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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-10-18
(54)【発明の名称】移動式軌道打ち上げ装置
(51)【国際特許分類】
   B64G 5/00 20060101AFI20241010BHJP
   B64G 1/00 20060101ALI20241010BHJP
【FI】
B64G5/00
B64G1/00 200
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024546517
(86)(22)【出願日】2022-10-03
(85)【翻訳文提出日】2024-06-07
(86)【国際出願番号】 IN2022050880
(87)【国際公開番号】W WO2023062646
(87)【国際公開日】2023-04-20
(31)【優先権主張番号】202141046990
(32)【優先日】2021-10-14
(33)【優先権主張国・地域又は機関】IN
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】524145944
【氏名又は名称】アグニクル コスモス プライベート リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110000338
【氏名又は名称】弁理士法人 HARAKENZO WORLD PATENT & TRADEMARK
(72)【発明者】
【氏名】-,サイド ピア モハメド シャー クアドリ
(72)【発明者】
【氏名】ラヴィチャンドラン,スリナート
(57)【要約】
本発明は、移動式軌道打ち上げ装置のシステムおよび方法に関する。本発明の移動式打ち上げ装置は主に、打ち上げロケットおよび打ち上げ関連サブシステムから構成される。すべてのシステムは、陸路または海路で任意の場所へ行くことができるトレーラに搭載される。移動式打ち上げ装置は、打ち上げロケットを水平姿勢で運び、必要な場所に到達した後、打ち上げロケットを連結して垂直にし、打ち上げの準備を整えることになる。本発明のシステムおよび方法は、いかなる障害もなく打ち上げることを可能にするすべてのサブシステムを有する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
移動式軌道打ち上げ装置システムであって、
打ち上げロケットおよび打ち上げ関連サブシステムと、
水平姿勢の前記ロケットと、
システムが、陸路または海路で任意の場所へ行くことができるトレーラに搭載されることと、
を特徴とする、移動式軌道打ち上げ装置システム。
【請求項2】
ロケットの打ち上げに関連する前記サブシステムは、必要に応じて陸路または海路で移動し、必要な時に打ち上げを行うことができる、請求項1に記載の移動式軌道打ち上げ装置システム。
【請求項3】
前記ロケットは、必要な場所に到達した後、チルトシリンダを用いて連結され、垂直姿勢となる、請求項1に記載の移動式軌道打ち上げ装置システム。
【請求項4】
前記チルトシリンダは、液圧アクチュエータである、請求項1に記載の移動式軌道打ち上げ装置システム。
【請求項5】
組み立てエリアにおいて打ち上げ装置に打ち上げロケットを組み合わせる工程(100)と、
前記打ち上げロケットを前記打ち上げ装置とともに陸路で輸送する工程(200)と、
前記打ち上げロケットを前記打ち上げ装置とともに海路で輸送する工程(300)と、
連結前に発射場に前記打ち上げ装置を配置する工程(400)と、
ロケットの連結および推進剤充填の開始の工程(500)と、
前記ロケットを打ち上げる工程と、
を含む、移動式軌道打ち上げシステムの方法(600)。
【請求項6】
前記打ち上げロケットは、その完備したシステムとともに単一のトレーラで運ばれることとなる、請求項5に記載の移動式軌道打ち上げシステムの方法(600)。
【請求項7】
輸送中、前記ロケットは、水平姿勢となり、完全に乾燥した状態に置かれる、請求項5に記載の移動式軌道打ち上げシステムの方法(600)。
【請求項8】
連結された前記ロケットには、推進剤および加圧剤が充填される、請求項5に記載の移動式軌道打ち上げシステムの方法(600)。

【発明の詳細な説明】
【発明の詳細な説明】
【0001】
〔発明の分野〕
本発明は、移動式軌道打ち上げ装置(ランチャ)に関する。より詳細には、陸路または海路で任意の所望の軌道へ関連の打ち上げロケット(ローンチヴィークル)を打ち上げることである。
【0002】
〔発明の背景〕
衛星打ち上げ装置または衛星打ち上げロケットは、衛星、宇宙船、ロケットを宇宙へ運ぶために使用される。インドには、運用可能な2つの打ち上げ装置がある:極軌道衛星打ち上げロケット(Polar Satellite Launch Vehicle:PSLV)、および静止衛星打ち上げロケット(Geosynchronous Satellite Launch Vehicle:GSLV)である。
【0003】
宇宙ロジスティクスは、航空宇宙産業における専門領域である。適切なロジスティクスがなければ、持続可能な宇宙研究は不可能である。
【0004】
従来の発射台設計は、打ち上げ場所に関して、あまり融通の利くものではない。従来の発射台設計は、あらかじめ決められた場所へ、決められた経路で行くことができるものだが、われわれのシステムは、陸路または海路で、任意の所望の場所へ、任意の必要な場所へ行き、打ち上げることができるものである。
【0005】
この宇宙ロジスティクスの技術分野には、いくつかの従来技術がある。
【0006】
特許出願US20180210615A1には、発射台システムおよびタイルインターフェースのためのシステム、方法、およびコンピュータプログラムプロダクトの実施形態が開示されている。一実施形態は、ユーザインターフェースに複数のタイルを設けることによって機能する。前記ユーザインターフェースの第1セクションから、当該ユーザインターフェースの第2セクションへ、第1タイルを移動させる指示が受け取られる。前記第1セクションに表示される前記第1タイルは、第1選択の情報を含み、前記第2セクションのタイルは、セクション選択の情報を含む。前記第1タイルの視覚的外観が変更され、前記第2選択の情報が前記第1タイルに表示される。
【0007】
特許EP2662287B1には、宇宙船に電気推進モータを利用することにより、化学推進モータを有する宇宙船に比べて宇宙船の総質量を大幅に低減し得る多宇宙船打ち上げシステムが開示されている。これによって、Sylda等の支持構造物の除去が可能となり得る。
【0008】
特許US5884866Aには、軌道上に複数の衛星を展開するための、打ち上げロケットに接続可能なディスペンサが開示されている。前記ディスペンサは、長手方向軸を有するポストと、前記ポストを打ち上げロケットに結合するためのアセンブリと、前記ポストに結合され、かつ衛星を前記ポストに展開可能に結合するための取り付け手段を有する複数の取り付け具と、を含む。前記取り付け手段は、前記ポストの長手方向軸に実質的に直交するように位置合わせされ、前記ポストの周りを環状に延びる取り付けベイを定める。
【0009】
特許出願WO2011005422A3には、ブースターステージおよび/またはその他の部分を、海または他の水域におけるプラットフォーム上に着陸させて回収するための打ち上げロケットのシステムおよび方法が開示されている。一実施形態では、再使用可能な宇宙打ち上げロケットが、沿岸発射場から水上の軌道で打ち上げられる。ブースターエンジンがカットオフし、上段が分離された後、ブースターステージは、地球の大気圏に後ろ向きに再進入する。その後、ブースターエンジンが再始動され、ブースターステージは、事前に配置された海上プラットフォームのデッキ上に、垂直に動力着陸する。一実施形態では、双方向の空力制御面によって、ブースターステージが地球の大気圏を滑空しながら前記海上プラットフォームへ向かう当該ブースターステージの軌道が制御される。前記海上プラットフォームは、前記ブースターステージが、漂流による前記海上プラットフォームの位置の誤差を補正できるように、当該ブースターステージにリアルタイムの位置をブロードキャストできる。
【0010】
しかしながら、従来技術には、あらかじめ決められた任意の打ち上げ場所へ陸路で行くことができ、または船に載せられて、あらかじめ決められた沖合の任意の場所へ運ばれることができるロジスティクスおよび衛星打ち上げ装置のためのシステムは開示されていない。
【0011】
そこで、本発明では、載せられて、打ち上げのために陸路または海路で任意の所望の場所に到達することができるサブシステムを特徴とする、移動式打ち上げ装置が開発された。
【0012】
〔発明の目的〕
本発明の主な目的は、任意の打ち上げ場所を通じて任意の所望の軌道への打ち上げロケットを確実にするすべてのサブシステムを有し、打ち上げ装置が陸路または海路を移動することができるような、移動式軌道打ち上げ装置システムを開発することである。
【0013】
〔発明の概要〕
以下の概要は、開示された実施形態における新規な特徴の明確な理解を促進するために提供されるものであり、完全で詳細な説明であることが意図されたものではない。開示される発明のすべての態様の詳細な説明は、明細書全体、図面、および特許請求の範囲、ならびに要約書を全体として検討することによって、理解することができる。
【0014】
本発明では、打ち上げ装置システムが軌道のペイロードを搭載した打ち上げロケットを任意の必要な場所へ運び、それを打ち上げることができるようなシステムが開発された。
【0015】
本発明の別の一態様では、前記システムは、ロケットの打ち上げに関連するすべてのサブシステムとともに衛星打ち上げロケットを運ぶことができ、当該ロケットの打ち上げに関連するすべてのサブシステムは、必要に応じて陸路または海路で移動し、必要な時に打ち上げを行うことができる。
【0016】
本発明の別の一態様では、前記システムは、打ち上げを行うために同時に動作する多くのサブシステムから構成されている。
【0017】
本発明の別の一態様では、前記システムは、最小限のメンテナンスしか必要としないため、複数回の打ち上げに使用できる。
【0018】
本発明の別の一態様では、打ち上げを中断することなく頻繁に行うことができる。次に並ぶロケットは、すぐに輸送される。
【0019】
〔図面の簡単な説明〕
提案されたシステムが動作する方法については、上に略述された説明のより具体的な説明が以下に与えられており、それは構成要素の参照によってなされ得る。その一部は、添付の図面に図示されている。ただし、添付の図面は、本システムの典型的な実施形態のみを示すものであり、したがって、その範囲を限定するものとみなされるべきではないことに留意されたい。本システムは、同様に有効な他の実施形態が可能であり得るからである。
【0020】
図面全体を通して、図面の同じ参照番号は、同じ要素および構成を指すものと理解される。
【0021】
提案された本システムの特徴および利点は、添付の図面に沿った以下の詳細な説明から、より明らかになるであろう。図面は、本出願の一部を構成している。当該図面において:
図1は、本発明による、組み立てエリアにおいて打ち上げ装置に組み合わせられた打ち上げロケットを示す;
図2は、本発明による、陸路で輸送される打ち上げロケットを有する打ち上げ装置を示す;
図3は、本発明による、海路で輸送される打ち上げロケットを有する打ち上げ装置を示す;
図4は、本発明による、連結前の発射場における打ち上げ装置を示す;
図5は、本発明による、連結後のロケットおよび推進剤充填の開始を示す;
図6は、本発明による、移動式軌道打ち上げ装置の方法を示す。
【0022】
〔参照番号〕
100 組み立てエリアにおいて打ち上げ装置に組み合わせられた打ち上げロケット
200 陸路で輸送される打ち上げロケットを有する打ち上げ装置
300 海路で輸送される打ち上げロケットを有する打ち上げ装置
400 連結前の発射場における打ち上げ装置
500 連結後のロケットおよび推進剤充填の開始
600 移動式衛星打ち上げ装置のプロセス
【0023】
〔発明の詳細な説明〕
これらの非限定的な実施例における動作原理、設計構成、および評価値は、様々に変化させることが可能であり、本発明の少なくとも1つの実施形態を説明するために挙げられたものに過ぎず、本発明の範囲を限定するものではない。
【0024】
本明細書に開示された実施形態は、種々の形態で表現することが可能であって、開示された発明において列挙された実施形態に限定されるものとみなされるべきではない。以降のセクションで概説される様々な実施形態は、本発明の範囲を明確に説明することで、開示された発明の完全かつ十分な理解を当業者に提供するように構成されている。
【0025】
本発明の主な要素は、システムが、陸路(200)または海路(300)で、任意の所望の場所へ、任意の必要な場所へ行き、打ち上げることができることである。
【0026】
本発明のシステムは、打ち上げロケットとともにすべての打ち上げ関連サブシステムを搭載して運ぶことができ、陸路または海路で任意の場所へ行くことができる、大きく変更されたトレーラを有する。
【0027】
本発明の移動式打ち上げ装置は主に、打ち上げロケットと、打ち上げ関連サブシステムと、から構成される。当該システムはすべて、陸路または海路で任意の場所へ行くことができるトレーラに搭載される。移動式打ち上げ装置は、打ち上げロケットを水平姿勢で運び、必要な場所に到達した後、打ち上げロケットを連結して垂直(縦)にし、打ち上げの準備を整える。
【0028】
本発明のシステムは、これを実現できるすべてのサブシステムを有する。打ち上げシステムを空路で必要な場所まで運び、打ち上げる代替的な方法。
【0029】
本発明のシステムは、既存の陸路を移動して、所望の場所に到達することができる。このシステムは、移動中にロケットをケアするように設計されており、システムのメンテナンスは比較的少なくて済む。
【0030】
本発明の方法(600)には、組み立てエリアにおいて打ち上げ装置に組み合わせられた打ち上げロケット(100)、陸路で輸送される打ち上げロケットを有する打ち上げ装置(200)、海路で輸送される打ち上げロケットを有する打ち上げ装置(300)、連結前の発射場における打ち上げ装置(400)、連結後のロケットおよび推進剤充填の開始(500)が含まれる。
【0031】
本発明の打ち上げロケットは、その完備したアンビリカルシステムとともに単一のトレーラで運ばれることとなる。輸送中、当該ロケットは、水平姿勢となり、完全に乾燥した状態に置かれる。打ち上げ場所が海上または洋上の場合、当該打ち上げロケットを備え付けたトレーラを船に載せて所望の場所まで運び、打ち上げを行うことができる。
【0032】
トレーラが打ち上げ場所に到着すると、ロケットはチルトシリンダ(液圧アクチュエータ)を用いて連結され、垂直姿勢となる。ロケットが連結されると、推進剤および加圧剤がロケットに充填される。
【0033】
本発明の利点には、以下のものが含まれる:
1.本システムは、打ち上げロケットおよび打ち上げ関連サブシステムを、単一のトレーラで運ぶことができる。
2.本システムは、陸路または海路で任意の必要な場所へ移動し、打ち上げを行うことができる。
3.メンテナンスが比較的少なくて済むので、頻繁に打ち上げが行われる。
4.本システムは、海路だけでなく陸路も利用できるため、打ち上げ場所までの経路に制約がない。
5.本発明では、必要な場所で打ち上げを行うことによって、時間が節約される。
【0034】
本発明の前述した説明は、現時点で最良の態様と考えられるものを当業者が製造および使用することを可能にするものであるが、本明細書に記載された特定の実施形態、方法、および実施例の変形、組み合わせ、および均等物の存在を、当業者であれば理解し、認めるだろう。それゆえ、本発明は、上述した実施形態、方法、および実施例によって定められるのではなく、特許請求の範囲に記載された本発明の範囲内のすべての実施形態および方法によって定められるべきものである。
【図面の簡単な説明】
【0035】
図1】本発明による、組み立てエリアにおいて打ち上げ装置に組み合わせられた打ち上げロケットを示す。
図2】本発明による、陸路で輸送される打ち上げロケットを有する打ち上げ装置を示す。
図3】本発明による、海路で輸送される打ち上げロケットを有する打ち上げ装置を示す。
図4】本発明による、連結前の発射場における打ち上げ装置を示す。
図5】本発明による、連結後のロケットおよび推進剤充填の開始を示す。
図6】本発明による、移動式軌道打ち上げ装置の方法を示す。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
【国際調査報告】