異なる地点に線形平面を曲線当てはめすることによって測定される。
【0040】
実施の形態において、角度150は、0度超かつ45度以下(例えば、0度超かつ40度以下、0度超かつ40度以下、0度超かつ30度以下、0度超かつ20度以下、および0度超かつ10度以下)である。実施の形態において、角度150は、ガラス容器102の外周で実質的に均一である(例えば、複数の方位角方位で測定した場合、測定値の各々は、互いに0.5度以内にあることがある)。既存のガラス容器において、角度150は、典型的に、おおよそ3度である。それゆえ、ガラス容器102では、平面152に対する上部シール面110の傾斜は、既存のガラス容器を少なくとも50%上回って増加している。上部シール面110の傾斜の増加は、低い貯蔵温度での栓の圧縮を増加させる傾向にある。角度150は、金属含有キャップ108を圧着した結果として、栓106内に圧縮勾配を作るであろう。例えば、実施の形態において、栓106の圧縮は、栓106の圧縮が内面114に近いほど大きくなるように、外面136からの半径方向距離が増加すると共に増加することがある。内面114に近接するとそのように大きくなる圧縮により、冷却により栓106が収縮するときに、シールに間隙が形成されるのが防がれることがある。
【0041】
図1を参照すると、角度150の結果として、金属含有キャップ108の上部113と上部シール面110との間の距離156は、中心軸Aからの半径方向距離の関数として、既存のガラス容器よりも大きい程度まで変動することがある。このことを踏まえると、栓106は、フランジ126の外面136近くに配置された栓106の周囲領域よりも大きい程度まで、開口105に近接して圧縮される。そのように圧縮が大きくなると、同じ圧着プロセスを使用して、栓106の圧縮を大きくし、栓106の収縮の耐性を高くする。それに加え、傾斜シール面140は、開口105に近接すると上記式3の項Li、栓を減少させる。これにより、収縮の量が減る。
【0042】
ここに説明されていないが、-80℃以下の貯蔵温度で容器の密閉完全性を維持しつつ、図1に関してここに記載されたガラス容器102の代替手段を使用してよいことを理解すべきである。例えば、上部シール面110は、ガラス容器102内の開口105の端部154に広がる平面152に延在することがある。実施の形態において、上部シール面110は、ガラス容器102の中心軸Aに対して実質的に垂直(例えば、89.5度以上かつ90.5度以下)に延在する。実施の形態において、上部シール面110は、開口105を規定するガラス容器102の内面114に実質的に垂直に延在する。そのような上部シール面110は、栓106と上部シール面110との間の接触面積を効果的に増加させ、シールの完全性を維持する可能性を増すであろう。
【0043】
ここで図2を参照すると、ガラス容器202および密閉アセンブリ204を備えた医薬品容器200のさらなる実施の形態が示されている。本明細書に詳しく記載されていないが、ガラス容器202および密閉アセンブリ204は、本明細書に記載され、図1に示されたガラス容器102および密閉アセンブリ104と類似の構造および特徴を含むことがある。図2に示されるように、ガラス容器202は、上部シール面210、裏面212、および外面214により画成されたフランジ208まで延在する首部206を含む。
【0044】
実施の形態において、密閉アセンブリ204は、栓216および金属含有キャップ218を含む。しかしながら、実施の形態において、金属含有キャップ218が提供されなくてもよいことを認識すべきである。栓216は、外縁222で終端するシール部分220およびシール部分220の外縁222から延在するリム224を含む。実施の形態において、リム224は、金属含有キャップ218と接触しても、接触しなくてもよい。シール部分220は、シール部分220の外縁222の間の距離により規定される外径D1を有する。外径D1は、金属含有キャップ218の内面230の間の直径と等しいか、または小さいことがある。栓216がガラス容器202上に配置されているときに、シール部分220は、フランジ208の上部シール面210の上に延在し、ガラス容器202に形成された開口226を覆う。リム224は、シール部分220の外縁222から、フランジ208の外面214に少なくとも部分的に沿って延在する。図2に示されるような実施の形態において、リム224は、フランジ208の外面214の全長または部分的長さに沿って延在する長さを有する。実施の形態において、リム224の底面228は、フランジ208の裏面212と同一線上に延在する。金属含有キャップ218が設けられる実施の形態において、リム224の底面228は、金属含有キャップ218の内面230、特に、金属含有キャップ218の底部分232(フランジ208の裏面212に沿って半径方向内側に、首部206に向かって延在する)と接触することがある。
【0045】
先に述べたように、医薬品容器200が比較的低い貯蔵温度に曝されたときに、栓216の熱膨張係数がガラス容器202の熱膨張係数より大きいために、栓216のリム224は、ガラス容器202のフランジ208の周りで、それに向かって収縮し、それゆえ、栓216とガラス容器202のフランジ208との間に形成されるシールが増強される。より詳しくは、栓216のシール部分220は、シール部分220の外縁222の間の外径D1が減少するように、比較的低い貯蔵温度の最中に収縮し、これにより、リム224が、フランジ208の外面214の周りできつくなる。
【0046】
ここで図3を参照すると、ガラス容器302および密閉アセンブリ304を備えた医薬品容器300のさらなる実施の形態が示されている。本明細書に詳しく記載されていないが、ガラス容器302および密閉アセンブリ304は、本明細書に記載され、図1および2に示されたガラス容器102、202および密閉アセンブリ104、204と類似の構造および特徴を含むことがある。図3に示されるように、ガラス容器302は、上部シール面310、裏面312、および外面314により画成されたフランジ308まで延在する首部306を含む。図3に示されるように、フランジ308の外面314は、内側へと半径方向に窪んで、切り抜き部分316を画成している。フランジ308の外面314は、フランジ308の最も外側のエッジ320から延在する、裏面312と範囲にある上面部分318、および垂直面部分322を含む。垂直面部分322は、上面部分318での接合面部分324から上部シール面310まで延在する。実施の形態において、垂直面部分322は、上面部分318に垂直に延在する。実施の形態において、上面部分318と垂直面部分322との間に延在する接合面部分324は、斜角部(chamfer)を形成する。フランジ308の上面部分318、最も外側のエッジ320、および裏面312は、共同して、レッジ326を画成する。実施の形態において、密閉アセンブリ304に鋭い角が設けられず、そうではなく、応力の集中を避けるために、角のあるどの面も、面取りされたり、丸めたりされるべきであることに留意すべきである。
【0047】
実施の形態において、密閉アセンブリ304は、栓328および金属含有キャップ330を含む。しかしながら、実施の形態において、金属含有キャップ330が設けられなくてもよいことを認識すべきである。栓328は、外縁334で終端するシール部分332およびシール部分332の外縁334から延在するリム336を含む。シール部分332は、シール部分332の外縁334の間の距離により規定される外径D2を有する。栓328がガラス容器302上に配置されているときに、シール部分332は、フランジ308の上部シール面310の上に延在し、ガラス容器302に形成された開口338を覆う。リム336は、シール部分332の外縁334から、フランジ308の外面314に少なくとも部分的に沿って延在する。図3に示されるように、リム336は、フランジ308の上面部分318と接触する底面340、フランジ308の垂直面部分322と接触する内面342、およびリム336の底面340とリム336の内面342との間に延在する接合面部分344を含む。リム336の底面340、内面342、および接合面部分344は、フランジ308の切り抜き部分316内に受け入れられる。フランジ308の接合面部分324が斜角部を形成する実施の形態において、リム336の接合面部分344も、互いに入れ子になるように斜角部を形成する。金属含有キャップ330が設けられる実施の形態において、リム336の底面340と、金属含有キャップ330の内面346、特に、金属含有キャップ330の底部分348(フランジ308の裏面312に沿って半径方向内側に、首部306に向かって延在する)との間に、レッジ326が設けられる。それゆえ、フランジ308のレッジ326は、栓328のリム336を、金属含有キャップ330の底部分348から隔てている。
【0048】
上述したように、医薬品容器300が比較的低い貯蔵温度に曝されているときに、栓328の熱膨張係数がガラス容器302の熱膨張係数より大きいために、栓328のリム336がガラス容器302のフランジ308の周りで、それに向かって収縮し、それゆえ、栓328とガラス容器302のフランジ308との間に形成されるシールが増強される。より詳しくは、栓328のシール部分332は、シール部分332の外縁334の間の外径D2が減少するように、比較的低い貯蔵温度の最中に収縮し、これにより、リム336が、フランジ308の外面314の周りできつくなる。
【0049】
ここで図4を参照すると、ガラス容器402および密閉アセンブリ404を備えた医薬品容器400のさらなる実施の形態が示されている。医薬品容器400は、フランジ308の接合面部分324およびリム336の接合面部分344を除いて、本明細書に記載され、図3に示された医薬品容器300と似ている。本明細書に記載され、図3に示されるように、医薬品容器300のフランジ308の接合面部分324およびリム336の接合面部分344は、対応する斜角部を形成している。しかしながら、図4に示された医薬品容器400は、各々がアーチ形であり、互いに入れ子になるように互いに対応する、フランジ308に形成された接合面部分406、およびリム336に形成された接合面部分408を含む。アーチ形の接合面部分406、408は、フランジ308とリム336との間に間隙を生じるかもしれない鋭角がなく、フランジ308とリム336との間に滑らかな合わせ面を提供する。そのような間隙は、エアポケットをその間に形成したり、形成されたシールが空気を漏らしたりするかもしれない。
【0050】
ここで図5を参照すると、ガラス容器502および密閉アセンブリ504を備えた医薬品容器500のさらなる実施の形態が示されている。本明細書に詳しく記載されていないが、ガラス容器502および密閉アセンブリ504は、本明細書に記載され、図1~4に示されたガラス容器および密閉アセンブリと類似の構造および特徴を含むことがある。図5に示されるように、ガラス容器502は、上部シール面510、裏面512、および外面513により画成されたフランジ508まで延在する首部506を含む。
【0051】
実施の形態において、密閉アセンブリ504は、栓514および金属含有キャップ516を含む。しかしながら、実施の形態において、金属含有キャップ516が設けられなくてもよいことを認識すべきである。栓514は、外縁520で終端するシール部分518およびシール部分518の外縁520から延在するリム522を含む。シール部分518は、シール部分518の外縁520の間の距離により規定される外径D3を有する。栓514がガラス容器502上に配置されているときに、シール部分518は、フランジ508の上部シール面510の上に延在し、ガラス容器502に形成された開口524を覆う。リム522は、シール部分518の外縁520から、フランジ508の外面513に少なくとも部分的に沿って延在する。図5に示されるように、リム522は、フランジ508の外面513の少なくとも全長に沿って延在する長さを有する。栓514は、シール部分518の反対にあるリム522の端部から半径方向内側に、フランジ508の裏面512に沿って延在し、内面528で終端するリップ526をさらに含む。金属含有キャップ516が設けられる実施の形態において、リップ526は、金属含有キャップ516の内面530、特に、金属含有キャップ516の底部分532(フランジ508の裏面512に沿って半径方向内側に、首部506に向かって延在する)に沿って、それと接触し、リップ526は、金属含有キャップ516の底部分532と接触し、それに沿って延在して、首部506と接触する。
【0052】
先に述べたように、医薬品容器500が比較的低い貯蔵温度に曝されたときに、栓514の熱膨張係数がガラス容器502の熱膨張係数より大きいために、栓514のリム522とリップ526は、ガラス容器502のフランジ508の周りで、それに向かって収縮し、それゆえ、栓514とガラス容器502のフランジ508との間に形成されるシールが増強される。より詳しくは、栓514のシール部分518は、シール部分518の外縁520の間の外径D3が減少するように、比較的低い貯蔵温度の最中に収縮し、これにより、リム522とリップ526が、フランジ508の外面513の周りできつくなる。
【0053】
ここで図6を参照すると、ガラス容器602および密閉アセンブリ604を備えた医薬品容器600のさらなる実施の形態が示されている。本明細書に詳しく記載されていないが、ガラス容器602および密閉アセンブリ604は、本明細書に記載され、図1~5に示されたガラス容器および密閉アセンブリと類似の構造および特徴を含むことがある。図6に示されるように、ガラス容器602は、上部シール面610、裏面612、および外面614により画成されたフランジ608まで延在する首部606を含む。
【0054】
実施の形態において、密閉アセンブリ604は、栓616および金属含有キャップ618を含む。しかしながら、実施の形態において、金属含有キャップ618が設けられなくてもよいことを認識すべきである。栓616は、外縁622で終端するシール部分620を含む。シール部分620は、シール部分620の外縁622の間の距離により規定される外径D4を有する。栓616がガラス容器602上に配置されているときに、シール部分620は、フランジ608の上部シール面610の上に延在し、ガラス容器602に形成された開口624を覆う。図6に示されるように、シール部分620の外縁622と、金属含有キャップ618の内面628との間に間隙626が設けられる。実施の形態において、シール部分620の外縁622と、金属含有キャップ618の内面628との間に形成された間隙626に亘り延在するように、シール部分620の外縁622に、高分子リング630が配置される。このように、高分子リング630は、金属含有キャップ618の内面628と接触する。図から分かるように、高分子リング630は、高分子リング630の下面632がシール部分620の下面634より低くなるように、シール部分620の外縁622からずれている。よって、栓616がガラス容器602上に配置されたときに、高分子リング630は、ガラス容器602のフランジ608の外面614に部分的に沿って延在し、それによって、栓616とガラス容器602の両方と重なる。実施の形態において、高分子リング630は、栓616のCTEと等しいか、それより大きいCTEを有する。他の実施の形態において、高分子リング630は、栓616のCTEより低いCTEを有する。これらの実施の形態において、高分子リング630のCTEは、10%以内など、ガラス容器602のCTEと実質的に等しいことがある。実施の形態において、高分子リング630は、シール部分620の外縁622に接着されることがある。
【0055】
先に述べたように、医薬品容器600が比較的低い貯蔵温度に曝されたときに、栓616の熱膨張係数がガラス容器602の熱膨張係数より大きいために、シール部分620の外縁622の間の外径D4が減少するように、シール部分620がフランジ608の上部シール面610に対して収縮することを認識すべきである。シール部分620の外縁622の間の外径D4が減少するときに、高分子リング630はフランジ608の外面614に向かって半径方向内側に引き寄せられ、よって、フランジ608の外面614の周りできつくなる。それに加え、図2~6に示された医薬品容器の栓に示されていないが、栓は、図1に示された医薬品容器100に示された挿入部分117など、それぞれのガラス容器の開口中に延在する挿入部分を含んでもよいことを認識すべきである。さらに、栓のリムの外面および金属含有キャップの内面など、2つの表面が接触しているのが示されている、本明細書に述べられたどの実施の形態においても、その2つの表面が、栓の収縮の前に、互いに接触しないように、それらの間に間隙が設けられてもよいことを認識すべきである。
【0056】
上述したことに鑑みて、密閉医薬品容器が比較的低い温度に曝されたときに、ガラス容器と密閉アセンブリとの間に形成されたシールがきつくなるように、ガラス容器、およびガラス容器のCTEより高いCTEを有する密閉アセンブリを含む密閉医薬品容器がここに定義されていることを認識すべきである。特に、密閉アセンブリは、ガラス容器のフランジの上部シール面の上に延在し、ガラス容器に形成された開口を覆うシール部分を含む栓を備える。その栓は、フランジの外面に少なくとも部分的に沿って延在するリムをさらに含む。
【0057】
ここに記載された実施の形態のさらなる態様が、以下の項目の主題により提供される。
【0058】
項目1. 密閉医薬品容器において、肩部;その肩部から延在する首部;その首部から延在するフランジであって、首部から延在する裏面と、裏面から延在する、フランジの外径を規定する外面と、その外面と密閉医薬品容器に開口を画成する内面との間に延在する上部シール面とを備えたフランジ;および密閉アセンブリであって、フランジの上部シール面の上に延在し、開口を覆うシール部分、およびフランジの外面に少なくとも部分的に沿って延在するリムを備えた栓と、栓をフランジに固定する金属含有キャップとを備えた密閉アセンブリを含む、密閉医薬品容器。
【0059】
項目2. 栓のリムが、フランジの全外面に沿って延在する、項目1の密閉医薬品容器。
【0060】
項目3. 内側半径方向に延在する切り抜き部分がフランジの外面に形成され、栓のリムが、その切り抜き部分内に収まるように作られた形状を有する、項目1の密閉医薬品容器。
【0061】
項目4. 栓が、シール部分の反対にあるリムの端部から半径方向内側に、フランジの裏面に沿って延在するリップを含む、項目1の密閉医薬品容器。
【0062】
項目5. リムが、栓の外縁に沿って配置された高分子リングを含む、項目1の密閉医薬品容器。
【0063】
項目6. 栓が-20℃以下のガラス転移温度(Tg)を有し、密閉アセンブリが、密閉医薬品容器が-20℃以下の温度に冷却されたときに、密閉医薬品容器のヘリウム漏れ速度を1.4×10-6cm/秒以下に維持する、項目1~5のいずれかの密閉医薬品容器。
【0064】
項目7. 密閉アセンブリが、密閉医薬品容器が-80℃以下の温度に冷却されたときに、密閉医薬品容器のヘリウム漏れ速度を1.4×10-6cm/秒以下に維持する、項目6の密閉医薬品容器。
【0065】
項目8. 密閉アセンブリが、密閉医薬品容器が-100℃以下の温度に冷却されたときに、密閉医薬品容器のヘリウム漏れ速度を1.4×10-6cm/秒以下に維持する、項目6の密閉医薬品容器。
【0066】
項目9. 上部シール面が、開口の端部を通って延在する平面に対してある角度で延在する傾斜シール面であり、それによって傾斜シール面とその平面との間の距離が、外面からの半径方向距離が減少するにつれて増加するようになっている、項目1~8のいずれかの密閉医薬品容器。
【0067】
項目10. 角度が5度より大きい、項目9の密閉医薬品容器。
【0068】
項目11. 角度が45度以下である、項目9の密閉医薬品容器。
【0069】
項目12. フランジが高分子から作られている、項目1~11のいずれかの密閉医薬品容器。
【0070】
項目13. 栓のガラス転移温度が-10℃以下である、項目1~12のいずれかの密閉医薬品容器。
【0071】
項目14. 密閉医薬品容器において、肩部;その肩部から延在する首部;その首部から延在するフランジ;首部とフランジを通って延在する開口を画成する内面であって、フランジが、その内面から延在する上部シール面およびその上部シール面から延在する外面を含む、内面;および密閉アセンブリであって、フランジの上部シール面の上に延在し、開口を覆うシール部分、およびフランジの外面に少なくとも部分的に沿って延在するリムを備えた栓と、フランジに圧着された金属含有キャップであって、栓を上部シール面に対して圧縮する金属含有キャップとを備えた密閉アセンブリを含む、密閉医薬品容器。
【0072】
項目15. 栓のリムが、フランジの全外面に沿って延在する、項目14の密閉医薬品容器。
【0073】
項目16. 内側半径方向に延在する切り抜き部分がフランジの外面に形成され、栓のリムが、その切り抜き部分内に収まるように作られた形状を有する、項目14の密閉医薬品容器。
【0074】
項目17. 栓が、シール部分の反対にあるリムの端部から半径方向内側に、フランジの裏面に沿って延在するリップを含む、項目14の密閉医薬品容器。
【0075】
項目18. リムが、栓の外縁に沿って配置された高分子リングを含む、項目14の密閉医薬品容器。
【0076】
項目19. 密閉医薬品容器が-80℃以下の温度に冷却されたときに、密閉医薬品容器のヘリウム漏れ速度がその温度で1.4×10-6cm/秒以下に維持されるように、上部シール面に圧縮が維持される、項目14~18のいずれかの密閉医薬品容器。
【0077】
項目20. 上部シール面が、開口の端部を通って広がる平面に対してある角度で延在する傾斜シール面であり、その角度が45度以下である、項目14~19のいずれかの密閉医薬品容器。
【0078】
項目21. フランジが、0×10-7/K以上かつ70×10-7/K以下の熱膨張係数を有するガラス組成物から作られている、項目14~20のいずれかの密閉医薬品容器。
【0079】
項目22. 金属含有キャップの熱膨張係数(「CTE」)と栓のCTEとの間の差が、50×10-7/K以下である、項目14~21のいずれかの密閉医薬品容器。
【0080】
項目23. 金属含有キャップのCTEが、250×10-7/K以上である、項目22の密閉医薬品容器。
【0081】
項目24. フランジが高分子から形成されている、項目23の密閉医薬品容器。
【0082】
項目25. 栓が、フランジのCTEと等しいか、それより大きいCTEを有する、項目24の密閉医薬品容器。
【0083】
項目26. 栓のガラス転移温度が-10℃以下である、項目14~25のいずれかの密閉医薬品容器。
【0084】
項目27. 栓が、上部シール面と接触する低Tgエラストマーから作られ、低Tgエラストマーが、ポリブタジエン、シリコーン、フルオロシリコーン、亜硝酸化合物(nitrite)、およびEPDMエラストマーの1つ以上を含む、項目14~26のいずれかの密閉医薬品容器。
【0085】
項目28. 密閉医薬品容器が、ヘリウム漏れ速度を1.4×10-6cm/秒以下に維持する、項目19の密閉医薬品容器。
【0086】
項目29. 金属含有キャップが、密閉医薬品容器が冷却されているときに、フランジに対する栓の連続圧縮を維持する、項目14~28のいずれかの密閉医薬品容器。
【0087】
項目30. 密閉アセンブリが、密閉医薬品容器が-20℃以下の温度に冷却されたときに、密閉医薬品容器のヘリウム漏れ速度を1.4×10-6cm/秒以下に維持する、項目19の密閉医薬品容器。
【0088】
項目31. 密閉アセンブリが、密閉医薬品容器が-120℃以下の温度に冷却されたときに、密閉医薬品容器のヘリウム漏れ速度を1.4×10-6cm/秒以下に維持する、項目19の密閉医薬品容器。
【0089】
項目32. 医薬品容器を密閉する方法であって、医薬品容器において、肩部、その肩部から延在する首部、およびその首部から延在するフランジであって、首部から延在する裏面と、その裏面から延在する、フランジの外径を規定する外面と、その外面から開口を画成する医薬品容器の内面まで延在する上部シール面とを備えたフランジを含む医薬品容器を提供する工程;その医薬品容器に医薬品組成物を入れる工程;フランジの上部シール面の上に延在し、開口を覆うシール部分、およびフランジの外面に少なくとも部分的に沿って延在するリムを備えた栓を提供する工程;および栓の上に、フランジに対して金属含有キャップを圧着して、栓を上部シール面に対して圧縮する工程を含む方法。
【0090】
項目33. 医薬品容器を-20℃以下の温度に冷却する工程をさらに含み、医薬品容器を冷却した後、医薬品容器のヘリウム漏れ速度が、その温度で1.4×10-6cm/秒以下であるように、上部シール面上の圧縮が維持される、項目32の方法。
【0091】
項目34. 栓のリムが、フランジの全外面に沿って延在する、項目32の方法。
【0092】
項目35. 内側半径方向に延在する切り抜き部分がフランジの外面に形成され、栓のリムが、その切り抜き部分内に収まるように作られた形状を有する、項目32の方法。
【0093】
項目36. 栓が、シール部分の反対にあるリムの端部から半径方向内側に、フランジの裏面に沿って延在するリップを含む、項目32の方法。
【0094】
項目37. 栓の外縁に沿って高分子リングを接着する工程を含む、項目32の方法。
【0095】
項目38. 密閉医薬品容器において、肩部;その肩部から延在する首部;およびその首部から延在するフランジであって、首部から延在する裏面と、裏面から延在する、フランジの外径を規定する外面と、外面と密閉医薬品容器に開口を画成する内面との間に延在する上部シール面とを備えたフランジを含み、内側半径方向に延在する切り抜き部分がフランジの外面に形成されている、密閉医薬品容器。
【0096】
項目39. フランジの外面が、裏面と反対にある、フランジの最も外側のエッジから延在する上面部分、およびその上面部分で接合面部分から上部シール面まで延在する垂直面部分を含む、項目38の密閉医薬品容器。
【0097】
項目40. 垂直面部分が上面部分に対して垂直に延在する、項目39の密閉医薬品容器。
【0098】
項目41. フランジの上面部分、最も外側のエッジ、および裏面が共同して、レッジを画成する、項目39または項目40の密閉医薬品容器。
【0099】
項目42. 接合面部分が斜角部を形成する、項目39~41のいずれかの密閉医薬品容器。
【0100】
項目43. 接合面部分がアーチ形である、項目39~41のいずれかの密閉医薬品容器。
【0101】
請求項の主題の範囲から逸脱せずに、ここに記載された実施の形態に、様々な改変および変更を行えることが、当業者に明白であろう。それゆえ、本明細書は、ここに記載された様々な実施の形態の改変および変更を、そのような改変および変更が特許請求の範囲およびその等価物の範囲内に入るという前提で、包含することが意図されている。
【0102】
以下、本発明の好ましい実施形態を項分け記載する。
【0103】
実施形態1
密閉医薬品容器において、
肩部、
前記肩部から延在する首部、
前記首部から延在するフランジであって、
前記首部から延在する裏面と、
前記裏面から延在する、前記フランジの外径を規定する外面と、
前記外面と前記密閉医薬品容器に開口を画成する内面との間に延在する上部シール面と、
を備えたフランジ、および
密閉アセンブリであって、
前記フランジの上部シール面の上に延在し、前記開口を覆うシール部分、および該フランジの外面に少なくとも部分的に沿って延在するリムを備えた栓と、
前記栓を前記フランジに固定する金属含有キャップと、
を備えた密閉アセンブリ、
を含む、密閉医薬品容器。
【0104】
実施形態2
前記栓のリムが、前記フランジの全外面に沿って延在する、実施形態1に記載の密閉医薬品容器。
【0105】
実施形態3
内側半径方向に延在する切り抜き部分が前記フランジの外面に形成され、前記栓のリムが、該切り抜き部分内に収まるように作られた形状を有する、実施形態1に記載の密閉医薬品容器。
【0106】
実施形態4
前記栓が、前記シール部分の反対にある前記リムの端部から半径方向内側に、前記フランジの裏面に沿って延在するリップを含む、実施形態1に記載の密閉医薬品容器。
【0107】
実施形態5
前記リムが、前記栓の外縁に沿って配置された高分子リングを含む、実施形態1に記載の密閉医薬品容器。
【0108】
実施形態6
前記栓が-20℃以下のガラス転移温度(Tg)を有し、
前記密閉アセンブリが、前記密閉医薬品容器が-20℃以下の温度に冷却されたときに、該密閉医薬品容器のヘリウム漏れ速度を1.4×10-6cm/秒以下に維持する、実施形態1に記載の密閉医薬品容器。
【0109】
実施形態7
前記密閉アセンブリが、前記密閉医薬品容器が-80℃以下の温度に冷却されたときに、該密閉医薬品容器のヘリウム漏れ速度を1.4×10-6cm/秒以下に維持する、実施形態6に記載の密閉医薬品容器。
【0110】
実施形態8
前記密閉アセンブリが、前記密閉医薬品容器が-100℃以下の温度に冷却されたときに、該密閉医薬品容器のヘリウム漏れ速度を1.4×10-6cm/秒以下に維持する、実施形態6に記載の密閉医薬品容器。
【0111】
実施形態9
前記上部シール面が、前記開口の端部を通って延在する平面に対してある角度で延在する傾斜シール面であり、それによって該傾斜シール面と該平面との間の距離が、前記外面からの半径方向距離が減少するにつれて増加するようになっている、実施形態1に記載の密閉医薬品容器。
【0112】
実施形態10
前記角度が5度より大きい、実施形態9に記載の密閉医薬品容器。
【0113】
実施形態11
前記角度が45度以下である、実施形態9に記載の密閉医薬品容器。
【0114】
実施形態12
前記フランジが高分子から作られている、実施形態1に記載の密閉医薬品容器。
【0115】
実施形態13
前記栓のガラス転移温度が-10℃以下である、実施形態1に記載の密閉医薬品容器。
【0116】
実施形態14
密閉医薬品容器において、
肩部、
前記肩部から延在する首部、
前記首部から延在するフランジ、
前記首部と前記フランジを通って延在する開口を画成する内面であって、該フランジが、該内面から延在する上部シール面および該上部シール面から延在する外面を含む、内面、および
密閉アセンブリであって、
前記フランジの上部シール面の上に延在し、前記開口を覆うシール部分、および該フランジの外面に少なくとも部分的に沿って延在するリムを備えた栓と、
前記フランジに圧着された金属含有キャップであって、前記栓を前記上部シール面に対して圧縮する金属含有キャップと、
を備えた密閉アセンブリ、
を含む、密閉医薬品容器。
【0117】
実施形態15
前記栓のリムが、前記フランジの全外面に沿って延在する、実施形態14に記載の密閉医薬品容器。
【0118】
実施形態16
内側半径方向に延在する切り抜き部分が前記フランジの外面に形成され、前記栓のリムが、該切り抜き部分内に収まるように作られた形状を有する、実施形態14に記載の密閉医薬品容器。
【0119】
実施形態17
前記栓が、前記シール部分の反対にある前記リムの端部から半径方向内側に、前記フランジの裏面に沿って延在するリップを含む、実施形態14に記載の密閉医薬品容器。
【0120】
実施形態18
前記リムが、前記栓の外縁に沿って配置された高分子リングを含む、実施形態14に記載の密閉医薬品容器。
【0121】
実施形態19
前記密閉医薬品容器が-80℃以下の温度に冷却されたときに、該密閉医薬品容器のヘリウム漏れ速度が該温度で1.4×10-6cm/秒以下に維持されるように、前記上部シール面に圧縮が維持される、実施形態14に記載の密閉医薬品容器。
【0122】
実施形態20
前記上部シール面が、前記開口の端部を通って広がる平面に対してある角度で延在する傾斜シール面であり、該角度が45度以下である、実施形態14に記載の密閉医薬品容器。
【0123】
実施形態21
前記フランジが、0×10-7/K以上かつ70×10-7/K以下の熱膨張係数を有するガラス組成物から作られている、実施形態14に記載の密閉医薬品容器。
【0124】
実施形態22
前記金属含有キャップの熱膨張係数(「CTE」)と前記栓のCTEとの間の差が、50×10-7/K以下である、実施形態14に記載の密閉医薬品容器。
【0125】
実施形態23
前記金属含有キャップのCTEが、250×10-7/K以上である、実施形態22に記載の密閉医薬品容器。
【0126】
実施形態24
前記フランジが高分子から形成されている、実施形態23に記載の密閉医薬品容器。
【0127】
実施形態25
前記栓が、前記フランジのCTEと等しいか、それより大きいCTEを有する、実施形態24に記載の密閉医薬品容器。
【0128】
実施形態26
前記栓のガラス転移温度が-10℃以下である、実施形態14に記載の密閉医薬品容器。
【0129】
実施形態27
前記栓が、前記上部シール面と接触する低Tgエラストマーから作られ、該低Tgエラストマーが、ポリブタジエン、シリコーン、フルオロシリコーン、亜硝酸化合物、およびEPDMエラストマーの1つ以上を含む、実施形態14に記載の密閉医薬品容器。
【0130】
実施形態28
前記密閉医薬品容器が、前記ヘリウム漏れ速度を1.4×10-6cm/秒以下に維持する、実施形態19に記載の密閉医薬品容器。
【0131】
実施形態29
前記金属含有キャップが、前記密閉医薬品容器が冷却されているときに、前記フランジに対する前記栓の連続圧縮を維持する、実施形態14に記載の密閉医薬品容器。
【0132】
実施形態30
前記密閉アセンブリが、前記密閉医薬品容器が-20℃以下の温度に冷却されたときに、該密閉医薬品容器のヘリウム漏れ速度を1.4×10-6cm/秒以下に維持する、実施形態19に記載の密閉医薬品容器。
【0133】
実施形態31
前記密閉アセンブリが、前記密閉医薬品容器が-120℃以下の温度に冷却されたときに、該密閉医薬品容器のヘリウム漏れ速度を1.4×10-6cm/秒以下に維持する、実施形態19に記載の密閉医薬品容器。
【0134】
実施形態32
医薬品容器を密閉する方法であって、
医薬品容器において、肩部、該肩部から延在する首部、および該首部から延在するフランジであって、
前記首部から延在する裏面と、
前記裏面から延在する、前記フランジの外径を規定する外面と、
前記外面から開口を画成する前記医薬品容器の内面まで延在する上部シール面と、
を備えたフランジを含む医薬品容器を提供する工程、
前記医薬品容器に医薬品組成物を入れる工程、
前記フランジの上部シール面の上に延在し、前記開口を覆うシール部分、および該フランジの外面に少なくとも部分的に沿って延在するリムを備えた栓を提供する工程、および
前記栓の上に、前記フランジに対して金属含有キャップを圧着して、該栓を前記上部シール面に対して圧縮する工程、
を含む方法。
【0135】
実施形態33
前記医薬品容器を-20℃以下の温度に冷却する工程をさらに含み、該医薬品容器を冷却した後、該医薬品容器のヘリウム漏れ速度が、前記温度で1.4×10-6cm/秒以下であるように、前記上部シール面上の圧縮が維持される、実施形態32に記載の方法。
【0136】
実施形態34
前記栓のリムが、前記フランジの全外面に沿って延在する、実施形態32に記載の方法。
【0137】
実施形態35
内側半径方向に延在する切り抜き部分が前記フランジの外面に形成され、前記栓のリムが、該切り抜き部分内に収まるように作られた形状を有する、実施形態32に記載の方法。
【0138】
実施形態36
前記栓が、前記シール部分の反対にある前記リムの端部から半径方向内側に、前記フランジの裏面に沿って延在するリップを含む、実施形態32に記載の方法。
【0139】
実施形態37
前記栓の外縁に沿って高分子リングを接着する工程を含む、実施形態32に記載の方法。
【0140】
実施形態38
密閉医薬品容器において、
肩部、
前記肩部から延在する首部、および
前記首部から延在するフランジであって、
前記首部から延在する裏面と、
前記裏面から延在する、前記フランジの外径を規定する外面と、
前記外面と前記密閉医薬品容器に開口を画成する内面との間に延在する上部シール面と、
を備えたフランジ、
を含み、
内側半径方向に延在する切り抜き部分が前記フランジの外面に形成されている、密閉医薬品容器。
【0141】
実施形態39
前記フランジの外面が、
前記裏面と反対にある、前記フランジの最も外側のエッジから延在する上面部分、および
前記上面部分で接合面部分から前記上部シール面まで延在する垂直面部分、
を含む、実施形態38に記載の密閉医薬品容器。
【0142】
実施形態40
前記垂直面部分が前記上面部分に対して垂直に延在する、実施形態39に記載の密閉医薬品容器。
【0143】
実施形態41
前記フランジの前記上面部分、前記最も外側のエッジ、および前記裏面が共同して、レッジを画成する、実施形態39に記載の密閉医薬品容器。
【0144】
実施形態42
前記接合面部分が斜角部を形成する、実施形態39に記載の密閉医薬品容器。
【0145】
実施形態43
前記接合面部分がアーチ形である、実施形態39に記載の密閉医薬品容器。
【符号の説明】
【0146】
100、200、300、400、500、600 医薬品容器
102、202、302、402、502、602 ガラス容器
104、204、304、404、504、604 密閉アセンブリ
105 開口
106、216、418、718 栓
108、218、330、516、618 金属含有キャップ
109 底部分
110、210、310、510、610 上部シール面
112 本体
114 ガラス容器の内面
115 胴部
116 ガラス容器の外面
117 挿入部分
118 内部容積
119、220、332、518、620 シール部分
120 壁部分
122 床部分
126、208、308、508、608 フランジ
128、206、306、506、606 首部
130 肩部
136 フランジの外面
140 傾斜シール面
150 平面に対する傾斜シール面の角度
152 平面
154 開口の端部
326 レッジ
630 高分子リング
図1
図2
図3
図4
図5
図6
【国際調査報告】