(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-10-23
(54)【発明の名称】ベースライン復元回路
(51)【国際特許分類】
G01N 15/12 20240101AFI20241016BHJP
G01N 15/149 20240101ALI20241016BHJP
G01N 15/1434 20240101ALI20241016BHJP
【FI】
G01N15/12 H
G01N15/149
G01N15/1434 100
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024518254
(86)(22)【出願日】2022-08-29
(85)【翻訳文提出日】2024-05-21
(86)【国際出願番号】 US2022041875
(87)【国際公開番号】W WO2023048903
(87)【国際公開日】2023-03-30
(32)【優先日】2021-09-21
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】595117091
【氏名又は名称】ベクトン・ディキンソン・アンド・カンパニー
【氏名又は名称原語表記】BECTON, DICKINSON AND COMPANY
(74)【代理人】
【識別番号】100114557
【氏名又は名称】河野 英仁
(74)【代理人】
【識別番号】100078868
【氏名又は名称】河野 登夫
(72)【発明者】
【氏名】ソウチコフ,ヴィターリ
(57)【要約】
本開示の態様は、差動出力を介したベースライン信号復元のための回路、システム、及び方法を含む。ある特定の実施形態による回路は、センサから信号を受信するための入力モジュールと、入力信号を修正するために、入力モジュールに動作可能に接続された増幅器モジュールと、入力信号の直流成分を抽出するために、増幅器モジュールに動作可能に接続されたベースライン復元モジュールと、ベースライン復元信号を送信するために、増幅器モジュールに動作可能に接続された出力モジュールであって、差動出力を含む、出力モジュールと、を含む。ある特定の実施形態によるベースライン復元システムは、差動出力にてベースライン復元信号を生成するためのベースライン復元回路と、ベースライン復元回路によって送信された差動入力にてベースライン復元信号を受信するための下流受信機回路と、ベースライン復元回路の差動出力を下流受信機回路の差動入力に接続するように構成されたケーブルコアワイヤと、を含む。主題の回路を使用したベースライン復元を伴うフローサイトメトリシステムが説明される。ベースライン復元のための方法も提供される。
【選択図】
図1A
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ベースライン復元回路であって、
センサから信号を受信するための入力モジュールと、
入力信号を修正するために、前記入力モジュールに動作可能に接続された増幅器モジュールと、
前記入力信号の直流成分を抽出するために、前記増幅器モジュールに動作可能に接続されたベースライン復元モジュールと、
ベースライン復元信号を送信するために、前記増幅器モジュールに動作可能に接続された出力モジュールであって、差動出力を含む、出力モジュールと、を備える、ベースライン復元回路。
【請求項2】
前記回路が、前記入力信号の持続時間に対して経時的にゆっくりと変化する前記入力信号の直流成分を減算するように構成されている、請求項1に記載の回路。
【請求項3】
前記回路が、複数の事象に対応する入力信号を受信するように、かつ各事象に対応する信号を時間的に分離するように構成されている、請求項1~2のいずれか一項に記載の回路。
【請求項4】
前記出力モジュールが、第1の差動出力及び第2の差動出力を含む、請求項1~3のいずれか一項に記載の回路。
【請求項5】
前記回路が、前記差動出力が低周波ノイズに対する感度を低減するように構成されている、請求項1~4のいずれか一項に記載の回路。
【請求項6】
前記出力モジュールが、前記差動出力で送信された信号の反射を吸収するように構成されている、請求項1~5のいずれか一項に記載の回路。
【請求項7】
前記回路が、前記センサの近位に位置するように構成されている、請求項1~6のいずれか一項に記載の回路。
【請求項8】
前記回路が、基板上に設置され、前記基板が、前記基板が前記センサと近接して位置するように成形される、請求項1~7のいずれか一項に記載の回路。
【請求項9】
前記センサが、光検出器である、請求項1~8のいずれか一項に記載の回路。
【請求項10】
前記回路が、光検出システムの回路である、請求項1~9のいずれか一項に記載の回路。
【請求項11】
前記回路が、フローサイトメータの光検出システムの回路である、請求項10に記載の回路。
【請求項12】
センサ読み出しシステムであって、
請求項1~11のいずれかに記載の差動出力にてベースライン復元信号を生成するためのベースライン復元回路と、
前記ベースライン復元回路によって送信された差動入力にてベースライン復元信号を受信するための下流受信機回路と、
前記ベースライン復元回路の前記差動出力を前記下流受信機回路の前記差動入力に接続するように構成されたケーブルコアワイヤと、を備える、センサ読み出しシステム。
【請求項13】
フローサイトメトリシステムであって、
フローストリーム内を流れる粒子を含む試料を照射するように構成された光源と、
前記試料内の前記粒子からの光を検出し、検出された光に基づいて、データ信号を生成するための光センサを備える、光検出システムと、
請求項12に記載のセンサ読み出しシステムと、を備える、フローサイトメトリシステム。
【請求項14】
ベースライン復元回路によって、差動出力を介してベースライン復元信号を生成する方法であって、
前記回路によって、センサから生じる入力信号を受信することと、
前記回路によって、前記入力信号に基づいて、差動信号を生成することと、
前記差動信号の直流成分を抽出することと、
抽出された前記差動信号の直流成分を減算して、ベースライン復元信号を生成することと、
結果として生じる前記ベースライン復元信号を、差動出力を介して出力することと、を含む、方法。
【請求項15】
差動出力を介して、ベースライン復元信号を生成、送信、及び受信する方法であって、
センサによって、入力信号を生成することと、
前記センサに動作可能に接続された、請求項12に記載のセンサ読み出しシステムを配置することと、
前記センサ読み出しシステムの前記ベースライン復元回路を前記入力信号に適用して、ベースライン復元差動信号を生成することと、
前記ベースライン復元回路によって、前記ケーブルコアワイヤを介して、前記ベースライン復元差動信号を送信することと、
前記下流受信機回路によって、前記ケーブルコアワイヤを介して、前記ベースライン復元差動信号を受信することと、を含む、方法。
【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
センサ出力に対応する電気信号は、例えば、試料(例えば、生体試料)が疾患又は病態の診断に使用されるとき、試料の構成要素を特徴付けることに関連してしばしば使用される。
【0002】
例えば、試料が照射されると、光は、試料によって散乱され、試料を通して透過されるだけでなく、試料によって(例えば、蛍光によって)放出され得、そのような散乱され、透過され、又は放出される光は、1つ以上の光検出器によって感知され、対応する電気信号に変換される。形態、吸収率、及び蛍光標識の存在などの試料構成要素の変動は、試料によって散乱され、透過され、又は放出される光の変動、更に、それに応じて、対応する電気信号の変動を引き起こし得る。これらの変動は、試料内の構成要素の存在を特徴付け、かつ識別するために使用することができる。試料内の粒子を照射するために使用される光からのバックグラウンド光ではなく、そのような変動に対応する検出器に到達する光の量は、試料の構成要素がどのように効果的に特徴付けられ、識別されるかに影響を与え得る。ベースライン復元技術は、検出器に到達するバックグラウンド光及び熱キャリアによって生成される信号を抽出及び減算することで、そのような信号がセンサによって生成される電気データ信号を表すのを防ぐことを指す。
【0003】
試料内の構成要素を特徴付けるために光検出を利用する1つの技術は、フローサイトメトリである。フローサイトメータ内の多数の光検出チャネルの同時読み出しは、分光測定用途にとって特に重要である。検出器場所での温度条件の変化は、ベースライン復元にとってより重要性を増し、光検出器の近くに位置するベースライン復元回路を使用することは、その目的のために非常に有益である。いくつかの場合には、弱い信号の検出は、レーザ放射の強烈なバックグラウンド(最終的には時間的に強度がゆっくりと変化し得る)の文脈で行われなければならず、直流(DC)成分は、信号成分よりも数桁大きい。DC成分を局所的に、すなわち、検出器場所の近くで補償することは、取得システムに向かって下流に転送される有用な信号に対してより高いダイナミックレンジを有効化する。加えて、非常に多くの場合、下流における信号の正確な転送は、信号の調整を差動形態にする必要があり、下流の送信を、例えば、フローサイトメータの他のサブシステムから生じる、電磁干渉(EMI)などのある特定の環境条件の影響を受けにくくする。
【発明の概要】
【0004】
本開示の態様は、差動出力を介したベースライン信号復元のための回路、システム、及び方法を含む。ある特定の実施形態による回路は、センサから信号を受信するための入力モジュールと、入力信号を修正するために、入力モジュールに動作可能に接続された増幅器モジュールと、入力信号の直流成分を抽出するために、増幅器モジュールに動作可能に接続されたベースライン復元モジュールと、ベースライン復元信号を送信するために、増幅器モジュールに動作可能に接続された出力モジュールであって、差動出力を含む、出力モジュールと、を含む。
【0005】
いくつかの実施形態では、回路は、入力信号の持続時間に対して経時的にゆっくりと変化する入力信号の直流成分を減算するように構成されている。いくつかの場合には、入力信号の直流成分が、入力信号を生成するセンサの温度に部分的に基づいて、経時的にゆっくりと変化する。
【0006】
いくつかの実施形態では、回路が、複数の事象に対応する入力信号を受信するように、かつ各事象に対応する信号を分離するように構成されている。ある特定の実施形態では、回路が、回路のハイパスカットオフ周波数が1Hz未満であるように構成されている。
【0007】
いくつかの実施形態では、出力モジュールは、第1の差動出力及び第2の差動出力を含む。いくつかの場合には、第1の差動出力と第2の差動出力との信号間の差は、ベースライン復元信号を含む。ある特定の場合において、信号間の差が、第1の差動出力と第2の差動出力との間の電圧差を含む。いくつかの実施形態では、回路が、差動出力が低周波ノイズに対する感度を低減するように構成されている。例では、回路が、差動出力が電磁干渉によって引き起こされたノイズに対する感度を低減するように構成されている。いくつかの場合には、第1の差動出力及び第2の差動出力が、電磁干渉に対する感度を低減するために同じ場所に位置し、例えば、差動出力は、ツイストペアに接続され得、及び/又は差動出力は、電磁干渉及びクロストークに対する感度を低減するためにシールドされている。いくつかの場合には、差動出力は、シールドケーブルコアワイヤを含む。ある特定の実施形態では、シールドケーブルコアワイヤは、複数の差動出力で共通のシールドを含む。
【0008】
いくつかの実施形態では、出力モジュールは、差動出力で送信される信号の反射を吸収するように構成されている。いくつかの場合には、出力モジュールが、差動出力にて送信された信号の反射を吸収するように構成された差動出力に動作可能に接続された整合抵抗器を備える。
【0009】
いくつかの実施形態では、回路は、センサの近位に位置するように構成されている。いくつかの場合には、回路が、センサと同じ場所に位置するように構成されている。いくつかの場合には、回路が、センサの1cm以内に位置するように構成されている。他の場合において、回路が、基板上に設置され、基板が、基板がセンサと近接して位置するように成形される。例では、基板は、プリント回路基板である。いくつかの実施形態では、センサは、光検出器である。いくつかの場合には、光検出器が、光電子増倍管、又はフォトダイオード、又はアバランシェ光検出器である。
【0010】
実施形態では、増幅器モジュールは、差動増幅器出力を有する第1の増幅器を備える。いくつかの場合には、増幅器モジュールは、第1の増幅器出力と入力との間に複数のフィードバックループを備える。
【0011】
実施形態では、ベースライン復元モジュールは、差動増幅器出力に動作可能に接続されたフィルタネットワークを備える。いくつかの実施形態では、フィルタネットワークが、入力信号の直流成分を抽出するためのローパスフィルタを含む。いくつかの場合には、ローパスフィルタは、第1のトランスコンダクタンス素子及びコンデンサを備える。例では、フィルタネットワークの出力は、増幅器モジュールの入力に動作可能に接続されている。いくつかの例では、フィルタネットワークの出力は、第1の増幅器の入力に動作可能に接続されている。いくつかの例では、フィルタネットワークの出力は、第1の増幅器の非反転入力に動作可能に接続されている。実施形態では、ベースライン復元モジュールが、第1のトランスコンダクタンス素子に動作可能に接続され、電圧ベースの信号を電流ベースの信号に変換するように構成された第2のトランスコンダクタンス素子を更に備える。いくつかの実施形態では、ベースライン復元ネットワークは、回路からフィルタネットワークにディスエンゲージするスイッチを含む。
【0012】
実施形態では、入力モジュールは、センサから受信した入力信号を変換するように構成されている。いくつかの実施形態では、センサから受信された入力信号が、電流ベースの信号であり、入力モジュールが、電流ベースの信号を電圧ベースの信号に変換するように構成されている。他の実施形態では、入力モジュールは、トランジスタを備える。例では、センサからの入力信号が、トランジスタのゲートに動作可能に接続されている。
【0013】
実施形態では、回路は、アナログ回路である。いくつかの実施形態では、回路は、光検出システムの回路である。いくつかの場合には、回路は、フローサイトメータの光検出システムの回路である。
【0014】
本開示の態様はまた、差動出力を介して、ベースライン復元信号を生成、送信、及び受信するためのシステムを含む。ある特定の実施形態によるシステムは、上で要約されるベースライン復元回路などの差動出力にてベースライン復元信号を生成するためのベースライン復元回路と、ベースライン復元回路によって送信された差動入力にてベースライン復元信号を受信するための下流受信機回路と、ベースライン復元回路の差動出力を下流受信機回路の差動入力に接続するように構成されたケーブルコアワイヤと、を含む。ある特定のシステムは、センサ読み出しシステムである。実施形態では、下流受信機回路が、ベースライン復元回路から受信された差動信号を、デジタル信号に変換するように構成されている。
【0015】
実施形態では、下流受信機回路は、差動入力に動作可能に接続されたアンチエイリアスフィルタモジュールと、アンチエイリアスフィルタモジュールの出力に動作可能に接続されたキックバック保護モジュールと、ベースライン復元回路から受信された信号を、デジタル信号に変換するために、キックバック保護モジュールの出力に動作可能に接続されたアナログデジタル変換モジュールと、を含む。いくつかの実施形態では、アナログデジタル変換モジュールは、差動入力を備える。いくつかの場合には、アンチエイリアスフィルタモジュールは、差動入力及び差動出力を有する増幅器を備える。ある特定の場合において、アンチエイリアスフィルタ増幅器は、増幅器の出力と入力との間に複数のフィードバック経路を備える。実施形態では、アンチエイリアスフィルタ増幅器は、抵抗器及びコンデンサのネットワークを含む。他の実施形態では、アンチエイリアスフィルタモジュールは、追加の入力として2つの差動オフセット制御電圧を受信するように構成されている。ある特定の実施形態では、キックバック保護モジュールは、抵抗器及びコンデンサのネットワークを含む。
【0016】
実施形態では、下流受信機回路が、センサのための高電圧制御電位信号を生成するように構成された電圧源モジュールを更に備える。いくつかの場合には、高電圧制御電位信号が、光検出器のセンサゲイン設定を含む。いくつかの実施形態では、光検出器が、アバランシェフォトダイオードセンサ又はフォトダイオードセンサ又は光電子増倍管センサである。他の実施形態では、電圧源モジュールは、DC-DC変換器を備える。いくつかの場合には、電圧源モジュールが、高電圧制御電位信号を、基準電圧と比較するように構成されたフィードバックネットワークを備える。
【0017】
いくつかの実施形態では、電圧源モジュールが、DC-DC変換器の出力に動作可能に接続され、かつセンサへの送信のための高電圧制御電位信号及びアンチエイリアスフィルタのためのオフセット制御電圧を出力するように構成されたデジタルアナログ変換器を含む。他の実施形態では、ケーブルコアワイヤは、センサへの高電圧制御電位信号に対して構成された高電圧送信線を更に備える。いくつかの場合には、センサは、ベースライン復元回路と同じ場所に位置する。
【0018】
本開示の態様はまた、差動出力を介して、ベースライン復元信号を生成、送信、及び受信するためのシステムを含むフローサイトメトリシステムを含む。ある特定の実施形態によるフローサイトメトリシステムは、フローストリーム内を流れる粒子を含む試料を照射するように構成された光源と、試料中の粒子からの光を検出し、検出された光に基づいて、データ信号を生成するための光センサを含む光検出システムと、上で要約されるセンサ読み出しシステムなどのセンサ読み出しシステムと、を含む。
【0019】
フローサイトメータシステムの実施形態では、ベースライン復元回路が、光検出システムに近接して位置する。いくつかの実施形態では、ベースライン復元回路は、下流受信機回路から遠隔に位置する。いくつかの場合には、下流受信機回路は、光センサのための高電圧制御電位信号を生成する。フローサイトメータシステムのある特定の実施形態では、高電圧制御電位信号が、光センサのゲイン設定を含む。他の実施形態では、高電圧制御電位信号が、ケーブルコアワイヤを介して光検出システムに送信され、ケーブルコアワイヤが、下流受信機回路及び光検出システムに動作可能に接続されている。ある特定の実施形態において、システムは、光検出システムから遠隔で光センサによって検出されたデータ信号を処理することを更に含む。いくつかの場合には、光センサによって検出されたデータ信号を処理することが、データ信号をデジタル信号に変換することを含む。
【0020】
本開示の態様はまた、ベースライン復元回路によって、差動出力を介してベースライン復元信号を生成するための方法を含む。方法の実施形態は、回路によって、センサから生じる入力信号を受信することと、回路によって、入力信号に基づいて、差動信号を生成することと、差動信号の直流成分を抽出することと、抽出された差動信号の直流成分を減算して、ベースライン復元信号を生成することと、結果として生じるベースライン復元信号を、差動出力を介して出力することと、を含む。
【0021】
実施形態では、方法が、経時的にゆっくりと変化し得る入力信号の直流成分を減算するために連続的に適用される。他の実施形態では、直流成分が、入力信号を生成するセンサの温度に部分的に基づいて、経時的にゆっくりと変化する。いくつかの場合に、回路によって、入力信号に基づいて、差動信号を生成することは、差動出力信号を生成するように構成された増幅器を適用することを含む。
【0022】
方法の実施形態では、差動信号の直流成分を抽出することが、差動信号にフィルタネットワークを適用することを含む。他の実施形態では、フィルタネットワークが、ローパスフィルタを含む。ある特定の実施形態では、フィルタネットワークは、トランスコンダクタンス素子及びコンデンサを備える。いくつかの場合には、抽出された差動信号の直流成分を減算することが、抽出された差動信号の直流成分を、回路フィードバックループに供給することを含む。他の場合において、抽出された差動信号の直流成分を、回路フィードバックループに供給することが、差動出力信号を生成するための増幅器の出力を増幅器の入力に供給することを含む。実施形態では、増幅器の入力は、増幅器の非反転入力である。
【0023】
実施形態では、結果として生じるベースライン復元信号を、差動出力を介して出力することが、ケーブルコアワイヤを介してベースライン復元信号を送信することを含む。いくつかの場合には、ケーブルコアワイヤが、ツイストペアワイヤである。いくつかの場合には、ケーブルコアワイヤが、シールドされている。
【0024】
本開示の態様はまた、差動出力を介して、ベースライン復元信号を生成、送信、及び受信する方法を含む。方法の実施形態は、センサによって、入力信号を生成することと、センサに動作可能に接続された、上で要約されるセンサ読み出しシステムなどのセンサ読み出しシステムを配置することと、センサ読み出しシステムのベースライン復元回路を入力信号に適用して、ベースライン復元差動信号を生成することと、ベースライン復元回路によって、ケーブルコアワイヤを介して、ベースライン復元差動信号を送信することと、下流受信機回路によって、ケーブルコアワイヤを介して、ベースライン復元差動信号を受信することと、を含む。
【0025】
そのような方法の実施形態は、下流受信機回路によって、ベースライン復元差動信号をデジタル信号に変換することを更に含む。他の実施形態は、センサによって検出された事象を識別するためにデジタル信号を処理することを更に含む。他の実施形態は、下流受信機回路によって高電圧制御電位を生成することを更に含む。他の実施形態は、センサゲイン制御のために、ケーブルコアワイヤを介してセンサに高電圧制御電位を送信することを更に含む。
【図面の簡単な説明】
【0026】
本発明は、添付の図面と併せて読み取るときに、以下の詳細な説明から最良に理解することができる。図面には、以下の図が含まれる。
【0027】
【
図1A】ある特定の実施形態による、差動出力を有するベースライン復元回路を描示する。
【
図1B】ある特定の実施形態による、差動出力を有するベースライン復元回路を描示する。
【
図2A】ある特定の実施形態による、差動出力を有するベースライン復元回路を描示する。
【
図2B】ある特定の実施形態による、差動出力を有するベースライン復元回路を描示する。
【
図3A】ある特定の実施形態による、差動入力を有する下流受信機回路を描示する。
【
図3B】ある特定の実施形態による、差動入力を有する下流受信機回路を描示する。
【
図4A】ある特定の実施形態による、粒子分析システムの機能ブロック図を描示する。
【
図4B】ある特定の実施形態による、フローサイトメータを描示する。
【
図5】ある特定の実施形態による粒子分析器制御システムの一実施例のための機能ブロック図を描示する。
【
図6A】ある特定の実施形態による、粒子ソータシステムの概略図を描示する。
【
図6B】ある特定の実施形態による、粒子ソータシステムの概略図を描示する。
【
図7A】ある特定の実施形態による、差動出力を有するベースライン復元回路の態様の図を描示する。
【
図7B】ある特定の実施形態による、差動出力を有するベースライン復元回路の態様の図を描示する。
【
図8A】ある特定の実施形態による、フォトダイオードセンサと共に使用される差動出力を有するベースライン復元回路の態様の別の図を描示する。
【
図8B】ある特定の実施形態による、フォトダイオードセンサと共に使用される差動出力を有するベースライン復元回路の態様の別の図を描示する。
【
図9A】ある特定の実施形態による、APDセンサと共に使用される差動出力を有するベースライン復元回路の態様の別の図を描示する。
【
図9B】ある特定の実施形態による、APDセンサと共に使用される差動出力を有するベースライン復元回路の態様の別の図を描示する。
【
図10】下流受信機回路の一実施形態に関連したシミュレーション結果を示す。
【
図11】ある特定の実施形態による、16個のセンサを有するフローサイトメータ読み出しの文脈で実装されるセンサ読み出しシステムの一実施形態を描示する。
【
図12】フロントエンドベースライン復元回路に対応するAPDを読み出すためのフロントエンドボードの一実施形態を描示する。
【
図13】フロントエンドベースライン復元回路に対応するAPDを読み出すためのフロントエンドボードの一実施形態の測定結果を描示する。
【
図14-1】信号が存在しない場合の実施形態の振幅分布の測定結果を示す。
【
図14-2】信号が存在しない場合の実施形態の振幅分布の測定結果を示す。
【
図15】等価ノイズ電流測定のある特定の結果を示す。
【
図16】ある特定の実施形態による、センサ読み出しシステムの実施形態を示す。
【発明を実施するための形態】
【0028】
本開示の態様は、差動出力を介したベースライン信号復元のための回路、システム、及び方法を含む。ある特定の実施形態による回路は、センサから信号を受信するための入力モジュールと、入力信号を修正するために、入力モジュールに動作可能に接続された増幅器モジュールと、入力信号の直流成分を抽出するために、増幅器モジュールに動作可能に接続されたベースライン復元モジュールと、ベースライン復元信号を送信するために、増幅器モジュールに動作可能に接続された出力モジュールであって、差動出力を含む、出力モジュールと、を含む。ある特定の実施形態によるシステムは、上で要約されるベースライン復元回路などの差動出力にてベースライン復元信号を生成するためのベースライン復元回路と、ベースライン復元回路によって送信された差動入力にてベースライン復元信号を受信するための下流受信機回路と、ベースライン復元回路の差動出力を下流受信機回路の差動入力に接続するように構成されたケーブルコアワイヤと、を含む。
【0029】
ある特定の実施形態によるフローサイトメトリシステムは、フローストリーム内を流れる粒子を含む試料を照射するように構成された光源と、試料中の粒子からの光を検出し、検出された光に基づいてデータ信号を生成するための光センサを含む光検出システムと、上で要約されるセンサ読み出しシステムなどのセンサ読み出しシステムと、を含む。ベースライン復元回路によって、差動出力を介してベースライン復元信号を生成する方法が、更に説明される。差動出力を介して、ベースライン復元信号を生成、送信、及び受信する方法が、更に説明される。
【0030】
本発明がより詳細に記載される前に、本発明は、記載される特定の実施形態に限定されず、したがって、もちろん、変動し得ることを理解されたい。また、本発明の範囲は、添付の特許請求の範囲によってのみ限定されることになるため、本明細書で使用される用語は、特定の実施形態のみを説明する目的のためのものであり、限定することが意図されるものではないことも理解されるべきである。
【0031】
値の範囲が提供される場合、文脈が明確に別段の指示をしない限り、その範囲の上限と下限との間の、下限の単位の10分の1までの各中間値、及びこの記載の範囲内の任意の他の記載される値又は中間値が本発明に包含されることが理解されるべきである。これらのより小さい範囲の上限及び下限は、独立して、より小さい範囲に含まれ得、また、記述の範囲内の任意の特定の除外された制限に従うことを条件として、本発明内に包含される。記述の範囲が、制限の一方又は両方を含む場合、それらの含まれる制限の一方又は両方を除外する範囲もまた、本発明に含まれる。
【0032】
ある特定の範囲は、「約」という用語が数値に先行して本明細書で提示される。「約」という用語は、この用語が先行する正確な数、及びこの用語が先行する数に近い数又はほぼその数である数についての逐語的支持を提供するために本明細書で使用される。ある数が、具体的に列挙された数に近いか又はほぼその数であるかを決定する際に、列挙されていない数に近いか又はほぼその数は、提示される文脈において、具体的に列挙された数の実質的な同等性を提供する数であり得る。
【0033】
別段の定義のない限り、本明細書で使用される全ての技術用語及び科学用語は、本発明が属する分野の当業者によって一般的に理解される意味と同じ意味を有する。また、本明細書に記載のものと同様の又は同等な任意の方法及び材料が、本発明の実施又は試験に使用され得るが、代表的な例解的な方法及び材料が以下に説明される。
【0034】
本明細書で引用される全ての刊行物及び特許は、各個々の刊行物又は特許が、参照により組み込まれると具体的かつ個々に示されるかのように参照により本明細書に組み込まれ、方法及び/又は材料を刊行物が引用されるものに関して開示及び説明するために参照により本明細書に組み込まれる。いずれもの刊行物の引用は、出願日前のその開示についてのものであり、本発明が、従来発明のためそのような刊行物に先行する権利がないことを認めるものとして解釈されるべきでない。更に、提供される刊行物の日付は、実際の公開日とは異なり得、これらは独立して確認する必要があり得る。
【0035】
本明細書及び添付の特許請求の範囲で使用される場合、「a」、「an」、及び「the」との単数形は、別途文脈が明確に指示しない限り、複数の指示対象を含むことに留意されたい。特許請求の範囲は、あらゆる任意選択的な要素を排除するように設計され得ることに更に留意されたい。したがって、この記述は、特許請求の範囲の要素の列挙に関連する「単独で」、「のみ」などのそのような排他的な用語の使用、又は「否定的」限定の使用の先行詞として機能することが意図される。
【0036】
本開示を読むと当業者には明らかであろうように、本明細書に説明及び例解される別個の実施形態の各々は、本発明の範囲又は趣旨から逸脱することなく、他の様々な実施形態のいずれかの特徴から容易に分離され得るか、又はこれらと組み合わされ得る別個の構成要素及び特徴を有する。任意の列挙された方法は、列挙された事象の順序、又は論理的に可能な任意の他の順序で実行され得る。
【0037】
装置及び方法は、文法的流動性のために、機能的な説明で記載されているか又は記載されるが、特許請求の範囲は、米国特許法第112条下で明確に記載されない限り、「手段」又は「ステップ」限定の構文によって必然的に限定されるとなんら解釈されるべきでなく、司法均等論下で特許請求の範囲によって提供される定義の意味及び均等物の完全な範囲を付与されるべきであり、特許請求の範囲は、米国特許法第112条下で明確に記載される場合、米国特許法第112条下で完全な法定による均等物が付与されるべきであることを明確に理解されたい。
【0038】
上で要約されるように、本開示は、差動出力を介したベースライン信号復元のための回路及びシステムを提供する。本開示の更に説明する実施形態では、センサから信号を受信するための入力モジュールと、入力信号を修正するために、入力モジュールに動作可能に接続された増幅器モジュールと、入力信号の直流成分を抽出するために、増幅器モジュールに動作可能に接続されたベースライン復元モジュールと、ベースライン復元信号を送信するために、増幅器モジュールに動作可能に接続された出力モジュールであって、差動出力を含む、出力モジュールとを有する回路が、まず、より詳細に説明される。次に、差動出力を有するベースライン復元信号を生成、送信、及び受信するためのフローサイトメトリシステムを含むシステムが説明される。差動出力を介して、ベースライン復元信号を生成するための方法、並びに差動出力を介してベースライン復元信号を生成、送信、及び受信するための方法が説明される。
【0039】
差動出力を介したベースライン復元のための回路
本開示の態様は、差動出力を介したベースライン信号復元のための回路を含む。ある特定の実施形態による回路は、センサから信号を受信するための入力モジュールと、入力信号を修正するために、入力モジュールに動作可能に接続された増幅器モジュールと、入力信号の直流成分を抽出するために、増幅器モジュールに動作可能に接続されたベースライン復元モジュールと、ベースライン復元信号を送信するために、増幅器モジュールに動作可能に接続された出力モジュールであって、差動出力を含む、出力モジュールと、を含む。実施形態では、この回路はアナログ回路であり、この回路によって操作される信号は、離散レベルではなく、連続的に可変であることを意味する。以下で詳細に説明されるように、回路は、光検出システムの一部を備え得、すなわち、回路は、光センサの一部であり得る。いくつかの場合には、回路は、フローサイトメータの光検出システムの一部を備える。
【0040】
「ベースライン復元」とは、電気信号などの信号の直流(DC)成分を減算、除去、又は低減することを意味する。関心対象の電気信号は、以下に詳細に記載されるように、光検出器などのセンサによって生成される電気信号を含む。電気信号は、電圧ベース又は電流ベースの信号、又はそれらの組み合わせを指し得、これらに限定されない。センサから生じる入力信号のDC成分は、例えば、レーザ放射のバックグラウンド、すなわち、フローサイトメトリの文脈におけるレーザ光に曝されるセンサから生じ得る。実施形態では、バックグラウンドレーザ光へのそのような曝露は、データの基礎となる測定値、すなわち、入力信号のデータ信号成分に対応する所望の情報を反映せず、更に、関心対象のデータ信号の収集を妨げる可能性がある。入力信号のDC成分を減算、除去、又は削減すると、入力信号の他の成分が分離され、すなわち、ベースライン復元信号とも称されるデータ信号が分離される。例えば、フローサイトメトリの文脈では、データ信号を分離することは、フローストリーム中の粒子に対応する事象の検出など、データの基礎となる測定に対応するデータ信号を分離することを指し得る。実施形態では、入力信号の直流成分は、入力信号のデータ信号成分よりも数桁大きいものであり得、更に、経時的に変化し得、例えば、関心対象の入力信号の持続時間に対して経時的にゆっくりと変化し得る。すなわち、データ信号は、「明るいチャネル」バックグラウンドの文脈における「弱い信号」であり得、更に、「明るいチャネル」バックグラウンドは、経時的にゆっくりと変化し得る。
【0041】
回路の実施形態は、入力信号の持続時間に対して経時的にゆっくりと変化する入力信号の直流成分を減算するように構成され得る。すなわち、入力信号のDC成分は、経時的に変化し得、例えば、経時的に増加するか、減少するか、又は増加及び減少の組み合わせであり得る。「経時的にゆっくりと変化する」とは、入力信号のバックグラウンド直流成分の変化が、フローサイトメトリの文脈では、フローストリーム中の粒子に対応するデータ信号の持続時間など、入力信号のデータ信号成分、すなわち、関心対象の入力信号の持続時間に対してゆっくりと変化し得ることを意味する。いくつかの場合には、入力信号の直流成分は、関心対象の入力信号、すなわち、「事象」に対応するデータ信号の持続時間にわたって0.1%以下だけ変化し得る。すなわち、直流成分は、関心対象の入力信号が測定される時間中、例えば、フローサイトメトリの文脈で、フローストリーム中の粒子に基づいて信号が生成される時間中に、0.1%以下だけ増加又は減少し得る。
【0042】
このような変化は、センサの状態の変化の結果であり得る。例えば、入力信号のDC成分は、センサ温度の変化に基づいて変化し得る。上記のように、入力信号のDC成分は、予想される事象に対してゆっくりと変化し得、すなわち、発生すると予想される所望のデータ信号の数に対して、温度変化の前に、又は他の場合では温度が速く変化し得る前に、ゆっくりと変化し得る。回路の実施形態は、入力信号を生成するセンサの温度に部分的に基づいて経時的に変化する入力信号の直流成分を減算又は低減するように構成され得る。
【0043】
いくつかの実施形態では、回路が、複数の事象に対応する入力信号を受信するように、かつ各事象に対応する信号を分離するように構成されている。いくつかの実施形態では、回路は、回路のハイパスカットオフ周波数が、各事象に対応する信号を分離するように構成されるように構成される。「ハイパスカットオフ周波数」とは、回路が、高周波信号を可能にし、低周波信号のゲインを遮断又は減衰又は低減することによってフィルタとして機能するように構成されることを意味する。すなわち、回路は、増幅器出力からの分離された信号又は抽出された信号が、フィルタで低域通過し、フィードバックを介して入力に戻され、したがって、回路全体のためのハイパス伝達関数を作成するように構成され得る。
【0044】
いくつかの場合には、回路は、例えば、1Hz以下など、所望に応じて回路のカットオフ周波数を構成することによって、各事象に対応する信号を分離するように構成される。いくつかの場合には、ハイパスカットオフ周波数は、10Hz以下、又は100Hz以下、又は1,000Hz以下であり得る。回路のカットオフ周波数は、低周波数信号が指定された量だけ減衰される周波数を指す。いくつかの場合には、ハイパスフィルタのカットオフ周波数は、1Hzであるように構成されている。
【0045】
「事象」とは、データ信号、すなわち、関心対象の信号に対応する入力信号の成分を意味する。例えば、フローサイトメトリの文脈では、事象に対応するデータ信号又は関心対象の入力信号は、フローサイトメータの検査領域を通ってフローストリーム内を流れる粒子に関連して受信された信号に対応し得、それによって入力信号を生成する。「各事象に対応する信号を分離すること」とは、フローサイトメトリの文脈において、ベースライン復元回路を実装することは、低周波数カットオフを発生させ、このカットオフの周波数が低いほど、先行する事象の「テール」のデータ信号への影響が小さいことを意味する。すなわち、フローサイトメトリの文脈で、各事象に対応する信号を分離することは、後続の入力信号と重複するように時間的に延びる信号テールなどの入力信号のテールの影響の低減、すなわち減衰を含み得る。
【0046】
差動出力:
上記のように、回路の実施形態は、差動出力を有する出力モジュールを備える。「差動出力」とは、回路が、上で説明されるように、データ信号又はベースライン復元信号などの関心対象の信号が、複数の出力にて送信される信号間の差として表されるように構成された複数の出力を含むことを意味する。すなわち、例えば、データ信号は、一定の接地基準を有する単一の信号出力にて送信されない。代わりに、例えば、ベースライン復元信号は、2つの差動出力での2つの信号間の差などの2つ以上の信号間の差として表され得る。いくつかの場合には、複数の信号の各々は、動的であり、すなわち、一定の接地ではない。いくつかの実施形態では、出力モジュールは、第1の差動出力及び第2の差動出力を含む。すなわち、いくつかの実施形態では、ベースライン復元信号は、第1及び第2の差動出力の各々で送信される信号の差を含む。実施形態では、ベースライン復元信号は、第1及び第2の差動出力が駆動される電圧の差である。
【0047】
実施形態では、回路は、差動出力が、電磁干渉又はバックグラウンド電磁放射によって引き起こされるノイズなどの低周波ノイズに対する感度を低減するように構成される。実施形態では、差動出力は、電磁干渉に対する感度を低減するために同じ場所に位置する。例えば、差動出力は、例えば、センサに専用のシステムの領域から信号処理に専用のシステムの領域までなど、信号が送信される距離の優位性のために同じ場所に位置し得る。そのような距離は、基礎となるシステムの機械的構成及び要件に基づいて変化し得、10cm又は50cm又は1m又は2mなどの1cm以上の範囲であり得る。「同じ場所に位置する」とは、第1及び第2の差動出力が、例えば、0.5cm以下又は0.1cm以下の範囲内など、互いに1cm以下で位置することを意味する。いくつかの場合には、同じ場所に位置する差動出力は、ツイストペアに接続されている。差動出力を同じ場所に位置させることは、両方の差動信号が例えば電磁干渉の影響を受けても、差動信号間の差が変化しないように、各差動出力にて送信される任意の電磁干渉が信号に同じように、かつ同じ程度に影響を及ぼすことを確実にするのに役立つ。
【0048】
他の実施形態では、差動出力は、例えば、シールドされたケーブルコアワイヤを差動出力に対して使用するなど、電磁干渉及びクロストークに対する感度を低減するようにシールドされる。「クロストーク」とは、別個の差動対で送信される信号に影響を与える1つの差動対で送信される信号によって引き起こされる干渉を意味する。任意の便利な市販のケーブルコアワイヤを適用することができる。「シールドする」とは、差動出力が外側導体によって囲まれるように、導体の単一の外側層内に差動出力を位置決めすることを意味する。外側導体(すなわち、シールド)は、電磁干渉を反射するか、又はそれを接地に伝導し、いずれの場合も、差動出力に影響を与えないように電磁放射の影響を吸収する。いくつかの実施形態では、複数のセンサ及びベースライン復元回路は、それらが近接して位置し、且つ信号処理回路から遠隔に位置し得る。そのような場合、(複数のベースライン復元信号を含む)複数の差動信号は、差動出力の複数の対を介して送信される。これが当てはまる実施形態では、シールドケーブルコアワイヤは、複数の差動出力で共通のシールドを含み得る。
【0049】
上で説明されるように、出力モジュールは、実施形態では、差動出力を備える。出力モジュールは、差動出力にわたって差動出力信号を送信する。いくつかの場合には、差動出力での差動出力信号の送信は、受信機回路インピーダンスでの差動信号の反射量をもたらす。ある特定の実施形態では、出力モジュールは、差動出力で送信される信号の反射を吸収するように構成されている。例えば、出力モジュールが、差動出力にて送信された信号の反射を吸収するように構成された差動出力に動作可能に接続された整合抵抗器を備え得る。すなわち、上で説明されるように、第1の差動出力及び第2の差動出力の各々は、差動出力及び差動信号の最終受信機と直列に取り付けられた抵抗器を含み得る。Texas Instruments又はRadio Shack又は同様の電子部品販売店を通して入手可能な抵抗、又は固定抵抗の抵抗器又はプリント回路基板などの基板と一体化した抵抗器など、任意の市販の抵抗器を適用することができる。実施形態では、差動出力に取り付けられた抵抗器の抵抗は、ケーブル特性インピーダンス(すなわち、送信線のインピーダンス)のインピーダンスと整合するように選択され得る。任意の好都合な抵抗が適用され得、例えば、差動出力を送信するために使用される送信線のインピーダンスに応じて変化し得る。実施形態では、抵抗器は、例えば10オーム又は25オーム又は50オーム又は100オーム以上など、1オーム以上の抵抗値で選択され得る。抵抗器は、例えば、0.1%又は0.01%以下など、1%以下の公差で選択され得る。
【0050】
センサに対する回路の場所:
実施形態では、回路は、センサの近位に位置するように構成されている。センサの近位に回路を配置することによって、回路及びセンサは、いくつかの場合には、センサによって入力信号が生成されたほぼ直後に、センサ入力信号を送信する必要なく、ベースライン復元信号が生成されるように構成される。センサに近接して位置していない信号処理回路などの追加の回路に向かって入力信号を下流に送信する前にベースライン復元信号を生成すると、データ信号が利用可能なダイナミックレンジが増加する。センサの「近位に」回路を配置することは、センサによって生成された入力信号が、1cm未満又は1mm未満など、回路に到達する前に、ワイヤを介して、0.75cm又は0.5cm又は0.25cmなど、1cm未満だけ送信されることを意味する。いくつかの場合には、回路は、いくつかの場合には、センサに組み込まれるなど、センサと同じ場所に位置するように構成されている。いくつかの場合では、回路は、センサに直接取り付けられるか、又はセンサと共通の基板に直接取り付けられるなど、センサに近接して位置し得るように、すなわち、回路及びセンサが同じ回路基板上に位置するように成形された、プリント回路基板などの基板上に設置される。
【0051】
回路素子-増幅器モジュール:
上で説明されるように、本発明の回路は、増幅器モジュールを備える。実施形態では、増幅器モジュールは、差動増幅器出力を有する第1の増幅器を備える。差動出力は、回路に関連して上記で説明されている。増幅器とは、例えば、入力信号の電圧を増加させるなど、入力信号の電圧又は電流などの1つ以上の特性を修正するように構成された入力及び出力を有する電子回路を意味する。実施形態では、第1の増幅器は、反転入力及び非反転入力からなる差動入力並びに差動出力を有する、演算増幅器、すなわち、オペアンプである。そのようなオペアンプは、非反転入力信号と反転入力信号との差を増幅するように構成され得る。任意の市販の集積回路演算増幅器は、Texas Instruments又はRadio Shack又は同様の電子部品販売店を通して入手可能なオペアンプなどの第1の増幅器として採用され得る。実施形態では、増幅器モジュールは、第1の増幅器の出力と入力との間に複数のフィードバックループを備える。すなわち、第1の差動出力は、フィードバックループを含む第1の増幅器の反転入力に電気的に接続され得る。第1の増幅器の周りのフィードバックループは、最終的に信号を第1の増幅器の非反転入力又は反転入力のいずれかに入力する前に出力信号を調整するように構成された、例えば、並列抵抗器及びコンデンサなどの回路素子のネットワークを更に含み得る。いくつかの実施形態では、複数の増幅器フィードバック経路における抵抗及び容量は、関連付けられ、すなわち、対応する抵抗器及びコンデンサが同じ抵抗値及び容量値を有するように整合される。概して、第1の増幅器の周りのフィードバックループに含まれる抵抗器は、例えば0.1%又は0.01%以下など、1%以下の抵抗器公差などの整合公差を有する。
【0052】
回路素子-ベースライン復元モジュール:
上で説明されるように、本発明のベースライン復元回路は、ベースライン復元モジュールを備える。実施形態では、ベースライン復元モジュールは、差動増幅器出力に動作可能に接続されたフィルタネットワークを備える。差動増幅器出力は、上で説明されるように、第1の増幅器の出力を含む。フィルタネットワークは、入力信号のDC成分(すなわち、上で説明されるように、センサから入力される信号のDC成分)を抽出するように構成されている。実施形態では、フィルタネットワークが、入力信号の直流成分を抽出するためのローパスフィルタを含む。「ローパスフィルタ」とは、低周波数信号を可能にし、高周波数信号を減衰させるように構成された電子回路を意味する。実施形態では、フィルタネットワークのローパスフィルタは、信号のDC成分を可能にし、入力信号のデータ信号成分(すなわち、フローサイトメトリの文脈において、上で説明されるような「事象」に対応する信号の成分)を減衰させるように構成されている。
【0053】
実施形態では、フィルタネットワークのローパスフィルタは、トランスコンダクタンス素子及びコンデンサを備える。トランスコンダクタンス素子は、増幅器差動出力の各々に取り付けられた2つの入力信号を取り、単一の信号を出力することができ、ここで、単一のトランスコンダクタンス出力で生成される電流の量は、トランスコンダクタンス入力での電圧差に基づく。コンデンサの一方の側は、トランスコンダクタンス素子出力に接続され得、他方の側は、接地され得る。Texas Instruments又はRadio Shack又は同様の電子部品販売店を通して入手可能なトランスコンダクタンス素子若しくはコンデンサ、又はプリント回路基板などの基板と一体化したトランスコンダクタンス素子若しくはコンデンサの基板と一体化した抵抗器など、任意の市販のトランスコンダクタンス素子及びコンデンサが適用され得る。任意の好都合な容量が適用され得、かつ変化し得る。実施形態では、容量値は、10μF又は50μF又は75μF又は150μF又は200μFなど、10μF~200μFの範囲であり得、例えば、トランスコンダクタンス素子の特性、並びにベースライン復元モジュールの所望の低周波カットオフに応じて変化し得る。
【0054】
実施形態では、ベースライン復元回路のフィルタネットワークは、増幅器モジュールのフィードバックループを含み得る。例えば、フィルタネットワークは、増幅器モジュールの第1の増幅器のフィードバックループを含み得る。いくつかの場合には、フィルタネットワークの入力は、増幅器モジュール、例えば、第1の増幅器の出力に接続され、フィルタネットワークの出力は、最終的には、増幅器モジュールの入力、例えば、第1の増幅器の入力に接続されている。いくつかの場合には、フィルタネットワークの出力は、最終的に、第1の増幅器の入力に接続されている。実施形態では、そのようなフィードバックループは、DC成分がベースライン復元モジュールによって分離され、第1の増幅器の反転入力にフィードバックされ、増幅器に入力信号のDC成分を除去又は低減させるように、回路に含まれる。
【0055】
実施形態では、ベースライン復元モジュールが、第1のトランスコンダクタンス素子に動作可能に接続され、電圧ベースの信号を電流ベースの信号に変換するように構成された第2のトランスコンダクタンス素子を更に備える。そのような実施形態では、第2のトランスコンダクタンス素子は、第1のトランスコンダクタンス素子の出力における電圧ベースの信号を、電流ベースの信号に変換するために含まれる。そのような構成は、電流ベースの入力信号がベースライン復元モジュールの電流ベースの出力と互換性があるように、ベースライン復元回路への入力信号が、電流ベースの信号である場合に適用可能であり得る。Texas Instruments又はRadio Shack又は同様の電子部品販売店を通して入手可能なトランスコンダクタンス素子、又はプリント回路基板などの基板と一体化したトランスコンダクタンス素子など、任意の市販のトランスコンダクタンス素子を適用することができる。
【0056】
実施形態では、ベースライン復元ネットワークは、回路からフィルタネットワークにディスエンゲージするスイッチを含む。スイッチは、ベースライン復元ネットワークの出力が第1の位置で増幅器モジュールにフィードバックされ、ベースライン復元ネットワークの出力が第2の位置で接地に接続されることを可能にする2位置スイッチであり得る。いくつかの場合には、スイッチは、信号又は暗(漏れ)電流の長期的な変動が観察されるときに、機能的に使用され得る。
【0057】
入力モジュール:
上で説明されるように、本発明のベースライン復元回路は、入力モジュールを備える。実施形態では、入力モジュールは、センサからの出力に接続され得、入力モジュールの出力は、増幅器モジュールの入力に接続され得る。ある特定の実施形態では、入力モジュールは、センサから受信した入力信号を変換するように構成されている。例えば、入力モジュールは、センサから受信した電流ベースの入力信号を電圧ベースの信号に変換(transform又はconvert)するように構成され得る。そのような構成は、センサによって生成された入力信号が電流ベースの信号であり、回路の増幅器モジュールが電圧ベースの信号を受信するように構成されている実施形態で適用可能であり得る。
【0058】
実施形態では、入力モジュールは、トランジスタを備える。トランジスタは、Texas Instruments又はRadio Shack又は同様の電子部品販売店を通して入手可能な任意の市販の接合型電界効果トランジスタ(JFET)、又はプリント回路基板などの基板と一体化したトランジスタであり得る。実施形態では、関心対象のJFETは、3GHzの単一ゲイン帯域幅など、1GHzと5GHzとの間の単一ゲイン帯域幅を有し得、加えて、関心対象のJFETは、10pA又は20pA又は30pA又は50pA又は100pA以上など、10pA以上のゲート入力電流を有し得る。実施形態では、トランジスタゲートは、センサからの入力信号に接続されている。ソースは、基準電圧に接続され得、ドレインは、第1の増幅器の反転入力など、増幅器モジュールの入力に接続され得る。そのような構成は、センサから入力される電流ベースの信号に基づいて、入力モジュールの出力として電圧ベースの信号を提供するために採用され得る。
【0059】
第1の例示的な実施形態:
図1Aは、ある特定の実施形態による、差動出力を有するベースライン復元回路を描示する。回路100は、フローサイトメータのフローストリーム中の粒子からの光などの光を検出するように構成されたセンサ199からの入力信号を受信するように構成された入力モジュール110を備える。示される実施形態では、センサ199は、フォトダイオードである。この場合、回路100は、センサ199と同じ場所に位置しており、回路100及びセンサ199が、互いに1cm以内の同じプリント回路基板上に位置決めされ、それによってセンサ199によって生成された信号が回路100に入力されるために1cm以下を移動する必要があることを意味する。
【0060】
入力モジュール110は、センサ199から受信された入力信号を、電流ベースの信号から電圧ベースの信号に変換するように更に構成されている。入力モジュール110の出力は、電圧ベースの入力信号を受信し、信号を更に修正するように構成された増幅器モジュール120に動作可能に接続されている。増幅器モジュール120は、入力信号の直流成分を抽出し、そのような抽出された直流成分を、入力モジュール110を介して増幅器モジュール120にフィードバックするように構成されたベースライン復元ネットワーク130に動作可能に接続されており、それによって、増幅器モジュール120が、入力信号のDC成分を減算又は除去又は低減することを可能にする。出力モジュール140は、増幅器モジュール120の出力に動作可能に接続され、差動出力を介してベースライン復元信号を送信するように構成されている。
【0061】
図1Bは、
図1Aの差動出力を有するベースライン復元回路100を描示する。回路100は、JFETトランジスタ111を有する入力モジュール110を含む。トランジスタゲート112は、センサ199の出力に動作可能に接続されている。増幅器モジュール120は、第1の増幅器129を備える。トランジスタソース113は、第1の増幅器129の反転入力121に接続されている。トランジスタソース113はまた、抵抗R
SFを介して基準電圧-V
dに接続されている。R
SFの任意の好都合な抵抗値が適用され得、かつ変化し得る。抵抗は、入力モジュール110及び回路100の所望及び/又は許容される帯域幅及びノイズに基づいて選択され得る。実施形態では、R
SFの抵抗値は、(V
cm+V
d)/R
SF(式中、V
cmは、増幅器129(U
1)のcm端子における共通モード電位である)によって表される電流が、例えば3mA又は4mA又は5mA又は10mA以上など、1mA以上であるように選択され得る。第1の増幅器129の非反転入力122及び共通モード入力123は、接地に接続されている。第1の増幅器129は、第1の差動増幅器出力124及び第2の差動増幅器出力125を備える。第1の差動増幅器出力124は、抵抗器及びコンデンサのネットワーク126並びに入力モジュール110を介して反転入力121にフィードバックされる。第2の差動増幅器出力125は、抵抗器及びコンデンサのネットワーク127を介して第1の増幅器129の非反転入力122及び共通モード入力123にフィードバックされる。抵抗器及びコンデンサのネットワーク126並びに抵抗器及びコンデンサのネットワーク127の任意の好都合な抵抗及び容量値が選択され得、かつ変化し得る。実施形態では、検出信号の帯域幅は、典型的には、1/(2πRC)未満であり、それに応じて、ネットワーク126及び127の抵抗値及び容量値、R及びC(すなわち、
図1A及び
図1Bにおいて、それぞれ、R
f1及びC
f1並びにR
f1’及びC
f1’)が選択され得る。いくつかの実施形態では、抵抗値R(すなわち、R
f1及びR
f1’)は、1Kオーム以上、例えば、1Kオーム、10Kオーム、20Kオーム、30Kオーム、40Kオーム、50Kオーム、60Kオーム、70Kオーム、80Kオーム、90Kオーム、100Kオーム以上であり得、容量値C(すなわち、C
f1及びC
f1’)は、1pF以上、例えば、1pF、10pF、25pF、50pF、75pF、100pF、200pF、300pF、400pF、500pF、600pF、700pF、800pF、900pF以上であり得る。
【0062】
ベースライン復元モジュール130は、第1のトランスコンダクタンス素子131及びコンデンサ132を備える。第1の差動増幅器出力124及び第2の差動増幅器出力125は、第1のトランスコンダクタンス素子131の入力に接続されている。トランスコンダクタンス素子131の出力は、コンデンサ132に接続されている。トランスコンダクタンス素子131及びコンデンサ132は、センサ199から受信された入力信号のDC成分を抽出するためのローパスフィルタとして機能するように構成されている。トランスコンダクタンス素子131の出力はまた、第2のトランスコンダクタンス素子133の入力に接続され、他方の入力は、接地に接続されている。第2のトランスコンダクタンス素子133は、トランスコンダクタンス素子131の出力に関連付けられた電圧を電流ベースの信号に変換するように、すなわち、電圧ベースの信号を電流ベースの信号に変換するように構成されている。トランスコンダクタンス素子133の出力は、スイッチ134に接続されており、スイッチ134は、ベースライン復元モジュール130の出力を入力モジュール110に接続することによってベースライン復元を有効化するように、又はベースライン復元モジュール130の出力を接地に接続することによってベースライン復元を無効化するように構成されている。スイッチ134は、例えば、信号又は暗(漏れ)電流の長期変動が観察された場合、機能的に使用され得る。
【0063】
出力モジュール140は、第1の差動増幅器出力124及び第2の差動増幅器出力125にそれぞれ接続された第1の抵抗器141及び第2の抵抗器142を備える。第1の抵抗器141及び第2の抵抗器142は、差動出力信号がケーブルコア送信ワイヤ143、144に沿って送信されるときに、差動出力で反射を吸収するように構成されている。ケーブルコア送信ワイヤ143、144は、ツイストペアを含み得、共通のシールド145によってシールドされている。
【0064】
図1A~
図1Bに示される回路100は、「明チャネル」フォトダイオード(PD)を読み出すために使用されるアナログフロントエンドであるように構成されている。「明チャネル」用途は、ベースライン復元回路、すなわち、DC成分キャンセルのための要求の厳しい用途である。例えば、およそ80MHzは、DC成分として3mAの光電流を生成するなど、広い信号帯域幅を使用する撮像能力を有するフローサイトメトリの文脈における典型的なシナリオでは、最小検出可能電流が、約100nA値(すなわち、上で説明されるように、データ信号又は関心対象の入力信号に対応する電流)、例えば、100nA±0.1%以上、例えば、±0.1%又は±1%又は±5%以上であるべきである。回路パラメータを変更することは、「通常」の光電子増倍管(PMT)と、数百マイクロアンペア未満のDC成分を有する「前方散乱」チャネルのフォトダイオードと、を有する、
図1A~
図1Bの回路を使用することを可能にする。上記2つの用途では、本明細書で説明されるように、
図1A~
図1Bの回路のパラメータを構成することによって達成され得る回路電子ノイズの低減された寄与が必要である。加えて、検出信号の事象レートが高い場合、回路100は、回路のハイパスフィルタ態様を非常に低い(1Hz未満)周波数で構成することを可能にするため、上記のように、先行する事象の信号「テール」の積み重ねは、検出信号の大きさ、すなわち、関心対象のデータ信号又は入力信号への寄与が少ないだけである。
【0065】
図1A~
図1Bの回路100のフォトダイオードセンサ199は、電圧V
dによって逆バイアスされる。その同じ電圧V
dはまた、入力モジュール110のソースフォロワバイアスで使用され得る。入力モジュール110のソースフォロワは、トランジスタ111のソース端子がV
dに接続されるように、回路100内のQ1 JFETトランジスタ111の周りに構築される。当業者であれば、フローサイトメータの読み出し回路に存在するV
d及び-V
dのようなバイアス電位の特定のフィルタリング、並びに他の例では、
図1A~
図1Bに示されないいくつかの電源電圧のある特定のフィルタリングが、回路の低ノイズ動作に使用され得るが、
図1A~
図1Bの回路100には示されないことを認識するであろうことが特筆される。電子増倍管(PMT)の大きい信号増幅に起因して、回路100の入力モジュール110のソースフォロワ部は必要でない場合があり、PMT出力は、
図1A~
図1BのU1差動増幅器129の反転(すなわち、「-」)端子に直接接続され得る。
【0066】
入力モジュール110のソースフォロワに渡されるPDセンサ199によって生成された入力信号は、回路100のU1差動増幅器129の反転(すなわち、「-」端子)に接続されている。ネットワーク126及びネットワーク127内のフィードバックR
f1、R
f1’抵抗器及びC
f1、C
f1’コンデンサは、整合される(R
f1及びR
f1’抵抗器、並びにC
f1及びC
f1’コンデンサのための適切な抵抗値及び容量値の選択は、上で詳細に説明されている)が、U1差動増幅器129の共通モード、すなわち「cm」端子123及び非反転入力端子「+」122は、接地される(又は、いくつかの場合には、いくつかの導入された基準電位に接続され得る)。U1差動増幅器129の差動出力124,125は、整合された抵抗器R0 141、R0’ 142を通してケーブルコアワイヤ143,144を駆動し、フローサイトメータの各チャネル(例えば、フローサイトメータの各センサ)の差動出力に対応するワイヤは、
図1Bに示されるように、共通のシールド145に含まれる。上で詳細に説明されたように、抵抗器R0 141及びR0’142の抵抗値は、ケーブル特性インピーダンス(すなわち、送信線143、144のインピーダンス)のインピーダンスに整合するように選択され得る。任意の好都合な抵抗が適用され得、例えば、差動出力を送信するために使用される送信線のインピーダンスに応じて変化し得る。実施形態では、抵抗器は、1オーム以上、例えば10オーム又は25オーム又は50オーム又は100オーム以上の抵抗値で選択され得る。抵抗器は、例えば、0.1%又は0.01%以下など、1%以下の公差で選択され得る。シールド内のツイストペアは、上記の目的のためにも同様に使用することができる。抵抗器R0 141、抵抗器R0’ 142の値は、差動信号が受信されるケーブルの遠隔側に対する負荷の反射を吸収するように選択される。
【0067】
U1差動増幅器129の出力124,125は、
図1A~
図1Bに示されるように、トランスコンダクタ(すなわち、トランスコンダクタンス素子)G
m1131の入力端子に接続されている。トランスコンダクタG
m1131の出力は、コンデンサC
1132でロードされる。G
m1のトランスコンダクタンスは、R
set1の抵抗値によって設定される。R
set1に対して選択された抵抗値は、トランスコンダクタG
m1131が調整可能(すなわち、構成可能)であり、R
set1の抵抗値、したがってトランスコンダクタG
m1131の構成に対して任意の好都合な値が選択され得ることを示す。実施形態では、トランスコンダクタG
m1131に対するコンデンサC
1132の容量の比率によって表される時定数、すなわち、(C
1/G
m1)は、以下で詳細に記載される回路伝達関数(以下の式1)に関連して記載されるように、低周波数カットオフ値に対応する。そのような実施形態では、構成要素及びその対応する値は、式1/(2π(C
1/G
m1))が1Hz未満の周波数に等しいように選択される。コンデンサC
1131は、U1差動増幅器129の出力端子124、125間の電圧差によって制御されるG
m1131の電圧制御電流源によって充電される。V
c1と称されるC
1132上の電圧は、G
m2トランスコンダクタ133内の電流に変換され、トランスコンダクタ133の1つの入力に接続されている。トランスコンダクタ133の他方の入力は、接地に接続されているが、概して、任意の一定の基準電圧に接続され得る。トランスコンダクタンスG
m2133の制御パラメータは、R
set2の抵抗値によって設定される。R
set2抵抗器は、トランスコンダクタG
m2133が調整可能(すなわち、構成可能)であり、R
set2の抵抗値、したがってトランスコンダクタG
m2133の構成に対して任意の好都合な値が選択され得ることを示す。G
m2トランスコンダクタ133の出力端子は、スイッチSW1 134の入力に接続されている。ある状態では、スイッチ134は、G
m2トランスコンダクタ133を、PDセンサ199のアノードに出力接続することを可能にし、別の状態では、
図1A~
図1Bに示されるように、接地電位への接続を可能にする。PDセンサ199のアノード端子に接続されるときに、ベースライン復元機能は「オン」であり、そうでなければ、「オフ」である。当業者であれば、実際には、G
m2トランスコンダクタ133が、増幅器及び抵抗器、又は1つの適切に選択された抵抗器の組み合わせであり得ることを認識するであろう。
【0068】
簡略化された分析に基づいて、周波数領域内の回路100の出力差動電圧への入力電流の伝達関数を説明する以下の式が得られ得る。
【数1】
【0069】
Rtrは、U1差動増幅器129の出力端子124、125における出力差動電圧へのPDセンサ199の電流変換のトランスインピーダンスである。すなわち、Rtrは、スイッチ134が、ベースライン復元フィードバックが「オフ」であるように構成されているときのトランスインピーダンスである。
【0070】
H(jω)は、ベースライン復元が「オン」になるようにスイッチ134が構成されているときの回路100の伝達関数である。
【0071】
式1から、高周波では、伝達関数はRtrのトランスインピーダンスによって決定され、低周波では、伝達関数はゼロであることがわかる。
【0072】
第2の例示的な実施形態:
図2Aは、ある特定の実施形態による、差動出力を有するベースライン復元回路を描示する。回路200は、フローサイトメータのフローストリーム中の粒子からの光などの光を検出するように構成されたセンサ299からの入力信号を受信するように構成された入力モジュール210を備える。示される実施形態では、センサ299は、アバランシェフォトダイオードである。この場合、回路200は、センサ299と同じ場所に位置しており、回路200及びセンサ299が、互いに1cm以内の同じプリント回路基板上に位置決めされ、それによってセンサ299によって生成された信号が回路200に入力されるために1cm以下を移動する必要があることを意味する。
【0073】
入力モジュール210は、センサ299から受信された入力信号を、電流ベースの信号から電圧ベースの信号に変換するように更に構成されている。入力モジュール210の出力は、電圧ベースの入力信号を受信し、信号を更に変換するように構成された増幅器モジュール220に動作可能に接続されている。増幅器モジュール220は、入力信号の直流成分を抽出し、そのような抽出された直流成分を、入力モジュール210を介して増幅器モジュール220にフィードバックするように構成されたベースライン復元ネットワーク230に動作可能に接続されており、それによって、増幅器モジュール220が、入力信号のDC成分を減算又は除去又は低減することを可能にする。出力モジュール240は、増幅器モジュール220の出力に動作可能に接続され、差動出力を介してベースライン復元信号を送信するように構成されている。
【0074】
図2Bは、
図2Aの差動出力を有するベースライン復元回路200を描示する。回路200は、トランジスタ211を有する入力モジュール210を含む。トランジスタ211のトランジスタゲート212は、センサ299の出力に動作可能に接続されている。入力モジュール210は、増幅器213を更に備える。トランジスタ211のソース接続は、アンプU1 213の非反転入力、並びに基準電圧V
dに接続された抵抗器R
L1216に動作可能に接続され、トランジスタ211のドレイン接続は、接地に動作可能に接続されている。抵抗器R
L1216の任意の好都合な抵抗値が選択され得、かつ変化し得る。実施形態では、抵抗器R
L1216の抵抗値は、回路200の入力モジュール210のゲインを決定する。そのような実施形態では、抵抗器R
L1216の抵抗値は、750オーム又は1Kオーム又は1.5Kオーム以上など、500オーム以上であり得る。増幅器U1 213は、後続の回路要素によって信号のDC成分が抽出され、次いで、減算され得るように、センサ299から入力された信号を更に変換する。任意の好都合な増幅器は、増幅器U1 213に対して選択され得、変化し得る。実施形態では、増幅器U1 213は、増幅器U1 213の単一ゲイン帯域幅が検出信号の帯域幅よりも一桁大きいように選択され得る。増幅器モジュール220は、第1の差動増幅器229を備える。増幅器U1 213の出力214は、抵抗器R1 227を介して、第1の差動増幅器229の反転入力221に接続されている。出力214はまた、複数の抵抗器R
f1、R
f2、R
f3及びコンデンサC
f3を備える、抵抗器及びコンデンサのネットワーク215を介してセンサ299の出力に接続されている。寄生容量は、コンデンサC
par217として点線で示されている。実施形態では、抵抗器及びコンデンサのネットワーク215の構成要素についての任意の好都合な抵抗値及び容量値が選択され得、かつ変化し得る。いくつかの場合には、抵抗値及び容量値は、R
f1及びC
parの積(すなわち、R
f1*C
par)が式((R
f2+R
f3)*C
f3)にほぼ等しくなるように、構成要素の抵抗値及び容量値を選択することによって回路200の帯域幅を最大化するように選択され得る。
【0075】
第1の増幅器229は、第1の差動増幅器出力223及び第2の差動増幅器出力224を備える。差動増幅器229の第1の差動出力223は、抵抗器R2225を介して差動増幅器229の反転入力221に接続されており、差動増幅器229の周りにフィードバックループを形成する。差動増幅器229の第2の差動出力224は、抵抗器R2’226を介して差動増幅器229の非反転入力222に接続されており、差動増幅器229の周りに第2のフィードバックループを形成する。R2225及びR2’226、並びにR1227及びR1’228についての任意の好都合な抵抗値が選択され得、かつ変化し得る。実施形態では、これらの素子の各々の抵抗は、1Kオーム、10Kオーム、50Kオーム、100Kオーム、200Kオーム、300Kオーム、400Kオーム、500Kオーム、600Kオーム、700Kオーム、800Kオーム、900Kオーム以上など、1Kオーム以上であり得る。そのような実施形態では、これらの素子について選択された抵抗値は、回路200のゲインが(K2Rf1)の値に対応する回路200の伝達関数に関して以下に詳細に説明されるように、回路200の所望のゲインに基づいて決定され得、ここで、素子K2=R2/R1=R2’/R1’である。第1の差動増幅器229の共通モード入力は、基準電圧Vcmに接続されている。第1の差動増幅器229の非反転入力222は、抵抗器R1’228を介して、ベースライン復元モジュール230のスイッチ234に接続されている。
【0076】
ベースライン復元モジュール230は、第1のトランスコンダクタンス素子231及びコンデンサCBLR232を備える。第1の差動増幅器出力224及び第2の差動増幅器出力225は、第1のトランスコンダクタンス素子231の入力に接続されている。コンダクタンス素子231の出力は、コンデンサ232に接続されている。トランスコンダクタンス素子231及びコンデンサ232は、センサ299から受信された入力信号のDC成分を抽出するためのローパスフィルタとして機能するように構成されている。実施形態では、トランスコンダクタンス素子Gm231に対するコンデンサCBLR232の容量の比率によって表される時定数、すなわち、(CBLR/Gm)は、以下で詳細に説明される回路200の回路伝達関数(以下の式2)の低周波数カットオフ値に対応する。そのような実施形態では、構成要素及びその対応する値は、式1/(2π(CBLR/Gm))が1Hz未満の周波数に等しいように選択される。
【0077】
トランスコンダクタンス素子231の出力はまた、増幅器U3 233の非反転入力に接続されている。増幅器U3 233の反転入力は、2つの抵抗器R3及びR4からなる分圧器235を介して増幅器233の出力に接続されている。素子R3及びR4の任意の好都合な抵抗値が選択され得、かつ変化し得る。実施形態では、R3及びR4の抵抗値は、以下で詳細に説明される回路200を説明する回路伝達関数に対する式R3/R4の所望の寄与に応じて選択され得る(以下の式2)。
【0078】
増幅器U3 233は、トランスコンダクタンス素子231の出力に関連付けられた電圧を、最終的に差動増幅器U2 229によって受信することができる信号に変換するように構成されている。任意の好都合な増幅器は、増幅器U3 233に対して選択され得、変化し得る。実施形態では、増幅器U3 233は、それが専用信号帯域幅よりも高い帯域幅を有するように選択され得る。増幅器233の出力は、スイッチ234に接続されており、スイッチ234は、ベースライン復元モジュール230の出力を増幅器モジュール220に接続することによってベースライン復元を有効化するように、又はベースライン復元モジュール230の出力を接地に接続することによってベースライン復元を無効化するように構成されている。スイッチ234は、例えば、信号又は暗(漏れ)電流の長期変動が観察された場合、機能的に使用され得る。
【0079】
出力モジュール240は、第1の差動増幅器出力223及び第2の差動増幅器出力224にそれぞれ接続された第1の抵抗器241及び第2の抵抗器242を備える。第1の抵抗器241及び第2の抵抗器242は、差動出力信号がケーブルコア送信ワイヤ243、244に沿って送信されるときに、差動出力で反射を吸収するように構成されている。ケーブルコア送信ワイヤ243、244は、ツイストペアを含み得、共通のシールド245によってシールドされている。
【0080】
上で説明されるように、
図2Bは、アバランシェフォトダイオード(APD)信号電流が増幅器U1 213の周りに構築された回路によって電圧に変換される、APD読み出しのための例示的なスキーマを描示する。増幅器U1 213の出力、すなわち、増幅されたAPD信号は、APDの高い過剰ノイズ係数をもたらすAPD高ゲイン動作を回避するために、低ノイズ増幅のためにJFETトランジスタ211のゲート212に接続されている。抵抗器R
f2、R
f3及びコンデンサC
f3回路素子を備える回路ネットワーク215は、R
f1抵抗器の大きい値(すなわち、数百Mオーム以上などの10Mオーム以上の範囲の抵抗値)が回路200の等価ノイズ電流を低下させるために使用されるときに、電流-電圧変換の帯域幅の補正を可能にし、したがって、R
f1抵抗器の寄生容量C
par217によって生じる帯域幅低減を補正する。増幅器U1 213の出力端子からの信号214は、差動増幅器U2 229の周りに構築された回路で適切な差動形態及びゲインに調整され、R
1227、R
1’228、及びR
2225、R
2’226は、整合された抵抗器対である。増幅器U2 229の差動出力223、224は、整合された抵抗器R
0241、R
0’242を通してケーブルコアワイヤ243、244を駆動し、各チャネルの差動出力に対応するコアワイヤは、示されるように、共通シールド245に含まれる。抵抗器R
0241、R
0’242の値は、差動信号が受信されるケーブル243、244の遠隔側における負荷の反射を吸収するように選択される。
【0081】
差動増幅器U2 229の出力端子223、224は、コンデンサの他の端子が接地された状態で、CBLRコンデンサ232で負荷がかけられたトランスコンダクタGm1231の入力に接続されている。
【0082】
コンデンサ232の最上部端子の電圧は、U3増幅器233への入力である。増幅器233のゲインは、ネットワーク235の抵抗器R3、R4の値によって設定される。増幅器U3 233の出力端子は、R1’抵抗器228の入力端子に接続され得、したがって、増幅器U2 229の差動出力にわたるゼロDC電圧の状態を実現する一方、差動増幅器U2 229への入力は、概して、(i)APD299の暗電流、(ii)JFETトランジスタ211のゲート電圧、及び(iii)ネットワーク215のRf1抵抗器値によって決定されるゼロではないDC電位を有する増幅器U1 213の出力信号である。スイッチSW1 234が抵抗器R1’228の入力端子を接地するとき、ベースライン復元機能は、「オフ」である。
【0083】
簡略化された分析に基づいて、周波数領域内の回路200の差動出力243、244へのAPD299電流の伝達関数を説明する以下の式が得られ得る。
【数2】
【0084】
式中、K2は、K2=R2/R1=R2’/R1’となるように、差動増幅器U2 229の各分岐の伝達関数である。
【0085】
上記の式2から、伝達関数は、高周波数ではRf1K2の積によって決定され、低周波数ではゼロになることがわかる。
【0086】
差動出力を介したベースライン復元のためのシステム
本開示の態様は、差動出力を介したベースライン信号復元のためのシステムを含む。差動出力を有するベースライン復元信号を生成、送信、及び受信するためのフローサイトメトリシステムを含むシステムが提供される。ある特定のシステムは、センサ読み出しシステムである。ある特定の実施形態によるセンサ読み出しシステムは、そのような例示的な回路が上記で詳細に説明されているように差動出力にてベースライン復元信号を生成するためのベースライン復元回路と、ベースライン復元回路によって送信された差動入力にてベースライン復元信号を受信するための下流受信機回路と、ベースライン復元回路の差動出力を下流受信機回路の差動入力に接続するように構成されたケーブルコアワイヤと、を含む。以下に詳細に説明されるように、システムは、フローサイトメトリシステムの一部を含み得、センサ出力の有意で変化するDC成分の文脈において有意義な信号を解明するために使用され得る。
【0087】
本発明によるセンサ読み出しシステムの実施形態は、上で説明される差動出力に結合されたベースライン復元回路などの任意の好都合なベースライン復元回路を含み得、アナログベースライン復元信号が、生成され、差動出力を介して送信される。実施形態では、下流受信機回路が、ベースライン復元回路から受信された差動信号を、デジタル信号に変換するように構成されている。すなわち、下流受信機回路は、差動出力で送信されたベースライン復元信号をデジタル信号に変換するように構成されている。デジタル信号への変換は、必要に応じて、ベースライン復元信号の更なる処理及び/又は分析を容易にするために望ましい場合がある。
【0088】
下流受信機回路:
本発明による下流受信機回路の実施形態は、差動入力に動作可能に接続されたアンチエイリアスフィルタモジュールと、アンチエイリアスフィルタモジュールの出力に動作可能に接続されたキックバック保護モジュールと、ベースライン復元回路から受信された信号を、デジタル信号に変換するために、キックバック保護モジュールの出力に動作可能に接続されたアナログデジタル変換モジュールと、を含む。上で述べられるように、下流受信機回路の差動入力は、ベースライン復元回路の差動出力に動作可能に接続されている。
【0089】
サンプリングされた信号が真の信号を反映し、エイリアスされた信号が適用されないように、サンプリングされた信号の帯域幅を関心対象の帯域幅に制限する際に使用するための、いくつかの場合には、ローパスフィルタなどの任意の便利なアンチエイリアスフィルタ回路が適用され得る。すなわち、アンチエイリアスフィルタは、関心対象の帯域幅にわたってナイキストシャノンサンプリング定理を満たすように、必要に応じて構成され得る。実施形態では、アンチエイリアスフィルタモジュールは、差動入力及び差動出力を有する増幅器を備える。このモジュールは、差動出力及び差動入力の間に1つ以上のフィードバックループ又は経路を含むように構成され得る。実施形態では、アンチエイリアスフィルタ増幅器は、抵抗器及びコンデンサのネットワークを含む。他の実施形態では、アンチエイリアスフィルタモジュールは、追加の入力として2つの差動オフセット制御電圧を受信するように構成されている。そのような実施形態では、アンチエイリアスフィルタモジュールは、下流アナログデジタル変換器の全範囲を利用するために、差動オフセット制御電圧が、入力信号(すなわち、センサから生じるベースライン復元回路から受信された信号)をシフトするように構成され得る。
【0090】
実施形態では、アンチエイリアスフィルタモジュールの出力は、キックバック保護モジュールに動作可能に接続され得る。逆極性電圧又は電流スパイクを含む、電圧又は電流スパイクを防止するように構成された任意の回路は、実施形態では、キックバック保護回路に適用され得る。例えば、実施形態のアンチエイリアスフィルタモジュールは、そのようなスパイクを吸収するように構成されたコンデンサを備え得る。いくつかの実施形態では、キックバック保護モジュールは、抵抗器及びコンデンサのネットワークを含む。
【0091】
実施形態では、キックバック保護モジュールの出力は、アナログデジタル変換モジュールに動作可能に接続されている。アナログデジタル変換器は、アナログ差分形態のベースライン復元信号をデジタル信号に変換するように構成されている。市販の任意の既成のアナログデジタル変換器を含む任意の好都合なアナログデジタル変換器が使用され得、実施形態では、後続の信号処理に必要なデジタル信号の所望の範囲又は粒度に応じて変化し得る。
【0092】
実施形態では、下流受信機回路のアナログデジタル変換モジュールは、差動入力を備える。すなわち、アナログデジタル変換器は、差動入力の各々の上の信号間の差として表されるアナログ信号を変換するように構成されており、信号は、電圧信号、電流信号、それらの組み合わせ、又は他の信号特性であり得る。アナログデジタル変換器の出力は、実施形態で選択されたアナログデジタル変換器の分解度に依存し、変化し得る。実施形態では、アナログデジタル変換器の出力は、例えば8ビット、又は16ビット、又は32ビット、又は64ビット、又はそれ以上など、4ビット以上のデジタル信号を含み得る。
【0093】
センサゲインの高電圧信号:
いくつかの実施形態では、下流受信機回路が、センサのための高電圧制御電位信号を生成するように構成された電圧源モジュールを更に備える。すなわち、センサのための高電圧制御電位信号は、センサによって検出される事象に基づいて、データ信号を生成することに関連してセンサをバイアスするために利用され得る。いくつかの実施形態では、高電圧制御電位信号が、光検出器のセンサゲイン設定を含む。そのような光検出器は、例えば、アバランシェフォトダイオードセンサ、フォトダイオードセンサ、又は電子増倍管センサであり得る。実施形態では、電圧源モジュールは、DC-DC変換器を備えており、電子部品卸売店又はTexas Instruments又はRadio Shackなどから入手可能なものなど、任意の市販の既成のDC-DC変換器が適用され得る。すなわち、DC-DC変換器は、より低い入力電圧をより高い出力DC電圧にステップアップするように構成され得る。そのような変換器は、入力DC信号の電圧がステップアップされる程度を制御するための制御信号を受信するように構成され得る。いくつかの実施形態では、電圧源モジュールが、高電圧制御電位信号を、基準電圧と比較するように構成されたフィードバックネットワークを備える。すなわち、モジュールは、DC-DC変換器の出力信号を基準電圧と比較し、そのような比較結果に基づいて、DC-DC変換器を制御する制御信号を調整するように構成され得る。
【0094】
デジタルアナログ変換器:
実施形態では、下流受信機回路が、DC-DC変換器の出力に動作可能に接続され、かつセンサへの送信のための高電圧制御電位信号及びアンチエイリアスフィルタのためのオフセット制御電圧を出力するように構成されたデジタルアナログ変換器を含む。すなわち、デジタルアナログ変換器は、例えば、アバランシェフォトダイオードを含む光センサなどのセンサ内のゲインを制御するために使用され得る。加えて、デジタルアナログ変換器はまた、入力信号を、デジタル信号への後続変換のための適切な範囲にシフトするためのアンチエイリアスモジュールで使用するために上で説明される差動オフセットを制御することもできる。実施形態では、デジタルアナログ変換器の出力は電圧であり、デジタルアナログ変換器は、出力電圧を制御するコードによって構成され得、そのコードは、デジタルアナログ変換器へのプログラマブルインターフェースを介して設定される。
【0095】
ケーブルコア送信線の高電圧信号:
センサ読み出しシステムの実施形態では、ケーブルコアワイヤは、センサに動作可能に接続され、かつセンサに高電圧制御電位信号を制御するように構成された高電圧送信線を更に備える。いくつかの実施形態では、センサは、ベースライン復元回路と同じ場所に位置する。「同じ場所に位置する」とは、センサが、同じ基板又はプリント回路基板上に位置するなど、ベースライン復元回路に近接していることを意味する。いくつかの場合には、センサは、ベースライン復元回路の1cm以内、又はベースライン復元回路の0.1cm以内など、ベースライン復元回路の10cm以内に位置する。そのような実施形態では、センサによって生成された信号のベースライン復元が、差動出力を介して下流受信機回路にベースライン復元信号を送信する前に発生することを可能にする。入力信号を受信するとすぐにベースライン復元が発生するそのような構成は、下流受信機回路又はその更に下流の回路で改善された信号処理を提供し得る。
【0096】
下流受信機回路の例示的な実施形態:
図3Aは、ある特定の実施形態による、差動入力を有する下流受信機回路を描示する。回路300は、ケーブルコアワイヤを介して差動入力in399及びin_398を受信するように構成されたアンチエイリアスフィルタモジュール310を含む。上で説明されるように、そのような差動入力398,399は、差動形態でベースライン復元信号を下流受信機回路に送信するために使用される。示される実施形態では、差動入力398,399と共に、共通シールド397が示されている。アンチエイリアスフィルタモジュール310は、オフセット信号V
of及びV
of-を入力として受信するように更に構成されている。
【0097】
アンチエイリアスフィルタモジュール310の出力は、逆極性電圧スパイクを含む任意の電圧又は電流スパイクを吸収するように構成されたキックバック保護モジュール320に動作可能に接続されている。キックバック保護モジュール320の出力は、下流受信機回路に入力されるアナログ差動信号(そのような差動が、最終的には、ベースライン復元回路に取り付けられたセンサから生じる)を、dataoutと称され得るデジタル信号に変換するように構成されたアナログデジタル変換モジュール330に動作可能に接続されている。
【0098】
また、
図3Aに示されるのは、センサ396のための高電圧制御電位信号からなる出力である。そのような高電圧信号は、センサ396のための高電圧制御電位信号に動作可能に接続された電圧源モジュール340によって生成される。センサ396のための高電圧制御電位信号は、シールドケーブルコアワイヤを介してセンサ(図示せず)に動作可能に接続されており、センサは、ベースライン復元回路に近接しているが、必ずしも下流受信機回路300に近接しているわけではない。電圧源モジュール340は、センサ396のための高電圧制御電位信号を送信するように構成されたデジタルアナログ変換器モジュール350に動作可能に接続されている。
【0099】
図3Bは、
図3Aの差動入力を有する下流受信機回路300を描示する。回路300は、抵抗器及びコンデンサのネットワーク312を介して増幅器U1 311の入力と出力との間にフィードバック経路を形成する差動入力及び差動出力を有する増幅器U1 311を有するアンチエイリアスフィルタモジュール310を含む。抵抗器及びコンデンサのネットワーク312の構成要素についての任意の好都合な抵抗値及び容量値が選択され得、かつ変化し得る。実施形態では、抵抗値及び容量値は、それらがアンチエイリアスフィルタモジュール310の有効性を改善すると同時に、アンチエイリアスフィルタモジュール310を介して送信される信号内に低い又は最小限のノイズを生成するように選択され得る。アンチエイリアスフィルタモジュール310は、2つの差動制御電圧V
of313a及びV
of-314aを受信するように構成されており、アンチエイリアスフィルタモジュールは、下流アナログデジタル変換器331の全範囲を利用するように入力信号398,399をシフトするように構成されている。
【0100】
図3Bは、キックバック保護モジュールが、逆極性電圧又は電流スパイクの影響を吸収又は別様に緩和するように構成された、接地に接続されたコンデンサを含む抵抗器及びコンデンサのネットワーク321をどのように含むかを描示する。抵抗器及びコンデンサのネットワーク321は、2つの差動入力398,399の各々に対して対称である。キックバック保護モジュール320の出力は、アナログデジタル変換器331の差動入力332,333に動作可能に接続されている。アナログデジタル変換器331は、入力332及び入力333上の信号の差によって伝達されるアナログ信号を、デジタル信号dataoutに変換するように構成されている。
【0101】
電圧源モジュール340は、制御入力342によって制御されるように高電圧出力DC電力344にステップアップされる入力DC電力343を受信するように構成されたDC-DC変換器341を備える。高電圧出力DC電力344は、高電圧送信線396に沿ってセンサに送信する前に、高電圧信号を更に修正するために、帯域消去フィルタ345に動作可能に接続されている。電圧源モジュールは、DC-DC変換器341の出力344と基準電圧との間の連続時間レギュレータとして作用するように、かつ増幅器346の周りに構築されたそのような連続時間レギュレータ回路の結果に基づいてDC-DC変換器への入力制御342を調整するように構成された、増幅器346の周りに構築された高電圧信号を制御するように構成された回路を備える。
【0102】
電圧源モジュール340は、デジタルアナログ変換器351に動作可能に接続されており、デジタルアナログ変換器351は、ケーブルコアワイヤを介してセンサに送信される高電圧信号396を生成するようにプログラムされている。加えて、デジタルアナログ変換器は、図中の上記の差動制御電圧Vof313a及びVof-314aに電気的に接続された、差動制御電圧Vof313b及びVof-314bを生成するように構成されている。
【0103】
上で説明されるように、
図3A~
図3Bは、下流受信機回路の例示的な実施形態を描示しており、上で説明されるベースライン復元回路などの光検出器フロントエンド読み出しのための受信(取得)側で、そのような回路が回路基板上に存在し得る。例えば、
図1A~
図1B及び
図2A~
図2Bに関連して上で説明されるように、光検出器読み出しフロントエンドで生成された差動信号は、各読み出しチャネルに対して一対である端末「in」399及び「in_」398で受信される。1つの読み出しチャネルのみが、
図3A~
図3Bに示されている。
図3A~
図3Bに示される下流受信機回路の実施形態は、増幅器U1 311の周りに構築された3次アンチエイリアスフィルタ310から開始する。フィルタ310の出力は、
図3A~
図3Bの増幅器U1 311の出力とADC入力332,333との間に示されるキックバック保護回路320を通して、アナログデジタル変換器(ADC)331の入力332、333を駆動する。ADC331に入力されるクロック信号「clk」334のレートは、オーバーサンプリング比を変化させることを可能にする一方、信号帯域幅がアンチエイリアスフィルタ310によって決定される。光検出器ゲイン制御及びバイアス電圧396は、
図3A~
図3Bで同じボード上に示される回路300で生成される。「H.V.」396として示されているが、これらの電圧は、各読み出しチャネルに対して1つずつ、ケーブルシステムに導入される。
図3A~
図3Bに示される抵抗器及びコンデンサ構成要素について、任意の好都合な抵抗値及び容量値が選択され得る。実施形態では、抵抗値及び容量値は、回路300の高電圧(H.V.)レギュレータ機能の安定性を支援するように選択され得る。
【0104】
例えば、フローサイトメトリの文脈において、光検出器として頻繁に使用される線形モードAPDは、それらの動作のためにおよそ200V以下のバイアスを必要とする。およそ200Vの電圧は、「DC-DC」変換器341を使用して、低電圧電力「V
power」343から生成される。ゲイン安定性を維持するために、生成された高電圧は、増幅器346の周りに構築された連続時間レギュレータ回路を使用して、抵抗分割器R
1、R
3347及び演算増幅器U2 346を使用した安定オンボード電圧基準「V
ref」348と比較される。増幅器U2 346の出力は、DC-DC変換器341の制御端末「control」342に適用される。帯域消去フィルタ345がDC-DC変換器341のフィードバック制御ループに含まれるときの安定性を支援する回路の変換周波数範囲及び適切なR
1C
1及びR
2C
2時定数についての帯域消去フィルタ345を使用して、DC-DC変換の任意の残留リップルが抑制される。
図3A~
図3Bに示される回路実施形態は、DC-DC変換周波数でのリップルのわずかなmV、及びおよそ200Vの「DC-DC」出力電圧のわずかなppm/C温度安定性を可能にする。
【0105】
帯域消去フィルタ345の出力は、複数のプログラム可能な出力を有する高電圧デジタルアナログ変換器「DAC」351の入力に動作可能に接続され、「DAC」出力インピーダンスは、例えば、50オームなど、例えば100オーム以下のように低い。「DAC」351出力の一方の部分は、複数のチャネルにおけるAPDゲイン制御396に使用される(1つのチャネルのみが
図3A~
図3Bに示されている)。この出力は、「H.V.」として示されているケーブル端子に動作可能に接続され、すなわち配線されている。「DAC」351出力電圧の他方の部分は、
図3A~
図3Bに示されるように、各読み出しチャネルの313a、314aでアンチエイリアスフィルタ310に適用される差動オフセット制御電圧V
of313b、V
of_314bに変換される(1つのチャネル読み出しのみが
図3A~
図3Bに示されている)。上記の機能を実装するためのR
4、R
5抵抗器及びフィルタリングコンデンサC
3352による余分な電圧分割は、
図3A~
図3B回路300に示されており、分割された信号は、増幅器U3 353で差動形態に変換される。検出された光電流の極性は決して変化しないので、単極光電流を扱うときに、差動形態の「ADC」331入力に印加される電圧は、フルスケール、すなわちADCの全範囲を使用したADC変換を可能にするはずである。これは、プログラマブルV
of、V
of_オフセット電圧313、314を使用して、ADC入力332、333における信号を、最低又は最高入力電圧にシフトさせることによって達成される。最低電圧か、最高電圧かの選択は、信号が「ADC」331に提示される前に何回の反転を受けるかに依存する。
図3A~
図3Bに示される実施形態では、最高電圧に向かう電圧シフトは、APD読み出しで使用され、回路300が必要とする構成要素の数を節約する。
【0106】
差動出力を介するベースライン復元を伴うフローサイトメトリシステム:
上記で説明したように、本開示の態様は、差動出力を有するベースライン復元信号を生成、送信、及び受信するためのフローサイトメトリシステムを含む。本発明によるフローサイトメトリシステムは、フローストリーム内を流れる粒子を含む試料を照射するように構成された光源と、試料中の粒子からの光を検出し、検出された光に基づいて、データ信号を生成するための光センサを含む光検出システムと、上で説明されるセンサ読み出しシステムなどのセンサ読み出しシステムと、を含む。
【0107】
いくつかの実施形態では、ベースライン復元回路は、下流受信機回路から遠隔に位置する。他の実施形態では、下流受信機回路は、光センサのための高電圧制御電位信号を生成する。そのような実施形態では、高電圧制御電位信号が、光センサのゲイン設定を含み得る。いくつかの場合には、高電圧制御電位信号が、ケーブルコアワイヤを介して光検出システムに送信され、ケーブルコアワイヤが、下流受信機回路及び光検出システムに動作可能に接続されている。ある特定の場合において、システムは、光検出システムから遠隔で光センサによって検出されたデータ信号を処理することを更に含む。「遠隔で」とは、例えば、10cm又は100cm以上など、1cm以上の距離など、近接していないことを意味する。いくつかの場合には、遠隔で処理するとは、センサ及びシステムのベースライン復元回路が、例えば10cm又は100cm以上など、1cm以上の距離にあるなど、下流受信機回路から遠隔であることを意味する。実施形態では、光センサによって検出されたデータ信号を処理することが、データ信号をデジタル信号に変換することを含む。
【0108】
実施形態では、システムは、フローストリームを通って伝搬する粒子を照射するための光源を含む。いくつかの実施形態では、光源は、例えば10μm以上、例えば、15μm以上、例えば、20μm以上、例えば、25μm以上、例えば、50μm以上、例えば、75μm以上、例えば、100μm以上、例えば、250μm以上、例えば、500μm以上、例えば、750μm以上のフローストリームの検査領域にわたって、例えば、2mm以上、例えば、3mm以上、例えば、4mm以上、例えば、5mm以上、例えば、6mm以上、例えば、7mm以上、例えば、8mm以上、例えば、9mm以上、及び10mm以上を含む、例えば、1mm以上の検査領域にわたってなど、例えば、5μm以上のフローストリームの検査領域にわたるフローストリームを通って伝搬する粒子を連続的に照射する。
【0109】
いくつかの実施形態では、光源は、伝搬されたフローストリームの平面断面を照射するように構成されるか、又は所定の長さの拡散場(例えば、拡散レーザ又はランプによる)の照射を容易にするように構成され得る。いくつかの実施形態では、主題のシステムにおける光源によって検査されるフローストリームの領域は、例えば0.0001mm以上、例えば、0.0005mm以上、例えば、0.001mm以上、例えば、0.005mm以上、例えば、0.01mm以上、例えば、0.05mm以上、例えば、0.1mm以上、例えば、0.5mm以上、例えば、1mm以上、及び5mm以上を含む、放射フローストリームの所定の長さの照射を容易にする透明な窓を含む。(以下で説明されるように)フローストリームを照射するために使用される光源に応じて、光源によるフローストリームの照射を容易にする透明な窓は、例えば、150nm~1400nm、例えば、200nm~1300nm、例えば、250nm~1200nm、例えば、300nm~1100nm、例えば、350nm~1000nm、例えば、400nm~900nm、及び500nm~800nmを含む、100nm~1500nmの範囲の光を通過させるように構成され得る。
【0110】
実施形態では、システムは、フローストリームを通って伝搬する粒子を照射するための光源を含む。いくつかの実施形態では、この光源は、連続波光源であり、例えば、光源が中断されていない光束を提供し、かつ光強度の望ましくない変化がほとんど又はまったくない状態で、フローストリーム中の粒子の照射を維持する。いくつかの実施形態では、この連続光源は、非パルス又は非ストロボ照射を放出する。ある特定の実施形態では、連続光源は、実質的に一定の放出光強度を提供する。例えば、この連続光源は、照射の時間間隔中に、10%以下、例えば9%以下、例えば8%以下、例えば7%以下、例えば6%以下、例えば5%以下、例えば4%以下、例えば3%以下、例えば2%以下、例えば1%以下、例えば0.5%以下、例えば0.1%以下、例えば0.01%以下、例えば0.001%以下、例えば0.0001%以下、例えば、0.00001%以下だけ変化する、及び照射の時間間隔中の放出光強度が0.000001%以下で変化する場合を含む、放出光強度を提供し得る。光出力の強度は、他の光検出器タイプの中でも、走査スリットプロファイラ、電荷結合デバイス(増感型電荷結合デバイスICCDなどのCCD)、測位センサ、電力センサ(例えば、熱電対列電力センサ)、光学電力センサ、エネルギーメータ、デジタルレーザ光度計、レーザダイオード検出器を含むがこれらに限定されない、任意の好都合なプロトコルによって測定することができる。
【0111】
いくつかの実施形態では、光源は、1つ以上のパルス光源を含み、例えば、光が所定の時間間隔で放出され、各時間間隔が所定の照射持続時間(すなわち、パルス幅)を有する。ある特定の実施形態では、パルス光源は、周期的な光の点滅でフローストリームを通って伝搬する粒子を連続的に照射するように構成されている。例えば、各光パルスの周波数は、例えば0.0005kHz以上、例えば、0.001kHz以上、例えば、0.005kHz以上、例えば、0.01kHz以上、例えば、0.05kHz以上、例えば、0.1kHz以上、例えば、0.5kHz以上、例えば、1kHz以上、例えば、2.5kHz以上、例えば、5kHz以上、例えば、10kHz以上、例えば、25kHz以上、例えば、50kHz以上、及び100kHz以上を含む、0.0001kHz以上であり得る。ある特定の事例では、光源によるパルス照射の周波数は、例えば0.00005kHz~900kHz、例えば0.0001kHz~800kHz、例えば0.0005kHz~700kHz、例えば0.001kHz~600kHz、例えば0.005kHz~500kHz、例えば0.01kHz~400kHz、例えば0.05kHz~300kHz、例えば0.1kHz~200kHz、及び1kHz~100kHzを含む、0.00001kHz~1000kHzの範囲である。各光パルス(すなわち、パルス幅)の光照射の持続時間は、変化し得、例えば、0.000005ミリ秒以上、例えば、0.00001ミリ秒以上、例えば、0.00005ミリ秒以上、例えば、0.0001ミリ秒以上、例えば、0.0005ミリ秒以上、例えば、0.001ミリ秒以上、例えば、0.005ミリ秒以上、例えば、0.01ミリ秒以上、例えば、0.05ミリ秒以上、例えば、0.1ミリ秒以上、例えば、0.5ミリ秒以上、例えば、1ミリ秒以上、例えば、2ミリ秒以上、例えば、3ミリ秒以上、例えば、4ミリ秒以上、例えば、5ミリ秒以上、例えば、10ミリ秒以上、例えば、25ミリ秒以上、例えば、50ミリ秒以上、例えば、100ミリ秒以上、及び500ミリ秒以上を含む、0.000001ミリ秒以上であり得る。例えば、光照射の持続時間は、例えば0.000005ミリ秒~950ミリ秒、例えば0.00001ミリ秒~900ミリ秒、例えば0.00005ミリ秒~850ミリ秒、例えば0.0001ミリ秒~800ミリ秒、例えば0.0005ミリ秒~750ミリ秒、例えば0.001ミリ秒~700ミリ秒、例えば0.005ミリ秒~650ミリ秒、例えば0.01ミリ秒~600ミリ秒、例えば0.05ミリ秒~550ミリ秒、例えば、0.1ms~500ms、例えば0.5ミリ秒~450ミリ秒、例えば1ミリ秒~400ミリ秒、例えば5ミリ秒~350ミリ秒、及び10ミリ秒~300ミリ秒を含む、0.000001ミリ秒~1000ミリ秒の範囲であり得る。
【0112】
システムは、任意の好都合な光源を含み得、レーザ光源及び非レーザ光源を含み得る。ある特定の実施形態では、光源は、特定の波長又は狭い範囲の波長を放出する狭帯域光源などの非レーザ光源である。いくつかの例では、狭帯域光源は、例えば、50nm以下、例えば、40nm以下、例えば、30nm以下、例えば、25nm以下、例えば、20nm以下、例えば、15nm以下、例えば、10nm以下、例えば、5nm以下、例えば、2nm以下などの狭い範囲の波長を有する光を放出し、特定の波長の光(すなわち、単色光)を放出する光源を含む。狭波長LEDなど、任意の好都合な狭帯域光源プロトコルが採用され得る。
【0113】
他の実施形態では、光源は、1つ以上の光学バンドパスフィルタ、回折格子、モノクロメータ、又はこれらの任意の組み合わせに結合された広帯域光源など、広帯域光源である。いくつかの例では、広帯域光源は、例えば、100nm以上、例えば、150nm以上、例えば、200nm以上、例えば、250nm以上、例えば、300nm以上、例えば、350nm以上、例えば、400nm以上、及び500nm以上に及ぶなど、例えば、50nm以上に及ぶ広い範囲の波長を有する光を放出する。例えば、ある好適な広帯域光源は、200nm~1500nmの波長を有する光を放出する。好適な広帯域光源の別の実施例は、400nm~1000nmの波長を有する光を放出する光源を含む。他の広帯域光源の中でも、ハロゲンランプ、重水素アークランプ、キセノンアークランプ、安定化ファイバ結合広帯域光源、連続スペクトルを有する広帯域LED、超高輝度発光ダイオード、半導体発光ダイオード、広域スペクトルLED白色光源、マルチLED統合白色光源、又はそれらの任意の組み合わせなど、任意の好都合な広帯域光源プロトコルが採用され得る。ある特定の実施形態では、光源は、LEDのアレイを含む。ある特定の事例では、光源は、複数の単色発光ダイオードを含んでおり、各単色発光ダイオードが、異なる波長を有する光を出力する。いくつかの例では、光源は、所定のスペクトル幅を有する光を出力する複数の多色発光ダイオードを含んでおり、例えば、複数の多色発光ダイオードが、例えば、225nm~1475nm、例えば、250nm~1450nm、例えば、275nm~1425nm、例えば、300nm~1400nm、例えば、325nm~1375nm、例えば、350nm~1350nm、例えば、375nm~1325nm、例えば、400nm~1300nm、例えば、425nm~1275nm、例えば、450nm~1250nm、例えば、475nm~1225nm、及び500nm~1200nmを含む、200nm~1500nmの範囲のスペクトル幅を有する光を集合的に出力する。
【0114】
ある特定の実施形態では、光源は、パルスレーザ又は連続波レーザなどのレーザを含む。例えば、レーザは、紫外線ダイオードレーザ、可視ダイオードレーザ、及び近赤外線ダイオードレーザなどのダイオードレーザであり得る。他の実施形態では、レーザは、ヘリウムネオン(HeNe)レーザであり得る。いくつかの例では、レーザは、ヘリウムネオンレーザ、アルゴンレーザ、クリプトンレーザ、キセノンレーザ、窒素レーザ、CO2レーザ、COレーザ、アルゴン-フッ素(ArF)エキシマレーザ、クリプトン-フッ素(KrF)エキシマレーザ、キセノン塩素(XeCl)エキシマレーザ、又はキセノン-フッ素(XeF)エキシマレーザ、若しくはそれらの組み合わせなどのガスレーザである。他の例では、主題のシステムは、スチルベンレーザ、クマリンレーザ、又はローダミンレーザなどの色素レーザを含む。更に他の例では、関心対象のレーザは、ヘリウム-カドミウム(HeCd)レーザ、ヘリウム-水銀(HeHg)レーザ、ヘリウム-セレン(HeSe)レーザ、ヘリウム-銀(HeAg)レーザ、ストロンチウムレーザ、ネオン-銅(NeCu)レーザ、銅レーザ、又は金レーザ、及びそれらの組み合わせなどの金属蒸気レーザを含む。更に他の例では、主題のシステムは、ルビーレーザ、Nd:YAGレーザ、NdCrYAGレーザ、Er:YAGレーザ、Nd:YLFレーザ、Nd:YVO4レーザ、Nd:YCa4O(BO3)3レーザ、Nd:YCOBレーザ、チタンサファイアレーザ、スリムYAGレーザ、イッテルビウムYAGレーザ、イッテルビウム2O3レーザ、又はセリウムドープレーザ、及びそれらの組み合わせなどの固体レーザを含む。
【0115】
いくつかの実施形態では、光源は、狭帯域幅光源である。いくつかの例では、光源は、400nm~800nmを含め、250nm~1250nmなど、300nm~1000nmなど、350nm~900nmなどの200nm~1500nmの特定の波長を出力する光源である。ある特定の実施形態では、連続波光源は、365nm、385nm、405nm、460nm、490nm、525nm、550nm、580nm、635nm、660nm、740nm、770nm、又は850nmの波長を有する光を放出する。
【0116】
いくつかの実施形態では、光源は、重複する波長を有する光を放出し、例えば、光源の1つ以上の構成要素の出力スペクトルが、例えば、2nm以上、例えば、3nm以上、例えば、4nm以上、例えば、5nm以上、例えば、6nm以上、例えば、7nm以上、例えば、8nm以上、例えば、9nm以上、例えば、10nm以上、及び20nm以上を含む、1nm以上だけ重複する。いくつかの実施形態では、光源によって放出された光の波長は、重複を示さない。例えば、光源の出力スペクトルは、例えば、2nm以上、例えば、3nm以上、例えば、4nm以上、例えば、5nm以上、例えば、6nm以上、例えば、7nm以上、例えば、8nm以上、及び9nm以上、例えば、10nm以上、及び20nm以上を含む、1nm以上だけ分離され得る。
【0117】
光源は、100mm以上の距離を含め、例えば、0.001mm以上、例えば、0.005mm以上、例えば、0.01mm以上、例えば、0.05mm以上、例えば、0.1mm以上など、例えば、0.5mm以上など、例えば、1mm以上、例えば、5mm以上、例えば、10mm以上、例えば、25mm以上などの任意の好適な距離だけ、フローストリームから位置決めされ得る。加えて、光源は、例えば、10°~90°、例えば、フローストリームに対して、15°~85°、例えば20°~80°、例えば25°~75°、及び30°~60°を含む、例えば90°の角度などの任意の好適な角度で位置決めされ得る。
【0118】
ある特定の実施形態による光源はまた、1つ以上の光学調整構成要素を含み得る。「光学調整」という用語は、本明細書では従来の意味で使用され、照射の空間幅、又は、例えば、照射方向、波長、ビーム幅、ビーム強度、及び焦点などの、光源からの照射のいくつかの他の特性を変更することができる任意のデバイスを指す。光学調整プロトコルは、以下に限定されないが、レンズ、ミラー、フィルタ、光ファイバ、波長セパレータ、ピンホール、スリット、コリメーティングプロトコル、及びそれらの組み合わせを含む、光源の1つ以上の特性を調整する任意の好都合なデバイスであり得る。ある特定の実施形態では、関心対象のシステムは、1つ以上の集束レンズを含む。一例では、集束レンズは、非拡大レンズであり得る。別の例では、集束レンズは、拡大レンズである。他の実施形態では、関心対象のシステムは、1つ以上のミラーを含む。更に他の実施形態では、関心対象のシステムは、光ファイバを含む。
【0119】
上で説明されるように、システムは、フローストリームを通って伝搬する粒子を照射するように構成され、照射された粒子からの光は、粒子がフローストリームを通って伝搬されるにつれて、光調整構成要素を通して検出器に連続的に伝達される。いくつかの例では、照射された粒子からの光は、粒子から蛍光などの光を放出する。いくつかの例では、照射された粒子からの光は、散乱光である。いくつかの場合には、散乱光は、前方散乱光である。いくつかの場合には、散乱光は、後方散乱光である。いくつかの場合には、散乱光は、側方散乱光である。いくつかの例では、照射された粒子からの光は、透過光である。
【0120】
本主題のシステムの光検出器は、限定されるものではないが、他の光検出器の中でも、アクティブピクセルセンサ(APS)、象限フォトダイオード、画像センサ、電荷結合デバイス(CCD)、強化電荷結合デバイス(ICCD)、発光ダイオード、フォトンカウンタ、ボロメータ、焦電検出器、光抵抗器、太陽電池、フォトダイオード、光電子増倍管、フォトトランジスタ、量子ドット光伝導体又はフォトダイオード、並びにこれらの組み合わせなどの光センサ又は光検出器を含む、任意の好都合な光検出プロトコルであり得る。ある特定の実施形態では、光検出器は、例えば、0.05cm2~9cm2、例えば、0.1cm2~8cm2、例えば、0.5cm2~7cm2、及び1cm2~5cm2を含む、0.01cm2~10cm2の範囲に及ぶ各領域の能動検出表面積を有する電子増倍管である。
【0121】
本開示の実施形態では、光検出器は、400個以上の異なる波長にあるフローストリーム中の粒子からの光を測定することを含め、2つ以上の波長など、5つ以上の異なる波長など、10個以上の異なる波長など、25個以上の異なる波長など、50個以上の異なる波長など、100個以上の異なる波長など、200個以上の異なる波長など、300個以上の異なる波長などの、1つ以上の波長にある光を検出するように構成され得る。
【0122】
実施形態の光検出器は、連続的に、又は離散間隔において光を測定するように構成され得る。いくつかの事例では、関心対象の検出器は、光の測定を連続的に行うように構成される。他の事例では、関心対象の検出器は、1000ミリ秒毎を含む、0.001ミリ秒毎、0.01ミリ秒毎、0.1ミリ秒毎、1ミリ秒毎、10ミリ秒毎、100ミリ秒毎、又は何らかの他の間隔毎に光を測定するなど、離散間隔において測定するように構成される。
【0123】
光検出器は、各々の離散した時間間隔中に、例えば、2回以上、例えば、3回以上、例えば、5回以上、及び10回以上を含めて、1回以上光の計測を行うように構成され得る。ある特定の実施形態では、光検出器によって、光は2回以上計測され、ある特定の事例では、データは平均化される。
【0124】
ある特定の実施形態では、システムは、フローストリーム中の粒子を伝搬するように構成されているフローセルを更に含む。流体試料を試料検査領域に伝搬させる任意の好都合なフローセルが採用され得、いくつかの実施形態では、フローセルは、長手方向軸を画定する近位円筒形部分、及び長手方向軸に対して横方向であるオリフィスを有する平坦な表面で終端する遠位円錐形部分を含む。近位円筒形部分の長さ(長手方向軸に沿って測定される)は、例えば、1.5mm~12.5mm、例えば、2mm~10mm、例えば、3mm~9mm、及び4mm~8mmを含む、1mm~15mmの範囲で変わり得る。遠位円錐台形部分の長さ(長手方向軸に沿って測定される)も同様に、例えば、2mm~9mm、例えば、3mm~8mm、及び4mm~7mmを含む、1mm~10mmの範囲で変わり得る。フローセルノズルチャンバの直径は、いくつかの実施形態では、例えば、2mm~9mm、例えば、3mm~8mm、及び4mm~7mmを含む、1mm~10mmの範囲で変わり得る。
【0125】
ある特定の事例では、フローセルは、円筒形部分を含まず、フローセル内部チャンバ全体が円錐台形に形成される。これらの実施形態では、円錐台形内部チャンバの長さ(ノズルオリフィスに対して横方向の長手方向軸に沿って測定される)は、例えば、1.5mm~12.5mm、例えば、2mm~10mm、例えば、3mm~9mm、及び4mm~8mmを含む、1mm~15mmの範囲であり得る。円錐台形ノズルチャンバの近位部分の直径は、例えば、2mm~9mm、例えば、3mm~8mm、及び4mm~7mmを含む、1mm~10mmの範囲であり得る。
【0126】
実施形態では、試料フローストリームは、フローセルの遠位縁部でオリフィスから発せられる。フローストリームの所望の特性に応じて、フローセルオリフィスは、任意の好適な形状であっ得、関心対象の断面形状としては、以下に限定されないが、例えば、正方形、長方形、台形、三角形、六角形などの直線断面形状、例えば、円形、楕円形である曲線断面形状、並びに、例えば、平面状の上部分に結合されている放物線状の底部分などの不規則形状が挙げられる。ある特定の実施形態では、関心対象のフローセルは、円形オリフィスを有する。ノズルオリフィスのサイズは、いくつかの実施形態では、例えば、2μm~17500μm、例えば、5μm~15000μm、例えば、10μm~12500μm、例えば、15μm~10000μm、例えば、25μm~7500μm、例えば、50μm~5000μm、例えば、75μm~1000μm、例えば、100μm~750μm、及び150μm~500μmを含む、1μm~20000μmの範囲で相違し得る。ある特定の実施形態では、ノズルオリフィスは、100μmである。
【0127】
いくつかの実施形態では、フローセルは、試料をフローセルに提供するように構成されている試料注入ポートを含む。実施形態では、試料注入システムは、フローセル内部チャンバに試料の好適なフローを提供するように構成される。フローストリームの所望の特性に応じて、試料注入ポートによってフローセルチャンバに伝達される試料の速度は、100μL/分以上を含む、2μL/分以上など、3μL/分以上など、5μL/分以上など、10μL/分以上など、15μL/分以上など、25μL/分以上など、50μL/分以上などの、1μL/分以上であり得、いくつかの事例では、試料注入ポートによってフローセルチャンバに伝達される試料の速度は、100μL/秒以上を含む、2μL/秒以上など、3μL/秒以上など、5μL/秒以上など、10μL/秒以上など、15μL/秒以上など、25μL/秒以上など、50μL/秒以上などの、1μL/秒以上である。
【0128】
試料注入ポートは、内部チャンバの壁に位置付けられたオリフィスであり得るか、又は、内部チャンバの近位端に位置付けられた導管であり得る。試料注入ポートが内部チャンバの壁に位置付けられたオリフィスである場合、試料注入ポートオリフィスは、任意の好適な形状であり得、関心対象の断面形状としては、以下に限定されないが、例えば、正方形、長方形、台形、三角形、六角形などの直線断面形状、例えば、円形、楕円形である曲線断面形状、並びに、例えば、平面状の上部分に結合されている放物線状の底部分などの不規則形状が挙げられる。ある特定の実施形態では、試料注入ポートは、円形オリフィスを有する。試料注入ポートオリフィスのサイズは、形状に応じて変わり得、ある特定の事例では、例えば、0.2~3.0mm、例えば、0.5mm~2.5mm、例えば、0.75mm~2.25mm、例えば、1mm~2mm、及び1.25mm~1.75mm、例えば、1.5mmを含む、0.1mm~5.0mmの範囲の開口部を有する。
【0129】
ある特定の事例では、試料注入ポートは、フローセル内部チャンバの近位端に位置付けられた導管である。例えば、試料注入ポートは、フローセルオリフィスに沿った試料注入ポートのオリフィスを有するように配置された導管であり得る。試料注入ポートが、フローセルオリフィスに沿って配置された導管である場合、試料注入チューブの断面形状は、任意の好適な形状であり得、関心対象の断面形状としては、以下に限定されないが、例えば、正方形、長方形、台形、三角形、六角形などの直線断面形状、例えば、円形、楕円形である曲線断面形状、並びに、例えば、平面状の上部分に結合されている放物線状の底部分などの不規則形状が挙げられる。導管のオリフィスは、形状に応じて変わり得、ある特定の事例では、例えば、0.2~3.0mm、例えば、0.5mm~2.5mm、例えば、0.75mm~2.25mm、例えば、1mm~2mm、及び1.25mm~1.75mm、例えば、1.5mmを含む、0.1mm~5.0mmの範囲の開口部を有する。試料注入ポートの先端部の形状は、試料注入管の断面形状と同じ又は異なり得る。例えば、試料注入ポートのオリフィスは、例えば、2°~9°、例えば、3°~8°、例えば、4°~7°、及び5°のベベル角を含む、1°~10°の範囲のベベル角を有する傾斜した先端部を含み得る。
【0130】
いくつかの実施形態では、フローセルはまた、フローセルにシース流体を提供するように構成されているシース流体注入ポートも含む。実施形態では、シース流体注入システムは、例えば、試料と併せて、フローセル内部チャンバにシース流体のフローを提供して、試料フローストリームを取り囲むシース流体の積層フローストリームを生成するように構成される。フローストリームの所望の特性に応じて、フローセルチャンバに伝達されるシース流体の速度は、2500μL/秒以上を含む、50μL/秒以上など、75μL/秒以上など、100μL/秒以上など、250μL/秒以上など、500μL/秒以上など、750μL/秒以上など、1000μL/秒以上などの、25μL/秒以上であり得る。
【0131】
いくつかの実施形態では、シース流体注入ポートは、内部チャンバの壁に位置付けられたオリフィスである。シース流体注入ポートオリフィスは、任意の好適な形状であり得、関心対象の断面形状としては、以下に限定されないが、例えば、正方形、長方形、台形、三角形、六角形などの直線断面形状、例えば、円形、楕円形である曲線断面形状、並びに、例えば、平面状の上部分に結合されている放物線状の底部分などの不規則形状が挙げられる。試料注入ポートオリフィスのサイズは、形状によって異なり得、ある特定の事例では、1.25mm~1.75mmを含め、例えば、0.2~3.0mm、例えば、0.5mm~2.5mm、0.75mm~2.25mmなど、1mm~2mmなどの0.1mm~5.0mmの範囲の、例えば、1.5mmの開口部を有する。
【0132】
いくつかの実施形態では、システムは、フローセルを通ってフローストリームを伝搬させるためにフローセルと流体連通するポンプを更に含む。フローセルを通るフローストリームのフローを制御するために、任意の好都合な流体ポンププロトコルが、採用され得る。ある特定の事例では、システムは、パルスダンパを有する蠕動ポンプなどの、蠕動ポンプを含む。本主題のシステム内のポンプは、フローストリーム中の試料から光を検出するのに好適な速度でフローセルを通って流体を伝達するように構成される。いくつかの例では、フローセル内の試料フローの速度は、1000μL/分(毎分マイクロリットル)以上を含む、2μL/分以上など、3μL/分以上など、5μL/分以上など、10μL/分以上など、25μL/分以上など、50μL/分以上など、75μL/分以上など、100μL/分以上など、250μL/分以上など、500μL/分以上など、750μL/分以上などの、1μL/分以上である。例えば、システムは、10μL/分~50μL/分を含め、1μL/分~250μL/分など、1μL/分~100μL/分など、2μL/分~90μL/分など、3μL/分~80μL/分など、4μL/分~70μL/分など、5μL/分~60μL/分などの1μL/分~500μL/分の範囲の速度でフローセルを通って試料を流すように構成されるポンプを含み得る。ある特定の実施形態では、フローストリームの流速は、5μL/分~6μL/分である。
【0133】
ある特定の実施形態では、主題のシステムは、フローサイトメトリックシステムである。好適なフローサイトメトリシステムは、これらに限定されないが、Ormerod(ed.)、フローサイトメトリ:A Practical Approach,Oxford Univ.Press(1997)、Jaroszeski et al.(eds.),Flow Cytometry Protocols,Methods in Molecular Biology No.91,Humana Press(1997)、Practical Flow Cytometry,3rd ed.,Wiley-Liss(1995)、Virgo,et al.(2012)Ann Clin Biochem.Jan;49(pt 1):17-28、Linden,et.al.,Semin Throm Hemost.2004 Oct;30(5):502-11、Alison,et al.J Pathol,2010 Dec;222(4):335-344、及びHerbig,et al.(2007)Crit Rev Ther Drug Carrier Syst.24(3):203-255に記載されているものが挙げられ得、これらの開示は、参照により本明細書に組み込まれる。ある特定の事例では、関心対象のフローサイトメトリシステムは、BD Biosciences FACSCanto(商標)フローサイトメータ、BD Biosciences FACSCanto(商標)IIフローサイトメータ、BD Accuri(商標)フローサイトメータ、BD Accuri(商標)C6 Plusフローサイトメータ、BD Biosciences FACSCelesta(商標)フローサイトメータ、BD Biosciences FACSLyric(商標)フローサイトメータ、BD Biosciences FACSVerse(商標)フローサイトメータ、BD Biosciences FACSymphony(商標)フローサイトメータ、BD Biosciences LSRFortessa(商標)フローサイトメータ、BD Biosciences LSRFortessa(商標)X-20フローサイトメータ、BD Biosciences FACSPresto(商標)フローサイトメータ、BD Biosciences FACSVia(商標)フローサイトメータ並びにBD Biosciences FACSCalibur(商標)セルソータ、BD Biosciences FACSCount(商標)セルソータ、BD Biosciences FACSLyric(商標)セルソータ及びBD Biosciences Via(商標)セルソータ、BD Biosciences Influx(商標)セルソータ、BD Biosciences Jazz(商標)セルソータ、BD Biosciences Aria(商標)セルソータ、BD Biosciences FACSAria(商標)IIセルソータ、BD Biosciences FACSAria(商標)IIIセルソータ、BD Biosciences FACSAria(商標)Fusionセルソータ、及びBD Biosciences FACSMelody(商標)セルソータ、BD Biosciences FACSymphony(商標)S6セルソータなどを含む。
【0134】
いくつかの実施形態では、主題のシステムは、米国特許第10,663,476号、同第10,620,111号、同第10,613,017号、同第10,605,713号、同第10,585,031号、同第10,578,542号、同第10,578,469号、同第10,481,074号、同第10,302,545号、同第10,145,793号、同第10,113,967号、同第10,006,852号、同第9,952,076号、同第9,933,341号、同第9,726,527号、同第9,453,789号、同第9,200,334号、同第9,097,640号、同第9,095,494号、同第9,092,034号、同第8,975,595号、同第8,753,573号、同第8,233,146号、同第8,140,300号、同第7,544,326号、同第7,201,875号、同第7,129,505号、同第6,821,740号、同第6,813,017号、同第6,809,804号、同第6,372,506号、同第5,700,692号、同第5,643,796号、同第5,627,040号、同第5,620,842号、同第5,602,039号、同第4,987,086号、同第4,498,766号に記載されているものなどのフローサイトメトリックシステムであり、これらの開示は、参照によりそれらの全体が本明細書に組み込まれる。
【0135】
ある特定の事例では、本発明のフローサイトメトリシステムは、Diebold,et al.Nature Photonics Vol.7(10);806-810(2013)に記載されているもの、並びに米国特許第9,423,353号、同第9,784,661号、同第9,983,132号、同第10,006,852号、同第10,078,045号、同第10,036,699号、同第10,222,316号、同第10,288,546号、同第10,324,019号、同第10,408,758号、同第10,451,538号、同第10,620,111号、並びに米国特許公開第2017/0133857号、同第2017/0328826号、同第2017/0350803号、同第2018/0275042号、同第2019/0376895号、及び同第2019/0376894号に記載されているものなど、高周波タグ付き放出(FIRE)を使用した蛍光撮像によってフローストリーム中の粒子を撮像するように構成されている。これらの開示は、参照により本明細書に組み込まれる。
【0136】
いくつかの実施形態では、方法は、米国特許第10,006,852号、同第9,952,076号、同第9,933,341号、同第9,784,661号、同第9,726,527号、同第9,453,789号、同第9,200,334号、同第9,097,640号、同第9,095,494号、同第9,092,034号、同第8,975,595号、同第8,753,573号、同第8,233,146号、同第8,140,300号、同第7,544,326号、同第7,201,875号、同第7,129,505号、同第6,821,740号、同第6,813,017号、同第6,809,804号、同第6,372,506号、同第5,700,692号、同第5,643,796号、同第5,627,040号、同第5,620,842号、同第5,602,039号に記載され、これらの開示が、参照によりそれらの全体が本明細書に組み込まれるものなど、試料の構成要素を選別することを含む。いくつかの実施形態では、試料の成分を選別するための方法は、その開示が、参照により本明細書に組み込まれる米国特許公開第2017/0299493号に記載されるものなどの、密閉型粒子選別モジュールを用いて粒子(例えば、生体試料内の細胞)を選別することを含む。ある特定の実施形態では、試料の粒子(例えば、細胞)は、米国特許公開第2020/0256781号に記載されているものなどの、複数の選別判定ユニットを有する選別判定モジュールを使用して選別され、その開示は、参照により本明細書に組み込まれる。いくつかの実施形態では、試料の成分を選別するための方法は、2017年3月28日に出願され、その開示が、参照により本明細書に組み込まれる米国特許公開第2017/0299493号に記載されるものなどの、デフレクタプレートを有する粒子選別モジュールを用いて粒子(例えば、生体試料内の細胞)を選別することを含む。
【0137】
いくつかの実施形態では、システムは、粒子分析システム401(
図4A)を使用して、粒子を収集容器中に物理的に選別することの有無にかかわらず、粒子を分析及び特性評価することができる、粒子分析器である。
図4Aは、計算ベースの試料分析及び粒子特性評価のための粒子分析システムの機能ブロック図を示す。いくつかの実施形態では、粒子分析システム401は、フローシステムである。
図4Aに示される粒子分析システム401は、検出システム404によって取得された信号のベースライン復元など、全体的又は部分的に、本明細書に記載の方法を実行するように構成され得る。粒子分析システム401は、流体工学システム402を含む。流体工学システム402は、試料管405と、試料の粒子403(例えば、細胞)が共通試料経路409に沿ってその中を移動する試料管内の移動流体カラムと、を含むか又はそれらと連結されることができる。
【0138】
粒子分析システム401は、各粒子が共通試料経路に沿って1つ以上の検出ステーションを通過するときに、各粒子から信号を収集するように構成されている検出システム404を含む。検出ステーション408は、概して、共通試料経路の監視エリア407を指す。いくつかの実施態様では、検出は、粒子403が監視エリア407を通過するときに、それらの粒子の光、又は1つ以上の他の特性を検出することを含み得る。
図4Aでは、1つの監視エリア407を有する1つの検出ステーション408が示されている。粒子分析システム401のいくつかの実施態様は、複数の検出ステーションを含むことができる。更に、いくつかの検出ステーションは、2つ以上の領域を監視することができる。検出ステーションは、本明細書に記載のベースライン復元回路の一実施形態を含むことができる。
【0139】
各信号には、各粒子に対してデータポイントを形成するための信号値が割り当てられる。上で説明されるように、このデータは、事象データと称され得る。データポイントは、粒子に対して測定されたそれぞれの特性の値を含む多次元データポイントであり得る。検出システム404は、一連のそのようなデータポイントを第1の時間間隔で収集するように構成されている。
【0140】
粒子分析システム401はまた、制御システム406も含むことができる。制御システム406は、1つ以上のプロセッサ、振幅制御回路、及び/又は周波数制御回路を含むことができる。示された制御システムは、流体工学システム402に動作可能に関連付けられ得る。制御システムは、ポアソン分布、及び第1の期間中に検出システム404によって収集されたデータポイントの数に基づいて、第1の期間の少なくとも一部分について計算された信号周波数を生成するように構成され得る。制御システム406は、第1の期間の一部分におけるデータポイントの数に基づいて、実験的な信号周波数を生成するように更に構成され得る。制御システム406は、追加的に、実験的な信号周波数を、計算された信号周波数又は所定の信号周波数のそれと比較することができる。
【0141】
いくつかの実施形態では、フローサイトメトリシステムの一例を、
図4Bに示す。システム400は、フローサイトメータ410、コントローラ/プロセッサ490、及びメモリ495を含む。フローサイトメータ410は、1つ以上の励起レーザ415a~415c、集束レンズ420、フローチャンバ425、前方散乱検出器430、側方散乱検出器435、蛍光収集レンズ440、1つ以上のビームスプリッタ445a~445g、1つ以上のバンドパスフィルタ450a~450e、1つ以上のロングパス(「LP」)フィルタ455a~455b、及び1つ以上の蛍光検出器460a~460fを含む。
【0142】
励起レーザ115a~115cは、レーザビームの形態の光を放出する。励起レーザ415a~415cから放出されるレーザビームの波長は、
図4Bの例示的なシステムにおいて、それぞれ、488nm、633nm、及び325nmである。レーザビームは、最初、ビームスプリッタ445a及び445bのうちの1つ以上を通って誘導される。ビームスプリッタ445aは、488nmで光を透過し、633nmで光を反射する。ビームスプリッタ445bは、UV光(10~400nmの範囲の波長を有する光)を透過し、488nm及び633nmで光を反射する。
【0143】
次いで、レーザビームは、集束レンズ420へと誘導され、集束レンズ420は、フローチャンバ425内で、試料の粒子が位置する流体ストリームの部分上にビームを集束させる。フローチャンバは、調査のために、通常一度に1つ、ストリーム中の粒子を集束レーザビームに誘導する流体工学システムの一部である。フローチャンバは、ベンチトップフローサイトメータ内にフローセルを、又はストリームインエアサイトメータ内にノズル先端部を備えることができる。
【0144】
レーザビームからの光は、粒子のサイズ、内部構造、及び粒子の上若しくは中に付属されるか若しくは自然に存在する1つ以上の蛍光分子の存在などの粒子の特性に応じて、様々な異なる波長での再放出を伴う回折、屈折、反射、散乱、及び吸収によって、試料内の粒子と相互作用する。蛍光放出、並びに回折光、屈折光、反射光、及び散乱光は、ビームスプリッタ445a~445g、バンドパスフィルタ450a~450e、ロングパスフィルタ455a~455b、及び蛍光収集レンズ440のうちの1つ以上を通じて、前方散乱検出器430、側方散乱検出器435、及び1つ以上の蛍光検出器460a~460fのうちの1つ以上へと経路設定され得る。
【0145】
蛍光収集レンズ440は、粒子レーザビーム間の相互作用から放出された光を収集し、1つ以上のビームスプリッタ及びフィルタに向けてその光を経路設定する。バンドパスフィルタ450a~450eなどのバンドパスフィルタは、狭い波長範囲がフィルタを通過するのを可能にする。例えば、バンドパスフィルタ450aは、510/20フィルタである。第1番目の数字は、スペクトル帯域の中心を表す。第2番目の数字は、スペクトル帯域の範囲を提供する。したがって、510/20フィルタは、スペクトル帯域の中心の両側に10nm、又は500nm~520nmに広がる。ショートパスフィルタは、指定された波長以下の光の波長を透過する。ロングパスフィルタ455a~455bなどのロングパスフィルタは、指定された波長以上の光の波長を透過する。例えば、670nmのロングパスフィルタであるロングパスフィルタ455aは、670nm以上の光を透過する。フィルタは、特定の蛍光色素に対する検出器の特異性を最適化するために選択される場合が多い。それらのフィルタは、検出器に透過された光のスペクトル帯域が蛍光色素の放出ピークに近くなるように構成され得る。
【0146】
ビームスプリッタは、異なる波長の光を、異なる方向に導く。ビームスプリッタは、ショートパス及びロングパスなどのフィルタ特性によって特徴付けられ得る。例えば、ビームスプリッタ445gは、620SPビームスプリッタであり、これは、このビームスプリッタ445gが、620nm以下の波長の光を透過し、620nmよりも長い波長の光を異なる方向に反射させることを意味する。一実施形態では、ビームスプリッタ445a~445gは、ダイクロイックミラーなどの光学ミラーを含むことができる。
【0147】
前方散乱検出器430は、フローセルを通る直接ビームから軸外にわずかに離れて位置付けられ、回折光、粒子を通って又はその周りをほとんど前方方向に移動する励起光を検出するように構成される。前方散乱検出器によって検出された光の強度は、粒子のサイズ全体に依存する。前方散乱検出器は、フォトダイオードを含むことができる。側方散乱検出器435は、粒子の表面及び内部構造からの回折光及び反射光を検出するように構成され、粒子構造が複雑になるにつれて増加する傾向がある。粒子に関連付けられた蛍光分子からの蛍光放出は、1つ以上の蛍光検出器460a~460fによって検出され得る。側方散乱検出器435及び蛍光検出器は、光電子増倍管を含むことができる。前方散乱検出器430、側方散乱検出器435、及び蛍光検出器で検出された信号は、検出器によって電子信号(電圧)に変換され得る。このデータは、試料に関する情報を提供することができる。検出器は、本明細書に記載されるように、ベースライン復元回路を備え得るか、又はそれと一体化され得る。
【0148】
当業者は、本発明の一実施形態によるフローサイトメータが、
図4Bに描示されるフローサイトメータに限定されず、当技術分野で既知の任意のフローサイトメータを含み得ることを認識するであろう。例えば、フローサイトメータは、様々な波長で、かつ様々な異なる構成で、任意の数のレーザ、ビームスプリッタ、フィルタ、及び検出器を有し得る。
【0149】
動作中、フローサイトメータの動作は、コントローラ/プロセッサ490によって制御され、検出器からの測定データは、メモリ495内に記憶されて、コントローラ/プロセッサ490によって処理され得る。明示的には示されていないが、コントローラ/プロセッサ490は、検出器に結合されて、その検出器から出力信号を受け取り、また、フローサイトメータ400の電気構成要素及び電気機械構成要素に結合されて、レーザ、流体流パラメータなどを制御することができる。例えば、実施形態では、コントローラ/プロセッサ490は、検出器からの差動出力を介してベースライン復元信号を受信するための差動出力を有する下流受信機回路を含み得るか、又は下流受信機回路に結合され得る。入力/出力(I/O)機能部497は、本明細書に記載のケーブルコアワイヤを含む、システム内にも提供され得る。メモリ495、コントローラ/プロセッサ490、及びI/O497は、全体的に、フローサイトメータ410の不可欠な部分として提供され得る。そのような実施形態では、ディスプレイはまた、フローサイトメータ400のユーザに実験的なデータを提示するための、I/O機能部497の一部も形成し得る。代替的に、メモリ495及びコントローラ/プロセッサ490及びI/O機能部の一部又は全ては、汎用コンピュータなどの1つ以上の外部デバイスの一部であり得る。いくつかの実施形態では、メモリ495及びコントローラ/プロセッサ490の一部又は全ては、フローサイトメータ410と無線又は有線で通信することができる。メモリ495及びI/O497と併せて、コントローラ/プロセッサ490は、フローサイトメータ実験の調製及び分析に関連する様々な機能を実行するように構成され得る。
【0150】
図4Bに例解されるシステムは、フローセル425から各検出器へのビーム経路におけるフィルタ及び/又はスプリッタの構成によって画定されるように、6つの異なる波長帯域(本明細書では、所与の検出器についての「フィルタウィンドウ」と称され得る)内の蛍光を検出する6つの異なる検出器を含む。実施形態では、ベースライン復元回路は、各検出器に関連付けられ、かつ各検出器と同じ場所に位置し得る。フローサイトメータ実験に使用される異なる蛍光分子は、それら独自の特性波長帯域の光を放出するであろう。実験に使用される特定の蛍光標識、及びそれらの関連する蛍光放出帯域は、検出器のフィルタウィンドウと概ね整合するように、選択され得る。ただし、より多くの検出器が提供され、かつより多くの標識が利用されるため、フィルタウィンドウと蛍光放出スペクトルとの間の完全な対応は、不可能である。特定の蛍光分子の放出スペクトルのピークは、1つの特定の検出器のフィルタウィンドウ内に存在する場合があるが、その標識の発光スペクトルの一部がまた、1つ以上の他の検出器のフィルタウィンドウとも重複するであろうことは、一般的に正しい。これは、こぼれ信号と称され得る。I/O497は、蛍光標識のパネルを有するフローサイトメータ実験、及び複数のマーカーを有する複数の細胞母集団に関係するデータを受信するように構成され得、各細胞母集団は、複数のマーカーのサブセットを有する。I/O497はまた、1つ以上のマーカーを1つ以上の細胞母集団に割り当てる生体データ、マーカー濃度データ、発光スペクトルデータ、1つ以上のマーカーに標識を割り当てるデータ、及びサイトメータ構成データも受信するように構成され得る。標識スペクトル特性及びフローサイトメータ構成データなどのフローサイトメータ実験データもまた、メモリ495内に記憶され得る。コントローラ/プロセッサ490は、マーカーに対する標識の1つ以上の割り当てを評価するように構成され得る。
【0151】
図5は、生体事象を分析及び表示するための、分析コントローラ500などの、粒子分析器制御システムの一実施例の機能ブロック図を示す。分析コントローラ500は、生体事象のグラフィック表示を制御するための様々なプロセスを実施するように構成され得る。
【0152】
粒子分析器又はソーティングシステム502は、生体事象データを取得するように構成され得る。例えば、フローサイトメータは、フローサイトメトリック事象データを生成することができる。粒子分析器502は、生体事象データを分析コントローラ500に提供するように構成され得る。データ通信チャネルが、粒子分析器又はソーティングシステム502と分析コントローラ500との間に含まれ得る。生体事象データは、データ通信チャネルを介して、分析コントローラ500に提供され得る。そのような生体事象データは、粒子分析器又はソーティングシステム502に設置された本発明のベースライン復元回路を有するセンサから生じる、ベースライン復元信号、又はベースライン復元信号に基づくデータからなり得る。
【0153】
分析コントローラ500は、粒子分析器又はソーティングシステム502から生体事象データを受信するように構成され得る。粒子分析器又はソーティングシステム502から受信した生体事象データは、フローサイトメトリック事象データを含むことができる。上で説明されるように、そのようなフローサイトメトリ事象データは、分析コントローラ500に送信する前に、ベースライン復元回路を用いて処理された信号からなり得るか、又はそれに基づき得る。分析コントローラ500は、生体事象データの第1のプロットを含むグラフィカル表示を表示デバイス506に提供するように構成され得る。分析コントローラ500は、関心対象の領域を、表示デバイス506によって示される生体事象データの母集団の周辺のゲートとして、例えば、第1のプロット上に重ねられて、レンダリングするように更に構成され得る。いくつかの実施形態では、そのゲートは、単一パラメータのヒストグラム又は二変量プロット上に描かれる、関心対象の1つ以上のグラフィカル領域の論理結合であり得る。いくつかの実施形態では、そのディスプレイを使用して、粒子パラメータ又は飽和した検出器データを表示することができる。
【0154】
分析コントローラ500は、ゲート内の表示デバイス506上に生体事象データを、ゲートの外側の生体事象データ内の他の事象とは異なって表示するように更に構成され得る。例えば、分析コントローラ500は、ゲート内に含まれる生体事象データの色を、ゲートの外側の生体事象データの色とは区別するようレンダリングするように構成され得る。表示デバイス506は、モニタ、タブレットコンピュータ、スマートフォン、又はグラフィカルインターフェースを提示するように構成されている他の電子デバイスとして、実装され得る。
【0155】
分析コントローラ500は、第1の入力デバイスからゲートを識別するゲート選択信号を受信するように構成され得る。例えば、第1の入力デバイスは、マウス510として実装され得る。このマウス510は、表示デバイス506を介して表示又は操作されるゲートを識別する分析コントローラ500に対して、(例えば、カーソルをそこに位置決めするときに、所望のゲートをクリックすることによって)ゲート選択信号を始動させることができる。いくつかの実施態様では、第1のデバイスは、キーボード508、又はタッチスクリーン、入力用ペン、光検出器、若しくは音声認識システムなどの、入力信号を分析コントローラ500に提供するための他の手段として実装され得る。いくつかの入力デバイスは、複数の入力機能を含み得る。そのような実施態様では、入力機能は、各々、入力デバイスとみなされ得る。例えば、
図5に示されるように、マウス510は、右マウスボタン及び左マウスボタンを含み得、それらの各々は、起動事象を生成し得る。
【0156】
この起動事象は、分析コントローラ500に、データが表示される方法、データのどの部分が実際に表示デバイス506上に表示されるかを変更させ、かつ/又は粒子選別の関心対象の母集団の選択などの更なる処理への入力を提供させ得る。
【0157】
いくつかの実施形態では、分析コントローラ500は、ゲート選択がマウス510によっていつ始動されたかを検出するように構成され得る。分析コントローラ500は、プロットの視覚化を自動的に修正して、ゲート制御プロセスを容易にするように更に構成され得る。この修正は、分析コントローラ500によって受信された生体事象データの特定の分布に基づき得る。
【0158】
分析コントローラ500は、記憶デバイス504に接続され得る。この記憶デバイス504は、分析コントローラ500から生体事象データを受信及び記憶するように構成され得る。記憶デバイス504はまた、分析コントローラ500からフローサイトメトリック事象データも受信及び記憶するように構成され得る。記憶デバイス504は、分析コントローラ500によって、フローサイトメトリック事象データなどの生体事象データの検索を可能にするように更に構成され得る。
【0159】
表示デバイス506は、分析コントローラ500から表示データを受信するように構成され得る。表示データは、生体事象データのプロット、及びそのプロットの区画の輪郭を描くゲートを含み得る。表示デバイス506は、粒子分析器502、記憶デバイス504、キーボード508、及び/又はマウス510からの入力と併せて、分析コントローラ500から受信した入力に従って提示された情報を変更するように更に構成され得る。
【0160】
いくつかの実施態様では、分析コントローラ500は、ユーザインターフェースを生成して、選別のための例示的な事象を受信することができる。例えば、このユーザインターフェースは、例示的な事象又は例示的な画像を受信するための制御を含むことができる。例示的な事象若しくは画像、又は例示的ゲートは、試料についての事象データの収集前に、又は試料の一部分についての事象の初期セットに基づいて提供され得る。
【0161】
図6Aは、本明細書に提示される一実施形態による、粒子ソータシステム600(例えば、粒子分析器又はソーティングシステム502)の概略図である。いくつかの実施形態では、粒子ソータシステム600は、セルソータシステムである。
図6Aに示すように、液滴形成トランスデューサ602(例えば、圧電発振器)は、流体導管601に結合され、流体導管601は、ノズル603に結合され得るか、ノズル603を含み得るか、ノズル603であり得る。流体導管601内で、シース流体604が、粒子609を含む試料流体606を移動流体カラム608(例えば、ストリーム)に流体力学的に集束させる。移動流体カラム608内で、粒子609(例えば、細胞)は、1列縦隊に並べられて、モニタリングされるエリア611(例えば、レーザストリームが交差する場所)を横切り、照射源612(例えば、レーザ)によって照射される。液滴形成トランスデューサ602の振動によって、移動流体カラム608は複数の液滴610に分裂し、そのうちのいくつかが、粒子609を含有する。
【0162】
動作中、検出ステーション614(例えば、事象検出器)は、関心対象の粒子(又は関心対象の細胞)がモニタリングされたエリア611を横切るときを識別する。検出ステーション614は、タイミング回路628に入力供給し、次いで、タイミング回路628は、フラッシュ電荷回路630に入力供給する。液滴分裂ポイントでは、時限液滴遅延(Δt)によって通知されて、フラッシュ電荷が移動流体カラム608に印加され得、したがって、関心対象の液滴が電荷を担う。関心対象の液滴は、選別されるべき1つ以上の粒子又は細胞を含み得る。次いで、帯電した液滴は、偏向板(図示せず)を作動させることによって選別して、液滴を、収集管、又はウェル若しくはマイクロウェルが特に関心対象の液滴に関連付けられ得るマルチウェル又はマイクロウェル試料プレートなどの容器内に偏向させることができる。
図6Aに示すように、液滴は、ドレイン容器638内に収集され得る。
【0163】
検出システム616(例えば、液滴境界検出器)は、関心対象の粒子がモニタリングされるエリア611を通過するときに、液滴駆動信号の位相を自動的に決定する役割を果たす。例示的な液滴境界検出器が、米国特許第7,679,039号に記載されており、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。検出システム616により、機器が、液滴中の検出された各粒子の位置を正確に計算することが可能になる。検出システム616は、振幅信号620及び/又は位相618信号に入力供給し得、それらは、次いで、振幅制御回路626及び/又は周波数制御回路624に(増幅器622を介して)入力供給する。振幅制御回路626及び/又は周波数制御回路624は、次いで、液滴形成トランスデューサ602を制御する。振幅制御回路626及び/又は周波数制御回路624は、制御システム内に含まれ得る。
【0164】
いくつかの実施態様では、ソートエレクトロニクス(例えば、検出システム616、検出ステーション614、及びプロセッサ640)は、検出された事象とそれに基づく選別意思決定とを記憶するように構成されたメモリと結合され得る。選別意思決定は、粒子の事象データに含まれ得る。いくつかの実施態様では、検出システム616及び検出ステーション614は、単一の検出ユニットとして実装され得るか、又は事象測定値が、検出システム616若しくは検出ステーション614のうちの一方によって収集され得るように、通信可能に結合され得る。
【0165】
図6Bは、本明細書に提示される一実施形態による、粒子ソータシステムの概略図である。
図6Bに示す粒子ソータシステム600は、偏向板652及び654を含む。バーブ内のストリーム帯電ワイヤを介して電荷が印加され得る。これにより、分析のために粒子609を含有する液滴610のストリームが作成される。粒子は、光散乱及び蛍光情報を生成するために、1つ以上の光源(例えば、レーザ)で照射され得る。粒子についての情報は、ソーティングエレクトロニクス又は他の検出システム(
図6Bには図示せず)によるなどして分析される。偏向板652及び654は、独立して制御されて、帯電した液滴を引き付けるか又は反発させて、液滴を目的の収集容器(例えば、672、674、676、又は678のうちの1つ)に向かって誘導し得る。
図6Bに示すように、偏向板652及び654は制御されて、粒子を第1の経路662に沿って容器674に向かって、又は第2の経路668に沿って容器678に向かって誘導し得る。粒子が関心対象でない(例えば、指定された選別範囲内の散乱又は照明情報を呈さない)場合、偏向板は、粒子がフロー経路664に沿って進み続けることを可能にし得る。そのような非荷電の液滴は、吸引器670を介してなど、廃棄物容器内に移行し得る。
【0166】
ソーティングエレクトロニクスは、測定値の収集を始動し、粒子に関する蛍光信号を受信し、粒子のソーティングを引き起こすために偏向板をどのように調整するかを決定するために含まれ得る。
図6Bに示す実施形態の例示的な実施態様としては、Becton,Dickinson and Company(Franklin Lakes,NJ)によって市販されているBD FACSAria(商標)系のフローサイトメータが挙げられる。
【0167】
差動出力を介してベースライン復元信号を生成するための方法
上で要約されるように、本開示の態様はまた、ベースライン復元回路によって、差動出力を介してベースライン復元信号を生成するための方法を含む。ある特定の実施形態による方法は、回路によって、センサから生じる入力信号を受信することと、回路によって、入力信号に基づいて、差動信号を生成することと、差動信号の直流成分を抽出することと、抽出された差動信号の直流成分を減算して、ベースライン復元信号を生成することと、結果として生じるベースライン復元信号を、差動出力を介して出力することと、を含む。「回路によって、受信すること」とは、回路がセンサに近接するように、光センサ、例えば、フローサイトメトリシステムで使用される光センサなどのセンサから回路に信号を送信することを意味する。「差動信号を生成すること」とは、例えば、本明細書に記載される増幅器モジュールなどの増幅器モジュールを入力信号に適用することを意味する。「直流成分を抽出すること」とは、例えば、本明細書に記載されるベースライン復元モジュールなどのベースライン復元モジュールを差動信号に適用することを意味する。「抽出された直流成分を減算」とは、例えば、信号の抽出された直流成分を増幅器モジュールにフィードバックすることを意味する。「結果として生じるベースライン復元信号を、出力すること」とは、上で説明されるように、ケーブルコアワイヤなどの差動出力を介してベースライン復元信号を送信することを意味する。
【0168】
実施形態では、本発明による方法が、経時的にゆっくりと変化する入力信号の直流成分を減算するために連続的に適用される。いくつかの場合には、直流成分が、入力信号を生成するセンサの温度に部分的に基づいて、経時的に変化する。
【0169】
実施形態では、回路によって、入力信号に基づいて、差動信号を生成することは、差動出力信号を生成するように構成された増幅器を適用することを含む。他の実施形態では、差動信号の直流成分を抽出することが、差動信号にフィルタネットワークを適用することを含む。例では、フィルタネットワークが、ローパスフィルタを含む。ある特定の場合において、フィルタネットワークのローパスフィルタは、トランスコンダクタンス素子及びコンデンサを備える。
【0170】
実施形態では、抽出された差動信号の直流成分を減算することが、抽出された差動信号の直流成分を、回路フィードバックループに供給することを含む。いくつかの実施形態では、抽出された差動信号の直流成分を、回路フィードバックループに供給することが、差動出力信号を生成するための増幅器の出力を増幅器の入力に供給することを含む。いくつかの場合には、増幅器の入力は、増幅器の非反転入力である。
【0171】
実施形態では、結果として生じるベースライン復元信号を、差動出力を介して出力することが、ケーブルコアワイヤを介してベースライン復元信号を送信することを含む。いくつかの実施形態では、ケーブルコアワイヤが、ツイストペアワイヤである。ある特定の実施形態では、ケーブルコアワイヤが、シールドされている。
【0172】
本開示の態様はまた、差動出力を介して、ベースライン復元信号を生成、送信、及び受信する方法を含む。ある特定の実施形態による方法は、センサによって、入力信号を生成することと、センサに動作可能に接続された、本明細書に記載のものなどのセンサ読み出しシステムを配置することと、センサ読み出しシステムのベースライン復元回路を入力信号に適用して、ベースライン復元差動信号を生成することと、ベースライン復元回路によって、ケーブルコアワイヤを介して、ベースライン復元差動信号を送信することと、下流受信機回路によって、ケーブルコアワイヤを介して、ベースライン復元差動信号を受信することと、を含む。ある特定の実施形態は、下流受信機回路によって、ベースライン復元差動信号をデジタル信号に変換することを更に含む。他の実施形態は、センサによって検出された事象を識別するためにデジタル信号を処理することを更に含む。更に他の実施形態は、下流受信機回路によって高電圧制御電位を生成することを更に含む。他の実施形態は、センサゲイン制御のために、ケーブルコアワイヤを介してセンサに高電圧制御電位を送信することを更に含む。
【0173】
いくつかの場合には、本発明の方法は、フローサイトメトリの文脈で適用される。ある特定の実施形態による方法は、フローストリームを通って伝搬する粒子を光源で照射することと、光センサを備える光検出システムで試料内の粒子からの光を検出することと、検出された光に基づいて、データ信号を生成することと、データ信号から、差動出力を介してベースライン復元信号を生成することと、を含む。いくつかの場合には、方法は、ベースライン復元信号を、差動出力を介して下流受信機回路に送信することを更に含む。
【0174】
ある特定の実施形態による方法は、例えば、10μm以上、例えば、15μm以上、例えば、20μm以上、例えば、25μm以上、例えば、50μm以上、例えば、75μm以上、例えば、100μm以上、例えば、250μm以上、例えば、500μm以上、例えば、750μm以上のフローストリームの検査領域にわたって、例えば、2mm以上、例えば、3mm以上、例えば、4mm以上、例えば、5mm以上、例えば、6mm以上、例えば、7mm以上、例えば、8mm以上、例えば、9mm以上、及び10mm以上を含むなど、例えば1mm以上の検査領域にわたってなど、5μm以上のフローストリームの検査領域にわたるフローストリームを通って伝搬する粒子を照射することを含む。
【0175】
いくつかの実施形態では、方法は、連続波光源を用いてフローストリーム中の粒子を照射することを含み、例えば、光源が中断されていない光束を提供し、かつ光強度の望ましくない変化がほとんど又はまったくない状態で、フローストリーム中の粒子の照射を維持する。いくつかの実施形態では、この連続光源は、非パルス又は非ストロボ照射を放出する。ある特定の実施形態では、連続光源は、実質的に一定の放出光強度を提供する。例えば、方法は、連続光源を用いてフローストリーム中の粒子を照射することを含み得、照射の時間間隔中に、10%以下、例えば、9%以上、例えば、8%以上、例えば、7%以上、例えば、6%以上、例えば、5%以上、例えば、4%以上、例えば、3%以上、例えば、2%以上、例えば、1%以上、例えば、0.5%以上、例えば、0.1%以上、例えば、0.01%以上、例えば、0.001%以上、例えば、0.0001%以下、例えば、0.00001%以下だけ変化する、及び照射の時間間隔中の放出光強度が0.000001%以下で変化する場合を含む、放出光強度を提供する。
【0176】
他の実施形態では、方法は、パルス光源を用いてフローストリームを通って伝搬する粒子を照射することを含み、例えば、光が所定の時間間隔で放出される場合など、フローストリームを通って伝搬する粒子をパルス光源で照射することを含み、各時間間隔は、所定の照射持続時間(すなわち、パルス幅)を有する。ある特定の実施形態では、方法は、周期的な光の点滅で各フローストリームの検査領域において、パルス光源を用いて粒子を照射することを含む。例えば、各光パルスの周波数は、例えば、0.0005kHz以上、例えば、0.001kHz以上、例えば、0.005kHz以上、例えば、0.01kHz以上、例えば、0.05kHz以上、例えば、0.1kHz以上、例えば、0.5kHz以上、例えば、1kHz以上、例えば、2.5kHz以上、例えば、5kHz以上、例えば、10kHz以上、例えば、25kHz以上、例えば、50kHz以上、及び100kHz以上を含む、0.0001kHz以上であり得る。ある特定の事例では、光源によるパルス照射の周波数は、例えば、0.00005kHz~900kHz、例えば、0.0001kHz~800kHz、例えば、0.0005kHz~700kHz、例えば、0.001kHz~600kHz、例えば、0.005kHz~500kHz、例えば、0.01kHz~400kHz、例えば、0.05kHz~300kHz、例えば、0.1kHz~200kHz、及び1kHz~100kHzを含む、0.00001kHz~1000kHzの範囲である。各光パルス(すなわち、パルス幅)の光照射の持続時間は、変化し得、例えば、0.000005ミリ秒以上、例えば、0.00001ミリ秒以上、例えば、0.00005ミリ秒以上、例えば、0.0001ミリ秒以上、例えば、0.0005ミリ秒以上、例えば、0.001ミリ秒以上、例えば、0.005ミリ秒以上、例えば、0.01ミリ秒以上、例えば、0.05ミリ秒以上、例えば、0.1ミリ秒以上、例えば、0.5ミリ秒以上、例えば、1ミリ秒以上、例えば、2ミリ秒以上、例えば、3ミリ秒以上、例えば、4ミリ秒以上、例えば、5ミリ秒以上、例えば、10ミリ秒以上、例えば、25ミリ秒以上、例えば、50ミリ秒以上、例えば、100ミリ秒以上、及び500ミリ秒以上を含む、0.000001ミリ秒以上であり得る。例えば、光照射の持続時間は、例えば0.000005ミリ秒~950ミリ秒、例えば0.00001ミリ秒~900ミリ秒、例えば0.00005ミリ秒~850ミリ秒、例えば0.0001ミリ秒~800ミリ秒、例えば0.0005ミリ秒~750ミリ秒、例えば0.001ミリ秒~700ミリ秒、例えば0.005ミリ秒~650ミリ秒、例えば0.01ミリ秒~600ミリ秒、例えば0.05ミリ秒~550ミリ秒、例えば、0.1ms~500ms、例えば0.5ミリ秒~450ミリ秒、例えば1ミリ秒~400ミリ秒、例えば5ミリ秒~350ミリ秒、及び10ミリ秒~300ミリ秒を含む、0.000001ミリ秒~1000ミリ秒の範囲であり得る。
【0177】
上で説明されるように、粒子は、任意の好都合な光源で照射され得、レーザ光源及び非レーザ光源を含み得る。ある特定の実施形態では、光源は、特定の波長又は狭い範囲の波長を放出する狭帯域光源などの非レーザ光源である。いくつかの例では、狭帯域光源は、例えば、50nm以下、例えば、40nm以下、例えば、30nm以下、例えば、25nm以下、例えば、20nm以下、例えば、15nm以下、例えば、10nm以下、例えば、5nm以下、例えば、2nm以下などの狭い範囲の波長を有する光を放出し、特定の波長の光(すなわち、単色光)を放出する光源を含む。狭波長LEDなど、任意の好都合な狭帯域光源プロトコルが採用され得る。他の広帯域光源の中でも、ハロゲンランプ、重水素アークランプ、キセノンアークランプ、安定化ファイバ結合広帯域光源、連続スペクトルを有する広帯域LED、超高輝度発光ダイオード、半導体発光ダイオード、広域スペクトルLED白色光源、マルチLED統合白色光源、又はそれらの任意の組み合わせなど、任意の好都合な広帯域光源プロトコルが採用され得る。ある特定の実施形態では、光源は、LEDのアレイを含む。ある特定の事例では、光源は、複数の単色発光ダイオードを含んでおり、各単色発光ダイオードが、異なる波長を有する光を出力する。いくつかの例では、光源は、所定のスペクトル幅を有する光を出力する複数の多色発光ダイオードを含んでおり、例えば、複数の多色発光ダイオードが、例えば、225nm~1475nm、例えば、250nm~1450nm、例えば、275nm~1425nm、例えば、300nm~1400nm、例えば、325nm~1375nm、例えば、350nm~1350nm、例えば、375nm~1325nm、例えば、400nm~1300nm、例えば、425nm~1275nm、例えば、450nm~1250nm、例えば、475nm~1225nm、及び500nm~1200nmを含む、200nm~1500nmの範囲のスペクトル幅を有する光を集合的に出力する。
【0178】
ある特定の実施形態では、方法は、パルスレーザ又は連続波レーザなどのレーザで粒子を照射することを含む。例えば、レーザは、紫外線ダイオードレーザ、可視ダイオードレーザ、及び近赤外線ダイオードレーザなどのダイオードレーザであり得る。他の実施形態では、レーザは、ヘリウムネオン(HeNe)レーザであり得る。いくつかの例では、レーザは、ヘリウムネオンレーザ、アルゴンレーザ、クリプトンレーザ、キセノンレーザ、窒素レーザ、CO2レーザ、COレーザ、アルゴン-フッ素(ArF)エキシマレーザ、クリプトン-フッ素(KrF)エキシマレーザ、キセノン塩素(XeCl)エキシマレーザ、又はキセノン-フッ素(XeF)エキシマレーザ、若しくはそれらの組み合わせなどのガスレーザである。他の例では、主題のシステムは、スチルベンレーザ、クマリンレーザ、又はローダミンレーザなどの色素レーザを含む。更に他の例では、関心対象のレーザは、ヘリウム-カドミウム(HeCd)レーザ、ヘリウム-水銀(HeHg)レーザ、ヘリウム-セレン(HeSe)レーザ、ヘリウム-銀(HeAg)レーザ、ストロンチウムレーザ、ネオン-銅(NeCu)レーザ、銅レーザ、又は金レーザ、及びそれらの組み合わせなどの金属蒸気レーザを含む。更に他の例では、主題のシステムは、ルビーレーザ、Nd:YAGレーザ、NdCrYAGレーザ、Er:YAGレーザ、Nd:YLFレーザ、Nd:YVO4レーザ、Nd:YCa4O(BO3)3レーザ、Nd:YCOBレーザ、チタンサファイアレーザ、スリムYAGレーザ、イッテルビウムYAGレーザ、イッテルビウム2O3レーザ、又はセリウムドープレーザ、及びそれらの組み合わせなどの固体レーザを含む。
【0179】
フローストリーム中の粒子は、100mm以上の距離を含め、例えば、0.001mm以上、例えば、0.005mm以上、例えば、0.01mm以上、例えば、0.05mm以上、例えば、0.1mm以上など、例えば、0.5mm以上など、例えば、1mm以上、例えば、5mm以上、例えば、10mm以上、例えば、25mm以上などの任意の好適な距離から、光源で照射され得る。加えて、フローストリームの照射は、例えば90°の角度などの、30°~60°を含む、15°~85°など、20°~80°、25°~75°など、10°~90°に及ぶ角度などの任意の好適な角度であり得る。
【0180】
主題の方法を実践する際に、照射された粒子からの光は、いくつかの場合には、粒子がフローストリームを通って伝搬されるにつれて、光調整構成要素を通してセンサに連続的に伝達される。いくつかの例では、照射された粒子から伝達された光は、粒子から蛍光などの光を放出する。いくつかの例では、照射された粒子から伝達された光は、散乱光である。いくつかの場合には、散乱光は、前方散乱光である。いくつかの場合には、散乱光は、後方散乱光である。いくつかの場合には、散乱光は、側方散乱光である。いくつかの例では、照射された粒子から伝達された光は、透過光である。
【0181】
光調整構成要素は、粒子からの光を収集し、センサに伝搬するための任意の好都合な光学プロトコルであり得る。いくつかの実施形態では、光調整構成要素は、粒子から収集された光をコリメートし、コリメートされた光をセンサに伝達する。いくつかの実施形態では、光調整構成要素は、複屈折偏光干渉計の表面に対して、例えば、65°~90°、例えば、70°~90°、例えば、75°~90°、80°~90°、及び85°~90°を含む、60°~90°変化する角度で、照射された粒子からの入射光をセンサに伝達する。ある特定の実施形態では、光調整構成要素は、照射された粒子からの垂直入射光をセンサに伝達する。
【0182】
光調整構成要素は、フローストリームを通って伝搬する粒子からの光を収集し、連続的に伝達するための任意の好都合な光学プロトコルであり得る。いくつかの実施形態では、光調整構成要素は、複合レンズを含む。ある特定の実施形態では、光調整構成要素は、複合レンズ及び1つ以上の開口絞りを含み、例えば、1つ以上の開口絞りが、複合レンズの焦点で光調整構成要素内に位置決めされる。ある特定の事例の光調整構成要素は、テレセントリックレンズを含む。いくつかの場合には、光調整構成要素は、物体空間テレセントリックレンズを含む。いくつかの場合には、光調整構成要素は、画像空間テレセントリックレンズを含む。ある特定の事例では、光調整構成要素は、二重テレセントリックレンズ(例えば、バイテレセントリックレンズ)を含む。
【0183】
実施形態では、照射された粒子からの光は、光検出器に伝達される。いくつかの実施形態では、光は、例えば、2個以上、例えば、3個以上、例えば、4個以上、例えば、5個以上、例えば、6個以上、例えば、7個以上、例えば、8個以上、例えば、9個以上、及び10個以上の光検出器を含む、1つ以上の光検出器で検出される。本主題の方法を実践するための光検出器は、限定されるものではないが、他の光検出器の中でも、アクティブピクセルセンサ(APS)、象限フォトダイオード、画像センサ、電荷結合デバイス(CCD)、強化電荷結合デバイス(ICCD)、発光ダイオード、フォトンカウンタ、ボロメータ、焦電検出器、光抵抗器、太陽電池、フォトダイオード、光電子増倍管、フォトトランジスタ、量子ドット光伝導体又はフォトダイオード、並びにこれらの組み合わせなどの光センサ又は光検出器を含む、任意の好都合な光検出プロトコルであり得る。ある特定の実施形態では、光検出器は、例えば、0.05cm2~9cm2、例えば、0.1cm2~8cm2、例えば、0.5cm2~7cm2、及び1cm2~5cm2を含む、0.01cm2~10cm2の範囲に及ぶ各領域の能動検出表面積を有する電子増倍管である。
【0184】
光は、400個以上の異なる波長にあるフローストリーム中の粒子からの光を測定することを含め、2つ以上の波長など、5つ以上の異なる波長など、10個以上の異なる波長など、25個以上の異なる波長など、50個以上の異なる波長など、100個以上の異なる波長など、200個以上の異なる波長など、300個以上の異なる波長などの、1つ以上の波長において、光検出器によって測定され得る。光は、連続的に、又は離散間隔で計測され得る。いくつかの事例では、関心対象の検出器は、光の測定を連続的に行うように構成される。他の事例では、関心対象の検出器は、1000ミリ秒毎を含む、0.001ミリ秒毎、0.01ミリ秒毎、0.1ミリ秒毎、1ミリ秒毎、10ミリ秒毎、100ミリ秒毎、又は何らかの他の間隔毎に光を測定するなど、離散間隔において測定するように構成される。
【0185】
光源からの光の測定は、各離散時間間隔中に、例えば、2回以上、例えば、3回以上、例えば、5回以上、及び10回以上を含めて、1回以上行われ得る。ある特定の実施形態では、光源からの光は、2回以上測定され、ある特定の事例では、データは平均化される。
【0186】
いくつかの実施形態では、試料中の各粒子から検出された光は、粒子発光(すなわち、蛍光又はリン光)などの発光である。これらの実施形態では、各粒子は、2つ以上の光源による照射に応答して蛍光を放出する1つ以上のフルオロフォアを含み得る。例えば、各粒子は、例えば、3個以上、例えば、4個以上、例えば、5個以上、例えば、6個以上、例えば、7個以上、例えば、8個以上、例えば、9個以上、及び10個以上のフルオロフォアを含む、2個以上のフルオロフォアを含み得る。いくつかの例では、各粒子は、光源による照射に応答して蛍光を放出するフルオロフォアを含む。いくつかの実施形態では、関心対象のフルオロフォアは、これらに限定されないが、例えば、アクリジン色素、アントラキノン色素、アリールメタン色素、ジアリールメタン色素(例えば、ジフェニルメタン色素)、クロロフィル含有色素、トリアリールメタン色素(例えば、トリフェニルメタン色素)、アゾ色素、ジアゾニウム色素、ニトロ色素、ニトロソ色素、フタロシアニン色素、シアニン色素、非対称シアニン色素、キノン-イミン色素、アジン色素、ユーロジン色素、サフラニン色素、インダミン、インドフェノール色素、フルオリン色素、オキサジン色素、オキサゾン色素、チアゾール色素、キサンテン色素、フルオレン色素、ピロニン色素、フッ素色素、ローダミン色素、フェナントリジン色素、並びに上記の色素のうちの2つ以上を組み合わせた色素(例えばタンデム)、1つ以上の単量体色素単位を有する高分子色素、及びその上記の色素のうちの2つ以上の混合物など、分析用途(例えば、フローサイトメトリ、撮像など)における使用に好適な色素を含み得る。多数の色素が、例えば、Molecular Probes(Eugene,OR)、Dyomics GmbH(Jena,Germany)、Sigma-Aldrich(St.Louis,MO)、Sirigen,Inc.(Santa Barbara,CA)及びExciton(Dayton,OH)などの様々な供給元から市販されている。例えば、フルオロフォアは、4-アセトアミド-4’-イソチオシアナトスチルベン-2,2’ジスルホン酸;アクリジン及びアクリジン、アクリジンオレンジ、アクリジンイエロー、アクリジンレッド、並びにアクリジンイソチオシアネートなどの誘導体;アロフィコシアニン、フィコエリスリン、ペリジニン-クロロフィルタンパク質、5-(2’-アミノエチル)アミノナフタレン-1-スルホン酸(EDANS);4-アミノ-N-[3-ビニルスルホニル]フェニル]ナフタリミド-3,5-ジスルホネート(ルシファーイエローVS);N-(4-アニリノ-1-ナフチル)マレイミド;アントラニルアミド;ブリリアントイエロー;クマリン、並びに7-アミノ-4-メチルクマリン(AMC、クマリン120)、7-アミノ-4-トリフルオロメチルクマリン(クマリン151)などの誘導体;シアニン、並びにシアノシン、Cy3,Cy3.5,Cy5.Cy5.5、及びCy7などの誘導体;4’,6-ジアミニド-2-フェニルインドール(DAPI);5’,5”-ジブロモピロガロール-スルホンフタレイン(ブロモピロガロールレッド);7-ジエチルアミノ-3(4’-イソチオシアナトフェニル)-4-メチルクマリン;ジエチルアミノクマリン;ジエチレントリアミン五酢酸;4,4’ージイソチオシアナト ジヒドロスチルベン-2,2’-ジスルホン酸;4,4’-ジイソチオシアナトスチルベン2,2’-ジスルホン酸;5-[ジメチルアミノ]ナフタレン-1-塩化スルホニル(DNS、塩化ダンシルク);4-(4’-ジメチルアミノフェニルアゾ)安息香酸(DABCYL)、4-ジメチルアミノフェニルアゾフェニル-4’-イソチオシアネート(DABITC);エオシン、並びにエオシン及びイソチオシアン酸エオシンなどの誘導体;エリスロシン、並びにエリスロシンB及びエリスロシン エリスロシンイソチオシアネートなどの誘導体、エチジウム;フルオレセイン、並びに5-カルボキシフルオレセイン(FAM)、5-(4,6-ジクロロトリアジン-2-イル)アミノフルオレセイン(DTAF)、2’7’-ジメトキシ-4’5’-ジクロロ-6-カルボキシフルオレセイン(JOE)、フルオレセインイソチオシアネート(FITC)、フルオレセインクロロトリアジニル、ナフトフルオレセイン、及びQFITC(XRITC)などの誘導体、フルオレスカミン;IR144;IR1446;緑色蛍光タンパク質(GFP);サンゴ礁蛍光タンパク質(RCFP);リサミン(商標);リサミンローダミン、ルシファーイエロー;マラカイトグリーンイソチオシアネート;4-メチルウンベリフェロン;オルトクレゾールフタレイン;ニトロチロシン;パラロアニリン;ナイルレッド;オレゴングリーン;フェノールレッド;B-フィコエリトリン;o-フタルジアルデヒド;ピレン、並びにピレン、ピレンブチレート及びスクシンイミジル1-ピレンブチレートなどの誘導体;リアクティブレッド4(Cibacron(商標)ブリリアントレッド3B-A);ローダミン、並びに6-カルボキシ-X-ローダミン(ROX)、6-カルボキシローダミン(R6G)、4,7-ジクロロローダミンリサミン、ローダミンB塩化スルホニル、ローダミン(Rhod)、ローダミンB、ローダミン123、ローダミンXイソチオシアネート、スルホローダミンB、スルホローダミン101、スルホローダミン101の塩化スルホニル誘導体(テキサスレッド)、N,N,N’,N’-テトラメチル-6-カルボキシローダミン(TAMRA)、テトラメチルローダミン、及びテトラメチル ローダミン イソチオシアネート(TRITC)などの誘導体、リボフラビン;ロソリン酸、及びテルビウムキレート誘導体;キサンテン;フルオレセインイソチオシアネートデキストランなどの色素共役高分子(すなわち、高分子結合色素)、並びに2つ以上の色素を組み合わせた色素(例えば、タンデム)、1つ以上の単量体色素単位を有する高分子色素並びに前述の色素又はそれらの組み合わせのうちの2つ以上の混合物を含み得る。
【0187】
いくつかの例では、フルオロフォアは、高分子色素である。方法のいくつかの例では、高分子色素は、共役高分子を含む。共役高分子(CP)は、交互の不飽和結合(例えば、二重及び/又は三重結合)及び飽和(例えば、単結合)結合の骨格を含む非局在化電子構造を特徴とし、π電子は、一方の結合から他方の結合に移動することができる。したがって、共役骨格は、高分子の反復単位間の結合角を制限して、高分子色素に伸長した線形構造を付与し得る。例えば、タンパク質及び核酸は、高分子でもあるが、いくつかの場合には、伸長ロッド構造を形成せず、むしろ高次の三次元形状に折り畳む。加えて、CPは、「リジッドロッド」高分子骨格を形成し、高分子骨格鎖に沿った単量体反復単位間の限定されたねじり(twist)(例えば、ねじれ)角を経験し得る。いくつかの場合には、高分子色素は、リジッドロッド構造を有するCPを含む。高分子色素の構造特性は、分子の蛍光特性に影響を及ぼし得る。
【0188】
関心対象の高分子色素は、Gaylordら,米国公報第20040142344号、同第20080293164号、同第20080064042号、同第20100136702号、同第20110256549号、同第20110257374号、同第20120028828号、同第20120252986号、同第20130190193号、同第20160264737号、同第20160266131号、同第20180231530号、同第20180009990号、同第20180009989号、及び同第20180163054号(これらの開示は、参照によりそれらの全体が本明細書に組み込まれる)、並びに、Gaylordら、J.Am.Chem.Soc.,2001,123(26),pp6417-6418、Fengら,Chem.Soc.Rev.,2010,39,2411-2419、並びにTrainaら,J.Am.Chem.,2011,133(32),pp12600-12607(これらの開示は、により記載されたものが含まれるが、これらに限定されず、参照により本明細書に組み込まれる。
【0189】
高分子色素は、特定の吸収最大波長、特定の発光最大波長、消光係数、量子収率など、1つ以上の望ましい分光特性を有し得る(例えば、Chattopadhyayら,「Brilliant violet fluorophore: A new class of ultrabright fluorescent compounds for immunofluorescence experiments」,Cytometry Part A,81A(6) 456-466,2012を参照)。いくつかの実施形態では、高分子色素は、280nmと475nmとの間の吸収曲線を有する。ある特定の実施形態では、高分子色素は、280nm~475nmの範囲の吸収最大値(励起最大値)を有する。いくつかの実施形態では、高分子色素は、280nmと475nmとの範囲の波長を有する入射光を吸収する。いくつかの実施形態では、高分子色素は、415nm~800nmなど、400nm~850nmの範囲の最大発光波長を有し、関心対象の最大発光値の具体的な例は、421nm、510nm、570nm、602nm、650nm、711nm、及び786nmを含むが、これに限定されない。いくつかの例では、高分子色素は、410nm~430nm、500nm~520nm、560nm~580nm、590nm~610nm、640nm~660nm、700nm~720nm、及び775nm~795nmからなる群から選択される範囲の最大発光波長を有する。ある特定の実施形態では、高分子色素は、421nmの発光最大波長を有する。いくつかの例では、高分子色素は、510nmの発光最大波長を有する。いくつかの場合には、高分子色素は、570nmの発光最大波長を有する。ある特定の実施形態では、高分子色素は、602nmの発光最大波長を有する。いくつかの例では、高分子色素は、650nmの発光最大波長を有する。ある特定の場合には、高分子色素は、711nmの発光最大波長を有する。いくつかの実施形態では、高分子色素は、786nmの発光最大波長を有する。ある特定の事例では、高分子色素は、421nm±5nmの発光最大波長を有する。いくつかの実施形態では、高分子色素は、510nm±5nmの発光最大波長を有する。ある特定の事例では、高分子色素は、570nm±5nmの発光最大波長を有する。いくつかの例では、高分子色素は、602nm±5nmの発光最大波長を有する。いくつかの実施形態では、高分子色素は、650nm±5nmの発光最大波長を有する。ある特定の事例では、高分子色素は、711nm±5nmの発光最大波長を有する。いくつかの場合には、高分子色素は、786nm±5nmの発光最大波長を有する。ある特定の実施形態では、高分子色素は、421nm、510nm、570nm、602nm、650nm、711nm、及び786nmからなる群から選択される発光最大値を有する。
【0190】
採用され得る特定の高分子色素は、これらに限定されないが、BD Horizon Brilliant (商標)色素、例えば、BD Horizon Brilliant (商標)紫色色素(例えば、BV421、BV510、BV605、BV650、BV711、BV786)、BD Horizon Brilliant(商標)紫外色素(例えば、BUV395、BUV496、BUV737、BUV805)、及びBD Horizon Brilliant(商標)青色色素(例えば、BB515)(BD Biosciences,San Jose,CA)などを含む。
【0191】
ある特定の実施形態では、照射された粒子から伝達された光は、散乱光である。「散乱光」という用語は、本明細書では、その従来の意味で使用され、光ビームの反射、屈折、又は偏向などによって、入射ビーム経路から偏向される粒子からの光エネルギーの伝播を指す。ある特定の事例では、フローストリーム中の粒子から検出された散乱光は、前方散乱光(FSC)である。他の例では、フローストリーム中の粒子から検出された散乱光は、側方散乱光である。更に他の例では、フローストリーム中の粒子から検出された散乱光は、後方散乱光である。
【0192】
粒子がフローストリームを通って伝搬されるにつれて照射された粒子から伝達される光は、例えば2個以上、例えば、3個以上、例えば、4個以上、例えば、5個以上、例えば、6個以上、例えば、7個以上、例えば、8個以上、例えば、9個以上、及び10個以上の光検出器チャネルを含む、1つ以上の光検出器チャネルで検出され得る。いくつかの実施形態では、粒子がフローストリームを通って伝搬されるにつれて照射された粒子から伝達される光の波長の範囲は、異なる光検出器チャネルで検出され、例えば、波長の各範囲が、異なる光検出器チャネルで検出される。
【0193】
ある特定の実施形態では、方法はまた、粒子を選別することを含む。「選別する」という用語は、本明細書では、その従来の意味で使用され、試料の構成要素(例えば、細胞を含む液滴、生体高分子などの非細胞粒子を含む液滴)を分離すること、場合によっては、その分離された構成要素を1つ以上の試料収集容器に送達することを指す。例えば、方法は、例えば、3つ以上の構成要素、例えば、4つ以上の構成要素、例えば、5つ以上の構成要素、例えば、10個以上の構成要素、例えば、15個以上の構成要素、及び試料の25個以上の構成要素を選別することを含む、試料の2つ以上の構成要素を選別することを含み得る。実施形態では、方法は、光検出器信号パルスに基づいて細胞を選別することを含む。
【0194】
次いで、関心対象の特定の部分集団が、集団全体について収集されたデータに基づいて、「ゲーティング」によって更に分析され得る。適切なゲートを選択するために、部分集団の可能な限り最良の分離を得るように、データがプロットされる。この手順は、前方光散乱(FSC)対側方(すなわち、直交)光散乱(SSC)を二次元ドットプロット上にプロットすることによって実行され得る。次いで、粒子の部分集団(すなわち、ゲート内のそれらの細胞)が選択され、ゲート内にない粒子が除外される。必要に応じて、コンピュータ画面上のカーソルを使用して、所望の部分集団の周りにラインを描くことによって、ゲートが選択され得る。次いで、ゲート内のそれらの粒子のみが、例えば、蛍光など、これらの粒子の他のパラメータをプロットすることによって、更に分析される。必要に応じて、上記の分析は、試料内の関心対象の粒子の計数をもたらすように構成され得る。
【0195】
いくつかの実施形態では、方法は、米国特許第10,006,852号、同第9,952,076号、同第9,933,341号、同第9,784,661号、同第9,726,527号、同第9,453,789号、同第9,200,334号、同第9,097,640号、同第9,095,494号、同第9,092,034号、同第8,975,595号、同第8,753,573号、同第8,233,146号、同第8,140,300号、同第7,544,326号、同第7,201,875号、同第7,129,505号、同第6,821,740号、同第6,813,017号、同第6,809,804号、同第6,372,506号、同第5,700,692号、同第5,643,796号、同第5,627,040号、同第5,620,842号、同第5,602,039号に記載され、これらの開示が、参照によりそれらの全体が本明細書に組み込まれるものなど、試料の構成要素を選別することを含む。いくつかの実施形態では、試料の成分を選別するための方法は、その開示が、参照により本明細書に組み込まれる米国特許公開第2017/0299493号に記載されるものなどの、密閉型粒子選別モジュールを用いて粒子(例えば、生体試料内の細胞)を選別することを含む。ある特定の実施形態では、試料の粒子(例えば、細胞)は、米国特許公開第2020/0256781号に記載されているものなどの、複数の選別判定ユニットを有する選別判定モジュールを使用して選別され、その開示は、参照により本明細書に組み込まれる。いくつかの実施形態では、試料の成分を選別するための方法は、2017年3月28日に出願され、その開示が、参照により本明細書に組み込まれる米国特許公開第2017/0299493号に記載されるものなどの、デフレクタプレートを有する粒子選別モジュールを用いて粒子(例えば、生体試料内の細胞)を選別することを含む。
【0196】
ユーティリティ
主題の回路、システム、及び方法は、例えば、粒子の識別、特徴付け、及び選別の文脈で、センサ機能を最適化することが望ましい、様々な用途での使用を見出す。主題の回路、システム、及び方法は、フローストリーム中の粒子を識別又は特徴付けることを含む。本開示はまた、フローサイトメトリにおける使用も見出され、ここでは改善された細胞選別精度、強化された粒子収集、低減されたエネルギー消費、粒子充電効率、より正確な粒子充電、及び細胞選別中の強化された粒子偏向を有するフローサイトメータを提供することが望ましい。実施形態では、本開示は、フローサイトメータによる試料分析中のユーザ入力又は手動調整の必要性を低減させる。ある特定の実施形態では、主題の方法及びシステムは、完全に自動化されたプロトコルを提供し、その結果、使用中のフローサイトメータへの調整が、任意のヒト入力があっても、ほとんど必要としない。
【0197】
以下の実施例は、例解として提供され、限定として提供されるものではない。
【実施例】
【0198】
ベースライン修復回路:
図7Aは、差動出力702、703上のベースライン復元応答の読み出しを含む、本発明の一実施形態による、
図1A~
図1Bに描示される差動出力を有するベースライン復元回路701の態様の図を提供する。
図7Bは、ベースライン復元回路701の差動出力に対する読み出しデルタ応答の別の図を提供する。
【0199】
図8Aは、本発明の一実施形態による、
図1A~
図1Bに描示されるようなフォトダイオードセンサと共に使用される差動出力を有するベースライン復元回路の態様の別の図を提供する。
図8Bは、
図8Aに示すボード上に実装されるベースライン復元回路の差動出力に対する読み出しデルタ応答の別の図を提供する。
【0200】
図9Aは、本発明の一実施形態による、
図2A~
図2Bに描示されるようなAPDセンサと共に使用される差動出力を有するベースライン復元回路の態様の図を提供する。
図9Bは、
図9Aに示すボード上に実装されるベースライン復元回路の減算された差動出力のデルタ応答の読み出しの図を提供する。
【0201】
センサ読み出しシステム:
上記で詳細に説明されたように、本発明のセンサ読み出しシステムの下流受信機回路は、光センサなどのセンサから最終的に受信されたサンプリング入力信号に関連して使用するためのアンチエイリアスフィルタを含む。フローサイトメトリの撮像及び分光測定の両方の用途は、大きいダイナミックレンジを必要としており、その結果、
図3A~
図3Bに示されるアンチエイリアスフィルタモジュール310における差動回路構成要素のマッチングが、信号整合性のために非常に重要である。この目的のために、
図10は、アンチエイリアスフィルタ抵抗器ミスマッチに応じた共通モード信号減衰のモンテカルロシミュレーション結果の結果を示す。同じ大きさの差動信号及び共通モード信号が想定され、フィルタは、帯域幅f
-3db=400KHzに構成された。
図10には、フルスケール差動信号と同じ大きさの共通モード信号について80dbを超える減衰に到達するには、0.05%未満の抵抗器許容差が必要であることが示されている。
【0202】
図11は、16個のセンサ、この場合は本発明によるケーブル接続及び回路構成を使用するアバランシェフォトダイオード、すなわち、APDのチャネルを有するフローサイトメータ読み出しの文脈で実装されたセンサ読み出しシステムの一実施形態を描示する。アナログフロントエンドは、各ボードに4つのAPD読み出しチャネルを有する4つのボードで表される。4つのAPDボードは、APD読み出しフロントエンドボードがケーブル接続されている1つの取得ボードによって読み出される。取得ボードは、本発明による下流受信機回路の実施形態を含み、その機能は、例えば、
図3A~
図3Bに関連して説明される。
【0203】
図12は、
図1A~
図1Bに示されるフロントエンドベースライン復元回路100に対応するAPDを読み出す1つのフロントエンドボードの一実施形態を描示する。
図12の3つのピンソケットは、読み出しシステム、すなわち下流受信機回路を、必要な構成に適合させるときに、APDタイプを変更するための柔軟性を可能にする。システム機能をサポートするケーブル接続は、
図1A~
図1Bに示されるシールド145及び
図2A~
図2Bに示されるシールド245の内部の2本のコアワイヤで実装される。「H.V.」電圧396をAPDに接続してゲイン制御を設定するときに、撚り線コアタイプが好ましい。
【0204】
センサ読み出しシステムの電気特性は、APD挿入ソケットに挿入された10pFの等価コンデンサを使用して、20MHzに設定されたADCクロック334で測定された。
図13は、較正容量を介して各チャネルに注入された200KHz正弦波の電流刺激に対する全システム応答を示している。
【0205】
完全なシステム応答を調べることに関連して、ペデスタルオフセットは、65,536カウントの最高の16ビットADC変換コードに向かって引っ張られ、読み出しがAPDと共に使用されるときに検出された光電流の広いスイング(2
16~0のカウント)がデジタル化されることを可能にした。
図14は、
図13のオフセットで測定された信号が存在しないときのADCペデスタル、すなわち振幅分布を示す。
【0206】
周波数領域では、下流受信機回路の全読み出し(読み出しトランスコンダクタンス)の伝達関数は、ベースライン復元回路/センサへのフロントエンド入力と比較して、異なる周波数を有する正弦波の注入によって測定された。
図3A~
図3Bに描示されるシステムの一実施形態において、f
-3db=300KHzの帯域幅を測定した。上記の測定結果を使用して、取得システム全体、すなわち、本発明によるセンサ読み出しシステムの帯域内電流ノイズを、以下の式を使用して評価した。
【数3】
【0207】
20MHzのADC331クロック334周波数を使用して、33.33=20MHz/(2×0.3MHz)のオーバーサンプリング比を、評価に使用する。
図15は、等価ノイズ電流測定の結果を示す表を描示する。
【0208】
低センサ、すなわち、APDのゲイン(50未満)、及びAPDの低過剰ノイズ係数を用いて、約1~2pWの等価ノイズ電力を、上記のAPD読み出しについて測定した。
【0209】
図16は、本発明による、センサ読み出しシステムの実施形態を示す。特に、フォトダイオード(PD)及び電子増倍管(PMT)フロントエンド読み出しチャネル(すなわち、本発明による、差動出力のないベースライン復元回路に結合されたセンサ)と、フロントエンド(ベースライン復元回路)を取得ボード(下流受信機回路)に接続する異なる長さ及びタイプのマルチコアケーブルを使用した取得ボード(すなわち、下流受信機回路)との遠隔動作が描示されている。フロントエンド読み出し回路は、
図1A~
図1Bに示されるスキーマに対応する。このサブシステム内の読み出しチャネルの動作帯域幅は、f
-3db=80MHzである。
【0210】
各サブシステムに適合された説明された読み出しのタイプを有する異なるフローサイトメータサブシステムでは、いくつかのケーブルタイプが利用された。このサブシステムは、これらに限定されないが、前方散乱及び明チャネルのフォトダイオード読み出し、フローサイトメータシステムの電子増倍管撮像及びAPD分光計読み出しを表す。上記のサブシステムでは、1フィート~6フィートの範囲のケーブル長が、正常に実装された。マルチワイヤマルチコアケーブルは、光ファイバ通信及び高精細テレビ市場向けに製造されたタイプの市販製品である。
【0211】
添付の特許請求の範囲にかかわらず、本開示はまた、以下の条項によって定義される。
【0212】
1.ベースライン復元回路であって、
センサから信号を受信するための入力モジュールと、
入力信号を修正するために、入力モジュールに動作可能に接続された増幅器モジュールと、
入力信号の直流成分を抽出するために、増幅器モジュールに動作可能に接続されたベースライン復元モジュールと、
ベースライン復元信号を送信するために、増幅器モジュールに動作可能に接続された出力モジュールであって、差動出力を含む、出力モジュールと、を備える、ベースライン復元回路。
【0213】
2.回路が、入力信号の持続時間に対して経時的にゆっくりと変化する入力信号の直流成分を減算するように構成されている、条項1に記載の回路。
【0214】
3.入力信号の直流成分が、入力信号を生成するセンサの温度に部分的に基づいて、経時的にゆっくりと変化する、条項2に記載の回路。
【0215】
4.回路が、複数の事象に対応する入力信号を受信するように、かつ各事象に対応する信号を時間的に分離するように構成されている、条項1~3のいずれか一項に記載の回路。
【0216】
5.回路が、回路のハイパスカットオフ周波数が1Hz未満であるように構成されている、条項4に記載の回路。
【0217】
6.出力モジュールが、第1の差動出力及び第2の差動出力を含む、条項1~5のいずれか一項に記載の回路。
【0218】
7.第1の差動出力と第2の差動出力との信号間の差が、ベースライン復元信号を含む、条項6に記載の回路。
【0219】
8.信号間の差が、第1の差動出力と第2の差動出力との間の電圧差を含む、条項7に記載の回路。
【0220】
9.回路が、差動出力が低周波ノイズに対する感度を低減するように構成されている、条項1~8のいずれか一項に記載の回路。
【0221】
10.回路が、差動出力が電磁干渉によって引き起こされたノイズに対する感度を低減するように構成されている、条項9のいずれかに記載の回路。
【0222】
11.第1の差動出力及び第2の差動出力が、電磁干渉に対する感度を低減するために同じ場所に位置する、条項9~10のいずれか一項に記載の回路。
【0223】
12.差動出力が、ツイストペアに接続されている、条項11に記載の回路。
【0224】
13.差動出力が、電磁干渉及びクロストークに対する感度を低減するためにシールドされている、条項9~12のいずれか一項に記載の回路。
【0225】
14.差動出力が、シールドケーブルコアワイヤを含む、条項13に記載の回路。
【0226】
15.シールドケーブルコアワイヤが、複数の差動出力で共通のシールドを含む、条項14に記載の回路。
【0227】
16.出力モジュールが、差動出力で送信された信号の反射を吸収するように構成されている、条項1~15のいずれか一項に記載の回路。
【0228】
17.出力モジュールが、差動出力にて送信された信号の反射を吸収するように構成された差動出力に動作可能に接続された整合抵抗器を備える、条項16に記載の回路。
【0229】
18.回路が、センサの近位に位置するように構成されている、条項1~17のいずれか一項に記載の回路。
【0230】
19.回路が、センサと同じ場所に位置するように構成されている、条項18に記載の回路。
【0231】
20.回路が、センサの1cm以内に位置するように構成されている、条項19に記載の回路。
【0232】
21.回路が、基板上に設置され、基板が、基板がセンサと近接して位置するように成形される、条項1~20のいずれか一項に記載の回路。
【0233】
22.基板が、プリント回路基板である、条項21に記載の回路。
【0234】
23.センサが、光検出器である、条項1~22のいずれか一項に記載の回路。
【0235】
24.光検出器が、光電子増倍管、又はフォトダイオード、又はアバランシェ光検出器である、条項23に記載の回路。
【0236】
25.増幅器モジュールが、差動増幅器出力を有する第1の増幅器を含む、条項1~24のいずれか一項に記載の回路。
【0237】
26.増幅器モジュールが、第1の増幅器出力と入力との間に複数のフィードバックループを備える、条項25に記載の回路。
【0238】
27.ベースライン復元モジュールが、差動増幅器出力に動作可能に接続されたフィルタネットワークを含む、条項1~26のいずれか一項に記載の回路。
【0239】
28.フィルタネットワークが、入力信号の直流成分を抽出するためのローパスフィルタを含む、条項27に記載の回路。
【0240】
29.ローパスフィルタが、第1のトランスコンダクタンス素子及びコンデンサを含む、条項28に記載の回路。
【0241】
30.フィルタネットワークの出力が、入力モジュールの入力に動作可能に接続されている、条項27~29のいずれか一項に記載の回路。
【0242】
31.フィルタネットワークの出力が、増幅器モジュールの入力に動作可能に接続されている、条項27~29のいずれか一項に記載の回路。
【0243】
32.フィルタネットワークの出力が、第1の増幅器の入力に動作可能に接続されている、条項30~31のいずれか一項に記載の回路。
【0244】
33.フィルタネットワークの出力が、第1の増幅器によって反転される、条項32に記載の回路。
【0245】
34.フィルタネットワークの出力が、第1の増幅器の反転入力に動作可能に接続されている、条項32~33のいずれか一項に記載の回路。
【0246】
35.フィルタネットワークの出力が、第1の増幅器の非反転入力に動作可能に接続されている、条項32~33のいずれか一項に記載の回路。
【0247】
36.ベースライン復元モジュールが、第1のトランスコンダクタンス素子に動作可能に接続され、電圧ベースの信号を電流ベースの信号に変換するように構成された第2のトランスコンダクタンス素子を更に備える、条項29~35のいずれか一項に記載の回路。
【0248】
37.ベースライン復元モジュールが、第1のトランスコンダクタンス素子に動作可能に接続され、第1のトランスコンダクタンス素子の出力信号を変換するように構成された増幅器を更に含む、条項29~35のいずれか一項に記載の回路。
【0249】
38.ベースライン復元ネットワークが、フィルタネットワークを回路からディスエンゲージするためのスイッチを含む、条項1~37のいずれか一項に記載の回路。
【0250】
39.入力モジュールが、センサから受信された入力信号を変換するように構成されている、条項1~38のいずれか一項に記載の回路。
【0251】
40.センサから受信された入力信号が、電流ベースの信号であり、入力モジュールが、電流ベースの信号を電圧ベースの信号に変換するように構成されている、条項39に記載の回路。
【0252】
41.入力モジュールが、トランジスタを備える、条項39~40のいずれか一項に記載の方法。
【0253】
42.センサからの入力信号が、トランジスタのゲートに動作可能に接続されている、条項41に記載の回路。
【0254】
43.回路が、アナログ回路である、条項1~42のいずれか一項に記載の回路。
【0255】
44.回路が、光検出システムの回路である、条項1~43のいずれか一項に記載の回路。
【0256】
45.回路が、フローサイトメータの光検出システムの回路である、条項44に記載の回路。
【0257】
46.センサ読み出しシステムであって、
条項1~45のいずれかに記載の差動出力にてベースライン復元信号を生成するためのベースライン復元回路と、
ベースライン復元回路によって送信された差動入力にてベースライン復元信号を受信するための下流受信機回路と、
ベースライン復元回路の差動出力を下流受信機回路の差動入力に接続するように構成されたケーブルコアワイヤと、を備える、センサ読み出しシステム。
【0258】
47.下流受信機回路が、ベースライン復元回路から受信された差動信号を、デジタル信号に変換するように構成されている、条項46に記載のセンサ読み出しシステム。
【0259】
48.下流受信機回路が、
差動入力に動作可能に接続されたアンチエイリアスフィルタモジュールと、
アンチエイリアスフィルタモジュールの出力に動作可能に接続されたキックバック保護モジュールと、
ベースライン復元回路から受信された信号を、デジタル信号に変換するために、キックバック保護モジュールの出力に動作可能に接続されたアナログデジタル変換モジュールと、を備える、条項46~47のいずれか一項に記載のセンサ読み出しシステム。
【0260】
49.アナログデジタル変換モジュールが、差動入力を備える、条項48に記載のセンサ読み出しシステム。
【0261】
50.アンチエイリアスフィルタモジュールが、差動入力及び差動出力を有する増幅器を備える、条項46~49のいずれか一項に記載のセンサ読み出しシステム。
【0262】
51.アンチエイリアスフィルタ増幅器が、増幅器出力と増幅器入力との間に複数のフィードバック経路を含む、条項46~50のいずれか一項に記載のセンサ読み出しシステム。
【0263】
52.アンチエイリアスフィルタ増幅器が、抵抗器及びコンデンサのネットワークを備える、条項46~51のいずれか一項に記載のセンサ読み出しシステム。
【0264】
53.アンチエイリアスフィルタモジュールが、追加の入力として2つの差動オフセット制御電圧を受信するように構成されている、条項46~52のいずれか一項に記載のセンサ読み出しシステム。
【0265】
54.キックバック保護モジュールが、抵抗器及びコンデンサのネットワークを備える、条項46~53のいずれか一項に記載のセンサ読み出しシステム。
【0266】
55.下流受信機回路が、センサのための高電圧制御電位信号を生成するように構成された電圧源モジュールを更に備える、条項46~54のいずれか一項に記載のセンサ読み出しシステム。
【0267】
56.高電圧制御電位信号が、光検出器のセンサゲイン設定を含む、条項55に記載のセンサ読み出しシステム。
【0268】
57.光検出器が、アバランシェフォトダイオードセンサ又はフォトダイオードセンサ又は光電子増倍管センサである、条項56に記載のセンサ読み出しシステム。
【0269】
58.電圧源モジュールが、DC-DC変換器を備える、条項55~57のいずれか一項に記載のセンサ読み出しシステム。
【0270】
59.電圧源モジュールが、高電圧制御電位信号を、基準電圧と比較するように構成されたフィードバックネットワークを備える、条項55~58のいずれか一項に記載のセンサ読み出しシステム。
【0271】
60.電圧源モジュールが、DC-DC変換器の出力に動作可能に接続され、かつセンサへの送信のための高電圧制御電位信号及びアンチエイリアスフィルタのためのオフセット制御電圧を出力するように構成されたデジタルアナログ変換器を含む、条項55~59のいずれか一項に記載のセンサ読み出しシステム。
【0272】
61.ケーブルコアワイヤが、高電圧制御電位信号をセンサへ送信するように構成された高電圧送信線を更に備える、条項55~60のいずれか一項に記載のセンサ読み出しシステム。
【0273】
62.センサが、ベースライン復元回路と同じ場所に位置する、条項61に記載のセンサ読み出しシステム。
【0274】
63.フローサイトメトリシステムであって、
フローストリーム内を流れる粒子を含む試料を照射するように構成された光源と、
試料内の粒子からの光を検出し、検出された光に基づいて、データ信号を生成するための光センサを備える、光検出システムと、
条項46~62のいずれか一項に記載のセンサ読み出しシステムと、を備える、フローサイトメトリシステム。
【0275】
64.ベースライン復元回路が、光検出システムに近接して位置する、条項63に記載のフローサイトメトリシステム。
【0276】
65.ベースライン復元回路が、下流受信機回路から遠隔に位置する、条項63~64のいずれか一項に記載のフローサイトメトリシステム。
【0277】
66.下流受信機回路が、光センサのための高電圧制御電位信号を生成する、条項63~65のいずれか一項に記載のフローサイトメトリシステム。
【0278】
67.高電圧制御電位信号が、光センサのゲイン設定を含む、条項66に記載のフローサイトメトリシステム。
【0279】
68.高電圧制御電位信号が、ケーブルコアワイヤを介して光検出システムに送信され、ケーブルコアワイヤが、下流受信機回路及び光検出システムに動作可能に接続されている、条項66~67のいずれか一項に記載のフローサイトメトリシステム。
【0280】
69.光検出システムから遠隔で光センサによって検出されたデータ信号を処理することを含む、条項63~68のいずれか一項に記載のフローサイトメトリシステム。
【0281】
70.光センサによって検出されたデータ信号を処理することが、データ信号をデジタル信号に変換することを含む、条項69に記載のフローサイトメトリシステム。
【0282】
71.ベースライン復元回路によって、差動出力を介してベースライン復元信号を生成する方法であって、
回路によって、センサから生じる入力信号を受信することと、
回路によって、入力信号に基づいて、差動信号を生成することと、
差動信号の直流成分を抽出することと、
抽出された差動信号の直流成分を減算して、ベースライン復元信号を生成することと、
結果として生じるベースライン復元信号を、差動出力を介して出力することと、を含む、方法。
【0283】
72.方法が、経時的にゆっくりと変化する入力信号の直流成分を減算するために連続的に適用される、条項71に記載のベースライン復元信号を生成する方法。
【0284】
73.直流成分が、入力信号を生成するセンサの温度に部分的に基づいて、経時的に変化する、条項72に記載のベースライン復元信号を生成する方法。
【0285】
74.回路によって、入力信号に基づいて、差動信号を生成することが、差動出力信号を生成するように構成された増幅器を適用することを含む、条項71~73のいずれか一項に記載のベースライン復元信号を生成する方法。
【0286】
75.差動信号の直流成分を抽出することが、差動信号にフィルタネットワークを適用することを含む、条項71~74に記載のベースライン復元信号を生成する方法。
【0287】
76.フィルタネットワークが、ローパスフィルタを含む、条項75に記載のベースライン復元信号を生成する方法。
【0288】
77.フィルタネットワークが、トランスコンダクタンス素子及びコンデンサを含む、条項76に記載のベースライン復元信号を生成する方法。
【0289】
78.抽出された差動信号の直流成分を減算することが、抽出された差動信号の直流成分を、回路フィードバックループに供給することを含む、条項71~77に記載のベースライン復元信号を生成する方法。
【0290】
79.抽出された差動信号の直流成分を、回路フィードバックループに供給することが、差動出力信号を生成するための増幅器の出力を増幅器の入力に供給することを含む、条項78に記載のベースライン復元信号を生成する方法。
【0291】
80.抽出された差動信号の直流成分が、増幅器によって反転される、条項79に記載のベースライン復元信号を生成する方法。
【0292】
81.増幅器の入力が、増幅器の反転入力である、条項79~80のいずれか一項に記載のベースライン復元信号を生成する方法。
【0293】
82.増幅器の入力が、増幅器の非反転入力である、条項79~80のいずれか一項に記載のベースライン復元信号を生成する方法。
【0294】
83.結果として生じるベースライン復元信号を、差動出力を介して出力することが、ケーブルコアワイヤを介してベースライン復元信号を送信することを含む、条項71~82のいずれか一項に記載のベースライン復元信号を生成する方法。
【0295】
84.ケーブルコアワイヤが、ツイストペアワイヤである、条項83に記載のベースライン復元信号を生成する方法。
【0296】
85.ケーブルコアワイヤが、シールドされている、条項83~84のいずれか一項に記載のベースライン復元信号を生成する方法。
【0297】
86.差動出力を介して、ベースライン復元信号を生成、送信、及び受信する方法であって、
センサによって、入力信号を生成することと、
センサに動作可能に接続された、条項46~62のいずれか一項に記載のセンサ読み出しシステムを配置することと、
センサ読み出しシステムのベースライン復元回路を入力信号に適用して、ベースライン復元差動信号を生成することと、
ベースライン復元回路によって、ケーブルコアワイヤを介して、ベースライン復元差動信号を送信することと、
下流受信機回路によって、ケーブルコアワイヤを介して、ベースライン復元差動信号を受信することと、を含む、方法。
【0298】
87.下流受信機回路によって、ベースライン復元差動信号をデジタル信号に変換することを更に含む、条項86に記載の方法。
【0299】
88.センサによって検出された事象を識別するためにデジタル信号を処理することを更に含む、条項87に記載の方法。
【0300】
89.下流受信機回路によって、高電圧制御電位を生成することを更に含む、条項86~88のいずれか一項に記載の方法。
【0301】
90.センサゲイン制御のために、ケーブルコアワイヤを介してセンサに高電圧制御電位を送信することを更に含む、条項89に記載の方法。
【0302】
上記の発明は、明確な理解のために例解及び例によって多少詳細に説明されてきたが、当業者であれば、本発明の教示に照らして、添付の特許請求の範囲の趣旨又は範囲から逸脱することなく、それらの発明に対して特定の変更及び修正が行われ得ることは、容易に明らかである。
【0303】
したがって、上記は単に本発明の原理を例解するにすぎない。当業者は、本明細書に明示的に説明又は図示されていないが、本発明の原理を具現化し、その趣旨及び範囲内に含まれる様々な配置を考案することができることが理解されるであろう。更に、本明細書に記載される全ての例及び条件付き言語は、主に、読者が、本発明の原理及び発明者が当該技術分野を促進するために寄与する概念を理解するのを助けることを意図し、かかる具体的に記載される例及び条件に限定されないと解釈されるべきである。更に、本発明の原理、態様、及び実施形態、並びにその具体的な例を記載する本明細書における全ての記述は、その構造的及び機能的等価物の両方を包含することを意図する。追加的に、かかる等価物は、構造にかかわらず、現在既知である等価物及び将来開発される等価物、すなわち、構造に関係なく同じ機能を実行するように開発された任意の要素の両方を含むことが意図される。更に、本明細書に開示されるものは、かかる開示が特許請求の範囲に明示的に記載されるかどうかにかかわらず、公衆に捧げられることを意図するものではない。
【0304】
したがって、本発明の範囲は、本明細書に示され、説明された例示的な実施形態に限定されることを意図されていない。むしろ、本発明の範囲及び趣旨は、添付の特許請求の範囲によって具現化される。特許請求の範囲において、米国特許法第112条(f)又は米国特許法第112条(6)は、特許請求の範囲におけるそのような制限の開始時に正確な語句「のための手段」又は正確な語句「のためのステップ」が列挙されるときにのみ、特許請求の範囲における制限のために引用されるものとして明示的に定義され、そのような正確な語句が特許請求の範囲における制限で使用されない場合、米国特許法第112条(f)又は米国特許法第112条(6)は引用されない。
【0305】
関連出願の相互参照
米国特許法第119条(e)に従って、本出願は、2021年9月21日に出願された米国仮特許出願第63/246,395号の出願日の優先権を主張し、その出願の開示全体は参照により本明細書に組み込まれる。
【手続補正書】
【提出日】2024-05-28
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ベースライン復元回路であって、
センサから信号を受信するための入力モジュールと、
入力信号を修正するために、前記入力モジュールに動作可能に接続された増幅器モジュールと、
前記入力信号の直流成分を抽出するために、前記増幅器モジュールに動作可能に接続されたベースライン復元モジュールと、
ベースライン復元信号を送信するために、前記増幅器モジュールに動作可能に接続された出力モジュールであって、差動出力を含む、出力モジュールと、を備える、ベースライン復元回路。
【請求項2】
前記回路が、前記入力信号の持続時間に対して経時的にゆっくりと変化する前記入力信号の直流成分を減算するように構成されている、請求項1に記載の回路。
【請求項3】
前記回路が、複数の事象に対応する入力信号を受信するように、かつ各事象に対応する信号を時間的に分離するように構成されている、請求項
1に記載の回路。
【請求項4】
前記出力モジュールが、第1の差動出力及び第2の差動出力を含む、請求項
1に記載の回路。
【請求項5】
前記回路が、前記差動出力が低周波ノイズに対する感度を低減するように構成されている、請求項
1に記載の回路。
【請求項6】
前記出力モジュールが、前記差動出力で送信された信号の反射を吸収するように構成されている、請求項
1に記載の回路。
【請求項7】
前記回路が、前記センサの近位に位置するように構成されている、請求項
1に記載の回路。
【請求項8】
前記回路が、基板上に設置され、前記基板が、前記基板が前記センサと近接して位置するように成形される、請求項
1に記載の回路。
【請求項9】
前記センサが、光検出器である、請求項
1に記載の回路。
【請求項10】
前記回路が、光検出システムの回路である、請求項
1に記載の回路。
【請求項11】
前記回路が、フローサイトメータの光検出システムの回路である、請求項10に記載の回路。
【請求項12】
センサ読み出しシステムであって、
請求項1~11のいずれかに記載の差動出力にてベースライン復元信号を生成するためのベースライン復元回路と、
前記ベースライン復元回路によって送信された差動入力にてベースライン復元信号を受信するための下流受信機回路と、
前記ベースライン復元回路の前記差動出力を前記下流受信機回路の前記差動入力に接続するように構成されたケーブルコアワイヤと、を備える、センサ読み出しシステム。
【請求項13】
フローサイトメトリシステムであって、
フローストリーム内を流れる粒子を含む試料を照射するように構成された光源と、
前記試料内の前記粒子からの光を検出し、検出された光に基づいて、データ信号を生成するための光センサを備える、光検出システムと、
請求項12に記載のセンサ読み出しシステムと、を備える、フローサイトメトリシステム。
【請求項14】
ベースライン復元回路によって、差動出力を介してベースライン復元信号を生成する方法であって、
前記回路によって、センサから生じる入力信号を受信することと、
前記回路によって、前記入力信号に基づいて、差動信号を生成することと、
前記差動信号の直流成分を抽出することと、
抽出された前記差動信号の直流成分を減算して、ベースライン復元信号を生成することと、
結果として生じる前記ベースライン復元信号を、差動出力を介して出力することと、を含む、方法。
【請求項15】
差動出力を介して、ベースライン復元信号を生成、送信、及び受信する方法であって、
センサによって、入力信号を生成することと、
前記センサに動作可能に接続された、請求項12に記載のセンサ読み出しシステムを配置することと、
前記センサ読み出しシステムの前記ベースライン復元回路を前記入力信号に適用して、ベースライン復元差動信号を生成することと、
前記ベースライン復元回路によって、前記ケーブルコアワイヤを介して、前記ベースライン復元差動信号を送信することと、
前記下流受信機回路によって、前記ケーブルコアワイヤを介して、前記ベースライン復元差動信号を受信することと、を含む、方法。
【国際調査報告】