(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-10-23
(54)【発明の名称】レベラ較正装置
(51)【国際特許分類】
B21C 51/00 20060101AFI20241016BHJP
G01D 5/353 20060101ALI20241016BHJP
B21B 38/02 20060101ALI20241016BHJP
B21D 1/02 20060101ALI20241016BHJP
【FI】
B21C51/00 L
G01D5/353 A
B21B38/02
B21D1/02 K
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024516890
(86)(22)【出願日】2021-09-17
(85)【翻訳文提出日】2024-05-14
(86)【国際出願番号】 IB2021058489
(87)【国際公開番号】W WO2023041958
(87)【国際公開日】2023-03-23
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】515214729
【氏名又は名称】アルセロールミタル
(74)【代理人】
【識別番号】110001173
【氏名又は名称】弁理士法人川口國際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】アモーラ,ムニール
(72)【発明者】
【氏名】マドレーヌ-デュプイッチ,オリビエ
(72)【発明者】
【氏名】エメン,ジャン-マルク
(72)【発明者】
【氏名】ガウジェ,ピエール
(72)【発明者】
【氏名】スポネム,フロラン
【テーマコード(参考)】
2F103
4E003
【Fターム(参考)】
2F103CA04
2F103CA08
2F103EC09
4E003AA01
4E003BA31
(57)【要約】
本発明は、金属ストリップのためのマルチロールレベラを較正するための較正バーに関し、前記較正は、- 第1の面上の第1の溝であって、第1の光ファイバが接着剤によって埋め込まれている、第1の溝、- 前記第1の面とは反対側の第2の面上の第2の溝であって、第2の光ファイバが接着剤によって埋め込まれている、第2の溝を備え、- 前記第1の光ファイバおよび前記第2の光ファイバは、ファイバブラッググレーティングを備え、本質的に平行であり、- 前記第1の光ファイバおよび前記第2の光ファイバは、前記中立面Nから同じ距離に位置し、- 前記第1の埋め込まれた光ファイバおよび前記第2の埋め込まれた光ファイバは、光カプラに接続可能であるように、および前記マルチロールレベラの全てのロールにわたって延在するのに十分な長さを有するように構成される。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
金属ストリップのためのマルチロールレベラを較正するための、中立面Nを有する較正バーであって、前記較正バー10は、
1.0mmから2.0mmまでの厚さ、および1000MPaから2000MPaまでの降伏強度を有し、
接着剤14によって第1の光ファイバ13が埋め込まれている、第1の面12上の第1の溝11、
前記第1の面12とは反対側の第2の面16上の第2の溝15であって、接着剤18によって第2の光ファイバ17が埋め込まれている第2の溝15
を備え、
前記第1の光ファイバ13および前記第2の光ファイバ17は、ファイバブラッググレーティングを備え、本質的に平行であり、
前記第1の光ファイバおよび前記第2の光ファイバは、前記中立面Nから同じ距離に位置し、
前記第1の埋め込まれた光ファイバ13および前記第2の埋め込まれた光ファイバ17は、光カプラに接続可能であるように、および前記マルチロールレベラの全てのロールにわたって延在するのに十分な長さを有するように構成される、
較正バー。
【請求項2】
前記第1の溝および前記第2の溝が、175μmから400μmまでの深さを有する、請求項1に記載の較正バー。
【請求項3】
前記第1の溝に備えられた前記第1の光ファイバが、前記第1の面の表面下25μmから350μmまでにあり、前記第2の溝に備えられた前記第2の光ファイバが、前記第1の面の表面下25μmから350μmまでにある、請求項2に記載の較正バー。
【請求項4】
前記第1の溝および前記第2の溝が本質的に直線状であり、前記第1の光ファイバ13および前記第2の光ファイバが本質的に直線状である、請求項1から3のいずれか一項に記載の較正バー。
【請求項5】
前記第1の光ファイバおよび前記第2の光ファイバが、均一なファイバブラッググレーティングを有する、請求項1から4のいずれか一項に記載の較正バー。
【請求項6】
前記第1の光ファイバおよび前記第2の光ファイバが、モノモーダル光ファイバである、請求項1から5のいずれか一項に記載の較正バー。
【請求項7】
前記第1の光ファイバおよび前記第2の光ファイバが、1500から1600nmまでの範囲で動作可能なモノモーダル光ファイバである、請求項6に記載の較正バー。
【請求項8】
前記較正バーが、
前記第1の面12上の第3の溝110であって、第3の光ファイバ130が接着剤140によって埋め込まれている、第3の溝110、
前記第1の面12とは反対側にある前記第2の面16上の第4の溝150であって、第4の光ファイバ170が接着剤180によって埋め込まれている、第4の溝150
を備え、
前記第3の光ファイバおよび前記第4の光ファイバが、ファイバブラッググレーティングを備え、本質的に平行であり、
前記第1の光ファイバ、前記第2の光ファイバ、前記第3の光ファイバ、および前記第4の光ファイバは平行であり、前記中立面Nから同じ距離にあるように構成され、
前記第3の光ファイバおよび前記第4の光ファイバが、光カプラに接続可能であるように、および前記マルチロールレベラの全てのロールにわたって延在するのに十分な長さを有するように構成される、請求項1から7のいずれか一項に記載の較正バー。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、金属ストリップをレベリングするためのマルチロールレベラを較正するためのデバイスに関する。
【背景技術】
【0002】
レベリングは、一般に熱処理または圧延作業の後に行われる仕上げ作業である。その目的は金属シートを平坦にすることである。これは、交互の曲げ応力によって、幾何学的欠陥を厚内の可変な残留ひずみの系に変換することに基づいている。これは、
図1に示すように、2本の平行なロールをインブリケート(imbricate)するように配置したマルチロールレベラによって行うことができる。シートがこれらのロール間を通過するとき、シートは一方向と反対方向に交互に曲げ変形する。曲げの振幅は、レベラの出口に向かってロールのインブリケーション(imbrication)が減少するため、レベラの入口から出口に向かって減少する。
【0003】
平坦度および内部応力の点で公差がますます厳しくなっているため、レベラ作業、ひいてはレベラの較正ステップの、ますます多くの制御が課せられてている。
【0004】
さまざまな調整パラメータをより良く把握するために、マルチロールレベラの主要構成要素を
図1から
図3に示す。
【0005】
図1は、下部ビーム3によって支持された一連の下部ロール2と、上部ビーム5によって支持された一連の上部ロール4とを備えるレベラ1の長手方向断面を示している。レベリング作業中、金属シートSは矢印Fで示す方向に沿ってレベラを通って駆動される。
【0006】
図2には、ロールのインブリケーションを調整する手段が示されている。上部ビーム5は下部ビーム3に対して傾斜させることができ、下部ビームは基準面とみなされる。上部ビームは、アングルギアを備えたスクリューナット型などの調整アセンブリ(7a、7b)によって上部フレーム6上に支持されている。上部ビーム5の傾きは、ロールのインブリケーションを修正するために、調整アセンブリによって調整される。
【0007】
図3は、ストリップレベリング中の反力に起因する負荷の下でロールの曲がりを補償するためのレベラおよびその手段の正面図である。ロールの曲がりを補償するために、ロールは、支持およびカウンタープレッシャー(counter-pressure)ロール、ランプ(ramp)、またはローラのステージによって支持される。このアセンブリはレベラの横方向に分配された一組のカウンタープレッシャーランプ8上に設置されるカセットと呼ばれるフレームに取り付けられる。さらに、これらのランプの垂直位置は、例えば調整可能なテーパ付きくさび9によって調整することができる。
【0008】
したがって、レベラを較正することは:例えば、ねじナット調整アセンブリまたはカウンタープレッシャーランプによって設定することができる上部ロールと下部ロールとの間の横方向の平行度、ビームを傾けることによるレベラの入口と出口のロールのインブリケーション、荷重下でのロールの曲がりを補償するためのカウンタープレッシャー手段、などのような多くのパラメータを調整することを伴う。レベラを効率的に較正するためには、曲げ時のロールの遊び、ばね、曲げの量を知る必要がある。
【0009】
較正を容易にする機器が開発されている。
図4に示すように、米国特許第7584638号は、弾性変形を測定するために、上部および下部の一連のロール間に設置できる伸び計を備える剛性測定バーを開示している。バー90は、伸び計をロールから垂直に正しく設置するためのくぼみ91を備える。くぼみ91は、レベラ下部ビームのロールの中心間距離を再現する。伸び計92はバーの上部に固定されている。その結果、この較正バーはレベラのために設計されているため適応性に欠け、異なる設計、例えば下部ビームのロールの中心間距離が異なるレベラには容易に使用することができない。さらに、伸び計は較正中に損傷する可能性がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0010】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
本発明の目的は、前述の問題を解決することである。特に、本発明の目的は、測定手段、すなわち伸び計を損傷することなく、あらゆるマルチロールレベラの再現可能な、負荷の下で較正を行うために必要な主要パラメータを正確で容易に決定することである。
【課題を解決するための手段】
【0012】
これは、請求項1から8によるデバイスを提供することにより達成される。その他の特徴および利点は、本発明の以下の詳細な説明から明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【
図1】
図1はレベラの長手方向断面を具現化した図である。
【
図2】
図2は、ロールのインブリケーションを調整するための手段を具現化した図である。
【
図3】
図3は、ストリップレベリング中の反力に起因する負荷の下でのロールの曲がりを補償するためのレベラおよびその手段の正面図を具現化した図である。
【
図4】
図4は、従来技術で知られている測定バーを示す図である。
【
図5】
図5は、本発明による較正バーを具現化した図である。
【
図6】
図6は、本発明による較正バーを具現化した図である。
【
図7】
図7は、本発明による較正バーを用いた測定を概略的に示す図である。
【
図8】
図8は、本発明の好ましい態様による較正バーを具現化した図である。
【
図9】
図9は、本発明による較正バーを用いた達成可能なひずみ測定を示す図である。
【
図10】
図10は、本発明による較正バーを用いた達成可能なひずみ測定を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
図5および
図6に示すように、本発明は、金属ストリップのためのマルチロールレベラを較正するための、中立面を有する較正バー10に関し、
- 1.0mmから2.0mmまでの深さ、および1000MPaから2000MPaまでの降伏強度を有し、
- 接着剤14によって第1の光ファイバ13が埋め込まれている、第1の面12上の第1の溝11、
- 第1の面12とは反対側の第2の面16上の第2の溝15であって、接着剤18によって第2の光ファイバ17が埋め込まれている第2の溝15
を備え、
- 前記第1の光ファイバ13および前記第2の光ファイバ17は、ファイバブラッググレーティングを備え、本質的に平行であり、
- 前記第1の光ファイバおよび前記第2の光ファイバは、前記中立面Nから同じ距離に位置し、
- 前記第1の埋め込まれた光ファイバ13および前記第2の埋め込まれた光ファイバ17は、光カプラに接続可能であるように、および前記マルチロールレベラの全てのロールにわたって延在するのに十分な長さを有するように構成される。
【0015】
この厚さと降伏強度の組み合わせは、較正が弾性範囲内の較正バーのひずみのみをもたらすように選択される。それはまた、塑性ひずみに達することなく、製品を平らにするために使用される機械のさまざまなレベルの力に耐えることが可能になる。
【0016】
1.0mmから2.0mmの間のこの厚さは、光ファイバを埋め込むことができる溝の形成を可能にする。
【0017】
好ましくは、降伏強度は1400MPaから1600MPaの間である。
【0018】
較正バーは金属または金属合金製であり、好ましくは鋼製である。さらに好ましくは、較正バーはステンレス鋼製である。
【0019】
中立面は、曲げの間に長手方向の応力またはひずみがない面である。
【0020】
好ましくは、較正バーは、四辺形、長方形または正方形の断面を有する。その場合、中立面は、
図6に示されるように、牽引力が適用されていないときの厚さの半分の位置にある。
【0021】
本発明の文脈では、溝はカナルカットとして理解される。前記溝は、光ファイバを内部に埋め込むことができる限り、どのような形状および形態であってもよい。好ましくは、溝は四辺形、長方形または正方形の断面を有する。
【0022】
接着剤は、好ましくはエポキシ系接着剤である。
【0023】
光ファイバは、光カプラが接続できるように構成されている。これはケーシングによって行うことができる。
【0024】
光ファイバは、前記マルチロールレベラの全てのロールにわたって延在することができる長さを有する。したがって、較正バーは、前記マルチロールレベラの全てのロールにわたって延在するのに十分な長さの溝を有する。
【0025】
マルチロールレベラの較正のための測定の背後にある原理は、フレネル反射である。これは、2つの異なる光学媒体間の界面における入射光の反射と透過を説明するものである。本発明では、界面はファイバブラッググレーティングによって作られる。
【0026】
そのため、反射光の割合は波長に応じて変化する。この割合はブラッグ波長λBで最大となる。ブラッグ波長はひずみと温度にセンシティブである。
【0027】
ブラッグ波長λBは、温度の変化および/またはひずみによってシフトする。このシフト量ΔλBは(1)で近似される:
(1)ΔλB=λB[CS.ε+CT.ΔT]
ここで、λBはブラッグ波長、CSはひずみ係数、εは適用されたひずみ、CTは温度係数、ΔTは温度の変化である。
【0028】
その結果、較正バーのひずみは、光周波数領域反射測定法(OFDR)を用いて較正バーをインテロゲートすることで測定することができる。
【0029】
この方法は、
図7に示すように、チューナブルレーザ源20、光カプラ21、参照パスを作成できる光学デバイス22(広帯域反射器など)、検査デバイス(較正バーなど)、および光干渉計23を必要とする。
【0030】
本方法は、以下のステップを含む:チューナブルレーザ源20が光を放射する。光カプラ21が、光を2つのパス:測定パス(すなわち較正バー)と参照パスとの間で分割する。次に、測定パスからの光(すなわち信号)と参照パスからの光とが、光カプラ21を使用して再結合され、次いで、光干渉計23に送られる。
【0031】
当業者に知られているように、光干渉計では、光信号のフーリエ変換により、センサに沿った長さに応じた信号の位相と振幅が得られる。ひずみは、測定パスからの信号と参照パスからの信号を比較することによって得られる。
【0032】
本発明の場合、較正ステップの最初に、較正バーはマルチロールレベラの上部ロールと下部ロールの間に置かれ、前記上部ロールと下部ロールはインブリケートされていない。その後、上部ロールと下部ロールはインブリケートされ、これは、較正バーを変形させ、埋め込まれた光ファイバとファイバブラッググレーティングとにおいてひずみを適用する。ファイバブラッググレーティングにおけるこのひずみは、前記グレーティングの各反射器のブラッグ波長のシフトをもたらす。
【0033】
しかしながら、上記で説明したように、ブラッグ波長は温度の変化によっても影響を受け、較正ステップにとっては有害である、何故なら、各反射器(ロールから垂直な方)が受けたひずみのみを測定する必要があるからである。
【0034】
ひずみだけでなく、温度の変化とひずみとを測定するという問題を解決するために、較正バーは、中立面から等距離にある両方の面(例えば、中立面の両側)に光ファイバを備える。このような配置により、一方の反射器を圧縮状態にし、他方の反射器を牽引状態にすることができ、ひずみの測定が可能になる。
【0035】
例えば、較正中、第2のロールから垂直の第1の光ファイバの反射器は未知のひずみεCOMPRESSIONを有して圧縮状態にあり、第2のロールから垂直の第2の光ファイバの反射器は未知のひずみεTRACTIONを有して牽引状態にある。両者とも同じ温度の変化ΔTを受けている。干渉計は、式2.1および2.2で表されるように、両方の反射器(すなわち界面)のブラッグ波長のシフトを測定する。
(2.1)ΔλB1=λB[CS.εCOMPRESSION+CT.ΔT]
(2.2)ΔλB2=λB[CS.εEXTENSION+CT.ΔT]
【0036】
測定されたΔλB1とΔλB2を組み合わせる際に、式3で表されるように、一方から他方を減算することで、温度の影響を抑えることができ、これにより、ひずみによるブラッグ波長のシフトを求めることができる。
(3)ΔλB1-ΔλB2=λB×CS[εCOMPRESSION-εEXTENSION]
【0037】
両光ファイバは中立面から等距離に設置されているため、圧縮状態のひずみの値は牽引状態と逆であり:ε
COMPRESSION=-ε
EXTENSIONとなり、これにより、式4:
【数1】
にしたがってひずみを求めることができる。
【0038】
好ましくは、前記第1の溝および前記第2の溝は、150μmから400μmまでの深さを有する。光ファイバは、50μmから125μmまでの直径を有すると考えられる。したがって、この溝の深さの範囲は、前記溝の内側に、前記面の表面下25μmから350μmまでにおいて光ファイバを有することを可能にする。
【0039】
これにより、光ファイバを面の表面下に埋め込むことができ、光ファイバが前記面上に突出することがないため、レベラロールとの直接接触を避けることができる。さらに、較正バーが張力を受けているとき、光ファイバは中立面から遠ざけられている。
【0040】
好ましくは、前記第1の溝および前記第2の溝は本質的に直線状であり、前記第1の光ファイバ13および前記第2の光ファイバは本質的に直線状である。さらに好ましくは、前記第1の溝および前記第2の溝は直線状であり、前記第1の光ファイバ13および前記第2の光ファイバは直線状である。
【0041】
好ましくは、前記第1の光ファイバおよび前記第2の光ファイバは、均一なファイバブラッググレーティングを有する。例えば、光ファイバは、均一なブラッググレーティングを有し、反射器は互いに1.6mmの間隔をあけられる。
【0042】
好ましくは、前記第1の光ファイバおよび前記第2の光ファイバは、モノモーダル(monomodal)光ファイバである。このタイプの光ファイバは、よりきれいなスペクトル応答を可能にするので、測定精度を高めることができる。
【0043】
さらに好ましくは、前記第1の光ファイバおよび前記第2の光ファイバは、1500から1600nmまでの範囲で動作可能なモノモーダル光ファイバである。
【0044】
第1の光ファイバと第2の光ファイバは、光ファイバの第1のペアとみなすことができる。較正バーは、光ファイバのいくつかのペアと、関連する溝および接着剤とを備えることができる。例えば、
図8に示されるように、前記較正バーは、
- 前記第1の面12上の第3の溝110であって、第3の光ファイバ130が接着剤140によって埋め込まれている、第3の溝110、
- 前記第1の面12とは反対側にある前記第2の面16上の第4の溝150であって、第4の光ファイバ170が接着剤180によって埋め込まれている、第4の溝150
を備え、
- 前記第1の光ファイバ、前記第2の光ファイバ、前記第3の光ファイバ、および前記第4の光ファイバは平行であり、前記中立面Nから同じ距離にあるように構成され、
- 前記第3の光ファイバおよび前記第4の光ファイバは、光カプラに接続可能であるように、および前記マルチロールレベラの全てのロールにわたって延在するのに十分な長さを有するように構成される。
【0045】
好ましくは、較正バーは、較正されるマルチロールレベラの各カウンタープレッシャーランプのための一対の光ファイバを含む。
【0046】
実験テスト
特許請求された較正バーが使いやすく、各レベラに適合させる必要がないことを実証するために、2つの異なるマルチロールレベラを、
図6に示すような較正バーを用いて較正した。
【0047】
実験に使用した較正バーは、1.8mmの厚さ、800mmの長さ、1400MPaの降伏強度を有する、ステンレス鋼製の較正バーである。
【0048】
較正バーは、
- 第1の面上の、200μmの深さを有する第1の溝であって、溝の底に、エポキシ系接着剤によって、ファイバブラッググレーティングを備えるモノモーダル光ファイバが埋め込まれている、第1の溝、
- 第2の面上の、200μmの深さを有する第2の溝であって、溝の底に、エポキシ系接着剤によって、ファイバブラッググレーティングを含むモノモーダル光ファイバが埋め込まれている、第2の溝
を備える。
【0049】
光ファイバは本質的に平行であり、光カプラに接続されている。
【0050】
第1のマルチロールレベラは、22mmの直径を有する19本の作業ロール(上部ロール10本と下部ロール9本)を含み、第2のマルチロールレベラは、61.91mmの直径を有する17本の作業ロール(上部ロール9本と下部ロール8本)を備える。
【0051】
マルチロールレベラを較正するために、較正バーをストリップ移動方向に沿って、レベラ幅の中心に、下部作業ロール上に位置付ける。次に、上部作業ロールを較正バーに接触するまで下降させる。測定されたひずみは、第1のレベラについては
図9に、第2のレベラについては
図10にプロットされている。ピークのそれぞれは、各レベラの2番目のロールから、最後から2番目のロールまでの、各ロールの較正バーのひずみを表している。
【0052】
最終的に、測定値は、最先端で知られているレベラを較正するために使用された。
【0053】
その結果、特許請求された較正バーは、当業者が測定手段、すなわち光ファイバを損傷することなく、マルチロールレベラの較正を容易で正確に行うことを可能にする。
【国際調査報告】