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特表2024-538476絶縁層を含むインターモジュールバスバー及びこれを含む電池パック
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  • 特表-絶縁層を含むインターモジュールバスバー及びこれを含む電池パック 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-10-23
(54)【発明の名称】絶縁層を含むインターモジュールバスバー及びこれを含む電池パック
(51)【国際特許分類】
   H01M 50/591 20210101AFI20241016BHJP
   H01M 50/503 20210101ALI20241016BHJP
   H01M 50/522 20210101ALI20241016BHJP
   H01M 50/526 20210101ALI20241016BHJP
   H01M 50/524 20210101ALI20241016BHJP
   H01M 50/588 20210101ALI20241016BHJP
   H01M 50/296 20210101ALI20241016BHJP
   H01M 50/204 20210101ALI20241016BHJP
   H01M 50/505 20210101ALI20241016BHJP
【FI】
H01M50/591 101
H01M50/503
H01M50/522
H01M50/526
H01M50/524
H01M50/588
H01M50/296
H01M50/204
H01M50/505
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023580371
(86)(22)【出願日】2023-08-11
(85)【翻訳文提出日】2023-12-27
(86)【国際出願番号】 KR2023011965
(87)【国際公開番号】W WO2024053884
(87)【国際公開日】2024-03-14
(31)【優先権主張番号】10-2022-0111786
(32)【優先日】2022-09-05
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】521065355
【氏名又は名称】エルジー エナジー ソリューション リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(74)【代理人】
【識別番号】100135079
【弁理士】
【氏名又は名称】宮崎 修
(72)【発明者】
【氏名】ファン,ソンテク
【テーマコード(参考)】
5H040
5H043
【Fターム(参考)】
5H040AA18
5H040AY04
5H040AY10
5H040DD06
5H040DD07
5H043AA04
5H043BA17
5H043CA21
5H043FA04
5H043FA06
5H043FA08
5H043GA23
5H043GA25
5H043JA21F
5H043KA14F
5H043KA22F
5H043KA26F
5H043KA27F
5H043KA45F
5H043LA41F
(57)【要約】
本発明は、電気的連結のためのメタルプレートと、前記メタルプレートの少なくとも一部を包み、高温膨張性を有する第1絶縁層と、前記第1絶縁層上に備えられ、高温でセラミック化する第2絶縁層と、を含むインターモジュールバスバーに関し、火災発生の際、バスバーの内部にあるメタルプレートが露出されないので、前記メタルプレートの接触による短絡を防止することができる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
電気的連結のためのメタルプレートと、
前記メタルプレートの少なくとも一部を包み、高温膨張性を有する第1絶縁層と、
前記第1絶縁層上に備えられ、高温でセラミック化する第2絶縁層と、
を含む、インターモジュールバスバー。
【請求項2】
前記第1絶縁層は、膨張性難燃シリコンを含む、請求項1に記載のインターモジュールバスバー。
【請求項3】
前記第2絶縁層は、高耐熱性のシリコン、ポリフェニレンスルフィド、ポリエーテルエーテルケトン、ポリフタルアミド、ポリアミド、ポリスルホン、ポリエーテルスルホン、ポリエーテルイミド、アクリル纎維、及びポリベンゾイミダゾールからなる群から選択される1種以上を含む、請求項1に記載のインターモジュールバスバー。
【請求項4】
前記第2絶縁層がセラミック化する温度は最小で1,200℃である、請求項3に記載のインターモジュールバスバー。
【請求項5】
温度上昇の際、前記第2絶縁層がセラミック化してクラックが発生する場合、前記第1絶縁層が膨張して前記クラックの間に挿入されて前記クラック内の空間を満たす、請求項1に記載のインターモジュールバスバー。
【請求項6】
前記第1絶縁層の膨張の際、前記第1絶縁層及び前記第2絶縁層の内部にあるメタルプレートは露出されない、請求項5に記載のインターモジュールバスバー。
【請求項7】
前記メタルプレートの両端部は、前記第1絶縁層及び第2絶縁層が備えられず、前記メタルプレートが露出されて電気的連結部を構成する、請求項1に記載のインターモジュールバスバー。
【請求項8】
前記電気的連結部は、一つ以上の連結用開口が形成されている、請求項7に記載のインターモジュールバスバー。
【請求項9】
請求項1~8のいずれか一項に記載のインターモジュールバスバーを介して電池モジュールが電気的に連結されている、電池パック。
【請求項10】
2個以上の電池モジュールを収容する電池パックハウジングと、
電池モジュールの位置固定のために、内部に区画された空間に電池モジュールが配置されるパックフレームと、
前記電池モジュールを電気的に連結するインターモジュールバスバーと、
を含み、
前記インターモジュールバスバーは、第1絶縁層及び第2絶縁層が前記パックフレームの上面に配置され、前記第1絶縁層及び第2絶縁層が備えられなかった両端の電気的連結部が前記電池モジュールのコネクタと結合する、請求項9に記載の電池パック。
【請求項11】
前記パックフレームの温度上昇によって前記第2絶縁層がセラミック化し、前記第1絶縁層が膨張する場合、前記インターモジュールバスバーが前記パックフレームと接触した状態でメタルプレートは露出されず、絶縁状態に維持される、請求項10に記載の電池パック。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は2022年9月5日付け韓国特許出願第10-2022-0111786号に基づく優先権の利益を主張し、当該韓国特許出願の文献に開示されたすべての内容は本明細書の一部として含まれる。
【0002】
本発明は絶縁層を含むインターモジュールバスバー及びこれを含む電池パックに関する。具体的には、電池パックの内部で火災が発生しても絶縁状態が維持されるので、周辺部と接触しても短絡を防止することができるインターモジュールバスバー及びこれを含む電池パックに関する。
【背景技術】
【0003】
化石燃料の使用による大気汚染の問題を解決し、代替エネルギーによって生産された電気エネルギーを貯蔵することができる二次電池に対する需要が増加している。例えば、重量当たりのエネルギー密度が高いリチウム二次電池は、携帯電話、タブレットPC、ブルートゥース(登録商標)イヤホン、電子タバコなどのモバイル機器だけでなく、電動自転車、電動キックボード、電気自動車類のような中大型装置のエネルギー源としても使用されている。
【0004】
このように、リチウム二次電池をエネルギー源として使用するデバイスの種類が多様になるのに伴って高容量及び高出力を必要とするデバイスにもリチウム二次電池の適用が拡張している。
【0005】
このような趨勢に応じて、多数の電池セルを電気的に連結した形態の電池モジュール及び前記電池モジュールを直列及び/または並列に連結した形態の電池パックの製造及び使用が増加している。
【0006】
一方、電池モジュール及び電池パックにおいて、電池セルの間の電気的連結及び電池モジュールの間の電気的連結手段としてインターモジュールバスバーが広く使用されている。インターモジュールバスバーはケーブルに比べて相対的に小さい太さでも大電流を安定的に流すことができるので、大電流通電手段として用いるのに相応しい。
【0007】
一般的に、インターモジュールバスバーは、電気伝導率に優れた銅またはアルミニウムを含むメタルプレートを内部に配置し、前記メタルプレートの外面のうち、結合されるメタルプレートの両側端部を除いた残りの部分を、電気絶縁性を確保するためにチューブや射出物で被覆した形態を使用することができる。
【0008】
これに関連して、図1は従来のインターモジュールバスバーが火災によって損傷される前と後を示す斜視図である。
【0009】
電池モジュールの間の電気的連結のための用途としてインターモジュールバスバーを使用する。図1はインターモジュールバスバーの構造、及び火災によってインターモジュールバスバーが損傷された状態を示している。
【0010】
図1を参照すると、従来のインターモジュールバスバーは、電気伝導性素材からなったメタルプレート110と、メタルプレート110の外面のうち両端を除いた残りの部分を包む絶縁テープ120と、絶縁テープ120の外面に備えられるシリコンチューブ130と、を含む。
【0011】
絶縁テープ120およびシリコンチューブ130が電気絶縁性素材で構成されることにより、インターモジュールバスバーの両端に結合された装置以外の構成に対しては絶縁性を確保することができる。
【0012】
電池パックの内部にある電池セルの発火や爆発が発生すると、電池セルの熱エネルギーが周辺の電池セルに伝達されて火災が発生することになる。電池セルの火災によって電池モジュールを連結するインターモジュールバスバーのシリコンチューブ130が損傷されると、絶縁テープ120が広がり、内部にあるメタルプレート110が露出されることがある。
【0013】
このように露出されたメタルプレートが電池パック構造物と接触すると短絡が発生することがあり、このような内部短絡は電池パックの内部に電気的閉回路を形成することがあり、これは電池パックの内部の熱暴走現象を加速化させることがある。
【0014】
これに関連して、特許文献1は、金属素材から形成される金属バーと、前記金属バーの両端部を除いた残りの部分を被覆する絶縁性チューブと、前記絶縁性チューブの内部で前記金属バーを包む放火テープと、耐火性素材からなり、前記絶縁性チューブと前記放火テープとの間に介在され、前記放火テープを包んで前記金属バーに固定させるバンデージ部材と、を含むバスバーを開示する。
【0015】
特許文献1は、火災によって絶縁性チューブが消失されてもバンデージ部材が放火テープを強く固定させることができるので、金属バーが周辺の金属物体に直接接触しないようにして短絡を防止することができる。
【0016】
特許文献2は、金属素材から形成された金属バーと、前記金属バーの両端部を除いた残りの部分を包むバンデージ部材と、前記金属バーおよび前記バンデージ部材を一緒に包む絶縁性チューブと、を含むバスバーを開示する。
【0017】
特許文献2は、金属バーの表面にあるバンデージ部材が火災発生の際にも金属バーの表面に付着した状態を維持するので、金属バーが周辺の金属物体に直接接触しなくて短絡を防止することができる。
【0018】
しかし、特許文献1及び特許文献2のバスバーはバンデージ部材をさらに備えるので、バスバーの厚さ及び重さが増加してしまい得る。
【0019】
したがって、バスバーの外面に備えられた絶縁物質が火災によって消失されても内部の金属素材が露出されることを防止することができながら、体積及び重さの増加を最小化したインターモジュールバスバーに対する技術が必要である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0020】
【特許文献1】韓国特許出願公開第10-2021-0050983号公報
【特許文献2】韓国特許出願公開第10-2021-0141095号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0021】
本発明は前記のような問題を解決するために、火災発生の際、外表面にある第2絶縁層がセラミック化して割れても内部にあるメタルプレートが露出されないことで、周辺の金属物体との接触による短絡が発生することを防止することができるインターモジュールバスバーを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0022】
このような目的を達成するために、本発明によるインターモジュールバスバーは、電気的連結のためのメタルプレートと、前記メタルプレートの少なくとも一部を包み、高温膨張性を有する第1絶縁層と、前記第1絶縁層上に備えられ、高温でセラミック化する第2絶縁層と、を含むことができる。
【0023】
前記第1絶縁層は、膨張性難燃シリコンを含むことができる。
【0024】
前記第2絶縁層は、高耐熱性のシリコン、ポリフェニレンスルフィド、ポリエーテルエーテルケトン、ポリフタルアミド、ポリアミド、ポリスルホン、ポリエーテルスルホン、ポリエーテルイミド、アクリル纎維、及びポリベンゾイミダゾールからなる群から選択される1種以上を含むことができる。
【0025】
前記第2絶縁層がセラミック化する温度は最小で1,200℃であり得る。
【0026】
温度上昇の際、前記第2絶縁層がセラミック化してクラックが発生する場合、前記第1絶縁層が膨張して前記クラックの間に挿入されて前記クラック内の空間を満たすことができる。
【0027】
前記第1絶縁層の膨張の際、前記第1絶縁層及び前記第2絶縁層の内部にあるメタルプレートは露出されないことができる。
【0028】
前記メタルプレートの両端部は、前記第1絶縁層及び第2絶縁層が備えられず、前記メタルプレートが露出されて電気的連結部を構成することができる。
【0029】
前記電気的連結部は、一つ以上の連結用開口が形成されている構成であり得る。
【0030】
本発明は、前記インターモジュールバスバーを介して電池モジュールが電気的に連結されている電池パックを含む。
【0031】
前記電池パックは、2個以上の電池モジュールを収容する電池パックハウジングと、電池モジュールの位置固定のために、内部に区画された空間に電池モジュールが配置されるパックフレームと、前記電池モジュールを電気的に連結するインターモジュールバスバーと、を含み、前記インターモジュールバスバーは、第1絶縁層及び第2絶縁層が前記パックフレームの上面に配置され、前記第1絶縁層及び第2絶縁層が備えられなかった両端の電気的連結部は前記電池モジュールのコネクタと結合することができる。
【0032】
前記パックフレームの温度上昇によって前記第2絶縁層がセラミック化し、第1絶縁層が膨張する場合、前記インターモジュールバスバーが前記パックフレームと接触した状態でメタルプレートは露出されず、絶縁状態に維持され得る。
【0033】
また、本発明は、前記課題の解決手段を多様に組み合わせた形態としても提供することが可能である。
【発明の効果】
【0034】
以上説明したように、本発明によるインターモジュールバスバーは、火災発生の際、第2絶縁層がセラミック化してクラックが発生しても、高温で膨張する性質を有する第1絶縁層が前記第2絶縁層のクラックの間に侵入して隙間を埋めるので、メタルプレートが露出されることを防止することができる。
【0035】
したがって、火災発生の際、バスバーが周辺の金属物体と接触した状態が維持されても絶縁性を確保することができる。
【図面の簡単な説明】
【0036】
図1】従来のインターモジュールバスバーが火災によって損傷される前と後を示す斜視図である。
図2】本発明によるインターモジュールバスバーの平面図及び垂直断面図である。
図3】本発明によるインターモジュールバスバーが火災によって損傷される前と後を示す垂直断面図である。
図4図2のインターモジュールバスバーを含む電池パックの斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0037】
以下、添付図面を参照して本発明が属する技術分野で通常の知識を有する者が本発明を容易に実施することができる実施例を詳細に説明する。ただし、本発明の好適な実施例に対する動作原理を詳細に説明するにあたり、関連した公知の機能または構成についての具体的な説明が本発明の要旨を不必要にあいまいにする可能性があると判断される場合にはその詳細な説明を省略する。
【0038】
また、図面全体にわたって類似の機能及び作用をする部分に対しては同じ図面符号を使う。明細書全体で、ある部分が他の部分と連結されていると言うとき、これは直接的に連結されている場合だけでなく、その中間に他の素子を挟んで間接的に連結されている場合も含む。また、ある構成要素を含むというのは、特に反対の記載がない限り、他の構成要素を除くものではなく、他の構成要素をさらに含むことができることを意味する。
【0039】
また、構成要素を限定するか付け加えて具体化する説明は、特別な制限がない限り、すべての発明に適用可能であり、特定の発明に限定されない。
【0040】
また、本発明の説明及び特許請求の範囲全体にわたって単数で表示したものは、別に言及しない限り、複数の場合も含む。
【0041】
また、本発明の説明及び特許請求の範囲全体にわたって「または」は、別に言及しない限り、「及び」を含むものである。したがって、「AまたはBを含む」はAを含むか、Bを含むか、またはA及びBの両者を含む3種の場合を意味する。
【0042】
本発明を図面に基づいて詳細な実施例と一緒に説明する。
【0043】
本発明によるインターモジュールバスバーは電気的連結手段として使用するバスバーの一種であり、電池パック内に配置される電池モジュールと電池モジュールとを連結する手段として使用するものを指称する。
【0044】
したがって、連結しようとする電池モジュールの間の距離を考慮してインターモジュールバスバーの長さを決定することができ、通電される電流量及び抵抗を考慮してその幅及び厚さを決定することができる。
【0045】
また、インターモジュールバスバーの形態は電池モジュールのコネクタの位置を考慮して決定することができ、全幅に平行に上方または下方に折り曲げられた形態、平面上で90度折り曲げられたL字形、両端で平面上で90度折り曲げられた「コ」字形及び「
」字形などの多様な形態に構成可能である。
【0046】
一般的に、インターモジュールバスバーの両端のそれぞれは外部装置と結合するための連結部として使用されるので、ボルト締結のための締結ホールが形成されるなど、連結のための構造を有することになる。
【0047】
図2は本発明によるインターモジュールバスバーの平面図及び垂直断面図であり、図2の上部にある平面図でA-A線についての断面を図2の下部に垂直断面図として示した。
【0048】
図2を参照すると、インターモジュールバスバー200は、電気的連結のためのメタルプレート210と、メタルプレート210の少なくとも一部を包み、高温膨張性を有する第1絶縁層220と、第1絶縁層220上に備えられ、高温でセラミック化する第2絶縁層230と、を含む。
【0049】
メタルプレート210の両端部は、第1絶縁層220及び第2絶縁層230が備えられず、メタルプレート210が露出されて電気的連結部240を構成する。
【0050】
電気的連結部240は一つ以上の連結用開口241が形成された形態である。
【0051】
インターモジュールバスバー200の両端に形成された電気的連結部240のうちいずれか一方は第1電池モジュールの正極コネクタに連結され得、他方は第2電池モジュールの負極コネクタに連結され得る。具体的には、電池モジュールのコネクタとの連結のために、ボルト及びナットを用いたボルティング作業を実行するとき、開口241にボルトを挿入した後、ナットでこれを固定する方式でインターモジュールバスバー200と第1電池モジュール及び第2電池モジュールとを連結することができる。
【0052】
第2絶縁層230は、火災発生の際、火炎が直接的に接触する最外側外面を構成するので、高耐熱性のシリコン、ポリフェニレンスルフィド、ポリエーテルエーテルケトン、ポリフタルアミド、ポリアミド、ポリスルホン、ポリエーテルスルホン、ポリエーテルイミド、アクリル纎維、及びポリベンゾイミダゾールからなる群から選択される1種以上を含むことができる。
【0053】
具体的には、第2絶縁層230は、火炎や高温のガスに露出されたとき、セラミック化しながら小さな亀裂が発生する高耐熱性のシリコンであり得る。
【0054】
前記高耐熱性のシリコンは常温では通常シリコン樹脂の性能を示すが、高温ではセラミック化構造に転換されてセラミック特性を有することになるので、一定の強度を維持しながら耐衝撃性を有するようになる。
【0055】
第2絶縁層230は高温でセラミック化する性質を有する物質であり得、例えば、最小で1,200℃以上でセラミック化することができる。
【0056】
したがって、1,200℃以下では、第2絶縁層は形態維持が可能であり、火炎に対する耐熱性能を発揮することができる。しかし、1,200℃以上ではセラミック化してクラックが発生することがある。
【0057】
電池パック内にある電池セルで発火及び爆発が発生して、電池モジュールに結合されたインターモジュールバスバーに熱が伝達される場合、第2絶縁層は電池セルから放出されたガスや火炎によってセラミック化するがその形態を維持することができる。
【0058】
したがって、従来、シリコンチューブをメタルプレートの外面に備える場合、シリコンチューブが消失されてメタルプレートが露出された問題を防止することができる。
【0059】
第1絶縁層220は、高温で膨張する性質を有する膨張性難燃シリコンを含むことができる。
【0060】
第1絶縁層220の熱膨張温度は第2絶縁層230がセラミック化する温度よりも高くてもよい。
【0061】
すなわち、火災発生によって高温環境になると、第2絶縁層がセラミック化してクラックが発生する。前記クラックを通して火炎やベンティングガスが浸透して第1絶縁層と接触すると、高温膨張性を有する第1絶縁層が膨張して前記クラックの隙間を満たすようになる。このように、インターモジュールバスバーの第1絶縁層及び第2絶縁層が備えられた部分ではメタルプレートが外部に露出されないので、絶縁性を確保することができる。
【0062】
図3は本発明によるインターモジュールバスバーが火災によって損傷される前と後を示す垂直断面図である。
【0063】
図3はインターモジュールバスバーが火災によって損傷される過程を3段階で示しており、上から下に時間が経過している。
【0064】
図3の一番目の図を参照すると、火災が発生していない正常状態のインターモジュールバスバー200の垂直断面図であり、最内側にあるメタルプレート210の外面を高温膨張性を有する第1絶縁層220、及び高温でセラミック化する第2絶縁層230が順次包んでいる。
【0065】
図3の二番目の図を参照すると、電池セルで火災が発生して、インターモジュールバスバーに火炎や高温のガスが伝達されることにより、最外側にある第2絶縁層230がセラミック化し、第1絶縁層220と第2絶縁層230の外側とが連通するクラックが発生している。
【0066】
図3の三番目の図を参照すると、温度上昇の際、第2絶縁層230がセラミック化してクラックが発生する場合、クラックを通して高温のガス及び火炎が第1絶縁層220に伝達されると、第1絶縁層220が膨張してクラック内に挿入されてクラック内の空間を満たすようになる。
【0067】
このように、第1絶縁層220が膨張して第2絶縁層230に生じたクラックの隙間を埋めるので、インターモジュールバスバーで第1絶縁層220及び第2絶縁層230が備えられた部分は第2絶縁層230の外面と連通せず、第1絶縁層220及び第2絶縁層230が包んでいる状態を維持することができる。
【0068】
したがって、火災発生によって第2絶縁層がセラミック化し、第1絶縁層が膨張する場合、第1絶縁層及び第2絶縁層の内部にあるメタルプレート部分は露出されなくなる。
【0069】
図4図2のインターモジュールバスバーを含む電池パックの斜視図である。
【0070】
図4に示す電池パックは、本発明によるインターモジュールバスバー200を介して複数の電池モジュール301が電気的に連結されるように構成されている。図4では9個の電池モジュールを含む電池パックを示しているが、これは説明のための一例示に過ぎず、電池パックを構成する電池モジュールの配置形態及び個数、そして電池モジュールを連結するために使用されたインターモジュールバスバーの結合位置及び形態はこれに限定されない。
【0071】
図4を参照すると、本発明による電池パック300は、2個以上の電池モジュール301を収容する電池パックハウジング320と、電池モジュール301の位置を固定するために、内部に区画された空間に電池モジュールを配置するパックフレーム310と、電池モジュール301を電気的に連結するインターモジュールバスバー200と、を含み、インターモジュールバスバー200は第1絶縁層及び第2絶縁層230がパックフレームの上面311に位置するように配置され、第1絶縁層及び第2絶縁層230が備えられなかったメタルプレート210の両端の電気的連結部が電池モジュール301のコネクタと結合されている。
【0072】
このように、パックフレーム310が電気伝導性の金属素材で構成されても、インターモジュールバスバー200の第2絶縁層230がパックフレーム310と接触するように配置されるので、電池パック300の正常状態でインターモジュールバスバー200とパックフレーム310との間の絶縁を確保することができる。
【0073】
しかし、電池パック300を構成する電池セルから火炎や高温のガスが排出されてパックフレーム310の温度が上昇し、これにより第2絶縁層230がセラミック化し、第1絶縁層220が膨張する場合、インターモジュールバスバー200がパックフレーム310と接触している状態にあっても絶縁状態を維持することができる。
【0074】
一方、図4に示すものとは違い、インターモジュールバスバーが配置された位置がパックフレーム310の上面ではなく、その他に電池パックが構成され、電気伝導性の金属素材で構成された部品と接触するようにインターモジュールバスバーが配置される場合にも、電池パックの火災発生の際、インターモジュールバスバーと前記電気伝導性の金属素材で構成された部品との間に絶縁状態を維持することができる。
【0075】
このように、本発明は、火災発生の際、メタルプレートに備えられた第1絶縁層及び第2絶縁層が消失されず、メタルプレートの外面に備えられた状態を維持する。また、膨張した第1絶縁層が第2絶縁層に発生するクラックを満たすので、メタルプレートが外部に露出されないことができる。したがって、インターモジュールバスバーが隣接した金属部品と接触していても絶縁状態を維持することができる。
【0076】
本発明が属する分野で通常の知識を有する者であれば前述の内容に基づいて本発明の範疇内で多様な応用及び変形をなすことが可能であろう。
【符号の説明】
【0077】
110、210 メタルプレート
120 絶縁テープ
130 シリコンチューブ
200 インターモジュールバスバー
220 第1絶縁層
230 第2絶縁層
240 電気的連結部
241 開口
300 電池パック
301 電池モジュール
310 パックフレーム
311 パックフレーム上面
320 電池パックハウジング
図1
図2
図3
図4
【国際調査報告】