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特表2024-538382撓み部を使用してパワータッピング運動を発生させるためのドライブトレインアセンブリ
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-10-18
(54)【発明の名称】撓み部を使用してパワータッピング運動を発生させるためのドライブトレインアセンブリ
(51)【国際特許分類】
   A61C 17/34 20060101AFI20241010BHJP
【FI】
A61C17/34 H
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024529150
(86)(22)【出願日】2022-11-18
(85)【翻訳文提出日】2024-05-15
(86)【国際出願番号】 EP2022082401
(87)【国際公開番号】W WO2023089092
(87)【国際公開日】2023-05-25
(31)【優先権主張番号】63/281,645
(32)【優先日】2021-11-20
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】590000248
【氏名又は名称】コーニンクレッカ フィリップス エヌ ヴェ
【氏名又は名称原語表記】Koninklijke Philips N.V.
【住所又は居所原語表記】High Tech Campus 52, 5656 AG Eindhoven,Netherlands
(74)【代理人】
【識別番号】110001690
【氏名又は名称】弁理士法人M&Sパートナーズ
(72)【発明者】
【氏名】アールマン デイヴ
(72)【発明者】
【氏名】ホール スコット イー.
(72)【発明者】
【氏名】シュトルヒ デヴィッド ロバート
(72)【発明者】
【氏名】ベニング ウォルター エフ.
(72)【発明者】
【氏名】イ スンス
(72)【発明者】
【氏名】フォスター リーガン スターキー
(72)【発明者】
【氏名】ミラー ケヴィン アーノルド
(72)【発明者】
【氏名】オルブライト イーサン
(72)【発明者】
【氏名】ウェイクスラー ウォルター ジュリアス
【テーマコード(参考)】
3B202
【Fターム(参考)】
3B202AA07
3B202AB15
3B202BC07
3B202BC08
3B202BD03
3B202BE10
3B202CA02
3B202DB04
(57)【要約】
制御可能なパワータッピング運動を、単独で又は制御可能なスイーピング運動と組み合わせて発生させるためのパーソナルケア装置用のドライブトレインアセンブリである。ドライブトレインアセンブリは、本体部分内に少なくとも部分的に収容されたドライブトレインシャフトを備える。ドライブトレインシャフトは、ブラシヘッド部材と係合するようにさらに構成される。いくつかのドライブトレインアセンブリは、周期性の直線的動きを発生させるための単一のアクチュエータを備え、ドライブトレインシャフトは、直線的動きを、枢動運動及び/又は並進運動を介してブラシヘッド部材に伝達する。他のドライブトレインアセンブリは、周期性の直線的動きを発生させるためのアクチュエータと、シャフトを中心軸の周りに周期的に回転させるためのドライブトレインシャフト上のモータとを備える。さらに他のドライブトレインアセンブリは、ドライブトレインシャフトを中心軸の周りに回転させるためのモータと、周期性の直線的動きを発生させるためのアクチュエータと、周期性の直線的動きを制約するための平行なフレキシブル撓み部と、周期性の直線的動きを伝達するための平行な実質的に剛性の並進リンク機構とを備える。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
中心軸を含む電動歯ブラシ装置であって、前記電動歯ブラシ装置が、
剛毛のセットを含むブラシヘッド部材と、
前記ブラシヘッド部材に結合された本体部分と、
前記本体部分内に配置されたドライブトレインアセンブリとを備え、前記ドライブトレインアセンブリが、
周期性の直線的動きを発生させるためのアクチュエータと、
前記剛毛のセットが、前記中心軸に垂直となる垂直方向に動くように、前記アクチュエータから発生された前記周期性の直線的動きを前記ブラシヘッド部材に伝達するドライブトレインシャフトであって、前記垂直方向が、前記剛毛のセットの整列軸と平行である、ドライブトレインシャフトと
を備える、電動歯ブラシ装置。
【請求項2】
前記ドライブトレインシャフトが、前記中心軸及び前記剛毛のセットの前記整列軸に垂直な軸の周りに回転される、請求項1に記載の電動歯ブラシ装置。
【請求項3】
前記本体部分が、前記ドライブトレインシャフトが回転するピボットをさらに備える、請求項2に記載の電動歯ブラシ装置。
【請求項4】
前記ドライブトレインシャフトが、前記剛毛のセットの前記整列軸に沿って変位され、前記整列軸が、前記中心軸に垂直である、請求項1に記載の電動歯ブラシ装置。
【請求項5】
前記ドライブトレインシャフトが、各々、近位端及び遠位端を含む第1及び第2のセクションを備え、前記第1のセクションの前記近位端が、前記アクチュエータに結合され、前記第2のセクションの前記遠位端が、前記ブラシヘッド部材に結合される、請求項1に記載の電動歯ブラシ装置。
【請求項6】
前記第1のセクションの前記遠位端及び前記第2のセクションの前記近位端が、平行な撓み部の間で前記本体部分内に固定される、請求項5に記載の電動歯ブラシ装置。
【請求項7】
前記第1のセクションが、前記中心軸及び前記剛毛のセットの前記整列軸に垂直な軸の周りに回転し、前記第2のセクションが、前記剛毛のセットの前記整列軸に沿って変位され、前記整列軸が、前記中心軸に垂直である、請求項6に記載の電動歯ブラシ装置。
【請求項8】
前記本体部分が、前記ドライブトレインシャフトの前記第1のセクションが回転するピボットをさらに備える、請求項7に記載の電動歯ブラシ装置。
【請求項9】
前記ドライブトレインシャフトに取り付けられ、前記ドライブトレインシャフトを前記電動歯ブラシ装置の前記中心軸の周りに周期的に回転させるモータをさらに備える、請求項1に記載の電動歯ブラシ装置。
【請求項10】
電動歯ブラシ装置用のドライブトレインアセンブリであって、前記電動歯ブラシ装置が、本体部分を備え、前記ドライブトレインアセンブリが、
前記ドライブトレインアセンブリを前記本体部分内に据え付けるためのフレームと、
前記本体部分内に少なくとも部分的に収容され、ブラシヘッド部材と係合するドライブトレインシャフトと、
前記ドライブトレインシャフトに取り付けられる第1のアクチュエータであって、前記ドライブトレインシャフトを周期的に駆動し、これにより、前記ブラシヘッド部材を、第1の動きパターンで周期的に駆動し、前記ドライブトレインシャフトが前記電動歯ブラシ装置の第1の軸の周りの方向に回転される、第1のアクチュエータと、
前記フレームに固定される第2のアクチュエータであって、前記ドライブトレインシャフトを周期的に駆動し、これにより、前記ブラシヘッド部材を、前記第1の動きパターンと異なる第2の動きパターンで周期的に駆動し、前記ドライブトレインシャフトが、前記第2の動きパターンにおいて、前記電動歯ブラシ装置の第2の軸に平行な方向に搬送される、第2のアクチュエータと、
前記第1及び第2の動きパターンを維持するために、前記フレーム並びに前記第1及び第2のアクチュエータに固定された軸受アセンブリと
を備える、ドライブトレインアセンブリ。
【請求項11】
前記第1の軸が前記電動歯ブラシ装置の中心軸であり、前記第2の軸が前記中心軸に垂直である、請求項10に記載のドライブトレインアセンブリ。
【請求項12】
前記第1のアクチュエータが、前記フレームの第1の部分に固定され、前記軸受アセンブリが、前記フレームの前記第1の部分と前記フレームの第2の部分との間に延びる平行なフレキシブル撓み部を備え、前記平行なフレキシブル撓み部が、前記第2の動きパターンにおいて前記フレームの前記第1の部分の運動を制約する、請求項10に記載のドライブトレインアセンブリ。
【請求項13】
前記軸受アセンブリが、前記第2のアクチュエータからの発生された前記第2の動きパターンを前記フレームの前記第1の部分に伝達するために、前記フレームの前記第1の部分と前記第2のアクチュエータとの間に延びる平行な実質的に剛性の並進リンク機構をさらに備える、請求項12に記載のドライブトレインアセンブリ。
【請求項14】
前記平行な実質的に剛性の並進リンク機構が、前記平行なフレキシブル撓み部からおよそ90度に配向される、請求項13に記載のドライブトレインアセンブリ。
【請求項15】
前記第1のアクチュエータがモータであり、前記第2のアクチュエータがボイスコイルアクチュエータである、請求項10に記載のドライブトレインアセンブリ。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
[0001] 本開示は、一般に、制御可能なタッピング運動、又は制御可能なタッピング運動と制御可能なスイーピング運動との組合せを駆動するための、電動歯ブラシ装置用のドライブトレインアセンブリ、及びそのようなドライブトレインアセンブリを備える電動歯ブラシ装置を対象とする。
【背景技術】
【0002】
[0002] 現行の最新の電動歯ブラシ装置は、ブラシヘッドの中心軸の周りの回転運動を使用する。この運動は、スイーピング運動として知られている。最新の電動歯ブラシの簡略化された概略図を図1に示す。図1に示すように、電動歯ブラシ10は、柄12及びブラシヘッド14を備える。剛毛16がブラシヘッド14から延びるように示されている。使用にあたって、ブラシヘッド14は、柄12の中に収容された駆動系によって駆動される。剛毛は、典型的には、スイーピング運動SMで中心軸Aの周りを駆動系によって回転される。スイーピング運動は、典型的には、直線的なもの、回転的なもの、又は直線的なものと回転的なものとの両方の組合せである動きとして具現化され、このような動きは、剛毛が向く方向に正接する。
【0003】
[0003] 残念ながら、スイーピング運動には、いくつかの洗浄効率上の限界がある。例えば、スイーピング運動は、隣接歯間領域(すなわち、歯の間)、歯肉線部位、切歯面、大臼歯面、及び歯の表面部位全体におけるプラークの大部分を除去できるが、残存プラークがブラッシング後も残ることがある。また、重い荷重がかかると、剛毛が捕縛されることがあり、洗浄効率はそのようなシナリオでは大幅に低下する。現行の口腔ケア製品はまた、歯肉縁下プラークがある歯周ポケットを洗浄する能力を持たない。現行の電動歯ブラシはまた、正確なユーザ位置、角度、及び圧力に対する依存度が高い。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
[0004] したがって、当技術分野では、剛毛の方向に平行な垂直方向の周期性運動を、単独で又はスイーピング運動と組み合わせて精密且つ制御可能に発生させることによって、ステイン及び/又はプラーク除去並びに歯肉健康目標を達成する、改良された低コストの電動歯ブラシ装置及びシステムが必要とされている。
【課題を解決するための手段】
【0005】
[0005] 本開示は、一般に、電動歯ブラシ又はシェーバーなど、電気又は電動パーソナルケア装置に適用され得る発明的ドライブトレインアセンブリを対象とする。本発明のシステムは、パワータッピング運動をそれ自体又はスイーピング運動と組み合わせて精密且つ制御可能に発生させることによって、改善されたステイン及び/又はプラーク除去並びに歯肉健康目標を達成する。前述の限界は、スイーピング運動を、好適なドライブトレインを用いて発生及び駆動可能な垂直方向の上下の周期性運動に置き換えるか、又はそのような運動と組み合わせることによって克服することができる。タッピング運動及びスイーピング運動を駆動するために、2つの別個の機械系を互いに結合することができるが、そのような組合せは、電動歯ブラシ市場における競争力を阻害するコスト、サイズ、及び複雑性の面での欠点を伴う。本明細書の様々な実施形態及び実装形態は、撓み部を利用して、制御可能なパワータッピング運動を提供する、改良されたドライブトレインアセンブリを対象とする。改良されたドライブトレインアセンブリは、周期性の直線的動きを発生させるためのアクチュエータと、剛毛が、剛毛の整列軸に平行な方向に動くように、アクチュエータから発生された周期性の直線的動きを剛毛のセットを含むブラシヘッド部材に伝達するように構成されたドライブトレインシャフトとを備える。改良されたドライブトレインアセンブリは、周期性の直線的動きを制約するように構成された平行な撓み部をさらに備える。パーソナルケア装置において、制御可能なパワータッピングを使用して、それ単独で、又は制御可能なスイーピング運動と組み合わせて洗浄目標の向上を達成できることが、認識及び理解されている。
【0006】
[0006] 一態様では、中心軸を含む電動歯ブラシ装置が提供される。電動歯ブラシ装置は、剛毛のセットを含むブラシヘッド部材と、ブラシヘッド部材に結合された本体部分と、本体部分内に配置されたドライブトレインアセンブリとを備え、ドライブトレインアセンブリは、周期性の直線的動きを発生させるためのアクチュエータと、剛毛のセットが、中心軸に垂直となる垂直方向に動くように、アクチュエータから発生された周期性の直線的動きをブラシヘッド部材に伝達するように構成されたドライブトレインシャフトであって、垂直方向が、剛毛のセットの整列軸と平行である、ドライブトレインシャフトとを備える。
【0007】
[0007] 一実施形態によれば、ドライブトレインシャフトは、中心軸及び剛毛のセットの整列軸に垂直な軸の周りに回転されるように構成される。
【0008】
[0008] 一実施形態によれば、本体部分は、ドライブトレインシャフトが回転するピボットをさらに備える。
【0009】
[0009] 一実施形態によれば、ドライブトレインシャフトは、剛毛のセットの整列軸に沿って変位されるように構成され、整列軸は、中心軸に垂直である。
【0010】
[0010] 一実施形態によれば、ドライブトレインシャフトは、各々、近位端及び遠位端を含む第1及び第2のセクションを備え、第1のセクションの近位端が、アクチュエータに結合され、第2のセクションの遠位端が、ブラシヘッド部材に結合される。
【0011】
[0011] 一実施形態によれば、第1のセクションの遠位端及び第2のセクションの近位端は、平行な撓み部の間で本体部分内に固定される。
【0012】
[0012] 一実施形態によれば、第1のセクションは、中心軸及び剛毛のセットの整列軸に垂直な軸の周りに回転するように構成され、第2のセクションは、剛毛のセットの整列軸に沿って変位されるように構成され、整列軸は、中心軸に垂直である。
【0013】
[0013] 一実施形態によれば、本体部分は、ドライブトレインシャフトの第1のセクションが回転するピボットをさらに備える。
【0014】
[0014] 一実施形態によれば、電動歯ブラシ装置は、ドライブトレインシャフトに取り付けられ、ドライブトレインシャフトを電動歯ブラシ装置の中心軸の周りに周期的に回転させるように構成されたモータをさらに備える。
【0015】
[0015] 別の態様では、本体部分を備える電動歯ブラシ装置用のドライブトレインアセンブリが提供される。ドライブトレインアセンブリは、ドライブトレインアセンブリを本体部分内に据え付けるためのフレームと、本体部分内に少なくとも部分的に収容され、ブラシヘッド部材と係合するように構成されたドライブトレインシャフトと、ドライブトレインシャフトに取り付けられた第1のアクチュエータであって、ドライブトレインシャフトを周期的に駆動し、これにより、ブラシヘッド部材を、第1の動きパターンで周期的に駆動するように構成され、ドライブトレインシャフトが、電動歯ブラシ装置の第1の軸の周りの方向に回転される、第1のアクチュエータと、フレームに固定された第2のアクチュエータであって、ドライブトレインシャフトを周期的に駆動し、これにより、ブラシヘッド部材を、第1の動きパターンと異なる第2の動きパターンで周期的に駆動するように構成され、ドライブトレインシャフトが、第2の動きパターンにおいて、電動歯ブラシ装置の第2の軸に平行な方向に搬送される、第2のアクチュエータと、第1及び第2の動きパターンを維持するために、フレーム並びに第1及び第2のアクチュエータに固定された軸受アセンブリとを備える。
【0016】
[0016] 一実施形態によれば、第1の軸は、電動歯ブラシ装置の中心軸であり、第2の軸は、中心軸に垂直である。
【0017】
[0017] 一実施形態によれば、第1のアクチュエータは、フレームの第1の部分に固定され、軸受アセンブリは、フレームの第1の部分とフレームの第2の部分との間に延びる平行なフレキシブル撓み部を備え、平行なフレキシブル撓み部は、第2の動きパターンにおいてフレームの第1の部分の運動を制約する。
【0018】
[0018] 一実施形態によれば、軸受アセンブリは、第2のアクチュエータから発生された第2の動きパターンをフレームの第1の部分に伝達するために、フレームの第1の部分と第2のアクチュエータとの間に延びる平行な実質的に剛性の並進リンク機構をさらに備える。
【0019】
[0019] 一実施形態によれば、平行な実質的に剛性の並進リンク機構は、平行なフレキシブル撓み部からおよそ90度に配向される。
【0020】
[0020] 一実施形態によれば、第1のアクチュエータは、モータであり、第2のアクチュエータは、ボイスコイルアクチュエータである。
【0021】
[0021] 様々な実装形態において、プロセッサ又はコントローラは、1つ又は複数の記憶媒体(本明細書では「メモリ」と総称される、例えば、RAM、PROM、EPROM、及びEEPROM(登録商標)、フロッピーディスク、コンパクトディスク、光ディスク、磁気テープ等の揮発性及び不揮発性コンピュータメモリ)に関連付けられる。いくつかの実装形態では、記憶媒体は、1つ又は複数のプロセッサ及び/又はコントローラ上で実行されると、本明細書で説明する機能のうちの少なくともいくつかを実行する1つ又は複数のプログラムを用いて符号化される。様々な記憶媒体がプロセッサ又はコントローラ内に固定されてもよいし、本明細書で説明する様々な態様を実施するためにそれに記憶されたプログラムをプロセッサ又はコントローラにロードできるように、持ち運び可能であってもよい。本明細書では、「プログラム」又は「コンピュータプログラム」という用語は、1つ又は複数のプロセッサ又はコントローラをプログラムするために採用され得る任意のタイプのコンピュータコード(例えば、ソフトウェア又はマイクロコード)を指すために、総称的に使用される。
【0022】
[0022] 以下でより詳細に説明する前述の概念及び追加の概念のあらゆる組合せは(そのような概念が相互に矛盾しないという条件で)、本明細書で開示される発明的主題の一部であることが企図されることを理解されたい。特に、本開示の最後に登場する特許請求される主題のあらゆる組合せは、本明細書で開示される発明的主題の一部であることが企図される。また、参照によって組み込まれる任意の開示にも登場する本明細書で明示的に採用される技術用語は、本明細書で開示される特定の概念に最も一致する意味が与えられるべきであることも理解されたい。
【0023】
[0023] 様々な実施形態のこれら及び他の態様は、以下で説明する実施形態を参照すれば、明らかとなり解明されるであろう。
【0024】
[0024] 図面において、同様の参照符号は、一般に、様々な図を通して同じ部分を指す。また、図面は、必ずしも縮尺通りではなく、代わりとして、一般に、種々の実施形態の原理を例示することに強調が置かれる。
【図面の簡単な説明】
【0025】
図1】[0025] スイーピング運動を採用した最新の電動歯ブラシ装置のエンドビューの簡略化された概略図である。
図2】[0026] 本開示の態様による、電動歯ブラシ装置の一部分の簡略化された概略図である。
図3】[0027] 本開示の態様による、スイーピング運動及びタッピング運動を採用するように構成された電動歯ブラシ装置のエンドビューの簡略化された概略図である。
図4】[0028] 本開示の態様による、電動歯ブラシ装置の概略図である。
図5】[0029] 本開示の態様による、電動歯ブラシ装置のドライブトレインアセンブリの概略図である。
図6】[0030] 本開示の態様による、電動歯ブラシ装置のドライブトレインアセンブリの概略図である。
図7】[0031] 本開示の態様による、電動歯ブラシ装置のドライブトレインアセンブリの概略図である。
図8】[0032] 本開示の態様による、電動歯ブラシ装置のドライブトレインアセンブリの一部分の概略図である。
図9】[0033] 本開示の態様による、電動歯ブラシ装置のドライブトレインアセンブリの一部分の概略図である。
図10】[0034] 本開示の態様による、電動歯ブラシ装置のドライブトレインアセンブリの概略図である。
図11】[0035] 本開示の態様による、電動歯ブラシ装置のドライブトレインアセンブリの概略図である。
図12A】[0036] 本開示の態様による、図10の電磁アセンブリを単独で概略的に示す側面図である。
図12B】[0037] 本開示の態様による、図12Aの電磁アセンブリを90度回転させた図である。
図13】[0038] 本開示の態様による、電動歯ブラシ装置のドライブトレインアセンブリの一部分の概略図である。
図14】[0039] 本開示の態様による、電動歯ブラシ装置のドライブトレインアセンブリの一部分の概略図である。
図15】[0040] 本開示の態様による、電動歯ブラシ装置のドライブトレインアセンブリの一部分の概略図である。
図16】[0041] 本開示の態様による、電動歯ブラシ装置のドライブトレインアセンブリのエンドビューの簡略化された概略図である。
図17】[0042] 本開示の態様による、純粋なタッピング運動に追従する剛毛経路の概略的なグラフである。
図18】[0043] 本開示の態様による、制御されたタッピング運動及び制御されたスイーピング運動に追従する剛毛経路の概略的なグラフである。
図19A】[0044] 本開示の態様による、制御されたタッピング運動及び制御されたスイーピング運動に追従する剛毛経路の概略的なグラフである。
図19B】[0045] 本開示の態様による、制御されたタッピング運動及び制御されたスイーピング運動に追従する剛毛経路の概略的なグラフである。
図19C】[0046] 本開示の態様による、制御されたタッピング運動及び制御されたスイーピング運動に追従する剛毛経路の概略的なグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0026】
[0047] 本開示は、電気歯ブラシ又はシェーバー等の電気又は電動パーソナルケア装置のブラシヘッドを駆動するための改良されたシステムの様々な実施形態について説明する。パーソナルケア装置は、垂直運動の振幅が0.25mm以上となる、剛毛の方向に平行な垂直方向の周期性運動(本明細書では「パワータッピング」と呼ばれる)において装置の剛毛を駆動することによって重要部位における洗浄性能の向上をもたらし得ることが、認識及び理解されている。本明細書で使用する場合、「垂直」という用語は、地面に対する絶対方向を意味するのではなく、図に示す動きの相対方向を示すために使用される。パワータッピング運動は、単独で、又はスイーピング運動と組み合わせて提供され得る。本明細書で使用する場合、電動歯ブラシ装置内の発明的パワータッピング運動は、(i)歯周ポケットにおけるより深いリーチを達成して歯肉縁下プラークを除去し、(ii)プラーク及び/又はステイン除去を改善する表面におけるより高いピーク力を達成し、(iii)剛毛タフトの押さえ付けを防止することで、有益なタフトスイーピング挙動を回復することにより、プラーク除去を改善し、(iv)歯ブラシの配置、歯ブラシの角度、及び歯ブラシの圧力のような使用の変数に対するより高いレジリエンスを達成し、(v)消費者の体験様式に新たなオプションを提供する。したがって、本明細書で説明されるか又は別法で想定される改良されたシステムは、ドライブトレインアセンブリを備える電動歯ブラシ装置であって、ドライブトレインアセンブリが、周期性の直線的動きを発生させるためのアクチュエータと、剛毛が、電動歯ブラシ装置のz軸に平行な方向に動くように、アクチュエータから発生された周期性の直線的動きを剛毛のセットを含むブラシヘッド部材に伝達するように構成されたドライブトレインシャフトとを備える、電動歯ブラシ装置を提供する。ドライブトレインアセンブリは、周期性の直線的動きを制約するように構成された平行な撓み部をさらに備える。
【0027】
[0048] 本明細書の実施形態及び実装形態の利用の具体的目標は、例えば、(Koninklijke Philips N.V.によって製造される)Philips Sonicare(商標)電気歯ブラシのような電動歯ブラシ装置においてパワータッピング運動を単独で又はスイーピング運動と組み合わせて実現する機構を提供することである。ただし、装置のコンポーネントは、口腔ケア装置、口腔洗浄装置、フロス、スキンクリーナー、及び他の多くの装置を含む、多くの他のパーソナルケア装置に利用されてもよい。本開示は、示され、説明される特定の実施形態によって限定されるべきではない。
【0028】
[0049] 図2に示されるように、スイーピング運動及び/又はタッピング運動を発生させるように構成された電動歯ブラシ装置100の一部分の簡略化された概略図が提供される。電動歯ブラシ装置100は、中心軸Aの周りに回転し、方向RD2にパルス又はタップするように駆動され得る、ブラシヘッド114及び剛毛116を備える。図2で与えられる方向は、当技術分野及び本出願で使用される空間用語を説明するものが含まれている。本明細書で使用する場合、「垂直」という用語は、示される方向を意味する。軸方向ADは、中心軸Aに平行であり、装置100のy軸に沿って延びる。径方向RD1は、中心軸A及び径方向RD2に直交し、装置100のx軸に沿って延びる。径方向RD2は、軸方向AD及び径方向RD1の両方に直交し、剛毛116の軸に平行であり、装置100のz軸に沿って延びる。本明細書で説明するパワータッピング運動は、径方向RD2におけるブラシヘッド及び/又は剛毛の制御可能な動きを指す。言い換えれば、パワータッピング運動は、剛毛の整列軸に平行であるか、又はブラシヘッド部材に直角に交わる(すなわち、垂直となる)剛毛の運動を指す。スイーピング運動は、剛毛の整列軸に垂直となる剛毛の回転及び/又は直線運動を指す。実施形態では、パワータッピング運動は、ドライブトレインシャフトを径方向RD1に延びる軸の周りに(すなわち、装置のx軸の周りに)回転させることによる、径方向RD2におけるブラシヘッド及び/又は剛毛の制御可能な動きを指す。
【0029】
[0050] 図3を参照すると、電動歯ブラシ装置100のエンドビューの概略図が提供される。本明細書で説明するドライブトレインアセンブリは、特定の運動が最も有益となる特定の領域に対する運動を最適化するためのスイーピング運動及び/又はタッピング運動を含む種々の運動を発生させるように構成されている。場合によっては、特定の運動は、スイーピング運動のみ又はタッピング運動のみのいずれかを含む。他のケースでは、特定の運動は、スイーピング運動とタッピング運動との組合せを含む。運動の組合せは、スイープ又はストローク及びパルス又はタップの総和(すなわち、累積動作、累積運動、又は累積効果)であると考えることができる。スイープ又はストロークは、方向SMに向けられる(これは、剛毛の先端が歯の頬側を向くように歯ブラシが保持されたときの咬合面、すなわち、咀嚼面と歯肉線との間の方向となる)。パルス又はタップは、垂直方向TMに向けられる(これは、剛毛の先端が歯の頬側を向くように歯ブラシが保持されたときの舌側から顔面にかけての方向となる)。本明細書で使用する場合、タッピング運動は、振幅が0.25mm以上となる垂直方向の周期性の動き(すなわち、方向TM)として定義される。実施形態では、小さいパワータッピング運動(すなわち、本明細書で説明する重要範囲のより小さい側の振幅を用いるタッピング運動)を、口の頬側前方領域に対するスイーピング運動に使用することができる。他の実施形態では、大きいパワータッピング運動(すなわち、本明細書で説明する重要範囲のより高い振幅を用いるタッピング運動)を、スイーピング運動に使用して歯の間にある隣接歯間領域におけるより良好なリーチを達成することができる。タッピング運動は、単独で歯肉線領域に使用することができる。
【0030】
[0051] 振動数という用語は、所与の時間区間、例えば、秒の間の回数周期を指す。実施形態において、振幅という用語は、信号の最大絶対値を含み得るピーク振幅を指す。実施形態において、パワータッピング運動の振幅の所望の範囲は、約±0.25mm~約±3mmであり、パワータッピング運動は、一般に、±0.5mm以上の周期性の垂直運動を含む。±3mmよりも高い振幅は、歯ブラシ装置のプラテンが対向する顎の咬合面に影響を及ぼし得る、歯のチャタリングのリスクにより望ましくない。また、±3mmよりも高い振幅は、口腔又は鼻組織の望ましくない振動、並びに処置面における不快な感覚を引き起こし得る。0.25Hzよりも低い振動数は、遅すぎるため、有効ではない。520Hzよりも高い振動数は、一次共振振動数の2倍を超えるため、望ましくない。
【0031】
[0052] 推奨される口腔ケアルーチンは、2分間続き、歯の平均数が32本であることを考慮すると、推奨される口腔ケアルーチン中、1本の歯につきおよそ3.75秒利用可能となることを理解されたい。そのため、パワータッピング運動の発生が、4秒よりも遅い場合、口全体に(すなわち、すべての隣接歯間スポットに)均一に適用するには、遅すぎることになる。したがって、好ましい実施形態では、パワータッピング運動は、少なくとも3.75秒ごとに発生する(すなわち、およそ0.27Hzの振動数)。実施形態において、最小振動数は、およそ2Hz(すなわち、少なくとも0.5秒ごと)である。さらなる実施形態では、ユーザが、パワータッピング運動を口全体に(すなわち、すべての隣接歯間スポット及び/又は各歯に)均一に受けるために、パワータッピング運動が、1本の歯を通過するごとに複数回行われる。したがって、必要振動数は、およそ20Hz(すなわち、少なくとも0.05秒ごと)となる。当然ながら、口腔ケアルーチンが2分よりも短いか又は長い場合、パワータッピング運動が口腔ケアルーチン全体を通して均一に発生するように、パワータッピング運動の発生が調整されることを理解されたい。他の実施形態では、例えば、タッピング運動が他の部位よりも有益となる特定の部位の分析により、パワータッピング運動が一貫性なく又は不均一に発生することが望ましい場合もあることを理解されたい。
【0032】
[0053] 例示の実施形態では、スイーピング運動は、0.25mmの振幅を持つタッピング運動と組み合わされ、タッピング運動の追加により、歯肉線部位における1%の向上、隣接歯間部位における3%の向上、及び洗浄すべきすべての表面のカバレージを考慮した洗浄性能における1%の全体的な向上が生じ得る。
【0033】
[0054] タッピング運動は、部分的には、剛毛タフトの捕縛や押さえ付けを解放することにより、スイーピング運動の性能を向上させる。剛毛の捕縛又は押さえ付けは、重い荷重を加えると、剛毛が、動きを制約されるか又は捕縛され、ドライブトレインによって伝達されるスイーピング運動に従って自由に動けなくなる現象である。ユーザが、ブラッシング時に荷重をかけすぎると、剛毛タフトは、歯の表面でそれらの動きが部分的に制約された状態となり得る。制約の結果として、スイーピング運動が減じられ、洗浄性能が悪化し得る。ユーザがさらなる荷重をかけると、剛毛タフトが捕縛されるか又は押さえ付けられ、ブラッシング時にタフトがまったく動かなくなる。剛毛の捕縛又は押さえ付けの結果として、スイーピング運動がなくなり、ユーザは、ドライブトレインアセンブリからのスイーピング運動による利益を得られない。剛毛が動きを制約されるか又は捕縛されると、洗浄利益は、ユーザが、新たな方向に製品を手動で動かし、重い荷重から剛毛を自由にすることによってのみ再開される。
【0034】
[0055] スイーピング運動は、剛毛が歯の表面に接触し、制約なしに大きな表面部位に沿って自由に移動できるときに、最良に実行される。スイーピング及びタッピング運動を一緒に用いてブラッシングすると、剛毛タフトは、ドライブトレインアセンブリが垂直方向の上下の動き(すなわち、パワータッピング運動)を発生させるため、荷重が増大するにつれて、又はブラシヘッドが方向DR1に動くと裾広がりになる。ドライブトレインアセンブリから及ぼされる力により、又はさもなくば、例えば、ユーザが加える荷重により、荷重が増大すると、タフトはますます動きを制約され得る。ただし、方向DR1におけるブラシヘッドの動きの振幅が十分に大きい場合、大きい振幅の動きが、動きを制約されたか又は捕縛された剛毛の座屈を引き起こし、剛毛を効果的に解放又はアンロードし得る。したがって、十分に大きい振幅のタッピング運動をスイーピング運動に加えることにより、剛毛がより自由度を伴って動くことができるため、洗浄性能が向上する。
【0035】
[0056] 重要なことには、ブラシヘッドが、周期性のタッピング運動中にDR2の方向に動くと、挙動が反転し、また、荷重がさらに低下していくにつれて、タフトは、動きの制約をますます受けなくなる。タッピング運動は、スイーピング運動中により大きな表面部位をカバーすることを可能にでき、有益なスイーピング運動を回復することによりプラーク除去を改善する。
【0036】
[0057] また、タッピング運動のスイーピング運動への追加は、歯周ポケットへのより深いリーチを達成して歯肉縁下プラークを除去する。歯周ポケット内において、タッピング運動の追加は、辺縁部位、隣接歯間部位、近心部位、及び頬側部位における洗浄性能の向上、並びに全体的な洗浄性能の向上を達成する。例示の実施形態では、より深いリーチ及び洗浄性能の向上は、30度のロール角、45度のロール角、若しくは60度のロール角、又は任意の好適なロール角下で達成される。したがって、タッピング運動の追加は、スイーピング運動を単独で用いる場合よりもブラシの洗浄効率をユーザの向きに対してよりロバストなものにし、ユーザの技量への依存度を小さくする。
【0037】
[0058] 洗浄性能の向上は、本明細書で説明するタッピング運動についての重要な動作パラメータを使用して達成され得る。本明細書で説明するように、タッピング運動を発生させるために、各種ドライブトレインアセンブリを実装することができる。
【0038】
[0059] 図4は、ハウジングを含む本体部分102と、本体部分102に取り付けられたブラシヘッド部材104とを備える例示の電動歯ブラシ装置100を示す。ブラシヘッド部材104は、本体部分102から遠隔の端部において、ブラシヘッド114を備える。ブラシヘッド114は、複数の剛毛116を提供する、剛毛面115を備える。一実施形態によれば、剛毛は、ヘッドの伸長軸に実質的に垂直な整列軸に沿って延びるが、ブラシヘッド及び剛毛の多くの他の実施形態も可能である。
【0039】
[0060] ヘッド部材104、ブラシヘッド114、及び/又は剛毛面115は、本体部分ハウジング102に対して動くことができるように取り付けられる。この動きは、とりわけ、振動又は回転などの多種多様な動きのうちのいずれかとすることができる。一実施形態によれば、ヘッド部材104が、本体部分ハウジング102に対して振動可能なように、本体部分ハウジング102に取り付けられ、別の例として、ブラシヘッド114が、本体部分ハウジング102に対して振動可能なようにヘッド部材104に取り付けられ、又は別の例として、剛毛面115が、本体部分ハウジング102に対して振動可能なようにヘッド部材104に取り付けられる。ヘッド部材104は、本体部分ハウジング102に固定的に取り付けることができるか、又は代替として、剛毛若しくは装置の別のコンポーネントが摩耗して交換が必要になった際に、ヘッド部材104を新品に交換できるように取り外し可能に取り付けられる。
【0040】
[0061] 本体部分は、動きを発生させるためのモータを含むドライブトレインアセンブリ122と、発生された動きをブラシヘッド部材104に伝達するための伝達コンポーネント124、すなわちシャフトとを備える。例えば、ドライブトレインアセンブリ122は、ドライブシャフト124の動きを発生させるモータ又は電磁石を備え、この動きは、その後、ブラシヘッド部材104に伝達される。ドライブトレイン及びモータ122は、コンポーネントの中でもとりわけ、電源、オシレータ、及び1つ又は複数の電磁石などのコンポーネントを備え得る。本実施形態では、電源は、1つ又は複数の充電式電池(図示せず)を備え、この充電式電池は、例えば、不使用時に電動歯ブラシ装置100が置かれる充電ホルダにおいて充電され得る。
【0041】
[0062] 本体部分には、動き発生部又はドライブトレインアセンブリ122を活性化又は不活性化させるためのユーザ入力部126がさらに設けられる。ユーザ入力部126は、例えば、歯ブラシ100の電源のオン/オフを行うために、ユーザが歯ブラシ100を操作することを可能にする。ユーザ入力部126は、例えば、ボタン、タッチスクリーン、又はスイッチである。
【0042】
[0063] 装置の本体部分はまた、コントローラ130を備える。コントローラ130は、1つ又は複数のモジュールで形成され、ユーザ入力部126を介して取得された入力などの入力に応答して、電動歯ブラシ装置100を動作させるように構成される。コントローラ130は、例えば、プロセッサ132及びメモリ134を備えることができ、任意選択で、接続モジュール138を備えてもよい。プロセッサ132は、限定されないが、マイクロコントローラ、複数のマイクロコントローラ、回路、単一のプロセッサ、又は複数のプロセッサを含む、任意の好適な形態を取ることができる。メモリ134は、不揮発性メモリ及び/又はRAMを含む、任意の好適な形態を取ることができる。不揮発性メモリは、読み取り専用メモリ(ROM)、ハードディスクドライブ(HDD)、又はソリッドステートドライブ(SSD)を含む。メモリは、とりわけ、オペレーティングシステムを記憶することができる。RAMは、データの一時的記憶のためにプロセッサによって使用される。一実施形態によれば、オペレーティングシステムは、コントローラ130によって実行されると、電動歯ブラシ装置100のハードウェアコンポーネントの動作を制御するコードを含む。一実施形態によれば、接続モジュール138は、収集されたセンサデータを送信し、限定されないが、Wi-Fi、Bluetooth、近距離無線通信、及び/又はセルラーモジュールを含む、有線又は無線信号を送信可能な、任意のモジュール、装置、又は手段とすることができる。
【0043】
[0064] 図5を参照すると、一実施形態では、電動歯ブラシ装置の概略的なドライブトレインアセンブリ400が提供される。ドライブトレインアセンブリ400は、ドライブシャフト424を、x軸又は径方向RD1に沿った軸の周りに回転させることによってパワータッピング運動を発生させるように構成される。ドライブトレインアセンブリ400は、ブラシヘッド部材404、ドライブトレインシャフト424、及び振動アクチュエータ440を備える。ブラシヘッド部材404は、本明細書で説明したブラシヘッド部材104に相当し、ドライブトレインシャフト424は、シャフト124に相当する。振動アクチュエータ440は、方向400D1において周期性の直線的動きを発生させるように構成される。ドライブトレインシャフト424は、アクチュエータ440から発生された周期性の直線的動きをブラシヘッド部材404に伝達するように構成される。実施形態では、ドライブトレインアセンブリ400は、ドライブトレインシャフトが電動歯ブラシ装置の方向400D2においてx軸の周りに回転するピボット445をさらに備える。実施形態では、ピボット445は、一端においてドライブトレインシャフト424に取り付けられ、他端において電動歯ブラシ装置400の本体に据え付けられた撓みピボットである。ピボット445は、ばね鋼のシート又は任意の他の好適な代替物で作製される。ピボット445を使用すると、方向400D2におけるドライブトレインシャフト424の運動は、x軸の周りの実質的に純粋な回転に制約され得る。
【0044】
[0065] 実施形態では、ピボット445のジオメトリを変更可能であり、又は、他の実施形態では、ばね鋼の追加のシートが使用され得る。実施形態では、ピボット445の位置は、アクチュエータ440が、ブラシヘッド部材404に近接し、ピボット445がブラシヘッド部材404からより離れるように、アクチュエータ440の位置と入れ替えられる。言い換えれば、(図4に示すように)電動歯ブラシ装置の第1の端部FEにアクチュエータ440を備え、装置の第2の端部SEにピボット445を備える代わりに、アクチュエータ440が第2の端部SEに位置し、ピボット445が第1の端部FEに位置決めされ得る。そのような実施形態では、ドライブトレインシャフト424は、第2の端部SEにおいて方向400D1により大きな距離だけ動く傾向があるため、第2の端部SEに大きなシールを必要とする。
【0045】
[0066] 図6を参照すると、別の実施形態では、電動歯ブラシ装置の概略的なドライブトレインアセンブリ500が提供される。ドライブトレインアセンブリ500は、ドライブトレインシャフト524を、z軸方向に、又は径方向RD2に沿って動かす、変位させる、又は並進させることによって、パワータッピング運動を発生させるように構成される。ドライブトレインアセンブリ500は、ブラシヘッド部材504、基部508、ドライブトレインシャフト524、本体部分530、及び振動アクチュエータ540を備える。ブラシヘッド部材504は、本明細書で説明するブラシヘッド部材104、404に相当し、ドライブトレインシャフト524は、シャフト124、424に相当する。アクチュエータ440に相当する振動アクチュエータ540は、方向500D1において周期性の直線的動きを発生させるように構成される。実施形態において、ドライブトレインシャフト524は、第1のセクション526及び第2のセクション528を備え、第1及び第2のセクション526、528の各々が、それぞれ、近位端及び遠位端を備える。図6に示す実施形態では、セクション526の近位端は、基部508から延び、アクチュエータ540に結合され、第2のセクション528の遠位端は、ブラシヘッド部材504に結合される。シャフト524の第1のセクション526は、例えば、セクション526の中点、又は任意の他の好適な点において、基部508に取り付けられる。第1のセクション526の遠位端は、装置500の部分530において、第2のセクション528の近位端に結合される。装置の部分530は、部分530から基部508まで延びる平行なフレキシブル撓み部532a、532bを備え得る。
【0046】
[0067] 動作にあたって、アクチュエータ540は、セクション526を方向500D1に周期的に動かし、セクション526は、ピボット545、又は任意の他の構造的等価物の周りの方向500D2に回転する。ピボット545は、基部508に取り付けられるか又は据え付けられ、セクション526の回転は、装置500のx軸の周りに生じる。代替実施形態では、ピボット545は、ピボット445と同様に構築され得ることを理解されたい。セクション526の回転は、シャフト524のセクション528を上方位置と下方位置との間で往復して並進させる。この並進は、平行なフレキシブル撓み部532a、532bによって制約される。図6に示すように、下方位置は、セクション528が、装置500の中心軸Aと同軸となるデフォルト位置である。下方位置において、平行なフレキシブル撓み部532a、532bはまた、基部508の上下面と一致する、それらのデフォルト位置にある。言い換えれば、下方又はデフォルト位置では、平行なフレキシブル撓み部532a、532bは、撓んでいない。シャフト524のセクション528が、シャフト524のセクション526の回転により、上方位置に並進されると、平行なフレキシブル撓み部532a、532bは、押し上げられるか又は撓み、それにより、ブラシヘッド部材524も上向き方向に並進又は変位される。したがって、ドライブトレインアセンブリ500は、ドライブシャフト524のセクション528及びブラシヘッド部材504を、z軸方向に、又は径方向RD2に沿って動かす、変位させる、又は並進させることによって、パワータッピング運動を発生させるように構成される。実施形態では、装置500に対して、振動低減のための相殺が必要となる。
【0047】
[0068] 図7を参照すると、別の実施形態では、電動歯ブラシ装置の概略的なドライブトレインアセンブリ600が提供される。ドライブトレインアセンブリ500のように、ドライブトレインアセンブリ600は、ドライブシャフト624をz軸方向に、又は径方向RD2に沿って動かす、変位させる、又は並進させることによってパワータッピング運動を発生させるように構成される。ドライブトレインアセンブリ600は、ブラシヘッド部材604、磁石606、基部608、ドライブトレインシャフト624、本体部分630、及びステータ640を備える。ドライブトレインアセンブリ600は、振動アクチュエータ及び回転又は枢動可能なシャフトを設ける代わりに、シャフト624を通してブラシヘッド部材604に間接的又は直接的に取り付けられた磁石606と、ステータ640とを備える。ドライブトレインシャフト624は、本体部分630に取り付けられるか又は別法で結合され、部分630は、部分630と基部608との間に延びる平行なフレキシブル撓み部632a、632bを備える。ステータ640は、基部608に取り付けられるか又は据え付けられる。ブラシヘッド部材604は、ブラシヘッド部材104、404、504に相当し、基部608は、基部508に相当し、シャフト624は、シャフト524のセクション528に相当し、本体部分630は、部分530に相当する。
【0048】
[0069] 動作にあたって、コイル及びラミネーションを備えるステータ640は、磁石606と相互作用するのに好適な磁場を発生させて、磁石606を周期的に駆動させ、これにより、ドライブトレインシャフト624及びブラシヘッド部材604を、往復して方向600D1に周期的に駆動させるように構成される。
【0049】
[0070] ドライブトレインアセンブリ500のように、ドライブトレインアセンブリ600はまた、デフォルト又は下方位置と、並進後又は上方位置とを持つ。磁石606を駆動することにより、シャフト624、部分630、及びブラシヘッド部材604を、上方位置と下方位置との間で押圧する。この並進は、平行なフレキシブル撓み部632a、632bによって制約される。図7に示すように、下方位置は、シャフト624が、装置600の中心軸Aと同軸となるデフォルト位置である。下方位置において、平行なフレキシブル撓み部632a、632bはまた、基部608の上下面と一致する、それらのデフォルト位置にある。平行なフレキシブル撓み部632a及び632bのデフォルト位置は、実線で示されており、平行なフレキシブル撓み部632a及び632bの上方又は並進後位置は、破線又は点線で示されている。シャフト624やブラシヘッド部材604(及び剛毛)のデフォルト位置及び並進後位置にも同じことが当てはまる。下方又はデフォルト位置では、平行なフレキシブル撓み部632a、632bは、撓んでいない。平行なフレキシブル撓み部632a、632bは、ステータ640によって発生した磁場640によりシャフト624が上方位置に並進されたときにのみ撓んだ状態になり、それにより、ブラシヘッド部材604が上向き方向に並進又は変位される。したがって、ドライブトレインアセンブリ600は、磁石606及びステータ640を備えた電磁アセンブリを使用して、ドライブシャフト624及びブラシヘッド部材604を、z軸方向に、又は径方向RD2に沿って動かす、変位させる、又は並進させることによって、パワータッピング運動を発生させるように構成される。
【0050】
[0071] 実施形態では、ドライブトレインアセンブリ400、500、及び600は、電動歯ブラシ装置、又は高速振動を発生させる任意の装置に使用して、装置のz軸の方向に、純粋な又は主としてパワータッピング運動を発生可能であることを理解されたい。そのような装置は、シェーバー及び他のスキンケア製品を含み得る。本明細書で説明するアセンブリは、少なくとも5年にわたる日常的な使用において、最大300Hzの振動数、及び最大2mmの振幅で、一貫して、静粛に、確実に、また制御可能に動作するように使用可能な例示の機構を提供する。
【0051】
[0072] 代替実施形態では、アセンブリ400、500、及び600は、制御可能なスイーピング運動と組み合わせて一貫性のある制御可能なパワータッピング運動を発生させるように構成された電動歯ブラシ装置に使用することができる。そのような代替実施形態では、アセンブリ400、500、及び600は、ドライブトレインシャフトを装置の中心軸Aの周りに周期的に回転させるためにドライブトレインシャフトに取り付けられたモータをさらに備え得る。追加のモータを備えるそのような実施形態では、アセンブリ400、500、及び600は、パワータッピング運動をz軸の方向に、スイーピング運動をz軸の方向に独立に制御可能である。
【0052】
[0073] 例えば、図8を参照すると、電動歯ブラシの概略的なドライブトレインアセンブリ700の一実施形態が提供される。ドライブトレインアセンブリ700は、ドライブトレインシャフト724を、方向700D1に中心軸Aの周りに周期的に回転させるためのモータ702を備える。モータ702は、缶モータ、任意の好適なDC若しくはACモータ若しくはドライバ、又は方向700D1においてドライブシャフトの回転を駆動するための回転運動を生み出す任意の好適なアクチュエータと共振器との組合せとすることができる。パワータッピング運動を独立且つ制御可能に発生させるために、アセンブリ700は、モータ702が回転可能なヒンジ750と、電磁アセンブリ760とをさらに備える。ブラシヘッド部材704を装置700のz軸に平行な方向に動かすために、一実施形態において、電磁アセンブリ760は、直線型ソレノイドアクチュエータ762及び軸受764を備える。ソレノイドアクチュエータ762は、円筒管に巻き付けられた電気コイルを備え、この電気コイルは、コイルの本体内で方向700D2に移動又は摺動可能な強磁性アクチュエータ又はピストンを備える。ヒンジ750の存在及び直線型ソレノイドアクチュエータの軸受764(シャフト724の周りに回転自在である)への接続により、アクチュエータ762のピストン又はアクチュエータの図8の右側への方向700D2における動きは、ドライブトレインシャフト724の方向700D2に垂直となる方向700D3の動き、変位、又は並進を引き起こす。動作にあたって、直線型ソレノイドアクチュエータ762に電流が印加されると、コイルは、電磁石又は永久磁石のように振る舞い、コイル内のアクチュエータ又はピストンは、構成に応じて所望の方向に押圧されるか又は引っ張られ得る。図8に示す構成では、アクチュエータ762は、右側に押圧され、アクチュエータ762は、運動が周期的に繰り返され得るように、戻りばね又は他の好適な弾性部材を備え得る。図8は、モータ702に沿って配置されたヒンジ750を示しているが、ヒンジ750は、代替として、ドライブトレインシャフト724に沿ってモータ702の後ろ側に(すなわち、モータ702の第1の側に)、又はモータ702とブラシヘッド部材704との間に(すなわち、第1の側の反対側にある、モータ702の第2の側に)配置されてもよいことを理解されたい。
【0053】
[0074] 図9を参照すると、別の実施形態では、電動歯ブラシの概略的なドライブトレインアセンブリ800が提供される。アセンブリ700のように、ドライブトレインアセンブリ800は、ドライブトレインシャフト824を、方向800D1に中心軸Aの周りに周期的に回転させるためのモータ802を備える。モータ802は、缶モータ、任意の好適なDC若しくはACモータ若しくはドライバ、又は方向800D1においてドライブシャフトの回転を駆動するための回転運動を生み出す任意の好適なアクチュエータと共振器との組合せとすることができる。パワータッピング運動を独立且つ制御可能に発生させるために、アセンブリ800は、モータ802が回転可能なヒンジ又はピボット850と、偏心マス860とを備える。ブラシヘッド部材804を装置800のz軸に平行な方向800D2に動かすために、偏心マス860は、ドライブトレインシャフト824に取り付けられるか又は別法で結合される。モータ802がドライブトレインシャフト824を回転させると、偏心マス860も同様に回転する。偏心マス860は、ドライブトレインシャフト824上でオフセットされているため、偏心マス860の回転は、非対称の向心力を引き起こし、これにより、モータ802に正味の遠心力が生じる。ヒンジ又はピボット850の存在及びモータ802の遠心力により、ドライブトレインシャフト824は、電動歯ブラシ装置800のz軸に並行となる、方向800D2の方向に動かす、変位させる、又は並進させることが可能となる。図9は、モータ802とブラシヘッド部材804との間に(すなわち、モータ802の第1の側に)配置されたヒンジ850を示しているが、ヒンジ850は、代替として、ドライブトレインシャフト824に沿ってモータ802の後ろ側に(すなわち、第1の側の反対側にある、モータ802の第2の側に)、又はモータ802に沿って(例えば、ヒンジ750がモータ702に沿って配置されるのと同じような形で)配置され得ることを理解されたい。
【0054】
[0075] 図10を参照すると、別の実施形態では、電動歯ブラシの概略的なドライブトレインアセンブリ900が提供される。アセンブリ700及び800のように、ドライブトレインアセンブリ900は、ドライブトレインシャフト924を、方向900D1に中心軸Aの周りに周期的に回転させるためのモータ902を備える。モータ902は、缶モータ、任意の好適なDC若しくはACモータ若しくはドライバ、又は方向800D1においてドライブシャフトの回転を駆動するための回転運動を生み出す任意の好適なアクチュエータと共振器との組合せとすることができる。パワータッピング運動を独立且つ制御可能に発生させるために、アセンブリ900は、モータ902が回転可能なヒンジ950と、電磁アセンブリ960とをさらに備える。ブラシヘッド部材904を装置900のz軸に平行な方向900D2に動かすために、一実施形態において、電磁アセンブリ960は、ボイスコイルアクチュエータ965を備える。ボイスコイルアクチュエータ965は、永久磁石及び鉄鋼を含む永久磁場アセンブリと、コイルアセンブリとを備える。アクチュエータ965は、鋼ハウジングと、その中にある同心の永久磁石アセンブリとを含む固定の永久磁場アセンブリに対する移動式のコイルを備えるように構成され得る。代替として、アクチュエータ965は、内部に円筒コイル管を含む固定のハウジングと、コイルに対して移動可能な磁石を含む永久磁場アセンブリとを備えるように構成されてもよい。ヒンジ950の存在、及びアクチュエータ965によって発生した周期性の直線運動により、ドライブトレインシャフト924は、電動歯ブラシ装置900のz軸に平行な方向900D2に動かす、変位させる、又は並進させることが可能となる。タッピング運動及びスイーピング運動は、各々、ゼロからフルパワーまで強度及び振動数が変動する。図10は、モータ902に沿って位置決めされたヒンジ950を示しているが、ヒンジは、代替として、モータ902と電磁アセンブリ960との間に(すなわち、モータの第1の側に)、又はモータ902とブラシヘッド部材904との間に(すなわち、第1の側の反対側にある、モータ902の第2の側に)配置され得ることを理解されたい。
【0055】
[0076] 図11を参照すると、別の実施形態では、電動歯ブラシ装置の概略的なドライブトレインアセンブリ1000が提供される。ドライブトレインアセンブリ700、800、900のように、ドライブトレインアセンブリ1000は、ドライブトレインシャフト1024を、方向1000D1に中心軸Aの周りに周期的に回転させるためのモータ1002と、パワータッピング運動を独立且つ制御可能に発生させるための電磁アセンブリ1050とを備える。そのようなパワータッピング運動は、本明細書で説明したように、ドライブトレインシャフト1024をz軸方向に、又は径方向RD2に沿って動かす、変位させる、又は並進させることによって達成される。ドライブトレインアセンブリ1000は、本体部分1001、モータ1002、ブラシヘッド部材1004、フレーム1006、ドライブトレインシャフト1024、及び電磁アセンブリ1050を備える。本体部分1001は、上述した本体部分102に相当する。上述した他のドライブトレインシャフトに相当する、ドライブトレインシャフト1024は、本体部分1001内に少なくとも部分的に収容され、ブラシヘッド部材1004と係合するように構成される。モータ1002は、ドライブトレインシャフト1024に取り付けられ、ドライブトレインシャフト1024を周期的に駆動し、これにより、ブラシヘッド部材1004を装置の中心軸Aの周りの方向1000D1に周期的に駆動するように構成される。フレーム1006は、ドライブトレインアセンブリ1000を電動歯ブラシ装置又は任意の好適なセルフケア装置の本体部分1001に据え付ける。電磁アセンブリ1050は、ドライブトレインシャフト1024を周期的に駆動し、これにより、ブラシヘッド部材1004を異なる方向、すなわち、装置のz軸に平行な方向1000D2に周期的に駆動するためのアクチュエータ1055を備える。アセンブリ500及び600と同様に、アセンブリ1000は、ほぼ純粋な方向1000D2におけるシャフト1024の動きを制約するための平行なフレキシブル撓み部1032a及び1032bを備える。撓み部1032a及び1032bは、ばね鋼シート状材料で、又は適切に撓むか又は湾曲可能であれば任意の好適な代替物で作製することができる。また、アセンブリ1000は、共振して動作することを意図されていないため、撓み部は、共振振動数が100Hzをはるかに下回るように寸法決めされる。
【0056】
[0077] 図12Aは、電磁アセンブリ1050を単独で示す側面図である。図12Bは、図12Aの電磁アセンブリを90度回転させた別の側面図を示す。純粋な回転を生み出すモータ1002は、ドライブトレインシャフト1024に取り付けられ、締め付けによって、又はモータを固定するための任意の好適な代替手段を用いてフレーム1006に接続される。モータ1002は、ブルドンモータ又は任意の好適な代替物として具現化され得る。図11図12A、及び図12Bに示す実施形態では、フレーム1006は、平行なフレキシブル撓み部1032a及び1032bによって接続された少なくとも2つの部分1007及び1009と、平行な実質的に剛性の並進リンク機構1060a及び1060bとを備える。フレキシブル撓み部1032aは、中心軸Aの周りにフレキシブル撓み部1032bから180度の場所に配置される。剛性の並進リンク機構1060aは、中心軸Aの周りに剛性の並進リンク機構1060bから180度の場所に配置される。平行なフレキシブル撓み部1032a及び1032bは、平行な剛性の並進リンク機構1060a及び1060bに垂直に配置される。図12Aでは、剛性の並進リンク機構1060bが、リンク機構1060aと平行に、中心軸A及びアセンブリ1000の反対側に配置されているため、剛性の並進リンク機構1060aのみを確認できる。図12Bでは、フレキシブル撓み部1032bが、撓み部1032aと平行に、中心軸A及びアセンブリ1000の反対側に配置されるため、フレキシブル撓み部1032aのみを確認できる。図11図12A、及び図12Bでは、一対の撓み部及び一対のリンク機構が示されているが、追加の対や、任意の数の撓み部及び/又はリンク機構が企図されることを理解されたい。図11及び図12Aに示すように、軸Aに沿ったフレーム1006の部分1007と部分1009との間の空間の少なくとも一部は、開放されている、すなわち、何らかのコンポーネントによって埋められていない。
【0057】
[0078] フレーム1006の部分1007は、アクチュエータ1055から付与される動きによって、フレーム1006の部分1009に対して方向1000D2に移動可能である。実施形態では、アクチュエータ1055は、フレーム1006に据え付けられたボイスコイル又は任意の好適な代替物である。アクチュエータ1055は、方向1000D2に振動する垂直運動を発生させることができる。フレーム1006の部分1009は、本体部分1001に据え付けられる。また、フレーム1006の部分1009を据え付けることで、アクチュエータ1055に対する追加の減衰が得られる。平行なフレキシブル撓み部1032a及び1032bの各々の第1の端部は、フレーム1006の部分1007に接続され、平行なフレキシブル撓み部1032a及び1032bの各々の第2の端部は、フレーム1006の部分1009に接続される。具体的には、平行なフレキシブル撓み部1032aの第1の端部が、フレーム1006の部分1007の上面に固定され、平行なフレキシブル撓み部1032bの第1の端部が、フレーム1006の部分1007の下面に固定される。平行なフレキシブル撓み部1032aの第2の端部が、フレーム1006の部分1009の上面に固定され、平行なフレキシブル撓み部1032bの第2の端部が、フレーム1006の部分1009の下面に固定される。アクチュエータ1055によって発生され、リンク機構1060a及び1060bによって部分1007へ伝達される、振動する垂直運動は、方向1000D2において平行なフレキシブル撓み部1032a及び1032bによって制約される。剛性の並進リンク機構もまた、ばね鋼シート状材料で、又はリンク機構が撓んだり、湾曲したりしないのであれば、任意の好適な代替物で作製することができる。実施形態では、別のマス、反転運動を伴う釣り合い錘、又はボイスコイルがアセンブリ1000に取り付けられて、振動の打消しを行うことができる。
【0058】
[0079] 図12Aを参照すると、下方位置は、フレーム1006の部分1007が、中心軸Aに対して撓んでいないデフォルト位置である。下方位置において、部分1007の上面は、部分1009の上面と位置合わせされる。同様に、下方位置において、部分1007の下面は、部分1009の下面と位置合わせされる。フレキシブル撓み部1032aは、フレキシブル撓み部1032bと平行であり、平行なフレキシブル撓み部1032a及び1032bはともに、下方又はデフォルト位置において中心軸Aと平行である。平行なフレキシブル撓み部1032a及び1032bのデフォルト位置は、実線で示されている。アクチュエータ1055は、方向1000D2に動くように構成され、また、アクチュエータ1055は、フレーム1006の部分1009によって据え付けられているため、アクチュエータ1055の方向1000D2における動きは、剛性の並進リンク機構1060a及び1060bによって、フレーム1006の部分1007へと同じ方向に、すなわち、方向1000D2に伝達される。リンク機構1060a及び1060bの向きは、アクチュエータ1055からフレーム1006の部分1007への運動の伝達において高い剛性を実現する。部分1007の方向1000D2における動きは、平行なフレキシブル撓み部1032a及び1032bの上方位置への撓みによって可能にされる。平行なフレキシブル撓み部1032a及び1032bの上方又は並進後位置は、破線又は点線で示されている。図12Aには示していないが、部分1007が並進されると、モータ1024及びドライブトレインシャフト1024も方向1002D2に並進又は変位される。有利には、アセンブリ1000は、中心軸Aを中心とする振動するスイーピング運動、及びz軸方向における又は径方向RD2に沿った振動するタッピング運動の独立した調整を可能にして、様々な運動を発生させる。
【0059】
[0080] さらなる実施形態では、回転運動を発生させるように構成された1つのアクチュエータと、タッピング方向に押し引きの運動を発生させるように構成された別個の追加のアクチュエータ、例えば、アクチュエータ1055とを備える代わりに、スイーピング運動とタッピング運動とが互いに結合されて、単一のアクチュエータによって付与されてもよい。
【0060】
[0081] 図13を参照すると、別の実施形態では、電動歯ブラシ装置の概略的なドライブトレインアセンブリ1200が提供される。アセンブリ700、800、及び900のように、ドライブトレインアセンブリ1200は、ドライブトレインシャフト1224を、方向1200D1に中心軸Aの周りに周期的に回転させるためのモータ1202を備える。モータ1202は、センソニックドライブ、缶モータ、任意の好適なDC若しくはACモータ若しくはドライバ、又は方向1200D1においてドライブシャフトの回転を駆動するための回転運動を生み出す任意の好適なアクチュエータと共振器との組合せとすることができる。モータ1202自体が、パワータッピング運動を独立且つ制御可能に発生させることもでき、そのような場合、タッピング運動は、本質的に回転に結合される。図13に示すように、モータ1202は、タッピング運動を装置のz軸に平行な方向1200D2(すなわち、方向RD2)に駆動するのに必要な力を発生させるか又は与えることができる。そのような初期の機械的運動は、必要な場合に、例えば、偏心マス、トラス若しくはばね、カム、又は何らかの組合せを追加することによって、任意の好適な手段によって方向1200D2のタッピング運動に変換され得る。タッピング運動を実現するためには、装置のx軸を中心とする回転に対して自由度が与えられる必要がある。タッピング運動を実現するために、ピボット1250、又は任意の他の好適な代替物を設けることができ、そのようなピボットは、歯ブラシの領域内又はブラシから理論的に無限の距離に位置する、装置の中心軸Aと一致する任意の場所に配置される(すなわち、ほぼ完全な並進)。ピボット1250は、モータ1202が軸Bの周りに回転、旋回、又は振動可能となる点、ピン、シャフト、又は任意の好適な代替物として具現化され得る。
【0061】
[0082] 図14を参照すると、別の実施形態では、電動歯ブラシ装置の概略的なドライブトレインアセンブリ1300が、提供される。アセンブリ700、800、900、及び1200のように、ドライブトレインアセンブリ1300は、ドライブトレインシャフト1324を、方向1300D1に中心軸Aの周りに周期的に回転させるためのモータ1302を備える。モータ1302は、センソニックドライブ、缶モータ、任意の好適なDC若しくはACモータ若しくはドライバ、又は方向1300D1においてドライブシャフトの回転を駆動するための回転運動を生み出す任意の好適なアクチュエータと共振器との組合せとすることができる。モータ1302自体が、パワータッピング運動を独立且つ制御可能に発生させることもでき、そのような場合、タッピング運動は、本質的に回転に結合される。図14に示すように、モータ1302は、タッピング運動を装置のz軸に平行な方向1300D2(すなわち、方向RD2)に駆動するのに必要な力を発生させるか又は与えることができる。そのような初期の機械的運動は、必要な場合に、例えば、偏心マス、トラス若しくはばね、カム、又は何らかの組合せを追加することによって、任意の好適な手段によって方向1300D2のタッピング運動に変換され得る。タッピング運動を実現するためには、装置のx軸を中心とする回転に対して自由度が与えられる必要がある。タッピング運動を実現するために、ピボット1350、又は任意の他の好適な代替物を設けることができ、そのようなピボットは、歯ブラシの領域内又はブラシから理論的に無限の距離に位置する、装置の中心軸Aと一致する任意の場所に配置される(すなわち、ほぼ完全な並進)。ピボット1350は、モータ1302が回転、旋回、又は振動可能となる点、ピン、シャフト、又は任意の好適な代替物として具現化され得る。図14に示すように、ピボット1350は、モータ1302の後ろ側に(すなわち、ブラシヘッド1304の反対側となるモータ1302の側に)配置され得る。
【0062】
[0083] 図15を参照すると、別の実施形態では、電動歯ブラシ装置の概略的なドライブトレインアセンブリ1400が提供される。アセンブリ700、800、900、1200、及び1300のように、ドライブトレインアセンブリ1400は、ドライブトレインシャフト1424を、方向1400D1に中心軸Aの周りに周期的に回転させるためのモータ1402を備える。モータ1402は、センソニックドライブ、缶モータ、任意の好適なDC若しくはACモータ若しくはドライバ、又は方向1400D1においてドライブシャフトの回転を駆動するための回転運動を生み出す任意の好適なアクチュエータと共振器との組合せとすることができる。図13に示すように、モータ自体から独立且つ制御可能にパワータッピング運動を付与する代わりに、モータ1402は、偏心マス、トラス若しくはばね、カム、又は何らかの組合せを追加することによって、タッピング運動を装置のz軸に平行な方向1400D2(すなわち、方向RD2)に駆動するのに必要な力を発生させるか又は与えることができる。図15では、タッピング運動を方向1400D2に駆動するのに必要とされる力は、モータ1402の磁石と相互作用するように構成された1つ又は複数の追加の固定永久磁石によって付与され得る。代替実施形態では、図15に示す1つ又は複数の固定永久磁石の代わりに、1つ又は複数の永久磁石を担持する追加のロータが使用されてもよい。図15に示すように、永久磁石1430は、ドライブトレインシャフト1424上の回転マスRMに固定されるか又は別法で接続され得る。回転マスRMは、モータ1402と一体であるか、又はモータ1402に間接的に接続され得る。固定永久磁石1450は、中心軸Aの周りに回転する際に磁石1430と相互作用するように、電動歯ブラシ装置の本体部分内に取り付けることができる。一実施形態では、固定磁石1450は、そのN極が中心軸Aの方に上向きとなり、そのS極が下向きとなるように、電動歯ブラシ装置の本体部分内に配向され得る。回転可能な磁石1430は、そのS極がシャフト1424の方を向き、そのN極が外向きとなる(すなわち、シャフトの周りに回転する際にドライブトレインシャフト1424の反対側を向く)ように配向され得る。タッピング運動を実現するためには、装置のx軸を中心とする回転に対して自由度が与えられる必要がある。タッピング運動を実現するために、ピボット線1460、又は任意の他の好適な代替物を設けることができ、そのようなピボットは、歯ブラシの領域内又はブラシから理論的に無限の距離に位置する、装置の中心軸Aと一致する任意の場所に配置される(すなわち、ほぼ完全な並進)。ピボット1460は、モータ1402が回転、旋回、又は振動可能となる点、ピン、シャフト、又は任意の好適な代替物として具現化され得る。図15に示すように、ピボット1460は、モータ1402とブラシヘッド部材1404との間に(すなわち、モータ1402の第1の側に)配置され得る。代替実施形態では、ピボット1460は、モータ1402に沿って、又はモータ1402の後ろ側に(すなわち、第1の側の反対側である、モータ1402の第2の側に)配置され得る。
【0063】
[0084] ドライブトレインアセンブリ1200、1300、及び1400のすべてが、タッピング運動のバックストロークを発生させるタッピング戻り荷重(すなわち、往復力)を含む。実施形態では、戻り荷重は、モータ1202、1302、若しくは1402自体、及び/又は双方向である運動変換要素から発生し得る。モータ及び運動変換要素がともに一方向である、且つ/又は追加量の戻り荷重若しくは往復力を要する、代替実施形態では、戻り荷重は、戻りばね又は任意の好適な代替物によって与えられ得る。例えば、図16は、ドライブトレインシャフト1524を、方向1500D1に中心軸Aの周りに周期的に回転させるように構成されたドライブトレインアセンブリのモータ1502のエンドビューを示す。モータ1502は、センソニックドライブ、缶モータ、任意の好適なDC若しくはACモータ若しくはドライバ、又は方向1500D1においてドライブシャフトの回転を駆動するための回転運動を生み出す任意の好適なアクチュエータと共振器との組合せとすることができる。装置のz軸に平行な方向1500D2(すなわち、方向RD2)のタッピング運動でドライブトレインシャフト1524を動かすのに必要な力を発生させる又は与えるために、運動変換器として回転可能なカム1520、又は任意の好適な等価物を含む実施形態では、カム機構によって往復力は与えられない。代わりに、カム1520は回転し、カム1520がモータ1502又はドライブトレインシャフト1524に力を及ぼさなくなるまで、モータ1502を押圧し、これにより、ドライブトレインシャフト1524を方向1500D2において上向きに押圧することができる。カム1520が、モータ1502又はドライブトレインシャフト1524に力を及ぼすことなく、回転し続けるため、モータ1502に力がかからず、これにより、ドライブトレインシャフト1524を方向1500D2においてデフォルト位置へと下向きに押し戻すものはない。結果として、タッピング運動の調和的な性質を達成するために別個の戻り荷重が必要となる。実施形態では、弾性部材1530(例えば、ばね)が、柄の一部分又は本体部分1501とモータ1502との間に設けられ得る。図16に示す実施形態では、カム1520が、モータ1502又はドライブトレインシャフト1524に力を及ぼすことなく回転しているとき、弾性部材1530が、モータ1502及びドライブトレインシャフト1524をデフォルト位置へと下向きに付勢する。カム1520及び弾性部材1530によって付与される力の組合せは、タッピング運動の調和的な性質を達成するのに必要な往復力を発生させる。
【0064】
[0085] ドライブトレインアセンブリが、一貫性があり、制御可能なパワータッピング運動及び制御可能なスイーピング運動を発生させるように構成された、本明細書で説明する実施形態では、電動歯ブラシ装置の剛毛は、以下で説明するように様々な経路で駆動され得る。
【0065】
[0086] 電動歯ブラシ装置が、実質的に純粋な往復的パワータッピング運動を装置(例えば、アセンブリ400、500、及び600)のz軸の方向に発生させるドライブトレインアセンブリを備えるように構成された実施形態では、剛毛は、図17に示すように駆動され得る。周期のデフォルト又は初期位置から開始すると、運動は、振幅における変化がない状態である。次いで、剛毛は、2mmの最大振幅まで駆動された後、-2mmの最小振幅まで駆動され、最終的にデフォルトの終了位置、すなわち、新たな周期の開始位置まで戻る。このようなドライブトレインアセンブリにより、時計回り又は反時計回りの回転がないことを確実にすることができ、往復的タッピング運動に付随するスイーピング運動が生じないようになっている。
【0066】
[0087] 図18に示すように、剛毛は、往復的スイーピング運動に伴う(図17に示すものなどの)往復的タッピング運動に追従するように、本明細書で説明するドライブトレインアセンブリによって駆動され得る。(図18に示すものなどの)実施形態では、スイーピング運動及びタッピング運動は、180度だけ位相シフトされ得る。タッピング運動とスイーピング運動との間の位相角が、180度のとき(すなわち、運動間の位相角差が、180度のとき)、タッピング運動及びスイーピング運動の波形は、互いに鏡像として表される。周期の開始時では、いずれの運動の振幅にも変化はなく、その後、タッピング運動において2mmの振幅に等しい正の最大値まで剛毛が駆動され得る。それと同時に、スイーピング運動において、-6度の回転振幅に等しい負の最大値まで剛毛が回転され得る。したがって、周期の90度では、剛毛のタッピング並進が最大となり、反時計回りの方向の回転が最大となる。周期の半分では、再びいずれの運動の振幅にも変化はない。その後、タッピング運動において、-2mmの振幅に等しい負の最大値まで剛毛が駆動され得る。それと同時に、スイーピング運動において、+6度の回転振幅に等しい正の最大値まで剛毛が回転され得る。したがって、周期の270度では、剛毛のタッピング並進が最小となり、時計回りの方向の回転が最大となる。周期の終わりでは、再びいずれの運動の振幅にも変化はない。往復的タッピング運動と同時に、剛毛は、反時計回りの方向に5度を超える角度だけ駆動され、その後、時計回りの方向にニュートラルな状態に戻った後、時計回りの方向に5度を超える角度だけさらに駆動され得る。剛毛は、時計回りの方向にニューラルな状態に戻るように駆動され得る。
【0067】
[0088] 図19A図19B図19Cに示すように、剛毛はまた、タッピング振動数が、スイーピング振動数よりも高速になるように、本明細書で説明するドライブトレインアセンブリによって駆動されてもよい。図19Aは、単一のスイーピング周期中に2つのタップ(すなわち、タッピング並進が最大となる点)を生み出すように剛毛が駆動される実施形態を示す。図19Bは、「下方-タップ-下方-タップ」の運動においてタッピング運動がスイーピング運動と結合された別の実施形態を示す。タッピング振動数は、スイーピング振動数よりも高速である。より具体的には、タッピング振動数は、スイーピング振動数の2倍高速となる。そのような実施形態では、片持ビームが、曲げ剛性よりも高い圧縮剛性を有することから、剛毛が口腔面の方を直接向いているときに最大タッピングが生じ、したがって、高い衝撃力が伝達される。剛毛は、空中に3次元円錐を描くため、剛毛は、より小さい衝撃領域を持つ。図19Bに示す運動の組合せは、隣接歯間空間に対して理想的となる精密運動である。図19Cは、タッピング振動数が、スイーピング振動数の2倍となる、「上方-上方」の運動においてタッピング運動がスイーピング運動に結合された別の実施形態を示す。そのような実施形態では、最大タッピング並進は、最大回転角において生じるため、運動は、剛毛が口腔面に接触する可能性を最大化する。また、そのような実施形態では、剛毛は、剛毛が曲がっているシナリオにおいても接触し、ピーク力が最小化される傾向がある。ピーク力が最小化され得るものの、そのような運動は、望ましい場合にタッピング効果を和らげるために使用できる。図19Cに示す運動の組合せは、隣接歯間空間ではなく、より大きな表面に対してより適切となる。図18に示す運動とは異なり、図19A図19B、及び図19Cに示すスイーピング運動及びタッピング運動は、同期又は同調される。運動の波形は、同期するような形で動く。言い換えれば、スイーピング運動とタッピング運動との間に位相角差はない。
【0068】
[0089] 本明細書で説明する電動歯ブラシ装置及びドライブトレインアセンブリの作用効果は、垂直運動の振幅が0.25mm以上となる(すなわち、パワータッピング)、剛毛の方向又は剛毛の整列軸に平行な垂直方向の周期性運動において歯ブラシの剛毛を駆動することによって、口の重要部位における洗浄性能を向上できることである。発明的パワータッピング運動は、(i)歯周ポケットにおけるより深いリーチを達成して歯肉縁下プラークを除去し、(ii)プラーク及び/又はステイン除去を改善する表面におけるより高いピーク力を達成し、(iii)剛毛タフトの押さえ付けを防止することで、有益なタフトスイーピング挙動を回復することにより、プラーク除去を改善し、(iv)歯ブラシの配置、歯ブラシの角度、及び歯ブラシの圧力のような使用の変数に対するより高いレジリエンスを達成し、(v)消費者の体験様式に新たなオプションを提供する。
【0069】
[0090] 本明細書で定義及び使用される、すべての定義は、辞書の定義、参照によって組み込まれる文献内の定義、及び/又は定義された用語の通常の意味よりも優先されることを理解されたい。
【0070】
[0091] 明細書部分及び特許請求の範囲において、本明細書で使用する場合、単数形の要素は、特に明記しない限り、「少なくとも1つ」を意味することを理解されたい。
【0071】
[0092] 明細書部分及び特許請求の範囲において、本明細書で使用する場合、「及び/又は」という語句は、そのように結合された要素の「いずれか又は両方」、すなわち、ある場合には結合して存在し、他の場合には分離して存在する要素を意味するものとして理解されるべきである。「及び/又は」を用いて挙げられる複数の要素も、同じように、すなわち、そのように結合された要素のうちの「1つ又は複数」として解釈されるべきである。「及び/又は」節によって具体的に特定された要素以外に、具体的に特定されたそのような要素に関係しているか関係していないかに関わらず、他の要素が任意選択で存在してもよい。
【0072】
[0093] 明細書部分及び特許請求の範囲において、本明細書で使用する場合、「又は」は、上で定義した「及び/又は」と同じ意味を持つものとして理解されるべきである。例えば、リスト内の項目を分ける場合、「又は」又は「及び/又は」は、包括的である、すなわち、いくつかの要素又は要素のリストのうちの少なくとも1つを含むだけでなく、それらの2つ以上を含み、任意選択でリストにない追加の項目も含むものとして解釈されるべきである。「のうちの1つのみ」若しくは「のうちの厳密に1つ」などの明確にそうでないことを示す用語、又は特許請求の範囲において「から成る」が使用される場合のみ、いくつかの要素又は要素のリストのうちの厳密に1つの要素の包含を指す。一般に、本明細書で使用される「又は」という用語は、「いずれか」、「のうちの1つ」、「のうちの1つのみ」又は「のうちの厳密に1つ」などの排他性の用語が先行するときにのみ、排他的な代替(すなわち、「一方又は他方であるが、両方でない」)を示すものとして解釈されるべきである。
【0073】
[0094] 明細書部分及び特許請求の範囲において、本明細書で使用する場合、1つ又は複数の要素のリストへの言及における「少なくとも1つ」という語句は、要素のリストにおける要素のうちの任意の1つ又は複数から選択されるが、要素のリスト内で具体的に挙げられたそれぞれの要素の少なくとも1つを必ずしも含むわけではなく、要素のリストにおける要素の任意の組合せを除外するものではないことを意味するものとして理解されるべきである。この定義はまた、「少なくとも1つ」という語句が指す要素のリスト内で具体的に特定された要素以外の要素が、具体的に特定されたそのような要素に関係しているか関係していないかに関わらず、任意選択で存在することを可能にする。
【0074】
[0095] 特許請求の範囲、並びに上記明細書部分において、「備える」、「含む」、「担持する」、「有する」、「含有する」、「関与する」、「保持する」、「で構成されている」等のすべての移行句は、オープンエンドである、すなわち、含むが限定されないことを意味するものとして理解されるべきである。「から成る」及び「から本質的に成る」という移行句のみが、それぞれ、クローズド又はセミクローズドの移行句であるべきである。
【0075】
[0096] また、特に明記しない限り、2つ以上のステップ又は動作を含む、本明細書で特許請求される任意の方法において、方法のステップ又は動作の順序は、方法のステップ又は動作が記載されている順序に必ずしも限定されないことが理解されるべきである。
【0076】
[0097] いくつかの発明的実施形態について説明及び例示してきたが、当業者であれば、機能を実行し、且つ/又は結果及び/又は本明細書で説明する利点のうちの1つ若しくは複数を得るための様々な他の手段及び/又は構造を容易に思い付き、そのような変形例及び/又は修正例の各々は、本明細書で説明する発明的実施形態の範囲内であるものと見なされる。より一般的には、当業者であれば、本明細書で説明するすべてのパラメータ、寸法、材料、及び構成が、例示的なものであることを意味し、実際のパラメータ、寸法、材料、及び/又は構成が、発明的教示が使用される1つ又は複数の特定の用途に依存するということを容易に諒解するであろう。当業者であれば、本明細書で説明する特定の発明的実施形態に対する多くの等価物を認識するか、又は日常的な実験以外のことを行わずに確認できるであろう。したがって、上記実施形態は、例示のみのために提示され、添付の請求項及びそれに相当するものの範囲内において、発明的実施形態は、具体的に説明され、特許請求される以外のやり方で実践されてもよい。本開示の発明的実施形態は、本明細書で説明した各々の個々の特徴、システム、物品、材料、キット及び/又は方法を対象としている。また、2つ以上のそのような特徴、システム、物品、材料、キット及び/又は方法の任意の組合せは、そのような特徴、システム、物品、材料、キット及び/又は方法が相互に矛盾しない場合、本開示の発明的範囲内に含まれる。

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図13-15】
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【国際調査報告】