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特表2024-538374ガスタービンエンジンにおける捕捉渦への多管式パイロット噴射
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-10-18
(54)【発明の名称】ガスタービンエンジンにおける捕捉渦への多管式パイロット噴射
(51)【国際特許分類】
   F23R 3/20 20060101AFI20241010BHJP
   F23R 3/28 20060101ALI20241010BHJP
   F23R 3/12 20060101ALI20241010BHJP
   F02C 7/22 20060101ALI20241010BHJP
【FI】
F23R3/20
F23R3/28 D
F23R3/12
F02C7/22 C
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024527244
(86)(22)【出願日】2022-11-03
(85)【翻訳文提出日】2024-05-30
(86)【国際出願番号】 US2022048883
(87)【国際公開番号】W WO2023200479
(87)【国際公開日】2023-10-19
(31)【優先権主張番号】63/275,127
(32)【優先日】2021-11-03
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】524170957
【氏名又は名称】パワー システムズ エムエフジー,リミティド ライアビリティ カンパニー
(74)【代理人】
【識別番号】100099759
【弁理士】
【氏名又は名称】青木 篤
(74)【代理人】
【識別番号】100123582
【弁理士】
【氏名又は名称】三橋 真二
(74)【代理人】
【識別番号】100112357
【弁理士】
【氏名又は名称】廣瀬 繁樹
(74)【代理人】
【識別番号】100114018
【弁理士】
【氏名又は名称】南山 知広
(74)【代理人】
【識別番号】100153729
【弁理士】
【氏名又は名称】森本 有一
(72)【発明者】
【氏名】ブライアン カルブ
(72)【発明者】
【氏名】マシュー ヤキント
(72)【発明者】
【氏名】ジーン チョン
(72)【発明者】
【氏名】デイビッド イー.パレデス
(72)【発明者】
【氏名】ジェイムズ ブラケット
(72)【発明者】
【氏名】グレゴリー ボーゲル
(72)【発明者】
【氏名】ハニー リツカーラ
(72)【発明者】
【氏名】バーナード タム イェン サム
(72)【発明者】
【氏名】ラメシュ ケシャバ-バットゥ
(72)【発明者】
【氏名】フレッド ヘルナンデス
(72)【発明者】
【氏名】ジョシュア アール.マクナリー
(57)【要約】
ガスタービンエンジンの燃焼器には、第1の噴射器及び第2の噴射器が提供される。第1の噴射器は、燃焼ライナを囲み、流れスリーブの下流端部に位置付けられている。ドームプレートが、第1の噴射器から燃料/空気混合気を受け入れ、燃料/空気混合気の向きを180度変えて燃焼ライナ内に形成された燃焼区域に入れるように位置付けられている。第2の噴射器は、燃焼区域の入口端部において燃焼ライナの半径方向内方に位置付けられ、第1の噴射器からの圧縮空気のみを受け入れる。第2の噴射器は、空気/燃料混合管の半径方向外側サブセットと半径方向内側サブセットとに分割された複数の空気/燃料混合管を含み、第1の燃料マニホールドが、空気/燃料混合管の半径方向外側サブセットと流体連通し、第2の燃料マニホールドが、空気/燃料混合管の半径方向内側サブセットと流体連通する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ガスタービンエンジンのための燃焼器であって、
略円筒形の流れスリーブと、
前記流れスリーブから半径方向内方に位置付けられ、燃焼区域を画定する略円筒形の燃焼ライナと、
略環状に成形され、前記燃焼ライナを囲み、前記流れスリーブの下流端部に位置付けられている第1の噴射器であって、前記第1の噴射器が、
半径方向外方経路を辿る圧縮空気の通過を可能にする半径方向外方開口部と、
半径方向内方経路を辿る圧縮空気の通過を可能にする半径方向内方開口部と、を備える、第1の噴射器と、
前記第1の噴射器の前記半径方向内方開口部から燃料/空気混合気を受け入れ、前記燃料/空気混合気の向きを実質的に180度変えて前記燃焼区域に入れるように位置付けられたドームプレートと、
前記半径方向外方経路を辿る前記第1の噴射器内の前記半径方向外方開口部からの前記圧縮空気を受け入れるように、前記燃焼区域の入口端部において前記燃焼ライナの半径方向内方に位置付けられている第2の噴射器であって、前記第2の噴射器が、
空気/燃料混合管の半径方向外側サブセット及び空気/燃料混合管の半径方向内側サブセットを含む複数の空気/燃料混合管と、
空気/燃料混合管の前記半径方向外側サブセットと流体連通する第1の燃料マニホールドと、
空気/燃料混合管の前記半径方向内側サブセットと流体連通する第2の燃料マニホールドと、を備える、第2の噴射器と、を備える、燃焼器。
【請求項2】
前記第2の噴射器が、複数の静圧空気プレナムを更に備え、各静圧空気プレナムは、各空気/燃料混合管が対応する静圧空気プレナムを介して前記それぞれの燃料マニホールドから熱的に隔離されるように、前記複数の空気/燃料混合管のうちの対応する1つを囲んでいる、請求項1に記載の燃焼器。
【請求項3】
前記第2の噴射器が、複数の実質的にL字形状の燃料供給管を更に備え、前記燃料供給管の各々が、上流部分と、下流部分と、前記上流部分を前記下流部分に斜めの角度で接続するエルボ部分と、を備え、前記燃料供給管の各々が、前記第1のマニホールド又は前記第2のマニホールドのうちの1つの下流縁部と前記複数の空気/燃料混合管のうちの1つとの間に流体連通を提供し、前記燃料供給管の各々が、前記複数の前記静圧空気プレナムのいずれをも通って延在しない、請求項2に記載の燃焼器。
【請求項4】
前記第2の噴射器内の前記複数の空気/燃料混合管のうちの少なくともいくつかの前記下流部分が、実質的に螺旋状の空気/燃料流路を画定する渦巻き状プロファイルを含む、請求項3に記載の燃焼器。
【請求項5】
燃料が前記複数の空気/燃料混合管のうちの前記1つ内の圧縮空気の流れ内に交差流で噴射されるように、前記第2の噴射器内の燃料供給管の各々の遠位部分が、前記複数の空気/燃料混合管のうちの前記1つに対しておよそ垂直に配向されている、請求項3に記載の燃焼器。
【請求項6】
前記第2の噴射器内の前記静圧空気プレナムの各々の入口に位置付けられ、前記空気/燃料混合管の各々を前記静圧空気プレナムを囲む前記噴射器の本体と接続する一連の離隔されたリブを含む、請求項2に記載の燃焼器。
【請求項7】
内部バッフルプレートであって、前記第2の噴射器内の前記第1の燃料マニホールド及び前記第2の燃料マニホールド内に位置付けられ、前記バッフルプレートを通る流体流れのための複数の貫通孔を有する、内部バッフルプレートを含む、請求項2に記載の燃焼器。
【請求項8】
前記第2の噴射器内の前記複数の空気/燃料混合管が、第1の燃料マニホールドと流体連通し、実質的に四辺形の断面プロファイルを有する空気/燃料混合管の半径方向外側サブセットと、前記第2の燃料マニホールドと流体連通し、実質的に円形の断面プロファイルを有する空気/燃料混合管の半径方向内側サブセットと、を含む、請求項2に記載の燃焼器。
【請求項9】
前記第2の噴射器内の空気/燃料混合管の前記半径方向外側サブセットの前記空気/燃料混合管の各々は、燃料が前記空気/燃料混合管内に噴射される部分の上流で前記空気/燃料混合管を通過する圧縮空気に乱流を誘発するために、前記空気/燃料混合管の入口に、少なくとも1つの流れ変更器を含む、請求項8に記載の燃焼器。
【請求項10】
前記第2の噴射器内の空気/燃料混合管の前記半径方向外側サブセットの前記空気/燃料混合管の各々が、前記空気/燃料混合管の出口部分にブロッカを含み、4つの隣接するブロッカが、互いに近接して提供されて、実質的に円形の火炎安定化面を形成している、請求項8に記載の燃焼器。
【請求項11】
前記第2の噴射器内の空気/燃料混合管の前記半径方向外側サブセットの前記空気/燃料混合管、及び/又は空気/燃料混合管の前記半径方向内側サブセットの空気/燃料混合管の各々の出口部分に、ブロッカを含む、請求項1に記載の燃焼器。
【請求項12】
4つの隣接するブロッカが互いに近接して提供されて、前記第2の噴射器内に火炎安定化面を形成している、請求項11に記載の燃焼器。
【請求項13】
前記火炎安定化面が、実質的に円形の火炎安定化面である、請求項12に記載の燃焼器。
【請求項14】
前記第2の噴射器において、空気/燃料混合管の前記半径方向外側サブセットの前記空気/燃料混合管の各々が、実質的に四辺形の断面プロファイルを含み、空気/燃料混合管の前記半径方向内側サブセットの前記空気/燃料混合管の各々が、実質的に円形の断面プロファイルを含む、請求項1に記載の燃焼器。
【請求項15】
前記第2の噴射器内の空気/燃料混合管の前記半径方向外側サブセットの前記空気/燃料混合管の各々は、燃料が前記空気/燃料混合管内に噴射される部分の上流で前記空気/燃料混合管を通過する圧縮空気に乱流を誘発するために、前記空気/燃料混合管の入口に、少なくとも1つの流れ変更器を含む、請求項14に記載の燃焼器。
【請求項16】
前記第2の噴射器内の空気/燃料混合管の前記半径方向外側サブセットの前記空気/燃料混合管の各々が、前記空気/燃料混合管の出口にブロッカを含む、請求項14に記載の燃焼器。
【請求項17】
複数の静圧空気プレナムを含み、各静圧空気プレナムは、各空気/燃料混合管が対応する静圧空気プレナムを介して前記それぞれの燃料マニホールドから熱的に隔離されるように、前記複数の空気/燃料混合管のうちの対応する1つを囲み、複数の実質的にL字形状の燃料供給管を更に含み、前記燃料供給管の各々が、上流部分と、下流部分と、前記上流部分を前記下流部分に斜めの角度で接続するエルボ部分と、を備え、前記燃料供給管の各々が、前記第1のマニホールド又は前記第2のマニホールドのうちの1つの下流縁部と前記複数の空気/燃料混合管のうちの1つとの間に流体連通を提供し、前記燃料供給管の各々が、前記複数の前記静圧空気プレナムのいずれをも通って延在しない、請求項1に記載の燃焼器。
【請求項18】
前記複数の空気/燃料混合管のうちの少なくともいくつかの前記下流部分が、実質的に螺旋状の空気/燃料流路を画定する渦巻き状プロファイルを含む、請求項17に記載の燃焼器。
【請求項19】
燃料が前記複数の空気/燃料混合管のうちの前記1つ内の圧縮空気の流れ内に交差流で噴射されるように、燃料供給管の各々の遠位部分が、前記複数の空気/燃料混合管のうちの前記1つに対しておよそ垂直に配向されている、請求項17に記載の燃焼器。
【請求項20】
第3の燃料マニホールドと、前記空気/燃料混合管の半径方向中間サブセットと、を含み、前記第1の燃料マニホールドが、空気/燃料混合管の前記半径方向外側サブセット、前記半径方向中間サブセット、及び前記半径方向内側サブセットの各々と流体連通し、前記第2の燃料マニホールドが、空気/燃料混合管の前記半径方向内側サブセットのみと流体連通し、前記第3の燃料マニホールドが、空気/燃料混合管の前記半径方向内側サブセット及び前記半径方向中間サブセットのみと流体連通する、請求項1に記載の燃焼器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、概して、ガスタービンエンジンに関し、より具体的には、圧縮空気と燃料との混合気をガスタービンエンジン内の燃焼器に噴射するために使用される噴射器に関する。
【背景技術】
【0002】
ガスタービンエンジンは、燃焼器内で燃料/空気混合気を燃焼させることによって機械的エネルギーを発生させるために使用される。燃料及び圧縮空気は、1つ以上の燃料噴射器を通して燃焼器に送達される。特許文献1(米国特許第9,752,781号明細書)に開示された1つのタイプのガスタービンエンジンでは、主燃料噴射器は、燃焼器内の燃焼ライナの半径方向外方に位置し、燃焼ライナの周りに環状配列で分散している。半球形燃焼器ドームアセンブリが、燃焼ライナの入口端部に位置付けられており、主燃料噴射器からの燃料/空気混合気の流れの方向を逆向きにする。次いで、半球形燃焼器ドームアセンブリは、燃料/空気混合気流れを一連の通路を通して燃焼ライナの入口端部内に誘導する。パイロット燃料ノズルは、燃焼ライナの中心軸に沿って位置付けられ、燃焼ライナ内の主燃料噴射器からの燃料/空気混合気の1つ以上の段を点火、支持、及び維持するために使用される。特許文献1に開示されたガスタービンエンジンは、それが、燃焼ライナに入る燃料/空気混合気の速度のより大きい制御を可能にするという点で有利であり、これは、発生する電力に対するより大きい制御、並びに望ましくない窒素酸化物及び一酸化炭素の生成の低減をもたらし得るが、煙道/空気混合気の制御の更なる改善が望ましい。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】米国特許第9,752,781号明細書
【発明の概要】
【0004】
この簡単な説明は、以下の詳細な説明において更に説明される概念の選択を簡略化された形態で紹介するために提供される。この簡単な説明は、特許請求される主題の主要な特徴又は必須の特徴を特定することを意図するものではなく、特許請求される主題の範囲を限定するために使用されることを意図するものでもない。本開示の他の態様及び利点は、以下の実施形態の詳細な説明及び添付の図面から明らかになるであろう。
【0005】
本開示の態様は、1つ以上の燃料噴射器を有する燃焼器を含むガスタービンエンジンに関する。より具体的には、態様は、燃焼器の性能及び効率を改善しながら、熱応力及び燃焼器排出物を低減する多管式パイロット噴射器を対象とする。
【0006】
一態様において、本開示は、ガスタービンエンジンのための燃焼器を対象とし、燃焼器は、略円筒形の流れスリーブと、流れスリーブから半径方向内方に位置付けられ、燃焼区域を画定する略円筒形の燃焼ライナと、略環状に成形され、燃焼ライナを囲み、流れスリーブの下流端部に位置付けられている第1の噴射器と、第1の噴射器の半径方向内方開口部から燃料/空気混合気を受け入れ、燃料/空気混合気の向きを実質的に180度変えて燃焼区域に入れるように位置付けられたドームプレートと、半径方向外方経路を辿る第1の噴射器内の半径方向外方開口部からの圧縮空気を受け入れるように、燃焼区域の入口端部において燃焼ライナの半径方向内方に位置付けられている第2の噴射器と、を備える。第1の噴射器は、半径方向外方経路を辿る圧縮空気の通過を可能にする半径方向外方開口部と、半径方向内方経路を辿る圧縮空気の通過を可能にする半径方向内方開口部と、を備える。第2の噴射器は、空気/燃料混合管の半径方向外側サブセット及び空気/燃料混合管の半径方向内側サブセットを含む複数の空気/燃料混合管と、空気/燃料混合管の半径方向外側サブセットと流体連通する第1の燃料マニホールドと、空気/燃料混合管の半径方向内側サブセットと流体連通する第2の燃料マニホールドと、を備える。
【0007】
本技術は、添付の図面を参照して以下に詳細に説明され、これらの図において、同様の数字は、同じ構成要素を表す。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】本開示の態様によるガスタービン燃焼器の断面図である。
図2】本開示の態様によるガスタービン燃焼器の断面図である。
図3】本開示の態様による図1図2に示される燃焼器などのガスタービン燃焼器のための噴射器の第1の実施形態の斜視図である。
図4図3に示される噴射器の断面平面図である。
図5図4に示される噴射器の断面図の一部分の拡大図である。
図6図3図5に示される噴射器の斜視図及び断面図の拡大図である。
図7図3図5に示される噴射器の斜視図及び断面図の代替的な拡大図である。
図8図3図7に示される噴射器の斜視図及び断面図の拡大図である。
図9図3図7に示される噴射器の斜視図及び断面図の拡大図である。
図10】本開示の態様による図1図2に示される燃焼器などのガスタービン燃焼器のための噴射器の第2の実施形態の斜視図である。
図11】本開示の態様による図1図2に示される燃焼器などのガスタービン燃焼器のための噴射器の第3の実施形態の斜視図である。
図12図11に示される噴射器の斜視断面図である。
図13図11図12に示される噴射器の部分側面図である。
図14A図11図13に示される噴射器の変更された上流部分の斜視図及び断面図の拡大図である。
図14B図14Aの空気/燃料混合管に示される流れ変更器の効果における空気流図ショーである。
図15】本開示の態様による図1図2に示される燃焼器などのガスタービン燃焼器のための噴射器の第4の実施形態の拡大斜視図である。
図16】本開示の態様による図1図2に示される燃焼器などのガスタービン燃焼器のための噴射器の第5の実施形態の斜視図を示す。
図17A図1図16に示される噴射器などの本開示の噴射器とともに使用することができる燃料マニホールドアセンブリの追加の実施形態の概略平面図を示す。
図17B図1図16に示される噴射器などの本開示の噴射器とともに使用することができる燃料マニホールドアセンブリの追加の実施形態の概略平面図を示す。
図17C図1図16に示される噴射器などの本開示の噴射器とともに使用することができる燃料マニホールドアセンブリの追加の実施形態の概略平面図を示す。
図17D図1図16に示される噴射器などの本開示の噴射器とともに使用することができる燃料マニホールドアセンブリの追加の実施形態の概略平面図を示す。
図18A】本発明の態様による様々な空気/燃料混合管の概略断面図を示す。
図18B】本発明の態様による様々な空気/燃料混合管の概略断面図を示す。
図18C】本発明の態様による様々な空気/燃料混合管の概略断面図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0009】
次に図面をより詳細に参照し、最初に図1を参照すると、本開示の態様によるガスタービンエンジンの燃焼器が、概して数字100で示されている。燃焼器100は、概して、第1の、すなわち半径方向外方噴射器102と、第2の、すなわち半径方向内方噴射器104と、略円筒形の流れスリーブ106と、流れスリーブ106から半径方向内方に位置付けられ、燃焼区域110を全体的に画定する略円筒形の燃焼ライナ108と、を含む。第1の噴射器102は、略環状に成形され、燃焼ライナ108を囲み、流れスリーブ106の下流端部に位置付けられている。第2の噴射器104は、燃焼区域110の入口端部において燃焼ライナ108の半径方向内方に位置付けられている。
【0010】
図2を参照して最もよく理解されるように、燃焼器100の使用中、圧縮空気は、第1及び第2の噴射器102、104の両方に提供され、そこで燃料源と混合し、次いで点火され、燃焼室110内で火炎を支持する。流れスリーブ106の半径方向外側表面に沿って半径方向外側経路112を辿る圧縮空気は、第1の噴射器102内に提供された半径方向外方ベーン及び/又は開口部を、その中の燃料と混合されることなく通過し、その代わり、空気が向きを変えて第2の噴射器104を通過する燃焼器100の部分へと下流に続く。ここで、圧縮空気は燃料源と混合し、点火されて、燃焼器100の中心軸の近くで火炎を支持する。流れスリーブ106と燃焼ライナ108との間の半径方向内側経路114を辿る圧縮空気は、第1の噴射器102内に提供された異なる(すなわち、半径方向内方の)ベーン及び/又は開口部を通過し、そこで燃料源と混合される。次いで、燃料/空気混合気は、ドームプレート130又は同様の構造体に進み、そこで燃料/空気混合気は実質的に180度向きを変えて、燃焼室110に入り、そこで点火されて、第2の噴射器104によって支持された火炎の半径方向外方の火炎を支持する。いくつかの実施形態では、第1の噴射器102は「主」噴射器と称され、第2の噴射器104は「パイロット」及び/又は「パイロットチューン」(又は単に「pチューン」)噴射器と称される。
【0011】
図3は、半径方向外側経路112を通過する燃料と空気とを混合するために使用される第2の、すなわちパイロット噴射器104の一実施形態を示している。第2の噴射器104などを含む、本明細書で考察される第2の噴射器の実施形態は、燃焼器100の始動レジーム中に、排出物、特に一酸化炭素排出物を有利に低減することができ、したがって、より広くは、燃焼器100が用いられるガスタービンエンジン内の排出物を低減する。噴射器はまた、天然ガス、及び水素ガスなどを含む様々なタイプの燃料が送られるように有利に構成される。別の言い方をすれば、本明細書で考察される第2の噴射器は、火炎安定性を改善し、比較的低い点火温度を含む幅広い点火温度の中で始動排出物を低減する。
【0012】
第2の噴射器104は、一般に、半径方向外側経路112内を流れる圧縮空気を受け入れるように構成された入口部分116と、燃料/空気混合気を燃焼区域110に送るように構成された出口部分118と、を含み、そこで、燃料/空気混合気は燃焼区域で点火され、燃焼器100の中心軸の近くで火炎を支持し、空気/燃料混合部分120は、一般に、入口部分116と出口部分118との間に延在する。
【0013】
第2の噴射器104の部分断面図である図4に最もよく見られるように、空気/燃料混合部分120は、入口部分116から出口部分118に延在する複数の空気/燃料混合管122を含む。各空気/燃料混合管122は、上流部分124と、下流部分126と、上流部分124を下流部分126に流体接続するエルボ部分128と、を含む。いくつかの実施形態では、上流部分124は、下流部分126に対して、例えば45度の角度などの斜めの角度で配設される。エルボ128をおよそ45度の角度又は同様の角度に維持することによって、第2の噴射器104は、外部支持体を必要とせずに付加的に製造され得る。更に、エルボ128(例えば、45度の屈曲)は、空気/燃料混合管122内での燃料と空気との混合を、混合気がその中を進み、向きを変え、乱流になるにつれて改善する。
【0014】
第2の噴射器104はまた、第1の燃料マニホールド130と、第2の燃料マニホールド132と、を含み、各々、対応する1つ以上の燃料供給管134及び136を介して、複数の空気/燃料混合管122のうちの1つ以上と流体連通する。例えば、描かれた実施形態では、第1の燃料マニホールド130は、燃料供給管134を介して、複数の空気/燃料混合管122の半径方向外方に位置するサブセット(すなわち、空気/燃料混合管122の「外径」又は「OD」サブセット)と流体連通し、一方、第2の燃料マニホールド132は、燃料供給管136を介して複数の空気/燃料混合管122の半径方向内方に位置するサブセット(すなわち、空気/燃料混合管122の「内径」又は「ID」サブセット)と流体連通する。この点に関して、燃焼器100は、それぞれ第1及び第2の燃料マニホールド130、132を介して空気/燃料混合管122のOD又はIDサブセットに燃料を選択的に噴射することによって段階化することができ、この燃料は次いで、燃焼室110内で点火されて、2つの別個に支持され局在化された火炎(すなわち、中心に位置する内側火炎を囲む環状外側火炎)を形成する。
【0015】
第2の噴射器104は、1つの非限定的な例では、付加製造などの任意の所望の手段によって製造され得る。この点に関して、第2の噴射器104は、図4に見えるように、実質的に垂直方向に層ごとに構築される。これは、構築矢印138によって概略的に例解されている。各層は、複数の空気/燃料混合管122、第1及び第2の燃料マニホールド130、132、燃料供給管134、136、並びに本明細書で考察される他の特徴部など、第2の噴射器104の内部中空通路を順に形成する材料の間隙を含む。この場合も、空気/燃料混合管122の上流部分124及び下流部分126は、互いに対しておよそ45度の角度で配置されるので、噴射器104は、外部支持体などを必要とせずに付加製造することができる。
【0016】
図5及び図6は、入口部分116の近くの第2の噴射器104の空気/燃料混合管122の上流部分124の拡大断面図を示している。この実施形態では、複数の空気/燃料混合管122の各々は、中間空気マニホールド又はプレナムを介して、対応する第1又は第2の燃料マニホールド130、132から熱的に隔離されている。すなわち、第1の燃料マニホールド130と流体連通する複数の空気/燃料混合管122の第1のサブセットは、周囲の第1の静圧空気プレナム140によって第1の燃料マニホールド130から分離され、一方、第2の燃料マニホールド132と流体連通する複数の空気/燃料混合管122のサブセットは、周囲の第2の静圧空気プレナム142によって第2のマニホールド132及び第2の燃料マニホールド130から分離される。
【0017】
図6に最もよく示されているように、燃料供給管134、136は各々、順に略L字形状であり、そのため、各第1及び第2の燃料マニホールド130、132内の燃料は、実質的に90度の角度向きを変えてそれぞれの空気/燃料混合管122に合流する前に、それぞれの第1又は第2の燃料マニホールド130、132の下流端部から進むように構成されており、そこでこの燃料は、そこを流れる圧縮空気に導入され、これにより圧縮空気と混合されて、空気/燃料混合気を形成し、最終的に燃焼室110内で点火される。別の言い方をすれば、燃料供給管134、136の遠位部分は、空気/燃料混合管122に対しておよそ垂直に配向されることができ、その結果、燃料は、流れている圧縮空気内に交差流で噴射され、これは、空気/燃料混合管122内での燃料と空気の混合を最適化する。第1の燃料マニホールド130と流体連通する複数の空気/燃料混合管122のサブセットの一部を形成する空気/燃料混合管122のうちの1つのみが、便宜上、図6に詳細に示されているが、第2の燃料マニホールド132と流体連通する空気/燃料混合管122の構造及び動作は、実質的に同様である。別の言い方をすれば、各空気/燃料混合管122は、第1及び第2の静圧空気プレナム140、142を通って延在する任意の燃料供給管134、136(又は更に言えば、任意の他の構成要素)のない状態で、中間の第1又は第2の静圧空気プレナム140、142を介してそれぞれの第1又は第2の燃料マニホールド130、132から完全に隔離される。
【0018】
他の利点の中でも、第1及び第2の静圧空気プレナム140、142は、空気/燃料混合管122を通って流れる高温圧縮空気と、第1及び第2の燃料マニホールド130、132内に提供される低温燃料との間のバッファとして有利に機能することができる。すなわち、第1及び第2の静圧空気プレナム140、142は、空気/燃料混合管122を低温燃料から断熱し、それによって、低温の第1及び第2の燃料マニホールド130、132の近くの管の強度及び耐応力性を向上させる。
【0019】
図6に示される実施形態では、第1及び第2の静圧空気プレナム140、142への入口は環状である。すなわち、第1及び第2の静圧空気プレナム140、142の環状断面は、噴射器104の入口表面まで完全に延在している。しかしながら、他の実施形態では、第1及び第2の静圧空気プレナム140、142への入口は、環状又は切れ目のないものである必要はない。例えば、図7に示されるように、いくつかの実施形態では、入口は、切れ目のある又は破断した構成を含む。すなわち、第1及び第2の静圧空気プレナム140、142の環状断面は、その入口において、囲まれた空気/燃料混合管122を第1及び第2の静圧空気プレナム140、142を囲む第2の噴射器104の本体と接続する一連のリブ144によって中断される。リブ144は、第1及び第2の静圧空気プレナム140、142への入口の断面積を大幅に低減することなく、入口表面において剛性及び構造的完全性を追加することができ、それによって、空気が第1及び第2の静圧空気プレナム140、142に出入りすることを可能にする。
【0020】
図8及び図9に示されるように、いくつかの実施形態では、第1及び第2の燃料マニホールド130、132は、1つ以上の内部バッフルプレート146、148を含み得る。バッフルプレート146、148は、順に、その中に提供された複数の貫通孔150、152を含み、流体がバッフルプレート146、148を通って流れることを可能にすることによって、それぞれの第1又は第2の燃料マニホールド130、132の第1の部分から、それぞれの第1又は第2の燃料マニホールド130、132の第2の部分への流体連通を提供する。バッフルプレート146、148は、第1及び第2の燃料マニホールド130、132内の燃料流、及びそれぞれの空気/燃料混合管122への燃料流を著しく妨げることなく、噴射器104、より具体的には、その入口部分116の剛性及び強度を高めることができる。加えて、バッフルプレートは、第1及び第2の燃料マニホールド130、132から空気/燃料混合管122の各々に燃料を均一に分配するように有利に機能し得る。1つの非限定的な例では、各第1及び第2の燃料マニホールド130、132は、それぞれのバッフルプレート146、148を含み、各バッフルプレートは、貫通孔150、152の3つの円周方向列36を有し、貫通孔の各々は、およそ0.100インチの直径を有する。
【0021】
いくつかの実施形態では、燃料及び空気を混合及び送達するために使用される複数の空気/燃料混合管は、例えば、その中の燃料及び空気の混合を改善するために、図4図9に示されるものとは異なるように構造化及び構成することができる。例えば、いくつかの実施形態では、複数の空気/燃料混合気管及び送達管は、その中の燃料及び空気の混合を改善するために、ねじれるか、又は渦を巻くことができる。これは、図10を参照してより容易に理解することができる。
【0022】
より具体的には、図10は、第2の(例えば、パイロット)噴射器204の別の実施形態を示しており、内部空気/燃料混合管222の一部が、その特定の構成を例解するために仮想線で示されている。本明細書に記載される実施形態では、別段の記載がない限り、同様の番号が付された末尾の数字を有する構成要素は、第2の噴射器104の第1の実施形態に関連して考察された構成要素と実質的に同様に動作し、したがって、簡略化のために再度詳細に考察しない。例えば、この実施形態の入口部分216は、第2の噴射器104の入口部分116と実質的に同様に構成され、動作し、したがって、再度詳細に考察しない。
【0023】
図10の実施形態では、半径方向内側(ID)サブセットとして図10に仮想線で示される空気/燃料混合管222の少なくともサブセットは、ねじれるか又は渦を巻いて、空気/燃料混合気が辿る実質的に螺旋状の経路を生成する。これは、ひいては、より均質な空気/燃料設備をもたらし、より効率的な燃焼及び低減された排出物をもたらすことができる。このような渦巻き構成は、従来の製造技法では達成することが困難であるが、これらの複雑な幾何学的形状は、上で考察したように、噴射器204が付加製造から形成される場合に容易に実装することができる。
【0024】
これまでに説明した実施形態は、実質的に円形の断面積を有する空気/燃料混合管122、222を含んでいたが、実施形態はそのように限定されず、他の実施形態では、空気-燃料混合気管は、本開示の範囲から逸脱することなく、他の断面積構成を有することができる。例えば、図11図13は、第2の噴射器304の実施形態を示しており、ここでは、複数の空気/燃料混合管322の第1のサブセット322aが実質的に四辺形の断面プロファイルを含む一方で、複数の空気/燃料混合管322の第2のサブセット322bが、ねじれるか又は渦を巻き、各々、実質的に円形の断面プロファイルを含む。この実施形態では、外径(outer diameter、OD)サブセットとして示される空気/燃料混合管322aの第1のサブセットの四辺形のプロファイルは、円形の断面のプロファイルを有する半径方向内側(ID)サブセットとして示される空気/燃料混合管322bの第2のサブセットと比較して、空気/燃料混合管322を通って流れる空気/燃料混合気のより大きい流量を可能にする。追加的に又は代替的に、各空気/燃料混合管322への入口は、同様に、図13に示される空気/燃料混合管の第1のサブセット322aなどの四辺形を含む任意の所望の形状とすることができる。この場合も、これは、円形断面積を含む混合管と比較して、混合管322内の圧縮空気流の量を増加させる。
【0025】
いくつかの実施形態では、例えば、乱流を生成し、それぞれの管内での空気及び燃料の混合を改善するために、1つ以上の流れ変更器が、45度の屈曲の前の上流部分124などにおいて、空気/燃料混合気混合管122の長さに沿って含まれてもよい。これは、第2の噴射器304(より具体的には、第2の噴射器304の空気/燃料混合管322の第1のサブセット322a)内に実装されている流れ変更器354の一実施形態を示す図14Aに関してより容易に理解することができるが、同様の変更器を、本明細書で企図される噴射器のいずれにも実装することができる。
【0026】
この実施形態では、流れ変更器354は、主楔部分356及びギザギザ端部分358を有する実質的に鋸歯型パターンを含む。圧縮空気が楔部分356を通過すると、圧縮空気は加速し、それぞれの空気/燃料混合管322aの中央部分に向かって誘導される。ギザギザ端部分356を進むとき、鋸歯状パターンは、図14Bの空気流図360によって例解されるように、ギザギザ端部分358の近くに捕捉渦を生成する空気流をもたらす。これらの捕捉渦は、空気及び燃料の混合を促進する。別の言い方をすれば、流れ変更器354は、燃料噴射点の上流に後流を生成し、それによって、燃料噴射点における空気及び燃料の混合を改善する。
【0027】
鋸歯状パターンが図14Aに例解されているが、他の実施形態では、変更器は、例えば、波状又は正弦波形状の遠位端部を含むことによってなど、代替的に構造化及び構成されてもよい。更に、描かれる実施形態は、空気/燃料混合管322a当たり2つの流れ変更器358を備えて示されているが、他の実施形態では、本発明の範囲から逸脱することなく、例えば、空気/燃料混合管322a当たり1つの流れ変更器358、又は管空気/燃料混合322a当たり3つ以上の流れ変更器358を含む、より多くの又はより少ない流れ変更器358を実装することができる。
【0028】
いくつかの実施形態、特に、第2の噴射器が実質的に四辺形の断面積を有する空気/燃料混合管を含む実施形態では、空気/燃料混合管の排出プロファイルは、噴射器の排出面における火炎安定化を促進するために、1つ以上の表面を含むように変更されてもよい。これは、図15を参照してより容易に理解されるであろう。図15では、空気/燃料混合管422の半径方向外側(OD)サブセット422aは、空気/燃料混合管422の長さの大部分に沿って実質的に四辺形の断面積を有するが、出口部分418では、各空気/燃料混合管422aは、その4つの角のうちの1つに、ブロッカ又は弧状部分456a~dを含む。ブロッカ又は弧状部分456a~dのうちの隣接するものは、互いに近接して配置されて、実質的に円形の火炎安定化面458を形成する。すなわち、OD管422aを出る燃料/空気混合気が点火されると、ブロッカ456a、456b、456c、456d、及び火炎安定化面458によって生成される再循環区域のために、結果として生じる火炎は、出口部分418の近くに、より具体的には火炎安定化面458に又はその上に安定化したままであり得る。ブロッカが、再循環区域を生成し、したがって火炎安定化を促進するために、噴射器404の出口部分418において火炎安定化面及び/又は増大したウェビングを提供する限り、本開示から逸脱することなく、任意の他の形状のブロッカ(すなわち、実質的に三角形、半満月様ブロッカ、矩形ブロッカなど)を実装することができる。更に、本開示の範囲から逸脱することなく、空気/燃料混合管422aのうちのいくつかに2つ以上のブロッカを実装することができる。
【0029】
図16は、本開示の態様に従って企図される第2の噴射器504の代替的な設計を示している。代替的な設計では、空気/燃料混合管522の半径方向外側(OD)サブセット522a内の空気/燃料混合管522の各々は、ねじれるか又は渦を巻いて、空気/燃料混合気が辿るための実質的に螺旋状の経路を生成し、空気/燃料混合管522の半径方向内側(ID)サブセット522b内の空気/燃料混合管522の各々は、ねじれ又は渦巻きを欠いている。これは、ひいては、より均質な空気/燃料設備をもたらし、より効率的な燃焼及び低減された排出物をもたらすことができる。このような渦巻き構成は、従来の製造技法では達成することが困難であるが、これらの複雑な幾何学的形状は、上で考察したように、噴射器504が付加製造から形成される場合に容易に実装することができる。噴射器504は、噴射器504の外方に向いた表面に沿って空気を送るために使用される外側チャネル560の半径方向配列を含み得、それによって、噴射器504の高温外面、特に、噴射器504の使用中に通常は非常に高温になる可能性があるフラシール又は同様のシールの下に位置する部分を冷却する。
【0030】
図17A図17Dは、上述した第2の噴射器のいずれかとすることができる第2の噴射器804の概略的表現を示しており、ここで、燃料マニホールドアセンブリは、第2の噴射器を段にするための異なる方式を提供するために異なる方式で積み重ねられた燃料回路を有し、それによって、改善された排出物、動力、及び/又は性能のためにバーナー火炎特性を変化させる。図17A図17Dでは、第2の噴射器602内の複数の空気/燃料混合管822は、複数の空気/燃料混合管822の半径方向外側(OD)サブセット822aと、半径方向内側(ID)サブセット822bと、半径方向中間サブセット822cと、に分割される。
【0031】
図17Aでは、第1の燃料マニホールド830は、空気/燃料混合管822の3つのサブセット822a~c全てと流体連通し、第2の燃料マニホールド832は、空気/燃料混合管822の半径方向内側サブセット822bのみと流体連通し、第3の燃料マニホールド833は、空気/燃料混合管822の半径方向内側及び半径方向中間サブセット822b~cのみと流体連通する。
【0032】
図17Bでは、第1、第2及び第3の燃料マニホールド830、832、833の各々は、空気/燃料混合管822の半径方向内側、半径方向外側、及び半径方向中間サブセット822a~cの各々と流体連通する。
【0033】
図17Cでは、第1の燃料マニホールド830は、空気/燃料混合管822の半径方向内側サブセット822bのみと流体連通し、第2の燃料マニホールド832は、空気/燃料混合管822の半径方向内側、半径方向外側、及び半径方向中間サブセット822a~cの各々と流体連通し、第3の燃料マニホールド833は、空気/燃料混合管822の半径方向内側及び半径方向中間サブセット822b~cのみと流体連通する。
【0034】
図17Dでは、第1の燃料マニホールド830は、空気/燃料混合管822の半径方向内側サブセット822bのみと流体連通し、第2の燃料マニホールド832は、空気/燃料混合管822の半径方向内側及び半径方向中間サブセット822b~cのみと流体連通し、第3の燃料マニホールド833は、空気/燃料混合管822の半径方向内側、半径方向外側、及び半径方向中間サブセット822a~cの各々と流体連通する。
【0035】
本明細書で考察及び図示される第2の噴射器の実施形態は、各々、それぞれの燃料マニホールドと流体連通する2つの燃料供給管を含む空気/燃料混合管を含むが、実施形態はそのように限定されない。他の実施形態では、各空気/燃料混合管は、1つの燃料供給管又は2つ以上の燃料供給管を含むことができる。例えば、図18A図18Cは、3つの異なる例示的な配置で2つ、3つ、及び4つの燃料供給管934を含む空気/燃料混合管922の代替的な実施形態の概略断面プロファイルを示す。図18A図18Cに見られるように、燃料供給管934の角度アルファは、向上した性能、混合、及び低減された排出物の利益を提供するように変化させることができる。例えば、いくつかの実施形態では、角度アルファは、およそ180度、120度、又は90度であるが、他の実施形態では、角度アルファは、本発明の範囲から逸脱することなく、別の斜めの角度であり得る。
【0036】
上記から、本開示は、システム及び方法に明白かつ固有である他の利点とともに、上述の全ての目的及び目的を達成するようによく適合されたものであることが分かるであろう。特定の特徴及びサブコンビネーションが有用であり、他の特徴及びサブコンビネーションを参照することなく用いられ得ることが理解されるであろう。
【0037】
更なる考察
この説明において、「一実施形態」、「実施形態」、又は「複数の実施形態」への言及は、言及されている1つ又は複数の特徴が本技術の少なくとも1つの実施形態に含まれることを意味する。本説明における「一実施形態」、「実施形態」、又は「複数の実施形態」への別々の言及は、必ずしも同じ実施形態を指すわけではなく、そのように述べられない限り、及び/又は説明から当業者に容易に明らかになる場合を除いて、相互に排他的でもない。例えば、一実施形態に説明されている特徴、構造、行為などは、他の実施形態にも含まれ得るが、必ずしも含まれる必要はない。したがって、本技術は、本明細書に記載の実施形態の様々な組み合わせ及び/又は統合を含むことができる。
【0038】
本明細書及び特許請求の範囲において、以下の意味を有するように定義されるいくつかの用語が参照される。単数形「1つの(a)」、「1つの(an)」、及び「その(the)」は、文脈が明らかに他の意味を規定しない限り、複数の言及を含む。「任意選択的な」又は「任意選択的に」は、その後に記載される事象又は状況が発生する場合と発生しない場合があること、及び記載には事象が発生する実例及び発生しない実例が含まれることを意味する。
【0039】
本明細書及び特許請求の範囲を通して本明細書で使用される近似表現は、それが関連する基本機能の変化をもたらすことなく許容可能に変動し得る任意の定量的表現を修飾するために適用され得る。したがって、「約(about)」、「およそ(approximately)」、及び「実質的に(substantially)」などの1つ又は複数の用語によって修飾された値は、指定された正確な値に限定されない。少なくともいくつかの実例において、近似用語は、値を測定するための機器の精度に対応し得る。範囲の制限は、組み合わされてもよく、及び/又は交換されてもよい。そのような範囲は明らかにされ、文脈又は言葉が他の意味を指示しない限り、その中に含まれる全ての部分範囲を含む。
【0040】
本明細書で使用される場合、「軸方向の」及び「軸方向に」という用語は、燃焼器の中心長手方向軸に実質的に平行に延在する方向及び配向を指す。「半径方向の」及び「半径方向に」という用語は、中心軸に対して実質的に垂直に延在する方向及び配向を指す。更に、「上部」、「底部」、「前部」、「後部」、「側部」、及び同様の用語などの方向に関する言及は、本明細書では単に便宜上使用されており、互いに対する関係においてのみ理解されるべきである。例えば、構成要素は、実際には、本明細書で「頂部」及び「底部」と称される面が、実際には、選択された基準系に対して横向き、角度付き、反転される、などであるように配向され得る。
【0041】
「結合される」、「固定される」、「に取り付けられる」などの用語は、本明細書で別段の指定がない限り、直接結合、固定、又は取り付け、及び1つ以上の中間構成要素若しくは特徴を介した間接結合、固定、又は取り付けの両方を指す。
【0042】
本出願は、多数の異なる実施形態の詳細な説明を記載するが、説明の法的範囲は、特許請求の範囲の言葉及び同等の文言によって定義されることを理解されたい。詳細な説明は、例示的なものとしてのみ解釈されるべきであり、全ての可能な実施形態を説明することは非現実的であるため、全ての可能な実施形態を説明するものではない。本技術又は本特許の出願日の後に開発された技術のいずれかを使用して、多数の代替的な実施形態が実装することができ、それらは依然として特許請求の範囲内に含まれる。
【0043】
本明細書全体を通して、複数の実例は、単一の実例として説明される構成要素、動作、又は構造を実装することができる。1つ以上の方法の個々の動作が別個の動作として例解及び説明されているが、個々の動作のうちの1つ以上は同時に実行されてもよく、動作が記載又は例解された順序で実行されることを必要とするものはない。例示的な構成において別個の構成要素として提示される構造及び機能は、組み合わされた構造又は構成要素として実装されてもよい。同様に、単一の構成要素として提示された構造及び機能は、別個の構成要素として実装されてもよい。これら及び他の変形、修正、追加、及び改善は、本明細書の主題の範囲内に入る。本段落における前述の記述は、本説明においてそのように述べられていない限り、及び/又は本説明から当業者に容易に明らかである場合を除いて、適用されるものとする。
【0044】
本明細書で使用される場合、「含む(comprises)」、「含んでいる(comprising)」、「含む(includes)」、「含んでいる(including)」、「有する(has)」、「有している(having)」という用語、又はそれらの任意の他の変形は、非排他的な包含を対象とすることが意図される。例えば、要素のリストを含むプロセス、方法、物品、又は装置は、必ずしもそれらの要素のみに限定されず、明示的に列挙されていない、又はそのようなプロセス、方法、物品、若しくは装置に固有の他の要素を含み得る。
【0045】
本開示は、添付の図面に例解される実施形態を参照して説明されているが、特許請求の範囲に記載される本開示の範囲から逸脱することなく、均等物が採用されてもよく、本明細書において置換が行われてもよいことに留意されたい。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14A
図14B
図15
図16
図17A
図17B
図17C
図17D
図18A
図18B
図18C
【国際調査報告】