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特表2024-538501センサ装置、センサシステム、および放射線の計測方法
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  • 特表-センサ装置、センサシステム、および放射線の計測方法 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-10-23
(54)【発明の名称】センサ装置、センサシステム、および放射線の計測方法
(51)【国際特許分類】
   A61M 5/28 20060101AFI20241016BHJP
   G01N 21/17 20060101ALI20241016BHJP
   G01N 21/01 20060101ALI20241016BHJP
   A61M 5/178 20060101ALI20241016BHJP
【FI】
A61M5/28
G01N21/17 Z
G01N21/01 B
A61M5/178
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024515334
(86)(22)【出願日】2022-08-19
(85)【翻訳文提出日】2024-04-26
(86)【国際出願番号】 EP2022073206
(87)【国際公開番号】W WO2023036587
(87)【国際公開日】2023-03-16
(31)【優先権主張番号】102021123559.6
(32)【優先日】2021-09-10
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】513220920
【氏名又は名称】フェッター ファルマ-フェルティグング ゲーエムベーハー ウント コンパニー カーゲー
(74)【代理人】
【識別番号】110002572
【氏名又は名称】弁理士法人平木国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ノワク,ヤン
【テーマコード(参考)】
2G059
4C066
【Fターム(参考)】
2G059AA05
2G059BB09
2G059DD13
2G059EE01
2G059EE02
2G059HH01
2G059HH02
2G059HH03
2G059KK01
2G059KK03
4C066BB01
4C066CC01
4C066EE14
4C066GG20
4C066QQ48
4C066QQ52
4C066QQ82
(57)【要約】
本発明は、放射線(3)、特に赤外線、紫外線および/または可視光を計測するためのセンサ装置(1)であって、少なくとも1つのセンサ素子(5)と、センサ素子(5)のためのエネルギー供給ユニット(29)と、中心軸(M)を有する少なくとも部分的に円筒形の容器(7)とを備え、容器(7)の容器壁(9)が少なくとも部分的に透明に構成され、容器(7)が少なくとも部分的に投薬容器(37)として構成されているセンサ装置(1)に関する。さらに、本発明は、放射線(3)を計測するためのセンサシステム(35)および方法に関する。
【選択図】 図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
放射線(3)、特に赤外線、紫外線および/または可視光を計測するためのセンサ装置(1)であって、
少なくとも1つのセンサ素子(5)と、
前記センサ素子(5)のためのエネルギー供給ユニット(29)と、
中心軸(M)を有する少なくとも部分的に円筒形の容器(7)と、
を備え、
前記容器(7)の容器壁(9)が少なくとも部分的に透明に構成され、
前記容器(7)が少なくとも部分的に投薬容器(37)として構成されている、センサ装置(1)。
【請求項2】
前記センサ装置(1)は、前記少なくとも1つのセンサ素子(5)として、対向配置された2つのセンサ素子(5)を有することを特徴とする、上述の請求項のいずれか一項に記載のセンサ装置(1)。
【請求項3】
前記センサ装置(1)が回転体(23)とロータリーエンコーダ(25)とを備え、
前記ロータリーエンコーダ(25)が前記回転体(23)を回転させるように構成されており、
前記少なくとも1つのセンサ素子(5)が前記回転体(23)上に配置されていることを特徴とする、上述の請求項のいずれか一項に記載のセンサ装置(1)。
【請求項4】
前記センサ装置(1)が集光光学装置を有することを特徴とする、上述の請求項のいずれか一項に記載のセンサ装置(1)。
【請求項5】
前記少なくとも1つのセンサ素子(1)の複数のセンサ素子(5)が、前記中心軸(M)を中心とする円周方向に配置され、センサバンド(31)を形成することを特徴とする、上述の請求項のいずれか一項に記載のセンサ装置(1)。
【請求項6】
前記容器(7)は、少なくとも第1のセンサバンド(31)と第2のセンサバンド(31)とを有し、
前記第1のセンサバンド(31)は、前記第2のセンサバンド(31)に対して軸方向にオフセットして配置されていることを特徴とする、上述の請求項のいずれか一項に記載のセンサ装置(1)。
【請求項7】
前記少なくとも1つのセンサ素子(5)の少なくとも2つのセンサ素子(5)が、互いに対して110°から130°の間、特に120°の角度(17)で配置されていることを特徴とする、上述の請求項のいずれか一項に記載のセンサ装置(1)。
【請求項8】
複数の前記センサ素子(5)は、プリント回路基板上に配置され、前記プリント回路基板が前記容器(7)内に配置され、前記プリント回路基板の第1のプリント回路基板部分と第2のプリント回路基板部分との間に最大120°、好ましくは最大90°、好ましくは最大60°の角度(17)を有することを特徴とする、上述の請求項のいずれか一項に記載のセンサ装置(1)。
【請求項9】
センサシステム(35)であって、
特に上述の請求項のいずれか一項に記載のセンサ装置(1)と、
投薬容器(37)と、
ハンドリング装置(39)と、
を備え、
前記ハンドリング装置(39)が、前記投薬容器(37)をハンドリングするために構成され設定されたハンドリングレセプタクルを有し、前記センサ装置(1)が前記ハンドリングレセプタクル内で受け取られ、ハンドリングされ得る、センサシステム(35)。
【請求項10】
容器(7)内の電磁放射線(3)を計測するための方法であって、
特に、請求項1から8のいずれか一項に記載のセンサ装置(1)または請求項9に記載のセンサシステム(35)を用いて、前記センサ装置(1)の前記センサ素子(5)が前記容器(7)内の放射線計測を実施する方法。
【請求項11】
請求項10に記載の方法であって、
第1のハンドリングステップにおいて、自動ハンドリング装置(39)内で投薬容器(37)がハンドリングされ、
第2のハンドリングステップにおいて、前記自動ハンドリング装置(39)内で前記センサ装置(1)がハンドリングされ、
前記第1のハンドリングステップと前記第2のハンドリングステップとが同一の方法で実施され、前記第2のハンドリングステップ中に前記センサ装置(1)を用いて放射線計測が実施されることを特徴とする方法。
【請求項12】
前記少なくとも1つの投薬容器(37)が第1の位置から第2の位置に移動され、前記センサ装置(5)が前記投薬容器(37)とともに移動されることを特徴とする、請求項10から11のいずれか一項に記載の方法。
【請求項13】
前記センサ装置(1)による放射線計測は、前記投薬容器(37)の前記第1の位置から前記第2の位置への移動中に実施されることを特徴とする、請求項10から12のいずれか一項に記載の方法。
【請求項14】
前記放射線計測の計測結果は、送信装置からデータ処理装置(45)の受信装置(43)に送信され、前記データ処理装置(45)によって処理されることを特徴とする、請求項10から13のいずれか一項に記載の方法。
【請求項15】
2つの前記センサ素子(5)が互いに120°の角度で配置され、放射線源の第1の放射線強度が第1のセンサ素子(5)で計測され、放射線源の第2の放射線強度が第2のセンサ素子(5)で計測され、前記第1の放射線強度と前記第2の放射線強度とが重み付けされずにオフセットされて全放射線強度が形成されることを特徴とする、請求項10から14のいずれか一項に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、センサ装置、センサシステム、および特にハンドリング装置における放射線、特に電磁放射線を計測するための方法に関する。
【背景技術】
【0002】
この種のセンサ装置、センサシステムおよび方法は知られている。典型的には、定置型センサ装置がハンドリング装置に設置され、ハンドリング装置の運転中に放射線計測を行う。しかし、この方法で実施できる放射線計測は、センサ装置でビーム形状を十分に正確に計測できないため、十分に正確でないことが多い。特に、ハンドリングされる容器、特に投薬容器内の正確な放射線形状は、そのようなセンサ装置によってハンドリング装置内で再現することはできない。
【0003】
このように複数のセンサ装置を設置することで、計測精度が多少は向上するが、それでも容器内の放射線の被ばく量を正確に決定することはできない。
【0004】
耐光性をチェックするため、または容器に入射する放射線量を計測するためのセンサシステムも、特に医療・製薬分野で知られている。ここでの目的は、医薬品または医薬品有効成分の製造中の耐光性をチェックすること、特に製造中に投薬容器に入射する放射線の量を計測することである。
【0005】
この目的のために、上述のセンサ装置は、生産工場の固定位置に公知のセンサシステムで恒久的に設置され、投薬容器が生産ラインを通過する際に計測される放射線を計測する。恒久的に設置されたセンサ装置の計測値から投薬容器の放射線被曝量を推測するために、幾何学的考察と計算が使用される。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかし、このようなセンサシステムは、多数のセンサ装置を必要とし、多数のセンサ装置にもかかわらず精度が十分ではない。多数のセンサ装置が必要なため、計測は全体的に非常に複雑で高価になる。
【0007】
放射線量の計測に使用される方法も同様である。
【0008】
本発明の課題は、特に電磁放射線を計測するためのセンサ装置、センサシステムおよび方法を提供することであり、これにより前述の欠点が回避される。特に、本発明の課題は、可能な限り最も高い空間的および/または時間的分解能で、すべての空間方向をカバーする連続的な放射線計測が提供される、特に電磁放射線を計測するためのセンサ装置、センサシステムおよび方法を提供することである。さらに、本発明の課題は、設計労力、特に、投薬容器のハンドリング装置を構成するセンサシステムの設計労力とコストとを最小化することである。さらに、可能な限り正確な放射線計測を可能にすることが本発明の課題であり、特に放射線源に対する角度依存性が低い。さらに、本発明の課題は、特に投薬容器のハンドリング中に投薬容器に作用する放射線被曝をできるだけ正確に決定することである。
【0009】
この問題は、本技術的教示、特に独立請求項の教示、および従属請求項および明細書に開示された実施形態を提供することによって解決される。
【課題を解決するための手段】
【0010】
この課題は、特に電磁放射線、とりわけ赤外線、紫外線および可視光を計測するためのセンサ装置であって、特に、少なくとも1つのセンサ素子と、センサ素子のためのエネルギー供給ユニットと、中心軸を有する少なくとも部分的に円筒形の容器とを備え、容器の容器壁が少なくとも部分的に透明であり、容器が少なくとも部分的に投薬容器として構成されている、センサ装置を創作することによって解決される。これにより、正確かつ柔軟に適用可能な放射線計測が可能な装置が提供され、特に、投薬容器に作用する放射線被曝を容易かつ正確に計測することができる。さらに、少なくとも1つの投薬容器固有の放射線形状、特に光学的形状を非常に正確に計測することができる。
【0011】
投薬容器とは、ここでは特に、少なくとも1つの医療用および/または医薬用の有効成分および/または賦形剤、特に薬剤を収容するように構成および/または設定された容器を意味すると理解される。好ましくは、これは、投薬容器として実際に意図され、使用可能な、特に認可された容器を意味すると理解される。このような賦形剤は、必ずしも薬学的または医学的に有効な物質を有する必要はない。ここで重要なことは、賦形剤が医療用途および/または医薬用途に適していること、および/または意図されていることである。特に、賦形剤は、注射用の水、特にいわゆる「注射用水」を含んでいてもよいし、構成されていてもよい。
【0012】
投薬容器は、好ましくは、シングルチャンバシステムまたはマルチチャンバシステム、特にダブルチャンバシステムとして構成され、マルチチャンバシステムの場合、投薬容器の内部は、第1のチャンバおよび第2のチャンバを有し、第1のチャンバは、特に、その間に配置されたセンタープラグによって第2のチャンバから分離される。
【0013】
投薬容器は、ここでは特に、注射器、カートリッジおよび/または注射バイアル、特にバイアルであると理解される。したがって、容器は、好ましくは、少なくとも部分的に注射器、カートリッジおよび/または注射バイアルの形状および/またはその構造的特徴を有する。
【0014】
透明に構成された領域とは、ここでは特に、計測される放射線に対して透明な領域であることを意味する。
【0015】
ここでいう放射線とは、特に放射性放射線および/または電磁放射線、特に赤外線、紫外線、可視スペクトル範囲の光を意味する。
【0016】
少なくとも1つの投薬領域、特に第1のチャンバおよび/または第2のチャンバは、好ましくは、医療物質、医薬物質および/または賦形剤を収容するための容器および/または投薬容器に構成され、設定されている。少なくとも1つのセンサ素子は、少なくとも部分的に、好ましくは完全に、投薬容器の投薬領域に配置される。好ましくは、医療物質、医薬物質および/または賦形剤は投薬領域に配置され、センサ素子は、特に医療物質、医薬物質および/または賦形剤が液体を含む場合には、密封、特に水密性を有するように構成される。
【0017】
好ましくは、センサ素子にエネルギー、特に電圧および/または電流を供給するためのエネルギー供給ユニットは、センサ素子に動作可能に接続される。好ましくは、移動可能なエネルギー供給ユニット、特に電池、特にボタン電池がエネルギー供給ユニットとして使用される。代替的または付加的に、センサ素子自体がエネルギー供給ユニット、特に太陽電池として構成される。これにより、センサ素子に対して自給のエネルギー供給が可能になる。さらに、得られるエネルギー供給ユニットは非常にコンパクトである。
【0018】
好ましくは、センサ装置は、全体として、センサ装置を作動させるために、特に電磁放射線を計測するために、外部エネルギー供給、特に外部電流および/または電圧の供給が必要とされないように、運搬可能および/または自給可能である。
【0019】
好ましくは、少なくとも部分的に円筒形の容器は、中心軸を中心とする円周方向に円筒形である。容器は、好ましくは、円筒形であるベース本体を有する。容器の円筒状に構成された部分が少なくとも部分的に透明であることが特に好ましい。これにより、投薬容器に類似したまたは対応した構造が提供され、投薬容器の放射線被曝量を特に正確に決定することができる。
【0020】
好ましくは、少なくとも1つのセンサ素子は、中心軸を起点とする半径方向において、少なくとも部分的に外側に、すなわち中心軸から離れる方向に整列している。好ましくは、センサ素子の背面は中心軸に面し、および/またはセンサ素子のセンサ面は中心軸から離れる方向に面する。好ましくは、少なくとも1つのセンサ素子は、正確に半径方向外側に向けられる。特に、表面法線のベクトル成分、好ましくは表面法線全体が、中心軸に対して正確に半径方向に延び、特に中心軸を通過することなく、またはその方向を指すことなく、中心軸から外側を指している。このことは、外部から入射する放射線を容易に計測することができ、放射線の計測中に他の構成要素、特に他のセンサ要素からの干渉が回避されることを意味する。
【0021】
センサ素子のアライメントは、ここでは特に、センサ素子のセンサ面における面法線のアライメントを意味すると理解される。
【0022】
センサ表面とは、ここでは特にセンサ素子のセンサ的に有効な部分を意味すると理解される。従って、センサ面に入射した放射線はセンサ素子によって検出可能である。
【0023】
好ましくは、センサ装置は、中心軸の方向、特に容器の前端方向および/または反対側の後端方向に整列された少なくとも1つのさらなるセンサ素子を有する。これにより、軸方向の放射線計測も改善され、全体的な計測精度が非常に高くなる。
【0024】
好ましくは、容器はガラス製および/またはプラスチック製である。特に好ましくは、容器はガラス製および/またはプラスチック製である。これにより、作成される構造物がさらに投薬容器に近くなり、放射線被曝量の決定がさらに改善される。
【0025】
さらに、容器は、好ましくは、内壁コーティング、外壁コーティング、ピストン要素、特にピストン要素を作動させる際に圧力を蓄積するためのフィンガーレスト、センターストッパー、エンドストッパー、特に医薬品および/または医薬物質および/または賦形剤を分注するための前部開口部、後部開口部、および/または特に前部開口部および/または後部開口部を閉鎖するための閉鎖要素からなる群から選択される1つ以上の構造を有する。内壁コーティングおよび/または外壁コーティングは、好ましくは、シリコーンおよび/または壁を密封し、および/または摺動特性に影響を与え、特に摩擦を低減する別の材料からなる。さらに好ましくは、ピストン要素は、容器内の端栓を前部開口部の方向に移動させ、それによって容器内に配置され得る物質、特に医療用および/または医薬用物質および/または賦形剤を容器から排出するために、端栓に接続可能であり、特に接続されている。
【0026】
好ましくは、容器、特に容器の円筒状に構成された部分は、好ましくは10cm未満、好ましくは8cm未満、好ましくは7cm未満、好ましくは6cm未満、好ましくは5cm未満の長さを有する。長さとは、ここでは特に、投薬容器の内容物を分注するために設けられた前部開口部と、ピストン要素が通過する後部開口部、または注射用バイアルの場合は基端部との間の距離であると理解される。好ましくは、投薬容器は、特に長さに対して横方向に、特にそれに対して垂直に計測される横方向の寸法、特に3cmより小さい、好ましくは2cmより小さい、好ましくは1.5cmより小さい、好ましくは1cmより小さい、好ましくは7mmより小さい、好ましくは5mmより小さい直径を有する。
【0027】
高さは特に好ましくは47.6mm、直径は4.65mmである。あるいは、直径は6.35mm、高さは43mmである。あるいは、直径は8.65mm、高さは54mmである。あるいは、直径11.85mm、高さ66.7mm。あるいは、直径14.25mm、高さ87.25mmである。
【0028】
このセンサ装置の利点は、このサイズの容器において特に顕著である。特に、このような小さな容器の放射線計測は、従来の方法では特に不正確であったため、ここで説明するセンサ装置は、放射線計測および投薬容器の放射線被曝量の決定に著しい改善をもたらす。
【0029】
好ましくは、センサ素子は、フォトダイオード、フォトレジスタ、フォトトランジスタおよび/またはフォトセル、特に太陽電池として構成され、それに応じて容器内に配置される。
【0030】
従って、センサ素子は特に容器の内部に配置され、これにより、内部は特に好ましくは少なくとも部分的に投薬容器として、好ましくは投薬容器の内部として構成される。
【0031】
好ましくは、容器全体が投薬容器として構成される。これにより、特に投薬容器に対応した放射線の形状で、特に正確な放射線計測が可能になる。
【0032】
好ましくは、センサ装置は、データメモリおよび/またはアンテナおよび/または制御電子機器を有する。データメモリ、アンテナおよび/または制御電子機器は、好ましくは、容器の内部に配置される。このようにして、データメモリ、アンテナおよび/または制御電子機器は、特にハンドリング装置、特に製造および/または包装装置を通過する際に、外部からの影響、衝撃および/または衝突から保護される。
【0033】
さらに、データメモリ、アンテナおよび/または制御電子機器は、好ましくは、少なくとも1つのセンサ素子によって計測された計測値、特に生の計測値が、データメモリ、アンテナおよび/または制御電子機器に送信され得るように、少なくとも1つのセンサ素子に動作可能に接続される。送信は無線でも有線でも可能である。これにより、計測値をシンプルかつ自動的に転送することができる。
【0034】
特に好ましくは、センサ装置、特に容器、特に容器の内部は、処理および/または分析用の電子機器を有さない。処理および/または分析用の電子機器は、好ましくは、容器および/またはセンサ装置の外部に配置される。処理用および/または分析用の電子機器は、計測結果を処理するためおよび/または計測結果を分析するために、センサ装置のデータメモリおよび/またはアンテナに接続することができる。これにより、センサ装置は特にコンパクトになり、特に、多数のセンサ素子をそこに配置することにより、コンテナ、特に内部の利用可能なスペースを効率的に利用することが可能になる。これにより感知面積が増大し、特に空間分解能が向上する。
【0035】
好ましくは、センサ装置は、センサ素子を有する容器とは別個に構成された投薬容器を有する。特に好ましくは、投薬容器は、投薬容器として構成された容器の少なくとも一部が、投薬容器に対応して構成された部分と同じように整列するように、容器に隣接しておよび/または平行に整列配置される。このことは、一方の投薬容器と他方の投薬容器の放射線条件が可能な限り類似していることを意味し、投薬容器の放射線被曝をセンサ素子による放射線計測から非常に正確に決定することができる。
【0036】
本発明のさらなる発展によれば、センサ装置は、少なくとも1つのセンサ素子として、対向配置された2つのセンサ素子を有することが提供される。この場合、少なくとも1つのセンサ素子は、対向配置された2つのセンサ素子を有する。これにより、異なる空間方向、特に対向する空間方向における放射線の同時計測が可能になる。
【0037】
本発明のさらなる発展によれば、センサ装置が回転体およびロータリーエンコーダ、特にモータを有する。ロータリーエンコーダは、回転体を回転させるように構成され、少なくとも1つのセンサ素子が回転体上に配置されることが提供される。これにより、特に1つのセンサ素子のみを使用する場合、センサ装置を回転させることなく、中心軸に対してすべての半径方向の放射線を計測することが可能になる。さらに、複数のセンサ素子を使用する場合でも、放射線計測の精度が向上する。
【0038】
従って、ロータリーエンコーダ、特にモータは、回転体に回転固定的に接続され、回転体を回転させるように構成される。ロータリーエンコーダは、好ましくは、回転体の回転速度が高くなるように構成される。その結果、環境は、特に中心軸に対する半径方向において、より良好かつ正確に検出され、特に、移動するセンサ装置によって、放射線計測の時間分解能および/または空間分解能を向上させることが可能となる。
【0039】
さらに、エネルギー供給ユニットは、モータにエネルギーを供給するために、モータに接続されることが好ましい。これにより、容器内または容器の外部に追加の電源を設ける必要がなくなり、コンパクトなセンサ装置が実現される。
【0040】
ここでいう回転とは、特に容器の中心軸回りの回転を意味する。
【0041】
さらに、回転体およびロータリーエンコーダは、好ましくは容器の内部に配置される。
【0042】
本発明のさらなる発展によれば、センサ装置が集光光学装置を有することが提供される。これにより、放射線計測の計測精度がさらに向上する。特に、センサ素子の追加を避けることができる。これにより、センサ装置のコストが削減される。
【0043】
集光光学装置は、ここでは特に、異なる方向から来るビームをセンサ素子上に偏向させる装置と理解される。特に、これは光学プリズムおよび/または光学レンズを指す。
【0044】
好ましくは、集光光学装置は、集光角度で集光光学装置に到着したビームが束角度に偏向されるように配置され、これにより束角度は集光角度よりも小さくなる。
【0045】
本発明のさらなる発展によれば、少なくとも1つのセンサ素子の複数のセンサ素子が、中心軸を中心とする円周方向に配置され、センサバンドを形成することが提供される。これにより、異なる空間方向の放射線を計測することが可能となり、全体的な放射線の計測は非常に正確なものとなる。
【0046】
好ましくは、少なくとも1つのセンサ素子の複数のセンサ素子は、互いから等しい距離および/または互いに対して等しい角度で配置される。これにより、特に半径方向における空間の計量カバー率が向上し、空間分解能がより均質になる。
【0047】
さらに、センサ素子は、少なくとも中心軸に垂直な方向において、センサ装置の周囲の空間全体がセンサ素子によって覆われるように配置されることが好ましい。これにより、放射線の計測が特に正確かつ容易になる。特に、容器上の放射線の総量を決定するための補間が回避される。
【0048】
好ましくは、複数のセンサ素子は、可能な限り包括的な空間カバレッジが形成されるように、互いに直接隣接して配置される。
【0049】
センサバンドとは、ここでは特に、中心軸を少なくとも部分的に取り囲む、好ましくは完全に取り囲む構造であると理解される。センサバンドの複数のセンサ素子は、好ましくは、複数のセンサ素子を互いに接続するキャリア上に配置される。あるいは、センサバンドの複数のセンサ素子は、センサ装置の容器内で、中心軸を中心とする円周方向に互いに独立して配置される。センサバンドのセンサ素子が、データメモリ、アンテナおよび/または制御電子機器に接続可能であること、特に接続されていることが重要である。
【0050】
好ましくは、複数のセンサ素子は中心軸を中心に中心軸に対して対称に配置される。これにより、空間の均一なセンサカバレッジが形成され、放射線計測の評価が簡素化される。
【0051】
複数のセンサ素子は、特に好ましくは、センサバンド(特に中心軸に垂直な平面で見た場合)が少なくとも部分的に円形になるようにリング状に配置される。これにより、放射線計測の特に優れた精度が保証される。
【0052】
少なくとも1つのセンサ素子の複数のセンサ素子は、好ましくは、ここで、中心軸の方向の第1の軸方向位置に配置される。これにより、第1の軸方向位置は、複数のセンサ素子のすべてについて同じである。これは、センサバンドが中心軸に対して垂直であり、空間のセンサカバレッジが非常に均一かつ対称的であることを意味する。
【0053】
特に好ましくは、少なくとも3個、好ましくは少なくとも4個、好ましくは少なくとも6個、好ましくは少なくとも8個、好ましくは少なくとも14個、好ましくは少なくとも19個、好ましくは少なくとも27個、好ましくは少なくとも37個、好ましくは少なくとも44個のセンサ素子が1個のセンサバンドとして形成される。これにより、特に従来の投薬容器のサイズと従来のセンサ素子のサイズに最適なセンサバンドあたりの数が与えられ、その結果、特に高い解像度が得られる。
【0054】
本発明の代替実施形態によれば、複数のセンサ素子は、分散型センサバンドとして、中心軸に平行な軸を中心とする円周方向に配置される。これにより、センサ素子によって空間を包括的にカバーすることもできる。さらに、センサ素子のこの配置はコンパクトであるため、中心軸の先には他のコンポーネントに使用できるスペースが残る。
【0055】
本発明のさらなる発展によれば、容器が少なくとも第1のセンサバンドと第2のセンサバンドを有し、第1のセンサバンドは、第2のセンサバンドに対して軸方向にオフセットして配置されていることが提供される。これにより、特に軸方向にオフセットして入射する放射線の計測精度がさらに向上する。
【0056】
本発明のさらなる発展によれば、少なくとも1つのセンサ素子の少なくとも2つのセンサ素子が、互いに対して110°から130°の間の角度、特に120°の角度で配置されることが提供される。これにより、空間の非常に効率的なセンサカバレッジが得られ、センサ測定結果の解析が非常に簡単になる。
【0057】
角度は、好ましくは、センサ素子のセンサ面の表面法線間で計測される。
【0058】
好ましくは、3つのセンサ素子が容器内に配置され、特にセンサバンドとして構成され、これにより、3つのセンサ素子はそれぞれ、互いに対して110°から130°の間、特に120°の角度を有し、これにより、特に少なくとも実質的に正三角形の形状が形成される。この場合、放射線源からセンサ素子に到達する放射線は、センサ素子が非常に高い検出効率を有するセンサ素子の特性曲線の角度範囲にあるか、または3つのセンサ素子のうち2つのセンサ素子が同時に照射されるかのいずれかであるため、センサ素子のこの種の配置は特に効率的であり、計測結果の評価はシンプルである。この配置で2つのセンサ素子が照射される場合、2つのセンサ素子のうち第1のセンサ素子の低下した第1の計測効率は、この配置による第2のセンサ素子の二重計測(同様に低下した第2の計測効率)によって補償され、これにより第1の計測効率と第2の計測効率は好ましくはほぼ1に加算される。
【0059】
特性曲線とは、ここでは特に、センサ感度と放射線の入射角との間の関数関係として理解され、入射角の関数として、センサによって入射放射線を計測することができる効率を記述する。
【0060】
別の好ましい構成例によれば、センサバンドは、互いに直角に配置された4つのセンサ素子を有する。センサ素子のこのような配置は、センサ素子がそれぞれ連続的で直線的な下方に傾斜した特性曲線を有する場合に特に好ましく、特にこのような特性曲線の場合には、配置されたセンサ素子の評価がシンプルであるからである。いずれにせよ、これにより計測精度と空間カバー率が向上する。
【0061】
本発明のさらなる発展によれば、センサ素子は、プリント回路基板上に配置され、プリント回路基板が容器内に配置され、プリント回路基板の第1のプリント回路基板部分と第2のプリント回路基板部分との間に120°、好ましくは最大90°、好ましくは最大60°の角度が形成されることが提供される。これにより、安定し、構築が簡単で、特にコスト効率のよい導体構造が作り出される。
【0062】
好ましくは、プリント回路基板は、その上にセンサ素子が言及された角度で、特に、互いに最大120°、好ましくは最大90°、好ましくは最大60°の角度で配置され得るように、可撓性であり、かつ/または曲げられている。プリント回路基板部分が平坦であることは絶対に必要ではないが、好ましい更なる展開によれば、これは明確な構造と明確な角度を作り出すので好ましい。
【0063】
あるいは、プリント回路基板部は湾曲しており、湾曲したプリント回路基板部の曲率は、センサ素子が依然としてその上に適切に取り付けられるように、特に溶解できるように、非常にわずかである。その結果、異なる方向における効率は高い。特に、センサ素子は、このようにして、より大きな角度範囲(ここでは、放射源に対するセンサ装置の角度範囲が取り上げられる)、特にセンサ素子の特性曲線の最適範囲において、効率的に計測することができる。
【0064】
これらの角度はまた、好ましくは、プリント回路基板部の表面法線間で計測される。
【0065】
本発明の課題はまた、特に、上述の実施形態のいずれか一つによるセンサ装置を備えたセンサシステムを提供することによって解決され、このセンサシステムは、投薬容器とハンドリング装置とを有し、このハンドリング装置は、投薬容器をハンドリングするために構成され設定されたハンドリングレセプタクルを有する。センサ装置、特にその円筒状に構成された部分は、ハンドリングレセプタクル内で受け取られハンドリングされ得る。このようなセンサシステムにより、放射線計測の精度が特に高くなる。さらに、この種のセンサシステムでは、投薬容器の放射線被曝を非常に正確かつ確実に検出することができる。
【0066】
好ましくは、ハンドリング装置、特にハンドリングレセプタクルは、投薬容器をハンドリングするために構成されて設定される。特に好ましくは、ハンドリングレセプタクルは、投薬容器を把持するように構成された真空グリッパおよび/または機械式グリッパを有する。好ましくは、センサ装置、特に容器は、真空グリッパおよび/または機械式グリッパで把持することもできる。
【0067】
また、投薬容器およびセンサ装置の容器は、少なくとも部分的に、好ましくは完全に、形状が均一であることが好ましい。特に好ましくは、投薬容器の少なくとも1つの外形および/またはセンサ装置の容器の1つの外形が均一である。特に好ましくは、2つの容器は、その内部の充填においてのみ異なる。好ましくは、薬物、医薬物質および/または賦形剤は、投薬容器の内部に配置される。センサ素子およびセンサ素子のためのエネルギー供給ユニットは、センサ装置の容器の内部に配置される。
【0068】
特に好ましくは、投薬容器は、投薬容器の内部空間、特に投薬領域に、薬効物質、医薬物質および/または賦形剤を有する。
【0069】
好ましくは、センサシステムは、受信装置を有するデータ処理装置を有する。これにより、センサ装置は送信装置を有する。好ましくは、送信装置と受信装置は、センサ装置の計測結果が送信装置と受信装置との間で送信できるように構成され、設定される。好ましくは、受信装置と送信装置との間の接続は無線である。
【0070】
好ましくは、投薬容器は、よりよく理解するために、ここで第1のハンドリングレセプタクルと呼ばれるハンドリングレセプタクル内に配置され、センサ装置は、さらなるハンドリングレセプタクル内に配置される。ハンドリング装置は、好ましくは、(ハンドリング装置の1回の操作において)、さらなるハンドリングレセプタクルが、投薬容器が配置される第1のハンドリングレセプタクルに追従するか、またはそれを先導するように設定される。したがって、ハンドリング装置内の2つのハンドリングレセプタクルによって移動する経路は、非常に類似しており、好ましくは同一である。その結果、センサ装置は、投薬容器に作用する放射線負荷を特に正確に計測するために使用することができる。
【0071】
特に、この課題は、上述の実施形態のいずれか一つによるセンサ装置または上述の実施形態のいずれか一つによるセンサシステムを用いて、容器内の電磁放射線を計測する方法を創作することによっても解決される。ここで、センサ装置のセンサ素子が容器内の放射線測定を実行する。その結果、放射線計測値、特に放射線量、ひいては投薬容器に作用する放射線被曝量は、センサ装置によって計測される放射線量に本質的に対応するため、非常に正確に決定することができる。したがって、放射線計測は全体として非常に正確である。
【0072】
好ましくは、投薬容器の放射線被曝量は、放射線計測値から推測される。特に、センサ装置、特に放射線計測によって決定された放射線被曝量は、投薬容器の放射線被曝量に対応すると仮定される。あるいは、投薬容器の放射線被ばく量を決定するために放射線計測値を補正する補正係数、特に定数補正係数が使用される。その結果、センサ装置、特に投薬容器として構成されたセンサ装置の部分により、投薬容器の放射線被曝量が非常に正確に計測されるため、投薬容器の放射線被曝量を非常に効率的かつ正確に計測することができる。
【0073】
本発明のさらなる発展形態によれば、第1のハンドリングステップにおいて自動ハンドリング装置内で投薬容器がハンドリングされ、第2のハンドリングステップにおいて自動ハンドリング装置内でセンサ装置がハンドリングされる。第1のハンドリングステップと第2のハンドリングステップが同一の方法で実施され、第2のハンドリングステップ中にセンサ装置を用いて放射線計測が実施されることが提供される。その結果、放射線計測は、自動ハンドリング装置において非常に正確に実施することができる。特に、投薬容器の放射線被曝量は、特にハンドリング中に、非常に正確かつ連続的に計測することができる。
【0074】
自動ハンドリング装置とは、ここでは特に充填システムおよび/または包装システムを意味すると理解される。
【0075】
ハンドリングステップとは、ここでは特に、自動移送、充填、ラベリング、密封、シリコナイゼーション、クロージャーエレメントの適用、プランジャーの挿入、センサ装置の容器または投薬容器の幾何学的計測、充填レベル計測、二次包装への包装、および/または、特に検査および/または保守目的のための手動移送を意味すると理解される。
【0076】
ハンドリングステップの類似の実行は、ここでは特に、センサ装置および投薬容器のためのハンドリングステップが、ハンドリング装置および/または手動オペレータによって同じ動作が実行されるような方法で類似していることを意味すると理解される。センサ装置のための第2のハンドリングステップと投薬容器のための第1のハンドリングステップは、同時にまたは時間遅延を伴って行われる。
【0077】
好ましくは、放射線計測は、特に自動化されたハンドリング装置におけるセンサ装置のハンドリングの全体にわたって、特に複数の時点および/または時間範囲において、特に連続的に実施される。その結果、放射線の計測は非常に正確であり、投薬容器の放射線被曝を正確に決定することができる。
【0078】
特に好ましくは、少なくとも1つのさらなるハンドリング工程が投薬容器を用いて実施される。これにより、投薬容器は、特に好ましくは充填されるか、既に充填されているか、および/または二次包装に包装される。
【0079】
本発明のさらなる展開によれば、特に物流プロセスおよび/または配送プロセスの過程において、少なくとも1つの投薬容器が第1の位置から第2の位置に移動され、センサ装置が投薬容器とともに移動されることが提供される。その結果、特にそのような移送の前または後に、投薬容器の放射線被曝量を非常に正確に計測することができる。
【0080】
好ましくは、センサ装置と投薬容器を同時に移動させるので、投薬容器の放射線被曝量の決定が特に現実的であり、正確である。
【0081】
本発明のさらなる発展によれば、センサ装置による放射線計測は、第1の位置から第2の位置への移動中に実施されることが提供される。その結果、放射線計測は、移動中も非常に正確に実施することができる。さらに、投薬容器の放射線被曝量は、移動中に非常に正確に決定することができる。
【0082】
放射線計測は、移動中の少なくとも1つの時点で行われる。好ましくは、放射線計測は、ある期間にわたって、特に移送の全期間にわたって行われる。これにより、投薬容器の放射線被曝量を全時間にわたって非常に正確に計測することができる。
【0083】
本発明のさらなる発展によれば、放射線計測の計測結果は、送信装置からデータ処理装置の受信装置に送信され、データ処理装置によって処理されることが提供される。これにより、計測結果のシンプルな、特に自動化された処理、特に評価が行われる。これにより、特に小型容器および/または投薬容器も、この方法で放射線を計測することができる。計測結果を送信するには、送信装置と受信装置との間に無線または有線接続を確立することが好ましい。
【0084】
好ましくは、計測結果は、2つの部分のセンサからの少なくとも2つの部分計測値からなり、これにより計測精度が向上する。
【0085】
本発明のさらなる発展によれば、2つのセンサ素子が互いに120°の角度で配置され、放射線源の第1の放射線強度が第1のセンサ素子で計測され、特に同時に、放射線源に対するセンサ装置の向きを同じにして、放射線源の第2の放射線強度が第2のセンサ素子で計測され、第1の放射線強度と第2の放射線強度が重み付けされずにオフセットされ、特に加算されて全放射線強度が形成されることが提供される。これにより、センサ装置の容器の放射線被ばく量を決定するための、シンプルで、同時に非常に正確な計算方法が創作され、その結果、投薬容器の放射線被曝量も決定される。
【0086】
放射強度とは、ここでは特に、放射量および/または放射強度、特に照度として理解される。
【0087】
この文脈において、完全なオフセットとは、特に角度依存の重み付けがないことを意味する。特に、センサ素子によって記録された放射線の計測結果は等しく考慮される。
【0088】
本発明のさらなる発展によれば、本方法は、少なくとも部分的にコンピュータに実装された方法として実施されることが提供される。本方法によるセンサ装置の測定に基づいて、これらの値のコンピュータによる計算に相関を持たせることができ、これにより、この計算がさらに改善され、その結果、自動化された応用が可能となる。
【0089】
好ましくは、センサ装置による放射線の測定は、少なくとも部分的に、好ましくは完全にコンピュータ化されている。
【0090】
好ましくは、センサ装置および/または放射線源の少なくとも1つは、特にGPS装置のような位置特定装置を有し、この位置特定装置を使用して、センサ装置および/または放射線源の位置が、特に時間の関数として決定される。好ましくは、放射線源からセンサ装置までの距離および/または入射角が決定される。
【0091】
あるいは、放射線源の位置は特に手動で指定される。
【0092】
コンピュータ実装方法は、以下の教示に基づくものであり、これにより、この教示の少なくとも1つの計算ステップ、好ましくはすべての計算ステップが、コンピュータを使用して実施される。
【0093】
放射強度、特に照度を決定する影響因子のうち、放射源に特有でないものを考慮すると、距離と入射角が関連変数として残る。
【0094】
室内における放射源、特にランプの幾何学的位置、特に幾何学的点は既知であり、ランプ表面の中心がその位置であると仮定される。
【0095】
これにより、各放射線源、特に光源の位置ベクトル(OLx)を幾何学的空間において決定することができる。任意の測定点(位置ベクトルOPxを有する)に対する放射源の距離を決定するために、空間内の2点の接続ベクトル(VLxPx)が距離を計算するために使用される。これは次式に従って計算される。
【0096】
【数1】
【0097】
接続ベクトルは、放射源、特に光源と測定点との間の距離を次式に従って計算するために使用される。
【0098】
【数2】
【0099】
角度の影響に関しては、放射源からの放射、特に光ビームの出射角度のみが考慮され、入射角度は常に、投薬容器または容器の中心軸が入射放射に対して直角である最悪のシナリオを想定している。計算のために、接続ベクトル(VLxPx)と放射源の位置ベクトル(OLx)、特に光源は、天井面と交差する直線を作成するために使用される。この交点は次式に従って計算できる。
【0100】
【数3】
【0101】
ここで、
は、放射源、特にランプによって規定される放射源面の法線ベクトルを表す。従って、
における
は、一般に天井の放射源、特に天井ランプについて定義することができる。
は交差線の方向ベクトルであり、したがって接続ベクトル(VLxPx)である。
【0102】
このようにして算出された距離と角度は、各測定点における各放射線源(特に光源)の放射強度(特に照度)を算出するために使用することができる。放射強度の合計値は、個々の放射線強度から次式に従って計算することができる。
【0103】
【数4】
【0104】
コンピュータ、特にコンピュータ上で実行されるスプレッドシートプログラムは、任意の数の放射線源を持つ部屋の各測定点についてこれを計算することができる。この基本原理は、以下に説明する「経路追跡」の基礎でもあり、基本原理は「幾何学的空間における測定点の自動作成」という要因によって拡張されるだけである。
【0105】
放射線強度が既知であれば、測定点における全放射線強度に占める各放射線源の割合は、この方法を用いて理論的に逆算することができる。
【0106】
「経路追跡」については以下でより詳しく説明する。プログラム可能な経路追跡は、空間内で投薬容器および/またはセンサ装置が移動する経路の重要なポイント(例えば、1つのコンベアベルトから別のコンベアベルトへの移行時のような方向の変化)に基づいている。接続ベクトルは、これらの点間で計算され(手動で入力される)、投薬容器および/またはセンサ装置が移動した経路を反映する。初期空間点には、時間t>0が必要であり、これは、投薬容器および/またはセンサ装置の始動からこの点に到達するまでの経過時間を反映する。この差と入力された測定頻度(毎秒など)に基づいて、接続ベクトルは個々のベクトルに分割される。接続ベクトル上の個々の中間測定点の幾何学的座標を決定するために、前方の空間点の位置ベクトルが、分割された接続ベクトルのx倍に加えられる。放射強度、特に照度は、上記の教示に従って、このようにして計算された点で計算することができる。測定された放射線強度に対する個々の放射線源の割合を割り当てるために、他の方向においても同様のことが可能である。
【0107】
全体として、本方法の少なくとも部分的なコンピュータ実装化により、放射線測定の精度がさらに向上する。また、少なくとも部分的に自動化された放射線測定が可能となる。
【0108】
本方法、センサ装置およびセンサシステムの説明は、互いに補完的なものとして理解される。特に、方法に関連して明示的または暗黙的に説明されてきたセンサ装置および/またはセンサシステムの特徴は、好ましくは、センサ装置および/またはセンサシステムの特徴であり、個々にまたは互いに組み合わされている。好ましくは、センサ装置および/またはセンサシステムは、方法に関連して説明された方法ステップの少なくとも1つを実行するように構成される。センサデバイスおよび/またはセンサシステムに関連して明示的または暗示的に記載された方法ステップは、好ましくは、個別にまたは互いに組み合わせて、方法の好ましい実施形態のステップである。特に、本方法は、好ましくは、センサ装置および/またはセンサシステムの少なくとも1つの特徴から生じる少なくとも1つのステップを含む。
【図面の簡単な説明】
【0109】
以下、図面を参照して本発明をより詳細に説明する。
図1】第1の実施形態に係る4つのセンサ素子を有するセンサ装置の容器を概略的に示す断面図である。
図2】第2の実施形態に係るセンサ装置の上面図である。
図3】第3の実施形態に係るセンサ装置を示す概略図である。
図4】第4の実施形態に係るセンサ装置を概略的に示す透視側面図である。
図5】第5の実施形態に係るセンサ装置の側面図である。
図6】第6の実施形態に係るセンサ装置を備えるセンサシステム、投薬容器およびハンドリング装置である。
【発明を実施するための形態】
【0110】
図1は、少なくとも1つのセンサ素子5、ここでは特に4つのセンサ素子5に入射する放射線3を計測するためのセンサ装置1を示している。センサ装置1は、中心軸Mを有する少なくとも部分的に円筒形の容器7を有し、容器7の容器壁9は少なくとも部分的に透明である。さらに、容器7は少なくとも部分的に投薬容器として構成されている。さらに、センサ装置1は、図1には示されていないセンサ素子5用のエネルギー供給ユニットを備えている。これにより、少なくとも部分的に投薬容器として構成された容器7内の放射線を非常に正確に計測することができる効率的なセンサ装置1が実現され、特に、対応するように構成された投薬容器内の放射線被曝について非常に正確な結論を導き出すことができる。
【0111】
特に好ましくは、容器壁9が透明に構成された領域において、容器壁9は投薬容器として構成される。したがって、容器は、少なくとも1つの透明に構成された領域も有する。容器7の円筒状に構成された部分、特に容器壁9は、特に好ましくは透明に構成されている。その結果、投薬容器の放射線被曝量を、特に対応する透明に構成された領域において、非常に正確に決定することができる。
【0112】
図1に示す第1の実施形態に係るセンサ装置1は、特に4つのセンサ素子5を有し、これらのセンサ素子5は、センサ素子5によって長方形が形成されるように、互いに直角に配置されている。これにより、少なくとも中心軸に垂直な全方向において放射線3を確実に計測することができる。この直角配置は、0°から90°の全角度範囲にわたって一様に線形な特性曲線を有するセンサ素子5にとって特に有利である。その結果、放射線計測は特に正確であり、特に、空間におけるセンサ装置1の一定のアライメントにより、少なくともここに示す断面において、放射の入射角度に依存しない。特に、このことは放射線計測の評価を簡素化する。
【0113】
特に、センサ素子5は、センサ表面11とセンサベース13とを有する。
【0114】
図2は、第2の実施形態に係るセンサ装置1を示している。ここに示すセンサ素子5のセンサ面11は、センサベース13と面一になるようにセンサベース13に埋め込まれている。
【0115】
第2の実施形態に係る図2に示すセンサ装置1は、特に中心軸Mを中心とする円周方向に6つのセンサ素子5を有し、これにより図2では、明瞭化のために、図1と同様に、半径方向に整列されたセンサ素子5のうちの1つのみに参照符号が付されている。センサ素子5が6個あるため、空間のセンサカバレッジが向上する。
【0116】
さらに、図2には、さらなるセンサ素子15が示され、そのセンサ表面11は、特に中心軸Mに対して垂直に配置され、したがって、図2では観察者に面している。さらに、さらなる送信素子15は、ここでは特に中心軸Mの中心に配置されている。これにより、中心軸Mの方向における放射線の計測も改善される。特に、中心軸Mに平行にセンサ装置1に入射する放射線も、このようにして確実に計測することができる。
【0117】
図2は、また、2つの隣接するセンサ素子5の間の角度17が、センサ素子5の表面法線の間、特にセンサ表面11の間で計測されることを示している。
【0118】
この図2に示す角度17は、特に6個のセンサ素子では、好ましくは60°である。
【0119】
図3は、第3の実施形態に係るセンサ装置1を、中心軸3を中心とする円周方向にセンサ素子5を有する高度に簡略化された概略図で示している。センサ素子5は、特に有利な角度17で互いに120°の角度で配置されている。特に、このことは、特に同時三角形として形成される、ここに示す三角形の角の角度が60°であることも意味する。
【0120】
図3に示す角度17が120°であることは、特に従来のセンサ素子タイプの放射線の計測が特に正確であることを意味し、特にセンサ素子5に対する放射線の入射角(ここに示す断面面において)に依存しない。入射角度が60°の場合、このような従来のセンサ素子タイプでは、実際の放射線強度の約半分しか計測できず、これは効率係数0.5に相当する。ここに示した3つのセンサ素子5の配置では、傾斜角度、特に60°の角度で入射する放射線は、隣接する2つのセンサ素子5のうちの1つによって追加的に計測されるという事実によって、この計測効率の低下が補われる。従って、一の方向から来てセンサ装置1全体に入射する放射線ビームは、センサ素子5の第2のセンサ素子21にも、60°の角度で、特に複数のセンサ素子5の第1のセンサ素子19に対して60°の入射角度で入射する。入射角60°で50%低減された2つの計測された放射強度を加算することにより、二重計測により、個々の効率係数の和から得られる総効率がほぼ1、好ましくは正確に1となるため、総放射強度を非常に容易に決定することができる。
【0121】
さらに、通常のセンサ素子タイプの特性曲線は、特に入射角60°の範囲において、少なくともほぼ線形であるため、上に示した全放射線強度のシンプルな計算可能性は、送信素子5の少なくとも2つ、特に第1のセンサ素子19および第2のセンサ素子21に当たる、60°からずれた放射線の入射角に対しても維持される。ここでは、複雑な数学的補正を必要とすることなく、入射角による第1および/または第2のセンサ素子5のうちの一方のセンサ素子5の減少した効率係数は、全体的な効率が1に近くなるように、他方のセンサ素子5の対応する増加した効率係数によって補償される。これにより、中心軸Mに垂直な面において、入射角度に関係なく、角度に依存しない計測が可能になる。
【0122】
図4は、第4の実施形態に係るセンサ装置1を示している。センサ装置1は、ここでは透視側面図で概略的に示されている。特に、センサ装置1は回転体23とロータリーエンコーダ25、特にモータを備えている。
【0123】
ロータリーエンコーダ25は、回転体23を回転させるように構成されている。さらに、センサ素子5は回転体23上に配置されている。特に、回転は、回転軸Dを中心とする回転方向Rに行われる。
【0124】
図4に示されるように、回転体23、ロータリーエンコーダ25およびセンサ素子5は、ここでは容器7の内部27に配置されている。さらに、ここに示すセンサ装置1は、エネルギー供給ユニット29もさらに備え、送信素子5および/またはロータリーエンコーダ25にエネルギーを供給するように構成されている。その結果、センサ装置を作動させるための外部からのエネルギー供給が不要となり、より多くのセンサ素子5を容器の内部に配置することができるため、放射線計測の精度が向上する。
【0125】
図5は、第5の実施形態に係る送信装置1の側面図である。ここでは、複数のセンサ素子5がそれぞれセンサバンド31として構成されている。複数のセンサ素子5は、中心軸Mを中心とする円周方向に配置されている。これにより、高い計測精度と、特に立体角の高いセンサカバレッジが確保される。
【0126】
図5では概略的な表現が選択されているため、センサ素子5はここでは明示されていない。しかし、図から明確に認識できるように、容器7の内部27には、いくつかの、特に13個のセンサバンド31が配置されている。センサバンド31が軸方向に分散して配置されているため、軸方向に対応して分散して到来する放射線3も確実かつ正確に計測することができる。
【0127】
図5は、さらに、容器7の内部27に必要な部品33、特に電子部品が配置されていることも示している。特に好ましくは、センサバンド31が中心軸と部品33を取り囲んでいる。したがって、図5で選択された表現は、好ましくは中心軸を通る断面表現に対応し、センサバンド31は、特に画像平面から外れた方向で部品33を取り囲み、したがって光学的に隠している。
【0128】
図6は、センサ装置1、投薬容器37およびハンドリング装置39を備えるセンサシステム35を示している。ハンドリング装置39は、ここでは明示的に示されていないが、投薬容器37のハンドリングのために構成され設定されたハンドリングレセプタクルを有している。さらに、センサ装置1は、ハンドリングレセプタクルに収容してハンドリングすることができる。これにより、センサ装置1による非常に正確な放射線計測が可能になる。さらに、投薬容器37の放射線の被曝量を非常に正確に計測することができる。
【0129】
センサシステム35はまた、データ処理装置41を備える。データ処理装置41は、特に、受信装置43、特にアンテナによってセンサ素子5の計測結果を受信し、データ処理モジュール45で処理し、特に、全放射線、特に全放射線強度および/または全放射線量、ひいてはセンサ装置1および/または投薬容器37の放射線被曝量を決定するように構成されている。特に、データ処理装置がセンサ装置1の外部に構成されることにより、非常にコンパクトなセンサ装置1が実現される。
【0130】
センサ装置1とデータ処理装置41との間の通信のために、ここに示すセンサ装置1の第6の実施形態のセンサ装置1は、データ処理装置41の受信装置43との無線接続を確立し、それを介してデータを送信および/または受信するように構成および設定された送信装置47、特にアンテナを備えている。その結果、センサ装置1の容器7にはデータ処理装置が不要となり、内部27により多くのセンサ素子5を備えることができる。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
【国際調査報告】