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特表2024-538784少なくとも2つの物体をジオロケートするためのシステム
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  • 特表-少なくとも2つの物体をジオロケートするためのシステム 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-10-23
(54)【発明の名称】少なくとも2つの物体をジオロケートするためのシステム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 10/083 20240101AFI20241016BHJP
   B65G 61/00 20060101ALI20241016BHJP
【FI】
G06Q10/083
B65G61/00 520
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024522331
(86)(22)【出願日】2022-10-11
(85)【翻訳文提出日】2024-05-13
(86)【国際出願番号】 EP2022078165
(87)【国際公開番号】W WO2023061966
(87)【国際公開日】2023-04-20
(31)【優先権主張番号】2110873
(32)【優先日】2021-10-14
(33)【優先権主張国・地域又は機関】FR
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】519104318
【氏名又は名称】ピーエー コット エスエー
(74)【代理人】
【識別番号】110000970
【氏名又は名称】弁理士法人 楓国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ドリーヌ ルノー
(72)【発明者】
【氏名】マチュー ポレズ
【テーマコード(参考)】
5L010
【Fターム(参考)】
5L010AA16
(57)【要約】
本発明は、ジオロケートされる少なくとも2つの物品を備えるジオロケーションシステムに関し、それぞれの物品は、
-第1無線近接通信手段であって、他の物品の無線近接通信手段と通信し得る第1無線近接通信手段と、
-長距離通信手段と、
-ジオロケーション装置と、
-処理ユニットと、を含み、
システムは、物品の長距離通信手段と通信し得る通信手段を含むコンピュータプラットフォームを実装し、一方の物品の処理ユニットは、
-無線近接通信手段を介して他方の物品との通信のチャネルを開き、
-他方の物品の処理ユニットによって提供されたジオロケーションデータをコンピュータプラットフォームに送信する、ように構成されることを特徴とする。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ジオロケートされる少なくとも2つの物品と、
コンピュータプラットフォームと、を備え、
それぞれの物品は、
コンピュータ認識コードと、
第1無線近接通信手段であって、他の物品の第1無線近接通信手段と通信し得る第1無線近接通信手段と、
第2長距離通信手段と、
ジオロケーション装置と、
一定の時間間隔で前記ジオロケーション装置の起動信号を送信するように構成され、前記ジオロケーション装置によって提供されたジオロケーションデータを受信及び記憶し得、それに、予め決められた期間中肯定的な有効ステータスを、前記予め決められた期間を過ぎると否定的な有効ステータスを割り当てるように構成された処理ユニットと、を含み、
前記コンピュータプラットフォームは、全ての前記物品の前記コンピュータ認識コードをリストする前記物品に関する少なくとも1つのデータベースを含み、前記物品の前記第2長距離通信手段と通信し得る第3長距離通信手段を含み、
一方の物品の前記処理ユニットは、前記起動信号の送信より前に、
前記無線近接通信手段を介して他方の物品との通信のチャネルを開き、
前記他方の物品の前記有効ステータスを読み取り、
前記他方の物品の前記有効ステータスが肯定的である場合、前記他方の物品の前記処理ユニットに記憶されたジオロケーションデータを受信し、前記ジオロケーション装置を非アクティブ状態に維持し、
前記他方の物品の前記処理ユニットによって提供された前記ジオロケーションデータを前記コンピュータプラットフォームに送信する、ように構成されることを特徴とする、ジオロケーションシステム。
【請求項2】
一方の物品の前記処理ユニットは、前記他方の物品の前記処理ユニットに記憶された前記ジオロケーションデータと共に、前記他方の物品の前記肯定的な有効ステータスを受信するように構成されることを特徴とする、請求項1に記載のジオロケーションシステム。
【請求項3】
一方の物品の前記処理ユニットは、前記他方の物品の前記肯定的な有効ステータスと共に、残りの有効期間を受信するように構成されることを特徴とする、請求項2に記載のジオロケーションシステム。
【請求項4】
一方の物品の前記処理ユニットは、前記残りの有効期間の終わりに、前記ジオロケーション装置の起動信号を遅れずに計画するように構成されることを特徴とする、請求項3に記載のジオロケーションシステム。
【請求項5】
有効ステータスの前記残りの有効期間は、2つの起動信号を隔てる時間間隔の少なくとも2倍未満であることを特徴とする、請求項3又は4に記載のジオロケーションシステム。
【請求項6】
N個の物品を備え、有効ステータスの前記残りの期間は、2つの起動信号を隔てる時間間隔のN倍未満であることを特徴とする、請求項5に記載のジオロケーションシステム。
【請求項7】
一方の物品の前記処理ユニットは、前記起動信号の送信に続いて、前記ジオロケーション装置によって提供された前記ジオロケーションデータ及び前記物品の前記コンピュータ認識コードを前記コンピュータプラットフォームに送信するように構成されることを特徴とする、請求項1から6の何れかに記載のジオロケーションシステム。
【請求項8】
一方の物品の前記処理ユニットは、前記他方の物品の前記処理ユニットに記憶された前記ジオロケーションデータと共に、前記他方の物品の前記コンピュータ認識コードを受信するように構成されることを特徴とする、請求項7に記載のジオロケーションシステム。
【請求項9】
前記物品は、
前記処理ユニットと、
前記認識コードと、
前記第1無線近接通信手段と、
前記第2長距離通信手段と、
前記ジオロケーション装置と、を備える組み込み装置をそれぞれ含むパッケージからなることを特徴とする、請求項1から8の何れかに記載のジオロケーションシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の分野は物流の分野である。
【0002】
より具体的に、本発明は、物品の輸送、より具体的にスマートコネクテッド物品の輸送に関する。
【背景技術】
【0003】
本発明の分野において、製品のオンライン購入及び販売に携わるサービスのプロバイダーは、現在、一般的で、非常に多く、特に、
-輸送される商品のグループ分けと、
-大量輸送と、
-パッケージでの発送と、に基づく集中管理手法に基づく配達物流システムを使用している。
【0004】
ますます、そのような物流システムにおいて、物品の位置をリアルタイムで把握して、その到着地点との関連で及び/又は物品の配達を待っている個人との関連でその位置を突き止めることが普通となっている。これに関連して、輸送される物品の移動を追跡するために、物品は、ジオロケーション手段と、それがその位置に関するデータを送信することを可能にする通信手段とを備え付けられる。このようにして、物品の輸送のトレーサビリティのシステムが得られる。
【0005】
換言すれば、物品に、特に輸送される物品を収容するパッケージに組み込まれた電子機器は、時間と空間に関する遠隔測定及び追跡の機能を提供する。従って、そのようなパッケージは、物理量を測定し、それを記録し、それを、コンピュータプラットフォームの形をとった遠隔情報システムに送信できる。
【0006】
追跡機能に関して、パッケージはジオロケーション装置を含み、そのデータは、遠隔測定に由来するものと同様に、記録されてからコンピュータプラットフォームに送信され得る。
【0007】
このジオロケーションデータは、少なくとも次のデータ、
-日時と、
-経度、緯度、及び高度と、
-速度と、
-精度(メートル単位、ジオロケーションシステムによって提供される水平及び垂直位置の精度)と、を含む。
【0008】
サービスプロバイダーによって提供されるサービスに応じて、異なる組み込み装置の起動頻度は、多かれ少なかれ維持され、該当する場合、パッケージのエネルギー独立性に多かれ少なかれ深刻な影響を与え得る。この影響は、1回のバッテリー充電毎に可能な配達数の減少によって表される。
【0009】
それ故、輸送中の物品の追跡の機能は定期的な衛星ジオロケーション測定に基づくことが理解されよう。従って、N個のパッケージがバン内にある場合、従来技術によれば、それぞれのパッケージは、非同期的に、予め決められた時間間隔でジオロケーション測定を行う必要がある。
【0010】
本質が1時間当たり2つの測位点を取得することにあるサービスプロバイダーの商業上の提供に対して、集団は1時間に2×N個のジオロケーション点を取得する。その中には、同時に取得されるものもあるが、(例えば衛星との通信障害のため)失敗に終わるものもある。
【0011】
換言すれば、ジオロケーション装置の頻繁な起動は技術的な問題を引き起こす。その問題は電力の供給並びにジオロケーション及び通信の手段である。具体的に、パッケージのかなりの回数の使用を維持するには、パッケージのジオロケーション専用の電力供給手段の電気を再充電するためのシステムに頼らなければならず、それは、管理が困難な制約を伴い得る。
【0012】
バッテリーの電気の再充電機能は1つの可能な解決策である。ジオロケーション装置の設計に基づいて、再充電できないが、運用する顧客による配達の(仕様書に規定されるような)希望の回数を達成するのに十分な組み込みの電気キャパシタをパッケージに備え付けることも構想されるかもしれない。しかし、そのような方策を続けると、輸送中にバッテリーのいわゆる「自重」を扱うことになるだろう。
【発明の概要】
【0013】
本発明は、特に、従来技術のこの欠点を軽減することを目的とする。
【0014】
もっとはっきり言えば、本発明の目的は、輸送される物品に連結され、物品の時間と空間に関するトレーサビリティに関係する技術手段の電気の再充電レベルの管理に関して、制約を伴わないとは言えないまでも、少なくともそれを制限する、輸送される物品のジオロケーションのためのシステムを提供することにある。
【0015】
本発明の他の目的は、物品の輸送に携わるサービスプロバイダーにとって実用的で使用が簡単である、そのような物品ジオロケーションシステムを提供することにある。
【0016】
これらの目的は、以下に現れる他の目的と共に、ジオロケーションシステムを主題とする本発明によって達成される。そのジオロケーションシステムは、
-ジオロケートされる少なくとも2つの物品と、
-コンピュータプラットフォームと、を備え、
それぞれの物品は、
-認識コードと、
-第1無線近接通信手段であって、他の物品の第1無線近接通信手段と通信し得る第1無線近接通信手段と、
-第2長距離通信手段と、
-ジオロケーション装置と、
-一定の時間間隔でジオロケーション装置の起動信号を送信するように構成され、ジオロケーション装置によって提供されたジオロケーションデータを受信及び記憶し得、それに、予め決められた期間中肯定的な有効ステータスを、予め決められた期間を過ぎると否定的な有効ステータスを割り当てるように構成された処理ユニットと、を含み、
コンピュータプラットフォームは、全ての物品の認識コードをリストする物品に関する少なくとも1つのデータベースを含み、物品の第2長距離通信手段と通信し得る第3長距離通信手段を含み、
一方の物品の処理ユニットは、起動信号の送信より前に、
-無線近接通信手段を介して他方の物品との通信のチャネルを開き、
-他方の物品の有効ステータスを受信し、
-他方の物品の有効ステータスが肯定的である場合、他方の物品の処理ユニットに記憶されたジオロケーションデータを受信し、ジオロケーション装置を非アクティブ状態に維持し、
-他方の物品の処理ユニットによって提供されたジオロケーションデータをコンピュータプラットフォームに送信する、ように構成されることを特徴とする。
【0017】
従って、本発明によって、ひとまとまりで(即ち、例えば輸送手段内にまとめられるが、随意にコンテナ内又は物流拠点内にもまとめられて)、換言すれば、ジオロケーションデータの共有が構築される集団で、輸送される物品のジオロケーションのシステムが得られる。
【0018】
ジオロケーション手段に関する技術手段は、大量の電気エネルギーを消費する。本発明によるシステムにおいて、これは、すぐ近くに置かれた、又は、少なくとも、無線近接通信手段によって、2つの物理的に隣接した物品が互いに通信することが可能になるように置かれた他の物品のジオロケーションデータを取得及び利用することができない場合にのみ、起動される(それ故にエネルギーを消費する)。
【0019】
物品が他の物品のジオロケーションデータを受信し得る場合、ジオロケーションに関する技術手段は起動されず、ちょうどその無線近接通信手段のような、低電力消費を伴う手段のみが動作する。
【0020】
その結果、単純なバッテリーによって輸送物品に繋がれた技術手段に電力を供給することができ、長期間に亘って独立して電力供給を保証することができる。従って、組み込み装置は完全に電気的に独立して長距離を移動し得る。加えて、それは、それを電気的に再充電する必要なく、異なる次に続く輸送される物品と繋がれながら、何度も再使用され得る。
【0021】
勿論、組み込み装置を数回以上再使用する可能性は、組み込み装置の急速な陳腐化を完全に又は部分的に回避することで最適化された炭素収支と共に、トレーサビリティシステムの明らかな経済的な利点である。電源は、前述の状況からわかるように、物品又は物品が収容されるパッケージに組み込まれ得ることに留意すべきである。しかし、本発明の範囲から外れることなく、無線エネルギー伝送技術によって可能な外部電源を用意することを構想することもできる。
【0022】
さらに、本発明の重要な特徴によれば、物品内に記憶され、集団の他の物品に送信されがちなジオロケーションデータは、制限され、予め決められた有効期間を有することに留意されるべきである。これは、システムの物品が本来輸送を意図されている限りにおいて、ジオロケーションデータが定期的に更新されることを保証することが必要だからである。
【0023】
さらに、ジオロケーションデータは、衛星によって、しかし、任意の他の適切な手段、特に、セルラー方式のジオロケーションシステム若しくはGSM、又は、LoRa(登録商標)、WiFi(登録商標)、UHF等のような、長距離、中距離、及び短距離の通信インターフェースによるジオロケーションのシステムによっても提供され得ることに留意すべきである。この追加の測位手段は、全て、既知の参照されるRFデータベース識別子を地理的な位置に関係付ける特定のクラウドサービスに関連付けられる。
【0024】
有利な解決策によれば、一方の物品の処理ユニットは、他方の物品の処理ユニットに記憶されたジオロケーションデータと共に、他方の物品の肯定的な有効ステータスを受信するように構成される。
【0025】
このようにして、他の物品のジオロケーションデータを受信した物品は、今度は、第3の物品に、それが肯定的な有効ステータスを持つジオロケーションデータを保持することを示し得る。
【0026】
この場合、一方の物品の処理ユニットは、有利に、他方の物品の肯定的な有効ステータスと共に、残りの有効期間を受信するように構成される。
【0027】
それ故、この特徴によれば、肯定的な有効ステータスの期限が切れると、有効ステータスは否定的であると言明されることが理解されるだろう。そして、ジオロケーションデータの有効ステータスが否定的である物品と通信する他の物品は、この物品のデータを受信せず、随意に、肯定的なステータスを持つジオロケーションデータを有する集団の他の物品の探索を続けるだろう。
【0028】
好ましくは、一方の物品の処理ユニットは、残りの有効期間の終わりに、ジオロケーション装置の起動信号を遅れずに計画するように構成される。
【0029】
このようにして、ジオロケーションデータの有効ステータスの変更を行うことに加えて、物品の処理ユニットは、最初に計画された時間間隔に従って、ジオロケーションデータの次の取得の時間、それ故にジオロケーション装置の起動の時間を再計画するように構成される。
【0030】
有利な解決策によれば、有効ステータスの残りの有効期間は、2つの起動信号を隔てる時間間隔の少なくとも2倍未満である。
【0031】
好ましくは、N個の物品を備えるジオロケーションシステムにおいて、有効ステータスの残りの有効期間は、2つの起動信号を隔てる時間間隔のN倍未満である。
【0032】
そのようなシステムの構成は、ジオロケーション装置の起動及び使用と比較して、たいしたエネルギーを消費しない、無線近接通信手段を介した物品間のやり取りを可能な限り促進して、集団の全ての物品のエネルギー消費量の低減の非常に重要な最適化を達成する。
【0033】
好ましい実施形態によれば、物品は組み込みの電力供給手段を有する。
【0034】
そのような電力供給手段は、勿論、再充電可能であり得る。
【0035】
あるいは、前に示されたように、本発明の範囲から外れることなく、外部電力供給手段を用意することができる。
【0036】
好ましくは、一方の物品の処理ユニットは、起動信号の送信に続いて、ジオロケーション装置によって提供されたジオロケーションデータ及び物品のコンピュータ認識コードをコンピュータプラットフォームに送信するように構成される。
【0037】
好ましい解決策によれば、一方の物品の処理ユニットは、他方の物品の処理ユニットに記憶されたジオロケーションデータと共に、他方の物品のコンピュータ認識コードを受信するように構成される。
【0038】
従って、誤ったデータを物品に送信して、その物品がそのデータを今度はプラットフォームに送信することで、ジオロケーションデータを改ざんする可能性が回避される。具体的に、ジオロケーションデータが認識コードに関連付けられていない場合、プラットフォームは、データが、そのデータベースの一部ではなく、それ故に信頼できないと見なされる物品から来たかどうかを見分け得る。逆に、認識コードの受信によって、勿論それに応じて構成されたプラットフォームは、前記認識コードに関連付けられたジオロケーションデータを信頼できるとみなすことができる。
【0039】
換言すれば、そのようなシステムによって、進行中の破壊行為を覆い隠す第三者による追跡装置の成り済まし及びプラットフォームへの誤った位置(しかし本発明の観点から正当なもの)の送信のような不正行為を防ぐことができる。
【0040】
構想され得る他の実施形態によれば、本発明によるシステムは、公開鍵と秘密鍵のセット(当業者に周知のセキュリティ機構)を使用する。この場合、コンピュータプラットフォームの「物品」データベースにリストされている物品の全ての処理ユニットは、ジオロケーションデータをコンピュータプラットフォーム又は他の物品に送信するように構成され、ジオロケーションデータはコンピュータプラットフォームによって提供される暗号化プロトコルに従って暗号化される。データ(ここではジオロケーションデータ)に署名し、データを暗号化する従来の手順は、情報を利用可能にしたい全てのジオロケーション装置によって実行される。データは、それぞれの装置に特有であり、組み込みの安全な侵入できないメモリに記憶されたった1つの秘密鍵を介して署名される。プラットフォームによる装置のジオロケーションメッセージの認証は、申し込み(ジオロケートされる物品のプラットフォームのデータベースへの記録)の際に記録された公開鍵によって行われる。
【0041】
本発明によるジオロケーションシステムの有利な実施によれば、物品は、
-処理ユニットと、
-認識コードと、
-第1通信手段と、
-第2通信手段と、
-ジオロケーション装置と、を備える組み込み装置をそれぞれ含むパッケージからなる。
【0042】
本発明の他の特徴及び利点は、説明に役立つ非限定的な例として与えられた本発明の好ましい実施形態の以下の説明、及び添付図面を理解すると、より明瞭に見えてくるだろう。
【図面の簡単な説明】
【0043】
図1図1は、輸送される物品の集団のジオロケーションのシステムを概略的に示す。
【発明を実施するための形態】
【0044】
図1に示されるように、本発明によるジオロケーションシステムは、それ自体で既知の方法で、
-ジオロケートされる少なくとも2つの物品A、B(又は、より一般に、ジオロケートされるN個の物品の集団)と、
-コンピュータプラットフォーム6と、を備え、
物品は、それぞれ、以下で説明される組み込み情報又は通信手段を含み、それぞれの物品は、特に、コンピュータ認識コード1を持ち、
コンピュータプラットフォーム6は、全ての物品のコンピュータ認識コード1をリストする少なくとも1つのデータベース60を含む。
【0045】
コンピュータ認識コード1に加えて、それぞれの物品は、
-第1無線近接通信手段2であって、他の物品の第1無線近接通信手段2と通信し得る第1無線近接通信手段2、典型的に、Bluetooth(登録商標)又はBLE(Bluetooth Low Energy)アンテナと、
-第2長距離通信手段3と、
-衛星ジオロケーション装置4と、
-コンピュータ処理ユニット5と、を含む。
【0046】
より一般に、物品はそれぞれ機器を取り付けられる(即ち、それらはそれぞれジオロケーション装置を含む)。従って、使用されるジオロケーション装置は、様々であり、換言すれば、異なる技術及び/又は製造業者のものであり得るが、少なくとも基本的な機能要素を含み、ジオロケーションデータの取得を可能にする。
【0047】
それ故、それぞれの物品は、アンテナ、又はより一般に、好ましくは低エネルギーの短距離電力消費インターフェースを含む。
【0048】
その上、それぞれの物品は電力供給手段7を含む。
【0049】
一方、コンピュータプラットフォーム6は、物品の第2長距離通信手段3と通信し得る第3長距離通信手段61を含む。
【0050】
加えて、それぞれの物品毎に、コンピュータ処理ユニット5は一定の時間間隔でジオロケーション装置の起動信号を送信するように構成される。その上、コンピュータ処理ユニットは、ジオロケーション装置4によって提供されたジオロケーションデータを受信及び記憶し得る。コンピュータ処理ユニットは、さらに、ジオロケーション装置によって提供されたジオロケーションデータに、ジオロケーションデータの受信から始まる予め決められた期間、肯定的な有効ステータスを割り当てるように構成される。予め決められた期間が経過すると、コンピュータ処理ユニットは有効ステータスを変更し、それは否定的な有効ステータスになる。
【0051】
本発明の原理によれば、それぞれの物品のコンピュータ処理ユニット5は、さらに、起動信号の送信より前に、
-第1無線近接通信手段2を介して他の物品との通信のチャネルを開き、
-他の物品の有効ステータスを読み取り、
-他の物品の有効ステータスが肯定的である場合、他の物品の処理ユニット5に記憶されたジオロケーションデータを受信し、現在ジオロケーションデータを取得している物品のジオロケーション装置4を非アクティブ状態に維持し、
-他の物品の処理ユニットによって提供されたジオロケーションデータをコンピュータプラットフォーム1に送信する、ように構成される。
【0052】
それぞれの物品のコンピュータ処理ユニット5は、加えて、
-他の物品の処理ユニットに記憶されたジオロケーションデータと共に、他の物品の肯定的な有効ステータスを受信し、
-他の物品の肯定的な有効ステータスと共に、残りの有効期間を受信し、
-残りの有効期間の終わりに、ジオロケーション装置の起動信号を遅れずに計画する、ように構成される。
【0053】
特定の実施形態によれば、ジオロケーションシステムはN個の物品を備え、有効ステータスの残りの期間は、2つの起動信号を隔てる時間間隔のN倍未満である。従って、システムが2つの物品を備える図1に示された特別な場合、有効ステータスの残り期間は、2つの起動信号を隔てる時間間隔の2倍未満である。
【0054】
Nの値は、ジオロケートされる物品によって、それが通信し得る周囲の物品のスキャン中に取得される。
【0055】
図1に示されるように、物品は、
-コンピュータ処理ユニット5と、
-認識コード1と、
-第1無線近接通信手段と、
-第2長距離通信手段と、
-ジオロケーション装置と、を備える組み込み装置を含むパッケージからなる。
【0056】
図1に現れるように、2つの物品のみを実装した本発明によるジオロケーションシステムの動作例は以下に説明される。
【0057】
バンに収容された(例えばパッケージの形を取る)物品A及びBを考えた場合、物品のジオロケーションの段階は次の方法で行われ得る。
【0058】
最初の段階において、2つの物品A及びBは待機している。これは、それぞれの物品の処理ユニット5が、処理ユニットに記憶されたジオロケーションデータのステータスを送信するような、第1無線近接通信手段2の動作のみを許可することを意味する。このジオロケーションデータは無効又は期限切れになり得ることに留意すべきである。
【0059】
以下に説明される例に関して、ジオロケーションデータの有効ステータスは否定的なステータスを持つとみなされる。
【0060】
パッケージの一方の処理ユニット(この場合パッケージAの処理ユニット)がジオロケーションデータの取得の段階を始める場合、物品Aのジオロケーション装置4の起動信号の送信より前に(念のために述べると、処理ユニットは一定の時間間隔でそのような起動信号を送信するように構成される)、処理ユニットは、そのすぐ近くの環境で、第1無線近接通信手段2を使用して、同じ型の他方の物品(それ故に問題の例において物品B)を探索するように構成される。
【0061】
そして、物品Aの処理ユニットは、物品Bの存在を検出し、従って物品Bのジオロケーションデータの有効ステータスをアクセスするだろう。このステータスは最初の仮定に従って否定的である。
【0062】
この場合、物品Aの処理ユニットは物品Bのジオロケーションを取得することができないため、物品Aの処理ユニットは物品Aのジオロケーション装置4を起動する。衛星ジオロケーションデータは、ジオロケーション装置を介して取得されてから、肯定的な有効ステータスを割り当てられることで、物品Aの処理ユニットによって記憶される。この段階で、物品Aはその処理ユニットによって「待機状態」に戻される。
【0063】
その結果、一定の時間間隔でジオロケーション測定を始めるように計画されている物品Bのコンピュータ処理ユニットは、物品Bのジオロケーションの起動信号を送信する。この例では、この起動信号が物品Aの処理ユニットに記憶されたジオロケーションデータの肯定的な有効ステータスの終わりより前に送信されることが理解される。
【0064】
今度は、物品Bのコンピュータ処理ユニットがその第1無線近接通信手段を介して周囲の1つ又は複数の物品との通信のチャネルを開こうと試みる。このステップによって、物品Bの処理ユニットは物品Aを検出する。物品Aに対して、物品Bは物品Aの処理ユニットに記憶されたジオロケーションデータの肯定的な有効ステータスを読み取るだろう。そして、物品Aに接続された物品Bは、物品Aのジオロケーションデータの残りの有効期間と共に、物品Aのジオロケーションデータを受信する。
【0065】
ジオロケーションデータが物品Bによって受信されると、物品Bのコンピュータ処理ユニットは、それが記憶したジオロケーションデータに、肯定的な有効ステータスを割り当てる。さらに、コンピュータ処理ユニットは、ジオロケーション装置の次の起動信号の送信を遅れずに計画し、ジオロケーションデータの有効性の終了の際にそうする。
【0066】
ここで留意すべきは、肯定的な有効ステータスの期間は、処理ユニットがジオロケーション装置の起動信号を送信するように構成される一定の時間間隔よりはっきりと短いことである。
【0067】
この状況において、物品Bの処理ユニットは、物品Aのジオロケーションデータの有効ステータスが否定的である時間tにジオロケーションデータの探索を始める。
【0068】
従って、物品Bの処理ユニットが物品Aのコンピュータ処理ユニットとの通信を始めた場合、有効なジオロケーションデータは物品A内に検出されない。
【0069】
この結果、物品Bの処理ユニットは物品Bのジオロケーション装置の起動信号を送信する。そのジオロケーション装置は、衛星との通信を始めて、ジオロケーションデータを取得する。そのジオロケーションデータは、肯定的な有効ステータスを割り当てられることで、物品Bのコンピュータ処理ユニットに記憶される。
【0070】
その後、ジオロケーションデータの探索を始めるのは、物品Aのコンピュータ処理ユニットの番である。そして、物品Aのコンピュータ処理ユニットは、パッケージBのコンピュータ処理ユニットに関して既に説明されたステップに従って事を進めるだろう。
【0071】
勿論、物品のジオロケーションデータはコンピュータプラットフォーム6に送信され得る。これは、いつでも、物品のコンピュータ処理ユニットによって定期的に始められるか、又は物品のコンピュータ処理ユニットに向けられたコンピュータプラットフォームの要求により始められる。
図1
【手続補正書】
【提出日】2024-05-13
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ジオロケートされる少なくとも2つの物品と、
コンピュータプラットフォームと、を備え、
それぞれの物品は、
コンピュータ認識コードと、
第1無線近接通信手段であって、他の物品の第1無線近接通信手段と通信し得る第1無線近接通信手段と、
第2長距離通信手段と、
ジオロケーション装置と、
一定の時間間隔で前記ジオロケーション装置の起動信号を送信するように構成され、前記ジオロケーション装置によって提供されたジオロケーションデータを受信及び記憶し得、それに、予め決められた期間中肯定的な有効ステータスを、前記予め決められた期間を過ぎると否定的な有効ステータスを割り当てるように構成された処理ユニットと、を含み、
前記コンピュータプラットフォームは、全ての前記物品の前記コンピュータ認識コードをリストする前記物品に関する少なくとも1つのデータベースを含み、前記物品の前記第2長距離通信手段と通信し得る第3長距離通信手段を含み、
一方の物品の前記処理ユニットは、前記起動信号の送信より前に、
前記無線近接通信手段を介して他方の物品との通信のチャネルを開き、
前記他方の物品の前記有効ステータスを読み取り、
前記他方の物品の前記有効ステータスが肯定的である場合、前記他方の物品の前記処理ユニットに記憶されたジオロケーションデータを受信し、前記ジオロケーション装置を非アクティブ状態に維持し、
前記他方の物品の前記処理ユニットによって提供された前記ジオロケーションデータを前記コンピュータプラットフォームに送信する、ように構成されることを特徴とする、ジオロケーションシステム。
【請求項2】
一方の物品の前記処理ユニットは、前記他方の物品の前記処理ユニットに記憶された前記ジオロケーションデータと共に、前記他方の物品の前記肯定的な有効ステータスを受信するように構成されることを特徴とする、請求項1に記載のジオロケーションシステム。
【請求項3】
一方の物品の前記処理ユニットは、前記他方の物品の前記肯定的な有効ステータスと共に、残りの有効期間を受信するように構成されることを特徴とする、請求項2に記載のジオロケーションシステム。
【請求項4】
一方の物品の前記処理ユニットは、前記残りの有効期間の終わりに、前記ジオロケーション装置の起動信号を遅れずに計画するように構成されることを特徴とする、請求項3に記載のジオロケーションシステム。
【請求項5】
有効ステータスの前記残りの有効期間は、2つの起動信号を隔てる時間間隔の少なくとも2倍未満であることを特徴とする、請求項3又は4に記載のジオロケーションシステム。
【請求項6】
N個の物品を備え、有効ステータスの前記残りの期間は、2つの起動信号を隔てる時間間隔のN倍未満であることを特徴とする、請求項5に記載のジオロケーションシステム。
【請求項7】
一方の物品の前記処理ユニットは、前記起動信号の送信に続いて、前記ジオロケーション装置によって提供された前記ジオロケーションデータ及び前記物品の前記コンピュータ認識コードを前記コンピュータプラットフォームに送信するように構成されることを特徴とする、請求項1に記載のジオロケーションシステム。
【請求項8】
一方の物品の前記処理ユニットは、前記他方の物品の前記処理ユニットに記憶された前記ジオロケーションデータと共に、前記他方の物品の前記コンピュータ認識コードを受信するように構成されることを特徴とする、請求項7に記載のジオロケーションシステム。
【請求項9】
前記物品は、
前記処理ユニットと、
前記認識コードと、
前記第1無線近接通信手段と、
前記第2長距離通信手段と、
前記ジオロケーション装置と、を備える組み込み装置をそれぞれ含むパッケージからなることを特徴とする、請求項1に記載のジオロケーションシステム。
【国際調査報告】