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特表2024-538371加熱ノズルを使用した射出成形で臨床廃棄物容器を製造する方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-10-18
(54)【発明の名称】加熱ノズルを使用した射出成形で臨床廃棄物容器を製造する方法
(51)【国際特許分類】
   B29C 45/46 20060101AFI20241010BHJP
   B29C 45/37 20060101ALI20241010BHJP
   B29C 45/26 20060101ALI20241010BHJP
【FI】
B29C45/46
B29C45/37
B29C45/26
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024527240
(86)(22)【出願日】2022-11-07
(85)【翻訳文提出日】2024-07-04
(86)【国際出願番号】 SE2022051031
(87)【国際公開番号】W WO2023080835
(87)【国際公開日】2023-05-11
(31)【優先権主張番号】2151368-4
(32)【優先日】2021-11-08
(33)【優先権主張国・地域又は機関】SE
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】524170706
【氏名又は名称】フロストファーマ アクチエボラグ
【氏名又は名称原語表記】FROSTPHARMA AB
(74)【代理人】
【識別番号】100109380
【弁理士】
【氏名又は名称】小西 恵
(74)【代理人】
【識別番号】100109036
【弁理士】
【氏名又は名称】永岡 重幸
(72)【発明者】
【氏名】ウォール、ピーター
【テーマコード(参考)】
4F202
4F206
【Fターム(参考)】
4F202AA01
4F202AA50
4F202AB11
4F202AB19
4F202AB25
4F202AH63
4F202AJ02
4F202AJ11
4F202AK02
4F202AR07
4F202CA11
4F202CB01
4F202CK11
4F202CN05
4F202CN11
4F202CN21
4F206AA01
4F206AA50
4F206AB11
4F206AB19
4F206AB25
4F206AH63
4F206AJ02
4F206AJ11
4F206AK02
4F206AR07
4F206JA07
4F206JF01
4F206JF02
4F206JL02
4F206JM04
4F206JN11
4F206JN43
4F206JQ51
4F206JQ81
4F206JQ90
(57)【要約】
臨床廃棄物容器(100)を製造する方法であって、該臨床廃棄物容器は、前記臨床廃棄物容器(100)の直立動作方向において、上方軸方向(A)、外方半径方向(R)および角度方向(V)に関連付けられ、前記臨床廃棄物容器(100)は、上部バスケット開口部(111)を有する下部バスケット部品(110);および、前記バスケット開口部(111)を覆うように前記バスケット部品(110)に締結されるように配置された上部蓋部品(120)であって、該蓋部品(120)は、蓋開口部(122)を介して前記バスケット部品(110)内に臨床廃棄物を受容するように配置された上部蓋開口部(122)を有する円筒部(121)を備える、上部蓋部品(120)、を備える。この方法は以下の工程を含む:金型(220)および加熱ノズル(210)を提供し;少なくとも30体積%の木質繊維を含む溶融プラスチック材料を、前記加熱ノズルを介して前記金型(220)に射出し;前記プラスチック材料を冷却して硬化させ、前記蓋部品(120)を形成し;前記蓋部品(120)を前記金型(220)から取り外し;および、前記バスケット部品(110)を提供する、ここで、前記金型(220)および前記加熱ノズル(210)は、少なくとも12%のクロムを含み、少なくとも50HRC(ロックウェルスケール)に硬化されたステンレス鋼材料から作製される。
【選択図】 図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
臨床廃棄物容器(100)を製造する方法であって、該臨床廃棄物容器は、前記臨床廃棄物容器(100)の直立動作方向において、上方軸方向(A)、外方半径方向(R)および角度方向(V)に関連付けられ、前記臨床廃棄物容器(100)は、
上部バスケット開口部(111)を有する下部バスケット部品(110);および、
前記バスケット開口部(111)を覆うように前記バスケット部品(110)に締結されるように配置された上部蓋部品(120)であって、該蓋部品(120)は、蓋開口部(122)を介して前記バスケット部品(110)内に臨床廃棄物を受容するように配置された上部蓋開口部(122)を有する円筒部(121)を備える、上部蓋部品(120)、を備え、
前記方法は以下の工程を含む:
金型(220)および加熱ノズル(210)を提供し;
少なくとも30体積%の木質繊維を含む溶融プラスチック材料を、前記加熱ノズルを介して前記金型(220)に射出し;
前記プラスチック材料を冷却して硬化させ、前記蓋部品(120)を形成し;
前記蓋部品(120)を前記金型(220)から取り外し;および、
前記バスケット部品(110)を提供する、ここで、
前記金型(220)および前記加熱ノズル(210)は、少なくとも12%のクロムを含み、少なくとも50HRC(ロックウェルスケール)に硬化されたステンレス鋼材料から作製される、
ことを特徴とする方法。
【請求項2】
請求項1に記載の方法であって、
前記金型(220)および前記加熱ノズル(210)は、約13%のクロムを含むステンレス鋼材料から作製される、
ことを特徴とする方法。
【請求項3】
請求項1または2に記載の方法であって、
前記金型(220)および前記加熱ノズル(210)は、S50C 1.2083鋼から作製される、
ことを特徴とする方法。
【請求項4】
請求項1から3のいずれか1項に記載の方法であって、
前記臨床廃棄物容器(100)はさらに、
前記蓋開口部(122)を覆うように前記蓋部品(120)に締結されるように配置される蓋キャップ部品(130)であって、該蓋キャップ部品(130)は、閉じた上端部(132)を有し、内寸法が前記蓋部品(120)の前記円筒部(121)の外寸よりも大きい円筒部(131)を備え、前記蓋キャップ部品(130)の前記円筒部(131)は、前記蓋部品(120)の前記円筒部(121)上に摺動するように配置され、その結果、前記蓋キャップ部品(130)が蓋開口部(122)を覆うようになっている、蓋キャップ部品(130)、を備える、
ことを特徴とする方法。
【請求項5】
請求項4に記載の方法であって、
前記蓋キャップ部品(130)の前記円筒部(131)は、前記蓋部品(120)の前記円筒部(121)上に配置された外側スナップロック手段(123)と係合するように配置された内側スナップロック手段(133)を備え、これにより、少なくとも前記蓋キャップ部品(130)の材料がスナップフィットロックに弾性変形することによって、前記蓋キャップ部品(130)を前記蓋部品(120)上に締結する、
ことを特徴とする方法。
【請求項6】
請求項5に記載の方法であって、
前記内側スナップロック手段(133)は、前記蓋キャップ部品(130)に対して角度方向(V)に走行し、共に破断円を画定する、複数の分離した細長い突出部(133a,133b)を備え、
前記方法はさらに、
前記金型(220)から前記蓋キャップ部品(130)をエジェクションにより取り外すことを含む、
ことを特徴とする方法。
【請求項7】
請求項1から6のいずれか1項に記載の方法であって、
前記溶融プラスチックが、2つの異なる射出点で金型(220)内に射出され、
前記方法はさらに、
前記射出点ごとに、1つの加熱ノズルを使用することを含む、
ことを特徴とする方法。
【請求項8】
請求項4から6のいずれか1項に記載の方法であって、
前記金型(220)は、前記蓋部品(120)および前記蓋キャップ部品(130)の形状を、前記連結部(140)によって連結される連結体として規定し、
前記蓋部品(120)および前記蓋キャップ部品(130)の双方は、前記金型(220)への前記溶融プラスチック材料の前記射出によって形成され、
前記溶融プラスチックは、一方が前記蓋部品(120)上であり他方が前記蓋キャップ部品(130)上である、2つの異なる射出ポイント(225a,225b)で金型(220)に射出される、
ことを特徴とする方法。
【請求項9】
請求項8に記載の方法であって、
第1の金型部品(221)と第2の金型部品(222)との間の接触面(223)は、平坦であり、前記蓋部品(120)、前記連結部(140)および前記蓋キャップ部品(130)を通過し、ここで、前記第1の金型部品(221)および前記第2の金型部品(222)は装着状態で前記金型(220)を形成し、ここで、
前記接触面(223)は、前記蓋部品(120)が前記直立動作方向にあるときに水平であり、
前記蓋部品(120)は、主に前記接触面(223)の第1の側部に突出し、前記蓋キャップ部品(130)は主に接触面(223)の第2の側部に突出する、
ことを特徴とする方法。
【請求項10】
請求項1から9のいずれか1項に記載の方法であって、該方法がさらに以下を含む:
前記プラスチック材料の硬化中に、前記金型(220)を通過する流路を循環する冷却流体を使用して、前記金型(220)を少なくとも30℃の一定温度まで能動的かつ連続的に冷却する、
ことを特徴とする方法。
【請求項11】
請求項1から10のいずれか1項に記載の方法であって、
前記蓋部品(120)の大部分が均一な材料厚さを有する、
ことを特徴とする方法。
【請求項12】
請求項1から11のいずれか1項に記載の方法であって、
前記蓋部品(120)の概略材料厚さは、最大で2mmである、
ことを特徴とする方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、臨床廃棄物容器およびその製造方法に関する。このような容器は、注射針やその他の鋭利な廃棄物を廃棄するため(いわゆるシャープスコンテナ)、あるいはその他の臨床/医療廃棄物を廃棄するためのものであり得る。
【背景技術】
【0002】
使用済みの注射針のような臨床廃棄物や医療廃棄物は危険であり、一定の安全プロトコルに従って処理される必要がある。通常、病院職員や他の介護者は、このような廃棄物を、蓋付きのバケツやバスケットのような専用の容器に入れ、施設に運び、その後廃棄する。
【0003】
通常、容器は使い捨て容器であり、1回限りの使用を目的としている。
【0004】
このようなコンテナには多くの要件が課せられている:
【0005】
それらは、外部から加えられる摩耗や激しい力に対して十分な耐性を持つ必要があり、 また、容器内の廃棄された廃棄物が容器からはみ出す危険性がないようにする必要がある。
それらは、壊れることなく、数階建てで積み重ねられる必要がある。
それらは、標準的な容積サイズで利用可能である必要がある。
それらは、取り外し可能であるが取り扱い中に誤って外れない蓋を備える必要がある。
それらは、介護者が片手だけで注射針やその他の医療廃棄物を迅速かつ安全に廃棄できるようなインタフェイス(針や刃の切り離し器など)を提供する必要がある。これには、注射器を持って、蓋を抵抗として注射器をひねったり回したりして、注射針が外れるようにすることで、そのような注射針を廃棄すること、および、順に、蓋に耐えるべき曲げ力を与えることが含まれる。
それらは、一時的にも恒久的にも密閉可能である必要がある。
それらは、完全に一体型である必要がある、すなわち、取り扱い中に紛失する可能性のある緩い部品が存在してはならない。
それらは、高いスループットを持つ単純な工程で製造可能である必要がある。
【0006】
このような容器は大量に製造されるため、製造コストが低いことが重要である。
【0007】
従来、このような容器は、ポリプロピレンなどのプラスチック材料から製造されている。これは安価な材料であり、所望の形状に射出成形して耐久性のある容器を形成することができる。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、このような容器に関連する気候変動フットプリント(カーボンフットプリント)を低減するためには、化石由来の炭素量がより少ない材料を使用して容器を製造することが望ましい。破壊は通常焼却によって行われ、再利用やリサイクルは通常不可能である。
【0009】
そうした材料でそのような容器を実現し、なおかつ上記の要件をすべて満たすことは困難であることが判明した。
【0010】
本発明は、上述した課題を解決するものであり、バイオ複合材料、特に木質繊維とプラスチック材料との混合材料を用いる臨床廃棄物容器の製造を提案するものである。より詳細には、本発明は、上記要件を満たすように、このような臨床廃棄物容器を特定の方法で構成することを提案する。
【課題を解決するための手段】
【0011】
したがって、本発明は、臨床廃棄物容器であって、前記臨床廃棄物容器の直立動作方向において、上方軸方向、外方半径方向および角度方向に関連付けられる臨床廃棄物容器に関する。前記臨床廃棄物容器は、上部バスケット開口部を有する下部バスケット部品;前記バスケット開口部を覆うように前記バスケット部品に締結されるように配置された上部蓋部品であって、該蓋部品は、前記蓋開口部を介して前記バスケット部品内に臨床廃棄物を受容するように配置された上部蓋開口部を有する円筒部を備える、上部蓋部品;および、前記蓋開口部を覆うように前記蓋部品に締結されるように配置される蓋キャップ部品であって、該蓋キャップ部品は、閉じた上端部を有し、内寸法が前記蓋部品の前記円筒部の外寸よりも大きい円筒部を備え、前記蓋キャップ部品の前記円筒部は、前記蓋部品の前記円筒部上に摺動するように配置され、その結果、前記蓋キャップ部品が蓋開口部を覆うようになっている、蓋キャップ部品、を備える。前記蓋キャップ部品の前記円筒部は、前記蓋部品の前記円筒部上に配置された外側スナップロック手段と係合するように配置された内側スナップロック手段を備え、これにより、少なくとも前記蓋キャップ部品の材料がスナップフィットロックに弾性変形することによって、前記蓋キャップ部品を前記蓋部品上に締結する。ここで、前記容器において、前記内側スナップロック手段は、前記蓋キャップ部品に対して角度方向に走行し、共に破断円を画定する、複数の分離した細長い突出部を備えることを特徴とする。前記容器において、前記外側スナップロック手段は、前記蓋部品に対して角度方向に走行する細長い凹部を備え、前記細長い凹部は、少なくとも前記蓋キャップ部品の材料が弾性変形することにより、前記突出部が、前記突出部および前記凹部のそれぞれの角度方向の延長線に沿って前記凹部内にそれぞれ突出することによって、前記突出部と係合するよう配置され、これにより、第1のスナップフィットロックが形成され、順に、前記蓋キャップ部品を前記蓋部品に締結することを特徴とする。前記容器において、前記蓋部品は、その円筒部の下端部に、前記蓋部品の前記円筒部が、前記蓋部品の前記円筒部の軸方向に延びる中心軸を含む断面で見て少なくとも60°向きを変える屈曲部を備え、前記屈曲部は、最大で5mmの内側曲率半径と最大で5mmの外側曲率半径とを有することを特徴とする。前記容器において、前記蓋部品の材料厚さは、前記蓋部品の前記円筒部における前記屈曲部に隣接する材料厚さと比較して、前記屈曲部において局所的に少なくとも25%厚く、および、前記蓋部品および前記蓋キャップ部品は、少なくとも30体積%の木質繊維を含むプラスチック材料から作製されることを特徴とする。
【0012】
さらに、本発明は、前記タイプの臨床廃棄物容器(100)を製造するための方法に関する。前記方法は、以下の工程を含む:金型(220)と加熱ノズル(210)を提供し;少なくとも30体積%の木質繊維を含む溶融プラスチック材料を、前記加熱ノズルを介して前記金型(220)内に射出し;前記プラスチック材料を冷却して硬化させ、前記蓋部品(120)を形成し;前記金型(220)から前記蓋部品(120)を取り外し;および、前記バスケット部品(110)を提供する。
【0013】
以下では、本発明の例示的な実施形態および添付の図面を参照しながら、本発明を詳細に説明する。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1図1は、バスケット部品110および蓋部品120を含む、本発明に係る第1の臨床廃棄物容器100の斜視図である。図1に示す図は、一部が分解されている。蓋部品120は、図1において直線状に示されている連結部140を介して、蓋キャップ部品130に連結されていることに留意されたい。連結部140は、この直線状の向きで成形されるが、使用中に連結部140を180°曲げることができ、これにより、蓋部品120の蓋開口部122を封止するよう、蓋キャップ部品130を蓋部品120の上に上下逆に載せることができる。ここで、臨床廃棄物容器100が、蓋部品120をバスケット部品110に装着した直立姿勢にある動作方向が参照される。この向きは、図1に示される(ただし、蓋部品120は、バスケット部品110に対して上方に分解されている)。そして、連結部140は、この動作方向において、蓋キャップ部品130が蓋開口部122に到達し、蓋開口部122を覆うことができるように曲げられていても、曲げられていなくてもよいことに留意されたい。座標系A、R、Vが参照のために図1に示される。
図2図2は、図1と同様であるが、それぞれ異なるそれぞれの視点から臨床廃棄物容器100を示す図である。
図3図3は、図1と同様であるが、それぞれ異なるそれぞれの視点から臨床廃棄物容器100を示す図である。
図4図4は、図1と同様であるが、臨床廃棄物容器100を部分的に取り外して、実質的に半径方向に延びる断面が露出している状態を示す図である。
図5図5は、図4に示される臨床廃棄物容器100の詳細図であり、同じ断面が露出している。
図6図6は、臨床廃棄物容器100の屈曲部125の簡略断面図である。
図7図7は、臨床廃棄物容器100の蓋キャップ部品130の詳細を、異なる断面に沿って部分的に取り外して示す図である。
図8図8は、連結部140を示す臨床廃棄物容器100の詳細図である。
図9図9は、図1と同様の透視図であるが、一部が取り除かれている。接触面223より下方はすべて取り除かれている。接触面223は、2つの金型部品221、222(図9には示されていない)の間の接触面であり、これら2つの金型部品は、本発明に係る方法で射出成形を使用して、蓋部品120と蓋キャップ部品130とを、連結部品140を介して相互に連結された単一の一体化された材料体として製造するための金型220を共に規定する。
図10図10は、蓋部品120および蓋キャップ部品130の側面図であり、接触面223をさらに示す。
図11図11は、蓋部品320、蓋キャップ部品330、および連結部340を含む代替アセンブリ300を斜視図で示す図である。
図12図12は、連結部140を示す断面図である。
図13図13は、金型200の一部を取り除いた断面図である。図13は、本発明に係る方法においてバスケット部品110を製造するための金型200を示すが、蓋部品120、蓋キャップ部品130および連結部140からなる一体化されたアセンブリを製造するために、おそらく2つ以上の射出溶融プラスチック点225を有する同様の金型を使用してもよいことが理解される。
図14図14は、本発明に係る方法を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0015】
すべての図は、同一または対応する部分について同じ参照数字を使用している。図11は、図1から図10および図12と同じ下一桁の参照数字を使用している。
【0016】
図を一般的に参照して、臨床廃棄物容器100は、当該臨床廃棄物容器100の直立動作方向において、上向きの軸方向A、外向きの半径方向R、および角度方向Vと関連付けられている。蓋キャップ部品130の「上向き」および「下向き」方向を参照する場合、蓋キャップ部品が蓋部品120上に載せられる(すなわち、連結部140が180°曲げられる)ことを想定する。
【0017】
臨床廃棄物容器100は、下部バスケット部品110を備え、順に、下部バスケット部品は上部バスケット開口部111を有する。バスケット部品110はまた、テーパ状または直線状の側壁114を有する。
【0018】
臨床廃棄物容器100はまた、上部蓋部品120を備え、順に、上部蓋部品はバスケット開口部111を覆うようバスケット部品110に締結されるように配置される。蓋部品120は、さらに、蓋開口部122を介してバスケット部品110内に臨床廃棄物を受容するように配置される上部蓋開口部122を有する円筒部121を備える。
【0019】
臨床廃棄物容器100が、軸方向Aに対して垂直にとられた断面において概して円形対称であるように示されているとしても、臨床廃棄物容器100は、場合により、断面正方形または長方形などの他の一般的な形状を有することができることが理解される。対応することは、本明細書で開示される相補的形状の円筒部121、131にも当て嵌まる。したがって、円筒部121、131は、それぞれ円形対称の円筒であってもよいし、容器100を一時的または恒久的に密封するように蓋キャップ部品130が蓋部品120に装着されたときにぴったりとした嵌合を達成するように相補的な形状である限り、他の任意の適切な円筒形状を有していてもよい(下記参照)。
【0020】
臨床廃棄物容器100に関して述べたことはすべて、アセンブリ300にも、本発明に係る方法にも、またその逆も同様に適用可能である。
【0021】
臨床廃棄物容器100は、蓋開口部122を覆うよう蓋部品120に締結されるように配置される蓋キャップ部品130をさらに備える。蓋キャップ部品130は、閉じた上端部132を有し、かつ蓋部品120の円筒部121の外径寸法より大きい内径寸法を有する円筒部131を備える。蓋キャップ部品130の円筒部131は、蓋部品120の円筒部121に対して摺動可能に配置され、その結果、蓋キャップ部品130が蓋開口部122を覆う。換言すれば、蓋キャップ部品130の円筒部131は、蓋キャップ部品130が蓋部品120上に完全に(恒久的に、後述する)装着されたときに、蓋部品120の円筒部121を少なくとも部分的に覆うように配置される。
【0022】
円筒部121、131は、円筒部131の円筒部121への摺動を容易にするために、双方とも僅かに円錐形であってよい。
【0023】
蓋キャップ部品130の円筒部131は、内側スナップロック手段133を備え、順に、この内側スナップロック手段は、蓋部品120の円筒部121上に配置される外側スナップロック手段123と係合するように配置され、これにより、少なくとも蓋キャップ部品130の材料がスナップフィットロックに弾性変形することによって、蓋キャップ部品130を蓋部品120上に締結する。
【0024】
本発明によれば、蓋部品120および蓋キャップ部品130は、少なくとも30体積%の木質繊維を含むプラスチック材料から作製される。蓋部品120は、蓋キャップ部品130と同じ材料から作製されてもよく、特に、これらが射出成形で単一の一体化部品として成形される場合にはそうである。バスケット110はまた、少なくとも40体積%の木質繊維など、木質繊維を含むプラスチック材料から作製されてもよい。
【0025】
木質繊維を除いた残りの材料は、ポリプロピレンのような従来の熱可塑性プラスチックのような従来のプラスチック材料、またはそのようなプラスチック材料と1つまたは複数の他のプラスチック材料および/または添加剤との混合物であってもよい。より一般的には、残りの材料は、バージン化石ベース、リサイクル化石ベースまたはバイオベースポリマーなどの任意の適切なポリマーであってもよい。このような多くの異なるポリマーが、補強材として作用し、木質繊維を混和する際に形成される複合材に十分な弾性、強度、耐摩耗性を与える、本タイプの容器に適している可能性があることが理解される。
【0026】
したがって、本発明の臨床廃棄物容器100の製造に使用される材料は、生体複合材料である。一例として、スウェーデンのStoraEnso社から販売されているDuraSense(登録商標)タイプの材料を使用することができる。
【0027】
このような材料を用いると、臨床廃棄物容器100の二酸化炭素負荷が大幅に低減され、環境面でも有利である。
【0028】
しかしながら、このような材料は、例えば、従来から医療廃棄物容器に使用されているポリプロピレンに比べ、著しく弾力性に欠け、脆い。
【0029】
このため、このような臨床廃棄物容器100を、臨床廃棄物容器に関する最初に述べた要件をすべて満たすように設計することは困難である。特に、鋭利な針や汚染物質などの医療リスク廃棄物の運搬に使用されることが多いため、このことは重要である。
【0030】
本発明者らは、品質的に劣った製品をもたらすことなく、上述のタイプの生体材料を用いて臨床廃棄物容器100を製造することを可能にする一連の具体的な設計原理を開発した。
【0031】
以下では、これらの設計原理について詳細に説明する。
【0032】
第1の内側スナップロック手段133に関して、内側スナップロック手段は、蓋キャップ部品130に対して角度方向Vに走行し、共に破断円を画定する、複数の分離した細長い突出部133a、133bを備えてよい。言い換えれば、このような離散的な突出部(図では、このような離散的な突出部133aの上部の一連のものと、このような突出部133bの下部の一連のものの双方)が複数存在し、1つの同じ破断円に属する複数の突出部は、このような突出部のない延伸部(stretches)によって中断されている。
【0033】
さらに、外側スナップロック手段123は、蓋部品120に対して角度方向Vに走行し、少なくとも蓋キャップ部品130の材料が弾性変形することによって、および、突出部133a、133bが突出部133a、133bおよび凹部123a、123bのそれぞれの角度Vの延長に沿って凹部123a、123b内にそれぞれ突出することによって第1のスナップフィットロックを形成し、その結果、蓋キャップ部品130を蓋部品120に締結するよう、突出部133a、133bと係合するように配置された細長い凹部123a、123bを備えてよい。
内側スナップロック手段133の突出部133a、133bとは対照的に、細長い凹部123a、123bは、角度方向Vにおいて360°の全周に沿って途切れることなく延長してよい。しかしながら、上記のように、突出部133a、133bの各々は、少なくとも1箇所、好ましくは少なくとも2箇所、さらには少なくとも4箇所で角度方向Vに沿って途切れる。図では、各突出部133a、133bが6箇所で中断されている好ましい実施形態が示されている。
【0034】
蓋部品120は、その円筒部121の下端部124において、蓋部品120の円筒部121が少なくとも60°、例えば少なくとも80°、例えば少なくとも局部的に85~95°、蓋部品120の円筒部121の軸線A方向に延びる中心軸X(図4参照)を含む断面で見て方向を変える屈曲部125(図5および図6参照)を備えてよい。このような断面の例は、実際、図4を部分的に取り除いた断面である。
【0035】
屈曲部125は、半径方向360°の全周に沿って、または少なくとも半径方向に沿った全周の50%以上に沿って、一定の断面を有してよい。
【0036】
さらに、屈曲部125は、最大5mmの内側曲率半径R1(図6参照)と、最大5mmの外側曲率半径R2とを有することができる。
【0037】
さらに、蓋部品120の、実質的に局所的に測定された対向する辺に垂直な材料厚さは、蓋部品120の円筒部121において屈曲部125に隣接する対応する材料厚さと比較して、屈曲部125において局所的に少なくとも25%厚くてよい。
【0038】
材料の局所的な厚さは、後述するように曲率半径R1、R2を調整するだけで、円筒部121の残りの部分および蓋部品120のカバー126の材料厚さを均一または少なくとも実質的に均一(場合により局部的な特徴を考慮しつつ)に維持しながら、屈曲部125自体に限定することができる。
【0039】
本発明者らは、このような協働するスナップロック手段123、133を有する蓋部品120および蓋キャップ部品130の設計により、内側スナップロック手段133が上述の方法で配置され、半径方向にそれぞれの破断円を形成することで、容器100を一時的および恒久的に閉止するための効果的なスナップロックが可能になり、硬化後に金型から排出される際に、蓋キャップ部品130が損傷することなく射出成形されることを実現した。屈曲部125の局所的な厚さは、驚くべきことに、スナップロック手段123、133を互いに係合させるのに十分な力で蓋キャップ部品130を押し下げることができるよう、蓋部品120を強化するのに十分な厚さである。このように局所的にのみ増加した厚さを提供することにより、蓋部品120を製造するために使用される材料の総量を最小限に抑えることができ、円筒部121の残りの部分およびカバー126の材料厚さは、そうでなかった場合よりも小さくなる。
【0040】
言い換えれば、スナップロック手段123、133と局部的に厚い屈曲部125との本発明で開示されている組み合わせは、迅速な射出成形によって製造することができ、必要以上の材料を使用することなく、蓋部品-蓋部品キャップアセンブリにおいて十分に機能する閉鎖メカニズムを実現する。
【0041】
上述のように、屈曲部125における蓋部品120の材料厚さは、内側曲率半径R1が外側曲率半径R2に対して十分に大きいことにより、局所的に変化させることができる。特に単純な設計では、この曲率半径の適合が、材料厚さを局所的に増加させる唯一の理由であり、それぞれの材料表面は、内側カーブの屈曲部125aおよび外側カーブの屈曲部125bの外側で平坦であってもよい。
【0042】
屈曲部125における蓋部品120の外側(外側屈曲部125b)は、上記断面において部分的円形状を有してよい。同様に、屈曲部125における蓋部品120の内側(内側屈曲部125a)は、上記断面において部分的円形状を有してよい。
【0043】
具体的には、屈曲部125に隣接する蓋部品120の材料厚さは、最大2mm、例えば最大1.8mm、例えば1.5~1.7mmの間、例えば約1.6mmであってよい。蓋部品120全体は、実質的に均一な材料厚さ(蓋部品120の全表面の少なくとも50%にわたって同じであるなど)を有してよく、屈曲部125に隣接する材料厚さに関連して説明したとおりである。
【0044】
内側曲率半径R1は、少なくとも1.2mm、例えば少なくとも1.3mmであってよい。内側曲率半径R1は、最大2.0mm、例えば最大1.7mmであってよい。好ましい例では、内側曲率半径R1は約1.5mmである。
【0045】
外側曲率半径R2は、少なくとも1.7mm、例えば少なくとも1.8mmであってよい。外側曲率半径R2は、最大2.5mm、例えば最大2.2mmであってよい。好ましい例では、外側の曲率半径R2は約2.0mmである。
【0046】
特に、少なくとも屈曲部125に隣接する蓋部品120の、円筒部121および/またはカバー126の材料厚さは一定であってよい。
【0047】
カバー126は、円筒部121の縁から蓋部120の周縁までの間を実質的に水平に延長する、概して平坦な部分であることが図に示されている。このカバー126は他の形状を有していてもよいが、円筒部121の外側でバスケット開口部111を覆うように配置されていることが理解される。
【0048】
図において、スナップロック手段123、133は、2つの軸方向にオフセットされた外側スナップロック手段123と、2つの軸方向にオフセットされた内側スナップロック手段133とを備える。多様な実施形態において、スナップロック手段123、133のいずれか一方または両方が1つだけであってもよく;および/または、スナップロック手段123、133のいずれか一方または両方が2つ以上であってもよい。いずれにせよ、内側スナップロック手段133の軸方向Aの最下部の1つが、破断円を形成する上述のタイプのものであることが好ましい。また、他の内側スナップロック手段133の軸方向Aの上方に配置される内側スナップロック手段133が、全円(360°)の突出部として設けられていないことも好ましい。内側スナップロック手段133が1つしかない場合、この内側スナップロック手段133は、蓋キャップ部品130が蓋部品120の円筒部121に完全に押し下げられたときに、軸方向Aの下端124の近傍に配置されることが好ましい。換言すれば、このような単一の内側スナップロック手段133は、蓋キャップ部品130の下部開口部134の近傍に設けられる。
【0049】
しかしながら、図に示されているように、好ましい実施形態では、外側スナップロック手段123は、蓋部品120の円筒部121に設けられた、軸方向Aにオフセットされているが平行な一対の細長い凹部123a、123bを備えてよい。
【0050】
内側スナップロック手段133は、蓋キャップ部品130の円筒部131に設けられた、軸方向Aにオフセットしているが平行な一対の細長い突出部133a、133bを備えてよい。
【0051】
上述したように、蓋キャップ部品130の円筒部131は、凹部の上側の1つ123aが突出部の下側の1つ133bと係合して、上方位置において、臨床廃棄物容器100を蓋キャップ部130に取り外し可能に封止するスナップフィットロックを形成するように、蓋部品120の円筒部121に(周囲に)押し下げられるように配置されてよい。この上方位置から、蓋キャップ部品130を蓋部品120にさらに押し下げることができるが、蓋キャップ部品130が完全に押し下げられない限り、蓋キャップ部品130を上方に引き上げるだけで蓋部品120から取り外し可能である。
【0052】
しかしながら、上述したように、蓋キャップ部品130は、上方位置から、蓋部品120に対して下方位置までさらに押し下げられるように配置されてよく、これにより、凹部の上側の1つ123aが突出部の上側の1つ133aと係合し、凹部の下側の1つ123bが突出部の下側の1つ133bと係合して、臨床廃棄物容器100を蓋キャップ部品130に恒久的に封止するスナップフィットロックを形成する。
【0053】
この下方位置において、蓋キャップ部品130のフラップ135は、臨床廃棄物容器100が恒久的に密封され、力ずくで再び開封されなければならないことを伝えるように、概ね水平方向から概ね垂直方向へ、約90°上方に屈曲していることが好ましい。
【0054】
蓋部品120は、円筒部121の下端124の周囲を走行する角度Vの細長い溝または凹部126aを備える。下方位置では、蓋キャップ部品130の円筒部131の下端縁が、溝または凹部126a内の垂直深さで下方に延長し、溝または凹部126a内に受容されることが好ましく、これにより、円筒部131の下端縁が蓋部品120のカバー126の上面の下方に位置することになる。蓋部品120に対する蓋キャップ部品130の垂直位置は、互いに対するスナップロック手段123、133の相対的な向きに基づいて決定することができる。このようにして、一旦、蓋キャップ部品130が下方位置に完全に押し下げられると、蓋キャップ部品130の円筒部131の下に何らかのレバーを挿入して屈曲させることによって容器100を再び強制的に開くことは困難となる。
【0055】
そして、上部突出部133aおよび下部突出部133bの少なくとも一方は、上述したように、蓋キャップ部品130に対して角度方向Vに走行し、共に破断円を画定する複数の分離した細長い突出部の形態であってよい。
【0056】
突出部の下側の1つ133bは、蓋キャップ部品130の内面から0.3~0.5mmの間、例えば約0.4mm、半径方向R内側に突出するように配置されてよい。
【0057】
突出部の上側の1つ133aは、0.2~0.4mmの間、例えば約0.3mm、半径方向R内側に突出するように配置されてよい。いずれにしても、突出部の上側の1つ133aは、突出部の下側の1つ133aと比較して、蓋キャップ部品130の内面から少なくとも0.05mm少なく、例えば少なくとも0.1mm少なく、半径方向R内側に突出することが好ましい。
【0058】
上述したように、蓋部品120の大部分、あるいは実質的にすべてが、均一な材料厚さを有していてもよい。蓋部品120のそうした概略の材料厚さは、最大2mm、例えば最大1.8mm、例えば1.5~1.7mmの間、例えば約1.6mmであってもよい。蓋キャップ部品130は、蓋部品120と同様または同一の概略の材料厚さを有してよい。
【0059】
これに対して、バスケット部品110の対応する概略の材料厚さは、蓋部品120の上記概略の厚さよりも小さくてよく、例えば、少なくとも0.1mm、さらには0.2mm小さくてもよい。バスケット部品110の材料厚さは、1.7mm未満であってもよく、1.5mm以上であってもよい。例外は、バスケット部品110の底部113にあってよく、そこでは、材料厚さは、約1.8mmなど、より大きくなり得る。
【0060】
本発明者らは、バスケット部品110と比較して蓋部品120にこのような概略の材料厚さを使用することにより、上記の要件を満たしつつ、臨床廃棄物容器100における木質繊維の使用を全体的に最適化できることを見出した。具体的には、バスケット部品110は、木質繊維を含む上記プラスチック材料から作製され得るが、蓋部品120よりも木質繊維の割合が大きい。つまり、バスケット部品110は、比較的少量のプラスチック材料(ポリプロピレンなど)を備える。バスケット部品110がより少ない体積の材料を含むので、非繊維質材料の全体的な最適化が達成され、容器100全体のカーボンフットプリントが最小化される。
【0061】
特にそのような場合、バスケット部品110が、その開放する上端111に沿って走行する水平方向に突出し、かつ蓋部品120の対応するスナップロック手段129と係合するように配置される縁部112を備えることが好ましく、これにより、蓋部品120のバスケット部品110へのスナップフィットロックが達成され、ひいては臨床廃棄物容器100を上記動作方向に形成する。そして、水平方向に突出する縁部112は、少なくとも1.5mm、さらには少なくとも2.0mmの最小高さを有する。
【0062】
図から理解されるように、蓋部品120および蓋キャップ部品130は、蓋部品120および蓋キャップ部品130と同じ材料体からなる連結部140によって相互に連結され得る。したがって、蓋部品120、連結部140および蓋キャップ部品130は、接合部のない、単一で同一の、一体化された材料体に射出成形される。連結部140は、好ましくは、少なくとも10cmにわたって伸長する細長い形状を有し、最大断面直径は約5mmである。
【0063】
好ましい実施形態では、連結部140は、臨床廃棄物容器100が上記直立動作方向にあり、蓋キャップ部品130が蓋開口部122を覆って蓋部品120に装着されているときに、蓋部品120の下端部および蓋キャップ部品130の下端部に連結される。この直立動作方向では、蓋キャップ部品130が蓋開口部122上に載せられる結果、連結部140は、少なくとも150°、図示の例では180°弾性的に屈曲する(屈曲される)ことを強制される。
【0064】
図に示されるように、連結部140は、弛緩状態にあり、臨床廃棄物容器100が直立動作方向にあるとき、連結部140の近位端141において、蓋部品120から水平に突出するように、および/または、連結部140の遠位端142において、蓋キャップ部品130から水平に突出するように配置されてよい。
【0065】
図10に示されるように、後述するタイプの射出成形プロセスにおいて蓋部品120および蓋キャップ部品130を作製するために一緒に使用される一対の金型部品221、222の間の接触面223は、蓋キャップ部品130の上記下端を通り、蓋部品120の上記下端を通り、連結部140を通り、当該材料体を正確に2つの部分に効果的に分割する。図9には、これらの部分のうちの頂部の1つが示されている。後述するように2つの射出位置を使用することにより、特に本明細書に開示される材料サイズ等を使用する場合、現在使用されているプラスチック材料でこのような構造体を効率的に充填することができる。接触面223は、平面であってもよく、換言すれば、屈曲または湾曲していなくてもよい。
【0066】
上述したように、連結部140は細長くてもよく、断面において(この断面は連結部140の長手方向に対して垂直である)、臨床廃棄物容器100が上記直立動作方向にあるときに連結部140のいずれかの水平横側面上におよびそこから延長する一対の同様に細長い翼状突出部143を備えてよい。これは、おそらく図12に最もよく示されている。
【0067】
幾つかの実施形態では、連結部140と蓋部品120(上記近位端141で)、および連結部140と蓋キャップ部品130(上記遠位端142で)との連結点のそれぞれは、2つのそれぞれの水平支持構造141a、142aと、それぞれの垂直支持構造141b、142bとを備える。
【0068】
水平支持構造141a、142aはそれぞれ、連結部140に対して横方向(前記動作方向において水平方向)のいずれかに延長してよい。支持構造141a、141b、142a、142bのそれぞれは、連結部140のそれぞれの側面を、蓋部品120または蓋キャップ部品130の外面にそれぞれ相互連結することができる。支持構造141a、141b、142a、142bの各々は、図に示されるような三角形であってもよいし、他の任意の適切な形状を有してもよい。しかしながら、好ましくは、これら支持構造は、連結部140と(蓋部品120または蓋キャップ部品130の)当該側面との間の連結の強化を達成するように、当該側面から連結部140端部に沿って少なくとも3mmの点と、当該側面上の連結部140から少なくとも3mmの点とを相互に連結する。
【0069】
特に、上述したように接触面223が蓋部品120と蓋キャップ部品130との関係で配置されている場合には、臨床廃棄物容器100がその動作方向で連結部140の弛緩状態にあるときに、連結部140と蓋部品120とを相互連結する垂直支持部141bが、連結部140から上方に延長し、連結部140と蓋キャップ部品130とを相互連結する垂直支持部142bが、連結部140から下方に延長することが好ましい。図10を参照されたい。
【0070】
これにより、多くの効果が得られる。第1に、射出成形時に構造体を効率的に充填することができる。第2に、接触面223の位置が、蓋部品120および蓋キャップ部品130の双方の構造強度の観点から最適である。第3に、連結部140と蓋部品120との間、および連結部140と蓋キャップ部品130との間の連結は、それぞれ、上述した比較的脆い材料から製造されるとしても、蓋キャップ部品130を蓋部品120上に載せるために連結部140が屈曲されるときに生じる歪みに耐えるのに十分な強度を有する連結として達成される。
【0071】
図に示すように、蓋部品120の開口部122は、例えば注射針または刃の切り離し手段128を備えるアイテム廃棄用インタフェース127を備えてよく、このインタフェース127は、標準タイプであってよい。
【0072】
図には、小さな頭部形状の締結手段Fも示されている。容器100を運搬するためにハンドルが必要な場合には、蓋部品120の両側に、可撓性の紐を、それぞれのそのような締結手段Fに取り付けてよい。
【0073】
バスケット部品110は、例えば、少なくとも2リットルの最大容積を保持することができ、例えば、最大5リットルの最大容積を保持することができる。バスケット部品110の高さを変更することにより、容器100の総容積を、1つの同じ蓋部品120および1つの同じ蓋キャップ部品130を使用しながら、変更することができる。
【0074】
図11は、蓋部品320/蓋キャップ部品330/連結部340の代替構成を示す図であり、図1図10に示された構成と概ね類似している。
【0075】
図14は、本明細書に開示されるタイプの臨床廃棄物容器100を製造するための、本発明に係る方法を示す。
【0076】
最初のステップで、本方法はスタートする。
【0077】
後続するステップで、加熱された射出ノズル210とともに金型220が提供される。このノズル210は、金型220の一部であってもよく、ノズル210内またはノズル210上に配置された電気抵抗ケーブルを使用するなど、それ自体従来のように別個に加熱されてもよい。ノズルは、溶融プラスチック材料を金型のそれぞれの射出ポイントに供給するように配置される。このような射出ポイントが複数ある場合、このような射出ポイントごとにノズルが1つある。
【0078】
図13は、そのような射出ノズル210を備えたそのような金型220を示す。図13に示す例示的な金型220は、バスケット部品110を製造するための金型であるが、同様の金型220は、蓋部品220、420の変形例のいずれかを製造するために使用される。
【0079】
蓋部品220、420には、後述するように、2つの射出ポイントを使用することができる。
【0080】
後続するステップで、溶融プラスチック材料が加熱ノズル210を介して金型220内に射出され、溶融プラスチック材料は、上述のように、少なくとも30体積%の木質繊維を含んでいる。
【0081】
後続するステップで、プラスチック材料は、場合により、上記バスケット部品110、蓋部品120、蓋キャップ部品130、および/または前記連結部140を形成するために、冷却により硬化させられる。
【0082】
後続するステップで、当該部品は金型220から取り出される。蓋キャップ部品130の場合、金型から蓋キャップ部品130を取り出すために、それ自体従来のエジェクタ機構が使用されるが、内側スナップロック手段133の不連続な稜線は、破断することなく成形材料の弾性変形を許容するため、損傷することはない。
【0083】
少なくとも蓋部品120と蓋キャップ部品130はこのようにして製造される。
【0084】
後続するステップで、バスケット部品110が、バスケット部品110に対応する方法で、潜在的に射出成形を用いて提供される。
【0085】
後続するステップで、蓋部品120をバスケット部品110に取り付けて、最終的な臨床廃棄物容器100を形成することができる。
【0086】
後続するステップで、本方法は終了する。
【0087】
本発明者らは、金型220および加熱ノズル210が共に少なくとも12%のクロム、例えば約13%のクロムを含むステンレス鋼材料から作製され、そのステンレス鋼材料が少なくとも50HRC(ロックウェルスケール)に硬化されている場合に、良好な結果が得られることを見出した。適切な材料の一例は、S50C 1.2083鋼である。このような材料は、研磨摩耗にも、本発明の溶融材料が示す比較的攻撃的な化学環境にも耐える。
【0088】
金型220が、連結部140によって連結される連結体としての蓋部品120および蓋キャップ部品130の形状を規定し、蓋部品120および蓋キャップ部品130の双方が、金型220内への溶融プラスチック材料の射出によって形成されるという上述の好ましい場合において、溶融プラスチックは、有利には、2つの異なる射出ポイント225aで、225b(図9参照)、1つは蓋部品120に、もう1つは蓋キャップ部品130に(これはフラップ134にあってもよい)、金型220内に射出され得る。
【0089】
バスケット部品110に関しては、単一の射出ポイント225がバスケット部品110の底部113に配置されてよい。
【0090】
上述したように、第1の金型部品221と第2の金型部品222(装着状態で金型220を形成する第1の金型部品221と第2の金型部品222)との間の接触面223は、平坦(平面)であってよく、蓋部品120を通過し、連結部140を通過し、蓋キャップ部品130を通過してよい。
【0091】
この場合、蓋部品120が上記直立動作方向にあるとき、接触面223は水平であってよい。また、この場合、蓋部品120は、主に接触面223の第1の側(図10における上側)に突出してよく、一方、蓋キャップ部品130は、主に接触面223の第2の側(図10における下側)に突出してよい。
【0092】
図13に示されているように、金型は、一体化された冷却流路234を含んでよく、この冷却流路234を通して、成形中に金型220を所望の温度まで冷却するように冷却流体(水など)を循環させることができる。
【0093】
本発明者らは、比較的高い冷却温度が本発明の目的を達成するのに適していることを見出した。そのため、本方法はさらに、プラスチック材料の硬化中に、金型220を通過して流路234内を循環する冷却流体を用いて、金型220を能動的かつ連続的に冷却し、成形プロセス全体にわたって、少なくとも30℃、例えば少なくとも40℃、さらには少なくとも50℃の一定温度まで冷却することをさらに含むことができる。
【0094】
本明細書に開示される特徴を有する上記タイプの容器100、300のこのような成形プロセスは、完全なプラスチック射出が迅速かつ効率的な製造プロセスで達成され、その結果、十分に耐久性のある容器100、300が得られ、従来の臨床廃棄物容器と比較してカーボンフットプリントの大幅な低減を達成する。
【0095】
以上、好適な実施形態について説明した。しかしながら、本発明の基本的な思想から逸脱することなく、開示された実施形態に多くの変更を加えることができることは、当業者に明らかである。
【0096】
本発明の基礎となる発明的努力は、例えば100%ポリプロピレンの代わりに本発明のバイオ複合材を使用できるように、従来の臨床廃棄物容器に一連の改良を加えることが理解される。ここでは、そのような具体的な改良の数々、およびそのような改良を組み合わせる様々な方法を説明した。しかしながら、本明細書に開示される修正および特徴は、場合によっては他の方法でも組み合わせることができることが理解される。
【0097】
したがって、本発明は、開示される実施形態に限定されるものではなく、添付の特許請求の範囲内で種々の変更が可能である。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
【手続補正書】
【提出日】2024-10-01
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
臨床廃棄物容器(100)を製造する方法であって、該臨床廃棄物容器は、前記臨床廃棄物容器(100)の直立動作方向において、上方軸方向(A)、外方半径方向(R)および角度方向(V)に関連付けられ、前記臨床廃棄物容器(100)は、
上部バスケット開口部(111)を有する下部バスケット部品(110);および、
前記バスケット開口部(111)を覆うように前記バスケット部品(110)に締結されるように配置された上部蓋部品(120)であって、該蓋部品(120)は、蓋開口部(122)を介して前記バスケット部品(110)内に臨床廃棄物を受容するように配置された上部蓋開口部(122)を有する円筒部(121)を備える、上部蓋部品(120)、を備え、
前記方法は以下の工程を含む:
金型(220)および加熱ノズル(210)を提供し;
少なくとも30体積%の木質繊維を含む溶融プラスチック材料を、前記加熱ノズルを介して前記金型(220)に射出し;
前記プラスチック材料を冷却して硬化させ、前記蓋部品(120)を形成し;
前記蓋部品(120)を前記金型(220)から取り外し;および、
前記バスケット部品(110)を提供する、ここで、
前記金型(220)および前記加熱ノズル(210)は、少なくとも12%のクロムを含み、少なくとも50HRC(ロックウェルスケール)に硬化されたステンレス鋼材料から作製される、
ことを特徴とする方法。
【請求項2】
請求項1に記載の方法であって、
前記金型(220)および前記加熱ノズル(210)は、約13%のクロムを含むステンレス鋼材料から作製される、
ことを特徴とする方法。
【請求項3】
請求項1または2に記載の方法であって、
前記金型(220)および前記加熱ノズル(210)は、S50C 1.2083鋼から作製される、
ことを特徴とする方法。
【請求項4】
請求項1に記載の方法であって、
前記臨床廃棄物容器(100)はさらに、
前記蓋開口部(122)を覆うように前記蓋部品(120)に締結されるように配置される蓋キャップ部品(130)であって、該蓋キャップ部品(130)は、閉じた上端部(132)を有し、内寸法が前記蓋部品(120)の前記円筒部(121)の外寸よりも大きい円筒部(131)を備え、前記蓋キャップ部品(130)の前記円筒部(131)は、前記蓋部品(120)の前記円筒部(121)上に摺動するように配置され、その結果、前記蓋キャップ部品(130)が蓋開口部(122)を覆うようになっている、蓋キャップ部品(130)、を備える、
ことを特徴とする方法。
【請求項5】
請求項4に記載の方法であって、
前記蓋キャップ部品(130)の前記円筒部(131)は、前記蓋部品(120)の前記円筒部(121)上に配置された外側スナップロック手段(123)と係合するように配置された内側スナップロック手段(133)を備え、これにより、少なくとも前記蓋キャップ部品(130)の材料がスナップフィットロックに弾性変形することによって、前記蓋キャップ部品(130)を前記蓋部品(120)上に締結する、
ことを特徴とする方法。
【請求項6】
請求項5に記載の方法であって、
前記内側スナップロック手段(133)は、前記蓋キャップ部品(130)に対して角度方向(V)に走行し、共に破断円を画定する、複数の分離した細長い突出部(133a,133b)を備え、
前記方法はさらに、
前記金型(220)から前記蓋キャップ部品(130)をエジェクションにより取り外すことを含む、
ことを特徴とする方法。
【請求項7】
請求項1に記載の方法であって、
前記溶融プラスチックが、2つの異なる射出点で金型(220)内に射出され、
前記方法はさらに、
前記射出点ごとに、1つの加熱ノズルを使用することを含む、
ことを特徴とする方法。
【請求項8】
請求項4に記載の方法であって、
前記金型(220)は、前記蓋部品(120)および前記蓋キャップ部品(130)の形状を、前記連結部(140)によって連結される連結体として規定し、
前記蓋部品(120)および前記蓋キャップ部品(130)の双方は、前記金型(220)への前記溶融プラスチック材料の前記射出によって形成され、
前記溶融プラスチックは、一方が前記蓋部品(120)上であり他方が前記蓋キャップ部品(130)上である、2つの異なる射出ポイント(225a,225b)で金型(220)に射出される、
ことを特徴とする方法。
【請求項9】
請求項8に記載の方法であって、
第1の金型部品(221)と第2の金型部品(222)との間の接触面(223)は、平坦であり、前記蓋部品(120)、前記連結部(140)および前記蓋キャップ部品(130)を通過し、ここで、前記第1の金型部品(221)および前記第2の金型部品(222)は装着状態で前記金型(220)を形成し、ここで、
前記接触面(223)は、前記蓋部品(120)が前記直立動作方向にあるときに水平であり、
前記蓋部品(120)は、主に前記接触面(223)の第1の側部に突出し、前記蓋キャップ部品(130)は主に接触面(223)の第2の側部に突出する、
ことを特徴とする方法。
【請求項10】
請求項1に記載の方法であって、該方法がさらに以下を含む:
前記プラスチック材料の硬化中に、前記金型(220)を通過する流路を循環する冷却流体を使用して、前記金型(220)を少なくとも30℃の一定温度まで能動的かつ連続的に冷却する、
ことを特徴とする方法。
【請求項11】
請求項1に記載の方法であって、
前記蓋部品(120)の大部分が均一な材料厚さを有する、
ことを特徴とする方法。
【請求項12】
請求項1に記載の方法であって、
前記蓋部品(120)の概略材料厚さは、最大で2mmである、
ことを特徴とする方法。
【国際調査報告】