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特表2024-538733圧迫療法中の流体圧を監視および制御するためのシステム、方法および衣類
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  • 特表-圧迫療法中の流体圧を監視および制御するためのシステム、方法および衣類 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-10-23
(54)【発明の名称】圧迫療法中の流体圧を監視および制御するためのシステム、方法および衣類
(51)【国際特許分類】
   A61H 7/00 20060101AFI20241016BHJP
【FI】
A61H7/00 322E
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024521133
(86)(22)【出願日】2022-10-11
(85)【翻訳文提出日】2024-06-03
(86)【国際出願番号】 SE2022050917
(87)【国際公開番号】W WO2023063865
(87)【国際公開日】2023-04-20
(31)【優先権主張番号】63/254,325
(32)【優先日】2021-10-11
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.BLUETOOTH
2.ZIGBEE
(71)【出願人】
【識別番号】518193685
【氏名又は名称】アルジョ アイピー ホールディング アクチエボラグ
【氏名又は名称原語表記】Arjo IP Holding Aktiebolag
(74)【代理人】
【識別番号】110001302
【氏名又は名称】弁理士法人北青山インターナショナル
(72)【発明者】
【氏名】ニュートン,マイケル デイヴィッド
【テーマコード(参考)】
4C100
【Fターム(参考)】
4C100AD01
4C100BA01
4C100BB05
4C100BC13
4C100CA20
4C100DA08
4C100DA10
(57)【要約】
圧迫療法中の流体圧を監視および制御するための圧迫システム(100)である。この圧迫システムは、少なくとも1の膨張可能または収縮可能な圧迫衣類(120)と、空気ポンプに接続されたときに圧迫衣類への空気圧を調節するための空気ポンプ(110)と、インジケータユニット(117)と、少なくとも1の圧迫衣類(120)の使用状況を監視するために空気ポンプ(110)に動作可能に接続されたコントローラとを備え、インジケータユニット(117)が、圧迫衣類(120)が患者に圧迫を加えているときの圧迫システム(100)の第1の動作状態における少なくとも1の圧迫衣類(120)の監視された使用時間に関連付けられた第1の表示インジケータ(117a、117c)と、圧迫衣類が患者に圧迫を加えていないときの圧迫システム(100)の第2の動作状態における圧迫衣類の監視された使用時間に関連付けられた第2の表示インジケータ(117b、117d)とを含み、インジケータユニット(117)が、圧迫システム(100)の動作状態に関連付けられた第1および第2の表示インジケータ間で自動的に切り替わるように構成されている。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
圧迫療法中に流体圧を監視および制御するための圧迫システム(100)であって、
少なくとも1の膨張可能または収縮可能な圧迫衣類(120)と、
空気ポンプに接続されたときに前記圧迫衣類への空気圧を調整するための空気ポンプ(110)と、
インジケータユニット(117)と、
前記少なくとも1の圧迫衣類(120)の使用状況を監視するために、前記空気ポンプ(110)に動作可能に接続されたコントローラとを備え、
前記インジケータユニット(117)が、
前記圧迫衣類(120)が患者に圧迫を加えているときの当該圧迫システム(100)の第1の動作状態における前記少なくとも1の圧迫衣類(120)の監視された使用時間に関連付けられた第1の表示インジケータ(117a、117c)と、
前記圧迫衣類が患者に圧迫を加えていないときの当該圧迫システム(100)の第2の動作状態における衣類の監視された使用時間に関連付けられた第2の表示インジケータ(117b、117d)とを含み、
前記インジケータユニット(117)が、当該圧迫システム(100)の動作状態に関連付けられた第1および第2の表示インジケータ間で自動的に切り替わるように構成されていることを特徴とするシステム。
【請求項2】
請求項1に記載のシステム(100)において、
前記圧迫衣類(120)のタイプに関連付けられ、前記圧迫衣類(120)のコネクタ(330)に取り付けられた識別コンポーネント(390)を備え、
前記空気ポンプ(110)が、前記圧迫衣類のタイプに基づいて前記圧迫衣類(120)への空気圧を調節するように構成され、
当該システムが、圧迫療法中に、接続された圧迫衣類(120)の膨張可能なチャンバの少なくとも1つに存在する圧力を測定して、前記膨張可能なチャンバ内の圧力に対応する信号を生成するための少なくとも1の圧力センサを備え、
前記圧力センサが、圧迫を加えている間に、前記少なくとも1の圧迫衣類(120)内に位置する人体の四肢またはその一部の存在に相当する特徴を含む信号を提供し、
前記圧力センサが、人体の四肢またはその一部が前記圧迫衣類(120)から取り外された結果して、前記圧迫衣類(120)の圧迫レベルが、以前の膨張中に測定された特徴と比較して変化したことを示し、
接続された圧迫衣類(120)内に四肢または解剖学的構造が存在しないと現在検出されたときの監視時間と比較して、接続された圧迫衣類(120)内に人体の四肢またはその一部が存在するときの合計の監視時間が、前記コントローラによって監視および提供され、前記インジケータユニット(117)上でユーザに視覚的に提示されることを特徴とするシステム。
【請求項3】
請求項2に記載のシステム(100)において、
前記識別コンポーネント(390)が、フェライト、鋼または黄銅材料で作られていることを特徴とするシステム。
【請求項4】
先行する請求項の何れか一項に記載のシステム(100)において、
前記第1の表示インジケータ(117a、117c)が、圧迫が加えられていることに関連付けられた合計の持続時間を分単位で含むことを特徴とするシステム。
【請求項5】
先行する請求項の何れか一項に記載のシステム(100)において、
前記第1の表示インジケータ(117a、117c)が、圧迫が加えられていることに関連付けられた合計の持続時間を時単位で含むことを特徴とするシステム。
【請求項6】
先行する請求項の何れか一項に記載のシステム(100)において、
前記第2の表示インジケータ(117b、117d)が、圧迫が現在加えられていないことに関連付けられた持続時間を分単位で含むことを特徴とするシステム。
【請求項7】
先行する請求項の何れか一項に記載のシステム(100)において、
前記第2の表示インジケータ(117b、117d)が、圧迫が現在加えられていないことに関連付けられた持続時間を時単位で含むことを特徴とするシステム。
【請求項8】
先行する請求項の何れか一項に記載のシステム(100)において、
前記第2の表示インジケータ(117b、117d)がアクティブであり、かつ加えられた圧迫の不足が閾値を超えた場合に、視覚的な警告が提供されることを特徴とするシステム。
【請求項9】
請求項8に記載のシステム(100)において、
前記視覚的な警告が、LEDまたはLCDユニットの作動を含むことを特徴とするシステム。
【請求項10】
先行する請求項の何れか一項に記載のシステム(100)において、
監視された使用時間が、ユーザによってリセットされるように構成されていることを特徴とするシステム。
【請求項11】
先行する請求項の何れか一項に記載のシステム(100)において、
前記第1の動作状態が、当該圧迫システム(100)の正しい動作に関連付けられ、前記第2の動作状態が、当該圧迫システム(100)の正常に機能しない動作に関連付けられることを特徴とするシステム。
【請求項12】
先行する請求項の何れか一項に記載のシステム(100)において、
流体出力が、前記第1および第2の動作状態の両方において維持されることを特徴とするシステム。
【請求項13】
先行する請求項の何れか一項に記載のシステム(100)において、
前記圧迫衣類(120)が、人体の四肢またはその一部に適合するように構成されており、非接続時間の持続時間が当該圧迫システム(100)によって監視され、その時間が、前記第2の動作状態として表示され、前記インジケータユニット(117)に現在の持続時間として示されることを特徴とするシステム。
【請求項14】
先行する請求項の何れか一項に記載のシステム(100)において、
前記圧迫衣類(120)が、人体の四肢またはその一部に適合するように構成されており、四肢からの取り外しの持続時間が、前記制御ユニットによって監視され、前記インジケータユニット(117)に表示されることを特徴とするシステム。
【請求項15】
先行する請求項の何れか一項に記載のシステム(100)において、
前記インジケータユニット(117)が、四肢またはその一部のグラフィックアイコンを含むLCDディスプレイであり、当該圧迫システム(100)が前記第2の動作状態にあるときに、前記アイコンが、点滅するかまたは他の方法でコントラストが交互に変化することを特徴とするシステム。
【請求項16】
請求項1~14の何れか一項に記載のシステム(100)において、
前記インジケータユニット(117)が、製品の不使用の表示を経時的に提供するLCDディスプレイであり、最初は分単位で表示されることを特徴とするシステム。
【請求項17】
先行する請求項の何れか一項に記載のシステム(100)において、
前記インジケータユニット(117)が、製品の不使用の表示を経時的に提供し、監視された不使用が経時的に増加するにつれて漸進的な応答を提供するように構成されていることを特徴とするシステム。
【請求項18】
人体の四肢またはその一部に装着するための圧迫衣類(120)であって、
圧迫療法中に流体圧を監視および制御するためのシステム(100)によって、接続された持続時間が監視され、第1の動作状態にある時間が合計されて、圧迫システム(100)の空気ポンプ(110)のユーザインターフェース(117)に表示されることを特徴とする圧迫衣類。
【請求項19】
圧迫療法中に流体圧を監視および制御するための圧迫システム(100)であって、
少なくとも1の圧迫衣類(120)と、
空気源に接続されたときに前記少なくとも1の圧迫衣類(120)への空気圧を調節するための空気源(110)と、
前記空気源(110)に動作可能に接続され、前記少なくとも1の圧迫衣類(120)の使用状況を監視するように構成されたコントローラと、
四肢検出ユニットとを備え、
前記少なくとも1の圧迫衣類(120)が、識別コンポーネント(390)を有する接続ユニット(330)を含み、
前記識別コンポーネント(390)が、フェライト、鋼または黄銅から作られ、
前記四肢検出ユニットが、前記圧迫衣類の識別コンポーネント(390)の性質に基づいて、当該圧迫システム(100)によって構成されることを特徴とするシステム。
【請求項20】
請求項19に記載のシステム(100)において、
四肢検出アルゴリズムを含み、このアルゴリズムが、少なくとも1のパラメータを含み、前記パラメータは、当該圧迫システム(100)に接続されたときに、前記少なくとも1の圧迫衣類(120)の識別コンポーネント(390)によって設定されることを特徴とするシステム。
【請求項21】
請求項20に記載のシステム(100)において、
2つの圧迫衣類接続ポート(310)を備え、前記四肢検出アルゴリズムは、各圧迫衣類接続ポート(310)に取り付けられたときの前記識別コンポーネント(390)の値に基づいて、各圧迫衣類接続ポートに別個かつ独立に適用されることを特徴とするシステム。
【請求項22】
圧迫システム(100)における圧迫療法中の流体圧を監視および制御するための方法であって、
前記システム(100)が、ポンプ(110)と、少なくとも1の膨張可能または収縮可能な圧迫衣類(120)と、インジケータユニット(117)と、前記少なくとも1の圧迫衣類(120)の使用状況を監視するための制御ユニットとを備え、前記インジケータユニット(117)が、
前記圧迫衣類(120)が患者に圧迫を加えているときの前記圧迫システム(100)の第1の動作状態における前記少なくとも1の圧迫衣類(120)の監視された使用時間に関連付けられた第1の表示インジケータ(117a、117c)と、
前記圧迫衣類が患者に圧迫を加えていないときの前記圧迫システム(100)の第2の動作状態における衣類の監視された使用時間に関連付けられた第2の表示インジケータ(117b、117d)とを含み、
当該方法が、
前記圧迫システムを起動するステップ(1)と、
接続された圧迫衣類を識別するステップ(2)と、
予防動作を開始するステップ(4)と、
圧迫システム(100)の少なくとも1の圧迫衣類(120)の使用状況を検出および表示するステップ(5)と、
前記圧迫システム(100)の動作状態に関連付けられた前記第1および第2の表示インジケータ(117a、117b、117c、117d)を自動的に切り替えるステップ(5)とを備えることを特徴とする方法。
【請求項23】
請求項22に記載の方法において、
前記少なくとも1の圧迫衣類(120)内の人体の四肢またはその一部の存在を検知するステップをさらに含み、検出および表示するステップ(5)が、
検知されたデータの第1のセットと検知されたデータの後続のセットとを比較することを含み、検知されたデータの第1のセットと後続のセットとの間の差異が、前記少なくとも1の圧迫衣類(120)の識別コンポーネント(390)によって設定された閾値と比較されることを特徴とする方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、患者の四肢または他の解剖学的構造に適用される圧迫療法中に流体圧を監視および制御するための圧迫システム、方法および衣類に関する。本発明は、医療用圧迫システムに関し、特に、例えばポンプなどの流体源に接続された膨張可能/収縮可能な物品を有する空気圧システムに関する。そのような圧迫システムの使用例としては、静脈血栓塞栓症(VTE)の予防、または浮腫、虚血および静脈不全を含む他の循環器系疾患の治療の提供が挙げられる。本発明はさらに、圧迫システムおよび接続された圧迫衣類の使用時間の表示に関する。
【背景技術】
【0002】
医療用圧迫システム、特に空気圧システムは、例えばポンプなどの流体源に接続された膨張/収縮可能な物品を有する。そのような圧迫システムの使用例としては、静脈血栓塞栓症(VTE)の予防や、浮腫、虚血および静脈不全を含む他の循環器系疾患の治療の提供が挙げられる。
【0003】
それらのシステムは、典型的には、流体源として機能するポンプまたはコントローラと、足、ふくらはぎ、大腿、手または腕などの個々の四肢またはその一部などの患者の解剖学的領域に圧迫を加えることを意図した少なくとも1の患者に装着される物品または衣類とから構成される。
【0004】
このようなシステムでは、物品または衣類を流体源に接続するカップリングアセンブリを有することがよく知られており、カップリングアセンブリは、第1の雄型インサートコネクタと、結合状態を形成するために第1の雄型インサートを受け入れるための協働する第2の雌型レセプタクルとを備える。雄型インサート部材および雌型レセプタクルはともに、結合状態にあるとき、流体が衣類を通って流れるための経路を規定する。衣類には、雄型または雌型コネクタのいずれかを取り付けることができる。衣類側のコネクタには、ポンプ側のコネクタによって測定、検出または読み取り可能な識別コンポーネントが取り付けられる。
【0005】
先行技術(例えば、NewtonのUS7,398,803)で知られている衣類コネクタは、接続されたときに圧迫ポンプによって自動的に検知され得る識別コンポーネントを含む。このコンポーネントの使用、および予防パラメータの設定を通じて圧迫ポンプを自動的に構成するための関連するアプローチも、先行技術(例えば、NewtonのUS6,884,255)において十分に確立されている。
【発明の概要】
【0006】
本開示は、患者の四肢または解剖学的構造に対する圧迫療法を監視および制御するためのシステム、方法および衣類に関する。上記の説明を念頭に置いて、本発明のいくつかの実施形態の一態様は、システムの使用度合いに関する監視およびユーザに対する表示を増加させるとともに、予防のための使用を確実に増加させる、積極的な促進を可能にすることである。本発明は、先行技術における上述した欠点の1または複数を緩和、軽減または除去することを目的とする。
【0007】
本発明の一態様は、圧迫療法中に流体圧を監視および制御するために提供される圧迫システムに関する。このシステムは、少なくとも1の膨張可能または収縮可能な圧迫衣類と、空気ポンプに接続されたときに圧迫衣類への空気圧を調節するための空気ポンプと、インジケータユニットと、少なくとも1の圧迫衣類の使用状況を監視するために空気ポンプに動作可能に接続されたコントローラとを備える。インジケータユニットは、圧迫衣類が患者に圧迫を加えているときの圧迫システムの第1の動作状態における少なくとも1の圧迫衣類の監視された使用時間に関連付けられた第1の表示インジケータと、圧迫衣類が患者に圧迫を加えていないときの圧迫システムの第2の動作状態における衣類の監視された使用時間に関連付けられた第2の表示インジケータとを含む。インジケータユニットは、圧迫システム1の動作状態に関連付けられた第1および第2の表示インジケータを自動的に切り替えるように構成されている。
【0008】
本発明の一態様は、人体の四肢またはその一部に装着するために提供される圧迫衣類に関し、接続された時間の持続時間が、圧迫療法中に流体圧を監視および制御するためのシステムによって監視され、第1の動作状態にある時間が、合計されて圧迫システムの空気ポンプのユーザインターフェースに表示されるようになっている。
【0009】
本発明の一態様は、圧迫療法中の流体圧を監視および制御するために提供される圧迫システムに関する。このシステムは、少なくとも1の圧迫衣類と、空気源に接続されたときに少なくとも1の圧迫衣類への空気圧を調節するための空気源と、空気源に動作可能に接続され、少なくとも1の圧迫衣類の使用状況を監視するように構成されたコントローラと、四肢検出ユニットとを備える。少なくとも1の圧迫衣類は、識別コンポーネントを有する接続ユニットを備え、識別コンポーネントが、フェライト、鋼または黄銅で作られている。四肢検出ユニットは、圧迫衣類の識別コンポーネントの性質に基づいて圧迫システムによって構成される。
【0010】
本発明の一態様は、圧迫システムにおける圧迫療法中の流体圧を監視および制御するために提供される方法に関する。このシステムは、ポンプと、少なくとも1の膨張可能または収縮可能な圧迫衣類と、インジケータユニットと、少なくとも1の圧迫衣類の使用状況を監視するための制御ユニットとを備える。インジケータユニットは、圧迫衣類が患者に圧迫を加えているときの圧迫システムの第1の動作状態における少なくとも1の圧迫衣類の監視された使用時間に関連付けられた第1の表示インジケータと、圧迫衣類が患者に圧迫を加えていないときの圧迫システムの第2の動作状態における衣類の監視された使用時間に関連付けられた第2の表示インジケータとを備える。本方法は、圧迫システムを起動するステップと、接続された圧迫衣類を識別するステップと、予防動作を開始するステップと、圧迫システムの少なくとも1つの圧迫衣類の使用状況を検出および表示するステップと、圧迫システムの動作状態に関連付けられた第1の表示インジケータと第2の表示インジケータとを自動的に切り替えるステップとを含む。
【0011】
詳述した実施形態および態様の特徴は、任意の組合せで組み合わせることができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
本発明のさらなる目的、特徴および利点は、本発明の実施形態が添付図面を参照してより詳細に説明される以下の本発明の詳細な説明から明らかになるであろう。
図1図1は、本発明の一実施形態に係る流体圧制御のための圧迫システムを示している。
図2図2は、本発明の一実施形態に係る圧迫システムの制御システム図を示している。
図3図3a~図3dは、本発明の一実施形態に係るインジケータユニットの様々な実施形態を示している。
図4図4は、本発明の機能的態様を有する本発明の一実施形態に係る圧迫システムの使用および不使用のタイミング図を示している。
図5図5は、本発明に係る圧迫システムにおける流体圧制御の方法の一実施形態のフローチャートを示している。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明の実施の形態が示される添付図面を参照して、本発明の実施の形態をより詳細に説明する。しかしながら、本発明は、多くの様々な形態で具現化され得るものであり、本明細書に記載の実施形態に限定されるものとして解釈されるべきではない。むしろ、それら実施形態は、本開示が徹底的かつ完全なものとなり、当業者に対して本発明の範囲を十分に伝えることができるように提供されるものである。同様の符号は、全体を通して同様の要素を指している。
【0014】
本発明は、医療用圧迫システムに関し、特に、例えばポンプなどの流体源に接続された膨張/収縮可能な衣類を有する空気圧システムに関する。このような圧迫システムの使用例としては、静脈血栓塞栓症(VTE)の予防、または浮腫、虚血および静脈不全を含む他の循環器系疾患の治療の提供が挙げられる。
【0015】
本発明は、識別コンポーネントの使用をさらに拡張して、ポンプへの衣類の接続の計時、および衣類内の患者の四肢の正確な検出手段に関連するパラメータの設定および選択を可能にする。
【0016】
衣類のタイプごとに異なる識別コンポーネントのタイプ、特徴、サイズおよび位置を使用することにより、圧迫システムによる複数のパラメータの特定および選択が可能になる。それらのパラメータは、特定の衣類のタイプ、接続された衣類のモデルまたはサイズ、ポンプに装着された衣類の数、並びに、接続された特定の衣類内の患者の四肢の存在を確認するために、複数の検知技術および可能性のあるパラメータの中からどの特定の技術およびパラメータを使用すべきかを確認する手段を含む、有用な情報を圧迫システムに提供することができる。このアプローチにより、複数の手段から最適な手段を選択して、それを、患者の四肢が圧迫衣類内にあるか、または圧迫衣類によって包まれているときを検出するために採用することが可能になる。
【0017】
本発明のさらなる態様では、特定の識別コンポーネントの継続的かつ時間的な存在を使用してコネクタの係合を監視し、それにより、どれだけ長く接続が成功しているのかを測定することも含まれる。したがって、ポンプは、コネクタを介して衣類とその中の四肢に圧迫療法が送達されたことを検出、測定、記録することができる。
【0018】
衣類の流体的接続の確認と患者の四肢によるシステムの使用の確認との組合せにより、表示される合計時間値が形成されて、ユーザインターフェース上に第1の表示状態が形成される。これにより、患者に送達された治療/予防の持続時間が正確に測定され、臨床的に使用できる情報が作成される。
【0019】
さらなる態様は、圧迫システムの意図した使用中に衣類のコネクタが外れていた時間を計時することを含み、その時間値が、ユーザインターフェースに表示される第2の表示状態を形成する。これは、臨床医に、非常に危険な臨床的影響を与える可能性のある衣類の取り外しによる予防の不足を示すため、特に有益である。
【0020】
本発明のさらなる態様は、衣類がポンプのコントローラに物理的に接続され、有効な流体的接続を介して刺激を受けているが、衣類が患者の四肢または解剖学的構造から実際に取り外されて、意図した臨床効果を与えていない場合の検出を含む。
【0021】
この監視は、個々の衣類のタイプおよびサイズごとに異なり得る様々な検知技術、アルゴリズムおよび計算を採用することができ、衣類コネクタに存在する識別コンポーネントを使用して、適切な監視構成を選択することができる。
【0022】
この態様はさらに、流体的接続を確認するための識別コンポーネントの検出と、患者の解剖学的構造上の衣類の存在、取り外し、再着用、または存在の欠如を識別するために使用される検知手段を構成するための識別コンポーネントの使用との両方を組み合わせることを含む。この検出は、さらに計時されて、ユーザインターフェースの代替的な第2の表示状態の一部を形成する。この状況は、例えば、患者、介護者または臨床医が圧迫衣類を取り外し、それを元に戻すのを忘れた場合に発生する可能性があり、その結果、患者にとって同様に臨床的に危険な状況が生じる。臨床医にとって、適切な臨床的対応をとることができるように、予防が施されていない時間を正確かつ容易に確認できることは特に有益である。ユーザインターフェースの第2の表示状態は、分単位、時単位、またはその両方の組合せから形成することができる。
【0023】
したがって、前述した監視および識別プロセスを圧迫システムの基本動作と統合することにより、より有益で、効果的な圧迫ソリューションが提供される。
【0024】
また、本発明における上記の統合は、圧力ベースの検知方法のみを使用する代替的な衣類識別アプローチを利用する際に経験する困難も回避する。圧力測定技術には、衣類の装着状態、四肢への締め付け具合、サイズ、手足のサイズの違いなど、多くの要因によりばらつきが生じる可能性がある。それらのばらつきは、衣類識別検出方法の精度または衣類内の四肢の確認に影響を与える可能性がある。
【0025】
本発明は、臨床現場における製品の使用状況の監視を含む。これは、以下の個々の態様の組合せに基づいている。
-必要な数の手足が衣類の膨張中に接続された衣類内に存在すると識別されたときのポンプ動作の持続時間の記録を含む、選択された1または複数の衣類でのポンプ動作の合計持続時間の時間ベースの監視および記録。この記録は、開始/停止時間ベースのデータ記録およびインクリメントする経過時間カウンタの形式の多数の記録の形態で行われる。これにより、時間ベースを有する記録のセットが提供され、それにより、以下に述べる主要要素の少なくとも1つとの組み合わせによって、いつ、どのくらいの時間、どの程度効果的に予防が施されたのか、または施されなかったのかをシステムが判定することが可能になる。
-ポンプの作動中に(ポンプLCDおよび外部LEDインジケータなどのユーザインターフェースを介して)接続された衣類内に位置する患者の解剖学的構造に予防が正常に送達された全体的な経過時間をユーザに表示すること。この経過時間は、個々の予防エピソードにわたって蓄積され、新しい患者、または各シフトまたは1日の開始時、または必要に応じてリセット/クリアすることができる。リセット処理は、所定の非動作期間後に自動的に、またはインターフェイスを介したユーザによる手動介入によって行うことができる。
-ポンプ作動中に(ポンプLCDおよび外部LEDインジケータなどのユーザインターフェースを介して)接続された衣類内に検知される解剖学的構造が存在しないこと、または衣類が接続されていないことのいずれかにより、予防が患者に正常に送達されていない全体的な経過時間をユーザに表示すること。この時間は、予防が送達されていない現在の持続時間として示される。
-上述した持続時間のいずれかは、通常のコントローラ/ポンプ動作中にユーザインターフェース上に視認可能に表示され、後続の画面またはメニューを介して情報にアクセスするためのオペレータの操作を必要としない。直ちに見えるこの表示により、臨床医/介護者がポンプのそばを通ったときに、操作を必要とすることなく使用情報を一目で確認することができ、これにより、圧迫システムの使用状況を監視する際の臨床医の作業負担が軽減される。
【0026】
圧迫ポンプを含む多くの製品には、例えば、以前に圧迫が開始されてからの単純な経過時間など、使用経過に関連する単純なタイマが組み込まれていることが知られている。本発明の新規な態様は、以前に送達された予防タイミング情報を含む蓄積された使用データを有する第1の表示状態と、現在の非使用タイミング情報を有する第2の表示状態との間で、表示情報を自動的に変更することである。第2の表示状態は、具体的には、圧迫システムが作動しているときの患者への送達不足に関連付けられた経過時間を示し、これは、最初は分単位で示されるカウントアップ時間値の形態で提示される。この時間の表示は、LCDアイコンまたはLEDインジケータを使用した視覚的インジケータ、または任意選択的な可聴アナウンスなどの他のユーザフィードバック手段にも関連付けられる。
【0027】
本発明の具体的な態様は、LCDの脚のグラフィックアイコンを点滅させて、特定のポンプ出力側の衣類が手足に予防を提供していないことを明確に強調することを含む(問題は、衣服またはポンプの動作に不具合があるのではなく、衣服内に手足が存在しないことに関係している)。本発明の一態様では、四肢または解剖学的構造が存在しないことが検知されても、予防が衣類に継続的に適用され、これにより、検知障害が発生しても有益な動作を継続することが保証される。
【0028】
本発明のさらなる態様は、解剖学的構造が衣類に戻ったと検知されたときに、ユーザディスプレイが第2の表示モードから第1の表示モードに自動的に切り替わることを含む。
【0029】
本発明のさらなる態様では、少なくとも1の衣類に関連して存在すると検知される解剖学的構造がないときに、経過使用タイマが特にインクリメントされない。
【0030】
以下に挙げる要素のうちの1または複数を組み込むことができる。
-圧迫システムにリアルタイムクロック(RTC)デバイスを組み込むことにより、システム使用の実際の日付および時刻などの有益な詳細を提供することができる。患者の日々のケアは、圧迫システムの使用に影響を及ぼすか、使用を妨げる可能性があり(例えば、入浴/トイレ/診察/診断処置/投薬など)、この時間は多くの場合予定されているか、または他の方法で分かっており、よって患者のケア記録に記録される。送達された予防の開始と停止の正確な計時を含む、このシステムの使用により、看護管理、監査プロセス、および患者に対して施されたVTE予防の有効性に関する臨床報告の改善を行うことができる。
-RTCは、開始/停止のタイムスタンプベースの測定技術を使用することにより、使用の個々の事象および不使用の事象および期間のログの形式で、タイムスタンプ付きの記録をコントローラメモリ内に保存することも可能になる。これには、ポンプからの衣類の取り外しおよびポンプの物理的な電源オフなど、臨床医の行為によってポンプが使用されなくなることに関連する時間が含まれる。したがって、個々の患者の使用エピソードが識別され、後の分析および臨床医への報告のために記録されるとともに、患者の電子医療記録(EMR)に含められる。
【0031】
本発明の一態様では、単にエピソードの経過時間を記録するのではなく、開始と停止の両方のタイムスタンプが使用される。この基本データから、システムの使用状況と施された予防の詳細かつ関連性のあるタイムログを構築することが可能である。
【0032】
先行技術でよく知られているような単純なコンプライアンスタイマの代わりに、使用モニタおよびタイマが、四肢の存在の検出に基づいて、使用エピソードを特定し、それにより予防が施される。このタイマは、ある期間にわたる時間の単純な合計に頼るのではなく、使用と不使用の個々の圧迫期間および持続時間を特定しようとするものである。このアプローチは、単純な全体的な合計時間に基づくコンプライアンス監視よりも、より有用な臨床データ機能を提供する。
【0033】
患者が手足から衣類を取り外してからの経過時間、または衣類とポンプコネクタのプラグを外してからの経過時間をポンプが表示する態様では、どちらもポンプ制御にアクセスすることなく行うことが可能である。本発明が監視するのは、そのような患者主導の誤った行動であり、それが、不十分な予防時間の主な原因であると考えられる。このような状況の実際の例としては、患者がトイレに行くために手足から衣類を取り外したが、戻ってきたときに手足に衣類を再装着しなかった場合が挙げられる。
【0034】
このような場合、圧迫システムは第1の表示状態から第2の表示状態に切り替わり、取り外しが行われてからの時間が表示されることとなる。この態様により、臨床医は、規定されたケアに対する使用/順守の欠如を容易に確認して、患者に対する安全かつ適切な介入について臨床的判断を下すことができる。
【0035】
図1は、圧迫療法中の流体圧を監視および制御するための圧迫システム100の全体的な構成を示している。一実施形態では、システム100が、空気圧圧迫システムなどの気体圧圧迫システムであるか、または膨張可能/膨張不能な物品または衣類120との適用に適した任意のタイプの流体に基づくものである。
【0036】
システム100は、圧迫衣類の形態の少なくとも1の膨張可能/収縮可能な衣類120と、空気源110、すなわち空気ポンプと、ポンプ110に動作可能に接続されたコントローラ210(図1には図示せず)とを備える。コントローラ210は、ポンプ110を制御するためにポンプ110に動作可能に接続されている。ポンプ110は、空気圧ポンプであってもよい。
【0037】
一実施形態では、ポンプ110が、膨張可能/収縮可能な衣類120との間の流体の流れを制御するように構成されている。すなわち、ポンプ110は、膨張可能/収縮可能な物品120を膨張または収縮するように構成されている。
【0038】
システム100は、膨張可能/収縮可能な衣類120とポンプ110とを流体的に接続するためのカップリングアセンブリ300をさらに備える。カップリングアセンブリ300は、コネクタ330および接続部材310を含む。
【0039】
コネクタ330は、係合時に、コネクタ330および接続部材310を通る流体通路を形成するように接続部材310に接続可能である。すなわち、コネクタ330は、接続部材310に接続可能であり、それによりカップリングアセンブリ300を通る流体連通を可能にすることができる。
【0040】
カップリングアセンブリ300は、識別コンポーネント390を備える。識別コンポーネント390の位置、サイズおよびタイプは、コネクタ330または接続部材310上に設けられ、また、コネクタ330と接続部材310との間の係合中に、検知装置に対する識別コンポーネント390の位置を検知するための検知装置(図1には図示せず)が設けられている。
【0041】
したがって、接続部材310とコネクタ330との間の誤接続または部分的な係合は、識別コンポーネント390の存在の検出および位置の監視によって検出することができる。このため、この監視および表示を通じて、誤接続のリスクおよび影響が低減される。
【0042】
本明細書において、コネクタ330と接続部材310の係合とは、コネクタ330と接続部材310が接触している状態のことをいう。この状態において、コネクタおよび接続部材は、接続されていても、接続されていなくても、あるいは部分的に接続されていてもよい。
【0043】
図1に例示的な形態で示す圧迫システム100は、ポンプ110と、図2に示すような制御システム200と、視覚的および聴覚的要素を含むユーザインターフェース117、すなわちインジケータユニットと、患者の四肢に取り付けるための少なくとも1の圧迫衣類120とを備え、圧迫衣類が、分離可能な物理的コネクタ部品310、330を含むコネクタ装置300を介して、少なくとも1の接続手段114に取付可能である。衣類330側のコネクタ部品は、識別コンポーネント390を含む本体331を有し、ポンプ110のコントローラ221が複数の異なるタイプの中から少なくとも1の接続された衣類の位置、サイズおよびタイプを検出することができるようになっている。ポンプ110のコントローラ221は、個々の患者による使用時および不使用時の圧迫衣類120の使用状況を監視して、その状態の時間ベースの指標および分析を提供することができるように構成されている。
【0044】
図2は、内部に配置されてソフトウェアベースの機能を提供するコントローラ210、すなわちメインシステムマイクロコントローラを含む、圧迫システム100の制御システム200の要素の論理的構成を示している。この図2では、制御面の構成が、個々の機能要素および論理要素とともに示されている。それら要素は、説明を容易にするために個々の要素として示されているが、いくつかの実施形態において、それらを物理的に組み合わせることができることは、本発明の範囲内である。
【0045】
一実施形態では、患者の解剖学的構造、例えば、足、ふくらはぎまたは大腿などの四肢に取り付けるための少なくとも1の衣類タイプが提供される。衣類120は、その膨張を通じて患者の解剖学的構造内に直接圧迫を与える。接続された各衣類120は、その識別コンポーネント390を介して検知され、これにより、メインシステムマイクロコントローラ210は、検知したタイプに基づいて、接続された各衣類に必要な圧迫を特定および設定することができる。
【0046】
圧迫手段221、222は、解剖学的構造との係合の程度および圧迫の効果に関するフィードバックをメインシステムマイクロコントローラ210に提供する。圧迫は、圧力測定要素230を使用してメインシステムマイクロコントローラにより監視され、これにより、システム100から衣類120への圧迫のリアルタイムの制御および送達が可能になる。代替的には、流体源110(例えば、エアコンプレッサ)からのフィードバックおよび報告を使用して、動作条件を検出し、解剖学的領域への圧迫の一貫した送達を保証することができる。
【0047】
メインシステムマイクロコントローラ210は、図1および図3a~図3dに詳細に示すようなLCDディスプレイのような視覚的インジケータ、および/または圧迫システムの一部として配置された他のLEDベースのインジケータからなるユーザインターフェース117、117a~117dを介して、圧迫システム100の状態に関する視覚的フィードバックをユーザに提供することができる。また、ユーザインターフェース117は、スピーカ、圧電サウンダまたは他の形式の可聴デバイスを使用して、ユーザに可聴式フィードバックも提供することができる。また、ユーザインターフェース117は、ボタン、キーパッドおよび他の形態のユーザ入力部を使用して、システム動作、動作モード、設定、および他のユーザ選択可能な特性の選択を通じて、圧迫システム100の制御も提供することができる。図3a~図3dは、利用可能なグラフィックアイコンのフルセットが表示されたLCDパネルの形態の、先行技術で知られている圧迫システムの例示的なグラフィカルユーザインターフェースを示している。それらは、様々な動作モード中および様々な時点における圧迫システムの様々な機能および動作状態の例示的な表示を提供する。
【0048】
計時要素240が設けられており、この計時要素は、計時期間、クロックおよびカレンダ情報などの時間ベースの情報を提供するために使用することができ、その情報は、オペレーティングソフトウェアによって使用され、システムメモリ内に格納され得る。
【0049】
記憶メモリ要素250が設けられており、この記憶メモリ要素によって、メインシステムマイクロコントローラ210は、システムの使用期間(すなわち、意図および規定された期間)だけでなく、非使用期間(すなわち、意図または規定されたものに反する期間)の両方に関連するデータおよび記録を記憶することが可能になる。また、記憶メモリ要素は、計時要素によって提供される計時情報も含む。これにより、患者ケアの典型的な期間(例えば、数時間および数日間続く期間)に関連するデータと、複数の患者による(例えば、数週間および数ヶ月にわたる)ポンプの使用状況に関連するデータの不揮発性ストレージが可能になる。このデータは、アクセス可能であり、医療施設内のスタッフによるシステム使用の有効性に関する情報を提供するために分析することができる。
【0050】
メインシステムマイクロコントローラ210は、この使用情報を、遠隔通信要素260(例えば、BluetoothまたはWi-Fiを使用した無線接続、またはUSBなどの有線接続)を使用して、記憶メモリ250から外部デバイスに伝えることができる。
【0051】
さらに図1を参照すると、システム100は、ユーザインターフェースであるインジケータユニット117をさらに備える。インジケータユニット117は、メインシステムマイクロコントローラ210、すなわちコントローラに動作可能に接続されている。インジケータユニット117は、位置信号に基づいてユーザに指示を提供するように構成されている。
【0052】
一実施形態では、インジケータユニット117がポンプ110に設けられている。すなわち、インジケータユニット117はポンプ110のケーシングに取り付けられている。一実施形態では、インジケータユニットを接続部材310に取り付けることもできる。これにより、ユーザは、ポンプ110を操作している間に、指示が与えられる。
【0053】
一実施形態では、インジケータユニット117が、LCDディスプレイなどのディスプレイユニットであってもよい。
【0054】
一態様では、インジケータユニットがLEDインジケータを含み、LEDの照明状態が、第1の表示状態および第2の表示状態のLCD状態に依存する。
【0055】
さらなる態様では、LEDベースのインジケータユニットが、LCDの状態に基づいて、一定の照明状態を点滅する照明状態に変化させる。
【0056】
一実施形態では、遠位部分331が、連結軸CAに沿った、連結位置と非連結位置との間の中間位置にあることに応答して、インジケータユニット117が、ユーザに指示を与えるように構成されている。
【0057】
一実施形態では、コントローラ210が、ポンプ110上またはその内部に設けられている。
【0058】
図3a~図3dに示すように、インジケータユニット117は、圧迫システム100に関連する様々な異なる機能に関連付けられた完全な範囲のアイコンを有するグラフィカルLCDディスプレイの形態で示されている。
【0059】
図3bは、衣類が接続されていないとき、すなわち患者が使用する前のシステムの使用状態の表示に使用される、図3aに示すパネル内の特定のアイコンを強調表示している。これは、製品が予防に使用されていないときの表示を示している。アイコンは、使用状況監視発明を示している。他のアイコンも存在するが、説明を明確にするために取り除かれている。インジケータユニット117は、ポンプに接続されていると現在検知される、接続された衣類が存在しないことを示している。システムの過去の合計使用量は、インジケータユニット117の右下隅118に、時単位および分単位の期間を示すのに使用できる3桁のデジタル経過時間メータの形態で示すことができる。また、この表示は、圧迫システムの各圧迫出力について例示的な四肢のセクションの複数のグラフィックアイコンを含む。
【0060】
図3cは、システムが患者の脚、特にふくらはぎへの接続を意図した2つの衣類の接続を検出したときの圧迫システム100の例示的な表示を示している。接続された衣類のアイコンのセットが表示され、表示の右下隅118に3桁のデジタル経過時間メータの形態で使用情報が表示され、それが、衣類の継続的な使用に関連付けられている。図3cは、図3aのアイコンのうち、患者による使用状況監視に関連付けられた第1の表示状態の表示に関連するアイコンのみを示している。これは、足、脚およびふくらはぎを含む四肢のような解剖学的構造と関連付けられたアイコンと、四肢の領域に取り付けられた様々な衣類アイコンと、3桁の7セグメント数値表示を含む計時表示とを含む。表示される衣類アイコンの性質は、衣類検出手段によって検出されたものに依存する。異なる衣類のタイプに異なるアイコンを使用することは本発明の範囲内である。計時表示118に表示される計時情報は、接続された衣類の監視された使用状況に関連付けられる。
【0061】
図3dは、図3cで詳述したのと同じ接続されたふくらはぎ用衣類を用いて動作する圧迫システムの第2の状態表示の一例を示しているが、患者の手足が存在しない。表示の右下隅118に表示される使用情報は、3桁の経過時間メータの形態にすることができ、計時情報が、それら衣類の不使用に関連付けられるように変更される。
【0062】
本発明の一態様は、インジケータユニット117が、第2の表示状態にあるときに、図3cおよび図3dで丸で囲んだ四肢アイコンの間で交互に点滅する四肢の効果を伴うことである。アイコンの交互の表示は、点滅または表示コントラストレベルの変化の形態で行われる。
【0063】
このため、この状態は、患者の四肢が存在しないと検知され、圧迫システムが所定の治療または予防を提供していない状態である。計時表示に表示される計時情報は、接続された衣類の監視された使用不足に関連付けられる。
【0064】
図4は、患者による図1の圧迫システムの典型的な使用シナリオの一例を絵入りで示している。この図は、使用期間と非使用期間、およびLCDの7セグメントディスプレイによって提供される第1の表示状態と第2の表示状態に対する影響をグラフを使って示している。
【0065】
この使用シナリオでは、非使用期間(B、D)が挟まれた個々の使用期間(A、C、E)が含まれる。それら期間は、典型的な患者のケア内で数分から数時間続くことがあり、病院環境で経験される典型的なものである。使用期間A、C、Eの例には、患者が病院のベッドにいるとき、手術中または睡眠中、および圧迫システムが特に必要で使用が意図されているときの圧迫システムの動作が含まれる。典型的な非使用期間B、Dの例には、患者が診断処置(例えば、X線検査)を受けているときや、個人的な衛生(入浴/トイレ)のときで、圧迫システムの使用が特に意図されていないときが含まれる。
【0066】
さらに重要な考慮事項は、システムが実際に使用されることを意図している時間中に、非使用期間が発生する可能性があるということである。このシナリオの例としては、検査のために患者の四肢から衣類が物理的に取り外され、その後介護者が衣類を元に戻すのを怠った場合が挙げられる。このシナリオでは、患者は規定された治療を受けていないため、危険に曝されている。この態様は、圧迫システム100によって特に監視される。
【0067】
タイミングはそれに応じて記述される。第1の使用状態Aは、T0からT1までの時間続き、その期間はT1-T0であり、LCDディスプレイは、T0~T1の間に計時された値が増加する第1の表示状態を提供する。
【0068】
その後、非使用期間Bが続き、第2の表示状態が示される。続いて、第1の表示状態が表示される使用期間C、第2の表示が行われるさらなる非使用期間D、第1の表示がアクティブになる最後の使用期間Eが続く。
【0069】
これらの個々の使用期間と非使用期間の発生と持続期間は、各患者に固有であるため、圧迫システムの使用状況監視機能と性能監視機能によって提供される結果の指標は、これを定量化する手段を提供することができる。
【0070】
図4を参照すると、上部表示が、2つの使用状態および動作が規定された圧迫システムの本発明の一例を示している。第1の使用状態は、患者による意図した通常の動作に関連付けられ、第2の使用状態は、意図しないモードでのシステムの動作に関連付けられている。
【0071】
複数の個別の使用エピソードが時系列シーケンスA、B、C、D、Eに示されており、エピソードA、C、Eには、意図および規定されたように患者に圧迫療法を提供するシステムの正しい動作が含まれる。エピソードB、Dは、圧迫が意図または規定されたように加えられない使用例を示している。患者の四肢から圧迫衣類が取り外されること、ポンプから圧迫衣類が切り離されること、漏れなどの故障状態が検出されることなど、多くの要因によって、エピソードB、Dに示す状況が引き起こされる可能性がある。
【0072】
各エピソードは、図4に示すように監視され、時間が計測される。
【0073】
第1の使用状態の間、圧迫システム100は、第1のタイプの表示をユーザに提供する。第1のタイプの表示は、複数の使用エピソード(例えば、A、C、E)にわたる第1の状態での動作の累積期間である増加する経過時間を含む。この時間は監視され、例えば、最初は分単位のみで、60分経過後は時と分単位に変化する、送達された予防時間の形態で表示される。
【0074】
第2の使用状態の間、圧迫システムは、異なる第2のタイプの表示をユーザに提供する。第2の表示は、特定の使用エピソードの第2の状態で費やされた時間に関連付けられた増加する時間の形態である。この時間は、最初は分単位で表示されるが、その後、時と分単位で表示される。
【0075】
さらなる態様では、不使用の各エピソードから第2の時間を累積することができる。
【0076】
2つの表示を使用する利点は、圧迫システムの状態に関連する情報のみがユーザに提示されることである。これにより、提供される計時情報の使いやすさと理解しやすさが促進される。
【0077】
圧迫システムの使用状況が第1の状態から第2の状態に変化すると、第1の状態の表示タイプは自動的に消去され、代わりに第2の状態の表示タイプのみが表示される。
【0078】
圧迫システムの使用状況が第2の動作状態から第1の動作状態に変化すると、圧迫システムは自動的に戻って第1の状態の表示タイプのみを提供する。
【0079】
エピソードのタイミングは、図4および表1に示されており、それとともに、図4の経過時間‘t’に基づく各表示タイプの時間に関連する表示される値の数式も示されている。
【0080】
【0081】
上記の表1は、第1の表示状態が、ポンプが使用されて圧迫システムが患者に予防を有効に提供している場合にのみ得られるのに対し、第2の表示状態が、圧迫システムが予防を施していない場合にのみ提供されることを示している。
【0082】
第1の表示状態では、経過使用計時情報が、エピソードAの間に増加し、エピソードCを通じて増加し、その後、エピソードEを通じて再び増加し、患者ケアの期間にわたる合計値を提供する。第1の表示状態は、経過計時値が増加しない非使用エピソードの間は得られない。
【0083】
この状況は図4にも図示されている。
【0084】
図5は、圧迫システムにどの表示状態を提供するのかを決定することを可能にする、本発明の例示的な一実施形態を詳細に示すフローチャートである。図5では、圧迫システムが、接続された各衣類を監視し、衣類の膨張をリアルタイムで制御し、それぞれの膨張中に各圧迫衣類内の四肢の存在を検知することができる。これは、膨張プロセス中の様々な時点で取得された測定値および複数のパラメータの分析によって達成される。これらの測定値には、接続されたチューブ114、112内の圧力、接続された膨張した衣類120内の圧力、接続された衣類のタイプ、および特定の膨脹状態を実際に提供することに関与するコンプレッサのパラメータ(コンプレッサ駆動波形の振幅、印加された駆動波形の周波数、電流、電圧など)のうちの少なくとも1つが含まれる。
【0085】
予防送達の測定は、上記のパラメータを組み合わせることによって作成され、その接続された具体的な衣類のタイプについて予想される測定値、およびその接続された衣類の過去の膨張で達成された測定値と比較される。システムは、それら2つの分析ポイント間の有意な差異を探し、その差異を使用して四肢の存在を判定する。
【0086】
圧迫システムは、衣類内の四肢の存在の測定に基づいて、第1の表示状態と第2の表示状態との間で交互に変化することができる。この表示状態の変化は、接続された単一の衣類のみの動作でも、接続された2つの衣類の動作でも生じる。表示状態の変化は、2つの接続された衣類のうちのいずれか一方が、患者の四肢で使用されていないと検出された場合に生じる。
【0087】
追加のパラメータをアルゴリズムに追加し、そのアルゴリズムによって追加の出力を生成することは、本発明の範囲内である。
【0088】
圧迫システムは、患者に予防を送達していないことを検知すると、その指示をユーザに適応させることができる。ユーザ指示には、LCDベースの指示、LEDベースの指示、およびポンプからの音響指示が含まれる。したがって、ユーザ指示の優先順位およびレベルは臨床現場で必要に応じて適応させることができる。これには、非使用エピソードの持続期間に比例または関連する段階的かつ漸進的な指示が含まれる。このため、使用の欠如の期間が短い場合は、低いレベルの指示をユーザに提供することができるが、期間が長くなり、状況がより深刻になるにつれて、これを強くすることができる。
【0089】
好ましい実施形態では、第1および第2の表示状態の両方において、正しい予防が送達されずに10回の圧迫サイクルの持続時間が検知された場合に、緑色のLEDの点滅表示が圧迫システムの複数の位置に提供される。圧迫システムに複数のLED表示を使用することにより、複数の方向から見ることができ、その結果、圧迫システムの動作状態およびその使用状況を、圧迫システムに近づいたり操作したりすることなく、臨床スタッフが様々な方向から容易に判断することが可能になる。
【0090】
このLED表示は、非使用時間が長くなるにつれて、例えば緑色LEDの代わりに黄色LEDのアラーム表示を使用するなど、優先順位をさらに上げることができる。この変化は、予防が適切に行われなかったサイクルの数が例えば10サイクルに達した場合に生じる。
【0091】
また、圧迫システムの使用状況監視表示によって提供される表示および計時データが圧迫システムから物理的に離れた他の場所で再現されることも、本発明の範囲内である。
【0092】
圧迫システムは、任意選択的に、中央監視装置、コンピュータ、タブレットデバイス、電話、または少なくとも1の圧迫システムの状態を表示できる別のデバイスなどの遠隔設備に、その状態を伝達する手段を含むことができる。この伝達手段は、無線技術(Bluetooth、ZigBeeまたはWi-Fiなど)、および/または病院ベッドや支持面/マットレスポンプなどの他の医療デバイスなど、情報そのものを表示したり、またはオンワード通信を提供したりすることができる別のデバイスへの専用の有線接続を利用することができる。
【0093】
ある態様では、圧迫療法中の流体圧を監視および制御するための圧迫システム100が提供される。このシステムは、少なくとも1の膨張可能または収縮可能な圧迫衣類120と、空気ポンプに接続されたときに圧迫衣類への空気圧を調節するための空気ポンプ110と、インジケータユニット117と、少なくとも1の圧迫衣類120の使用状況を監視するために空気ポンプ110に動作可能に接続されたコントローラ221とを備える。インジケータユニット117は、圧迫衣類120が患者に圧迫を加えているときの圧迫システム100の第1の動作状態における少なくとも1の圧迫衣類120の監視された使用時間に関連付けられた第1の表示インジケータ117a、117cと、圧迫衣類が患者に圧迫を加えていないときの圧迫システム100の第2の動作状態における衣類の監視された使用時間に関連付けられた第2の表示インジケータ117b、117dとを備える。インジケータユニット117は、圧迫システム100の動作状態に関連付けられた第1および第2の表示インジケータ間で自動的に切り替わるように構成されている。
【0094】
一態様では、圧迫システム100が、圧迫衣類120のタイプに関連付けられ、圧迫衣類120のコネクタ330に取り付けられた識別コンポーネント390を備える。空気ポンプ110は、圧迫衣類のタイプに基づいて圧迫衣類120への空気圧を調節するように構成されている。このシステムは、圧迫療法中に、接続された圧迫衣類120の膨張可能なチャンバの少なくとも1つに存在する圧力を測定して、膨張可能なチャンバ内の圧力に対応する信号を生成するための少なくとも1の圧力センサを備える。圧力センサは、圧迫を加えている間に、少なくとも1の圧迫衣類120内に位置する人体の四肢またはその一部の存在に相当する特徴を含む信号を提供する。圧力センサは、人体の四肢またはその一部が圧迫衣類(120)から取り外された結果として、圧迫衣類120の圧迫レベルが、以前の膨張中に測定された特徴と比較して変化したことを示す。人体の四肢またはその一部が接続された圧迫衣類120内に存在するときの合計の監視時間は、四肢または解剖学的構造が接続された圧迫衣類120内に存在しないと現在検出されたときの監視時間と比較して、コントローラ221により監視および提供され、インジケータユニット117上でユーザに視覚的に提示される。
【0095】
一態様では、識別コンポーネント390が、フェライト、鋼または黄銅材料で作られている。
【0096】
一態様では、第1の表示インジケータ117a、117cが、分単位または時単位で、圧迫の送達に関連する時間の合計時間を含む。
【0097】
一態様では、第2の表示インジケータ117b、117dが、分単位または時単位で、現在の圧迫の不足に関連する時間の持続時間を含む。
【0098】
一態様では、第2の表示インジケータ117b、117dがアクティブであり、かつ圧迫の送達不足が閾値を超えたとき、可視警告が提供される。一態様では、可視警告がLEDまたはLCDユニットの作動を含む。
【0099】
一態様では、監視された使用時間が、ユーザによってリセットされるように構成される。
【0100】
一態様では、第1の動作状態が、圧迫システム100の正しい動作と関連付けられ、第2の動作状態が、圧迫システム100の正常に機能しない動作と関連付けられる。
【0101】
一態様では、流体出力が、第1および第2の動作状態の両方において維持される。
【0102】
一態様では、圧迫衣類120が、人体の四肢またはその一部に装着されるように構成され、非接続時間の期間が、圧迫システム100によって監視され、その時間が、第2の動作状態として表示されるとともに、インジケータユニット117上に現在の持続時間として示される。
【0103】
一態様では、圧迫衣類120が、人体の四肢またはその一部に装着されるように構成され、四肢から取り外された期間が、制御ユニットにより監視されて、インジケータユニット117に表示される。
【0104】
一態様では、インジケータユニット117が、四肢またはその一部のグラフィックアイコンを含むLCDディスプレイであり、圧迫システム100が第2の動作状態にあるときに、アイコンは点滅するか、または他の方法でコントラストが交互に切り替わる。
【0105】
一態様では、インジケータユニット117が、時間の経過とともに製品の不使用の表示を与えるLCDディスプレイであり、最初は分単位で表示される。
【0106】
一態様では、インジケータユニット117が、時間の経過とともに製品の不使用の表示を与え、監視された不使用が時間の経過とともに増加するにつれて漸進的な応答を提供するように構成されている。
【0107】
一態様では、人体の四肢またはその一部に装着するための圧迫衣類120が提供され、圧迫療法中に流体圧を監視および制御するためのシステム100によって、接続された時間の持続時間が監視され、第1の動作状態にある時間が合計されて圧迫システム100の空気ポンプ110のユーザインターフェース117に表示される。
【0108】
一態様では、圧迫療法中の流体圧を監視および制御するための圧迫システム100が提供される。このシステムは、少なくとも1の圧迫衣類120と、空気源に接続されたときに少なくとも1の圧迫衣類120への空気圧を調節するための空気源110と、空気源110に動作可能に接続され、少なくとも1の圧迫衣類120の使用状況を監視するように構成されたコントローラと、四肢検出ユニットとを備える。少なくとも1の圧迫衣類120は、識別コンポーネント390を有する接続ユニット330を備え、識別コンポーネント390が、フェライト、鋼または黄銅で作られている。四肢検出ユニットは、圧迫衣類の識別コンポーネント390の性質に基づいて圧迫システム100によって構成されている。
【0109】
一態様では、システムが、四肢検出アルゴリズムを含み、このアルゴリズムが、少なくとも1のパラメータを含み、それらパラメータが、圧迫システム100に接続されたときに、少なくとも1の圧迫衣類120の識別コンポーネント390によって設定される。
【0110】
一態様では、システムが、2つの圧迫衣類接続ポート310を備え、四肢検出アルゴリズムが、各圧迫接続衣類ポート310に取り付けられたときに、識別コンポーネント390の値に基づいて、各圧迫衣類接続ポートに別個にかつ独立に適用される。
【0111】
一態様では、圧迫システム100における圧迫療法中の流体圧を監視および制御するための方法が提供される。このシステム100は、ポンプ110と、少なくとも1の膨張可能または収縮可能な圧迫衣類120と、インジケータユニット117と、少なくとも1の圧迫衣類120の使用状況を監視するための制御ユニットとを備える。インジケータユニット117は、圧迫衣類120が患者に圧迫を加えているときの圧迫システム100の第1の動作状態における少なくとも1の圧迫衣類120の監視された使用時間に関連付けられた第1の表示インジケータ117a、117cと、圧迫衣類が患者に圧迫を加えていないときの圧迫システム100の第2の動作状態における衣類の監視された使用時間に関連付けられた第2の表示インジケータ117b、117dとを含む。本方法は、圧迫システムを起動するステップ1と、接続された圧迫衣類を識別するステップ2と、予防動作を開始するステップ4と、圧迫システム100の少なくとも1の圧迫衣類120の使用状況を検出および表示するステップ5と、圧迫システム100の動作状態に関連付けられた第1および第2の表示インジケータ117a、117b、117c、117dを自動的に切り替えるステップ5とを含む。
【0112】
一態様では、本方法は、少なくとも1の圧迫衣類120内の人体の四肢またはその一部の存在を検知するステップをさらに含み、検出および表示するステップ5が、検知したデータの第1のセットを検知したデータの後続のセットと比較することを含み、検知したデータの第1のセットと後続のセットとの間の差異が、少なくとも1の圧迫衣類120の識別コンポーネント390によって設定された閾値と比較される。
【0113】
本明細書で使用される用語は、特定の実施形態を説明するためだけのものであって、本発明を限定することを意図したものではない。本明細書において、単数形「a」、「an」および「the」は、文脈から明らかにそうでないことが示されない限り、複数形も含むことが意図されている。さらに、本明細書において、「comprises」、「comprising」、「includes」および/または「including」といった用語は、記載の特徴、完全体、ステップ、動作、要素および/またはコンポーネントの存在を特定するが、1または複数の他の特徴、完全体、ステップ、動作、要素、コンポーネントおよび/またはそれらのグループの存在または追加を排除するものではないことを理解されたい。
【0114】
別段の定義がない限り、本明細書で使用されるすべての用語(技術用語および科学用語を含む)は、本発明が属する技術分野における当業者によって一般的に理解されるのと同じ意味を有する。さらに、本明細書で使用される用語は、本明細書および関連技術の文脈における意味と一致する意味を有するものとして解釈されるべきであり、本明細書で明示的に定義されない限り、理想化された意味または過度に形式的な意味で解釈されるものではないことを理解されたい。
【0115】
以上、本発明の原理、好ましい実施形態および動作モードを説明した。しかしながら、本発明は、限定的ではなく、例示的であるとみなされるべきであり、上述した特定の実施形態に限定されるものではない。本発明の様々な実施形態の様々な特徴は、明示的に記載した組合せ以外の組合せで組み合わせることが可能である。したがって、以下の特許請求の範囲によって規定される本発明の範囲から逸脱することなく、当業者によってそれらの実施形態に変更を加えることができることを理解されたい。

図1
図2
図3a
図3b
図3c
図3d
図4
図5
【国際調査報告】