(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-10-23
(54)【発明の名称】テンプレートベースのシンタックス要素予測
(51)【国際特許分類】
H04N 19/105 20140101AFI20241016BHJP
H04N 19/593 20140101ALI20241016BHJP
H04N 19/70 20140101ALI20241016BHJP
【FI】
H04N19/105
H04N19/593
H04N19/70
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024518154
(86)(22)【出願日】2022-09-26
(85)【翻訳文提出日】2024-03-21
(86)【国際出願番号】 EP2022076679
(87)【国際公開番号】W WO2023046955
(87)【国際公開日】2023-03-30
(32)【優先日】2021-09-27
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(81)【指定国・地域】
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
(71)【出願人】
【識別番号】518341334
【氏名又は名称】インターディジタル・シーイー・パテント・ホールディングス・ソシエテ・パ・アクシオンス・シンプリフィエ
(74)【代理人】
【識別番号】100079108
【氏名又は名称】稲葉 良幸
(74)【代理人】
【識別番号】100109346
【氏名又は名称】大貫 敏史
(74)【代理人】
【識別番号】100117189
【氏名又は名称】江口 昭彦
(74)【代理人】
【識別番号】100134120
【氏名又は名称】内藤 和彦
(74)【代理人】
【識別番号】100108213
【氏名又は名称】阿部 豊隆
(72)【発明者】
【氏名】ナセル、カラム
(72)【発明者】
【氏名】ガルピン、フランク
(72)【発明者】
【氏名】ポイエー、タンギ
(72)【発明者】
【氏名】ル リアネック、ファブリース
【テーマコード(参考)】
5C159
【Fターム(参考)】
5C159MA04
5C159RC12
5C159TA33
5C159TB10
5C159TC02
5C159TC42
(57)【要約】
シンタックス要素のシグナリングのためのシステム、方法、及び手段が本明細書で開示される。ブロックのシンタックス要素値は、テンプレートピクセル群(例えば、ブロックを取り囲むL字形ピクセル群)が現在のブロックのテンプレートピクセル群に一致する、以前にコーディングされたブロック(例えば、以前に復号されたブロック又は以前に符号化されたブロック)から推測、導出、及び/又は予測され得る。実施例では、ビデオデコーダ又はエンコーダは、現在のブロックに対してテンプレートベースのコーディングモードが有効であり得るかどうかを判定し得る。現在のブロックに対してテンプレートベースのコーディングモードが有効であるという判定に基づいて、特定された隣接ブロックのテンプレートサンプル値及び現在のブロックのテンプレートサンプル値を基に、隣接ブロックが特定され得る。現在のブロックのシンタックス要素の値が、特定された隣接ブロックに基づいて取得され得る。現在のブロックが、シンタックス要素の値に基づいて復号又は符号化され得る。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ビデオ復号のためのデバイスであって、 プロセッサを備え、前記プロセッサが、 現在のブロックに対してテンプレートベースのコーディングモードが有効であるかどうかを判定することと、 前記現在のブロックに対して前記テンプレートベースのコーディングモードが有効であるという前記判定に基づいて、前記現在のブロックの複数のテンプレートサンプル値を基に隣接ブロックを特定することと、 特定された前記隣接ブロックに基づいて前記現在のブロックのシンタックス要素の値を取得することと、 前記シンタックス要素の前記値に基づいて前記現在のブロックを復号することと、を行うように構成されている、デバイス。
【請求項2】
前記プロセッサが、 複数の隣接ブロックのシンタックス要素値をテーブルに登録することと、 前記テーブルに基づいて、前記現在のブロックの前記シンタックス要素に対応する前記特定された隣接ブロックのシンタックス要素値を取得することであって、前記特定された隣接ブロックの前記シンタックス要素値に基づいて、前記現在のブロックの前記シンタックス要素の前記値が取得される、取得することと、を行うように更に構成されている、請求項1に記載のデバイス。
【請求項3】
前記プロセッサが、 前記現在のブロックの前記シンタックス要素に対応する前記特定された隣接ブロックのシンタックス要素値を取得することと、 前記現在のブロックの前記シンタックス要素の前記値を、前記特定された隣接ブロックの前記シンタックス要素値に設定することと、を行うように更に構成されている、請求項1に記載のデバイス。
【請求項4】
前記プロセッサが、 複数の隣接ブロックを、前記複数の隣接ブロックの複数のテンプレートサンプル値及び前記現在のブロックの前記複数のテンプレートサンプル値に基づいて特定することと、 前記特定された複数の隣接ブロックに基づいて、前記現在のブロックの前記シンタックス要素の前記値を取得することと、を行うように更に構成されている、請求項1に記載のデバイス。
【請求項5】
前記プロセッサが、 前記隣接ブロックの次元数を前記現在のブロックの次元数と比較することと、 前記隣接ブロックの前記次元数が前記現在のブロックよりも大きいことに基づいて、前記現在のブロックのテンプレートサイズに等しくなるように前記隣接ブロックのテンプレートをサブサンプリングすることであって、前記隣接ブロックのサブサンプリングされた前記テンプレートにおける複数のテンプレートサンプル値及び前記現在のブロックの前記複数のテンプレートサンプル値に基づいて、前記隣接ブロックが特定される、サブサンプリングすることと、 前記現在のブロックの前記次元数が前記隣接ブロックよりも大き
いことに基づいて、前記隣接ブロックのテンプレートサイズに等しくなるように前記現在のブロックのテンプレートをサブサンプリングすることであって、前記現在のブロックのサブサンプリングされた前記テンプレート内の複数のテンプレートサンプル値に基づいて、前記隣接ブロックが特定される、サブサンプリングすることと、を行うように更に構成されている、請求項1に記載のデバイス。
【請求項6】
前記現在のブロックのシンタックス要素のクラスに対して前記テンプレートベースのコーディングモードが有効であり、前記プロセッサが、 前記現在のブロックの前記シンタックス要素のクラスに対して、前記テンプレートベースのコーディングモードが有効であるという前記判定に基づいて、前記特定された隣接ブロックの対応するシンタックス要素値を基に前記現在のブロックの前記シンタックス要素のクラスの値を取得することと、 前記現在のブロックの前記シンタックス要素のクラスの前記値を使用して前記現在のブロックを再構成することと、を行うように更に構成されている、請求項1に記載のデバイス。
【請求項7】
ビデオ復号のための方法であって、 現在のブロックに対してテンプレートベースのコーディングモードが有効であるかどうかを判定することと、 前記現在のブロックに対して前記テンプレートベースのコーディングモードが有効であるという前記判定に基づいて、前記現在のブロックの複数のテンプレートサンプル値を基に隣接ブロックを特定することと、 特定された前記隣接ブロックに基づいて、前記現在のブロックのシンタックス要素の値を取得することと、 前記シンタックス要素の前記値に基づいて、前記現在のブロックを復号することと、を含む、方法。
【請求項8】
複数の隣接ブロックのシンタックス要素値をテーブルに登録することと、 前記テーブルに基づいて、前記現在のブロックの前記シンタックス要素に対応する前記特定された隣接ブロックのシンタックス要素値を取得することであって、前記現在のブロックの前記シンタックス要素の前記値が、前記特定された隣接ブロックの前記シンタックス要素値に基づいて取得される、取得することと、を更に含む、請求項7に記載の方法。
【請求項9】
前記現在のブロックの前記シンタックス要素に対応する前記特定された隣接ブロックのシンタックス要素値を取得することと、 前記現在のブロックの前記シンタックス要素の前記値を、前記特定された隣接ブロックの前記シンタックス要素値に設定することと、を更に含む、請求項7に記載の方法。
【請求項10】
複数の隣接ブロックを、前記複数の隣接ブロックの複数のテンプレートサンプル値及び前記現在のブロックの前記複数のテンプレートサンプル値に基づいて特定することと、 特定された前記複数の隣接ブロックに基づいて、前記現在のブロックの前記シンタックス要素の前記値を取得することと、を更に含む、請求項7に記載の方法。
【請求項11】
前記隣接ブロックの次元数を前記現在のブロックの次元数と比較することと、 前記隣接ブロックの前記次元数が前記現在のブロックよりも大きいことに基づいて、前記現在のブロックのテンプレートサイズに等しくなるように前記隣接ブロックのテンプレートをサブサンプリングすることであって、前記隣接ブロックのサブサンプリングされた前記テンプレート内の複数のテンプレートサンプル値及び前記現在のブロックの前記複数のテンプレートサンプル値に基づいて、前記隣接ブロックが特定される、サブサンプリングすることと、 前記現在のブロックの前記次元数が前記隣接ブロックよりも大きいことに基づいて、前記隣接ブロックのテンプレートサイズに等しくなるように前記現在のブロックのテンプレートをサブサンプリングすることであって、前記現在のブロックのサブサンプリングされた前記テンプレート内の複数のテンプレートサンプル値に基づいて、前記隣接ブロックが特定される、サブサンプリングすることと、を更に含む、請求項7に記載の方法。
【請求項12】
前記現在のブロックのシンタックス要素のクラスに対して前記テンプレートベースのコーディングモードが有効であり、 前記現在のブロックの前記シンタックス要素のクラスに対して前記テンプレートベースのコーディングモードが有効であるという前記判定に基づいて、前記特定された隣接ブロックの対応するシンタックス要素値を基に前記現在のブロックの前記シンタックス要素のクラスの値を取得することと、 前記現在のブロックの前記シンタックス要素のクラスの前記値を使用して前記現在のブロックを再構成することと、を更に含む、請求項7に記載の方法。
【請求項13】
前記シンタックス要素のクラスがイントラ予測シンタックス要素を含む、請求項6に記載のデバイス又は請求項12に記載の方法。
【請求項14】
前記シンタックス要素のクラスがインター予測シンタックス要素を含む、請求項6に記載のデバイス又は請求項12に記載の方法。
【請求項15】
前記シンタックス要素のクラスが変換シンタックス要素を含む、請求項6に記載のデバイス又は請求項12に記載の方法。
【請求項16】
非一時的コンピュータ可読媒体に記憶されており、少なくとも1つのプロセッサによって実行されたときに、請求項7~15の少なくとも一項に記載の方法のステップを実装するためのプログラムコード命令を含む、コンピュータプログラム製品。
【請求項17】
プロセッサによって実行されたときに、請求項7~15の少なくとも一項に記載の方法のステップを実装するためのプログラムコード命令を含む、コンピュータプログラム。
【請求項18】
ビデオ符号化のためのデバイスであって、 プロセッサを備え、前記プロセッサが、 現在のブロックに対してテンプレートベースのコーディングモードが有効であるかどうかを判定することと、 前記現在のブロックに対して前記テンプレートベースのコーディングモードが有効であるという前記判定に基づいて、前記現在のブロックの複数のテンプレートサンプル値を基に隣接ブロックを特定することと、 特定された前記隣接ブロックに基づいて前記現在のブロックのシンタックス要素の値を取得することと、 前記シンタックス要素の前記値に基づいて前記現在のブロックを符号化することと、を行うように構成されている、デバイス。
【請求項19】
前記プロセッサが、 複数の隣接ブロックのシンタックス要素値をテーブルに登録することと、 前記テーブルに基づいて、前記現在のブロックの前記シンタックス要素に対応する前記特定された隣接ブロックのシンタックス要素値を取得することであって、前記現在のブロックの前記シンタックス要素の前記値が、前記特定された隣接ブロックの前記シンタックス要素値に基づいて取得される、取得することと、を行うように更に構成されている、請求項18に記載のデバイス。
【請求項20】
前記プロセッサが、 前記現在のブロックの前記シンタックス要素に対応する前記特定された隣接ブロックのシンタックス要素値を取得することと、 前記現在のブロックの前記シンタックス要素の前記値を、前記特定された隣接ブロックの前記シンタックス要素値に設定することと、を行うように更に構成されている、請求項18に記載のデバイス。
【請求項21】
前記プロセッサが、 複数の隣接ブロックを、前記複数の隣接ブロックの複数のテンプレートサンプル値及び前記現在のブロックの前記複数のテンプレートサンプル値に基づいて特定することと、 特定された前記複数の隣接ブロックに基づいて、前記現在のブロックの前記シンタックス要素の前記値を取得することと、を行うように更に構成されている、請求項18に記載のデバイス。
【請求項22】
前記プロセッサが、 前記隣接ブロックの次元数を前記現在のブロックの次元数と比較することと、 前記隣接ブロックの前記次元数が前記現在のブロックよりも大きいことに基づいて、前記現在のブロックのテンプレートサイズに等しくなるように前記隣接ブロックのテンプレートをサブサンプリングすることであって、前記隣接ブロックのサブサンプリングされた前記テンプレートにおける複数のテンプレートサンプル値及び前記現在のブロックの前記複数のテンプレートサンプル値に基づいて前記隣接ブロックが特定される、サブサンプリングすることと、 前記現在のブロックの前記次元数が前記隣接ブロックよりも大きいことに基づいて、前記隣接ブロックのテンプレートサイズに等しくなるように前記現在のブロックのテンプレートをサブサンプリングすることであって、前記現在のブロックのサブサンプリングされた前記テンプレート内の複数のテンプレートサンプル値に基づいて前記隣接ブロックが特定される、サブサンプリングすることと、を行うように更に構成されている、請求項18に記載のデバイス。
【請求項23】
前記現在のブロックのシンタックス要素のクラスに対して前記テンプレートベースのコーディングモードが有効であり、前記プロセッサが、 前記現在のブロックの前記シンタックス要素のクラスに対して、前記テンプレートベースのコーディングモードが有効であるという前記判定に基づいて、前記特定された隣接ブロックの対応するシンタックス要素値を基に前記現在のブロックの前記シンタックス要素のクラスの値を取得することと、 前記現在のブロックの前記シンタックス要素のクラスの前記値を使用して前記現在のブロックを符号化することと、を行うように更に構成されている、請求項18に記載のデバイス。
【請求項24】
ビデオ符号化のための方法であって、 現在のブロックに対してテンプレートベースのコーディングモードが有効であるかどうかを判定することと、 前記現在のブロックに対して前記テンプレートベースのコーディングモードが有効であるという前記判定に基づいて、前記現在のブロックの複数のテンプレートサンプル値を基に隣接ブロックを特定することと、 特定された前記隣接ブロックに基づいて前記現在のブロックのシンタックス要素の値を取得することと、 前記シンタックス要素の前記値に基づいて前記現在のブロックを符号化することと、を含む、方法。
【請求項25】
複数の隣接ブロックのシンタックス要素値をテーブルに登録することと、 前記テーブルに基づいて、前記現在のブロックの前記シンタックス要素に対応する前記特定された隣接ブロックのシンタックス要素値を取得することであって、前記現在のブロックの前記シンタックス要素の前記値が、前記特定された隣接ブロックの前記シンタックス要素値に基づいて取得される、取得することと、を更に含む、請求項24に記載の方法。
【請求項26】
前記現在のブロックの前記シンタックス要素に対応する前記特定された隣接ブロックのシンタックス要素値を取得することと、 前記現在のブロックの前記シンタックス要素の前記値を、前記特定された隣接ブロックの前記シンタックス要素値に設定することと、を更に含む、請求項24に記載の方法。
【請求項27】
複数の隣接ブロックを、前記複数の隣接ブロックの複数のテンプレートサンプル値及び前記現在のブロックの前記複数のテンプレートサンプル値に基づいて特定することと、 特定された前記複数の隣接ブロックに基づいて、前記現在のブロックの前記シンタックス要素の前記値を取得することと、を更に含む、請求項24に記載の方法。
【請求項28】
前記隣接ブロックの次元数を前記現在のブロックの次元数と比較することと、 前記隣接ブロックの前記次元数が前記現在のブロックよりも大きいことに基づいて、前記現在のブロックのテンプレートサイズに等しくなるように前記隣接ブロックのテンプレートをサブサンプリングすることであって、前記隣接ブロックのサブサンプリングされた前記テンプレート内の複数のテンプレートサンプル値及び前記現在のブロックの前記複数のテンプレートサンプル値に基づいて前記隣接ブロックが特定される、サブサンプリングすることと、 前記現在のブロックの前記次元数が前記隣接ブロックよりも大きいことに基づいて、前記隣接ブロックのテンプレートサイズに等しくなるように前記現在のブロックのテンプレートをサブサンプリングすることであって、前記現在のブロックのサブサンプリングされた前
記テンプレート内の複数のテンプレートサンプル値に基づいて前記隣接ブロックが特定される、サブサンプリングすることと、を更に含む、請求項24に記載の方法。
【請求項29】
前記現在のブロックのシンタックス要素のクラスに対して前記テンプレートベースのコーディングモードが有効であり、 前記現在のブロックの前記シンタックス要素のクラスに対して前記テンプレートベースのコーディングモードが有効であるという前記判定に基づいて、前記特定された隣接ブロックの対応するシンタックス要素値を基に前記現在のブロックの前記シンタックス要素のクラスの値を取得することと、 前記現在のブロックの前記シンタックス要素のクラスの前記値を使用して前記現在のブロックを符号化することと、を更に含む、請求項24に記載の方法。
【請求項30】
前記シンタックス要素のクラスがイントラ予測シンタックス要素を含む、請求項23に記載のデバイス又は請求項29に記載の方法。
【請求項31】
前記シンタックス要素のクラスがインター予測シンタックス要素を含む、請求項23に記載のデバイス又は請求項29に記載の方法。
【請求項32】
前記シンタックス要素のクラスが変換シンタックス要素を含む、請求項23に記載のデバイス又は請求項29に記載の方法。
【請求項33】
ビデオ符号化のためのデバイスであって、 プロセッサを備え、前記プロセッサが、 現在のブロックに対してテンプレートベースのコーディングモードを有効にするかどうかを判定することと、 前記現在のブロックに対して前記テンプレートベースのコーディングモードを有効にするという前記判定に基づいて、前記現在のブロックのシンタックス要素をシグナリングすることを除外することと、 前記テンプレートベースのコーディングモードに基づいて前記現在のブロックを符号化することと、を行うように構成されている、デバイス。
【請求項34】
前記現在のブロックのシンタックス要素のクラスに対して前記テンプレートベースのコーディングモードが有効であり、前記プロセッサが、 前記現在のブロックの前記シンタックス要素のクラスに対して前記テンプレートベースのコーディングモードを有効にするという前記判定に基づいて、前記現在のブロックの前記シンタックス要素のクラスをシグナリングすることを除外することと、 テンプレートベースのコーディングモードに基づいて前記現在のブロックを符号化することと、を行うように更に構成されている、請求項33に記載のデバイス。
【請求項35】
ビデオ符号化のための方法であって、 現在のブロックに対してテンプレートベースのコーディングモードを有効にするかどうかを判定することと、 前記現在のブロックに対して前記テンプレートベースのコーディングモードを有効にするという前記判定に基づいて、前記現在のブロックのシンタックス要素をシグナリングすることを除外することと、 前記テンプレートベースのコーディングモードに基づいて前記現在のブロックを符号化することと、を含む、方法。
【請求項36】
前記現在のブロックのシンタックス要素のクラスに対して前記テンプレートベースのコーディングモードが有効であり、 前記現在のブロックの前記シンタックス要素のクラスに対して前記テンプレートベースのコーディングモードが有効であるという前記判定に基づいて、前記現在のブロックの前記シンタックス要素のクラスをシグナリングすることを除外することと、 テンプレートベースのコーディングモードに基づいて前記現在のブロックを符号化することと、を更に含む、請求項35に記載の方法。
【請求項37】
前記現在のブロックに対して前記テンプレートベースのコーディングモードを有効にするかどうかの前記判定が、レート歪み最適化に基づく、請求項33に記載のデバイス又は請求項35に記載の方法。
【請求項38】
前記シンタックス要素のクラスがイントラ予測シンタックス要素を含む、請求項34に記載のデバイス又は請求項36に記載の方法。
【請求項39】
前記シンタックス要素のクラスがイントラ予測シンタックス要素を含む、請求項34に記載のデバイス又は請求項36に記載の方法。
【請求項40】
前記シンタックス要素のクラスがイントラ予測シンタックス要素を含む、請求項34に記載のデバイス又は請求項36に記載の方法。
【請求項41】
非一時的コンピュータ可読媒体に記憶されており、プロセッサによって実行されたときに、請求項24~32及び35~40の少なくとも一項に記載の方法のステップを実装するためのプログラムコード命令を含む、コンピュータプログラム製品。
【請求項42】
プロセッサによって実行されたときに、請求項24~32及び35~40の少なくとも一項に記載の方法のステップを実装するためのプログラムコード命令を含む、コンピュータプログラム。
【請求項43】
請求項24~32及び35~40のいずれか一項に記載の方法のうちの1つに従って生成された符号化出力を表す情報を含む、ビデオデータ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願の相互参照) 本出願は、2021年9月27日に出願された欧州特許出願第21306335.7号の利益を主張するものであり、その開示は、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。
【背景技術】
【0002】
ビデオコーディングシステムは、デジタルビデオ信号を圧縮して、例えば、かかる信号に必要とされる記憶容量及び/又は送信帯域幅を低減するように使用され得る。ビデオコーディングシステムは、例えば、ブロックベース、ウェーブレットベース、及び/又はオブジェクトベースのシステムを含み得る。
【発明の概要】
【0003】
本明細書では、シンタックス要素のシグナリングに関するシステム、方法、及び手段が開示される。ブロックのシンタックス要素値は、テンプレートサンプル(例えば、ブロックを取り囲むL字形ピクセル群)が現在のブロックのテンプレートサンプルに一致する以前にコーディングされたブロック(例えば、以前に復号されたブロック又は以前に符号化されたブロック)から推測、導出、及び/又は予測され得る。
【0004】
実施例では、ビデオデコーダは、現在のブロックに対してテンプレートベースのコーディングモードが有効であり得るかどうかを判定し得る。現在のブロックに対してテンプレートベースのコーディングモードが有効であるという判定に基づいて、隣接ブロック(例えば、復号ブロック)が、現在のブロックのテンプレートサンプル値を基に特定され得る。現在のブロックの1つ以上のシンタックス要素の値は、特定された隣接ブロックに基づいて取得され得る。現在のブロックは、シンタックス要素の値に基づいて復号(例えば、再構成)され得る。
【0005】
実施例では、ビデオエンコーダは、現在のブロックに対してテンプレートベースのコーディングモードが有効であり得るかどうかを判定し得る。現在のブロックに対してテンプレートベースのコーディングモードが有効であるという判定に基づいて、現在のブロックのテンプレートサンプル値を基に隣接ブロック(例えば、復号ブロック)が特定され得る。現在のブロックの1つ以上のシンタックス要素の値は、特定された隣接ブロックに基づいて取得され得る。現在のブロックは、シンタックス要素の値に基づいて符号化され得る。
【0006】
実施例では、ビデオエンコーダは、現在のブロックに対してテンプレートベースのコーディングモードを使用するかどうかを判定し得る。現在のブロックに対してテンプレートベースのコーディングモードを使用するという判定に基づいて、現在のブロックのシンタックス要素をシグナリングすることが除外され得る。現在のブロックは、テンプレートベースのコーディングモードに基づいて符号化され得る。例えば、隣接ブロック(例えば、符号化ブロック)は、現在のブロックのテンプレートサンプル値に基づいて特定され得る。現在のブロックの1つ以上のシンタックス要素の値は、特定された隣接ブロック(例えば、符号化ブロック)に基づいて取得され得る。現在のブロックは、シンタックス要素の値に基づいて符号化され得る。
【0007】
これらの実施例は、プロセッサを有するデバイスによって実行され得る。デバイスはエンコーダ又はデコーダであってもよい。これらの実施例は、非一時的コンピュータ可読媒体に記憶され、プログラムコード命令を含むコンピュータプログラム製品によって実行されてもよい。これらの実施例は、プログラムコード命令を含むコンピュータプログラムによって実行されてもよい。ビデオデータは、テンプレートマッチング予測モードを表す情報を含み得る。ビデオデータは、本明細書で説明するようなビットストリームを含み得る。
【0008】
本明細書で説明されるシステム、方法、及び手段は、デコーダを伴い得る。いくつかの実施例では、本明細書で説明するシステム、方法、及び手段は、エンコーダを伴い得る。いくつかの実施例では、本明細書で説明するシステム、方法、及び手段は、(例えば、エンコーダからの、及び/又はデコーダによって受信された)信号を伴い得る。コンピュータ可読媒体は、1つ以上のプロセッサに、本明細書で説明される方法を実行させるための命令を含み得る。コンピュータプログラム製品は命令を含み得、命令は、プログラムが1つ以上のプロセッサによって実行されたときに、1つ以上のプロセッサに本明細書で説明される方法を行わせ得る。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1A】1つ以上の開示された実施形態が実装され得る、例示的な通信システムを例解するシステム図である。
【
図1B】一実施形態による、
図1Aに例解される通信システム内で使用され得る、例示的な無線送信/受信ユニット(wireless transmit/receive unit、WTRU)を例解するシステム図である。
【
図1C】一実施形態による、
図1Aに例解される通信システム内で使用され得る、例示的な無線アクセスネットワーク(Radio Access Network、RAN)及び例示的なコアネットワーク(Core Network、CN)を例解するシステム図である。
【
図1D】一実施形態による、
図1Aに例解される通信システム内で使用され得る、更なる例示的なRAN及び更なる例示的なCNを例解するシステム図である。
【
図4】様々な態様及び実施例が実装され得るシステムの一例を例解する。
【
図5】テンプレートマッチング予測(template matching prediction、TMP)の一例を例解する。
【
図6】復号された領域内における、現在のブロックに対するマッチングテンプレートの検索の一例を例解する。
【
図7】それぞれ、八次元及び四次元の2つのテンプレートの一例を例解する。
【
図8】現在のブロックを復号するための例示的なフローチャートを例解する。
【
図9】現在のブロックを符号化するための例示的なフローチャートを例解する。
【
図10】現在のブロックを符号化するための例示的なフローチャートを例解する。
【発明を実施するための形態】
【0010】
より詳細な理解は、例として添付の図面と併せて与えられる、以下の説明から得られ得る。
【0011】
図1Aは、1つ以上の開示された実施形態が実装され得る、例示的な通信システム100を例解する図である。通信システム100は、音声、データ、ビデオ、メッセージ伝達、ブロードキャストなどのコンテンツを、複数の無線ユーザに提供する、多重アクセスシステムであり得る。通信システム100は、複数の無線ユーザが、無線帯域幅を含むシステムリソースの共有を通じて、上記のようなコンテンツにアクセスすることを可能にし得る。例えば、通信システム100は、コード分割多重アクセス(Code Division Multiple Access、CDMA)、時分割多重アクセス(Time Division Multiple Access、TDMA)、周波数分割多重アクセス(Frequency Division Multiple Access、FDMA)、直交FDMA(orthogonal FDMA、OFDMA)、シングルキャリアFDMA(Single-Carrier FDMA、SC-FDMA)、ゼロテールユニークワードDFT-Spread OFDM(Zero-Tail Unique-Word DFT-Spread OFDM、ZT UW DTS-s OFDM)、ユニークワードOFDM(Unique Word OFDM、UW-OFDM)、リソースブロックフィルタ処理OFDM、フィルタバンクマルチキャリア(Filter Bank Multi Carrier、FBMC)等の、1つ以上のチャネルアクセス方法を用い得る。
【0012】
図1Aに示されるように、通信システム100は、無線送信/受信ユニット(WTRU)102a、102b、102c、102dと、RAN104/113と、CN106/115と、公衆交換電話網(Public Switched Telephone Network、PSTN)108と、インターネット110と、他のネットワーク112と、を含み得るが、開示される実施形態は、任意の数のWTRU、基地局、ネットワーク、及び/又はネットワーク要素を企図していることが、理解されよう。WTRU102a、102b、102c、102dの各々は、無線環境において動作する、及び/又は通信するように構成された、任意のタイプのデバイスであり得る。例として、それらのいずれも「局」及び/又は「STA」と称され得るWTRU102a、102b、102c、102dは、無線信号を送信及び/又は受信するように構成され得、ユーザ機器(User Equipment、UE)、移動局、固定又は移動加入者ユニット、加入ベースのユニット、ページャ、携帯電話、携帯情報端末(Personal Digital Assistant、PDA)、スマートフォン、ラップトップ、ネットブック、パーソナルコンピュータ、無線センサ、ホットスポット又はMi-Fiデバイス、モノのインターネット(Internet of Things、IoT)デバイス、ウォッチ又は他の着用式、ヘッドマウントディスプレイ(Head-Mounted Display、HMD)、車両、ドローン、医療デバイス及びアプリケーション(例えば、遠隔手術用)、工業用デバイス及びアプリケーション(例えば、工業用及び/又は自動処理チェーンコンテキストで動作するロボット及び/又は他の無線デバイス)、家電デバイス、商業用及び/又は工業用無線ネットワークで動作するデバイス等を含み得る。WTRU102a、102b、102c、及び102dのいずれも、互換的にUEと称され得る。
【0013】
通信システム100はまた、基地局114a及び/又は基地局114bを含み得る。基地局114a、114bの各々は、CN106/115、インターネット110、及び/又は他のネットワーク112など、1つ以上の通信ネットワークへのアクセスを容易にするために、WTRU102a、102b、102c、102dのうちの少なくとも1つと無線でインターフェース接続するように構成された、任意のタイプのデバイスであり得る。例として、基地局114a、114bは、基地局トランシーバ(base transceiver station、BTS)、ノードB、eノードB、ホームノードB、ホームeノードB、gNB、NRノードB、サイトコントローラ、アクセスポイント(access point、AP)、無線ルータなどであり得る。基地局114a、114bは各々単一の要素として描示されているが、基地局114a、114bは、任意の数の相互接続された基地局及び/又はネットワーク要素を含み得ることが、理解されよう。
【0014】
基地局114aは、基地局コントローラ(Base Station Controller、BSC)、無線ネットワークコントローラ(Radio Network Controller、RNC)、リレーノード等、他の基地局及び/又はネットワーク要素(図示せず)もまた含み得る、RAN104/113の一部であり得る。基地局114a及び/又は基地局114bは、セル(図示せず)と称され得る、1つ以上のキャリア周波数で無線信号を送信及び/又は受信するように、構成され得る。これらの周波数は、認可スペクトル、未認可スペクトル、又は認可スペクトル及び未認可スペクトルの組み合わせであり得る。セルは、相対的に固定され得るか又は経時的に変化し得る特定の地理的エリアに、無線サービスの通達範囲を提供し得る。セルは、セルセクタに更に分けられ得る。例えば、基地局114aと関連付けられたセルは、3つのセクタに分けられ得る。したがって、一実施形態では、基地局114aは、3つのトランシーバを、すなわち、セルのセクタごとに1つのトランシーバを含み得る。一実施形態では、基地局114aは、多重入力多重出力(Multiple-Input Multiple Output、MIMO)技術を用い得、セルのセクタごとに複数のトランシーバを利用し得る。例えば、ビーム形成を使用して、所望の空間方向に信号を送信及び/又は受信し得る。
【0015】
基地局114a、114bは、エアインターフェース116を介して、WTRU102a、102b、102c、102dのうちの1つ以上と通信し得るが、本エアインターフェース116は、任意の好適な無線通信リンク(例えば、無線周波数(Radio Frequency、RF)、マイクロ波、センチメートル波、マイクロメートル波、赤外線(infrared、IR)、紫外線(ultraviolet、UV)、可視光等)であり得る。エアインターフェース116は、任意の好適な無線アクセス技術(Radio Access Technology、RAT)を使用して、確立され得る。
【0016】
より具体的には、上記のように、通信システム100は、多重アクセスシステムであり得、例えば、CDMA、TDMA、FDMA、OFDMA、SC-FDMA等の、1つ以上のチャネルアクセススキームを用い得る。例えば、RAN104/113内の基地局114a、及びWTRU102a、102b、102cは、ユニバーサル移動体通信システム(Universal Mobile Telecommunications System、UMTS)地上無線アクセス(Terrestrial Radio Access、UTRA)などの無線技術を実装し得るが、これは、広帯域CDMA(Wideband CDMA、WCDMA)を使用して、エアインターフェース115/116/117を確立し得る。WCDMAは、高速パケットアクセス(High-Speed Packet Access、HSPA)及び/又は進化型HSPA(HSPA+)などの通信プロトコルを含み得る。HSPAは、高速ダウンリンク(Downlink、DL)パケットアクセス(High-Speed Downlink Packet Access、HSDPA)及び/又は高速アップリンクパケットアクセス(High-Speed UL Packet Access、HSUPA)を含み得る。
【0017】
一実施形態では、基地局114a及びWTRU102a、102b、102cは、進化型UMTS地上無線アクセス(Evolved UMTS Terrestrial Radio Access、E-UTRA)などの無線技術を実装し得るが、これは、ロングタームエボリューション(Long Term Evolution、LTE)及び/又はLTE-Advanced(LTE-A)及び/又はLTE-Advanced Pro(LTE-A Pro)を使用して、エアインターフェース116を確立し得る。
【0018】
一実施形態では、基地局114a、及びWTRU102a、102b、102cは、新たな無線(New Radio、NR)技術を使用して、エアインターフェース116を確立し得る、NR無線アクセスなどの無線技術を実装し得る。
【0019】
一実施形態では、基地局114a及びWTRU102a、102b、102cは、複数の無線アクセス技術を実装し得る。例えば、基地局114a及びWTRU102a、102b、102cは、例えば、デュアルコネクティビティ(Dual Connectivity、DC)原理を使用して、LTE無線アクセス及びNR無線アクセスを一緒に実装し得る。したがって、WTRU102a、102b、102cによって利用されるエアインターフェースは、複数のタイプの無線アクセス技術、及び/又は複数のタイプの基地局(例えば、eNB及びgNB)に送られる/そこから送られる送信によって特徴付けられ得る。
【0020】
他の実施形態では、基地局114a及びWTRU102a、102b、102cは、IEEE802.11(すなわち、無線フィデリティ(Wireless Fidelity、WiFi)、IEEE802.16(すなわち、ワイマックス(Worldwide Interoperability for Microwave Access、WiMAX)、CDMA2000、CDMA2000 1X、CDMA2000 EV-DO、暫定規格2000(IS-2000)、暫定規格95(IS-95)、暫定規格856(IS-856)、汎欧州デジタル移動体通信システム(Global System for Mobile communications、GSM)、GSM進化型高速データレート(Enhanced Data rates for GSM Evolution、EDGE)、GSM EDGE(GERAN)等の無線技術を実装し得る。
【0021】
図1Aの基地局114bは、例えば、無線ルータ、ホームノードB、ホームeノードB又はアクセスポイントであり得、事業所、家庭、車両、キャンパス、工業施設、(例えば、ドローンによる使用のための)空中回廊、道路等の場所などの局所的エリアにおける無線接続を容易にするために、任意の好適なRATを利用し得る。一実施形態では、基地局114b及びWTRU102c、102dは、IEEE802.11などの無線技術を実装して、無線ローカルエリアネットワーク(Wireless Local Area Network、WLAN)を確立し得る。一実施形態では、基地局114b及びWTRU102c、102dは、IEEE802.15などの無線技術を実装して、無線パーソナルエリアネットワーク(Wireless Personal Area Network、WPAN)を確立し得る。更に別の実施形態では、基地局114b及びWTRU102c、102dは、セルラベースのRAT(例えば、WCDMA、CDMA2000、GSM、LTE、LTE-A、LTE-A Pro、NRなど)を利用して、ピコセル又はフェムトセルを確立し得る。
図1Aに示すように、基地局114bは、インターネット110への直接接続を有し得る。したがって、基地局114bは、CN106/115を介してインターネット110にアクセスする必要がない場合がある。
【0022】
RAN104/113は、CN106/115と通信し得るが、これは、音声、データ、アプリケーション、及び/又はボイスオーバインターネットプロトコル(Voice over Internet Protocol、VoIP)サービスをWTRU102a、102b、102c、102dのうちの1つ以上に提供するように構成された、任意のタイプのネットワークであり得る。データは、例えば、異なるスループット要件、待ち時間要件、エラー許容要件、信頼性要件、データスループット要件、モビリティ要件等の、様々なサービス品質(Quality of Service、QoS)要件を有し得る。CN106/115は、呼制御、支払い請求サービス、移動体位置ベースのサービス、プリペイド通話、インターネット接続性、ビデオ配信などを提供する、及び/又はユーザ認証などの高レベルセキュリティ機能を実行し得る。
図1Aには示されていないが、RAN104/113及び/又はCN106/115は、RAN104/113と同じRAT又は異なるRATを採用する他のRANと、直接又は間接的に通信し得ることが、理解されよう。例えば、NR無線技術を利用し得るRAN104/113に接続されていることに加えて、CN106/115はまた、GSM、UMTS、CDMA2000、WiMAX、E-UTRA、又はWiFi無線技術を採用して、別のRAN(図示せず)と通信し得る。
【0023】
CN106/115はまた、PSTN108、インターネット110、及び/又は他のネットワーク112にアクセスするために、WTRU102a、102b、102c、102dのためのゲートウェイとしての機能を果たし得る。PSTN108は、従来型電話サービス(Plain Old Telephone Service、POTS)を提供する回線交換電話網を含み得る。インターネット110は、相互接続されたコンピュータネットワーク及びデバイスのグローバルシステムを含み得るが、これらのネットワーク及びデバイスは、送信制御プロトコル(Transmission Control Protocol、TCP)、ユーザデータグラムプロトコル(User Datagram Protocol、UDP)、及び/又はTCP/IPインターネットプロトコルスイートのインターネットプロトコル(Internet Protocol、IP)などの、共通通信プロトコルを使用する。ネットワーク112は、他のサービスプロバイダによって所有及び/又は運営される、有線及び/又は無線通信ネットワークを含み得る。例えば、ネットワーク112は、RAN104/113と同じRAT又は異なるRATを採用し得る、1つ以上のRANに接続された別のCNを含み得る。
【0024】
通信システム100におけるWTRU102a、102b、102c、102dのいくつか又は全ては、マルチモード機能を含み得る(例えば、WTRU102a、102b、102c、102dは、異なる無線リンクを介して異なる無線ネットワークと通信するための複数のトランシーバを含み得る)。例えば、
図1Aに示されるWTRU102cは、セルラベースの無線技術を用い得る基地局114a、及びIEEE802無線技術を用い得る基地局114bと通信するように構成され得る。
【0025】
図1Bは、例示的なWTRU102を例解するシステム図である。
図1Bに示すように、WTRU102は、とりわけ、プロセッサ118、トランシーバ120、送信/受信要素122、スピーカ/マイクロフォン124、キーパッド126、ディスプレイ/タッチパッド128、非リムーバブルメモリ130、リムーバブルメモリ132、電源134、全世界測位システム(Global Positioning System、GPS)チップセット136、及び/又は他の周辺機器138を含み得る。WTRU102は、一実施形態との一貫性を有したまま、前述の要素の任意の部分的組み合わせを含み得ることが、理解されよう。
【0026】
プロセッサ118は、汎用プロセッサ、専用プロセッサ、従来のプロセッサ、デジタル信号プロセッサ(Digital Signal Processor、DSP)、複数のマイクロプロセッサ、DSPコアと関連付けられた1つ以上のマイクロプロセッサ、コントローラ、マイクロコントローラ、特定用途向け集積回路(Application Specific Integrated Circuit、ASIC)、フィールド・プログラマブル・ゲート・アレイ(Field Programmable Gate Array、FPGA)回路、任意の他のタイプの集積回路(Integrated Circuit、IC)、状態機械等であり得る。上で提案されたように、プロセッサ118は、複数のプロセッサを含んでもよい。プロセッサ118は、信号コーディング、データ処理、電力制御、入力処理/出力処理、及び/又はWTRU102が無線環境で動作することを可能にする、任意の他の機能を実行し得る。プロセッサ118は、送信/受信要素122に結合され得るトランシーバ120に結合され得る。
図1Bは、プロセッサ118及びトランシーバ120を別個のコンポーネントとして描示するが、プロセッサ118及びトランシーバ120は、電子パッケージ又はチップにおいて一緒に統合され得るということが、理解されよう。
【0027】
送信/受信要素122は、エアインターフェース116を介して基地局(例えば、基地局114a)に信号を送信するか、基地局(例えば、基地局114a)から信号を受信するように構成され得る。例えば、一実施形態では、送信/受信要素122は、RF信号を送信及び/又は受信するように構成されたアンテナであり得る。一実施形態では、送信/受信要素122は、
例えば、IR、UV又は可視光信号を送信及び/又は受信するように構成された、エミッタ/検出器であり得る。更に別の実施形態では、送信/受信要素122は、RF信号及び光信号の両方を送信及び/又は受信するように構成され得る。送信/受信要素122は、無線信号の任意の組み合わせを送信及び/又は受信するように構成され得るということが、理解されよう。
【0028】
送信/受信要素122は、単一の要素として
図1Bに描示されているが、WTRU102は、任意の数の送信/受信要素122を含み得る。より具体的には、WTRU102は、MIMO技術を用い得る。したがって、一実施形態では、WTRU102は、エアインターフェース116を介して無線信号を送受信するための2つ以上の送信/受信要素122(例えば、複数のアンテナ)を含み得る。
【0029】
トランシーバ120は、送信/受信要素122によって送信される信号を変調し、送信/受信要素122によって受信される信号を復調するように構成され得る。上記のように、WTRU102は、マルチモード機能を有し得る。したがって、トランシーバ120は、例えば、NR及びIEEE802.11などの複数のRATを介してWTRU102が通信することを可能にするための、複数のトランシーバを含み得る。
【0030】
WTRU102のプロセッサ118は、スピーカ/マイクロフォン124、キーパッド126、及び/又はディスプレイ/タッチパッド128(例えば、液晶ディスプレイ(Liquid Crystal Display、LCD)表示ユニット若しくは有機発光ダイオード(Organic Light-Emitting Diode、OLED)表示ユニット)に結合され得るが、これらから、ユーザが入力したデータを受信し得る。プロセッサ118はまた、ユーザデータをスピーカ/マイクロフォン124、キーパッド126、及び/又はディスプレイ/タッチパッド128に出力し得る。加えて、プロセッサ118は、非リムーバブルメモリ130及び/又はリムーバブルメモリ132などの任意のタイプの好適なメモリから情報にアクセスし、かつ当該メモリにデータを記憶し得る。非リムーバブルメモリ130は、ランダムアクセスメモリ(Random-Access Memory、RAM)、読み取り専用メモリ(Read-Only Memory、ROM)、ハードディスク、又は任意の他のタイプのメモリ記憶デバイスを含み得る。リムーバブルメモリ132は、加入者識別モジュール(Subscriber Identity Module、SIM)カード、メモリスティック、セキュアデジタル(Secure Digital、SD)メモリカード等を含み得る。他の実施形態では、プロセッサ118は、サーバ又はホームコンピュータ(図示せず)上など、WTRU102上に物理的に配置されていないメモリから情報にアクセスし、かつ当該メモリにデータを記憶し得る。
【0031】
プロセッサ118は、電源134から電力を受信し得るが、WTRU102における他のコンポーネントに電力を分配する、及び/又は制御するように、構成され得る。電源134は、WTRU102に電力を供給するための任意の好適なデバイスであり得る。例えば、電源134は、1つ以上の乾電池(例えば、ニッケルカドミウム(Nickel-Cadmium、NiCd)、ニッケル亜鉛(Nickel-Zinc、NiZn)、ニッケル金属水素化物(Nickel Metal Hydride、NiMH)、リチウムイオン(Lithium-ion、Li-ion)等)、太陽電池、燃料電池等を含み得る。
【0032】
プロセッサ118はまた、GPSチップセット136に結合され得るが、これは、WTRU102の現在の場所に関する場所情報(例えば、経度及び緯度)を提供するように、構成され得る。GPSチップセット136からの情報に加えて又はその代わりに、WTRU102は、基地局(例えば、基地局114a、114b)からエアインターフェース116を介して場所情報を受信する、及び/又は2つ以上の近くの基地局から受信されている信号のタイミングに基づいて、その場所を決定し得る。WTRU102は、一実施形態との一貫性を有したまま、任意の好適な位置決定方法によって位置情報を取得し得るということが、理解されよう。
【0033】
プロセッサ118は、他の周辺機器138に更に結合され得るが、他の周辺機器138には、追加の特徴、機能、及び/又は有線若しくは無線接続を提供する、1つ以上のソフトウェア及び/又はハードウェアモジュールが含まれ得る。例えば、周辺機器138には、加速度計、電子コンパス、衛星トランシーバ、(写真及び/又はビデオのための)デジタルカメラ、ユニバーサルシリアルバス(Universal Serial Bus、USB)ポート、振動デバイス、テレビトランシーバ、ハンズフリーヘッドセット、Bluetooth(登録商標)モジュール、周波数変調(Frequency Modulated、FM)無線ユニット、デジタル音楽プレーヤ、メディアプレーヤ、ビデオゲームプレーヤモジュール、インターネットブラウザ、仮想現実及び/又は拡張現実(Virtual Reality/Augmented Reality、VR/AR)デバイス、アクティビティトラッカ等が含まれ得る。周辺機器138は、1つ以上のセンサを含み得、センサは、ジャイロスコープ、加速度計、ホール効果センサ、磁力計、方位センサ、近接センサ、温度センサ、時間センサ、ジオロケーションセンサ、高度計、光センサ、タッチセンサ、磁力計、気圧計、ジェスチャセンサ、生体認証センサ、及び/又は湿度センサのうちの1つ以上であり得る。
【0034】
WTRU102は、(例えば、UL(例えば、送信用)及びダウンリンク(例えば、受信用)の両方のための特定のサブフレームと関連付けられた)信号のいくつか又は全ての送信及び受信が並列及び/又は同時であり得る、全二重無線機を含み得る。全二重無線機は、ハードウェア(例えば、チョーク)又はプロセッサを介した信号処理(例えば、別個のプロセッサ(図示せず)又はプロセッサ118を介して)のいずれかを介して自己干渉を低減する、及び又は実質的に排除するための干渉管理ユニットを含み得る。一実施形態では、WRTU102は、(例えば、UL(例えば、送信用)又はダウンリンク(例えば、受信用)のいずれかのための特定のサブフレームと関連付けられた)信号のうちのいくつか又は全てのうちのどれかの送信及び受信のための、半二重無線機を含み得る。
【0035】
図1Cは、一実施形態によるRAN104及びCN106を例解するシステム図である。上記のように、RAN104は、E-UTRA無線技術を用いて、エアインターフェース116を介してWTRU102a、102b、102cと通信し得る。RAN104はまた、CN106と通信し得る。
【0036】
RAN104は、eノード-B160a、160b、160cを含み得るが、RAN104は、一実施形態との一貫性を有しながら、任意の数のeノード-Bを含み得るということが、理解されよう。eノード-B160a、160b、160cは各々、エアインターフェース116を介してWTRU102a、102b、102cと通信するための、1つ以上のトランシーバを含み得る。一実施形態では、eノード-B160a、160b、160cは、MIMO技術を実装し得る。したがって、eノード-B160aは、例えば、複数のアンテナを使用して、WTRU102aに無線信号を送信する、及び/又はWTRU102aから無線信号を受信し得る。
【0037】
eノード-B160a、160b、160cの各々は、特定のセル(図示せず)と関連付けられ得、UL及び/又はDL等において、無線リソース管理決定、ハンドオーバ決定、ユーザのスケジューリングなどを処理するように、構成され得る。
図1Cに示すように、eノード-B160a、160b、160cは、X2インターフェースを介して、互いに通信し得る。
【0038】
図1Cに示されるCN106は、モビリティ管理エンティティ(Mobility Management Entity、MME)162、サービングゲートウェイ(Serving Gateway、SGW)164、及びパケットデータネットワーク(Packet Data network、PDN)ゲートウェイ(又はPGW)166を含み得る。前述の要素の各々は、CN106の一部として描示されているが、これらの要素のいずれも、CNオペレータ以外のエンティティによって所有及び/又は操作され得ることが、理解されよう。
【0039】
MME162は、S1インターフェースを介して、RAN104におけるeノード-B162a、162b、162cの各々に接続され得、かつ制御ノードとして機能し得る。例えば、MME162は、WTRU102a、102b、102cのユーザを認証すること、ベアラのアクティブ化/非アクティブ化、WTRU102a、102b、102cの初期アタッチ中に特定のサービス中のゲートウェイを選択すること、等の役割を、果たし得る。MME162は、RAN104と、GSM及び/又はWCDMAなどの他の無線技術を採用する他のRAN(図示せず)との間で切り替えるための、制御プレーン機能を提供し得る。
【0040】
SGW164は、S1インターフェースを介してRAN104におけるeノード-B160a、160b、160cの各々に接続され得る。SGW164は、一般に、ユーザデータパケットをWTRU102a、102b、102cに/それらからルーティングし、かつ転送し得る。SGW164は、eノードB間ハンドオーバ中にユーザプレーンをアンカする機能、DLデータがWTRU102a、102b、102cに利用可能である場合にページングをトリガする機能、WTRU102a、102b、102cのコンテキストを管理かつ記憶する機能等の、他の機能を実行し得る。
【0041】
SGW164は、PGW166に接続され得、PGW166は、WTRU102a、102b、102cとIP対応デバイスとの間の通信を容易にするために、インターネット110などのパケット交換ネットワークへのアクセスを、WTRU102a、102b、102cに提供し得る。
【0042】
CN106は、他のネットワークとの通信を容易にし得る。例えば、CN106は、WTRU102a、102b、102cと従来の地上回線通信デバイスとの間の通信を容易にするために、PSTN108などの回路交換ネットワークへのアクセスをWTRU102a、102b、102cに提供し得る。例えば、CN106は、CN106とPSTN108との間のインターフェースとして機能するIPゲートウェイ(例えば、IPマルチメディアサブシステム(IP multimedia subsystem、IMS)サーバ)を含み得るか、それと通信し得る。加えて、CN106は、WTRU102a、102b、102cに他のネットワーク112へのアクセスを提供し得、他のネットワーク112は、他のサービスプロバイダによって所有される、及び/又は動作される他の有線及び/又は無線ネットワークを含み得る。
【0043】
WTRUは、無線端末として
図1A~
図1Dに説明されているが、特定の代表的な実施形態では、このような端末は、通信ネットワークとの(例えば、一時的又は永久的に)有線通信インターフェースを使用し得ることが、企図される。
【0044】
代表的な実施形態では、他のネットワーク112は、WLANであり得る。
【0045】
インフラストラクチャ基本サービスセット(Basic Service Set、BSS)モードのWLANは、BSSのアクセスポイント(Access Point、AP)及びAPと関連付けられた1つ以上のステーション(station、STA)を有し得る。APは、配信システム(Distribution System、DS)若しくはBSSに入る、かつ/又はBSSから出るトラフィックを搬送する別のタイプの有線/無線ネットワークへのアクセス又はインターフェースを有し得る。BSS外から生じる、STAへのトラフィックは、APを通って到達し得、STAに配信され得る。STAからBSS外の宛先へと生じるトラフィックは、APに送信されて、それぞれの宛先に送信され得る。BSS内のSTA間のトラフィックは、例えば、APを介して送信され得、ソースSTAは、APにトラフィックを送信し得、APは、トラフィ
ックを宛先STAに配信し得る。BSS内のSTA間のトラフィックは、同位層間トラフィックとしてみなされ得る、及び/又は称され得る。同位層間トラフィックは、ソースSTAと宛先STAとの間で(例えば、それらの間で直接的に)、直接リンクセットアップ(Direct Link Setup、DLS)で送信され得る。特定の代表的な実施形態では、DLSは、802.11e DLS又は802.11zトンネル化DLS(Tunneled DLS、TDLS)を使用し得る。独立BSS(Independent BSS、IBSS)モードを使用するWLANは、APを有しない場合があり、IBSS内又はそれを使用するSTA(例えば、STAの全部)は、互いに直接通信し得る。通信のIBSSモードは、本明細書では、「アドホック」通信モードと称され得る。
【0046】
802.11acインフラストラクチャ動作モード又は同様の動作モードを使用する場合に、APは、プライマリチャネルなどの固定チャネル上に、ビーコンを送信し得る。プライマリチャネルは、固定幅(例えば、20MHz幅の帯域幅)又はシグナリングを介して動的に設定される幅であり得る。プライマリチャネルは、BSSの動作チャネルであり得、APとの接続を確立するためにSTAによって使用され得る。特定の代表的な実施形態では、例えば、802.11システムにおいて、衝突回避を備えたキャリア感知多重アクセス(Carrier Sense Multiple Access/Collision Avoidance、CSMA/CA)が実装され得る。CSMA/CAの場合、APを含むSTA(例えば、全てのSTA)は、プライマリチャネルを感知し得る。プライマリチャネルが特定のSTAによって動作中であると感知され/検出される、及び/又は決定される場合、特定のSTAは、バックオフされ得る。1つのSTA(例えば、1つのステーションのみ)は、所与のBSSにおいて、任意の所与の時間に送信し得る。
【0047】
高スループット(High Throughput、HT)STAは、通信のための40MHz幅のチャネルを使用し得るが、この40MHz幅のチャネルは、例えば、プライマリ20MHzチャネルと、隣接又は非隣接の20MHzチャネルと、の組み合わせを介して、形成され得る。
【0048】
非常に高いスループット(Very High Throughput、VHT)のSTAは、20MHz、40MHz、80MHz、及び/又は160MHz幅のチャネルをサポートし得る。上記の40MHz及び/又は80MHz幅のチャネルは、連続する複数の20MHzチャネルを組み合わせることによって、形成され得る。160MHzチャネルは、8つの連続する20MHzチャネルを組み合わせることによって、又は80+80構成と称され得る2つの連続していない80MHzチャネルを組み合わせることによって、形成され得る。80+80構成の場合、チャネル符号化後、データは、データを2つのストリームに分割し得るセグメントパーサを通過し得る。逆高速フーリエ変換(Inverse Fast Fourier Transform、IFFT)処理及び時間ドメイン処理は、各ストリームで別個に行われ得る。ストリームは、2つの80MHzチャネルにマッピングされ得、データは、送信STAによって送信され得る。受信STAの受信機では、80+80構成に対する上記で説明される動作は逆にされ得、組み合わされたデータを媒体アクセス制御(Medium Access Control、MAC)に送信し得る。
【0049】
サブ1GHzの動作モードは、802.11af及び802.11ahによってサポートされる。チャネル動作帯域幅及びキャリアは、802.11n及び802.11acで使用されるものと比較して、802.11af及び802.11ahでは低減される。802.11afは、TVホワイトスペース(TV White Space、TVWS)スペクトルにおいて、5MHz、10MHz及び20MHz帯域幅をサポートし、802.11ahは、非TVWSスペクトルを使用して、1MHz、2MHz、4MHz、8MHz、及び16MHz帯域幅をサポートする。代表的な実施形態によれば、802.11ahは、マクロカバレッジエリア内のMTCデバイスなど、メータタイプの制御/マシンタイプ通信をサポートし得る。MTCデバイスは、例えば、特定の、かつ/又は限定された帯域幅のためのサポート(例えば、そのためのみのサポート)を含む、特定の機能を有し得る。MTCデバイスは、(例えば、非常に長いバッテリ寿命を維持するために)閾値を超えるバッテリ寿命を有するバッテリを含み得る。
【0050】
複数のチャネル、並びに802.11n、802.11ac、802.11af、及び802.11ahなどのチャネル帯域幅をサポートし得るWLANシステムは、プライマリチャネルとして指定され得るチャネルを含む。プライマリチャネルは、BSSにおける全てのSTAによってサポートされる最大共通動作帯域幅に等しい帯域幅を有し得る。プライマリチャネルの帯域幅は、最小帯域幅動作モードをサポートするBSSで動作する全てのSTAの中から、STAによって設定される、及び/又は制限され得る。802.11ahの例では、プライマリチャネルは、AP及びBSSにおける他のSTAが2MHz、4MHz、8MHz、16MHz、及び/又は他のチャネル帯域幅動作モードをサポートする場合であっても、1MHzモードをサポートする(例えば、それのみをサポートする)STA(例えば、MTCタイプデバイス)に対して1MHz幅であり得る。キャリア感知及び/又はネットワーク配分ベクトル(Network Allocation Vector、NAV)設定は、プライマリチャネルの状態に依存し得る。例えば、APに送信する(1MHz動作モードのみをサポートする)STAに起因してプライマリチャネルがビジーである場合、周波数帯域の大部分がアイドルのままであり、利用可能であり得るとしても、利用可能な周波数帯域全体がビジーであるとみなされ得る。
【0051】
米国では、802.11ahにより使用され得る利用可能な周波数帯域は、902MHz~928MHzである。韓国では、利用可能な周波数帯域は917.5MHz~923.5MHzである。日本では、利用可能な周波数帯域は916.5MHz~927.5MHzである。802.11ahに利用可能な総帯域幅は、国のコードに応じて6MHz~26MHzである。
【0052】
図1Dは、一実施形態によるRAN113及びCN115を例解するシステム図である。上記のように、RAN113は、NR無線技術を使用して、エアインターフェース116を介してWTRU102a、102b、102cと通信し得る。RAN113はまた、CN115と通信し得る。
【0053】
RAN113は、gNB180a、180b、180cを含み得るが、RAN113は、一実施形態との一貫性を維持しながら、任意の数のgNBを含み得ることが、理解されよう。gNB180a、180b、180cは各々、エアインターフェース116を介してWTRU102a、102b、102cと通信するための、1つ以上のトランシーバを含み得る。一実施形態では、gNB180a、180b、180cは、MIMO技術を実装し得る。例えば、gNB180a、108bは、ビーム形成を利用して、gNB180a、180b、180cに信号を送信及び/又は受信し得る。したがって、gNB180aは、例えば、複数のアンテナを使用して、WTRU102aに無線信号を送信し得る、及び/又はWTRU102aから無線信号を受信し得る。一実施形態では、gNB180a、180b、180cは、キャリアアグリゲーション技術を実装し得る。例えば、gNB180aは、複数のコンポーネントキャリアをWTRU102a(図示せず)に送信し得る。これらのコンポーネントキャリアのサブセットは、未認可スペクトル上にあり得、残りのコンポーネントキャリアは、認可スペクトル上にあり得る。一実施形態では、gNB180a、180b、180cは、マルチポイント協調(Coordinated Multi-Point、CoMP)技術を実装し得る。例えば、WTRU102aは、gNB180a及びgNB180b(及び/又はgNB180c)からの協調送信を受信し得る。
【0054】
WTRU102a、102b、102cは、拡張可能なヌメロロジ(numerology)と関連付けられた送信を使用して、gNB180a、180b、180cと通信し得る。例えば、OFDMシンボル間隔及び/又はOFDMサブキャリア間隔は、無線送信スペクトルの異なる送信、異なるセル、及び/又は異なる部分に対して変化し得る。WTRU102a、102b、102cは、(例えば、様々な数のOFDMシンボルを含む、及び/又は様々な長さの絶対時間が持続する)様々な又は拡張性のある長さのサブフレーム又は送信時間間隔(Transmission Time Interval、TTI)を使用して、gNB180a、180b、180cと通信し得る。
【0055】
gNB180a、180b、180cは、スタンドアロン構成及び/又は非スタンドアロン構成でWTRU102a、102b、102cと通信するように、構成され得る。スタンドアロン構成では、WTRU102a、102b、102cは、他のRAN(例えば、eノード-B160a、160b、160cなど)にアクセスすることなく、gNB180a、180b、180cと通信し得る。スタンドアロン構成では、WTRU102a、102b、102cは、モビリティアンカ・ポイントとして、gNB180a、180b、180cのうちの1つ以上を利用し得る。スタンドアロン構成では、WTRU102a、102b、102cは、未認可バンドにおける信号を使用して、gNB180a、180b、180cと通信し得る。非スタンドアロン構成では、WTRU102a、102b、102cは、gNB180a、180b、180cと通信し、これらに接続する一方で、eノード-B160a、160b、160cなどの別のRANとも通信し、これらに接続し得る。例えば、WTRU102a、102b、102cは、1つ以上のgNB180a、180b、180c及び1つ以上のeノード-B160a、160b、160cと実質的に同時に通信するための、DC原理を実装し得る。非スタンドアロン構成では、eノード-B160a、160b、160cは、WTRU102a、102b、102cのモビリティアンカとして機能し得るが、gNB180a、180b、180cは、WTRU102a、102b、102cをサービス提供するための追加の通達範囲及び/又はスループットを提供し得る。
【0056】
gNB180a、180b、180cの各々は、特定のセル(図示せず)と関連付けられ得、無線リソース管理意思決定、ハンドオーバ意思決定、UL及び/又はDLにおけるユーザのスケジューリング、ネットワークスライシングのサポート、デュアルコネクティビティ、NRとE-UTRAとの間のインターワーキング、ユーザプレーン機能(User Plane Function、UPF)184a、184bへのユーザプレーンデータのルーティング、アクセス及びモビリティ管理機能(Access and Mobility Management Function、AMF)182a、182bへの制御プレーン情報のルーティング等を処理するように構成され得る。
図1Dに示すように、gNB180a、180b、180cは、Xnインターフェースを介して互いに通信し得る。
【0057】
図1Dに示されるCN115は、少なくとも1つのAMF182a、182b、少なくとも1つのUPF184a、184b、少なくとも1つのセッション管理機能(Session Management Function、SMF)183a、183b、及び場合によってはデータネットワーク(Data Network、DN)185a、185bを含み得る。前述の要素の各々は、CN115の一部として描示されているが、これらの要素のいずれも、CNオペレータ以外のエンティティによって所有及び/又は操作され得ることが、理解されよう。
【0058】
AMF182a、182bは、N2インターフェースを介してRAN113におけるgNB180a、180b、180cのうちの1つ以上に接続され得、制御ノードとして機能し得る。例えば、A
MF182a、182bは、WTRU102a、102b、102cのユーザの認証、ネットワークスライシングのサポート(例えば、異なる要件を有する異なるPDUセッションの処理)、特定のSMF183a、183bの選択、登録エリアの管理、NASシグナリングの終了、モビリティ管理等の役割を果たし得る。ネットワークスライスは、WTRU102a、102b、102cを利用しているサービスのタイプに基づいて、WTRU102a、102b、102cのCNサポートをカスタマイズするために、AMF182a、182bによって使用され得る。例えば、異なるネットワークスライスは、高信頼低遅延(ultra-reliable low latency、URLLC)アクセスに依存するサービス、高速大容量(enhanced massive mobile broadband、eMBB)アクセスに依存するサービス、マシンタイプ通信(Machine Type Communication、MTC)アクセスのためのサービス等の異なる使用事例のために、確立され得る。AMF162は、RAN113と、LTE、LTE-A、LTE-A Pro及び/又はWiFiなどの非3GPPアクセス技術などの他の無線技術を採用する他のRAN(図示せず)との間で切り替えるための、制御プレーン機能を提供し得る。
【0059】
SMF183a、183bは、N11インターフェースを介して、CN115内のAMF182a、182bに接続され得る。SMF183a、183bはまた、N4インターフェースを介して、CN115内のUPF184a、184bに接続され得る。SMF183a、183bは、UPF184a、184bを選択及び制御し、UPF184a、184bを通るトラフィックのルーティングを構成し得る。SMF183a、183bは、UE IPアドレスを管理して割り当てること、PDUセッションを管理すること、ポリシー執行及びQoSを制御すること、ダウンリンクデータ通知を提供すること等の、他の機能を実行し得る。PDUセッションタイプは、IPベース、非IPベース、イーサネットベース等であり得る。
【0060】
UPF184a、184bは、N3インターフェースを介して、RAN113内のgNB180a、180b、180cのうちの1つ以上に接続され得、これによって、WTRU102a、102b、102cとIP対応デバイスとの間の通信を容易にするために、インターネット110などのパケット交換ネットワークへのアクセスを、WTRU102a、102b、102cに提供し得る。UPF184、184bは、パケットをルーティングして転送すること、ユーザプレーンポリシーを執行すること、マルチホームPDUセッションをサポートすること、ユーザプレーンQoSを処理すること、ダウンリンクパケットをバッファすること、モビリティアンカリングを提供すること等の、他の機能を実行し得る。
【0061】
CN115は、他のネットワークとの通信を容易にし得る。例えば、CN115は、CN115とPSTN108との間のインターフェースとして機能するIPゲートウェイ(例えば、IPマルチメディアサブシステム(IP multimedia subsystem、IMS)サーバ)を含み得るか、それと通信し得る。加えて、CN115は、WTRU102a、102b、102cに他のネットワーク112へのアクセスを提供し得、他のネットワーク112は、他のサービスプロバイダによって所有される及び/又は運用される他の有線及び/又は無線ネットワークを含み得る。一実施形態では、WTRU102a、102b、102cは、UPF184a、184bへのN3インターフェース、及びUPF184a、184bとDN185a、185bとの間のN6インターフェースを介して、UPF184a、184bを通じてローカルデータネットワーク(DN)185a、185bに接続され得る。
【0062】
図1A~
図1D、及び
図1A~
図1Dの対応する説明から見て、WTRU102a~d、基地局114a~b、eノード-B160a~c、MME162、SGW164、PGW166、gNB180a~c、AMF182a~b、UPF184a~b、SMF183a~b、DN185a~b、及び/又は本明細書で説明される任意の他のデバイスのうちの1つ以上に関する、本明細書で説明される機能のうちの1つ以上又は全ては、1つ以上のエミュレーションデバイス(図示せず)によって実行され得る。エミュレーションデバイスは、本明細書で説明される機能の1つ以上又は全てをエミュレートするように構成された、1つ以上のデバイスであり得る。例えば、エミュレーションデバイスを使用して、他のデバイスを試験し得る、並びに/又はネットワーク及び/若しくはWTRU機能をシミュレートし得る。
【0063】
エミュレーションデバイスは、ラボ環境及び/又はオペレータネットワーク環境における他のデバイスの1つ以上の試験を実装するように、設計され得る。例えば、1つ以上のエミュレーションデバイスは、通信ネットワーク内の他のデバイスを試験するために、有線通信ネットワーク及び/又は無線通信ネットワークの一部として完全に若しくは部分的に実装される、及び/又は展開されている間、1つ以上若しくは全ての機能を実行し得る。1つ以上のエミュレーションデバイスは、有線通信ネットワーク及び/又は無線通信ネットワークの一部として一時的に実装/展開されている間、1つ以上若しくは全ての機能を実行し得る。エミュレーションデバイスは、試験を目的として別のデバイスに直接結合され得る、及び/又は地上波無線通信を使用して試験を実行し得る。
【0064】
1つ以上のエミュレーションデバイスは、有線通信ネットワーク及び/又は無線通信ネットワークの一部として実装/展開されていない間、全てを含む1つ以上の機能を実行し得る。例えば、エミュレーションデバイスは、1つ以上のコンポーネントの試験を実装するために、試験実験室での試験シナリオ、並びに/又は展開されていない(例えば、試験用の)有線及び/若しくは無線通信ネットワークにおいて利用され得る。1つ以上のエミュレーションデバイスは、試験機器であり得る。RF回路(例えば、1つ以上のアンテナを含み得る)を介した直接RF結合及び/又は無線通信は、データを送信する、及び/又は受信するように、エミュレーションデバイスによって使用され得る。
【0065】
本出願は、ツール、特徴、実施例、モデル、アプローチなどを含む様々な態様を記載している。これらの態様の多くは、具体的に記載され、少なくとも個々の特性を示すために、限定的であり得るように記載されることが多い。しかしながら、これは、説明を明確にすることを目的としており、それらの態様の適用又は範囲を限定するものではない。実際、異なる態様の全てが組み合わされ、交換されて、更なる態様を提供し得る。その上、態様は、同様に、先の出願に説明される態様と組み合わされ、かつ交換され得る。
【0066】
本出願において説明及び企図される態様は、多くの異なる形態で実装され得る。本明細書に記載の
図5~
図7は、いくつかの実施例を提供し得るが、他の実施例も企図される。
図5~
図7の考察は、実装形態の範囲を限定するものではない。態様のうちの少なくとも1つは、概して、ビデオ符号化及び復号に関し、少なくとも1つの他の態様は、概して、生成又は符号化されたビットストリームを送信することに関する。これら及び他の態様は、方法、装置、説明される方法のうちのいずれかに従ってビデオデータを符号化若しくは復号するための命令を記憶したコンピュータ可読記憶媒体、及び/又は説明される方法のうちのいずれかに従って生成されたビットストリームを記憶したコンピュータ可読記憶媒体として実装され得る。
【0067】
本出願では、「再構成された」及び「復号された」という用語は交換可能に使用され得、「ピクセル」及び「サンプル」という用語は交換可能に使用され得、「画像」、「ピクチャ」、及び「フレーム」という用語は交換可能に使用され得る。
【0068】
様々な方法が本明細書に説明されており、本方法の各々は、説明された方法を達成するための1つ以上のステップ又はアクションを含む。ステップ又はアクションの特定の順序が方法の適切な動作のために必要とされない限り、特定のステップ及び/又はアクションの順序及び/又は使用は、修正又は組み合わされ得る。加えて、「第1の」、「第2の」などの用語は、様々な実施例において、例えば、「第1の復号」及び「第2の復号」などの要素、コンポーネント、ステップ、動作などを修正するために使用され得る。かかる用語の使用は、具体的に必要とされない限り、修正された動作に対する順序付けを意味するものではない。そのため、本実施例では、第1の復号は、第2の復号の前に実施される必要はなく、例えば、第2の復号の前、第2の復号中、又は第2の復号と重複する時間中に発生し得る。
【0069】
本出願に記載の様々な方法及び他の態様は、
図2及び
図3に示すように、ビデオエンコーダ200及びデコーダ300のモジュール、例えば、復号モジュールを変更するために使用され得る。その上、本明細書で開示される主題は、例えば、標準又は推奨に記載されているかどうかにかかわらず、既存の又は将来開発されるかどうかにかかわらず、任意のタイプ、形式、又はバージョンのビデオコーディング、並びに任意のかかる標準及び推奨の拡張に適用され得る。別段の指示がない限り、又は技術的に不可能でない限り、本出願に記載の態様は、個々に又は組み合わせて使用され得る。
【0070】
本出願に説明される実施例では、ビット数、ビット深度など、様々な数値が使用される。これら及び他の特定の値は、実施例を説明するためのものであり、説明する態様は、これらの特定の値に限定されない。
【0071】
図2は例示的なビデオエンコーダを例解する。例示的なエンコーダ200の変形例が企図されるが、エンコーダ200は、全ての予想される変形例を説明することなく、明確にする目的で以下に記載される。
【0072】
符号化される前に、ビデオシーケンスは、符号化前処理(201)、例えば、カラー変換を入力カラーピクチャに適用すること(例えば、RGB4:4:4からYCbCr4:2:0への変換)、又は圧縮に対してより弾力的な信号分布を得るために入力ピクチャ成分の再マッピングを実施する(例えば、色成分のうちの1つのヒストグラム等化を使用して)ことを経ることができる。メタデータは、その前処理と関連付けられ、ビットストリームに添付され得る。
【0073】
エンコーダ200では、以下に記載のように、ピクチャは、エンコーダ要素によって符号化される。符号化されるピクチャは、分割され(202)、例えば、コーディングユニット(coding unit、CU)の単位で処理される。各ユニットは、例えば、イントラモード又はインターモードのいずれかを使用して符号化される。ユニットがイントラモードで符号化されるとき、そのユニットは、イントラ予測(260)を実施する。インターモードでは、動き推定(275)及び動き補償(270)が実施される。エンコーダは、ユニットを符号化するためにイントラモード又はインターモードのうちのどちらを使用すべきかを決定し(205)、例えば、予測モードフラグによってイントラ/インターの決定を示す。予測残差は、例えば、原画像ブロックから予測されたブロックを減算することによって(210)計算される。
【0074】
その予測残差は、次いで、変換され(225)、量子化される(230)。量子化された変換係数、並びに動きベクトル及び他のシンタックス要素は、ビットストリームを出力するためにエントロピーコーディングされる(245)。エンコーダは、変換をスキップし、量子化を非変換残差信号に直接適用することができる。エンコーダは、変換及び量子化の両方をバイパスすることができ、すなわち、残差は、変換プロセス又は量子化プロセスを適用することなく直接コーディングされる。
【0075】
エンコーダは、符号化されたブロックを復号して、更なる予測のための参照を提供する。量子化された変換係数は、予測残差を復号
するために逆量子化され(240)、逆変換される(250)。復号された予測残差と予測されたブロックとを組み合わせて(255)、画像ブロックが再構成される。ループ内フィルタ(265)は、例えば、符号化アーチファクトを低減するためのデブロッキング/サンプル適応オフセット(Sample Adaptive Offset、SAO)フィルタリングを実施するために、再構成されたピクチャに適用される。フィルタリングされた画像は、参照ピクチャバッファ(280)に記憶される。
【0076】
図3はビデオデコーダの一例を例解する。例示的なデコーダ300では、ビットストリームは、以下に説明されるように、デコーダ要素によって復号される。ビデオデコーダ300は、概して、
図2に記載の符号化パスとは逆の復号パスを実施する。エンコーダ200もまた、概して、ビデオデータを符号化することの一部としてビデオ復号を実施する。
【0077】
特に、デコーダの入力は、ビデオビットストリームを含み、ビデオエンコーダ200によって生成され得る。ビットストリームは、最初に、変換係数、動きベクトル、及び他のコーディングされた情報を取得するために、エントロピー復号される(330)。ピクチャ分割情報は、ピクチャがどのように分割されているかを示す。デコーダは、したがって、復号されたピクチャ分割情報に従ってピクチャを分割し得る(335)。変換係数は、予測残差を復号するために、逆量子化され(340)、逆変換される(350)。復号された予測残差と予測されたブロックとを組み合わせて(355)、画像ブロックが再構成される。予測されたブロックは、イントラ予測(360)から又は動き補償予測(すなわち、インター予測)(375)から取得され得る(370)。ループ内フィルタ(365)は、再構成された画像に適用される。フィルタリングされた画像は、参照ピクチャバッファ(380)に記憶される。
【0078】
復号されたピクチャは、復号後処理(385)、例えば、逆カラー変換(例えば、YCbCr4:2:0からRGB4:4:4への変換)、又は符号化前処理(201)において実施された再マッピングプロセスの逆を実施する逆再マッピングを更に経ることができる。復号後処理は、符号化前処理において導出され、ビットストリームにおいてシグナリングされたメタデータを使用することができる。実施例では、復号された画像(例えば、復号後処理が使用される場合、ループ内フィルタ(365)の適用後及び/又は復号後処理(385)の後)は、ユーザへのレンダリングのためにディスプレイデバイスに送信され得る。
【0079】
図4は本明細書に説明される様々な態様及び実施例が実装され得るシステムの一例を例解する。システム400は、以下に説明される様々なコンポーネントを含むデバイスとして具体化され得、本明細書に説明される態様のうちの1つ以上を実行するように構成されている。かかるデバイスの実施例としては、これらに限定されないが、パーソナルコンピュータ、ラップトップコンピュータ、スマートフォン、タブレットコンピュータ、デジタルマルチメディアセットトップボックス、デジタルテレビ受信機、パーソナルビデオ記録システム、コネクテッド家電、及びサーバなどの様々な電子デバイスが挙げられる。システム400の要素は、単独で、又は組み合わせて、単一の集積回路(IC)、複数のIC、及び/又は別個のコンポーネントに具現化され得る。例えば、少なくとも1つの実施例では、システム400の処理及びエンコーダ/デコーダ要素は、複数のIC及び/又は別個のコンポーネントにわたって分散される。様々な実施例では、システム400は、例えば、通信バスを介して、又は専用の入力ポート及び/若しくは出力ポートを通じて、1つ以上の他のシステム又は他の電子デバイスに通信可能に結合される。様々な実施例では、システム400は、本明細書に説明される態様のうちの1つ以上を実装するように構成されている。
【0080】
システム400は、例えば、本明細書に説明される様々な態様を実装するために、それ自体にロードされた命令を実行するように構成された少なくとも1つのプロセッサ410を含む。プロセッサ410は、埋め込みメモリ、入出力インターフェース、及び当該技術分野において知られている様々な他の回路を含むことができる。システム400は、少なくとも1つのメモリ420(例えば、揮発性メモリデバイス及び/又は不揮発性メモリデバイス)を含む。システム400は、記憶デバイス440を含み、これは、不揮発性メモリ及び/又は揮発性メモリを含むことができ、これらのメモリとしては、電気的消去可能なプログラマブル読み出し専用メモリ(Electrically Erasable Programmable Read-Only Memory、EEPROM)、読み出し専用メモリ(ROM)、プログラマブル読み出し専用メモリ(Programmable Read-Only Memory、PROM)、ランダムアクセスメモリ(RAM)、ダイナミックランダムアクセスメモリ(Dynamic Random Access Memory、DRAM)、スタティックランダムアクセスメモリ(Static Random Access Memory、SRAM)、フラッシュ、磁気ディスクドライブ、及び/又は光ディスクドライブが挙げられるが、これらに限定されない。記憶デバイス440は、非限定的な例として、内部記憶デバイス、付属記憶デバイス(取り外し可能及び取り外し不可能な記憶デバイスを含む)、及び/又はネットワークアクセス可能な記憶デバイスを含むことができる。
【0081】
システム400は、例えば、符号化されたビデオ又は復号されたビデオを提供するためにデータを処理するように構成されたエンコーダ/デコーダモジュール430を含み、エンコーダ/デコーダモジュール430は、それ自体のプロセッサ及びメモリを含むことができる。エンコーダ/デコーダモジュール430は、符号化機能及び/又は復号機能を実行するためにデバイス内に含まれ得るモジュールを表す。既知であるように、デバイスは、符号化モジュール及び復号モジュールのうちの一方又は両方を含むことができる。加えて、エンコーダ/デコーダモジュール430は、システム400の別個の要素として実装され得るか、又は当業者に知られているように、ハードウェアとソフトウェアの組み合わせとしてプロセッサ410内に組み込まれ得る。
【0082】
本明細書に説明される様々な態様を実行するためにプロセッサ410又はエンコーダ/デコーダ430にロードされるプログラムコードは、記憶デバイス440に記憶され、その後、プロセッサ410による実行のためにメモリ420上にロードされ得る。様々な実施例によれば、プロセッサ410、メモリ420、記憶デバイス440、及びエンコーダ/デコーダモジュール430のうちの1つ以上は、本明細書に説明されるプロセスの実行中に様々なアイテムのうちの1つ以上を記憶することができる。かかる記憶されたアイテムは、これらに限定されないが、入力ビデオ、復号されたビデオ、又は復号されたビデオの部分、ビットストリーム、マトリックス、変数、並びに、方程式、式、動作、及び動作論理の処理からの中間結果又は最終結果を含むことができる。
【0083】
いくつかの実施例では、プロセッサ410及び/又はエンコーダ/デコーダモジュール430の内部のメモリは、命令を記憶し、符号化又は復号中に必要な処理のための作業メモリを提供するために使用される。ただし、他の実施例では、処理デバイスの外部のメモリ(例えば、処理デバイスは、プロセッサ410又はエンコーダ/デコーダモジュール430のいずれかであり得る)が、これらの機能のうちの1つ以上のために使用される。外部メモリは、メモリ420及び/又は記憶デバイス440、例えば、ダイナミック揮発性メモリ及び/又は不揮発性フラッシュメモリであり得る。いくつかの実施例では、外部不揮発性フラッシュメモリが、例えば、テレビのオペレーティングシステムを記憶するために使用される。少なくとも1つの実施例では、RAMなどの高速外部ダイナミック揮発性メモリが、ビデオ符号化及び復号動作のためのワーキングメモリとして使用される。
【0084】
システム400の要素への入力は、ブロック445に示されるように、様々な入力デバイスを通して提供され得る。かかる入力デバイスとしては、これらに限定されないが、(i)例えば、放送局によって地上波で送信されるRF信号を受信する無線周波数(radio frequency、RF)部分、(ii)コンポーネント(COMP)入力端子(又は一組のCOMP入力端子)、(iii)ユニバーサルシリアルバス(USB)入力端子、及び/又は(iv)高解像度マルチメディアインターフェース(High Definition Multimedia Interface、HDMI)入力端子が挙げられる。他の実施例には、
図4には示されていないが、コンポジットビデオが含まれる。
【0085】
様々な実施例では、ブロック445の入力デバイスは、当該技術分野で知られているように、関連付けられたそれぞれの入力処理要素を有する。例えば、RF部分は、(i)所望の周波数を選択すること(信号を選択すること、又は信号をある帯域の周波数に帯域制限することとも称される)、(ii)選択された信号をダウンコンバートすること、(iii)(例えば)ある特定の実施例ではチャネルと称され得る信号周波数帯域を選択するために、より狭い周波数帯域に再び帯域制限すること、(iv)ダウンコンバートされ帯域制限された信号を復調することと、(v)誤り訂正を実行すること、及び/又は(vi)所望のデータパケットストリームを選択するために逆多重化することと、に好適な要素と関連付けられ得る。様々な実施例のRF部分は、これらの機能を実行するための1つ以上の要素、例えば、周波数セレクタ、信号セレクタ、帯域リミッタ、チャネルセレクタ、フィルタ、ダウンコンバータ、復調器、誤り訂正器、及び多重分離器を含む。RF部分は、様々なこれらの機能を実行するチューナを含むことができ、例えば、受信した信号をより低い周波数(例えば、中間周波数又は近ベースバンド周波数)に又はベースバンドにダウンコンバートすることを含む。1つのセットトップボックスの実施例では、RF部分及びその関連付けられた入力処理要素は、有線(例えば、ケーブル)媒体によって送信されたRF信号を受信し、フィルタ処理、ダウンコンバート、及び所望の周波数帯域への再度のフィルタ処理によって周波数選択を実行する。様々な実施例は、上で説明される(及び他の)要素の順序を再配列し、これらの要素のいくつかを除去し、並びに/又は他の要素を追加して、類似の機能若しくは異なる機能を実行する。要素を追加することは、例えば、増幅器及びアナログ-デジタル変換器を挿入するなど、既存の要素間に要素を挿入することを含み得る。様々な実施例では、RF部分は、アンテナを含む。
【0086】
USB端子及び/又はHDMI端子は、システム400をUSB接続及び/又はHDMI接続を介して他の電子デバイスに接続するためのそれぞれのインターフェースプロセッサを含むことができる。入力処理の様々な態様、例えば、リードソロモン誤り訂正は、例えば、必要に応じて、別個の入力処理IC内又はプロセッサ410内に実装され得ることを理解されたい。同様に、USB又はHDMIインターフェース処理の態様は、必要に応じて、別個のインターフェースIC内又はプロセッサ410内に実装され得る。例えば、プロセッサ410、並びにメモリ及び記憶要素と組み合わせて動作するエンコーダ/デコーダ430を含む様々な処理要素に、復調され、誤り訂正され、逆多重化されたストリームを提供して、出力デバイス上に提示するために、必要に応じて、データストリームを処理する。
【0087】
システム400の様々な要素は、統合型ハウジング内に提供され得る。統合型ハウジング内では、様々な要素が相互接続され、好適な接続配列425、例えば、Inter-IC(I2C)バス、配線、及びプリント回路基板を含む当該技術分野で知られている内部バスを使用して、それらの間でデータを送信し得る。
【0088】
システム400は、通信チャネル460を介して
他のデバイスとの通信を可能にする通信インターフェース450を含む。通信インターフェース450は、通信チャネル460によってデータを送信及び受信するように構成されたトランシーバを含むことができるが、これに限定されない。通信インターフェース450は、モデム又はネットワークカードを含むことができるが、これに限定されず、通信チャネル460は、例えば、有線及び/又は無線媒体内に実装され得る。
【0089】
データは、様々な実施例において、Wi-Fiネットワーク、例えば、IEEE802.11(IEEEは、the Institute of Electrical and Electronics Engineersを指す)などの無線ネットワークを使用して、システム400にストリーミングされるか、又は他の方法で提供される。これらの実施例のWi-Fi信号は、Wi-Fi通信用に適合された通信チャネル460及び通信インターフェース450を介して受信される。これらの実施例の通信チャネル460は、典型的には、ストリーミングアプリケーション及び他のオーバートップ通信を可能にするためにインターネットを含む外部ネットワークへのアクセスを提供するアクセスポイント又はルータに接続される。他の実施例は、入力ブロック445のHDMI接続によってデータを提供するセットトップボックスを使用して、ストリーミングされたデータをシステム400に提供する。更に他の実施例は、入力ブロック445のRF接続を使用して、ストリーミングされたデータをシステム400に提供する。上記のように、様々な実施例は、非ストリーミング様式でデータを提供する。加えて、様々な実施例は、Wi-Fi以外の無線ネットワーク、例えば、セルラーネットワーク又はBluetooth(登録商標)ネットワークを使用する。
【0090】
システム400は、ディスプレイ475、スピーカ485、及び他の周辺デバイス495を含む様々な出力デバイスに出力信号を提供することができる。様々な実施例のディスプレイ475は、例えば、タッチスクリーンディスプレイ、有機発光ダイオード(organic light-emitting diode、OLED)ディスプレイ、湾曲ディスプレイ、及び/又は折り畳み式ディスプレイのうちの1つ以上を含む。ディスプレイ475は、テレビ、タブレット、ラップトップ、携帯電話(モバイルフォン)、又は他のデバイスのためのものであり得る。また、ディスプレイ475を、他のコンポーネントと統合することができ(例えば、スマートフォン内のように)、又は別個にする(例えば、ラップトップ用の外部モニタ)こともできる。他の周辺デバイス495は、様々な実施例において、スタンドアロンデジタルビデオディスク(若しくはデジタル多用途ディスク)(両方の用語についてDVD)、ディスクプレーヤ、ステレオシステム、及び/又は照明システムのうちの1つ以上を含む。様々な実施例は、システム400の出力に基づいて機能を提供する1つ以上の周辺デバイス495を使用する。例えば、ディスクプレーヤは、システム400の出力を再生する機能を実施する。
【0091】
様々な実施例では、制御信号は、AV.Link、コンシューマエレクトロニクス制御(Consumer Electronics Control、CEC)、又はユーザ介入の有無を問わずデバイス間の制御を可能にする他の通信プロトコルなどのシグナリングを使用して、システム400とディスプレイ475、スピーカ485、又は他の周辺デバイス495との間で通信される。出力デバイスは、それぞれのインターフェース470、480、及び490を通じた専用接続を介してシステム400に通信可能に結合され得る。代替的に、出力デバイスは、通信インターフェース450を介し、通信チャネル460を使用して、システム400に接続され得る。ディスプレイ475及びスピーカ485は、例えば、テレビなどの電子デバイス内のシステム400の他のコンポーネントと単一のユニットに統合され得る。様々な実施例では、ディスプレイインターフェース470は、例えば、タイミングコントローラ(timing controller、TCon)チップなどのディスプレイドライバを含む。
【0092】
ディスプレイ475及びスピーカ485は、代替的に、例えば、入力445のRF部分が別個のセットトップボックスの一部分である場合、他のコンポーネントのうちの1つ以上とは別個であり得る。ディスプレイ475及びスピーカ485が外部コンポーネントである様々な実施例では、出力信号は、例えば、HDMIポート、USBポート、又はCOMP出力を含む専用の出力接続を介して提供され得る。
【0093】
これらの実施例は、プロセッサ410によって、又はハードウェアによって、又はハードウェア及びソフトウェアの組み合わせによって実装されるコンピュータソフトウェアによって実行され得る。非限定的な実施例として、これらの実施例は、1つ以上の集積回路によって実装され得る。メモリ420は、技術環境に適切な任意のタイプであり得、非限定的な例として、光メモリデバイス、磁気メモリデバイス、半導体ベースのメモリデバイス、固定メモリ、及びリムーバブルメモリなどの任意の適切なデータ記憶技術を使用して実装され得る。プロセッサ410は、技術環境に適切な任意のタイプのものであり得、非限定的な例として、マイクロプロセッサ、汎用コンピュータ、専用コンピュータ、及びマルチコアアーキテクチャに基づくプロセッサのうちの1つ以上を包含することができる。
【0094】
様々な実装形態は、復号を伴う。本出願で使用する際、「復号」は、例えば、ディスプレイに好適な最終出力をもたらすために、受信した符号化されたシーケンスに対して実施されるプロセスの全て又は一部を包含することができる。様々な実施例では、かかるプロセスは、典型的には、デコーダによって実行されるプロセス、例えば、エントロピー復号、逆量子化、逆変換、及び差動復号のうちの1つ以上を含む。様々な実施例では、そのようなプロセスはまた、又は代替的に、本出願で説明する様々な実装形態のデコーダによって実行されるプロセス、例えば、現在のブロックに対してテンプレートベースのコーディングモードが有効であるかどうかを判定すること、テンプレートベースのコーディングモードが現在のブロックに対して有効であるという判定に基づいて、特定された復号ブロック及び現在のブロックのテンプレートサンプル値を基に、少なくとも1つの復号ブロックを特定すること、特定された少なくとも1つの復号ブロックに基づいて、現在のブロックの少なくとも1つのシンタックス要素の値を取得すること、少なくとも1つのシンタックス要素の値を使用して現在のブロックを再構成することなどを含む。
【0095】
更なる実施例として、一実施例では、「復号」はエントロピー復号のみを指し、別の実施例では、「復号」は、差動復号のみを指し、別の実施例では、「復号」は、エントロピー復号及び差動復号の組み合わせを指す。「復号プロセス」という句が、具体的に作業部分集合を指すことを目的とするものであるか、又は全体としてより広範な復号プロセスを指すことを目的とするものであるかは、具体的な説明の背景に基づいて明らかになり、当業者によって十分に理解されると考えられる。
【0096】
様々な実装形態は、符号化を伴う。「復号」に関する上記の考察と同様に、本出願で使用される「符号化」は、例えば、符号化されたビットストリームを作り出すために入力ビデオシーケンスに対して実施されるプロセスの全て又は一部を包含することができる。様々な実施例では、かかるプロセスは、典型的には、エンコーダによって実行されるプロセス、例えば、分割、差動符号化、変換、量子化、及びエントロピー符号化のうちの1つ以上を含む。様々な実施例では、そのようなプロセスはまた、又は代替的に、例えば、現在のブロックに対してテンプレートベースのコーディングモードを使用するかどうかを判定すること、現在のブロックに対してテンプレートベースのコーディングモードが有効であるという判定に基づいて、現在のブロックの少なくとも1つのシンタックス要素のシグナリングを除外すること、及びテンプレートベースのコーディングモードに基づいて現在のブロックを符号化することなど、本出願で説明する様々な実装形態のエンコーダによって実行されるプロセスを含む。
【0097】
更なる実施例として、一実施例では、「符号化」はエントロピー符号化のみを指し、別の実施例では、「符号化」は差動符号化のみを指し、別の実施例では、「符号化」は差動符号化及びエントロピー符号化の組み合わせを指す。「符号化プロセス」という句が、具体的に作業部分集合を指すことを目的とするものであるか、又は全体としてより広範な符号化プロセスを指すことを目的とするものであるかは、具体的な説明の背景に基づいて明らかになり、当業者によって十分に理解されると考えられる。
【0098】
本明細書で使用されるシンタックス要素、例えば、これらに限定されないが、cu_template_based_coding_enabled_flag、cu_intra_template_based_coding_enabled_flag、cu_inter_template_based_coding_enabled_flag、cu_transform_template_based_coding_enabled_flagを含む、テンプレートマッチング予測に関するコーディングシンタックスは説明的な用語であることに留意されたい。したがって、これらは他のシンタックス要素名の使用を排除するものではない。
【0099】
図がフロー図として提示されている場合、その図は対応する装置のブロック図も提供するものと理解されたい。同様に、図がブロック図として提示されている場合、その図は対応する方法/プロセスのフロー図も提供するものと理解されたい。
【0100】
本明細書に説明される実装形態及び態様は、例えば、方法又はプロセス、装置、ソフトウェアプログラム、データストリーム、又は信号において実装され得る。たとえ単一の形態の実装形態の文脈でのみ考察される場合でも(例えば、方法としてのみ考察される)、考察された特徴の実装形態は、他の形態(例えば、装置又はプログラム)でも実装することができる。装置は、例えば、適切なハードウェア、ソフトウェア、及びファームウェアで実装され得る。本方法は、例えば、プロセッサで実装され得るが、プロセッサは、一般に処理デバイスを指し、例えば、コンピュータ、マイクロプロセッサ、集積回路、又はプログラマブル論理デバイスが含まれる。プロセッサには、例えば、エンドユーザ間の情報の通信を容易にする、コンピュータ、携帯電話、ポータブル/携帯情報端末(Personal Digital Assistant、「PDA」)などのデバイスなどの通信デバイスも含まれる。
【0101】
「一実施例」若しくは「実施例」又は「一実装形態」若しくは「実装形態」、並びにそれらの他の変形例への言及は、実施例に関連して説明される特定の特徴、構造、特性などが少なくとも1つの実施例に含まれることを意味する。そのため、本出願全体を通して様々な場所に現れる「一実施例では」若しくは「実施例では」又は「一実装形態では」若しくは「実装形態では」という句、並びに任意の他の変形例の出現は、必ずしも全てが同じ実施例を指すとは限らない。
【0102】
加えて、本出願は、様々な情報を「判定する」ことに言及し得る。情報を判定することは、例えば、情報を推定すること、情報を計算すること、情報を予測すること、又は情報をメモリから取り出すことのうちの1つ以上を含むことができる。取得することは、受信すること、取り出すこと、構築すること、生成すること、及び/又は判定することを含み得る。
【0103】
更に、本出願は、様々な情報に「アクセスすること」に言及する場合がある。情報にアクセスすることは、例えば、情報を受信すること、(例えば、メモリから)情報を取得すること、情報を記憶すること、情報を移動すること、情報をコピーすること、情報を計算すること、情報を
判定すること、情報を予測すること、又は情報を推定することのうちの1つ以上を含むことができる。
【0104】
加えて、本出願は、様々な情報を「受信すること」に言及する場合がある。受信することは、「アクセスすること」と同様に、広義の用語であることを意図している。情報を受信することは、例えば、情報にアクセスすること、又は(例えば、メモリから)情報を取得することのうちの1つ以上を含むことができる。更に、「受信すること」は、一般には、例えば、情報を記憶する、情報を処理する、情報を送信する、情報を移動する、情報をコピーする、情報を消去する、情報を計算する、情報を判定する、情報を予測する、又は情報を推定するなどの操作時に、何らかの方式で関与する。
【0105】
例えば、「A/B」、「A及び/又はB」及び「A及びBのうちの少なくとも1つ」の場合、次の「/」、「及び/又は」、及び「のうちの少なくとも1つ」のいずれかの使用は、第1のリストされた選択肢(A)のみの選択、又は第2のリストされた選択肢(B)のみの選択、又は両方の選択肢(A及びB)の選択を包含することが意図されていることを理解されるべきである。更なる実施例として、「A、B、及び/又はC」及び「A、B、及びCのうちの少なくとも1つ」の場合、かかる表現は、第1のリストされた選択肢(A)のみの選択、又は第2のリストされた選択肢(B)のみの選択、又は第3のリストされた選択肢(C)のみの選択、又は第1及び第2のリストされた選択肢(A及びB)のみの選択、又は第1及び第3のリストされた選択肢(A及びC)のみの選択、又は第2及び第3のリストされた選択肢のみの選択(B及びC)のみ、又は3つ全ての選択肢の選択(A及びB及びC)を包含することが意図される。このことは、当該技術分野及び関連技術分野の当業者に明らかであるように、リストされたアイテムの数だけ拡張され得る。
【0106】
また、本明細書で使用されるとき、「シグナリングする」という語は、特に、対応するデコーダに対して何かを示すことを意味する。エンコーダ信号は、例えば、精度因子を用いたブロックへの入力に対する符号化関数を含み得る。このようにして、一実施例では、同じパラメータがエンコーダ側とデコーダ側の両方で使用される。したがって、例えば、エンコーダは、デコーダが同じ特定のパラメータを使用することができるように、特定のパラメータをデコーダに送信することができる(明示的なシグナリング)。逆に、デコーダが既に特定のパラメータ並びに他のパラメータを有する場合、単にデコーダが特定のパラメータを知り選択することを可能にするために、送信せずにシグナリングを使用し得る(暗黙的なシグナリング)。いかなる実際の機能の送信を回避することによって、様々な実施例においてビット節約が実現される。シグナリングは、様々な方式で達成され得ることが理解されるべきである。例えば、様々な実施例では、1つ以上のシンタックス要素、フラグなどを使用して、対応するデコーダに情報をシグナリングする。前述は、「信号」という単語の動詞形に関するものであるが、「信号」という語はまた、本明細書において名詞として使用され得る。
【0107】
当業者には明らかであるように、実装形態は、例えば、記憶又は送信され得る情報を搬送するようにフォーマットされた様々な信号を生成し得る。情報は、例えば、方法を実施するための命令、又は説明されている実装形態の1つによって生成されるデータを含むことができる。例えば、信号は、説明される実施例のビットストリームを搬送するようにフォーマットされ得る。かかる信号は、例えば、(例えば、スペクトルの無線周波数部分を使用して)電磁波として、又はベースバンド信号としてフォーマットされ得る。フォーマットすることは、例えば、データストリームを符号化し、符号化されたデータストリームで搬送波を変調することを含み得る。信号が搬送する信号は、例えば、アナログ情報又はデジタル情報であり得る。信号は、知られているように、様々な異なる有線又は無線リンクによって送信され得る。信号は、プロセッサ可読媒体に記憶されるか、プロセッサ可読媒体からアクセス若しくは受信され得る。
【0108】
多くの実施例が、本明細書に説明されている。実施例の特徴は、様々な特許請求のカテゴリ及びタイプにわたって単独で又は任意の組み合わせで提供され得る。更に、実施例は、本明細書に説明される特徴、デバイス、又は態様のうちの1つ以上を、単独で又は任意の組み合わせで、様々な特許請求のカテゴリ及びタイプにわたって含み得る。例えば、本明細書に説明される特徴は、本明細書に説明されるように生成された情報を含むビットストリーム又は信号に実装され得る。情報により、デコーダが、説明される実施形態のいずれかに従って、ビットストリーム、エンコーダ、ビットストリーム、及び/又はデコーダを復号することが可能になり得る。例えば、本明細書に記載の特徴は、ビットストリーム又は信号を生成及び/又は送信及び/又は受信及び/又は復号することによって実装され得る。例えば、本明細書に記載の特徴が実装され得、方法、プロセス、装置、データを記憶する媒体、命令を記憶する媒体、又は信号。例えば、本明細書に記載の特徴は、TV、セットトップボックス、携帯電話、タブレット、又は復号を実行する他の電子デバイスによって実装され得る。TV、セットトップボックス、携帯電話、タブレット、又は他の電子デバイスは、結果として得られる画像(例えば、ビデオビットストリームの残差再構成からの画像)を(例えば、モニタ、スクリーン、又は他のタイプのディスプレイを使用して)表示し得る。TV、セットトップボックス、携帯電話、タブレット、又は他の電子デバイスは、符号化された画像を含む信号を受信し、復号を実行し得る。
【0109】
シンタックス要素値は、テンプレート(例えば、ブロックを取り囲むL字形サンプル)が現在のブロックテンプレートに一致する、以前にコーディングされたブロックから予測され得る。本明細書で説明する実施例は、コーディング利得を増加させ、及び/又はシンタックス要素のシグナリングを減少させ得る。
【0110】
例えば、エンコーダは、現在のブロックに対してテンプレートベースのコーディングモードを使用するかどうかを判定し得る。現在のブロックに対してテンプレートベースのコーディングモードを使用するという判定に基づいて、エンコーダは、現在のブロックの少なくとも1つのシンタックス要素のシグナリングをバイパスすることができる。現在のブロックは、テンプレートベースのコーディングモードに基づいて符号化され得る。現在のブロックに対してテンプレートベースのコーディングモードを使用しないという判定に基づいて、現在のブロックの少なくとも1つのシンタックス要素がビットストリーム中に含まれ得る。
【0111】
これらの実施例は、少なくとも1つのプロセッサを有するデバイスによって実行され得る。デバイスは、エンコーダ及び/又はデコーダを含み得る。これらの実施例は、非一時的コンピュータ可読媒体に記憶され、プログラムコード命令を含むコンピュータプログラム製品によって実行されてもよい。これらの実施例は、プログラムコード命令を含むコンピュータプログラムによって実行されてもよい。これらの実施例は、テンプレートマッチング予測モードを表す情報を含むビットストリームによって実行され得る。
【0112】
図5はテンプレートマッチング予測(template matching prediction、TMP)の一例を例解する。TMPは、テンプレート(例えば、L字形テンプレート)が現在のテンプレートに一致する、現在のフレームの再構成された部分から予測ブロック(例えば、最良予測ブロック)をコピーすることができるイントラ予測モードであり得る。予め定義された探索範囲において、エンコーダは、現在のフレームの符号化された部分において、現在のテンプレートに最も類似するテンプレートを探索することができ、対応するブロックを予測ブロックとして使用することができる。エンコーダは、テンプレートマッチング予測モードの使用を示す(例えば、ビットストリームにおいてシグナリングする)ことができ、予測動作(例えば、対応する予測動作)は、デコーダ側で実行することができる。テンプレートに関連付けられたブロック(例えば、ターゲットブロック)は、予測信号を生成するために使用され得る。実施例では、予測信号はテンプレートを平均化することによって生成され得る。実施例では、予測信号は最小テンプレート差分を有するブロックを考慮して生成され得る。TMPは、イントラサブパーティション(intra sub-partitions、ISP)、行列重み付けイントラ予測(matrix-weighted intra prediction、MIP)、及び/又は複数参照ライン(multiple reference line、MRL)イントラ予測とともに実行されてもよく、変換ツール(例えば、マルチ変換選択(multi transform selection、MTS)及び/又は低周波非分離変換(low-frequency non-separable transform、LFNST))との相互作用を有してもよく、及び/又はインター予測及びイントラ予測の組み合わせとの相互作用を有してもよい。コーディングユニット(coding unit、CU)フラグなどの指示がTMPの使用を示すためにシグナリングされ得る。この指示は設計されたコーデックにおいて異なるレベルで(例えば、サブCUレベルで、変換ユニットレベルで、予測ユニットレベルで、スライスレベルで)シグナリングされ得る。
【0113】
逆プロセスを実行し、ビットストリームからピクセル群を再構成するために、シンタックス要素(例えば、いくつかのシンタックス要素)がデコーダに示され得る。実施例では、CUレベルで、様々な指示(例えば、フラグ)が、予測タイプ、変換タイプ、及び有効又は無効にされている他のツールを示すためにシグナリングされ得る。例示的なCUシグナリングを以下に示す(シンタックス要素は太字である)。
【0114】
【0115】
ブロックレベルでコーディングされるシンタックス要素(例えば、CU、PU及び/又はTU)の数は使用されるツールの数に比例し得る。例えば、各ツールはその使用を示すフラグを有することができる。多くのツールは、それらが使用される場合、それらのパラメータをシグナリングすることができる。これは、各ブロックにおけるフラグの過剰なシグナリングにつながり得て、オーバーヘッドを増加させ、全体的な利得を低減し得る。
【0116】
実施例では、コーディングブロックのシンタックス要素は、それらのテンプレートが一致する(例えば、テンプレートサンプル値が同一又は実質的に類似である)場合、別の復号されたブロックから推測、導出、及び/又は予測し得る。コーディングブロックのシンタックス要素又はシンタックス要素のサブセットは、マッチングテンプレートを用いて復号ブロックから取得し得る。
【0117】
現在のブロックに対してテンプレートベースのコーディングモードを使用するかどうかが判定され得る。現在のブロックに対してテンプレートベースのコーディングモードが有効であるという判定に基づいて、現在のブロックのいくらかのシンタックス要素がビットストリームから除外され得る。現在のブロックに対するテンプレートベースのコーディングモードの使用を示すために、ブロックシンタックス構造の最初に、指示がシグナリングされ得る。実施例では、CUレベルで、現在のブロックをコーディングするためにテンプレートベースのコーディングモードが使用されるかどうかを示すために、フラグ(例えば、cu_template_based_coding_enabled_flag)がシグナリングされ得る。このフラグが1に等しい場合、他のシンタックス要素の全て(又はいくつか)がシグナリングからスキップされ、マッチングブロックから推測され得る。実施例では、イントラ予測モードのためのフラグ(例えば、intra_mip_flag及びintra_subpartitions_mode)はスキップされ得る。現在のブロッ
クに対してテンプレートベースのコーディングモードが無効であるという判定に基づいて、現在のブロックに対するシンタックス要素がビットストリーム中でシグナリングされ得る。本明細書で説明するテンプレートベースのコーディング有効化指示がビットストリーム中に存在しない場合、その値は、テンプレートベースのコーディングが無効であることを示すと推測され得る。テンプレートベースのコーディング有効化指示が、テンプレートベースのコーディングが有効であることを示す場合、本明細書で説明するシンタックステンプレート演繹が使用され得る。
【0118】
デコーダは、現在のブロックに対してテンプレートベースのコーディングモードが有効であるかどうかを判定することができる。判定は、cu_template_based_coding_enabled_flagなどのテンプレートベースのコーディング有効化指示に基づくことができる。現在のブロックに対してテンプレートベースのコーディングモードが有効であるという判定に基づいて、隣接ブロック(例えば、復号ブロック)がテンプレートマッチングを介して特定され得る。隣接ブロック(例えば、復号ブロック)は、特定された隣接ブロック(例えば、復号ブロック)のテンプレートサンプル値及び現在のブロックのテンプレートサンプル値に基づいて特定され得る。例えば、隣接ブロックは、現在のブロックのテンプレートサンプルと一致するテンプレートサンプル(例えば、同一のテンプレートサンプル値、最も近いテンプレートサンプル値、又は類似のテンプレートサンプル値)を有することによって特定され得る。現在のブロックの少なくとも1つのシンタックス要素の値は、特定された隣接ブロック(例えば、復号ブロック)に基づいて取得され得る。例えば、現在のブロックに対するイントラ予測モード(例えば、intra_mip_flag及びintra_subpartitions_mode)のフラグなどのシンタックス要素の値は、特定された隣接ブロック(例えば、復号されたブロック)の対応するシンタックス要素から推測、導出、及び/又は予測され得る。現在のブロックは、テンプレートマッチングを介して取得されたシンタックス要素の値を使用して復号(例えば、再構成)され得る。
【0119】
エンコーダは、現在のブロックに対してテンプレートベースのコーディングモードが有効であるかどうかを判定することができる。この判定は、レート歪み最適化に基づき得る。cu_template_based_coding_enabled_flagなどのテンプレートベースのコーディング有効化指示は、テンプレートベースのコーディングモードが有効であるかどうかを示すためにビデオデータ内に含まれ得る(例えば、コーディングブロックに対して、複数のコーディングブロックに対して、サブブロックに対してなど)。現在のブロックに対してテンプレートベースのコーディングモードが有効であるという判定に基づいて、現在のブロックの1つ以上のシンタックス要素は、ビデオデータから除外され得る(例えば、シンタックス要素のシグナリングがバイパスされ得る)。現在のブロックは、テンプレートマッチングを介して取得されたシンタックス要素の値を使用して符号化され得る。
【0120】
CUシグナリングの一例を以下のテーブルに示す。
【0121】
【0122】
【0123】
図6は、現在のブロック(例えば、復号された部分の内部)に対するマッチングテンプレートを探索する一例を例解する。実施例では、シグナリングオーバーヘッドは、隣接ブロック(例えば、復号部分内で以前に復号されたブロック又は符号化部分内で以前に符号化されたブロック)からシンタックス要素を予測することによって低減され得る。テンプレートが現在のテンプレートに一致する隣接ブロック(例えば、復号ブロック又は符号化ブロック)が探索され得る。実施例では、隣接ブロック(例えば、復号ブロック)は、隣接ブロック(例えば、復号ブロック)のテンプレートサンプル値及び現在のブロックのテンプレートサンプル値に基づいて特定され得る。特定された隣接ブロック(例えば、復号ブロック)のテンプレートサンプル値は、現在のブロックのテンプレートサンプル値に一致し得る。例えば、隣接ブロック(例えば、復号ブロック)のマッチングテンプレートサンプル値は、現在のブロックのテンプレートサンプルと同一のテンプレートサンプル値、最も近いテンプレートサンプル値、又は類似のテンプレートサンプル値であり得る。現在のブロックの少なくとも1つのシンタックス要素の値は、特定された少なくとも1つの隣接ブロック(例えば、復号ブロック)に基づいて取得され得る。これは、エンコーダ側とデコーダ側の両方で実行することができる。
【0124】
マッチングブロックを見つけるために、全ての復号ブロックにおける探索は必要とされないことがある。復号ブロックの情報を登録したテーブルがあってもよい。実施例では、ビデオ復号デバイス及び/又はビデオ符号化デバイスは、隣接ブロックのシンタックス要素値をテーブルに登録することができる。テーブルは、サイズNのテーブルであり得、そのエントリは、各隣接ブロック及びそのシンタックス要素の全て(又はいくつか)のテンプレートであり得る。これは、以下のテーブルに示されており、ここで、S1、S2、...は、テンプレートベースのコーディングのために使用され得るシンタックス要素である。
【0125】
【0126】
テーブルに基づいて、ビデオ復号デバイス及び/又はビデオ符号化デバイスは、現在のブロックのシンタックス要素に対応する、特定された隣接ブロックのシンタックス要素値を取得し得る。現在のブロックのシンタックス要素の値は、特定された隣接ブロックのシンタックス要素値に基づいて取得され得る。実施例では、ビデオ復号デバイスは、現在のブロックのシンタックス要素の値を、特定された隣接ブロックのシンタックス要素値に設定し得る。実施例では、ビデオ復号デバイスは、特定された隣接ブロックのシンタックス要素値に基づいて現在のブロックのシンタックス要素の値を予測し得る。実施例では、ビデオ復号デバイスは、現在のブロックのシンタックス要素の値を、特定された隣接ブロックのシンタックス要素値にコピーし得る。
【0127】
テーブルは、ブロックの再構成又はブロックの符号化を終了するとき、新しいエントリで更新され得る。テーブルは、(例えば、テーブル内に冗長情報を有することを回避するために)特有のテンプレートを用いて更新され得る。特有のテンプレートを有するために、テンプレート間の距離が測定されてもよく、大きい距離を有するブロックからの情報をテーブルに挿入し得る。差の絶対値又は二乗差を距離尺度として使用し得る。
【0128】
実施例では、単一の候補が使用され得る。最良の隣接ブロック(例えば、最良の復号ブロック)は、最良の特定された隣接ブロック(例えば、最良の復号ブロック)のテンプレートサンプル値及び現在のブロックのテンプレートサンプル値に基づいて特定され得る。現在のブロックの少なくとも1つのシンタックス要素の値は、最良の隣接ブロック(例えば、最良の復号ブロック)に基づいて取得され得る。最良の隣接ブロック(例えば、復号されたブロック)のシンタックス要素の値は、現在のブロックを復号する(例えば、再構成する)ために使用され得る。
【0129】
最良の隣接ブロック(例えば、最良の符号化ブロック)は、最良の特定された隣接ブロック(例えば、最良の符号化ブロック)のテンプレートサンプル値及び現在のブロックのテンプレートサンプル値に基づいて特定され得る。現在のブロックの少なくとも1つのシンタックス要素の値は、最良の隣接ブロック(例えば、最良の符号化ブロック)に基づいて取得され得る。最良隣接ブロックのシンタックス要素の値は、現在のブロックを符号化するために使用され得る。
【0130】
実施例では、複数の候補が使用され得る。複数の隣接ブロック(例えば、復号ブロック)は、隣接ブロック(例えば、復号ブロック)のテンプレートサンプル値及び現在のブロックのテンプレートサンプル値に基づいて特定され得る。現在のブロックの少なくとも1つのシンタックス要素の値は、特定された隣接ブロック(例えば、復号ブロック)に基づいて取得され得る。少なくとも1つのシンタックス要素の値は、現在のブロックを復号(例えば、再構成)するために使用され得る。実施例では、1つ以上の隣接ブロック(例えば、復号ブロック)のシンタックス要素の第1のサブセットが、現在のブロックを復号するために使用され得、1つ以上の他の隣接ブロック(例えば、復号ブロック)のシンタックス要素の第2のサブセットが、現在のブロックを復号するために使用され得る。エンコーダは予測に使用される1つ以上のブロックをデコーダに示すことができる。テーブルは現在のテンプレートまでの距離に従ってソートすることができる。エンコーダは、最良の候補を見つけるためにテーブルの最大M個の候補をテストし得、最良の隣接ブロック(例えば、復号されたブロック)のインデックスをシグナリングし得る。
【0131】
実施例では、現在のブロックのシンタックス要素のクラスに対してテンプレートベースのコーディングモードが有効であり得る。現在のブロックのシンタックス要素のクラスに対してテンプレートベースのコーディングモードが有効であるという判定に基づいて、現在のブロックのシンタックス要素のクラスの値が、特定された隣接ブロック(例えば、復号ブロック)の対応するシンタックス要素値を基に取得され得る。現在のブロックは、現在のブロックのシンタックス要素のクラスの値に基づいて復号(例えば、再構成)され得る。
【0132】
実施例では、ビデオ符号化デバイスは、現在のブロックのシンタックス要素のクラスに対してテンプレートベースのコーディングモードが有効であり得る。現在のブロックのシンタックス要素のクラスに対してテンプレートベースのコーディングモードが有効であるという判定に基づいて、現在のブロックのシンタックス要素のクラスは、ビデオデータから除外され得る(例えば、クラス中のシンタックス要素のシグナリングは、現在のブロックに対してバイパスされ得る)。現在のブロックは、テンプレートベースのコーディングモードに基づいて符号化され得る。テンプレートベースのコーディングモードを使用して現在のブロックをコーディングするかどうかは、レート歪み最適化に基づいて判定され得る。
【0133】
シンタックス要素のクラスは、イントラ予測シンタックス要素、インター予測シンタックス要素、又は変換シンタックス要素のうちの少なくとも1つを含み得る。実施例では、シンタックス要素のクラスは、イントラ予測シンタックス要素、インター予測シンタックス要素、又は変換シンタックス要素のうちの1つを含み得る。実施例では、シンタックス要素のクラスは、イントラ予測シンタックス要素、インター予測シンタックス要素、又は変換シンタックス要素のうちの2つを含み得る。実施例では、シンタックス要素のクラスは、イントラ予測シンタックス要素、インター予測シンタックス要素、又は変換シンタックス要素の3つ全てを含み得る。
【0134】
イントラ予測シンタックス要素、インター予測シンタックス要素、及び/又は変換シンタックス要素のためのテンプレートベースコードモードの使用を示すために、1つ以上のフラグがシグナリングされ得る。イントラサブパーティショニング又はサブブロック変換などの特定のツールの使用が示され得る。シンタックスの一例は以下に示される。
【0135】
【0136】
【0137】
【0138】
【0139】
【0140】
【0141】
上記の例では、テンプレートベースのコーディング有効化指示は、イントラ、インター、及び/又は変換情報が、特定された隣接ブロック(例えば、復号ブロック)から予測(例えば、コピー、推測、導出)されるかどうかを示すためにシグナリングされ得る。テンプレートベースのコーディング有効化指示に基づいて、イントラ情報、インター情報、及び/又は変換情報が、特定された隣接ブロック(例えば、復号ブロック)から予測(例えば、コピー、推測、導出)され得る。
【0142】
例えば、上記の例示的なコーディングユニットシンタックステーブルに示されたcu_intra_template_based_coding_enabled_flagなどのイントラテンプレートベースのコーディング有効化指示は、テンプレートマッチングを介して特定された隣接ブロックに関連するイントラ予測情報に基づいて、現在のブロックのイントラ予測情報が取得される(例えば、予測される、コピーされる、推測される、導出される)べきかどうかを示し得る。例えば、上記の例示的なシンタックステーブルに示されたcu_inter_template_based_coding_enabled_flagなどのインターテンプレートベースのコーディング有効化指示は、テンプレートマッチングを介して特定された隣接ブロックに関連するインター予測情報に基づいて現在のブロックのインター予測情報が取得される(例えば、予測される、コピーされる、推測される、導出される)べきかどうかを示し得る。例えば、上記の例示的なシンタックステーブルに示されたcu_transform_template_based_coding_enabled_flagなど、変換テンプレートベースのコーディング有効化指示は、特定された隣接ブロックに関連する変換情報に基づいて現在のブロックの変換情報が取得される(例えば、予測される、コピーされる、推測される、導出される)べきかどうかを示し得る。隣接ブロックは、テンプレートマッチングによって特定される。
【0143】
上記に示された例示的な指示はCUレベルでシグナリングされ得るが、指示は、スライスレベル、タイルレベル、サブブロックレベルなど、他のレベルでシグナリングされてもよい。
【0144】
実施例では、予測又は変換情報又は値のサブセットは、特定された隣接ブロックから(例えば、テンプレート推論を介して)推測され得る。実施例では、全てのシンタックス値が、テンプレートマッチングを介して特定された隣接ブロックに基づいて、推測され得るわけではない。特定された隣接ブロックからのシンタックス要素の値は、シンタックス要素のエントロピーコーディングのコンテキストを初期化するために使用され得る。実施例では、cu_skip_flagエントロピーコーディングモデルは、現在のブロックの上及び左のCUのcu_skip_flag値から推測され得る。実施例では、エントロピーコーディングモデルは、特定された隣接ブロックのcu_skip_flag値から推測され得る。
【0145】
類似のテンプレートを探索する場合、隣接ブロック(例えば、復号ブロック)及び現在のブロックは、テンプレート間の距離測度を計算するときに同じ次元を有することもあれば、有さないこともある。隣接ブロック(例えば、復号されたブロック)の次元数は、現在のブロックの次元数と比較され得る。隣接ブロックの次元数が現在のブロックよりも大きい場合、隣接ブロックのテンプレートは、現在のブロックのテンプレートサイズに等しくなるようにサブサンプリングされ得る。隣接ブロックは、隣接ブロックのサブサンプリングされたテンプレート内のテンプレートサンプル値及び現在のブロックのテンプレートサンプル値に基づいて特定され得る。現在のブロックの次元数が隣接ブロックよりも大きい場合、現在のブロックのテンプレートは、隣接ブロックのテンプレートサイズに等しくなるようにサブサンプリングされ得る。隣接ブロックは、現在のブロックのサブサンプリングされたテンプレート内のテンプレートサンプル値に基づいて特定され得る。異なるテンプレートサイズによる距離測定が使用されてもよい。
【0146】
図7は、それぞれ、八次元及び四次元の2つのテンプレートの一例を例解する。サイズがN×M及びK×Lの2つのブロックに対して、サイズがN及びKの上側テンプレート間、並びにサイズがM及びLの左側テンプレート間に、2つの距離尺度が提供され得る。比較する2つのテンプレートの各々について、大きい方の寸法は、小さい方の寸法の2^n倍であり得る。これは、四分木、二分木及び三分木の分割タイプによるものである。したがって、2つのテンプレートを比較するために、大きい方のテンプレートを小さい方のテンプレートと同じ寸法にサブサンプリングすることができる。
【0147】
いくつかの実施例では、テンプレート(例えば、現在のブロックのテンプレート及び隣接ブロックのテンプレート)は両方ともサブサンプリングされ得る。例えば、テンプレートは、最小CUサイズ(例えば、4ピクセル)にサブサンプリングされ得、テンプレートは、それらの寸法にかかわらず比較され得る。これにより、設計が簡略化され、テンプレートテーブルに記憶される情報が削減され得る。
【0148】
いくつかの実施例では、共通部分が比較され得る(例えば、最小のテンプレートに対応する部分が計算において考慮され得る)。ブロックを比較するために使用されるサンプルの数は、テンプレート距離関数を重み付けするために使用され得る。
【0149】
実施例では、テンプレート探索及びテンプレートテーブルは、現在のCTU又はCTUラインに制限され得る。これは、並列処理を可能にすることによって全体的な複雑さを低減し、コーディング速度を改善することができ、並列処理は、それらの間に依存関係がない場合にCTUラインを並列に復号することを可能にすることができる。実施例では、テンプレート探索及びテンプレートテーブルは、現在のCTU又はCTUラインに限定されないことがある。
【0150】
図8は、現在のブロックを復号するための例示的なフローチャート800を例解する。802において、現在のブロックに対してテンプレートベースのコーディングモードが有効であるかどうかが判定され得る。804において、現在のブロックに対してテンプレートベースのコーディングモードが有効であるという判定に基づいて、現在のブロックのテンプレートサンプル値を基に隣接ブロックを特定し得る。806において、現在のブロックのシンタックス要素の値が、特定された隣接ブロックに基づいて取得され得る。808において、現在のブロックは、シンタックス要素の値に基づいて復号され得る。
【0151】
図9は、現在のブロックを符号化するための例示的なフローチャート900を例解する。902において、現在のブロックに対してテンプレートベースのコーディングモードが有効であるかどうかが判定され得る。904において、現在のブロックに対してテンプレートベースのコーディングモードが有効であるという判定に基づいて、現在のブロックのテンプレートサンプル値を基に隣接ブロックを特定し得る。906において、現在のブロックのシンタックス要素の値が、特定された隣接ブロックに基づいて取得され得る。908において、現在のブロックは、シンタックス要素の値に基づいて符号化され得る。
【0152】
図10は、現在のブロックを符号化するための例示的なフローチャート1000を例解する。1002において、現在のブロックに対してテンプレートベースのコーディングモードが有効であるかどうかが判定され得る。1004において、現在のブロックに対してテンプレートベースのコーディングモードが有効であるという判定に基づいて、シンタックス要素のシグナリングが現在のブロックに対して除外され得る。1006において、現在のブロックは、テンプレートベースのコーディングモードに基づいて符号化され得る。
【0153】
特徴及び要素は、特定の組み合わせにおいて上で説明されているが、当業者は、各特徴又は要素が単独で又は他の特徴及び要素との任意の組み合わせで使用され得ることを理解されよう。加えて、本明細書に説明される方法は、コンピュータ又はプロセッサによる実行のためにコンピュータ可読媒体に組み込まれたコンピュータプログラム、ソフトウェア又はファームウェアにおいて実施され得る。コンピュータ可読媒体の例には、電子信号(有線又は無線接続を介して送信される)及びコンピュータ可読記憶媒体が挙げられる。コンピュータ可読記憶媒体の例としては、読み取り専用メモリ(ROM)、ランダムアクセスメモリ(RAM)、レジスタ、キャッシュメモリ、半導体メモリデバイス、内部ハードディスク及びリムーバブルディスクなどの磁気媒体、磁気光学媒体及びCD-ROMディスク及びデジタル多用途ディスク(digital versatile disk、DVD)などの光学媒体が挙げられるが、これらに限定されない。ソフトウェアと関連付けられたプロセッサを使用して、WTRU、UE、端末、基地局、RNC又は任意のホストコンピュータにおいて使用するための無線周波数トランシーバを実装し得る。
【手続補正書】
【提出日】2024-04-03
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ビデオ復号のためのデバイスであって、
現在のブロックに対してブロックベクトルベースのマージモードが有効であるかどうかを判定することと、
前記ブロックベクトルベースのマージモードが、前記現在のブロックに対して有効であるという前記判定に基づいて、隣接ブロックを特定することと、
特定された前記隣接ブロックに基づいて前記現在のブロックのシンタックス要素の値を取得することと、
前記シンタックス要素の前記値に基づいて前記現在のブロックを復号することと、を行うように構成されている、プロセッサを備える、デバイス。
【請求項2】
前記隣接ブロックが、前記現在ブロックの複数のテンプレートサンプル値及び前記隣接ブロックの複数のテンプレートサンプル値とに基づいて特定される、請求項1に記載のデバイス。
【請求項3】
前記プロセッサが、
複数の隣接ブロックのシンタックス要素値をテーブルに登録することと、
前記テーブルに基づいて、前記現在のブロックの前記シンタックス要素に対応する前記特定された隣接ブロックのシンタックス要素値を取得することと、を行うように更に構成されており、前記現在のブロックの前記シンタックス要素の前記値が、前記特定された隣接ブロックの前記シンタックス要素値に基づいて取得される、請求項1に記載のデバイス。
【請求項4】
前記プロセッサが、
前記複数の隣接ブロックの各々のそれぞれのテンプレートサンプル値と前記現在ブロックの前記複数のテンプレートサンプル値との間の距離に基づいて、前記複数の隣接ブロックの前記シンタックス要素値を前記テーブルにソートすることを行うように更に構成されている、請求項3に記載のデバイス。
【請求項5】
前記プロセッサが、
前記現在のブロックの前記シンタックス要素に対応する前記特定された隣接ブロックのシンタックス要素値を取得することと、
前記現在のブロックの前記シンタックス要素の前記値を、前記特定された隣接ブロックの前記シンタックス要素値に設定することと、を行うように更に構成されている、請求項1に記載のデバイス。
【請求項6】
前記現在のブロックのシンタックス要素のクラスに対して前記ブロックベクトルベースのマージモードが有効であり、前記プロセッサが、
前記現在のブロックの前記シンタックス要素のクラスに対して、前記ブロックベクトルベースのマージモードが有効であるという前記判定に基づいて、前記特定された隣接ブロックの対応するシンタックス要素値を基に前記現在のブロックの前記シンタックス要素のクラスの値を取得することと、
前記現在のブロックの前記シンタックス要素のクラスの前記値を使用して前記現在のブロックを再構成することと、を行うように更に構成されている、請求項1に記載のデバイス。
【請求項7】
ビデオ符号化のための方法であって、
現在のブロックに対してブロックベクトルベースのマージモードが有効であるかどうかを判定することと、
前記ブロックベクトルベースのマージモードが、前記現在のブロックに対して有効であるという前記判定に基づいて、隣接ブロックを特定することと、
特定された前記隣接ブロックに基づいて、前記現在のブロックのシンタックス要素の値を取得することと、
前記シンタックス要素の前記値に基づいて、前記現在のブロックを復号することと、を含む、方法。
【請求項8】
前記隣接ブロックが、前記現在ブロックの複数のテンプレートサンプル値及び前記隣接ブロックの複数のテンプレートサンプル値とに基づいて特定される、請求項7に記載の方法。
【請求項9】
複数の隣接ブロックのシンタックス要素値をテーブルに登録することと、
前記テーブルに基づいて、前記現在のブロックの前記シンタックス要素に対応する前記特定された隣接ブロックのシンタックス要素値を取得することであって、前記現在のブロックの前記シンタックス要素の前記値が、前記特定された隣接ブロックの前記シンタックス要素値に基づいて取得される、取得することと、を更に含む、請求項7に記載の方法。
【請求項10】
前記複数の隣接ブロックの各々のそれぞれのテンプレートサンプル値と前記現在ブロックの複数のテンプレートサンプル値との間の距離に基づいて、前記複数の隣接ブロックの前記シンタックス要素値を前記テーブルにソートすることを更に含む、請求項9に記載の方法。
【請求項11】
前記現在のブロックの前記シンタックス要素に対応する前記特定された隣接ブロックのシンタックス要素値を取得することと、
前記現在のブロックの前記シンタックス要素の前記値を、前記特定された隣接ブロックの前記シンタックス要素値に設定することと、を更に含む、請求項7に記載の方法。
【請求項12】
前記現在のブロックのシンタックス要素のクラスに対して前記ブロックベクトルベースのマージモードが有効であり、
前記現在のブロックの前記シンタックス要素のクラスに対して前記ブロックベクトルベースのマージモードが有効であるという前記判定に基づいて、前記特定された隣接ブロックの対応するシンタックス要素値を基に前記現在のブロックの前記シンタックス要素のクラスの値を取得することと、
前記現在のブロックの前記シンタックス要素のクラスの前記値を使用して前記現在のブロックを再構成することと、を更に含む、請求項7に記載の方法。
【請求項13】
ビデオ符号化のためのデバイスであって、
現在のブロックに対してブロックベクトルベースのマージモードが有効であるかどうかを判定することと、
前記ブロックベクトルベースのマージモードが前記現在のブロックに対して有効であるという前記判定に基づいて、隣接ブロックを特定することと、
特定された前記隣接ブロックに基づいて前記現在のブロックのシンタックス要素の値を取得することと、
前記シンタックス要素の前記値に基づいて前記現在のブロックを符号化することと、を行うように構成されているプロセッサを備える、デバイス。
【請求項14】
前記隣接ブロックが、前記現在ブロックの複数のテンプレートサンプル値及び前記隣接ブロックの複数のテンプレートサンプル値とに基づいて特定される、請求項13に記載のデバイス。
【請求項15】
前記プロセッサが、
前記現在のブロックの前記シンタックス要素に対応する前記特定された隣接ブロックのシンタックス要素値を取得することと、
前記現在のブロックの前記シンタックス要素の前記値を、前記特定された隣接ブロックの前記シンタックス要素値に設定することと、を行うように更に構成されている、請求項13に記載のデバイス。
【請求項16】
前記現在のブロックのシンタックス要素のクラスに対して前記ブロックベクトルベースのマージモードが有効であり、前記プロセッサが、
前記現在のブロックの前記シンタックス要素のクラスに対して、前記ブロックベクトルベースのマージモードが有効であるという前記判定に基づいて、前記特定された隣接ブロックの対応するシンタックス要素値を基に前記現在のブロックの前記シンタックス要素のクラスの値を取得することと、
前記現在のブロックの前記シンタックス要素のクラスの前記値を使用して前記現在のブロックを符号化することと、を行うように更に構成されている、請求項13に記載のデバイス。
【請求項17】
ビデオ符号化のための方法であって、
現在のブロックに対してブロックベクトルベースのマージモードが有効であるかどうかを判定することと、
前記ブロックベクトルベースのマージモードが、前記現在のブロックに対して有効であるという前記判定に基づいて、隣接ブロックを特定することと、
特定された前記隣接ブロックに基づいて前記現在のブロックのシンタックス要素の値を取得することと、
前記シンタックス要素の前記値に基づいて前記現在のブロックを符号化することと、を含む、方法。
【請求項18】
前記隣接ブロックが、前記現在ブロックの複数のテンプレートサンプル値及び前記隣接ブロックの複数のテンプレートサンプル値とに基づいて特定される、請求項17に記載の方法。
【請求項19】
前記現在のブロックの前記シンタックス要素に対応する前記特定された隣接ブロックのシンタックス要素値を取得することと、
前記現在のブロックの前記シンタックス要素の前記値を、前記特定された隣接ブロックの前記シンタックス要素値に設定することと、を更に含む、請求項17に記載の方法。
【請求項20】
前記現在のブロックのシンタックス要素のクラスに対して前記ブロックベクトルベースのマージモードが有効であり、
前記現在のブロックの前記シンタックス要素のクラスに対して前記ブロックベクトルベースのマージモードが有効であるという前記判定に基づいて、前記特定された隣接ブロックの対応するシンタックス要素値を基に前記現在のブロックの前記シンタックス要素のクラスの値を取得することと、
前記現在のブロックの前記シンタックス要素のクラスの前記値を使用して前記現在のブロックを符号化することと、を更に含む、請求項17に記載の方法。
【国際調査報告】