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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-10-23
(54)【発明の名称】環境変化検出
(51)【国際特許分類】
   H04B 10/077 20130101AFI20241016BHJP
   G01D 5/353 20060101ALI20241016BHJP
【FI】
H04B10/077
G01D5/353 A
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024522117
(86)(22)【出願日】2022-10-12
(85)【翻訳文提出日】2024-05-24
(86)【国際出願番号】 GB2022052592
(87)【国際公開番号】W WO2023062368
(87)【国際公開日】2023-04-20
(31)【優先権主張番号】2114633.7
(32)【優先日】2021-10-13
(33)【優先権主張国・地域又は機関】GB
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】509251143
【氏名又は名称】エヌピーエル マネージメント リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110002321
【氏名又は名称】弁理士法人永井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】マルラ,ジュゼッペ
【テーマコード(参考)】
2F103
5K102
【Fターム(参考)】
2F103CA03
2F103EC09
5K102AA43
5K102AB06
5K102LA06
5K102LA15
5K102LA22
5K102PC12
5K102PH11
(57)【要約】
光ファイバ構成を用いた動的変化検出の方法が開示される。光ファイバ構成は、順方向光学経路および第2の光学経路を含む。光ファイバ構成は、複数のノードによって複数のスパンに構成され、複数のノードは、光ファイバ構成の第1の端部と第2の端部との間にある。ノードのうちの少なくとも1つは、順方向経路からの光信号の順方向伝播が第2の経路にフィードするように、順方向経路から第2の経路へのフィードを含む。方法は、前記順方向経路に光信号を送信することと、第2の経路から応答信号を受信することであって、応答信号はループバック信号を含み、ループバック信号は、フィードを介して第2の経路にフィードされた光信号を含むことと、ループバック信号からのフィードに関連付けられたスパンに沿った動的変化を検出することとを含む。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
光ファイバ構成を用いた動的変化検出の方法であって、前記光ファイバ構成は、順方向光学経路と、第2の光学経路とを含み、前記光ファイバ構成は、複数のノードによって複数のスパンに構成され、前記複数のノードは、前記光ファイバ構成の第1の端部と第2の端部との間にあり、第1のスパンは第1の端部の第1のノードと、第2の端部の第2のノードとを有し、前記第1のノードおよび前記第2のノードの各々は、前記順方向経路からの光信号の順方向伝播が前記第2の経路にフィードするような、前記順方向経路から前記第2の経路へのフィードを含み、前記方法は、
前記順方向経路に光信号を送信することと、
前記第2の経路から応答信号を受信することであって、前記応答信号は、第1のループバック信号および第2のループバック信号を含み、前記第1のループバック信号は、前記第1のノードの前記フィードを介して前記第2の経路にフィードされた光信号を含み、前記第2のループバック信号は、前記第2のノードの前記フィードを介して前記第2の経路にフィードされた光信号を含む、前記第2の経路から応答信号を受信することと、
前記応答信号から、それぞれ前記第1のループバック信号および前記第2のループバック信号に関する第1の信号要素および第2の信号要素を得ることと、
前記第1の信号要素と前記第2の信号要素との間の差分の動的変化から、前記第1のスパンに沿った動的変化を検出することと、
を含む、方法。
【請求項2】
前記第1のスパンに沿った動的変化は、前記第1の信号要素および/または第2の信号要素の位相変化および/または周波数変化から検出される、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記光信号の周波数は、前記光信号が少なくとも1つの周波数掃引を含むように掃引され、任意選択で、前記第1の信号要素および前記第2の信号要素は、前記ループバック信号の周波数に基づいて得られる、請求項1または2に記載の方法。
【請求項4】
前記少なくとも1つの周波数掃引の各々は、連続して変動する周波数を有する、請求項3に記載の方法。
【請求項5】
前記第1の信号要素および前記第2の信号要素は、それぞれ、前記第1のループバック信号および前記第2のループバック信号である、請求項1~4のいずれか1項に記載の方法。
【請求項6】
前記第1の信号要素は、前記第1のループバック信号および基準信号から形成された第1のループバックビート信号であり、前記第2の信号要素は、前記第2のループバック信号および前記基準信号から形成された第2のループバックビート信号である、請求項1~4のいずれか1項に記載の方法。
【請求項7】
前記基準信号は前記光信号を含む、請求項6に記載の方法。
【請求項8】
前記第1のスパンに沿った振動、温度、湿度および圧力摂動を検出することを含む、請求項1~7のいずれか1項に記載の方法。
【請求項9】
前記検出された動的変化から前記第1のスパンの動的環境変化検出を実行することを含む、請求項1~8のいずれか1項に記載の方法。
【請求項10】
地震検出、例えば地震の検出を行うことを含む、請求項1~9のいずれか1項に記載の方法。
【請求項11】
前記第1のスパンに沿った動的変化を検出することは、光学周波数領域反射測定(OFDR)を用いることを含む、請求項1~10のいずれか1項に記載の方法。
【請求項12】
複数の前記スパンは、各々、前記第1のスパンについて前述したように構成され、結果として、前記第1のスパンについて前述したように、各スパンの前記応答信号がそれぞれのループバック信号を含むこととなり、前記それぞれのループバック信号から前記それぞれのスパンに沿った動的変化を検出することは、前記第1のスパンについて前述したとおりである、請求項1~11のいずれか1項に記載の方法。
【請求項13】
動的変化を検出するためのシステムであって、
光ファイバ構成の順方向経路に光信号を送信するように構成された光送信機であって、前記光ファイバ構成は第2の経路を含み、複数のノードによって複数のスパンに構成され、前記複数のノードは、前記光ファイバ構成の第1の端部と第2の端部との間にあり、第1のスパンは第1の端部の第1のノードと、第2の端部の第2のノードとを有し、前記第1のノードおよび前記第2のノードの各々は、前記順方向経路からの前記光信号の順方向伝播が前記第2の経路にフィードするように構成された、前記順方向経路から前記第2の経路へのフィードを含む、光送信機と、
前記第2の経路から受信した応答信号を処理するように構成された光プロセッサであって、前記応答信号は、第1のループバック信号および第2のループバック信号を含み、前記第1のループバック信号は、前記第1のノードの前記フィードを介して前記第2の経路にフィードされた光信号を含み、前記第2のループバック信号は、前記第2のノードの前記フィードを介して前記第2の経路にフィードされた光信号を含む、光プロセッサとを備え、
前記光プロセッサは、
前記応答信号から、それぞれ前記第1のループバック信号および前記第2のループバック信号に関する第1の信号要素および第2の信号要素を得て、
前記第1の信号要素と前記第2の信号要素との間の差分の動的変化から、前記第1のスパンに沿った動的変化を検出するように構成される、
システム。
【請求項14】
前記光送信機は、前記光信号が少なくとも1つの周波数掃引を含むように、前記光信号の前記周波数を掃引するように構成される、請求項13に記載のシステム。
【請求項15】
前記光プロセッサは、前記第1のスパンに沿って検出された動的変化から、前記第1のスパンの動的環境変化の検出を行うように構成される、請求項13または14に記載のシステム。
【請求項16】
複数の前記スパンは、各々、前記第1のスパンについて前述したように構成され、結果として、前記第1のスパンについて前述したように、各スパンの前記応答信号がそれぞれのループバック信号を含むこととなり、前記光プロセッサは、前記第1のスパンについて前述したように、前記それぞれのループバック信号から前記それぞれのスパンに沿った動的変化を検出することを実行するように構成される、請求項13~15のいずれか1項に記載のシステム。
【請求項17】
請求項13~16のいずれか1項に記載のシステムに結合された光学構成であって、前記光送信機および光検出器を備え、前記光検出器は、前記光プロセッサに結合可能である、光学構成。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、光ファイバ構成を用いた動的変化検出に関し、これは、実施形態において、動的環境変化検出に用いることができる。
【背景技術】
【0002】
光ファイバの形態の海底ケーブル(例えば100kmの短いケーブル、および数千kmの長さの長いケーブルを含めて、長さが変動する)は、通信の世界の至る所に存在する。光ファイバは、温度、圧力、歪み、湿度の影響を受けやすい。(光位相または偏光のような)ファイバを通って進行する光のパラメータは、これらのパラメータのうちの任意のものが変化するときに変化する。したがって、これらのケーブルを用いて環境検知を行うことができる。
【0003】
いくつかの技法において、位相または偏光ベースの地震検出技法は、海底ケーブル(例えば、大陸間リンクの場合、5,000km~7,000kmまたは更にはそれよりも長くなり得る)の全長にわたって統合された信号を提供する。
【0004】
他の技法において、高い空間分解能での環境検知を、分散音響検知(DAS)を用いて達成することができる。この場合、ファイバにおける不均質性によって反射される光が解析される。パルスが送信され、ファイバに沿って異なる距離に対応する、異なる時点において返された信号を解析することによって情報が抽出される。この技法は有効であり得るが、戻り信号のレベルが低いことに起因して、ケーブルの最初の数十kmの検知に限定される。
【0005】
米国特許第10,979,140B2号は、光ネットワークにおける光学スパンを、干渉法ベースの検知媒体に変換することによって、光ファイバリンクにおける損傷の発生およびロケーションを事前に検出する装置を提供する。干渉法ベースの検知媒体は、光ネットワークにわたる光ファイバリンク上で生じる機械的摂動または機械的振動の検出を可能にすることができる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明の態様は、光ファイバ構成を用いて、動的変化を検出するための改善された方法およびシステムを提供しようとする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の態様によれば、光ファイバ構成を用いた動的変化検出の方法であって、光ファイバ構成は、順方向光学経路と、第2の光学経路とを含み、光ファイバ構成は、複数のノードによって複数のスパンに構成され、複数のノードは、光ファイバ構成の第1の端部と第2の端部との間にあり、第1のスパンは第1の端部の第1のノードと、第2の端部の第2のノードとを有し、第1のノードおよび第2のノードの各々は、順方向経路からの光信号の順方向伝播が第2の経路にフィードするような、順方向経路から第2の経路へのフィードを含み、方法は、
順方向経路に光信号を送信することと、
第2の経路から応答信号を受信することであって、応答信号は、第1のループバック信号および第2のループバック信号を含み、第1のループバック信号は、第1のノードのフィードを介して第2の経路にフィードされた光信号を含み、第2のループバック信号は、第2のノードのフィードを介して第2の経路にフィードされた光信号を含むことと、
応答信号から、それぞれ第1のループバック信号および第2のループバック信号に関する第1の信号要素および第2の信号要素を得ることと、
第1の信号要素と第2の信号要素との間の差分の動的変化から、第1のスパンに沿った動的変化を検出することと、
を含む、方法が提供される。
【0008】
「第1のスパン」という用語は、光ファイバに沿ったスパンの位置を示すことを意図したものではないことが理解されよう。
【0009】
いくつかの実施形態では、第1のスパンに沿った動的変化は、第1の信号要素および/または第2の信号要素の位相変化および/または周波数変化から検出される。
【0010】
いくつかの実施形態では、光信号の周波数は、光信号が少なくとも1つの周波数掃引を含むように掃引され、任意選択で、第1の信号要素および第2の信号要素は、ループバック信号の周波数に基づいて得られる。
【0011】
いくつかの実施形態では、少なくとも1つの周波数掃引の各々は、連続して変動する周波数を有する。
【0012】
いくつかの実施形態では、第1の信号要素および第2の信号要素は、それぞれ、第1のループバック信号および第2のループバック信号である。
【0013】
いくつかの実施形態では、第1の信号要素は、第1のループバック信号および基準信号から形成された第1のループバックビート信号であり、第2の信号要素は、第2のループバック信号および基準信号から形成された第2のループバックビート信号である。
【0014】
いくつかの実施形態では、基準信号は光信号を含む。
【0015】
いくつかの実施形態では、方法は、第1のスパンに沿った振動、温度、湿度および圧力摂動を検出することを含む。
【0016】
いくつかの実施形態では、方法は、検出された動的変化から第1のスパンの動的環境変化検出を実行することを含む。
【0017】
いくつかの実施形態では、方法は、地震検出、例えば、地震の検出を行うことを含む。
【0018】
いくつかの実施形態では、第1のスパンに沿った動的変化を検出することは、光学周波数領域反射測定(OFDR)を用いることを含む。
【0019】
いくつかの実施形態では、複数のスパンは、各々、第1のスパンについて挙げられたように構成され、結果として、第1のスパンについて挙げられたように、応答信号が各スパンのそれぞれのループバック信号を含むこととなり、それぞれのループバック信号からのそれぞれのスパンに沿った動的変化を検出するためのステップは、第1のスパンについて挙げられたとおりである。
【0020】
本発明の別の態様によれば、動的変化を検出するためのシステムであって、
光ファイバ構成の順方向経路に光信号を送信するように構成された光送信機であって、光ファイバ構成は第2の経路を含み、複数のノードによって複数のスパンに構成され、複数のノードは、光ファイバ構成の第1の端部と第2の端部との間にあり、第1のスパンは第1の端部の第1のノードと、第2の端部の第2のノードとを有し、第1のノードおよび第2のノードの各々は、順方向経路からの光信号の順方向伝播を第2の経路にフィードするように構成された、順方向経路から第2の経路へのフィードを含む、光送信機と、
第2の経路から受信した応答信号を処理するように構成された光プロセッサであって、応答信号は、第1のループバック信号および第2のループバック信号を含み、第1のループバック信号は、第1のノードのフィードを介して第2の経路にフィードされた光信号を含み、第2のループバック信号は、第2のノードのフィードを介して第2の経路にフィードされた光信号を含み、
応答信号から、それぞれ第1のループバック信号および第2のループバック信号に関する第1の信号要素および第2の信号要素を得て、
第1の信号要素と第2の信号要素との間の差分の動的変化から、第1のスパンに沿った動的変化を検出するように構成される、光プロセッサと、
を備える、システムが提供される。
【0021】
いくつかの実施形態では、光送信機は、光信号が少なくとも1つの周波数掃引を含むように、光信号の周波数を掃引するように構成される。
【0022】
いくつかの実施形態では、光プロセッサは、第1のスパンに沿って検出された動的変化から、第1のスパンの動的環境変化検出を行うように構成される。
【0023】
いくつかの実施形態では、複数のスパンは、各々、第1のスパンについて挙げられたように構成され、結果として、第1のスパンについて挙げられたように、応答信号が各スパンのそれぞれのループバック信号を含むこととなり、光プロセッサは、第1のスパンについて挙げられたように、それぞれのループバック信号からのそれぞれのスパンに沿った動的変化を検出するためのステップを実行するように構成される。
【0024】
本発明の態様によれば、光ファイバ構成を用いた動的変化検出の方法であって、光ファイバ構成は順方向光学経路および第2の光学経路を含み、光ファイバ構成は、複数のノードによって複数のスパンに構成され、複数のノードは、光ファイバ構成の第1の端部と第2の端部との間にあり、複数のノードの各々は、順方向経路からの光信号の順方向伝播が複数のノードの各々における第2の経路にフィードし、対応するループバック信号をループバックするように、順方向経路から第2の経路へのフィードを含み、複数のスパンの各々は、フィードのうちの1つまたは複数に関連付けられており、方法は、
光信号を順方向経路内に送信することであって、光信号の周波数は、光信号が少なくとも1つの周波数掃引を含むように掃引されることと、
第2の経路から応答信号を受信することであって、応答信号は、フィードの各々に対応するループバック信号を含むことと、
ループバック信号の周波数に基づいて、ループバック信号の各々に関する信号要素を得ることと、
複数のスパンの各々について、関連付けられたフィードに対応するループバック信号に関連する信号要素からスパンに沿った動的変化を検出することと、
を含む、方法が提供される。
【0025】
いくつかの実施形態では、方法は、複数のスパンの各々について、関連付けられたフィードに対応するループバック信号に関する信号要素における位相、周波数、強度および偏光のうちの1つまたは複数の動的変化から、好ましくは位相および/または周波数の動的変化から、スパンに沿った動的変化を検出することを含む。
【0026】
いくつかの実施形態では、少なくとも1つの周波数掃引の各々は、連続して変動する周波数を有する。
【0027】
いくつかの実施形態では、信号要素は、各々がそれぞれのループバック信号および基準信号から形成されたビート信号であり、方法は、複数のスパンの各々について、関連付けられたフィードに対応するループバック信号から形成されたビート信号の動的変化から、スパンに沿った動的変化を検出することを含む。
【0028】
いくつかの実施形態では、基準信号は光信号を含む。
【0029】
いくつかの実施形態では、ビート信号の動的変化は、位相、周波数、強度および偏光のうちの1つまたは複数の動的変化であり、好ましくは、位相および/または周波数の動的変化である。
【0030】
いくつかの実施形態では、複数のスパンの各々について、スパンに沿った動的変化を検出することは、第1の関連付けられたフィードに対応するループバック信号に関連する動的変化を、第2の関連付けられたフィードに対応するループバック信号に関連する動的変化と差別化することを含む。
【0031】
いくつかの実施形態では、方法は、複数のスパンの各々に沿った振動、温度、湿度および圧力摂動を検出することを含む。
【0032】
いくつかの実施形態では、方法は、検出された動的変化から複数のスパンの各々について動的環境変化検出を実行することを含む。
【0033】
いくつかの実施形態では、方法は、地震検出、例えば、地震の検出を行うことを含む。
【0034】
いくつかの実施形態では、複数のスパンの各々について、スパンに沿った動的変化を検出することは、光学周波数領域反射測定(OFDR)を用いることを含む。
【0035】
本発明の別の態様によれば、動的変化を検出するためのシステムであって、
光信号を光ファイバ構成の順方向経路内に送信するように構成された光送信機であって、光ファイバ構成は第2の経路を含み、複数のノードによって複数のスパンに構成され、複数のノードは、光ファイバ構成の第1の端部と第2の端部との間にあり、ノードのうちの少なくとも1つは、順方向経路からの光信号の順方向伝播を第2の経路にフィードし、対応するループバック信号をループバックするように構成された、順方向経路から第2の経路へのフィードを含み、複数のスパンの各々はフィードのうちの1つまたは複数に関連付けられる、光送信機と、
第2の経路から受信した応答信号を処理するように構成された光プロセッサであって、応答信号は、フィードの各々に対応するループバック信号を含み、
ループバック信号の周波数に基づいて、ループバック信号の各々に関する信号要素を得て、
複数のスパンの各々について、関連付けられたフィードに対応するループバック信号に関連する信号要素からスパンに沿った動的変化を検出するように構成される光プロセッサと、を備え、
光送信機は、光信号が少なくとも1つの周波数掃引を含むように、光信号の周波数を掃引するように構成される、システムが提供される。
【0036】
いくつかの実施形態では、光プロセッサは、それぞれのスパンに沿って検出された動的変化から、複数のスパンの各々の動的環境変化検出を行うように構成される。
【0037】
本発明の態様によれば、光ファイバ構成を用いた動的変化検出の方法であって、光ファイバ構成は順方向光学経路および第2の光学経路を含み、光ファイバ構成は、複数のノードによって複数のスパンに構成され、複数のノードは、光ファイバ構成の第1の端部と第2の端部との間にあり、ノードのうちの少なくとも1つは、順方向経路からの光信号の順方向伝播が第2の経路にフィードするように、順方向経路から第2の経路へのフィードを含み、方法は、
順方向経路に光信号を送信することと、
第2の経路から応答信号を受信することであって、応答信号はループバック信号を含み、ループバック信号は、フィードを介して第2の経路にフィードされた光信号を含むことと、
ループバック信号からのフィードに関連付けられたスパンに沿った動的変化を検出することと、
を含む、方法が提供される。
【0038】
いくつかの実施形態では、ループバック信号からのフィードに関連付けられたスパンに沿った動的変化を検出することは、ループバック信号の動的変化から、フィードに関連付けられたスパンに沿った動的変化を検出することを含む。
【0039】
いくつかの実施形態では、各ノードは、順方向経路からの順方向伝播が、複数のノードの各々において第2の経路にフィードし、対応するループバック信号をループバックするように、順方向経路から第2の経路へのフィードを含み、応答信号は、フィードの各々に対応するループバック信号を含み、各スパンは、フィードのうちの1つまたは複数に関連付けられ、方法は、
少なくとも1つのスパンについて、1つまたは複数の関連付けられたフィードに対応するループバック信号から、スパンに沿った動的変化を検出することを含む。
【0040】
いくつかの実施形態では、少なくとも1つのスパンの各々について、1つまたは複数の関連付けられたフィードに対応するループバック信号から、スパンに沿った動的変化を検出することは、1つまたは複数の関連付けられたフィードに対応するループバック信号の動的変化から、スパンに沿った動的変化を検出することを含む。
【0041】
いくつかの実施形態では、スパンごとに、1つまたは複数の関連付けられたフィードは、1つまたは複数の隣接フィードである。
【0042】
実施形態において、順方向経路は第1の方向にあり、第2の経路は第1の方向と反対の第2の方向にあり、第2の経路にフィードする順方向経路からの順方向伝播は、ノード、特にフィードが、第1の方向における順方向経路上を進行している光信号の少なくとも一部分を、第2の方向における第2の経路に転送して、対応するループバック信号を提供するように構成されることを意味する。
【0043】
本発明の実施形態は、ケーブル長全体に沿って局所化された動的変化検出を提供することができるという利点を提供する。
【0044】
反射ではなく特定のフィードを用いることによって、本発明の実施形態は、DASを用いて従来達成されるよりも長いケーブル距離に沿った検知を行うのに用いることができる強力な信号を返すことができる。これを用いて、単一のロケーションにおいて、複数のロケーションにおいて、および/またはファイバ構成全体にわたって、空間分解能を用いて変化を検出することができる。これを用いて、地震、津波等の動的環境変化を検出および位置特定することができる。
【0045】
多くの海底ケーブルにおいて既に存在する、順方向伝播ループバックフィードまたはHLLB経路と共に用いられるとき、本発明の実施形態は、空間分解能のためにリピータノードを活用することができる。HLLB経路は既に存在するため、これは、追加の構成要素が、海底ケーブルのアクセス困難なスパンおよびリピータに加えられることを必要とすることなく行うことができる。
【0046】
実施形態において、前記または各ループバック信号は、それぞれのフィード/ノードとの間で光信号およびループバック信号によって往復してトラバースされる光ファイバ構成に沿った動的変化に関する。これは、ループバック信号を形成する光信号の部分によって、次に戻りのループバック信号によってトラバースされるそれぞれのフィード/ノードへの光学経路が、任意のそのような動的変化によって影響を受けることに起因する。
【0047】
いくつかの実施形態では、スパンに沿った動的変化を検出することは、スパンの長さ全体を通じた光伝播に対する動的変化を検出することを含む。
【0048】
いくつかの実施形態では、各ノードは隣接するスパン間にある。
【0049】
いくつかの実施形態では、光信号の複数のインスタンスが存在することができ、結果としてループバック信号の複数のインスタンスが得られる。前記または各ループバック信号の動的変化は、例えば光信号の異なるインスタンスの結果として得られる、前記もしくは各ループバック信号の異なるインスタンス間の動的変化を含むことができ、かつ/または前記もしくは各ループバック信号の単一のインスタンス内で生じる動的変化を含むことができることに留意されたい。
【0050】
当然ながら、送信された光信号における任意の変化は、ループバック信号の動的変化であるとみなされないことに留意されたい。
【0051】
いくつかの実施形態では、方法は、ループバック信号の周波数に基づいて、ループバック信号の各々に関する信号要素を得ることと、少なくとも1つのスパンの各々について、1つまたは複数の関連付けられたフィードに対応するループバック信号に関連する信号要素からスパンに沿った動的変化を検出することとを含む。
【0052】
いくつかの実施形態では、方法は、第2の経路の端部の光プロセッサにおけるループバック信号の受信時点に基づいてループバック信号を区別することを含む。
【0053】
いくつかの実施形態では、単数または複数のループバック信号の動的変化は、光信号と比較した動的変化を含み、かつ/または順方向経路および第2の経路における伝播の変化の結果としての動的変化のみを含む。
【0054】
いくつかの実施形態では、単数または複数のループバック信号の動的変化から、少なくとも1つの前記スパンまたは各スパンに沿った動的変化を検出することは、それぞれの単数または複数のループバック信号の内部特徴の動的変化からそれぞれのスパンに沿った動的変化を検出することを含む。
【0055】
いくつかの実施形態では、内部特徴は、周波数、偏光、波長、位相、強度からなる群から選択される。
【0056】
いくつかの実施形態では、方法は、光信号が連続して変動する周波数掃引を有するように、かつ/または光信号が少なくとも1つの周波数掃引を含むように、光信号の周波数を掃引することを含み、好ましくは、少なくとも1つの周波数掃引の各々が連続して変動する周波数を有する。
【0057】
いくつかの実施形態では、方法は、少なくとも1つの前記スパンまたは各スパンについて、関連付けられたフィードおよび基準信号に対応するループバック信号から形成されたビート信号の動的変化から、スパンに沿った動的変化を検出することを含む。
【0058】
いくつかの実施形態では、基準信号は光信号を含む。
【0059】
いくつかの実施形態では、ビート信号の動的変化は、位相、周波数、波長、強度、偏光のうちの1つまたは複数の動的変化である。
【0060】
いくつかの実施形態では、少なくとも1つの前記スパンまたは各スパンについて、スパンに沿った動的変化を検出することは、第1の関連付けられたフィードに対応するループバック信号に関する動的変化を、第2の関連付けられたフィードに対応するループバック信号に関係する動的変化と差別化することを含む。
【0061】
いくつかの実施形態では、方法は、少なくとも1つの前記スパンまたは各スパンに沿った振動、温度、湿度および圧力摂動を検出することを含む。
【0062】
いくつかの実施形態では、方法は、検出された動的変化から少なくとも1つの前記スパンまたは各スパンについて動的環境変化検出を実行することを含む。
【0063】
いくつかの実施形態では、方法は、地震検出、例えば、地震の検出を行うことを含む。
【0064】
いくつかの実施形態では、少なくとも1つの前記スパンまたは各スパンについて、スパンに沿った動的変化を検出することは、光学周波数領域反射測定(OFDR)を用いることを含む。
【0065】
本発明の別の態様によれば、動的変化を検出するためのシステムであって、
光信号を光ファイバ構成の順方向経路内に送信するように構成された光送信機であって、光ファイバ構成は第2の経路を含み、複数のノードによって複数のスパンに構成され、複数のノードは、光ファイバ構成の第1の端部と第2の端部との間にあり、ノードのうちの少なくとも1つは、順方向経路からの光信号の順方向伝播を第2の経路にフィードするように構成された、順方向経路から第2の経路へのフィードを含む、光送信機と、
第2の経路から受信した応答信号を処理するように構成された光プロセッサであって、応答信号はループバック信号を含み、ループバック信号は、フィードを介して第2の経路にフィードされた光信号を含み、
ループバック信号からのフィードに関連付けられたスパンに沿った動的変化を検出するように構成される、光プロセッサと、
を備える、システムが提供される。
【0066】
いくつかの実施形態では、ループバック信号からのフィードに関連付けられたスパンに沿った動的変化を検出することは、ループバック信号の動的変化から、フィードに関連付けられたスパンに沿った動的変化を検出することを含む。
【0067】
いくつかの実施形態では、各ノードは、順方向経路からの順方向伝播が、複数のノードの各々において第2の経路にフィードし、対応するループバック信号をループバックするように、順方向経路から第2の経路へのフィードを含み、応答信号は、フィードの各々に対応するループバック信号を含み、各スパンは、フィードのうちの1つまたは複数に関連付けられ、光プロセッサは、
少なくとも1つのスパンについて、1つまたは複数の関連付けられたフィードに対応するループバック信号から、スパンに沿った動的変化を検出するように構成される。
【0068】
いくつかの実施形態では、少なくとも1つのスパンの各々について、1つまたは複数の関連付けられたフィードに対応するループバック信号から、スパンに沿った動的変化を検出することは、1つまたは複数の関連付けられたフィードに対応するループバック信号の動的変化から、スパンに沿った動的変化を検出することを含む。
【0069】
いくつかの実施形態では、光プロセッサは、それぞれのスパンに沿って検出された動的変化から、少なくとも1つの前記スパンまたは各スパンの動的環境変化検出を行うように構成される。
【0070】
本発明の態様によれば、上記で挙げたシステムのうちの任意のものに結合された光学構成が提供され、この光学構成は、光送信機および光検出器を備え、光検出器は光プロセッサに結合可能である。
【0071】
上記で挙げたシステムは、上記で挙げられた対応する方法を実行するように用いられるように構成され、したがって、システムは、対応する方法の好ましいおよび/または任意選択のステップのうちの任意のものを実行するように構成することができることを理解されたい。
【0072】
上記で挙げられたシステムの任意のものの処理ユニット/光プロセッサは、上記で挙げられた方法のうちの任意のもののステップのうちの任意のものを実行するように構成することができる。
【0073】
システムは、単一のロケーションにおいて構成することができるか、または適切な通信リンクを有する分散システムとすることができる。
【0074】
本発明の態様によれば、環境検出のためのHLLBを用いる方法が提供される。
【0075】
本発明の実施形態は、添付の図面を参照して、単なる例として以下で説明される。
【図面の簡単な説明】
【0076】
図1】本発明の実施形態において用いられる、一般的な通信用光リンクの概略図である。
図2図1のシステムにおけるループバック経路フィードの概略図である。
図3図1のシステムの概略図である。
図4図1のシステムの一部の概略図である。
図5図1のシステムの方法の一部を示すプロットである。
図6】本発明の実施形態によるシステムの概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0077】
以下で詳細に説明されるように、本発明の実施形態は、高損失ループバック経路(HLLB)として多くの光ファイバ構成に内蔵された順方向伝播ループバック経路を用いて、高い分解能で動的環境検知および変化検出を実行することができる。従来、高損失ループバック経路を用いて、光学増幅器の健全性を試験する。しかしながら、後述するように、本発明の実施形態は、ループバックシステムを利用して、ファイバスパンに沿った環境変化を動的に測定することができる。
【0078】
上述したように、高空間分解能を用いて環境検知を行うための既存の技法は、分散音響検知(DAS)と呼ばれる。この場合、ファイバにおける不均質性によって反射される光が解析される。パルスが送信され、ファイバに沿って異なる距離に対応する異なる時点の戻り信号を解析することによって情報が抽出される。この技法は良好に機能するが、低レベルの戻り信号に起因して、最初の数十kmに限られる。これとは対象に、本発明の実施形態は、ファイバにおける反射ではなく、事前構成されたループバックフィードにおいて返された順方向伝播信号を用いる。これは、強力な信号が返されるようにすることができ、長距離にわたる効果的なモニタリングを可能にする。
【0079】
他の既知の技法において、位相または偏光ベースの地震検出技法は、海底ケーブル(大陸間リンクの場合、5,000km~7,000km)の全長にわたって統合された信号を提供する。これと対照的に、本発明の実施形態における既存の埋め込まれた高損失ループバック(HLLB)を用いることによって、ケーブルは、複数のセクション、例えば、50~80kmのセクションに「スライス」することができるが、これらはより短くても、またはより長くてもよく、ケーブルを複数のセンサ、例えば、いくつかの場合、1つのみではなく、100超のセンサに効果的に変換することができる。
【0080】
本発明のいくつかの実施形態において、送信された光信号の周波数を掃引することによって、異なるリピータからループバックされた信号に関連する信号要素を、周波数に基づいて好都合に区別することができ、実質的に連続したモニタリングが実行されることを可能にする。
【0081】
本発明のいくつかの実施形態において、セクションの端部から信号間の差分を取得し、それによって、ケーブルの他の部分からのノイズが相殺されることが可能になることで、高感度の局所化された検出を行うことができる。これにより、ケーブルの他のセクションについて他の検出が同時に行われることも促進される。
【0082】
本発明の実施形態は、添付の図面を参照して理解することができる。
【0083】
図1は、本発明の実施形態のシステムを形成する、第1のケーブル陸揚局6と、第2のケーブル陸揚局8との間の光ファイバ構成10の形態の典型的な通信用光リンクの概略図である。光リンクは、1つまたは複数の海底ケーブルの形態をとる。
【0084】
光ファイバ構成10は2つのファイバ(ファイバペア)を含み、ファイバペアは、第1のファイバ12および第2のファイバ14である。各ファイバ12、14は、1つの伝播方向のために用いられる。ファイバ12、14は、環境変化が第1および第2のファイバに実質的に同様に影響を及ぼすように、通常ゲルで充填された共通チューブと実質的に平行でありかつ隣接し、任意選択でこれに取り付けられ、これに含まれるように構成される。
【0085】
海底ケーブルは、典型的には、光ファイバの損失が多く、信号が50~80kmごとに再生される必要があることに起因して、リピータ16を有する。図1に示すことができるように、第1および第2のファイバの各々は、この方式で複数のリピータ16を含む。この実施形態において、リピータ16は光増幅器(光/電気変換なし)である。隣接するリピータ16の各ペア間の光ファイバ構成は、スパン18と呼ばれる。換言すれば、光ファイバ構成は、複数のノードによって複数のスパン18に構成されると述べることができ、複数のノードは、光ファイバ構成の第1および第2の端部間にあり、各スパンの各端部にノードが存在する。ノードはこの実施形態においてリピータ16によって提供される。各ノードは隣接するスパン間にある。この実施形態において、増幅器は単方向である。
【0086】
第1のファイバ12は、第1の方向における第1の光学経路を提供すると述べることができ、第2のファイバ14は、第1の方向と反対の第2の方向に第2の光学経路を提供すると述べることができるが、他の実施形態では、ファイバ構成は、例えば増幅器が双方向性である場合、双方の経路を提供する単一のファイバを含むことができる。この論考において、第1の経路は順方向経路とみなすことができる。
【0087】
図1におけるリピータ16等の現代のリピータは、図2においてより明確に見て取ることができるように、第1のファイバ12における第1の経路から第2のファイバ14における第2の経路への埋め込まれた順方向伝播ループバック経路フィード20を有する。光増幅器16からの光パワーの僅かな割合(通常、10%以下)が第2のファイバの第2の経路に入射する。このようにして、第1の経路は、複数のノードの各々における順方向伝播において第2の経路にフィードし、これはすなわち、各ノードは、第1の方向の第1の経路上で進行している光の少なくとも一部を、ループバック経路フィード20を介して、第2の方向の第2の経路に変換し、第2の経路におけるループバック信号を形成するように構成される。
【0088】
これにより、光の損失の多い戻り経路が生成される。これは、通常、高損失ループバック(HLLB)と呼ばれる。このループは、(利得を測定することによって)光増幅器の健全性を試験するのに従来用いられる。ファイバは非常に広い範囲の波長を送信することができるが、これらのループバックは、通常、波長固有である(光フィルタを用いることによる)。
【0089】
上述したように、第2の経路は順方向伝播においてフィードされ、これは、ファイバ内の反射に依存する上述した従来のDAS技法と対照的に、光信号が第1および第2の光学経路を通るそのルート上で光学経路に対し単方向に進行することを意味する。
【0090】
各端部からノード(リピータ16)ごとに順方向伝播ループバック経路フィード18(HLLB)が存在することになるため、システムは、増大する長さの光について戻り経路を提供する。各戻り経路は、それぞれのループバック経路フィード、および第2の経路の少なくとも一部分を含み、第2の経路へのそれぞれのループバック信号に寄与する。合わせて、ループバック信号は応答信号を形成し、これがファイバ構成の第1の端部の光プロセッサにおいて受信される。
【0091】
ファイバ構成の第1の端部において受信されるとき、各ループバック信号は、それぞれのノードとの間で光信号およびループバック信号によって往復してトラバースされる光ファイバ構成に対する動的変化に関する。これは、ループバック信号を形成する光信号の部分によって、次に戻りのループバック信号によってトラバースされるそれぞれのノードへの光学経路長が、任意のそのような動的変化によって影響を受けることに起因する。
【0092】
当然ながら、第2のケーブル陸揚局8から送信された反対方向に進行する光について、第2の経路から第1の経路へのループバック経路フィードの類似のセットが存在する。これは、第1の経路またはその一部分を戻り経路として用い、ここでは第2の経路を順方向経路とみなすことができる。したがって、この論考の全ては、第2のケーブル陸揚局8における第2の経路内に送信され、戻り経路として作用する第1の経路を介して第2のケーブル陸揚局8に戻される光に、必要な変更を加えて適用することができる。
【0093】
第1のケーブル陸揚局6は、光信号を、ファイバ構成の第1の端部に、第1の経路の第1の端部へと送信するように構成された光送信機を含む。この実施形態において、光送信機は、その周波数を直接または外部デバイスを介して掃引することができるレーザを含み、方法は、光周波数領域反射測定(OFDR)を用いるが、これは全ての実施形態において必須ではない。OFDR技法の名称は、通常用いられる方式である反射測定を指すが、本開示から、この実施形態において用いられている技法は実際に反射を用いないことが明らかであろう。
【0094】
この実施形態において、光送信機は、光信号の周波数を掃引するように構成された外部変調器を含む。しかしながら、他の実施形態において、レーザ自体を、掃引周波数を生成するように構成することができる。この実施形態において、レーザは、レーザ周波数における変化の結果として各スパンにわたって測定される変化が、測定される環境摂動によって生じる変化よりも実質的に小さくなる、好ましくは、少なくとも2分の1または3分の1、すなわち、2分の1または3分の1以下になるように実質的に安定している。
【0095】
この実施形態において、光信号機はレーザを含むが、他の実施形態において、光送信機は、レーザまたは他の光源から第1の経路の第1の端部に光を伝達するように構成された光ファイバまたは他の光学構成とすることができる。この実施形態において、周波数掃引は、ループバック経路フィード20の波長帯域内にある。
【0096】
本開示における光への言及は、光ファイバ構成内で伝播することができる任意の波長を含むことができることに留意されたい。この実施形態において、これは、通信用波長帯域(1530~1560nm)における赤外光を含むが、光ファイバ構成において伝播することができる他の波長帯域も更にまたは代替的に含まれてもよい。
【0097】
第1のケーブル陸揚局6は、第2の経路からの応答信号を受信および処理するように構成された、第2の経路の端部のファイバ構成の第1の端部の光プロセッサも含む。
【0098】
この実施形態において、第1のケーブル陸揚局6は、光送信機を用いて、光信号を第1の経路の第1の端部に、それによって第1の経路内に送信する。光信号の周波数は、掃引ごとに光信号が連続変動周波数を有するように、レーザの周波数を掃引することによって、所定のレートで掃引される。この実施形態において、光信号の周波数は、100msごとにリセットする鋸歯状波形で掃引され、各掃引はリセット間で行われる。したがって、周波数は、掃引間で、周波数がその初期値にリセットされるのにかかる時間において掃引を一時的に停止する。
【0099】
光信号は各スパンに沿って通過するため、その位相は、スパンに対する動的環境変化による影響を受ける。この結果、第1のケーブル陸揚局6への戻り信号の位相変化が生じることになる。
【0100】
各ノード(リピータ16)において、第1の経路において順方向に伝播する光信号の一部分が、それぞれのループバック経路フィード20を介して第2の経路にフィードされ、ループバック信号を提供する。
【0101】
ループバック信号は、第2の経路において第1のケーブル陸揚局6に戻り、結合して応答信号を形成する。
【0102】
ループバック信号が第2の経路において戻る際、位相がスパンに対する任意の動的環境変化による影響を受ける。
【0103】
第1のケーブル陸揚局6において、応答信号が受信され、光プロセッサによって処理される。この実施形態において、光プロセッサは、受光素子の形態の光検出器を含み、応答信号を処理することは、受光素子における応答信号およびこの実施形態では光信号である基準信号を光学的に結合することによって形成された応答ビート信号を検出することと、応答ビート信号を電気信号に変換することとを含む。しかしながら、他の実施形態において、光検出器は、ビート信号を形成することなく応答信号を検出し得る。
【0104】
この実施形態は光検出器を用いて電気信号を生成するが、他の実施形態において、光プロセッサは、光領域において応答信号を処理することができる。
【0105】
ノードは、それぞれ、第1のケーブル陸揚局6から異なる距離にあるが、各ループバック信号は、基準信号と比較して異なる周波数差で光プロセッサに到達する。したがって、応答ビート信号は、異なる周波数における複数のループバックビート信号を含み、各ループバックビート信号はノードおよびループバック信号に対応し、受光素子における対応するループバック信号および光信号を光学的に結合することによって形成される。各ループバックビート信号の周波数は、受信された対応するループバック信号の周波数と、同時に送信される光信号の周波数との差分である。
【0106】
この実施形態において、ループバックビート信号は、光プロセッサにおいて受信されたループバック信号および同時に送信された光信号から形成されることに留意されたい。
【0107】
光プロセッサは、光送信機に通信可能にリンクされ、後述のように信号処理ならびに変化検出およびモニタリングを行うように構成される。この実施形態において、この処理は、応答ビート信号の検出後に電子的に実行されるが、他の実施形態において上述したように、そのうちのいくつかまたは全てを光学領域において実行することができる。光プロセッサは、処理を待機する際に信号を記憶し、任意選択で結果を記憶するメモリを含むことができる。これは、任意の形態でユーザに出力を提供するための出力を含むことができる。第2のケーブル陸揚局8において、順方向経路として第2の光学経路を動作させるための類似の光プロセッサが存在することができる。
【0108】
光プロセッサは、第1のケーブル陸揚局6または第2のケーブル陸揚局8にあるものとして記載されているが、データの通過を可能にする適切な通信リンクが存在するならば、完全にケーブル陸揚局にある必要がなく、一部はケーブル陸揚局から遠隔にあってもよく、いくつかのロケーションにわたって分散されていてもよい。例えば、光プロセッサが電気信号を生成するための光検出器を含む場合、電気信号はデータ信号に変換することができ、これを更なる処理のために異なるロケーションに中継することができる。
【0109】
ループバックビート信号の周波数に基づいて、ループバックビート信号は、応答ビート信号と区別および分離される。換言すれば、ループバック信号の各々は異なる周波数にあるため、これらは互いに区別することができ、各々が対応するループバックフィードと照合される。
【0110】
言い換えると、信号要素、この実施形態においてはループバック信号の各々に関係するループバックビート信号は、応答信号から得られる。後述されるように、これらにより、個々のループバック信号の動的変化から最終的に導出される検出が行われることが可能になる。
【0111】
各スパンは、関連ループバックフィードおよびノードに関連付けられる。したがって、ほとんどのスパンは、2つの関連付けられたループバックフィードおよびノードと、光送信機に対しスパンの遠位端にある第1の関連付けられたフィードと、光送信機に対しスパンの近位端にある第2の関連付けられたフィードとを有する。
【0112】
各スパン18について、スパンに沿った動的変化が、関連付けられたループバック信号のうちの1つまたは複数からの単数または複数のループバック信号の動的変化から検出される。
【0113】
この実施形態において、スパンに沿った動的変化は、第1の関連付けられたフィードに対応するループバックビート信号の、特にその位相変化の動的変化から検出される。動的変化は、入射光に対する戻り光の任意の位相変化から検出される。しかしながら、以下に論じられるように、この実施形態において、ループバックビート信号は、第1の関連付けられたフィードまでのファイバ構成に沿った動的変化を明らかにし、このため、大部分のスパンにわたって、特にスパンに沿った動的変化を分離するために更なる処理が実行される。
【0114】
例えば、図5は、3つの信号について、時間に対する周波数を示す。第1のケーブル陸揚局の光送信機によって送信される光信号の周波数が掃引する。光プロセッサにおいて受信される第1のノード(HLLB1)からのループバック信号における戻り掃引が赤色で示され、光プロセッサにおいて受信される第2のノード(HLLB2)からのループバック信号における戻り掃引が緑色で示される。送信された光信号掃引からそれぞれの受信されたループバック信号掃引への時間軸距離が、それぞれのノードに対するラウンドトリップ遅延を示す。見て取ることができるように、各受信ループバック信号は、同時に送信される光信号から概ね一貫した周波数差分(それぞれf1、f2)を有する。ループバック信号は、これらの周波数差分に対応する周波数を有する。これらのループバックビート信号の位相の変化は、光送信機と、それぞれのノードとの間のおよび戻りの、ファイバ構成における光伝播の変化を示す。
【0115】
変化は、伝播時間の変化に由来する。しかし:
1.ドップラーから生じる変化は1次であり、主に測定されるものである。
2.2次変化は、2つの掃引スロープがサンプリングされる時点における変動から生じる。
【0116】
ループバックビート信号は、2つの部分、すなわちオフセットおよび動的部分から構成される。上記の1は動的部分(位相変化から伝播時間の変化)に関し、上記の2は、伝播時間の変化に起因したオフセットの変調に関する。これは、直接変化よりも小さい。
【0117】
したがって、ループバックビート信号の動的変化は、ループバックビート信号における任意の位相変化に関する。
【0118】
論じられるように、ループバックビート信号の動的変化は、スパンに沿った動的変化を明らかにするのみでなく、第1のケーブル陸揚局6から関連付けられたループバックフィードへの全体ファイバ構成に沿って統合された動的変化を明らかにする。しかしながら、適宜、これらは、スパンに沿った動的変化を分離するために、ファイバ構成の第1の端部により近い隣接ループバックフィードについて決定された、統合された動的変化から区別されてもよい。
【0119】
この実施形態において、双方の端部にノードを有するスパンについて、スパンに沿った動的変化は、第1の関連付けられたフィードに対応するループバックビート信号と、第2の関連付けられたフィードに対応するループバックビート信号との間の差分の動的変化から検出される。この実施形態において、スパンに沿った動的変化は、位相の動的変化から検出されるが、他の実施形態において、これは、更にまたは代替的に、前記差の周波数の動的変化から検出されてもよい。換言すれば、スパンに沿った動的変化は、差分信号の動的変化から検出され、差分信号は、第1の関連付けられたフィードに対応するループバックビート信号から減算された第2の関連付けられたフィードに対応するループバックビート信号である(当業者であれば、この文脈における差分とは、周波数の差分であり、換言すれば、減算は、一方の周波数の、他方の周波数からの減算であることを理解されよう)。この差分を取ることは、方法の感度を大幅に増大させることができるという特定の利点を有する。特に、第1の関連付けられたフィードに対応するループバックビート信号と、第2の関連付けられたフィードに対応するループバックビート信号との間の差分を取ることによって、方法は、光信号に起因するループバック信号、および送信機のより近くにある光ファイバにおける他のスパンを通過するループバック信号において蓄積したノイズを実質的に除去することができる。ノイズは、差分を取ることによって抑制されることになる。これは、実質的に、システムの感度を、当該のスパンに沿った動的変化まで増大させる。
【0120】
上述したように、この実施形態において、スパンに沿った動的変化は、差分信号の位相の動的変化から検出される。
【0121】
他の実施形態において、第1の関連付けられたフードまでのファイバ構成に沿った動的変化は、第1の関連付けられたフィードに対応するループバックビート信号の動的変化から検出され、第2の関連付けられたフードまでのファイバ構成に沿った動的変化は、第2の関連付けられたフィードに対応するループバックビート信号の動的変化から検出され、スパンに沿った動的変化は、第1の関連付けられたフードまでのファイバ構成に沿った動的変化から第2の関連付けられたフードまでのファイバ構成に沿った動的変化を減算することによって検出される。
【0122】
いくつかの他の実施形態において、光検出器は、応答信号を直接検出することができる。そのような実施形態において、ループバック信号自体の形態の信号要素を、ループバック信号の周波数に基づいて応答信号から区別および分離することができ、ここで、これらの周波数は、光信号が掃引された結果として経時的に変化していることに留意されたい。次に、ループバック信号を互いにまたは光信号と比較して、ループバック信号の位相(または他の内部特徴)の動的変化から、スパンに沿った動的変化を検出することができる。これは例えばループバックビート信号に関して上記で論じたものに対応する方式で、第1の関連付けられたフィードに対応するループバック信号と、第2の関連付けられたフィードに対応するループバック信号との間の差分の動的変化から、スパンに沿った動的変化を検出することによって行うことができるが、この場合、信号は直接検出されたため、ビート信号ではない。
【0123】
スパンに沿った動的変化が解析され、スパン18に沿った動的環境変化が検出される。理解することができるように、スパンの長さ全体を通じた光伝播に対する動的変化が検出され、したがって、スパンの長さ全体に沿った動的環境変化が検出される。
【0124】
図4を参照すると、2つの連続ノード(リピータ16)から信号を減算することによって、リピータ16間の各スパン18によって検知された環境的に誘導された信号を分離することができる:
スパン1=リピータA
スパン2=リピータB-リピータA
スパン3=リピータC-リピータB
【0125】
これは、ファイバの長さ全体について単一の出力信号を有するのではなく、ケーブルが、スパンの数と同じ数のセクションに「分割」されることを意味する。
【0126】
ループバックビート信号とも呼ばれる各ループ信号が、陸上からそのポイントまでの環境ノイズに関する情報も搬送することに留意されたい。例えば、3つの100kmスパンからなる300kmのリンクを有する場合、
A=陸上
B=100kmにおけるリピータ
C=200kmにおけるリピータ
D=300kmにおけるリピータ
A-Bスパンにおける環境変化は(AからBのループデータ)として計算される
B-Cスパンにおける環境変化は(AからCのループデータ)-(AからBのループデータ)として計算される
C-Dスパンにおける環境変化は(AからDのループデータ)-(AからCのループデータ)として計算される
【0127】
したがって、この実施形態は、スパンの各端部のノードから返される信号間の差分を取らない実施形態と比較して、より低い検出閾値(したがって、より高い感度)を、例えば以下のように提供することができる。図6は、図1の実施形態に則って構成される実施形態を示す。以下の光学経路から2つのループバック信号を得る:
S1:TX-B-TX
S2:TX-A-TX
S3:TX-D-TX
S4:TX-EーTX
【0128】
ここで、S1、S2、S3およびS4は、示された経路上の測定された動的位相変化である。
【0129】
S4-S3の差分を取る場合、D-Eスパンにおいてのみ検出された、環境的に誘導された摂動を得る。これは、ケーブルに沿った摂動を1スパン長精度に局所化するが、別の重要な結果も有する。測定ノイズフロア(地震の場合、検出閾値)は、D-Eスパンにおいて蓄積される背景ノイズのみに依拠する。TXとDとの間で蓄積されるノイズは、双方のループバックにおいて一般的であるようにドロップアウトする(このため、差分を計算するときに抑圧される)。他の摂動が光学経路TX-Dにおいて(例えば、図6におけるスパンA-Bにおいて)同時に存在する場合、これらはD-Eスパン上で検出される光学的位相変化に寄与しない。
【0130】
加えて、示されるように、異なるスパン上の同時のイベントを検出することができる(黒い波形)。
【0131】
当然ながら、ファイバ構成のより長いセクションにわたる統合された動的変化を検出するために、2つ以上の隣接スパンを単一のスパンとして扱うことができ、この場合、中間ノードを無視することができる。加えて、方法およびシステムを用いて、例えば1つのスパンが高い地震活動のエリアに交差する場合、ファイバ構成の残りの部分にわたって生じる変化を無視しながら、単一の特定のスパンに沿った動的変化を検出およびモニタリングすることができる。
【0132】
記載のように、この実施形態において、関心対象のループバックビート信号の特性は位相である。これは、振動、温度、湿度および圧力摂動等の動的環境変化がスパンを通じた光学経路長に影響を及ぼし、したがって、検出された信号の位相を変化させることに起因する。
【0133】
したがって、各スパンに沿った動的変化を検出する結果として、各スパンにおける振動、温度、圧力および湿度摂動を検出することができ、これを用いて、スパンに沿った動的環境変化を検出することができる。この実施形態において、システムおよび方法は、この検出を利用して、地震検出、特に地震の検出を提供するように構成されるが、波および電流により誘導された変化等の他の環境現象が更に/代替的に検出および/またはモニタリングされてもよい。
【0134】
この方法は、一般的な地震検出および環境モニタリングのための非反射ベースのファイバ検知技法の地震検出能力を実質的に改善することができる。これは、いくつかの例では50~80km(ただし、これはより短くまたはより長くすることができる)までの実質的により低い地震検出閾値の内在的局所化と、経時的な地震波および空間的展開の方向を分解する能力とを含む利点を提供することができる。数ある他の用途の中でもこれは、地球物理学、早期津波検出、天候変化モニタリングに用いることができる。
【0135】
上述したように、この方法およびシステムは、多くの光ファイバ構成において既に存在する構成要素を利用して、長い海底テーブルの長さに沿って利用され得る強力な信号を維持しながら空間分解能を提供することができ、これは、追加の構成要素が海底ケーブル上に後付けされることを必要とすることなく行うことができる。
【0136】
いくつかの実施形態では、同じ手順を、好ましくは同時に、反対方向において、換言すれば第2のケーブル陸揚局8における光送信機および光プロセッサを用いて、順方向経路としての第2の光学経路と、ノードおよび応答信号を第2のケーブル陸揚局8に戻すための第1の光学経路とを用いて、実行することもできる。双方のケーブル陸揚局からの手順の実行により、より良好な環境検出のために結果を組み合わせることを可能にすることができる。
【0137】
相関技法を用いて空間分解能を改善することができる。例えば、ファイバ構成の双方の端部から提示される技法を実行し、結果として得られる信号を相関付けることによって、ファイバに沿った摂動の位置を、スパン長よりもはるかに高い精度まで特定することができる。
【0138】
いくつかの実施形態では、光信号の複数のインスタンスが存在することができ、結果としてループバック信号の複数のインスタンスが得られる。前記または各ループバック信号の動的変化は、例えば光信号の異なるインスタンスの結果として得られる、前記もしくは各ループバック信号の異なるインスタンス間の動的変化を含むことができ、かつ/または前記もしくは各ループバック信号の単一のインスタンス内で生じる動的変化を含むことができることに留意されたい。
【0139】
上述の実施形態において、信号要素(例えば、ループバック信号またはループバックビート信号)は、掃引されている光信号の結果としてそれらの周波数に基づいて区別されるが、他の実施形態では、光信号は掃引される必要がなく、信号要素は他の方式で区別することができる。例えば、光信号は、例えば、レーザをパルス発信することによってパルス発信することができるか、または光信号は、例えば、外部変調器を用いてレーザを変調することによって変調する(オンおよびオフに切り替える)ことができ、いずれの場合も、信号要素は、第2の経路の端部の光プロセッサにおける対応するループバック信号の受信時点に基づいて、応答信号から得ることができる。
【0140】
上述した実施形態は光周波数領域反射技法(OFDR)を用いるが、他の実施形態では他の方法を用いることができる。例えば、1つの実施形態では、光信号は、例えばレーザをパルス発信することによってパルス発信され、ループバック信号は、第2の経路の端部の光プロセッサにおけるループバック信号の受信時点に基づいて、応答信号と区別され、スパンごとに、ループバック信号の偏光の動的変化から、スパンに沿った動的変化が検出される。これは、スパンに沿った動的環境変化が、スパンを通過する光に対する偏光の変化に影響を及ぼし得ることに起因する。
【0141】
また、1つまたは複数の関連付けられたループバックフィードからのループバック信号の動的変化から、各スパンに沿った動的変化を検出することも可能であり、ここで、動的変化は、第2の経路の端部の光プロセッサにおける送信および受信間の経過時間の動的変化に関する。例えば、1つのそのような実施形態において、ループバック信号は、第2の経路の端部の光プロセッサにおけるループバック信号の受信時点に基づいて応答信号と区別され、スパンの各端部のノードからのループバック信号の光プロセッサにおける受信時間の差分が特定され、モニタリングされる。光信号の複数のインスタンスについてこの差分をモニタリングすることによって、差分が、スパンにおける動的環境変化を示すように変化しているか否かを判断することができる。
【0142】
当然ながら、OFDRを用いる実施形態に適用可能な変更は、例えば複数の隣接するスパンを単一のスパンとして扱い、全てのスパンに沿った変化を検出およびモニタリングしない他の実施形態に適用可能である。
【0143】
概して、スパンに沿った動的変化は、迅速な結果を提供することができ、動的イベントの検出を促進するため、好ましくは、関連ループバック信号の内部特徴に対する動的変化から検出される。内部特徴は、信号の推移(journey)に関するのではなく、任意のポイントで理論的に測定され得る特徴である。上記で説明したように、内部特徴の例は、周波数および偏光を含む。他の例は、強度、波長および位相を含む。スパンに沿った変化による影響を受ける任意の内部特徴を測定することができる。
【0144】
異なる実施形態の特徴を組み合わせることができ、例えば、光信号の周波数を上記で論じた方式で掃引し、周波数に基づいて信号要素/ループバック信号を区別することを可能にすることで、より長い測定時間を可能にすることができるが、偏光差の識別を、位相変化の検出の代わりにまたはこれに加えて、スパンに沿った動的変化を検出するために上記で論じたように用いることができることは除外されない。
【0145】
スパンおよび/またはノードは、動的変化等の条件を検出し、そのような検出に関するおよび情報をループバック信号に加えるように構成されたセンサを含むことができることも除外されない。
【0146】
上記の実施形態は、主に地震検出に関するが、方法は、多くの他の用法において、例えば、地球温暖化モニタリングのための各スパンの最大気温変動の測定のために適用することができる。最終的には、通過する光の伝播に影響を及ぼすようなスパンにおけるファイバの特性を変化させる任意のものを検出することができる。
【0147】
上記の実施形態は、海底ケーブルを参照して説明されたが、本開示は、海底を通るか否かにかかわらず光ファイバ構成に適用することができ、例えば、全体が陸上にある陸上テーブルに、または有意な程度陸上にあり、有意な程度海底にある光ファイバ構成に適用できることが理解されよう。
【0148】
記載の実施形態および従属請求項の全ての任意選択のおよび好ましい特徴および変更は、本明細書に教示される本発明の全ての態様において使用可能である。更に、従属請求項の個々の特徴および記載の実施形態の全ての任意選択のおよび好ましい特徴および変更は組み合わされ、交換可能である。
【0149】
本出願が優先権を主張する英国特許出願番号GB2114633.7、および本出願に添付されている要約における開示は、参照により本明細書に引用される。

図1
図2
図3
図4
図5
図6
【国際調査報告】