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特表2024-538498屈曲ワイヤを有するLED照明ストリップ
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-10-23
(54)【発明の名称】屈曲ワイヤを有するLED照明ストリップ
(51)【国際特許分類】
   H01L 33/62 20100101AFI20241016BHJP
   F21S 43/15 20180101ALI20241016BHJP
   F21S 41/151 20180101ALI20241016BHJP
   F21S 4/22 20160101ALI20241016BHJP
   F21Y 115/10 20160101ALN20241016BHJP
【FI】
H01L33/62
F21S43/15
F21S41/151
F21S4/22
F21Y115:10
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024514725
(86)(22)【出願日】2022-09-07
(85)【翻訳文提出日】2024-04-11
(86)【国際出願番号】 US2022042778
(87)【国際公開番号】W WO2023038986
(87)【国際公開日】2023-03-16
(31)【優先権主張番号】63/241,349
(32)【優先日】2021-09-07
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.VERILOG
(71)【出願人】
【識別番号】500507009
【氏名又は名称】ルミレッズ リミテッド ライアビリティ カンパニー
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100229448
【弁理士】
【氏名又は名称】中槇 利明
(72)【発明者】
【氏名】クライネン,クリスティアン
(72)【発明者】
【氏名】モネスティエ,フロラン グレゴワール
(72)【発明者】
【氏名】ムエルダース,バーバラ ロスウィタ
(72)【発明者】
【氏名】クルス,トバイアス
(72)【発明者】
【氏名】ヘニンガー,ジョージ フリードリヒ アルフォンス
【テーマコード(参考)】
5F142
【Fターム(参考)】
5F142AA42
5F142AA44
5F142AA63
5F142AA77
5F142BA24
5F142BA32
5F142CB22
5F142CG05
5F142GA21
5F142GA29
(57)【要約】
LED照明ストリップ、LED照明ストリップを製造する方法、及び自動車照明システムが記載される。当該LED照明ストリップは、少なくとも2つの外側ワイヤと、該2つの外側ワイヤの間の少なくとも1つの中央ワイヤと、当該LED照明ストリップに沿って配置され、少なくとも上記少なくとも2つの外側ワイヤに電気的に結合されたLEDと、上記少なくとも2つの外側ワイヤ、上記少なくとも1つの中央ワイヤ、及び上記LEDを包囲する封入部材と、を含む。上記少なくとも2つの外側ワイヤ及び上記少なくとも1つの中央ワイヤが、少なくとも一部の隣接するLEDの間のセクションに屈曲部を持つ。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
発光ダイオード(LED)照明ストリップであって、
少なくとも2つの外側ワイヤと、
前記2つの外側ワイヤの間の少なくとも1つの中央ワイヤと、
当該LED照明ストリップに沿って配置され、少なくとも前記少なくとも2つの外側ワイヤに電気的に結合された複数のLEDであり、前記少なくとも2つの外側ワイヤ及び前記少なくとも1つの中央ワイヤが、当該複数のLEDのうちの少なくとも一部の隣接するLEDの間のセクションに屈曲部を有する、複数のLEDと、
前記少なくとも2つの外側ワイヤ、前記少なくとも1つの中央ワイヤ、及び前記複数のLEDを包囲する封入部材と、
を有するLED照明ストリップ。
【請求項2】
前記少なくとも2つの外側ワイヤ及び前記少なくとも1つの中央ワイヤはセグメント化されており、
前記複数のLEDは、前記少なくとも2つの外側ワイヤ及び前記少なくとも1つの中央ワイヤのセグメントの間に接続されている、請求項1に記載のLED照明ストリップ。
【請求項3】
当該LED照明ストリップは更に、複数のキャリアを有し、前記複数のLEDの各々が、前記複数のキャリアのうちの1つの上に取り付けられている、請求項1に記載のLED照明ストリップ。
【請求項4】
前記複数のキャリアの各々が、前記少なくとも2つの外側ワイヤ及び前記少なくとも1つの中央ワイヤの各々に結合されている、請求項3に記載のLED照明ストリップ。
【請求項5】
前記少なくとも2つの外側ワイヤ及び前記少なくとも1つの中央ワイヤはセグメント化されており、
前記複数のキャリアは、前記少なくとも2つの外側ワイヤ及び前記少なくとも1つの中央ワイヤのセグメントの間に接続されている、請求項3に記載のLED照明ストリップ。
【請求項6】
前記少なくとも2つの外側ワイヤ及び前記少なくとも1つの中央ワイヤのうちの少なくとも1つは、前記複数のLEDのうちの少なくとも一部の隣接するLEDの間に複数の屈曲部を有する、請求項1に記載のLED照明ストリップ。
【請求項7】
前記複数の屈曲部は、円弧形状の屈曲部を有する、請求項6に記載のLED照明ストリップ。
【請求項8】
前記円弧形状の屈曲部のうちの隣接し合う屈曲部が、捻じれなしにつなげられている、請求項7に記載のLED照明ストリップ。
【請求項9】
前記複数の屈曲部は5つの円弧を有する、請求項7に記載のLED照明ストリップ。
【請求項10】
前記少なくとも一部の隣接するLEDの間の前記少なくとも2つの外側ワイヤ及び前記少なくとも1つの中央ワイヤの形状は、前記少なくとも2つの外側ワイヤ及び前記少なくとも1つの中央ワイヤの中間点の周りで鏡像対称である、請求項9に記載のLED照明ストリップ。
【請求項11】
前記少なくとも2つの外側ワイヤ及び前記少なくとも1つの中央ワイヤの各々が、前記複数のLEDのうちの少なくとも一部の隣接するLEDの間に屈曲部を有する、請求項1に記載のLED照明ストリップ。
【請求項12】
前記複数のLEDのうちの前記少なくとも一部の隣接するLEDの間の前記少なくとも2つの外側ワイヤ及び前記少なくとも1つの中央ワイヤの形状は、互いに同じである、請求項11に記載のLED照明ストリップ。
【請求項13】
前記封入部材はシリコーンゴムを有する、請求項1に記載のLED照明ストリップ。
【請求項14】
前記外側ワイヤに結合された電気コネクタ、を更に有する請求項1に記載のLED照明ストリップ。
【請求項15】
前記複数のLEDは、連続したLEDの連続したグループにて配置され、
連続したグループ各々内の前記連続したLEDが、前記少なくとも1つの中央ワイヤを介して、前記少なくとも2つの外側ワイヤの間で電気的に直列接続されており、
前記連続したグループが、前記少なくとも2つの外側ワイヤの間で電気的に並列接続されている、
請求項1に記載のLED照明ストリップ。
【請求項16】
発光ダイオード(LED)照明ストリップを製造する方法であって、
少なくとも1つの中央ワイヤが少なくとも2つの外側ワイヤの間にあるように、複数のワイヤを配置することと、
前記LED照明ストリップに沿って複数のLEDを配置することと、
前記複数のLEDを少なくとも前記少なくとも2つの外側ワイヤに電気的に結合することと、
前記複数のLEDのうちの少なくとも一部の隣接するLEDの間のセクションにおいて、前記少なくとも2つの外側ワイヤに少なくとも1つの屈曲部を形成することと、
前記複数のLEDのうちの前記隣接するLEDの少なくとも一部の間のセクションにおいて、前記少なくとも1つの中央ワイヤに少なくとも1つの屈曲部を形成することと、
を有する方法。
【請求項17】
前記少なくとも2つの外側ワイヤに前記少なくとも1つの屈曲部を形成することは、前記セクションの各々に1つの屈曲部を形成することを有する、請求項16に記載の方法。
【請求項18】
前記少なくとも2つの外側ワイヤに前記少なくとも1つの屈曲部を形成することは、前記セクションの各々に複数の屈曲部を形成することを有する、請求項16に記載の方法。
【請求項19】
自動車照明システムであって、
少なくとも1つの発光ダイオード(LED)照明ストリップであり、
少なくとも2つの外側ワイヤ、
前記2つの外側ワイヤの間の少なくとも1つの中央ワイヤ、
当該LED照明ストリップに沿って配置され、少なくとも前記少なくとも2つの外側ワイヤに電気的に結合された複数のLEDであり、前記少なくとも2つの外側ワイヤ及び前記少なくとも1つの中央ワイヤが、当該複数のLEDのうちの少なくとも一部の隣接するLEDの間のセクションに屈曲部を有する、複数のLED、及び
前記少なくとも2つの外側ワイヤ、前記少なくとも1つの中央ワイヤ、及び前記複数のLEDを包囲する封入部材、
を有するLED照明ストリップと、
前記複数のLEDに電流を供給するように構成されたドライバと、
前記複数のLEDを、個別に、又は一度に全てを、又はグループで、オン及びオフにするよう前記ドライバを制御するように構成されたコントローラと、
を有する自動車照明システム。
【請求項20】
当該自動車照明システムは、シグナリング照明システム又はスタイリング照明システムである、請求項19に記載の自動車照明システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この出願は、2021年9月7日に出願された米国仮特許出願第63/241,349号の利益を主張するものであり、その内容をここに援用する。
【背景技術】
【0002】
発光ダイオード(LED)は、例えばダイオードレーザを含む全ての半導体発光デバイスを包含し得るものとし、例えばエネルギー効率及び寿命などの優れた技術的特性により、より古い技術の光源にますます取って代わっている。LEDを使用する1つの可能性は、ワイヤと、LEDと、例えばシリコーンゴムを含む封入部材と、例えば光学的及び電気的な目的のためなどの可能な更なる要素とで構成される照明ストリップ内で長手方向に複数のLEDを配置することであり得る。このような照明ストリップは、かなり均一な発光を伴って屈曲可能且つ捻じり可能にされることができ、このことは、照明ストリップを、例えば車体の外形に滑らかに従うことができるが故に、シグナリング(合図)照明及びスタイリング照明における車両用途にとって理想的なものにし得る。
【発明の概要】
【0003】
LED照明ストリップ、LED照明ストリップを製造する方法、及び自動車照明システムが記載される。当該LED照明ストリップは、少なくとも2つの外側ワイヤと、該2つの外側ワイヤの間の少なくとも1つの中央ワイヤと、当該LED照明ストリップに沿って配置され、少なくとも上記少なくとも2つの外側ワイヤに電気的に結合されたLEDと、上記少なくとも2つの外側ワイヤ、上記少なくとも1つの中央ワイヤ、及び上記LEDを包囲する封入部材と、を含む。上記少なくとも2つの外側ワイヤ及び上記少なくとも1つの中央ワイヤが、少なくとも一部の隣接するLEDの間のセクションに屈曲部を持つ。
【図面の簡単な説明】
【0004】
添付の図面とともに例として与えられる以下の説明から、より詳細な理解が得られることになる。
図1】LED照明ストリップ例の一部の概略上面図である。
図2】他のLED照明ストリップ例の一部の概略上面図である。
図3】LED照明ストリップ例における連続したLED間の様々な数及び形状の屈曲部を示す概略図である。
図4】屈曲部を有するワイヤ形状例の概略図である。
図5】LED照明ストリップ例の屈曲された部分のX線上面図である。
図6】例えば図2図3、及び/又は図4のLED照明ストリップなどのLED照明ストリップを製造する方法例のフロー図である。
図7】ここに記載された実施形態及び例のうちの1つ以上を組み込み得る車両ヘッドランプシステムの一例の図である。
図8】車両ヘッドランプシステムの他の一例の図である。
【発明を実施するための形態】
【0005】
以下、添付の図面を参照して、複数の異なる光照明システム及び/又は発光ダイオード(“LED”)実装の例がいっそう十分に説明される。これらの例は、相互に排他的なものではなく、更なる実装を達成するために、1つの例に見られる特徴を、1つ以上の他の例に見られる特徴と組み合わせることができる。従って、理解されることには、添付の図面に示される例は、単に例示の目的で提供されており、それらは決して本開示を限定することを意図していない。全体を通して、同様の要素は似通った符号で参照する。
【0006】
理解されることには、様々な要素を記述するために、ここでは第1、第2、第3などの用語が使用されることがあるが、それらの要素はこれらの用語によって限定されるべきでない。これらの用語は、1つの要素を別の要素から区別するために使用され得る。例えば、本開示の範囲から逸脱することなく、第1の要素が第2の要素と称されてもよく、第2の要素が第1の要素と称されてもよい。ここで使用されるとき、用語“及び/又は”は、関連して列挙されるアイテムのうちの1つ以上のアイテムの任意の及び全ての組み合わせを含み得る。
【0007】
理解されることには、例えば層、領域、又は基板などの要素が他の要素の“上に”ある又は“上へと”延在するとして言及されるとき、それが直に他の要素の上にある又は直にその上へと延在してもよいし、あるいは、介在する要素も存在してもよい。対照的に、或る要素が他の要素の“直上に”ある又は“直に上へと”延在するとして言及されるときには、介在する要素は存在しないとし得る。これまた理解されることには、或る要素が他の要素に“接続される”又は“結合される”として言及されるとき、それは直に他の要素に接続又は結合されてもよいし、及び/又は、1つ以上の介在要素を介して他の要素に接続又は結合されてもよい。対照的に、或る要素が他の要素に“直に接続される”又は“直に結合される”として言及されるときには、その要素と他の要素との間に介在する要素は存在しない。理解されることには、これらの用語は、図に描かれる向きに加えて、異なる向きの要素を包含することが意図される。
【0008】
ここでは、明示的に別段の断りがない限り、図に示されるときの、1つの要素、層又は領域と別の要素、層又は領域との関係を記述するために、例えば“下方”、“上方”、“上側”、“下側”、“水平”又は“鉛直”などの相対的な用語が使用されることがある。理解されることには、これらの用語は、図に描かれる向きに加えて、異なる向きのデバイスを包含することが意図される。
【0009】
車両のシグナルライト及びスタイリングライト用の屈曲可能及び捻じり可能なLED照明ストリップが、開発中であり、部分的に既に市場で入手可能となっている。このようなLED照明ストリップは、スケーラブルなシステム概念を用いることによって手頃な価格で非常に柔軟な設計オプションを提供することにより、市場の高い関心を生み出し得る。例として、小さい(例えば、10mm長)LED照明ストリップが基本設計ブロックとして使用され得る。より長いストリップが望まれる場合、複数個のそのような設計ブロックを最大長までつなぎ合わせることができる。最終的なストリップは、この設計に開始部分及び終了部分を追加し、自動車の電気システムに差し込むための電気コネクタを追加することによって完成され得る。同じ出願人の国際公開第2020/016076A1号は、そのようなLED照明ストリップについての構造原理及び基本的な製造方法を記載しており、それをここに援用する。
【0010】
図1は、LED照明ストリップ又はそのようなLED照明ストリップのセクション100の一例の概略上面図であり、図示のセクション100の左右に同様のセクションを追加して、完全なLED照明ストリップを延ばすことができる。図1に示される例において、LED照明ストリップは3つのワイヤ30を含んでおり、そのうちの2つは、外側ワイヤ、すなわち、カソードワイヤ14及びアノードワイヤ12である。3つのワイヤのうちの3つめは中央ワイヤ15とし得る。長手方向のLED照明ストリップを構築するよう、ストリップに沿ってLED22が配置され得る。LED22は、ワイヤ30に直接接続されてもよいし、図1に示されるように、それに対してワイヤ30が接続され得るキャリア24又はインターポーザ上に取り付けられてもよい。ワイヤ30は、連続していてもよいし、セグメント化されていてもよい。例えば、それらは、例えばキャリア24のパッドにはんだ付けすることによって接続されたワイヤセグメントを含み得る。
【0011】
図1は、グループ50に配置され、中央ワイヤ15を介して外側ワイヤ12、14の間に直列に電気的に結合された、3つの連続したLED22を示している。故に、図1に示されたセクションを左右に繰り返すことで、連続したLEDグループ50が得られ、各グループ50内のLED22が電気的に直列接続され、外側ワイヤ12、14の間でグループ50が互いに電気的に並列となる。
【0012】
圧縮応力及び/又は引張応力を受けることができるゾーンを構築するために、LED22の間の外側ワイヤ12、14に屈曲部51が形成され得る。これらの屈曲は、外側ワイヤ12、14に応力を加え得るものであるLED照明ストリップの屈曲可能さ及び捻じり可能さをサポートし得る。
【0013】
図1に示されるLED照明ストリップは、多くの状況において良好に機能し得るが、一部の設定において当該ストリップは信頼性の問題を被り得る。そのような問題は、例えば、中央ワイヤ15において、LED22の少なくとも一部の間に1つ以上の追加の屈曲部を付加することによって軽減され得る。
【0014】
図2は、LED照明ストリップの他の一例の概略図である。図2に示す例では、隣接するLEDの間で中央ワイヤ15に屈曲部51が含められている。図2に示す例はまた、ワイヤ30、LED22、及びキャリア24を包囲し得るLED照明ストリップ100の封入部材52を含んでいる。
【0015】
一方、外側ワイヤ12、14における屈曲部51は、LED照明ストリップの屈曲可能さ及び捻じり可能さのための十分な柔軟性を提供することができる。しかしながら、図1で使用されるような真っ直ぐな中央ワイヤ15は、LED照明ストリップの屈曲可能さ及び捻じり可能さに関して十分であり得るが、LED照明ストリップの構成要素の熱膨張が、周囲温度の変化及びストリップのLEDのオン及びオフの切り替えに応じて異なり得る。例えば、シリコーンゴムから形成されるか、それを含むかし得るものである封入部材52の熱膨張と、銅又は例えばCuFe2P若しくはCuNiSiなどの銅合金から形成されるか、それを含むかし得るものであり中央ワイヤ15の熱膨張とが、一部の状況において問題を提示することがあり、この問題は、中央ワイヤ15に屈曲部51を導入することによって軽減され得る。
【0016】
屈曲部51は、連続したLED22又はキャリア24の各々の間に含められてもよいし、それらのうちの一部の間にのみ含められてもよい。また、2つの連続したLED22又はキャリア24の間の屈曲部51は、外側ワイヤ12、14の両方と中央ワイヤ15とに存在してもよいし、それらのうちの一部のみ又はそれらのうちの1つのみに存在してもよい。これは、具体的な状況に依存し得る。例えば、LEDストリップの直線部分(例えば、屈曲可能さ及び/又は捻じり可能さが必要とされず、従って、屈曲部が必要とされないとし得る部分)が存在し得る。加えて、あるいは代わりに、一方向にのみ屈曲可能さが要求され得るようなLEDストリップの部分が存在し得る。従って、片側の屈曲可能さのために、外側ワイヤ12、14のうちの一方は、屈曲部51を有さずに真っすぐであってもよい。加えて、あるいは代わりに、LEDの電力及び/又は密度が十分に低くて廃熱があまり生成されず、LEDストリップのその部分に対するLED動作からの熱応力が低くなり得るような、LEDストリップの部分が存在し得る。熱応力から、LEDストリップのその部分は、全てが屈曲部51を有さない外側及び中央ワイヤ12、14、15で動作することができる。
【0017】
屈曲部51が存在する場合、外側及び中央ワイヤ12、14、15における屈曲部51の相対的な向きは、具体的な状況に依存することができ、同じ向き又は異なる向きとなるように有利に選択され得る。図2は、上向き及び下向きの屈曲部51の一部の選択例を示している。しかしながら、ストリップに対して指定される曲げ及び捻じれの範囲内で、外側ワイヤ12、14と中央ワイヤ15との間に最小距離を維持して、それらの間の電気絶縁破壊を回避すべきである。従って、図1に示したフレキシブル照明ストリップにおいて、外側ワイヤ12、14の屈曲部51の向きは、曲げ及び捻じれの際にも直線状の中央ワイヤ15に対して最大限の距離を保つように、意図的に反対向きに選択されているとし得る。
【0018】
屈曲部51は、同じ平面内に位置するように制約されず、特に、キャリア24の平面内にあるように制約されないとし得る。屈曲部51に異なる平面を用いることは、捻じり可能さ及び屈曲可能さを更に高めるとともに距離を増加させることができ、従って、外側ワイヤ12、14と中央ワイヤ15との間の電気的絶縁を改善することができる。一例として、外側ワイヤ12、14の屈曲部51はキャリア24の平面内に制約され、一方、中央ワイヤ15の屈曲部51はそのような平面に対して垂直にされ得る。上述のように、曲げ及び捻じれの際にワイヤ間に必要な距離が維持される限り、数多くの屈曲形状が、ここで説明される実施形態の範囲内にある。
【0019】
図3は、屈曲形状の様々な実施形態(a)及び(b)を示す概略図であり、連続したLED22の間のワイヤ30に2つ及び3つの屈曲部51を有している。前述のように、これらの屈曲部は、具体的な状況に応じて、様々な形状及び(絶対的及び相対的な)向きを有し得る。
【0020】
機械的安定性、屈曲可能さ、及び捻じり可能さのために、ワイヤ30内の複数の滑らかにつなげられた屈曲部を用いることが望ましいとし得る。図4は、捻じれなくつながった(例えば、連結点においてつながった円弧の接線が同じ)5つの円弧30.1、30.2、30.3、30.4、30.5で構成されたワイヤの屈曲部を示す概略図である。また、均一なストリップを得るために、図4に示すように、屈曲部は、ワイヤによってつなげられたLED及び/又はキャリアの間のワイヤの中間点41を通る中間軸40に関して鏡像対称とすることができる。
【0021】
図5は、下向きに曲げられたLEDストリップの一部のX線上面図であり、左右に位置するキャリア24の一部を、それらの間の外側及び中央ワイヤ12、14、15と共に示している。これらのワイヤは全て、2つの隣接する上向きの屈曲部によって囲まれた同じ形状の中央の下向きの屈曲部を持つ。この図は、3つのワイヤ全てに同じ形状を使用することが、曲げ時にワイヤを同じ方向に動かし得ることを示している。これは、隣接するワイヤ間に最小距離45を保って電気絶縁破壊を回避することを可能にし得る。
【0022】
図6は、LED照明ストリップを製造する方法600の一例のフロー図である。図6に示す例において、当該方法は、中央ワイヤが外側ワイヤの間にあるようにワイヤを配置すること(602)を含む。一部の実施形態において、少なくとも2つの外側ワイヤと、少なくとも1つの中央ワイヤとが存在し得る。LED照明ストリップに沿って複数のLEDが配置され得る(604)。複数のLEDは外側ワイヤに電気的に結合され得る(606)。外側ワイヤに少なくとも1つの屈曲部が形成され得る(608)。該少なくとも1つの屈曲部は、少なくとも一部の隣接するLEDの間のセクションに形成され得る。中央ワイヤに少なくとも1つの屈曲部が形成され得る(610)。該少なくとも1つの屈曲部は、隣接するLEDのうちの少なくとも一部の間のセクションに形成され得る。屈曲部は、これらのワイヤの全てにおいて又は一部のみにおいて、隣接するLED間のセクションに形成され得る。屈曲部は、異なる形状を有してもよいし、同じ形状を有してもよく、また、異なる方向に形成されてもよいし、同じ方向に形成されてもよい。一部の実施形態において、各セクションに複数の屈曲部が形成されてもよいし、1つの屈曲部のみが形成されてもよい。屈曲部は、図2及び図3に関してここで具体的に図示及び説明されたものを含め、数多くの異なる形状をとり得る。
【0023】
上述のように、ここで説明されたLED照明ストリップは、例えば自動車照明用途での使用のためなど、3次元的に屈曲可能なLED照明ストリップが望まれ得る任意の用途で使用され得る。以下の図7及び図8は、例えばヘッドライトに使用され得る自動車照明システムの例である。当業者が理解し得ることには、例えば、シグナリング照明若しくはスタイリング照明、又はLED照明ストリップが望まれ得る他の用途に、同様のシステムが使用され得る。
【0024】
図7は、ここで説明された実施形態及び例のうちの1つ以上を組み込み得る車両ヘッドランプシステム700の一例の図である。図7に示す車両ヘッドランプシステム700の例は、電力ライン702、データバス704、入力フィルタ及び保護モジュール706、バストランシーバ708、センサモジュール710、LED直流-直流(DC/DC)モジュール712、ロジック低ドロップアウト(LDO)モジュール714、マイクロコントローラ716、及びアクティブヘッドランプ718を含んでいる。
【0025】
電力ライン702は、車両から電力を受け取る入力を持つことができ、データバス704は、それを介して車両と車両ヘッドランプシステム700との間でデータが交換され得る入力/出力を持つことができる。例えば、車両ヘッドランプシステム700は、車両内の他の場所から、例えば方向指示を点灯させたりヘッドランプを点灯させたりするための命令などの命令を受信し得るとともに、望まれる場合に車両内の他の場所にフィードバックを送信し得る。センサモジュール710は、データバス704に通信可能に結合されることができ、例えば、環境条件(例えば、時刻、雨、霧、又は周辺光レベル)、車両状態(例えば、駐車中、移動中、移動速度、又は移動方向)、及び他の物体(例えば、車両又は歩行者)の存在/位置に関連する追加データを、車両ヘッドランプシステム700又は車両内の他の場所に提供することができる。車両データバスに通信可能に結合された車両コントローラとは別のヘッドランプコントローラも、車両ヘッドランプシステム700に含められ得る。図7において、ヘッドランプコントローラは、例えばマイクロコントローラ(μc)716などのマイクロコントローラとし得る。マイクロコントローラ716は、データバス704に通信可能に結合され得る。
【0026】
入力フィルタ及び保護モジュール706は、電力ライン702に電気的に結合されることができ、例えば、伝導性放射を低減させて電力耐性を提供する様々なフィルタをサポートし得る。さらに、入力フィルタ及び保護モジュール706は、静電放電(ESD)保護、負荷ダンプ保護、オルタネータフィールド減衰保護、及び/又は逆極性保護を提供し得る。
【0027】
LED DC/DCモジュール712は、入力フィルタ及び保護モジュール706とアクティブヘッドランプ718との間に結合されて、フィルタリングされた電力を受け取り、アクティブヘッドランプ718のLEDアレイ内のLEDに電力供給するための駆動電流を提供することができる。LED DC/DCモジュール712は、約13.2ボルトの公称電圧の、7ボルトと18ボルトとの間の入力電圧と、LEDアレイに関する最大電圧(例えば、工場若しくは現地での較正、及び負荷、温度若しくは他の要因による動作条件調整)によって決定される)よりも僅かに(例えば、0.3ボルト)高いとし得る出力電圧とを持ち得る。
【0028】
ロジックLDOモジュール714は、入力フィルタ及び保護モジュール706に結合されて、フィルタリングされた電力を受け取り得る。ロジックLDOモジュール714はまた、マイクロコントローラ716及びアクティブヘッドランプ718に結合されて、マイクロコントローラ716及び/又は例えばCMOSロジックなどのアクティブヘッドランプ718内のエレクトロニクスに電力を提供し得る。
【0029】
バストランシーバ708は、例えば、汎用非同期送受信器(UART)又はシリアルペリフェラルインタフェース(SPI)インタフェースを有し得るとともに、マイクロコントローラ716に結合され得る。マイクロコントローラ716は、センサモジュール710からのデータに基づく又はそれを含む車両入力を翻訳し得る。翻訳された車両入力は、アクティブヘッドランプ718内の画像バッファに転送可能なビデオ信号を含み得る。さらに、マイクロコントローラ716は、起動時にデフォルト画像フレームをロードしてオープン/ショートピクセルを検査し得る。実施形態において、SPIインタフェースが画像バッファをCMOSにロードし得る。画像フレームは、フルフレーム、差分フレーム、又は部分フレームとし得る。マイクロコントローラ716の他の機能は、ダイ温度を含むCMOS状態及びロジックLDO出力の制御インタフェースモニタリングを含み得る。実施形態において、LED DC/DC出力は、ヘッドルームを最小化するように動的に制御され得る。画像フレームデータを提供することに加えて、例えば車幅灯若しくは方向指示灯と併せた補助的使用、及び/又は日中走行灯の作動などの、他のヘッドランプ機能も制御され得る。
【0030】
図8は、他の一例の車両ヘッドランプシステム800の図である。図8に示す車両ヘッドランプシステム800の例は、アプリケーションプラットフォーム802と、2つのLED照明システム806及び808と、二次光学系810及び812とを含んでいる。
【0031】
LED照明システム808は、光ビーム814(図8の矢印814aと814bとの間に示される)を放射し得る。LED照明システム806は、光ビーム816(図8の矢印816aと816bとの間に示される)を放射し得る。図8に示す実施形態では、二次光学系810がLED照明システム808に隣接しており、LED照明システム808から放射された光が二次光学系810を通り抜ける。同様に、二次光学系812がLED照明システム806に隣接しており、LED照明システム806から放射された光が二次光学系812を通り抜ける。代わりの実施形態では、二次光学系810/812は車両ヘッドランプシステムに設けられなくてもよい。
【0032】
含まれるとき、二次光学系810/812は、1つ以上のライトガイドであるか、それを含むかし得る。該1つ以上のライトガイドは、エッジリット型であってもよいし、ライトガイドの内縁を画成する内部開口を有してもよい。該1つ以上のライトガイドの内部開口にLED照明システム808及び806が挿入されて、それらが該1つ以上のライトガイドの内縁(内側開口型ライトガイド)又は外縁(エッジリット型ライトガイド)に光を注入するようにし得る。実施形態において、該1つ以上のライトガイドは、LED照明システム808及び806によって放射される光を、例えば、勾配、面取り分布、狭い分布、広い分布、又は角度分布を持つようになど、所望のように形状を定められ得る。
【0033】
アプリケーションプラットフォーム802は、図7の電力ライン702及びデータバス704のうちの1つ以上又は一部を含み得るものであるライン804を介して、LED照明システム806及び/又は808に電力及び/又はデータを提供し得る。アプリケーションプラットフォーム802の筐体の内部又は外部に1つ以上のセンサ(車両ヘッドランプシステム800内のセンサ又は他の追加のセンサとし得る)があり得る。代わりに、又は加えて、図7の車両ヘッドランプシステム例700に示したように、各LED照明システム808及び806は、それ自身のセンサモジュール、接続・制御モジュール、電力モジュール、及び/又はLEDアレイを含んでもよい。
【0034】
実施形態において、車両ヘッドランプシステム800は、可動光ビームを備えた自動車を表すことができ、可動ビームを提供するようにLEDが選択的に動作され得る。例えば、LED又はエミッタのアレイを使用して、ある形状又はパターンを画成又は投影したり、道路の選択されたセクションのみを照らしたりすることができる。一実施形態例において、LED照明システム806及び808内の赤外線カメラ又は検出器ピクセルが、照明を必要とするシーンの部分(例えば、道路又は横断歩道)を特定するセンサ(例えば、図7のセンサモジュール710内のセンサと同様)であるとし得る。
【0035】
当業者に明らかなように、ここでの説明に基づいて、本発明の実施形態は、例えばVerilog又はVHDLなどのハードウェア記述言語(HDL)を使用してソフトウェアにて設計されることができる。HDL設計は、電子システムの挙動をモデル化することができ、その設計が合成され、最終的にハードウェアデバイスに作り上げられることができる。また、HDL設計は、コンピュータプロダクトに格納され、ハードウェア製造前にコンピュータシステムにロードされることができる。
【0036】
実施形態を詳細に説明してきたが、当業者が理解することには、ここに記載された実施形態には、本明細書を所与として、発明概念の精神から逸脱することなく、変更が為され得る。従って、発明の範囲が、図示して記述した特定の実施形態に限定されるという意図はない。
図1
図2
図3(a)】
図3(b)】
図4
図5
図6
図7
図8
【国際調査報告】