IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ レスメド・リミテッドの特許一覧

(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-10-23
(54)【発明の名称】呼吸療法用の特性付けシステム
(51)【国際特許分類】
   A61B 5/087 20060101AFI20241016BHJP
   A61M 16/00 20060101ALI20241016BHJP
【FI】
A61B5/087
A61M16/00 370Z
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024519683
(86)(22)【出願日】2022-09-28
(85)【翻訳文提出日】2024-05-29
(86)【国際出願番号】 AU2022051157
(87)【国際公開番号】W WO2023049958
(87)【国際公開日】2023-04-06
(31)【優先権主張番号】63/249,864
(32)【優先日】2021-09-29
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.BLUETOOTH
(71)【出願人】
【識別番号】500046450
【氏名又は名称】レスメド・プロプライエタリー・リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100099623
【弁理士】
【氏名又は名称】奥山 尚一
(74)【代理人】
【識別番号】100125380
【弁理士】
【氏名又は名称】中村 綾子
(74)【代理人】
【識別番号】100142996
【弁理士】
【氏名又は名称】森本 聡二
(74)【代理人】
【識別番号】100166268
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 祐
(72)【発明者】
【氏名】ホリー,リアム
【テーマコード(参考)】
4C038
【Fターム(参考)】
4C038SS04
4C038SS09
4C038SU06
4C038SX01
4C038SX07
4C038SX11
(57)【要約】
呼吸治療装置の動作などのシステムの特性付けを提供する装置および方法。システムが送達導管および換気口を有する患者インターフェースを含む場合など、療法セッションからの圧力信号および流量信号を分析して、システムの圧力および流れ特性を表す曲線を決定することができる。圧力降下パラメータは、そのパラメータが、曲線を特性付けする第1関数、およびシステムのコンポーネントの圧力および流れ特性を表す曲線を特性付けする第2関数に基づいて、療法発生器内のセンサから患者インターフェースまでの圧力降下を特性付けするように導出され得る。パラメータは、第1関数と第2関数との間の差から導出され得る。信号(複数可)は、圧力降下パラメータに基づいて供給される空気流れの属性を調整するために療法発生器を制御するために生成され得る。
【選択図】図8
【特許請求の範囲】
【請求項1】
呼吸療法用装置であって、
患者の呼吸療法のために送達導管を介して患者インターフェースに送達するための空気流れを発生させるように構成された圧力発生器であって、前記患者インターフェースは換気口を含む、圧力発生器と、
前記圧力発生器によって発生された圧力を表す信号を生成するように構成された圧力トランスデューサと、
空気流れの流量を表す信号を生成するように構成された流量トランスデューサと、
コントローラであって、
前記トランスデューサから前記圧力信号および前記流量信号を受信し、
前記圧力信号および前記流量信号を分析して、装置、送達導管および患者インターフェースを含む呼吸療法システムの圧力および流れ特性を表すシステム曲線を決定し、
前記システムの少なくとも1つのコンポーネントの圧力および流れ特性を表すコンポーネント曲線に関連付けられたデータにアクセスし、
前記システム曲線を特性付けする前記第1関数および前記コンポーネント曲線を表す前記第2関数に基づいて、前記患者インターフェースの換気口を横切る圧力降下および/または患者インターフェースまでの圧力降下の特性である圧力降下パラメータを導き出し、
導出された圧力降下パラメータに基づいて、出力を実現するように構成された、前記コントローラと、を含む、呼吸療法用装置。
【請求項2】
前記出力は、
導出された圧力降下パラメータを示すデータをリモートサーバーの記憶デバイスに保存することと、
前記圧力降下パラメータに基づいて空気流れの属性を調整するように前記圧力発生器の動作を制御するための1つまたは複数の信号を生成することと、
導出された圧力降下パラメータを示す情報を呼吸療法用装置のディスプレイ上に表示することと、
導出された圧力降下パラメータを示す情報をリモートサーバーに送信することと、のうちの少なくとも1つを含む、請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記第2関数は、前記患者インターフェースの換気口の圧力および流れ特性を表すコンポーネント曲線を特性付けする、請求項1~2のいずれか1項に記載の装置。
【請求項4】
前記第1関数は前記2次関数である、請求項1~3のいずれか1項に記載の装置。
【請求項5】
前記第1関数は、圧力値および流量値に関連付けられたルックアップテーブルを含む、請求項4に記載の装置。
【請求項6】
前記第2関数は、2次関数を含む、請求項3~5のいずれか1項に記載の装置。
【請求項7】
前記第2関数は、圧力値および流量値に関連付けられたルックアップテーブルを含む、請求項3~6のいずれか1項に記載の装置。
【請求項8】
前記圧力降下パラメータを導出するために、前記コントローラは、前記第1関数と前記第2関数との差を決定するように構成される、請求項1~7のいずれか1項に記載の装置。
【請求項9】
前記差は、前記システムを介して前記圧力発生器から大気までの圧力降下の特性である第1基準圧力降下パラメータと、前記換気口から大気までの圧力降下の特性である第2基準圧力降下パラメータとの間の差を含む、請求項8に記載の装置。
【請求項10】
前記コントローラは、前記流量トランスデューサからの流量の測定値を前記第1関数に適用することによって、前記第1基準圧力降下パラメータを決定するように構成される、請求項9に記載の装置。
【請求項11】
前記コントローラは、前記流量トランスデューサからの流量の測定値を前記第2関数に適用することによって、前記第2基準圧力降下パラメータを決定するように構成される、請求項9~10のいずれか1項に記載の装置。
【請求項12】
前記コントローラは、前記圧力発生器から前記患者インターフェースまでの圧力降下の特性である圧力降下パラメータを導出するために、前記第1基準圧力降下パラメータから前記第2基準圧力降下パラメータを差し引くように構成される、請求項11に記載の装置。
【請求項13】
請求項2に依存する場合、前記コントローラは、
前記圧力発生器から患者インターフェースまでの圧力降下の特性として導出された圧力降下パラメータを目標療法圧力パラメータに加算し、(a)加算の結果を前記圧力トランスデューサからのデバイス圧力の測定値と比較し、前記比較に基づいて1つまたは複数のブロワー駆動パラメータを制御し、または(b)前記加算の結果を使用して、前記ブロワー駆動パラメータのうちの1または複数を制御し、
前記圧力発生器から前記患者インターフェースまでの圧力降下の特性として導出された圧力降下パラメータを目標療法圧力パラメータから差し引き、この減算の結果を前記圧力トランスデューサからの圧力の測定値と比較し、または
前記圧力発生器から前記患者インターフェースまでの圧力降下の特性として導出された圧力降下パラメータを前記圧力トランスデューサからの圧力の測定値に加算し、加算の結果を目標療法圧力パラメータと比較することによって、前記圧力発生器の動作を制御して前記患者インターフェース内の圧力を制御するための1つまたは複数の信号を生成するように構成される、請求項1~12のいずれか1項に記載の装置。
【請求項14】
前記コントローラは、前記圧力トランスデューサおよび/または前記流量トランスデューサから受信した信号のうちの1つまたは複数を評価することによって睡眠時呼吸障害の1つまたは複数の換気口を検出し、この評価に基づいて前記目標療法圧力パラメータを変更するように構成される、請求項13に記載の装置。
【請求項15】
前記1つまたは複数の換気口は、無呼吸、低呼吸、いびき、および吸気流れ制限からなる群からの換気口を含む、請求項14に記載の装置。
【請求項16】
前記コントローラは、(a)前記圧力発生器から前記患者インターフェースまでの圧力降下の特性である圧力降下パラメータから、(b)前記圧力トランスデューサから受信した信号から決定された圧力の測定値から導出される圧力降下パラメータを差し引くことによって、前記患者インターフェース内の実際の圧力を決定するように構成される、請求項1~15のいずれか1項に記載の装置。
【請求項17】
前記システムの圧力および流れ特性を表す曲線を決定するための圧力信号および流量信号の分析により、マスクリークが事実上ゼロである場合の療法使用に対応する曲線の値を選択する、請求項1~16のいずれか1項に記載の装置。
【請求項18】
前記分析は、テンプレート曲線を複数の点に最適にフィッティングさせるためのパラメータを決定することを含み、前記各点は、(a)圧力値と、(b)前記圧力値での流量値と、を含む、請求項1~17のいずれか1項に記載の装置。
【請求項19】
前記コントローラは、前記圧力発生器の中央コントローラである、請求項1~18のいずれか1項に記載の装置。
【請求項20】
前記中央コントローラは、前記テンプレート曲線に基づいて前記患者インターフェースの識別を決定するように構成される、請求項19に記載の装置。
【請求項21】
前記システムの圧力および流れ特性を表す曲線は、
(a)前記圧力信号からの測定圧力のローパスフィルタリングされたバージョンの値を含む圧力値と、
(b)前記圧力値における流量信号からの測定流量のローパスフィルタリングされたバージョンの値を含む流量値と、を含む、請求項1~20のいずれか1項に記載の装置。
【請求項22】
前記コントローラは、自動気道陽圧(APAP)療法を含む療法セッション中に、前記圧力トランスデューサおよび流量トランスデューサによって生成された圧力信号および流量信号を使用して分析するように構成される、請求項1~21のいずれか1項に記載の装置。
【請求項23】
呼吸治療装置の操作方法であって、前記呼吸治療装置は、患者の呼吸療法のために送達導管を介して患者インターフェースに送達するための空気流れを発生させるように構成された圧力発生器を含み、前記患者インターフェースは、換気口を含み、前記方法は、
前記圧力トランスデューサによって生成された、前記圧力発生器における空気流れの圧力を表す圧力信号を受信するステップと、
前記流量トランスデューサによって生成された、空気流れの流量を表す流量信号を受信するステップと、
前記圧力信号および前記流量信号を分析して、装置、送達導管および患者インターフェースを含む呼吸療法システムの圧力および流れ特性を表すシステム曲線を決定し、前記システムの少なくとも1つのコンポーネントの圧力および流れ特性を表すコンポーネント曲線に関連付けられたデータにアクセスするステップと、
前記システム曲線を特性付けする第1関数および前記コンポーネント曲線を表す第2関数に基づいて、前記患者インターフェースの換気口を横切る圧力降下および/または前記患者インターフェースまでの圧力降下の特性である圧力降下パラメータを導出するステップと、
導出された圧力降下パラメータに基づいて、出力を実現するステップと、を含む、方法。
【請求項24】
前記出力は、
導出された圧力降下パラメータを示すデータをリモートサーバーの記憶デバイスに保存すること、
導出された圧力降下パラメータを示す情報を呼吸療法用装置のディスプレイ上に表示すること、
前記圧力降下パラメータに基づいて空気流れの属性を調整するために前記圧力発生器の動作を制御するための1つまたは複数の信号を生成すること、または、
前記導出された圧力降下パラメータを示す情報がリモートサーバーに送信することを含む、請求項23に記載の方法。
【請求項25】
前記第2関数は、前記患者インターフェースの換気口の圧力および流れ特性を表すコンポーネント曲線を特性付けする、請求項23~24のいずれか1項に記載の方法。
【請求項26】
前記第1関数は2次関数である、請求項23~25のいずれか1項に記載の方法。
【請求項27】
前記第1関数は、圧力値および流量値に関連付けられたルックアップテーブルを含む、請求項26に記載の方法。
【請求項28】
前記第2関数は、2次関数を含む、請求項25~27のいずれか1項に記載の方法。
【請求項29】
前記第2関数は、圧力値および流量値に関連付けられたルックアップテーブルを含む、請求項25~28のいずれか1項に記載の方法。
【請求項30】
前記圧力降下パラメータを導出するステップは、前記前記第1関数と前記第2関数との差を決定するステップを含む、請求項25~29のいずれか1項に記載の方法。
【請求項31】
前記差は、前記システムを介して前記圧力発生器から大気までの圧力降下の特性である第1基準圧力降下パラメータと、前記換気口から大気までの圧力降下の特性である第2基準圧力降下パラメータとの間の差を含む、請求項30に記載の方法。
【請求項32】
前記流量トランスデューサの流量の測定値を前記第1関数に適用することによって、前記第1基準圧力降下パラメータを決定するステップをさらに含む、請求項31に記載の方法。
【請求項33】
前記流量トランスデューサからの流量の測定値を前記第2関数に適用することによって、前記第2基準圧力降下パラメータを決定するステップをさらに含む、請求項31~32のいずれか1項に記載の方法。
【請求項34】
前記第1基準圧力降下パラメータから前記第2基準圧力降下パラメータを差し引いて、前記圧力発生器から患者インターフェースまでの圧力降下の特性である圧力降下パラメータを導出するステップをさらに含む、請求項33に記載の方法。
【請求項35】
請求項24に依存する場合、
前記圧力発生器から前記患者インターフェースまでの圧力降下の特性として導出された圧力降下パラメータを前記目標療法圧力パラメータに加算し、(a)加算の結果を前記圧力トランスデューサからのデバイス圧力と比較し、前記比較に基づいて1つまたは複数のブロワー駆動パラメータを制御し、または(b)前記加算の結果を使用して、前記ブロワーの駆動パラメータのうちの1または複数を制御し、
前記圧力発生器から前記患者インターフェースまでの圧力降下の特性として導出された圧力降下パラメータを前記目標療法圧力パラメータから差し引き、この減算の結果を前記圧力トランスデューサからの圧力の測定値と比較し、または
前記圧力発生器から前記患者インターフェースまでの圧力降下の特性として導出された圧力降下パラメータを前記圧力トランスデューサからの圧力の測定値に加算し、加算の結果を前記目標療法圧力パラメータと比較することによって、前記圧力発生器の動作を制御して、患者のインターフェース内の圧力を制御するための1つまたは複数の信号を生成するステップをさらに含む、請求項23~34のいずれか1項に記載の方法。
【請求項36】
前記圧力トランスデューサおよび/または前記流量トランスデューサから受信した1つまたは複数の信号を評価することによって睡眠時呼吸障害の1つまたは複数の換気口を検するステップと、この評価に基づいて前記目標療法圧力パラメータを変更するステップと、をさらに含む、請求項35に記載の方法。
【請求項37】
前記1つまたは複数の換気口は、無呼吸、低呼吸、いびき、および吸気流れ制限からなる群からの換気口を含む、請求項36に記載の方法。
【請求項38】
(b)前記圧力トランスデューサから受信した信号から決定された圧力の測定値から導出される圧力降下パラメータから(a)前記圧力発生器から前記患者インターフェースまでの圧力降下の特性である圧力降下パラメータを差し引くことによって、前記患者インターフェース内の実際の圧力を決定するステップをさらに含む、請求項23~37のいずれか1項に記載の方法。
【請求項39】
前記システムの圧力および流れ特性を表す曲線を決定するための圧力信号および流量信号の分析により、マスクリークが事実上ゼロである場合の療法使用に対応する曲線の値を選択する、請求項23~38のいずれか1項に記載の方法。
【請求項40】
前記分析は、テンプレート曲線を複数の点に最適にフィッティングさせるためのパラメータを決定することを含み、前記各点は、(a)圧力値と、(b)前記圧力値での流量値と、を含む、請求項23~39のいずれか1項に記載の方法。
【請求項41】
圧力発生器のコントローラは、前記方法を実行する、請求項23~40のいずれか1項に記載の方法。
【請求項42】
前記コントローラは、前記テンプレート曲線に基づいて前記患者インターフェースの識別を決定する、請求項23~41のいずれか1項に記載の方法。
【請求項43】
前記システムの圧力および流れ特性を表す曲線は、
(a)前記圧力信号からの測定圧力のローパスフィルタリングされたバージョンの値を含む圧力値と、
(b)前記圧力値における流量信号からの測定流量のローパスフィルタリングされたバージョンの値を含む流量値と、を含む、請求項23~42のいずれか1項に記載の方法。
【請求項44】
前記分析は、自動気道陽圧(APAP)療法を含む療法セッション中に、前記圧力トランスデューサおよび前記流量トランスデューサによって生成された圧力信号および流量信号を使用する、請求項23~43のいずれか1項に記載の方法。
【請求項45】
前記分析および/または導出は、呼吸治療装置から分析および/または導出のためのデータを受信するために呼吸治療装置と通信するように構成された1つまたは複数のリモートサーバーによって実行される、請求項23~44のいずれか1項に記載の方法。
【請求項46】
前記1つまたは複数のリモートサーバーは、前記呼吸治療装置と出力を通信するように構成され、前記通信された出力は、分析および/または導出に基づくデータ、導出された圧力降下パラメータ、および/または導出された圧力降下パラメータに基づく呼吸治療装置の動作の設定のうちの1つまたは複数を含む、請求項45に記載の方法。
【請求項47】
患者の呼吸療法のために送達導管を介して患者インターフェースに送達するための空気流れを発生させるように構成された圧力発生器を含む呼吸治療装置を動作させる方法を実行するように1つまたは複数のプロセッサを制御するためのプログラム命令を含むように構成され、前記患者インターフェースは、換気口を含み、前記方法は、請求項23~46のいずれか1項に記載の方法を含む、プロセッサ読み取り可能な媒体。
【請求項48】
呼吸治療装置であって、
患者の呼吸療法のために送達導管を介して患者インターフェースに送達するための空気流れを発生させるように構成された圧力発生器であって、前記患者インターフェースは、換気口を含む、前記圧力発生器と、
前記空気流れの圧力を表す信号を生成するように構成された圧力トランスデューサと、
前記空気流れの流量を表す信号を生成するように構成された流量トランスデューサと、
請求項45に記載のプロセッサ読み取り可能な媒体を有する1つまたは複数のプロセッサを備えるコントローラと、を含む、呼吸治療装置。
【請求項49】
呼吸療法を制御するためのシステムであって、
呼吸療法として患者インターフェースに空気流れを供給するための手段と、
前記空気流れの流量を表す流量信号を生成するための手段と、
前記空気流れの圧力を表す圧力信号を生成するための手段と、
圧力信号および流量信号を分析して、送達導管および患者インターフェースを含むシステムの圧力および流れ特性を表すシステム曲線を決定するための手段と、
システム曲線を特性付けする第1関数およびシステムの少なくとも1つのコンポーネントの圧力および流れ特性を表すコンポーネント曲線を表す第2関数に基づいて、患者インターフェースの換気口を横切る圧力降下および/または患者インターフェースまでの圧力降下の特性である圧力降下パラメータを導出するための手段と、
前記圧力降下パラメータに基づいて出力を生成するための手段と、を含む、システム。
【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
1 関連出願の相互参照
本願は、2021年9月29日に出願された米国仮出願第63/249,864号の利益を主張し、その全開示は引用により本明細書の一部を成すものとする。
【技術分野】
【0002】
2 背景技術
2.1 技術分野
本技術は、呼吸器関連障害のスクリーニング、診断、モニタリング、治療、予防、および改善のうちの1つまたは複数に関する。本技術はまた、医療デバイスまたは装置、およびそれらの使用にも関する。
【0003】
2.2関連技術の説明
2.2.1人間の呼吸器系とその障害
体の呼吸器系はガス交換を促進する。鼻と口は患者の気道の入り口を形成する。
【0004】
気道には一連の分岐管があり、肺の奥深くに到達するにつれて、より狭く、より短く、より多くなる。肺の主な機能はガス交換で、酸素が吸入空気から静脈血に移動し、二酸化炭素が逆方向に移動できるようにする。気管は左右の主気管支に分かれ、さらに最終的には末端細気管支に分かれる。気管支は伝導気道を構成し、ガス交換には関与しない。気道のさらなる分裂は、呼吸細気管支につながり、最終的には肺胞につながる。肺の肺胞領域はガス交換が行われる場所であり、呼吸ゾーンと呼ばれる。John B.West著、Lippincott Williams & Wilkins著、2012年発行の第9版呼吸生理学を参照する。
【0005】
さまざまな呼吸器疾患が存在する。特定の障害は、特定のイベント、例えば、無呼吸、低呼吸、過呼吸によって特性付けられる場合がある。
【0006】
呼吸器疾患の例には、閉塞性睡眠時無呼吸症候群(OSA)、チェーン・ストークス呼吸(CSR)、呼吸不全、肥満性過換気症候群(OHS)、慢性閉塞性肺疾患(COPD)、神経筋疾患(NMD)および胸壁障害が含まれる。
【0007】
睡眠時呼吸障害(SDB)の一種である閉塞性睡眠時無呼吸症候群(OSA)は、睡眠中の上気道の閉塞や閉塞などの現象を特徴とする。これは、異常に小さい上気道と、睡眠中の舌、軟口蓋、中咽頭後壁の領域の正常な筋緊張の低下の組み合わせによって引き起こされる。この場合、影響を受けた患者は、通常30~120秒、場合によっては毎晩200~300回の呼吸停止を余儀なくされる。日中の過度の眠気を引き起こすことが多く、心血管疾患や脳障害を引き起こす可能性がある。この症候群は、特に中年の太りすぎの男性によく見られる障害であるが、罹患している本人は問題に気づいていない場合もある。米国特許第4,944,310号(Sullivan)を参照する。
【0008】
チェーン・ストークス呼吸(CSR)は、睡眠時呼吸障害の別の形態である。CSRは患者の呼吸制御装置の障害であり、CSRサイクルとして知られる換気の増加と減少がリズミカルに交互に発生する。CSRの特性は動脈血の脱酸素と再酸素化を繰り返すことである。酸素欠乏を繰り返すことで、CSRは有害である可能性がある。一部の患者では、CSRが、重症不眠、交感神経活動の増加、および後負荷の増加の原因となる、睡眠からの目覚めの繰り返しと関連付けられる。米国特許第6,532号959号(Berthon-Jones)を参照する。
【0009】
この状態を治療または改善するために、一連の療法が用いられてきた。また、健康な個体は呼吸器系疾患の発生を防ぐためにこの療法を利用することができる。しかし、これらにはいくつかの欠点がある。
【0010】
2.2.2療法
上記の呼吸器疾患の1つまたは複数を治療するために、持続気道陽圧(CPAP)療法、非侵襲的換気(NIV)および侵襲的換気(IV)などのさまざまな呼吸療法が使用されている。
【0011】
2.2.2.1呼吸圧療法
呼吸圧療法は、患者の呼吸サイクル全体を通じて名目上大気に対して陽圧である制御された目標圧力で気道の入り口に空気を供給することである(タンク式人工呼吸器やキュイラスなどの陰圧療法とは対照的)。
【0012】
持続気道陽圧療法(CPAP)療法は、閉塞性睡眠時無呼吸症候群(OSA)の治療に使用されている。作用機序としては、持続的な気道陽圧が空気圧副子として作用し、軟口蓋と舌を前方に押して中咽頭後壁から遠ざけるなどして上気道の閉塞を防ぐことができる。CPAP療法によるOSAの治療は任意で行われることがあるため、患者は、不快感、使用困難性、高価性、見栄えの悪さの1つまたは複数のデバイスがこの療法を提供するために使用されていることを発見した場合には、療法に従わないことを選択することができる。
【0013】
非侵襲的換気(NIV)は、呼吸作業の一部または全部を完了することによって、患者の呼吸を助け、および/または体内の十分な酸素レベルを維持するために、上気道を介して患者に換気支援を提供する。換気サポートは、非侵襲的患者インターフェースを介して提供される。NIVは、CSRやOHS、慢性閉塞性肺疾患、NMD、胸壁疾患などの呼吸不全の治療に用いられている。これらの治療法の快適性および有効性は、いくつかの形態において改善され得る。
【0014】
侵襲的換気(IV)は自分自身で効果的に呼吸することができなくなった患者に換気をサポートするもので、気管切開チューブを使用して提供される場合がある。これらの治療法の快適性および有効性は、いくつかの形態において改善され得る。
【0015】
2.2.3 呼吸療法システム
これらの呼吸療法は、呼吸療法システムまたはデバイスによって提供され得る。このようなシステムおよびデバイスは、治療を行うことなく、疾患をスクリーニング、診断または監視するためにも使用され得る。
【0016】
呼吸療法システムは、呼吸圧療法デバイス(RPTデバイス)、空気回路、加湿器、患者インターフェース、酸素源、およびデータ管理を含むことができる。
【0017】
2.2.3.1 患者インタフェース
患者インターフェースは、例えば、空気流れを気道入口に供給することによって、呼吸機器を装着者に接続するために使用され得る。空気流れは、マスクを介して患者の鼻および/または口に、チューブを介して口に、または気管切開チューブを介して患者の気管に提供され得る。適用される治療法に応じて、患者インターフェースは、例えば、患者の顔の領域とシールを形成して、周囲の圧力と十分に異なる圧力での気体の送達を容易にし、それにより、例えば、周囲の圧力に対して約10cmHOの陽圧での治療を可能にすることができる。
【0018】
2.2.3.2 呼吸圧療法(RPT)デバイス
呼吸圧療法(RPT)デバイスは、上記の複数の療法のうちの1つまたは複数を送達するために、例えばデバイスを動作させて空気流れを発生させて気道のインターフェースに送達することによって、単独で使用することも、システムの一部として使用することもできる。空気流れは、圧力制御(呼吸圧療法のため)または流量制御(HFTなどの流量療法のため)とすることができる。したがって、RPTデバイスは、流量療法デバイスとしても機能するように構成されてもよい。RPTデバイスの例としては、CPAPデバイスおよび人工呼吸器が挙げられる。
【0019】
2.2.3.3 空気回路
空気回路は、使用時に呼吸療法システムの2つのコンポーネント(例えば、RPTデバイスと患者インターフェース)の間を空気流れが流れることを可能にするように構成され、配置された導管またはチューブである。場合によっては、吸息と呼息のために空気回路の分岐が別個に存在することもある。他の場合には、単一のリムエア回路が吸息と呼息の両方に使用される。
【0020】
2.2.3.4 加湿器
加湿せずに空気の流れを送り込むと、気道の乾燥を引き起こす可能性がある。RPTデバイスと患者インターフェースを備えた加湿器を使用すると、加湿ガスが生成され、鼻粘膜の乾燥が最小限に抑えられ、患者の気道の快適性が向上する。加えて、涼しい気候では、患者インターフェース内およびその周囲の顔領域に一般的に当てられる温風の方が、冷気よりも快適である。したがって、加湿器は、空気流れを加熱する能力と、空気流れを加湿する能力とを有することが多い。
【0021】
2.2.4 コンポーネントの識別
前述したように、呼吸療法システムは、一般に、RPTデバイス、加湿器、空気回路、および患者インターフェースなどのコンポーネントを含む。例えば、鼻枕、鼻プロング、鼻マスク、鼻と口(口鼻)マスク、またはフルフェイスマスクなどの、さまざまな異なる形式の患者インターフェースを所定のRPTデバイスとともに使用することができる。また、異なる長さおよび直径の空気回路を使用することができる。患者インターフェースに送達される治療の改良された制御を提供するために、患者インターフェースにおける圧力、リーク流量および換気流量などの療法パラメータを推定することが有利である可能性がある。治療パラメータ推定を使用するシステムにおいて、患者が使用している成分の種類を知ることは、療法パラメータ推定の精度を向上させ、治療の有効性を向上させることができる。
【0022】
コンポーネントタイプに関する知識を得るために、いくつかのRPTデバイスは、患者が使用しているシステムコンポーネントのタイプを入力または選択することを可能にするメニューシステムを含み、例えば、ブランド、形態、モデルなどの患者インターフェースを含む。患者がコンポーネントのタイプを入力すると、RPTデバイスは、選択されたコンポーネントに最適に調整された流量発生器の適切な動作パラメータを選択することができ、治療中に療法パラメータをより正確に監視することができる。しかし、患者がコンポーネントのタイプを正しく選択しなかったり、コンポーネントのタイプを全く選択しなかったりして、RPTデバイスにエラーが発生したり、使用されているコンポーネントのタイプを知らなかったりする可能性がある。
【0023】
成分同定に関連付けられた一連の解決策は、呼吸療法の分野で過去に採用または提案されてきた。しかし、高価な電気的および/または機械的特徴を頻繁に交換されるコンポーネント(複数可)(例えば、患者インターフェース)に統合することは、費用効果の高い療法を提供するのに不利であり、廃棄物の増加のために周囲的に持続不可能である可能性がある。
【0024】
さらに、センサおよび/またはトランスデューサに関する提案された解決策の多くは、提案されたセンサがそのデータを保存および/または分析する場所から遠く離れている場合、これは一般的に実装の複雑さおよび/またはコストをさらに増大させる可能性があるので、制限される可能性がある。例えば、患者インターフェースがセンサを含む場合、RPTデバイスへの電気的接続を必要とする可能性があり、実装の複雑さおよび/またはコストをさらに増大させる可能性がある。
【0025】
さらに、RPTデバイスの設計者は多くの選択肢を迫られており、市場に出回っている他のデバイス(例えば、競合他社が製造している装置や、実際には同じメーカーが異なる時期に製造しているデバイス)と比較したときに、異なる解決策が導き出されることが多い。その結果、提供される関連付けられた電気コネクタは、特定のRPTデバイスのみに接続可能とすることができる。これは、特定の消費者のサブセクションに不利益を与える可能性があり、および/または消費者の選択を減少させる可能性がある不フィッティング性を生じさせる予期しない効果を有する可能性がある。
【0026】
したがって、呼吸療法システム内のコンポーネントを特性付けするために、例えば呼吸療法システム内のコンポーネントを自動的に識別したり、リーク流量のような療法パラメータをより正確に推定したりするために、改善された装置および方法が必要である。
【発明の概要】
【0027】
3 技術の概要
本技術は、呼吸器疾患のスクリーニング、診断、モニタリング、改善、治療、または予防に使用される、改善された快適性、コスト、有効性、使いやすさ、および製造性のうちの1つまたは複数を有する医療デバイスを提供することを目的とする。
【0028】
本技術の第1態様は、呼吸器疾患のスクリーニング、診断、モニタリング、改善、治療または予防に使用される装置に関する。
【0029】
本技術の別の態様は、呼吸器疾患のスクリーニング、診断、モニタリング、改善、治療または予防に使用される方法に関する。
【0030】
開示された技術は、リークに強い方法で、療法期間にわたるセンサ信号の統計分析などによる、呼吸療法システムの自動特性付けのための装置および方法に関する。加えて、装置および方法は、療法システムの特性付けに基づいて療法期間中の圧力降下を決定するように構成されてもよい。加えて、装置および方法は、療法期間中の圧力降下および/または療法システムの特性付けに基づいて実際の患者インターフェース圧力を決定するように構成されてもよい。加えて、装置および方法は、療法システムの特性付けに基づいて療法期間中のリーク流量を推定するように構成され得てもよい。呼吸療法の特性は、特性および/または推定リーク流量に基づいて調整してもよい。呼吸療法の特性または療法の制御などの呼吸装置の1つまたは複数の動作は、圧力降下および/または決定された実際の患者インターフェース圧力に基づいてコントローラによって変更されてもよい。加えて、療法ユーザーは、デバイスまたはシステムの他のインターフェース、例えば、ネットワークを介して呼吸装置と直接または間接的に通信することができるリモートコンピューティングデバイス(例えば、スマートフォンまたはタブレット)内で動作する接続アプリケーションによって、1つまたは他の特定の設定に対するユーザーの体験または好みに関するフィードバックを与えることができる。例えば、設定が変更された後のある時点で、新たな設定が以前の設定よりも快適であるか、不快であるかをユーザーに選択させることができる。ユーザーの好みは、療法の好ましい設定を決定するためのアルゴリズムに考慮され得る。使用時間、呼吸換気口の数または速度、または他の使用モードまたはパラメータなどの他の要因もアルゴリズムに考慮され得る。
【0031】
本技術のいくつかの実装形態は、呼吸療法用装置を含んでもよい。この装置は、患者の呼吸療法のために送達導管を介して患者インターフェースに送達するための空気流れを発生させるように構成された圧力発生器を含んでもよい。患者インターフェースは換気口を含んでもよい。装置は、圧力発生器における空気流れの圧力を表す信号を生成するように構成された圧力トランスデューサを含んでもよい。装置は、空気流れの流量を表す信号を生成するように構成された流量トランスデューサを含んでもよい。この装置は、コントローラを含んでもよい。コントローラは、トランスデューサから圧力信号および流量信号を受信するように構成されてもよい。コントローラは、圧力信号および流量信号を分析して、装置、送達導管、および患者インターフェースを含むことができる呼吸療法システムの圧力および流れ特性を表すシステム曲線を決定するように構成されてもよい。コントローラは、システムの少なくとも1つのコンポーネントの圧力および流れ特性を表すコンポーネント曲線に関連付けられたデータにアクセスするように構成されてもよい。コントローラは、システム曲線を特性付けする第1関数、およびコンポーネント曲線を表す第2関数に基づいて、患者インターフェースの換気口を横切る圧力降下および/または患者インターフェースまでの圧力降下(例えば、流量発生器のセンサから)の圧力降下の特性である圧力降下パラメータを導出するように構成されてもよい。コントローラは、導出された圧力降下パラメータに基づいて出力を実現するように構成されてもよい。
【0032】
いくつかの実装形態では、出力は、導出された圧力降下パラメータを示すデータをリモートサーバーの記憶デバイスに保存すること、圧力降下パラメータに基づいて空気の流れの属性を調整するために、圧力発生器の動作を制御するための1つまたは複数の信号を生成すること、導出された圧力降下パラメータを示す情報を呼吸療法用装置のディスプレイ上に表示すること、および導出された圧力降下パラメータを示す情報をリモートサーバーに送信することを含む。第2関数は、患者インターフェースの換気口の圧力および流れ特性を表す曲線を特性付けてもよい。第1関数は、2次関数であってもよい。第1関数は、圧力値および流量値に関連付けられたルックアップテーブルを含んでもよい。第2関数は、2次関数を含むことができる。第2関数は、圧力値および流量値に関連付けられたルックアップテーブルを含んでもよい。
【0033】
いくつかの実装形態では、圧力降下パラメータを導出するために、コントローラは、第1関数と第2関数との差を決定するように構成されてもよい。この差は、システムを介して圧力発生器から大気までの圧力降下の特性である第1基準圧力降下パラメータと、換気口から大気までの圧力降下の特性である第2基準圧力降下パラメータとの差を含んでもよい。コントローラは、流量トランスデューサからの流量の測定値を第1関数に適用することによって、第1基準圧力降下パラメータを決定するように構成されてもよい。コントローラは、流量トランスデューサからの流量の測定値を第2関数に適用することによって、第2基準圧力降下パラメータを決定するように構成されてもよい。コントローラは、圧力発生器から患者インターフェースまでの圧力降下の特性である圧力降下パラメータを導出するために、第1基準圧力降下パラメータから第2基準圧力降下パラメータを差し引くように構成されてもよい。
【0034】
いくつかの実装形態では、コントローラは、圧力発生器から患者インターフェースまでの圧力降下の特性として導出された圧力降下パラメータを目標療法圧力パラメータに加算し、(a)加算の結果を圧力トランスデューサからのデバイス圧力の測定値と比較し、この比較に基づいて1つまたは複数のブロア駆動パラメータを制御し、または、(b)前記加算結果を使用して、ブロワー駆動パラメータのうちの1つまたは複数を制御する、前記圧力発生器の動作を制御して前記患者インターフェース内の圧力を制御するための1つまたは複数の信号を生成するように構成されてもよい。コントローラは、圧力発生器から患者インターフェースまでの圧力降下の特性として導出された圧力降下パラメータを目標療法圧力パラメータから差し引き、その減算の結果を圧力トランスデューサからの圧力の測定値と比較することによって、前記圧力発生器の動作を制御して前記患者インターフェース内の圧力を制御するための1つまたは複数の信号を生成するように構成されてもよい。コントローラは、圧力発生器から患者インターフェースまでの圧力降下の特性として導出された圧力降下パラメータを圧力トランスデューサからの圧力の測定値に加算し、この加算の結果を目標療法圧力パラメータと比較することによって、圧力発生器の動作を制御して患者インターフェースにおける圧力を制御ための1つまたは複数の信号を生成するように構成されてもよい。
【0035】
コントローラは、圧力トランスデューサおよび/または流量トランスデューサから受信した1つまたは複数の信号を評価することによって睡眠時呼吸障害の1つまたは複数の換気口を検出し、この評価に基づいて目標療法圧力パラメータを変更するように構成されてもよい。1つまたは複数の換気口は、無呼吸、低呼吸、いびき、および吸気流れ制限のグループからの換気口を含んでもよい。コントローラは、(b)前記圧力トランスデューサから受信した信号から決定された圧力の測定値から導出される圧力降下パラメータから、(a)前記圧力発生器から前記患者インターフェースまでの圧力降下の特性である圧力降下パラメータを差し引くことによって、前記患者インターフェース内の実際の圧力を決定するように構成されてもよい。
【0036】
いくつかの実装形態では、前記システムの圧力および流れ特性を表す曲線を決定するための圧力信号および流量信号の分析により、マスクリークが事実上ゼロである場合の療法使用に対応する曲線の値を選択してもよい。前記分析は、テンプレート曲線を複数の点に最適にフィッティングさせるためのパラメータを決定することを含み、前記各点は、(a)圧力値と、(b)前記圧力値での流量値と、を含んでもよい。コントローラは、圧力発生器の中央コントローラであってもよい。中央コントローラは、テンプレート曲線に基づいて患者インターフェースの識別を決定するように構成されてもよい。前記システムの圧力および流れ特性を表す曲線は、(a)前記圧力信号からの測定圧力のローパスフィルタリングされたバージョンの値を含む圧力値と、(b)前記圧力値における流量信号からの測定流量のローパスフィルタリングされたバージョンの値を含む流量値と、を含んでもよい。前記コントローラは、自動気道陽圧(APAP)療法を含む療法セッション中に、前記圧力トランスデューサおよび流量トランスデューサによって生成された圧力信号および流量信号を使用して分析するように構成されてもよい。
【0037】
本技術のいくつかの実装形態は、患者の呼吸療法のために使用される送達導管を介して患者インターフェースに送達するための空気流れを発生させるように構成された圧力発生器を含むことができる呼吸治療装置の操作方法を含んでもよい。患者インターフェースは、換気口を含んでもよい。方法は、圧力トランスデューサによって生成された圧力信号を受信するステップを含んでもよい。圧力信号は、圧力発生器における空気流れの圧力を表してもよい。方法は、流量トランスデューサによって生成された流量信号を受信するステップを含んでもよい。流量信号は、空気流れの流量を表してもよい。方法は、圧力信号および流量信号を分析して、装置、送達導管、および患者インターフェースを含むことができる呼吸療法システムの圧力および流れ特性を表すシステム曲線を決定するステップを含んでもよい。方法は、システムの少なくとも1つのコンポーネントの圧力および流れ特性を表すコンポーネント曲線に関連付けられたデータにアクセスするステップを含んでもよい。方法は、システム曲線を特性付けする第1関数およびコンポーネント曲線を表す第2関数に基づいて、患者インターフェースの換気口を横切る圧力降下パラメータおよび/または患者インターフェースまでの圧力降下の特性である圧力降下を導出するステップを含んでもよい。方法は、導出された圧力降下パラメータに基づいて出力を実現するステップを含んでもよい。
【0038】
いくつかの実装形態では、出力は、導出された圧力降下パラメータを示すデータをリモートサーバーの記憶デバイスに保存するステップを含んでもよい。出力は、導出された圧力降下パラメータを示す情報を呼吸療法用装置のディスプレイ上に表示することを含んでもよい。出力は、圧力降下パラメータに基づいて空気流れの属性を調整するために、圧力発生器の動作を制御するための1つまたは複数の信号を生成するステップを含んでもよい。出力は、導出された圧力降下パラメータを示す情報をリモートサーバーに送信するステップを含んでもよい。
【0039】
いくつかの実装形態では、第2関数は、患者インターフェースの換気口の圧力および流れ特性を表す曲線を特性付けする。第1関数は、2次関数であってもよい。第1関数は、圧力値および流量値に関連付けられたルックアップテーブルを含んでもよい。第2関数は、2次関数を含んでもよい。第2関数は、圧力値および流量値に関連付けられたルックアップテーブルを含んでもよい。いくつかの実装形態では、圧力降下パラメータを導出するステップは、第1関数と第2関数との差を決定するステップを含んでもよい。この差は、圧力発生器からシステムを介して大気までの圧力降下の特性である第1基準圧力降下パラメータと、換気口から大気までの圧力降下の特性である第2基準圧力降下パラメータとの差を含んでもよい。方法は、流量トランスデューサの流量の測定値を第1関数に適用することによって、第1基準圧力降下パラメータを決定するステップを含んでもよい。方法は、流量トランスデューサの流量の測定値を第2関数に適用することによって、第2基準圧力降下パラメータを決定するステップを含んでもよい。方法は、第1基準圧力降下パラメータから第2基準圧力降下パラメータを差し引いて、圧力発生器から患者インターフェースまでの圧力降下の特性である圧力降下パラメータを導出するステップを含んでもよい。方法は、圧力発生器から患者インターフェースまでの圧力降下の特性として導出された圧力降下パラメータを目標療法圧力パラメータに加算し、(a)加算の結果を圧力トランスデューサからのデバイス圧力の測定値と比較し、この比較に基づいて1つまたは複数のブロワー駆動パラメータを制御し、または、(b)前記加算結果を使用して、ブロワー駆動パラメータのうちの1つまたは複数を制御することによって、圧力発生器の動作を制御して、患者インターフェースの圧力を制御するための1つまたは複数の信号を生成するステップを含んでもよい。方法は、圧力発生器から患者インターフェースまでの圧力降下の特性として導出された圧力降下パラメータを目標療法圧力パラメータから差し引き、その減算の結果を圧力トランスデューサからの圧力の測定値と比較することによって、圧力発生器の動作を制御して、患者インターフェースにおける圧力を制御するための1つまたは複数の信号を生成するステップを含んでもよい。方法は、圧力発生器から患者インターフェースまでの圧力降下の特性として導出された圧力降下パラメータを圧力トランスデューサからの圧力の測定値に加算し、加算の結果を目標療法圧力パラメータと比較することによって、圧力発生器の動作を制御して、患者インターフェースにおける圧力を制御するための1つまたは複数の信号を生成するステップを含んでもよい。
【0040】
いくつかの実装形態では、方法は、圧力トランスデューサおよび/または流量トランスデューサから受信した1つまたは複数の信号を評価することによって睡眠時呼吸障害の1つまたは複数の換気口を検出し、この評価に基づいて目標療法圧力パラメータを変更するステップを含んでもよい。1つまたは複数の換気口は、無呼吸、低呼吸、いびき、および吸気流れ制限のグループからの換気口を含んでもよい。方法は、(b)前記圧力トランスデューサから受信した信号から決定された圧力の測定値から導出される圧力降下パラメータから(a)前記圧力発生器から前記患者インターフェースまでの圧力降下の特性である圧力降下パラメータを差し引くことによって、前記患者インターフェース内の実際の圧力を決定するステップをさらに含んでもよい。いくつかの実装形態では、前記システムの圧力および流れ特性を表す曲線を決定するための圧力信号および流量信号の分析により、マスクリークが事実上ゼロである場合の療法使用に対応する曲線の値を選択する。前記分析は、テンプレート曲線を複数の点に最適にフィッティングさせるためのパラメータを決定することを含む。複数の点の各々は、(a)圧力値と、(b)前記圧力値での流量値と、を含むいくつかの実装形態では、圧力発生器のコントローラは、この方法を実行してもよい。コントローラは、テンプレート曲線に基づいて患者インターフェースの識別を決定してもよい。前記システムの圧力および流れ特性を表す曲線は、(a)前記圧力信号からの測定圧力のローパスフィルタリングされたバージョンの値を含む圧力値と、(b)前記圧力値における流量信号からの測定流量のローパスフィルタリングされたバージョンの値を含む流量値と、を含んでもよい。前記分析は、自動気道陽圧(APAP)療法を含む療法セッション中に、前記圧力トランスデューサおよび前記流量トランスデューサによって生成された圧力信号および流量信号を使用してもよい。
【0041】
いくつかの実装形態では、前記分析および/または導出は、呼吸治療装置から分析および/または導出のためのデータ(例えば、曲線および/または圧力および流量信号データ)を受信するために呼吸治療装置と通信するように構成された1つまたは複数のリモートサーバーによって実行されてもよい。1つまたは複数のリモートサーバーは、前記呼吸治療装置と出力を通信するように構成され、前記通信された出力は、分析および/または導出に基づくデータ(例えば、システムまたはコンポーネント曲線(複数可))、導出された圧力降下パラメータ(複数可)、および/または導出された圧力降下パラメータに基づく呼吸治療装置の動作の設定(複数可)(例えば、療法設定のうちの1つまたは複数を含む)を含んでもよい。
【0042】
本技術のいくつかの実装形態は、呼吸治療装置を動作させる方法を実行するための1つまたは複数のプロセッサを制御するためのプログラム命令で構成されたプロセッサ読み取り可能な媒体を含んでもよい。呼吸治療装置は、患者の呼吸療法のために送達導管を介して患者インターフェースに空気流れを発生させるように構成された圧力発生器を含んでもよい。患者インターフェースは、換気口を含んでもよい。方法は、本明細書で説明する方法の任意の1つまたは複数の態様を含んでもよい。
【0043】
本技術のいくつかの実装形態は、呼吸治療装置を含んでもよい。呼吸治療装置は、患者の呼吸療法のために送達導管を介して患者インターフェースに送達するための空気流れを発生させるように構成された圧力発生器を含んでもよい。患者インターフェースは、換気口を含んでもよい。呼吸治療装置は、空気流れの圧力を表す信号を生成するように構成された圧力トランスデューサを含んでもよい。呼吸治療装置は、空気流れの流量を表す信号を生成するように構成された流量トランスデューサを含んでもよい。呼吸治療装置は、本明細書に記載された任意のプロセッサ読み取り可能な媒体を有する1つまたは複数のプロセッサを含んでもよいコントローラを含んでもよい。
【0044】
本技術のいくつかの実装形態は、呼吸療法を制御するためのシステムを含んでもよい。このシステムは、呼吸療法として患者インターフェースに空気流れを供給するための手段を含んでもよい。システムは、空気流れの流量を表す流量信号を生成するための手段を含んでもよい。システムは、空気流れの圧力を表す圧力信号を生成するための手段を含んでもよい。システムは、送達導管および患者インターフェースを含んでもよいシステムの圧力および流れ特性を表すシステム曲線を決定するために、圧力信号および流量信号を分析するための手段を含んでもよい。システムは、システム曲線を特性付けする第1関数およびシステムの少なくとも1つのコンポーネントの圧力および流れ特性を表すコンポーネント曲線を表す第2関数に基づいて、患者インターフェースの換気口を横切る圧力降下および/または患者インターフェースまでの圧力降下の特性である圧力降下パラメータを導出するための手段を含んでもよい。システムは、圧力降下パラメータに基づいて出力を生成する手段を含んでもよい。
【0045】
本技術のいくつかの実装形態は、呼吸療法用装置を含んでもよい。装置は、患者の呼吸療法のために患者インターフェースに送達するための空気流れを発生させるように構成された圧力発生器を含んでもよい。装置は、空気流れの圧力を表す信号を生成するように構成された圧力トランスデューサを含んでもよい。装置は、空気流れの流量を表す信号を生成するように構成された流量トランスデューサを含んでもよい。この装置は、コントローラを含んでもよい。コントローラは、トランスデューサから圧力信号および流量信号を受信するように構成されてもよい。コントローラは、圧力信号および流量信号を分析して患者インターフェースを識別するように構成されてもよい。装置は、圧力発生器の中央コントローラを含んでもよい。中央コントローラは、患者インターフェースの識別を受信するように構成されてもよい。中央コントローラは、圧力発生器を制御して認識に基づいて空気流れの属性を調整するように構成されてもよい。前記分析は、テンプレート曲線を複数の点に最適にフィッティングさせるためのパラメータを決定することを含んでもよい。複数の点の各々は、(a)圧力値と、(b)前記圧力値での流量値と、を含んでもよい。
【0046】
いくつかの実装形態では、コントローラは、圧力発生器の中央コントローラであってもよい。コントローラは、圧力発生器の中央コントローラと通信するリモート外部デバイスのプロセッサであってもよい。中央コントローラは、パラメータの決定に基づいて患者インターフェースの識別を決定するように構成されてもよい。中央コントローラは、空気流れの属性を調整するための制御パラメータを決定するように構成されてもよい。中央コントローラは、パラメータの決定に基づいて制御パラメータを調整するように構成されてもよい。圧力値は、前記圧力値における流量信号からの測定流量のローパスフィルタリングされたバージョンの値を含む流量値であってもよい。流量値は、圧力値における流量信号からの測定流量値のヒストグラムのモードであってもよい。コントローラは、値のヒストグラムのモードを決定するように構成されてもよく、値のヒストグラムは、圧力値における流量信号からの測定流量のローパスフィルタされたバージョンのヒストグラムであってもよい。コントローラは、圧力信号の測定圧力から圧力降下を差し引いて分析するように構成されてもよい。圧力降下は、流量信号から測定流量で装置を患者インターフェースに接続する空気回路の圧力降下であってもよい。
【0047】
いくつかの実装形態では、コントローラは、自動気道陽圧換気(APAP)療法を含んでもよい療法セッション中に複数の点を決定するように構成されてもよい。コントローラは、療法の使用時間および/または療法セッションの提供された療法圧力の範囲をチェックする際に分析を調整するように構成されてもよい。コントローラは、圧力信号からの測定圧力、流量信号からの測定流量、および決定されたパラメータからリーク流量を推定するように構成されてもよい。コントローラは、決定されたパラメータによって定義される圧力-流れ曲線に基づいてバイアス流量を決定するように構成されてもよい。コントローラは、測定流量からバイアス流量を差し引くことによってリーク流量推定値を決定するように構成されてもよく、測定流量は総流量としてもよい。決定されたパラメータによって定義される圧力-流れ曲線は、2次関数を含んでもよい。コントローラは、決定されたパラメータによって定義される圧力-流れ曲線を反転させることによってバイアス流量を決定するように構成されてもよい。コントローラは、測定流量、測定圧力、決定されたパラメータ、および推定されたリーク流量から患者の呼吸流量を推定するように構成されてもよい。空気流れ特性の調整を制御するために、中央コントローラは、患者の推定された呼吸流量から換気口を検出するように構成され、検出された換気口に応答して空気流れの治療圧力を調整するように構成されてもよい。このイベントは、無呼吸、低呼吸、いびき、および吸気流制限からなる群からのイベントであり得る。
【0048】
いくつかの実装形態では、装置の分析は、決定されたパラメータをデータベース内の複数のパラメータセットと比較するステップをさらに含んでもよい。装置の分析は、決定されたパラメータの比較に基づいて患者インターフェースを識別するステップをさらに含んでもよい。テンプレート曲線は2次関数であってもよい。コントローラは、決定されたパラメータに基づいて換気口閉塞換気口を決定するように構成されてもよい。コントローラは、決定されたパラメータを含む関数に従って、所定のデバイス圧力における平均総流量の測定値と流量とを比較することに基づいて、換気口閉塞換気口を決定するように構成されてもよい。コントローラは、例えば、平均総流量の測定値が、この関数に従って流量よりも小さい場合に、換気口閉塞換気口の表示を生成するように構成されてもよい。
【0049】
本技術のいくつかの実装形態は、患者の呼吸療法のために患者インターフェースに送達するための空気流れを発生させるように構成されてもよい呼吸治療装置の動作方法を含んでもよい。方法は、圧力トランスデューサを用いて生成された空気流れの測定圧力を表すデータにアクセスするステップを含んでもよい。方法は、流量トランスデューサを用いて生成された空気流れの測定流量を表すデータにアクセスするステップを含んでもよい。方法は、コントローラ内で測定圧力および測定流量を分析して患者インターフェースを識別するステップを含んでもよい。分析は、テンプレート曲線を複数の点に最適にフィッティングさせるためのパラメータを決定することを含んでもよい。複数の点の各々は、(a)圧力値と、(b)前記圧力値での流量値と、を含んでもよい。
【0050】
いくつかの実装形態では、コントローラは、パラメータの決定に基づいて患者インターフェースの識別を決定してもよい。方法は、患者インターフェースの識別に基づいて、呼吸治療装置の圧力発生器を動作させるための制御パラメータの値の決定を制御するステップをさらに含んでもよい。方法は、測定圧力をローパスフィルタリングすることによって圧力値を導出するステップをさらに含んでもよい。方法は、圧力値における測定流量のヒストグラムを導出することで流量値を決定するステップと、ヒストグラムのモードを決定するステップとをさらに含んでもよい。ヒストグラムを導出するステップは、圧力値における測定流量のローパスフィルタ処理されたバージョンの値を決定するステップを含んでもよい。方法は、測定圧力から圧力降下値を差し引いて分析するステップをさらに含んでもよい。圧力降下値は、測定流量における呼吸治療装置を患者インターフェースに接続する空気回路の圧力降下を表すことができる。コントローラは、自動気道陽圧(APAP)療法を含んでもよい療法セッションからのデータを利用して、複数の点の値を決定してもよい。方法は、療法の使用時間および/または療法セッションの提供される療法圧力の範囲のチェックに基づいて分析を調整するステップをさらに含んでもよい。方法は、測定圧力、測定流量、および決定されたパラメータからリーク流量を推定するステップをさらに含んでもよい。方法は、決定されたパラメータによって定義される圧力-流れ曲線に基づいてバイアス流量を決定するステップをさらに含んでもよい。リーク流量推定値を決定するステップは、測定流量からバイアス流量を差し引くステップを含んでもよい。測定流量は、総流量であってもよい。
【0051】
いくつかの実装形態では、決定されたパラメータによって定義される圧力-流れ曲線は、2次関数を含んでもよい。方法は、決定されたパラメータによって定義される圧力-流れ曲線を反転させることによってバイアス流量を決定するステップをさらに含んでもよい。方法は、測定流量、測定圧力、決定されたパラメータ、および推定されたリーク流量から患者の呼吸流量を推定するステップをさらに含んでもよい。方法は、患者の推定呼吸流量に基づいて換気口を検出するステップをさらに含んでもよい。方法は、検出された換気口に応答して空気流れの治療圧力を調整するステップをさらに含んでもよい。この換気口は、無呼吸、低呼吸、いびき、吸気量の制限などからなる群からの換気口であってもよい。分析は、決定されたパラメータをデータベース内の複数のパラメータセットと比較することをさらに含んでもよい。分析は、決定されたパラメータに基づいて患者インターフェースを識別することをさらに含んでもよい。テンプレート曲線は、2次関数であってもよい。方法は、決定されたパラメータに基づいて換気口閉塞換気口を決定するステップをさらに含んでもよい。換気口閉塞換気口の決定は、決定されたパラメータを含む関数に従って、所定のデバイス圧力における平均総流量の測定値と流量とを比較することを含んでもよい。方法は、平均総流量の測定値がこの関数に従って流量よりも小さいか否かのような換気口閉塞換気口の指標を生成するステップを含んでもよい。
【0052】
本技術のいくつかの実装形態は、通信システムを含むことプロセッサ読み取り可能な媒体は、1つまたは複数のプロセッサが呼吸治療装置を動作させる方法を実行するように制御するためのプログラム命令を含んで構成される。方法は、本明細書に記載された方法の動作の任意の1つまたは複数のステップ(複数可)を含んでもよい。
【0053】
本技術のいくつかの実装形態は、呼吸治療装置を含んでもよい。呼吸治療装置は、患者の呼吸療法のために患者インターフェースに送達するための空気流れを発生させるように構成された圧力発生器を含んでもよい。呼吸治療装置は、空気流れの圧力を表す信号を生成するように構成された圧力トランスデューサを含んでもよい。呼吸治療装置は、空気流れの流量を表す信号を生成するように構成された流量トランスデューサを含んでもよい。呼吸治療装置は、コントローラを含んでもよい。コントローラは、本明細書に記載のプロセッサ読み取り可能な媒体のいずれかを有する1つまたは複数のプロセッサを含んでもよい。
【0054】
本技術のいくつかの実装形態は、呼吸療法を制御するためのシステムを含んでもよい。システムは、呼吸療法として患者インターフェースに空気流れを供給するための手段を含んでもよい。システムは、空気流れの流量を表す流量信号を生成するための手段を含んでもよい。システムは、空気流れの圧力を表す圧力信号を生成するための手段を含んでもよい。システムは、流量信号および圧力信号を分析して患者インターフェースを識別するための手段を含んでもよい。システムは、識別された患者インターフェースに基づいて空気流れ属性を調整するための手段を含んでもよい。分析に使用される装置の分析は、テンプレート曲線を複数の点に最適にフィッティングさせるパラメータを決定するステップを含んでもよく、各点は(a)圧力値と、(b)その圧力値での流量値と、を含んでもよい。
【0055】
説明された方法、システム、デバイス、および装置は、専用コンピュータ、呼吸モニタおよび/または呼吸療法装置のプロセッサなどのプロセッサの機能を改善するために実施され得る。さらに、記載された方法、システム、デバイス、および装置は、呼吸状態(例えば、睡眠時呼吸障害を含む)を自動的に管理、監視および/または処置する技術分野において改善を提供することができる。
【0056】
もちろん、これらの態様の一部は、本技術のサブ態様を形成することができる。さらに、サブ態様および/または態様の各々は、様々な方法で結合されてもよく、また、本技術の追加の態様またはサブ態様を構成してもよい。
【0057】
技術の他の特性は、以下の詳細な説明、要約、図面、および特許請求の範囲に含まれる情報を考慮することによって明らかであろう。
【図面の簡単な説明】
【0058】
4 図面の簡単な説明
添付図面の添付図面では、本技術が限定的ではなく例示的に説明されており、ここで、以下を含む類似の要素を同じ参照符号により示す。
【0059】
4.1 呼吸療法システム
図1A】RPTデバイス4000から陽圧空気供給を受ける鼻枕の形態の患者インターフェース3000を装着した患者1000を含むシステムを示す。RPTデバイス4000からの空気は、加湿器5000内で調整され、空気回路4170に沿って患者1000に伝達される。ベッドパートナー1100も示されている。
【0060】
図1B】RPTデバイス4000から供給される陽圧の空気を受容する鼻マスクの形態をとる患者インターフェース3000を着用している患者1000を含むシステムを示す。RPTデバイスからの空気は、加湿器5000で加湿され、空気回路4170に沿って患者1000に伝達される。
【0061】
図1C】RPTデバイス4000から供給される陽圧の空気を受容するフルフェイスマスクの形態をとる患者インターフェース3000を着用している患者1000を含むシステムを示す。RPTデバイスからの空気は、加湿器5000で加湿され、空気回路4170に沿って患者1000に伝達される。
【0062】
4.2 呼吸システムと顔面の解剖学的構造
図2】鼻腔および口腔、喉頭、声帯ひだ、食道、気管、気管支肺、肺胞嚢、心臓および横隔膜を含むヒト呼吸器系の概要を示す。
【0063】
4.3 患者インタフェース
図3】本技術の一形態による鼻マスクの形態の患者インターフェースを示す。
【0064】
4.4 RPTデバイス
図4A】本技術の一形態によるRPTデバイスを示す図である。
【0065】
図4B】本技術の一形態によるRPTデバイスの空気圧経路の概略図である。上流および下流の方向は、ブロワーおよび患者インターフェースを参照して指示される。特定の瞬間における実際の流れの方向に関係なく、送風機は患者インターフェースの上流にあるように定義され、患者インターフェースは送風機の下流にあるように定義される。ブロアと患者インターフェースとの間の空気圧経路内に位置する物品は、ブロアの下流であって患者インターフェースの上流に位置する。
【0066】
図4C】本技術の一形態によるRPTデバイスの電気コンポーネントの概略図である。
【0067】
図4D】本技術の一形態によるRPTデバイス内に実装されるアルゴリズムの概略図である。
【0068】
図4E】本技術の一形態による、図4Dの療法エンジンモジュールによって実行される方法を示すフローチャートである。
【0069】
4.5 加湿器
図5A】本技術の一形態による加湿器の等角図を示す。
【0070】
図5B】本技術の一形態による加湿器の等角図を示し、加湿器リザーバドック5130から取り外された加湿器リザーバ5110を示す。
【0071】
4.6 呼吸波形
図6A】睡眠中のヒトの典型的な呼吸波形モデルを示す。
【0072】
図6B】約90秒間の通常のノンレム睡眠呼吸中の患者の選択された睡眠ポリグラフィーチャネル(パルスオキシメトリー、流量、胸部運動、および腹部運動)を示す。
【0073】
図6C】治療前の患者のポリソムノグラフィーを示す。
【0074】
図6D】患者が一連の完全閉塞性無呼吸を経験している患者の流量データを示す。
【0075】
図7】呼吸圧療法システムにおける空気回路、患者インターフェース、および患者のモデルの概略図である。
【0076】
図8】リーク流れがない場合の平均デバイス圧力と平均総流量とを関連付ける曲線の例示的な図を含む。
【0077】
図8B】本技術の一例の換気口の一例の圧力-流れ曲線を含む。
【0078】
図9】APAP療法の期間にわたる平均デバイス圧力および平均総流量を表す点がプロットされたグラフを含む。
【0079】
図10】呼吸圧療法期間にわたる、特定のデバイス圧力に対する平均総流量値のヒストグラム。
【0080】
図11】本技術の一形態による呼吸療法システムを特性付けする方法を示すフローチャートを含む。
【0081】
図12】本技術の一形態によるリーク流量を推定する方法を示すフローチャートである。
【0082】
図13図13Aおよび13Bは患者インターフェースへの圧力降下ΔPdd-ma skを動的に決定するための例示的な方法を示すフローチャートを含む。
【発明を実施するための形態】
【0083】
5 本技術の例の詳細な説明
本技術をより詳細に説明する前に、本技術は本明細書に記載された特定の例に限定されず、これらの例は変化し得ることを理解されたい。また、本開示で使用される用語は、本明細書で説明される特定の例を説明するためにのみ使用され、限定することを意図していないことが理解されるべきである。
【0084】
以下の説明は、1つまたは複数の共通の特性および/または特徴を共有することができる様々な例に関連して提供される。いずれかの例の1つまたは複数の特性は、別の例または他の例の1つまたは複数の特性と組み合わされてもよいことが理解されるべきである。加えて、任意の例における任意の単一の特徴または特徴の組み合わせがさらなる例を構成し得る。
【0085】
5.1 療法
本技術は、例えば、患者1000の気道入口への陽圧の印加を制御するなど、呼吸障害を治療するための方法に適用することができる。
【0086】
5.2 呼吸療法システム
本発明は、呼吸器系疾患を治療する呼吸器系療法システムに適用することができる。呼吸療法システムは、空気回路4170および患者インターフェース3000を介して患者1000に空気流れを供給するRPTデバイス4000を含むことができる。
【0087】
5.3 患者インタフェース
本技術の一態様による非侵襲的患者インターフェース3000は、シール形成構造3100、プレナムチャンバーチャンバ3200、位置付けおよび安定化構造3300、換気口3400、空気回路4170への接続のための一形態の接続ポート3600、および前額サポート部3700を機能態様として含む。いくつかの形態では、機能的態様は、1つまたは複数の物理コンポーネントによって提供されてもよい。いくつかの形態では、1つの物理コンポーネントは、1つまたは複数の機能的態様を提供することができる。使用時には、シール形成構造3100は、患者の気道1000の入口に陽圧を維持するために、患者の気道の入口(複数可)を取り囲むように配置される。したがって、密封された患者インターフェース3000は、陽圧療法の送達に適している。
【0088】
5.3.1 換気口(ベント、通気口)
一形態において、患者インターフェース3000は、呼気ガス、例えば二酸化炭素の押し出しを可能にするように構築かつ配置された換気口3400を含む。
【0089】
特定の形態では、換気口3400は、プレナムチャンバー3200の内部から周囲への連続した換気流れを可能にするように構成され、同時にプレナムチャンバー内の圧力は周囲に対して正である。換気口3400は、使用中プレナムチャンバー内の治療圧力を維持しつつ、患者が吸息するCOの再呼吸を減少させるのに十分な大きさの換気流量を有するように構成されている。
【0090】
本技術の一形態による換気口3400は、複数の穴、例えば、約20~約80個の穴、または約40~約60個の穴、または約45~約55個の穴を備える。
【0091】
換気口3400は、プレナムチャンバー3200上に配置され得る。あるいは、換気口3400は、スイベルなどの分離構造内に配置される。
【0092】
5.4 空気回路
本技術の一態様による空気回路4170は、使用時において空気流れが呼吸療法システムの2つの要素(例えば、RPTデバイス4000および患者インターフェース3000または3800)間を移動することが可能となるように構成および配置された導管またはチューブである。
【0093】
特に、空気回路4170は、空気圧ブロック4020の出口および患者インターフェース3000に流体的に接続されてもよい。空気回路は、送達チューブ(供給チューブ)と呼ばれることがある。
【0094】
5.4.1 補助ガスの供給
本技術の一形態において、補助ガス、例えば酸素4180は、空気圧ブロック4020の上流などの空気圧経路内の1つ以上の点、空気回路4170、および/または患者インターフェース3000または3800に送達される。
【0095】
5.5 RPTデバイス
本技術の一態様によるRPTデバイス4000は、機械的、空気的、および/または電気的コンポーネントを含み、本明細書に全部または部分的に記載される任意の方法などの1つまたは複数のアルゴリズム4300を実行するように構成される。RPTデバイス4000は、本明細書の別の箇所に記載された1つまたは複数の呼吸疾患の治療などのように、患者の気道に送達するための空気流れを発生させるように構成されてもよい。
【0096】
一形態では、RPTデバイス4000は、少なくとも6cmHOまたは少なくとも10cmHOまたは少なくとも20cmHOの陽圧を維持しながら-20L/min~+150L/minの範囲の空気流れを送達することができるように構成され、配置されている。
【0097】
RPTデバイスは、上部4012と下部4014の2つの部分に形成された外部ハウジング4010を有することができる。さらに、外部ハウジング4010は、1つまたは複数のパネル(複数可)4015を含むことができる。RPTデバイス4000は、RPTデバイス4000の1つまたは複数の内部コンポーネントをサポートするシャーシ4016を含む。RPTデバイス4000は、ハンドル4018を含むことができる。
【0098】
RPTデバイス4000の空気圧経路は、入口空気フィルタ4112、入口マフラー4122、陽圧で空気を供給することができる圧力発生器4140(例えばブロワー4142)、出口マフラー4124、および圧力センサ4272および流量センサ4274のような1つまたは複数のトランスデューサ4270などの1つまたは複数の空気圧経路項目を含むことができる。
【0099】
1つまたは複数の空気圧経路項目は、空気圧ブロック4020と呼ばれる移動可能な一体構造内に配置されてもよい。空気圧ブロック4020は、外部ハウジング4010内に配置されてもよい。一形態では、空気圧ブロック4020は、シャーシ4016によって支持されるか、またはシャーシ4016の一部として形成される。
【0100】
RPTデバイス4000は、電源4210と、1つまたは複数の入力デバイス4220と、中央コントローラ4230と、療法デバイスコントローラ4240と、圧力発生器4140と、1つまたは複数の保護回路4250と、メモリ4260と、トランスデューサ4270と、データ通信インターフェース4280と、1つまたは複数の出力デバイス4290とを有してもよい。電気コンポーネント4200は、単一のプリント回路基板アセンブリ(PCBA)4202上に実装されてもよい。代替形態では、RPTデバイス4000は、1つまたは複数のPCBA 4202を含んでもよい。
【0101】
5.5.1 RPTデバイスの機械的要素および空気圧要素
RPTデバイスは、1つの全体的なユニット内に、次の1つまたは複数のコンポーネントを含んでもよい。別の形態では、以下のコンポーネントのうちの1つまたは複数を、それぞれ独立したユニットとして配置してもよい。
【0102】
5.5.1.1 (複数の)空気フィルタ
本技術の一形態によるRPTデバイスは、空気フィルタ4110または複数の空気フィルタ4110を含んでもよい。
【0103】
一形態では、入口空気フィルタ4112は、圧力発生器4140の上流で空気圧経路の始点に位置する。
【0104】
一形態では、出口空気フィルタ4114、例えば抗菌フィルタは、空気圧ブロック4020の出口と患者インターフェース3000との間に位置する。
【0105】
5.5.1.2 (複数の)マフラー
本技術の一形態によるRPTデバイスは、マフラー4120または複数のマフラー4120を含んでもよい。
【0106】
本技術の一形態では、入口マフラー4122は、圧力発生器4140の上流の空気圧経路内に配置されている。
【0107】
本技術の一形態では、出口マフラー4124は、圧力発生器4140と患者インターフェース3000との間の空気圧経路内に配置される。
【0108】
5.5.1.3 圧力発生器
本技術の一形態では、陽圧空気流れまたは供給を生成するための圧力発生器4140は、制御可能なブロワー4142である。例えば、ブロワー4142は、1つまたは複数のインペラを有するブラシレスDCモータ4144を含んでもよい。インペラは、ボリュートに配置されてもよい。呼吸圧療法を送達する際、ブロワーは、約4cmHOから約20cmHOの範囲の陽圧で、例えば約120L/minまでの速度で、または約30cmHOまでの他の形態で、空気供給を送達してもよい。ブロワーは、米国特許第7,866,944号、米国特許第8,638号、014号米国特許第8,636号、479号およびPCT特許出願第WO 2013/020167号の特許または特許出願のいずれか1項に記載されており、その内容全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【0109】
圧力発生器4140は、療法デバイスコントローラ4240の制御下にある。
【0110】
他の形態では、圧力発生器4140は、ピストン駆動ポンプ、高圧源(例えば、圧縮空気リザーバ)に接続された圧力調整器、またはベローズであってもよい。
【0111】
5.5.1.4 (複数の)トランスデューサ
トランスデューサは、RPTデバイスの内部、またはRPTデバイスの外部にあり得る。外部トランスデューサは、例えば、空気回路上に配置されてもよく、または、患者インターフェースなどの空気回路の一部を形成してもよい。外部トランスデューサは、RPTデバイスにデータを送信または転送するドップラーレーダモーションセンサのような非接触センサの形態であってもよい。
【0112】
本技術の一形態では、1つまたは複数のトランスデューサ4270は、圧力発生器4140の上流および/または下流に配置される。1つまたは複数のトランスデューサ4270は、空気流れの特性、例えば、空気圧経路内のその点における流量、圧力または温度を表す信号を生成するように構成および配置されてもよい。
【0113】
本技術の一形態では、1つまたは複数のトランスデューサ4270は、患者インターフェース3000に近接して位置し得る。
【0114】
一形態では、トランスデューサ4270からの信号は、例えば、低域通過、高域通過、または帯域通過によってフィルタリングされてもよい。
【0115】
5.5.1.4.1 流量センサ
本技術による流量センサ4274は、圧力差トランスデューサ、例えばSENSIRION社のSDP600シリーズの圧力差トランスデューサに基づき得る。
【0116】
一形態では、流量センサ4274によって生成された空気流れの流量を表す信号は、中央コントローラ4230によって受信される。
【0117】
5.5.1.4.2 圧力センサ
本技術による圧力センサ4272は、空気圧経路と流体連通するように位置している。適切な圧力センサの例としては、HONEYWELL ASDXシリーズからのトランスデューサがある。他の適切な圧力センサは、GEのNPAシリーズのセンサである。
【0118】
一形態では、圧力センサ4272によって生成された空気流れの圧力を表す信号は、中央コントローラ4230によって受信される。
【0119】
5.5.1.4.3 モータ速度トランスデューサ
本技術の一形態では、モータ速度トランスデューサ4276は、モータ4144および/またはブロア4142の回転速度を決定するために使用される。モータ速度トランスデューサ4276からのモータ速度信号は、療法デバイスコントローラ4240に供給されてもよい。モータ速度トランスデューサ4276は、例えば、ホール効果センサのような速度センサであってもよい。
【0120】
5.5.1.5 スピルバック防止バルブ
本技術の一形態では、スピルバック防止バルブ4160は、加湿器5000と空気圧ブロック4020との間に配置される。スピルバック防止バルブは、水が加湿器5000から例えばモータ4144に上流に流れる危険性を低減するように構成され、配置されている。
【0121】
5.5.2 RPTデバイスの電気的要素
5.5.2.1 電源
電源4210は、RPTデバイス4000の外部ハウジング4010の内部または外部に位置し得る。
【0122】
本技術の一形態では、電源4210は、RPTデバイス4000にのみ電力を供給する。本技術の別の形態では、電源4210は、RPTデバイス4000および加湿器5000の両方に電力を供給する。
【0123】
5.5.2.2 入力デバイス
本技術の一形態では、RPTデバイス4000は、人がデバイスと対話することを可能にするボタン、スイッチ、またはターンテーブルの形態の1つまたは複数の入力デバイス4220を含む。ボタン、スイッチ、またはダイヤルは、物理デバイスであっても、タッチスクリーンを介してアクセス可能なソフトウェアデバイスであってもよい。ボタン、スイッチ、またはターンテーブルは、一形態で外部ハウジング4010に物理的に接続されてもよく、または別の形態で中央コントローラ4230に電気的に接続された受信機と無線通信してもよい。
【0124】
一形態では、入力デバイス4220は、人間が値および/またはメニューオプションを選択することを可能にするように構成および配置されてもよい。
【0125】
5.5.2.3 中央コントローラ
本技術の一形態では、中央コントローラ4230は、RPTデバイス4000の制御に適した1つまたは複数のプロセッサである。
【0126】
適切なプロセッサは、x86インテルプロセッサ、ARMホールディングスからのARM(登録商標)Cortex(登録商標)-Mプロセッサに基づくプロセッサ、例えばSTマイクロエレクトロニクスからのSTM32シリーズマイクロコントローラを含んでもよい。本技術の特定の代替形態では、TEXAS INSTRUMENTSによって製造されたST MICROELECTRONICS社のSTR9シリーズのマイクロコントローラなどの32ビットRISC CPU、またはMSP430ファミリーのマイクロコントローラからのプロセッサなどの16ビットRISC CPUも適切であり得る。
【0127】
本技術の一形態では、中央コントローラ4230は、専用電子回路である。
【0128】
一形態では、中央コントローラ4230は、特定用途向け集積回路である。別の形態では、中央コントローラ4230は、ディスクリート電子コンポーネントを含む。
【0129】
中央コントローラ4230は、1つまたは複数のトランスデューサ4270、1つまたは複数の入力デバイス4220、および加湿器5000から、入力信号(複数可)を受信するように構成されてもよい。
【0130】
中央コントローラ4230は、出力デバイス4290、療法デバイスコントローラ4240、データ通信インターフェース4280、および加湿器5000のうちの1つまたは複数に出力信号(複数可)を提供するように構成されてもよい。
【0131】
本技術のいくつかの形態において、中央コントローラ4230は、本明細書中に記載の1つまたは複数の方法論(例えば、メモリ4260などの非一時的コンピュータ読み取り可能な記憶媒体に記憶されたコンピュータプログラムとして表現された1つまたは複数のアルゴリズム4300)を実装するように構成される。本技術のいくつかの形態では、中央コントローラ4230は、RPTデバイス4000と統合されてもよい。しかしながら、本技術のいくつかの形態では、いくつかの方法がリモートデバイスによって実行されてもよい。例えば、例えば、リモートに配置されたデバイスは、本明細書に記載の任意のセンサからのような保存されたデータの分析によって、人工呼吸器の制御設定を決定したり、呼吸関連換気口を検出したりすることができる。
【0132】
5.5.2.4 クロック
RPTデバイス4000は、中央コントローラ4230に接続されたクロック4232を含んでもよい。
【0133】
5.5.2.5 療法デバイスのコントローラ
本技術の一形態では、療法デバイスコントローラ4240は、中央コントローラ4230によって実行されるアルゴリズム4300の一部を形成する療法制御モジュール4330である。
【0134】
本技術の一形態では、療法デバイスコントローラ4240は、専用のモータ制御集積回路である。例えば、一形態では、ONSEMIによって製造されたMC33035ブラシレスDCモータコントローラが使用される。
【0135】
5.5.2.6 保護回路
本技術による1つまたは複数の保護回路4250は、電気的保護回路、温度および/または圧力安全回路を含み得る。
【0136】
5.5.2.7 メモリ
本技術の一形態によれば、RPTデバイス4000は、メモリ4260、例えば不揮発性メモリを含む。いくつかの形態では、メモリ4260は、バッテリ駆動のスタティックRAMを含んでもよい。いくつかの形態では、メモリ4260は、揮発性RAMを含んでもよい。
【0137】
メモリ4260は、PCBA 4202上に位置し得る。メモリ4260は、EEPROMまたはNANDフラッシュメモリの形態としてもよい。
【0138】
追加的にまたはあるいは、RPTデバイス4000は、取り外し可能な形態のメモリ4260、例えばセキュアデジタル(SD)規格に従って作られたメモリカードを含む。
【0139】
本技術の一形態では、メモリ4260は、本明細書で説明される1つまたは複数の方法を表すコンピュータプログラム命令、例えば1つまたは複数のアルゴリズム4300を記憶する、非一時的なコンピュータ読み取り可能な記憶媒体として動作する。
【0140】
5.5.2.8 データ通信システム
本技術の一形態では、データ通信インターフェース4280が提供され、中央コントローラ4230に接続される。データ通信インターフェース4280は、リモート外部通信ネットワーク4282および/またはローカル外部通信ネットワーク4284に接続されてもよい。リモート外部通信ネットワーク4282は、リモート外部デバイス4286に接続されてもよい。ローカル外部通信ネットワーク4284は、ローカル外部デバイス4288に接続されてもよい。
【0141】
一形態では、データ通信インターフェース4280は、中央コントローラ4230の一部である。別の形態では、データ通信インターフェース4280は、中央コントローラ4230から分離され、集積回路またはプロセッサを含んでもよい。
【0142】
一形態では、リモート外部通信ネットワーク4282はインターネットである。データ通信インターフェース4280は、有線通信(例えば、イーサネットまたは光ファイバを介して)または無線プロトコル(例えば、CDMA、GSM、LTE)を使用してインターネットに接続されてもよい。
【0143】
一形態では、ローカル外部通信ネットワーク4284は、Bluetoothや消費者向け赤外線プロトコルなどの1つまたは複数の通信規格を利用する。
【0144】
一形態では、リモート外部デバイス4286は、ネットワークに接続されたコンピュータのクラスタなどの1つまたは複数のコンピュータである。一形態では、リモート外部デバイス4286は、物理コンピュータではなく仮想コンピュータであってもよい。いずれの場合でも、そのようなリモート外部デバイス4286は、臨床医などの適切に権限を与えられた人がアクセス可能であってもよい。
【0145】
ローカル外部デバイス4288は、パーソナルコンピュータ、携帯電話、タブレット、またはリモートコントローラであってもよい。
【0146】
5.5.2.9 ディスプレイ、アラームを必要に応じて含む出力デバイス
本技術による出力デバイス4290は、視覚、聴覚および触覚ユニットのうちの1つまたは複数の形態をとってもよい。ビジュアルディスプレイは、液晶ディスプレイ(LCD)または発光ダイオード(LED)ディスプレイであってもよい。
【0147】
5.5.2.9.1 ディスプレイドライバ
ディスプレイドライバ4292は、ディスプレイ4294に表示されることを意図した文字、記号、または画像を入力として受け取り、それらをディスプレイ4294に表示させるコマンドに変換する。
【0148】
5.5.2.9.2 ディスプレイ
ディスプレイ4294は、ディスプレイドライバ4292から受信したコマンドに応答して、文字、記号または画像を視覚的に表示するように構成される。例えば、ディスプレイ4294は8セグメントディスプレイであってもよく、この場合、ディスプレイドライバ4292は、各文字または記号(例えば数字「0」)を、特定の文字または記号を表示するために8つの対応するセグメントがアクティブ化されているかどうかを示す8つの論理信号に変換する。
【0149】
5.5.3 RPTデバイスのアルゴリズム
上述したように、本技術のいくつかの形態では、中央コントローラ4230は、メモリ4260などの非一時的なコンピュータ読み取り可能な記憶媒体に記憶されたコンピュータプログラムとして表される1つまたは複数のアルゴリズム4300を実装するように構成されてもよい。アルゴリズム4300は、一般に、モジュールと呼ばれるグループにグループ化されてもよい。
【0150】
本技術の他の形態では、アルゴリズム4300の一部または全部は、ローカル外部デバイス4288またはリモート外部デバイス4286のような外部デバイスのコントローラによって実装されてもよい。この形態では、外部デバイスで実行されるアルゴリズム4300の一部を表すために必要な入力信号および/または中間アルゴリズム出力のデータは、ローカル外部通信ネットワーク4284またはリモート外部通信ネットワーク4282を介して外部デバイスに送信されてもよい。このような形態において、外部デバイスで実行されるアルゴリズム4300の一部は、外部デバイスのコントローラにアクセスすることが可能な非一時的コンピュータ読み取り可能な記憶媒体に記憶されたコンピュータプログラムとして表現され得る。このようなプログラムにより、外部デバイスのコントローラは、アルゴリズム4300の一部を実行するように構成される。
【0151】
この形態では、療法エンジンモジュール4320を介して外部デバイスによって生成された療法パラメータ(このようなパラメータが外部デバイスによって実行されるアルゴリズム4300の一部を形成する場合)は、療法制御モジュール4330に伝達するために中央コントローラ4230に伝達されてもよい。
【0152】
5.5.3.1 療法システムの特性付け(特性評価)
本技術の一形態では、療法システム特性付けアルゴリズム(療法システム特性評価アルゴリズム)4305は、
空気圧ブロックの出口に近い空気圧経路内の圧力(デバイス圧力Pd)を表す、圧力センサ4272からの信号と、
RPTデバイス4000から出る空気流れの流量(デバイス流量Qd)を表す、流量センサ4274からの信号と
を表す入力データとして受信し、呼吸療法システムの特徴である圧力・流量曲線を生成する。
【0153】
療法システム特性付けアルゴリズム4305は、供給される圧力が変化する可能性のある療法中(例えばAPAP療法セッション)にトランスデューサ4270から蓄積されたデータを操作するように構成される。この期間は、少なくとも3cmHOの範囲など、デバイス圧力のかなり大きな範囲を包含するのに十分な長さであるべきである。いくつかの実装形態では、この期間は完全な療法セッションであるが、他の実装形態では、十分なデータを蓄積するためには、1または2時間が十分に長い場合がある。いくつかの実装形態では、療法期間の初期部分は廃棄される。いくつかの実装形態では、圧力範囲の低い部分に対応するデータは、より高い圧力下でリークが発生する可能性が高いので、分析においてより大きな重みを持つ。したがって、いくつかの実装形態では、システムは、圧力-流れ特性曲線(例えば、1つまたは複数の曲線パラメータの最適フィッティング計算)を計算するのに十分な所望の範囲の圧力値が蓄積されていることを確認するために、時間および/または測定圧力を使用するなどのチェックを実行することができる。1つの例示的な実装形態では、RPTのコントローラは、比較的低い療法圧力(例えば、4と7cmhH0の間)の間で、または本明細書に記載されたシステム特性を学習するのに十分なデータが収集されるまで、一定時間、ゆっくりと圧力を上昇させることができる療法開始時のプロセスを制御してもよい。いくつかの実装形態では、米国特許第10,874,328号および/または米国特許出願公開第021/0205559号に記載されているように、睡眠状態の推定が実施される。その開示全体は参照により本明細書に組み込まれ、ユーザーがインターフェースを調整してリークまたは閉塞を引き起こしている可能性が高いため、覚醒に対応するデータは破棄される可能性がある。さらに別の実装形態では、複数の学習期間を使用してもよい。例えば、5~20分、60~100呼吸のような短時間でシステムパラメータを学習する、または1~3cmHOのような療法圧力範囲に達するまでの急速な学習期間が存在してもよい急速な学習期間の終了後、圧力降下や換気流れ曲線などのシステムパラメータの推定精度は最適ではないことが期待されるが、結果は迅速に補償される。加えて、数十分から複数回の療法セッション、より広い圧力範囲、または呼吸数の増加など、より遅い学習期間が存在する可能性があり、システムパラメータのより正確な推定を学習し、さらに、制御および報告アルゴリズムを更新するために使用することができる。例えば、プロセスは、療法中または療法セッション後(後処理中)にシステム換気曲線を学習することができるので、療法プロセスに何ら変更を加える必要がない(例えば、特別な学習回路モードを必要としない)。本明細書でより詳細に説明されているように、このプロセスは、システム内の詰まりがなく、リークがなければ、各圧力における最小の平均流れ発生器流れに達するという前提に基づいてもよい。一般的に、圧力および流量センサから大気への経路に沿った圧力損失は、圧力と流量の2次関係によって記述される。
【0154】
したがって、療法システム特性付けアルゴリズム4305は、任意に1回または複数回繰り返してもよい。後者の場合、療法システム特性付けアルゴリズム4305は、各繰り返しにおいて、呼吸療法システムの特性的な圧力である流量曲線の推定値を細分化してもよい。
【0155】
本明細書で説明されている流れ曲線を学習する方法は、療法中のいかなる時点においても合理的なマスクシールが達成されていない比較的少ない割合の患者には適用されない場合があるが、アルゴリズムは、これらの周辺状況を検出し、この潜在的により重要な問題を示す警告またはメッセージを生成するために実施され得る。同様に、このような学習プロセスは、マスクと患者との間のシール状態(または合理的なシール状態)が検出された療法中からのデータ(例えば、典型的なシール検出方法を用いて)に依存するようにプログラムされ、システム曲線を学習/計算するためにこのようなデータを使用してもよい。しかし、この方法については、90%を超える場合の曲線を学習することが可能である。過剰なリークを経験した患者では、この方法は成功しない可能性がある。
【0156】
図7は、空気回路4170、患者インターフェース3000、および補給ガス送達点4180の下流における患者1000のモデル7000の概略図である。インピーダンスZは空気回路4170を表し、総流量Qtの関数である圧力降下ΔPを引き起こす。インターフェース圧力Pmは、デバイス圧力Pdから空気回路を通過する圧力降下ΔPを引いたものである。
【数1】
【0157】
ここで、ΔP(Qt)は、空気回路4170の圧力降下の特性である。
【0158】
インピーダンスZは換気口3400を表す。換気流れQvは、換気特性fによってインターフェース圧力Pmと関係付けられる。
【数2】
【0159】
(1)と(2)を組み合わせると、デバイス圧力Pdは以下のように書かれてもよい。
【数3】
【0160】
本明細書で議論されているように、患者に向かうチューブ内の流れ(Qt)が正であり、マスク外の換気流れ(Qv)が正であるように符号規則を採用することができる。Qtが陽性であれば、ΔPを陽性と定義し、また、Pd>Pmである。
【0161】
インピーダンスZはリークを表し、リークは未知で予測不可能である。インピーダンスZ、キャパシタンスClung、および可変圧力源Plungは、患者の特性を表す。
モデル7000から分かるように、総流量Qtは、換気流量Qv、リーク流量Qリークおよび呼吸流量Qrの合計に等しい。
【数4】
【0162】
呼吸流量Qrは、肺への流入または流出の平均流量はゼロでなければならないので、多くの呼吸サイクルにおける各流量の平均値をとることにより、換気流量を近似することができる
【数5】
【0163】
ここで、ティルダ(~)は複数の呼吸サイクルの平均値を示す。平均化は、多数の呼吸サイクルを含むのに十分に長い時定数を有するローパスフィルタリングによって達成され得る。いくつかの実装形態では、時定数は10秒であるが、他の時定数も考慮することができる。いくつかの実装形態では、時定数は可変であり、整数の呼吸サイクル、または一定圧力の期間に同期してもよい。また、特定圧力Pdに対応する最小流量を生成する時定数を求めることに基づいて、データをバッファリングすることができ、後工程で可変時定数を選択することができる。このようにして、特性付けアルゴリズムは、意図しないリークに起因するエラーの影響を受けにくくすることができる。
【0164】
式(3)と式(5)を組み合わせると、平均デバイス圧力
【数6】
は以下のように書くことができる。
【数7】
【0165】
リーク流量がない場合(Qリーク==0)、平均総流量
【数8】
はバイアス流量Qbと呼ばれる。式(6)は、呼吸療法システムを特性付けするバイアス流量Qbと平均デバイス圧力
【数9】
との間の関係を与える。
【数10】
【0166】
この関係はシステムの圧力である流量曲線と呼ばれ、流れ特性f(Q)と空気回路の圧力降下の特性ΔP(Q)によって決定される。
図8は、リークがない場合の平均総流量
【数11】
の関数としての平均デバイス圧力
【数12】
を表す圧力・流れ曲線8000の例示的な図を含む。この関数は、リーク検出や通気口の詰まり検出のための分析ツールとして機能する。APAP療法の期間中、平均デバイス圧力
【数13】
が変化し、リークや換気ガスの詰まりがない場合、点
【数14】
は圧力-流れ曲線8000を上下に移動する。リークが開始すると、点
【数15】
は圧力-流れ曲線8000の右側にしばらく移動し、リークが解決すると点は圧力-流れ曲線8000に戻る。したがって、リークは、圧力-流れ曲線8000の右側への偏りとして、すなわち、圧力-流れ曲線8000によってモデル化されるように、平均デバイス圧力
【数16】
のその値におけるバイアス流量Qbよりも
【数17】
が大きい点
【数18】
として現れる。換気口の閉塞は、圧力-流れ曲線8000の左側への偏り、すなわち平均デバイス圧力
【数19】
の値におけるバイアス流量Qbよりも
【数20】
が小さい点
【数21】
として現れる。例えば、患者が寝ている枕に対して頭が動くことで、換気口の詰まりが発生することがある。
【0167】
一実装形態では、呼吸圧療法システムのための圧力-流れ曲線は、2次関数のような関数によって近似することができる。
【数22】
【0168】
この2次関数の実装では、圧力-流れ曲線のパラメータkおよびkは、流れ特性fおよび空気回路圧力降下の特性ΔPの直列を特性付けする。
【0169】
例えば、空気回路4170を構成する導管のタイプが既知であるために、または以前の較正操作によって、空気回路圧力降下の特性△P(Q)が既知である場合、圧力-流れ曲線のパラメータは換気口3400を効果的に特性付け、これは患者インターフェース3000のタイプを示す。したがって、これらの場合には、療法システム特性付けアルゴリズム4305を使用して患者インターフェース3000を識別することができる。一実装形態では、これは、計算された曲線パラメータ(例えば、kおよびk)をデータ構造(例えば、既知の導管と共に使用される場合、既知の患者インタフェースタイプに関連付けられたパラメータ(例えば、パラメータペア(k、k))と比較することによって達成され得る。計算されたパラメータ(例えば、k、k)に最も近接して一致する記憶されたパラメータ(例えば、kおよびk)に関連付けられた患者インタフェースタイプを、患者インターフェース3000のタイプとみなすことができる。あるいは、得られたマスク圧力-流れ曲線に関数(例えば、2次関数)をフィッティングする前に、平均デバイス圧力
【数23】
の各値から圧力降下
【数24】
を差し引くことができる。次に、決定された結果パラメータ(例えば、kおよびk)を、既知の患者インタフェースタイプに関連付けられたパラメータデータ構造(例えば、(k,k))と比較して、患者インターフェース3000を識別するか、または特定の患者インターフェースの使用に関連付けられたRPTデバイス動作のデータにアクセスすることができる。この例では二次関数または曲線が当てはめられていますが、非二次換気口などの他のバージョンでは、他の非二次関数も同様に実装できる。
【0170】
図9は、APAP療法中の点
【数25】
をプロットした図9000を含む。十字(+)は、平均デバイス圧力
【数26】
の各値と、デバイス圧力値におけるバイアス流量Qbとを関連付ける圧力-流れ曲線9010を描く。偏り、例えば曲線9010の右側のデータ点9020は、開始および解決されたリークからのものである。この曲線関数を用いて、システムはリーク流量を推定することができる。例えば、任意の時点において、最小曲線(曲線9010)から曲線の右側の瞬時点までの水平偏差を、例えば瞬時点の特定の圧力下における瞬時点と曲線9010との間の距離をシステムによって決定し、リークとして推定することができる。
【0171】
別の例として、図10は、呼吸圧療法中に与えられた平均デバイス圧力
【数27】
に対する平均総流量
【数28】
の値のヒストグラム10000である。ヒストグラム10000はピーク10010を有し、その平均総流量
【数29】
の値は、適切なマスクの最も一般的なリーク値がゼロであるという合理的な仮定の下で、与えられた平均デバイス圧力
【数30】
に対するバイアス流量Qbとすることができ、したがって、バイアス流量Qbは、平均総流量
【数31】
ヒストグラムのモード(最も一般的な値)である。平均総流量
【数32】
がバイアス流量Qbを超える値がリーク流量を表す。バイアス流量Qbよりも低い平均総流量値
【数33】
は、換気口閉塞を表す。
【0172】
図11は、療法システム特性付けアルゴリズム4305を実装するために実行されてもよい例示的な方法11000を示す流れ図を含む。方法11000は、デバイス圧力Pdを表す圧力センサ4272からの信号を表すデータに、多数の呼吸サイクルを有する時定数を有するローパスフィルタのようなフィルタを適用して、フィルタリングされたデバイス圧力
【数34】
を得るステップ11010で開始することができる。また、ステップ11010において、デバイス流量Qdとして総流量Qtを算出し、必要に応じて、任意の補給ガス4180の流量を加え、この総流量Qtにローパスフィルタ(例えば、前述と同じローパスフィルタ)などのフィルタを適用して、濾過後の総流量
【数35】
を得る。
【0173】
ステップ11020は、フィルタリングされたデバイス圧力
【数36】
の各値におけるフィルタリングされた総流量
【数37】
の値のヒストグラムを形成する。次に、図10の上述の説明に従って、ステップ11020は、フィルタリングされたデバイス圧力
【数38】
の各値のヒストグラムからバイアス流量Qbを求める。各ヒストグラムからこのようなバイアス流量値を決定することは、例えば、ヒストグラムデータのピーク値を決定すること、またはヒストグラム内で最も高いカウント数(例えば、繰り返し)を有するビン(例えば、あるフィルタリングされた総流量値)を決定することを含んでもよい。
【0174】
次のステップ11030は、圧力-流れ曲線を点
【数39】
にフィッティングし、このステップは、点
【数40】
の集合に最も密接にフィッティングされるテンプレート曲線のパラメータを探索または計算することを含む。一実装形態では、テンプレート曲線は式(8)の2次形式であり、したがって、曲線フィッティングは、2次形式を点集合
【数41】
に最も密接にフィッティングさせる計算パラメータkおよびkを含む。一実装形態では、最小二乗フィッティングは、曲線の最適フィッティングパラメータを計算するために使用される。
【0175】
任意の最終ステップ11040で、方法11000は、最適フィッティング曲線の決定されたパラメータを、データベースまたは他の適切なデータ構造に格納されたパラメータのセットと比較することができ、パラメータのセットの少なくともいくつかは、それぞれ異なるまたは特定の患者インターフェースに関連付けられてもよい。例として、相関関数によって比較を行うことができる。データベース/データ構造内のパラメータの各セットは、特定のタイプの患者インターフェースに関連付けられてもよい。任意に、チューブを通る圧力降下の影響を緩和するために、様々なマスクのデータセットは、対応するチューブの情報を含んでもよく、または同じタイプのチューブで収集されてもよい。この比較は、ステップ11030で計算されたパラメータに最も近接して一致するパラメータのセットを識別する。マッチング計算パラメータに最も近いパラメータセットに関連付けられたデータベース/データ構造中の患者インタフェースタイプは、患者インターフェース3000の識別タイプとみなすことができる。このような方法の適用は、換気口、マスクおよびチューブの製造公差を厳密に制御することによって強化され、それにより、これらのコンポーネントを通る流れのそれぞれの厳密な制御(例えば、性能の一貫性および/または異なるモデルの異なる値)をもたらすことができる。
【0176】
任意に、RPTデバイスの動作パラメータ(複数可)は、本明細書で説明されているように、最も近接して一致するパラメータのセットに関連付けられたアクセスデータに基づいて、RPTデバイスのコントローラによって調整されてもよい。例えば、ブロワーの動作のような流量または圧力療法制御パラメータは、識別に基づいて調整することができる。任意に、この調整された制御パラメータは、その後、RPTデバイスによって適用されて、調整された制御パラメータに基づいて、本明細書に記載された任意の呼吸療法を提供するためにブロワーを動作させることができる。
【0177】
例えば、点
【数42】
の圧力-流れ曲線から導出された学習曲線を表す関数(例えば、パラメータの関数)は、システムの追加適用(例えば、本明細書で開示されている任意のプロセッサ、例えば中央プロセッサによってプログラムされている)によって、追加のシステムパラメータを計算することができる。このような追加のシステムパラメータは、例えば、実際のマスク療法圧力(例えば、実際の平均マスク療法圧力)、患者インターフェースへの動的に決定された圧力降下△Pdd-マスク(例えば、センサ4272のようなセンサにおける圧力と、患者インターフェース3000の換気口3400のような換気口における換気口駆動圧力との間のシステム圧力降下)を含んでもよい。このような追加のシステムパラメータは、目標マスク圧力を達成するために必要なデバイス圧力を含むこともできる。このような決定は、ここでより詳細に説明される。
【0178】
このような学習曲線を表す関数の適用は、図11のプロセスのような曲線関数を決定する学習を改善するように設計された患者インターフェースの構造変更から利益を得ることができる。この点において、換気構造および/または患者インターフェースは、換気曲線特性および学習曲線への影響のより大きな予測可能性を促進するように設計および/または製造することができる。例えば、このような設計は、換気口を通過する圧力と換気口を通過する流れとの間のより安定したまたは一貫した関係を容易にすることができ、例えば、関係の公差が異なるマスクに対して一意であるように、または同じタイプのマスクに対して一貫しているようにすることができる。同様に、この安定性は、患者インターフェースを設計することによって、患者インターフェースのプレナムチャンバーに対して換気口が配置され、換気口を通って空気流れが流れる換気口を通る圧力差が、マスク療法圧力と大気圧との間の圧力差(例えば、換気口駆動圧力)に実質的に等しくなるようにすることによって向上することができる。
【0179】
換気口を含むシステムを表す学習曲線を決定する関数の安定性はまた、換気口を(患者がマスクを調節している間に)寝具または指の詰まりから保護することによって、換気口を外部の詰まりから保護することによって向上することができる。これは、例えば、換気口の高流動インピーダンス部の構造カバーを実施することによって達成されてもよい。このようなカバーは、大気への分布または複数の低流動インピーダンス経路、または複数の高インピーダンス経路を有する保護スクリーン、グリッドまたはシュラウドとすることができる。この点で、カバーは、その設計された流れ特性に関連して、換気口自体の穴をスムーズに通過することを可能にし、同時に、外部の障害物(指、枕)を、穴を通る流れに影響を与えない(例えば、制限する)ために、または、その他の方法で、これらの障害物が穴を通る流れを妨げにくくするのに十分な距離に維持することができる。任意に、患者インターフェースは、一部の換気口または換気口を自動的に開放し、このような閉塞を受ける可能性のある他の換気口または換気口を閉鎖することによって、このような閉塞を回避するように動作するように構成された調節可能な換気口を備えてもよい。このような換気口は、米国特許出願第17/247,272号に開示されており、その全開示は参照により本明細書に組み込まれる。さらに、いくつかの実装形態では、換気口構造は、システムの湿度(例えば、結露または他の水分)または他の汚染物質(例えば、粘液)からの危険性または目詰まりを軽減する設計を有することによって、この安定性を向上させるように構成されてもよい。
【0180】
本技術の性能は、使用されているマスクが圧力降下および流れ特性に関して適切な構造を有しているか否かを決定する手段の存在を保証することから利益を得ることができる。例えば、流れ特性が既知であり、換気駆動圧力がマスク療法圧力に相当する場合、システムは、前述したように学習されたシステム特性に依存することができ、また、このような動的圧力降下決定によってマスクの圧力降下を補償することができる。これを実現するアーキテクチャは以下のようにいくつかある。これにより、正確な目標マスク圧力を予測可能かつ一貫してユーザーに提供することが可能となる。
【0181】
1.ロックおよびキーシステムの使用は、療法デバイス4000が前述の方法をサポートするように設計されている患者インターフェースのみに接続されることを確実にするために、チェック機構を用いて実施されてもよい。
【0182】
2.製品マークおよびユーザー入力の使用:この実装形態では、患者インターフェースは、入力インターフェースを介して療法デバイス4000の前述の特性付け機能を手動で有効にするようにユーザーに通知されるように、明確にマークされる(例えば、マスク上にマークされる)。
【0183】
3.自動インターフェース検出(例えば、音響検出)の使用-この実装形態では、機能と互換性のある患者インターフェースが検出されたとき、療法デバイス4000は、患者インターフェースを検出するための自動プロセスを含み、それに応じて、特性付け検出機能(例えば、例えば、テンプレート曲線の決定および/またはそこから決定される動的圧力降下などのパラメータ)のいずれか1つまたは複数を有効にすることができる。このような自動検出方法論は、国際PCT出願第PCT/AU2020/050435号および米国特許出願公開第US/2020/0114100/A1号に開示される方法論のいずれであってもよく、その全開示は参照により本明細書に組み込まれる。
【0184】
いくつかの実装形態では、流れ特性が合理的に一定である場合、この方法は、例えば、前および後に導出された動的圧力降下パラメータを比較することによって、圧力降下の変化を追跡するために実施されてもよい。このような変化の評価は、(例えば、このようなパラメータ間の差を1つまたは複数の閾値と比較することにより)実施されて、患者の回路内の変化、例えば、インラインフィルタの挿入、加湿器内の水位の変化、インライン湿度交換器の挿入、取り外しまたは目詰まり、導管の目詰まり、または部分的な目詰まりを識別することができる。この点で、異なる変化値は、患者インターフェースにおけるこのような変化と関連付けられ、比較することによって検出され得る。上記の換気口のいずれかまたはそれぞれは、システムのメモリ内にカタログ化されて保持されてもよい特定の所定のパラメータ変更と関連付けることができる。観測された変化を、カタログ化された可能性のある変化のセットの各々と比較することにより、1つまたは複数の上記換気口の高い確率を示すことができる。上記の換気口のうちの1つまたは複数を識別することは、ユーザーおよび/または第三者への通知の送信、RPTデバイスのパラメータの変更などを含んでもよい応答をトリガーすることができる。
【0185】
いくつかの実装形態では、ブロア特性(例えば、ブロアの圧力、流量、角速度の関係)が既知である場合、入口フィルタの挿入、取り外し、または目詰まりなどの入口インピーダンスの変化を識別するために同様の方法を実施することができる。例えば、ブロア出口での回路の圧力流関係を決定するために説明された方法を使用した後、ブロアの特性的なファン曲線を使用してブロアを通過する圧力流関係を近似してブロアの予想入口圧力を決定することができ、したがって入口圧力とブロアを通過する流れとの間の関係は、入口フィルタのようなコンポーネントの存在に応じて変化するか、または入口フィルタが目詰まりするにつれて徐々に変化する流量発生器の入口インピーダンスを記述することができる。いくつかの実装形態では、入口インピーダンスの推定値に応答することが、例えば、入口フィルタをチェックまたは交換するようにユーザーに促すことによって望ましいことがある。
【0186】
本明細書で説明された、および/または、上記または以下でより詳細に説明されたリーク決定および/または動的圧力降下決定を含む、療法システム特性に基づく特性化プロセスは、本明細書でより詳細に説明されたコントローラおよび/またはプロセッサ(複数可)を利用するなど、RPTデバイスによって完全に実施され得る。しかしながら、他の構成も実装可能である。例えば、療法システム特性付けプロセスは、RPTデバイスによって提供されるデータ(例えば、圧力および/または流れデータ)と通信(複数可)し、またはRPTデバイスによって提供されるデータを受信(複数可)またはアクセス(複数可)する1つまたは複数のサーバによって実行されてもよい。したがって、学習計算(例えば、曲線)は、このようなリモート、ネットワーク、またはクラウドサーバのプロセッサ(複数可)によって実現されてもよい。さらに、学習された機能またはそれに基づく他のデータ(例えば、変更された療法設定、圧力降下、および/またはリークデータ)は、RPTデバイスの使用/操作のために任意にRPTデバイスに送り返され得る。このような例では、RPTデバイスは、ブロワー圧力値およびブロワー流量値を1つまたは複数のサーバに送信するように実装されてもよい。このような場合には、圧力および流量の平均信号(例えば、1分平均値または他の平均値(複数可))が、平均リーク信号(例えば、..、1分平均リーク信号または他の平均値)を生成するのに十分である可能性がある。このような1つまたは複数のサーバにおけるこのような改善されたリークデータは、そのようなサーバ(複数可)によって決定されるか、またはRPTデバイスによって決定されてサーバ(複数可)に送信されるかにかかわらず、その後、そのようなサーバまたはRPTデバイスによって行われることができる他のリークベースの決定を改善することができる。例えば、口腔内リークは特殊なリークであり、特に問題となる可能性がある。米国特許第10,328号、第219号に記載されているように、この種のサーバ(複数可)またはRPTデバイス上で利用可能なデータ、例えば、分間換気および本明細書に記載されている確定されたリークのようなデータの分析は、次いで、この特許の全開示が参照によってここに組み込まれている口腔内リークのようなリークのタイプを決定するために使用され得る。本明細書に記載されたこのような改善されたリークは、口腔内リーク検出を改善することができるさらに、本明細書に記載されたリーク決定に基づくリーク分析は、患者の問題の検出を改善することもでき、そのような改善に基づいて介入を開始することができる。
【0187】
5.5.3.2 前処理モジュール
本技術の一形態による前処理モジュール4310は、トランスデューサ4270(例えば、流量センサ4274または圧力センサ4272)からの信号を入力として受け取り、オプションとして、システム特性付けアルゴリズム4305によって推定された圧力-流れ曲線パラメータを受け取り、1つまたは複数の処理ステップを実行して、他のモジュール(例えば、療法エンジンモジュール4320)への入力として使用される1つまたは複数の出力値を計算する。したがって、前処理モジュール4310は、療法中に入力信号と出力信号との間の最小待ち時間で実行される。
【0188】
本技術の一実装形態では、出力値は、インターフェース圧力Pm、換気流量Qv、呼吸流量Qr、およびリーク流量Qlを含む。
【0189】
本技術の様々な実装形態では、前処理モジュール4310は、動的圧力降下決定4311、インターフェース圧力推定4312、換気流量推定4314、リーク流量推定4316、および呼吸流量推定4318のうちの1つまたは複数のアルゴリズムを含む。
【0190】
5.5.3.2.1 動的圧力降下判定4311
前述したように、空気回路を通る空気流れの圧力降下△Pは、患者インターフェース内の圧力を決定および/または制御するためにプロセッサまたはコントローラによって使用されるパラメータであってもよい。この点で、このような圧力降下△Pは、一般に、システムに入力されるように、または制御された較正プロセスによって決定されるように、一般に知られている患者回路4170の静的特性である。この点では、予め(療法装置の使用前に)決定されており、療法デバイスによる療法に使用することができる。このような圧力降下△Pは、圧力-流れ曲線によって特性付けすることができ、患者回路がRPTとともに使用されている間、一般に一定に維持される。しかしながら、本技術のいくつかのバージョンでは、患者回路の圧力降下は、(例えば、図11の方法に関連して、患者の療法中に決定された(例えば、計算された)療法関連データ値を使用して)より動的に決定されることができ、圧力降下は、前に論じた点
【数43】
の圧力-流れ曲線から導出された学習曲線(例えば、そのパラメータの関数)を表す関数を使用して決定されてもよい。この方法は、マスクおよび/またはチューブタイプを手動で入力する必要なしに、および/または、製造業者によって記憶され、患者インターフェースおよび/または患者回路(例えば、送達チューブ)の識別がデバイスによって決定または手動で入力されるときに、療法デバイスによってアクセスされる記憶された圧力降下ΔPパラメータ値を検索する必要さえなく、RPTの使用を可能にすることができる。このような所定/記憶された圧力降下ΔPパラメータ値は、通常、患者インターフェース(例えば、マスクおよび/または送達チューブ)識別に関連付けられたデータテーブルに記憶され、識別と共に使用するためにアクセスされる。
【0191】
このような例の1つでは、患者インターフェースへの動的に決定された圧力降下△Pdd-マスクは、学習曲線を表す関数から導出することができる。この導出は、図7のモデルと合わせて考えることができる。システムでは、デバイス圧力(Pd)は、ブロワーから大気(P周囲)までの圧力降下△Pデバイスに等しいと理解できる。患者インターフェース圧力(Pm)は、換気口(Z2)を通って大気(Pa))までの圧力降下△P換気口として理解される。さらに、患者インターフェースまでの圧力降下(図1中のZ1)△Pマスクは、ブロワーから大気(P周囲)までの圧力降下△Pデバイスから換気口(Z2)を通って大気(P周囲)までの圧力降下△P換気口を差し引いたものと解することができる。これらの関係から、ブロワーの圧力またはデバイス圧力Pdは、患者インターフェース△Pマスク(Z1)の圧力降下△P換気口が換気口(Z2)を通って大気(P周囲)に達する圧力降下と等しいと理解される。したがって、患者インターフェース(例えば、マスク)内の圧力が目標療法圧力に制御され、圧力を発生する遠位デバイス(例えば、圧力発生器に配置された圧力センサ)で圧力が測定されるように患者に療法を提供することが望ましい場合、圧力発生器で圧力コントローラによって設定された圧力は、目標療法圧力に患者インターフェースまでの圧力降下を加えた△Pマスクに等しいことができる。以下の例では、患者インターフェース△Pマスク(Z1)までの圧力降下は、本明細書で説明されているように、患者インターフェース△Pdd-マスクへの動的に決定された圧力降下とすることができる。
【0192】
患者インターフェースまでの圧力降下△PDd-マスクの動的決定を可能にする方法13000の例は、図13Aおよび図13Bの例示的なフローチャートに関連して考慮することができる。この方法は、例えば、患者インターフェースを装着したユーザーに療法を提供する呼吸療法セッション中に、本明細書で説明されたRPTデバイス4000のプロセッサ(複数可)またはコントローラ(複数可)のいずれかによって実行されてもよい。図13Bに示す方法を実行するための前提条件として、いくつかのステップを実施することができる。図13Aのフローチャートを参照する方法13000Aは、そのようなステップ(複数可)を示している。
【0193】
そのような例の1つは、システムと共に使用される患者インターフェースを識別することを含むステップ13001である。例えば、t本技術は、気道陽圧換気デバイスに接続された患者インターフェースを識別するための任意の既知の技術、例えば、患者インターフェースを識別するための音響的方法、光学的方法、または電波(例えば、NFC)的方法、または電気的方法を利用することができる。あるいは、いくつかの実施形態は、使用されている患者インターフェースを識別するために、デバイスメニューまたは接続されたアプリケーションなどのシステムのユーザーインターフェースへのユーザー入力に依存する場合がある。例えば、ユーザーは、アプリケーション設定メニュー内の患者インターフェースのリストから使用する患者インターフェースを選択することができる。いくつかの実施形態では、この第1ステップは、例えば、1つのタイプのインターフェースのみで動作するように設計されたシステム、または同じ換気流れ特性を有する複数のタイプのインターフェースで動作するように設計されたシステムの場合には、設計によって否定されてもよい。
【0194】
インターフェースが識別されると、次のステップは、例えば、方法13000のプロセスの要件または基準を満たすことを決定することによって、インターフェースがプロセス13000に適しているかどうかを決定することであってもよい。例えば、インターフェースモデルがアルゴリズムに対して既知であり、かつ、療法圧力と換気流量との間の関係が既に特性付けられている、または特性付けられることがあることが知られている場合、また、このインターフェースモデルの高い割合のサンプル(例えば90%)については、特定の換気流量について、関連付けられた療法圧力に厳しい公差が存在するので、このプロセスは有益な出力を提供することができる。例えば、換気流量が30LPMである場合、関連付けられた療法圧力は、例えば10cmHOの5%以内、または10cmHOの2%以内であるべきである。インターフェースの設計によれば、療法圧力と換気流量との間の関係は2次多項式として記述することができる。他の場合には、他の関数がより適切であるか、またはいずれの場合にも、療法圧力と換気流れとの関係を決定するためにルックアップテーブルを使用することができる。
【0195】
方法13000Aなどにより、システム構成がプロセス13000に適していると判断されると、図示の方法は、13010でRPTデバイスの圧力および流量の測定、またはそれらの値の受信/アクセスを開始することができる。圧力および/または流量は、本明細書に記載されたデバイス圧力トランスデューサまたは流量トランスデューサなどのセンサ(複数可)によって生成することができる。13020において、圧力および流量信号は、システム(例えば、デバイス、送達導管、および換気口を含む患者インターフェースの組み合わせ)およびセンサと大気との間の圧力降下を増加させることができる任意の追加コンポーネント、例えばオンラインフィルタ、加湿器または他のシステムコンポーネントの圧力および流れ特性を表す曲線を決定するために分析することができる。このようなプロセスは、例えば、前述した方法11000のステップ11030と同様であってもよい。したがって、図8および図8Bのバイアス(リークなし)曲線に示すように、曲線8000を表すデータ(例えば、圧力値と流量値とを機能的に関連付けるルックアップテーブル)または2次関数によって曲線を表すことができる。このような2次関数は、式8またはその形式であってもよい。この曲線は、デバイス圧力(療法発生器(例えば、圧力発生器における圧力トランスデューサ)から大気または周囲までの圧力降下)を特性付けするものとして理解することができる。任意に、圧力および流量値を測定し、システムの圧力/流れ特性を(例えば曲線または式の形式で)導出する代わりに、このステップにおいて、プロセスは、そのようなシステムについて以前に導出された曲線のデータに簡単にアクセスすることができる。
【0196】
13030において、学習曲線を特性付けする第1関数、およびシステムコンポーネント(例えば、換気口)の圧力および流れ特性を表す曲線を特性付けする第2関数に基づいて、療法発生器(例えば、圧力発生器における圧力センサ)から患者インターフェースまでの圧力降下を特性付けする動的圧力降下パラメータを導出することができる。2つの曲線間の差は、センサからマスクへのシステム流量の関数としての圧力降下を生成するために使用され得る。例えば、第1関数は、2次関数またはそのデータ(例えば、前述の学習曲線ルックアップテーブル)であってもよい。換気流れをデバイス圧力の関数として決定することを可能にする以前の参考文献(例えば、WO/2021/072486または米国特許出願No.を参照。
1716972919781_0
と記載されており、これらの開示内容は参考としてここに組み込まれている)ので、どのような流量発生器圧力に対しても、換気流量を決定することができる。1つの問題は、システムコンポーネントの事前知識なしには、この方法を使用して各コンポーネントでどれだけの圧力が失われているかを判断することができないことである。しかし、与えられたシステム流量について、(マスクの知識に基づいて)換気圧力/流れ特性を決定した場合、は、与えられた換気流量(リーク箇所なしの与えられたシステム流量推定値と同じ)に基づいて、換気孔からどれだけの圧力が失われたかを推定することができる。特定の換気流量でどれだけの圧力が換気口で失われているかが分かり、換気口の大気側が大気圧下にあることがわかれば、マスク内の大気圧に対する圧力が換気口で失われている圧力であると推論することができる。そこで、a/マスク内の圧力とb/システムの残りの部分(センサーからマスクへ)の圧力降下、つまりシステム全体(センサーで測定圧力)からマスク内の圧力を差し引いた圧力を求めることができるようになった。任意に、13040では、FG内の流量の関数としてマスク圧力および「マスクに対する」圧力降下(センサからマスクへ)を学習しており、チューブタイプ、オンラインフィルタなどの少なくともいくつかのシステムコンポーネントの事前知識に依存することなく、マスク圧力を制御するためにこの圧力降下を補償することができる。その結果、出力を生成することができる。このような出力は、a/療法発生器の動作を制御するための1つまたは複数の信号を生成すること(例えば、動的圧力降下パラメータに基づいて空気流れの属性を調整すること)、b/受信/導出/計算されたデータを保存および/または表示すること、およびデータをリモートサーバーに転送すること、などを含んでもよい。方法13000は、13010に戻ることによって、13030および/または13040のいずれかのプロセスの後に、オプションとして繰り返しすることができる。
【0197】
したがって、前述したように、13030でのプロセスは、システムのコンポーネント(例えば、患者インターフェースの換気口)の圧力および流れ特性を定義する曲線を表す第2関数を含むものと考えることもできる。このような曲線の一例は、図8Bに示されており、異なる換気駆動圧力(この場合、換気駆動圧力は患者インターフェースの圧力に対応する)で換気ガスを通過する流量に関する。第1関数と同様に、第2関数は、2次関数またはそのデータ(例えば、圧力と流量とを関連付けるルックアップテーブルによって定義される曲線)であってもよい。したがって、本方法は、動的圧力降下パラメータを決定する際に、第1関数および第2関数に関連付けられた1つまたは複数のパラメータ間の差を決定することができる。この差は、第1圧力降下パラメータと第2圧力降下パラメータとの間の差と考えることができる。第1圧力降下パラメータは、システムを介して圧力発生器から大気への圧力損失(例えば、圧力発生器における圧力センサから、患者回路の送達導管を通って、患者インターフェースに入り、換気口を通って大気へ)の特性とすることができる。第2圧力降下パラメータは、換気口から大気までの圧力降下の特性である圧力損失と考えることができる。第1圧力降下パラメータは、流量トランスデューサからの流量の測定値を第1関数に適用することによって決定することができる。したがって、第1関数は、システム依存テンプレート曲線(曲線8000または9010)に従って、流量トランスデューサからの流量の測定値に関連付けられた圧力値を生成することができる。同様に、第2圧力降下パラメータは、流量トランスデューサからの流量の測定値を第2関数に適用することによって決定することができる。したがって、第2関数は、換気相関曲線(曲線8001)に従って、流量トランスデューサからの流量の測定値に関連付けられた圧力値を生成することができる。第1および第2関数と共に使用される流量トランスデューサからの流量の測定は、任意に、平均流量の測定値(例えば、ローパスフィルタ流れ)または流量トランスデューサからの流量の瞬間測定であってもよい。この流量の測定値は、総流量Qtとすることができる。
【0198】
いくつかの実装形態では、第1圧力降下パラメータから第2圧力降下パラメータを差し引いた結果としての上記の動的圧力降下パラメータは、圧力発生器(例えば、それに含まれる圧力センサ)から患者インターフェースまでの圧力降下の特性とすることができる。
【0199】
13040におけるプロセスのいくつかの実装形態では、このように導出された動的圧力降下パラメータ△Pdd-マスクは、例えば、圧力スイングの補償または目標圧力制御の達成のように、患者インターフェース内の圧力を制御するためにコントローラ内で利用され得る。閉ループコントローラを含んでもよいいくつかのこのような制御方法では、制御は、目標療法力パラメータ(例えば、療法圧力Ptである)から、圧力発生器から患者インターフェースまでの圧力降下の特性として導出された動的圧力降下パラメータを差し引き、減算の結果を圧力トランスデューサからの圧力の測定値と比較することを含んでもよい。あるいは、閉ループコントローラを含んでもよいいくつかのこのような制御方法では、制御は、導出された圧力降下パラメータ(圧力発生器から患者インターフェースまでの圧力降下の特性)を圧力トランスデューサからの圧力の測定値に追加し、追加された結果を目標療法圧力パラメータ(例えば、療法パラメータは治療圧力Pt)と比較することを含んでもよい。このような動的に導出された圧力降下に基づく制御の他の実施例、例えば、患者インターフェース圧力Pmに基づく制御は、このような動的に導出された圧力降下を使用する決定を伴うことができ、本明細書の追加の開示と関連して考慮することができる。例えば、閉ループコントローラを含んでもよいいくつかのこのような制御方法では、この制御は、動的に導出された圧力降下パラメータ(圧力発生器から患者インターフェースまでの圧力降下の特性)を目標療法圧力パラメータに加算すること、および/または、圧力トランスデューサからのデバイス圧力の測定値の追加結果を比較すること、および、この比較に基づいて1つまたは複数のブロワー駆動パラメータを制御すること、を含んでもよい、あるいは、b/加算の結果を用いてブロワー駆動パラメータのうちの1つまたは複数を制御する。
【0200】
本技術のいくつかの例では、患者インタフェースデバイスは、システム内の他の典型的なコンポーネント、例えば、バルブが開いているか閉じているかのときに、例えば、バルブ状のデバイスのような非2次的なものとは異なり、療法圧力を流量に関連付ける特定の機能を生成するように設計されてもよいが、この装置は、例えば、バルブが開いているか閉じているかのときに、療法圧力閾値の交点で流量のステップ変化を生成するバルブ状の装置のように設計されていてもよい。この場合、特性流量がマスクに現れるデバイスセンサ圧力を決定することによって、システムは、特性換気口に関連付けられたマスク圧力を推定し、次いで、センサ圧力とマスク圧力との差として、特性圧力におけるセンサとインターフェースとの間の圧力降下を決定することができる。
【0201】
5.5.3.2.2 インターフェース圧力推定
本技術の一実装形態では、インターフェース圧力推定アルゴリズム4312は、空気圧ブロック出口付近の空気圧経路内の圧力(デバイス圧力Pd)を表す圧力センサ4272からの信号を入力として受け取り、RPTデバイス4000から離れる空気流れの流量(デバイス流量Qd)を表す流量センサ4274からの信号を受け取り、システムが実際のマスク療法圧力とみなすことができる推定圧力Pmを出力として患者インターフェース3000に提供する。
【0202】
一実装形態では、インターフェース圧力推定アルゴリズム4312は、最初に、デバイス流量Qtに任意の補給ガス4180を加えた流量として、総流量Qdを計算する。次に、インターフェース圧力推定アルゴリズム4312は、空気回路4170の圧力降下特性△P(Q)を使用するか、あるいは測定流量または総流量Qtの関数として患者インターフェースへの動的に決定される圧力降下△Pdd-マスクを使用して、式(1)を適用して、デバイス圧力Pdから総流量Qtにおける空気回路圧力降下△Pを差し引いたものとしてインターフェース圧力Pmを推定する。
【0203】
任意に、このような推定を用いて、RPTデバイスの動作パラメータ(複数可)をそのコントローラが推定に基づいて調整することができる。例えば、ブロワーの動作のような流量または圧力療法制御パラメータは、推定値に基づいて調整することができる。任意に、この調整された制御パラメータは、その後、RPTデバイスによって適用されて、調整された制御パラメータに基づいて、本明細書に記載された任意の呼吸療法を提供するためにブロワーを動作させることができる。
【0204】
5.5.3.2.3 換気流量推定
本技術の一実装形態では、換気流量推定アルゴリズム4314は、インターフェース圧力推定アルゴリズム4312から患者インターフェース3000内の推定圧力Pmを入力として受け取り、患者インターフェース3000内の換気3400からの空気換気流量Qvを推定する。使用中の特定の換気口3400の換気流量Qvとインターフェース圧力Pmとの間の関係は、システム特性付けアルゴリズム4305が使用中の患者インターフェース3000タイプの知識に基づいて提供することができる式(2)の換気特性fによってモデル化される。
【0205】
任意に、このような推定を用いて、RPTデバイスの動作パラメータ(複数可)をそのコントローラが推定に基づいて調整することができる。例えば、ブロワーの動作のような流量または圧力療法制御パラメータは、推定値に基づいて調整することができる。任意に、この調整された制御パラメータは、その後、RPTデバイスによって適用されて、調整された制御パラメータに基づいて、本明細書に記載された任意の呼吸療法を提供するためにブロワーを動作させることができる。
【0206】
5.5.3.2.4 リーク流量推定
本技術の一実装形態では、リーク流量推定アルゴリズム4316は、インターフェース圧力推定アルゴリズム4312からの総流量Qtと、換気流量推定アルゴリズム4314からの換気流量Qvとを入力として受け取り、リーク流量Qlの推定値を出力として提供する。
【0207】
一実装形態では、リーク流量推定アルゴリズム4316は、(換気流量推定アルゴリズム4314からの総流量Qtと換気流量Qvとの差に等しい)非換気流量のフィルタバージョン(例えば、ローパスフィルタバージョン)を計算することにより、リーク流量Qlを推定する。ローパスフィルタの時定数は、いくつかの呼吸サイクルを含むのに十分な長さである。
【0208】
一実装形態では、リーク流量推定アルゴリズム4316は、入力として、インターフェース圧力推定アルゴリズム4312から患者インターフェース3000内の総流量Qt、換気流量Qvおよび推定圧力Pmを受け取り、リークコンダクタンスを計算し、リーク流量Qlがリークコンダクタンスおよびインターフェース圧力Pmの関数であると決定することにより、リーク流量Qlを出力として提供する。リークコンダクタンスは、ローパスフィルタ非換気流量とローパスフィルタインターフェース圧力Pmの平方根との商として計算することができ、ローパスフィルタ時定数は、いくつかの呼吸サイクルを含むのに十分長い値を有する。リーク流量Qlは、リークコンダクタンスとインターフェース圧力Pmの関数(例えば、平方根)との積として推定することができる。
【0209】
一実装形態では、リーク流量推定アルゴリズム4316は、総流量Qtおよびデバイス圧力Pdを入力として受け取り、リーク流量Qlの推定値を出力として提供する。図12は、この実装形態に従って、リーク流量Qlを推定する方法12000を示す流れ図を含む。方法12000を使用して、本技術の一実装形態においてリークフロー推定アルゴリズム4316を実装形態することができる。
【0210】
方法12000は、多数の呼吸サイクルの時定数を有するローパスフィルタのようなフィルタをデバイス圧力Pdに適用して、フィルタリングされたデバイス圧力
【数44】
を得るステップ12010で開始する。また、ステップ12010では、デバイス流量Qdとして総流量Qtを算出し、任意に、補給ガス4180の流量を加え、総流量Qtにローパスフィルタなどのフィルタ(例えば、前述と同じローパスフィルタ)を適用して、フィルタリングされた総流量
【数45】
を得る。
【0211】
次のステップ12020は、圧力-流れ曲線パラメータまたはシステム特性付けアルゴリズム4305によって提供されるルックアップテーブルを使用して、現在のフィルタリングされたデバイス圧力
【数46】
におけるバイアス流量Qbを求める。ステップ12020は、現在のフィルタリングされたデバイス圧力
【数47】
の下でバイアス流量Qbを求めるために、圧力-流れ曲線を反転させることを含んでもよい。これは、式(8)のように、圧力-流れ曲線が2次曲線である技術的実装において解析的に達成されてもよい。あるいは、ルックアップテーブルは、圧力-流れ曲線を使用して計算されたデバイス圧力
【数48】
の値に対して、バイアス流量Qbの値がテーブル化されたシステム特性付けアルゴリズム4305によって作成されてもよい。次いで、ステップ12020は、ルックアップテーブルを利用してバイアス流量Qbを求めることができる。
【0212】
次に、ステップ12030で、フィルタリングされた総流量
【数49】
からバイアス流量Qbを差し引いて、リーク流量Qlの推定値を得る。
【0213】
任意に、そのような推定を用いて、出力を生成することができる。出力にはさまざまな形式がある。一形態では、RPTデバイスの動作パラメータ(複数可)は、そのコントローラによって推定値に基づいて調整されてもよい。例えば、ブロワーの動作のような流量または圧力療法制御パラメータは、推定値に基づいて調整することができる。任意に、この調整された制御パラメータは、その後、RPTデバイスによって適用されて、調整された制御パラメータに基づいて、本明細書に記載された任意の呼吸療法を提供するためにブロワーを動作させることができる。あるいは、出力には、メッセージ(例えば、リークの通知または取られるべき特定のアクションの提案)を生成し、そのメッセージをユーザーまたは第三者に送信すること、データをリモートサーバーに送信することなどが含まれ得る。
【0214】
5.5.3.2.5 呼吸流量推定
本技術の一実装形態では、呼吸流量推定アルゴリズム4318は、総流量Qt、換気流量Qvおよびリーク流量Qlを入力として受け取り、総流量Qtから換気流量Qvおよびリーク流量Qlを差し引くことによって呼吸流量Qrを推定する。
【0215】
療法システム特性付けアルゴリズム4305によって提供される療法システム圧力-流れ特性曲線の正確な知識は、前処理モジュール4310のアルゴリズムによるリーク流量、換気流量および呼吸流量の正確な推定に波及し、呼吸療法の効果に有益であることが分かる。療法エンジンモジュール4320は、呼吸流量Qrの正確な推定から特に利益を得る。
【0216】
例えば、このような推定を用いて、RPTデバイスの動作パラメータ(複数可)は、推定に基づいてRPTデバイスのコントローラによって調整されてもよい。例えば、ブロワーの動作のような流量または圧力療法制御パラメータは、推定値に基づいて調整することができる。任意に、この調整された制御パラメータは、その後、RPTデバイスによって適用されて、調整された制御パラメータに基づいて、本明細書に記載された任意の呼吸療法を提供するためにブロワーを動作させることができる。
【0217】
5.5.3.3 療法エンジンモジュール
本技術の一形態では、療法エンジンモジュール4320は、患者インターフェース3000内の圧力Pm、および患者への空気呼吸流量Qrのうちの1つまたは複数を入力として受信し、かつ1つまたは複数の療法パラメータを出力として提供する。
【0218】
本技術の一形態では、療法パラメータは、治療圧力Ptである。
【0219】
本技術の一形態では、療法パラメータは、圧力変動の振幅、ベース圧力、および目標換気のうちの1つまたは複数である。
【0220】
様々な形態で、療法エンジンモジュール4320は、位相決定4321、波形決定4322、換気決定4323、吸気流れ制限決定4324、無呼吸/低呼吸決定4325、いびき決定4326、気道開存度決定4327、目標換気決定4328、および療法パラメータ決定4329のうちの1つまたは複数のアルゴリズムを含む。
【0221】
5.5.3.3.1 位相決定
本技術の一形態では、RPTデバイス4000は、位相を決定しない。
【0222】
本技術の一形態では、位相決定アルゴリズム4321は、入力として呼吸流量Qrを表す信号を受け取り、出力として患者1000の現在の呼吸サイクルの位相Φを提供する。
【0223】
離散位相決定と呼ばれるいくつかの形態では、位相出力Φは離散変数である。離散位相決定の一実装形態は、自発的な吸息および呼息の開始をそれぞれ検出すると、吸息または呼息の値、例えばそれぞれ0および0.5回転で表される値を有する2値位相出力Φを提供する。「トリガー」および「ループ」のRPTデバイス4000は、トリガーおよびループ点がそれぞれ呼息から吸息へ、吸息から呼息へと位相が変化する瞬間であるため、離散位相決定を効率的に行うことができる。2値位相決定の一実装形態では、呼吸流量Qrが正の閾値を超える値を有する場合には、位相出力Φが0の離散的な値に決定され(したがって、RPTデバイス4000を「トリガー」する)、呼吸流量Qrが負の閾値よりも負の値を有する場合には、位相出力が0.5回転の離散的な値に決定される(したがって、RPTデバイス4000を「サイクル」する)。吸息時間Ti、および呼息時間Teは、それぞれ0(吸気を表す)、および0.5(呼気を表す)に等しい段階Φに費やされた時間の多くの呼吸サイクルの典型的な値として見積もることができる。
【0224】
離散位相決定の別の実装形態は、吸息、吸息中休止、呼息のうちの1つの値を有する3値位相出力Φを提供する。
【0225】
連続位相決定と呼ばれる他の形態では、位相出力Φは、0から1回転または0から2πラジアン変化のような連続変数である。連続位相決定を行うRPTデバイス4000は、連続位相がそれぞれ0回転、0.5回転に達したときにトリガーしてループさせることができる。連続的な位相決定の一実装形態において、位相Φは、先ず、上述した呼吸流量Qrから離散的に推定され、吸息時間Tiおよび呼息時間Teも同様である。いずれの時刻の連続位相Φも、前回のトリガー時刻から経過した吸息時間Tiの割合の半分、または前回のサイクル時刻から経過した呼息時間Teの割合の半分を0.5回転加算したものとすることができる(近い方の時刻)。
【0226】
5.5.3.3.2 波形決定
本技術の一形態では、療法パラメータ決定アルゴリズム4329は、患者の呼吸サイクル全体にわたってほぼ一定の治療圧力を提供する。
【0227】
本技術の他の形態では、療法制御モジュール4330は圧力発生器4140を制御して、波形テンプレートΠ(Φ)に従って患者の呼吸サイクルの位相Φの関数として変化する治療圧力Ptを提供する。
【0228】
本技術の一形態では、波形決定アルゴリズム4322は、療法パラメータ決定アルゴリズム4329によって使用される波形テンプレートΠ(Φ)のために、位相決定アルゴリズム4321によって提供される位相値Φの定義領域上の範囲[0,1]内の値を提供する。
【0229】
一形態では、離散的または連続的な値の位相に適用され、波形テンプレートΠ(Φ)は、0.5回転未満の位相値の値が1であり、0.5回転以上の位相値の値が0である方形波テンプレートである。連続値位相に適した形態では、波形テンプレートΠ(Φ)は、2つの滑らかに湾曲した部分、すなわち、滑らかに湾曲した部分(例えば、立上りコサイン)0から1への位相値は0.5回転まで上昇し、滑らかなベンド(例えば、0.5回転を超える位相値の場合は指数的に)は1から0へ減衰する。連続値位相に適した形態では、波形テンプレートΠ(Φ)は方形波に基づくが、位相値は0から0.5回転未満の「立ち上がり時間」まで滑らかに立ち上がり、0.5回転後の「立ち下がり時間」の間、位相値は1から0まで滑らかに立ち下がり、「立ち下がり時間」は0.5回転未満である。
【0230】
本技術のいくつかの形態では、波形決定アルゴリズム4322は、RPTデバイスの設定に従って、波形テンプレートライブラリから波形テンプレートΠ(Φ)を選択する。ライブラリ内の各波形テンプレートΠ(Φ)は、位相値Φに対する値Πのルックアップテーブルとして提供することができる。他の形態では、波形決定アルゴリズム4322は、波形テンプレートΠ(Φ)を「動的に」計算するために、所定の関数形式(1つまたは複数のパラメータ(例えば、指数曲線部分の時定数)によってパラメータ化されることがある)を使用する。機能的形態のパラメータは、予め定められたものであってもよいし、患者1000の現在の状態に依存していてもよい。
【0231】
本技術のいくつかの形態では、吸息(Φ=0回転)または呼息(Φ=0.5回転)の離散的2値位相に適用され、波形決定アルゴリズム4322は、波形テンプレートΠ「動的」を、直近のトリガーの瞬間以降に測定された離散位相Φおよび時間tの関数として計算する。1つのこのような形態では、波形決定アルゴリズム4322は、波形テンプレートΠ(Φ,t)を次の2つの部分(吸気および呼気)で計算する。
【数50】
【0232】
ここで、Π(t)、およびΠ(t)は、波形テンプレートΠ(Φ,t)の呼気・吸気部である。このような形態の1つでは、波形テンプレートの吸気部Π(t)は立ち上がり時間によってパラメータ化された0~1の滑らかな立ち上がりであり、波形テンプレートの呼気部Π(t)は、立ち上がり時間によってパラメータ化された1~0の滑らかな立ち上がりである。
【0233】
5.5.3.3.3 吸気流れの制限の判定
本技術の一形態では、中央コントローラ4230は、吸気流れ制限の程度を判定するために吸気流れ制限判定アルゴリズム4324を実行する。
【0234】
一形態では、吸気流れ制限決定アルゴリズム4324は、吸気流量信号Qrを入力として受け取り、呼吸の吸気部分が吸気流れ制限を示す程度の尺度を出力として提供する。
【0235】
本技術の一形態では、各呼吸の吸気部分はゼロクロス検出器によって識別される。各呼吸の吸気流量-時間曲線に沿って、各時点を代表する複数の等間隔の点(例えば65個)を補間器で補間する。次に、点で記述された曲線は、呼吸数や深さの変化の影響を排除するために、均一な長さ(持続時間/サイクル)と均一な面積になるようにスカラースでスケーリングされる。次に、スケーリングされた呼吸は、図6Aに示す呼吸の吸気部分と同様に、比較器において、正常な開呼吸を表す予め記憶されたテンプレートと比較される。このテンプレートからのインスピレーション中に指定されたしきい値(通常は1スケール単位)を超えて逸脱する呼吸(咳、ため息、飲み込み、しゃっくりなど)は、テスト要素によって決定され、拒否される。拒否されていないデータについては、最初のいくつかの吸気換気口の最初のこのようなスケーリング点の移動平均値が中央コントローラ4230によって計算される。これは、同じ吸気イベントに対して2番目の点などで繰り返される。したがって、例えば、65個のスケーリングされたデータ点が中央コントローラ4230によって生成され、最初のいくつかの吸気換気口(例えば、3つの換気口)の移動平均を表す。(例えば65)点の連続更新値の移動平均値を以下「スケール流量」と呼び、Qs(t)と規定する。あるいは、平均値を移動する代わりに、単一の吸気換気口を利用することもできる。
【0236】
スケーリング流量から、部分閉塞の決定に関連付けられた2つの形状因子を算出することができる。
【0237】
形状係数(形状ファクタ)1は、全体(例えば65個)のスケーリング流量点の平均に対する、中間(例えば32個)のスケーリング流量点の平均の比率である。この比率が1を超えると呼吸は正常とみなされる。比率が1以下の場合、呼吸閉塞とみなされる。約1.17の比率は、部分的閉塞と無閉塞呼吸との間の閾値として用いられ、典型的な患者において十分な酸素化を維持することを可能にする閉塞の程度と等価である。
【0238】
形状係数(形状ファクタ)2は、単位スケーリング流量からの2乗平均偏差として計算され、中間値(例えば32)点を超えるものとする。約0.2単位の2乗平均偏差は正常とされている。2乗平均偏差がゼロであることは、完全に流量が制限された呼吸であると考えられる。2乗平均偏差がゼロに近づくほど、呼吸はより多くの流れ制限を受ける。
【0239】
形状係数(形状ファクタ)1と2は、代替として使用することも、組み合わせて使用することもできる。本技術の他の形態では、サンプリング点、呼吸点、および中間点の数は、上記で説明されたものとは異なることができる。また、閾値は、説明された閾値とは異なるものであってもよい。
【0240】
5.5.3.3.4 無呼吸及び低呼吸の判定
本技術の一形態では、中央コントローラ4230は、無呼吸/低呼吸判定アルゴリズム4325を実行し、無呼吸、および/または低呼吸の存在を決定する。
【0241】
一形態では、無呼吸/低呼吸決定アルゴリズム4325は、呼吸流量信号Qrを入力として受け取り、無呼吸または低呼吸が検出されたことを示すフラグを出力として提供する。
【0242】
一形態では、呼吸流量Qrの関数が、所定の時間にわたって流量閾値を下回った場合に、無呼吸が検出されたといえる。この関数は、ピーク流量、相対的短期平均流量、または相対的短期平均とピーク流量の中間値流量、例えば、RMS流量を求めることができる。流量閾値は、流量の比較的長期の尺度である場合がある。
【0243】
一態様では、呼吸流量Qrの関数が、所定の時間にわたって第2流量閾値を下回った場合、低呼吸が検出されたといえる。この関数は、ピーク流量、相対的短期平均流量、または相対的短期平均とピーク流量の中間値流量、例えばRMS流量を決定することができる。第2流量閾値は、流量の比較的長期的な尺度であってもよい。第2流量閾値は、無呼吸を検出するための流量閾値よりも大きい
【0244】
5.5.3.3.5 いびきの判定
本技術の一形態では、中央コントローラ4230は、いびきの程度を判定するために1つまたは複数のいびき決定アルゴリズム4326を実行する。
【0245】
一形態では、いびき決定アルゴリズム4326は、呼吸流量信号Qrを入力として受け取り、いびきの存在の程度の尺度を出力として提供する。
【0246】
いびき決定アルゴリズム4326は、30~300Hzの範囲における流量信号の強度を決定するステップを含んでもよい。さらに、いびき決定アルゴリズム4326は、呼吸流量信号Qrをフィルタリングして、背景雑音、例えば、ブロワーからのシステム内の空気流れの音を低減するステップを含み得る。
【0247】
5.5.3.3.6 気道開存度の判定
本技術の一形態では、中央コントローラ4230は、気道の開存の程度を決定するために、1つまたは複数の気道開存度決定アルゴリズム4327を実行する。
【0248】
一形態では、気道開存度決定アルゴリズム4327は、呼吸流量信号Qrを入力として受け取り、約0.75Hz、および約3Hzの周波数範囲における信号の電力を決定する。この周波数範囲内にピークが出現すると気道が開いていることを示す。ピークの欠損は気道閉鎖を示すものと考えられる。
【0249】
一形態では、ピークを求める周波数範囲は、治療圧力Ptにおける小さな強制振動の周波数である。一実装形態では、強制発振の周波数は2Hzであり、振幅は約1cmHOである。
【0250】
一形態では、気道開存度決定アルゴリズム4327は、呼吸流量信号Qrを入力として受け取り、心原性信号の有無を決定する。心原性信号の欠損は気道閉鎖の徴候と考えられる。
【0251】
5.5.3.3.7 療法パラメータの判定
本技術のいくつかの形態では、中央コントローラ4230は、1つまたは複数の療法パラメータ決定アルゴリズム4329を実行して、療法エンジンモジュール4320内の1つまたは複数の他のアルゴリズムによって返された値を使用して1つまたは複数の療法パラメータを決定する。
【0252】
本技術の一形態では、療法パラメータは、瞬間的な治療圧力Ptである。この形態の一実装形態では、療法パラメータ決定アルゴリズム4329は、式を用いて治療圧力Ptを決定する。
【数51】
【0253】
ここで、
Aは振幅であり、
Π(Φ,t)は、位相の現在値Φおよび時刻のtにおける波形テンプレート値(0から1の範囲)であり、
はベース圧力である。
【0254】
波形決定アルゴリズム4322が、位相Φによってインデックスされた値Πのルックアップテーブルとして波形テンプレートΠ(Φ,t)を提供する場合、療法パラメータ決定アルゴリズム4329は、位相決定アルゴリズム4321によって返された位相の現在の値Φに最も近いルックアップテーブルエントリを位置付けるか、位相の現在の値Φを横切る2つのエントリ間を補間することによって式(1)を適用する。
療法パラメータ決定アルゴリズム4329は、選択された呼吸圧療法モードに応じて、振幅Aおよびベース圧力Pの値を以下のように設定することができる。
【0255】
5.5.3.4 療法制御モジュール
本技術の一態様に係る療法制御モジュール4330は、療法エンジンモジュール4320の療法パラメータ決定アルゴリズム4329から療法パラメータを入力として受け取り、圧力発生器4140を制御して、療法パラメータに従って空気流れを送出する。
【0256】
本技術の一形態では、療法パラメータは、治療圧力Ptであり、療法制御モジュール4330は、患者インターフェース3000におけるインターフェース圧力Pmが治療圧力Ptと等しい空気流れを送達するように圧力発生器4140を制御する。
【0257】
5.5.3.5 障害状態の検出
本技術の一形態では、中央コントローラ4230は、1つまたは複数の方法4340を実行して、障害状態を検出する。1つまたは複数の方法4340によって検出された障害状態は、以下の少なくとも1つを含んでもよい。
電源障害(電源オフまたは電源が不十分)
トランスデューサ故障検出
部品の存在を検出できないこと
推奨範囲外の動作パラメータ(圧力、流量、温度、PaOなど)
テストアラームは検出可能なアラーム信号を生成できないこと
【0258】
障害状態が検出されると、対応するアルゴリズム4340は、以下の1つまたは複数の信号によって障害の存在を通知する。
音声、視覚、および/または動的(振動など)アラームの開始
外部デバイスへのメッセージの送信
インシデントの記録
【0259】
5.6 加湿器
5.6.1 加湿器の概要
本技術の一形態では、(例えば図5Aに示すように)加湿器5000が設けられ、周囲の空気に対する患者に送られる空気またはガスの絶対湿度を変化させる。典型的には、加湿器5000は、患者の気道に送られる前に、絶対湿度を上昇させ、空気流れの温度を(周囲の空気と比較して)上昇させるために使用される。
【0260】
加湿器5000は、加湿器リザーバ5110と、空気流れを受け入れる加湿器入口5002と、空気の加湿空気流れを送る加湿器出口5004とを含んでもよい。いくつかの形態では、図5Aおよび5Bに示すように、加湿器リザーバ5110の入口および出口は、それぞれ加湿器入口5002および加湿器出口5004とすることができる。加湿器5000はまた、加湿器リザーバ5110を収容するようにフィッティングされ、加熱要素5240を含んでもよい加湿器ベース5006を含んでもよい。
【0261】
5.7 呼吸波形
図6Aは、睡眠中のヒトの典型的な呼吸波形モデルを示す。横軸は時間とし、縦軸は呼吸流量とする。パラメータ値は変化することができるが、典型的な呼吸は、換気Vt0.5L、吸息時間Ti1.6s、ピーク吸気流量Qピーク0.4L/s、呼息時間Te2.4s、ピーク呼気流れQピーク-0.5L/sの近似値を持つことができる。呼吸の総時間Ttotは約4秒である。人は通常、約7.5リットル/分あたりの換気Ventで約15呼吸(BPM)で呼吸する。典型的なデューティ比であるTiとTtotの比は約40%である。
【0262】
図6Bは、自動PAP療法で治療されている、約90秒間、約34回の呼吸で正常に呼吸しているノンレム睡眠中の患者の、選択された睡眠ポリグラフィーのチャネル(パルスオキシメトリー、流量、胸部運動、腹部運動)を示し、インターフェース圧力は約cmHOである。トップチャンネルは脈拍酸素飽和度(酸素飽和度またはSpO)を表示し、スケールは垂直方向に90~99%の飽和範囲を有する。示された期間中、患者は約95%の飽和度を維持した。第2チャネルは、定量的な呼吸気流を示し、スケールは垂直方向に-1から+1LPSの範囲であり、吸気は正である。胸部および腹部の運動は、第3および第4チャネルに表示される。
【0263】
図6Cは、治療前の患者のポリソムノグラフィーを示す。上から下まで6分の水平スパンを持つ11個の信号チャネルがある。上部の2つのチャネルは、それぞれ異なる頭皮の位置からのEEG(脳波図)である。2番目のEEGの周期的スパイクは皮質の覚醒と関連活動を表している。下向きの3番目のチャネルがオトガイ下筋電図(筋電図)である。覚醒前後の活動の増加はオトガイ舌筋の補給を表す。第4チャンネルと第5チャンネルはEOG(眼電図)である。6番目のチャネルは心電図である。7番目のチャンネルは、約90%から70%以下まで繰り返し脱飽和を繰り返すパルスオキシメトリー(SpO)を示す。8番目のチャンネルは、差圧センサに接続された鼻カニューレを用いた呼吸気流である。25秒から35秒の繰り返し無呼吸と、10秒から15秒の回復呼吸のバーストとが交互に出現し、これは、EEG覚醒とEMG活動の増加と一致した。9番目のチャネルは、胸部の運動を示し、10番目のチャネルは腹部の運動を示す。覚醒の原因となる無呼吸の間、腹部は徐々に増強した運動を示す。どちらも、覚醒中は回復過呼吸中の体が大きく動くため、乱雑になる。そのため、無呼吸は閉塞性で重症である。最も下のチャネルは姿勢であり、この例では変化を示していない。
【0264】
図6Dは、患者が一連の全閉塞性無呼吸を経験している場合の患者流量データを示す。記録の持続時間は約160秒である。流量は、約+1リットル/秒~約-1.5リットル/秒の範囲である。1回の無呼吸は約10~15秒続く。
【0265】
5.8 呼吸療法モード
開示される呼吸療法システムは、様々な呼吸療法モードを実現することができる。
【0266】
5.8.1 CPAP療法
呼吸圧療法のいくつかの実装形態では、中央コントローラ4230は、療法パラメータ決定アルゴリズム4329の一部として、治療圧力の式(1)に従って治療圧Ptを設定する。1つのこのような実装形態では、振幅Aは同じようにゼロであり、したがって、全呼吸サイクルにおいて、治療圧力Pt(インターフェース圧力Pmによって現時点で達成されるべき目標値を表す)は、ベース圧力Pと同じである。このような実施はCPAP療法の見出しの下に位置づけられることが多い。このような実装形態では、療法エンジンモジュール4320は、位相Φまたは波形テンプレートΠ(Φ)を決定する必要はない。
【0267】
CPAP療法において、ベース圧力Pは、ハードコードされた一定値であってもよく、またはRPTデバイス4000に手動入力された一定値であってもよい。あるいは、中央コントローラ4230は、療法エンジンモジュール4320内の対応するアルゴリズムによって返される、流量制限、無呼吸、低呼吸、開存、いびきのうちの1つまたは複数のような睡眠時呼吸障害の指標または測定の関数として、ベース圧力Pを繰り返し計算することができる。この代替療法はAPAP療法と呼ばれることがある。
【0268】
図4Eは、圧力補助Aが同じようにゼロである場合に、療法パラメータ決定アルゴリズム4329のAPAP療法実装の一部としてベース圧力Pを連続的に計算する中央コントローラ4230によって実行される方法4500を示すフローチャートである。
【0269】
方法4500は、中央コントローラ4230が、無呼吸/低呼吸の有無の測定値を第1閾値と比較し、無呼吸/低呼吸の有無の測定値が、無呼吸/低呼吸が発生していることを示す第1閾値を所定の時間にわたって超えたか否かを決定するステップ4520で開始する。そうである場合、方法4500はステップ4540に進み、それ以外の場合、方法4500はステップ4530に進む。ステップ4540では、中央コントローラ4230は、気道開存度の測定値を第2閾値と比較する。気道開存度の測定値が気道開存を示す第2閾値を超えた場合、検出された無呼吸/低換気は中枢性であるとみなされ、方法4500はステップ4560に進み、それ以外の場合、無呼吸/低呼吸は閉塞性であるとみなされ、方法4500はステップ4550に進む。
【0270】
ステップ4530では、中央コントローラ4230は、流れ制限の測定値を第3閾値と比較する。流れ制限の測定値が第3閾値を超え、吸気流量が制限されていることを示す場合、方法4500はステップ4550に進み、それ以外の場合、方法4500はステップ4560に進む。
【0271】
ステップ4550で、中央コントローラ4230は、治療圧力Ptが最大治療圧力Pmaxを超えない限り、ベース圧力Pを所定の圧力増分△Pだけ増加させる。一実装形態では、所定の圧力増分△Pおよび最大治療圧力Pmaxは、それぞれ1cmHOおよび25cmHOである。他の実装形態では、圧力増分△Pは、0.1cmHOまで、かつ、3cmHOまで、または、0.5cmHOまで、かつ、2cmHOまで、低くすることができる。他の実装形態では、最大治療圧力Pmaxは、15cmHOまで、35cmHOまで、または20cmHOまで、30cmHOまで低くすることができ、次いで、方法4500は、ステップ4520に戻る。
【0272】
ステップ4560において、中央コントローラ4230は、低下したベース圧力Pが最小処理圧Pを下回らないことを条件として、ベース圧力Pminを低下させる。次いで、方法4500は、ステップ4520に戻る。一実装形態では、P-Pminに対するPの最小治療圧力Pminへの低下が、検出された換気口なしで指数関数的になるように、減少量はその値に比例する。一実装形態では、Pの指数低下の時定数τが60分であり、最小治療圧力Pminが4cmHOであるように比例定数が設定される。他の実装形態では、時定数τは、1分未満、300分未満、または5分未満、180分未満とすることができる。他の実装形態では、最小治療圧力Pminは、0cmHOまで低く、かつ、8cmHOまで低く、または、2cmHOまで低く、かつ、6cmHOまで低くすることができるあるいは、Pの減分は、検出された換気口なしに、Pを最小治療圧力Pminに減少させることが線形であるように予め決定することができる。
【0273】
5.8.2 バイレベル療法
本技術のこのような形態の他の実装形態では、式(1)における振幅Aの値は正であってもよい。この実装形態は、治療圧力Ptを決定するために、正の振幅Aを有する式(1)を使用するとき、療法パラメータ決定アルゴリズム4329は、患者1000の自発呼吸努力に同期して、治療圧力Ptを2つの値またはレベルの間で振動させるので、バイレベル療法と呼ばれる。すなわち、上記の典型的な波形テンプレートΠ(Φ,t)に基づいて、療法パラメータ決定アルゴリズム4329は、吸気開始時または吸気中に、治療圧力PtをP+A(IPAPと呼ばれる)まで増加させ、呼気開始時または呼気中に、治療圧力Ptをベース圧力P(EPAPと呼ばれる)まで減少させる。
【0274】
ある形態のバイレベル療法では、IPAPはCPAP療法モードの治療圧力と同じ目的を持つ治療圧力であり、EPAPはIPAPから振幅Aを差し引いたものであり、それは「小さい」値(いくつかのcmHO)を持ち、呼気圧力開放(EPR)と呼ばれることがある。この形態はEPR CPAP療法と呼ばれることもあり、直接CPAP療法よりも快適とされることが多い。EPRを用いたCPAP療法では、IPAPおよびEPAPの一方または両方は、ハードコードされた、またはRPTデバイス4000に手動で入力された一定の値であってもよい。あるいは、療法パラメータ決定アルゴリズム4329は、EPRを有するCPAPの間にIPAPおよび/またはEPAPを繰り返し計算することができる。この代替例において、療法パラメータ決定アルゴリズム4329は、療法エンジンモジュール4320中の各アルゴリズムから返送された睡眠時呼吸障害の指標または測定の関数としてEPAPおよび/またはIPAPを繰り返して計算する。これは、上記したAPAP療法におけるベース圧力Pの計算と同様に行われる。
【0275】
5.9 用語
本技術の開示のために、本技術の特定の形態において、次の1つまたは複数の定義を適用することができる。本技術の他の形態では、代替定義を適用することができる。
【0276】
5.9.1 一般
空気:本技術の特定の形態では、空気は大気として理解され、本技術の他の形態では、空気は、酸素に富む大気のような、呼吸可能な気体の他の組み合わせとして理解され得る。
【0277】
周囲:本技術の特定の形態では、周囲という用語は、(i)治療システムまたは患者の外部、および(ii)治療システムまたは患者を直接取り囲むものとして理解される。
【0278】
例えば、加湿器の周囲の湿度は、患者が寝ている部屋の湿度など、加湿器の周囲の空気の湿度であってもよい。この周囲湿度は、患者が寝ている部屋の外の湿度と異なっていてもよい。
【0279】
別の例では、周囲圧力は、体の周囲または体の外部に隣接する圧力であってもよい。
【0280】
特定の形態では、周囲(例えば、音響)雑音は、例えばRPTデバイスによって生成される雑音、またはマスクまたは患者インターフェースから発せられる雑音ではなく、患者がいる部屋における背景雑音レベルと考えられる。周囲騒音は、屋外の音源から発生している場合がある。
【0281】
自動気道陽圧換気(APAP)療法:SDBイベントの兆候の有無に応じて、呼吸から呼吸まで、最小値と最大値の間で変化する、治療圧力が自動的に調整されるCPAP療法。
【0282】
持続的気道陽圧換気(CPAP)療法:呼吸圧療法であり、治療圧は患者の呼吸サイクルにほぼ一定である。一部の形態では、気道入口の圧力は、呼息時にはやや高く、吸息時にはやや低くなる。いくつかの形態において、圧力は、患者の異なる呼吸サイクル間において変動する(例えば、部分的な上気道閉塞の兆候の検出に応答して増加され、部分的な上気道閉塞の通知の不在時において低減される)。
【0283】
流量:単位時間あたりに排出される空気の量(または質量)。流量は瞬時量を指すことができる。場合によっては、流量への参照がスカラーへの参照、つまりサイズだけの量への参照になることがある。他の場合、流量への参照は、ベクトルへの参照、つまり、大きさと方向の両方を持つ量への参照になる。流量は、Qの符号で表すことができる。「流量」は単に「流れ」や「空気流れ」と呼ばれることがある。
【0284】
患者の呼吸の例では、流量は、患者の呼吸サイクルの吸気部分については名目上正であってもよく、したがって、患者の呼吸サイクルの呼気部分については負であってもよい。デバイス流量Qdは、RPTデバイスから出る空気の流量である。総流量Qtは、空気回路を介して患者インターフェースに到達する空気、および任意の補給ガスの流量である。換気流量Qvは、換気孔から出て呼気ガスを排出する空気の流量である。リーク流量Qlは、患者インタフェースシステムまたは他の場所からリークした流量である。呼吸流量Qrは、患者の呼吸系が受け取る空気の流量である。
【0285】
加湿器:加湿器とは、患者の医学的呼吸状態を改善するために、空気流れに治療上有益な量の水(HO)蒸気を供給することができる物理的構造を有する加湿装置を意味するものと解される。
【0286】
リーク:意図しない空気流れ。一例では、マスクと患者の顔との間の不完全なシールが原因でリークが発生することがある。別の例では、周囲への回転エルボでリークが発生する可能性がある。
【0287】
患者:呼吸器疾患を患っているかどうかに関係なく、人。
【0288】
圧力:単位面積あたりの力。圧力は、cmHO、g-f/cm、およびヘクトパスカルを含む、多様な単位で表現され得る。1cmHOは、1g-f/cmに等しく、およそ0.98ヘクトパスカル(1ヘクトパスカル=100Pa=100N/m=1ミリバール~0.001atm)である。本明細書では、別段の記載がない限り、圧力はcmHOの単位で与えられる。
【0289】
Pmの符号が付された患者インターフェースにおける圧力と、Pmの符号が付された現在のインターフェース圧力が達成すべき目標値を示す治療圧力とが付されたPtである。
【0290】
呼吸圧療法(RPT):通常は大気に対して正の治療圧で気道入口に空気を供給する。
【0291】
人工呼吸器:呼吸作業の一部または全部を完了するために患者に圧力支援を提供する機械デバイス。
【0292】
5.9.2 呼吸サイクル
無呼吸:一部の定義によれば、流量が一定期間、例えば10秒間にわたって所定の閾値を下回ると、無呼吸が発生したと言われる。閉塞性無呼吸は、患者の努力にもかかわらず、気道の何らかの閉塞により空気が流れない場合に発生したと言わる。気道が流暢であるにもかかわらず、呼吸努力の減少や呼吸努力の消失による無呼吸が検出された場合には、中枢性無呼吸が発生しているといえる。混合性無呼吸は、呼吸努力の減少または消失が気道閉塞と同時に起こる場合に起こる。
【0293】
呼吸数:患者の自発呼吸のレートであり、通常は1分あたりの呼吸数で測定される。
【0294】
デューティサイクル:吸息時間Tiと総呼吸時間Ttotとの比。
【0295】
努力(呼吸):自発的に呼吸する人が呼吸をしようとする作業である。
【0296】
呼吸サイクルの呼気部:呼気流の開始から吸気流の開始までの期間。
【0297】
流れ制限:流れ制限は、患者の労力の増加が対応する流れの増加をもたらさない患者の呼吸における事態と見なされる。呼吸サイクルの吸気部中に流量制限が発生した場合には、これを吸気流れ制限と記述することができる。呼吸サイクルの呼気部中に流量制限が発生した場合、これを呼気流れ制限と記述することができる。
【0298】
呼吸低下:一部の定義によれば、呼吸低下は、流量の減少であるが、流れの停止ではないと見なされる。一形態では、血流が一定期間閾値レートを下回ったときに低換気が発生したといえる。呼吸努力の減少による低呼吸が検出された場合、中枢性低呼吸が発生しているといえる。成人の一形態では以下のうちいずれかが発生した場合、呼吸低下と見なされ得る。
(i)少なくとも10秒間の患者呼吸の30%の減少、および関連付けられた4%の不飽和化;あるいは
(ii)少なくとも10秒間の患者の呼吸の減少(ただし50%未満)と、それに伴う少なくとも3%の飽和度の低下または覚醒。
【0299】
過呼吸:通常よりも高いレベルへの流量の増加である。
【0300】
呼吸サイクルの吸気部:吸気流の開始から呼気流の開始までの時間を呼吸サイクルの吸気部とする。
【0301】
開存度(気道):気道が開いている程度、または気道が開いている程度。開存気道は開いている。気道の開存度は、例えば、値1が開存していること、値0が閉じている(閉塞している)ことで定量化できる。
【0302】
呼気終末陽圧(PEEP):呼気の終末に存在する肺における大気以上の圧力である。
【0303】
ピーク流量(Qピーク):呼吸流波形吸気部の最大流量値。
【0304】
呼吸流量、患者空気流れ量度、呼吸流量(Qr):これらの用語は、RPTデバイスによる呼吸流量の推定を指していると理解できる。「実際の呼吸流量」または「実際の呼吸流量」とは対照的に、実際の呼吸流量は患者が経験する実際の呼吸流量であり、通常はリットル/分で表される。
【0305】
一回換気(Vt):通常の呼吸で余分な力が必要ない場合に吸入または吐き出す空気の量。原則として、吸気量Vi(吸入空気量)と呼気量Ve(呼出空気量)とが等しくなるので、個々の換気Vtはいずれの量にも等しくなると定義することができる。実際には、一回換気Vtは、吸気体積Viと呼気体積Veの一部の組み合わせ、例えば、平均として推定される。
【0306】
(吸息)時間(Ti):呼吸流量波形形における吸気部の持続時間。
【0307】
(呼息)時間(Te):呼吸流量波形における呼気部の持続時間。
【0308】
(合計)時間(Ttot):呼吸流量波形の1つの吸気部の開始から次の呼吸流量波形の吸気部の開始までの合計時間。
【0309】
ティピカル最近換気:その周りに所定のタイムスケールにわたる換気最近値が集まる傾向がある換気値、すなわち、換気最近値の中心傾向の尺度である。
【0310】
上気道閉塞(UAO):上気道閉塞の一部および全体を含む。これは流量制限の状態に関連している可能性があり、上気道の圧力差が増加するにつれて流量がわずかに増加するか、場合によっては減少することもある(スターリング抵抗器の動作)。
【0311】
換気(Vent):患者の呼吸器系によって交換されるガスの速度の尺度。換気の測定は、単位時間当たりの吸気および呼気流れの一方または両方を含んでいてもよい。1分あたりの容積として表される場合、この量は一般的に「分換気」と呼ばれる。分換気は単純に体積として表されることがあり、1分あたりの体積として理解される。
5.10 その他のコメント
【0312】
この特許文書の開示の一部には、著作権保護の対象となる内容が含まれている。著作権所有者は、特許庁の特許ファイルまたは記録に記載されている特許文書または特許開示の誰によるファクシミリ複製にも異議を唱えまないが、それ以外の場合はすべての著作権を留保する。
【0313】
文脈に別段の明示的な規定がない限り、値の範囲が与えられている場合には、範囲の上限と下限の間の下限単位の10分の1の値、およびその範囲内の他の規定された値またはその範囲内の値は、技術に含まれることが理解されるべきである。これらの中間範囲の上限および下限は、独立して中間範囲に含まれてもよく、また、当該範囲から特に除外された制限のいずれかに従った技術に含まれてもよい。範囲が1つまたは2つの限界を含む場合には、含まれる限界の1つまたは2つを除外する範囲も技術に含まれる。
【0314】
さらに、1つまたは複数の値が技術の一部として実施されるものとして本明細書に記載されている場合、これらの値は、別段の記載がない限り近似することができ、実際の技術的実施が許容または必要とする可能性がある程度で、任意の適切な有効な数字に利用することができることが理解されるべきである。
【0315】
別段の定義がない限り、本明細書で使用されるすべての技術用語および科学用語は、当技術の当業者が一般に理解するものと同じ意味を有するものとする。本明細書に記載された方法および材料と類似または同等の任意の方法および材料も、本技術の実施または試験に使用することができるが、本明細書には、限られた数の例示的な方法および材料が記載されている。
【0316】
部品を構築するために特定の材料が決定された場合には、類似した特性を有する明白な代替材料を代替材料として使用することができる。さらに、別段の規定がない限り、本明細書に記載されているコンポーネントのいずれかおよびすべては、製造可能であると理解され、したがって、一緒にまたは別々に製造することができる。
【0317】
なお、本明細書および添付の特許請求の範囲で使用されるように、単数形「1つ(a)」、「一(an)」および「該(the)」は、文脈で別段の規定がない限り、それらの複素等価物を含む。
【0318】
本明細書で言及されているすべての出版物は、それらの出版物の主題である方法および/または資料を開示および記述するために、参照によって本明細書に統合される。本明細書に記載されている刊行物は、本願の出願日前にそれらを公開するためにのみ使用される。本明細書に記載されている内容は、当該技術が先の発明により当該刊行物よりも前に権利を有していないことを認めるものと解釈することはできない。また、提供された発行日が実際の発行日と異なる場合があり、個別に確認する必要がある場合がある。
【0319】
用語「包含」および「包含」は、要素、コンポーネント、またはステップを非排他的に指すものとして解釈され、参照された要素、コンポーネント、またはステップが存在し、使用され、または明示的に参照されていない他の要素、コンポーネント、またはステップと結合され得ることを意味する。
【0320】
詳細な説明において使用される主題語は、読者の参照を容易にするためにのみ含まれており、開示または特許請求の範囲全体に見出される主題を限定するためには適用されない。主題語は、請求項の範囲の解釈または請求項の限定には適用されない。
【0321】
本明細書では、特定の例を参照して技術を説明してきたが、これらの例は、技術の原理および応用の説明にすぎないことを理解されたい。場合によっては、用語および記号は、その技術を実践するのに必要のない特定の詳細を意味することがある。例えば、「第1」および「第2」という用語が使用されてもよいが、別段の記載がない限り、それらはいかなる順序も示すことを意図しておらず、異なる要素を区別するために使用されてもよい。さらに、本方法におけるプロセスステップは、順序で解釈または説明されてもよいが、この順序は必須ではない。当業者は、そのような順序付けが修正されてもよく、および/またはその態様が同時に、あるいは同期して行われてもよいことを認識する。
【0322】
したがって、例示的な例には多くの修正を加えることができ、他の構成は、技術の精神および範囲を逸脱することなく設計することができることを理解されたい。
【符号の説明】
【0323】
1000 患者
1100 ベッドパートナー
3000 患者インターフェース
3100 シール形成構造
3200 プレナムチャンバー
3300 構造
3400 換気口
3600 接続ポート
3700 額サポート
4000 RPTデバイス
4010 外部ハウジング
4012 上部
4014 部分
4015 パネル(複数可)
4016 シャーシ
4018 ハンドル
4020 空気圧ブロック
4110 空気フィルタ
4112 入口空気フィルタ
4114 出口空気フィルタ
4120 マフラー
4122 入口マフラー
4124 出口マフラー
4140 圧力発生器
4142 ブロワー
4144 モータ
4160 アンチスピルバック弁
4170 空気回路
4180 補給ガス
4200 電気コンポーネント
4202 プリント回路基板アセンブリ
4210 電源
4220 入力デバイス
4230 中央コントローラ
4232 クロック
4240 療法デバイスコントローラ
4250 保護回路
4260 メモリ
4270 トランスデューサ
4272 圧力トランスデューサ
4274 流量トランスデューサ
4276 モータ速度トランスデューサ
4280 データ通信インターフェース
4282 リモート外部通信ネットワーク
4284 ローカル外部通信ネットワーク
4286 リモート外部デバイス
4288 ローカル外部デバイス
4290 出力デバイス
4292 ディスプレイドライバ
4294 ディスプレイ
4300 アルゴリズム
4305 システム特性付けアルゴリズム
4310 事前処理モジュール
4312 インターフェース圧力推定アルゴリズム
4314 換気流量推定アルゴリズム
4316 リーク流量推定アルゴリズム
4318 呼吸流量推定アルゴリズム
4320 療法エンジンモジュール
4321 位相決定アルゴリズム
4322 波形決定アルゴリズム
4323 換気決定
4324 吸気流れ制限決定アルゴリズム
4325 無呼吸/低呼吸決定アルゴリズム
4326 いびき決定アルゴリズム
4327 気道開存度決定アルゴリズム
4328 目標換気決定
4329 療法パラメータ決定アルゴリズム
4330 療法制御モジュール
4340 方法
4500 方法
4520 ステップ
4530 ステップ
4540 ステップ
4550 ステップ
4560 ステップ
5000 加湿器
5002 加湿器入口
5004 加湿器出口
5006 加湿器ベース
5110 加湿器リザーバ
5130 加湿器リザーバドック
5240 加熱要素
7000 モデル
8000 圧力-流れ曲線
8001 圧力-流れ曲線
9000 曲線
9010 圧力-流れ曲線
9020 偏り
10000 ヒストグラム
10010 ピーク
11000 方法
11010 ステップ
11020 ステップ
11030 ステップ
11040 ステップ
12000 方法
12020 ステップ
12020 ステップ
12030 ステップ
13000 方法
13010 ステップ
13020 ステップ
13030 ステップ
13040 ステップ
図1A
図1B
図1C
図2
図3
図4A
図4B
図4C
図4D
図4E
図5A
図5B
図6A
図6B
図6C
図6D
図7
図8
図8B
図9
図10
図11
図12
図13A
図13B
【国際調査報告】