(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-10-23
(54)【発明の名称】デジタルタブレット及びスタイラスを使用して中枢神経系機能を評価するための計算論的手法
(51)【国際特許分類】
A61B 10/00 20060101AFI20241016BHJP
A61B 5/11 20060101ALI20241016BHJP
A61B 5/22 20060101ALI20241016BHJP
【FI】
A61B10/00 H
A61B5/11 230
A61B5/22 220
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024519659
(86)(22)【出願日】2022-09-29
(85)【翻訳文提出日】2024-05-24
(86)【国際出願番号】 US2022045216
(87)【国際公開番号】W WO2023055924
(87)【国際公開日】2023-04-06
(32)【優先日】2021-09-29
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
(71)【出願人】
【識別番号】523108500
【氏名又は名称】ライナス ヘルス,インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100114775
【氏名又は名称】高岡 亮一
(74)【代理人】
【識別番号】100121511
【氏名又は名称】小田 直
(74)【代理人】
【識別番号】100202751
【氏名又は名称】岩堀 明代
(74)【代理人】
【識別番号】100208580
【氏名又は名称】三好 玲奈
(74)【代理人】
【識別番号】100191086
【氏名又は名称】高橋 香元
(72)【発明者】
【氏名】ラントン,ジョン
(72)【発明者】
【氏名】ベイツ,デビッド
(72)【発明者】
【氏名】トビーン,ショーン
(72)【発明者】
【氏名】ゴメス-オスマン,ジョイス
(72)【発明者】
【氏名】パスクアル-レオン,アルバロ
(72)【発明者】
【氏名】ジャンナティー,アリ
(72)【発明者】
【氏名】ダムネ,サミール
【テーマコード(参考)】
4C038
【Fターム(参考)】
4C038VA04
4C038VB12
4C038VB13
(57)【要約】
デジタルタブレット及びスタイラスを使用してCNS機能を評価するための計算論的手法が提供される。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
参加者の筆圧を予測する、コンピュータで実施される方法であって、
(a)前記参加者によるタスクの実行から取り込まれた入力データを受信することであって、前記タスクは、スタイラスを使用してコンピュータディスプレイ上でアイテムの描画を作成することを含み、前記入力データは、(i)前記描画が作成される際に所与のレートで収集される、前記コンピュータディスプレイ上の描画上の点のタイムスタンプ付きX及びY座標を含む描画データ、及び(ii)前記各点に関連付けられた前記スタイラスの先端圧力、高度、及び方位角を含むスタイラスデータを含む、入力データを受信すること、
(b)前記入力データを処理して、導出メトリクスを生成すること、及び
(c)前記導出メトリクスを事前トレーニングされた機械学習モデルに提供して、前記参加者の前記筆圧を推定すること、
を含む方法。
【請求項2】
前記タスクは時計描画テストである、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記時計描画テストは、時間の数字、短針、長針、秒針、時計の文字盤の輪郭、及び時計の文字盤の中心点のうちの1つ又は複数の描画を含む、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記導出メトリクスは、前記時計描画テストで描画された時計の文字盤の各4半分のストロークの平均圧力、及び前記4半分のうちの少なくとも2つ間の圧力の差を含む、請求項2に記載の方法。
【請求項5】
前記筆圧は、握力又はピンチ力を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記筆圧は、前記参加者の運動能力又は認知能力を示す、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
前記筆圧は、前記参加者のフレイルを示す、請求項1に記載の方法。
【請求項8】
前記入力データを処理して、導出メトリクスを生成することは、前記描画を構成する1つ又は複数のストロークを識別するべく、コンピュータビジョンアルゴリズムを使用して前記描画データを処理及び分類することを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項9】
前記導出メトリクスは、前記1つ又は複数のストロークの速度、前記1つ又は複数のストロークのサイズ、及び描画コンポーネントの位置のうちの少なくとも1つを含む、請求項8に記載の方法。
【請求項10】
前記参加者の前記推定された筆圧を医療専門家にほぼリアルタイムで出力することをさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項11】
1つ又は複数のコンピューティングデバイスによって実行されるときに前記1つ又は複数のコンピューティングデバイスに参加者の筆圧を予測する方法を実行させる命令を記憶する一時的でないコンピュータ可読媒体であって、前記方法は、
前記参加者によるタスクの実行から取り込まれた入力データを受信することであって、前記タスクは、スタイラスを使用してコンピュータディスプレイ上でアイテムの描画を作成することを含み、前記入力データは、(i)前記描画が作成される際に所与のレートで収集される、前記コンピュータディスプレイ上の描画上の点のタイムスタンプ付きX及びY座標を含む描画データ、及び(ii)前記各点に関連付けられた前記スタイラスの先端圧力、高度、及び方位角を含むスタイラスデータを含む、入力データを受信すること、
前記入力データを処理して、導出メトリクスを生成すること、及び
前記導出メトリクスを事前トレーニングされた機械学習モデルに提供して、前記参加者の前記筆圧を推定すること、
を含む、一時的でないコンピュータ可読媒体。
【請求項12】
前記タスクは時計描画テストである、請求項11に記載の一時的でないコンピュータ可読媒体。
【請求項13】
前記時計描画テストは、時間の数字、短針、長針、秒針、時計の文字盤の輪郭、及び時計の文字盤の中心点のうちの1つ又は複数の描画を含む、請求項12に記載の一時的でないコンピュータ可読媒体。
【請求項14】
前記導出メトリクスは、前記時計描画テストで描画された時計の文字盤の各4半分のストロークの平均圧力、及び前記4半分のうちの少なくとも2つ間の圧力の差を含む、請求項12に記載の一時的でないコンピュータ可読媒体。
【請求項15】
前記筆圧は、握力又はピンチ力を含む、請求項11に記載の一時的でないコンピュータ可読媒体。
【請求項16】
前記筆圧は、前記参加者の運動能力又は認知能力を示す、請求項11に記載の一時的でないコンピュータ可読媒体。
【請求項17】
前記筆圧は、前記参加者のフレイルを示す、請求項11に記載の一時的でないコンピュータ可読媒体。
【請求項18】
前記入力データを処理して、導出メトリクスを生成することは、前記描画を構成する1つ又は複数のストロークを識別するべく、コンピュータビジョンアルゴリズムを使用して前記描画データを処理及び分類することを含む、請求項12に記載の一時的でないコンピュータ可読媒体。
【請求項19】
前記導出メトリクスは、前記1つ又は複数のストロークの速度、前記1つ又は複数のストロークのサイズ、及び描画コンポーネントの位置のうちの少なくとも1つを含む、請求項18に記載の一時的でないコンピュータ可読媒体。
【請求項20】
参加者の筆圧を予測するためのシステムであって、
前記参加者の前記筆圧を予測するための命令を記憶するデータ記憶装置と、
方法を実施する命令を実行するように構成されたプロセッサと、
を含み、前記方法は、
前記参加者によるタスクの実行から取り込まれた入力データを受信することであって、前記タスクは、スタイラスを使用してコンピュータディスプレイ上でアイテムの描画を作成することを含み、前記入力データは、(i)前記描画が作成される際に所与のレートで収集される、前記コンピュータディスプレイ上の前記描画上の点のタイムスタンプ付きX及びY座標を含む描画データ、及び(ii)前記各点に関連付けられた前記スタイラスの先端圧力、高度、及び方位角を含むスタイラスデータを含む、入力データを受信すること、
入力データを処理して、導出メトリクスを生成すること、及び
前記導出メトリクスを事前トレーニングされた機械学習モデルに提供して、前記参加者の前記筆圧を推定すること、
を含む、システム。
【請求項21】
参加者のフレイルを評価する、コンピュータで実施される方法であって、
(a)前記参加者によるタスクの実行から取り込まれた入力データを受信することであって、前記タスクは、スタイラスを使用してコンピュータディスプレイ上でアイテムの描画を作成することを含み、前記入力データは、(i)前記描画が作成される際に所与のレートで収集される、前記コンピュータディスプレイ上の前記描画上の点のタイムスタンプ付きX及びY座標を含む描画データ、及び(ii)前記各点に関連付けられた前記スタイラスの先端圧力、高度、及び方位角を含むスタイラスデータを含む、入力データを受信すること、
(b)前記入力データを処理して、導出メトリクスを生成すること、及び
(c)前記導出メトリクスを事前トレーニングされた機械学習モデルに提供して、前記参加者の前記筆圧を推定し、前記参加者の前記フレイルを予測すること、
を含む方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願への相互参照
本出願は、参照により本明細書に組み込まれる「COMPUTATIONAL APPROACHES TO ASSESSING CNS FUNCTIONALITY USING A DIGITAL TABLET AND STYLUS」という名称の2021年9月29日に出願された米国特許仮出願第63/250,066号に基づく優先権を主張するものである。
【0002】
本開示の実施形態は、中枢神経系(CNS)機能の評価に関し、より詳細には、デジタルタブレット及びスタイラスを使用してCNS機能を評価するための計算論的手法に関する。
【背景技術】
【0003】
神経疾患は、現代の最も重大な社会的課題の1つである。2011年の時点で、1億人に近いアメリカ人が神経障害を患っていた。神経障害は、個人、家族、及びヘルスケアシステムにとって多大な障害及びコストの原因になる。2014年には、最も多くみられる9つの神経障害(アルツハイマー病[AD]及び他の認知症、慢性腰痛、脳卒中、外傷性脳損傷、てんかん、多発性硬化症、外傷性脊髄損傷、及びパーキンソン病[PD])に関連した年間経済的負担は、米国だけで7,890億ドルであった。神経障害は、高齢者になるとさらに多くみられるため、現在の人口統計推移パターンでは指数関数的に増加し続けると予想される。今後10年間だけで、米国では高齢者がさらに1,700万人増加し、合計7300万人に達するであろう。この現象は、より広範な世界的影響をもっており、2050年までに世界の高齢者人口は2015年の2倍になり、2050年までに総人口の8.5%から16.7%となる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
現在の事後対応モデルのヘルスケアでは、臨床専門家へのアクセスが限られており、診断及び治療の軌道に遅れが生じることが多い。したがって、神経疾患の有病率の増加によって生じる課題にうまく対応するには、早期発見と、これらの高まる需要を満たすべくスケール変更可能な、対象を絞ったパーソナライズされた介入のタイムリーな展開を特徴とする事前対応モデルへの移行が必要となる。このため、技術のスクリーニング及び評価方法は魅力的である。
【0005】
手書き及び描画は、所望の目標を達成するために必要な運動情報、認知情報、知覚情報、及び文脈情報を組み合わせる、別個の脳ネットワークの特定の寄与を必要とする複雑な行為である。多くの神経障害をスクリーニングするための臨床機器は、それらの評価の一部として手書きを含んでいるが、通常は最終的なパフォーマンスが、スコアに組み込まれる重要な態様である。これに関連して、描画中の細かな運動機能の損失は、認知症(レビー小体型認知症の初期段階及びADの後期段階)に関連することが知られており、手書き(又は細書)のサイズの縮小は、PDに関連することが知られている。
【0006】
これらのよりグローバルな洞察に加えて、デジタル評価及び機械学習アルゴリズムの適用により、ペンにかかる圧力、速度、加速度、一時停止などのより特異的なメトリクスの定量化が可能になり、これにより、各手書き又は描画タスクの実行中にとる一連の挙動の分解が可能になる。新たなエビデンスは、臨床検出閾値を下回るより微妙な運動異常についてのより大きな洞察を得るためのこの手法の価値を強調する。例えば、手書き分析により、同心円を描画する間のオートメーション、相対速度、及び速度変動において、健康な人と軽度認知機能障害及びADの人との間で大きな差があることが明らかになった。加えて、ストロークの長さ、幅、及び高さ、平均圧力、ストロークあたりの平均時間、及び平均速度はすべて、健康な対照者とPD患者とを有意に区別する特徴であった。
【0007】
時計描画タスクを含むCNS機能の評価のための描画タスクに関するさらなる情報が、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる米国特許出願公開第2021/0295969号で提供されている。
【課題を解決するための手段】
【0008】
1つ又は複数の実施形態に係る、参加者の筆圧を予測する、コンピュータで実施される方法は、(a)参加者によるタスクの実行から取り込まれた入力データを受信することであって、前記タスクは、スタイラスを使用してコンピュータディスプレイ上でアイテムの描画を作成することを含み、入力データは、(i)描画が作成される際に所与のレートで収集される、コンピュータディスプレイ上の描画上の点のタイムスタンプ付きX及びY座標を含む描画データ、及び(ii)各点に関連付けられたスタイラスの先端圧力、高度、及び方位角を含むスタイラスデータを含む、入力データを受信すること、(b)入力データを処理して、導出メトリクスを生成すること、及び(c)導出メトリクスを事前トレーニングされた機械学習モデルに提供して、参加者の筆圧を推定することを含む。
【0009】
1つ以上のさらなる実施形態によれば、一時的でないコンピュータ可読媒体は、1つ又は複数のコンピューティングデバイスによって実行されるときに1つ又は複数のコンピューティングデバイスに参加者の筆圧を予測する方法を実行させる命令を記憶する。この方法は、参加者によるタスクの実行から取り込まれた入力データを受信することを含む。タスクは、スタイラスを使用してコンピュータディスプレイ上でアイテムの描画を作成することを含み、入力データは、(i)描画が作成される際に所与のレートで収集される、コンピュータディスプレイ上の描画上の点のタイムスタンプ付きX及びY座標を含む描画データ、及び(ii)各点に関連付けられたスタイラスの先端圧力、高度、及び方位角を含むスタイラスデータを含む。入力データが処理されて、導出メトリクスが生成される。導出メトリクスが事前トレーニングされた機械学習モデルに提供されて、参加者の筆圧が推定される。
【0010】
1つ以上のさらなる実施形態によれば、参加者の筆圧を予測するためのシステムが開示される。システムは、参加者の筆圧を予測するための命令を記憶するデータ記憶装置を含む。システムはまた、(a)参加者によるタスクの実行から取り込まれた入力データを受信することであって、前記タスクは、スタイラスを使用してコンピュータディスプレイ上でアイテムの描画を作成することを含み、入力データは、(i)描画が作成される際に所与のレートで収集される、コンピュータディスプレイ上の描画上の点のタイムスタンプ付きX及びY座標を含む描画データ、及び(ii)各点に関連付けられたスタイラスの先端圧力、高度、及び方位角を含むスタイラスデータを含む、入力データを受信すること、(b)入力データを処理して、導出メトリクスを生成すること、及び(c)導出メトリクスを事前トレーニングされた機械学習モデルに提供して、参加者の筆圧を推定すること、を含む方法を実施する命令を実行するように構成されたプロセッサを含む。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】本開示の実施形態に係る、参加者の筆圧を推定するためのシステムの例示的なシステムアーキテクチャを示す図である。
【
図2】本開示の実施形態に係る、参加者の筆圧を推定するための例示的なプロセスを示す図である。
【
図3】本開示の実施形態に係る、コンピューティングノードを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
本明細書で開示される様々な実施形態は、一般に、市販のデジタルタブレット及びそれに付随するスタイラスに組み込まれたセンサから導出される入力を考慮に入れた、科学的及び医学的情報に基づくアルゴリズムを使用した手書き挙動の分析による脳機能の計算論的分析のための方法に関する。この方法の利点は、規定されたタブレットベースの評価をユーザが受けている間に、脳機能のさらなる態様を受動的に分析することである。自動化された手書き分析は、参加者にさらに負担をかけることなく、所与の評価のコアメトリクス(例えば、完了までの時間又は正確さ)に加えて、臨床的に関連する特徴及び転帰を抽出するための手段を提供する。
【0013】
特に、本明細書で開示される様々な実施形態は、細かい運動能力を必要とするタスクを実行する能力の重要な要素である握力及びピンチ力を推定するための方法及びシステムに関する。これらの能力は年齢とともに低下し、認知症のリスクがある高齢者の長期転帰の不良と関連付けられるフレイルの早期指標となり得る。様々な実施形態によれば、握力及びピンチ力は、参加者の描画、その描画を作成するプロセス(例えば、速さ/速度、サイズ、コンポーネントの配置)、及び描画スタイラスの使用(例えば、スタイラス先端の力、高度、及び方位角)を分析することによって、タブレットとペアになったスタイラスで実行される描画タスクから予測される。
【0014】
このシステムは、参加者が一連のスタイラス描画タスクの1つ(例えば、時計描画テスト又は参照によりその全体が本明細書に組み込まれる米国特許出願公開第2021/0295969号に記載の他のテスト)を実行している間に、タブレット及びそれに関連するスタイラスに固有のメトリクス(例えば、高度、方位角、圧力)を追跡することによって機能する。各スタイラス描画タスクには、所与のタスクに適切な関連するコアメトリクス(例えば、ストローク数、スタイラスの速さ、描画サイズ)が含まれる。スタイラスメトリクスは、参加者が所与のタスクに集中している間に参加者情報のさらなるソースとしてシームレスに収集される。タスクに関連したコアメトリクスは、ここで説明されていない他のアルゴリズムで使用されてもよい。評価が完了すると、評価がパッケージされ、クラウドデータレイクに転送される。そこから、評価に特異的なコアメトリクス及びスタイラスメトリクスが抽出、処理、及び特徴付けされる。次いで、スタイラスメトリクスが事前トレーニングされた機械学習モデルに渡されて、多変量スタイラス特徴から筆圧が推定された後に、最終的なモデル出力としてフレイルスコアが推定される。
【0015】
様々な実施形態において、メトリクスとしては、
P=圧力
Z=方位角
A=高度
X=タブレット上のX座標
Y=タブレット上のY座標
V=スタイラスの速度
d=スタイラス書き込み先端がタブレット画面上を移動した距離
D=タブレット画面に書き込み中にスタイラスの非書き込み端が移動した距離、
が挙げられる。
【0016】
図1は、本開示の実施形態に係る、参加者の筆圧を推定するためのシステムの例示的なシステムアーキテクチャを示している。システムのデータ取り込みコンポーネントには、タブレット102及びスタイラス104(例えばBluetooth接続を通じて、例えばタブレット102とペアリングすることができる)が含まれる。タブレット102は、時計描画テストアプリケーション(例えば、米国特許出願公開第2021/0295969号に記載の時計描画テスト)を実行する。1つ又は複数の実施形態では、アプリケーションは、DCTクロック評価を取得できる標準的なLinus Health DCTクロック評価テストである。スタイラス104は、スタイラス先端の圧力/力、高度、及び方位角データを記録することができる。
【0017】
タブレット102からの生データが、タブレット102からDCTクロックモジュール106にアップロードされ、DCTクロックモジュール106には、DCTクロックデータ処理エンジン108、参加者人口統計データを格納するためのデータベース、及びデータ処理をキューイング及び追跡するためのシステムが含まれる。
【0018】
筆圧モジュール110には、筆圧データ特徴付け及びモデリングコンポーネントが含まれ、このコンポーネントには、筆圧予測エンジン112、参加者情報を取得し、モデル出力を格納するためのデータベース、及びモデルリポジトリ114が含まれる。1つ又は複数の実施形態では、モデルアーキテクチャは、標準的な勾配ブースティングアンサンブル法を使用する。モデルは、モデルレジストリ114内に格納され、筆圧予測エンジン112にインポートされる。
【0019】
データ出力モジュール116には、データエクスポート及び下流処理コンポーネントが含まれ、このコンポーネントには、データをデータレイク118にエクスポートするためのシステムが含まれる。推奨エンジン120が、モデル出力から適用可能な推奨を提案する。レポートエンジン122が、下流の機能124のためのレポート、例えば、医療専門家へのレポートを生成する。
【0020】
1つ又は複数の実施形態では、生データと導出メトリクスは、タブレットアプリケーションからアップロードされるとすぐに、例えばAWSに実装されたクラウドネイティブシステムによって処理される。
【0021】
処理に続いて、生データ、導出メトリクス、及びモデル出力が、アーカイビング及び後の分析のためにクラウドデータレイク118に入力される。並行して、モデル出力をLinus Healthのレポートモジュールで使用して、転帰及び推奨をほぼリアルタイムで(すなわち、数秒以内に)医療専門家に提示することができる。
【0022】
図2は、本開示の実施形態に係る、参加者の筆圧を推定するための例示的なプロセス200を示している。ステップ210で、参加者による時計描画タスクの実行から入力データが生成される。時計描画タスクは、タブレットとペアリングされたスタイラスを使用してタブレットのコンピュータディスプレイ上で実行される。入力データには、描画を作成する際に所与のレート(例えば、120~240Hz)で収集される、コンピュータディスプレイ上の描画上の点のタイムスタンプ付きX及びY座標を含む描画データが含まれる。これらの座標は、参加者の描画を再構築するために使用される。入力には、各点に関連付けられたスタイラスの先端圧力、高度、及び方位角を含むスタイラスデータも含まれる。ステップ220で、入力データが処理されて、導出メトリクスが生成される。ステップ230で、導出メトリクスが事前トレーニングされた機械学習モデルに提供されて、参加者の筆圧が推定される。ステップ240で、筆圧データが、例えば医療専門家にほぼリアルタイムで出力される。
【0023】
1つ又は複数の実施形態では、生データは、JSONボディから抽出され、カスタムPythonソフトウェアを使用して導出メトリクスへ処理される。最初に、生座標データは、時計の文字盤を構成する1つ又は複数のストロークを識別するべくコンピュータビジョンアルゴリズムで処理及び分類される。データは、単一の時計文字盤生データセットを導出するために必要に応じて結合される。時計の文字盤に属するすべてのタイムポイントにわたる平均スタイラス圧力が計算される。次に、時計の文字盤ストロークデータが4等分に分割される。奇数のタイムポイントが存在する場合、その奇数のタイムポイントはストロークの最初の4半分に属する。次いで、ストロークの4等分からのインデックスを使用して、スタイラス圧力及び4半分の平均がパースされ、各4半分の平均スタイラス圧力が生成される。次いで、4半分間の圧力の差が計算される。細かい運動制御、筋力、協同、又はフレイルの問題がある参加者は、描画ストロークの開始から描画ストロークの後半部分の間に大きな逸脱を呈するため、圧力差を求めることは重要である。すべての導出メトリクスが計算された後に、それらは、トレーニングデータセットのzスコアを計算することによって単位分散法でグループ平均に正規化される。トレーニングデータセットの計算された平均及び標準偏差が、モデルの評価中にテストデータセットに適用される。
【0024】
多変量特徴セットから連続変数を推定するためにいくつかの機械学習モデルをここで使用することができる。1つ又は複数の実施形態では、ランダムフォレスト回帰及び勾配ブースティングアンサンブルモデルタイプが使用され得る。1つ又は複数の実施形態では、モデルタイプは、アプリケーション及び利用可能なデータセットのパフォーマンスを最適化するべくカスタム調整されたscikit-learn Pythonパッケージの「既製の」機能である。
【0025】
1つ又は複数の実施形態では、システム出力について、握力の推定には0~200lbs.の数値スケールが用いられ、ピンチ力の推定には0~45lbs.の数値スケールが用いられる。
【0026】
1つ又は複数の実施形態では、筆圧を予測するための勾配ブースティングモデルのパラメータは次のとおりである:
・学習率=0.1
・最大特徴=3
・推定量の数=3
・サブサンプル=0.4
・最大深度=5
【0027】
例示的なモデル開発及びデータ分析
概念実証システムの開発をサポートするために、21人の健康な成人参加者(6人は女性)からデータサンプルを収集した。最大握力又は最大ピンチ力をそれぞれ推定するために、手持ち式油圧ダイナモメータを使用して等尺性握力を0~200lbs.の範囲の整数として記録し、油圧ピンチゲージを使用してピンチ力を0~45lbs.のスケールで記録した。テスト手順の各参加者に対して、それぞれ3回の試験を3セット実施した。これらの試験を平均して、最大握力又は最大ピンチ力の連続float型変数を生成した。このプロセスでは、21人の参加者から合計64個の握力及びピンチ力サンプルが生成された。握力及びピンチ力測定に加えて、力測定の前に参加者にDCTクロック評価も3回実施した。上記で概説した手順を使用してデータを処理した。生DCTクロックデータをJSONボディから抽出し、カスタムPythonソフトウェアを使用して導出メトリクスへ処理した。最初に、生座標データを、時計の文字盤を構成する1つ又は複数のストロークを識別するべくコンピュータビジョンアルゴリズムで処理及び分類した。データは、単一の時計の文字盤生データセットを導出するために必要に応じて結合した。時計の文字盤に属するすべてのタイムポイントにわたる平均スタイラス圧力を計算した。次に、時計の文字盤ストロークデータを4等分に分割した。奇数のタイムポイントが存在する場合、その奇数のタイムポイントはストロークの最初の4半分に属する。次いで、ストロークの4等分からのインデックスを使用して、スタイラス圧力及び4半分の平均をパースし、各4半分の平均スタイラス圧力が生成された。次いで、4半分間の差を計算した。すべての導出メトリクスを計算した後に、それらは、トレーニングデータセットのzスコアを計算することによって単位分散法でグループ平均に正規化された。トレーニングデータセットの計算された平均及び標準偏差を、モデルの評価中にテストデータセットに適用した。データの正規化に続いて、特徴付けされたスタイラス圧力データを、性別を表す二値化変数と結合した。
【0028】
結果のまとめ
正規化前のグループ統計を以下の表1に示す。
【表1】
【0029】
表1は、握力及びピンチ力の測定に関するグループ統計とモデル特徴を示している。
【0030】
過剰適合の影響を軽減するために、データセット全体をトレーニングサンプルとテストサンプルに分けた。合計21人の被検者のうち5人(24%)がテストサンプルにランダムに割り当てられた。トレーニングサンプルとテストサンプルとの間で特徴分布に有意な差はなかった(すべてのp値>0.21)。
【0031】
いくつかのモデルタイプを評価した。勾配ブースティングアンサンブル法はすべてのテストしたモデルよりも優れていた。5分割交差検証を備えたグリッドサーチパラダイムを使用して、以下のパラメータ分布でモデルを調整した:
・最大深度:[1,3,5,7,9,11,13,15]
・推定量の数:[1,3,5,7,10,20,50]
・サブサンプリング:[0.1,0.2,0.3,0.4,0.5,0.6,0.7,0.8,0.9]
最適なパラメータ:
・最大深度:5
・推定量の数:3
・サブサンプリング:0.4
最もパフォーマンスの高いモデルでは、平均二乗誤差が5.51であった。
【0032】
ここで
図3を参照すると、コンピューティングノードの一例の概略図が示されている。コンピューティングノード10は、適切なコンピューティングノードの一例にすぎず、本明細書で説明される実施形態の使用又は機能の範囲に関していかなる制限も示唆することを意図していない。いずれにせよ、コンピューティングノード10は、上記の機能のいずれかを実装及び/又は実行することができる。
【0033】
コンピューティングノード10には、多くの他の汎用又は特殊用途コンピューティングシステム環境又は構成で動作するコンピュータシステム/サーバ12が存在する。コンピュータシステム/サーバ12での使用に適したよく知られているコンピューティングシステム、環境、及び/又は構成の例としては、パーソナルコンピュータシステム、サーバコンピュータシステム、シンクライアント、シッククライアント、ハンドヘルド又はラップトップデバイス、マルチプロセッサシステム、マイクロプロセッサベースのシステム、セットトップボックス、プログラマブル家庭用電化製品、ネットワークPC、ミニコンピュータシステム、メインフレームコンピュータシステム、及び上記のシステム又はデバイスのいずれかを含む分散型クラウドコンピューティング環境などが挙げられるがこれらに限定されない。
【0034】
コンピュータシステム/サーバ12は、コンピュータシステムによって実行されるプログラムモジュールなどのコンピュータシステムで実行可能な命令の一般的な文脈で説明され得る。一般に、プログラムモジュールは、特定のタスクを実行する、又は特定の抽象データ型を実装するルーチン、プログラム、オブジェクト、コンポーネント、ロジック、データ構造などを含み得る。コンピュータシステム/サーバ12は、通信ネットワークを通じてリンクされるリモート処理デバイスによってタスクが実行される分散型クラウドコンピューティング環境で実施され得る。分散型クラウドコンピューティング環境では、プログラムモジュールは、メモリ記憶装置を含むローカルとリモートの両方のコンピュータシステム記憶メディアに配置され得る。
【0035】
図3に示すように、コンピューティングノード10におけるコンピュータシステム/サーバ12は、汎用コンピューティングデバイスの形態で示されている。コンピュータシステム/サーバ12のコンポーネントは、1つ以上のプロセッサ又は処理ユニット16、システムメモリ28、及びシステムメモリ28を含む種々のシステムコンポーネントをプロセッサ16に結合するバス18を含み得るがこれらに限定されない。
【0036】
バス18は、メモリバス又はメモリコントローラ、周辺バス、アクセラレーテッドグラフィックスポート、及び様々なバスアーキテクチャのいずれかを使用するプロセッサ又はローカルバスを含む、いくつかのタイプのバス構造のいずれか1つ又は複数を表す。限定ではなく例として、そのようなアーキテクチャとしては、ISA(Industry Standard Architecture)バス、MCA(Micro Channel Architecture)バス、EISA(Enhanced ISA)バス、VESA(Video Electronics Standards Association)ローカルバス、PCI(Peripheral Component Interconnect)バス、PCIe(Peripheral Component Interconnect Express)、及びAMBA(Advanced Microcontroller Bus Architecture)が挙げられる。
【0037】
コンピュータシステム/サーバ12には、通常、様々なコンピュータシステム可読メディアが含まれる。そのようなメディアは、コンピュータシステム/サーバ12によってアクセス可能な任意の利用可能なメディアであってもよく、揮発性メディアと不揮発性メディア、リムーバブルメディアと非リムーバブルメディアとの両方が含まれる。
【0038】
システムメモリ28は、RAM(random access memory)30及び/又はキャッシュメモリ32などの揮発性メモリの形態のコンピュータシステム可読メディアを含み得る。コンピュータシステム/サーバ12は、他のリムーバブル/非リムーバブル、揮発性/不揮発性コンピュータシステム記憶メディアをさらに含み得る。単なる例として、ストレージシステム34は、非リムーバブル不揮発性磁気メディア(図示せず、通常は「ハードドライブ」と呼ばれる)との間の読み出し及び書き込みのために設けられ得る。図示していないが、リムーバブル不揮発性磁気ディスク(例えば、「フロッピーディスク」)との間の読み出し及び書き込みのための磁気ディスクドライブ、及びCD-ROM、DVD-ROM、又は他の光学メディアなどのリムーバブル不揮発性光ディスクとの間の読み出し及び書き込みのための光ディスクドライブが設けられ得る。そのような状況では、それぞれを1つ又は複数のデータメディアインターフェースによってバス18に接続することができる。以下でさらに図示及び説明するように、メモリ28は、本開示の実施形態の機能を実行するように構成されたプログラムモジュールのセット(例えば、少なくとも1つ)を有する少なくとも1つのプログラム製品を含み得る。
【0039】
プログラムモジュール42のセット(少なくとも1つ)を有するプログラム/ユーティリティ40は、限定ではなく例として、オペレーティングシステム、1つ又は複数のアプリケーションプログラム、他のプログラムモジュール、及びプログラムデータと同様に、メモリ28に格納され得る。オペレーティングシステム、1つ又は複数のアプリケーションプログラム、他のプログラムモジュール、及びプログラムデータ、又はそれらのいくつかの組み合わせのそれぞれは、ネットワーキング環境の実装を含み得る。プログラムモジュール42は、一般に、本明細書で説明される実施形態の機能及び/又は方法論を実行する。
【0040】
コンピュータシステム/サーバ12はまた、キーボード、ポインティングデバイス、ディスプレイ24などの1つ又は複数の外部デバイス14、ユーザがコンピュータシステム/サーバ12と対話することを可能にする1つ又は複数のデバイス、及び/又はコンピュータシステム/サーバ12が1つ又は複数の他のコンピューティングデバイスと通信することを可能にする任意のデバイス(例えば、ネットワークカード、モデムなど)と通信し得る。そのような通信は、I/O(入力/出力)インターフェース22を介して行うことができる。さらにまた、コンピュータシステム/サーバ12は、ネットワークアダプタ20を介して、LAN(local area network)、一般WAN(wide area network)、及び/又はパブリックネットワーク(例えば、インターネット)などの1つ又は複数のネットワークと通信することができる。図示されているように、ネットワークアダプタ20は、バス18を介してコンピュータシステム/サーバ12の他のコンポーネントと通信する。図示されていないが、他のハードウェア及び/又はソフトウェアコンポーネントをコンピュータシステム/サーバ12と併せて使用することもできることを理解されたい。例としては、マイクロコード、デバイスドライバ、冗長処理ユニット、外部ディスクドライブアレイ、RAIDシステム、テープドライブ、及びデータアーカイバルストレージシステムなどが挙げられるがこれらに限定されない。
【0041】
本開示は、システム、方法、及び/又はコンピュータプログラム製品として具体化され得る。コンピュータプログラム製品は、プロセッサに本開示の態様を実行させるためのコンピュータで読み取り可能なプログラム命令を有するコンピュータ可読記憶媒体(又はメディア)を含み得る。
【0042】
コンピュータ可読記憶媒体は、命令実行デバイスによって使用される命令を保持及び記憶できる有形のデバイスとすることができる。コンピュータ可読記憶媒体は、例えば、電子記憶装置、磁気記憶装置、光学記憶装置、電磁気記憶装置、半導体記憶装置、又は上記の任意の適切な組み合わせであり得るが、これらに限定されない。コンピュータ可読記憶媒体のより具体的な例の網羅的でないリストには、ポータブルコンピュータディスケット、ハードディスク、RAM(random access memory)、ROM(read-only memory)、EPROM(erasable programmable read-only memory)又はフラッシュメモリ、SRAM(static random access memory)、CD-ROM(portable compact disc read-only memory)、DVD(digital versatile disk)、メモリスティック、フロッピーディスク、パンチカード又は命令が記録されている溝内の隆起構造などの機械的にエンコードされたデバイス、及び上記の任意の適切な組み合わせが含まれる。本明細書で用いられる場合のコンピュータ可読記憶媒体は、電波又は他の自由に伝播する電磁波、導波管又は他の伝送媒体を通って伝播する電磁波(例えば、光ファイバケーブルを通る光パルス)、又はワイヤを通じて送信される電気信号などの、それ自体が一時的な信号であると解釈されるべきではない。
【0043】
本明細書で説明されるコンピュータで読み取り可能なプログラム命令は、コンピュータ可読記憶媒体からそれぞれのコンピューティング/処理デバイスに、又はネットワーク、例えば、インターネット、ローカルエリアネットワーク、ワイドエリアネットワーク、及び/又は無線ネットワークを介して外部コンピュータ又は外部記憶装置にダウンロードすることができる。ネットワークは、銅線伝送ケーブル、光伝送ファイバ、無線伝送、ルータ、ファイアウォール、スイッチ、ゲートウェイコンピュータ、及び/又はエッジサーバを含み得る。各コンピューティング/処理デバイスのネットワークアダプタカード又はネットワークインターフェースは、ネットワークからコンピュータで読み取り可能なプログラム命令を受信し、それぞれのコンピューティング/処理デバイス内のコンピュータ可読記憶媒体に記憶するべくコンピュータで読み取り可能なプログラム命令を転送する。
【0044】
本開示の動作を実行するためのコンピュータで読み取り可能なプログラム命令は、アセンブラ命令、ISA(instruction-set-architecture)命令、マシン命令、マシン依存命令、マイクロコード、ファームウェア命令、状態設定データ、Smalltalk、C++などのオブジェクト指向プログラミング言語、及び「C」プログラミング言語又は同様のプログラミング言語などの従来の手続き型プログラミング言語を含む、1つ以上のプログラミング言語の任意の組み合わせで書かれたソースコード又はオブジェクトコードのいずれかであり得る。コンピュータで読み取り可能なプログラム命令は、全部がユーザのコンピュータで実行されてもよく、一部がスタンドアロンソフトウェアパッケージとしてユーザのコンピュータで実行されてもよく、一部がユーザのコンピュータで一部がリモートコンピュータで実行されてもよく、又は全部がリモートコンピュータ又はサーバで実行されてもよい。後者のシナリオでは、リモートコンピュータは、LAN(local area network)又はWAN(wide area network)を含む任意のタイプのネットワークを通じてユーザのコンピュータに接続されてもよく、又は接続は、(例えば、インターネットサービスプロバイダを使用してインターネットを通じて)外部コンピュータになされてもよい。いくつかの実施形態では、例えば、プログラマブル論理回路、FPGA(field-programmable gate arrays)、又はPLA(programmable logic arrays)を含む電子回路は、本開示の態様を実行するべく電子回路をパーソナライズするためにコンピュータで読み取り可能なプログラム命令の状態情報を使用することによってコンピュータで読み取り可能なプログラム命令を実行し得る。
【0045】
本開示の態様は、本発明の実施形態に係る方法、装置(システム)、及びコンピュータプログラム製品のフローチャート図及び/又はブロック図を参照して本明細書で説明される。フローチャート図及び/又はブロック図の各ブロック、及びフローチャート図及び/又はブロック図のブロックの組み合わせは、コンピュータで読み取り可能なプログラム命令によって実施できることが理解されるであろう。
【0046】
これらのコンピュータで読み取り可能なプログラム命令は、コンピュータ又は他のプログラム可能なデータ処理装置のプロセッサを介して実行する命令がフローチャート図及び/又はブロック図の1つ又は複数のブロックで指定される機能/動作を実施するための手段を生み出すようにマシンを作製するべく、汎用コンピュータ、特殊用途コンピュータ、又は他のプログラム可能なデータ処理装置のプロセッサに提供され得る。これらのコンピュータで読み取り可能なプログラム命令はまた、命令を記憶したコンピュータ可読記憶媒体がフローチャート図及び/又はブロック図の1つ又は複数のブロックで指定される機能/動作の態様を実施する命令を有する製品を含むように、コンピュータ、プログラム可能なデータ処理装置、及び/又は他のデバイスを特定の様態で機能するように誘導することができるコンピュータ可読記憶媒体に記憶され得る。
【0047】
コンピュータで読み取り可能なプログラム命令はまた、コンピュータ、又は他のプログラム可能な装置、又は他のデバイスで実行する命令がフローチャート図及び/又はブロック図の1つ又は複数のブロックで指定される機能/動作を実施するように、コンピュータで実装されるプロセスをもたらすべく、一連の動作ステップがコンピュータ、他のプログラム可能な装置、又は他のデバイスで行われるように、コンピュータ、他のプログラム可能なデータ処理装置、又は他のデバイス上にロードされ得る。
【0048】
図面におけるフローチャート図及びブロック図は、本開示の様々な実施形態に係るシステム、方法、及びコンピュータプログラム製品の可能な実装のアーキテクチャ、機能、及び動作を例示している。これに関して、フローチャート図又はブロック図の各ブロックは、特定の論理関数を実装するための1つ又は複数の実行可能命令を備える命令のモジュール、セグメント、又は一部を表し得る。いくつかの代替的な実装では、ブロックで示される機能は、図面に示された順番以外で行われてもよい。例えば、連続して示された2つのブロックは、実際には、実質的に同時に実行されてよく、又はブロックは、関係する機能に応じて、時には逆の順番で実行されてよい。ブロック図及び/又はフローチャート図の各ブロック、及びブロック図及び/又はフローチャート図のブロックの組み合わせは、特定の機能又は動作を行う又は特殊用途ハードウェア及びコンピュータ命令の組み合わせを実行する特殊用途ハードウェアベースのシステムにより実施することができることも注目される。
【0049】
本発明の様々な実施形態の説明が、例示する目的で提示されているが、網羅的であること又は開示された実施形態に限定されることを意図したものではない。説明した実施形態の精神及び範囲から逸脱することなく、多くの修正及び変形が当該技術分野の当業者には明らかであろう。本明細書で用いられる用語は、実施形態の原理、実際の適用、又は市場で見受けられる技術に対する技術的改良を最もよく説明するため、又は他の当業者が本明細書で開示された実施形態を理解できるようにするために選択されたものである。
【国際調査報告】