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特表2024-538671患者の移動および位置の姿勢運動パターンを最適化するインソールを作製するためのシステムおよび方法
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  • 特表-患者の移動および位置の姿勢運動パターンを最適化するインソールを作製するためのシステムおよび方法 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-10-23
(54)【発明の名称】患者の移動および位置の姿勢運動パターンを最適化するインソールを作製するためのシステムおよび方法
(51)【国際特許分類】
   A61B 5/11 20060101AFI20241016BHJP
   A43B 17/00 20060101ALI20241016BHJP
【FI】
A61B5/11 230
A43B17/00 Z
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024520525
(86)(22)【出願日】2022-09-30
(85)【翻訳文提出日】2024-05-27
(86)【国際出願番号】 IB2022059328
(87)【国際公開番号】W WO2023053076
(87)【国際公開日】2023-04-06
(31)【優先権主張番号】21425044.1
(32)【優先日】2021-10-01
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】524123300
【氏名又は名称】ヒューマン・モーター・パターンズ・エッセ・エッレ・エッレ
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【弁理士】
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【弁理士】
【氏名又は名称】実広 信哉
(74)【代理人】
【識別番号】100133400
【弁理士】
【氏名又は名称】阿部 達彦
(72)【発明者】
【氏名】ジョヴァンニ・マレスカ
【テーマコード(参考)】
4C038
4F050
【Fターム(参考)】
4C038VA02
4C038VA04
4C038VB14
4C038VC05
4F050EA01
4F050JA30
4F050NA00
(57)【要約】
最適化されたインソールを作製するためのシステム(100)であって、感知手段(101)であって、起立時および歩行中の患者の身体の1つまたは複数の事前定義された部分の姿勢設定ならびに位置および移動のパターン、ならびに起立時および歩行中の患者の足のさまざまな構成要素の配置に関連する、量を感知するように構成された、感知手段(101)と、処理手段(102)であって、患者の身体の前記事前定義された部分の1つまたは複数の病的パターンおよび1つまたは複数の対応する姿勢不平衡を検出するために、姿勢設定ならびに位置および移動のパターンを解析するように、また病的パターンおよび対応する姿勢不平衡に基づいて、前記病的パターンが前記対応する姿勢不平衡の補正の結果としてそれ以上取られることのないように、患者の足および下肢の配置設定に加えるべき1つまたは複数の対応する変更を決定するように構成された、処理手段(102)とを備える、システム(100)が開示される。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
最適化されたインソールを作製するためのシステム(100)であって、感知手段(101)および処理手段(102)を備え、
前記感知手段(101)が、
量を感知することであって、前記量が、
起立時および歩行中の患者の身体の1つまたは複数の事前定義された部分の姿勢設定ならびに位置および移動のパターン、ならびに
起立時および歩行中の前記患者の足のさまざまな構成要素の配置
に関連する、前記感知することと、
前記感知された量に基づいて、対応する感知データを生成することと
を含む感知機能を実現するように構成され、
前記処理手段(102)が、前記感知手段(101)によって生成された前記感知データを前記感知手段(101)から取得するように構成され、
前記取得した感知データの事前定義された処理を、実施される前記事前定義された処理に基づいて、
起立時および歩行中に前記患者の身体の前記事前定義された部分によって取られた前記姿勢設定ならびに前記位置および移動のパターン、ならびに
前記位置および移動のパターンが前記患者によって取られている間の前記患者の足のさまざまな構成要素の前記配置
を決定することによって実施することと、
決定された前記姿勢設定ならびに前記位置および移動のパターンを解析して、前記患者の身体の前記事前定義された部分の1つまたは複数の病的パターンおよび1つまたは複数の対応する姿勢不平衡を検出することと、
検出された前記病的パターンおよび前記対応する姿勢不平衡に基づいて、前記対応する姿勢不平衡の補正の結果として病的配置が取られなくなるように、前記患者の身体の前記事前定義された部分によって取られる前記姿勢設定ならびに/または前記位置および移動のパターンを修正できるようにするために、前記患者の足および下肢の配置設定に加えるべき1つまたは複数の対応する変更を決定することと
を含む処理および解析機能を実現するようにプログラムされた、システム(100)。
【請求項2】
前記処理手段(102)が、前記処理および解析機能を、
前記取得した感知データに基づいて、起立時および歩行中に前記患者の身体の前記事前定義された部分によって取られた前記姿勢設定ならびに前記位置および移動のパターンに関連する多次元デジタルモデルを決定することと、
前記病的パターンおよび前記対応する姿勢不平衡を検出し、前記決定された多次元デジタルモデルに基づいて加えるべき前記対応する修正を決定することと
によって実施するようにプログラムされる、請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
前記システム(100)が、反復動作し、それによって、反復のたびに、
直前の反復時に前記処理手段(102)によって決定された前記変更が前記患者の足の前記配置設定に加えられ、それにより、起立時および歩行中の前記患者の身体の前記事前定義された部分の前記姿勢設定ならびに前記位置および移動のパターンの結果的に生じた修正を決定した後で、前記感知手段(101)および前記処理手段(102)がそれぞれ、前記感知機能ならびに前記処理および解析機能を実現し、かつ
前記患者の身体の前記事前定義された部分の理想的な姿勢設定を達成するために足の前記配置設定に加えるべき1つまたは複数の新規の修正を、前記処理手段(102)が決定する
ように設計された、請求項1または2に記載のシステム。
【請求項4】
前記システム(100)が、前記患者の身体の前記事前定義された部分によって前記理想的な姿勢設定に達したと前記処理手段(102)が決定したときに、さらなる反復を実施するようにそれ以上動作することがないように設計された、請求項3に記載のシステム。
【請求項5】
前記処理手段(102)が、前記理想的な姿勢設定に達すると、前記理想的な姿勢設定に基づいて、前記患者によって使用されたときに前記患者の身体の前記事前定義された部分が前記理想的な姿勢設定を取れるようにするためのインソールを作製するためのデータ/情報を生成するようにもプログラムされた、請求項4に記載のシステム。
【請求項6】
前記処理手段(102)が、
前記処理および解析機能を実現し、
前記理想的な姿勢設定に達したと決定し、
前記インソールを作製するための前記データ/情報を生成する
ために、1つまたは複数の事前定義された人工知能技術を実装するように構成された、請求項5に記載のシステム。
【請求項7】
前記事前定義された人工知能技術が、1つもしくは複数の機械学習技法および/または1つもしくは複数のニューラルネットワークを含む、請求項6に記載のシステム。
【請求項8】
請求項1から7のいずれか一項に記載のシステム(100)を使用して、患者が理想的な姿勢設定を取れるようにするための前記患者のためのインソールを作製することを含む、最適化されたインソールを作製するための方法。
【請求項9】
請求項8に記載の方法を実施することによってかつ/または請求項1から7のいずれか一項に記載のシステム(100)を使用することによって作製されたインソール。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本特許出願は、その開示全体が参照により本明細書に組み込まれている、2021年10月1日に出願した欧州特許出願第21425044.1号からの優先権を主張するものである。
【0002】
本発明は、一般に、物理療法医学およびリハビリテーション医学の分野に関し、より詳細には、患者の位置および移動の姿勢運動パターンを最適化するインソールを作製するためのシステムおよび関連する方法に関する。
【背景技術】
【0003】
よく知られているように、インソールは、起立時(in orthostasis)および歩行中に、それを使用する人物にとって可能な限り機能的な足接地を可能にする、カスタマイズされた矯正器(orthesis)である。
【0004】
典型的には、インソールは、専門医によって処方され(通常は物理療法医および整形外科医によって処方されるが、しばしば糖尿病専門医および神経科医によっても推奨され)、整形外科技術者によってさまざまな方法および/または材料を使用して作製される。
【0005】
これらの矯正器は、イタリアでは、矯正器を必要とする18歳までの子どもについてまたは認定された身体障害の特定の症状を患う人物については、National Health System(NHS)の費用負担で処方され得る。
【0006】
それに加えて、特にスポーツの世界では、専門医によって処方されて、インソールを私的にまたはさらには私保険を通じて購入することが、今日ますます一般的になっている。
【0007】
このような状況において、リハビリテーション部門において現在直面する2つの最大の課題は、使用される技法が作業者に依存することがあまりにも多いこと、しかし何よりも、既製のインソールの使用から得られた結果がめったに確認および測定されないということに関連する。
【0008】
インソールの実現は一般に、立位における足の配置設定(setup)を、通常は型(cast)を用いて、または2次元スキャンを用いて、ただし装具の実現のための決定的検出に先立つ姿勢設定の一切の補正なしに、感知することによって行われる。
【0009】
より具体的には、今日、カスタマイズされたインソールの作製に先立って、(患者によって知覚される)主観的なアセスメントおよび客観的な(科学的に検出可能な)アセスメントにより確認される患者の姿勢設定を再調整することを目的とした一連の介入をヘルスケア専門家のチームが行えるようにする手段がない。
【0010】
さらに、現在まで、たいていの場合、インソールは手製であり、その効果の適切な検証がなされていない。
【0011】
この点に関して、現在認識されている、処方されたインソールの実現後の患者からの多数のフィードバックが、たいていの場合、機能的に可もなく不可もない結果を示すことは、注目に値する。
【0012】
物理療法医学およびリハビリテーション医学の分野において、物療医学専門医として行った専門的活動の、長年にわたって蓄積された優れた経験のおかげで、本発明者は、この部門において、主として、使用者にとって可能な限り効果的である最終製品を得ること、および関係する作業者(例えば専門医、整形外科技術者など)の個人的かつ主観的な評価への依存を最小限に抑えること、という2つの目的で、インソールを作製するための技術機能サポートとしての働きをするとともに容易に実装可能かつ繰返し可能である技術的ツールが大いに必要とされていることに気付いた。
【0013】
したがって、本出願人は、関係する作業者の個人的かつ主観的な評価に関係なくリハビリテーションチームが新世代インソールを作製できるようにする、革新的な技術的解決策を開発する必要性を感じた。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0014】
今まさに説明した内容に照らせば、本発明の一目的は、関係するヘルスケア専門家の個人的かつ主観的な評価に関係なくカスタマイズされた新世代インソールを作製できるようにするとともに、足の不均衡を感知することから最終製品のパッケージングまでに至る、そのようなインソールを作製するプロセスのさまざまな段階において、それらのヘルスケア専門家をサポートする、革新的な技術的解決策を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0015】
この目的および他の目的は、本発明によって達成され、というのも、本発明は、添付の特許請求の範囲において規定される、最適化されたインソールを作製するためのシステムに関連するためである。
【0016】
本発明をよりよく理解するために、次に、例示および非限定の目的のために提供されるにすぎないいくつかの好ましい実施形態を、添付の図面(ある一定の縮尺にない)を参照して示す。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1】本発明の一実施形態による、患者の位置および移動の姿勢運動パターンを最適化するインソールを作製するためのシステムを概略的に示す図である。
図2A図1のシステムの使用の一例を概略的に示す図である。
図2B図1のシステムの使用の一例を概略的に示す図である。
図2C図1のシステムの使用の一例を概略的に示す図である。
図2D図1のシステムの使用の一例を概略的に示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下の説明は、当業者が本発明を作製し使用できるようにするために提供される。記載された実施形態に対するさまざまな修正が、当業者には即座に明らかとなろう。本明細書において開示される一般的原理は、他の実施形態および用途に、ただし添付の特許請求の範囲において規定される本発明の保護範囲から逸脱することなく、適用することができる。
【0019】
したがって、本発明は、説明し図示する実施形態のみに限定されるものと理解すべきではなく、本発明は、添付の特許請求の範囲において規定される特徴に従って、最も広い保護範囲を与えられなければならない。
【0020】
本発明は、対象者が直立位置を維持し、かつ/または歩行し、かつ/または走行できるようにするために姿勢系(postural system)によって実施される患者の位置および移動の姿勢運動パターンを最適化するインソールを作製するための革新的なシステムに関する。
【0021】
後に説明する内容の前提では、身体の重心を支持基底面内に含めること(その場合にのみ対象者が転倒しないようになる可能性がある)が起立時および歩行中のその主目的である一連の運動パターンの活動化を担う、ヒトの複雑な姿勢系の動作を考慮に入れる。
【0022】
これらの運動パターンは、さまざまな要因に応じて決まるが、基底面における負荷および力の分散が異なる場合には必然的に異なるはずであり、実際のところ、足のさまざまな解剖学的構成要素の配置が異なる場合、姿勢系によるその主目的(転倒しないこと)の追求のために、異なる運動パターンを活動化させる必要性がある。
【0023】
本出願人は、各人物の理想的な姿勢設定を感知することによって設計されるカスタマイズされたインソールの作製を可能にするこのシステムを、「インソールを作製するための脳運動パターン最適化デバイス(Brain Motor Patterns Optimizer Device)」(BMPOD)と命名した。
【0024】
本発明をよりよく理解できるように、図1は、本発明の一実施形態による、患者の位置および移動の姿勢運動パターンを最適化するインソールを作製するための(全体として100で示す)システムの(すなわちBMPODの)高レベルアーキテクチャを(特にブロック図を用いて)示す。
【0025】
具体的には、図1に示すように、システム100は、感知手段101および処理手段102を含む。
【0026】
感知手段101は、
・患者の身体の1つまたは複数の事前定義された部分の姿勢設定ならびに位置および移動のパターンに関連する量、好ましくは、起立時(すなわち立位時)および歩行中の姿勢設定ならびに位置および移動のパターン、ならびに患者の足のさまざまな構成要素の配置に関連する量を感知することと、
・感知された量に基づいて、対応する感知データを生成することと
を含む感知機能を実現するように構成される。
【0027】
感知手段101は、好都合には、さまざまなタイプの感知システム/デバイス/機器、ならびにセンサ(例えばカメラ(例えば赤外線または他のタイプ)、マーカー、位置センサ、圧力点、重心、エネルギー消費、または血液酸素化を感知するためのデバイス/センサ、実施された運動パターンを認識した対象者の安定性および上行性補償ならびに/または大域的姿勢設定を評価するためのデバイス/システム、光電子工学システム、慣性センサ、圧力および/または変形センサ、圧力センサを備えたインソール、センサ付きプラットフォーム、バロポドメトリー(baropodometric)プラットフォーム、筋電計、例えば筋音図法による連続モニタリングシステムなど、筋活動ならびに静的および動的な姿勢を感知するための他のシステム、ワイヤレスセンサネットワークおよび/またはバッテリレスセンサネットワークを用いて近接場において動作可能な衣服、静的および動的な姿勢の解析のための他のシステムなど)を使用して、実現することができる。
【0028】
処理手段102は、前記感知手段101によって生成された感知データを取得するために(例えば有線および/またはワイヤレスで)感知手段101に接続され、
・取得した感知データの事前定義された処理を、実施される事前定義された処理に基づいて、患者の身体の前記事前定義された部分によって取られた姿勢設定ならびに位置および移動のパターン、好ましくは、起立時および歩行中に取られた姿勢設定ならびに位置および移動のパターン、ならびにこれらのパターンが患者によって取られている間の患者の足のさまざまな構成要素の配置を決定することによって、実施することと、
・決定された姿勢設定ならびに位置および移動のパターンを解析して、患者の足および/または下肢の配置設定の不平衡によって支持される患者の身体の前記事前定義された部分の1つまたは複数の病的パターンおよび1つまたは複数の対応する姿勢不平衡を検出する、好都合にはさらに、関連する窮迫部位を識別することと、
・検出された病的パターンおよび対応する姿勢不平衡に基づいて、前記対応する姿勢不平衡の補正の結果として前記病的パターンが取られなくなるように、取られる姿勢設定ならびに/または位置および移動のパターンを患者の姿勢系が修正できるようにするなどのために、患者の足および下肢の配置設定に加えるべき1つまたは複数の対応する修正を決定することと
を含む、処理および解析機能を実現するようにプログラムされる。
【0029】
好ましくは、処理手段102は、処理および解析機能を、
・取得した感知データに基づいて、起立時および歩行中に患者の身体の前記事前定義された部分によって取られた前記姿勢設定ならびに前記位置および移動のパターンに関連する(好都合にはそれらを表す)多次元デジタルモデルを決定する(すなわち生成する)ことと、
・病的パターンおよび対応する姿勢不平衡を検出し、決定された多次元デジタルモデルに基づいて、加えるべき対応する修正を決定することと
によって実施するようにプログラムされる。
【0030】
システム100は、反復動作し、それによって、反復のたびに、
・直前の反復時に処理手段102によって決定された修正が患者の足の配置設定に加えられ、その結果として、起立時ならびに歩行および/または走行中の患者の位置および移動の運動パターンの修正が生じた後で、感知手段101および処理手段102がそれぞれ、感知機能ならびに処理および解析機能を実現し、かつ
・患者の身体の事前定義された部分の理想的な姿勢設定を達成するために足の配置設定に加えるべき1つまたは複数の新規の修正を、好ましくは、非常に適格な足接地により特定される両足(bipodalic)接地と片足(monopodalic)接地の両方における理想的な大域的姿勢設定に達するまで、処理手段102が決定する
ように設計される。
【0031】
システム100は、最初の反復時にシステム100によって感知されたものとは異なる、足のさまざまな解剖学的構成要素の配置設定に対応する、患者の身体の事前定義された部分による理想的な全体の姿勢アセットの達成を、(前記システム100の動作の最終の反復時に)処理手段102が決定したときに、さらなる反復を実施するようにそれ以上動作することのないように設計される。
【0032】
それに加えて、処理手段102は、理想的な姿勢設定に達した後で、前記理想的な姿勢設定に基づいて、患者によって使用されたときに患者の身体の事前定義された部分が前記理想的な姿勢設定を取れるようにするなどのためのインソールを作製するための(好都合には、取るべき3D配置設定、使用すべき材料、作製すべき厚さなどに関する)データ/情報を生成するようにもプログラムされる。
【0033】
好ましくは、処理手段102は、
・処理および解析機能を実現し、
・関係する足のさまざまな部分の理想的な大域的姿勢設定および適格な配置の達成を決定し、
・インソールを作製するためのデータ/情報を生成する
ために、1つまたは複数の事前定義された人工知能技術、好都合には、1つもしくは複数の機械学習技法および/または1つもしくは複数のニューラルネットワークを実装するように構成される。
【0034】
処理手段102は、好都合には、さまざまなアーキテクチャパラダイムに従って実装することができ、例えば、処理手段102は、(例えばサーバを用いた)集中型アーキテクチャまたは(例えばクラウドコンピューティングシステムを用いた)分散型アーキテクチャを用いて実装することができ、感知手段101に有線でかつ/またはワイヤレスで接続することができ、例えば、処理手段102は、1つまたは複数のワイヤレス通信技術(例えば3G、4G、5Gモバイル電話技術、Wi-Fi技術など)を介して遠隔接続することもできる。
【0035】
図2A図2B図2C、および図2Dは、システム100(すなわちBMPOD)の使用の一例を(特にフローチャートを用いて)示す。
【0036】
具体的には、図2A図2Dに示す(かつ201から230まで連続して番号付けされた)、システム100の(すなわちBMPODの)使用の各ステップは、完全に自明であり、当業者によって即座に理解可能であり、したがって、それらについてはここで詳細に説明しない。
【0037】
システム100(すなわちBMPOD)を用いて、ヘルスケア専門家は新世代のインソールを作製することができ、このインソールは、立位時および歩行中の足の配置を最適化して、病的な運動パターンを伴いかつ病的な運動パターンによって被る誤った足接地によって生じる姿勢不平衡を呈し、その結果として上行性補償を生じる個人における身体的ハンディキャップを解消する(またはいかなる場合でも著しく低減させる)ことを可能にするものである。両足接地と片足接地の両方における静的および動的な姿勢を評価し、病的パターンが関与する足接地の不平衡を認識し、それに続いて、その不平衡を補正した結果である革新的なインソールによって表される最終結果として、これらの対象者の生活の質が改善し、さらなる身体障害および結果として生じるハンディキャップの発生が予防される。
【0038】
システム100(すなわちBMPOD)を用いて作製されるインソールにより、起立時ならびに歩行および/または走行中に、姿勢系が、矯正器がない状態のまたは既製のインソールを用いた対象者によって使用されるパターンに比べて人間工学的により効果的な運動パターンを取れるようになる。
【0039】
上で説明したように、システム100(すなわちBMPOD)は、その特定の足接地の結果として対象者によって取られるさまざまな運動パターンを強調するために多次元的に感知されるデータの処理に適した1つまたは複数のソフトウェアプログラム(例えば、本出願人によって「理想的パターン探索ガイド(Ideal Patterns Search Guide)」-IPSGと命名されたソフトウェアプログラム/アルゴリズム/モジュール)に関連する、感知システム101(例えばセンサ、インソール、筋電計など)などのハードウェア構成要素によって作製される。
【0040】
システム100(すなわちBMPOD)は、必要であれば「組み込み型」でもある、専ら前記システム100の(すなわちBMPODの)利用上および機能上の目的に合わせて特別に作製、統合、および較正されるソフトウェアシステムも備える。
【0041】
これらのソフトウェア構成要素により、システム100(すなわちBMPOD)は、各患者の姿勢機能不全およびその患者によって取られる関連する病的パターンを識別し、さらに、取得した全てのデータが処理された後で、システム100は、関係するヘルスケア専門家に、足の配置設定の具体的な補正を提案することを行い、作業者によって加えられたこれらの補正の効果がシステム100によって検証された後で、有能な整形外科技術者が、理想的な足の配置設定(すなわち、姿勢系の正しい機能にとって最も効果的なものとして得られた足の配置設定)の3次元(3D)検出から得られる、解析された各患者に固有の、インソールの3次元(3D)デジタルプロジェクトの制作を通じて、インソールの特徴を精巧に作り上げることを可能にされる。
【0042】
最終結果は、対象者一人一人が、より有利かつ効果的な運動パターンを取れるようになる、というものである。
【0043】
システム100(すなわちBMPOD)の使用は、専ら(例えば物療医学専門医、理学療法士、および整形外科技術者からなることのできる)集学的チームの使用を意図している。チームは、患者に言及する臨床情報をシステム100に(すなわちBMPODに)アップロードし、システム100(すなわちBMPOD)は、これらのデータを感知システム(センサ、EMGなど)から到来するデータと統合し、その解析アルゴリズムを通じて(好ましくは人工知能システム/技法/技術を通じて)、さまざまな供給源から取得した全ての情報を処理して、出力として、リハビリテーション介入を通じて足接地を最適化する関節性および機能性のリバランシングを実施するための具体的な指示も生成する。
【0044】
上で説明した内容に照らせば、システム100(すなわちBMPOD)により、片足接地および両足接地における理想的な姿勢を感知することによって設計される、カスタマイズされた新世代インソールの作製が可能になる。
【0045】
システム100(すなわちBMPOD)は、好都合には、以下の専門的役割、
・物療医学専門医、
・理学療法士、
・整形外科技術者
の使用を通じて使用することができる。
【0046】
システム100(すなわちBMPOD)により、ヘルスケア専門家は、起立時の足検出を従来の検出とは異なる配置設定で行うことによって、インソールを作製できるようになる。したがって、革新的なインソールが、足接地の補正を通じた大域的機能性リバランシング(筋肉および関節)後に得られた配置設定に基づいて作製される。
【0047】
本発明を使用することにより、姿勢の点でより効果的な運動パターンを使用者が取れるようにする最適な配置設定に向けた、負荷、前足部、中足部、および後足部を伴うカスタマイズされたインソールを得ることが可能である。
【0048】
足の測定は、好都合には、起立時の足の3次元(3D)スキャンを含むさまざまな方法を通じて行うことができ、最も効果的な補正が確立され、行われ、確認されると、新規の「理想的な配置設定」の測定が行われ、この測定により、位置および移動の姿勢運動パターンを最適化するカスタマイズされたインソールの(特に、配置設定も3Dで感知される場合、好ましくは3D印刷による)識別、選択、およびそれに続くパッケージングが可能になる。
【0049】
これらのインソールは、姿勢系によって自動的に活動化され、基底面における負荷および力の分散が異なる場合に異なる、静的および動的な神経筋活動化パターンを考慮に入れて作製される。
【0050】
したがって、やはり上述したように、システム100(すなわちBMPOD)は、各個別のケースに適したリハビリテーション介入に関するチームの決定をサポートするための情報を出力として提供することに加えて、正しい機能的なインソールを作製するために、好都合には、必要なら「組み込み型」でもある、IPSG(「理想的パターン探索ガイド」)と呼ばれるいくつかのソフトウェアサブシステム、およびインソールの作製に必要な情報を取得するのに適した一連の感知システム101(例えばセンサ、表面筋電計など)を含む。
【0051】
IPSGソフトウェアは、専門医によって提供される情報、感知ツール101からの客観的な情報、および患者自身によってアセスメントスケールを編集することにより得られる(例えば痛みの存在、疲労感、不安定性などに関する)患者の主観的な情報を考慮に入れる。このソフトウェアにより、ヘルスケア専門家(専門医、理学療法士、および整形外科技術者)が、関係する作業者にシステム100によって提案される具体的な補正、およびその検証を実行することによって、片足接地と両足接地の両方において当該の対象者の姿勢系が生体力学的により有利なパターンを活動化できるようにするものに対応する足の理想的な配置設定を決定することが可能になる。
【0052】
したがって、このソフトウェアは、起立時の、足を含むさまざまな解剖学的構成要素の理想的な位置の実現およびそれに続くその特定をサポートし、整形外科技術者が特定された新規の配置設定に対してさまざまな技法(3Dスキャン、型、ポジティブ-ネガティブ型(positive-negative cast)、3D印刷など)を通じてインソールを設計できる可能性がある。
【0053】
別の重要な要素は、姿勢不平衡が存在する場合にシステム100(すなわちBMPOD)を用いると、「強制的な病的パターン」によって生じる(すなわち、解剖学的構造間の生理学的空間関係の変化のため存在する姿勢不平衡によって強制される)「上行性補償」からの損傷を予防することが可能になる、ということである。
【0054】
個人の理想的な姿勢設定に基づいて矯正器(すなわち新世代インソール)が作製されると、個人の姿勢系は、より適切な、したがってより効果的かつ実行可能な足接地の恩恵を受けることになる。
【0055】
やはり上で説明したように、システム100(すなわちBMPOD)は、ヒトが起立時に片足接地と両足接地の両方において足接地の不平衡によって支持されることによりトリガされる病的な運動パターンによって生じる姿勢機能不全に由来する問題を管理するためのものである。
【0056】
システム100の(すなわちBMPODの)ソフトウェア構成要素は、高精度感知システム101からの、ならびに専門医によってまたは患者によって(患者の場合には正当な評価スケールを通じて)直接提供されるデータからの情報を収集し、処理するために設計された。受け取ったデータの処理は、関係する対象者の全体姿勢設定を改善するための足接地の補正の指示を専門家に提供することを目的としている。補正は、その特定の対象者について、以前に感知された運動パターンよりも機能的な運動パターンを使用できる可能性を姿勢系に与えるように足接地を最適化することを目的としたリハビリテーション技法を使用して加えられる。
【0057】
ソフトウェアは、好都合には、特定のシステムからの情報を受け取ることに限定されるのではなく、あらゆる感知システム101(および提供される関連する情報)とも容易にインターフェースを取れるよう構築されるように、オープンアーキテクチャを用いて設計される。
【0058】
IPSGソフトウェアは、好ましくは、2つの主要構成要素を含む。
【0059】
前者は、検出からのデータがそれに従って処理され、その結果として一連の推奨事項がもたらされる、ルールを実装する中央論理コアである。一連の推奨事項には、感知された姿勢機能不全を補正することを目的として特定の身体区画に対して行われるべき特定の介入についての提案事項が含まれる。これらの介入は、足接地を修正することによって、使用者がより機能的な運動パターンを使用できるようにするものであり、理学療法士や整形外科技術者など、関係するさまざまな専門家によって、それらの固有の技能に応じて行われる。
【0060】
コアチームはまた、他のデータ、例えば、評価された対象者の臨床的特徴と、後の段階では、生成されたさまざまな推奨事項の作業者による実施または非実施にどちらにも関するものである、患者によって報告されたデータならびにヘルスケア専門家によって書き留められ、入力されたデータの収集を担う。
【0061】
どの推奨事項が行われたかが確認されると、検出の反復が要求され、新規の値が以前の値と比較され、それによって、行われた推奨事項によって対象者について生成された結果が、特定のアルゴリズムを使用してアセスメントされることが可能になる。
【0062】
人工知能、機械学習技法、およびニューラルネットワークは、本発明によって好都合に利用される可能な方法/技法/技術の一部である。
【0063】
2つの主要構成要素のうちの第2のものは、前述の中央コアを、対象者に対して行われるさまざまなタイプの検出の結果として生じるデータの供給源(例えば装着することもできるセンサを用いた物理的なもの、他の感知システム、ヘルスケア専門家によって入力される情報など)とインターフェースを取るための専用のサブシステムである。
【0064】
これらの供給源は、任意の種類のもの、例えば対象者に適用されるセンサ、作業者によって行われる測定、システムによって作業者にサブミットされた質問に対する作業者の回答、3次元(3D)画像の解析などとすることができる。
【0065】
好ましくは、システム100(すなわちBMPOD)は、客観的なデータと主観的なデータの両方を感知するためのあらゆるタイプの供給源と非常に容易にインターフェースを取ることが可能である。
【0066】
このため、中央論理コア内に収容されるアルゴリズムの実装に対して完全に透過な形で確実に新規の供給源のためのアダプタの実装のみが必要となるようにすることで、システム100(すなわちBMPOD)を新規の感知供給源に適応させるために必要となる労力が最小限に抑えられる。
【0067】
システム100(すなわちBMPOD)は、作業者によってウェブインターフェースを介して使用できるようにも、ローカルハードウェアシステム上にインストールされる普通のソフトウェアアプリケーションとしても、作製することができる。
【0068】
システム100の(すなわちBMPODの)ハードウェア構成要素は、ソフトウェア構成要素と相互作用し、「運動パターン解析」をソフトウェアが行えるようにする客観的な検出を行うために使用される。
【0069】
システム100(すなわちBMPOD)は、好都合には、調査すべき点およびセンサのタイプに応じて皮膚上に直接またはこの目的のために特別に提供された被服を通じて適用される、さまざまな技術に基づくさまざまな種類のデバイス(例えば空間内のヒトの身体の点の位置を感知するためのセンサ)(例えば「近距離無線通信(Near-field Communication)」の頭文字であるNFC技術に基づくセンサ)を使用することができる。システム100によって(すなわちBMPODによって)使用可能な感知手段101の例は、カメラ(例えば赤外線または他のタイプ)、マーカー、光電子工学システム、慣性センサ、圧力および/または歪センサ、圧力センサを備えたインソール、センサ付きプラットフォーム、バロポドメトリープラットフォーム、有線またはワイヤレス表面筋電計、筋音図法による連続モニタリングシステムなど、筋活動ならびに静的および動的な姿勢を感知するための他のシステム、ワイヤレスセンサネットワークおよび/またはバッテリレスセンサネットワークを用いて近接場において動作可能な衣服、静的および動的な姿勢を解析するための他のシステムなどである。
【0070】
最終製品(すなわち本発明を用いて作製されるインソール)はまた、関係する対象者の人体計測的特徴に適した各タイプの履物に完全に適合する幾何形状で設計される。
【0071】
したがって、以上全てにより、負荷の分散のみならず、それに関連し、身体の重心を配置基底面(placement base)内に含めることが起立時および歩行中のその唯一の目的である神経筋パターンによって実施される、全ての静的および動的な上行性平衡(ascending balance)も考慮に入れた、理想的な配置を得ることが可能になる。
【0072】
本発明の利点の1つは、本発明により、検出された病的配置設定に加えられた補正の効果、ならびに最終インソールの作製前にそのケースに最も適した1つの材料(または最も適した複数の材料)のタイプの評価もできる可能性が臨床医に与えられる、ということによって表される。実際のところ、1つまたは複数の「以前の状態(status quo ante)」との比較を通じて、対象者の適応の反応または対象者の主観的な知覚、加えられた変更の評価のための重要な要素の追加、材料の選択、インソールの厚さ、および多数の他の情報を検証することが可能である。
【0073】
本発明によって作製されたインソールにより、平衡、歩行パターン、パフォーマンス、足接地負荷分散、ならびに静脈およびリンパ液の還流を改善することが可能になり、さらに、それらのインソールにより、不慮の転倒のリスク、エネルギー消費、足関節内反における捻挫性外傷の発生、病的パターンからの上行性補償、関節および/または腱の過負荷、脊椎の機能不全を低減させることが可能になる。
【0074】
ヘルスケア従事者によりシステム100を(すなわちBMPODを)使用すると、本発明を最大限に利用できるように、目的に適したスペースおよび手段を採用することが可能になり、特別なステーションを好都合に使用して、インソールの設計およびパッケージングに有用な検出を行うことができ、このステーションは、例えば、
・従来の技術およびシステム(例えばフェノール樹脂フォームを用いた足形および石膏型を用いたネガティブモデル、または2次元スキャンを用いたシステム)に基づくことができ、
・好ましくは、起立時の足の自動スキャンを用いた3次元(3D)測定を実施するように構成することができる。
【0075】
システム100(すなわちBMPOD)は、
・任意の不平衡および関連する病的な運動パターンの類型学的かつ定量的な識別を可能にする目標パラメータを定量的に決定すること、
・好ましくは人工知能システムの使用を通じて、使用される運動パターンおよび事前に要求された対象者の個人的特徴を考慮に入れて、加えるべき任意の補正をヘルスケア専門家に提案すること
にとって有用な情報および指示を提供する。
【0076】
理学療法士および/または整形外科技術者および/または物理療法医によって、必要な補正が足接地に加えられ、患者の主観的な知覚のみならず静的および動的な形の機能性反応が(やはり革新的な運動パターン解析モデルを通じて)評価され、そのケースにとって最も機能的な材料のタイプが確立された後で、システム100(すなわちBMPOD)は、個人にとって可能な限り機能的であるカスタマイズされたインソールモデルの作製を可能にし、その個人のパフォーマンスを改善し、上行性補償を低減または解消し、起立時および歩行中の位置および移動の自動的な病的パターンの解消を可能にすると同時に、より実行可能な位置および移動のパターンを生みだすことによってそれらの病的パターンを置き換える、足の理想的な配置設定の最終検出を行う。
【0077】
以下の表は、市場のニーズおよび/または市場によって求められる使用機能を簡単に示し、これらのニーズ/使用機能のそれぞれについて、本発明の相対的な革新的な特徴を、従来の解決策に対して比較し、本発明の相対的な利点を示すものである。
【0078】
【表1A】
【0079】
【表1B】
【0080】
それに加えて、本発明を、スポーツ活動をサポートするための矯正器の作製に使用すると、負傷のリスクの著しい低減、および(例えば安定性、平衡、エネルギー消費などの点での)パフォーマンスの著しい改善を達成することも可能になる。
【0081】
上で説明したように、本発明は、
・1つまたは複数の外部検出器101(例えば好ましくは3Dスキャナも含む1つまたは複数のデバイスまたはセンサ)によって提供されるデータの管理、処理、およびカスタマイゼーション、
・主観的および客観的な評価に基づいて確立される、理想的な配置設定の探索、
・各個別の配置設定について取られる運動パターンに基づく、足の配置設定に加えるべき補正の選択(すなわち選定)、
・装具を構成するさまざまな部分を作製するための1つまたは複数の材料の選択(すなわち選定)、
・好ましくは3D印刷を通じた、理想的なインソールの設計および作製
のための1つまたは複数のソフトウェアプログラムを用いて適切にプログラムされる、1つまたは複数の処理システム/デバイス102を使用する。
【0082】
本発明は、好都合には、立位時の足の足を3Dで感知し再構築するように構成された、革新的なステーションを使用することができる。
【0083】
この点に関して、足の配置設定は、インソールのパッケージングに使用される材料のタイプに応じて異なるということ、また足の部分は、配置面(placement plane)よりある程度下に位置するようになることがある、ということに留意されたい。
【0084】
したがって、3Dスキャンに限度がある場合、インソールを構成することになる材料と接する足の部分の正確な表現を得ることは困難なことがある。この問題を克服するために、その状態において、センサを備えた弾性生地を足の裏の3D再構築に好都合に使用することもでき、あるいは別法として、インソールを構成することになる材料の反発力に等価な、異なる反発力の複数の面を備えた透明材料を用いると、足の起立時の完全なスキャンが可能になる。
【0085】
本発明によって患者の片足または両足の配置設定の3D感知に使用されるデバイス/センサに関して、次のもののうちの1つまたは複数を、好都合に用いることもでき、すなわち、位置センサ、筋電計、マーカー、圧力点、重心、エネルギー消費、または血液酸素化を感知するためのデバイス/センサ、実施された運動パターンを認識した対象者の安定性および上行性補償、大域的姿勢設定の評価のためのデバイス/センサ、など。
【0086】
さらに、前述の処理システムおよび/またはデバイス102は、好都合には、(例えば生活の質、痛み、転倒のリスク、疲労感などに関するレーティングスケールに基づいて得られる)主観的パラメータにも基づいてプログラムすることができる。
【0087】
上述した内容に照らせば、本発明によるシステム(すなわちBMPOD)により、客観的なパラメータを測定した後で、集学的リハビリテーションチームが前記パラメータの正しい値を回復させる新世代インソールを作製することが可能になり、その後のモニタリングおよび測定により、期待される効果を評価し、必要に応じて、インソールの幾何形状を段階的に修正することも可能になる。
【0088】
前述の説明から、本発明の複数の革新的な特徴および無数の技術的利点が、当業者には即座に明らかとなろう。
【0089】
終わりに、上述の発明では、特に、非常に具体的な実施形態に言及しているが、本発明は、そのような実施形態に限定されるものとして意図されてはならず、添付の特許請求の範囲によって網羅される全ての変形形態、修正形態、または簡易化形態をその範囲内に含む、ということに留意することが重要である。
【符号の説明】
【0090】
100 システム
101 感知手段、感知システム、感知ツール、外部検出器
102 処理手段、処理システム/デバイス
図1
図2A
図2B
図2C
図2D
【手続補正書】
【提出日】2024-05-30
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
最適化されたインソールを作製するためのシステム(100)であって、感知手段(101)および処理手段(102)を備え、
前記感知手段(101)が、
量を感知することであって、前記量が、
起立時および歩行中の患者の身体の1つまたは複数の事前定義された部分の姿勢設定ならびに位置および移動のパターン、ならびに
起立時および歩行中の前記患者の足のさまざまな構成要素の配置
に関連する、前記感知することと、
前記感知された量に基づいて、対応する感知データを生成することと
を含む感知機能を実現するように構成され、
前記処理手段(102)が、前記感知手段(101)によって生成された前記感知データを前記感知手段(101)から取得するように構成され、
前記取得した感知データの事前定義された処理を、実施される前記事前定義された処理に基づいて、
起立時および歩行中に前記患者の身体の前記事前定義された部分によって取られた前記姿勢設定ならびに前記位置および移動のパターン、ならびに
前記位置および移動のパターンが前記患者によって取られている間の前記患者の足のさまざまな構成要素の前記配置
を決定することによって実施することと、
決定された前記姿勢設定ならびに前記位置および移動のパターンを解析して、前記患者の身体の前記事前定義された部分の1つまたは複数の病的パターンおよび1つまたは複数の対応する姿勢不平衡を検出することと、
検出された前記病的パターンおよび前記対応する姿勢不平衡に基づいて、前記対応する姿勢不平衡の補正の結果として病的配置が取られなくなるように、前記患者の身体の前記事前定義された部分によって取られる前記姿勢設定ならびに/または前記位置および移動のパターンを修正できるようにするために、前記患者の足および下肢の配置設定に加えるべき1つまたは複数の対応する変更を決定することと
を含む処理および解析機能を実現するようにプログラムされた、システム(100)。
【請求項2】
前記処理手段(102)が、前記処理および解析機能を、
前記取得した感知データに基づいて、起立時および歩行中に前記患者の身体の前記事前定義された部分によって取られた前記姿勢設定ならびに前記位置および移動のパターンに関連する多次元デジタルモデルを決定することと、
前記病的パターンおよび前記対応する姿勢不平衡を検出し、前記決定された多次元デジタルモデルに基づいて加えるべき前記対応する修正を決定することと
によって実施するようにプログラムされる、請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
前記システム(100)が、反復動作し、それによって、反復のたびに、
直前の反復時に前記処理手段(102)によって決定された前記変更が前記患者の足の前記配置設定に加えられ、それにより、起立時および歩行中の前記患者の身体の前記事前定義された部分の前記姿勢設定ならびに前記位置および移動のパターンの結果的に生じた修正を決定した後で、前記感知手段(101)および前記処理手段(102)がそれぞれ、前記感知機能ならびに前記処理および解析機能を実現し、かつ
前記患者の身体の前記事前定義された部分の理想的な姿勢設定を達成するために足の前記配置設定に加えるべき1つまたは複数の新規の修正を、前記処理手段(102)が決定する
ように設計された、請求項1に記載のシステム。
【請求項4】
前記システム(100)が、前記患者の身体の前記事前定義された部分によって前記理想的な姿勢設定に達したと前記処理手段(102)が決定したときに、さらなる反復を実施するようにそれ以上動作することがないように設計された、請求項3に記載のシステム。
【請求項5】
前記処理手段(102)が、前記理想的な姿勢設定に達すると、前記理想的な姿勢設定に基づいて、前記患者によって使用されたときに前記患者の身体の前記事前定義された部分が前記理想的な姿勢設定を取れるようにするためのインソールを作製するためのデータ/情報を生成するようにもプログラムされた、請求項4に記載のシステム。
【請求項6】
前記処理手段(102)が、
前記処理および解析機能を実現し、
前記理想的な姿勢設定に達したと決定し、
前記インソールを作製するための前記データ/情報を生成する
ために、1つまたは複数の事前定義された人工知能技術を実装するように構成された、請求項5に記載のシステム。
【請求項7】
前記事前定義された人工知能技術が、1つもしくは複数の機械学習技法および/または1つもしくは複数のニューラルネットワークを含む、請求項6に記載のシステム。
【請求項8】
請求項1に記載のシステム(100)を使用して、患者が理想的な姿勢設定を取れるようにするための前記患者のためのインソールを作製することを含む、最適化されたインソールを作製するための方法。
【請求項9】
請求項8に記載の方法を実施することによってかつ/または請求項1に記載のシステム(100)を使用することによって作製されたインソール。
【国際調査報告】