(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-10-18
(54)【発明の名称】組織の検査のためのマルチモーダルプローブ
(51)【国際特許分類】
A61B 1/00 20060101AFI20241010BHJP
【FI】
A61B1/00 526
A61B1/00 512
A61B1/00 511
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024528512
(86)(22)【出願日】2022-11-18
(85)【翻訳文提出日】2024-05-14
(86)【国際出願番号】 US2022050460
(87)【国際公開番号】W WO2023091701
(87)【国際公開日】2023-05-25
(32)【優先日】2021-11-19
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】521193441
【氏名又は名称】スペクトラウェーブ, インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100078282
【氏名又は名称】山本 秀策
(74)【代理人】
【識別番号】100113413
【氏名又は名称】森下 夏樹
(74)【代理人】
【識別番号】100181674
【氏名又は名称】飯田 貴敏
(74)【代理人】
【識別番号】100181641
【氏名又は名称】石川 大輔
(74)【代理人】
【識別番号】230113332
【氏名又は名称】山本 健策
(72)【発明者】
【氏名】ゴス, ウィル
(72)【発明者】
【氏名】ツァイ, ツン-ハン
(72)【発明者】
【氏名】ナマティ, エマン
(72)【発明者】
【氏名】デパオリ, デイモン ティー.
【テーマコード(参考)】
4C161
【Fターム(参考)】
4C161AA22
4C161BB08
4C161CC06
4C161FF40
4C161FF46
4C161JJ09
4C161LL08
4C161NN01
4C161NN07
4C161PP09
4C161QQ03
4C161QQ04
4C161QQ07
(57)【要約】
本開示の態様は、複数の特性評価モダリティを取得するために同時に最適化された複数のイメージングサブシステムを可能にする光検出方式の使用に関する。説明されている特徴は、マルチモーダルイメージングプローブのオフセット照明及び検出配置である。イメージングプローブは、トルク伝達コイル内部に配置され、遠位側では縦方向に離れた位置で終端する複数の導波管を備える。第1の導波管は、集中した照明及び/または検出のための集束光学系を有し得る。集束光学系を有していない照明及び/または検出用の任意の数の他の導波管を配置することもできる。本開示は、高忠実度のマルチモーダルイメージングシステムを可能にする。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
体腔を特性評価するためのプローブであって、
それぞれが前記プローブの遠位端まで延びる、第1の導波管及び第2の導波管、
前記第1の導波管の光路に配置され、前記第1の導波管によって伝送された第1のビームを内腔(例えば、体腔)の壁に向けて集束させることができるようにする、第1のビームリダイレクタ及び集束光学系、
前記第2の導波管の光路に配置され、第2の導波管によって伝送された第2のビームが前記壁に向かって誘導され得る、第2のビームリダイレクタ、を備え、
前記第1のビームリダイレクタ、前記集束光学系、及び前記第2のビームリダイレクタは、前記内腔に設けられる場合、前記第1のビームの中心が前記第2のビームの中心よりも遠位の前記壁の位置を指すように配置される、前記プローブ。
【請求項2】
前記第1の導波管は第1の特性評価モダリティの信号を検出するように構成され、前記第2の導波管は第2の特性評価モダリティ用に構成され、前記第1の特性評価モダリティは干渉イメージングモダリティ(例えば、OCT)である、請求項1に記載のプローブ。
【請求項3】
前記第1のビームリダイレクタが前記第2のビームリダイレクタよりも遠位に配置されている、請求項1または請求項2に記載のプローブ。
【請求項4】
前記第2の導波管と前記内腔の前記壁との間の前記光路に集束光学系が配置されていない、先行請求項のいずれか1項に記載のプローブ。
【請求項5】
前記第1及び第2の導波管は、トルク伝達コイル内部に配置されている、先行請求項のいずれか1項に記載のプローブ。
【請求項6】
前記第1のビームリダイレクタ及び前記集束光学系は前記第1の導波管に物理的に接続され、前記第2のビームリダイレクタは前記第2の導波管に物理的に接続されている、先行請求項のいずれか1項に記載のプローブ。
【請求項7】
前記第1のビームリダイレクタまたは前記第2のビームリダイレクタは、角度付き光ファイバである、先行請求項のいずれか1項に記載のプローブ。
【請求項8】
前記集束光学系はボールレンズ(例えば、一体型ボールレンズ)である、先行請求項のいずれか1項に記載のプローブ。
【請求項9】
前記集束光学系は屈折率分布型レンズである、先行請求項のいずれか1項に記載のプローブ。
【請求項10】
前記第1のビームリダイレクタ及び前記集束光学系は、それぞれ(例えば、一緒に)湾曲したミラー表面である、先行請求項のいずれか1項に記載のプローブ。
【請求項11】
射出成形された部分が、前記第1のビームリダイレクタ、前記第2のビームリダイレクタ、及び前記集束光学系を含む、先行請求項のいずれか1項に記載のプローブ。
【請求項12】
3Dプリントされた部分が、前記第1のビームリダイレクタ、前記第2のビームリダイレクタ、及び前記集束光学系を含む、請求項1~10のいずれか1項に記載のプローブ。
【請求項13】
前記プローブの前記遠位端の周囲に保護ケースが配置されている、先行請求項のいずれか1項に記載のプローブ。
【請求項14】
前記保護ケースは光学的に透明な窓部を備える、請求項13に記載のプローブ。
【請求項15】
前記保護ケースは放射線不透過性物質を含む、請求項13に記載のプローブ。
【請求項16】
前記第2の導波管を介して受信された光を検出するために前記第2の導波管に光学的に接続された分光モダリティサブシステム(例えば、NIRS、自己蛍光、蛍光、ラマン)を含む、先行請求項のいずれか1項に記載のプローブ。
【請求項17】
前記第2の導波管は、前記サンプルを照射するための光源に光学的に接続されている、先行請求項のいずれか1項に記載のプローブ。
【請求項18】
少なくとも1つの追加の導波管をさらに備える、先行請求項のいずれか1項に記載のプローブ。
【請求項19】
反射強度が前記第1の導波管によって検出されるように、前記第1の導波管に光学的に接続された特性評価モダリティサブシステムを備える、先行請求項のいずれか1項に記載のプローブ。
【請求項20】
前記第2の導波管は、前記プローブの前記遠位端のいかなる集束光学系とも関連付けられて(例えば、光学的に接続されて)いない、先行請求項のいずれか1項に記載のプローブ。
【請求項21】
前記第1の導波管に光学的に接続された干渉モダリティサブシステム(例えば、OCTまたはOFDI)を含む(例えば、前記第1の導波管は、前記干渉モダリティ用の照明導波管及び収集導波管である)、先行請求項のいずれか1項に記載のプローブ。
【請求項22】
前記第2の導波管に光学的に接続された強度モダリティサブシステム(例えば、分光法、NIRS、蛍光、ラマン)を含む(例えば、前記第2の導波管は、前記強度モダリティ用の照明導波管及び/または収集導波管である)、先行請求項のいずれか1項に記載のプローブ。
【請求項23】
前記第1のリダイレクタ、前記集束光学系、及び前記第2のリダイレクタは、前記第1の導波管からの前記ビームと前記第2の導波管からの前記ビームが円周方向に重ならないように配置されている、先行請求項のいずれか1項に記載のプローブ。
【請求項24】
前記プローブは回転可能である、先行請求項のいずれか1項に記載のプローブ。
【請求項25】
前記プローブは空気で満たされているプローブである、先行請求項のいずれか1項に記載のプローブ。
【請求項26】
前記プローブは、回転可能なコンバイナと光学的に連通する(例えば、FORJに光学的に結合される)、先行請求項のいずれか1項に記載のプローブ。
【請求項27】
体腔を特性評価するためのプローブであって、
第1の導波管及び第2の導波管、
前記第1の導波管の光路に配置される、第1のビームリダイレクタ及び集束光学系、
前記第2の導波管の光路に配置される、第2のビームリダイレクタ、を備え、
前記第1のビームリダイレクタ及び前記集束光学系は、前記第1の導波管からのビームの中心を第1の位置に(たとえば、内腔壁に)集束するように配置され、前記第2のビームリダイレクタは、前記第2の導波管からのビームの中心を第2の位置に設けるように配置され、
前記第1の位置は、前記第2の位置からある距離だけオフセット(たとえば、半径方向にオフセット)される、前記プローブ。
【請求項28】
前記第1の位置は前記第2の位置よりも遠位にある(例えば、体腔の壁に沿って)、請求項27に記載のプローブ。
【請求項29】
前記第1のリダイレクタ、前記集束光学系、及び前記第2のリダイレクタは、前記第1の導波管からの前記ビームと前記第2の導波管からの前記ビームが円周方向に重ならないように配置されている、請求項27または請求項28に記載のプローブ。
【請求項30】
前記第2の導波管は、前記プローブの遠位端のいかなる集束光学系とも関連付けられて(例えば、光学的に接続されて)いない、請求項27~29のいずれか1項に記載のプローブ。
【請求項31】
前記第1の導波管に光学的に接続された干渉モダリティサブシステム(例えば、OCTまたはOFDI)を含む(例えば、前記第1の導波管は、前記干渉モダリティ用の照明導波管及び収集導波管である)、請求項27~30のいずれか1項に記載のプローブ。
【請求項32】
前記第2の導波管に光学的に接続された強度モダリティサブシステム(例えば、分光法、NIRS、蛍光、ラマン)を含む(例えば、前記第2の導波管は、前記強度モダリティ用の照明導波管及び/または収集導波管である)、請求項27~31のいずれか1項に記載のプローブ。
【請求項33】
前記第1のビームリダイレクタ及び前記集束光学系は、前記第1の導波管からの前記ビームを半径方向に集束するように配置され、及び/または前記第2のビームリダイレクタは、前記第2の導波管からの前記ビームを(例えば、前記)半径方向に向けるよう配置される、請求項27~32のいずれか1項に記載のプローブ。
【請求項34】
前記プローブは空気で満たされているプローブである、請求項27~33のいずれか1項に記載のプローブ。
【請求項35】
前記プローブは、回転可能なコンバイナと光学的に連通する(例えば、FORJに光学的に結合される)、請求項27~34のいずれか1項に記載のプローブ。
【請求項36】
体腔を特性評価するためのプローブであって、
第1の導波管及び第2の導波管(例えば、前記第1の導波管及び前記第2の導波管は前記プローブの遠位端の内腔の壁と光学的に連通している)、
前記第1の導波管の光路に配置された第1のビームリダイレクタ及び集束光学系(例えば、前記第1の導波管のビームを前記内腔壁に向けて集束させるもの)、
前記第2の導波管の光路に配置された第2のビームリダイレクタ(例えば、前記第2の導波管のビームを前記内腔壁の方に向ける)、を備え、
前記第2の導波管の受光角は、前記第1の導波管及び前記集束光学系の受光角よりも実質的に大きい、前記プローブ。
【請求項37】
前記プローブは空気で満たされているプローブである、請求項36に記載のプローブ。
【請求項38】
前記プローブは、回転可能なコンバイナと光学的に連通する(例えば、FORJに光学的に結合される)、請求項36または請求項37に記載のプローブ。
【請求項39】
先行請求項のいずれか1項に記載のプローブを含む(例えば、血管内)イメージングカテーテル。
【請求項40】
前記カテーテルの外径が前記カテーテルの内腔挿入可能な長さにわたって1mm未満である、請求項39に記載のイメージングカテーテル。
【請求項41】
前記血管内イメージングカテーテルがマルチモーダル血管内イメージングシステムの一部である、請求項39または請求項40に記載のイメージングカテーテル。
【請求項42】
前記カテーテルが空気で満たされている、請求項39~41のいずれか1項に記載のイメージングカテーテル。
【請求項43】
前記カテーテルが体腔内に配置され、前記プローブが空気で囲まれている、請求項39~42のいずれか1項に記載のイメージングカテーテル。
【請求項44】
回転可能なコンバイナ及び/またはFORJ(例えば、二重クラッドFORJ)を含む(例えば、前記FORJは前記回転可能なコンバイナを介して前記プローブに光学的に結合されている)、請求項39~43のいずれか1項に記載のイメージングカテーテル。
【請求項45】
体腔を特性評価するためのマルチモーダルシステムであって、
イメージングコンソール、
処理装置、
請求項1~38のいずれか1項に記載のプローブ、及び
前記イメージングコンソールと前記プローブを接続する回転式インターフェイス、を備える、前記マルチモーダルシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、本明細書におけるその全体での参照によって開示が以下に組み込まれる、2021年11月19日に出願された米国仮特許出願第63/281,383号の利益を主張する。
【0002】
本開示は、一般に、光導波管を使用して体腔内部の物体を検出し、特性評価する方法に関する。
【背景技術】
【0003】
多くの用途において、サンプルを特性評価するために、複数のサンプル特性評価モダリティが使用される。マルチモーダル特性評価を、単一の導波管(例えば、光ファイバ)または複数の導波管からの異なる形態の電磁(例えば、光学式)放射を用いて行うことができる。複数の光学モダリティの照明及び検出の設計を最適化することは困難な場合がある。したがって、マルチモーダルシステムの複数のモダリティのうち少なくとも1つにおいて、情報(例えば、画像)の質で悩まされることがよくある。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0004】
冠動脈疾患(CAD)は米国及び世界における主な死亡原因であり、CADと闘うために年間100万件を超える経皮的冠動脈形成術(PCI)が実施されている。残念ながら、PCI手術を受けた患者の5人に1人は、PCI部位の不全、または高リスクの脆弱なプラークの破裂による新たな冠動脈病変の形成により、2年以内に重大な心血管イベント(MACE)を発症する。PCI治療を最適化でき、かつ将来破裂するリスクが高い患者及びプラークを特定できることで、医師が将来のMACEの主な原因を管理し、予防することができる。このような手順を最適化するために、小径プローブ(例えば、外径500μm未満のプローブ、例えば、外径1000μm未満のプローブ)を使用して、動脈壁を検査する血管内特性評価を実行できる。血管内の特性評価は医師に情報を提供し、臨床上の意思決定に寄与する。したがって、複数のモダリティ(同じ血管内プローブを使用するなど)を利用できる血管内特性評価システムは、これらが意思決定のためにより多くの情報を提供できるため、臨床医にとってより大きなメリットがある。さらに、あるモダリティ(例えば、干渉イメージングモダリティ)が、1つの固有の臨床エンドポイント(例えば、PCI最適化)を改善できる一方で、別のモダリティ(例えば、分光法)が、別の臨床目的(例えば、脆弱プラークの検出)に役立つ場合がある。
【0005】
腔内の特性評価(例えば、動脈壁の特性評価)は、電磁放射線を使用して実行できる。場合によっては、複数の特性評価方法を実行する(例えば、マルチモーダル特性評価)と、特性評価が改善されることがある。しかし、マルチモーダル特性評価には課題が存在する。たとえば、一部のモダリティでシングルモード導波管(例えば、シングルモード光ファイバ)が必要であるのに対し、一部のモダリティではマルチモード導波管(例えば、マルチモード光ファイバ)が必要となる。場合によっては、たとえばどのモダリティが使用されているかに応じて、組み合わせることが望ましいことさえもある。さらに、あるモダリティでは集中した照明または検出、またはその両方が必要になる場合があるが、別のモダリティでは照明または検出領域を最大化することだけが必要な場合がある。場合によっては、検出器のダイナミックレンジを活用するために、検出される光の量を最小化/最大化するか、最適に制御するべきである。一部のモダリティでは予測可能な位相変化(例えば、180°)が必要であるが、一部のモダリティでは位相変化は不要である。一部のモダリティはコヒーレンス保存に依存するが(例えば、干渉イメージングシステム)、他のモダリティはそうではない(例えば、分光法)。一部のモダリティでは鏡面反射を使用してコントラストを作成するが、他のモダリティでは拡散反射を使用してコントラストを作成できる(例えば、拡散反射分光法)。一部のモダリティでは、照明領域と検出領域間の距離及びまたは位置を分離または制御することが所望される(たとえば、感知深度を制御するため、または鏡面反射を最小限に抑えるために)。一部のモダリティでは、サンプルへの放射線の入射角を制御することが有利な場合がある(表面反射、例えば、保護用プローブシースからの表面反射、例えば、サンプルからの表面反射を低減するためなど)。
【0006】
一例としてのシステムには、イメージングモダリティと分光法モダリティが含まれる。構造サンプルの調査に使用されるイメージングモダリティ(例えば、干渉イメージングシステム)では、高解像度の情報を提供するなど、集中した照明と検出が所望され得る。分子(化学など)サンプルの検査に使用される分光法モダリティ(NIRSシステムなど)では、焦点検出の使用が、それが収集効率を最小限に抑える可能性があるため望ましくない場合、焦点照明を使用するのが望ましい場合もある。したがって、このようなイメージングモダリティとこのような分光法モダリティを使用してマルチモーダル特性評価を実行するには、独自のマルチモーダルプローブを使用して各モダリティのパフォーマンスを最適化することができる。最終的には、マルチモーダル特性評価プローブを設計する際には多くの因子を考えねばならず、現在の開示はこの認識に基づいている。
【0007】
動脈壁の特性評価の場合、血管内に収まってそれを特性評価できるプローブを設計するというサイズの制約が重要な課題の由来である。そのため、この問題に対処するために、複雑な遠位プローブ光学系と光ファイバを含む特殊なシースを導入する多くの設計が導入されてきた。本開示は、とりわけ、予期しない観察とその後の実験及び分析から生じるマルチモーダル特性評価のための、簡素化され、パフォーマンスが最適化されたプローブを提供する。本開示はまた、製造性が向上した導波管の配置を提供し、それによって製造コストを削減する。
【0008】
いくつかの実施形態によれば、マルチモーダルシステムは、腔内特性評価用のマルチモーダルプローブから構成され得、マルチモーダルプローブは近位端と遠位端を有し、遠位端はサンプルに光学的に結合され得る。マルチモーダルプローブは、サンプルに送信された電磁放射線(例えば、光)が、第1の導波管(たとえば、シングルモードファイバ)を通って進み、サンプル(たとえば、冠状動脈)との相互作用の後に受け取った後方散乱電磁放射線が、2つ以上の導波管(たとえば、シングルモードファイバ及びマルチモードファイバ)を通って進み得るように、配置され得る。本開示のいくつかの実施形態では、マルチモーダルプローブは、プローブの遠位部分を円周方向に回転させる(例えば、体腔(例えば、動脈)の内部を画像化する)ために使用されるトルク伝達コイル(例えば、駆動シャフト)内部に少なくとも2つの光導波管を含むことができる。
【0009】
いくつかの実施形態では、単一の導波管が照明及び検出に使用され得て、一方で同じ導波管または別のものが検出に使用される。いくつかの実施形態では、導波管の遠位ポート(例えば、電磁放射線がサンプルに光学的に伝送される場所)は、光学測定(例えば、散乱測定、例えば、異方性測定、例えば、吸収測定)のためのソース検出器の分離を最適化するなどのため、縦方向または円周方向に最適にオフセットされる。
【0010】
マルチモーダルプローブは、マルチモーダル特性評価システムの各モダリティに合わせて最適化された遠位光学系を含むことができる。いくつかの実施形態では、照明導波管は、特性評価モダリティの解像度を最適化するなど、遠位集束光学系(例えば、サンプルに光を集束させるため)に光学的に結合される。いくつかの実施形態では、収集導波管は、特性評価モダリティのために収集された光を最大化するためなど、遠位集束光学系に光学的に結合されていない。
【0011】
いくつかの実施形態では、シングルモード導波管を使用して、イメージングモダリティ(例えば、光干渉断層撮影(OCT)、例えば、共焦点顕微鏡)用にサンプルとの間でシングルモード光を伝送することができる。いくつかの実施形態では、反射率強度モダリティ(例えば、拡散分光法、蛍光分光法、ラマン分光法)のために、マルチモード導波管を使用して、サンプルとの間でマルチモード光を伝送することができる。
【0012】
いくつかの実施形態では、照明と収集導波管との間の光源から検出器へのオフセットによって、拡散反射光(例えば、鏡面反射光と比較して)の収集を最適化できる(例えば、サンプルの表面下を調べるために)。いくつかの実施形態では、所定の特性評価モダリティの照明ビームの中心軸をサンプルに向かって(例えば、特性評価プローブの中心軸から離れて)偏向(例えば、反射)させることができる。いくつかの実施形態では、第1の導波管からサンプルに当たる放射線(例えば、照明用)の入射角は、別の導波管の収集領域の中心軸の角度に対して制御される。いくつかの実施形態では、1つの導波管(例えば、照明導波管)による光伝送における入射ビームの中心軸は、別の導波管(例えば、収集導波管)による光伝送における入射ビームの中心軸から縦方向にオフセットされている。
【0013】
いくつかの実施形態では、各モダリティは、固有の光源、複数の光源を使用できるか、または同じ光源を使用することができる。いくつかの実施形態では、光源は、狭い波長帯域、広い波長帯域を使用することができ、及び/または波長掃引または波長調整可能であってもよい。いくつかの実施形態では、複数の光源のデューティサイクルを時間的にインターリーブして、単一のプルバックでマルチモーダル特性評価を可能にすることができる。
【0014】
いくつかの実施形態では、第1の特性評価モダリティは、例えば光干渉断層撮影(OCT)のイメージングモダリティであってもよい。第2の特性評価モダリティは、分光法モダリティ、たとえば近赤外分光法(NIRS)である場合がある。いくつかの実施形態では、マルチモーダルプローブは、カテーテル、例えばマルチモーダルな方法で患者の内腔(例えば、動脈)を迅速に特性評価するために使用できる心臓カテーテルである。
【0015】
いくつかの実施形態では、体腔の特性評価のためのプローブが提供される。プローブは、それぞれがプローブの遠位端まで延びる第1の導波管と第2の導波管を含むことができる。第1のビームリダイレクタ及び/または集束光学系(例えば、集束光学系とビームリダイレクタとを組み合わせたもの)を第1の導波管の光路に配置し得て、第1の導波管によって伝送された第1のビームを内腔(例えば、体腔)の壁に向けて集束させることができる。第2のビームリダイレクタは、第2の導波管の光路に配置され得、第2の導波管によって伝送された第2のビームが壁に向かって誘導され得る(例えば、集束光学系なしで)。第1のビームリダイレクタ、集束光学系、及び第2のビームリダイレクタは、内腔に設けられる場合、第1のビームの中心が第2のビームの中心よりも遠位の壁上の位置を指すように配置することができる。いくつかの実施形態では、第1の導波管と第2の導波管は、第1の導波管の光路に配置された集束光学系の後、単一のビームリダイレクタを共有し得る。
【0016】
いくつかの実施形態では、第1の導波管は第1の特性評価モダリティの信号を検出するように構成され、第2の導波管は第2の特性評価モダリティ用に構成され、第1の特性評価モダリティは干渉イメージングモダリティ(例えば、OCT)である。
【0017】
いくつかの実施形態では、第1のビームリダイレクタは、第2のビームリダイレクタよりも遠位に配置される。いくつかの実施形態では、第2の導波管と内腔の壁との間の光路に集束光学系は配置されていない。いくつかの実施形態では、第1の及び第2の導波管はトルク伝達コイルの内部に配置される。いくつかの実施形態では、第1のビームリダイレクタ及び集束光学系は第1の導波管に物理的に接続され、第2のビームリダイレクタは第2の導波管に物理的に接続される。
【0018】
いくつかの実施形態では、第1のビームリダイレクタまたは第2のビームリダイレクタは、角度付き光ファイバである。いくつかの実施形態では、集束光学系はボールレンズ(例えば、一体型ボールレンズ)である。いくつかの実施形態では、集束光学系は勾配屈折率レンズである。いくつかの実施形態では、第1のビームリダイレクタ及び集束光学系は、それぞれ(例えば、一緒に)湾曲したミラー表面である。いくつかの実施形態では、射出成形された部分は、第1のビームリダイレクタ、第2のビームリダイレクタ、及び集束光学系を含む。いくつかの実施形態では、3Dプリントされた部分は、第1のビームリダイレクタ、第2のビームリダイレクタ、及び集束光学系を含む。
【0019】
いくつかの実施形態では、プローブの遠位端の周囲に保護ケースが配置される。いくつかの実施形態では、保護ケースは光学的に透明な窓部を備える。いくつかの実施形態では、保護ケースは放射線不透過性物質を含む。
【0020】
いくつかの実施形態では、プローブは、第2の導波管を介して受信された光を検出するために第2の導波管に光学的に接続された分光モダリティサブシステム(例えば、NIRS、自己蛍光、蛍光、ラマン)を含む。いくつかの実施形態では、プローブは、第1の導波管によって反射強度が検出されるように、第1の導波管に光学的に接続された特性評価モダリティサブシステムを備える。いくつかの実施形態では、プローブは、第1の導波管に光学的に接続された干渉モダリティサブシステム(例えば、OCTまたはOFDI)を含む(例えば、第1の導波管は、干渉モダリティ用の照明導波管及び収集導波管である)。いくつかの実施形態では、プローブは、第2の導波管に光学的に接続された強度モダリティサブシステム(例えば、分光法、NIRS、蛍光、ラマン)を含む(例えば、第2の導波管は、強度モダリティ用の照明導波管及び/または収集導波管である)。
【0021】
いくつかの実施形態では、第2の導波管はサンプルを照射するための光源に光学的に接続されている。いくつかの実施形態では、プローブは少なくとも1つの追加の導波管を含む。いくつかの実施形態では、第2の導波管は、プローブの遠位端のいかなる集束光学系とも関連付けられて(例えば、光学的に接続されて)いない。いくつかの実施形態では、第1のリダイレクタ、集束光学系、及び第2のリダイレクタは、第1の導波管からのビームと第2の導波管からのビームが円周方向に重ならないように配置される。いくつかの実施形態では、プローブは回転可能である。
【0022】
いくつかの実施形態では、体腔の特性評価のためのプローブが提供される。プローブは、第1の導波管と第2の導波管とを含むことができる。第1のビームリダイレクタ及び/または集束光学系は、第1の導波管の光路に配置することができる。第2のビームリダイレクタは、第2の導波管の光路に配置することができる。いくつかの実施形態では、第1のビームリダイレクタ及び集束光学系は、第1の導波管からのビームの中心を第1の位置に(たとえば、内腔壁に)集束するように配置され、第2のビームリダイレクタは、第2の導波管からのビームの中心を第2の位置に設けるように配置される。第1の位置は、第2の位置からある距離だけオフセット(たとえば、半径方向にオフセット)される場合がある。
【0023】
いくつかの実施形態では、第1の位置は第2の位置よりも遠位にある(例えば、体腔の壁に沿って)。いくつかの実施形態では、第1のリダイレクタ、集束光学系、及び第2のリダイレクタは、第1の導波管からのビームと第2の導波管からのビームが円周方向に重ならないように配置される。いくつかの実施形態では、第2の導波管は、プローブの遠位端のいかなる集束光学系とも関連付けられていない(例えば、光学的に接続されている)。
【0024】
いくつかの実施形態では、プローブは、第1の導波管に光学的に接続された干渉モダリティサブシステム(例えば、OCTまたはOFDI)を含む(例えば、第1の導波管は、干渉モダリティ用の照明導波管及び収集導波管である)。いくつかの実施形態では、プローブは、第2の導波管に光学的に接続された強度モダリティサブシステム(例えば、分光法、NIRS、蛍光、ラマン)を含む(例えば、第2の導波管は、強度モダリティ用の照明導波管及び/または収集導波管である)。
【0025】
いくつかの実施形態では、第1のビームリダイレクタ、及び集束光学系は、第1の導波管からのビームを半径方向に集束するように配置され、及び/または第2のビームリダイレクタは、第2の導波管からのビームを(例えば)半径方向に向けるよう配置される。
【0026】
プローブは(例えば、血管内の)イメージングカテーテルに含まれる場合がある。カテーテルの外径は、カテーテルの内腔挿入可能な長さにわたって1mm未満であり得る。いくつかの実施形態では、イメージングカテーテルは、マルチモーダル(例えば、血管内)イメージングシステムの一部である。いくつかの実施形態では、プローブは空気で満たされているプローブである。いくつかの実施形態では、カテーテルは空気で満たされているカテーテルである。いくつかの実施形態では、プローブは回転可能なコンバイナと光学的に連通する。回転可能なコンバイナは、光ファイバ回転接合部(FORJ)、たとえば二重クラッドFORJに光学的に結合できる。回転可能なコンバイナは、たとえばFORJを介して伝送するために、1つ以上の照明光チャネル及び/または1つ以上の導波管からの電磁放射線を結合できる。FORJは、回転可能なコンバイナを介してプローブに光学的に結合できる。
【0027】
本開示の他の特徴及び利点は、以下の発明を実施するための形態及び図面から、ならびに特許請求の範囲から明らかになるであろう。文脈から別様に明確でない限り、この概要セクションを含め、本明細書に説明される特徴のうち任意の2つ以上を組み合わせて、本明細書には具体的には明示的に説明されていない実施態様を形成し得る。
【0028】
本明細書では、図面は例示を目的として示しており、限定するためではない。添付図面とともに以下の説明を参照することによって、本開示の前述及び他の目的、態様、特徴、及び利点が、より明らかになり、より良好に理解され得る。
【図面の簡単な説明】
【0029】
【
図1】本開示の例示的な実施形態に従ったマルチモーダルイメージングシステムを示す。
【0030】
【
図2】本開示の例示的な実施形態に従った、より詳細なマルチモーダルイメージングシステムを示す。
【0031】
【
図3】本開示の例示的な実施形態に従った、マルチモーダルイメージング用の固定要素と回転要素を備えた電気光学式回転接合部を示す。
【0032】
【
図4】本開示の例示的な実施形態に従って、集焦ボールレンズと、1つの導波管を終端する角度研磨反射面と、別の導波管を終端する角度研磨反射面とを備えたマルチモーダルイメージングプローブを示す。
【0033】
【
図5A】本開示の例示的な実施形態に従って、集焦ボールレンズと、1つの導波管を終端する角度研磨反射面と、別の導波管を終端する角度研磨反射面とを備えたマルチモーダルイメージングプローブを示す。
【0034】
【
図5B】本開示の例示的な実施形態に従って、集焦グリンレンズと、1つの導波管を終端する角度研磨反射面と、別の導波管を終端する角度研磨反射面のマルチモーダルイメージングプローブを示す。
【0035】
【
図5C】本開示の例示的な実施形態に従って、反射面を含む物理的に切断されたユニット、及び1つの導波管の光路に、別の導波管を終端する角度研磨された反射面で配置される集束ユニットを備えたマルチモーダルイメージングプローブを示す。
【0036】
【
図5D】本開示の例示的な実施形態に従って、反射面を含む物理的に切断されたユニット、並びに1つの導波管の光路に、別の導波管のための反射面で配置される集束ユニットを備えたマルチモーダルイメージングプローブを示す。
【0037】
【
図5E】本開示の例示的な実施形態に従って、1つの導波管の光路における反射と集束の両方のための曲面反射面、並びに別の導波管の反射面を備える、物理的に切断されたユニットを備えたマルチモーダルイメージングプローブを示す。
【0038】
【
図6A】本開示の例示的な実施形態に従って、プローブ軸のみで、縦方向ではなく周方向に重なり合ったビーム中心線を有する2つの導波管を備えたマルチモーダルイメージングプローブの断面図を示す。
【0039】
【
図6B】本開示の例示的な実施形態に従って、プローブ軸のみで、非周方向で重なり合ったビーム中心線を有する2つの導波管を備えたマルチモーダルイメージングプローブの断面図を示す。
【0040】
【
図6C】本開示の例示的な実施形態に従って、ビーム中心線が同じ半径方向に沿って向いているが重なり合っていない2つの導波管を備えたマルチモーダルイメージングプローブの断面図を示す。
【0041】
【
図6D】本開示の例示的な実施形態に従って、2つは同じ半径方向に沿ったビーム中心線を有し、1つはそうではない3つの導波管を備えたマルチモーダルイメージングプローブの断面図を示す。
【0042】
【
図6E】本開示の例示的な実施形態に従って、照明ビームの中心線が他の導波管ビームの中心線の1つとのみ重なり合う、7つの導波管を備えたマルチモーダルイメージングプローブの断面を示す。
【0043】
【
図7】A~Bは、従来のプローブ設計と、本開示の例示的な実施形態に従ったプローブ設計の光伝播の光線トレーシングソフトウェアシミュレーションを示す。
【0044】
【
図8】A~Dは、従来のプローブ設計、ならびに本開示の例示的な実施形態に従ったプローブ設計の正規化された吸収及び散乱感度を評価するための、光子伝播のモンテカルロシミュレーションを示す。
【発明を実施するための形態】
【0045】
定義
本開示をより容易に理解するために、本明細書で使用する特定の用語を下記に定義する。以下の用語及び他の用語に対するさらなる定義を、明細書の全体に渡って述べる場合がある。本出願では、文脈から特に明らかでない限りまたは特に明記しない限り、(i)用語「a」は「少なくとも1つ」を意味するものと理解してもよく、(ii)用語「または」は「及び/または」を意味するものと理解してもよく、(iii)用語「含む(comprising)」及び「含む(including)」は、箇条書きにしたコンポーネントまたはステップを包含するものと理解してもよく、これは、それらだけで示しているかまたは1つ以上の追加コンポーネントまたはステップとともに示しているかにかかわらないことであり、(iv)用語「約」及び「ほぼ」は、当業者であれば理解するであろう標準偏差を許容するものと理解してもよく、(v)範囲が与えられた場合、端点が含まれる。約/ほぼの有無にかかわらず、本出願において使用する任意の数字は、当業者によって理解される任意の正常変動をカバーすることが意図されている。ある実施形態では、用語「ほぼ」または「約」は、特に明記しない限りまたは文脈から特に明らかでない限り、記載した基準値の両方向(よりも大きいかまたはよりも小さい)において、25%、20%、19%、18%、17%、16%、15%、14%、13%、12%、11%、10%、9%、8%、7%、6%、5%、4%、3%、2%、1%、またはそれ以下に含まれる値の範囲を指す(このような数が、可能な値の100%を超える場合を除く)。
【0046】
「プローブ」。本明細書において使用される場合、「プローブ」とは、近位端(例えば、オペレータ端部)及び遠位端(例えば、サンプル端部)から情報(例えば信号、例えば電磁放射線)を伝送するためのデバイスを指す。本明細書において、「縦」方向はプローブの長軸に沿った方向を指し、「方位」または「円周」方向はプローブ、導波管、またはその他の本質的に円筒状の構造の円周に沿った方向を指し、「半径」方向はプローブ、導波管、またはその他の本質的に円筒状の構造の半径に沿った方向を指す。
【0047】
「光源」。本明細書で使用する場合、「光源」は、光を発する(たとえば、放出する)供給源を指す。光は電磁放射線(EMR)(たとえば、光子)である。本明細書で使用する場合、光の周波数(波長)は可視スペクトル内であってもよいし、そうでなくてもよい。光源は、可視光、近赤外光、赤外光、長波長赤外光、紫外光、深紫外光、及び極端紫外光のうちの1種以上を放出し得る。いくつかの実施形態では、光源はテラヘルツ放射を放出し得る。光源はx線、マイクロ波、または電波を放出し得る。光源はレーザであってもよいが、必ずしもそうではでない。光源は、たとえば、時間的コヒーレンスが低減された光源、たとえば、発光ダイオード(LED)またはスーパールミネセントダイオード(SLD)を含む供給源であってもよい。光源は、掃引光源、調整可能な光源、または狭帯域光源であってもよい。ある実施形態では、光源は掃引光源レーザである。ある実施形態では、光源は広帯域光源である。
【0048】
「画像」。本明細書で用いる場合、用語「画像」にはたとえば、組織(または他のサンプル)の2次元または3次元画像の場合と同様に、任意の視覚表現、たとえば写真、ビデオフレーム、ストリーミングビデオ、ならびに写真、ビデオフレーム、またはストリーミングビデオの任意の電子的、デジタル、または数学的類似物が含まれる。本明細書に記載の任意のシステムまたは装置には、ある実施形態では、プロセッサによって生成される画像または任意の他の結果を表示するためのディスプレイが含まれている。本明細書に記載の任意の方法には、ある実施形態では、本方法によって生成される画像または任意の他の結果を表示するステップが含まれている。本明細書に記載の任意のシステムまたは装置は、ある実施形態では、画像を遠隔の受信デバイス[たとえば、クラウドサーバ、遠隔モニタ、または病院情報システム(たとえば、画像保存通信システム(PACS))]へ出力する。いくつかの実施形態では、画像を、蛍光イメージングシステム、分光イメージングシステム、蛍光イメージングシステム、及び/または反射率イメージングシステムを用いて生成する。ある実施形態では、トモグラフィ画像及び分光画像を共位置合わせして、合成画像を形成する。いくつかの実施形態では、画像は2次元(2D)画像である。いくつかの実施形態では、画像は3次元(3D)画像である。いくつかの実施形態では、画像は再構成画像である。画像(たとえば、3D画像)は単一画像または画像の組であってもよい。イメージング技術(たとえば、光源が与える光を用いて)によって、1つ以上の画像を形成し得る。
【0049】
「サンプル」。本明細書で用いる場合、「サンプル」は、特性評価すべき物質を指す。全般的に、光による特性評価が可能な任意の材料、混合物、物質を、サンプルとして用いることができる。サンプルには1つ以上の材料が含まれていることがある。サンプルは気体、流体、または固体であってもよい。サンプルは、たとえば、ゲル(たとえば、ヒドロゲル)、エラストマー、または複合材料であってもよい。サンプルは生物学的サンプルであってもよい。たとえば、サンプルは臓器または生体構造(たとえば、組織)またはその一部であってもよい。サンプルは生体内臓器または生体内組織であってもよい。たとえば、サンプルは生体内動脈またはその一部であってもよい。サンプルには、対象とする1つ以上の特徴物が含まれていることがある。たとえば、対象とする特徴物は、たとえば、動脈プラーク(たとえば、脆弱性プラーク、たとえば、線維性被膜を有するもの)であってもよい。
【0050】
「分光法」。本明細書で使用する場合、「分光法」は、特定の波長の範囲の光源を用いたサンプルの任意の形態の特性評価を指す。光源は、狭帯域(たとえば、2nm未満)の波長範囲(たとえば、1210.01~1210.02nm、たとえば、1210nm~1212nm)、広帯域の波長範囲(たとえば、1160nm~1280nm)、または2つ以上の非連続帯域の波長(たとえば、1205nm~1215nm及び1260nm~1360nm)を有していることがある。たとえば、「可視分光法」は、可視波長(たとえば、550nm)においてサンプルを特性評価する(たとえば、イメージングする)ことを指し得る。別の例として、「近赤外分光法/NIRS」は、NIRS波長(たとえば、1210nm)においてサンプルを特性評価する(たとえば、イメージングする)ことを指し得る。いくつかの実施形態では、サンプルの任意の領域にわたって任意の光源をスキャンすることによって画像を生成することができ、このプロセスは、依然として分光法と言ってもよい。なぜなら、この画像は、特定の波長範囲におけるサンプルの吸収及び散乱特性に関するからである。
【0051】
「光学」は、可視光を指すことに限定されない。たとえば、光学チャネルは、可視スペクトルの外側の周波数(波長)を有する光、たとえば赤外光または紫外光を伝送するように構築し得る。同様に、「光検出」、「光学モダリティ」、及び他の同様の用語は、可視スペクトルの外側の光(電磁放射線)、たとえば赤外光または紫外光を利用することができる。「光学的に接続された」2つのコンポーネントは、直接的に光学的に接続されていてもよいし、または1つ以上のさらなる光学コンポーネント(たとえば、導波管(複数可)、レンズ(複数可)、ビームスプリッタ(複数可)、マルチプレクサ(複数可))及び/または光路に沿ってそれらの間に配置された自由空間を有していることがある。
【0052】
「鏡面反射」。本明細書で使用される場合、鏡面反射は、鏡のような反射、つまり、入射光線と同じ角度でサンプルの表面から反射される光であるが、表面に垂直な平面の反対側にある光を指す。実際の光学特性評価システムでは、入射光は完全に平行化されたビーム、集束ビーム、または有限のビーム発散を有するビームである可能性がある。したがって、実際のケースでは、鏡面反射はビームの軸を指す。
【0053】
「拡散反射」。本明細書で使用される場合、拡散反射とは、散乱した後にサンプルの表面から様々な方向に出てくる光を指す。ほとんどの表面は拡散反射と鏡面反射の組み合わせを示す。
【0054】
腔内特性評価は全般的に、典型的なカテーテルベースの血管内特性評価システムにおいて行われる場合、プローブ高速に回転させて内部物体の内周をイメージングすることを含む。このような特性評価プローブは、通常、光学系とサンプルの間で光を送受信する光導波管からなる。
【0055】
特性評価プローブは、単一の特性評価モダリティまたは複数の特性評価モダリティを最適化するように設計できる。たとえば、特性評価プローブは、サンプルの構造特性を評価するために設計される場合がある(たとえば、OCTによるイメージングによってなど)。特性評価プローブは、サンプルの分子特性を評価するために設計される場合もある(たとえば、NIRSを使用して分光法を実行することによってなど)。特性評価プローブは、複数の特性評価モダリティ(OCTイメージングやNIRSなど)を使用して、サンプルの複数の特性を評価するために設計される場合もある。このようなプローブは、両方のモダリティで高い感度と忠実度の特性評価を提供するために、慎重な最適化を必要とする。
【0056】
OCTなどの干渉イメージングは、集束光を使用して最適に実行される。一方、拡散分光法は様々な方法で最適化できる。たとえば、最適化には、表面のみと相互作用した光(鏡面反射など)ではなく、表面下の分子と相互作用した光(拡散反射など)の検出を優先する光学配置が含まれる場合がある。別の最適化には、深部組織の感知に有利な光学配置(たとえば、光源から検出器までの距離を制御することによる)が含まれる場合がある。別の最適化としては、信号収集効率に基づいて、集中照明または検出を使用するかどうかなどが挙げられ得る。最後に、医療の状況における腔内特性評価という状況では、これらすべての最適化は、プローブ設計上の大きな制約(サイズ、堅牢性、製造可能性、コストなど)の下で実行される必要がある。
【0057】
本開示は、とりわけ、イメージング及び分光法を実行するための最適な光学配置を提供する。たとえば、特定の実施形態では、構造イメージングのパフォーマンスの損失を最小限に抑え、最先端の干渉計感度(たとえば、90dBを超える、100dBを超える、または110dBを超える)を実現させると同時に、分光法の必要な信号(たとえば、拡散光)と不要な信号(たとえば、鏡面反射光)の収集比率も最大化させる。さらに、特定の実施形態では、プローブの複雑な光学系を削減することによって製造可能性が最大化され、プローブの商品コストを最小限に抑える。さらに、本開示の特定の実施形態は、プローブのサイズの最適化(例えば、最小化)を可能にする。
【0058】
これまでの分光プローブの設計では、光源と検出器の分離を最適化するために、各導波管の端に集束光学系を配置していた。集束光学系は最終的なプローブ設計の高額な部分であるため、この設計はコストがかかる。さらに、収集ファイバ上の集束光学系によりファイバの視野角が狭くなり、収集効率が低下する。いくつかの実施形態では、集束光学系は照明導波管の光路にのみ配置される。さらに、照明導波管と検出導波管の最適な向きは、収集ファイバの遠位ポートが照明ファイバの遠位ポートよりも遠位に位置するように設計されると考えられた。いくつかの実施形態では、照明導波管は、照明ビームが収集ビームよりも遠位でサンプルに当たるように配向され、両方のビームの中心軸はサンプルとプローブの遠位端の間で角度が付けられる。この配向は、収集ファイバによって検出される鏡面反射(例えば、サンプルまたはシースからの反射)が大幅を減少させ、最大限の光収集を可能にする。
【0059】
いくつかの実施形態では、マルチモーダルプローブは、マルチモーダル特性評価システム(例えば、OCT/NIRS特性評価システム)と組み合わせて使用される場合がある。いくつかの実施形態では、マルチモーダル特性評価システムは、腔内特性評価(例えば、冠動脈特性評価)に使用されてもよい。いくつかの実施形態では、マルチモーダルプローブは、カテーテル、例えばマルチモーダルな方法で患者の内腔(例えば、動脈)を迅速に特性評価するために使用できる心臓カテーテルである場合がある。いくつかの実施形態では、カテーテルは空気で満たされていることがある。例えば、カテーテルのシースの内部容積部及び/またはシースと体腔との間の容積には、実質的にいかなる流体も欠いていることがある。例えば、空気で満たされているカテーテルは、体腔の特性評価中に、カテーテルの光路に介在する流体(例えば、血液または生理食塩水)がないよう(例えば、プローブ内の光学系と体腔との間)に構成することができる。いくつかの実施形態では、実現される最適化は、空気で満たされているカテーテルに固有のものであることがある(例えば、鏡面反射を低減するため、例えば、照明ビームと収集ビームの重なりを最適化するため、例えば、各光学モダリティの信号を最適化するため)。いくつかの実施形態では、カテーテルは、流体(例えば、洗浄液(例えば、生理食塩水)または血液)で満たされていることがある。いくつかの実施形態では、プローブは空気で満たされていることがある。例えば、空気で満たされているプローブは、体腔の特性評価中に、プローブの光路に介在する流体(例えば、血液または生理食塩水)がないよう(例えば、プローブ内の光学系と体腔との間)に構成することができる。
【0060】
図1は、冠動脈イメージングのためのマルチモーダル特性評価システムの例示的な実施形態を示している。マルチモーダル特性評価システムには、コンソール100、医師用モニタ102、技術者用モニタ104、及びトレイ106が含まれる。システムには、電気光伝送ケーブル108及び患者インターフェイスカテーテル112を介してコンソールとインターフェイスするカテーテルインターフェイスユニット110が接続されている。
【0061】
図2は、マルチモーダル特性評価システムの例示的な実施形態のブロック図を示している。マルチモーダルシステム/装置は、静止光学ユニット200を含む。静止光学ユニット200は、OCT光源202、分光光源204、基準チャネルを形成するビームスプリッタ206、2つの光源を結合するビームコンバイナ(たとえば、WDM)208、基準測定値を検出するための分光基準検出器210、干渉計212、OCT検出器214、コンピューティングデバイス216、及び送受信機デバイス218のうちの1つ以上を含み得る。静止光学ユニット200は、単一チャネル光ファイバロータリージャンクション(FORJ)を介して回転光学ユニット222と光学的に接続されて機能することができる。回転光学ユニット220は、たとえば、回転デバイスハウジング224、照明/収集光学チャネル(たとえば、少なくとも1つの直列のシングルモードファイバ)226、収集光学チャネル(たとえば、少なくとも1つの直列のマルチモードファイバ)228、及び収集光検出器230のうちの1つ以上を含み得る。サンプルまで延びる光学チャネルは、保護及び安全性を考慮して、透明なシース232によって覆われていることがある。シース232は、たとえば、血管内特性評価カテーテルの場合と同様に、動作中に静止したままであってもよい。収集検出器デバイス230は、分光検出器234、ならびに調整回路236(たとえば、検出信号のSNRを向上させるため)、及び送信機238(たとえば、スリップリング、RF送信機、または光送信機)を含み得る。送信機238は、送受信機であってもよい。いくつかの実施形態では、収集光検出器は、例えばデュアルチャネルFORJまたは回転可能なコンバイナを配置することによって、固定光学ユニット内に配置することができる。いくつかの実施形態では、収集光検出器は、回転光学ユニット内に配置された回転可能なコンバイナと組み合わせて、固定光学ユニット内に配置される。回転可能なコンバイナは、電磁放射(例えば、照明光チャネルと第2の導波管を第3導波管に)を結合して、二重クラッドFORJを介して伝送することができる。このような配置の例は、2014年1月28日に提出された国際(PCT)特許出願第PCT/US2014/013330号に記載されており、その開示内容は、参照により本明細書に全体として組み込まれる。
【0062】
図3は、高忠実度で高速のマルチモーダル回転特性評価を可能にする回転ユニットに対する例示的な実施形態を示す断面図である。回転ユニット300は、FORJ308(たとえば、その一部)、相互接続312を収容するための回転デバイスハウジング310、回路基板314、照明光学チャネル316、光検出デバイス320(たとえば、光検出器、任意選択で光学系を含む)上で終端する収集光学チャネル318、及びサンプルからの光を送受信するための多光学チャネルプローブ322を含み得る。静止ユニットは、FORJ308と接続されて機能する静止光ファイバ302を介して、回転ユニット300に光学的に接続して機能し得る。回転ユニット300にトルクを伝達するために、回転ユニットに対して静止したままであるモーター304を使用して、駆動ベルト306を駆動し得る。いくつかの実施形態では、ダイレクトドライブモーターを、駆動ベルトなしで配置し得る。回転デバイスハウジング310の内部に、回路基板314に接続されて、回転ユニットから静止ユニット上の無線RF送受信装置326にデータを送信し及び/または情報を受信する無線送信機324(たとえば、無線送受信機)が存在し得る。回転ユニットの少なくとも一部を、直線並進ステージ328に取り付けて、前後の並進運動を可能にし得る。プローブハウジング330を、光学プローブ322を収容し、回転デバイス用の静止ハウジング332と接続して機能するように、たとえば、内部光学プローブ322が回転ユニット300の一部として回転及び並進される間、回転的に静止したままであるように、デザインし得る。図示のハウジング及びデバイスは、たとえば、丸い(たとえば、円形)または長方形であってもよい。
【0063】
本開示のいくつかの実施形態では、マルチモーダルプローブは少なくとも2つの光導波管を含み得る。いくつかの実施形態では、導波管は、遠位プローブ光学系を円周方向に回転させるために(例えば、体腔(例えば、動脈)の内部を画像化するために)使用されるトルク伝達コイル内部に配置される。いくつかの実施形態では、単一の導波管が第1のモダリティの照明及び検出に使用され、一方、同じ導波管または物理的に別の別の導波管が別のモダリティの検出に使用される場合がある。いくつかの実施形態では、プローブのトルク伝達コイル内部に、任意の数の導波管(例えば、3つの導波管)が配置され得る。いくつかの実施形態では、照明に複数の導波管が使用され得る(例えば、異なるモダリティに対して照明をつけるため)一方、検出に2つ以上の導波管が使用され得る(例えば、モダリティの少なくとも1つに対して1つ)。いくつかの実施形態では、単一の導波管が照明を実行し得、一方で2つ以上の導波管が検出に使用される(例えば、異なる位置または深さからの散乱光を検出するため)。いくつかの実施形態では、単一の導波管が照明を実行し得、一方で同じ導波管と別の導波管が異なるモード(例えば、光学モード)で後方散乱光を検出することができる。いくつかの実施形態では、マルチモードファイバは、マルチモード光を送信及び/または受信するために使用することができる(例えば、反射強度測定(例えば、波長依存強度測定)用)。いくつかの実施形態では、シングルモードファイバは、光を送信及び/または受信するために使用することができる(例えば、干渉測定用)。いくつかの実施形態では、二重クラッド光ファイバは、シングルモード光とマルチモード光の両方を送信及び/または受信するために使用することができる。
【0064】
マルチモダリティプローブには近位端と遠位端があるべきであり、遠位端はサンプルと光学的に接続される。いくつかの実施形態では、導波管の遠位ポート(例えば、光がサンプルに光学的に伝送される場所)は、拡散分光法(例えば、NIRS)の光源から検出器までの分離距離を最適化するために、別の導波管から縦方向または円周方向にオフセットされる。いくつかの実施形態では、導波管は、特性評価モダリティ(例えば、OCT)の解像度を最適化するために、光を集束するための遠位集束光学系をその光路に有する。いくつかの実施形態では、集束光学系はボールレンズ(例えば、製造時に導波管に融合される)である。いくつかの実施形態では、集束光学系は勾配屈折率(GRIN)レンズ(例えば、GRINファイバ)である。いくつかの実施形態では、集束光学系は導波管と物理的に接続される(例えば、接合または融合される)。いくつかの実施形態では、集束光学系は、射出成形部品、3Dプリント部品、または機械加工部品の一部である。いくつかの実施形態では、集束光学系は曲面(例えば、曲面反射鏡)である。いくつかの実施形態では、集束光学系はメタレンズであり得る。いくつかの実施形態では、収差補正光学系が導波管の光路内に配置される。いくつかの実施形態では、集束光学系は、収差を補正するように成形(例えば、形成)される。いくつかの実施形態では、集束光学系は、他の光学系またはコンポーネント(例えば、ビームリダイレクタ)と物理的に接続された、より大きなユニットの一部である。
【0065】
プローブは通常、腔内に挿入され、プローブの軸に沿って回転して、プローブとほぼ平行に内腔の内壁を特性評価する。したがって、いくつかの実施形態では、プローブ内の導波管には、その光路にビームリダイレクタ(例えば、ミラー)が設けられ、ビームを内腔に向ける。いくつかの実施形態では、ビームは導波管に対してほぼ垂直に(例えば、90度)方向転換される。いくつかの実施形態では、ビームリダイレクタは、ビームをプローブの軸から90度から45度(たとえば、75度)の間の任意の方向にリダイレクトすることができる(たとえば、鏡面反射を減らすため)。いくつかの実施形態では、ビームの方向転換は全内部反射(例えば、空気中の角度のついたガラス表面)によって達成され得る。いくつかの実施形態では、ビームリダイレクタは、角度付き導波管(例えば、角度研磨導波管、例えば、角度研磨光ファイバ)である。いくつかの実施形態では、ビームリダイレクタは反射面(例えば、ミラー)である。いくつかの実施形態では、収集導波管には遠位集束光学系がなく、特性評価モダリティ(例えば、蛍光)用に収集された光を最大化するためなどのビームリダイレクタのみが設けられている。いくつかの実施形態では、照明導波管と収集導波管との間の光源から検出器へのオフセットは、拡散反射光(例えば、鏡面反射光と比較して)の収集を最適化するのに十分である。いくつかの実施形態では、収集導波管は、照明導波管から縦方向にオフセットされて配置される。
【0066】
いくつかの実施形態では、照明ビームと収集ビームが同じ円周方向で、サンプルに衝突する(例えば、ビームの中心が円周方向に重なり合う場合がある)。いくつかの実施形態では、第1のビームは第1の円周方向に向けられ得るが、一方、別の導波管のビームは別の円周方向に向けられ得る(例えば、同じ縦方向の位置に向けられる)。2つの導波ビームを円周方向または縦方向にオフセットすると、光源と検出器の分離を制御するのに役立ち、これは、拡散光の収集を最適化するために(例えば、拡散反射分光法(DRS)のため)重要である。いくつかの実施形態では、導波管は、トルク伝達コイル内に配置したまま、プローブの中心に、または中心に対して偏心して配置することができる。いくつかの実施形態では、2つの導波管がトルクコイル内に配置され得、第1の導波管は、第2の導波管のビームの「視線」方向に対して、第2の導波管の「前方」に配置される(例えば、第2の導波管が第1の導波管よりも遠位にオフセットされる)。いくつかの実施形態では、導波管は、並べて配置され得、サンプルを同じ円周角度で観察する。いくつかの実施形態では、第1の導波管は内腔の第1の位置で光を伝送するために使用され得るが、第2の導波管は第2の位置で光を検出し得、第3の導波管は第3の位置で光を検出することができる(例えば、サンプルの深さに依存する属性を測定するため)。いくつかの実施形態では、複数の導波管の任意の組み合わせが、ビームが内腔壁の異なる位置に配置され、または方向付けられるように配置され得る(例えば、様々なサンプルの深さまたは位置を測定するため)。いくつかの実施形態では、導波管(例えば、複数の導波管)のビーム発散を(例えば、導波管の開口数を制御することによって)設計して、プローブ内部の各導波管からのビームの重なりを増加または減少させることができる。いくつかの実施形態では、特定の導波管(例えば、複数の導波管)に対するビームの入射角を(例えば、ガラスと空気の界面における導波管の研磨角度を調整することによって)設計して、プローブ内部の各導波管からのビームの重なりを増減することができる。いくつかの実施形態では、遠位開口が(例えば、保護ケースに)配置され、プロファイルの照明に影響を与え得る。いくつかの実施形態では、遠位開口は、検出に影響を与えるように配置され得る(例えば、鏡面反射を低減するため、例えば、照明及び検出領域をさらに分離するため)。
【0067】
図4は、本開示の例示的な実施形態に従ったマルチモーダルプローブの断面図である。トルク伝達コイル400には、第1のモダリティを伝送及び検出する第1の導波管402と、第2のモダリティを検出する第2の導波管404の2つの光導波管が収容されている。第1の導波管は、集束力を付与するためにボールレンズ集束光学系406に融合され、制御された角度408で研磨されて、ビーム中心軸位置410及びプローブの縦軸(例えば、縦軸に垂直)412からのビーム中心軸角度が最適化される。第1の導波管のビームの集束力は、角度研磨面の研磨曲率を変更することによって、またはボールレンズの曲率(例えば、縦方向及び/または円周方向のいずれか)を変更することによって、さらに設計及び最適化することができる。第2の導波管には集束光学系はないが、ビーム中心軸の位置416とプローブの縦軸(たとえば、縦軸に垂直)418からのビーム中心軸の角度を最適化するために、制御された角度414で研磨されている。第2の導波管の受容角度420は、ファイバの開口数を変更することによって、または角度研磨の曲率を変更することによって、さらに設計及び最適化することができる。第1の導波管の遠位ポートと第2の導波管の遠位ポートからの距離422は、設計または最適化することができる。
【0068】
図5Aは、本開示の例示的な実施形態に従ったマルチモーダルプローブの断面図である。トルク伝達コイル500には、複数の光導波管が収容されている。第1の導波管510は、第1のモダリティを伝送及び検出する融合ボールレンズ集束光学系、及びそれぞれがビーム方向転換用プリズム506に光学的に結合(たとえば、物理的に結合)されている、少なくとも第2のモダリティを検出するための複数の導波管群504を備える。プローブは、モダリティに対して透明な保護シース508で覆われている。
【0069】
図5Bは、本開示の例示的な実施形態に従ったマルチモーダルプローブの断面図である。トルク伝達コイル500には、複数の光導波管が収容されている。第1の導波管510は、第1のモダリティを伝送及び検出する角度付き光学系512(たとえば、切断または研磨)、及びビーム方向転換506のために角度切断または研磨された検出用(たとえば、第2のモダリティの)の収集導波管のグループ514を備える。収集導波管は縦方向にオフセットされており、様々なソースと検出器の分離に合わせて最適化できる。プローブは、モダリティに対して透明な保護シース508で覆われている。
【0070】
図5Cは、本開示の例示的な実施形態に従ったマルチモーダルプローブの断面図である。トルク伝達コイル500には複数の光導波管が収容されている。第1の導波管516は、第1の集束光学系(例えば、レンズ)520及び第2のビームリダイレクタ522(例えば、ミラー、誘電体ミラー)と光学的に連通しており、集束光学系及びビームリダイレクタは基板518に配置され、連携して配置されて少なくとも第1のモダリティを送信及び検出するようにする。ビームの方向転換のために角度切断または研磨された、少なくとも第2のモダリティを伝送するための第2の導波管514がある。プローブは、モダリティに対して透明な保護シース508で覆われている。
【0071】
図5Dは、本開示の例示的な実施形態に従ったマルチモーダルプローブの断面図である。トルク伝達コイル500には複数の光導波管が収容されている。第1の導波管524は、第1のビームリダイレクタ526(例えば、ミラー、誘電体ミラー)及び第1の集束光学系528(例えば、レンズ)と光学的に連通している。第2の導波管530は、第2のビームリダイレクタ532と光学的に連通しており、第1のビームリダイレクタ、第2のビームリダイレクタ、及び第1の集束光学系は基板534に配置されている。プローブは、モダリティに対して透明な保護シース508で覆われている。
【0072】
図5Eは、本開示の例示的な実施形態に従ったマルチモーダルプローブの断面図である。トルク伝達コイル500には複数の光導波管が収容されている。第1の導波管524は、第1のビームリダイレクタ526(例えば、3Dプリントされた表面、例えば、成形された表面)及び第1の曲面集束光学系528(例えば、3Dプリントされた曲面、例えば、成形された表面)(例えば、一体型のプリントまたは成形されたコンポーネント)と光学的に連通する。第2の導波管530は、第2のビームリダイレクタ532(例えば、3Dプリントされた表面、例えば、成形された表面)と光学的に連通しており、第1のビームリダイレクタ、第2のビームリダイレクタ、及び第1の集束光学系は、基板534(例えば、3Dプリントされた基板、例えば、成形された基板)に配置されている。プローブは、モダリティ508に対して透明な保護シースで覆われている。
【0073】
図6Aは、本開示の例示的な実施形態によるマルチモーダルプローブの断面図であり、第1の導波管(色付き)(例えば、照明及び検出導波管)と第2の導波管(空)(例えば、検出導波管)のビーム軸が円周方向に重なり合っている。塗りつぶされた矢印は、円周方向の第1の導波管ビーム軸(たとえば、視野軸)を示し、塗りつぶされていない、点線の周囲の矢印は、円周方向の第2のビーム軸(たとえば、視野軸)を示す。この配向では、第1の導波管のビーム軸は、第2の導波管のビーム軸よりも遠位になる。
【0074】
図6Bは、本開示の例示的な実施形態によるマルチモーダルプローブの断面図であり、第1の導波管(色付き)(例えば、照明及び検出導波管)と第2の導波管(空)(例えば、検出導波管)のビーム軸が円周方向に重なり合っていない。塗りつぶされた矢印は、円周方向の第1の導波管ビーム軸(たとえば、視野軸)を示し、塗りつぶされていない、点線の周囲の矢印は、円周方向の第2のビーム軸(たとえば、視野軸)を示す。この配向では、第1の導波管のビーム軸は、第2の導波管のビーム軸よりも遠位になる。
【0075】
図6Cは、本開示の例示的な実施形態によるマルチモーダルプローブの断面図であり、第1の導波管(色付き)(例えば、照明及び検出導波管) と第2の導波管(空)(例えば、検出導波管)のビーム軸が円周方向に重なり合っていない。塗りつぶされた矢印は、円周方向の第1の導波管ビーム軸(たとえば、視野軸)を示し、塗りつぶされていない、点線の周囲の矢印は、円周方向の第2のビーム軸(たとえば、視野軸)を示す。この配向では、第1の導波管のビーム軸は、第2の導波管のビーム軸よりも遠位になる。
【0076】
図6Dは、本開示の例示的な実施形態に従ったマルチモーダルプローブの断面図であり、第1の導波管(色付き)(例えば、照明及び検出導波管)、第2の導波管(空)(例えば、検出導波管)、及び第3導波管(斜線)(例えば、照明または検出導波管)において、第2及び第3の導波管は、第1の導波管からの光源から検出器までの距離が異なっている(例えば、深さに依存する光学特性を識別するため)。塗りつぶされた矢印は、円周方向の第1の導波管ビーム軸(たとえば、視野軸)を示し、塗りつぶされていない、点線の周囲の矢印は、円周方向の第2のビーム軸(たとえば、視野軸)を示す。この配向では、第1の導波管のビーム軸は、第2の導波管のビーム軸よりも遠位になる。
【0077】
図6Eは、本開示の例示的な実施形態によるマルチモーダルプローブの断面図であり、第1の導波管(色付き)(例えば、照明及び検出導波管) と二次導波管群(空)のビーム軸が円周方向に重なり合っていない。二次導波管群は、トルク伝達コイル内部の第1の導波管の周囲に配置される。光源から検出器までの距離は、各二次導波管と第1の導波管の間で制御でき、様々な領域を表示できる(たとえば、深さに依存する光学特性を識別するため)。塗りつぶされた矢印は、円周方向の第1の導波管ビーム軸(たとえば、視野軸)を示し、塗りつぶされていない、点線の周囲の矢印は、検出導波管各々の円周方向のビーム軸(たとえば、視野軸)を示す。この配向では、第1の導波管のビーム軸は、第2の導波管のビーム軸よりも遠位になる。
【0078】
図7Aは、以前のプローブ設計における光伝播の光線トレーシングソフトウェアシミュレーションを示している。
図7Bは、本開示の例示的な実施形態に従ったプローブ設計を示す。
【0079】
図8A~8Dは、従来のプローブ設計、ならびに本開示の例示的な実施形態に従ったプローブ設計の正規化された吸収及び散乱感度を評価するための光子伝播のモンテカルロシミュレーションを示す。
図8A~8Bは、生物組織に関連する様々な光学特性(吸収と散乱)について、両方の設計が感度において同様のパフォーマンスを達成できることを示している。
図8C~8Dは、散乱が正規化されている場合、検出ファイバに集束光学系がない設計では、検出ファイバに集束光学系がある設計と比較して、吸収に対する相対感度が向上することを示している。分光デバイスを最適化するには、総合的な光収集と吸収感度が重要である。図に示すように、本開示のこの例示的な実施形態の中での設計により、検出可能な光が増大するとともに、サンプルからの吸収に対する感度も増大する。
【0080】
いくつかの実施形態では、保護ケース(例えば、金属缶)がプローブの遠位端の近くに配置される(例えば、遠位光学系または導波管を保護するため)。いくつかの実施形態では、プローブの遠位光学系は、保護ケース内部の窓部(例えば、保護ケース)を介して光が透過できるように配置される。いくつかの実施形態では、保護ケースには放射線不透過性物質(例えば、放射線不透過性缶)が含まれる。いくつかの実施形態では、放射線不透過性マーカーが缶(例えば、缶の遠位端付近)に配置される。
【0081】
本開示のシステム、デバイス、方法、及びプロセスは、本明細書に説明される実施形態からの情報を使用して開発された変形及び改変を包含することが考えられる。本明細書に説明されるシステム、デバイス、方法、及びプロセスの改変及び/または変更は、当業者によって行われ得る。
【0082】
説明の全体を通して、物品、デバイス、及びシステムが、特定のコンポーネントを有する、含む、もしくは備えると説明している場合、またはプロセス及び方法が、特定のステップを有する、含む、もしくは備えると説明している場合、加えて、列挙したコンポーネントから本質的になる、または列挙したコンポーネントからなる本開示の特定の実施形態による物品、デバイス、及びシステムが存在し、また、列挙した処理ステップから本質的になる、または列挙した処理ステップからなる本開示の特定の実施形態によるプロセス及び方法が存在すると考えられる。
【0083】
ステップの順序、または特定のアクションを行うための順序は、実施可能性が失われない限り、重要ではないことを理解すべきである。さらに、2つ以上のステップまたはアクションは、同時に実行され得る。当業者によって理解されるように、用語「上に」「下に」「上方に」「下方に」「の下に」及び「に」は、相対的な用語であり、本開示に含まれる層、要素、及び基板の異なる配向を参照して置き換えることができる。例えば、いくつかの実施形態では、第2の層の第1の層は、第1の層が第2の層に直接あり、かつそれと接触していることを意味する。他の実施形態では、第2の層の第1の層は、その間に別の層を含むことができる。
【0084】
本開示の特定の実施形態は上で説明した。しかしながら、本開示はこれらの実施形態に限定されないが、むしろ本開示で明確に説明したことへの追加及び修正も本開示の範囲内に含まれることが意図されていることを特に留意されたい。さらに、本開示で説明した様々な実施形態の特徴は互いに排他的でなく、様々な組み合わせ及び並べ換えで存在する可能性があり、これは、そのような組み合わせまたは並べ換えが表されなかった場合でも、本開示の主旨及び範囲から逸脱することなく可能であることを理解されたい。本開示は、その特定の実施形態を特に参照して詳細に説明してきたが、変形及び修正は、特許請求される発明の主旨及び範囲内で生じる可能性があることを理解されよう。
【国際調査報告】