(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-10-23
(54)【発明の名称】多層デキストロース錠剤
(51)【国際特許分類】
A61K 9/20 20060101AFI20241016BHJP
A61K 47/26 20060101ALI20241016BHJP
A61K 47/38 20060101ALI20241016BHJP
A61K 47/36 20060101ALI20241016BHJP
A61K 47/32 20060101ALI20241016BHJP
A61K 31/375 20060101ALN20241016BHJP
A61K 33/10 20060101ALN20241016BHJP
A61K 31/198 20060101ALN20241016BHJP
A61K 31/195 20060101ALN20241016BHJP
A61K 31/4045 20060101ALN20241016BHJP
【FI】
A61K9/20
A61K47/26
A61K47/38
A61K47/36
A61K47/32
A61K31/375
A61K33/10
A61K31/198
A61K31/195
A61K31/4045
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024522359
(86)(22)【出願日】2022-10-12
(85)【翻訳文提出日】2024-06-11
(86)【国際出願番号】 DK2022050215
(87)【国際公開番号】W WO2023061544
(87)【国際公開日】2023-04-20
(32)【優先日】2021-10-15
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】507002103
【氏名又は名称】フェルティン ファルマ アー/エス
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【氏名又は名称】実広 信哉
(74)【代理人】
【識別番号】100133400
【氏名又は名称】阿部 達彦
(72)【発明者】
【氏名】ヘレ・ウィトルフ
【テーマコード(参考)】
4C076
4C086
4C206
【Fターム(参考)】
4C076AA36
4C076BB01
4C076CC07
4C076CC21
4C076CC22
4C076CC40
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4C076EE06B
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4C076FF02
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4C086BA18
4C086BC13
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4C086MA35
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4C086NA03
4C086NA09
4C086ZC03
4C086ZC28
4C206FA45
4C206FA53
(57)【要約】
本発明は、経口チュアブル錠であって、錠剤の50~95質量%の量のデキストロース;及び錠剤の0.1~50質量%の量の1種又は複数の活性成分を含む経口チュアブル錠に関する。経口チュアブル錠は、前記デキストロース及び1種又は複数の活性成分を含有する少なくとも2つの圧縮層を含み、圧縮層の第1の層は、第2の層に合着して隣接している。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
経口チュアブル錠であって、
錠剤の50~95質量%の量のデキストロース;及び
錠剤の0.1~50質量%の量の1種又は複数の活性成分を含み、
前記デキストロース及び1種又は複数の活性成分を含有する少なくとも2つの圧縮層を含み、圧縮層の第1の層が、第2の層に合着して隣接している、経口チュアブル錠。
【請求項2】
2つの層からなる、請求項1に記載の経口チュアブル錠。
【請求項3】
第1の層と第2の層との質量比が1:10~10:1である、請求項1又は2に記載の経口チュアブル錠。
【請求項4】
第1の層と第2の層との重量質量比が1:5~5:1である、請求項1から3のいずれか一項に記載の経口チュアブル錠。
【請求項5】
第1の層と第2の層との質量比が1:2~2:1である、請求項1から4のいずれか一項に記載の経口チュアブル錠。
【請求項6】
3つの層からなり、第1の層が中間層であり、第2の層が第1の層の一方の側に合着して隣接しており、第3の層が第1の層の反対の側に合着して隣接している、請求項1又は2に記載の経口チュアブル錠。
【請求項7】
第1の層と第2の層と第3の層との質量比が1:5:5~10:1:1である、請求項6に記載の経口チュアブル錠。
【請求項8】
第1の層と第2の層と第3の層との質量比が1:3:3~3:1:1である、請求項6又は7に記載の経口チュアブル錠。
【請求項9】
打錠機での直接圧縮により作製される、請求項1から8のいずれか一項に記載の経口チュアブル錠。
【請求項10】
第1の層が先行圧縮層であり、第2の層が、第1の層の上部で圧縮される、請求項1から9のいずれか一項に記載の経口チュアブル錠。
【請求項11】
第1の層が、打錠機での直接圧縮により先行圧縮され、第2の層が、打錠機において第1の層の上部で圧縮される、請求項1から10のいずれか一項に記載の経口チュアブル錠。
【請求項12】
第1の層が、打錠機での直接圧縮により先行圧縮され、第2の層が、打錠機において、より高い圧力で第1の層の上部で圧縮される、請求項1から11のいずれか一項に記載の経口チュアブル錠。
【請求項13】
第2の層が、圧縮中の錠剤の破壊を回避するように操作可能である圧力で、第1の層の上部で圧縮される、請求項1から12のいずれか一項に記載の経口チュアブル錠。
【請求項14】
第2の層が、錠剤の層割れを回避するように操作可能である圧力で、第1の層の上部で圧縮される、請求項1から13のいずれか一項に記載の経口チュアブル錠。
【請求項15】
第2の層が、錠剤のキャッピングを回避するように操作可能である圧力で、第1の層の上部で圧縮される、請求項1から14のいずれか一項に記載の経口チュアブル錠。
【請求項16】
製剤に別々に添加されて、錠剤内の他の成分に組み込まれているいずれの結合剤とも別々である1種又は複数の結合剤を含む、請求項1から15のいずれか一項に記載の経口チュアブル錠。
【請求項17】
製剤に別々に添加されて、錠剤内の他の成分に組み込まれているいずれの結合剤とも別々である1種又は複数の結合剤を錠剤の2~15質量%の量で含む、請求項1から16のいずれか一項に記載の経口チュアブル錠。
【請求項18】
製剤に別々に添加されて、錠剤内の他の成分に組み込まれているいずれの結合剤とも別々である1種又は複数の結合剤を錠剤の3~10質量%の量で含む、請求項1から17のいずれか一項に記載の経口チュアブル錠。
【請求項19】
製剤に別々に添加されて、錠剤内の他の成分に組み込まれているいずれの結合剤とも別々である1種又は複数の結合剤を錠剤の4~6質量%の量で含む、請求項1から18のいずれか一項に記載の経口チュアブル錠。
【請求項20】
1種又は複数の結合剤が、ヒドロキシプロピルセルロース(HPC)、ヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC)、マルトデキストリン、及びそれらの組合せからなる群から選択される、請求項1から19のいずれか一項に記載の経口チュアブル錠。
【請求項21】
1種又は複数の結合剤が、ヒドロキシプロピルセルロース(HPC)、ヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC)、及びそれらの組合せからなる群から選択される、請求項1から20のいずれか一項に記載の経口チュアブル錠。
【請求項22】
1種又は複数の結合剤がヒドロキシプロピルセルロース(HPC)を含む、請求項1から21のいずれか一項に記載の経口チュアブル錠。
【請求項23】
1種又は複数の結合剤がヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC)を含む、請求項1から22のいずれか一項に記載の経口チュアブル錠。
【請求項24】
1種又は複数の結合剤がマルトデキストリンを含む、請求項1から20のいずれか一項に記載の経口チュアブル錠。
【請求項25】
1種又は複数の結合剤が微結晶性セルロース(MCC)を含まない、請求項1から24のいずれか一項に記載の経口チュアブル錠。
【請求項26】
製剤に別々に添加されて、錠剤内の他の成分に組み込まれているいずれの結合剤とも別々である1種又は複数の結合剤を含まない、請求項1から15のいずれか一項に記載の経口チュアブル錠。
【請求項27】
デキストロースを含む顆粒に存在する1種又は複数の結合剤等、錠剤において他の成分に組み込まれている1種又は複数の結合剤を含む、請求項1から26のいずれか一項に記載の経口チュアブル錠。
【請求項28】
デキストロースが錠剤の55~95質量%の量で存在する、請求項1から27のいずれか一項に記載の経口チュアブル錠。
【請求項29】
デキストロースが錠剤の60~95質量%の量で存在する、請求項1から28のいずれか一項に記載の経口チュアブル錠。
【請求項30】
デキストロースが錠剤の65~95質量%の量で存在する、請求項1から29のいずれか一項に記載の経口チュアブル錠。
【請求項31】
デキストロースが錠剤の70~95質量%の量で存在する、請求項1から30のいずれか一項に記載の経口チュアブル錠。
【請求項32】
デキストロースが錠剤の70~90質量%の量で存在する、請求項1から31のいずれか一項に記載の経口チュアブル錠。
【請求項33】
デキストロース、1種又は複数の活性成分、製剤に別々に添加されて、錠剤内の他の成分に組み込まれているいずれの結合剤とも別々である1種又は複数の結合剤、及び錠剤の約5質量%まで存在する補助成分から本質的になる、請求項1から32のいずれか一項に記載の経口チュアブル錠。
【請求項34】
デキストロース、1種又は複数の活性成分、及び錠剤の約5質量%まで存在する補助成分から本質的になる、請求項1から33のいずれか一項に記載の経口チュアブル錠。
【請求項35】
糖アルコールを含まない、請求項1から34のいずれか一項に記載の経口チュアブル錠。
【請求項36】
ゴム基剤を含まない、請求項1から35のいずれか一項に記載の経口チュアブル錠。
【請求項37】
デキストロースが、デンプンの制御された酵素的加水分解に基づく、請求項1から36のいずれか一項に記載の経口チュアブル錠。
【請求項38】
デキストロースが無水デキストロースを含む、請求項1から37のいずれか一項に記載の経口チュアブル錠。
【請求項39】
デキストロースが水和デキストロースを含む、請求項1から38のいずれか一項に記載の経口チュアブル錠。
【請求項40】
デキストロースがデキストロース一水和物を含む、請求項1から39のいずれか一項に記載の経口チュアブル錠。
【請求項41】
デキストロースが、乾燥量基準で計算して少なくとも90%のデキストロース当量を含む、請求項1から40のいずれか一項に記載の経口チュアブル錠。
【請求項42】
デキストロースが、糖の精製混合物を含む、請求項1から41のいずれか一項に記載の経口チュアブル錠。
【請求項43】
デキストロースがオリゴ糖を含む、請求項1から42のいずれか一項に記載の経口チュアブル錠。
【請求項44】
デキストロースが、乾燥量基準で計算して93~97%のデキストロース当量を含む、請求項1から43のいずれか一項に記載の経口チュアブル錠。
【請求項45】
デキストロースが微結晶性デキストロースを含む、請求項1から44のいずれか一項に記載の経口チュアブル錠。
【請求項46】
デキストロースがデキストレートを含む、請求項1から45のいずれか一項に記載の経口チュアブル錠。
【請求項47】
デキストロースが、乾燥量基準で計算して100%のデキストロース当量を含む、請求項1から46のいずれか一項に記載の経口チュアブル錠。
【請求項48】
デキストロースが、デンプンからデキストロースへの100%変換に基づく、請求項1から47のいずれか一項に記載の経口チュアブル錠。
【請求項49】
デキストロースが直接圧縮可能(DC)である、請求項1から48のいずれか一項に記載の経口チュアブル錠。
【請求項50】
デキストロースが粉末である、請求項1から49のいずれか一項に記載の経口チュアブル錠。
【請求項51】
少なくとも1つのグレードのデキストロースを含む、請求項1から50のいずれか一項に記載の経口チュアブル錠。
【請求項52】
少なくとも2つのグレードのデキストロースを含む、請求項1から51のいずれか一項に記載の経口チュアブル錠。
【請求項53】
少なくとも3つのグレードのデキストロースを含む、請求項1から52のいずれか一項に記載の経口チュアブル錠。
【請求項54】
錠剤の異なる層に異なるグレードのデキストロースを含む、請求項1から53のいずれか一項に記載の経口チュアブル錠。
【請求項55】
結合剤を含有する少なくとも1つのグレードのデキストロースを含む、請求項1から54のいずれか一項に記載の経口チュアブル錠。
【請求項56】
マルトデキストリンを含有する少なくとも1つのグレードのデキストロースを含む、請求項1から55のいずれか一項に記載の経口チュアブル錠。
【請求項57】
デキストロース及び1種又は複数の結合剤を含む顆粒である少なくとも1つのグレードのデキストロースを含む、請求項1から56のいずれか一項に記載の経口チュアブル錠。
【請求項58】
少なくとも1つのグレードのデキストロースを含み、1種又は複数の結合剤がそのグレードに組み込まれていない、請求項1から57のいずれか一項に記載の経口チュアブル錠。
【請求項59】
デキストロースが、少なくとも30質量%の180~500ミクロンの範囲の粒子を含む、請求項1から58のいずれか一項に記載の経口チュアブル錠。
【請求項60】
デキストロースが、少なくとも50質量%の180~500ミクロンの範囲の粒子を含む、請求項1から59のいずれか一項に記載の経口チュアブル錠。
【請求項61】
デキストロースが、少なくとも30質量%の250~500ミクロンの範囲の粒子を含む、請求項1から60のいずれか一項に記載の経口チュアブル錠。
【請求項62】
デキストロースが、少なくとも50質量%の250ミクロン超の粒子を含む、請求項1から61のいずれか一項に記載の経口チュアブル錠。
【請求項63】
デキストロースが、少なくとも10質量%の500ミクロン超の粒子を含む、請求項1から62のいずれか一項に記載の経口チュアブル錠。
【請求項64】
デキストロースが、多くとも5質量%の100ミクロン未満の粒子を含む、請求項1から63のいずれか一項に記載の経口チュアブル錠。
【請求項65】
デキストロースが、多くとも20質量%の250ミクロン未満の粒子を含む、請求項1から64のいずれか一項に記載の経口チュアブル錠。
【請求項66】
デキストロースが、多くとも25質量%の149ミクロン未満の粒子を含む、請求項1から65のいずれか一項に記載の経口チュアブル錠。
【請求項67】
デキストロースが、多くとも35質量%の177ミクロン未満の粒子を含む、請求項1から66のいずれか一項に記載の経口チュアブル錠。
【請求項68】
1種又は複数の活性成分が、錠剤の5~50質量%の量で存在する、請求項1から67のいずれか一項に記載の経口チュアブル錠。
【請求項69】
1種又は複数の活性成分が、錠剤の10~50質量%の量で存在する、請求項1から68のいずれか一項に記載の経口チュアブル錠。
【請求項70】
1種又は複数の活性成分が、錠剤の30~50質量%の量で存在する、請求項1から69のいずれか一項に記載の経口チュアブル錠。
【請求項71】
1種又は複数の活性成分が、錠剤の5~30質量%の量で存在する、請求項1から68のいずれか一項に記載の経口チュアブル錠。
【請求項72】
1種又は複数の活性成分が、錠剤の10~30質量%の量で存在する、請求項1から69のいずれか一項に記載の経口チュアブル錠。
【請求項73】
1種又は複数の活性成分が、錠剤の第1の層に配置されている、請求項1から72のいずれか一項に記載の経口チュアブル錠。
【請求項74】
1種又は複数の活性成分が、錠剤の第2の層に配置されている、請求項1から73のいずれか一項に記載の経口チュアブル錠。
【請求項75】
1種又は複数の活性成分が、錠剤の第1の層及び第2の層に両方配置されている、請求項1から74のいずれか一項に記載の経口チュアブル錠。
【請求項76】
1つの活性成分が、錠剤の第1の層に配置されており、別の活性成分が、錠剤の第2の層に配置されている、請求項1から75のいずれか一項に記載の経口チュアブル錠。
【請求項77】
錠剤の層の1つは、1種又は複数の活性成分を含まない、請求項1から76のいずれか一項に記載の経口チュアブル錠。
【請求項78】
1種又は複数の活性成分が、直接圧縮不可能な(非DC)活性成分を含む、請求項1から77のいずれか一項に記載の経口チュアブル錠。
【請求項79】
1種又は複数の活性成分が、直接圧縮不可能な(非DC)活性成分を錠剤の10~50質量%の量で含む、請求項1から78のいずれか一項に記載の経口チュアブル錠。
【請求項80】
1種又は複数の活性成分が、直接圧縮不可能な(非DC)活性成分を錠剤の30~50質量%の量で含む、請求項1から79のいずれか一項に記載の経口チュアブル錠。
【請求項81】
1種又は複数の活性成分が、直接圧縮可能な(DC)活性成分を含む、請求項1から80のいずれか一項に記載の経口チュアブル錠。
【請求項82】
1種又は複数の活性成分が免疫支持活性成分を含む、請求項1から81のいずれか一項に記載の経口チュアブル錠。
【請求項83】
1種又は複数の活性成分がエネルギー刺激活性成分を含む、請求項1から82のいずれか一項に記載の経口チュアブル錠。
【請求項84】
1種又は複数の活性成分が、ビタミン、無機物、及びハーブの混合物を含む、請求項1から83のいずれか一項に記載の経口チュアブル錠。
【請求項85】
1種又は複数の活性成分が活性医薬成分を含む、請求項1から84のいずれか一項に記載の経口チュアブル錠。
【請求項86】
錠剤の摩損度が3%未満、例えば、2%未満、例えば1.5%未満であり、摩損度が、Pharma Test社製の医薬摩損度テスターPTF 10Eを使用することによりEuropean Pharmacopoeia 9.1, test method 2.9.7に従って測定される、請求項1から85のいずれか一項に記載の経口チュアブル錠。
【請求項87】
錠剤が、咀嚼の開始から30秒以内に唾液1.5mL超を生成する、請求項1から86のいずれか一項に記載の経口チュアブル錠。
【請求項88】
唾液産生を制御するための唾液産生阻害剤を更に含む、請求項1から87のいずれか一項に記載の経口チュアブル錠。
【請求項89】
口腔唾液と接触して2分以下の期間内に錠剤を崩壊させるように動作可能な1種又は複数の崩壊剤を含む、請求項1から88のいずれか一項に記載の経口チュアブル錠。
【請求項90】
ナトリウムクロスカルメロース、クロスポビドン、デンプングリコール酸ナトリウム、及びそれらの組合せからなる群から選択される1種又は複数の崩壊剤を含む、請求項1から89のいずれか一項に記載の経口チュアブル錠。
【請求項91】
第1の層が、1~5kNの圧縮圧力下で圧縮される、請求項1から90のいずれか一項に記載の経口チュアブル錠。
【請求項92】
第2の層が、6~40kNの圧縮圧力下で圧縮される、請求項1から91のいずれか一項に記載の経口チュアブル錠。
【請求項93】
第2の層が、10~30kNの圧縮圧力下で圧縮される、請求項1から92のいずれか一項に記載の経口チュアブル錠。
【請求項94】
唾液と接触した経口チュアブル錠が、10~30kNの圧縮圧力下で10%未満変化する崩壊プロファイルを有する、請求項1から93のいずれか一項に記載の経口チュアブル錠。
【請求項95】
錠剤の単位質量が、約100mg~約2000mgである、請求項1から94のいずれか一項に記載の経口チュアブル錠。
【請求項96】
錠剤の単位質量が、約600mg~約1500mgである、請求項1から95のいずれか一項に記載の経口チュアブル錠。
【請求項97】
1種又は複数の活性成分が1~1000mgの量で存在する、請求項1から95のいずれか一項に記載の経口チュアブル錠。
【請求項98】
1種又は複数の活性成分が1~600mgの量で存在する、請求項1から97のいずれか一項に記載の経口チュアブル錠。
【請求項99】
1種又は複数の活性成分が50~250mgの量で存在する、請求項1から98のいずれか一項に記載の経口チュアブル錠。
【請求項100】
1種又は複数の活性成分が100~250mgの量で存在する、請求項1から99のいずれか一項に記載の経口チュアブル錠。
【請求項101】
1種又は複数の活性成分が1~50mgの量で存在する、請求項1から97のいずれか一項に記載の経口チュアブル錠。
【請求項102】
1種又は複数の活性成分が1~4mgの量で存在する、請求項1から101のいずれか一項に記載の経口チュアブル錠。
【請求項103】
50質量%未満のデキストロースを含む経口チュアブル錠と比較して、向上された食感をもたらす、請求項1から102のいずれか一項に記載の経口チュアブル錠。
【請求項104】
50質量%未満のデキストロースを含む経口チュアブル錠と比較して、向上された溶融感覚をもたらす、請求項1から103のいずれか一項に記載の経口チュアブル錠。
【請求項105】
50質量%未満のデキストロースを含む経口チュアブル錠と比較して、向上された液体感覚をもたらす、請求項1から104のいずれか一項に記載の経口チュアブル錠。
【請求項106】
50質量%未満のデキストロースを含む経口チュアブル錠と比較して、少ない粘着感覚をもたらす、請求項1から105のいずれか一項に記載の経口チュアブル錠。
【請求項107】
50質量%未満のデキストロースを含む経口チュアブル錠と比較して、1種又は複数の活性成分からの少ない苦味感覚をもたらす、請求項1から106のいずれか一項に記載の経口チュアブル錠。
【請求項108】
50質量%未満のデキストロースを含む経口チュアブル錠と比較して、向上された矯味をもたらす、請求項1から107のいずれか一項に記載の経口チュアブル錠。
【請求項109】
1種又は複数の別々の結合剤を含む経口チュアブル錠と比較して、向上された溶融感覚をもたらす、請求項1から108のいずれか一項に記載の経口チュアブル錠。
【請求項110】
咀嚼から60秒以内に液体になるように設計されている、請求項1から109のいずれか一項に記載の経口チュアブル錠。
【請求項111】
咀嚼から30秒以内に液体になるように設計されている、請求項1から110のいずれか一項に記載の経口チュアブル錠。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、活性成分を経口送達するためのチュアブル錠の分野に関する。詳細には、本発明は、活性成分を高負荷送達(high load delivery)するために好適な多層錠剤に関する。
【背景技術】
【0002】
経口錠剤に高負荷の活性成分を組み込むために、様々な試みが過去に提案されている。これらの解決法は、錠剤中に高い含有率の活性物質を含有することに関して、いくつかの利点を提供し得る一方で、その解決法が市場化されることを妨げる明らかな欠点が往々にして見られる。
【0003】
特に、高負荷の活性成分を含む錠剤に関連して、製造プロセス中に困難が生じることが多い。多くの場合に、活性成分の高負荷は、製造プロセスにおいて、錠剤の貯蔵及び輸送中にプロセシングの問題を引き起こし得る脆弱な錠剤をもたらす。
【0004】
特に、多層錠剤は、好適な結果を伴って生産することが困難なことがある。多くの場合に、これらの錠剤は、脆弱で、したがって、錠剤の貯蔵及び輸送上の欠点において好ましくない。典型的には、多層錠剤が打錠機で調製される場合、圧縮プロセスが、錠剤の層に組み込まれる活性物質の量を多少制限する。
【0005】
例えば、錠剤の第1の層のための錠剤化手順における先行圧縮工程は、第2の層が第1の層の上部に施与されると、摩損度(friability)に伴う問題を引き起こし得る。頑丈である、多層錠剤の合着して密閉された構造を形成する好適な錠剤を提供するために、第2の層には高い圧力が通常は必要とされる。
【0006】
また、活性成分の高負荷は、多層錠剤の全体的な感覚特性についての問題を引き起こし得る。味覚特性に関する活性成分の性質及び一部の活性成分で顕著な苦みと、多層錠剤中の他の成分と比べて多量の活性物質との両方が、製剤の専門家にとっての難題であり得る。
【0007】
より重大な問題の1つは、好適な感覚特性を有する経口送達のための多層錠剤を製剤化することが多くの場合に困難であることである。本文脈における感覚特性には、咀嚼された場合の多層錠剤の全体的な食感及び得られる口腔への活性成分の送達が含まれる。例えば、顕著な粉っぽい感覚は多くの場合に、使用者に不都合であり、結果として、頻繁に使用されない劣悪な多層錠剤をもたらし得る。
【0008】
好ましくは、向上された感覚特性を得るためにも役立ち得る多層錠剤が提供されるべきである。この場合、重要な感覚特性には、摩損度、テクスチャ、香味知覚、甘味知覚及び活性物質に関連するオフノート(off-note)が含まれる。これらの特性はいずれも、チュアブル多層錠における便宜性の見地に関するが、確かに、多層錠剤からの活性物質の適切な送達をサポートし、活性物質の有害な副作用を回避するためでもある。
【0009】
活性物質の送達ビヒクルとしてのチュアブル多層錠に伴う難題の1つは、活性物質が、化合物の特異的な生理化学的特性により、投与中のオフノートと関連する傾向があり得ることである。活性物質のより多量の放出がそのような多層錠剤により送達される場合には、矯味の問題は更に重大である。オフノートが投与中の主な感覚である場合、便宜性に影響が及び得、更により重大なことに、活性物質の送達も影響を受け得る。唾液産生が抑制されることもあり、送達ビヒクルを正確に取り扱うことができない。
【0010】
更に、感覚特性がある程度まで遵守される場合にも、経口投与で活性成分を相対的に早く送達する要望も通常は存在するであろう。多くの場合に、相対的に早く放出するというこの要望は、活性成分の矯味の要望に逆行する。
【0011】
特に、便宜性及び有効性の上昇をもたらす活性物質の放出特性を得るためにも役立ち得るチュアブル多層錠製剤の利点については、わずかな注意しか払われていない。これらの放出特性の1つは、咀嚼の際の唾液の生成の増加である。唾液生成の増加及び特に、投与の際の唾液生成の増加の体験は、活性物質の送達について、いくつかの顕著な利点を有し得る。
【0012】
したがって、有利な感覚特性に対応し、同時に、活性成分の相対的に早い送達にも対応する活性成分を経口送達するための多層錠剤が必要とされている。これは、高負荷での活性成分に特に望ましいものであり得るが、顕著な苦味特性を有する成分等、低負荷での活性成分にも望ましいものであり得る。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0013】
【非特許文献】
【0014】
【非特許文献1】European Pharmacopoeia 9.1、test method 2.9.7
【非特許文献2】European Pharmacopoeia 9.1、test method 2.9.8
【非特許文献3】European Pharmacopoeia 9.1
【非特許文献4】European Pharmacopeia 9.0、section 2.9.1、Disintegration of tablets and capsules
【非特許文献5】Martindale、The Extra Pharmacopoeia、28th edition、547~578頁
【非特許文献6】Pharm. Int.、Nov.85、267~271頁、Barney H. Hunter and Robert L. Talbert
【発明の概要】
【0015】
したがって、経口チュアブル錠であって、
錠剤の50~95質量%の量のデキストロース;及び
錠剤の0.1~50質量%の量の1種又は複数の活性成分を含み、
前記デキストロース及び1種又は複数の活性成分を含有する少なくとも2つの圧縮層を含み、圧縮層の第1の層が、第2の層に合着して隣接している、経口チュアブル錠を提供する。
【0016】
本発明によるチュアブル多層錠の提供は、従来技術の様々な問題を解決することができ、有利な感覚特性と組み合わされた活性物質の有利な送達特性を組み合わせるチュアブル多層錠を確立することを目指している。
【0017】
概して、本発明による経口チュアブル多層錠剤の目的は、従来の経口チュアブル単層錠剤よりも高い柔軟性を同時に可能にする配置での、相対的に多量のデキストロース及び1種又は複数の活性成分の組合せである。
【0018】
本発明の1つの利点は、従来のチュアブル錠及びロゼンジ剤と比較して驚異的に強い唾液生成である。唾液の生成の増加は、1種又は複数の活性成分の送達に多大な影響を有し得る。具体的には、唾液の生成の増加が多層錠剤からの1種又は複数の活性成分の放出と協調する場合、相対的に急速な送達が得られる。したがって、1種又は複数の活性成分の作用と唾液生成の増加との間の相乗作用を本発明により見ることができる。
【0019】
従来技術を上回る予測されていなかった1つの利点は、使用者がデキストロースのバルク部分を嚥下した後にも、唾液生成が驚異的に持続することである。この唾液生成の持続は、食感、味、香味知覚等に及ぶチュアブル多層錠の多くの適用に関して有利であり得る。
【0020】
放出特性に関して、本発明は、従来のチュアブル単層錠と比較して、1種又は複数の活性成分の放出プロファイルの向上をもたらし得る。詳細には、本発明の特異的な錠剤製剤プラットフォームは、1種又は複数の活性成分と組み合わせて施与される従来のチュアブル単層錠製剤プラットフォームと比較して、1種又は複数の活性成分の放出特性の向上を提供するために役立ち得る。
【0021】
本発明の非常に重要な態様は、有利な感覚特性の提供である。ここでは、重要な感覚特性には、食感、咀嚼/液体への溶融の容易性、摩損度(機械的耐久性)、テクスチャ、香味知覚、甘味知覚及び1種又は複数の活性成分と関連するオフノートが含まれる。これらの特性はいずれも、チュアブル多層錠における利便性の見地と関連するが、確かに、放出プロファイルの向上等のチュアブル多層錠製剤からの1種又は複数の活性成分の適切な送達をサポートし、1種又は複数の活性成分の有害な副作用を回避するためでもある。
【0022】
本発明者は、これらの感覚特性の点において本発明の特徴の特異的な組合せで、非常に驚くべき結果を示している。本発明が、1種又は複数の活性成分の急速な放出等の放出プロファイルの向上に寄与し得ると同時に、それに関して、チュアブル多層錠からの1種又は複数の活性成分の適切な送達もサポートし得る非常に有利な感覚特性も提供し得ることは予測されていない結果であった。
【0023】
特に有利な感覚特性の1つは食感である。使用中の経口多層錠剤の食感は、1種又は複数の活性成分の放出及び体験、更には、使用中の利便性のために重要である。食感が向上されたが、それは、本発明の発明者により予測されていなかった。
【0024】
また、本発明による相対的に多量のデキストロースを本発明の1種又は複数の活性成分と多層配置で組み合わせることにより、好適な摩損度及び他の特性を得ることができることは予測されなかった。摩損度がバランスがとれていることが重要である。理論に拘束されることはないが、多層錠剤の層は、適正に付着しないか、又は少なくとも、圧縮工程中の破壊、更には、錠剤プレスから錠剤を排出する際のキャッピング又は層割れ(de-lamination)の原因となるであろうことが予測された。しかしながら、本発明による多層錠剤では、摩損度、更には感覚特性に関して、驚くべき結果が得られた。
【0025】
本発明の文脈では、「チュアブル錠」は、経口投与で咀嚼され、経口錠剤のテクスチャと関連する有害な副作用を伴うことなく好都合な咀嚼を可能にする特徴を有する経口錠剤を意味することが意図されている。
【0026】
本発明による層状錠剤構造の提供は、従来技術の様々な問題を解決し得て、有利な感覚特性と組み合わせた活性物質の有利な送達特性を組み合わせるプラットフォームの確立を目的とする。
【0027】
本文脈において、「層」は、本発明による粒子の一部をプレスすることから得られるマトリックスと理解されるべきである。この部分は、粒子の1つ又は複数の集団を含み得る。したがって、本発明による粒子の一部を打錠装置に施与し、この部分を合着した錠剤にプレスする場合、これは、1つの「層」又は「第1の層」に対応するであろう。任意選択で、そのような層を、変化する圧力で2つの工程でプレスすることができる。
【0028】
典型的には、先行圧縮圧力をプレスされる第1の部分に施与する。この圧力は典型的には、「第2の層」についてよりも低いであろう。先行圧縮は、多層錠剤の周縁部にシャープなビジュアルラインを伴って第1の部分を揃える等、様々な目的に役立つ。重要な特徴の別の目的は、それが「第2の層」のための固体支持体を提供し、それにより、材料の粒子間の結合を確立するために役立つことである。
【0029】
本発明による粒子の別の部分が施与され、打錠装置内で既にプレスされた層の上部にプレスされると、これは、別の「層」又は「第2の層」に対応するであろう。この部分は、粒子の1つ又は複数の集団を含み得る。本発明の文脈において、第2の層を打錠装置に初めに施与してもよく、第1の層を第2の工程で打錠装置に施与してもよい。
【0030】
従来の錠剤プレスの固有の性質により、層が2つ又はそれ以上の後続の工程でプレスされる場合、錠剤化された組成物の個別の層は、層の間にシャープなラインを有するであろう。これは、錠剤の側面からは、相互の上部にある別個の層として見られる。代替の一実施形態では、2つ又はそれ以上の部分を後続の工程で、打錠装置に施与し、1つのシークエンスでプレスする。この場合、側面から、層の間にシャープなラインは存在しないであろうが、これはまだ、本発明による層状錠剤と考えられるものの、ただし、層の間のラインは、不規則であろう。したがって、一部の実施形態では、層を別々の錠剤化工程で、好ましくは、先行圧縮工程を用いて加工することを必要としない。
【0031】
本文脈において、「に合着して隣接している」は、2つの層が、粒子の1つ又は複数の集団を含む粒子の2つの部分の一方の上側及び一方の下側で一緒にプレスされていることを意味することが意図されている。したがって、層の一方の表面は、別の層の一方の表面に付着しており、部分の追加の表面は、相互に暴露されていない。側面から見ると、層は、錠剤スライスの外観を有する。本発明の一部の実施形態では、錠剤は2つの層からなる。
【0032】
本発明の一部の実施形態では、第1の層と第2の層との質量比は1:10~10:1である。
【0033】
層の「厚さ」、すなわち、質量比を調節することにより、1種又は複数の活性成分の制御放出を容易にすることができる。また、錠剤の感覚特性を向上することができる。
【0034】
本発明の一部の実施形態では、第1の層と第2の層との質量比は1:5~5:1である。本発明の一部の実施形態では、第1の層と第2の層との質量比は3:10~10:3である。本発明の一部の実施形態では、第1の層と第2の層との質量比は1:2~2:1である。
【0035】
本発明の一部の実施形態では、錠剤は3つの層からなり、第1の層は中間層であり、第2の層は第1の層の一方の側に合着して隣接しており、第3の層は第1の層の反対の側に合着して隣接している。
【0036】
本文脈において、「に合着して隣接している」は、2つの外側層が、中間層の一方の上側及び一方の下側に配置されて付着していることを意味することが意図されている。側面から見ると、層は、錠剤スライスの外観を有する。
【0037】
本発明の一部の実施形態では、第1の層と第2の層と第3の層との質量比は1:5:5~10:1:1である。本発明の一部の実施形態では、第1の層と第2の層と第3の層との質量比は1:3:3~3:1:1である。
【0038】
層の「厚さ」、すなわち、質量比を調節することにより、1種又は複数のカンナビノイドの制御放出を容易にすることができる。また、錠剤の感覚特性を向上することができる。
【0039】
本発明の一部の実施形態では、第1の層と第2の層と第3の層との質量比は1:4:4~8:1:1である。本発明の一実施形態では、第1の層と第2の層と第3の層との質量比は1:4:4~6:1:1である。本発明の一実施形態では、第1の層と第2の層と第3の層との質量比は1:4:4~4:1:1である。
【0040】
本発明によれば、錠剤化は、粒子が、打錠装置において施与された圧力の結果として体積において減少することを意味する。したがって、粒子は錠剤化前には流動性であり得るが、いったん粒子がプレスされると、粒子の体積は減少して、粒子は一緒に合着して連続したマトリックスとなり、それが、本文脈において、「層」と示される。本文脈において、個別の粒子は錠剤化後には併合されないが、錠剤化後に個別で「別個の」領域を維持して、個別の粒子を構成していると理解されるべきである。粒子の多少の組込みが存在してもよいが、一般に、粒子は錠剤の別個の領域を維持する。
【0041】
本発明の一部の実施形態では、経口チュアブル錠は、打錠機での直接圧縮により作製される。本発明の一部の実施形態では、第1の層は先行圧縮層であり、第2の層は、第1の層の上部で圧縮される。本発明の一部の実施形態では、第1の層は、打錠機での直接圧縮により先行圧縮され、第2の層は、打錠機において第1の層の上部で圧縮される。本発明の一部の実施形態では、第1の層は、打錠機での直接圧縮により先行圧縮され、第2の層は、打錠機において、より高い圧力で第1の層の上部で圧縮される。
【0042】
本発明の一部の実施形態では、第2の層は、圧縮中の錠剤の破壊を回避するように操作可能である圧力で、第1の層の上部で圧縮される。本文脈において、「圧縮中の錠剤の破壊」は、錠剤が、多かれ少なかれ明白な程度に、圧縮中に破損することを意味することが意図されている。
【0043】
本発明の一部の実施形態では、第2の層は、錠剤のキャッピングを回避するように操作可能である圧力で、第1の層の上部で圧縮される。錠剤キャッピングは、最も一般的な欠陥である。これは、錠剤の成形されたドーム部分が、錠剤のボディ部分から破損して離れる場合のことである。錠剤を圧縮する場合に、空気を顆粒の間から追い出すと、それにより、それらを一緒に固着させることができる。粒子が乾燥しすぎている、過度に潤滑されている、又は高度に弾性であれば、それらは十分に一緒に結合しない。放出の応力が圧縮物内に小さなミクロ割れを開け得て、それが拡大し、キャップ部分がせん断されてボディ部分から離れることとなる。
【0044】
本発明の一部の実施形態では、第2の層は、錠剤の層割れを回避するように操作可能である圧力で、第1の層の上部で圧縮される。錠剤の薄層化は、製品が水平な層に分離する場合に起こり得る。薄層化は、キャッピングと非常に類似しているが、上部ではなく、錠剤の主要なボディ部分で起こり、圧縮の直後か、又は貯蔵期間中に起こり得る。
【0045】
本発明の一部の実施形態では、デキストロースは、錠剤の55~95質量%の量で存在する。本発明の一部の実施形態では、デキストロースは、錠剤の60~95質量%の量で存在する。本発明の一部の実施形態では、デキストロースは、錠剤の65~95質量%の量で存在する。本発明の一部の実施形態では、デキストロースは、錠剤の70~95質量%の量で存在する。本発明の一部の実施形態では、デキストロースは、錠剤の70~90質量%の量で存在する。
【0046】
本発明の一部の実施形態では、経口チュアブル錠は、デキストロース、1種又は複数の活性成分、製剤に別々に添加されて、錠剤内の他の成分に組み込まれているいずれの結合剤とも別々である1種又は複数の結合剤、及び錠剤の約5質量%まで存在する補助成分から本質的になる。
【0047】
本発明の一部の実施形態では、経口チュアブル錠は、デキストロース、1種又は複数の活性成分、及び錠剤の約5質量%まで存在する補助成分から本質的になる。
【0048】
着香剤、高甘味度甘味剤及び流動化促進剤は、本発明によりプラットフォームを損なうことなく、本発明により低量で添加してよい補助成分の例である。
【0049】
しかしながら、本文脈において、チュアブル錠の大部分は、本発明によるデキストロース及び1種又は複数の活性成分からなることは理解される。チュアブル錠の全体的な系は、向上された食感、更には唾液生成、更には摩損度特性等の本発明の特別な向上された感覚的利益を含めて、これらの成分により制御される。
【0050】
本発明の一部の実施形態では、経口チュアブル錠は、デキストロース、1種又は複数の活性成分及び1種又は複数の結合剤から本質的になる。
【0051】
本発明の一部の実施形態では、経口チュアブル錠は、糖アルコールを含まない。糖アルコールは、一部の実施形態では、食感等の感覚特性を含む本発明によるプラットフォーム特性に有害であると予期される。一部の実施形態では、しかしながら、5質量%未満等、低量のマンニトール等の低量の糖アルコールを添加してもよい。
【0052】
本発明の一部の実施形態では、経口チュアブル錠は、ゴム基剤を含まない。一部の実施形態では、ゴム基剤の存在は、錠剤の感覚特性、更には、活性成分の放出に影響を及ぼし得る。
【0053】
本発明の一部の実施形態では、デキストロースは、デンプンの制御された酵素的加水分解に基づく。
【0054】
本発明の一部の実施形態では、デキストロースは、無水デキストロースを含む。本発明の一部の実施形態では、デキストロースは、水和デキストロースを含む。本発明の一部の実施形態では、デキストロースは、デキストロース一水和物を含む。本発明の一部の実施形態では、デキストロースは、乾燥量基準で計算して少なくとも90%のデキストロース当量を含む。本発明の一部の実施形態では、デキストロースは、乾燥量基準で計算して少なくとも93%のデキストロース当量を含む。本発明の一部の実施形態では、デキストロースは、乾燥量基準で計算して少なくとも95%のデキストロース当量を含む。本発明の一部の実施形態では、デキストロースは、乾燥量基準で計算して少なくとも98%のデキストロース当量を含む。
【0055】
本発明の一部の実施形態では、デキストロースは、精製された糖の混合物を含む。本発明の一部の実施形態では、デキストロースは、オリゴ糖を含む。本発明の一部の実施形態では、デキストロースは、乾燥量基準で計算して少なくとも93~97%のデキストロース当量を含む。本発明の一部の実施形態では、デキストロースは、微結晶性デキストロースを含む。本発明の一部の実施形態では、デキストロースは、デキストレート(dextrate)を含む。
【0056】
本発明の一部の実施形態では、デキストロースは、マルトデキストリンを含まない。
【0057】
本発明の一部の実施形態では、デキストロースは、乾燥量基準で計算して100%のデキストロース当量を含む。純粋なバージョンでのデキストロースは、乾燥量基準で計算して100%のデキストロース当量を含み、本発明において施与されるデキストロースとして現在好ましい。一部の実施形態では、デキストロースは純粋であり、デンプンからデキストロースへの100%変換に基づく。
【0058】
本発明の一部の実施形態では、デキストロースは、直接圧縮可能(directly compressible; DC)である。
【0059】
本発明の一部の実施形態では、デキストロースは粉末である。
【0060】
本発明の一部の実施形態では、経口チュアブル錠は、少なくとも1つのグレードのデキストロースを含む。本発明の一部の実施形態では、経口チュアブル錠は、少なくとも2つのグレードのデキストロースを含む。本発明の一部の実施形態では、経口チュアブル錠は、少なくとも3つのグレードのデキストロースを含む。
【0061】
本発明の一部の実施形態では、経口チュアブル錠は、異なるグレードのデキストロースを錠剤の異なる層に含む。本発明の一部の実施形態では、経口チュアブル錠は、結合剤を含有する少なくとも1つのグレードのデキストロースを含む。本発明の一部の実施形態では、経口チュアブル錠は、マルトデキストリンを含有する少なくとも1つのグレードのデキストロースを含む。本発明の一部の実施形態では、経口チュアブル錠は、デキストロース及び1種又は複数の結合剤を含む顆粒である、少なくとも1つのグレードのデキストロースを含む。本発明の一部の実施形態では、経口チュアブル錠は、少なくとも1つのグレードのデキストロースを含み、1種又は複数の結合剤はそのグレードに組み込まれていない。
【0062】
本発明の一部の実施形態では、デキストロースは、少なくとも30質量%の180~500ミクロンの範囲の粒子を含む。本発明の一部の実施形態では、デキストロースは、少なくとも50質量%の180~500ミクロンの範囲の粒子を含む。本発明の一部の実施形態では、デキストロースは、少なくとも30質量%の250~500ミクロンの範囲の粒子を含む。本発明の一部の実施形態では、デキストロースは、少なくとも50質量%の250ミクロン超の粒子を含む。本発明の一部の実施形態では、デキストロースは、少なくとも10質量%の500ミクロン超の粒子を含む。
【0063】
本発明の一部の実施形態では、デキストロースは、多くとも35質量%の100ミクロン未満の粒子を含む。本発明の一部の実施形態では、デキストロースは、多くとも10質量%の500ミクロン超の粒子を含む。1つの現在好ましいグレードのデキストロースは、Cargill社により提供されるC*Dex(商標)02001を含む。このグレードは、小さい粒子サイズを有する粒子を相対的に高い割合で含む粒径分布により、ファイングレードのデキストロースとも称される。別のグレードのデキストロースは、Ingredion社により提供されるCerelose(登録商標)デキストロース020010を含み、これは、C*Dex(商標)02001と同様の粒径分布を有する。
【0064】
本発明の一部の実施形態では、デキストロースは、多くとも5質量%の100ミクロン未満の粒子を含む。本発明の一部の実施形態では、デキストロースは、多くとも20質量%の250ミクロン未満の粒子を含む。デキストロースの1つのグレードは、Cargill社により提供されるC*Dex(商標)02032を含む。デキストロースの別のグレードは、Cargill社により提供されるC*Dex(商標)02030を含む。このグレードは、大きなサイズを有する粒子を相対的に高い割合で含む粒径分布により、コースグレードのデキストロースとも称される。
【0065】
本発明の一部の実施形態では、デキストロースは、多くとも25質量%の149ミクロン未満の粒子を含む。本発明の一部の実施形態では、デキストロースは、多くとも35質量%の177ミクロン未満の粒子を含む。本発明の一部の実施形態では、デキストロースは、少なくとも5質量%の1190ミクロンを超える粒子を含む。デキストロースの1つのグレードは、Ingredion社により提供されるRoyal-T(登録商標)を含む。このグレードは、マルトデキストリンを粒子内に含有する、すなわち、粒子は、マルトデキストリンと共に造粒に掛けられている。
【0066】
一部の実施形態では、デキストロースのグレードが圧縮配置に影響を及ぼし得ることが分かった。例えば、コースグレードのデキストロースを提供することにより、本発明による多層錠剤の圧縮の際に、キャッピング又は層割れのいくつかの困難を回避することができる。したがって、一部の実施形態では、更にコースなグレードのデキストロース、又はマルトデキストリンの含分が組み込まれているグレードが好ましい。
【0067】
本発明の一部の実施形態では、経口チュアブル錠は、製剤に別々に添加されて、錠剤内の他の成分に組み込まれているいずれの結合剤とも別々である1種又は複数の結合剤を含む。
【0068】
本発明の一部の実施形態では、1種又は複数の結合剤は、錠剤の0.4~5質量%の量で存在する。本発明の一部の実施形態では、1種又は複数の結合剤は、錠剤の0.5~4質量%の量で存在する。本発明の一部の実施形態では、1種又は複数の結合剤は、錠剤の0.7~3質量%の量で存在する。本発明の一部の実施形態では、1種又は複数の結合剤は、錠剤の0.7~2質量%の量で存在する。本発明の一部の実施形態では、1種又は複数の結合剤は、錠剤の0.7~1.3質量%の量で存在する。
【0069】
本発明の一部の実施形態では、1種又は複数の結合剤は、錠剤の2~15質量%の量で存在する。本発明の一部の実施形態では、1種又は複数の結合剤は、錠剤の3~10質量%の量で存在する。
【0070】
本発明の一部の実施形態では、1種又は複数の結合剤は、錠剤の4~6質量%の量で存在する。本発明の一部の実施形態では、1種又は複数の結合剤は、錠剤の2~7質量%の量で存在する。本発明の一部の実施形態では、1種又は複数の結合剤は、錠剤の2~5質量%の量で存在する。本発明の一部の実施形態では、1種又は複数の結合剤は、錠剤の3~7質量%の量で存在する。本発明の一部の実施形態では、1種又は複数の結合剤は、錠剤の3~6質量%の量で存在する。本発明の一部の実施形態では、1種又は複数の結合剤は、錠剤の3~5質量%の量で存在する。
【0071】
本発明の一部の実施形態では、1種又は複数の結合剤は、ヒドロキシプロピルセルロース(HPC)、ヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC)、マルトデキストリン及びそれらの組合せからなる群から選択される。
【0072】
本発明の一部の実施形態では、1種又は複数の結合剤は、ヒドロキシプロピルセルロース(HPC)、ヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC)、及びそれらの組合せからなる群から選択される。
【0073】
本発明の一部の実施形態では、1種又は複数の結合剤は、ヒドロキシプロピルセルロース(HPC)を含む。本発明の一部の実施形態では、1種又は複数の結合剤は、ヒドロキシプロピルセルロース(HPC)である。HPCは、特有の魅力的な結合剤として施与され得る。したがって、この結合剤は、デキストロースと共に使用される場合に、他の周知の結合剤と比較された場合に有利な感覚体験を示す。
【0074】
本発明の一部の実施形態では、1種又は複数の結合剤は、ヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC)を含む。本発明の一部の実施形態では、1種又は複数の結合剤は、ヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC)である。HPMCは、特有の魅力的な結合剤として施与され得る。したがって、この結合剤は、デキストロースと共に使用される場合に、他の周知の結合剤と比較された場合に有利な感覚体験を示す。
【0075】
本発明の一部の実施形態では、1種又は複数の結合剤はマルトデキストリンを含む。
【0076】
本発明の一部の実施形態では、1種又は複数の結合剤は、微結晶性セルロース(MCC)を含まない。MCCは、本発明による感覚特性に関連して不十分であることと考えられる。
【0077】
本発明の一部の実施形態では、1種又は複数の結合剤は、シリカ、セルロース、ケイ化微結晶性セルロース、クレイ、タルク、デンプン、α化デンプン、炭酸カルシウム、リン酸二カルシウム、炭酸マグネシウム、マグネシウム-アルミノ-メタシリケート、超多孔性シリカ及びそれらの混合物を含まない。
【0078】
本発明の一部の実施形態では、経口チュアブル錠は、製剤に別々に添加されて、錠剤内の他の成分に組み込まれているいずれの結合剤とも別々である1種又は複数の結合剤を含まない。本発明の一部の実施形態では、経口チュアブル錠は、デキストロースを含む顆粒中に存在する1種又は複数の結合剤等、錠剤中の他の成分に組み込まれている1種又は複数の結合剤を含む。
【0079】
本発明の一部の実施形態では、1種又は複数の活性成分は、錠剤の5~50質量%の量で存在する。
【0080】
本発明の一部の実施形態では、1種又は複数の活性成分は、錠剤の10~50質量%の量で存在する。
【0081】
本発明の一部の実施形態では、1種又は複数の活性成分は、錠剤の20~50質量%の量で存在する。
【0082】
本発明の一部の実施形態では、1種又は複数の活性成分は、錠剤の30~50質量%の量で存在する。
【0083】
本発明の一部の実施形態では、1種又は複数の活性成分は、錠剤の5~40質量%の量で存在する。
【0084】
本発明の一部の実施形態では、1種又は複数の活性成分は、錠剤の5~30質量%の量で存在する。
【0085】
本発明の一部の実施形態では、1種又は複数の活性成分は、錠剤の10~30質量%の量で存在する。
【0086】
本発明の一部の実施形態では、1種又は複数の活性成分は、直接圧縮不可能な(non-directly compressible; 非DC)活性成分を含む。
【0087】
本発明の一部の実施形態では、1種又は複数の活性成分は、錠剤の第1の層に配置されている。本発明の一部の実施形態では、1種又は複数の活性成分は、錠剤の第2の層に配置されている。本発明の一部の実施形態では、1種又は複数の活性成分は、錠剤の第1の層及び第2の層に両方配置されている。本発明の一部の実施形態では、1つの活性成分は、錠剤の第1の層に配置されており、別の活性成分は、錠剤の第2の層に配置されている。本発明の一部の実施形態では、錠剤の層の1つは、1種又は複数の活性成分を含まない。
【0088】
本発明の一部の実施形態では、1種又は複数の活性成分は、直接圧縮不可能な(非DC)活性成分を含む。本発明の一部の実施形態では、1種又は複数の活性成分は、直接圧縮不可能な(非DC)活性成分を錠剤の5~50質量%の量で含む。本発明の一部の実施形態では、1種又は複数の活性成分は、直接圧縮不可能な(非DC)活性成分を錠剤の10~50質量%の量で含む。本発明の一部の実施形態では、1種又は複数の活性成分は、直接圧縮不可能な(非DC)活性成分を錠剤の20~50質量%の量で含む。本発明の一部の実施形態では、1種又は複数の活性成分は、直接圧縮不可能な(非DC)活性成分を錠剤の30~50質量%の量で含む。
【0089】
本発明の一部の実施形態では、1種又は複数の活性成分は、直接圧縮可能な(DC)活性成分を含む。
【0090】
本発明の一部の実施形態では、1種又は複数の活性成分は、免疫支持活性成分を含む。
【0091】
本発明の一部の実施形態では、1種又は複数の活性成分は、免疫支持活性成分の混合物を含む。
【0092】
本発明の一部の実施形態では、1種又は複数の活性成分は、エネルギー刺激活性成分を含む。
【0093】
本発明の一部の実施形態では、1種又は複数の活性成分は、ビタミン、無機物、及びハーブの混合物を含む。
【0094】
本発明の一部の実施形態では、1種又は複数の活性成分は、ビタミンCを含む。本発明の一部の実施形態では、1種又は複数の活性成分は、メラトニンを含む。本発明の一部の実施形態では、1種又は複数の活性成分は、テアニンを含む。本発明の一部の実施形態では、1種又は複数の活性成分は、炭酸カルシウムを含む。本発明の一部の実施形態では、1種又は複数の活性成分は、カフェインを含む。
【0095】
本発明の一部の実施形態では、1種又は複数の活性成分は、マルチビタミンを含む。本発明の一部の実施形態では、1種又は複数の活性成分は、酸化Znを含む。本発明の一部の実施形態では、1種又は複数の活性成分は、クエン酸Znを含む。本発明の一部の実施形態では、1種又は複数の活性成分は、グルコン酸Znを含む。本発明の一部の実施形態では、1種又は複数の活性成分は、ビタミンDを含む。
【0096】
本発明の一部の実施形態では、1種又は複数の活性成分は、アセトアミノフェンを含む。本発明の一部の実施形態では、1種又は複数の活性成分は、フェニレフリンを含む。本発明の一部の実施形態では、1種又は複数の活性成分は、デキストロメトルファンを含む。本発明の一部の実施形態では、1種又は複数の活性成分は、グアイフェネシンを含む。本発明の一部の実施形態では、1種又は複数の活性成分は、アセトアミノフェン、フェニレフリン、デキストロメトルファン、及びグアイフェネシンの組合せを含む。
【0097】
本発明の一部の実施形態では、1種又は複数の活性成分は、ジフェンヒドラミンを含む。本発明の一部の実施形態では、1種又は複数の活性成分は、ロラタジンを含む。本発明の一部の実施形態では、1種又は複数の活性成分は、ニコチンを含む。
【0098】
本発明の一実施形態では、活性成分は、アセチルシステイン、アンブロキソール、アミルメタクレゾール、ベンゾカイン、ビサコジル、次サリチル酸ビスマス、ブロムヘキシン、セチリジン、臭化水素酸デキストロメトルファン、2,4-ジクロロベンジルアルコール、コハク酸ドキシラミン、フルルビプロフェン、グリセリン、ヘキシルレソルシノール、リドカイン、メントール、ミルラ、パラセタモール、ペクチン、ペパーミントオイル、フェノール、塩酸フェニレフリン、ポビドンヨード、シュードエフェドレン、ラニチジン、シメチコン、ナトリウムドクセート、スペアミント、亜鉛、又はそれらの任意の組合せから選択される。
【0099】
活性成分の上のリストは、咽喉に送達することができる活性成分である。
【0100】
一部の実施形態では、錠剤は、更なる活性成分、例えば、上のリストからの2種以上の活性成分の組合せを、又は上のリストからの活性成分及び別の活性成分の組合せとして含んでよい。
【0101】
本発明の一実施形態では、活性成分は鎮痛薬である。鎮痛薬の例には、例えば、イブプロフェン、パラセタモール(アセトアミノフェン)、ケトプロフェン、アスピリン(アセチルサリチル酸)、及びナプロキセンが含まれる。本発明の一実施形態では、活性成分は麻酔薬である。本発明の一実施形態では、活性成分は抗炎症薬である。本発明の一実施形態では、活性成分は消毒薬である。
【0102】
本発明の一実施形態では、活性成分は鎮咳薬である。鎮咳薬の例には、例えば、デキストロメトルファンが含まれる。
【0103】
本発明の一実施形態では、活性成分は、グアイフェネシン等の去痰薬である。
【0104】
本発明の一実施形態では、活性成分は局所麻酔薬である。局所麻酔薬の例には、例えば、アンブロキソール、ベンゾカイン及びヘキシルレソルシノールが含まれる。
【0105】
本発明の一実施形態では、活性成分は、モルフィナンクラスのメンバーである。モルフィナンクラスのメンバーの例には、例えば、デキストロメトルファンが含まれる。
【0106】
本発明の一実施形態では、活性成分は非ステロイド系抗炎症薬(NSAID)である。非ステロイド系抗炎症薬(NSAID)の例には、例えば、フルルビプロフェンが含まれる。
【0107】
本発明の一実施形態では、活性成分は抗炎症薬である。本発明の一実施形態では、活性成分は消毒薬である。
【0108】
本発明の一実施形態では、活性成分は、咳及び感冒用の薬剤である。
【0109】
本発明の一実施形態では、錠剤は、アセトアミノフェン、臭化水素酸デキストロメトルファン、グアイフェネシン及び塩酸フェニレフリンを含む咳及び感冒用の薬剤を含む。
【0110】
本発明の一実施形態では、錠剤は、アセトアミノフェン、臭化水素酸デキストロメトルファン及び塩酸フェニレフリンを含む咳及び感冒用の薬剤を含む。
【0111】
本発明の一実施形態では、活性成分は抗ヒスタミンである。本発明の一実施形態では、活性成分は抗生物質である。抗生物質の例には、例えば、アンピシリン、エリスロマイシン、テトラサイクリン、クラリスロマイシン、ペニシリン、及びメトロニダゾールが含まれる。
【0112】
本発明の一実施形態では、活性成分は酵素である。酵素の1つの利点は、消化が促進され得ること、及び/又は腸管バランスが回復又は向上することであり得る。本発明の一実施形態では、活性成分はオピオイドである。
【0113】
本発明の一実施形態では、錠剤は、唾液生成を誘導することにより嚥下障害を緩和又は処置するための医療用具である。本発明の一実施形態では、活性成分はセチリジンである。本発明の一実施形態では、活性成分はブロムヘキシンである。本発明の一実施形態では、活性成分はアミルメタクレゾールである。本発明の一実施形態では、活性成分はパラセタモールである。本発明の一実施形態では、活性成分はアセトアミノフェンである。本発明の一実施形態では、活性成分はデキストロメトルファンHBrである。本発明の一実施形態では、活性成分はグアイフェネシンである。本発明の一実施形態では、活性成分はフェニレフリンHClである。本発明の一実施形態では、活性成分はペニシリンである。
【0114】
本発明の一実施形態では、錠剤は、イヌリン等の水溶性繊維を更に含む。
【0115】
本発明の一実施形態では、活性成分は、グルコン酸亜鉛及びアスコルビン酸を含む。本発明の一実施形態では、活性成分は亜鉛を含む。
【0116】
本発明の一実施形態では、錠剤は、レッドクローバー又はヤナギ抽出物等の植物中手物を更に含む。本発明の一実施形態では、錠剤は、エキナセア、カミーユ(Camille)又はラベンダー等の植物抽出物を更に含む。本発明の一実施形態では、植物抽出物を錠剤中でグルコン酸亜鉛及びアスコルビン酸と組み合わせる。
【0117】
本発明の有利な一実施形態では、経口錠剤は、天然に存在する成分から本質的になる。
【0118】
本発明の有利な一実施形態では、経口錠剤は、ステビオシド等の天然高甘味度甘味剤を含む。
【0119】
一部の実施形態では、1種又は複数の活性成分は、アルギン酸塩、アテノロール、アスピリン(アセチルサリチル酸)、アンピシリン、アミノサリチレート、無水クエン酸、アスピリン、ビサコジル、次サリチル酸ビスマス、ブプロピオン、カフェイン、カルシウム、炭酸カルシウム、セチリジン、シメチジン、シサプリド、クラリスロマイシン、デスロラタジン、デクスランソプラゾール、ジフェンヒドラミンHCl、クエン酸ジフェンヒドラミン、ジメンヒドリナート、ドキュセート エリスロマイシン、ドーパミン、エソメプラゾール、ファモチジン、フェキソフェナジンHCl、グアイフェネシン、ヒドロタルサイト、イブプロフェン、ケトプロフェン、ラクターゼ酵素、ランソプラゾール、ロラタジン、ロルカセリン、ロペラミド、ロペラミドHCl、マグネシウム、炭酸マグネシウム、水酸化マグネシウム、メラトニン、メトアンフェタミンHCl、メトクロプラミド、メトロニダゾール、モンテルカスト、ミコスタチン、ナルトレキソン、ナプロキセン、ナプロキセン ナトリウム、ニザチジン、オメプラゾール、オンダンセトロン、オルリスタット、パントプラゾール、パラセタモール(アセトアミノフェン)、ペクチン、フェンテルミンHCl、ポリポディウムロイコトモス、プレドニゾロン、プレドニゾン、プロゲステロン、プロプラノロール、臭化プロパンテリン、シュードエフェドレンHCl、フェンテルミン、ラベプラゾール、ラニチジン、ロフルミラスト、スコポロアミンブチルヒドロキシド、シメチコン、ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、ナトリウムドクセート、スマトリプタン、テストステロン、テトラサイクリン、トピラマート、ビタミンA、ビタミンB、ビタミンB12、ビタミンC(アスコルビン酸)、ビタミンD、及びビタミンE、ビタミンK、プレバイオティクス、プロバイオティクス、イヌリン繊維、シチコリン、L-テアニン、タウリン、トリプトファン、ガンマ-アミノ酪酸、又はそれらの任意の組合せから選択される。本発明の一部の実施形態では、活性成分はL-テアニンを含む。本発明の一部の実施形態では、活性成分はGABAを含む。本発明の一部の実施形態では、活性成分はバコパを含む。本発明の一部の実施形態では、活性成分はマグネシウムを含む。
【0120】
本発明の一部の実施形態では、活性成分はビタミンBを含む。本発明の一部の実施形態では、活性成分はビタミンB3を含む。本発明の一部の実施形態では、活性成分はビタミンB6を含む。本発明の一部の実施形態では、活性成分はビタミンB12を含む。
【0121】
活性成分の上のリストは、消化管に送達され得る活性成分である。
【0122】
一部の実施形態では、錠剤は、更なる活性成分、例えば、上のリストからの2つ又はそれ以上の活性成分の組合せを、又は上のリストからの活性成分及び別の活性成分の組合せとして含んでよい。
【0123】
更なる成分には、アシュワガンダ、チョウセンニンジン、エルダーベリー、ボスウェリア、緑茶、未焙煎コーヒー豆抽出物、コーヒー果実抽出物、ヤナギ樹皮、アイビー葉、ローズヒップ、カモミール、レンギョウ果実抽出物、レモンバーム、パッションフラワー抽出物、ゼンブリン、及びマシュマロウ根等のハーブが含まれる。一部の実施形態では、活性成分はチョウセンニンジンを含む。
【0124】
本発明の有利な一実施形態では、活性成分は鎮痛薬である。鎮痛薬の例には、例えば、イブプロフェン、パラセタモール(アセトアミノフェン)、ケトプロフェン、アスピリン(アセチルサリチル酸)、及びナプロキセンが含まれる。本発明の有利な一実施形態では、活性成分は麻酔薬である。本発明の有利な一実施形態では、活性成分は抗炎症薬である。本発明の有利な一実施形態では、活性成分は消毒薬である。本発明の有利な一実施形態では、活性成分は抗生物質である。抗生物質の例には、例えば、アンピシリン、エリスロマイシン、テトラサイクリン、クラリスロマイシン、ペニシリン、及びメトロニダゾールが含まれる。
【0125】
本発明の有利な一実施形態では、活性成分は、ビタミン、無機物、及びサプリメント(VMS)から選択される。
【0126】
ビタミン、無機物、及びサプリメントの例には、例えば、ビタミンA、ビタミンB、ビタミンB12、ビタミンC、ビタミンD、ビタミンE、ビタミンKが含まれる。
【0127】
本発明の一部の実施形態では、錠剤は、カフェイン、L-テアニン、ビタミンB3、ビタミンB6、及びビタミンB12の組合せを含む。本発明の一部の実施形態では、錠剤は、カフェイン、及びビタミンB6の組合せを含む。本発明の一部の実施形態では、錠剤は、チョウセンニンジン、及びビタミンB12の組合せを含む。本発明の一部の実施形態では、錠剤は、メラトニン、ビタミンC、及び亜鉛の組合せを含む。本発明の一部の実施形態では、錠剤は、L-テアニン、及びGABAの組合せを含む。本発明の一部の実施形態では、錠剤は、L-テアニン、及びバコパの組合せを含む。
【0128】
本発明の有利な一実施形態では、活性成分は、ホルモンである。本発明の有利な一実施形態では、活性成分は、メラトニンである。ホルモンの例には、例えば、プロゲステロン、テストステロン、及びメラトニンが含まれる。本発明の有利な一実施形態では、活性成分はステロイドである。ステロイドの例には、例えば、プレドニゾロン及びプレドニゾンが含まれる。本発明の有利な一実施形態では、活性成分はプロトンポンプ阻害薬である。プロトンポンプ阻害薬の例には、例えば、ラベプラゾール、パントプラゾール、エソメプラゾール、デクスランソプラゾール、ランソプラゾール、及びオメプラゾールが含まれる。
【0129】
本発明の有利な一実施形態では、活性成分は抗ヒスタミンである。抗ヒスタミンの例には、例えば、シメチジン、ラニチジン、ファモチジン、ニザチジン、及びデスロラタジンが含まれる。抗ヒスタミンは、アレルギー性鼻炎及び他のアレルギーを処置するための薬物である。抗ヒスタミンは、例えば、花粉、ダニダスト又は動物アレルギーが原因である鼻閉、くしゃみ又は蕁麻疹を有する人に開放を与え得る。
【0130】
本発明の有利な一実施形態では、活性成分はトリプタンである。トリプタンの例には、例えば、スマトリプタンが含まれる。
【0131】
本発明の有利な一実施形態では、活性成分は、がん患者のための口内乾燥緩和薬等の口内乾燥緩和薬である。本発明の有利な一実施形態では、活性成分は片頭痛処置薬である。本発明の有利な一実施形態では、活性成分は酵素である。
【0132】
本発明の有利な一実施形態では、活性成分はプロバイオティクス成分である。本発明の有利な一実施形態では、活性成分はプレバイオティクス成分である。
【0133】
本発明の有利な一実施形態では、活性成分は胃腸薬である。この文脈において、胃腸薬は、消化管において作用する活性成分と理解される。
【0134】
本発明の有利な一実施形態では、活性成分はオピオイドである。本発明の有利な一実施形態では、活性成分はアレルギー薬である。本発明の有利な一実施形態では、活性成分はロラタジンである。本発明の有利な一実施形態では、活性成分はジフェンヒドラミンである。
【0135】
本発明の有利な一実施形態では、錠剤は、唾液生成を誘導することにより嚥下障害を緩和又は処置するための医療用具である。
【0136】
本発明の有利な一実施形態では、活性成分はアンピシリンである。本発明の有利な一実施形態では、活性成分はイブプロフェンである。本発明の有利な一実施形態では、活性成分はオンダンセトロンである。本発明の有利な一実施形態では、活性成分はパラセタモール(アセトアミノフェン)である。本発明の有利な一実施形態では、活性成分はアセチルサリチル酸である。本発明の有利な一実施形態では、活性成分はシメチコンである。本発明の有利な一実施形態では、活性成分はナトリウムドクセートである。
【0137】
本発明の一部の実施形態では、1種又は複数の活性成分は活性医薬成分を含む。
【0138】
本発明の一部の実施形態では、錠剤の摩損度は3%未満、例えば、2%未満、例えば1.5%未満であり、摩損度は、Pharma Test社製の医薬摩損度テスターPTF 10Eを使用することによりEuropean Pharmacopoeia 9.1, test method 2.9.7に従って測定される。
【0139】
本発明の一部の実施形態では、錠剤は、咀嚼の開始から30秒以内に唾液1.5mL超を生成する。本発明の一部の実施形態では、錠剤は、咀嚼の開始から30~90秒の期間内に唾液1.5mL超を生成する。本発明の一部の実施形態では、錠剤は、咀嚼の開始から90~180秒の期間内に唾液1.5mL超を生成する。本発明の一部の実施形態では、錠剤は、咀嚼の開始から180~300秒の期間内に唾液1.5mL超を生成する。本発明の一部の実施形態では、経口チュアブル錠は、唾液産生を制御するための唾液産生阻害剤を更に含む。
【0140】
本発明の一部の実施形態では、経口チュアブル錠は、口腔内で活性成分を放出するように設計されており、活性成分の一部を咽喉に、錠剤を咀嚼すると生成される唾液の一部として送達するように設計されている。本発明の一部の実施形態では、経口チュアブル錠は、口腔内で活性成分を放出するように設計されており、活性成分の一部を消化管に、錠剤を咀嚼すると生成される唾液の一部として送達するように設計されている。本発明の一部の実施形態では、経口チュアブル錠は、1種又は複数の活性成分の放出の促進のための手段を含む。
【0141】
本発明の一部の実施形態では、経口チュアブル錠は、口腔唾液と接触して2分以下の期間内に錠剤を崩壊させるように動作可能な1種又は複数の崩壊剤を含む。
【0142】
本文脈において、「崩壊した」又は「崩壊させる」は、錠剤がもはや錠剤とは判断されないが、錠剤が、唾液中で縮小している、及び/又は分散していることを意味することが意図されている。
【0143】
具体的には、崩壊剤の含有は、本発明による錠剤の崩壊を著しく促進する。しかしながら、崩壊剤は、錠剤製剤科学において以前は使用されていたが、本出願による崩壊剤とデキストロースとの特定の組合せは、デキストロースの特異的な特性を考慮して問題とみなされていたであろう。活性成分の高負荷に伴う感覚的欠点及び濃度の問題等の様々な問題が、本出願の発明者により疑われた。
【0144】
本発明の一部の実施形態では、経口チュアブル錠は、ナトリウムクロスカルメロース、クロスポビドン、デンプングリコール酸ナトリウム、及びそれらの組合せからなる群から選択される1種又は複数の崩壊剤を含む。
【0145】
本発明の一実施形態では、1種又は複数の崩壊剤は、架橋ポリビニルピロリドンを含む。
【0146】
本発明の一実施形態では、1種又は複数の崩壊剤は、架橋ポリビニルピロリドンを含み、架橋ポリビニルピロリドンの少なくとも50質量%は、50マイクロメートル未満の粒径を有する。
【0147】
本発明の一実施形態では、1種又は複数の崩壊剤は、架橋ポリビニルピロリドンを含み、架橋ポリビニルピロリドンの少なくとも25質量%は、15マイクロメートル未満の粒径を有する。
【0148】
本発明の一部の実施形態では、第1の層は、1~5kNの圧縮圧力下で圧縮される。本発明の一部の実施形態では、第2の層は、6~40kNの圧縮圧力下で圧縮される。本発明の一部の実施形態では、第2の層は、10~30kNの圧縮圧力下で圧縮される。
【0149】
本発明の一部の実施形態では、唾液と接触した経口チュアブル錠は、10~30kNの圧縮圧力下で10%未満変化する崩壊プロファイルを有する。
【0150】
本発明の一部の実施形態では、錠剤の単位質量は、約100mg~約2000mgである。本発明の一部の実施形態では、錠剤の単位質量は、約100mg~約1800mgである。本発明の一部の実施形態では、錠剤の単位質量は、約500mg~約1600mgである。本発明の一部の実施形態では、錠剤の単位質量は、約600mg~約1500mgである。
【0151】
本発明の一部の実施形態では、1種又は複数の活性成分は、1~1000mgの量で存在する。本発明の一部の実施形態では、1種又は複数の活性成分は、1~800mgの量で存在する。本発明の一部の実施形態では、1種又は複数の活性成分は、1~600mgの量で存在する。
【0152】
本発明の一部の実施形態では、1種又は複数の活性成分は、50~250mgの量で存在する。本発明の一部の実施形態では、1種又は複数の活性成分は、100~250mgの量で存在する。
【0153】
本発明の一部の実施形態では、1種又は複数の活性成分は、1~50mgの量で存在する。本発明の一部の実施形態では、1種又は複数の活性成分は、1~40mgの量で存在する。本発明の一部の実施形態では、1種又は複数の活性成分は、1~30mgの量で存在する。本発明の一部の実施形態では、1種又は複数の活性成分は、1~20mgの量で存在する。本発明の一部の実施形態では、1種又は複数の活性成分は、1~10mgの量で存在する。本発明の一部の実施形態では、1種又は複数の活性成分は、1~5mgの量で存在する。本発明の一部の実施形態では、1種又は複数の活性成分は、1~4mgの量で存在する。
【0154】
本発明の一部の実施形態では、経口チュアブル錠は、50質量%未満のデキストロースを含む経口チュアブル錠と比較して、向上された食感をもたらす。
【0155】
本発明の一部の実施形態では、経口チュアブル錠は、50質量%未満のデキストロースを含む経口チュアブル錠と比較して、向上された溶融感覚をもたらす。
【0156】
本発明の一部の実施形態では、経口チュアブル錠は、50質量%未満のデキストロースを含む経口チュアブル錠と比較して、向上された液体感覚をもたらす。
【0157】
本発明の一部の実施形態では、経口チュアブル錠は、50質量%未満のデキストロースを含む経口チュアブル錠と比較して、少ない粘着感覚をもたらす。
【0158】
本発明の一部の実施形態では、経口チュアブル錠は、50質量%未満のデキストロースを含む経口チュアブル錠と比較して、1種又は複数の活性成分からの少ない苦味感覚をもたらす。
【0159】
本発明の一部の実施形態では、経口チュアブル錠は、50質量%未満のデキストロースを含む経口チュアブル錠と比較して、向上された矯味をもたらす。
【0160】
本発明の一部の実施形態では、経口チュアブル錠は、1種又は複数の別々の結合剤を含む経口チュアブル錠と比較して、向上された溶融感覚をもたらす。
【0161】
本発明の一部の実施形態では、経口チュアブル錠は、咀嚼から60秒以内に液体になるように設計されている。
【0162】
本発明の一部の実施形態では、経口チュアブル錠は、咀嚼から30秒以内に液体になるように設計されている。
【0163】
本発明の一部の実施形態では、経口チュアブル錠は、咀嚼から15秒以内に液体になるように設計されている。
【0164】
本発明の一実施形態では、デキストロースを、錠剤又は錠剤の少なくとも1つのモジュールに均一に分布させる。
【0165】
上の実施形態の1つの利点は、デキストロースの均一な分布が、例えば、デキストロースによる低い機械的強度の貢献により、咀嚼の際にモジュールの効果的な崩壊を促進し、それにより、咀嚼により形成されて得られた咀嚼断片と唾液との効果的な接触を促進し、再び、錠剤の溶解を増加させることであり得る。また、デキストロースの均一な分布は、デキストロースを有する多数の咀嚼断片を促進し、これが再び、唾液分泌を効果的に促進する。したがって、より低い機械的強度による崩壊プロモーターとしての、また、唾液分泌プロモーターとしてのデキストロースの利用と、均一な分布との組合せとの間の相乗作用は、咀嚼の際に口腔内への咀嚼断片の分散作用を促進する。
【0166】
本発明の一部の実施形態では、経口チュアブル錠は、異なる崩壊時間を有する更なる錠剤モジュールを含む。
【0167】
本発明の一実施形態では、錠剤の噛み砕きに対する抵抗性は、60Nより高い、例えば、70Nより高い、例えば、80Nより高い、例えば、90Nより高い、例えば、100Nより高い、例えば、110より高い、例えば、130Nより高い、例えば、150Nより高く、その際、錠剤の噛み砕きに対する抵抗性は、300Nより低い、例えば、250Nより低い、例えば、200Nより低く、その際、噛み砕きに対する抵抗性は、噛み砕きに対する医薬抵抗性のテスターモデルPharma Test type PTB 311を使用することにより、European Pharmacopoeia 9.1、test method 2.9.8に従って決定される。
【0168】
高甘味度人工甘味剤を単独で、又は上のデキストロースと組み合わせて使用することもできる。好ましい高甘味度甘味剤には、これに限定されないが、単独か、又は組合せでのスクラロース、アスパルテーム、アセスルファムの塩、アリターム、サッカリン及びその塩、シクラミン酸及びその塩、グリチルリチン、ジヒドロカルコン、タウマチン、モネリン、ステビオシド(天然高甘味度甘味剤)並びに同様のものが含まれる。より長く持続する甘味及び香味知覚を得るために、人工甘味剤の少なくとも一部をカプセル封入する、又は別段に、その放出を制御することが望ましいことがある。湿潤造粒、ワックス造粒、噴霧乾燥、噴霧冷却、流動床コーティング、保存、酵母細胞内でのカプセル封入及び繊維押出等の技術を使用して、所望の放出特性を達成することができる。甘味剤のカプセル封入は、樹脂化合物等の別の錠剤成分を使用して得ることもできる。
【0169】
人工甘味剤の使用レベルはかなり変動することとなり、甘味剤の効力、放出速度、製品の所望の甘味、使用される着香剤のレベル及び種類並びに経費の検討等の因子に依存することとなる。したがって、人工甘味剤の活性レベルは、約0.001から約3質量%まで(好ましくは、約0.02から約3質量%まで)変動してよい。カプセル封入のために使用される担体が含まれる場合、カプセル化甘味剤の使用レベルは比例して高くなることとなる。糖及び/又は非糖甘味剤の組合せを製剤中で使用してもよい。
【0170】
本発明の一実施形態では、錠剤は着香剤を含む。
【0171】
着香剤の量は、例えば、錠剤の0.1から約5質量%まで、例えば、錠剤の0.1から約3質量%までであってよい。
【0172】
使用可能な着香剤には、アーモンド、アーモンドアマレット、アップル、ババロアクリーム、ブラックチェリー、黒ゴマ、ブルーベリー、黒砂糖、風船ガム、バタースコッチ、カプチーノ、キャラメル、キャラメルカプチーノ、チーズケーキ(グラハムクラスト)、チリ、シナモンレッドホット、綿菓子、サーカス綿菓子、クローブ、ココナッツ、コーヒー、クリアコーヒー、ダブルチョコレート、エナジードリンク(energy cow)、ジンジャー、グルタメート、グラハムクラッカー、グレープジュース、グリーンアップル、ハワイアンパンチ、ハチミツ、ジャマイカラム、ケンタッキーバーボン、キウイ、クーラダ、レモン、レモンライム、タバコ、メープルシロップ、マラスキノチェリー、マシュマロ、メントール、ミルクチョコレート、モカ、マウンテンデュー、ピーナッツバター、ペカン、ペパーミント、ラズベリー、バナナ、完熟バナナ、ルートビール、RY4、スペアミント、イチゴ、スイートクリーム、スイートタルト、人工甘味料、焼きアーモンド、タバコ、タバコブレンド、バニラビーンアイスクリーム、バニラカップケーキ、バニラスアール、バニリン、ワッフル、ベルギーワッフル、スイカ、ホイップクリーム、ホワイトチョコレート、ウィンターグリーン、アマレット、バナナクリーム、クログルミ、ブラックベリー、バター、バターラム、サクランボ、チョコレートヘーゼルナッツ、シナモンロール、コーラ、クレームドマント、エッグノッグ、イングリッシュトフィー、グアバ、レモネード、リコリス、メープル、ミントチョコレートチップ、オレンジクリーム、ピーチ、ピニャコラーダ、パイナップル、プラム、ザクロ、プラリーヌクリーム、レッドリコリス、ソルトウォータートフィー、いちごバナナ、いちごキウイ、トロピカルパンチ、トゥッティフルッティ、バニラ、又はそれらの任意の組合せが含まれる。
【発明を実施するための形態】
【0173】
ここで、本発明を本発明のある特定の態様及び実施形態に関してより詳細に記載していく。これらの態様及び実施形態は、本発明の概要及び本発明の実施例を含む、明細書の残りの部分と関連して理解されることが意図されている。
【0174】
本明細書において、及び特許請求の範囲及びその応用において使用される場合の「含む」という動詞は、その非限定的意味において、その用語に続く項目が含まれるが、特異的に記述されていない項目が排除されるものではないことを意味するために使用されている。加えて、不定冠詞「a」又は「an」によるエレメントの言及は、文脈がエレメントのうちの1つのみが存在することを明確に要求しているのではない限り、エレメントのうちの1つよりも多くが存在する可能性を排除するものではない。したがって、不定冠詞「a」又は「an」は通常、「少なくとも1つ」を意味する。加えて、「a」及び「an」という言葉は、本文書において含むこと又は含有することという言葉と関連して使用される場合、「1つ又は複数」を示す。「1つ又は複数」という表現は、1、2、3又はそれ以上を意味することが意図されている。
【0175】
本明細書において使用される場合、数に関する「およそ」又は「約」という用語は一般に、別段に述べられていない限り、又は別段に文脈から明白でない限り、その数の両方向で(より大きい、又はより小さい)5%、10%、15%、又は20%の範囲内に該当する数を含むと解釈される(そのような数が0%未満又は可能な値の100%を超えるであろう場合を除く)。
【0176】
本明細書において使用される場合、「経口チュアブル錠」という用語は、経口使用のための錠剤と考えられる。特に、経口錠剤は、錠剤化、すなわち、粒子の集団を含む粒子組成物の圧縮により形成されると考えられる。したがって、錠剤は、複数の粒子により形成される圧縮錠剤と考えられる。典型的には、経口チュアブル錠は、錠剤又は経口錠剤と称されることもある。
【0177】
「粒径」という用語は、基底のサイズのふるい穴を通過する、又はそれにより保持される粒子の能力を指す。本明細書において使用される場合、「粒径」という用語は、別段に特異的に記述されていない限り、European Pharmacopoeia 9.1に従って、分析用ふるいによる試験方法2.9.38粒径分布の推定を使用した場合に決定されるとおりの平均粒径を指す。
【0178】
「粒子」という用語又は同様の言い回しは、相当に逸脱してもよいある特定のサイズを有する粉末中の顆粒又は個別のエレメント等の固体物質の単一で別個の組成物を示すことが意図されている。
【0179】
「経口錠剤の質量」という用語、又は同じことを意味する同様の言い回しは、本文脈において、硬質コーティング、軟質コーティング、及び同様のもの等の外側コーティングの質量を含まない経口錠剤の質量として定義される。
【0180】
「テクスチャ」という語句は、経口錠剤の特性及び使用中に使用者により体験される全体的な食感の定性尺度を意味する。したがって、「テクスチャ」という用語は、硬度等の測定可能な数量、更には、使用者により体験される感触に関する、より主観的なパラメーターを包含する。
【0181】
本文脈における「放出」という用語は、別段に述べられていなければ、「in vitro」条件下であることを意味することが意図されている。特に、ある特定の期間中の「放出速度」は、その期間中に放出される活性成分のパーセンテージでの量を意味することが意図されている。本文脈において、「放出」という用語は、放出される物質が水溶性マトリックスから解放されることを指す。一部の実施形態では、物質を放出するプロセスは、物質が唾液に溶解することに対応する。
【0182】
「持続放出(sustained release)」又は「持続放出(extended release)」という用語はここでは、経時的な長時間放出を意味することが意図されている。「急速放出」又は「クイック放出」又は「高速放出」という用語はここでは、所与の期間に、より高い含分が放出されることを意味することが意図されている。「制御放出」という用語は、対象の口腔内での経口錠剤の能動的使用による、経口錠剤からの物質の放出を意味することが意図されており、それにより、能動的使用が、放出される物質の量を制御している。
【0183】
本文脈において、「液体になる」という用語は、錠剤が崩壊して、錠剤の断片又は粒子が唾液に懸濁又は溶解し、試験者により液体と認知されることを意味することが意図されている。
【0184】
本明細書において使用される場合、「崩壊する」という用語は、成分、断片又は粒子への物体の縮小を指す。崩壊時間は、in vitro又はin vivoで測定され得る。別段に述べられていない限り、in vitro測定は、European Pharmacopeia 9.0、section 2.9.1、Disintegration of tablets and capsulesに従って実施される。
【0185】
本明細書において使用される場合、「溶解する」という用語は、固体物質が溶媒(口腔唾液)に入って溶液をもたらすプロセスである。別段に述べられていない限り、溶解することは、該当する化合物の完全な溶解を意味する。
【0186】
本明細書において使用される場合、「崩壊剤」という用語は、FDT-モジュールが唾液と接触した場合に、FDT-モジュールの崩壊を促進する成分を指す。本発明の範囲内で使用可能な崩壊剤には、デンプン、アルファ化デンプン、加工デンプン(バレイショデンプン、トウモロコシデンプン、デンプン1500、デンプングリコール酸ナトリウム及びデンプン誘導体を含む)、セルロース、微結晶性セルロース、アルギン酸塩、及び超崩壊剤、例えば、架橋セルロース(ナトリウムカルボキシメチルセルロース等)、架橋ポリビニルピロリドン(PVP)、架橋デンプン、架橋アルギン酸、天然超崩壊剤、及びケイ酸カルシウムが含まれ得る。崩壊剤は多くの場合に、投与すると、より小さな断片へのモジュールの分解を促進して、ニコチン放出及び最終的な吸収を促進するための手段と考えられ得る。クロスポビドンは、BASF社から入手可能なKollidon CL-F又はKollidon CL-SF等の様々なグレードを含んでよい。
【0187】
誘導性唾液生成に関する場合、これは、本発明の錠剤を使用しない場合、又はデキストロース50%未満の含有率の場合のいずれの唾液生成も上回る唾液生成を誘導することに注意する。特に、一実施形態では、誘導性唾液生成は、デキストロースを含まない、又はデキストロース50%未満を含む従来の錠剤を使用する場合の唾液生成を上回る。次いで、誘導性唾液生成は、例えば、デキストロースを含まない、又はデキストロース50%未満を含む錠剤と比較することにより、従来の製品と関連するいずれの唾液生成よりも増加する。
【0188】
誘導性唾液生成に関する場合、唾液生成は、次の方法を使用して試験することができる:
被験者は、いずれの試験でも開始前少なくとも30分は飲食を控える。口腔に錠剤を導入する直前に、被験者は嚥下する。被験者は試験中は嚥下を控える。口腔への錠剤の導入直後に、被験者は、1秒あたり1回の咀嚼頻度で20秒間の錠剤の咀嚼を開始する。次いで、唾液及び錠剤のいずれの残りも、口腔中に、咀嚼しながら10秒間保持する。試験開始から30秒後に、被験者は唾液を、あらゆる錠剤断片を含めてプラスチックカップに捨てて、それを秤量する。唾液を咀嚼の開始後90秒目、咀嚼の開始後180秒目、咀嚼の開始後300秒目、咀嚼の開始後420秒目、及び咀嚼の開始後600秒目にも捨てる。すべての時点で、被験者は、可能な限り動きを少なくして、嚥下を控える。
【0189】
本明細書において使用される場合、「活性成分」という用語は、生物学的に活性であり、ヒト身体又はその一部の利益のためにヒト身体に対して生理学的作用を有する物質を指す。活性成分には活性医薬成分が含まれるが、栄養補助薬又は免疫支持活性成分等の他の活性物質も含まれる。
【0190】
以下では、原料は、別段に述べられていない限り、本発明の実施形態により錠剤に圧縮される混合粒子を指すこととなる。
【0191】
以下の記載では、本発明の錠剤を生産することができる方法の説明及び本発明の組成物に添加することができるものの更なる詳細を概説する。
【0192】
典型的には、本発明の錠剤を製造するプロセスは、回転錠剤プレス等の単一の錠剤プレスで行うことができる。ただし、一部の状況下では、別々の錠剤プレスを適用することが有益であり得る。
【0193】
好ましくは、アッパーパンチは、プレスされる錠剤の上面に凹形を与える凸状である。
【0194】
もちろん、パンチの形状は所望の錠剤形状に応じて変動してよいことに注意すべきである。
【0195】
本発明の一部の実施形態では、錠剤のプレスを10~50kNの力で実行する。本発明の一部の実施形態では、錠剤のプレスを10~40kNの力で実行する。本発明の一部の実施形態では、錠剤のプレスを10~30kNの力で実行する。
【0196】
本発明による経口錠剤は、好適な圧縮手段により圧力を粒子の内容物に施与することにより製造される。次いで、粒子又は粉末を、コンパクトな合着した錠剤にプレスする。粒子は例えば、いわゆる一次粒子又は凝集一次粒子を含んでよい。これらがプレスされると、粒子又は顆粒の間で結合が確立され、それにより、ある特定の機械的強度を、圧縮された錠剤に付与する。
【0197】
上で導入された用語:粉末、一次粒子及び凝集一次粒子は、一次粒子と凝集一次粒子との間の差が非常に多くの場合に、使用者のバックグラウンドに応じて異なってみなされることがあるという意味において、多少誤解を招くものであり得ることに注意すべきである。一部は例えば、その粒子が、典型的には顧客に送付されるときに行われる先行加工により、むしろ、何らかの凝集一次粒子とみなされるべきであるという事実にも関わらず、甘味剤を一次粒子とみなし得る。本発明の記載において採用される定義は、凝集一次粒子は多かれ少なかれ先行加工された一次粒子を含むマクロ粒子を指すというものである。
【0198】
圧力が粒子に施与されると、バルク体積が減少し、空気の量が減少する。このプロセス中に、エネルギーが消費される。体積減少のプロセス中に、粒子が相互に近接するので、結合が粒子又は顆粒の間で確立され得る。エネルギーが放出されるので、結合の形成は系のエネルギーの減少と関連する。様々な機構により体積の減少が生じ、施与される圧力及び粒子又は顆粒の特性に応じて、異なる種類の結合が粒子又は顆粒の間で確立され得る。粉末がプレスされる場合に起こる第1のことは、粒子が低い圧縮圧力下で再編成されて、最密充填構造を形成することである。規則的な形状を有する粒子は、不規則な形状のものよりも容易に再編成を受けるようである。圧力が上昇するにつれて、更なる再編成は妨げられ、その後の体積減少は、錠剤粒子の可塑的及び弾性変形及び/又は断片化により得られる。脆弱な粒子はおそらく、断片化、すなわち、より小さい単位への元の粒子の分解を受けやすい。可塑的変形は、粒子形状の恒久的変化をもたらす不可逆的プロセスである一方で、弾性変形後には、粒子は、それらの元の形状を取り戻す。明らかに、経口錠剤を圧縮する場合、可塑的及び弾性変形の両方が起こり得る。
【0199】
プレスされた錠剤における結合種類についてのいくつかの研究が、典型的には医薬品の文脈において数年にわたって成されており、利用可能な粉末をベースとするプレスされた錠剤を得る複数の技術が提供されている。そのような研究は、体積減少が実行されるときに起こること、及び最終製品を所与の目的のために最適化することができる方法に完全に焦点をあてている。例えば、例えば放出に関して許容される特性を維持しながら、最終的なプレスされた錠剤に十分な強度を与える目的で、錠剤原料に、例えば、結合剤を添加することで、プレスされた錠剤に関するいくつかの精密化が成されている。
【0200】
本発明の方法により、二層錠剤又は三層錠剤等の単層又は多層錠剤を形成することが可能である。
【0201】
本発明に従って、本発明による錠剤化経口錠剤は、経口錠剤中心上に施与された約0.1~約75質量%の外側コーティングを含んでよい。したがって、好適なコーティング種には、錠剤化経口錠剤のコーティングにおいて現在使用されているものを含む、任意の組成の硬質コーティング、フィルムコーティング及び軟質コーティングが含まれる。
【0202】
本明細書で好ましい外側コーティング種の1つは硬質コーティングであり、この用語は、糖コーティング及び糖不含(又は無糖)コーティング及びそれらの組合せを含む、その用語の従来の意味で使用される。硬質コーティングの目的は、消費者に歓迎される甘く、バリバリとした層を得ることであり、これは、経口錠剤中心を様々な理由で更に保護し得る。経口錠剤中心に保護用糖コーティングを与える典型的なプロセスでは、経口錠剤中心を、好適なコーティング装置内で、達成されているコーティングのステージに応じて、他の機能性成分、例えば、増量剤、結合剤、色素等を含有してよいスクロース又はデキストロース等の結晶化可能な糖の水溶液で連続的に処理する。本文脈において、糖コーティングは、着香化合物及び/又は活性化合物を含む更なる機能性又は活性化合物を含有してよい。
【0203】
典型的な硬質コーティングプロセスでは、以下で詳細に記載されるとおり、結晶化可能な糖及び/又はポリオールを含有する懸濁液を経口錠剤中心に施与し、それが含有する水を、空気を吹くことにより蒸発させる。このサイクルを、必要とされる膨張に達するためには複数回、典型的には3~80回繰り返す必要がある。「膨張」という用語は、開始時と比較することによる、かつコーティングされた製品の最終質量又は厚みに対する、コーティング作業の終了時に判断されるとおりの製品の質量の上昇又は厚さを指す。本発明に従って、コーティング層は、完成した経口錠剤エレメントの約0.1~約75質量%、例えば、約15~約50質量%を含めて、約10~約60質量%を構成する。
【0204】
更なる有用な実施形態では、本発明の経口錠剤エレメントの外側コーティングは、フィルムコーティングプロセスを受けるエレメントであり、したがって、1つ又は複数のフィルム形成性ポリマー剤及び任意選択で、1つ又は複数の補助化合物、例えば、可塑剤、顔料及び乳白剤を含む。フィルムコーティングは、上の形態のいずれかの経口錠剤中心に施与される薄いポリマーベースのコーティングである。そのようなコーティングの厚さは通常、20~100μmの間である。
【0205】
一般に、経口錠剤中心を、好適な水性又は有機溶媒ビヒクル中のコーティング材料の噴霧液滴を含む噴霧帯域に通過させ、その後、コーティングの次のポーションが与えられる前に、経口錠剤中心に付着した材料を乾燥することにより、フィルムコーティングを得る。このサイクルを、コーティングが完了するまで繰り返す。
【0206】
一実施形態では、本発明による錠剤は、薬学的、化粧用又は生物学的活性物質を含む。その包括的なリストが例えば、参照により本明細書に援用されるWO 00/25598において見出される、そのような活性物質の例には、薬物、栄養補助食品、防腐剤、pH調節剤、禁煙剤が含まれる。防腐剤の形態である有用な活性物質の例には、グアニジン及びビグアニジンの塩及び誘導体が含まれ、次の種類の限られた水溶性を有する物質:第四級アンモニウム化合物(例えば、セラミン(ceramine)、クロロキシレノール、クリスタルヴァイオレット、クロラミン)、アルデヒド(例えば、パラホルムアルデヒド)、デクアリン(dequaline)誘導体、ポリノキシリン、フェノール(例えば、チモール、p-クロロフェノール、クレゾール)、ヘキサクロロフェン、サリチル酸アニリド化合物、トリクロサン、ハロゲン(ヨウ素、ヨードホレス、クロロアミン、ジクロロシアヌル酸塩)、アルコール(3,4ジクロロベンジルアルコール、ベンジルアルコール、フェノキシエタノール、フェニルエタノール)、Martindale、The Extra Pharmacopoeia、28th edition、547~578頁も参照されたい;アルミニウム塩(例えば、硫酸アルミニウムカリウムAIK(SO4)2、12H2O)等の限られた水溶性を有する金属塩、複合体及び化合物、並びに更に、ホウ素、バリウム、ストロンチウム、鉄、カルシウム、亜鉛(酢酸亜鉛、塩化亜鉛、グルコン酸亜鉛)、銅(塩化銅、硫酸銅)、鉛、銀、マグネシウム、ナトリウム、カリウム、リチウム、モリブデン、バナジウムの塩、複合体及び化合物が含まれるべきである。
【0207】
口腔内のpHを調節する薬剤の形態での活性物質の例には、アジピン酸、コハク酸、フマル酸若しくはそれらの塩、又はクエン酸、酒石酸、リンゴ酸、酢酸、乳酸、リン酸及びグルタル酸の塩等の酸、並びにナトリウム、カリウム、アンモニウム、マグネシウム若しくはカルシウム、特にマグネシウム及びカルシウムの炭酸塩、炭酸水素塩、リン酸塩、硫酸塩又は酸化物等の許容される塩基が含まれる。
【0208】
活性成分は、下に記述される化合物又はそれらの誘導体を含んでよいが、それらに限定されない:アセトアミノフェン、アセチルサリチル酸、ブプレノルフィン、ブロムへキシン、セルコキシブ、コデイン、ジフェンヒドラミン、ジクロフェナク、エトリコキシブ、イブプロフェン、インドメタシン、ケトプロフェン、ルミラコキシブ、モルヒネ、ナプロキセン、オキシコドン、パレコキシブ、ピロキシカム、プソイドエフェドリン、ロフェコキシブ、テノキシカム、トラマドール、バルデコキシブ、炭酸カルシウム、マガルドレート、ジスルフィラム、ブプロピオン、ニコチン、アジスロマイシン、クラリスロマイシン、クロトリマゾール、エリスロマイシン、テトラサイクリン、グラニセトロン、オンダンセトロン、プロメタジン、トロピセトロン、ブロムフェニラミン、セテリジン、レコ-セテリジン、クロルシクリジン、クロルフェニラミン、クロルフェニラミン、ジフェンヒドラミン、ドキシラミン、フェノフェナジン、グアイフェネシン、ロラチジン、デス-ロラチジン、フェニルトロキサミン、プロメタジン、ピリダミン、テルフェナジン、トロキセルチン、メチルドパ、メチルフェニデート、塩化ベンズアルコニウム、塩化ベンゼトニウム、塩化物、エカベトナトリウム、ハロペリドール、アロプリノール、コルチニン、テオフィリン、プロパノロール、プレドニゾロン、プレドニゾン、尿素、アクトット(Actot)、グリベンクラミド、グリピジド、メトホルミン、ミグリトール、レパグリニド、ロジグリタゾン、アポモルフィン、シアリス、シルデナフィル、バルデナフィル、ジフェノキシレート、シメチコン、シメチジン、ファモチジン、ラニチジン、ラチニジン、セトリジン、ロラタジン、アスピリン、ベンゾカイン、デクストロメトルファン、フェニルプロパノールアミン、プソイドエフェドリン、シサプリド、ドンペリドン、メトクロプラミド、アシクロビル、ジオクチルスルホサクシネート、フェノールフタレイン、アルモトリプタン、エレトリプタン、エルゴタミン、ミゲア、ナラトリプタン、リザトリプタン、スマトリプタン、ゾルミトリプタン、アルミニウム塩、カルシウム塩、鉄塩、Ag塩、亜鉛塩、アンホテリシンB、ミコナゾール、トリアンシノロンアセトニド、メラトニン、フェノバルビトール、カフェイン、ベンゾジアゼピン系薬剤(benzodiazepiner)、ヒドロキシジン、メプロバメート、フェノチアジン、ブクリジン、ブロメタジン、シンナリジン、シクリジン、ジフェンヒドラミン、ジメンヒドリナート、ブフロメジル、アンフェタミン、カフェイン、エフェドリン、オルリスタット、フェニルエフェドリン、フェニルプロパノールアミン、プソイドエフェドリン、シブトラミン、ケトコナゾール、ニトログリセリン、ニスタチン、プロゲステロン、テストステロン、ビタミンB12、ビタミンC、ビタミンA、ビタミンD、ビタミンE、ピロカルピン、アルミニウムアミノアセテート(Aluminumaminoacetat)、シメチジン、エソメプラゾール、ファモチジン、ランソプラゾール、酸化マグネシウム、ニザチド及び/又はラニチジン。
【0209】
本発明は、栄養補助食品、防腐剤、pH調節剤、禁煙剤、甘味剤、着香剤、芳香剤又は薬物の群の中から選択される活性薬剤の放出の増大又は促進に好適である。それらのいくつかは、以下に記載することとする。
【0210】
本発明と関連して用いられるべき活性薬剤は、錠剤から放出されることが所望される任意の物質であり得る。放出速度の制御及び/又は促進が所望される活性薬剤は主に、完全に水不溶性である物質を含めて典型的には10g/100ml未満の限られた水溶性を有する物質である。例は、医薬品、栄養補助食品、経口組成物、禁煙剤、高強度甘味剤、pH調節剤、着香剤等である。
【0211】
他の活性成分は、例えば、パラセタモール、ベンゾカイン、シンナリジン、メントール、カルボン、カフェイン、塩酸シクリジン、1,8-シネオール、ナンドロロン、ミコナゾール、ミスタチン(mystatin)、ニコチン、他の第四級アンモニウム化合物、ビタミンE、ビタミンA、ビタミンD、グリベンクラミド又はそれらの誘導体、プロゲステロン、アセチルサリチル酸、ジメンヒドリナート、シクリジン、メトロニダゾール、炭酸水素ナトリウム、イチョウからの活性成分、プロポリスからの活性成分、チョウセンニンジンからの活性成分、メタドン、ペパーミントのオイル、サリチルアミド、ヒドロコルチゾン又はアステミゾールである。
【0212】
栄養補助食品の形態での活性薬剤の例は、例えば、ビタミンB2(リボフラビン)、B12、フォリン酸、葉酸、ナイアシン、ビオチン、貧可溶性グリセロホスフェート、アミノ酸、ビタミンA、D、E及びKの栄養作用を有する塩及び化合物、塩の形態の無機物、カルシウム、リン、マグネシウム、鉄、亜鉛、銅、ヨウ素、マンガン、クロム、セレン、モリブデン、カリウム、ナトリウム又はコバルトを含有する複合体及び化合物である。
【0213】
更に、種々の国々の権威により承認された栄養物の一覧、例えば、US code of Federal Regulations、Title 21、Section 182.5013.182 5997及び182.8013-182.8997が参照される。
【0214】
防腐剤の形態での活性薬剤の例は、例えば、グアニジン及びビグアニジンの塩及び化合物であり、限られた水溶性を有する以下の種類の物質:第四アンモニウム化合物(例えば、セラミン、クロロキシレノール、クリスタルバイオレッド、クロルアミン)、アルデヒド(例えば、パラホルムアルデヒド)、デクアリン化合物、ポリノキシリン、フェノール(例えば、チモール、パラクロロフェノール、クレゾール)、ヘキサクロロフェン、サリチル酸アニリド化合物、トリクロサン、ハロゲン(ヨウ素、ヨードホレス、クロロアミン、ジクロロシアヌル酸塩)、アルコール(3,4ジクロロベンジルアルコール、ベンジルアルコール、フェノキシエタノール、フェニルエタノール)、更にMartindale、The Extra Pharmacopoeia、28th edition、547~578頁を参照;アルミニウム塩(例えば、硫酸アルミニウムカリウムAIK(S04)2、12H20)等の限られた水溶性を有する金属塩、複合体及び化合物、更に、ホウ素、バリウム、ストロンチウム、鉄、カルシウム、亜鉛(酢酸亜鉛、塩化亜鉛、グルコン酸亜鉛)、銅(塩化銅、硫酸銅)、鉛、銀、マグネシウム、ナトリウム、カリウム、リチウム、モリブデン、バナジウムの塩、複合体及び化合物が含まれるべきである。
【0215】
口腔におけるpHを調節する薬剤の形態での活性薬剤の例には、例えば、アジピン酸、コハク酸、フマル酸、若しくはそれらの塩、又はクエン酸、酒石酸、リンゴ酸、酢酸、乳酸、リン酸及びグルタル酸の塩等の許容される酸、並びにナトリウム、カリウム、アンモニウム、マグネシウム若しくはカルシウム、特にマグネシウム及びカルシウムの炭酸塩、炭酸水素塩、リン酸塩、硫酸塩又は酸化物等の許容される塩基が含まれる。
【0216】
禁煙剤の形態での活性薬剤の例には、例えば、ニコチン、タバコ粉末又は銀塩、例えば、酢酸銀、炭酸銀及び硝酸銀が含まれる。
【0217】
活性薬剤の更なる例は、任意の種類の医薬品である。
【0218】
医薬品の形態での活性薬剤の例には、カフェイン、サリチル酸、サリチルアミド及び関連物質(アセチルサリチル酸、サリチル酸コリン、サリチル酸マグネシウム、サリチル酸ナトリウム)、パラセタモール、ペンタゾシンの塩(塩酸ペンタゾシン及び乳酸ペンタゾシン)、塩酸ブプレノルフィン、塩酸コデイン及びリン酸コデイン、モルヒネ及びモルヒネ塩(塩酸塩、硫酸塩、酒石酸塩)、塩酸メタドン、ケトベミドン及びケトベミドン塩(塩酸塩)、ベータブロッカー(プロプラノロール)、カルシウムアンタゴニスト、塩酸ベラパミル、ニフェジンピン(nifedinpine)、更には、Pharm. Int.、Nov.85、267~271頁、Barney H. Hunter and Robert L. Talbertに記述されている好適な物質及びその塩、ニトログリセリン、四硝酸エリトリチル、ストリキニーネ及びその塩、リドカイン、塩酸テトラカイン、塩酸エトルフィン、アトロピン、インスリン、酵素(例えば、パパイン、トリプシン、アミログルコシダーゼ、グルコースオキシダーゼ、ストレプトキナーゼ、ストレプトドルナーゼ、デキストラナーゼ、アルファアミラーゼ)、ポリペプチド(オキシトシン、ゴナドレリン(LH.RH)、酢酸デスモプレシン(DDAVP)、塩酸イソクスプリン、エルゴタミン化合物、クロロキン(リン酸塩、硫酸塩)、イソソルビド、デモキシトシン、ヘパリンが含まれる。
【0219】
他の活性成分には、ベータ-ルペオール、Letigen(登録商標)、クエン酸シルデナフィル及びそれらの誘導体が含まれる。
【0220】
活性成分の更なる例には、ビタミンが含まれる。ビタミンには、A、B1、B2、B6、B12、フォリン酸、葉酸、ナイアシン、パントテン酸、ビオチン、C、D、E、Kが含まれる。無機物には、カルシウム、リン、マグネシウム、鉄、亜鉛、銅、ヨウ素、マンガン、クロム、セレン、モリブデンが含まれる。他の活性成分には、Q10(登録商標)、酵素が含まれる。天然の薬物には、イチョウ葉、ジンジャー、及び魚油が含まれる。
【0221】
活性成分の更なる例には、セロトニンアンタゴニスト等の片頭痛薬:スマトリプタン、ゾルミトリプタン、ナラトリプタン、リザトリプタン、エレトリプタン;シクリジン、シナリジン、ジメンヒドラミン、ジフェンヒドリナト(difenhydrinat)等の悪心薬;セトリジン、ロラチジン等の枯草熱薬、ブプレノルフィン、トラマドール等の鎮痛薬、ミコナゾール、アンホテリシンB、トリアンシノロナセトン等の口腔疾患薬;及び薬物であるシサプリド、ドンペリドン、メトクロプラミドが含まれる。好ましい一実施形態では、本発明は、ニコチン及びその塩の放出に関する。
【0222】
本発明の有利な一実施形態では、活性成分は、アセチルシステイン、アンブロキソール、アミルメタクレゾール、ベンゾカイン、ビサコジル、次サリチル酸ビスマス、ブロムヘキシン、セチリジン、臭化水素酸デキストロメトルファン、2,4-ジクロロベンジルアルコール、コハク酸ドキシラミン、ユーカリオイル、フルルビプロフェン、グリセリン、ヘキシルレソルシノール、リドカイン、メントール、ミルラ、パラセタモール、ペクチン、ペパーミントオイル、フェノール、フェニレフリン、ポビドンヨード、シュードエフェドレン、ラニチジン、シメチコン、ナトリウムドクセート、スペアミント、亜鉛、又はそれらの任意の組合せから選択される咽喉のための活性成分;アルギン酸塩、アテノロール、アスピリン(アセチルサリチル酸)、アンピシリン、アミノサリチル酸塩、無水クエン酸、アスピリン、ビサコジル、次サリチル酸ビスマス、ブプロピオン、カフェイン、カルシウム、炭酸カルシウム、セチリジン、シメチジン、シサプリド、クラリスロマイシン、デスロラタジン、デクスランソプラゾール、ジフェンヒドラミンHCl、クエン酸ジフェンヒドラミン、ジメンヒドリナート、ドキュセートエリスロマイシン、ドーパミン、エソメプラゾール、ファモチジン、フェキソフェナジンHCl、グアイフェネシン、ヒドロタルサイト、イブプロフェン、ケトプロフェン、ラクターゼ酵素、ランソプラゾール、ロラタジン、ロルカセリン、ロペラミド、ロペラミドHCl、マグネシウム、炭酸マグネシウム、水酸化マグネシウム、メラトニン、メトアンフェタミンHCl、メトクロプラミド、メトロニダゾール、モンテルカスト、ミコスタチン、ナルトレキソン、ナプロキセン、ナプロキセンナトリウム、ニザチジン、オメプラゾール、オンダンセトロン、オルリスタット、パントプラゾール、パラセタモール(アセトアミノフェン)、ペクチン、フェンテルミンHCl、ポリポディウムロイコトモス、プレドニゾロン、プレドニゾン、プロゲステロン、プロプラノロール、臭化プロパンテリン、シュードエフェドレンHCl、フェンテルミン、ラベプラゾール、ラニチジン、ロフルミラスト、スコポロアミンブチルヒドロキシド、シメチコン、ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、ナトリウムドクセート、スマトリプタン、テストステロン、テトラサイクリン、トピラマート、ビタミンA、ビタミンB、ビタミンB12、ビタミンC(アスコルビン酸)、ビタミンD、及びビタミンE、ビタミンK、又はそれらの任意の組合せから選択される消化管のための活性成分、ならびアテノロール、バクロフェン、カフェイン、カルベジロール、クロルフェニラミン、マレイン酸クロルフェニラミン、プロピオン酸フルチカゾン、マレイン酸塩、デスモプレシン、塩酸ジルチアゼム、コハク酸ドキシラミン、ミコスタチン、ニコチン、ニフェジピン、ニトログリセリン、オメプラゾール、オンダンセトロン、オキシメタゾリンHCl、オキシトシン、フェニレフリン、ピロキシカム、プレドニゾン、プロプラノロール、硫酸サルブタモール、スコポロアミンブチルヒドロキシド、スマトリプタン、トリアムシノロンアセトニド、及びそれらの任意の組合せから選択される頬側吸収のための活性成分から選択される。
【0223】
本発明の一態様では、「錠剤」は、「経口崩壊錠剤」(「ODT」)等の「急速崩壊錠剤」(「FDT」)、又は同様の言い回しを意味することが意図されている。別段に述べられていなければ、本発明による錠剤が、2つ又はそれ以上のモジュールではなくて、1つのモジュールとして作製される場合、その錠剤はFDT錠剤であることが意図されている。逆に、錠剤が2つのモジュール等の1つより多いモジュールから作製される場合、そのような追加のモジュールは、本発明によるFDTモジュールと比較して長い崩壊時間をもたらす「ロゼンジ」モジュール又は「チューインガムモジュール」であることが意図されている。「FDT」モジュール及び「ロゼンジ」モジュール(又は「チューインガムモジュール)の組合せは、本発明の別の態様に寄与する。本発明による「ロゼンジ」モジュール又は「チューインガムモジュール」は、「FDT」モジュールからのエレメントを含んでもよいが、一般に、組成が異なり、持続崩壊時間をもたらす。
【0224】
「モジュール」という用語は一般に、そのモジュール全体が実質的に同じ特徴を有する物質組成から構成されることが意図されている。したがって、2つのモジュールが存在する場合、その2つのモジュールは組成が異なり、一般に、各モジュールで2つの異なる特徴を有する。本文脈において、1つのモジュールのみが存在する場合、このモジュールはFDT錠剤と考えられる。他方で、2つのモジュールが存在する場合、その錠剤は、FDT錠剤又はロゼンジ錠剤若しくはロゼンジモジュールと融合したFDT錠剤モジュールから構成される。「融合した」という用語は、錠剤が圧縮力により一緒に集合していることを意味することが意図されている。通常、2つのモジュールが存在する場合、ロゼンジモジュールは、第1のモジュールとして作製され、FDTモジュールは、第2のモジュールとして作製される。錠剤は、2つよりも多いモジュールから構成されてよい。ロゼンジモジュールを、ある特定の実施形態では、ゴム基剤モジュールにより置き換えてよい。本文脈において、ニコチンの送達が「単相」であっても、本発明は、マスキングの魅力的な2相性送達を提供する。
【実施例】
【0225】
(実施例1)
デキストロース錠剤の調製
第1の工程では、デキストロースを混合コンテナに添加した。活性成分、着香剤、高甘味度甘味剤、及び任意選択の他の成分をコンテナに添加した。混合物をふるい掛けし、FUCHS Mixomat-A内で、およそ25rpmで4分間、混転した。加工助剤を添加し、混合物をおよそ25rpmで更に1分間混転した。その後、混合物は錠剤化のために準備された。
【0226】
続いて、混合物を、配量装置(P 3200 C、Fette GmbH社(ドイツ)から入手可能)を備えた標準的な錠剤プレス機(3090i、Fette GmbH社から入手可能)に導き、2層錠剤にプレスした。別法では、Riva Picoola Bi-layer DC-PL -015を使用した。錠剤を、約2.2kNの先行圧縮力を使用してプレスして、第1の層を形成した。第1の層の先行圧縮の後に、別のポーションの粉末を装置に添加し、別段に示されていない限り、10~30kNの圧縮力を施与した。ローター上に11のパンチが存在し、ローター速度は5rpmであった。個別の錠剤は、下の実施例において別段に述べられていない限り、およそ1500mgの質量を有し、層は約1:1の質量比を構成した。使用されたパンチ:15.00mm、円形、浅い凹面、Bツーリング。
【0227】
実施例により施与されたデキストロースは、Cargill社から市販のC*dex(商標)02001、又はCargill社により提供されるC*dex(商標)02030、又はCargill社により提供されるC*dex(商標)02032、又はIngredion社により提供されるCerelose(登録商標)デキストロース020010、又はIngredion社により提供されるRoyal-T(登録商標)であった。一部の実施例では、HPC及びHPMC等、施与される別々の結合剤を施与した。HPCは、Ashland社製のKlucel Nutra Dとして入手可能であった。HPMCは、Dow社製のMethocel 4KMとして入手可能であった。微結晶性セルロースを比較可能な結合剤として施与した場合、これは、Dupont社から市販されているAvicel PH-102であった。マルトデキストリンを結合剤として施与した場合、これは、Cargill社製のC*dry(商標)MDであった。
【0228】
(実施例2)
異なる量の活性成分の存在下の2層デキストロース錠剤の組成
実施例1における手順に基づくデキストロース錠剤を下の実施例に概説されている配合で作製した。錠剤実施例のすべてにおいて、様々な成分の量は、錠剤の各層の質量%として示されている。
【0229】
具体的に示されていない限り、異なる層で変化させてよい着香剤の種類を除いて、同じ成分を錠剤の異なる層に施与した。少量の色素を任意選択で、1つ又は複数の層に添加した。層は、錠剤の質量で同じ質量パーセンテージを有した。
【0230】
【0231】
錠剤100~104を、Cargill社から入手可能なC*dex(商標)02030を使用して錠剤100A~104Aとして、及びIngredion社から入手可能なRoyal-T(登録商標)を使用して錠剤100B~104Bとして繰り返した。
【0232】
(実施例3)
異なるグレードのデキストロースを各層で用いた2層デキストロース錠剤の組成
実施例1における手順に基づくデキストロース錠剤を下の実施例に概説されている配合で作製した。錠剤実施例のすべてにおいて、様々な成分の量は、錠剤の各層の質量%として示されている。
【0233】
具体的に示されていない限り、異なる層で変化させてよい着香剤の種類を除いて、同じ成分を錠剤の異なる層に施与した。少量の色素を任意選択で、1つ又は複数の層に添加した。層は、錠剤の質量で同じ質量パーセンテージを有した。
【0234】
【0235】
(実施例4)
異なるグレードのデキストロースを各層で用いた2層デキストロース錠剤の組成
実施例1における手順に基づくデキストロース錠剤を下の実施例に概説されている配合で作製した。錠剤実施例のすべてにおいて、様々な成分の量は、錠剤の各層の質量%として示されている。
【0236】
具体的に示されていない限り、異なる層で変化させてよい着香剤の種類を除いて、同じ成分を錠剤の異なる層に施与した。少量の色素を任意選択で、1つ又は複数の層に添加した。層は、錠剤の質量で同じ質量パーセンテージを有した。
【0237】
【0238】
(実施例5)
異なるグレードのデキストロースを各層で用いた2層デキストロース錠剤の組成
実施例1における手順に基づくデキストロース錠剤を下の実施例に概説されている配合で作製した。錠剤実施例のすべてにおいて、様々な成分の量は、錠剤の各層の質量%として示されている。
【0239】
具体的に示されていない限り、異なる層で変化させてよい着香剤の種類を除いて、同じ成分を錠剤の異なる層に施与した。少量の色素を任意選択で、1つ又は複数の層に添加した。層は、錠剤の質量で同じ質量パーセンテージを有した。
【0240】
【0241】
(実施例6)
2層デキストロース錠剤の組成
実施例1における手順に基づくデキストロース錠剤を下の実施例に概説されている配合で作製した。錠剤実施例のすべてにおいて、様々な成分の量は、錠剤の各層の質量%として示されている。
【0242】
具体的に示されていない限り、異なる層で変化させてよい着香剤の種類を除いて、同じ成分を錠剤の異なる層に施与した。少量の色素を任意選択で、1つ又は複数の層に添加した。層は、錠剤の質量で同じ質量パーセンテージを有した。
【0243】
【0244】
錠剤140~144は、Ingredion社から入手可能なCerelose(登録商標)デキストロース020010を使用して錠剤140A~144Aとして繰り返した。
【0245】
(実施例7)
異なる活性物質を各層で用いた2層デキストロース錠剤の組成
実施例1における手順に基づくデキストロース錠剤を下の実施例に概説されている配合で作製した。錠剤実施例のすべてにおいて、様々な成分の量は、錠剤の各層の質量%として示されている。
【0246】
具体的に示されていない限り、異なる層で変化させてよい着香剤の種類を除いて、同じ成分を錠剤の異なる層に施与した。少量の色素を任意選択で、1つ又は複数の層に添加した。層は、錠剤の質量で同じ質量パーセンテージを有した。
【0247】
【0248】
(実施例8)
異なる活性物質を各層で用いた2層デキストロース錠剤の組成
実施例1における手順に基づくデキストロース錠剤を下の実施例に概説されている配合で作製した。錠剤実施例のすべてにおいて、様々な成分の量は、錠剤の各層の質量%として示されている。
【0249】
具体的に示されていない限り、異なる層で変化させてよい着香剤の種類を除いて、同じ成分を錠剤の異なる層に施与した。少量の色素を任意選択で、1つ又は複数の層に添加した。層は、錠剤の質量で同じ質量パーセンテージを有した。
【0250】
【0251】
(実施例9)
異なる量の活性成分の存在下での2層デキストロース錠剤の組成
実施例1における手順に基づくデキストロース錠剤を下の実施例に概説されている配合で作製した。錠剤実施例のすべてにおいて、様々な成分の量は、錠剤の各層の質量%として示されている。
【0252】
具体的に示されていない限り、異なる層で変化させてよい着香剤の種類を除いて、同じ成分を錠剤の異なる層に施与した。少量の色素を任意選択で、1つ又は複数の層に添加した。層は、錠剤の質量で同じ質量パーセンテージを有した。
【0253】
【0254】
錠剤170~174を、Cargill社から入手可能なC*dex(商標)02030を使用して錠剤170A~174Aとして、及びIngredion社から入手可能なRoyal-T(登録商標)を使用して錠剤170B~174Bとして繰り返した。
【0255】
(実施例10)
錠剤の評価
錠剤の各バージョンについて、切断点試験、摩損度試験及び溶解時間測定を実行した。切断点を測定するために、Pharma Test社製のPTB 311を使用した。
【0256】
摩損度試験は、Pharma Test社製の医薬摩損度テスターPTF 10Eを使用することにより、European Pharmacopoeia 9.1, test method 2.9.7に従って行った。
【0257】
溶解時間を試験するために、次の方法を使用した。スクリューキャップを備えた計測チューブ内で、0.02Mリン酸二水素カリウム緩衝液15mL(7.4にpH調節)を水50mLに添加する。錠剤を計測チューブに挿入し、スクリューキャップを閉める。計測チューブを水平に固定する。計測チューブ内で錠剤が前後に動き得るように、計測チューブを約110RPMで振動させる。錠剤又はその該当するモジュールが完全に溶解するまで計測チューブを振動させ、振動時間を溶解時間として書き留める。
【0258】
(実施例11)
錠剤の官能検査
錠剤の非常に重要な特徴及び特性を明らかにするために、官能試験を行った。これらの官能パラメーターは、錠剤組成の構造の指標として重要である。試験構成は、1つの試験パネルに8人の試験者から構成された。試験者は全員、指定の要件により客観的に指名された健康な個人であった。官能分析をISO 8589に従った試験条件においてISO 4121-2003により実行した。結果は、8人の個人の結果の平均である。
【0259】
試験者は、「+」から「+++++」までレーティングし、その際、「+」は不十分であり、「+++++」は優秀である。「0」は、それが試験されなかったことを示した。
【0260】
6つの異なるパラメーターを試験パネルで試験した:
【0261】
「咀嚼して液体にする容易さ」 - 製品を咀嚼して液体にする容易さに関する、口中に入れて咀嚼した場合の錠剤の印象。基準は、完了した際に、口中に粒子の感覚がないこと、及び錠剤の粉末が溶解して液体になっていることである。
【0262】
「液体の触感」 - 口中の液体の感覚に関する、口中に入れて咀嚼した場合の錠剤の印象。例えば、咀嚼中及び/又はその後に、液体が多く感じられれば、スコアは高くなる。
【0263】
「食感」 - 溶融及び粘着の感覚を含む食感に関する、咀嚼中の錠剤の全体的な印象。高いスコアリングの食感は、クリーンな液体(粒子の感覚がない)、歯に粘着する錠剤残渣がないこと、及びクリーミーな感覚(水よりも高い粘度)と関連する。逆に、低いスコアリングの食感は、液体中の粒子の感覚(不完全な溶解)、歯に粘着する錠剤残渣及び液体の水様の感覚と関連する。
【0264】
「全体的な味」 - 咀嚼中の錠剤の味の全体的な印象。例えば、味が急速に減少した場合、非常に低いレーティングが与えられた。
【0265】
「全体的な甘味」 - 咀嚼中の錠剤の甘味の全体的な印象。例えば、甘味が急速に減少した場合、非常に低いレーティングが与えられた。
【0266】
「全体的な酸味」 - 咀嚼中の錠剤の酸味の全体的な印象。例えば、酸味が急速に減少した場合、非常に低いレーティングが与えられた。
【0267】
(実施例12)
異なる量の活性成分の存在下での2層デキストロース錠剤の結果
【0268】
【0269】
全般に、結果は、本発明による2層錠剤で圧縮される場合、活性物質の含有率が0.1~40質量%の活性成分の範囲で好適であったことを明らかにしている。高い含有率の活性成分が2層配置で好適であったことは意外であった。
【0270】
(実施例13)
各層に異なるグレードのデキストロースを含む2層デキストロース錠剤の結果
【0271】
【0272】
全般に、結果は、本発明による2層錠剤で圧縮される場合、活性物質の含有率が0.1~40質量%の活性成分の範囲で好適であったことを明らかにしている。高い含有率の活性成分が2層配置で好適であったことは意外であった。
【0273】
(実施例14)
各層に異なるグレードのデキストロースを含む2層デキストロース錠剤の結果
【0274】
【0275】
全般に、結果は、本発明による2層錠剤で圧縮される場合、活性物質の含有率が0.1~40質量%の活性成分の範囲で好適であったことを明らかにしている。加えて、結果は、錠剤の異なる層における2つの異なるグレードが本発明により好適であったことを明らかにしている。
【0276】
(実施例15)
各層に異なるグレードのデキストロースを含む2層デキストロース錠剤の結果
【0277】
【0278】
全般に、結果は、本発明による2層錠剤で圧縮される場合、層1において別々の結合剤を添加することが、良好な結果を得るために好適であったことを明らかにしている。
【0279】
(実施例16)
各層に異なるグレードのデキストロースを含む2層デキストロース錠剤の結果
【0280】
【0281】
全般に、結果は、本発明による2層錠剤で圧縮される場合、層1及び2の両方において別々の結合剤を添加することが、良好な結果を得るために好適であったことを明らかにしている。
【0282】
(実施例17)
各層に異なる活性物質を含む2層デキストロース錠剤の結果
【0283】
【0284】
全般に、結果は、本発明による2層錠剤で圧縮される場合、活性物質の含有率が0.1~40質量%の活性成分の範囲で好適であったことを明らかにしている。
【0285】
(実施例18)
各層に異なる活性物質を含む2層デキストロース錠剤の結果
【0286】
【0287】
全般に、結果は、本発明による2層錠剤で圧縮される場合、活性物質の含有率が0.1~40質量%の活性成分の範囲で好適であったことを明らかにしている。
【0288】
(実施例19)
異なる量の活性成分の存在を含む2層デキストロース錠剤の結果
【0289】
【0290】
全般に、結果は、本発明による2層錠剤で圧縮される場合、活性物質の含有率が0.1~40質量%の活性成分の範囲で好適であったことを明らかにしている。
【0291】
(実施例20)
エネルギーに焦点があてられた、異なる活性成分を含むデキストロース錠剤の組成
実施例1における手順に基づくデキストロース錠剤を下の実施例に概説されている配合で作製し、ここでは、カフェインを100mgの量で、及び任意選択でビタミンBプレミックスを15mgの量で活性成分として含んだ。錠剤実施例のすべてにおいて、様々な成分の量は、錠剤の各層の質量%として示されている。
【0292】
具体的に示されていない限り、異なる層で変化させてよい着香剤の種類を除いて、同じ成分を錠剤の異なる層に施与した。少量の色素を任意選択で、1つ又は複数の層に添加した。層は、錠剤の質量で同じ質量パーセンテージを有した。
【0293】
【0294】
(実施例21)
エネルギーに焦点があてられた、異なる活性成分を含むデキストロース錠剤の組成
実施例1における手順に基づくデキストロース錠剤を下の実施例に概説されている配合で作製し、ここでは、チョウセンニンジン(ginseng)を10mgの量で、及び任意選択でビタミンBプレミックスを10mgの量で活性成分として含んだ。錠剤実施例のすべてにおいて、様々な成分の量は、錠剤の各層の質量%として示されている。この実施例のすべての試料について、総錠剤質量は1000mgである。
【0295】
具体的に示されていない限り、異なる層で変化させてよい着香剤の種類を除いて、同じ成分を錠剤の異なる層に施与した。少量の色素を任意選択で、1つ又は複数の層に添加した。層は、錠剤の質量で同じ質量パーセンテージを有した。
【0296】
【0297】
(実施例22)
エネルギーに焦点があてられた、異なる活性成分を含むデキストロース錠剤の組成
実施例1における手順に基づくデキストロース錠剤を下の実施例に概説されている配合で作製し、ここでは、L-テアニンを100mgの量で、及び任意選択でカフェインを50mgの量で活性成分として含んだ。錠剤実施例のすべてにおいて、様々な成分の量は、錠剤の各層の質量%として示されている。
【0298】
具体的に示されていない限り、異なる層で変化させてよい着香剤の種類を除いて、同じ成分を錠剤の異なる層に施与した。少量の色素を任意選択で、1つ又は複数の層に添加した。層は、錠剤の質量で同じ質量パーセンテージを有した。
【0299】
【0300】
(実施例23)
免疫刺激薬に焦点があてられた、異なる活性成分を含むデキストロース錠剤の組成
実施例1における手順に基づくデキストロース錠剤を下の実施例に概説されている配合で作製し、ここでは、ビタミンCを500mgの量で、又はビタミンC及び他のビタミン類/無機物を含むハーブブレンドを450mgの量で活性成分として含んだ。錠剤実施例のすべてにおいて、様々な成分の量は、錠剤の各層の質量%として示されている。
【0301】
具体的に示されていない限り、異なる層で変化させてよい着香剤の種類を除いて、同じ成分を錠剤の異なる層に施与した。少量の色素を任意選択で、1つ又は複数の層に添加した。層は、錠剤の質量で同じ質量パーセンテージを有した。
【0302】
【0303】
(実施例24)
咳及び感冒用製剤に焦点があてられた、異なる活性成分を含むデキストロース錠剤の組成
実施例1における手順に基づくデキストロース錠剤を下の実施例に概説されている配合で作製し、ここでは、咳及び感冒症状を処置するために好適な活性成分を含んだ。錠剤実施例のすべてにおいて、様々な成分の量は、錠剤の各層の質量%として示されている。
【0304】
具体的に示されていない限り、異なる層で変化させてよい着香剤の種類を除いて、同じ成分を錠剤の異なる層に施与した。少量の色素を任意選択で、1つ又は複数の層に添加した。層は、錠剤の質量で同じ質量パーセンテージを有した。この実施例のすべての試料について、総錠剤質量は1750mgである。
【0305】
【0306】
(実施例25)
デキストロース錠剤211と、免疫刺激薬を含有する市販の製品との比較の結果
【0307】
【0308】
全般に、結果は、デキストロース錠剤211と同じ種類の活性物質を含有する市販の製品Airborneと比較して、デキストロース錠剤が、優れた食感及び液化感覚をもたらしていることを明らかにしている。
【0309】
(実施例26)
2層錠剤と1層錠剤との比較
次の実施例では、本発明による2層錠剤を、実施例1において概説されたのと同じツール及び条件により作製された1層圧縮錠剤と比較した。すべての錠剤を実施例1により調製及び作製したが、1層錠剤は、1ポーションの錠剤材料を添加し、1回の変化する主要な圧縮力を錠剤に施与することによってのみ作製され(先行圧縮力はない)、2層錠剤は、すべての錠剤について第1の層を形成するために第1のポーションの材料に約2.2kNの先行圧縮力を、及び最終2層錠剤を形成するために、第2のポーションの材料を添加した後に、変化する主要な圧縮力を施与することにより作製された。
【0310】
【0311】
(実施例27)
実施例26の1層錠剤の摩損度
【0312】
【0313】
全般に、1層錠剤での摩損度は、グレードC*dex 02001と比較して、デキストロースグレードC*dex 02032及びRoyal-Tに関して低レベルであったことが分かった。また、すべての錠剤について既に約20kNの圧縮力により、低い摩損度レベルが得られた。
【0314】
(実施例28)
実施例26の1層錠剤の錠剤硬度
【0315】
【0316】
全般に、1層錠剤での硬度は、グレードC*dex 02001と比較して、デキストロースグレードC*dex 02032及びRoyal-Tに関して同様か、又はより高いレベルであったことが分かった。
【0317】
(実施例29)
実施例26の2層錠剤の摩損度
【0318】
【0319】
意外なことに、異なるグレードの摩損度は約20kNの圧縮力で非常に低く、試料235は、試料234よりも有意に低い摩損度及び試料233よりも更に有意に低い摩損度を有したことが分かった。微細粒子を有するグレード(C*dex 02001)では、錠剤は、約30kNの圧縮力でキャッピングを受け、したがって、非常に高い摩損度が生じた。これは、非常に意外であったが、それというのも、同じキャッピングの問題が1層錠剤では見られなかったためである。別々の結合剤が試料に存在しなかったことが特筆される。
【0320】
(実施例30)
実施例26の2層錠剤の錠剤硬度
【0321】
【0322】
意外なことに、同じ錠剤の摩損度で観察された大きな差にも関わらず、異なるグレードは、約20kNの圧縮力において相互に近接したことが分かった。20kNでの摩損度の差を考慮すると、硬度において同様の差が観察されると予測された。微細な粒子を含むグレード(C*dex 02001)では、錠剤は、約30kNの圧縮力でキャッピングを受け、したがって、非常に低い硬度であり、これは、非常に意外であった。キャッピングの問題は、1層錠剤では見られなかった。別々の結合剤が試料に存在しなかったことが特筆される。
【国際調査報告】