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▶ シェンチェン ヴォックステック カンパニー リミテッドの特許一覧

(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-10-23
(54)【発明の名称】振動アセンブリ及びスピーカー
(51)【国際特許分類】
   H04R 7/02 20060101AFI20241016BHJP
   H04R 1/22 20060101ALI20241016BHJP
   H04R 1/02 20060101ALI20241016BHJP
【FI】
H04R7/02 Z
H04R1/22 310
H04R1/02 101Z
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024521899
(86)(22)【出願日】2022-05-23
(85)【翻訳文提出日】2024-04-10
(86)【国際出願番号】 CN2022094544
(87)【国際公開番号】W WO2023173579
(87)【国際公開日】2023-09-21
(31)【優先権主張番号】PCT/CN2022/081838
(32)【優先日】2022-03-18
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(81)【指定国・地域】
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.JAVA
2.PYTHON
3.VISUAL BASIC
(71)【出願人】
【識別番号】521104171
【氏名又は名称】シェンチェン ショックス カンパニー リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110002952
【氏名又は名称】弁理士法人鷲田国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ジョウ ウェンビン
(72)【発明者】
【氏名】ワン チンイー
(72)【発明者】
【氏名】チャン レイ
(72)【発明者】
【氏名】チー シン
(72)【発明者】
【氏名】リャオ フォンユン
【テーマコード(参考)】
5D016
5D017
5D018
【Fターム(参考)】
5D016BA00
5D017AD40
5D018AA10
(57)【要約】
本明細書の1つ以上の実施例は、スピーカーに関し、該スピーカーは、電気信号に基づいて振動する駆動アセンブリと、前記駆動アセンブリの振動を受けて振動する振動アセンブリと、を含み、前記振動アセンブリは、弾性要素と補強部材を含み、前記弾性要素は、中心領域、前記中心領域の外周に設置されたエッジ領域、及び前記エッジ領域の外周に設置された固定領域を含み、前記中心領域に垂直な方向に沿って振動するように構成され、前記補強部材は、前記中心領域に接続され、補強部と複数の透かし彫り部を含み、前記補強部材及び前記弾性要素の振動は、人の耳の可聴範囲内に少なくとも2つの共振ピークが生じる。
【選択図】図27
【特許請求の範囲】
【請求項1】
電気信号に基づいて振動する駆動アセンブリと、
前記駆動アセンブリの振動を受けて振動する振動アセンブリと、を含み、
前記振動アセンブリは、弾性要素と補強部材を含み、
前記弾性要素は、中心領域、前記中心領域の外周に設置されたエッジ領域、及び前記エッジ領域の外周に設置された固定領域を含み、前記中心領域に垂直な方向に沿って振動するように構成され、
前記補強部材は、前記中心領域に接続され、補強部と複数の透かし彫り部を含み、前記補強部材及び前記弾性要素の振動は、人の耳の可聴範囲内に少なくとも2つの共振ピークが生じる、スピーカー。
【請求項2】
前記補強部材は、1つ以上の環状構造と1つ以上の長尺状構造を含み、前記1つ以上の長尺状構造のそれぞれは、前記1つ以上の環状構造のうちの少なくとも1つに接続されて前記補強部及び前記透かし彫り部を構成し、前記1つ以上の長尺状構造のうちの少なくとも1つは、前記中心領域の中心に向かって延在する、請求項1に記載のスピーカー。
【請求項3】
前記1つ以上の環状構造の前記弾性要素の振動方向に沿った投影の最大面積は、前記中心領域の面積より小さい、請求項2に記載のスピーカー。
【請求項4】
前記1つ以上の長尺状構造の数は、1~100の範囲にある、請求項2に記載のスピーカー。
【請求項5】
前記1つ以上の長尺状構造の前記弾性要素の振動方向に沿った投影の形状は、矩形、台形、曲線形、砂時計形、花弁形のうちの少なくとも1種を含む、請求項2に記載のスピーカー。
【請求項6】
前記1つ以上の環状構造の数は、1~10の範囲にある、請求項2に記載のスピーカー。
【請求項7】
前記1つ以上の環状構造は、第1の環状構造と第2の環状構造を含み、前記第1の環状構造の径方向寸法は、前記第2の環状構造の径方向寸法より小さく、前記第1の環状構造は、前記第2の環状構造の内側に設置される、請求項6に記載のスピーカー。
【請求項8】
前記1つ以上の長尺状構造は、少なくとも1つの第1の長尺状構造と少なくとも1つの第2の長尺状構造を含み、前記少なくとも1つの第1の長尺状構造は、前記第1の環状構造の内側に設置され、前記第1の環状構造に接続され、前記少なくとも1つの第2の長尺状構造は、前記第1の環状構造と前記第2の環状構造との間に設置され、前記第1の環状構造及び前記第2の環状構造にそれぞれ接続される、請求項7に記載のスピーカー。
【請求項9】
前記少なくとも1つの第1の長尺状構造と前記少なくとも1つの第2の長尺状構造とは、前記第1の環状構造にある接続位置が異なる、請求項8に記載のスピーカー。
【請求項10】
前記1つ以上の長尺状構造のうちの少なくとも1つは、前記弾性要素の振動方向に沿って複数の異なる厚さを有する、請求項2に記載のスピーカー。
【請求項11】
前記1つ以上の環状構造の形状は、円環状、楕円環状、多角形環状及び曲線環状のうちの少なくとも1種を含む、請求項2に記載のスピーカー。
【請求項12】
前記弾性要素は、前記エッジ領域と前記固定領域との間に設置された接続領域をさらに含む、請求項2に記載のスピーカー。
【請求項13】
前記振動アセンブリが振動するとき、人の耳の可聴範囲内に共振ピークが2つだけ存在し、少なくとも1つの共振ピークの3dB帯域幅は、1000Hz以上である、請求項1~12のいずれか一項に記載のスピーカー。
【請求項14】
前記共振ピークは、周波数範囲が200Hz~3000Hzの第1の共振ピークと、周波数範囲が3000Hz~7000Hzの第2の共振ピークと、周波数範囲が5000Hz~12000Hzの第3の共振ピークと、を含む、請求項1~12のいずれか一項に記載のスピーカー。
【請求項15】
前記振動アセンブリが振動するとき、人の耳の可聴範囲内に共振ピークが3つだけ存在する、請求項14に記載のスピーカー。
【請求項16】
前記1つ以上の環状構造と前記1つ以上の長尺状構造との間に1つ以上の透かし彫り領域が構成され、前記1つ以上の透かし彫り領域のうちの少なくとも1つの面積と前記弾性要素の厚さとの比を100mm~1000mmの範囲にすることにより、前記共振ピークは、周波数範囲が10000Hz~18000Hzの第4の共振ピークを含む、請求項14に記載のスピーカー。
【請求項17】
前記振動アセンブリが振動するとき、人の耳の可聴範囲内に共振ピークが4つだけ存在する、請求項16に記載のスピーカー。
【請求項18】
前記第3の共振ピークと前記第2の共振ピークとの差は、3000Hz未満である、請求項14又は16に記載のスピーカー。
【請求項19】
前記第3の共振周波数と前記第2の共振周波数との差は、2000Hz未満である、請求項14又は16に記載のスピーカー。
【請求項20】
前記1つ以上の環状構造と前記1つ以上の長尺状構造との間に1つ以上の透かし彫り領域が構成され、前記1つ以上の透かし彫り領域の面積と前記弾性要素の厚さとの比を100mm未満の範囲にすることにより、前記補強部材及び前記弾性要素の振動は、人の耳の可聴範囲外に第4の共振ピークが生じる、請求項14に記載のスピーカー。
【請求項21】
前記駆動アセンブリは、駆動ユニットと振動伝達ユニットを含み、前記振動伝達ユニットの前記中心領域の振動方向に沿う一端が前記駆動ユニットに接続され、他端が前記中心領域に接続される、請求項1に記載のスピーカー。
【請求項22】
前記補強部材は、中心接続部を含み、前記振動伝達ユニットは、前記中心接続部に直接接続され、前記中心接続部を介して前記中心領域に接続され、
或いは、前記振動伝達ユニットは、前記中心領域に直接接続され、前記中心領域を介して前記中心接続部に間接的に接続される、請求項21に記載のスピーカー。
【請求項23】
前記振動伝達ユニットの前記中心領域に接続された一端の中心と前記中心領域の中心とは、前記弾性要素の振動方向に沿った投影が重なるか又はほぼ重なる、請求項21又は22に記載のスピーカー。
【請求項24】
キャビティを形成するハウジングをさらに含み、前記駆動アセンブリ及び前記振動アセンブリは、前記キャビティ内に設置される、請求項1に記載のスピーカー。
【請求項25】
前記ハウジング及び前記固定領域にそれぞれ接続された支持要素をさらに含む、請求項24に記載のスピーカー。
【請求項26】
中心領域、前記中心領域の外周に設置されたエッジ領域、及び前記エッジ領域の外周に設置された固定領域を含み、前記中心領域に垂直な方向に沿って振動するように構成された弾性要素と、
前記中心領域に接続され、補強部と複数の透かし彫り部を含む補強部材と、を含み、
前記補強部材は、前記振動アセンブリが振動するときに少なくとも10000Hz~18000Hzの共振ピークを有するように構成される、振動アセンブリ。
【請求項27】
前記複数の透かし彫り部のうちの少なくとも1つの前記弾性要素の振動方向に沿った投影面積と前記弾性要素の厚さとの比は、1000mm~10000mmの範囲にある、請求項26に記載の振動アセンブリ。
【請求項28】
前記複数の透かし彫り部のうちの少なくとも1つの前記弾性要素の振動方向に沿った投影面積と前記弾性要素の厚さとの比は、4000mm~6000mmの範囲にある、請求項27に記載の振動アセンブリ。
【請求項29】
前記複数の透かし彫り部は、第1の透かし彫り部と第2の透かし彫り部を含み、前記第1の透かし彫り部と前記中心領域の中心との間の距離は、前記第2の透かし彫り部と前記中心領域の中心との間の距離と異なり、前記第1の透かし彫り部と前記第2の透かし彫り部とは、前記弾性要素の振動方向に沿った投影面積の比が0.1~10の範囲にある、請求項26に記載の振動アセンブリ。
【請求項30】
前記第1の透かし彫り部と前記第2の透かし彫り部とは、前記弾性要素の振動方向に沿った投影面積の比が0.25~4の範囲にある、請求項29に記載の振動アセンブリ。
【請求項31】
前記補強部の前記弾性要素の振動方向に沿った投影面積と、前記補強部材の最大輪郭の前記弾性要素の振動方向に沿った投影面積との比は、0.1~0.8の範囲にある、請求項26に記載の振動アセンブリ。
【請求項32】
前記補強部の前記弾性要素の振動方向に沿った投影面積と、前記補強部材の最大輪郭の前記弾性要素の振動方向に沿った投影面積との比は、0.1~0.5の範囲にある、請求項31に記載の振動アセンブリ。
【請求項33】
前記補強部材は、1つ以上の環状構造と1つ以上の長尺状構造を含み、前記1つ以上の長尺状構造のそれぞれは、前記1つ以上の環状構造のうちの少なくとも1つに接続されて前記補強部及び前記透かし彫り部を構成し、前記1つ以上の長尺状構造のうちの少なくとも1つは、前記中心領域の中心に向かって延在する、請求項26~32のいずれか一項に記載の振動アセンブリ。
【請求項34】
前記1つ以上の環状構造は、少なくとも第1の環状構造を含み、前記1つ以上の長尺状構造は、少なくとも1つの第1の長尺状構造と少なくとも1つの第2の長尺状構造を含み、前記少なくとも1つの第1の長尺状構造及び前記第1の環状構造の内側は、第1の位置に接続され、前記少なくとも1つの第2の長尺状構造及び前記第1の環状構造の外側は、第2の位置に接続される、請求項33に記載の振動アセンブリ。
【請求項35】
前記第1の位置、前記第2の位置及び前記第1の環状構造の中心は、同一線上にない、請求項34に記載の振動アセンブリ。
【請求項36】
前記透かし彫り部に設置された複数の局所質量構造をさらに含む、請求項33に記載の振動アセンブリ。
【請求項37】
前記複数の局所質量構造のうちの少なくとも1つは、1つ以上の弾性接続部材を介して前記補強部に接続される、請求項36に記載の振動アセンブリ。
【請求項38】
前記複数の局所質量構造のうちの少なくとも1つは、前記弾性要素に接続される、請求項36に記載の振動アセンブリ。
【請求項39】
電気信号に基づいて振動する駆動アセンブリと、
前記駆動アセンブリの振動を受けて振動する振動アセンブリと、を含み、
前記振動アセンブリは、弾性要素と補強部材を含み、
前記弾性要素は、中心領域、前記中心領域の外周に設置されたエッジ領域、及び前記エッジ領域の外周に設置された固定領域を含み、前記中心領域に垂直な方向に沿って振動するように構成され、
前記補強部材は、前記中心領域に接続され、補強部と複数の透かし彫り部を含み、前記補強部材は、前記振動アセンブリが振動するときに少なくとも10000Hz~18000Hzの共振ピークを有するように構成される、スピーカー。
【請求項40】
キャビティを形成するハウジングをさらに含み、前記駆動アセンブリ及び前記振動アセンブリは、前記キャビティ内に設置される、請求項39に記載のスピーカー。
【請求項41】
前記ハウジング及び前記固定領域にそれぞれ接続された支持要素をさらに含む、請求項40に記載のスピーカー。
【請求項42】
振動アセンブリであって、
中心領域、前記中心領域の外周に設置されたエッジ領域、及び前記エッジ領域の外周に設置された固定領域を含み、前記中心領域に垂直な方向に沿って振動するように構成された弾性要素と、
最大輪郭の前記振動方向に沿った投影面積が前記中心領域の前記振動方向に沿った投影面積より小さい補強部材と、を含み、
前記中心領域は、前記補強部材の外周に位置する吊り下げ領域を含み、
前記エッジ領域及び前記吊り下げ領域は、前記振動アセンブリが振動するときに少なくとも3000Hz~7000Hzの共振ピークを有するように構成される、振動アセンブリ。
【請求項43】
前記吊り下げ領域の前記弾性要素の振動方向に沿った投影面積と前記エッジ領域の前記弾性要素の振動方向に沿った投影面積との和と、前記弾性要素の厚さとの比は、5000mm~12000mmの範囲にある、請求項42に記載の振動アセンブリ。
【請求項44】
前記吊り下げ領域の前記弾性要素の振動方向に沿った投影面積と前記エッジ領域の前記弾性要素の振動方向に沿った投影面積との和と、前記弾性要素の厚さとの比は、6000mm~10000mmの範囲にある、請求項43に記載の振動アセンブリ。
【請求項45】
前記吊り下げ領域の前記弾性要素の振動方向に沿った投影面積と前記エッジ領域の前記弾性要素の振動方向に沿った投影面積との和と、前記エッジ領域のエッジのアーチ高さとの比は、50mm~600mmの範囲にある、請求項42に記載の振動アセンブリ。
【請求項46】
前記吊り下げ領域の前記弾性要素の振動方向に沿った投影面積と前記エッジ領域の前記弾性要素の振動方向に沿った投影面積との和と、前記エッジ領域のエッジのアーチ高さとの比は、200mm~400mmの範囲にある、請求項45に記載の振動アセンブリ。
【請求項47】
前記吊り下げ領域の前記弾性要素の振動方向に沿った投影面積と前記中心領域の前記弾性要素の振動方向に沿った投影面積との比は、0.05~0.7の範囲にある、請求項42に記載の振動アセンブリ。
【請求項48】
前記吊り下げ領域の前記弾性要素の振動方向に沿った投影面積と前記中心領域の前記弾性要素の振動方向に沿った投影面積との比は、0.15~0.35の範囲にある、請求項47に記載の振動アセンブリ。
【請求項49】
振動するときに、周波数範囲が3000Hz~7000Hzの第2の共振ピークと、周波数範囲が5000Hz~12000Hzの第3の共振ピークとを有する、請求項42に記載の振動アセンブリ。
【請求項50】
前記第3の共振ピークと前記第2の共振ピークとの周波数差は、3000Hz未満である、請求項49に記載の振動アセンブリ。
【請求項51】
電気信号に基づいて振動する駆動アセンブリと、
前記駆動アセンブリの振動を受けて振動する振動アセンブリと、を含み、
前記振動アセンブリは、弾性要素と補強部材を含み、
前記弾性要素は、中心領域、前記中心領域の外周に設置されたエッジ領域、及び前記エッジ領域の外周に設置された固定領域を含み、前記中心領域に垂直な方向に沿って振動するように構成され、
前記補強部材の最大輪郭の前記振動方向に沿った投影面積は、前記中心領域の前記振動方向に沿った投影面積より小さく、前記中心領域は、前記補強部材の外周に位置する吊り下げ領域を含み、
前記エッジ領域及び前記吊り下げ領域は、前記振動アセンブリが振動するときに少なくとも3000Hz~7000Hzの共振ピークを有するように構成される、スピーカー。
【請求項52】
キャビティを形成するハウジングをさらに含み、前記駆動アセンブリ及び前記振動アセンブリは、前記キャビティ内に設置される、請求項51に記載のスピーカー。
【請求項53】
前記ハウジング及び前記固定領域にそれぞれ接続された支持要素をさらに含む、請求項52に記載のスピーカー。
【請求項54】
振動アセンブリであって、
中心領域、前記中心領域の外周に設置されたエッジ領域、及び前記エッジ領域の外周に設置された固定領域を含み、前記中心領域に垂直な方向に沿って振動するように構成された弾性要素と、
前記中心領域に接続され、1つ以上の環状構造、及びそれぞれが前記1つ以上の環状構造のうちの少なくとも1つに接続された1つ以上の長尺状構造を含む補強部材と、を含み、
前記1つ以上の長尺状構造のうちの少なくとも1つは、前記中心領域の中心に向かって延在し、
前記補強部材は、前記振動アセンブリが振動するときに少なくとも5000Hz~12000Hzの共振ピークを有するように構成される、振動アセンブリ。
【請求項55】
前記1つ以上の長尺状構造のうちの少なくとも1つの、前記振動方向に垂直な投影平面への投影の形状の2つの側辺の間の夾角は、-150°~150°の範囲にある、請求項54に記載の振動アセンブリ。
【請求項56】
前記補強部材の前記弾性要素の振動方向に垂直な投影平面への投影の形状の半輪郭の内側と外側との面積比は、0.3~3の範囲にある、請求項54に記載の振動アセンブリ。
【請求項57】
前記1つ以上の長尺状構造のうちの少なくとも1つは、前記弾性要素の振動方向に沿って厚さが異なる複数の段差を有する、請求項54に記載の振動アセンブリ。
【請求項58】
任意の2つの前記段差の厚さの比は、0.1~10の範囲にある、請求項57に記載の振動アセンブリ。
【請求項59】
任意の2つの前記段差の厚さの比は、0.25~4の範囲にある、請求項58に記載の振動アセンブリ。
【請求項60】
前記1つ以上の環状構造は、少なくとも第1の環状構造と第2の環状構造を含み、前記第1の環状構造の径方向寸法は、前記第2の環状構造の径方向寸法より小さく、前記第1の環状構造は、前記第2の環状構造の内側に設置される、請求項54に記載の振動アセンブリ。
【請求項61】
前記第1の環状構造の内側に接続された長尺状構造の数と前記第2の環状構造の内側に接続された長尺状構造の数との比は、0.1~10の範囲にある、請求項60に記載の振動アセンブリ。
【請求項62】
前記第1の環状構造の内側に接続された長尺状構造の数と前記第2の環状構造の内側に接続された長尺状構造の数との比は、0.2~5の範囲にある、請求項61に記載の振動アセンブリ。
【請求項63】
前記1つ以上の長尺状構造の前記弾性要素の振動方向に垂直な投影平面への投影の形状は、矩形、台形、曲線形、砂時計形、花弁形のうちの少なくとも1種を含む、請求項54に記載の振動アセンブリ。
【請求項64】
前記補強部材は、中心接続部を含み、前記中心接続部は、振動駆動信号を受信し、前記振動駆動信号を前記弾性要素に伝達する、請求項54に記載の振動アセンブリ。
【請求項65】
前記共振ピークは、第3の共振ピークを含み、前記第3の共振ピークの3dB帯域幅は、1000Hz以上の範囲にある、請求項54に記載の振動アセンブリ。
【請求項66】
電気信号に基づいて振動する駆動アセンブリと、
前記駆動アセンブリの振動を受けて振動する振動アセンブリと、を含み、
前記振動アセンブリは、弾性要素と補強部材を含み、
前記弾性要素は、中心領域、前記中心領域の外周に設置されたエッジ領域、及び前記エッジ領域の外周に設置された固定領域を含み、前記中心領域に垂直な方向に沿って振動するように構成され、
前記補強部材は、前記中心領域に接続され、1つ以上の環状構造、及びそれぞれが前記1つ以上の環状構造のうちの少なくとも1つに接続された1つ以上の長尺状構造を含み、前記1つ以上の長尺状構造のうちの少なくとも1つは、前記中心領域の中心に向かって延在し、前記補強部材は、前記振動アセンブリが振動するときに少なくとも5000Hz~12000Hzの共振ピークを有するように構成される、スピーカー。
【請求項67】
前記1つ以上の長尺状構造のうちの少なくとも1つの、前記振動方向に垂直な投影平面への投影の形状の2つの側辺の間の夾角は、-90°~150°の範囲にある、請求項66に記載のスピーカー。
【請求項68】
前記1つ以上の長尺状構造のうちの少なくとも1つの、前記振動方向に垂直な投影平面への投影の形状の2つの側辺の間の夾角は、0~60°の範囲にある、請求項67に記載のスピーカー。
【請求項69】
前記1つ以上の長尺状構造のうちの少なくとも1つの、前記振動方向に垂直な投影平面への投影の形状の2つの側辺の間の夾角は、-150°~90°の範囲にある、請求項66に記載のスピーカー。
【請求項70】
前記1つ以上の長尺状構造のうちの少なくとも1つの、前記振動方向に垂直な投影平面への投影の形状の2つの側辺の間の夾角は、-60°~0の範囲にある、請求項69に記載のスピーカー。
【請求項71】
前記補強部材の前記弾性要素の振動方向に垂直な投影平面への投影の形状の半輪郭の内側と外側との面積比は、0.3~2の範囲にある、請求項66に記載のスピーカー。
【請求項72】
前記補強部材の前記弾性要素の振動方向に垂直な投影平面への投影の形状の半輪郭の内側と外側との面積比は、0.5~1.2の範囲にある、請求項71に記載のスピーカー。
【請求項73】
前記補強部材の前記弾性要素の振動方向に垂直な投影平面への投影の形状の半輪郭の内側と外側との面積比は、1~3の範囲にある、請求項66に記載のスピーカー。
【請求項74】
前記補強部材の前記弾性要素の振動方向に垂直な投影平面への投影の形状の半輪郭の内側と外側との面積比は、1.2~2.8の範囲にある、請求項73に記載のスピーカー。
【請求項75】
前記1つ以上の長尺状構造のうちの少なくとも1つは、前記弾性要素の振動方向に沿って厚さが異なる複数の段差を有し、前記段差は、前記長尺状構造の径方向の最も外側にある第1の段差と、前記長尺状構造の径方向の最も内側にある第2の段差と、を含む、請求項66に記載のスピーカー。
【請求項76】
前記第1の段差と第2の段差の厚さの比は、0.1~1の範囲にある、請求項75に記載のスピーカー。
【請求項77】
前記第1の段差と第2の段差の厚さの比は、0.2~0.8の範囲にある、請求項75に記載のスピーカー。
【請求項78】
前記第1の段差と第2の段差の厚さの比は、1~10の範囲にある、請求項75に記載のスピーカー。
【請求項79】
前記第1の段差と第2の段差の厚さの比は、1.2~6の範囲にある、請求項78に記載のスピーカー。
【請求項80】
前記駆動アセンブリは、駆動ユニットと振動伝達ユニットを含み、前記振動伝達ユニットの前記中心領域の振動方向に沿う一端が前記駆動ユニットに接続され、他端が前記中心領域に接続される、請求項66に記載のスピーカー。
【請求項81】
前記補強部材は、中心接続部を含み、前記振動伝達ユニットは、前記中心接続部に直接接続され、前記中心接続部を介して前記中心領域に接続され、
或いは、前記振動伝達ユニットは、前記中心領域に直接接続され、前記中心領域を介して前記中心接続部に間接的に接続される、請求項80に記載のスピーカー。
【請求項82】
前記振動伝達ユニットの前記中心領域に接続された一端の中心と前記中心領域の中心とは、前記弾性要素の振動方向に沿った投影が重なるか又はほぼ重なる、請求項80又は81に記載のスピーカー。
【請求項83】
キャビティを形成するハウジングをさらに含み、前記駆動アセンブリ及び前記振動アセンブリは、前記キャビティ内に設置される、請求項66に記載のスピーカー。
【請求項84】
前記ハウジング及び前記固定領域にそれぞれ接続された支持要素をさらに含む、請求項83に記載のスピーカー。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願は、音響の技術分野に関し、特に振動アセンブリ及びスピーカーに関する。
【0002】
[参照による援用]
本願は、2022年3月18日に提出された国際出願番号PCT/CN2022/081838の優先権を主張し、その内容が参照により本明細書に組み込まれるものとする。
【背景技術】
【0003】
スピーカーは、通常、駆動部、振動部、支持補助部の3つの主要部を含む。振動部はまた、スピーカーの負荷部であり、主に振動板アセンブリである。駆動部の駆動力が決定されている場合、振動部を合理的に設計することによって、スピーカーの負荷端と駆動端が良好な機械インピーダンス整合を実現し、それにより高音圧レベル、広帯域幅の出力効果を達成することができる。
【発明の概要】
【0004】
本明細書の実施例の一態様に係るスピーカーは、電気信号に基づいて振動する駆動アセンブリと、前記駆動アセンブリの振動を受けて振動する振動アセンブリと、を含み、前記振動アセンブリは、弾性要素と補強部材を含み、前記弾性要素は、中心領域、前記中心領域の外周に設置されたエッジ領域、及び前記エッジ領域の外周に設置された固定領域を含み、前記中心領域に垂直な方向に沿って振動するように構成され、前記補強部材は、前記中心領域に接続され、補強部と複数の透かし彫り部を含み、前記補強部材及び前記弾性要素の振動は、人の耳の可聴範囲内に少なくとも2つの共振ピークが生じる。
【0005】
いくつかの実施例において、前記補強部材は、1つ以上の環状構造と1つ以上の長尺状構造を含み、前記1つ以上の長尺状構造のそれぞれは、前記1つ以上の環状構造のうちの少なくとも1つに接続されて前記補強部及び前記透かし彫り部を構成し、前記1つ以上の長尺状構造のうちの少なくとも1つは、前記中心領域の中心に向かって延在する。
【0006】
いくつかの実施例において、前記1つ以上の環状構造の前記弾性要素の振動方向に沿った投影の最大面積は、前記中心領域の面積より小さい。
【0007】
いくつかの実施例において、前記1つ以上の長尺状構造の数は、1~100の範囲にある。
【0008】
いくつかの実施例において、前記1つ以上の長尺状構造の前記弾性要素の振動方向に沿った投影の形状は、矩形、台形、曲線形、砂時計形、花弁形のうちの少なくとも1種を含む。
【0009】
いくつかの実施例において、前記1つ以上の環状構造の数は、1~10の範囲にある。
【0010】
いくつかの実施例において、前記1つ以上の環状構造は、第1の環状構造と第2の環状構造を含み、前記第1の環状構造の径方向寸法は、前記第2の環状構造の径方向寸法より小さく、前記第1の環状構造は、前記第2の環状構造の内側に設置される。
【0011】
いくつかの実施例において、前記1つ以上の長尺状構造は、少なくとも1つの第1の長尺状構造と少なくとも1つの第2の長尺状構造を含み、前記少なくとも1つの第1の長尺状構造は、前記第1の環状構造の内側に設置され、前記第1の環状構造に接続され、前記少なくとも1つの第2の長尺状構造は、前記第1の環状構造と前記第2の環状構造との間に設置され、前記第1の環状構造及び前記第2の環状構造にそれぞれ接続される。
【0012】
いくつかの実施例において、前記少なくとも1つの第1の長尺状構造と前記少なくとも1つの第2の長尺状構造とは、前記第1の環状構造にある接続位置が異なる。
【0013】
いくつかの実施例において、前記1つ以上の長尺状構造のうちの少なくとも1つは、前記弾性要素の振動方向に沿って複数の異なる厚さを有する。
【0014】
いくつかの実施例において、前記1つ以上の環状構造の形状は、円環状、楕円環状、多角形環状及び曲線環状のうちの少なくとも1種を含む。
【0015】
いくつかの実施例において、前記弾性要素は、前記エッジ領域と前記固定領域との間に設置された接続領域をさらに含む。
【0016】
いくつかの実施例において、前記振動アセンブリが振動するとき、人の耳の可聴範囲内に共振ピークが2つだけ存在し、少なくとも1つの共振ピークの3dB帯域幅は、1000Hz以上である。
【0017】
いくつかの実施例において、前記共振ピークは、周波数範囲が200Hz~3000Hzの第1の共振ピークと、周波数範囲が3000Hz~7000Hzの第2の共振ピークと、周波数範囲が5000Hz~12000Hzの第3の共振ピークと、を含む。
【0018】
いくつかの実施例において、前記振動アセンブリが振動するとき、人の耳の可聴範囲内に共振ピークが3つだけ存在する。
【0019】
いくつかの実施例において、前記1つ以上の環状構造と前記1つ以上の長尺状構造との間に1つ以上の透かし彫り領域が構成され、前記1つ以上の透かし彫り領域のうちの少なくとも1つの面積と前記弾性要素の厚さとの比を100mm~1000mmの範囲にすることにより、前記共振ピークは、周波数範囲が10000Hz~18000Hzの第4の共振ピークを含む。
【0020】
いくつかの実施例において、前記振動アセンブリが振動するとき、人の耳の可聴範囲内に共振ピークが4つだけ存在する。
【0021】
いくつかの実施例において、前記振動アセンブリが振動するとき、前記第3の共振ピークと前記第2の共振ピークとの差は、3000Hz未満である。
【0022】
いくつかの実施例において、前記第3の共振周波数と前記第2の共振周波数との差は、2000Hz未満である。
【0023】
いくつかの実施例において、前記1つ以上の環状構造と前記1つ以上の長尺状構造との間に1つ以上の透かし彫り領域が構成され、前記1つ以上の透かし彫り領域の面積と前記弾性要素の厚さとの比を100mm未満の範囲にすることにより、前記補強部材及び前記弾性要素の振動は、人の耳の可聴範囲外に第4の共振ピークが生じる。
【0024】
いくつかの実施例において、前記駆動アセンブリは、駆動ユニットと振動伝達ユニットを含み、前記振動伝達ユニットの前記中心領域の振動方向に沿う一端が前記駆動ユニットに接続され、他端が前記中心領域に接続される。
【0025】
いくつかの実施例において、前記補強部材は、中心接続部を含み、前記振動伝達ユニットは、前記中心接続部に直接接続され、前記中心接続部を介して前記中心領域に接続され、或いは、前記振動伝達ユニットは、前記中心領域に直接接続され、前記中心領域を介して前記中心接続部に間接的に接続される。
【0026】
いくつかの実施例において、前記振動伝達ユニットの前記中心領域に接続された一端の中心と前記中心領域の中心とは、前記弾性要素の振動方向に沿った投影が重なるか又はほぼ重なる。
【0027】
いくつかの実施例において、前記スピーカーは、キャビティを形成するハウジングをさらに含み、前記駆動アセンブリ及び前記振動アセンブリは、前記キャビティ内に設置される。
【0028】
いくつかの実施例において、前記スピーカーは、前記ハウジング及び前記固定領域にそれぞれ接続された支持要素をさらに含む。
【0029】
本明細書の実施例の別の態様に係る振動アセンブリは、中心領域、前記中心領域の外周に設置されたエッジ領域、及び前記エッジ領域の外周に設置された固定領域を含み、前記中心領域に垂直な方向に沿って振動するように構成された弾性要素と、前記中心領域に接続され、補強部と複数の透かし彫り部を含む補強部材と、を含み、前記補強部材は、前記振動アセンブリが振動するときに少なくとも10000Hz~18000Hzの共振ピークを有するように構成される。
【0030】
いくつかの実施例において、前記複数の透かし彫り部のうちの少なくとも1つの前記弾性要素の振動方向に沿った投影面積と前記弾性要素の厚さとの比は、1000mm~10000mmの範囲にある。
【0031】
いくつかの実施例において、前記複数の透かし彫り部のうちの少なくとも1つの前記弾性要素の振動方向に沿った投影面積と前記弾性要素の厚さとの比は、4000mm~6000mmの範囲にある。
【0032】
いくつかの実施例において、前記複数の透かし彫り部は、第1の透かし彫り部と第2の透かし彫り部を含み、前記第1の透かし彫り部と前記中心領域の中心との間の距離は、前記第2の透かし彫り部と前記中心領域の中心との間の距離と異なり、前記第1の透かし彫り部と前記第2の透かし彫り部とは、前記弾性要素の振動方向に沿った投影面積の比が0.1~10の範囲にある。
【0033】
いくつかの実施例において、前記第1の透かし彫り部と前記第2の透かし彫り部とは、前記弾性要素の振動方向に沿った投影面積の比が0.25~4の範囲にある。
【0034】
いくつかの実施例において、前記補強部の前記弾性要素の振動方向に沿った投影面積と、前記補強部材の最大輪郭の前記弾性要素の振動方向に沿った投影面積との比は、0.1~0.8の範囲にある。
【0035】
いくつかの実施例において、前記補強部の前記弾性要素の振動方向に沿った投影面積と、前記補強部材の最大輪郭の前記弾性要素の振動方向に沿った投影面積との比は、0.1~0.5の範囲にある。
【0036】
いくつかの実施例において、前記補強部材は、1つ以上の環状構造と1つ以上の長尺状構造とを含み、前記1つ以上の長尺状構造のそれぞれは、前記1つ以上の環状構造のうちの少なくとも1つに接続されて前記補強部及び前記透かし彫り部を構成し、前記1つ以上の長尺状構造のうちの少なくとも1つは、前記中心領域の中心に向かって延在する。
【0037】
いくつかの実施例において、前記1つ以上の環状構造は、少なくとも第1の環状構造を含み、前記1つ以上の長尺状構造は、少なくとも1つの第1の長尺状構造と少なくとも1つの第2の長尺状構造を含み、前記少なくとも1つの第1の長尺状構造及び前記第1の環状構造の内側は、第1の位置に接続され、前記少なくとも1つの第2の長尺状構造及び前記第1の環状構造の外側は、第2の位置に接続される。
【0038】
いくつかの実施例において、前記第1の位置、前記第2の位置及び前記第1の環状構造の中心は、同一線上にない。
【0039】
いくつかの実施例において、前記振動アセンブリは、前記透かし彫り部に設置された複数の局所質量構造をさらに含む。
【0040】
いくつかの実施例において、前記複数の局所質量構造のうちの少なくとも1つは、1つ以上の弾性接続部材を介して前記補強部に接続される。
【0041】
いくつかの実施例において、前記複数の局所質量構造のうちの少なくとも1つは、前記弾性要素に接続される。
【0042】
本明細書の実施例の別の態様に係るスピーカーは、電気信号に基づいて振動する駆動アセンブリと、前記駆動アセンブリの振動を受けて振動する振動アセンブリと、を含み、前記振動アセンブリは、弾性要素と補強部材を含み、前記弾性要素は、中心領域、前記中心領域の外周に設置されたエッジ領域、及び前記エッジ領域の外周に設置された固定領域を含み、前記中心領域に垂直な方向に沿って振動するように構成され、前記補強部材は、前記中心領域に接続され、補強部と複数の透かし彫り部を含み、前記補強部材は、前記振動アセンブリが振動するときに少なくとも10000Hz~18000Hzの共振ピークを有するように構成される。
【0043】
いくつかの実施例において、前記スピーカーは、キャビティを形成するハウジングをさらに含み、前記駆動アセンブリ及び前記振動アセンブリは、前記キャビティ内に設置される。
【0044】
いくつかの実施例において、前記スピーカーは、前記ハウジング及び前記固定領域にそれぞれ接続された支持要素をさらに含む。
【0045】
本明細書の実施例の別の態様に係る振動アセンブリは、中心領域、前記中心領域の外周に設置されたエッジ領域、及び前記エッジ領域の外周に設置された固定領域を含み、前記中心領域に垂直な方向に沿って振動するように構成された弾性要素と、最大輪郭の前記振動方向に沿った投影面積が前記中心領域の前記振動方向に沿った投影面積より小さい補強部材と、を含み、前記中心領域は、前記補強部材の外周に位置する吊り下げ領域を含み、前記エッジ領域及び前記吊り下げ領域は、前記振動アセンブリが振動するときに少なくとも3000Hz~7000Hzの共振ピークを有するように構成される。
【0046】
いくつかの実施例において、前記吊り下げ領域の前記弾性要素の振動方向に沿った投影面積と前記エッジ領域の前記弾性要素の振動方向に沿った投影面積との和と、前記弾性要素の厚さとの比は、5000mm~12000mmの範囲にある。
【0047】
いくつかの実施例において、前記吊り下げ領域の前記弾性要素の振動方向に沿った投影面積と前記エッジ領域の前記弾性要素の振動方向に沿った投影面積との和と、前記弾性要素の厚さとの比は、6000mm~10000mmの範囲にある。
【0048】
いくつかの実施例において、前記吊り下げ領域の前記弾性要素の振動方向に沿った投影面積と前記エッジ領域の前記弾性要素の振動方向に沿った投影面積との和と、前記エッジ領域のエッジのアーチ高さとの比は、50mm~600mmの範囲にある。
【0049】
いくつかの実施例において、前記吊り下げ領域の前記弾性要素の振動方向に沿った投影面積と前記エッジ領域の前記弾性要素の振動方向に沿った投影面積との和と、前記エッジ領域のエッジのアーチ高さとの比は、200mm~400mmの範囲にある。
【0050】
いくつかの実施例において、前記吊り下げ領域の前記弾性要素の振動方向に沿う投影面積と前記中心領域の前記弾性要素の振動方向に沿う投影面積との比は、0.05~0.7の範囲にある。
【0051】
いくつかの実施例において、前記吊り下げ領域の前記弾性要素の振動方向に沿った投影面積と前記中心領域の前記弾性要素の振動方向に沿った投影面積との比は、0.15~0.35の範囲にある。
【0052】
いくつかの実施例において、前記振動アセンブリは、振動するときに、周波数範囲が3000Hz~7000Hzの第2の共振ピークと、周波数範囲が5000Hz~12000Hzの第3の共振ピークとを有する。
【0053】
いくつかの実施例において、前記第3の共振ピークと前記第2の共振ピークとの周波数差は、3000Hz未満である。
【0054】
本明細書の実施例の別の態様に係るスピーカーは、電気信号に基づいて振動する駆動アセンブリと、前記駆動アセンブリの振動を受けて振動する振動アセンブリと、を含み、前記振動アセンブリは、弾性要素と補強部材を含み、前記弾性要素は、中心領域と、前記中心領域の外周に設置されたエッジ領域、及び前記エッジ領域の外周に設置された固定領域を含み、前記中心領域に垂直な方向に沿って振動するように構成され、前記補強部材の最大輪郭の前記振動方向に沿った投影面積は、前記中心領域の前記振動方向に沿った投影面積より小さく、前記中心領域は、前記補強部材の外周に位置する吊り下げ領域を含み、前記エッジ領域及び前記吊り下げ領域は、前記振動アセンブリが振動するときに少なくとも3000Hz~7000Hzの共振ピークを有するように構成される。
【0055】
いくつかの実施例において、前記スピーカーは、キャビティを形成するハウジングをさらに含み、前記駆動アセンブリ及び前記振動アセンブリは、前記キャビティ内に設置される。
【0056】
いくつかの実施例において、前記スピーカーは、前記ハウジング及び前記固定領域にそれぞれ接続された支持要素をさらに含む。
【0057】
本明細書の実施例の別の態様に係る振動アセンブリは、中心領域、前記中心領域の外周に設置されたエッジ領域、及び前記エッジ領域の外周に設置された固定領域を含み、前記中心領域に垂直な方向に沿って振動するように構成された弾性要素と、前記中心領域に接続され、1つ以上の環状構造、及びそれぞれが前記1つ以上の環状構造のうちの少なくとも1つに接続された1つ以上の長尺状構造を含む補強部材と、を含み、前記1つ以上の長尺状構造のうちの少なくとも1つは、前記中心領域の中心に向かって延在し、前記補強部材は、前記振動アセンブリが振動するときに少なくとも5000Hz~12000Hzの共振ピークを有するように構成される。
【0058】
いくつかの実施例において、前記1つ以上の長尺状構造のうちの少なくとも1つの、前記振動方向に垂直な投影平面への投影の形状の2つの側辺の間の夾角は、-150°~150°の範囲にある。
【0059】
いくつかの実施例において、前記補強部材の前記弾性要素の振動方向に垂直な投影平面への投影の形状の半輪郭の内側と外側との面積比は、0.3~3の範囲にある。
【0060】
いくつかの実施例において、前記1つ以上の長尺状構造のうちの少なくとも1つは、前記弾性要素の振動方向に沿って厚さが異なる複数の段差を有する。
【0061】
いくつかの実施例において、任意の2つの前記段差の厚さの比は、0.1~10の範囲にある。
【0062】
いくつかの実施例において、任意の2つの前記段差の厚さの比は、0.25~4の範囲にある。
【0063】
いくつかの実施例において、前記1つ以上の環状構造は、少なくとも第1の環状構造と第2の環状構造を含み、前記第1の環状構造の径方向寸法は、前記第2の環状構造の径方向寸法より小さく、前記第1の環状構造は、前記第2の環状構造の内側に設置される。
【0064】
いくつかの実施例において、前記第1の環状構造の内側に接続された長尺状構造の数と前記第2の環状構造の内側に接続された長尺状構造の数との比は、0.1~10の範囲にある。
【0065】
いくつかの実施例において、前記第1の環状構造の内側に接続された長尺状構造の数と前記第2の環状構造の内側に接続された長尺状構造の数との比は、0.2~5の範囲にある。
【0066】
いくつかの実施例において、前記1つ以上の長尺状構造の前記弾性要素の振動方向に垂直な投影平面への投影の形状は、矩形、台形、曲線形、砂時計形、花弁形のうちの少なくとも1種を含む。
【0067】
いくつかの実施例において、前記補強部材は、中心接続部を含み、前記中心接続部は、振動駆動信号を受信し、前記振動駆動信号を前記弾性要素に伝達する。
【0068】
いくつかの実施例において、前記共振ピークは、第3の共振ピークを含み、前記第3の共振ピークの3dB帯域幅は、1000Hz以上の範囲にある。
【0069】
本明細書の実施例の別の態様に係るスピーカーは、電気信号に基づいて振動する駆動アセンブリと、前記駆動アセンブリの振動を受けて振動する振動アセンブリと、を含み、前記振動アセンブリは、弾性要素と補強部材を含み、前記弾性要素は、中心領域、前記中心領域の外周に設置されたエッジ領域、及び前記エッジ領域の外周に設置された固定領域を含み、前記中心領域に垂直な方向に沿って振動するように構成され、前記補強部材は、前記中心領域に接続され、1つ以上の環状構造、及びそれぞれが前記1つ以上の環状構造のうちの少なくとも1つに接続された1つ以上の長尺状構造を含み、前記1つ以上の長尺状構造のうちの少なくとも1つは、前記中心領域の中心に向かって延在し、前記補強部材は、前記振動アセンブリが振動するときに少なくとも5000Hz~12000Hzの共振ピークを有するように構成される。
【0070】
いくつかの実施例において、前記1つ以上の長尺状構造のうちの少なくとも1つの、前記振動方向に垂直な投影平面への投影の形状の2つの側辺の間の夾角は、-90°~150°の範囲にある。
【0071】
いくつかの実施例において、前記1つ以上の長尺状構造のうちの少なくとも1つの、前記振動方向に垂直な投影平面への投影の形状の2つの側辺の間の夾角は、0~60°の範囲にある。
【0072】
いくつかの実施例において、前記1つ以上の長尺状構造のうちの少なくとも1つの、前記振動方向に垂直な投影平面への投影の形状の2つの側辺の間の夾角は、-150°~90°の範囲にある。
【0073】
いくつかの実施例において、前記1つ以上の長尺状構造のうちの少なくとも1つの、前記振動方向に垂直な投影平面への投影の形状の2つの側辺の間の夾角は、-60°~0の範囲にある。
【0074】
いくつかの実施例において、前記補強部材の前記弾性要素の振動方向に垂直な投影平面への投影の形状の半輪郭の内側と外側との面積比は、0.3~2の範囲にある。
【0075】
いくつかの実施例において、前記補強部材の前記弾性要素の振動方向に垂直な投影平面への投影の形状の半輪郭の内側と外側との面積比は、0.5~1.2の範囲にある。
【0076】
いくつかの実施例において、前記補強部材の前記弾性要素の振動方向に垂直な投影平面への投影の形状の半輪郭の内側と外側との面積比は、1~3の範囲にある。
【0077】
いくつかの実施例において、前記補強部材の前記弾性要素の振動方向に垂直な投影平面への投影の形状の半輪郭の内側と外側との面積比は、1.2~2.8の範囲にある。
【0078】
いくつかの実施例において、前記1つ以上の長尺状構造のうちの少なくとも1つは、前記弾性要素の振動方向に沿って厚さが異なる複数の段差を有し、前記段差は、前記長尺状構造の径方向の最も外側にある第1の段差と、前記長尺状構造の径方向の最も内側にある第2の段差と、を含む。
【0079】
いくつかの実施例において、前記第1の段差と第2の段差の厚さの比は、0.1~1の範囲にある。
【0080】
いくつかの実施例において、前記第1の段差と第2の段差の厚さの比は、0.2~0.8の範囲にある。
【0081】
いくつかの実施例において、前記第1の段差と第2の段差の厚さの比は、1~10の範囲にある。
【0082】
いくつかの実施例において、前記第1の段差と第2の段差の厚さの比は、1.2~6の範囲にある。
【0083】
いくつかの実施例において、前記駆動アセンブリは、駆動ユニットと振動伝達ユニットを含み、前記振動伝達ユニットの前記中心領域の振動方向に沿う一端が前記駆動ユニットに接続され、他端が前記中心領域に接続される。
【0084】
いくつかの実施例において、前記補強部材は、中心接続部を含み、前記振動伝達ユニットは、前記中心接続部に直接接続され、前記中心接続部を介して前記中心領域に接続され、或いは、前記振動伝達ユニットは、前記中心領域に直接接続され、前記中心領域を介して前記中心接続部に間接的に接続される。
【0085】
いくつかの実施例において、前記振動伝達ユニットの前記中心領域に接続された一端の中心と前記中心領域の中心とは、前記弾性要素の振動方向に沿った投影が重なるか又はほぼ重なる。
【0086】
いくつかの実施例において、前記スピーカーは、キャビティを形成するハウジングをさらに含み、前記駆動アセンブリ及び前記振動アセンブリは、前記キャビティ内に設置される。
【0087】
いくつかの実施例において、前記スピーカーは、前記ハウジング及び前記固定領域にそれぞれ接続された支持要素をさらに含む。
【0088】
例示的な実施例によって本願をさらに説明し、これらの例示的な実施例を図面により詳細に説明する。これらの実施例は、限定的なものではなく、これらの実施例において、同じ番号は、同じ構造を表す。
【図面の簡単な説明】
【0089】
図1】本明細書のいくつかの実施例に係る、振動アセンブリ及びその等価振動モデルの概略図である。
図2】本明細書のいくつかの実施例に係る振動アセンブリの第1の共振ピーク時の変形の概略図である。
図3】本明細書のいくつかの実施例に係る振動アセンブリの第2の共振ピーク時の変形の概略図である。
図4】本明細書のいくつかの実施例に係る振動アセンブリの第3の共振ピーク時の変形の概略図である。
図5】本明細書のいくつかの実施例に係る振動アセンブリの第4の共振ピーク時の変形の概略図である。
図6】本明細書のいくつかの実施例に係る、第3の共振周波数と第4の共振周波数との差が異なる振動アセンブリの周波数応答曲線の概略図である。
図7A】本明細書のいくつかの実施例に係る振動アセンブリの周波数応答曲線の概略図である。
図7B】本明細書の別のいくつかの実施例に係る振動アセンブリの周波数応答曲線の概略図である。
図7C】本明細書の別のいくつかの実施例に係る振動アセンブリの周波数応答曲線の概略図である。
図7D】本明細書の別のいくつかの実施例に係る振動アセンブリの周波数応答曲線の概略図である。
図8A】本明細書のいくつかの実施例に係る振動アセンブリの概略構成図である。
図8B】本明細書の別のいくつかの実施例に係る振動アセンブリの周波数応答曲線の概略図である。
図9A】本明細書のいくつかの実施例に係る振動アセンブリの部分概略構成図である。
図9B】本明細書の別のいくつかの実施例に係る振動アセンブリの周波数応答曲線の概略図である。
図9C】本明細書の別のいくつかの実施例に係る振動アセンブリの周波数応答曲線の概略図である。
図10A】本明細書の別のいくつかの実施例に係る振動アセンブリの第4の共振ピーク時の変形の概略図である。
図10B】本明細書の別のいくつかの実施例に係る振動アセンブリの周波数応答曲線の概略図である。
図10C】本明細書の別のいくつかの実施例に係る振動アセンブリの周波数応答曲線の概略図である。
図11】本明細書の別のいくつかの実施例に係る振動アセンブリの第4の共振ピーク時の変形の概略図である。
図12A図11に示す振動アセンブリの周波数応答曲線の概略図である。
図12B】本明細書の別のいくつかの実施例に係る振動アセンブリの周波数応答曲線の概略図である。
図13A】本明細書の別のいくつかの実施例に係る振動アセンブリの概略構成図である。
図13B】本明細書の別のいくつかの実施例に係る振動アセンブリの概略構成図である。
図14A】本明細書の別のいくつかの実施例に係る振動アセンブリの概略構成図である。
図14B】本明細書の別のいくつかの実施例に係る振動アセンブリの概略構成図である。
図14C】本明細書の別のいくつかの実施例に係る振動アセンブリの概略構成図である。
図14D】本明細書の別のいくつかの実施例に係る振動アセンブリの概略構成図である。
図15A】本明細書の別のいくつかの実施例に係る振動アセンブリの概略構成図である。
図15B】本明細書の別のいくつかの実施例に係る振動アセンブリの概略構成図である。
図16A】本明細書の別のいくつかの実施例に係る振動アセンブリの概略構成図である。
図16B】本明細書の別のいくつかの実施例に係る振動アセンブリの概略構成図である。
図16C】本明細書の別のいくつかの実施例に係る振動アセンブリの概略構成図である。
図16D】本明細書の別のいくつかの実施例に係る振動アセンブリの概略構成図である。
図16E】本明細書の別のいくつかの実施例に係る振動アセンブリの概略構成図である。
図16F】本明細書の別のいくつかの実施例に係る振動アセンブリの周波数応答曲線の概略図である。
図17A】本明細書の別のいくつかの実施例に係る振動アセンブリの概略構成図である。
図17B】本明細書の別のいくつかの実施例に係る振動アセンブリの概略構成図である。
図17C】本明細書の別のいくつかの実施例に係る振動アセンブリの周波数応答曲線の概略図である。
図18A】本明細書の別のいくつかの実施例に係る振動アセンブリの概略構成図である。
図18B】本明細書の別のいくつかの実施例に係る振動アセンブリの概略構成図である。
図18C】本明細書の別のいくつかの実施例に係る振動アセンブリの概略構成図である。
図19】本明細書の別のいくつかの実施例に係る振動アセンブリの概略構成図である。
図20A】本明細書の別のいくつかの実施例に係る振動アセンブリの概略構成図である。
図20B】本明細書の別のいくつかの実施例に係る振動アセンブリの周波数応答曲線の概略図である。
図21A】本明細書の別のいくつかの実施例に係る振動アセンブリの概略構成図である。
図21B】本明細書の別のいくつかの実施例に係る振動アセンブリの概略構成図である。
図21C】本明細書の別のいくつかの実施例に係る振動アセンブリの概略構成図である。
図21D】本明細書の別のいくつかの実施例に係る振動アセンブリの概略構成図である。
図21E】本明細書の別のいくつかの実施例に係る振動アセンブリの概略構成図である。
図22】本明細書の別のいくつかの実施例に係る振動アセンブリの概略構成図である。
図23】本明細書の別のいくつかの実施例に係る振動アセンブリの概略構成図である。
図24A】本明細書の別のいくつかの実施例に係る振動アセンブリの概略構成図である。
図24B】本明細書の別のいくつかの実施例に係る振動アセンブリの概略構成図である。
図24C】本明細書の別のいくつかの実施例に係る振動アセンブリの周波数応答曲線の概略図である。
図25A】本明細書の別のいくつかの実施例に係る振動アセンブリの概略構成図である。
図25B】本明細書の別のいくつかの実施例に係る振動アセンブリの概略構成図である。
図25C】本明細書の別のいくつかの実施例に係る振動アセンブリの概略構成図である。
図26A】本明細書の別のいくつかの実施例に係る振動アセンブリの概略構成図である。
図26B】本明細書の別のいくつかの実施例に係る振動アセンブリの概略構成図である。
図26C】本明細書の別のいくつかの実施例に係る振動アセンブリの概略構成図である。
図26D】本明細書の別のいくつかの実施例に係る振動アセンブリの概略構成図である。
図26E】本明細書のいくつかの実施例に係る補強部材の断面概略構成図である。
図27】本明細書のいくつかの実施例に係るスピーカーの例示的な構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0090】
本願の実施例の技術手段をより明確に説明するために、以下、実施例の説明に必要な図面を簡単に説明する。明らかに、以下に説明される図面は、本願のいくつかの例又は実施例に過ぎず、当業者であれば、創造的な労力を要することなく、これらの図面に基づいて本願を他の類似するシナリオに適用することができる。言語環境から明らかではないか又は別に説明しない限り、図中の同じ番号は、同じ構造又は操作を示す。
【0091】
本明細書で使用される「システム」、「装置」、「ユニット」及び/又は「モジュール」が、レベルの異なる様々なアセンブリ、要素、部品、部分又は組立体を区別する方法であることを理解されたい。しかしながら、他の用語が同じ目的を達成することができれば、上記用語の代わりに他の表現を用いることができる。
【0092】
本願及び特許請求の範囲で使用されるように、文脈が明確に別段の指示をしない限り、「1つ」、「1個」、「1種」及び/又は「該」などの用語は、特に単数形を意味するものではなく、複数形を含んでもよい。一般的に、用語「含む」及び「含有」は、明確に特定されたステップ及び要素を含むことを提示するものに過ぎず、これらのステップ及び要素は、排他的な羅列ではなく、方法又は機器は、また他のステップ又は要素を含む可能性がある。
【0093】
本願では、フローチャートを使用して本願の実施例に係るシステムが実行する操作を説明する。先行及び後続の操作が必ずしも順序に応じて正確に実行されるとは限らないことを理解されたい。その代わりに、各ステップを逆の順序で、又は同時に処理してもよい。また、他の操作をこれらのプロセスに追加してもよく、これらのプロセスから1つ以上の操作を除去してもよい。
【0094】
本明細書の実施例は、様々な音響出力装置に適用可能な振動アセンブリを提供する。音響出力装置は、スピーカー、助聴器などを含むが、これらに限定されない。本明細書の実施例に係る振動アセンブリは、主に、弾性要素と補強部材を含み、弾性要素又は補強部材は、スピーカーの駆動部に接続されてもよく、弾性要素の縁部が固定される(例えば、スピーカーのハウジングに接続される)。スピーカーにおいて、スピーカーの駆動部は、電気エネルギー-機械エネルギー変換ユニットとして、電気エネルギーを機械エネルギーに変換することにより、スピーカーに駆動力を提供する。振動アセンブリは、駆動部から伝達された力又は変位を受けて対応する振動出力を生成することにより、空気を押して移動させ、音圧を発生することができる。弾性要素は、ばね、減衰によって空気慣性負荷部に接続され、空気を押して移動させることによって音圧の放射を実現するものと見なすことができる。
【0095】
弾性要素は、主に、中心領域、中心領域の外周に設置されたエッジ領域、及びエッジ領域の外周に設置された固定領域を含む。いくつかの実施例において、スピーカーが広い範囲(例えば、20Hz~20kHz)内に平坦な音圧レベル出力を有するようにするために、弾性要素のエッジ領域に所与のパターンを設計することにより、弾性要素のエッジ領域の対応する周波数帯域における振動形式を破壊し、弾性要素の局所分割振動に起因する音の相殺を回避し、そして、パターンの設計により弾性要素の局所剛性を増加させる。さらに、弾性要素の中心領域に一層の肉厚構造を設計することにより、弾性要素の中心領域の剛性を増加させ、スピーカーの弾性要素の中心領域が20Hz~20kHzの範囲で分割振動形式になることに起因する音の相殺状態を回避する。しかしながら、弾性要素の中心領域に肉厚層を直接設計すると、振動アセンブリ全体の質量が増加し、スピーカーの負荷が増加し、駆動端と負荷端のインピーダンスが不整合になり、スピーカーから出力される音圧レベルが低下する。一方、本明細書の実施例に係る振動アセンブリにおいて、弾性要素及び補強部材に対して、補強部材が1つ以上の環状構造と1つ以上の長尺状構造を含み、1つ以上の長尺状構造のそれぞれが1つ以上の環状構造のうちの少なくとも1つに接続されるように構造設計を行うことにより、振動アセンブリは、中高周波数(3kHz以上)で必要な高次モードが現れ、振動アセンブリの周波数応答曲線に複数の共振ピークが現れ、さらに振動アセンブリは、広い周波数帯域範囲内に高い感度を有することができ、そして、補強部材の構造設計により、振動アセンブリの質量が小さくなり、振動アセンブリ全体の感度が向上し、また、補強部材を合理的に設置し、弾性要素の中心領域に複数の透かし彫り領域を設置することにより、弾性要素の中心領域の局所剛性に対する制御可能な調整を実現し、それにより中心領域の各透かし彫り領域の分割振動形式を利用して振動アセンブリから出力される共振ピークに対する制御可能な調整を実現し、振動アセンブリが平坦な音圧レベル曲線を有する。振動アセンブリ、弾性要素及び補強部材の具体的な内容については、後続の関連説明を参照する。
【0096】
図1に示すように、図1は、本明細書のいくつかの実施例に係る、振動アセンブリ及びそれに相当する振動モデルの概略図である。
【0097】
いくつかの実施例において、振動アセンブリ100は、主に弾性要素110を含み、弾性要素110は、中心領域112、中心領域112の外周に設置されたエッジ領域114、及びエッジ領域114の外周に設置された固定領域116を含む。弾性要素110は、中心領域112に垂直な方向に沿って振動するように構成されることにより、振動アセンブリ100が受けた力と変位を伝達して空気を押して移動させる。補強部材120は、中心領域112に接続され、1つ以上の環状構造122と1つ以上の長尺状構造124を含み、1つ以上の長尺状構造124のそれぞれは、1つ以上の環状構造122のうちの少なくとも1つに接続され、1つ以上の長尺状構造124のうちの少なくとも1つは、中心領域112の中心に向かって延在する。補強部材120を合理的に設置し、弾性要素110の中心領域112に複数の透かし彫り領域を設置することにより、弾性要素110の中心領域112の局所剛性に対する制御可能な調整を実現し、それにより中心領域112の各透かし彫り領域の分割振動形式を利用して振動アセンブリから出力される共振ピークに対する制御可能な調整を実現し、振動アセンブリ100が平坦な音圧レベル曲線を有する。そして、環状構造122と長尺状構造124とが互いに係合することにより、補強部材120が割合の適切な補強部及び透かし彫り部(すなわち、透かし彫り部分)を有し、補強部材120の質量が減少し、振動アセンブリ100全体の感度が向上し、そして、環状構造122及び長尺状構造124の形状、寸法及び数を設計することにより、振動アセンブリ100の複数の共振ピークの位置を調整して、振動アセンブリ100の振動出力を制御することができる。
【0098】
弾性要素110は、外部荷重により弾性変形することができる要素であってもよい。いくつかの実施例において、弾性要素110は、振動アセンブリ100がスピーカーに適用される場合の加工製造プロセスにおいて性能を維持するように耐熱材料であってもよい。いくつかの実施例において、弾性要素110は、200℃~300℃の環境にあるとき、ヤング率及びせん断弾性率が変化しないか又はわずかに変化し(例えば、変化量が5%以内にある)、ヤング率は、弾性要素110が引っ張られるか又は圧縮されるときの変形能力を特徴付け、せん断弾性率は、弾性要素110がせん断されるときの変形能力を特徴付けることができる。いくつかの実施例において、弾性要素110は、振動アセンブリ100が優れた振動応答性を有するように、優れた弾性を有する(すなわち、弾性変形しやすい)材料であってもよい。いくつかの実施例において、弾性要素110の材質は、有機高分子材料、ゴム系材料などのうちの1種又は複数種であってもよい。いくつかの実施例において、有機高分子材料は、ポリカーボネート(Polycarbonate、PC)、ポリアミド(Polyamides、PA)、アクリロニトリル-ブタジエン-スチレン共重合体(Acrylonitrile Butadiene Styrene、ABS)、ポリスチレン(Polystyrene、PS)、耐衝撃性ポリスチレン(High Impact Polystyrene、HIPS)、ポリプロピレン(Polypropylene、PP)、ポリエチレンテレフタレート(Polyethylene Terephthalate、PET)、ポリ塩化ビニル(Polyvinyl Chloride、PVC)、ポリウレタン(Polyurethanes、PU)、ポリエチレン(Polyethylene、PE)、フェノール樹脂(Phenol Formaldehyde、PF)、尿素-ホルムアルデヒド樹脂(Urea-Formaldehyde、UF)、メラミン-ホルムアルデヒド樹脂(Melamine-Formaldehyde、MF)、ポリアリレート(Polyarylate、PAR)、ポリエーテルイミド(Polyetherimide、PEI)、ポリイミド(Polyimide、PI)、ポリエチレンナフタレート(Polyethylene Naphthalate two formic acid glycol ester、PEN)、ポリエーテルエーテルケトン(Polyetheretherketone、PEEK)、炭素繊維、グラフェン、シリカゲルなどのうちのいずれか1種又はそれらの組み合わせであってもよい。いくつかの実施例において、有機高分子材料は、様々なゴム系材料であってもよく、ゲル系、シリコーンゲル、アクリル系、ポリウレタン系、ゴム系、エポキシ系、ホットメルト系、光硬化系などを含むが、これらに限定されず、好ましくは、シリコーン接着性接着剤、シリコーンシール性接着剤であってもよい。
【0099】
いくつかの実施例において、弾性要素110のショア硬度は、1~50HAであってもよい。いくつかの実施例において、弾性要素110のショア硬度は、1~15HAであってもよい。いくつかの実施例において、弾性要素110のショア硬度は、14.9~15.1HAであってもよい。
【0100】
いくつかの実施例において、弾性要素110のヤング率は、5E8Pa~1E10Paの範囲にある。いくつかの実施例において、弾性要素110のヤング率は、1E9Pa~5E9Paの範囲にある。いくつかの実施例において、弾性要素110のヤング率は、1E9Pa~4E9Paの範囲にある。いくつかの実施例において、弾性要素110のヤング率は、2E9Pa~5E9Paの範囲にある。
【0101】
いくつかの実施例において、弾性要素110の密度は、1E3kg/m~4E3kg/mの範囲にある。いくつかの実施例において、弾性要素110の密度は、1E3kg/m~2E3kg/mの範囲にある。いくつかの実施例において、弾性要素110の密度は、1E3kg/m~3E3kg/mの範囲にある。いくつかの実施例において、弾性要素110の密度は、1E3kg/m~1.5E3kg/mの範囲にある。いくつかの実施例において、弾性要素110の密度は、1.5E3kg/m~2E3kg/mの範囲にある。
【0102】
いくつかの実施例において、振動アセンブリがスピーカーに適用される場合、弾性要素110の中心領域112は、スピーカーの駆動部に直接接続されてもよい。別のいくつかの実施例において、弾性要素110の中心領域112に設置された補強部材120は、スピーカーの駆動部に直接接続されてもよい。弾性要素110の中心領域112及び補強部材120は、駆動部の力と変位を伝達して空気を押して移動させ、音圧を出力することができる。
【0103】
中心領域112とは、弾性要素110の、中心(例えば、重心)から周側に向かって一定の面積だけ広がる領域を指し、補強部材120は、中心領域112に接続される。弾性要素110は、中心領域112に垂直な方向に沿って振動するように構成される。中心領域112は、弾性要素110の主な振動領域として、力と変位を伝達し、振動応答を出力することができる。
【0104】
エッジ領域114は、中心領域112の外側に位置する。いくつかの実施例において、エッジ領域114には、固有形状のパターンが設計されてもよく、それにより弾性要素110のエッジ領域114の対応する周波数帯域での振動形式を破壊し、弾性要素110の局所分割振動に起因する音の相殺を回避し、そして、パターンの設計により弾性要素110の局所剛性を増加させる。
【0105】
いくつかの実施例において、エッジ領域114は、エッジ構造を含んでもよい。いくつかの実施例において、エッジ構造のエッジ幅、アーチ高さなどのパラメータを調整することにより、エッジ構造に対応するエッジ領域114の剛性が異なり、対応する高周波数の局所分割振動形式の周波数帯域も異なる。エッジ幅は、エッジ領域114の弾性要素110の振動方向に沿った投影の径方向幅であってもよい。アーチ高さとは、エッジ領域114の弾性要素110の振動方向に沿って中心領域112又は固定領域116から突出する高さを指す。
【0106】
いくつかの実施例において、補強部材120の1つ以上の環状構造122の、弾性要素110の振動方向に沿った投影の最大面積は、中心領域112の面積より小さい。すなわち、補強部材120の投影の最も外側とエッジ領域114との間には、補強部材120が支持しない領域が存在し、本明細書では、エッジ領域114と補強部材120との間の中心領域112の一部の領域を吊り下げ領域1121と呼ばれる。いくつかの実施例において、補強部材120の最大輪郭を調整することにより、吊り下げ領域1121の面積を調整して、振動アセンブリのモード振動形式を調整することができる。
【0107】
固定領域116は、エッジ領域114の外周に設置される。弾性要素110は、固定領域116を介して接続し、固定することができる。例えば、弾性要素110は、固定領域116を介してスピーカーのハウジングなどに接続され固定されてもよい。いくつかの実施例において、固定領域116は、スピーカーのハウジングに取り付けられて固定され、弾性要素110の振動に関与しないと見なすことができる。いくつかの実施例において、弾性要素110の固定領域116は、支持要素を介してスピーカーのハウジングに接続されてもよい。いくつかの実施例において、支持要素は、振動アセンブリ100が振動するときに支持要素も変形して振動アセンブリ100の振動により大きな変位量を提供するように、変形しやすい軟質材料を含んでもよい。別のいくつかの実施例において、支持要素は、変形しにくい硬質材料を含んでもよい。
【0108】
いくつかの実施例において、弾性要素110は、エッジ領域114と固定領域116との間に設置された接続領域115をさらに含んでもよい。いくつかの実施例において、接続領域115は、弾性要素110の振動に追加の剛性及び減衰を提供することにより、振動アセンブリ100のモード振動形式を調整することができる。
【0109】
弾性要素110が適切な剛性を提供できるようにするために、弾性要素110の厚さ及び弾性係数を合理的な範囲内に設定することができる。いくつかの実施例において、弾性要素110の厚さは、3μm~100μmの範囲にあってもよい。いくつかの実施例において、弾性要素110の厚さは、3μm~50μmの範囲にあってもよい。いくつかの実施例において、弾性要素110の厚さは、3μm~30μmの範囲にあってもよい。
【0110】
補強部材120は、弾性要素110の剛性を増加させるための要素であってもよい。いくつかの実施例において、補強部材120は、中心領域112に接続され、補強部材120及び/又は中心領域112は、スピーカーの駆動部に接続されて、力及び/又は変位を伝達することにより、振動アセンブリ100は、空気を押して移動させ、音圧を出力する。補強部材120は、1つ以上の環状構造122と1つ以上の長尺状構造124を含んでもよく、1つ以上の長尺状構造124のそれぞれは、1つ以上の環状構造122のうちの少なくとも1つに接続されて、弾性要素110の中心領域112に交差支持を形成する。1つ以上の長尺状構造124のうちの少なくとも1つは、中心領域112の中心に向かって延在する。いくつかの実施例において、1つ以上の長尺状構造124は、中心領域112の中心を通過して、中心領域112の中心を支持することができる。いくつかの実施例において、補強部材120は、中心接続部123をさらに含んでもよく、1つ以上の長尺状構造124は、中心領域112の中心を通過せずに中心接続部123により中心領域112の中心を覆ってもよく、1つ以上の長尺状構造124は、中心接続部123に接続される。
【0111】
環状構造122は、特定の中心の周りに延在する構造であってもよい。いくつかの実施例において、環状構造122が取り囲む中心は、中心領域112の中心であってもよい。別のいくつかの実施例において、環状構造122が取り囲む中心は、中心領域112における中心からずれた他の位置であってもよい。いくつかの実施例において、環状構造122は、輪郭線が閉じた構造であってもよい。いくつかの実施例において、環状構造122の弾性要素110の振動方向に沿った投影の形状は、円環状、多角形環状、曲線環状又は楕円環状のうちの1種又は複数種の組み合わせを含んでもよいが、これらに限定されない。別のいくつかの実施例において、環状構造122は、輪郭線が閉じていない構造であってもよい。例えば、環状構造122は、切り欠きを有する円環状、多角形環状、曲線環状又は楕円環状などであってもよい。いくつかの実施例において、環状構造122の数は、1つであってもよい。いくつかの実施例において、環状構造122の数は、複数であってもよく、複数の環状構造は、同じ重心を有してもよい。いくつかの実施例において、環状構造122の数は、1~10の範囲にあってもよい。いくつかの実施例において、環状構造122の数は、1~5の範囲にあってもよい。いくつかの実施例において、環状構造122の数は、1~3の範囲にあってもよい。環状構造122の数が多すぎると、補強部材120の質量が大きすぎ、さらに振動アセンブリ100全体の感度が低下することを引き起こす可能性がある。いくつかの実施例において、環状構造122の数を設計することにより、補強部材120の質量、剛性の調整を実現することができる。いくつかの実施例において、補強部材120の最も外周に位置する環状構造122の寸法は、補強部材の最大寸法と見なすことができる。いくつかの実施例において、最も外周の環状構造122の寸法を設定することにより、エッジ領域114と補強部材120との間の吊り下げ領域1121の寸法(又は面積)を調整して、振動アセンブリ100のモード振動形式を変化させることができる。
【0112】
いくつかの実施例において、1つ以上の環状構造122は、第1の環状構造と第2の環状構造を含んでもよく、第1の環状構造の径方向寸法は、第2の環状構造の径方向寸法より小さい。いくつかの実施例において、第1の環状構造は、第2の環状構造の内側に設置される。いくつかの実施例において、第1の環状構造と第2の環状構造の重心は重なってもよい。別のいくつかの実施例において、第1の環状構造と第2の環状構造の重心は重ならなくてもよい。いくつかの実施例において、第1の環状構造及び第2の環状構造は、1つ以上の長尺状構造124を介して接続されてもよい。いくつかの実施例において、第1の環状構造及び第2の環状構造は、隣接する環状構造であってもよい。いくつかの実施例において、第1の環状構造及び第2の環状構造は、隣接しない環状構造であってもよく、第1の環状構造と第2の環状構造との間に1つ以上の環状構造が設置されてもよい。
【0113】
長尺状構造124は、特定の延在規則を有する構造であってもよい。いくつかの実施例において、長尺状構造124は、直線に沿って延在してもよい。いくつかの実施例において、長尺状構造124は、曲線に沿って延在してもよい。いくつかの実施例において、曲線に沿って延在することは、弧状に延在すること、螺旋状に延在すること、スプライン曲線に沿って延在すること、円弧状に延在すること、及びS字状に延在することなどを含んでもよいが、これらに限定されない。いくつかの実施例において、長尺状構造124は、環状構造122に接続されて補強部材120を複数の透かし彫り部に分割する。いくつかの実施例において、中心領域112の透かし彫り部に対応する領域は、透かし彫り領域と呼ばれてもよい。いくつかの実施例において、長尺状構造124の数は、1つであってもよい。例えば、1つの長尺状構造124は、環状構造122(例えば、いずれかの環状構造)のいずれかの直径方向に沿って設置されてもよい。いくつかの実施例において、該長尺状構造124は、中心領域の中心(すなわち、環状構造122の重心)及び環状構造122の両方に接続されてもよい。いくつかの実施例において、長尺状構造124の数は、複数であってもよい。いくつかの実施例において、複数の長尺状構造124は、環状構造122の複数の直径方向に沿って設置されてもよい。いくつかの実施例において、複数の長尺状構造124の少なくとも一部は、中心領域112の中心位置に向かって延在してもよく、該中心位置は、弾性要素110の重心であってもよい。いくつかの実施例において、複数の長尺状構造124は、他の方向に向かって延在する別の部分を含んでもよい。いくつかの実施例において、複数の長尺状構造124の少なくとも一部は、中心領域の中心位置に接続され、中心位置に中心接続部123を形成してもよい。いくつかの実施例において、中心接続部123は、個別の構造であってもよく、複数の長尺状構造124の少なくとも一部は、中心接続部123に接続されてもよい。いくつかの実施例において、中心接続部123の形状は、円形、方形、多角形又は楕円形などを含んでもよいが、これらに限定されない。いくつかの実施例において、中心接続部123の形状は、任意に設定されてもよい。いくつかの実施例において、環状構造122の数が複数である場合、隣接する環状構造122は、1つ以上の長尺状構造124を介して接続されてもよい。いくつかの実施例において、隣接する環状構造122の間に接続された長尺状構造124は、中心領域112の中心位置に向かって延在してもよく、中心領域112の中心位置に向かって延在しなくてもよい。
【0114】
いくつかの実施例において、長尺状構造124の数は、1~100の範囲にあってもよい。いくつかの実施例において、長尺状構造124の数は、1~50の範囲にあってもよい。いくつかの実施例において、長尺状構造124の数は、1~30の範囲にあってもよい。長尺状構造124の数を設定することにより、振動アセンブリ100全体の質量、補強部材120の剛性及び弾性要素110の透かし彫り領域の面積を調整して、振動アセンブリのモード振動形式を変化させることができる。
【0115】
いくつかの実施例において、長尺状構造124の弾性要素110の振動方向に沿った投影の形状は、矩形、台形、曲線形、砂時計形、花弁形のうちの少なくとも1種を含む。異なる形状の長尺状構造124を設計することにより、補強部材120の質量分布(例えば、質量中心の位置)、補強部材120の剛性、透かし彫り領域の面積を調整して、振動アセンブリのモード振動形式を変化させることができる。
【0116】
なお、本明細書の実施例に係る環状構造122及び長尺状構造124の構造に対する説明は、補強部材120の構造の合理的な設置を容易にするために選択された選択可能な構造に過ぎず、補強部材120及びその各部分の形状を限定するものとして理解されるべきではない。実際には、本明細書の実施例における補強部材120は、環状構造122及び長尺状構造124により、補強部と、環状構造122と長尺状構造124との間に位置する透かし彫り部(すなわち、透かし彫り部分であり、中心領域112の透かし彫り領域に対応する)とを構成することができる。1つ以上の環状構造122の位置する領域と1つ以上の長尺状構造124の位置する領域とは、共に補強部を構成する。補強部材120の最大輪郭の、弾性要素110の振動方向に沿った投影範囲内に、1つ以上の環状構造122及び1つ以上の長尺状構造124によって覆われていない領域は、透かし彫り部を構成する。補強部及び透かし彫り部のパラメータ(例えば、面積、補強部の厚さなど)を調整することにより、振動アセンブリ100の振動特性(例えば、共振ピークの数及び周波数範囲)の調整を実現することができる。換言すれば、補強部及び透かし彫り部を有する任意の形状の補強部材に対して、本明細書で提供される、補強部及び透かし彫り部に関するパラメータ設定方法を用いて設定することができ、それにより振動アセンブリの振動性能(例えば、共振ピークの数及び位置、周波数応答曲線の形態など)を調整するという目的を達成し、これらの手段はいずれも本願の範囲内に含まれるべきである。
【0117】
いくつかの実施例において、図1に示すように、弾性要素110の固定領域116とエッジ領域114との間の接続領域115は、吊り下げて設置され、該領域の等価質量がMmであり、そして、弾性要素110が弾性及び減衰を提供することができるため、該領域は、ばねKm、減衰Rmを介してハウジングに固定接続されることに相当し、そして、該接続領域115は、ばねKa、減衰Raを介して弾性要素110の前端の空気負荷に接続され、力及び変位を伝達して空気を押して移動させる。
【0118】
いくつかの実施例において、弾性要素110のエッジ領域114は、局所等価質量Mmを有し、該領域は、ばねKa’、減衰Ra’を介して弾性要素110の接続領域115に接続され、そして、エッジ領域114は、ばねKa、減衰Raを介して弾性要素110の前端の空気負荷に接続され、力及び変位を伝達して空気を押して移動させる。
【0119】
いくつかの実施例において、弾性要素110の中心領域112に補強部材120が設置され、補強部材120は、弾性要素110の中心領域112に接続され、補強部材120と中心領域112との接触面積が中心領域112の面積より小さく、それにより弾性要素110の中心領域112の補強部材120によって支持された領域とエッジ領域114との間に一部の吊り下げ領域1121が存在する。該領域は、局所等価質量Mmを有し、該領域は、ばねKa’、減衰Ra’を介してエッジ領域114に接続され、そして、補強部材120の位置する領域は、ばねKa、減衰Raを介して弾性要素110の前端の空気負荷に接続され、力及び変位を伝達して空気を押して移動させる。
【0120】
いくつかの実施例において、補強部材120の設計により、補強部材120に対応する弾性要素110の中心領域112は、1つ以上の透かし彫り領域を有し、各透かし彫り領域は、質量-ばね-減衰システムに相当することができ、等価質量Mm、等価剛性Ka、Ka’、等価減衰Ra、Ra’を有する。透かし彫り領域は、ばねKa’、減衰Ra’を介して隣接する透かし彫り領域に接続される。該透かし彫り領域は、さらに、ばねKa’、減衰Ra’を介して、中心領域112の補強部材120によって支持された領域とエッジ領域114との間の吊り下げ領域1121に接続され、そして、該吊り下げ領域1121は、ばねKa、減衰Raを介して弾性要素110の前端の空気負荷に接続され、力及び変位を伝達して空気を押して移動させる。
【0121】
いくつかの実施例において、補強部材120自体は、等価質量Mmを有し、補強部材120は、ばねKa’、減衰Ra’を介して中心領域112に接続され、そして、補強部材120は、ばねKa、減衰Raを介して弾性要素110の前端の空気負荷に接続され、補強部材120自体が共振する場合、中心領域112を駆動して弾性要素110を駆動して大きい移動速度及び変位を発生させ、それにより高い音圧レベルを発生させる。
【0122】
質量-ばね-減衰システムの動力学的特性に基づいて、各質量-ばね-減衰システムは、いずれも自体の共振ピーク周波数f0を有し、f0で大きい移動速度及び変位を発生させることができる。振動アセンブリ100の異なるパラメータ(例えば、弾性要素110及び/又は補強部材120の構造パラメータ)を設計することにより、振動アセンブリ100の異なる位置の構造によって形成された質量-ばね-減衰システムが必要な周波数帯域で共振することができ、さらに振動アセンブリ100の周波数応答曲線が複数の共振ピークを有し、それにより振動アセンブリ100の有効周波数帯域を大幅に広げ、そして、補強部材120を設計することにより、振動アセンブリ100は、より軽い質量を有し、より高い音圧レベルを出力することができる。
【0123】
図2は、本明細書のいくつかの実施例に係る振動アセンブリの第1の共振ピーク時の変形図であり、図3は、本明細書のいくつかの実施例に係る振動アセンブリの第2の共振ピーク時の変形図であり、図4は、本明細書のいくつかの実施例に係る振動アセンブリの第3の共振ピーク時の変形図であり、図5は、本明細書のいくつかの実施例に係る振動アセンブリの第4の共振ピーク時の変形図である。
【0124】
図1に示す振動アセンブリ100の等価振動モデルの概略図から分かるように、振動アセンブリ100の各部分は、異なる周波数帯域で速度共振し、対応する周波数帯域で大きい速度値を出力することにより、振動アセンブリ100の周波数応答曲線の対応する周波数帯域で大きい音圧値が出力され、対応する共振ピークが現れ、そして、複数の共振ピークにより、振動アセンブリ100の周波数応答は、可聴範囲(例えば、20Hz~20kHz)内に高い感度を有する。
【0125】
図1及び図2に示すように、いくつかの実施例において、補強部材120の質量、弾性要素110の質量、等価空気質量、駆動端等価質量を組み合わせて合計等価質量Mtを形成し、各部分の等価減衰により合計等価減衰Rtを形成し、弾性要素110(特に、エッジ領域114、エッジ領域114と補強部材120との間の吊り下げ領域の弾性要素110)が大きいコンプライアンスを有し、システムに剛性Ktを提供するため、質量Mt-ばねKt-減衰Rtシステムを形成し、該システムは、共振周波数を有し、駆動端の励起周波数が該システムの速度共振周波数に近い場合、システムは、共振し(図2に示す)、該Mt-Kt-Rtシステムの速度共振周波数付近の周波数帯域で大きい速度値vを出力し、振動アセンブリ100から出力された音圧振幅と音速が正の相関(p∝v)を有するため、周波数応答曲線に共振ピークが現れ、本明細書では、この共振ピークを振動アセンブリ100の第1の共振ピークと定義する。いくつかの実施例において、図2に示すように、図2は、振動アセンブリ100のA-A断面における振動状況を示し、図2中の白い構造は、補強部材120の変形前の形状及び位置を表し、黒い構造は、補強部材120の第1の共振ピーク時の形状及び位置を表す。なお、図2は、A-A断面における、振動アセンブリ100の補強部材120の中心から弾性要素110の片側縁部までの構造の状況、すなわち、A-A断面の半分のみを示し、示されていないA-A断面の他の半分は、図2に示す状況と対称的である。振動アセンブリ100のA-A断面における振動状況から分かるように、第1の共振ピークの位置で、振動アセンブリ100の主な変形位置は、弾性要素110の固定領域116に接続された部分である。いくつかの実施例において、振動アセンブリ100の第1の共振ピークの周波数(第1の共振周波数とも呼ばれる)は、振動アセンブリ100の質量と弾性要素110の弾性係数との比に関連してもよい。いくつかの実施例において、第1の共振ピークの周波数範囲は、180Hz~3000Hzである。いくつかの実施例において、第1の共振ピークの周波数範囲は、200Hz~3000Hzである。いくつかの実施例において、第1の共振ピークの周波数範囲は、200Hz~2500Hzである。いくつかの実施例において、第1の共振ピークの周波数範囲は、200Hz~2000Hzである。いくつかの実施例において、第1の共振ピークの周波数範囲は、200Hz~1000Hzである。いくつかの実施例において、補強部材120の構造を設置することにより、振動アセンブリ100の第1の共振ピークを上記周波数範囲内にすることができる。
【0126】
図1及び図3に示すように、弾性要素110の固定領域116とエッジ領域114との間の接続領域115は、吊り下げ状態にあり、該領域の等価質量がMmであり、該領域は、ばねKm、減衰Rmを介してハウジングに固定接続され、そして、接続領域115は、ばねKa、減衰Raを介して弾性要素110の前端の空気負荷に接続され、力及び変位を伝達して空気を押して移動させる。
【0127】
エッジ領域114は、局所等価質量Mmを有し、該領域は、ばねKa’、減衰Ra’を介して接続領域115に接続され、そして、エッジ領域114は、ばねKa、減衰Raを介して弾性要素110の前端の空気負荷に接続され、力及び変位を伝達して空気を押して移動させる。
【0128】
中心領域112の補強部材120が設置された領域とエッジ領域114との間に吊り下げ領域1121を有する。吊り下げ領域1121は、局所等価質量Mmを有し、該領域は、ばねKa’、減衰Ra’を介してエッジ領域114に接続され、そして、補強部材120の位置する領域は、ばねKa、減衰Raを介して弾性要素110の前端の空気負荷に接続され、力及び変位を伝達して空気を押して移動させる。
【0129】
上記3つの部分は、等価質量Ms、等価剛性Ks、等価減衰Rsを形成し、質量Ms-ばねKs-減衰Rsシステムを形成することができ、さらに、該システムは、共振周波数を有し、駆動端の励起周波数が該Ms-Ks-Rsシステムの速度共振周波数に近い場合、システムは、共振し、該Ms-Ks-Rsシステムの速度共振周波数付近の周波数帯域で大きい速度値vを出力し、振動アセンブリ100から出力された音圧振幅と音速が正の相関(p∝v)を有するため、周波数応答曲線に共振ピークが現れ、本明細書では、この共振ピークを振動アセンブリ100の第2の共振ピークと定義する。該共振ピークは、主に接続領域115、エッジ領域114、及び中心領域112の補強部材120が設置された領域とエッジ領域114との間の吊り下げ領域の振動モードにより生じ、図3に示すように、図3は、振動アセンブリ100の、第2の共振ピークの前(図3中の上方の構造図)と第2の共振ピークの後(図3中の下方の構造図)の変形位置をそれぞれ示す。いくつかの実施例において、図3に示すように、振動アセンブリ100のA-A断面における振動状況から分かるように、第2の共振ピークの周波数の前後に、振動アセンブリ100の主な変形位置は、エッジ領域114と吊り下げ領域1121である。いくつかの実施例において、振動アセンブリ100の第2の共振ピークの周波数(第2の共振周波数とも呼ばれる)は、弾性要素110の質量と弾性要素110の弾性係数との比に関連してもよい。いくつかの実施例において、振動アセンブリ100の第2の共振ピークの周波数範囲は、1000Hz~10000Hzであってもよい。いくつかの実施例において、振動アセンブリ100の第2の共振ピークの周波数範囲は、3000Hz~7000Hzであってもよい。いくつかの実施例において、振動アセンブリ100の第2の共振ピークの周波数範囲は、3000Hz~6000Hzであってもよい。いくつかの実施例において、振動アセンブリ100の第2の共振ピークの周波数範囲は、4000Hz~6000Hzであってもよい。いくつかの実施例において、補強部材120の構造を設置することにより、振動アセンブリ100の第2の共振ピークの範囲を上記周波数範囲内にすることができる。
【0130】
図1及び図4に示すように、補強部材120自体は、等価質量Mmを有し、補強部材120は、ばねKa’、減衰Ra’を介して中心領域112に接続され、そして、補強部材120は、ばねKa、減衰Raを介して弾性要素110の前端の空気負荷に接続され、補強部材120自体が共振する場合、中心領域112を駆動して弾性要素110を駆動して大きい移動速度及び変位を発生させ、それにより高い音圧レベルを発生させる。
【0131】
補強部材120、接続領域115、エッジ領域114、中心領域112の補強部材120が設置された領域とエッジ領域114との間の吊り下げ領域1121、等価空気質量、及び駆動端等価質量を組み合わせて合計等価質量Mtを形成し、各部分の等価減衰により合計等価減衰Rtを形成し、補強部材120、弾性要素110(特に、中心領域112の補強部材120によって覆われた領域)は、高い剛性を有し、システムに剛性Ktを提供するため、質量Mt-ばねKt-減衰Rtシステムを形成し、該システムは、中心領域112の直径方向におけるある環状領域を等価固定支点とし、環状領域内と環状領域外で逆方向に運動することにより反転運動を形成する振動形式を有し、接続領域115、エッジ領域114、及び中心領域112の補強部材120が設置された領域とエッジ領域114との間の吊り下げ領域1121は、補強部材120によって駆動されて振動し、反転運動を振動形式とする共振モード(図4に示す)を実現し、該共振はまた、該等価質量Mt-ばねKt-減衰Rtシステムの共振周波数点であり、駆動端の励起周波数が該システムの速度共振周波数に近い場合、該Mt-Kt-Rtシステムは、共振し、該Mt-Kt-Rtシステムの速度共振周波数付近の周波数帯域で大きい速度値vを出力し、振動アセンブリ100から出力された音圧振幅と音速が正の相関(p∝v)を有するため、周波数応答曲線に共振ピークが現れ、本明細書では、この共振ピークを振動アセンブリ100の第3の共振ピークと定義する。いくつかの実施例において、図4に示すように、図4は、振動アセンブリ100の、第3の共振ピークの前(図4中の上方の構造図)と第3の共振ピークの後(図4中の下方の構造図)の変形位置をそれぞれ示し、振動アセンブリ100のA-A断面における振動状況から分かるように、第3の共振ピークの周波数(第3の共振周波数とも呼ばれる)の前後に、振動アセンブリ100の主な変形位置は、補強部材120の反転変形の部分である。いくつかの実施例において、振動アセンブリ100の第3の共振ピークは、補強部材120の剛性に関連してもよい。いくつかの実施例において、第3の共振ピークの周波数範囲は、5000Hz~12000Hzであってもよい。いくつかの実施例において、第3の共振ピークの周波数範囲は、6000Hz~12000Hzであってもよい。いくつかの実施例において、第3の共振ピークの周波数範囲は、6000Hz~10000Hzであってもよい。いくつかの実施例において、補強部材120の構造を設置することにより、振動アセンブリ100の第3の共振ピークの範囲を上記周波数範囲内にすることができる。
【0132】
図1及び図5に示すように、補強部材120は、中心領域112に対応して1つ以上の透かし彫り領域を有し、各透かし彫り領域は、質量-ばね-減衰システムであり、等価質量Mm、等価剛性Ka、Ka’、等価減衰Ra、Ra’を有する。透かし彫り領域は、ばねKa’、減衰Ra’を介して隣接する透かし彫り領域に接続されるとともに、ばねKa’、減衰Ra’を介して中心領域112の補強部材120によって支持された領域とエッジ領域114との間の吊り下げ領域1121に接続され、そして、該透かし彫り領域は、ばねKa、減衰Raを介して弾性要素110の前端の空気負荷に接続され、力及び変位を伝達して空気を押して移動させる。
【0133】
透かし彫り領域同士が補強部材120の長尺状構造124によって間隔をあけて設置されるため、各透かし彫り領域は、それぞれ異なる共振周波数を形成し、それに接続された空気領域を独立して押して移動させ、対応する音圧を発生させることができ、さらに、補強部材120の各長尺状構造124の位置、寸法、数を設計することにより、各透かし彫り領域が異なる共振周波数を有することを実現することができ、それにより振動アセンブリ100の周波数応答曲線に1つ以上の高周波共振ピーク(すなわち、第4の共振ピーク)が現れる。いくつかの実施例において、上記1つ以上の高周波共振ピーク(すなわち、第4の共振ピーク)の範囲は、10000Hz~18000Hzであってもよい。
【0134】
さらに、振動アセンブリ100が高周波(10000Hz~20000Hz)で出力する音圧レベルを高めるために、各長尺状構造124の位置、寸法、数を設計することにより、各透かし彫り領域の共振周波数が等しくなるか又は近くなる。いくつかの実施例において、各透かし彫り領域の共振周波数の差を4000Hzの範囲内にすることにより、振動アセンブリ100の周波数応答曲線に出力音圧レベルが高い高周波共振ピークが現れ、本明細書では、この共振ピークを振動アセンブリ100の第4の共振ピーク(図5に示す)と定義する。いくつかの実施例において、図5に示すように、振動アセンブリ100のB-B断面における振動状況から分かるように、第4の共振ピークの周波数(第4の共振周波数とも呼ばれる)付近に、振動アセンブリ100の主な変形位置は、中心領域112の透かし彫り領域で生じた変形の部分である。いくつかの実施例において、第4の共振ピークの周波数範囲は、8000Hz~20000Hzであってもよい。いくつかの実施例において、第4の共振ピークの周波数範囲は、10000Hz~18000Hzであってもよい。いくつかの実施例において、第4の共振ピークの周波数範囲は、12000Hz~18000Hzであってもよい。いくつかの実施例において、第4の共振ピークの周波数範囲は、15000Hz~18000Hzであってもよい。いくつかの実施例において、1つ以上の透かし彫り領域の面積及び弾性要素110の厚さを設計することにより、各透かし彫り領域の共振周波数を調整することができ、それにより振動アセンブリ100の第4の共振ピークが上記周波数範囲内にある。いくつかの実施例において、振動アセンブリ100の第4の共振ピークの範囲を上記周波数範囲内にするために、各透かし彫り領域の面積と弾性要素110の厚さとの比を、100mm~1000mmの範囲にする。いくつかの実施例において、振動アセンブリ100の第4の共振ピークの範囲を上記周波数範囲内にするために、各透かし彫り領域の面積と弾性要素110の厚さとの比を、120mm~900mmの範囲にする。いくつかの実施例において、振動アセンブリ100の第4の共振ピークの範囲を上記周波数範囲内にするために、各透かし彫り領域の面積と弾性要素110の厚さとの比を、150mm~800mmの範囲にする。いくつかの実施例において、振動アセンブリ100の第4の共振ピークの範囲を上記周波数範囲内にするために、各透かし彫り領域の面積と弾性要素110の厚さとの比を、150mm~700mmの範囲にする。
【0135】
図6に示すように、図6は、本明細書のいくつかの実施例に係る、第3の共振周波数と第4の共振周波数との差が異なる振動アセンブリ100の周波数応答曲線であり、横軸は、周波数(単位:Hz)を表し、縦軸は、感度(SPL)を表す。補強部材120と弾性要素110の構造を設計することにより、振動アセンブリ100が可聴範囲に複数の共振ピークを有することを実現でき、さらに、複数の共振ピークなどの組み合わせにより、振動アセンブリ100が可聴範囲全体に高い感度を有する。補強部材120の長尺状構造124及び環状構造122を設計することにより、振動アセンブリ100の第4の共振ピーク240が異なる周波数範囲にあることを実現することができる。第4の共振ピーク240と第3の共振ピーク230との周波数差Δfを設計することにより、第4の共振ピーク240と第3の共振ピーク230との間の周波数帯域で、周波数応答曲線が平坦であり、出力音圧レベルが高いことを実現し、周波数応答曲線に谷が現れることを回避することができる。図6に示すように、第4の共振ピーク240と第3の共振ピーク230との周波数差Δfが大きすぎると(図6に示すΔf2)、第4の共振ピーク240と第3の共振ピーク230との間の周波数帯域で、谷が現れ、出力音圧レベルが低下することを引き起こし、第4の共振ピーク240と第3の共振ピーク230との周波数差Δfが小さすぎると(図6に示すΔf1)、第4の共振ピーク240の周波数が低下し、高周波数帯域(例えば、12kHz~20kHz)の音圧レベルが低下し、振動アセンブリ100の周波数帯域が狭くなることを引き起こす。補強部材120及び弾性要素110の構造を調整することにより、第3の共振ピーク230を左に移動させ、及び/又は第4の共振ピーク240を右に移動させ、第4の共振ピーク240と第3の共振ピーク230との周波数差Δfを大きくすることができる。いくつかの実施例において、第4の共振ピーク240と第3の共振ピーク230との周波数差Δfは、80Hz~15000Hzの範囲にある。いくつかの実施例において、第4の共振ピーク240と第3の共振ピーク230との周波数差Δfは、100Hz~13000Hzの範囲にある。いくつかの実施例において、第4の共振ピーク240と第3の共振ピーク230との周波数差Δfは、200Hz~12000Hzの範囲にある。いくつかの実施例において、第4の共振ピーク240と第3の共振ピーク230との周波数差Δfは、300Hz~11000Hzの範囲にある。いくつかの実施例において、第4の共振ピーク240と第3の共振ピーク230との周波数差Δfは、400Hz~10000Hzの範囲にある。いくつかの実施例において、第4の共振ピーク240と第3の共振ピーク230との周波数差Δfは、500Hz~9000Hzの範囲にある。いくつかの実施例において、第4の共振ピーク240と第3の共振ピーク230との周波数差Δfは、200Hz~11000Hzの範囲にある。いくつかの実施例において、第4の共振ピーク240と第3の共振ピーク230との周波数差Δfは、200Hz~10000Hzの範囲にある。いくつかの実施例において、第4の共振ピーク240と第3の共振ピーク230との周波数差Δfは、2000Hz~15000Hzの範囲にある。いくつかの実施例において、第4の共振ピーク240と第3の共振ピーク230との周波数差Δfは、3000Hz~14000Hzの範囲にある。いくつかの実施例において、第4の共振ピーク240と第3の共振ピーク230との周波数差Δfは、4000Hz~13000Hzの範囲にある。
【0136】
図7Aに示すように、補強部材120と弾性要素110の設計により、振動アセンブリ100は、人の耳の可聴範囲(20Hz~20000Hz)内で必要な高次モードが現れ、振動アセンブリ100の周波数応答曲線に上記第1の共振ピーク210、第2の共振ピーク220、第3の共振ピーク230及び第4の共振ピーク240が現れ、すなわち、20Hz~20000Hzの周波数範囲内の振動アセンブリ100の周波数応答曲線の共振ピークの数が4つであり、それにより振動アセンブリ100が広い周波数帯域範囲で高い感度を有する。
【0137】
いくつかの実施例において、補強部材120と弾性要素110の構造を設計することにより、振動アセンブリ100は、可聴範囲(20Hz~20000Hz)内で3つの共振ピークのみを有することができる。例えば、振動アセンブリ100の第2の共振ピークと第3の共振ピークとの周波数差が2000Hz未満である場合、振動アセンブリ100の周波数応答音圧レベル曲線には、第2の共振ピークと第3の共振ピークは1つの共振ピークとして現れる。また、例えば、補強部材120は、中心領域112に対応して1つ以上の吊り下げ領域を有し、各透かし彫り領域の共振周波数を可聴範囲より高くするか、又は各透かし彫り領域の共振周波数が異なり、かつ高周波範囲(10000Hz~18000Hz)の異なる周波数帯域で異なる吊り下げ領域が異なる振動位相を有するようにして、音声の重畳相殺効果を達成する場合、高周波ロールオフの効果を得ることができ、振動アセンブリ100の音圧レベル周波数応答曲線に第4の共振ピークが現れない。
【0138】
図7Bに示すように、図7Bは、本明細書のいくつかの実施例に係る、第2の共振ピークと第3の共振ピークが重なる場合の概略図である。いくつかの実施例において、補強部材120の全体寸法、長尺状構造124の数及び寸法、長尺状構造124の配置位置、中心領域112の補強部材120が設置された領域とエッジ領域114との間の吊り下げ領域1121の面積、エッジ領域114のパターン設計(例えば、エッジの幅、アーチ高さ、アーチ形状)、及び接続領域115の面積を含む、補強部材120の構造及び寸法を設計することにより、振動アセンブリ100の第2の共振ピーク220と第3の共振ピーク230との周波数差を設計することができる。いくつかの実施例において、振動アセンブリ100の第2の共振ピーク220と第3の共振ピーク230との周波数差が2000Hz~3000Hzの範囲にある場合、振動アセンブリ100の周波数応答音圧レベル曲線(例えば、周波数応答曲線710)には、第2の共振ピーク220と第3の共振ピーク230との間に谷がなく、周波数応答曲線には依然として第2の共振ピーク220と第3の共振ピーク230(図中の破線に対応する)が識別することができる。いくつかの実施例において、振動アセンブリ100の第2の共振ピーク220と第3の共振ピーク230との周波数差がさらに減少し、例えば2000Hz未満である場合、振動アセンブリ100の周波数応答音圧レベル曲線(例えば、周波数応答曲線720)には、第2の共振ピーク220と第3の共振ピーク230は、1つの共振ピーク(図中の実線に対応する)として現れ、それにより中高周波数帯域(3000Hz~10000Hz)で高い感度を有することができる。
【0139】
補強部材120の環状構造122及び長尺状構造124を設計することにより、補強部材120が中心領域112に対応して1つ以上の透かし彫り領域を有し、各透かし彫り領域は、質量-ばね-減衰システムとなり、補強部材120の各長尺状構造124の位置、寸法、数を設計することにより、各透かし彫り領域の共振周波数が等しくなるか又は近くなる。いくつかの実施例において、各透かし彫り領域の共振周波数差が4000Hzの範囲にあり、それにより振動アセンブリ100の周波数応答曲線に1つ以上の出力音圧レベルが高い高周波共振ピーク(すなわち、第4の共振ピーク)が現れる。
【0140】
いくつかの実施例において、図7Cに示すように、補強部材120の各長尺状構造124の位置、寸法、数を設計することにより、各透かし彫り領域の共振周波数を可聴範囲より高くするか、又は各透かし彫り領域の共振周波数が異なり、かつ高周波数範囲(10000Hz~18000Hz)の異なる周波数帯域で異なる透かし彫り領域が異なる振動位相を有するようにして、音声の重畳相殺効果を達成する場合、高周波ロールオフの効果を得ることができ、振動アセンブリ100の音圧レベル周波数応答曲線に第4の共振ピークが現れない。
【0141】
図7Dに示すように、図7Dは、本明細書のいくつかの実施例に係る、振動アセンブリ100が2つの共振ピークを有する場合の周波数応答曲線の概略図である。いくつかの実施例において、補強部材120の構造を設計することにより、振動アセンブリ100の第2の共振ピーク220と第3の共振ピーク230との周波数差が2000Hz未満である場合、振動アセンブリ100の周波数応答音圧レベル曲線には、第2の共振ピーク220と第3の共振ピーク230は、1つの共振ピークとして現れる。一方、補強部材120の各長尺状構造124の位置、寸法、数を設計することにより、各透かし彫り領域の共振周波数を可聴範囲より高くするか、又は各透かし彫り領域の共振周波数が異なり、かつ高周波数範囲(10000Hz~18000Hz)の異なる周波数帯域で異なる透かし彫り領域が異なる振動位相を有するようにして、音声の重畳相殺効果を達成する場合、高周波ロールオフの効果を得ることができ、振動アセンブリ100の音圧レベル周波数応答曲線に第4の共振ピークが現れない。このとき、振動アセンブリ100は、一定の帯域幅を有し、中高周波数帯域(3000Hz~10000Hz)で感度が高いという出力特徴を有する。
【0142】
いくつかの実施例において、弾性要素110の吊り下げ領域1121及びエッジ領域114の面積及び厚さを設計することにより、振動アセンブリ100の第2の共振ピークが必要な周波数範囲にあることを確保することができる。いくつかの実施例において、振動アセンブリ100の第2の共振ピークは、1000Hz~10000Hzの範囲にあってもよい。いくつかの実施例において、振動アセンブリ100の第2の共振ピークは、3000Hz~7000Hzの範囲にあってもよい。いくつかの実施例において、振動アセンブリ100の第2の共振ピークと第3の共振ピークとの周波数差を設計するとき、振動アセンブリ100の第2の共振ピークと第3の共振ピークとの周波数差を3000Hz未満であるようにする。
【0143】
図8Aに示すように、図8Aは、本明細書のいくつかの実施例に係る、単一環状構造の補強部材を含む振動アセンブリの概略構成図である。いくつかの実施例において、吊り下げ領域1121の水平面投影面積(すなわち、吊り下げ領域1121の弾性要素110の振動方向に沿った投影面積)をSと定義し、エッジ領域114の水平面投影面積(すなわち、エッジ領域114の弾性要素110の振動方向に沿った投影面積)をSと定義し、吊り下げ領域1121の水平面投影面積Sとエッジ領域114の水平面投影面積Sとの和をSと定義する。物理量α(単位:mm)を、Sと弾性要素110(振動板とも呼ばれる)の厚さHとの比と定義する。
【0144】
【数1】
【0145】
いくつかの実施例において、振動アセンブリ100の第2の共振ピークの周波数範囲を3000Hz~7000Hzにするために、Sと振動板の厚さHとの比αは、5000mm~12000mmの範囲にあってもよい。いくつかの実施例において、振動アセンブリ100の第2の共振ピークの周波数範囲を3000Hz~7000Hzにするために、αは、6000mm~10000mmの範囲にあってもよい。いくつかの実施例において、振動アセンブリ100の第2の共振ピークの周波数範囲をさらに調整して高周波数に移動させるために、αは、6000mm~9000mmの範囲にあってもよい。いくつかの実施例において、振動アセンブリ100の第2の共振ピークの周波数範囲をさらに調整して高周波数に移動させるために、αは、6000mm~8000mmの範囲にあってもよい。いくつかの実施例において、振動アセンブリ100の第2の共振ピークの周波数範囲をさらに調整して高周波数に移動させるために、αは、6000mm~7000mmの範囲にあってもよい。
【0146】
いくつかの実施例において、吊り下げ領域1121及びエッジ領域114の面積と弾性要素110の厚さとの関係は、局所等価質量Mm、局所等価質量Mm、局所領域剛性Ka’及び局所領域剛性Ka’に影響を与え、さらに、接続領域115、エッジ領域114、吊り下げ領域1121の3つの部分によって形成された等価質量Ms、等価剛性Ks、等価減衰Rsに影響を与えるため、振動アセンブリ100の第2の共振ピークの範囲を制御する。いくつかの実施例において、さらにエッジ領域114のエッジのアーチ高さを設計することにより、振動アセンブリ100の第2の共振ピークの制御を実現することができる。
【0147】
図8Bは、本明細書の別のいくつかの実施例に係る振動アセンブリの周波数応答曲線の概略図である。いくつかの実施例において、図8Bに示すように、図中の周波数応答曲線810は、α=8190mmの場合の振動アセンブリの周波数応答曲線を表し、周波数応答曲線820は、α=7146mmの場合の振動アセンブリの周波数応答曲線を表し、周波数応答曲線830は、α=12360mmの場合の振動アセンブリの周波数応答曲線を表す。周波数応答曲線820から分かるように、α=7146mmの場合、振動アセンブリ100の第2の共振ピーク220の周波数は、約7000Hzである。周波数応答曲線810から分かるように、α=8190mmの場合、振動アセンブリ100の第2の共振ピーク220の周波数は、約5000Hzであり、周波数応答曲線810の第2の共振ピーク220の振幅は、周波数応答曲線820の第2の共振ピーク220の振幅に近い。すなわち、αの増加に伴って、第2の共振ピーク220は、共振周波数が低下し、振幅がほぼ変化しない。周波数応答曲線820から分かるように、α=12360mmの場合、振動アセンブリ100に明らかな第2の共振ピークが現れず、このとき、振動アセンブリ100の3000Hz~7000Hzの範囲の振幅は、周波数応答曲線810及び周波数応答曲線820に比べて低下し、すなわち、α=12360mmの場合、振動アセンブリ100の出力音圧レベルが低い。したがって、αが6000mm~10000mmの範囲にある場合、振動アセンブリ100の第2の共振ピークの周波数範囲が3000Hz~7000Hzであるように好適に制御することができ、それにより振動アセンブリ100が3000Hz~7000Hzの範囲で高い出力音圧レベルを有する。
【0148】
図9Aに示すように、図9Aは、本明細書のいくつかの実施例に係る振動アセンブリの部分概略構成図である。本明細書では、エッジ領域114のエッジのアーチ高さをΔhと定義し、物理量δ(単位:mm)を、Sと振動板のエッジのアーチ高さΔhとの比と定義することができる。
【0149】
【数2】
【0150】
いくつかの実施例において、δは、50mm~600mmの範囲にあってもよい。いくつかの実施例において、δは、100mm~500mmの範囲にあってもよい。いくつかの実施例において、振動アセンブリ100の第2の共振ピークの周波数範囲を3000Hz~7000Hzにするために、δは、200mm~400mmの範囲にあってもよい。いくつかの実施例において、振動アセンブリ100の第2の共振ピークの周波数範囲を3000Hz~7000Hz範囲内でさらに低周波数に移動させるために、δは、300mm~400mmの範囲にあってもよい。いくつかの実施例において、振動アセンブリ100の第2の共振ピークの周波数範囲を3000Hz~7000Hz範囲内でさらに低周波数に移動させるために、δは、350mm~400mmの範囲にあってもよい。いくつかの実施例において、振動アセンブリ100の第2の共振ピークの周波数範囲を3000Hz~7000Hz範囲内で高周波数に移動させるために、δは、200mm~300mmの範囲にあってもよい。いくつかの実施例において、振動アセンブリ100の第2の共振ピークの周波数範囲を3000Hz~7000Hz範囲内でさらに高周波数に移動させるために、δは、200mm~250mmの範囲にあってもよい。
【0151】
いくつかの実施例において、エッジのアーチ高さを設計することにより、エッジ領域114及び吊り下げ領域1121の水平方向の投影面積を変化させない場合に、エッジ領域114の3次元寸法を変化させて、エッジ領域114の剛性Ka’を変化させ、さらにスピーカーの第2の共振ピークの制御を実現することができる。いくつかの実施例において、さらに補強部の寸法を調整して設計することにより、スピーカーの出力音圧レベルを調整することができる。
【0152】
図9Bは、本明細書の別のいくつかの実施例に係る振動アセンブリの周波数応答曲線の概略図である。いくつかの実施例において、図9Bに示すように、図中の周波数応答曲線910は、δ=262mmの場合の振動アセンブリの周波数応答曲線を表し、周波数応答曲線920は、δ=197mmの場合の振動アセンブリの周波数応答曲線を表す。周波数応答曲線910から分かるように、δ=262mmの場合、振動アセンブリ100の第2の共振ピーク220の周波数は、約5000Hzであり、周波数応答曲線920から分かるように、δ=197mmの場合、振動アセンブリ100の第2の共振ピーク220の周波数は、約7000Hzである。したがって、δの増加に伴って、第2の共振ピーク220は、共振周波数が低下し、δが200mm~400mmの範囲にある場合、振動アセンブリ100の第2の共振ピークの周波数範囲が3000Hz~7000Hzであるように好適に制御することができる。
【0153】
本明細書では、中心領域112の水平投影面積をSと定義し、補強部材120の最大輪郭の水平投影面積をSrmと定義し、吊り下げ領域1121の水平面投影面積をSと定義し、Srm=S-S
【0154】
本明細書では、物理量
【数3】
(単位:1)を、吊り下げ領域1121の水平面投影面積Sと中心領域112の水平投影面積Sとの比と定義する。
【0155】
【数4】
【0156】
いくつかの実施例において、
【数5】
は、0.05~0.7の範囲にある。いくつかの実施例において、
【数6】
は、0.1~0.5の範囲にある。いくつかの実施例において、振動アセンブリ100の第2の共振ピークの周波数範囲を3000Hz~7000Hzにするために、
【数7】
は、0.15~0.35の範囲にある。いくつかの実施例において、振動アセンブリ100の第2の共振ピークを3000Hz~7000Hzの周波数範囲内でさらに高周波数に移動させるために、
【数8】
は、0.15~0.25の範囲にある。いくつかの実施例において、
【数9】
は、0.15~0.2の範囲にある。いくつかの実施例において、振動アセンブリ100の第2の共振ピークを3000Hz~7000Hzの周波数範囲内でさらに低周波数に移動させるために、
【数10】
は、0.25~0.35の範囲にある。いくつかの実施例において、振動アセンブリ100の第2の共振ピークを3000Hz~7000Hzの周波数範囲内でさらに低周波数に移動させるために、
【数11】
は、0.3~0.35の範囲にある。
【0157】
いくつかの実施例において、振動アセンブリが第2の共振ピークに対応する周波数付近で変形するとき、吊り下げ領域1121、エッジ領域114に局所共振が発生するため、このとき、補強部材120の寸法(すなわち、補強部材120の最大輪郭の寸法)を設計することにより、補強部材120が該周波数帯域で一定の湾曲変形を実現することができ、それにより振動板の異なる領域の音圧の重畳増加を実現し、振動アセンブリ又はスピーカーの第2の共振ピークでの最大音圧レベルの出力を実現する。
【0158】
図9Cは、本明細書の別のいくつかの実施例に係る振動アセンブリの周波数応答曲線の概略図である。いくつかの実施例において、図9Cに示すように、図中の周波数応答曲線940は、
【数12】
の場合の振動アセンブリの周波数応答曲線を表し、周波数応答曲線950は、
【数13】
の場合の振動アセンブリの周波数応答曲線を表す。周波数応答曲線940から分かるように、
【数14】
の場合、振動アセンブリ100の第2の共振ピーク220の周波数は、約4000Hzであり、周波数応答曲線950から分かるように、
【数15】
の場合、振動アセンブリ100の第2の共振ピーク220の周波数は、約6000Hzである。したがって、
【数16】
の減少に伴って、第2の共振ピーク220は、共振周波数が増加し、
【数17】
が0.15~0.35の範囲にある場合、振動アセンブリ100の第2の共振ピークの周波数範囲が3000Hz~7000Hzであるように好適に制御することができる。
【0159】
いくつかの実施例において、補強部材120の透かし彫り領域(中心領域112に対応する吊り下げ領域)を変化させることにより、スピーカーの共振周波数を調整するために、長尺状構造124は、異なる幅、形状及び数を有することができる。具体的な内容については、後続の図13A図18C及びそれらの関連説明を参照する。
【0160】
いくつかの実施例において、透かし彫り領域の面積を設計する(例えば、補強部材120の長尺状構造124の数及び位置、環状構造122の数及び位置などを設計する)ことにより、振動アセンブリ100の共振周波数を調整して、振動アセンブリ100の使用性能を向上させることができる。いくつかの実施例において、振動アセンブリ100の第4の共振ピークは、8000Hz~20000Hzの範囲にあってもよい。いくつかの実施例において、振動アセンブリ100の第4の共振ピークは、10000Hz~18000Hzの範囲にあってもよい。
【0161】
図6及び図10Aに示すように、図10Aは、本明細書のいくつかの実施例に係る、単一環状構造の補強部材を含む振動アセンブリのC-C断面の第4の共振ピークの周波数付近の変形図である。図6から分かるように、第4の共振ピーク240と第3の共振ピーク230との周波数差Δfは、振動アセンブリ100の高周波数帯域の周波数応答曲線の平坦度に大きな影響を与える。いくつかの実施例において、図10Aに示すように、振動アセンブリ100のC-C断面における振動状況から分かるように、第4の共振ピークの周波数付近に、振動アセンブリ100の主な変形位置は、中心領域112の透かし彫り領域で生じた変形の部分である。いくつかの実施例において、質量-ばね-減衰システムとなり、等価質量Mm、等価剛性Kaに対応するように補強部材120の中心領域112に対応する各透かし彫り領域を制御することにより、振動アセンブリ100の第4の共振ピーク240の制御を実現することができる。例えば、長尺状構造124の数及び寸法、環状構造122を設計して中心領域112の各透かし彫り領域の面積を設計し、各透かし彫り領域の面積をSと定義することができる。なお、図10Aは、単一環状構造の補強部材120を含む振動アセンブリ100の第4の共振ピークの変形図を示すが、複数の環状構造の補強部材120を有する振動アセンブリ(例えば、図5に示す振動アセンブリ100)に対して、該結論は依然として当てはまる。
【0162】
第4の共振ピークを適切な周波数範囲(10000Hz~18000Hz)内にするために、本明細書では、物理量を、いずれかの透かし彫り領域の面積(すなわち、透かし彫り部の弾性要素110の振動方向に沿った投影面積)Sと各透かし彫り領域部の振動板(例えば、弾性要素110)の厚さHとの比である面積厚さ比μ(単位:mm)と定義する。
【0163】
【数18】
【0164】
いくつかの実施例において、振動板(例えば、弾性要素110)のヤング率及び密度が所与の範囲にある場合、μを設計することにより、振動アセンブリの第4の共振ピークの周波数位置を調整することができる。いくつかの実施例において、振動板のヤング率の所与の範囲は、5×10^8Pa~1×10^10Paである。いくつかの実施例において、振動板のヤング率の所与の範囲は、1×10^9Pa~5×10^9Paである。いくつかの実施例において、振動板の密度の所与の範囲は、1×10^3kg/m~4×10^3kg/mである。いくつかの実施例において、振動板の密度の所与の範囲は、1×10^3kg/m~2×10^3kg/mである。
【0165】
いくつかの実施例において、面積厚さ比μは、1000mm~10000mmの範囲にある。いくつかの実施例において、面積厚さ比μは、1500mm~9000mmの範囲にある。いくつかの実施例において、面積厚さ比μは、2000mm~8000mmの範囲にある。いくつかの実施例において、面積厚さ比μは、2500mm~7500mmの範囲にある。いくつかの実施例において、面積厚さ比μは、3000mm~7000mmの範囲にある。いくつかの実施例において、面積厚さ比μは、3500mm~6500mmの範囲にある。いくつかの実施例において、面積厚さ比μは、4000mm~6000mmの範囲にある。
【0166】
いくつかの実施例において、各透かし彫り領域の面積及び振動板の厚さを設計することにより、各透かし彫り領域の等価質量Mm、等価剛性Kaを制御し、さらにスピーカーの第4の共振ピークの制御を実現することができる。
【0167】
図10Bは、本明細書の別のいくつかの実施例に係る振動アセンブリの周波数応答曲線の概略図である。いくつかの実施例において、図10Bに示すように、図中の周波数応答曲線1010は、μ=5230mmの場合の振動アセンブリの周波数応答曲線を表し、周波数応答曲線1020は、μ=4870mmの場合の振動アセンブリの周波数応答曲線を表し、周波数応答曲線1030は、μ=5330mmの場合の振動アセンブリの周波数応答曲線を表し、周波数応答曲線1040は、μ=5440mmの場合の振動アセンブリの周波数応答曲線を表す。図10Bに示すように、μ=5230mmの場合に対応する周波数応答曲線1010の第4の共振ピークの周波数は、約15000Hzであり、μ=4870mmの場合に対応する周波数応答曲線1020の第4の共振ピークの周波数は、約12000Hzであり、μ=5330mmの場合に対応する周波数応答曲線1030の第4の共振ピークの周波数は、約16000Hzであり、μ=5440mmの場合に対応する周波数応答曲線1040の第4の共振ピークの周波数は、約17000Hzである。したがって、μが4000mm~6000mmの範囲にある場合、振動アセンブリ100の第4の共振ピークの周波数範囲が10000Hz~18000Hzであるように好適に制御することができる。
【0168】
図11に示すように、いくつかの実施例において、補強部材120は、複数の環状構造(例えば、二重環状構造)を有し、すなわち、補強部材120は、径方向に沿って隣接して設置された複数の環状構造(例えば、第1の環状構造、第2の環状構造など)を含み、各環状構造の直径が異なり、直径が小さい環状構造は、直径が大きい環状構造の内側に設置される。本明細書では、第1の環状構造の内部の弾性要素110の各透かし彫り領域の面積をS1iと定義し、第1の環状構造と第2の環状構造が隣接する環状構造である場合、第1の環状構造と第2の環状構造との間の弾性要素110の各透かし彫り領域の面積をS2iと定義する。別のいくつかの実施例において、補強部材120は、より多くの環状構造122を有してもよく、第n-1の環状構造と第nの環状構造との間の弾性要素110の各透かし彫り領域の面積をSniとして外へ順次に定義する。異なる直径の環状構造の間に位置する透かし彫り領域は、第1の透かし彫り領域と第2の透かし彫り領域を含んでもよく、第1の透かし彫り領域の重心と中心領域の中心との間の距離は、第2の透かし彫り領域の重心と中心領域の中心との間の距離と異なる。本明細書では、弾性要素110の透かし彫り領域面積比γ(単位:1)である物理量を、第1の透かし彫り領域の面積Skiと第2の透かし彫り領域の面積Sjiとの比と定義する。
【0169】
【数19】
【0170】
式中、k>jである。γを設計することにより、振動アセンブリの第4の共振ピークの周波数位置及び出力音圧レベルを調整することができる。
【0171】
図11及び図12Aに示すように、図12Aは、図11に対応する振動アセンブリの周波数応答曲線である。構造1~構造4において、第1の環状領域と第2の環状領域との間の各透かし彫り領域の面積S2i(すなわち、第1の透かし彫り領域)と第1の環状領域の内部の各透かし彫り領域の面積S1i(すなわち、第2の透かし彫り領域)との面積比γは、順に5.9、4.7、3.9、3.2である。図11から分かるように、振動アセンブリ100の第4の共振ピーク位置に、構造1~構造4において、γの減少に伴って、内側の環状構造122内に位置する第1の透かし彫り領域の半径ΔRが徐々に増加し、内側の環状構造122と外側の環状構造122との間に位置する第2の透かし彫り領域の半径ΔRが徐々に減少する。いくつかの実施例において、さらに図12Aに示すように、構造1~構造4の振動アセンブリの周波数応答曲線には、第4の共振ピーク位置での音圧振幅出力は、徐々に増加する。したがって、中心領域112の各透かし彫り領域面積比は、各透かし彫り領域の共振周波数に影響を与え、最後に高周波数帯域での音圧重畳効果が得られ、すなわち、γを設定することにより、振動アセンブリ100の高周波数感度を調整することができる。
【0172】
いくつかの実施例において、中心領域112の各透かし彫り領域面積比をできるだけ小さくし、例えば、第1の透かし彫り領域の面積Skiと第2の透かし彫り領域の面積Sjiとの比γを0.1~10の範囲にする。いくつかの実施例において、第1の透かし彫り領域の面積Skiと第2の透かし彫り領域の面積Sjiとの比γは、0.16~6の範囲にある。いくつかの実施例において、第1の透かし彫り領域の面積Skiと第2の透かし彫り領域の面積Sjiとの比γは、0.2~5の範囲にある。いくつかの実施例において、第1の透かし彫り領域の面積Skiと第2の透かし彫り領域の面積Sjiとの比γは、0.25~4の範囲にある。いくつかの実施例において、第1の透かし彫り領域の面積Skiと第2の透かし彫り領域の面積Sjiとの比γは、0.25~1の範囲にある。いくつかの実施例において、第1の透かし彫り領域の面積Skiと第2の透かし彫り領域の面積Sjiとの比γは、0.25~0.6の範囲にある。いくつかの実施例において、第1の透かし彫り領域の面積Skiと第2の透かし彫り領域の面積Sjiとの比γは、0.1~4の範囲にある。いくつかの実施例において、第1の透かし彫り領域の面積Skiと第2の透かし彫り領域の面積Sjiとの比γは、0.1~3の範囲にある。いくつかの実施例において、第1の透かし彫り領域の面積Skiと第2の透かし彫り領域の面積Sjiとの比γは、0.1~2の範囲にある。いくつかの実施例において、第1の透かし彫り領域の面積Skiと第2の透かし彫り領域の面積Sjiとの比γは、0.1~1の範囲にある。
【0173】
いくつかの実施例において、弾性要素110の各透かし彫り領域の面積の比は、各透かし彫り領域の共振周波数差に影響を与えるが、各透かし彫り領域の共振周波数が等しいか又は近いため、各透かし彫り領域の音圧を重畳させることにより、スピーカーの第4の共振ピーク位置での出力音圧レベルを高める。
【0174】
図10Cは、本明細書の別のいくつかの実施例に係る振動アセンブリの周波数応答曲線の概略図である。いくつかの実施例において、図10Cに示すように、図中の周波数応答曲線1050は、γ=0.6の場合の振動アセンブリの周波数応答曲線を表し、周波数応答曲線1060は、γ=0.2の場合の振動アセンブリの周波数応答曲線を表す。図10Cに示すように、周波数応答曲線1050の第4の共振ピークでの出力音圧レベル(振幅)は高く、周波数応答曲線1060の第4の共振ピークでの出力音圧レベル(振幅)は低い。したがって、γの範囲が0.25~4である場合、振動アセンブリ100は、高周波数範囲(例えば、10000Hz~18000Hz)に高い出力音圧レベルを有することができる。
【0175】
いくつかの実施例において、補強部材120の振動方向に沿った投影面積と、補強部材120の最大輪郭の、振動方向に沿った中心領域112への投影面積とを設計することにより、補強部材120の質量、質量中心、剛性、及び中心領域112の透かし彫り領域の質量、剛性の調整を実現することができ、それにより振動アセンブリ100の第1の共振ピーク、第3の共振ピーク及び第4の共振ピークの調整を実現することができる。
【0176】
本明細書では、図11に示すように、補強部材120の補強部と補強部材120との横方向面積比β(単位:1)を、補強部材120の振動方向に沿った投影の形状における、補強部の投影面積Sと補強部材120の最大輪郭の中心領域112への投影面積Sとの比と定義する。
【0177】
【数20】
【0178】
いくつかの実施例において、補強部材120の補強部と補強部材120との横方向面積比βは、0.1~0.8である。いくつかの実施例において、補強部材120の補強部と補強部材120との横方向面積比βは、0.2~0.7である。いくつかの実施例において、補強部材120の補強部と補強部材120との横方向面積比βは、0.1~0.7である。いくつかの実施例において、補強部材120の補強部と補強部材120との横方向面積比βは、0.2~0.6である。いくつかの実施例において、補強部材120の補強部と補強部材120との横方向面積比βは、0.3~0.6である。いくつかの実施例において、補強部材120の補強部と補強部材120との横方向面積比βは、0.4~0.5である。いくつかの実施例において、補強部材120の補強部と補強部材120との横方向面積比βは、0.3~0.5である。いくつかの実施例において、補強部材120の補強部と補強部材120との横方向面積比βは、0.2~0.5である。いくつかの実施例において、補強部材120の補強部と補強部材120との横方向面積比βは、0.1~0.5である。
【0179】
いくつかの実施例において、補強部材120の振動方向に沿った投影面積と、補強部材120の最大輪郭の振動方向に沿った投影面積とを設計することにより、補強部材120の質量、質量中心、剛性の制御と、中心領域112の透かし彫り領域の質量及び剛性の調整とを実現することができ、それにより補強部材120の質量、弾性要素110の質量、等価空気質量、駆動端等価質量を組み合わせて形成した合計等価質量Mtを制御し、さらにスピーカーの第1の共振ピーク、第3の共振ピーク及び第4の共振ピークを調整することを実現することができる。
【0180】
図12Bは、本明細書の別のいくつかの実施例に係る振動アセンブリの周波数応答曲線の概略図である。いくつかの実施例において、図12Bに示すように、図中の周波数応答曲線1210は、β=0.16の場合の振動アセンブリの周波数応答曲線を表し、周波数応答曲線1220は、β=0.17の場合の振動アセンブリの周波数応答曲線を表し、周波数応答曲線1230は、β=0.26の場合の振動アセンブリの周波数応答曲線を表す。図12Bに示すように、周波数応答曲線1210、周波数応答曲線1220及び周波数応答曲線1230は、第1の共振ピーク210、第2の共振ピーク220、第3の共振ピーク230及び第4の共振ピーク240を有し、βの値が変化する場合、第1の共振ピーク210、第3の共振ピーク230及び第4の共振ピーク240の周波数はいずれも大きく変化するが、第2の共振ピーク220の周波数はわずかに変化する。β=0.16の場合、周波数応答曲線1210には、第4の共振ピーク240が現れない。βが0.17まで増加する場合、振動アセンブリの第1の共振ピーク210及び第2の共振ピーク220の変化が小さく、第3の共振ピーク230が高周波数に移動し、高周波数での出力音圧レベルが向上し、第4の共振ピーク240が明らかに現れる。βが0.26まで増加する場合、第1の共振ピーク210が低周波数に移動し、第3の共振ピーク230が高周波数に移動し、第4の共振ピーク240が高周波数に移動し、振動アセンブリ全体の出力音圧レベルが低下する。したがって、βが変化する場合、振動アセンブリ100の第1の共振ピーク、第3の共振ピーク及び第4の共振ピークを調整することができ、振動アセンブリ100の第1の共振ピーク、第3の共振ピーク及び第4の共振ピークを適切な範囲(例えば、本明細書の実施例に示される範囲)内にするとともに、振動アセンブリに高い出力音圧レベルを備えさせるために、βを0.1~0.5の範囲に設定することができる。
【0181】
図13A及び図13Bに示すように、図13A及び図13Bは、本明細書のいくつかの実施例に係る、異なる数の長尺状構造を有する振動アセンブリの概略構成図である。いくつかの実施例において、長尺状構造124の数を調整することにより、振動アセンブリ100全体の質量を調整して、補強部材120の質量、弾性要素110の質量、等価空気質量、駆動端等価質量を組み合わせて形成した合計等価質量Mtを変化させることができるため、質量Mt-ばねKt-減衰Rtシステムの共振周波数が変化し、さらに振動アセンブリ100の一次共振周波数が変化し、振動アセンブリ100の第1の共振周波数の前の低周波数帯域及び第1の共振周波数の後の中周波数帯域の感度が変化する。いくつかの実施例において、合計等価質量Mtが増加するように、多くの長尺状構造124を設計することができ、振動アセンブリ100の第1の共振周波数をその前に移動させることにより、振動アセンブリ100の第1の共振周波数の前の低周波数帯域、例えば、3000Hzの前の周波数帯域、2000Hzの前の周波数帯域、1000Hzの前の周波数帯域、500Hzの前の周波数帯域、300Hzの前の周波数帯域の感度を向上させる。いくつかの実施例において、合計等価質量Mtが減少するように、少ない長尺状構造124を設計し、振動アセンブリ100の第1の共振周波数をその後に移動させることにより、振動アセンブリ100の第1の共振周波数の後の中周波数帯域、例えば、3000Hzの後の周波数帯域の感度を向上させる。また、例えば、2000Hzの後の周波数帯域の感度を向上させてもよい。また、例えば、1000Hzの後の周波数帯域の感度を向上させてもよい。また、例えば、500Hzの後の周波数帯域の感度を向上させてもよい。また、例えば、300Hzの後の周波数帯域の感度を向上させてもよい。
【0182】
いくつかの実施例において、長尺状構造124の数を調整することにより、さらに補強部材120の剛性を調整して、補強部材120、弾性要素110からシステムに提供された剛性Ktを変化させることができ、補強部材120、接続領域115、エッジ領域114、中心領域112の補強部材120によって覆われた領域とエッジ領域114との間の吊り下げ領域、等価空気質量、駆動端等価質量を組み合わせて合計等価質量Mtを形成し、各部分の等価減衰により合計等価減衰Rtを形成し、形成された質量Mt-ばねKt-減衰Rtシステムは、補強部材120の直径方向におけるある環状領域を等価固定支点とし、環による反転運動の共振周波数を変化させることにより、振動アセンブリ100の第3の共振位置が変化する。
【0183】
いくつかの実施例において、長尺状構造124の数を調整することにより、さらに補強部材120の中心領域112に対応して有する1つ以上の吊り下げ領域の面積を調整して、各透かし彫り領域の等価質量Mm、等価剛性Ka、Ka’、等価減衰Ra、Ra’を変化させることができ、それにより振動アセンブリの第4の共振ピーク位置が変化する。いくつかの実施例において、長尺状構造124の数を調整することにより、さらに振動アセンブリの面積厚さ比μ、及び補強部材120の補強部と補強部材120との横方向面積比βを調整して、振動アセンブリの第4の共振ピークの位置を調整することができる。
【0184】
いくつかの実施例において、補強部材120の長尺状構造124の数は、調整可能であり、実際の応用ニーズに応じて、振動アセンブリ100の第1の共振ピーク、第3の共振ピーク、第4の共振ピークの位置を調整して、振動アセンブリ100の周波数応答の制御可能な調整を実現することができる。
【0185】
いくつかの実施例において、長尺状構造124の弾性要素110の振動方向に沿った投影の形状は、矩形、台形、曲線形、砂時計形、花弁形のうちの少なくとも1種を含むため、長尺状構造124の形状を調整することにより、補強部材120の透かし彫り領域(補強部材120の投影範囲内の中心領域112の吊り下げ領域に対応する)の面積を変化させて、透かし彫り領域の面積と弾性要素110の厚さとの関係(面積厚さ比μ)を調整することができ、それにより第4の共振ピークを調整するという目的を達成することができる。また、補強部材120の異なる環状構造122の間の透かし彫り領域の面積の関係(透かし彫り領域面積比γ)を変化させることにより、第4の共振ピークを調整するという目的を達成することができ、さらに、補強部材120の補強部と補強部材120との横方向面積の関係(補強部材120の補強部と補強部材120との横方向面積比β)を変化させることにより、第1の共振ピーク、第3の共振ピーク、及び第4の共振ピークを調整するという目的を達成することができる。
【0186】
図14A図14Dに示すように、図14A図14Dは、本明細書のいくつかの実施例に係る、幅が異なる長尺状構造を有する振動アセンブリの概略構成図であり、図14A中の長尺状構造124は、逆台形であり(すなわち、台形の短辺が補強部材120の中心に近接する)、図14B中の長尺状構造124は、台形であり(すなわち、台形の短辺が補強部材120の中心から離れる)、図14C中の長尺状構造124は、外側弧形であり、図14D中の長尺状構造124は、内側弧形である。いくつかの実施例において、異なる横方向幅を有する長尺状構造124を設計することにより、補強部材120の質量中心の位置を効果的に調整することができる。いくつかの実施例において、補強部材120の質量を変化させずに補強部材120自体の剛性を変化させることにより、補強部材120、弾性要素110(特に、中心領域112の補強部材120によって覆われた領域)からシステムに提供された剛性Ktが変化し、さらに、質量Mt-ばねKt-減衰Rtシステムの反転運動の共振周波数を変化させることにより、振動アセンブリ100の第3の共振周波数が変化する。
【0187】
いくつかの実施例において、長尺状構造124の幅の設計を変更することにより、長尺状構造124の中心から周囲に延在する異なる位置の局所剛性が異なることができる。駆動端周波数が質量Mt-ばねKt-減衰Rtシステムの共振周波数に近い場合、固定領域116とエッジ領域114との間の接続領域115、エッジ領域114、及び中心領域112の補強部材120によって覆われた領域とエッジ領域114との間の吊り下げ領域は、補強部材120によって駆動されて振動し、3dB帯域幅で調整可能な共振ピークが得られる。
【0188】
図14A図14Dに示すように、いくつかの実施例において、逆台形の長尺状構造124、外側弧形(外向きに突出する弧形を外側弧形と、内向きに凹む弧形を内側弧形と定義し、外側弧形は、円弧、楕円、高次関数円弧、及び他の任意の外側円弧であってもよい)の長尺状構造124を設計することにより、広い3dBの帯域幅の振動アセンブリ100の第3の共振ピークを得ることができ、低いQ値、広い帯域幅が要求されるシナリオに適用することができる。いくつかの実施例において、台形、矩形、内側弧形(外向きに突出する弧形を外側弧形と、内向きに凹む弧形を内側弧形と定義し、内側弧形は、円弧、楕円、高次関数円弧、及び他の任意の内側円弧であってもよい)の長尺状構造124を設計することにより、感度が高く、小さい3dB帯域幅の振動アセンブリ100の第3の共振ピークを得ることができ、高いQ値、高い局所感度が要求されるシナリオに適用することができる。
【0189】
異なる横方向幅を有する長尺状構造124を設計することにより、さらに補強部材120の中心領域112に対応して有する1つ以上の吊り下げ領域の面積を調整することができ、それにより各等価質量Mm、等価剛性Ka、Ka’、等価減衰Ra、Ra’が変化する。さらに、振動アセンブリ100の第4の共振ピーク位置が変化する。
【0190】
したがって、異なる横方向幅を有する長尺状構造124を設計することにより、振動アセンブリ100の第3の共振ピークの周波数位置、共振ピークでの3dB帯域幅、共振ピークでの振動アセンブリ100の感度、振動アセンブリ100の第4の共振ピーク位置を調整することができる。
【0191】
図15A及び図15Bに示すように、図15A及び図15Bは、本明細書のいくつかの実施例に係る、異なる形状の尺状構造を有する振動アセンブリの概略構成図であり、図15A中の長尺状構造124は、回転形状であり、図15B中の長尺状構造124は、S字状である。いくつかの実施例において、異なる横方向形状の長尺状構造124を設計することにより、補強部材120の剛性を調整して、補強部材120、弾性要素110(特に、中心領域112の補強部材120によって覆われた領域)からシステムに提供された剛性Ktを変化させ、さらに、質量Mt-ばねKt-減衰Rtシステムの反転運動の共振周波数を変化させることにより、振動アセンブリ100の第3の共振位置が変化する。いくつかの実施例において、さらに補強部材の中心領域112に対応して有する1つ以上の吊り下げ領域の面積を調整することにより、各等価質量Mm、等価剛性Ka、Ka’、等価減衰Ra、Ra’が変化し、それにより振動アセンブリ100の第4の共振ピーク位置が変化する。いくつかの実施例において、異なる横方向形状の長尺状構造124を設計することにより、さらに補強部材120内部の応力分布を調整し、補強部材120の加工変形を制御することができる。
【0192】
図16A図16Eに示すように、図16A図16Eは、本明細書のいくつかの実施例に係る、異なる形状の長尺状構造を有する補強部材の概略構成図である。いくつかの実施例において、異なる形状の長尺状構造による振動アセンブリの共振ピーク(例えば、第1の共振ピーク、第3の共振ピーク及び第4の共振ピーク)への影響を正確に調整するために、中心から縁部に向かって幅が徐々に減少する長尺状構造124に対して、スポーク夾角θを、長尺状構造の上記振動方向に垂直な投影平面への投影の形状の2つの側辺の間の夾角と定義し、θを設定することにより、振動アセンブリの共振ピークを調整することができる。いくつかの実施例において、側辺が直線辺である長尺状構造124(図16A図16Cに示す)の場合、夾角θは、スポークの2つの側辺の間の夾角である。いくつかの実施例において、側辺が円弧辺である長尺状構造124(図16Eに示す)の場合、夾角θは、長尺状構造124の2つの側辺の接線の間の夾角である。いくつかの実施例において、異なる形状の長尺状構造による振動アセンブリの共振ピーク(例えば、第1の共振ピーク、第3の共振ピーク及び第4の共振ピーク)への影響を正確に調整するために、図16Dに示すように、中心から縁部に向かって幅が徐々に増加するスポーク構造に対して、スポーク夾角をθと定義し、θを設定することにより、振動アセンブリの共振ピークを調整することができる。いくつかの実施例において、側辺が直線辺である長尺状構造124の場合、夾角θは、スポークの2つの側辺の間の夾角である。いくつかの実施例において、側辺が円弧辺である長尺状構造124の場合、夾角θは、スポークの2つの側辺の接線の間の夾角である。
【0193】
いくつかの実施例において、長尺状構造124の夾角θ(又はθ)を設計することにより、補強部材120の質量を変化させないか又は変化させるとともに、補強部材120自体の剛性を変化させることにより、補強部材120、弾性要素110からシステムに提供された剛性Ktが変化し、さらに、質量Mt-ばねKt-減衰Rtシステムの反転運動の共振周波数を変化させることにより、振動アセンブリ100の第3の共振位置が変化し、そして、振動アセンブリ100の第3の共振ピークの3dB帯域幅を制御することができる。いくつかの実施例において、長尺状構造124の夾角θ(又はθ)を大きくすることにより、振動アセンブリ100の第3の共振ピークの3dB帯域幅を効果的に拡大することができる。
【0194】
低いQ値、広い帯域幅が要求されるいくつかの振動アセンブリ100の周波数応答に対応して、長尺状構造124の夾角θ(又はθ)を大きく設計することができる。いくつかの実施例において、長尺状構造124の夾角θは、0~150°の範囲にあってもよい。いくつかの実施例において、長尺状構造124の夾角θは、0~120°の範囲にあってもよい。いくつかの実施例において、長尺状構造124の夾角θは、0~90°の範囲にあってもよい。いくつかの実施例において、長尺状構造124の夾角θは、0~80°の範囲にあってもよい。いくつかの実施例において、長尺状構造124の夾角θは、0°~60°の範囲にあってもよい。いくつかの実施例において、長尺状構造124の夾角θは、0~90°の範囲にあってもよい。いくつかの実施例において、長尺状構造124の夾角θは、0~80°の範囲にあってもよい。いくつかの実施例において、長尺状構造124の夾角θは、0~70°の範囲にあってもよい。いくつかの実施例において、長尺状構造124の夾角θは、0~60°の範囲にあってもよい。いくつかの実施例において、長尺状構造124の夾角θは、0~45°の範囲にあってもよい。
【0195】
高いQ値、狭い帯域幅が要求されるいくつかの振動アセンブリ100の周波数応答に対応して、長尺状構造124の夾角θ(又はθ)を小さく設計することができる。いくつかの実施例において、長尺状構造124の夾角θは、0~90°の範囲にあってもよい。いくつかの実施例において、長尺状構造124の夾角θは、0~80°の範囲にあってもよい。いくつかの実施例において、長尺状構造124の夾角θは、0~70°の範囲にあってもよい。いくつかの実施例において、長尺状構造124の夾角θは、0~60°の範囲にあってもよい。いくつかの実施例において、長尺状構造124の夾角θは、0~45°の範囲にあってもよい。いくつかの実施例において、長尺状構造124の夾角θは、0~60°の範囲にあってもよい。いくつかの実施例において、長尺状構造124の夾角θは、0~80°の範囲にあってもよい。いくつかの実施例において、長尺状構造124の夾角θは、0~90°の範囲にあってもよい。いくつかの実施例において、長尺状構造124の夾角θは、0~120°の範囲にあってもよい。いくつかの実施例において、長尺状構造124の夾角θは、0~150°の範囲にあってもよい。
【0196】
いくつかの実施例において、θとθとの関係を以下のように定義する。
【0197】
【数21】
【0198】
低いQ値、広い帯域幅が要求されるいくつかのスピーカーの周波数応答に対応して、長尺状構造124の夾角θを大きく設計することができる。いくつかの実施例において、長尺状構造124の夾角θは、-90°~150°の範囲にあってもよい。いくつかの実施例において、長尺状構造124の夾角θは、-45°~90°の範囲にあってもよい。いくつかの実施例において、長尺状構造124の夾角θは、0°~60°の範囲にあってもよい。
【0199】
高いQ値、狭い帯域幅が要求されるいくつかのスピーカーの周波数応答に対応して、長尺状構造124の夾角θを小さく設計することができる。いくつかの実施例において、長尺状構造124の夾角θは、-150°~90°の範囲にあってもよい。いくつかの実施例において、長尺状構造124の夾角θは、-90°~45°の範囲にあってもよい。いくつかの実施例において、長尺状構造124の夾角θは、-60°~0°の範囲にあってもよい。
【0200】
いくつかの実施例において、不規則な形状の長尺状構造124に対して、長尺状構造124の夾角を設計することができない。このとき、面積の方法を用いて設計することができ、補強部材120の質量を変化させないか又は変化させるとともに、補強部材120自体の剛性を変化させることにより、補強部材120、弾性要素110からシステムに提供された剛性Ktが変化し、さらに、質量Mt-ばねKt-減衰Rtシステムの反転運動の共振周波数を変化させることにより、振動アセンブリ100の第3の共振位置が変化し、さらに、振動アセンブリ100の第3の共振ピークの3dB帯域幅を制御することができる。
【0201】
図16Fは、本明細書の別のいくつかの実施例に係る振動アセンブリの周波数応答曲線の概略図であり、振動アセンブリの構造を設計することにより、振動アセンブリの第2の共振ピーク220と第3の共振ピーク230を結合し、振動アセンブリの周波数応答曲線に2つのみの共振ピークが現れる。図16Fは、長尺状構造124の夾角θが20°、10°及び1°である場合の振動アセンブリの周波数応答曲線をそれぞれ示し、図16Fに示すように、夾角θの増加に伴って、振動アセンブリの中高周波共振ピーク(例えば、第2の共振ピーク220と第3の共振ピーク230を結合して形成した共振ピーク)の3dB帯域幅が徐々に増加する。したがって、長尺状構造124の夾角θを調整することにより、振動アセンブリの中高周波共振ピークの3dB帯域幅を調整することができる。いくつかの実施例において、長尺状構造124の夾角θを-60°~60°の範囲に設定することにより、振動アセンブリの少なくとも1つの中高周波共振ピークの3dB帯域幅を1000Hz以上にすることができる。
【0202】
図17A及び図17Bに示すように、図17A及び図17Bは、本明細書のいくつかの実施例に係る、不規則な長尺状構造を有する補強部材の概略構成図である。いくつかの実施例において、不規則な長尺状構造を正確に設計して振動アセンブリの共振ピークを調整するという目的を達成するために、図17Aに示すように、補強部材120の最大輪郭により半径がRの円を定義するとともに、最大輪郭によって定義された円の半径Rの1/2を半径R/2と定義し、半径R/2の範囲内の補強部材120の水平投影面積をSinと定義し、半径R/2の円と半径Rの円との間の範囲内の補強部材120の水平投影(すなわち、振動アセンブリの振動方向に沿った投影)面積をSoutと定義し、物理量τを、補強部材120の水平投影面積Soutと補強部材120の水平投影面積Sinとの比
【数22】
と定義する。
【0203】
いくつかの実施例において、補強部材120の水平投影面積Soutと補強部材120の水平投影面積Sinとの比τを調整して、補強部材120の質量分布を制御することにより、振動アセンブリ100の第3の共振ピークの帯域幅の制御を実現することができる。他のタイプの規則的な補強部材120の構造、図17Bに示すように、例えば、楕円形、長方形、正方形、他の多角形構造の場合、補強部材120の最大輪郭により補強部材120と類似する図形を定義して包絡し、図形の中心領域を基準点と定義し、基準点から輪郭包絡線の各点までの距離をR(例えば、R、…、Ri+3)とし、全ての対応するR/2(例えば、R/2、…、Ri+3/2)点により形成された領域における補強部材120の水平投影面積をSinとし、距離R/2と距離Rとの間の範囲内の補強部材120の水平投影面積をSoutとし、他の不規則な補強部材120の構造の場合、その最大輪郭により類似する構造の規則的な図形で包絡し、上記と同様にSin、Sout、及び比τを定義する。
【0204】
低いQ値及び広い帯域幅が要求されるいくつかの振動アセンブリ100の周波数応答に対応して、補強部材120の中心領域に集中する質量を大きく設計することができる。いくつかの実施例において、水平投影面積Soutと水平投影面積Sinとの比τは、0.3~2の範囲にあってもよい。いくつかの実施例において、水平投影面積Soutと水平投影面積Sinとの比τは、0.5~1.5の範囲にあってもよい。いくつかの実施例において、水平投影面積Soutと水平投影面積Sinとの比τは、0.5~1.2の範囲にあってもよい。いくつかの実施例において、水平投影面積Soutと水平投影面積Sinとの比τは、0.5~1.3の範囲にあってもよい。いくつかの実施例において、水平投影面積Soutと水平投影面積Sinとの比τは、0.5~1.4の範囲にあってもよい。いくつかの実施例において、水平投影面積Soutと水平投影面積Sinとの比τは、0.3~1.2の範囲にあってもよい。いくつかの実施例において、水平投影面積Soutと水平投影面積Sinとの比τは、0.3~1.6の範囲にあってもよい。いくつかの実施例において、水平投影面積Soutと水平投影面積Sinとの比τは、0.5~2の範囲にあってもよい。いくつかの実施例において、水平投影面積Soutと水平投影面積Sinとの比τは、0.5~2.2の範囲にあってもよい。いくつかの実施例において、水平投影面積Soutと水平投影面積Sinとの比τは、0.3~2.2の範囲にあってもよい。いくつかの実施例において、水平投影面積Soutと水平投影面積Sinとの比τは、0.3~2の範囲にあってもよい。
【0205】
高いQ値、狭い帯域幅が要求されるいくつかの振動アセンブリ100の周波数応答に対応して、補強部材120の縁部領域に集中する質量を大きく設計することができる。いくつかの実施例において、水平投影面積Soutと水平投影面積Sinとの比τは、1~3の範囲にあってもよい。いくつかの実施例において、水平投影面積Soutと水平投影面積Sinとの比τは、1.2~2.8の範囲にあってもよい。いくつかの実施例において、水平投影面積Soutと水平投影面積Sinとの比τは、1.4~2.6の範囲にあってもよい。いくつかの実施例において、水平投影面積Soutと水平投影面積Sinとの比τは、1.6~2.4の範囲にあってもよい。いくつかの実施例において、水平投影面積Soutと水平投影面積Sinとの比τは、1.8~2.2の範囲にあってもよい。いくつかの実施例において、水平投影面積Soutと水平投影面積Sinとの比τは、1.2~2の範囲にあってもよい。いくつかの実施例において、水平投影面積Soutと水平投影面積Sinとの比τは、1~2の範囲にあってもよい。いくつかの実施例において、水平投影面積Soutと水平投影面積Sinとの比τは、2~2.8の範囲にあってもよい。いくつかの実施例において、水平投影面積Soutと水平投影面積Sinとの比τは、2~2.5の範囲にあってもよい。
【0206】
いくつかの実施例において、水平投影面積Soutと水平投影面積Sinとの比τの範囲を調整することにより、振動アセンブリの振動時の反転運動の共振周波数を変化させることができ、それにより第3の共振ピークの位置を変化させる。図17Cは、本明細書の別のいくつかの実施例に係る振動アセンブリの周波数応答曲線の概略図である。図17Cに示すように、図17Cには、τが1.68、1.73である場合の振動アセンブリの周波数応答曲線がそれぞれ示され、2本の周波数応答曲線の第3の共振ピーク230での3dB帯域幅がいずれも狭い。そして、τが1.68から1.73まで増加する場合、第3の共振ピーク230は、低周波数に移動する。したがって、τの増加に伴って、第3の共振ピーク230に対応する周波数は減少し、振動アセンブリのτを調整することにより、第3の共振ピークの帯域幅及び位置を効果的に調整することができる。
【0207】
いくつかの実施例において、環状構造122の数を(例えば、1~10の範囲内に)調整し、補強部材120の透かし彫り領域(補強部材120の投影範囲内の中心領域112に対応する吊り下げ領域)の面積を変化させて、透かし彫り領域の面積と弾性要素110の厚さとの関係(面積厚さ比μ)を調整することにより、第4の共振ピークを調整するという目的を達成することができ、補強部材120の異なる環状構造122の間の透かし彫り領域の面積の関係(透かし彫り領域面積比γ)を変化させて、第4の共振ピークを調整するという目的を達成することができ、補強部材120の補強部と補強部材120との横方向面積の関係(補強部材120の補強部と補強部材120との横方向面積比β)を変化させて、第1の共振ピーク、第3の共振ピーク、及び第4の共振ピークを調整するという目的を達成することができる。
【0208】
いくつかの実施例において、環状構造122は、重心が重なる第1の環状構造と第2の環状構造を含んでもよく、このとき、第1の環状構造の径方向寸法は、第2の環状構造の径方向寸法より小さい。いくつかの実施例において、長尺状構造124は、少なくとも1つの第1の長尺状構造と少なくとも1つの第2の長尺状構造をさらに含んでもよく、少なくとも1つの第1の長尺状構造は、第1の環状構造の内側に設置され、第1の環状構造に接続され、少なくとも1つの第2の長尺状構造は、第1の環状構造と第2の環状構造との間に設置され、第1の環状構造と第2の環状構造にそれぞれ接続されて、補強部材120に複数の異なる透かし彫り領域を形成させる。
【0209】
図18A図18Cに示すように、図18A図18Cは、本明細書のいくつかの実施例態に係る、異なる数の環状構造を有する振動アセンブリの概略構成図であり、図18A中の環状構造122は、単一環状構造であり、図18B中の環状構造122は、二重環状構造であり、図18C中の環状構造122は、3環状構造である。環状構造122の数を設計することにより、補強部材120の質量、剛性の調整を実現することができるとともに、中心領域112の透かし彫り領域の面積の調整を実現することができる。いくつかの実施例において、環状構造122の数は、1~10の範囲にあってもよい。いくつかの実施例において、環状構造122の数は、1~5の範囲にあってもよい。いくつかの実施例において、環状構造122の数は、1~3の範囲にあってもよい。
【0210】
いくつかの実施例において、環状構造122の数を調整することにより、補強部材120の質量を調整して、補強部材120の質量、弾性要素110の質量、等価空気質量、駆動端等価質量を組み合わせて形成した合計等価質量Mtを変化させることができるため、質量Mt-ばねKt-減衰Rtシステムの共振周波数が変化し、さらに振動アセンブリ100の一次共振周波数が変化する。
【0211】
いくつかの実施例において、環状構造122の数を調整することにより、さらに補強部材120の剛性を調整して、補強部材120、弾性要素110(特に、中心領域112の補強部材120によって覆われた領域)からシステムに提供された剛性Ktを変化させることができ、さらに、質量Mt-ばねKt-減衰Rtシステムの反転運動の共振周波数を変化させ、それにより振動アセンブリ100の第3の共振位置が変化する。いくつかの実施例において、環状構造122の数を調整することにより、さらに長尺状構造124の中心から周囲に延在する異なる位置の剛性分布が異なることができ、駆動端周波数が質量Mt-ばねKt-減衰Rtシステムの共振周波数に近い場合、接続領域115、エッジ領域114、及び中心領域112の補強部材120によって覆われた領域とエッジ領域114との間の局所吊り下げ領域は、補強部材120によって駆動されて振動し、3dB帯域幅で調整可能な共振ピークが得られる。
【0212】
いくつかの実施例において、環状構造122の数を調整することにより、さらに中心領域112の透かし彫り領域の面積を調整して、各透かし彫り領域の等価質量Mm、等価剛性Ka、Ka’、等価減衰Ra、Ra’を変化させることができ、それにより振動アセンブリ100の第4の共振ピーク位置が変化する。
【0213】
いくつかの実施例において、環状構造122の数を調整することにより、さらに最も外側の環状構造122の寸法を調整し、中心領域112の補強部材120によって覆われた領域とエッジ領域114との間の局所透かし彫り領域の面積を調整することができ、該領域、接続領域115、エッジ領域114の3つの部分は、等価質量Ms、等価剛性Ks、等価減衰Rsを形成することができる。中心領域112の補強部材120によって覆われた領域とエッジ領域114との間の局所吊り下げ領域の面積により、質量Ms-ばねKs-減衰Rsシステムの共振周波数を変化させて、振動アセンブリ100の第2の共振ピーク位置の調整を実現する。
【0214】
いくつかの実施例において、環状構造122の数を調整することにより、振動アセンブリ100の第4の共振ピークは、10kHz~18kHzの範囲にあり、各透かし彫り領域面積Sと各透かし彫り領域部分の振動板の厚さHとの比である面積厚さ比μは、150mm~700mmの範囲にあり、任意の2つの弾性要素110の透かし彫り領域面積SkiとSjiとの比γは、0.25~4の範囲にあり、補強部材120の補強部と補強部材120との横方向面積比βは、0.2~0.7である。いくつかの実施例において、環状構造122の数を調整することにより、振動アセンブリ100の第4の共振ピークは、10kHz~18kHzの範囲にあり、各透かし彫り領域面積Sと各透かし彫り領域部分の振動板の厚さHとの比である面積厚さ比μは、100mm~1000mmの範囲にあり、任意の2つの弾性要素110の透かし彫り領域面積SkiとSjiとの比γは、0.1~10の範囲にあり、補強部材120の補強部と補強部材120との横方向面積比βは、0.1~0.8である。
【0215】
図19に示すように、図19は、本明細書のいくつかの実施例に係る、内側環の長尺状構造と外側環の長尺状構造が不連続である振動アセンブリの概略構成図である。いくつかの実施例において、振動アセンブリ100が少なくとも2つの環状構造を含む場合、環状構造122は、長尺状構造124を、中心から周囲への延在方向に沿って複数の領域に分割し、各領域内の長尺状構造124は、連続に設置されてもよく、不連続に設置されてもよい。いくつかの実施例において、振動アセンブリ100の1つ以上の環状構造122は、少なくとも第1の環状構造1221を含んでもよい。例えば、環状構造122は、重心が重なる第1の環状構造1221と第2の環状構造1222を含んでもよく、第1の環状構造1221の径方向寸法は、第2の環状構造1222の径方向寸法より小さい。いくつかの実施例において、長尺状構造124は、少なくとも1つの第1の長尺状構造1241と少なくとも1つの第2の長尺状構造1242を含んでもよく、いずれかの第1の長尺状構造1241は、第1の環状構造1221の内側の第1の位置に設置されるとともに、第1の環状構造1221に接続され、いずれかの第2の長尺状構造1242は、第1の環状構造1221の外側とは第2の位置に接続される。複数の第1の長尺状構造1241は、複数の第1の位置に接続され、複数の第2の長尺状構造1242は、複数の第2の位置に接続され、いくつかの実施例において、少なくとも1つの第1の位置と第1の環状構造1221の中心とを結ぶ線は、いずれかの第2の位置を通過しない。いくつかの実施例において、少なくとも1つの第2の位置と第1の環状構造1221の中心とを結ぶ線は、いずれかの第1の位置を通過しない。いくつかの実施例において、複数の第1の位置と複数の第2の位置とは、いずれも異なり、すなわち、第1の位置、第2の位置及び第1の環状構造1221の中心は、同一線上になく、第1の長尺状構造1241の第1の環状構造1221との接続位置と第2の長尺状構造1242の第1の環状構造1221との接続位置とは、異なってもよい。いくつかの実施例において、第1の長尺状構造1241と第2の長尺状構造1242とは、数が同じであっても、異なってもよい。
【0216】
環状構造122の内外領域の長尺状構造124を不連続に設置することにより、環状構造122の内外領域の長尺状構造124の数が異なり、内外領域の長尺状構造124の横方向幅が異なり、内外領域の長尺状構造124の横方向形状が異なることを実現することができ、それにより広い範囲で補強部材120の質量、剛性及び質量中心分布と、中心領域112の透かし彫り領域の数及び面積とを調整することができる。
【0217】
いくつかの実施例において、補強部材120の質量を調整することにより、合計等価質量Mtを調整して変化させることができるため、形成された質量Mt-ばねKt-減衰Rtシステムの共振周波数が変化し、さらに振動アセンブリ100の一次共振周波数が変化する。補強部材120の剛性を調整することにより、質量Mt-ばねKt-減衰Rtシステムの反転運動の共振周波数を調整することができ、それにより振動アセンブリ100の第3の共振位置が変化し、長尺状構造124の中心から周囲に延在する異なる位置の剛性分布が異なるようにすることにより、3dB帯域幅で調整可能な振動アセンブリ100の第3の共振ピークが得られる。中心領域112の透かし彫り領域の数及び面積を調整することにより、振動アセンブリ100の第4の共振ピーク位置及び感度が変化することができる。
【0218】
いくつかの実施例において、環状構造122の内外領域の長尺状構造124を不連続に設置することにより、振動アセンブリ100の第4の共振ピークは、10kHz~18kHzの範囲にあり、各透かし彫り領域面積Sと各透かし彫り領域部分の弾性要素110の厚さHとの比である面積厚さ比μは、150mm~700mmの範囲にあり、任意の2つの弾性要素110の透かし彫り領域面積SkiとSjiとの比γは、0.25~4の範囲にあり、補強部材120の補強部と補強部材120との横方向面積比βは、0.2~0.7である。いくつかの実施例において、環状構造122の内外領域の長尺状構造124を不連続に設置することにより、振動アセンブリ100の第4の共振ピークは、10kHz~18kHzの範囲にあり、各透かし彫り領域面積Sと各透かし彫り領域部分の振動板の厚さHとの比である面積厚さ比μは、100mm~1000mmの範囲にあり、任意の2つの弾性要素110の透かし彫り領域面積SkiとSjiとの比γは、0.1~10の範囲にあり、補強部材120の補強部と補強部材120との横方向面積比βは、0.1~0.8である。
【0219】
図20Aに示すように、図20Aは、本明細書のいくつかの実施例に係る、複数の環状構造を有する振動アセンブリの概略構成図である。いくつかの実施例において、複数の環状構造122を設計することにより、複数の環状構造122の間隔領域を設計することができ、異なる間隔領域内の長尺状構造124の数を設計することにより、補強部材120の質量分布の設計を実現する。なお、各環状構造122の間隔領域に対して設計された長尺状構造124は、数が異なってもよく、形状が異なってもよく、位置も対応しなくてもよい。
【0220】
いくつかの実施例において、中心から外側へ各環状構造122を、順に第1の環状構造1221、第2の環状構造1222、第3の環状構造1223……第nの環状構造と定義し、第nの環状構造と第n-1の環状構造との間の間隔領域内の長尺状構造124を第nの長尺状構造(例えば、第1の長尺状構造1241、第2の長尺状構造1242、第3の長尺状構造1243)と定義し、第nの長尺状構造(すなわち、第nの環状構造の内側に接続された長尺状構造)の数をQと定義することができ、nは、自然数である。物理量qを、任意の第iの長尺状構造の数Qと第jの長尺状構造の数Qとの比と定義する。
【0221】
【数23】
【0222】
いくつかの実施例において、任意の第iの長尺状構造の数Qと第jの長尺状構造の数Qとの比qは、0.05~20の範囲にあってもよい。いくつかの実施例において、任意の第iの長尺状構造の数Qと第jの長尺状構造の数Qとの比qは、0.1~10の範囲にあってもよい。いくつかの実施例において、任意の第iの長尺状構造の数Qと第jの長尺状構造の数Qとの比qは、0.1~8の範囲にあってもよい。いくつかの実施例において、任意の第iの長尺状構造の数Qと第jの長尺状構造の数Qとの比qは、0.1~6の範囲にあってもよい。いくつかの実施例において、任意の第iの長尺状構造の数Qと第jの長尺状構造の数Qとの比qは、0.2~5の範囲にあってもよい。いくつかの実施例において、任意の第iの長尺状構造の数Qと第jの長尺状構造の数Qとの比qは、0.3~4の範囲にあってもよい。いくつかの実施例において、任意の第iの長尺状構造の数Qと第jの長尺状構造の数Qとの比qは、0.5~6の範囲にあってもよい。いくつかの実施例において、任意の第iの長尺状構造の数Qと第jの長尺状構造の数Qとの比qは、1~4の範囲にあってもよい。いくつかの実施例において、任意の第iの長尺状構造の数Qと第jの長尺状構造の数Qとの比qは、1~2の範囲にあってもよい。いくつかの実施例において、任意の第iの長尺状構造の数Qと第jの長尺状構造の数Qとの比qは、0.5~2の範囲にあってもよい。
【0223】
いくつかの実施例において、複数の環状構造122を設計することにより、複数の環状構造122の間隔領域を設計し、異なる間隔領域内の長尺状構造124の数を設計することにより、補強部材120の質量分布の設計を実現し、さらに、補強部材120の質量を変化させないか又は変化させた条件下で、補強部材120の剛性を変化させることにより、補強部材120、振動板の等価剛性Ktが変化し、さらに、質量Mt-ばねKt-減衰Rtシステムの反転運動の共振周波数が変化し、それによりスピーカーの第3の共振ピーク位置が変化する。
【0224】
図20Bは、本明細書のいくつかの実施例に係る振動アセンブリの周波数応答曲線の概略図である。図20Bに示す2本の周波数応答曲線は、それぞれq=0.67の場合とq=0.1の場合の振動アセンブリの周波数応答曲線であり、2本の周波数応答曲線の第3の共振ピーク230の周波数は近いが、q=0.67の場合に対応する周波数応答曲線の第3の共振ピーク230の振幅は、q=0.1の場合に対応する周波数応答曲線の第3の共振ピークの振幅より高い。したがって、図20Bから分かるように、qを調整することにより、第3の共振ピークの振幅を制御して変化させて、振動アセンブリの感度を調整することができる。いくつかの実施例において、qが0.2~5の範囲にある場合、振動アセンブリは、高い感度を有する。
【0225】
いくつかの実施例において、環状構造122の形状は、円環状、楕円環状、多角形環状及び曲線環状のうちの少なくとも1種を含んでもよい。異なる形状及び/又は異なる寸法の環状構造122を設計することにより、補強部材120の質量、剛性の調整を実現することができるとともに、中心領域112の透かし彫り領域の面積の調整を実現することができる。
【0226】
いくつかの実施例において、吊り下げ領域1121の寸法及び形状は、中心領域112の補強部材120によって覆われた領域の寸法及び形状と、補強部材120の寸法及び形状とによって調整されてもよい。いくつかの実施例において、エッジ領域114の面積及び形状を調整して、吊り下げ領域1121とエッジ領域114との合計水平投影(すなわち、振動アセンブリの振動方向に沿った投影)面積を調整することができ、吊り下げ領域1121とエッジ領域114との合計水平投影面積、弾性要素110の厚さ、エッジのアーチ高さなどのデータを制御することにより、振動アセンブリ100の第2の共振ピークを正確に制御して必要な周波数帯域にすることができる。いくつかの実施例において、振動アセンブリ100の第2の共振ピークは、3000Hz~7000Hzの範囲にあってもよい。いくつかの実施例において、吊り下げ領域1121とエッジ領域114との面積比を制御することにより、振動アセンブリ100の第2の共振ピークの周波数帯域での該局所領域の振動変位を調整することができ、それにより振動アセンブリ100の第2の共振ピーク位置での出力感度を最大化する。
【0227】
いくつかの実施例において、振動アセンブリ100のエッジ領域114及び吊り下げ領域1121の寸法と弾性要素110の厚さとの関係を設定することにより、局所等価質量Mm、局所等価質量Mm、局所領域剛性Ka’、局所領域剛性Ka’の制御を実現し、さらに振動アセンブリ100の第2の共振ピークが必要な周波数範囲にあることを確保することができる。いくつかの実施例において、環状構造122の形状を変化させ、Sと振動板の厚さHとの比αを5000mm~12000mmの範囲にすることにより、振動アセンブリ100の第2の共振ピークは、3000Hz~7000Hzの範囲にある。いくつかの実施例において、環状構造122の形状を変化させ、Sと振動板の厚さHとの比αを6000mm~10000mmの範囲にすることにより、振動アセンブリ100の第2の共振ピークは、3000Hz~7000Hzの範囲にある。
【0228】
いくつかの実施例において、エッジ領域114及び吊り下げ領域1121の寸法とエッジ領域114のエッジのアーチ高さの寸法との関係により、エッジのアーチ高さを設計することにより、エッジ領域114と吊り下げ領域1121の水平方向投影面積を変化させない場合に、弾性要素110のエッジ領域114の3次元寸法を変化させて、エッジ領域114の剛性Ka’を変化させることを実現することができ、さらに振動アセンブリ100の第2の共振ピークの制御を実現することができる。いくつかの実施例において、Sとエッジのアーチ高さΔhとの比δは、50mm~600mmの範囲にあってもよい。いくつかの実施例において、Sとエッジのアーチ高さΔhとの比δは、100mm~500mmの範囲にあってもよい。いくつかの実施例において、Sとエッジのアーチ高さΔhとの比δは、200mm~400mmの範囲にあってもよい。
【0229】
いくつかの実施例において、吊り下げ領域1121の寸法と中心領域112の面積との関係により、補強部材120に該周波数帯域で一定の湾曲変形が生じさせ、弾性要素110の異なる領域の音圧重畳による強調及び相殺を実現し、それにより最大音圧レベル出力を実現する。いくつかの実施例において、吊り下げ領域1121の水平面投影面積Sと振動アセンブリ100の振動板の中心部の水平投影面積Sとの比
【数24】
は、0.05~0.7の範囲にあってもよい。いくつかの実施例において、吊り下げ領域1121の水平面投影面積Sと振動アセンブリ100の振動板の中心部の水平投影面積Sとの比
【数25】
は、0.1~0.5の範囲にあってもよい。いくつかの実施例において、吊り下げ領域1121の水平面投影面積Sと振動アセンブリ100の振動板の中心部の水平投影面積Sとの比
【数26】
は、0.15~0.35の範囲にあってもよい。
【0230】
図21A図21Eに示すように、図21A図21Eは、本明細書のいくつかの実施例に係る、異なる構造を有する振動アセンブリの概略構成図である。いくつかの実施例において、補強部材120の外輪郭は、外向きに延在するスポークを有する構造(図21Aに示す)であってもよく、円環状構造、楕円環状構造又は曲線環状構造(図21Bに示す)、多角形、他の不規則な環状構造などであってもよく、多角形は、三角形、四角形、五角形、六角形(図21C図21Dに示す)、七角形、八角形、九角形、十角形などを含んでもよい。いくつかの実施例において、弾性要素110は、多角形、例えば、三角形、四角形(図21D及び図21Eに示す)、五角形、六角形、七角形、八角形、九角形、十角形など及び他の不規則な図形であってもよく、それに応じて、補強部材120は、類似する構造又は類似しない構造であるように設計されてもよく、それにより補強部材120、中心領域112、エッジ領域114のエッジの形状により吊り下げ領域1121の形状を制御して、振動アセンブリ100の性能の調整を実現する。
【0231】
図22に示すように、図22は、本明細書のいくつかの実施例に係る、幅が不一致する環状構造の振動アセンブリの概略構成図である。いくつかの実施例において、いずれかの環状構造122の異なる位置に不等幅な局所構造を設計することにより、補強部材120の質量を効果的に調整し、合計等価質量Mtを調整して変化させることができるため、形成された質量Mt-ばねKt-減衰Rtシステムの共振周波数が変化し、さらに振動アセンブリ100の一次共振周波数が変化する。そして、いずれかの環状構造122の異なる位置(例えば、隣接する位置)に不等幅な局所構造を設計することにより、補強部材120の剛性及び質量中心分布を調整することができ、それにより質量Mt-ばねKt-減衰Rtシステムの反転運動の共振周波数を調整して、振動アセンブリ100の第3の共振位置を変化させる。不等幅な環状構造122の設計により、さらに長尺状構造124の中心から周囲に延在する異なる位置の剛性分布が異なり、3dB帯域幅で調整可能な振動アセンブリ100の第3の共振ピークが得られる。また、不等幅な環状構造122の設計により、さらに中心領域112の吊り下げ領域の数及び面積を調整して、振動アセンブリ100の第4の共振ピーク位置及び感度を変化させることができる。例えば、図22に示すように、1つ以上の環状構造122のうちの少なくとも1つと1つ以上の長尺状構造124のうちのいずれかとの接続位置の両側は、径方向幅が異なる。また、例えば、1つ以上の環状構造122のうちの少なくとも1つと1つ以上の長尺状構造124のうちの任意の2つとの接続位置の間の周方向幅が異なる。
【0232】
いくつかの実施例において、いずれかの環状構造122の任意の位置(例えば、隣接する位置)に不等幅な局所構造を設計することにより、振動アセンブリ100の第4の共振ピークは、15kHz~18kHzの範囲にあり、各透かし彫り領域面積Sと各透かし彫り領域部分の弾性要素110の厚さHとの比である面積厚さ比μは、150mm~700mmの範囲にあり、任意の2つの弾性要素110の透かし彫り領域面積SkiとSjiとの比γは、0.25~4の範囲にあり、補強部材120の補強部と補強部材120との横方向面積比βは、0.2~0.7である。いくつかの実施例において、いずれかの環状構造122の任意の位置に不等幅な局所構造を設計することにより、振動アセンブリ100の第4の共振ピークは、15kHz~18kHzの範囲にあり、各透かし彫り領域面積Sと各透かし彫り領域部分の振動板の厚さHとの比である面積厚さ比μは、100mm~1000mmの範囲にあり、任意の2つの弾性要素110の透かし彫り領域面積SkiとSjiとの比γは、0.1~10の範囲にあり、補強部材120の補強部と補強部材120との横方向面積比βは、0.1~0.8である。
【0233】
図23に示すように、図23は、本明細書のいくつかの実施例に係る、不規則な環状構造を有する振動アセンブリの概略構成図である。いくつかの実施例において、異なる環状構造122の異なる位置の局所構造、例えば、円形、長方形、正方形、三角形、六角形、八角形、他の多角形、楕円形の環状構造及び他の不規則な環状構造122を設計することにより、環状構造122の局所領域の寸法、位置、形状をより柔軟に制御し、補強部材120の質量を効果的に調整し、合計等価質量Mtを調整して変化させることができるため、形成された質量Mt-ばねKt-減衰Rtシステムの共振周波数が変化し、さらに振動アセンブリ100の第1の共振周波数が変化する。補強部材120の剛性、補強部材120の質量中心分布を調整することにより、質量Mt-ばねKt-減衰Rtシステムの反転運動の共振周波数を調整することができ、それにより振動アセンブリ100の第3の共振ピーク位置が変化し、長尺状構造124の中心から周囲に延在する異なる位置の剛性分布が異なり、3dB帯域幅で調整可能な振動アセンブリ100の第3の共振ピークが得られる。そして、中心領域112の吊り下げ領域の数及び面積を効果的に調整することにより、振動アセンブリ100の第4の共振ピーク位置及び感度を変化させることができる。また、不規則な構造を設計することにより、応力集中を効果的に回避して、補強部材120の変形をより小さくすることができる。
【0234】
いくつかの実施例において、図23に示すように、補強部材120は、二重環状構造を含み、二重環状構造は、内側の第1の環状構造1221と外側の第2の環状構造1222を含む。いくつかの実施例において、第1の環状構造1221と第2の環状構造1222とは、形状が異なってもよい。いくつかの実施例において、第1の環状構造1221は、曲線環状であってもよく、第2の環状構造1222は、円環状であってもよい。いくつかの実施例において、不規則な環状構造122を設計することにより、振動アセンブリ100の第4の共振ピークは、10kHz~18kHzの範囲にあり、各透かし彫り領域面積Sと各透かし彫り領域部分の振動板の厚さHとの比である面積厚さ比μは、150mm~700mmの範囲にあり、任意の2つの振動板の透かし彫り領域面積SkiとSjiとの比γは、0.25~4の範囲にあり、補強部材120の補強部と補強部材120との横方向面積比βは、0.2~0.7である。いくつかの実施例において、不規則な環状構造122を設計することにより、振動アセンブリ100の第4の共振ピークは、15kHz~18kHzの範囲にあり、各透かし彫り領域面積Sと各透かし彫り領域部分の振動板の厚さHとの比である面積厚さ比μは、100mm~1000mmの範囲にあり、任意の2つの弾性要素110の透かし彫り領域面積SkiとSjiとの比γは、0.1~10の範囲にあり、補強部材120の補強部と補強部材120との横方向面積比βは、0.1~0.8である。
【0235】
図24A図24Bに示すように、図24Aは、本明細書のいくつかの実施例に係る、段差構造を有する長尺状構造を含む振動アセンブリの概略構成図である。図24Bは、本明細書の別のいくつかの実施例に係る、段差構造を有する長尺状構造を含む振動アセンブリの概略構成図である。いくつかの実施例において、図24Aに示すように、段差構造を有する長尺状構造124を含む補強部材120を設計することにより、中心領域112の透かし彫り領域(振動アセンブリ100の第4の共振ピークに影響を与える)、吊り下げ領域1121(振動アセンブリ100の第2の共振ピークに影響を与える)を制御して変化させない場合に、補強部材120の剛性、質量、質量中心分布を変化させることを保証することができ、それにより振動アセンブリ100の第2の共振ピーク、第4の共振ピークを変化させない場合に、振動アセンブリ100の第1の共振ピーク位置、第3の共振ピーク位置及び帯域幅の効果的な調整を実現し、実際の応用ニーズに応じて異なる周波数応答曲線を調整することができる。
【0236】
いくつかの実施例において、厚さ方向に(すなわち、振動アセンブリ100の振動方向に沿って)、補強部材120の異なる領域の厚さを設計することにより、実際に必要な質量分布に応じて、補強部材120の質量を変化させないか又は変化させるとともに、補強部材120自体の剛性を変化させることを実現し、補強部材120、弾性要素110からシステムに提供された剛性Ktが変化し、さらに、質量Mt-ばねKt-減衰Rtシステムの反転運動の共振周波数が変化し、それにより振動アセンブリ100の第3の共振位置が変化し、さらに、振動アセンブリ100の第3の共振ピークの3dB帯域幅を制御することができる。
【0237】
いくつかの実施例において、長尺状構造124は、弾性要素110の振動方向に沿って厚さが異なる複数の段差を有してもよく、すなわち、長尺状構造124は、階段形状を有する。いくつかの実施例において、複数の長尺状構造のうちの少なくとも1つは、階段形状を有する。いくつかの実施例において、複数の長尺状構造は、全て階段形状を有する。図24Bは、階段形状の長尺状構造124を含む補強部材120の構造及びそのD-D断面の断面構造を示す。補強部材120の構造の最も縁の段差(すなわち、長尺状構造124の径方向の最も外側にある第1の段差)の厚さをh、最も縁より内側の段差の厚さをh……、中心段差(すなわち、長尺状構造124の径方向の最も内側にある第2の段差)の厚さをhと定義し、物理量εを、任意の2つの段差の厚さhとh(k>j)との比と定義する。
【0238】
【数27】
【0239】
物理量φを、補強部材120の構造の最も縁の段差(すなわち、長尺状構造124の径方向の最も外側にある第1の段差)の厚さhと、中心段差(すなわち、長尺状構造124の径方向の最も内側にある第2の段差)の厚さhとの比と定義する。
【0240】
【数28】
【0241】
いくつかの実施例において、任意の2つの段差の厚さhとhとの比εは、0.1~10の範囲にある。いくつかの実施例において、任意の2つの段差の厚さhとhとの比εは、0.1~8の範囲にある。いくつかの実施例において、任意の2つの段差の厚さhとhとの比εは、0.2~8の範囲にある。いくつかの実施例において、任意の2つの段差の厚さhとhとの比εは、0.1~7の範囲にある。いくつかの実施例において、任意の2つの段差の厚さhとhとの比εは、0.1~6の範囲にある。いくつかの実施例において、任意の2つの段差の厚さhとhとの比εは、0.2~6の範囲にある。いくつかの実施例において、任意の2つの段差の厚さhとhとの比εは、0.2~5の範囲にある。いくつかの実施例において、任意の2つの段差の厚さhとhとの比εは、0.25~4の範囲にある。
【0242】
いくつかの実施例において、補強部材120の異なる領域の厚さを設計することにより、補強部材120の質量分布を調整することができ、それにより補強部材120の質量を変化させないか又は変化させる場合に、補強部材120自体の剛性が変化し、補強部材120、弾性要素110からシステムに提供された剛性Ktが変化し、それにより振動アセンブリ100の第3の共振ピークの位置を調整し、振動アセンブリ100の第3の共振ピークの3dB帯域幅を制御する。
【0243】
図24Cは、本明細書の別のいくつかの実施例に係る振動アセンブリの周波数応答曲線であり、振動アセンブリの構造を設計することにより、振動アセンブリの第2の共振ピーク220と第3の共振ピーク230を結合し、振動アセンブリの周波数応答曲線に2つのみの共振ピークが現れる。図24Cは、ε=1の場合、ε=0.68の場合、ε=0.5の場合に対応する振動アセンブリの周波数応答曲線をそれぞれ示す。図24Cに示すように、ε=1の場合、ε=0.68の場合、ε=0.5の場合に対応する周波数応答曲線の中高周波共振ピーク(例えば、第2の共振ピーク220と第3の共振ピーク230を結合して形成した共振ピーク)の位置が異なり、該共振ピークでの3dB帯域幅も異なり、εの減少に伴って、振動アセンブリの中高周波共振ピーク(例えば、第2の共振ピーク220と第3の共振ピーク230を結合して形成した共振ピーク)の共振周波数が徐々に増加し、3dB帯域幅が徐々に増加する。したがって、εを調整することにより、振動アセンブリの中高周波共振ピークの周波数位置及び3dB帯域幅を調整することができる。いくつかの実施例において、任意の2つの段差の厚さhとhとの比εを0.25~4の範囲にすることにより、振動アセンブリの中高周波共振ピークが3000Hz~12000Hzの範囲にあり、該共振ピークが広い3dB帯域幅を有することができる。
【0244】
低いQ値、広い帯域幅が要求されるいくつかの振動アセンブリ100の周波数応答に対応して、補強部材120の中心に近接する位置に集中する質量を大きく設計することができる。いくつかの実施例において、補強部材120の構造の最も縁の段差の厚さhと中心段差の厚さhとの比φは、0.1~1の範囲にある。いくつかの実施例において、補強部材120の構造の最も縁の段差の厚さhと中心段差の厚さhとの比φは、0.2~0.8の範囲にある。いくつかの実施例において、補強部材120の構造の最も縁の段差の厚さhと中心段差の厚さhとの比φは、0.2~0.6の範囲にある。いくつかの実施例において、補強部材120の構造の最も縁の段差の厚さhと中心段差の厚さhとの比φは、0.2~0.4の範囲にある。
【0245】
高いQ値、狭い帯域幅が要求されるいくつかの振動アセンブリ100の周波数応答に対応して、補強部材120の縁部領域に集中する質量を大きく設計することができる。いくつかの実施例において、補強部材120の構造の最も縁の段差の厚さhと中心段差の厚さhとの比φは、1~10の範囲にある。いくつかの実施例において、補強部材120の構造の最も縁の段差の厚さhと中心段差の厚さhとの比φは、1.2~6の範囲にある。いくつかの実施例において、補強部材120の構造の最も縁の段差の厚さhと中心段差の厚さhとの比φは、2~6の範囲にある。いくつかの実施例において、補強部材120の構造の最も縁の段差の厚さhと中心段差の厚さhとの比φは、3~6の範囲にある。いくつかの実施例において、補強部材120の構造の最も縁の段差の厚さhと中心段差の厚さhとの比φは、4~6の範囲にある。いくつかの実施例において、補強部材120の構造の最も縁の段差の厚さhと中心段差の厚さhとの比φは、5~6の範囲にある。
【0246】
図25A図25Cに示すように、図25A図25Cは、本明細書のいくつかの実施例に係る、異なる形状の補強部材を含む振動アセンブリの概略構成図である。図25A中の補強部材120の形状は、矩形であり、環状構造122は、単一環状の矩形構造であり、長尺状構造124は、台形構造である。図25B中の補強部材120の形状は、矩形であり、環状構造122は、二重環状の矩形構造であり、長尺状構造124は、台形構造である。図25C中の補強部材120の形状は、六角形であり、環状構造122は、単一環状の六角形構造であり、長尺状構造124は、台形構造である。いくつかの実施例において、振動アセンブリ100の補強部材120の形状は、弾性要素110の形状に合わせてもよい。弾性要素110の構造は、例えば、円形、方形、多角形などの様々な形状を有してもよい。対応する補強部材120の形状は、異なる形状に設計されてもよく、円形、方形(例えば、長方形、正方形)、三角形、六角形、八角形、他の多角形、楕円形及び他の不規則な構造を含むが、これらに限定されない。
【0247】
異なる形状の補強部材120及び異なる形状の弾性要素110を柔軟に設計して、補強部材120の質量及び剛性と、振動アセンブリ100の質量及び剛性などとを変化させることにより、振動アセンブリ100の共振周波数を変化させることができる。
【0248】
いくつかの実施例において、補強部材120の形状及び弾性要素110の形状は、いずれも複数の異なる形状を含んでもよく、このとき、中心領域112から周囲に延在する長尺状構造124に対して、異なる横方向幅、異なる横方向形状を設計してもよく、環状構造122を設計し、異なる形状、数、寸法の環状構造122を設計してもよく、環状構造122を、全体として環状に設計してもよく、局所環状構造122であるように設計してもよい。異なる環状構造122は、長尺状構造124を異なる領域に分割し、異なる領域において、中心から周囲への異なる領域における長尺状構造124は、連続し、交錯してもよく、数が等しくてもよく、等しくなくてもよい。いくつかの実施例において、環状構造122は、円形、方形(例えば、長方形、正方形)、三角形、六角形、八角形、他の多角形、楕円形及び他の不規則な形状の構造となるように設計されてもよい。
【0249】
いくつかの実施例において、異なる形状の補強部材120を含む振動アセンブリ100を設計することにより、振動アセンブリ100の第4の共振ピークは、10kHz~18kHzの範囲にあり、各透かし彫り領域面積Sと各透かし彫り領域部分の弾性要素110の厚さHとの比である面積厚さ比μは、150mm~700mmの範囲にあり、任意の2つの弾性要素110の吊り下げ領域面積SkiとSjiとの比γは、0.25~4の範囲にあり、透かし彫り領域の面積と補強部材120の横方向面積との比βは、0.2~0.7である。いくつかの実施例において、異なる形状の補強部材120を含む振動アセンブリ100を設計することにより、振動アセンブリ100の第4の共振ピークは、10kHz~18kHzの範囲にあり、各透かし彫り領域面積Sと各透かし彫り領域部分の弾性要素110の厚さHとの比である面積厚さ比μは、100mm~1000mmの範囲にあり、任意の2つの弾性要素110の吊り下げ領域面積SkiとSjiとの比γは、0.1~10の範囲にあり、透かし彫り領域の面積と補強部材120の横方向面積との比βは、0.1~0.8の範囲である。
【0250】
図26A図26Dに示すように、図26A図26Dは、本明細書のいくつかの実施例に係る、局所質量構造を含む振動アセンブリ100の概略構成図である。図26Aは、二重で弾性的に接続された局所質量構造126を示し、図26Bは、四重で弾性的に接続された局所質量構造126を示し、図26Cは、S字状に四重で弾性的に接続された局所質量構造126を示し、図26Dは、S字状に四重で弾性的に接続された不規則な局所質量構造126を示す。いくつかの実施例において、中心領域112の吊り下げ領域に局所質量構造126を設計して、各透かし彫り領域の等価質量Mm、等価剛性Ka、Ka’、等価減衰Ra、Ra’を柔軟に調整することにより、振動アセンブリ100の第4の共振ピークが効果的に調整される。そして、局所質量構造126を設計することにより、さらに補強部材120の質量、剛性を広い範囲で調整して、振動アセンブリ100の第1の共振ピークと第3の共振ピークを調整することができる。
【0251】
いくつかの実施例において、局所質量構造126は、二重弾性構造により円周方向に、隣接する長尺状構造124に接続されてもよく(図26Aに示す)、二重弾性構造により円周方向に、隣接する環状構造122に接続されてもよい。別のいくつかの実施例において、各局所質量構造126は、長尺状構造124又は環状構造122のいずれにも接続されず、弾性要素110のみに接続されてもよい。いくつかの実施例において、局所質量構造126は、一部が弾性要素110に接続され、他の部分が環状構造122及び/又は長尺状構造124に接続されてもよい。
【0252】
いくつかの実施例において、局所質量構造126は、四重弾性構造により、隣接する長尺状構造124及び環状構造122の両方に接続されてもよい(図26Bに示す)。
【0253】
いくつかの実施例において、弾性構造の平面形状は、規則的な形状(図26A及び図26Bに示す)であってもよく、不規則な形状(図26Cに示す)であってもよい。
【0254】
いくつかの実施例において、局所質量構造126は、規則的な形状(図26A図26Cに示す)を有してもよく、任意の不規則な形状(図26Dに示す)を有してもよい。
【0255】
いくつかの実施例において、局所質量構造126の寸法、位置、数、形状、弾性的に接続された構造の寸法、位置、数、形状を設計することにより、振動アセンブリ100の第4の共振ピークは、10kHz~18kHzの範囲にあり、各透かし彫り領域面積Sと各透かし彫り領域部分の弾性要素110の厚さHとの比である面積厚さ比μは、150mm~700mmの範囲にあり、任意の2つの弾性要素110の吊り下げ領域面積SkiとSjiとの比γは、0.25~4の範囲にあり、透かし彫り領域の面積と補強部材120の横方向面積との比βは、0.2~0.7である。いくつかの実施例において、局所質量構造126の寸法、位置、数、形状、弾性的に接続された構造の寸法、位置、数、形状を設計することにより、振動アセンブリ100の第4の共振ピークは、10kHz~18kHzの範囲にあり、各透かし彫り領域面積Sと各透かし彫り領域部分の弾性要素110の厚さHとの比である面積厚さ比μは、100mm~1000mmの範囲にあり、任意の2つの弾性要素110の吊り下げ領域面積SkiとSjiとの比γは、0.1~10の範囲にあり、透かし彫り領域の面積と補強部材120の横方向面積との比βは、0.1~0.8である。
【0256】
図26Eは、本明細書のいくつかの実施例に係る補強部材の断面概略構成図である。図26Eに示すように、補強部材120は、中心接続部123、補強部125及び透かし彫り部127を含んでもよい。いくつかの実施例において、透かし彫り部127は、補強部材120の一部の材料をくり抜くことによって得られ、補強部材120のくり抜かれていない部分は、補強部125を構成する。いくつかの実施例において、透かし彫り部127は、円形となるように構成されてもよい。いくつかの実施例において、透かし彫り部127は、他の形状となるように構成されてもよい。いくつかの実施例において、中心接続部123と補強部125とは、弾性要素110の振動方向に沿う厚さが異なる。いくつかの実施例において、中心接続部123の弾性要素110の振動方向に沿う厚さは、補強部125の弾性要素110の振動方向に沿う厚さより大きくてもよい。
【0257】
本明細書の実施例は、スピーカーをさらに提供し、該スピーカーは、本明細書の実施例に係る振動アセンブリを有し、振動アセンブリ(例えば、弾性要素、補強部材)の構造及びパラメータを合理的に設定することにより、スピーカーが人の耳の可聴範囲内(例えば、20kHz~20kHz)に複数の共振ピークを有し、スピーカーの周波数帯域及び感度を向上させ、スピーカーから出力される音圧レベルを高めることができる。
【0258】
図27は、本明細書のいくつかの実施例に係るスピーカーの例示的な構造図である。いくつかの実施例において、図27に示すように、スピーカー2700は、ハウジング2730、駆動アセンブリ2720及び上記振動アセンブリ2710を含んでもよい。駆動アセンブリ2720は、電気信号に基づいて振動することができ、振動アセンブリ2710は、駆動アセンブリ2720の振動を受けて振動することができる。ハウジング2730は、キャビティを形成し、駆動アセンブリ2720及び振動アセンブリ2710は、キャビティ内に設置される。振動アセンブリ2710の構造は、本明細書の実施例におけるいずれかの振動アセンブリの構造と同じであってもよい。
【0259】
いくつかの実施例において、振動アセンブリ2710は、主に弾性要素2711と補強部材2712を含む。弾性要素2711は、主に中心領域2711A、中心領域2711Aの外周に設置されたエッジ領域2711B、及びエッジ領域2711Bの外周に設置された固定領域2711Cを含む。弾性要素2711は、中心領域2711Aに垂直な方向に沿って振動するように構成される。補強部材2712は、中心領域2711Aに接続される。補強部材2712は、補強部と複数の透かし彫り部を含み、補強部材2712及び弾性要素2711の振動は、人の耳の可聴範囲(20Hz~20kHz)内に少なくとも2つの共振ピークが生じる。
【0260】
駆動アセンブリ2720は、エネルギー変換機能を有する音響デバイスであってもよい。いくつかの実施例において、駆動アセンブリ2720は、スピーカー2700の他のアセンブリ(例えば、信号プロセッサ)に電気的に接続されて電気信号を受信し、電気信号を機械振動信号に変換することができ、該機械振動は、振動アセンブリ2710が振動するように振動アセンブリ2710に伝達されて、キャビティ内の空気を押して振動させ、音声を発生させることができる。
【0261】
いくつかの実施例において、駆動アセンブリ2720は、駆動ユニット2722と振動伝達ユニット2724を含んでもよい。駆動ユニット2722は、スピーカー2700の他のアセンブリ(例えば、信号プロセッサ)に電気的に接続されて電気信号を受信し、電気信号を機械振動信号に変換することができる。振動伝達ユニット2724は、駆動ユニット2722と振動アセンブリ2710との間に接続されて、駆動ユニット2722によって生成された振動信号を振動アセンブリ2710に伝達する。
【0262】
いくつかの実施例において、駆動ユニット2722は、可動コイル式音響ドライバ、バランスドアーマチュア式音響ドライバ、静電式音響ドライバ又は圧電式音響ドライバを含んでもよいが、これらに限定されない。いくつかの実施例において、可動コイル式音響ドライバは、磁場を生成する磁性部材と、磁場内に設置されたコイルとを含んでもよく、コイルは、通電されると、磁場内で振動して電気エネルギーを機械エネルギーに変換することができる。いくつかの実施例において、バランスドアーマチュア式音響ドライバは、交番磁場を生成するコイルと、交番磁場内に設置された強磁性部材とを含んでもよく、強磁性部材は、交番磁場の作用下で振動して、電気エネルギーを機械エネルギーに変換する。いくつかの実施例において、静電式音響ドライバは、その内部に設置された静電場により振動板を駆動して振動させて、電気エネルギーを機械エネルギーに変換することができる。いくつかの実施例において、圧電式音響ドライバは、その内部に設置された圧電材料により、電歪効果の作用で電気エネルギーを機械エネルギーに変換することができる。
【0263】
いくつかの実施例において、駆動ユニット2722及び振動伝達ユニット2724は、振動アセンブリの振動方向の同じ側に位置してもよい。いくつかの実施例において、振動伝達ユニット2724の中心領域2711Aの振動方向に沿う一端は、駆動ユニット2722に接続され、振動伝達ユニット2724の駆動ユニット2722から離れた他端は、振動アセンブリ2710の中心領域2711Aに接続されてもよい。別のいくつかの実施例において、補強部材2712は、中心接続部27121を含んでもよく、中心接続部27121は、中心領域2711Aの中心を覆う。いくつかの実施例において、振動伝達ユニット2724の駆動ユニット2722から離れた他端は、中心接続部27121に直接接続されてもよく、すなわち、振動伝達ユニット2724は、中心接続部27121を介して中心領域2711Aに接続される。いくつかの実施例において、振動伝達ユニット2724の駆動ユニット2722から離れた他端は、中心接続部27121に間接的に接続されてもよく、すなわち、振動伝達ユニット2724は、中心領域2711Aに直接接続され、中心領域2711Aを介して中心接続部27121に接続される。いくつかの実施例において、振動伝達ユニット2724の寸法は、中心接続部27121の寸法と同じ又はほぼ同じ(例えば、寸法差が10%以内)であってもよい。
【0264】
いくつかの実施例において、振動伝達ユニット2724の中心領域2711Aに接続された一端の中心と中心領域2711Aの中心とは、弾性要素2711の振動方向に沿った投影が重なるか又はほぼ重なり、このように設置することにより、弾性要素2711の振動の均一性及び安定性を向上させる一方、スピーカー2700から出力される第3の共振ピークを本明細書の実施例に記載の周波数範囲(例えば、5000Hz~12000Hz)内に制御することができる。本明細書の実施例において、ほぼ重なるとは、振動伝達ユニット2724の中心領域2711Aに接続された一端の中心と中心領域2711Aの中心との間の距離が中心領域2711Aの直径の5%を超えないことを指す。別のいくつかの実施例において、振動伝達ユニット2724が補強部材2712の中心接続部を介して中心領域2711Aに接続される場合、振動伝達ユニット2724の寸法が中心接続部の寸法に合わせる(例えば、寸法が同じである)ため、振動伝達ユニット2724の中心接続部に接続された一端の中心と中心接続部27121の中心とは重なるか又はほぼ重なり、このとき、中心接続部の中心と中心領域2711Aの中心とは、弾性要素2711の振動方向に沿った投影が重なるか又はほぼ重なってもよい。補強部材2712の中心接続部の具体的な内容については、補強部材120の中心接続部123の関連説明を参照することができる。
【0265】
いくつかの実施例において、振動アセンブリ2710は、振動伝達ユニット2724から伝達された力及び変位を受けて空気を押して移動させ、音声を発生させることができる。いくつかの実施例において、振動アセンブリ2710の構造は、振動アセンブリ100の構造と同じであってもよい。
【0266】
いくつかの実施例において、エッジ領域2711Bには、固有形状のパターンが設計されてもよく、それにより弾性要素2711のエッジ領域2711Bの対応する周波数帯域での振動形式を破壊し、弾性要素2711の局所分割振動に起因する音の相殺を回避し、振動アセンブリ2710が平坦な音圧レベル曲線を有する。そして、パターン設計により、弾性要素2711の局所剛性を増加させる。
【0267】
いくつかの実施例において、補強部材2712の構造を調整することにより、振動アセンブリ2710のモード振動形式を調整することができる。
【0268】
いくつかの実施例において、補強部材2712は、1つ以上の環状構造と1つ以上の長尺状構造を含み、1つ以上の長尺状構造のそれぞれは、1つ以上の環状構造のうちの少なくとも1つに接続され、1つ以上の長尺状構造のうちの少なくとも1つは、中心領域2711Aの中心に向かって延在する。1つ以上の環状構造の位置する領域と1つ以上の長尺状構造の位置する領域とは、共に補強部を構成する。補強部材2712の最大輪郭の、弾性要素2711の振動方向に沿った投影範囲内に、1つ以上の環状構造及び1つ以上の長尺状構造によって覆われていない領域は、透かし彫り部を構成する。補強部材2712の環状構造及び長尺状構造の具体的な内容については、本明細書の他の箇所の環状構造及び長尺状構造の関連説明を参照することができる。
【0269】
いくつかの実施例において、補強部材2712を合理的に設置し、中心領域2711Aに複数の透かし彫り領域を設置することにより、弾性要素2711の中心領域2711Aの局所剛性に対する制御可能な調整を実現し、それにより振動アセンブリ2710の弾性要素2711の中心領域2711Aの各透かし彫り領域の分割振動形式を利用して振動アセンブリ2710から出力される共振ピークに対する制御可能な調整を実現し、振動アセンブリ2710が平坦な音圧レベル曲線を有する。いくつかの実施例において、環状構造と長尺状構造とが互いに接続されることにより、補強部材2712が適切な割合の補強部及び透かし彫り部(すなわち、透かし彫り部分)を有し、補強部材2712の質量が減少し、振動アセンブリ2710全体の感度が向上する。いくつかの実施例において、環状構造及び長尺状構造の形状、寸法及び数を設計することにより、振動アセンブリ2710の複数の共振ピーク(例えば、第3の共振ピーク、第4の共振ピークなど)の位置及び帯域幅を調整して、振動アセンブリ2710の振動出力を制御することができる。
【0270】
いくつかの実施例において、補強部材2712の質量、弾性要素2711の質量、等価空気質量、駆動端等価質量を組み合わせて合計等価質量Mtを形成し、各部分の等価減衰により合計等価減衰Rtを形成し、弾性要素2711は、システムに剛性Ktを提供して、質量Mt-ばねKt-減衰Rtシステムを形成し、駆動アセンブリ2720の励起周波数が該システムの共振周波数に近い場合、振動アセンブリ2710の周波数応答曲線に共振ピーク、すなわち、振動アセンブリ2710の第1の共振ピークが現れる。いくつかの実施例において、第1の共振ピークの周波数範囲は、180Hz~3000Hzである。いくつかの実施例において、第1の共振ピークの周波数範囲は、200Hz~3000Hzである。いくつかの実施例において、第1の共振ピークの周波数範囲は、200Hz~2500Hzである。いくつかの実施例において、第1の共振ピークの周波数範囲は、200Hz~2000Hzである。いくつかの実施例において、第1の共振ピークの周波数範囲は、200Hz~1000Hzである。
【0271】
いくつかの実施例において、エッジ領域2711B、接続領域2711D、及び中心領域2711Aの補強部材2712が設置された領域とエッジ領域2711Bとの間の吊り下げ領域2711Eは、等価質量Ms、等価剛性Ks、等価減衰Rsを形成し、質量Ms-ばねKs-減衰Rsシステムを形成し、駆動アセンブリ2720の励起周波数が該システムの共振周波数に近い場合、振動アセンブリ2710の周波数応答曲線に共振ピーク、すなわち、振動アセンブリ2710の第2の共振ピークが現れる。いくつかの実施例において、振動アセンブリ2710の第2の共振ピークの周波数範囲は、3000Hz~7000Hzであってもよい。いくつかの実施例において、振動アセンブリ2710の第2の共振ピークの周波数範囲は、3000Hz~6000Hzであってもよい。いくつかの実施例において、振動アセンブリ2710の第2の共振ピークの周波数範囲は、4000Hz~6000Hzであってもよい。いくつかの実施例において、弾性要素2711のパラメータ(例えば、エッジ領域2711B、吊り下げ領域2711Eのパラメータ)を設定することにより、振動アセンブリ2710の第2の共振ピークを上記周波数範囲にすることができる。
【0272】
いくつかの実施例において、補強部材2712、接続領域2711D、エッジ領域2711B、中心領域2711Aの補強部材2712が設置された領域とエッジ領域2711Bとの間の吊り下げ領域2711E、等価空気質量、及び駆動アセンブリ2720の等価質量を組み合わせて合計等価質量Mtを形成し、各部分の等価減衰により合計等価減衰Rtを形成し、補強部材2712及び弾性要素2711は、システムに剛性Ktを提供し、質量Mt-ばねKt-減衰Rtシステムを形成し、駆動アセンブリ2720の励起周波数が該システムの速度共振周波数に近い場合、振動アセンブリ2710の周波数応答曲線に共振ピーク、すなわち、振動アセンブリ2710の第3の共振ピークが現れる。いくつかの実施例において、第3の共振ピークの周波数範囲は、5000Hz~12000Hzであってもよい。いくつかの実施例において、第3の共振ピークの周波数範囲は、6000Hz~12000Hzであってもよい。いくつかの実施例において、第3の共振ピークの周波数範囲は、6000Hz~10000Hzであってもよい。
【0273】
いくつかの実施例において、補強部材2712は、中心領域2711Aに対応して1つ以上の透かし彫り領域を有し、共振周波数が異なる各透かし彫り領域が振動することにより、振動アセンブリ2710の周波数応答曲線に1つ以上の高周波共振ピークが現れる。いくつかの実施例において、補強部材2712の構造を設計することにより、各透かし彫り領域の共振周波数が等しくなるか又は近くなり(例えば、差が4000Hz未満である)、それにより振動アセンブリ2710の周波数応答曲線に出力音圧レベルが高い高周波共振ピーク、すなわち、振動アセンブリ2710の第4の共振ピークが現れる。いくつかの実施例において、第4の共振ピークの周波数範囲は、8000Hz~20000Hzであってもよい。いくつかの実施例において、第4の共振ピークの周波数範囲は、10000Hz~18000Hzであってもよい。いくつかの実施例において、第4の共振ピークの周波数範囲は、12000Hz~18000Hzであってもよい。いくつかの実施例において、第4の共振ピークの周波数範囲は、15000Hz~18000Hzであってもよい。別のいくつかの実施例において、第4の共振ピークの周波数範囲は、20000Hzより大きくてもよい。別のいくつかの実施例において、各透かし彫り領域の共振周波数が異なり、高周波数範囲(例えば、8000Hz~20000Hz)の異なる周波数帯域で異なる透かし彫り領域の振動位相が異なり、音声の重畳相殺効果が達成され、振動アセンブリ2710が第4の共振ピークを出力しない。
【0274】
いくつかの実施例において、振動アセンブリ2710の構造を設計することにより、スピーカー2700は、人の耳の可聴範囲(例えば、20Hz~20kHz)内に2つ、3つ又は4つの共振ピークが現れる。
【0275】
いくつかの実施例において、補強部材2712全体寸法と、長尺状構造の数及び寸法と、長尺状構造の配置位置と、吊り下げ領域2711Eの面積と、エッジ領域2711Bの構造(例えば、エッジの幅、アーチ高さ、アーチ形状、パターンなど)と、接続領域2711Dの面積とを含む、振動アセンブリ2710の構造及び寸法を設計することにより、振動アセンブリ2710の第2の共振ピークと第3の共振ピークとの周波数差を設計することができる。いくつかの実施例において、振動アセンブリ2710の第2の共振ピークと第3の共振ピークとの周波数差が2000Hz未満である場合、第2の共振ピークと第3の共振ピークが結合される傾向があり、すなわち、第2の共振ピークと第3の共振ピークが1つの共振ピークとして現れ、それにより中高周波数帯域(3000Hz~10000Hz)で高い感度を有し、結合後の共振ピークの帯域幅が大幅に向上することができる。いくつかの実施例において、第4の共振ピークの周波数範囲は、20000Hzより大きくてもよく、すなわち、人の耳の可聴範囲内に第4の共振ピークが現れない。いくつかの実施例において、第2の共振ピークと第3の共振ピークとの周波数差が2000Hz未満であり、人の耳の可聴範囲内に第4の共振ピークが現れない場合、振動アセンブリ2710が振動するとき、人の耳の可聴範囲内に共振ピークが2つだけ存在し、少なくとも1つの共振ピークの3dB帯域幅が1000Hz以上である。3dB帯域幅とは、共振ピークに対応する音圧レベル振幅(例えば、図7D中の縦座標)が3dB低下する場合に対応する周波数帯域(例えば、図7D中の横座標)の幅を指す。いくつかの実施例において、振動アセンブリ2710が振動するとき、人の耳の可聴範囲内の少なくとも1つの共振ピークの3dB帯域幅は、1500Hz以上である。いくつかの実施例において、振動アセンブリ2710が振動するとき、人の耳の可聴範囲内の少なくとも1つの共振ピークの3dB帯域幅は、1000Hz以上である。いくつかの実施例において、振動アセンブリ2710が振動するとき、人の耳の可聴範囲内の少なくとも1つの共振ピークの3dB帯域幅は、500Hz以上である。
【0276】
いくつかの実施例において、補強部材2712と弾性要素2711の設計により、振動アセンブリ2710は、可聴範囲(20Hz~20000Hz)内に必要な高次モードが現れ、振動アセンブリ2710の周波数応答曲線に上記第1の共振ピーク、第2の共振ピーク、第3の共振ピーク及び第4の共振ピークが現れ、すなわち、20Hz~20000Hzの周波数範囲内に、振動アセンブリ2710の周波数応答曲線に現れる共振ピークが4つである。
【0277】
いくつかの実施例において、補強部材2712と弾性要素2711の構造を設計することにより、振動アセンブリ2710は、人の耳の可聴範囲(20Hz~20000Hz)内に共振ピークが3つだけ存在することができる。例えば、振動アセンブリ2710の第2の共振ピークと第3の共振ピークとの周波数差が2000Hz未満である場合、振動アセンブリ2710の周波数応答音圧レベル曲線に、第2の共振ピークと第3の共振ピークは、1つの共振ピークとして現れ、第1の共振ピーク及び第4の共振ピークと共に、振動アセンブリ2710の人の耳の可聴範囲(20Hz~20000Hz)内の3つの共振ピークを形成する。また、例えば、補強部材2712は、中心領域2711Aに対応して1つ以上の吊り下げ領域を有し、各透かし彫り領域の共振周波数を可聴範囲より高くするか、又は各透かし彫り領域の共振周波数が異なり、かつ高周波数範囲(10000Hz~18000Hz)の異なる周波数帯域で異なる吊り下げ領域が異なる振動位相を有するようにして、音声の重畳相殺効果を達成する場合、高周波数ロールオフの効果を得ることができ、振動アセンブリ2710の音圧レベル周波数応答曲線に第4の共振ピークが現れず、このとき、第1の共振ピーク、第2の共振ピーク及び第3の共振ピークは、振動アセンブリ2710の人の耳の可聴範囲(20Hz~20000Hz)内の3つの共振ピークを形成する。
【0278】
いくつかの実施例において、補強部材2712又は弾性要素2711の構造を設計することにより、複数の共振ピークの周波数を調整することができるだけでなく、複数の共振ピーク(例えば、第3の共振ピーク)の3dB帯域幅及びスピーカーのQ値を調整することができる。
【0279】
いくつかの実施例において、長尺状構造の振動方向に沿った投影の形状の2つの側辺の間の夾角θを設計することにより、スピーカー2700から出力される第3の共振ピークの3dB帯域幅及びスピーカー2700のQ値を調整することができる。いくつかの実施例において、スピーカー2700が、Q値が低く、帯域幅が広いという周波数応答特性を示す必要がある場合、長尺状構造の夾角θは、大きくてもよい。いくつかの実施例において、長尺状構造の夾角θを-90°~150°の範囲にすることにより、スピーカー2700が低いQ値を有し、スピーカー2700から出力される第3の共振ピークの3dB帯域幅が1000Hz以上である。いくつかの実施例において、長尺状構造の夾角θを-0°~60°の範囲にすることにより、スピーカー2700が低いQ値を有し、スピーカー2700から出力される第3の共振ピークの3dB帯域幅が1000Hz以上である。
【0280】
いくつかの実施例において、スピーカー2700が、Q値が高く、帯域幅が狭いという周波数応答特性を示す必要がある場合、長尺状構造の夾角θを小さく設計してもよい。いくつかの実施例において、長尺状構造の夾角θを-150°~90°の範囲にすることにより、スピーカー2700が高いQ値を有し、スピーカー2700から出力される第3の共振ピークの3dB帯域幅が1000Hz以下である。いくつかの実施例において、長尺状構造の夾角θを-60°~0°の範囲にすることにより、スピーカー2700が高いQ値を有し、スピーカー2700から出力される第3の共振ピークの3dB帯域幅が1000Hz以下である。
【0281】
いくつかの実施例において、補強部材2712の弾性要素2711の振動方向に沿った投影の形状の半輪郭の内側と外側との面積比τを設計することにより、スピーカー2700から出力される第3の共振ピークの3dB帯域幅とスピーカー2700のQ値を調整することができる。スピーカー2700が、Q値が低く、帯域幅が広いという周波数応答特性を示す必要がある場合、補強部材2712の中心領域に集中する質量を大きく設計することができる。いくつかの実施例において、補強部材2712の弾性要素2711の振動方向に沿った投影の形状の半輪郭の内側と外側との面積比τを0.3~2の範囲にすることにより、スピーカー2700が低いQ値を有し、スピーカー2700から出力される第3の共振ピークの3dB帯域幅が1000Hz以上である。いくつかの実施例において、補強部材2712の弾性要素2711の振動方向に沿った投影の形状の半輪郭の内側と外側との面積比τを0.5~1.2の範囲にすることにより、スピーカー2700が低いQ値を有し、スピーカー2700から出力される第3の共振ピークの3dB帯域幅が1000Hz以上である。スピーカー2700が、Q値が高く、帯域幅が狭いという周波数応答特性を示す必要がある場合、補強部材2712の縁部領域に集中する質量を大きく設計することができる。いくつかの実施例において、補強部材2712の弾性要素2711の振動方向に沿った投影の形状の半輪郭の内側と外側との面積比τを1~3の範囲にすることにより、スピーカー2700が高いQ値を有し、スピーカー2700から出力される第3の共振ピークの3dB帯域幅が1000Hz以下である。いくつかの実施例において、補強部材2712の弾性要素2711の振動方向に沿った投影の形状の半輪郭の内側と外側との面積比τを1.2~2.8の範囲にすることにより、スピーカー2700が高いQ値を有し、スピーカー2700から出力される第3の共振ピークの3dB帯域幅が1000Hz以下である。
【0282】
いくつかの実施例において、1つ以上の長尺状構造の少なくとも1つは、弾性要素2711の振動方向に沿って厚さが異なる複数の段差を有し、段差は、長尺状構造の径方向の最も外側にある第1の段差と、長尺状構造の径方向の最も内側にある第2の段差と、を含む。いくつかの実施例において、第1の段差と第2の段差との厚さの比φを設計することにより、スピーカー2700から出力される第3の共振ピークの3dB帯域幅とスピーカー2700のQ値を調整することができる。スピーカー2700が、Q値が低く、帯域幅が広いという周波数応答特性を示す必要がある場合、補強部材2712の中心に近接する位置に集中する質量を大きく設計することができる。いくつかの実施例において、第1の段差と第2の段差との厚さの比φを0.1~1の範囲にすることにより、スピーカー2700が低いQ値を有し、スピーカー2700から出力される第3の共振ピークの3dB帯域幅が1000Hz以上である。いくつかの実施例において、第1の段差と第2の段差との厚さの比φを0.2~0.8の範囲にすることにより、スピーカー2700が低いQ値を有し、スピーカー2700から出力される第3の共振ピークの3dB帯域幅が1000Hz以上である。スピーカー2700が、Q値が高く、帯域幅が狭いという周波数応答特性を示す必要がある場合、補強部材2712の縁部領域に集中する質量を大きく設計することができる。いくつかの実施例において、第1の段差と第2の段差との厚さの比φを1~10の範囲にすることにより、スピーカー2700が高いQ値を有し、スピーカー2700から出力される第3の共振ピークの3dB帯域幅が1000Hz以下である。いくつかの実施例において、第1の段差と第2の段差との厚さの比φを1.2~6の範囲にすることにより、スピーカー2700が高いQ値を有し、スピーカー2700から出力される第3の共振ピークの3dB帯域幅が1000Hz以下である。
【0283】
いくつかの実施例において、ハウジング2730は、内部が中空である(すなわち、キャビティが設置される)規則的な立体構造又は不規則な立体構造であってもよく、例えば、ハウジング2730は、中空のフレーム構造体であってもよく、矩形フレーム、円形フレーム、正多角形フレームなどの規則的な形状のもの、及び任意の不規則的な形状のものを含むが、これらに限定されない。いくつかの実施例において、ハウジング2730は、金属(例えば、ステンレス、銅など)、プラスチック(例えば、ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)、ポリ塩化ビニル(PVC)、ポリスチレン(PS)及びアクリロニトリル-ブタジエン-スチレン共重合体(ABS)など)、複合材料(例えば、金属基複合材料又は非金属基複合材料)などを用いることができる。いくつかの実施例において、駆動アセンブリ2720は、ハウジング2730によって形成された音響キャビティ内に位置してもよく、少なくとも一部がハウジング2730の音響キャビティ内に吊り下げて設置されてもよい。
【0284】
いくつかの実施例において、弾性要素2711の周側は、ハウジング2730の内壁に接続されて、ハウジング2730によって形成されたキャビティを複数のキャビティに分割してもよい。具体的には、弾性要素2711は、その振動方向に沿って、弾性要素2711を境として、ハウジング2730のキャビティを、弾性要素2711の両側にそれぞれ位置するフロントキャビティ2731とリアキャビティ2733とに分割する。いくつかの実施例において、フロントキャビティ2731は、弾性要素2711の駆動ユニット2722から離れた側に位置する。
【0285】
いくつかの実施例において、リアキャビティ2733は、弾性要素2711の駆動ユニット2722に近接する側に位置し、すなわち、駆動アセンブリ2720は、リアキャビティ2733内に設置されてもよい。
【0286】
いくつかの実施例において、フロントキャビティ2731及びリアキャビティ2733に対応するハウジング2730の側壁に1つ以上の孔部が形成されてもよい。例示的に、フロントキャビティ2731の弾性要素2711から離れた側のハウジング2730には、第1の孔部2732が設置され、フロントキャビティ2731は、第1の孔部2732を介してスピーカー2700の外部と連通し、リアキャビティ2733の弾性要素2711から離れたハウジング2730には、第2の孔部2734が設置され、リアキャビティ2733は、第2の孔部2734を介してスピーカー2700の外部と連通する。振動アセンブリ2710が発生した音声は、フロントキャビティ2731及び/又はリアキャビティ2733に放射され、ハウジング2730上の第1の孔部2732及び/又は第2の孔部2734を介してスピーカー2700の外部に伝達されてもよい。
【0287】
いくつかの実施例において、1つ以上の孔部(例えば、第2の孔部2734)に減衰メッシュ又は防塵布(例えば、減衰メッシュ27341)が設置されてもよい。いくつかの実施例において、減衰メッシュにより孔部から漏れた音波の振幅を調整(例えば、低減)して、スピーカー2700の性能を向上させることができる。
【0288】
いくつかの実施例において、スピーカー2700は、支持要素2740をさらに含んでもよく、支持要素2740は、ハウジング2730及び固定領域2711Cにそれぞれ接続される。いくつかの実施例において、図27に示すように、振動アセンブリ2710の弾性要素2711の固定領域2711Cは、接続領域2711Dの外周に位置し、接続領域2711Dの周側を取り囲んで接続される。支持要素2740は、固定領域2711Cの中心領域2711Aの振動方向に沿ったいずれかの表面に位置し、固定領域2711Cを介して接続領域2711Dに接続されてもよい。
【0289】
いくつかの実施例において、支持要素2740は、ハウジング2730の内壁に嵌設され、ハウジング2730に接続されて弾性要素2711を支持してもよい。支持要素2740がハウジング2730の内壁に嵌設される場合、ハウジング2730の内壁に支持要素2740に合わせる孔が設置されてもよく、それにより支持要素2740が該孔内に配置されて、支持要素2740の嵌設を実現する。
【0290】
いくつかの実施例において、図27に示すように、支持要素2740は、ハウジング2730によって形成されたキャビティ内に設置されてもよく、支持要素2740は、振動アセンブリ2710の振動方向における下面(駆動ユニット2722に近接する表面)又は周側面に沿ってハウジング2730に接続されて、弾性要素2711を支持する。いくつかの実施例において、支持要素2740がハウジング2730によって形成されたキャビティ内に設置される場合、ハウジング2730の内壁は、支持要素2740に合わせる突出構造を有するように設置されてもよく、それにより支持要素2740は、該突出構造の振動方向に沿う表面に設置されて、支持要素2740とハウジング2730との接続を実現することができる。このような設置では、支持要素2740をハウジング2730によって形成されたキャビティ内に設置することにより、スピーカー2700の使用中に支持要素2740が引っ掛かって損傷することを防止し、さらにスピーカー2700(特に振動アセンブリ2710)の損傷を防止することができる。
【0291】
いくつかの実施例において、支持要素2740は、変形しにくい剛性構造であってもよく、振動アセンブリ2710の振動中に弾性要素2711のみに対して支持作用を提供する。いくつかの実施例において、振動アセンブリ2710の振動時のシステム剛性をさらに低減し、スピーカー2700のコンプライアンスを向上させるために、支持要素2740を、変形しやすい柔軟な構造に設置して、振動アセンブリ2710の振動時の追加の変位量を提供することができる。
【0292】
いくつかの実施例において、支持要素2740は、弾性要素2711の振動信号に応答する際に変形して、弾性要素2711にその振動方向に沿う変位量を提供することができ、それにより弾性要素2711のその振動方向における合計変位量を増加させ、振動アセンブリ2710の低周波数での感度をさらに向上させる。いくつかの実施例において、支持要素2740の材質は、剛性材料、半導体材料、有機高分子材料、ゴム系材料などのうちの1種又は複数種を含んでもよい。いくつかの実施例において、剛性材料は、金属材料、合金材料などを含んでもよいが、これらに限定されない。半導体材料は、シリコーン、二酸化ケイ素、窒化ケイ素、炭化ケイ素などのうちの1種又は複数種を含んでもよいが、これらに限定されない。有機高分子材料は、ポリイミド(PI)、パリレン(Parylene)、ポリジメチルシロキサン(Polydimethylsiloxane、PDMS)、ヒドロゲルなどのうちの1種又は複数種を含んでもよいが、これらに限定されない。ゴム系材料は、ゲル系、シリコーンゲル、アクリル系、ポリウレタン系、ゴム系、エポキシ系、ホットメルト系、光硬化系などのうちの1種又は複数種を含んでもよいが、これらに限定されない。いくつかの実施例において、支持要素2740と弾性要素2711との間の接続力を強化し、支持要素2740と弾性要素2711との間の信頼性を向上させるために、支持要素2740の材質を、シリコーン接着性接着剤、シリコーンシール性接着剤などとしてもよい。いくつかの実施例において、支持要素2740の、補強領域の振動方向に平行な断面における断面形状は、長方形、円形、楕円形、五角形などの規則的な幾何形状及び/又は不規則な幾何形状であってもよい。そして、柔軟な構造を有する支持要素2740を設置することにより、振動アセンブリ2710の振動特性を変化させることができるだけでなく、弾性要素2711がハウジング2730に直接接触することを回避し、弾性要素2711のハウジング2730に直接接続される端部の応力集中(ハウジングは通常、剛性体である)を低減し、弾性要素2711をさらに保護することができる。
【0293】
以上、基本概念を説明してきたが、当業者にとっては、上記詳細な開示は、単なる例として提示されているものに過ぎず、本願を限定するものではないことは明らかである。本明細書において明確に記載されていないが、当業者は、本願に対して様々な変更、改良及び修正を行うことができる。これらの変更、改良及び修正は、本願によって示唆されることが意図されているため、本願の例示的な実施例の精神及び範囲内にある。
【0294】
さらに、本願の実施例を説明するために、本願において特定の用語が使用されている。例えば、「1つの実施例」、「一実施例」、及び/又は「いくつかの実施例」は、本願の少なくとも1つの実施例に関連した特定の特徴、構造又は特性を意味する。したがって、本明細書の様々な部分における「一実施例」又は「1つの実施例」又は「1つの代替的な実施例」の2つ以上の言及は、必ずしも全てが同一の実施例を指すとは限らないことを強調し、理解されたい。また、本願の1つ以上の実施例における特定の特徴、構造、又は特性は、適切に組み合わせられてもよい。
【0295】
また、当業者には理解されるように、本願の各態様は、任意の新規かつ有用なプロセス、機械、製品又は物質の組み合わせ、又はそれらへの任意の新規かつ有用な改善を含む、いくつかの特許可能なクラス又はコンテキストで、例示及び説明され得る。よって、本願の各態様は、完全にハードウェアによって実行されてもよく、完全にソフトウェア(ファームウェア、常駐ソフトウェア、マイクロコードなどを含む)によって実行されてもよく、ハードウェアとソフトウェアの組み合わせによって実行されてもよい。以上のハードウェア又はソフトウェアは、いずれも「データブロック」、「モジュール」、「エンジン」、「ユニット」、「アセンブリ」又は「システム」と呼ばれてもよい。また、本願の各態様は、コンピュータ可読プログラムコードを含む1つ以上のコンピュータ可読媒体に具現化されたコンピュータプログラム製品の形態を取ることができる。
【0296】
コンピュータ記憶媒体は、コンピュータプログラムコードを搬送するための、ベースバンド上で伝播されるか又は搬送波の一部として伝播される伝播データ信号を含んでもよい。該伝播信号は、電磁気信号、光信号又は適切な組み合わせ形態などの様々な形態を含んでもよい。コンピュータ記憶媒体は、コンピュータ可読記憶媒体以外の任意のコンピュータ可読媒体であってもよく、該媒体は、命令実行システム、装置又は機器に接続されることにより、使用されるプログラムの通信、伝播又は伝送を実現することができる。コンピュータ記憶媒体上のプログラムコードは、無線、ケーブル、光ファイバケーブル、RF若しくは類似の媒体、又は上記媒体の任意の組み合わせを含む任意の適切な媒体を介して伝播することができる。
【0297】
本願の各部分の操作に必要なコンピュータプログラムコードは、Java、Scala、Smalltalk、Eiffel、JADE、Emerald、C++、C#、VB.NET、Pythonなどのオブジェクト指向プログラミング言語、C言語、Visual Basic、Fortran 2003、Perl、COBOL 2002、PHP、ABAPなどの従来の手続き型プログラミング言語、Python、Ruby及びGroovyなどの動的プログラミング言語、又は他のプログラミング言語などを含む1つ以上のプログラミング言語でコーディングしてもよい。該プログラムコードは、完全にユーザコンピュータ上で実行されてもよく、独立したソフトウェアパッケージとしてユーザコンピュータ上で実行されてもよく、部分的にユーザコンピュータ上で部分的にリモートコンピュータ上で実行されてもよく、完全にリモートコンピュータ又はサーバ上で実行されてもよい。後者の場合、リモートコンピュータは、ローカルエリアネットワーク(LAN)又はワイドエリアネットワーク(WAN)などの任意のネットワーク形態でユーザコンピュータに接続されてもよく、(例えば、インターネットを介して)外部コンピュータに接続されてもよく、クラウドコンピューティング環境にあってもよく、ソフトウェア・アズ・ア・サービス(SaaS)などのサービスとして使用されてもよい。
【0298】
また、特許請求の範囲に明確に記載されていない限り、本願に記載の処理要素又はシーケンスの列挙した順序、英数字の使用、又は他の名称の使用は、本願の手順及び方法の順序を限定するものではない。上記開示において、発明の様々な有用な実施例であると現在考えられるものを様々な例を通して説明しているが、そのような詳細は、単に説明の目的のためであり、添付の特許請求の範囲は、開示される実施例に限定されないが、逆に、本願の実施例の趣旨及び範囲内にある全ての修正及び等価な組み合わせをカバーするように意図されることを理解されたい。例えば、上述したシステムアセンブリは、ハードウェアデバイスにより実装されてもよいが、ソフトウェアのみのソリューション、例えば、既存のサーバ又はモバイルデバイスに説明されたシステムをインストールすることにより実装されてもよい。
【0299】
同様に、本願の実施例の前述の説明では、本願を簡略化して、1つ以上の発明の実施例への理解を助ける目的で、様々な特徴が1つの実施例、図面又はその説明にまとめられることがある。しかしながら、このような開示方法は、特許請求される主題が各請求項で列挙されるよりも多くの特徴を必要とするという意図を反映するものと解釈されるべきではない。実際に、実施例の特徴は、上記開示された単一の実施例の全ての特徴より少ない場合がある。
【0300】
いくつかの実施例において、成分及び属性の数を説明する数字が使用されており、このような実施例を説明するための数字は、いくつかの例において修飾語「約」、「ほぼ」又は「概ね」によって修飾されるものであることを理解されたい。特に明記しない限り、「約」、「ほぼ」又は「概ね」は、上記数字が±20%の変動が許容されることを示す。よって、いくつかの実施例において、明細書及び特許請求の範囲において使用されている数値パラメータは、いずれも個別の実施例に必要な特性に応じて変化し得る近似値である。いくつかの実施例において、数値パラメータについては、規定された有効桁数を考慮すると共に、通常の丸め手法を適用するべきである。本願のいくつかの実施例において、その範囲を決定するための数値範囲及びパラメータは近似値であるが、具体的な実施例において、このような数値は、可能な限り正確に設定される。
【0301】
本願において参照される全ての特許、特許出願、公開特許公報、及び、論文、書籍、仕様書、刊行物、文書などの他の資料は、本願の内容と一致しないか又は矛盾する出願経過文書、及び(現在又は後に本願に関連する)本願の請求項の最も広い範囲に関して限定的な影響を有し得る文書を除いて、その全体が参照により本願に組み込まれる。なお、本願の添付資料における説明、定義、及び/又は用語の使用が本願に記載の内容と一致しないか又は矛盾する場合、本願における説明、定義、及び/又は用語の使用を優先するものとする。
【0302】
最後に、本願に記載の実施例は、単に本願の実施例の原理を説明するものであることを理解されたい。他の変形例も本願の範囲内にある可能性がある。したがって、限定するものではなく、例として、本願の実施例の代替構成は、本願の教示と一致するように見なされてもよい。よって、本願の実施例は、本願において明確に紹介して説明された実施例に限定されない。
【符号の説明】
【0303】
100、2710 振動アセンブリ
110、2711 弾性要素
112、2711A 中心領域
1121、2711E 吊り下げ領域
114、2711B エッジ領域
115、2711D 接続領域
116、2711C 固定領域
120、2712 補強部材
122 環状構造
1221 第1の環状構造
1222 第2の環状構造
1223 第3の環状構造
123 中心接続部
124 長尺状構造
1241 第1の長尺状構造
1242 第2の長尺状構造
1243 第3の長尺状構造
125 補強部
126 局所質量構造
127 透かし彫り部
210 第1の共振ピーク
220 第2の共振ピーク
230 第3の共振ピーク
240 第4の共振ピーク
710 周波数応答曲線
720 周波数応答曲線
810、820、830、910、920、940、950、1010、1020、1030、1040、1050、1060、1210、1220、1230 周波数応答曲線
2700 スピーカー
2720 駆動アセンブリ
2722 駆動ユニット
2724 振動伝達ユニット
2730 ハウジング
2731 フロントキャビティ
2732 第1の孔部
2733 リアキャビティ
2734 第2の孔部
27341 減衰メッシュ
2740 支持要素
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7A
図7B
図7C
図7D
図8A
図8B
図9A
図9B
図9C
図10A
図10B
図10C
図11
図12A
図12B
図13A
図13B
図14A
図14B
図14C
図14D
図15A
図15B
図16A
図16B
図16C
図16D
図16E
図16F
図17A
図17B
図17C
図18A
図18B
図18C
図19
図20A
図20B
図21A
図21B
図21C
図21D
図21E
図22
図23
図24A
図24B
図24C
図25A
図25B
図25C
図26A
図26B
図26C
図26D
図26E
図27
【手続補正書】
【提出日】2024-04-10
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
電気信号に基づいて振動する駆動アセンブリと、
前記駆動アセンブリの振動を受けて振動する振動アセンブリと、を含み、
前記振動アセンブリは、弾性要素と補強部材を含み、
前記弾性要素は、中心領域、前記中心領域の外周に設置されたエッジ領域、及び前記エッジ領域の外周に設置された固定領域を含み、前記中心領域に垂直な方向に沿って振動するように構成され、
前記補強部材は、前記中心領域に接続され、補強部と複数の透かし彫り部を含み、前記補強部材及び前記弾性要素の振動は、人の耳の可聴範囲内に少なくとも2つの共振ピークが生じる、スピーカー。
【請求項2】
前記補強部材は、1つ以上の環状構造と1つ以上の長尺状構造を含み、前記1つ以上の長尺状構造のそれぞれは、前記1つ以上の環状構造のうちの少なくとも1つに接続されて前記補強部及び前記透かし彫り部を構成し、前記1つ以上の長尺状構造のうちの少なくとも1つは、前記中心領域の中心に向かって延在する、請求項1に記載のスピーカー。
【請求項3】
前記1つ以上の環状構造の前記弾性要素の振動方向に沿った投影の最大面積は、前記中心領域の面積より小さい、請求項2に記載のスピーカー。
【請求項4】
前記1つ以上の環状構造は、第1の環状構造と第2の環状構造を含み、前記第1の環状構造の径方向寸法は、前記第2の環状構造の径方向寸法より小さく、前記第1の環状構造は、前記第2の環状構造の内側に設置される、請求項2に記載のスピーカー。
【請求項5】
前記1つ以上の長尺状構造は、少なくとも1つの第1の長尺状構造と少なくとも1つの第2の長尺状構造を含み、前記少なくとも1つの第1の長尺状構造は、前記第1の環状構造の内側に設置され、前記第1の環状構造に接続され、前記少なくとも1つの第2の長尺状構造は、前記第1の環状構造と前記第2の環状構造との間に設置され、前記第1の環状構造及び前記第2の環状構造にそれぞれ接続される、請求項4に記載のスピーカー。
【請求項6】
前記少なくとも1つの第1の長尺状構造と前記少なくとも1つの第2の長尺状構造とは、前記第1の環状構造にある接続位置が異なる、請求項5に記載のスピーカー。
【請求項7】
前記1つ以上の長尺状構造のうちの少なくとも1つは、前記弾性要素の振動方向に沿って複数の異なる厚さを有する、請求項2に記載のスピーカー。
【請求項8】
前記振動アセンブリが振動するとき、人の耳の可聴範囲内に共振ピークが2つだけ存在し、少なくとも1つの共振ピークの3dB帯域幅は、1000Hz以上である、請求項1~7のいずれか一項に記載のスピーカー。
【請求項9】
前記共振ピークは、周波数範囲が200Hz~3000Hzの第1の共振ピークと、周波数範囲が3000Hz~7000Hzの第2の共振ピークと、周波数範囲が5000Hz~12000Hzの第3の共振ピークと、を含む、請求項1~7のいずれか一項に記載のスピーカー。
【請求項10】
前記振動アセンブリが振動するとき、人の耳の可聴範囲内に共振ピークが3つだけ存在する、請求項9に記載のスピーカー。
【請求項11】
前記1つ以上の環状構造と前記1つ以上の長尺状構造との間に1つ以上の透かし彫り領域が構成され、前記1つ以上の透かし彫り領域のうちの少なくとも1つの面積と前記弾性要素の厚さとの比を100mm~1000mmの範囲にすることにより、前記共振ピークは、周波数範囲が10000Hz~18000Hzの第4の共振ピークを含む、請求項9に記載のスピーカー。
【請求項12】
前記振動アセンブリが振動するとき、人の耳の可聴範囲内に共振ピークが4つだけ存在する、請求項11に記載のスピーカー。
【請求項13】
前記第3の共振ピークと前記第2の共振ピークとの差は、3000Hz未満である、請求項9に記載のスピーカー。
【請求項14】
前記1つ以上の環状構造と前記1つ以上の長尺状構造との間に1つ以上の透かし彫り領域が構成され、前記1つ以上の透かし彫り領域の面積と前記弾性要素の厚さとの比を100mm未満の範囲にすることにより、前記補強部材及び前記弾性要素の振動は、人の耳の可聴範囲外に第4の共振ピークが生じる、請求項9に記載のスピーカー。
【請求項15】
前記駆動アセンブリは、駆動ユニットと振動伝達ユニットを含み、前記振動伝達ユニットの前記中心領域の振動方向に沿う一端が前記駆動ユニットに接続され、他端が前記中心領域に接続され、前記補強部材は、中心接続部を含み、前記振動伝達ユニットは、前記中心接続部に直接接続され、前記中心接続部を介して前記中心領域に接続され、或いは、前記振動伝達ユニットは、前記中心領域に直接接続され、前記中心領域を介して前記中心接続部に間接的に接続される、請求項1に記載のスピーカー。
【国際調査報告】