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特表2024-538764ストーマテンプレートおよび特注のオストミー皮膚バリアの製造方法
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  • 特表-ストーマテンプレートおよび特注のオストミー皮膚バリアの製造方法 図1
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  • 特表-ストーマテンプレートおよび特注のオストミー皮膚バリアの製造方法 図4
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-10-23
(54)【発明の名称】ストーマテンプレートおよび特注のオストミー皮膚バリアの製造方法
(51)【国際特許分類】
   A61F 5/445 20060101AFI20241016BHJP
【FI】
A61F5/445
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024521844
(86)(22)【出願日】2022-08-31
(11)【特許番号】
(45)【特許公報発行日】2024-09-25
(85)【翻訳文提出日】2024-05-23
(86)【国際出願番号】 US2022042160
(87)【国際公開番号】W WO2023064049
(87)【国際公開日】2023-04-20
(31)【優先権主張番号】63/254,239
(32)【優先日】2021-10-11
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】591000414
【氏名又は名称】ホリスター・インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】HOLLISTER INCORPORATED
(74)【代理人】
【識別番号】100147485
【弁理士】
【氏名又は名称】杉村 憲司
(74)【代理人】
【識別番号】230118913
【弁護士】
【氏名又は名称】杉村 光嗣
(74)【代理人】
【識別番号】100174001
【弁理士】
【氏名又は名称】結城 仁美
(72)【発明者】
【氏名】ジェイムズ ピー ワインズ
【テーマコード(参考)】
4C098
【Fターム(参考)】
4C098AA09
4C098CC40
4C098CE10
(57)【要約】
ストーマテンプレートは、対向する内側端縁および外側端縁、および、対向する第1側面および第2側面を有する本体部分を備える。内側端縁は、第1側面と第2側面との間で、本体部分に貫通する開口部を画定し得る。第1側面は、内側端縁と外側の端縁との間に延びる複数の柔軟なセグメントを有し得る。複数の柔軟なセグメントは、溝によって互いに分離でき、また本体部分の第1側面に沿って粘着性のある表面を有し得る。複数の柔軟なセグメントの少なくとも一部分は、剥離された部分を形成するために、開口部から剥離可能である。剥離された部分は、柔軟なセグメントのそれぞれの剥離されていない部分に折り重ねることができ、粘着性のある表面に接着可能であり得る。本体部分の内側の端縁は、剥離された部分によって引っ張り返すことができ、また開口部が拡大され得る。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
対向する内側端縁および外側端縁、並びに対向する第1側面および第2側面を有する本体部分を
備える、ストーマテンプレートであって、
前記内側端縁は、前記第1側面と前記第2側面との間で本体部分に貫通する開口部を画定し、
前記第1側面は、前記内側端縁と前記外側端縁との間に延びる複数の柔軟なセグメントを有し、前記複数の柔軟なセグメントは、溝によって互いに分離され、また前記本体部分の前記第1側面に沿って粘着性のある表面を有し、そして、
前記複数の柔軟なセグメントの少なくとも一部分の柔軟なセグメントは、剥離された部分を形成するために、開口部から剥離可能であり、前記剥離された部分は、前記柔軟なセグメントのそれぞれの剥離されていない部分に折り重ねることができ、また前記粘着性のある表面に接着可能であり、前記本体部分の前記内側端縁は、前記剥離された部分によって引っ張り返されて、前記開口部が拡大される、
ストーマテンプレート。
【請求項2】
請求項1記載のストーマテンプレートにおいて、前記溝は、それらの長さに沿って一連のミシン目を含む、ストーマテンプレート。
【請求項3】
請求項1記載のストーマテンプレートにおいて、前記複数の柔軟なセグメントは、前記本体部分の前記内側端縁から前記外側端縁まで延びる、実質的に直線状の対向する側端縁を有し、前記柔軟なセグメントに隣接する前記対向する側端縁は、1つの前記溝の対向する側端縁を画定する、ストーマテンプレート。
【請求項4】
請求項1記載のストーマテンプレートにおいて、前記複数の柔軟なセグメントは、皮膚バリア材を含む、ストーマテンプレート。
【請求項5】
請求項1記載のストーマテンプレートにおいて、前記複数の柔軟なセグメントは、前記開口部を取り囲み、そこから放射状に広がり、前記複数の柔軟なセグメントは、前記本体部分の前記外側端縁に向かって延びるにつれて幅が広がる、ストーマテンプレート。
【請求項6】
請求項1記載のストーマテンプレートであって、さらに、前記本体部分の前記第1側面をカバーするためのフィルムを備え、前記フィルムは、粘着性のある表面に接着可能である、ストーマテンプレート。
【請求項7】
請求項1記載のストーマテンプレートにおいて、前記本体部分は環状体形状であって、前記開口部は中央に位置する、ストーマテンプレート。
【請求項8】
オストミー皮膚バリアを作製する方法であって、
対向する内側端縁と外側端縁の間で、第1側面に沿って複数の柔軟なセグメントを有するストーマテンプレートを準備するステップであり、前記複数の柔軟なセグメントは粘着性のある表面を有し、また内部にミシン目を有する溝によって互いに分離されるものである、前記準備するステップと、
前記複数の柔軟なセグメントのうち少なくとも1つの柔軟なセグメントの一部分を、前記ストーマテンプレートの中央の開口部から外方に剥離して、剥離された部分を形成するステップと、
前記剥離した部分を、少なくとも1つの前記柔軟なセグメントのそれぞれに対応する剥離されていない部分上に折り重ねるステップと、
前記剥離された部分を、前記剥離されていない部分の前記粘着性のある表面に押し付けて、前記剥離された部分および前記剥離されていない部分を互いに粘着させるステップと、
前記ストーマテンプレートの前記内側端縁を再構成して、ストーマ周縁に対応するよう前記開口部をカスタマイズするステップと、
前記テンプレートを、オストミー皮膚バリア材と並べて配置するステップと、並びに
前記皮膚バリア材は、前記ストーマテンプレートに適合するように切断するステップであって、前記切断は、前記オストミー皮膚バリアの前記対向する内側端縁および外側端縁を形成し、また前記オストミー皮膚バリアの前記対向する内側端縁および外側端縁はそれぞれ、前記ストーマテンプレートの再構成された前記内側端縁および前記外側端縁に対応するように行う、前記切断するステップと、
を備える、方法。
【請求項9】
請求項8記載の方法であって、さらに、前記ストーマテンプレートを前記ストーマと並べて配置し、前記複数の柔軟なセグメントのどれを剥離するか、および、少なくとも1つの前記柔軟なセグメントをどの程度剥離すべきかを特定するステップを備える、方法。
【請求項10】
請求項8記載の方法であって、さらに、前記ストーマテンプレートの輪郭を前記オストミー皮膚バリアの上にトレースするステップであり、前記トレースは、前記ストーマテンプレートの前記再構成された内側端縁および外側端縁を追従するものである、前記トレースするステップを備える、方法。
【請求項11】
請求項8記載の方法であって、さらに、ストーマテンプレートに対応してフィルムを切断し、また前記フィルムを前記粘着性のある表面に沿って、前記ストーマテンプレートの前記第1側面に接着するステップであり、前記切断によって前記フィルムの前記対向する内側端縁および外側端縁を形成し、前記フィルムの前記対向する内側端縁および外側端縁はそれぞれ前記ストーマテンプレートの前記再構成された内側端縁および外側端縁に対応するものとする、前記フィルムを切断及び接着するステップを備える、方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、オストミー(瘻孔形成術)器具に関するものであり、またより具体的には、外科的に作られたストーマ(瘻孔)周りの適合を改善するようオストミー皮膚バリアを作るためのテンプレート(template:型板)に関する。
【0002】
ストーマから排出される身体の老廃物を回収するためのオストミーパウチは周知であり、人工肛門造設術、回腸人工肛門造設術、人工膀胱造設術などの手術を受けた人に使用される。オストミーパウチは、ストーマ周囲皮膚の表面に対して封止し、ストーマ周囲表面をストーマ廃液に触れることから保護するように構成され、一般に、オストミー皮膚バリアを介して使用者に取り付けられる。しかし、ストーマの形および大きさは患者によって異なり、異なる大きさまたは形のストーマに対して、効果的にストーマ周囲表面を封止できる単一の皮膚バリアを提供することは特に困難となりうる。
【0003】
テンプレートシート、接着性ウエハーおよび移植可能な皮膚の植皮片などの様々な形のデバイスが一般的に知られており、各個人のストーマの形および大きさにより良く対応した皮膚バリアを作製するために使用される。しかしこのようなデバイスおよび解決方法は、侵襲的であったり、使用が困難であったり、および/または、特定の使用者のストーマ領域の特定の大きさおよび輪郭に密接に適合するカスタマイズされた皮膚バリアを生成するという観点から正確でなかったりする。
【0004】
したがって、本開示から認識できるように、本技術分野には経済的であり、使用が簡易であり、異なる使用者のストーマ周囲を密接に封止する正確な大きさおよび形の皮膚バリアを作製できる、ストーマテンプレートに対する重要なニーズがある。
【発明の概要】
【0005】
本明細書で提示される実施形態は、対向する内側端縁および外側端縁、並びに対向する第1側面および第2側面を有する本体部分を備えるストーマテンプレートを対象とする。ストーマテンプレートの内側端縁は、前記第1側面と前記第2側面との間で、本体部分に貫通する開口部を画定し得る。前記第1側面は、前記内側端縁と前記外側端縁との間に延びる複数の柔軟なセグメントを有し得る。前記複数の柔軟なセグメントは、溝によって互いに分離でき、本体部分の前記第1側面に沿って粘着性のある表面を有し得る。前記複数の柔軟なセグメントの少なくとも一部分の柔軟なセグメントは、剥離された部分を形成するために、開口部から剥離可能である。前記剥離された部分は、前記柔軟なセグメントのそれぞれの剥離されていない部分に折り重ねることができ、前記粘着性のある表面に接着可能であり得る。前記本体部分の前記内側端縁は、前記剥離された部分によって引っ張り返されて、前記開口部が拡大され得る。
【0006】
例示的な実施形態によると、本体部分の第1側面に沿った前記溝は、それらの長さに沿って一連のミシン目を含むことができる。前記複数の柔軟なセグメントは、前記本体部分の前記内側端縁から前記外側端縁まで延びる、実質的に直線状の対向する側端縁を有し得る。前記柔軟なセグメントに隣接する前記対向する側端縁は、1つの前記溝の対向する側端縁を画定し得る。前記複数の柔軟なセグメントは、皮膚バリア材で構成し得る。前記複数の柔軟なセグメントは前記開口部を取り囲み、そこから放射状に広がり得る。前記複数の柔軟なセグメントは、前記本体部分の前記外側端縁に向かって延びるにつれて幅が広がり得る。ストーマテンプレートは、前記本体部分の前記第1側面をカバーするためのフィルムをさらに備えることができる。前記フィルムは粘着性のある表面に接着可能であり得る。前記本体部分は環状体形状であって、前記開口部は中央に位置し得る。
【0007】
本明細書で提示される実施形態は、さらにオストミー皮膚バリアを作製する方法を対象とする。このような方法によると、対向する内側端縁と外側端縁との間で第1側面に沿って複数の柔軟なセグメントを有するストーマテンプレートを準備することができる。前記複数の柔軟なセグメントは粘着性のある表面を有し、内部にミシン目を有する溝によって互いに分離することができる。前記複数の柔軟なセグメントのうち少なくとも1つの柔軟なセグメントの一部分は、前記ストーマテンプレートの中央の開口部から外方に剥離して、剥離された部分を形成することができる。前記剥離された部分は、少なくとも1つの前記柔軟なセグメントのそれぞれに対応する剥離されていない部分上に折り重ねることができる。前記剥離された部分を、前記剥離されていない部分の前記粘着性のある表面に押し付けて、前記剥離された部分および前記剥離されていない部分を互いに粘着させることができる。前記ストーマテンプレートの前記内側端縁は、ストーマ周縁に対応するよう前記開口部をカスタマイズするために再構成し得る。前記テンプレートは、オストミー皮膚バリア材と並べて配置し得る。前記皮膚バリア材は、前記ストーマテンプレートに適合するように切断し得る。前記切断は、前記オストミー皮膚バリアの前記対向する内側端縁および外側端縁を形成することができ、それによって、前記オストミー皮膚バリアの前記対向する内側端縁および外側端縁はそれぞれ、前記ストーマテンプレートの再構成された前記内側端縁および前記外側端縁に対応する。
【0008】
例示的な実施形態によると、本明細書で提示される方法は、さらに、前記複数の柔軟なセグメントのどれを剥離するか、および、少なくとも1つの前記柔軟なセグメントをどの程度剥離すべきかを特定するため、前記ストーマテンプレートを前記ストーマと並べて配置するステップを備えることができる。前記ストーマテンプレートの輪郭は前記オストミー皮膚バリアの上にあり、それによってトレースは前記ストーマテンプレートの前記再構成された内側端縁および外側端縁を追従するものとすることができる。フィルムは、ストーマテンプレートに対応して切断し得る。前記フィルムは前記粘着性のある表面に沿って、前記ストーマテンプレートの前記第1側面に接着し得る。前記切断によって、前記フィルムの前記対向する内側端縁および外側端縁を形成し、前記ストーマテンプレートの前記再構成された内側端縁および外側端縁にそれぞれ対応させることができる。
【0009】
本開示の他の目的、利点および特徴は、添付の図面と併せて考慮される以下の明細書から、当業者によって理解され、評価されるだろう。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1図1は、本明細書に提示する例示的な実施形態による使用前の状態のストーマテンプレートの平面図である。
図2図2は、図1のストーマテンプレートの斜視図である。
図3図3は、本明細書に提示する例示的な実施形態による方法のフロー図である。
図4図4は、本明細書に提示する例示的な実施形態による使用状態のストーマテンプレートの平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
[発明の詳細な説明]
本開示は様々な形で具体化できるが、本開示は例示であり、本開示を図示した特定の実施形態に限定するものではないことを理解した上で、現在好ましい実施形態を図面に示し、以下に説明する。
【0012】
ここで添付の図、特に図1~2を参照すると、例示的な実施形態によるストーマテンプレート10は使用前の状態で示されている。図1~2に概略的に示すように、ストーマテンプレート10は、対向する内側端縁および外側端縁14、16、並びに対向する第1側面および第2側面18、20を有する本体部分12を備える。図1~2に概略的に示す例示的な実施形態によると、内側端縁14は、第1側面および第2側面18、20の間で、テンプレート10に貫通する開口部22の周囲に配置され、またこれを画定することができ、本体部分12は開口部22から外側に放射状に延び得る。図1~2に示すように、開口部は円形状であり、テンプレート10の中心に位置し得るが、開口部は、テンプレート10に沿って限定なく他の形および位置をとり得ることが理解されるだろう。図1に示すように、外側端縁16は、内側端縁縁14よりも大きな円周を有し得る。
【0013】
図1~2に概略的に示す例示的な実施形態によると、本体部分12の第1側面18は、その中にミシン目を有する溝26によって、互いに分離される複数の柔軟なセグメント24を備え得る。図1~2に示すように、柔軟なセグメント24は、テンプレート10の内側端縁と外側端縁14、16との間に延在することができる。図1~2に示すように、柔軟なセグメント24は開口部22を完全に取り囲み、均等なサイズおよび形状にすることができるが、テンプレート10は、本発明の新規な範囲から逸脱することなく、開口部22の一部の周囲のみを取り囲むセグメント、または複数の異なる形状またはサイズであるセグメントを有し得ることが理解されるだろう。柔軟なセグメント24は、ほぼ直線状の側端縁、およびテンプレート10の第1表面を画定するほぼ平坦な上部表面を有することができる。テンプレート10の反対側の第2側面20は、裏当て層を備え得る。
【0014】
図1~2に概略的に示す例示的な実施形態によると、柔軟なセグメント24は、開口部22から外側に放射状に延びることができ、そのようなセグメントの側端縁は、テンプレート10の外側端縁16に向かって延びるにつれて、その長さに沿って発散する(対照的に、側端縁はテンプレート10の外側端縁16から内側端縁14に向かって内方に延びるにつれて、その長さに沿って互いに収束する)。したがって、理解されるように、内側端縁14から等距離にある、対向する側端縁に沿った第1のポイント間で形成される円弧は第1の長さを有し、内側端縁14から等距離にある第2のポイント間に形成される円弧は、第1のポイントからの距離が大きくなるにつれて、第1の長さよりも大きい第2の長さを有する。したがって、図1~2に示すように、柔軟なセグメントはテンプレート10の外側端縁に向かって延びるにつれて、幅が広くなる。
【0015】
図1~2に概略的に示すように、溝26は隣接する柔軟なセグメント24の側端縁間に画定されるチャネルとして備えることができ、テンプレート10の内側端縁14と外側端縁16との間で隣接するセグメントの側端縁の長さに沿って延び得る。溝は、以下に追加的に詳細に説明するように、剥離された際に柔軟なセグメント24の分離を容易にできる、本体部分12に貫通する一連のミシン目を有し得る。溝26の太さ(幅)および深さ(柔軟なセグメント24の対応する間隔および高さによって定義される)は変化し得るが、本明細書でより詳細に説明するように、操作可能であると同時に、テンプレート10が意図しない亀裂または分離を回避するために十分な剛性および構造を有することを可能にするように構成することが、理解されるであろう。同時に、柔軟なセグメント24の厚さ(テンプレート10の第1側面18と第2側面20との間)は変化し得るが、本明細書でより詳細に説明するように、意図せずにまたは制御不能に折れ曲がらないように十分な剛性を提供するように構成されると同時に、意図した剥離および折れ曲がりに十分な柔軟性(可撓性)を有することができるように構成されることが、理解されるであろう。したがって、例示に過ぎないが、本明細書で提示する代表的な実施形態は、2.54mm~12.7mm(0.1~0.5インチ)の間におけるオーダーの厚さを有する柔軟なセグメント24および、2.286mm~12.45mm(0.09~0.49インチ)の間におけるオーダーの深さを有する溝26を有し得る。
【0016】
例示的な実施形態によると、ストーマテンプレート10は、例えばストーマ皮膚バリア材のような柔軟なまたは成形可能な材料で構成し得る。さらに、テンプレート10の第1側面18は、粘着性、付着性、または接着性のある表面コーティングを施して構成し得る。溝26と共に、柔軟な材料および接着性のある表面コーティングは、開口部22に隣接するセグメント24の一部を剥離返しし、それ自体の上に折り重ね、カスタムフィットする皮膚バリアをなして使用するためにカスタマイズされたテンプレートを作製することを可能にし得る。
【0017】
より詳細には、図3を参照すると、ストーマテンプレートを作製する方法100を代表的に示す。図3に示すように、本明細書に例示する実施形態に従って、ストーマテンプレートを準備することができる(ステップ101)。使用時、使用者は、テンプレート10の内側端縁14において1つ以上の柔軟なセグメント24の部分を剥離返しし(ステップ102)、剥離返しされた部分を、テンプレート10の第1側面18に沿ってそれぞれの1つ以上のセグメントの隣接する、剥離されていない部分の上に折り重ねることができる(ステップ104)。柔軟なセグメントをそれ自体の上に剥離して折り重ねると、剥離された部分および剥離されていない部分の粘着性又は付着性のある表面は、互いに対向するように方向付けられ得ることが認識されるであろう。例示的な実施形態によると、次に剥離された部分は剥離されていない部分に接着されるように押し付けることができる(ステップ106)。このようなステップにより、開口部22が拡大され、それぞれの領域で再形成され得ることが認識されるであろう。より詳細には、ストーマテンプレートの内側端縁を特定の領域32で再構成して、開口部22を使用者のストーマの周縁に対応するようにカスタマイズすることができる(ステップ108)。
【0018】
例示のため、図4は、開口部22を拡大し再形成するために、1つ以上の柔軟なセグメント24の一部が剥離返しされた使用状態における、再構成されたストーマテンプレート30を示す。図4に代表的に示すように、さらに図1と比較したときに最もよくわかるように、開口部22は変更され、大きくされ、特定の柔軟なセグメント24の内側端縁32が剥離返しされて形成された不規則な形状を有する。ストーマの形状およびサイズは使用者によって異なる可能性があるという事実を考慮すると、本明細書で提示する実施形態は、各使用者用に特に適したカスタマイズされたテンプレートを作製するのに特に有用であることが認識され得る。
【0019】
テンプレート10をカスタマイズする際、使用者はテンプレートをストーマに当てて保持して、特注のサイズまたは形状になるまで、特定のセグメント24を剥離返しすることができ、それによって、テンプレート10がストーマ周りに適合する、および/またはストーマが開口部24にわたり適合する。本明細書に提示する実施形態は、使用者が特定の折り重ね可能なセグメント24をどの程度後方に剥離返しするか、および/または特注のテンプレートを複製するかをより良く測定できるように、開口部10の周りに所定の間隔でテンプレート10の第1側面18に沿って予め付けられるマーキングをさらに設けることができる。使用者は、隣接する剥離されていない部分に接着する前に、柔軟なパネル24が所望の長さ剥離および折り返されるように、自分で印を付け、またはテンプレートの第1側面18に沿ってストーマの輪郭をトレースすることもできる。
【0020】
図3に戻ると、テンプレート10が使用者の選好性または必要性に応じてカスタマイズされ、テンプレートを使用して特注の皮膚バリアを作製することができる。より具体的には、テンプレート10は、皮膚バリア材の上に配置され、またはそれに対して向き決めされ(ステップ110)、またバリア材は、特注の開口部の周りの変更された内側端縁、およびテンプレート10の外側端縁16に沿うことを含んで、テンプレートのサイズおよび形状に対応するように切断することができる(ステップ112)。例示的な実施形態によると、バリア材として切断する前に、形状および大きさが使用者の選好に確実に適合するよう、切断前に、製図用具でテンプレートの輪郭をバリア材にトレースすることもできる。テンプレート10の切断またはトレースは、再構成された内側端縁および外側端縁16のラインに沿うことができることが認識されるであろう。
【0021】
本明細書に提示される例示的な実施形態によると、テンプレート10は、使い捨てまたは複数回使用を意図し得る。複数回使用が意図される場合、本明細書で提示する実施形態は、テンプレート10の第1側面18の上に配置または被着することができるフィルムなどのカバー層をさらに備え得る。第1側面18、は粘着性または付着性のあるコーティングを有するため、テンプレートが他の物品に張り付く、またはデブリを捕捉することがないようにするために、フィルムはこれに密着して付着性のある表面をカバーすることができる。カバー層はまた、テンプレート10への固定を容易にするために接着性または粘着性のある表面を含むことができ、さらに、テンプレート10の変更された開口部に適合するよう切断されるように構成され得る。
【0022】
本開示において、「a」または「an」という語は、単数形および複数形の両方を含むものとみなされる。逆に、複数の項目への言及は、適切な場合、単数形を含むものとする。
【0023】
以上から、本発明の新規な概念の真の精神および範囲から逸脱することなく、多数の修正および変形を実施できることが発見されるだろう。図示された特定の実施形態に関する限定は意図的なものではなく、または推測されたものではないことを理解されたい。本開示は、添付の特許請求の範囲によって、特許請求の範囲に属する全ての変更をカバーすることを意図している。
図1
図2
図3
図4
【国際調査報告】