(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-10-18
(54)【発明の名称】大型高炉フラット出口原料配分シュート
(51)【国際特許分類】
C21B 7/20 20060101AFI20241010BHJP
【FI】
C21B7/20 302
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024547808
(86)(22)【出願日】2022-08-31
(85)【翻訳文提出日】2024-04-19
(86)【国際出願番号】 CN2022116126
(87)【国際公開番号】W WO2023077934
(87)【国際公開日】2023-05-11
(31)【優先権主張番号】202122720239.4
(32)【優先日】2021-11-08
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】524152931
【氏名又は名称】フーナン・デウシーノ・ウェアー・レジスタント・インダストリー・カンパニー・リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100118902
【氏名又は名称】山本 修
(74)【代理人】
【識別番号】100106208
【氏名又は名称】宮前 徹
(74)【代理人】
【識別番号】100196508
【氏名又は名称】松尾 淳一
(74)【代理人】
【識別番号】100211236
【氏名又は名称】道下 浩治
(72)【発明者】
【氏名】チョウ,ゾーリン
(72)【発明者】
【氏名】ホアン,ヤビン
(72)【発明者】
【氏名】チャン,ジアンドン
(72)【発明者】
【氏名】リウ,リジュン
(72)【発明者】
【氏名】ユー,ホンリャン
(72)【発明者】
【氏名】キュウ,ジアンホン
【テーマコード(参考)】
4K015
【Fターム(参考)】
4K015GB04
(57)【要約】
大型高炉フラット出口原料配分シュート(100)であって、シュート本体(10)及び整流部(20)を含み、前記シュート本体(10)は、原料供給端(111)と原料配分端(112)とを有する原料受取室(11)を備え、前記整流部(20)は前記シュート本体(10)に接続されるとともに、前記シュート本体(10)における前記原料配分端(112)に近接する側に位置し、前記整流部(20)には、前記整流部(20)を貫通するように設けられる原料排出室(21)が開けられ、前記原料排出室(21)の原料供給口は前記原料受取室(11)に連通し、前記原料排出室(21)の原料排出口(211)はフラット型原料排出口(211)である。
【選択図】
図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
大型高炉フラット出口原料配分シュートであって、
原料供給端と原料配分端とを有する原料受取室を備えるシュート本体、及び
前記シュート本体に接続されるとともに、前記シュート本体における前記原料配分端に近接する側に位置する整流部を含み、
前記整流部には、前記整流部を貫通するように設けられる原料排出室が開けられ、前記原料排出室の原料供給口は前記原料受取室に連通し、前記原料排出室の原料排出口はフラット型原料排出口であることを特徴とする大型高炉フラット出口原料配分シュート。
【請求項2】
前記整流部における前記シュート本体から離れた側に接続される順流部をさらに含み、前記順流部には順流室が開けられ、前記順流室は、前記整流部に近接する側より、前記整流部から離れた側に向かって前記順流部を貫通するように設けられ、前記順流室の原料排出口はフラット型原料排出口であることを特徴とする請求項1に記載の大型高炉フラット出口原料配分シュート。
【請求項3】
前記整流部は、
前記シュート本体に接続される底壁と、
前記底壁と間隔を空けて設けられる頂壁と、
前記シュート本体に接続されており、両端が前記底壁、前記頂壁にそれぞれ接続される側壁と、を含み、
前記側壁は2つ配置され、2つの前記側壁は対向して間隔を空けるように設けられ、
前記底壁、前記頂壁及び2つの前記側壁は、共同で前記原料排出室として囲まれることを特徴とする請求項1に記載の大型高炉フラット出口原料配分シュート。
【請求項4】
前記頂壁には、前記頂壁を貫通するように設けられる目詰まり防止溝が開けられ、前記目詰まり防止溝は前記フラット型原料排出口と前記原料配分端とを連通させ、
前記底壁に近接する方向より、前記底壁から離れた方向に向かって、前記頂壁における前記目詰まり防止溝として囲まれた表面は、中心に近接する方向へ傾斜して設けられることを特徴とする請求項3に記載の大型高炉フラット出口原料配分シュート。
【請求項5】
前記頂壁は、傾斜して設けられており、
前記原料供給口の方向より、前記フラット型原料排出口の方向に向かって、前記原料排出室の厚さは、徐々小さくなっていることを特徴とする請求項3に記載の大型高炉フラット出口原料配分シュート。
【請求項6】
前記シュート本体は、
シュート底壁と、
前記シュート底壁に接続されるシュート側壁と、を含み、
前記シュート側壁は2つ配置され、2つの前記シュート側壁は対向して間隔を空けるように設けられ、2つの前記側壁は2つの前記シュート側壁に対応するように設けられ、
前記シュート底壁及び2つの前記シュート側壁は共同で前記原料受取室として囲まれ、前記底壁は前記シュート底壁に整合するように設けられることを特徴とする請求項5に記載の大型高炉フラット出口原料配分シュート。
【請求項7】
前記側壁は前記シュート側壁に整合するように設けられ、又は、前記シュート側壁に近接する方向より、前記シュート側壁から離れた方向に向かって、前記側壁は中心から離れた方向へ傾斜して設けられることを特徴とする請求項6に記載の大型高炉フラット出口原料配分シュート。
【請求項8】
前記シュート本体に接続されるとともに、前記原料供給端に近接する側に位置する接続部材をさらに含むことを特徴とする請求項1に記載の大型高炉フラット出口原料配分シュート。
【請求項9】
前記フラット型原料排出口は長方形孔又は長円孔であることを特徴とする請求項1~8の何れか1項に記載の大型高炉フラット出口原料配分シュート。
【請求項10】
前記シュート本体又は前記整流部に接続される原料受取板をさらに含み、
前記シュート本体の厚さ方向に沿って、前記原料受取板の少なくとも一部は前記原料受取室の外部に位置しており、
前記原料受取板は、中央パイプから落ちた原料を受け取って、原料を前記原料受取室又は前記原料排出室に導入することを特徴とする請求項9に記載の大型高炉フラット出口原料配分シュート。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は2021年11月8日にて中国特許庁に提出され、出願番号が202122720239.4であり、発明名称が「大型高炉フラット出口原料配分シュート」である中国特許出願の優先権を主張して、その全ての内容は本出願に援用されている。
【0002】
本出願は高炉原料配分の技術分野に係わり、特に、大型高炉フラット出口原料配分シュートに係わっている。
【背景技術】
【0003】
高炉は鉄鋼製錬の主な設備であり、高炉原料配分シュートは高炉における主な原料配分設備である。高炉原料配分シュートは高炉の炉頂に取り付けられ、原料配分装置の底部に設けられて原料配分装置に連結され、原料配分装置の駆動で異なっている傾斜角で回転し、高炉原料配分シュートに落ちた原料は異なっている角度で遠心的に投げられる。高炉が大きいほど、一般的に、その利用係数が低く、その原因の1つは、高炉が大きいほど、その炉内径も大きく、原料配分の外郭径も大きく、外郭に近いほど、高炉原料配分シュートから発散して投げられた原料台の幅(同一角度での原料の同心リングの幅)が広いことにある。
【0004】
従来技術における高炉原料配分シュートは、その外郭にある原料台の幅がより広いため、コークス、シンター、ペレットなどは、外郭の必要な区間に正確に搬送されにくい。
【0005】
図1~
図4に示すように、従来技術における高炉原料配分シュートの出口について、その断面は円弧(U)形、四角形、台形、逆台形などである。回転して原料を配分する場合、これらの構造は何れも多かれ少なかれ、出口の原料の流れの発散、混乱を招致し、原料が回転偏心力の作用で側面に沿って積み上げられて登坂することで、出口の原料層の厚さは400mm以上に達する。厚い原料層及び発散した原料の流れが遠心的に投げられた後、大直径の原料配分面における原料台の幅がより広くなる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
従来技術の高炉原料配分シュートが原料を配分する場合、出口の原料の流れの発散、混乱を招致しやすく、正確な原料配分を効果的に実現できないという技術問題に対して、本出願は原料の流れが出口で発散して、混乱することを効果的に回避して、出口の原料層の厚さを制御し、正確な原料配分を実現する大型高炉フラット出口原料配分シュートを提供している。
【課題を解決するための手段】
【0007】
大型高炉フラット出口原料配分シュートであって、
原料供給端と原料配分端とを有する原料受取室を備えるシュート本体、及び
前記シュート本体に接続されるとともに、前記シュート本体における前記原料配分端に近接する側に位置する整流部を含み、
前記整流部には、前記整流部を貫通するように設けられる原料排出室が開けられ、前記原料排出室の原料供給口は前記原料受取室に連通し、前記原料排出室の原料排出口はフラット型原料排出口である。
【0008】
好ましくは、
前記整流部における前記シュート本体から離れた側に接続される順流部をさらに含み、前記順流部には順流室が開けられ、前記順流室は、前記整流部に近接する側より、前記整流部から離れた側に向かって前記順流部を貫通するように設けられ、前記順流室の原料排出口はフラット型原料排出口である。
【0009】
好ましくは、前記整流部は、
前記シュート本体に接続される底壁と、
前記底壁と間隔を空けて設けられる頂壁と、
前記シュート本体に接続され、両端が前記底壁、前記頂壁にそれぞれ接続される側壁と、を含み、
前記側壁は2つ配置され、2つの前記側壁は対向して間隔を空けるように設けられ、
前記底壁、前記頂壁及び2つの前記側壁は、共同で前記原料排出室として囲まれる。
【0010】
好ましくは、前記頂壁には、前記頂壁を貫通するように設けられる目詰まり防止溝が開けられ、前記目詰まり防止溝は前記フラット型原料排出口と前記原料配分端とを連通させ、
前記底壁に近接する方向より、前記底壁から離れた方向に向かって、前記頂壁における前記目詰まり防止溝として囲まれた表面は中心に近接する方向へ傾斜して設けられる。
【0011】
好ましくは、前記頂壁は傾斜して設けられ、前記原料供給口方向より、前記フラット型原料排出口方向に向かって、前記原料排出室の厚さは徐々小さくなっている。
【0012】
好ましくは、前記シュート本体は、
シュート底壁と、
前記シュート底壁に接続されるシュート側壁と、を含み、
前記シュート側壁は2つ配置され、2つの前記シュート側壁は対向して間隔を空けるように設けられ、2つの前記側壁は2つの前記シュート側壁に対応するように設けられ、
前記シュート底壁及び2つの前記シュート側壁は共同で前記原料受取室として囲まれ、前記底壁は前記シュート底壁に整合するように設けられる。
【0013】
好ましくは、前記側壁は前記シュート側壁に整合するように設けられ、又は、前記シュート側壁に近接する方向より、前記シュート側壁から離れた方向に向かって、前記側壁は中心から離れた方向へ傾斜して設けられる。
【0014】
好ましくは、
前記シュート本体に接続されるとともに、前記原料供給端に近接する側に位置する接続部材をさらに含む。
【0015】
好ましくは、前記フラット型原料排出口は長方形孔又は長円孔である。
【0016】
好ましくは、
前記整流部における前記シュート本体から離れた側に接続される順流部をさらに含み、前記順流部には順流室が開けられ、前記順流室は前記整流部に近接する側より、前記整流部から離れた側に向かって前記順流部を貫通するように設けられ、前記順流室の横断面は前記フラット型原料排出口と同様である。
【0017】
好ましくは、
前記シュート本体又は前記整流部に接続される原料受取板をさらに含み、
前記シュート本体の厚さ方向に沿って、前記原料受取板の少なくとも一部は前記原料受取室の外部に位置しており、
前記原料受取板は、中央パイプから落ちた原料を受け取って、原料を前記原料受取室又は前記原料排出室に導入する。
【発明の効果】
【0018】
従来技術に比べると、本出願が提供する大型高炉フラット出口原料配分シュートはシュート本体及び整流部を含み、前記シュート本体は、原料供給端と原料配分端とを有する原料受取室を備え、前記整流部は前記シュート本体に接続されるとともに、前記原料配分端の側に位置し、前記整流部には、前記整流部を貫通するように設けられる原料排出室が開けられ、前記原料排出室の原料供給口は前記原料受取室に連通し、前記原料排出室の原料排出口はフラット型原料排出口である。このように、高炉の原料配分過程で、前記シュート本体における原料は前記整流部を流れてから、前記フラット型原料排出口を介して高炉原料面に流出して配分され、整流した原料の流れは前記フラット型原料排出口から流出し、原料配分シュート原料排出口から離れた原料層の厚さを、原料の詰まりを招致しないように、できるだけ薄くして、原料の流れの発散、混乱を効果的に回避して、散乱した原料の流れの面積を効果的に減少し、原料を回転して配分して、高炉内の原料面に投げ出されて落下した原料面リング(原料台)の幅をできるだけ狭くして、正確な原料配分を実現する。
【図面の簡単な説明】
【0019】
本出願の実施例又は従来技術における技術案をより明らかに説明するために、以下、実施例又は従来技術の記載の必要な図面を簡単に紹介し、以下に記載の図面は本出願のいくつかの実施例に過ぎず、当業者にとって、進歩性に値する労働をしないことを前提として、これらの図面に基づいて他の図面を取得できる。
【0020】
【
図1】従来技術における高炉原料配分シュートの構造模式図である。
【
図2】従来技術における高炉原料配分シュートの構造模式図である。
【
図3】従来技術における高炉原料配分シュートの構造模式図である。
【
図4】従来技術における高炉原料配分シュートの構造模式図である。
【
図5】実施例1が提供する大型高炉フラット出口原料配分シュートの構造模式図である。
【
図6】
図5の大型高炉フラット出口原料配分シュートの1つの好適な実施形態の構造模式図である。
【
図7】実施例2が提供する大型高炉フラット出口原料配分シュートの構造模式図である。
【
図8】実施例3が提供する大型高炉フラット出口原料配分シュートの構造模式図である。
【
図9】実施例4が提供する大型高炉フラット出口原料配分シュートの構造模式図である。
【
図10】実施例5が提供する大型高炉フラット出口原料配分シュートの構造模式図である。
【
図11】従来技術の高炉原料配分システムにおいて、高炉原料配分シュートの3つの異なっている傾斜角度の構造模式図である。
【
図12】実施例6が提供する高炉原料配分システムにおいて、大型高炉フラット出口原料配分シュートの3つの異なっている傾斜角度の構造模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
当業者が本出願の技術案をよりよく理解するために、以下、本出願の実施例における技術案を明らか且つ完全に記載し、記載される実施例は全ての実施例ではなく、本出願の一部の実施例に過ぎない。本出願の実施例に基づいて、当業者が進歩性に値する労働をしないことを前提として、取得した他の全ての実施例は何れも本出願の保護範囲に属している。
【0022】
ここで、素子は別の素子に「固定される」又は「設けられる」とみなされると、直接的に別の素子に位置し、又は間接的に別の素子に設けられてもよく、1つの素子は別の素子に「接続される」と記載されると、直接的に別の素子に接続され、又は間接的に別の素子に接続されてもよい。
【0023】
ここで、本明細書の図面による構造、比例、寸法などは本出願の実施可能な限定条件を限定していなく、単に明細書の開示内容に合わせて、当業者が容易に理解して閲覧するために用いられるため、技術上の実質意味を具備していなく、本出願が実現できる効果、及び達成できる目的に影響していないことを前提として、構造上の任意の修飾、比例関係の変更又は寸法の調整は依然的に本出願に開示された技術内容がカバーできる範囲内に該当すべきでる。
【0024】
本出願は大型高炉フラット出口原料配分シュートを提供し、シュート本体及び整流部を含み、前記シュート本体は、原料供給端と原料配分端とを有する原料受取室を備え、前記整流部は前記シュート本体に接続されるとともに、前記原料配分端の側に位置し、前記整流部には、前記整流部を貫通するように設けられる原料排出室が開けられ、前記原料排出室は、原料供給口が前記原料受取室に連通し、原料排出口がフラット型原料排出口である。前記大型高炉フラット出口原料配分シュートは原料の流れが出口で発散して、混乱することを効果的に回避して、正確な原料配分を実現する。
【0025】
実施例1
図5及び
図6を結合して参照する。本実施例は大型高炉フラット出口原料配分シュート100を提供し、高炉に適用され、大型高炉の正確な原料配分を実現する。前記大型高炉フラット出口原料配分シュート100は主に、出口原料層の高度差(厚さ)及び原料層の流動方向を制御して、原料の流れの混乱を減少し、大型高炉とは、1500m
3及びその以上の高炉である。
【0026】
前記大型高炉フラット出口原料配分シュート100はシュート本体10及び整流部20を含み、前記シュート本体10は原料受取室11を有し、これによって、前記大型高炉フラット出口原料配分シュート100が中央パイプに取り付けられた場合、前記原料受取室11によって前記中央パイプから落ちた原料をよく受け取ることができる。好ましくは、本実施例において、前記原料受取室11は開放型原料受取室であり、即ち、半密閉型構造であり、その上端は開口を有するため、前記中央パイプから落ちた原料を受け取るようによりよく協働する。前記原料受取室は原料供給端111及び原料配分端112を有し、ここで、前記原料供給端111及び前記原料配分端112は、前記原料受取室11における対向する位置領域であり、前記原料供給端111は、原料をよく受け取ればよく、実際ニーズに応じて必要な任意の位置、例えば前記シュート本体10の端部又は上側などの位置に位置してもよく、前記原料配分端112は、原料が行進しようとする一端に位置し、これによって、原料は前記原料供給端111から前記原料受取室11に流入してから、原料配分端112から流出できる。
【0027】
前記整流部20は前記シュート本体10に接続されるとともに、前記シュート本体10における前記原料配分端112に近接する側に位置し、前記整流部20には前記整流部20を貫通するように設けられる原料排出室21が開けられ、前記原料排出室21の原料供給口は前記原料受取室11に連通し、これによって、前記原料配分端112から流出した原料は、対応して前記原料排出室21に流入できる。前記原料排出室21の原料排出口211はフラット型原料排出口であり、フラット型原料排出口とは、前記原料排出口211の周囲四方が何れも密閉され、密閉型構造であり、これによって、原料が前記原料排出口211から流出した場合、周囲四方に散乱することなく、その同時、前記原料排出口211の長さ寸法は、前記原料排出口211の厚さ寸法よりも大きく、これによって、原料が上側から発散することを効果的に回避できる。
【0028】
ここで、従来技術における高炉原料配分シュートの出口断面は円弧(U)形、四角形、台形、逆台形である。使用過程で、原料配分・製造の必要を満たすために、高炉原料配分シュートは、上下傾動及び回転運動という2つの機能を具備しなければならない。回転過程で高炉に原料を配分する時、原料の流れは高炉原料配分シュートのキャビティを介して高炉に入ると、散乱状になり、高炉原料配分シュートの回転運動による遠心力のため、原料の流れの散乱状況がよりひどくなり、原料の流れは高炉原料面に配分されることで形成された原料バンドがより広くなり、正確な工程操作に不利である。
【0029】
大型高炉の正確な原料配分を実現しようとすると、主に出口原料層の高度差(厚さ)及び原料層の流動方向を制御して、原料の流れの混乱を低減する。本実施例において、前記整流部20の前記原料排出口211をフラット型構造に設置することで、出口原料層の高度差(厚さ)に対する強制制御、及び出口原料の流れに対する強制整流を実現し、原料の流れの断面は略矩形フラット状である。原料の流れをフラット出口の左側又は右側(前記大型高炉フラット出口原料配分シュート100の回転方向の変化に従って、左又は右になる)に集中させてから、前記原料排出口211から流出して高炉原料面に配分し、散乱した原料の流れの面積を減少して、原料バンドの幅を小さくし、原料の流れの発散、混乱を効果的に回避して、正確な原料配分を実現する。前記整流部20を配置して、前記原料排出口211をフラット型構造に設置することで、原料をよく遮断してガイドでき、原料が原料排出口の左右両側及び上側から発散して流出することを効果的に回避し、高炉内に流入した原料の流れを効果的に制御して、高炉中の原料バンドの幅が狭くなり、正確な原料配分をよりよく実現する。
【0030】
好ましくは、前記大型高炉フラット出口原料配分シュート100は、前記整流部20の、前記シュート本体10から離れた側に接続される順流部310をさらに含み、前記順流部310には、前記整流部20に近接する側より、前記整流部20から離れた側に向かって前記順流部310を貫通するように設けられる順流室311が開けられ、前記順流室311の原料排出口はフラット型原料排出口である。具体的に、本実施例において、前記順流室311の横断面は、前記整流部20の前記フラット型原料排出口211の形状と同様である。前記整流部20の後側に前記順流部310を配置することで、フラット密閉型出口セグメントの長さを長くし、前記順流段310を配置することで、原料の流れは混乱状態から順流状態になる。
【0031】
ここで、前記整流部20のみを配置した場合、原料には不純物がドープされる(例えば、200mmほどの鋼棒及び焼結装置の炉火格子棒が原料に混入する)場合、不純物が前記整流部20のフラット型出口セグメントにかかって、原料の詰まりを招致する恐れがある。本実施例において、前記整流部20の後側に前記順流部310を配置することで、不純物の詰まりという状況を効果的に低減して、原料の正常な搬送を保障する。
【0032】
好ましくは、前記整流部20は底壁22、頂壁23及び側壁24を含み、前記底壁22は前記シュート本体10に接続され、前記頂壁23は、前記底壁22と間隔を空けて設けられ、前記側壁24は前記シュート本体10に接続され、その両端が前記底壁22、前記頂壁23にそれぞれ接続される。前記側壁24は2つ配置され、2つの前記側壁24は対向して間隔を空けるように設けられ、前記底壁23、前記頂壁23及び2つの前記側壁24は共同で前記原料排出室21として囲まれる。これによって、前記整流部20と前記シュート本体10との接続の確実性を保障して、前記原料排出室21は前記原料受取室11における原料をよりよく受け取ることができる。
【0033】
好ましくは、前記頂壁23は傾斜して設けられ、前記原料供給口方向から、前記フラット型原料排出口211方向に向かって、前記原料排出室21の厚さは徐々小さくなっている。即ち、前記原料排出室21において、前記原料供給口に近接する側の厚さ空間は、前記原料排出口211に近接する側の厚さ空間よりも大きく、これによって、前記原料排出室21は前記原料受取室11における原料をよりよく受け取ることができ、原料の移行がよりなだらかになる。
【0034】
好ましくは、前記シュート本体10はシュート底壁12及びシュート側壁13を含み、前記シュート側壁13は、前記シュート底壁12に接続されており、2つ配置され、2つの前記シュート側壁13は対向して間隔を空けるように設けられ、2つの前記側壁24は2つの前記シュート側壁13に対応するように設けられる。即ち、一方の前記側壁24は対応するように、一方の前記シュート側壁13に接続され、他方の前記側壁24は対応するように、他方の前記シュート側壁13に接続される。前記シュート底壁12及び2つの前記シュート側壁13は共同で前記原料受取室11として囲まれ、前記底壁22は前記シュート底壁12に整合するように設けられる。前記底壁22が前記シュート底壁12に整合するように設けられることは、前記底壁22の内面が前記シュート底壁12の内面に整合し、その外面が前記シュート底壁12の外面に整合することを意味する。これによって、原料が前記底壁22と前記シュート底壁12との接続箇所を通過する時、よりスムーズになり、原料の詰まりを回避して、前記底壁22の構造強度を保障する。
【0035】
好ましくは、前記側壁24は前記シュート側壁13に整合するように設けられる。即ち、前記側壁24の内面は前記シュート側壁13の内面に整合し、その外面は前記シュート側壁13の外面に整合する。これによって、原料が前記側壁24と前記シュート側壁13との接続箇所を通過する時、よりスムーズになり、原料の詰まりを回避して、前記側壁24の構造強度を保障する。
【0036】
好ましくは、前記大型高炉フラット出口原料配分シュート100は接続部材30をさらに含み、前記接続部材30は前記シュート本体10に接続されるとともに、前記原料供給端111に近接する側に位置し、このように、前記接続部材30によって前記大型高炉フラット出口原料配分シュート100と中央パイプとを容易に接続する。前記接続部材30は具体的に、接続耳型構造又はフック型構造であり、これによって、中央パイプ又は原料配分装置に連結される。
【0037】
好ましくは、前記フラット型原料排出口211は、長円孔であり、即ち、長円形構造を呈し、前記フラット型原料排出口211の周囲四方は、アークが遷移する角丸である。
【0038】
本実施例が提供する前記大型高炉フラット出口原料配分シュート100の原料配分口の幅が大幅に狭く且つより均一になり、正確な原料配分を実現して、高炉内の原料配分状況及び装入物の配合比率状況を改良し、産出量を向上して、エネルギー消費を低減する。
【0039】
ここで、本実施例が提供する前記大型高炉フラット出口原料配分シュート100において、前記シュート本体10の両側にバッフル板を直接的に配置していなく、前記シュート本体10の後側に前記整流部20を別途に配置することで、前記整流部20によって一定の収容・緩衝作用を具備しており、また、原料が直接的にバッフル板に落ちて反発して発散することで、大型高炉フラット出口原料配分シュートによく落ちることができないことを回避する。また、前記フラット型原料排出口211によって原料の流れの高度(厚さ)差をよく制御できる。
【0040】
ここで、高炉が大きいほど、一般的に、その利用係数が低く、その原因の1つは、高炉が大きいほど、その炉内径も大きく、原料配分の直径も大きく、外郭に近いほど、高炉原料配分シュートから発散して投げられた原料台の幅(同一角度での原料の同心リングの幅)が広いことにあり、従来技術における大型高炉フラット出口原料配分シュートは、原料台の幅が広いほど、コークス、シンター、ペレットなどは、必要な区間に正確に搬送されにくい。従って、大型高炉の正確な原料配分を実現しようとすると、主に、出口原料層の高度差(厚さ)及び原料層の流動方向を制御して、原料の流れの混乱を減少する。
【0041】
好ましくは、前記大型高炉フラット出口原料配分シュート100は、主に1500m3及びその以上の高炉に適用され、前記大型高炉フラット出口原料配分シュート100の全体長さは2500mm以上であり、前記フラット型原料排出口211の厚さを200~400mmの間に制御する。より好ましくは、前記フラット型原料排出口211の厚さを300~350mmの間にすることで、大型高炉に対して正確な原料配分をよりよく行う。
【0042】
好ましくは、1つの実施例において、前記大型高炉フラット出口原料配分シュート100は、その長さ方向に沿って、第1直線セグメント、第2直線セグメント及び浮きセグメントに分けられ、前記第2直線セグメントは、前記第1直線セグメントの原料排出側に設けられ、その配置方向が前記第1直線セグメントに対して上へ傾斜する。前記浮きセグメントは、前記第2直線セグメントの原料排出側に設けられ、その配置方向が前記第2直線セグメントに対して上へ傾斜する。これによって、前記大型高炉フラット出口原料配分シュート100が原料を配分する時、より遠く配分でき、高炉炉体の直径をより大きく設計し、落下点の局所に原料が少量積み上げられ、緩衝作用を発揮する。
【0043】
実施例2
図7を結合して参照する。本実施例は大型高炉フラット出口原料配分シュート200を提供し、実施例1の前記大型高炉フラット出口原料配分シュート100の構造と基本的に同様であり、相違点は以下の通り:
本実施例において、前記フラット型原料排出口210は長方形孔である。
【0044】
実施例3
図8を結合して参照する。本実施例は大型高炉フラット出口原料配分シュート400を提供し、実施例1の前記大型高炉フラット出口原料配分シュート100の構造と基本的に同様であり、相違点は以下の通り:
本実施例において、整流部410と実施例1とは相違点がある。具体的に、シュート側壁420に近接する方向より、前記シュート側壁420から離れた方向に向かって、前記整流部410の一側の側壁430は中心から離れた方向へ傾斜して設けられ、これによって、前記整流部410を広くして、前記整流部410における原料受取室がよく動作し、前記原料受取室の容積をよりよく増やして、原料の積み上げを回避するとともに、原料配分の幅を大きくする。無論、実際ニーズに応じて、他の実施例において、前記整流部410の両側の前記側壁430は何れも傾斜状態に配置されることができる。
【0045】
実施例4
図9を結合して参照する。本実施例は大型高炉フラット出口原料配分シュート500を提供し、実施例1の前記大型高炉フラット出口原料配分シュート100の構造と基本的に同様であり、相違点は以下の通り:
本実施例において、整流部510と実施例2とは相違点がある。具体的に、前記整流部510の頂壁520には、前記頂壁520を貫通するように設けられる目詰まり防止溝530が開けられ、前記目詰まり防止溝530はフラット型原料排出口540と原料配分端550とを連通させる。このように、前記目詰まり防止溝530によって、原料が前記整流部510で詰まることを回避して、原料の流動がよりスムーズになる。底壁560に近接する方向より、前記底壁560から離れた方向に向かって、前記頂壁520の、前記目詰まり防止溝530として囲まれた表面570は中心に近接する方向へ傾斜して設けられる。これによって、前記大型高炉フラット出口原料配分シュート500が順方向傾斜角度に沿って原料を配分する時、前記表面570は前記目詰まり防止溝530における原料に対して一定のガイド作用を発揮して、原料を原料排出室にガイドし、正確な原料配分を保障する。
【0046】
実施例5
図10を結合して参照する。本実施例は大型高炉フラット出口原料配分シュート600を提供し、実施例4の前記大型高炉フラット出口原料配分シュート500の構造と基本的に同様であり、相違点は以下の通り:
本実施例において、前記大型高炉フラット出口原料配分シュート600は原料受取板610をさらに含み、前記原料受取板610はシュート本体620又は整流部630に接続され、前記原料受取板610の少なくとも一部は、前記シュート本体620の厚さ方向(
図10のX方向)に沿って、原料受取室640の外部に位置し、即ち、前記シュート本体620から張り出す。前記原料受取板610は中央パイプから落ちた原料を受け取って、原料を前記原料受取室640又は原料排出室650に導入する。これによって、前記大型高炉フラット出口原料配分シュート600が中央パイプに垂直する角度に沿って設けられる場合、前記原料受取板610によって落ちた原料をスムーズに受け取って、原料を前記原料受取室640又は前記原料排出室650に導入し、正確な原料配分をよりよく実現する。具体的に、前記原料受取板610は前記シュート本体620の側壁に対して傾斜して設けられ、前記原料受取板610の、前記シュート本体620の外部に位置する部分は開口状を呈し、これによって、原料をよりよく受け取って、さらに、原料のスパッタリングを防止する。
【0047】
実施例6
図11及び
図12を結合して参照する。本実施例は高炉原料配分システム1000を提供し、中央パイプ700及び前記中央パイプに取り付けられる大型高炉フラット出口原料配分シュートを含み、本実施例の前記大型高炉フラット出口原料配分シュートは、実施例5の前記大型高炉フラット出口原料配分シュート600を採用する。
【0048】
ここで、従来技術における大型高炉フラット出口原料配分シュートには原料受取板が設けられていないため、上下傾動の過程で、中央パイプから落ちた原料は微発散状になり、大型高炉フラット出口原料配分シュートが略垂直するまで傾動した場合、一部の原料は大型高炉フラット出口原料配分シュートを経ていなく、直接的に高炉に落ちて、正確な工程操作に不利である。
【0049】
本実施例における前記高炉原料配分システム1000は前記大型高炉フラット出口原料配分シュート600を使用することで、前記原料受取板610によって前記中央パイプ700から落ちた原料をよりよく受け取って、より正確な原料配分を実現する。
【0050】
従来技術に比べると、本出願が提供する大型高炉フラット出口原料配分シュートはシュート本体及び整流部を含み、前記シュート本体は、原料供給端と原料配分端とを有する原料受取室を備え、前記整流部は前記シュート本体に接続されるとともに、前記原料配分端の側に位置し、前記整流部には、前記整流部を貫通するように設けられる原料排出室が開けられ、前記原料排出室の原料供給口は前記原料受取室に連通し、その原料排出口はフラット型原料排出口である。このように、高炉の原料配分過程で、前記シュート本体における原料は前記整流部を流れてから、前記フラット型原料排出口を介して高炉原料面に流出して配分され、整流した原料の流れは前記フラット型原料排出口から流出するので、原料配分シュート原料排出口から離れた原料層の厚さを、原料の詰まりを招致しないように、できるだけ薄くして、原料の流れの発散、混乱を効果的に回避して、散乱した原料の流れの面積を効果的に減少し、回転して原料を配分して、高炉内の原料面に投げ出されて落下した原料面リング(原料台)の幅をできるだけ狭くして、正確な原料配分を実現する。
【0051】
以上の記載は本出願の実施形態に過ぎず、ここで、当業者にとって、本出願の創造構想から逸脱しないことを前提として、改良を行うことができ、これらは何れも本出願の保護範囲に属している。
【国際調査報告】