(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-10-23
(54)【発明の名称】テルミンベースの追跡及びトリガー(THEREMIN-BASED TRACKING AND TRIGGERING)
(51)【国際特許分類】
G06F 3/0346 20130101AFI20241016BHJP
G06F 3/01 20060101ALI20241016BHJP
A63F 13/21 20140101ALI20241016BHJP
A63G 25/00 20060101ALI20241016BHJP
G01V 3/12 20060101ALN20241016BHJP
【FI】
G06F3/0346 421
G06F3/01 510
A63F13/21
A63G25/00
G01V3/12 A
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024516915
(86)(22)【出願日】2022-09-20
(85)【翻訳文提出日】2024-03-15
(86)【国際出願番号】 US2022044121
(87)【国際公開番号】W WO2023044154
(87)【国際公開日】2023-03-23
(32)【優先日】2021-09-20
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2022-09-19
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
(71)【出願人】
【識別番号】511077292
【氏名又は名称】ユニバーサル シティ スタジオズ リミテッド ライアビリティ カンパニー
(74)【代理人】
【識別番号】100094569
【氏名又は名称】田中 伸一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100103610
【氏名又は名称】▲吉▼田 和彦
(74)【代理人】
【識別番号】100109070
【氏名又は名称】須田 洋之
(74)【代理人】
【識別番号】100067013
【氏名又は名称】大塚 文昭
(74)【代理人】
【識別番号】100120525
【氏名又は名称】近藤 直樹
(74)【代理人】
【識別番号】100139712
【氏名又は名称】那須 威夫
(74)【代理人】
【識別番号】100141553
【氏名又は名称】鈴木 信彦
(74)【代理人】
【識別番号】100170209
【氏名又は名称】林 陽和
(72)【発明者】
【氏名】ウィリアムズ トーマス オーウェン
(72)【発明者】
【氏名】バーネット ブランドン ディヴィッド
(72)【発明者】
【氏名】ゲルゲン パトリック ジョン
【テーマコード(参考)】
2G105
5B087
5E555
【Fターム(参考)】
2G105AA01
2G105BB11
2G105DD02
2G105HH01
2G105KK02
2G105KK06
5B087AA07
5B087BC26
5B087BC34
5E555AA62
5E555BA20
5E555BA38
5E555BB20
5E555BB38
5E555CA46
5E555CB80
5E555FA00
(57)【要約】
本開示の態様は、テルミンベースのセンサを介して身体部分の存在を追跡し、使用可能な信号を出力するための方法、装置及びシステムに関する。例えば、追跡システムは、信号プロセッサと、少なくとも1つのアンテナを含むテルミン回路とを含む。テルミン回路は、少なくとも1つのアンテナに対する身体部分の変化する位置を検出し、少なくとも1つのアンテナに対する身体部分の変化する位置に基づいて、変化する周波数又は振幅を有するアナログ信号を信号プロセッサに出力する。デジタルプロセッサは、アナログ信号の変化する周波数又は振幅の変化率を決定し、変化率に基づいて身体部分の少なくとも速度を決定し、少なくとも速度に対応するデジタル信号をテルミンベースの追跡システムに結合されたシステム又はデバイスに出力する。
【選択図】
図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
テルミンベースの追跡システムであって、
信号プロセッサと、
少なくとも1つのアンテナを含むテルミン回路と、
を備え、
前記テルミン回路は、
前記少なくとも1つのアンテナに対する身体部分の変化する位置を検出し、
前記少なくとも1つのアンテナに対する身体部分の変化する位置に基づいて、変化する周波数又は振幅を有するアナログ信号を前記信号プロセッサに出力する、
ように構成されており、
前記信号プロセッサは、
前記アナログ信号の変化する周波数又は振幅の変化率を決定し、
前記変化率に基づいて前記身体部分の少なくとも速度を決定し、
前記少なくとも速度に対応するデジタル信号を、前記信号プロセッサに結合された別のシステム又はデバイスに出力する、
ように構成されている、
テルミンベースの追跡システム。
【請求項2】
前記デジタル信号は、ビデオゲームの可動要素を制御するために出力される、
請求項1に記載のテルミンベースの追跡システム。
【請求項3】
前記デジタル信号は、アトラクションのインタラクティブ要素をトリガーするために出力される、
請求項1に記載のテルミンベースの追跡システム。
【請求項4】
前記デジタル信号は、アラーム又は安全システムをトリガーするために出力される、
請求項1に記載のテルミンベースの追跡システム。
【請求項5】
前記信号プロセッサ及び前記テルミン回路は、乗り物車両のラップバーに結合されており、
前記少なくとも1つのアンテナは、前記ラップバー内に収容されている、
請求項1に記載のテルミンベースの追跡システム。
【請求項6】
前記テルミン回路は、前記ラップバーに対する前記身体部分の変化する位置を検出するように構成されている、
請求項5に記載のテルミンベースの追跡システム。
【請求項7】
前記少なくとも1つのアンテナは、前記テルミンベース追跡システムを操作する人によって装着されるように構成されたヘッドセット内に収容されている、
請求項1に記載のテルミンベース追跡システム。
【請求項8】
前記テルミン回路は、前記ヘッドセットに対する前記身体部分の変化する位置を検出するように構成されている、
請求項7に記載のテルミンベースの追跡システム。
【請求項9】
導電性材料で作られたケーブルであって、前記少なくとも1つのアンテナに平行に配置されたケーブルを更に備え、
前記ケーブルは、前記テルミン回路、前記信号プロセッサ、及び前記少なくとも1つのアンテナから絶縁されており、
前記少なくとも1つのアンテナは、前記ケーブルに対してワイヤレスで減衰する、
請求項1に記載のテルミンベース追跡システム。
【請求項10】
前記テルミン回路は、前記ケーブルに対する前記身体部分の変化する位置を検出するように構成されている、
請求項9に記載のテルミンベースの追跡システム。
【請求項11】
水で満たされた水媒体を更に備え、
前記ケーブルは、前記水媒体中に挿入されており、
前記少なくとも1つのアンテナは、前記水媒体に挿入された前記ケーブルに対してワイヤレスで減衰する、
請求項9に記載のテルミンベースの追跡システム。
【請求項12】
前記テルミン回路は、前記水媒体に対する前記身体部分の変化する位置を検出するように構成されている、
請求項11に記載のテルミンベースの追跡システム。
【請求項13】
前記信号プロセッサは、更に、
前記変化率に基づいて前記身体部分の付加を決定する
ように構成されており、
前記デジタル信号は、更に、前記付加に対応する、
請求項1に記載のテルミンベースの追跡システム。
【請求項14】
前記信号プロセッサは、更に、
前記速度に基づいて、前記身体部分の加速度、ジャーク、又は跳ねのうちの少なくとも1つを決定する、
ように構成されており、
前記デジタル信号は、更に、前記加速度、前記ジャーク、又は前記跳ねのうちの少なくとも1つに対応する、
請求項1に記載のテルミンベースの追跡システム。
【請求項15】
前記テルミンベースの追跡システムを操作する人によって装着されるように構成されたヘッドセットを更に備え、
前記ヘッドセットは、
前記人の視野に対応する空間座標を検出し、
前記ヘッドセットから、前記信号プロセッサに結合された他のシステム又はデバイスに前記空間座標を出力し、前記空間座標が、前記信号プロセッサから出力される前記デジタル信号に関連して使用される、
ように構成されている、
請求項1に記載のテルミンベースの追跡システム。
【請求項16】
テルミンベースの追跡システムを用いて身体の一部を追跡する方法であって、
テルミン回路を介して、少なくとも1つのアンテナに対する身体部分の変化する位置を検出することと、
前記少なくとも1つのアンテナに対する前記身体部分の変化する位置に基づいて変化する周波数又は振幅を有するアナログ信号を、前記テルミン回路から信号プロセッサに出力することと、
前記信号プロセッサを介して、前記アナログ信号の変化する周波数又は振幅の変化率を決定することと、
前記信号プロセッサを介して、前記変化率に基づいて前記身体部分の少なくとも速度を決定することと、
前記信号プロセッサから、前記信号プロセッサに結合された他のシステム又はデバイスに、前記少なくとも速度に対応するデジタル信号を出力することと、
を含む、方法。
【請求項17】
前記デジタル信号は、ビデオゲームの可動要素を制御するために出力される、
請求項16に記載の方法。
【請求項18】
前記デジタル信号は、アトラクションのインタラクティブ要素をトリガーするために出力される、
請求項16に記載の方法。
【請求項19】
前記デジタル信号は、アラーム又は安全システムをトリガーするために出力される、
請求項16に記載の方法。
【請求項20】
前記信号プロセッサ及び前記テルミン回路が、乗り物車両のラップバーに結合されており、
前記少なくとも1つのアンテナは、前記ラップバー内に収容され、
前記検出することは、前記ラップバーに対する前記身体部分の変化する位置を検出することを含む、
請求項16に記載の方法。
【請求項21】
前記少なくとも1つのアンテナは、前記テルミンベースの追跡システムを操作する人によって装着されるように構成されたヘッドセット内に収容されており、
前記検出することは、前記ヘッドセットに対する前記身体部分の変化する位置を検出することを含む、
請求項16に記載の方法。
【請求項22】
導電性材料で作られたケーブルは、前記少なくとも1つのアンテナに平行に配置されており、
前記ケーブルは、前記テルミン回路、前記信号プロセッサ及び前記少なくとも1つのアンテナから絶縁されており、
前記少なくとも1つのアンテナは、前記ケーブルに対してワイヤレスで減衰し、
前記検出するステップは、前記ケーブルに対する前記身体部分の変化する位置を検出することを含む、
請求項16に記載の方法。
【請求項23】
前記ケーブルは、水で満たされた水媒体中に挿入され、
前記少なくとも1つのアンテナは、水中に挿入された前記ケーブルに対してワイヤレスで減衰し、
前記検出することは、前記水媒体に対する前記身体部分の変化する位置を検出することを含む、
請求項22に記載の方法。
【請求項24】
前記信号プロセッサを介して、前記変化率に基づいて前記身体部分の付加を決定することを更に含み、
前記デジタル信号は、更に、前記付加に対応する、
請求項16に記載の方法。
【請求項25】
前記信号プロセッサを介して、前記速度に基づいて前記身体部分の加速度、ジャーク、又は跳ねのうちの少なくとも1つを決定することを更に含み、
前記デジタル信号は、更に、前記加速度、前記ジャーク、又は前記跳ねのうちの少なくとも1つに対応する、
請求項16に記載の方法。
【請求項26】
前記テルミンベース追跡システムを操作する人によって装着されるように構成されたヘッドセットを介して、前記人の視野に対応する空間座標を検出することと、
前記ヘッドセットから、前記信号プロセッサに結合された前記他のシステム又はデバイスに前記空間座標を出力することであって、前記空間座標は、前記信号プロセッサから出力された前記デジタル信号に関連して使用される、ことと、
を更に含む、請求項16に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願に対する相互参照)
本出願は、2021年9月20日に出願された「THEREMIN-BASED TRACKING AND TRIGGERING」と題する米国仮出願シリアル第63/246,206号に対する優先権及びその利益を主張するものであり、その内容全体が、全ての適用可能な目的のために以下に完全に記載されているかのように引用により本明細書に組み込まれる。
【0002】
(技術分野)
本開示は、一般に、身体部分(例えば、人の手)の存在/動きを感知するシステムに関し、より詳細には、テルミンベースのセンサを介して身体部分の存在/動きを追跡し、使用可能な信号を出力するシステムに関する。
【背景技術】
【0003】
遊園地の乗り物車両又はインタラクティブアトラクションに実装されている現在のハンド追跡(及び/又はボディ追跡)システムは、人の手の存在又は動きを検出するのに理想的でない場合がある。例えば、現在のハンド追跡システムは、手の存在/動きを追跡するためにカメラ(又は他の光学系センサ)を利用するので、現在のシステムは、存在/動きを感知するために人の手との直接見通し線を必要とする。このため、カメラによって人の手が見えない場合、ハンド追跡はできない。
【0004】
従って、本開示は、テルミンベースの感知デバイスを使用して、人の手(及び/又は体)の存在又は動きを追跡するためのシステムに向けられる。テルミンベースの感知デバイスにより、システムは、人の手との直接見通し線を必要とすることなく、手の存在/動きを感知することができる。
【発明の概要】
【0005】
以下では、このような態様の基本的な理解を提供するために、本開示の1又は2以上の態様の簡略化された要約を提示する。この要約は、本開示の全ての企図される特徴の広範な概要ではなく、本開示の全ての態様の主要な又は重要な要素を特定することも、本開示の何れか又は全ての態様の範囲を正確に説明することも意図していない。その唯一の目的は、後で提示されるより詳細な説明の前段階として、本開示の1又は2以上の態様の幾つかの概念を簡略形で提示することである。
【0006】
本開示の態様は、テルミンベースのセンサを介して身体部分の存在を追跡し、使用可能な信号を出力するための方法、装置、及びシステムに関する。他の態様、実施形態、及び特徴もまた、特許請求の範囲に記載され、本明細書で説明される。
【0007】
一実施例において、テルミンベースの追跡システムが開示される。本システムは、信号プロセッサと、少なくとも1つのアンテナを含むテルミン回路とを含む。テルミン回路は、少なくとも1つのアンテナに対する身体部分の変化する位置を検出し、少なくとも1つのアンテナに対する身体部分の変化する位置に基づいて、変化する周波数又は振幅を有するアナログ信号を信号プロセッサに出力するように構成される。信号プロセッサは、アナログ信号の変化する周波数又は振幅の変化率を決定し、変化率に基づいて身体部分の少なくとも速度を決定し、少なくとも速度に対応するデジタル信号を信号プロセッサに結合された別のシステム又はデバイスに出力するように構成される。本システムは、導電性材料で作られ且つ少なくとも1つのアンテナと並列に配置されたケーブルを更に含むことができ、ケーブルは、テルミン回路、信号プロセッサ、及び少なくとも1つのアンテナから絶縁されており、少なくとも1つのアンテナは、ケーブルに対してワイヤレスで減衰する。本システムは、水で満たされた水媒体を含むこともでき、ケーブルは水媒体に挿入され、少なくとも1つのアンテナは、水媒体に挿入されたケーブルに対してワイヤレスで減衰する。
【0008】
一実施例において、身体部分を追跡する方法が開示される。本方法は、テルミン回路を介して、少なくとも1つのアンテナに対する身体部分の変化する位置を検出するステップと、少なくとも1つのアンテナに対する身体部分の変化する位置に基づいて、変化する周波数又は振幅を有するアナログ信号をテルミン回路から信号プロセッサに出力するステップと、信号プロセッサを介して、アナログ信号の変化する周波数又は振幅の変化率を決定するステップと、信号プロセッサを介して、変化率に基づいて身体部分の少なくとも速度を決定するステップと、信号プロセッサから、信号プロセッサに結合された別のシステム又はデバイスに、少なくとも速度に対応するデジタル信号を出力するステップと、を含む。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】
図1は、例示的なテルミン回路のブロック図である。
【0010】
【
図2】
図2は、本開示の一態様によるテルミンベースの追跡システムを実装する例示的な乗り物車両を示す図である。
【0011】
【
図3】
図3は、本開示の一態様によるテルミンベースの追跡システムに関連して人によって利用される仮想現実(VR)/拡張現実(AR)ヘッドセットを示す図である。
【0012】
【
図4】
図4は、本開示の一態様によるワイヤレストリガーを実装するテルミンベースの追跡システムを示す図である。
【0013】
【
図5】
図5は、本開示の一態様による、身体部分の存在及び/又は動きを追跡するための例示的なテルミンベースの追跡システムを示すブロック図である。
【0014】
【
図6】
図6は、本開示の一態様による、テルミンベースの追跡システムを使用して身体部分の存在及び/又は動きを追跡するための例示的なプロセスを示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0015】
添付図面に関して以下に記載される詳細な説明は、様々な構成の説明として意図されており、本明細書に記載される概念を実施することができる唯一の構成を表すことを意図していない。この詳細な説明は、様々な概念の十分な理解を提供する目的で具体的な詳細を含む。しかしながら、これらの概念は、これらの具体的な詳細がなくても実施できることは、当業者には明らかであろう。幾つかの例では、このような概念を不明瞭にするのを避けるために、よく知られた構造及び構成要素がブロック図の形態で示されている。本出願では、幾つかの実施例に対する例証によって態様及び実施形態が説明されるが、追加の実施構成及び使用事例が多くの異なる配置及びシナリオで実現できることは、当業者であれば理解するであろう。本明細書に記載される発明は、多くの異なるプラットフォームタイプ、デバイス、システム、形状、サイズ、及び/又はパッケージング構成にわたって実施することができる。
【0016】
本開示は、テルミンベースの感知デバイスを介して手(又は身体)の存在/動きを追跡し、使用可能な信号(例えば、遊園地のゲーム又はインタラクティブアトラクションに使用される)を出力することに関する。テルミン技術は、特定の物体(例えば、人の手)が容量性電極に近接したときに信号に誘起することができる周波数及び/又は周波数の振幅の変化に基づいて動作することができる。
【0017】
従来、テルミンは、テルミンを操作する人によって物理的な接触なしに制御される電子楽器である。テルミンは、人の手の相対位置を感知する2つの金属アンテナを含み、一方の手を介して信号の周波数(ピッチ)を変化させ、他方の手を介して周波数の振幅(ボリューム)を変化させる発振器を制御することができる。テルミンは、電磁場を利用して、テルミン上の2つのアンテナに対する人の手の位置に応じて、変化する周波数(ピッチ)及び振幅(ボリューム)のアナログ信号を出力する。テルミンからの電気アナログ信号は、処理(例えば、増幅)されてラウドスピーカーに送られ、可聴信号を出力することができる。
【0018】
一態様において、可聴信号を出力することに加えて、テルミンから出力される変化する周波数及び/又は振幅の電気アナログ信号は、他の用途に使用可能なデジタルデータに処理することができる。例えば、プロセッサは、テルミンからのアナログ信号を処理し、テルミンを制御する人によってプレイされる電子ゲームに提供されるか、又はインタラクティブアトラクションをトリガーするのに使用できるデジタルデータを出力することができる。一態様において、デジタルデータは、手の動きを追跡するためのテルミンアンテナの1又は2以上に対する人の手の位置データ(例えば、X及びY座標)とすることができ、電子ゲーム又はインタラクティブアトラクションに出力することができる。
【0019】
一態様において、テルミン回路及び信号プロセッサ(テルミン回路の一部であってもよい)を含むテルミンベースの追跡システム(又はデバイス)は、遊園地の乗り物車両のラップバー(lap bar)に組み込まれ、これに応じてテーマ設定することができる。別の態様では、テルミンベースの追跡システムは、遊園地のアトラクション又はインタラクティブエリア内のスタンドアロンデバイスとすることができる。更なる態様では、テルミンベースの追跡システムは、カメラベースのシステムを使用することなく、電磁気学を使用して人の手(又は体)を追跡することを可能にする。従って、テルミンベースの追跡システムは、カメラベースのシステムにより必要とされるような、人の手(又は体)との直接見通し線を必要とすることなく、手(又は体)の追跡を行うことができる。
【0020】
一態様において、テルミンベースの追跡システムからの信号は、信号プロセッサ、テルミン回路及び/又はアンテナに物理的に接続されていないケーブルにワイヤレスで減衰することができる。従って、テルミンベースの追跡システムは、テルミン回路(例えば、回路基板)に結合されたアンテナからケーブル(例えば、HDMIケーブル、イーサネットケーブル、又は導電性材料で作られた他のケーブル)にワイヤレスで減衰することができる。ケーブルを通して、テルミンベースの追跡システムは、ソフトウェアを介してビデオゲーム内の仮想要素を動かす(例えば、仮想ボールを投げる)、インタラクティブアトラクションの効果をトリガー/有効にする(例えば、水鉄砲を撃つ)、又はアラームもしくは安全システムをトリガーするなど、使用可能な信号を出力するようにトリガーすることができる。
【0021】
更なる態様において、ケーブルは、追跡システムのトリガーを容易にするために、水媒体と相互作用することができる。例えば、ケーブル(例えば、HDMIケーブル)は、バケツの水に挿入することができる。従って、テルミンベースの追跡システムが、バケツの水に挿入されたケーブルにワイヤレスで減衰すると、人は、テルミンベースの追跡システムをトリガーさせるために、バケツの水又は水の近くに物理的に手を入れることができる。
【0022】
図1は、例示的なテルミン回路100のブロック図である。ボリューム(すなわち、周波数の振幅)制御は、振幅制御回路102を介して行われる。ピッチ(すなわち周波数)制御は、周波数制御回路104を介して行われる。オーディオ出力は、出力制御回路106を介して制御される。
【0023】
テルミン回路100は、身体的規定がなくても、人が操作することができる。テルミン回路100の近くにいる人は、2つの金属アンテナ110、120の近傍で手を動かすことができる。ピッチアンテナ120(又は周波数アンテナ120)からの距離がピッチ(周波数)を制御し、ボリュームアンテナ110(又は振幅アンテナ110)からの距離がボリューム(振幅)を制御する。人の手がピッチアンテナ120に近づくと、より狭い周波数の波(より高い音)が発生することがある。人の手がボリュームアンテナ110から離れると、高い振幅の波(大きい音)が発生することができる。
【0024】
一態様において、テルミン回路100は、ヘテロダイン原理を用いてオーディオ信号を生成することができる。周波数制御回路104は、無線干渉を最小にするために500kHz未満に設定された2つの無線周波数発振器122、124を含むことができる。基準発振器122は固定周波数で動作する。ピッチ発振器124の周波数はほぼ同じであり、ピッチアンテナ120からの人の距離によって制御される。
【0025】
人の手は、ピッチ発振器124の一部であり及びその周波数を決定するL-C(インダクタンス-キャパシタンス)回路の可変キャパシタの接地プレート(人の体が接地への接続部である)として機能する。一部の実施構成では、ピッチアンテナ120は、ピッチ発振器124の同調回路に直接結合され、距離に伴う容量変化がピッチアンテナ120の近くで遙かに大きくなるので、「ピッチフィールド」、すなわち距離による音符の変化は極めて非線形である。このような実施構成では、ピッチアンテナ120を取り外すと、ピッチ発振器124は周波数が高くなる。
【0026】
ピッチフィールドを部分的に線形化するために、ピッチアンテナ120をインダクタと直列に配線して直列同調回路を形成し、アンテナ固有の静電容量及びピッチアンテナ120に近接する人の手の静電容量の並列組み合わせと共振させることができる。この直列同調回路は、次に可変ピッチ発振器124の並列同調回路と並列に接続される。アンテナ回路が切り離された状態で、ピッチ発振器124はアンテナ回路の単体共振周波数よりわずかに高い周波数に同調される。その周波数では、ピッチアンテナ120及びその線形化コイルは誘導性インピーダンスを示し、接続されるとピッチ発振器124と並列のインダクタとして動作する。従って、ピッチアンテナ120及び線形化コイルを接続すると、発振周波数が上昇する。アンテナ回路の共振周波数に近いほど実効インダクタンスは小さく、ピッチ発振器124への影響は大きく、遠いほど実効インダクタンスは大きくなり、ピッチ発振器124への分数変化は小さくなる。
【0027】
手をピッチアンテナ120から離すと、アンテナ直列回路の共振周波数が最も高くなり、すなわち、ピッチ発振器124の自走周波数に最も近くなり、アンテナ静電容量の小さな変化が最も大きく影響する。この状態では、タンク回路の実効インダクタンスは最小となり、発振周波数は最大となる。手の位置によるシャントインピーダンスの変化率が急峻になることで、手が遠ざかることによる影響の減少が補われる。注意深くチューニングすることで、ピッチフィールドのほぼ直線的な領域を、動作の中央2又は3オクターブにわたって作り出すことができる。最適化されたピッチフィールドのリニアライゼーションを用いれば、0.01ピコファラッドのオーダーの人とテルミン回路との間のキャパシタンスの変化で、1オクターブの周波数シフトが生じる回路を作ることができる。
【0028】
ミキサー126は、各瞬間における2つの発振器122、124の周波数間のオーディオレンジの差を生成し、これは、その後(ローパスフィルタ128を介して)波形整形されて(増幅器130を介して)増幅され、出力制御回路106のスピーカ132に送られるトーンである。
【0029】
ボリュームを制御するために、人のもう一方の手は別の可変コンデンサの接地プレートとして機能する。周波数制御回路104と同様に、振幅制御回路102では、人の手とボリュームアンテナ110との間の距離が、わずかに高い共振周波数で動作する別の固定LC発振回路に誘導結合されたLC回路の容量及びそれ故の自然共振周波数を決定する。手がボリュームアンテナ110に近づくと、その回路の固有周波数は余分なキャパシタンスによって下側に下がり、ボリューム発振器112の同調を解除し、その共振プレート電流を下げる。幾つかの態様では、ボリューム発振器112のRFプレート電流は、別の巻線によってピックアップされ、別のダイオード接続三極管のフィラメントに電力を供給するために使用されることがあり、その結果、出力振幅を変化させる可変コンダクタンス素子として機能する。ボリューム発振器112から出力された信号は、増幅器130に転送される前に、バンドパスフィルタ114及びエンベロープ検出器116を通過させることができる。
【0030】
図1に示すように、出力制御回路106は、振幅制御回路102及び周波数制御回路104から信号を受け取り、可聴信号を出力する。しかしながら、幾つかの態様において、出力制御回路106は、振幅制御回路102及び/又は周波数制御回路104から受信した信号を処理して、他の用途(例えば、遊園地ゲーム、双方向アトラクション、安全システム等)に使用可能なデジタルデータを出力するように構成することもできることが企図される。
【0031】
図2は、本開示の一態様によるテルミンベースの追跡システムを実装する例示的な乗り物車両200を示す。乗り物車両200は、乗り物車両200を操作するオペレータが座ることができる座席202を含むことができる。乗り物車両200は、座席202を支持するためのフレーム204、並びに乗り物車両200の移動を容易にするための前輪206及び後輪208を更に含むことができる。乗り物車両200は、座席202の下方の乗り物車両200の下面から延びるラップバー210も含むことができる。一態様において、ラップバー210は、人が座席210に座っているときに人の膝の上に載るように可動に配置されることがある。ラップバー210は、乗り物車両200が動いているときに人が座席202から落ちないように安全に拘束する役割を果たすことがある。加えて、又は代替的に、ラップバー210は、乗り物車両200の動き又は乗り物車両200に関連する他の効果を制御する機構として機能することができる。
図2に示すように、ラップバー210は2つの別個の要素である。しかしながら、幾つかの態様では、座席202の下方の乗り物車両200の下面から、又はより高い表面から延びる単一のラップバー210が、座席202に座っている人の膝の上に移動可能に配置されるように実施されてもよい。
【0032】
一態様において、テルミンベースの追跡システムのアンテナが使用される方法は、システムにおいて有効化されるアンテナの数に依存することができる。例えば、周波数アンテナ(周波数の変化を感知するため)及び振幅アンテナ(振幅の変化を感知するため)の両方が有効である場合、信号がどの程度の速さで変化しているかを決定するために、どちらか一方のアンテナを使用することができる。振幅アンテナが有効な場合、テルミンベースの追跡システムは、波(信号)がどの程度短く又は高くなるか、及び波が変化する(短く又は高くなる)速度を決定することができる。周波数アンテナが有効であれば、テルミンベースの追跡システムは、波(信号)がどれだけ狭く又は広くなるか、及び波が変化する(狭く又は広くなる)速度を決定することができる。
【0033】
一態様において、テルミンベース追跡システムの周波数アンテナ(例えば、周波数アンテナ120)及び/又は振幅アンテナ(例えば、振幅アンテナ110)は、乗り物車両200のラップバー210に実装することができる。従って、手の動きは、座席202の人が座席202に座っている間に手をどのように動かすかに基づいて感知することができる。テルミン回路は(アンテナを介して)手が空間内のどこにあるかを感知し、テルミン回路に結合された又はテルミン回路の一部に結合された信号プロセッサ(例えば、デジタルプロセッサ)に対応する信号を出力することができる。信号プロセッサは、対応する信号を処理して、異なる用途に使用可能なデジタルデータを出力することができる。例えば、テルミンベースの追跡システムが、人が座席202に座ったままであるかどうかを検出するために使用される場合、デジタルデータは、安全システムをトリガーするために使用することができる。他の例では、デジタルデータは、スクリーン上に表示されるゲームにおいて、乗り物車両200又は他のアトラクションのインタラクティブ要素を起動するために、又はエフェクトエンジンからの効果をトリガーするために使用することができる。
【0034】
一態様において、テルミン回路の入力は、任意の導電性材料からの干渉であってもよい。従って、ラップバー210自体がテルミン回路のアンテナ又は「トラッカー」として機能することもある。ドアハンドル、出入り口など、導電性材料でできた他の物体もアンテナとして使用できる。このように、テルミンベースの追跡システムは、手のジェスチャーを追跡するためだけでなく、一般的にあらゆる身体部分からのジェスチャーを追跡するためにも使用することができる。例えば、テルミンベースの追跡システムと相互作用する身体の一部(例えば、脚、大腿部、頭部、腕など)は、システムをトリガーさせることができる。従って、テルミンベースの追跡システムは、カメラ又は他の光学系センサを必要とすることなく、出入り口を通って歩いている人又は座席に座っている人を追跡するために使用することができる。
【0035】
一態様において、信号プロセッサは、Arduino又は他のタイプの処理回路であってもよい。信号プロセッサは、テルミン回路からデータ(例えば、信号の減衰の変化;波の周波数又は振幅の変化等)を受信し、テルミン回路のデータを他のアプリケーションに使用可能なデータ(例えば、デジタルデータ)に変換するように構成されたコード又は命令を含む。信号プロセッサは、そこで実行されるアプリケーション(例えば、ビデオゲーム、インタラクティブアトラクション等)で使用するために、使用可能なデータを、トランスポート媒体(例えば、USB、イーサネット等)を介してシステム又はデバイスに送信することができる。
【0036】
一態様において、テルミン回路は、信号を生成し、信号の操作を決定する。信号プロセッサは、テルミン回路からの信号をデジタル化し、デジタル化された信号を、信号プロセッサがインターフェースするゲーム又は他のシステム(例えば、インタラクティブアトラクション)に送信するように構成される。
【0037】
図3は、本開示の一態様によるテルミンベースの追跡システムに関連して、人302によって利用される仮想現実(VR)/拡張現実(AR)ヘッドセット304を示す
図300である。幾つかの態様において、人302は、
図2の乗り物車両200の座席202に座っている。一態様において、ヘッドセット304は、人の頭がどこに向けられているか(人がどこを見ているか)に基づく方向測位を容易にする慣性測定ユニット(IMU)を含む。テルミンベースの追跡システムは、速度トリガーシステムとして使用することができる。例えば、テルミンベースのハンド追跡システム(例えば、テルミン回路及び信号プロセッサを使用)は、点Aから点Bへの人の手の動きの速度を決定することができる。一態様において、決定された手の速度情報は、ヘッドセット304に表示される他の効果、例えば、レーザビーム、ボール投げ、ある速度でスクリーン上を移動する要素等をトリガーすることもできる。
【0038】
例示的な実施構成では、人302はヘッドセット304を装着し、ヘッドセット304のスクリーン上に表示されたビデオゲームを観察する。ビデオゲームの中で、人302は、投げる動作で腕/手を物理的に動かすことによって、仮想のボールを投げることになる。ヘッドセット304に結合されたテルミンベースの追跡システムは、ビデオゲーム内で速度アーク(仮想ボールがどのように移動するかの表示)を作成するために、人302がどの程度強くボールを投げるかを決定することができる。テルミンベースの追跡システムは、投球がショートスローであったか又はロングスローであったかを判定することもできる。ある態様では、テルミンベースの追跡システムは、オブジェクト(例えば、人の手)がテルミンフィールドを移動する速度を決定することができる。物体の速度を決定する能力により、システムは、例えば、仮想ボール投げをトリガーするために、(テルミンフィールド内の人の手の位置だけでなく)人がテルミンフィールドをどのように移動するかについての情報を収集することができる。例えば、収集された情報は、ゲームに供給され、ヘッドセット304のスクリーン上に仮想ボールを生成するために使用され、更に、最終的に仮想世界で仮想ボールを投げるために使用される。
【0039】
一態様において、テルミンベース追跡システムの周波数アンテナ又は振幅アンテナの何れか一方は、人の手の動きの速度を決定するために使用することができる。周波数アンテナを例にとると、人302が周波数アンテナの上で手を刻む動作をした場合、人の手が周波数アンテナに近づくにつれて周波数は上昇し、より狭い波が発生する。人の手が周波数アンテナから遠ざかるにつれて周波数は低下し、より幅の広い波が発生する。狭い波から広い波への変化率(又はその逆)は、人の手がフィールドを移動する速度である。従って、人の手が周波数アンテナに向かって刻むにつれて、狭い波から広い波への変化率(又はその逆)が手の動きの速度を決定する可能性がある。
【0040】
振幅アンテナを例にとると、振幅アンテナの上で手を刻む動作をした場合、振幅アンテナに近づくにつれて振幅が大きくなり、背の高い波ができる。振幅は、人の手が振幅アンテナから遠ざかるにつれて減少し、従って短い波が生じる。高い波から短い波への変化率(又はその逆)は、人の手がフィールドを移動する速度である。従って、人の手が振幅アンテナに向かって切り刻むにつれて、高い波から短い波への変化率(又はその逆)が手の動きの速度を決定する可能性がある。
【0041】
一態様において、テルミンベースの追跡システムの一方のアンテナが人物302の一方の手を追跡し、追跡システムの他方のアンテナが人物302の他方の手を追跡することができる。例えば、乗り物車両200のラップバー210は、テルミンベースの追跡システムを実装することができ、一方のアンテナは、座席202に座っている人の左手の動きを追跡するためにラップバー210の左側に延び、他方のアンテナは、人の右手の動きを追跡するためにラップバー210の右側に延びることができる。左手の動きを追跡するアンテナは、振幅の変化を介して左手の速度を決定することができ、及び右手の動きを追跡するアンテナは、周波数の変化を介して右手の速度を決定することができ、又はその逆も可能である。
【0042】
一態様において、テルミンベースの追跡システムの2つのアンテナは互いに独立して動作する。周波数アンテナの操作は振幅アンテナに影響を与えず、及びその逆も同様である。アンテナの配置によっては、また、(後述するように)アンテナからの外部刺激をフィルタリングするための較正プロセスがテルミンベースの追跡システムに存在するため、一方のアンテナは一方の手の波の変化を追跡することができ(例えば、左手の動きに基づく波の振幅の変化を追跡する)、他方のアンテナは他方の手の波の変化を追跡することができる(例えば、右手の動きに基づく波の周波数の変化を追跡する)。従って、テルミンベースの追跡システムは、両手から互いに独立して速度を決定することができる。例えば、人302は右手で投球を行い、テルミンベースの追跡システムは周波数の変化を読み取り、右手の投球の速度を決定する。或いは、人302は左手で投げを行い、テルミンベースの追跡システムは振幅の変化を読み取り、左手の投げの速度を決定する。更に、2つのアンテナは互いに独立しているので、人302は、左手の投げと右手の投げの両方を同時に行うことができ、又は異なる速度で行うことができ、テルミンベースの追跡システムは、一方の手の投げの速度を他方の手の投げから独立して決定することができる。
【0043】
上述したように、ラップバー210は、互いに独立して動作する2つのアンテナを有する1つのテルミンベース追跡システムで実装することができる。しかしながら、一態様において、ラップバー210は、互いに独立して動作する複数のテルミンベースの追跡システムと共に実装されてもよい。複数のテルミンベースの追跡システムは、複数のより大きな領域を追跡するために別々に動作することができる。例えば、あるテルミンベースの追跡システムはラップバー210の左側の手の動きを追跡し、別のテルミンベースの追跡システムはラップバー210の右側の手の動きを追跡することができる。一方の追跡システムのアンテナは、それぞれの追跡システムから発せられる信号を分離するために、接地障壁(例えば、接地まで引っ張られた金網)によって他方の追跡システムのアンテナから分離されることがある。従って、人の左手の動き及び右手の動きの両方が、ラップバー210に実装された2つの追跡システムの何れかによって追跡することができる。
【0044】
例示的な実施構成では、人302はヘッドセット304を装着し、ヘッドセット304のスクリーン上に表示されたビデオゲームを観察する。ビデオゲーム内で、人物302は仮想オートバイ(又は他の物体)に乗る。現実世界では、人物302は、金属又は他の導電性材料でできたハンドルを有する物理的なスティックを保持することができる。物理的なスティックのハンドルは、テルミンベースの追跡システムのアンテナとなるように構成することができる。従って、人の手が物理的なスティックのハンドルに近づく又は物理的なスティックのハンドルから遠ざかるにつれて、追跡システムは手の動きの方向を区別することができ、更に(信号プロセッサを介して)ビデオゲームに信号を出力して、物理的なスティックのハンドル上の人の手の位置に基づいて、ゲーム中の人の手が仮想オートバイに近づく又は仮想オートバイから遠ざかることを示すことができる。
【0045】
一般に、ジェスチャーが実現される場合がある。テルミンベースの追跡システムは、効果を可能にするために、人302からのスワイプジェスチャ又は任意の数の動きを検出することができる。例えば、テルミンベースの追跡システムは、人物302が物理スティックハンドルをつかんでいる場所を検出し、ビデオゲームに信号を(信号プロセッサを介して)出力して、ゲーム中の人物の手が、人物302が物理スティックハンドルをつかんでいるのと同じ位置で仮想オートバイをつかんでいることを示すことができる。
【0046】
別の例では、テルミンベースの追跡システムは、人の手が物理的なスティックハンドル上でどの程度前方にあるかを検出し、その結果、人が(波の周波数又は振幅の変化を介して)物理的にどの程度前方に傾いているかを決定することができる。一態様において、追跡システムは、人の身長に基づいて、人が物理的にどのくらい前傾しているかを決定する追加のセンサ回路を含むことができる。そして、追跡システムは、対応する信号を(信号プロセッサを介して)ビデオゲームに出力し、ゲーム内の仮想バイクの速度を制御することができる。ここで、人物302が(追跡システムによって検出された)物理的なスティックハンドルにどれだけ前方に手を置くかは、ゲーム内で人物302が仮想オートバイに乗って走行する速度に影響を与える。
【0047】
別の例示的な実施構成では、テルミンベースの追跡システムは、乗り物車両200のラップバー210に実装される。人の手は一般的にラップバー210の上にある。人が手を持ち上げ、ラップバー210の上に投げる動作を行う場合、追跡システムは、波の周波数(又は波の振幅)の変化(デルタ)を介して、手がテルミン場を通って移動する速度を測定することができる。測定値を使用して、追跡システムは(信号プロセッサを介して)、ヘッドセット304を通して観察されているゲームで使用するためのボール投球速度を生成することができる。一態様において、ヘッドセット304は、ボールが投げられる速度ではなく、ボールが投げられる方向を決定するための別の追跡システムとして使用される。テルミンベースの追跡システムは、ボールを投げる速度を制御する人の手を追跡する。ボールを投げる方向は、ヘッドセット304によって、人の頭がどこを向いているか(又は人の目がどこを見ているか)に応じて追跡される。
【0048】
上述したように、テルミンベースの追跡システム(例えば、アンテナ、テルミン回路、及び信号プロセッサ)は、乗り物車両200のラップバー210上に実装される。しかしながら、幾つかの態様では、テルミンベースの追跡システムは、ヘッドセット304にも実装することができる。従って、手の動きの速度は、ヘッドセット304に近接して手を動かす人に基づいて決定することもできる。
【0049】
一態様において、テルミンベースの追跡システム(例えば、テルミン回路及び信号プロセッサ)は、おおよそ、100~200mmの長さ、50~100mmの幅、及び2~20mmの厚さを有することができる。追跡システムのアンテナの大きさは、使用される導電性材料の種類に依存する場合がある(例えば、銅テープがアンテナとして使用される場合がある)。一態様において、テルミンベースの追跡システム全体が、回路基板及びアンテナだけで作られてもよく、アンテナは乗り物車両200のラップバー210であってもよい。従って、ハンド追跡システムは、ラップバー210に結合された回路基板の組み合わせであってもよく、波の周波数又は振幅の変化は、ラップバー210に対して測定されてもよい。
【0050】
一態様において、テルミンベースの追跡システムは、システムがデバイスが現在いる環境を検出し、現在システムに干渉する全ての周波数をフィルタリングする較正シーケンスを含むことができる。従って、システムは、フィールドに追加される(又は干渉する)新しい媒体又は動きのみを感知する。このようなキャリブレーションシーケンスは、環境がテルミンベースの追跡システムに干渉しないことを保証する。つまり、テルミンベースの追跡システムは、システムによって感知された変化が、人によるものであり、環境によるものではないことを保証する。
【0051】
図4は、本開示の一態様によるワイヤレストリガーを実装したテルミンベースの追跡システム400を示す。一態様において、システム400は、乗り物車両のラップバー404に結合されたテルミン回路402(信号プロセッサを含む)を含むことができる。ラップバー404は、乗り物車両のフロア406から支持バー408を介して延びることができる。簡単のため、乗り物車両及び乗り物車両の座席は図示されていない。
【0052】
システム400はまた、ラップバー404内に、テルミン回路402から垂直に延びる第1のアンテナ410及びテルミン回路402から水平に延びる第2のアンテナ412を含むことができる。システム400は、第1のアンテナ410及び第2のアンテナ412に並行して走る導電性材料(例えば、HDMIケーブル、イーサネットケーブル等)で作られたワイヤ又はケーブル414を更に含むことができる。ワイヤ又はケーブル414はラップバー404内に収容されていてもいなくてもよい。第1のアンテナ410又は第2のアンテナ412からの減衰により、並列のワイヤ又はケーブル414がアンテナの延長として機能することができる。アンテナ延長部として使用されるワイヤ又はケーブル414は、システム400の電子部分に直接(又は電気的に)結合されていない(すなわち、ワイヤ又はケーブル414は、アンテナ410、412又はテルミン回路402の何れにも直接取り付けられていない)ので、ワイヤ又はケーブル414は、システム400のワイヤレストリガーとして機能することができる。従って、人がワイヤ又はケーブル414の近くに触れたり手を動かしたりすると、テルミン回路402がトリガーされて、周波数又は振幅が変化する信号を出力する。
【0053】
一態様において、ワイヤ又はケーブル414は、水で満たされた水媒体416(例えば、バケツ、ボウル、又は水を保持することができる他の何れかの容器)内に配置することができる。このため、ワイヤ又はケーブル414が水中に沈められている間、水媒体416はまた、ケーブル414を介してシステム400のワイヤレストリガーとしても機能することができる。人が水媒体416に触れること、又は水媒体416の近くで手を動かすと、テルミン回路402がトリガーされて、可変周波数又は振幅を有する信号を出力することになる。
【0054】
ワイヤ又はケーブル414又は水媒体416の何れかによってトリガーされると、システム400は(テルミン回路及び信号プロセッサを介して)、安全システムをトリガーするために使用されるデータ、スクリーン上のゲームの動きを出力するために使用されるデータ、乗り物車両又は他のアトラクションのインタラクティブ要素を起動するために使用されるデータ、又はエフェクトエンジンからのエフェクトをトリガーするために使用されるデータ等の、異なる用途に使用可能なデジタルデータを出力することができる。
【0055】
一態様において、第1のアンテナ410及び第2のアンテナ412の両方は、絶縁材料によって電線又はケーブル414から分離/絶縁されている。断熱材料は電線又はケーブル414を通して導電するのを防ぐ。例えば、ラップバー404は、断熱材料(例えば、プラスチック)で作られてもよい。従って、ワイヤ又はケーブル414がラップバー404に収容されている場合、第1のアンテナ410は、ラップバー404の外壁(例えば、プラスチック壁)を介してワイヤ又はケーブル414から絶縁される。更に、共にラップバー404内に収容することができる第2のアンテナ412を電線又はケーブル414から絶縁するために、第2のアンテナ412及び電線又はケーブル414は、ラップバー404内で、断熱材料(例えば、プラスチック)からなる内壁418によって分離することができる。
【0056】
アンテナ410、412及びテルミン回路402(信号プロセッサを含む)の両方から絶縁されているワイヤ又はケーブル414は、それを通る無視できる量の電気を有するワイヤレスボタン(又はトリガー)を作り出す。一態様において、ワイヤ又はケーブル414が水で満たされた水媒体414に挿入され、人が水媒体414に触れるか、又はその近くで手を動かすと、水媒体414は波の周波数(又は振幅)を操作し、従って、水媒体416又はワイヤ又はケーブル414を通って流れる測定可能な電気を持たないワイヤレスボタン(又はトリガー)となる。ワイヤレスボタンは、システム400の減衰を変化させるだけである。注目すべきことに、システム400にワイヤレストリガーを設けることは、水域に電気を導入する必要がないので望ましい。非導電性材料を介したワイヤレス減衰を利用することにより、テルミンベースの追跡システムは、水域に電圧を送ることなく水域を監視することができ、より安全なシステムを構築することができる。
【0057】
注目すべきは、水媒体416は、追跡システムのワイヤレスボタンを作成する/ワイヤレストリガーを有効にするために必要ではないということである。人がワイヤ又はケーブル414に触れる、又はその近くで手を動かすだけで、波の周波数(又は振幅)を操作するのに十分であり、従って、追跡システムのワイヤレスボタン/ワイヤレストリガーを可能にする。
【0058】
一態様において、ワイヤレスボタン(又はトリガー)は、インタラクティブアトラクション(例えば、水鉄砲射撃のような水を用いたインタラクティブ)において使用することができる。例えば、インタラクティブな水しぶきゾーンでは、電線又はケーブル414を通る測定可能な物理的電気が存在しないので、人は、様々な水媒体と安全に相互作用することができる。別の例では、プールをインタラクティブにするために、ワイヤレストリガーをプール(例えば、ウォーターパーク用)に実装することができる。例えば、人がプールに飛び込むと、ワイヤレストリガーは特殊効果(例えば、水鉄砲射撃)を作動させることができる。一態様において、プールの水はワイヤレストリガーのアンテナとして機能する。人が飛び込み台からジャンプしてプールに入る勢い(速度)は、水に対する人の動きに基づいて検出される。従って、人の速度に基づいて、異なる種類の効果を作動させることができる。例えば、(テルミンベースの追跡システムを介して)ワイヤレストリガーは、人が水に入る速さに基づいて、水鉄砲に水を撃たせたり、又はウォータージェットシステムに人の水しぶきを大きく見せるようにさせたりすることができる。別の例では、(テルミンベースの追跡システムを介した)ワイヤレストリガーは、入水する人の速度に基づいて、照明効果、煙効果、又は他のタイプの効果を作動させることができる。一態様において、ワイヤレストリガーに触れることは、効果を作動させるために必要ではない。例えば、上述した効果は、人がワイヤレストリガーに手を近づける(触れない)ことで作動させることができる。
【0059】
一態様において、(テルミンベースの追跡システムを利用する)ワイヤレストリガーは、水媒体(例えば、水ドラム)を使用する楽器として実装することができる。例えば、テルミンベースの追跡システムは、水の入ったバケツをワイヤレストリガーとして動作するように構成することができる。従って、人がバケツ内の水を叩いたり、打ったり、触れたりすると、テルミンベースの追跡システムがトリガーされ、ラウドスピーカー又は他のタイプのオーディオ処理回路/デバイスに信号を出力し、サウンド又は楽音を生成する。人の手が水に触れる速度によって、生成されるサウンド又は音符のボリュームが決定される。
【0060】
一態様において、テルミンベースの追跡システムは、様々なタイプの安全システムに実装することができる。例えば、テルミンベースの追跡システムがトリガーされる(手又は体の動きを検出する)と、追跡システムは安全システムを有効にするための信号を出力することができる。幾つかの態様では、追跡システムはアナログ信号(例えば、電圧)をアナログベースの安全システムに出力することができる。
【0061】
一態様において、安全システムは検出システムであってもよい。例えば、乗り物車両の座席に乗っている人が、乗り物乗車中に座席から脱出した場合、又は何らかの形で座席から離れた場合、安全システムは(テルミン回路を介して)人が座席から離れたことを検出し、乗り物を停止させる信号を出力することができる。安全システムは、システムの実装方法に応じて、身体の任意の部分、又は身体全体の物理的存在を検出することができる。
【0062】
一態様において、テルミンベースの追跡システムは、人物追跡装置として実装することができる。特に、追跡システムは、人が乗車座席に座っているか、又は人が出入り口を通って歩いているかを追跡し、対応する信号を他のシステムに出力することができる。例えば、人が出入り口を通って歩くと、追跡システムは、例えば、アニメーションフィギュア、発光ダイオード(LED)、安全システム、アラーム等を有効にするために、他のシステム又はデバイスに応答を出力するようにトリガーされることがある。
【0063】
一態様において、テルミンベースの追跡システムは、プールの安全システム又は警報システムに実装することができる。例えば、人がプールに落ちた場合、追跡システムは、安全システムに緊急通知信号を出力するようにトリガーされる。別の例では、プールは、特定の時間帯(例えば、夜間)、一般客に対して閉鎖されることがある。従って、プール内の無許可者の検出は、追跡システムをトリガーして、警報システムに警報信号を出力させることができる。
【0064】
図5は、本開示の一態様による、身体部分(例えば、人の手)の存在及び/又は動きを追跡するためのテルミンベースの追跡システム500の一例を示すブロック図である。追跡システム500は、信号プロセッサ502及び少なくとも1つのアンテナ506(例えば、周波数アンテナ及び/又は振幅アンテナ)を含むテルミン回路504を含む。
【0065】
テルミン回路504は、少なくとも1つのアンテナ506に対する身体部分(例えば、人の手又は他の身体部分)の変化する位置を検出する。更に、テルミン回路504は、少なくとも1つのアンテナ506に対する身体部分の変化する位置に基づいて、変化する周波数又は振幅を有するアナログ信号を信号プロセッサ502に出力する。
【0066】
信号プロセッサ502は、アナログ信号の変化する周波数又は振幅の変化率を決定し、変化率に基づいて、少なくとも身体部分の速度(例えば、人の手の動きの速度)を決定する。そして、信号プロセッサ502は、少なくとも速度に対応するデジタル信号を、信号プロセッサに結合された別のシステム又はデバイス508に出力する。
【0067】
一態様において、信号プロセッサ502は、変化率に基づいて身体部分の付加(accretion)を決定する。従って、信号プロセッサ502から出力されるデジタル信号は、付加に更に対応することができる。
【0068】
更なる態様において、信号プロセッサ502は、速度に基づいて、身体部分の加速度、ジャーク、及び/又は跳ねを決定することができる。従って、信号プロセッサ502から出力されるデジタル信号は、加速度、ジャーク、又は跳ねに対応することもある。
【0069】
一態様において、デジタル信号は、ビデオゲームの可動要素を制御し、アトラクションのインタラクティブ要素をトリガーし、及び/又はアラーム又は安全システムをトリガーするために、システム又はデバイス508に出力される。
【0070】
一態様において、信号プロセッサ502及びテルミン回路504は、乗り物車両のラップバー(例えば、ラップバー210)に結合され、少なくとも1つのアンテナはラップバー内に収容される。従って、テルミン回路504は、ラップバーに対する身体部分の変化する位置を検出することができる。
【0071】
一態様において、少なくとも1つのアンテナ506は、追跡システム500を操作する人によって装着されるように構成されたヘッドセット(例えば、ヘッドセット304)内に収容される。従って、テルミン回路504は、ヘッドセットに対する身体部分の変化する位置を検出することができる。
【0072】
追跡システム500は、導電性材料で作られ、少なくとも1つのアンテナ506と平行に配置されたケーブル510(例えば、ワイヤ又はケーブル414)を更に含むことができる。ケーブル506は、信号プロセッサ502、テルミン回路504、及び少なくとも1つのアンテナ506から絶縁材料を介して絶縁されている。更に、少なくとも1つのアンテナ506は、ケーブル510に対して無線減衰する。従って、テルミン回路504は、ケーブル510に対する身体部分の変化する位置を検出することができる。
【0073】
追跡システム500は、水で満たされた水媒体512(例えば、水媒体416)を含むこともでき、ケーブル510は水媒体512に挿入され、少なくとも1つのアンテナ506は、水媒体512に挿入されたケーブル510に対してワイヤレスで減衰する。従って、テルミン回路504は、水媒体512に対する身体部分の変化する位置を検出することができる。
【0074】
追跡システム500はまた、追跡システム500を操作する人によって装着されるように構成されたヘッドセット514を含むことができる。ヘッドセット514は、人の視野に対応する空間座標を検出することができる。ヘッドセット514は更に、信号プロセッサ502に結合された他のシステム又はデバイス508に空間座標を出力することができる。空間座標は、信号プロセッサ502から出力されたデジタル信号と関連して使用される場合がある(例えば、デジタル信号及び空間座標は、ビデオゲームに出力され、ボールスローの速度及び方向/位置を決定するために共同で使用される)。
【0075】
図6は、本開示の一態様によるテルミンベースの追跡システムを使用して身体部分(例えば、人の手)の存在及び/又は動きを追跡するための例示的なプロセス600を示すフローチャートである。幾つかの例では、プロセス600は、テルミンベースの追跡システム500又は以下に説明する機能又はアルゴリズムを実施する何れかの適切な装置又は手段によって実施することができる。
【0076】
602において、システムは、テルミン回路(例えば、テルミン回路504)を介して、少なくとも1つのアンテナ(例えば、アンテナ506)に対する身体部分の変化する位置を検出することができる。身体部分は、人の手又は人の他の何れかの身体部分とすることができる。
【0077】
604において、システムは、テルミン回路から、アナログ信号を信号プロセッサ(例えば、信号プロセッサ502)に出力することができる。アナログ信号は、少なくとも1つのアンテナに対する身体部分の変化する位置に基づいて変化する周波数又は振幅を有する。
【0078】
606において、システムは、信号プロセッサを介して、アナログ信号の変化する周波数又は振幅の変化率を決定することができる。608において、システムは、信号プロセッサを介して、変化率に基づいて身体部分の少なくとも速度を決定することができる。その後、610において、システムは、信号プロセッサから、少なくとも速度に対応するデジタル信号を信号プロセッサに結合された別のシステム又はデバイス(例えば、システム又はデバイス508)に出力することができる。
【0079】
一態様において、608において、システムはまた、信号プロセッサを介して、変化率に基づいて身体部分の付加を決定することができる。従って、610において、信号プロセッサから出力されるデジタル信号は、付加に更に対応することができる。
【0080】
更なる態様において、608において、システムは、信号プロセッサを介して、速度に基づいて、身体部分の加速度、ジャーク、及び/又は跳ねを決定することができる。従って、610において、信号プロセッサから出力されるデジタル信号もまた、加速度、ジャーク、又は跳ねに対応することができる。
【0081】
612において、システムは、任意選択的に、システムを操作する人によって装着されるように構成されたヘッドセット(例えば、ヘッドセット514)を介して、人の視野に対応する空間座標を検出することができる。システムは更に、ヘッドセットから、信号プロセッサに結合された他のシステム又はデバイスに空間座標を出力することができ、空間座標は、信号プロセッサから出力されたデジタル信号に関連して使用される(例えば、デジタル信号及び空間座標は、ビデオゲームに出力され、ボールスローの速度及び方向/位置を決定するために共同で使用される)。
【0082】
一態様において、デジタル信号は、ビデオゲームの可動要素を制御するため、アトラクションのインタラクティブ要素をトリガーするため、及び/又はアラーム又は安全システムをトリガーするために出力される。
【0083】
一態様において、信号プロセッサ及びテルミン回路は、乗り物車両のラップバー(例えば、ラップバー210)に結合され、少なくとも1つのアンテナは、ラップバー内に収容される。従って、テルミン回路は、ラップバーに対する身体部分の変化する位置を検出することによって検出を実行することができる。
【0084】
一態様において、少なくとも1つのアンテナは、システムを操作する人によって装着されるように構成されたヘッドセット(例えば、ヘッドセット304)内に収容される。従って、テルミン回路は、ヘッドセットに対する身体部分の変化する位置を検出することによって検出を実行することができる。
【0085】
一態様において、導電性材料から作られたケーブル(例えば、ケーブル414又は510)は、少なくとも1つのアンテナに平行に配置される。更に、ケーブルは、テルミン回路、信号プロセッサ及び少なくとも1つのアンテナから絶縁されており、少なくとも1つのアンテナは、ケーブルに対してワイヤレスで減衰する。従って、テルミン回路は、ケーブルに対する身体部分の変化する位置を検出することによって検出を行うことができる。
【0086】
一態様において、ケーブルは、水で満たされた水媒体(例えば、水媒体416又は512)に挿入され、少なくとも1つのアンテナは、水中に挿入されたケーブルに対してワイヤレスで減衰する。従って、テルミン回路は、水媒体に対する身体部分の変化する位置を検出することによって検出を実行することができる。
【0087】
本開示の中で、「例示的」という用語は、「実施例、実例、又は例証として役立つ」という意味で使用される。本明細書において「例示的」として記載される何れかの実施構成又は態様は、必ずしも、本開示の他の態様よりも好ましい又は有利であると解釈されるものではない。同様に、「態様」という用語は、本開示の全ての態様が、議論された特徴、利点、又は動作モードを含むことを必要としない。本明細書において、「結合された」という用語は、2つの物体間の直接的又は間接的な結合を指すのに使用される。例えば、物体Aが物体Bに物理的に接触し、物体Bが物体Cに接触する場合、物体A及びCは、直接物理的に接触していなくても、互いに結合していると考えられる。例えば、第1の物体が第2の物体に直接物理的に接触していなくても、第1の物体は第2の物体に結合している可能性がある。
【0088】
図1~
図6に例示された構成要素、ステップ、特徴及び/又は機能の1又は2以上は、単一の構成要素、ステップ、特徴、又は機能に再配置及び/又は組み合わせることができ、或いは、複数の構成要素、ステップ、又は機能に具現化することができる。追加の要素、構成要素、ステップ、及び/又は機能はまた、本明細書に開示された新規の特徴から逸脱することなく追加することができる。
図1~
図6に示される装置、デバイス、及び/又は構成要素は、本明細書に記載される方法、特徴、又はステップのうちの1又は2以上を実行するように構成することができる。また、本明細書に記載される新規のアルゴリズムは、効率的にソフトウェアに実装及び/又はハードウェアに埋め込むことができる。
【0089】
開示された方法におけるステップの特定の順序又は階層は、例示的なプロセスの例証であることを理解されたい。設計の選好に基づいて、本方法におけるステップの特定の順序又は階層は、再配置することができることは理解される。添付の方法のクレームは、様々なステップの要素を例示の順序で提示するものであり、具体的に記載されていない限り、提示された特定の順序又は階層に限定されることを意味するものではない。
【0090】
上記の説明は、当業者であれば本明細書に記載された様々な態様を実施できるようにするために提供される。これらの態様に対する様々な修正は、当業者には容易に明らかであり、本明細書で定められた一般的な原理は、他の態様に適用することができる。従って、特許請求の範囲は、本明細書に示される態様に限定されることを意図するものではなく、特許請求の範囲の文言と一致する全ての範囲が認められるべきであり、単数の要素への言及は、具体的にそうでないと定められない限り、「1つのみ」を意味するものではなく、「1又は2以上」を意味するものとする。特に記載のない限り、「幾つかの」という用語は、1又は2以上を意味する。項目のリストの「少なくとも1つ」に言及する表現は、単一の部材を含むこれらの項目の何れかの組み合わせを意味する。一例として、「a、b、又はcのうちの少なくとも1つ」は、a;b;c;a及びb;a及びc;b及びc;並びにa、b及びcを包含することを意図している。当業者には既知である又は後に知られることになる、本開示を通じて記載された様々な態様の要素に対する全ての構造的及び機能的均等物は、引用により本明細書に明示的に組み込まれ、特許請求の範囲に包含されることを意図している。更に、本明細書に開示されたいかなるものも、このような開示が特許請求の範囲に明示的に記載されているかどうかにかかわらず、一般公衆に開放されることを意図していない。クレーム要素は、その要素が「means for」という表現を用いて明示的に記載されない限り、又は方法クレームの場合には「step for」という表現を用いて記載されていない限り、米国特許法第112条(f)の規定に基づいて解釈されるものではない。
【国際調査報告】