(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-10-23
(54)【発明の名称】再生デバイス分離距離に基づくオーディオパラメータ調整
(51)【国際特許分類】
H04S 7/00 20060101AFI20241016BHJP
【FI】
H04S7/00 300
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024519735
(86)(22)【出願日】2022-09-29
(85)【翻訳文提出日】2024-05-10
(86)【国際出願番号】 US2022077233
(87)【国際公開番号】W WO2023056336
(87)【国際公開日】2023-04-06
(32)【優先日】2021-09-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
(71)【出願人】
【識別番号】506030756
【氏名又は名称】ソノス・インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】Sonos, Inc.
(74)【代理人】
【識別番号】100132241
【氏名又は名称】岡部 博史
(74)【代理人】
【識別番号】100183265
【氏名又は名称】中谷 剣一
(72)【発明者】
【氏名】ルイス,ジェラッド
(72)【発明者】
【氏名】バトン,ダグラス ジョン
(72)【発明者】
【氏名】ムンティーン,カイリー ベス
(72)【発明者】
【氏名】ジョーンズ,ダニエル
(72)【発明者】
【氏名】メフラビ,アディブ
(72)【発明者】
【氏名】パイク,クリストファー ウィリアム
【テーマコード(参考)】
5D162
【Fターム(参考)】
5D162AA09
5D162CA17
5D162CC12
5D162DA02
5D162DA04
5D162DA17
5D162DA22
5D162EG02
(57)【要約】
本明細書で開示される実施形態は、個々の再生デバイスがマルチチャネルオーディオコンテンツの1つ以上の対応するチャネルを再生する構成を含む1つ以上の再生構成で動作するように構成される再生デバイスを含む。オーディオパラメータは、再生デバイス間の距離に基づいて決定され得る。幾つかの例において、オーディオパラメータは、少なくとも再生デバイス間の距離に基づいて変化する低周波数フィルタなどのフィルタを備える。オーディオパラメータが決定された後、再生デバイスは、決定されたオーディオパラメータにしたがってオーディオコンテンツを再生することができる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
マルチチャネルオーディオコンテンツの第1のチャネルが第2の再生デバイスを介した前記マルチチャネルオーディオコンテンツの第2のチャネルの再生と同期して第1の再生デバイスを介して再生する第1の再生構成で動作するための命令を受信するステップと、
前記第1の再生構成で動作するための前記命令を受信した後に、前記第1の再生デバイスと前記第2の再生デバイスとの間の距離を決定するステップと、
決定された前記距離に基づいて、第1のオーディオパラメータを決定するステップと、
決定された前記第1のオーディオパラメータにしたがって前記マルチチャネルオーディオコンテンツの前記第1のチャネルを前記第1の再生デバイスに再生させるステップと、
決定された前記第1のオーディオパラメータにしたがって前記マルチチャネルオーディオコンテンツの前記第2のチャネルを前記第2の再生デバイスに再生させるステップと、
を含む、方法。
【請求項2】
前記第1の再生デバイス及び前記第2の再生のうちの少なくとも一方の位置又は向きの変化を検出するステップと、
前記位置又は向きの変化を検出した後に、前記第1の再生デバイスと前記第2の再生デバイスとの間の第2の距離を決定するステップと、
前記第2の距離に基づいて、更新された第1のオーディオパラメータを決定するステップと、
ネットワークインタフェースを介して、更新された前記第1のオーディオパラメータにしたがって前記第2の再生デバイスがマルチチャネルオーディオコンテンツの前記第2のチャネルを再生する第2の再生構成で動作するようにするステップと、
を更に含む、
請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記第1の再生デバイスと前記第2の再生デバイスとの間の距離を決定するステップは、前記第1の再生デバイスを介して前記第2の再生デバイスに超広帯域(UWB)信号を送信することを含む、
請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記第1の再生デバイスと前記第2の再生デバイスとの間の距離を決定するステップは、前記第1の再生デバイスの1つ以上のマイクロフォンを介して、前記第2の再生デバイスを介したオーディオ出力を受信することを含む、
請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記第1の再生デバイスと前記第2の再生デバイスとの間の距離を決定するステップは、前記第2の再生デバイスのネットワークインタフェースを介して、前記第2の再生デバイスを介して1つ以上の較正トーンを出力させることを含む、
請求項4に記載の方法。
【請求項6】
前記第1のオーディオパラメータを決定するステップは、決定された前記距離をルックアップテーブル内の1つ以上の対応するフィルタ特性に一致させることを含む、
請求項1に記載の方法。
【請求項7】
前記第1の再生デバイスと前記第2の再生デバイスとの間の距離を決定するステップは、光速測定モダリティ及び光速測定モダリティよりも遅いものを使用することを含む、
請求項1から6のいずれか一項に記載の方法。
【請求項8】
前記第1のオーディオパラメータを決定するステップは、前記第1及び第2の再生デバイスが位置される特定の聴取環境に関して、所定の周波数未満の周波数範囲を含む前記第1の再生デバイスのモノラル出力を決定することを含む、
請求項1に記載の方法。
【請求項9】
前記モノラル出力を決定するステップは、前記特定の聴取環境の1つ以上の特性に基づいて予想モノラル出力を推定することを含む、
請求項8に記載の方法。
【請求項10】
前記モノラル出力を決定するステップは、前記第1の再生デバイスを介して較正オーディオを出力することを含む、
請求項8に記載の方法。
【請求項11】
前記更新された前記第1のオーディオパラメータを決定するステップは、前記周波数範囲における前記モノラル出力よりも大きい所定量内にオーディオ出力を実質的に維持するフィルタを決定することを含む、
請求項10に記載の方法。
【請求項12】
前記第2の再生デバイスの接続性の喪失を検出するステップと、
前記検出された接続性の喪失に応答して、前記第1のオーディオパラメータを単一プレーヤ構成に対応するように戻すステップと、
を更に含む、
請求項1に記載の方法。
【請求項13】
再生プロセスを実行するように少なくとも1つの再生デバイスを制御するために前記少なくとも1つの再生デバイスの1つ以上のプロセッサによって実行可能な命令を含む1つ以上の有形の非一時的コンピュータ読み取り可能な記憶媒体であって、前記再生プロセスは、
マルチチャネルオーディオコンテンツの第1のチャネルが第2の再生デバイスを介した前記マルチチャネルオーディオコンテンツの第2のチャネルの再生と同期して第1の再生デバイスを介して再生する第1の再生構成で動作するための命令を受信するステップと、
前記第1の再生構成で動作するための前記命令を受信した後に、前記第1の再生デバイスと前記第2の再生デバイスとの間の距離を決定するステップと、
決定された前記距離に基づいて、第1のオーディオパラメータを決定するステップと、
決定された前記第1のオーディオパラメータにしたがって前記マルチチャネルオーディオコンテンツの前記第1のチャネルを前記第1の再生デバイスに再生させるステップと、
決定された前記第1のオーディオパラメータにしたがって前記マルチチャネルオーディオコンテンツの前記第2のチャネルを前記第2の再生デバイスに再生させるステップと、
を含む、1つ以上の有形の非一時的コンピュータ読み取り可能な記憶媒体。
【請求項14】
前記再生プロセスは、
前記第1の再生デバイス及び前記第2の再生のうちの少なくとも一方の位置又は向きの変化を検出するステップと、
前記位置又は向きの変化を検出した後に、前記第1の再生デバイスと前記第2の再生デバイスとの間の第2の距離を決定するステップと、
前記第2の距離に基づいて、更新された第1のオーディオパラメータを決定するステップと、
ネットワークインタフェースを介して、前記更新された第1のオーディオパラメータにしたがって前記第2の再生デバイスがマルチチャネルオーディオコンテンツの前記第2のチャネルを再生する第2の再生構成で動作するようにするステップと、
を更に含む、
請求項13に記載の1つ以上の有形の非一時的コンピュータ読み取り可能な記憶媒体。
【請求項15】
前記第1の再生デバイスと前記第2の再生デバイスとの間の距離を決定するステップは、前記第1の再生デバイスを介して前記第2の再生デバイスに超広帯域(UWB)信号を送信することを含む、
請求項14に記載の1つ以上の有形の非一時的コンピュータ読み取り可能な記憶媒体。
【請求項16】
前記第1の再生デバイスと前記第2の再生デバイスとの間の距離を決定するステップは、前記第1の再生デバイスの1つ以上のマイクロフォンを介して、前記第2の再生デバイスを介したオーディオ出力を受信することを含む、
請求項14又は15に記載の1つ以上の有形の非一時的コンピュータ読み取り可能な記憶媒体。
【請求項17】
前記第1の再生デバイスと前記第2の再生デバイスとの間の距離を決定するステップは、前記第2の再生デバイスのネットワークインタフェースを介して、前記第2の再生デバイスを介して1つ以上の較正トーンを出力させることを含む、
請求項16に記載の1つ以上の有形の非一時的コンピュータ読み取り可能な記憶媒体。
【請求項18】
再生デバイスであって、
ネットワークインタフェースと、
1つ以上のトランスデューサと、
1つ以上のプロセッサと、
を備え、
前記1つ以上のプロセッサは、前記再生デバイスを制御して、
マルチチャネルオーディオコンテンツの第1のチャネルが第2の再生デバイスを介した前記マルチチャネルオーディオコンテンツの第2のチャネルの再生と同期して第1の再生デバイスを介して再生する第1の再生構成で動作するための命令を受信し、
前記第1の再生構成で動作するための前記命令を受信した後に、前記第1の再生デバイスと前記第2の再生デバイスとの間の距離を決定し、
決定された前記距離に基づいて、第1のオーディオパラメータを決定し、
決定された前記第1のオーディオパラメータにしたがって前記マルチチャネルオーディオコンテンツの前記第1のチャネルを前記第1の再生デバイスに再生させ、
決定された前記第1のオーディオパラメータにしたがって前記マルチチャネルオーディオコンテンツの前記第2のチャネルを前記第2の再生デバイスに再生させる、
ように構成される、
再生デバイス。
【請求項19】
1つ以上のマイクロフォンと、
超広帯域エネルギーを送信及び/又は受信するように構成される1つ以上のアンテナと、
を更に備える、
請求項18に記載の再生デバイス。
【請求項20】
前記1つ以上のプロセッサは、前記再生デバイスを更に制御して、
前記第1の再生デバイス及び前記第2の再生のうちの少なくとも一方の位置又は向きの変化を検出し、
前記位置又は向きの変化を検出した後に、前記第1の再生デバイスと前記第2の再生デバイスとの間の第2の距離を決定し、
前記第2の距離に基づいて、更新された第1のオーディオパラメータを決定し、
前記ネットワークインタフェースを介して、前記更新された第1のオーディオパラメータにしたがって前記第2の再生デバイスがマルチチャネルオーディオコンテンツの前記第2のチャネルを再生する第2の再生構成で動作する、
ように構成される、
請求項18又は19に記載の再生デバイス。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、消費者物品に関し、より詳細には、メディア再生又はその幾つかの態様を対象とする方法、システム、製品、特徴、サービス、及び他の要素に関する。
【背景技術】
【0002】
SONOS,Inc.が新しいタイプの再生システムの開発を開始した2002年まで、音量の大きな設定でデジタルオーディオにアクセスして聴取するオプションは制限されていた。その後、Sonosは、2003年に「複数のネットワークデバイス間でオーディオ再生を同期させる方法(Method for Synchronizing Audio Playback between Multiple Networked Devices)」と題する最初の特許出願のうちの1つを出願し、2005年に販売用の最初のメディア再生システムの提供を開始した。Sonosワイヤレスホームサウンドシステムは、人々が1つ以上のネットワーク化された再生デバイスを介して多くのソースからの音楽を体験できるようにする。コントローラ(例えば、スマートフォン、タブレット、コンピュータ、音声入力デバイス)にインストールされたソフトウェア制御アプリケーションを介して、ネットワーク化された再生デバイスを有する任意の部屋で、自分が望むものを再生することができる。メディアコンテンツ(例えば、曲、ポッドキャスト、ビデオサウンド)は、再生デバイスを伴う各部屋が対応する異なるメディアコンテンツを再生できるように、再生デバイスにストリーミングされ得る。更に、同じメディアコンテンツの同期再生のために部屋を一緒にグループ化することができ、及び/又は同じメディアコンテンツを全ての部屋で同期して聞くことができる。
【0003】
本開示の技術の特徴、態様、及び利点は、以下で列挙される以下の説明、添付の特許請求の範囲、及び添付図面に関してより良く理解され得る。当業者であれば分かるように、図面に示された特徴が例示目的のためであり、その異なる及び/又は更なる特徴及び配置を含む変形が可能である。
【図面の簡単な説明】
【0004】
【
図1A】開示された技術の態様に従って構成されたメディア再生システムを有する環境の部分破断図
【
図1B】
図1Aのメディア再生システム及び1つ以上のネットワークの概略図
【
図1F】ネットワークマイクロフォンデバイスのブロック図
【
図1I】例示的なスイッチング回路及び/又は通信回路構成を含む通信システムの一例を示す。
【
図1J】通信回路構成を含む通信システムの一例を示す。
【
図2A】3つの再生デバイスを含む構成の一例を示す。
【
図2B】3つの再生デバイスを含む構成の他の例を示す。
【
図3】開示された技術の態様に係る到来角(AOA)推定の一例を示す。
【
図4】開示された技術の態様にしたがって構成される指向性アンテナアレイを示す。
【
図5】開示された技術の態様に係る飛行時間(ToF)推定の一例を示す。
【
図6】開示された技術の態様にしたがって構成される5つのアンテナを含む再生デバイスの一例を示す。
【
図7】開示された技術の態様にしたがって実行される移動平均の数に対する範囲誤差のプロットである。
【
図8】開示された技術の態様にしたがってToF/範囲推定を実行するように構成される再生デバイスを示す。
【
図9】開示された技術の態様にしたがってToF/範囲推定及び2次元AOA推定のいずれか又は両方を実行するように構成される再生デバイスを示す。
【
図10】開示された技術の態様にしたがってToF/範囲推定及び3次元AOA推定の両方を実行するように構成される再生デバイスを示す。
【
図11】開示された技術の態様に係るAOA推定技術に基づき、再生デバイスが他の再生デバイスを区別するための方法の実施形態の一例を示す。
【
図12】開示された技術の態様に係るToF推定技術に基づき、再生デバイスが他の再生デバイスを区別するための他の方法1200の実施形態の一例を示す。
【
図13】開示された技術の態様にしたがって1つ以上の再生デバイスがそれらの間の距離を決定してそれに対応してオーディオパラメータを調整するための他の方法1300のフロー図である。
【
図14】開示された技術の態様にしたがって1つ以上の再生デバイスが1つ以上の調整されたオーディオパラメータを決定するための他の方法1400のフロー図である。
【
図15】様々な距離で分離された一対の再生デバイスの周波数応答プロットを示すグラフである。
【0005】
図面は、例示の実施形態を示す目的のためのものであるが、当業者であれば分かるように、本明細書に開示される技術が図面に示される配置及び/又は手段に限定されない。
【発明を実施するための形態】
【0006】
I.概要
従来のメディア再生システムにおけるデバイスは、個々のデバイスが個々のチャネルの再生責任を割り当てられるように結合又はペアリングされることができる。例えば、ステレオペアモードでは、第1の再生デバイスは、左チャネルのオーディオコンテンツを再生するように構成することができ、第2の再生デバイスは、右チャネルのオーディオコンテンツを再生するように構成することができる。2つのデバイスがステレオペアにある場合、固定低周波シェルフフィルタを両方のデバイスに適用して、各デバイスがモノラル再生用に調整される方法と比較して低音出力を低減することができる。低周波数シェルフフィルタが適用されるのは、これらの低周波数(例えば、1キロヘルツ(kHz)未満))では、各デバイスからの低音音声をコヒーレントに加算できるためである。このフィルタがなければ、低周波数エネルギーは、所与の同調に望ましいよりも低音が多くなるように増加する。
【0007】
従来のメディア再生システムでは、低周波シェルフフィルタは、それらの間の配置又は距離にかかわらず、ステレオペア構成の全てのデバイスに適用することができる。しかしながら、コヒーレントに合計する低周波エネルギーのレベルは、ステレオデバイス間の間隔に強く依存する。場合によっては、低周波数シェルフフィルタは低音出力を過度に低減する可能性があるが、他の場合では、低周波数シェルフフィルタは、低周波数出力のコヒーレント加算に起因して過剰な低音を低減するには不十分であり得る。
【0008】
この目的のために、本明細書で開示される実施形態は、超広帯域(UWB)技術(例えば、UWB無線機、複数のアンテナ、及びスイッチング能力)などの適切な方法を利用して再生デバイス間の相対距離を決定し、それに応じて1つ以上のオーディオパラメータを調整する再生デバイスを説明する。幾つかの例では、例えば、ステレオペア構成における2つの再生デバイス間の距離に基づいて、低周波シェルフフィルタは、組み合わされたステレオペアからの低音出力が単一のデバイスからのモノラル低音出力により密接に整合するように調整される。幾つかの例では、例えば、低周波シェルフフィルタは、合成ステレオペアからの低音出力を、単一のデバイスからのモノラル低音出力の約±3dB以内に正規化するように構成されてもよい。
【0009】
本明細書で説明される幾つかの例は、「ユーザ」、「聴取者」、及び/又は他のエンティティなどの所与の当事者によって実行される機能を指すことができるが、これは説明のみを目的としていることを理解されるべきである。特許請求の範囲は、特許請求の範囲自体の言葉によって明示的に必要とされていない限り、任意のそのような例の作用主体による行為を必要とするように解釈されるべきでない。
【0010】
図において、同一の参照番号は、概して類似した、及び/又は同一の要素を示す。任意の特定の要素の説明を容易にするために、参照番号の最上位桁は、その要素が最初に導入される図を指す。例えば、要素110aが最初に導入され、
図1Aを参照して説明される。図に示されている詳細、寸法、角度及び他の特徴の多くは、開示された技術の特定の実施形態の単なる例示である。したがって、他の例は、本開示の精神又は範囲から逸脱することなく、他の詳細、寸法、角度及び特徴を有することができる。更に、当業者であれば分かるように、様々な開示された技術の更なる実施形態が、以下に記載される詳細の幾つかを伴うことなく実施され得る。
【0011】
II.適切な動作環境
図1Aは、環境101(例えば、家)内に分散されたメディア再生システム100の部分破断図である。メディア再生システム100は、(個々に再生デバイス110a~110nとして識別される)1つ以上の再生デバイス110と、(個々にNMD120a~120cとして識別される)1つ以上のネットワークマイクロフォンデバイス(「NMD」)120と、(個々に制御デバイス130a及び130bとして識別される)1つ以上の制御デバイス130とを備える。
【0012】
本明細書で使用される場合、「再生デバイス」という用語は、一般に、メディア再生システムのデータを受信、処理、及び出力するように構成されたネットワークデバイスを指すことができる。例えば、再生デバイスは、オーディオコンテンツを受信して処理するネットワークデバイスとすることができる。幾つかの実施形態では、再生デバイスは、1つ以上の増幅器によって給電される1つ以上のトランスデューサ又はスピーカを含む。しかしながら、他の実施形態では、再生デバイスは、スピーカ及び増幅器のうちの一方(又はいずれも含まない)を含む。例えば、再生デバイスは、対応するワイヤ又はケーブルを介して再生デバイスの外部の1つ以上のスピーカを駆動するように構成された1つ以上の増幅器を備えることができる。
【0013】
更に、本明細書で使用される場合、NMD(すなわち、「ネットワークマイクロフォンデバイス」)という用語は、一般に、オーディオ検出のために構成されたネットワークデバイスを指すことができる。幾つかの実施形態では、NMDは、主にオーディオ検出用に構成されたスタンドアロンデバイスである。他の実施形態では、NMDは再生デバイスに組み込まれる(又はその逆)。
【0014】
「制御デバイス」という用語は、一般に、メディア再生システム100のユーザアクセス、制御、及び/又は構成を容易にすることに関連する機能を実行するように構成されたネットワークデバイスを指すことができる。
【0015】
再生デバイス110のそれぞれは、(例えば、1つ以上のリモートサーバ又は1つ以上のローカルデバイス)1つ以上のメディアソースからオーディオ信号又はデータを受信し、受信したオーディオ信号又はデータを音声として再生するように構成されている。1つ以上のNMD120は、音声ワードコマンドを受信するように構成され、1つ以上の制御デバイス130は、ユーザ入力を受信するように構成される。受信した話し言葉コマンド及び/又はユーザ入力に応答して、メディア再生システム100は、再生デバイス110のうちの1つ以上を介してオーディオを再生することができる。特定の実施形態では、再生デバイス110は、トリガに応答してメディアコンテンツの再生を開始するように構成される。例えば、再生デバイス110のうちの1つ以上は、関連するトリガ条件の検出(例えば、キッチンにおけるユーザの存在、コーヒーマシンの操作の検出)時に朝のプレイリストを再生するように構成されることができる。幾つかの実施形態では、例えば、メディア再生システム100は、第2の再生デバイス(例えば、再生デバイス100b)と同期して第1の再生デバイス(例えば、再生デバイス100a)からオーディオを再生するように構成されている。本開示の様々な実施形態に従って構成されたメディア再生システム100の再生デバイス110、NMD120、及び/又は、制御デバイス130間の相互作用が、
図1B~
図1Hに関連して以下により詳細に説明される。
【0016】
図1Aの図示の実施形態では、環境101は、(左上から時計回りに)主浴室101a、マスターベッドルーム101b、セカンドベッドルーム101c、ファミリールーム又は私室101d、オフィス101e、リビングルーム101f、ダイニングルーム101g、キッチン101h、及び屋外パティオ101iを含む、幾つかの部屋、空間、及び/又は再生ゾーンを有する家庭を含む。特定の実施形態及び例は、家庭環境の文脈で以下に説明されるが、本明細書に記載の技術は、他のタイプの環境で実施されてもよい。幾つかの実施形態においては、例えば、メディア再生システム100を、(例えば、レストラン、モール、空港、ホテル、小売店又は他の店舗)1つ以上の商用設定、1つ以上の車両(例えば、スポーツユーティリティビークル、バス、車、船舶、ボート、飛行機)、複数の環境(例えば、家庭環境と車両環境との組み合わせ)、及び/又は、マルチゾーンオーディオが望ましい場合がある他の適切な環境において実装することができる。
【0017】
メディア再生システム100は、1つ以上の再生ゾーンを備えることができ、その一部は環境101内の部屋に対応し得る。メディア再生システム100は、例えば
図1Aに示される構成を形成するために追加のゾーンが追加又は除去されることができる後に、1つ以上の再生ゾーンを用いて確立されることができる。各ゾーンには、オフィス101e、主浴室101a、マスターベッドルーム101b、セカンドベッドルーム101c、キッチン101h、ダイニングルーム101g、リビングルーム101f、及び/又はバルコニー101iなどの異なる部屋又は空間に応じた名前を付けることができる。幾つかの態様では、単一の再生ゾーンは、複数の部屋又は空間を含むことができる。特定の態様では、単一の部屋又は空間は、複数の再生ゾーンを含むことができる。
【0018】
図1Aの図示の実施形態では、主浴室101a、セカンドベッドルーム101c、オフィス101e、リビングルーム101f、ダイニングルーム101g、キッチン101h、及び屋外パティオ101iはそれぞれ1つの再生デバイス110を含み、マスターベッドルーム101b及び私室101dは複数の再生デバイス110を含む。マスターベッドルーム101bにおいて、再生デバイス110l及び110mは、例えば、再生デバイス110の個々のものとして、結合された再生ゾーンとして、統合された再生デバイスとして、及び/又はそれらの任意の組み合わせとして同期してオーディオコンテンツを再生するように構成されてもよい。同様に、私室101dにおいて、再生デバイス110h~110jは、例えば、再生デバイス110の個々のデバイスとして、1つ以上の結合された再生デバイスとして、及び/又は、1つ以上の統合された再生デバイスとして同期してオーディオコンテンツを再生するように構成されることができる。結合及び統合された再生デバイスに関する更なる詳細は、
図1B及び
図1Eに関して以下に記載される。
【0019】
幾つかの態様では、環境101内の再生ゾーンのうちの1つ以上はそれぞれ、異なるオーディオコンテンツを再生していてもよい。例えば、ユーザは、パティオ101iでグリルしており、再生デバイス110cによって再生されているヒップホップ音楽を聴いている一方で、別のユーザは、キッチン101hで食品を準備しており、再生デバイス110bによって再生されているクラシック音楽を聴いている。別の例では、再生ゾーンは、別の再生ゾーンと同期して同じオーディオコンテンツを再生することができる。例えば、ユーザは、再生デバイス110fがパティオ101i上で再生デバイス110cによって再生されている同じヒップホップ音楽を再生しているのを聞いてオフィス101eにいることができる。幾つかの態様では、再生デバイス110c及び110fは、異なる再生ゾーン間を移動しながらオーディオコンテンツがシームレスに(又は少なくとも実質的にシームレスに)再生されていることをユーザが知覚するように同期してヒップホップ音楽を再生する。再生デバイス及び/又はゾーン間のオーディオ再生同期に関する更なる詳細は、例えば、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる、「複数の独立してクロック制御されるデジタルデータ処理デバイス間で動作を同期させるためのシステム及び方法」と題する米国特許第8,234,395号明細書に見出すことができる。
【0020】
a.適切なメディア再生システム
図1Bは、メディア再生システム100及びクラウドネットワーク102の概略図である。図示を容易にするために、メディア再生システム100及びクラウドネットワーク102の特定のデバイスは、
図1Bから省略されている。1つ以上の通信リンク103(以下、「リンク103」と呼ぶ)は、メディア再生システム100とクラウドネットワーク102とを通信可能に結合する。
【0021】
リンク103は、例えば、1つ以上の有線ネットワーク、1つ以上の無線ネットワーク、1つ以上のワイドエリアネットワーク(WAN)、1つ以上のローカルエリアネットワーク(LAN)、1つ以上のパーソナルエリアネットワーク(PAN)、1つ以上の電気通信ネットワーク(例えば、1つ以上のモバイル用グローバルシステム(GSM)ネットワーク、符号分割多元接続(CDMA)ネットワーク、ロングタームエボリューション(LTE)ネットワーク、5G通信ネットワーク、及び/又は他の適切なデータ送信プロトコルネットワーク)などを備えることができる。クラウドネットワーク102は、リンク103を介してメディア再生システム100から送信される要求に応答してメディアコンテンツ(例えば、オーディオコンテンツ、ビデオコンテンツ、写真、ソーシャルメディアコンテンツ)をメディア再生システム100に配信するように構成される。幾つかの実施形態では、クラウドネットワーク102は、メディア再生システム100からデータ(例えば、音声入力データ)を受信し、それに対応してコマンド及び/又はメディアコンテンツをメディア再生システム100に送信するように更に構成される。
【0022】
クラウドネットワーク102は、コンピューティングデバイス106(第1のコンピューティングデバイス106a、第2のコンピューティングデバイス106b、及び第3のコンピューティングデバイス106cとして別々に識別される)を備える。コンピューティングデバイス106は、例えば、オーディオ及び/又は他のメディアコンテンツを記憶するメディアストリーミングサービスサーバ、音声サービスサーバ、ソーシャルメディアサーバ、メディア再生システム制御サーバなどの個々のコンピュータ又はサーバを備えることができる。幾つかの実施形態では、コンピューティングデバイス106のうちの1つ以上は、単一のコンピュータ又はサーバのモジュールを備える。特定の実施形態では、コンピューティングデバイス106のうちの1つ以上は、1つ以上のモジュール、コンピュータ、及び/又はサーバを備える。更に、クラウドネットワーク102は、単一のクラウドネットワークの文脈で前述されているが、幾つかの実施形態では、クラウドネットワーク102は、通信可能に結合されたコンピューティングデバイスを含む複数のクラウドネットワークを備える。更に、クラウドネットワーク102は、コンピューティングデバイス106のうちの3つを有するものとして
図1Bに示されているが、幾つかの実施形態では、クラウドネットワーク102は、より少ない(又はより多い)3つのコンピューティングデバイス106を備える。
【0023】
メディア再生システム100は、リンク103を介してネットワーク102からメディアコンテンツを受信するように構成される。受信されたメディアコンテンツは、例えば、ユニフォーム・リソース・アイデンティファイヤ(URI)及び/又はユニフォーム・リソース・ロケータ(URL)を備えることができる。例えば、幾つかの例では、メディア再生システム100は、受信したメディアコンテンツに対応するURI又はURLからデータをストリーミング、ダウンロード、又は取得することができる。ネットワーク104は、リンク103とメディア再生システム100のデバイスの少なくとも一部(例えば、再生デバイス110、NMD120、及び/又は、制御デバイス130のうちの1つ以上)とを通信可能に結合する。ネットワーク104は、例えば、無線ネットワーク(例えば、WI-FIネットワーク、BLUETOOTH(登録商標)ネットワーク、Z-Waveネットワーク、ZigBee、及び/又は他の適切な無線通信プロトコルネットワーク)及び/又は有線ネットワーク(例えば、イーサネット、ユニバーサルシリアルバス(USB)、及び/又は別の適切な有線通信を含むネットワーク)を含むことができる。当業者には理解されるように、本明細書で使用される場合、「WI-FI」は、例えば、2.4ギガヘルツ(GHz)、5GHz、及び/又は別の適切な周波数で送信される、米国電気電子学会(IEEE)802.11a、802.11b、802.11g、802.11n、802.11ac、802.11ac、802.11ad、802.11af、802.11ah、802.11ai、802.11aj、802.11aq、802.11ax、802.11ay、802.15などを含む幾つかの異なる通信プロトコルを指すことができる。
【0024】
幾つかの実施形態では、ネットワーク104は、メディア再生システム100が個々のデバイス間でメッセージを送信するために、及び/又はメディアコンテンツソース(例えば、コンピューティングデバイス106のうちの1つ以上)との間でメディアコンテンツを送信するために使用する専用通信ネットワークを備える。特定の実施形態では、ネットワーク104は、メディア再生システム100内のデバイスのみにアクセス可能であるように構成され、それにより、他の家庭用デバイスとの干渉及び競合を低減する。しかしながら、他の例では、ネットワーク104は、既存の家庭用通信ネットワーク(例えば、家庭用WI-FIネットワーク)を備える。幾つかの実施形態では、リンク103及びネットワーク104は、同じネットワークのうちの1つ以上を備える。幾つかの態様では、例えば、リンク103及びネットワーク104は、電気通信ネットワーク(例えば、LTEネットワーク、5Gネットワーク)を備える。更に、幾つかの実施形態では、メディア再生システム100は、ネットワーク104を伴うことなく実装され、メディア再生システム100を備えるデバイスは、例えば、1つ以上の直接接続、PAN、電気通信ネットワーク、及び/又は他の適切な通信リンクを介して、互いに通信することができる。本明細書では、ネットワーク104は、メディア再生システム100をリモートデバイス、例えば、クラウドサービスに結合するクラウドネットワーク102とネットワーク104を区別するために、「ローカル通信ネットワーク」と称されてもよい。
【0025】
幾つかの実施形態では、オーディオコンテンツソースは、メディア再生システム100から定期的に追加又は削除されてもよい。幾つかの実施形態では、例えば、メディア再生システム100は、1つ以上のメディアコンテンツソースがメディア再生システム100に更新、追加、及び/又は削除されるときにメディアアイテムのインデックス付けを実行する。メディア再生システム100は、再生デバイス110にアクセス可能な幾つかの又は全てのフォルダ及び/又はディレクトリ内の識別可能なメディアアイテムを走査し、発見された識別可能なメディアアイテム毎にメタデータ(例えば、タイトル、アーティスト、アルバム、トラック長)及び他の関連情報(例えば、URI、URL)を備えるメディアコンテンツデータベースを生成又は更新することができる。幾つかの実施形態では、例えば、メディアコンテンツデータベースは、再生デバイス110、ネットワークマイクロフォンデバイス120、及び/又は制御デバイス130のうちの1つ以上に記憶される。
【0026】
図1Bの図示の実施形態では、再生デバイス110l及び110mは、グループ107aを備える。再生デバイス110l及び110mは、家庭内の異なる部屋に配置され、メディア再生システム100内の制御デバイス130a及び/又は別の制御デバイス130で受信されたユーザ入力に基づいて、一時的又は永続的にグループ107aに一緒にグループ化されることができる。グループ107aに配置されると、再生デバイス110l及び110mは、1つ以上のオーディオコンテンツソースから同期して同じ又は同様のオーディオコンテンツを再生するように構成されることができる。特定の実施形態では、例えば、グループ107aは、再生デバイス110l及び110mがそれぞれマルチチャネルオーディオコンテンツの左オーディオチャネル及び右オーディオチャネルを含む結合ゾーンを含み、それにより、オーディオコンテンツのステレオ効果を生成又は強化する。幾つかの実施形態では、グループ107aは、更なる再生デバイス110を含む。しかしながら、他の実施形態では、メディア再生システム100は、グループ107a及び/又は再生デバイス110の他のグループ化された配置を省略する。
【0027】
メディア再生システム100は、それぞれがユーザからの音声発話を受信するように構成された1つ以上のマイクロフォンを備えるNMD120a及び120dを含む。
図1Bの図示の実施形態では、NMD120aがスタンドアロンデバイスであり、NMD120dが再生デバイス110nに組み込まれる。NMD120aは、例えば、ユーザ123から音声入力121を受信するように構成される。幾つかの実施形態では、NMD120aは、受信した音声入力121に関連するデータを、(i)受信した音声入力データを処理し、(ii)メディア再生システム100に代わって1つ以上の操作を可能にするように構成された音声アシスタントサービス(VAS)に送信する。
【0028】
幾つかの態様では、例えば、コンピューティングデバイス106cは、VAS(例えば、SONOS(登録商標)、AMAZON(登録商標)、グーグル(登録商標)APPLE(登録商標)、MICROSOFT(登録商標))の1つ以上のモジュール及び/又はサーバを備える。コンピューティングデバイス106cは、ネットワーク104及びリンク103を介してNMD120aから音声入力データを受信することができる。
【0029】
音声入力データの受信に応答して、コンピューティングデバイス106cは、音声入力データ(すなわち、「ビートルズのHey Judeを再生して」)を処理し、処理された音声入力が曲(例えば、「Hey Jude」)を再生するコマンドを含むと決定する。いくつかの実施形態では、音声入力を処理した後に、コンピューティングデバイス106cは、再生デバイス110のうちの1つ以上の適切なメディアサービスから(例えば、コンピューティングデバイス106のうちの1つ以上を介して)ビートルズによる「Hey Jude」を再生するためのコマンドをメディア再生システム100に送信する。他の実施形態では、コンピューティングデバイス106cは、メディア再生システム100に代わってメディアサービスとインターフェイスするように構成されてもよい。このような実施形態では、音声入力を処理した後、コンピューティングデバイス106cがメディア再生システム100にコマンドを送信してメディア再生システム100に適切なメディアサービスから要求されたメディアを取得させる代わりに、コンピューティングデバイス106c自体が、ユーザの音声発話に従って、適切なメディアサービスに要求されたメディアをメディア再生システム100へ提供させる。
【0030】
b.適切な再生デバイス
図1Cは、入力/出力111を備える再生デバイス110aのブロック図である。入力/出力111は、アナログI/O111a(例えば、1つ以上のワイヤ、ケーブル、及び/又はアナログ信号を搬送するように構成された他の適切な通信リンク)及び/又はデジタルI/O111b(例えば、デジタル信号を搬送するように構成された1つ以上のワイヤ、ケーブル、又は他の適切な通信リンク)を含むことができる。幾つかの実施形態では、アナログI/O111aは、例えば、自動検出3.5mmオーディオライン入力接続を含むオーディオライン入力接続である。幾つかの実施形態では、デジタルI/O111bは、Sony/Philips Digital Interface Format(S/PDIF)通信インタフェース及び/又はケーブル及び/又はToshiba Link(TOSLINK)ケーブルを備える。幾つかの実施形態では、デジタルI/O111bは、高解像度マルチメディアインタフェース(HDMI(登録商標))インタフェース及び/又はケーブルを備える。幾つかの実施形態では、デジタルI/O111bは、例えば、無線周波数(RF)、赤外線、WI-FI、BLUETOOTH、又は別の適切な通信プロトコルを含む1つ以上の無線通信リンクを含む。特定の実施形態では、アナログI/O111a及びデジタル111bは、必ずしもケーブルを含まずに、それぞれアナログ信号及びデジタル信号を送信するケーブルのコネクタを受け入れるように構成されたインタフェース(例えば、ポート、プラグ、ジャック)を備える。
【0031】
再生デバイス110aは、例えば、入力/出力111(例えば、ケーブル、ワイヤ、PAN、BLUETOOTH接続、アドホック有線又は無線通信ネットワーク、及び/又は別の適切な通信リンク)を介してローカルオーディオソース105からメディアコンテンツ(例えば、音楽及び/又は他のサウンドを含むオーディオコンテンツ)を受信することができる。ローカルオーディオソース105は、例えば、モバイルデバイス(例えば、スマートフォン、タブレット、ラップトップコンピュータ)又は別の適切なオーディオコンポーネント(例えば、テレビ、デスクトップコンピュータ、増幅器、フォノグラフ、ブルーレイプレーヤ、デジタルメディアファイルを記憶するメモリ)を備えることができる。幾つかの態様では、ローカルオーディオソース105は、スマートフォン、コンピュータ、ネットワーク接続ストレージ(NAS)、及び/又はメディアファイルを記憶するように構成された別の適切なデバイス上のローカル音楽ライブラリを含む。特定の実施形態では、再生デバイス110、NMD120、及び/又は制御デバイス130のうちの1つ以上は、ローカルオーディオソース105を備える。しかしながら、他の実施形態では、メディア再生システムは、ローカルオーディオソース105を完全に省略する。幾つかの実施形態では、再生デバイス110aは、入力/出力111を含まず、ネットワーク104を介して全てのオーディオコンテンツを受信する。
【0032】
再生デバイス110aは、電子機器112と、ユーザインタフェース113(例えば、1つ以上のボタン、ノブ、ダイヤル、タッチ感知面、ディスプレイ、タッチスクリーン)と、1つ以上のトランスデューサ114(以下、「トランスデューサ114」と呼ぶ)とを更に備える。電子機器112は、入力/出力111を介してオーディオソース(例えば、ローカルオーディオソース105)、又はネットワーク104(
図1B)を介してコンピューティングデバイス106a~106cのうちの1つ以上からオーディオを受信し、受信したオーディオを増幅し、トランスデューサ114のうちの1つ以上を介して再生するために増幅されたオーディオを出力するように構成される。幾つかの実施形態では、再生デバイス110aは、任意選択的に、1つ以上のマイクロフォン115(例えば、単一のマイクロフォン、複数のマイクロフォン、マイクロフォンアレイ)(以下、「マイクロフォン115」と称する)を含む。特定の実施形態では、例えば、任意選択のマイクロフォン115のうちの1つ以上を有する再生デバイス110aは、ユーザから音声入力を受信し、受信した音声入力に基づいて1つ以上の動作を対応して実行するように構成されたNMDとして動作することができる。
【0033】
図1Cの図示の実施形態では、電子機器112は、1つ以上のプロセッサ112a(以下、「プロセッサ112a」と呼ぶ)と、メモリ112bと、ソフトウェアコンポーネント112cと、ネットワークインタフェース112dと、1つ以上のオーディオ処理コンポーネント112g(以下、「オーディオコンポーネント112g」と呼ぶ)と、1つ以上のオーディオ増幅器112h(以下、「増幅器112h」と呼ぶ)と、電源112i(例えば、1つ以上の電源、電源ケーブル、電源レセプタクル、バッテリ、誘導コイル、パワーオーバーイーサネット(POE)インタフェース、及び/又は他の適切な電力源)とを備える。幾つかの実施形態では、電子機器112は、任意選択的に、1つ以上の他のコンポーネント112j(例えば、1つ以上のセンサ、ビデオディスプレイ、タッチスクリーン、バッテリ充電ベース)を含む。
【0034】
プロセッサ112aは、データを処理するように構成されたクロック駆動コンピューティングコンポーネントを備えることができ、メモリ112bは、様々な動作及び/又は機能を実行するための命令を記憶するように構成されたコンピュータ読み取り可能な記憶媒体(例えば、ソフトウェアコンポーネント112cのうちの1つ以上がロードされた有形の非一時的コンピュータ読み取り可能な記憶媒体)を備えることができる。プロセッサ112aは、メモリ112bに記憶された命令を実行して、動作のうちの1つ以上を実行するように構成される。この動作は、例えば、再生デバイス110aに、オーディオソース(例えば、コンピューティングデバイス106a~106c(
図1B)のうちの1つ以上)及び/又は再生デバイス110のうちの他の1つからオーディオデータを検索させることを含むことができる。幾つかの実施形態では、動作は、再生デバイス110aに、再生デバイス110aのうちの別のデバイス及び/又は別のデバイス(例えば、NMD120のうちの1つ)にオーディオデータを送信させることを更に含む。特定の実施形態は、再生デバイス110aに、マルチチャネルオーディオ環境(例えば、ステレオ対、結合ゾーン)を可能にするために、1つ以上の再生デバイス110のうちの別のものとペアリングさせる動作を含む。
【0035】
プロセッサ112aは、再生デバイス110aにオーディオコンテンツの再生を1つ以上の再生デバイス110のうちの別のものと同期させる動作を実行するように更に構成されることができる。当業者には理解されるように、複数の再生デバイス上でのオーディオコンテンツの同期再生中、聴取者は、好ましくは、再生デバイス110aによるオーディオコンテンツの再生と他の1つ以上の他の再生デバイス110によるオーディオコンテンツの再生との間の時間遅延差を知覚することができない。再生デバイス間のオーディオ再生同期に関する更なる詳細は、例えば、参照により上記に組み込まれた米国特許第8,234,395号に見出すことができる。
【0036】
幾つかの実施形態においては、メモリ112bが、再生デバイス110aがそのメンバである1つ以上のゾーン及び/又はゾーングループ、再生デバイス110aにアクセス可能なオーディオソース、及び/又は、再生デバイス110a(及び/又は、1つ以上の再生デバイスのうちの他の再生デバイス)が関連付けられ得る再生キューなどの再生デバイス110aと関連付けられるデータを記憶するように更に構成される。記憶されたデータは、周期的に更新され、再生デバイス110aの状態を記述するために使用される1つ以上の状態変数を含むことができる。メモリ112bはまた、メディア再生システム100の他のデバイス(例えば、再生デバイス110、NMD120、制御デバイス130)のうちの1つ以上の状態と関連付けられたデータを含むことができる。幾つかの態様では、例えば、状態データは、メディア再生システム100のデバイスの少なくとも一部の間で所定の時間間隔(例えば、5秒ごと、10秒ごと、60秒ごと)の間に共有され、その結果、デバイスのうちの1つ以上は、メディア再生システム100に関連付けられた最新データを有する。
【0037】
ネットワークインタフェース112dは、再生デバイス110aと、例えばリンク103及び/又はネットワーク104(
図1B)などのデータネットワーク上の1つ以上の他のデバイスとの間のデータの送信を容易にするように構成される。ネットワークインタフェース112dは、メディアコンテンツ(例えば、オーディオコンテンツ、ビデオコンテンツ、テキスト、写真)、並びにインターネットプロトコル(IP)ベースの送信元アドレス及び/又はIPベースの宛先アドレスを含むデジタルパケットデータを含む他の信号(例えば、非一時的な信号)に対応するデータを送受信するように構成される。ネットワークインタフェース112dは、電子機器112が再生デバイス110a宛てのデータを適切に受信及び処理するように、デジタルパケットデータを解析することができる。
【0038】
図1Cの図示の実施形態では、ネットワークインタフェース112dは、1つ以上の無線インタフェース112e(以下「無線インタフェース112e」と呼ぶ)を備える。無線インタフェース112e(例えば、1つ以上のアンテナを含む適切なインタフェース)は、適切な無線通信プロトコル(例えば、WI-FI、BLUETOOTH、LTE)に従ってネットワーク104(
図1B)に通信可能に結合された1つ以上の他のデバイス(例えば、他の再生デバイス110、NMD120、及び/又は、制御デバイス130のうちの1つ以上)と無線通信するように構成することができる。幾つかの実施形態では、ネットワークインタフェース112dは、任意選択的に、適切な有線通信プロトコルに従って他のデバイスと有線接続を介して通信するように構成された有線インタフェース112f(例えば、イーサネット、USB-A、USB-C、及び/又はThunderboltケーブルなどのネットワークケーブルを受信するように構成されたインタフェース又はレセプタクル)を含む。特定の実施形態では、ネットワークインタフェース112dは、有線インタフェース112fを含み、無線インタフェース112eを除外する。幾つかの実施形態では、電子機器112は、ネットワークインタフェース112dを完全に除外し、別の通信経路(例えば、入力/出力111)を介してメディアコンテンツ及び/又は他のデータを送受信する。
【0039】
オーディオコンポーネント112gは、(例えば、入力/出力111及び/又はネットワークインタフェース112dを介して)電子機器112によって受信されたメディアコンテンツを含むデータを処理及び/又はフィルタリングして、出力オーディオ信号を生成するように構成される。幾つかの実施形態では、オーディオ処理コンポーネント112gは、例えば、1つ以上のデジタル-アナログ変換器(DAC)、オーディオ前処理コンポーネント、オーディオ拡張コンポーネント、デジタル信号プロセッサ(DSP)、及び/又は他の適切なオーディオ処理コンポーネント、モジュール、回路などを備える。特定の実施形態では、オーディオ処理コンポーネント112gのうちの1つ以上は、プロセッサ112aの1つ以上のサブコンポーネントを備えることができる。幾つかの実施形態では、電子機器112は、オーディオ処理コンポーネント112gを省略する。幾つかの態様では、例えば、プロセッサ112aは、出力オーディオ信号を生成するためにオーディオ処理動作を実行するために、メモリ112bに記憶された命令を実行する。
【0040】
増幅器112hは、オーディオ処理コンポーネント112g及び/又はプロセッサ112aによって生成されたオーディオ出力信号を受信及び増幅するように構成される。増幅器112hは、トランスデューサ114のうちの1つ以上を駆動するのに十分なレベルまでオーディオ信号を増幅するように構成された電子デバイス及び/又は構成要素を備えることができる。幾つかの実施形態では、例えば、増幅器112hは、1つ以上のスイッチング又はD級電力増幅器を含む。しかしながら、他の実施形態では、増幅器は、1つ以上の他のタイプの電力増幅器(例えば、線形利得電力増幅器、A級増幅器、B級増幅器、AB級増幅器、C級増幅器、D級増幅器、E級増幅器、F級増幅器、G級増幅器、H級増幅器、並びに/又は別の適切なタイプの電力増幅器)を含む。特定の実施形態では、増幅器112hは、前述のタイプの電力増幅器のうちの2つ以上の適切な組み合わせを備える。更に、幾つかの実施形態では、増幅器112hの個々のものは、トランスデューサ114の個々のものに対応する。しかしながら、他の実施形態では、電子機器112は、増幅されたオーディオ信号を複数のトランスデューサ114に出力するように構成された増幅器112hのうちの単一の増幅器を含む。幾つかの他の実施形態では、電子機器112は増幅器112hを省略する。
【0041】
トランスデューサ114(例えば、1つ以上のスピーカ及び/又はスピーカドライバ)は、増幅器112hから増幅されたオーディオ信号を受信し、増幅されたオーディオ信号を音(例えば、約20ヘルツ(Hz)~20キロヘルツ(kHz)の周波数を有する可聴音波)としてレンダリング又は出力する。幾つかの実施形態では、トランスデューサ114は単一のトランスデューサを備えることができる。しかしながら、他の実施形態では、トランスデューサ114は複数のオーディオトランスデューサを備える。幾つかの実施形態では、トランスデューサ114は、複数のタイプのトランスデューサを備える。例えば、トランスデューサ114は、1つ以上の低周波数トランスデューサ(例えば、サブウーファ、ウーファ)、中域周波数トランスデューサ(例えば、ミッドレンジトランスデューサ、ミッドウーファ)、及び1つ以上の高周波トランスデューサ(例えば、1つ以上のツイータ)を含むことができる。本明細書で使用する場合、「低周波」は一般に約500Hz未満の可聴周波数を指すことができ、「中域周波数」は一般に約500Hz~約2kHzの可聴周波数を指すことができ、「高周波」は一般に2kHzを超える可聴周波数を指すことができる。しかしながら、特定の実施形態では、トランスデューサ114のうちの1つ以上は、前述の周波数範囲に接着しないトランスデューサを備える。例えば、トランスデューサ114の一方は、約200Hz~約5kHzの周波数で音を出力するように構成された中間ウーハートランスデューサを備えてもよい。
【0042】
例示として、SONOS,Inc.は、現在、例えば、「SONOS ONE」、「PLAY:1」、「PLAY:3」、「PLAY:5」、「PLAYBAR」、「PLAYBASE」、「CONNECT:AMP」、「CONNECT」、及び「SUB」を含む特定の再生デバイスを販売用に提供する(又は提供している)。これに加えて又は代えて、他の適切な再生デバイスを使用して、本明細書に開示される実施形態の例の再生デバイスを実装してもよい。更に、当業者であれば分かるように、再生デバイスは、本明細書に記載の例又はSONOS製品提供物に限定されない。幾つかの実施形態においては、例えば、1つ以上の再生デバイス110が有線又は無線ヘッドホン(例えば、耳上ヘッドホン、耳上ヘッドホン、耳内イヤホン)を備える。他の実施形態では、再生デバイス110のうちの1つ以上は、パーソナル・モバイル・メディア再生デバイス用のドッキングステーションと対話するように構成されたドッキングステーション及び/又はインタフェースを備える。特定の実施形態では、再生デバイスは、テレビ、照明器具、又は屋内もしくは屋外で使用するための他の何らかのデバイスなどの別のデバイス又はコンポーネントと一体であってもよい。幾つかの例では、再生デバイスは、ユーザインタフェース及び/又は1つ以上のトランスデューサを省略する。例えば、
図1Dは、ユーザインタフェース113又はトランスデューサ114を有さない入力/出力111及び電子機器112を備える再生デバイス110pのブロック図である。
【0043】
図1Eは、再生デバイス110i(例えば、サブウーファ)(
図1A)と超音波接合された再生デバイス110a(
図1C)を備える結合された再生デバイス110qのブロック図である。図示の実施形態では、再生デバイス110a及び110iは、別個の筐体に収容された再生デバイス110のうちの別個のものである。しかしながら、幾つかの実施形態では、結合された再生デバイス110qは、再生デバイス110a及び110iの両方を収容する単一の筐体を備える。結合された再生デバイス110qは、結合されていない再生デバイス(例えば、
図1Cの再生デバイス110a)及び/又はペアリングされた若しくは結合された再生デバイス(例えば、
図1Bの再生デバイス110l及び110m)とは異なる方法で音を処理及び再生するように構成されることができる。幾つかの実施形態では、例えば、再生デバイス110aは、低周波数、中域周波数、及び高周波数のオーディオコンテンツをレンダリングするように構成されたフルレンジ再生デバイスであり、再生デバイス110iは、低周波数オーディオコンテンツをレンダリングするように構成されたサブウーファである。幾つかの態様では、再生デバイス110aは、第1の再生デバイスと結合されると、特定のオーディオコンテンツの中域周波数成分及び高周波成分のみをレンダリングするように構成され、一方、再生デバイス110iは、特定のオーディオコンテンツの低周波成分をレンダリングする。幾つかの実施形態では、結合再生デバイス110qは、追加の再生デバイス及び/又は別の結合再生デバイスを含む。
【0044】
c.適切なネットワークマイクロフォンデバイス(NMD)
図1Fは、NMD120a(
図1A及び
図1B)のブロック図である。NMD120aは、1つ以上の音声処理コンポーネント124(以下、「音声コンポーネント124」)と、プロセッサ112a、メモリ112b、及びマイクロフォン115を含む再生デバイス110a(
図1C)に関して説明した幾つかのコンポーネントとを含む。NMD120aは、ユーザインタフェース113及び/又はトランスデューサ114などの再生デバイス110a(
図1C)にも含まれる他の構成要素を任意選択的に備える。幾つかの実施形態では、NMD120aはメディア再生デバイス(例えば、再生デバイス110のうちの1つ以上)として構成され、例えば、オーディオコンポーネント112g(
図1C)、増幅器114、及び/又は他の再生デバイスコンポーネントのうちの1つ以上を更に含む。特定の実施形態では、NMD120aは、例えばサーモスタット、警報パネル、火災及び/又は煙検出器などのモノのインターネット(IoT)デバイスを備える。幾つかの実施形態では、NMD120aは、マイクロフォン115と、音声処理124と、
図1Bに関して前述した電子機器112の構成要素の一部のみとを備える。幾つかの実施形態では、例えば、NMD120aは、電子機器112の1つ以上の他の構成要素を省略しながら、プロセッサ112a及びメモリ112b(
図1B)を含む。幾つかの例では、NMD120aは追加の構成要素(例えば、1つ以上のセンサ、カメラ、温度計、気圧計、湿度計)を含む。
【0045】
幾つかの実施形態では、NMDを再生デバイスに組み込むことができる。
図1Gは、NMD120dを備える再生デバイス110rのブロック図である。再生デバイス110rは、再生デバイス110aの構成要素の多く又は全てを備えることができ、マイクロフォン115及び音声処理124(
図1F)を更に含むことができる。再生デバイス110rは、統合制御デバイス130cを有していてもよい。制御デバイス130cは、例えば、別個の制御デバイスを伴うことなくユーザ入力(例えば、タッチ入力、音声入力)を受信するように構成されたユーザインタフェース(例えば、
図1Bのユーザインタフェース113)を備えることができる。しかしながら、他の実施形態では、再生デバイス110rは、他の制御デバイス(例えば、
図1Bの制御デバイス130a)からコマンドを受信する。
【0046】
再び
図1Fを参照すると、マイクロフォン115は、NMD120aが配置されている環境(例えば、
図1Aの環境101)及び/又は部屋から音を取得、捕捉、及び/又は受信するように構成される。受信される音声は、例えば、音声発話、NMD120a及び/又は別の再生デバイスによって再生されるオーディオ、背景音声、周囲音などを含むことができる。マイクロフォン115は、受信した音を電気信号に変換してマイクロフォンデータを生成する。音声処理124は、マイクロフォンデータを受信して分析し、マイクロフォンデータに音声入力があるかどうかを決定する。音声入力は、例えば、ユーザ要求を含む発話が続く起動ワードを含むことができる。当業者には理解されるように、起動ワードは、ユーザ音声入力を意味する単語又は他のオーディオキューである。例えば、AMAZON(登録商標)VASに問い合わせる際に、ユーザは起動ワード「Alexa」を発することがある。他の例は、グーグル(登録商標)VASを呼び出すための「オーケー、Google」及びアップル(登録商標)VASを呼び出すための「ヘイ、Siri」を含む。
【0047】
起動ワードを検出した後、音声処理124は、音声入力において付随するユーザ要求についてマイクロフォンデータを監視する。ユーザ要求は、例えば、サーモスタット(例えば、NEST(登録商標)サーモスタット)、照明デバイス(例えば、PHILIPS HUE(登録商標)照明デバイス)、又はメディア再生デバイス(例えば、Sonos(登録商標)再生デバイス)などの第3者デバイスを制御するためのコマンドを含むことができる。例えば、ユーザは、(例えば、
図1Aの環境101)という起動ワード「Alexa」に続いて発話「サーモスタットを68度に設定してください」を発話して、家庭内の温度を設定することができる。ユーザは、同じ起動ワードを発した後に「居間をつけて」という発話を行い、家の居間エリアの照明デバイスをオンにすることができる。ユーザは、特定の曲、アルバム、又は音楽のプレイリストを家庭内の再生デバイス上で再生する要求が続く起動ワードを同様に話すことができる。
【0048】
d.適切な制御デバイス
図1Hは、制御デバイス130a(
図1A及び
図1B)の部分概略図である。本明細書で使用される場合、「制御デバイス」という用語は、「コントローラ」又は「制御システム」と互換的に使用することができる。他の特徴の中でも、制御デバイス130aは、メディア再生システム100に関連するユーザ入力を受信し、それに応答して、メディア再生システム100内の1つ以上のデバイスに、ユーザ入力に対応する動作又は動作を実行させるように構成される。図示の実施形態では、制御デバイス130aは、メディア再生システムコントローラアプリケーションソフトウェアがインストールされたスマートフォン(例えば、iPhone(登録商標)、Android電話)を備える。幾つかの実施形態では、制御デバイス130aは、例えば、タブレット(例えば、iPad(登録商標))、コンピュータ(例えば、ラップトップコンピュータ、デスクトップコンピュータ)、及び/又は別の適切なデバイス(例えば、テレビ、自動車のオーディオ・ヘッド・ユニット、IoTデバイス)を備える。特定の実施形態では、制御デバイス130aは、メディア再生システム100のための専用コントローラを備える。他の実施形態では、
図1Gに関して前述したように、制御デバイス130aは、メディア再生システム100内の別のデバイス(例えば、再生デバイス110、NMD120、及び/又は、ネットワークを介して通信するように構成される他の適切なデバイスのうちの1つ以上)に組み込まれる。
【0049】
制御デバイス130aは、電子機器132と、ユーザインタフェース133と、1つ以上のスピーカ134と、1つ以上のマイクロフォン135とを含む。電子機器132は、1つ以上のプロセッサ132a(以下、「プロセッサ132a」と呼ぶ)と、メモリ132bと、ソフトウェアコンポーネント132cと、ネットワークインタフェース132dとを備える。プロセッサ132aは、メディア再生システム100のユーザアクセス、制御、及び構成を容易にすることに関連する機能を実行するように構成することができる。メモリ132bは、これらの機能を実行するためにプロセッサ302によって実行可能なソフトウェアコンポーネントのうちの1つ以上をロードすることができるデータ記憶装置を備えることができる。ソフトウェアコンポーネント132cは、メディア再生システム100の制御を容易にするように構成されたアプリケーション及び/又は他の実行可能ソフトウェアを備えることができる。メモリ112bは、例えば、ソフトウェアコンポーネント132c、メディア再生システムコントローラアプリケーションソフトウェア、及び/又はメディア再生システム100及びユーザに関連する他のデータを記憶するように構成することができる。
【0050】
ネットワークインタフェース132dは、制御デバイス130aと、メディア再生システム100内の1つ以上の他のデバイス、及び/又は1つ以上のリモートデバイスとの間のネットワーク通信を容易にするように構成される。幾つかの実施形態では、ネットワークインタフェース132dは、1つ以上の適切な通信業界標準(例えば、赤外線、無線、IEEE802.3を含む有線規格、IEEE802.11a、802.11b、802.11g、802.11n、802.11ac、802.15、4Gを含む無線規格、LTE)に従って動作するように構成される。ネットワークインタフェース132dは、例えば、再生デバイス110、NMD120、他の制御デバイス130、
図1Bのコンピューティングデバイス106のうちの1つ、1つ以上の他のメディア再生システムを備えるデバイスなどにデータを送信及び/又はそこからデータを受信するように構成することができる。送信及び/又は受信されたデータは、例えば、再生デバイス制御コマンド、状態変数、再生ゾーン及び/又はゾーングループ構成を含むことができる。例えば、ユーザインタフェース133において受信されるユーザ入力に基づいて、ネットワークインタフェース132dは、再生デバイス制御コマンド(例えば、音量制御、オーディオ再生制御、オーディオコンテンツ選択)を制御デバイス304から再生デバイス100のうちの1つ以上へ送信することができる。ネットワークインタフェース132dはまた、例えば、とりわけ、ゾーンへの/ゾーンからの1つ以上の再生デバイス100の追加/削除、ゾーングループへの/ゾーンからの1つ以上のゾーンの追加/削除、結合された又は統合されたプレーヤの形成、結合された又は統合されたプレーヤからの1つ以上の再生デバイスの分離などの構成変更を送信及び/又は受信することができる。
【0051】
ユーザインタフェース133は、ユーザ入力を受信するように構成され、メディア再生システム100の制御を容易にすることができる。ユーザインタフェース133は、メディアコンテンツ技術133a(例えば、アルバムアート、歌詞、ビデオ)と、再生状態インジケータ133b(例えば、経過時間及び/又は残り時間インジケータ)と、メディアコンテンツ情報領域133cと、再生制御領域133dと、ゾーンインジケータ133eとを含む。メディアコンテンツ情報領域133cは、現在再生しているメディアコンテンツ及び/又はキューもしくはプレイリスト内のメディアコンテンツに関する関連情報(例えば、タイトル、アーティスト、アルバム、ジャンル、発売年)の表示を含むことができる。再生制御領域133dは、選択された再生ゾーン又はゾーングループ内の1つ以上の再生デバイスに、例えば、再生又は一時停止、早送り、巻き戻し、次へスキップ、前へスキップ、シャッフルモードに入る/終了、繰り返しモードに入る/終了、クロスフェードモードに入る/終了などの再生アクションを実行させるための選択可能(例えば、タッチ入力を介して、及び/又はカーソルもしくは別の適切なセレクタを介して)なアイコンを含むことができる。再生制御領域133dはまた、等化設定、再生ボリューム、及び/又は他の適切な再生動作を変更するための選択可能アイコンを含むことができる。図示の実施形態では、ユーザインタフェース133は、スマートフォン(例えば、iPhone(登録商標)、Android電話)のタッチスクリーンインタフェース上に提示されるディスプレイを備える。しかしながら、幾つかの実施形態では、メディア再生システムに同等の制御アクセスを提供するために、様々なフォーマット、スタイル、及びインタラクティブシーケンスのユーザインタフェースを1つ以上のネットワークデバイスに代替的に実装することができる。
【0052】
1つ以上のスピーカ134(例えば、1つ以上のトランスデューサ)は、制御デバイス130aのユーザに音声を出力するように構成され得る。幾つかの実施形態では、1つ以上のスピーカは、対応して低周波数、中域周波数、及び/又は高周波数を出力するように構成された個々のトランスデューサを備える。幾つかの態様では、例えば、制御デバイス130aは、再生デバイス(例えば、再生デバイス110のうちの1つ)として構成される。同様に、幾つかの実施形態では、制御デバイス130aは、NMD(例えば、NMD120のうちの1つ)として構成され、1つ以上のマイクロフォン135を介して音声コマンド及び他の音声を受信する。
【0053】
1つ以上のマイクロフォン135は、例えば、1つ以上のコンデンサマイクロフォン、エレクトレットコンデンサマイクロフォン、ダイナミックマイクロフォン、及び/又は他の適切なタイプのマイクロフォン又はトランスデューサを備えることができる。幾つかの例では、マイクロフォン135のうちの2つ以上は、オーディオソース(例えば、音声、可聴音)の位置情報を取り込むように配置され、及び/又は背景ノイズのフィルタリングを容易にするように構成される。更に、特定の実施形態では、制御デバイス130aは、再生デバイス及びNMDとして動作するように構成される。しかしながら、他の実施形態では、制御デバイス130aは、1つ以上のスピーカ134及び/又は1つ以上のマイクロフォン135を省略する。例えば、制御デバイス130aは、スピーカ又はマイクロフォンを伴うことなく、電子機器132の一部及びユーザインタフェース133(例えば、タッチスクリーン)を備えるデバイス(例えば、サーモスタット、IoTデバイス、ネットワークデバイス)を備えることができる。
【0054】
III.例示的な通信システム
図1Iは、例示的なスイッチング回路160及び/又は通信回路165の構成を含む例示的な通信システム150を示す。通信システム150は、例えば、再生デバイス110を含む様々なネットワークデバイスのいずれかに実装されてもよい。例えば、通信システムは、他の再生デバイス又はホームシアターシステムのコンポーネントと通信するために使用されてもよい。そのような通信は、任意のタイプの命令、制御信号、又はメッセージを含むことができる。
【0055】
図1Iを参照すると、幾つかの実施形態では、通信回路165は、スイッチング回路160の共通ポートに結合され、フロントエンド回路170、フィルタ187、トランシーバ190、及びフィルタ185を備える。任意選択的に、幾つかの実施形態では、フィルタ187及び/又はフィルタ185は、フロントエンド回路170に含まれてもよい。更に、幾つかの実施形態では、トランシーバ190は、1つ以上のプロセッサ112aに結合されてもよい。トランシーバ190は、複数のモード(例えば、UWBモード、2.4GHzWI-FI動作モード、5.0GHzWI-FI動作モード、6.0GHzWI-FI動作モード、及び/又はBLUETOOTH動作モード)で動作するように構成されてもよい。
【0056】
幾つかの実施形態では、スイッチング回路160は、受信した制御信号に基づいてアンテナ155a及び155bの一方を通信回路165に選択的に結合するように構成されてもよい。スイッチング回路160は、例えば、単極双投スイッチ(SP2T)スイッチなどの1つ以上のスイッチを使用して実装することができる。幾つかの例では、制御信号は、例えば、トランシーバ190(例えば、第2の制御ポート(CTRL2)を介して提供される)によって生成されてもよい。これらの例では、トランシーバ190は、トランシーバ190に様々な動作を実行させるメモリ(例えば、内部読み出し専用メモリ(ROM)又は内部読み出し/書き込みメモリなどのトランシーバ190内のメモリ)に格納された命令を実行する1つ以上のネットワークプロセッサを備えることができる。アンテナ切り替えプログラム(例えば、本明細書に記載の方法にしたがってスイッチング回路160を制御する)は、メモリに記憶され、トランシーバ190に制御信号を生成させてスイッチング回路160に供給させるために、1つ以上のネットワークプロセッサによって実行されてもよい。他の例では、スイッチング回路160の制御信号は、トランシーバ190の代わりにプロセッサ112aによって生成されてもよい。
【0057】
幾つかの実施形態では、フロントエンド回路170は、(i)SP2Tスイッチ177に結合された第1のポート、(ii)単極三投(SP3T)スイッチ178に結合された第2のポート、及び(iii)スイッチング回路160に結合された第3のポートを備えるダイプレクサ175を更に含んでもよい。ダイプレクサ175は、例えば、1つ以上のフィルタを使用して複数のチャネルを分離するように構成される。より具体的には、ダイプレクサ175は、アンテナ155a及び155b(例えば、スイッチング回路160を介して、)のうちの一方又は双方から広帯域入力を受信し、かつ複数の狭帯域出力を供給する。例えば、ダイプレクサ175は、第1のポートにおける5GHz周波数帯域の第1の狭帯域出力をSP2Tスイッチ177に供給し、第2のポートにおける2.4GHz周波数帯域の第2の狭帯域出力をSP3Tスイッチ178に供給することができる。
【0058】
幾つかの実施形態では、SP2Tスイッチ177は、低雑音増幅器(LNA)180aに結合されている第1のポートと、トランシーバ190(例えば、5.0GHzのWI-FI送信ポート)の第1の送信ポート(TX1)に結合されている第2のポートと、ダイプレクサ175に結合されている共通ポートとを備える。SP2Tスイッチ177は、受信した制御信号に基づいて、SP2Tスイッチ177の共通ポートをSP2Tスイッチ177の第1のポート又は第2のポートのいずれかに選択的に結合するように構成される。制御信号は、例えば、トランシーバ190によって(例えば、トランシーバ190の第1の制御ポート(CTRL1)を介して)供給され得る。
【0059】
幾つかの実施形態では、SP3Tスイッチ178は、LNA180bに結合された第1のポートと、BPF185を介してトランシーバ190の第2の送信ポート(TX2)に結合された第2のポート(例えば、2.4GHzのWI-FI送信ポート)と、トランシーバ190の第3の送信ポート(TX3)に結合された第3のポート(例えば、ブルートゥース(登録商標)送信ポート)と、ダイプレクサ175に結合された共通ポートとを備える。SP3Tスイッチ178は、受信した制御信号に基づいて、SP3Tスイッチ178の共通ポートをSP3Tスイッチ178の第1のポート、第2のポート、又は第3のポートのいずれかに選択的に接続するように構成される。制御信号は、例えば、トランシーバ190によって(例えば、トランシーバ190の第1の制御ポート(CTRL1)を介して)供給され得る。
【0060】
幾つかの実施形態では、LNA180a及び180bのそれぞれは、トランシーバ190の、フィルタ187を介して第1の受信ポート(RX1)(例えば、5.0GHzのWI-FI受信ポート)及び第2の受信ポート(RX2)(例えば、2.4GHzのWI-FI及び/又はBLUETOOTH受信ポート)にそれぞれ更に結合される。動作中、LNA180a及び180bは、通信システム150の受信感度を改善するために、トランシーバ190(追加のLNAなどの追加の増幅器を含むことができる)によって受信される前にアンテナによって検出された無線信号を増幅する。バイパススイッチは、トランシーバ190によって(例えば、トランシーバ190の第1の制御ポートCTRL1を介して)制御され得るLNA180a及び180bのそれぞれと並列に結合され得る。動作中、バイパススイッチは、トランシーバ190で受信された信号がトランシーバ190内の1つ以上の増幅器の飽和を回避するための閾値を上回ったときに、トランシーバ190(又は他の制御回路)がバイパススイッチを閉じることができるようにする。したがって、バイパススイッチは、受信感度を改善するためにトランシーバ190で受信された信号が閾値を下回る振幅を有するときに開いており、増幅器飽和を回避するためにトランシーバ190で受信された信号が閾値を上回る振幅を有するときに閉じていてもよい。
【0061】
幾つかの実施形態では、フィルタ187は、環境からの外部ノイズを除去することが望ましい。標準的な動作環境では、例えばコードレス家庭用電話、携帯電話などからのノイズを含む、2.4GHz帯域の近く及び帯域内の多くのノイズが存在する可能性がある。動作中、フィルタ187は、動作環境におけるそのような無線信号干渉を除去するように構成される。フィルタ187は、バンドパス(BPF)フィルタ、ローパスフィルタ、及び/又はハイパスフィルタとして設計することができる。
【0062】
フィルタ185は、幾つかの実施形態では、トランシーバ190から(例えば、第2の送信ポートTX2から)の出力における帯域外エネルギーを低減するために望ましい場合がある。例えば、トランシーバ190の出力は、帯域の端にあるチャネル(例えば、2.4GHzのWI-FI帯域におけるチャネル1又はチャネル11)で無線信号を出力するときに帯域外である幾つかのエネルギーを含むことができる。フィルタ185は、BPFフィルタ、ローパスフィルタ、及び/又はハイパスフィルタとして設計することができる。フィルタ185は、幾つかの実施態様では、制御可能なフィルタ(例えば、制御可能なBPF)として実装することができる。例えば、フィルタ185は、BPFと、BPFをトランシーバ190とSP3Tスイッチ178との間の信号経路に組み込むことができるようにする又はバイパスできるようにする1つ以上のスイッチとを備えることができる。この例では、トランシーバ190は、制御可能フィルタに制御信号(図示せず)を供給して、BPFを信号経路に含めるか、バイパスさせることができる。
【0063】
フィルタ185及び187は、様々な方法のいずれかで構成することができる。例えば、フィルタ185及び187は、弾性表面波(SAW)フィルタ、結晶フィルタ(例えば、水晶振動子フィルタ)、及び/又はバルク弾性波(BAW)フィルタのうちの1つ以上を使用して構成することができる。また、フィルタ185は、フィルタ187と同様に構成されていなくてもよい。例えば、フィルタ187はSAWとして実装されてもよく、フィルタ185は別のタイプのフィルタとして実装されてもよい。
【0064】
図1Iに示す通信システム150は、本開示の範囲から逸脱することなく、様々な方法のいずれかで修正することができることを理解すべきである。例えば、1つ以上の構成要素(例えば、アンテナ、フィルタ、フロントエンド回路など)の数は、特定の実施態様に基づいて変更することができる。例えば、
図1Iに示すように、アンテナの数を1(アンテナ155aとして示す)に減らすことができ、アンテナの数を減らす結果として、スイッチング回路160を完全に取り外すことができる。
【0065】
更に、幾つかの実施形態では、無線トランシーバ190は、
図IIに示すような単入力単出力(SISO)トランシーバの代わりに、多入力多出力(MIMO)トランシーバ(例えば、2×2MIMO送受信機、3×3MIMO送受信機、4×4MIMO送受信機など)として実装されてもよい。そのような実施態様では、フロントエンド回路170は、MIMOトランシーバによってサポートされる追加の同時にサポートされる送信及び/又は受信信号チェーンごとに複製されてもよい。例えば、通信回路165は、3×3MIMO無線トランシーバ用の3つのフロントエンド回路170(サポートされる送信及び/又は受信信号チェーンごとに1つのフロントエンド回路170)を備えることができる。更に、そのようなMIMOトランシーバの実施態様では、場合によってはスイッチング回路160を取り外すことができる。例えば、アンテナの数が、サポートされている同時送信及び/又は受信信号チェーンの数に等しい場合には、スイッチング回路160を取り外すことができる(例えば、スイッチング回路160は、2×2MIMOトランシーバを有する2つのアンテナを使用するときに除去されてもよい)。他の場合には、スイッチング回路160を依然として使用することができる。例えば、通信システム150は、6つのアンテナと、2×2MIMOトランシーバとを備え得る。この例では、通信システム150は、所与の時間に2×2MIMOトランシーバに結合され得る6つのアンテナから2つのアンテナにダウンセレクトするために、スイッチング回路160を依然として使用することができる。
【0066】
IV.例示的なシステム及びデバイス
前述したように、メディア再生システム内の再生デバイスは、それらの再生デバイスの互いに対する位置(例えば、第2の再生デバイスに対する第1の再生デバイスの位置)を決定するために使用されることができる1つ以上の無線機(例えば、UWB無線機などのRF無線機)を備えることができる。例えば、
図2Aは、空間(例えば、家の中の部屋、店の中の製品デモエリアなど)内に配置された3つの再生デバイス200,210,220を含む例示的な構成を示す。第1の再生デバイス200は、例えば、ホームシアター又はサウンドバーであってもよく、第2及び第3の再生デバイス210及び220は、左右の衛星ステレオスピーカペアであってもよいが、他の構成も可能である。例えば、第1の再生デバイス200は、マルチチャネルオーディオコンテンツを受信するように構成された任意の再生デバイスであってもよい。第1の再生デバイス200は、前向き270であるように示されている。この例では、第1の再生デバイス200は、第2及び第3の再生デバイス210,220から送信されるRF信号にAOA推定技術を適用する。AOA推定技術は、第1の再生デバイスに対する、第2及び第3の再生デバイスの角度230及び240を決定するために使用される。これらの角度230,240は、その後、例えば、再生デバイス210及び220のうちのどれが左スピーカ及び右スピーカであるかを決定すること、それらのデバイスにオーディオチャネルを割り当てること、音響チューニング(例えば、周波数等化、音量調整などで)を実行すること、それらのデバイス間の同期を提供すること、及び/又はオーディオシステムのセットアップを容易にすることを含む任意の適切な目的のために使用されることができる。
【0067】
幾つかの実施形態では、送信されるRF信号はUWB信号(例えば、7~9GHz範囲の中心周波数及び400~600MHzの範囲の帯域幅、又は400MHzより大きい帯域幅を特徴とする信号)である。
【0068】
図2Bは、3つの再生デバイス200,210,220を含む別の例示的な構成を示す。この例では、3つの再生デバイス全てが、デバイス間で送信されるRF信号に対してAOA推定技術を使用するように構成され、それにより、角度230,240の代替として、又はそれらの角度の補足として、追加の角度250及び260を決定することができる。幾つかの実施形態では、追加の角度推定値を有することは、例えば、不一致チェックを提供することによって、又は平均化を可能にして誤差を低減することによって、推定精度を改善することができる。
【0069】
図3は、開示された技術の態様に係るAOA推定300の例を例示する。第1の再生デバイス200は、距離340だけ離れた2つのアンテナ330a及び330bを含むように示される。これらのアンテナはそれぞれ、第3の再生デバイス220から送信される信号350a、350bを受信する。2つの受信信号350a,350bの相対的な位相差を測定し、2次元平面におけるAOA240の推定に用いる。AOA240は、第1の再生デバイスから第3の再生デバイスへの方向を示しているが、第3の再生デバイスが
図3に示されている真の位置又は鏡像位置320のいずれかに位置することができるというAOA推定プロセスから生じる固有の曖昧さがある。この曖昧さは、様々な方法のいずれかで解決することができる。例えば、第2及び第3の再生デバイスは、(後ではなく)第1の再生デバイスの前270に位置されると仮定されてもよい。別の例では、2つのアンテナ300a及び330bは、鏡像320と重なるヌル領域を有するように再生デバイス200内に構築及び/又は配置されてもよい(例えば、前270に面するように配置された指向性アンテナ)。更に別の例では、幾つかの実施形態では、第2及び第3の再生デバイスがその能力で構成されている場合、追加のAOA推定値250,260を使用することによって多義性を解決することもできる。
【0070】
アンテナ330aと330bとの間の距離340は、RF信号の波長の一部、例えば、UWB信号の中心周波数に対応する波長の1/2未満になるように選択される。距離の選択はトレードオフを伴う。距離が大きくなるとノイズ耐性が向上するが、距離が波長の半分を超えると、有効なAOA測定値を得ることができる角度範囲が減少する。
【0071】
幾つかの実施形態では、以下でより詳細に説明するように、第3のアンテナを使用して3次元のAOA測定値を取得することができる。
【0072】
図4は、開示された技術の態様にしたがって構成された指向性アンテナアレイ400を例示する。指向性アンテナアレイ400は、正面
図410(示されているようにx、y、z軸)に示されている第1及び第2のアンテナ素子330a及び330bを備えるように示されている。幾つかの実施形態では、3次元AOA推定を行うために、第3のアンテナ素子425もアレイに含まれてもよい。例えば、第1のアンテナ素子330aと第2のアンテナ素子330bとの間で測定された位相差は、x/y平面においてAOAを決定することができ、第2のアンテナ素子330bと第3のアンテナ素子425との間で測定された位相差は、x/z平面においてAOAを決定することができる。これらの2次元AOAを組み合わせることにより、x/y/z空間において3次元AOAが得られる。
【0073】
図4はまた、第1及び第2のアンテナ素子の例示的な指向性カバレッジ角460を示すアレイ400の上面
図450を示す。側面
図480は、第2及び第3のアンテナ素子の例示的な指向性カバレッジ角470を示す。
【0074】
アンテナ素子330a及び330bは、距離d3 340だけ離れているように示されている。アンテナ素子330b及び425は、距離d4 445だけ離れているように示されている。幾つかの実施形態では、d4はd3に等しくてもよいが、これは必須ではない。指向性アンテナアレイ400の全体寸法は、d1 430×d2 435として示されており、アンテナ素子330a、330b、及び425が取り付けられる基板又は構造に対応することができる。
【0075】
幾つかの実施形態では、アンテナ素子330a、330b、及び425はパッチアンテナであってもよい。幾つかの実施形態では、アンテナ素子は、全ての再生デバイスのアンテナが単一の共通の向きに(例えば、送信アンテナの直線偏波が受信アンテナの直線偏波と一致するように)構成される用途のために直線偏波(例えば、直線偏波単一帯域又は二重帯域アンテナ)されてもよい。再生デバイスが任意の位置(例えば、垂直方向又は水平方向)に配向され得る用途では、アンテナ素子は、円偏波パッチアンテナであってもよい。
【0076】
再生デバイスの相対位置がAOA測定値を使用して決定され得る方法を説明してきたが、再生デバイスの相対位置は、他のタイプの測定値を使用して決定され得ることを理解されるべきである。幾つかの実施形態では、メディア再生システム内の再生デバイスは、飛行時間(ToF)測定(例えば、一方向測距、双方向測距など)を使用して、互いに対するそれらの位置を決定することができる。例えば、
図5は、開示された技術の態様にしたがうToF推定500の例を例示する。2つの再生デバイス間で伝送される信号のToF推定は、信号速度が既知である(例えば、光速c)ことを考慮すると、範囲推定と等価である。第1の再生デバイス570は、2つのアンテナ530及び540を含むように示されており、第2の再生デバイス580は、2つのアンテナ550及び560を含むように示されている。再生デバイス570及び580は、
図2A及び
図2Bに示されて前述された再生デバイス200,210及び220のいずれかであってもよい。アンテナ530,540,550、及び560は、それらが前述のアンテナ1、2、及び3に対する追加の又は代替のアンテナとして含まれ得ることを示すためにアンテナ4及び5と呼ばれる。アンテナ4及び5は、距離d5590だけ離れている。
【0077】
第1の範囲510は、再生デバイス間の信号伝送のToF測定値に基づいて、外側アンテナ(第1の再生デバイス570のアンテナ4,530及び第2の再生デバイス580のアンテナ5,560)間で計算される。信号ToF測定値に基づいて、内側アンテナ(第1の再生デバイス570のアンテナ5,540及び第2の再生デバイス580のアンテナ4,550)間の第2の範囲520が計算される。第3の範囲525は、第1の再生デバイス570と第2の再生デバイス580の中心線間の距離である。
図5に示すように、再生デバイス570が再生デバイス580の左側に位置する場合、範囲1は範囲2よりも大きくなり、範囲間の差はアンテナ間隔d5 590の約2倍になると予想される。同様に、再生デバイス570が再生デバイス580の右側に位置される場合、範囲2は、範囲1よりもアンテナ間隔d5 590の約2倍だけ大きくなる。このようにして、ToF測定値、特に再生デバイス上の2つのアンテナ間の到来時間差を使用して、再生デバイス570及び580の相対位置を決定することができる。次いで、相対位置の決定を使用して、例えば、ステレオペアの左右のスピーカを区別し、それらのデバイスにオーディオチャネルを割り当て、音響チューニング(例えば、周波数等化、音量調整など)を実行し、それらのデバイス間の同期を提供し、及び/又はオーディオシステムのセットアップを容易にすることができる。
【0078】
幾つかの実施形態では、アンテナ530と550との間及びアンテナ540と560との間で追加の範囲を計算することができる。これらの2つの追加の範囲は、ほぼ等しいと予想され、したがって、それらが選択された閾値量を超えて異なる場合、可能性のある測定誤差を検出するために使用することができる。
【0079】
幾つかの実施形態では、再生デバイス間の信号伝送は、前述のようにUWB信号である。幾つかの実施形態では、アンテナ4及び5は、モノポールアンテナ又は比較的無指向性の特性を有する他の適切なアンテナである。幾つかの実施形態では、アンテナ4及び5はエッチングされたエンドファイアアレイアンテナである。幾つかの実施形態では、アンテナ間隔d5 590は、35から45mmの範囲内であってもよい。幾つかの他の実施形態では、アンテナ間隔d5 590は、90から110mmの範囲内であってもよい。
【0080】
図6は、開示された技術の態様にしたがって構成された5つのアンテナを含む再生デバイスの例を図示する。アンテナ1-3:指向性パッチアンテナであってもよい330a、330b、及び425は、前述のようにAOA推定を実行するために使用される。アンテナ4及び5:530及び540は、比較的無指向性のモノポールアンテナであってもよく、前述のようにToF/範囲推定を実行するために使用される。
【0081】
この例では、左右のアンテナの受信信号強度(例えば、電力)に差を生じさせるために、アンテナ4とアンテナ5との間に寄生素子600が配置されている。例えば、左側から到来する信号は、寄生素子600により減衰した状態でアンテナ5で受信されるが、アンテナ4で受信される信号は比較的影響を受けない。幾つかの実施形態では、アンテナ間の受信電力差は、7dB程度であり得る。この信号強度の差は、受信側再生デバイスに対する送信側再生デバイスの相対的な方向の更なるインジケータとして使用されてもよい。この追加のインジケータは、ToF/範囲推定によって提供される情報を置換又は補足することができ、より小さいフォームファクタ再生デバイスにおいて有用であり得るアンテナ4及び5のより近い間隔(例えば、実質的に40mm未満)を可能にすることができる。
【0082】
図7は、開示された技術の態様にしたがって実行される移動平均(MA)の数に対する範囲誤差(cm)のプロットである。ToF測定はノイズの影響を受けるため、結果として得られる範囲推定値に誤差が生じる。この誤差は、アンテナをどれだけ近くに離間させることができるかに制限を課す。誤差を低減する1つの方法は、複数の範囲測定値を捕捉し、それらの値を平均(又はフィルタリング)してノイズを緩和することである。これを
図7に示す。図から分かるように、予想誤差(3標準偏差以内)は、単一の測定の約8cmから、MA長さ50の約1cmまで減少する。このプロットはまた、約10から15のMAで、曲線に膝があることを示している。したがって、幾つかの実施形態では、MA長は、10又は15を超えるように選択されてもよい。幾つかの実施形態では、測定は、それらの測定値の平均が最小閾値を超える範囲の差を生じるまで実行され得る。最小閾値は、アンテナ間隔に基づいてもよい。一般に、範囲差が測定ノイズに対してより小さい場合、アンテナ間の間隔がより小さい再生デバイスに対して、より多くの測定及び平均化が使用される。
【0083】
図8は、開示された技術の態様にしたがってToF/範囲推定を実行するように構成された再生デバイスを図示する。
図8を参照すると、再生デバイスは、第4のアンテナ530と、第5のアンテナ540と、第1のスイッチ800と、第2のスイッチ820と、BPF810と、UWB無線機830と、プロセッサ112aとを含むように示されている。幾つかの実施形態では、プロセッサ112aは、シリアル周辺機器インタフェース(SPI)バスを介してUWB無線機830と通信するように構成される。幾つかの実施形態では、プロセッサ112aは、汎用I/O(GPIO)バス870を介してスイッチ800を制御するように構成される。
【0084】
幾つかの実施形態では、UWB無線機830は、プロセッサ112aの制御下で、アンテナ530又は540のいずれかを介してUWB信号を選択的に送信又は受信するように構成される。送信モードでは、スイッチ820は、ポートEF1838を介して発行される信号によって、送信ポート836をBPF810に結合するように制御される。フィルタリングされた信号は、プロセッサ112aによって発行されたGPIOバス870上の信号によって制御されるスイッチ800の設定に基づいて、アンテナ530又はアンテナ540のいずれかに結合される。したがって、送信ポート836とアンテナ530又は540の一方との間にRF経路を確立することができる。UWB無線機830は、プロセッサ112a(例えば、SPIバス880を介して、)から信号(例えば、ベースバンド信号)を受け取り、アンテナ530又は540のいずれかを介した送信のためのRFUWB信号を生成するように更に構成される。
【0085】
受信モードでは、スイッチ820は、ポートEF1 838を介して発行される信号によって、受信ポート834をBPF810に結合するように制御される。更に、アンテナ530又はアンテナ540のいずれかは、プロセッサ112aによって発行されたGPIOバス870上の信号によって制御されるスイッチ800の設定に基づいてBPF810に結合される。したがって、受信ポート834とアンテナ530又は540の一方との間にRF経路が確立される。UWB無線機830はまた、受信したRFUWB信号をベースバンドに変換し、ベースバンド信号をプロセッサ112aに(例えば、SPIバス880を介して)供給するように構成される。UWB無線機830は、アンテナを介して受信された信号のToF及び/又は到来時間差(TDOA)測定値をプロセッサ112aに提供するように更に構成される。
【0086】
図9は、開示された技術の態様にしたがって、ToF/範囲推定及び2次元AOA推定のいずれか又は両方を実行するように構成された再生デバイスを図示する。
図9を参照すると、再生デバイスは、第1のアンテナ330aと、第2のアンテナ330bと、第4のアンテナ530と、第5のアンテナ540と、第1のスイッチ800と、第2のスイッチ820と、第3のスイッチ900と、BPF810a及び810bと、UWB無線機830と、プロセッサ112aとを含むように示されている。幾つかの実施形態では、プロセッサ112aは、シリアル周辺機器インタフェース(SPI)バス880を介してUWB無線機830と通信するように構成される。幾つかの実施形態では、プロセッサ112aは、汎用I/O(GPIO-A)バス870aを介してスイッチ900を制御し、汎用I/O(GPIO-B)バス870bを介してスイッチ800を制御するように構成される。
【0087】
幾つかの実施形態では、UWB無線機830は、アンテナ330a、530、及び540のいずれかを介してUWB信号を選択的に送信又は受信し、アンテナ330bを介してUWB信号を受信するように構成される。スイッチ800は、プロセッサ112aによって発行されたGPIO-B信号870bによって制御されるように、アンテナ530又はアンテナ540のいずれかの選択を可能にする。スイッチ900は、プロセッサ112aによって発行されたGPIO-A信号870aによって制御されるように、アンテナ群530及び540又はアンテナ330aのいずれかの選択を可能にする。アンテナ群530及び540は、ToF及び/又はTDOA測定のために使用されてもよく、アンテナ330aは、AOA測定のためにアンテナ330bと組み合わせて使用されてもよい。スイッチ820は、ポートEF1838を介して発行された信号に基づいて、選択されたアンテナ(330a、530、及び540のグループから)が送信モード(送信ポート836を介して)又は受信モード(受信ポート834を介して)に使用されるかどうかを決定する。BPF810bは、スイッチ820とスイッチ900との間を通過する信号の任意の所望のフィルタリングを提供するように構成される。したがって、受信ポート834又は送信ポート836のいずれかとアンテナ330a、530、又は540のいずれかとの間にRF経路を確立することができ、その結果、これら3つのアンテナのいずれかを異なる時間に信号受信又は送信のいずれかに使用することができる。
【0088】
更に、アンテナ330bは、BPF810aを介してUWB無線機の受信ポート832に結合され、これにより、スイッチ820及び900のスイッチング状態の適切な選択(例えば、スイッチ900は状態1に設定され、スイッチ820は状態2に設定される)が与えられた場合、AOA推定のために、アンテナ330a及び330bを介した信号の同時受信が可能になる。
【0089】
UWB無線機830は、アンテナ530及び540を介して受信された信号のToF及び/又はTDOA測定値をプロセッサ112aに供給するように構成される。UWB無線機830は、アンテナ330b及び330aを介して受信された信号のAOA測定値をプロセッサ112aに供給するように更に構成される。
【0090】
図10は、開示される技術の態様にしたがってToF/範囲推定及び3次元AOA推定の双方を実行するように構成される再生デバイスを図示する。
図10を参照すると、再生デバイスは、第1のアンテナ330aと、第2のアンテナ330bと、第3のアンテナ425と、第4のアンテナ530と、第5のアンテナ540と、第1のスイッチ800と、第2のスイッチ820と、第3のスイッチ900と、第4のスイッチ1000と、BPF810a及び810bと、UWB無線機830と、プロセッサ112aとを含むように示されている。幾つかの実施形態では、プロセッサ112aは、シリアル周辺機器インタフェース(SPI)バス880を介してUWB無線機830と通信するように構成される。幾つかの実施形態では、プロセッサ112aは、汎用I/O(GPIO-A)バス870aを介してスイッチ900を制御し、汎用I/O(GPIO-B)バス870bを介してスイッチ800を制御するように構成される。
【0091】
幾つかの実施形態では、UWB無線機830は、アンテナ330a、530、及び540のいずれかを介してUWB信号を選択的に送信又は受信し、アンテナ330b及び425のいずれかを介してUWB信号を受信するように構成される。スイッチ800は、プロセッサ112aによって発行されたGPIO-B信号870bによって制御されるように、アンテナ530又はアンテナ540のいずれかの選択を可能にする。スイッチ900は、プロセッサ112aによって発行されたGPIO-A信号870aによって制御されるように、アンテナ群530,540又はアンテナ330aのいずれかの選択を可能にする。アンテナ群530及び540は、ToF及び/又はTDOA測定のために使用されてもよく、アンテナ330aは、AOA測定のためにアンテナ330bと組み合わせて使用されてもよい。スイッチ820は、ポートEF1838を介して発行された信号に基づいて、選択されたアンテナ(330a、530、及び540のグループから)が送信モード(送信ポート836を介して)又は受信モード(受信ポート834を介して)に使用されるかどうかを決定する。BPF810bは、スイッチ820とスイッチ900との間を通過する信号の任意の所望のフィルタリングを提供するように構成される。したがって、受信ポート834又は送信ポート836のいずれかとアンテナ330a、530、又は540のいずれかとの間にRF経路を確立することができ、その結果、これら3つのアンテナのいずれかを異なる時間に信号受信又は送信のいずれかに使用することができる。
【0092】
更に、アンテナ330b及び425は、スイッチ1000及びBPF810aを介してUWB無線機の受信ポート832に結合され、これにより、スイッチ820,900及び1000のスイッチング状態の適切な選択(例えば、スイッチ900は状態1に設定され、スイッチ820は状態2に設定され、スイッチ1000はアンテナ425の状態1又はアンテナ330bの状態2のいずれかに設定される)が与えられると、3次元AOA推定のために、アンテナ330a及びアンテナ330b又は425のいずれかを介して信号を同時に受信することが可能になる。スイッチ1000は、ポートEF2 840を介して発行される信号によって制御される。
【0093】
UWB無線機830は、アンテナ530及び540を介して受信された信号のToF及び/又はTDOA測定値をプロセッサ112aに供給するように構成される。UWB無線機830は、アンテナ対(330a,330b)及び(330a,425)を介して受信された信号の3次元AOA測定値をプロセッサ112aに提供するように更に構成される。
【0094】
幾つかの実施形態では、
図8~
図10に示す再生デバイスは、BLUETOOTH及び/又はWI-FI送信及び受信のために構成された追加のUWB無線機及び/又は無線機を含む追加の無線機(図示せず)を含むことができる。前述した様々なスイッチング構成は一例であり、他の多くの構成が可能であることに留意されたい。
【0095】
幾つかの実施形態では、UWB無線機又は追加の無線機のうちの1つを使用して、1つの再生デバイスから他の再生デバイスに命令を送信することができる。命令は、例えば、マルチチャネルオーディオコンテンツからチャネルを選択するために、又は任意の他の適切な目的のために、再生構成を設定するための命令を含むことができる。
【0096】
V.適切な距離測定方法
図11は、開示された技術の態様に係るAOA推定技術に基づいて、他の再生デバイス間を区別するためにUWB無線機を適用する再生デバイスのための方法1100の典型的な実施形態を示す。前述したように、他の再生デバイスを区別し、それらの相対的な位置及び距離を決定する能力は、例えば、ステレオペアの左右スピーカを区別し、それらのデバイスにオーディオチャネルを割り当て、音響チューニングを実行し、それらのデバイス間の同期を提供し、及び/又はオーディオシステムのセットアップを容易にすることを含む多くの目的のために使用することができる。例えば、第1の再生デバイスが第2の再生デバイスの左に位置すると決定することにより、第1の再生デバイスをステレオペアの左スピーカとして指定することが可能になり、システムセットアップ中にユーザがそのような情報を手動で提供する必要がなくなる。更に、等化パラメータの設定を含み得る音響チューニングは、再生デバイスの位置に依存し得る。例えば、部屋の壁の近く又は隅に位置する再生デバイスからのオーディオは、その位置に合わせられた特定の等化調整から利益を得ることができる。
【0097】
方法1100は、本明細書に開示される任意の再生デバイス(例えば、デバイス200,210又は220)によって、個別に、又は本明細書に開示される任意のコンピューティングシステム(例えば、コンピューティングシステム106)及び/もしくはユーザデバイス(例えば、ユーザデバイス130)、又は現在知られているもしくは後に開発される任意の他のコンピューティングシステム及び/もしくはユーザデバイスと組み合わせて実施することができる。
【0098】
方法1100は、ブロック1110において開始し、該ブロックは、再生デバイス(例えば、第1の再生デバイス)の無線通信機の第1のアンテナ及び第2のアンテナにおいて受信される信号間の位相差を測定することを含む。信号は、別の(例えば、第2の)再生デバイスから送信されてもよい。幾つかの実施形態では、測定は、UWB無線機によって実行されてもよい。
【0099】
ブロック1120において、方法1100は、測定された位相差に基づいて第1の再生デバイスへの信号の到来角を推定することを更に含む。幾つかの実施形態では、推定は、UWB無線機によって実行され得る。
【0100】
ブロック1130において、方法1100は、到来角に基づいて第1の再生デバイスに対する第2の再生デバイスの位置を決定することを更に含む。幾つかの実施形態では、決定は、第1の再生デバイスのプロセッサによって実行されてもよい。
【0101】
ブロック1140において、方法1100は、第1の再生デバイスに対する第2の再生デバイスの位置の決定後に、第1の再生デバイスがマルチチャネルオーディオコンテンツの1つ以上の第1のチャネルを再生する第1の再生構成で動作することを更に含む。第3、第4などの再生デバイスの相対位置を決定するために、追加の再生デバイスから受信した信号に対してプロセスを繰り返すことができる。幾つかの実施形態では、再生構成は、第1の再生デバイスのプロセッサによって設定されてもよく、第1の再生デバイスに対する第2の再生デバイスの決定された位置に基づいてもよい。
【0102】
幾つかの実施形態では、方法1100は、第3の寸法(例えば、第1の推定AOAの寸法に直交する寸法)における追加のAOAを推定するために、無線通信機の第2のアンテナと第3のアンテナとで受信された信号間の位相差を測定するステップを更に含む。次いで、追加のAOAを第1のAOAと共に使用して、第1の再生デバイスに対する第2の再生デバイスの3つの寸法(例えば、部屋の床の上の位置及び床の上の高さ)での位置を決定する。
【0103】
幾つかの実施形態では、方法1100は、前述したように、第1の再生構成で動作している間に、第2の再生デバイスによるマルチチャネルオーディオコンテンツの1つ以上の第2のチャネルの再生と同期して、マルチチャネルオーディオコンテンツの1つ以上の第1のチャネルを再生することを更に含む。1つ以上の第1のチャネルは、少なくとも1つの中央チャネルを含むことができ、1つ以上の第2のチャネルは、少なくとも1つの後部チャネルを含むことができる。幾つかの実施形態では、方法1100は、第1の再生デバイスに対する第2の再生デバイスの決定された位置に基づいて、第2の再生デバイスが動作するための第2の再生構成を特定することと、第2の再生デバイスを第2の再生構成で動作させることとを更に含む。
【0104】
幾つかの実施形態では、第1の再生デバイスの無線通信(又は第1の再生デバイスの第2の無線通信)は、第2の(又は追加の)再生デバイスに命令を送信するために使用されてもよい。例えば、無線からの送信は、任意の適切な目的のために使用され得る命令のための1つ以上のフィールドを含む確立されたフォーマット又は仕様に準拠し得る。例えば、命令は、別の再生デバイスに割り当てられるべき再生構成を識別するために使用されてもよい(例えば、それが右スピーカ又は左スピーカであり、したがって指定されたオーディオチャネルを再生すべきであることを別のデバイスに通知する)。別の例として、命令を使用して、他のデバイスの等化値又は音量レベルを設定することができる。
【0105】
図12は、ToF推定技術に基づいて他の再生デバイス間を区別するためにUWB無線機を使用する再生デバイスのための別の方法1200の例示的な実施形態を示す。方法1200はまた、本明細書に開示される任意の再生デバイス(例えば、デバイス200,210又は220)によって、個別に、又は本明細書に開示される任意のコンピューティングシステム、又は現在知られているもしくは後に開発される任意の他のコンピューティングシステム及び/又はユーザデバイスと組み合わせて実施することもできる。
【0106】
方法1200は、第1の再生デバイスの無線通信機の第1のアンテナで第1の信号を受信することを含むブロック1210で開始する。第1の信号は、別の(例えば、第2の)再生デバイスから送信されてもよい。ブロック1210は、第1の信号に基づいて第1のアンテナと第2の再生デバイスとの間の第1の範囲を推定することを更に含む。幾つかの実施形態では、推定は、UWB無線機によって実行され得る。
【0107】
ブロック1220において、方法1200は、第1の再生デバイスの無線通信の第2のアンテナで第2の信号を受信することを更に含む。第2の信号は、第2の再生デバイスから送信されてもよい。ブロック1220は、第2の信号に基づいて第2のアンテナと第2の再生デバイスとの間の第2の範囲を推定することを更に含む。幾つかの実施形態では、推定は、UWB無線機によって実行され得る。幾つかの実施形態では、第1の範囲は、第1のアンテナと第2の再生デバイス上の第1の点との間にあり、第2の範囲は、第2のアンテナと第1の点とは異なる第2の再生デバイス上の第2の点との間にある。
【0108】
ブロック1230において、方法1200は、第1の範囲及び第2の範囲に基づいて第2の再生デバイスに対する第1の再生デバイスの位置を決定することを更に含む。幾つかの実施形態では、決定は、第1の再生デバイスのプロセッサによって実行されてもよい。
【0109】
ブロック1240において、方法1200は、第2の再生デバイスに対する第1の再生デバイスの位置の決定後に、第1の再生デバイスがマルチチャネルオーディオコンテンツの1つ以上の第1のチャネルを再生する第1の再生構成で動作することを更に含む。第3、第4などの再生デバイスの相対位置を決定するために、追加の再生デバイスから受信した信号に対してプロセスを繰り返すことができる。幾つかの実施形態では、再生構成は、第1の再生デバイスのプロセッサによって設定されてもよく、第2の再生デバイスに対する第1の再生デバイスの決定された位置に基づいてもよい。
【0110】
幾つかの実施形態では、方法1200は、第1の再生構成で動作している間に、第2の再生デバイスによるマルチチャネルオーディオコンテンツの1つ以上の第2のチャネルの再生と同期して、マルチチャネルオーディオコンテンツの1つ以上の第1のチャネルを再生することを更に含む。幾つかの実施形態では、マルチチャネルオーディオコンテンツは、左チャネル及び右チャネルを含むステレオコンテンツであり、1つ以上の第1のチャネルは左チャネルを含み、1つ以上の第2のチャネルは右チャネルを含む。
【0111】
幾つかの実施形態では、方法1200は、第1の信号に符号化されたタイムスタンプに基づいて第1の信号の飛行時間を決定することと、飛行時間に基づいて第1の範囲を推定することとを更に含む。
【0112】
幾つかの実施形態では、方法1200は、第1の信号と第2の信号との間の信号対雑音比(SNR)の差を識別することと、SNRの差に基づいて第2の再生デバイスに対する第1の再生デバイスの位置を決定することとを更に含む。
【0113】
VI.例示的な方法
図13は、再生デバイス(例えば、再生デバイス110aなどの前述した再生デバイス110のうちの1つ以上)及び/又はメディア再生システム(例えば、
図1Bのメディア再生システム100)を介して実行され、1つ以上の再生デバイス間の分離距離を決定し、それに応じて1つ以上のオーディオパラメータを調整する別の方法1300の一例を示す。幾つかの例では、方法1300は、本明細書に開示される任意の再生デバイス(例えば、デバイス200,210又は220)によって、個別に、又は本明細書に開示される任意のコンピューティングシステム、又は他の適切なコンピューティングシステム及び/又は適切なユーザデバイスと組み合わせて実施することができる。
【0114】
ブロック1310において、方法1300は、再生デバイス(例えば、
図5の第1の再生デバイス570及び第2の再生デバイス580)間の距離(例えば、
図5の範囲525)を決定することを含む。幾つかの例では、方法1300は、
図11及び
図12に関して前述したようなUWB、別の無線周波数(RF)測定手法、赤外線、可視光などを含む光速モダリティを使用することを含むことができる。
【0115】
幾つかの例では、方法1300は、音声を含む光速より遅いモダリティ(例えば、可聴音、約18kHz~約25kHzの非可聴音、超音波)を含むことができる。例えば、第1の再生デバイス570と第2の再生デバイス580との間の範囲525(
図5)を決定するために、第2の再生デバイス580は、1つ以上のトランスデューサ(例えば、
図1Cのトランスデューサ114)を介して所定の波形を放出することができる。放出された波形の一部は、1つ以上のマイクロフォン(例えば、
図1Fのマイクロフォン115)を介して第1の再生デバイス570で受信され、第1及び第2の再生デバイス570と580との間の距離又は範囲525を決定するために使用され得る時間差を計算するために使用され得る。他の例では、第1の再生デバイス570は所定の波形を放出し、第2の再生デバイス580は波形の一部を受信する。幾つかの例では、両方のデバイスが所定の波形を連続的に又は同時に送受信する。音に基づく距離決定技術に関する更なる詳細は、例えば、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる、「ユーザ位置特定のシステム及び方法」と題する米国特許第10,277,981号明細書に見出すことができる。
【0116】
特定の例では、範囲525は、光速技術と光速技術よりも遅い技術との組み合わせを使用して決定される。UWBなどの光速測定手法は、1m以上の距離で高精度であると予想される。しかしながら、当業者には理解されるように、非常に小さい分離距離(例えば、1メートル未満、30cm未満、10cm未満、5cm未満)は、伝送速度が非常に速いという課題を提示する可能性がある。UWB信号は、例えば、10cm移動するのに0.00000000033(すなわち、3.3*10^-9)秒かかる。そのような微小時間及び短い距離を解決するために必要な分解能は、標準的なUWB受信機の能力を超える可能性がある。一方、音は、わずか約1/3のミリ秒で10cm移動し、これは、光速測定システム(例えば、サウンドベースのシステム)よりも遅い標準の動作精度内であり得る。したがって、光速アプローチと光速アプローチより遅いものとの組み合わせを使用することにより、広い範囲の分離距離にわたってより正確な距離決定がもたらされ得る。幾つかの例では、光速より遅い手法は、再生デバイス(例えば、ステレオペアの第2の再生デバイス)のうちの1つを介してオーディオ(例えば、1つ以上の較正トーン、既存のメディアコンテンツ)を出力することと、別のデバイス(例えば、ステレオペアの第1の再生デバイス)の1つ以上のマイクロフォンを介してオーディオ出力の少なくとも一部を受信することとを含む。
【0117】
ブロック1320において、方法1300は、ブロック1320において決定されたデバイス間の距離に基づいて、1つ以上のオーディオ出力パラメータを調整することを含む。幾つかの例では、1つ以上のオーディオ出力パラメータを調整することは、決定された距離を、ローカルに(例えば、ローカルデバイス上で、)及び/又はリモートに(例えば、1つ以上のクラウドサーバ上で、)記憶されたルックアップ内の1つ以上の所定のフィルタ特性、係数などに一致させることを含む。幾つかの例では、1つ以上のオーディオ出力パラメータを調整することは、閾値周波数(例えば、50Hz、100Hz、150Hz、200Hz、250Hz、500Hz、1kHz)未満の音を減衰させるように構成されたフィルタを調整することを含むことができる。前述したように、2つのデバイスがステレオペアにある場合、低周波数シェルフフィルタを両方のデバイスに適用して、各デバイスがモノラル再生用に調整される方法と比較して低音出力を低減することができる。低周波数シェルフフィルタが適用されるのは、これらの低周波数では、各デバイスからの低音音声をコヒーレントに加算できるためである。このフィルタがなければ、低周波数エネルギーは、所与の同調に望ましいよりも低音が多くなるように増加する。幾つかの例においては、例えば、ゾーングループ及び/又は結合ゾーン(例えば、ステレオペア、ホームシアター)構成における2つ以上の再生デバイス間の距離に基づいて、フィルタが、組み合わされたステレオペアからの低音出力が単一のデバイスからのモノラル低音出力により密接に位置合わせされるように調整される。
図14に関して後述するように、フィルタ(例えば、低周波シェルフフィルタ)は、例えば、デバイス間の距離、聴取者位置及び/又は聴取環境の音響特性などのパラメータに基づいて、デバイスからの合成低音出力を、単一のデバイスからの測定又は推定された単低音出力の約プラスマイナス3dB以内に正規化するように構成されてもよい。この手法は、少なくとも従来のメディア再生システムでは、低周波数シェルフフィルタが、それらの間の配置又は距離にかかわらず、ステレオペア構成の全てのデバイスに適用され得るという理由で、従来の手法を超える幾つかの利点を提供すると予想される。しかしながら、当業者には理解されるように、コヒーレントに合計する低周波エネルギーのレベルは、ステレオデバイス間の間隔に強く依存する可能性がある。
図15は、例えば、再生デバイスの分離及びそれに対応する変化する周波数応答の例を示す。したがって、静的低周波数フィルタは、低周波数出力のコヒーレント加算に対処するために、低周波数出力を過度に又は過度に小さく低減する可能性がある。
【0118】
幾つかの例では、デバイス間の距離が決定された後に他のオーディオパラメータが調整される。オーディオパラメータは、音量、等化設定、時間遅延などを含むことができる。特定の例では、例えば、距離が決定された後に高周波出力が調整されてもよい。高周波数音は、典型的には、指向性ではなく、前述の低周波数音に関連するコヒーレント加算現象の影響を受けない。しかしながら、複数のツイータを含むトランスデューサのアレイを有するデバイスを介した高周波出力は、デバイスが互いに近すぎたり、物体又はバリア(例えば、壁)に近すぎたりする場合に悪影響を受ける可能性がある。幾つかの例では、例えば、左右のツイータを有する第1のデバイス(例えば、
図5の第1の再生デバイス570)が、左右のツイータを有する第2のデバイス(例えば、
図5の第2の再生デバイス580)に過度に近接して(例えば、約10cm未満)配置された場合、隣接するツイータ(例えば、第1のデバイスの右ツイータと第2のデバイスの左ツイータ)を介した高周波出力は、そのような比較的近接していることによって悪影響を受ける可能性がある。そのようなシナリオでは、方法1300は、隣接するツイータを介したオーディオ出力が大幅に低減されるか、又は完全にオフになるように、両方のデバイスのオーディオ出力パラメータを調整することを含むことができる(例えば、第1のデバイスの左ツイータと第2のデバイスの右ツイータのみが音声を出力する)。
【0119】
幾つかの例では、再生デバイスは、2つ以上のサブウーファを備え、1300の方法は、ブロック1310で決定された距離及び典型的なリスナー位置を使用して、低周波数出力を時間及び位相調整して、2つ以上のサブウーファを介してより望ましい低音を提供することを含む。
【0120】
ブロック1330において、方法1300は、ブロック1320において調整された1つ以上のオーディオ出力パラメータにしたがって、個々の再生デバイスを介してオーディオを出力することを含む。
【0121】
図14は、結合及び/又はグループ化されたデバイスの1つ以上のオーディオパラメータを調整するために再生デバイス(例えば、再生デバイス110aなどの前述した再生デバイス110のうちの1つ以上)及び/又はメディア再生システム(例えば、
図1Bのメディア再生システム100)を介して実行される方法1400の一例を示す。幾つかの例では、方法1300はまた、本明細書に開示される任意の再生デバイス(例えば、デバイス200,210又は220)によって、個別に、又は本明細書に開示される任意のコンピューティングシステム、又は任意の他の適切なコンピューティングシステム及び/又は適切なユーザデバイスと組み合わせて実施することもできる
【0122】
ブロック1410において、1つ以上の結合された又はグループ化されたデバイスが検出される。幾つかの例では、例えば、本方法は、2つ以上のデバイスが結合ゾーン及び/又は再生デバイスのグループを形成するための命令を(例えば、制御デバイス又は音声コマンドを介して)検出することを含む。幾つかの例では、方法1400は、デバイスが結合ゾーン又はデバイスのグループを形成するための命令を検出することなく、既存の結合ゾーン又はデバイスのグループに対して実行される。特定の例では、方法1400は、トリガ状態の検出に応答して実行される。トリガ条件は、例えば、結合ゾーン又はグループ内の1つ以上のデバイスの位置及び/又は向きの変化の検出、オフライン又は一時的に利用できなかった(例えば、ネットワーク接続又は電力の損失のために、)1つ以上のデバイスの再接続、及び/又は手動入力を含むことができる。
【0123】
ブロック1420において、結合ゾーン及び/又はデバイスのグループの結合出力を推定又は決定するために較正を実行することができる。幾つかの例では、較正は、結合ゾーン又はデバイスのグループ内の少なくとも2つのデバイス間の距離を決定することを含む。例えば、
図13に関して前述したように、幾つかの例では、分離距離決定をオーディオパラメータ調整の一部として使用することができる。幾つかの例では、決定された分離距離は、較正を実行するために聴取環境の特性(例えば、部屋の体積、部屋の表面積、部屋の材料、部屋の吸収係数及び/又は残響時間)に対応する情報と共に使用することができる。
【0124】
幾つかの例では、較正は、聴取環境のスペクトル及び/又は空間周波数特性の決定を含み得る。例えば、特定の例では、ブロック1420における較正は、結合ゾーン及び/又はグループ内の1つ以上のデバイスを介して較正オーディオを発信及び/又は受信することを含む。較正は、1つ以上のデバイスのうちの単一のデバイスを含む第1の測定と、1つ以上のデバイスのうちの2つ以上のデバイスを含む第2の測定とを含むことができる。このようにして、a)単一のデバイス及びb)2つ以上のデバイスの出力の周波数応答の差を得ることができる。
【0125】
ブロック1430において、較正に基づいて、1つ以上のデバイスのうちの少なくとも1つのデバイスのオーディオ出力を調整することができる。幾つかの例では、オーディオ出力調整は、2つ以上のデバイス間の決定された距離に基づいて、低周波数シェルフフィルタ又は別の適切なフィルタなどのフィルタを適用することを含む。幾つかの例では、オーディオ出力調整は、2つ以上のデバイスの合成出力が、所定量(例えば、約1dB~約10dB、約2dB~約5db、及び/又は約3dB)だけ増加した単一のデバイスのモノラルレベル付近になるように、出力を変調、フィルタリング、又は調整することを含む。幾つかの例では、少なくとも1つのデバイスのオーディオ出力を調整することは、他の再生デバイスのうちの1つ以上による検出された接続性の喪失に応答して、低周波フィルタなどのフィルタを単一のプレーヤ又はモノラル低周波プレーヤに戻すことを含む。例えば、ステレオペアの第2の再生デバイスがオフラインになる場合(例えば、ネットワーク接続の喪失、電力の喪失を介して)、第1の再生デバイスは、対応する低周波フィルタを有する単一プレーヤモードにしたがってそのオーディオ出力調整を元に戻すことができる。
【0126】
図15は、様々な距離(例えば、2フィート未満、2フィート、4フィート、6フィート、8フィート)によって分離された2つの再生デバイスの周波数応答プロットのグラフ1500と、単一のデバイスの出力を示す基準モノラルプロット1510である。幾つかの例では、メディア再生システム(例えば、
図1Bに関連して前述したメディア再生システム100)は、出力の調整された低周波数レベルを所定の周波数(例えば、50Hz、100Hz、150Hz、200Hz、250Hz、500Hz、1kHz)未満に設定して、所定の周波数未満のモノラル低音応答に追加量を加えたものにほぼ等しくすることができる。この手法の下では、分離距離に基づく同じデバイスの周波数応答の低周波部分の広い変動性を部分的又は実質的に緩和することができ、より自然でバランスのとれた聴取体験が得られる。
【0127】
IV.結論
再生デバイス、コントローラデバイス、再生ゾーン構成、及び、メディアコンテンツソースに関する上記の議論は、以下に説明される機能及び方法が実装されることができる動作環境の幾つかの例のみを提供する。本明細書で明示的に説明されていないメディア再生システム、再生デバイス、及びネットワークデバイスの他の動作環境及び構成も適用可能であり、機能及び方法の実装に適している場合がある。
【0128】
上記の説明は、とりわけ、ハードウェア上で実行されるファームウェア及び/又はソフトウェアを含む、様々な例示的なシステム、方法、装置、及び製品を開示する。そのような例は単なる例示であり、限定と見なされるべきではないことが理解される。例えば、ファームウェア、ハードウェア、及び/又はソフトウェアの態様又は構成要素のいずれか又は全ては、ハードウェアで排他的に、ソフトウェアで排他的に、ファームウェアで排他的に、又はハードウェア、ソフトウェア、及び/又はファームウェアの任意の組み合わせで実施することができると考えられる。したがって、提供される例は、そのようなシステム、方法、装置、及び/又は製品を実装するための唯一の方法ではない。
【0129】
更に、本明細書における「実施形態」への言及は、実施形態に関連して説明される特定の特徴、構造、又は特性が、本発明の少なくとも1つの例又は実施形態に含まれ得ることを意味する。本明細書の様々な箇所におけるこの句の出現は、必ずしも全てが同じ実施形態を指しているわけではなく、他の実施形態と相互排他的な別個の例又は代替の例でもない。したがって、当業者によって明示的及び暗黙的に理解される本明細書に記載の実施形態は、他の実施形態と組み合わせることができる。
【0130】
本明細書は、主に、例示的な環境、システム、手順、ステップ、論理ブロック、処理、及びネットワークに結合されたデータ処理デバイスの動作に直接的又は間接的に類似する他の記号表現に関して提示される。これらのプロセスの説明及び表現は、典型的には、それらの作業の内容を他の当業者に最も効果的に伝えるために当業者によって使用される。本開示の完全な理解を提供するために、多数の具体的な詳細が記載されている。しかしながら、本開示の特定の実施形態は、特定の具体的な詳細なしに実施することができることが当業者には理解される。他の例では、実施形態の態様を不必要に不明瞭にすることを避けるために、周知の方法、手順、構成要素、及び回路は詳細に説明されていない。したがって、本開示の範囲は、実施形態の前述の説明ではなく添付の特許請求の範囲によって定義される。
【0131】
添付の特許請求の範囲のいずれかが純粋にソフトウェア及び/又はファームウェアの実施態様をカバーするように読まれる場合、少なくとも1つの例における要素の少なくとも1つは、ソフトウェア及び/又はファームウェアを記憶する、メモリ、DVD、CD、Blu-ray(登録商標)などの有形の非一時的媒体を含むように本明細書によって明確に定義される。
【0132】
VII.例
本技術は、例えば、以下に説明する様々な態様に従って例示される。本技術の実施例の様々な態様は、便宜上番号を付した例として説明される。これらは、例として提供されており、本技術を限定するものではない。なお、従属例のいずれも、任意の組み合わせで組み合わされてもよく、それぞれの独立した例に入れられてもよい。他の例も同様に提示することができる。
【0133】
(例1)マルチチャネルオーディオコンテンツの第1のチャネルが第2の再生デバイスを介したマルチチャネルオーディオコンテンツの第2のチャネルの再生と同期して第1の再生デバイスを介して再生する第1の再生構成で動作するための命令を受信するステップと、第1の再生構成で動作するための命令を受信した後に、第1の再生デバイスと第2の再生デバイスとの間の距離を決定するステップと、決定された距離に基づいて、第1のオーディオパラメータを決定するステップと、決定された第1のオーディオパラメータにしたがってマルチチャネルオーディオコンテンツの第1のチャネルを第1の再生デバイスに再生させるステップと、決定された第1のオーディオパラメータにしたがってマルチチャネルオーディオコンテンツの第2のチャネルを第2の再生デバイスに再生させるステップとを含む方法。
【0134】
(例2)第1の再生デバイス及び第2の再生のうちの少なくとも一方の位置又は向きの変化を検出するステップと、位置又は向きの変化を検出した後に、第1の再生デバイスと第2の再生デバイスとの間の第2の距離を決定するステップと、第2の距離に基づいて、更新された第1のオーディオパラメータを決定するステップと、ネットワークインタフェースを介して、更新された第1のオーディオパラメータにしたがって第2の再生デバイスがマルチチャネルオーディオコンテンツの第2のチャネルを再生する第2の再生構成で動作するようにするステップとを更に含む、例1の方法。
【0135】
(例3)第1の再生デバイスと第2の再生デバイスとの間の距離を決定するステップは、第1の再生デバイスを介して第2の再生デバイスに超広帯域(UWB)信号を送信するステップを含む、例1又は例2のいずれかの方法。
【0136】
(例4)第1の再生デバイスと第2の再生デバイスとの間の距離を決定するステップは、第1の再生デバイスの1つ以上のマイクロフォンを介して、第2の再生デバイスを介したオーディオ出力を受信するステップを含む、例1から3のいずれかの方法。
【0137】
(例5)第1の再生デバイスと第2の再生デバイスとの間の距離を決定するステップは、第2の再生デバイスのネットワークインタフェースを介して、第2の再生デバイスを介して1つ以上の較正トーンを出力させるステップを含む、例4の方法。
【0138】
(例6)第1のオーディオパラメータを決定するステップは、決定された距離をルックアップテーブル内の1つ以上の対応するフィルタ特性に一致させるステップを含む、例1から5のいずれかの方法。
【0139】
(例7)第1の再生デバイスと第2の再生デバイスとの間の距離を決定するステップは、光速測定モダリティ及び光速測定モダリティよりも遅いものを使用するステップを含む、例1から6のいずれかの方法。
【0140】
(例8)第1のオーディオパラメータを決定するステップは、第1及び第2の再生デバイスが位置される特定の聴取環境に関して、所定の周波数未満の周波数範囲を含む第1の再生デバイスのモノラル出力を決定するステップを含む、例1から7のいずれかの方法。
【0141】
(例9)モノラル出力を決定するステップは、特定の聴取環境の1つ以上の特性に基づいて予想モノラル出力を推定するステップを含む、例8の方法。
【0142】
(例10)モノラル出力を決定するステップは、第1の再生デバイスを介して較正オーディオを出力するステップを含む、例8の方法。
【0143】
(例11)更新された第1のオーディオパラメータを決定するステップは、周波数範囲におけるモノラル出力よりも大きい所定量内にオーディオ出力を実質的に維持するフィルタを決定するステップを含む、例8から10のいずれかの方法。
【0144】
(例12)第2の再生デバイスの接続性の喪失を検出するステップと、検出された接続性の喪失に応答して、第1のオーディオパラメータを単一プレーヤ構成に対応するように戻すステップとを更に含む、例1から11のいずれかの方法。
【0145】
(例13)少なくとも1つの再生デバイスの1つ以上のプロセッサによって実行されるときに少なくとも1つの再生デバイスに任意の前述の例の方法を実行させる命令を含む1つ以上の有形の非一時的コンピュータ読み取り可能な記憶媒体。
【0146】
(例14)ネットワークインタフェースと、1つ以上のトランスデューサと、例1から12のうちの1つの方法を再生デバイスに実行させるように構成される1つ以上のプロセッサとを備える再生デバイス。
【0147】
(例15)1つ以上のマイクロフォンと、超広帯域エネルギーを送信及び/又は受信するように構成される1つ以上のアンテナとを更に備える、例14の再生デバイス。
【0148】
(例16)ネットワークインタフェースと、少なくとも1つのプロセッサと、第1の再生デバイスに対する第2の再生デバイスまでの距離を決定し、決定された距離に基づいて、調整されたオーディオパラメータを決定し、第1の再生デバイスに対する第2の再生デバイスまでの距離の決定後に、ネットワークインタフェースを介して、第1の再生デバイスを介したマルチチャネルオーディオコンテンツの第1のチャネルの再生と同期して第2の再生デバイスが調整されたオーディオパラメータにしたがってマルチチャネルオーディオコンテンツの第2のチャネルを再生する第1の再生構成で第2の再生デバイスを動作させるべく第1の再生デバイスが構成されるように、少なくとも1つのプロセッサによって実行可能なプログラム命令を含む少なくとも1つの非一時的コンピュータ読み取り可能な記憶媒体とを備える、第1の再生デバイス。
【0149】
(例17)距離が第1の距離であり、少なくとも1つの非一時的コンピュータ読み取り可能な記憶媒体は、第1の再生デバイス及び第2の再生のうちの少なくとも一方が移動したことを検出し、第1の再生デバイス及び第2の再生のうちの少なくとも一方が移動したことを検出した後に、第1の再生デバイスに対する第2の再生デバイスまでの第2の距離を決定し、第2の距離に基づいて、更新されたオーディオパラメータを決定し、ネットワークインタフェースを介して、第2の再生デバイスが更新されたオーディオパラメータにしたがってマルチチャネルオーディオコンテンツの第2のチャネルを再生する第2の再生構成で動作させるべく第1の再生デバイスが構成されるように、少なくとも1つのプロセッサによって実行可能なプログラム命令を更に含む、例16の第1の再生デバイス。
【0150】
(例18)第1の再生デバイスに対する第2の再生デバイスまでの距離を決定することは、超広帯域(UWB)を送信又は受信することを含む、例16又は例17のいずれかの第1の再生デバイス。
【0151】
(例19)1つ以上のマイクロフォンを更に備え、第1の再生デバイスに対する第2の再生デバイスまでの距離を決定することは、1つ以上のマイクロフォンを介して、第2の再生デバイスから所定の音声波形の少なくとも一部を受信することを含む、例16から18のいずれかの第1の再生デバイス。
【0152】
(例20)第1の再生デバイスに対する第2の再生デバイスまでの距離を決定することは、比較することを含む、例19の第1の再生デバイス。
【手続補正書】
【提出日】2024-05-10
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
マルチチャネルオーディオコンテンツの第1のチャネルが第2の再生デバイスを介した前記マルチチャネルオーディオコンテンツの第2のチャネルの再生と同期して第1の再生デバイスを介して再生する第1の再生構成で動作するための命令を受信するステップと、
前記第1の再生構成で動作するための前記命令を受信した後に、前記第1の再生デバイスと前記第2の再生デバイスとの間の距離を決定するステップと、
決定された前記距離に基づいて、第1のオーディオパラメータを決定するステップと、
決定された前記第1のオーディオパラメータにしたがって前記マルチチャネルオーディオコンテンツの前記第1のチャネルを前記第1の再生デバイスに再生させるステップと、
決定された前記第1のオーディオパラメータにしたがって前記マルチチャネルオーディオコンテンツの前記第2のチャネルを前記第2の再生デバイスに再生させるステップと、
を含む、方法。
【請求項2】
前記第1の再生デバイス及び前記第2の再生
デバイスのうちの少なくとも一方の位置又は向きの変化を検出するステップと、
前記位置又は向きの変化を検出した後に、前記第1の再生デバイスと前記第2の再生デバイスとの間の第2の距離を決定するステップと、
前記第2の距離に基づいて、更新された第1のオーディオパラメータを決定するステップと、
ネットワークインタフェースを介して、更新された前記第1のオーディオパラメータにしたがって前記第2の再生デバイスがマルチチャネルオーディオコンテンツの前記第2のチャネルを再生する第2の再生構成で動作するようにするステップと、
を更に含む、
請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記第1の再生デバイスと前記第2の再生デバイスとの間の距離を決定するステップは、前記第1の再生デバイスを介して前記第2の再生デバイスに超広帯域(UWB)信号を送信することを含む、
請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記第1の再生デバイスと前記第2の再生デバイスとの間の距離を決定するステップは、前記第1の再生デバイスの1つ以上のマイクロフォンを介して、前記第2の再生デバイスを介したオーディオ出力を受信することを含む、
請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記第1の再生デバイスと前記第2の再生デバイスとの間の距離を決定するステップは、前記第2の再生デバイスのネットワークインタフェースを介して、前記第2の再生デバイスを介して1つ以上の較正トーンを出力させることを含む、
請求項4に記載の方法。
【請求項6】
前記第1のオーディオパラメータを決定するステップは、決定された前記距離をルックアップテーブル内の1つ以上の対応するフィルタ特性に一致させることを含む、
請求項1に記載の方法。
【請求項7】
前記第1の再生デバイスと前記第2の再生デバイスとの間の距離を決定するステップは、光速測定モダリティ及び光速測定モダリティよりも遅いものを使用することを含む、
請求項1から6のいずれか一項に記載の方法。
【請求項8】
前記第1のオーディオパラメータを決定するステップは、前記第1及び第2の再生デバイスが位置される特定の聴取環境に関して、所定の周波数未満の周波数範囲を含む前記第1の再生デバイスのモノラル出力を決定することを含む、
請求項1に記載の方法。
【請求項9】
前記モノラル出力を決定するステップは、前記特定の聴取環境の1つ以上の特性に基づいて予想モノラル出力を推定することを含む、
請求項8に記載の方法。
【請求項10】
前記モノラル出力を決定するステップは、前記第1の再生デバイスを介して較正オーディオを出力することを含む、
請求項8に記載の方法。
【請求項11】
前記第1のオーディオパラメータを決定するステップは、前記周波数範囲における前記モノラル出力よりも大きい所定量内にオーディオ出力を実質的に維持するフィルタを決定することを含む、
請求項10に記載の方法。
【請求項12】
前記第2の再生デバイスの接続性の喪失を検出するステップと、
前記検出された接続性の喪失に応答して、前記第1のオーディオパラメータを単一プレーヤ構成に対応するように戻すステップと、
を更に含む、
請求項1に記載の方法。
【請求項13】
再生プロセスを実行するように少なくとも1つの再生デバイスを制御するために前記少なくとも1つの再生デバイスの1つ以上のプロセッサによって実行可能な命令を含む1つ以上の有形の非一時的コンピュータ読み取り可能な記憶媒体であって、前記再生プロセスは、
マルチチャネルオーディオコンテンツの第1のチャネルが第2の再生デバイスを介した前記マルチチャネルオーディオコンテンツの第2のチャネルの再生と同期して第1の再生デバイスを介して再生する第1の再生構成で動作するための命令を受信するステップと、
前記第1の再生構成で動作するための前記命令を受信した後に、前記第1の再生デバイスと前記第2の再生デバイスとの間の距離を決定するステップと、
決定された前記距離に基づいて、第1のオーディオパラメータを決定するステップと、
決定された前記第1のオーディオパラメータにしたがって前記マルチチャネルオーディオコンテンツの前記第1のチャネルを前記第1の再生デバイスに再生させるステップと、
決定された前記第1のオーディオパラメータにしたがって前記マルチチャネルオーディオコンテンツの前記第2のチャネルを前記第2の再生デバイスに再生させるステップと、
を含む、1つ以上の有形の非一時的コンピュータ読み取り可能な記憶媒体。
【請求項14】
前記再生プロセスは、
前記第1の再生デバイス及び前記第2の再生
デバイスのうちの少なくとも一方の位置又は向きの変化を検出するステップと、
前記位置又は向きの変化を検出した後に、前記第1の再生デバイスと前記第2の再生デバイスとの間の第2の距離を決定するステップと、
前記第2の距離に基づいて、更新された第1のオーディオパラメータを決定するステップと、
ネットワークインタフェースを介して、前記更新された第1のオーディオパラメータにしたがって前記第2の再生デバイスがマルチチャネルオーディオコンテンツの前記第2のチャネルを再生する第2の再生構成で動作するようにするステップと、
を更に含む、
請求項13に記載の1つ以上の有形の非一時的コンピュータ読み取り可能な記憶媒体。
【請求項15】
前記第1の再生デバイスと前記第2の再生デバイスとの間の距離を決定するステップは、前記第1の再生デバイスを介して前記第2の再生デバイスに超広帯域(UWB)信号を送信することを含む、
請求項14に記載の1つ以上の有形の非一時的コンピュータ読み取り可能な記憶媒体。
【請求項16】
前記第1の再生デバイスと前記第2の再生デバイスとの間の距離を決定するステップは、前記第1の再生デバイスの1つ以上のマイクロフォンを介して、前記第2の再生デバイスを介したオーディオ出力を受信することを含む、
請求項14又は15に記載の1つ以上の有形の非一時的コンピュータ読み取り可能な記憶媒体。
【請求項17】
前記第1の再生デバイスと前記第2の再生デバイスとの間の距離を決定するステップは、前記第2の再生デバイスのネットワークインタフェースを介して、前記第2の再生デバイスを介して1つ以上の較正トーンを出力させることを含む、
請求項16に記載の1つ以上の有形の非一時的コンピュータ読み取り可能な記憶媒体。
【請求項18】
再生デバイスであって、
ネットワークインタフェースと、
1つ以上のトランスデューサと、
1つ以上のプロセッサと、
を備え、
前記1つ以上のプロセッサは、前記再生デバイスを制御して、
マルチチャネルオーディオコンテンツの第1のチャネルが第2の再生デバイスを介した前記マルチチャネルオーディオコンテンツの第2のチャネルの再生と同期して第1の再生デバイスを介して再生する第1の再生構成で動作するための命令を受信し、
前記第1の再生構成で動作するための前記命令を受信した後に、前記第1の再生デバイスと前記第2の再生デバイスとの間の距離を決定し、
決定された前記距離に基づいて、第1のオーディオパラメータを決定し、
決定された前記第1のオーディオパラメータにしたがって前記マルチチャネルオーディオコンテンツの前記第1のチャネルを前記第1の再生デバイスに再生させ、
決定された前記第1のオーディオパラメータにしたがって前記マルチチャネルオーディオコンテンツの前記第2のチャネルを前記第2の再生デバイスに再生させる、
ように構成される、
再生デバイス。
【請求項19】
1つ以上のマイクロフォンと、
超広帯域エネルギーを送信及び/又は受信するように構成される1つ以上のアンテナと、
を更に備える、
請求項18に記載の再生デバイス。
【請求項20】
前記1つ以上のプロセッサは、前記再生デバイスを更に制御して、
前記第1の再生デバイス及び前記第2の再生
デバイスのうちの少なくとも一方の位置又は向きの変化を検出し、
前記位置又は向きの変化を検出した後に、前記第1の再生デバイスと前記第2の再生デバイスとの間の第2の距離を決定し、
前記第2の距離に基づいて、更新された第1のオーディオパラメータを決定し、
前記ネットワークインタフェースを介して、前記更新された第1のオーディオパラメータにしたがって前記第2の再生デバイスがマルチチャネルオーディオコンテンツの前記第2のチャネルを再生する第2の再生構成で動作する、
ように構成される、
請求項18又は19に記載の再生デバイス。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、消費者物品に関し、より詳細には、メディア再生又はその幾つかの態様を対象とする方法、システム、製品、特徴、サービス、及び他の要素に関する。
【背景技術】
【0002】
SONOS,Inc.が新しいタイプの再生システムの開発を開始した2002年まで、音量の大きな設定でデジタルオーディオにアクセスして聴取するオプションは制限されていた。その後、Sonosは、2003年に「複数のネットワークデバイス間でオーディオ再生を同期させる方法(Method for Synchronizing Audio Playback between Multiple Networked Devices)」と題する最初の特許出願のうちの1つを出願し、2005年に販売用の最初のメディア再生システムの提供を開始した。Sonosワイヤレスホームサウンドシステムは、人々が1つ以上のネットワーク化された再生デバイスを介して多くのソースからの音楽を体験できるようにする。コントローラ(例えば、スマートフォン、タブレット、コンピュータ、音声入力デバイス)にインストールされたソフトウェア制御アプリケーションを介して、ネットワーク化された再生デバイスを有する任意の部屋で、自分が望むものを再生することができる。メディアコンテンツ(例えば、曲、ポッドキャスト、ビデオサウンド)は、再生デバイスを伴う各部屋が対応する異なるメディアコンテンツを再生できるように、再生デバイスにストリーミングされ得る。更に、同じメディアコンテンツの同期再生のために部屋を一緒にグループ化することができ、及び/又は同じメディアコンテンツを全ての部屋で同期して聞くことができる。
【0003】
本開示の技術の特徴、態様、及び利点は、以下で列挙される以下の説明、添付の特許請求の範囲、及び添付図面に関してより良く理解され得る。当業者であれば分かるように、図面に示された特徴が例示目的のためであり、その異なる及び/又は更なる特徴及び配置を含む変形が可能である。
【図面の簡単な説明】
【0004】
【
図1A】開示された技術の態様に従って構成されたメディア再生システムを有する環境の部分破断図
【
図1B】
図1Aのメディア再生システム及び1つ以上のネットワークの概略図
【
図1F】ネットワークマイクロフォンデバイスのブロック図
【
図1I】例示的なスイッチング回路及び/又は通信回路構成を含む通信システムの一例を示す。
【
図1J】通信回路構成を含む通信システムの一例を示す。
【
図2A】3つの再生デバイスを含む構成の一例を示す。
【
図2B】3つの再生デバイスを含む構成の他の例を示す。
【
図3】開示された技術の態様に係る到来角(AOA)推定の一例を示す。
【
図4】開示された技術の態様にしたがって構成される指向性アンテナアレイを示す。
【
図5】開示された技術の態様に係る飛行時間(ToF)推定の一例を示す。
【
図6】開示された技術の態様にしたがって構成される5つのアンテナを含む再生デバイスの一例を示す。
【
図7】開示された技術の態様にしたがって実行される移動平均の数に対する範囲誤差のプロットである。
【
図8】開示された技術の態様にしたがってToF/範囲推定を実行するように構成される再生デバイスを示す。
【
図9】開示された技術の態様にしたがってToF/範囲推定及び2次元AOA推定のいずれか又は両方を実行するように構成される再生デバイスを示す。
【
図10】開示された技術の態様にしたがってToF/範囲推定及び3次元AOA推定の両方を実行するように構成される再生デバイスを示す。
【
図11】開示された技術の態様に係るAOA推定技術に基づき、再生デバイスが他の再生デバイスを区別するための方法の実施形態の一例を示す。
【
図12】開示された技術の態様に係るToF推定技術に基づき、再生デバイスが他の再生デバイスを区別するための他の方法1200の実施形態の一例を示す。
【
図13】開示された技術の態様にしたがって1つ以上の再生デバイスがそれらの間の距離を決定してそれに対応してオーディオパラメータを調整するための他の方法1300のフロー図である。
【
図14】開示された技術の態様にしたがって1つ以上の再生デバイスが1つ以上の調整されたオーディオパラメータを決定するための他の方法1400のフロー図である。
【
図15】様々な距離で分離された一対の再生デバイスの周波数応答プロットを示すグラフである。
【0005】
図面は、例示の実施形態を示す目的のためのものであるが、当業者であれば分かるように、本明細書に開示される技術が図面に示される配置及び/又は手段に限定されない。
【発明を実施するための形態】
【0006】
I.概要
従来のメディア再生システムにおけるデバイスは、個々のデバイスが個々のチャネルの再生責任を割り当てられるように結合又はペアリングされることができる。例えば、ステレオペアモードでは、第1の再生デバイスは、左チャネルのオーディオコンテンツを再生するように構成することができ、第2の再生デバイスは、右チャネルのオーディオコンテンツを再生するように構成することができる。2つのデバイスがステレオペアにある場合、固定低周波シェルフフィルタを両方のデバイスに適用して、各デバイスがモノラル再生用に調整される方法と比較して低音出力を低減することができる。低周波数シェルフフィルタが適用されるのは、これらの低周波数(例えば、1キロヘルツ(kHz)未満))では、各デバイスからの低音音声をコヒーレントに加算できるためである。このフィルタがなければ、低周波数エネルギーは、所与の同調に望ましいよりも低音が多くなるように増加する。
【0007】
従来のメディア再生システムでは、低周波シェルフフィルタは、それらの間の配置又は距離にかかわらず、ステレオペア構成の全てのデバイスに適用することができる。しかしながら、コヒーレントに合計する低周波エネルギーのレベルは、ステレオデバイス間の間隔に強く依存する。場合によっては、低周波数シェルフフィルタは低音出力を過度に低減する可能性があるが、他の場合では、低周波数シェルフフィルタは、低周波数出力のコヒーレント加算に起因して過剰な低音を低減するには不十分であり得る。
【0008】
この目的のために、本明細書で開示される実施形態は、超広帯域(UWB)技術(例えば、UWB無線機、複数のアンテナ、及びスイッチング能力)などの適切な方法を利用して再生デバイス間の相対距離を決定し、それに応じて1つ以上のオーディオパラメータを調整する再生デバイスを説明する。幾つかの例では、例えば、ステレオペア構成における2つの再生デバイス間の距離に基づいて、低周波シェルフフィルタは、組み合わされたステレオペアからの低音出力が単一のデバイスからのモノラル低音出力により密接に整合するように調整される。幾つかの例では、例えば、低周波シェルフフィルタは、合成ステレオペアからの低音出力を、単一のデバイスからのモノラル低音出力の約±3dB以内に正規化するように構成されてもよい。
【0009】
本明細書で説明される幾つかの例は、「ユーザ」、「聴取者」、及び/又は他のエンティティなどの所与の当事者によって実行される機能を指すことができるが、これは説明のみを目的としていることを理解されるべきである。特許請求の範囲は、特許請求の範囲自体の言葉によって明示的に必要とされていない限り、任意のそのような例の作用主体による行為を必要とするように解釈されるべきでない。
【0010】
図において、同一の参照番号は、概して類似した、及び/又は同一の要素を示す。任意の特定の要素の説明を容易にするために、参照番号の最上位桁は、その要素が最初に導入される図を指す。例えば、要素110aが最初に導入され、
図1Aを参照して説明される。図に示されている詳細、寸法、角度及び他の特徴の多くは、開示された技術の特定の実施形態の単なる例示である。したがって、他の例は、本開示の精神又は範囲から逸脱することなく、他の詳細、寸法、角度及び特徴を有することができる。更に、当業者であれば分かるように、様々な開示された技術の更なる実施形態が、以下に記載される詳細の幾つかを伴うことなく実施され得る。
【0011】
II.適切な動作環境
図1Aは、環境101(例えば、家)内に分散されたメディア再生システム100の部分破断図である。メディア再生システム100は、(個々に再生デバイス110a~110nとして識別される)1つ以上の再生デバイス110と、(個々にNMD120a~120cとして識別される)1つ以上のネットワークマイクロフォンデバイス(「NMD」)120と、(個々に制御デバイス130a及び130bとして識別される)1つ以上の制御デバイス130とを備える。
【0012】
本明細書で使用される場合、「再生デバイス」という用語は、一般に、メディア再生システムのデータを受信、処理、及び出力するように構成されたネットワークデバイスを指すことができる。例えば、再生デバイスは、オーディオコンテンツを受信して処理するネットワークデバイスとすることができる。幾つかの実施形態では、再生デバイスは、1つ以上の増幅器によって給電される1つ以上のトランスデューサ又はスピーカを含む。しかしながら、他の実施形態では、再生デバイスは、スピーカ及び増幅器のうちの一方(又はいずれも含まない)を含む。例えば、再生デバイスは、対応するワイヤ又はケーブルを介して再生デバイスの外部の1つ以上のスピーカを駆動するように構成された1つ以上の増幅器を備えることができる。
【0013】
更に、本明細書で使用される場合、NMD(すなわち、「ネットワークマイクロフォンデバイス」)という用語は、一般に、オーディオ検出のために構成されたネットワークデバイスを指すことができる。幾つかの実施形態では、NMDは、主にオーディオ検出用に構成されたスタンドアロンデバイスである。他の実施形態では、NMDは再生デバイスに組み込まれる(又はその逆)。
【0014】
「制御デバイス」という用語は、一般に、メディア再生システム100のユーザアクセス、制御、及び/又は構成を容易にすることに関連する機能を実行するように構成されたネットワークデバイスを指すことができる。
【0015】
再生デバイス110のそれぞれは、(例えば、1つ以上のリモートサーバ又は1つ以上のローカルデバイス)1つ以上のメディアソースからオーディオ信号又はデータを受信し、受信したオーディオ信号又はデータを音声として再生するように構成されている。1つ以上のNMD120は、音声ワードコマンドを受信するように構成され、1つ以上の制御デバイス130は、ユーザ入力を受信するように構成される。受信した話し言葉コマンド及び/又はユーザ入力に応答して、メディア再生システム100は、再生デバイス110のうちの1つ以上を介してオーディオを再生することができる。特定の実施形態では、再生デバイス110は、トリガに応答してメディアコンテンツの再生を開始するように構成される。例えば、再生デバイス110のうちの1つ以上は、関連するトリガ条件の検出(例えば、キッチンにおけるユーザの存在、コーヒーマシンの操作の検出)時に朝のプレイリストを再生するように構成されることができる。幾つかの実施形態では、例えば、メディア再生システム100は、第2の再生デバイス(例えば、再生デバイス
110b)と同期して第1の再生デバイス(例えば、再生デバイス
110a)からオーディオを再生するように構成されている。本開示の様々な実施形態に従って構成されたメディア再生システム100の再生デバイス110、NMD120、及び/又は、制御デバイス130間の相互作用が、
図1B~
図1Hに関連して以下により詳細に説明される。
【0016】
図1Aの図示の実施形態では、環境101は、(左上から時計回りに)主浴室101a、マスターベッドルーム101b、セカンドベッドルーム101c、ファミリールーム又は私室101d、オフィス101e、リビングルーム101f、ダイニングルーム101g、キッチン101h、及び屋外パティオ101iを含む、幾つかの部屋、空間、及び/又は再生ゾーンを有する家庭を含む。特定の実施形態及び例は、家庭環境の文脈で以下に説明されるが、本明細書に記載の技術は、他のタイプの環境で実施されてもよい。幾つかの実施形態においては、例えば、メディア再生システム100を、(例えば、レストラン、モール、空港、ホテル、小売店又は他の店舗)1つ以上の商用設定、1つ以上の車両(例えば、スポーツユーティリティビークル、バス、車、船舶、ボート、飛行機)、複数の環境(例えば、家庭環境と車両環境との組み合わせ)、及び/又は、マルチゾーンオーディオが望ましい場合がある他の適切な環境において実装することができる。
【0017】
メディア再生システム100は、1つ以上の再生ゾーンを備えることができ、その一部は環境101内の部屋に対応し得る。メディア再生システム100は、例えば
図1Aに示される構成を形成するために追加のゾーンが追加又は除去されることができる後に、1つ以上の再生ゾーンを用いて確立されることができる。各ゾーンには、オフィス101e、主浴室101a、マスターベッドルーム101b、セカンドベッドルーム101c、キッチン101h、ダイニングルーム101g、リビングルーム101f、及び/又はバルコニー101iなどの異なる部屋又は空間に応じた名前を付けることができる。幾つかの態様では、単一の再生ゾーンは、複数の部屋又は空間を含むことができる。特定の態様では、単一の部屋又は空間は、複数の再生ゾーンを含むことができる。
【0018】
図1Aの図示の実施形態では、主浴室101a、セカンドベッドルーム101c、オフィス101e、リビングルーム101f、ダイニングルーム101g、キッチン101h、及び屋外パティオ101iはそれぞれ1つの再生デバイス110を含み、マスターベッドルーム101b及び私室101dは複数の再生デバイス110を含む。マスターベッドルーム101bにおいて、再生デバイス110l及び110mは、例えば、再生デバイス110の個々のものとして、結合された再生ゾーンとして、統合された再生デバイスとして、及び/又はそれらの任意の組み合わせとして同期してオーディオコンテンツを再生するように構成されてもよい。同様に、私室101dにおいて、再生デバイス110h~110jは、例えば、再生デバイス110の個々のデバイスとして、1つ以上の結合された再生デバイスとして、及び/又は、1つ以上の統合された再生デバイスとして同期してオーディオコンテンツを再生するように構成されることができる。結合及び統合された再生デバイスに関する更なる詳細は、
図1B及び
図1Eに関して以下に記載される。
【0019】
幾つかの態様では、環境101内の再生ゾーンのうちの1つ以上はそれぞれ、異なるオーディオコンテンツを再生していてもよい。例えば、ユーザは、パティオ101iでグリルしており、再生デバイス110cによって再生されているヒップホップ音楽を聴いている一方で、別のユーザは、キッチン101hで食品を準備しており、再生デバイス110bによって再生されているクラシック音楽を聴いている。別の例では、再生ゾーンは、別の再生ゾーンと同期して同じオーディオコンテンツを再生することができる。例えば、ユーザは、再生デバイス110fがパティオ101i上で再生デバイス110cによって再生されている同じヒップホップ音楽を再生しているのを聞いてオフィス101eにいることができる。幾つかの態様では、再生デバイス110c及び110fは、異なる再生ゾーン間を移動しながらオーディオコンテンツがシームレスに(又は少なくとも実質的にシームレスに)再生されていることをユーザが知覚するように同期してヒップホップ音楽を再生する。再生デバイス及び/又はゾーン間のオーディオ再生同期に関する更なる詳細は、例えば、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる、「複数の独立してクロック制御されるデジタルデータ処理デバイス間で動作を同期させるためのシステム及び方法」と題する米国特許第8,234,395号明細書に見出すことができる。
【0020】
a.適切なメディア再生システム
図1Bは、メディア再生システム100及びクラウドネットワーク102の概略図である。図示を容易にするために、メディア再生システム100及びクラウドネットワーク102の特定のデバイスは、
図1Bから省略されている。1つ以上の通信リンク103(以下、「リンク103」と呼ぶ)は、メディア再生システム100とクラウドネットワーク102とを通信可能に結合する。
【0021】
リンク103は、例えば、1つ以上の有線ネットワーク、1つ以上の無線ネットワーク、1つ以上のワイドエリアネットワーク(WAN)、1つ以上のローカルエリアネットワーク(LAN)、1つ以上のパーソナルエリアネットワーク(PAN)、1つ以上の電気通信ネットワーク(例えば、1つ以上のモバイル用グローバルシステム(GSM)ネットワーク、符号分割多元接続(CDMA)ネットワーク、ロングタームエボリューション(LTE)ネットワーク、5G通信ネットワーク、及び/又は他の適切なデータ送信プロトコルネットワーク)などを備えることができる。クラウドネットワーク102は、リンク103を介してメディア再生システム100から送信される要求に応答してメディアコンテンツ(例えば、オーディオコンテンツ、ビデオコンテンツ、写真、ソーシャルメディアコンテンツ)をメディア再生システム100に配信するように構成される。幾つかの実施形態では、クラウドネットワーク102は、メディア再生システム100からデータ(例えば、音声入力データ)を受信し、それに対応してコマンド及び/又はメディアコンテンツをメディア再生システム100に送信するように更に構成される。
【0022】
クラウドネットワーク102は、コンピューティングデバイス106(第1のコンピューティングデバイス106a、第2のコンピューティングデバイス106b、及び第3のコンピューティングデバイス106cとして別々に識別される)を備える。コンピューティングデバイス106は、例えば、オーディオ及び/又は他のメディアコンテンツを記憶するメディアストリーミングサービスサーバ、音声サービスサーバ、ソーシャルメディアサーバ、メディア再生システム制御サーバなどの個々のコンピュータ又はサーバを備えることができる。幾つかの実施形態では、コンピューティングデバイス106のうちの1つ以上は、単一のコンピュータ又はサーバのモジュールを備える。特定の実施形態では、コンピューティングデバイス106のうちの1つ以上は、1つ以上のモジュール、コンピュータ、及び/又はサーバを備える。更に、クラウドネットワーク102は、単一のクラウドネットワークの文脈で前述されているが、幾つかの実施形態では、クラウドネットワーク102は、通信可能に結合されたコンピューティングデバイスを含む複数のクラウドネットワークを備える。更に、クラウドネットワーク102は、コンピューティングデバイス106のうちの3つを有するものとして
図1Bに示されているが、幾つかの実施形態では、クラウドネットワーク102は、より少ない(又はより多い)3つのコンピューティングデバイス106を備える。
【0023】
メディア再生システム100は、リンク103を介してネットワーク102からメディアコンテンツを受信するように構成される。受信されたメディアコンテンツは、例えば、ユニフォーム・リソース・アイデンティファイヤ(URI)及び/又はユニフォーム・リソース・ロケータ(URL)を備えることができる。例えば、幾つかの例では、メディア再生システム100は、受信したメディアコンテンツに対応するURI又はURLからデータをストリーミング、ダウンロード、又は取得することができる。ネットワーク104は、リンク103とメディア再生システム100のデバイスの少なくとも一部(例えば、再生デバイス110、NMD120、及び/又は、制御デバイス130のうちの1つ以上)とを通信可能に結合する。ネットワーク104は、例えば、無線ネットワーク(例えば、WI-FIネットワーク、BLUETOOTH(登録商標)ネットワーク、Z-Waveネットワーク、ZigBee、及び/又は他の適切な無線通信プロトコルネットワーク)及び/又は有線ネットワーク(例えば、イーサネット、ユニバーサルシリアルバス(USB)、及び/又は別の適切な有線通信を含むネットワーク)を含むことができる。当業者には理解されるように、本明細書で使用される場合、「WI-FI」は、例えば、2.4ギガヘルツ(GHz)、5GHz、及び/又は別の適切な周波数で送信される、米国電気電子学会(IEEE)802.11a、802.11b、802.11g、802.11n、802.11ac、802.11ac、802.11ad、802.11af、802.11ah、802.11ai、802.11aj、802.11aq、802.11ax、802.11ay、802.15などを含む幾つかの異なる通信プロトコルを指すことができる。
【0024】
幾つかの実施形態では、ネットワーク104は、メディア再生システム100が個々のデバイス間でメッセージを送信するために、及び/又はメディアコンテンツソース(例えば、コンピューティングデバイス106のうちの1つ以上)との間でメディアコンテンツを送信するために使用する専用通信ネットワークを備える。特定の実施形態では、ネットワーク104は、メディア再生システム100内のデバイスのみにアクセス可能であるように構成され、それにより、他の家庭用デバイスとの干渉及び競合を低減する。しかしながら、他の例では、ネットワーク104は、既存の家庭用通信ネットワーク(例えば、家庭用WI-FIネットワーク)を備える。幾つかの実施形態では、リンク103及びネットワーク104は、同じネットワークのうちの1つ以上を備える。幾つかの態様では、例えば、リンク103及びネットワーク104は、電気通信ネットワーク(例えば、LTEネットワーク、5Gネットワーク)を備える。更に、幾つかの実施形態では、メディア再生システム100は、ネットワーク104を伴うことなく実装され、メディア再生システム100を備えるデバイスは、例えば、1つ以上の直接接続、PAN、電気通信ネットワーク、及び/又は他の適切な通信リンクを介して、互いに通信することができる。本明細書では、ネットワーク104は、メディア再生システム100をリモートデバイス、例えば、クラウドサービスに結合するクラウドネットワーク102とネットワーク104を区別するために、「ローカル通信ネットワーク」と称されてもよい。
【0025】
幾つかの実施形態では、オーディオコンテンツソースは、メディア再生システム100から定期的に追加又は削除されてもよい。幾つかの実施形態では、例えば、メディア再生システム100は、1つ以上のメディアコンテンツソースがメディア再生システム100に更新、追加、及び/又は削除されるときにメディアアイテムのインデックス付けを実行する。メディア再生システム100は、再生デバイス110にアクセス可能な幾つかの又は全てのフォルダ及び/又はディレクトリ内の識別可能なメディアアイテムを走査し、発見された識別可能なメディアアイテム毎にメタデータ(例えば、タイトル、アーティスト、アルバム、トラック長)及び他の関連情報(例えば、URI、URL)を備えるメディアコンテンツデータベースを生成又は更新することができる。幾つかの実施形態では、例えば、メディアコンテンツデータベースは、再生デバイス110、ネットワークマイクロフォンデバイス120、及び/又は制御デバイス130のうちの1つ以上に記憶される。
【0026】
図1Bの図示の実施形態では、再生デバイス110l及び110mは、グループ107aを備える。再生デバイス110l及び110mは、家庭内の異なる部屋に配置され、メディア再生システム100内の制御デバイス130a及び/又は別の制御デバイス130で受信されたユーザ入力に基づいて、一時的又は永続的にグループ107aに一緒にグループ化されることができる。グループ107aに配置されると、再生デバイス110l及び110mは、1つ以上のオーディオコンテンツソースから同期して同じ又は同様のオーディオコンテンツを再生するように構成されることができる。特定の実施形態では、例えば、グループ107aは、再生デバイス110l及び110mがそれぞれマルチチャネルオーディオコンテンツの左オーディオチャネル及び右オーディオチャネルを含む結合ゾーンを含み、それにより、オーディオコンテンツのステレオ効果を生成又は強化する。幾つかの実施形態では、グループ107aは、更なる再生デバイス110を含む。しかしながら、他の実施形態では、メディア再生システム100は、グループ107a及び/又は再生デバイス110の他のグループ化された配置を省略する。
【0027】
メディア再生システム100は、それぞれがユーザからの音声発話を受信するように構成された1つ以上のマイクロフォンを備えるNMD120a及び120dを含む。
図1Bの図示の実施形態では、NMD120aがスタンドアロンデバイスであり、NMD120dが再生デバイス110nに組み込まれる。NMD120aは、例えば、ユーザ123から音声入力121を受信するように構成される。幾つかの実施形態では、NMD120aは、受信した音声入力121に関連するデータを、(i)受信した音声入力データを処理し、(ii)メディア再生システム100に代わって1つ以上の操作を可能にするように構成された音声アシスタントサービス(VAS)に送信する。
【0028】
幾つかの態様では、例えば、コンピューティングデバイス106cは、VAS(例えば、SONOS(登録商標)、AMAZON(登録商標)、グーグル(登録商標)APPLE(登録商標)、MICROSOFT(登録商標))の1つ以上のモジュール及び/又はサーバを備える。コンピューティングデバイス106cは、ネットワーク104及びリンク103を介してNMD120aから音声入力データを受信することができる。
【0029】
音声入力データの受信に応答して、コンピューティングデバイス106cは、音声入力データ(すなわち、「ビートルズのHey Judeを再生して」)を処理し、処理された音声入力が曲(例えば、「Hey Jude」)を再生するコマンドを含むと決定する。いくつかの実施形態では、音声入力を処理した後に、コンピューティングデバイス106cは、再生デバイス110のうちの1つ以上の適切なメディアサービスから(例えば、コンピューティングデバイス106のうちの1つ以上を介して)ビートルズによる「Hey Jude」を再生するためのコマンドをメディア再生システム100に送信する。他の実施形態では、コンピューティングデバイス106cは、メディア再生システム100に代わってメディアサービスとインターフェイスするように構成されてもよい。このような実施形態では、音声入力を処理した後、コンピューティングデバイス106cがメディア再生システム100にコマンドを送信してメディア再生システム100に適切なメディアサービスから要求されたメディアを取得させる代わりに、コンピューティングデバイス106c自体が、ユーザの音声発話に従って、適切なメディアサービスに要求されたメディアをメディア再生システム100へ提供させる。
【0030】
b.適切な再生デバイス
図1Cは、入力/出力111を備える再生デバイス110aのブロック図である。入力/出力111は、アナログI/O111a(例えば、1つ以上のワイヤ、ケーブル、及び/又はアナログ信号を搬送するように構成された他の適切な通信リンク)及び/又はデジタルI/O111b(例えば、デジタル信号を搬送するように構成された1つ以上のワイヤ、ケーブル、又は他の適切な通信リンク)を含むことができる。幾つかの実施形態では、アナログI/O111aは、例えば、自動検出3.5mmオーディオライン入力接続を含むオーディオライン入力接続である。幾つかの実施形態では、デジタルI/O111bは、Sony/Philips Digital Interface Format(S/PDIF)通信インタフェース及び/又はケーブル及び/又はToshiba Link(TOSLINK)ケーブルを備える。幾つかの実施形態では、デジタルI/O111bは、高解像度マルチメディアインタフェース(HDMI(登録商標))インタフェース及び/又はケーブルを備える。幾つかの実施形態では、デジタルI/O111bは、例えば、無線周波数(RF)、赤外線、WI-FI、BLUETOOTH、又は別の適切な通信プロトコルを含む1つ以上の無線通信リンクを含む。特定の実施形態では、アナログI/O111a及びデジタル111bは、必ずしもケーブルを含まずに、それぞれアナログ信号及びデジタル信号を送信するケーブルのコネクタを受け入れるように構成されたインタフェース(例えば、ポート、プラグ、ジャック)を備える。
【0031】
再生デバイス110aは、例えば、入力/出力111(例えば、ケーブル、ワイヤ、PAN、BLUETOOTH接続、アドホック有線又は無線通信ネットワーク、及び/又は別の適切な通信リンク)を介してローカルオーディオソース105からメディアコンテンツ(例えば、音楽及び/又は他のサウンドを含むオーディオコンテンツ)を受信することができる。ローカルオーディオソース105は、例えば、モバイルデバイス(例えば、スマートフォン、タブレット、ラップトップコンピュータ)又は別の適切なオーディオコンポーネント(例えば、テレビ、デスクトップコンピュータ、増幅器、フォノグラフ、ブルーレイプレーヤ、デジタルメディアファイルを記憶するメモリ)を備えることができる。幾つかの態様では、ローカルオーディオソース105は、スマートフォン、コンピュータ、ネットワーク接続ストレージ(NAS)、及び/又はメディアファイルを記憶するように構成された別の適切なデバイス上のローカル音楽ライブラリを含む。特定の実施形態では、再生デバイス110、NMD120、及び/又は制御デバイス130のうちの1つ以上は、ローカルオーディオソース105を備える。しかしながら、他の実施形態では、メディア再生システムは、ローカルオーディオソース105を完全に省略する。幾つかの実施形態では、再生デバイス110aは、入力/出力111を含まず、ネットワーク104を介して全てのオーディオコンテンツを受信する。
【0032】
再生デバイス110aは、電子機器112と、ユーザインタフェース113(例えば、1つ以上のボタン、ノブ、ダイヤル、タッチ感知面、ディスプレイ、タッチスクリーン)と、1つ以上のトランスデューサ114(以下、「トランスデューサ114」と呼ぶ)とを更に備える。電子機器112は、入力/出力111を介してオーディオソース(例えば、ローカルオーディオソース105)、又はネットワーク104(
図1B)を介してコンピューティングデバイス106a~106cのうちの1つ以上からオーディオを受信し、受信したオーディオを増幅し、トランスデューサ114のうちの1つ以上を介して再生するために増幅されたオーディオを出力するように構成される。幾つかの実施形態では、再生デバイス110aは、任意選択的に、1つ以上のマイクロフォン115(例えば、単一のマイクロフォン、複数のマイクロフォン、マイクロフォンアレイ)(以下、「マイクロフォン115」と称する)を含む。特定の実施形態では、例えば、任意選択のマイクロフォン115のうちの1つ以上を有する再生デバイス110aは、ユーザから音声入力を受信し、受信した音声入力に基づいて1つ以上の動作を対応して実行するように構成されたNMDとして動作することができる。
【0033】
図1Cの図示の実施形態では、電子機器112は、1つ以上のプロセッサ112a(以下、「プロセッサ112a」と呼ぶ)と、メモリ112bと、ソフトウェアコンポーネント112cと、ネットワークインタフェース112dと、1つ以上のオーディオ処理コンポーネント112g(以下、「オーディオコンポーネント112g」と呼ぶ)と、1つ以上のオーディオ増幅器112h(以下、「増幅器112h」と呼ぶ)と、電源112i(例えば、1つ以上の電源、電源ケーブル、電源レセプタクル、バッテリ、誘導コイル、パワーオーバーイーサネット(POE)インタフェース、及び/又は他の適切な電力源)とを備える。幾つかの実施形態では、電子機器112は、任意選択的に、1つ以上の他のコンポーネント112j(例えば、1つ以上のセンサ、ビデオディスプレイ、タッチスクリーン、バッテリ充電ベース)を含む。
【0034】
プロセッサ112aは、データを処理するように構成されたクロック駆動コンピューティングコンポーネントを備えることができ、メモリ112bは、様々な動作及び/又は機能を実行するための命令を記憶するように構成されたコンピュータ読み取り可能な記憶媒体(例えば、ソフトウェアコンポーネント112cのうちの1つ以上がロードされた有形の非一時的コンピュータ読み取り可能な記憶媒体)を備えることができる。プロセッサ112aは、メモリ112bに記憶された命令を実行して、動作のうちの1つ以上を実行するように構成される。この動作は、例えば、再生デバイス110aに、オーディオソース(例えば、コンピューティングデバイス106a~106c(
図1B)のうちの1つ以上)及び/又は再生デバイス110のうちの他の1つからオーディオデータを検索させることを含むことができる。幾つかの実施形態では、動作は、再生デバイス110aに、再生デバイス110aのうちの別のデバイス及び/又は別のデバイス(例えば、NMD120のうちの1つ)にオーディオデータを送信させることを更に含む。特定の実施形態は、再生デバイス110aに、マルチチャネルオーディオ環境(例えば、ステレオ対、結合ゾーン)を可能にするために、1つ以上の再生デバイス110のうちの別のものとペアリングさせる動作を含む。
【0035】
プロセッサ112aは、再生デバイス110aにオーディオコンテンツの再生を1つ以上の再生デバイス110のうちの別のものと同期させる動作を実行するように更に構成されることができる。当業者には理解されるように、複数の再生デバイス上でのオーディオコンテンツの同期再生中、聴取者は、好ましくは、再生デバイス110aによるオーディオコンテンツの再生と他の1つ以上の他の再生デバイス110によるオーディオコンテンツの再生との間の時間遅延差を知覚することができない。再生デバイス間のオーディオ再生同期に関する更なる詳細は、例えば、参照により上記に組み込まれた米国特許第8,234,395号に見出すことができる。
【0036】
幾つかの実施形態においては、メモリ112bが、再生デバイス110aがそのメンバである1つ以上のゾーン及び/又はゾーングループ、再生デバイス110aにアクセス可能なオーディオソース、及び/又は、再生デバイス110a(及び/又は、1つ以上の再生デバイスのうちの他の再生デバイス)が関連付けられ得る再生キューなどの再生デバイス110aと関連付けられるデータを記憶するように更に構成される。記憶されたデータは、周期的に更新され、再生デバイス110aの状態を記述するために使用される1つ以上の状態変数を含むことができる。メモリ112bはまた、メディア再生システム100の他のデバイス(例えば、再生デバイス110、NMD120、制御デバイス130)のうちの1つ以上の状態と関連付けられたデータを含むことができる。幾つかの態様では、例えば、状態データは、メディア再生システム100のデバイスの少なくとも一部の間で所定の時間間隔(例えば、5秒ごと、10秒ごと、60秒ごと)の間に共有され、その結果、デバイスのうちの1つ以上は、メディア再生システム100に関連付けられた最新データを有する。
【0037】
ネットワークインタフェース112dは、再生デバイス110aと、例えばリンク103及び/又はネットワーク104(
図1B)などのデータネットワーク上の1つ以上の他のデバイスとの間のデータの送信を容易にするように構成される。ネットワークインタフェース112dは、メディアコンテンツ(例えば、オーディオコンテンツ、ビデオコンテンツ、テキスト、写真)、並びにインターネットプロトコル(IP)ベースの送信元アドレス及び/又はIPベースの宛先アドレスを含むデジタルパケットデータを含む他の信号(例えば、非一時的な信号)に対応するデータを送受信するように構成される。ネットワークインタフェース112dは、電子機器112が再生デバイス110a宛てのデータを適切に受信及び処理するように、デジタルパケットデータを解析することができる。
【0038】
図1Cの図示の実施形態では、ネットワークインタフェース112dは、1つ以上の無線インタフェース112e(以下「無線インタフェース112e」と呼ぶ)を備える。無線インタフェース112e(例えば、1つ以上のアンテナを含む適切なインタフェース)は、適切な無線通信プロトコル(例えば、WI-FI、BLUETOOTH、LTE)に従ってネットワーク104(
図1B)に通信可能に結合された1つ以上の他のデバイス(例えば、他の再生デバイス110、NMD120、及び/又は、制御デバイス130のうちの1つ以上)と無線通信するように構成することができる。幾つかの実施形態では、ネットワークインタフェース112dは、任意選択的に、適切な有線通信プロトコルに従って他のデバイスと有線接続を介して通信するように構成された有線インタフェース112f(例えば、イーサネット、USB-A、USB-C、及び/又はThunderboltケーブルなどのネットワークケーブルを受信するように構成されたインタフェース又はレセプタクル)を含む。特定の実施形態では、ネットワークインタフェース112dは、有線インタフェース112fを含み、無線インタフェース112eを除外する。幾つかの実施形態では、電子機器112は、ネットワークインタフェース112dを完全に除外し、別の通信経路(例えば、入力/出力111)を介してメディアコンテンツ及び/又は他のデータを送受信する。
【0039】
オーディオコンポーネント112gは、(例えば、入力/出力111及び/又はネットワークインタフェース112dを介して)電子機器112によって受信されたメディアコンテンツを含むデータを処理及び/又はフィルタリングして、出力オーディオ信号を生成するように構成される。幾つかの実施形態では、オーディオ処理コンポーネント112gは、例えば、1つ以上のデジタル-アナログ変換器(DAC)、オーディオ前処理コンポーネント、オーディオ拡張コンポーネント、デジタル信号プロセッサ(DSP)、及び/又は他の適切なオーディオ処理コンポーネント、モジュール、回路などを備える。特定の実施形態では、オーディオ処理コンポーネント112gのうちの1つ以上は、プロセッサ112aの1つ以上のサブコンポーネントを備えることができる。幾つかの実施形態では、電子機器112は、オーディオ処理コンポーネント112gを省略する。幾つかの態様では、例えば、プロセッサ112aは、出力オーディオ信号を生成するためにオーディオ処理動作を実行するために、メモリ112bに記憶された命令を実行する。
【0040】
増幅器112hは、オーディオ処理コンポーネント112g及び/又はプロセッサ112aによって生成されたオーディオ出力信号を受信及び増幅するように構成される。増幅器112hは、トランスデューサ114のうちの1つ以上を駆動するのに十分なレベルまでオーディオ信号を増幅するように構成された電子デバイス及び/又は構成要素を備えることができる。幾つかの実施形態では、例えば、増幅器112hは、1つ以上のスイッチング又はD級電力増幅器を含む。しかしながら、他の実施形態では、増幅器は、1つ以上の他のタイプの電力増幅器(例えば、線形利得電力増幅器、A級増幅器、B級増幅器、AB級増幅器、C級増幅器、D級増幅器、E級増幅器、F級増幅器、G級増幅器、H級増幅器、並びに/又は別の適切なタイプの電力増幅器)を含む。特定の実施形態では、増幅器112hは、前述のタイプの電力増幅器のうちの2つ以上の適切な組み合わせを備える。更に、幾つかの実施形態では、増幅器112hの個々のものは、トランスデューサ114の個々のものに対応する。しかしながら、他の実施形態では、電子機器112は、増幅されたオーディオ信号を複数のトランスデューサ114に出力するように構成された増幅器112hのうちの単一の増幅器を含む。幾つかの他の実施形態では、電子機器112は増幅器112hを省略する。
【0041】
トランスデューサ114(例えば、1つ以上のスピーカ及び/又はスピーカドライバ)は、増幅器112hから増幅されたオーディオ信号を受信し、増幅されたオーディオ信号を音(例えば、約20ヘルツ(Hz)~20キロヘルツ(kHz)の周波数を有する可聴音波)としてレンダリング又は出力する。幾つかの実施形態では、トランスデューサ114は単一のトランスデューサを備えることができる。しかしながら、他の実施形態では、トランスデューサ114は複数のオーディオトランスデューサを備える。幾つかの実施形態では、トランスデューサ114は、複数のタイプのトランスデューサを備える。例えば、トランスデューサ114は、1つ以上の低周波数トランスデューサ(例えば、サブウーファ、ウーファ)、中域周波数トランスデューサ(例えば、ミッドレンジトランスデューサ、ミッドウーファ)、及び1つ以上の高周波トランスデューサ(例えば、1つ以上のツイータ)を含むことができる。本明細書で使用する場合、「低周波」は一般に約500Hz未満の可聴周波数を指すことができ、「中域周波数」は一般に約500Hz~約2kHzの可聴周波数を指すことができ、「高周波」は一般に2kHzを超える可聴周波数を指すことができる。しかしながら、特定の実施形態では、トランスデューサ114のうちの1つ以上は、前述の周波数範囲に接着しないトランスデューサを備える。例えば、トランスデューサ114の一方は、約200Hz~約5kHzの周波数で音を出力するように構成された中間ウーハートランスデューサを備えてもよい。
【0042】
例示として、SONOS,Inc.は、現在、例えば、「SONOS ONE」、「PLAY:1」、「PLAY:3」、「PLAY:5」、「PLAYBAR」、「PLAYBASE」、「CONNECT:AMP」、「CONNECT」、及び「SUB」を含む特定の再生デバイスを販売用に提供する(又は提供している)。これに加えて又は代えて、他の適切な再生デバイスを使用して、本明細書に開示される実施形態の例の再生デバイスを実装してもよい。更に、当業者であれば分かるように、再生デバイスは、本明細書に記載の例又はSONOS製品提供物に限定されない。幾つかの実施形態においては、例えば、1つ以上の再生デバイス110が有線又は無線ヘッドホン(例えば、耳上ヘッドホン、耳上ヘッドホン、耳内イヤホン)を備える。他の実施形態では、再生デバイス110のうちの1つ以上は、パーソナル・モバイル・メディア再生デバイス用のドッキングステーションと対話するように構成されたドッキングステーション及び/又はインタフェースを備える。特定の実施形態では、再生デバイスは、テレビ、照明器具、又は屋内もしくは屋外で使用するための他の何らかのデバイスなどの別のデバイス又はコンポーネントと一体であってもよい。幾つかの例では、再生デバイスは、ユーザインタフェース及び/又は1つ以上のトランスデューサを省略する。例えば、
図1Dは、ユーザインタフェース113又はトランスデューサ114を有さない入力/出力111及び電子機器112を備える再生デバイス110pのブロック図である。
【0043】
図1Eは、再生デバイス110i(例えば、サブウーファ)(
図1A)と超音波接合された再生デバイス110a(
図1C)を備える結合された再生デバイス110qのブロック図である。図示の実施形態では、再生デバイス110a及び110iは、別個の筐体に収容された再生デバイス110のうちの別個のものである。しかしながら、幾つかの実施形態では、結合された再生デバイス110qは、再生デバイス110a及び110iの両方を収容する単一の筐体を備える。結合された再生デバイス110qは、結合されていない再生デバイス(例えば、
図1Cの再生デバイス110a)及び/又はペアリングされた若しくは結合された再生デバイス(例えば、
図1Bの再生デバイス110l及び110m)とは異なる方法で音を処理及び再生するように構成されることができる。幾つかの実施形態では、例えば、再生デバイス110aは、低周波数、中域周波数、及び高周波数のオーディオコンテンツをレンダリングするように構成されたフルレンジ再生デバイスであり、再生デバイス110iは、低周波数オーディオコンテンツをレンダリングするように構成されたサブウーファである。幾つかの態様では、再生デバイス110aは、第1の再生デバイスと結合されると、特定のオーディオコンテンツの中域周波数成分及び高周波成分のみをレンダリングするように構成され、一方、再生デバイス110iは、特定のオーディオコンテンツの低周波成分をレンダリングする。幾つかの実施形態では、結合再生デバイス110qは、追加の再生デバイス及び/又は別の結合再生デバイスを含む。
【0044】
c.適切なネットワークマイクロフォンデバイス(NMD)
図1Fは、NMD120a(
図1A及び
図1B)のブロック図である。NMD120aは、1つ以上の音声処理コンポーネント124(以下、「音声コンポーネント124」)と、プロセッサ112a、メモリ112b、及びマイクロフォン115を含む再生デバイス110a(
図1C)に関して説明した幾つかのコンポーネントとを含む。NMD120aは、ユーザインタフェース113及び/又はトランスデューサ114などの再生デバイス110a(
図1C)にも含まれる他の構成要素を任意選択的に備える。幾つかの実施形態では、NMD120aはメディア再生デバイス(例えば、再生デバイス110のうちの1つ以上)として構成され、例えば、オーディオコンポーネント112g(
図1C)、増幅器
112h、及び/又は他の再生デバイスコンポーネントのうちの1つ以上を更に含む。特定の実施形態では、NMD120aは、例えばサーモスタット、警報パネル、火災及び/又は煙検出器などのモノのインターネット(IoT)デバイスを備える。幾つかの実施形態では、NMD120aは、マイクロフォン115と、音声処理124と、
図1Bに関して前述した電子機器112の構成要素の一部のみとを備える。幾つかの実施形態では、例えば、NMD120aは、電子機器112の1つ以上の他の構成要素を省略しながら、プロセッサ112a及びメモリ112b(
図1B)を含む。幾つかの例では、NMD120aは追加の構成要素(例えば、1つ以上のセンサ、カメラ、温度計、気圧計、湿度計)を含む。
【0045】
幾つかの実施形態では、NMDを再生デバイスに組み込むことができる。
図1Gは、NMD120dを備える再生デバイス110rのブロック図である。再生デバイス110rは、再生デバイス110aの構成要素の多く又は全てを備えることができ、マイクロフォン115及び音声処理124(
図1F)を更に含むことができる。再生デバイス110rは、統合制御デバイス130cを有していてもよい。制御デバイス130cは、例えば、別個の制御デバイスを伴うことなくユーザ入力(例えば、タッチ入力、音声入力)を受信するように構成されたユーザインタフェース(例えば、
図1Bのユーザインタフェース113)を備えることができる。しかしながら、他の実施形態では、再生デバイス110rは、他の制御デバイス(例えば、
図1Bの制御デバイス130a)からコマンドを受信する。
【0046】
再び
図1Fを参照すると、マイクロフォン115は、NMD120aが配置されている環境(例えば、
図1Aの環境101)及び/又は部屋から音を取得、捕捉、及び/又は受信するように構成される。受信される音声は、例えば、音声発話、NMD120a及び/又は別の再生デバイスによって再生されるオーディオ、背景音声、周囲音などを含むことができる。マイクロフォン115は、受信した音を電気信号に変換してマイクロフォンデータを生成する。音声処理124は、マイクロフォンデータを受信して分析し、マイクロフォンデータに音声入力があるかどうかを決定する。音声入力は、例えば、ユーザ要求を含む発話が続く起動ワードを含むことができる。当業者には理解されるように、起動ワードは、ユーザ音声入力を意味する単語又は他のオーディオキューである。例えば、AMAZON(登録商標)VASに問い合わせる際に、ユーザは起動ワード「Alexa」を発することがある。他の例は、グーグル(登録商標)VASを呼び出すための「オーケー、Google」及びアップル(登録商標)VASを呼び出すための「ヘイ、Siri」を含む。
【0047】
起動ワードを検出した後、音声処理124は、音声入力において付随するユーザ要求についてマイクロフォンデータを監視する。ユーザ要求は、例えば、サーモスタット(例えば、NEST(登録商標)サーモスタット)、照明デバイス(例えば、PHILIPS HUE(登録商標)照明デバイス)、又はメディア再生デバイス(例えば、Sonos(登録商標)再生デバイス)などの第3者デバイスを制御するためのコマンドを含むことができる。例えば、ユーザは、(例えば、
図1Aの環境101)という起動ワード「Alexa」に続いて発話「サーモスタットを68度に設定してください」を発話して、家庭内の温度を設定することができる。ユーザは、同じ起動ワードを発した後に「居間をつけて」という発話を行い、家の居間エリアの照明デバイスをオンにすることができる。ユーザは、特定の曲、アルバム、又は音楽のプレイリストを家庭内の再生デバイス上で再生する要求が続く起動ワードを同様に話すことができる。
【0048】
d.適切な制御デバイス
図1Hは、制御デバイス130a(
図1A及び
図1B)の部分概略図である。本明細書で使用される場合、「制御デバイス」という用語は、「コントローラ」又は「制御システム」と互換的に使用することができる。他の特徴の中でも、制御デバイス130aは、メディア再生システム100に関連するユーザ入力を受信し、それに応答して、メディア再生システム100内の1つ以上のデバイスに、ユーザ入力に対応する動作又は動作を実行させるように構成される。図示の実施形態では、制御デバイス130aは、メディア再生システムコントローラアプリケーションソフトウェアがインストールされたスマートフォン(例えば、iPhone(登録商標)、Android電話)を備える。幾つかの実施形態では、制御デバイス130aは、例えば、タブレット(例えば、iPad(登録商標))、コンピュータ(例えば、ラップトップコンピュータ、デスクトップコンピュータ)、及び/又は別の適切なデバイス(例えば、テレビ、自動車のオーディオ・ヘッド・ユニット、IoTデバイス)を備える。特定の実施形態では、制御デバイス130aは、メディア再生システム100のための専用コントローラを備える。他の実施形態では、
図1Gに関して前述したように、制御デバイス130aは、メディア再生システム100内の別のデバイス(例えば、再生デバイス110、NMD120、及び/又は、ネットワークを介して通信するように構成される他の適切なデバイスのうちの1つ以上)に組み込まれる。
【0049】
制御デバイス130aは、電子機器132と、ユーザインタフェース133と、1つ以上のスピーカ134と、1つ以上のマイクロフォン135とを含む。電子機器132は、1つ以上のプロセッサ132a(以下、「プロセッサ132a」と呼ぶ)と、メモリ132bと、ソフトウェアコンポーネント132cと、ネットワークインタフェース132dとを備える。プロセッサ132aは、メディア再生システム100のユーザアクセス、制御、及び構成を容易にすることに関連する機能を実行するように構成することができる。メモリ132bは、これらの機能を実行するためにプロセッサ302によって実行可能なソフトウェアコンポーネントのうちの1つ以上をロードすることができるデータ記憶装置を備えることができる。ソフトウェアコンポーネント132cは、メディア再生システム100の制御を容易にするように構成されたアプリケーション及び/又は他の実行可能ソフトウェアを備えることができる。メモリ112bは、例えば、ソフトウェアコンポーネント132c、メディア再生システムコントローラアプリケーションソフトウェア、及び/又はメディア再生システム100及びユーザに関連する他のデータを記憶するように構成することができる。
【0050】
ネットワークインタフェース132dは、制御デバイス130aと、メディア再生システム100内の1つ以上の他のデバイス、及び/又は1つ以上のリモートデバイスとの間のネットワーク通信を容易にするように構成される。幾つかの実施形態では、ネットワークインタフェース132dは、1つ以上の適切な通信業界標準(例えば、赤外線、無線、IEEE802.3を含む有線規格、IEEE802.11a、802.11b、802.11g、802.11n、802.11ac、802.15、4Gを含む無線規格、LTE)に従って動作するように構成される。ネットワークインタフェース132dは、例えば、再生デバイス110、NMD120、他の制御デバイス130、
図1Bのコンピューティングデバイス106のうちの1つ、1つ以上の他のメディア再生システムを備えるデバイスなどにデータを送信及び/又はそこからデータを受信するように構成することができる。送信及び/又は受信されたデータは、例えば、再生デバイス制御コマンド、状態変数、再生ゾーン及び/又はゾーングループ構成を含むことができる。例えば、ユーザインタフェース133において受信されるユーザ入力に基づいて、ネットワークインタフェース132dは、再生デバイス制御コマンド(例えば、音量制御、オーディオ再生制御、オーディオコンテンツ選択)を制御デバイス304から再生デバイス100のうちの1つ以上へ送信することができる。ネットワークインタフェース132dはまた、例えば、とりわけ、ゾーンへの/ゾーンからの1つ以上の再生デバイス100の追加/削除、ゾーングループへの/ゾーンからの1つ以上のゾーンの追加/削除、結合された又は統合されたプレーヤの形成、結合された又は統合されたプレーヤからの1つ以上の再生デバイスの分離などの構成変更を送信及び/又は受信することができる。
【0051】
ユーザインタフェース133は、ユーザ入力を受信するように構成され、メディア再生システム100の制御を容易にすることができる。ユーザインタフェース133は、メディアコンテンツ技術133a(例えば、アルバムアート、歌詞、ビデオ)と、再生状態インジケータ133b(例えば、経過時間及び/又は残り時間インジケータ)と、メディアコンテンツ情報領域133cと、再生制御領域133dと、ゾーンインジケータ133eとを含む。メディアコンテンツ情報領域133cは、現在再生しているメディアコンテンツ及び/又はキューもしくはプレイリスト内のメディアコンテンツに関する関連情報(例えば、タイトル、アーティスト、アルバム、ジャンル、発売年)の表示を含むことができる。再生制御領域133dは、選択された再生ゾーン又はゾーングループ内の1つ以上の再生デバイスに、例えば、再生又は一時停止、早送り、巻き戻し、次へスキップ、前へスキップ、シャッフルモードに入る/終了、繰り返しモードに入る/終了、クロスフェードモードに入る/終了などの再生アクションを実行させるための選択可能(例えば、タッチ入力を介して、及び/又はカーソルもしくは別の適切なセレクタを介して)なアイコンを含むことができる。再生制御領域133dはまた、等化設定、再生ボリューム、及び/又は他の適切な再生動作を変更するための選択可能アイコンを含むことができる。図示の実施形態では、ユーザインタフェース133は、スマートフォン(例えば、iPhone(登録商標)、Android電話)のタッチスクリーンインタフェース上に提示されるディスプレイを備える。しかしながら、幾つかの実施形態では、メディア再生システムに同等の制御アクセスを提供するために、様々なフォーマット、スタイル、及びインタラクティブシーケンスのユーザインタフェースを1つ以上のネットワークデバイスに代替的に実装することができる。
【0052】
1つ以上のスピーカ134(例えば、1つ以上のトランスデューサ)は、制御デバイス130aのユーザに音声を出力するように構成され得る。幾つかの実施形態では、1つ以上のスピーカは、対応して低周波数、中域周波数、及び/又は高周波数を出力するように構成された個々のトランスデューサを備える。幾つかの態様では、例えば、制御デバイス130aは、再生デバイス(例えば、再生デバイス110のうちの1つ)として構成される。同様に、幾つかの実施形態では、制御デバイス130aは、NMD(例えば、NMD120のうちの1つ)として構成され、1つ以上のマイクロフォン135を介して音声コマンド及び他の音声を受信する。
【0053】
1つ以上のマイクロフォン135は、例えば、1つ以上のコンデンサマイクロフォン、エレクトレットコンデンサマイクロフォン、ダイナミックマイクロフォン、及び/又は他の適切なタイプのマイクロフォン又はトランスデューサを備えることができる。幾つかの例では、マイクロフォン135のうちの2つ以上は、オーディオソース(例えば、音声、可聴音)の位置情報を取り込むように配置され、及び/又は背景ノイズのフィルタリングを容易にするように構成される。更に、特定の実施形態では、制御デバイス130aは、再生デバイス及びNMDとして動作するように構成される。しかしながら、他の実施形態では、制御デバイス130aは、1つ以上のスピーカ134及び/又は1つ以上のマイクロフォン135を省略する。例えば、制御デバイス130aは、スピーカ又はマイクロフォンを伴うことなく、電子機器132の一部及びユーザインタフェース133(例えば、タッチスクリーン)を備えるデバイス(例えば、サーモスタット、IoTデバイス、ネットワークデバイス)を備えることができる。
【0054】
III.例示的な通信システム
図1Iは、例示的なスイッチング回路160及び/又は通信回路165の構成を含む例示的な通信システム150を示す。通信システム150は、例えば、再生デバイス110を含む様々なネットワークデバイスのいずれかに実装されてもよい。例えば、通信システムは、他の再生デバイス又はホームシアターシステムのコンポーネントと通信するために使用されてもよい。そのような通信は、任意のタイプの命令、制御信号、又はメッセージを含むことができる。
【0055】
図1Iを参照すると、幾つかの実施形態では、通信回路165は、スイッチング回路160の共通ポートに結合され、フロントエンド回路170、フィルタ187、トランシーバ190、及びフィルタ185を備える。任意選択的に、幾つかの実施形態では、フィルタ187及び/又はフィルタ185は、フロントエンド回路170に含まれてもよい。更に、幾つかの実施形態では、トランシーバ190は、1つ以上のプロセッサ112aに結合されてもよい。トランシーバ190は、複数のモード(例えば、UWBモード、2.4GHzWI-FI動作モード、5.0GHzWI-FI動作モード、6.0GHzWI-FI動作モード、及び/又はBLUETOOTH動作モード)で動作するように構成されてもよい。
【0056】
幾つかの実施形態では、スイッチング回路160は、受信した制御信号に基づいてアンテナ155a及び155bの一方を通信回路165に選択的に結合するように構成されてもよい。スイッチング回路160は、例えば、単極双投スイッチ(SP2T)スイッチなどの1つ以上のスイッチを使用して実装することができる。幾つかの例では、制御信号は、例えば、トランシーバ190(例えば、第2の制御ポート(CTRL2)を介して提供される)によって生成されてもよい。これらの例では、トランシーバ190は、トランシーバ190に様々な動作を実行させるメモリ(例えば、内部読み出し専用メモリ(ROM)又は内部読み出し/書き込みメモリなどのトランシーバ190内のメモリ)に格納された命令を実行する1つ以上のネットワークプロセッサを備えることができる。アンテナ切り替えプログラム(例えば、本明細書に記載の方法にしたがってスイッチング回路160を制御する)は、メモリに記憶され、トランシーバ190に制御信号を生成させてスイッチング回路160に供給させるために、1つ以上のネットワークプロセッサによって実行されてもよい。他の例では、スイッチング回路160の制御信号は、トランシーバ190の代わりにプロセッサ112aによって生成されてもよい。
【0057】
幾つかの実施形態では、フロントエンド回路170は、(i)SP2Tスイッチ177に結合された第1のポート、(ii)単極三投(SP3T)スイッチ178に結合された第2のポート、及び(iii)スイッチング回路160に結合された第3のポートを備えるダイプレクサ175を更に含んでもよい。ダイプレクサ175は、例えば、1つ以上のフィルタを使用して複数のチャネルを分離するように構成される。より具体的には、ダイプレクサ175は、アンテナ155a及び155b(例えば、スイッチング回路160を介して、)のうちの一方又は双方から広帯域入力を受信し、かつ複数の狭帯域出力を供給する。例えば、ダイプレクサ175は、第1のポートにおける5GHz周波数帯域の第1の狭帯域出力をSP2Tスイッチ177に供給し、第2のポートにおける2.4GHz周波数帯域の第2の狭帯域出力をSP3Tスイッチ178に供給することができる。
【0058】
幾つかの実施形態では、SP2Tスイッチ177は、低雑音増幅器(LNA)180aに結合されている第1のポートと、トランシーバ190(例えば、5.0GHzのWI-FI送信ポート)の第1の送信ポート(TX1)に結合されている第2のポートと、ダイプレクサ175に結合されている共通ポートとを備える。SP2Tスイッチ177は、受信した制御信号に基づいて、SP2Tスイッチ177の共通ポートをSP2Tスイッチ177の第1のポート又は第2のポートのいずれかに選択的に結合するように構成される。制御信号は、例えば、トランシーバ190によって(例えば、トランシーバ190の第1の制御ポート(CTRL1)を介して)供給され得る。
【0059】
幾つかの実施形態では、SP3Tスイッチ178は、LNA180bに結合された第1のポートと、BPF185を介してトランシーバ190の第2の送信ポート(TX2)に結合された第2のポート(例えば、2.4GHzのWI-FI送信ポート)と、トランシーバ190の第3の送信ポート(TX3)に結合された第3のポート(例えば、ブルートゥース(登録商標)送信ポート)と、ダイプレクサ175に結合された共通ポートとを備える。SP3Tスイッチ178は、受信した制御信号に基づいて、SP3Tスイッチ178の共通ポートをSP3Tスイッチ178の第1のポート、第2のポート、又は第3のポートのいずれかに選択的に接続するように構成される。制御信号は、例えば、トランシーバ190によって(例えば、トランシーバ190の第1の制御ポート(CTRL1)を介して)供給され得る。
【0060】
幾つかの実施形態では、LNA180a及び180bのそれぞれは、トランシーバ190の、フィルタ187を介して第1の受信ポート(RX1)(例えば、5.0GHzのWI-FI受信ポート)及び第2の受信ポート(RX2)(例えば、2.4GHzのWI-FI及び/又はBLUETOOTH受信ポート)にそれぞれ更に結合される。動作中、LNA180a及び180bは、通信システム150の受信感度を改善するために、トランシーバ190(追加のLNAなどの追加の増幅器を含むことができる)によって受信される前にアンテナによって検出された無線信号を増幅する。バイパススイッチは、トランシーバ190によって(例えば、トランシーバ190の第1の制御ポートCTRL1を介して)制御され得るLNA180a及び180bのそれぞれと並列に結合され得る。動作中、バイパススイッチは、トランシーバ190で受信された信号がトランシーバ190内の1つ以上の増幅器の飽和を回避するための閾値を上回ったときに、トランシーバ190(又は他の制御回路)がバイパススイッチを閉じることができるようにする。したがって、バイパススイッチは、受信感度を改善するためにトランシーバ190で受信された信号が閾値を下回る振幅を有するときに開いており、増幅器飽和を回避するためにトランシーバ190で受信された信号が閾値を上回る振幅を有するときに閉じていてもよい。
【0061】
幾つかの実施形態では、フィルタ187は、環境からの外部ノイズを除去することが望ましい。標準的な動作環境では、例えばコードレス家庭用電話、携帯電話などからのノイズを含む、2.4GHz帯域の近く及び帯域内の多くのノイズが存在する可能性がある。動作中、フィルタ187は、動作環境におけるそのような無線信号干渉を除去するように構成される。フィルタ187は、バンドパス(BPF)フィルタ、ローパスフィルタ、及び/又はハイパスフィルタとして設計することができる。
【0062】
フィルタ185は、幾つかの実施形態では、トランシーバ190から(例えば、第2の送信ポートTX2から)の出力における帯域外エネルギーを低減するために望ましい場合がある。例えば、トランシーバ190の出力は、帯域の端にあるチャネル(例えば、2.4GHzのWI-FI帯域におけるチャネル1又はチャネル11)で無線信号を出力するときに帯域外である幾つかのエネルギーを含むことができる。フィルタ185は、BPFフィルタ、ローパスフィルタ、及び/又はハイパスフィルタとして設計することができる。フィルタ185は、幾つかの実施態様では、制御可能なフィルタ(例えば、制御可能なBPF)として実装することができる。例えば、フィルタ185は、BPFと、BPFをトランシーバ190とSP3Tスイッチ178との間の信号経路に組み込むことができるようにする又はバイパスできるようにする1つ以上のスイッチとを備えることができる。この例では、トランシーバ190は、制御可能フィルタに制御信号(図示せず)を供給して、BPFを信号経路に含めるか、バイパスさせることができる。
【0063】
フィルタ185及び187は、様々な方法のいずれかで構成することができる。例えば、フィルタ185及び187は、弾性表面波(SAW)フィルタ、結晶フィルタ(例えば、水晶振動子フィルタ)、及び/又はバルク弾性波(BAW)フィルタのうちの1つ以上を使用して構成することができる。また、フィルタ185は、フィルタ187と同様に構成されていなくてもよい。例えば、フィルタ187はSAWとして実装されてもよく、フィルタ185は別のタイプのフィルタとして実装されてもよい。
【0064】
図1Iに示す通信システム150は、本開示の範囲から逸脱することなく、様々な方法のいずれかで修正することができることを理解すべきである。例えば、1つ以上の構成要素(例えば、アンテナ、フィルタ、フロントエンド回路など)の数は、特定の実施態様に基づいて変更することができる。例えば、
図1Iに示すように、アンテナの数を1(アンテナ155aとして示す)に減らすことができ、アンテナの数を減らす結果として、スイッチング回路160を完全に取り外すことができる。
【0065】
更に、幾つかの実施形態では、無線トランシーバ190は、図1Jに示すような単入力単出力(SISO)トランシーバの代わりに、多入力多出力(MIMO)トランシーバ(例えば、2×2MIMO送受信機、3×3MIMO送受信機、4×4MIMO送受信機など)として実装されてもよい。そのような実施態様では、フロントエンド回路170は、MIMOトランシーバによってサポートされる追加の同時にサポートされる送信及び/又は受信信号チェーンごとに複製されてもよい。例えば、通信回路165は、3×3MIMO無線トランシーバ用の3つのフロントエンド回路170(サポートされる送信及び/又は受信信号チェーンごとに1つのフロントエンド回路170)を備えることができる。更に、そのようなMIMOトランシーバの実施態様では、場合によってはスイッチング回路160を取り外すことができる。例えば、アンテナの数が、サポートされている同時送信及び/又は受信信号チェーンの数に等しい場合には、スイッチング回路160を取り外すことができる(例えば、スイッチング回路160は、2×2MIMOトランシーバを有する2つのアンテナを使用するときに除去されてもよい)。他の場合には、スイッチング回路160を依然として使用することができる。例えば、通信システム150は、6つのアンテナと、2×2MIMOトランシーバとを備え得る。この例では、通信システム150は、所与の時間に2×2MIMOトランシーバに結合され得る6つのアンテナから2つのアンテナにダウンセレクトするために、スイッチング回路160を依然として使用することができる。
【0066】
IV.例示的なシステム及びデバイス
前述したように、メディア再生システム内の再生デバイスは、それらの再生デバイスの互いに対する位置(例えば、第2の再生デバイスに対する第1の再生デバイスの位置)を決定するために使用されることができる1つ以上の無線機(例えば、UWB無線機などのRF無線機)を備えることができる。例えば、
図2Aは、空間(例えば、家の中の部屋、店の中の製品デモエリアなど)内に配置された3つの再生デバイス200,210,220を含む例示的な構成を示す。第1の再生デバイス200は、例えば、ホームシアター又はサウンドバーであってもよく、第2及び第3の再生デバイス210及び220は、左右の衛星ステレオスピーカペアであってもよいが、他の構成も可能である。例えば、第1の再生デバイス200は、マルチチャネルオーディオコンテンツを受信するように構成された任意の再生デバイスであってもよい。第1の再生デバイス200は、前向き270であるように示されている。この例では、第1の再生デバイス200は、第2及び第3の再生デバイス210,220から送信されるRF信号にAOA推定技術を適用する。AOA推定技術は、第1の再生デバイスに対する、第2及び第3の再生デバイスの角度230及び240を決定するために使用される。これらの角度230,240は、その後、例えば、再生デバイス210及び220のうちのどれが左スピーカ及び右スピーカであるかを決定すること、それらのデバイスにオーディオチャネルを割り当てること、音響チューニング(例えば、周波数等化、音量調整などで)を実行すること、それらのデバイス間の同期を提供すること、及び/又はオーディオシステムのセットアップを容易にすることを含む任意の適切な目的のために使用されることができる。
【0067】
幾つかの実施形態では、送信されるRF信号はUWB信号(例えば、7~9GHz範囲の中心周波数及び400~600MHzの範囲の帯域幅、又は400MHzより大きい帯域幅を特徴とする信号)である。
【0068】
図2Bは、3つの再生デバイス200,210,220を含む別の例示的な構成を示す。この例では、3つの再生デバイス全てが、デバイス間で送信されるRF信号に対してAOA推定技術を使用するように構成され、それにより、角度230,240の代替として、又はそれらの角度の補足として、追加の角度250及び260を決定することができる。幾つかの実施形態では、追加の角度推定値を有することは、例えば、不一致チェックを提供することによって、又は平均化を可能にして誤差を低減することによって、推定精度を改善することができる。
【0069】
図3は、開示された技術の態様に係るAOA推定300の例を例示する。第1の再生デバイス200は、距離340だけ離れた2つのアンテナ330a及び330bを含むように示される。これらのアンテナはそれぞれ、第3の再生デバイス220から送信される信号350a、350bを受信する。2つの受信信号350a,350bの相対的な位相差を測定し、2次元平面におけるAOA240の推定に用いる。AOA240は、第1の再生デバイスから第3の再生デバイスへの方向を示しているが、第3の再生デバイスが
図3に示されている真の位置又は鏡像位置320のいずれかに位置することができるというAOA推定プロセスから生じる固有の曖昧さがある。この曖昧さは、様々な方法のいずれかで解決することができる。例えば、第2及び第3の再生デバイスは、(後ではなく)第1の再生デバイスの前270に位置されると仮定されてもよい。別の例では、2つのアンテナ3
30a及び330bは、鏡像320と重なるヌル領域を有するように再生デバイス200内に構築及び/又は配置されてもよい(例えば、前270に面するように配置された指向性アンテナ)。更に別の例では、幾つかの実施形態では、第2及び第3の再生デバイスがその能力で構成されている場合、追加のAOA推定値250,260を使用することによって多義性を解決することもできる。
【0070】
アンテナ330aと330bとの間の距離340は、RF信号の波長の一部、例えば、UWB信号の中心周波数に対応する波長の1/2未満になるように選択される。距離の選択はトレードオフを伴う。距離が大きくなるとノイズ耐性が向上するが、距離が波長の半分を超えると、有効なAOA測定値を得ることができる角度範囲が減少する。
【0071】
幾つかの実施形態では、以下でより詳細に説明するように、第3のアンテナを使用して3次元のAOA測定値を取得することができる。
【0072】
図4は、開示された技術の態様にしたがって構成された指向性アンテナアレイ400を例示する。指向性アンテナアレイ400は、正面
図410(示されているようにx、y、z軸)に示されている第1及び第2のアンテナ素子330a及び330bを備えるように示されている。幾つかの実施形態では、3次元AOA推定を行うために、第3のアンテナ素子425もアレイに含まれてもよい。例えば、第1のアンテナ素子330aと第2のアンテナ素子330bとの間で測定された位相差は、x/y平面においてAOAを決定することができ、第2のアンテナ素子330bと第3のアンテナ素子425との間で測定された位相差は、x/z平面においてAOAを決定することができる。これらの2次元AOAを組み合わせることにより、x/y/z空間において3次元AOAが得られる。
【0073】
図4はまた、第1及び第2のアンテナ素子の例示的な指向性カバレッジ角460を示すアレイ400の上面
図450を示す。側面
図480は、第2及び第3のアンテナ素子の例示的な指向性カバレッジ角470を示す。
【0074】
アンテナ素子330a及び330bは、距離d3 340だけ離れているように示されている。アンテナ素子330b及び425は、距離d4 445だけ離れているように示されている。幾つかの実施形態では、d4はd3に等しくてもよいが、これは必須ではない。指向性アンテナアレイ400の全体寸法は、d1 430×d2 435として示されており、アンテナ素子330a、330b、及び425が取り付けられる基板又は構造に対応することができる。
【0075】
幾つかの実施形態では、アンテナ素子330a、330b、及び425はパッチアンテナであってもよい。幾つかの実施形態では、アンテナ素子は、全ての再生デバイスのアンテナが単一の共通の向きに(例えば、送信アンテナの直線偏波が受信アンテナの直線偏波と一致するように)構成される用途のために直線偏波(例えば、直線偏波単一帯域又は二重帯域アンテナ)されてもよい。再生デバイスが任意の位置(例えば、垂直方向又は水平方向)に配向され得る用途では、アンテナ素子は、円偏波パッチアンテナであってもよい。
【0076】
再生デバイスの相対位置がAOA測定値を使用して決定され得る方法を説明してきたが、再生デバイスの相対位置は、他のタイプの測定値を使用して決定され得ることを理解されるべきである。幾つかの実施形態では、メディア再生システム内の再生デバイスは、飛行時間(ToF)測定(例えば、一方向測距、双方向測距など)を使用して、互いに対するそれらの位置を決定することができる。例えば、
図5は、開示された技術の態様にしたがうToF推定500の例を例示する。2つの再生デバイス間で伝送される信号のToF推定は、信号速度が既知である(例えば、光速c)ことを考慮すると、範囲推定と等価である。第1の再生デバイス570は、2つのアンテナ530及び540を含むように示されており、第2の再生デバイス580は、2つのアンテナ550及び560を含むように示されている。再生デバイス570及び580は、
図2A及び
図2Bに示されて前述された再生デバイス200,210及び220のいずれかであってもよい。アンテナ530,540,550、及び560は、それらが前述のアンテナ1、2、及び3に対する追加の又は代替のアンテナとして含まれ得ることを示すためにアンテナ4及び5と呼ばれる。アンテナ4及び5は、距離d5590だけ離れている。
【0077】
第1の範囲510は、再生デバイス間の信号伝送のToF測定値に基づいて、外側アンテナ(第1の再生デバイス570のアンテナ4,530及び第2の再生デバイス580のアンテナ5,560)間で計算される。信号ToF測定値に基づいて、内側アンテナ(第1の再生デバイス570のアンテナ5,540及び第2の再生デバイス580のアンテナ4,550)間の第2の範囲520が計算される。第3の範囲525は、第1の再生デバイス570と第2の再生デバイス580の中心線間の距離である。
図5に示すように、再生デバイス570が再生デバイス580の左側に位置する場合、範囲1は範囲2よりも大きくなり、範囲間の差はアンテナ間隔d5 590の約2倍になると予想される。同様に、再生デバイス570が再生デバイス580の右側に位置される場合、範囲2は、範囲1よりもアンテナ間隔d5 590の約2倍だけ大きくなる。このようにして、ToF測定値、特に再生デバイス上の2つのアンテナ間の到来時間差を使用して、再生デバイス570及び580の相対位置を決定することができる。次いで、相対位置の決定を使用して、例えば、ステレオペアの左右のスピーカを区別し、それらのデバイスにオーディオチャネルを割り当て、音響チューニング(例えば、周波数等化、音量調整など)を実行し、それらのデバイス間の同期を提供し、及び/又はオーディオシステムのセットアップを容易にすることができる。
【0078】
幾つかの実施形態では、アンテナ530と550との間及びアンテナ540と560との間で追加の範囲を計算することができる。これらの2つの追加の範囲は、ほぼ等しいと予想され、したがって、それらが選択された閾値量を超えて異なる場合、可能性のある測定誤差を検出するために使用することができる。
【0079】
幾つかの実施形態では、再生デバイス間の信号伝送は、前述のようにUWB信号である。幾つかの実施形態では、アンテナ4及び5は、モノポールアンテナ又は比較的無指向性の特性を有する他の適切なアンテナである。幾つかの実施形態では、アンテナ4及び5はエッチングされたエンドファイアアレイアンテナである。幾つかの実施形態では、アンテナ間隔d5 590は、35から45mmの範囲内であってもよい。幾つかの他の実施形態では、アンテナ間隔d5 590は、90から110mmの範囲内であってもよい。
【0080】
図6は、開示された技術の態様にしたがって構成された5つのアンテナを含む再生デバイスの例を図示する。アンテナ1-3:指向性パッチアンテナであってもよい330a、330b、及び425は、前述のようにAOA推定を実行するために使用される。アンテナ4及び5:530及び540は、比較的無指向性のモノポールアンテナであってもよく、前述のようにToF/範囲推定を実行するために使用される。
【0081】
この例では、左右のアンテナの受信信号強度(例えば、電力)に差を生じさせるために、アンテナ4とアンテナ5との間に寄生素子600が配置されている。例えば、左側から到来する信号は、寄生素子600により減衰した状態でアンテナ5で受信されるが、アンテナ4で受信される信号は比較的影響を受けない。幾つかの実施形態では、アンテナ間の受信電力差は、7dB程度であり得る。この信号強度の差は、受信側再生デバイスに対する送信側再生デバイスの相対的な方向の更なるインジケータとして使用されてもよい。この追加のインジケータは、ToF/範囲推定によって提供される情報を置換又は補足することができ、より小さいフォームファクタ再生デバイスにおいて有用であり得るアンテナ4及び5のより近い間隔(例えば、実質的に40mm未満)を可能にすることができる。
【0082】
図7は、開示された技術の態様にしたがって実行される移動平均(MA)の数に対する範囲誤差(cm)のプロットである。ToF測定はノイズの影響を受けるため、結果として得られる範囲推定値に誤差が生じる。この誤差は、アンテナをどれだけ近くに離間させることができるかに制限を課す。誤差を低減する1つの方法は、複数の範囲測定値を捕捉し、それらの値を平均(又はフィルタリング)してノイズを緩和することである。これを
図7に示す。図から分かるように、予想誤差(3標準偏差以内)は、単一の測定の約8cmから、MA長さ50の約1cmまで減少する。このプロットはまた、約10から15のMAで、曲線に膝があることを示している。したがって、幾つかの実施形態では、MA長は、10又は15を超えるように選択されてもよい。幾つかの実施形態では、測定は、それらの測定値の平均が最小閾値を超える範囲の差を生じるまで実行され得る。最小閾値は、アンテナ間隔に基づいてもよい。一般に、範囲差が測定ノイズに対してより小さい場合、アンテナ間の間隔がより小さい再生デバイスに対して、より多くの測定及び平均化が使用される。
【0083】
図8は、開示された技術の態様にしたがってToF/範囲推定を実行するように構成された再生デバイスを図示する。
図8を参照すると、再生デバイスは、第4のアンテナ530と、第5のアンテナ540と、第1のスイッチ800と、第2のスイッチ820と、BPF810と、UWB無線機830と、プロセッサ112aとを含むように示されている。幾つかの実施形態では、プロセッサ112aは、シリアル周辺機器インタフェース(SPI)バスを介してUWB無線機830と通信するように構成される。幾つかの実施形態では、プロセッサ112aは、汎用I/O(GPIO)バス870を介してスイッチ800を制御するように構成される。
【0084】
幾つかの実施形態では、UWB無線機830は、プロセッサ112aの制御下で、アンテナ530又は540のいずれかを介してUWB信号を選択的に送信又は受信するように構成される。送信モードでは、スイッチ820は、ポートEF1838を介して発行される信号によって、送信ポート836をBPF810に結合するように制御される。フィルタリングされた信号は、プロセッサ112aによって発行されたGPIOバス870上の信号によって制御されるスイッチ800の設定に基づいて、アンテナ530又はアンテナ540のいずれかに結合される。したがって、送信ポート836とアンテナ530又は540の一方との間にRF経路を確立することができる。UWB無線機830は、プロセッサ112a(例えば、SPIバス880を介して、)から信号(例えば、ベースバンド信号)を受け取り、アンテナ530又は540のいずれかを介した送信のためのRFUWB信号を生成するように更に構成される。
【0085】
受信モードでは、スイッチ820は、ポートEF1 838を介して発行される信号によって、受信ポート834をBPF810に結合するように制御される。更に、アンテナ530又はアンテナ540のいずれかは、プロセッサ112aによって発行されたGPIOバス870上の信号によって制御されるスイッチ800の設定に基づいてBPF810に結合される。したがって、受信ポート834とアンテナ530又は540の一方との間にRF経路が確立される。UWB無線機830はまた、受信したRFUWB信号をベースバンドに変換し、ベースバンド信号をプロセッサ112aに(例えば、SPIバス880を介して)供給するように構成される。UWB無線機830は、アンテナを介して受信された信号のToF及び/又は到来時間差(TDOA)測定値をプロセッサ112aに提供するように更に構成される。
【0086】
図9は、開示された技術の態様にしたがって、ToF/範囲推定及び2次元AOA推定のいずれか又は両方を実行するように構成された再生デバイスを図示する。
図9を参照すると、再生デバイスは、第1のアンテナ330aと、第2のアンテナ330bと、第4のアンテナ530と、第5のアンテナ540と、第1のスイッチ800と、第2のスイッチ820と、第3のスイッチ900と、BPF810a及び810bと、UWB無線機830と、プロセッサ112aとを含むように示されている。幾つかの実施形態では、プロセッサ112aは、シリアル周辺機器インタフェース(SPI)バス880を介してUWB無線機830と通信するように構成される。幾つかの実施形態では、プロセッサ112aは、汎用I/O(GPIO-A)バス870aを介してスイッチ900を制御し、汎用I/O(GPIO-B)バス870bを介してスイッチ800を制御するように構成される。
【0087】
幾つかの実施形態では、UWB無線機830は、アンテナ330a、530、及び540のいずれかを介してUWB信号を選択的に送信又は受信し、アンテナ330bを介してUWB信号を受信するように構成される。スイッチ800は、プロセッサ112aによって発行されたGPIO-B信号870bによって制御されるように、アンテナ530又はアンテナ540のいずれかの選択を可能にする。スイッチ900は、プロセッサ112aによって発行されたGPIO-A信号870aによって制御されるように、アンテナ群530及び540又はアンテナ330aのいずれかの選択を可能にする。アンテナ群530及び540は、ToF及び/又はTDOA測定のために使用されてもよく、アンテナ330aは、AOA測定のためにアンテナ330bと組み合わせて使用されてもよい。スイッチ820は、ポートEF1838を介して発行された信号に基づいて、選択されたアンテナ(330a、530、及び540のグループから)が送信モード(送信ポート836を介して)又は受信モード(受信ポート834を介して)に使用されるかどうかを決定する。BPF810bは、スイッチ820とスイッチ900との間を通過する信号の任意の所望のフィルタリングを提供するように構成される。したがって、受信ポート834又は送信ポート836のいずれかとアンテナ330a、530、又は540のいずれかとの間にRF経路を確立することができ、その結果、これら3つのアンテナのいずれかを異なる時間に信号受信又は送信のいずれかに使用することができる。
【0088】
更に、アンテナ330bは、BPF810aを介してUWB無線機の受信ポート832に結合され、これにより、スイッチ820及び900のスイッチング状態の適切な選択(例えば、スイッチ900は状態1に設定され、スイッチ820は状態2に設定される)が与えられた場合、AOA推定のために、アンテナ330a及び330bを介した信号の同時受信が可能になる。
【0089】
UWB無線機830は、アンテナ530及び540を介して受信された信号のToF及び/又はTDOA測定値をプロセッサ112aに供給するように構成される。UWB無線機830は、アンテナ330b及び330aを介して受信された信号のAOA測定値をプロセッサ112aに供給するように更に構成される。
【0090】
図10は、開示される技術の態様にしたがってToF/範囲推定及び3次元AOA推定の双方を実行するように構成される再生デバイスを図示する。
図10を参照すると、再生デバイスは、第1のアンテナ330aと、第2のアンテナ330bと、第3のアンテナ425と、第4のアンテナ530と、第5のアンテナ540と、第1のスイッチ800と、第2のスイッチ820と、第3のスイッチ900と、第4のスイッチ1000と、BPF810a及び810bと、UWB無線機830と、プロセッサ112aとを含むように示されている。幾つかの実施形態では、プロセッサ112aは、シリアル周辺機器インタフェース(SPI)バス880を介してUWB無線機830と通信するように構成される。幾つかの実施形態では、プロセッサ112aは、汎用I/O(GPIO-A)バス870aを介してスイッチ900を制御し、汎用I/O(GPIO-B)バス870bを介してスイッチ800を制御するように構成される。
【0091】
幾つかの実施形態では、UWB無線機830は、アンテナ330a、530、及び540のいずれかを介してUWB信号を選択的に送信又は受信し、アンテナ330b及び425のいずれかを介してUWB信号を受信するように構成される。スイッチ800は、プロセッサ112aによって発行されたGPIO-B信号870bによって制御されるように、アンテナ530又はアンテナ540のいずれかの選択を可能にする。スイッチ900は、プロセッサ112aによって発行されたGPIO-A信号870aによって制御されるように、アンテナ群530,540又はアンテナ330aのいずれかの選択を可能にする。アンテナ群530及び540は、ToF及び/又はTDOA測定のために使用されてもよく、アンテナ330aは、AOA測定のためにアンテナ330bと組み合わせて使用されてもよい。スイッチ820は、ポートEF1838を介して発行された信号に基づいて、選択されたアンテナ(330a、530、及び540のグループから)が送信モード(送信ポート836を介して)又は受信モード(受信ポート834を介して)に使用されるかどうかを決定する。BPF810bは、スイッチ820とスイッチ900との間を通過する信号の任意の所望のフィルタリングを提供するように構成される。したがって、受信ポート834又は送信ポート836のいずれかとアンテナ330a、530、又は540のいずれかとの間にRF経路を確立することができ、その結果、これら3つのアンテナのいずれかを異なる時間に信号受信又は送信のいずれかに使用することができる。
【0092】
更に、アンテナ330b及び425は、スイッチ1000及びBPF810aを介してUWB無線機の受信ポート832に結合され、これにより、スイッチ820,900及び1000のスイッチング状態の適切な選択(例えば、スイッチ900は状態1に設定され、スイッチ820は状態2に設定され、スイッチ1000はアンテナ425の状態1又はアンテナ330bの状態2のいずれかに設定される)が与えられると、3次元AOA推定のために、アンテナ330a及びアンテナ330b又は425のいずれかを介して信号を同時に受信することが可能になる。スイッチ1000は、ポートEF2 840を介して発行される信号によって制御される。
【0093】
UWB無線機830は、アンテナ530及び540を介して受信された信号のToF及び/又はTDOA測定値をプロセッサ112aに供給するように構成される。UWB無線機830は、アンテナ対(330a,330b)及び(330a,425)を介して受信された信号の3次元AOA測定値をプロセッサ112aに提供するように更に構成される。
【0094】
幾つかの実施形態では、
図8~
図10に示す再生デバイスは、BLUETOOTH及び/又はWI-FI送信及び受信のために構成された追加のUWB無線機及び/又は無線機を含む追加の無線機(図示せず)を含むことができる。前述した様々なスイッチング構成は一例であり、他の多くの構成が可能であることに留意されたい。
【0095】
幾つかの実施形態では、UWB無線機又は追加の無線機のうちの1つを使用して、1つの再生デバイスから他の再生デバイスに命令を送信することができる。命令は、例えば、マルチチャネルオーディオコンテンツからチャネルを選択するために、又は任意の他の適切な目的のために、再生構成を設定するための命令を含むことができる。
【0096】
V.適切な距離測定方法
図11は、開示された技術の態様に係るAOA推定技術に基づいて、他の再生デバイス間を区別するためにUWB無線機を適用する再生デバイスのための方法1100の典型的な実施形態を示す。前述したように、他の再生デバイスを区別し、それらの相対的な位置及び距離を決定する能力は、例えば、ステレオペアの左右スピーカを区別し、それらのデバイスにオーディオチャネルを割り当て、音響チューニングを実行し、それらのデバイス間の同期を提供し、及び/又はオーディオシステムのセットアップを容易にすることを含む多くの目的のために使用することができる。例えば、第1の再生デバイスが第2の再生デバイスの左に位置すると決定することにより、第1の再生デバイスをステレオペアの左スピーカとして指定することが可能になり、システムセットアップ中にユーザがそのような情報を手動で提供する必要がなくなる。更に、等化パラメータの設定を含み得る音響チューニングは、再生デバイスの位置に依存し得る。例えば、部屋の壁の近く又は隅に位置する再生デバイスからのオーディオは、その位置に合わせられた特定の等化調整から利益を得ることができる。
【0097】
方法1100は、本明細書に開示される任意の再生デバイス(例えば、デバイス200,210又は220)によって、個別に、又は本明細書に開示される任意のコンピューティングシステム(例えば、コンピューティングシステム106)及び/もしくはユーザデバイス(例えば、ユーザデバイス130)、又は現在知られているもしくは後に開発される任意の他のコンピューティングシステム及び/もしくはユーザデバイスと組み合わせて実施することができる。
【0098】
方法1100は、ブロック1110において開始し、該ブロックは、再生デバイス(例えば、第1の再生デバイス)の無線通信機の第1のアンテナ及び第2のアンテナにおいて受信される信号間の位相差を測定することを含む。信号は、別の(例えば、第2の)再生デバイスから送信されてもよい。幾つかの実施形態では、測定は、UWB無線機によって実行されてもよい。
【0099】
ブロック1120において、方法1100は、測定された位相差に基づいて第1の再生デバイスへの信号の到来角を推定することを更に含む。幾つかの実施形態では、推定は、UWB無線機によって実行され得る。
【0100】
ブロック1130において、方法1100は、到来角に基づいて第1の再生デバイスに対する第2の再生デバイスの位置を決定することを更に含む。幾つかの実施形態では、決定は、第1の再生デバイスのプロセッサによって実行されてもよい。
【0101】
ブロック1140において、方法1100は、第1の再生デバイスに対する第2の再生デバイスの位置の決定後に、第1の再生デバイスがマルチチャネルオーディオコンテンツの1つ以上の第1のチャネルを再生する第1の再生構成で動作することを更に含む。第3、第4などの再生デバイスの相対位置を決定するために、追加の再生デバイスから受信した信号に対してプロセスを繰り返すことができる。幾つかの実施形態では、再生構成は、第1の再生デバイスのプロセッサによって設定されてもよく、第1の再生デバイスに対する第2の再生デバイスの決定された位置に基づいてもよい。
【0102】
幾つかの実施形態では、方法1100は、第3の寸法(例えば、第1の推定AOAの寸法に直交する寸法)における追加のAOAを推定するために、無線通信機の第2のアンテナと第3のアンテナとで受信された信号間の位相差を測定するステップを更に含む。次いで、追加のAOAを第1のAOAと共に使用して、第1の再生デバイスに対する第2の再生デバイスの3つの寸法(例えば、部屋の床の上の位置及び床の上の高さ)での位置を決定する。
【0103】
幾つかの実施形態では、方法1100は、前述したように、第1の再生構成で動作している間に、第2の再生デバイスによるマルチチャネルオーディオコンテンツの1つ以上の第2のチャネルの再生と同期して、マルチチャネルオーディオコンテンツの1つ以上の第1のチャネルを再生することを更に含む。1つ以上の第1のチャネルは、少なくとも1つの中央チャネルを含むことができ、1つ以上の第2のチャネルは、少なくとも1つの後部チャネルを含むことができる。幾つかの実施形態では、方法1100は、第1の再生デバイスに対する第2の再生デバイスの決定された位置に基づいて、第2の再生デバイスが動作するための第2の再生構成を特定することと、第2の再生デバイスを第2の再生構成で動作させることとを更に含む。
【0104】
幾つかの実施形態では、第1の再生デバイスの無線通信(又は第1の再生デバイスの第2の無線通信)は、第2の(又は追加の)再生デバイスに命令を送信するために使用されてもよい。例えば、無線からの送信は、任意の適切な目的のために使用され得る命令のための1つ以上のフィールドを含む確立されたフォーマット又は仕様に準拠し得る。例えば、命令は、別の再生デバイスに割り当てられるべき再生構成を識別するために使用されてもよい(例えば、それが右スピーカ又は左スピーカであり、したがって指定されたオーディオチャネルを再生すべきであることを別のデバイスに通知する)。別の例として、命令を使用して、他のデバイスの等化値又は音量レベルを設定することができる。
【0105】
図12は、ToF推定技術に基づいて他の再生デバイス間を区別するためにUWB無線機を使用する再生デバイスのための別の方法1200の例示的な実施形態を示す。方法1200はまた、本明細書に開示される任意の再生デバイス(例えば、デバイス200,210又は220)によって、個別に、又は本明細書に開示される任意のコンピューティングシステム、又は現在知られているもしくは後に開発される任意の他のコンピューティングシステム及び/又はユーザデバイスと組み合わせて実施することもできる。
【0106】
方法1200は、第1の再生デバイスの無線通信機の第1のアンテナで第1の信号を受信することを含むブロック1210で開始する。第1の信号は、別の(例えば、第2の)再生デバイスから送信されてもよい。ブロック1210は、第1の信号に基づいて第1のアンテナと第2の再生デバイスとの間の第1の範囲を推定することを更に含む。幾つかの実施形態では、推定は、UWB無線機によって実行され得る。
【0107】
ブロック1220において、方法1200は、第1の再生デバイスの無線通信の第2のアンテナで第2の信号を受信することを更に含む。第2の信号は、第2の再生デバイスから送信されてもよい。ブロック1220は、第2の信号に基づいて第2のアンテナと第2の再生デバイスとの間の第2の範囲を推定することを更に含む。幾つかの実施形態では、推定は、UWB無線機によって実行され得る。幾つかの実施形態では、第1の範囲は、第1のアンテナと第2の再生デバイス上の第1の点との間にあり、第2の範囲は、第2のアンテナと第1の点とは異なる第2の再生デバイス上の第2の点との間にある。
【0108】
ブロック1230において、方法1200は、第1の範囲及び第2の範囲に基づいて第2の再生デバイスに対する第1の再生デバイスの位置を決定することを更に含む。幾つかの実施形態では、決定は、第1の再生デバイスのプロセッサによって実行されてもよい。
【0109】
ブロック1240において、方法1200は、第2の再生デバイスに対する第1の再生デバイスの位置の決定後に、第1の再生デバイスがマルチチャネルオーディオコンテンツの1つ以上の第1のチャネルを再生する第1の再生構成で動作することを更に含む。第3、第4などの再生デバイスの相対位置を決定するために、追加の再生デバイスから受信した信号に対してプロセスを繰り返すことができる。幾つかの実施形態では、再生構成は、第1の再生デバイスのプロセッサによって設定されてもよく、第2の再生デバイスに対する第1の再生デバイスの決定された位置に基づいてもよい。
【0110】
幾つかの実施形態では、方法1200は、第1の再生構成で動作している間に、第2の再生デバイスによるマルチチャネルオーディオコンテンツの1つ以上の第2のチャネルの再生と同期して、マルチチャネルオーディオコンテンツの1つ以上の第1のチャネルを再生することを更に含む。幾つかの実施形態では、マルチチャネルオーディオコンテンツは、左チャネル及び右チャネルを含むステレオコンテンツであり、1つ以上の第1のチャネルは左チャネルを含み、1つ以上の第2のチャネルは右チャネルを含む。
【0111】
幾つかの実施形態では、方法1200は、第1の信号に符号化されたタイムスタンプに基づいて第1の信号の飛行時間を決定することと、飛行時間に基づいて第1の範囲を推定することとを更に含む。
【0112】
幾つかの実施形態では、方法1200は、第1の信号と第2の信号との間の信号対雑音比(SNR)の差を識別することと、SNRの差に基づいて第2の再生デバイスに対する第1の再生デバイスの位置を決定することとを更に含む。
【0113】
VI.例示的な方法
図13は、再生デバイス(例えば、再生デバイス110aなどの前述した再生デバイス110のうちの1つ以上)及び/又はメディア再生システム(例えば、
図1Bのメディア再生システム100)を介して実行され、1つ以上の再生デバイス間の分離距離を決定し、それに応じて1つ以上のオーディオパラメータを調整する別の方法1300の一例を示す。幾つかの例では、方法1300は、本明細書に開示される任意の再生デバイス(例えば、デバイス200,210又は220)によって、個別に、又は本明細書に開示される任意のコンピューティングシステム、又は他の適切なコンピューティングシステム及び/又は適切なユーザデバイスと組み合わせて実施することができる。
【0114】
ブロック1310において、方法1300は、再生デバイス(例えば、
図5の第1の再生デバイス570及び第2の再生デバイス580)間の距離(例えば、
図5の範囲525)を決定することを含む。幾つかの例では、方法1300は、
図11及び
図12に関して前述したようなUWB、別の無線周波数(RF)測定手法、赤外線、可視光などを含む光速モダリティを使用することを含むことができる。
【0115】
幾つかの例では、方法1300は、音声を含む光速より遅いモダリティ(例えば、可聴音、約18kHz~約25kHzの非可聴音、超音波)を含むことができる。例えば、第1の再生デバイス570と第2の再生デバイス580との間の範囲525(
図5)を決定するために、第2の再生デバイス580は、1つ以上のトランスデューサ(例えば、
図1Cのトランスデューサ114)を介して所定の波形を放出することができる。放出された波形の一部は、1つ以上のマイクロフォン(例えば、
図1Fのマイクロフォン115)を介して第1の再生デバイス570で受信され、第1及び第2の再生デバイス570と580との間の距離又は範囲525を決定するために使用され得る時間差を計算するために使用され得る。他の例では、第1の再生デバイス570は所定の波形を放出し、第2の再生デバイス580は波形の一部を受信する。幾つかの例では、両方のデバイスが所定の波形を連続的に又は同時に送受信する。音に基づく距離決定技術に関する更なる詳細は、例えば、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる、「ユーザ位置特定のシステム及び方法」と題する米国特許第10,277,981号明細書に見出すことができる。
【0116】
特定の例では、範囲525は、光速技術と光速技術よりも遅い技術との組み合わせを使用して決定される。UWBなどの光速測定手法は、1m以上の距離で高精度であると予想される。しかしながら、当業者には理解されるように、非常に小さい分離距離(例えば、1メートル未満、30cm未満、10cm未満、5cm未満)は、伝送速度が非常に速いという課題を提示する可能性がある。UWB信号は、例えば、10cm移動するのに0.00000000033(すなわち、3.3*10^-9)秒かかる。そのような微小時間及び短い距離を解決するために必要な分解能は、標準的なUWB受信機の能力を超える可能性がある。一方、音は、わずか約1/3のミリ秒で10cm移動し、これは、光速測定システム(例えば、サウンドベースのシステム)よりも遅い標準の動作精度内であり得る。したがって、光速アプローチと光速アプローチより遅いものとの組み合わせを使用することにより、広い範囲の分離距離にわたってより正確な距離決定がもたらされ得る。幾つかの例では、光速より遅い手法は、再生デバイス(例えば、ステレオペアの第2の再生デバイス)のうちの1つを介してオーディオ(例えば、1つ以上の較正トーン、既存のメディアコンテンツ)を出力することと、別のデバイス(例えば、ステレオペアの第1の再生デバイス)の1つ以上のマイクロフォンを介してオーディオ出力の少なくとも一部を受信することとを含む。
【0117】
ブロック1320において、方法1300は、ブロック13
10において決定されたデバイス間の距離に基づいて、1つ以上のオーディオ出力パラメータを調整することを含む。幾つかの例では、1つ以上のオーディオ出力パラメータを調整することは、決定された距離を、ローカルに(例えば、ローカルデバイス上で、)及び/又はリモートに(例えば、1つ以上のクラウドサーバ上で、)記憶されたルックアップ内の1つ以上の所定のフィルタ特性、係数などに一致させることを含む。幾つかの例では、1つ以上のオーディオ出力パラメータを調整することは、閾値周波数(例えば、50Hz、100Hz、150Hz、200Hz、250Hz、500Hz、1kHz)未満の音を減衰させるように構成されたフィルタを調整することを含むことができる。前述したように、2つのデバイスがステレオペアにある場合、低周波数シェルフフィルタを両方のデバイスに適用して、各デバイスがモノラル再生用に調整される方法と比較して低音出力を低減することができる。低周波数シェルフフィルタが適用されるのは、これらの低周波数では、各デバイスからの低音音声をコヒーレントに加算できるためである。このフィルタがなければ、低周波数エネルギーは、所与の同調に望ましいよりも低音が多くなるように増加する。幾つかの例においては、例えば、ゾーングループ及び/又は結合ゾーン(例えば、ステレオペア、ホームシアター)構成における2つ以上の再生デバイス間の距離に基づいて、フィルタが、組み合わされたステレオペアからの低音出力が単一のデバイスからのモノラル低音出力により密接に位置合わせされるように調整される。
図14に関して後述するように、フィルタ(例えば、低周波シェルフフィルタ)は、例えば、デバイス間の距離、聴取者位置及び/又は聴取環境の音響特性などのパラメータに基づいて、デバイスからの合成低音出力を、単一のデバイスからの測定又は推定された単低音出力の約プラスマイナス3dB以内に正規化するように構成されてもよい。この手法は、少なくとも従来のメディア再生システムでは、低周波数シェルフフィルタが、それらの間の配置又は距離にかかわらず、ステレオペア構成の全てのデバイスに適用され得るという理由で、従来の手法を超える幾つかの利点を提供すると予想される。しかしながら、当業者には理解されるように、コヒーレントに合計する低周波エネルギーのレベルは、ステレオデバイス間の間隔に強く依存する可能性がある。
図15は、例えば、再生デバイスの分離及びそれに対応する変化する周波数応答の例を示す。したがって、静的低周波数フィルタは、低周波数出力のコヒーレント加算に対処するために、低周波数出力を過度に又は過度に小さく低減する可能性がある。
【0118】
幾つかの例では、デバイス間の距離が決定された後に他のオーディオパラメータが調整される。オーディオパラメータは、音量、等化設定、時間遅延などを含むことができる。特定の例では、例えば、距離が決定された後に高周波出力が調整されてもよい。高周波数音は、典型的には、指向性ではなく、前述の低周波数音に関連するコヒーレント加算現象の影響を受けない。しかしながら、複数のツイータを含むトランスデューサのアレイを有するデバイスを介した高周波出力は、デバイスが互いに近すぎたり、物体又はバリア(例えば、壁)に近すぎたりする場合に悪影響を受ける可能性がある。幾つかの例では、例えば、左右のツイータを有する第1のデバイス(例えば、
図5の第1の再生デバイス570)が、左右のツイータを有する第2のデバイス(例えば、
図5の第2の再生デバイス580)に過度に近接して(例えば、約10cm未満)配置された場合、隣接するツイータ(例えば、第1のデバイスの右ツイータと第2のデバイスの左ツイータ)を介した高周波出力は、そのような比較的近接していることによって悪影響を受ける可能性がある。そのようなシナリオでは、方法1300は、隣接するツイータを介したオーディオ出力が大幅に低減されるか、又は完全にオフになるように、両方のデバイスのオーディオ出力パラメータを調整することを含むことができる(例えば、第1のデバイスの左ツイータと第2のデバイスの右ツイータのみが音声を出力する)。
【0119】
幾つかの例では、再生デバイスは、2つ以上のサブウーファを備え、1300の方法は、ブロック1310で決定された距離及び典型的なリスナー位置を使用して、低周波数出力を時間及び位相調整して、2つ以上のサブウーファを介してより望ましい低音を提供することを含む。
【0120】
ブロック1330において、方法1300は、ブロック1320において調整された1つ以上のオーディオ出力パラメータにしたがって、個々の再生デバイスを介してオーディオを出力することを含む。
【0121】
図14は、結合及び/又はグループ化されたデバイスの1つ以上のオーディオパラメータを調整するために再生デバイス(例えば、再生デバイス110aなどの前述した再生デバイス110のうちの1つ以上)及び/又はメディア再生システム(例えば、
図1Bのメディア再生システム100)を介して実行される方法1400の一例を示す。幾つかの例では、方法1
400はまた、本明細書に開示される任意の再生デバイス(例えば、デバイス200,210又は220)によって、個別に、又は本明細書に開示される任意のコンピューティングシステム、又は任意の他の適切なコンピューティングシステム及び/又は適切なユーザデバイスと組み合わせて実施することもできる
。
【0122】
ブロック1410において、1つ以上の結合された又はグループ化されたデバイスが検出される。幾つかの例では、例えば、本方法は、2つ以上のデバイスが結合ゾーン及び/又は再生デバイスのグループを形成するための命令を(例えば、制御デバイス又は音声コマンドを介して)検出することを含む。幾つかの例では、方法1400は、デバイスが結合ゾーン又はデバイスのグループを形成するための命令を検出することなく、既存の結合ゾーン又はデバイスのグループに対して実行される。特定の例では、方法1400は、トリガ状態の検出に応答して実行される。トリガ条件は、例えば、結合ゾーン又はグループ内の1つ以上のデバイスの位置及び/又は向きの変化の検出、オフライン又は一時的に利用できなかった(例えば、ネットワーク接続又は電力の損失のために、)1つ以上のデバイスの再接続、及び/又は手動入力を含むことができる。
【0123】
ブロック1420において、結合ゾーン及び/又はデバイスのグループの結合出力を推定又は決定するために較正を実行することができる。幾つかの例では、較正は、結合ゾーン又はデバイスのグループ内の少なくとも2つのデバイス間の距離を決定することを含む。例えば、
図13に関して前述したように、幾つかの例では、分離距離決定をオーディオパラメータ調整の一部として使用することができる。幾つかの例では、決定された分離距離は、較正を実行するために聴取環境の特性(例えば、部屋の体積、部屋の表面積、部屋の材料、部屋の吸収係数及び/又は残響時間)に対応する情報と共に使用することができる。
【0124】
幾つかの例では、較正は、聴取環境のスペクトル及び/又は空間周波数特性の決定を含み得る。例えば、特定の例では、ブロック1420における較正は、結合ゾーン及び/又はグループ内の1つ以上のデバイスを介して較正オーディオを発信及び/又は受信することを含む。較正は、1つ以上のデバイスのうちの単一のデバイスを含む第1の測定と、1つ以上のデバイスのうちの2つ以上のデバイスを含む第2の測定とを含むことができる。このようにして、a)単一のデバイス及びb)2つ以上のデバイスの出力の周波数応答の差を得ることができる。
【0125】
ブロック1430において、較正に基づいて、1つ以上のデバイスのうちの少なくとも1つのデバイスのオーディオ出力を調整することができる。幾つかの例では、オーディオ出力調整は、2つ以上のデバイス間の決定された距離に基づいて、低周波数シェルフフィルタ又は別の適切なフィルタなどのフィルタを適用することを含む。幾つかの例では、オーディオ出力調整は、2つ以上のデバイスの合成出力が、所定量(例えば、約1dB~約10dB、約2dB~約5db、及び/又は約3dB)だけ増加した単一のデバイスのモノラルレベル付近になるように、出力を変調、フィルタリング、又は調整することを含む。幾つかの例では、少なくとも1つのデバイスのオーディオ出力を調整することは、他の再生デバイスのうちの1つ以上による検出された接続性の喪失に応答して、低周波フィルタなどのフィルタを単一のプレーヤ又はモノラル低周波プレーヤに戻すことを含む。例えば、ステレオペアの第2の再生デバイスがオフラインになる場合(例えば、ネットワーク接続の喪失、電力の喪失を介して)、第1の再生デバイスは、対応する低周波フィルタを有する単一プレーヤモードにしたがってそのオーディオ出力調整を元に戻すことができる。
【0126】
図15は、様々な距離(例えば、2フィート未満、2フィート、4フィート、6フィート、8フィート)によって分離された2つの再生デバイスの周波数応答プロットのグラフ1500と、単一のデバイスの出力を示す基準モノラルプロット1510である。幾つかの例では、メディア再生システム(例えば、
図1Bに関連して前述したメディア再生システム100)は、出力の調整された低周波数レベルを所定の周波数(例えば、50Hz、100Hz、150Hz、200Hz、250Hz、500Hz、1kHz)未満に設定して、所定の周波数未満のモノラル低音応答に追加量を加えたものにほぼ等しくすることができる。この手法の下では、分離距離に基づく同じデバイスの周波数応答の低周波部分の広い変動性を部分的又は実質的に緩和することができ、より自然でバランスのとれた聴取体験が得られる。
【0127】
IV.結論
再生デバイス、コントローラデバイス、再生ゾーン構成、及び、メディアコンテンツソースに関する上記の議論は、以下に説明される機能及び方法が実装されることができる動作環境の幾つかの例のみを提供する。本明細書で明示的に説明されていないメディア再生システム、再生デバイス、及びネットワークデバイスの他の動作環境及び構成も適用可能であり、機能及び方法の実装に適している場合がある。
【0128】
上記の説明は、とりわけ、ハードウェア上で実行されるファームウェア及び/又はソフトウェアを含む、様々な例示的なシステム、方法、装置、及び製品を開示する。そのような例は単なる例示であり、限定と見なされるべきではないことが理解される。例えば、ファームウェア、ハードウェア、及び/又はソフトウェアの態様又は構成要素のいずれか又は全ては、ハードウェアで排他的に、ソフトウェアで排他的に、ファームウェアで排他的に、又はハードウェア、ソフトウェア、及び/又はファームウェアの任意の組み合わせで実施することができると考えられる。したがって、提供される例は、そのようなシステム、方法、装置、及び/又は製品を実装するための唯一の方法ではない。
【0129】
更に、本明細書における「実施形態」への言及は、実施形態に関連して説明される特定の特徴、構造、又は特性が、本発明の少なくとも1つの例又は実施形態に含まれ得ることを意味する。本明細書の様々な箇所におけるこの句の出現は、必ずしも全てが同じ実施形態を指しているわけではなく、他の実施形態と相互排他的な別個の例又は代替の例でもない。したがって、当業者によって明示的及び暗黙的に理解される本明細書に記載の実施形態は、他の実施形態と組み合わせることができる。
【0130】
本明細書は、主に、例示的な環境、システム、手順、ステップ、論理ブロック、処理、及びネットワークに結合されたデータ処理デバイスの動作に直接的又は間接的に類似する他の記号表現に関して提示される。これらのプロセスの説明及び表現は、典型的には、それらの作業の内容を他の当業者に最も効果的に伝えるために当業者によって使用される。本開示の完全な理解を提供するために、多数の具体的な詳細が記載されている。しかしながら、本開示の特定の実施形態は、特定の具体的な詳細なしに実施することができることが当業者には理解される。他の例では、実施形態の態様を不必要に不明瞭にすることを避けるために、周知の方法、手順、構成要素、及び回路は詳細に説明されていない。したがって、本開示の範囲は、実施形態の前述の説明ではなく添付の特許請求の範囲によって定義される。
【0131】
添付の特許請求の範囲のいずれかが純粋にソフトウェア及び/又はファームウェアの実施態様をカバーするように読まれる場合、少なくとも1つの例における要素の少なくとも1つは、ソフトウェア及び/又はファームウェアを記憶する、メモリ、DVD、CD、Blu-ray(登録商標)などの有形の非一時的媒体を含むように本明細書によって明確に定義される。
【0132】
VIII.例
本技術は、例えば、以下に説明する様々な態様に従って例示される。本技術の実施例の様々な態様は、便宜上番号を付した例として説明される。これらは、例として提供されており、本技術を限定するものではない。なお、従属例のいずれも、任意の組み合わせで組み合わされてもよく、それぞれの独立した例に入れられてもよい。他の例も同様に提示することができる。
【0133】
(例1)マルチチャネルオーディオコンテンツの第1のチャネルが第2の再生デバイスを介したマルチチャネルオーディオコンテンツの第2のチャネルの再生と同期して第1の再生デバイスを介して再生する第1の再生構成で動作するための命令を受信するステップと、第1の再生構成で動作するための命令を受信した後に、第1の再生デバイスと第2の再生デバイスとの間の距離を決定するステップと、決定された距離に基づいて、第1のオーディオパラメータを決定するステップと、決定された第1のオーディオパラメータにしたがってマルチチャネルオーディオコンテンツの第1のチャネルを第1の再生デバイスに再生させるステップと、決定された第1のオーディオパラメータにしたがってマルチチャネルオーディオコンテンツの第2のチャネルを第2の再生デバイスに再生させるステップとを含む方法。
【0134】
(例2)第1の再生デバイス及び第2の再生のうちの少なくとも一方の位置又は向きの変化を検出するステップと、位置又は向きの変化を検出した後に、第1の再生デバイスと第2の再生デバイスとの間の第2の距離を決定するステップと、第2の距離に基づいて、更新された第1のオーディオパラメータを決定するステップと、ネットワークインタフェースを介して、更新された第1のオーディオパラメータにしたがって第2の再生デバイスがマルチチャネルオーディオコンテンツの第2のチャネルを再生する第2の再生構成で動作するようにするステップとを更に含む、例1の方法。
【0135】
(例3)第1の再生デバイスと第2の再生デバイスとの間の距離を決定するステップは、第1の再生デバイスを介して第2の再生デバイスに超広帯域(UWB)信号を送信するステップを含む、例1又は例2のいずれかの方法。
【0136】
(例4)第1の再生デバイスと第2の再生デバイスとの間の距離を決定するステップは、第1の再生デバイスの1つ以上のマイクロフォンを介して、第2の再生デバイスを介したオーディオ出力を受信するステップを含む、例1から3のいずれかの方法。
【0137】
(例5)第1の再生デバイスと第2の再生デバイスとの間の距離を決定するステップは、第2の再生デバイスのネットワークインタフェースを介して、第2の再生デバイスを介して1つ以上の較正トーンを出力させるステップを含む、例4の方法。
【0138】
(例6)第1のオーディオパラメータを決定するステップは、決定された距離をルックアップテーブル内の1つ以上の対応するフィルタ特性に一致させるステップを含む、例1から5のいずれかの方法。
【0139】
(例7)第1の再生デバイスと第2の再生デバイスとの間の距離を決定するステップは、光速測定モダリティ及び光速測定モダリティよりも遅いものを使用するステップを含む、例1から6のいずれかの方法。
【0140】
(例8)第1のオーディオパラメータを決定するステップは、第1及び第2の再生デバイスが位置される特定の聴取環境に関して、所定の周波数未満の周波数範囲を含む第1の再生デバイスのモノラル出力を決定するステップを含む、例1から7のいずれかの方法。
【0141】
(例9)モノラル出力を決定するステップは、特定の聴取環境の1つ以上の特性に基づいて予想モノラル出力を推定するステップを含む、例8の方法。
【0142】
(例10)モノラル出力を決定するステップは、第1の再生デバイスを介して較正オーディオを出力するステップを含む、例8の方法。
【0143】
(例11)更新された第1のオーディオパラメータを決定するステップは、周波数範囲におけるモノラル出力よりも大きい所定量内にオーディオ出力を実質的に維持するフィルタを決定するステップを含む、例8から10のいずれかの方法。
【0144】
(例12)第2の再生デバイスの接続性の喪失を検出するステップと、検出された接続性の喪失に応答して、第1のオーディオパラメータを単一プレーヤ構成に対応するように戻すステップとを更に含む、例1から11のいずれかの方法。
【0145】
(例13)少なくとも1つの再生デバイスの1つ以上のプロセッサによって実行されるときに少なくとも1つの再生デバイスに任意の前述の例の方法を実行させる命令を含む1つ以上の有形の非一時的コンピュータ読み取り可能な記憶媒体。
【0146】
(例14)ネットワークインタフェースと、1つ以上のトランスデューサと、例1から12のうちの1つの方法を再生デバイスに実行させるように構成される1つ以上のプロセッサとを備える再生デバイス。
【0147】
(例15)1つ以上のマイクロフォンと、超広帯域エネルギーを送信及び/又は受信するように構成される1つ以上のアンテナとを更に備える、例14の再生デバイス。
【0148】
(例16)ネットワークインタフェースと、少なくとも1つのプロセッサと、第1の再生デバイスに対する第2の再生デバイスまでの距離を決定し、決定された距離に基づいて、調整されたオーディオパラメータを決定し、第1の再生デバイスに対する第2の再生デバイスまでの距離の決定後に、ネットワークインタフェースを介して、第1の再生デバイスを介したマルチチャネルオーディオコンテンツの第1のチャネルの再生と同期して第2の再生デバイスが調整されたオーディオパラメータにしたがってマルチチャネルオーディオコンテンツの第2のチャネルを再生する第1の再生構成で第2の再生デバイスを動作させるべく第1の再生デバイスが構成されるように、少なくとも1つのプロセッサによって実行可能なプログラム命令を含む少なくとも1つの非一時的コンピュータ読み取り可能な記憶媒体とを備える、第1の再生デバイス。
【0149】
(例17)距離が第1の距離であり、少なくとも1つの非一時的コンピュータ読み取り可能な記憶媒体は、第1の再生デバイス及び第2の再生のうちの少なくとも一方が移動したことを検出し、第1の再生デバイス及び第2の再生のうちの少なくとも一方が移動したことを検出した後に、第1の再生デバイスに対する第2の再生デバイスまでの第2の距離を決定し、第2の距離に基づいて、更新されたオーディオパラメータを決定し、ネットワークインタフェースを介して、第2の再生デバイスが更新されたオーディオパラメータにしたがってマルチチャネルオーディオコンテンツの第2のチャネルを再生する第2の再生構成で動作させるべく第1の再生デバイスが構成されるように、少なくとも1つのプロセッサによって実行可能なプログラム命令を更に含む、例16の第1の再生デバイス。
【0150】
(例18)第1の再生デバイスに対する第2の再生デバイスまでの距離を決定することは、超広帯域(UWB)を送信又は受信することを含む、例16又は例17のいずれかの第1の再生デバイス。
【0151】
(例19)1つ以上のマイクロフォンを更に備え、第1の再生デバイスに対する第2の再生デバイスまでの距離を決定することは、1つ以上のマイクロフォンを介して、第2の再生デバイスから所定の音声波形の少なくとも一部を受信することを含む、例16から18のいずれかの第1の再生デバイス。
【0152】
(例20)第1の再生デバイスに対する第2の再生デバイスまでの距離を決定することは、比較することを含む、例19の第1の再生デバイス。
【手続補正3】
【補正対象書類名】図面
【補正方法】変更
【補正の内容】
【手続補正4】
【補正対象書類名】図面
【補正方法】変更
【補正の内容】
【国際調査報告】