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特表2024-538492デバイスの動きに基づく人口密度推定
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-10-23
(54)【発明の名称】デバイスの動きに基づく人口密度推定
(51)【国際特許分類】
   G06Q 50/10 20120101AFI20241016BHJP
【FI】
G06Q50/10
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024514443
(86)(22)【出願日】2022-09-16
(85)【翻訳文提出日】2024-03-04
(86)【国際出願番号】 EP2022075836
(87)【国際公開番号】W WO2023057190
(87)【国際公開日】2023-04-13
(31)【優先権主張番号】17/450,074
(32)【優先日】2021-10-06
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.BLUETOOTH
(71)【出願人】
【識別番号】390009531
【氏名又は名称】インターナショナル・ビジネス・マシーンズ・コーポレーション
【氏名又は名称原語表記】INTERNATIONAL BUSINESS MACHINES CORPORATION
【住所又は居所原語表記】New Orchard Road, Armonk, New York 10504, United States of America
(74)【代理人】
【識別番号】100112690
【弁理士】
【氏名又は名称】太佐 種一
(74)【代理人】
【識別番号】100120710
【弁理士】
【氏名又は名称】片岡 忠彦
(74)【復代理人】
【識別番号】100104880
【弁理士】
【氏名又は名称】古部 次郎
(74)【復代理人】
【識別番号】100118108
【弁理士】
【氏名又は名称】久保 洋之
(72)【発明者】
【氏名】タブ、ドガ
(72)【発明者】
【氏名】スル、マティアス
【テーマコード(参考)】
5L050
【Fターム(参考)】
5L050CC20
(57)【要約】
デバイスが事前設定された領域の事前設定された距離に入ったことを識別することであって、事前設定された領域は複数の事前設定された領域のうちの1つである、識別することと、デバイスに対応するデバイス識別情報を収集することと、デバイス識別データを使用して、各デバイスのプロファイルを作成することと、各デバイスに関連付けられたプロファイルを使用して、複数の事前設定された領域にわたるデバイスの動きを相関させることと、相関するデバイスの動きに基づいて人口密度を計算することと、を含む、人口密度推定のための技術が提供される。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
デバイスが事前設定された領域の事前設定された距離に入ったことを識別することであって、前記事前設定された領域は複数の事前設定された領域のうちの1つである、識別することと、
前記デバイスに対応するデバイス識別情報を収集することと、
前記デバイス識別データを使用して、各デバイスのプロファイルを作成することと、
各デバイスに関連付けられた前記プロファイルを使用して、前記複数の事前設定された領域にわたるデバイスの動きを相関させることと、
前記相関するデバイスの動きに基づいて人口密度を計算することと、
を含む、プロセッサ実装方法。
【請求項2】
前記相関するデバイスの動きまたは前記計算された人口密度に基づいて管理動作を実行すること
をさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記管理動作が、車両または歩行者の交通を迂回させるようソフトウェアプログラムに指示を与えること、交通信号および横断歩道信号のタイミングを修正すること、ライドシェア車両を迂回させるようソフトウェアプログラムに指示を与えること、および公共交通資源の流れを修正することからなる群から選択される、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
1つのエンティティに対応する複数のプロファイルを重複排除することであって、前記重複排除は、複数のデバイス間の近接性および前記複数のデバイス間の共通の動きに基づいてプロファイルをマージすることによって実行される、重複排除すること
をさらに含む、先行する請求項のいずれかに記載の方法。
【請求項5】
前記複数の事前設定された領域が、少なくとも1つの静止領域と少なくとも1つの移動領域とを含む、先行する請求項のいずれかに記載の方法。
【請求項6】
前記デバイスまたは前記事前設定された領域に関する補足データを収集することであって、前記補足データは、気象サービスからのデータ、公共交通機関のデータ、位置データ、インフラストラクチャデータ、前記デバイスによって放送される追加データ、および前記デバイスのデバイスタイプを識別するのに十分なデータからなる群から選択される、収集すること
をさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
前記管理動作は、前記相関するデバイスの動きまたは人口密度をユーザに提供することを含む、請求項2に記載の方法。
【請求項8】
コンピュータシステムであって、
1または複数のプロセッサと、1または複数のコンピュータ可読メモリと、1または複数のコンピュータ可読有形記憶媒体と、前記1または複数のメモリのうちの少なくとも1つを介して前記1または複数のプロセッサのうちの少なくとも1つによって実行されるために、前記1または複数の有形記憶媒体のうちの少なくとも1つに記憶されたプログラム命令とを含み、前記コンピュータシステムは、方法を実行することができ、前記方法は、
デバイスが事前設定された領域の事前設定された距離に入ったことを識別することであって、前記事前設定された領域は複数の事前設定された領域のうちの1つである、識別することと、
前記デバイスに対応するデバイス識別情報を収集することと、
前記デバイス識別データを使用して、各デバイスのプロファイルを作成することと、
各デバイスに関連付けられた前記プロファイルを使用して、前記複数の事前設定された領域にわたるデバイスの動きを相関させることと、
前記相関するデバイスの動きに基づいて人口密度を計算することと、
を含む、
コンピュータシステム。
【請求項9】
前記相関するデバイスの動きまたは前記計算された人口密度に基づいて管理動作を実行すること
をさらに含む、請求項8に記載のコンピュータシステム。
【請求項10】
前記管理動作が、車両または歩行者の交通を迂回させるようソフトウェアプログラムに指示を与えること、交通信号および横断歩道信号のタイミングを修正すること、ライドシェア車両を迂回させるようソフトウェアプログラムに指示を与えること、および公共交通資源の流れを修正することからなる群から選択される、請求項9に記載のコンピュータシステム。
【請求項11】
1つのエンティティに対応する複数のプロファイルを重複排除することであって、前記重複排除は、複数のデバイス間の近接性および前記複数のデバイス間の共通の動きに基づいてプロファイルをマージすることによって実行される、重複排除すること
をさらに含む、請求項8から10のいずれか1項に記載のコンピュータシステム。
【請求項12】
前記複数の事前設定された領域が、少なくとも1つの静止領域と少なくとも1つの移動領域とを含む、請求項8から11のいずれか1項に記載のコンピュータシステム。
【請求項13】
前記デバイスまたは前記事前設定された領域に関する補足データを収集することであって、前記補足データは、気象サービスからのデータ、公共交通機関のデータ、位置データ、インフラストラクチャデータ、前記デバイスによって放送される追加データ、および前記デバイスのデバイスタイプを識別するのに十分なデータからなる群から選択される、収集すること
をさらに含む、請求項8に記載のコンピュータシステム。
【請求項14】
前記管理動作は、前記相関するデバイスの動きまたは人口密度をユーザに提供することを含む、請求項9に記載のコンピュータシステム。
【請求項15】
1または複数のコンピュータ可読有形記憶媒体と、前記1または複数の有形記憶媒体の少なくとも1つに記憶されたプログラム命令であって、前記プログラム命令は方法を実行可能なプロセッサによって実行可能である、プログラム命令と、を含み、前記方法は、
デバイスが事前設定された領域の事前設定された距離に入ったことを識別することであって、前記事前設定された領域は複数の事前設定された領域のうちの1つである、識別することと、
前記デバイスに対応するデバイス識別情報を収集することと、
前記デバイス識別データを使用して、各デバイスのプロファイルを作成することと、
各デバイスに関連付けられた前記プロファイルを使用して、前記複数の事前設定された領域にわたるデバイスの動きを相関させることと、
前記相関するデバイスの動きに基づいて人口密度を計算することと、
を含む、コンピュータプログラム製品。
【請求項16】
前記相関するデバイスの動きまたは前記計算された人口密度に基づいて管理動作を実行すること
をさらに含む、請求項15に記載のコンピュータプログラム製品。
【請求項17】
前記管理動作が、車両または歩行者の交通を迂回させるようソフトウェアプログラムに指示を与えること、交通信号および横断歩道信号のタイミングを修正すること、ライドシェア車両を迂回させるようソフトウェアプログラムに指示を与えること、および公共交通資源の流れを修正することからなる群から選択される、請求項16に記載のコンピュータプログラム製品。
【請求項18】
1つのエンティティに対応する複数のプロファイルを重複排除することであって、前記重複排除は、複数のデバイス間の近接性および前記複数のデバイス間の共通の動きに基づいてプロファイルをマージすることによって実行される、重複排除すること
をさらに含む、
請求項15に記載のコンピュータプログラム製品。
【請求項19】
前記複数の事前設定された領域が、少なくとも1つの静止領域と少なくとも1つの移動領域とを含む、請求項15に記載のコンピュータプログラム製品。
【請求項20】
前記デバイスまたは前記事前設定された領域に関する補足データを収集することであって、前記補足データは、気象サービスからのデータ、公共交通機関のデータ、位置データ、インフラストラクチャデータ、前記デバイスによって放送される追加データ、および前記デバイスのデバイスタイプを識別するのに十分なデータからなる群から選択される、収集すること
をさらに含む、請求項15に記載のコンピュータプログラム製品。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、一般にコンピューティングの分野に関し、より詳細にはモノのインターネット(IoT)に関する。
【背景技術】
【0002】
IoTとは、典型的なコンピューティングデバイスだけでなく、様々なモノや備品がネットワークに接続されたネットワークとしてのインターネットという概念である。これらのオブジェクトは、プロセッサ、無線、またはセンサ、および関連する機能を備えている。IoTは、スマートホーム、スマートシティ、そして様々な異なるビジネスに電力を供給するために、いくつかの異なるテクノロジーを結集している。オブジェクトには、ネットワーク機器や家電製品などの据え置き型もあれば、自動車、ヘッドフォン、時計、携帯電話などのモバイル型もある。これらのネットワークは、現実世界の状況を計算効率で監視・管理するのに役立つ。
【発明の概要】
【0003】
本発明の様々な態様によれば、人口密度推定のための方法、コンピュータシステム、およびコンピュータプログラム製品が提供される。本方法は、デバイスが事前設定された領域の事前設定された距離に入ったことを識別することであって、事前設定された領域は複数の事前設定された領域のうちの1つである、識別することと、デバイスに対応するデバイス識別情報を収集することと、デバイス識別データを使用して、各デバイスのプロファイルを作成することと、各デバイスに関連付けられたプロファイルを使用して、複数の事前設定された領域にわたるデバイスの動きを相関させることと、相関するデバイスの動きに基づいて人口密度を計算することと、を含む。
【0004】
本発明のこれらおよび他の目的、特徴および利点は、添付の図面と関連して読まれる例示的な実施形態の以下の詳細な説明から明らかになるであろう。図面の様々な特徴は、当業者が詳細な説明と併せて本発明を理解するのを容易にするために明瞭にするための図であるため、縮尺通りではない。
【図面の簡単な説明】
【0005】
図1】少なくとも1つの実施形態による例示的なネットワークコンピュータ環境を示す。
図2】少なくとも1つの実施形態による、人口密度推定およびインシデント後のシナリオ分析のためのプロセスの動作フローチャートを示す。
図3】少なくとも1つの実施形態による、図1に描かれたコンピュータおよびサーバの内部および外部構成要素のブロック図である。
図4】本発明の一実施形態によるクラウドコンピューティング環境を示す。
図5】本発明の一実施形態による抽象化モデルレイヤを示す。
【発明を実施するための形態】
【0006】
特許請求される構造および方法の詳細な実施形態が本明細書に開示されるが、開示される実施形態は、様々な形態で実装され得る特許請求される構造および方法の単なる例示であることが理解され得る。しかしながら、本発明は、多くの異なる形態で実装される場合があり、本明細書に記載される例示的な実施形態に限定されると解釈されるべきではない。本明細書では、提示された実施形態を不必要に不明瞭にすることを避けるために、周知の特徴および技術の詳細を省略することがある。
【0007】
単数形「a」、「an」、および「the」は、文脈からそうではないことが明らかでない限り、複数形を含むことを理解されたい。したがって、例えば、「部品表面」への言及は、文脈からそうではないことが明らかでない限り、そのような表面の1または複数への言及を含む。
【0008】
本発明の実施形態は、コンピューティングの分野に関し、より詳細にはモノのインターネット(IoT)に関する。以下に説明する例示的な実施形態は、特に、都市または同様の地域を通る人口密度および流れに関する有用かつ正確なデータを収集するためのシステム、方法、およびプログラム製品を提供する。したがって、本実施形態は、より正確なデータをより徹底的に収集できるようにすることにより、IoTの技術分野を改善する能力を有し、これにより、スマートシティが車両および歩行者の両方の交通を安全かつ迅速に管理するための新たな技術を可能にする。
【0009】
前述したように、IoTとは、典型的なコンピューティングデバイスだけでなく、プロセッサ、無線、センサ、および関連機能を持つ、ネットワークに接続されたさまざまなモノや備品のネットワークとしてのインターネットという概念である。オブジェクトには、ネットワーク機器のような据え置き型のものもあれば、自動車、時計、携帯電話のようなモバイル型のものもある。これらは、安全を目的とした交通管理にスマートシティで使用することができる。
【0010】
交通安全は、歩行者、自転車利用者、ドライバー、乗客にとって極めて重要である。過去数十年の間にスマートシティが台頭するにつれ、人口密度を追跡および把握する能力が、公共の安全を確保するための重要な要素であることが明らかになってきた。このようなデータを収集する方法として、カメラマッチングによる写真測量と平行化という既存の方法がある。しかし、このようなデータの精度や正確さには限界がある。ネットワーク機能を利用する既存のソリューションでは、ユーザがネットワーク接続を選択する必要がある場合がある。
【0011】
さらに、既存の地図サービスの多くは、都市全体のユーザを追跡する。このようなサービスは、写真測量、全地球測位システムサービス(GPS)、セルラー三角測量などの技術を使い、大量のデータを綿密に追跡する。このようなサービスは、多くの場合、デバイスと中央サーバ間のインターネット接続を必要とし、長期保存のためにユーザから大量のデータを収集する。このようなデータ収集は、ユーザのプライバシーを侵害する可能性があり、また、ユーザが提供しにくいかもしれないデータの収集に同意する必要がある場合もある。そのため、中央のウェブサーバに長期的にデータを収集することなく、一般に公開されたデータを通じてユーザを追跡できる、より軽量なアプローチを使用することが有利になる可能性がある。
【0012】
少なくとも1つの実施形態によれば、交通量の多い交差点などの領域における人口密度を推定するために、無線ネットワークデバイスを介してデータを収集することができる。他の無線アクセスポイントとは異なり、WiFiパイナップルデバイスなどの特定のネットワークデバイスは、多数の接続を維持することができ、そのデバイスへの接続の確立の有無にかかわらず、デバイスを匿名で決定することができる表面レベルの情報にアクセスするために使用することができる。この情報は、事前設定された異なる領域にわたるデバイスの動きを相関させるために使用することができる。また、ネットワークデバイスは、デバイスが各所定の交差点の範囲内で費やす時間を概算することもできる。ある種のネットワークデバイスは、ワイヤレスセキュリティアプリケーションや悪意のある攻撃に使用されることが知られているが、前述のネットワークデバイスのユニークな特性は、混雑した公共エリアで見られ得るような、多数のデバイスからの匿名化されたデータの悪意のない収集に効果的なサポートを提供する可能性があり、特定の地域の人口密度を計算するために使用される場合がある。
【0013】
さらに、人口密度データを自律走行車と共有することで、自律走行車が周囲の状況をよりよく理解できるようになるかもしれない。例えば、人口の多い交差点に近づいていることを車両に知らせ、歩行者の少ない代替ルートを提案することができる。さらに、人口密度データは、交通の流れを管理し、歩行者の安全を守るために、信号機、歩行者用信号機、油圧バンパーなどの都市インフラと共有することもできる。
【0014】
本発明は、任意の可能な技術詳細レベルで統合されたシステム、方法もしくはコンピュータプログラム製品またはそれらの組み合せとすることができる。コンピュータプログラム製品は、プロセッサに本発明の態様を実行させるためのコンピュータ可読プログラム命令を記憶したコンピュータ可読記憶媒体を含んでよい。
【0015】
コンピュータ可読記憶媒体は、命令実行装置によって使用される命令を保持し、記憶することができる有形の装置とすることができる。コンピュータ可読記憶媒体は、一例として、電子記憶装置、磁気記憶装置、光学記憶装置、電磁記憶装置、半導体記憶装置またはこれらの適切な組み合わせであってよいが、これらに限定されない。コンピュータ可読記憶媒体のより具体的な一例としては、ポータブルコンピュータディスケット、ハードディスク、RAM、ROM、EPROM(またはフラッシュメモリ)、SRAM、CD-ROM、DVD、メモリスティック、フロッピーディスク、パンチカードまたは溝内の隆起構造などに命令を記録した機械的に符号化された装置、およびこれらの適切な組み合せが挙げられる。本明細書で使用されるコンピュータ可読記憶媒体は、電波もしくは他の自由に伝播する電磁波、導波管もしくは他の伝送媒体を介して伝播する電磁波(例えば、光ファイバケーブルを通過する光パルス)、またはワイヤを介して送信される電気信号のような、一過性の信号それ自体として解釈されるべきではない。
【0016】
本明細書に記載のコンピュータ可読プログラム命令は、コンピュータ可読記憶媒体からそれぞれのコンピューティング/処理装置に、または、ネットワーク(例えば、インターネット、ローカルエリアネットワーク、ワイドエリアネットワーク、もしくはワイヤレスネットワークまたはその組み合わせ)を介して外部コンピュータまたは外部記憶装置にダウンロードすることができる。ネットワークは、銅線伝送ケーブル、光伝送ファイバー、無線伝送、ルーター、ファイアウォール、スイッチ、ゲートウェイコンピュータ、もしくはエッジサーバまたはその組み合わせで構成される。各コンピューティング/処理装置のネットワークアダプタカードまたはネットワークインタフェースは、ネットワークからコンピュータ可読プログラム命令を受信し、それぞれのコンピューティング/処理装置内のコンピュータ可読記憶媒体に格納するためにコンピュータ可読プログラム命令を転送する。
【0017】
本発明の動作を実行するためのコンピュータ可読プログラム命令は、アセンブラ命令、命令セットアーキテクチャ(ISA)命令、機械命令、機械依存命令、マイクロコード、ファームウェア命令、状態設定データ、統合回路のための構成データ、またはSmalltalk、C++などのオブジェクト指向プログラミング言語と「C」プログラミング言語や類似のプログラミング言語などの手続き型プログラミング言語を含む、1つ以上のプログラミング言語の任意の組み合わせで記述されたソースコードまたはオブジェクトコードのいずれかであってよい。コンピュータ可読プログラム命令は、スタンドアロンソフトウェアパッケージとして、完全にユーザのコンピュータ上で、または部分的にユーザのコンピュータ上で実行可能である。あるいは、部分的にユーザのコンピュータ上でかつ部分的にリモートコンピュータ上で、または完全にリモートコンピュータまたはサーバ上で実行可能である。後者のシナリオでは、リモートコンピュータは、ローカルエリアネットワーク(LAN)またはワイドエリアネットワーク(WAN)を含む任意のタイプのネットワークを介してユーザのコンピュータに接続され、または(例えば、インターネットサービスプロバイダーを使用したインターネット経由で)外部コンピュータに接続されてよい。いくつかの実施形態では、例えば、プログラマブルロジック回路、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)、またはプログラマブルロジックアレイ(PLA)を含む電子回路は、本発明の態様を実行するために、コンピュータ可読プログラム命令の状態情報を利用してパーソナライズすることにより、コンピュータ可読プログラム命令を実行することができる。
【0018】
本発明の態様は、本発明の実施形態による方法、装置(システム)、およびコンピュータプログラム製品のフローチャート図もしくはブロック図またはその両方を参照して本明細書に記載されている。フローチャート図もしくはブロック図またはその両方の各ブロック、およびフローチャート図もしくはブロック図またはその両方のブロックの組み合わせは、コンピュータ可読プログラム命令によって実装できることが理解されよう。
【0019】
これらのコンピュータ可読プログラム命令は、コンピュータまたは他のプログラム可能なデータ処理装置のプロセッサを介して実行される命令がフローチャートもしくはブロック図またはその両方の1つまたは複数のブロックで指定された機能/動作を実装するための手段を生成するように、機械を生成するために汎用コンピュータ、専用コンピュータのプロセッサまたは他のプログラム可能なデータ処理装置に提供されることができる。これらのコンピュータ可読プログラム命令はまた、フローチャートもしくはブロック図またはその両方の1つまたは複数のブロックで指定された機能/行為の態様を実装する命令を含む生成品の1つを命令が記憶されたコンピュータ可読記憶媒体が構成するように、コンピュータ、プログラム可能なデータ処理装置、もしくは特定の方法で機能する他のデバイスまたはその組み合わせに接続可能なコンピュータ可読記憶媒体の中に記憶されることができる。
【0020】
コンピュータ、他のプログラム可能な装置、または他のデバイス上でフローチャートもしくはブロック図またはその両方の1つまたは複数のブロックで指定された機能/行為を実行する命令のように、コンピュータ可読プログラム命令はまた、コンピュータ、他のプログラム可能なデータ処理装置、または他のデバイスにロードされ、コンピュータ、他のプログラム可能な装置、または他のデバイス上で一連の操作ステップを実行し、コンピュータ実装された過程を生成することができる。
【0021】
図中のフローチャートおよびブロック図は、本発明の様々な実施形態によるシステム、方法、およびコンピュータプログラム製品が実行可能な実装の構成、機能、および動作を示している。これに関して、フローチャートまたはブロック図の各ブロックは、モジュール、セグメント、または命令の一部を表してよく、これは、指定された論理機能を実装するための1つまたは複数の実行可能命令を構成する。いくつかの代替の実施形態では、ブロックに示されている機能は、図に示されている順序とは異なる場合がある。例えば、連続して示される2つのブロックは、実際には、実質的に同時に実行されるか、またはブロックは、関係する機能に応じて逆の順序で実行される場合がある。ブロック図もしくはフローチャート図またはその両方の各ブロック、およびブロック図もしくはフローチャート図またはその両方のブロックの組み合わせは、指定された機能または動作を実行する、または特別な目的のハードウェアとコンピュータ命令の組み合わせを実行する特別な目的のハードウェアベースのシステムによって実装できることにも留意されたい。
【0022】
以下に説明する例示的な実施形態は、有用で、正確で、匿名化されたデバイスデータを収集し、都市または同様の地域を通過する人口密度および人口流動を計算するシステム、方法、およびプログラム製品を提供する。
【0023】
図1を参照すると、少なくとも1つの実施形態による、例示的なネットワークコンピュータ環境100が描かれている。ネットワークコンピュータ環境100は、通信ネットワーク114を介して相互接続されたクライアントコンピューティングデバイス102、およびサーバ112を含み得る。少なくとも1つの実施形態によれば、ネットワークコンピュータ環境100は、複数のクライアントコンピューティングデバイス102、サーバ112、およびネットワークデバイス120を含み得るが、そのうちの1つだけが、例示の簡潔さのために示されている。さらに、1つまたは複数の実施形態において、クライアントコンピューティングデバイス102およびサーバ112は、それぞれ個々に、人口密度推定プログラム110A、110Bをホストしてもよい。1または複数の他の実施形態では、人口密度推定プログラム110A、110Bは、機能がデバイス間で分離され得るように、クライアントコンピューティングデバイス102およびサーバ112の両方で部分的にホストされ得る。
【0024】
通信ネットワーク114は、ワイドエリアネットワーク(WAN)、ローカルエリアネットワーク(LAN)、電気通信ネットワーク、無線ネットワーク、公衆交換ネットワークもしくは衛星ネットワークまたはその組み合わせなどの様々なタイプの通信ネットワークを含むことができる。通信ネットワーク114は、有線、無線通信リンク、または光ファイバケーブルなどの接続を含み得る。図1は、一実施形態の例示を提供するのみであり、異なる実施形態が実施され得る環境に関していかなる制限も意味しないことが理解され得る。描かれている環境は、設計および実装要件に基づいて多くの変更が可能である。
【0025】
クライアントコンピューティングデバイス102は、本発明の一実施形態に従って、ソフトウェアプログラム108および人口密度推定プログラム110Aをホストして実行し、Wifiパイナップルデバイスなどのネットワークデバイス120との間でデータを送信し、通信ネットワーク114を介してサーバ112と通信することを可能にするプロセッサ104およびデータ記憶装置106を含み得る。1または複数の他の実施形態において、クライアントコンピューティングデバイス102は、例えば、モバイルデバイス、電話、パーソナルデジタルアシスタント、自動車、ネットブック、ラップトップコンピュータ、タブレットコンピュータ、デスクトップコンピュータ、交通信号、歩行者交通信号、またはプログラムを実行しネットワークにアクセスすることができる任意のタイプのコンピューティングデバイスであってもよい。前述のように、1つのクライアントコンピューティングデバイス102が、例示目的で図1に描かれているが、任意の数のクライアントコンピューティングデバイス102が利用されてもよい。図3を参照して説明されるように、クライアントコンピューティングデバイス102は、それぞれ、内部構成要素302aおよび外部構成要素304aを含み得る。
【0026】
サーバコンピュータ112は、本発明の実施形態に従って、ラップトップコンピュータ、ネットブックコンピュータ、パーソナルコンピュータ(PC)、デスクトップコンピュータ、または人口密度推定プログラム110Bおよびデータベース116をホストして実行し、通信ネットワーク114を介してクライアントコンピューティングデバイス102およびネットワークデバイス120と通信することができる任意のプログラム可能な電子デバイスまたはプログラム可能な電子デバイスの任意のネットワークであってよい。図3を参照して説明されるように、サーバコンピュータ112は、内部構成要素302bおよび外部構成要素304bをそれぞれ含むことができる。サーバ112はまた、サービスとしてのソフトウェア(SaaS)、サービスとしてのプラットフォーム(PaaS)、またはサービスとしてのインフラストラクチャ(IaaS)などのクラウドコンピューティングサービスモデルで動作してもよい。サーバ112はまた、プライベートクラウド、コミュニティクラウド、パブリッククラウド、またはハイブリッドクラウドなどのクラウドコンピューティング展開モデルに配置されてもよい。
【0027】
ネットワークデバイス120は、公共の場で多数の接続を維持することができる場合がある。また、ネットワークデバイス120は、情報を配信し、様々なデバイスから配信される情報をキャプチャすることができる場合がある。少なくとも1つの実施形態では、ネットワークデバイス120は、WiFiパイナップルデバイスであってもよい。このネットワークデバイス120は、所与の領域内で無線信号を配信しているクライアントコンピューティングデバイス102の数に関するデータを、人口密度推定プログラム110A、110Bに送信してもよく、人口密度推定プログラム110A、110Bは、次にこれをカウントしてもよい。ネットワークデバイス120は、次に、この人口情報を人口密度推定プログラム110A、110Bに提供することができる。少なくとも1つの実施形態では、ネットワークデバイス120は、クライアントコンピューティングデバイス112に通信可能に結合されるか、またはクライアントコンピューティングデバイス112内に内部に組み込まれる。
【0028】
本実施形態によれば、人口密度推定プログラム110A、110Bは、所定の領域、例えば都市の交差点において、ネットワークデバイス120によって測定されたデバイスの数のカウントをキャプチャすることができる場合がある。したがって、人口密度推定プログラム110A、110Bは、キャプチャされたデバイスのカウントを用いて所与の領域における人口密度を計算することができる。少なくとも1つの実施形態では、人口密度推定プログラム110A、110Bは、所与の領域における人口密度の経時変化をさらに測定することができる。人口密度推定プログラム110A、110Bは、さらに、より広い地域(例えば、都市全体)にわたる人口の流れを経時的に追跡してもよい。人口密度推定プログラム110A、110Bは、さらに、同じ個人に属するように見える複数のデバイスを重複排除するために、デバイス間のデータを相関させて、より正確な人口カウントを提供してもよい。重複排除は、同じユーザに属するスマートフォンとワイヤレスヘッドセットなど、互いに接続されているように見えるデバイスのプロファイルをマージしてもよい。少なくとも1つの実施形態において、クライアント側人口密度推定プログラム110Aは、個人のプライバシーを尊重するために、デバイスに関する識別情報をさらに符号化してもよい。人口密度推定方法は、図2に関して以下にさらに詳細に説明される。
【0029】
次に図2を参照すると、少なくとも一実施形態による人口密度推定プロセス200を示す動作フローチャートが描かれている。202において、人口密度推定プログラム110A、110Bは、デバイスが事前設定された領域の所与の距離に入ったことを識別する。少なくとも1つの実施形態において、事前設定された領域は、静止領域または移動領域であってよい。例えば、静止領域として設定される場合、事前設定された領域は、都市の交差点またはショッピングセンター内の店舗として定義することができる。移動領域として設定される場合、事前設定された領域は、列車の車両または飛行機として定義され得る。少なくとも1つの他の実施形態では、デバイスは、ネットワークデバイス120の無線範囲内に入ることによって、領域に入ったと識別されてもよい。さらに別の実施形態では、デバイスは、写真測量、GPS、またはセルラー三角測量などの既知の位置検出技術を使用して、領域周辺の所与の距離に入ったと識別されてもよい。
【0030】
次に、204において、人口密度推定プログラム110A、110Bは、容易に利用可能なデバイス識別データを収集する。少なくとも1つの実施形態では、デバイス識別データは、SSID、MACアドレス、またはクライアントコンピューティングデバイス102によって配信され、デバイスを一意であると識別するために使用され得る他のデータであり得る。多くのデバイスが既にこのデータを配信しているため、ネットワークデバイス120は配信データを受信して収集することができる。少なくとも1つの実施形態では、人口密度推定プログラム110A、110Bは、ネットワークデバイス120の特別な能力を利用することによって、すぐには利用できないデータをさらに収集することができる。例えば、ネットワークデバイス120を使用して、人口密度推定プログラム110A、110Bは、他のデバイス識別データが利用できない場合に備えて、パイナップルデバイスができ得るように、Bluetooth関連のデバイス識別データ(例えば、Bluetooth MACアドレス)を引き出すことができる場合がある。デバイス識別データには、デバイスのタイプを識別するのに十分なデータが含まれる場合がある。例えば、デバイス識別データは、携帯電話の場合は特定の方法で符号化され、自動車の場合は異なる方法で符号化される。
【0031】
少なくとも1つの実施形態において、人口密度推定プログラム110A、110Bは、そのデバイスが事前設定された領域に入る個人がオプトインすることによって許可が与えられた場合にのみ、データを収集またはかき集めることができる。一実施形態において、クライアントコンピューティングデバイス102などのデバイスは、ネットワークデバイス120とのWifiまたはBluetoothの競合を試みることによって、人口密度推定プログラム110A、110Bにオプトインすることができる。同様に、個人は、クライアントコンピューティングデバイス102などのユーザデバイスに人口密度推定プログラム110A、110Bをインストールすることによって、人口密度推定プログラム110A、110Bにオプトインすることができる。さらに別の実施形態では、人口密度推定プログラム110A、110Bは、人口密度推定プログラム110A、110Bへのデバイス識別データの送信を確認するよう個人に要求する通知をユーザデバイスに送信してもよい。少なくとも1つの他の実施形態では、人口密度推定プログラム110A、110Bは、個人がオプトアウトすることを許可してもよい。例えば、人口密度推定プログラム110A、110Bは、ユーザが事前設定された領域に進入している旨の通知を表示し、ユーザが人口密度推定プロセス200への参加をオプトアウトできるようにしてもよい。
【0032】
少なくとも1つの実施形態において、人口密度推定プログラム110A、110Bは、ユーザのプライバシーを保護するために、デバイス識別データを不明瞭にしてもよい。例えば、デバイス識別データは、一方向暗号化アルゴリズムを通して処理され、人口密度推定プログラム110A、110Bによってのみ認識される一意の識別子を作成することができる。そのデバイスが再び見られ、同じアルゴリズムによって暗号化された場合、同じ一意の識別子が生成され、人口密度推定プログラム110A、110Bは、別のコンテキストでデバイスを識別し得るデータを追跡することなく、同じデバイスが存在することを認識することができる。
【0033】
少なくとも1つの他の実施形態では、人口密度推定プログラム110A、110Bは、補足データを収集してもよい。補足データには、気象サービスや公共交通APIなどのインターネットソースからのデータが含まれる場合がある。補足データには、写真測量、GPS、またはセルラー三角測量などの既知の位置データ源からのデータも含まれる場合がある。補足データにはさらに、人口密度推定プログラム110A、110Bに提供されるインフラストラクチャデータが含まれる場合がある。インフラストラクチャデータは、道路地図、インフラストラクチャ地図、タクシーデータ、公共交通機関データ、速度カメラまたはレーダーブラスターからのデータ、道路工事、交通事故、および他の妨害物に関連するデータ、スマート交通信号機からのデータ、または他のネットワークデバイスからのデータを含むことができる。例えば、自治体サーバは、特定の交差点で交通事故が発生したことを人口密度推定プログラム110A、110Bに通知するメッセージを送信することができる。あるいは、空港サーバが、特定のフライトが遅延していることを人口密度推定プログラム110A、110Bに通知するメッセージを送信してもよい。さらに、補足データには、追加のデバイスデータが含まれる場合がある。例えば、追加のデバイスデータは、クライアントコンピューティングデバイス102に接続されたBluetoothデバイスのリストを含むBluetoothログデータを含む場合がある。追加のデバイスデータは、ブロードキャストされた場合に収集されてもよく、またはネットワークデバイス120の特別な機能を使用してクライアントコンピューティングデバイス102から引き出されてもよい。補足データには、デバイスのタイプを識別するのに十分なデータが含まれる場合がある。
【0034】
次に、206において、人口密度推定プログラム110A、110Bは、各デバイスのエンティティに対応するプロファイルを作成する。プロファイルは、デバイス識別データから構築されてもよい。プロファイルは一時的に保存され、デバイスを一意に識別するために必要な情報のみを含み、プライバシーを強化することができる。例えば、プロファイルは、データベース116などのリポジトリに1日単位で保存され、毎日削除されるかもしれない。プロファイルは、曖昧にされたデバイス識別データのみをデータベース116に保存してもよい。少なくとも1つの実施形態では、データベース116は、中央サーバにデータを転送しない事前設定された領域内またはその近傍のエッジサーバに配置されてもよい。
【0035】
各デバイスはエンティティに対応することができる。エンティティは、0個、1個、またはそれ以上のデバイスに対応することができる。例えば、領域が都市の交差点である場合、デバイスは、歩行者、運転手、乗客、自律ロボットデバイス、または車両などの匿名のエンティティに対応することができる。別の例では、領域がショッピングセンター内の店舗である場合、エンティティは、買い物客、店舗の従業員、またはショッピングセンターの従業員であってもよい。さらに別の例では、領域が電車の車両である場合、エンティティは乗客または交通機関の従業員である可能性がある。別の実施形態では、各デバイスは、直接1対1のマッピングでエンティティに対応することができる。
【0036】
前述のデバイスからエンティティへのマッピングと同様に、各プロファイルはエンティティに対応することができる。エンティティは、0個、1個、またはそれ以上のプロファイルに対応してもよい。ステップ208で説明されるように、人口密度推定プログラム110A、110Bは、重複排除プロセスを介して、同じエンティティに対応する複数のプロファイルを重複排除してもよい。少なくとも1つの実施形態では、プロファイルにエンティティのタイプを割り当てるために、デバイスのタイプに関する情報が使用されてもよい。例えば、あるデバイスが車両タイプのデバイスであると認識された場合、プロファイルは車両タイプのエンティティとして割り当てられてもよい。あるいは、プロファイル内の複数のデバイスが携帯電話、スマートウォッチ、およびBluetoothヘッドセットであると認識された場合、プロファイルは人間であると推測され、人間として割り当てられる。
【0037】
少なくとも1つの実施形態では、人口密度推定プログラム110A、110Bは、プロファイルを使用して、事前設定された領域における人口密度の早期計算を実行することができる。例えば、1時間に交差点を通過するプロファイルが300個カウントされた場合、人口密度は、1時間当たり交差点当たりプロファイル300個として計算されてもよい。あるいは、交差点の大きさが100平方フィートである場合、人口密度は、1時間当たり1平方フィート当たり3人のプロファイルとして計算される。この計算には、重複プロファイル数の過去の推定値による人口カウントへの重み付け削減が含まれる場合があり、この削減は、ステップ208で重複排除によって後でより正確に削減される場合がある。前述の例に基づいて、履歴データが1エンティティあたり平均1.5デバイスを示している場合、人口密度は、1時間あたり交差点あたり200エンティティ、または1時間あたり1平方フィートあたり2エンティティとして計算することができる。
【0038】
プロファイルは、収集された補足データの少なくとも一部をさらに含むことができる。例えば、人口密度推定プログラム110A、110Bは、速度カメラから取得したデータを所定のプロファイルに関連付け、その速度データをプロファイルとともに記録することができる。さらに、プロファイルは、Bluetoothログデータなどの追加のデバイスデータを含んでもよい。
【0039】
次に、208において、人口密度推定プログラム110A、110Bは、作成されたプロファイルに基づき、複数の領域にわたるデバイスの動きを相関データに相関させる。少なくとも1つの実施形態では、相関データは、より大きな領域を通る人口の流れを反映することができる。例えば、この相関は、所与の時間内にある領域を出て別の領域に入るプロファイルの数に注目することによって実行することができる。スマートシティの例では、相関データは、時間経過に伴う都市周辺の車両および歩行者の交通パターンを反映することができる。あるいは、相関データは、エンティティが所定のバス停で所定のバスを降りるときに最もよく通る経路を示すかもしれない。同様に、ショッピングセンターの例では、相関データは、ショッピングセンター内のさまざまな店舗の人気を経時的に反映することができる。
【0040】
あるいは、駅などの静止領域から出た人が交差点などの隣接した静止領域に入る頻度に注目することによって相関付けることができ、電車などの移動可能な事前設定された領域に入る頻度と静止領域に入る頻度とを比較することができる。この相関データは、人々が電車で駅を出る割合と比較して、徒歩で駅を出る割合を示すことができる。
【0041】
少なくとも1つの実施形態では、相関データは、単一のエンティティに関連する複数のデバイスを重複排除するのに十分なデータを含み得る。重複排除は、例えば、スマートウォッチとスマートフォンなどの2つ以上のデバイスの動きの間の相関に注目することと、それらが同じユーザに属すると推論することと、それらのプロファイルをマージすることと、人口および人口密度に向けて、プロファイルを2回ではなく1回だけカウントすることと、を含むことができる。重複排除は、難読化されたデバイス識別情報、それらのデバイスがどの領域に出入りするか、それらのデバイスがいつ領域に出入りするかを追跡することによって実行されてもよい。あるいは、Bluetoothログデータなど、プロファイルに存在する追加のデバイスデータを使用して重複排除を実行することもできる。また、追加のデバイスデータと相関データの組み合わせを使用して重複排除を実行することもできる。2つの異なるプロファイルが同じエンティティに対応することに注目し、それらのプロファイルをマージすることによって、人口密度推定プログラム110A、110Bは、人口カウントおよび人口密度情報の精度を高めることができる。
【0042】
少なくとも1つの実施形態では、相関データは、所与のプロファイルの移動率を含むことができる。例えば、あるプロファイルが10分の間に12の領域に入るように示され、領域がそれぞれ入る順番に互いに40メートル離れていることが知られている場合、移動速度は1分あたり44メートルとして計算され得る。少なくとも1つの実施形態では、人口密度推定プログラム110A、110Bは、移動速度に基づいて、プロファイルにエンティティのタイプを推測して割り当てることができる。例えば、移動速度が時速1.65マイルとして計算された場合、そのプロファイルは人間として割り当てられてもよい。高速道路エリア間を移動するプロファイルの移動速度が時速55マイルとして計算された場合、そのプロファイルは車両として割り当てられる可能性がある。
【0043】
次に210で、人口密度推定プログラム110A、110Bが人口密度を計算する。この計算は、プロファイルのカウントを取り、それをエンティティの推定カウントに変換し、それを1つ以上の密度係数で割ることによって実行することができる。少なくとも1つの実施形態では、エンティティの推定カウントは、プロファイルの数に等しい場合がある。少なくとも1つの他の実施形態では、エンティティの推定カウントは、ステップ206で説明したように、重み付け削減によって削減することができる。さらに別の実施形態では、エンティティの推定カウントは、エンティティのタイプに固有であってもよい。例えば、領域が交差点である場合、エンティティの推定カウントは、車両に対応するプロファイルの数の推定カウントであってもよい。
【0044】
計算は、生の人口数、単位領域あたりの人口、単位時間あたりの人口、または単位時間あたりの単位領域あたりの人口を含み得る様々な形態で人口密度を提供することができる。少なくとも1つの実施形態では、領域の単位は、交差点などの明確な領域であってもよい。少なくとも1つの実施形態では、領域の単位は、平方フィートや平方メートルなどの標準的な面積の単位とすることができる。時間の単位は、分、時間、日、または週であってもよい。例えば、交差点が現在30エンティティを含み、生の人口カウントが30である場合、領域あたりの人口密度は30エンティティである。交差点の面積が100平方フィートの場合、1平方フィートあたりの人口密度は0.3エンティティである。エンティティの推定カウントが車両の推定カウントであり、1時間の間に交差点の車両に対応するプロファイルが30個ある場合、人口密度は1時間あたり交差点あたり30台となる。
【0045】
少なくとも1つの実施形態において、人口密度推定プログラム110A、110Bは、混雑の尺度を確立してもよい。少なくとも1つの実施形態において、人口密度推定プログラム110A、110Bは、その時点における過去のデータと比較して、異常に高い人口密度として混雑を定義してもよい。あるいは、人口密度推定プログラム110A、110Bは、ある事前設定された閾値を超える人口密度として「混雑」を定義してもよい。例えば、列車車両が300人を快適に収容することを意図している場合、混雑は、列車車両あたり300のエンティティという閾値を超える人口密度として定義することができる。少なくとも1つの実施形態では、人口密度推定プログラム110A、110Bは、人口密度が平均を超えるか、または閾値を超える程度によって混雑度を測定してもよい。人口密度推定プログラム110A、110Bは、乗法的または加法的などの多くの方法によってこの超過を測定してもよい。例えば、列車車両の閾値が300エンティティである場合、600エンティティを座席とする列車車両は、2の乗法係数によって混雑していてもよく、300の加算係数によって混雑していてもよい。
【0046】
最後に、212において、人口密度推定プログラム110A、110Bは、この相関データまたは計算された人口密度に基づいて管理動作を実行する。可能な管理動作には、車両または歩行者の交通の迂回、交通および横断歩道の信号タイミングの修正、ライドシェア車両の迂回、および公共交通資源の流れの修正が含まれる。例えば、ある交差点で歩行者の交通量が異常に多い場合、人口密度推定プログラム110A、110Bは、近くの交差点で車両交通を減速させ、その交差点の歩行者の安全性を高めることができる。あるいは、人口密度推定プログラム110A、110Bは、車両、クライアント装置(例えば、クライアントコンピューティングデバイス102)、またはソフトウェアプログラム(例えば、ソフトウェアプログラム108)に対して、大量の歩行者交通を回避するために代替経路を使用することができることを推奨し、それにより、歩行者の安全性を高め、運転者がより迅速に目的地に到達することを支援することができる。さらに、人口密度推定プログラム110A、110Bは、実行される管理動作に影響を与えるかもしれない収集された補足データを受信してもよい。例えば、補足データがコンサート終了間際にコンサート会場付近で交通事故が発生したことを示す場合、管理動作は、交通を別のルートに誘導することであってもよい。あるいは、補足データが、地元のスポーツイベントの終了が遅くなることを示す場合、管理動作は、予想されるスポーツイベントの終了前後に会場周辺への供給を増やすようにタクシーまたはライドシェアサービスを指示することであってもよい。さらに、人口密度推定プログラム110A、110Bは、ある鉄道路線の混雑に注意するか、その鉄道路線が深刻な遅延に直面していることを示す補足情報を受信し、人々を別の鉄道路線に誘導することができる。
【0047】
別の実施形態では、管理動作は、相関データまたは人口密度データをユーザに提供することであってもよい。ユーザは、都市計画者または他の自治体職員、ショッピングセンター管理者、空港管理者、または交通専門家であってもよい。その後、ユーザはそのデータに基づいて行動することができる。例えば、ショッピングセンター内のある領域は頻繁に渋滞しているが、近隣の領域は渋滞していないことを相関データが示している場合、ユーザは、その渋滞を避けるために近隣の領域に、またはその交通量を利用するために同じ領域に新しい店舗を設置することを決定することができる。あるいは、相関データが、第1の領域の車両渋滞が第2の領域の徒歩交通量の増加につながったことを示している場合、ユーザは、第1の領域の渋滞が予想される日に、第2の領域でファーマーズマーケットなどの屋外イベントを計画することができる。あるいは、相関データが、あるバス停でバスを降りたエンティティが、通常、少なくとも1ブロック西を歩くことを示している場合、ユーザは、バス停を1ブロック西に移動させ、全体的な歩行者の往来を減らし、特にそれらのブロック間の往来を減らすことができる。
【0048】
図2は、一実施形態の例示に過ぎず、異なる実施形態がどのように実施され得るかに関する制限を意味するものではないことが理解されよう。描かれた環境に対する多くの修正が、設計および実装要件に基づいて行われ得る。
【0049】
図3は、本発明の実施形態による、図1に描かれたクライアントコンピューティングデバイス102、サーバ112、およびネットワークデバイス120の内部および外部構成要素のブロック図300である。図3は、一実施形態の例示に過ぎず、異なる実施形態が実施され得る環境に関する制限を意味するものではないことを理解されたい。描かれた環境に対する多くの修正が、設計および実装要件に基づいて行われ得る。
【0050】
データ処理システム302、304は、機械可読プログラム命令を実行可能な任意の電子デバイスを代表する。データ処理システム302、304は、スマートフォン、コンピュータシステム、PDA、または他の電子デバイスを代表してもよい。データ処理システム302、304によって代表され得るコンピューティングシステム、環境、もしくは構成、またはその組み合わせの例は、パーソナルコンピュータシステム、サーバコンピュータシステム、シンクライアント、シッククライアント、ハンドヘルドまたはラップトップデバイス、マルチプロセッサシステム、マイクロプロセッサベースのシステム、ネットワークPC、ミニコンピュータシステム、および上記のシステムまたはデバイスのいずれかを含む分散クラウドコンピューティング環境を含むが、これらに限定されない。
【0051】
クライアントコンピューティングデバイス102、サーバ112、およびネットワークデバイス120は、図3に示される内部構成要素302a、bおよび外部構成要素304a、bのそれぞれのセットを含み得る。内部構成要素302のそれぞれのセットは、1つまたは複数のバス326上の1つまたは複数のプロセッサ320、1つまたは複数のコンピュータ可読RAM322、および1つまたは複数のコンピュータ可読ROM324、ならびに1つまたは複数のオペレーティングシステム328、および1つまたは複数のコンピュータ可読有形記憶装置330を含む。クライアントコンピューティングデバイス102内の1つまたは複数のオペレーティングシステム328、ソフトウェアプログラム108、および人口密度推定プログラム110A、ならびにサーバ112内の人口密度推定プログラム110Bは、それぞれのRAM322(これは典型的にはキャッシュメモリを含む)のうちの1つまたは複数を介してそれぞれのプロセッサ320のうちの1つまたは複数によって実行されるために、それぞれのコンピュータ可読有形記憶装置330のうちの1つまたは複数に記憶される。図3に示される実施形態では、コンピュータ可読有形記憶装置330の各々は、内部ハードドライブの磁気ディスク記憶装置である。あるいは、コンピュータ可読有形記憶装置330の各々は、ROM324、EPROM、フラッシュメモリ、またはコンピュータプログラムおよびデジタル情報を記憶できる任意の他のコンピュータ可読有形記憶装置などの半導体記憶装置である。
【0052】
内部構成要素302a、bの各セットはまた、CD-ROM、DVD、メモリスティック、磁気テープ、磁気ディスク、光ディスクまたは半導体記憶装置のような1つまたは複数の携帯型コンピュータ可読有形記憶装置338から読み出し、それらに書き込むためのR/Wドライブまたはインタフェース332を含む。人口密度推定プログラム110A、110Bのようなソフトウェアプログラムは、それぞれの携帯型コンピュータ可読有形記憶装置338の1つ以上に記憶され、それぞれのR/Wドライブまたはインタフェース332を介して読み取られ、それぞれのハードドライブ330にロードされ得る。
【0053】
内部構成要素302a、bの各セットはまた、TCP/IPアダプタカード、無線Wi-Fiインタフェースカード、または3Gもしくは4G無線インタフェースカード、または他の有線もしくは無線通信リンクなどのネットワークアダプタまたはインタフェース336を含む。クライアントコンピューティングデバイス102内のソフトウェアプログラム108および人口密度推定プログラム110Aならびにサーバ112内の人口密度推定プログラム110Bは、ネットワーク(例えば、インターネット、ローカルエリアネットワークまたは他の、ワイドエリアネットワーク)およびそれぞれのネットワークアダプタまたはインタフェース336を介して、外部コンピュータからクライアントコンピューティングデバイス102およびサーバ112にダウンロードされ得る。ネットワークアダプタまたはインタフェース336から、クライアントコンピューティングデバイス102内のソフトウェアプログラム108および人口密度推定プログラム110A、ならびにサーバ112内の人口密度推定プログラム110Bが、それぞれのハードドライブ330にロードされる。ネットワークは、銅線、光ファイバ、無線伝送、ルータ、ファイアウォール、スイッチ、ゲートウェイコンピュータもしくはエッジサーバ、またはその組み合わせを含んでもよい。
【0054】
外部構成要素304a、bの各セットは、コンピュータディスプレイモニタ344、キーボード342、およびコンピュータマウス334を含むことができる。外部構成要素304a、bは、タッチスクリーン、仮想キーボード、タッチパッド、ポインティングデバイス、および他のヒューマンインタフェースデバイスを含むこともできる。内部構成要素302a、bの各セットは、コンピュータディスプレイモニタ344、キーボード342、およびコンピュータマウス334とインタフェースするためのデバイスドライバ340も含む。デバイスドライバ340、R/Wドライブまたはインタフェース332、およびネットワークアダプタまたはインタフェース336は、ハードウェアおよびソフトウェア(記憶装置330もしくはROM324またはその両方に格納されている)を含む。
【0055】
本開示はクラウドコンピューティングに関する詳細な説明を含むが、本明細書に記載した教示の実装形態はクラウドコンピューティング環境に限定されない。むしろ、本発明の実施形態は、現在公知のまたは将来開発される他の任意の種類のコンピュータ環境と共に実施することができる。
【0056】
クラウドコンピューティングは、設定可能なコンピューティングリソースの共有プール(例えばネットワーク、ネットワーク帯域幅、サーバ、処理、メモリ、記憶装置、アプリケーション、仮想マシンおよびサービス)へ、簡便かつオンデマンドのネットワークアクセスを可能にするためのサービス提供のモデルであり、リソースは、最小限の管理労力または最小限のサービスプロバイダとのやり取りによって速やかに準備(provision)およびリリースできるものである。このクラウドモデルは、少なくとも5つの特性、少なくとも3つのサービスモデル、および少なくとも4つの実装モデルを含むことがある。
【0057】
特性は以下の通りである。
オンデマンド・セルフサービス:クラウドの消費者は、サービスプロバイダとの人的な対話を必要することなく、必要に応じて自動的に、サーバ時間やネットワークストレージなどのコンピューティング能力を一方的に準備することができる。
ブロード・ネットワークアクセス:コンピューティング能力はネットワーク経由で利用可能であり、また、標準的なメカニズムを介してアクセスできる。それにより、異種のシンまたはシッククライアントプラットフォーム(例えば、携帯電話、ラップトップ、PDA)による利用が促進される。
リソースプーリング:プロバイダのコンピューティングリソースはプールされ、マルチテナントモデルを利用して複数の消費者に提供される。様々な物理リソースおよび仮想リソースが、需要に応じて動的に割り当ておよび再割り当てされる。一般に消費者は、提供されたリソースの正確な位置を管理または把握していないため、位置非依存(location independence)の感覚がある。ただし消費者は、より高い抽象レベル(例えば、国、州、データセンタ)では場所を特定可能な場合がある。
迅速な柔軟性(elasticity):コンピューティング能力は、迅速かつ柔軟に準備することができるため、場合によっては自動的に、直ちにスケールアウトし、また、速やかにリリースされて直ちにスケールインすることができる。消費者にとって、準備に利用可能なコンピューティング能力は無制限に見える場合が多く、任意の時間に任意の数量で購入することができる。
測定されるサービス:クラウドシステムは、サービスの種類(例えば、ストレージ、処理、帯域幅、アクティブユーザアカウント)に適したある程度の抽象化レベルでの測定機能を活用して、リソースの使用を自動的に制御し最適化する。リソース使用量を監視、制御、および報告して、利用されるサービスのプロバイダおよび消費者の両方に透明性を提供することができる。
【0058】
サービスモデルは以下の通りである。
サービスとしてのソフトウェア(SaaS):消費者に提供される機能は、クラウドインフラストラクチャ上で動作するプロバイダのアプリケーションを利用できることである。当該そのアプリケーションは、ウェブブラウザ(例えばウェブメール)などのシンクライアントインタフェースを介して、各種のクライアント装置からアクセスできる。消費者は、ネットワーク、サーバ、オペレーティングシステム、ストレージや、個別のアプリケーション機能さえも含めて、基礎となるクラウドインフラストラクチャの管理や制御は行わない。ただし、ユーザ固有の限られたアプリケーション構成の設定はその限りではない。
サービスとしてのプラットフォーム(PaaS):消費者に提供される機能は、プロバイダによってサポートされるプログラム言語およびツールを用いて、消費者が作成または取得したアプリケーションを、クラウドインフラストラクチャに展開(deploy)することである。消費者は、ネットワーク、サーバ、オペレーティングシステム、ストレージを含む、基礎となるクラウドインフラストラクチャの管理や制御は行わないが、展開されたアプリケーションを制御でき、かつ場合によってはそのホスティング環境の構成も制御できる。
サービスとしてのインフラストラクチャ(IaaS):消費者に提供される機能は、オペレーティングシステムやアプリケーションを含み得る任意のソフトウェアを消費者が展開および実行可能な、プロセッサ、ストレージ、ネットワーク、および他の基本的なコンピューティングリソースを準備することである。消費者は、基礎となるクラウドインフラストラクチャの管理や制御は行わないが、オペレーティングシステム、ストレージ、および展開されたアプリケーションを制御でき、かつ場合によっては一部のネットワークコンポーネント(例えばホストファイアウォール)を部分的に制御できる。
【0059】
展開モデルは以下の通りである。
プライベートクラウド:このクラウドインフラストラクチャは、特定の組織専用で運用される。このクラウドインフラストラクチャは、当該組織または第三者によって管理することができ、オンプレミスまたはオフプレミスで存在することができる。
コミュニティクラウド:このクラウドインフラストラクチャは、複数の組織によって共有され、共通の関心事(例えば、ミッション、セキュリティ要件、ポリシー、およびコンプライアンス)を持つ特定のコミュニティをサポートする。このクラウドインフラストラクチャは、当該組織または第三者によって管理することができ、オンプレミスまたはオフプレミスで存在することができる。
パブリッククラウド:このクラウドインフラストラクチャは、不特定多数の人々や大規模な業界団体に提供され、クラウドサービスを販売する組織によって所有される。
ハイブリッドクラウド:このクラウドインフラストラクチャは、2つ以上のクラウドモデル(プライベート、コミュニティまたはパブリック)を組み合わせたものとなる。それぞれのモデル固有の実体は保持するが、標準または個別の技術によってバインドされ、データとアプリケーションの可搬性(例えば、クラウド間の負荷分散のためのクラウドバースティング)を実現する。
【0060】
クラウドコンピューティング環境は、ステートレス性(statelessness)、低結合性(low coupling)、モジュール性(modularity)および意味論的相互運用性(semantic interoperability)に重点を置いたサービス指向型環境である。クラウドコンピューティングの中核にあるのは、相互接続されたノードのネットワークを含むインフラストラクチャである。
【0061】
図4を参照すると、例示的なクラウドコンピューティング環境50が示されている。図示するように、クラウドコンピューティング環境50は1つまたは複数のクラウドコンピューティングノード100を含む。これらに対して、クラウド消費者が使用するローカルコンピュータ装置(例えば、パーソナルデジタルアシスタント(PDA)もしくは携帯電話54A、デスクトップコンピュータ54B、ラップトップコンピュータ54C、もしくは自動車コンピュータシステム54Nまたはこれらの組み合わせなど)は通信を行うことができる。ノード100は互いに通信することができる。ノード100は、例えば、上述のプライベート、コミュニティ、パブリックもしくはハイブリッドクラウドまたはこれらの組み合わせなど、1つまたは複数のネットワークにおいて、物理的または仮想的にグループ化(不図示)することができる。これにより、クラウドコンピューティング環境50は、サービスとしてのインフラストラクチャ、プラットフォームもしくはソフトウェアまたはこれらの組み合わせを提供することができ、クラウド消費者はこれらについて、ローカルコンピュータ装置上にリソースを維持する必要がない。なお、図4に示すコンピュータ装置54A~Nの種類は例示に過ぎず、コンピューティングノード100およびクラウドコンピューティング環境50は、任意の種類のネットワークもしくはネットワークアドレス指定可能接続(例えば、ウェブブラウザの使用)またはその両方を介して、任意の種類の電子装置と通信可能であることを理解されたい。
【0062】
図5を参照すると、クラウドコンピューティング環境50によって提供される機能的抽象化モデルレイヤのセット500が示されている。なお、図5に示すコンポーネント、レイヤおよび機能は例示に過ぎず、本発明の実施形態はこれらに限定されないことをあらかじめ理解されたい。図示するように、以下のレイヤおよび対応する機能が提供される。
【0063】
ハードウェアおよびソフトウェアレイヤ60は、ハードウェアコンポーネントおよびソフトウェアコンポーネントを含む。ハードウェアコンポーネントの例には、メインフレーム61、縮小命令セットコンピュータ(RISC)アーキテクチャベースのサーバ62、サーバ63、ブレードサーバ64、記憶装置65、ならびにネットワークおよびネットワークコンポーネント66が含まれる。いくつかの実施形態において、ソフトウェアコンポーネントは、ネットワークアプリケーションサーバソフトウェア67およびデータベースソフトウェア68を含む。
【0064】
仮想化レイヤ70は、抽象化レイヤを提供する。当該レイヤから、例えば以下の仮想エンティティを提供することができる:仮想サーバ71、仮想ストレージ72、仮想プライベートネットワークを含む仮想ネットワーク73、仮想アプリケーションおよびオペレーティングシステム74、ならびに仮想クライアント75。
【0065】
一例として、管理レイヤ80は以下の機能を提供することができる。リソース準備81は、クラウドコンピューティング環境内でタスクを実行するために利用されるコンピューティングリソースおよび他のリソースの動的な調達を可能にする。計量および価格設定82は、クラウドコンピューティング環境内でリソースが利用される際のコスト追跡、およびこれらのリソースの消費に対する請求またはインボイス送付を可能にする。一例として、これらのリソースはアプリケーションソフトウェアのライセンスを含んでよい。セキュリティは、データおよび他のリソースに対する保護のみならず、クラウドコンシューマおよびタスクの識別確認を可能にする。ユーザポータル83は、コンシューマおよびシステム管理者にクラウドコンピューティング環境へのアクセスを提供する。サービスレベル管理84は、要求されたサービスレベルが満たされるように、クラウドコンピューティングリソースの割り当ておよび管理を可能にする。サービス品質保証(SLA)の計画および履行85は、SLAに従って将来必要になると予想されるクラウドコンピューティングリソースの事前手配および調達を可能にする。
【0066】
ワークロードレイヤ90は、クラウドコンピューティング環境が利用可能な機能の例を提供する。このレイヤから提供可能なワークロードおよび機能の例には、マッピングおよびナビゲーション91、ソフトウェア開発およびライフサイクル管理92、仮想教室教育の配信93、データ分析処理94、取引処理95、ならびに、人口密度推定96が含まれる。人口密度推定96は、異なるエリアにわたるデバイスの移動に関するデータを相関させることによる、人口密度の推定およびインシデント後のシナリオ分析に関連し得る。
【0067】
本発明の様々な実施形態の説明は、例示の目的で提示されているが、網羅的であることを意図するものではなく、開示される実施形態に限定されることを意図するものでもない。記載された実施形態の範囲から逸脱することなく、多くの修正および変更が可能であることは当業者には明らかであろう。本明細書で使用される用語は、実施形態の原理、市場で見られる技術に対する実際の適用または技術的改善を最もよく説明するため、または当業者が本明細書に記載の実施形態を理解できるようにするために選択された。
図1
図2
図3
図4
図5
【手続補正書】
【提出日】2024-04-17
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項15】
1または複数のコンピュータ可読有形記憶媒体と、前記1または複数のコンピュータ可 有形記憶媒体の少なくとも1つに記憶されたプログラム命令であって、前記プログラム命令は方法を実行可能なプロセッサによって実行可能である、プログラム命令と、を含み、前記方法は、
デバイスが事前設定された領域の事前設定された距離に入ったことを識別することであって、前記事前設定された領域は複数の事前設定された領域のうちの1つである、識別することと、
前記デバイスに対応するデバイス識別データを収集することと、
前記デバイス識別データを使用して、各デバイスのプロファイルを作成することと、
各デバイスに関連付けられた前記プロファイルを使用して、前記複数の事前設定された領域にわたるデバイスの動きを相関させることと、
前記相関するデバイスの動きに基づいて人口密度を計算することと、
を含む、コンピュータプログラム製品。
【請求項2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0003
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0003】
本発明の様々な態様によれば、人口密度推定のための方法、コンピュータシステム、およびコンピュータプログラム製品が提供される。本方法は、デバイスが事前設定された領域の事前設定された距離に入ったことを識別することであって、事前設定された領域は複数の事前設定された領域のうちの1つである、識別することと、デバイスに対応するデバイス識別データを収集することと、デバイス識別データを使用して、各デバイスのプロファイルを作成することと、各デバイスに関連付けられたプロファイルを使用して、複数の事前設定された領域にわたるデバイスの動きを相関させることと、相関するデバイスの動きに基づいて人口密度を計算することと、を含む。
【国際調査報告】