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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-10-23
(54)【発明の名称】磁心
(51)【国際特許分類】
   H01F 27/24 20060101AFI20241016BHJP
   H01F 27/245 20060101ALI20241016BHJP
   H01F 41/02 20060101ALI20241016BHJP
【FI】
H01F27/24 E
H01F27/245
H01F27/245 155
H01F41/02 B
H01F41/02 A
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024524642
(86)(22)【出願日】2022-10-28
(85)【翻訳文提出日】2024-06-13
(86)【国際出願番号】 EP2022080261
(87)【国際公開番号】W WO2023073203
(87)【国際公開日】2023-05-04
(31)【優先権主張番号】2115649.2
(32)【優先日】2021-11-01
(33)【優先権主張国・地域又は機関】GB
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】523283966
【氏名又は名称】エノダ リミテッド
【氏名又は名称原語表記】ENODA LTD.
(74)【代理人】
【識別番号】100107456
【弁理士】
【氏名又は名称】池田 成人
(74)【代理人】
【識別番号】100162352
【弁理士】
【氏名又は名称】酒巻 順一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100123995
【弁理士】
【氏名又は名称】野田 雅一
(72)【発明者】
【氏名】スコービー, アンドリュー ジョン
【テーマコード(参考)】
5E062
【Fターム(参考)】
5E062AB01
5E062AB11
5E062AB13
5E062AC11
(57)【要約】
電磁装置用の鉄心が説明される。一例では、鉄心は3つの円弧状リムを備える。各リムは、第1の端部および第2の端部を有し、中心軸線の周りに配置される。リムの第1の端部は、中心軸線に沿って第1の位置で相互に連結され、リムの第2の端部は、中心軸線に沿って第2の位置で相互に連結される。各リムは、複数の曲げられた電磁鋼帯を備える。このような鉄心を製造するための方法も説明される。
【選択図】 図2A
【特許請求の範囲】
【請求項1】
電磁装置に適した鉄心であって、前記鉄心が3つの円弧状リムを備え、前記リムの各々が中心軸線の周りに配置されており、前記リムの各々が第1の端部および第2の端部を有し、前記リムの前記第1の端部が、前記中心軸線に沿って第1の位置で相互に連結されており、前記リムの前記第2の端部が、前記中心軸線に沿って第2の位置で相互に連結されており、前記リムの各々が複数の曲げられた電磁鋼帯を備える、鉄心。
【請求項2】
前記リムの各々が、前記中心軸線の周りに等間隔に配置されている、請求項1に記載の鉄心。
【請求項3】
前記複数の曲げられた電磁鋼帯の各々が、第1の鋼帯群、第2の鋼帯群、および第3の鋼帯群を備え、前記第1の鋼帯群が、前記第2の鋼帯群と前記第3の鋼帯群との間に配置されている、請求項1または2に記載の鉄心。
【請求項4】
前記第1の鋼帯群が第1の厚さを有し、前記第2の鋼帯群が第2の厚さを有し、前記第3の鋼帯群が第3の厚さを有し、前記第1の厚さが、前記第2の厚さと前記第3の厚さとの両方よりも大きい、請求項3に記載の鉄心。
【請求項5】
前記第2の厚さが前記第3の厚さに等しい、請求項4に記載の鉄心。
【請求項6】
前記第1の鋼帯群が第1の幅を有し、前記第2の鋼帯群が第2の幅を有し、前記第3の鋼帯群が第3の幅を有し、前記第1の幅が、前記第2の幅と前記第3の幅との両方よりも大きい、請求項3~5のいずれか一項に記載の鉄心。
【請求項7】
前記第2の幅が前記第3の幅に等しい、請求項6に記載の鉄心。
【請求項8】
各々が、それぞれの一次巻線およびそれぞれの二次巻線を受けるように配置されたリムである、請求項1~7のいずれか一項に記載の鉄心。
【請求項9】
請求項1~8のいずれか一項に記載の鉄心と、
前記リムの各々の周りに配置されたそれぞれの一次巻線と、
前記リムの各々の周りに配置されたそれぞれの二次巻線と
を備える電磁装置。
【請求項10】
電磁装置に適した鉄心を製造する方法であって、前記方法が、
1枚以上の電磁鋼のシートから3つの鋼帯のセットを形成するステップであって、前記鋼帯のセットの各々が複数の鋼帯を備え、前記1枚以上の電磁鋼のシートが絶縁表面層を備える、ステップと、
前記3つの鋼帯のセットの各々をそれぞれのスタックとして配置するステップと、
円弧状リムにするように前記スタックの各々を曲げるステップであって、前記リムの各々が第1の端部および第2の端部を有する、ステップと、
中心軸線の周りに前記リムの各々を置くステップと、
前記中心軸線に沿って第1の位置で前記リムの前記第1の端部を相互に連結するステップと、
前記中心軸線に沿って第2の位置で前記リムの前記第2の端部を相互に連結するステップと
を含む、方法。
【請求項11】
前記円弧状リムにするように前記スタックの各々を曲げる前記ステップと、前記中心軸線に沿って前記第2の位置で前記リムの前記第2の端部を相互に連結する前記ステップとの間に、前記リムの各々に関して、
前記リムの周りに一次巻線を付加するステップと、
前記リムの周りに二次巻線を付加するステップと
を含む、請求項10に記載の方法。
【請求項12】
前記リムの各々が、第1の鋼帯群、第2の鋼帯群、および第3の鋼帯群を備え、前記第1の鋼帯群が、前記第2の鋼帯群と前記第3の鋼帯群との間に配置される、請求項10または11に記載の方法。
【請求項13】
前記第1の鋼帯群が第1の厚さを有し、前記第2の鋼帯群が第2の厚さを有し、前記第3の鋼帯群が第3の厚さを有し、前記第1の厚さが、前記第2の厚さと前記第3の厚さとの両方よりも大きい、請求項12に記載の方法。
【請求項14】
前記第2の厚さが前記第3の厚さに等しい、請求項13に記載の方法。
【請求項15】
前記第1の鋼帯群が第1の幅を有し、前記第2の鋼帯群が第2の幅を有し、前記第3の鋼帯群が第3の幅を有し、前記第1の幅が、前記第2の幅と前記第3の幅との両方よりも大きい、請求項12~14のいずれか一項に記載の方法。
【請求項16】
前記第2の幅が前記第3の幅に等しい、請求項15に記載の方法。
【請求項17】
前記円弧状リムにするように前記スタックの各々を曲げる前記ステップと、前記中心軸線に沿って第1の位置で前記リムの前記第1の端部を相互に連結する前記ステップとの間に、前記リムの各々に関して、
前記第1の位置で前記中心軸線と位置合わせするための第1の縁部を形成するために前記第1の端部を機械加工するステップであって、前記第1の縁部が120度の内角を有する、ステップと、
前記第2の位置で前記中心軸線と位置合わせするための第2の縁部を形成するために前記第2の端部を機械加工するステップであって、前記第2の縁部が120度の内角を有する、ステップと
を含む、請求項10~16のいずれか一項に記載の方法。
【請求項18】
前記中心軸線の周りに前記リムの各々を置く前記ステップが、前記中心軸線の周りに等間隔に前記リムの各々を置く工程を含む、請求項10~17のいずれか一項に記載の方法。
【請求項19】
前記絶縁表面層が硬化性ワニスを備え、前記方法が、前記中心軸線の周りに前記リムの各々を置く前記ステップの前に、前記リムの各々の前記ワニスを硬化させるステップを含む、請求項10~18のいずれか一項に記載の方法。
【請求項20】
前記リムの前記第1の端部を相互に連結する前記ステップと、前記リムの前記第2の端部を相互に連結する前記ステップとが、接着剤を使用する工程を含む、請求項10~19のいずれか一項に記載の方法。
【請求項21】
前記中心軸線の周りに前記リムの各々を置く前記ステップの前に、前記リムの各々をアニーリングするステップを含む、請求項10~20のいずれか一項に記載の方法。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
[0001]以下の開示は、電磁装置用の磁心および磁心を製造する方法に関する。
【背景】
【0002】
[0002]磁心は、変圧器、電動機、発電機、およびインダクタなどの様々な電磁装置にわたって利用されている。変圧器には、コア型およびシェル型の2つのタイプの構造がある。これらのタイプの重要な違いは、鉄心および巻線の配置にある。コア型変圧器の場合、巻線が鉄心を取り囲み、一方、シェル型変圧器では、鉄心が巻線を取り囲む。
【0003】
[0003]コア型単相変圧器では、磁心は、典型的には、電磁鋼積層体で作製された閉じた正方形または矩形のリングの形態であり、一次巻線および二次巻線がリングの両側のリムで鉄心を囲む。しかしながら、別個のリムに一次コイルおよび二次コイルを有する変圧器には、一般に、不満足な電圧調整および全体的に不満足な性能をもたらす大きな磁束漏れが見られる。
【0004】
[0004]トロイダル変圧器は、ドーナツ形状の鉄心で構成されたコア型単相変圧器である。トロイダル変圧器の一次巻線および二次巻線は、典型的には、絶縁材料によって分離された鉄心の表面全体にわたって巻回される。トロイダル変圧器の利点の一部は、より高い効率、電磁干渉からの固有のシールド、最小の信号歪み、よりコンパクトな構造、低い機械的ハミング(mechanical humming)、低い熱、および小さいオフロード損失(off-load loss)を含む。
【0005】
[0005]配電系統では三相電力が使用されることが多い。三相電力変換は、三相バンクの3つの単相変圧器または三相変圧器のいずれかを必要とする。三相変圧器用の例示的な磁心100が、図1を参照して説明される。磁心100は、3つの略矩形リング102を含み、各矩形リング102は、第1のリム104および第2のリム106を有する。第1のリム104の各々には、一次巻線および二次巻線(図示せず)が巻回される。3つの矩形リング102は、第2のリム106に沿って相互に連結され、120度の間隔をあけて配置されている。矩形リング102の各々は、互いに積層された電磁鋼リング108を備える。一般に、各電磁鋼リング108は、電磁鋼のシートから切断され、廃棄材料、すなわち各電磁鋼リング108の中央部をもたらす。
【0006】
[0006]さらに、性能に関して、磁心100などの鉄心を組み込んだ変圧器は、例えば、非線形負荷の導入の増加により、電力網、特に低電圧配電網における高調波歪みおよびノイズに起因して電力損失を被る。
【概要】
【0007】
[0007]電磁装置に適した鉄心が提供される。鉄心は、変圧器、電動機、発電機、およびインダクタなどの電磁装置に適し得る。鉄心は、3つの円弧状リムを備える。各リムは、第1の端部および第2の端部を有し、中心軸線の周りに配置される。リムの第1の端部は、中心軸線に沿って第1の位置で相互に連結され、リムの第2の端部は、中心軸線に沿って第2の位置で相互に連結される。各リムは、複数の曲げられた電磁鋼帯を備える。
【0008】
[0008]鉄心の形状は、磁心100などの矩形リングを有する鉄心と比較して、磁気回路の物質-放射線相互作用および物理的形態を改善し、磁束密度の分布を最小化し、したがって、低磁束密度の飽和とデッドスポットとの両方を最小化する。これにより、鉄心の損失が減少し、必要とされる鉄心質量が少なくなる。
【0009】
[0009]例えば、電磁鋼のシートから切断されたコの字状(planar arc shaped)の鋼帯が互いに積層されるのではなく、互いに積層された電磁鋼帯が円弧状に曲げられる。これにより、リムを形成するときの廃棄材料の量が低減される。
【0010】
[0010]円弧状リムは、半円形であってもよく、すなわち、180度の大きさを有してもよい。他の例では、円弧状リムは、劣弧状であってもよく、すなわち、180度未満の大きさを有してもよい。代わりに、円弧状リムは、優弧状であってもよく、すなわち、180度より大きい大きさを有してもよい。
【0011】
[0011]鉄心は、三相変圧器に適し得る。鉄心は、さらなる位相に対応するために3つより多くの円弧状リムを含んでもよい。
【0012】
[0012]電磁鋼帯は、方向性電磁鋼であってもよい。例えば、方向性電磁鋼のシートから切断されたコの字状の鋼帯と比較して、曲げられた円弧状の方向性電磁鋼帯は、粒子配向がリムに沿って維持されることを保証する。これにより、最適な磁気特性が粒子方向に見られるため、リムの対称的な挙動が維持される。
【0013】
[0013]各リムは、中心軸線の周りに等間隔に配置されてもよい。例えば、3つのリムからなる鉄心では、リムは120度の間隔をあけて配置される。
【0014】
[0014]複数の曲げられた電磁鋼帯の各々は、第1の鋼帯群、第2の鋼帯群、および第3の鋼帯群を備えてもよく、第1の鋼帯群は、第2の鋼帯群と第3の鋼帯群との間に配置される。第1の鋼帯群は第1の厚さを有してもよく、第2の鋼帯群は第2の厚さを有してもよく、第3の鋼帯群は第3の厚さを有してもよく、第1の厚さは、第2の厚さと第3の厚さとの両方よりも大きくてもよい。第2の厚さは、第3の厚さに等しくてもよい。
【0015】
[0015]第1の鋼帯群は、第1の所定数の鋼帯からなってもよく、第2の鋼帯群は、第2の所定数の鋼帯からなってもよく、第3の鋼帯群は、第3の所定数の鋼帯からなってもよく、第1の所定数の鋼帯は、第2の所定数の鋼帯と第3の所定数の鋼帯との両方よりも多くてもよい。第2の所定数の鋼帯は、第3の所定数の鋼帯に等しくてもよい。
【0016】
[0016]第1の鋼帯群は第1の幅を有してもよく、第2の鋼帯群は第2の幅を有してもよく、第3の鋼帯群は第3の幅を有してもよく、第1の幅は、第2の幅と第3の幅との両方よりも大きくてもよい。第2の幅は、第3の幅に等しくてもよい。
【0017】
[0017]各リムは、それぞれの一次巻線およびそれぞれの二次巻線を受けるように配置されてもよい。
【0018】
[0018]上記の鉄心と、各リムの周りに配置されたそれぞれの一次巻線と、各リムの周りに配置されたそれぞれの二次巻線とを備える電磁装置が提供される。電磁装置は、例えば、変圧器、電動機、発電機、またはインダクタであってもよい。
【0019】
[0019]電磁装置に適した鉄心を製造する方法が提供される。鉄心は、変圧器、電動機、発電機、およびインダクタなどの電磁装置に適し得る。本方法は、例えば、切断、スタンピング、または打抜きによって、1枚以上の電磁鋼のシートから3つの鋼帯のセットを形成することを含む。鋼帯の各セットは複数の鋼帯を備え、1枚以上の電磁鋼のシートは絶縁表面層を備える。本方法は、3つの鋼帯のセットの各々をそれぞれのスタックとして配置することと、各スタックを曲げて円弧状リムにすることとを含む。各リムは、第1の端部および第2の端部を有する。本方法は、中心軸線の周りに各リムを置くことと、中心軸線に沿って第1の位置でリムの第1の端部を相互に連結することと、中心軸線に沿って第2の位置でリムの第2の端部を相互に連結することとを含む。
【0020】
[0020]上記で説明したように、例えばコの字状の鋼帯を切断するのではなく電磁鋼帯を曲げることにより、リムを形成するときの廃棄材料の量が低減される。
【0021】
[0021]本方法は、各スタックを曲げて円弧状リムにすることと、中心軸線に沿って第2の位置でリムの第2の端部を相互に連結することとの間に、各リムに関して、リムの周りに一次巻線を付加することと、リムの周りに二次巻線を付加することとを含んでもよい。リムの周りに巻線を付加することは、巻線を形成するためにリムの周りに導線を巻回することを含んでもよい。代わりに、リムの周りに巻線を付加することは、導線をボビンに巻き付け、ボビンにリムを挿入することを含んでもよい。リムを互いに接合する前にリムに巻回することにより、リムが開放端を有するため、巻回プロセスは簡単になる。
【0022】
[0022]各リムは、第1の鋼帯群、第2の鋼帯群、および第3の鋼帯群を備えてもよく、第1の鋼帯群は、第2の鋼帯群と第3の鋼帯群との間に配置される。第1の鋼帯群は第1の厚さを有してもよく、第2の鋼帯群は第2の厚さを有してもよく、第3の鋼帯群は第3の厚さを有してもよく、第1の厚さは、第2の厚さと第3の厚さとの両方よりも大きくてもよい。第2の厚さは、第3の厚さに等しくてもよい。
【0023】
[0023]第1の鋼帯群は、第1の所定数の鋼帯からなってもよく、第2の鋼帯群は、第2の所定数の鋼帯からなってもよく、第3の鋼帯群は、第3の所定数の鋼帯からなってもよく、第1の所定数の鋼帯は、第2の所定数の鋼帯と第3の所定数の鋼帯との両方よりも多くてもよい。第2の所定数の鋼帯は、第3の所定数の鋼帯に等しくてもよい。
【0024】
[0024]第1の鋼帯群は第1の幅を有してもよく、第2の鋼帯群は第2の幅を有してもよく、第3の鋼帯群は第3の幅を有してもよく、第1の幅は、第2の幅と第3の幅との両方よりも大きくてもよい。第2の幅は、第3の幅に等しくてもよい。
【0025】
[0025]本方法は、各スタックを曲げて円弧状リムにすることと、中心軸線に沿って第1の位置でリムの第1の端部を相互に連結することとの間に、各リムに関して、第1の端部を機械加工して、第1の位置で中心軸線と位置合わせするための、120度の内角を有する第1の縁部を形成することと、第2の端部を機械加工して、第2の位置で中心軸線と位置合わせするための、120度の内角を有する第2の縁部を形成することとを含んでもよい。機械加工は、研削、フライス加工、サンディング、および/または切断を含んでもよい。切断は、ウォータージェットまたはレーザによるものであってもよい。内角(inclusive angle)は、端部の外面間の角度である。リムの端部の機械加工は、リムの正確な合致を可能にし、第1の位置および第2の位置の連結部の潜在的な空隙を最小化する。
【0026】
[0026]中心軸線の周りに各リムを置くことは、中心軸線の周りに等間隔に各リムを置くことを含んでもよい。
【0027】
[0027]絶縁表面層は硬化性ワニスを備えてもよく、本方法は、中心軸線の周りに各リムを置くことの前に、各リムのワニスを硬化させることを含んでもよい。
【0028】
[0028]リムの第1の端部を相互に連結すること、およびリムの第2の端部を相互に連結することは、接着剤を使用することを含んでもよい。接着剤は、金属間構造接着剤であってもよい。適切な金属間接着剤の例は、3MのEC-2216 B/AもしくはHenkelのMasterBond 11HTなどのエポキシ接着剤、3MのEC-9323 B/Aなどのペースト接着剤、または3MのAF31もしくはLOCTITEのEA 9673 AEROなどの構造接着フィルムを含む。リムの第1の端部を相互に連結すること、およびリムの第2の端部を相互に連結することは、接着剤なしでリムを互いに固定することを含んでもよい。
【0029】
[0029]本方法は、中心軸線の周りに各リムを置くことの前に、例えばリムの磁気特性を改善し、リムの内部機械的応力を緩和するために、各リムをアニーリングすることを含んでもよい。
【図面の簡単な説明】
【0030】
[0030]本発明のさらなる詳細、態様、および実施形態は、図面を参照して、単なる例として説明される。図中の要素は、簡単かつ明瞭にするために示されており、必ずしも縮尺通りに描かれていない。理解を容易にするために、それぞれの図面には同様の参照番号が含まれている。
図1】従来技術の三相磁心の概略図である。
図2A】磁心の概略図である。
図2B図2Aの磁心の概略分解図である。
図2C図2Aの磁心の概略上面図である。
図2D図2Aの磁心の概略正面図である。
図2E図2Aの磁心のリムにおける積層数を示す表である。
図3】磁心の概略図である。
図4】磁心のコアを製造するためのプロセスのフローチャートである。
図5】切断される鋼帯のためのネットの概略上面図である。
【詳細な説明】
【0031】
[0031]図2A図2Dを参照すると、磁心200は、中心軸線204の周りに等間隔に配置された3つの円弧状リム202を備える。各リム202は略同一である。円弧状リム202は、180度の円弧である。各リムは、第1の端部206および第2の端部208を有する。各第1の端部206は、中心軸線204に沿って位置する第1の縁部210を有する。各第2の端部206は、中心軸線204に沿って位置する第2の縁部212を有する。第1の端部206は互いに接合され、第2の端部208は互いに接合される。各リム202には、一次巻線、二次巻線、および調整巻線(図示せず)のうちの1つ以上が巻回されてもよい。
【0032】
[0032]各リム202は、互いに積層されて曲げられた複数の電磁鋼帯を備える。薄鋼積層の使用は、正弦波電圧が巻線に印加されるときに誘導される渦電流によって引き起こされる電力損失を低減する。各リムの断面は、リムの鋼帯の幅を変化させることによって円に近似する。各リム202の電磁鋼帯は、中央の鋼帯のセット220と、鋼帯のセット222、224、226、228、230、232、234、236、238、240、242、および244とを含む15の鋼帯のセットにグループ化される。
【0033】
[0033]中央鋼帯の両側の鋼帯のセットは対になっており、一対の、鋼帯のセットの各々は略同じ幅および厚さを有する。鋼帯のセット222は鋼帯のセット224と対になっており、これらは、中央の鋼帯のセット220の両側に配置されている。鋼帯のセット226は、鋼帯のセット228と対になっており、鋼帯のセット226は、鋼帯のセット222に隣接して配置されており、鋼帯のセット228は、鋼帯のセット224に隣接して配置されている。鋼帯のセット230は、鋼帯のセット232と対になっており、鋼帯のセット230は、鋼帯のセット226に隣接して配置されており、鋼帯のセット232は、鋼帯のセット228に隣接して配置されている。鋼帯のセット234は、鋼帯のセット236と対になっており、鋼帯のセット234は、鋼帯のセット230に隣接して配置されており、鋼帯のセット236は、鋼帯のセット232に隣接して配置されている。鋼帯のセット238は、鋼帯のセット240と対になっており、鋼帯のセット238は、鋼帯のセット234に隣接して配置されており、鋼帯のセット240は、鋼帯のセット236に隣接して配置されている。鋼帯のセット242は、鋼帯のセット244と対になっており、鋼帯のセット242は、鋼帯のセット244に隣接して配置されており、鋼帯のセット238は、鋼帯のセット240に隣接して配置されている。
【0034】
[0034]鋼帯のセット222および224の幅は、中央の鋼帯のセット220の幅よりも小さい。鋼帯のセット226および228の幅は、鋼帯のセット222および224の幅よりも小さい。鋼帯のセット230および232の幅は、鋼帯のセット226および228の幅よりも小さい。鋼帯のセット234および236の幅は、鋼帯のセット230および232の幅よりも小さい。鋼帯のセット238および240の幅は、鋼帯のセット234および236の幅よりも小さい。鋼帯のセット242および244の幅は、鋼帯のセット238および240の幅よりも小さい。
【0035】
[0035]図2Eを参照すると、鋼帯の各セットの厚さは、鋼帯の各セットにおける鋼帯の数、すなわち電磁鋼の積層数によって影響を受ける。各積層体は、厚さが0.2ミリメートル~0.5ミリメートルであってもよい。磁心200において、鋼帯のセット222および224の鋼帯の数は、中央の鋼帯のセット220の鋼帯の数よりも少ない。鋼帯のセット226および228の鋼帯の数は、鋼帯のセット222および224の鋼帯の数よりも少ない。鋼帯のセット230および232の鋼帯の数は、鋼帯のセット226および228の鋼帯の数よりも少ない。鋼帯のセット234および236の鋼帯の数は、鋼帯のセット230および232の鋼帯の数よりも少ない。鋼帯のセット238および240の鋼帯の数は、鋼帯のセット234および236の鋼帯の数よりも少ない。鋼帯のセット242および244の鋼帯の数は、鋼帯のセット238および240の鋼帯の数と同じである。他の例では、鋼帯のセット242および244の鋼帯の数は、鋼帯のセット238および240の鋼帯の数より少なくてもよい。
【0036】
[0036]磁心200に使用される鋼帯のセットのグループ化は、円形断面を近似する一例であり、多くの変形例が可能であることを理解されたい。例えば、中央鋼帯の両側の各鋼帯または積層体は、中央鋼帯に対して漸進的小さい幅を有することができる。または、異なる数の、鋼帯のセットが存在してもよい。鋼帯のセットの数は、中央の鋼帯のセットの周りの鋼帯のセットの厚さおよび幅の対称性を可能にするために奇数であってもよい。
【0037】
[0037]図3は、例えば、中心軸線の周りに等間隔に配置された3つの円弧状リム252を有する、磁心200と構成が略同じ鉄心250を示す。鉄心250は、リム252のすべての電磁鋼帯の幅が同じである点で磁心200とは異なる。したがって、各リムの断面は、円に近似するのではなく矩形である。
【0038】
[0038]代わりの構成では、磁心は、磁心200と略同じ全体形状を有するが、円弧状リムは、例えば電磁鋼のシートから切断されてもよい曲げられた鋼帯ではなく、複数のコの字状の鋼帯から形成される。言い換えれば、鋼帯の向きは、磁心200の鋼帯の向きに対して垂直である。
【0039】
[0039]図4は、磁心200などの鉄心を製造するプロセス300を示す。ステップ302において、電磁鋼帯のセットが形成され、1つの鋼帯のセットは鉄心のリム用である。鋼帯は、例えば、電磁鋼のシートから各鋼帯の幅および長さを打ち抜く、スタンピングする、またはレーザ切断することによって形成され得る。電磁鋼は、例えば、Thyseen-Krupp powercore(登録商標)Cまたはpowercore(登録商標)Hであってもよい。
【0040】
[0040]図5は、電磁鋼のシート504a、504b、504nから複数の鋼帯502を切断するための例示的なテンプレートのセット500を示す。
【0041】
[0041]代わりに、鋼帯の長さは、鋼帯と同じ幅を有する電磁鋼のロールから切断することができる。磁心200に関連して説明したように、電磁鋼帯の各セットにおける鋼帯は、同じ幅を有してもよいし、または鋼帯の幅は、例えばリムの円形断面に近似するように変化してもよい。
【0042】
[0042]ステップ306において、鋼帯の各セットがスタックとして配置される。ステップ310において、各スタックは、例えば治具を使用して曲げられて円弧状リムにされる。スタックは、鋼帯の長さおよび幅によって形成される平面に垂直な方向への外部荷重の印加によって曲げられる。
【0043】
[0043]電磁鋼帯は、電気絶縁材料の表面コーティングを含んでもよい。表面コーティングは、ワニスまたは塗料などの硬化性であってもよい。鋼帯のスタックの硬化性表面コーティングは、ステップ314において硬化されてもよい。例えば、硬化性表面コーティングは、オートクレーブ内でスタックを加熱することによって硬化されてもよい。電気絶縁性表面コーティングは、電磁鋼帯のアニーリング中に形成されてもよい。例えば、電磁鋼帯は、ローラー炉内の空気雰囲気下で、最高温度860℃で1~2分の均熱時間にわたってアニーリングされてもよい。空気雰囲気に起因して、電磁鋼帯の切断縁部が酸化し、絶縁コーティングが形成される。2~5マイクロメートルのコーティング厚は、良好な電気抵抗および高い積層係数を提供する。
【0044】
[0044]各リムは、第1の端部および第2の端部を有する。ステップ318において、リムの端部が、リムが互いに緊密に合致することを可能にする角度付き端部を作製するために機械加工されてもよい。例えば、製造される鉄心が3つのリムを有する場合、端部は120度の角度に機械加工される。機械加工は、サンディング、研削、フライス加工、およびウォータージェット切断またはレーザ切断などの切断のうちの1種類以上を含み得る。ステップ318の代わりに、またはステップ318に加えて、鋼帯は、ステップ302において、角度付き端部を有するように形成されてもよい。一部の例では、リムの端部は、リムが互いに緊密に合致することを可能にする重ね継手を作製するために機械加工されてもよい。
【0045】
[0045]ステップ322において、リムはアニーリングされてもよい。硬化性表面コーティングがステップ314において熱硬化される場合、ステップ322のアニーリングはステップ314に含まれてもよい。一部の例では、ステップ334においてリムが接合された後に、鉄心はアニーリングされてもよい。アニーリングは、リムの磁気特性を改善するための磁気アニーリングであってもよい。加えてまたは代わりに、アニーリングは、例えばステップ310における曲げに起因するリムの内部機械的応力を緩和するための応力緩和アニーリングであってもよい。例えば、アニーリングは、好ましくは100%の窒素の保護雰囲気を有する箱型炉において820℃~850℃で2時間均熱し、続いて炉内で約200℃~300℃に冷却することを含んでもよい。
【0046】
[0046]ステップ326において、一次巻線、二次巻線、および調整巻線のうちの1つ以上が各リムに付加されてもよい。リムへの巻線の付加は、ステップ338において各リムの両端が互いに連結される前の、言い換えれば、少なくとも1つの開放端があるときの任意の時点で実行されてもよい。リムの周りに巻線を付加することは、巻線を形成するためにリムの周りに導線を巻回することを含んでもよい。代わりに、リムの周りに巻線を付加することは、導線をボビンに巻き付け、ボビンにリムを挿入することを含んでもよい。巻回プロセスは、リムを互いに接合する前にリムに巻回することによって簡単になる。巻線は、スペーサの有無にかかわらずリムに配分されてもよい。
【0047】
[0047]ステップ330において、中心軸線の周りにリムが置かれる。例えば、リムは、クランプおよび/または治具を使用して適所に保持されてもよい。ステップ334において、リムの第1の端部が互いに連結される。ステップ338において、リムの第2の端部が互いに連結される。ステップ334および338においてリムの端部を互いに連結することは、金属間構造接着剤などの接着剤を使用することを含んでもよい。接着剤を使用して連結することの代わりに、またはこれに加えて、ステップ334および338においてリムの端部を互いに連結することは、リムを互いに固定することを含んでもよい。ステップ334および338は、同時に実行されてもよい。
【0048】
[0048]一部の実施形態に関連して本発明を説明してきたが、本明細書に記載の特定の形態に限定されることは意図されていない。それどころか、本発明の範囲は、添付の特許請求の範囲によってのみ限定される。加えて、特定の実施形態に関連して特徴が記載されているように見えるかもしれないが、当業者は、記載された実施形態の様々な特徴が本発明に従って組み合わされ得ることを認めるであろう。特許請求の範囲において、「備える」または「含む」という用語は、他の要素の存在を排除するものではない。

図1
図2A
図2B
図2C
図2D
図2E
図3
図4
図5
【手続補正書】
【提出日】2024-06-13
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
電磁装置に適した鉄心であって、前記鉄心が3つの円弧状リムを備え、前記リムの各々が中心軸線の周りに配置されており、前記リムの各々が第1の端部および第2の端部を有し、前記リムの前記第1の端部が、前記中心軸線に沿って第1の位置で相互に連結されており、前記リムの前記第2の端部が、前記中心軸線に沿って第2の位置で相互に連結されており、前記リムの各々が複数の曲げられた電磁鋼帯を備える、鉄心。
【請求項2】
前記リムの各々が、前記中心軸線の周りに等間隔に配置されている、請求項1に記載の鉄心。
【請求項3】
前記複数の曲げられた電磁鋼帯の各々が、第1の鋼帯群、第2の鋼帯群、および第3の鋼帯群を備え、前記第1の鋼帯群が、前記第2の鋼帯群と前記第3の鋼帯群との間に配置されている、請求項1または2に記載の鉄心。
【請求項4】
前記第1の鋼帯群が第1の厚さを有し、前記第2の鋼帯群が第2の厚さを有し、前記第3の鋼帯群が第3の厚さを有し、前記第1の厚さが、前記第2の厚さと前記第3の厚さとの両方よりも大きい、請求項3に記載の鉄心。
【請求項5】
前記第2の厚さが前記第3の厚さに等しい、請求項4に記載の鉄心。
【請求項6】
前記第1の鋼帯群が第1の幅を有し、前記第2の鋼帯群が第2の幅を有し、前記第3の鋼帯群が第3の幅を有し、前記第1の幅が、前記第2の幅と前記第3の幅との両方よりも大きい、請求項3に記載の鉄心。
【請求項7】
前記第2の幅が前記第3の幅に等しい、請求項6に記載の鉄心。
【請求項8】
各々が、それぞれの一次巻線およびそれぞれの二次巻線を受けるように配置されたリムである、請求項1又は2に記載の鉄心。
【請求項9】
請求項1又は2に記載の鉄心と、
前記リムの各々の周りに配置されたそれぞれの一次巻線と、
前記リムの各々の周りに配置されたそれぞれの二次巻線と
を備える電磁装置。
【請求項10】
電磁装置に適した鉄心を製造する方法であって、前記方法が、
1枚以上の電磁鋼のシートから3つの鋼帯のセットを形成するステップであって、前記鋼帯のセットの各々が複数の鋼帯を備え、前記1枚以上の電磁鋼のシートが絶縁表面層を備える、ステップと、
前記3つの鋼帯のセットの各々をそれぞれのスタックとして配置するステップと、
円弧状リムにするように前記スタックの各々を曲げるステップであって、前記リムの各々が第1の端部および第2の端部を有する、ステップと、
中心軸線の周りに前記リムの各々を置くステップと、
前記中心軸線に沿って第1の位置で前記リムの前記第1の端部を相互に連結するステップと、
前記中心軸線に沿って第2の位置で前記リムの前記第2の端部を相互に連結するステップと
を含む、方法。
【請求項11】
前記円弧状リムにするように前記スタックの各々を曲げる前記ステップと、前記中心軸線に沿って前記第2の位置で前記リムの前記第2の端部を相互に連結する前記ステップとの間に、前記リムの各々に関して、
前記リムの周りに一次巻線を付加するステップと、
前記リムの周りに二次巻線を付加するステップと
を含む、請求項10に記載の方法。
【請求項12】
前記リムの各々が、第1の鋼帯群、第2の鋼帯群、および第3の鋼帯群を備え、前記第1の鋼帯群が、前記第2の鋼帯群と前記第3の鋼帯群との間に配置される、請求項10または11に記載の方法。
【請求項13】
前記第1の鋼帯群が第1の厚さを有し、前記第2の鋼帯群が第2の厚さを有し、前記第3の鋼帯群が第3の厚さを有し、前記第1の厚さが、前記第2の厚さと前記第3の厚さとの両方よりも大きい、請求項12に記載の方法。
【請求項14】
前記第2の厚さが前記第3の厚さに等しい、請求項13に記載の方法。
【請求項15】
前記第1の鋼帯群が第1の幅を有し、前記第2の鋼帯群が第2の幅を有し、前記第3の鋼帯群が第3の幅を有し、前記第1の幅が、前記第2の幅と前記第3の幅との両方よりも大きい、請求項12に記載の方法。
【請求項16】
前記第2の幅が前記第3の幅に等しい、請求項15に記載の方法。
【請求項17】
前記円弧状リムにするように前記スタックの各々を曲げる前記ステップと、前記中心軸線に沿って第1の位置で前記リムの前記第1の端部を相互に連結する前記ステップとの間に、前記リムの各々に関して、
前記第1の位置で前記中心軸線と位置合わせするための第1の縁部を形成するために前記第1の端部を機械加工するステップであって、前記第1の縁部が120度の内角を有する、ステップと、
前記第2の位置で前記中心軸線と位置合わせするための第2の縁部を形成するために前記第2の端部を機械加工するステップであって、前記第2の縁部が120度の内角を有する、ステップと
を含む、請求項10又は11に記載の方法。
【請求項18】
前記中心軸線の周りに前記リムの各々を置く前記ステップが、前記中心軸線の周りに等間隔に前記リムの各々を置く工程を含む、請求項10又は11に記載の方法。
【請求項19】
前記絶縁表面層が硬化性ワニスを備え、前記方法が、前記中心軸線の周りに前記リムの各々を置く前記ステップの前に、前記リムの各々の前記ワニスを硬化させるステップを含む、請求項10又は11に記載の方法。
【請求項20】
前記リムの前記第1の端部を相互に連結する前記ステップと、前記リムの前記第2の端部を相互に連結する前記ステップとが、接着剤を使用する工程を含む、請求項10又は11に記載の方法。
【請求項21】
前記中心軸線の周りに前記リムの各々を置く前記ステップの前に、前記リムの各々をアニーリングするステップを含む、請求項10又は11に記載の方法。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0048
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0048】
[0048]一部の実施形態に関連して本発明を説明してきたが、本明細書に記載の特定の形態に限定されることは意図されていない。それどころか、本発明の範囲は、添付の特許請求の範囲によってのみ限定される。加えて、特定の実施形態に関連して特徴が記載されているように見えるかもしれないが、当業者は、記載された実施形態の様々な特徴が本発明に従って組み合わされ得ることを認めるであろう。特許請求の範囲において、「備える」または「含む」という用語は、他の要素の存在を排除するものではない。
[発明の項目]
[項目1]
電磁装置に適した鉄心であって、前記鉄心が3つの円弧状リムを備え、前記リムの各々が中心軸線の周りに配置されており、前記リムの各々が第1の端部および第2の端部を有し、前記リムの前記第1の端部が、前記中心軸線に沿って第1の位置で相互に連結されており、前記リムの前記第2の端部が、前記中心軸線に沿って第2の位置で相互に連結されており、前記リムの各々が複数の曲げられた電磁鋼帯を備える、鉄心。
[項目2]
前記リムの各々が、前記中心軸線の周りに等間隔に配置されている、項目1に記載の鉄心。
[項目3]
前記複数の曲げられた電磁鋼帯の各々が、第1の鋼帯群、第2の鋼帯群、および第3の鋼帯群を備え、前記第1の鋼帯群が、前記第2の鋼帯群と前記第3の鋼帯群との間に配置されている、項目1または2に記載の鉄心。
[項目4]
前記第1の鋼帯群が第1の厚さを有し、前記第2の鋼帯群が第2の厚さを有し、前記第3の鋼帯群が第3の厚さを有し、前記第1の厚さが、前記第2の厚さと前記第3の厚さとの両方よりも大きい、項目3に記載の鉄心。
[項目5]
前記第2の厚さが前記第3の厚さに等しい、項目4に記載の鉄心。
[項目6]
前記第1の鋼帯群が第1の幅を有し、前記第2の鋼帯群が第2の幅を有し、前記第3の鋼帯群が第3の幅を有し、前記第1の幅が、前記第2の幅と前記第3の幅との両方よりも大きい、項目3~5のいずれか一項に記載の鉄心。
[項目7]
前記第2の幅が前記第3の幅に等しい、項目6に記載の鉄心。
[項目8]
各々が、それぞれの一次巻線およびそれぞれの二次巻線を受けるように配置されたリムである、項目1~7のいずれか一項に記載の鉄心。
[項目9]
項目1~8のいずれか一項に記載の鉄心と、
前記リムの各々の周りに配置されたそれぞれの一次巻線と、
前記リムの各々の周りに配置されたそれぞれの二次巻線と
を備える電磁装置。
[項目10]
電磁装置に適した鉄心を製造する方法であって、前記方法が、
1枚以上の電磁鋼のシートから3つの鋼帯のセットを形成するステップであって、前記鋼帯のセットの各々が複数の鋼帯を備え、前記1枚以上の電磁鋼のシートが絶縁表面層を備える、ステップと、
前記3つの鋼帯のセットの各々をそれぞれのスタックとして配置するステップと、
円弧状リムにするように前記スタックの各々を曲げるステップであって、前記リムの各々が第1の端部および第2の端部を有する、ステップと、
中心軸線の周りに前記リムの各々を置くステップと、
前記中心軸線に沿って第1の位置で前記リムの前記第1の端部を相互に連結するステップと、
前記中心軸線に沿って第2の位置で前記リムの前記第2の端部を相互に連結するステップと
を含む、方法。
[項目11]
前記円弧状リムにするように前記スタックの各々を曲げる前記ステップと、前記中心軸線に沿って前記第2の位置で前記リムの前記第2の端部を相互に連結する前記ステップとの間に、前記リムの各々に関して、
前記リムの周りに一次巻線を付加するステップと、
前記リムの周りに二次巻線を付加するステップと
を含む、項目10に記載の方法。
[項目12]
前記リムの各々が、第1の鋼帯群、第2の鋼帯群、および第3の鋼帯群を備え、前記第1の鋼帯群が、前記第2の鋼帯群と前記第3の鋼帯群との間に配置される、項目10または11に記載の方法。
[項目13]
前記第1の鋼帯群が第1の厚さを有し、前記第2の鋼帯群が第2の厚さを有し、前記第3の鋼帯群が第3の厚さを有し、前記第1の厚さが、前記第2の厚さと前記第3の厚さとの両方よりも大きい、項目12に記載の方法。
[項目14]
前記第2の厚さが前記第3の厚さに等しい、項目13に記載の方法。
[項目15]
前記第1の鋼帯群が第1の幅を有し、前記第2の鋼帯群が第2の幅を有し、前記第3の鋼帯群が第3の幅を有し、前記第1の幅が、前記第2の幅と前記第3の幅との両方よりも大きい、項目12~14のいずれか一項に記載の方法。
[項目16]
前記第2の幅が前記第3の幅に等しい、項目15に記載の方法。
[項目17]
前記円弧状リムにするように前記スタックの各々を曲げる前記ステップと、前記中心軸線に沿って第1の位置で前記リムの前記第1の端部を相互に連結する前記ステップとの間に、前記リムの各々に関して、
前記第1の位置で前記中心軸線と位置合わせするための第1の縁部を形成するために前記第1の端部を機械加工するステップであって、前記第1の縁部が120度の内角を有する、ステップと、
前記第2の位置で前記中心軸線と位置合わせするための第2の縁部を形成するために前記第2の端部を機械加工するステップであって、前記第2の縁部が120度の内角を有する、ステップと
を含む、項目10~16のいずれか一項に記載の方法。
[項目18]
前記中心軸線の周りに前記リムの各々を置く前記ステップが、前記中心軸線の周りに等間隔に前記リムの各々を置く工程を含む、項目10~17のいずれか一項に記載の方法。
[項目19]
前記絶縁表面層が硬化性ワニスを備え、前記方法が、前記中心軸線の周りに前記リムの各々を置く前記ステップの前に、前記リムの各々の前記ワニスを硬化させるステップを含む、項目10~18のいずれか一項に記載の方法。
[項目20]
前記リムの前記第1の端部を相互に連結する前記ステップと、前記リムの前記第2の端部を相互に連結する前記ステップとが、接着剤を使用する工程を含む、項目10~19のいずれか一項に記載の方法。
[項目21]
前記中心軸線の周りに前記リムの各々を置く前記ステップの前に、前記リムの各々をアニーリングするステップを含む、項目10~20のいずれか一項に記載の方法。
【国際調査報告】