(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-10-23
(54)【発明の名称】窓空洞ウエハ
(51)【国際特許分類】
H01L 23/08 20060101AFI20241016BHJP
C03C 27/10 20060101ALI20241016BHJP
H01L 23/02 20060101ALI20241016BHJP
【FI】
H01L23/08 Z
C03C27/10 Z
H01L23/02 C
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024520691
(86)(22)【出願日】2022-10-04
(85)【翻訳文提出日】2024-05-17
(86)【国際出願番号】 US2022045669
(87)【国際公開番号】W WO2023059634
(87)【国際公開日】2023-04-13
(32)【優先日】2021-10-05
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】508348680
【氏名又は名称】マテリオン コーポレイション
(74)【代理人】
【識別番号】100078282
【氏名又は名称】山本 秀策
(74)【代理人】
【識別番号】100113413
【氏名又は名称】森下 夏樹
(74)【代理人】
【識別番号】100181674
【氏名又は名称】飯田 貴敏
(74)【代理人】
【識別番号】100181641
【氏名又は名称】石川 大輔
(74)【代理人】
【識別番号】230113332
【氏名又は名称】山本 健策
(72)【発明者】
【氏名】ケラー, レート
(72)【発明者】
【氏名】コバ, リチャード
【テーマコード(参考)】
4G061
【Fターム(参考)】
4G061AA25
4G061BA05
4G061CA01
4G061CB12
4G061CC01
4G061CD02
(57)【要約】
2つの面を有する窓ウエハ基板を提供し、窓ウエハ基板の1つ以上の面の上に基準をエッチングし、1つ以上の光学コーティングを窓ウエハ基板の1つ以上の面上に適用することによって、窓ウエハを製作することを含む窓空洞ウエハを形成するための技法および/またはシステムが、本明細書に開示される。次に、2つの面を有するスペーサウエハ基板を提供し、貫通孔のアレイをスペーサウエハ基板内に形成することによって、窓ウエハとは別個のスペーサウエハを製作すること。次いで、スペーサウエハを窓ウエハに接合し、窓空洞ウエハを形成することと、別々の金属フレームを窓空洞ウエハの面上に形成すること。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
窓空洞ウエハであって、前記窓空洞ウエハは、
窓ウエハ基板と前記窓ウエハ基板の1つ以上の面上に配置された1つ以上の光学コーティングとを含む窓ウエハと、
スペーサウエハ基板を含むスペーサウエハと
を備え、
前記スペーサウエハは、前記窓空洞ウエハを形成するために前記窓ウエハにウエハ接合され、前記窓空洞ウエハは、金属フレームを含む、窓空洞ウエハ。
【請求項2】
前記1つ以上の光学コーティングは、反射防止コーティング、光学フィルタコーティング、およびロングパス遮断コーティングのうちの1つ以上を備えている、請求項1に記載の窓空洞ウエハ。
【請求項3】
前記窓ウエハ基板は、シリコン(Si)、ゲルマニウム(Ge)、ボロフロートガラス、およびサファイアのうちの1つを備えている、請求項1に記載の窓空洞ウエハ。
【請求項4】
前記窓ウエハ基板は、300μm~1,000μmの厚さを有する、請求項3に記載の窓空洞ウエハ。
【請求項5】
前記光学コーティング層のうちの1つの上を覆って配置されたダイヤモンド様カーボン(DLC)コーティングをさらに備えている、請求項1に記載の窓空洞ウエハ。
【請求項6】
1つ以上の金属層が、前記スペーサウエハ基板の1つ以上の面上に配置されている、請求項1に記載の窓空洞ウエハ。
【請求項7】
前記1つ以上の金属層は、シード層スタックを備え、前記シード層スタックは、
(i)Cr+Ni+Au、または
(ii)Ti+Pt+Au
のうちの1つを備えている、請求項6に記載の窓空洞ウエハ。
【請求項8】
前記スペーサウエハ基板は、ガラス、サファイア、セラミック、シリコン(Si)、および金属合金のうちの1つを備えている、請求項1に記載の窓空洞ウエハ。
【請求項9】
前記スペーサウエハ基板は、100μm~500μmの厚さを有する、請求項1に記載の窓空洞ウエハ。
【請求項10】
前記スペーサウエハ基板は、穿孔されている、請求項1に記載の窓空洞ウエハ。
【請求項11】
前記金属層のうちの1つの上を覆って配置された金属めっき層をさらに備えている、請求項6に記載の窓空洞ウエハ。
【請求項12】
前記スペーサウエハ基板上に配置されたガラス層をさらに備えている、請求項1に記載の窓空洞ウエハ。
【請求項13】
前記窓空洞ウエハの空洞の内側に配置されたゲッタをさらに備えている、請求項1に記載の窓空洞ウエハ。
【請求項14】
窓空洞ウエハを形成する方法であって、前記方法は、
窓ウエハを製作することであって、前記窓ウエハを製作することは、
2つの面を有する窓ウエハ基板を提供することと、
前記窓ウエハ基板の1つ以上の面をエッチングすることと、
1つ以上の光学コーティングを前記窓ウエハ基板の1つ以上の面上に適用することと
による、ことと、
前記窓ウエハとは別個のスペーサウエハを製作することであって、前記別個のスペーサウエハを製作することは、
2つの面を有するスペーサウエハ基板を提供することと、
貫通孔のアレイを前記スペーサウエハ基板内に形成することと
による、ことと、
前記スペーサウエハを前記窓ウエハに接合し、前記窓空洞ウエハを形成することと、
別々の金属フレームを前記窓空洞ウエハの面上に形成することと
を含む、方法。
【請求項15】
1つ以上の金属層を前記スペーサウエハ基板の1つ以上の面上に堆積させることをさらに含む、請求項14に記載の方法。
【請求項16】
ゲッタを前記窓空洞ウエハの空洞の内側に堆積させることと、
前記窓空洞ウエハを読み出し集積回路に接合することと
をさらに含む、請求項15に記載の窓空洞ウエハを形成する方法。
【請求項17】
前記適用される1つ以上の光学コーティングは、反射防止コーティング、光学フィルタコーティング、およびロングパス遮断コーティングのうちの1つ以上を含む、請求項14に記載の方法。
【請求項18】
前記提供される窓ウエハ基板は、シリコン(Si)、ゲルマニウム(Ge)、ボロフロートガラス、およびサファイアのうちの1つである、請求項14に記載の方法。
【請求項19】
前記提供される窓ウエハ基板は、300μm~1,000μmの厚さを有する、請求項18に記載の方法。
【請求項20】
前記光学コーティング層のうちの1つの上を覆ってダイヤモンド様カーボン(DLC)コーティングを堆積させることをさらに含む、請求項14に記載の方法。
【請求項21】
前記堆積させられる1つ以上の金属層は、シード層スタックを備えている、請求項15に記載の方法。
【請求項22】
前記堆積させられるシード層スタックは、
(i)Cr+Ni+Au、または
(ii)Ti+Pt+Au、
のうちの1つを備えている、請求項21に記載の方法。
【請求項23】
前記提供されるスペーサウエハ基板は、ガラス、サファイア、セラミック、および金属合金のうちの1つを備えている、請求項14に記載の方法。
【請求項24】
前記スペーサウエハ基板は、100μm~500μmの厚さを有する、請求項23に記載の方法。
【請求項25】
前記金属層のうちの1つの上を覆って金属めっき層を堆積させることをさらに含む、請求項15に記載の方法。
【請求項26】
ガラス層を前記スペーサウエハ基板の1つの面上に配置することをさらに含む、請求項14に記載の方法。
【請求項27】
窓空洞ウエハを形成する方法であって、前記方法は、
窓ウエハを製作することであって、前記窓ウエハを製作することは、
2つの面を有する窓ウエハ基板を提供することと、
前記窓ウエハ基板の1つ以上の面をエッチングすることと、
1つ以上の光学コーティングを前記窓ウエハ基板の1つ以上の面上に適用することと
による、ことと、
前記窓ウエハとは別個のスペーサウエハを製作することであって、前記別個のスペーサウエハを製作することは、
2つの面を有するスペーサウエハ基板を提供することと、
空洞を前記スペーサウエハ基板の面上に形成することと
による、ことと、
前記スペーサウエハを前記窓ウエハに接合し、前記窓空洞ウエハを形成することと、
別々の金属フレームを前記窓空洞ウエハの面上に形成することと
を含む、方法。
【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
(関連出願)
本国際出願は、参照することによってその全体として本明細書に組み込まれる2021年10月5日に出願された米国仮出願第63/252,327号の利益を主張する。
【0002】
現在の窓空洞ウエハ(WCW)は、2つのウエハ(シリコン等)から形成される。一方のウエハが、スペーサウエハと称され、他方のウエハは、窓ウエハと称される。一方または両方のウエハが、酸化され、次いで、2つのウエハは、一緒に接合され、無ボイド酸化物接合を形成する。接合ウエハは、絶縁体上シリコン(SOI)接合ウエハの例である。
【0003】
空洞をスペーサウエハの中に掘削するための好ましい方法は、ボッシュプロセスとしても公知である深掘り反応性イオンエッチング、またはDRIEである。DRIEは、特殊な交流プラズマ化学物質を使用し、垂直側壁を伴うSiをエッチングする。垂直側壁(異方性エッチング)は、空洞間のxy面積の無駄を最小化するために重要である。空洞間のウェブの幅は、最大化されなければならず、これは、垂直側壁を伴う空洞のDRIEによって達成される。DRIEプラズマ化学物質は、空洞深度が、埋め込まれた酸化物層に到達すると、エッチングをやめるように設計され、酸化物層は、エッチング停止部としての役割を果たす。したがって、DRIEは、スペーサウエハの厚さによって設定されるような100~500μmの深さである空洞をエッチングするために使用される。
【0004】
空洞間の上部平坦エリアは、マイクロボロメータ/読み出し集積回路(ROIC)ウエハへのWCWのはんだ接合を支持するために、金属化されなければならない。金属化は、各空洞の境界の直ぐ外側に位置する矩形フレームの形態において行われる。金属は、ウエハ接合中に形成されるはんだの1つの構成要素であり得るか、金属は、はんだ自体であり得るか、または、金属は、ROICウエハ上の合致する金属フレームに対する拡散接合のために使用され得る。
【0005】
これらの多数の動作の総数は、合計すると、WCWウエハに関してかなりのコストになり、典型的に、200mmWCWウエハあたり、少なくとも1,400.00ドルである。これは、入力WCWのコストであり、入力WCWは、次いで、反射防止および遮断(ロングパス)コーティングでパターンコーティングされ、続いて、空洞内で、ゲッタ薄膜でパターンコーティングされなければならない。WCWの空洞面の非平面的な性質は、空洞がフォトレジストを堆積させること、パターン化すること、およびリフトオフすることをより困難にするので、ARおよび遮断コーティンおよびゲッタコーティングをパターン堆積させることを困難にする。空洞表面を処理することにおける困難性は、ARおよび遮断コーティングの中およびその上により高いレベルの欠陥を与えることにつながる。ARおよび遮断コーティングにおける欠陥は、極めて望ましくない。WCW入力ウエハの高いコストに起因して、ARおよび遮断コーティングにおける欠陥に起因してWCWウエハを破棄することは、非常にコストがかかる。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0006】
窓ウエハ基板と窓ウエハ基板の1つ以上の面上に配置された1つ以上の光学コーティングとを含む窓ウエハを備えている窓空洞ウエハが、本明細書において提供される。窓空洞ウエハは、スペーサウエハ基板を含むスペーサウエハも備えている。スペーサウエハは、窓ウエハにウエハ接合され、窓空洞ウエハを形成する。窓空洞ウエハは、金属フレームを含む。
【0007】
2つの面を有する窓ウエハ基板を提供することと、位置合わせ特徴を窓ウエハ基板の1つ以上の面上にエッチングすることと、1つ以上の光学コーティングを窓ウエハ基板の1つ以上の面上に適用することによって窓ウエハを製作することを含む窓空洞ウエハを形成する方法が、本明細書において提供される。方法は、2つの面を有するスペーサウエハ基板を提供することと、貫通孔のアレイをスペーサウエハ基板内に形成することとによって、窓ウエハとは別個のスペーサウエハを製作することをさらに含む。方法は、スペーサウエハを窓ウエハに接合し、窓空洞ウエハを形成することと、別々の金属フレームを窓空洞ウエハの面上に形成することとも含む。
【0008】
2つの面を有する窓ウエハ基板を提供することと、窓ウエハ基板の1つ以上の面をエッチングすることと、1つ以上の光学コーティングを窓ウエハ基板の1つ以上の面上に適用することとによって、窓ウエハを製作することを含む窓空洞ウエハを形成する方法も、本明細書において提供される。方法は、2つの面を有するスペーサウエハ基板を提供することと、空洞をスペーサウエハ基板の面上に形成することとによって、窓ウエハとは別個のスペーサウエハを製作することをさらに含む。方法は、スペーサウエハを窓ウエハに接合し、窓空洞ウエハを形成することと、別々の金属フレームを窓空洞ウエハの面上に形成することとも含む。
【図面の簡単な説明】
【0009】
以下は、図面の簡単な説明であり、それらは、本明細書に開示される例示的実施形態を図示する目的のために提示され、それらを限定する目的のために提示されない。
【0010】
【
図1】
図1は、本開示による窓空洞ウエハの例示的実施形態の断面図である。
【0011】
【
図2】
図2は、
図1の窓空洞ウエハの一部を構成する窓ウエハの例示的実施形態の断面図である。
【0012】
【
図3】
図3A-3Cの各々は、
図1の窓空洞ウエハの一部を構成し得るスペーサウエハの断面図を図式的に示す。
【0013】
【
図4】
図4は、本開示による窓空洞ウエハを形成するための窓ウエハとスペーサウエハとの間のウエハ接合の例を図示する斜視図である。
【0014】
【
図5】
図5は、本開示による窓空洞ウエハを生じさせるためのウエハレベル処理(WLP)方法の例示的実装を図示するプロセスフロー図である。
【0015】
【
図6】
図6Aおよび6Bは、本開示による窓ウエハを製作する方法の例示的実装を図示するフロー図である。
【0016】
【
図7-1】
図7A-7Eは、本開示によるスペーサウエハを製作する方法の例示的実装を図示するフロー図である。
【
図7-2】
図7A-7Eは、本開示によるスペーサウエハを製作する方法の例示的実装を図示するフロー図である。
【0017】
【
図8】
図8は、各々が本開示の
図6A-6Bおよび
図7A-7Eの方法に従ってそれぞれ製作される窓ウエハとスペーサウエハとを組み合わせることによって、
図1に示されるような窓空洞ウエハを形成する方法の例示的実装を図示するフロー図である。
【0018】
【
図9】
図9A-9Cは、本開示による各々が別個にそれぞれ製作される窓ウエハとスペーサウエハとを組み合わせることによって窓空洞ウエハを形成するためのステップを示す、断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
本明細書に開示されるプロセスおよび装置のより完全な理解が、付随の図面を参照することによって取得されることができる。これらの図は、単に、既存の技術および/または本開発を実証することの利便性および容易性に基づいた概略描写であり、したがって、アセンブリまたはその構成要素の相対的サイズおよび寸法を示すことは意図されない。
【0020】
具体的な用語が、明瞭性のために、以下の説明において使用されるが、これらの用語は、図面における図示のために選択される実施形態の特定の構造のみを指すことが意図され、本開示の範囲を定義または限定することは意図されない。下での図面および説明では、同様の数字指定は、同様の機能の構成要素を指すことを理解されたい。
【0021】
単数形「a」、「an」、および「the」は、文脈上明白に別様に示されない限り、複数指示物を含む。
【0022】
本明細書において、かつ請求項において使用されるように、用語「~を備えている(comprise(s))」、「~を含む(include(s))」、「~を有する(having)」、「~を有する(has)」、「~することができる(can)」、「~を含む(contain(s))」、およびそれらの変型は、本明細書に使用されるように、挙げられる成分/ステップの存在を要求し、他の成分/ステップの存在を可能にする非限定的な移行句、用語、または単語であることが意図される。しかしながら、そのような説明は、また、「~から成る(consisting of)」および「羅列される成分/ステップから本質的に成る(consisting essentially of the enumerated ingredients/steps)」として、組成物またはプロセスを説明するものと解釈されるべきであり、これは、それからもたらされ得る任意の不可避不純物とともに、挙げられる成分/ステップのみの存在を可能にし、他の成分/ステップを除外する。
【0023】
本願の明細書および請求項における数値は、同じ数の有効桁数まで低減されるときに同一である数値と、値を判定するために本願において説明されるタイプの従来の測定技法の実験的誤差より小さい分だけ、述べられる値とは異なる数値とを含むことが理解されるべきである。
【0024】
本明細書に開示される全ての範囲は、列挙される終点を含み、独立して、組み合わせ可能である(例えば、「2グラム~10グラム」の範囲は、終点、2グラムおよび10グラム、および全ての中間値を含む)。
【0025】
数量と関連して使用される修飾語句「約(about)」は、述べられる値を含み、文脈によって決定付けられる意味を有する(例えば、これは、少なくとも、特定の数量の測定値と関連付けられる誤差の程度を含む)。具体的な値と併用されるとき、これはまた、その値を開示するものと見なされるべきである。例えば、用語「約2」はまた、値「2」も開示し、「約2~約4」の範囲はまた、「2~4」の範囲も開示する。
【0026】
本開示は、第1のステップとして、2つの平面的な面を有する窓ウエハ上にパターン堆積させられるべき反射防止(AR)および/またはロングパス遮断コーティングを提供する。例として、窓ウエハは、前側および後側を伴う両面研磨された平面的なSiウエハを備えていることができる。空洞は、後のステップとして、おおよそ空洞の深度である厚さを有する穿孔されたスペーサウエハをウエハ接合することによって、形成されることができる。本開示は、ウエハ接合材料および方法が窓およびスペーサのために使用される材料に対して調整されることができるので、様々な代替窓ウエハ(例えば、Si、Ge、ガラス、サファイア)および合致する穿孔されたスペーサウエハ(例えば、Si、ガラス、サファイア、セラミック、金属合金)とも適用可能/適合可能である。
【0027】
本明細書に開示される製作方法は、窓空洞ウエハをもたらす、新規な一連の動作を含む。従来、窓空洞ウエハの製作は、以下の順序で絶縁体上シリコン(SOI)接合ウエハを処理することを含む:格子状パターンにおけるフレームの金属化;その後、ウエハ内に空洞を生成するためのパターン化された深掘り反応性イオンエッチング(DRIE);その後、AR/遮断コーティングのパターン化された堆積;およびゲッタ薄膜のパターン化された堆積。本開示では、窓ウエハ上のパターン化されたAR/遮断コーティングの製作が、最初に生じ、そして、その後、空洞のアレイを生成するための金属化された穿孔されたスペーサウエハの接合が、続く。ゲッタ堆積は、最終ステップとして、窓空洞ウエハ上で実施される。理解されるであろうように、本技法は、従来的な技法より低いコストで、より高い収率を提供する。
【0028】
本開示は、限定ではないが、以下等の多数の技術的利益を提供する:コスト低減および収率の改良;より広い範囲の空洞深度;リソグラフィ化学物質との不適合性がないこと;および、より幅広い範囲の窓とスペーサ材料との組み合わせ。
【0029】
(デバイス/装置)
【0030】
図1を参照して、窓空洞ウエハ(WCW)100の例示的実施形態が、示される。窓空洞ウエハ100は、窓ウエハ110とスペーサウエハ130と含むことができ、それらの各々は、個々に、製作および処理される。後の段階で、窓ウエハ110とスペーサウエハ130とは、概して、接合ライン144によって表されるように一緒に接合され、それによって、窓空洞ウエハ100を生じさせる。
【0031】
ここで
図1-4を参照すると、窓ウエハ110は、窓ウエハ基板112と、窓ウエハ基板112上に配置された1つ以上の光学コーティング114および116とを含むことができる。窓ウエハ基板112は、両面型(すなわち、前側および後側を有する)であることができ、2つの略平面的な面を有する。いくつかの実施形態では、窓ウエハ基板112は、300μm~1,000μmの厚さを有することができ、赤外光に対して略透過性であり得る。例証的例として、窓ウエハ基板112は、シリコン(Si)、ゲルマニウム(Ge)、ガラス(例えば、ボロフロートガラス)、およびサファイアを含むことができる。いくつかの実施形態では、窓ウエハ基板112は、例えば、約400μm等の300μm~1,000μmの厚さを有する両面型の研磨された200mm(8インチの直径)Siウエハを含むことができる。他の実施形態では、窓ウエハ基板112は、300μm~1,000μmの厚さを有するボロフロート33ガラス(例えば、ホウケイ酸塩ガラス等)から成る両面型の研磨された200mmウエハを含むことができる。
【0032】
1つ以上の光学コーティング114および116が、窓ウエハ基板112上に配置されることができる。光学コーティング114は、窓ウエハ基板112の前面(すなわち、前側)の上を覆って配置され、光学コーティング116は、窓ウエハ基板112の後面(すなわち、後側)の上を覆って配置される。例示的例として、光学コーティング114および116は、反射防止(AR)コーティング、光学フィルタコーティング、または遮断コーティングを含むことができる。随意に、ダイヤモンド様カーボン(DLC)コーティング118が、窓ウエハ基板112の後側の光学コーティング116の上を覆って配置されることができる。
【0033】
いくつかの実施形態では、窓ウエハ基板112は、Siから作製され、その後側に形成された光学コーティング116(ロングパス赤外線(LWIR)光学コーティングを備えている)と、その前側に形成された光学コーティング114(LWIR ARコーティングを備えている)とを含む。いくつかの実施形態では、窓ウエハ110は、随意に、光学コーティング116が後のウエハ接合プロセス中に引っ掻くことを防ぐために、ARコーティング等の光学コーティング116の上を覆って配置されたダイヤモンド様カーボン(DLC)コーティング118を含むことができる。他の実施形態では、Si窓ウエハ基板112のそれぞれの前側および後側の光学コーティング114および116の各々は、ロングパス赤外線におけるARコーティング(例えば、LWIR ARコーティング)と遮断コーティングとを含む。なおも他の実施形態では、窓ウエハ基板112は、ボロフロート33ガラスから作製され、その後側に形成された光学コーティング116(例えば、可視、近赤外線(NIR)、または短波赤外線(SWIR)ARコーティングまたはフィルタ)と、その前側に形成された光学コーティング114(例えば、可視、NIRまたはSWIR ARコーティング)とを含む。
【0034】
スペーサウエハ130は、スペーサウエハ基板132と、スペーサウエハ基板132上に配置された1つ以上の金属層134および136(例えば、シード層(またはスタック)または電気めっき層)とを含むことができる。いくつかの実施形態では、ガラス層142が、スペーサウエハ基板132上に配置されることができる。スペーサウエハ130は、穿孔されたスペーサウエハであることができる。
【0035】
スペーサウエハ基板132は、両面型(すなわち、前側および後側を有する)であることができ、2つの面を有する。いくつかの実施形態では、スペーサウエハ基板132は、100μm~700μmの厚さを有することができ、特定の実施形態では、100μm~500μmの厚さを有することができる。例示的例として、スペーサウエハ基板132は、ガラス、サファイア、セラミック、または金属合金を含み得る。いくつかの実施形態では、スペーサウエハ基板132は、100μm~700μmの厚さを有する両面型の研磨された200mm(8インチの直径)Siウエハを含むことができる。いくつかの実施形態では、Siウエハは、例えば、約200μm等の100μm~500μmの厚さを有し得る。他の実施形態では、スペーサウエハ基板132は、両面型の研磨された200mmホウケイ酸塩ガラスウエハまたはインバー(Invar)の穿孔されたウエハを含むことができる。
【0036】
1つ以上の金属層134および136は、スペーサウエハ基板132上に配置されることができる。いくつかの実施形態では、金属層134、136は、スペーサウエハ基板132の後側に配置されたシード層スタック(例えば、
図3Aにおける136)および/またはスペーサウエハ基板132の前側に配置されたシード層スタック(例えば、
図3A-3Cにおける134)を含むことができる。例証的例として、標準シード層スタックは、Cr+Ni+AuまたはTi+Pt+Auを含むことができる。いくつかの実施形態では、シード層スタック内のスパッタリングされた金(Au)の上部層は、コストを最小化するために、100nm~300nmの厚さを有することができる。他の実施形態では、金属層134、136は、スペーサウエハ基板132上に配置されたNiの電気めっき層(例えば、インバーのウエハ)を含むことができる。それらの実施形態では、めっきされたNi層は、1~2μmの厚さを有することができる。
【0037】
いくつかの実施形態では、スペーサウエハ130は、スペーサウエハ基板132の後側のシード層スタック(例えば、
図1および3Aにおける136)の上を覆って配置された金属めっき層138をさらに含むことができる。スペーサウエハ基板132の後側は、1~4μmの厚さまで、金で電気めっきされ、めっき層138を形成することができる。他の実施形態では、スペーサウエハ130は、スペーサウエハ基板132の後側のめっきされたNi金属層136の上を覆って配置された1~10ミクロンの厚さを有する金属めっき層138(例えば、金)をさらに含むことができる。
【0038】
いくつかの実施形態では、スペーサウエハ130は、スペーサウエハ基板132の前側のシード層スタック(例えば、
図1における134)の上を覆って配置された金属めっき層140をさらに含むことができる。スペーサウエハ基板132の前側は、1~4μmの厚さまで、金で電気めっきされ、めっき層140を形成することができる。他の実施形態では、スペーサウエハ130は、スペーサウエハ基板132の後側のめっきされたNi金属層134の上を覆って配置された1~10ミクロンの厚さを有する金属めっき層140(例えば、金)をさらに含むことができる。
【0039】
いくつかの実施形態では、ガラス層142は、
図3Bに示されるように、スペーサウエハ基板132上に配置されることができる。これらの実施形態では、ホウケイ酸塩ガラス(例えば、Corning7740に類似する)等のガラス層142が、スペーサウエハ基板132(例えば、Siウエハ)上に配置されることができる。ガラス層142は、3μm~10μmの厚さを有することができる。
【0040】
ここで
図4を参照すると、窓ウエハ110とスペーサウエハ130との間のウエハ接合の例がある。スペーサウエハ130は、穿孔されている。空洞のアレイが、窓ウエハ110を穿孔されたスペーサウエハ130にウエハ接合することによって確立されることができ、穿孔されたスペーサウエハ130は、おおよそ空洞の深度である厚さを有する。限定ではないが、アノード接合、はんだ接合(例えば、共晶接合)、およびレーザ接合のうちの1つ以上を含む種々のタイプのウエハ接合が、本開示に従って実装されることができる。
【0041】
従来の技法の下では、空洞が、DRIEによって掘削される。結果として、空洞深度が増加するにつれて、容認可能な空洞を生成するコストおよび困難性が、増加する。DRIEを使用して掘削するとき、横(xy)占有面積の消費を最小化するために、空洞の側壁が、略垂直であることが重要である。
【0042】
本開示は、空洞の深度を増加させることに対する利点(画像内の「クロップサークル」欠陥として現れる窓ウエハ上のARコーティングにおける欠陥に対するマイクロボロメータアレイの感度を減らす等)を認識している。本開示では、空洞の深度は、穿孔されたスペーサウエハ130の厚さによって制御され、スペーサウエハ130の厚さは、100μm~700μmの範囲に及び得、厚さに基づいたコストにおける微小な差異を伴う。いくつかの実施形態では、穿孔されたスペーサウエハ130の厚さは、100μm~500μmであり得る。ガラス、Si、および金属等の材料から作製される、スペーサウエハ130に関して、コストは、湿式化学物質を用いて貫通孔を生成することによって、レーザ機械加工または超音波機械加工によって、または砥粒研磨によって最小化されることができる。標準的なウエハ接合器は、はんだ接合またはアノード接合に先立って、高温で、±1μmの正確さで2つの200mmウエハを整列させることができる。したがって、本開示は、有益なこととして、従来の技法および関連する構造より大きい範囲の空洞深度を提供する。
【0043】
(方法)
【0044】
以下は、方法500(
図5)の例示的実装の説明であり、方法500によって、
図1の例示的窓空洞ウエハ100のみならず他の窓空洞ウエハも、本明細書に開示されるウエハレベルパッケージング(WLP)技法を使用して、大量に、確実かつ効率的に製造され得る。
図5において方法の最上レベルの概観で図示されるように、一実装において、例示的方法500は、下でさらに詳細に説明されるように、「窓ウエハ」(例えば、
図1における110)の製作を伴う段階またはステップ1(S1)において、「スペーサウエハ」(例えば、
図1における130)の製作を伴うS2において開始し得る。方法は、次いで、WLPプロセスを伴うS3において進行し、WLPプロセスは、2つのウエハ(例えば、
図1における窓ウエハ110およびスペーサウエハ130)をアセンブリに組み合わせ、そのアセンブリを(例えば、ウエハの接合を通して)処理し、それは、「窓空洞ウエハ」(例えば、
図1における100)をもたらす。
【0045】
本明細書に提供される方法は、有利なこととして、より幅広い範囲の窓ウエハとスペーサウエハとの材料の組み合わせから作製されることができる窓空洞ウエハを提供する。窓ウエハとスペーサウエハとが、後の段階でウエハ接合によって一緒に接合される前に別個に製作されるので、より幅広い範囲の窓ウエハとスペーサウエハとの材料の組み合わせが、利用可能である。したがって、本明細書に開示される方法は、接合ウエハの中への空洞の片面異方性エッチングを要求する(それによって、窓ウエハをSiまたはガラスに限定する)従来の技法に優る利点を提供する。
【0046】
例えば、1つの非限定的例では、本開示は、近赤外線(NIR)、中波赤外線(MWIR)、および長波赤外線(LWIR)検出器と、焦点面アレイとのウエハレベルパッケージングのために、Si、ガラス、または金属の穿孔されたスペーサウエハに接合されるべきSi窓ウエハを提供する。別の非限定的例では、本開示は、UV、可視、およびNIR検出器と、焦点面アレイとのウエハレベルパッケージングのために、Si、ガラス、または金属の穿孔されたスペーサウエハに接合されるべきケイ酸塩ガラス窓ウエハを提供する。別の非限定的例では、本開示は、UV、可視、NIR、および短波長赤外線(SWIR)検出器と、焦点面アレイとのウエハレベルパッケージングのために、ガラス、セラミック、または金属の穿孔されたスペーサウエハに接合されるべきサファイア窓ウエハを提供する。別の非限定的例では、本開示は、NIR、SWIR、MWIR、およびLWIR検出器と、焦点面アレイとのウエハレベルパッケージングのために、ガラス、セラミック、または金属の穿孔されたスペーサウエハに接合されるべきゲルマニウム(Ge)窓ウエハを提供する。また別の非限定的例では、本開示は、NIR、MWIR、およびLWIR検出器と、焦点面アレイとのウエハレベルパッケージングのために、ガラス、セラミック、または金属の穿孔されたスペーサウエハに接合されるべきカルコゲニドガラス窓ウエハを提供する。
【0047】
図6-8に詳細に図示されるように、例示的WLP方法500は、2つの方法、すなわち、「窓ウエハ」製作方法600Aおよび600Bと、「スペーサウエハ」製作方法700A-700Eとを含み、これらの生産物は、第3の「窓空洞ウエハアセンブリおよび接合」方法800に組み合わせられる。
図6-8に記述される種々の段階は、1つ以上の実施形態に関して、以下の通り、詳細に説明される。
【0048】
1つの非限定的例示的実装において、
図6A、7A、および8は、Si窓ウエハおよびSiスペーサウエハを図示するフロー図を集合的に提供し、窓ウエハおよびSiスペーサウエハの各々は、別個に製作され、次いで、はんだ接合(例えば、共晶接合)を通して後の段階で一緒に接合され、窓空洞ウエハを形成する。別の非限定的例示的実装において、
図6A、7B、および8は、Si窓ウエハおよびSiスペーサウエハを図示するフロー図を集合的に提供し、Si窓ウエハおよびSiスペーサウエハの各々は、別個に製作され、次いで、アノード接合を通して後の段階で一緒に接合され、窓空洞ウエハを形成する。また別の非限定的例示的実装において、
図6A、7C、および8は、Si窓ウエハおよびガラススペーサウエハを図示するフロー図を集合的に提供し、Si窓ウエハおよびガラススペーサウエハの各々は、別個に製作され、次いで、アノード接合を通して後の段階で一緒に接合され、窓空洞ウエハを形成する。別の非限定的例示的実装において、
図6A、7D、および8は、Si窓ウエハおよびインバー36のスペーサウエハを図示するフロー図を集合的に提供し、Si窓ウエハおよびインバー36のスペーサウエハは、別個に製作され、次いで、はんだ接合(例えば、共晶接合)を通して、または代替として拡散接合を通して、後の段階で一緒に接合され、窓空洞ウエハを形成する。なおも別の非限定的例示的実装において、
図6B、7E、および8は、ボロフロート33ガラス窓ウエハおよびSiスペーサウエハを図示するフロー図を集合的に提供し、ボロフロート33ガラス窓ウエハおよびSiスペーサウエハの各々は、別個に製作され、次いで、アノード接合を通して後の段階で一緒に接合され、窓空洞ウエハを形成する。また別の非限定的例示的実装において、
図6A、7E、および8は、Si窓ウエハおよびSiスペーサウエハを図示するフロー図を集合的に提供し、Si窓ウエハおよびSiスペーサウエハの各々は、別個に製作され、次いで、レーザ接合を通して後の段階で一緒に接合され、窓空洞ウエハを形成する。
図6A、7C、および8は、Si窓ウエハおよびガラススペーサウエハを図示するフロー図を集合的に提供し、Si窓ウエハおよびガラススペーサウエハの各々は、別個に製作され、次いで、レーザ接合を通して後の段階で一緒に接合され、窓空洞ウエハを形成する。
なおも別の非限定的例示的実装において、
図6B、7E、および8は、ボロフロート33ガラス窓ウエハおよびSiスペーサウエハを図示するフロー図を集合的に提供し、ボロフロート33ガラス窓ウエハおよびSiスペーサウエハの各々は、別個に製作され、次いで、レーザ接合を通して後の段階で一緒に接合され、窓空洞ウエハを形成する。また別の非限定的例示的実装において、
図6B、7C、および8は、ボロフロート33ガラス窓ウエハおよびガラススペーサウエハを図示するフロー図を集合的に提供し、ボロフロート33ガラス窓ウエハおよびガラススペーサウエハの各々は、別個に製作され、次いで、レーザ接合を通して後の段階で一緒に接合され、窓空洞ウエハを形成する。
【0049】
ここで
図6Aおよび6Bを参照すると、窓ウエハ(例えば、
図2における110)を製作する方法600Aおよび600Bの例示的実装を図示するフロー図がある。
【0050】
最初に
図6Aを参照すると、602Aにおいて、2つの平面的な面を有する両面型(すなわち、前側および後側)の窓ウエハ基板(例えば、
図2における112)が、提供される。この実装において、窓ウエハ基板(例えば、
図2における112)は、300μm~1,000μmの厚さを有する両面型の研磨された200mmSiウエハを備えている。他の実装において、窓ウエハ基板(例えば、
図2における112)は、Ge、ガラス、またはサファイアを含み得る。604Aにおいて、Siウエハは、Siウエハの面(すなわち、前側および後側)の一方または両方上でのウェットエッチングまたはドライエッチングによって、浅い(5μmの深さ未満)基準(位置合わせ)マークおよびソーストリートでエッチングされることができる。エッチングされる特徴は、リソグラフィを使用することによって画定されることができる。
【0051】
606Aにおいて、1つ以上のコーティング(例えば、
図2における114および116)、例えば、ARコーティングおよび遮断コーティングが、Siウエハの前側および後側に適用されることができる。いくつかの実装において、Siウエハの後側は、ロングパスLWIR光学コーティングでブランケットコーティングされることができる一方、Siウエハの前側は、リフトオフリソグラフィによって画定される矩形(例えば、または他の形状)の2DアレイにおけるLWIR ARコーティングでコーティングされることができる。これらの実装において、随意のダイヤモンド様カーボン(DLC)コーティング(例えば、
図2における118)が、Siウエハの後側のLWIRコーティングの上を覆って堆積させられることができる。
【0052】
他の実装において、Siウエハの前側および後側面の両方が、LWIRにおけるARコーティングおよび7~8ミクロンの波長の切口を伴う遮断コーティングでコーティングされる。それらの実装において、窓ウエハ基板の後側は、これらのARおよび遮断コーティングでブランケットコーティングされる一方、窓ウエハ基板の前側は、リフトオフリソグラフィによって画定される矩形(例えば、または他の形状)の2Dアレイにおけるこれらのコーティングを含む。それらの実装において、随意のダイヤモンド様カーボン(DLC)コーティング(例えば、
図2における118)が、Siウエハの後側のブランケットLWIR ARコーティングの上を覆って堆積させられ、コーティングが、後の2つのウエハ接合プロセス中に引っ掻くことを防ぐことができる。
【0053】
608Aにおいて、製作されたSi窓ウエハ(例えば、
図2における110)は、欠陥に関して検査されることができる。例えば、リフトオフプロセスの後、窓ウエハ(例えば、
図2における110)の前面は、検査され、ARコーティングの矩形間の全ての裸Siストリートが、無傷であり、いかなるコーティングまたはフォトレジスト残留物もないことを確認することができる。別の例では、窓ウエハの両面上のARおよび遮断コーティングのアレイは、引っ掻き傷、ディグ(dig)、および/または粒子等の欠陥に関して、検査されることができる。窓ウエハが、光学コーティングにおいて、高すぎる密度または欠陥数を有することが見出される場合、窓ウエハは、破棄されるか、または、剥がされ、再研磨され、次いで、再使用されるかのいずれかであることができる。したがって、パターン化されたAR、フィルタ、および/または遮断コーティングの品質および収率が、十分に高い場合にのみ、さらなるユニット動作が(すなわち、金属化された穿孔されたスペーサウエハであり得る穿孔されたスペーサウエハへの接合が)この平面的な窓ウエハに対して実施されるであろう。
【0054】
図6Bを参照すると、602Bにおいて、2つの平面的な面を有する両面型(すなわち、前側および後側)の窓ウエハ基板(例えば、
図2における110)が、提供される。この実装において、窓ウエハ基板(例えば、
図2における110)は、300μm~1,000μmの厚さを有するボロフロート33ガラス(例えば、ホウケイ酸塩フロートガラス等)から成る両面型の研磨された200mmウエハである。604Bにおいて、ボロフロート33ガラスウエハは、ボロフロート33ガラスウエハの面(すなわち、前側および後側)の一方または両方上でのウェットエッチングまたはドライエッチングによって、浅い(5μmの深さ未満)基準のマークおよびソーストリートでエッチングされることができる。この実装において、エッチングされる特徴は、リソグラフィを使用することによって画定されることができる。他の実装において、基準のマークは、レーザによって作製されることができる。
【0055】
606Bにおいて、1つ以上のコーティング(例えば、
図2における114および116)、例えば、ARコーティングおよび光学フィルタコーティングが、ボロフロート33ガラスウエハの前側および後側に適用されることができる。いくつかの実装において、ボロフロート33ガラスウエハの後側は、可視、近赤外線(NIR)または短波赤外線(SWIR)ARコーティング、またはフィルタでブランケットコーティングされることができる一方、ボロフロート33ガラスウエハの前側は、リフトオフリソグラフィによって画定される矩形(例えば、または他の形状)の2Dアレイにおける可視、NIR、またはSWIR ARコーティングでコーティングされることができる。
【0056】
608Bにおいて、製作されたボロフロート33ガラスウエハ(例えば、
図2における110)は、欠陥に関して検査されることができる。例えば、リフトオフプロセスの後、ボロフロート33ガラスウエハ(例えば、
図2における110)の前面が、検査され、ARコーティングの矩形間の全てのストリートが、無傷であり、いかなるコーティングまたはフォトレジスト残留物もないことを確認することができる。別の例では、窓ウエハの両面上のARおよびフィルタコーティングのアレイは、引っ掻き傷、ディグ、および/または粒子等の欠陥に関して、検査されることができる。窓ウエハが光学コーティングにおいて高すぎる密度または欠陥数を有することが見出された場合、窓ウエハは、破棄されるか、または剥がされ、再研磨され、次いで、再使用されるかのいずれかであることができる。したがって、パターン化されたAR、フィルタ、および/または遮断コーティングの品質および収率が、十分に高い場合にのみ、さらなるユニット動作が(すなわち、金属化された穿孔されたスペーサウエハであり得る穿孔されたスペーサウエハへの接合が)この平面的な窓ウエハに対して実施されるであろう。
【0057】
本明細書に開示されるように、窓ウエハ(例えば、
図2における110)の製作は、ウエハ接合および金属化に先立って生じる。したがって、窓ウエハ上のARコーティングおよび遮断コーティングの堆積のために要求される、任意のリソグラフィステップが、ウエハ接合および金属化(存在する場合)に先立って、完了される。有利なこととして、本開示は、リソグラフィ化学物質が、ウエハ接合および金属化の前に使用されるので、リソグラフィ化学物質との非適合性を経験しない。したがって、金属化は、リソグラフィ化学物質にさらされず、リソグラフィ化学物質からの結果として生じるいかなる腐食も経験しない。
【0058】
ここで
図7A-7Eを参照すると、スペーサウエハ(例えば、
図3Aおよび3Bにおける130)を製作する方法700A、700B、700C、700D、および700Eの例示的実装を図示するフロー図がある。
【0059】
図7Aを参照すると、702Aにおいて、2つの面を有する両面型(すなわち、前側および後側)のスペーサウエハ基板(例えば、
図3Aにおける132)が、提供される。この実装において、スペーサウエハ基板(例えば、
図3Aにおける132)は、100μm~700μm、例えば、100μm~500μmの厚さを有する両面型の研磨された200mmSiウエハである。他の実装において、スペーサウエハ基板(例えば、
図3Aにおける132)は、ガラス、サファイア、セラミック、または金属合金を含み得る。704Aにおいて、標準的なシード層スタック(例えば、
図3Aにおける134および136)が、Siウエハの両面(例えば、前面および後面)上にブランケットスパッタリング堆積させられる。標準的なシード層スタックは、Cr+Ni+AuまたはTi+Pt+Auを含むことができる。いくつかの実装において、スパッタリングされた金(Au)の上部層は、コストを最小化するために、100nm~300nmの厚さを有することができる。
【0060】
706Aにおいて、貫通孔のアレイが、所望のアレイに従って、Siスペーサウエハにおいて形成される。いくつかの実装において、矩形の貫通孔のアレイが、Siスペーサウエハにおいて形成されるが、他の形状も、本開示によって想起される。貫通孔を形成する方法は、スペーサウエハ基板の両面上の金属化によって妨げられず、ウェットエッチング、レーザ、ウォータージェット、または超音波機械加工を含むことができる。708Aにおいて、スペーサウエハの後側は、1μm~4μmの厚さまで、金で電気めっきされ、めっき層(例えば、
図3Aにおける138)を形成する一方、反対の前側は、電気めっき中、マスクされる。
【0061】
図7Bを参照すると、702Bにおいて、2つの面を有する両面型(すなわち、前側および後側)のスペーサウエハ基板(例えば、
図3Bにおける132)が、提供される。この実装において、スペーサウエハ基板(例えば、
図3Bにおける132)は、100μm~700μm、例えば、100μm~500μmの厚さを有する両面型の研磨された200mmSiウエハである。他の実装において、スペーサウエハ基板(例えば、
図3Bにおける132)は、ガラス、サファイア、セラミック、または金属合金を含み得る。704Bにおいて、標準的なシード層スタック(例えば、
図3Bにおける134)が、Siウエハの前面上にブランケット金属化される(例えば、スパッタリング堆積させられる)。標準的なシード層スタックは、Cr+Ni+AuまたはTi+Pt+Auを含むことができる。いくつかの実装において、スパッタリングされた金(Au)の上部層は、コストを最小化するために、100nm~300nmの厚さを有することができる。
【0062】
706Bにおいて、矩形(例えば、または他の形状)の貫通孔のアレイが、所望のアレイにおいてSiスペーサウエハにおいて形成される。貫通孔を形成する方法は、スペーサウエハ基板の片面上の金属化によって妨げられず、ウェットエッチング、レーザ、ウォータージェット、または超音波機械加工を含むことができる。708Bにおいて、スペーサウエハの後側は、ホウケイ酸塩ガラス(例えば、Corning 7740に類似する)等のガラス層(例えば、
図3Bにおける142)でコーティングされる。いくつかの非限定的例では、ガラス層(例えば、
図3Bにおける142)は、蒸発、プラズマ支援型蒸発(プラズマ助長型化学蒸着)、またはスパッタリングによって、3μm~10μmの厚さまで、堆積させられることができる。ホウケイ酸塩ガラスは、アノード接合を促進するために、十分な濃度のアルカリイオン(Na+と同様のもの)を含む。
【0063】
図7Cを参照すると、702Cにおいて、2つの面を有する両面型(すなわち、前側および後側)のスペーサウエハ基板(例えば、
図3Aにおける132)が、提供される。この実装において、スペーサウエハ基板(例えば、
図3Aにおける132)は、100μm~700μm、例えば、100μm~500μmの厚さを有する両面型の研磨された200mmホウケイ酸塩ガラスウエハである。ホウケイ酸塩ガラスが、シリコンと同じ熱膨張係数(CTE)を有することと、アノード接合がスペーサウエハを窓ウエハに接合するために使用されるとき、アノード接合(例えば、Corning 7740またはボロフロート33)を促進するために十分な含有量のアルカリイオンを有することとは、有利である。704Cにおいて、標準的なシード層スタック(例えば、
図3Aにおける134)が、ホウケイ酸塩ガラスウエハの前面上にブランケットスパッタリング堆積させられる。標準的なシード層スタックは、Cr+Ni+AuまたはTi+Pt+Auを含むことができる。いくつかの実装において、スパッタリングされた金の上部層は、コストを最小化するために、100nm~300nmの厚さを有することができる。金属化ステップ704Cは、レーザ接合がスペーサウエハを窓ウエハに接合するために使用される場合、(直接レーザ接合が、接合のために金属または金属シード層を要求しないので)含まれないこともある(すなわち、随意である)ことが理解されるであろう。
【0064】
706Cにおいて、矩形(例えば、または他の形状)の貫通孔のアレイが、所望のアレイにおいてガラススペーサウエハにおいて形成される。貫通孔を形成する方法は、スペーサウエハの片面上の金属化によって妨げられず、ウェットエッチング、レーザ、ウォータージェット、または超音波機械加工を含むことができる。
【0065】
図7Dを参照すると、702Dにおいて、2つの面を有する両面型(すなわち、前側および後側)のスペーサウエハ基板(例えば、
図3Aにおける132)が、提供される。この実装において、スペーサウエハ基板(例えば、
図3Aにおける132)は、100μm~700μm、例えば、100μm~500μmの厚さを有するインバーの穿孔されたウエハである。Siの熱膨張係数(CTE)に可能な限り近いCTEを有することは、所望のインバー合金およびテンパー(temper)のために有利である。704Dにおいて、1つ以上の空洞が、空洞の側壁を可能な限り垂直であるように維持するために、インバーシート上の両面からのウェットフォトエッチングによって、インバーにおいて形成される。
【0066】
706Dにおいて、インバーは、インバー上の両面上に金属めっき層を形成するために、1~2ミクロンのNiで電気めっきされ(例えば、
図3Aにおける134および136)、次いで、めっき塩を除去するために、焼結される。インバーのウエハは、次いで、前面においてマスクされ、それによって、次の電気めっきステップは、後側面においてのみ生じる。708Dにおいて、インバーの後側は、次いで、1~10ミクロンの厚さまで、金で電気めっきされ、めっき層(例えば、
図3Aにおける138)を形成する一方、反対の前側は、電気めっき中、マスクされる。
【0067】
図7Eを参照すると、702Eにおいて、2つの面を有する両面型(すなわち、前側および後側)のスペーサウエハ基板(例えば、
図3Aにおける132)が、提供される。この実装において、スペーサウエハ基板(例えば、
図3Aにおける132)は、100μm~700μm、例えば、100μm~500μmの厚さを有する両面型の研磨された200mmSiウエハである。他の実装において、スペーサウエハ基板は、ガラス、サファイア、セラミック、または金属合金を含み得る。704Eにおいて、標準的なシード層スタック(例えば、
図3Aにおける134)が、Siスペーサウエハ基板の前面上にブランケット金属化される(例えば、スパッタリング堆積させられる)。標準的なシード層スタックは、Cr+Ni+AuまたはTi+Pt+Auを含むことができる。いくつかの実装において、スパッタリングされた金の上部層は、コストを最小化するために、100nm~300nmの厚さを有することができる。レーザ接合がスペーサウエハを窓ウエハに接合するために使用される場合、金属化ステップ704Eは、(直接レーザ接合が接合のために金属または金属シード層を要求しないので)含まれないこともある(すなわち、随意である)ことが理解されるであろう。
【0068】
706Eにおいて、矩形(例えば、または他の形状)の貫通孔のアレイが、所望のアレイにおいてSiスペーサウエハにおいて形成される。貫通孔を形成する方法は、Siスペーサウエハの片面上の金属化によって妨げられず、ウェットエッチング、レーザ、ウォータージェット、または超音波機械加工を含むことができる。
【0069】
ここで
図8を参照すると、
図7A-7Eの方法に従って製作されるスペーサウエハと
図6Aおよび6Bの方法に従って製作される窓ウエハとから、窓空洞ウエハ(例えば、
図1における100)を形成する方法800の例示的実装を図示するフロー図がある。特に、「窓空洞ウエハ」、すなわち、WCWは、窓ウエハに気密接合されるスペーサウエハからもたらされる。
【0070】
802において、スペーサウエハ(例えば、
図1における130)は、窓ウエハ(例えば、
図1における110)に接合される。いくつかの実装において、(
図7Aの方法によって製作される)スペーサウエハおよび(
図6Aの方法によって製作される)窓ウエハは、スペーサウエハの後側と窓ウエハの前側との間にAu/Si共晶合金を形成するために、390~415℃での真空接合のためのウエハ接合器内に設置されることができる。Au/Si共晶合金は、Au/Si共晶接合を通して、スペーサウエハと窓ウエハとを一緒に接合する。他の実装において、(
図7B-7Cの方法によって製作される)スペーサウエハおよび(
図6Aの方法によって製作される)窓ウエハは、真空での390~450℃でのアノード接合のために、ウエハ接合器内に設置されることができ、ウエハ接合器において、接合が、Siとガラスとの間で生じる。なおも他の実装において、(
図7Dの方法によって製作される)インバーのスペーサウエハおよび(
図6Aの方法によって製作される)窓ウエハは、インバーのウエハと窓ウエハとの間にAuSiはんだを形成するために、390~450℃での接合のためのウエハ接合器内に設置されることができる。代替として、窓ウエハ上の合致するストリートは、(接合中にAuGeはんだを形成するために)ゲルマニウムで、または(金-金拡散接合を形成するために)電気めっきされた金でコーティングされることができる。なお他の実装において、(
図7Eの方法によって製作される)スペーサウエハの裸シリコン面および(
図6Bの方法によって製作される)ガラス窓ウエハのパターン化された面は、一緒に押し付けられ、次いで、真空下で、350~400℃でアノード接合される。なおも他の実装において、(
図7Eの方法によって製作される)Siスペーサウエハおよび(
図6Aの方法によって製作される)Si窓ウエハは、直接レーザ接合を使用して、一緒に接合される。赤外線(IR)レーザが、レーザ接合を実施するために使用され得ることが、想定可能である。なお他の実装において、(
図7Eの方法によって製作される)Siスペーサウエハおよび(
図6Bの方法によって製作される)ガラス窓ウエハは、直接レーザ接合を使用して、一緒に接合される。なおも他の実装において、(
図7Cの方法によって製作される)ガラススペーサウエハおよび(
図6Aの方法によって製作される)Si窓ウエハは、直接レーザ接合を使用して、一緒に接合される。なお他の実装において、(
図7Cの方法によって製作される)ガラススペーサウエハおよび(
図6Bの方法によって製作される)ガラス窓ウエハは、直接レーザ接合を使用して、一緒に接合される。
【0071】
レーザ接合を介して、窓ウエハをスペーサウエハに接合することは、多くの利点を提供することが理解されるであろう。第1に、レーザ接合は、室温で等、低温で実施されることができ、それは、有利なこととして、前に形成された任意の光学コーティングおよび他の活性層に対する熱に関連する損傷を軽減する。したがって、窓ウエハおよび/またはスペーサウエハ基板は、レーザ処理前、コーティングされることができる。レーザ接合は、熱の影響を受ける区域(すなわち、レーザ処理区域)が、非常に小さく、例えば、数ミクロンしかないので、最小限の熱負荷を提供する。加えて、低加熱は、より少ないバルク/材料の使用を可能にし、したがって、より薄い材料の使用を可能にする。第2に、直接レーザ接合は、接着剤等の追加の材料を要求することなく、かつ窓ウエハとスペーサウエハとの間に間隙を残すことなく、スペーサウエハと窓ウエハとの間の接合を提供する。接着剤がないことは、ガス放出がないことを意味し、直接レーザ接合が、接合のために、金属または金属シード層を要求しないことがさらに理解されるであろう。赤外線(IR)レーザが、SiスペーサウエハをSi窓ウエハに接合するために、レーザ光源として使用され得ることが、想定可能である。
【0072】
ガラスの過剰な反りおよび潜在的な破砕を伴わずに、400μmより薄いガラスウエハ(例えば、穿孔されたホウケイ酸塩ガラスウエハ)をシリコンウエハにアノード接合することは、困難であり得る。したがって、代替の方略は、アノード接合中、ホウケイ酸塩ガラスウエハの反りおよび破砕を軽減または防止するために、薄ガラスウエハをシリコンバッキングウエハに一時的に接合することである。薄ガラスウエハとSiバッキングウエハとの間の接着剤は、アノード接合後、容易に除去されることができる。
【0073】
804において、スペーサウエハと窓ウエハとの接合の検証が、実施される。いくつかの実装において、この検証は、スペーサウエハと窓ウエハとの間のAu/Si共晶接合を評価することを含む。これらの実装において、Cモード走査音響顕微鏡またはX線カメラが、スペーサウエハと窓ウエハとの間の低ボイドAu/Si共晶接合を検証するために使用されることができる。他の実装において、この検証は、(例えば、ホウケイ酸塩ガラスを備えている)スペーサウエハと窓ウエハとの間のアノード接合を評価することを含む。それらの実装において、Cモード走査音響顕微鏡またはX線カメラが、スペーサウエハと窓ウエハとの間の無ボイドガラス接合を検証するために使用されることができる。なおも他の実装において、この検証は、インバーのスペーサウエハと窓ウエハとの間のはんだ接合を評価することを含む。これらの実装において、Cモード走査音響顕微鏡またはX線カメラが、インバーのスペーサウエハと窓ウエハとの間の無ボイドはんだ接合を検証するために使用されることができる。なおも他の実装において、この検証は、(例えば、Siを含む)スペーサウエハとボロフロート33ガラス窓ウエハとの間のアノード接合を評価することを含む。これらの実装において、Cモード走査音響顕微鏡またはX線カメラが、スペーサウエハと窓ウエハとの間の低ボイドアノード接合を検証するために使用されることができる。
【0074】
806において、ウエハ接合のために適切な別々の金属フレームが、WCWの上部面(すなわち、空洞側)上に形成される。いくつかの実装において、各金属フレームが、各空洞の周囲に接して位置する。いくつかの実装において、空洞間のストリートは、金、金-スズ、または銅で電気めっきされることができる。808において、ゲッタ薄膜が、WCWの空洞の内側に堆積させられる。いくつかの非限定的例では、ゲッタは、スパッタリングまたはシャドウマスクを通した蒸発によって堆積させられることができる。ゲッタ薄膜は、放出されるガスを吸収することによって、素子の脱気にもかかわらず、十分な真空レベルを維持するように構成されることができる。
【0075】
810において、WCWは、気密AuSnはんだ接合のアレイを形成するために圧力および290~320℃の温度を印加することによって、真空下で、ROIC/マイクロボロメータウエハに接合されることができる。有利なこととして、AuSnはんだ形成およびリフローのための温度処理は、スペーサウエハと窓ウエハとの間に先に形成されたAuSiはんだ接合のリフローを引き起こさない。AuSnはんだ形成およびリフローのために要求される温度は、Siスペーサウエハと窓ウエハとの間に先に形成されたアノードガラス接合をリフローしないであろう。WCWが、Cuで上からめっきされる場合、WCWは、気密CuSnはんだ接合のアレイを形成するために圧力および290~350℃の温度を印加することによって、真空下で、ROIC/マイクロボロメータウエハに接合され、ことができる。CuSnはんだ形成およびリフローのために要求される温度は、スペーサウエハと窓ウエハとの間のアノードガラス接合のリフローを引き起こさないであろう。
【0076】
図9A-9Cは、各々が別個に製作されている窓ウエハとスペーサウエハとを一緒にレーザ接合することによって、窓空洞ウエハを形成するためのステップを示す。
図9Aでは、窓ウエハ110は、穿孔されたスペーサウエハ130の上を覆って位置付けられる。
図9Bおよび9Cでは、電気部品等のカプセル化されたデバイスが、穿孔されたスペーサウエハ130内の空間の間に位置付けられ、別のウエハ基板160の穿孔されたスペーサウエハ130への接合によって、中に気密封止され、それによって、電気部品150は、窓ウエハ110、スペーサウエハ130、および追加のウエハ基板160の間に気密封止される。スペーサウエハ130の窓ウエハ110へのレーザ接合は、レーザ処理によって、レーザ処理箇所170において、実施される。
【0077】
種々の上記に開示された特徴、および機能および他の特徴および機能、またはそれらの代替案が、望ましくは、多くの他の異なるシステムまたは用途の中に組み合わせられ得ることが理解されるであろう。それらにおける種々の現在予期されていない、または予想されていない代替案、修正、変形例、または改良が、続いて、当業者によって成され得、これらも、以下の請求項によって網羅されることが意図されることがさらに理解されるであろう。
【国際調査報告】