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特表2024-538512無線通信システムの端末を地理的に配置するための2つの方法の間の協働
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  • 特表-無線通信システムの端末を地理的に配置するための2つの方法の間の協働 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-10-23
(54)【発明の名称】無線通信システムの端末を地理的に配置するための2つの方法の間の協働
(51)【国際特許分類】
   G01S 5/02 20100101AFI20241016BHJP
   H04W 64/00 20090101ALI20241016BHJP
   H04W 4/029 20180101ALI20241016BHJP
【FI】
G01S5/02 A
H04W64/00 173
H04W4/029
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024516486
(86)(22)【出願日】2022-09-22
(85)【翻訳文提出日】2024-03-13
(86)【国際出願番号】 EP2022076414
(87)【国際公開番号】W WO2023046852
(87)【国際公開日】2023-03-30
(31)【優先権主張番号】2110108
(32)【優先日】2021-09-24
(33)【優先権主張国・地域又は機関】FR
(81)【指定国・地域】
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.BLUETOOTH
(71)【出願人】
【識別番号】523231071
【氏名又は名称】ウナビズ
(74)【代理人】
【識別番号】100098394
【弁理士】
【氏名又は名称】山川 茂樹
(72)【発明者】
【氏名】イソン,オリヴィエ
(72)【発明者】
【氏名】マルティ,ルノー
【テーマコード(参考)】
5J062
5K067
【Fターム(参考)】
5J062AA08
5J062AA09
5J062BB05
5J062CC14
5J062CC18
5K067AA21
5K067DD20
5K067EE02
5K067EE16
5K067HH21
5K067JJ53
(57)【要約】
本発明は、無線通信システムのアクセスネットワークを用いて端末(20i)を地理的に配置するための方法(100)に関する。本発明は、第1の地理的配置方法および第2の地理的配置方法の間の協働だけではなく、端末(20)の動作モードの制御にも基づく。端末(20、20i)は、第1の動作モードで構成されたとき、アクセスネットワークが第1の地理的配置方法を使用して端末の位置を推定する(102)ことができるようにする。第1の地理的配置方法により推定した位置を使用して、第2の地理的配置方法の機械学習アルゴリズムを訓練する(103)。次いで、アルゴリズムを訓練すると、端末(20i)が第1の動作モードにない場合でさえ、この端末の地理位置を推定する(104)ことが可能になる。第1の地理的配置方法は、第2の地理的配置方法よりも正確であるが、より多くの資源および/または無線資源を端末(20)に必要とする。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
無線通信システム(10)の「注目する端末」(20i)と呼ばれる端末(20)を前記無線通信システム(10)のアクセスネットワーク(30)を用いて地理的に配置するための方法(100)であって、
-前記注目する端末(20i)が第1の動作モードに入る、および/または前記第1の動作モードから出るようにするための基準を決定するステップ(101)と、
-前記注目する端末(20i)から得られる、および場合によっては前記無線通信システム(10)の他の端末(20、20a)から得られる、前記アクセスネットワーク(30)が受信した複数のメッセージごとに、第1の地理的配置方法を使用して前記メッセージの起点にある前記端末の地理位置を推定するステップ(102)であって、前記複数のメッセージの各メッセージは、第1のタイプであり、前記メッセージの前記起点にある前記端末が前記第1の動作モードにあるときに伝送されるステップ(102)と、
-前記第1のタイプのメッセージ、および前記第1の地理的配置方法を使用して推定した関連づけられた地理位置から第2の地理的配置方法の機械学習アルゴリズムを訓練するステップ(103)であって、前記機械学習アルゴリズムは、メッセージのシグネチャを地理位置と関連づけるように訓練され、前記シグネチャは、前記アクセスネットワーク(30)の複数の基地局(31)ごとに、端末が前記第1の動作モードにないときに前記端末が伝送した第2のタイプのメッセージから前記端末の前記地理位置を推定できるために、前記基地局(31)が前記メッセージを受信したことに関連する特徴を含むステップ(103)と、
-前記第2の地理的配置方法の前記機械学習アルゴリズムを訓練すると、前記注目する端末(20i)が伝送した前記第2のタイプのメッセージから前記第2の地理的配置方法を使用して、前記注目する端末(20i)の前記地理位置を推定するステップ(104)と
を備える方法(100)。
【請求項2】
前記第1のタイプのメッセージが運ぶデータは、前記第1の地理的配置方法が使用する情報を符号化する、請求項1に記載の方法(100)。
【請求項3】
前記パラメータは、前記第1のタイプのメッセージを伝送する前記起点にある前記端末(20a)が検出した伝送装置(40)の識別子の少なくとも一部である、請求項2に記載の方法(100)。
【請求項4】
前記第2の地理的配置方法は、前記第2のタイプのメッセージが運ぶデータの中に符号化されたどの情報も使用しない、請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の方法(100)。
【請求項5】
前記基地局(31)が前記メッセージを受信したことに関連する前記特徴は、前記基地局(31)が前記メッセージを受信した信号強度インジケータである、請求項1から請求項4のいずれか一項に記載の方法(100)。
【請求項6】
前記第2のタイプのメッセージの伝送は、前記注目する端末(20i)に前記第1のタイプのメッセージの伝送よりも少ない無線資源および/または少ない電気エネルギーを必要とする、請求項1から請求項5のいずれか一項に記載の方法(100)。
【請求項7】
前記基準は、事前に規定された期間に応じて前記注目する端末(20i)が前記第1の動作モードに入る、および/または前記第1の動作モードから出るようにするために、前記注目する端末(20i)が記憶する構成により規定される、請求項1から請求項6のいずれか一項に記載の方法(100)。
【請求項8】
前記注目する端末(20i)が前記第1の動作モードに入る、および/または前記第1の動作モードから出るようにするための前記基準は、前記注目する端末(20i)のセンサが提供する指示に依存する、請求項1から請求項6のいずれか一項に記載の方法(100)。
【請求項9】
前記指示は、
-前記注目する端末(20i)の移動段階の開始もしくは終了、および/または
-前記センサが得た測定値が、事前に規定されたしきい値よりも大きいもしくは小さいという事実によりトリガされた警報、および/または
-前記第1のタイプのメッセージを形成できないことの検出
に関係する、請求項8に記載の方法(100)。
【請求項10】
前記注目する端末(20i)が前記第1の動作モードに入る、および/または前記第1の動作モードから出るようにするための前記基準は、前記アクセスネットワーク(30)により規定され、前記アクセスネットワーク(30)によりダウンリンク上で、前記注目する端末(20i)に構成メッセージで送信される、請求項1から請求項9のいずれか一項に記載の方法(100)。
【請求項11】
コンピュータ可読記憶媒体であって、コンピュータにより実行されたとき、請求項1から請求項10のいずれか一項に記載の方法(100)のステップを前記コンピュータに実装させる命令を備えるコンピュータ可読記憶媒体。
【請求項12】
無線通信システム(10)のアクセスネットワーク(30)のサーバ(32)であって、
-注目する端末(20i)から得られる、および場合によっては前記無線通信システム(10)の1つまたは複数の他の端末(20、20a)から得られる、前記アクセスネットワーク(30)が受信した複数のメッセージごとに、第1の地理的配置方法を用いてメッセージの起点にある前記端末の地理位置を推定し、前記複数のメッセージの各メッセージは、第1のタイプであり、前記メッセージの前記起点にある前記端末が第1の動作モードにあるときに伝送され、
-前記第1のタイプのメッセージ、および前記第1の地理的配置方法を使用して推定した関連づけられた地理位置から第2の地理的配置方法の機械学習アルゴリズムを訓練し、前記機械学習アルゴリズムは、メッセージのシグネチャを地理位置と関連づけるように訓練され、前記シグネチャは、前記アクセスネットワーク(30)の複数の基地局(31)ごとに、端末が前記第1の動作モードにないときに前記端末が伝送した第2のタイプのメッセージから前記端末の前記地理位置を推定できるために、前記基地局(31)が前記メッセージを受信したことに関連する特徴を含み、
-前記注目する端末(20i)が前記第1の動作モードに入る、および/または前記第1の動作モードから出るようにするための基準を決定し、
-このように決定された前記基準に応じて、前記注目する端末(20i)が前記第1の動作モードに入る、および/または前記第1の動作モードから出るようにするために、前記注目する端末(20i)に構成メッセージを送信し、
-前記第2の地理的配置方法の前記機械学習アルゴリズムを訓練すると、前記注目する端末(20i)が伝送した前記第2のタイプのメッセージから前記第2の地理的配置方法を使用して、前記注目する端末(20i)の地理位置を推定する
ように構成されたサーバ(32)。
【請求項13】
前記第1のタイプのメッセージが運ぶデータは、前記第1の地理的配置方法が使用する情報を符号化する、請求項12に記載のサーバ(32)。
【請求項14】
前記パラメータは、前記第1のタイプのメッセージを伝送する前記起点にある前記端末(20a)が検出した伝送装置の識別子である、請求項13に記載のサーバ(32)。
【請求項15】
前記第1の地理的配置方法は、前記第2のタイプのメッセージが運ぶデータの中に符号化されたどの情報も使用しない、請求項12から請求項14のいずれか一項に記載のサーバ(32)。
【請求項16】
基地局(31)がメッセージを受信したことに関連する前記特徴は、前記基地局(31)が前記メッセージを受信した信号強度インジケータである、請求項15に記載のサーバ(32)。
【請求項17】
前記注目する端末(20i)が前記第1の動作モードに入る、および/または前記第1の動作モードから出るようにするための前記基準は、事前に規定された学習期間に応じて、または前記注目する端末(20i)を地理的に配置するための緊急度に応じて、または前記第2の地理的配置方法により前記注目する端末(20i)を地理的に配置する品質水準を推定することに応じて決定される、請求項12から請求項16のいずれか一項に記載のサーバ(32)。
【請求項18】
アクセスネットワーク(30)であって、請求項12から請求項17のいずれか一項に記載のサーバ(32)を含むアクセスネットワーク(30)。
【請求項19】
低電力広域ネットワークである、請求項18に記載のアクセスネットワーク(30)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、無線通信システムの端末を地理的に配置する分野に属する。本発明は、IoT(Internet of Things)、またはM2M(Machine-to-Machine)のタイプの接続された対象物の地理的配置に、特に満足のいくように適用される。
【背景技術】
【0002】
現在、無線通信システムのアクセスネットワークで端末の地理位置を得るための解決手段が多く存在する。
【0003】
たとえば、端末は、自身の地理位置を自分が決定できるようにするGPS(Global Positioning System、全地球測位システム)受信機を埋め込んでよい。端末はこの場合、無線通信システムのアクセスネットワークにこの地理位置を示すメッセージを伝送できる。衛星による地理的配置は、特に正確であるが、複数の欠点により、詳細には対象物の中にGPS受信機を一体化して使用することに伴う費用および電力消費により影響を受ける。その上、端末の地理位置を含むメッセージをアクセスネットワークに伝送することはまた、端末の電力消費に悪い影響を与える。これは、端末が伝送するメッセージが、処理能力および電力消費をかなり制約するためにできるだけ短くなければならないIoTまたはM2Mのタイプの通信システムに特に当てはまる。それに加えて、衛星を用いるGPSタイプの地理的配置方法は、閉鎖地域または覆われた地域(たとえば、格納庫、建築物、または密林地域)で比較的低い応答比を有することが知られている。「応答比」は、位置を決定しようと試みた回数に対する、位置を効果的に決定できた回数の比を意味する。
【0004】
伝送装置(たとえば、Wi-FiまたはBluetoothのアクセスポイント)の識別子と伝送装置の地理位置の間を関連づけるデータベースに基づく地理的配置方法もまた存在する。そのような方法では、端末は、伝送装置の識別子を検出する(識別子は、たとえば、伝送装置がビーコン信号上で伝送するメッセージに含まれる)。端末は次いで、検出した識別子をアクセスネットワークに伝送できる。アクセスネットワークはその後、伝送装置の識別子と伝送装置のそれぞれの地理位置の間を関連づけるテーブルを有するデータベースを含む、地理位置情報サーバに照会できる。地理位置情報サーバは次いで、前記伝送装置と関連づけられた地理位置を決定でき、次いでこの情報をアクセスネットワークに送信できる。伝送装置の地理位置は、端末の推定地理位置に対応する。端末の地理位置は場合によっては、端末がビーコン信号を受信した信号強度インジケータに応じて改良されてよい。さらにまた、端末が識別子を検出した複数の隣接する伝送装置の地理位置に応じて、端末の地理位置を推定可能である。それにもかかわらず、これらの地理的配置方法は、この場合もまたビーコン信号をリッスンして、検出された隣接する伝送装置の識別子を伝送するために、端末の電力消費をかなり伴う。その上、これらの方法では、一般に人口および/または経済活動の密度が低い地域で応答比が比較的低い。
【0005】
アクセスネットワークで端末の地理位置を、前記端末が伝送しアクセスネットワークの1つまたは複数の基地局が受信したメッセージに応じて推定することもまた公知である。そのように準備することにより詳細には、端末側でエネルギーを節約し端末を簡素化することにより、端末の費用を低減できるようになる(実際は、端末にGPS受信機、またはWi-FiもしくはBluetoothのモジュールを、もはや一体化する必要がない)。
【0006】
たとえば、原理上地理位置が既知である複数の基地局が同じメッセージを受信したとき、前記端末の地理位置は、基地局の各々でメッセージの受信信号強度インジケータ(Received Signal Strength Indicator、RSSI)を比較することにより推定されてよい。それにもかかわらず(障害物、多重トリップなどの)多くのパラメータは、基地局によるメッセージの受信信号強度インジケータに影響を与え、その結果、このように推定された端末の地理位置は、常に非常に正確であるわけではない。
【0007】
端末の地理位置はまた、さまざまな基地局に関するメッセージの到達時間(Time of Arrival、TOA)および/または到来周波数(Frequency of Arrival、FOA)を比較することにより推定できる。それにもかかわらず、この推定は、時間および/または周波数で基地局を互いに同期させることを伴い、地理位置を推定する精度は、基地局の同期精度に依存する。IoTおよび/またはM2Mのタイプの用途では、基地局を互いに正確に同期させることを実現することは、これによりアクセスネットワークを製造する複雑さおよび費用が増大するので、一般に望ましくない。
【0008】
他の地理的配置方法は、機械学習技法に基づく。具体的には、この方法は、較正段階の間に、システムの1組の基地局に関して、既知の位置にある端末に関して測定したRSSIのすべてに対応する無線シグネチャ(radio signature)を既知の地理位置と関連づけるデータベースを構築することを伴う。その後、探索段階の間、最も類似する1つまたは複数のシグネチャに対応する、1つまたは複数の位置から端末の位置を推定するために、既知の位置に配置された端末に関して観測された無線シグネチャを、データベースのシグネチャのすべてと比較する。それにもかかわらず、これらの方法は、一般に地理的配置の精度が不足していることにより影響を受け、詳細には範囲に含まれる地理的地域が広大である場合、複雑さ(能力および計算時間)に関してかなり大きな制約がある。その上、較正段階を定期的に行ってデータベースを最新に保つ必要がある。
【0009】
特許出願である米国特許出願公開第2022/053285(A1)号明細書、米国特許出願公開第2018/279251(A1)号明細書、および米国特許出願公開第2018/372854(A1)号明細書はそれぞれ、無線シグネチャから地理位置を決定するために、機械学習に基づく地理的配置方法を使用することについて記述している。これらの文献はまた、この地理的配置方法を使用するには、別の地理的配置方法を使用する較正段階が必要であると記述している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0010】
【特許文献1】米国特許出願公開第2022/053285(A1)号明細書
【特許文献2】米国特許出願公開第2018/279251(A1)号明細書
【特許文献3】米国特許出願公開第2018/372854(A1)号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
本発明の目的は、互いに異なる有利な点および欠点を有する2つの異なる地理的配置方法を協働させる解決手段を提案することにより、従来技術の欠点のすべてまたは一部を、詳細には上記で開示する欠点を除くことである。
【課題を解決するための手段】
【0012】
この目的を達成するために、第1の様態によれは、本発明は、無線通信システムのアクセスネットワークを伴う前記無線通信システムの、「注目する端末」と呼ばれる端末を地理的に配置するための方法を提案する。前記方法は、
-注目する端末が第1の動作モードに入る、および/または第1の動作モードから出るようにするための基準を決定するステップと、
-注目する端末から得られる、および場合によっては無線通信システムの他の端末から得られる、アクセスネットワークが受信した複数のメッセージごとに、第1の地理的配置方法を用いてメッセージの起点にある端末の地理位置を推定するステップであって、前記複数のメッセージの各メッセージは、第1のタイプであり、メッセージの起点にある端末が第1の動作モードにあるときに伝送されるステップと、
-第1のタイプのメッセージ、および第1の地理的配置方法を使用して推定した関連づけられた地理位置から、第2の地理的配置方法の機械学習アルゴリズムを訓練するステップであって、前記機械学習アルゴリズムは、端末が第1の動作モードにないときに端末が伝送した第2のタイプのメッセージから端末の地理位置を推定するように訓練されるステップと、
-第2の地理的配置方法の機械学習アルゴリズムを訓練すると、注目する端末が伝送した第2のタイプのメッセージから第2の地理的配置方法を使用して、注目する端末の地理位置を推定するステップと
を備える。
【0013】
本発明は、第1の地理的配置方法と第2の地理的配置方法の間の協働だけではなく、端末の動作モードの制御にも基づく。端末は、第1の動作モードで構成されたとき、アクセスネットワークが第1の地理的配置方法を使用して端末の位置を推定できるようにする。第1の地理的配置方法は、詳細には、地理位置情報サーバを使用して、端末が検出した1つまたは複数の隣接する伝送装置(たとえば、Wi-FiまたはBluetoothのアクセスポイント)の地理位置を決定することに基づいてよい。それにもかかわらず、第1の地理的配置方法として他の地理的配置方法を実装してよい。たとえば、端末の地理位置は、衛星測位システムの受信機を使用して端末により決定され、次いでアクセスネットワークに伝送されてよい。別の例によれば、端末は、アクセスネットワークが端末の位置を推定できるようにするために、1つまたは複数のセンサ(加速度計、ジャイロスコープ、磁力計、高度計、温度または圧力のセンサなど)を使用して端末が得た測定値をアクセスネットワークに伝送してよい。さらに別の例によれば、端末は、端末が受信した無線信号の到達時間および/または到来周波数をアクセスネットワークに明示的に伝送してよい(端末が得た測定値を用いるTOAおよび/またはFOAに基づく地理的配置方法)。
【0014】
第1の地理的配置方法により推定した位置を使用して、第2の地理的配置方法の機械学習アルゴリズムを訓練する。次いで、アルゴリズムを訓練すると、端末が第1の動作モードにない場合でさえ、この端末の地理位置を推定可能になる。
【0015】
第1の地理的配置方法は、一般に、第2の地理的配置方法よりも正確である。しかしながら、第1の地理的配置方法は、一般に、より高い電力消費を端末に必要とする。第2の地理的配置方法は、実際は地理位置を推定することが望まれる端末から得られる、任意の受信メッセージと関連づけられたメタデータに基づいてよい。これらのメタデータは、メッセージのシグネチャを形成する。シグネチャは、たとえば、アクセスネットワークの複数の基地局ごとに、前記基地局が前記メッセージを受信したことに関係する特徴(たとえば、基地局がメッセージを受信した信号強度インジケータ)を含む。シグネチャは、たとえば、さまざまな基地局に接続されたアクセスネットワークのサーバにより決定される。この場合、第2の地理的配置方法のために端末は、地理的配置に特有な特定の動作をまったく必要としない(第2の地理的配置方法が基づくメッセージは、詳細には端末を地理的に配置する目的以外の目的で送信されていてよく、端末を地理的に配置するという主要な目的を有しない通常のメッセージを送信するという事実は、地理的配置に特有な動作と考えられない)。端末が伝送した単一メッセージは、複数の基地局により受信されてよく、これにより、メッセージのシグネチャを形成することが可能になる。
【0016】
地理的配置の精度と電力消費の間の妥協点は、2つの地理的配置方法の一方または他方が好まれるように考慮されてよい唯一の妥協点では必ずしもないことに留意されたい。たとえば、応答比、無線資源の使用量などのような他の基準を考慮してよい。
【0017】
注目する端末が第1の動作モードに入る、および/また注目する端末が第1の動作モードから出るようにするための基準は、注目する端末の正確な位置が必要とされるかどうかに応じて、または注目する端末の近似位置で十分であるかどうかに応じて、注目する端末の電力消費を低減する必要性に従って、第1の地理的配置方法を使用できるかできないかに従って、第2の地理的配置方法の機械学習アルゴリズムを訓練する必要があるかないかに従って、端末が動いているかどうかに応じてなどにより規定されてよい。
【0018】
特定の実装形態では、本発明は、単体で、または任意の技術的に可能な組合せに従って取り上げる、以下の特徴の1つまたは複数をさらに含んでよい。
【0019】
特定の実装形態では、第1のタイプのメッセージは、第1の地理的配置方法が使用するパラメータを明示的に包含する。
【0020】
これは、たとえば、メッセージが、メッセージにより運ばれるデータを符号化する1組のビットを含み、前記ビットの少なくとも一部が第1の地理的配置方法が使用するパラメータを符号化すること意味する。換言すれば、これは、メッセージが端末の地理位置の決定に寄与するメッセージのデータの中に、符号化された情報の少なくとも一項目を含むことを意味する。
【0021】
それにもかかわらず、第1の地理的配置方法は、たとえば、さまざまな基地局に関するメッセージの到達時間および/または到来周波数をアクセスネットワークが測定することに基づく場合、明示的パラメータを必要としなくてよいことに留意されたい。
【0022】
特定の実装形態では、パラメータは、第1のタイプのメッセージを伝送する起点にある端末が検出した、伝送装置の識別子の少なくとも一部である。
【0023】
伝送装置は、たとえばWi-FiもしくはBluetoothのアクセスポイントに、またはRFID(Radio Frequency Identification、無線周波数識別)タグに対応する。
【0024】
一変形形態では、パラメータはまた、GPSタイプの衛星測位システムの受信機を使用して端末が決定した地理位置に対応してよい。別の変形形態によれば、パラメータはまた、端末の1つまたは複数のセンサが得た測定値を使用して推定した地理位置に対応してよい。さらに別の変形形態によれば、パラメータはまた、1つまたは複数のセンサ(加速度計、ジャイロスコープ、磁力計、高度計、温度または圧力のセンサなど)を使用して端末が得た1組の測定値に対応してよい。パラメータはまた、端末が受信した無線信号の到達時間、到来方向および/または到来周波数に対応してよい(端末が得た測定値を用いるTOAおよび/またはFOAに基づく地理的配置方法)。
【0025】
特定の実装形態では、第2のタイプのメッセージは、第2の地理的配置方法が使用するパラメータを明示的に包含するわけではない。換言すれば、これは、第2の地理的配置方法が、第2のタイプのメッセージが運ぶデータの中に符号化されたどの情報も使用しないことを意味する。
【0026】
特定の実装形態では、機械学習アルゴリズムを訓練して、メッセージのシグネチャを地理位置と関連づける。シグネチャは、アクセスネットワークの複数の基地局ごとに、前記基地局が前記メッセージを受信したことに関係する特徴を含む。
【0027】
特定の実装形態では、基地局がメッセージを受信したことに関係する特徴は、前記基地局が前記メッセージを受信した信号強度インジケータの測定値である。
【0028】
特定の実装形態では、第2のタイプのメッセージを伝送するには、注目する端末に、第1のタイプのメッセージを伝送するよりも少ない無線資源および/または少ない電気エネルギーを必要とする。
【0029】
特定の実装形態では、基準は、事前に規定された期間に応じて、注目する端末が第1の動作モードに入る、および/または第1の動作モードから出るようにするために、注目する端末が記憶する構成により規定される。
【0030】
特定の実装形態では、注目する端末が第1の動作モードに入る、および/または第1の動作モードから出るようにするための基準は、注目する端末のセンサが提供する指示に依存する。
【0031】
特定の実装形態では、指示は、
-注目する端末の移動段階の開始もしくは終了、および/または
-センサにより得た測定値が、事前に規定されたしきい値よりも大きいもしくは小さいという事実によりトリガされた警報、および/または
-第1のタイプのメッセージを形成できないことの検出
に関係する。
【0032】
特定の実装形態では、注目する端末が第1の動作モードに入る、および/または第1の動作モードから出るようにするための基準は、アクセスネットワークにより規定され、アクセスネットワークによりダウンリンク上で、注目する端末に構成メッセージで送信される。
【0033】
構成メッセージにより、たとえば、注目する端末は、アクセスネットワークがプログラムした学習期間の間に第1の動作モードに入るようにすることが可能になる。別の例によれば、構成メッセージにより、注目する端末は、自身の位置を正確に知りたいと望むときに第1の動作モードに入るようにすることが可能になる。さらに別の例によれば、構成メッセージは、第2の地理的配置方法などにより前記端末を地理的に配置する品質水準を推定することに応じて、注目する端末に伝送されてよい。
【0034】
構成メッセージは、ユニキャスト接続またはブロードキャスト接続により送信されてよい。ブロードキャストは、特定の地理的地域に固有であってよい。
【0035】
第2の様態によれば、本発明は、コンピュータにより実行されたとき、前述の実装形態のいずれか1つによる方法のステップをコンピュータに実装させる命令を備える、コンピュータ可読記録媒体に関する。
【0036】
第3の様態によれば、本発明は、無線通信システムのアクセスネットワークのサーバに関する。前記サーバは、
-注目する端末から得られる、および場合によっては無線通信システムの1つまたは複数の他の端末から得られる、アクセスネットワークが受信した複数のメッセージごとに、第1の地理的配置方法を用いてメッセージの起点にある端末の地理位置を推定し、前記複数のメッセージの各メッセージは、第1のタイプであり、メッセージの起点にある端末が第1の動作モードにあるときに伝送され、
-第1のタイプのメッセージ、および第1の地理的配置方法を使用して推定した関連づけられた地理位置から、第2の地理的配置方法の機械学習アルゴリズムを訓練し、前記機械学習アルゴリズムは、端末が第1の動作モードにないときに端末が伝送した第2のタイプのメッセージから端末の地理位置を推定するように訓練され、
-注目する端末が第1の動作モードに入る、および/または第1の動作モードから出るようにするための基準を決定し、
-このように決定された基準に応じて前記注目する端末が第1の動作モードに入る、および/または第1の動作モードから出るようにするために、前記注目する端末に構成メッセージを送信し、
-第2の地理的配置方法の機械学習アルゴリズムを訓練すると、注目する端末が伝送した第2のタイプのメッセージから第2の地理的配置方法を使用して、注目する端末の地理位置を推定する
ように構成される。
【0037】
特定の実施形態では、本発明は、単体で、または任意の技術的に可能な組合せに従って取り上げる、以下の特徴の1つまたは複数をさらに含んでよい。
【0038】
特定の実施形態では、第1のタイプのメッセージは、第1の地理的配置方法が使用するパラメータを明示的に包含する。
【0039】
特定の実施形態では、パラメータは、第1のタイプのメッセージを伝送する起点にある端末が検出した伝送装置の識別子である。
【0040】
特定の実施形態では、第2のタイプのメッセージは、第2の地理的配置方法が使用するパラメータを明示的に包含するわけではない。
【0041】
特定の実施形態では、機械学習アルゴリズムを訓練して、メッセージのシグネチャを地理位置と関連づけ、前記シグネチャは、アクセスネットワークの複数の基地局ごとに、前記基地局が前記メッセージを受信することに関係する特徴を含む。
【0042】
特定の実装形態では、基地局がメッセージを受信したことに関係する前記特徴は、前記基地局が前記メッセージを受信した信号強度インジケータの測定値である。
【0043】
特定の実施形態では、注目する端末が第1の動作モードに入る、および/または第1の動作モードから出るようにするための基準は、事前に規定された学習期間に応じて、または注目する端末を地理的に配置するための緊急度に応じて、または第2の地理的配置方法により、前記注目する端末を地理的に配置する品質水準を推定することに応じて、決定される。
【0044】
第4の様態によれば、本発明は、前述の実施形態のうちいずれか1つによるサーバを含む、アクセスネットワークに関する。
【0045】
特定の実施形態では、アクセスネットワークは、低電力広域ネットワークである。
【0046】
第5の様態によれば、本発明は、
-第1の動作モードに入る、および/または第1の動作モードから出るための基準を決定し、
-端末が第1の動作モードにあるときだけ、第1の地理的配置方法を使用して端末を地理的に配置するためにアクセスネットワークが使用することを意図するパラメータを明示的に包含する第1のタイプのメッセージをアクセスネットワークに伝送し、
-端末が第1の動作モードにないとき、第2の地理的配置方法を使用して端末を地理的に配置するためにアクセスネットワークが使用できる第2のタイプのメッセージをアクセスネットワークに伝送し、第2のタイプのメッセージを伝送するには、第1のタイプのメッセージを伝送するよりも少ない無線資源および/または少ない電気エネルギーを必要とする
ように構成された、無線通信システムの端末に関する。
【0047】
本発明は、図1図3を参照して、限定しない例として示す以下の記述を読むと、より良く理解されるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0048】
図1】無線通信システムの実施形態の例の略図である。
図2】端末の実施形態の例の略図である。
図3】端末を地理的に配置するための方法の一実装形態の主要なステップの略図である。
【発明を実施するための形態】
【0049】
これらの図では、図ごとの同一参照番号は、同一または類似の要素を指定する。明確にするために、図示する要素は、特に指定のないかぎり同じ縮尺ではない。
【0050】
図1は、端末20と、複数の基地局31を含むアクセスネットワーク30とを含む無線通信システム10を概略的に表す。
【0051】
端末20は、アップリンク上でメッセージをアクセスネットワーク30に伝送するように適合される。各基地局31は、端末20が各基地局31の有効距離の範囲内にあるときに、前記端末20からメッセージを受信するように適合される。慣習的に、端末20が伝送するメッセージは、端末20の識別子を含む。基地局31が受信した各メッセージは、たとえば、場合によっては各メッセージを受信した基地局31の識別子、受信したメッセージの受信信号強度インジケータ、前記メッセージの到達時間、メッセージを受信した周波数などのような他の情報と共に、アクセスネットワーク30のサーバ32に伝送される。サーバ32は、たとえば、さまざまな基地局31から受信したメッセージのすべてを処理する。
【0052】
無線通信システム10は、片方向であってよい、すなわち、端末20からアクセスネットワーク30に至るアップリンク上でメッセージを交換可能にするだけである。しかしながら、他の例によれば、双方向交換の可能性を妨げるものは何もない。適用可能であれば、アクセスネットワーク30はまた、基地局31を用いて、メッセージを受信するように適合された端末20に至るダウンリンク上でメッセージを伝送するように適合される。
【0053】
アクセスネットワーク30に至るアップリンク上のメッセージ交換は、第1の無線通信プロトコルを使用する。
【0054】
特定の実施形態では、第1の無線通信プロトコルは、低電力広域ネットワーク(Low Power Wide Area Network、LPWAN)通信プロトコルである。そのような無線通信システムは、電力消費が少なく(たとえば、メッセージの伝送中または受信中の電力消費は、100mW未満、またはさらには50mW未満、またはさらには25mW未満である)、処理能力が一般に1Mビット/秒よりも低く、有効距離が長い(1キロメートルよりも長い、さらには10キロメートル程度よりも長い)アクセスネットワークである。そのような無線通信システムは、詳細には、IoTまたはM2Mのタイプの用途に適合される。
【0055】
IoTまたはM2Mのタイプの通信システムでは、データ交換は、正確に言えば端末20から無線通信システム10のアクセスネットワーク30に至るアップリンク上で、本質的に単方向である。端末20が伝送するメッセージを失う危険性を最小にするために、アクセスネットワークの計画は多くの場合、端末20が伝送したメッセージを複数の基地局31が受信してよいような方法で、所与の地理的地域が複数の基地局31により同時に範囲に含まれるように遂行される。
【0056】
本明細書の残りの部分では、限定しない例として、第1の無線通信プロトコルは、超狭帯域低電力広域ネットワーク通信プロトコルであると考えられる。「超狭帯域」(Ultra Narrow Band、UNB)は、端末が伝送する無線信号の瞬時周波数スペクトルが、2キロヘルツ未満またはさらには1キロヘルツ未満の周波数幅であることを意味する。
【0057】
端末20はまた、前記端末20の近傍にある少なくとも1つの伝送装置40が伝送するメッセージを受信するように適合される。伝送装置40が伝送するメッセージは、第1の無線通信プロトコルと異なる第2の無線通信プロトコルを使用する。伝送装置40は、無線通信システム10とは完全に独立していてよく、第1の無線通信プロトコルをサポートする必要がないことに留意されたい。
【0058】
図1で考察し示す例では、端末20aは、自身がメッセージを受信できる2つの伝送装置40の近くにある。端末20iは、自身がメッセージを受信する別の伝送装置40の近くにある。
【0059】
特定の実施形態では、第2の無線通信プロトコルは、第1の無線通信プロトコルの有効距離よりも短い有効距離を有する。しかしながら、他の例によれば、有効距離が第1の無線通信プロトコルよりも短い第2の無線通信プロトコルを有することもまた可能であることに留意されたい。
【0060】
第2の無線通信プロトコルは、たとえばWi-Fiタイプ(IEEE 802.11規格)などの、たとえば無線ローカル・エリア・ネットワーク(Wireless Local Area Network、WLAN)通信プロトコル、または、さらに、たとえばBluetoothもしくはBLE(Bluetooth Low Energy)のタイプなどの無線パーソナル・エリア・ネットワーク(Wireless Personal Area Network、WPAN)通信プロトコルである。さらに別の例によれば、第2の無線通信プロトコルは、たとえばNFC(Near Field Communication、近距離無線通信)技術またはRFID(Radio Frequency Identification)技術に基づく短距離通信プロトコルであってよい。
【0061】
地理位置情報サーバ50は、伝送装置40の識別子を記憶するテーブルを含む、「地理位置情報データベース」と呼ばれるデータベースを含む。各伝送装置40の識別子は、伝送装置40の地理位置を表す位置情報の少なくとも1つの項目とテーブル内で関連づけられる。
【0062】
伝送装置40の識別子は、たとえば伝送装置40のMAC(Media Access Control、媒体アクセス制御)アドレスに対応する。それにもかかわらず、たとえばWi-FiアクセスポイントのSSID(Service Set Identifier)またはBSSID(Base Service Set Identifier)、BluetoothまたはBLEのアクセスポイントの識別子、RFIDタグの識別子などのような他のパラメータが、伝送装置40に関する識別子の役割を果たしてよい。
【0063】
位置情報は、直接に伝送装置40の地理位置の座標(経度、緯度、および場合によっては高度)であってよい。それにもかかわらず、位置情報はまた、たとえば郵便宛先、店舗名、地区、区域、または国名などのような、伝送装置40の地理位置を推定できるようにする文脈上の情報であってよい。
【0064】
地理位置情報サーバ50は、たとえば、インターネット接続によりアクセスネットワーク30のサーバ32に接続される。
【0065】
図2は、端末20の実施形態の例を概略的に示す。
【0066】
図2に例示するように、端末20は、第1の無線通信プロトコルに従って基地局31とメッセージを交換するように適合された、第1の通信モジュール21を含む。第1の通信モジュール21は、たとえば設備(アンテナ、増幅器、局部発振器、ミキサ、アナログフィルタなど)を含む無線回路の形をとる。
【0067】
端末20はまた、第2の無線通信プロトコルに従って、注目する伝送装置40が伝送するメッセージを受信するように適合された、第2の通信モジュール22を含む。第2の通信モジュール22は、たとえば設備(アンテナ、増幅器、局部発振器、ミキサ、アナログフィルタなど)を含む無線回路の形をとる。
【0068】
その上、端末20はまた、第1の通信モジュール21および第2の通信モジュール22に接続された処理回路23を含む。処理回路23は、たとえば、1つまたは複数の処理ユニットと、端末を地理的に配置するための方法のステップのすべてまたは一部を実装するために実行すべき1組のプログラム命令の形でコンピュータプログラム製品を記憶する記憶手段(磁気ハードドライブ、電子メモリ、光ディスクなど)とを含む(地理的配置方法については、引き続き図3を参照して詳述する)。
【0069】
アクセスネットワーク30のサーバ32はまた、1つまたは複数の処理ユニットと、端末を地理的に配置するための方法のステップのすべてまたは一部を実装するために実行すべき1組のプログラムコード命令の形でコンピュータプログラム製品を記憶する記憶手段とを含む。
【0070】
アクセスネットワーク30のサーバ32は、詳細には注目する端末20iを地理的に配置するための第1の方法を実装するように構成される。この第1の地理的配置方法では、注目する端末20iは、少なくとも1つの隣接する伝送装置40に関して、伝送装置40の識別子を検出する(識別子は、たとえば、注目する端末20iが受信するビーコン信号上で伝送装置40が伝送するメッセージに含まれる)。注目する端末20iは次いで、検出した識別子をアクセスネットワーク30のサーバ32に伝送できる。サーバ32は次いで、地理位置情報サーバ50に照会できる。地理位置情報サーバ50は次いで、前記伝送装置40と関連づけられた地理位置を決定でき、次いでこの情報をアクセスネットワーク30のサーバ32に送信できる。伝送装置40の地理位置は、注目する端末20iの推定地理位置に対応する。端末の地理位置は、場合によっては、注目する端末20iがビーコン信号を受信した信号強度インジケータに応じて改良されてよい。
【0071】
さらにまた、この第1の地理的配置方法では、端末が識別子を受信した複数の隣接する伝送装置40の地理位置に応じて端末の地理位置を推定可能である。これは、たとえば図1に示す例の端末20aに当てはまる。
【0072】
第1の地理的配置方法は、注目する端末20i、および場合によっては無線通信システム10の1つまたは複数の他の端末20、20aが伝送した、1つまたは複数の伝送装置40の識別子を含むさまざまなメッセージに関して繰り返すことができる。
【0073】
端末20は、第1の動作モードに入るように、および/または第1の動作モードから出るように構成されてよい。端末20は、第1の動作モードにあるとき、1つまたは複数の隣接する伝送装置40の識別子を検出して、1つまたは複数のメッセージでアクセスネットワーク30に伝送するように構成される。
【0074】
端末20がアクセスネットワーク30に送信した、前記端末20が検出した伝送装置40の少なくとも一部を含むメッセージは、第1のタイプのメッセージである。したがって、考察する例では、第1のタイプのメッセージは、第1の地理的配置方法が使用するパラメータを明示的に包含する。この明示的パラメータは、伝送装置40の識別子の少なくとも一部に対応する。この明示的パラメータは、たとえば1組のビットで符号化される。端末20が第1のタイプのメッセージを伝送することは、端末の電力消費および無線通信システム10の(スペクトル領域および/または時間領域での)無線資源の使用量に悪い影響を及ぼす。その上、端末20は、第1の動作モードにあるとき、検出した伝送装置40のビーコン信号をリッスンするために電気エネルギーを消費する。
【0075】
アクセスネットワーク30のサーバ32はまた、注目する端末20iを地理的に配置するための第2の方法を実装するように構成される。この第2の地理的配置方法は、注目する端末20iが伝送したメッセージから、ならびに第1のタイプのメッセージから構築された基準データベース、および第1の地理的配置方法を使用して推定した関連づけられた地理位置から、前記注目する端末20iの地理位置を推定するように訓練された機械学習アルゴリズムに基づく。
【0076】
基準データベースは、たとえば、第1の地理的配置方法を使用して推定した各地理位置と、アクセスネットワーク30のさまざまな基地局31が第1のタイプのメッセージを受信したさまざまな信号強度インジケータに対応する無線シグネチャを関連づける。
【0077】
機械学習アルゴリズムを訓練すると、第2の地理的配置方法を使用して、注目する端末20iの地理位置を推定可能になる。このために、注目する端末が伝送したメッセージから注目する無線シグネチャを決定する。その後、注目する無線シグネチャを基準データベースのシグネチャすべてと比較する。次いで、注目する無線シグネチャに最も類似する基準データベースの1つまたは複数のシグネチャに対応する1つまたは複数の位置から、注目する端末20iの地理位置を推定できる。
【0078】
第2の地理的配置方法の精度は、詳細には、範囲に含まれる地理的地域が広大である場合、および/または基準データベース内のデータ量が十分に多くない場合、一般に第1の地理的配置方法よりも低い精度である(それにもかかわらず、上記で示すように、本発明はまた、第2の方法の地理的配置方法が第1の地理的配置方法の精度と同じでしかない、またはそれよりもさらによい場合に適用されてよいことに留意されたい)。
【0079】
それにもかかわらず、第2の地理的配置方法には、注目する端末20iが伝送する任意のタイプのメッセージを使用して、注目する端末20iの位置を推定できるという有利な点がある。詳細には、このメッセージは、第2の地理的配置方法が使用するパラメータを明示的に包含する必要がない。実際は、考察する例では、第2の地理的配置方法は、メッセージに包含される情報の明示的項目ではなく、アクセスネットワーク30の基地局31がメッセージを受信した信号強度インジケータに基づく。この場合、注目する端末20iは、第2の地理的配置方法のために地理的配置に特有などんな特定の動作も必要としない(第2の地理的配置方法が基づくメッセージは、詳細には端末を地理的に配置する目的と異なる目的で送信されていてよい)。したがって、注目する端末20iの位置を推定するために、第2の地理的配置方法は、注目する端末20iが第1の動作モードにないときに伝送する第2のタイプのメッセージに基づいてよい(それにもかかわらず、端末が第1の動作モードにあるときに、第2のタイプのメッセージを送信できることを禁止するものは何もないことに留意されたい)。考察する例では、第2のタイプのメッセージの伝送は、第1のタイプのメッセージの伝送よりも少ない無線資源および少ない電気エネルギーを、注目する端末20iに必要とする。
【0080】
有利には、本発明は、第1の地理的配置方法および第2の地理的配置方法を有利に協働させるために、端末20の第1の動作モードを制御することに基づく。端末は、第1の動作モードで構成されたとき、アクセスネットワークが第1の地理的配置方法を使用して端末の位置を推定できるようにする。第1の地理的配置方法により推定した位置を使用して、第2の地理的配置方法の機械学習アルゴリズムを訓練する。次いで、アルゴリズムを訓練すると、端末が第1の動作モードにない場合でさえ、この端末の地理位置を推定することが可能になる。
【0081】
注目する端末が第1の動作モードに入る、および/または注目する端末20iが第1の動作モードから出るようにするための基準は、たとえば、注目する端末20iの正確な位置が必要とされるかどうかに応じて、または注目する端末20iの近似位置で十分であるかどうかに応じて規定されてよい。注目する端末20iの正確な位置が必要とされるとき、注目する端末20iは、第1の地理的配置方法を使用して、注目する端末20iを地理的に配置正確にできるようにするために、隣接する伝送装置40を検出して、検出した識別子を伝送するように、第1の動作モードに入るべきである。注目する端末20iの近似位置で十分であるとき、注目する端末20iは、注目する端末20iが消費する電力を節約し、および/または通信システム10の無線資源の使用量を最適化するために、第1の動作モードから出るべきである。
【0082】
注目する端末が第1の動作モードに入る、および/または第1の動作モードから出るようにするための基準はまた、注目する端末の電力消費を低減する必要性に従って規定されてよい。
【0083】
注目する端末が第1の動作モードに入る、および/または第1の動作モードから出るようにするための基準はまた、第1の地理的配置方法を使用できるまたはできないに従って規定されてよい。たとえば、注目する端末20iは、隣接する伝送装置40を検出できないことがあることが分かっている場合、第1の動作モードから出るべきである。
【0084】
注目する端末20iが第1の動作モードに入る、および/または第1の動作モードから出るようにするための基準はまた、第2の地理的配置方法の機械学習アルゴリズムを訓練する必要性があるかないかに従って規定されてよい。たとえば、基準データベース内のデータ量が十分ではない場合、またはこれらのデータが古くなっている危険性がある場合、注目する端末20iは、基準データベースを更新可能にする第1のタイプのメッセージを伝送するように、第1の動作モードに入るべきである。
【0085】
注目する端末20iが第1の動作モードに入る、および/または第1の動作モードから出るようにするための基準は、注目する端末20iが記憶する、事前に規定された構成により規定できる。
【0086】
基準は、詳細には事前に規定された期間に応じて規定できる。たとえば、注目する端末20iは、一定間隔で、または周期的にますます間隔をより長くしてなど、第1の動作モードに入る/第1の動作モードから出るように構成されてよい。
【0087】
別の例によれば、注目する端末20iが第1の動作モードに入る、および/または第1の動作モードから出るようにするための基準は、注目する端末20iのセンサが提供する指示に依存する。この指示は、詳細には注目する端末20iの移動段階の開始または終了に関係があってよい(たとえば、端末の移動モードの開始または終了で第1の動作モードを活動化することによる正確な地理的配置のほうが好まれることは興味深い)。注目する端末20iの移動段階の開始または終了を決定するために使用するセンサは、加速度計であってよい。実際は、注目する端末が動いているかどうかに応じて、2つの地理的配置方法の一方または他方のほうが好まれることは、興味深いことがある。詳細には、第1の地理的配置方法が伝送装置との協働に基づく考察する例では、端末が動かないとき、第1の地理的配置方法を介した地理的配置のほうが好まれ、端末が動いているとき、第2の地理的配置方法の機械学習アルゴリズムを介した地理的配置のほうが好まれることは、好都合であることがある。別の例によれば、第1の地理的配置方法が、端末の中に埋め込まれたGPS受信機に基づく場合、端末が動いているとき、第1の地理的配置方法を介した地理的配置のほうが好まれ、端末が動かないとき、第2の地理的配置方法の機械学習アルゴリズムを介した地理的配置のほうが好まれることは、好都合であることがある。
【0088】
この指示はまた、センサにより得た測定値が(警告が検出されたときに第1の動作モードを活動化することにより端末の正確な地理的配置を得るために必要な)、事前に規定されたしきい値よりも高いまたは低いという事実によりトリガされた警告に関係があってよい。
【0089】
注目する端末20iが第1の動作モードに入る、および/または第1の動作モードから出るようにするための基準はまた、アクセスネットワーク30により規定されてよく、アクセスネットワーク30によりダウンリンク上で、注目する端末20iに構成メッセージで送信される。基準は、詳細には、事前に規定された学習期間に応じて、または注目する端末20iを地理的に配置するための緊急度に応じて、または注目する端末20iを第2の地理的配置方法により地理的に配置する品質水準を推定することに応じて決定されてよい(たとえば、精度が不十分である場合、端末は、第1の動作モードに入って、第1の地理的配置方法によるより正確な地理的配置を得るべきである、および/または第2の地理的配置方法の基準データベースの内容を豊かにすべきである)。
【0090】
構成メッセージは、ユニキャスト接続またはブロードキャスト接続により送信されてよい。ブロードキャストは、特定の地理的地域に固有であってよい。
【0091】
図3は、図1を参照して記述する通信システムなどの通信システム10で、注目する端末20iを地理的に配置するための、本発明による方法100の実装形態の一例の主要なステップを概略的に示す。
【0092】
方法100は、注目する端末20iが第1の動作モードに入る、および/または第1の動作モードから出るようにするための基準を決定するステップ101を含む。この基準は、上記で記述するように決定できる。この基準を決定するための特定の方法を選ぶことは、本発明の一変形形態でしかない。
【0093】
方法100は、注目する端末20iから得られる、および場合によっては他の端末20、20aから得られる、アクセスネットワーク30が受信した複数のメッセージごとに、第1の地理的配置方法使用してメッセージの起点にある端末の地理位置を推定するステップ102を含む。前記複数のメッセージの各メッセージは、メッセージの起点にある端末が第1の動作モードにあるときに伝送した第1のタイプのメッセージである。
【0094】
方法100は、第2の地理的配置方法の機械学習アルゴリズムを訓練するステップ103を含む。この訓練は、第1のタイプのメッセージ、および第1の地理的配置方法を使用して推定した関連づけられた地理位置から行われる。機械学習アルゴリズムを訓練して、端末が伝送した任意のメッセージ(および詳細には地理的配置のための明示的情報を含まない第2のタイプのメッセージ)から端末の地理位置を推定する。その上、機械学習アルゴリズムを訓練して、端末の地理位置を推定した精度を決定してよい。この精度は、詳細には注目する端末が第1の動作モードに入る、および/または第1の動作モードから出るようにするための基準として使用されてよい。
【0095】
第2の地理的配置方法の機械学習アルゴリズムを訓練すると、方法100は、第2の地理的配置方法を使用して、注目する端末20iの地理位置を推定するステップ104を含む。この推定104は、詳細には注目する端末20iが第1の動作モードにないときに伝送した第2のタイプのメッセージから遂行されてよい。
【0096】
上記の記述は、上記に記述するさまざまな特徴、およびさまざまな特徴の有利な点を用いて、設定された目的を本発明が達成することを明確に例示している。詳細には、端末の第1の動作モードを制御することにより、有利には、第1の地理的配置方法および第2の地理的配置方法を理知的に協働させて、端末の電力消費および/または通信システムの無線資源を低減させることが可能になる。
【0097】
上記で考慮した実装形態および実施形態は、限定しない例として記述されたこと、およびその結果として他の変形形態が可能であることに留意されたい。
【0098】
本発明は、限定するのではないが、LPWANタイプのネットワークで接続されたIoT、またはM2Mのタイプの対象物の地理的配置に、特に有利に適用される。しかしながら、他のタイプの無線広域ネットワーク(Wireless Wide Area Network、WWAN)を考慮することを妨げるものは何もない。たとえば、第1の無線通信プロトコルは、UMTS(Universal Mobile Telecommunications System)、LTE(Long Term Evolution)、LTE-Advanced Pro、5Gのタイプなどの標準化された通信プロトコルであってよい。
【0099】
本発明について、端末20を地理的に配置するための第1の方法が、地理位置情報サーバ50を使用して端末が検出した、1つまたは複数の伝送装置40の地理位置を決定することに基づくことを考慮することにより記述してきた。
【0100】
それにもかかわらず、第1の地理的配置方法として他の地理的配置方法を実装してよい。たとえば、端末20の地理位置は、衛星測位システムの受信機を使用して端末により決定され、次いでアクセスネットワーク30に伝送されてよい。別の例によれば、端末は、アクセスネットワークが端末の位置を推定できるようにするために、1つまたは複数のセンサ(加速度計、ジャイロスコープ、磁力計、高度計、温度または圧力のセンサなど)を使用して端末が得た測定値をアクセスネットワークに伝送してよい。さらに別の例によれば、端末は、端末が受信した無線信号の到達時間および/または到来周波数をアクセスネットワークに伝送してよい(端末が行った測定値を用いるTOAおよび/またはFOAに基づく地理的配置方法)。
【0101】
さらにまた、端末20の地理位置に関係する明示的パラメータを第1のタイプのメッセージが必ず含むことを課すものは何もないことに留意されたい(たとえば、第1の地理的配置方法が、アクセスネットワーク30が得た測定値を用いるTOAおよび/またはFOAに基づく地理的配置方法である場合)。
【0102】
本発明について、第2の地理的配置方法が、通信システム10のさまざまな基地局31がメッセージを受信した信号強度インジケータを表す無線シグネチャに基づき、機械学習アルゴリズムを使用することを考慮することにより記述してきた。それにもかかわらず、機械学習アルゴリズムが、端末20が伝送するメッセージの他の特徴に基づくことを妨げるものは何もない。たとえば、以下の特徴、すなわちメッセージを運ぶ信号の信号対雑音比、さまざまな基地局でメッセージを受信するための時間または周波数、メッセージを運ぶ電波の到来角、メッセージを受信してきた基地局の識別子などを考慮してよい。
【0103】
それに加えて、さまざまなタイプの機械学習アルゴリズムが可能である。これはまた、分類アルゴリズムだけではなく回帰アルゴリズムにも関係してよい。第2の地理的配置方法のための特定の機械学習アルゴリズムを選ぶことは、本発明の一変形形態でしかない。
【0104】
さらにまた、通信システム10の端末20すべてが、必ずしも第1の動作モードをサポートする必要があるわけではないことに留意されたい。実際は、第1の動作モードをサポートする、アクセスネットワーク30の端末20の一部だけを用いて、第2の地理的配置方法の機械学習アルゴリズムを訓練することが可能である。機械学習アルゴリズムを訓練するとすぐに、第2の地理的配置方法を使用して、第1の動作モードをサポートしない端末を地理的に配置することが可能になる。
【0105】
上記で言及するように、端末が第1の動作モードにあるときに第2のタイプのメッセージを送信できることを禁止するものは何もない。それに加えて、前記端末が伝送する第1のタイプのメッセージに基づくことにより、第2の地理的配置方法を使用して端末の位置を推定できることを禁止するものは何もない。この場合、第1の地理的配置方法を使用するだけではなく、第2の地理的配置方法も使用して、第1のタイプのメッセージから端末の位置を推定可能になる。そのように準備することにより、より正確な位置を2つの推定位置から決定するために、および/または方法の一方または他方の精度を改善するためになど、各方法を用いて推定位置を比較可能になる。そのように準備することにより、さらにまた端末の地理的配置のための応答比を改善可能になる(たとえば、場合によっては、2つの方法のうち一方だけが端末の位置を決定可能にする場合、両方の方法を用いて端末の位置を推定できることは興味深い)。
図1
図2
図3
【手続補正書】
【提出日】2024-08-21
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
無線通信システム(10)の「注目する端末」(20i)と呼ばれる端末(20)を前記無線通信システム(10)のアクセスネットワーク(30)を用いて地理的に配置するための方法(100)であって、
-前記注目する端末(20i)が第1の動作モードに入る、および/または前記第1の動作モードから出るようにするための基準を決定するステップ(101)と、
-前記注目する端末(20i)から得られる、および場合によっては前記無線通信システム(10)の他の端末(20、20a)から得られる、前記アクセスネットワーク(30)が受信した複数のメッセージごとに、第1の地理的配置方法を使用して前記メッセージの起点にある前記端末の地理位置を推定するステップ(102)であって、前記複数のメッセージの各メッセージは、第1のタイプであり、前記メッセージの前記起点にある前記端末が前記第1の動作モードにあるときに伝送されるステップ(102)と、
-前記第1のタイプのメッセージ、および前記第1の地理的配置方法を使用して推定した関連づけられた地理位置から第2の地理的配置方法の機械学習アルゴリズムを訓練するステップ(103)であって、前記機械学習アルゴリズムは、メッセージのシグネチャを地理位置と関連づけるように訓練され、前記シグネチャは、前記アクセスネットワーク(30)の複数の基地局(31)ごとに、端末が前記第1の動作モードにないときに前記端末が伝送した第2のタイプのメッセージから前記端末の前記地理位置を推定できるために、前記基地局(31)が前記メッセージを受信したことに関連する特徴を含むステップ(103)と、
-前記第2の地理的配置方法の前記機械学習アルゴリズムを訓練すると、前記注目する端末(20i)が伝送した前記第2のタイプのメッセージから前記第2の地理的配置方法を使用して、前記注目する端末(20i)の前記地理位置を推定するステップ(104)と
を備える方法(100)。
【請求項2】
前記第1のタイプのメッセージが運ぶデータは、前記第1の地理的配置方法が使用するパラメータを符号化する、請求項1に記載の方法(100)。
【請求項3】
前記パラメータは、前記第1のタイプのメッセージの前記起点にある前記端末(20a)が検出した伝送装置(40)の識別子の少なくとも一部である、請求項2に記載の方法(100)。
【請求項4】
前記第2の地理的配置方法は、前記第2のタイプのメッセージが運ぶデータの中に符号化されたどの情報も使用しない、請求項1に記載の方法(100)。
【請求項5】
前記基地局(31)が前記メッセージを受信したことに関連する前記特徴は、前記基地局(31)が前記メッセージを受信した信号強度インジケータである、請求項1に記載の方法(100)。
【請求項6】
前記第2のタイプのメッセージの伝送は、前記注目する端末(20i)に前記第1のタイプのメッセージの伝送よりも少ない無線資源および/または少ない電気エネルギーを必要とする、請求項1に記載の方法(100)。
【請求項7】
前記基準は、事前に規定された期間に応じて前記注目する端末(20i)が前記第1の動作モードに入る、および/または前記第1の動作モードから出るようにするために、前記注目する端末(20i)が記憶する構成により規定される、請求項1に記載の方法(100)。
【請求項8】
前記注目する端末(20i)が前記第1の動作モードに入る、および/または前記第1の動作モードから出るようにするための前記基準は、前記注目する端末(20i)のセンサが提供する指示に依存する、請求項1に記載の方法(100)。
【請求項9】
前記指示は、
-前記注目する端末(20i)の移動段階の開始もしくは終了、および/または
-前記センサが得た測定値が、事前に規定されたしきい値よりも大きいもしくは小さいという事実によりトリガされた警報、および/または
-前記第1のタイプのメッセージを形成できないことの検出
の少なくとも一つに関係する、請求項8に記載の方法(100)。
【請求項10】
前記注目する端末(20i)が前記第1の動作モードに入る、および/または前記第1の動作モードから出るようにするための前記基準は、前記アクセスネットワーク(30)により規定され、前記アクセスネットワーク(30)によりダウンリンク上で、前記注目する端末(20i)に構成メッセージで送信される、請求項1に記載の方法(100)。
【請求項11】
コンピュータ可読記憶媒体であって、コンピュータにより実行されたとき、請求項1から請求項10のいずれか一項に記載の方法(100)のステップを前記コンピュータに実装させる命令を備えるコンピュータ可読記憶媒体。
【請求項12】
無線通信システム(10)のアクセスネットワーク(30)のサーバ(32)であって、
-注目する端末(20i)から得られる、および場合によっては前記無線通信システム(10)の1つまたは複数の他の端末(20、20a)から得られる、前記アクセスネットワーク(30)が受信した複数のメッセージごとに、第1の地理的配置方法を用いてメッセージの起点にある前記端末の地理位置を推定し、前記複数のメッセージの各メッセージは、第1のタイプであり、前記メッセージの前記起点にある前記端末が第1の動作モードにあるときに伝送され、
-前記第1のタイプのメッセージ、および前記第1の地理的配置方法を使用して推定した関連づけられた地理位置から第2の地理的配置方法の機械学習アルゴリズムを訓練し、前記機械学習アルゴリズムは、メッセージのシグネチャを地理位置と関連づけるように訓練され、前記シグネチャは、前記アクセスネットワーク(30)の複数の基地局(31)ごとに、端末が前記第1の動作モードにないときに前記端末が伝送した第2のタイプのメッセージから前記端末の前記地理位置を推定できるために、前記基地局(31)が前記メッセージを受信したことに関連する特徴を含み、
-前記注目する端末(20i)が前記第1の動作モードに入る、および/または前記第1の動作モードから出るようにするための基準を決定し、
-このように決定された前記基準に応じて、前記注目する端末(20i)が前記第1の動作モードに入る、および/または前記第1の動作モードから出るようにするために、前記注目する端末(20i)に構成メッセージを送信し、
-前記第2の地理的配置方法の前記機械学習アルゴリズムを訓練すると、前記注目する端末(20i)が伝送した前記第2のタイプのメッセージから前記第2の地理的配置方法を使用して、前記注目する端末(20i)の地理位置を推定する
ように構成されたサーバ(32)。
【請求項13】
前記第1のタイプのメッセージが運ぶデータは、前記第1の地理的配置方法が使用するパラメータを符号化する、請求項12に記載のサーバ(32)。
【請求項14】
前記パラメータは、前記第1のタイプのメッセージの前記起点にある前記端末(20a)が検出した伝送装置の識別子である、請求項13に記載のサーバ(32)。
【請求項15】
前記第1の地理的配置方法は、前記第2のタイプのメッセージが運ぶデータの中に符号化されたどの情報も使用しない、請求項12に記載のサーバ(32)。
【請求項16】
基地局(31)がメッセージを受信したことに関連する前記特徴は、前記基地局(31)が前記メッセージを受信した信号強度インジケータである、請求項15に記載のサーバ(32)。
【請求項17】
前記注目する端末(20i)が前記第1の動作モードに入る、および/または前記第1の動作モードから出るようにするための前記基準は、事前に規定された学習期間に応じて、または前記注目する端末(20i)を地理的に配置するための緊急度に応じて、または前記第2の地理的配置方法により前記注目する端末(20i)を地理的に配置する品質水準を推定することに応じて決定される、請求項12に記載のサーバ(32)。
【請求項18】
アクセスネットワーク(30)であって、請求項12から請求項17のいずれか一項に記載のサーバ(32)を含むアクセスネットワーク(30)。
【請求項19】
低電力広域ネットワークである、請求項18に記載のアクセスネットワーク(30)。
【国際調査報告】