(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-10-23
(54)【発明の名称】マーケティング分析のための多次元テスト
(51)【国際特許分類】
G06Q 30/0201 20230101AFI20241016BHJP
【FI】
G06Q30/0201
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024523528
(86)(22)【出願日】2022-10-22
(85)【翻訳文提出日】2024-05-23
(86)【国際出願番号】 AU2022051272
(87)【国際公開番号】W WO2023064998
(87)【国際公開日】2023-04-27
(32)【優先日】2021-10-22
(33)【優先権主張国・地域又は機関】AU
(81)【指定国・地域】
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
(71)【出願人】
【識別番号】519191178
【氏名又は名称】キュージック ピーティーワイ エルティーディー
【氏名又は名称原語表記】QSIC PTY LTD
(74)【代理人】
【識別番号】110003281
【氏名又は名称】弁理士法人大塚国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】エルスレイ, マシュー
(72)【発明者】
【氏名】メシュケ, ステファン
(72)【発明者】
【氏名】スミス, ジェラルド
(72)【発明者】
【氏名】ラーキンス, ニコラス
【テーマコード(参考)】
5L030
【Fターム(参考)】
5L030BB02
(57)【要約】
本発明のシステムおよび方法は、多次元パターン(超立方体)に配置されたA/Bテストの繰り返し、交互セットの自動化されたスケジューリング、モニタリング、および評価を提供する。これは、統計的検出力およびその他のパラメータを容易に調整できるようにしながら、計算上繰り返されるA/Bテストのためのロバストなシステムと方法を提供する。このシステムと方法の統計的検出力は、時間の経過とともにA/Bテストの繰り返し回数を増やすことによって増加させることができる。さらに、このシステムと方法は、異なる変数に対するクリエイティブコンテンツの影響を比較することができるテストの軸方向(ハイパーキューブ)評価を可能にする。
【選択図】
図6
【特許請求の範囲】
【請求項1】
コンピュータに実装されたマーケティング分析システムであって、
インタフェースをレンダリングするネットワーク接続されたサーバであって、前記インタフェースは、
・複数の選択可能な変数と、
・複数の選択可能なクリエイティブコンテンツのアイテムと、
・複数の選択可能な指標と
を含む、サーバと、
前記サーバから、前記選択可能な変数、前記選択可能なクリエイティブコンテンツ、および/または前記選択可能な指標に関連する1つ以上の入力を受信し、n次元データ構造を構築する試験ジェネレータと、
オーディオおよび/またはビジュアルデバイスと情報収集デバイスとを含む、各選択可能な地理的ロケーションと、
前記データ構造を受信し、前記選択されたクリエイティブコンテンツに関連するデータをデータベースから取得するスケジューラであって、前記データ構造に従って前記クリエイティブコンテンツを提示するように前記オーディオおよび/またはビジュアルデバイスを制御するように、前記オーディオおよび/またはビジュアルデバイスと通信するスケジューラと、
前記情報収集デバイスから情報を受信し、関心のある指標を経時的に結果データベースに記録するトラッカーと、
を含む、マーケティング分析システム。
【請求項2】
コンピュータに実装されたマーケティング分析システムであって、
インタフェースをレンダリングするネットワーク接続されたサーバであって、前記インタフェースは、
・時間、地理的ロケーション、および商品のうちの1つ以上を含む複数の選択可能な変数と、
・複数の選択可能なクリエイティブコンテンツのアイテムと、
・複数の選択可能な指標と
を含む、サーバと、
前記サーバから、前記選択可能な変数、前記選択可能なクリエイティブコンテンツ、および/または前記選択可能な指標に関連する1つ以上の入力を受信し、n次元データ構造を構築する試験ジェネレータと、
オーディオおよび/またはビジュアルデバイスと情報収集デバイスとを含む、各選択可能な地理的ロケーションと、
前記データ構造を受信し、前記選択されたクリエイティブコンテンツに関連するデータをデータベースから取得するスケジューラであって、前記データ構造に従って前記クリエイティブコンテンツを提示するように前記オーディオおよび/またはビジュアルデバイスを制御するように、前記オーディオおよび/またはビジュアルデバイスと通信するスケジューラと、
前記情報収集デバイスから情報を受信し、関心のある指標を経時的に結果データベースに記録するトラッカーと、
を含む、マーケティング分析システム。
【請求項3】
前記情報収集デバイスは、POS指標をモニタするPOSシステム、および1つ以上の代理指標を測定するセンサのうちの、任意の1つ以上である、請求項1に記載のマーケティング分析システム。
【請求項4】
コンピュータに実装されたマーケティング分析システムであって、
ウェブインタフェースをレンダリングするウェブサーバであって、前記ウェブインタフェースは、
・時間、地理的ロケーション、および商品のうちの1つ以上を含む複数の選択可能な変数と、
・複数の選択可能なクリエイティブコンテンツのアイテムと、
・複数の選択可能な指標と
を含む、ウェブサーバと、
前記ウェブサーバから、前記選択可能な変数、前記選択可能なクリエイティブコンテンツ、および/または前記選択可能な指標に関連する1つ以上の入力を受信し、n次元データ構造を構築する試験ジェネレータと、
各選択可能な地理的ロケーションであって、
・オーディオおよび/またはビジュアルデバイスと、
・POSをモニタするPOSシステムと、
・店内の騒音やフットトラフィックなどの1つ以上の代理指標を測定する、任意選択の1つ以上のセンサと
を含む、各選択可能な地理的ロケーションと、
前記データ構造を受信し、前記選択されたクリエイティブコンテンツに関連するデータをデータベースから取得するスケジューラであって、前記データ構造に従って前記クリエイティブコンテンツを提示するように前記オーディオおよび/またはビジュアルデバイスを制御するように、前記オーディオおよび/またはビジュアルデバイスと通信するスケジューラと、
POSデータ(および任意選択のセンサデータ)を受信し、関心のある指標を結果データベースに経時的に記録するトラッカーと、
前記結果データベースに格納された前記結果と、前記データ構造によって指定された前記A/Bテストスケジュールを取得し、レポートを計算する、評価者サービスと、
前記レポートをユーザに利用可能とさせるレポータと、
を含む、マーケティング分析システム。
【請求項5】
コンピュータに実装されたマーケティング分析システムであって、
ウェブインタフェースをレンダリングするウェブサーバであって、前記ウェブインタフェースは、
時間、地理的ロケーション、および商品のうちの1つ以上を含む複数の選択可能な変数、
オーディオ広告、ビジュアル広告、および音楽のうちの1つ以上を含む、複数の選択可能なクリエイティブコンテンツのアイテムと、
販売量、販売変動、売上高、バスケットサイズ、顧客数、および顧客維持率のうちの1つ以上を含む、複数の選択可能な指標と、
を含む、ウェブサーバと、
前記ウェブサーバから、前記選択可能な変数、前記選択可能なクリエイティブコンテンツ、および/または前記選択可能な指標に関連する1つ以上の入力を受信し、実行するための、繰り返される交互のA/Bテストの超立方体からなるn次元データ構造を構築する試験ジェネレータと、
A/Bテストとは、所定の商品について、選択された時間および/またはロケーションで選択されたクリエイティブコンテンツを再生するか、または再生しないことであり、超立方体の軸は、店舗、週および/または商品など、ユーザによって選択された変数であり、超立方体のセルは、再生する広告のリスト、または特定の週、店舗および/または商品についてクリエイティブコンテンツのアイテムを再生/表示するか否かを示すTrueまたはFalseからなるブーリアンフラグの1つ以上を含む、
各選択可能なロケーションであって、
・オーディオおよび/またはビジュアルデバイスと、
・販売台数、売上変動、売上高、バスケットサイズ、顧客数、または顧客維持率の1つ以上をモニタするPOSシステムと、
・店内の騒音やフットトラフィックなどの1つ以上の代理指標を測定する、任意選択の1つ以上のセンサと
を含む、各選択可能なロケーションと、
前記超立方体データを受信し、前記選択されたクリエイティブコンテンツに関連するデータを音楽およびオーディオ広告のデータベースから取得するスケジューラであって、前記超立方体データに従って前記クリエイティブコンテンツを提示するように前記オーディオおよび/またはビジュアルデバイスを制御するように、前記オーディオおよび/またはビジュアルデバイスと通信するスケジューラと、
特定の時間、店舗、商品のセルに値trueが含まれればクリエイティブが再生/表示され、そうでなければ再生/表示されず、
POSデータ(および任意選択のセンサデータ)を受信し、関心のある指標を結果データベースに経時的に記録するトラッカーと、
前記結果データベースに格納された前記結果と、前記超立方体によって指定された前記A/Bテストスケジュールを取得し、レポートを計算する、評価者サービスと、
ウェブインタフェース、電子メール、またはSMSのうち1つ以上を介して、前記レポートをユーザに利用可能とさせるレポータと、
を含む、マーケティング分析システム。
【請求項6】
ウェブインタフェースを介して、1つ以上の選択可能な変数、クリエイティブコンテンツの選択可能なアイテム、および選択可能な指標に関する1つ以上の入力をユーザから受信することと、
A/Bテストを実行するために、繰り返される交互のA/Bテストの超直方体を含むn次元データ構造を構築することと、
前記データ構造に従って前記クリエイティブコンテンツを提示することによって、A/Bテストを実行することと、
前記データ構造に関連する1つ以上の指標に関連するデータを受信し、記録し、追跡することと、
ユーザに提示するためのレポートを生成することと、
を含む、マーケティング分析方法。
【請求項7】
ネットワーク接続されたサーバからインタフェースをレンダリングすることであって、前記インタフェースは、
・時間、地理的ロケーション、および商品のうちの1つ以上を含む複数の選択可能な変数と、
・複数の選択可能なクリエイティブコンテンツのアイテムと、
・複数の選択可能な指標と
を含み、
前記サーバから、前記選択可能な変数、前記選択可能なクリエイティブコンテンツ、および/または前記選択可能な指標に関連付けられた1つ以上の入力を受信し、n次元データ構造を構築することと、
各選択可能な地理的ロケーションは、オーディオおよび/またはビジュアルデバイスと情報収集デバイスを含み、
前記データ構造を受信し、前記選択されたクリエイティブコンテンツに関連するデータをデータベースから取得し、前記スケジューラは、前記データ構造に従って前記クリエイティブコンテンツを提示するように前記オーディオおよび/またはビジュアルデバイスを制御するように、前記オーディオおよび/またはビジュアルデバイスと通信することと、
前記情報収集デバイスから情報を受信し、関心のある指標を経時的に結果データベースに記録することと、
を含む、コンピュータに実装されたマーケティング分析方法。
【請求項8】
前記情報収集デバイスは、POS指標をモニタするPOSシステム、および1つ以上の代理指標を測定するセンサのうちの、任意の1つ以上である、請求項6に記載のマーケティング分析方法。
【請求項9】
前記クリエイティブコンテンツは、前記選択可能なロケーションにあるオーディオ/ディスプレイデバイスに電子的に送信されるか、または、前記ロケーションにあるデバイスに、例えば、予めロードされるかのいずれかである、請求項1~5のいずれか1項に記載のマーケティング分析システムまたは請求項6~8のいずれか1項に記載のマーケティング分析方法。
【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
A/Bテストは、ある変数がある指標に与える影響をテストする試験方法である。例えば、(A)オーディオ広告(変数)を再生することは、(B)広告を再生しない場合と比較して、販売(指標)の増加をもたらすかどうかをテストすることができる。古典的なA/Bテストは単一の変数のみを考慮するが、A/B/nテストまたは多変量テストは多くの変数を考慮し、特に効率的なテストレジームに関係する。
【0002】
A/Bテストは、変数Aまたは変数Bのテストの基礎となる集団が同等であることを必要とし、そうでなければ、テスト結果は歪んでいる可能性がある。例えば、ある広告がA店では流され、B店では流されなかったが、B店の方が、一般的に商品が多く売れた場合、広告を出したにもかかわらず、A店の販売はB店より低いままなので、広告の恩恵は検出できない可能性がある。
【0003】
2つの異なる店舗でAとBをテストする代わりに、単一の店舗の週間販売量を記録し、広告を行う1週間の結果(A)を、広告のない1週間(B)と比較することができる。しかしながら、販売の一般的な傾向(経時的な、減少又は増加)は、店舗間の分割と同じようにテスト結果を歪める可能性があるため、問題が残る。
【0004】
したがって、伝統的に、A/Bテストは、無作為に選択された多数のユーザ、店舗、または一般的に「被験者」に対して行われ、AおよびB分割における不均一な集団によるテスト結果の潜在的な歪みを緩和し、テストの統計的有意性は、集団の平均とそれらの標準偏差の差に基づく。
【0005】
本明細書における先行技術への言及は、その先行技術が一般的な一般知識の一部を形成していることを認めるものではなく、また示唆するものでもない。
【発明の概要】
【0006】
本発明のシステムおよび方法は、多次元パターン(超立方体)に配置されたA/Bテストの繰り返し、交互セットの自動スケジューリング、モニタリング、および評価を提供する。これは、統計的検出力および他のパラメータの容易な調整を可能にしながら、計算的に繰り返されるA/Bテストのためのロバストシステムおよび方法を提供する。このシステムとA/Bテストの繰り返し回数を、時間をかけて増加させることによって、方法の統計的検出力を高めることができる。さらに、このシステムおよび方法は、異なる変数に対するクリエイティブコンテンツの影響を比較することができるテストの軸別(超立方体)評価を可能にする。
【0007】
本発明によれば、A/Bテストの繰り返し交互パターンを採用することにより、ビジネス指標(販売量、販売変動、収益、バスケットサイズ、顧客数または顧客維持率など)に対するクリエイティブ(オーディオまたはビジュアル広告または音楽の断片など)の影響を、変数の少数の異なる変形(例えば、店舗またはロケーション)について、所定の信頼性をもって測定することができる。
【0008】
本発明のシステムおよび方法は、少数の変形に対する従来のA/Bテストと比較して、天候、休日、または選択された指標に影響を与える他のイベントなどの交絡外的要因に対してよりロバストである。
【0009】
本発明のテストシステムの統計的検出力は、テスト時間を延長する(A/Bテストの繰り返し回数を増やす)ことにより、容易に直ちに高めることができる。これは、テストに参加する店舗数を増やすことにより統計的検出力を増加させる従来のアプローチとは対照的である。しかし、通常、A/Bテストをより多くの店舗で実施することは、A/Bテストをより長く実施することと比較して、特に、A/Bテストが、例えば、オーディオシステムのような必要なハードウェアの設置を必要とする場合には、より高価である。
【0010】
本明細書(後に続く特許請求の範囲を含む)全体を通して、文脈上別段必要とされない限り、「含む(comprise)」という単語、および「comprises」や「comprising」などの変形は、記載された整数またはステップまたは整数またはステップのグループを含むことを意味するが、他の整数またはステップまたは整数またはステップのグループを除外することを意味しないと理解される。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】
図1は、A/Bテストを説明するための簡単な図である。
【
図2】
図2は、
図1の図表の確率がどのように決定されるかを示す簡単な図表である。
【
図3】
図3は、4つの期間、例えば4週間にわたるA/Bテストを示す簡単な図表である。
【
図4】
図4は、4つの変数(例えば、ロケーション/店舗)について、5つの期間、例えば、5週間にわたるA/Bテストを示す単純な表である。
【
図5】
図5は、3つの変数(この場合、商品、店舗、週)にわたるA/Bテストの組み合わせの効果を示す図解である。
【
図6】
図6は、本発明による例示的なシステムの構成要素を示す図である。
【
図7】
図7は、本発明による例示的なシステムの例示的なプロセスフローを示すフローチャートである。
【
図8】
図8は、本発明の一実施形態に従って作成される例示的なレポートを示す図である。
【
図9】
図9は、本発明の一実施形態に従って作成された例示的なチェッカーボードパターンレポートを示す図である。
【
図10】
図10は、所定の広告によって引き起こされる販売量をテストする本発明の一実施形態に従って作成された複数店舗にわたる商品の90%信頼区間例を示す。
【発明を実施するための形態】
【0012】
本明細書では、特に好ましい実施形態に関連して本発明を説明するのが便利である。しかしながら、本発明は広範な実施形態に適用可能であり、他の構成および配置も本発明の範囲に含まれると考えられることを理解されたい。また、本明細書に記載された構成および配置に対する様々な修正、変更、変形、または追加も、本発明の範囲に含まれるものとみなされる。
【0013】
本発明は、コンピュータに実装されたマーケティング分析システムであって、インタフェースをレンダリングするネットワーク接続されたサーバであって、前記インタフェースは、複数の選択可能な変数と、複数の選択可能なクリエイティブコンテンツのアイテムと、複数の選択可能な指標とを含む、サーバと、 前記サーバから、前記選択可能な変数、前記選択可能なクリエイティブコンテンツ、および/または前記選択可能な指標に関連する1つ以上の入力を受信し、n次元データ構造を構築する試験ジェネレータと、 オーディオおよび/またはビジュアルデバイスと情報収集デバイスとを含む、各選択可能な地理的ロケーションと、 前記データ構造を受信し、前記選択されたクリエイティブコンテンツに関連するデータをデータベースから取得するスケジューラであって、前記データ構造に従って前記クリエイティブコンテンツを提示するように前記オーディオおよび/またはビジュアルデバイスを制御するように、前記オーディオおよび/またはビジュアルデバイスと通信するスケジューラと、 前記情報収集デバイスから情報を受信し、関心のある指標を経時的に結果データベースに記録するトラッカーと、 を含む、マーケティング分析システムを提供する。
【0014】
また、本発明は、コンピュータに実装されたマーケティング分析システムであって、インタフェースをレンダリングするネットワーク接続されたサーバであって、前記インタフェースは、時間、地理的ロケーション、および商品のうちの1つ以上を含む複数の選択可能な変数と、複数の選択可能なクリエイティブコンテンツのアイテムと、複数の選択可能な指標とを含む、サーバと、 前記サーバから、前記選択可能な変数、前記選択可能なクリエイティブコンテンツ、および/または前記選択可能な指標に関連する1つ以上の入力を受信し、n次元データ構造を構築する試験ジェネレータと、 オーディオおよび/またはビジュアルデバイスと情報収集デバイスを含む、各選択可能な地理的ロケーションと、 前記データ構造を受信し、前記選択されたクリエイティブコンテンツに関連するデータをデータベースから取得するスケジューラであって、前記データ構造に従って前記クリエイティブコンテンツを提示するように前記オーディオおよび/またはビジュアルデバイスを制御するように、前記オーディオおよび/またはビジュアルデバイスと通信するスケジューラと、 前記情報収集デバイスから情報を受信し、関心のある指標を経時的に結果データベースに記録するトラッカーと、を含む、マーケティング分析システムを提供する。
【0015】
情報収集デバイスは、例えば、POS指標をモニタするPOS管理システム、代理指標である可能性のある1つ以上の指標を測定するセンサのうちの1つ以上であり得る(代理指標とは、別の指標の値を示す情報のことで、例えば、その別の指標が直接測定することがより困難な場合などである)。
【0016】
また、本発明は、コンピュータに実装されたマーケティング分析システムであって、ウェブインタフェースをレンダリングするウェブサーバであって、前記ウェブインタフェースは、地理的ロケーション、1以上の商品、複数の選択可能な変数と、複数の選択可能なクリエイティブコンテンツのアイテムと、複数の選択可能な指標とを含む、ウェブサーバと、 前記ウェブサーバから、前記選択可能な変数、前記選択可能なクリエイティブコンテンツ、および/または前記選択可能な指標に関連する1つ以上の入力を受信し、n次元データ構造を構築する試験ジェネレータと、 各選択可能な地理的ロケーションであって、オーディオおよび/またはビジュアルデバイスと、POSをモニタするPOSシステムと、店内の騒音やフットトラフィックなどの1つ以上の代理指標を測定する、任意選択の1つ以上のセンサとを含む、各選択可能な地理的ロケーションと、 前記データ構造を受信し、前記選択されたクリエイティブコンテンツに関連するデータをデータベースから取得するスケジューラであって、前記データ構造に従って前記クリエイティブコンテンツを提示するように前記オーディオおよび/またはビジュアルデバイスを制御するように、前記オーディオおよび/またはビジュアルデバイスと通信するスケジューラと、 POSデータ(および任意選択のセンサデータ)を受信し、関心のある指標を結果データベースに経時的に記録するトラッカーと、 前記結果データベースに格納された前記結果と、前記データ構造によって指定された前記A/Bテストスケジュールを取得し、レポートを計算する、評価者サービスと、 前記レポートをユーザに利用可能するレポータと、を含む、マーケティング分析システムを提供する。
【0017】
また、本発明は、コンピュータに実装されたマーケティング分析システムであって、ウェブインタフェースをレンダリングするウェブサーバであって、前記ウェブインタフェースは、時間、地理的ロケーション、および商品のうちの1つ以上を含む複数の選択可能な変数、オーディオ広告、ビジュアル広告、および音楽のうちの1つ以上を含む、複数の選択可能なクリエイティブコンテンツのアイテムと、販売量、販売変動、売上高、バスケットサイズ、顧客数、および顧客維持率のうちの1つ以上を含む、複数の選択可能な指標と、を含む、ウェブサーバと、 前記ウェブサーバから、前記選択可能な変数、前記選択可能なクリエイティブコンテンツ、および/または前記選択可能な指標に関連する1つ以上の入力を受信し、実行するための、繰り返される交互のA/Bテストの超立方体からなるn次元データ構造を構築する試験ジェネレータと、 A/Bテストとは、所定の商品について、選択された時間および/またはロケーションで選択されたクリエイティブコンテンツを再生するか、または再生しないことであり、超立方体の軸は、店舗、期間(例えば、週など)および/または商品など、ユーザによって選択された変数であり、超立方体のセルは、再生する広告のリスト、または特定の週、店舗および/または商品についてクリエイティブコンテンツのアイテムを再生/表示するか否かを示すTrueまたはFalseからなるブーリアンフラグの1つ以上を含む、 各選択可能なロケーションであって、オーディオおよび/またはビジュアルデバイスと、販売台数、売上変動、売上高、バスケットサイズ、顧客数、または顧客維持率の1つ以上をモニタするPOSシステムと、店内の騒音やフットトラフィックなどの1つ以上の代理指標を測定する、任意選択の1つ以上のセンサとを含む、各選択可能なロケーションと、 前記超立方体データを受信し、前記選択されたクリエイティブコンテンツに関連するデータを音楽およびオーディオ広告のデータベースから取得するスケジューラであって、前記超立方体データに従って前記クリエイティブコンテンツを提示するように前記オーディオおよび/またはビジュアルデバイスを制御するように、前記オーディオおよび/またはビジュアルデバイスと通信するスケジューラと、 特定の時間、店舗、商品のセルに値trueが含まれればクリエイティブが再生/表示され、そうでなければ再生/表示されず、 POSデータ(および任意選択のセンサデータ)を受信し、関心のある指標を結果データベースに経時的に記録するトラッカーと、 前記結果データベースに格納された前記結果と、前記超立方体によって指定された前記A/Bテストスケジュールを取得し、レポートを計算する、評価者サービスと、 ウェブインタフェース、電子メール、ハードコピー、またはSMSのうち1つ以上を介して、前記レポートをユーザに利用可能とさせるレポータと、を含む、マーケティング分析システムである。
【0018】
また、本発明は、ウェブインタフェースを介して、1つ以上の選択可能な変数、クリエイティブコンテンツの選択可能なアイテム、および選択可能な指標に関する1つ以上の入力をユーザから受信することと、 A/Bテストを実行するために、繰り返される交互のA/Bテストの超直方体を含むn次元データ構造を構築することと、 前記データ構造に従って前記クリエイティブコンテンツを提示することによって、A/Bテストを実行することと、 前記データ構造に関連する1つ以上の指標に関連するデータを受信し、記録し、追跡することと、 ユーザに提示するためのレポートを生成することと、を含む、マーケティング分析方法である。
【0019】
また、本発明は、ネットワーク接続されたサーバからインタフェースをレンダリングすることであって、前記インタフェースは、時間、地理的ロケーション、および商品のうちの1つ以上を含む複数の選択可能な変数と、複数の選択可能なクリエイティブコンテンツのアイテムと、複数の選択可能な指標とを含み、 前記サーバから、前記選択可能な変数、前記選択可能なクリエイティブコンテンツ、および/または前記選択可能な指標に関連付けられた1つ以上の入力を受信し、n次元データ構造を構築することと、 各選択可能な地理的ロケーションは、オーディオおよび/またはビジュアルデバイスと情報収集デバイスを含み、 前記データ構造を受信し、前記選択されたクリエイティブコンテンツに関連するデータをデータベースから取得し、前記スケジューラは、前記データ構造に従って前記クリエイティブコンテンツを提示するように前記オーディオおよび/またはビジュアルデバイスを制御するように、前記オーディオおよび/またはビジュアルデバイスと通信することと、 前記情報収集デバイスから情報を受信し、関心のある指標を経時的に結果データベースに記録することと、を含む、コンピュータに実装されたマーケティング分析方法である。
【0020】
本発明のマーケティング分析システムは、例えば、選択されたマーケティングおよび販売環境の理解を向上させ、その結果、様々な社会的および心理的要因をより良く理解し、例えば、販売および収益性を向上させるなど、様々な状況で使用され得る。
【0021】
サーバは、ユーザが手元の分析に関連する情報を受信し、入力するのに適したあらゆる形式のインタフェースをレンダリングすることができる。サーバは、例えばネットワークを介してシステムの他の要素と通信できなければならない。いくつかの好ましい実施形態では、ネットワークはインターネットなどのグローバル通信ネットワークである。いくつかの好ましい実施形態では、サーバはウェブサーバであり、インタフェースはウェブインタフェースである。
【0022】
インタフェースを介して選択可能な変数は、マーケティング分析に適した任意のタイプであってよい。例えば、それらは、コスト、価格、時間、ロケーション、地理的ロケーション、商品、商品カテゴリ、商品の位置付け、ターゲットオーディエンス、人々、パッケージングなどに関連してもよい。
【0023】
クリエイティブコンテンツのアイテムは、マーケティング結果に影響を与えるのに適した任意のタイプのものであってよい。いくつかの好ましい実施形態では、それらはオーディオまたはビジュアルマーケティングまたは広告または音楽を含む。それらは、また、例えば、音楽、ビデオエンターティメント、予め録音された音、匂い(例えば、空腹感を刺激する)、触覚的提供物などの環境の他の処理を含んでもよい。クリエイティブコンテンツは、遠隔で、または関心のある地理的なロケーションで、記憶され、展開され得る。例えば、オーディオまたはビデオコンテンツは、サーバに電子的に格納され、オンデマンドでそのロケーションに送信されてもよいし、ローカルに格納され、指示されたときに再生されてもよい。デジタル的に伝送が不可能な他の感覚コンテンツ(匂いまたは触覚コンテンツなど)は、ローカルに保存されるが、リモートで表示されるようにトリガされてもよい。
【0024】
指標は、本発明によるマーケティング分析に情報を提供する任意の適切なタイプのものでよい。例えば、それらは、売上、販売量、販売成長、販売分散、収益、利益、リード、顧客の価値、顧客の生涯価値、投資利益、顧客獲得コスト、販売チームの応答時間、ロケーションにおけるトラフィック、ネットプロモータースコア、バスケットサイズ、顧客または顧客のタイプ当たりの消費量、顧客数、顧客維持率などを含むことができる。
【0025】
試験ジェネレータは、選択可能な変数、選択可能なクリエイティブコンテンツ、および/または選択可能な指標に関連する1つ以上の入力をサーバから受信し、実行するための、繰り返し交互のA/Bテストの超立方体からなるn次元データ構造を構築し、ここで、A/Bテストは、所定の商品について選択された時間および/またはロケーションで選択されたコンテンツを再生するか、または再生しないかであり、超立方体の軸は、上記のようにユーザによって選択された変数である。いくつかの実施形態では、超立方体のセルは、再生または表示するコンテンツオプションのリスト、またはコンテンツのアイテムが特定の時間、店舗および/または商品などに対して再生/表示されるか否かを示す、例えばTrueまたはFalseからなるブーリアンフラグの1つ以上を含む。
【0026】
地理的ロケーションの各々には、選択されたコンテンツを表示または再生するデバイスを備える。デバイスは、例えば、オーディオスピーカー、ビデオディスプレイ、匂い発生器または触覚ディスプレイなどの、関心のあるコンテンツを再生または表示するための任意の適切なタイプのものであってもよい。
【0027】
情報収集デバイスは、マーケティング分析に意味のある情報を収集するのに適したものであれば、どのようなタイプのものでもよい。例えば、それは、POSシステム(上述したように販売指標を収集するため)、または、例えば代理指標としてローカルに検知されたデータを収集するための1つ以上のセンサを含んでもよい。センサは、例えば、代理指標として使用され得るマーケティング分析に有用な情報を収集するのに適した任意のタイプのものでもよい。これらは、例えば、店舗内の騒音やフットトラフィック(客足)を感知するためのマイク、フットトラフィック(客足)を感知するため振動センサ、ビデオ映像を分析し、店舗利用者をカウントし、その行動を分析するためのビデオカメラを含み得る。
【0028】
スケジューラは、超立方体データを受信し、選択されたコンテンツに関連するデータをコンテンツデータベースから取得する。スケジューラは、超立方体データに従ってコンテンツを提示するようにそのデバイスを制御するように、コンテンツデバイスと通信する。スケジューラは、本発明を容易にするのに適した任意の方法でコンテンツデバイスと通信することができる。それは、無線であっても物理的であってもよく、グローバル通信ネットワークやローカルエリアネットワークなどのネットワークであってもよく、Bluetooth(登録商標)、Zigbeeなどの無線プロトコル方式を介して直接であってもよい。
【0029】
いくつかの好ましい実施形態では、特定の時間、店舗、および/または商品の立方体のセルが値「True」を含む場合、コンテンツが再生/表示され、そうでない場合は再生/表示されない。
【0030】
トラッカーは、データ(POSデータまたはセンサデータなど)を受信し、関心のある指標を結果データベースに経時的に記録する。結果データベースは、本発明の作業を可能にする任意の場所に保存することができる。例えば、サーバ上、別のサーバ、または選択された場所などにあってもよい。
【0031】
評価者サービスは、結果データベースに格納された結果と、超立方体によって指定されたA/Bテストスケジュールを取得し、レポートを計算する。レポートは、任意のタイプであってもよく、分析に関する有用な情報をユーザに提供するのに適した方法で提示されてもよい。
【0032】
レポータは、レポートをユーザに提供する。それは、ユーザがレポートとその情報を利用できるようにするのに適した任意の方法で行われ得る。例えば、それは、コンピュータインタフェース、電子メール、SMS、ハードコピー、音声メッセージなどの1つ以上を介して行うことができる。
【0033】
以下の説明では、特定の好ましい実施形態を示す。
【0034】
図1を参照すると、A/Bテストの基本的な問題点は、交絡因子がテスト結果を容易に歪めることである。たとえば、オーディオ広告を再生したとき(B)と、広告を再生しなかったとき(A)の、ある商品の第1週(w1)と第2週(w2)の平均販売量を比較するA/Bテストを想定する。
【0035】
図2に描かれているように、基本的に2つの可能性がある。すなわち、2週目に売上が伸びるか、伸びないかである。両週の売上が全く同じである場合を無視すると、これは大量生産品では無視できる確率であるが、式が示すように2つの結果の確率は50%である。
【0036】
その結果、天候、季節、休日、コロナ(covid)、売上を変化させる他のイベント、例えばサッカーの試合などのスポーツイベントなど、他の多くの交絡要因に比べて、毎週の売上に対する広告の影響が低い場合、テスト結果はほとんどランダムであり、広告の影響を検出することはほぼ不可能である。
【0037】
本発明によれば、この問題は、例えば4週間のテストパターンを示す
図3に示されるような、交互のA/Bテストパターンを使用して、複数の期間(数週間など)にわたって、注意深く構築され、繰り返されるA/Bテストを可能にする、本発明のシステムおよび方法により克服することができる。
【0038】
この場合、偶然にこのようなパターンが観察される確率は、1回のA/Bテストの50%に比べ、わずか12.5であり、式で示されるように広告キャンペーンの影響を検出する可能性がはるかに高くなる。
【0039】
繰り返し回数を増やすことにより、偶然に交互パターンが観察される確率を大幅に低下させることができることに留意されたい。統計的検出力を向上させるために店舗や商品、その他のバージョンの変数を追加するのは時間とコストがかかる(オーディオシステムなどのハードウェアの追加設置、および/またはクリエイティブの追加が必要になる場合がある)のに対し、テストの時間を延長するのは比較的簡単であるため、これは有益である。
【0040】
A/Bテストを交互に繰り返すこの新規のアプローチは、複数の変形に拡張することができ、その結果、例えば、
図4に示されるような、期間(週など)およびロケーション(店舗など)に対して2次元の交互のグリッド(チェッカーボード)、または
図5に示されるように、期間(週など)、ロケーション(店舗など)、および商品に対して3次元の交互の立方体、または一般的にはn次元の超立方体となる。
【0041】
A/Bテストを反復するが、ランダム化された非反復パターンで反復することも本発明の範囲内であると考えられることに留意されたい。このような実施形態は、計算がより複雑になり、状況によっては解釈が困難になる可能性がある。いくつかの実施形態では、例えば、AおよびBの代替案のそれぞれの数が等しくなるようにバランス処理を実行することによって、これを改善することができる。
【0042】
オーディオ広告のA/Bテストを交互に繰り返し行うための、本発明による例示的なシステムの構成要素を示した図を
図6に示す。この例では、ウェブサーバ上で動作するウェブインタフェース(601)は、ユーザ(例えば、ストアマネージャ)が、週、店舗、商品などのどの変数(610)に対してA/Bテストを実行するかを選択するユーザインタフェースを表示する。ユーザはさらに、利用可能なクリエイティブのデータベース(615)から再生するオーディオ広告、および/または広告表示、および/または音楽などのクリエイティブコンテンツ(602)、および評価する指標(603)、例えば販売量、販売変動、収益、バスケットサイズ、顧客数、または顧客維持率を選択する。
【0043】
ウェブサーバは選択された変数を(例えばリストとして)試験ジェネレータ(612)に送信し、試験ジェネレータは、例えば、ウェブサーバとは別個のコンピュータシステム上で実行することができるが、必ずしもそうする必要はないサービスである。試験ジェネレータは、実行するための、繰り返し、交互に行われるA/Bテストの、n次元データ構造、すなわち、超立方体(613)を構成し、ここで、A/Bテストとは、選択されたクリエイティブコンテンツ(例えば、音楽)の再生または非再生、電子ディスプレイの表示または非表示、および/またはオーディオ広告の再生または非再生を、特定の店舗内で、所定の時間と商品について行うことである。超立方体の軸は、店舗、週、および/または商品など、ユーザによって選択された変数である。超立方体のセルはブール値のフラグ(TrueまたはFalse)であり、これは、特定の週、店舗、および/または商品について、クリエイティブが再生/表示されるか、否かを示す。代替的に、例えば、セルは、また、再生する広告のリストを含むこともできる。
【0044】
超立方体データはスケジューラ(614)に供給され、スケジューラは、音楽、ディスプレイテキスト、およびオーディオ広告のデータベース(615)から、選択されたクリエイティブコンテンツを読み出す(ここで、店舗および日付は超立方体の一部(軸)であり、超立方体は、それ自体がウェブサーバ/ウェブインタフェースを介してこの情報を受信する試験ジェネレータによって生成されることに留意すべきである。)。スケジューラは、インターネット接続を介して(例えば、Rest APIを介して)、店内のオーディオ機器(例えば、Qbit)またはディスプレイ(例えば、ビデオスクリーンまたは電子ボード)(616)を制御し、超立方体の軸とセルで指定されたスケジュールされた週/時間、店舗、および/または商品でクリエイティブコンテンツを再生する。具体的には、1つの実装形態では、特定の週、店舗および/または商品のセルに値「true」が含まれる場合、クリエイティブが再生/表示され、そうでない場合は再生/表示されない。クリエイティブコンテンツは、例えば、店舗のオーディオ/ディスプレイデバイスに電子的に送信されてもよく、または、例えば、店舗に設置されたデバイスにコンテンツが予めロードされてもよい。
【0045】
実店舗(617)には、オーディオコンテンツを再生するためのオーディオ機器(616)(プレーヤ、スピーカ、コントローラ、例えばQsic Qbitデバイス)、販売量、販売変動、収益、バスケットサイズ、顧客数または顧客維持率などの主要情報をモニタするためのポイント・オブ・セールス(POS)システム(618)、および店内騒音(AVA)や客足(フットトラフィック)(XY-Sense)などの他の代理指標を測定するための追加センサ(619)が設置されている可能性がある。センサは、例えば、本来意図された指標の代理測定をすることもできる。例えば、周囲の騒音検知信号(AVA)は店内占有率と相関があり、XYセンサは客足を推定することができる。
【0046】
POS(ポイント・オブ・セールス)(618)とセンサ(619)のデータは、トラッカー(620)に送信され、トラッカーは、例えばコンピュータシステム上で実行されているSQLデータベースなどの結果データベース(611)に関心のある指標を経時的に記録し、一方、スケジューラ(614)は、再びコンピュータ上で実行されるサービスであり、超立方体(613)によって指定されたA/Bテストを実行する。
【0047】
評価者サービス(621)は、結果データベース(611)に格納された結果と、超立方体(613)によって指定されたA/Bテストのスケジュールを読み込む。それは、例えば、ウェブインタフェースを通じてユーザに表示されるか、電子メールや携帯端末へのSMSなどの電子的手段を通じて送信され得る、ユーザが利用可能にさえるレポート(604)を計算する。
【0048】
この例示的な実施形態では、レポートは、選択された商品および/または店舗について、選択された指標に対するクリエイティブコンテンツ(広告キャンペーン)の影響の統計的有意性(信頼区間)を示す(
図10)。特定のシナリオにおいて、例えば、ポイント・オブ・セールス・データ(POS)が提供される場合、評価者は、例えば、クリエイティブに関連する、またはクリエイティブによって引き起こされる収益の増加を推定することができる。
【0049】
さらに、レポートは、超立方体の異なる軸に沿った統計的有意性を含むこともでき、これにより、店舗または商品に対する広告および/または音楽の影響を独立して評価することができる(
図10)。
【0050】
図7は、本発明によるシステムの例示的なプロセスフローを示すフローチャートである。ユーザは、ウェブインタフェース(711)上で、変数(701)、クリエイティブコンテンツ(702)、および指標(703)などのパラメータを選択する。次に、試験ジェネレータ(712)は、スケジューラ(714)によって実行されるA/Bテストのスケジュールを指定する超立方体(713)を作成する。スケジューラ(714)は、試験が完了するまでA/Bテストを実行する。各ループにおいて、スケジュールされたクリエイティブコンテンツ(702)が店内オーディオシステム(716)で再生され、選択された指標(703)がトラッカー(710)によって、例えば、POS(718)またはセンサ(719)データのいずれか、または任意選択で両方に基づいて、測定される。試験が完了すると(予定されたA/Bテストが完了すると)、評価者(720)はレポートを作成する。(704)これは、上述したように、ウェブインタフェース(701)を介してユーザに表示することができる。
【0051】
図8は、本発明の一実施態様に従って作成されたレポートの例を示す。このレポートは、4週間にわたってスケジュールされたオーディオ広告のA/Bテストによるマフィン(商品)の毎日の売上(破線)を示す。「広告アクティブ」と表示された領域は、広告が再生された週を示す。週間平均売上(太線)は、広告が再生されたときに増加していることを示す。
【0052】
図9は、一連の商品(牛乳、サンドイッチ、マフィン、スラーピー、ホットペストリー、新聞、ホットドリンク、ローフ)および週(第32~37週)のチェッカーボードパターンを示す。グレースケールは、それらの商品の正規化された販売量を示す。
【0053】
図10は、複数店舗にわたる商品の90%信頼区間を示す。それらは、広告による収益または販売量の平均増加を含み、信頼区間の下限および上限は、予想される広告収益に関して最悪の場合と最良の場合のシナリオを記述している。これらの信頼区間は、レポートの一部として提供され得る。
【国際調査報告】