(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-10-18
(54)【発明の名称】有機・無機ハイブリッド組成物及びこれを含む粘着フィルム
(51)【国際特許分類】
C09C 3/12 20060101AFI20241010BHJP
C09J 7/38 20180101ALI20241010BHJP
C09J 4/02 20060101ALI20241010BHJP
C09J 11/04 20060101ALI20241010BHJP
C09D 17/00 20060101ALN20241010BHJP
【FI】
C09C3/12
C09J7/38
C09J4/02
C09J11/04
C09D17/00
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024529663
(86)(22)【出願日】2022-12-19
(85)【翻訳文提出日】2024-05-17
(86)【国際出願番号】 KR2022020668
(87)【国際公開番号】W WO2023121162
(87)【国際公開日】2023-06-29
(31)【優先権主張番号】10-2021-0182913
(32)【優先日】2021-12-20
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】318007591
【氏名又は名称】ケーシーテック カンパニー リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110001494
【氏名又は名称】前田・鈴木国際特許弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】ヨム, ジン ソク
(72)【発明者】
【氏名】キム, ソク ジョ
【テーマコード(参考)】
4J004
4J037
4J040
【Fターム(参考)】
4J004AA01
4J004AB01
4J004CA01
4J004CB03
4J004CC02
4J004CE01
4J037AA08
4J037CB23
4J037CC16
4J037DD24
4J037EE28
4J037FF02
4J040FA131
4J040HA136
4J040LA10
4J040NA17
(57)【要約】
本発明は、有機・無機ハイブリッド組成物及びこれを含む粘着フィルムに関し、本発明の一実施例に係る組成物は、表面処理剤によって表面改質された無機粒子及びアクリル系モノマーを含み、表面改質された無機粒子及びアクリル系モノマーは1:1~2:1の重量比を有する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
表面処理剤によって表面改質された無機粒子と、
アクリル系モノマーと、
を含み、
前記表面改質された無機粒子及び前記アクリル系モノマーは、1:1~2:1の重量比を有する、有機・無機ハイブリッド組成物。
【請求項2】
前記無機粒子は、
ZrO
2、SiO
2、Al
2O
3、CeO
2、ZnO、V
2O
5TiO
2、BaTiO
3、SrTiO
3、BaTiO
3、PbTiO
3、PbZrO
3、Pb(Zr、Ti)O
3(PZT)、Pb
1-xLa
xZr
1-yTi
yO
3(PLZT)、(1-x)Pb(Mg
1/3Nb
2/
3)O
3-xPbTiO
3(PMN-PT)、HfO
2及びBNからなる群より選択される少なくとも1つを含む、請求項1に記載の有機・無機ハイブリッド組成物。
【請求項3】
前記無機粒子の直径は、10nm~200nmであり、
前記無機粒子の比表面積は、1m
2/g~250m
2/gである、請求項1に記載の有機・無機ハイブリッド組成物。
【請求項4】
前記表面改質された無機粒子は、前記組成物のうち40重量%~50重量%である、請求項1に記載の有機・無機ハイブリッド組成物。
【請求項5】
前記アクリル系モノマーは、ブチルアクリレート(butyl acrylate)、2-エチルヘキシルアクリレート(2-ethylhexyl acrylate)、イソボルニルアクリレート(isobornyl acrylate)、及び4-アクリロイルモルホリン(4-acryloyl morpholine)からなる群より選択される少なくとも1つを含む、請求項1に記載の有機・無機ハイブリッド組成物。
【請求項6】
前記アクリル系モノマーは、前記組成物のうち50重量%~60重量%である、請求項1に記載の有機・無機ハイブリッド組成物。
【請求項7】
前記表面処理剤は、シラン系モノマー及びメタクリレート系モノマーの共重合体である、請求項1に記載の有機・無機ハイブリッド組成物。
【請求項8】
前記シラン系モノマーは、シラン、C
1-C
20であるアルキルシラン、アルコキシシラン、イソシアネートシラン、アミノシラン、エポキシシラン、アクリルシラン、メルカプトシラン、フッ素シラン、メタクリルオキシ基シラン、ビニルシラン、フェニルシラン、クロロシラン、及びシラザンからなる群より選択される少なくとも1つを含み、
前記メタクリレート系モノマーは、2-ヒドロキシエチルメタクリレート(2-hydroxyethyl methacrylate、2-HEMA)、2-ヒドロキシプロピルメタクリレート(2-hydroxypropyl methacrylate、2-HPMA)、2-ヒドロキシ-1-メチルエチルメタクリレート(2-hydroxy-1-methylethyl methacrylate)からなる群より選択される少なくとも1つを含む、請求項7に記載の有機・無機ハイブリッド組成物。
【請求項9】
前記表面処理剤は、下記の化学式1~化学式3のいずれか1つに表示される化合物を含む、請求項1に記載の有機・無機ハイブリッド組成物。
[化学式1]
【化1】
[化学式2]
【化2】
[化学式3]
【化3】
(前記R
1~R
3は、それぞれH、飽和又は不飽和された直鎖又は分枝鎖のC
1-C
20のアルキル基、水酸化基、シラン基、及びアルコキシシラン基のうち少なくとも1つを含み、
前記R
4は、H又は水酸化基を含む)
【請求項10】
前記表面処理剤は、前記無機粒子100重量部に対して10重量部~30重量部として含まれる、請求項1に記載の有機・無機ハイブリッド組成物。
【請求項11】
カルボキシル基、リン酸基、ホスホン酸基、スルホン酸基、及びフェノール性水酸基からなる群より選択される少なくとも1つの官能基を含む分散剤をさらに含む、請求項1に記載の有機・無機ハイブリッド組成物。
【請求項12】
前記分散剤は、前記組成物100重量部に対して1重量部~10重量部として含まれる、請求項11に記載の有機・無機ハイブリッド組成物。
【請求項13】
分散溶媒をさらに含み、
前記分散溶媒は、メチルエチルケトン(methyl ethyl ketoneと、MEK)、エタノール、メタノール、アセトニトリル(acetonitrile)、トルエン(Toluene)、テトラヒドロフラン(tetrahydrofuran、THF)、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(propylene glycol monomethyl ether acetate、PGMEA)及びエチルアセテート(ethyl acetate)からなる群より選択される少なくとも1つを含む、請求項1に記載の有機・無機ハイブリッド組成物。
【請求項14】
前記表面改質された無機粒子及び前記分散溶媒の重量比は、1:1~1:2である、請求項13に記載の有機・無機ハイブリッド組成物。
【請求項15】
前記分散溶媒は、前記組成物のうち30重量%~60重量%である、請求項13に記載の有機・無機ハイブリッド組成物。
【請求項16】
前記組成物は、
屈折率が1.50~1.80であり、
粘度が180cPs~20、000cPs(25℃基準)であり、
ヘイズ(haze)が15%以下である、請求項1に記載の有機・無機ハイブリッド組成物。
【請求項17】
組成物を用いて製造された粘着フィルムであって、
前記組成物は、
表面処理剤によって表面改質された無機粒子と、
アクリル系モノマーと、
を含み、
前記表面改質された無機粒子及び前記アクリル系モノマーは、1:1~2:1の重量比を有する、粘着フィルム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、有機・無機ハイブリッド組成物及びこれを含む粘着フィルムに関する。
【背景技術】
【0002】
光学透明粘着(OCA、optically clear adhesive)フィルムは、光学部材の接合に使用される透明な粘着フィルムである。最近、スマートフォン、タブレットPC、携帯型ゲーム機、自動車ナビゲーション装置などの分野でタッチパネルの需要が急速に増加しており、タッチパネルを他の光学部材に接合させるために使用されるOCAフィルムの需要も急速に増加している。
【0003】
タッチパネルを備える表示装置は、通常、液晶パネルのような表示パネル、酸化インジウムスズ(ITO)などからなる透明導電膜が表層に備えられるタッチパネル本体、及び透明導電膜を保護するカバーパネルなどの光学部材が積層されている構造を有するが、光学部材の間の接合に光学透明粘着剤がフィルムの形態に使用されることができる。OCAフィルムの需要の増加により、ここで使用される粘着材料に対する関心は更に高まっている。
【0004】
従来における光学透明粘着剤として、シリコン系樹脂、ポリウレタン系樹脂、オレフィン系樹脂のような有機物を素材にしているが、このような有機物基盤の光学透明粘着剤をディスプレイ光学素材に使用する場合、積層された層間の屈折率の差に応じて光学的な特性に影響を及ぼす問題が生じる。
【0005】
このような現像を補完するために、有機物基盤の光学透明粘着剤に無機粒子を混合して屈折率を上昇させる技術が開発されているが、有機物と無機粒子を混合するときに互換性(compatibility)が問題となる。
【0006】
前述した背景技術は、発明者が本明細書の開示内容を導き出す過程で保持したり習得したもので、必ず本出願前に一般公衆に公開された公知技術とは言えない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
上述した問題を解決するために、本発明は、有機・無機ハイブリッド組成物用の表面処理剤を提供する。
【0008】
本発明の一実施形態によれば、有機・無機ハイブリッド組成物を提供する。
【0009】
しかし、本発明が解決する課題は、以上で言及した課題に制限されず、言及されない更なる課題は、下記の記載によって当技術分野の通常の知識を有する者に明確に理解できるものである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明の一実施形態に係る有機・無機ハイブリッド組成物は、表面処理剤によって表面改質された無機粒子と、アクリル系モノマーと、を含み、表面改質された無機粒子及びアクリル系モノマーは、1:1~2:1の重量比を有する。
【0011】
一実施形態によると、無機粒子は、ZrO2、SiO2、Al2O3、CeO2、ZnO、V2O5TiO2、BaTiO3、SrTiO3、BaTiO3、PbTiO3、PbZrO3、Pb(Zr、Ti)O3(PZT)、Pb1-xLaxZr1-yTiyO3(PLZT)、(1-x)Pb(Mg1/3Nb2/3)O3-xPbTiO3(PMN-PT)、HfO2及びBNからなる群より選択される少なくとも1つを含むことができる。
【0012】
一実施形態によると、無機粒子の直径は、10nm~200nmであり、無機粒子の比表面積は、1m2/g~250m2/gである。
【0013】
一実施形態によると、表面改質された無機粒子は、組成物のうち40重量%~50重量%である。
【0014】
一実施形態によると、アクリル系モノマーは、ブチルアクリレート(butyl acrylate)、2-エチルヘキシルアクリレート(2-ethylhexyl acrylate)、イソボルニルアクリレート(isobornyl acrylate)、及び4-アクリロイルモルホリン(4-acryloyl morpholine)からなる群より選択される少なくとも1つを含むことができる。
【0015】
一実施形態によると、アクリル系モノマーは、組成物のうち50重量%~60重量%である。
【0016】
一実施形態によると、表面処理剤は、シラン系モノマー及びメタクリレート系モノマーの共重合体である。
【0017】
一実施形態によると、シラン系モノマーは、シラン、C1-C20であるアルキルシラン、アルコキシシラン、イソシアネートシラン、アミノシラン、エポキシシラン、アクリルシラン、メルカプトシラン、フッ素シラン、メタクリルオキシ基シラン、ビニルシラン、フェニルシラン、クロロシラン、及びシラザンからなる群より選択される少なくとも1つを含み、メタクリレート系モノマーは、2-ヒドロキシエチルメタクリレート(2-hydroxyethyl methacrylate、2-HEMA)、2-ヒドロキシプロピルメタクリレート(2-hydroxypropyl methacrylate、2-HPMA)、2-ヒドロキシ-1-メチルエチルメタクリレート(2-hydroxy-1-methylethyl methacrylate)からなる群より選択される少なくとも1つを含むことができる。
【0018】
一実施形態によると、表面処理剤は、下記の化学式1~化学式3のいずれか1つに表示される化合物を含むことができる。
【0019】
[化学式1]
【0020】
【0021】
[化学式2]
【0022】
【0023】
[化学式3]
【0024】
【0025】
(前記R1~R3は、それぞれH、飽和又は不飽和された直鎖又は分枝鎖のC1-C20のアルキル基、水酸化基、シラン基、及びアルコキシシラン基のうち少なくとも1つを含み、前記R4は、H又は水酸化基を含む)
【0026】
一実施形態によると、表面処理剤は、無機粒子100重量部に対して10重量部~30重量部として含まれることができる。
【0027】
一実施形態によると、組成物は、カルボキシル基、リン酸基、ホスホン酸基、スルホン酸基、及びフェノール性水酸基からなる群より選択される少なくとも1つの官能基を含む分散剤をさらに含むことができる。
【0028】
一実施形態によると、分散剤は、組成物100重量部に対して1重量部~10重量部として含まれることができる。
【0029】
一実施形態によると、組成物は、分散溶媒をさらに含み、分散溶媒は、メチルエチルケトン(methyl ethyl ketoneと、MEK)、エタノール、メタノール、アセトニトリル(acetonitrile)、トルエン(Toluene)、テトラヒドロフラン(tetrahydrofuran、THF)、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(propylene glycol monomethyl ether acetate、PGMEA)及びエチルアセテート(ethyl acetate)からなる群より選択される少なくとも1つを含むことができる。
【0030】
一実施形態によると、表面改質された無機粒子及び分散溶媒の重量比は、1:1~1:2である。
【0031】
一実施形態によると、分散溶媒は、組成物のうち30重量%~60重量%である。
【0032】
一実施形態によると、組成物は、屈折率が1.50~1.80であり、粘度が180cPs~20、000cPs(25℃基準)であり、ヘイズ(haze)が15%以下である。
【0033】
本発明の他の実施形態に係る粘着フィルムは、組成物を用いて製造された粘着フィルムであって、組成物は、表面処理剤によって表面改質された無機粒子と、アクリル系モノマーと、を含み、表面改質された無機粒子及びアクリル系モノマーは、1:1~2:1の重量比を有することができる。
【発明の効果】
【0034】
本発明は、有機・無機ハイブリッド組成物用の表面処理剤を提供することができる。
【0035】
本発明の一実施形態によれば、有機・無機ハイブリッド組成物を提供することができる。
【発明を実施するための形態】
【0036】
以下を参照して実施形態を詳細に説明する。しかし、実施形態には様々な変更が加えられてもよく、特許出願の権利範囲がこのような実施形態によって制限されたり限定されることはない。実施形態に対する全ての変更、均等物ないし代替物が権利範囲に含まれるものとして理解されなければならない。
【0037】
実施形態で用いられる用語は単に説明を目的として使用されたもので、限定しようとする意図として解釈されることはない。単数の表現は、文脈上、明白に異なる意味をもたない限り複数の表現を含む。本明細書において、「含む」又は「有する」等の用語は明細書上に記載した特徴、数字、ステップ、動作、構成要素、部品又はこれらを組み合わせたものが存在することを示すものであって、1つ又はそれ以上の他の特徴や数字、ステップ、動作、構成要素、部品、又はこれを組み合わせたものなどの存在又は付加の可能性を予め排除しないものとして理解しなければならない。
【0038】
異なるように定義さがれない限り、技術的であるか又は科学的な用語を含むここで用いる全ての用語は、本実施形態が属する技術分野で通常の知識を有する者によって一般的に理解されるものと同じ意味を有する。一般的に用いられる予め定義された用語は、関連技術の文脈上で有する意味と一致する意味を有するものと解釈すべきであって、本明細書で明白に定義しない限り、理想的又は過度に形式的な意味として解釈されることはない。
【0039】
また、実施形態の構成要素を説明することにおいて、第1、第2、A、B、(a)、(b)などの用語を使用することができる。これらの用語は、その構成要素を他の構成要素と区別するためのものであり、その用語によって当該の構成要素の本質や順番、又は順序などが限定されない。いずれかの成要素が他の構成要素に「連結」、「結合」又は「接続」されると記載されている場合、その構成要素は、その他の構成要素に直接的に連結されたり接続され得るが、各構成要素の間に更なる構成要素が「連結」、「結合」又は「接続」されるものと理解されなければならない。
【0040】
いずれかの実施形態に含まれる構成要素と共通の機能を含む構成要素は、他の実施形態で同じ名称を用いて説明することにする。逆の記載がない以上、いずれかの実施形態に記載した説明は他の実施形態にも適用され、重複する範囲で具体的な説明は省略することにする。
【0041】
本発明の一実施例に係る有機・無機ハイブリッド組成物は、表面処理剤によって表面改質された無機粒子及びアクリル系モノマーを含むことができる。一実施例によれば、有機・無機ハイブリッド組成物を硬化して粘着フィルムを形成することができ、本発明によれば、有機・無機ハイブリッド組成物は光学的に透明であるか、実質的に光学的に透明な無機粒子分散組成物を提供することができる。
【0042】
一実施例によれば、無機粒子の分散性を向上させるために表面処理剤を用いて無機粒子の表面を改質し、組成物内で等しく分散することにより光学的に透明な無機粒子分散組成物を提供することができる。
【0043】
一実施例によれば、表面改質された無機粒子及びアクリル系モノマーは、1:1~2:1の重量比を有してもよい。一実施例によれば、アクリル系モノマーの重量が表面改質された無機粒子の重量に比べて同一であるか大きいことが好ましい。
【0044】
一実施例によれば、無機粒子は金属酸化物であってもよい。一実施例によれば、無機粒子は金属酸化物として、透明な高分子樹脂内に含まれて屈折率を増加させることができる。
【0045】
一実施例によれば、無機粒子は、ZrO2、SiO2、Al2O3、CeO2、ZnO、V2O5TiO2、BaTiO3、SrTiO3、BaTiO3、PbTiO3、PbZrO3、Pb(Zr、Ti)O3(PZT)、Pb1-xLaxZr1-yTiyO3(PLZT)、(1-x)Pb(Mg1/3Nb2/3)O3-xPbTiO3(PMN-PT)、HfO2、及びBNからなる群より選択される少なくとも1つを含んでもよい。
【0046】
一実施例によれば、無機粒子は、好ましくはジルコニア(ZrO2)を含んでもよい。ジルコニアは透明であり、アッベ数(Abbe number)が高く、機械的な強度及び熱的な安定性に優れ、本発明の一実施例に係る組成物に適切なものである。
【0047】
一実施例によれば、無機粒子はナノ無機粒子に該当する。一実施例によれば、無機粒子の直径は10nm~200nmであってもよい。ここで、無機粒子の直径は、無機粒子の直径の平均を意味する。また、無機粒子の直径は、表面処理剤で表面改質されない無機粒子の直径を意味する。
【0048】
一実施例によれば、無機粒子の直径は、10nm以上、20nm以上、30nm以上、40nm以上、50nm以上、60nm以上、70nm以上、80nm以上、90nm以上、100nm以上、110nm以上、120nm以上、130nm以上、140nm以上、150nm以上、160nm以上、170nm以上、180nm以上、又は、190nm以上であるか、200nm以下、190nm以下、180nm以下、170nm以下、160nm以下、150nm以下、140nm以下、130nm以下、120nm以下、110nm以下、100nm以下、90nm以下、80nm以下、70nm以下、又は、60nm以下であるか、前記言及された数値のうち選択される2つの値の間の範囲に含まれてもよい。
【0049】
一実施例によれば、無機粒子の直径が10nm未満である場合に無機粒子の表面エネルギーの増大によって分散が難しく、200nm超過である場合に散乱効果が発現して粘着フィルムの視認性が低下し、粘着フィルムの厚さが増加し得る。
【0050】
一実施例によれば、無機粒子の比表面積は、1m2/g~250m2/gであってもよい。ここで、無機粒子の比表面積は、無機粒子の比表面積の平均を意味する。また、無機粒子の比表面積は、表面処理剤で表面改質されない無機粒子の比表面積を測定することができる。
【0051】
一実施例によれば、無機粒子の比表面積は、1m2/g以上、10m2/g以上、30m2/g以上、50m2/g以上、70m2/g以上、90m2/g以上、110m2/g以上、130m2/g以上、150m2/g以上、170m2/g以上、190m2/g以上、210m2/g以上、又は、230m2/g以上であるか、250m2/g以下、230m2/g以下、210m2/g以下、190m2/g以下、170m2/g以下、150m2/g以下、130m2/g以下、110m2/g以下、90m2/g以下、又は、70m2/g以下であるか、前記言及された数値のうち選択される2つの値の間の範囲に含まれてもよい。
【0052】
一実施例によれば、無機粒子の比表面積が前記数値範囲を超える場合、透過率が低下したり散乱による品質低下が発生し、凝集が形成されることがある。
【0053】
一実施例によれば、表面改質された無機粒子は、組成物のうち40重量%~50重量%であってもよい。一実施例によれば、表面改質された無機粒子は、40重量%~45重量%、又は、45重量%~50重量%であってもよい。
【0054】
一実施例によれば、組成物のうち表面改質された無機粒子が40重量%未満である場合、組成物内で無機粒子の相対的な比率が低くなって組成物の屈折率及び輝度が減少し、50重量%超過である場合、後で粘着フィルムを製造するとき白濁現像が発生し得る。
【0055】
一実施例によれば、アクリル系モノマーは、ブチルアクリレート(butyl acrylate)、2-エチルヘキシルアクリレート(2-ethylhexyl acrylate)、イソボルニルアクリレート(isobonyl acrylate)及び4-アクリロイルモルホリン(4-acryloyl morpholine)からなる群より選択される少なくとも1つを含んでもよい。
【0056】
本発明の一実施例に係る組成物を硬化させて粘着フィルムを製造できるが、アクリル系モノマーを適用することで柔軟でありながらも光学的に優れた粘着フィルムを製造することができる。
【0057】
一実施例によれば、アクリル系モノマーは、組成物のうち50重量%~60重量%であってもよい。一実施例によれば、アクリル系モノマーは、50重量%~55重量%、又は、55重量%~60重量%であってもよい。
【0058】
一実施例によれば、アクリル系モノマーが組成物のうち50重量%未満である場合に無機粒子の比率が高まって粘度が上昇し、60重量%超過である場合に無機粒子の比率が低くなって粘着フィルムの屈折率及び輝度が低下し、白濁現像が発生し得る。
【0059】
一実施例によれば、表面処理剤は、シラン系モノマー及びメタクリレート系モノマーの共重合体であってもよい。具体的に、表面処理剤は、シラン系モノマー及びメタクリレート系モノマーのランダム共重合体であってもよい。
【0060】
一実施例によれば、シラン系モノマーは、シラン、C1-C20であるアルキルシラン、アルコキシシラン、イソシアネートシラン、アミノシラン、エポキシシラン、アクリルシラン、メルカプトシラン、フッ素シラン、メタクリルオキシ基シラン、ビニルシラン、フェニルシラン、クロロシラン、及びシラザンからなる群より選択される少なくとも1つを含んでもよい。
【0061】
一実施例によれば、シラン系モノマーは、具体的に、ビニルトリメトキシシラン(vinyltrimethoxysilane)、ビニルトリエトキシシラン(vinyltriethoxysilane)、ビニルトリス(2-メトキシエトキシ)シラン(vinyltris(2-methoxyethoxy)silane)からなる群より選択される少なくとも1つを含むビニール基含有シラン系モノマー、3-メタクリルオキシプロピルトリメトキシシラン(3-methacryloxypropyltrimethoxysilane、MPTMS)、3-メタクリルオキシプロピルトリエトキシシラン(3-methacryloxypropyltriethoxysilane、MPTES)、3-メタクリルオキシプロピルメチルジメトキシシラン(3-methacryloxypropylmethyldimethoxysilane)、及び3-メタクリルオキシプロピルメチルジエトキシシラン(3-methacryloxypropylmethyldiethoxysilane)からなる群より選択される少なくとも1つを含むメタクリルオキシ基含有シラン系モノマー、ビニルトリアセトキシシラン(vinyltriacetoxysilane)を含むアセトキシ基含有シラン系モノマー、3-アクリルオキシプロピルトリメトキシシラン(3-acryloxypropyltrimethoxysilane、APTMS)、3-アクリルオキシプロピルトリエトキシシラン(3-acryloxypropyltriethoxysilane)又はその2つを含むアクリルオキシ基含有シラン系モノマー、3-グリシドキシプロピルトリメトキシシラン(3-glycidoxypropyltrimethoxysilane、GPTMS)、3-グリシドキシプロピルトリエトキシシラン(3-glycidoxypropyltriethoxysilane、GPTES)、3-グリシドキシプロピルメチルジメトキシシラン(3-glycidoxypropylmethyldimethoxysilane)、3-グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン(3-glycidoxypropylmethyldiethoxysilane)、2-(3、4-エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン(2-(3、4-epoxycyclohexyl)ethyltrimethoxysilane)からなる群より選択される少なくとも1つを含むエポキシ基含有シラン系モノマー、ビニルトリクロロシラン(vinyltrichlorosilane)を含むクロロ基含有シラン系モノマー、3-メルカプトプロピルトリメトキシシラン(3-mercaptopropyltrimethoxysilane)、3-メルカプトプロピルトリエトキシシラン(3-mercaptopropyltriethoxysilane)、3-メルカプトプロピルメチルジメトキシシラン(3-mercaptopropylmethyldimethoxysilane)、及び3-メルカプトプロピルメチルジエトキシシラン(3-mercaptopropylmethyldiethoxysilane)からなる群より選択される少なくとも1つを含むメルカプト基含有シラン系モノマー、3-トリメトキシシリルプロピルコハク酸無水物(3-trimethoxysilylpropyl succinic anhydride)、3-トリエトキシシリルプロピルコハク酸無水物(3-triethoxysilylpropyl succinic anhydride)を含む酸無水物基含有シラン系モノマー、3-アミノプロピルトリメトキシシラン(3-aminopropyltrimethoxysilane)、3-アミノプロピルトリエトキシシラン(3-aminopropyltriethoxysilane)、及びN-2-(アミノエチル)-3-アミノプロピルトリメトキシシラン(N-2-(aminoethyl)-3-aminopropyltrimethoxysilane)からなる群より選択される少なくとも1つを含むアミノ基含有シラン系モノマー、及び3-イソシアネートプロピルトリメトキシシラン(3-isocyanatopropyltrimethoxysilane)、3-イソシアネートプロピルトリエトキシシラン(3-isocyanatopropyltriethoxysilane)又はその2つを含むイソシアネート基含有シラン系モノマーからなる群より選択される少なくともいずれか1つを含んでもよい。一実施例によれば、シラン系モノマーは、シランカップリング剤であってもよい。
【0062】
一実施例によると、メタクリルレート系モノマーは、2-ヒドロキシエチルメタクリレート(2-hydroxyethyl methacrylate、2-HEMA)、2-ヒドロキシプロピルメタクリレート(2-hydroxypropyl methacrylate、2-HPMA)、2-ヒドロキシ-1-メチルエチルメタクリレート(2-hydroxy-1-methylethyl methacrylate)からなる群より選択される少なくとも1つを含んでもよい。
【0063】
一実施例によれば、表面処理剤は、下記の化学式1ないし化学式3のいずれか1つに表示される化合物を含んでもよい。
【0064】
[化学式1]
【0065】
【0066】
[化学式2]
【0067】
【0068】
[化学式3]
【0069】
【0070】
ここで、前記R1~R3は、それぞれH、飽和、又は、不飽和された直鎖又は分枝鎖のC1-C20のアルキル基、水酸化基、シラン基、及びアルコキシシラン基のうち少なくとも1つを含み、前記R4は、H又は水酸化基を含んでもよい。
【0071】
一実施例によれば、例えば、R1~R3は、それぞれC2-C12のアルキルトリメトキシシラン基、C2-C12のアルキルトリエトキシシラン基、及びC2-C12のアルキルジメトキシエトキシシラン基からなる群より選択される少なくとも1つを含むことができる。例えば、R1~R3は、それぞれエチルトリメトキシシラン基、プロピルトリメトキシシラン基、ブチルトリメトキシシラン基、ペンチルトリメトキシシラン基、ヘキシルトリメトキシシラン基、ヘプチルトリメトキシシラン基、オクチルトリメトキシシラン基、ノニルトリメトキシシラン基、デシルトリメトキシシラン基、ウンデシルトリメトキシシラン基、ドデシルトリメトキシシラン基、エチルトリエトキシシラン基、プロピルトリエトキシシラン基、ブチルトリエトキシシラン基、ペンチルトリエトキシシラン基、ヘキシルトリエトキシシラン基、ヘプチルトリエトキシシラン基、オクチルトリエトキシシラン基、ノニルトリエトキシシラン基、デシルトリエトキシシラン基、ウンデシルトリエトキシシラン基、ドデシルトリエトキシシラン基、エチルジメトキシエトキシシラン基、プロピルジメトキシエトキシシラン基、ブチルジメトキシエトキシシラン基、ペンチルジメトキシエトキシシラン基、ヘキシルジメトキシエトキシシラン基、ヘプチルジメトキシエトキシシラン基、オクチルジメトキシエトキシシラン基、ノニルジメトキシエトキシシラン基、デシルジメトキシエトキシシラン基、ウンデシルジメトキシエトキシシラン基、及びドデシルジメトキシエトキシシラン基からなる群より選択される少なくとも1つを含んでもよい。
【0072】
一実施例によれば、R4は、メタクリル基と連結される部分の反対側の末端にH原子又は水酸化基が形成されることができる。一実施例によれば、例えば、R4は、H、2-ヒドロキシエチル基、3-ヒドロキシプロピル基、及び2-ヒドロキシブチル基からなる群より選択される少なくとも1つを含んでもよい。
【0073】
一実施例によれば、表面処理剤は、異なる2つのメタクリレート系モノマーの共重合体であるか、アクリレート系モノマーとメタクリレート系モノマーの共重合体であるか、エポキシ系モノマー及びメタクリレート系モノマーの共重合体であってもよい。
【0074】
一実施例によれば、前記化学式1~化学式3のいずれか1つに表示される化合物を含む組成物用表面処理剤は、mとnの比率に応じて表面処理剤の特性が決定されることができる。一実施例によれば、mとnは1:2~2:1の間の整数比を有することができる。例えば、mとnは、1:1、3:2、2:3、4:3、5:3、3:4、5:4、又は、7:4のような整数比を有してもい。
【0075】
一実施例によれば、表面処理剤は、無機粒子100の重量部に対して10重量部~30重量部として含まれてもよい。一実施例によれば、表面処理剤が無機粒子100重量部に対して10重量部未満である場合に分散性が低下し、30重量部超過である場合はフィルムの製造時に硬化が円滑に行われない。
【0076】
一実施例によれば、表面処理剤は、BPO(benzoyl peroxide)、AIBN(azobisisobutyronitrile)及びAIBA(2、2’-azobis(2-methylpropionamidine)からなる群より選択される少なくとも1つの重合開始剤をさらに含んでもよい。一実施例によれば、重合開始剤は、パーオキサイド系化合物、アゾ化合物、又は両方を含んでもよい。
【0077】
一実施例によれば、重合開始剤は、表面処理剤のうち0.1重量%~1重量%であってもよい。一実施例によれば、重合開始剤が0.1重量%未満である場合、共重合が一部だけ行われ、重合開始剤の含量が1重量%を超過する場合、表面処理剤内の余分(excess)の重合開始剤が分布されて不純物として機能する。
【0078】
一実施例によれば、表面処理剤の光透過率は40%以上であってもよい。
【0079】
一実施例によれば、表面処理剤の光透過率は40%以上であるか、42%以上であるか、45%以上であるか、50%以上であってもよい。
【0080】
一実施例によれば、表面処理剤のヘイズ(haze)は80%以下であってもよい。
【0081】
一実施例によれば、表面処理剤のヘイズは80%以下であるか、70%以下であるか、60%以下であるか、50%以下であってもよい。
【0082】
一実施例によれば、組成物は、カルボキシル基、リン酸基、ホスホン酸基、スルホン酸基、及びフェノール性水酸基からなる群より選択される少なくとも1つの官能基を含む分散剤をさらに含んでもよい。一実施例によれば、分散剤は、好ましくはカルボキシル基を含んでもよい。
【0083】
一実施例によれば、分散剤は、市販製品から入手可能なものであってもよい。一実施例によれば、分散剤は、次のような商標名の下の分散剤として、DISPERBYK、DISPERBYK-101、DISPERBYK-102、DISPERBYK-103、DISPERBYK-106、DISPERBYK-107、DISPERBYK-108、DISPERBYK-109、DISPERBYK-110、DISPERBYK-111、DISPERBYK-112、DISPERBYK-115、DISPERBYK-116、DISPERBYK-118、DISPERBYK-130、DISPERBYK-140、DISPERBYK-142、DISPERBYK-145、DISPERBYK-160、DISPERBYK-161、DISPERBYK-162、DISPERBYK-163、DISPERBYK-164、DISPERBYK-165、DISPERBYK-166、DISPERBYK-167、DISPERBYK-168、DISPERBYK-169、DISPERBYK-170、DISPERBYK-171、DISPERBYK-174、DISPERBYK-176、DISPERBYK-180、DISPERBYK-181、DISPERBYK-182、DISPERBYK-183、DISPERBYK-184、DISPERBYK-185、DISPERBYK-187、DISPERBYK-190、DISPERBYK-191、DISPERBYK-192、DISPERBYK-193、DISPERBYK-194、DISPERBYK-2000、DISPERBYK-2001、DISPERBYK-2008、DISPERBYK-2009、DISPERBYK-2010、DISPERBYK-2020、DISPERBYK-2025、DISPERBYK-2050、DISPERBYK-2070、DISPERBYK-2090、DISPERBYK-2091、DISPERBYK-2095、DISPERBYK-2096、DISPERBYK-2150、DISPERBYK-2151、DISPERBYK-2152、DISPERBYK-2155、DISPERBYK-2163及びDISPERBYK-2164からなる群より選択される少なくとも1つを含んでもよい。また、一実施例によれば、分散剤は、前記商標であればその他にも、Antiterra-U、P104、Disperbyk110、Disperbyk130、Disperbyk160、Disperbyk170 Family、EFKA776、EFKA4050、EFKA4063、EFKA4051、Solsperse24000、Solsperse36600、Solsperse32600、Solsperse22000及びSolsperse5000からなる群より選択される少なくとも1つを含んでもよい。
【0084】
一実施例によれば、分散剤は、組成物100重量部に対して1重量部~10重量部として含まれてもよい。一実施例によれば、分散剤は、組成物100重量部に対して1重量部~5重量部、又は、3重量部~7重量部として含まれてもよい。
【0085】
一実施例によれば、組成物は分散溶媒をさらに含み、分散溶媒は、メチルエチルケトン(methyl ethyl ketone;MEK)、エタノール、メタノール、アセトニトリル(acetonitrile)、トルエン(Toluene)、テトラヒドロフラン(tetrahydrofuran、THF)、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(propylene glycol monomethyl ether acetate、PGMEA)及びエチルアセテート(ethyl acetate)からなる群より選択される少なくとも1つを含んでもよい。
【0086】
一実施例によれば、分散溶媒の重量は、表面改質された無機粒子の重量と同一であるか、それより大きくてもよい。一実施例によれば、表面改質された無機粒子と分散溶媒の重量比は1:1~1:2であってもよい。
【0087】
一実施例によれば、分散溶媒は、組成物のうち30重量%~60重量%であってもよい。一実施例によれば、分散溶媒は、30重量%以上、40重量%以上、又は、50重量%以上であるか、60重量%以下、50重量%以下、40重量%以下であるか、前記言及された数値のうち選択される2つの値の間の範囲に含まれてもよい。
【0088】
一実施例によれば、組成物の屈折率は1.50~1.80であってもよい。
【0089】
一実施例によれば、組成物は高屈折率の分散組成物として、屈折率が1.50以上、1.55以上、1.60以上、1.65以上、1.70以上、又は、1.75以上であるか、1.80以下、1.75以下、1.70以下、1.65以下、1.60以下、1.55以下であるか、前記言及された数値のうち選択される2つの値の間の範囲に含まれてもよい。
【0090】
一実施例によれば、組成物の粘度は、180cPs~20、000cPs(25℃基準)であってもよい。一実施例によれば、組成物の粘度は、MEK、トルエン(toluene)、エチルアセテート(ethyl acetate)のような粘度調節剤を介して粘度を調節することができ、一実施例によれば、組成物の粘度は、好ましくは、180cPs~10、000cPs(25℃基準)であってもよく、さらに好ましくは、180cPs~1、000cPs(25℃基準)であってもよい。
【0091】
一実施例によれば、組成物のヘイズ(haze)は15%以下であってもよい。
【0092】
一実施例によれば、組成物のヘイズは15%以下であってもよく、好ましくは14%以下であってもよく、さらに好ましくは6%以下であってもよい。
【0093】
本発明の一実施例に係る粘着フィルムは、一実施例に係る組成物を用いて製造することができる。本発明の一実施例に係る粘着フィルムは、一実施例に係る組成物として、表面処理剤により表面改質された無機粒子及びアクリル系モノマーを含み、無機粒子及び前記アクリル系モノマーは、1:1~2:1の重量比を有する組成物を用いて製造されてもよい。
【0094】
一実施例によれば、粘着フィルムは、例えば、OCAフィルム又はPSA(pressure sensitive adhesive)フィルムのような粘着フィルムであってもよく、柔軟性を有しながら光学的に透明な粘着フィルムを提供することができる。
【0095】
以下、実施例及び比較例により本発明をより詳しく説明する。
【0096】
但し、下記の実施例は本発明を例示するためのものであり、本発明の内容が下記の実施例に限定されることはない。
【0097】
1.表面処理剤の製造
【0098】
実施例1-1
【0099】
モノマーとして、3-メタクリルオキシプロピルトリメトキシシラン(MPTMS)と2-ヒドロキシエチルメタクリレート(2-HEMA)を1:1の重量比になるようメチルエチルケトン(MEK)溶媒下で混合した。重合開始剤としてAIBNを0.01g添加した。ここで、溶媒は、前記モノマーの総重量と同一に混合した。窒素の雰囲気下で60℃で3時間の間に成長させた後、常温で12時間の間に混合物を撹拌してモノマーを重合させてポリマーを収得した。
【0100】
比較例1-1
【0101】
上記の実施例1-1で、2-HEMAの代わりに2-ヒドロキシエチルアクリレート(2-HEA)を使用したことを除外し、残りは同一にポリマーを収得した。
【0102】
比較例1-2
【0103】
上記の実施例1-1で、2-HEMAの代わりに2-ヒドロキシブチルアクリレート(2-HBA)を使用したことを除外し、残りは同一にポリマーを収得した。
【0104】
2.表面処理された無機粒子分散液の製造
【0105】
実施例2-1
【0106】
平均粒子直径が10nmであるジルコニア粉末40g、分散溶媒としてメチルエチルケトン(MEK)を60g、及び表面処理剤として実施例1-1によるポリマーをジルコニア粉末100重量部に対して20重量部で添加して3時間の間に分散させて無機粒子分散液を製造した。
【0107】
実施例2-2
【0108】
上記の実施例2-1で、表面処理剤の添加量をジルコニア粉末100重量部に対して30重量部を添加したことを除外し、残りは同一に無機粒子分散液を製造した。
【0109】
実施例2-3
【0110】
上記の実施例2-1で、表面処理剤の添加量をジルコニア粉末100重量部に対して40重量部を添加したことを除外し、残りは同一に無機粒子分散液を製造した。
【0111】
比較例2-1
【0112】
上記の実施例2-1で、表面処理剤として比較例1-1によるポリマーを添加したことを除外し、残りは同一に無機粒子分散液を製造した。
【0113】
比較例2-2
【0114】
前記比較例2-1で、表面処理剤の添加量をジルコニア粉末100重量部に対し30重量部を添加したことを除外し、残りは同一に無機粒子分散液を製造した。
【0115】
比較例2-3
【0116】
前記比較例2-1で、表面処理剤の添加量をジルコニア粉末100重量部に対し40重量部を添加したことを除外し、残りは同一に無機粒子分散液を製造した。
【0117】
比較例2-4
【0118】
上記の実施例2-1で、表面処理剤として比較例1-2によるポリマーを添加したことを除外し、残りは同一に無機粒子分散液を製造した。
【0119】
比較例2-5
【0120】
前記比較例2-4で、表面処理剤の添加量をジルコニア粉末100重量部に対し30重量部を添加したことを除外し、残りは同一に無機粒子分散液を製造した。
【0121】
比較例2-6
【0122】
前記比較例2-4で、表面処理剤の添加量をジルコニア粉末100重量部に対し40重量部を添加したことを除外し、残りは同一に無機粒子分散液を製造した。
【0123】
比較例2-7
【0124】
平均粒子直径が10nmであるジルコニア粉末40g、及び分散溶媒としてメチルエチルケトン(MEK)を60g、及び表面処理剤としてメタクリルオキシプロピルトリメトキシシランをジルコニア粉末100重量部に対して10重量部で添加して3時間の間に分散させて無機粒子分散液を製造した。
【0125】
比較例2-8
【0126】
前記比較例2-7で、表面処理剤の添加量をジルコニア粉末100重量部に対して15重量部を添加したことを除外し、残りは同一に無機粒子分散液を製造した。
【0127】
比較例2-9
【0128】
前記比較例2-7で、表面処理剤の添加量をジルコニア粉末100重量部に対して20重量部を添加したことを除外し、残りは同一に無機粒子分散液を製造した。
【0129】
試験例1:無機粒子分散液の光学的な特徴
【0130】
上記の実施例2-1~2-3及び比較例2-1~2-9による無機粒子分散液の光学的な特徴を確認するために、総光透過率及びヘイズを測定し、下記の表1に示した。
【0131】
【0132】
3.有機・無機ハイブリッド組成物の製造実施例3-1
【0133】
全体組成物を基準にして分散溶媒としてメチルエチルケトン(MEK)を50重量%、平均粒子直径が10nmであるジルコニア粉末を40重量%、表面処理剤として実施例1-1によるポリマーを10重量%になるように混合した後、30分間撹拌した。その後、ジルコニア粒子がまんべんなく分散できるように前記混合物100重量部を基準にしてジルコニアビーズ(平均粒子直径:0.05mm)を200重量部投入した後、ペイントシェーカー(paint shaker)で3時間の間に分散して分散液を回収した。製造された分散液50重量部を基準にして、アクリル系モノマーとしてブチルアクリレート(butylacrylate)を45重量部、分散剤5重量部を添加した後、減圧して分散溶媒を除去し組成物を製造した。
【0134】
実施例3-2
【0135】
上記の実施例3-1で、アクリル系モノマーとして2-エチルヘキシルアクリレート(2-ethylhexyl acrylate)を添加したことを除外し、残りは同一に組成物を製造した。
【0136】
実施例3-3
【0137】
上記の実施例3-1で、アクリル系モノマーとしてイソボルニルアクリレート(isobornyl acrylate)を添加したことを除外し、残りは同一に組成物を製造した。
【0138】
実施例3-4
【0139】
上記の実施例3-1で、アクリル系モノマーとして4-アクリロイルモルホリン(4-acryloyl morpholine)を添加したことを除外し、残りは同一に組成物を製造した。
【0140】
比較例3-1
【0141】
上記の実施例3-1で、表面処理剤としてメタクリルオキシプロピルトリメトキシシランを添加したことを除外し、残りは同一に組成物を製造した。
【0142】
比較例3-2
【0143】
前記比較例3-1で、アクリル系モノマーとして2-エチルヘキシルアクリレート(2-ethylhexyl acrylate)を添加したことを除外し、残りは同一に組成物を製造した。
【0144】
比較例3-3
【0145】
前記比較例3-1で、アクリル系モノマーとしてイソボルニルアクリレート(isobornyl acrylate)を添加したことを除外し、残りは同一に組成物を製造した。
【0146】
比較例3-4
【0147】
前記比較例3-1で、アクリル系モノマーとして4-アクリロイルモルホリン(4-acryloyl morpholine)を添加したことを除外し、残りは同一に組成物を製造した。
【0148】
試験例2:有機・無機ハイブリッド組成物の物性
【0149】
上記の実施例3-1~3-4及び比較例3-1~3-4による組成物の物性を確認するために、屈折率、粘度、及びヘイズを測定して下記の表2に示した。
【0150】
【0151】
以上のように実施例について説明しが、該当技術分野で通常の知識を有する者であれば、上記に基づいて多様な技術的な修正及び変形を適用することができる。例えば、説明された技術が説明した方法とは異なる順に実行されたり、及び/又は説明されたシステム、構造、装置、回路などの構成要素が説明した方法とは異なる形態に結合又は組み合わせられたり、他の構成要素又は均等物によって代置又は置換されても適切な結果を達成することができる。したがって、他の具現、他の実施例、及び特許請求の範囲と均等なものも後述する請求範囲に属する。
【国際調査報告】