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特表2024-538479昇降可能なチャンバー及びその運転方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-10-23
(54)【発明の名称】昇降可能なチャンバー及びその運転方法
(51)【国際特許分類】
   H01M 50/609 20210101AFI20241016BHJP
   G01L 19/08 20060101ALI20241016BHJP
   G01F 15/06 20220101ALI20241016BHJP
   F15B 11/06 20060101ALI20241016BHJP
【FI】
H01M50/609
G01L19/08
G01F15/06
F15B11/06 C
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024501489
(86)(22)【出願日】2023-08-02
(85)【翻訳文提出日】2024-01-23
(86)【国際出願番号】 IB2023057815
(87)【国際公開番号】W WO2024023809
(87)【国際公開日】2024-02-01
(31)【優先権主張番号】10-2022-0092592
(32)【優先日】2022-07-26
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(31)【優先権主張番号】10-2023-0072044
(32)【優先日】2023-06-05
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】521065355
【氏名又は名称】エルジー エナジー ソリューション リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110000877
【氏名又は名称】弁理士法人RYUKA国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】リー、ス ホ
【テーマコード(参考)】
2F031
2F055
3H089
5H023
【Fターム(参考)】
2F031AA01
2F055AA11
2F055AA40
2F055BB20
2F055CC06
2F055DD20
2F055EE40
2F055FF31
2F055GG43
3H089AA09
3H089AA20
3H089AA59
3H089AA74
3H089BB28
3H089CC01
3H089CC12
3H089DA05
3H089DB13
3H089DB33
3H089DB43
3H089FF07
3H089GG03
5H023BB10
(57)【要約】
本発明は昇降可能なチャンバー及びその運転方法に関し、具体的には、チャンバー胴体、チャンバーフレーム、エアシリンダー、及び制御部を含むことにより、作業者が装置に狭窄されて死亡するかまたは大きなけがをする事故を防止し、さらに装置の損傷を最小化することができる昇降可能なチャンバー及びその運転方法に関する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
下部胴体及び前記下部胴体の上部に位置する上部胴体で構成されたチャンバー胴体と、
前記チャンバー胴体を間に挟んで互いに向き合うように位置する一対の垂直フレーム、前記一対の垂直フレームの上部を互いに連結する水平フレーム、および前記水平フレームの下に位置し、前記上部胴体が締結されたままで上下に移動する支持プレートを含むチャンバーフレームと、
前記一対の垂直フレームの付近のそれぞれに位置する円筒状のシリンダーチューブ、前記シリンダーチューブのヘッド側端部を密封し、前記支持プレートの上昇時はエアが流入し、下降時はエアが排気されるヘッド側ポートを備えたヘッドカバー、前記シリンダーチューブのロッド軸端部を密封し、常に開放した状態のロッド側ポートを備えたロッドカバー、前記シリンダーチューブのシリンダー室を分割するピストン、および一側は前記ピストンに連結され、他側は前記支持プレートに連結されたピストンロッドを含むエアシリンダーと、
前記支持プレートが上昇するように前記シリンダーチューブにエアを供給するための供給圧制御部材、前記供給圧制御部材の前方に位置する第1圧力センサー、前記第1圧力センサーの前方に位置する一対の供給流量センサー、前記支持プレートが下降するとき、前記シリンダーチューブのエアを排気するための一対の排気流量センサー、前記排気流量センサーの前方に位置する第2圧力センサー、及び前記第2圧力センサーの前方に位置する排気圧制御部材を含む制御部と、を含み、
前記排気圧制御部材は、前記シリンダーチューブのエアを所定の圧力に維持しながら排気するように制御する、昇降可能なチャンバー。
【請求項2】
前記排気圧制御部材は、エアが供給される流入ポート、前記第2圧力センサーと連通する連結ポート、及びエアが排気される排気ポートを備えたレギュレーターである、請求項1に記載の昇降可能なチャンバー。
【請求項3】
前記排気圧制御部材はレリーフバルブである、請求項1に記載の昇降可能なチャンバー。
【請求項4】
前記第1圧力センサー、前記供給流量センサー、前記排気流量センサー及び前記第2圧力センサーのうちいずれか一つ以上の測定値が設定の範囲を外れるときはエアの供給または排気を遮断して前記ピストンロッドの移動を停止させるパイロットバルブをさらに備えている、請求項1に記載の昇降可能なチャンバー。
【請求項5】
前記供給圧制御部材の後方には、エアを供給するようにエア流入ポートを備えたメインバルブが連結されている、請求項1に記載の昇降可能なチャンバー。
【請求項6】
前記排気流量センサーは前記第1圧力センサーと前記供給流量センサーとの間に位置し、
エアが供給されるときは前記供給流量センサーがエア流量を感知し、エアが排気されるときは前記排気流量センサーがエア流量を感知するように、前記供給流量センサーおよび前記排気流量センサーは単方向流量センサーである、請求項1に記載の昇降可能なチャンバー。
【請求項7】
前記排気流量センサーは、前記第2圧力センサーと前記供給流量センサーとの間に位置する、請求項6に記載の昇降可能なチャンバー。
【請求項8】
前記第1圧力センサー、前記排気流量センサー及び前記第2圧力センサーの間には、エアの移動方向を転換するためのパイロットバルブを備えている、請求項7に記載の昇降可能なチャンバー。
【請求項9】
前記パイロットバルブは、前記第1圧力センサー、前記供給流量センサー、前記排気流量センサー及び前記第2圧力センサーのうちいずれか一つ以上の測定値が設定の範囲を外れるとき、エアの供給または排気を遮断して前記ピストンロッドの移動を停止させる中間停止型ソレノイドバルブである、請求項8に記載の昇降可能なチャンバー。
【請求項10】
前記いずれか一つ以上の測定値が設定の範囲を外れて一定の時間以上維持されるとき、エアの供給または排気を遮断して前記ピストンロッドの移動を停止させる、請求項9に記載の昇降可能なチャンバー。
【請求項11】
前記第1圧力センサー、前記供給流量センサー、前記排気流量センサー及び前記第2圧力センサーのうちいずれか一つ以上の測定値が設定の範囲を外れるときは、異常状態であることを知らせる警告部をさらに含む、請求項1に記載の昇降可能なチャンバー。
【請求項12】
前記上部胴体は半球形または半楕円形であり、前記下部胴体と前記上部胴体とが密着するとき、密閉される構造である、請求項1に記載の昇降可能なチャンバー。
【請求項13】
押圧装置は、電解液が注入された二次電池の含浸用である、請求項12に記載の昇降可能なチャンバー。
【請求項14】
エアシリンダーにエアを供給して上部胴体を上昇させる第1段階と、
下部胴体に対象物を積載する第2段階と、
前記エアシリンダーの圧縮されたエアを排気させて前記下部胴体の上部に前記上部胴体を密着させる第3段階と、
前記下部胴体と前記上部胴体との密着によって形成された空間部を加圧及び減圧する第4段階と、を含み、
前記第3段階は、圧縮されたエアを所定の圧力に維持しながら排気するように制御する、昇降可能なチャンバーの運転方法。
【請求項15】
前記第1段階のエア供給流量またはエア供給圧力、および前記第3段階のエア排気流量またはエア排気圧力のうちいずれか一つ以上が設定の範囲を外れるときはエアの供給または排気を遮断して前記エアシリンダーの作動を停止させる、請求項14に記載の昇降可能なチャンバーの運転方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は2022年7月26日付け韓国特許出願第10-2022-0092592号及び2023年6月5日付け韓国特許出願第10-2023-0072044号に基づく優先権の利益を主張し、当該韓国特許出願の文献に開示されたすべての内容は本明細書の一部として含まれる。
【0002】
本発明は昇降可能なチャンバー及びその運転方法に関し、具体的にはチャンバーが異常に作動するとき、これを速かに感知してそれ以上動けないように制御することにより、作業者の安全を保障し、装置の損傷を防止することができる二次電池の電解液含浸のための昇降可能なチャンバー及びその運転方法に関する。
【背景技術】
【0003】
最近、化石燃料の使用による大気汚染、エネルギー枯渇による代替エネルギーの開発によって生産された電気エネルギーを貯蔵することができる二次電池に対する需要が増加している。充放電の可能な二次電池は、モバイル機器、電気自動車、ハイブリッド電気自動車、産業用ロボットなどの多様な分野に広く使用されている。
【0004】
現代社会で必要不可欠に使用されている各種の電子機器のエネルギー源として使用されている二次電池は、モバイル機器の使用量の増加および複雑化、電気自動車などの開発によって所要容量が増加している。使用者の需要を満たすために、小型機器には多数の電池セルを配置しているが、自動車などには多数の電池セルを電気的に連結する電池モジュールまたはこのような電池モジュールを多数備えた電池パックが使用される。
【0005】
一方、リチウム二次電池は、電池ケースの形状によって、電極組立体が金属缶に内蔵されている缶型二次電池と、電極組立体がアルミニウムラミネートシートのパウチに内蔵されているパウチ型二次電池とに分類することができる。
【0006】
二次電池は、正極及び負極、及び前記正極と負極との間に介在される分離膜で構成される電極組立体を電池ケースの内部に収納した状態で液状の電解質、すなわち電解液を注入し、電池ケースをシーリングする過程によって製造される。
【0007】
注入された電解液は、電極組立体を構成する正極板、負極板及びセパレーターの間に毛細管力によって染み込むが、微細構造の多孔性電極の特性と、電極及び電池を構成する要素の物理的および化学的特性によって電解液の含浸は容易でない。
【0008】
仮に、電解液が充分に含浸されない場合、リチウムイオンなどによる充放電効率は落ちるので、二次電池の性能が低下する問題点がある。
【0009】
これに関連して、韓国公開特許第2016-0130646号公報には、二次電池に対する電解液含浸方法として、電池セルに電解液を供給した後、加圧および減圧の過程によって電解液の含浸性能を向上させる技術が開示されている。
【0010】
また、韓国公開特許第2011-0032848号公報には、円筒状の胴部、胴部の上側に延びた半球形の半球部、及び胴部の下側に延びたシーリング部を含む上部胴体と、上部胴体に対応する円盤状の下部胴体とから構成された真空加圧チャンバーが開示されている。
【0011】
前記先行文献のように、電解液の含浸性を高めるために、加圧や減圧の過程を実行するとき、開閉可能であり、かつ加圧や減圧に耐えることができる十分な耐久性を有する金属材質のチャンバーが必要である。
【0012】
しかし、チャンバーの重量が大きいため、操作時には別途の昇降機器が要求され、この際、機器の誤作動や不注意によって作業者が挟まって死亡に至る大きな事故につながることもある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0013】
【特許文献1】韓国公開特許第10-2016-0130646号公報
【特許文献2】韓国公開特許第10-2011-0032848号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0014】
前記のような問題点を解決するために、本発明は、電解液含浸のために下部胴体および上部胴体で構成されたチャンバー胴体を使用するとき、エアシリンダーによって駆動する上部胴体の作動が異常状態に相当すると、上部胴体がそれ以上動かないように制御することにより、作業者の安全を担保することができる昇降可能なチャンバー及びその運転方法を提供することを目的とする。
【0015】
また、本発明は、上部胴体が下降するとき、エアシリンダーの圧縮されたエアの圧力調節によって上部胴体の重量を調節することにより、チャンバーの損傷を防止し、さらに作業環境を改善することができる昇降可能なチャンバー及びその運転方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0016】
前記のような目的を達成するために、本発明による昇降可能なチャンバーは、下部胴体(110)及び前記下部胴体(110)の上部に位置する上部胴体(120)で構成されたチャンバー胴体(100)と、前記チャンバー胴体(100)を間に挟んで互いに向き合うように位置する一対の垂直フレーム(210)、前記一対の垂直フレーム(210)の上部を互いに連結する水平フレーム(220)、および前記水平フレーム(220)の下に位置し、前記上部胴体(120)が締結されたままで上下に移動する支持プレート(230)を含むチャンバーフレーム(200)と、前記一対の垂直フレーム(210)付近のそれぞれに位置する円筒状のシリンダーチューブ(310)、前記シリンダーチューブ(310)のヘッド側端部を密封し、前記支持プレート(230)の上昇時はエアが流入し、下降時はエアが排気されるヘッド側ポート(321)を備えたヘッドカバー(320)、前記シリンダーチューブ(310)のロッド軸端部を密封し、常に開放した状態であるロッド側ポート(331)を備えたロッドカバー(330)、前記シリンダーチューブ(310)のシリンダー室を分割するピストン(340)、および一側は前記ピストン(340)に連結され、他側は前記支持プレート(230)に連結されたピストンロッド(350)を含むエアシリンダー(300)と、前記支持プレート(230)が上昇するように前記シリンダーチューブ(310)にエアを供給するための供給圧制御部材(420)、前記供給圧制御部材(420)の前方に位置する第1圧力センサー(430)、前記第1圧力センサー(430)の前方に位置する一対の供給流量センサー(450)、前記支持プレート(230)が下降するとき、前記シリンダーチューブ(310)のエアを排気するための一対の排気流量センサー(460)、前記排気流量センサー(460)の前方に位置する第2圧力センサー(470)、及び前記第2圧力センサー(470)の前方に位置する排気圧制御部材(480)を含む制御部(400)と、を含み、前記排気圧制御部材(480)は、前記シリンダーチューブ(310)のエアを所定の圧力に維持しながら排気するように制御することを特徴とする。
【0017】
また、本発明による昇降可能なチャンバーにおいて、前記排気圧制御部材(480)は、エアが供給される流入ポート、前記第2圧力センサー(470)と連通する連結ポート、及びエアが排気される排気ポートを備えたレギュレーターであることを特徴とする。
【0018】
また、本発明による昇降可能なチャンバーにおいて、前記排気圧制御部材(480)はレリーフバルブであることを特徴とする。
【0019】
また、本発明による昇降可能なチャンバーにおいて、前記第1圧力センサー(430)、前記供給流量センサー(450)、前記排気流量センサー(460)及び前記第2圧力センサー(470)のうちいずれか一つ以上の測定値が設定の範囲を外れるときはエアの供給または排気を遮断して前記ピストンロッド(350)の移動を停止させるパイロットバルブ(440)をさらに備えることを特徴とする。
【0020】
また、本発明による昇降可能なチャンバーにおいて、前記供給圧制御部材(420)の後方には、エアを供給するようにエア流入ポート(411)を備えたメインバルブ(410)が連結されていることを特徴とする。
【0021】
また、本発明による昇降可能なチャンバーにおいて、前記排気流量センサー(460)は前記第1圧力センサー(430)と前記供給流量センサー(450)との間に位置し、エアが供給されるときは前記供給流量センサー(450)がエア流量を感知し、エアが排気されるときは前記排気流量センサー(460)がエア流量を感知するように、前記供給流量センサー(450)および前記排気流量センサー(460)は単方向流量センサーであることを特徴とする。
【0022】
また、本発明による昇降可能なチャンバーにおいて、前記排気流量センサー(460)は前記第2圧力センサー(470)と前記供給流量センサー(450)との間に位置することを特徴とする。
【0023】
また、本発明による昇降可能なチャンバーにおいて、前記第1圧力センサー(430)、前記排気流量センサー(460)及び前記第2圧力センサー(470)の間には、エアの移動方向を転換するためのパイロットバルブ(440)を備えていることを特徴とする。
【0024】
また、本発明による昇降可能なチャンバーにおいて、前記パイロットバルブ(440)は、第1圧力センサー(430)、前記供給流量センサー(450)、前記排気流量センサー(460)及び前記第2圧力センサー(470)のうちいずれか一つ以上の測定値が設定の範囲を外れるとき、エアの供給または排気を遮断して前記ピストンロッド(350)の移動を停止させる中間停止型ソレノイドバルブであることを特徴とする。
【0025】
また、本発明による昇降可能なチャンバーにおいて、前記いずれか一つ以上の測定値が設定の範囲を外れて一定の時間以上維持されるとき、エアの供給または排気を遮断して前記ピストンロッド(350)の移動を停止させることを特徴とする。
【0026】
また、本発明による昇降可能なチャンバーにおいて、前記第1圧力センサー(430)、前記供給流量センサー(450)、前記排気流量センサー(460)及び前記第2圧力センサー(470)のうちいずれか一つ以上の測定値が設定の範囲を外れるときは異常状態であることを知らせる警告部をさらに備えていることを特徴とする。
【0027】
また、本発明による昇降可能なチャンバーにおいて、前記上部胴体(120)は半球形または半楕円形であり、前記下部胴体(110)と前記上部胴体(120)とが密着するとき、密閉される構造であることを特徴とする。
【0028】
また、本発明による昇降可能なチャンバーにおいて、前記押圧装置は、電解液が注入された二次電池の含浸用であることを特徴とする。
【0029】
また、本発明による昇降可能なチャンバーの運転方法は、エアシリンダーにエアを供給して上部胴体を上昇させる第1段階と、下部胴体に対象物を積載する第2段階と、前記エアシリンダーの圧縮されたエアを排気させて前記下部胴体の上部に前記上部胴体を密着させる第3段階と、前記下部胴体と前記上部胴体との密着によって形成された空間部を加圧及び減圧する第4段階とを含み、前記第3段階は、圧縮されたエアを所定の圧力に維持しながら排気するように制御することを特徴とする。
【0030】
また、本発明による昇降可能なチャンバーの運転方法において、前記第1段階のエア供給流量またはエア供給圧力、および前記第3段階のエア排気流量またはエア排気圧力のうちいずれか一つ以上が設定の範囲を外れるときはエアの供給または排気を遮断してエアシリンダーの作動を停止させることを特徴とする。
【発明の効果】
【0031】
以上で説明したように、本発明による昇降可能なチャンバー及びその運転方法によれば、エアシリンダーに対して供給されるかまたは排気されるエアの圧力や流量が設定の範囲を外れるときはそれ以上上部胴体が移動することができないようにエアの供給や排気を遮断する中間停止型ソレノイドバルブを備えているので、作業者が装置に狭窄されて死亡するかまたは大きなけがをする事故を防止することができるという利点がある。
【0032】
また、本発明による昇降可能なチャンバー及びその運転方法によれば、エアシリンダーに圧縮されていたエアを一定の圧力に維持しながら排気させる排気圧制御部を備えているので、上部胴体の下降速度を制御することができ、これは究極に作業者の安全を担保し、さらにチャンバーの損傷防止に寄与することができるという利点がある。
【図面の簡単な説明】
【0033】
図1】本発明の好適な第1実施例による昇降可能なチャンバーの斜視図である。
図2】本発明の好適な第1実施例による昇降可能なチャンバーの正面図である。
図3】本発明の好適な第1実施例による昇降可能なチャンバーの側面図である。
図4図3のA部分を拡大した斜視図である。
図5図3のA部分を他の方向から見た拡大斜視図である。
図6】第1実施例による昇降可能なチャンバーに備えられるエアシリンダーの断面図である。
図7】第1実施例による昇降可能なチャンバーに備えられる制御部の斜視図である。
図8】第1実施例による昇降可能なチャンバーに備えられる制御部の正面図である。
図9】第1実施例によるエアシリンダーの作動のためのエア回路図である。
図10】本発明の第2実施例による昇降可能なチャンバーに備えられる制御部の正面図である。
図11】本発明の第2実施例によるエアシリンダーの作動のためのエア回路図である。
図12】本発明の第1及び第2実施例による昇降可能なチャンバーの運転方法のフローチャートである。
図13】第1実施例による制御部の正面図で、正常状態でエアシリンダーにエアが供給されるときのエアの流れ方向を説明するための図である。
図14】第1実施例による制御部の正面図で、正常状態でエアシリンダーからエアが排気されるときのエアの流れ方向を説明するための図である。
図15】第1実施例による制御部の正面図で、異常状態でエアシリンダーに供給されるエアの流れ方向を説明するための図である。
図16】第1実施例による制御部の正面図で、異常状態でエアシリンダーから排気されるエアの流れ方向を説明するための図である。
図17】第2実施例による制御部の正面図で、正常状態でエアシリンダーにエアが供給されるときのエアの流れ方向を説明するための図である。
図18】第2実施例による制御部の正面図で、正常状態でエアシリンダーからエアが排気されるときのエアの流れ方向を説明するための図である。
図19】第2実施例による制御部の正面図で、異常状態でエアシリンダーから排気されるエアの流れ方向を説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0034】
以下、添付図面に基づき、本発明が属する技術分野で通常の知識を有する者が本発明を容易に実施することができる実施例を詳細に説明する。ただし、本発明の好適な実施例の動作原理を詳細に説明するにあたり、関連した公知の機能または構成についての具体的な説明が本発明の要旨を不必要にあいまいにする可能性があると判定される場合にはその詳細な説明を省略する。
【0035】
また、図面全般にわたって類似の機能および作用をする部分に対しては同じ図面符号を使う。明細書全般にわたって、ある部分が他の部分と連結されていると言うとき、これは直接的に連結されている場合だけでなく、その中間に他の素子を挟んで間接的に連結されている場合も含む。また、ある構成要素を含むというのは、特に反対の記載がない限り、他の構成要素を除くものではなく、他の構成要素をさらに含むことができることを意味する。
【0036】
以下、本発明による昇降可能なチャンバー及びその運転方法について添付図面を参照しながら説明する。
【0037】
図1は本発明の好適な第1実施例による昇降可能なチャンバーの斜視図であり、図2は本発明の好適な第1実施例による昇降可能なチャンバーの正面図であり、図3は本発明の好適な第1実施例による昇降可能なチャンバーの側面図である。
【0038】
また、図4図3のA部分を拡大した斜視図であり、図5図3のA部分を他の方向から見た拡大斜視図である。
【0039】
これらの図1図5に示すように、本発明による昇降可能なチャンバーは、対象物(図示せず)を収納するためのチャンバー胴体100と、チャンバー胴体100を取り囲む形状のチャンバーフレーム200と、チャンバー胴体100の一部を上下に移動させるためのエアシリンダー300と、エアシリンダー300を作動させるための制御部400とを含む。
【0040】
ここで、対象物は、二次電池、より詳細には、電解液が注液された状態の円筒型二次電池であり得るが、必ずしもこれに限定されず、説明の便宜上、二次電池がチャンバー胴体に収納されるものを想定して説明する。
【0041】
まず、チャンバー胴体100は下部胴体110および上部胴体120で構成され、下部胴体110は略円形の板状構造であり得る。上部胴体120は下部胴体110の上部に位置し、昇降可能に作動し、全体的な外形は内部が空いている状態の半球形や半楕円形であり得る。
【0042】
ここで、上部胴体120の外側上部は、支持プレート230に対して固定または分離できるように締結部121を備えている。詳細には、締結部121には、支持プレート230のフランジ状の締結具231がスライド方式で挿入できるように、締結具231に対応する形状の収容溝121'が形成されている(図4参照)。
【0043】
下部胴体110の上面には電解液の含浸のための二次電池が収納され、迅速で均一な含浸のために減圧および加圧を交互に実施しなければならないので、上部胴体120と下部胴体110とが密着すると、外部に対して遮断するように気密を維持し、また内部に所定の圧力がかかっても分離されないように締結される構造であることが好ましい。もちろん、下部胴体110及び上部胴体120のうちの一つ以上には減圧や加圧のための開閉可能なポートが備えられているというのは明らかである。
【0044】
チャンバーフレーム200は、垂直フレーム210と、水平フレーム220と、支持プレート230と、ガイドフレーム240と、を含むことができる。
【0045】
垂直フレーム210は、チャンバー胴体100を間に挟んで互いに向き合うように位置する一対からなる。ここで、それぞれの側面に位置する垂直フレーム210は所定の間隔で離隔して配置された2個ずつであり、よって垂直フレーム210は全部4個で構成され得るが、これに限定されない。
【0046】
水平フレーム220は4個の垂直フレーム210の上部に固定され、略四角形の板状構造を有することができる。
【0047】
支持プレート230は水平フレーム220と上部胴体120との間に位置し、上部胴体120を固定的に支持したままでエアシリンダー300の作動によって上下に移動する。具体的には、水平フレーム220と類似した板状構造であり、互いに向き合う両端付近にはピストンロッド350が連結されるとともに、中央底面付近には下方に延びた締結具231によって上部胴体120が連結される。
【0048】
したがって、ピストンロッド350が下降するかまたは上昇するとき、上部胴体120をぶら下げた状態で支持プレート230が一緒に上下に移動するようになる。
【0049】
ガイドフレーム240は支持プレート230を安定的に上下移動可能に案内するためのものであり、支持プレート230を垂直方向に貫通するように配置され得る。詳細には、ガイドフレーム240の下端部は下方に向けて地面と密着し、他端部は水平フレーム220の底面と密着するように位置する略棒状であり、水平フレーム220の各角部を貫通する4個で構成され得るが、必要に応じて個数は加減することができる。
【0050】
図6は第1実施例による昇降可能なチャンバーに備えられるエアシリンダーの断面図である。図1および図6を一緒に参照しながらエアシリンダーについて説明すると、エアシリンダー300は垂直フレーム210付近、より詳細には、一対からなるガイドフレーム240の間に位置し、支持プレート230を安定的に昇降させることができるように、支持プレート230の縁部に互いに向き合って1個ずつ設けられることが好ましい。
【0051】
このようなエアシリンダー300は、円筒状のシリンダーチューブ310と、ヘッドカバー320と、ロッドカバー330と、ピストン340と、ピストンロッド350とを含むことができる。
【0052】
ヘッドカバー320はシリンダーチューブ310のヘッド側端部を密封するように位置し、支持プレート230が上昇するときはエアが流入し、また下降するときはエアが排気されるように、ヘッド側ポート321を備えており、このようなヘッド側ポート321には、供給流量センサーと連結される第2エア管が締結される。
【0053】
ロッドカバー330はシリンダーチューブ310のロッド軸端部を密封し、常に開放した状態に維持するロッド側ポート331を備えている。そして、ピストン340はシリンダーチューブ310の内側面と密着してシリンダー室を分割し、ピストンロッド350は、一側がピストン340に連結され、他側が支持プレート230に連結されるように、配置され、このようなエアシリンダー300は公知の技術に相当するのでより詳細な説明は省略する。
【0054】
次に、制御部について説明する。図7は第1実施例による昇降可能なチャンバーに備えられる制御部の斜視図であり、図8は第1実施例による昇降可能なチャンバーに備えられる制御部の正面図であり、図9は第1実施例によるエアシリンダーの作動のためのエア回路図である。
【0055】
制御部400は、エアの供給および排気を制御してエアシリンダー300の作動を決定する。
【0056】
このような制御部400は、メインバルブ410と、供給圧制御部材420と、第1圧力センサー430と、パイロットバルブ440と、供給流量センサー450と、排気流量センサー460と、第2圧力センサー470と、排気圧制御部材480と、を含むことができる。
【0057】
まず、メインバルブ410はコンプレッサーのような空気圧縮機(図示せず)からのエア供給を制御するためのものであり、一側には空気圧縮機と連結されている第1エア管L1を連結するためのエア流入ポート411が備えられている。
【0058】
供給されるエアの流れ方向を基準とするとき、供給圧制御部材420はメインバルブ410の前方に位置し、エアシリンダー300を上昇させるとき、設定の圧力がエアシリンダー300に伝達されるように供給されるエアの圧力を調節する機能を果たすレギュレーターであり得る。
【0059】
第1圧力センサー430は供給圧制御部材420の前方に位置し、供給圧制御部材420を経由したエアの圧力を測定する。ここで、第1圧力センサー430には、実時間で測定される圧力を視覚的に確認することができるように、第1表示部431が備えられることが好ましく、所定の圧力範囲を外れるかまたは一定の時間以上異常状態の圧力が持続するときはアラームや警告灯のような警告信号を発生する機能を付加することがより好ましい。
【0060】
第1パイロットバルブ441および第2パイロットバルブ442からなるパイロットバルブ440は、第1圧力センサー430、排気流量センサー460および第2圧力センサー470の間、すなわち供給されるエアおよび排気されるエアの経路上に位置してエアの移動方向を転換するためのバルブである。
【0061】
特に、パイロットバルブ440は3ポートおよび3ウェイ(3Port、3Way)を有する中間停止型ソレノイドバルブであることが好ましい。これは狭窄事故などを防止するためのものである。すなわち、第1圧力センサー430、供給流量センサー450、排気流量センサー460及び第2圧力センサー470のいずれか一つ以上の測定値が設定の範囲を外れるとき、エアの供給や排気を遮断することによってピストンロッド350の移動を停止させる。
【0062】
供給流量センサー450は第1圧力センサー430を通過したエアの流量を測定するための単方向流量センサーであり、第1圧力センサー430、パイロットバルブ440及び排気流量センサー460を順次通過したエアの流量を測定する。
【0063】
このような供給流量センサー450の個数はエアシリンダーのヘッド側ポートと同じ個数であることが好ましい。本発明の場合、エアシリンダーが2個であり、それぞれのエアシリンダーには一つずつのヘッド側ポートが備えられているので、各ヘッド側ポートへのエア供給のために、第1供給流量センサー451および第2供給流量センサー452からなる。
【0064】
また、ヘッド側ポートと連結されるように、第1供給流量センサー451および第2供給流量センサー452には第1エア出入口451'および第2エア出入口452'がそれぞれ備えられており、これらは第2エア管L2によって連結される。
【0065】
ここで、第2エア管L2は、エアシリンダーを下降させるときに圧縮されたエアが排気される通路としても使用される。これに関連しては後述する。
【0066】
前述した第1圧力センサー430と同様に、第1供給流量センサー451および第2供給流量センサー452にも、供給されるエアの流量を実時間で確認することができるように表示窓が備えられることが好ましく、所定の流量範囲を外れるかまたは一定の時間以上異常状態の流量が持続するときは、アラームや警告灯のような警告信号を発生する機能を付加することがより好ましい。
【0067】
次に、排気流量センサー460はエアシリンダーから排気されるエア流量を測定するための単方向流量センサーであり、供給流量センサー450とパイロットバルブ440との間に位置する。
【0068】
すなわち、チャンバー胴体の上部胴体を下降させるときは、シリンダーチューブの下側の圧縮されたエアを排気させなければならなく、排気されるエアは供給流量センサー450を経由させた後、排気流量センサー460に移動させる。
【0069】
供給流量センサー450と同様に、各ヘッド側ポートから排気されたエア流量を測定することができるように、排気流量センサー460は、第1排気流量センサー461および第2排気流量センサー462で構成されることが好ましい。
【0070】
一方、図面には示していないが、供給流量センサー450および排気流量センサー460の位置を互いに取り替えることも可能であり、供給流量センサー450および排気流量センサー460を並列方式でパイロットバルブ440に連結することも可能である。また、両方向流量センサーの場合は、供給流量センサー450および排気流量センサー460の機能を同時に果たすことができるので、単一の流量センサーに取り替えることも可能である。
【0071】
第2圧力センサー470は排気流量センサー460を通して移動するエアの圧力を測定するための構成であり、排気流量センサー460の前方の圧力、より詳細には、排気流量センサー460およびパイロットバルブ440を順次通過したエアの圧力を測定する。
【0072】
前述した第1圧力センサー430と同様に、第2圧力センサー470にも、排気されるエアの圧力を実時間で確認することができるように、第2表示部471を備えることが好ましく、所定の圧力範囲を外れるかまたは一定の時間以上異常状態の圧力が持続するときは、アラームや警告灯のような警告信号を発生する機能を付加することがより好ましい。
【0073】
排気圧制御部材480は第2圧力センサー470の後方に位置し、シリンダーチューブのエアを所定の圧力に維持しながら排気するように制御するレリーフバルブであり得る。言い換えれば、チャンバー胴体の上部胴体が下降するときに起こり得る予想できない事故を防止するために、シリンダーチューブのエア圧力を制御することにより、チャンバー胴体が急激に下降することを制限する。
【0074】
図面には示していないが、制御部400は、メインバルブ410、供給圧制御部材420、第1圧力センサー430、パイロットバルブ440、供給流量センサー450、排気流量センサー460、第2圧力センサー470、及び排気圧制御部材480などを収納するためのケース、および遠距離でも作業者が装置の運転状況を確認して制御することができるように、圧力や流量などの各種の情報を受信した後、実時間で示すモニターをさらに備えることができる。
【0075】
図10は本発明の第2実施例による昇降可能なチャンバーに備えられる制御部の正面図であり、図11は本発明の第2実施例によるエアシリンダーの作動のためのエア回路図である。
【0076】
排気圧制御部材480に関連した構成を除いた残りは図1図9を参照しながら説明した第1実施例によるチャンバーと同様であるので、重複説明は省略する。
【0077】
第2実施による排気圧制御部材480は、空気圧縮機と連結されている第1エア管L1および第3エア管L3を経由したエアが供給される流入ポート、第2圧力センサー470と連通する連結ポート、及びエアが排気される排気ポートを備えた精密レギュレーターであり得る。
【0078】
排気圧制御部材480の後方、例えば第2エア管、第2圧力センサー470および排気圧制御部材480の連結部品などで発生した亀裂によってエアリークが発生すると、排気圧制御部材480で設定した圧力よりも低く維持され、結果として上部胴体が早く下降する場合が発生し得る。
【0079】
しかし、第2実施例による排気圧制御部材480を構成する精密レギュレーターの場合、第3エア管L3および流入ポートを通して所定の圧力のエアが常に一定に供給されることにより、第2エア管を含む排気圧制御部材480の後方を定圧に維持することができる。
【0080】
もちろん、第2圧力センサー470を経由して排気圧制御部材480に移動する排気の圧力が排気圧制御部材480で設定した圧力以上の正常状態のときは、連結ポートにはエアが移動することができない。
【0081】
たとえ図10及び図11では、第1エア管L1から分岐された後、第3エア管L3を経由した後、排気圧制御部材480に供給されるものとして示しているが、空気圧縮機と第3エア管L3とが直ちに連結されてもかまわない。
【0082】
一方、前述した機能および構成を有する精密レギュレーターは、フェスト(FESTO)社のLRPシリーズ、エスエムシー(SMC)社のIRシリーズとして公知となった技術に相当するので詳細な説明は省略する。
【0083】
図12は本発明の第1及び第2実施例による昇降可能なチャンバーの運転方法のフローチャートであり、図13は第1実施例による制御部の正面図で、正常状態でエアシリンダーにエアが供給されるときのエアの流れ方向を説明するための図であり、図14は第1実施例による制御部の正面図で、正常状態でエアシリンダーからエアが排気されるときのエアの流れ方向を説明するための図である。
【0084】
前述した図1と一緒に図12~14を参照しながら、昇降可能なチャンバーの運転方法について説明する。
【0085】
本発明による昇降可能なチャンバーの運転方法は、エアシリンダーにエアを供給して上部胴体を上昇させる第1段階と、下部胴体に対象物を積載する第2段階と、エアシリンダーの圧縮されたエアを排気させて下部胴体の上部に上部胴体を密着させる第3段階と、下部胴体と上部胴体との密着によって形成された空間部を加圧及び減圧する第4段階と、を含む。
【0086】
まず、第1段階は下部胴体110に上部胴体120が着座している状態から上部胴体120を上昇させる段階であり、エアシリンダー300にエアを供給すると、ピストンおよびピストンロッドが上昇し、結果的に上部胴体120が上昇するようになる。
【0087】
ここで、供給されるエアは、図13に示すように、メインバルブ410、供給圧制御部材420、第1圧力センサー430、パイロットバルブ440、排気流量センサー460及び供給流量センサー450を順次通過した後、エアシリンダー300に供給され、エアの供給圧力は供給圧制御部材420によって制御される。
【0088】
ここで、たとえ供給されるエアが排気流量センサー460を通過しても、エアが排気される場合にのみ流量を測定することができる単方向流量センサーであるので、単に供給されるエアが移動する経路のみを提供するだけで、流量は測定しない。
【0089】
また、パイロットバルブ440が第2圧力センサー470と連通する構造であるが、ポートの転換によってエアは排気流量センサー460に向かう。
【0090】
第2段階は、下部胴体110と上部胴体120とが所定の間隔で離隔した状態で、対象物、すなわち電解液が注液された状態の円筒型二次電池を積載する。
【0091】
第3段階は下部胴体110と上部胴体120とを密着させて外部との接触を遮断するための段階であり、エアシリンダー300に圧縮されたエアを排気させて上部胴体120を下降させる。
【0092】
図14に示すように、シリンダーに圧縮されていたエアは、供給流量センサー450、排気流量センサー460、パイロットバルブ440、第2圧力センサー470及び排気圧制御部材480を順次経由した後、外部に排気され、シリンダー(エアシリンダー300)内のエア圧力は排気圧制御部材480によって調節される。
【0093】
たとえ排気されるエアが供給流量センサー450を通過しても、エアが供給される場合にのみ流量を測定することができる単方向流量センサーであるので、単に排気されるエアが移動する経路のみを提供するだけで、流量は測定しない。
【0094】
また、パイロットバルブ440が第1圧力センサー430とも連通する構造であるが、ポートの転換によってエアは第2圧力センサー470に向かう。
【0095】
一方、上部胴体が完全に下降して下部胴体と密着することができるように、シリンダーの内部には上部胴体の荷重よりも一定の範囲だけ低いレベルの圧力を維持することができるように制御することが好ましい。
【0096】
最後の第4段階は注液された電解液がよく含浸されるように加圧および減圧する段階である。
【0097】
図15は第1実施例による制御部の正面図で、異常状態でエアシリンダーに供給されるエアの流れ方向を説明するための図である。前述した第1段階、すなわちエアシリンダーにエアを供給して上部胴体を上昇させる過程で、異常状態を感知するときは、中間停止型ソレノイドバルブであるパイロットバルブ440によってエアの流れを遮断する。
【0098】
例えば、上部胴体上に品物が置かれているかまた作業者が取っているなど、上部胴体の重量が増加した場合、設定の供給圧力や供給流量の範囲を外れることになる。このような信号がパイロットバルブ440に伝達されると、エアの流れがパイロットバルブ440によって遮断されることにより、エアシリンダー300に供給されないだけでなく、エアシリンダー300から排気されない状態、すなわちエアの移動が完全に停止するようにポートが転換され、結果的に上部胴体もそれ以上上昇しない。
【0099】
もちろん、ピストンロッドやガイドフレームに異物が挟まることによって供給圧力や供給流量が一時異常状態になる場合があり得るので、異常状態の供給圧力や供給流量が一定の時間以上持続する場合にのみパイロットバルブ440に信号を伝送するように設計することも可能である。
【0100】
前記のような作動原理は、事故防止、特に上部胴体と水平フレームとの間に作業者が挟まることによって発生し得る死亡や大きな負傷を防止することができる。
【0101】
図16は第1実施例による制御部の正面図で、異常状態でエアシリンダーから排気されるエアの流れ方向を説明するための図である。前述した第3段階、すなわちエアシリンダーの圧縮されたエアを排気させて上部胴体を下降させる過程で、異常状態を感知するときは、中間停止型ソレノイドバルブであるパイロットバルブ440によってエアの流れを遮断する。
【0102】
例えば、下部胴体上に品物または作業者がある場合、設定の排気圧力や排気流量の範囲を外れることになる。このような信号がパイロットバルブ440に伝達されると、エアの流れがパイロットバルブ440によって遮断されることによってエアシリンダー300に供給されないだけでなく、エアシリンダー300から排気されない状態、すなわちエアの移動が完全に停止するようにポートが転換され、結果的に上部胴体はそれ以上下降しない。
【0103】
もちろん、ピストンロッドやガイドフレームに異物が挟まって排気圧力や排気流量が一時異常状態になる場合があり得るので、異常状態の排気圧力や排気流量が一定の時間以上持続する場合にのみパイロットバルブ440に信号を伝送するように設計することも可能である。
【0104】
前記のような作動原理は、事故防止、特に下部胴体と上部胴体との間に作業者が挟まることによって発生し得る死亡や大きな負傷を防止することができる。
【0105】
図17は第2実施例による制御部の正面図で、正常状態でエアシリンダーにエアが供給されるときのエアの流れ方向を説明するための図である。エアは、第1エア管L1、メインバルブ410、供給圧制御部材420、第1圧力センサー430、パイロットバルブ440、排気流量センサー460及び供給流量センサー450を順次通過した後、エアシリンダー300に供給され、エアの供給圧力は供給圧制御部材420によって制御される。
【0106】
たとえ供給されるエアが排気流量センサー460を通過しても、エアが排気される場合にのみ流量を測定することができる単方向流量センサーであるので、単に供給されるエアが移動する経路のみを提供するだけで、流量は測定しない。
【0107】
また、パイロットバルブ440が第2圧力センサー470と連通する構造であるので、ポートの転換によってエアは排気流量センサー460に向かう。
【0108】
図18は第2実施例による制御部の正面図で、正常状態でエアシリンダーからエアが排気されるときのエアの流れ方向を説明するための図である。
【0109】
シリンダーに圧縮されていたエアは、供給流量センサー450、排気流量センサー460、パイロットバルブ440、第2圧力センサー470及び排気圧制御部材480を順次経由した後、外部に排気され、シリンダー(エアシリンダー300)内のエア圧力は排気圧制御部材480によって調節される。
【0110】
ここで、第1エア管L1からのエアが排気圧制御部材480に向かうが、第2圧力センサー470から排気される圧力が充分に高いので、排気圧制御部材480内には流入することができない。
【0111】
たとえ排気されるエアが供給流量センサー450を通過しても、エアが供給される場合にのみ流量を測定することができる単方向流量センサーであるので、単に排気されるエアが移動する経路のみを提供するだけで、流量は測定しない。
【0112】
また、パイロットバルブ440が第1圧力センサー430とも連通する構造であるが、ポートの転換によってエアは第2圧力センサー470に向かう。
【0113】
図19は第2実施例による制御部の正面図で、異常状態でエアシリンダーから排気されるエアの流れ方向を説明するための図である。
【0114】
正常状態で、シリンダーに圧縮されていたエアは、供給流量センサー450、排気流量センサー460、パイロットバルブ440、第2圧力センサー470及び排気圧制御部材480を順次経由した後、外部に排気される。
【0115】
しかし、排気圧制御部材480の後方でエアリークが発生する異常状態では、第2圧力センサー470を経由した後、排気圧制御部材480に向かうエアの圧力が設定の圧力よりも低く維持される。この場合、足りないエアを補充することができるように第1エア管L1からのエアが排気圧制御部材480に向かって移動することにより、上部胴体の下降速度を調節することができる。
【0116】
もちろん、排気圧制御部材480の後方で発生したエアリークが深刻であるときは、第1エア管L1から流入したエアは、第2圧力バルブ470、排気流量センサー460及び供給流量センサー450に向かって移動することもできる。
【0117】
一方、図16を参照しながら説明した第1実施例の異常状態、すなわちエアシリンダーの圧縮されたエアを排気させて上部胴体を下降させる過程で、下部胴体上に品物または作業者がある場合は、第2実施例でも中間停止型ソレノイドバルブであるパイロットバルブ440によってエアの流れを遮断する。
【0118】
もちろん、パイロットバルブ440の機構的または制御的異常が発生するときは、前述した図19のように作動する。
【0119】
本発明が属する分野で通常の知識を有する者であれば前記内容に基づいて本発明の範疇内で多様な応用および変形をなすことが可能であろう。
【符号の説明】
【0120】
100 チャンバー胴体
110 下部胴体
120 上部胴体
121 締結部
121' 収容溝
200 チャンバーフレーム
210 垂直フレーム
220 水平フレーム
230 支持プレート
231 締結具
240 ガイドフレーム
300 エアシリンダー
310 シリンダーチューブ
320 ヘッドカバー
321 ヘッド側ポート
330 ロッドカバー
331 ロッド側ポート
340 ピストン
350 ピストンロッド
400 制御部
410 メインバルブ
411 エア流入ポート
420 供給圧制御部材
430 第1圧力センサー
431 第1表示部
440 パイロットバルブ
441 第1パイロットバルブ
442 第2パイロットバルブ
450 供給流量センサー
451 第1供給流量センサー
451' 第1エア出入口
452 第2供給流量センサー
452' 第2エア出入口
460 排気流量センサー
461 第1排気流量センサー
462 第2排気流量センサー
470 第2圧力バルブ(第2圧力センサー)
471 第2表示部
480 排気圧制御部材
L1 第1エア管
L2 第2エア管
L3 第3エア管
V 方向調節バルブ
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19
【国際調査報告】