(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-10-23
(54)【発明の名称】濃厚物質搬送システムのための再固定の監視
(51)【国際特許分類】
E04G 21/04 20060101AFI20241016BHJP
B60P 3/16 20060101ALI20241016BHJP
B60S 9/02 20060101ALI20241016BHJP
【FI】
E04G21/04 ESW
B60P3/16 Z
B60S9/02
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024518867
(86)(22)【出願日】2022-09-12
(85)【翻訳文提出日】2024-05-16
(86)【国際出願番号】 EP2022075276
(87)【国際公開番号】W WO2023052113
(87)【国際公開日】2023-04-06
(31)【優先権主張番号】102021125042.0
(32)【優先日】2021-09-28
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】519044656
【氏名又は名称】プツマイスター エンジニアリング ゲーエムベーハー
【氏名又は名称原語表記】PUTZMEISTER ENGINEERING GMBH
(74)【代理人】
【識別番号】100107456
【氏名又は名称】池田 成人
(74)【代理人】
【識別番号】100162352
【氏名又は名称】酒巻 順一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100123995
【氏名又は名称】野田 雅一
(72)【発明者】
【氏名】ミュラー, アンスガル
(72)【発明者】
【氏名】オドゥクウェ, デニス
【テーマコード(参考)】
2E172
3D026
【Fターム(参考)】
2E172AA05
2E172CA33
2E172CA44
2E172CA46
2E172CA48
2E172CA55
3D026EA06
3D026EA26
(57)【要約】
本発明は、濃厚物質ポンプ(16)と、濃厚物質分配器ブーム(18)と、下部構造体(30)下部構造体(30)が、と、動作情報のうちの少なくとも1項目を受信するための受信ユニット(11)と、受信された動作情報のうちの少なくとも1項目に応じて濃厚物質搬送システム(10)の安定性パラメータを決定するための処理ユニット(12)と、濃厚物質搬送システム(10)の決定された安定性パラメータが再固定閾値を上回っている場合に第1の制御信号を出力するための制御ユニット(13)であって、第1の制御信号を出力することが、少なくとも1つの支持脚(32)の再固定を抑制する、制御ユニット(13)と、を備える、濃厚物質搬送システム(10)を開示する。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
濃厚物質搬送システム(10)であって、
濃厚物質を搬送するための濃厚物質ポンプ(16)と、
搬送される前記濃厚物質を分配するための濃厚物質分配器ブーム(18)であって、前記濃厚物質分配器ブーム(18)が、少なくとも2つのブームアーム(41)を備えるブーム構成体(40)を有する濃厚物質分配器ブーム(18)と、
下部構造体(30)であって、前記濃厚物質分配器ブーム(18)および前記濃厚物質ポンプ(16)が、前記下部構造体(30)上に配置されており、前記下部構造体(30)が、少なくとも1つの水平方向および/または垂直方向に移動可能な支持脚(32)を用いて前記下部構造体(30)を支持するための支持構造体(31)を備え、前記支持構造体(31)が、最大安定性パラメータによって定義された上限と再固定閾値とを有する安定性範囲を有し、前記少なくとも1つの支持脚(32)が、再固定されることが可能である、下部構造体(30)と、
動作情報のうちの少なくとも1項目を受信するための受信ユニット(11)と、
受信された前記動作情報のうちの少なくとも1項目に応じて前記濃厚物質搬送システム(10)の安定性パラメータを決定するための処理ユニット(12)と、
前記濃厚物質搬送システム(10)の前記決定された安定性パラメータが前記再固定閾値を上回っている場合に第1の制御信号を出力するための制御ユニット(13)であって、前記第1の制御信号を前記出力することが、前記少なくとも1つの支持脚(32)の再固定を抑制する、制御ユニット(13)と、
を備える、濃厚物質搬送システム(10)。
【請求項2】
前記制御ユニット(13)が、前記決定された安定性パラメータが前記再固定閾値を下回る場合に第2の制御信号を出力するようにさらに設計されており、前記第2の制御信号の前記出力が、前記少なくとも1つの支持脚(32)の前記再固定を可能にする、請求項1に記載の濃厚物質搬送システム(10)。
【請求項3】
前記制御ユニット(13)が、前記決定された安定性パラメータがスイッチオフ閾値を上回る場合に第3の制御信号を出力するようにさらに設計されており、前記第3の制御信号の前記出力により、前記濃厚物質分配器ブーム(18)の正しい動作が設定される、請求項1または2に記載の濃厚物質搬送システム(10)。
【請求項4】
前記受信ユニット(11)が、前記少なくとも1つの支持脚の水平位置および/または垂直位置を示す動作情報を受信するように設計されており、前記処理ユニット(12)が、前記少なくとも1つの支持脚の前記水平位置および/または前記垂直位置を示す前記動作情報に応じて、前記再固定閾値および/またはスイッチオフ閾値を決定するように設計されている、請求項1~3のいずれか一項に記載の濃厚物質搬送システム(10)。
【請求項5】
前記少なくとも1つの支持脚(32)が、繰り返し、好ましくは最大で4回、再固定されることが可能である、請求項1~4のいずれか一項に記載の濃厚物質搬送システム(10)。
【請求項6】
前記受信ユニット(11)が、前記下部構造体(30)の傾斜角を示す動作情報を受信するように設計されており、前記処理ユニット(12)が、前記下部構造体(30)の前記傾斜角を示す前記受信された動作情報に応じて、再固定プロセスの最大許容回数を決定するように設計されており、前記制御ユニット(13)が、実行された再固定プロセスの回数が前記最大許容回数に対応する場合に前記第1の制御信号を出力するように設計されている、請求項5に記載の濃厚物質搬送システム(10)。
【請求項7】
前記処理ユニット(12)が、前記下部構造体(30)の前記傾斜角を示す前記動作情報が最大1°(12)の値を有する傾斜角を特徴付ける場合に再固定プロセスの最大許容回数を4回と決定するように設計されており、かつ/または前記処理ユニットが、前記下部構造体(30)の前記傾斜角を示す前記動作情報が最大2°の値を有する傾斜角を特徴付ける場合に再固定プロセスの最大許容回数を3回と決定するように設計されており、かつ/または前記処理ユニット(12)が、前記下部構造体(30)の前記傾斜角を示す前記動作情報が最大2.5°の値を有する傾斜角を特徴付ける場合に再固定プロセスの最大許容回数を2回と決定するように設計されており、かつ/または前記処理ユニット(12)が、前記下部構造体(30)の前記傾斜角を示す前記動作情報が最大3°の値を有する傾斜角を特徴付ける場合に再固定プロセスの最大許容回数を1回と決定するように設計されている、請求項6に記載の濃厚物質搬送システム(10)。
【請求項8】
前記受信ユニット(11)が、
前記ブームアーム(41)のうちの少なくとも1つの関節トルク、
前記ブームアーム(41)のうちの少なくとも1つのシリンダ力、
少なくとも1つのブームアーム(41)の傾斜角、
ブームアーム(41)の少なくとも1つのアクチュエータのアクチュエータ力、
ブームアーム(41)の少なくとも1つのアクチュエータの動作速度、
前記濃厚物質分配器ブーム(18)の荷重取付け点にかかる荷重重量、
旋回ギヤ(19)の回転速度、
前記下部構造体(30)の傾斜角、
前記少なくとも1つの支持脚(32)の位置、
前記少なくとも1つの支持脚(32)の水平脚力、および
前記少なくとも1つの支持脚(32)の垂直脚力
の特性のうちの1つを示す動作情報を受信するように設計されている、請求項1~7のいずれか一項に記載の濃厚物質搬送システム(10)。
【請求項9】
前記受信ユニット(11)が、
動作情報を検出するためのセンサユニット、
動作情報を検出するための通信インターフェース、または
動作情報を検出するためのユーザインターフェース
をさらに備える、請求項1~8のいずれか一項に記載の濃厚物質搬送システム(10)。
【請求項10】
前記下部構造体(30)が、車両(33)上に配置されている、請求項1~9のいずれか一項に記載の濃厚物質搬送システム(10)。
【請求項11】
濃厚物質搬送システム(10)を動作させるための方法(100)であって、前記濃厚物質搬送システム(10)が、濃厚物質を搬送するための濃厚物質ポンプ(16)と、搬送される前記濃厚物質を分配するための濃厚物質分配器ブーム(18)であって、前記濃厚物質分配器ブーム(18)が、少なくとも2つのブームアーム(41)を備えるブーム構成体(40)を有する濃厚物質分配器ブーム(18)と、下部構造体(30)であって、前記濃厚物質分配器ブーム(18)および前記濃厚物質ポンプ(16)が、前記下部構造体(30)上に配置されており、前記下部構造体(30)が、少なくとも1つの水平方向および/または垂直方向に移動可能な支持脚(32)を用いて前記下部構造体(30)を支持するための支持構造体(31)を備え、前記支持構造体(31)が、最大安定性パラメータによって定義された上限と再固定閾値とを有する安定性範囲を有し、前記少なくとも1つの支持脚(32)が、再固定されることが可能である、下部構造体(30)と、を備え、かつ前記濃厚物質搬送システム(10)が、受信ユニット(11)、処理ユニット(12)、および制御ユニット(13)を備え、前記方法が、
前記受信ユニット(11)によって、動作情報のうちの少なくとも1項目を受信するステップ(101)と、
前記処理ユニット(12)によって、前記濃厚物質搬送システム(10)の安定性パラメータを、受信された前記動作情報のうちの少なくとも1項目に応じて決定するステップ(102)と、
前記制御ユニット(13)によって、前記濃厚物質搬送システム(10)の前記決定された安定性パラメータが前記再固定閾値を上回る場合に前記少なくとも1つの支持脚(32)の再固定を抑制するための第1の制御信号を出力するステップ(103)と、
を含む、方法(100)。
【請求項12】
前記制御ユニット(13)によって、前記決定された安定性パラメータが前記再固定閾値を下回る場合に第2の制御信号を出力するステップ(104)をさらに含み、前記第2の制御信号を出力するステップが、前記少なくとも1つの支持脚(32)の前記再固定を可能にする、
請求項11に記載の方法(100)。
【請求項13】
前記制御ユニット(13)によって、前記決定された安定性パラメータがスイッチオフ閾値を上回る場合に第3の制御信号を出力するステップ(105)をさらに含み、前記第3の制御信号の前記出力により、前記濃厚物質ブーム(18)の正しい動作が設定される、
請求項11または12に記載の方法(100)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、とりわけ、濃厚物質ポンプと、濃厚物質分配器ブームと、受信ユニットと、処理ユニットと、制御ユニットと、を備える濃厚物質搬送システムに関する。
【0002】
濃厚物質搬送システムの実際の動作では、それまで安定して位置決めされていた濃厚物質搬送システムの安定性が低下するか、またはさらには失われる状況が生じ得る。これは、特に、例えば、濃厚物質搬送システムがその上に位置決めされている基板の移動による、または動作中の濃厚物質搬送システムに利用可能な最大フットプリントの変化による、これは例えば低減される、外的要因によって引き起こされ得る。しかしながら、内部要因のために安定性がもはや十分に提供されなくなる可能性もある。例えば、濃厚物質搬送システムは、濃厚物質分配器ブームが最大限に偏向されず制限された範囲にしか偏向されない特定の動作モードに対して安定した方法で位置決めされ得る。しかしながら、この状態から、制限された偏向範囲を超えてさらなる動作モードが実施されることが意図される場合、安定性は、このさらなる動作モードのために最初に保証または生み出されなければならない。
【0003】
これらの場合、一般に、濃厚物質搬送システムの下部構造体の傾斜が濃厚物質搬送システムの少なくとも1つの支持脚の位置を垂直方向に変更することによって適合されるか、またはフットプリントが少なくとも1つの支持脚の位置を水平方向に変更することによって変更されるかのいずれかである。一般に、水平方向の位置の変更は、支持脚が荷重から解放され、その結果、もはやフットプリントに寄与しなくなる少なくとも1つの垂直方向の位置変更を含む。両方の方法は、少なくとも1つの支持脚の作動を含み、それにより、それらはまた、集合的な用語「再固定」に包含され得る。
【0004】
一般に、再固定のために、ユーザは、油圧バルブに直接作用するレバーを用いて支持脚の油圧装置を作動させ、このようにして垂直方向および/または水平方向の支持脚位置を手動で変更する。特に再固定プロセス中に、再固定によって、濃厚物質搬送システムの安定性が著しく低下し得るか、またはさらには失われ得、その結果、濃厚物質搬送システムが転倒する危険性があるという欠点がある。ユーザは、濃厚物質搬送システムの現在の動作中に再固定を実行することが可能であるかどうかについて、個人の経験を用いて推定することしかできない。したがって、従来のシステムでは、このような再固定は、段階的な方法および非常に小さなステップでのみ行われ得、ユーザは、各ステップの後に濃厚物質搬送システムの安定性の状態を再評価しなければならない。ユーザの関与が必要であるため、安定性の動的変化に適時に反応することができない場合がある。さらに、不適切な判断がなされた場合には、もはやいかなる安定性もなくなる可能性があり、その結果、濃厚物質搬送システムが転倒する恐れがある。
【0005】
したがって、上述の欠点を鑑みて、本発明の目的は、改良された濃厚物質搬送システムおよび濃厚物質搬送システムを動作させるための改良された方法を提供することである。
【0006】
本発明による解決策は、独立請求項の特徴に見出される。有利な発展形態は、従属請求項の主題を形成する。
【0007】
本発明によれば、濃厚物質搬送システムであって、濃厚物質を搬送するための濃厚物質ポンプ、ならびに搬送される濃厚物質を分配するための濃厚物質分配器ブームであって、濃厚物質分配器ブームが、少なくとも2つのブームアームを備えるブーム構成体を有する濃厚物質分配器ブームと、下部構造体であって、濃厚物質分配器ブームおよび濃厚物質ポンプが、下部構造体上に配置されており、下部構造体が、少なくとも1つの水平方向および/または垂直方向に移動可能な支持脚を用いて下部構造体を支持するための支持構造体を備え、支持構造体が、最大安定性パラメータによって定義された上限と再固定閾値とを有する安定性範囲を有し、少なくとも1つの支持脚が、再固定されることが可能である、下部構造体と、動作情報のうちの少なくとも1項目を受信するための受信ユニットと、受信された動作情報のうちの少なくとも1項目に応じて濃厚物質搬送システムの安定性パラメータを決定するための処理ユニットと、濃厚物質搬送システムの決定された安定性パラメータが再固定閾値を上回っている場合に第1の制御信号を出力するための制御ユニットであって、第1の制御信号を出力することが、少なくとも1つの支持脚の再固定を抑制する、制御ユニットと、を備える、濃厚物質搬送システムが開示される。
【0008】
本発明による濃厚物質搬送システムは、例えば、トラック搭載型のコンクリートポンプである。
【0009】
本発明は、再固定プロセスを実行するために、濃厚物質搬送システムに安定性があるかどうかを動的かつ状況依存的に監視する、濃厚物質搬送システムの特に有利な実施形態である。さらに再固定は、再固定プロセス中であっても、濃厚物質搬送システムの十分な安定性が保証されたときに可能になるように意図されており、そのため、監視は、対応する安定性パラメータを決定することに基づいて好適に実行される。例えば、再固定プロセスの最大回数という意味の、一般的な制限は必要ではない。再固定閾値を上回るそのような安定性パラメータが決定された場合、例えば、支持脚の位置の水平方向の変更を実行することにより、フットプリントに過度にマイナスの影響を与える、すなわちフットプリントを減少させることとなるため、濃厚物質搬送システムの現行の安定性は再固定に十分ではない。したがって、この場合、再固定が抑制される。したがって、監視は、ユーザおよびその個人の経験とは無関係に信頼できる方法で実行することができる。
【0010】
このようにして、第1に、濃厚物質搬送システムが転倒するリスク、したがってそれに関連する損傷を効果的に低減することができる。第2に、濃厚物質搬送システムはまた、その品質および量に関して、必要に応じて可能な再固定プロセスの可能性を最大限に活用することができる。したがって、濃厚物質搬送システムに追加の構成要素または補助部品を必要とせずに、濃厚物質搬送システムの利用可能範囲を効果的に最大化することができる。
【0011】
まず、以下にいくつかの用語を説明する。
【0012】
濃厚物質は、搬送が困難な媒体の総称である。濃厚物質は、例えば、粗粒成分を有する物質、またはアグレッシブな成分を有する物質などであり得る。濃厚物質はまた、バルク材であり得る。一実施形態では、濃厚物質は生コンクリートである。生コンクリートは、30mmを超えるサイズまでの粒子を含有し得、これは硬化しデッドスペースに堆積物を形成し、これらの理由から搬送が困難である。例示的な濃厚物質は、800kg/m3~2300kg/m3の密度を有するコンクリートまたは2300kg/m3を超える密度を有する重コンクリートである。
【0013】
濃厚物質ポンプは、2つ、例えば正確には2つの送出シリンダを有するコアポンプを備え得る。この場合、コアポンプは、第1の送出シリンダから第2の送出シリンダに、および第2の送出シリンダから第1の送出シリンダに交互に切り替えられる。S字管が、送出シリンダ間で周期的に切り替えられ得る。さらに、移行部の各々を橋渡しするように追加のシリンダが設計され得る。
【0014】
ブーム構成体は、少なくとも2つのブームアームを備えるが、3つ、4つ、または5つのブームアームを備えることもできる。典型的には、ブーム構成体は、3~7つのブームアームを備える。ブームアームは、ブームアームの近位端で濃厚物質搬送システムの旋回ギヤに、ブームアームの遠位端で隣接するブームアームの近位端に接続され得る。1つ以上のさらなるブームアームは、直列に配置されており、いずれも、それらの近位端で隣接するブームアームの遠位端に接続されている。一連の最後のブームアームの遠位端はまた、最後のブームアームの遠位端にさらなる接続部を有さず、可能な荷重取付け点を画定する。
【0015】
ブームアームは、いずれも、少なくとも例えば排他的に、少なくとも残りのブームアームとは独立した次元で移動させられ得るように、ブーム関節を介して互いに接続されている。ブーム関節は、各ブームアームの近位端に割り当てられている。
【0016】
1つのブームアームの旋回ギヤへの接続部は、旋回ギヤが軸線を中心に回転すると、このブームアームまたはすべてのブームアームもこの軸線を中心に回転させられ得るように設計され得る。例えば、ブームアームが例えば旋回ギヤとは独立して垂直方向にのみ排他的に移動させられ得、例えばブームアームのブーム関節を介して回転させられ得るように、ブームアームは旋回ギヤに締結されている。ブームアームが伸縮機能を有し、ブームアームの長手方向軸線に沿って伸縮自在に無段階に伸長または短縮させられ得ることも考えられる。ブームアームは、例えば、ブームアームの少なくとも遠位端が3つの空間方向(x方向、y方向、およびz方向)のうちの少なくとも1つに移動させられ得るように調整可能である。
【0017】
代替的または追加的に、ブームアームは、ブームアームの長手方向軸線を中心に回転可能であり得る。例えば、ブームアームは、例えば、油圧もしくは空気圧シリンダ、または電気機械式アクチュエータなどの、ブームアームのブーム関節用の少なくとも1つのアクチュエータ、または少なくとも1つの他のブームアーム、特に近位端に接続されたブームアームに対する位置を変更することができる複数の、さらには異なる種類のアクチュエータの組合せを含む。アクチュエータは、例えば、ブームアームを、例えばブームアームのブームアーム関節を通って延びる水平軸線を中心に回転的に枢動させるように、および/またはブームアームを1つの、2つの、もしくはすべての空間方向に並進移動させるように設計され得る。
【0018】
代替的または追加的に、ブームアームは、例えば、ブームアームが伸縮自在に伸長もしくは短縮または回転することができるさらなるアクチュエータを有し得る。
【0019】
下部構造体は、基本的なフレームワーク、例えばシャーシであり、その上に、濃厚物質分配器ブームおよび濃厚物質ポンプが配置されている。例えば、濃厚物質分配器ブームおよび/または濃厚物質ポンプは、下部構造体に締結されている。下部構造体は、定置式(例えば、プラットフォームのように)または可動式(例えば、車両のように)に構成することができる。下部構造体上に濃厚物質分配器ブームおよび濃厚物質ポンプを配置することによって、濃厚物質搬送システム全体をユニットとして特にコンパクトに、例えばトラック搭載型のコンクリートポンプの形態で構成することができる。
【0020】
濃厚物質搬送システムは、本発明による方法を実行または制御するための手段を備える。これらの手段は、特に、受信ユニット、処理ユニット、および制御ユニットを備え、いずれも、別個の、または異なる組合せで組み合わされたハードウェアおよび/またはソフトウェアコンポーネントとして構成することができる。手段は、例えば、コンピュータプログラムのプログラム命令を有する少なくとも1つのメモリと、少なくとも1つのメモリからのプログラム命令を実行するように構成された少なくとも1つのプロセッサと、を備える。
【0021】
濃厚物質分配器ブームの受信ユニット、濃厚物質ポンプ、および濃厚物質搬送システムは、いずれも、動作情報のうちの少なくとも1項目を受信するように設計されている。動作情報は、濃厚物質分配器ブーム、濃厚物質ポンプ、および濃厚物質搬送システム、またはそれらの構成要素の複数の可能な特性のうちの特性を示し、この特性を表す。したがって、動作情報を構成要素に割り当てることができるように意図されている。そのような特性および動作パラメータは、例えば測定変数によって特徴付けられ得る。これは、搬送前に既に出現し始めている特性、または搬送が開始された後にのみ出現し始めている特性であり得る。例えば、動作情報は、この動作情報の測定変数特徴を測定することによって受信することができる。受信ユニットによって受信された動作情報はまた、例えば、1つ以上の測定変数が順に入力された以前の計算から予め決定することができるか、またはその計算から結果を得ることができる。そのような以前の計算は、濃厚物質分配器ブーム、濃厚物質ポンプ、および濃厚物質搬送システムの対応して設計されたユニット内でその場で直接行われることが考えられるが、例えばサーバデバイス上で外部から実行することもでき、このように計算された動作情報はその後、受信ユニットによって受信される。
【0022】
処理ユニットは、濃厚物質搬送システムの安定性パラメータを決定するように設計されていると理解されるように意図されている。これは、受信された動作情報のうちの少なくとも1項目に応じて少なくとも部分的に行われるように意図されている。例えば、処理ユニットは、受信ユニットによって受信された情報にアクセスすることができる。安定性パラメータを決定することは、安定性パラメータが、その質量またはその空間的範囲などの、濃厚物質搬送システムの構成要素の一定であると仮定される予め決定された特性に基づいて、受信された動作情報に応じて計算されることを意味すると理解されるように意図されている。追加的に、例えば、支持脚の互いの位置決め、構成要素の風エリアの影響、および予め決定された安全性または限界値などのさらなる特性を考慮に入れることも可能である。
【0023】
下部構造体は、少なくとも1つの水平方向および/または垂直方向に移動可能な支持脚を用いて下部構造体を支持するための支持構造体を備える。濃厚物質搬送システムの支持脚は、濃厚物質搬送システムの安定性を高めるのに役立つ支持構造体の構成要素を表す。安定性に対する支持構造体の影響は、特に、支持脚の個々の配置および位置決めに依存する。支持脚は、支持プレートによって基板上に支持され得る。一般に、4つの支持脚が支持構造体内に設けられる。
【0024】
支持構造体の安定性、したがって、濃厚物質搬送システム全体の安定性は、濃厚物質搬送システムに作用するすべての力を考慮した作用線の、この表面の先端縁からの距離が大きいほど一層高くなる。しかしながら、少なくとも濃厚物質搬送システムに作用する重量力を考慮した作用線を基礎としたときに、安定性についての信頼できる記述は既に行うことができる。考慮される作用線に実際に作用する力が多ければ多いほど、この記述をより的確に行うことができる。したがって、濃厚物質搬送システムの安定性は、フットプリントの先端縁からの作用線の距離を表す安定性パラメータによって特に好適に特徴付けることができる。安定性パラメータは、先端縁の各々からの作用線の距離がゼロ以上である予め決定されたまたは動的に決定可能な安定性範囲内にあり、好ましくは安全性リザーブも考慮される。支持構造体の安定性、したがって濃厚物質搬送システムの安定性は、安定性範囲内にもたらされる。安定性範囲の上限は、最大安定性パラメータによって定義される。最大安定性パラメータは、先端縁のうちの1つからの作用線の距離がゼロであるときにある。したがって、先端縁のうちの少なくとも1つからの作用線の距離は、安定性パラメータが増加するにつれて減少する。上限を超えると、距離はゼロ未満であり、安定性はもはやもたらされない。濃厚物質搬送システムの各動作状況に対する安定性範囲は、予め決定されているか、または、例えば、考慮すべき濃厚物質搬送システムの構成要素の一定であると仮定される特性を考慮することによって決定することができると考えられる。例えば、フットプリントは、例えば支持脚の特定の位置決めによって、支持構造体の可能な配置ごとに予め決定または決定することができる。安定性範囲はまた、再固定閾値を含み、任意選択でスイッチオフ閾値も含む。例えば、スイッチオフ閾値は、再固定閾値よりも最大安定性パラメータに近く、したがって安定性の上限により近くすることができる。したがって、濃厚物質分配器ブームのブーム構成体が縁位置に偏向される間、それによって支持構造体に作用するトルクに起因して、再固定閾値が最初に超過され、次いでスイッチオフ閾値が超過され、次いで上限が超過される。
【0025】
先端縁のうちの1つからの作用線の距離および作用線の位置は、いずれも、少なくとも濃厚物質搬送システムの重量力に応じて計算され、例えば処理ユニットによって計算することができる。作用線の位置は、垂直方向成分および水平方向成分を有し得、作用方向および/または複数の力の値の関数であり得る。例えば、考慮されるべき1つ以上の力は、ユーザによって(例えば、好適なユーザインターフェースによって)予め決定または選択することができる。例えば、濃厚物質搬送システムの重量力のみが考慮される場合、作用線は、全体的な重心を通って延びる垂直線に対応する。したがって、作用線の位置は垂直線の位置に等しい。作用線の位置が、例えば、側方から濃厚物質搬送システムに作用する風力などの水平成分を有する力にさらに依存する場合、作用線の位置も少なくとも1つの水平成分を含み、作用線の位置は垂直線と等しくない。このようにして、作用線の位置は、処理ユニットが、好ましくは1つ以上の特定の条件が満たされた場合にのみ、例えば、濃厚物質搬送システムの動作中に優勢な風速を超えている場合に、例えば、各場合において、予め決定された方向に予め決定された値だけ段階的に位置を適合させることができるように、1つ以上のさらなる力に依存すると考えられる。作用線の位置は、作用方向、および/または受信ユニットによって受信され、力を示す動作情報のうちの1つ以上の項目、好ましくはすべての項目の値に依存することも考えられる。
【0026】
例えば、安定性範囲は、超過したときに支持構造体の安定性がもはやもたらされない最小値を有する距離リザーブとして説明することができる。したがって、構成要素の任意の移動は、例えば濃厚物質分配器ブームのブームアームを遠位方向に偏向させるときに距離リザーブの減少、または、同じように例えばブームアームを近位方向に偏向させるときに距離リザーブの増加につながり得る。距離リザーブが使い果たされた場合、最大安定性パラメータが存在し、安定性範囲の上限に達する。関連する構成要素の動作が、距離リザーブが増加することが予想されるようなものである場合、そのような動作は、任意選択で、低速で行うことができる。
【0027】
制御ユニットは、例えば有線または無線信号出力などの制御信号を出力するために対応する手段を備える。上述のように制御信号を出力することによって、制御ユニットは、濃厚物質搬送システムの少なくとも1つの構成要素を作動させ、構成要素の動作パラメータに作用することができ、特に第1の制御信号の出力によって、少なくとも1つの支持脚の再固定を抑制することができる。さらなる制御信号の任意選択の出力は、第1の制御信号の出力の代わりにまたはそれに加えて行うことができる。
【0028】
例えば、受信ユニットは、ブームアームの関節トルク、濃厚物質搬送システムのブームアームのシリンダ力、少なくとも1つのブームアームの傾斜角、ブームアームの少なくとも1つのアクチュエータのアクチュエータ力、ブームアームの少なくとも1つのアクチュエータの動作速度、濃厚物質分配器ブームの荷重取付け点にかかる荷重重量、旋回ギヤの回転速度、濃厚物質搬送システムの傾斜角、濃厚物質搬送システムの掘削、少なくとも1つの支持脚の位置、ならびに/または少なくとも1つの支持脚の水平および/もしくは垂直脚力を示す動作情報を受信するように設計されている。
【0029】
ブームアームの関節トルクは、そのブーム関節に作用するトルクである。これは、とりわけ、ブーム構成体の総重量、風荷重、現在搬送されている濃厚物質の重量、またはさらにはブームピーク荷重に対応するブーム構成体の第1のブームアームの遠位端に作用する重量に依存するトルクを表す。関節トルクは、例えば、ブームアームのアクチュエータに作用するシリンダ力またはブームアームのアクチュエータに作用するシリンダ圧力を、例えばそれぞれの関節角度の測定値などの1つ以上の測定値と組み合わせて測定することによって測定することができる。例えば、ブームアームの関節トルクは、それぞれのブームアームのブーム関節のシリンダ力および関節角度から伝達関数によって計算することができる。ブームアームの傾斜角は、絶対傾斜角、すなわち垂直方向に対するブームアームの位置の角度、または相対傾斜角、すなわち2つの、特に隣接するブームアームの傾斜角間の差分角度であり得る。したがって、最後の場合では、差分角度は、遠位ブームアームの開き角度に対応する。荷重重量は、荷重取付け点に作用する重量力に対応する。濃厚物質搬送システムの傾斜角は、垂直方向に対する濃厚物質搬送システムの角度を意図している。掘削は、濃厚物質搬送システムがその支持構造体、例えば支持構造体の支持脚によって支持されたときに存在する。さらに、考察中の掘削は、例えば、掘削の高さに基づいてさらに特徴付けることができる。少なくとも1つの支持脚の位置は、典型的にはフットプリントの形状に大きな影響を及ぼすため、安定性パラメータを決定するために特に重要である。特に、それぞれの現在の動作状態における支持脚のフットプリントの水平距離の値および/または方向は、格納状態のゼロ位置に対して考慮される。追加的に、垂直距離も特徴付けられ考慮され得る。また、脚位置センサをGPSセンサとして設計することも考えられる。水平または垂直脚力は、支持脚に作用する水平または垂直力を意味すると理解されることが意図されている。
【0030】
さらに例示的な動作情報は、充填されたおよび/または充填されていないコンベヤパイプを有するすべてのブームアームの重量、すべてのブームアームの重心の位置、追加の荷重の重量、追加の重量取付け点の位置、ブームアームに作用する風力、すべてのブームアームの風エリアの中心の位置、下部構造体の重量、下部構造体の重心の位置、ならびに格納状態および/または拡張状態における支持脚のフットプリントの位置を示す。
【0031】
濃厚物質搬送システムの安定性パラメータは、これらの特性に基づいて確実に決定することができる。これにより、今度は、濃厚物質搬送システムの安定性について信頼できる記述を行うことが可能になる。
【0032】
一実施形態によれば、制御ユニットは、決定された安定性パラメータが再固定閾値を下回る場合に第2の制御信号を出力するように設計されており、第2の制御信号の出力は、少なくとも1つの支持脚の再固定を可能にする。例えば、第2の制御信号の出力によって、制御ユニットは、再固定に必要な濃厚物質搬送システムの構成要素、すなわち、特に支持脚およびそのアクチュエータが再固定プロセスのために提供されることを可能にし得る。
【0033】
したがって、濃厚物質搬送システムに必要な安定性が提供または回復された場合、濃厚物質搬送システムを再固定する可能性が維持されることが達成され得る。したがって、例えば予め決定された最大回数の再固定プロセスなどの、可能な再固定プロセスの一般の、任意選択的に状況に依存しない制限が必要とされることなく、安定性が維持されることが保証され得る。
【0034】
好ましくは、制御ユニットは、決定された安定性パラメータがスイッチオフ閾値を上回る場合に第3の制御信号を出力するように設計されており、第3の制御信号の出力により、濃厚物質分配器ブームの正しい動作が設定される。例えば、第3の制御信号の出力は、ブームアームのアクチュエータをそれぞれの現在位置に留まらせることができる。第3の制御信号の出力後に、例えば受信ユニットのユーザインターフェース上の対応するユーザ入力または受信ユニットの通信インターフェース上の対応する確認メッセージの形態で、受信ユニット上で確認を受信することが、濃厚物質分配器ブームのさらなる動作のために必要とされることが考えられる。
【0035】
追加の安全レベルは、第3の制御信号の出力後に正しい動作を設定することによって実装され得る。例えば、濃厚物質分配器ブームのいかなる動作も抑制することが可能であるか、あるいは、濃厚物質搬送システムの安定性が損なわれるような動作、すなわち、決定される安定性パラメータが最大安定性パラメータにより近い動作のみを抑制することが可能である。
【0036】
代替的または追加的に、受信ユニットは、少なくとも1つの支持脚の水平位置および/または垂直位置を示す動作情報を受信するように設計されており、処理ユニットは、少なくとも1つの支持脚の水平位置および/または垂直位置を示す動作情報に応じて、再固定閾値および/またはスイッチオフ閾値を決定するように設計されている。
【0037】
少なくとも1つの支持脚の位置は、典型的には濃厚物質搬送システムのフットプリントの形状に大きな影響を及ぼすため、安定性パラメータの決定にとって特に重要であるため、この動作情報に依存する再固定閾値および/またはスイッチオフ閾値の決定は特に効果的であり得る。例えば、再固定閾値および/またはスイッチオフ閾値は、格納状態のゼロ位置に対するそれぞれの現在の動作状態における支持脚のフットプリントの水平距離の値および/または方向に応じて決定することができる。水平距離の値がより小さい場合、フットプリントに対する支持脚位置の影響は、水平距離がより大きい場合よりも小さいため、再固定閾値および/またはスイッチオフ閾値は、例えば、値がより大きい場合よりも最大安定性パラメータにより近くなるように決定することができる。
【0038】
再固定閾値および/またはスイッチオフ閾値は、再固定プロセスに従っておよび再固定プロセス中に安定性パラメータの予測される変化の特徴である予測情報の少なくとも1つの項目に応じてさらに決定されることも考えられる。簡略化された方法では、この目的のために安定性パラメータが予測され得、再固定される支持脚はゼロ位置にあり、水平方向にも垂直方向にも拡張せず、垂直方向の脚力は存在しないと仮定する。予測される変化は、決定された安定性パラメータと予測された安定性パラメータとを比較することによって結論付けることができる。例えば、予測される変化が小さい場合、再固定閾値および/またはスイッチオフ閾値は、予測される変化が大きい場合よりも最大安定性パラメータにより近くなるように決定することができる。
【0039】
これにより、再固定閾値および/またはスイッチオフ閾値の動的かつ状況適応的な決定が可能になり、その結果、制御ユニットは、現在の動作状態に対して再固定閾値および/またはスイッチオフ閾値の最適化された値を常に考慮することができる。その結果、濃厚物質搬送システムをより効率的に動作させることができる。
【0040】
さらなる実施形態では、少なくとも1つの支持脚は、繰り返し、好ましくは最大4回、再固定することができる。
【0041】
繰り返し再固定するオプションにより、変更可能なシナリオであっても、実質的に中断することなく、濃厚物質搬送システムの搬送動作を継続する可能性を開く。例えば、継続的な動作は、時間の経過とともに沈下する基板上かまたは風が強まる場合でも達成することができる。さらに、進行中の動作からの濃厚物質分配器ブームの作業範囲の自発的に必要とされる計画されていない拡大は、濃厚物質搬送システムを再位置決めすることなく、繰り返し再固定することによって可能にすることができる。
【0042】
同時に、再固定プロセスの最大回数を固定することが有利である。このようにして、濃厚物質搬送システムの位置決めの監視は、少なくとも実行された予め決定された回数の再固定プロセスに従って要求され得、これは、濃厚物質搬送システムを動作させるときの追加の監視機会を意味し、動作の信頼性をさらに高める。実際には、最大4回の再固定プロセスが有利であることが判明している。
【0043】
さらに、受信ユニットは、下部構造体の傾斜角を示す動作情報を受信するように設計され得、処理ユニットは、下部構造体の傾斜角を示す受信された動作情報に応じて、再固定プロセスの最大許容回数を決定するように設計され得、制御ユニットは、実行された再固定プロセスの回数が最大許容回数に対応する場合に第1の制御信号を出力するように設計され得る。
【0044】
濃厚物質搬送システムの全体的な重心とそのフットプリントとの間の比、したがって安定性もまた、下部構造体の傾斜角によって大きく影響される。全体的な重心とフットプリントとの間の比に対する再固定プロセスの影響は、下部構造体の傾斜角にも依存する。したがって、下部構造体の傾斜角に応じて許可される再固定プロセスの最大回数を決定することが有利である。
【0045】
好適には、処理ユニットは、下部構造体(30)の傾斜角を示す動作情報が最大1°の値を有する傾斜角を特徴付ける場合に再固定プロセスの最大許容回数を4回と決定するように設計されており、かつ/または処理ユニットは、下部構造体の傾斜角を示す動作情報が最大2°の値を有する傾斜角を特徴付ける場合に再固定プロセスの最大許容回数を3回と決定するように設計されており、かつ/または処理ユニットは、下部構造体の傾斜角を示す動作情報が最大2.5°の値を有する傾斜角を特徴付ける場合に再固定プロセスの最大許容回数を2回と決定するように設計されており、かつ/または処理ユニットは、下部構造体(30)の傾斜角を示す動作情報が最大3°の値を有する傾斜角を特徴付ける場合に再固定プロセスの最大許容回数を1回と決定するように設計されている。
【0046】
これらの値が実際には特に有利であることが判明している。
【0047】
1つの例示的な実施形態によれば、受信ユニットは、動作情報を検出するためのセンサユニット、動作情報を検出するための通信インターフェース、または動作情報を検出するためのユーザインターフェースを備える。
【0048】
センサユニットを使用することによって、受信ユニットは、ユーザ入力とは無関係に自動的に動作情報を検出することができる。センサユニットは、同じまたは異なるタイプの1つ以上のセンサを備え得る。例示的なセンサは、力覚および圧力センサ(例えば、ブームアームのブーム関節のシリンダ力、ブームアームのアクチュエータに作用する力、もしくはエンドホースの荷重を検出するため)、測位センサ(例えば、GPS、GLONASS、もしくはGalileoなどの衛星支援型測位システムのセンサ)、位置センサ(例えば、ブームアームの傾斜角を検出するための水準器もしくは傾斜センサシステム)、電気センサ(例えば、誘導センサ)、光学センサ(例えば、レーザセンサもしくは2Dスキャナ)、または例えば搬送される濃厚物質の密度を検出するための音響センサ(例えば、超音波センサ)である。同様に、センサユニットの複数のセンサの協働によっても動作情報を検出することができる。
【0049】
代替的または追加的に、それぞれの受信ユニットはまた、当業者に知られている方法で(例えば、外部で)検出された動作情報を受信ユニットによって受信することができる1つ以上の(例えば、無線)通信インターフェースを備え得る。
【0050】
動作情報を検出するためのユーザインターフェースが設けられる場合、これは、例えば、少なくとも1つのボタン、キーパッド、キーボード、マウス、ディスプレイユニット(例えば、ディスプレイ)、マイクロフォン、タッチセンサ式ディスプレイユニット(例えば、タッチスクリーン)、カメラ、および/またはタッチセンサ式表面(例えば、タッチパッド)として構成することができる。例えば、動作情報は、ユーザインターフェース上のユーザ入力を検出することによって受信される。
【0051】
本発明によれば、濃厚物質を搬送するための濃厚物質ポンプ、搬送される濃厚物質を分配するための濃厚物質分配器ブームであって、濃厚物質分配器ブームが、少なくとも2つのブームアームを備えるブーム構成体を有する濃厚物質分配器ブーム、下部構造体であって、濃厚物質分配器ブームおよび濃厚物質ポンプが、下部構造体上に配置されており、下部構造体が、少なくとも1つの水平方向および/または垂直方向に移動可能な支持脚を用いて下部構造体を支持するための支持構造体を備え、支持構造体が、最大安定性パラメータによって定義された上限と再固定閾値とを有する安定性範囲を有し、少なくとも1つの支持脚が、再固定されることが可能である、下部構造体、を備え、かつ受信ユニット、処理ユニット、および制御ユニットを備える濃厚物質搬送システムを動作させるための方法も開示され、方法は、以下の、受信ユニットによって、動作情報のうちの少なくとも1項目を受信するステップと、処理ユニットによって、濃厚物質搬送システムの安定性パラメータを、受信された動作情報のうちの少なくとも1項目に応じて決定するステップと、制御ユニットによって、濃厚物質搬送システムの決定された安定性パラメータが再固定閾値を上回る場合に少なくとも1つの支持脚の再固定を抑制するための第1の制御信号を出力するステップと、を含み、第1の制御信号を出力するステップは、少なくとも1つの支持脚の再固定を抑制する。
【0052】
一実施形態では、方法は、制御ユニットによって、決定された安定性パラメータが再固定閾値を下回る場合に第2の制御信号を出力するステップをさらに含み、第2の制御信号を出力するステップは、少なくとも1つの支持脚の再固定を可能にする。
【0053】
さらなる実施形態では、方法は、制御ユニットによって、決定された安定性パラメータがスイッチオフ閾値を上回る場合に第3の制御信号を出力するステップをさらに含み、第3の制御信号を出力するステップにより、濃厚物質分配器ブームの正しい動作が設定される。
【0054】
方法のさらに有利な発展形態のより詳細な説明については、上述した濃厚物質搬送システムの発展形態を参照する。
【0055】
本発明はまた、コンピュータプログラムがプロセッサ上で実行されたときにプロセッサに本発明による方法を実行および/または制御させるためのプログラム命令を有するコンピュータプログラムを含む。本発明によるコンピュータプログラムは、例えば、コンピュータ可読データキャリアに格納されている。
【0056】
上述の実施形態および設計は、単なる例として理解されるべきであり、決して本発明を限定することを意図するものではない。
【0057】
本発明は、添付の図面を参照して、有利な実施形態に基づいて、例として以下により詳細に説明される。
【図面の簡単な説明】
【0058】
【
図1】本発明による濃厚物質搬送システムの例示的な実施形態の概略図を側面図で示す。
【
図2】本発明による濃厚物質搬送システムの例示的な実施形態の概略図を平面図で示す。
【
図3】本発明による方法の例示的な実施形態の概略フロー図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0059】
濃厚物質を搬送するための濃厚物質ポンプ16と、搬送される濃厚物質を分配するための濃厚物質分配器ブーム18と、を備える濃厚物質搬送システム10が、各場合における
図1および
図2に示されており、濃厚物質分配器ブーム18は、垂直軸線を中心に回転させられ得る旋回ギヤ19と、ブームアーム41を備えるブーム構成体40と、有する。ブーム構成体40を介して延在しかつ濃厚物質ポンプ16に接続された、コンベヤパイプ17も示されている。
【0060】
さらに、濃厚物質搬送システム10は、その上に濃厚物質分配器ブーム18および濃厚物質ポンプ16が配置された下部構造体30を備える。下部構造体30は、4つの支持脚32を用いて下部構造体30を支持するための支持構造体31を有する。下部構造体30は、車両33上に配置された例として示されている。
【0061】
さらに、受信ユニット11、処理ユニット12、および制御ユニット13が設けられている。受信ユニット11は、動作情報のうちの少なくとも1項目を受信するように設計されている。例えば、この目的のために、受信ユニットは、センサユニットを有し得、センサユニットは今度は例として、それぞれの支持脚32の位置を示す動作情報を検出する少なくとも1つのセンサ113を各支持脚32に有し得る。
【0062】
受信された動作情報のうちの少なくとも1項目、すなわち、例えば支持脚32の位置を示す検出された動作情報に応じて、処理ユニット12は、濃厚物質搬送システム10の安定性パラメータを決定する。このようにして決定された安定性パラメータは、安定性範囲内にあり、その再固定閾値は予め決定されている。任意選択で、スイッチオフ閾値も予め決定することができる。さらに任意選択で、再固定閾値および/またはスイッチオフ閾値は、少なくとも1つの支持脚の水平位置および/または垂直位置を示す受信された動作情報に応じて決定することもできる。
【0063】
処理ユニット12が再固定閾値を下回る安定性パラメータを決定した場合、制御ユニット13は第1の制御信号を出力する。第1の制御信号により、支持構造体31の少なくとも1つの支持脚32、例えばすべての支持脚32の再固定が抑制される。しかしながら、例えばそれぞれの支持脚32の水平位置に応じて、支持脚32の各々について個別の再固定閾値が考慮されることも考えられる。例として、支持構造体31のすべての支持脚32を繰り返し再固定することができる。
【0064】
図2に示す濃厚物質搬送システム10は、4つの先端縁51、52、53、54を有する。先端縁51、52、53、54は、特に支持脚32の位置によって画定される。少なくとも、濃厚物質搬送システム10の全体的な重心に作用する重量力を考慮した作用線の、フットプリントの先端縁51、52、53、54からの距離が大きいほど、その安定性は大きくなる。先端縁51、52、53、54によって画定される表面積は、フットプリントを表す。濃厚物質搬送システム10の全体的な重心が、例えば、濃厚物質分配器ブーム18の特に広範な水平方向の偏向によってフットプリントの縁、すなわち先端縁51、52、53、54のうちの1つに接近する場合、またはブーム構成体40を介して延在するコンベヤパイプ17を通して特に重い濃厚物質を搬送しているとき、濃厚物質搬送システム10の安定性は低下する。作用線がもはやフットプリント内に延びていない場合、先端縁51、52、53、54のうちの1つからの作用線の距離はゼロ未満であり、濃厚物質搬送システムの安定性はもはやもたらされない。
【0065】
図3は、濃厚物質搬送システム10を動作させるための方法100の例示的な実施形態のフロー図を示している。
【0066】
方法ステップ101において、受信ユニット11は、動作情報のうちの少なくとも1項目を受信する。上記で選択された例と同様に、この動作情報は、支持脚32の水平位置を示し、例えば、格納状態のゼロ位置に対する現在の動作状態における支持脚32のフットプリントの水平距離の値および方向を特徴付けることが意図されている。
【0067】
ステップ101において受信されたこの動作情報および/またはさらなる動作情報に応じて、処理ユニット12は、ステップ102において、下部構造体30の、したがって濃厚物質搬送システム10の安定性パラメータを決定する。
【0068】
次に、ステップ103において、制御ユニット13は、決定された安定性パラメータが支持構造体31の安定性範囲の再固定閾値を上回る場合に第1の制御信号を出力する。第1の制御信号の出力により、支持脚32の再固定が抑制される。
【0069】
任意選択で、ステップ104において、制御ユニット13は、ステップ102で決定された安定性パラメータが再固定閾値を下回る場合に第2の制御信号を出力することができる。第2の制御信号の出力により、支持脚32の再固定が可能となる。
【0070】
さらに任意選択で、ステップ105において、制御ユニット13は、決定された安定性パラメータが支持構造体31の安定性範囲のスイッチオフ閾値を上回る場合に第3の制御信号を出力することができる。第3の制御信号の出力により、支持脚32の再固定が可能となる。
【0071】
本明細書に記載された本発明の実施形態、およびこれに関してそれぞれ記述された任意の特徴および特性はまた、互いにすべての組合せで開示されていると理解されることを意図する。特に、実施形態によって包含される特徴の説明は、別段に明記されない限り、この場合、特徴が実施形態の機能に必須または不可欠であるように理解されることを意図しない。
【手続補正書】
【提出日】2024-05-28
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
濃厚物質搬送システム(10)であって、
濃厚物質を搬送するための濃厚物質ポンプ(16)と、
搬送される前記濃厚物質を分配するための濃厚物質分配器ブーム(18)であって、前記濃厚物質分配器ブーム(18)が、少なくとも2つのブームアーム(41)を備えるブーム構成体(40)を有する濃厚物質分配器ブーム(18)と、
下部構造体(30)であって、前記濃厚物質分配器ブーム(18)および前記濃厚物質ポンプ(16)が、前記下部構造体(30)上に配置されており、前記下部構造体(30)が、少なくとも1つの水平方向および/または垂直方向に移動可能な支持脚(32)を用いて前記下部構造体(30)を支持するための支持構造体(31)を備え、前記支持構造体(31)が、最大安定性パラメータによって定義された上限と再固定閾値とを有する安定性範囲を有し、前記少なくとも1つの支持脚(32)が、再固定されることが可能である、下部構造体(30)と、
動作情報のうちの少なくとも1項目を受信するための受信ユニット(11)と、
受信された前記動作情報のうちの少なくとも1項目に応じて前記濃厚物質搬送システム(10)の安定性パラメータを決定するための処理ユニット(12)と、
前記濃厚物質搬送システム(10)の前記決定された安定性パラメータが前記再固定閾値を上回っている場合に第1の制御信号を出力するための制御ユニット(13)であって、前記第1の制御信号を前記出力することが、前記少なくとも1つの支持脚(32)の再固定を抑制する、制御ユニット(13)と、
を備える、濃厚物質搬送システム(10)。
【請求項2】
前記制御ユニット(13)が、前記決定された安定性パラメータが前記再固定閾値を下回る場合に第2の制御信号を出力するようにさらに設計されており、前記第2の制御信号の前記出力が、前記少なくとも1つの支持脚(32)の前記再固定を可能にする、請求項1に記載の濃厚物質搬送システム(10)。
【請求項3】
前記制御ユニット(13)が、前記決定された安定性パラメータがスイッチオフ閾値を上回る場合に第3の制御信号を出力するようにさらに設計されており、前記第3の制御信号の前記出力により、前記濃厚物質分配器ブーム(18)の正しい動作が設定される、請求項1または2に記載の濃厚物質搬送システム(10)。
【請求項4】
前記受信ユニット(11)が、前記少なくとも1つの支持脚の水平位置および/または垂直位置を示す動作情報を受信するように設計されており、前記処理ユニット(12)が、前記少なくとも1つの支持脚の前記水平位置および/または前記垂直位置を示す前記動作情報に応じて、前記再固定閾値および/またはスイッチオフ閾値を決定するように設計されている、請求項1
または2に記載の濃厚物質搬送システム(10)。
【請求項5】
前記少なくとも1つの支持脚(32)が、繰り返
し再固定されることが可能である、請求項1
または2に記載の濃厚物質搬送システム(10)。
【請求項6】
前記受信ユニット(11)が、前記下部構造体(30)の傾斜角を示す動作情報を受信するように設計されており、前記処理ユニット(12)が、前記下部構造体(30)の前記傾斜角を示す前記受信された動作情報に応じて、再固定プロセスの最大許容回数を決定するように設計されており、前記制御ユニット(13)が、実行された再固定プロセスの回数が前記最大許容回数に対応する場合に前記第1の制御信号を出力するように設計されている、請求項5に記載の濃厚物質搬送システム(10)。
【請求項7】
前記処理ユニット(12)が、前記下部構造体(30)の前記傾斜角を示す前記動作情報が最大1
°の値を有する傾斜角を特徴付ける場合に再固定プロセスの最大許容回数を4回と決定するように設計されており、かつ/または前記処理ユニットが、前記下部構造体(30)の前記傾斜角を示す前記動作情報が最大2°の値を有する傾斜角を特徴付ける場合に再固定プロセスの最大許容回数を3回と決定するように設計されており、かつ/または前記処理ユニット(12)が、前記下部構造体(30)の前記傾斜角を示す前記動作情報が最大2.5°の値を有する傾斜角を特徴付ける場合に再固定プロセスの最大許容回数を2回と決定するように設計されており、かつ/または前記処理ユニット(12)が、前記下部構造体(30)の前記傾斜角を示す前記動作情報が最大3°の値を有する傾斜角を特徴付ける場合に再固定プロセスの最大許容回数を1回と決定するように設計されている、請求項6に記載の濃厚物質搬送システム(10)。
【請求項8】
前記受信ユニット(11)が、
前記ブームアーム(41)のうちの少なくとも1つの関節トルク、
前記ブームアーム(41)のうちの少なくとも1つのシリンダ力、
少なくとも1つのブームアーム(41)の傾斜角、
ブームアーム(41)の少なくとも1つのアクチュエータのアクチュエータ力、
ブームアーム(41)の少なくとも1つのアクチュエータの動作速度、
前記濃厚物質分配器ブーム(18)の荷重取付け点にかかる荷重重量、
旋回ギヤ(19)の回転速度、
前記下部構造体(30)の傾斜角、
前記少なくとも1つの支持脚(32)の位置、
前記少なくとも1つの支持脚(32)の水平脚力、および
前記少なくとも1つの支持脚(32)の垂直脚力
の特性のうちの1つを示す動作情報を受信するように設計されている、請求項1
または2に記載の濃厚物質搬送システム(10)。
【請求項9】
前記受信ユニット(11)が、
動作情報を検出するためのセンサユニット、
動作情報を検出するための通信インターフェース、または
動作情報を検出するためのユーザインターフェース
をさらに備える、請求項1
または2に記載の濃厚物質搬送システム(10)。
【請求項10】
前記下部構造体(30)が、車両(33)上に配置されている、請求項1
または2に記載の濃厚物質搬送システム(10)。
【請求項11】
濃厚物質搬送システム(10)を動作させるための方法(100)であって、前記濃厚物質搬送システム(10)が、濃厚物質を搬送するための濃厚物質ポンプ(16)と、搬送される前記濃厚物質を分配するための濃厚物質分配器ブーム(18)であって、前記濃厚物質分配器ブーム(18)が、少なくとも2つのブームアーム(41)を備えるブーム構成体(40)を有する濃厚物質分配器ブーム(18)と、下部構造体(30)であって、前記濃厚物質分配器ブーム(18)および前記濃厚物質ポンプ(16)が、前記下部構造体(30)上に配置されており、前記下部構造体(30)が、少なくとも1つの水平方向および/または垂直方向に移動可能な支持脚(32)を用いて前記下部構造体(30)を支持するための支持構造体(31)を備え、前記支持構造体(31)が、最大安定性パラメータによって定義された上限と再固定閾値とを有する安定性範囲を有し、前記少なくとも1つの支持脚(32)が、再固定されることが可能である、下部構造体(30)と、を備え、かつ前記濃厚物質搬送システム(10)が、受信ユニット(11)、処理ユニット(12)、および制御ユニット(13)を備え、前記方法が、
前記受信ユニット(11)によって、動作情報のうちの少なくとも1項目を受信するステップ(101)と、
前記処理ユニット(12)によって、前記濃厚物質搬送システム(10)の安定性パラメータを、受信された前記動作情報のうちの少なくとも1項目に応じて決定するステップ(102)と、
前記制御ユニット(13)によって、前記濃厚物質搬送システム(10)の前記決定された安定性パラメータが前記再固定閾値を上回る場合に前記少なくとも1つの支持脚(32)の再固定を抑制するための第1の制御信号を出力するステップ(103)と、
を含む、方法(100)。
【請求項12】
前記制御ユニット(13)によって、前記決定された安定性パラメータが前記再固定閾値を下回る場合に第2の制御信号を出力するステップ(104)をさらに含み、前記第2の制御信号を出力するステップが、前記少なくとも1つの支持脚(32)の前記再固定を可能にする、
請求項11に記載の方法(100)。
【請求項13】
前記制御ユニット(13)によって、前記決定された安定性パラメータがスイッチオフ閾値を上回る場合に第3の制御信号を出力するステップ(105)をさらに含み、前記第3の制御信号の前記出力により、前記濃厚物質
分配器ブーム(18)の正しい動作が設定される、
請求項11または12に記載の方法(100)。
【国際調査報告】