(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-10-23
(54)【発明の名称】高密度パワーコンバータのためのシステム、デバイス、及び方法
(51)【国際特許分類】
H01L 25/07 20060101AFI20241016BHJP
H10N 70/00 20230101ALI20241016BHJP
H01L 21/02 20060101ALI20241016BHJP
H01L 21/822 20060101ALI20241016BHJP
H01L 29/786 20060101ALI20241016BHJP
B81B 7/02 20060101ALI20241016BHJP
B81C 1/00 20060101ALI20241016BHJP
【FI】
H01L25/08 Y
H10N70/00 A
H01L25/04 C
H01L21/02 B
H01L27/04 C
H01L29/78 613Z
B81B7/02
B81C1/00
【審査請求】未請求
【予備審査請求】有
(21)【出願番号】P 2024518617
(86)(22)【出願日】2022-09-23
(85)【翻訳文提出日】2024-05-21
(86)【国際出願番号】 US2022076952
(87)【国際公開番号】W WO2023064672
(87)【国際公開日】2023-04-20
(32)【優先日】2021-09-23
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2022-03-03
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】000006231
【氏名又は名称】株式会社村田製作所
(74)【代理人】
【識別番号】100107984
【氏名又は名称】廣田 雅紀
(74)【代理人】
【識別番号】100182305
【氏名又は名称】廣田 鉄平
(74)【代理人】
【識別番号】100096482
【氏名又は名称】東海 裕作
(74)【代理人】
【識別番号】100131093
【氏名又は名称】堀内 真
(74)【代理人】
【識別番号】100150902
【氏名又は名称】山内 正子
(74)【代理人】
【識別番号】100141391
【氏名又は名称】園元 修一
(74)【代理人】
【識別番号】100221958
【氏名又は名称】篠田 真希恵
(74)【代理人】
【識別番号】100192441
【氏名又は名称】渡辺 仁
(72)【発明者】
【氏名】クアシ セバスチャン クアシ
(72)【発明者】
【氏名】ジュリアーノ デイヴィッド
【テーマコード(参考)】
3C081
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【Fターム(参考)】
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(57)【要約】
開示される実施形態は、高密度の電荷貯蔵デバイスと電力変換デバイスを作製するためのシステム及び方法を含む。電力変換デバイスは、そのデバイス面に形成される第1の複数の能動デバイスを備えるデバイス層を備える第1の能動デバイス層と、デバイス層のデバイス面に配設される相互接続層とを含む。デバイスはさらに、複数の受動デバイスを備える受動デバイス層を含んでもよく、第1の能動デバイス層は、相互接続層の露出された表面と受動デバイス層の第1の表面との間の第1の接合によって相互接続層を通じて受動デバイス層に電気的に接続される。複数の受動デバイスのうちのある受動デバイスは、受動デバイス層の反対の表面に電気的接続を有する電荷貯蔵デバイスを備える。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の能動デバイス層を備えるデバイスであって、前記第1の能動デバイス層が、
デバイス面に形成される第1の複数の能動デバイスを備えるデバイス層と、
前記デバイス層の前記デバイス面に配設される相互接続層と、
複数の受動デバイスを備える受動デバイス層と
を備え、
前記第1の能動デバイス層が、第1の接合によって前記相互接続層を介して前記受動デバイス層に電気的に接続され、
前記複数の受動デバイスのうちの1つの受動デバイスが、前記受動デバイス層の反対側の表面にアノード及びカソードを有する電荷貯蔵デバイスを備える、前記デバイス。
【請求項2】
前記第1の接合が、誘電体-誘電体接合、金属-金属接合、ポリマー接合、熱圧着接合、又はハイブリッド接合を含む、請求項1に記載のデバイス。
【請求項3】
前記ハイブリッド接合が、酸化物-酸化物接合と金属-金属接合の組合せを含む、請求項2に記載のデバイス。
【請求項4】
前記複数の受動デバイスのうちの1つの受動デバイスが電荷貯蔵デバイスを備え、前記電荷貯蔵デバイスが、
第1の表面及び前記第1の表面の反対側の第2の表面を含む基板と、
前記基板の前記第1の表面から前記第2の表面に向かって垂直に延在する第1の複数の導電性構造と、
前記基板の前記第2の表面から前記第1の表面に向かって垂直に延在する第2の複数の導電性構造と、
前記第1の複数の導電性構造と前記第2の複数の導電性構造を物理的に分離する絶縁材料と
を備え、
前記第1の複数の導電性構造及び前記第2の複数の導電性構造が互いにかみ合っている、請求項1に記載のデバイス。
【請求項5】
前記電荷貯蔵デバイスがさらに、
前記第1の複数の導電性構造を互いに電気的に接続するように形成されるカソード接続と、
前記第2の複数の導電性構造を互いに電気的に接続するように形成されるアノード接続と
を備える、請求項4に記載のデバイス。
【請求項6】
前記電荷貯蔵デバイスが前記基板に形成されるビアをさらに備え、
前記ビアが、導電材料で充填されると、前記第2の複数の導電性構造と前記アノード接続との間の電気的接続を形成するように構成される、請求項5に記載のデバイス。
【請求項7】
前記カソード接続及び前記アノード接続が前記基板の前記第1の表面に形成される、請求項5に記載のデバイス。
【請求項8】
前記カソード接続が前記基板の前記第1の表面に形成され、前記アノード接続が前記基板の前記第2の表面に形成される、請求項5に記載のデバイス。
【請求項9】
前記アノード接続及び前記カソード接続が、銅、ニッケル、亜鉛、銀、金、アルミニウム、又は合金を含む導電材料を備える、請求項5に記載のデバイス。
【請求項10】
前記第1の複数の導電性構造の1つの導電性構造が、電気めっき又は無電解めっきを含む技術を用いて形成される、請求項4に記載のデバイス。
【請求項11】
前記第1の複数の導電性構造の前記導電性構造の表面の1つの部分がテクスチャリングされる、請求項10に記載のデバイス。
【請求項12】
前記第1の複数の導電性構造の前記導電性構造が、電気めっきされた3次元(3D)構造を備える、請求項10に記載のデバイス。
【請求項13】
前記第1の複数の導電性構造の前記導電性構造のアスペクト比が5:1~40:1にわたる、請求項10に記載のデバイス。
【請求項14】
前記第1の複数の導電性構造の少なくとも2つの前記アスペクト比が類似していない、請求項13に記載のデバイス。
【請求項15】
前記第1の複数の導電性構造の各々の前記アスペクト比が実質的に類似している、請求項13に記載のデバイス。
【請求項16】
前記第1の複数の導電性構造のピッチが10マイクロメートル(μm)~50マイクロメートルである、請求項4に記載のデバイス。
【請求項17】
前記第1の複数の導電性構造の前記ピッチが実質的に均一である、請求項16に記載のデバイス。
【請求項18】
前記第1の複数の導電性構造の前記ピッチが不均一である、請求項16に記載のデバイス。
【請求項19】
前記絶縁材料が、二酸化ハフニウム、ケイ酸ハフニウム、二酸化ジルコニウム、又はケイ酸ジルコニウムを含む、高誘電率の誘電材料を備える、請求項4に記載のデバイス。
【請求項20】
前記絶縁材料が、原子層堆積プロセスを使用して形成される前記高誘電率の誘電材料のコンフォーマルコーティングを備える、請求項19に記載のデバイス。
【請求項21】
前記第2の複数の導電性構造の1つの導電性構造が、物理気相堆積、化学気相堆積、プラズマ強化化学気相堆積、めっき、ドクターブレードコーティング、又はステンシル印刷を含むプロセスによって形成される、請求項4に記載のデバイス。
【請求項22】
前記第2の複数の導電性構造の前記導電性構造が、導電性ペーストをドクターブレードコーティングすることによって形成される、請求項21に記載のデバイス。
【請求項23】
前記電荷貯蔵デバイスの前記基板が、ガラス、光構造性ガラス、セラミック、又は半導体を含む、請求項4に記載のデバイス。
【請求項24】
前記相互接続層が、前記相互接続層を貫通して垂直に延在するビアを備え、
前記ビアが、導電材料で充填されると、前記能動デバイス層と前記受動デバイス層との間の電気的接続を提供する、請求項1に記載のデバイス。
【請求項25】
前記第1の複数の能動デバイスが、電界効果トランジスタ、バイポーラ接合トランジスタ、又はダイオードを備え、前記複数の受動デバイスが、キャパシタ、トレンチキャパシタ、又はキャパシタアレイを備える、請求項1に記載のデバイス。
【請求項26】
前記第1の複数の能動デバイスの1つの能動デバイスの動作ステータスを調整するように構成される回路を有するコントローラをさらに備え、前記能動デバイスの前記動作ステータスの調整が、対応する受動デバイスの状態の調整を引き起こす、請求項1に記載のデバイス。
【請求項27】
第2の複数の能動デバイスを有する第2の能動デバイス層をさらに備える、請求項1に記載のデバイス。
【請求項28】
前記第2の能動デバイス層が、前記第2の能動デバイス層の相互接続層と前記第1の能動デバイス層の前記デバイス層との間の第2の接合の形成によって、前記第1の能動デバイス層に配設され電気的に接続される、請求項27に記載のデバイス。
【請求項29】
前記第2の能動デバイス層が、前記第2の能動デバイス層の1つのデバイス層と前記第1の能動デバイス層の前記デバイス層との間の第2の接合の形成によって、前記第1の能動デバイス層に配設され電気的に接続される、請求項27に記載のデバイス。
【請求項30】
前記第2の能動デバイス層が、前記第2の能動デバイス層の相互接続層と前記受動デバイス層の第2の表面との間の第2の接合の形成によって、前記受動デバイス層の前記第2の表面に配設され電気的に接続され、前記第2の表面が前記受動デバイス層の前記第1の表面の反対側にある、請求項27に記載のデバイス。
【請求項31】
前記第2の接合が、誘電体-誘電体接合、金属-金属接合、ポリマー接合、熱圧着接合、又はハイブリッド接合を含む、請求項28に記載のデバイス。
【請求項32】
前記第1の能動デバイス層の前記デバイス層に形成され、前記第1の能動デバイス層を電気的に絶縁するように構成される、パッシベーション層をさらに備える、請求項1に記載のデバイス。
【請求項33】
前記デバイス層が、バルク基板又はエッチストップ層を含むバルク基板を備える、請求項1に記載のデバイス。
【請求項34】
前記第1の接合が、前記相互接続層の露出された表面と前記受動デバイス層の第1の表面との間にある、請求項1に記載のデバイス。
【請求項35】
エネルギーの半分以上が前記デバイスの前記表面に垂直に流れる、請求項1に記載のデバイス。
【請求項36】
デバイスを作製する方法であって、
前記第1の能動デバイス層の1つのデバイス層のデバイス面に形成される第1の複数の能動デバイスを備える第1の能動デバイス層を設けるステップと、
前記デバイス層の前記デバイス面上に相互接続層を形成するステップと、
複数の受動デバイスを備える受動デバイス層を形成するステップと、
前記相互接続層の露出された表面と前記受動デバイス層の第1の表面との間の第1の接合を形成することによって、前記第1の能動デバイス層と前記受動デバイス層との間の電気的接続を形成するステップと
を含み、
前記受動デバイス層を形成するステップが、前記受動デバイス層の反対側の表面に電気的接続を有する電荷貯蔵デバイスを形成するステップを含む、前記方法。
【請求項37】
前記第1の接合が、誘電体-誘電体接合、金属-金属接合、ポリマー接合、熱圧着接合、又はハイブリッド接合を含む、請求項36に記載の方法。
【請求項38】
前記ハイブリッド接合が、酸化物-酸化物接合と金属-金属接合の組合せを含む、請求項37に記載の方法。
【請求項39】
前記複数の受動デバイスのうちの1つの受動デバイスを形成するステップが、
第1の表面及び前記第1の表面の反対側の第2の表面を含む基板を設け、
前記基板の前記第1の表面から前記第2の表面に向かって垂直に延在する第1の複数の導電性構造を形成し、
前記基板の前記第2の表面から前記第1の表面に向かって垂直に延在する第2の複数の導電性構造を形成し、
前記第1の複数の導電性構造と前記第2の複数の導電性構造を物理的に分離する絶縁材料を堆積する
ことによって電荷貯蔵デバイスを形成するステップを含み、
前記第1の複数の導電性構造及び前記第2の複数の導電性構造が互いにかみ合っている、請求項36に記載の方法。
【請求項40】
前記第1の複数の導電性構造を互いに電気的に接続するためにカソード接続を取り付けるステップと、
前記第2の複数の導電性構造を互いに電気的に接続するためにアノード接続を取り付けるステップと
をさらに含む、請求項39に記載の方法。
【請求項41】
前記基板にビアを形成するステップと、
前記第2の複数の導電性構造と前記アノード接続との間の電気的接続を形成するために前記ビアを導電材料で充填するステップと
をさらに含む、請求項40に記載の方法。
【請求項42】
前記基板の前記第1の表面に前記カソード接続を取り付け、前記基板の前記第2の表面に前記アノード接続を取り付けるステップをさらに含む、請求項39に記載の方法。
【請求項43】
前記基板の前記第1の表面に前記カソード接続及び前記アノード接続を取り付けるステップをさらに含む、請求項39に記載の方法。
【請求項44】
前記第1の複数の導電性構造の1つの導電性構造を形成するステップが、電気めっき又は無電解めっき技法の1つを使用して3次元(3D)構造を形成するステップを含み、前記3次元構造が5:1から40:1にわたるアスペクト比を有する、請求項39に記載の方法。
【請求項45】
前記3次元構造の表面の1つの部分をテクスチャリングするステップをさらに含む、請求項44に記載の方法。
【請求項46】
前記絶縁材料を堆積するステップが、原子層堆積プロセスを使用して高誘電率の誘電材料のコンフォーマルコーティングを行うステップを含み、前記高誘電率の材料が、二酸化ハフニウム、ケイ酸ハフニウム、二酸化ジルコニウム、又はケイ酸ジルコニウムを含む、請求項39に記載の方法。
【請求項47】
前記第2の複数の導電性構造の1つの導電性構造を形成するステップが、物理気相堆積プロセス、化学気相堆積プロセス、プラズマ強化化学気相堆積プロセス、ドクターブレードコーティングプロセス、又はステンシル印刷プロセスを使用して前記導電性構造を形成するステップを含む、請求項39に記載の方法。
【請求項48】
前記第2の複数の導電性構造の前記導電性構造を形成するステップが、導電性ペーストをドクターブレードコーティングするステップを含む、請求項47に記載の方法。
【請求項49】
第2の複数の能動デバイスを備える第2の能動デバイス層を提供するステップをさらに含む、請求項36に記載の方法。
【請求項50】
前記第2の能動デバイス層の相互接続層と前記第1の能動デバイス層の前記デバイス層との間の第2の接合を形成することによって、前記第1の能動デバイス層と前記第2の能動デバイス層との間の電気的接続を形成するステップをさらに含む、請求項49に記載の方法。
【請求項51】
前記第2の能動デバイス層の1つのデバイス層と前記第1の能動デバイス層の前記デバイス層との間の第2の接合を形成することによって、前記第1の能動デバイス層と前記第2の能動デバイス層との間の電気的接続を形成するステップをさらに含む、請求項49に記載の方法。
【請求項52】
前記第2の能動デバイス層の相互接続層と前記受動デバイス層の第2の表面との間の第2の接合を形成することによって、前記受動デバイス層の前記第2の表面と前記第2の能動デバイス層との間の電気的接続を形成するステップをさらに含む、前記第2の表面が前記第1の表面の反対側にある、請求項49に記載の方法。
【請求項53】
前記第2の接合を形成するステップが、誘電体-誘電体接合、金属-金属接合、ポリマー接合、熱圧着接合、又はハイブリッド接合を形成するステップを含む、請求項50に記載の方法。
【請求項54】
前記ハイブリッド接合を形成する前記ステップが、誘電体-誘電体接合と金属-金属接合の組合せを形成するステップを含む、請求項53に記載の方法。
【請求項55】
前記第1の能動デバイス層の前記デバイス層にパッシベーション層を形成するステップをさらに含み、前記パッシベーション層が前記第1の能動デバイス層を電気的に絶縁するように構成される、請求項36に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
優先権の主張
本出願は、米国特許法第119条のもとで、2021年9月23日に出願された”SYSTEMS, DEVICES, AND METHODS FOR HIGH-DENSITY POWER CONVERTERS”という表題の米国特許仮出願第63/247,728号、及び2022年3月3日に出願された”SYSTEMS, DEVICES, AND METHODS FOR INTEGRATED VOLTAGE REGULATORS”という表題の米国特許仮出願第63/316,059号の優先権を主張する。前述の出願の内容全体が、すべての目的で参照によって本明細書に組み込まれる。
【0002】
本開示は全般に、パワーエレクトロニクスデバイスに関する。より具体的には、本開示は高密度パワーコンバータに関する。
【背景技術】
【0003】
集積回路技術とコンピューティング能力の進化により、集積された電力変換、電力調整、及びその管理に対する需要が相応に高まっている。大半の持ち運び可能電子デバイス及び消費者向け電子機器の電力管理回路は、エネルギー伝送と所望の電圧レベルへの電圧変換を達成するために、パワーコンバータ、より具体的には、通常はDC-DCパワーコンバータに依拠する。例えば、高周波送信機の電力増幅器は比較的高い電圧(例えば、12V以上)を必要とすることがあり、論理回路は低い電圧レベル(例えば、1~2V)を必要とすることがある。一部の他の回路は、中間の電圧レベル(例えば、5~10V)を必要とすることがある。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0004】
本開示の実施形態は、高密度電荷貯蔵デバイス及び電力変換デバイスを作製するためのシステムと方法を提供する。本開示の一態様は、電力変換デバイスを対象とする。電力変換デバイスは、そのデバイス面に第1の複数の能動デバイスを備えるデバイス層を備える第1の能動デバイス層と、デバイス層のデバイス面に配設される相互接続層とを含み得る。デバイスはさらに、複数の受動デバイスを備える受動デバイス層を含んでもよく、第1の能動デバイス層は、相互接続層の露出された表面と受動デバイス層の第1の表面との間の第1の接合によって相互接続層を通じて受動デバイス層に電気的に接続される。
【0005】
本開示の別の態様は、電力変換デバイスを作製する方法を対象とする。この方法は、第1の能動デバイス層のデバイス層のデバイス面に形成される第1の複数の能動デバイスを備える第1の能動デバイス層を設けるステップと、デバイス層のデバイス面に相互接続層を形成するステップと、複数の受動デバイスを備える受動デバイス層を形成するステップと、相互接続層の露出された表面と受動デバイス層の第1の表面との間に第1の接合を形成することによって第1の能動デバイス層と受動デバイス層との間に電気的な接続を形成するステップとを備え得る。
【0006】
開示される実施形態の追加の特徴及び利点は、一部が以下の説明において記載され、一部が説明から明らかになり、又は実施形態の実践により学習され得る。開示される実施形態の特徴及び利点は、特許請求の範囲に記載される要素及び組合せによって実現され、達成され得る。
【図面の簡単な説明】
【0007】
本開示の実施形態及び様々な態様は、以下の発明を実施するための形態及び添付の図面に示される。業界での標準的な慣習に従い、様々な特徴が縮尺通りに描かれていないことに留意されたい。実際に、議論を明快にするために、様々な特徴の寸法が恣意的に大きくされ、又は小さくされることがある。
【
図1】本開示のいくつかの実施形態による、例示的なパワーコンバータの図である。
【
図2A-2B】本開示のいくつかの実施形態による、能動デバイス及び受動デバイスを特徴とする例示的なスイッチトキャパシタパワーコンバータを示す図である。
【
図3A-3B】本開示の実施形態による、スイッチトキャパシタパワーコンバータの例示的なキャパシタアレイを示す図である。
【
図4A】本開示のいくつかの実施形態による、単層転写プロセスを使用して例示的なパワーコンバータを作製するための方法のフローチャートである。
【
図4B-4E】本開示のいくつかの実施形態による、
図4Aに示される方法を使用して作製された例示的なパワーコンバータの断面図である。
【
図4F】本開示のいくつかの実施形態による、
図4Aに示される方法を使用して作製された例示的なパワーコンバータの断面図である。
【
図4G】本開示のいくつかの実施形態による、
図4Aに示される方法を使用して作製された例示的なパワーコンバータの断面図である。
【
図5A】本開示のいくつかの実施形態による、例示的なスイッチトキャパシタパワーコンバータを作製するための方法のフローチャートである。
【
図5B-5F】本開示のいくつかの実施形態による、
図5Aに示される方法によって形成される例示的なスイッチトキャパシタパワーコンバータの断面図である。
【
図6A-6C】本開示のいくつかの実施形態による、スイッチトキャパシタパワーコンバータの能動デバイス層のための例示的な基板を示す図である。
【
図7A-7B】本開示のいくつかの実施形態による、スイッチトキャパシタパワーコンバータの受動デバイス層のための例示的な基板を示す図である。
【
図8A-8C】本開示のいくつかの実施形態による、例示的な接合構造を示す図である。
【
図9A-9C】本開示のいくつかの実施形態による、例示的なスイッチトキャパシタパワーコンバータの形成の概略図である。
【
図10A-10B】本開示のいくつかの実施形態による、例示的なパワーコンバータの形成の概略図である。
【
図11A-11B】本開示のいくつかの実施形態による、例示的なパワーコンバータの形成の概略図である。
【
図12A】本開示のいくつかの実施形態による、例示的な二相スイッチトキャパシタパワーコンバータの図である。
【
図12B】本開示のいくつかの実施形態による、例示的なスイッチトキャパシタパワーコンバータの断面図である。
【
図12C-12D】本開示のいくつかの実施形態による、例示的なスイッチトキャパシタパワーコンバータ下面図及び上面図である。
【
図13】本開示のいくつかの実施形態による、例示的なファンアウトウェハレベルパッケージングプロセスのためのフローチャートである。
【
図14A-14B】本開示のいくつかの実施形態による、再編成されたウェハの上面図及び(
図14Aに示される)A-A’に沿った断面図の概略図である。
【
図15A-15C】本開示のいくつかの実施形態による、単層転写(SLT)作製技法に関わるステップの概略図である。
【
図16A-16E】本開示のいくつかの実施形態による、二層転写(DLT)作製技法に関わるステップの概略図である。
【
図17A-17B】本開示のいくつかの実施形態による、スイッチトキャパシタパワーコンバータの例示的な構造の概略図である。
【
図18】本開示のいくつかの実施形態による、例示的なスイッチトキャパシタパワーコンバータの概略図である。
【
図19】本開示のいくつかの実施形態による、例示的なスイッチトキャパシタパワーコンバータの概略図である。
【
図20】本開示のいくつかの実施形態による、例示的なスイッチトキャパシタパワーコンバータの概略図である。
【
図21】本開示のいくつかの実施形態による、熱圧着接合によって形成される例示的なスイッチトキャパシタパワーコンバータの概略図である。
【
図22A】本開示のいくつかの実施形態による、例示的な3レベルバックパワーコンバータの図である。
【
図22B】本開示のいくつかの実施形態による、
図22Aの例示的な3レベルバックパワーコンバータの断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下の開示は、提供される主題の異なる特徴を実装するための、多数の異なる例示的な実施形態又は例を提供する。本開示を説明するために、コンポーネント及び配置の特定の簡略化された例が以下に記述される。当然、これらは例にすぎず、限定することは意図されない。加えて、本開示は、様々な例において参照番号及び/又は文字を繰り返すことがある。この繰り返しは、簡潔さと明快さが目的であり、それ自体が論じられる様々な実施形態及び/又は構成の関係を示すものではない。
【0009】
本明細書において使用される用語は、一般に、当技術分野、及び各用語が使用される特定の文脈における通常の意味を有する。本明細書で論じられる任意の用語の例を含む、本明細書における例の使用は例示にすぎず、本開示の、又は任意の例示される用語の範囲及び意味を決して限定しない。同様に、本開示は、本明細書において与えられる様々な実施形態に限定されない。
【0010】
「第1の」、「第2の」などの用語が、様々な要素を記述するために本明細書で使用されることがあるが、これらの要素はこれらの用語によって限定されるべきではない。これらの用語は、ある要素を別の要素と区別するために使用される。例えば、実施形態の範囲から逸脱することなく、第1の要素が第2の要素と名付けられてもよく、同様に、第2の要素が第1の要素と名付けられてもよい。本明細書では、「及び/又は」という用語は、関連する列挙される項目の1又は2以上の任意のすべての組合せを含む。
【0011】
さらに、「下(beneath)」、「下(below)」、「より下(lower)」、「上(above)」、「より上(upper)」などの空間的関係の用語が、図面に示されるような、ある要素又は特徴の別の要素又は特徴に対する関係を描写するための記述を簡単にするために、本明細書で使用されることがある。空間的関係の用語は、図面に示される向きに加えて、使用時又は動作時のデバイスの異なる向きを包含することが意図される。装置は別の向きを向いている(90度回転される又は他の向きを向いている)ことがあり、本明細書で使用される空間的関係の記述子は同様に適宜解釈され得る。
【0012】
本開示では、「結合される」という用語は「電気的に結合される」と記載されることもあり、「接続される」という用語は「電気的に接続される」と記載されることもある。「結合される」及び「接続される」は、2又は3以上の要素が互いに協働若しくは相互作用すること、又は互いの間の電気的な連続性を維持することを示すためにも使用され得る。
【0013】
本開示の様々な限定しない実施形態は、特定の文脈、すなわち高密度かつ高効率の電力変換デバイスにおける実施形態に関して説明される。本開示では、「チャージポンプ」という用語は、入力電圧を出力電圧に変換するように構成されるスイッチトキャパシタネットワークを指す。そのようなチャージポンプの例は、カスケード乗算器、Dickson、Ladder、Series-Parallel、Fibonacci、及びDoublerスイッチトキャパシタネットワークを含み、それらのすべてが単相又は複相ネットワークとして構成され得る。
【0014】
しかしながら、本開示の概念は、他のタイプのパワーコンバータにも当てはまり得る。より高い入力電圧電源をより低い出力電圧レベルに変換するパワーコンバータは、一般にステップダウンコンバータ又はバックコンバータとして知られており、それは、そのコンバータが入力電圧に「抵抗している(bucking)」からである。より低い入力電圧電源をより高い出力電圧レベルに変換するパワーコンバータは、一般にステップアップコンバータ又はブーストコンバータとして知られており、それは、そのコンバータが入力電圧を「ブーストしている」からである。加えて、「バックブーストコンバータ」として一般に知られている一部のパワーコンバータは、入力電圧電源を広範囲の出力電圧に変換するように構成されることがあり、このとき、出力電圧は入力電圧より高いか、又は低いかのいずれかであり得る。本開示の様々な実施形態において、パワーコンバータは双方向性であってもよく、電源がコンバータにどのように接続されるかに応じてステップアップコンバータ又はステップダウンコンバータのいずれかであってもよい。いくつかの実施形態では、AC-DCパワーコンバータは、例えば、まずAC入力電圧をDC電圧に整流し、次いでDC電圧をDC-DCパワーコンバータに印加することによって、DC-DCパワーコンバータから構築され得る。
【0015】
スイッチトキャパシタコンバータなどの電圧コンバータは、電力変換要件を満たすためにキャパシタに一部依拠することがある。しかしながら、発明者らはここで、既存のキャパシタには、かさばること(bulkiness)及び効率の低下などの欠点があり得ることを認識した。既存のキャパシタには、集積の問題があり得る。例えば、スイッチトキャパシタパワーコンバータにおいて、電荷移動能力及び電圧調整能力は、要因の中でもとりわけ、キャパシタの全体の静電容量に依拠し得る。全体の静電容量は、導体の重複区域(例えば、平行板の金属-絶縁体-金属キャパシタ構成における導体板の区域)を増やすことによって増大され得るが、サイズの制約、設計上の考慮事項、効率の低下、及び、持ち運び可能電子デバイスに対する設計制約に固有のものなどの他の制約問題により、そうするのが望ましくないことがある。いくつかの場合、シリコントレンチキャパシタ(SiTC, silicon trench capacitor)などの3次元(3D)キャパシタ構造が、静電容量及び容量密度を集積回路(例えば、DRAM IC)に追加するために、かつ、埋め込みDRAM、デカップリング回路、及び他の電力用途などの高密度構造を形成するために、使用され得る。しかしながら、要因の中でもとりわけ、構造、誘電材料、温度、動作周波数に応じて、SiTCは、等価直列抵抗(ESR, equivalent series resistance)が高いことがあるので、電力損失が大きいことがある。さらに、高い構造密度は、寄生クロストーク損失、効率低下、及び電力回路の不安定性をもたらすことがある。いくつかの開示される実施形態は、これら及び他の課題に対処し得る。
【0016】
エネルギーを伝送するためにキャパシタを使用する電圧レギュレータ及びパワーコンバータには、従来の方式でパッケージングされるとき、いくつかの欠点があり得る。例えば、従来の方式でパッケージングされるとき、スイッチとキャパシタとの間の距離により、高い寄生抵抗及び高い寄生インダクタンスがあることがある。加えて、従来の方式でパッケージングされる電圧レギュレータ及びパワーコンバータの電力密度は、シリコンの表面積及びシリコン上で実装されるデバイスのサイズにより制約され得る。
【0017】
本開示の様々な実施形態は、3次元で電圧レギュレータ及びパワーコンバータをパッケージングすることによって、これらの問題に対処する。3次元でパッケージングされるデバイスは、従来の方式でパッケージングされるデバイスと比較して、寄生抵抗及び寄生インダクタンスを下げることがあり、それは、3次元でパッケージングされるデバイスを一緒に積層することができ、スルービアを介してそれらを接続することがコンポーネント間の距離を減らすことができ、それにより寄生抵抗及びインダクタンスを減らすからである。加えて、3次元でパッケージングされるデバイスは、タブレット、携帯電話、又はハンドヘルドコンピュータ、及びIoT(モノのインターネット)デバイスなどの持ち運び可能電子デバイスにおいて実装されるときには特に、従来の方式でパッケージングされるものと比較して、より高い電力密度を有し得る。3次元でパッケージングされたデバイスにおいて、面積電力密度(すなわち、W/mm2)は、従来の方式でパッケージングされるデバイスにおいて増やされるのと同じ方式で増大され得る(例えば、シリコン及び/又は受動部品の面積を減らすことによって)。しかしながら、3次元でパッケージングされるデバイスは、面積電力密度を増やすために積層されることもある。したがって、3次元でパッケージングされるデバイスには、所与の面積上に従来の方式でパッケージングされるデバイスより多数のコンポーネントがあり得る。
【0018】
3次元でパッケージングされる電圧レギュレータ及びパワーコンバータは、従来の方式でパッケージングされるものと比較してモジュール性が改善され得る。例えば、(例えば、チャージポンプを積層することによって)デバイスの全体の電力を増やすために、コンポーネントが3次元構造で集積されることがある。加えて、3次元で電圧レギュレータ及びパワーコンバータをパッケージングすることは、ハイブリッドデバイス(例えば、断熱チャージポンプ及びマルチレベルチャージポンプ)と同じウェハ上で受動コンポーネント及びパワースイッチが実装されるのを可能にし得る。
【0019】
3次元パッケージングを利用するいくつかの実施形態では、追加の能動デバイス層が互いの上に積層され得る。調整可能なフィルタを形成するために、能動デバイス層が積層され得る。調整可能なフィルタは、キャパシタとインダクタの両方の値を変えるための1又は2以上の能動スイッチデバイスを有し得る。
【0020】
能動デバイスは、完全に集積された電圧レギュレータを形成するためにも積層され得る。完全に集積された電圧レギュレータは、マイクロプロセッサの比較的近くに配置され、マイクロプロセッサの異なる部分に異なる電力レベルを提供するために使用される、電圧レギュレータ又はパワーコンバータのアレイであり得る。通常、完全に集積された電圧レギュレータは、寄生抵抗及びインダクタンスを減らして完全に集積された電圧レギュレータの総面積を減らすために、2つの別個のダイで実装され得る。3次元パッケージングを使用して実装されるとき、完全に集積された電圧レギュレータは、所与の効率及びサイズに対して、従来の方式でパッケージングされる完全に集積された電圧レギュレータよりも広い電圧範囲を可能にするマルチレベルコンバータを使用することができる。デバイスの寄生抵抗及び寄生インダクタンスを減らし、集積されたキャパシタのサイズを大きくすることによって、より高い効率が達成され得る。これは、3次元パッケージングを使用して達成され得る。
【0021】
本開示の様々な実施形態において、高密度スイッチトキャパシタパワーコンバータを作製するシステム及び方法が開示され得る。開示されるウェハベース/パネルベースの集積方法は、ESR及びクロストーク損失を減らしながら高い静電容量密度を実現することができる。高密度の集積されるスイッチトキャパシタパワーコンバータは、限定はされないが、タブレット、携帯電話、又はハンドヘルドコンピュータ、及びIoT(モノのインターネット)デバイスなどの持ち運び可能電子デバイスを含む用途において望ましいことがある。
【0022】
本開示のいくつかの実施形態による、例示的なパワーコンバータ100の図を示す
図1が参照される。
図1に示されるように、パワーコンバータ100は、スイッチトキャパシタコンバータ110、コントローラ120、入力電圧源130、及び出力負荷140を含み得る。
【0023】
図1に示される例示的な実施形態では、パワーコンバータ100は、高い入力電圧で入力電圧源130からエネルギーを受け取り、低い出力電圧でそのエネルギーを出力負荷140に伝達するように構成され得る。パワーコンバータ100のスイッチトキャパシタパワーコンバータ110は、所望の変換又は変圧に基づいて構成され得ることが理解されるべきである。例えば、
図1に示されるように、2つのキャパシタ(C1及びC2)並びに7個のスイッチ(S1~S7)を有するスイッチトキャパシタコンバータを使用することによって、3:1の変圧比を得ることができる。スイッチS1、S2、及びS3は「積層」スイッチと称されることがあり、スイッチS4、S5、S6、及びS7は「相」スイッチと称されることがある。別の例(図示せず)では、4つのスイッチ(S2~S5)により操作される1つのキャパシタ(C2)を使用することによって、2:1の変圧比を得ることができ、3つのキャパシタ及び8個のスイッチを使用することによって、4:1の変圧比を得ることができる。所望の変圧比の大きさが増大するにつれて、パワーコンバータにおいて使用されるキャパシタ及びスイッチの数が増大することがあり、回路と動作の複雑さが増すとともにサイズが増大する。
【0024】
いくつかの実施形態では、
図1に示されるように、スイッチトキャパシタコンバータ110は、スイッチS1~S7並びにキャパシタC1及びC2を有する3:1 Dicksonスイッチトキャパシタネットワークによって実装され得る。動作において、スイッチS1、S3、S5、S6、並びにスイッチS2、S4、及びS7は、相補状態にあり得る。例えば、第1のスイッチ状態において、パワースイッチS1、S3、S5、及びS6は開いていてもよく、スイッチS2、S4、及びS7は閉じていてもよい。第2のスイッチ状態において、スイッチS1、S3、S5、及びS6は閉じていてもよく、スイッチS2、S4、及びS7は開いていてもよい。本開示は、そのような比又は変換回路のタイプに限定されないことが理解されるべきである。様々な実施形態において、ステップダウン構成又はステップアップ構成が、すべてのあり得るチャージポンプ比に適用され得る。例えば、いくつかの実施形態では、Dicksonチャージポンプは2:1のステップダウン構成であることもあり、入力電圧Vinは20Vであり、出力電圧V
outは10Vである。
【0025】
コントローラ120は、コンポーネントの中でもとりわけ、スイッチを動作させるように構成される、制御回路、タイミング回路、保護回路、及びゲートドライバを含んでもよく、それらは次いで、スイッチトキャパシタコンバータ110のキャパシタの電気的構成を第1のモード又は第2のモード/状態に変えてもよい。いくつかの実施形態では、コントローラ120は、1又は2以上のスイッチを作動させるために必要な電力を供給し、(
図22Aに示されるマルチレベルコンバータのように)出力電圧を調整するようにスイッチ状態を制御し得る。コントローラ120は、相補金属酸化物半導体(CMOS, complementary metal oxide semiconductor)作製と親和性のある半導体加工技法を使用して、基板の中でもとりわけ、シリコン、窒化ガリウム(GaN)、シリコンオンインシュレータ(SOI, Silicon-On-Insulator)、シリコンオンサファイア(SOS, Silicon-On-Sapphire)、シリコンオングラス(SOG, Silicon-On-Glass)、シリコンオンクオーツ(SOQ, Silicon-On-Quartz)などの半導体基板上で作製され得る。コントローラ120は、同じ基板上でスイッチと物理的に集積されてもよく(例えば、オンチップ構成)、又はスイッチを動作させるように構成されるオフチップコンポーネントと物理的に集積されてもよい。
【0026】
ここで、本開示のいくつかの実施形態による、スイッチトキャパシタパワーコンバータ210Aを特徴とする例示的なスイッチトキャパシタパワーコンバータを示す、
図2Aが参照される。スイッチトキャパシタパワーコンバータ210Aは、能動デバイス層212、受動デバイス層222、第1のキャパシタアレイ250、第2のキャパシタアレイ260、ビア228、及び絶縁構造214を含み得る。示されていないが、スイッチキャパシタネットワーク210Aは、適宜、より多数又は少数の素子を含んでもよいことが理解されるべきである。例えば、ビア228並びにキャパシタアレイ250及び260が外部の制御回路(例えば、コントローラ120)に電気的に接続され得るように、はんだバンプが受動デバイス層222に配設されてもよい。キャパシタアレイ250及び260は、例えば、
図1のキャパシタC1及びC2に対応し得る。
【0027】
いくつかの実施形態では、スイッチトキャパシタパワーコンバータ210Aの能動デバイス層212は、限定はされないが、バルクシリコン、ドープされたシリコン、GaN、GaAs、又はSOIなどの、半導体基板上で作製されるスイッチング素子を含み得る。スイッチング素子217は、電界効果トランジスタ、バイポーラ接合トランジスタ、ダイオード、又は、スイッチトキャパシタパワーコンバータ210Aのキャパシタをスイッチングすることが可能な、相変化媒体(PCM, phase change media)若しくはMEMSデバイスを含む、他の電子デバイスによって実装され得る。スイッチング素子は、標準的な半導体加工技法、標準的な微小電気機械システム(MEMS, MicroElectro-Mechanical Systems)加工技法、又はこれらの組合せを使用して作製され得る。いくつかの実施形態では、能動デバイス層212はさらに、スイッチング素子と同じ半導体基板上に作製される制御回路(例えば、
図1のコントローラ120)を含み得るので、コントローラ120はスイッチと物理的に集積される。
【0028】
いくつかの実施形態では、スイッチトキャパシタパワーコンバータ210Aの受動デバイス層222は、基板上に作製されるキャパシタ(例えば、
図1のキャパシタC1及びC2)又は抵抗を含む受動デバイスを含み得る。基板は、限定はされないが、基板材料の中でもとりわけ、ガラス、水晶、シリコン、SOI、SOS、SOG、SOQ、セラミック(アルミナ、窒化アルミニウム、サファイア)、又は複合物を含み得る。受動デバイス層222において、キャパシタは、並列に接続されるように互いに隣接して配置され得る。いくつかの実施形態では、キャパシタは、基板の水平面に垂直なz軸に沿って異なる平面上に垂直に、かつ互いに平行に積層され得る。積層された構成は、交互の能動デバイス層と受動デバイス層の積層、又は、単一の能動デバイス層に積層された複数の受動デバイス層、又は、単一の受動デバイス層に積層された複数の能動デバイス層、又は、受動デバイス層、相互接続層、及び能動デバイス層の少なくとも1つを含む積層を含み得る。同じ受動デバイス層内のキャパシタは、要因の中でもとりわけ、用途、所望の全体の静電容量、破壊電圧に基づいて、並列接続又は直列接続で接続され得る。
【0029】
いくつかの実施形態では、受動デバイス層222は、感光性ガラス基板又は光構造性ガラス(PSG, photostructurable glass)を含んでもよく、それらは、UV範囲の波長(例えば、280~320nm)の電磁放射及び熱処理に曝露されると、構造的な改変を受けることがある。PSGは、レチクル又は所望のパターンを有するマスクを通じて、UV放射に露光され得る。PSGの露光される領域は、熱処理によってセラミックへと変換されることがあり、これは、ガラス基板において3次元パターンを作り出すために化学的にエッチングされることがある。3次元パターンは、限定はされないが、銅、ニッケル、亜鉛、又はアルミニウムなどの、導電材料で被覆され得る。代替として、及び/又は追加で、導電材料は、物理気相堆積、化学気相堆積、プラズマ強化化学気相堆積、熱気相堆積、電子ビーム気相堆積、又は他の適切な堆積プロセスによって堆積され得る。例示的なガラス基板又は感光性ガラス基板は基板材料の限定しない例であり、他の基板も使用され得ることが理解されるべきである。
【0030】
図2Aに示される実施形態では、キャパシタアレイ250及び260は、UV露光、熱処理、化学エッチング、金属めっき又は金属堆積、並びに誘電体の堆積及びパターニングの組合せを使用して、感光性ガラス基板において作製され得る。受動デバイス層222はさらに、例えば、能動デバイス層212及び受動デバイス層222の1又は2以上のデバイスを電気的に接続するように構成される、1又は2以上のビア228を含み得る。いくつかの実施形態では、ビア228は、受動デバイス層222を貫通して垂直に延在するスルービア(例えば、スルーガラスビア)を含み得る。スルービア(例えば、ビア228)は、キャパシタアレイ250及び260を作製するために使用されるのと同様の加工技法を使用して、又は他のパターニング技法を使用して、基板へとエッチングされ得る。キャパシタアレイ250及び260は、絶縁構造214によって電気的に絶縁され得る。本開示の文脈では、電気的な絶縁は、2つの素子が電気的に接続されないような電流の経路の不連続性を指す。絶縁構造214は、限定はされないが、二酸化ケイ素、酸化アルミニウム、セラミック、又は他の誘電材料などの、基板ガラス材料又は絶縁材料を含み得る。いくつかの実施形態では、絶縁構造214は、キャパシタとアレイの間に十分な絶縁をもたらし、寄生クロストークによる効率低下を少ないままに保ちながらより高い集積密度を可能にし得る。
【0031】
ここで、本開示のいくつかの実施形態による、スイッチトキャパシタパワーコンバータ210Bを特徴とする例示的なスイッチトキャパシタパワーコンバータを示す、
図2Bが参照される。スイッチトキャパシタパワーコンバータ210Aと比較して、スイッチトキャパシタパワーコンバータ210Bは追加で、能動デバイス層212と受動デバイス層222との間に電気的な接続を提供するために、又は、例えば金属線を通じて能動デバイス層112の中のデバイス間に電気的な接続を提供するために、相互接続層218を含み得る。相互接続層218は、能動デバイス層212と受動デバイス層222との間に配設されてそれらに接続され得るので、電圧低下は無視できる。
【0032】
ここで、本開示の実施形態による、例示的なキャパシタアレイ350を各々示す、
図3A及び
図3Bが参照される。キャパシタアレイ350は、
図2A及び
図2Bのキャパシタアレイ250と実質的に同様であってもよく、実質的に同様の機能を実行してもよい。キャパシタアレイ350は、基板310において作製されてもよく、誘電層320、カソード接続312、アノード接続332、及び導電性構造330をアノード接続332に電気的に接続するスルービア340によって物理的に分離される、互いにかみ合った(interdigitated)導電性構造315(又は
図3Bの315B)及び330を含んでもよい。
【0033】
いくつかの実施形態では、基板310は、ガラス、感光性ガラス、水晶、シリコン、SOI、SOG、SOQ、セラミック、GaAs、GaN、又は半導体加工技法が改変可能な他の材料であってもよく、キャパシタ構造への支持を提供し得る。基板310は、50μm~100μm、50μm~200μm、50μm~300μm、50μm~400μm、50μm~500μm、50μm~1mmにわたる厚み、又は、用途、作製される構造、加工の制約、若しくはこれらの組合せに基づく適切な厚みを有し得る。
図3A及び
図3Bに示される実施形態では、基板310は400±20μmの厚みを有する感光性ガラスであり得る。
【0034】
図3A及び
図3Bに示される実施形態では、3次元構造は、パターニングされたマスクを通じて、280nm~320nmにわたる波長を有する紫外線放射で基板310を露光し、続いてベーキング及びエッチングを行うことによって基板310において形成され得る。形成される3次元構造の寸法を変えるために、露光放射の特性が調整され得る。例えば、基板310においてトレンチが形成されてもよく、トレンチのアスペクト比は、エネルギー、放射強度、露光期間、放射波長、及び露光放射の他の特性の1又は2以上を調整することによって調整され得る。基板310の露光される領域は、基板310の露光される領域が物理エッチングプロセス又は化学エッチングプロセスを使用してエッチングされ得るように、構造的にかつ微小に改変され得る。エッチングプロセスの等方性はエッチャント及び/又はエッチングされる材料に依拠し得ることを、当業者は理解するだろう。例えば、物理エッチングプロセス又はドライエッチングプロセスは一般に非等方性エッチングをもたらすことがあり、化学エッチング又はウェットエッチングは一般に等方性エッチングを生み出す。
【0035】
いくつかの実施形態では、基板310において形成されるトレンチは、導電性構造315を形成するためにメタライズされ得る。例えば、トレンチは、金属又は高度にドープされた半導体などの導電材料の、電気めっき、無電解めっき、物理気相堆積、化学気相堆積、熱気相堆積、又は電子ビーム気相堆積によって、メタライズされ得る。いくつかの実施形態では、導電性構造315(又は315B)は、限定はされないが、銅、亜鉛、アルミニウム、若しくはニッケル、合金組成物、又は他の導電性の高い材料を含み得る。カソード導電性構造315とも称される導電性構造315は基板310を貫通して高さ方向に延在していることがあり、そのとき、導電性構造315(又は
図3Bの315B)は基板310の厚みにわたる。いくつかの実施形態では、カソード導電性構造315(又は
図3Bの315B)は基板310を貫通して延在していないことがあり、そのとき、カソード導電性構造315(又は
図3Bの315B)の高さは基板310の厚み未満であることがある。いくつかの実施形態では、カソード導電性構造315(又は
図3Bの315B)は、ピッチが均等となるように、サイズが似ていて均等に離隔されてもよい。他の実施形態では、1又は2以上のカソード導電性構造315(又は
図3Bの315B)は、ピッチが不均等となるように、サイズが似ていなくてもよく、不均等に離隔されてもよい。
【0036】
いくつかの実施形態では、導電性構造315(又は
図3Bの315B)は、誘電層320で被覆され得る。例えば、誘電層320は、限定はされないが、二酸化ケイ素、酸窒化ケイ素、酸化アルミニウム、酸化ハフニウム、ケイ酸ハフニウム、酸窒化ハフニウム、又は他の誘電材料などの、絶縁材料を含み得る。より高い静電容量及び静電容量密度を達成するには、高誘電率の(high-κ)誘電材料が望ましいことがあることが理解されるべきである。誘電層320は、導電性構造315の表面にコンフォーマルコーティングを形成し得る。本開示の文脈では、「コンフォーマル」コーティングは、被覆の厚みがすべての領域において実質的に同様であるような、被覆されている構造の輪郭に従う被覆を指す。誘電層320の厚みは、用途、堆積技法、誘電材料、誘電材料の誘電率、又はこれらの組合せに基づく、2nm~10nm、2nm~20nm、2nm~40nm、2nm~50nm、2nm~100nm、又は任意の適切な厚みの範囲にあり得る。
図3A及び
図3Bに示される実施形態では、誘電層320は、原子層堆積プロセス(ALD)を使用して導電性構造315(又は315B)に堆積される酸化ハフニウムを含み得る。例えば、誘電材料の薄いコンフォーマルコーディングを堆積するために、ALDが使用され得る。
【0037】
キャパシタアレイ350はさらに、誘電層320に接して形成される導電性構造330を含み得る。アノード導電性構造330とも本明細書で記載する導電性構造330は、金属などの導電材料を含んでもよく、限定はされないが、物理気相堆積、化学気相堆積、熱気相堆積、電子ビーム気相堆積、ドクターブレードコーティング、ディップコーティング、スプレーコーティング、ステンシル印刷、又は他の適切な金属堆積若しくは被覆プロセスを含む、堆積技法を使用して形成され得る。いくつかの実施形態では、
図3A及び
図3Bに示されるように、誘電層320によって分離される、互いにかみ合ったキャパシタ構造をアノード導電性構造330及びカソード導電性構造315(又は
図3Bの315B)が形成するように、アノード導電性構造330が基板310と誘電層320との間に形成され得る。
【0038】
いくつかの実施形態では、キャパシタアレイ350はさらに、導電性構造315(又は315B)が互いに電気的に接続され得るように、基板310の表面の一部に形成されるカソード接続312を含み得る。カソード接続312は、キャパシタの充電又は放電の過程で電圧信号を導電性構造315に印加するための電極コンタクトとして機能し得る。キャパシタアレイはさらに、導電性構造330が互いに電気的に接続され得るように、基板310の表面の異なる部分に形成されるアノード接続332を含み得る。いくつかの実施形態では、アノード接続332は、カソード接続312と同じ表面又は反対の表面に形成され得る。
図3A及び
図3Bは、基板310の同じ表面に形成されながら、短絡又は漏電の経路を防ぐために互いに電気的に絶縁されている、アノード接続332及びカソード接続312の例示的な配置を示す。
図3A及び
図3Bに示される構成では、アノード接続332をアノード導電性構造330に電気的に接続するために、スルービア340が基板310に形成され得る。
【0039】
いくつかの実施形態では、アノード、又はカソード、又は両方の表面はテクスチャリングされてもよい。例えば、
図3Bに示されるように、いくつかの実施形態は、テクスチャリングされた導電性構造315Bを含んでもよい。発明者らは、スマートフォン、タブレット、及び他のハンドヘルドデバイスなどのモバイル通信デバイスに対する電力変換要件を満たす際のいくつかの課題の1つに、サイズの制約による低い静電容量及びデバイス集積の問題があることを認識している。パワーコンバータの全体の静電容量は、キャパシタのサイズを大きくすること、より高誘電率の材料を使用すること、及び/又は板間の距離を短くすることによって大きくできるが、発明者らは、これらの方策が、破壊電圧の低下を引き起こすか、デバイス集積の問題を引き起こすか、及び/又は電力変換の効率に悪影響を及ぼすかのいずれかであり得ることを認識している。したがって、静電容量密度を上げるためにキャパシタの表面積を増やすのが望ましいことがあり、これは、電力密度と集積密度の向上を可能にする。追加の表面積を生み出すために、
図3Bに示されるものなどのいくつかの実施形態では、導電性構造315Bの表面又は表面の少なくとも一部分はテクスチャリングされてもよい。背後にある互いにかみ合ったマクロ構造は同じままであり得るが、テクスチャリングは全体の表面積を増やすことがあり、これはより高い静電容量密度を可能にすることがある。表面をテクスチャリングするための操作は、限定はされないが、表面の機械的粗化、研削、砂型鋳造、レーザーテクスチャリング、ドライエッチング、ウェットエッチング、又はパターニングを含み得る。
【0040】
ここで、本開示のいくつかの実施形態による、単層転写プロセスを使用して例示的なパワーコンバータを作製するための方法400のフローチャートを示す、
図4Aが参照される。
図4Aに示される方法400の前、間、及び/又は後に、追加の動作が実行されてもよいことが理解される。その上、方法400の動作の具体的な選択及び順序は変更されてもよい。例えば、いくつかのステップが省略されてもよく、及び/又は、いくつかのステップが
図4Aに示される特定の例示的な手順とは異なる順序で実行されてもよい。単相転写(SLT)及び二層転写(DLT)作製技法に関わるステップはそれぞれ、
図15及び
図16に関して論じられる。
【0041】
いくつかの実施形態では、方法400はステップ402を含み得る。ステップ402において、方法400は能動デバイス層(例えば、
図2Aの能動デバイス層212)を形成し得る。いくつかの実施形態では、能動デバイス層を形成することは、限定はされないが、バルクシリコン、ドープされたシリコン、GaN、GaAs、又はSOIなどの、半導体基板又はウェハ上に1又は2以上のスイッチング素子(例えば、
図2Aのスイッチング素子217)を作製することを含み得る。スイッチング素子は、スイッチキャパシタネットワークの中のキャパシタの電気的構成を切り替えることが可能な、電界効果トランジスタ、バイポーラ接合トランジスタ、ダイオード、又は回路の中の電子デバイスの組合せを含み得る。能動デバイス層のスイッチング素子などの能動デバイスは、CMOS適合半導体加工技法、MEMS技法、相変化材料(PCM, phase change material)、又はこれらの組合せを使用して形成され得る。ステップ402において形成される例示的な能動デバイス層が、
図4Bに示される。
【0042】
いくつかの実施形態では、方法400はステップ404を含み得る。ステップ404において、方法400は、接合構造を形成するために受動デバイス層(例えば、
図2Aの受動デバイス層222)を能動デバイス層に接合するステップを含み得る。受動デバイス層は、例えば、ガラス基板(例えば、
図3Aの基板310)において作製される1又は2以上のキャパシタアレイ(例えば、
図3Aのキャパシタアレイ350)を含み得る。受動デバイス層は、直接接合、アノード接合、接着剤接合、熱圧着接合、反応接合、ハイブリッド接合、酸化物-酸化物接合(例えば、ファンデルワールス)、金属-金属(例えば、Cu-Cu拡散接合)、又は他の適切な接合技法を使用して、インターフェース層とともに、又はインターフェース層なしで、能動デバイス層の表面(例えば、上面)に接合され得る。接合の直前の能動デバイス層及び受動デバイス層の向きの概略図が、
図4Cに示される。
【0043】
いくつかの実施形態では、方法400はステップ406を含み得る。ステップ406において、方法400は能動デバイス層基板(例えば、半導体基板)の一部分をエッチングするステップを含み得る。いくつかの実施形態では、半導体基板のバルクは、能動デバイス層及び受動デバイス層が接合された後にエッチング又は除去され得る。基板のエッチングは、限定はされないが、ウェットエッチング、ドライエッチング、化学機械研磨、研削、又はこれらの組合せを含む、基板除去プロセスによって実行され得る。いくつかの実施形態では、半導体基板はSOI基板を含み得る。SOI基板をエッチングすることは、中間絶縁層により、自己制御性のウェットエッチングプロセスであり得る。ウェットエッチングの秘訣には、ある材料を他の材料よりも優先的にエッチングし得るような高いエッチング選択性をもつエッチャントがあり得る。例えば、硝酸とフッ化アンモニウムの混合物は10nm/秒でシリコンをエッチングできるが、二酸化シリコンをエッチングできたとしても無視できるような速さでしかエッチングできない。
図4Dは、半導体基板の全体がエッチングされるような例示的な接合構造の概略図を示す。いくつかの実施形態では、半導体基板の一部分のみが適宜エッチングされ得る。
【0044】
いくつかの実施形態では、方法400はステップ408を含み得る。ステップ408において、方法400は、接合構造(例えば、
図4Dに示され後で論じられる接合構造)をパッシベートし、及び/又は電気的コンタクトを形成するステップを含み得る。接合構造をパッシベートすることは、湿度、粒子、化学物質、及びデバイスの動作と効率に悪影響を及ぼし得る他の要因などの外部要因から能動デバイスを保護するために、エッチングされた能動デバイス層の露出された表面を絶縁バリア材料で被覆することを含み得る。いくつかの実施形態では、能動デバイス層の中の能動デバイスへの電気的接続を可能にするために、パッシベーション層においてスルービアが形成され得る。スルービアは標準的なエッチングプロセスによって形成され得る。
【0045】
ここで、本開示のいくつかの実施形態による、方法400のステップ402~408にわたる例示的なパワーコンバータの断面図を示す、
図4B、
図4C、
図4D、及び
図4Eが参照される。本明細書で示されるステップの順序は例示的であり限定するものではなく、用途及び所望のデバイスに基づいてステップが追加されてもよく又は削除されてもよいことが理解されるべきである。
図4B、
図4C、
図4D、及び
図4E全体で共通の参照番号が使用されているので、各々あらゆる図について論じるときに、いくつかの参照番号は言及されないことがある。
【0046】
図4Bは、本開示のいくつかの実施形態による、かつ前で説明されたような、方法400のステップ402において形成される例示的な能動デバイス層を示す。能動デバイス層は、シリコンハンドラ(又はベースシリコン)410、埋め込み酸化膜層420、及びデバイス層430又は前工程(FEOL)層を含み得る、SOI基板又はウェハ、並びに、ビアを通じて能動デバイス(例えば、
図2Aのスイッチング素子217)に電気的に接続されるコンタクトパッド440を含む相互接続層450又は後工程(BEOL)層を含み得る。
図4Bに示される実施形態では、電界効果トランジスタのソース、ドレイン、及びゲート電極は、コンタクト(実線の暗い棒として表されている)を通じてコンタクトパッド440に接続される。ソース、ドレイン、及び/又はゲート電極をコンタクトパッド440に接続する電気的コンタクトは、例えば、タングステン(W)、又は任意の他の適切な金属で形成され得る。
【0047】
図4Cは、本開示のいくつかの実施形態による、接合の直前の例示的な能動デバイス層及び受動デバイス層の向きの概略図を示す。受動デバイス層460は、キャパシタアレイ(例えば、
図2Aのキャパシタアレイ250及び260)を含み得る。受動デバイス層460は、接合構造を形成するために相互接続層450の表面に接合され得る。記号498は、
図4Bに示される能動デバイス層の平面内での180°の時計回りの回転を示す。いくつかの実施形態では、受動デバイス層460は、ガラス基板、感光性ガラス、水晶基板、又はセラミックを含み得る。いくつかの実施形態では、ガラス基板を使用することで、キャパシタの等価直列抵抗(ESR)を下げることができる。本開示の文脈では、ESRは、キャパシタの内部損失抵抗を指し、キャパシタを加熱させることがあり、放散される熱という形でエネルギー損失及び効率に関連する損失をもたらす。
【0048】
図4Dは、本開示のいくつかの実施形態による、半導体基板の一部分がエッチングされた例示的な接合構造の概略図を示す。前に論じられたように、シリコンハンドラ410がエッチング又は除去されてもよく、埋め込み酸化膜層420を露出させる。エッチング又は除去は、ウェットエッチング、ドライエッチング、化学機械研磨、研削、若しくはこれらの組合せの1又は2以上を使用して実行され得る。記号499は、シリコンハンドラ410の除去後の、
図4Cに示される接合構造の平面内の180°の時計回りの回転を示す。これは、さらなる加工のために反対の表面を露出するのを容易にし得る。
【0049】
図4Eは、本開示のいくつかの実施形態による、パッシベーション層470及びその中に形成されるスルービアを含む、例示的なパワーコンバータデバイスを示す。パッシベーション層470は、
図4Bの能動デバイス層の埋め込み酸化膜層420の露出された表面に堆積され得る。いくつかの実施形態では、FETトランジスタのソースへの電圧が印加又は調整され得るように、相互接続層450のコンタクトパッド480とコンタクトパッド440との電気的接続を可能にする、スルービア445が形成され得る。いくつかの実施形態では、スルービア445は、銅又は他の導電材料などの金属を用いてメタライズされ得る。パッシベーション層470は、外部要因からデバイスを電気的に絶縁するように構成される誘電材料又は絶縁材料を含み得る。
【0050】
ここで、本開示のいくつかの実施形態による、例示的なパワーコンバータの構造を示す、
図4Fが参照される。
図4Eと比較して、コンタクト492を通じて1又は2以上のキャパシタアレイへの電気的接続が行われ得るように、受動デバイス層460の上に再配線層490が形成され得る。再配線層490は、ダイの中の所望の位置への接続の経路を変更するように構成され得る。いくつかの実施形態では、電気的接続が所望の位置へと再配線され、再配置され、又は経路変更され得るように、誘電膜が堆積されてもよく、コンタクト492を形成するためにビアがエッチングされてもよい。代替として、電気的絶縁のための誘電膜は、コンタクト492などの金属コンタクトが所望の位置において形成された後で堆積され得る。
【0051】
図4Gは、本開示のいくつかの実施形態による、
図4Aに示される方法を使用して作製される例示的なパワーコンバータの断面図を示す。いくつかの実施形態では、1つ又は両方の再配線層470及び490を通じて、能動デバイス層420及び受動デバイス層460への電気的接続が行われ得る。再配線層470は能動デバイス層420の底に形成されてもよく、再配線層490は受動デバイス層460の上に形成されてもよい。1又は2以上の再配線層が適宜形成されてもよいことが理解されるべきである。いくつかの実施形態では、再配線層490は、例えば、外部回路への相互接続を通じた受動デバイス層又は能動デバイス層の電気的な接続を容易にするために形成される、はんだバンプ494を備え得る。
【0052】
ここで、本開示のいくつかの実施形態による、積層構造を有する例示的なパワーコンバータを作製するための方法500のフローチャートである、
図5Aが参照される。
図5Aに示される方法500の前、間、及び/又は後に追加の動作が実行されてもよく、いくつかの他の処理だけが本明細書で簡潔に説明されることがあることが理解される。
【0053】
いくつかの実施形態では、方法500はステップ502を含み得る。ステップ502において、方法500は、少なくとも2つの能動デバイス層(例えば、
図2Aの能動デバイス層212)及び受動デバイス層(例えば、
図2Aの受動デバイス層222)を形成するステップを含み得る。いくつかの実施形態では、能動デバイス層を形成するステップは、限定はされないが、バルクシリコン、ドープされたシリコン、GaN、GaAs、又はSOIなどの半導体基板に1又は2以上のスイッチング素子(例えば、
図2Aのスイッチング素子217)を作製するステップを含み得る。スイッチング素子は、電界効果トランジスタ、バイポーラ接合トランジスタ、ダイオード、相変化材料(PCM)、又は、スイッチキャパシタネットワークの中のキャパシタの電気的構成を切り替えることが可能な回路中の電子デバイスの組合せを含み得る。能動デバイス層のスイッチング素子などの能動デバイスは、CMOS適合半導体加工技法、MEMS技法、又はこれらの組合せを使用して形成され得る。ステップ502において形成される例示的な能動デバイス層が
図5Bに示される。いくつかの実施形態では、能動デバイス層を形成するステップは、ガラス基板(例えば、
図3Aの基板310)において1又は2以上のキャパシタアレイ(例えば、
図3Aのキャパシタアレイ350)を形成するステップを含み得る。キャパシタアレイを形成するステップは、カソード導電性構造(例えば、
図3Aのカソード導電性構造315)を形成するステップと、互いにかみ合った構成でアノード導電性構造(例えば、
図3Aのアノード導電性構造330)を形成するステップと、アノード導電性構造とカソード導電性構造を物理的に分離する誘電層(例えば、
図3Aの誘電層320)を堆積するステップとを含み得る。キャパシタアレイを形成するプロセスは、
図3A及び
図3Bを参照して詳しく前に説明された。ステップ502において形成される例示的な受動デバイス層が
図5Cに示される。
【0054】
いくつかの実施形態では、方法500はステップ504を含み得る。ステップ504において、方法500は、第1の接合構造を形成するために受動デバイス層を第1の能動デバイス層に接合するステップを含み得る。受動デバイス層は、直接接合、アノード接合、接着剤接合、熱圧着接合、反応接合、又は他の適切な接合技法を使用して、インターフェース層とともに、又はインターフェース層なしで、第1の能動デバイス層の表面(例えば、上面)に接合され得る。受動デバイス層及び第1の能動デバイス層は、受動デバイス層の中のスルービアの少なくとも一部分が第1の能動デバイス層の中のビアと揃うように接合され得る。いくつかの実施形態では、第1の能動デバイス層は、1又は2以上のビアを通じて能動デバイス層の能動デバイスを受動デバイス層と電気的に接続する相互接続層(例えば、
図4Bの相互接続層450)を含み得る。
図5Dは、ステップ504において形成される第1の接合構造の概略図を示す。
【0055】
いくつかの実施形態では、方法500はステップ506を含み得る。ステップ506において、方法500は、第2の接合構造を形成するために第2の能動デバイス層を第1の接合構造に接合するステップを含み得る。第2の能動デバイス層は、第1の能動デバイス層と実質的に同様であってもよく、実質的に同様の機能を実行してもよい。第2の能動デバイス層は、1又は2以上のキャパシタの電気的構成を切り替えるように構成される1又は2以上のスイッチング素子を含み得る。例えば、Dicksonタイプのパワーコンバータでは、スイッチS1~S3(「積層スイッチ」と称されることがある)が第1の能動デバイス層において形成されてもよく、スイッチS4~S7(「相スイッチ」と称されることがある)が第2の能動デバイス層において形成されてもよい。他の構成も可能であり得ることが理解されるべきである。いくつかの実施形態では、第1の能動デバイス層及び第2の能動デバイス層は、異なる位置に、しかし受動デバイス層の同じ表面に形成され得る。
図5Fに示されるもの(後で論じられる)などの代替の実施形態では、第1の能動デバイス層及び第2の能動デバイス層は、受動デバイス層の反対の表面に形成され得る。
【0056】
いくつかの実施形態では、方法500はステップ508を含み得る。ステップ508において、方法500は、第2の接合構造(例えば、
図5Fに示される接合構造(後述する))をパッシベートしてもよく、及び/又は電気的コンタクトを形成してもよい。接合構造をパッシベートすることは、湿度、粒子、化学物質、及びデバイスの動作と効率に悪影響を及ぼし得る他の要因などの外部要因から能動デバイスを保護するために、エッチングされた能動デバイス層の露出された表面を絶縁バリア材料で被覆することを含み得る。いくつかの実施形態では、能動デバイス層の中の能動デバイスへの電気的接続を可能にするために、パッシベーション層においてスルービアが形成され得る。スルービアは標準的なエッチングプロセスによって形成され得る。
【0057】
図5B及び
図5Cは、それぞれ、本開示のいくつかの実施形態による、方法500のステップ502において形成される、例示的な能動デバイス層及び受動デバイス層を示す。能動デバイス層520は、方法400のステップ402において形成され
図4Bに示される能動デバイス層と実質的に同様であってもよい。
図5Bに示される実施形態では、能動デバイス層520は、スイッチング素子(例えば、
図2Aのスイッチング素子217)のコンタクトパッドとの電気的コンタクトを形成するように構成される1又は2以上のビア522を含む相互接続層526と、シリコンウェハ524及び埋め込み酸化膜(BOX)層528を含むSOI基板とを含み得る。
図5BはSOI基板を含む能動デバイス層520を示すが、シリコンなどの他の半導体基板、又は、GaAs、GaN、若しくはSiGe基板などの化合物半導体基板が、用途及び望まれる製品に基づいて使用されてもよいことが、理解されるべきである。
【0058】
受動デバイス層530は、
図2Aに示される受動デバイス層222(
図4Cでは受動デバイス層460としても示される)と実質的に同様であってもよい。受動デバイス層530は、ビア532が高さ方向に延在しており基板534の厚みにわたるように、基板534を貫通してエッチングされたスルービア532を含み得る。受動デバイス層530はさらに、
図2Aのキャパシタアレイ250及び260と実質的に同様である、キャパシタアレイ536及び538などの受動デバイスを含み得る。
【0059】
図5Dは、本開示のいくつかの実施形態による、方法500のステップ504において形成される例示的な第1の接合構造540を示す。受動デバイス層530は、受動デバイス層530のスルービア532の少なくとも一部分が、能動デバイス層520と受動デバイス層530との間の電気的な連続性を形成するために能動デバイス層520の相互接続層526において形成されるビア522と揃うように、能動デバイス層520に接合され得る。いくつかの実施形態では、ビア522とスルービア532が揃っていることにより、相互接続層526の絶縁領域の1又は2以上が、受動デバイス層530の絶縁領域と揃い得る。受動デバイス層530は、前に説明されたように、直接接合、アノード接合、接着剤接合、熱圧着接合、反応接合、又は他の適切な接合技法を使用して、インターフェース層とともに、又はインターフェース層なしで、能動デバイス層520の表面(例えば、上面)又は相互接続層526の表面に接合され得る。
【0060】
図5Eは、本開示のいくつかの実施形態による、方法500のステップ502において形成される例示的な能動デバイス層550を示す。能動デバイス層550は、
図5Bの能動デバイス層520と実質的に同様であってもよく、実質的に同様の機能を実行してもよい。
【0061】
図5Fは、本開示のいくつかの実施形態による、方法500のステップ506において形成される例示的な第2の接合構造560を示す。
図5Fに示される実施形態では、第2の能動デバイス層550又は相互接続層556は、第1の能動デバイス層520が接合される表面とは反対の受動デバイス層530の表面に接合され得るので、ビア552の少なくとも一部分が受動デバイス層のスルービア532と揃う。言い換えると、第2の能動デバイス層550は、第1の能動デバイス層520と、受動デバイス層530と、第2の能動デバイス層550との間の電気的な連続性を形成するために、ビア522と552の少なくとも一部分がスルービア532と揃うように、第1の接合構造540に接合され得る。
【0062】
図5Fに示される実施形態では、第1の能動デバイス層520及び第2の能動デバイス層550の基板は、基板のバルクを除去するために部分的にエッチングされ得る。パッシベーション層570及び580が、それぞれ第1の能動デバイス層520及び第2の能動デバイス層550に接して形成され得る。スイッチング素子への電圧が印加又は調整され得るように、パッシベーション層570及び580は、それぞれ、コンタクトパッド572と582との間の電気的な接続を可能にするビアを形成するための開口を含み得る。例えば、ドレイン電圧(Vd)が外部から調整され得るように、電気的コンタクト562及び564は、それぞれ、相互接続層を通じて、ドレイン電極とコンタクトパッド572及び582との間の電気的接続を可能にし得る。電気的コンタクト562及び564は、限定はされないが、銅などの低抵抗の金属で形成され得る。いくつかの実施形態では、第2の接合構造560は、スイッチトキャパシタパワーコンバータとして構成され得る。
【0063】
ここで、本開示のいくつかの実施形態による、能動デバイス層のための例示的な基板を示す、
図6A、
図6B、及び
図6Cが参照される。
図6A~
図6Cに示される断面は例示的なものであり、層の配置、それらの相対的な厚み及び組成を限定するものではなく、適宜他の基板構成も使用され得ることが理解されるべきである。
【0064】
図6Aは、支持基板610、エッチストップ層620、デバイス層630、及び相互接続層640を含む、例示的な積層基板602の概略図を示す。支持基板610は、シリコンなどの半導体基板、又はGaAs、GaNなどの化合物半導体基板、又は半導体加工技法に適合し所望の電気的特性を有する他の適切な材料を含み得る。エッチストップ層620は、基板材料に似た材料のエピタキシャル成長層、又は異なる半導体材料のエピタキシャルバッファ層、SiGe(シリコンゲルマニウム)層、又はエッチストップ層620のエッチング特性が支持基板610のエッチング特性と大きく異なるような他の適切な材料を含み得る。いくつかの実施形態では、エッチストップ層620のためのエピタキシャル成長膜又は層は、ホモエピタキシャル若しくはヘテロエピタキシャルであってもよく、又は支持基板610と似た若しくは似ていない結晶構造を有してもよい。
【0065】
いくつかの実施形態では、積層構造602は、エッチストップ層620に接して形成されるデバイス層630も含み得る。デバイス層630は、例えば、シリコン層、ドープされたシリコン、GaAs若しくはGaNなどの化合物半導体、又はドープされた化合物半導体を含み得る。デバイス層630はさらに、トランジスタ、ダイオード、又はその中に形成される他のスイッチング素子などの、能動デバイスを含み得る。いくつかの実施形態では、積層基板602は、シリコンハンドラ(例えば、
図4Bのシリコンハンドラ410)又は支持基板610、埋め込み酸化膜(BOX)層(例えば、
図4Bの埋め込み酸化膜層420)又はエッチストップ層620、及びデバイス層630を備える、SOIウェハを含み得る。いくつかの実施形態では、BOX層はエッチストップ層の機能を提供し得る。
図6A、
図6B、及び
図6Cに示される実施形態では、基板602、604、及び606の各々は、受動デバイス及び能動デバイスを電気的に接続するように、又は、1若しくは2以上のビア(図示せず)を通じて1若しくは2以上の能動デバイスを互いに電気的に接続するように構成される、相互接続層640を含み得る。
【0066】
図6Bは、バルクシリコン基板610及び相互接続層640を含む例示的な積層基板604の概略図を示す。積層基板604のバルクシリコン基板610は、例えば、ドーパントをバルクシリコン基板610に注入して能動領域を形成することによって、勾配ドープ(gradient doped)層を含み得る。
図6Cは、バルクシリコン基板610、デバイス層630、中間分割層650、及び相互接続層640を含む、例示的な積層基板606の概略図を示す。中間分割層650及びエッチストップ層620は、すなわち、ドライエッチング又はウェットエッチングによるバルクシリコン基板610の除去の間にエッチャントにエッチング選択性を提供するために、実質的に同様の機能を実行し得る。中間分割層650は、多孔性Si層、注入された水素、注入された酸素、又は注入されたアルゴンを含み得る。
【0067】
ここで、本開示のいくつかの実施形態による、受動デバイス層のための例示的な基板を示す、
図7A及び
図7Bが参照される。
図7Aに示される実施形態では、基板710は、基板710の厚みを貫通して垂直に延在するスルービア712を含み得る。スルービア712は、導電材料で充填されると、別の層の中の、又は同じ層内の、1若しくは2以上のデバイスを電気的に接続し得る。基板710がガラス基板であり得る実施形態では、スルービア712はスルーガラスビア712と称される。
図7Bに示される代替の実施形態では、基板720は、受動デバイスと能動デバイスとの間の、又は基板720に形成される受動デバイス間の、電気的接続を提供するように構成されるコンタクトパッド722を含み得る。
【0068】
要因の中でもとりわけ、所望の用途、加工の制約、電力変換要件に基づいて、能動デバイス基板(例えば、積層基板602、604、若しくは606、又は
図4B~
図4E及び
図5B~
図5Fに示されるSOI基板)及び受動デバイス基板(例えば、
図7A及び
図7Bの基板710又は720)の任意の置換と組合せが、スイッチトキャパシタパワーコンバータを形成するために使用され得ることが理解されるべきである。
【0069】
ここで、本開示のいくつかの実施形態による、例示的な接合構造810、820、及び830を示す、
図8A、
図8B、及び
図8Cが参照される。接合構造810、820、及び830は、能動デバイス層に接合された受動デバイス層を、それらの間に相互接続層を伴うか伴わないかのいずれかで含み得る。
【0070】
いくつかのシナリオでは、要因の中でもとりわけ、寄生抵抗損失の最小化、熱管理のために、全体の積層の厚みを減らすために、能動デバイス層のバルク基板の少なくとも一部分を除去又はエッチングするのが望ましいことがある。エッチングの特性及び秘訣は、限定はされないが、とりわけ、基板のタイプ、基板の厚み、エッチャント、エッチングパラメータ、所望のエッチングプロファイルを含む要因に基づいて変化し得る。
【0071】
図8Aに示される実施形態では、接合構造810は、エッチストップ層804(例えば、SOIウェハの場合は埋め込み酸化膜層)、相互接続層806、及び受動デバイス層に形成されるスルービア808を含む、能動デバイス基板802を含み得る。いくつかの実施形態では、能動デバイス基板802のかなりの部分が、粗研、等方性ウェットエッチング、スパッタリング、化学機械研磨(CMP, chemical mechanical polishing)、又は他の適切なプロセスなどの、大規模な物質除去プロセスを使用して除去され得る。エッチストップ層804は、背後にあるデバイスへの物理的及び電気的な損傷が最小限になるように、大規模な物質除去プロセスによってエッチング障壁又は材料のエッチングレートの低減をもたらし得る。
【0072】
図8Bに示される実施形態では、接合構造820は、能動デバイス基板812、相互接続層816、及び受動デバイス層に形成されるスルービア818を含み得る。背後にあるデバイスへの物理的及び電気的な損傷を最小にするために、能動デバイス基板812のかなりの部分が、粗研、等方性ウェットエッチング、スパッタリング、化学機械研磨(CMP)、又は他の適切なプロセスなどの大規模な物質除去プロセス、続いて、低エッチングレートの制御されたウェットエッチングなどのスローエッチングプロセス、又はガスクラスタイオンビーム(GCiB)を使用して除去され得る。
【0073】
図8Cに示される実施形態では、接合構造830は、中間分割層832、相互接続層826、及び受動デバイス層に形成されるスルービア828を含む、能動デバイス基板822を含み得る。いくつかの実施形態では、能動デバイス基板802のかなりの部分が、粗研、等方性ウェットエッチング、スパッタリング、化学機械研磨(CMP)、又は他の適切なプロセスなどの、大規模な物質除去プロセスを使用して除去され得る。中間分割層832は、能動デバイス基板822のエッチング障壁又はエッチングレートの低減をもたらし得る。
【0074】
示されていないが、場合によっては受動デバイス層及び能動デバイス層の他の構成が使用され得ることが理解されるべきである。例えば、
図7A及び
図7Bに示される受動デバイス層のための基板710及び720は、
図8A、
図8B、及び
図8Cに関して説明される能動デバイス基板の1つと接合され得る。さらに、1又は2以上の受動デバイス層及び1又は2以上の能動デバイス層の積層構成を含むパワーコンバータは、例えば
図7A又は
図7Bによる、各受動デバイス層のための異なる構成、及び、例えば
図4B~
図4E、又は
図5B~
図5F、又は
図6A~
図6C、又は
図8A~
図8Cによる、異なる能動デバイス層構成を使用し得る。
【0075】
スイッチトキャパシタパワーコンバータは、異なる基板、材料、秘訣、構成、及びプロセスを使用する、一般に知られているMEMS、相変化材料(PCM)又はCMOS半導体処理技法を使用して作製され得る。例えば、方法400において説明されたように、パワーコンバータは、受動デバイス層を能動デバイス層と接合するために単層転写プロセスを使用して作製されてもよく、方法500において説明されたように、パワーコンバータは、2つの単層転写プロセスを使用して作製されてもよい。スイッチトキャパシタパワーコンバータを作製する方法400及び500は、受動デバイス層と接合する前に能動デバイス層に1又は2以上のビアを形成するステップを含み得る。代替として、能動デバイス層の中のビアは、
図9A、
図9B、
図9C、
図10A、
図10B、
図11A、
図11B、及び
図20に関して論じられたように、接合の後に形成され得る。
【0076】
ここで、本開示のいくつかの実施形態による、例示的なパワーコンバータの形成を示す、
図9A、
図9B、及び
図9Cが参照される。接合プロセスは、低温酸化物-酸化物接合プロセス、及び/又は酸化物-半導体接合プロセスを含み得る。明確に示されていないが、
図9A、
図9B、及び
図9Cに示される構造は、SOI又はバルクシリコン基板を含み得ることが理解されるべきである。
【0077】
図9Aは、受動デバイス層910の同じ側に配設される、受動デバイス層910の基板を貫通して高さ方向に延在するスルービア912を有する受動デバイス層910、能動デバイス層920及び930、並びに、それぞれ能動デバイス層920及び930に形成されるトレンチ922及び932を含む、例示的な接合構造900Aの概略図を示す。
図9Aに示される実施形態では、第1の接合構造を形成するために、能動デバイス層920が、低温酸化物-酸化物接合プロセスを使用して受動デバイス層910に接合され得る。能動デバイス層920のハンドラ又はバルク基板(図示せず)の一部分が、接合の後で、ウェットエッチング、ドライエッチング、若しくはガスクラスタイオンビームの1若しくは2以上、又は、半導体材料にパターンをエッチングするのに適した他の技法を使用して、エッチング又は除去され得る。トレンチ922は、能動デバイス層920の1又は2以上の層に形成され得る。いくつかの実施形態では、トレンチ922は、シャロートレンチアイソレーション構造を含んでもよく、限定はされないが、二酸化ケイ素などの絶縁材料で充填されてもよい。
【0078】
図9Aに示される実施形態では、能動デバイス層930は、能動デバイス層920及び930は受動デバイス層910の同じ側にあるように能動デバイス層920に接合され得る。能動デバイス層930は、例えば、低温酸化物-酸化物接合プロセスを使用して、能動デバイス層920に接合され得る。能動デバイス層930はデバイス層934及び相互接続層936を含んでもよく、能動デバイス層920はデバイス層924及び相互接続層926を含んでもよい。能動デバイス層920及び930は、能動デバイス層920のデバイス層924がハイブリッド接合を通じて能動デバイス層930の相互接続層936に接合されるように、互いに接合され得る。トレンチ932は、1又は2以上のデバイス層を貫通して形成され得る。いくつかの実施形態では、トレンチ932は、シャロートレンチアイソレーション(STI)構造を含んでもよく、限定はされないが、二酸化ケイ素などの絶縁材料で充填されてもよい。トレンチ932及び922は、それぞれ、デバイス層934及び924の中にそれらを貫通して形成され得るので、トレンチ932及び922の少なくとも一部分が互いに整列し得る。
【0079】
ここで、本開示のいくつかの実施形態による、接合構造900Bの概略図を示す、
図9Bが参照される。能動デバイス層920及び930の各々の領域をエッチングすることによって、スルービア942が形成され得る。スルービア942の構築を見込んで二酸化ケイ素で充填されたトレンチ922及び932は、能動デバイス層920及び930のエッチングとともにエッチングされ得る。さらに、スルービア942は、ビア912の少なくとも一部分と揃い得る。形成されると、スルービア942は、例えば、電気めっき若しくは無電解めっき、物理気相堆積、化学気相堆積、熱気相堆積、電子ビーム気相堆積、又は他の適切な金属堆積プロセスによってメタライズされ得る。メタライズされたスルービア942及びビア912は、受動デバイス層910に形成されるキャパシタアレイのカソード材料への電気的接続を提供し得る。
図9Cの接合構造900Cに示されるように、それぞれ、能動デバイス層920及び930の能動デバイスへの電気的接続が形成され得るように、ビア952及び962がさらに形成され得る。いくつかの実施形態では、受動デバイス層の同じ側に能動デバイス層を伴う接合構造を形成するのが望ましいことがあり、それは少なくとも、デバイスへの物理的又は電気的な損傷の危険を伴うことなく一方の側で接合構造が安全に取り扱われ得るからである。
【0080】
発明者らは、受動デバイス層にスルービアを形成するのが困難であることがあること、かつ場合によっては望ましくないことがあることを認識している。これは、高いアスペクト比のビアを形成することが、受動デバイス層の基板の構造的完全性に悪影響を及ぼすことがあるから、又は時間がかかることがあるから、又はこれらの両方である。この問題を軽減するためのいくつかの方法の1つは、キャパシタアレイのカソード接続と能動デバイス層との間で、又はキャパシタアレイのアノード接続と能動デバイス層との間で電気的接続を提供するために、コンタクトパッド(例えば、
図7Bのコンタクトパッド722)を形成することを含み得る。
【0081】
ここで、本開示のいくつかの実施形態による、例示的なパワーコンバータの形成を示す、
図10A及び
図10Bが参照される。接合プロセスは、低温酸化物-酸化物接合プロセス又は酸化物-半導体接合プロセスを含み得る。明確に示されていないが、
図10A及び
図10Bに示される構造は、SOI又はバルクシリコン基板を含み得ることが理解されるべきである。
【0082】
図10Aは、コンタクトパッド1022を有する受動デバイス層1010、及び能動デバイス層1020を含む、例示的な接合構造1000Aの概略図を示す。能動デバイス層1020のすべての層を貫通し、かつ受動デバイス層1010の基板へと部分的に延在するビア1024が、能動デバイス層1020に形成され得る。例えば、ビア1024はエッチングによって形成され得る。形成されると、ビア1024は、例えば、電気めっき若しくは無電解めっき、物理気相堆積、化学気相堆積、熱気相堆積、電子ビーム気相堆積、又は他の適切な金属堆積プロセスによってメタライズされ得る。堆積される金属は、銅、アルミニウム、ニッケル、亜鉛、銀、又は他の導電性の高い金属を含み得る。
【0083】
図10Bは、メタライズされたビア1034を含む例示的な接合構造1000Bの概略図を示す。いくつかの実施形態では、2又は3以上の能動デバイス層は、受動デバイス層1010の同じ側に積層され得る。例えば、第2の能動デバイス層(図示せず)は、酸化物-酸化物低温接合プロセス又は酸化物-半導体低温接合プロセスを使用して、接合構造1000Bに接合され得る。他の適切な接合プロセスも使用され得ることが理解されるべきである。例えば、第2の能動デバイス層の中のビアの少なくとも一部分がメタライズされたビア1034と揃うように、パターニングされたエッチングによって、接合構造1000Bとの接合の後で、第2のデバイス層にビアが形成され得る。いくつかの実施形態では、あらかじめ形成されるビアを有する第2のデバイス層は、第2の能動デバイス層の中のビアの少なくとも一部分がメタライズされたビア1034と揃うように、接合構造1000Bに接合され得る。第2の能動デバイス層の中のビアは、受動デバイス層1010と能動デバイス層との間の電気的な連続性を可能にするためにメタライズされ得る。
【0084】
いくつかの実施形態では、第2の能動デバイス層は、ビア1024を介することを含めて、接合構造1000Aに接合され得る。例えば、第2の能動デバイス層の中のビアの少なくとも一部分がビア1024と揃うように、パターニングされたエッチングによって、接合構造1000Aと接合した後、第2のデバイス層にビアが形成され得る。いくつかの実施形態では、あらかじめ形成されるビアを有する第2のデバイス層は、第2の能動デバイス層の中のビアの少なくとも一部分がビア1024と揃うように、接合構造1000Aに接合され得る。いくつかの実施形態では、ビア1024及び第2の能動デバイス層の中のビアは、同時にメタライズされ得る。
【0085】
ここで、本開示のいくつかの実施形態による、例示的なパワーコンバータの形成を示す、
図11A及び
図11Bが参照される。接合プロセスは、低温酸化物-酸化物接合プロセス又は酸化物-半導体接合プロセスを含み得る。明確に示されていないが、
図11A及び
図11Bに示される構造はSOI又はバルクシリコン基板を含み得ることが理解されるべきである。
【0086】
図11Aは、受動デバイス層1110、能動デバイス層1120及び1130、並びに受動デバイス層1110の基板を貫通して高さ方向に延在するスルービア1112を含む、例示的な接合構造1100Aの概略図を示す。能動デバイス層1120及び1130は、受動デバイス層1110が能動デバイス層1120と1130との間に配設されるように、受動デバイス層1110の反対の表面に接合され得る。接合の後、能動デバイス層1120及び1130の各々の基板の一部分が、2又は3以上のプロセスの組合せを含めて、粗研、ウェットエッチング、ドライエッチング、スパッタリング、化学機械研磨(CMP)、ガスクラスタイオンビーム(GCiB)、又は他の適切なプロセスを使用して、エッチング又は除去され得る。
【0087】
図11Bは、本開示のいくつかの実施形態による、ビア1112、1122、及び1132を含む例示的な接合構造1100Bの概略図を示す。接合の後、ビア1122及び1132はそれぞれ、能動デバイス層1120及び1130に形成され得る。いくつかの実施形態では、能動デバイス層1120及び1130並びに受動デバイス層1110が電気的に接続されるように、ビア1122は、受動デバイス層1110に形成されるスルービア1112の一端の一部分と少なくとも揃っていてもよく、ビア1132は、スルービア1112の他端の一部分と少なくとも揃っていてもよい。
【0088】
いくつかの実施形態では、スイッチトキャパシタパワーコンバータは、多相ネットワークを含み得る。
図12Aは、本開示のいくつかの実施形態による、例示的な二相スイッチトキャパシタパワーコンバータ1200の図を示す。二相スイッチキャパシタパワーコンバータ1200は、例えば、スイッチS1A~S3A、S1B~S3B、及びS4~S7、キャパシタC1A、C2A、C1B、及びC2B、入力電圧源V1及び出力電圧負荷V2、並びにスイッチを制御する(例えば、オン又はオフなど)ように構成される制御/ドライバ回路(図示せず)を含み得る。
【0089】
図12B、
図12C、及び
図12Dは、それぞれ、二相スイッチトキャパシタパワーコンバータ1200におけるスイッチとキャパシタの相対的な空間配置の、垂直断面
図1210、底面
図1220、及び上面
図1230を示す。キャパシタC1A、C1B、C2A、及びC2Bは、互いに同一平面に、スイッチS1A、S1B、S2A、S2B、S3A、及びS3Bと、スイッチS4、S5、S6、及びS7との間に配置され得る。動作において、スイッチS1B、S2A、S3B、S5、及びS6は、第1の相においてキャパシタC1A及びC2Bの構成を変えるように動作してもよく、スイッチS1A、S2B、S3A、S4、及びS7は、第2の相においてキャパシタC2A及びC1Bの構成を変えるように動作してもよく、それにより、スイッチング遅延を最小にする。
図12Bに示される実施形態では、スイッチS1A、S1B、S2A、S2B、S3A、及びS3Bは第1の能動デバイス層(例えば、
図5Fの能動デバイス層520)に形成されてもよく、スイッチS4、S5、S6、及びS7は第2の能動デバイス層(例えば、
図5Fの能動デバイス層550)に形成されてもよく、キャパシタC1A、C2A、C1B、及びC2Bは受動デバイス層(例えば、
図5Cの受動デバイス層530)に形成されてもよい。
図12Bに示されるように、断面積がそこから選択された領域(例えば、
図12C及び
図12Dの下半分)により、スイッチS1B、S2B、S3B、S6、及びS7だけが図示されている。二相スイッチトキャパシタパワーコンバータ1200の構造は、例えば方法500を使用して実現され得る。二相スイッチトキャパシタパワーコンバータ1200を作製する他の方法も利用され得ることが理解されるべきである。
【0090】
前に言及されたように、発明者らは、持ち運び可能電子通信デバイスのための電力変換要件を満たす際のいくつかの課題の1つに、全体の高い静電容量要件を満たすために使用されるデバイスの大きなサイズによるデバイス集積の問題及び低い構造密度があり得ることを認識している。高い電力密度、高い静電容量密度、及びデバイスレベルでの低いESRを提供することに加えて、ウェハレベルのパッケージングの改善が、より高水準の集積をさらに可能にし得る。したがって、ウェハレベルのパッケージングのためのシステム及び方法を提供するのが望ましいことがある。
【0091】
いくつかの実施形態では、より入力/出力接続の多いより小型のパッケージ、並びにより良い熱的性能及び電気的性能を提供するために、ファンアウトウェハレベルパッケージングが使用され得る。ファンアウトウェハレベルパッケージングは、パッケージングの前に製品チップを再編成されたウェハ又は基板に再配置することを含み得る。
図13は、本開示のいくつかの実施形態による、例示的なファンアウトパッケージング方法1300のフローチャートを示す。
【0092】
いくつかの実施形態では、加工されたウェハはプロセスの最初にダイシングされ、キャリアウェハ又はパネルなどの標準化されたウェハへと再編成され得る。いくつかの実施形態では、キャリアウェハに接着箔が貼り合わされ得る。個片化されたダイは、例えば、ピックアンドプレースツールを使用して、表を下にしてキャリアウェハに置かれ得る。ダイの動作面が保護されている間にダイをモールド化合物で封止するために、コンプレッションモールディングプロセスが使用され得る。モールド化合物は硬化されてもよく、キャリアウェハ及び接着箔は剥離プロセスを使用して除去されてもよく、モールド化合物が露出したシリコンダイウェハを封止するような再編成されたウェハをもたらす。再編成されたウェハは次いで、誘電層の取り付け及びパターニング、再配線のための薄膜金属、並びにバンプはんだ付けのために、標準的なウェハレベルパッケージング技法を用いて加工され得る。ステップ1302~1308は一般に、デバイスの再編成のプロセスを説明する。
【0093】
いくつかの実施形態では、方法1300はステップ1302を含み得る。ステップ1302において、方法1300は、加工されたウェハ1310を個々のチップ1325へとダイシングするステップを含み得る。いくつかの実施形態では、チップ1325は、方法400又は500の1つを使用して作製される1又は2以上のスイッチトキャパシタパワーコンバータを含み得る。ウェハ1310は、レーザースクライブ又は他の適切な技法を使用して、x-y方向のスクライブ線に沿ってダイシングされ得る。
【0094】
いくつかの実施形態では、方法1300はステップ1304を含み得る。ステップ1304において、方法1300は、チップ1325を加工されたウェハ1310からキャリアウェハ1320に移すステップを含み得る。所望の数のチップが移され、キャリアウェハ1320に再配置され得ることが理解されるべきである。チップ1325を再配置することは、外部への、及びチップのコアから離れて、電気的接続のファンアウトを可能にするために、チップ1325を離隔することを含み得る。
【0095】
いくつかの実施形態では、方法1300はステップ1306を含み得る。ステップ1306において、方法1300は、例えば、再編成されたウェハ1330を形成するために、コンプレッションモールディングを使用してキャリアウェハ1320を再編成し得る。チップ1325は後で硬化され得るモールド化合物で封止されてもよく、キャリアウェハ1320及び接着箔は剥離プロセスを使用して除去されてもよく、再編成されたウェハ1330をもたらす。
【0096】
いくつかの実施形態では、方法1300はステップ1308を含み得る。ステップ1308において、方法1300は、誘電層のパターニングのための標準的なウェハレベルパッケージング技法を用いて再編成されたウェハを加工するステップを含み得る。例えば、ステップ1308は、再配線のための薄膜金属、及び入力/出力接続に接続する電気的コンタクトのためのバンプはんだ付けバンプを堆積するステップを含み得る。
【0097】
いくつかの実施形態では、本明細書で開示される積層構造は、ヒートシンク構造を含み得る。例えば、積層からの熱の移動を促進するために、受動デバイス層及び能動デバイス層の積層に二次ウェハが追加され得る。二次ウェハは、本明細書で開示される1又は2以上の層転写方法及び接合プロセスを使用して追加され得る。受動デバイス層は、普通は能動デバイス層より面積が大きい。いくつかの実施形態では、受動デバイス層の余剰の面積は、ヒートシンク構造を支持するために利用され得る。
【0098】
いくつかの実施形態では、受動デバイス層及び能動デバイス層を積層するために、マイクロ転写印刷法が使用され得る。例えば、マイクロ転写印刷における標的のウェハは受動デバイスを含むガラスウェハ/パネルであってもよく、ソースウェハは能動デバイスウェハ/パネルを含むSOIウェハであってもよく、又はその逆であってもよい。
【0099】
ここで、それぞれ、
図13の再編成されたウェハ1330と実質的に同様の再編成されたウェハ1410及び(
図14Aに示される)A-A’に沿った再編成されたウェハ1410の断面図を示す、
図14A及び
図14Bが参照される。再編成されたウェハ1410は、能動デバイス1430を囲むモールド化合物領域1420を含み得る。いくつかの実施形態では、モールド化合物は熱伝導性化合物を備えてもよく、これは、ヒートシンク材料として機能し、積層された層から熱を移すことに寄与し得る。熱伝導性モールド化合物を備えるモールド化合物領域1420は、基本的にサーマルシンク又はサーマルビアとして機能し得る。再編成されたウェハ1410はさらに、1又は2以上のキャパシタアレイ(例えば、
図2Aのキャパシタアレイ250及び260)を備え、かつ絶縁ビア1470を介して電気的かつ物理的に分離される、受動デバイス層1460を含み得る。ダイス線又はスクライブ線1450は、再編成されたウェハ1410をチップ(例えば、
図13のチップ1325)へとダイシングするための基準ガイドとして使用されてもよく、各チップは少なくとも能動デバイス及び対応する能動デバイスによって制御される受動デバイスを備える。スクライブ線の長方形のアレイを形成するために、スクライブ線1450が、再編成されたウェハ1410に、横方向及び縦方向に形成され得る。いくつかの実施形態では、スクライブ線1450は、チップへの損傷の可能性を最小限にするために、能動デバイス及び受動デバイスから離れて形成され得る。再編成されたウェハ1410は、例えば、ウェハレーザースクライブ技法、又は他の適切な技法を使用してダイシングされ得る。
【0100】
図15A、
図15B、及び
図15Cは、本開示のいくつかの実施形態に沿った、単層転写(SLT)作製技法を使用する例示的なスイッチトキャパシタパワーコンバータの作製に関わるステップを示す。SLT作製技法は、スイッチトキャパシタパワーコンバータなどの、デバイス又は構造を形成するための1つの接合プロセスを含み得る。用途及び所望の製品特性に基づいて、望ましい物理的特性及び電気的特性を有する構造を形成するために、適宜ステップが追加され、削除され、並べ替えられ、再配置され、又は修正され得ることが理解されるべきである。
【0101】
ここで、基板又はウェハ1510、ウェハ1510の表面に形成されるデバイス層1520、及びデバイス層1520の表面に配設される相互接続層1530を備える構造1500Aを示す、
図15Aが参照される。ウェハ1510は、SOIウェハ又はシリコンハンドラウェハを備え得る。
図4Bを参照して前に言及されたように、SOIウェハは、ベースシリコンウェハ、ベースシリコン層に接して形成される埋め込み酸化膜層(BOX)、及び埋め込み酸化膜層に接して形成されるデバイスグレードシリコン層を含み得る。デバイス層1520は、スイッチトキャパシタパワーコンバータの受動デバイスを制御するように構成される能動デバイス(例えば、CMOS電界効果トランジスタ)を含み得る。本明細書で開示されるように、デバイス層1520はFEOL層と称されることがある。相互接続層1530は、デバイス層1520の1又は2以上の能動デバイスに電気的に接続されるコンタクトパッドを備え得る。本明細書で開示されるように、相互接続層1530はBEOL層と称されることがある。
【0102】
図15Bは、構造1500Aに接合される受動デバイス層1540を備える構造1500Bを示す。いくつかの実施形態では、受動デバイス層1540はキャパシタアレイ(例えば、
図2Aのキャパシタアレイ250及び260)を含むことがあり、これらはデバイス層1520の能動デバイスによってスイッチング及び/又は制御され得る。構造1500Aは、限定はされないが、酸化物-酸化物接合、ハイブリッド接合、熱圧着接合、ポリマー接合、金属-金属接合、又は他の適切な接合技法を含むプロセスによって、受動デバイス層1540に接合され得る。例として、接合1535はハイブリッド接合を備えてもよく、これは金属-金属接合及び誘電体-誘電体接合を含む。ハイブリッド接合を形成することは、とりわけ、接合されるべき表面の各々に薄い誘電層を堆積することと、同一平面の材料、例えば金属が揃い、表面が互いに物理的に接触するように、表面を揃えることと、適切な温度で、揃えられた表面をアニーリングして酸化物-酸化物接合及び金属-金属接合の形成を促進することとを備え得る。
図15Bに示される実施形態では、接合1535は、相互接続層1530の表面と受動デバイス層1540の表面との間に形成され得る。いくつかの実施形態では、
図15Cに示されるように、ウェハ1510又はシリコンハンドラウェハは、例えば、研削、CMP、エッチング、又はこれらの組合せによって、部分的に又は完全に除去されて、構造1500Cを形成し得る。
【0103】
ここで、本開示のいくつかの実施形態に沿った、二層転写(DLT)作製技法を使用した例示的なスイッチトキャパシタパワーコンバータの作製に関わるステップを示す、
図16A~
図16Eが参照される。DLT作製技法は、スイッチトキャパシタパワーコンバータなどのデバイス又は構造を形成するための2つの接合プロセスを含み得る。用途及び所望の製品特性に基づく望ましい物理的特性及び電気的特性を有する構造を形成するために、適宜ステップが追加され、削除され、並べ替えられ、再配置され、又は修正され得ることが理解されるべきである。
【0104】
図16Aは、構造1500Aと実質的に同様である構造1600Aを示し、これは、基板又はウェハ1610、ウェハ1610の表面に形成されるデバイス層1620、及びデバイス層1620の表面に配設される相互接続層1630を備える。
図16Bに示されるように、構造1600Bは、第1の接合1635を通じて相互接続層1630の表面に接合されるキャリア基板1640を含み得る。キャリア基板1640は、シリコンウェハ、ガラスウェハ、水晶ウェハ、又は任意の適切な基板を備え得る。構造1600Cを示す
図16Cに示される実施形態では、ウェハ1610は、例えば、研削、CMP、エッチング、又はこれらの組合せによって除去され得る。
【0105】
図16Dは、デバイス層1620の表面が第2の接合1655を通じて受動デバイス層1650の表面に接合されるような、構造1600Cに接合される受動デバイス層1650を備える構造1600Dを示す。構造1600Cは、限定はされないが、酸化物-酸化物接合、ハイブリッド接合、熱圧着接合、ポリマー接合、金属-金属接合、又は他の適切な接合技法を含むプロセスによって、受動デバイス層1650に接合され得る。いくつかの実施形態では、第1の接合1635及び第2の接合1655は似ていてもよい。例えば、第1の接合1635及び第2の接合1635は、酸化物-酸化物接合又はハイブリッド接合を含み得る。いくつかの実施形態では、第1の接合1635及び第2の接合1655は似ていなくてもよい。例えば、第1の接合1635は酸化物-酸化物接合を備えてもよく、第2の接合1655はポリマー接合を備えてもよい。いくつかの実施形態では、キャリア基板1640は、
図16Eに示されるように、例えば、研削、CMP、エッチング、又はこれらの組合せによって、部分的又は完全に除去され、構造1600Eを形成し得る。
【0106】
本発明者らは、高密度で高効率のスイッチトキャパシタパワーコンバータが、基板の選択、基板除去プロセス、接合プロセス、及び電気的コンタクトの形成を含む、要因の組合せを実施することによって実現され得ることを認識している。例えば、開始基板材料はSOIウェハ又はバルクシリコンウェハであり得る。接合プロセスは、酸化物-酸化物接合、ハイブリッド接合、金属-金属接合、熱圧着接合、SLT技法などにおける単一の接合プロセス、又はDLT技法などにおける二重の接合プロセスを含み得る。基板除去プロセスは、研削、CMP、ウェットエッチング、又はプラズマエッチングを備え得る。そして、電気的コンタクトの形成は、スルービア(スルーウェハビア、例えばスルーガラス又はスルーシリコンビア)又はコンタクトパッドの形成を含み得る。以下で論じられる
図17~
図20は、そのような組合せによって実現される構造の例示的で限定しない構成を示すことが理解されるべきである。他のデバイス構成も作製され得る。
【0107】
ここで、本開示のいくつかの実施形態に沿った、スイッチトキャパシタパワーコンバータの例示的な構造を示す、
図17A及び
図17Bが参照される。
図17Aに示される実施形態では、スイッチトキャパシタパワーコンバータ1700Aは、受動デバイス層1710が垂直方向に能動デバイス層1730と1750の間にあるように、スルービア1705を備える受動デバイス層1710と、受動デバイス層1710の表面1702に配設される能動デバイス層1730と、受動デバイス層1710の表面1706に配設される能動デバイス層1750とを含み得る。いくつかの実施形態では、受動デバイス層1710はキャパシタアレイ(例えば、
図2Aのキャパシタアレイ250及び260)を備えてもよく、能動デバイス層1730及び1750は、限定はされないが、電界効果トランジスタ又はバイポーラ接合トランジスタなどの能動デバイスを備えてもよい。
【0108】
図17Bは、その表面1722にコンタクトパッド1725を有する受動デバイス層1720と、表面1722に配設される能動デバイス層1730と、能動デバイス層1730の表面に配設される能動デバイス層1750とを備え、それにより、能動デバイス層1730及び1750が受動デバイス層1720の同じ側に垂直方向に積層されるような、スイッチトキャパシタパワーコンバータ1700Bを示す。
図17A及び
図17Bは、2つの能動デバイス層をもつスイッチトキャパシタパワーコンバータを示すが、望まれるように、任意の数の能動デバイス層が作製されてもよいことが理解されるべきである。いくつかの実施形態では、スイッチトキャパシタパワーコンバータは、1若しくは2以上のBEOL層又は相互接続層(例えば、
図9Cの相互接続層926及び936)を含み得る。
【0109】
ここで、本開示のいくつかの実施形態による、例示的なスイッチトキャパシタパワーコンバータ1800を示す、
図18が参照される。スイッチトキャパシタパワーコンバータ1800は、受動デバイス層1820と、ダイ、例えばデバイス層1832及び相互接続層1834を備える能動デバイス層1830と、ダイ、例えばデバイス層1852及び相互接続層1854を備える能動デバイス層1850とを備え得る。能動デバイス層1830は、デバイス層1832が受動デバイス層1820の表面に接合されるように接合1825を通じて受動デバイス層1820に接合されてもよく、能動デバイス層1850は、デバイス層1852が能動デバイス層1830の相互接続層1834に接合されるように接合1855を通じて能動デバイス層1830に接合されてもよい。スイッチトキャパシタパワーコンバータ1800の作製は、DLT技法を使用して、受動デバイス層1820に接合される能動デバイス層1830を含む第1の構造を形成することと、DLT技法を使用して能動デバイス層1850を第1の構造に接合することとを備え得る。このシナリオでは、スイッチトキャパシタパワーコンバータ1800は、2つのDLTプロセスを使用して作製され得る。いくつかの実施形態では、接合1825及び1855は、金属-金属接合及び酸化物-酸化物接合を含むハイブリッド接合を備え得る。2つの能動デバイス層だけが
図18に示されているが、任意の数の能動デバイス層が積層構成において作製され得ることが理解されるべきである。受動デバイス層はコンタクトパッドを備えるものとして示されているが、受動デバイス層1710のように、スルービアを代わりに備えてもよいことがさらに理解されるべきである。発明者らは、基板、接合プロセス、層転写プロセス、例えば単層若しくは二層転写プロセス、層転写プロセスの順序、除去プロセス、又はコンタクトの形成の間で、ある数の置換及び組合せが、スイッチトキャパシタパワーコンバータの望ましい構造を実現するために可能であり得ることを理解している。例えば、スイッチトキャパシタパワーコンバータ1800の作製は、DLT技法を使用して、能動デバイス層1830に接合される能動デバイス層1850を含む第1の構造を形成するステップと、DLT技法を使用して第1の構造を受動デバイス層1820に接合するステップとを備え得る。
【0110】
ここで、本開示のいくつかの実施形態による、スイッチトキャパシタパワーコンバータ1900を示す
図19が参照される。スイッチトキャパシタパワーコンバータ1900の作製は、DLT技法を使用して、受動デバイス層1920に接合される能動デバイス層1930を含む第1の構造を形成するステップと、SLT技法を使用して能動デバイス層1950を第1の構造に接合するステップとを備え得る。いくつかの実施形態では、例えば、外部環境への電気的接続を促進するために、ビア1936が、能動デバイス層1930の作製の間にデバイス層1932に形成され、銅などの金属で充填され得る。能動デバイス層1930は、ハイブリッド接合1925を形成することによって受動デバイス層1920に接合され得る。能動デバイス層1950は、SLTを使用して、能動デバイス層1930を備える構造に接合され得るので、相互接続層1954及び1934は、ハイブリッド接合1955を通じて接合され、電気的に接続される。
図19はコンタクトパッドを有する受動デバイス層を示すが、スイッチトキャパシタパワーコンバータ1900はスルービアを有する受動デバイス層を使用して作製されてもよいことが理解されるべきである。積層構造の形成のためのステップとプロセスの他の組合せ及び置換も使用され得る。
図19の実施形態に示される構造の利点の1つは、機能するスイッチトキャパシタパワーコンバータ1900を実現するのに関わるプロセスステップが、能動デバイス層1950及び/又は1930におけるスルービアの形成をなくすことにより減り得るということであり、それは、相互接続層1954及び1934の中の相互接続が、能動デバイス層1930と1950との間の電気的接続を維持するために使用され得るからである。
【0111】
ここで、本開示のいくつかの実施形態による、例示的なスイッチトキャパシタパワーコンバータ2000を示す
図20が参照される。スイッチトキャパシタパワーコンバータ2000の作製は、能動デバイス層2030の相互接続層2034及び能動デバイス層2050の相互接続層2054が酸化物-酸化物接合2055を通じて互いに接合されるように、SLT技法を使用して、能動デバイス層2030及び2050を備える構造を形成することを備え得る。スイッチトキャパシタパワーコンバータ2000の作製はさらに、SLT技法を使用して、能動デバイス層2030及び2050の組み合わせられた構造を、接合2015を通じて、スルービア2016を備える受動デバイス層2010に接合することを含み得る。この構成では、コンタクトビアは、コンタクトラスト(contact-last)又はビアラスト(via-last)手法によって形成され得る。
図20に示される実施形態では、コンタクトビア2036は、受動デバイス層2010に接合される能動デバイス層2030及び2050の組み合わせられた構造を形成した後に形成され得る。コンタクトビア2036は、例えば、能動デバイス層並びに能動デバイス層2030及び2050の相互接続層を貫通してエッチングすることによって形成され得るので、受動デバイス層2010の中のキャパシタアレイへの電気的接続が行われ得る。
【0112】
ここで、本開示のいくつかの実施形態による、熱圧着接合を使用する例示的なスイッチトキャパシタパワーコンバータ2100を示す
図21が参照される。スイッチトキャパシタパワーコンバータ2100は能動デバイス層を備え得る。能動デバイス層は、シリコン基板2110、BOX層2120、デバイス層2130、電気的コンタクト2140を備える相互接続層2150、及び受動デバイス層2170を含む、SOIウェハを備え得る。スイッチトキャパシタパワーコンバータ2100において、受動デバイス層2170及び相互接続層2150は、圧力と温度を同時にスタッド2155に加えることによって形成され得る熱圧着接合2160によって、互いに接合され得る。1又は2以上の金属スタッド2155が受動デバイス層2170の表面に堆積されてもよく、対応する金属スタッドは受動デバイス層2170に面する相互接続層2150の表面に堆積されてもよい。能動デバイス層及び受動デバイス層は、対応する金属スタッドが揃い、かつ、圧力と温度を同時に加えると熱圧着接合2160を形成するように揃えられてもよく、スイッチトキャパシタパワーコンバータ2100の接合構造をもたらす。熱圧着接合技法は、適宜SLT技法又はDLT技法を使用して実施され得る。いくつかの実施形態では、スタッド2155は金属又は合金から作られてもよい。
【0113】
いくつかの実施形態では、スイッチトキャパシタパワーコンバータ2100はさらに、スタッド2155を含む表面とは反対の受動デバイス層2170の表面に形成される再配線層2180を備え得る。再配線層2180は、チップ上の異なる位置へ/からの接続を可能にするための、又は、はんだバンプ2190が取り付けられ得るようにダイの周りの接触点を広げるための、電気的コンタクトパッドを備え得る。いくつかの実施形態では、再配線層2180の形成は、熱応力の管理にも使用され得る。
【0114】
いくつかの実施形態では、スイッチトキャパシタパワーコンバータは、マルチレベルパワーコンバータ、例えば3レベルバックパワーコンバータを含み得る。
図22Aは、本開示のいくつかの実施形態による、例示的な3レベルバックパワーコンバータ2200の図を示す。3レベルバックパワーコンバータ2200は、例えば、直接接続で配置されるスイッチM1、M2、M3、M4、M5、及びM6、キャパシタC1及びC2、入力電圧V
in及び出力電圧V
out、並びにスイッチを制御する(例えば、オン又はオフなど)ように構成される制御/ドライバ回路(図示せず)を含み得る。従来の二相バックパワーコンバータは、2つの金属-シリコン酸化膜電界効果トランジスタ(MOSFET)、インダクタ、入力電圧源と並列の入力キャパシタ、及び出力キャパシタを備え得る。それと比較して、3レベルバックパワーコンバータは、追加のトランジスタ、スイッチトインダクタ、及び追加のキャパシタを備え得る。3レベルの、高密度のバックパワーコンバータのためのいくつかの集積手法の1つが、
図22Bに示される。
【0115】
ここで、本開示のいくつかの実施形態による、例示的な3レベルバックパワーコンバータ2200の構造を示す
図22Bが参照される。3レベルバックパワーコンバータ2200は、受動デバイス層2210、並びに受動デバイス層2210の反対側に形成される能動デバイス層2230及び2250を備え得る。能動デバイス層2230はスイッチM1、M2、及びM3を含んでもよく、能動デバイス層2250はスイッチM4、M5、及びM6を含んでもよい。
図22Bに示されるものなどの、SLT技法及びDLT技法によって作製される積層されたマルチレベル構造は、高密度のキャパシタ及び制御スイッチの作製を可能にし、より小型でよりエネルギー密度の高いマルチレベルパワーコンバータをもたらし得る。
【0116】
いくつかの実施形態では、動作中に、入力電圧Vinは、スイッチM1~M6並びにキャパシタC1及びC2を使用してチョップされ得る。これは、インダクタノードLxにおいて脈動する電圧をもたらし得る。この脈動する電圧が、フィルタインダクタLによって表されるインダクタにかかることがあり、それにより、Lxノードにおいて電圧の平均である出力電圧Voutを生み出す。
【0117】
上の記述において、実施形態は、実装形態ごとに異なり得る多数の具体的な詳細に関して説明された。説明された実施形態の何らかの適応及び改変を行うことができる。本明細書及びそこで開示される開示の実践を考慮すると、他の実施形態が当業者に明らかになり得る。図に示されるステップの手順は例示を目的とするものにすぎず、ステップのどのような具体的な手順にも限定されるものではないことも意図される。したがって、これらのステップは、同じ方法を実施しながら異なる順序で実行され得ることを、当業者は理解することができる。
【0118】
わかりやすくするために別個の実施形態として説明される本明細書のいくつかの特徴は、単一の実施形態において組み合わせて提供されてもよいことが理解される。逆に、簡潔にするために単一の実施形態として説明される本明細書の様々な特徴は、別々に、又は任意の適切な部分組合せで、又は本明細書の任意の他の説明される実施形態において適切であるものとして提供されてもよい。様々な実施形態として説明されるいくつかの特徴は、実施形態がそれらの要素なしでは機能しないものではない限り、それらの実施形態の必須の特徴であると見なされるべきではない。
【0119】
実施形態はさらに以下の条項を使用して説明され得る。
1.第1の能動デバイス層を備えるデバイスであって、第1の能動デバイス層が、
デバイス面に形成される第1の複数の能動デバイスを備えるデバイス層と、
デバイス層のデバイス面に配設される相互接続層と、
複数の受動デバイスを備える受動デバイス層と
を備え、第1の能動デバイス層が、相互接続層の露出された表面と受動デバイス層の第1の表面との間の第1の接合によって相互接続層を通じて受動デバイス層に電気的に接続される、デバイス。
2.第1の接合が、誘電体-誘電体接合、金属-金属接合、ポリマー接合、熱圧着接合、又はハイブリッド接合を備える、条項1のデバイス。
3.ハイブリッド接合が、酸化物-酸化物接合と金属-金属接合の組合せを備える、条項2のデバイス。
4.複数の受動デバイスのうちのある受動デバイスが電荷貯蔵デバイスを備え、電荷貯蔵デバイスが、
第1の表面及び第1の表面の反対の第2の表面を含む基板と、
基板の第1の表面から第2の表面に向かって垂直に延在する第1の複数の導電性構造と、
基板の第2の表面から第1の表面に向かって垂直に延在する第2の複数の導電性構造と、
第1の複数の導電性構造と第2の複数の導電性構造を物理的に分離する絶縁材料とを備え、
第1の複数の導電性構造及び第2の複数の導電性構造が互いにかみ合っている、条項1のデバイス。
5.電荷貯蔵デバイスがさらに、
第1の複数の導電性構造を互いに電気的に接続するように形成されるカソード接続と、
第2の複数の導電性構造を互いに電気的に接続するように形成されるアノード接続とを備える、条項4のデバイス。
6.電荷貯蔵デバイスが基板に形成されるビアをさらに備え、ビアが、導電材料で充填されると、第2の複数の導電性構造とアノード接続との間の電気的接続を形成するように構成される、条項5のデバイス。
7.カソード接続及びアノード接続が基板の第1の表面に形成される、条項5のデバイス。
8.カソード接続が基板の第1の表面に形成され、アノード接続が基板の第2の表面に形成される、条項5のデバイス。
9.アノード接続及びカソード接続が、銅、ニッケル、亜鉛、銀、金、アルミニウム、又は合金を含む導電材料を備える、条項5のデバイス。
10.第1の複数の導電性構造のある導電性構造が、電気めっき又は無電解めっきを備える技法を使用して形成される、条項4のデバイス。
11.第1の複数の導電性構造のその導電性構造の表面のある部分がテクスチャリングされる、条項10のデバイス。
12.第1の複数の導電性構造のその導電性構造が、電気めっきされた3次元(3D)構造を備える、条項10のデバイス。
13.第1の複数の導電性構造のその導電性構造のアスペクト比が5:1~40:1にわたる、条項10のデバイス。
14.第1の複数の導電性構造の少なくとも2つのアスペクト比が似ていない、条項13のデバイス。
15.第1の複数の導電性構造の各々のアスペクト比が実質的に似ている、条項13のデバイス。
16.第1の複数の導電性構造のピッチが10マイクロメートル(μm)~50マイクロメートルにわたる、条項4のデバイス。
17.第1の複数の導電性構造のピッチが実質的に均一である、条項16のデバイス。
18.第1の複数の導電性構造のピッチが不均一である、条項16のデバイス。
19.絶縁材料が、二酸化ハフニウム、ケイ酸ハフニウム、二酸化ジルコニウム、又はケイ酸ジルコニウムを含む、高誘電率の誘電材料を備える、条項4のデバイス。
20.絶縁材料が、原子層堆積プロセスを使用して形成される高誘電率の誘電材料のコンフォーマルコーティングを備える、条項19のデバイス。
21.第2の複数の導電性構造のある導電性構造が、物理気相堆積、化学気相堆積、プラズマ強化化学気相堆積、めっき、ドクターブレードコーティング、又はステンシル印刷を備えるプロセスによって形成される、条項4のデバイス。
22.第2の複数の導電性構造のその導電性構造が、導電性ペーストをドクターブレードコーティングすることによって形成される、条項21のデバイス。
23.電荷貯蔵デバイスの基板が、ガラス、光構造性ガラス、セラミック、又は半導体を備える、条項4のデバイス。
24.相互接続層が、相互接続層を貫通して垂直に延在するビアを備え、ビアが、導電材料で充填されると、能動デバイス層と受動デバイス層との間の電気的接続を提供する、条項1のデバイス。
25.第1の複数の能動デバイスが、電界効果トランジスタ、バイポーラ接合トランジスタ、又はダイオードを備え、複数の受動デバイスが、キャパシタ、トレンチキャパシタ、又はキャパシタアレイを備える、条項1のデバイス。
26.第1の複数の能動デバイスのある能動デバイスの動作ステータスを調整するように構成される回路を有するコントローラをさらに備え、能動デバイスの動作ステータスの調整が、対応する受動デバイスの状態の調整を引き起こす、条項1のデバイス。
27.第2の複数の能動デバイスを備える第2の能動デバイス層をさらに備える、条項1のデバイス。
28.第2の能動デバイス層が、第2の能動デバイス層の相互接続層と第1の能動デバイス層のデバイス層との間の第2の接合の形成によって、第1の能動デバイス層に配設され電気的に接続される、条項27のデバイス。
29.第2の能動デバイス層が、第2の能動デバイス層のあるデバイス層と第1の能動デバイス層のそのデバイス層との間の第2の接合の形成によって、第1の能動デバイス層に配設され電気的に接続される、条項27のデバイス。
30.第2の能動デバイス層が、第2の能動デバイス層の相互接続層と受動デバイス層の第2の表面との間の第2の接合の形成によって、受動デバイス層の第2の表面に配設され電気的に接続され、第2の表面が受動デバイス層の第1の表面の反対にある、条項27のデバイス。
31.第2の接合が、誘電体-誘電体接合、金属-金属接合、ポリマー接合、熱圧着接合、又はハイブリッド接合を備える、条項28のデバイス。
32.第1の能動デバイス層のデバイス層に形成され、第1の能動デバイス層を電気的に絶縁するように構成される、パッシベーション層をさらに備える、条項1のデバイス。
33.デバイス層が、バルク基板又はエッチストップ層を含むバルク基板を備える、条項1のデバイス。
34.第1の接合が、相互接続層の露出された表面と受動デバイス層の第1の表面との間にある、条項1のデバイス。
35.エネルギーの半分以上(more than half of the energy)がデバイスの表面に垂直に流れる、条項1のデバイス。
36.デバイスを作製する方法であって、
第1の能動デバイス層のあるデバイス層のデバイス面に形成される第1の複数の能動デバイスを備える第1の能動デバイス層を設けるステップと、
デバイス層のデバイス面に接して相互接続層を形成するステップと、
複数の受動デバイスを備える受動デバイス層を形成するステップと、
相互接続層の露出された表面と受動デバイス層の第1の表面との間の第1の接合を形成することによって、第1の能動デバイス層と受動デバイス層との間の電気的接続を形成するステップとを備える、方法。
37.第1の接合が、誘電体-誘電体接合、金属-金属接合、ポリマー接合、熱圧着接合、又はハイブリッド接合を備える、条項36の方法。
38.ハイブリッド接合が、酸化物-酸化物接合と金属-金属接合の組合せを備える、条項37の方法。
39.複数の受動デバイスのうちのある受動デバイスを形成するステップが、
第1の表面及び第1の表面の反対の第2の表面を含む基板を設け、
基板の第1の表面から第2の表面に向かって垂直に延在する第1の複数の導電性構造を形成し、
基板の第2の表面から第1の表面に向かって垂直に延在する第2の複数の導電性構造を形成し、
第1の複数の導電性構造と第2の複数の導電性構造を物理的に分離する絶縁材料を堆積する
ことによって電荷貯蔵デバイスを形成するステップを備え、
第1の複数の導電性構造及び第2の複数の導電性構造が互いにかみ合っている、条項36の方法。
40.第1の複数の導電性構造を互いに電気的に接続するためにカソード接続を取り付けるステップと、
第2の複数の導電性構造を互いに電気的に接続するためにアノード接続を取り付けるステップとをさらに備える、条項39の方法。
41.基板にビアを形成するステップと、
第2の複数の導電性構造とアノード接続との間の電気的接続を形成するためにビアを導電材料で充填するステップとをさらに備える、条項40の方法。
42.基板の第1の表面にカソード接続を取り付け、基板の第2の表面にアノード接続を取り付けるステップをさらに備える、条項39の方法。
43.基板の第1の表面にカソード接続及びアノード接続を取り付けるステップをさらに備える、条項39の方法。
44.第1の複数の導電性構造のある導電性構造を形成するステップが、電気めっき又は無電解めっき技法の1つを使用して3次元(3D)構造を形成するステップを備え、3次元構造が5:1から40:1にわたるアスペクト比を有する、条項39の方法。
45.3次元構造の表面のある部分をテクスチャリングするステップをさらに備える、条項44の方法。
46.絶縁材料を堆積するステップが、原子層堆積プロセスを使用して高誘電率の誘電材料のコンフォーマルコーティングを行うステップを備え、高誘電率の材料が、二酸化ハフニウム、ケイ酸ハフニウム、二酸化ジルコニウム、又はケイ酸ジルコニウムを備える、条項39の方法。
47.第2の複数の導電性構造のある導電性構造を形成するステップが、物理気相堆積プロセス、化学気相堆積プロセス、プラズマ強化化学気相堆積プロセス、ドクターブレードコーティングプロセス、又はステンシル印刷プロセスを使用して導電性構造を形成するステップを備える、条項39の方法。
48.第2の複数の導電性構造のその導電性構造を形成するステップが、導電性ペーストをドクターブレードコーティングするステップを備える、条項47の方法。
49.第2の複数の能動デバイスを備える第2の能動デバイス層を提供するステップをさらに備える、条項36の方法。
50.第2の能動デバイス層の相互接続層と第1の能動デバイス層のそのデバイス層との間の第2の接合を形成することによって、第1の能動デバイス層と第2の能動デバイス層との間の電気的接続を形成するステップをさらに備える、条項49の方法。
51.第2の能動デバイス層のあるデバイス層と第1の能動デバイス層のそのデバイス層との間の第2の接合を形成することによって、第1の能動デバイス層と第2の能動デバイス層との間の電気的接続を形成するステップをさらに備える、条項49の方法。
52.第2の能動デバイス層の相互接続層と受動デバイス層の第2の表面との間の第2の接合を形成することによって、受動デバイス層の第2の表面と第2の能動デバイス層との間の電気的接続を形成するステップをさらに備え、第2の表面が第1の表面の反対にある、条項49の方法。
53.第2の接合を形成するステップが、誘電体-誘電体接合、金属-金属接合、ポリマー接合、熱圧着接合、又はハイブリッド接合を形成するステップを備える、条項50の方法。
54.ハイブリッド接合を形成するステップが、誘電体-誘電体接合と金属-金属接合の組合せを形成するステップを備える、条項53の方法。
55.第1の能動デバイス層のそのデバイス層にパッシベーション層を形成するステップをさらに備え、パッシベーション層が第1の能動デバイス層を電気的に絶縁するように構成される、条項36の方法。
56.受動デバイス層が、受動デバイス層の反対の表面に電気的接続を有するキャパシタを備える、条項1のデバイス。
57.受動デバイス層を形成するステップが、受動デバイス層の反対の表面に電気的接続を有する電荷貯蔵デバイスを形成するステップを備える、条項36の方法。
【0120】
上記は、当業者が本開示の態様をより理解し得るように、いくつかの実施形態の特徴を概説する。本明細書で紹介される実施形態と同じ目的を実行するために、及び/又は同じ利点を達成するために、他のプロセス及び構造を設計又は修正するための基礎として本開示を容易に使用できることを、当業者は理解すべきである。そのような等価な構成は本開示の趣旨及び範囲から逸脱せず、本開示の趣旨及び範囲から逸脱することなく、様々な変更、置換、及び改変を行うことができることも、当業者は認識すべきである。
【国際調査報告】