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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-10-23
(54)【発明の名称】流体系用の流量及び水位モニタ
(51)【国際特許分類】
   G01F 1/00 20220101AFI20241016BHJP
   G01F 23/284 20060101ALI20241016BHJP
   G01F 1/002 20220101ALI20241016BHJP
   G01S 7/02 20060101ALI20241016BHJP
   G01S 13/88 20060101ALI20241016BHJP
【FI】
G01F1/00 H
G01F23/284
G01F1/00 G
G01F1/002
G01S7/02 216
G01S13/88
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024518578
(86)(22)【出願日】2022-09-22
(85)【翻訳文提出日】2024-05-20
(86)【国際出願番号】 US2022044353
(87)【国際公開番号】W WO2023049247
(87)【国際公開日】2023-03-30
(31)【優先権主張番号】63/248,029
(32)【優先日】2021-09-24
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.BLUETOOTH
(71)【出願人】
【識別番号】524110436
【氏名又は名称】ハイドロ レーダー,エルエルシー
(74)【代理人】
【識別番号】100114775
【弁理士】
【氏名又は名称】高岡 亮一
(74)【代理人】
【識別番号】100121511
【弁理士】
【氏名又は名称】小田 直
(74)【代理人】
【識別番号】100202751
【弁理士】
【氏名又は名称】岩堀 明代
(74)【代理人】
【識別番号】100208580
【弁理士】
【氏名又は名称】三好 玲奈
(74)【代理人】
【識別番号】100191086
【弁理士】
【氏名又は名称】高橋 香元
(72)【発明者】
【氏名】エドワーズ,ジェラルド
(72)【発明者】
【氏名】ワン,ゾンボ
【テーマコード(参考)】
2F014
2F030
5J070
【Fターム(参考)】
2F014FC01
2F030CA10
2F030CC01
2F030CE22
5J070AB24
5J070AC03
5J070AC06
5J070AC11
5J070AD05
5J070AE07
5J070AF01
5J070AH35
5J070BA01
5J070BE01
(57)【要約】
流体の流れの特徴を観察するためのシステムが提供される。このシステムは、天底向きセンサ、アングルフローセンサ、及び処理回路を含む。天底向きセンサとアングルフローセンサは両方とも流体よりも上の或る距離に設けられる。天底向きセンサとアングルフローセンサは両方ともレーダーセンサである。処理回路は、天底向きセンサとアングルフローセンサからセンサデータを受信するように構成される。センサデータは、流体速度又は流体表面水位のうちの少なくとも1つを含む。処理回路は、センサデータに基づいて流れの特徴を判定するように構成される。
【選択図】図1

【特許請求の範囲】
【請求項1】
流体の流れの特徴を観察するためのシステムであって、
天底向きセンサと、
アングルフローセンサと、
処理回路と、
を備える、システムであり、
前記天底向きセンサと前記アングルフローセンサは両方とも流体よりも上の或る距離に設けられ、前記天底向きセンサと前記アングルフローセンサは両方ともレーダーセンサであり、前記処理回路は、前記天底向きセンサと前記アングルフローセンサからセンサデータを受信するように構成され、前記センサデータは、流体速度又は流体表面水位のうちの少なくとも1つを含み、前記処理回路は、前記センサデータに基づいて流れの特徴を判定するように構成される、システム。
【請求項2】
モニタをさらに備え、前記天底向きセンサと前記アングルフローセンサは両方とも前記モニタの一部として設けられる、請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
前記処理回路は前記モニタ内に設けられている、請求項2に記載のシステム。
【請求項4】
前記処理回路は前記モニタ内に設けられていない、請求項2に記載のシステム。
【請求項5】
複数のモニタをさらに備える、請求項1に記載のシステム。
【請求項6】
複数の送信機及び受信機を有する多重入力・多重出力フェーズレーダーをさらに備える、請求項1に記載のシステム。
【請求項7】
複数のトランシーバを有する多重入力・多重出力フェーズレーダーをさらに備える、請求項1に記載のシステム。
【請求項8】
慣性測定センサをさらに備える、請求項1に記載のシステム。
【請求項9】
前記天底向きセンサと前記アングルフローセンサは両方とも50GHz以上の周波数で動作するように構成される、請求項1に記載のシステム。
【請求項10】
前記天底向きセンサと前記アングルフローセンサは両方とも60GHz以上の周波数で動作するように構成される、請求項9に記載のシステム。
【請求項11】
前記天底向きセンサは、80GHz以上の周波数で動作するように構成される、請求項10に記載のシステム。
【請求項12】
前記処理回路は、洪水氾濫状態を識別し、また、流体速度、流体表面水位、及び周囲環境に関するデータのうちの少なくとも1つを使用して流れ特性を判定するために、機械学習を使用するように構成される、請求項1に記載のシステム。
【請求項13】
流体の流れの特徴を観察するためのモニタであって、
天底向きセンサと、
アングルフローセンサと、
処理回路と、
を備える、モニタであり、
前記モニタは、測定する流体よりも上の或る距離に設けられるように構成され、前記天底向きセンサと前記アングルフローセンサは両方ともレーダーセンサであり、前記処理回路は、前記天底向きセンサと前記アングルフローセンサからセンサデータを受信するように構成され、前記センサデータは、流体速度又は流体表面水位のうちの少なくとも1つを含み、前記処理回路は、前記センサデータに基づいて流れの特徴を判定するように構成される、モニタ。
【請求項14】
流体環境をイメージングするための方法であって、
受信信号を取得すること、
受信信号の組み合わせを蓄積すること、
レンジ情報を取得すること、
レンジ情報のレンジ情報ピークを見つけること、
ドップラー情報を取得すること、
各プロファイルのプロファイルピークを見つけること、
組み合わせ間の位相差を計算すること、
組み合わせごとの信号の到来角を決定すること、及び、
スキャン画像を構築すること、
を備える、方法。
【請求項15】
前記反射信号の組み合わせを蓄積することは、一次元高速フーリエ変換を使用して達成される、請求項14に記載の方法。
【請求項16】
前記ドップラー情報を取得することは、複数のデータフレームの第2のFFTを実行することによって達成される、請求項14に記載の方法。
【請求項17】
前記スキャン画像は、流体、周囲環境、パイプ、閉塞物、及び/又は他の因子の画像のうちの少なくとも1つを提供する、請求項14に記載の方法。
【請求項18】
前記受信信号を取得することは、モニタから受信信号を受信することによって達成される、請求項14に記載の方法。
【請求項19】
前記スキャン画像は三次元スキャン画像である、請求項14に記載の方法。
【請求項20】
前記アングルフローセンサは、壁又は壁上のリフレクタで反射するレーダー信号を送信するように構成される、請求項1に記載のシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願への相互参照
本出願は、その全体が本明細書に組み込まれる「流体系用の流量及び水位モニタ」という名称の2021年9月24日に出願された米国特許仮出願第63/248,029号に基づく優先権を主張するものである。
【0002】
本開示は、流体系の流量、流速、及び/又は水位を監視するためのデバイス、システム、及び方法に関する。
【背景技術】
【0003】
流体系の特性は、従来、被測定流体と接触する圧力センサ又は水位センサによって測定されてきた。例えば、底部取り付け型の圧力トランスデューサ及び音響ドップラー流量センサなどの測定機器が使用されてきたが、これらの機器の部品は被測定流体にかなり曝される。この暴露により測定機器が摩耗し、機器の信頼性及び動作寿命が低下することになる。その結果、作業員がより定期的に流体環境に入る必要がある場合があり、測定機器に関連するメンテナンス費用がさらに増加する場合がある。
【0004】
さらに、下水系、雨水系、及び他の排水系との関連では、流体環境への立ち入りは危険であることが多く、時間のかかる、非常に費用のかかるプロセスである。これらの環境はスペースが限られていることが多く、通常、危険物質が存在し、流体又は流体によって発生したガスに曝されると危険である。これらの閉鎖空間への立ち入り要件に関する規制及び法律が多くの国に存在する。例えば、ほとんどの国では、危険が生じた場合に追加の他の2人の人がマンホール内の作業員をすぐに引き上げることができるように、ポータブルガス検出器、換気システム、及びホイストとハーネス付きの三脚が必要である。これらの規制により、多大な人件費及び設備費が生じる。さらに、流体上センサは、被測定流体の近傍に配置する必要があることが多く、これは、流体が流体上センサの高さにまで上昇する場合に問題となる可能性がある。
【0005】
加えて、測定機器は特定の様態で設置する必要があることが多く、これは、この機器の設置の難易度を高める可能性がある。これはまた、作業員が流体環境内で費やす必要がある時間を長くする可能性がある。さらに、測定機器は実際の使用の前に校正しなければならず、この校正プロセスはユーザにとって負担になることがよくある。ユーザは、手動で機器を校正し、次いで、計算された校正値に基づいてセットアップを手動で調整する必要があることが多い。ユーザにこのプロセスの完遂を求めると大きな問題が生じる。人的誤差の発生確率が高まり、不正確な校正が行われる可能性が高まる。加えて、これらの校正プロセスが受け取る入力は限られており、設置される測定機器の精度には限りがある。
【0006】
既存の測定機器の精度にも限りがあるが、これにはいくつかの理由がある。第1に、システムは、特定の位置での流れ特性を測定するために単一のセンサを使用することが多い。これらのシステムは、異なる近傍位置での流れ特性の変化を考慮に入れていない。例えば、従来のセンサは、パイプ内の流路の中心での流れ特性を取得し、パイプ内の他の位置での流れ特性は理論値に基づいて計算される。パイプの壁に隣接する位置での流体の速度は、例えば、センサによって検出された速度に基づいて計算される。これにより流れ特性の推定値が得られるが、精度には限りがある。さらに、計算の精度をさらに低下させる可能性があるパイプ上の残留物の堆積、乱流などの他の因子は考慮に入れていない。
【発明の概要】
【0007】
本明細書で説明されるいくつかの実施形態は、流体の流れの特徴を観察するためのモニタに関する。様々な実施形態において、非加圧のパイプシステム内の流体の流量及び水位を測定するように構成されたモニタが提供され得る。モニタは、測定する流体よりも上に配備され、モニタは、流体の水位及び表面速度を測定することができる。モニタ内又はその他の場所に存在する処理回路は、下水の水位、現場の幾何学的形状、及び表面速度の測定値に基づいて流れ特性を計算することができるが、計算を行う際に他の因子も考慮され得る。
【0008】
モニタは、レーダー技術の使用を通じて動作し得る。天底向きセンサ及びアングルフローセンサは、測定する流体の表面速度を測定するためにレーダー技術を使用し得る。加えて、天底向きセンサ(表面速度の測定に用いられるのと同じセンサである又は同じではない場合がある)は、液体の水位を測定し得る。いくつかの実施形態では、システムは、仮想アレイを有する多重入力・多重出力(MIMO)フェーズレーダーを使用する。このMIMOフェーズレーダーは、システムが、多点表面速度測定及び環境キャラクタライゼーションのための向上した空間分解能をもつ水面の三次元画像を作成することを可能にし得る。
【0009】
本明細書で説明されるモニタ及びシステムは、他のセンサも使用し得る。例えば、慣性計測装置(IMU)センサを使用することができる。このIMUセンサをアングルドルッキングレーダーと組み合わせると、モニタの取り付けの向き、パイプの角度、パイプの直径、及び/又は流体の表面粗さを判定するための、周囲環境の自己キャラクタライゼーションが可能になり得る。この自己キャラクタライゼーションが提供されれば、レーダーの表面速度及び液体水位の測定値から流量を計算するときに、ユーザがパラメータを入力する必要性が最小限になり得る。ユーザが入力する必要性が減ることで、全体的な使いやすさが向上し、設置時間が減少し得る。
【0010】
本明細書で説明されるモニタ及びシステムは、業界をリードする精度を提供し得る。いくつかの実施形態では、60ギガヘルツを超えるレベルでのより高周波数の動作及び結合高速フーリエ変換(FFT)処理が用いられ、これにより流れの測定の分解能が向上し得る。いくつかの実施形態では、モニタは、線形周波数変調連続波形波長(LFMCW)レーダーシステムを含み、1つ以上の高速フーリエ変換を通じてエコー信号が処理され得る。例えば、エコー信号は、二次元(2D)FFTとズームFFTの組み合わせを通じて処理され得る。加えて、フローセンサ及び天底向きセンサは、50ギガヘルツ以上の周波数で動作し得る。いくつかの実施形態では、フローセンサ及び天底向きセンサは、60ギガヘルツ以上の周波数ででも動作し得る。例えば、1つの実施形態では、或る角度で見た流れの測定の中心周波数として60ギガヘルツの周波数が用いられ、天底向きの水位測定の中心周波数として80ギガヘルツの周波数が用いられ得る。他では、流れの測定にそのような高周波信号を使用することを避ける傾向があった。
【0011】
モニタは、下水系及び雨水系で有用であり得る。しかしながら、いくつかの実施形態では、モニタは、灌漑用水路、開水路(例えば、川、池、湖など)、タンクシステム、及び他の流体を測定するために他の環境で使用され得る。
【0012】
本明細書で説明されるいくつかの実施形態では、モニタは、測定する流体よりも上に設けられる。このようにして、モニタは、底部取り付け型の圧力トランスデューサ及び/又は音響ドップラー流量センサに比べて、流体に直接曝されることが少なくなり得る。これにより、モニタの信頼性及び動作寿命が増加し得る。加えて、被測定流体の外部に配置されたモニタの信頼性が増加することで、作業員がその環境に立ち入らなければならない回数が減り、メンテナンス費用の削減につながり得る。加えて、レーダーデバイスは、一度取り付けられると静止したままとなり、損傷、変位、及び/又は摩耗及び引き裂きの増加を引き起こす可能性のある物理的回転が回避される。
【0013】
様々な実施形態において、モニタから得られた情報はユーザデバイスに通信され、又はこの情報は、ユーザに提示され得る洗練された情報を生成するべく処理され得る。例えば、深さ及び速度の値がモニタで得られ、ユーザに提示するためにユーザデバイスに通信され、深さ及び速度の値はまた、ユーザに提示され得る流体表面の三次元画像、流体の速度を示すプロット、様々な位置での動作情報を示すための配管図などを生成するために用いられ得る。ディスプレイは、ユーザが、提示を望む情報を容易に選択することを可能にし得る。
【0014】
例示的な実施形態では、流体の流れの特徴を観察するためのシステムが提供される。このシステムは、天底向きセンサ、アングルフローセンサ、及び処理回路を含む。天底向きセンサとアングルフローセンサは両方とも流体よりも上の或る距離に設けられ、天底向きセンサとアングルフローセンサは両方ともレーダーセンサである。処理回路は、天底向きセンサとアングルフローセンサからセンサデータを受信するように構成され、センサデータは、流体速度又は流体表面水位のうちの少なくとも1つを含む。処理回路は、センサデータに基づいて流れの特徴を判定するように構成される。
【0015】
いくつかの実施形態では、システムはまた、モニタを含み、天底向きセンサとアングルフローセンサは両方ともモニタの一部として設けられ得る。処理回路はモニタ内に設けられ得るが、他の実施形態では処理回路はモニタ内に設けられていなくてもよい。加えて、システムは、いくつかの実施形態では、複数のモニタを含み得る。
【0016】
システムはまた、いくつかの実施形態では、MIMOフェーズレーダーを含み得る。このMIMOフェーズレーダーは、複数の送信機及び受信機を有し得る。加えて又は代替的に、MIMOフェーズレーダーは、複数のトランシーバを有し得る。いくつかの実施形態では、システムはまた、慣性測定センサを含み得る。
【0017】
いくつかの実施形態では、天底向きセンサとアングルフローセンサは両方とも50GHz以上の周波数で動作するように構成され得る。他の実施形態では、天底向きセンサとアングルフローセンサは両方とも60GHz以上の周波数で動作するように構成され得る。天底向きセンサは、80GHz以上の周波数で動作するように構成され得る。
【0018】
いくつかの実施形態では、処理回路は、洪水氾濫状態を識別し、また、流体速度、流体表面水位、及び周囲環境に関するデータのうちの少なくとも1つを使用して流れ特性を判定するために機械学習を使用するように構成され得る。いくつかの実施形態では、アングルフローセンサは、壁又は壁上のリフレクタで反射するレーダー信号を送信するように構成され得る。
【0019】
別の例示的な実施形態では、流体の流れの特徴を観察するためのモニタが提供される。モニタは、天底向きセンサ、アングルフローセンサ、及び処理回路を含む。モニタは、測定する流体よりも上の或る距離に設けられるように構成される。天底向きセンサとアングルフローセンサは両方ともレーダーセンサである。処理回路は、天底向きセンサとアングルフローセンサからセンサデータを受信するように構成され、センサデータは、流体速度又は流体表面水位のうちの少なくとも1つを含む。処理回路は、センサデータに基づいて流れの特徴を判定するように構成される。
【0020】
別の例示的な実施形態では、流体環境をイメージングするための方法が提供される。この方法は、受信信号を取得すること、受信信号の組み合わせを蓄積すること、レンジ情報を取得すること、レンジ情報のレンジ情報ピークを見つけること、ドップラー情報を取得すること、各プロファイルのプロファイルピークを見つけること、組み合わせ間の位相差を計算すること、組み合わせごとの信号の到来角を決定すること、及びスキャン画像を構築することを備える。
【0021】
いくつかの実施形態では、反射信号の組み合わせを蓄積することは、一次元高速フーリエ変換を使用して達成され得る。加えて、ドップラー情報を取得することは、複数のデータフレームの第2のFFTを実行することによって達成され得る。スキャン画像はまた、流体、周囲環境、パイプ、閉塞物、及び/又は他の因子の画像のうちの少なくとも1つを提供し得る。いくつかの実施形態では、受信信号を取得することは、モニタから受信信号を受信することによって達成され得る。スキャン画像を構築することは、三次元スキャン画像を構築することを含み得る。
【0022】
本発明の他の特徴及び特徴の組み合わせは、添付の図面と併せてなされる以下の詳細な説明から明らかとなるであろう。
【0023】
本発明を説明する目的で、図面は現在のところ好ましい形態を示している。本発明は図面に示された正確な構成及び手段に限定されないことを理解されたい。
【図面の簡単な説明】
【0024】
図1】本明細書でのいくつかの実施形態に係る、非加圧のパイプシステム内に配備された例示的なモニタを示す斜視図である。
図2】本明細書でのいくつかの実施形態に係る、非加圧のパイプシステム内に配備された別の例示的なモニタを示す概略図である。
図3】本明細書でのいくつかの実施形態に係る、開水路環境に配備された別の例示的なモニタを示す概略図である。
図4】本明細書でのいくつかの実施形態に係る、非加圧のパイプシステム内に配備された例示的なモニタを示す斜視図である。
図4A】本明細書でのいくつかの実施形態に係る、レーダー信号が壁で反射するように構成及び配備された例示的なモニタを示す概略図である。
図4B】本明細書でのいくつかの実施形態に係る、レーダー信号が壁で反射するように構成されたモニタからの出力値に対してプロットされた実際の速度値を示す例示的なプロットである。
図5A】本明細書でのいくつかの実施形態に係る、多重入力・多重出力(MIMO)フェーズレーダー内の送信機ユニット及び受信機ユニットを示す概略図である。
図5B】本明細書でのいくつかの実施形態に係る、代替的なセットアップでの送信機ユニット及び受信機ユニットを示す概略図である。
図6】複数のアンテナ要素を通じて水位値と流量値との両方を計算するべく線形周波数変調連続波(「LFMCW」)モードの二次元(2D)FFTによって生成され得るサンプルデータを示す図である。
図7】本明細書でのいくつかの実施形態に係る、モジュールからの情報をユーザに提示し得る例示的なディスプレイを示す概略図である。
図8A】本明細書でのいくつかの実施形態に係る、信号を受信して流れ特性を計算するために実行され得る例示的な方法を示すフローチャートである。
図8B】本明細書でのいくつかの実施形態に係る、受信信号を使用して流れ特性を計算するために実行され得る例示的な方法を示すフローチャートである。
図9】本明細書でのいくつかの実施形態に係る、例示的なシステムの様々なコンポーネントを示すブロック図である。
図10】本明細書に記載のいくつかの実施形態に係る、機械学習の例示的な方法を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0025】
本明細書で説明される様々な実施形態は、流体の流れ及び水位に関する情報を検出するためのモニタに関する。同様の参照符号は、同様の特徴を指すことを意図している。例えば、参照符号102、202、302、及び402はそれぞれモニタを指す。
【0026】
さらに、本開示及び付属の特許請求の範囲で用いられる「又は」という用語は、排他的な「又は」ではなく包括的な「又は」を意味することを意図している。つまり、特に明記されていない限り、又は文脈から明らかでない限り、「XはA又はBを使用する」という文言は、自然な包括的置換のいずれかを意味することを意図している。つまり、「XはA又はBを使用する」という文言は、XはAを使用する、XはBを使用する、又はXはAとBの両方を使用するのいずれかによって満たされる。加えて、本出願及び付属の特許請求の範囲で用いられる冠詞「一」及び「一つ」は、単数形を指すことが特に明記されていない限り又は文脈から明らかでない限り、一般に「1つ以上」を意味すると解釈されるべきである。本明細書及び特許請求の範囲の全体を通して、以下の用語は、文脈により別段の指示がない限り、少なくとも本明細書に明示的に関連付けられた意味を有する。以下で識別される意味は、必ずしも用語を限定するものではなく、単に用語の具体例を提供するものにすぎない。「一」、「一つ」、及び「その」の意味は、複数形での言及を含む場合があり、「における」の意味は、文脈により明確に別段の指示がない限り、「内の」、「での」、及び/又は「上の」を含む場合がある。本明細書で用いられる場合の「1つの実施形態では」という文言は、同じ実施形態であり得るが、必ずしも同じ実施形態ではない。
【0027】
本明細書で説明される様々な実施形態は、モニタ及びモニタを使用する関連するシステムに関する。図1は、流体108の流れ特性の情報を取得するためのモニタ102を含む例示的なシステム100の概略図を示している。いくつかの実施形態では、モニタ102は、天底向きセンサ104を含み得る。この天底向きセンサ104は、天底向きセンサ信号経路114を生じるように構成され、この天底向きセンサ104は、第1のカバレッジエリア115での流体108に関する情報を提供し得る。天底向きセンサ104から得られたデータは、流体の水位を判定するために使用され、このデータはまた、流体の流量、速さ、方向などを判定するために他のセンサからのデータとともに又は他のセンサからのデータなしに使用され得る。天底向きセンサ104は、雨水環境、下水道、開水路環境などで使用することができる。天底向きセンサ104は、いくつかの実施形態では、レーダーセンサであり得る。この天底向きセンサ104は、+/-0.125インチ以上の精度を有し、天底向きセンサ104はまた、いくつかの実施形態では、およそ100フィートのレンジを有し得る。
【0028】
いくつかの実施形態では、アングルドセンサ106も設けられ得る。アングルドセンサ106は、アングルドセンサ信号経路112を生じるように構成され、このアングルドセンサ106は、第2のカバレッジエリア113での流体108に関する情報を提供し得る。アングルドセンサ106は、流体108の表面に対して或る角度に向けることができ、流速などの流体の様々な特性を判定するために天底向きセンサ104と併せて使用することができる。アングルドセンサ106はレーダーセンサであり得る。アングルドセンサ106は、+/-0.03フィート毎秒以上の精度を有し得る。いくつかの実施形態では、天底向きセンサ104及びアングルドセンサ106は、0.3フィート毎秒乃至五十(50)フィート毎秒の範囲の流れの速度を測定し得るが、他の範囲も測定し得る。加えて、天底向きセンサ104及びアングルドセンサ106は、単に速さ値を提供してもよく、又は速度値(速さ及び関連する流れ方向を有する)を提供してもよい。このような高精度の天底向きセンサ104及びアングルドセンサ106を設けることで、ボリューム推定の全体的な精度が大いに向上し得る。アングルドセンサが適正に機能するには、測定する流体に高さ0.125インチ以上の小さな波又はさざ波があることが必要な場合がある。
【0029】
いくつかの実施形態では、モニタ102内にIMUセンサ984(図9参照)が設けられ得る。このIMUセンサ984は、情報の取得又は配備環境のセルフキャラクタライズを支援し得る。IMUセンサ984の使用を通じて、モニタ102の配備取り付け角及び向き、パイプの角度、パイプの直径、及び/又は水面粗さを高レベルの精度で取得することができる。このIMUセンサ984の使用により、ユーザがモジュールを多様な向きに設置することが可能になり、IMUセンサ984は、向きの認識を可能にし得る情報を提供し、それに応じた測定値の調整を可能にし得る。また、このIMUセンサ984の使用により、モニタ102の最初のセットアップ中に設置者が提供しなければならない入力情報量が減り、モニタ102の設置がより容易になり得る。加えて、モニタ102の位置が時間の経過とともに変化する場合、IMUセンサ984は、これらの変化を検出し、それに応じて、受信した測定値を修正することができる。
【0030】
いくつかの実施形態では、システム及びモニタ102は、天底向きセンサ104とアングルドセンサ106との両方を有し得る。しかしながら、いくつかの実施形態では、モニタ102に、最初に、作動する天底向きセンサ104のみが設けられていてもよく、アングルドセンサ106は追加のオンライン購入により作動させることができる。センサ104、106、及び他のセンサは、IP68以上の筐体などの筐体内に収容され得る。天底向きセンサ104及びアングルドセンサ106からのデータを使用して、モニタ102及び関連するシステムは、流体の水位のデータと、オーバーフロー又は高水位警告の警報を送信し得る。
【0031】
図示の実施形態では、モニタ102は、パイプ110内を流れる流体108の流れ特性に関する情報を取得するために使用される。このパイプ110内では、流れ特性は位置によって異なる可能性がある。下水系及び雨水系内の液体の流れには波又は乱れがあるが、この液体の流れは、通常、比較的平穏なままである。しかしながら、パイプ110の特定の部分に存在する詰まり又は残留物から流れ特性の変化が生じる可能性があり、これにより、パイプの長手方向の及び断面に沿った流れ特性の変化が生じる可能性がある。例えば、乳児のおしりふき又は他の素材が詰まりを引き起こす可能性がある。加えて、流速は、パイプ110の中央部116での流速に対してパイプ110の縁部118で減少する可能性がある。本明細書で説明されるモニタ102は、これらの変化を考慮して、パイプ内の様々な位置での流れ特性及び/又はトポグラフィの変化を効果的に判定するために使用され得る。加えて、モニタ102は、詰まりが存在し得る又は詰まりが生じ得るエリアの判定を支援することができ、これは環境の事前のイメージングを用いることによって行われ得る。
【0032】
図2は、流体208の流れ特性の情報を取得するためのモニタ202を含む別の例示的なシステム200の概略図を示している。図示の実施形態では、モニタ202は、パイプ210内を流れる流体208の流れ特性に関する情報を取得するために使用される。いくつかの実施形態では、モニタ202は、天底向きセンサ104(図1参照)を含み得る。この天底向きセンサ104は、天底向きセンサ信号経路214を生じるように構成され、この天底向きセンサ104は、第1のカバレッジエリア215での流体208に関する情報を提供し得る。
【0033】
いくつかの実施形態では、アングルドセンサ206も設けられ得る。アングルドセンサ206は、アングルドセンサ信号経路212を生じるように構成され、このアングルドセンサ206は、第2のカバレッジエリア213での流体208に関する情報を提供し得る。
【0034】
モニタ202は様々な位置に設置され得る。モニタ202は、流体から或る距離にとどまりながら、流体の特性を検出することができる。例えば、モニタ202は、流体から一(1)フィート乃至百(100)フィート離れたところに設けられ得る。このようにして、モニタ202は、流体に曝されることが少なくなり、モニタ202は時間の経過とともに摩耗することが少なくなり得る。したがって、モニタ202の寿命が長くなり、信頼性が向上し得る。これにより、様々な理由でコストが削減され得る。モニタ202を頻繁に交換する必要がなくなり、作業員がモニタ202に対して行う必要があるメンテナンスの頻度が減り、出費が削減される。
【0035】
図2に図示されている実施形態では、モニタ202は、パイプ210のキャビティ220内に配置されている。キャビティ220内にマウント222が設けられており、後退可能なレール224の使用を通じてモニタ202を上又は下にシフトすることができる。一般に、モニタ202は、一旦マウント222に固定されると静止したままである。したがって、物理的な移動又は回転が回避され、損傷及び変位のリスクが防止され得る。モニタ202がシフトされた場合でも、提供されるデータ及び計算が高精度を維持するように、IMUセンサ984(図9参照)がモニタ202の再校正を支援することができる。
【0036】
パイプ内に配置されたモニタが図1及び図2に示されているが、モニタは他の環境に設けられてもよい。例えば、図3は、開水路環境に配備されたモニタの概略図を示している。モニタ302は前述のモニタ102、202と同様に動作し得る。モニタ302は、アングルドセンサ信号経路312及び第2のカバレッジエリア313を備えるアングルドセンサを有し、モニタ302は、天底向きセンサ信号経路314及び第1のカバレッジエリア315を備える天底向きセンサを有し得る。
【0037】
別の例として、図4は、パイプの出口に配備される例示的なモニタ402の斜視図を示している。前述の他のモニタと同様に、モニタ402は、流体408の特性を測定するために、天底向きセンサ404及びアングルドセンサ406を含み得る。モニタ402はレール426に固定され、レール426は別の構造体に固定され得る。
【0038】
下水/雨水系の液体上レーダーフローモニタでは特定の課題が生じる。これらのモニタは、狭い幾何学的形状をもつ限られた容積内で頻繁に用いられる。この場合、レーダー信号はモニタからアングルドセンサにおよそ45度の角度で送信されることが多いため、モニタを流体の近傍の位置まで下げる必要があることが多い。流体の水位が変動する可能性があるため、例えば、嵐の間に又は流路に詰まりが発生した場合に流体の水位が上昇する可能性があるため、モニタをより低い位置に配置すると問題がある可能性がある。流体の水位がモニタの高さにまで上昇すると、モニタが流量又は水位の読み取りを行うことができなくなり、モニタ及びその内部の電気部品が損傷する可能性がある。図4Aの例示的な実施形態は、これらの課題に対処するのに役立つ。
【0039】
図4Aは、レーダー信号が壁で反射するように構成及び配備された例示的なモニタ402Aの概略図を示している。レーダー信号が壁で反射するように構成されたモニタを使用すると、レーダー信号がヴォールトの壁で反射することで、はるかにより高い高さからの流速の測定が可能になり得る。これにより、モニタの信頼性及び動作寿命が増加し得る。さらに、これにより、モニタを頻繁に交換する必要がなくなり、作業員がモニタに対して行う必要があるメンテナンスの頻度が減り、出費が削減されるので、コストが削減され得る。図示の実施形態では、モニタ402Aは、レーダー信号を或る角度で送信するように構成されたアングルドセンサ406Aを有する。いくつかの実施形態では、この角度はおよそ45度であり得る。レーダー信号は、アングルドセンサ信号経路412Aに沿って送信され、アングルドセンサ信号経路412Aは、レーダー信号が流体408Aに到達し得るように壁で反射する。レーダー信号からのドップラー信号が反射してモニタ402Aに戻る。図示の実施形態では、壁の特定の位置にリフレクタ496が設けられ得る。しかしながら、他の実施形態では、レーダー信号はリフレクタ496なしに壁で反射し得る。リフレクタ496は、いくつかの実施形態では金属を備え得るが、リフレクタ496では他の材料が使用されてもよい。レーダー信号が壁で反射するように構成されたモニタが使用される場合、レーダー信号の送信パワーは、レーダー信号が流体に向けて直接送信されるときにレーダー信号に使用される送信パワーに対して増加し得る。レーダー信号の送信パワーレベルは、モニタが適切に機能することを保証するために特定の使用例に合わせて調整され得る。加えて、いくつかの実施形態では、レーダー信号は或る角度範囲で送信され、レーダー信号は、(例えば周波数操作を通じて)いくつかの可能な角度にわたって操作され得る。レーダー信号が送信される角度及び信号が受信される角度は、1つ以上のアンテナを使用して変更され得る。図4Aでは、流体は所与の速度で右から左に移動している。しかしながら、モニタは、流体が他の方向(例えば左から右又はその他の方向)に移動している場合の流体の特性を検出してもよい。
【0040】
レーダー信号が壁で反射するときにモニタが流体の速度を正確に予測できることを検証するためにテストを実施した。テストを行うにあたり、金属プレートを垂直に設置し、モニタを、レーダー信号を45度の角度で送信するように設置した。モニタの向きは、レーダー信号が金属プレートで反射して、或る速度で移動する流体の方に向かうように、レーダー信号を金属プレートに向けて或る角度で送信するように設定した。モニタは制御された実験室でテストされ、流体は正確な速度制御を可能にするために制御されたフリューム内で流された。このようにして、外部因子の影響を最小にすることができた。テストでは、モニタを使用して5分間の水の速度を測定した。工業用ソナー水速度センサを使用して実際の速度を求め、壁で反射したレーダー信号を使用してモニタで取得した値を実際の速度値と比較した。結果に再現性があることを確認するためにテストは複数回実施した。
【0041】
図4Bは、レーダー信号が壁で反射するように構成されたモニタからの出力値に対して実際の速度値をプロットしたテストの結果を示す例示的なプロットを示している。実際の速度値がY軸で提供され、モニタからの出力値がX軸で提供されている。様々なデータポイントが、平均値、75パーセンタイル平均値、最大値、及びメディアンフィルタ値についてプロットされている。さらに、各データポイントに対するベストフィットラインをプロットした。プロットライン451は、メディアンフィルタ値データポイントのベストフィットラインを示しており、ライン453は、平均値データポイントのベストフィットラインを示しており、ライン455は、75パーセンタイル平均値データポイントのベストフィットラインを示しており、ライン457は、最大値データポイントのベストフィットラインを示している。これらの値について、平均値は、5分間のテストウィンドウ内のすべての関連する値の平均値である。加えて、75パーセンタイル平均値は、セットの残りよりも大きいデータの25パーセントチャンクの平均値を表し、75パーセンタイル平均値は、極端な値を相殺するため、より統計学的に有意な結果をもたらす傾向がある。最大値は、5分間のテストウィンドウ内で収集されたすべての値の最大値である。また、メディアンフィルタ値は、個々のデータポイントをそれらの近傍のデータポイントによって評価し、その中央値をとったものである。メディアンフィルタ値は、極端な値を相殺する傾向があるため、より統計学的に有意な結果をもたらす傾向がある。
【0042】
実際の速度値とモニタからの出力値との間の関係性の統計解析では強い関係性が示される。関連する統計を以下の表に示す:
【表1】
【0043】
例示したように、反射したレーダー信号を使用してモニタによって取得された出力値と実際の速度値との間には、テスト中に強い関係性があった。異なる各メトリックについて、p値は0.05未満であり、モニタを使用して求められた出力値と実際の速度値との間に統計学的に有意な関係性があることを示している。さらに、各R二乗値は88.3%を超えており、強い関係性があることがさらに確認された。
【0044】
本明細書で説明されるモニタはまた、代替物と比べて向上した精度をもつ可能性があり、この増加した精度に多重入力・多重出力(MIMO)フェーズレーダアレイの使用が寄与し得る。図5は、MIMOフェーズレーダアレイ529内の送信機ユニット及び受信機ユニットの概略図を示している。図示の実施形態では、アレイ529は、2つの送信機要素530A、530B(まとめて530と略記する)を含み、アレイ529はまた、4つの受信機要素532A、532B、532C、532D(まとめて532と略記する)を含む。図5には2つの送信機530と4つの受信機532が示されているが、任意の数の送信機530及び受信機532が使用され得ることを理解されたい。処理回路986(図9参照)又はアレイ529内にマルチプレクサが設けられてもよく、このマルチプレクサは、送信機530から信号が送信される時間を制御し得る。加えて、1つ以上のトランシーバが使用されてもよく、トランシーバは信号を送受信する。そのようなアレイ529を使用することによって、天底向きセンサ及びアングルドセンサは、所与の環境内の流体の画像を生成するために使用できるデータを生成し得る。これにより、表面粗さを見ることができ、速度及び水位に関するデータも提供され得る。アレイはまた、情報を得るためにパイプ自体を画像化することも可能にし得る。ユーザがパラメータを設定する必要なしに情報を取得することができ、配備及び設置がより容易になる。アレイ529は、システムが、多点表面速度測定及び環境キャラクタライゼーションのための向上した空間分解能をもつ水面の三次元画像を作成することを可能にし得る。
【0045】
送信機530及び受信機532は、計算を最適化するために多様な様態で配置され得る。例えば、図5Aは、或る列で示される送信機530と、別の列で示される受信機532を示している。しかしながら、他の手法も同様に用いられ得る。例えば、図5Bは、用いられ得るカスタマイズされたセットアップを示している。
【0046】
モニタから受信したデータ及び他のデータに対して高速フーリエ変換を行うことができ、これは、より高解像度の流量及び水位測定値の決定につながる可能性がある。2D FFTを使用して、及びデータを高解像度で分析するために用いられる技術であるズームFFTの使用を通じて、データを処理することができる。図6は、水位値と流量値との両方を計算するために線形周波数変調連続波形波長(「LFMCW」)モードで二次元(2D)FFTによって生成され得るサンプルデータを示している。
【0047】
データは、モニタから取得し、処理し、ユーザが閲覧しやすいように遠隔の場所にあるディスプレイ上に示すことができ、このディスプレイは、ユーザが所望の情報を迅速に表示することを可能にする容易にナビゲートできるインターフェースを提供し得る。図7は、ユーザデバイス上に示され得る例示的なディスプレイ733を示している。このディスプレイ733は、モニタからの情報又はモニタからの情報を使用して作成された情報を提示し得る。ディスプレイ733の様々な領域が、異なるタイプの情報を提示し得る。図示の実施形態では、第1の領域734は、マップオンラインダッシュボードを提示し得る。本明細書で提供されるモニタ、システム、及び方法は、下水道の詰まり状態のより正確な監視を可能にし得る。このマップオンラインダッシュボードは、配管系の図を示し、配管系内の流れ特性の概要を提供し得る。マップオンラインダッシュボードはまた、水位及び流量ステータスを含むリアルタイムの流れ特性を提供し得る。システムは、洪水氾濫状態の位置及び区域をインテリジェントに識別し得る。インジケータ735は、流れ特性が適切であるかどうか、又は、流れ特性が詰まり又は他の問題が存在することを示唆しているかどうかを示し得る。例えば、モニタAのインジケータ735は流れ特性が適切であることを示し、モニタFのインジケータ735は流れ特性に伴う問題を示し得る。
【0048】
第2の領域736は、配管系内の特定の位置での流れ特性に関する情報を提示し得る。例えば、図示の実施形態は、パイプモニタB(734参照)の断面で検出された流れ特性に関する情報を提示している。第3の領域738は、データをテキスト形式又は数値形式で示し得る。
【0049】
1つ以上のステータス警告画面が提供され得る。図示の実施形態では、第1のステータス警告画面740A及び第2のステータス警告画面740Bが提供される。これらの画面は、詰まり、不規則な流れ特性、鉄砲水警告、環境問題などに関する情報を提示し得る。気象、環境、及び他の緊急問題に関する情報が、気象監視システムなどのリモートデバイス又はサーバから受信され得る。
【0050】
監視する流体の特性に関する改善された情報を得るために様々な方法を用いることができ、図8A及び図8Bは、採用され得る例示的な方法を示している。図8Aは、信号を受信して流量、流速、及び流体の水位などの流れ特性を計算するために実行され得る例示的な方法を示すフローチャートである。図8Bは、受信信号を使用して流量、流速、及び流体の水位などの流れ特性を計算するために実行され得る例示的な方法を示すフローチャートである。この方法は、流体の流れの三次元表現及び/又は表面速度のマップを取得して、流体の流れをより正確に推定するために用いられ得る。特に、いくつかの実施形態では、図8Aはモニタによって実施され、図8Bは別のデバイスによって実施され得る。しかしながら、他の実施形態では動作867及び868は実施されず、図8A及び図8Bはモニタ及び/又はモニタを含むシステムによって実施され得る。
【0051】
まず図8Aを見ると、動作860で送信信号TXが送信される。これらの信号は流体に向けて送信され、信号は流体で反射され得る。動作862で、これらの反射から受信信号(RX、RX…RX)が受信され得る。アングルドセンサが適正に機能するには、測定する流体に小さな波又はさざ波があることが必要な場合がある。いくつかの実施形態では、これらのさざ波の高さは0.125インチ以上でなければならない。しかしながら、他の実施形態では、特により高周波数の信号が用いられる場合、必要な高さはより小さい場合がある。
【0052】
動作864で、送信信号TXが送信される。これらの信号は流体に向けて送信され、信号は流体で反射され得る。動作866で、これらの反射から受信信号(RX、RX…RX)が受信され得る。図8に示されている例示的な方法では送信信号が2つだけ送信されるが、さらなる送信信号が送信されてもよい。加えて、いくつかの実施形態では、送信信号は1つだけ使用され得る。
【0053】
動作867で、受信信号が別のデバイスに送信され得る。これらの信号は、ネットワークを通じて、無線接続を通じて、又は有線接続を通じて送信され得る。しかしながら、いくつかの実施形態では、動作867は実施されず、図8A及び図8Bに示されている方法はモニタによって実施され得る。
【0054】
ここで図8Bを見ると、動作868で、受信信号がデバイスによって受信され得る。動作870で、反射信号の様々な組み合わせが蓄積され得る(例えば、RXで受信されたTX、RXで受信されたTXなど)。これは一次元FFTを介して実行され得る。動作871で、レンジ情報が取得され、レンジ情報のピークが決定され得る。動作872で、ドップラー情報が取得され得る。これは複数のデータフレームの第2のFFTを実行することによって実施され得る。動作874で、各プロファイルのピークが識別され、動作876で、様々な組み合わせ間の位相差が計算され得る。動作878で、その組み合わせの信号の到来角が決定され得る。動作880で、スキャン画像が構築され得る。このスキャン画像は三次元スキャン画像であり、スキャン画像は、流体、周囲環境、パイプ、閉塞物、及び/又は他の因子の画像を提供し得る。
【0055】
前述の方法の動作は、特に明記されていない限り任意の順序で実施され、いくつかの動作が同時に実施され得ることを理解されたい。加えて、本発明の範囲から逸脱することなく、動作を追加することができ、特定の動作を省略することができる。例えば、さらなる送信信号を送信することができ、又は送信信号を1つだけ送信することができる。
【0056】
様々なコンポーネントがモニタ内に設けられ、モニタは他のデバイスと接続され得る。図9は、例示的なシステムの様々なコンポーネントを示すブロック図である。モニタ902が図の上部に示されており、このモニタ902は処理回路986を有し得る。処理回路986は、1つ以上のプロセッサ、マイクロプロセッサ、コントローラ、マイクロコントローラ、又は他のコンピューティング要素を含み得る。
【0057】
モニタ902はまた、MIMOフェーズレーダアレイ929を有し得る。このアレイ929は、図5に示されている前述のアレイ529と同様であり得る。アレイ929は、第1の送信機930Aから最後の送信機930Nまでの範囲の、異なる数の送信機930を有し得る。加えて、アレイは、第1の受信機932Aから最後の受信機932Nまでの範囲の、異なる数の受信機932を有し得る。処理回路986は、個々の送信機930及び受信機932に直接接続されてもよく、又は処理回路986は、これらの要素に間接的に接続されてもよい。
【0058】
他のセンサがモニタ902内に又はモニタ902と並んで設けられ得る。天底向きセンサ904、アングルドセンサ906、及びIMUセンサ984がそれぞれ設けられ、これらのセンサは、上述の天底向きセンサ、アングルドセンサ、及びIMUセンサと同様に動作し得る。これらのセンサは、それぞれ、センサからのデータを利用できるように、処理回路986に直接又は間接的に接続され得る。
【0059】
通信インターフェース988も設けられ、通信インターフェース988は処理回路986に接続され得る。いくつかの実施形態では、通信インターフェース988は、イーサネット接続などの物理接続を介して他のデバイスと相互作用するように構成され得る。しかしながら、通信インターフェース988はまた、Bluetooth又はBluetooth Low Energy、無線LAN、Wi-Fiなどの近距離無線技術を通じて無線で通信するように構成されてもよい。通信インターフェース988はまた、モノのインターネット(「IoT」)セルラーネットワークを通じて通信するように構成されてもよい。例えば、通信は、カテゴリM1(「Cat M1」)技術又は狭帯域(「NB-IoT」)技術を通じて行われてもよい。衛星通信、及びLoRaWANネットワーク、SigFoxなどの他の低電力ワイドエリアネットワーク(LPWAN)が使用されてもよい。通信インターフェース988は、いくつかの実施形態では、アンテナと、送信機、受信機、又はトランシーバを有し得る。
【0060】
図示の実施形態では、通信インターフェース988は、ネットワーク990と直接又は間接的に接続をなすことができる。ネットワーク990への接続により、情報をモニタ902からネットワークに接続されたデバイスに送信することが可能になり、逆もまた可能になる。図示の実施形態では、ユーザデバイス931が示されており、このユーザデバイス931はディスプレイ933を含み得る。このディスプレイ933は、図7に示されているディスプレイ733と同様であり得るが、他のディスプレイも使用され得る。ユーザデバイス931は様々な形態をとり得る。例えば、ユーザデバイス931は、デスクトップコンピュータ、ラップトップ、タブレット、セルラーフォンなどであり得る。ユーザデバイス931はまた、通信インターフェースを含み得る。いくつかの実施形態では、データをほぼリアルタイムで送信するためにマシンツーマシンのセルラーネットワーク、衛星ネットワーク、又は他の低電力ワイドエリアネットワーク(LPWAN)が使用され得る。例えば、鉄砲水、異常な流れ特性、又は詰まりなどの重要なステータス状態が存在する場合にセルラーフォンが使用され得る。これらの重要なステータス状態が発生した場合、自動通話、テキスト、又はメッセージがセルラーフォンに送信され得る、又はセルラーフォンのアプリケーションから通知が提供され得る。
【0061】
いくつかの実施形態では、第2のデバイス992が提供される。この第2のデバイス992は、様々な形態をとり得る。例えば、第2のデバイス992は、サーバ、デスクトップコンピュータ、ラップトップ、タブレット、スマートフォンなどであり得る。いくつかの実施形態では、第2のデバイス992は、データロガーを有するネットワークデジタルツインであり得る。この第2のデバイス992は、特定のデータ及び他の情報を記憶できるメモリ994を含み得る。第2のデバイス992はまた、通信インターフェースを含み得る。代替的なシステムでは、モニタからのデータは通常、モニタ自体のデータロガーに記憶され、デバイスのサイズ及び重量が増加する。第2のデバイス992のこのメモリ994にデータを記憶することで、モニタ902のサイズ及び全体の重量を減少させることができる。したがって、モニタ902の使用及び設置がより容易になり得る。
【0062】
加えて、モニタ902、ユーザデバイス931、第2のデバイス992、又はネットワーク990に接続された別のデバイスで、計算が行われ得る。多くの実施形態では、計算は、ネットワークに接続された別個のサーバで行われ得る。計算がモニタ902自体以外の場所で行われる場合、モニタ内の処理回路が高い処理能力を持っている必要がないため、モニタのコストを削減することができる。さらに、サーバは複雑な計算を行うのにより良好な設備を備えている可能性があり、サーバが複数のモニタのそのような計算を行うこともできる。
【0063】
いくつかの実施形態では、第2のデバイス992又は別のデバイスは気象監視システムであってもよく、この気象監視システムは、鉄砲水警告又は他の関連する気象問題に関する警告を提供し得る。
【0064】
図9の様々なコンポーネント間の接続は様々な形態をとり得る。例えば、物理接続又は無線接続がなされ得る、又はデバイスはネットワークを介して接続され得る。様々な接続が示されているが、これらの接続は他の実施形態では異なる場合がある。例えば、特定の実施形態では、図示されていないさらなる接続が提供され得る、又は図示された接続は省略され得る。
【0065】
システムは、洪水氾濫状態の位置及び区域をインテリジェントに識別し、また、流れ特性を判定し得る。図10は、本発明の様々な実施形態で人工知能と共に用いられ得る、機械学習の例示的な方法1000のフローチャートである。処理回路は、オーバーフローの位置又は詰まりが存在し得る位置を判定するためのモデルを作成するように構成され得る。作成されたモデルは、これらの位置を迅速に調査できるように、これらの位置を識別するべく配備及び使用される。
【0066】
このシステムは、IMUセンサ、アングルドセンサ、及び天底向きセンサからのデータを有益に使用することができ、さらなるデータも使用することができる。このデータは、モデルを作成するために使用することができ、作成されたモデルは、提供される様々なタイプのデータに様々な重みを割り当てることができる。一部のシステムでは、モデルが配備された後でも、システムは、さらなるデータポイントを分析することで、作成されたモデルを有益に改善することができる。人工知能を用いることで、オーバーフロー/詰まりの位置に関する正確な情報が提供され、オペレータが十分な情報に基づいた決定を下せるように、これらのオブジェクトに関する情報をオペレータと(ディスプレイ上などで)共有することができる。モデルの利用により、ユーザがデータ及び他の情報のレビューに多大な時間を費やす必要がなくなり、ユーザが他の作業を実行できるようになり、ユーザが他の方法では自分で解決できなかった複雑な推定及び計算の実行及び考慮が可能になり得る(例えば、本明細書で説明されるシステムは、最も経験豊富なユーザにとっても有益であり得る)。モデルはまた、オーバーフロー及び詰まりの問題に対処するための応答時間を短縮し得る。
【0067】
いくつかの異なるタイプのデータを受信することで、例示的な方法1000は、複雑なモデルを生成するために実施され得る。例示的な方法1000は、予期されなかった異なるタイプのデータ間の関係性を見つけることができる。異なるタイプのデータ間の関係性を検出することで、方法1000は、限られた量のデータしか利用できない場合でも、正確なモデルを生成することができる。
【0068】
いくつかの実施形態では、モデルは、モデルが配備された後でも継続的に改善され得る。したがって、モデルは、システム又は環境の時間の経過に伴う変化に基づいて継続的に洗練され、これは、配備後に同じままである他のモデルと比較して利点をもたらす。例示的な方法1000はまた、モニタ又は環境に対する微妙な変化に基づいて様々なタイプのデータに与えられる重みを微調整するべく、配備されたモデルを洗練させることができる。モニタ又はシステムの特定の部分が交換、変更、又は損傷された場合、又は環境に急な変化がある場合、方法1000は、変化を迅速に考慮に入れ、正確な修正されたモデルを提供するべく、配備されたモデルを継続的に洗練させることができる。対照的に、モデルが継続的に洗練されない場合、モデル又は周囲環境に対する変化により、新しいモデルが作成及び実装されるまでモデルが不正確になる可能性があり、新しいモデルの実装は非常に費用と時間がかかり、継続的に洗練されたモデルよりも精度が低い可能性がある。
【0069】
動作1002で、1つ以上のデータポイントが受信される。これらのデータポイントは、受信される最初のデータポイントである場合もあれば、そうでない場合もある。これらのデータポイントは、流体の速さデータ、速度データ、方向データ、水位データ、又は粗さデータを含み得る。しかしながら、他のタイプのデータが使用され得る。動作1002で提供されるデータポイントは、好ましくは、生成されたモデルが正確であることを保証するために検証値を有するヒストリカルデータポイントである。データポイントは、離散型データポイントの形態をとり得る。しかしながら、データポイントが高い信頼度では不明な場合、計算されたデータ値が提供され、場合によっては、モデルを生成する際にデータ値に与えられるべき重みの決定を支援するために標準偏差又は不確実性値も提供され得る。これに関して、モデルは、モニタから受信したデータ及びさらなるデータに基づいて形成され得る。
【0070】
例えば、モデルは、オーバーフロー領域及び/又は詰まり領域と他のヒストリカルデータ(例えば、速度、速さ、水位、圧力など)とのヒストリカル比較に基づいて形成され、処理回路は、作成されたモデルを使用して、オーバーフロー及び/又は詰まりがいつどこで発生するかを判定するように構成され得る。このモデルは、人工知能を利用した機械学習を通じて作成され得る。処理回路は、モデルを使用し、モニタから受信したデータをモデルに入力して、オーバーフロー又は詰まりが存在するかどうかを判定するように構成され得る。オーバーフロー又は詰まりが存在する場合、正確な位置が提供され得る。このようなモデルの作成により、オーバーフロー又は詰まりの位置を正確に予測できるようになり、流体環境全体の状態をモニタで検出する必要がなくなる可能性がある。
【0071】
動作1004で、モデルによって生成される予測されたオーバーフロー/詰まり特徴と実際のオーバーフロー/詰まり特徴との間の誤差を最小にすることでモデルが改善される。いくつかの実施形態では、最初のモデルはユーザによって提供又は選択され得る。ユーザが最初のモデルの仮説を提供し、方法1000が最初のモデルを改善してもよい。しかしながら、他の実施形態では、ユーザは最初のモデルを提供せず、方法1000が方法1000の第1の反復中などの動作1004で最初のモデルを作成してもよい。誤差を最小にするプロセスは、3つ以上の異なる変数が分析される大規模な線形回帰分析と類似しており、可能な限り最高の精度でモデルを作成するために変数に様々な重みが与えられ得る。特定の変数がオーバーフロー/詰まり特徴と高い相関を有する場合、その変数にはモデル内でより大きな重みが与えられ得る。モデルによって生成される予測されたオーバーフロー/詰まり特徴と実際の又は既知のオーバーフロー/詰まり特徴との間の誤差を最小にすることでモデルを洗練させる際に、方法1000を実施するコンポーネントは、非常に多数の複雑な計算を実行し得る。十分な洗練により、正確なモデルが得られる。
【0072】
いくつかの実施形態では、モデルの精度がチェックされ得る。例えば、動作1006でモデルの精度が決定される。これは、モデルによって生成されたモデル予測オーバーフロー/詰まり特徴とデータポイントからの実際のオーバーフロー/詰まり特徴との間の誤差を計算することによって行われ得る。いくつかの実施形態では、誤差はまた、動作1004の前に計算され得る。精度又は誤差を計算することにより、方法1000は、モデルをさらに洗練させる必要があるかどうか、又はモデルを配備する準備ができているかどうかを判定し得る。オーバーフロー/詰まり特徴が定性的な値又はカテゴリ的な値(例えば、詰まりが存在するかどうかの判定)である場合、精度は、予測値が正しかった回数に基づいて評価され得る。オーバーフロー/詰まり特徴が定量的な値である場合、精度は、実際の値と予測値との差に基づいて評価され得る。
【0073】
動作1008で、計算された誤差が十分に小さいかどうかの判定がなされる。いくつかの実施形態では、特定の閾値が提供され得る。例えば、オーバーフロー/詰まり特徴が位置である場合、閾値は5フィートであってもよく、平均誤差が5フィート以下であれば、計算された誤差は十分に小さい可能性がある。しかしながら、他の閾値が使用されてもよく、いくつかの実施形態では、閾値はユーザによって変更されてもよい。エラー率が十分に低くない場合、方法1000は、動作1002に戻って、1つ以上のさらなるデータポイントを受信することができる。エラー率が十分に低くなると、モデルを作成するためのトレーニング段階が完了し、予想されるオーバーフロー/詰まり特徴を予測するためにモデルを使用する実装段階が開始され得る。いくつかの実施形態では、モデルは、受信したデータポイントに基づいて修正(例えば、さらに洗練)され得る。
【0074】
動作1002、1004、1006、及び1008を完了することにより、モデルは、流量データ及び詰まりデータのヒストリカル比較に基づいて、及び、ヒストリカル比較についてのオーバーフロー/詰まりデータの既知の偏差に基づいて、人工知能を利用した機械学習を通じて洗練され得る。特に、例示的なモデルの生成及び/又は洗練は、これらの動作の順序が変更された場合、一部の動作が削除された場合、又は他の動作が追加された場合でも達成され得る。前述の方法1000はオーバーフロー及び/又は詰まり状態を予測するためのモデルの作成に向けられているが、他のパラメータを予測するためのモデルを作成することもできる。
【0075】
本発明をそのいくつかの例示的な実施形態に関して説明及び図示してきた。上記のことから、本発明の精神及び範囲から逸脱することなく、様々な他の変更、省略、及び追加を行うことができ、本発明の範囲は先の特許請求の範囲によって説明されることを当業者は理解されたい。
図1
図2
図3
図4
図4A
図4B
図5A
図5B
図6
図7
図8A
図8B
図9
図10
【手続補正書】
【提出日】2024-09-27
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
流体の流れの特徴を観察するためのシステムであって、前記システムは、
天底向きセンサと、
アングルフローセンサと、
処理回路と、
を備え、
前記天底向きセンサ及び前記アングルフローセンサは両方とも前記流体よりも上の或る距離に設けられ、前記天底向きセンサ及び前記アングルフローセンサは両方とも、仮想アレイを作成するように構成される多重入力・多重出力(MIMO)フェーズレーダーセンサであり、前記処理回路は、前記天底向きセンサ及び前記アングルフローセンサからセンサデータを受信するように構成され、前記センサデータは、流体速度及び流体表面水位のうちの少なくとも1つを含み、前記処理回路は、前記センサデータに基づいて前記流れの特徴を判定するように構成される、システム。
【請求項2】
前記システムはモニタをさらに備え、前記天底向きセンサ及び前記アングルフローセンサは両方とも前記モニタの一部として設けられている、請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
前記処理回路は前記モニタ内に設けられている、請求項2に記載のシステム。
【請求項4】
前記処理回路は前記モニタ内に設けられていない、請求項2に記載のシステム。
【請求項5】
複数のモニタをさらに備える、請求項1に記載のシステム。
【請求項6】
前記天底向きセンサ及び前記アングルフローセンサは、両方とも複数の送信機及び受信機を備える、請求項1に記載のシステム。
【請求項7】
前記天底向きセンサ及び前記アングルフローセンサは、両方とも複数のトランシーバを備える、請求項1に記載のシステム。
【請求項8】
慣性測定センサをさらに備える、請求項1に記載のシステム。
【請求項9】
前記天底向きセンサ及び前記アングルフローセンサは両方とも50GHz以上の周波数で動作するように構成される、請求項1に記載のシステム。
【請求項10】
前記天底向きセンサ及び前記アングルフローセンサは両方とも60GHz以上の周波数で動作するように構成される、請求項9に記載のシステム。
【請求項11】
前記天底向きセンサは、80GHz以上の周波数で動作するように構成される、請求項10に記載のシステム。
【請求項12】
前記処理回路は、洪水氾濫状態を識別し、また、前記流体速度、前記流体表面水位、及び周囲環境に関するデータのうちの少なくとも1つを使用して流れ特性を判定するために、機械学習を使用するように構成される、請求項1に記載のシステム。
【請求項13】
前記アングルフローセンサは、壁又は前記壁上のリフレクタで反射するレーダー信号を送信するように構成される、請求項1に記載のシステム。
【請求項14】
前記システムは、前記天底向きセンサ及び前記アングルフローセンサからのデータを使用して流体表面の三次元画像を作成するように構成される、請求項1に記載のシステム。
【請求項15】
信号が送信される時間を制御するように構成されたマルチプレクサをさらに備える、請求項1に記載のシステム。
【国際調査報告】