(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-10-18
(54)【発明の名称】燃料電池システムを作動させる方法、燃料電池システム
(51)【国際特許分類】
H01M 8/04828 20160101AFI20241010BHJP
H01M 8/04298 20160101ALI20241010BHJP
H01M 8/0432 20160101ALI20241010BHJP
H01M 8/04701 20160101ALI20241010BHJP
【FI】
H01M8/04828
H01M8/04298
H01M8/0432
H01M8/04701
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024529853
(86)(22)【出願日】2022-11-21
(85)【翻訳文提出日】2024-05-20
(86)【国際出願番号】 EP2022082616
(87)【国際公開番号】W WO2023094318
(87)【国際公開日】2023-06-01
(31)【優先権主張番号】102021213415.7
(32)【優先日】2021-11-29
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】591245473
【氏名又は名称】ロベルト・ボッシュ・ゲゼルシャフト・ミト・ベシュレンクテル・ハフツング
【氏名又は名称原語表記】ROBERT BOSCH GMBH
(74)【代理人】
【識別番号】100177839
【氏名又は名称】大場 玲児
(74)【代理人】
【識別番号】100172340
【氏名又は名称】高橋 始
(74)【代理人】
【識別番号】100182626
【氏名又は名称】八島 剛
(72)【発明者】
【氏名】カッツ,マルティン
(72)【発明者】
【氏名】ヴェスナー,ヨッヘン
【テーマコード(参考)】
5H127
【Fターム(参考)】
5H127AC07
5H127AC10
5H127BA02
5H127BB02
5H127BB07
5H127BB12
5H127BB23
5H127BB32
5H127BB37
5H127BB39
5H127DB23
5H127DB26
5H127DC21
5H127DC27
(57)【要約】
燃料電池システム(1)を作動させる方法であって、空気供給経路(3)を介して空気が供給される少なくとも1つの燃料電池(2)を含み、この空気は燃料電池(2)に入る前に、空気供給経路(3)に組み込まれた空気圧縮機(4)によって圧縮されて、空気圧縮機(4)の下流側で空気供給経路(3)に組み込まれた、ポンプ(6)により水がタンク(7)から第1の配管を介して供給されるバルブユニット(5)によって給湿される。空気供給経路(3)の中の圧縮された空気の温度が要求される温度レベルを下回っているときに、第1の配管の中の水が加熱される。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
燃料電池システム(1)を作動させる方法であって、空気供給経路(3)を介して空気が供給される少なくとも1つの燃料電池(2)を含み、この空気は前記燃料電池(2)に入る前に、前記空気供給経路(3)に組み込まれた空気圧縮機(4)によって圧縮されて、前記空気圧縮機(4)の下流側で前記空気供給経路(3)に組み込まれた、ポンプ(6)により水がタンク(7)から第1の配管(30)を介して供給されるバルブユニット(5)によって給湿される、方法において、前記空気圧縮機(4)の下流側における前記空気供給経路(3)の中の圧縮された空気の温度が要求される温度レベルを下回っているときに、前記第1の配管(30)の中の水が加熱されることを特徴とする、方法。
【請求項2】
前記ポンプ(6)によって水が、前記空気圧縮機(4)の下流側における前記空気供給経路(3)のガス圧を上回る圧力レベルになるように圧送されることを特徴とする、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記空気圧縮機(4)の下流側における前記空気供給経路(3)の中の圧縮された空気の温度が前記空気圧縮機(4)の負荷点を参照して決定されることを特徴とする、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
水を加熱するために必要なエネルギーがヒートパイプ(31)によって前記空気圧縮機(4)から提供されることを特徴とする、請求項1から3までのいずれか1項に記載の方法。
【請求項5】
特に前記ヒートパイプ(31)によって提供されるエネルギーが十分でない場合に、水を加熱するための加熱部(32)が利用されることを特徴とする、請求項4に記載の方法。
【請求項6】
湿度分布を最適化するために、圧縮されて給湿された空気が、好ましくは前記バルブユニット(5)と熱交換器(8)の間で前記空気供給経路(3)に組み込まれた混合区間(9)に通されることを特徴とする、請求項1から5までのいずれか1項に記載の方法。
【請求項7】
前記空気圧縮機(4)の下流側における前記空気供給経路(3)の中の圧縮された空気の圧力に相当する圧力のもとにある水の沸騰温度を上回る温度まで、前記第1の配管(30)の中の水が加熱されることを特徴とする、請求項1から6までのいずれか1項に記載の方法。
【請求項8】
燃料電池システム(1)であって、空気供給経路(3)を介して空気を供給可能である少なくとも1つの燃料電池(2)を含み、前記空気供給経路(3)に、空気を圧縮するための空気圧縮機(4)と、前記空気圧縮機(4)の下流側で空気の給湿をするための少なくとも1つのバルブユニット(5)とが組み込まれ、第1のバルブユニット(5)は第1の配管(30)とポンプ(6)とを介して水を貯蔵するためのタンク(7)と接続される、燃料電池システムにおいて、前記第1の配管(30)は水を加熱することができる加熱装置(33)を有することを特徴とする、燃料電池システム。
【請求項9】
前記加熱装置(33)はヒートパイプ(31)および/または電気式の加熱部(32)として構成されることを特徴とする、請求項8に記載の燃料電池システム(1)。
【請求項10】
前記バルブユニット(5)の下流側で混合区間(9)が前記空気供給経路(3)に組み込まれ、好ましくは前記混合区間(9)は前記バルブユニット(5)と前記熱交換器(8)の間に配置されることを特徴とする、請求項8または9に記載の燃料電池システム(1)。
【請求項11】
第2のバルブユニット(51)が第2の配管(35)を介して前記ポンプ(6)および前記タンク(7)と接続され、水が前記第2のバルブユニット(51)を介して前記空気圧縮機(4)の高い負荷点のもとで噴射されることを特徴とする、請求項に記載の燃料電池システム(1)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、燃料電池システムを作動させる方法に関し、および、この方法を実施するのに適した、ないしはこの方法に基づいて作動可能である、燃料電池システムに関する。
【背景技術】
【0002】
燃料電池は、たとえば水素などの燃料と酸素とを、電気エネルギー、熱、および水に変換する。酸素供給源として空気、特に周囲空気が利用される。空気は空気供給経路を介して、燃料電池のカソードに供給される。エネルギー変換プロセスは、ある程度の空気質量流量とある程度の圧力レベルとを必要とするので、カソード側で供給される空気は、空気供給経路に配置された空気圧縮機によって事前に圧縮される。燃料電池へ入る前に、燃料電池の膜の乾燥を防止するために、空気がさらに給湿される。そうしないと燃料電池が損傷する危険がある。
【0003】
給湿をするために、水を、特に燃料電池の作動時に発生する生成水を、燃料電池の出口側から入口側へと輸送するGas-to-Gas型の膜給湿器を利用することができる。交換面が広くなくてはならないため、要求される水分質量流量を輸送するためには、このような給湿器の所要スペースがかなり大きくなる。さらに、出口側に十分な水がある場合にしか水を輸送することができない。水が交換区域にどうしても残るため、このことが凍結時に氷圧に基づく損傷につながりかねない。それに加えて、このような種類の給湿器では、水分移送を直接的にコントロールする介入手段がない。そのために典型的には、バイパスフラップにより燃料電池の入口での湿度の調整を可能にするバイパス通路が、両方の側のうちの一方に設けられる。このようなコンセプトを正確に制御するのは難しく、それに応じて高いコストがかかる。
【0004】
その代替として、スプレー調量によって給湿を行うこともできる。しかしその場合、空気が十分に高温であるように留意しなくてはならない。このことは、高い負荷点のもとでは、コンプレッサの圧縮動作によって行われる。低い負荷点のもとでは、その熱では十分でなく、追加の水によって空気が冷却され、引き続いて熱交換機で再び目標温度にされなくてはならない。その際に液体の水は、そのために適した目標湿度を実現するために、蒸発させざるを得ない。このようなコンディショナは広い設計スペースを必要とし、設計が難しい。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
したがって本発明の課題は、空気の入口湿度と入口温度の正確な調整を可能にし、さらには簡易に具体化することができる、燃料電池システムの空気供給経路で空気を給湿するためのコンセプトを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
この課題を解決するために、請求項1の構成要件を有する方法、および請求項7の構成要件を有する燃料電池システムが提案される。本発明の好ましい発展形態は、それぞれの従属請求項から読み取ることができる。
【0007】
独立請求項1の構成要件を有する本発明の方法、および独立請求項7の構成要件を有する本発明の燃料電池システムは、空気圧縮機のすべての動作点のもとで、空気供給経路へ噴射されるときに水が蒸発することを保証できるという利点を有する。
【0008】
低い負荷点のもとで、空気供給経路の空気が冷却されることが回避される。さらに、本発明の方法により、空気供給経路の空気を引き続いて熱交換器で目標温度にしなければならないことが回避される。空気供給経路で液体の水が発生することがないので、それに適した目標湿度を実現するために、これを熱交換器で蒸発させなくてすむ。このことは高いエネルギー節約に帰結する。さらに、燃料電池の前の熱交換器を小型に設計することができるので、コストと設計スペースを節減することができる。
【0009】
空気圧縮機の特定の動作点で、特に低い負荷点のもとで、水が蒸気として噴射され、ないしは噴射のときに蒸発することを保証するために水が噴射のために高い圧力にされ、それにより水の沸点が、空気圧縮機の下流側における空気供給経路の中の圧縮された空気中の相応の水の沸点を上回る。このとき空気圧は約3バールを上回るのが特別に好ましい。
【0010】
ポンプによってタンクからの水が、供給空路経路のガス圧を上回る、噴射のための圧力レベルになるように圧送されるのが好ましい。このようにして空気供給経路へ注入されるとき、少なくとも1つのバルブユニットによって水を細かく噴霧化することができる。
【0011】
さらに、圧縮された水を第1の配管で、空気圧縮機の下流側における空気供給経路の圧縮された空気中の水の沸騰温度を上回る温度にすることができる。したがって、圧縮された水は第1の配管で、空気圧縮機の下流側における空気供給経路の圧縮された空気の現在の圧力に相当する圧力のもとでの水の沸騰温度よりも高い温度まで加熱される。
【0012】
このようにしてバルブユニットは、高温ではあるが液状の(したがって調量しやすい)水を、空気供給経路の空気の中へと調量することができる。バルブユニットを介しての応力緩和によって水が蒸発し、それにより、水分供給が蒸気として行われる。蒸気としての供給によってカソードガスの温度が上昇する。
【0013】
高い負荷点のもとでは、引き続き、加熱されていない水を供給調量することができる。
【0014】
水を加熱するために必要なエネルギーがヒートパイプによって空気圧縮機から提供されると好ましい。このようにして、すでに存在している熱エネルギーを、水の加熱のために低コストに利用することができるからである。
【0015】
ヒートパイプによって提供されるエネルギーが十分ではない場合に、水を加熱するための加熱部は簡易であり、したがって好ましい代替案である。
【0016】
バルブユニットにより、水をスプレーとして注入することができる。すなわち水が、水の蒸発を容易にする微細な液滴の形態で注入される。それと同時に、このようにして空気供給経路での水の良好な分配が実現される。圧縮の直後に水が注入される場合、空気圧縮機の出口での渦流を、水と空気との最善の混合のために利用することができる。それと同時に圧縮機の直後に、バルブユニットにより注入された水がダイレクトに蒸発する程度に強力に空気が加熱される。
【0017】
湿度分布を最適化するために、圧縮されて給湿された空気が混合区間を介して案内されるのが好ましい。このようにして混合区間の長さに応じて、混合区間の最後に残る液体の水の割合が許容可能なレベルまで低下していることを、同時に保証することができる。混合区間は、少なくとも1つのバルブユニットと熱交換器との間で空気供給経路に組み込まれるのが好ましい。その場合、混合区間の最後に空気中に残る液体の水の割合を、熱交換器を貫流するときに気化させることができる。
【0018】
このように、提案される燃料電池システムは、上に説明した本発明の方法を実施するために必要なすべてのコンポーネントを有する。それに応じて提案される燃料電池システムを、このような方法に基づいて作動させることができる。それに応じてこの燃料電池システムにより、上で説明した本発明の方法によるのと同じ利点を実現可能である。
【0019】
第2のバルブユニットが第2の配管を介してポンプおよびタンクと接続されていると、特別な利点がもたらされる。水を第2のバルブユニットを介して、水を加熱しなくてもよい空気圧縮機の高い負荷点のもとで、第2のバルブユニットを介して噴射することができるからである。
【0020】
少なくとも1つのバルブユニットの下流側で、熱交換器が空気供給経路に組み込まれるのが好ましい。熱交換器によって、燃料電池に入る前に空気を要求される目標温度にすることができる。さらに熱交換器の貫流時に、空気中に存在している残りの液体の水が蒸発する。このように熱交換器は、注入される水の完全な蒸発を補助する。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【
図1】第1の実施例に基づく、本発明による燃料電池システムを示す模式図である。
【
図2】第2の実施例に基づく、本発明による燃料電池システムを示す模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
図1には、カソード11およびアノード12を有する少なくとも1つの燃料電池スタック2を有する、本発明の第1の実施例に基づく燃料電池システム1の模式的なトポロジーが示されている。カソード11には、空気供給経路3を介して空気を供給可能である。アノード12には、詳しくは図示しないアノード回路を介して燃料を、特に水素を、供給可能である。さらに燃料電池2は冷却回路への接続部13を有しており、それより、これを介して燃料電池2の排熱を排出可能である。これに加えて、詳しくは図示しない電気コンポーネントのための接続部14が設けられている。
【0023】
燃料電池2に空気供給経路3を介して供給される空気は周囲から取り込まれ、空気フィルタ21を介して、空気供給経路3に組み込まれた空気圧縮機4に供給される。空気圧縮機4によって空気が圧縮され、その際に空気が加熱される。空気圧縮機4の下流側で空気供給経路3に配置されたバルブユニット5によって、引き続き、空気の給湿をするために空気供給経路3へ水が噴射注入される。そのためにバルブユニット5は、第1の配管30とポンプ6とを介して、水が中に貯蔵されたタンク7と接続されている。これは特に脱イオン水であってよい。空気供給経路3の中の空気の給湿のためにバルブユニット5が利用されることにより、注入時に水を非常に細かく噴霧化することができる。すなわち、加熱された空気中で容易に蒸発し、そのようにして均等に配分される微小な液滴が形成される。
【0024】
混合を促進するために、空気供給経路3はバルブユニット5の下流側で混合区間9を形成する。これは熱交換器8へと通じていて、これにより、圧縮されて給湿された空気の温度を、燃料電池2に入る前に調整することができる。
【0025】
混合区間9は、もっとも単純な実施形態では、単純なパイプであってよい。水滴の配分を促進するために、貫流する空気の渦流化につながる取付部品(図示せず)が設けられていてよい。
【0026】
燃料電池2から外に出る空気ないし排気は、排気経路15を介してタービン16に供給されて、それ以前の圧縮時に注入されたエネルギーの一部を回収する。タービン16に排気が入る前に、排気経路15に組み込まれた水分離機17によって、排気から水が取り出される。この措置はタービン16の保護に役立つ。
【0027】
図1の図面の代替として、バルブユニット5を混合区間9の内部に配置することもできる。
【0028】
バルブユニット5によって細かく噴霧化された水が空気に混入されて、湿った空気へと移行する。その際に空気が冷却される。
【0029】
第1の配管30は、ポンプ6とバルブユニット5の間に配置された加熱装置33を有している。加熱装置33は、水を加熱するための役目を果たす。
【0030】
加熱装置33はヒートパイプ31として構成されていてよく、ヒートパイプ31は熱エネルギーを熱源から第1の配管30の水へと輸送する。本発明の1つの実施形態では、ヒートパイプ31によって第1の配管30の中の水を加熱するのに必要な温度レベルを、空気圧縮機4から提供することができる。その代替としてヒートパイプ31は、燃料電池システム1の内部にある別の高温のコンポーネントと接続されていてよい。
【0031】
代替的な実施形態では、水を加熱するために、電気式の追加加熱部32が第1の配管30の内部に配置されていてよい。この電気式の追加加熱部は、ヒートパイプ31によって提供される温度レベルが第1の配管30の中の水を加熱するのに十分でない場合に、ヒートパイプ31を補助する役目も果たすことができる。
【0032】
したがって加熱装置33は、ヒートパイプ31および/または電気式の加熱部32として構成されていてよい。
【0033】
空気圧縮機4の下流側における空気供給経路3の圧縮された空気の温度が、要求される温度レベルを下回っているときに、第1の配管30の中の水が加熱される。
【0034】
空気圧縮機4の下流側における空気供給経路3の圧縮された空気の温度は、空気供給経路3の中の温度センサによって決定することができる。本発明の1つの実施形態では、空気圧縮機4の下流側における空気供給経路3の中の圧縮された空気の温度は、空気圧縮機4の負荷点を参照して決定される。
【0035】
第1の配管30の中の水は、ポンプ6により、空気圧縮機4の下流側での空気供給経路3のガス圧を上回る圧力レベルとなるように圧送される。
【0036】
燃料電池2の入口での目標湿度の制御は、バルブユニット5で可変に調整可能な水分質量流量によって具体化することができる。このようにして、どのような負荷状態のときでも最善に水を調量供給し、そのつどの目標湿度を調整することができる。
【0037】
図2には、本発明の第2の実施例に基づく燃料電池システム1の模式的なトポロジーが示されている。
図2に示す燃料電池システム1は、以下に説明する相違点を除いて、
図1のトポロジーに相当する。
【0038】
第2のバルブユニット51が、空気圧縮機4の下流側で空気供給経路3に配置されている。第2のバルブユニット51を介しても、空気への給湿をするために、空気供給経路3へ水を噴射注入することができる。そのためにバルブユニット50は、第2の配管35を介して、ポンプ6およびタンク7と接続される。
【0039】
第2の配管35に、開閉することができる第2のバルブユニット51が配置されていてよい。第2のバルブユニット51は、加熱されていない水を、圧縮機4の高い負荷点のもとで、空気供給経路3へ調量供給する役目を果たす。
【符号の説明】
【0040】
1 燃料電池システム
2 燃料電池
3 空気供給経路
4 空気圧縮機
5 バルブユニット
6 ポンプ
7 タンク
8 熱交換器
9 混合区間
30 第1の配管
31 ヒートパイプ
32 加熱部
33 加熱装置
51 第2のバルブユニット
【手続補正書】
【提出日】2024-05-20
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
燃料電池システム(1)を作動させる方法であって、空気供給経路(3)を介して空気が供給される少なくとも1つの燃料電池(2)を含み、この空気は前記燃料電池(2)に入る前に、前記空気供給経路(3)に組み込まれた空気圧縮機(4)によって圧縮されて、前記空気圧縮機(4)の下流側で前記空気供給経路(3)に組み込まれた、ポンプ(6)により水がタンク(7)から第1の配管(30)を介して供給されるバルブユニット(5)によって給湿される、方法において、前記空気圧縮機(4)の下流側における前記空気供給経路(3)の中の圧縮された空気の温度が要求される温度レベルを下回っているときに、前記第1の配管(30)の中の水が加熱されることを特徴とする、方法。
【請求項2】
前記ポンプ(6)によって水が、前記空気圧縮機(4)の下流側における前記空気供給経路(3)のガス圧を上回る圧力レベルになるように圧送されることを特徴とする、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記空気圧縮機(4)の下流側における前記空気供給経路(3)の中の圧縮された空気の温度が前記空気圧縮機(4)の負荷点を参照して決定されることを特徴とする、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
水を加熱するために必要なエネルギーがヒートパイプ(31)によって前記空気圧縮機(4)から提供されることを特徴とする、請求項1から3までのいずれか1項に記載の方法。
【請求項5】
特に前記ヒートパイプ(31)によって提供されるエネルギーが十分でない場合に、水を加熱するための加熱部(32)が利用されることを特徴とする、請求項4に記載の方法。
【請求項6】
湿度分布を最適化するために、圧縮されて給湿された空気が、好ましくは前記バルブユニット(5)と熱交換器(8)の間で前記空気供給経路(3)に組み込まれた混合区間(9)に通されることを特徴とする、請求項1から
3までのいずれか1項に記載の方法。
【請求項7】
前記空気圧縮機(4)の下流側における前記空気供給経路(3)の中の圧縮された空気の圧力に相当する圧力のもとにある水の沸騰温度を上回る温度まで、前記第1の配管(30)の中の水が加熱されることを特徴とする、請求項1から
3までのいずれか1項に記載の方法。
【請求項8】
燃料電池システム(1)であって、空気供給経路(3)を介して空気を供給可能である少なくとも1つの燃料電池(2)を含み、前記空気供給経路(3)に、空気を圧縮するための空気圧縮機(4)と、前記空気圧縮機(4)の下流側で空気の給湿をするための少なくとも1つのバルブユニット(5)とが組み込まれ、第1のバルブユニット(5)は第1の配管(30)とポンプ(6)とを介して水を貯蔵するためのタンク(7)と接続される、燃料電池システムにおいて、前記第1の配管(30)は水を加熱することができる加熱装置(33)を有することを特徴とする、燃料電池システム。
【請求項9】
前記加熱装置(33)はヒートパイプ(31)および/または電気式の加熱部(32)として構成されることを特徴とする、請求項8に記載の燃料電池システム(1)。
【請求項10】
前記バルブユニット(5)の下流側で混合区間(9)が前記空気供給経路(3)に組み込まれ、好ましくは前記混合区間(9)は前記バルブユニット(5)
と熱交換器(8)の間に配置されることを特徴とする、請求項8または9に記載の燃料電池システム(1)。
【請求項11】
第2のバルブユニット(51)が第2の配管(35)を介して前記ポンプ(6)および前記タンク(7)と接続され、水が前記第2のバルブユニット(51)を介して前記空気圧縮機(4)の高い負荷点のもとで噴射されることを特徴とする、請求項
8または9に記載の燃料電池システム(1)。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0006
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0006】
この課題を解決するために、請求項1の構成要件を有する方法、および請求項8の構成要件を有する燃料電池システムが提案される。本発明の好ましい発展形態は、それぞれの従属請求項から読み取ることができる。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0007
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0007】
独立請求項1の構成要件を有する本発明の方法、および独立請求項8の構成要件を有する本発明の燃料電池システムは、空気圧縮機のすべての動作点のもとで、空気供給経路へ噴射されるときに水が蒸発することを保証できるという利点を有する。
【手続補正4】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0038
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0038】
第2のバルブユニット51が、空気圧縮機4の下流側で空気供給経路3に配置されている。第2のバルブユニット51を介しても、空気への給湿をするために、空気供給経路3へ水を噴射注入することができる。そのためにバルブユニット51は、第2の配管35を介して、ポンプ6およびタンク7と接続される。
【国際調査報告】