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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-10-23
(54)【発明の名称】一元化カバレッジシステム
(51)【国際特許分類】
   H04W 24/08 20090101AFI20241016BHJP
【FI】
H04W24/08
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024518656
(86)(22)【出願日】2022-04-25
(85)【翻訳文提出日】2024-03-25
(86)【国際出願番号】 US2022026109
(87)【国際公開番号】W WO2023132851
(87)【国際公開日】2023-07-13
(31)【優先権主張番号】17/647,161
(32)【優先日】2022-01-05
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.MySQL
【国等の委託研究の成果に係る記載事項】(出願人による申告)令和2年度、国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構「ポスト5G情報通信システム基盤強化研究開発事業/ポスト5G情報通信システムの開発/クラウド型ネットワーク統合管理・自動最適化技術の開発(OSS/MANOのソフトウェア)の研究」委託研究、産業技術力強化法第17条の適用を受ける特許出願
(71)【出願人】
【識別番号】319010088
【氏名又は名称】楽天モバイル株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100109380
【弁理士】
【氏名又は名称】小西 恵
(74)【代理人】
【識別番号】100109036
【弁理士】
【氏名又は名称】永岡 重幸
(74)【代理人】
【識別番号】100188879
【弁理士】
【氏名又は名称】渡邉 未央子
(72)【発明者】
【氏名】ラソーレ,シュブハム
(72)【発明者】
【氏名】アグラワル,ナマン
(72)【発明者】
【氏名】シャルマ,ケシャヴ
(72)【発明者】
【氏名】バンカー,ニレシュ
【テーマコード(参考)】
5K067
【Fターム(参考)】
5K067FF03
5K067LL11
(57)【要約】
地理的位置における無線アクセスネットワーク(RAN)カバレッジを識別する方法及びシステムは、重要性能評価指標(KPI)に基づいてリアルタイムRANカバレッジのグリッドレイヤーを生成することを含む。予測RANカバレッジグリッドレイヤーを生成する。RANがサポートする地理的位置に対応するビューポート表現を生成する。リアルタイムRANカバレッジグリッドレイヤー、予測RANカバレッジグリッドレイヤー、及びビューポート表現を一元化カバレッジ表現に重ね合わせる。一元化カバレッジ表現に基づいて選択された地理的位置におけるRAN可用性を判定する。
【選択図】 図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
地理的位置における無線アクセスネットワーク(RAN)カバレッジを識別する方法であって、
重要性能評価指標(KPI)に基づいてリアルタイムRANカバレッジのグリッドレイヤーを生成することと、
予測RANカバレッジのグリッドレイヤーを生成することと、
RANがサポートする地理的位置に対応するビューポート表現を生成することと、
リアルタイムRANカバレッジグリッドレイヤー、予測RANカバレッジグリッドレイヤー、及び前記ビューポート表現を一元化カバレッジ表現に重ね合わせることと、
前記一元化カバレッジ表現に基づいて選択した地理的位置におけるRAN可用性を判定することと、を備える方法。
【請求項2】
前記一元化カバレッジ表現を表示することを更に備える請求項1に記載の方法。
【請求項3】
特定の地理的位置に対応するRAN品質を識別することを更に備える請求項1に記載の方法。
【請求項4】
所定の閾値を下回る前記RAN品質をもって各地理的位置をRANサービスプロバイダに通知することを更に備える請求項3に記載の方法。
【請求項5】
前記一元化カバレッジ表現を表示することが、
選択した地理的位置に対応するRAN信号品質を表示することと、
RAN品質を表示することと、
リアルタイムRANカバレッジグリッドレイヤーに含まれるユーザ機器(UE)検証レイヤーを表示することと、を更に備える請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記KPIが複数のKPIであり、前記複数のKPIが、
第1のKPIであって、前記RANにおける受信電力レベルの測定値である基準信号受信電力(RSRP)の第1のKPIと、
第2のKPIであって、前記第2のKPIが、干渉及び雑音に対する対象信号の比である信号対干渉雑音比(SINR)の第2のKPIと、を含む請求項1に記載の方法。
【請求項7】
前記RANがサポートする前記地理的位置に対応するRFドライブテストのデータを受信することを、更に備える請求項1に記載の方法。
【請求項8】
地理的サイトデータを受信する方法であって、前記地理的サイトデータが、
地形パラメータと、
電気パラメータと、
論理パラメータと、を更に備える請求項1に記載の方法。
【請求項9】
地理的座標を緯度及び経度に変換する投影詳細データを受信することを、更に備える請求項1に記載の方法。
【請求項10】
地理的位置における無線アクセスネットワーク(RAN)カバレッジを識別するシステムであって、
記憶された非一時的命令を有するメモリと、
前記メモリに結合し、前記命令を実行するように構成されたプロセッサであって、それによって前記装置が、
無線アクセスネットワーク(RAN)から生の予測カバレッジデータを受信し、
前記生の予測カバレッジデータをグリッド形式に変換し、
前記RAN内の近傍セルからユーザ機器(UE)の重要性能評価指標(KPI)値を受信し、
前記生の予測カバレッジデータと前記UEのKPI値に基づいてビューポートを識別し、前記ビューポートはグリッドに分割され、各グリッドは基準点を含み、
位置によるRAN可用性を取得するため、予測カバレッジデータのレイヤーとUEのKPI値のレイヤーを前記ビューポートに重ね合わせる、システム。
【請求項11】
前記命令を実行するように構成された前記プロセッサにより、前記装置が、
前記ビューポートの各グリッドでのUEのKPI値を更に識別する請求項10に記載のシステム。
【請求項12】
前記命令を実行するように構成された前記プロセッサにより、前記装置が、
各グリッド基準点に最も近いUEのKPI値を更に識別する請求項10に記載のシステム。
【請求項13】
前記命令を実行するように構成された前記プロセッサにより、前記装置が、
各グリッド基準点と最近傍のUEのKPI値との間の距離を更に計算する請求項12に記載のシステム。
【請求項14】
前記命令を実行するように構成された前記プロセッサにより、前記装置が、
グリッド基準点に近いUEのKPI値がないことに応じて、前記グリッド基準点の前記生の予測カバレッジデータを更に使用する請求項12に記載のシステム。
【請求項15】
前記命令を実行するように構成された前記プロセッサにより、前記装置が、
前記距離が最大閾値未満であることに応じて、所定の半径のウィンドウサンプルを更に計算する請求項13に記載のシステム。
【請求項16】
前記命令を実行するように構成された前記プロセッサにより、前記装置が、
前記距離が最大閾値を超えることに応じて、前記グリッド基準点の前記生の予測カバレッジデータを更に使用する請求項13に記載のシステム。
【請求項17】
前記命令を実行するように構成された前記プロセッサにより、前記装置が、
各グリッドのUEのKPI値がウィンドウサンプルに含まれるかどうかを判定し、
各グリッドのUEのKPI値がウィンドウサンプルに含まれていることに応答して、追加のUEのKPI値が他のウィンドウサンプルに存在するかどうかを更に判定する請求項15に記載のシステム。
【請求項18】
コントローラによって実行可能な命令を含み、前記コントローラに操作を実行させるコンピュータ可読媒体であって、前記命令が、
無線アクセスネットワーク(RAN)から予測カバレッジデータを受信することであって、前記予測カバレッジデータは、地理的領域の複数の基準点に対する計画された無線アクセスネットワークカバレッジに対応することと、
サイトカバレッジデータベースからサイトカバレッジデータを受信することであって、前記サイトカバレッジデータは前記地理的領域の地理的データに対応することと、
ネットワーク視覚化データを受信することであって、前記ネットワーク視覚化データは、1つ以上の重要性能評価指標(KPI)に基づいており、前記1つ以上のKPIは、前記地理的領域の前記複数の基準点に対応することと、
前記地理的領域を表すビューポート上に前記ネットワーク視覚化データ及び前記予測カバレッジデータの重畳レイヤーを生成することと、
前記ビューポートを表示することと、を備えるコンピュータ可読媒体。
【請求項19】
前記コントローラによって実行可能な前記命令により、前記コントローラが、
前記ビューポート内の1つ以上のグリッドについて、前記1つ以上のグリッドのRAN品質を識別することを備える操作を更に実行する請求項18に記載のコンピュータ可読媒体。
【請求項20】
前記コントローラによって実行可能な前記命令により、前記コントローラが、
RANカバレッジを欠くことに対応したグリッドの位置を特定することを備える操作を更に実行する請求項19に記載のコンピュータ可読媒体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
優先権主張及び相互参照
本出願は、2022年01月05日に出願された米国非仮出願第17/647,161号の優先権を主張するものであり、この出願は参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。
【背景技術】
【0002】
セルラネットワークは、セルラ基地局(例えば、セルタワー)のローカルアンテナを介して電波によって通信するモバイルデバイス(例えば、携帯電話デバイス)の移動体電気通信システムである。サービスが提供されるカバレッジエリアは、「セル」と呼ばれる小さな地理的エリアに分割される。各セルは、セルタワーにおいて個別の低電力マルチチャネルトランシーバ及びアンテナが設置される。セル内のすべてのモバイルデバイスは、セルラネットワークが使用する周波数の共通プールから基地局が割り当てた複数の周波数チャネル及び個別の周波数チャネルでそのセルのアンテナを介して通信する。
【0003】
無線アクセスネットワーク(Radio Access Network:RAN)は、モバイル電気通信システムの一部である。RANは無線アクセス技術を提供する。概念的には、RANは、携帯電話、コンピュータ、又は任意の遠隔制御マシンなどのデバイス間に存在し、そのコアネットワーク(Core Network:CN)との接続を提供する。規格に応じて、携帯電話及び他の無線接続デバイスは、ユーザ機器(User Equipment:UE)、端末機器、移動局(Mobile Station:MS)などとして様々に知られている。
【図面の簡単な説明】
【0004】
本開示の態様は、以下の詳細な説明を添付の図と併せて読めば最もよく理解される。業界の標準的習慣に従い、種々の特徴は縮尺通りに描かれていない。実際には、種々の特徴の寸法は、説明を明確にするために、任意に増減される。
【0005】
図1】一部の実施形態による、無線アクセスネットワーク(RAN)の図表現である。
図2】一部の実施形態による、一元化カバレッジモジュール(Unified Coverage Module:UCM)のデータフロー図である。
図3】一部の実施形態による、一元化カバレッジアルゴリズム(Unified Coverage Algorithm:UCA)のフロー図表現である。
図4】一部の実施形態による、ビューポートの視覚表現である。
図5】一部の実施形態による、ビューポートの視覚表現である。
図6A】一部の実施形態による、一元化カバレッジアルゴリズム(UCA)のフロー図表現である。
図6B】一部の実施形態による、一元化カバレッジアルゴリズム(UCA)のフロー図表現である。
図7】一部の実施形態による、グラフィカルユーザインターフェース(Graphical User Interface:GUI)の視覚表現である。
図8】一部の実施形態による、プロセッサベースシステムの高レベル機能ブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0006】
以下の開示は、提供される主題の様々な特徴を実装するための多くの様々な実施形態又は実施例を提供する。本開示を簡単にするために、構成要素、値、操作、材料、配置などの具体例を以下で説明する。当然ながら、これらは単なる実施例であり、限定することを意図するものではない。他の構成要素、値、操作、材料、配置などが企図されている。例えば、以下の説明における第2の特徴の上又は上方での第1の特徴の形成は、第1の特徴と第2の特徴とが直接接触して形成される実施形態を含み、また、第1の特徴と第2の特徴とが直接接触しないように、第1の特徴と第2の特徴との間に追加の特徴が形成される実施形態も含む。加えて、本開示は、様々な実施例において参照番号及び/又は参照符号を繰り返す。この繰り返しは、簡潔さ及び明瞭さを目的としたものであり、説明される様々な実施形態間及び/又は構成間の関係をそれ自体が規定するものではない。
【0007】
更に、「真下に」、「下に」、「下部に」、「上に」、「上部に」などの空間的に相対的な用語は、本明細書では、説明を容易にするために、図に示すように、ある要素又は特徴と別の要素又は特徴との関係を説明するために使用される。空間的に相対的な用語は、図に示す向きに加えて、使用中又は操作中のデバイスの異なる向きを包含することを意図している。装置は、他に向き(90度又は他の向きに回転し)、同じく本明細書で使用される空間的に相対的な記述子もそれに応じて解釈する。
【0008】
一部の実施形態では、1つ以上のコンピュータのシステムは、操作中にシステムに動作を実行させるソフトウェア、ファームウェア、ハードウェア、又はその組み合わせをシステムにインストールすることによって、特定の操作又は動作を実行するように構成される。一部の実施形態では、1つ以上のコンピュータプログラムは、装置に動作を実行させる命令を含むことによって、データ処理装置が実行する際、特定の操作又は動作を実行するように構成される。一部の実施形態では、地理的位置における無線アクセスネットワーク(RAN)カバレッジを識別する方法は、重要性能評価指標(Key Performance Indicator:KPI)に基づいてリアルタイムにRANカバレッジのグリッドレイヤーを生成することを含む。一部の実施形態では、予測RANカバレッジのグリッドレイヤーが生成される。一部の実施形態では、RANがサポートする地理的位置に対応したビューポート(viewpoint)表現を生成する。一部の実施形態では、リアルタイムRANカバレッジグリッドレイヤー、予測RANカバレッジグリッドレイヤー、及び一元化カバレッジ(unified coverage)管理表現内へのビューポート表現が重ね合わされる。一部の実施形態では、一元化カバレッジ表現に基づいて選択された地理的位置におけるRANの可用性を決定する。
【0009】
一部の実施形態では、本方法は、一元化カバレッジ表現を表示することを含む。一部の実施形態では、本方法は、特定の地理的位置に対応するRAN品質を識別することを含む。一部の実施形態では、本方法は、所定の閾値を下回るRAN品質をもって各地理的位置のRANサービスプロバイダに通知することを含む。一部の実施形態では、一元化カバレッジ表現を表示することは、選択した地理的位置に対応するRAN信号品質を表示することを更に含む。一部の実施形態では、本方法は、RAN品質を表示することと、リアルタイムRANカバレッジグリッドレイヤーに含まれるユーザ機器(UE)検証レイヤーを表示することと、を含む。一部の実施形態では、本KPIは複数KPIであり、RANにおける受信電力レベルの測定値である基準信号受信電力(Reference Signal Received Power:RSRP)の第1のKPIを含む。一部の実施形態では、第2のKPIは、干渉及び雑音に対する対象信号の比である信号対干渉雑音比(Signal to Interference and Noise Ratio:SINR)である。一部の実施形態では、本方法は、RANがサポートする地理的位置に対応する無線周波数(Radio Frequency:RF)ドライブテストのデータを受信することを含む。一部の実施形態では、本方法は、地形パラメータ、電気パラメータ、及び論理パラメータを含む地理的サイトデータを受信することを含む。一部の実施形態では、本方法は、地理的座標を緯度及び経度に変換する投影詳細データを受信することを含む。記載の技術の実装形態は、ハードウェア、方法若しくは処理、又はコンピュータアクセス可能媒体上のコンピュータソフトウェアを含んでもよい。
【0010】
一部の実施形態では、一元化カバレッジアルゴリズムは、実際のRANカバレッジと計画したRANカバレッジの重畳レイヤーから実際のRAN視覚化を生成する。一部の実施形態では、生成した重畳レイヤーは、カバレッジKPIに基づいて実際のネットワーク視覚化を生成する。ネットワークエリアの最適化は、縮小したRANカバレッジの地理的エリアを識別し、縮小したRANカバレッジの地理的エリアをサービスプロバイダに通知することによって、改善されたRAN通信サービスを生成する。こうして、サービスプロバイダは、RANカバレッジを最適化し、RANカバレッジエリアを拡大させることができる。
【0011】
他のアプローチでは、RANサービスプロバイダは、不正確な又は不十分なデータのために、縮小したRANカバレッジの地理的エリアを認識していない。これら他の手法では、所定の閾値を下回る最適ではないRANカバレッジ、顧客の不満や、事業の損失をもたらす。一部の実施形態では、RANカバレッジの隙間を識別することによって、閾値下のRANカバレッジで識別した地理的エリアが識別される。一部の実施形態では、RAN可用性は一元化カバレッジアルゴリズムで決定される。一部の実施形態では、RANの品質は、地理的エリア全体又は特定の地理的エリアについて識別される。
【0012】
図1は、一部の実施形態による、一元化カバレッジシステム(Unified Coverage System:UCS)100の図表現である。
【0013】
UCS100は、基地局108A及び基地局108B(以下、基地局108)に通信可能に接続されたバックホール106を介してRAN104に通信可能に接続されたコアネットワーク102と、地理的カバレッジエリア114に位置するUE112に無線接続されたアンテナ110とを含む。コアネットワーク102は、1つ以上のサービスプロバイダ116と、予測・KPIサーバ118と、一元化カバレッジモジュール(UCM)120とを含む。
【0014】
コアネットワーク102(バックボーンとしても知られる)は、ネットワークを相互接続するコンピュータネットワークの一部であり、異なるローカルエリアネットワーク(Local Area Network:LAN)又はサブネットワーク間で情報を交換するための経路を提供する。一部の実施形態では、コアネットワーク102は、同じ建物内、キャンパス環境内の異なる建物内、又は広い地理的エリアにわたって、多様なネットワークを互いに結び付ける。
【0015】
一部の実施形態では、RAN104は、移動通信グローバルシステム(Global System for Mobile Communications:GSM)RAN、GSM/EDGEのRAN、汎用移動電気通信システム(Universal Mobile Telecommunications System:UMTS)RAN(UTRAN)、発展型ユニバーサル地上波無線アクセスネットワーク(Evolved Universal Terrestrial Radio Access Network:E-UTRAN、オープンRAN(Open RAN:O-RAN)、又はクラウドRAN(Cloud-RAN:C-RAN)である。RAN104は、ユーザ機器112(例えば、携帯電話、コンピュータ、又は任意の遠隔制御マシン)とコアネットワーク102との間に存在する。RAN104は、簡略化した表現及び議論の目的でC-RANと示す。一部の実施形態では、ベースバンドユニット(Base Band Unit:BBU)がC-RANを置き換える。
【0016】
従来の分散セルラネットワークでは、セルサイトの基地局の底部及び先端部での機器はBBUである。BBUは、UEをコアネットワークにリンクし、1時間当たり数十億ビットの情報を処理する無線機器である。BBUは、従来、基地局の底部に位置するエンクロージャ又はシェルターに置かれていた。対照的に、C-RANは、光ファイバの大きな信号伝送容量を使用して、専用プールの場所又は基地局に多数のBBUを集中させる。これにより、基地局において必要とされる機器の量を低減し、より少ないレイテンシ(latency)を含む多くの他の利点を提供する。
【0017】
階層型電気通信ネットワークでは、UCS100のバックホール部106は、コアネットワーク102とRAN104との間の中間リンクを備える。モバイルバックホール実装形態での2つの主な方法は、ファイバベースのバックホール及びポイントツーポイントの無線バックホールである。銅ベースの有線、衛星通信、及びポイントツーマルチポイント無線技術などの他の方法は、4Gネットワーク及び5Gネットワークで容量及びレイテンシの要件が厳しくなるにつれて段階的に廃止されている。バックホールとは、概して、グローバルインターネットと通信するネットワーク側を指す。基地局108と通信するUE112は、ローカルサブネットワークを構成する。基地局108とUE112との間の接続は、コアネットワーク102に接続されたバックホール106から始まる。一部の実施形態では、バックホール106は、有線、光ファイバ、及び無線の構成要素を含む。無線区画は、マイクロ波帯域を使用し、かつ大容量無線チャネルを使用してマイクロ波又はファイバのリンクへのパケットを取得するメッシュネットワークトポロジ及びエッジネットワークトポロジを含む。
【0018】
一部の実施形態では、基地局108は、格子状タワー又は自立型タワー、網状タワー、モノポールタワー、及び隠れたタワー(例えば、樹木、サボテン、給水タワー、標識、照明ポール、及び他のタイプの構造物に似せて設計したタワー)である。一部の実施形態では、基地局108は、アンテナ及び電子通信機器が、ラジオ塔、タワー、又はネットワーク内にセル(又は隣接セル)を作成するために隆起した他の構造物の上に通常配置される、セルラ対応モバイルデバイスサイトである。隆起した構造物は、通常アンテナ110、並びに送信機/受信機トランシーバ、デジタルシグナルプロセッサ、制御電子機器、遠隔無線ヘッド(Remote Radio Head:RRH)、一次電源及びバックアップ電源、並びにシェルターの一組以上に対応する。基地局は、トランシーバ基地局、携帯電話マスト(mast)、又はセルタワーなどの他の名称で知られている。一部の実施形態では、基地局は、UEと無線通信するように構成された他のエッジデバイスと置き換えられる。エッジデバイスは、コアネットワーク102などのサービスプロバイダコアネットワークへのエントリポイントを提供する。例には、ルータ、ルーティングスイッチ、統合アクセスデバイス(Integrated Access Device:IAD)、マルチプレクサ、並びに様々なメトロポリタンエリアネットワーク(Metropolitan Area Network:MAN)及びワイドエリアネットワーク(Wide Area Network:WAN)アクセスデバイスを含む。
【0019】
少なくとも一実施形態では、アンテナ110は扇形のアンテナである。一部の実施形態では、アンテナ110は、扇形状の放射パターンを有する指向性マイクロ波アンテナの一種である。一部の実施形態では、円弧の扇形の角度は60°、90°、又は120°の設計であり、重複を確実にするために数度余分に設けられる。更に、扇形のアンテナは、より広いカバレッジ又は全周カバレッジが望まれる場合に複数で取り付けられる。一部の実施形態では、アンテナ110は、モバイルデバイス又は他のデバイスと基地局との間で電波又はデータを送受信するために使用される、パネルアンテナ又は無線アンテナと呼ばれることもある矩形のアンテナである。一部の実施形態では、アンテナ110は円形のアンテナである。一部の実施形態では、アンテナ110は、マイクロ波又は超高周波(Ultra-High Frequency:UHF)の周波数(300MHz~3GHz)で動作する。他の実施例では、アンテナ110は、そのサイズ及び指向特性から選択する。
【0020】
一部の実施形態では、UE112は、コンピュータ又はコンピューティングシステムである。これに加えて、又はこれに代えて、UE112は、ユーザインターフェース(User Interface:UI)822(図8)などの液晶ディスプレイ(Liquid Crystal Display:LCD)、発光ダイオード(Light-Emitting Diode:LED)又は有機発光ダイオード(Organic Light-Emitting Diode:OLED)の画面インターフェースを有し、物理キーボードと共にデジタルボタン及びデジタルキーボード又は物理ボタンを有するタッチスクリーンインターフェースを提供する。一部の実施形態では、UE112は、インターネットに接続し、他のデバイスと相互接続する。これに加えて、又はこれに代えて、UE112は、内蔵カメラ、音声及びビデオ通話の送受信機能、ビデオゲーム、並びに全地球測位システム(Global Positioning System:GPS)機能を組み込んでいる。これに加えて、又はこれに代えて、UEは、機能に特化したサードパーティのアプリケーションをインストールして実行することを可能にするオペレーティングシステム(Operating Systems:OS)を実行する。一部の実施形態では、UE112は、コンピュータ(タブレットコンピュータ、ノートブック、デジタルメディアプレーヤ、デジタルアシスタント、グラフ計算機、携帯型ゲーム、ハンドヘルドパーソナルコンピュータ(Personal Computer:PC)、ラップトップ、モバイルインターネットデバイス(Mobile Internet Device:MID)、パーソナルデジタルアシスタント(Personal Digital Assistant:PDA)、ポケット計算機、ポータブルメディアプレーヤ、又はウルトラモバイルPCなど)、携帯電話(カメラフォン、フィーチャーフォン、スマートフォン、ファブレットなど)、デジタルカメラ(デジタルカムコーダー、デジタルスチルカメラ(Digital Still Camera:DSC)、デジタルビデオカメラ(Digital Video Camera:DVC)、フロントカメラなど)、ポケットベル、パーソナルナビゲーションデバイス(Personal Navigation Device:PND)、ウェアラブルコンピュータ(電卓時計、スマートウォッチ、ヘッドマウントディスプレイ、イヤホン、又は生体認証デバイスなど)、又はスマートカードである。
【0021】
少なくとも一実施形態では、地理的カバレッジエリア114は、ほとんど任意の形状と大きさである。一部の実施形態では、地理的カバレッジエリア114は、マクロセル(1Km~30Kmをカバー)、マイクロセル(200m~2Kmをカバー)、又はピコセル(4m~200mをカバー)である。一部の実施形態では、地理的カバレッジエリアは、円形、楕円形、又は扇形であるが、地理的カバレッジエリア114は、ほとんど任意の形状又は大きさで構成される。地理的カバレッジエリア114は、アンテナ110とUE112が通信するように構成された地理的エリアを表す。カバレッジは、地勢(すなわち、山)及び建物、技術、無線周波数などのいくつかの要因に依存し、双方向電気通信にとっておそらく最も重要なのは、UE112の感度及び送信効率である。いくつかの周波数は、より良好な領域のカバレッジを提供するが、他の周波数は、都市の建物などの障害物をより良好に貫通する。UEが基地局に接続する能力は、信号の強度に依存する。カバレッジの隙間は、故障した機器、悪天候、動物、事故などほとんどのものによって引き起こされる。カバレッジの隙間は、送信機、受信機、トランシーバ、デジタルシグナルプロセッサ、制御電子機器、GPS受信機、一次電源及びバックアップ電源、並びにアンテナの組を1つ以上喪失することで生じる。これに加えて、又はこれに代えて、以前はセルラサービスによってカバーされていなかったエリア、又はセルタワーなどの除去によって作成されたエリアのために、カバレッジの隙間が存在する。一部の実施形態では、エリアをカバーするサービスが何らかの理由で失われた後に、カバレッジの隙間が発生する。他の実施例では、カバレッジの隙間は、何らかの理由でUEへのセルカバレッジサービスがない任意のエリアである。
【0022】
サービスプロバイダ116は、インターネットサービスプロバイダへの直接的なインターネットバックボーンアクセス、及び通常はそのネットワークアクセスポイント(Network Access Point:NAP)へのアクセスを提供することによって帯域幅又はネットワークアクセスを販売する企業又は組織である。サービスプロバイダは、バックボーンプロバイダ又はインターネットプロバイダと呼ばれることがある。サービスプロバイダは、電気通信会社、データキャリア、無線通信プロバイダ、インターネットサービスプロバイダ、及び高速インターネットアクセスを提供するケーブルテレビ事業者からなる。
【0023】
予測・KPIサーバ118は、予測及びライブネットワークデータの両方を生成する。ライブネットワークデータ(KPI、UE/セル/ドライブテスト最小化(Minimization оf Drive Test:MDT)トレース、及びクラウドソースデータ)は、ネットワークトラフィック、ホットスポット識別、及び無線信号伝搬のモデリングを可能にする。RFドライブテストは、RAN104などのモバイル無線ネットワークのカバレッジ、容量、及びサービス品質(Quality of Service:QoS)を測定し評価する方法である。この技術は、所与の地理的エリアにおけるモバイルセルラサービスの多種多様な物理パラメータ及び仮想パラメータを検出し記録することができるモバイル無線ネットワークエアインターフェース測定機器を含む自動車両を使用することからなる。無線ネットワーク加入者が任意の特定エリアで経験するであろうことを測定することによって、無線キャリアは、より良好なカバレッジ及びサービスを顧客に提供する、それらのネットワークに向けた変更を行うことができる。ドライブテストは、ドライブテスト用測定機器を装備した移動車両を必要とする。この機器は、通常、相手先ブランド名製造者(Original Equipment Manufacturer:OEM)によるモバイル送受信機に接続する、高度に特殊化された電子デバイスである。これにより、測定値が現実的であり、実際のユーザ体験に匹敵することが保証される。
【0024】
操作サポートシステム(Operations Support System:OSS)において、又は専用ツールを介して収集されたUE/セル/MDTトレースは、サービスプロバイダ116にユーザレベルの情報を提供する。地理的に位置を特定されると、UE/セル/MDTトレースは、伝搬損失計算及び予測プロットを強化し、また問題のエリア及びトラフィックホットスポットを識別してその位置を特定するために使用される。予測・KPIサーバ118では、サービスプロバイダ116が、計画・最適化処理用にUCM120から実際のネットワーク視覚化と共にUE/セル/MDTトレースを使用することができる。予測・KPIサーバ118は、伝搬計算値と測定値とを組み合わせた予測及び予測プロットを生成する。
【0025】
一部の実施形態では、UCM120は、カバレッジの隙間、カバレッジなしの地理的エリア、又は所定の閾値に満たない基準以下のカバレッジの地理的エリアを識別する。一部の実施形態では、サービスプロバイダ116は、ビームチルト最適化、ビーム選択などのカバレッジ最適化方法を実行して、UE112など顧客UEのカバレッジを最適化することができる。一部の実施形態では、UCM120は、予測・KPIサーバ118からの実際のカバレッジ及び予測カバレッジの重畳レイヤーを作成する。一部の実施形態では、この重畳レイヤーは、重要性能評価指標(KPI)に基づいてサービスプロバイダ116向けに実際のネットワークの視覚化を生成する。KPI又は性能評価指標は、性能測定の一種である。他の手法では、それらのデータの精度及びデータの最適化方法のために、それらネットワーク内の低品質RANカバレッジエリアに関する情報を、サービスプロバイダ116などのサービスプロバイダに現在提供することができない。
【0026】
一部の実施形態では、サービスプロバイダ116などのサービスプロバイダは、信号品質、ネットワーク品質、及びユーザ検証レイヤー(KPIなど)をチェックすることができる。一部の実施形態では、UCM120は、カバレッジKPIのネットワーク視覚化を生成する。一部の実施形態では、一元化カバレッジレイヤーを作成する重畳レイヤーは、サービスプロバイダ116が信号品質、ネットワーク品質、及びユーザ検証レイヤーを監視又はチェックすることを可能にする。一部の実施形態では、一元化カバレッジレイヤーは、RSRP及びSINRなどの様々なKPIを含む。
【0027】
RSRPは、LTE(Long Term Evolution)セルネットワークにおける受信電力レベルの測定値である基準信号受信電力の頭字語である。平均電力は、単一の基準信号から受信された電力の測定値である。RSRPは、全帯域幅及び狭帯域にわたって伝播したLTE基準信号の電力である。一部の実施形態では、ファイルデータは特定のファイルフォーマット(例えば、グリッドタイプのパターン)である。
【0028】
SINRは、RAN104などの無線通信システムにおけるチャネル容量(又は、情報転送のレート)に関する理論的な上限を与えるために使用される量である。有線通信システムでしばしば使用される信号対雑音比(SNR)と同様に、SINRは、特定の対象信号の電力を、(他のすべての干渉信号からの)干渉電力と何らかの背景雑音の電力の合計で除算したものとして定義される。
【0029】
図2は、一部の実施形態による、一元化カバレッジモジュール(UCM)102のデータフロー図である。
【0030】
UCM102は、NIFIコンポーネント202、Sparkコンポーネント204、Hbaseコンポーネント206、HDFSコンポーネント208、MySQLコンポーネント210、マイクロサービスコンポーネント212、及びアプリケーションコンポーネント214を含む。
【0031】
一部の実施形態では、一元化カバレッジ処理回路800(図8)のメモリ804などのコンピュータ可読媒体は、一元化カバレッジ処理回路800のプロセッサ802などのコントローラによって実行可能な、一元化カバレッジ処理回路800の命令806などの命令を含み、コントローラに操作を実行させる。コンピュータ可読媒体804は、操作218において、無線アクセスネットワーク(RAN)から予測カバレッジデータを受信することを更に含む。予測カバレッジデータは、地理的領域の複数の基準点に対する計画された無線アクセスネットワークカバレッジに対応する。操作218において、サイトカバレッジデータベースからサイトカバレッジデータを受信する。サイトカバレッジデータは地理的領域の地理的データに対応する。操作218において、ネットワーク視覚化データを受信する。ネットワーク視覚化データは1つ以上の重要性能評価指標(KPI)に基づく。1つ以上のKPIは地理的領域の複数の基準点に対応する。地理的領域を表すビューポート上にネットワーク視覚化データと予測カバレッジデータの重畳レイヤーを生成する。操作220において、ビューポートを表示する。この態様の他の実施形態は、本方法の動作を行うように各々構成された、対応するコンピュータシステム、装置、及び1つ以上のコンピュータ記憶デバイスに記録されたコンピュータプログラムを含む。
【0032】
実装形態では、以下の特徴のうちの1つ以上を含んでもよい。コントローラ802によって実行可能な命令806が更に、コントローラ802に、ビューポート内の1つ以上のグリッドについて、1つ以上のグリッドのRAN品質を識別することを含む操作を実行させる、コンピュータ可読媒体804。コントローラ802によって実行可能な命令806は更に、RANカバレッジを欠いている対応するグリッドの位置を特定することを含む操作をコントローラ802に実行させる。記載の技術の実装形態は、ハードウェア、方法若しくは処理、又はコンピュータアクセス可能媒体上のコンピュータソフトウェアを含んでもよい。
【0033】
NIFIコンポーネント202は、UCM120と予測・KPIサーバ118との間のデータのフローを自動化する。NIFIコンポーネント202は、ラスタデータを含む予測ファイル、色、凡例マッピング及びマップ内の各グリッドについてのリアルタイムKPI値を含むデータベースファイル、座標を緯度及び経度に変換する投影ファイル、サイトの詳細及びMDTなどの地理的に位置を特定されたリアルタイムデータを含むデータベースファイルを含む、データを取り込む。一部の実施形態では、NIFIコンポーネント202は、抽出、変換、及びロードの概念に基づくオープンソースプラットフォームである。ソフトウェア設計は、フローベースのプログラミングモデルに基づいており、クラスタ内で動作する能力、トランスポートレイヤーセキュリティ(Transport Layer Security:TLS)暗号化を使用したセキュリティ、拡張性(例えば、ユーザは、その能力を拡張するために独自のソフトウェアを書くことができる)、及び視覚的に挙動を表示し変更するのに使用できるポータルのような改善されたユーザビリティ機能を含む機能群を提供する。NIFIコンポーネント202は、ジョブをスケジュールし、フローをトリガし、予測・KPIサーバ118からの予測カバレッジ生ファイルのようなサードパーティアプリケーションからデータを取り込むのに使用する。
【0034】
一部の実施形態では、予測ファイルは、txtファイル形式のラスタデータを含む。ラスタデータは、グリッド形式の一次入力値及びインデックス番号を含む。ほとんどのコンピュータ画像は、GIF、JPEG、及びPNGを含むラスタグラフィックス形式又は圧縮される種類で記憶される。ラスタデータ構造は、各々が単一の値を含むセルへの2D平面(通常長方形、正方形ベース)のテッセレーションに基づく。データをファイルに格納するために、2次元配列が一列に並べられる。これを行う最も一般的な方法は、第1の(通常は頭の)行に沿ったセルが左から右に列挙され、その直後に第2の行のセルが続く行優先形式であり、以下同様である。
【0035】
Sparkコンポーネント204は、大規模データ処理向けのオープンソースの一元化解析エンジンである。Sparkコンポーネント204は、暗黙のデータ並列性と耐障害性を有したサーバクラスタ全体をプログラミングするためのインターフェースを提供する。Sparkコンポーネント204は、クラスタ化されたコンピュータにわたって大規模データ分析アプリケーションを実行するための並列処理フレームワークである。Sparkコンポーネント204は、バッチ及びリアルタイムの両方の分析及びデータ処理ワークロードを処理する。
【0036】
NIFIコンポーネント202とSparkコンポーネント204は、マップ区画206内に配置され、実際のカバレッジレイヤー(例えば、基地局及びエッジデバイスのサイト詳細)、予測/計画カバレッジレイヤー、(UEのKPIデータに基づく)ユーザ検証レイヤー、及び実際のカバレッジの重畳(一元化カバレッジ)レイヤーを含むマップ区画レイヤーの生成を実行する。Sparkコンポーネント204は、NIFIコンポーネント202からのデータに基づいて、色及び凡例マッピング情報、並びに各グリッドの実際のKPI値を含むdbfファイル(dBaseデータベースファイル)を出力する。
【0037】
Hbaseコンポーネント208は、大量の疎データ(例えば、空又は重要でないデータの大規模な集合内で取得された少量の情報)を格納する耐障害性のある方法を提供する。Hbaseコンポーネント208は、Hadoop分散ファイルシステム(HDFSコンポーネント210)上で動作するカラム指向の非リレーショナルデータベース管理システムである。HBaseは、多くのビッグデータの利用事例で一般的である、疎なデータセットを格納する耐障害性のある方法を提供する。
【0038】
HDFSコンポーネント210は、汎用マシン上にデータを格納する分散ファイルシステムであり、サーバクラスタにわたって非常に高い集約帯域幅を提供する。HDFSは、操作222において生の予測データの格納に利用される。バッチ処理されたすべてのデータソースは、最初にHDFSコンポーネント210に格納され、次にSparkコンポーネント204を使用して処理される。Hbaseコンポーネント208はまた、そのデータストレージインフラストラクチャとしてHDFSを利用する。
【0039】
MySQLコンポーネント212は、オープンソースのリレーショナルデータベース管理システム(Relational Database Management System:RDBMS)である。リレーショナルデータベースは、データ型が互いに関連する1つ以上のデータテーブルにデータを編成し、これらの関係がデータの構造化を助ける。SQLは、操作224においてSparkコンポーネント204からデータを作成、変更、及び抽出し、ユーザアクセスを制御する。MySQLコンポーネント212は、アプリケーションプログラミングインターフェース(Application Programming Interface:API)による検索のために、また任意のリアルタイムUI要件を満たすために利用される。集約され相関付けられたデータはまた、MySQLに格納される。
【0040】
マイクロサービスコンポーネント214は、アプリケーション216を緩やかに結合したサービスの集合として配置する。マイクロサービスのアーキテクチャでは、サービスは細分化され、プロトコルは軽量である。
【0041】
アプリケーションコンポーネント216は、ユーザが、図8のUI822などのUIを介して、操作220において一元化カバレッジレイヤー(予測カバレッジレイヤーと実際のカバレッジレイヤーとの組み合わせ、図7)を視覚化することを可能にする。ユーザは、この一元化カバレッジレイヤーをリアルタイムで視覚化することができる。一部の実施形態では、アプリケーションコンポーネント216は、APIを介してマイクロサービス214と相互に影響する。
【0042】
マイクロサービスコンポーネント214は、操作226でHbaseコンポーネント208から一元化カバレッジレイヤーのデータをフェッチし、一元化カバレッジレイヤーデータはSparkコンポーネント204が処理した後に格納される。Hbaseコンポーネント208は、操作228において、一元化カバレッジレイヤーデータ提供の要求に応答する。MySQLコンポーネント212は、操作224においてSparkコンポーネント204からサイトの詳細を読み取る。Sparkコンポーネント204からのサイト詳細は、予測・KPIサーバ118によって提供される基地局又はエッジデバイスの物理パラメータ、電気パラメータ、論理パラメータ、サイトカバレッジステータス、及びネットワークカバレッジステータスを含む。HDFSコンポーネント210は、操作222においてSparkコンポーネント204からの生の予測カバレッジファイルを格納する。Hbase208は、操作230においてSparkコンポーネント204からネットワーク視覚化(Network Visualization:NV)サンプル(キャプチャしたKPIデータ)を読み取る。一部の実施形態では、NVデータは、RSRP及びSINR値などのキャプチャしたKPIを提供する予測・KPIサーバ118からのものである。
【0043】
図3は、一部の実施形態による、一元化カバレッジアルゴリズム(UCA)300のフロー図表現である。
【0044】
UCA300は、入力詳細操作302、一元化カバレッジレイヤー生成操作304、及び表現操作306を含む。
【0045】
入力詳細操作302は、一元化カバレッジレイヤーを作成するのに使用するよう構成された入力詳細を受信することを含む。操作302の操作308において、予測カバレッジ生データ(例えば、txtファイル形式のラスタデータ)が予測・KPIサーバ118から読み出される。フローは操作308から操作310に進む。
【0046】
操作302の操作310において、色及び凡例マッピング(図5のビューポートなど)、サイトカバレッジステータス、物理パラメータ、電気パラメータ、及び論理パラメータを含む、基地局及びエッジデバイスに関するサイト詳細が読み取られる。フローは操作310から操作312に進む。
【0047】
操作302の操作312において、予測・KPIサーバ118からの(prjファイル内の)投影詳細を含むネットワーク視覚化(NV)データが読み取られる。prjファイルは、座標系とテキスト形式を使用した投影情報を記述した平文ファイルである。ネットワーク視覚化データは、RSRP及びSINRなどのKPIデータを更に含む。
【0048】
操作302において、操作308、操作310及び操作312における入力ファイルの読み取りに応じて、txtファイルラスタデータを含む予測ファイルがグリッドに変換される。また、サイト詳細からは、サイトデータからビューポート400(図4)が識別される。更に、識別されたビューポート内にある識別された地理的に位置を特定された(geo-located)UEサンプルは、予測・KPIサーバ116から抽出されたデータから識別される。更に、予測ファイルは、グリッド402a~グリッド402aj(図4)の形式でラスタデータを提供する。ビューポート400はグリッド402a~グリッド402ajに分割され、各グリッドは基準点404を含む。一部の実施形態では、グリッド402a~グリッド402ajは15平方メートルである。
【0049】
操作304の操作314において、一元化カバレッジレイヤーアルゴリズムが、各基準点404に対して実行される。一元化カバレッジレイヤーアルゴリズムは、操作302から基準点404の識別を開始する。各グリッド402a~グリッド402ajについて、一元化カバレッジレイヤーアルゴリズムは、グリッドのKPI値を識別する。一部の実施形態では、ビューポート500は、カラープロファイル(図5)で表される各グリッド502a~グリッド502axのKPI表現と対応する基準点504を提供する。一部の実施形態では、各色は、所定の閾値以上のKPIを有するグリッド502a~グリッド502axなどのグリッドを表す。
【0050】
非限定的な実施例では、上限閾値508を超えるグリッドでは、グリッド502v~グリッド502x、グリッド502ad~グリッド502af、グリッド502al~グリッド502an、及びグリッド502at~グリッド502avのように、凡例ボックス506aと同様の色又は陰影を含む。一部の実施形態では、上限閾値508以上のグリッドは、RAN104などのRANに利用可能な最高のKPI値及び最も望ましいカバレッジを有する地理的位置を表す。本実施例に続いて、閾値510を超えるグリッドは、グリッド502d~グリッド502g、グリッド502l~グリッド502o、グリッド502s~グリッド502u、グリッド502ab~グリッド502ac、及びグリッド502aj~グリッド502akのように、凡例ボックス506bと同様の色又は陰影を含む。一部の実施形態では、閾値510以上のグリッドは、次に高いKPI値を有する地理的位置及び改善の余地があるエリアを表す。本実施例に続いて、閾値512を超えるグリッドは、グリッド502a~グリッド502c、グリッド502i~グリッド502k、及びグリッド502q~グリッド502rのように凡例ボックス506cと同様の色又は陰影を含む。一部の実施形態では、閾値512以上のグリッドは、中間範囲のKPI値を有する地理的位置及び改善の余地があるエリアを表す。本実施例に続いて、閾値514を超えるグリッドは、グリッド502h、グリッド502p、グリッド502y、グリッド502ag、グリッド502ao、及びグリッド502axのように凡例ボックス506dと同様の色又は陰影を含む。一部の実施形態では、閾値514以上のグリッドは、低レベルのKPI値を有する地理的位置及び改善の余地があるエリアを表す。本実施例に続いて、閾値516を超えるグリッドは、グリッド502z~グリッド502aa、グリッド502ah~グリッド502ai、及びグリッド502ap~グリッド502asのように凡例ボックス506eと同様の色又は陰影を含む。一部の実施形態では、閾値516以上のグリッドは、最低レベルのKPI値を有する地理的位置、及び改善の余地があるか、又はカバレッジがまったく提供されていないエリアを表す。操作314は、一元化レイヤーがHbase208などのHBaseに格納される操作316に進む。操作316から、フローは操作320に進む。
【0051】
操作320において、一元化カバレッジレイヤー(図7)のグラフィカルユーザインターフェース表現が、UI822(図8)などのUIに提示される。
【0052】
図6A及び図6Bは、一部の実施形態による、一元化カバレッジアルゴリズム(UCA)600のフロー図表現である。
一部の実施形態では、UCA600はUCA300と同様である。一部の実施形態では、UCA600は、UCA300の拡張又は拡大版である。説明のために、操作は記載された順序で並べられているが、特に明記しない限り、記載された順序で操作が実行されることに限定されていない。各操作は、UCA600の任意の時点で実行されるように構成されている。
【0053】
方法600の操作602において、予測カバレッジ生ファイルが読み取られる。予測ファイルは、テキストファイル形式のラスタデータを含み、グリッド形式で、相当するインデックス番号を提供する。予測カバレッジ生ファイルは、予測・KPIサーバ116から取得される。予測ファイルは、各グリッドが基準点を有するグリッドに分割されたビューポートに対応するグリッドの形式でデータを提供する。操作602から、フローは操作604に進む。
【0054】
方法600の操作604において、予測カバレッジ生ファイル及びUEサンプルに基づいてビューポートが識別される。ビューポート400などのビューポートは、Sparkコンポーネント204によってNIFIコンポーネント202への入力から識別され、サイト情報及び識別されたビューポートに関連する地理的に位置を特定されたUEサンプルの情報を読み取る。ビューポート400のように、ビューポートはグリッド402a~グリッド402ajに分割され、各グリッドは基準点404を有する。操作604から、フローは操作606に進む。
【0055】
方法600の操作606において、いくつかのUEサンプルが識別される。一部の実施形態では、UEサンプルデータはNVデータ内にある。一部の実施形態では、地理的に位置を特定された近傍UEサンプルの最小数は、11個である。一部の実施形態では、UEサンプルは、各UEのKPIデータを含む。一部の実施形態では、UEの最小数は1を超える。一部の実施形態では、UEの最大数は101である(各UEサンプルの処理からレイテンシを低減させるため)。操作606から、フローは操作608に進む。
【0056】
方法600の操作608において、各グリッドエリア内で11個などの最小数未満のUEサンプルが識別されたこと(操作608の「>UEサンプルの最小数」分岐)に応じて、フローは操作610に進み、そこで、一元化カバレッジアルゴリズムは、一元化カバレッジレイヤーの最小数UEサンプルなしで、各グリッドの地理的カバレッジの予測カバレッジ値を選択する(図7)。
【0057】
UEサンプルの最小数に等しいかそれ以上の数が見つかったこと(操作608の「最も近いUEサンプルの位置を特定する」分岐)に応じて、フローは操作612に進み、最も近いUEサンプルが位置するグリッドの基準点404など、グリッド基準点と最も近いUEとの間の距離を求める(決定する)。フローは操作612から操作614に進む。
【0058】
方法600の操作614において、基準点404などの基準点と第1の近傍UEとの間の距離が所定の閾値を超えること(操作614の「NO」分岐)に応じて、一元化カバレッジアルゴリズムは、操作610において、一元化カバレッジレイヤー内の同じグリッドに対して本予測カバレッジ値を使用するように構成する。一部の実施形態では、最大距離は600メートルである。一部の実施形態では、最大距離は100メートルである。一部の実施形態では、最大距離は1,000メートルである。距離が閾値未満であること(操作614の「YES」分岐)に応じて、フローは操作616に進む。
【0059】
方法600の操作616において、ウィンドウサンプルを決定する。一部の実施形態では、ウィンドウサンプルは、基準点から25メートルの増分半径(incremental radiuses)にわたって識別されるサンプルである。一部の実施形態では、増分半径は設定可能である。操作616から、操作は操作618に進む。
【0060】
方法600の操作618において、近傍の地理的に位置を特定されたUEサンプルが単一の増分半径内にあること(操作618の「YES」分岐)に応じて、操作フローは操作620に進み、より多くの近傍の地理的に位置を特定されたUEサンプルが存在するかどうかを判定する。一部の実施形態では、検出可能な又は使用可能なUEサンプルの数は101である。一部の実施形態では、最大数は1000のUE近傍サンプルである。一部の実施形態では、最大数の近傍UEサンプルは存在しない。しかしながら、処理すべき結果の数によるレイテンシはあり得る。近傍の地理的に位置を特定されたUEサンプルが単一の増分半径にないこと(操作618の「NO」分岐)に応じて、操作フローは操作622に進み、そこで一元化カバレッジアルゴリズムは半径を外側に再び増分し、近傍の地理的に位置を特定されたUEサンプルが単一の増分された半径内にあるかどうかを判定し続ける。
【0061】
方法600の操作622において、ウィンドウサンプルは所定の半径だけ増分され、任意の近傍の地理的に位置を特定されたUEサンプルが単一の増分された半径内にあるかどうかを判定する。単一の増分された半径に地理的に位置を特定されたUEサンプルがないこと(操作622の「NO」分岐)に応じて、一元化カバレッジアルゴリズムは、操作610において、一元化カバレッジレイヤー内のグリッドの予測カバレッジ値を使用するように構成される。ウィンドウサンプルが近傍の地理的に位置を特定されたUSサンプルを単一の増分された半径内に有すると判定されたこと(操作622の「YES」分岐)に応じて、操作は操作624に進む。
【0062】
方法600の操作624において、すべてのウィンドウサンプルがUEサンプルの閾値又は最大量まで識別されたことに応じて、一元化アルゴリズムは、操作624において優先度に従ってUEサンプルをフィルタリングする。非限定的な実施例では、UEサンプルは、カテゴリタイプ、最高優先度のドライブデータ、静止データ、最低の組み合わされた屋外データ、ドライブテスト(Drive Test:DRI)、ステルス(Stealth:STH)などに基づいて優先順位付けされる。一部の実施形態では、UEのカテゴリとクラス定義がデバイスの性能仕様を定義する。フローは操作624から操作626に進む。
【0063】
方法600の操作626において、各最近傍サイト(例えば、基地局又はエッジデバイス)と各グリッドの基準点との間の距離を求める。フローは操作626から操作628に進む。
【0064】
方法600の操作628において、一元化カバレッジアルゴリズムは、サイトの位置が特定されたかどうかを判定する。サイトの位置が特定されていないこと(操作628の「NO」分岐)に応じて、操作は操作630に進む。
【0065】
操作630において、RSRP値を、外輪のオフセットに基づいて求める(決定する)。外輪は、基準点から所定の距離にある。一部の実施形態では、外輪は300メートルである。一部の実施形態では、外輪は300メートルを超える。一部の実施形態では、外輪は300メートル未満である。
【0066】
方法600の操作632において、操作612の第1のUE距離は、外輪オフセット距離と比較される。第1のUE距離が基準点からの外輪距離を超えること(操作632の「YES」分岐)に応じて、地理的に位置を特定されたUEサンプルは、操作636において予測値と共に平均化される。地理的に位置を特定されたUEサンプルと予測値のこの平均値は、一元化カバレッジレイヤーに使用される。
【0067】
第1のUE距離が基準点からの外輪距離よりも小さいこと(操作632の「NO」分岐)に応じて、UEの地理的に位置を特定されたサンプルは、操作634において平均化される。地理的に位置を特定されたUEサンプルのこの平均値は、一元化カバレッジレイヤーに使用される。
【0068】
操作628において、最近傍サイトが位置していること(628の「YES」分岐)に応じて、サイトの距離は、操作612の第1の近傍距離及び操作638における安全距離と比較される。一部の実施形態では、安全距離は100メートルである。一部の実施形態では、安全距離は100メートル未満である。これに加えて、又はこれに代えて、安全距離は100メートルを超える。
【0069】
最近傍サイトが第1のUE近傍サンプル距離以上であること、又はサイトの距離が安全距離(例えば、100メートル)未満であること(操作638の「YES」分岐)に応じて、処理フローは、一元化カバレッジレイヤー内で使用される値を求めるために操作630に進む。
【0070】
最近傍サイトが第1のUE近傍サンプル距離よりも小さいこと、又はサイトの距離が安全距離(例えば、100メートル)を超えること(操作638の「NO」分岐)に応じて、操作640においてサンプルの重心を求める(決定する)。一部の実施形態では、重心は、すべての点の算術中心平均位置である。
【0071】
操作600の操作640において、第1のUE近傍距離が最近傍サイト距離を超え、かつサイトの距離が安全距離を超えることに応じて、単一の増分半径内に存在するフィルタリングされたUEデータサンプルの重心が計算される。処理は、操作640から操作642に進む。
【0072】
操作642において、重心に対する基準点の距離を求める。操作644において、重心の距離がサイトの距離よりも小さいことに応じて、一元化カバレッジアルゴリズムは、操作610において、一元化カバレッジレイヤーで使用される同じエリアの予測カバレッジを選択する。
【0073】
重心の距離が基準点までのサイト距離を超えることに応じて、操作フローは、一元化カバレッジレイヤー内で使用される値を求めるために操作630に進む。
【0074】
図7は、一部の実施形態による、グラフィカルユーザインターフェース(GUI)700の視覚表現である。
【0075】
GUI700は、操作320で説明したように、一元化カバレッジレイヤー701を視覚化したものを表示する。図7の実施例では、一元化カバレッジレイヤーは、カバレッジ表現におけるRSRPに基づく。しかしながら、一部の実施形態では、一元化カバレッジレイヤーはSINRに基づく。一部の実施形態では、一元化カバレッジレイヤーは両方のKPI選択に基づく。
【0076】
サービスプロバイダなどのユーザは、プルダウンウィンドウ702から多くの異なるレイヤー表現から選択することができる。プルダウン702から、ユーザは、予測カバレッジレイヤー、5G及び4Gを含む一元化レイヤー(RSRP、SINR、又はその両方を選択するように構成された5Gと4Gの両方)、内部RAN用の建物内レイヤー、競合レイヤー、サービスレイヤー、一元化IOカバレッジ管理レイヤーを含む多くのレイヤーを選択することができる。
【0077】
GUI700はまた、選択されたKPIが最大から最小までである色又は陰影を示すdbm凡例704を示す凡例及びフィルタを提示するように構成される。こうして、サービスプロバイダがサービスの隙間を判定することを可能にする。更に、凡例は、プルダウン706ウィンドウで構成され、ユーザが見たい凡例を選択することができる。
【0078】
ユーザは、+記号708を選択し、GUI700を拡大し、ドリルダウンすることができ、そうしてサービスプロバイダはRANの隙間カバレッジやカバレッジ不足の特定位置を視覚化することができる。
【0079】
図8は、一部の実施形態による、一元化カバレッジ処理回路800のブロック図である。一部の実施形態では、一元化カバレッジ処理回路800は、ハードウェアプロセッサ802と、非一時的コンピュータ可読記憶媒体804とを含む汎用コンピューティングデバイスである。記憶媒体804は、とりわけ、コンピュータプログラムコード806、すなわちUCA300及び600などの一元化カバレッジアルゴリズムなどの実行可能命令セットで符号化される、すなわち実行可能命令セットを記憶する。ハードウェアプロセッサ802による命令806を実行するとそれは、1つ以上の実施形態により本明細書に記載された方法(以下、記載された処理及び/又は方法)の一部又は全部を実施するRANカバレッジの隙間の発見ツールを(少なくとも部分的に)表す。
【0080】
プロセッサ802は、バス808を介してコンピュータ可読記憶媒体804に電気的に結合している。プロセッサ802はまた、バス808によってI/Oの1インターフェース810に電気的に結合している。ネットワークインターフェース812はまた、バス808を介してプロセッサ802に電気的に接続している。ネットワークインターフェース812は、プロセッサ802及びコンピュータ可読記憶媒体804がネットワーク814を介して外部要素に接続することができるように、ネットワーク814に接続されている。プロセッサ802は、一元化カバレッジ処理回路800が、記載された処理及び/又は方法の一部又はすべてを実行するのに使用可能となるために、コンピュータ可読記憶媒体804で符号化されたコンピュータプログラムコード806を実行するよう構成される。1つ以上の実施形態では、プロセッサ802は、中央処理装置(Central Processing Unit:CPU)、マルチプロセッサ、分散処理システム、特定用途向け集積回路(Application Specific Integrated Circuit:ASIC)、及び/又は適切な処理ユニットである。
【0081】
1つ以上の実施形態では、コンピュータ可読記憶媒体804は、電子、磁気、光学、電磁、赤外線、及び/又は半導体のシステム(又は装置若しくはデバイス)である。例えば、コンピュータ可読記憶媒体804は、半導体又は固体メモリ、磁気テープ、取り外し可能コンピュータディスケット、ランダムアクセスメモリ(Random Access Memory:RAM)、読み出し専用メモリ(Read-Only Memory:ROM)、剛性磁気ディスク、及び/又は光ディスクを含む。光ディスクを使用する1つ以上の実施形態では、コンピュータ可読記憶媒体804は、コンパクトディスク読み出し専用メモリ(Compact Disk-Read Only Memory:CD-ROM)、コンパクト読み出し/書き込みディスク(Compact Disk-Read/Write:CD-R/W)、及び/又はデジタルビデオディスク(Digital Video Disc:DVD)を含む。
【0082】
1つ以上の実施形態では、記憶媒体804は、記載された処理及び/又は方法の一部又はすべてを実行するのに一元化カバレッジ処理回路500が使用可能となるように構成されたコンピュータプログラムコード806を記憶する。1つ以上の実施形態では、記憶媒体804は、記載された処理及び/又は方法の一部又はすべての実行を容易にする一元化カバレッジアルゴリズムなどの情報も記憶する。
【0083】
一元化カバレッジ処理回路800は、I/Oインターフェース810を含む。I/Oインターフェース810は、外部回路に結合している。1つ以上の実施形態では、I/Oインターフェース810は、情報及びコマンドをプロセッサ802に通信するためのキーボード、キーパッド、マウス、トラックボール、トラックパッド、タッチスクリーン、及び/又はカーソル方向キーを含む。
【0084】
一元化カバレッジ処理回路800はまた、プロセッサ802に結合されたネットワークインターフェース812を含む。ネットワークインターフェース812は、一元化カバレッジ処理回路800が、1つ以上の他のコンピュータシステムが接続されているネットワーク814と通信することを可能にする。ネットワークインターフェース812は、BLUETOOTH(登録商標)、WIFI、WIMAX、GPRS、WCDMA(登録商標)などの無線ネットワークインターフェース、又はETHERNET、USB、IEEE-864などの有線ネットワークインターフェースを含む。1つ以上の実施形態では、記載された処理及び/又は方法の一部又は全部は、2つ以上の一元化カバレッジ処理回路800で実行される。
【0085】
一元化カバレッジ処理回路800は、I/Oインターフェース810を介して情報を受信するように構成されている。I/Oインターフェース810を介して受信される情報は、プロセッサ802による処理のための命令、データ、設計規則、標準セルライブラリ、及び/又は他のパラメータのうちの1つ以上を含む。情報は、バス808を介してプロセッサ802に転送される。一元化カバレッジ補償処理回路800は、I/Oインターフェース810を介してUIに関連する情報を受信するように構成されている。情報は、ユーザインターフェース(UI)822としてコンピュータ可読媒体804に記憶される。
【0086】
一部の実施形態では、記載された処理及び/又は方法の一部又はすべては、プロセッサが実行するためのスタンドアロンソフトウェアアプリケーションとして実装される。一部の実施形態では、記載された処理及び/又は方法の一部又はすべては、追加のソフトウェアアプリケーションの一部であるソフトウェアアプリケーションとして実装される。一部の実施形態では、記載された処理及び/又は方法の一部又はすべては、ソフトウェアアプリケーションへのプラグインとして実装される。
【0087】
一部の実施形態では、処理は、非一時的コンピュータ可読記録媒体に記憶されたプログラムの機能として実現される。非一時的コンピュータ可読記録媒体の実施例には、外部/取り外し可能及び/又は内部/内蔵ストレージ又はメモリユニット、例えば、DVDなどの光ディスク、ハードディスクなどの磁気ディスク、ROM、RAM、メモリカードなどの半導体メモリなどの1つ以上が含まれるが、これらに限定されない。
【0088】
1つ以上のコンピュータのシステムは、動作中にシステムに動作を実行させるソフトウェア、ファームウェア、ハードウェア、又はその組み合わせをシステムにインストールすることによって、特定の操作又は動作を実行するように構成されている。1つ以上のコンピュータプログラムは、データ処理装置が実行すると装置に動作を実行させる命令を含むことによって、特定の操作又は動作を実行するように構成されている。一部の実施形態では、地理的位置における無線アクセスネットワーク(RAN)カバレッジを識別する方法は、重要性能評価指標(Key Performance Indicator:KPI)に基づいてリアルタイムにRANカバレッジのグリッドレイヤーを生成することを含む。予測RANカバレッジグリッドレイヤーを生成する。RANがサポートする地理的位置に対応するビューポート表現を生成する。リアルタイムRANカバレッジグリッドレイヤー、予測RANカバレッジグリッドレイヤー、及びビューポート表現を一元化カバレッジ表現に重ね合わせる。一元化カバレッジ表現に基づいて選択された地理的位置におけるRAN可用性を判定する。この態様の他の実施形態は、本方法の動作を行うように各々構成された、対応するコンピュータシステム、装置、及び1つ以上のコンピュータ記憶デバイスに記録されたコンピュータプログラムを含む。
【0089】
実装形態では、以下の特徴のうちの1つ以上を含んでもよい。本方法は、一元化カバレッジ表現を表示することを含む。本方法は、特定の地理的位置に対応するRAN品質を識別することを含む。本方法は、所定の閾値を下回るRAN品質をもって各地理的位置のRANサービスプロバイダに通知することを含む。一元化カバレッジ表現を表示することは、選択した地理的位置に対応するRAN信号品質を表示することを更に含む。RAN品質を表示し、リアルタイムRANカバレッジグリッドレイヤーに含まれるユーザ機器(UE)検証レイヤーを表示する。本KPIは、複数のKPIであり、RANにおける受信電力レベルの測定値である基準信号受信電力(RSRP)の第1のKPIを含む。第2のKPIは、干渉及び雑音に対する対象信号の比である信号対干渉雑音比(SINR)である。本方法は、RANがサポートする地理的位置に対応するRFドライブテストのデータを受信することを含む。本方法は、地形パラメータ、電気パラメータ、及び論理パラメータを含む地理的サイトデータを受信することを含む。本方法は、地理的座標を緯度及び経度に変換する投影詳細データを受信することを含む。記載の技術の実装形態は、ハードウェア、方法若しくは処理、又はコンピュータアクセス可能媒体上のコンピュータソフトウェアを含んでもよい。
【0090】
1つ以上のコンピュータの地理的位置における無線アクセスネットワーク(RAN)カバレッジを識別するシステムは、操作中にシステムに動作を実行させるソフトウェア、ファームウェア、ハードウェア、又はその組み合わせをシステムにインストールすることによって、特定の操作又は動作を実行するように構成されている。1つ以上のコンピュータプログラムは、データ処理装置が実行すると装置に動作を実行させる命令を含むことによって、特定の操作又は動作を実行するように構成されている。一部の実施形態では、システムは、記憶された非一時的命令を有するメモリと、メモリに結合したプロセッサとを含む。プロセッサは命令を実行し、それによって装置が無線アクセスネットワーク(RAN)から生の予測カバレッジデータを受信するように構成される。生の予測カバレッジデータをグリッド形式に変換する。RAN内の近傍セルから、ユーザ機器(UE)の重要性能評価指標(KPI)値を受信する。生の予測カバレッジデータ及びUEのKPI値に基づいてビューポートを識別する。ビューポートはグリッドに分割され、各グリッドは基準点を含む。位置によるRAN可用性を取得するために、予測カバレッジデータのレイヤーとUEのKPI値のレイヤーをビューポート上に重ね合わせる。この態様の他の実施形態は、本方法の動作を行うように各々構成された、対応するコンピュータシステム、装置、及び1つ以上のコンピュータ記憶デバイスに記録されたコンピュータプログラムを含む。
【0091】
実装形態では、以下の特徴のうちの1つ以上を含んでもよい。命令を実行するように構成されたプロセッサが、装置にビューポートの各グリッドでのUEのKPI値を更に識別させるシステム。装置に各グリッド基準点に最も近いUEのKPI値を更に識別させる命令を実行するように構成されたプロセッサ。命令を実行するように構成され、装置に各グリッド基準点と最近傍のUEのKPI値との間の距離を更に計算させるプロセッサ。命令を実行するように構成され、装置に距離が最大閾値未満であることに応じて、所定の半径のウィンドウサンプルを更に計算させるプロセッサ。命令を実行するように構成され、装置に各グリッドのUEのKPI値がウィンドウサンプルに含まれるかどうかを更に判定させるプロセッサ。各グリッドのUEのKPI値がウィンドウサンプルに含まれていることに応じて、追加のUEのKPI値が他のウィンドウサンプルに存在するかどうかを判定する。命令を実行するように構成され、装置に距離が最大閾値を超えることに応じて、グリッド基準点の生の予測カバレッジデータを更に使用させるプロセッサ。命令を実行するように構成され、装置にグリッド基準点に近いUEのKPI値がないことに応じさせ、グリッド基準点の生の予測カバレッジデータを更に使用させるプロセッサ。記載の技術の実装形態は、ハードウェア、方法若しくは処理、又はコンピュータアクセス可能媒体上のコンピュータソフトウェアを含んでもよい。
【0092】
一部の実施形態では、コンピュータ可読媒体は、コントローラに操作を実行させるためのコントローラが実行可能な命令を含む。コンピュータ可読媒体は、無線アクセスネットワーク(RAN)から予測カバレッジデータを受信することを更に含む。予測カバレッジデータは、地理的領域の複数の基準点に対する計画された無線アクセスネットワークカバレッジに対応する。サイトカバレッジデータベースからサイトカバレッジデータを受信する。サイトカバレッジデータは地理的領域の地理的データに対応する。ネットワーク視覚化データを受信する。ネットワーク視覚化データは1つ以上の重要性能評価指標(KPI)に基づく。1つ以上のKPIは地理的領域の複数の基準点に対応する。地理的領域を表すビューポート上にネットワーク視覚化データと予測カバレッジデータの重畳レイヤーを生成する。ビューポートを表示する。この態様の他の実施形態は、本方法の動作を行うように各々構成された、対応するコンピュータシステム、装置、及び1つ以上のコンピュータ記憶デバイスに記録されたコンピュータプログラムを含む。
【0093】
実装形態では、以下の特徴のうちの1つ以上を含んでもよい。コントローラによって実行可能な命令が更に、コントローラに、ビューポート内の1つ以上のグリッドについて、1つ以上のグリッドのRAN品質を識別することを含む操作を実行させる、コンピュータ可読媒体。コントローラが実行可能な命令は、RANカバレッジを欠くことに対応したグリッドの位置を特定することを含む操作をコントローラに更に実行させる。記載の技術の実装形態は、ハードウェア、方法若しくは処理、又はコンピュータアクセス可能媒体上のコンピュータソフトウェアを含んでもよい。
【0094】
以上は、当業者が本開示の態様をよりよく理解するように、いくつかの実施形態の特徴を概説している。当業者は、本明細書に導入された実施形態の同じ目的を実行し、及び/又は同じ利点を達成するための他のプロセス及び構造を設計又は修正するための基礎として、本開示を容易に使用し得ることを理解されたい。当業者はまた、かかる同等の構成が本開示の趣旨及び範囲から逸脱しないこと、並びに本開示の趣旨及び範囲から逸脱することなく、本明細書において種々の変更、置換、及び変更を行うことを理解すべきである。
図1
図2
図3
図4
図5
図6A
図6B
図7
図8
【国際調査報告】