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▶ ブリヂストン アメリカズ タイヤ オペレーションズ、 エルエルシーの特許一覧

(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-10-22
(54)【発明の名称】双方向サイプ及び/又はスロット
(51)【国際特許分類】
   B60C 11/12 20060101AFI20241015BHJP
   B29D 30/06 20060101ALI20241015BHJP
【FI】
B60C11/12 A
B60C11/12 C
B60C11/12 D
B29D30/06
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024522432
(86)(22)【出願日】2022-10-07
(85)【翻訳文提出日】2024-05-03
(86)【国際出願番号】 US2022077735
(87)【国際公開番号】W WO2023064705
(87)【国際公開日】2023-04-20
(31)【優先権主張番号】63/256,543
(32)【優先日】2021-10-16
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】515168916
【氏名又は名称】ブリヂストン アメリカズ タイヤ オペレーションズ、 エルエルシー
(74)【代理人】
【識別番号】110001519
【氏名又は名称】弁理士法人太陽国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ウィシュト,ジュニア,ポール ジェイ.
(72)【発明者】
【氏名】セヴェリン,デイビッド エム.
【テーマコード(参考)】
3D131
4F501
【Fターム(参考)】
3D131BB11
3D131BC12
3D131BC18
3D131EB91Z
3D131EB95Z
3D131EB99Z
3D131LA28
4F501TL36
4F501TV21
(57)【要約】
【解決手段】 一態様では、タイヤであって、トレッドリブ又はトレッドブロックを備えるトレッド部分と、トレッドリブ又はトレッドブロックに含まれるサイプと、を備え、サイプが、対向する外側セクションの間に軸方向に位置する中央セクションを含み、中央セクション及び各外側セクションが、径方向外側部分と、径方向内側部分と、を含み、各外側セクションの径方向外側部分が、周方向幅WT1を有し、中央セクションの径方向外側部分が、周方向幅WT2を有し、周方向幅WT1が、周方向幅WT2よりも大きく、各外側セクションの径方向内側部分が、径方向深さDB1Eを有する軸方向外側部分と、径方向深さDB1Iを有する軸方向内側部分と、を含み、径方向深さDB1Eが、径方向深さDB1Iよりも小さい、タイヤが提供される。
【選択図】図2A
【特許請求の範囲】
【請求項1】
タイヤであって、
トレッドリブ又はトレッドブロックのうちの少なくとも1つを備えるトレッド部分と、
前記トレッドリブ又は前記トレッドブロックに含まれるサイプと、を備え、
前記サイプが、対向する外側セクションの間に軸方向に位置する中央セクションを含み、前記中央セクション及び各外側セクションが、径方向外側部分と、径方向内側部分と、を含み、
各外側セクションの前記径方向外側部分が、周方向幅WT1を有し、
前記中央セクションの前記径方向外側部分が、周方向幅WT2を有し、
前記周方向幅WT1が、前記周方向幅WT2よりも大きく、
各外側セクションの前記径方向内側部分が、径方向深さDB1Eを有する軸方向外側部分と、径方向深さDB1Iを有する軸方向内側部分と、を含み、
前記径方向深さDB1Eが、前記径方向深さDB1Iよりも小さい、タイヤ。
【請求項2】
サイプ中央セクションが、その径方向外側部分に、対向するキーエッジを有する、請求項1に記載のタイヤ。
【請求項3】
前記対向するキーエッジが、前記タイヤの軸方向に対して角度A1だけ角度付けされており、前記角度A1が、60度である、請求項2に記載のタイヤ。
【請求項4】
前記幅WT1が、前記幅WT2の値の2.0倍である、請求項1に記載のタイヤ。
【請求項5】
前記幅WT1が、前記幅WT2の値の1.5~2.5倍である、請求項1に記載のタイヤ。
【請求項6】
各外側セクションの前記径方向内側部分が、周方向幅WB1を有し、前記幅WB1が、前記幅WT1よりも小さい、請求項1に記載のタイヤ。
【請求項7】
前記中央セクションの前記径方向内側部分が、周方向幅WB2を有し、前記幅WB2が、前記幅WT2よりも大きい、請求項1に記載のタイヤ。
【請求項8】
各外側セクションの前記径方向内側部分が、周方向幅WB1を有し、前記中央セクションの前記径方向内側部分が、周方向幅WB2を有し、前記幅WB1が、前記幅WB2よりも小さく、前記幅WB1及び前記幅WB2が両方とも、前記幅WT1よりも小さい、請求項1に記載のタイヤ。
【請求項9】
タイヤであって、
トレッドリブ又はトレッドブロックのうちの少なくとも1つを備えるトレッド部分と、
前記トレッドリブ又は前記トレッドブロックに含まれるサイプと、を備え、
前記サイプが、対向する外側セクションの間に軸方向に位置する中央セクションを含み、
前記中央セクション及び各外側セクションが、径方向外側部分と、径方向内側部分と、を含み、
各外側セクションの前記径方向外側部分が、周方向幅WT1を有し、
前記中央セクションの前記径方向外側部分が、周方向幅WT2を有し、
前記周方向幅WT1が、前記周方向幅WT2よりも大きく、
各外側セクションの前記径方向内側部分が、前記幅WT1よりも小さい周方向幅WB1を有し、
前記中央セクションの前記径方向内側部分が、前記幅WT2よりも大きい周方向幅WB2を有し、
前記周方向幅WB1が、前記周方向幅WB2よりも小さく、前記幅WB2が、前記幅WT1よりも小さい、タイヤ。
【請求項10】
サイプ中央セクションが、その径方向外側部分に、対向するキーエッジを有する、請求項9に記載のタイヤ。
【請求項11】
前記対向するキーエッジが、前記タイヤの軸方向に対して角度A1だけ角度付けされており、前記角度A1が、60度である、請求項10に記載のタイヤ。
【請求項12】
各外側セクションの前記径方向内側部分が、径方向深さDB1Eを有する軸方向外側部分と、径方向深さDB1Iを有する軸方向内側部分と、を含み、前記径方向深さDB1Eが、前記径方向深さDB1Iよりも小さい、請求項9に記載のタイヤ。
【請求項13】
前記幅WT1が、前記幅WT2の値の2.0倍である、請求項9に記載のタイヤ。
【請求項14】
タイヤサイプブレードであって、
対向する外側セクションの間に軸方向に位置する中央セクションを備え、
前記中央セクション及び各外側セクションが、径方向外側部分と、径方向内側部分と、を含み、
各外側セクションの前記径方向外側部分が、周方向幅WT1を有し、
前記中央セクションの前記径方向外側部分が、WT2を伴う周方向幅有し、
前記周方向幅WT1が、前記周方向幅WT2よりも大きく、
各外側セクションの前記径方向内側部分が、径方向深さDB1Eを有する軸方向外側部分と、径方向深さDB1Iを有する軸方向内側部分と、を含み、
前記径方向深さDB1Eが、前記径方向深さDB1Iよりも小さい、タイヤサイプブレード。
【請求項15】
サイプブレード中央セクションが、その径方向外側部分に、対向するキー形成エッジを有する、請求項14に記載のタイヤ。
【請求項16】
前記対向するキー形成エッジが、軸方向に対して角度A1だけ角度付けされており、前記角度A1が、60度である、請求項15に記載のタイヤ。
【請求項17】
前記幅WT1が、前記幅WT2の値の2.0倍である、請求項14に記載のタイヤ。
【請求項18】
各外側セクションの前記径方向内側部分が、周方向幅WB1を有し、前記幅WB1が、前記幅WT1よりも小さい、請求項14に記載のタイヤ。
【請求項19】
前記中央セクションの前記径方向内側部分が、周方向幅WB2を有し、前記幅WB2が、前記幅WT2よりも大きい、請求項14に記載のタイヤ。
【請求項20】
各外側セクションの前記径方向内側部分が、周方向幅WB1を有し、前記中央セクションの前記径方向内側部分が、周方向幅WB2を有し、前記幅WB1が、前記幅WB2よりも小さく、前記幅WB1及び前記幅WB2が両方とも、前記幅WT1よりも小さい、請求項14に記載のタイヤ。
【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
タイヤは、多くの場合、様々な道路条件において性能を最適化するように設計される。例えば、全天候型タイヤは、乾いた道路条件、濡れた道路条件、及び積雪/凍結した道路条件における性能を最適化するように設計されたトレッド特徴部を含み得る。
【0002】
雪上及び氷上でトラクションを得ることは、多くの場合、タイヤのトレッドに「噛み込みエッジ」を提供することによって達成される。これらの「噛み込みエッジ」は、サイプ又はスロットの形態であることが多い。しかしながら、サイプ又はスロットが多すぎると、トレッドブロック又はリブの剛性の損失につながる可能性があり、これは、特に乾いた車道条件において、タイヤの性能の最適化にとって望ましくない場合がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
したがって、必要とされているのは、雪上及び氷上のトラクションと乾いた車道上のトラクションとのバランスをとるタイヤトレッド特徴部である。
【0004】
一態様では、タイヤであって、トレッドリブ又はトレッドブロックのうちの少なくとも1つを備えるトレッド部分と、トレッドリブ又はトレッドブロックに含まれるサイプと、を備え、サイプが、対向する外側セクションの間に軸方向に位置する中央セクションを含み、中央セクション及び各外側セクションが、径方向外側部分と、径方向内側部分と、を含み、各外側セクションの径方向外側部分が、周方向幅WT1を有し、中央セクションの径方向外側部分が、周方向幅WT2を有し、周方向幅WT1が、周方向幅WT2よりも大きく、各外側セクションの径方向内側部分が、径方向深さDB1Eを有する軸方向外側部分と、径方向深さDB1Iを有する軸方向内側部分と、を含み、径方向深さDB1Eが、径方向深さDB1Iよりも小さい、タイヤが提供される。
【0005】
別の態様では、タイヤであって、トレッドリブ又はトレッドブロックのうちの少なくとも1つを備えるトレッド部分と、トレッドリブ又はトレッドブロックに含まれるサイプと、を備え、サイプが、対向する外側セクションの間に軸方向に位置する中央セクションを含み、中央セクション及び各外側セクションが、径方向外側部分と、径方向内側部分と、を含み、各外側セクションの径方向外側部分が、周方向幅WT1を有し、中央セクションの径方向外側部分が、周方向幅WT2を有し、周方向幅WT1が、周方向幅WT2よりも大きく、各外側セクションの径方向内側部分が、幅WT1よりも小さい周方向幅WB1を有し、中央セクションの径方向内側部分が、幅WT2よりも大きい周方向幅WB2を有し、周方向幅WB1が、周方向幅WB2よりも小さく、幅WB2が、幅WT1よりも小さい、タイヤが提供される。
【0006】
別の態様では、タイヤサイプブレードであって、対向する外側セクションの間に軸方向に位置する中央セクションを備え、中央セクション及び各外側セクションが、径方向外側部分と、径方向内側部分と、を含み、各外側セクションの径方向外側部分が、周方向幅WT1を有し、中央セクションの径方向外側部分が、周方向幅WT2を有し、周方向幅WT1が、周方向幅WT2よりも大きく、各外側セクションの径方向内側部分が、径方向深さDB1Eを有する軸方向外側部分と、径方向深さDB1Iを有する軸方向内側部分と、を含み、径方向深さDB1Eが、径方向深さDB1Iよりも小さい、タイヤサイプブレードが提供される。
【図面の簡単な説明】
【0007】
本明細書に組み込まれ、本明細書の一部を構成する添付の図は、様々な例示的態様を例解し、様々な例示的態様を例解するために使用されるにすぎない。図において、同様の要素は、同様の参照符号を有する。
図1A図1Aは、双方向サイプ及び/又はスロット110を含むトレッドブロック106を有するタイヤトレッド100の斜視図を示す。
図1B図1Bは、双方向サイプ及び/又はスロット110を含むトレッドブロック106を有するタイヤトレッド100の平面図を示す。
図1C図1Cは、双方向サイプ及び/又はスロット110を含むトレッドブロック106の斜視図を示す。
図1D図1Dは、双方向サイプ及び/又はスロット110を含むトレッドブロック106の半部の斜視図を示す。
図1E図1Eは、双方向サイプ及び/又はスロット110を含むトレッドブロック106の半部の斜視図を示す。
図2A図2Aは、双方向サイプ及び/又はスロットを形成するためのタイヤサイプブレード230の斜視図を示す。
図2B図2Bは、双方向サイプ及び/又はスロットを形成するためのタイヤサイプブレード230の立面図を示す。
図2C図2Cは、図2Bの基準線A-Aによって形成された平面の周りに切断したタイヤサイプブレード230の断面図を示す。
図2D図2Dは、図2Bの基準線B-Bによって形成された平面の周りに切断したタイヤサイプブレード230の断面図を示す。
図2E図2Eは、図2Bの基準線C-Cによって形成された平面の周りに切断したタイヤサイプブレード230の断面図を示す。
図2F図2Fは、双方向サイプ及び/又はスロットを形成するためのタイヤサイプブレード230の平面図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0008】
図1A図1Eは、双方向サイプ及び/又はスロット110を含むトレッドブロック106を有するタイヤトレッド100を示す。タイヤトレッド100は、例えば、乾いた走行面並びに積雪及び凍結した走行面の両方で使用することを意図したタイヤを含む、様々なタイヤのうちのいずれかに利用することができる。
【0009】
本明細書で説明する軸及び平面は、図1A図1Eに示されており、タイヤの周方向に配向された周方向軸Cと、タイヤの径方向に配向された径方向軸Rと、タイヤの軸方向に配向された軸方向軸Aと、を含む。
【0010】
タイヤトレッド100は、並列の周方向溝104によって画定された少なくとも1つのブロック列102を含み得る。軸方向スロット/サイプ108は、個々のトレッドブロック106を画定するように、ブロック列102を少なくとも部分的に横断して延在し得る。少なくとも1つのトレッドブロック106は、双方向サイプ及び/又はスロット110を含む。代替的に、タイヤトレッド100は、トレッドブロックの代わりに、少なくともトレッドリブを含み得、トレッドリブは、双方向サイプ及び/又はスロット110を含む。
【0011】
サイプ/スロット110は、対向する外側セクション114の間に(例えば、その間に軸方向に)位置する中央セクション112を含む。サイプ/スロット110は、中央セクション112に限定された、対向するキーエッジ116を含む。キーエッジ116は、径方向外面において、径方向Rに対して負角又はアンダーカット角であり、その結果、ブロック106は、径方向外側部分において、対向する内側に面する鋭角を有する。
【0012】
対向するキーエッジ116は、積雪及び凍結におけるトラクションの増加をもたらす、双方向性をもたらす(すなわち、タイヤは、特定の回転方向を有する必要がない)。対向するキーエッジ116の双方向性は、タイヤが、タイヤの回転方向にかかわらず意図したとおりに機能することを可能にし、よって、設置者は、タイヤの性能を低下させることなく、トレッドがいずれの方向にも回転する状態でタイヤを車両に装着することができる。追加的に、対向するキーエッジ116の双方向性は、タイヤが加速しているとき及び制動しているときの両方で、積雪及び凍結におけるトラクションの利益を提供し得る。すなわち、鋭角キーエッジ116は、積雪面及び凍結面を「噛み込んで」、それらの面でのタイヤのトラクションを増加させる。キーエッジ116の形状は、図1Eにおいて最も容易に見ることができる。
【0013】
サイプ/スロット110は、外側セクション114に限定された対向する面取りエッジ118を含む。面取りエッジ118は、径方向外面において、径方向Rに対して正角である。すなわち、面取りエッジ118は、キーエッジ116とは反対方向に角度付けされている。面取りエッジ118の形状は、図1Eにおいて最も容易に見ることができる。
【0014】
外側セクションの対向側壁120は、面取りエッジ118から外側基部122まで径方向内向きに実質的に径方向Rに延在している。中央セクションに対向する側壁124は、キーエッジ116から中央基部126まで径方向内向きに実質的に径方向Rに延在している。
【0015】
外側セクション114は、最外の外側部分の短い径方向深さ(下で説明するD1E)、及び最内の内側部分の長い径方向深さ(下で説明するD1I)によって生じるステップを含み得る。その結果、タイバー129がサイプ/スロット110内に形成される。タイバー129は、サイプ/スロット110によって二分されたブロック106の2つの半部を「結合する」ように作用し、ブロック106の剛性の増加をもたらし得る。
【0016】
サイプ/スロット110の相対寸法及び角度は、サイプブレード230に関して下で概説する。
【0017】
図2A図2Fは、サイプ/スロット110などの双方向サイプ及び/又はスロットを形成するためのタイヤサイプ/スロットブレード230を示す。
【0018】
ブレード230は、対向する外側セクション234の間に(例えば、その間に軸方向に)位置する中央セクション232を含む。中央セクション232は、頂部中央セクション面235を含み、各外側セクション234は、頂部外側セクション面237を含む。
【0019】
ブレード230は、中央セクション232に限定された、対向するキー形成エッジ236を含む。キー形成エッジ236は、タイヤトレッド100の径方向外面において、径方向Rに対して負角又はアンダーカット角度(キーエッジ116)を形成し、その結果、ブロック106は、径方向外側部分において、対向する内側に面する鋭角(キーエッジ116)を有する。キー形成エッジ236の形状は、図2A及び図2C図2Eにおいて最も容易に見ることができる。
【0020】
ブレード230は、外側セクション234に限定された、対向する面取り形成エッジ238を含む。面取り形成エッジ238は、径方向外面において、径方向Rに対して正角を形成する。すなわち、面取り形成エッジ238は、キー形成エッジ236とは反対方向に角度付けされている。面取り形成エッジ238の形状は、図2A及び図2C図2Eにおいて最も容易に見ることができる。
【0021】
外側セクション234は、側壁120を形成する、外側セクションの対向側壁240を含む。側壁240は、面取り形成エッジ238から下向きに延在している。中央セクション232は、側壁124を形成する、中央セクションの対向側壁244を含む。側壁244は、キー形成エッジ236から下向きに延在している。
【0022】
頂部外側セクション面237は、幅(例えば、周方向幅)WT1を含む。一態様では、幅WT1は、約1.0mm~約3.0mmである。別の態様では、幅WT1は、1.0mm~3.0mmである。別の態様では、幅WT1は、約1.5mm~約2.5mmである。別の態様では、幅WT1は、1.5mm~2.5mmである。別の態様では、幅WT1は、約1.75mm~約2.25mmである。別の態様では、幅WT1は、1.75mm~2.25mmである。別の態様では、幅WT1は、約2.0mmである。別の態様では、幅WT1は、2.0mmである。
【0023】
頂部中央セクション面235は、幅(例えば、周方向幅)WT2を含む。一態様では、幅WT2は、約0.5mm~約2.0mmである。別の態様では、幅WT2は、0.5mm~2.0mmである。別の態様では、幅WT2は、約0.7mm~約1.8mmである。別の態様では、幅WT2は、0.7mm~1.8mmである。別の態様では、幅WT2は、約0.8mm~約1.5mmである。別の態様では、幅WT2は、0.8mm~1.5mmである。別の態様では、幅WT2は、約1.0mmである。別の態様では、幅WT2は、1.0mmである。
【0024】
幅WT1は、幅WT2よりも大きい。一態様では、幅WT1は、幅WT2の値の約2.0倍である。別の態様では、幅WT1は、幅WT2の値の2.0倍である。別の態様では、幅WT1は、幅WT2の値の1.5~2.5倍である。
【0025】
側壁240は、幅WB1によって(例えば、周方向に)分離される。
【0026】
側壁244は、幅WB1によって(例えば、周方向に)分離される。
【0027】
幅WB1は、幅WT1よりも小さい。幅WB2は、幅WT2よりも大きい。幅WB1は、幅WB2よりも小さい。一態様では、幅WB1及び幅WB2が両方とも、幅WT1よりも小さい。
【0028】
一態様では、幅WB1は、幅WT2に等しい。別の態様では、幅WB2は、幅WT1に等しい。
【0029】
各外側セクション234は、(例えば、軸方向に)長さL1を含み得る。
【0030】
各外側セクション234は、短い径方向深さ(D1E)及び(例えば、軸方向に)長さL1Eを有する最外外側部分と、長い径方向深さ(D1I)及び長さL1Iを有する内側部分と、を含み得る。長さL1は、長さL1Eに長さL1Iを加えた長さに等しい。
【0031】
図2Cは、図2Bの基準線A-Aによって形成された平面の周りに切断したタイヤサイプブレード230の断面図を示す。図2Dは、図2Bの基準線B-Bによって形成された平面の周りに切断したタイヤサイプブレード230の断面図を示す。図2Eは、図2Bの基準線C-Cによって形成される平面の周りに切断したタイヤサイプブレード230の断面図を示す。
【0032】
各外側セクション234の最外外側部分は、総径方向深さD1Eを含み得、面取り形成エッジ238が径方向深さDT1Eを有し、側壁240が径方向深さDB1Eを有する。深さD1Eは、深さDT1Eに深さDB1Eを加えた深さに等しい。
【0033】
各外側セクション234の内側部分は、総径方向深さD1Iを含み得、面取り形成エッジ238が径方向深さDT1Iを有し、側壁240が径方向深さDB1Iを有する。深さD1Iは、深さDT1Iに深さDB1Iを加えた深さに等しい。
【0034】
一態様では、径方向深さDB1Eは、径方向深さDB1Iよりも小さい。一態様では、径方向深さDT1Eは、径方向深さDT1Iに等しい。別の態様では、径方向深さDT1E、DT1I、及びDT2は、全て互いに等しい。
【0035】
中央セクション232は、総径方向深さD2を含み得、キー形成エッジ236が径方向深さDT2を有し、側壁244が径方向深さDB2を有する。深さD2は、深さDT2に深さDB2を加えた深さに等しい。
【0036】
一態様では、径方向深さDB2は、径方向深さDB1Eよりも深い。別の態様では、深さDB2は、深さDB1Iに等しい。別の態様では、深さD2は、深さD1Iに等しい。別の態様では、深さDT2は、深さDT1Iに等しい。
【0037】
中央セクション232は、(例えば、軸方向に)長さL2を含み得る。
【0038】
キー形成エッジ236は、軸方向に対する角度A1を含む。一態様では、角度A1は、約45度~約75度である。別の態様では、角度A1は、45度~75度である。別の態様では、角度A1は、約50度~約70度である。別の態様では、角度A1は、50度~70度である。別の態様では、角度A1は、約55度~約65度である。別の態様では、角度A1は、55度~65度である。別の態様では、角度A1は、約60度である。別の態様では、角度A1は、60度である。
【0039】
面取り形成エッジ238は、軸方向に対する角度A2を含む。一態様では、角度A2は、約45度~約75度である。別の態様では、角度A2は、45度~75度である。別の態様では、角度A2は、約50度~約70度である。別の態様では、角度A2は、50度~70度である。別の態様では、角度A2は、約55度~約65度である。別の態様では、角度A2は、55度~65度である。別の態様では、角度A2は、約60度である。別の態様では、角度A2は、60度である。
【0040】
角度A1は、角度A2に等しくてもよく、各々が軸方向Aに対して相対的であるが、一方は正角であり、他方は負角である。
【0041】
「含む(includes)」又は「含む(including)」という用語が、本明細書又は特許請求の範囲で使用される範囲において、特許請求項で移行語として用いられる際に解釈されるように、「備える(comprising)」という用語と同様に、包括的であることが意図される。更に、「又は(or)」という用語が用いられる(例えば、A又はB)範囲において、「A若しくはB、又は両方」を意味することが意図される。本出願人らが「両方ではなくA又はBのみ」を示すことを意図する場合、「両方ではなくA又はBのみ(only A or B but not both)」という用語が用いられる。したがって、本明細書における「又は」という用語の使用は、排他的ではなく、包括的である。Bryan A.Garner,A Dictionary of Modern Legal Usage 624(2d.Ed.1995)を参照されたい。また、「中に(in)」又は「中へ(into)」という用語が、本明細書又は特許請求の範囲において使用される範囲において、「上に(on)」又は「上へ(onto)」を追加的に意味することが意図される。「実質的に」という用語が本明細書又は特許請求の範囲において使用される範囲において、タイヤ製造で利用可能な精度の度合いを考慮に入れることが意図される。「選択的に」という用語が本明細書又は特許請求の範囲において使用される範囲において、装置の使用者が、装置の使用時に、必要又は所望に応じて、構成要素の特徴又は機能を作動又は停止させ得る、構成要素の状態を指すことが意図される。「動作可能に接続され」という用語が本明細書又は特許請求の範囲において使用される範囲において、特定された構成要素が指定された機能を実行するように接続されていることを意味することが意図される。本明細書及び特許請求の範囲において使用される場合、単数形「a」、「an」及び「the」は、複数形を含む。最後に、「約(about)」という用語が数値と併せて使用される場合、その数値の±10%を包含することが意図される。言い換えれば、「約10」は、9~11までを意味することができる。
【0042】
上述のとおり、本出願は、その実施形態及び態様の説明によって例解され、実施形態及び態様は、かなり詳細に説明されているが、添付の特許請求の範囲の範囲をこのような詳細に制限すること、又は、いかようにも限定することは、本出願人らの意図ではない。追加の利点及び変更は、本出願の利益を享受しながら、当業者に容易に明らかになるであろう。したがって、本出願は、本出願のより広い態様において、具体的な詳細、示された用例、又は参照されたいずれの装置にも限定されない。全体的な発明概念の趣旨又は範囲から逸脱することなく、このような詳細、例、及び装置からの逸脱がなされ得る。
図1A
図1B
図1C
図1D
図1E
図2A
図2B
図2C
図2D
図2E
図2F
【手続補正書】
【提出日】2024-05-03
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
タイヤであって、
トレッドリブ又はトレッドブロックのうちの少なくとも1つを備えるトレッド部分と、
前記トレッドリブ又は前記トレッドブロックに含まれるサイプと、を備え、
前記サイプが、対向する外側セクションの間に軸方向に位置する中央セクションを含み、前記中央セクション及び各外側セクションが、径方向外側部分と、径方向内側部分と、を含み、
各外側セクションの前記径方向外側部分が、周方向幅WT1を有し、
前記中央セクションの前記径方向外側部分が、周方向幅WT2を有し、
前記周方向幅WT1が、前記周方向幅WT2よりも大きく、
各外側セクションの前記径方向内側部分が、径方向深さDB1Eを有する軸方向外側部分と、径方向深さDB1Iを有する軸方向内側部分と、を含み、
前記径方向深さDB1Eが、前記径方向深さDB1Iよりも小さい、タイヤ。
【請求項2】
サイプ中央セクションが、その径方向外側部分に、対向するキーエッジを有する、請求項1に記載のタイヤ。
【請求項3】
前記幅WT1が、前記幅WT2の値の1.5~2.5倍である、請求項1に記載のタイヤ。
【請求項4】
各外側セクションの前記径方向内側部分が、周方向幅WB1を有し、前記幅WB1が、前記幅WT1よりも小さい、請求項1に記載のタイヤ。
【請求項5】
前記中央セクションの前記径方向内側部分が、周方向幅WB2を有し、前記幅WB2が、前記幅WT2よりも大きい、請求項1に記載のタイヤ。

【国際調査報告】