(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-10-23
(54)【発明の名称】高強度の7XXXアルミニウムに対する熱支援自己穿孔リベット打ち
(51)【国際特許分類】
B21J 15/00 20060101AFI20241016BHJP
B23K 11/11 20060101ALI20241016BHJP
【FI】
B21J15/00 U
B21J15/00 V
B21J15/00 W
B23K11/11 540
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024522217
(86)(22)【出願日】2022-10-13
(85)【翻訳文提出日】2024-04-12
(86)【国際出願番号】 CN2022125161
(87)【国際公開番号】W WO2023066138
(87)【国際公開日】2023-04-27
(32)【優先日】2021-10-20
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】506110243
【氏名又は名称】ノベリス・インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】NOVELIS INC.
(74)【代理人】
【識別番号】100099759
【氏名又は名称】青木 篤
(74)【代理人】
【識別番号】100123582
【氏名又は名称】三橋 真二
(74)【代理人】
【識別番号】100123593
【氏名又は名称】関根 宣夫
(74)【代理人】
【識別番号】100208225
【氏名又は名称】青木 修二郎
(74)【代理人】
【識別番号】100217179
【氏名又は名称】村上 智史
(74)【代理人】
【識別番号】100202418
【氏名又は名称】河原 肇
(72)【発明者】
【氏名】フェン ウー
(72)【発明者】
【氏名】ケビン デュアン
(72)【発明者】
【氏名】ミン ガン
(72)【発明者】
【氏名】ヤン リン
(72)【発明者】
【氏名】ユー グオ
【テーマコード(参考)】
4E165
【Fターム(参考)】
4E165AA12
4E165AB02
4E165AB22
4E165AB23
4E165BB02
4E165BB12
4E165DA17
(57)【要約】
自己穿孔リベット打ちシステムは、金属基板上のターゲット位置を局所的に溶融する局所溶融システムと、ターゲット位置が局所的に溶融した後にリベットを金属基板に打ち込むドライバとを備える。自己穿孔リベット打ちシステムを用いて接合部を形成する方法は、少なくとも2つの金属基板上のターゲット位置を局所的に溶融することを含む。この方法は、ターゲット位置を局所的に溶融した後に、リベットがターゲット位置で少なくとも2つの金属基板を貫通するように、任意選択でドライバを用いてリベットをターゲット位置に打ち込むことを含む。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
金属基板上のターゲット位置を局所的に溶融するように構成された局所溶融システムと、
前記ターゲット位置を局所的に溶融した後、前記ターゲット位置で前記金属基板にリベットを打ち込んで、接合部を形成するように構成されたドライバと
を備える、自己穿孔リベット打ちシステム。
【請求項2】
前記局所溶融システムが、抵抗スポット溶接システムを含む、請求項1に記載の自己穿孔リベット打ちシステム。
【請求項3】
前記局所溶融システムが、1秒未満の間、少なくとも500℃の温度まで前記ターゲット位置を加熱するように構成される、請求項1に記載の自己穿孔リベット打ちシステム。
【請求項4】
前記局所溶融システム及び前記ドライバに通信可能に結合されたコントローラをさらに備え、前記コントローラは、溶融時間の間、溶融温度まで熱を加えるように前記局所溶融システムを制御するように構成される、請求項1に記載の自己穿孔リベット打ちシステム。
【請求項5】
前記溶融時間が、0秒より長く、1000ミリ秒以下であり、前記溶融温度が、少なくとも500℃である、請求項4に記載の自己穿孔リベット打ちシステム。
【請求項6】
前記自己穿孔リベット打ちシステムが、前記金属基板に前記接合部を形成するように構成され、前記金属基板は、5mm未満の厚さを有する7xxxアルミニウム合金を含む、請求項1に記載の自己穿孔リベット打ちシステム。
【請求項7】
少なくとも2つの金属基板を接合する方法であって、
前記少なくとも2つの金属基板上のターゲット位置を局所的に溶融することと、
前記ターゲット位置を局所的に溶融した後、リベットが前記ターゲット位置で前記少なくとも2つの金属基板を貫通するように、ドライバを用いて前記リベットを前記ターゲット位置に打ち込むことと
を含む、前記方法。
【請求項8】
前記2つの金属基板のうちの少なくとも1つが、7xxxアルミニウム合金を含む、請求項7に記載の方法。
【請求項9】
前記少なくとも2つの金属基板の各々が、5mm以下の厚さを含む、請求項7に記載の方法。
【請求項10】
前記ターゲット位置を局所的に溶融することが、抵抗スポット溶接システムを用いて、溶融時間の間、溶融温度まで前記ターゲット位置を溶接することを含む、請求項7に記載の方法。
【請求項11】
前記溶融時間が、0秒より長く1秒未満である、請求項10に記載の方法。
【請求項12】
前記溶融時間が、0秒より長く1000ミリ秒以下である、請求項10に記載の方法。
【請求項13】
前記溶融温度が、少なくとも500℃である、請求項10に記載の方法。
【請求項14】
前記ターゲット位置を局所的に溶融した後に、前記ドライバを用いて前記リベットを前記ターゲット位置に打ち込むことが、前記ターゲット位置の凝固の前に、前記リベットを前記ターゲット位置に打ち込むことを含む、請求項7に記載の方法。
【請求項15】
請求項7に記載の方法によって形成された接合部。
【請求項16】
少なくとも2つの金属基板を接合する方法であって、
0秒より長く1秒未満の溶接時間の間、ターゲット位置の温度が少なくとも500℃であるように、前記ターゲット位置において前記少なくとも2つの金属基板を溶接することと、
リベットが前記ターゲット位置で前記少なくとも2つの金属基板を貫通するように、溶接後に前記リベットを前記ターゲット位置に打ち込むことと
を含む、前記方法。
【請求項17】
前記2つの金属基板のうちの少なくとも1つが、7xxxアルミニウム合金を含む、請求項16に記載の方法。
【請求項18】
前記少なくとも2つの金属基板の各々が、5mm以下の厚さを含む、請求項16に記載の方法。
【請求項19】
前記溶接時間が、0秒より長く1000ミリ秒以下である、請求項16に記載の方法。
【請求項20】
前記ターゲット位置を溶接した後に前記リベットを前記ターゲット位置に打ち込むことが、前記ターゲット位置の凝固の前に、ドライバを用いて前記リベットを前記ターゲット位置に打ち込むことを含む、請求項16に記載の方法。
【請求項21】
溶接の前に、前記ターゲット位置で前記少なくとも2つの金属基板の間に接着剤を塗布することをさらに含む、請求項16に記載の方法。
【請求項22】
請求項16に記載の方法によって形成された接合部。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の参照
本出願は、2021年10月20日出願の米国仮特許出願第63/262,761号「THERMAL ASSISTED SELF-PIERCING RIVETING FOR HIGH STRENGTH 7XXX ALUMINUM」の利益を主張し、参照により、その内容全体を本明細書に組み込むものとする。
【0002】
本出願は、自己穿孔リベット打ちシステム及び方法に関し、より詳細には、高強度アルミニウム合金のための自己穿孔リベット打ちシステム及び方法に関する。
【背景技術】
【0003】
最終製品の様々な部品または構成要素を形成するために、様々な接合技術を使用して構成要素を一緒に接合することができる。そのような接合技術は、とりわけ、様々なタイプの溶接(例えば、抵抗スポット溶接、摩擦攪拌溶接、レーザビーム溶接、超音波溶接など)、接着剤、及び/または機械的締結を含み得る。
【0004】
自己穿孔リベット打ちは、典型的にはヘッドとベースを有するリベットを使用する機械的締結技術の一種である。自己穿孔リベット打ちプロセス中、リベットは、リベットのベースが少なくとも1つのシートを貫通し、変形して機械的インターロックを形成するように、ドライバによって1つまたは複数のシートに打ち込まれる。従来の自己穿孔リベット打ちプロセスの問題点は、高強度アルミニウム合金などの高強度材料において、リベットによって接合されたシートまたは構成要素の一方または両方に亀裂が生じ得ることである(そのような亀裂は、時には、「ボタン亀裂」として知られている)。そのような亀裂は、自己穿孔リベット打ち接合部の早期破損を引き起こす可能性があり、特に、自動車産業または航空宇宙産業などの特定の産業において全く容認できない場合がある。
【発明の概要】
【0005】
本特許の適用を受ける実施形態は、この発明の概要ではなく、下記の特許請求の範囲によって規定される。この発明の概要は、様々な実施形態の高レベルの概要であり、下記の発明を実施するための形態のセクションでさらに説明される概念の一部を紹介する。この発明の概要は、特許を請求する主題の重要または必須の特徴を特定することを意図しておらず、また、特許を請求する主題の範囲を決定するために単独で使用されることも意図していない。主題は、本特許の明細書全体、図面のいずれかもしくはすべて、及び各請求項の適切な部分を参照することによって理解されるべきである。
【0006】
特定の実施形態によれば、自己穿孔リベット打ちシステムは、局所溶融システム及びドライバを備える。局所溶融システムは、金属基板上のターゲット位置を局所的に溶融することができる。1つの非限定的な実施形態では、局所溶融システムは、抵抗スポット溶接システムである。ドライバは、ターゲット位置が局所的に溶融した後に、ターゲット位置で金属基板内にリベットを打ち込むことができる。金属基板内に打ち込まれたリベットは、接合部を形成する。
【0007】
いくつかの実施形態によれば、少なくとも2つの金属基板を接合する方法は、少なくとも2つの金属基板上のターゲット位置を局所的に溶融することを含む。この方法は、ターゲット位置を局所的に溶融した後に、リベットがターゲット位置で少なくとも2つの金属基板を貫通するように、ドライバを用いてリベットをターゲット位置に打ち込むことを含む。
【0008】
様々な実施形態によれば、少なくとも2つの金属基板を接合する方法は、ターゲット位置の温度が少なくとも500℃になるように、ターゲット位置で0秒より長く1秒未満の溶接時間の間、少なくとも2つの金属基板を溶接することを含む。この方法は、溶接後、リベットがターゲット位置で少なくとも2つの金属基板を貫通するようにリベットをターゲット位置に打ち込むことを含む。
【0009】
本明細書に記載される様々な実施態様は、追加のシステム、方法、特徴、及び利点を含むことができ、これらは、必ずしも本明細書で明示的に開示できないが、以下の詳細な説明及び添付の図面を検討すれば、当業者に明らかであろう。すべてのこのようなシステム、方法、特徴、及び利点が、本開示の中に含まれ、添付の特許請求の範囲によって保護されることが意図される。
【0010】
本明細書は以下の添付図面を参照する。異なる図において同様の参照番号の使用は、同様または類似の構成要素を示すことが意図されている。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】実施形態による、自己穿孔リベット打ちシステムを示す。
【
図2A】実施形態による、自己穿孔リベット打ちシステムを用いた接合プロセスの予熱段階中の金属基板を示す。
【
図2B】接合プロセスのリベット打ち段階中の
図2Aの金属基板を示す。
【
図3】A及びBは、実施形態による、自己穿孔リベット打ちシステムを用いて形成された接合部を示す。
【
図4】A及びBは、2つの金属基板に形成された従来の接合部を示す。 C及びDは、
図4A及び4Bの金属基板における実施形態による、自己穿孔リベット打ちシステムを用いて形成された接合部を示す。
【
図5】A及びBは、2つの金属基板に形成された従来の接合部を示す。 C及びDは、
図5A及び5Bの金属基板における実施形態による、自己穿孔リベット打ちシステムを用いて形成された接合部を示す。
【
図6】A及びBは、2つの金属基板に形成された従来の接合部を示す。 C及びDは、
図6A及び6Bの金属基板における実施形態による、自己穿孔リベット打ちシステムを用いて形成された接合部を示す。
【
図7】A及びBは、2つの金属基板に形成された従来の接合部を示す。 C及びDは、
図7A及び7Bの金属基板における実施形態による、自己穿孔リベット打ちシステムを用いて形成された接合部を示す。
【
図8】実施形態による、従来の接合部と、自己穿孔リベット打ちシステムを用いて形成された接合部との結果の表である。
【
図9】実施形態による、2つの金属基板によって形成されるターゲット位置を示し、ターゲット位置の界面は、部分的に溶融されることを示す。
【
図10】A及びBは、2つの金属基板に形成された従来の接合部を示す。 C及びDは、
図10A及び10Bの金属基板の実施形態による、自己穿孔リベット打ちシステムを用いて形成された接合部を示す。
【発明を実施するための形態】
【0012】
2つ以上の金属基板を接合するための自己穿孔リベット打ち(SPR)システム及び関連する方法が本明細書に記載される。本明細書で提供されるSPRシステムは、金属基板上のターゲット位置を局所的に溶融する予熱システムと、金属基板上のターゲット位置にリベットを打ち込んで金属基板を接合する接合部を形成するドライバとを含む。本明細書で使用される場合、SPRプロセスの前にターゲット位置を局所的に溶融することは、基板の目に見える材料溶接を伴わない加熱を指す。特定の実施形態において、金属基板間のターゲット位置における界面は、完全に局所的に溶融されてよい(例えば、ターゲット領域全体が局所的に溶融されてよい)、または部分的に局所的に溶融されてよい(例えば、SPRプロセスの前にターゲット領域全体よりも少ない領域が局所的に溶融される/わずかな界面溶融のみが提供される)。いくつかの実施形態では、予熱システムは、限定はしないが、抵抗スポット溶接システムを含む溶接システムであってよく、抵抗スポット溶接システムは、金属基板を加熱して金属基板上のターゲット位置を少なくとも部分的に溶融し、融解領域を形成する。ドライバは、リベットをターゲット位置に打ち込むための様々な適切なデバイスまたは機構であってよい。金属基板内に打ち込まれるリベットは、要望に応じて任意の種類のリベットであってよい。SPRプロセス中、予熱システムは、ターゲット位置を局所的に(部分的にまたは全体的に)溶融してよく、ドライバは、ターゲット位置の凝固の前にリベットをターゲット位置に打ち込む。
【0013】
特定の実施形態において、本明細書に記載のSPRシステム及び方法は、金属基板における改善された接合部を提供することができる。いくつかの実施形態では、本明細書で提供されるSPRシステム及び方法は、予熱なしで形成された接合部と比較して、亀裂が最小限のまたは亀裂の無いSPR接合部を生成することができる。特定の実施形態では、本明細書で提供されるSPRシステム及び方法を用いて形成されるリベット接合部は、従来の接合部と比較してリベットの頭部高さが低減され、及び/または従来の接合部と比較して亀裂のない改善された最小厚さを有し得る。本明細書に記載のSPRシステム及び方法はまた、高強度アルミニウム合金における接合部形成を可能にすることができ、高強度アルミニウム合金における接合部形成は、このシステム及び方法を用いなければ、可能ではなく、または亀裂などの様々な欠陥を有する接合部をもたらし得る。本明細書に記載されるSPRシステム及び方法を用いて、様々な他の利益及び利点を実現することができ、上述の利益及び利点は限定であると見なされるべきではない。
【0014】
図1は、少なくとも第1の基板102をリベット106で第2の基板104に接合するためのSPRシステム100の例を示す。
【0015】
2つの基板102、104が示されているが、他の実施形態では、SPRシステム100を使用して、要望通りに任意の数の基板を接合することができる。様々な例において、基板102、104は、最終製品の様々な部品または構成要素を形成するための金属シート、金属シェート(shate)、または他の適切な種類のワークピースであってよい。本明細書で使用する場合、シートは一般的に、厚さが約4mm未満の金属(例えば、アルミニウム)製品を指す。例えば、シートは、4mm未満、3mm未満、2mm未満、1mm未満、0.5mm未満、0.3mm未満、または0.1mm未満の厚さを有し得る。シェート(シートプレートとも呼ばれる)は一般的に、厚さが約4mm~約15mmである。例えば、シェートは、4mm、5mm、6mm、7mm、8mm、9mm、10mm、11mm、12mm、13mm、14mm、または15mmの厚さを有し得る。1つの非限定的な例では、SPRシステム100によって接合される基板102、104は、5mm以下、例えば3mm以下の厚さを有し得るが、他の実施形態においてそうである必要はない。
【0016】
いくつかの例では、第1の基板102及び/または第2の基板104は、1xxxアルミニウム合金、2xxxアルミニウム合金、3xxxアルミニウム合金、4xxxアルミニウム合金、5xxxアルミニウム合金、6xxxアルミニウム合金、7xxxアルミニウム合金、または8xxxアルミニウム合金を含む群から選択されてよい。いくつかの例では、基板102、104は異なる金属であってよい(例えば、第1の基板102は7xxxアルミニウム合金であり、第2の基板104は6xxx系アルミニウム合金である)。他の例では、基板102、104は両方とも同じ系のアルミニウム合金である(例えば、第1及び第2のアルミニウム合金は両方とも7xxxアルミニウム合金である)。いくつかの非限定的な例では、基板102、104の1つまたは複数は、とりわけ、2xxxアルミニウム合金、5xxxアルミニウム合金、6xxxアルミニウム合金、及び/または7xxxアルミニウム合金などの高強度アルミニウム合金であってよい。本明細書で説明されるように、そのような高強度アルミニウム合金であれば、従来のSPRプロセス中に亀裂を生じるが、そのような亀裂は、SPRシステム100を使用して最小化及び/または回避することができる。
【0017】
他の例では、基板102、104は、アルミニウム、アルミニウム合金、鋼、鋼系材料、ニッケル、ニッケル系材料、銅、銅系材料、鋳鉄、チタン、チタン系材料、様々な他の好適な材料、及び/または材料の様々な組み合わせを含むがこれらに限定されない、共に溶接される様々な他の金属または材料であってよい。他の例では、第1の金属シート102及び/または第2の金属シート104は、アルミニウムクラッド合金シート、モノリシック合金(アルミニウム、鋼など)、ロール結合合金、または互いに溶接される様々な他のタイプの金属シートを含むが、これらに限定されない、様々な他の金属またはタイプの金属シートを含み得る。
【0018】
図示のように、SPRシステム100は、予熱システム108及びドライバ110を備える。接合プロセス中、予熱システム108は、基板102、104上のターゲット位置112を局所的に溶融して、ターゲット位置112に溶融または融解領域114を形成する。次に、ドライバ110は、リベット106が基板102、104を貫通し、それによって接合部を形成するように、リベット106をターゲット位置112内に打ち込む。
【0019】
予熱システム108は、ターゲット位置112を局所的に溶融するための様々な適切なデバイスまたは機構であってよい。特定の実施形態では、予熱システム108は、溶融時間の間、溶融温度までターゲット位置112を加熱することができる。いくつかの非限定的な例では、溶融時間は、2秒未満、例えば、1秒未満、例えば、1000ミリ秒以下、例えば、500ミリ秒以下であってよい。特定の非限定的な例では、溶融時間は、500ミリ秒未満、例えば、300ミリ秒以下である。溶融温度は、基板102、104の一部を少なくとも部分的に溶融する(または溶融状態にする)のに十分な温度であってよい。様々な非限定的な例において、溶融温度は、少なくとも500℃であってよく、いくつかの任意選択の実施形態において、溶融温度は、少なくとも500℃であってよい。任意選択で、コントローラ(図示せず)を予熱システム108に通信可能に結合して、基板102、104が溶融時間の間、溶融温度まで加熱されるように予熱システム108を制御してよい。コントローラが備えられる場合、コントローラは、一般的な処理ユニット、アプリケーションを結合するために特別に設計されたプロセッサ、または他の適切なプロセッサもしくはコンピューティングデバイスであってよい。溶融時間の間、溶融温度までターゲット位置112を予熱する予熱システム108は、全接合プロセスの遅延を最小限に抑えながら、基板がターゲット位置112で局所的に溶融されることを確実にすることができる。予熱システム108は、任意選択で、基板102と104の間に追加の材料を提供することを可能にし得る。1つの非限定的な例として、基板102、104を互いに対して最初に位置決めするために、基板102と104の間、または基板102、104の対向する表面上のターゲット位置に、接着剤を任意選択で提供することができる。そのような実施形態では、接着剤は、予熱システム108による予熱の前に除去される必要はない。
【0020】
図示の実施形態では、予熱システム108は、基板102、104の対向する表面に接触するように一緒にクランプされた電極116A~116Bを有する抵抗スポット溶接(RSW)システムである。電極116A~116Bが一緒にクランプされている間、電極116A~116Bを介して電流が印加され、基板102、104の界面で発生した熱が、基板102、104を加熱し、少なくとも部分的に溶融し、それによって、融解または溶融領域114を形成する。任意の数の電極116A~116Bを、RSWシステムで要望に応じて利用することができる。他の実施形態では、予熱システム108はRSWシステムである必要はなく、他のタイプの溶接システム及び/または非溶接システムを、要望に応じて予熱システム108として使用してよい。
【0021】
ドライバ110は、リベット106が基板102、104を貫通し、それによって接合部を形成するように、リベット106をターゲット位置112内に打ち込むための様々な適切なデバイスまたは機構であってよい。様々な実施形態において、ドライバ110は、ターゲット位置112が少なくとも部分的に溶融され、及び/または凝固されない間に、リベット106をターゲット位置112内に打ち込む。このような実施形態では、溶融領域114は、特に高強度の基板において、リベット106の基板102、104への挿入を容易にすることができる。図示の実施形態では、ドライバ110はパンチである。任意選択で、ターゲット位置112での基板102、104へのリベット106の位置決め及び/または挿入を容易にするために、ドライバ110にダイまたはガイドが備えられてよい。
【0022】
リベット106は一般的に、ベース領域118とヘッド120とを含むが、
図1に示される特定のリベット106は、限定的であると考えられるべきではない。接合プロセス中、ドライバ110は、リベット106が第1の基板102を貫通し、少なくとも部分的に第2の基板104に係合するように、リベット106を打ち込む。ベース領域118は、第2の基板104内で外側に広がるか、または別様に変形して、機械的インターロックを形成し、それによって接合部を形成し得る。
【0023】
図2A及び2Bは、SPRシステム100を使用する接合プロセス中の金属基板202、204の断面図である。この実施形態では、金属基板の各々は、7xxxアルミニウム合金である。
図2Aに示すように、予熱システム108で予熱した後、基板202、204の界面に融解または溶融領域214が形成される。
図2Bを参照すると、SPRプロセスのリベット打ち段階の後、リベット206が溶融領域214を通って打ち込まれ、それによって、基板202、204を接合する接合部222を形成する。リベット106と比較して、リベット206は完全に中空である。
図2Bに示すように、接合部220は、基板202、204に亀裂を生じさせなかった。
【0024】
図3A~3Bは、様々な実施形態によるSPRシステム100を使用して形成され、金属基板302、304を接合する別の接合部322の写真である。この実施形態では、各金属基板302、304は同じ7xxxアルミニウム合金であり、各基板は2.8mmの厚さである。接合部322の底面図である
図3A及び断面図である
図3Bに示すように、接合部322は、リベット306が融解領域314を通って打ち込まれた後に亀裂を生じなかった。
【0025】
図3Bを参照すると、特定の実施形態では、以下に詳細に説明するように、従来のSPRプロセスと比較して亀裂を防止または最小限に抑えることに加えて、本明細書に記載のSPRシステム100によって形成される接合部は、ヘッド高さ324が低減され、亀裂のない最小厚さ326が低減され、及び/またはインターロック328が改善され得る。本明細書で言及される場合、ヘッド高さ324(HH)は、接合部322を形成するリベット306のヘッド320が第1の基板302の上方または下方に延在する程度であり、最小厚さ326(T
min)は、第2の基板304の最小厚さ(これは、リベット306のベース領域318のすぐ隣であってよいが、そうである必要はない)であり、インターロック328は、リベット306のベース領域318が、基板302と304の間の界面から外向きに広がるまたは変形する程度である。ヘッド高さ324、最小厚さ326、及びインターロック328が測定されるとして示される特定の位置は、限定的であると考えられるべきではなく、各測定のための線は、例示の目的のためであり、特定の測定であることを意図するものではない。これらの改善された測定の非限定的な例を、
図4A~4D、5A~5D、6A~6D、及び7A~7Dを参照して以下に詳細に記載する。
【0026】
図4A~4Dは、従来のSPR接合部423(
図4A~4B)とSPRシステム100を使用して形成されたSPR接合部422(
図4C~4D)との比較の非限定的な例を示す。この実施形態では、両方の接合部422、423は、金属基板の同じスタック内に形成され、上部金属基板401は、2.5mmの厚さを有する6xxxアルミニウム合金であり、金属基板403は、2.8mmの厚さを有する7xxxアルミニウム合金である。同じタイプのリベット406を接合部422、423の両方に使用した。この例では、従来のSPR接合部423は、金属基板401、403に亀裂430を生じたが、SPR接合部422は、金属基板401、403に亀裂を生じなかった。さらに、SPR接合部423のHHは0.56mm、T
minは1.175mm、インターロックは0.713mmであり、SPR接合部422のHHは0.01mm、T
minは、0.602mm、インターロックは0.658mmであった。この例では、SPR接合部423は、SPR接合部422と比較してわずかに増加したインターロックを有するが、SPR接合部422は、(接合部423とは異なり)亀裂を生じず、HHが減少し、T
minが減少したので、SPR接合部422は、改善された、より良好な接合部である。
【0027】
図5A~5Dは、従来のSPR接合部523(
図5A~5B)とSPRシステム100を使用して形成されたSPR接合部522(
図5C~5D)との比較の別の非限定的な例を示す。この実施形態では、両方の接合部522、523は、金属基板の同じスタック内に形成され、金属基板501は、2.0mmの厚さを有する6xxxアルミニウム合金であり、金属基板503は、1.8mmの厚さを有する7xxxアルミニウム合金である。同じタイプのリベット506が接合部522、523の両方で使用され、リベット406と比較して、リベット506は完全に中空ではない。この例では、従来のSPR接合部523は、金属基板501、503に亀裂530を生じさせた。対照的に、SPR接合部522は、金属基板501、503に亀裂を生じさせなかった。さらに、SPR接合部523のHHは-0.02mm、T
minは0.533mm、インターロックは0.16mmであり、SPR接合部522のHHは-0.06mm、T
minは、0.206mm、インターロックは0.315mmであった。この情報から、SPR接合部522は、(接合部523とは異なり)亀裂を生じず、最も低いHHを有し、最も低いT
min、最も高いインターロックを有したので、改善された、より良好な接合部であった。
【0028】
図6A~6Dは、従来のSPR接合部623(
図6A~6B)とSPRシステム100を使用して形成されたSPR接合部622(
図6C~6D)との比較の追加の非限定的な例を示す。この実施形態では、両方の接合部622、623は、金属基板の同じスタック内に形成され、金属基板601は、2.5mmの厚さを有する6xxxアルミニウム合金であり、金属基板603は、2.8mmの厚さを有する7xxxアルミニウム合金であった。同じタイプのリベット606が接合部622、623の両方に使用され、リベット406と同様に、リベット606は、その長さに沿って中空である。この例では、従来のSPR接合部623は、金属基板601、603に亀裂630を生じたが、SPR接合部622は亀裂を生じなかった。さらに、SPR接合部623のHHは0.40mm、T
minは0.792mm、インターロックは0.620mmであり、SPR接合部622のHHは-0.06mm、T
minは、0.485mm、インターロックは0.602mmであった。この例では、SPR接合部622は、SPR接合部623と比較して改善された。これらの結果に基づいて、SPR接合部622は、接合部623とは異なり、接合部622が亀裂を引き起こさなかったので、改善された、より良好な接合部であった。さらに、T
minはSPR接合部622において低減され、負のHH(すなわち、リベット606のヘッドが基板602内に凹んだ)は、最小限の突出を必要とするさらなる処理に有益であり得る。
【0029】
図7A~7Dは、従来のSPR接合部723(
図7A~7B)とSPRシステム100を使用して形成されたSPR接合部722(
図7C~7D)との比較のさらに別の非限定的な例を示す。この実施形態では、両方の接合部722、723は、金属基板の同じスタック内に形成され、金属基板701は、2.5mmの厚さを有する6xxxアルミニウム合金であり、金属基板703は、2.8mmの厚さを有する7xxxアルミニウム合金であった。同じタイプのリベット706が接合部722、723の両方で使用され、リベット406とは異なり、リベット706は、その全長に沿って中空ではない。この例では、従来のSPR接合部723は、金属基板701、703に亀裂730を生じたが、SPR接合部722は生じなかった。さらに、SPR接合部723のHHは0.36mm、T
minは0.784mm、インターロックは0.603mmであり、SPR接合部722のHHは-0.20mm、T
min0.374mm、インターロックは0.529mmであった。これらの結果から、SPR接合部722は、(接合部723とは異なり)亀裂を引き起こさず、さらに、SPR接合部722は、T
min及びHHが減少した(及び負である)ので、より良好で改善された接合部であった。
【0030】
図8は、SPRシステム100を使用して形成されたSPR接合部と比較した従来のSPR接合部の追加の例を示す。
図8に示すように、材料スタック1は、厚さ1.2mmの5xxxアルミニウム合金である上層と、厚さ1.8mmの7xxxアルミニウム合金である下層とを有する。材料スタック2は、厚さ2.5mmの5xxxアルミニウム合金である上層と、厚さ1.8mmの7xxxアルミニウム合金である下層とを有する。材料スタック1及び材料スタック2の両方に、同じタイプのリベットを使用して、従来のSPRプロセスとSPRシステム100を使用するSPRプロセスとを行った。図示のように、材料スタック1及び材料スタック2の両方において、従来のSPRプロセス中に、接合部のボタンが割れ、インターロックが0.4mmを超え、SPR品質は容認できないものであった。対照的に、材料スタック1及び材料スタック2の両方において、SPRシステム100を使用するSPRプロセス中、ボタンは割れず、インターロックは0.4mmより大きく、SPR品質は容認できるものであった。これらの結果に基づいて、SPRシステム100を使用するSPRプロセスは、材料スタック1及び材料スタック2の両方の上層と下層との間に改善された接合部を生成した。
【0031】
図1及び
図2を再び参照すると、SPRシステム100を用いて第1の基板102を第2の基板104と接合する方法も記載されている。本方法は、第1の基板102と第2の基板104とが互いに接触するように、第1の基板102と第2の基板104とを互いに対して位置決めすることを含み得る。いくつかの実施形態では、基板102、104を位置決めすることは、第2の基板104に対する第1の基板102の位置決めを容易にするために、基板102と104の間に接着剤を使用することを含み得る。いくつかの非限定的な例では、基板102、104の少なくとも1つは、高強度アルミニウム合金である。1つの非限定的な例では、基板102、104の少なくとも1つは、7xxxアルミニウム合金及び/または6xxxアルミニウム合金である。
【0032】
本方法は、第1の基板102及び第2の基板104をターゲット位置112で予熱して、第1の基板102及び第2の基板104を局所的に溶融することを含む。いくつかの実施形態では、基板102、104を予熱することは、基板102、104を溶融時間の間、溶融温度まで加熱することを含む。特定の態様では、基板102、104を加熱することは、2秒未満、例えば1000ミリ秒以下、例えば500ミリ秒未満、または例えば300ミリ秒未満の溶融時間の間、基板102、104を加熱することを含む。様々な態様では、基板を加熱することは、基板102、104を少なくとも500℃の溶融温度まで加熱することを任意選択で含む。いくつかの実施形態では、基板102、104を予熱することは、基板102、104を加熱して、基板102、104を少なくとも基板102と104の間の界面で局所的に溶融することを含む。様々な実施形態では、基板102、104を加熱することは、RSWシステムを用いて基板を加熱することを含み、RSWシステムでは、加熱することは、RSWシステムの電極116A~116Bに電流を供給することを含む。いくつかの任意選択の例において、電極116A~116Bに電流を供給することは、10kAから22kAの電流を供給することを含み得る。1つの非限定的な例では、基板102、104を予熱することは、電極116A~116Bに電流を供給することと、1000ミリ秒未満の溶融時間の間、少なくとも500℃の融解温度まで、基板102、104を加熱することとを含む。
【0033】
この方法は、基板102、104を保持することと、リベット106がターゲット位置112で第1の基板102を貫通するようにドライバ110を用いてリベット106を打ち込むこととを含む。様々な実施形態において、リベット106は、(予熱ステップで形成される)溶融領域114が凝固する前に、ターゲット位置112内に打ち込まれる。このステップにおいて、リベット106は、第2の基板104を少なくとも部分的に穿孔し、ベース118は、第2の基板104内で広がるか、または別様に変形する。
【0034】
図9は、予熱の後及びSPRプロセス前の、SPRシステム100を使用した接合プロセス中の金属基板902、904の断面図である。この実施形態では、金属基板の各々は、7xxxアルミニウム合金である。
図9の実施形態では、金属基板902、904は、ターゲット位置112を形成する。特定の実施形態では、
図9に示すように、ターゲット位置112における金属基板902、904の界面934は、部分的に局所的に溶融される(例えば、界面934は、溶融部分936と非溶融部分938とを含む)。いくつかの実施形態では、部分的に局所的に溶融した界面934は、予熱システムによる予熱中に加えられる熱を制御することによって達成されてよい。他の実施形態では、界面934全体が局所的に溶融されてよい。
【0035】
図10A~10Dは、従来のSPR接合部1023(
図10A~10B)とSPRシステム100を使用して形成されたSPR接合部1022(
図10C~10D)との比較のさらに別の非限定的な例を示す。この実施形態では、両方の接合部1022、1023は、金属基板の同じスタック内に形成され、金属基板1001は、1.8mm厚さを有する7xxxアルミニウム合金であり、金属基板1003は、1.8mm厚さを有する7xxxアルミニウム合金である。同じタイプのリベット1006が、接合部1022、1023の両方で使用された。SPR接合部1022のターゲット領域の界面は、予熱中に部分的に局所的に溶融された。この例では、従来のSPR接合部1023は、金属基板1001、1003に亀裂1030を生じたが、SPR接合部1022は生じなかった。さらに、SPR接合部1023のHHは0.35mm、T
minは0.559mm、インターロックは0.621mmであり、SPR接合部1022のHHは0.02mm、T
minは1.302mm、インターロックは0.839mmであった。これらの結果から、SPR接合部1022は、(接合部1023とは異なり)亀裂を引き起こさず、さらに、HHを低減し、インターロックを増加させたので、より良好で改善された接合部であった。
図10Dに示すように、ターゲット位置における金属基板1002、1003の界面は、わずかな溶融が観察されるが明瞭であり、これは、実施形態による改善されたSPR接合部を提供するためにターゲット位置の界面を完全に局所的に溶融することは、必要とされないことを示す。
【0036】
本明細書に説明された概念による、様々な例示的な実施形態のさらなる説明を提供する「実施例」として明示的に列挙された少なくとも一部を含む、例示的な実施形態の集合が下記に提供される。これらの実施例は、相互に排他的、網羅的、または限定的であることを意図するものではなく、本開示は、これらの実施例に限定されるのではなく、むしろ提示された特許請求の範囲及びそれらの均等物の範囲内のすべての可能な修正及び変形を包含する。
【0037】
実施例1.金属基板上のターゲット位置を局所的に溶融するように構成された局所溶融システムと、前記ターゲット位置が局所的に溶融して接合部を形成した後に、前記ターゲット位置で前記金属基板内にリベットを打ち込むように構成されたドライバとを備える自己穿孔リベット打ちシステム。
【0038】
実施例2.前記局所溶融システムが、抵抗スポット溶接システムを含む、いずれかの先行または後続の実施例または実施例の組み合わせに記載の自己穿孔リベット打ちシステム。
【0039】
実施例3.前記局所溶融システムが、1秒未満の間、前記ターゲット位置を少なくとも500℃の温度まで加熱するように構成された、いずれかの先行または後続の実施例または実施例の組み合わせに記載の自己穿孔リベット打ちシステム。
【0040】
実施例4.前記局所溶融システム及び前記ドライバに通信可能に結合されたコントローラをさらに備え、前記コントローラは、溶融時間の間、溶融温度まで熱を加えるように前記局所溶融システムを制御するように構成される、いずれかの先行または後続の実施例または実施例の組み合わせに記載の自己穿孔リベット打ちシステム。
【0041】
実施例5.前記溶融時間が、0秒より長く、1000ミリ秒以下であり、前記溶融温度が少なくとも500℃である、いずれかの先行または後続の実施例または実施例の組み合わせに記載の自己穿孔リベット打ちシステム。
【0042】
実施例6.前記自己穿孔リベット打ちシステムが、厚さ5mm未満の7xxxアルミニウム合金を含む前記金属基板に前記接合部を形成するように構成される、いずれかの先行または後続の実施例または実施例の組み合わせに記載の自己穿孔リベット打ちシステム。
【0043】
実施例7.少なくとも2つの金属基板を接合する方法であって、前記少なくとも2つの金属基板上のターゲット位置を局所的に溶融することと、前記ターゲット位置を局所的に溶融した後、リベットが前記ターゲット位置で前記少なくとも2つの金属基板を貫通するように、ドライバを用いて前記ターゲット位置に前記リベットを打ち込むこととを含む、前記方法。
【0044】
実施例8.前記2つの金属基板のうちの少なくとも1つが、7xxxアルミニウム合金を含む、いずれかの先行または後続の実施例または実施例の組み合わせに記載の方法。
【0045】
実施例9.前記少なくとも2つの金属基板の各々が、5mm以下の厚さを含む、いずれかの先行または後続の実施例または実施例の組み合わせに記載の方法。
【0046】
実施例10.前記ターゲット位置を局所的に溶融することが、溶融時間の間、抵抗スポット溶接システムを用いて前記ターゲット位置を溶融温度まで溶接することを含む、いずれかの先行または後続の実施例または実施例の組み合わせに記載の方法。
【0047】
実施例11.前記溶融時間が、0秒より長く、1秒未満である、いずれかの先行または後続の実施例または実施例の組み合わせに記載の方法。
【0048】
実施例12.前記溶融時間が、0秒より長く、1000ミリ秒以下である、いずれかの先行または後続の実施例または実施例の組み合わせに記載の方法。
【0049】
実施例13.前記溶融温度が、少なくとも500℃である、いずれかの先行または後続の実施例または実施例の組み合わせに記載の方法。
【0050】
実施例14.前記ターゲット位置を局所的に溶融した後、前記ドライバを用いて、前記ターゲット位置に前記リベットを打ち込むことが、前記ターゲット位置が凝固する前に、前記ターゲット位置に前記リベットを打ち込むことを含む、いずれかの先行または後続の実施例または実施例の組み合わせに記載の方法。
【0051】
実施例15.いずれかの先行または後続の実施例または実施例の組み合わせに記載の方法によって形成された接合部。
【0052】
実施例16.少なくとも2つの金属基板を接合する方法であって、ターゲット位置で、0秒より長く1秒未満の溶接時間の間、前記ターゲット位置の温度が少なくとも500℃になるように前記少なくとも2つの基板を溶接することと、溶接後、リベットが前記ターゲット位置で前記少なくとも2つの金属基板を貫通するように前記ターゲット位置に前記リベットを打ち込むこととを含む、前記方法。
【0053】
実施例17.前記2つの金属基板のうちの少なくとも1つが、7xxxアルミニウム合金を含む、いずれかの先行または後続の実施例または実施例の組み合わせに記載の方法。
【0054】
実施例18.前記少なくとも2つの金属基板の各々が、5mm以下の厚さを含む、いずれかの先行または後続の実施例または実施例の組み合わせに記載の方法。
【0055】
実施例19.前記溶接時間が、0秒より長く、1000ミリ秒以下である、いずれかの先行または後続の実施例または実施例の組み合わせに記載の方法。
【0056】
実施例20.前記ターゲット位置を溶接後、前記ターゲット位置に前記リベットを打ち込むことが、前記ターゲット位置の凝固前に、ドライバを用いて前記ターゲット位置に前記リベットを打ち込むことを含む、いずれかの先行または後続の実施例または実施例の組み合わせに記載の方法。
【0057】
実施例21.溶接前に、前記ターゲット位置で前記少なくとも2つの金属基板の間に接着剤を塗布することをさらに含む、いずれかの先行または後続の実施例または実施例の組み合わせに記載の方法。
【0058】
実施例22.いずれかの先行または後続の実施例または実施例の組み合わせに記載の方法によって形成された接合部。
【0059】
実施例23.前記ターゲット領域を局所的に溶融すること及び/または前記ターゲット領域を溶接することが、前記ターゲット領域で前記金属基板の界面を部分的に局所的に溶融することを含む、いずれかの先行または後続の実施例または実施例の組み合わせに記載の方法。
【0060】
実施例23.前記ターゲット領域を局所的に溶融すること及び/または前記ターゲット領域を溶接することが、前記ターゲット領域で前記金属基板の界面全体を局所的に溶融することを含む、いずれかの先行または後続の実施例または実施例の組み合わせに記載の方法。
【0061】
実施形態の主題は、法定要件を満たすために具体性をもって本明細書に記載されているが、この記載は、必ずしも特許請求の範囲を限定することを意図していない。特許を請求する主題は、他の方法で具現化されてよく、異なる要素またはステップを含んでよく、他の既存のまたは将来の技術と併せて使用されてよい。この説明は、個々のステップの順序または要素の配置が明示的に記載されるときを除き、様々なステップまたは要素の間の特定の順序または配置を暗示するとして解釈するべきではない。特に、「上」、「下」、「最上部」、「底部」、「左」、「右」、「前部」、及び「後部」などの方向への言及は、構成要素及び方向が参照している図(複数可)中に示され、説明される向きを指すことを意図している。図面及び説明において、同様の数字は同様の要素を表すことを意図している。
【0062】
本開示の態様及び特徴は、アルミニウム、アルミニウム合金、鋼、鋼系材料、ニッケル、ニッケル系材料、銅、銅系材料、鋳鉄、チタン、チタン系材料、アルミニウムクラッド合金、モノリシック合金、ロール結合合金、及び/または様々な他の金属または金属の組み合わせを含むが、これらに限定されない、任意の好適な金属基板とともに使用することができる。本開示の態様及び特徴は、アルミニウム及び/またはアルミニウム合金の結合に特に有用であり得る。この説明では、「系」または「7xxx」などのアルミニウム業界の名称によって特定される合金に言及する。アルミニウム及びその合金の命名及び識別において最も一般的に使用されている番号指定システムの理解に関しては、「International Alloy Designations and Chemical Composition Limits for Wrought Aluminum and Wrought Aluminum Alloys」または「Registration Record of Aluminum Association Alloy Designations and Chemical Compositions Limits for Aluminum Alloys in the Form of Castings and Ingot」(いずれもアルミニウム協会によって発行されている)を参照されたい。
【0063】
上述の態様は、実施態様の可能な例に過ぎず、単に、本開示の原理の明確な理解のために記載されている。本開示の主旨及び原理から実質的に逸脱することなく、上述の実施形態(複数可)に、多くの変形及び修正を加えてもよい。そのようなすべての修正及び変形は、本開示の範囲内で本明細書に含まれることが意図され、要素またはステップの個々の態様または組み合わせに対するすべての可能な請求は、本開示によって裏付けられることが意図される。さらに、特定の用語が本明細書及び以下の特許請求の範囲で使用されるが、それらは一般的及び説明的な意味だけで使用されており、記載した実施形態、また以下の特許請求の範囲を制限する目的ではない。
【国際調査報告】