(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-10-23
(54)【発明の名称】潮流誘導水圧管路および潮流発電管路タービンを利用した潮流発電装置
(51)【国際特許分類】
F03B 13/26 20060101AFI20241016BHJP
【FI】
F03B13/26
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024520841
(86)(22)【出願日】2022-10-05
(85)【翻訳文提出日】2024-05-22
(86)【国際出願番号】 KR2022014945
(87)【国際公開番号】W WO2023059045
(87)【国際公開日】2023-04-13
(31)【優先権主張番号】10-2021-0133244
(32)【優先日】2021-10-07
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】524127490
【氏名又は名称】キム,ソン シク
【氏名又は名称原語表記】KIM, Seong Sik
(74)【代理人】
【識別番号】100166545
【氏名又は名称】折坂 茂樹
(72)【発明者】
【氏名】キム,ソン シク
【テーマコード(参考)】
3H074
【Fターム(参考)】
3H074AA06
3H074AA12
3H074BB11
3H074CC11
(57)【要約】
本発明は、満潮と干潮の双方向潮流を全部利用して発電するようにすることはもちろん、水中で多層および並列構造を有するようにして大規模潮流発電団地の造成も可能な潮流誘導水圧管路および潮流発電管路タービンを利用した潮流発電装置に関する。このために、本発明は、複数が放射状に等間隔で配置され、上端部は海水面の上側に所定高さ突出された形状を有し、下部が海底面に所定深さで打ち込まれて固定されるコンクリートパイル部;複数の前記コンクリートパイル部を連結するように備えられ、水中で上下方向に沿って等間隔で多段に配置される支持フレーム部;前記支持フレーム部上に回転可能に設けられて、流入される潮流によって動力を発生させる潮流発電管路タービン;前記潮流発電管路タービンの両側端部に連設され、前記潮流発電管路タービン側に向かって直径が漸次小さくなる形状を呈して、潮流の流入を誘導する潮流誘導水圧管路;複数の前記潮流発電管路タービンそれぞれと個別的に連結されるように複数が備えられ、海水面と隣接した水中に位置する上部にエアポケットを備える動力伝達部;および複数の前記コンクリートパイル部の上端部を連結するように備えられ、前記動力伝達部と連結される発電機が設置される上板部;を含む。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数が放射状に等間隔で配置され、上端部は海水面上側に所定高さ突出された形状を有し、下部が海底面に所定深さで打ち込まれて固定されるコンクリートパイル部;
複数の前記コンクリートパイル部を連結するように備えられ、水中で上下方向に沿って等間隔で多段に配置される支持フレーム部;
前記支持フレーム部上に回転可能に設けられ、流入される潮流によって動力を発生させる潮流発電管路タービン;
前記潮流発電管路タービンの両側端部に連設され、前記潮流発電管路タービン側に向かって直径が漸次小さくなる形状を呈して、潮流の流入を誘導する潮流誘導水圧管路;
複数の前記潮流発電管路タービンそれぞれと個別的に連結されるように複数備えられ、海水面と隣接した水中に位置する上部にエアポケットを備える動力伝達部;および
複数の前記コンクリートパイル部の上端部を連結するように備えられ、前記動力伝達部と連結される発電機が設置される上板部;
を含む、潮流誘導水圧管路および潮流発電管路タービンを利用した潮流発電装置。
【請求項2】
前記コンクリートパイル部は、
浸透性防水剤が満たされた状態で下端部の内側に備えられた容器部材;
前記容器部材と連結されて、外部から空気が前記容器部材の内側に流入されるようにするエア流入部材;
前記容器部材の内側と連結されて、前記エア流入部材を通じて高圧で空気が流入されると、浸透性防水剤が下端部の外側で排出されるようにする複数の排出ロッド部材;および
下端部の側面に設けられて、前記排出ロッド部材の浸透性防水剤排出部位を閉鎖してから浸透性防水剤を排出する時、外側に開かれて浸透性防水剤が海底面の水分と反応して下端部の外側で硬化されるようにする棒部材;
を含む、ことを特徴とする請求項1に記載の潮流誘導水圧管路および潮流発電管路タービンを利用した潮流発電装置。
【請求項3】
最下端に設置された前記支持フレーム部と海底面との間に海底で浮遊するごみの回避層を形成する、ことを特徴とする請求項1に記載の潮流誘導水圧管路および潮流発電管路タービンを利用した潮流発電装置。
【請求項4】
前記支持フレーム部は底面にホイストレールを設置して、前記潮流発電管路タービンと潮流誘導水圧管路の設置およびメンテナンスを容易にする、ことを特徴とする請求項1に記載の潮流誘導水圧管路および潮流発電管路タービンを利用した潮流発電装置。
【請求項5】
前記潮流発電管路タービンは、
本体を成し、前記支持フレーム部に回転可能に設けられる中空の管部材;
前記支持フレーム部上に設けられて、前記管部材が設けられる支持板部材;
前記管部材と支持板部材との間に介在されて上面に前記管部材が設けられ、底面に備えられた回転ベアリングを介して回転可能に備えられる回転板部材;
前記回転板部材と連結されて、前記管部材の内側で立設される固定具部材;
前記固定具部材に回転ベアリングを介して軸結合されて流入される潮流によって回転する羽を備えるタービン部材;
前記タービン部材の軸と前記動力伝達部とを連結する傘歯車;および
前記管部材上に設置される複数のエアポケット;
を含む、ことを特徴とする請求項1に記載の潮流誘導水圧管路および潮流発電管路タービンを利用した潮流発電装置。
【請求項6】
前記支持板部材は、内側に備えられた前記回転板部材の離脱を防止する離脱防止部材が上部に結合される、ことを特徴とする請求項5に記載の潮流誘導水圧管路および潮流発電管路タービンを利用した潮流発電装置。
【請求項7】
前記回転板部材は、油圧ピストン部材とギア噛合されて回転可能に備えられる、ことを特徴とする請求項5に記載の潮流誘導水圧管路および潮流発電管路タービンを利用した潮流発電装置。
【請求項8】
前記潮流誘導水圧管路は、
前記管部材の両側端部に連結されるように設けられて、前記管部材の内側に潮流が流入されるようにし、前記管部材の反対側末端部には上側に向かって斜めの形状を有するように浮遊ごみ濾過装置が設置される、ことを特徴とする請求項5に記載の潮流誘導水圧管路および潮流発電管路タービンを利用した潮流発電装置。
【請求項9】
前記動力伝達部は、前記管部材を貫通して前記傘歯車と結合される第1回転軸;
前記第1回転軸の上端部と結合され、上側へ斜めの傾斜を有する形状に配置される第2回転軸;および
前記第2回転軸の上端部と結合され、前記発電機と上端部が連結され、海水面と隣接した水中に位置する上部に前記エアポケットが設置される第3回転軸;
を含む、ことを特徴とする請求項5に記載の潮流誘導水圧管路および潮流発電管路タービンを利用した潮流発電装置。
【請求項10】
前記第1回転軸、第2回転軸および第3回転軸はそれぞれユニバーサル・ジョイントを介して連結され、前記第3回転軸は上側に隣接する一つ以上の前記潮流誘導水圧管路を貫通して設置される、ことを特徴とする請求項9に記載の潮流誘導水圧管路および潮流発電管路タービンを利用した潮流発電装置。
【請求項11】
前記第3回転軸は、放射状に隣接した複数の前記コンクリートパイル部と回転軸サポートによって連結され、
複数の前記コンクリートパイル部とそれぞれ連結された前記回転軸サポートは、一つのガイドリングを介して一体を成し、
前記ガイドリングに前記第3回転軸が装着される、ことを特徴とする請求項9に記載の潮流誘導水圧管路および潮流発電管路タービンを利用した潮流発電装置。
【請求項12】
前記上板部は、クレーン、昇降機、バージ船接岸施設、変圧器、送電施設、中央制御室または官制室、作業者宿所が設けられ、前記コンクリートパイル部と連結される部位に一つ以上の作業通路が設けられ、
前記作業通路と連結されながら前記コンクリートパイル部に沿って作業梯子が備えられる、ことを特徴とする請求項1に記載の潮流誘導水圧管路および潮流発電管路タービンを利用した潮流発電装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、潮流誘導水圧管路および潮流発電管路タービンを利用した潮流発電装置に関し、具体的には、満潮と干潮の双方向潮流を全部利用して発電するようにすることはもちろん、水中で多段および並列構造を有するようにして、大規模潮流発電団地の造成も可能な潮流誘導水圧管路および潮流発電管路タービンを利用した潮流発電装置に関する。
【背景技術】
【0002】
潮流発電は、満潮と干潮によって一日に規則的に方向が変わるので、潮水の流れを利用してエネルギーを回収して発電する。
【0003】
このような潮流発電は、貯水池を確保するためにダムを阻む必要がなく、魚類の移動を邪魔せず、周辺生態系に影響を与えない環境にやさしい代替エネルギーシステムである。
【0004】
地球表面の70%を占める海は、無限な自然清浄エネルギーを有する。そのうち、潮水の差によって発生される潮流は、一日に2回ずつ満潮と干潮が発生し、15日を周期に所定の規則性があるので、発電可能なエネルギー量を計量することができるという特性を有する。
【0005】
現在、環境を考慮したエネルギー使用に関する必要性が急激に増加している実情において、再生エネルギーの開発は選択ではない必須的な状況である。
【0006】
再生エネルギーとして、太陽熱、風力または潮力のエネルギーが開発されているが、太陽熱の場合、日照時間のみ集光が可能で、朝や夕方には効率が10%に減少されることはもちろん、気象悪化による効率は20%減少されるしかないという短所がある。
【0007】
風力エネルギーの場合、韓国の地理的条件のため、効率性が大きく低下し、不規則的であるため電力の発生に適切でなく、潮力エネルギーの場合、韓国国内の地理的条件を反映して、波力エネルギーとともに韓国での適用が適切な再生エネルギーとして判断されるが、潮水干満の差を利用するため、エネルギーが得られる場所が制限的であるという短所がある。
【0008】
これに対して、潮流は、潮水干満の差が大きい地域で一定に流れるので、潮流エネルギーがある程度予測ができ、太陽熱エネルギーとともにいくら利用しても枯渇しない無限清浄エネルギーであると言える。
【0009】
通常、潮流発電は、潮流を確保することができる海底面や支柱を立ててプロペラを利用して潮流エネルギーを回転運動エネルギーに切り替えるようになる。
【0010】
しかしながら、潮流は障害物がある場合、避けて流れる特性を有するため、エネルギーの量は大きいが、プロペラの回転運動エネルギーの転換効率は低くなるしかないという問題がある。
【0011】
しかも、従来の潮流発電は据え置き式で発電するため、満潮や干潮の一方の潮流を利用するしかないという限界があった。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
本発明は前述した問題点を解決するために案出されたもので、満潮と干潮の双方向で潮流誘導水圧管路に誘導された潮流を全部利用して発電することはもちろん、水中で多段および並列構造を有するようにして大規模潮流発電団地の造成も可能な潮流誘導水圧管路および潮流発電管路タービンを利用した潮流発電装置を提供することをその目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0013】
上記目的を達するための本発明に係る潮流誘導水圧管路および潮流発電管路タービンを利用した潮流発電装置は、複数が放射状に等間隔で配置され、上端部は海水面上側に所定高さ突出された形状を有し、下部が海底面に所定深さで打ち込まれて固定されるコンクリートパイル部;複数の前記コンクリートパイル部を連結するように備えられ、水中で上下方向に沿って等間隔で多段に配置されるファイル連結支持フレーム部;前記支持フレーム部上に潮流発電管路タービンを180度回転可能に設けられ、流入される潮流によって動力を発生させる潮流発電管路タービンの動力発生部;前記潮流発電管路タービンの両側前後に連設され、前記潮流発電管路タービン側に向かって直径が漸次小さくなる形状を呈して潮流の流入を誘導する潮流誘導水圧管部;多層に設けられた前記潮流発電管路タービンそれぞれと個別的に連結されるように多層に設けられ、海水面と隣接した水中に位置する回転軸にエアポケットを備える動力伝達部;および複数の前記コンクリートパイル部の上端部を連結するように備えられ、前記動力伝達部と連結される発電機が設けられる上板部;を含む。
【0014】
前記コンクリートパイル部は、浸透性防水剤が満たされた状態で下端部の内側に備えられた容器部材;前記容器部材と連結されて、外部から空気が前記容器部材の内側に流入されるようにするエア流入部材;前記容器部材の内側と連結されて、前記エア流入部材を通じて高圧で空気が流入されると、浸透性防水剤が下端部の外側で排出されるようにする複数の排出ロッド部材;および下端部の側面に設けられて、前記排出ロッド部材の浸透性防水剤排出部位を閉鎖してから浸透性防水剤を排出する時、外側に開かれて浸透性防水剤が海底面の水分と反応して下端部の外側で硬化されるようにする棒部材;を含んでもよい。
【0015】
最下端に設置された前記支持フレーム部と海底面との間に海底で浮遊するごみの回避層を形成してもよい。
【0016】
前記多層設置のための支持フレーム部は、下側にホイストレールを設置して前記潮流発電管路タービン動力発生部と潮流誘導水圧管部の設置およびメンテナンスを容易にすることができる。
【0017】
前記潮流発電管路タービンは、本体を成し、前記動力発生部を支持する支持フレーム部に回転可能に設けられる中空の管部材;前記支持フレーム部上に設けられて、前記管部材が設けられる支持板部材;前記管部材と支持板部材との間に介在されて上面に前記管部材が設けられ、底面に備えられた回転ベアリングを介して回転可能に備えられる回転板部材;前記回転板部材と連結され、前記管部材の内側で立設される固定具部材;前記固定具部材に回転ベアリングを介して軸結合されて流入される潮流によって回転する羽を備えるタービン部材;前記タービン部材の軸と前記動力伝達部とを連結する傘歯車;および前記管部材上に設けられる複数のエアポケット;を含んでもよい。
【0018】
前記支持板部材は、内側に備えられた前記回転板部材の離脱を防止する離脱防止部材が回転板の上部に結合されてもよい。
【0019】
前記回転板部材は、油圧ピストン部材とギア噛合され、回転可能に備えられてもよい。
【0020】
前記潮流誘導水圧管部は、前記管部材の両側端部に連結されるように設けられて、前記管部材の内側に潮流が流入されるようにし、前記管部材の反対側末端部には上側に向かって斜めの形状を有するように浮遊ごみ濾過装置が設けられてもよい。
【0021】
前記動力伝達部は、前記管部材を貫通して前記傘歯車と結合される第1回転軸;前記第1回転軸の上端部と結合され、上側へ傾斜する傾斜を有する形状に配置される第2回転軸;および前記第2回転軸の上端部と結合され、前記発電機と上端部が連結され、海水面と隣接した水中に位置する上部に前記エアポケットが設けられる第3回転軸;を含んでもよい。
【0022】
前記第1回転軸、第2回転軸、および第3回転軸は、それぞれユニバーサル・ジョイントを介して連結され、前記第3回転軸は、上側に隣接する一つ以上の前記潮流誘導水圧管部を貫通して設けられてもよい。
【0023】
前記第3回転軸は、放射状に隣接した複数の前記コンクリートパイル部と回転軸サポートによって連結され、複数の前記コンクリートパイル部とそれぞれ連結された前記回転軸サポートは、一つのガイドリングを介して一体を成し、前記ガイドリングに前記第3回転軸が装着されてもよい。
【0024】
前記上板部は、クレーン、昇降機、バージ船接岸施設、変圧器、送電施設、中央制御室または官制室、作業者宿所が設けられ、前記コンクリートパイル部と連結される部位に一つ以上の作業通路が設けられ、前記作業通路と連結されながら前記コンクリートパイル部に沿って作業梯子が備えられてもよい。
【発明の効果】
【0025】
このように、本発明に係る潮流誘導水圧管路および潮流発電管路タービンを利用した潮流発電装置は、潮流を利用する場合、標準状態(20℃、1気圧、相対湿度75%)での空気密度が約1.2とするとき、空気密度よりも水の密度が約830倍以上大きいので、潮流エネルギーの利用効率が高いという効果を奏する。
【0026】
そして、潮流誘導水圧管部を通じて誘導された潮流を潮流発電管路タービンのタービン部材で100%回転運動エネルギーに切り替えることができ、潮流発電管路タービンの回転を通じて双方向潮流を全部利用することができるという効果を奏する。
【0027】
また、支持フレーム部に設けられる潮流発電管路タービン動力発生部および潮流誘導水圧管部を多層に設置し、かつ並列に配置して設備容量が大容量に具現されることはもちろん、これによって、大規模の潮流発電団地を造成することができるという効果を奏する。
【0028】
このような潮流発電団地を構成する際において、ある程度距離のある地域2ヶ所に潮流発電装置を設置して、満潮と干潮の時間差による発電をする時間を相互間に補うことができるようにすることによって、再生エネルギーの限界点である間歇性を克服することができるという効果を奏する。
【0029】
また、海底面に打ち込まれて固定されたコンクリートパイル部の下端で浸透性防水剤が海底面の水分と反応して硬化されて硬い固体塊になることによって、コンクリートパイル部の固定を支持して、コンクリートパイル部の沈下を防止することができるという効果を奏する。
【0030】
しかも、浮遊ごみ濾過装置を通じて水中に浮遊するごみが潮流発電管路タービンに流入されないようにすることによって、発電効率を高めることができ、潮流誘導水圧管部の直径が潮流発電管路タービン側に向かって漸次減少するように構成されて、潮流発電管路タービンで潮流の流速を増加させることによって、これも発電効率を増大させることができる要因として作用するという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0031】
【
図1】本発明に係る潮流誘導水圧管路および潮流発電管路タービンを利用した潮流発電装置を説明するために概略的に示した図面である。
【
図2】本発明に係る潮流誘導水圧管路および潮流発電管路タービンを利用した潮流発電装置を説明するために概略的に示した図面である。
【
図3】本発明に係る潮流誘導水圧管路および潮流発電管路タービンを利用した潮流発電装置を説明するために概略的に示した図面である。
【
図4】本発明に係る潮流誘導水圧管路および潮流発電管路タービンを利用した潮流発電装置のコンクリートパイル部を説明するために概略的に示した図面である。
【
図5】本発明に係る潮流誘導水圧管路および潮流発電管路タービンを利用した潮流発電装置の潮流発電管路タービンを説明するために概略的に示した図面である。
【
図6】本発明に係る潮流誘導水圧管路および潮流発電管路タービンを利用した潮流発電装置の潮流発電管路タービンを説明するために概略的に示した図面である。
【
図7】本発明に係る潮流誘導水圧管路および潮流発電管路タービンを利用した潮流発電装置の潮流発電管路タービンを説明するために概略的に示した図面である。
【
図8】本発明に係る潮流誘導水圧管路および潮流発電管路タービンを利用した潮流発電装置の潮流誘導水圧管部を説明するために概略的に示した図面である。
【
図9】本発明に係る潮流誘導水圧管路および潮流発電管路タービンを利用した潮流発電装置の動力伝達部を説明するために概略的に示した図面である。
【
図10】本発明に係る潮流誘導水圧管路および潮流発電管路タービンを利用した潮流発電装置が海上で大規模の潮流発電団地で造成された状態を概略的に示した図面である。
【発明を実施するための形態】
【0032】
以下、添付された図面を参照して、本発明の具体的な実施例に対する構成および作用について詳しく説明すれば、次の通りである。
【0033】
ここで、各図面の構成要素に対して参照符号を付け加える際において、同じ構成要素に限ってはたとえ他の図面上に表示されてもできるだけ同じ符号で表記されていることに留意すべきである。
【0034】
そして、本発明を説明する際において、係わる公知機能あるいは構成に対する具体的な説明は、本発明の要旨を曖昧にしないようにするために省略する。
【0035】
また、ある部分がある構成要素を「含む」とする場合、これは特に反対される記載がない限り他の構成要素を除くのではなく、他の構成要素をさらに含んでもよいことを意味する。
【0036】
また、本発明を説明する際において、上側と下側は上板部がコンクリートパイル部の海底面に打ち込まれて固定される部位よりも上側にあるようにした設置状態を基準にする。
【0037】
しかも、内側の表現は、各構成または各構成によって区画された内側方向またはその方向にある部位を指称するもので、外側の表現は内側の表現と反対方向またはその方向にある部位を指称するものとして説明する。
【0038】
本発明は、満潮と干潮の双方向潮流を全部利用して発電するようにすることはもちろん、水中で多段および並列構造を有するようにして大規模潮流発電団地の造成も可能な潮流誘導水圧管路および潮流発電管路タービンを利用した潮流発電装置に関する。
【0039】
また、潮流は障害物がある場合、その障害物を避けて流れる特性を有することから、これを効果的に制御して潮流発電の効率を増大させることができるようにする。
【0040】
このための本発明の構成は、
図1~
図10に示したように、コンクリートパイル部100、支持フレーム部200、潮流発電管路タービン300、潮流誘導水圧管路400、動力伝達部500および上板部600を含んでなり得る。
【0041】
まず、本発明のコンクリートパイル部100は、複数が放射状に等間隔で配置され、上端部は海水面の上側に所定高さ突出された形状の上板を成し、下部が海底面に所定深さで打ち込まれて固定されることができる。
【0042】
このようなコンクリートパイル部100は、
図4のように、浸透性防水剤Sが満たされた状態で下端部の内側に備えられた容器部材110を含む構成からなってもよい。
【0043】
そして、容器部材110と連結されて、外部から空気が容器部材110の内側に流入されるようにするエア流入部材120を備えてもよい。
【0044】
また、容器部材110の内側と連結されて、エア流入部材120を通じて高圧で空気が流入されると、浸透性防水剤Sが下端部の外側で排出されるようにする複数の排出ロッド部材130を備えてもよい。
【0045】
また、下端部の側面に設けられて、排出ロッド部材130の浸透性防水剤Sの排出部位を閉鎖してから浸透性防水剤Sを排出する時に外側に開かれて、浸透性防水剤Sが海底面の水分と反応して、下端部の外側で硬化されるようにする棒部材140を含んだ構成からなってもよい。
【0046】
これによって、海底面に打ち込まれて固定されたコンクリートパイル部100の下端で浸透性防水剤Sが海底面の水分と反応して硬化されて硬い固体塊になることによって、コンクリートパイル部100の固定を支持して、コンクリートパイル部100の沈下を防止することができるようになる。
【0047】
例えば、放射状のコンクリートパイル部100は、後述する潮流誘導水圧管路400の直径よりも約2倍の間隔を成すように設置して、潮流の流れを円滑にすることができる。
【0048】
そして、複数のコンクリートパイル部100は、潮流流れの方向を基準として、後述する潮流発電管路タービン300長さの約5~6倍の長さ、すなわち潮流発電管路タービン300の両側端部に設置される潮流誘導水圧管路400の両側端を成す長さだけ設置することが好ましい。
【0049】
本発明の支持フレーム部200は、
図1~
図3および
図7のように、複数のコンクリートパイル部100を連結するように備えられ、水中で上下方向に沿って等間隔で多段に配置されるように設置されることができる。
【0050】
このような支持フレーム部200上には、後述する潮流発電管路タービン300と潮流誘導水圧管路400が設置されることができ、上述したように、支持フレーム部200が多段の配置を有することによって、潮流発電管路タービン300と潮流誘導水圧管路400を多層に設置することができるようになるとともに、並列に配置されて、設備容量が大容量に具現されることはもちろん、これによって大規模の潮流発電団地を造成することができる。
【0051】
そして、支持フレーム部200は、底面にホイストレール210を設置して、上述したように、後述する潮流発電管路タービン300と潮流誘導水圧管路400の設置およびメンテナンスを容易にすることができる。
【0052】
また、最下端に設置された支持フレーム部200と海底面との間に海底で浮遊するごみの回避層Aを形成することができ、本発明で多段に設けられる支持フレーム部200は、海水面と海底面との間の水中に設置されるが、これは海水面で潮流流れに対するエネルギー量よりある程度水深のある水中の潮流が水圧の影響によってエネルギー量がより多いので、発電効率の増大を具現するためである。
【0053】
本発明の潮流発電管路タービン300は、
図1、
図3、
図5~
図7のように、支持フレーム部200の上に回転可能に設けられ、後述する潮流誘導水圧管路400で流入される潮流によって動力を発生させることができるように備えられてもよい。
【0054】
このような潮流発電管路タービン300は、その本体を成し、支持フレーム部200に回転可能に設けられる中空の管部材310、支持フレーム部200上に設けられて、管部材が設置される支持板部材320、管部材310と支持板部材320との間に介在されて、上面に管部材310が設けられ、底面に備えられた回転ベアリングBを介して回転可能に備えられる回転板部材330、およびこの回転板部材330と連結され、管部材310の内側で立設される複数の固定具部材340を含む構成からなってもよい。
【0055】
そして、固定具部材340に回転ベアリングBを通じた軸351と結合して流入される潮流によって回転する羽352を備えるタービン部材350、このタービン部材350の軸351と後述する動力伝達部500とを連結する傘歯車353、および管部材310上に設置される複数のエアポケットPを含んだ構成からなってもよい。
【0056】
ここで、管部材310の両側端部は、互いに同じ直径と形状に製作されることはもちろん、管部材310の両側端部と連結されながら設置される後述する潮流誘導水圧管路400の潮流発電管路タービン300側端部とも同じ直径と形状を有するように製作されて、満潮と干潮の双方向潮流を全部利用する際に潮流誘導水圧管路400との連結部位に隙間やクリアランスが発生することを遮断する。
【0057】
このように構成された潮流発電管路タービン300は、後述する潮流誘導水圧管路400を介して誘導された潮流の流れを上述したタービン部材350によって100%回転運動エネルギーに切り替えることができる。このような潮流発電管路タービン300の回転によって双方向潮流を全部利用することができる。
【0058】
また、支持板部材320は、内側に備えられた回転板部材330の離脱を防止する離脱防止部材360が上部に結合されることができ、この時、回転板部材330は、油圧ピストン部材370とギアG噛合を成して回転可能に備えられてもよい。
【0059】
ここで、油圧ピストン部材370は、本発明に係る潮流誘導水圧管路および潮流発電管路タービンを利用した潮流発電装置において、後述する上板部600までの設置および施工が仕上げられると、上板部600に油圧設備を構築し、油圧ピストン部材370に油圧ホースを連結した構成からなってもよい。
【0060】
これによって、満潮と干潮双方向潮流に対応するように油圧ピストン部材370を作動させて、回転板部材330の回転による潮流発電管路タービン300を回転させることができる。
【0061】
例えば、双方向潮流に対応しようとする場合には、上述した作用によって潮流発電管路タービン300を180°回転させることができ、タービン部材350のメンテナンスのためには、潮流発電管路タービン300を90°回転させて、管部材310の両側端部からその内側を向けることができる入口を確保することができる。
【0062】
さらに、満潮と干潮の時間差が約3時間になる地域に、本発明に係る潮流誘導水圧管路および潮流発電管路タービンを利用した潮流発電装置を大規模化して発電団地を構成する場合、両方の運転時間差によって24時間発電することができて、再生エネルギーの限界点である間歇性を克服することができるようになる。
【0063】
特に、管部材310上に設置される複数のエアポケットPを通じて、浮力を利用して潮流発電管路タービン300の自重を減少させることができるようになり、これは潮流発電管路タービン300の回転時、重量の負荷を低減することができるように作用する。
【0064】
このような潮流発電管路タービン300は、水中環境、潮流流れ、または潮流エネルギー量などによって、一つ以上が直列配置されるように設けられて、効率的で汎用的な発電を実現することができる。
【0065】
本発明の潮流誘導水圧管路400は、
図1~
図3、
図5~
図8のように、潮流発電管路タービン300の両側端部に連設され、潮流発電管路タービン300側に向かって直径が漸次小さくなる形状を呈して、潮流の流入を誘導することができるように機能する。
【0066】
例えば、潮流誘導水圧管路400は、潮流発電管路タービン300の管部材310の長さよりも約5~6倍の長さを有するようにし、その直径は管部材310の直径よりも約2.5倍大きくして誘導された潮流の流速が遅くても、タービン部材350が設置された区間ではその流速が増加することができるようにすることが好ましい。
【0067】
これは満潮と干潮時の流速を考慮して発電が可能な潮流の流速を保持することができる時間をより延長するためである。
【0068】
このような潮流誘導水圧管路400は、管部材310の両側端部に連結されるように設けられて、管部材310の内側に潮流が流入されるようにし、管部材310の反対側末端部には上側に向かって斜めの形状を有するように浮遊ごみ濾過装置410が設けられてもよい。
【0069】
このように構成された潮流誘導水圧管路400によって、潮流の流れにおいて障害物として作用されるタービン部材350を潮流が避けて流れず、むしろ潮流の流れがタービン部材350に集中されることができるように作用することができる。
【0070】
さらに、浮遊ごみ濾過装置410は、末端部が尖った形状を有するようにして、布や網などの浮遊ごみはかかるようにし、満潮と干潮の双方向流れに対応するように潮流発電管路タービン300を回転させる場合、反対側で潮流発電管路タービン300を通過して潮流誘導水圧管路400を抜け出る潮流の流れによって布や網などの浮遊ごみがかかった状態で離脱されることができるようにする。
【0071】
本発明の動力伝達部500は、
図1、
図3、
図5および
図9のように、複数の潮流発電管路タービン300らそれぞれと個別的に連結されるように複数が備えられ、海水面と隣接した水中に位置する上部にエアポケットPを備える構成からなってもよい。
【0072】
この時、動力伝達部500は、上述したエアポケットPの構成によって、浮力で自重を大幅に減少させて、動力伝達の過程で、重量による過負荷や動力伝達の損失を遮断することができるようになる。
【0073】
このような動力伝達部500は、管部材310を貫通して傘歯車353と結合される第1回転軸510、この第1回転軸510の上端部と結合され、上側へ傾斜する傾斜を有する形状に配置される第2回転軸520、この第2回転軸520の上端部と結合され、後述する発電機610と上端部が連結され、海水面と隣接した水中に位置する上部に上述したエアポケットPが設置される第3回転軸530を含んだ構成からなってもよい。
【0074】
ここで、第1回転軸510、第2回転軸520、および第3回転軸530は、それぞれユニバーサル・ジョイント540によって連結され、第3回転軸530は上側に隣接する一つ以上の潮流誘導水圧管路400を貫通して設置されてもよい。
【0075】
この時、第3回転軸530は、放射状に隣接した複数のコンクリートパイル部100と回転軸サポート550によって連結され、
図5bのように、「X」字と類似する形状に配置されることができ、複数のコンクリートパイル部100とそれぞれ連結された回転軸サポート550は、一つのガイドリングを介して一体を成し、ガイドリング560に第3回転軸530が装着されることができる。
【0076】
このように構成された動力伝達部500の配置によって、より効率的に後述する発電機610に回転運動エネルギーを伝達することができ、回転軸サポート550とガイドリング560の構成によって水中で水圧や潮流による第3回転軸530の分離または離脱を予防することができる。
【0077】
本発明の上板部600は、
図1および
図2、
図7のように、複数のコンクリートパイル部100の上端部を連結するように備えられ、動力伝達部500と連結される発電機610が設置されることができる。
【0078】
このような上板部600は、クレーン630、昇降機640、バージ船接岸施設650、変圧器、送電施設、中央制御室または官制室620、作業者宿所が設けられ、コンクリートパイル部100と連結される部位に一つ以上の作業通路が設けられ、この作業通路と連結されながらコンクリートパイル部100に沿って作業梯子が備えられてもよい。
【0079】
例えば、上板部600は、複数のコンクリートパイル部100の上端部とHビームなどの鋼材で連結して鉄筋とレミコンなどを適用した施工を行うことができ、上述した作業通路および作業梯子を利用して、潮流発電管路タービン300または潮流誘導水圧管路400のメンテナンスや掃除作業を行うことができる。
【0080】
そして、上述したクレーン630、昇降機640およびバージ船接岸施設650を通じて、海上のバージ船で上板部に人力や資材を運ぶことができ、中央制御室または官制室620で上述した本発明を成す構成の作動を統制または制御することができる。
【0081】
また、上板部600外郭の位置に複数の警報施設または安全標識施設Fを設置して、海上で航海する船舶と潮流発電装置の安全を確保することができ、このような警報施設または安全標識施設Fは海上に浮遊させるか、上述したコンクリートパイル部100のような機材を海底面に打ち込んで固定させることによる設置することができる。
【0082】
以上、本発明を特定の具体的な実施例を挙げて図示して説明したが、本発明は上記した実施例に限定されず、本発明の技術思想を逸脱しない範囲内で多様な変更および修正が可能であることは勿論である。
【国際調査報告】