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特表2024-538552エンドユーザの職務遂行を支援するために企業データベースからの情報をエンドユーザに提供するインテリジェントデジタルアシスタント
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-10-23
(54)【発明の名称】エンドユーザの職務遂行を支援するために企業データベースからの情報をエンドユーザに提供するインテリジェントデジタルアシスタント
(51)【国際特許分類】
   G06Q 10/00 20230101AFI20241016BHJP
【FI】
G06Q10/00
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024518426
(86)(22)【出願日】2022-09-20
(85)【翻訳文提出日】2024-05-08
(86)【国際出願番号】 US2022076692
(87)【国際公開番号】W WO2023049692
(87)【国際公開日】2023-03-30
(31)【優先権主張番号】17/484,701
(32)【優先日】2021-09-24
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.JAVA
2.JAVASCRIPT
3.TENSORFLOW
4.PYTHON
5.ADA
6.ARM
7.MIPS
8.SIRI
9.ALEXA
10.POWERPOINT
11.Excel
(71)【出願人】
【識別番号】517336027
【氏名又は名称】モルガン スタンレー サービシーズ グループ,インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】MORGAN STANLEY SERVICES GROUP,INC.
(74)【代理人】
【識別番号】110001438
【氏名又は名称】弁理士法人 丸山国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】シング,アミット クマール
(72)【発明者】
【氏名】シャルマ,ラビッシュ
(72)【発明者】
【氏名】イング,ケビン
(72)【発明者】
【氏名】ヘムラジャニ,ビクラム
(72)【発明者】
【氏名】キドナー,エデン
(72)【発明者】
【氏名】ニカ,モニカ
【テーマコード(参考)】
5L010
【Fターム(参考)】
5L010AA02
(57)【要約】
【解決手段】改良された人工知能コンピュータシステムは、エンドユーザがエンドユーザの職務を遂行するのに役立てるために、企業データシステムからの情報をエンドユーザに能動的及び/又は受動的に提供する。受動的な実装態様では、システムは、ユーザの電子メールに優先順位を付けることができ、同じトピックに関する複数の電子メールによる照会に対して一貫した回答を作成することができ、及び/又は電子文書のライブラリから引き出された内容で回答を作成することができる。能動的な実装態様では、システムは、システムの個々のデータベースに関連付けられたAIエージェントを備え、AIエージェントは、エンドユーザからの問い合わせに応じて、それらの関連付けられたデータベースからデータを取り出すように調整される。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
組織のエンドユーザを支援するためのシステムであって、エンドユーザコンピュータデバイスであって、
プライマリソフトウェアプログラムと、
前記プライマリソフトウェアプログラムと相互作用し、前記プライマリソフトウェアプログラムのためのグラフィカルユーザインターフェースを提供する、補助ソフトウェアプログラムと、
前記組織によって作成された単語検索が可能な電子調査作業成果物を含む、調査データベースを含む、データベースシステムと、
前記エンドユーザコンピュータデバイスと通信しているバックエンドインテリジェントコンピュータシステムであって、前記バックエンドインテリジェントコンピュータシステムが、
前記エンドユーザに関連する問い合わせを受け取ることと、
前記問い合わせに応じて、前記調査データベース内のコンテンツについて前記調査データベースを検索することと、
前記問い合わせに対して固有である問い合わせの回答を生成することであって、生成された前記問い合わせの回答が、前記問い合わせに最も関連性の高い前記調査データベース内のコンテンツに基づいている、生成することと、
前記問い合わせの回答を前記エンドユーザコンピュータデバイスに送信することと、を行うように構成されるように、自然言語処理(NLP)モデルを含む訓練された機械学習モデルを含む、バックエンドインテリジェントコンピュータシステムと、を備え、
前記補助ソフトウェアプログラムは、前記ユーザが前記プライマリソフトウェアプログラムを使用している間に前記問い合わせの回答を表示するように、前記グラフィカルユーザインターフェースを構成する、エンドユーザコンピュータデバイスを備える、組織のエンドユーザを支援するためのシステム。
【請求項2】
前記プライマリソフトウェアプログラムが、電子メールをレビュー及び下書きするためのソフトウェアプログラムを含み、
前記システムが、前記エンドユーザコンピュータデバイス及び前記バックエンドインテリジェントコンピュータシステムと通信している、前記組織のための電子メールサーバを更に備え、
前記バックエンドインテリジェントコンピュータシステムが、
連絡先から前記エンドユーザ宛の着信電子メールに関するデータを受け取ることと、前記着信電子メール内の前記問い合わせを識別することと、を行うように更に構成されており、
前記補助ソフトウェアプログラムは、前記エンドユーザが、前記プライマリソフトウェアプログラムを使用して、前記着信電子メールに対する回答電子メールを準備している間に、前記問い合わせの回答を表示し、
前記グラフィカルユーザインターフェースが、問い合わせの回答ボタンを備え、前記問い合わせの回答ボタンを通して、前記ユーザが、前記問い合わせの回答を前記回答電子メール内に自動的に挿入することができる、請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
電子メールをレビュー及び下書きするための前記ソフトウェアプログラムが、電子メールクライアントプログラムを含み、
前記補助ソフトウェアプログラムが、プラグインソフトウェアプログラムを含む、請求項2に記載のシステム。
【請求項4】
電子メールをレビュー及び下書きするための前記ソフトウェアプログラムが、webブラウザを含み、
前記補助ソフトウェアプログラムが、拡張機能ソフトウェアプログラムを含む、請求項2に記載のシステム。
【請求項5】
前記バックエンドインテリジェントコンピュータシステムが、
前記着信電子メール内の会議リクエストを識別することと、
前記会議リクエストに基づいて、前記ユーザのカレンダー情報を検索することと、
前記会議リクエストに対して固有である会議リクエストの回答を生成することと、前記会議リクエストの回答を前記エンドユーザコンピュータデバイスに送信することと、を行うように構成されており、
前記補助ソフトウェアプログラムは、前記ユーザが、前記連絡先からの前記着信電子メールに対する前記回答電子メールを準備している間に、前記会議リクエストの回答を表示するように、前記グラフィカルユーザインターフェースを構成し、前記グラフィカルユーザインターフェースが、会議リクエストの回答ボタンを備え、前記会議リクエストの回答ボタンを通して、前記ユーザが、前記会議リクエストの回答を前記回答電子メールに自動的に挿入することができる、請求項2に記載のシステム。
【請求項6】
前記バックエンドインテリジェントコンピュータシステムは、
前記連絡先がアクセスした前記調査データベース内の文書を識別することと、前記連絡先がアクセスした前記調査データベース内の前記文書に関するデータを、前記エンドユーザコンピュータデバイスに通信することと、を行うように構成されており、
前記補助ソフトウェアプログラムは、前記ユーザが、前記回答電子メールを準備している間に、前記連絡先がアクセスした前記調査データベース内の前記文書に関する前記データを表示するように、前記グラフィカルユーザインターフェースを構成する、請求項5に記載のシステム。
【請求項7】
前記エンドユーザコンピュータデバイスが、文書作成ソフトウェアプログラムを更に含み、
前記バックエンドインテリジェントコンピュータシステムが、
前記ユーザによって作成されている文書に応じて、前記調査データベース内のコンテンツについて前記調査データベースを検索することと、
前記調査データベース内のコンテンツに基づいて、前記文書のテキストを生成することと、前記テキストを前記エンドユーザコンピュータデバイスに送信することと、を行うように構成されており、
前記補助ソフトウェアプログラムは、前記ユーザが、前記文書作成ソフトウェアプログラムを使用して、前記文書を準備している間に、前記テキストを表示するように、前記グラフィカルユーザインターフェースを構成し、前記グラフィカルユーザインターフェースが、テキスト挿入ボタンを備え、前記テキスト挿入ボタンを通して、前記ユーザが、前記文書作成ソフトウェアプログラムを使用して前記文書を作成している間に、前記テキストを前記文書に自動的に挿入することができる、請求項3に記載のシステム。
【請求項8】
前記組織が、売り手側の調査会社を含み、
前記調査データベースが、前記売り手側の調査会社によって作成された、単語検索が可能な電子調査作業成果物を含む、請求項6に記載のシステム。
【請求項9】
前記バックエンドインテリジェントコンピュータシステムが、前記着信電子メール内の投資心理を識別することと、
前記着信電子メール内の前記投資心理を前記エンドユーザコンピュータデバイスに送信することと、を行うように構成されており、
前記補助ソフトウェアプログラムは、前記ユーザが、前記回答電子メールを準備している間に、前記着信電子メール内の前記識別された投資心理を表示するように、前記グラフィカルユーザインターフェースを構成する、請求項8に記載のシステム。
【請求項10】
前記バックエンドインテリジェントコンピュータシステムが、
前記ユーザ宛の着信電子メールの優先順位を付けることと、
前記着信電子メールの優先日を前記エンドユーザコンピュータデバイスに送信することと、を行うように構成されており、
前記補助ソフトウェアプログラムが、前記ユーザ宛の前記着信電子メールの前記優先日を表示するように、前記グラフィカルユーザインターフェースを構成する、請求項2に記載のシステム。
【請求項11】
前記バックエンドインテリジェントコンピュータシステムが、
訓練された機械学習モデルに基づいて、前記着信電子メールに応じて前記ユーザに対して提案されるフォローアップアクションを決定することと、
前記補助ソフトウェアプログラムによって提供される前記グラフィカルユーザインターフェース上に表示するために、前記提案されるフォローアップアクションを前記エンドユーザコンピュータデバイスに送信することと、を行うよう更に構成されている、請求項2に記載のシステム。
【請求項12】
前記バックエンドインテリジェントコンピュータシステムが、
優先度評価基準に基づいて、ある期間にわたる前記ユーザ宛の着信電子メールの優先順位リストを生成することと、
前記ソフトウェアプログラムが、前記優先順位リストに従って、前記期間にわたる前記ユーザ宛の前記着信電子メールを表示するように、前記優先順位リストを前記ソフトウェアプログラムに通信することと、を行うように更に構成されている、請求項2に記載のシステム。
【請求項13】
前記バックエンドインテリジェントコンピュータシステムが、
訓練された機械学習モデルに基づいて、前記期間にわたる前記着信電子メールに応じて、前記ユーザに対する1つ以上の提案されるフォローアップアクションを決定することと、
前記補助ソフトウェアプログラムによって提供される前記グラフィカルユーザインターフェース上に表示するために、前記1つ以上の提案されるフォローアップアクションを前記エンドユーザコンピュータデバイスに送信することと、を行うように更に構成されている、請求項12に記載のシステム。
【請求項14】
前記補助ソフトウェアプログラムが、前記プライマリソフトウェアプログラムによって、ユーザ選択可能な要素を表示させ、
前記エンドユーザによって前記ユーザ選択可能な要素が、問い合わせインターフェースを含み、前記問い合わせインターフェースを通して、前記エンドユーザが、前記バックエンドインテリジェントコンピュータシステムへの前記問い合わせを入力する、請求項1に記載のシステム。
【請求項15】
前記データベースシステムが、複数のデータベースを含み、
前記バックエンドインテリジェントコンピュータシステムが、複数のインテリジェントエージェントを含み、各インテリジェントエージェントが、前記複数のデータベースのうちの1つと関連付けられており、前記エンドユーザからの前記問い合わせに回答するために、前記関連付けられているデータベースからデータを取り出すように適合されている、請求項14に記載のシステム。
【請求項16】
組織のユーザが、着信電子メールに回答するのを支援するためのコンピュータ実装方法であって、
データベースシステムの調査ライブラリ内に、前記組織によって作成された単語検索が可能な電子調査作業成果物を格納することと、
連絡先から前記ユーザ宛の着信電子メールを受信すると、前記組織のための電子メールサーバが、前記着信電子メールに関するデータを、通信しているバックエンドインテリジェントコンピュータシステムに転送することと、
前記着信電子メールに関する前記データを受け取ると、前記バックエンドインテリジェントコンピュータシステムが、自然言語処理(NLP)モデルを含む訓練された機械学習モデルを使用して、
前記着信電子メール内の問い合わせを識別することと、
前記問い合わせに応じて、前記調査データベース内のコンテンツについて前記調査データベースを検索することと、
前記問い合わせに対して固有である問い合わせの回答を生成することであって、生成された前記問い合わせの回答が、前記問い合わせに最も関連性の高い前記調査データベース内のコンテンツに基づいている、生成することと、
前記問い合わせの回答をユーザコンピュータデバイスに送信することであって、前記ユーザコンピュータデバイスが、
電子メールをレビュー及び下書きするためのソフトウェアプログラムと、
グラフィカルユーザインターフェースを前記ソフトウェアプログラムに追加する補助ソフトウェアプログラムと、を含む、送信することと、
前記補助ソフトウェアは、前記ユーザが、前記ソフトウェアプログラムを使用して、前記連絡先からの前記着信電子メールに対する回答電子メールを準備している間に、前記問い合わせの回答を表示するグラフィカルユーザインターフェースを表示することであって、前記グラフィカルユーザインターフェースが、問い合わせの回答ボタンを備え、前記問い合わせの回答ボタンを通して、前記ユーザが、前記問い合わせの回答を前記回答電子メールに自動的に挿入することができる、表示することと、を含む、コンピュータ実装方法。
【請求項17】
電子メールをレビュー及び下書きするための前記ソフトウェアプログラムが、電子メールクライアントプログラムを含み、
前記補助ソフトウェアプログラムが、プラグインソフトウェアプログラムを含む、請求項16に記載のコンピュータ実装方法。
【請求項18】
電子メールをレビュー及び下書きするための前記ソフトウェアプログラムが、webブラウザを含み、
前記補助ソフトウェアプログラムが、拡張機能ソフトウェアプログラムを含む、請求項16に記載のコンピュータ実装方法。
【請求項19】
前記バックエンドインテリジェントコンピュータシステムが、
前記着信電子メール内の会議リクエストを識別することと、
前記会議リクエストに基づいて、前記ユーザのカレンダー情報を検索することと、前記会議リクエストに対して固有である会議リクエストの回答を生成することと、
前記ユーザコンピュータデバイスに前記会議リクエストの回答を送信することと、
前記補助ソフトウェアプログラムは、前記ユーザが、前記連絡先からの前記着信電子メールに対する前記回答電子メールを準備している間に、前記グラフィカルユーザインターフェースに前記会議リクエストの回答を表示することであって、グラフィカル使用インターフェースは、前記ユーザが前記会議リクエストの回答を、前記回答電子メールに自動的に挿入することができる会議リクエスト回答ボタンを備える、表示することと、を更に含む、請求項16に記載のコンピュータ実装方法。
【請求項20】
前記バックエンドインテリジェントコンピュータシステムは、
前記連絡先がアクセスした前記調査データベース内の文書を識別することと、前記連絡先がアクセスした前記調査データベース内の前記文書に関するデータを、前記ユーザコンピュータデバイスに通信することと、
前記補助ソフトウェアプログラムは、前記ユーザが、前記回答電子メールを準備している間に、前記連絡先がアクセスした前記調査データベース内の前記文書に関する前記データを前記グラフィカルユーザインターフェースで表示することと、を更に含む、請求項19に記載のコンピュータ実装方法。
【請求項21】
前記ユーザコンピュータデバイスが、文書作成ソフトウェアプログラムを更に含み、前記方法は、
前記バックエンドインテリジェントコンピュータシステムが、
前記ユーザが作成している文書に応じて、前記調査データベース内のコンテンツについて前記調査データベースで検索することと、
前記調査データベース内のコンテンツに基づいて、前記文書のテキストを生成することと、
前記テキストを前記ユーザコンピュータデバイスに送信することと、を更に含み、
前記補助ソフトウェアは、前記ユーザが、前記文書作成ソフトウェアプログラムを使用して、前記文書を準備している間に、前記グラフィカルユーザインターフェースで前記テキストを表示し、グラフィカルユーザインターフェースが、テキスト挿入ボタンを備え、前記テキスト挿入ボタンを通して、前記文書作成ソフトウェアプログラムを使用して前記文書を作成している間に、前記ユーザが前記テキストを前記文書に自動的に挿入することができることを含む、請求項17に記載のコンピュータ実装方法。
【請求項22】
前記組織が、売り手側の調査会社を含み、
前記調査データベースが、前記売り手側の調査会社によって作成された、単語検索が可能な電子調査作業成果物を含む、請求項20に記載のコンピュータ実装方法。
【請求項23】
前記バックエンドインテリジェントコンピュータシステムが、
前記着信電子メール内の投資心理を識別することと、
前記着信電子メール内の前記投資心理を前記ユーザコンピュータデバイスに送信することと、
前記補助ソフトウェアプログラムは、前記ユーザが、前記回答電子メールを準備している間に、前記グラフィカルユーザインターフェースで前記着信電子メール内の前記識別された投資心理を表示することと、を更に含む、請求項22に記載のコンピュータ実装方法。
【請求項24】
前記バックエンドインテリジェントコンピュータシステムが、
前記ユーザ宛の着信電子メールに優先順位を付けることと、
前記着信電子メールの優先日を前記ユーザコンピュータデバイスに送信することと、
前記補助ソフトウェアプログラムが、前記グラフィカルユーザインターフェースで、前記ユーザ宛の前記着信電子メールの前記優先日を表示することと、を更に含む、請求項16に記載のコンピュータ実装方法。
【請求項25】
前記バックエンドインテリジェントコンピュータシステムが、訓練された機械学習モデルに基づいて、前記着信電子メールに応じて前記ユーザに対して提案されるフォローアップアクションを決定することと、
前記バックエンドインテリジェントコンピュータシステムが、前記補助ソフトウェアプログラムによって提供される前記グラフィカルユーザインターフェース上に表示するために、前記提案されるフォローアップアクションを前記ユーザコンピュータデバイスに送信することと、を更に含む、請求項16に記載のコンピュータ実装方法。
【請求項26】
前記バックエンドインテリジェントコンピュータシステムが、優先度評価基準に基づいて、ある期間にわたる前記ユーザ宛の着信電子メールの優先順位リストを生成することと、
前記ソフトウェアプログラムが、前記優先順位リストに従って、前記期間にわたる前記ユーザ宛の前記着信電子メールを表示するために、前記バックエンドインテリジェントコンピュータシステムが、前記優先順位リストを前記ソフトウェアプログラムに通信することと、を更に含む、請求項16に記載のコンピュータ実装方法。
【請求項27】
訓練された機械学習モデルに基づいて、前記バックエンドインテリジェントコンピュータシステムが、前記期間にわたる前記着信電子メールに応じて、前記ユーザに対する1つ以上の提案されるフォローアップアクションを決定することと、
前記バックエンドインテリジェントコンピュータシステムが、前記補助ソフトウェアプログラムによって提供される前記グラフィカルユーザインターフェース上に表示するために、前記1つ以上の提案されるフォローアップアクションを前記ユーザコンピュータデバイスに送信することと、を更に含む、請求項26に記載のコンピュータ実装方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
優先権の主張
本出願は、2021年9月24日に出願された米国特許出願第17/484,701号の優先権を主張する。
【背景技術】
【0002】
金融証券調査業界では、いわゆる「売り手側企業」は、とりわけ、投資信託、ヘッジファンド、年金基金などの典型的な機関投資家である、いわゆる「買い手側企業」に対して、金融証券(株式や債券など)に関する調査を提供している。株式調査に特化して、売り手側企業は通常、様々な業界セクター及び/又は地理的な地域の上場企業の株式証券に関する調査レポートを分析及び発表する複数のアナリストチームを雇用している。例えば、売り手側企業には、北米の上場製薬会社を分析する北米製薬調査チーム、北米の上場石油サービス会社を分析する北米石油サービス調査チーム、半導体製品を製造及び販売する上場企業を分析する北米半導体調査チームなどがある。売り手側企業には、対応するヨーロッパ及び/又はアジアの調査アナリストチームもあり得る。大規模な売り手側企業では、アナリストチーム全体で年間5万件程度の調査レポートを作成することができる。
【0003】
アナリストチームには通常、プライマリアナリスト及び複数の調査アソシエイトが含まれるが、いくつかのチームでは他のポジションもあり得る。これらの調査チームは、調査の消費者(買い手側企業など)のために、様々なタイプの調査タッチポイントを多数生成する。調査タッチポイントには、調査レポート(例えば、発表された電子レポート又はハードコピーレポート)、買い手側企業の連絡先との1対1の電話又は会議、そのような連絡先宛のカスタマイズされた又は一斉送信の電子メール及びボイス電子メール、及び/又はセミナー、カンファレンス、企業ロードショー、及び企業経営陣との会議などの他のイベントも含まれ得る。
【0004】
買い手側企業の連絡先が、上場企業に関する質問で売り手側の調査アナリストに連絡すると、調査アナリストは、回答を、発表されたレポートに含まれていた事項に限定する。売り手側の調査アナリストの多くは、様々な買い手側企業の代表者から、1日を通して電子メールで上場企業に関する多くの質問を受け取る。現在の電子メールシステムは、売り手側の調査アナリストの着信電子メールに優先順位を付け、売り手側のアナリストが、同じトピック又は問題に関連する様々な買い手側の連絡先からの複数の照会に一貫して回答し、及び/又は売り手側のアナリストが、回答を売り手側企業の発表されたレポートの範囲に限定するのを助けるのに好適でない又は調整されていない。
【発明の概要】
【0005】
1つの一般的な態様では、本発明は、エンドユーザの能力、効率、及び生産性を強化するために、企業のコンピュータシステム内のエンドユーザ向けの改良されたコンピュータシステムを対象とする。コンピュータシステムは、連絡先に役立つ又はエンドユーザが連絡先とやり取りする際に役立つ、企業のシステムからの情報で、エンドユーザの(企業外部の)連絡先からの問い合わせに回答する又はそうでなければ連絡先に情報を提供するなど、エンドユーザが職務を遂行するのを支援する企業のシステムからの最新で一貫性があり、及び/又は焦点を絞った情報をエンドユーザに提供するバックエンド人口知能(AI)システムを備えることができる。本発明の様々な実施形態は、企業が、売り手側の調査会社であり、エンドユーザが、売り手側の調査アナリストであり、連絡先が、買い手側の調査会社の代表者であるというコンテキストとして、以下に説明される。その場合、コンピュータシステムは、調査アナリストが、調査アナリストの買い手側の連絡先に最新で一貫し、及び/又は焦点を絞った情報を提供するのに役立つ。しかしながら、本発明の改良されたコンピュータシステムは、これらの特定のコンテキストに限定されず、以下の説明から明らかになるように、他のコンテキスト及び他のタイプのエンドユーザにも適用することができる。
【0006】
AIベースのシステムは、エンドユーザによって能動的に又は受動的に呼び出されてもよい。例えば、エンドユーザは、エンドユーザのコンピュータデバイスからAIシステムを呼び出して、会社のシステムから、連絡先向けの又は連絡先に関する、より多くの情報を取得することができる。また、AIベースのシステムは、エンドユーザ宛の電子メールを監視するか、又はエンドユーザが準備している作業成果物をリアルタイムで監視し、エンドユーザが電子メールに回答するか、又は作業成果物を準備するのを支援するために、会社のシステムからの情報をエンドユーザに提供することができる。例えば、本発明の改良されたコンピュータシステムでは、例えば、(i)エンドユーザが受信又は作成した内容を読み取り及び処理し、それに基づいて、エンドユーザが作成している作業成果物(例えば、電子メール又は文書)についてエンドユーザに提案をするか、又は(ii)「チャットボット」を使用して、エンドユーザが、エンドユーザの職務に関連する情報を直接問い合わせを行うことができる、バックエンドの人工知能(AI)を備えることができる。このような能動的なシステムの呼び出しでは、エンドユーザは、チャットボットと通信するためのインターフェースを備えたアプリケーションに質問を入力することができる。エンドユーザはまた、インターフェースに音声で質問を入力することもでき、音声での質問は、チャットボットに送信して処理するためにデジタルフォーマットに変換される。コンピュータシステムは、エンドユーザが、エンドユーザの職務の遂行において有し得る様々な問い合わせに対して、各々が調整又は訓練され得る複数の(AI)チャットボットを含むことができるため、「アクティブ化された」チャットボット、すなわち、エンドユーザからの特定のタイプの問い合わせに回答するように訓練されたチャットボットが、エンドユーザの問い合わせに正確、迅速、効率的に回答することができる。
【0007】
様々な実施形態において、エンドユーザが受信又は作成するものを読み取るインテリジェントバックエンドシステムは、電子メールプログラム、ワードプロセシングプログラム、電子プレゼンテーションプログラム(例えば、PowerPoint)などのエンドユーザのコンピュータ上の作成プログラムと統合することができ、バックエンドAIコンピュータシステムは、エンドユーザのデバイス上のソフトウェアと連携して、とりわけ、エンドユーザ向けに電子メールの優先順位を付け、同じトピックに関する複数の電子メールの照会に対して一貫した回答を作成し、及び/又は電子文書のライブラリから抽出した内容で回答又はテキストを作成することができる。
【0008】
組織のユーザが着信電子メールに回答するのを支援するためのシステムは、様々な実施形態によれば、エンドユーザコンピュータデバイス、組織のための電子メールサーバ、並びに電子メールサーバ及びユーザコンピュータデバイスと通信しているバックエンドインテリジェントコンピュータシステムを備える。エンドユーザコンピュータデバイスは、電子メールをレビュー及び下書きするためのソフトウェアプログラムと、ソフトウェアプログラムにグラフィカルユーザインターフェースを追加する本発明の補助ソフトウェアプログラムとを含む。システムはまた、調査データベースを含むデータベースシステムを備え、調査データベースは、組織によって作成された単語検索が可能な電子調査作業成果物を含む。バックエンドインテリジェントコンピュータシステムは、連絡先からユーザ宛の着信電子メールに関するデータを受け取り、自然言語処理(NLP)モデルを含む訓練された機械学習モデルを含み、バックエンドインテリジェントコンピュータシステムは、(i)着信メール内の問い合わせを識別し、(ii)問い合わせに応じて、調査データベース内のコンテンツについて調査データベースを検索し、(iii)着信メールに関するデータを受け取った後に、問い合わせに最も関連性の高い調査データベース内のコンテンツに基づいている、問い合わせに対して固有である問い合わせの回答を生成し、(iv)問い合わせの回答をユーザコンピュータデバイスに送信するように構成される。補助ソフトウェアプログラムは、ユーザがソフトウェアプログラムを使用して着信電子メールに対する回答電子メールを準備している間に、問い合わせの回答を表示するように、グラフィカルユーザインターフェースを構成し、グラフィカルユーザインターフェースは、ユーザが回答電子メールに問い合わせの回答を自動的に挿入することができる問い合わせの回答ボタンを備える。
【0009】
【0010】
本発明のシステム及び方法は、様々な実施形態では、現在の電子メールシステム及び電子メールプラグインよりも多くの実用的及び技術的利点を提供することができる。例えば、売り手側のアナリストは、しばしば買い手側の連絡先に未発表の調査を提供することを禁じられている。売り手側企業が作成した調査作業成果物を格納する調査ライブラリ内の単語検索が可能な文書から回答を生成することによって、システムは、売り手側のアナリストが未発表の調査を買い手側の連絡先に提供する可能性を低減し、かつ撲滅し得る。また、システムが回答を生成するため、同じトピックに関する複数の着信電子メールにわたって回答がより一貫する傾向にある。また、グラフィカルユーザインターフェースには、着信電子メールに固有の適切な自動回答が含まれており、ユーザが自動的に追加できるため、回答電子メールを下書きするプロセスを簡素化する。ユーザは、単にボタンをクリックするか、回答電子メールの本文にコピー及び貼り付けするだけで、生成された回答を回答電子メールに自動的に追加することができる。加えて、様々な実施形態では、グラフィカルユーザインターフェースはまた、バックエンドインテリジェントコンピュータシステムによって生成された自動回答の適切さに関して、ユーザがバックエンドインテリジェントコンピュータシステムにフィードバックを提供するためのメカニズムを有することができる。フィードバックに基づいて、バックエンドインテリジェントコンピュータシステムのニューラルモデルがより正確かつ/又は適切になるように継続的に訓練することができる。バックエンドインテリジェントコンピュータシステムはまた、ある期間(例えば、一晩)にわたるユーザの電子メールに優先順位を付けることができ、追加的に、ユーザがそれらの電子メールに応じてとるべき優先アクションに優先順位を付けることができる。例えば、ユーザ/アナリスト朝出勤したとき(又はリモートで彼/彼女らの前夜の電子メールにアクセスしたとき)、バックエンドインテリジェントコンピュータシステムは、上述のように、既にユーザの電子メールをソートし、ユーザの電子メール受信トレイ内でそれらを優先順位付けし、その日に実行すべき提案されるアクションの優先順位付けされたリストに加えて、個々の電子メールの各々に対する提案を生成することができる。本発明を通じて実現可能なこれら及び他の利点は、以下の説明から明らかであろう。
【図面の簡単な説明】
【0011】
本発明の様々な実施形態は、以下の図面に関連して、例として本明細書に記載される。
【0012】
図1】本発明の様々な実施形態による、コンピュータシステムの図である。
【0013】
図2】本発明の様々な実施形態による、ローカルアシスタントソフトウェアプログラムによって提供される例示的なグラフィカルユーザインターフェースを描画する。
【0014】
図3】本発明の様々な実施形態による、図1のコンピュータシステムによって実行される方法のフローチャートである。
【0015】
図4】本発明の様々な実施形態による、図1のバックエンドインテリジェントコンピュータシステムの図である。
【0016】
図5】本発明の他の様々な実施形態による、コンピュータシステムの図である。
【0017】
図6】本発明の他の様々な実施形態による、図1のバックエンドインテリジェントコンピュータシステムの図である。
【0018】
図7】本発明の他の実施形態による、コンピュータシステムの図である。
【0019】
図8A】本発明の実施形態による、バックエンドインテリジェントコンピュータシステムを呼び出すためのエンドユーザ向けのインターフェースを描画する。
図8B】本発明の実施形態による、バックエンドインテリジェントコンピュータシステムを呼び出すためのエンドユーザ向けのインターフェースを描画する。
図9】本発明の実施形態による、バックエンドインテリジェントコンピュータシステムを呼び出すためのエンドユーザ向けのインターフェースを描画する。
【発明を実施するための形態】
【0020】
本発明は、様々な実施形態では、専門化した機械学習及びAIシステムを通じて、企業のコンピュータシステムにおいてエンドユーザの能力、効率、及び生産性を強化する改良されたコンピュータシステムを対象とする。本発明の様々な実施形態は、より良い又は強化されたサービスを買い手側企業の担当者などの売り手側企業への連絡先に提供するために、改良されたコンピュータシステムを使用する売り手側企業の調査アナリストのコンテキストとして、以下に説明される。したがって、様々な実施形態では、エンドユーザは、売り手側企業の調査アナリストであり得、エンドユーザの企業は、売り手側企業であり得る。しかしながら、本発明の実施形態は、必ずしもこのコンテキストに限定されず、本明細書から明らかになるように、他のビジネスにも拡張することができる。
【0021】
エンドユーザは、企業のコンピュータシステムと接続しているエンドユーザのコンピュータデバイス上のソフトウェアプログラムを介して、企業のバックエンドAIコンピュータシステムと対話する、又はバックエンドAIコンピュータシステムをアクティブ化させることができる。エンドユーザコンピュータデバイス上のソフトウェアと連携して、バックエンドAIコンピュータシステムは、エンドユーザが受信又は作成した内容を取り込み、エンドユーザが職務を遂行する際に有利に使用することができる企業のデータベースシステムからの特定の情報で回答することができる。例えば、特定の情報については、エンドユーザが企業の連絡先に提供する必要がある最新の情報及び/又はクライアントに関する最新の情報を提供することができるため、クライアントに対するエンドユーザの回答は、例えば、クライアントのニーズ及び問題に最新であり、企業によって提供される他の情報と一貫することができる。他の実施形態では、エンドユーザは、バックエンドAIコンピュータシステムに質問を直接送信することができ、バックエンドAIコンピュータシステム、例えば、チャットボットは、企業のデータベースからの関連する情報で回答することができる。
【0022】
第1の実施形態は、エンドユーザが電子メールに回答するのに役立つように調整される。それに関連して、本発明の改良されたコンピュータシステムは、とりわけ、ユーザのために電子メールの優先順位を付けること、同じトピックに関する複数の電子メールの照会に対して一貫した回答を作成すること、及び/又は電子文書のライブラリから引き出された内容で回答を作成することができる。電子文書のライブラリは、売り手側企業によって発表された調査報告書の単語検索が可能な電子版を格納するデータベースとして実装することができる。以下の説明から明らかになるように、本発明は、電子メールのコンテキストに限定されない。本発明の態様は、作成アプリケーション(例えば、ユーザがコンテンツを作成する、ワードプロセシングアプリケーション、PowerPointなど)などの他のコンテキストにおいても適用及び使用することができる。
【0023】
図1は、本発明の様々な実施形態による、改良された電子メールシステムを実装するコンピュータシステムの図である。図1に示されるように、ユーザは、電子メールプログラム(又はクライアント)12及びローカルアシスタントプログラム14などのいくつかのソフトウェアプログラム及びアプリケーションを含むユーザコンピュータデバイス10を有する。様々な実施形態では、ユーザは、売り手側の調査アナリスト又は売り手側の調査会社の他の従業員(又は代理人)であり得るが、本発明はそれほど限定されず、必ずしもユーザが、本発明の様々な利点を享受するために売り手側の調査会社のために働く必要はない。電子メールクライアント12は、ユーザコンピュータデバイス10上でダウンロード及びインストールされた電子メールプログラムであってもよい。例えば、電子メールクライアント12は、Microsoft Outlook又は他の好適な電子メールクライアントであってもよい。ローカルアシスタントプログラム14は、例えば、ユーザコンピュータデバイス10上でダウンロード及びインストールされ、電子メールクライアント12と相互作用して、本明細書に更に記載されるように、ユーザに機能追加及びカスタマイズを提供するプラグインソフトウェアコンポーネントであってもよい。また、電子メールプログラム12は、webメール用のブラウザ又はアプリであってもよく、ローカルアシスタントプログラム14は、本明細書に記載されるようにwebメールをカスタマイズするwebメールの拡張機能であってもよい。そのような拡張機能には、ソースコードのみが含まれることがあり、一方、プラグインには、オブジェクトコードが含まれることもある。また、電子メールの代わりに、ローカルアシスタントプログラム14はまた、以下で更に説明されるように、(Symphony Communication Services,LLCが提供している)Symphonyインスタントメッセージングサービスなどのチャットクライアント、又は他のチャットクライアントなど、他のタイプの通信アプリケーションと連携(例えば、相互作用)してもよい。
【0024】
図1に示されるように、ユーザコンピュータデバイス10は、コンピュータネットワーク20に接続してもよい。コンピュータネットワーク20は、例えば、売り手側の調査会社(又は該当する場合は他のタイプの組織)の企業コンピュータネットワークであってもよく、例えば、LAN、WAN、イントラネット、仮想プライベートネットワーク、エクストラネットなどの1つ以上で実装されてもよい。ユーザコンピュータデバイス10は、例えば、インターネットを含み得る有線及び/又は無線データ接続を介してコンピュータネットワーク20に接続してもよい。
【0025】
また、図1に示されるように、システムは、コンピュータネットワークを介して相互接続された複数のサーバを含んでもよい。サーバは、電子メールサーバ22及びバックエンドインテリジェントコンピュータシステム24を含む。電子メールサーバ22は、電子メール送信者と受信者との間で発信電子メールを送信、受信、及び/又は中継することを主な目的とするSMTP(簡易電子メール転送プロトコル、Simple Mail Transfer Protocol)サーバであってもよい。また、電子メールサーバ22によってホストされるドメインの電子メールアカウント(例えば、売り手側の調査会社又は場合によっては他のエンティティ/組織のドメイン)を管理してもよい。電子メールサーバ22は、例えば、Microsoft Exchange Server又は他の適切な電子メールサーバタイプであってもよい。
【0026】
ローカルアシスタントプログラム14は、電子メールサーバ22及びバックエンドインテリジェントコンピュータシステム24と相互作用して、ユーザコンピュータデバイス10のユーザにいくつかの強化された電子メール機能及びカスタマイズを提供する。例えば、バックエンドインテリジェントコンピュータシステム24は、機械学習を通じて、ユーザコンピュータデバイス10に送信された(及びユーザコンピュータデバイス10によって受信された)電子メールを読み取り及び解釈することができる。例えば、バックエンドインテリジェントコンピュータシステム24は、着信電子メールの送信者、件名(件名行から)、本文、署名、及び任意の添付ファイルを読み取り、解釈することができる。加えて、機械学習を通じて、バックエンドインテリジェントコンピュータシステム24は、着信電子メールの意図(intent)、電子メール内で尋ねられた質問(売り手側の調査会社の受信者にとって、特定の投資についての「あなたの見解は何ですか?」など)、及び電子メール内でリクエストされた任意のアクション(会議のリクエストなど)を理解するように訓練されている。バックエンドインテリジェントコンピュータシステム24からのこの情報を使用して、ローカルアシスタントプログラム14は、ユーザコンピュータデバイス10のユーザ(例えば、電子メール受信者)に、ユーザコンピュータデバイス10に表示可能なグラフィカルユーザインターフェース(GUI)を介して、電子メール送信者に関するインラインの関連コンテキスト情報(例えば、送信者との過去のミーティング、送信者が興味を持っているもの、送信者が受信者の組織内の他の者と持っている関係など)を提供することができ、着信電子メール内のリクエストに応じた、受信者又は受信者の組織によって送信された過去の(典型的かつ好ましい)最近の電子メールを提供することができる。ローカルアシスタントプログラム14によって提供されるGUIはまた、バックエンドインテリジェントコンピュータシステム24に送信された着信電子メールの特定のテキストをユーザが選択(例えば、ハイライト)することを可能にしてもよく、バックエンドインテリジェントコンピュータシステム24は次いで、解釈し、回答で応答することができる。バックエンドインテリジェントコンピュータシステム24は、電子文書のライブラリ27に基づいて回答を生成することができる。
【0027】
なお更に、ローカルアシスタントプログラム14は、次いで、GUIを介して、ユーザが、バックエンドインテリジェントコンピュータシステム24からの回答を、元の送信者への回答電子メール内に埋め込むことを可能にすることができる。例えば、GUIは、バックエンドインテリジェントコンピュータシステム24からの回答のテキストを、例えば、GUIのシングルクリックを介して、ユーザが元の送信者宛に返す電子メール内に回答のテキストを再入力する必要なく、元の送信者に返す電子メールに埋め込むことを可能にしてもよい。なお更に、電子メールの回答が元の送信者宛に返される前に、バックエンドインテリジェントコンピュータシステム24は、ユーザからの電子メールをレビューし、潜在的なエラー又は不一致を識別し、それに応じて、電子メールが元の送信者宛に送信される前に修正を行うようにユーザに促すことができる。ローカルアシスタントプログラム14は、バックエンドインテリジェントコンピュータシステム24と連携して、ユーザの着信電子メールに優先順位を付けることができる。
【0028】
バックエンドインテリジェントコンピュータシステム24は、ユーザに必要なデータを提供するために、多数のデータストアからのデータに依存する。データストアは、顧客関係管理(customer relationship management、CRM)データストア21、連絡先とのインタラクションデータストア23、人事(human resource、HR)データストア25、及び調査ライブラリ27を含むことができる。CRMデータストア21は、各連絡先の名前及び連絡先情報など、売り手側企業の連絡先に関する情報を格納することができる。CRMデータストア21はまた、連絡先が働いている買い手側企業などの会社に関するデータを格納してもよい。例えば、売り手側企業がその顧客(例えば、買い手側企業)向けのサービスティアを有する実施形態では、CRMデータストア21は、顧客のためのティアレベル(第1ティア、第2ティアなど)を格納してもよい。サービスティアレベル情報は、ユーザの電子メールに優先順位を付けるために使用することができる。例えば、より高いサービスティアレベルの顧客によって雇用されている(又は提携している)連絡先からの電子メールは、より低いサービスティアレベルの顧客によって雇用されている(又は提携している)連絡先からの電子メールよりも高い優先順位が付けられ得る。特に、売り手側及び買い手側企業の場合、CRMデータストア21はまた、買い手側企業によって管理される様々な投資ファンド、それらのファンドの保有資産(例えば、株式、投資など)、及びそれらのファンドの取引データ(例えば、ファンドがある期間にわたって売買している株式)に関するデータを格納することができる。
【0029】
なお更に、CRMデータストア21は、企業の連絡先の関係スコア又はランクを格納することができる。関係スコア及び/又はランクは、場合によっては、例えば、企業(例えば、売り手側企業)又は組織の人物と、着信電子メールの送信者などの企業/組織の外部連絡先といった、2人の間のスコア又はランクであり得、スコア/ランクは、その2人の間の電話及び電子メールのインタラクションの量及び頻度に基づいて計算され得る。スコア/ランクは、多くの外部連絡先について、企業/組織の複数の人に対して事前に計算することができるため、外部の連絡先から新しい電子メールを受信したときにスコア/ランクを事前に計算できる。スコア/ランクは、最近の電話及び電子メールのインタラクションを反映するために定期的に更新され得る。そのような関係スコア/ランクの計算の詳細は、Morgan Stanley Services Group Inc.に譲渡された米国特許第9,426,306号に記載されている。
【0030】
インタラクションデータストア23は、連絡先が売り手側企業の調査チームと行ったインタラクションに関するデータを格納する。連絡先と売り手側企業との間のインタラクションには、電子メール、電話、様々な連絡先と売り手側企業のメンバーが関与する会議などのインタラクションが含まれる。このインタラクションのタイプのデータとしては、インタラクションの日付、時間、期間、参加者、及び/又はトピックが含まれてもよい。データは、売り手側企業の従業員/代理人によってインタラクションデータストア23に入力されてもよい。インタラクションデータストア23はまた、連絡先がアクセスした(例えば、売り手側企業のwebサイトからダウンロードした)売り手側企業の調査作業成果物、及びいつアクセスしたのかに関するデータを格納してもよい。インタラクションデータストア23はまた、様々な個別の株式、株式のグループ(例えば、医薬品株、高配当株)、及び/又は資産クラス(債券、デリバティブ、商品など)などにおける送信者の関心の、関心モデルからの関心スコアを格納することができる。 興味のスコアは、送信者/連絡先が読む(又は売り手側企業のwebサイトからダウンロードする)売り手側企業による調査、送信者/連絡先の売り手側企業の様々な調査チームとのインタラクション、送信者/連絡先と関連する買い手側企業の保有資産及び取引などから導き出すことができる。そのような関心スコアをどのように計算することができるかに関する詳細は、「Computer-based systems and methods for determining interest levels of consumers in research work product produced by a research department」と題された米国特許8,694,413号、及び「Computer-based systems and methods for computing a score for contacts of a financial services firm indicative of resources to be deployed by the financial services firm for the contacts to maximize revenue for the financial services firm」と題された米国特許8,566,146号に記載されており、これらは両方ともMorgan Stanley Services Group Inc.に譲渡されており、両方とも参照によりそれらの全体が本明細書に組み込まれる。
【0031】
人事データストア25は、従業員の職務及び責任を含む、売り手側企業の従業員/電子メールユーザに関するデータを格納し得る。この情報は、従業員の電子メールの優先順位付けに使用することができる。従業員の職務に関連する電子メールの照会は、従業員の職務に関連しない電子メールよりも優先順位を高くすることができる。
【0032】
調査ライブラリ27は、調査作業成果物の作成日、レポートを作成したアナリストチーム、及び調査作業成果物が関連する会社、業界セクター、及び/又は地理的な地域などの、調査作業成果物に関するデータ(例えば、メタデータ)に加えて、アナリストチームの調査レポート及び他の作業成果物の電子コピーなど、売り手側フォームのアナリストチームによって作成された電子的で単語検索が可能な調査作業成果物を格納してもよい。そのようなデータストア21、23、25、及び27に関するより詳細は、参照によりそれらの全体が本明細書に組み込まれる以下の特許文献に見出すことができる。米国特許第7,734,517号、米国特許第7,689,490号、米国特許第7,769,654号、米国公開特許出願公開第2010/0290603号、及びWO2007/038587A2。
【0033】
これらのサーバ22、24のいずれか又は両方は、必要に応じて、相互接続された1つ以上の物理サーバコンピュータデバイスによって実装されてもよい。これらのサーバは、同じ場所に配置されてもよく、又は地理的に分散していてもよく、この場合、サーバは、コンピュータネットワーク20を介して通信することができる。データストア21、23、25、27は、コンピュータデータベース、データファイル、ディレクトリ、又はコンピュータによって使用されるデータを格納するための任意の他の好適なシステムとして実装されてもよい。データストアは、ソリッドステートメモリ(例えば、ROM)、ハードディスクドライブシステム、RAID、ディスクアレイ、ストレージエリアネットワーク(storage area network、SAN)、及び/又はコンピュータデータを記憶するために好適な任意の他のシステムとして具現化され得る。加えて、データストアは、webキャッシュ及びデータベースキャッシュを含むキャッシュを備え得る。
【0034】
図1が示すように、バックエンドインテリジェントコンピュータシステム24は、いくつかのAI及び/又は機械学習サブシステムを備えてもよく、それらの各々は、ソフトウェアによって実装されてもよい。バックエンドインテリジェントコンピュータシステム24は、例えば、本明細書に記載される機能を提供するためのいくつかの人工知能(AI)/機械学習(ML)システムを含み得る。例えば、バックエンドインテリジェントコンピュータシステム24は、自然言語処理(NLP)コンポーネント30を含むことができ、自然言語処理(NLP)コンポーネント30は、NLPを使用して、ユーザ宛の着信電子メールのテキストを解釈するだけでなく、ユーザによって下書きされた電子メールを、送信される前に解釈することもできる(例えば、エラーなどをチェックするために)。バックエンドインテリジェントコンピュータシステム24はまた、意図抽出コンポーネント32及びエンティティ抽出コンポーネント34を含んでもよい。意図抽出コンポーネント32は、機械学習を通して訓練されて、ユーザ宛の着信電子メールの意図を判定することができ、エンティティ抽出コンポーネント32は、機械学習を通して訓練されて、送信者が関連付けられているエンティティ(例えば、買い手側企業)を判定することができる。加えて、バックエンドインテリジェントコンピュータシステム24は、着信電子メール内の任意の質問又はリクエストに応じて、電子ライブラリ27内の最も関連性の高いコンテンツを決定するように、機械学習を通じて訓練された関連性コンポーネント36を含んでもよい。次いで、バックエンドインテリジェントコンピュータシステム24は、この関連性の高い情報を(ネットワーク20を介して)ユーザに返すことができるため、ユーザは、ローカルアシスタントプログラム14によって提供されるGUIとのインタラクションを通じて、元の送信者への回答にそれを含めることができる。
【0035】
図2は、本発明の様々な実施形態による、ローカルアシスタントプログラム14によって提供されるGUIの例を示す図である。図2に示されるように、ローカルアシスタントプログラム14は、仮想フィールド50を提供し、この例の電子メールインターフェースの右側に、カスタマイズされた回答及び情報を提供し、いくつかの場合及び例では、ユーザは任意選択で、シングルマウスクリックによって、着信電子メールに応じて送信される回答電子メールの下書き52に、これを含めることができる。図2の例は、GUIの左側に、元の送信者(この例ではMary Smith)から受信した電子メール54を表示し、更に左側に、送信者の元の電子メールに応答するユーザからの回答電子メールの下書き50を表示している。図2の左側の吹き出しは、概して、ふさわしい回答内容を生成するために、インテリジェント電子メールサーバ24によって抽出されたMs.Smithの電子メールからの情報のタイプを示す。図2の右側の吹き出しは、概して、GUIに含めるためにインテリジェント電子メールサーバ24からローカルアシスタントプログラム14に送り返される情報を示す。この情報は、インテリジェント電子メールサーバ24によって決定された関連する回答内容を含む。
【0036】
インテリジェント電子メールサーバ24は、電子メールサーバ22から、ユーザ宛の着信電子メールに関する情報を受け取る。インテリジェント電子メールサーバ24が受け取った情報は、電子メールの送信者、受信者、及び本文を含み得る。着信電子メールに添付される任意のファイル(存在する場合)も含めることができる。次いで、インテリジェント電子メールサーバ24のNLPコンポーネント30及びエンティティ抽出コンポーネント34は、それぞれの機械学習及びAIアルゴリズムを使用して、着信電子メール内の内容を識別することができる。例えば、NLPコンポーネント30は、送信者に関する詳細を識別することができる(着信電子メール内の送信者の署名ブロックからの送信者の連絡先情報を含む)。インテリジェント電子メールサーバ24はまた、必要に応じて、送信者の電子メール内の署名ブロックに基づいて、CRMデータストア21内に格納された送信者の連絡先情報を更新することができる。
【0037】
エンティティ抽出コンポーネントは、送信者に関連付けられたエンティティ、この例では「Critical Capital」、を識別するように、機械学習を通じて訓練することもできる。エンティティ抽出コンポーネントは、例えば、送信者の電子メールアドレス及び/又は送信者の署名ブロックを使用してエンティティを識別することができる。送信者及び送信者の組織に関する情報は、CRM及び連絡先とのインタラクションデータストア21、23内に格納される。例えば、Critical Capitalが買い手側企業であり、受信者の組織が売り手側企業である例では、CRMデータストア21は、買い手側企業によって管理される資金、その保有資産、及び最近の取引に関する最新のデータを格納し得る。連絡先とのインタラクションデータストア23は、送信者(この例ではMs.Smith)が、誰に、そして何時、売り手側企業の個人に、以前に電子メールを送信し、電話をかけたか、並びにそれらの電子メール及び通話の内容又は件名を含む、送信者の売り手側企業とのインタラクションに関するデータを格納することができる。また、連絡先が売り手側企業と持っていた対面の又はバーチャルな(ビデオ、電話会議など)会議に関するデータを格納することもできる。インテリジェント電子メールサーバ24は、この情報を使用して、ユーザ向けのカスタマイズされた回答の題材を生成することができる。実際、連絡先とのインタラクションデータストア23は、買い手側企業における売り手側企業の連絡先全員について、そのようなデータを格納し、この集約された買い手側企業の連絡先情報を使用して、ユーザのためにカスタマイズされた回答内容を生成することができる。
【0038】
例えば、元の送信者の電子メールアドレスに基づいて、インテリジェントな電子メールサーバ24は、送信者の関心スコア、送信者が最近読んだ売り手側企業によって発表された調査作業成果物(売り手側企業がその調査作業成果物をダウンロード可能にしているwebサイトから送信者がダウンロードした調査作業成果物をプロキシとして追跡することによって)、送信者と企業との最近のインタラクション(連絡先とのインタラクションデータストア23内に格納されている)、及び/又は送信者が最も近い(又は最高スコア/ランク)関係を持っている企業の人物(CRMデータストア21内に格納されている)を、様々なデータストアから引き出すか、又は様々なデータストアを介してアクセスすることができる。着信電子メールの受信者(図2の例ではEden Kinder)に基づいて、インテリジェント電子メールサーバ24は、受信者がメンバーであるアナリストチームによって準備された最近の調査作業成果物(論文、モデルなど、調査ライブラリ27内に格納されている)を引き出すことができる。インテリジェント電子メールサーバ24はまた、人事データベース25内の受信者の職務を調べることができる。例えば、受信者は調査チームのメンバーである可能性があり、彼/彼女の職務には、受信者のアナリストチームによって発表された調査に関する、会社の連絡先からの着信電子メールへ回答することが含まれる可能性がある。
【0039】
NLPコンポーネント30はまた、着信電子メールの要旨、又は本文、又は内容を識別することができるため、インテリジェント電子メールサーバ24の他のコンポーネント(例えば、意図抽出コンポーネント32)が、電子メールの本文内の任意の質問又はリクエストされたアクションについての意図を抽出して読み解くことができる。
【0040】
NLPコンポーネント30を使用して、インテリジェント電子メールサーバ24は、電子メールの本文内の質問を識別し、解釈することができる。NLPコンポーネント30は、そのAI及びNLP機能を使用して、電子メールの本文内に言及されている証券(例えば、株式ティッカー、上場企業、商品)を識別することができる。また、電子メールの本文内に言及されている人物、場所、及び/又は業界(存在する場合)を識別することもできる。例えば、送信者がヨーロッパの医薬品株式について尋ねた場合、NLPコンポーネント30は、ヨーロッパを場所として、医薬品を産業として識別するように訓練することができる。これらのキーワードは、調査ライブラリ27内の対応する文書について検索するときに使用され得る。これらの線に沿って、送信者が、上場企業のCEO若しくは他の役員、又は業界若しくは業界団体の広報担当者などについて、企業又は業界の見通しに関して、その人がした最近のコメントに関する質問として尋ねる場合、NLPコンポーネント30は、個人の名前を識別するように訓練することができ、識別された個人の名前は、調査ライブラリ27内の文書内の対応する情報について検索するときに使用することができる。
【0041】
着信電子メールの内容が識別されると、意図抽出モジュール32は、その機械学習の訓練を通じて、電子メールの意図、テーマ、及び/又は心理を識別することができる。株の上昇傾向又は下降傾向について質問しているのか?短期的、それとも長期的か?又は、今後若しくは最近のイベントによって影響を受ける(又は影響を受けない)株式についてか?投資の観点で、心理は強気、弱気、又はニュートラルか?再び、意図、テーマ、及び/又は心理が識別されると、それらは、調査ライブラリ27内の文書内の対応する情報について検索するために使用され得る。それらはまた、送信者の電子メールに関するメタデータ(例えば、送信者の電子メールは中立であった)として連絡先とのインタラクションデータストア23内に格納され得る。
【0042】
インテリジェント電子メールサーバ24のNLPコンポーネント30及び意図抽出コンポーネント32はまた、会議又は通話のリクエスト、特定の文書又はモデルのリクエストなどの、着信電子メール内でリクエストされたアクションを識別することができる。アクションリクエストを伴う過去の電子メールについての訓練を通じて、意図抽出コンポーネント32は、一般的にリクエストされるアクション、例えば、意図抽出コンポーネント32が以前の電子メール内でリクエストされたアクション、をより正確に識別することができるようになる。
【0043】
この情報が着信電子メールで識別されると、インテリジェント電子メールサーバ24は、元の送信者宛の回答電子メールに含める、対応する情報について検索することができ、その情報は、図2に示すように、ユーザのコンピュータデバイス10上のローカルアシスタントプラグイン14によって提供されるGUI内の、GUIの問い合わせの回答ブロック内に含めることができる。例えば、着信電子メールの識別された主題及び意図に基づいて、インテリジェント電子メールサーバ24は、図2に示されるように、調査ライブラリ27を検索することによって、送信者の問い合わせの回答を決定し、GUIに表示するために回答をローカルアシスタントプラグイン14に送信することができる。GUIはまた、1回又は限られた回数のユーザクリック又はGUIとのインタラクションによって、インテリジェント電子メールサーバ24からの問い合わせの回答を、元の送信者宛に返される回答電子メール内に自動的に含めることができるようにユーザが選択できる問い合わせの回答の追加ボタン40を含むことができる。ボタン40を介して問い合わせの回答を自動追加する代わりに、ユーザはまた、提案された問い合わせの回答をコピーし、従来のカットアンドペーストポインタ(例えば、マウス)作業又は操作を通して電子メールの回答の下書きの本文50に貼り付けることができる。
【0044】
同様に、識別されたアクションリクエストが会議(対面、電話又はビデオなどを介して)である場合、インテリジェント電子メールサーバ24は、電子メールサーバ22又は別のデータストア内に格納され得る受信者のカレンダー情報を引き出して、会議の可能な日付/時刻を識別することができる。元の着信電子メール内でリクエストされた検出されたアクションに対する回答についてのインテリジェント電子メールサーバの決定は、GUIのアクション回答ブロックにおいてユーザに表示することができる。1回又は限られた回数のユーザクリック又はGUIとのインタラクションによって、インテリジェント電子メールサーバ24からのアクション回答ブロックの内容を、元の送信者宛に返される回答電子メール内に自動的に含めることができるようにユーザが選択できる、関連するアクション回答ボタン42も存在し得る。また、ユーザはまた、アクション回答ブロックの内容をコピーし、それを電子メールの回答の下書きの本文50に貼り付けることもできる。
【0045】
GUIには、元の電子メールの送信者(この例ではMs.Smith)の連絡先情報を表示できる連絡先プロファイルブロックを含めることもできる。インテリジェント電子メールサーバ24が、送信者からの元の電子メール内の連絡先情報とCRMデータストア21内の送信者の連絡先情報の間に差異を識別する場合、連絡先プロファイルブロックは、ユーザによってアクティブ化又はクリックされたときに、インテリジェント電子メールサーバ24に、CRMデータストア21内の元の送信者の連絡先情報を更新させるボタン44を備えることができる。
【0046】
図2に示されるように、GUIはまた、連絡先とのインタラクションデータストア23内に電子メールがどのように記録されていくかを示すインタラクション詳細ブロックを含むことができる。電子メールとしてインタラクションが記録される。インテリジェント電子メールサーバ24によって決定されたインタラクションに関する他の情報も、連絡先とのインタラクションデータストア23内に記録され得る。例えば、インテリジェント電子メールサーバ24は、ユーザがボタン40をクリックして、インテリジェント電子メールサーバ24によって生成された問い合わせの回答事項を追加する(又はそうでなければ追加しようとしている)と、問い合わせの回答の内容から、送信者の回答が特定の証券を参照したということを連絡先とのインタラクションデータストア23内にログを記録することができる。インテリジェント電子メールサーバ24はまた、電子メールに期間を割り当てることができ、その期間は、例えば、電子メール内で参照される長さ(又は単語若しくは株式の数)に基づいて割り当てることができる。
【0047】
GUIはまた、図2に示される最近の読み物ブロックにおいて、元の送信者が最近読んだ売り手側企業によって発表された調査など、他の関連する情報も読者ブロック内に表示することができる。読者ブロックは、例えば、(元の送信者が売り手側企業の調査発表webサイトを介してアクセスするものに基づいて)送信者が最近読んだ記事を示すことができる。売り手側企業の調査発表webサイトは、元の送信者がwebサイト上でスクロールしたページ数に基づいて、元の送信者が調査記事を何ページ読んだか追跡することもでき、その情報はユーザの教育のためにGUIに含めることができる。
【0048】
図3は、本発明の様々な実施形態による、プロセスのフローチャートである。図示されたプロセスは、受信者のネットワークの電子メールサーバ22によって着信電子メール(例えば、Ms.Smithからの元の電子メール)が受信されるときに、ブロック100で開始する。ブロック102において、電子メールサーバ22は、受信者、送信者、内容(本文)、及び任意の添付ファイルを含む、受信した電子メールに関する情報及び詳細をバックエンドインテリジェントコンピュータシステム24に転送する。次いで、バックエンドインテリジェントコンピュータシステム24は、本明細書に記載され、図3のブロック104に概して示されるように、複数のインテリジェントなAIベースの機能を実行し得る。例えば、ブロック106において、バックエンドインテリジェントコンピュータシステム24のNLPコンポーネント30は、着信電子メール内の問い合わせを識別することができ、問い合わせが識別されると、ステップ108において、問い合わせに対する関連性の高い回答について調査ライブラリ27を検索することができる。
【0049】
関連性アルゴリズム36は、問い合わせに関係する可能性のある調査ライブラリ27内の情報の関連性を決定することができる。例えば、調査ライブラリ27内の各文書は、タグ付けすることができ、それらのタグは、関連する文書について検索するために使用することができる。売り手側調査のコンテキストにおいては、タグは、調査が関連する企業、企業の業界セクター、企業の地理的な地域、及び関連する場合は、調査の投資心理(強気、弱気、中立など)である可能性がある。このようにして、買い手側の連絡先が特定の会社の株式の見通しについて尋ねると、関連性アルゴリズム36は、その会社に関連する文書をより高くスコア付けする。また、会社のセクター及び/又は地理的な地域に関する文書は、適度に関連性があると評価され得る。なお更に、調査ライブラリ27内のより最近の調査文書は、より古い(より陳腐化した)調査文書よりも、高く重み付けすることができる(より関連性が高いため)。また、主に問い合わせ事項(問い合わせ内の企業、投資、地域など)に関する文書は、問い合わせ事項にわずかに又はかすかにしか関連しない調査文書よりも、高く重み付けをすることができる(より関連性の高いため)。これら及び他の適切な要因に基づいて、関連性アルゴリズムは、着信電子メール内の問い合わせとの関連性の観点から、調査ライブラリ27内の文書をスコア付けすることができる。
【0050】
次に、ブロック109において、バックエンドインテリジェントコンピュータシステム24のNLPコンポーネント30は、調査ライブラリ27内で見つけられる関連する文書に基づいて、着信電子メール内の照会に対する回答を生成することができる。したがって、回答は、「定型の」事前に準備された回答ではなく、代わりに、着信に応じて特別に生成される。生成された回答は、別の(第2の)電子メール内の照会が同じトピックで時間的に近い場合には(そのため、調査ライブラリ27内の同じ文書は、時間的な観点から同じになる)、第2の着信電子メール内の別の照会に対する回答と同じ(又は同様)であり得る。図2の例示的な問い合わせの回答ブロックによって示されるように、ステップ118において、準備された回答は、次に、バックエンドインテリジェントコンピュータシステム24によって、ユーザのデバイス10上のローカルアシスタント14に送信され、ステップ120において、ローカルアシスタント14によって提供されるGUIに表示することができる。
【0051】
ステップ110において、バックエンドインテリジェントコンピュータシステム24のNLPコンポーネント30は、会議、カンファレンスなどのリクエストなど、電子メール内でリクエストされたアクションを識別する。ステップ112において、バックエンドインテリジェントコンピュータシステム24は、電子メール受信者の会議/カンファレンスの空き時間について、例えば、電子メールサーバ22に格納されたカレンダー情報を検索する。次に、それらの空き時間は、図2の例示的なアクション回答ブロックによって示されるように、ステップ118において、バックエンドインテリジェントコンピュータシステム24によって、ユーザのデバイス10上のローカルアシスタント14に送信され、ステップ120において、ローカルアシスタント14によって提供されるGUIに表示することができる。
【0052】
ステップ114において、バックエンドインテリジェントコンピュータシステム24は、電子メールの送信者情報に基づいて、連絡先とのインタラクションデータベース23内で、企業が電子メールの送信者と行った最近のインタラクションについて調べることができる。次いで、それらの最近のインタラクションは、ステップ118において、バックエンドインテリジェントコンピュータシステム24によって、ユーザのデバイス10上のローカルアシスタント14に送信され、ステップ120において、ローカルアシスタント14によって提供されるGUI上に表示することができる。バックエンドインテリジェントコンピュータシステム24はまた、CRMデータベース23から送信者と受信者の関係のランク又はレベルについて調べ、その情報をローカルアシスタントGUIに表示することもできるため、ユーザはすぐに利用可能で見やすい、関係レベルのリマインダを得ることができる。
【0053】
ステップ116において、バックエンドインテリジェントコンピュータシステム24は、電子メール送信者の読者データ、例えば、最近の読み物、人気のあるトピックなど、について調べることができる。読者データは、次に、図2の例示的な最近の読み物ブロックによって示されるように、ステップ118において、バックエンドインテリジェントコンピュータシステム24によって、ユーザのデバイス10上のローカルアシスタント14に送信され、ステップ120において、ローカルアシスタント14によって提供されるGUIに表示することができる。
【0054】
電子メールクライアント12は、ユーザコンピュータデバイス10上に存在し、ユーザコンピュータデバイス10によって実行される、MS Outlookなどの電子メールプログラムであってもよく、この場合、ローカルアシスタントプログラム14は、本明細書に記載されるように電子メールクライアント12に追加の機能を提供するプラグインであり得る。他の実施形態では、電子メールクライアント12は、web電子メールクライアントを表示するブラウザであってもよく、その場合、ローカルアシスタントプログラム14は、本明細書に記載されるようにブラウザをカスタマイズするための拡張機能であり得る。ローカルアシスタントプログラム14及びバックエンドインテリジェントコンピュータシステム24は、データを交換し、電子メールサーバ22用のアプリケーションプログラミングインターフェース(API)を使用して、電子メールサーバ22と通信することができる。APIは、プログラムコードコンポーネント又はハードウェアコンポーネント(以下、「API実装コンポーネント」、例えば、電子メールサーバ22)によって実装されるインターフェースであり、異なるプログラムコードコンポーネント又はハードウェアコンポーネント(以下、「API呼び出しコンポーネント」、例えば、ローカルアシスタントプログラム14及び/又はバックエンドインテリジェントコンピュータシステム24)が、API実装コンポーネントによって提供される1つ以上の関数、メソッド、手続き、データ構造、クラス、及び/又は他のサービスにアクセスして使用することを可能にする。APIは、API呼び出しコンポーネントとAPI実装コンポーネントの間で渡される1つ以上のパラメータを定義することができる。APIは、API実装コンポーネントによって提供されるサービス又はデータにアクセスするため、又はAPI実装コンポーネントによって提供される動作又は計算の実行を開始するために使用することができる。例として、API実装コンポーネント及びAPI呼び出しコンポーネントは、各々、オペレーティングシステム、ライブラリ、デバイスドライバ、API、アプリケーションプログラム、又は他のモジュールのうちのいずれか1つであり得る(API実装コンポーネント及びAPI呼び出しコンポーネントは、互いに同じ又は異なるタイプのモジュールであり得ることを理解されたい)。API実装コンポーネントは、場合によっては、ファームウェア、マイクロコード、又は他のハードウェアロジックに少なくとも部分的に具現化され得る。API呼び出しコンポーネントは、ネットワーク越しにAPIを通してAPI実装コンポーネントと通信するローカルコンポーネント(すなわち、API実装コンポーネントと同じデータ処理システム上にある)又はリモートコンポーネント(すなわち、API実装コンポーネントとは異なるデータ処理システム上にある)であり得る。APIは、一般に、インターネット上で実装され、ハイパーテキスト転送プロトコル(Hypertext Transfer Protocol、HTTP)リクエストメッセージのセット、及びREST(表現状態転送、Representational state transfer)又はSOAP(シンプルオブジェクトアクセスプロトコル、Simple Object Access Protocol)アーキテクチャに従った、応答メッセージの指定フォーマット又は構造で構成される。
【0055】
NLPモジュール30は、訓練された機械学習の深層ニューラルネットワークを使用して、着信電子メール及び調査ライブラリ27内の自然言語データを処理及び分析し、送信者からの電子メール内の問い合わせに対する自然言語での回答を生成することができる。様々な実施形態では、NLPモジュール30は、高速な数値計算のためにTensorFlow Pythonライブラリを利用して、NLPモジュール30のための深層ニューラルネットワークを作成することができる。特に、NLPモジュール30は、深層リカレントニューラルネットワーク(RNN)を採用することができる。
【0056】
バックエンドインテリジェントコンピュータシステム24はまた、例えば、過去1時間、今日、過去数日などの期間にわたっての、ユーザ宛の着信電子メールに優先順位を付けることができる。このように、ユーザは、着信電子メールに回答する時間があるときに、最も優先度の高い電子メールを最初に回答することができる。バックエンドインテリジェントコンピュータシステム24は、電子メールの内容及び送信者を含む複数の要因に従って電子メールに優先順位を付けることができる。例えば、バックエンドインテリジェントコンピュータシステム24によって決定されるように、ユーザの職務に関連する着信電子メールは、ユーザの職務に関連しない電子メールよりも優先順位を高くすることができる。また、高優先度又は緊急とマークされた着信電子メールは、そうマークされていない着信電子メールよりも優先順位を高くすることができる。また、より高いサービスレベルティアを持つ企業(例えば、買い手側企業)の連絡先からの電子メールは、より低いサービスレベルティアを持つ企業からの電子メールよりも優先順位を高くすることができる。ローカルアシスタントプログラム14によって提供されるGUIは、電子メールを優先順位の順に(既読及び/若しくは未読)電子メールをユーザに示すことができ、並びに/又は電子メールの優先度を示す表記若しくはアイコンを含むことができる。
【0057】
バックエンドインテリジェントコンピュータシステム24はまた、調査ライブラリ27(又は別のデータストア)内で、売り手側のアナリストから、彼/彼女らの連絡先宛にメールを送ることができ、追加的にバックエンドインテリジェントコンピュータシステム24は、それらの電子メールを使用して、売り手側のアナリスト宛の新しい着信電子メールに対する回答を生成することもできる。1人以上のアナリストが、短期間に(以前の回答が時間的に依然として十分に短い期間)、同様のリクエストを伴う同様の電子メールを受信した場合、バックエンドインテリジェントコンピュータシステム24は、調査ライブラリ27内に格納された調査作業成果物に加えて、それらの以前の電子メールを使用して、質問に対する回答を生成することができる。
【0058】
上述のシステム及び方法は、現在の電子メールシステム及び電子メールプラグインと比較して多くの実用的及び技術的な利点を提供する。例えば、売り手側のアナリストは、しばしば買い手側の連絡先に未発表の調査を提供することを禁じられている。売り手側企業が作成した調査作業成果物を格納する調査ライブラリ内の単語検索が可能な文書から回答を生成することによって、システムは、売り手側のアナリストが未発表の調査を買い手側の連絡先に提供する可能性を低減し、かつ撲滅し得る。また、システムが回答を生成するため、同じトピックに関する複数の着信電子メールにわたって回答がより一貫する傾向にある。また、グラフィカルユーザインターフェースには、着信電子メールに固有の適切な自動回答が含まれており、ユーザが自動的に追加することができるため、回答電子メールを下書きするプロセスを簡素化する。ユーザは、単にボタン40、42(図2を参照)をクリックするか、又はそれを回答電子メールの本文にコピーして貼り付けることで、生成された回答を回答電子メールに自動的に追加することができる。加えて、様々な実施形態では、グラフィカルユーザインターフェースはまた、バックエンドインテリジェントコンピュータシステム24が生成した自動回答の適切さについて、ユーザがバックエンドインテリジェントコンピュータシステム24にフィードバックを提供するための機構を有してもよい。そのフィードバックに基づいて、バックエンドインテリジェントコンピュータシステム24のニューラルモデルは、より正確かつ/又は適切であるように継続的に訓練され得る。
【0059】
他の実施形態では、バックエンドインテリジェントコンピュータシステム24はまた、エンドユーザ(アナリストなど)に提案される内容及び/又はとるべきアクションを提供するように訓練されている。例えば、図6の例に示されるように、バックエンドインテリジェントコンピュータシステム24はまた、コンテキスト情報を決定する(そしてエンドユーザに返す)ために訓練され、連絡先(例えば、電子メール送信者)に関してとるべき今後のアクションを決定する機械学習見識抽出モデル33を含むことができる。今後のアクションとしては、例えば、連絡先に関連するトピックに関する電話会議や会議に連絡先を招待する、連絡先向けのサブスクリプションを作成又は追加する、連絡先を別の調査チームに紹介するなどがある。見識抽出モデル33は、連絡先が通話/会議のトピックに関心を持つ可能性に基づいて推奨される今後のアクションを識別するように訓練することができ、その関心は、連絡先の読者データ(例えば、連絡先によってアクセスされた企業による最近の調査記事及び/又は連絡先宛に送信された企業による最近の電子メール)又は連絡先に関する他のデータに基づいて決定することができる。1つの例示的なプロセスでは、送信者から受信者宛の電子メールは、本明細書に記載されるように、バックエンドインテリジェントコンピュータシステム24によってスキャンすることができる。意図抽出モジュール32は、次いで、電子メールの意図を判定することができる。次いで、バックエンドインテリジェントコンピュータシステム24は、(例えば、調査ライブラリ内の)意図を知識及び内容に一致させることができる。例えば、送信者の電子メールがXYZ社に関するものである場合、バックエンドインテリジェントコンピュータシステム24は、XYZ社に関連する調査ライブラリ内の知識/内容を探すことができる。次に、バックエンドインテリジェントコンピュータシステム24の見識抽出モデル33は、調査ライブラリ内の知識/内容に基づいて、エンドユーザに提案するための見識及び/又はアクションを導き出すことができる。例えば、見識抽出モデル33は、送信者の電子メール内で尋ねられたのと同様の質問をした後に、起こり得るクライアントの行動を決定するように訓練された機械学習モデルを含むことができる。したがって、意図抽出モジュール32は、現在の電子メール及び連絡先に関する情報(例えば、連絡先の最近の行動)に基づいて、連絡先の現在の(「現時点での」)意図を導き出すことができる。次いで、現在の意図を見識抽出機械学習モデル33に入力して、電子メール送信者/連絡先に関してユーザに推奨する今後のアクションを決定することができる。モデル33は、企業及び/又は連絡先に対して最適又は影響力のある今後のアクションを決定するように訓練することができる。推奨される今後のアクションは、ユーザインターフェース(図2を参照)によってユーザに表示することもできる。
【0060】
図4は、バックエンドインテリジェントコンピュータシステム24の図である。図示のバックエンドインテリジェントコンピュータシステム24は、図示の実施形態では、各々が複数(N個)のセットのプロセッサコア2404A~Nを備える、複数のプロセッサユニット2402A~Bを備える。各プロセッサユニット2402A~Bは、オンボードメモリ(ROM又はRAM)(図示せず)及びオフボードメモリ2406A~Bを備えてもよい。オンボードメモリは、プライマリで、揮発性及び/又は不揮発性のストレージ(例えば、プロセッサコア2404A~Nによって直接アクセス可能なストレージ)を備えてもよい。オフボードメモリ2406A~Bは、ROM、HDD、SSD、フラッシュなどのセカンダリの不揮発性ストレージ(例えば、プロセッサコア2404A~Nによって直接アクセス可能でないストレージ)を備えてもよい。プロセッサコア2404A~Nは、CPUコア、GPUコア、及び/又はAIアクセラレータコアであってもよい。GPUコアは、並列で動作し(例えば、汎用GPU(GPGPU)パイプライン)、したがって、典型的には、CPUコアの集合よりも効率的にデータを処理することができるが、GPUの全てのコアは、一度に同じコードしか実行できない。AIアクセラレータは、人工ニューラルネットワークを加速するように設計されたマイクロプロセッサのクラスである。これらは、典型的には、ホストプロセッサ2410を有するデバイス内のコプロセッサとしても用いられる。AIアクセラレータは、典型的には、AIアクセラレータが8ビット精度でCPUコアが64ビット精度であるように、CPUコアよりも低い精度で動作する数万のマトリクス乗算器ユニットを有する。
【0061】
様々な実施形態では、異なるプロセッサコア2404によって、バックエンドインテリジェントコンピュータシステム24の異なるコンポーネントを実装することができる。
例えば、プロセッサコア2404のうちの1つ以上及び/又はプロセッサユニットのうちの1つ以上は、バックエンドインテリジェントコンピュータシステム24のNLPコンポーネント30を実装し得る。1つ以上のホストプロセッサ2410は、プロセッサユニット2402A~Bを調整及び制御し得る。
【0062】
他の実施形態では、システム2400は、1つのプロセッサユニット2402だけで実装されてもよい複数のプロセッサユニットが存在する実施形態では、プロセッサユニットは、同じ場所に設置しても又は分散していてもよい。例えば、プロセッサユニット2402は、好適な有線及び/又は無線データ通信リンクを使用して、LAN、WAN、インターネットなどのデータネットワークによって相互接続してもよい。データは、データバス(好ましくは高速データバス)又はネットワークリンク(例えば、イーサネット)などの好適なデータリンクを使用して、様々な処理ユニット2402間で共有してもよい。
【0063】
バックエンドインテリジェントコンピュータシステム24及び本明細書に記載の他のコンピュータ機能(例えば、ローカルアシスタントプログラム14)用のソフトウェアは、.NET、C、C++、又はPythonなどの任意の好適なコンピュータプログラミング言語を使用して、及び従来型、関数型、又はオブジェクト指向の技術を使用して、コンピュータソフトウェアで実装することができる。例えば、バックエンドインテリジェントコンピュータシステム24は、例えば、RAM、ROM、セカンダリストレージなどのコンピュータ可読媒体内に記憶される、又はそうでなければ保持されるソフトウェアモジュールで実装されてもよい。機械学習システムの1つ以上の処理コア(例えば、CPU又はGPUコア)は、次いで、ソフトウェアモジュールを実行して、それぞれの機械学習システム(例えば、学生、コーチなど)の機能を実装してもよい。コンピュータソフトウェア及び他のコンピュータ実装命令のためのプログラミング言語は、コンパイラ又はアセンブラによって実行前に機械語に翻訳されてもよいし、及び/又はインタープリタによって実行時に直接翻訳されてもよい。アセンブリ言語の例としては、ARM、MIPS、及びx86が含まれ、ハイレベル言語の例としては、Ada、BASIC、C、C++、C#、COBOL、Fortran、Java、Lisp、Pascal、Object Pascal、Haskell、MLが含まれ。スクリプト言語の例としては、Bourneスクリプト、JavaScript、Python、Ruby、Lua、PHP、及びPerlが含まれる。
【0064】
上述の実施形態では、バックエンドインテリジェントコンピュータシステム24は、ユーザが連絡先からの電子メールに回答するのを支援した。他の実施形態では、バックエンドインテリジェントコンピュータシステム24は、図5に示すように、ワードプロセシングプログラムなどの作成プログラムなど、他のタイプのアプリケーションと共に使用することができる。図5に示される例では、ユーザのローカルコンピュータデバイスは、MS Wordなどのワードプロセシングアプリケーションを含む。ユーザの企業ネットワークはまた、文書管理サーバ52を含むことができる。この実施形態では、ユーザがワードプロセシングアプリ50上にワード成果物文書を書き込むと、文書管理サーバ52は、定期的に文書を格納し、文書の内容をバックエンドインテリジェントコンピュータシステム24に転送する。バックエンドインテリジェントコンピュータシステム24は、次いで、電子メールの場合と同様に、ワード文書の意図、エンティティなどを識別し、次いで、関連する文書について調査ライブラリ27を検索することができる。次に、バックエンドインテリジェントコンピュータシステム24は、ユーザが準備している文書のトピックについて書かれた最も関連性の高いテキストを転送することができる。ユーザがワードプロセシングアプリ50で文書を作成しているときに、関連性の高いテキストをローカルアシスタントのGUIで表示することができる。次に、ユーザは挿入ボタンをクリックして、ユーザが文書を準備している間に、ワンクリックで自動的にテキストを文書に挿入することができる。
【0065】
様々な実装では、バックエンドインテリジェントコンピュータシステム24はまた、ユーザ10がメールを読む前に、例えば、優先度に基づいてユーザの着信電子メールをソートすることができる。このようにして、着信電子メールは、優先度によってソートされる様式で、電子メール12によってユーザ10に提示され得る。優先度は、例えば、会社に対する送信者のクライアントの時間的敏感さ及び/又は重要さに基づき得る。例えば、回答が時間により敏感な電子メールは、回答が時間にあまり敏感でない電子メールよりも優先度を高くスコア付けすることができる。バックエンドインテリジェントコンピュータシステム24は、バックエンドインテリジェントコンピュータシステム24の機械学習モデルを使用して時間的敏感さを決定することができる。電子メールは、追加的又は代替的に、例えば、クライアントの優先度に基づいてソートすることができる。ユーザの会社やユーザにとってより重要なクライアントには、ある程度の重要度で、それほど重要ではないクライアントよりも高いスコアを付けることができる。ユーザの未読電子メールは、バックエンドインテリジェントコンピュータシステム24によって決定された優先度によって、電子メールクライアント内に表示することができる。
【0066】
優先度に基づいて電子メールをソートすることに加えて(又は代替的に)、バックエンドインテリジェントコンピュータシステム24では、見識抽出モデル33は、ある特定の期間(一晩、直前の24時間、ユーザによって指定された期間など)にわたって受信した電子メールに基づいて、ユーザ10によって実行されるべき提案されるアクションの優先順位付けされたリストを生成することができる。バックエンドインテリジェントコンピュータシステム24は、本明細書に記載されるように、選択された期間にわたって受信された電子メールをスキャン及び集約し、電子メールの意図を決定し、電子メールに対する提案されるフォローアップアクション(例えば、見識抽出モデル33)を決定することができる。次いで、バックエンドインテリジェントコンピュータシステム24は、電子メール送信者若しくはクライアントの時間的な敏感さ及び/若しくは重要性に基づく優先順位付け、又は他の関連する要因など、優先度についてのある評価基準に従って、提案されるアクションをソートすることができる。次に、優先度の高い提案されるアクションを、ローカルアシスタント14によってユーザに提示されるユーザインターフェース(図2を参照)でユーザに示すことができる。そのような機能の影響は重大であり得る。ユーザ/アナリスト10が朝出勤したとき(又はリモートで彼/彼女らの前夜の電子メールにアクセスしたとき)、バックエンドインテリジェントコンピュータシステム24は、上述のように、既にユーザの電子メールをソートし、ユーザの電子メール受信トレイ内でそれらを優先順位付けし、その日に実行すべき提案されるアクションの優先順位付けされたリストに加えて、個々の電子メールの各々に対する提案を生成している。
【0067】
上述の実施形態では、バックエンドインテリジェントコンピュータシステム24による分析は、電子メール送信者/連絡先からユーザ宛の電子メールに応答して開始された。他の実施形態及び実装態様では、バックエンドインテリジェントコンピュータシステム24による分析は、ユーザの音声アシスタントによって開始され得る。例えば、ユーザのコンピュータは、音声アシスタント機能(例えば、Siri、Alexaなど)を含んでもよく、ユーザは、音声アシスタントを介して、バックエンドインテリジェントコンピュータシステム24に、特定の連絡先又は特定の株式などについて尋ねてもよい。また、ローカルアシスタント14は、ユーザが、バックエンドインテリジェントコンピュータシステム24へのリクエストを入力することができるテキストベースの検索フィールドを有することができる。なお更に、特にローカルアシスタント14が生産性アプリケーション(例えば、ワードプロセシングアプリケーション50)と相互作用する実装態様では、ユーザは、文書の一部をハイライト又はスキャンして、バックエンドインテリジェントコンピュータシステム24に、文書のハイライトされた/選択されたセクションに関する見識を照会することができる。
【0068】
上述の実施形態では、ローカルアシスタント14は、例えば、電子メールクライアント12(図1を参照)、ブラウザ、又は生産性ソフトウェアプログラム(ワードプロセシングアプリケーション50(図1を参照)、プレゼンテーションエディタ(例えば、Powerpointなど)、スプレッドシートアプリケーション(例えば、Excel)など)などの、ユーザのコンピュータ上のソフトウェアプログラムのプラグイン又は拡張機能として説明される。更に他の実装態様では、ローカルアシスタント14は、ユーザのコンピュータ上のチャットクライアント(例えば、Symphony)などの他のタイプのアプリケーションと相互作用し、他のタイプのアプリケーションからアクセスされ得る。また、ユーザのコンピュータが、スマートフォン又はタブレットコンピュータなどのモバイルデバイスである可能性があることも明らかである。
【0069】
上述のように、他の実装態様では、エンドユーザは、バックエンドインテリジェントコンピュータシステム24を能動的に呼び出して、エンドユーザの職務に関連する情報を取得することができる。図7は、そのような実装のための例示的な設定を描画する。この実装態様では、エンドユーザのコンピュータ10は、プライマリソフトウェアアプリケーション12及びセカンダリソフトウェアアプリケーション14を使用する。プライマリソフトウェアアプリケーション12は、例えば、電子メールアプリケーション、ワードプロセシングアプリケーション、スプレッドシートアプリケーション、及びインスタントメッセージングアプリケーションなど、エンドユーザが作業成果物を作成するために使用するソフトウェアアプリケーションであり得る。セカンダリアプリケーション14は、例えば、プライマリアプリケーション12のプラグイン又は拡張機能であり得て、セカンダリアプリケーションは、エンドユーザがプライマリアプリケーション12からバックエンドインテリジェントコンピュータシステム24の支援を呼び出すことを可能にする。例えば、セカンダリアプリケーション14は、プライマリアプリケーションによって提供されるインターフェースにボタン又はそうでなければアクティブ化可能なリンク又はアイコンを組み込むことができる。図8A及び8Bは、プライマリアプリケーション12が電子メールアプリケーションである例を示す。図8Aの例では、ユーザは、「Ask Chabot」アイコン100をクリックして、ユーザの受信トレイインターフェイスからバックエンドインテリジェントコンピュータシステム24を呼び出すことができる。図8Bの例では、ユーザは、「Ask Chabot」アイコン100をクリックして、エンドユーザによって下書きされている電子メールからバックエンドインテリジェントコンピュータシステム24を呼び出すことができる。同様のタイプアイコンは、他のタイプのプライマリアプリケーションにも使用できる。
【0070】
アイコン100をアクティブ化すると、ウィンドウが開き、そこでエンドユーザが質問、又は単にトピックを入力することができる(バックエンドインテリジェントコンピュータシステム24は、トピックについての質問であると想定することができる)。ユーザが質問を入力すると、質問を、処理するためにバックエンドインテリジェントコンピュータシステム24に送付することができる。他の実施形態では、ユーザは、ウィンドウを音声でアクティブ化して問い合わせを入力し、及び/又は問い合わせ自体を音声で入力することができる。すなわち、例えば、第2のアプリケーション14は、エンドユーザによる音声コマンドを処理し、それに応答することができる音声認識システムを含み得る。例えば、ユーザは「Ask Chatbot」と音声で言うことができ、この場合、音声コマンドの認識に応答して、第2のアプリケーション14は、ユーザがバックエンドインテリジェントコンピュータシステム24への問い合わせを入力するためのウィンドウを開くことができる。また、問い合わせを入力するためのウィンドウが開くと、ユーザは問い合わせを音声で入力することができる。次いで、セカンダリアプリケーション14は、問い合わせを認識し、バックエンドインテリジェントコンピュータシステム24に送信する前に、ユーザの承認のためにそれをウィンドウにテキストで表示することができる。
【0071】
図7に示されるように、バックエンドインテリジェントコンピュータシステム24は、1つ以上のフロントエンドエージェント110及びいくつかのローカルエージェント112を含む、多くのインテリジェントエージェントを含み得る。フロントエンドエージェント110は、上述のように、NLP、意図抽出、エンティティ抽出、及び関連性モジュール30~36を含み得る(図1を参照)。また、様々な実施形態では、ローカルエージェント112の各々は、企業の特定のデータベースに関連付けられ得る。図示された実施形態は、調査ライブラリが、会社のコンピュータネットワークにわたって多くのデータベースに分散され得ることを例示するために、3つの調査ライブラリデータベース27A~Cを示す。CRM、連絡先とのインタラクション、人事データベース21、23、25も、企業内の多くのデータベースに分散し得る。各ローカルエージェント112は、機械学習を通じて調整又は訓練されて、ローカルエージェントに関連付けられたデータベースに関連する質問に回答することができる。すなわち、例えば、ローカルエージェント112の各々は、エンドユーザからの問い合わせに応じて、その関連付けられたデータベースからデータを取り出すように調整又は訓練され得る。例えば、調査ライブラリデータベース27に関連付けられたローカルエージェント112は、関連性及び適時性(例えば、最新性)の両方の観点から最適化された調査を取り出すように調整することができる。その一方で、例えば、連絡先とのインタラクションデータベース12に関連付けられたローカルエージェント112は、インタラクションの適時性及び関連性のために最適化された、連絡先の売り手側の調査会社とのインタラクションに関するデータを取り出すように調整又は訓練され得る。ローカルエージェント112はまた、各々がNLP、意図抽出、エンティティ抽出、及び関連性モジュール30~36(図1を参照)を含むため、ローカルエージェント112がエンドユーザとの対話に従事することができる。
【0072】
動作中、ユーザは、バックエンドインテリジェントコンピュータシステム24に問い合わせを提出する。フロントエンドインテリジェントエージェント110は、とりわけ、着信リクエストを処理して、問い合わせ事項であるエンティティ及び意図を決定するために機械学習を通して訓練することができる。例えば、売り手側調査のコンテキストにおいては、エンドユーザは、上場企業であるXYZ Corp.についてクライアント宛に電子メールを書いている場合がある。エンドユーザは、エンドユーザがXYZ Corp.に関する最近発表された調査を連絡先に転送できるようにするために、バックエンドインテリジェントコンピュータシステム24を呼び出して、その調査を依頼し得る。フロントエンドインテリジェントエージェント110は、リクエストからエンティティ「XYZ Corp.」を抽出して、リクエストの意図が最近の調査を求めているということを識別するために、着信リクエストを処理することができる。機械学習を通じて訓練されたフロントエンドインテリジェントエージェント110は、リクエストを処理するために適切なローカルエージェント112を識別することができる。次いで、フロントエンドエージェント110は、フロントエンドエージェント110によって、リクエストから抽出された問い合わせ及び/又は情報を、識別されたローカルエージェント112に転送することができる。例えば、フロントエンドエージェント110が、XYZ Corpに関する調査が調査データベース27A内に格納されていると判定した場合、調査データベース27Aに対応するローカルエージェント112に問い合わせを誘導することができる。次に、調査データベース27Aのローカルエージェント112は、ユーザに応答することができる。例えば、ローカルエージェント112は、XYZ Corp.に関連する売り手側企業の最近の調査発表へのリンクであるURLで応答することができる。エンドユーザは、次いで、URLをコピーして、エンドユーザが作成している作業成果物(例えば、電子メール)に貼り付けることができる。
【0073】
エンドユーザのリクエストが、クライアントによる売り手側フォームとのインタラクション、連絡先の買い手側企業の保有資産(例えば、買い手側企業はXYZ Corp.の株式を保有又は取引しているか)などに関するものである場合、フロントエンドエージェント110は、エンドユーザの問い合わせを適切なローカルエージェント112及び対応するデータベースに誘導することができる。ローカルエージェント112は、機械学習を通じて調整又は訓練されて、それらの関連付けられたデータベースに関連する質問に効率的、正確かつ迅速に回答することができる。フロントエンド及びローカルエージェント110、112は、教師あり、半教師あり、又は教師なしの訓練を使用して、訓練用の問い合わせで訓練することができる。フロントエンド及びローカルエージェント110、112は、それらの必要なスキル及び機能を学習するための任意の好適な機械学習アーキテクチャを含み得る。例えば、フロントエンド及び/又はローカルエージェント110、112は、深層人工ニューラルネットワークを含み得る。ローカルエージェント112は、webサービス呼び出し又はAPIを使用して、それらの関連付けられたデータベースからデータを抽出及び/又は取り出し得る。
【0074】
バックエンドインテリジェントコンピュータシステム24は、例えば、フロントエンド及びローカルエージェント112を介して、エンドユーザからの問い合わせに応じて、エンドユーザとの対話に従事することもできる。例えば、リクエストに応じて情報を提供することに加えて、バックエンドインテリジェントコンピュータシステム24のエージェント110、112は、個別に又は集合的に、エンドユーザの問い合わせに関連する追加情報で回答し得る。例えば、エンドユーザがXYZ Corp.についての最近の発表について尋ねた場合、最近の発表を回答することに加えて、バックエンドインテリジェントコンピュータシステム24は、XYZ Corp.を担当する売り手側のアナリストによる今後のセミナーに関する情報など、追加の関連情報で回答することができる。別の例として、問い合わせがXYZ Corp.の売り手側企業のレーティングだけである場合(例えば、買い、売り、保有維持、オーバーウェイト、アンダーウェイトなど)、バックエンドインテリジェントコンピュータシステム24は、最近の出版物でも応答することができる。エージェント110、112は、機械学習又はルールベースのAIシステムを通じて訓練されて、対話の一部として最新の追加情報を提供することができる。その目的のために、セカンダリアプリケーション14はまた、エンドユーザが追加情報(例えば、役に立った、役に立たなかったなど)を評価することを可能にしてもよい。フロントエンド及びローカルエージェント110、112のモデルは、フィードバックに基づいて更新され得るため、それらは、対話の一部としてより良い追加情報及び/又は提案で回答するように訓練される。
【0075】
様々な実装態様では、「Ask Chatbot」(又は他の名前)機能の呼び出しは、セカンダリアプリケーションに、連絡先による連絡先のインタラクション、連絡先の会社の保有資産及び取引、連絡先の読者としての関心など、可能性のある問い合わせトピックのメニューを表示させることができる。そのような特定の問い合わせトピックは、フロントエンドエージェント110がより正確かつ効率的に問い合わせを適切なローカルエージェント112に誘導することを可能にすることができる。
【0076】
また、前述の説明から明らかであり得るように、バックエンドインテリジェントコンピュータシステム24の舞台裏動作の動作は、エンドユーザに透過的であり得る。エンドユーザが認識できる限り、「Ask Chatbot」機能は、エンドユーザの質問を受け入れて回答し、上述のように追加の関連情報又は提案を提供し得る。エンドユーザは、フロントエンドエージェント110がその着信した問い合わせを適切なローカルエージェントに誘導すること、又はエンドユーザが異なるときに異なるローカルエージェントと対話し得ることを認識し得ない。
【0077】
図9は、エンドユーザがプライマリソフトウェアアプリケーションからバックエンドインテリジェントコンピュータシステム24の支援を呼び出す方法についての別の例を描画する。図9の例は、ユーザがインテリジェントアシスタントへの問い合わせ又はリクエストを入力することができるフリーテキストウィンドウを含む。次いで、ユーザは、送信ボタン92をアクティブ化して、問い合わせ/リクエストをネットワーク20を介してバックエンドインテリジェントコンピュータシステム24に送信させることができる。
【0078】
図9の例は、それが、エンドユーザが連絡先宛に電子メールを下書きしている電子メールアプリケーションのような、エンドユーザのための対応する連絡先があるプライマリアプリケーション12内で使用されていることを想定している。かかる実施形態では、電子メールプライマリアプリケーション12内のセカンダリアプリケーションによって提供されるボタンはまた、お気に入りアイコン94及びインタラクションアイコン96を含むことができる。ユーザは、お気に入りアイコン94をアクティブ化して、連絡先による最近の又はお気に入りの読み物に関する情報(例えば、連絡先がアクセスした売り手側企業による最近発表された調査)を取得することができる(バックエンドインテリジェントコンピュータシステム24から)。ユーザは、インタラクションアイコン96をアクティブ化して、連絡先が売り手側企業と持っていたインタラクションに関する情報を取得することができる(バックエンドインテリジェントコンピュータシステム24から)。エンドユーザはまた、連絡先の情報ボタン98をアクティブ化して、連絡先情報及び連絡先に関連付けられた資金による保有資産/取引など、連絡先に関する情報を取得することができる。特定の情報のためのこれら又は他の特定のアイコン/ボタン94~98は、エンドユーザがフリーテキストボックス90内にこの情報のための特定のリクエストを入力するための必要性を撲滅し、それによってエンドユーザの時間を節約する。
【0079】
本明細書に記載される能動的及び受動的な実施形態は、必ずしも別個のものではない。コンピュータ24は、同時に、(1)図1図6に関連して本明細書で概して説明されるように、ユーザの作業成果物(例えば、電子メール、ワードプロセシング文書など)をスキャンして、ユーザが作業成果物を準備する際の提案を行うためのシステムと、(2)図7図9に関連して本明細書で概して説明されるように、ユーザがバックエンドインテリジェントコンピュータシステム24に能動的に質問をし、又は情報をリクエストすることを可能にするシステムとの両方を提供することができる。図7に関連して説明されるインテリジェントエージェント110、112は、人工ニューラルネットワークなどの機械学習システムであると説明される。他の実施形態では、インテリジェントエージェント110、112のいくつか又は全ては、ルールベースの人工知能(AI)エージェントであってもよい。ルールベースのAIエージェントは、人間によってコード化された特定のルールのセットに基づいて事前に定義された結果を生成する。これらのシステムは、if-thenコード文のルールを利用する単純な人工知能モデルである。
【0080】
したがって、1つの一般的な態様では、本発明は、例えば、着信電子メールに回答する際に、組織のユーザを支援するためのコンピュータベースで実装されたシステム及び方法を対象とする。様々な実装態様では、システムは、電子メールをレビュー及び下書きするためのソフトウェアプログラムと、ソフトウェアプログラムにグラフィカルユーザインターフェースを追加する補助ソフトウェアプログラムとを含むユーザコンピュータデバイスを備える。システムはまた、ユーザコンピュータデバイスと通信している、組織のための電子メールサーバを備える。システムはまた、調査データベースを含むデータベースシステムを含み、調査データベースは、組織によって作成された単語検索が可能な電子調査作業成果物を含む。システムはまた、電子メールサーバ及びユーザコンピュータデバイスと通信しているバックエンドインテリジェントコンピュータシステムを備える。バックエンドインテリジェントコンピュータシステムは、連絡先からユーザ宛の着信電子メールに関するデータを受け取る。バックエンドインテリジェントコンピュータシステムは、自然言語処理(NLP)モデルを含む訓練された機械学習モデルを含むため、バックエンドインテリジェントコンピュータシステムは、着信電子メール内の問い合わせを識別し、問い合わせに応じて調査データベース内のコンテンツについて調査データベースを検索し、着信電子メールに関するデータを受け取った後に、問い合わせに最も関連する調査データベース内のコンテンツに基づいている、問い合わせに対して固有である問い合わせの回答を生成し、問い合わせの回答をユーザコンピュータデバイスに送信するように構成される。また、補助ソフトウェアプログラムは、ユーザがソフトウェアプログラムを使用して着信電子メールに対する回答電子メールを準備している間に、問い合わせの回答を表示するように、グラフィカルユーザインターフェースを構成し、グラフィカルユーザインターフェースは、問い合わせの回答ボタンを備え、この問い合わせの回答ボタンを通して、ユーザは回答電子メールに問い合わせの回答を自動的に挿入することができる。
【0081】
着信電子メールに回答する組織のユーザを支援するためのコンピュータ実装方法は、本発明の1つの一般的な態様では、データベースシステムの調査ライブラリ内に、組織によって作成された単語検索が可能な電子調査作業成果物を格納するステップを含む。この方法はまた、組織の電子メールサーバが、連絡先からユーザ宛の着信電子メールを受信すると、着信電子メールに関するデータを、通信しているバックエンドインテリジェントコンピュータシステムに転送するステップを含む。この方法はまた、バックエンドインテリジェントコンピュータシステムが、着信電子メールに関するデータを受け取ると、自然言語処理(NLP)モデルを含む訓練された機械学習モデルを使用して、着信電子メール内の問い合わせを識別し、問い合わせに応じて調査データベース内のコンテンツについて調査データベースを検索し、問い合わせに最も関連する調査データベース内のコンテンツに基づいている問い合わせに対して固有である問い合わせの回答を生成し、問い合わせの回答をユーザコンピュータデバイスに送信することを含む。ユーザコンピュータデバイスは、電子メールをレビュー及び下書きするためのソフトウェアプログラム、及びそのソフトウェアプログラムにグラフィカルユーザインターフェースを追加する補助ソフトウェアプログラムを含む。それに関連して、この方法は、ユーザがこのソフトウェアプログラムを使用して連絡先からの着信電子メールに対する回答電子メールを準備している間に、補助ソフトウェアが問い合わせの回答を表示するグラフィカルユーザインターフェースを表示するステップを更に含み、グラフィカルユーザインターフェースは、問い合わせの回答ボタンを備え、そのボタンを通して、ユーザは回答電子メールに問い合わせの回答を自動的に挿入することができる。
【0082】
システム及び方法の様々な実装態様によれば、電子メールをレビュー及び下書きするためのソフトウェアプログラムは、電子メールクライアントプログラムを含み、補助ソフトウェアプログラムは、プラグインソフトウェアプログラムを含む。他の実装態様では、電子メールをレビュー及び下書きするためのソフトウェアプログラムは、webブラウザを含み、補助ソフトウェアプログラムは、拡張機能ソフトウェアプログラムを含む。
【0083】
システム及び方法の様々な実装態様によれば、バックエンドインテリジェントコンピュータシステムは、着信電子メール内の会議リクエストを識別することと、会議リクエストに基づいてユーザのカレンダー情報を検索することと、会議リクエストに対して固有である会議リクエストの回答を生成することと、会議リクエストの回答をユーザコンピュータデバイスに送信することと、を行うように構成される。また、補助ソフトウェアプログラムは、ユーザが連絡先からの着信電子メールに対する回答電子メールを準備している間に、会議リクエストの回答を表示するように、グラフィカルユーザインターフェースを構成することができ、グラフィカルユーザインターフェースは、会議リクエスト回答ボタンを備えることができ、この会議リクエスト回答ボタンを通して、ユーザが回答電子メールに会議リクエストの回答を自動的に挿入することができる。
【0084】
システム及び方法の様々な実装態様によれば、バックエンドインテリジェントコンピュータシステムは、連絡先がアクセスした調査データベース内の文書を識別し、連絡先がアクセスした調査データベース内の文書に関するデータをユーザコンピュータデバイスに通信するように構成される。また、補助ソフトウェアプログラムは、ユーザが回答電子メールを準備している間に、連絡先がアクセスした調査データベース内の文書に関するデータを表示するように、グラフィカルユーザインターフェースを構成することができる。
【0085】
システム及び方法の様々な実装態様によれば、ユーザコンピュータデバイスは、文書作成ソフトウェアプログラムを更に含み、バックエンドインテリジェントコンピュータシステムは、ユーザが作成している文書に応じて、調査データベース内のコンテンツについて調査データベースを検索することと、調査データベース内のコンテンツに基づいて文書のテキストを生成することと、テキストをユーザコンピュータデバイスに送信することと、を行うように構成される。補助ソフトウェアプログラムは、ユーザが文書作成ソフトウェアプログラムを使用して文書を準備している間に、テキストを表示するように、グラフィカルユーザインターフェースを構成することができ、グラフィカルユーザインターフェースは、テキスト挿入ボタンを備え、このテキスト挿入ボタンを通して、ユーザが、文書作成ソフトウェアプログラムを使用して文書を作成している間に、文書にテキストを自動的に挿入することができる。組織としては、売り手側の調査会社を含むことができ、調査データベースは、売り手側の調査会社によって作成された単語検索が可能な電子調査作業成果物を含むことができる。
【0086】
システム及び方法の様々な実装態様に従って、バックエンドインテリジェントコンピュータシステムは、着信電子メール内の投資感情を識別し、着信電子メール内の投資心理をユーザコンピュータデバイスに送信するように構成される。その場合、補助ソフトウェアプログラムは、ユーザが回答電子メールを準備している間に、識別された着信電子メール内の投資心理を表示するようにグラフィカルユーザインターフェースを構成することができる。
【0087】
システム及び方法の様々な実装態様に従って、バックエンドインテリジェントコンピュータシステムは、ユーザ宛の着信電子メールに優先順位を付け、着信電子メールの優先日をユーザコンピュータデバイスに送信するように構成される。その場合、補助ソフトウェアプログラムは、ユーザ宛の着信電子メールの優先日を表示するようにグラフィカルユーザインターフェースを構成することができる。
【0088】
システム及び方法の様々な実装態様に従って、バックエンドインテリジェントコンピュータシステムは、訓練された機械学習モデルに基づいて、着信電子メールに応じてユーザに対して提案されるフォローアップアクションを決定し、補助ソフトウェアプログラムによって提供されるグラフィカルユーザインターフェース上に表示するために、提案されるフォローアップアクションをユーザコンピュータデバイスに送信するように更に構成される。
【0089】
システム及び方法の様々な実装態様によれば、バックエンドインテリジェントコンピュータシステムは、優先度評価基準に基づいて、ある期間にわたるユーザ宛の着信電子メールの優先順位リストを生成することと、この優先順位リストに従って、ソフトウェアプログラムがある期間にわたるユーザ宛の着信電子メールを表示するように、優先順位リストをソフトウェアプログラムに通信することと、を行うように更に構成され得る。なお更に、バックエンドインテリジェントコンピュータシステムは、訓練された機械学習モデルに基づいて、ある期間にわたる着信電子メールに応じて、1つ以上のユーザに対して提案されるフォローアップアクションを決定し、補助ソフトウェアプログラムによって提供されるグラフィカルユーザインターフェース上に表示するために、1つ以上の提案されたフォローアップアクションをユーザコンピュータデバイスに送信するように構成され得る。
【0090】
本明細書に提示される実施例は、本発明の潜在的かつ具体的な実装態様を例示することを意図している。実施例は、主に、当業者への本発明の例示の目的のために意図されていることを理解することができる。実施例の特定の態様は、必ずしも本発明の範囲を限定することを意図しない。更に、本発明の図面及び説明が、本発明の明確な理解に関連する要素を例示するために簡略化されており、明確化のために他の要素を除外していることを理解されたい。本明細書では様々な実施形態について記載してきたが、当業者であれば、これらの実施形態に対する様々な修正、変更、及び適合が、少なくともいくつかの利点を達成しながら起こり得ることは明らかであろう。したがって、開示される実施形態は、本明細書に記載される実施形態の範囲から逸脱することなく、そのような全ての修正、変更、及び適合を含むことが意図される。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8A
図8B
図9
【国際調査報告】