(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-10-18
(54)【発明の名称】酸化窒素供与体型ベラプロスト系誘導体、その医薬組成物及びその使用
(51)【国際特許分類】
C07D 307/93 20060101AFI20241010BHJP
A61K 31/5585 20060101ALI20241010BHJP
C07D 413/12 20060101ALI20241010BHJP
A61P 43/00 20060101ALI20241010BHJP
A61P 9/00 20060101ALI20241010BHJP
A61P 9/10 20060101ALI20241010BHJP
A61P 13/12 20060101ALI20241010BHJP
A61P 27/02 20060101ALI20241010BHJP
A61P 27/06 20060101ALI20241010BHJP
A61P 19/10 20060101ALI20241010BHJP
A61K 9/16 20060101ALI20241010BHJP
A61K 9/48 20060101ALI20241010BHJP
A61K 9/20 20060101ALI20241010BHJP
【FI】
C07D307/93 CSP
A61K31/5585
C07D413/12
A61P43/00 112
A61P9/00
A61P9/10
A61P13/12
A61P27/02
A61P27/06
A61P19/10
A61K9/16
A61K9/48
A61K9/20
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024529927
(86)(22)【出願日】2023-01-16
(85)【翻訳文提出日】2024-07-22
(86)【国際出願番号】 CN2023072256
(87)【国際公開番号】W WO2023088497
(87)【国際公開日】2023-05-25
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】524190900
【氏名又は名称】広州楷石医薬有限公司
【氏名又は名称原語表記】GUANGZHOU KEMROCMED CO., LTD.
【住所又は居所原語表記】Room 907, Tower D, Guangzhou International Airport Center No.1 Lvgang 3rd Street, Huadu District Guangzhou, Guangdong 510800, China
(74)【代理人】
【識別番号】110002262
【氏名又は名称】TRY国際弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】黄 夏梦
(72)【発明者】
【氏名】潘 静帆
(72)【発明者】
【氏名】呉 暁川
【テーマコード(参考)】
4C076
4C086
【Fターム(参考)】
4C076AA31
4C076AA36
4C076AA53
4C076BB01
4C076BB11
4C076BB31
4C076CC10
4C076CC11
4C076CC17
4C076CC29
4C086AA01
4C086AA02
4C086AA03
4C086DA06
4C086MA01
4C086MA04
4C086MA35
4C086MA37
4C086MA41
4C086MA52
4C086MA63
4C086MA66
4C086NA14
4C086ZA33
4C086ZA36
4C086ZA81
4C086ZA97
4C086ZC12
(57)【要約】
本発明は、一連の新規化合物を開示し、該化合物は、ベラプロストと一酸化窒素供与体を含有し、下記式Iで示されるものである。本発明は、この一連の化合物、その医薬組成物及びその使用に関する。本発明は、ベラプロストナトリウムとNO供与体を組み合わせた薬物を提供し、これにより、除去半減期が短く、1日あたりの投与回数が多く、治療効果には飽和効果があるというベラプロストナトリウムの欠陥、及び、ガスであるので溶液中の速い分解により代謝半減期が短くなるというNOの欠点を解決し、新規化合物は、元のベラプロストの投与量と頻度を減らし、また、この化合物が生体内でNO分子を放出することによる平滑筋弛緩作用を利用し、この二重作用により、2つの薬物の相乗効果を発揮し、薬物の有効性及び安全性を向上させる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
下記式Iで示される一酸化窒素供与体型ベラプロスト系誘導体又はその薬学的に許容可能な塩。
(nは、0、1、2、3又は4であり、
Rは、-X-ONO
2、-OC(O)-X-ONO
2、-O-X-ONO
2、又は
ここで、Xは、直鎖又は分岐のC
1~C
10アルキル、シクロアルキル、又は-C
1~C
10アルキル-芳香環-であり、ここで、C
1~C
10アルキル、C
5~7シクロアルキル、又は芳香環は、ハロゲン原子、ヒドロキシ、カルボキシ、シアノ、又は-(C
1~C
10アルキル)-ONO
2のうちの1つ又は複数の置換基で置換されていてもよい。)
【請求項2】
前記シクロアルキルはC
5~7シクロアルキルであり、芳香環はC
5~10芳香環である、ことを特徴とする請求項1に記載の一酸化窒素供与体型ベラプロスト系誘導体又はその薬学的に許容可能な塩。
【請求項3】
以下の構造の何れかを含む、ことを特徴とする請求項1又は2に記載の一酸化窒素供与体型ベラプロスト系誘導体又はその薬学的に許容可能な塩。
【請求項4】
請求項1~3のいずれか1項に記載の一酸化窒素供与体型ベラプロスト系誘導体又はその薬学的に許容可能な塩のプロスタサイクリン類似体としての使用。
【請求項5】
肺動脈高血圧症、心筋梗塞、腎臓病、閉塞性動脈硬化症などの末梢血管疾患、眼疾患(例えば、糖尿病性眼底病変、緑内障など)、骨粗鬆症、閉塞性血栓脈管炎、血栓塞栓症などの複数の疾患を治療する治療薬の製造における請求項1~3のいずれか1項に記載の一酸化窒素供与体型ベラプロスト系誘導体又はその薬学的に許容可能な塩。
【請求項6】
請求項1~3のいずれか1項に記載の一酸化窒素供与体型ベラプロスト系誘導体又はその薬学的に許容可能な塩と、薬学的に許容される担体と、を含む、ことを特徴とする医薬組成物。
【請求項7】
前記担体は、徐放剤、賦形剤、充填剤、結合剤、湿潤剤、崩壊剤、吸収促進剤、吸着担体、界面活性剤、及び滑沢剤のうちのいずれか1種又は2種以上の混合物である、ことを特徴とする請求項6に記載の医薬組成物。
【請求項8】
外用製剤、経口製剤、及び注射製剤のうちのいずれかである、ことを特徴とする請求項6~7のいずれか1項に記載の医薬組成物。
【請求項9】
前記経口製剤は、顆粒剤、カプセル剤、及び錠剤のうちのいずれかである、ことを特徴とする請求項8に記載の医薬組成物。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、医薬分野に属し、具体的には、酸化窒素供与体型ベラプロスト系誘導体又はその薬学的に許容可能な塩、並びに、その医薬組成物及びその使用に関する。
【背景技術】
【0002】
肺高血圧症(PH:Pulmonary Hypertension、肺動脈高血圧症(PAH:Pulmonary Arterial Hypertension)を含む)は、肺血管抵抗の増加と右心室不全を特徴とする疾患である。肺高血圧症と確診された患者の生存期間は短く、死亡率が高い悪性疾患である。
【0003】
現在、肺動脈高血圧症の主な臨床治療には、エンドセリン受容体拮抗剤(例えば、ボセンタン)、ホスファターゼ5阻害剤(例えば、シルデラフィル)、グアニル酸シクラーゼ作動薬(リオシグアト)、プロスタサイクリン類似体(例えば、ベラプロスト)、及びプロスタサイクリン受容体作動薬(セレキシパグ)などがあり、これらの薬物の作用機構には、最終的には一酸化窒素(NO:Nitric oxide)及びcGMP経路が関与し、内皮血管を弛緩させる。
【0004】
これらの薬物の中で、プロスタグランジン類似体は最も効果的で古典的な薬物であり、このうち、ベラプロストナトリウム(beraprost sudiam)は、このような薬物の中で、臨床で使用される主な経口製剤であるが、その薬物動態上の欠陥により、1日に複数回投与する必要がある。そのため、一部の研究者はベラプロストの製剤(例えば、日本で発売に成功した徐放性錠剤Careload)や構造(ベラプロストの光学体であるEsuberaprostの第III相臨床試験は失敗している)の改良を行っている。
【0005】
NOは、作用経路全体で最も重要な役割を果たすが、そのガスの特性と非常に速い代謝のために投与が困難であり、したがって、供与体(NO donor)モデルの使用は、新薬を開発するための新しい試みである。例えば、NO供与体を用いて調製されたリポソームエアロゾルの長時間作用型吸入剤(Nahar Kら, Pharma Res. 2016)はPAHの治療に利用される。Valeant Pharma社が開発したラタノプロステンブノドは、ラタノプロスト酸とブタンジオール一硝酸塩で構成されており、緑内障の治療において二重の作用機構を持っている。ラタノプロスト酸(latanoprost acid、市販薬)は、ブドウ膜強膜経路に作用して房水の排出を促進し、ブタンジオール一硝酸塩(butanediol mononitrate)は、一酸化窒素(NO)を放出し、小柱網とシュレム管(Schlemm’s canal)を通して房水の排出を促進する。この新しい2つの側面からの治療方法は、臨床試験で証明されている。ラタノプロストの単独投与と比較して、ラタノプロステンブノドは、眼圧をより顕著に低下させることができ、より優れた臨床上の優位性を示す。この製品は、2017年にFDAによって市販を承認された(商品名:VYZULTA)。したがって、プロスタグランジン類にNO供与体モデルの修飾を組み合わせることによって、2つの薬理学的作用によって薬物の有効性を高めることができ、新薬開発にとってより便利な方法となる。
【0006】
ベラプロストは、肺動脈高血圧症の治療に使用されるほか、悪性腫瘍転移(米国ユナイテッド・セラップ(United Therap)社により開発)、アテローム性動脈硬化症(日本カケンファーマ(Kaken Pharma)社により開発)、高血圧症(日本カケンファーマ(Kaken Pharma)社及び米国ユナイテッド・セラップ(United Therap)社の2つの会社により開発)、糖尿病性神経障害(日本カケンファーマ(Kaken Pharma)社により開発)、腎炎や腎不全、脳血管性認知症(CN 112691109A)、アルコール性脂肪肝疾患(HK1219665A)などの疾患の治療にも使用される。また、NO供与体薬物は、炎症性疾患や心血管疾患などのさまざまな疾患の治療方法の開発にも使用される(MegsonIL & WebbDJ, Expert Opin Investig Drugs, 2002;KnoxCDら, MK5108, J Am Heart Assoc, 2016)。したがって、ベラプロストナトリウムとNO供与体は両方とも、さまざまな治療薬を開発する可能性がある。
【0007】
本発明は、一連の一酸化窒素供与体型ベラプロスト系誘導体又はその薬学的に許容可能な塩を用いて開発された薬物であり、この一連の化合物は、生体内に入ると、ベラプロストに分解され、一酸化窒素NOを生成し、これにより、二重の薬理作用を達成することができる。ベラプロストは、プロスタグランジン受容体に特異的に結合し、血管平滑筋を弛緩させる役割を果たす一方で、これらの化合物は、生体内でNO分子を放出し、内皮細胞のcGMP経路を通じて血管を弛緩させる役割も果たし、この2つの機構は、相乗的に作用して、治療効果を達成する。
【0008】
これらの一連の化合物は、肺動脈高血圧症、心筋梗塞、腎臓病、閉塞性動脈硬化症などの末梢血管疾患、眼疾患(例えば、糖尿病性眼底病変、緑内障など)、骨粗鬆症、閉塞性血栓脈管炎、血栓塞栓症などのさまざまな疾患を治療する治療薬に使用することができる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本願は、除去半減期が短く、1日あたりの投与回数が多く、治療効果には飽和効果があるというベラプロストナトリウムの欠点、及びガスであるので溶液中の速い分解により代謝半減期が短くなるというNOの欠点に対して、ベラプロストナトリウムとNO供与体を組み合わせた一連の新規化合物を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記の目的を達成するために、本発明に記載の下記式Iで示される一酸化窒素供与体型ベラプロスト系誘導体又はその薬学的に許容可能な塩である。
(nは、0、1、2、3又は4であり、
Rは、-X-ONO
2、-OC(O)-X-ONO
2、-O-X-ONO
2、又は
ここで、Xは、直鎖又は分岐のC
1~C
10アルキル、シクロアルキル、又は-C
1~C
10アルキル-芳香環-であり、ここで、C
1~C
10アルキル、C
5~7シクロアルキル、又は芳香環は、ハロゲン原子、ヒドロキシ、カルボキシ、シアノ、又は-(C
1~C
10アルキル)-ONO
2のうちの1つ又は複数の置換基で置換されていてもよい。)
【0011】
前記シクロアルキルは、好ましくはC5~7シクロアルキルであり、芳香環はC5~10芳香環である。
【0012】
さらに、前記化合物は、以下の具体的な構造の何れかを含む。
【0013】
本発明に記載の一酸化窒素供与体型ベラプロスト系誘導体の薬学的に許容される塩は、酸性塩又はアルカリ性塩であってもよい。酸性塩は、例えば、塩酸、フッ化水素酸、臭化水素酸、ヨウ化水素酸、硫酸、ピロ硫酸、リン酸、硝酸などの塩、若しくは硫酸水素塩、あるいは、ギ酸、酢酸、アセト酢酸、ピルビン酸、トリフルオロ酢酸、プロピオン酸、酪酸、ヘキサン酸、ヘプタン酸、ウンデカン酸、ラウリン酸、安息香酸、サリチル酸、2-(4-ヒドロキシベンゾイル)安息香酸、樟脳酸、桂皮酸、シクロペンタンプロピオン酸、3-ヒドロキシ-2-ナフトエ酸、ナイアシン、パモ酸、ペクチニン酸、過硫酸、3-フェニルプロピオン酸、ピクリン酸、ピバリン酸、2-ヒドロキシエタンスルホン酸、イタコン酸、スルファミン酸、トリフルオロメタンスルホン酸、ドデシル硫酸、エタンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、p-トルエンスルホン酸、メタンスルホン酸、2-ナフタレンスルホン酸、ナフタレンジスルホン酸、カンファースルホン酸、クエン酸、酒石酸、ステアリン酸、乳酸、シュウ酸、マロン酸、コハク酸、リンゴ酸、アジピン酸、アルギン酸、マレイン酸、フマル酸、D-グルコン酸、マンデル酸、アスコルビン酸、グルコヘプタン酸、グリセロリン酸、アスパラギン酸、スルホサリチル酸、ヘミ硫酸又はチオシアン酸などの有機酸との酸付加塩である。アルカリ性塩は、ナトリウムイオン、カリウムイオン、N-メチルグルコサミン、ジメチルグルコサミン、エチルグルコサミン、リジン、ジシクロヘキシルアミン、1,6-ヘキサンジアミン、エタノールアミン、グルコサミン、メグルミン、サルコシン、セリノール、トリヒドロキシメチルアミノメタン、アミノプロパンジオール、1-アミノ-2,3,4-ブタントリオールである。
【0014】
本願の更なる技術的解決手段は、一般式Iで示される構造の化合物又はその薬学的に許容可能な塩と、薬学的に許容可能な担体と、を含む、上記の一酸化窒素供与体型ベラプロスト系誘導体を含有する医薬組成物を提供する。
【0015】
前記担体は、徐放剤、賦形剤、充填剤、結合剤、湿潤剤、崩壊剤、吸収促進剤、吸着担体、界面活性剤、及び滑沢剤のうちのいずれか又は2種以上の混合物である。
【0016】
前記医薬組成物は、好ましくは、外用製剤、経口製剤、及び注射製剤のうちのいずれかである。
【0017】
前記経口製剤は、顆粒剤、カプセル剤、及び錠剤のうちのいずれかである。
【0018】
本発明に記載の一酸化窒素供与体型ベラプロスト系誘導体の医薬組成物であって、プロスタサイクリン類似体としての使用を含む。
【0019】
本発明に記載の一酸化窒素供与体型ベラプロスト系誘導体の医薬組成物であって、肺動脈高血圧症、心筋梗塞、腎臓病、閉塞性動脈硬化症などの末梢血管疾患、眼疾患(例えば、糖尿病性眼底病変、緑内障)、骨粗鬆症、閉塞性血栓脈管炎、血栓塞栓症などの複数の疾患を治療する治療薬の製造における使用を含む。
【発明の効果】
【0020】
有益な効果
従来技術と比較して、本発明は、以下の利点を有する。
本発明は、ベラプロストナトリウムとNO供与体を組み合わせた薬物を提供し、これにより、除去半減期が短く、1日あたりの投与回数が多く、治療効果には飽和効果があるというベラプロストナトリウムの欠点、及びガスであるので溶液中の速い分解により代謝半減期が短くなるというNOの欠点を解決し、新規化合物は、元のベラプロストの投与量と頻度を減らし、また、この化合物が生体内でNO分子を放出することによる平滑筋弛緩を利用し、この二重作用により、2つの薬物の相乗効果を発揮し、薬物の有効性及び安全性を向上させる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【
図1】マウスの低酸素性肺動脈高血圧症に対する化合物15のインビボ治療効果を示す。
【
図2】化合物15による治療後のマウスの骨密度測定データを示す。
【
図3】急性腎不全における腎腎尿細管上皮細胞の増殖に対する化合物15の影響を示す。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下、実施例を参照して本発明をさらに説明する。
【0023】
【0024】
実施例1の合成
濃硫酸(13mmol)を塩化メチレンに溶解し、0℃の条件で発煙硝酸(14mmol)をゆっくりと滴下し、20min反応させた後、2-ブロモエタノール(6mmol)を上記の反応液に加えた。反応を0℃の条件で4時間継続し、この反応液を氷水にゆっくりと注入し、塩化メチレン(50mL)で2回抽出し、有機相を収集し、水で1回洗浄し、飽和食塩水で1回洗浄し、溶媒を回転蒸発により除去し、生成物として2-ブロモエチルニトレートを得た。
【0025】
ベラプロスト(60mg)を2mLの無水DMFに溶解し、ヨウ化カリウム(75mg)、炭酸カリウム(62mg)、及び2-ブロモエチルニトレート(80mg)の塩化メチレン溶液を滴下し、50℃の条件で撹拌しながら2h反応させ、TLCにより反応の完了が判明したら、溶媒を回転蒸発により除去し、HPLCにより精製し、実施例1を収率67%で得た。1H NMR (300 MHz, DMSO-d) δ 7.38-7.22 (m, 2H), 7.00 (d, J = 5.8 Hz, 1H), 5.85 (d, J = 9.5 Hz, 2H), 4.63-4.51 (m, 2H), 4.38 (d, J = 12.5 Hz, 1H), 4.23-4.15 (m, 2H), 3.49-3.36 (m, 2H), 2.95-2.76 (m, 2H), 2.61 (dq, J = 12.5, 2.0 Hz, 1H), 2.56-2.39 (m, 4H), 2.28 (d, J = 13.0 Hz, 1H), 2.01-1.99 (m, 1H), 1.95-1.76 (m, 5H), 1.03 (d, J = 5.5 Hz, 3H). ESI-MS m/z: 510.2 [M + Na]+.
【0026】
実施例2
実施例1の合成方法を参照して、実施例2を製造した。
1H NMR (300 MHz, DMSO-d) δ 7.35-7.24 (m, 2H), 7.04 (ddd, J = 3.7, 2.7, 1.4 Hz, 1H), 5.88 (s, 1H), 5.82 (s, 1H), 4.71-4.52 (m, 3H), 4.35-4.10 (m, 6H), 2.86 (qd, J = 12.3, 0.9 Hz, 2H), 2.61 (dq, J = 12.5, 2.0 Hz, 1H), 2.51-2.37 (m, 4H), 2.36-2.15 (m, 3H), 1.94-1.74 (m, 6H), 1.00 (d, J = 5.7 Hz, 3H). ESI-MS m/z: 524.2 [M + Na]
+.
【0027】
実施例3
実施例1の合成方法を参照して、実施例3を製造した。
1H NMR (300 MHz, Methanol-d
4) δ 7.39-7.22 (m, 2H), 7.04 (d, J = 3.1 Hz, 1H), 5.69-5.46 (m, 2H), 4.69-4.52 (m, 3H), 4.31-4.09 (m, 5H), 4.01 (d, J = 12.5 Hz, 1H), 2.86 (qd, J = 12.3, 0.9 Hz, 2H), 2.70 (dq, J = 12.5, 2.0 Hz, 1H), 2.55 (dq, J = 12.3, 1.9 Hz, 1H), 2.49-2.38 (m, 3H), 2.28 (d, J = 13.0 Hz, 1H), 2.09-1.78 (m, 10H), 1.02 (d, J = 5.3 Hz, 3H).
【0028】
実施例4
実施例1の合成方法を参照して、実施例4を製造した。
1H NMR (300 MHz, DMSO-d
4) δ 7.41-7.24 (m, 1H), 7.07 (d, J = 7.4 Hz, 1H), 5.85 (d, J = 7.5 Hz, 1H), 4.71-4.51 (m, 2H), 4.28-4.00 (m, 3H), 2.94-2.77 (m, 1H), 2.66 (dq, J = 12.5, 2.0 Hz, 1H), 2.56-2.37 (m, 2H), 2.28 (d, J = 13.0 Hz, 1H), 1.94-1.78 (m, 5H), 1.68-1.54 (m, 1H), 1.02 (d, J = 5.5 Hz, 2H).
【0029】
実施例5
実施例1の合成方法を参照して、実施例5を製造した。
1H NMR (300 MHz, DMSO-d
4) δ 7.37 (t, J = 7.5 Hz, 1H), 7.24 (dd, J = 7.5, 2.0 Hz, 1H), 7.02 (d, J = 7.7 Hz, 1H), 5.65-5.42 (m, 2H), 4.71-4.52 (m, 3H), 4.32-4.02 (m, 6H), 2.93-2.77 (m, 2H), 2.66 (dq, J = 12.4, 2.0 Hz, 1H), 2.52-2.26 (m, 5H), 1.95-1.81 (m, 5H), 1.68-1.59 (m, 4H), 1.53-1.35 (m, 4H), 1.00 (d, J = 6.5 Hz, 3H).
【0030】
実施例6
実施例6の合成
ベラプロスト(60mg)を無水アセトニトリル2mLに溶解し、ヨウ化カリウム(75mg)及び炭酸カリウム(62mg)を加え、室温で10min撹拌した後、2-クロロメチルエチルニトレート(15mg)を加え、60℃の条件で8h反応させ、反応を停止し、溶媒を回転蒸発により除去し、塩化メチレンを加え、水で2回洗浄し、飽和食塩水で1回洗浄し、有機相を濃縮し、HPLCにより精製し、実施例6を収率42%で得た。
1H NMR(300MHz,DMSO-d)δ7.11-7.01(m,2H),6.95(dq,J=7.7,1.2 Hz,1H),5.90-5.68(m,2H),5.09(s,2H),4.66-4.56(m,2H),4.22-4.09(m, 2H),3.87(t,J=6.2Hz,2H),2.88-2.68(m,3H),2.46(t,J=7.1Hz,2H),2.21(dp,J=6.2,2.0Hz,2H),2.11(t,J=4.7Hz,2H),2.05-1.85(m,3H),1.65(t,J=2.0Hz,3H),1.02(d,J=6.8Hz,3H).
【0031】
実施例7
実施例6の合成方法を参照して、実施例7を製造した。
1H NMR (300 MHz, DMSO-d) δ 7.28-7.08 (m, 2H), 7.05 (dq, J = 7.7, 1.2 Hz, 1H), 5.89-5.58 (m, 2H), 5.06 (q, J = 2.7 Hz, 2H), 4.94 (q, J = 4.5 Hz, 1H), 4.37 (t, J = 6.1 Hz, 2H), 4.22-4.04 (m, 2H), 3.59 (t, J = 6.1 Hz, 2H), 3.43 (dd, J = 5.5, 4.2 Hz, 1H), 2.92-2.66 (m, 3H), 2.46 (t, J = 7.1 Hz, 2H), 2.27-2.16 (m, 2H), 2.16-1.85 (m, 7H), 1.65 (t, J = 2.0 Hz, 3H), 1.01 (d, J = 6.5 Hz, 3H).
【0032】
実施例8
実施例6の合成方法を参照して、化合物8を製造した。ESI-MS m/z: 513.3 [M + H]
+.
1H NMR (300 MHz, DMSO-d) δ 7.25-7.04 (m, 2H), 7.00 (dq, J = 7.7, 1.0 Hz, 1H), 5.91-5.66 (m, 2H), 4.94 (q, J = 4.5 Hz, 1H), 4.57 (t, J = 6.2 Hz, 2H), 4.30-4.04 (m, 4H), 3.82 (t, J = 6.2 Hz, 2H), 3.72 (t, J = 6.2 Hz, 2H), 3.43 (dd, J = 5.5, 4.2 Hz, 1H), 2.86-2.68 (m, 3H), 2.41 (t, J = 7.0 Hz, 2H), 2.21 (dp, J = 6.2, 2.0 Hz, 2H), 2.18-2.07 (m, 2H), 2.07-1.85 (m, 3H), 1.66 (t, J = 2.0 Hz, 3H), 1.01 (d, J = 6.9 Hz, 3H).
【0033】
実施例9
実施例6の合成方法を参照して、実施例9を製造した。
1H NMR (300 MHz, DMSO-d) δ 7.16-7.02 (m, 2H), 6.95 (dq, J = 7.7, 1.2 Hz, 1H), 5.98-5.66 (m, 4H), 5.11-4.87 (m, 3H), 4.24-4.03 (m, 2H), 3.43 (dd, J = 5.5, 4.2 Hz, 1H), 2.77 (dqd, J = 30.2, 6.5, 6.1, 1.1 Hz, 3H), 2.46 (t, J = 7.1 Hz, 2H), 2.21 (dp, J = 6.2, 2.0 Hz, 2H), 2.11 (t, J = 4.7 Hz, 2H), 2.02-1.87 (m, 3H), 1.55 (t, J = 2.0 Hz, 3H), 1.02 (d, J = 6.8 Hz, 3H).
【0034】
実施例10
実施例6の合成方法を参照して、実施例10を製造した。
1H NMR (300 MHz, Chloroform-d) δ 7.16-7.02 (m, 2H), 6.95 (ddt, J = 6.0, 2.7, 0.9 Hz, 1H), 5.93-5.61 (m, 4H), 4.76-4.42 (m, 3H), 4.29-4.04 (m, 2H), 3.92 (d, J = 5.5 Hz, 1H), 3.43 (dd, J = 5.5, 4.2 Hz, 1H), 2.96-2.63 (m, 5H), 2.45 (td, J = 7.0, 0.9 Hz, 2H), 2.30-2.06 (m, 4H), 2.06-1.84 (m, 3H), 1.57 (t, J = 2.0 Hz, 3H), 1.00 (d, J = 6.2 Hz, 3H).
【0035】
実施例11
実施例1の合成方法を参照して、実施例11を製造した。
1H NMR (300 MHz, DMSO-d) δ 7.49-7.30 (m, 2H), 7.18-7.02 (m, 4H), 6.97 (ddt, J = 7.0, 1.9, 1.0 Hz, 1H), 5.78 (qd, J = 15.6, 6.2 Hz, 2H), 5.52-5.24 (m, 2H), 4.80 (d, J = 6.2 Hz, 1H), 4.39-4.02 (m, 5H), 3.42 (dd, J = 5.5, 4.2 Hz, 1H), 2.89-2.56 (m, 5H), 2.40 (t, J = 7.1 Hz, 2H), 2.26-1.85 (m, 9H), 1.61 (t, J = 2.0 Hz, 3H), 1.01 (d, J = 6.7 Hz, 3H).
【0036】
実施例12
実施例1の合成方法を参照して、実施例12を製造した。
1H NMR (300 MHz, DMSO-d) δ 7.13-7.02 (m, 2H), 6.95 (ddt, J = 5.5, 3.3, 0.9 Hz, 1H), 5.89-5.57 (m, 4H), 4.94 (dt, J = 5.1, 4.3 Hz, 1H), 4.42 (qt, J = 10.4, 6.1 Hz, 2H), 4.24-4.06 (m, 2H), 3.43 (dd, J = 5.5, 4.2 Hz, 1H), 2.94-2.63 (m, 3H), 2.63-2.39 (m, 4H), 2.26-1.79 (m, 9H), 1.62 (t, J = 2.0 Hz, 3H), 0.99 (d, J = 6.8 Hz, 3H).
【0037】
実施例13
実施例1の合成方法を参照して、実施例13を製造した。
1H NMR (500 MHz, Chloroform-d) δ 7.51-7.30 (m, 2H), 7.19-7.05 (m, 4H), 6.97 (ddt, J = 7.0, 2.0, 1.0 Hz, 1H), 5.78 (qd, J = 15.6, 6.2 Hz, 2H), 5.52-5.31 (m, 2H), 4.94 (dt, J = 5.1, 4.2 Hz, 1H), 4.22-4.05 (m, 5H), 3.42 (dd, J = 5.5, 4.2 Hz, 1H), 2.87-2.68 (m, 3H), 2.62 (tq, J = 6.5, 1.0 Hz, 2H), 2.40 (t, J = 7.1 Hz, 2H), 2.21 (dp, J = 5.9, 2.0 Hz, 2H), 2.16-2.01 (m, 2H), 2.01-1.87 (m, 3H), 1.81-1.60 (m, 7H), 1.02 (d, J = 6.7 Hz, 3H).
【0038】
実施例14
実施例1の合成方法を参照して、化合物14を製造した。
1H NMR (300 MHz, DMSO-d) δ 7.22-6.99 (m, 2H), 6.97 (ddt, J = 7.3, 1.8, 0.9 Hz, 1H), 5.78 (qd, J = 15.6, 6.2 Hz, 2H), 4.94 (dt, J = 5.0, 4.2 Hz, 1H), 4.29-4.15 (m, 3H), 4.15-4.03 (m, 3H), 3.42 (dd, J = 5.5, 4.2 Hz, 1H), 2.89-2.66 (m, 3H), 2.40 (t, J = 7.0 Hz, 2H), 2.31-2.18 (m, 2H), 2.18-1.84 (m, 6H), 1.76-1.33 (m, 14H), 1.04 (d, J = 6.1 Hz, 3H).
【0039】
実施例15
実施例1の合成方法を参照して、化合物15を製造した。
1H NMR (300 MHz, DMSO-d) δ 7.21-7.05 (m, 2H), 6.97 (ddt, J = 5.6, 3.5, 1.1 Hz, 1H), 5.78 (qd, J = 15.6, 6.2 Hz, 2H), 4.94 (dt, J = 5.0, 4.2 Hz, 1H), 4.34-4.10 (m, 5H), 3.75 (dd, J = 10.5, 6.3 Hz, 1H), 3.42 (dd, J = 5.5, 4.2 Hz, 1H), 2.89-2.66 (m, 3H), 2.41 (t, J = 7.1 Hz, 2H), 2.21 (dp, J = 6.2, 2.0 Hz, 2H), 2.17-1.82 (m, 7H), 1.82-1.59 (m, 5H), 1.59-1.39 (m, 6H), 1.01 (d, J = 6.7 Hz, 3H).
【0040】
実施例16
実施例6の合成方法を参照して、化合物16を製造した。
1H NMR (300 MHz, DMSO-d) δ 7.13-7.04 (m, 2H), 6.97 (ddt, J = 5.7, 3.5, 1.1 Hz, 1H), 5.87-5.62 (m, 4H), 4.94 (dt, J = 5.1, 4.3 Hz, 1H), 4.32 (t, J = 6.0 Hz, 2H), 4.23-4.05 (m, 2H), 3.92 (d, J = 5.5 Hz, 1H), 2.91-2.66 (m, 3H), 2.51-2.32 (m, 4H), 2.26-2.17 (m, 2H), 2.17-1.75 (m, 9H), 1.62 (t, J = 2.0 Hz, 3H), 0.99 (d, J = 6.1 Hz, 3H).
【0041】
実施例17
実施例6の合成方法を参照して、化合物17を製造した。
1H NMR (300 MHz, DMSO-d) δ 7.13-7.00 (m, 2H), 6.96 (ddt, J = 6.2, 2.9, 1.1 Hz, 1H), 5.89-5.63 (m, 2H), 5.04-4.83 (m, 3H), 4.69 (d, J = 6.2 Hz, 1H), 4.48-4.28 (m, 4H), 4.22-4.03 (m, 2H), 3.92 (d, J = 5.5 Hz, 1H), 2.93-2.60 (m, 3H), 2.40 (t, J = 7.1 Hz, 2H), 2.25-2.07 (m, 4H), 2.07-1.86 (m, 3H), 1.57 (t, J = 2.0 Hz, 3H), 1.00 (d, J = 6.2 Hz, 3H).
【0042】
実施例18
実施例6の合成方法を参照して、化合物18を製造した。
1H NMR (300 MHz, DMSO-d) δ 7.18-7.02 (m, 2H), 6.97 (ddt, J = 5.6, 3.5, 1.1 Hz, 1H), 5.78 (qd, J = 15.6, 6.2 Hz, 2H), 4.94 (dt, J = 5.0, 4.2 Hz, 1H), 4.71-4.52 (m, 2H), 4.23-4.04 (m, 6H), 3.43 (dd, J = 5.5, 4.2 Hz, 1H), 2.92-2.66 (m, 5H), 2.40 (t, J = 7.1 Hz, 2H), 2.21 (dp, J = 6.2, 2.0 Hz, 2H), 2.18-1.85 (m, 7H), 1.60 (t, J = 2.0 Hz, 3H), 1.04 (d, J = 6.8 Hz, 3H).
【0043】
実施例19
実施例6の合成方法を参照して、化合物19を製造した。
1H NMR (300 MHz, DMSO-d) δ 7.15-7.02 (m, 2H), 6.97 (ddt, J = 7.0, 1.9, 1.0 Hz, 1H), 5.78 (qd, J = 15.6, 6.2 Hz, 2H), 4.94 (dt, J = 5.1, 4.2 Hz, 1H), 4.61 (t, J = 7.1 Hz, 2H), 4.26-4.04 (m, 6H), 3.42 (dd, J = 5.5, 4.2 Hz, 1H), 2.89-2.67 (m, 5H), 2.39 (t, J = 7.0 Hz, 2H), 2.21 (dp, J = 6.2, 2.0 Hz, 2H), 2.17-1.87 (m, 5H), 1.87-1.73 (m, 4H), 1.60 (t, J = 2.0 Hz, 3H), 0.98 (d, J = 6.7 Hz, 3H).
【0044】
実施例20
実施例6の合成方法を参照して、化合物20を製造した。
1H NMR (300 MHz, DMSO-d) δ 7.13-7.02 (m, 2H), 6.96 (ddt, J = 5.5, 3.3, 1.0 Hz, 1H), 5.78 (qd, J = 15.6, 6.2 Hz, 2H), 4.94 (dt, J = 5.0, 4.2 Hz, 1H), 4.71-4.51 (m, 2H), 4.40-4.26 (m, 4H), 4.26-4.05 (m, 2H), 3.43 (dd, J = 5.5, 4.2 Hz, 1H), 2.91-2.63 (m, 5H), 2.40 (t, J = 7.1 Hz, 2H), 2.21 (dp, J = 6.2, 2.0 Hz, 2H), 2.20-1.85 (m, 5H), 1.65 (t, J = 2.0 Hz, 3H), 1.02 (d, J = 6.7 Hz, 3H).
【0045】
実施例21
実施例6の合成方法を参照して、化合物21を製造した。
1H NMR (300 MHz, DMSO-d) δ 7.20-7.10 (m, 2H), 7.01 (ddt, J = 5.5, 3.3, 1.0 Hz, 1H), 5.78 (qd, J = 15.6, 6.2 Hz, 2H), 5.25 (q, J = 6.6 Hz, 1H), 4.94 (dt, J = 5.1, 4.3 Hz, 1H), 4.52-4.41 (m, 2H), 4.41-4.26 (m, 2H), 4.26-4.05 (m, 2H), 3.43 (dd, J = 5.5, 4.2 Hz, 1H), 2.91-2.67 (m, 3H), 2.40 (t, J = 7.0 Hz, 2H), 2.21 (dp, J = 6.2, 2.0 Hz, 2H), 2.17-1.84 (m, 5H), 1.65 (t, J = 2.0 Hz, 3H), 1.47 (d, J = 6.6 Hz, 3H), 1.00 (d, J = 6.2 Hz, 3H).
【0046】
実施例22
実施例6の合成方法を参照して、化合物22を製造した。
1H NMR (300 MHz, DMSO-d) δ 7.21-7.08 (m, 2H), 7.00 (ddt, J = 6.9, 1.9, 1.0 Hz, 1H), 5.78 (qd, J = 15.6, 6.2 Hz, 2H), 4.94 (dt, J = 5.0, 4.2 Hz, 1H), 4.54-4.31 (m, 2H), 4.22-4.03 (m, 6H), 3.42 (dd, J = 5.5, 4.2 Hz, 1H), 2.91-2.62 (m, 3H), 2.49 (t, J = 7.0 Hz, 2H), 2.40 (t, J = 7.1 Hz, 2H), 2.21 (dp, J = 6.2, 2.0 Hz, 2H), 2.18-1.82 (m, 9H), 1.55 (t, J = 2.0 Hz, 3H), 1.00 (d, J = 6.2 Hz, 3H).
【0047】
実施例23
実施例6の合成方法を参照して、化合物23を製造した。
1H NMR (300 MHz, DMSO-d) δ 7.17-7.08 (m, 2H), 7.00 (ddt, J = 5.6, 3.5, 1.1 Hz, 1H), 5.78 (qd, J = 15.6, 6.2 Hz, 2H), 5.09-4.87 (m, 3H), 4.27-4.05 (m, 6H), 3.43 (dd, J = 5.5, 4.2 Hz, 1H), 2.86-2.67 (m, 3H), 2.38 (t, J = 7.1 Hz, 2H), 2.21 (dp, J = 6.2, 2.0 Hz, 2H), 2.17-1.87 (m, 5H), 1.87-1.72 (m, 4H), 1.61 (t, J = 2.0 Hz, 3H), 1.01 (d, J = 6.7 Hz, 3H).
【0048】
実施例24
実施例6の合成方法を参照して、化合物24を製造した。
1H NMR (300 MHz, DMSO-d) δ 7.54-7.38 (m, 2H), 7.30-7.15 (m, 2H), 7.15-7.02 (m, 2H), 6.97 (ddt, J = 7.0, 2.0, 1.0 Hz, 1H), 5.97-5.70 (m, 4H), 5.50-5.26 (m, 2H), 4.94 (dt, J = 5.1, 4.2 Hz, 1H), 4.80 (d, J = 6.2 Hz, 1H), 4.26-4.04 (m, 3H), 3.62 (q, J = 0.8 Hz, 2H), 2.77 (dqd, J = 31.3, 6.5, 6.1, 1.1 Hz, 3H), 2.43 (td, J = 7.1, 1.0 Hz, 2H), 2.27-1.82 (m, 7H), 1.60 (t, J = 2.0 Hz, 3H), 1.04 (d, J = 6.6 Hz, 3H).
【0049】
実施例25
実施例6の合成方法を参照して、化合物25を製造した。
1H NMR (300 MHz, DMSO-d) δ 8.04 (tt, J = 2.2, 1.0 Hz, 1H), 7.92 (ddd, J = 7.7, 2.2, 1.1 Hz, 1H), 7.57 (ddq, J = 7.9, 2.2, 1.1 Hz, 1H), 7.47 (t, J = 7.8 Hz, 1H), 7.20-7.02 (m, 2H), 6.97 (ddt, J = 7.0, 2.0, 1.0 Hz, 1H), 5.89-5.70 (m, 2H), 5.45 (t, J = 1.0 Hz, 2H), 4.94 (dt, J = 5.0, 4.2 Hz, 1H), 4.80 (d, J = 6.2 Hz, 1H), 4.46 (td, J = 6.0, 0.8 Hz, 2H), 4.37 (td, J = 6.0, 0.8 Hz, 2H), 4.26-4.04 (m, 3H), 3.42 (dd, J = 5.5, 4.2 Hz, 1H), 2.93-2.62 (m, 3H), 2.41 (t, J = 7.0 Hz, 2H), 2.21 (dp, J = 5.9, 2.0 Hz, 2H), 2.16-1.84 (m, 5H), 1.65 (t, J = 2.0 Hz, 3H), 1.02 (d, J = 6.6 Hz, 3H).
【0050】
実施例26
実施例6の合成方法を参照して、化合物26を製造した。
1H NMR (300 MHz, DMSO-d) δ 8.11-7.84 (m, 2H), 7.65-7.37 (m, 2H), 7.13-7.01 (m, 2H), 6.97 (ddt, J = 7.0, 2.0, 1.0 Hz, 1H), 5.92-5.62 (m, 2H), 4.94 (dt, J = 5.0, 4.2 Hz, 1H), 4.80 (d, J = 6.2 Hz, 1H), 4.32-3.95 (m, 7H), 3.45 (dd, J = 5.6, 4.3 Hz, 1H), 2.89-2.67 (m, 3H), 2.40 (t, J = 7.1 Hz, 2H), 2.21 (dp, J = 5.9, 2.0 Hz, 2H), 2.18-1.85 (m, 7H), 1.61 (t, J = 2.0 Hz, 3H), 1.00 (d, J = 6.8 Hz, 3H).
【0051】
実施例27
実施例6の合成方法を参照して、化合物27を製造した。
1H NMR (300 MHz, DMSO-d) δ 8.05-7.89 (m, 2H), 7.58-7.35 (m, 2H), 7.17-7.04 (m, 2H), 6.97 (ddt, J = 6.9, 2.0, 1.0 Hz, 1H), 5.90-5.65 (m, 2H), 4.94 (dt, J = 5.1, 4.2 Hz, 1H), 4.80 (d, J = 6.2 Hz, 1H), 4.30-4.02 (m, 7H), 3.45 (dd, J = 5.6, 4.3 Hz, 1H), 2.88-2.66 (m, 3H), 2.49-2.31 (m, 2H), 2.21 (dp, J = 5.9, 2.0 Hz, 2H), 2.18-1.73 (m, 9H), 1.61 (t, J = 2.2 Hz, 3H), 1.01 (d, J = 6.4 Hz, 3H).
【0052】
実施例28
実施例6の合成方法を参照して、化合物28を製造した。
1H NMR (300 MHz, DMSO-d) δ 7.22-7.06 (m, 2H), 7.00 (dtt, J = 5.7, 3.5, 1.0 Hz, 1H), 5.78 (qd, J = 15.6, 6.2 Hz, 2H), 4.94 (dt, J = 5.1, 4.3 Hz, 1H), 4.62-4.40 (m, 4H), 4.29-4.05 (m, 4H), 3.43 (dd, J = 5.5, 4.2 Hz, 1H), 2.87-2.67 (m, 3H), 2.55-2.39 (m, 3H), 2.26-2.16 (m, 2H), 2.16-1.85 (m, 5H), 1.66 (t, J = 2.1 Hz, 3H), 1.00 (d, J = 6.5 Hz, 3H).
【0053】
実施例29
実施例1の合成方法を参照して、化合物29を製造した。
1H NMR (300 MHz, DMSO-d) δ 7.19-7.07 (m, 2H), 7.01 (ddt, J = 6.9, 1.9, 1.0 Hz, 1H), 5.78 (qd, J = 15.6, 6.2 Hz, 2H), 4.94 (dt, J = 5.0, 4.2 Hz, 1H), 4.56-4.36 (m, 4H), 4.29-4.01 (m, 4H), 3.92 (d, J = 5.5 Hz, 1H), 2.91-2.65 (m, 3H), 2.40 (t, J = 7.0 Hz, 2H), 2.33-2.17 (m, 3H), 2.17-1.81 (m, 7H), 1.60 (t, J = 1.9 Hz, 3H), 0.99 (d, J = 6.2 Hz, 3H).
【0054】
実施例30
実施例6の合成方法を参照して、化合物30を製造した。
1H NMR (300 MHz, DMSO-d) δ 7.21-7.07 (m, 2H), 7.00 (ddt, J = 6.9, 1.9, 1.0 Hz, 1H), 5.78 (qd, J = 15.6, 6.2 Hz, 2H), 5.28-5.02 (m, 3H), 4.94 (dt, J = 5.1, 4.2 Hz, 1H), 4.74 (dd, J = 21.4, 5.9 Hz, 3H), 4.23-4.05 (m, 2H), 3.93 (dd, J = 5.5, 3.9 Hz, 3H), 3.42 (dd, J = 5.5, 4.2 Hz, 1H), 2.87-2.67 (m, 3H), 2.43 (t, J = 7.1 Hz, 2H), 2.21 (dp, J = 6.2, 2.0 Hz, 2H), 2.18-1.84 (m, 5H), 1.60 (t, J = 2.2 Hz, 3H), 1.00 (d, J = 6.6 Hz, 3H).
【0055】
実施例31
実施例6の合成方法を参照して、化合物31を製造した。
1H NMR (300 MHz, DMSO-d) δ 7.15-7.04 (m, 2H), 6.97 (ddt, J = 6.9, 1.9, 1.0 Hz, 1H), 5.78 (qd, J = 15.6, 6.2 Hz, 2H), 5.11 (p, J = 5.6 Hz, 1H), 4.94 (dt, J = 5.0, 4.2 Hz, 1H), 4.68 (d, J = 5.6 Hz, 2H), 4.27-4.02 (m, 5H), 3.84 (d, J = 5.5 Hz, 2H), 3.56-3.29 (m, 3H), 2.86-2.63 (m, 3H), 2.40 (t, J = 7.1 Hz, 2H), 2.21 (dp, J = 5.9, 2.0 Hz, 2H), 2.17-1.88 (m, 7H), 1.61 (t, J = 2.2 Hz, 3H), 0.99 (d, J = 6.6 Hz, 3H).
【0056】
実施例32
合成方法
ベラプロスト(60mg)、クロロメチルフラン窒素酸化物、DMAPとTEAを2mLの無水塩化メチレンに溶解し、室温で4時間撹拌した後、反応液に3mLの塩化メチレンを加えて希釈し、順に10%の塩酸で2回洗浄し、飽和食塩水で1回洗浄し、濾過し、濾液を濃縮し、HPLCにより精製し、実施例32を収率40%で得た。
1H NMR (300 MHz, DMSO-d) δ 7.94-7.73 (m, 2H), 7.69-7.50 (m, 3H), 7.13-7.02 (m, 2H), 6.97 (ddt, J = 7.0, 2.0, 1.0 Hz, 1H), 6.11-5.95 (m, 2H), 5.89-5.64 (m, 2H), 4.94 (dt, J = 5.0, 4.2 Hz, 1H), 4.80 (d, J = 6.2 Hz, 1H), 4.22-4.03 (m, 3H), 3.45 (dd, J = 5.6, 4.3 Hz, 1H), 2.88-2.65 (m, 3H), 2.43 (t, J = 7.1 Hz, 2H), 2.21 (dp, J = 5.9, 2.0 Hz, 2H), 2.18-1.84 (m, 5H), 1.61 (t, J = 2.1 Hz, 3H), 1.00 (d, J = 6.2 Hz, 3H).
【0057】
実施例33
実施例32の合成方法を参照して、化合物33を製造した。
1H NMR (300 MHz, DMSO-d) δ 8.04-7.90 (m, 2H), 7.73-7.49 (m, 3H), 7.17-7.02 (m, 2H), 6.97 (ddt, J = 7.0, 2.0, 1.0 Hz, 1H), 5.93-5.61 (m, 2H), 4.94 (dt, J = 5.0, 4.2 Hz, 1H), 4.63 (td, J = 6.2, 1.0 Hz, 2H), 4.43 (t, J = 6.2 Hz, 2H), 4.27-4.00 (m, 3H), 3.45 (dd, J = 5.6, 4.3 Hz, 1H), 2.88-2.62 (m, 3H), 2.40 (t, J = 7.1 Hz, 2H), 2.29-1.86 (m, 7H), 1.55 (t, J = 2.1 Hz, 3H), 1.01 (d, J = 6.2 Hz, 3H).
【0058】
実施例34
実施例32の合成方法を参照して、化合物34を製造した。
1H NMR (300 MHz, DMSO-d) δ 8.12-7.91 (m, 2H), 7.70-7.54 (m, 3H), 7.17-7.04 (m, 2H), 6.97 (ddt, J = 7.0, 2.0, 1.0 Hz, 1H), 5.89-5.63 (m, 2H), 4.94 (dt, J = 5.0, 4.2 Hz, 1H), 4.80 (d, J = 6.2 Hz, 1H), 4.43 (t, J = 6.1 Hz, 2H), 4.24-4.03 (m, 5H), 3.45 (dd, J = 5.6, 4.3 Hz, 1H), 2.88-2.67 (m, 3H), 2.40 (t, J = 7.1 Hz, 2H), 2.27-1.85 (m, 9H), 1.57 (t, J = 1.9 Hz, 3H), 0.99 (d, J = 6.6 Hz, 3H).
【0059】
実施例35
実施例32の合成方法を参照して、化合物35を製造した。
1H NMR (300 MHz, DMSO-d) δ 8.04-7.84 (m, 2H), 7.70-7.52 (m, 3H), 7.16-7.04 (m, 2H), 6.97 (ddt, J = 7.3, 1.8, 0.9 Hz, 1H), 5.90-5.63 (m, 2H), 4.94 (dt, J = 5.1, 4.2 Hz, 1H), 4.47-4.31 (m, 2H), 4.24-4.00 (m, 5H), 3.45 (dd, J = 5.6, 4.3 Hz, 1H), 2.89-2.62 (m, 3H), 2.48-2.34 (m, 2H), 2.21 (dp, J = 5.9, 2.0 Hz, 2H), 2.20-1.87 (m, 5H), 1.87-1.72 (m, 4H), 1.62 (t, J = 1.8 Hz, 3H), 0.99 (d, J = 6.2 Hz, 3H).
【0060】
試験例1.化合物のインビトロNO放出テスト
Griess法によって、放出されたNOを水溶液中で即座に酸化して、NO2-とし、NO2-とGriess試薬で複合体を形成した。この複合体は、540nmに強い紫外吸収を持ち、それによって、化合物から放出されたNOの量を定量した。
【0061】
1)溶液の調製:ブランク溶液:DMSO 10mLとPBS 190mLを混合した。Griess試薬:スルホンアミド(4.0g)、N-(1-ナフチル)エチレンジアミン二塩酸塩(0.2g)及び85%H3PO4 10mLを蒸留水90mLに溶解し、透明な溶液になるまで撹拌した。L-システイン溶液:L-システインを正確に秤量した後、一定量のPBSを加え、200μM溶液を調製した。被験化合物溶液:被験化合物を正確に秤量し、DMSOに溶解し、1mMの濃度に希釈した後、PBSで200μMの濃度に希釈した。
【0062】
2)標準曲線の式の作成:ブランク溶液を使用して亜硝酸ナトリウム標準溶液の濃度:0、0.78、1.56、3.13、6.25、12.5、25、50、100μmol/Lにした。濃度ごとに150μLを取り、それぞれにGriess試薬50μLを加えて、均一に混合し、37℃の恒温シェーカー内で30minインキュベートし、各チューブの吸光度をマイクロプレートリーダーにより540nmで測定し、ブランク溶液の読み取り値を差し引き、回帰を行って標準曲線の式を得た。
【0063】
3)被験化合物のテスト:調製した被験化合物溶液とL-システイン溶液をそれぞれ2.5mL混合し、37℃の恒温シェーカーで120minインキュベートし、混合溶液を15minごとに150μLずつ採取し、それぞれにGriess試薬50μLを加えて、均一に混合し、37℃の恒温シェーカー内で30minインキュベートした後、各チューブの吸光度をマイクロプレートリーダーにより540nmで測定し、ブランク溶液の読み取り値を差し引き、値を標準曲線の式に代入し、放出されたNOの量を求めた。
【0064】
テストした本発明の化合物データの一部を表1に示す。テスト結果は、本発明に記載の一酸化窒素供与体型ベラプロスト系誘導体又はその薬学的に許容可能な塩が良好なNO放出効果を有することを示す。
【0065】
【0066】
試験例2:低酸素性肺動脈高血圧症ラットのインビボ試験
【0067】
1)実験器具及び材料
HX-200動物用人工呼吸器;実験用のSD雄ラットは、すべて揚州大学から購入した。すべての対照群は、通常の環境で飼育し、投与介入群とモデル群は、低圧低酸素室(気圧50kPa、酸素濃度10%)で飼育した。
【0068】
2)実験ステップ
化合物15をDMSO/solutol/water(10/10/80)に溶解して透明な溶液を製造した。投与介入群は、低酸素状態の2日目から、化合物15を5mg/kgの用量で強制経口投与した。すべてのラットの体重を毎週測定し、生存状態を記録し、4週間後に肺動脈圧を測定した。ラットを抱水クロラール(100g/L)で麻酔(3ml/kg)し、仰臥位に固定し、気管切開を行い、小動物用人工呼吸器で呼吸を補助した(頻度60回/min、一回換気量5ml、吸気対呼気比4:5)。左第3肋骨を解放し、一端に張力トランスデューサーが接続されたカテーテルを肺動脈に送り、BL-420E生体機能実験システムによって平均肺動脈圧(mPAP)を記録した。検査して胸水と腹水を採取し、最後に腹部大動脈から採血してラットを屠殺した。
【0069】
3)実験結果
モデル群のラットは、対照群よりもmPAPが有意に上昇しており、化合物15を投与した介入群は、モデル群よりもmPAPが低下しており、低酸素性肺動脈高血圧症に対する良好な治療効果を示した。
図1の結果は、マウスの低酸素性肺動脈高血圧症に対する一酸化窒素供与体型ベラプロスト系誘導体化合物15のインビボ治療効果を示す。
【0070】
試験例3.骨粗鬆症の治療効果
【0071】
1)試験材料
1.動物:クリーングレードC57BL/6系統、8~10週齢の非妊娠雌マウスを揚州大学から購入した。2.主な試薬及び器具:PROGYNOVA(吉草酸エストラジオール錠、バイエル社)、マウスオステオカルシン(OC:osteocalcin)酵素免疫測定キット、アルカリホスファターゼ(ALP:alkaline phosphatase)テストキット、酒石酸耐性酸性ホスファターゼ(StrACP)テストキット(上記のキットはすべて南京建成社から購入)。デュアルエネルギーX線骨密度計(HOLOGIC)、ECLIPSE 50i顕微鏡(Nikon)、MUTISKANMK3マイクロプレートリーダー(Thermo)、組織切片装置(KD-TS3D1生体組織自動脱水装置(浙江科迪社)を含む)、TB-718生体組織自動包埋機(湖北泰維社)、R138型ロータリスライサ(湖北泰維社)、TK-212型自動恒温ブレンディング装置(湖北泰維社)、TK-213型自動恒温ベーク装置(湖北泰維社)など)。
【0072】
2)試験方法:
a.動物の群分け
雌マウスを偽手術群、モデル群、陽性薬群、及びテスト薬群の4群にランダムに分けた。
b.閉経後骨粗鬆症マウスモデルを作製し、マウスを抱水クロラールで麻酔した後、仰臥位で卵巣を摘出した。偽手術群では、卵巣付近の同体積の脂肪組織のみを採取した。卵巣摘出術後4~8日目に膣塗抹標本検査を行い、卵巣が完全に切除されているかどうかを確認した。
c.投与方法:手術後3日目に、陽性対照薬PROGYNOVA0.1mL/10gを強制経口投与し、偽手術群とモデル群に同体積の0.9%塩化ナトリウム溶液を与え、28日間連続して強制経口投与した。
d.テスト結果
28日後に血液及び骨組織サンプルを採取した。テスト指標を以下に示す。
(1)骨密度の測定:腰椎L4~6を採取し、デュアルエネルギーX線骨密度計で骨密度を測定した。(2)骨組織形態の観察:脛骨を採取し、HE染色法を用いて骨組織形態の変化を観察し、主に骨梁体積比(BV/TV:bone volume/tissue volume)、骨梁数(Tb.N:trabecular bone number)及び骨梁分離度(Tb.sp:trabecular separation)をテストし、定量的な評価指標とした。(3)マウス血清中の生物学的指標であるALP、StrACP、OC、E2の含有量を測定するために、眼球摘出法により採血し、キット及び酵素結合反応吸着測定法を使用した。e.すべてのデータは、SPSS20.0ソフトウェアを使用して分析した。
【0073】
3)試験結果:モデル群と比較して、テスト対象化合物は、マウスの腰椎骨密度の各指標を効果的に増加させ、オステオカルシン含有量を大幅に低下させ、血清中のアルカリホスファターゼ及び酸性ホスファターゼの含有量はいずれも顕著に低下した。このことから、この化合物がエストロゲン欠乏症誘発骨粗鬆症の関連指標を改善できることが示された。
【0074】
ここで、
図2は、一酸化窒素供与体型ベラプロスト系誘導体化合物15による治療後のマウスの骨密度測定データを示す。表2及び3は、化合物15による治療後のマウスの骨形態定量的指標データ及び血清中の骨代謝指数データを示す。
【0075】
【0076】
【0077】
試験例4.急性腎不全における腎尿細管保護効果
1)試験材料:グリセリン(McLean);CCK-8キット、Annexin V-PEアポトーシス検出キット、スーパーオキシドジスムターゼ活性検出キット、マロンジアルデヒド検出キット(Beyotime Biotechnology社);一次抗体のカスパーゼ、caspase3及び9、Bリンパ細胞腫-2遺伝子、Bcl-2関連Xタンパク質(BAX、抗ウサギ)、TGF-β1、smad3(米国のabcam社)、タンパク質ゲルイメージャー、マイクロプレートリーダー、及びフローサイトメーター(Beckman Coulter社、CytoFLEXモデル)。クリーングレードのSDラットは揚州大学から購入した。
【0078】
2)試験方法
ラットの後肢にグリセロールを注射して急性腎不全モデルを確立した。24時間後にラットの血清中のBUNとCrのレベルが上昇し、腎間質血管が壊死し、炎症細胞浸潤が認められ、モデルの確立に成功したものと考えられる。モデル動物の腎組織の一部をインビトロで培養し、腎腎尿細管上皮細胞を単離して同定し、テスト薬と共培養(0~24時間)した後、各種生化学指標とアポトーシスの変化を測定した。すべてのデータは統計的に分析した。
【0079】
3)試験結果
対照群と比較して、モデル動物では、培養(3、6、12、24h)後の細胞のOD450、MDA活性、BCL2タンパク質レベル、SOD活性、アポトーシス率、caspase3、caspase9、BAX、TGF-b1、及びSmad3タンパク質のレベルが上昇した。モデル群と比較して、テスト化合物は、6hの細胞培養後にOD450を上昇させ、アポトーシス率、SOD活性、BCL2、TGF-β1、及びSmad3タンパク質のレベルを低下させ(P<0.05)、MDA活性、caspase3、caspase9、及びBAXタンパク質のレベルを上昇させた。結論:テスト対象化合物は、急性腎不全のラットにおける腎尿細管上皮細胞の増殖を促進し、アポトーシスを阻害し、酸化ストレスを阻害することができ、プロアポトーシスタンパク質の発現を阻害することにより、急性腎不全における腎尿細管上皮細胞の損傷を遅らせることができる。
【0080】
図3は、化合物15で治療した急性腎不全マウスの腎尿細管の増殖を示す。表4及び表5は、急性腎不全マウスにおける腎尿細管細胞のMDA、SOD、アポトーシス率、アポトーシスタンパク質、TGF-β1、及びSmad3に対する化合物15による治療の影響を示す。
【0081】
<表4>急性腎不全における腎尿細管上皮細胞のMDA、SOD及びアポトーシス率に対する化合物15の影響
【0082】
<表5>急性腎不全における腎尿細管上皮細胞のアポトーシスタンパク質、TGF-β1、及びSmad3に対する化合物15の影響
【0083】
試験例5.抗血小板凝集効果
1)実験材料:ADP、アドレナリン、コラーゲン(拜力生物社)
2)実験方法:健常人から提供された血液サンプルを3.8%クエン酸溶液と混合し、160r/minで遠心分離して多血小板血漿を得た。データを校正するために、得られた多血小板血漿をさらに2000r/minで遠心分離して、欠血小板血漿を得、後で使用するために-20℃の冷蔵庫に保存した。Bornl’s濁度法を使用してテストした。多血小板血漿225μLを反応カップに加え、実施例の化合物を50nM溶液(25mM Tris-acetate及び120mM NaCl)に調製し、実施例の化合物溶液25μLを加え、37℃の条件で2min共インキュベートし、ADP(最終濃度2μM)5μLを加えて、血小板凝集を誘発した。血小板凝集の程度を評価するために、ADPを10min添加した後のブランク群のデータを吸光度の最大値とし、各実施例の化合物によるADP誘発血小板凝集の阻害率を算出した。以下の表6のデータから、本願の実施例に記載の化合物はすべて、ADP誘発血小板凝集の阻害に良好な効果を有することが分かった。
【0084】
<表6>実施例化合物によるADP誘発血小板凝集の阻害
【0085】
当業者にとって、本開示は、上記の例示的な実施例に限定されるものではなく、その趣旨から逸脱することなく、他の特定の形態で実現することができる。したがって、すべての態様は、制限的ではなく説明的であり、前述の実施形態ではなく、添付の請求の範囲を参照する実施例であり、引用文献は、上記の例ではなく、添付の請求の範囲のみを対象としたものであることが望ましい。また、特許請求の範囲と均等の意味及び範囲内にあるすべての変更は、特許請求の範囲に包含されるものとする。
【0086】
本明細書に列挙された全ての特許、特許出願及び参考文献は、その全体を参照として本明細書に組み込まれる。矛盾が生じた場合には、定義を含む本開示が優先される。
【国際調査報告】