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特表2024-538820外科用ステープラのための別個の補助材取り付け特徴部
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-10-23
(54)【発明の名称】外科用ステープラのための別個の補助材取り付け特徴部
(51)【国際特許分類】
   A61B 17/072 20060101AFI20241016BHJP
【FI】
A61B17/072
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024525384
(86)(22)【出願日】2022-10-26
(85)【翻訳文提出日】2024-05-30
(86)【国際出願番号】 IB2022060274
(87)【国際公開番号】W WO2023073573
(87)【国際公開日】2023-05-04
(31)【優先権主張番号】17/514,096
(32)【優先日】2021-10-29
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.VELCRO
(71)【出願人】
【識別番号】506157570
【氏名又は名称】シラグ・ゲーエムベーハー・インターナショナル
【氏名又は名称原語表記】Cilag GMBH International
(74)【代理人】
【識別番号】100088605
【弁理士】
【氏名又は名称】加藤 公延
(74)【代理人】
【識別番号】100130384
【弁理士】
【氏名又は名称】大島 孝文
(72)【発明者】
【氏名】ソウ・クリストファー・キュー
(72)【発明者】
【氏名】アロンホルト・テイラー・ダブリュ
(72)【発明者】
【氏名】ブレーム・タイラー・エヌ
(72)【発明者】
【氏名】ファン・ジファン
(72)【発明者】
【氏名】ブリッジズ・オースティン・ジェイ
(72)【発明者】
【氏名】メニル・ピエール・アール
(72)【発明者】
【氏名】ダーペル・ダイアナ・エム
(72)【発明者】
【氏名】ハンター・モーガン・アール
(72)【発明者】
【氏名】ブードロー・チャド・ピー
【テーマコード(参考)】
4C160
【Fターム(参考)】
4C160CC02
4C160CC07
4C160CC09
4C160CC23
4C160CC40
(57)【要約】
外科用ステープラのエンドエフェクタと共に使用するように構成された補助材は、第1の材料を含む組織作用部分と、組織作用部分に連結され、第1の材料とは異なる第2の材料を含む少なくとも1つの可動取り付け特徴部と、を含む。少なくとも1つの可動取り付け特徴部は、組織作用部分を、エンドエフェクタのステープル留め表面に解放可能に取り付けるように構成されている。組織作用部分は、エンドエフェクタの閉鎖中に、エンドエフェクタによってクランプされた組織に接触するように構成されている。組織作用部分は、エンドエフェクタからクランプされた組織内へと射出されたステープルによって穿刺されて捕捉され、それによって、射出されたステープルとクランプされた組織との間の係合を強化するように更に構成されている。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
外科用ステープラのエンドエフェクタと共に使用するために構成された、補助材であって、
(a)第1の材料を含む組織作用部分と、
(b)前記組織作用部分に連結され、前記第1の材料とは異なる第2の材料を含む、少なくとも1つの可動取り付け特徴部であって、前記少なくとも1つの可動取り付け特徴部が、前記組織作用部分を前記エンドエフェクタのステープル留め表面に解放可能に取り付けるように構成されている、少なくとも1つの可動取り付け特徴部と、を備え、
前記組織作用部分が、前記エンドエフェクタの閉鎖中に、前記エンドエフェクタによってクランプされた組織に接触するように構成されており、
前記組織作用部分が、前記エンドエフェクタから前記クランプされた組織内へと射出されたステープルによって穿刺されて捕捉され、それによって、前記射出されたステープルと前記クランプされた組織との間の係合を強化するように更に構成されている、補助材。
【請求項2】
前記少なくとも1つの可動取り付け特徴部が、前記ステープル留め表面に沿った対応する別個の位置において前記組織作用部分を前記ステープル留め表面に解放可能に取り付けるようにそれぞれが構成されている複数の可動取り付け特徴部を含む、請求項1に記載の補助材。
【請求項3】
前記少なくとも1つの可動取り付け特徴部は、前記少なくとも1つの可動取り付け特徴部が前記組織作用部分を前記ステープル留め表面に取り付ける第1の状態と、前記少なくとも1つの可動取り付け特徴部が前記組織作用部分を前記ステープル留め表面から解放する第2の状態との間で移行するように構成されている、請求項1又は2に記載の補助材。
【請求項4】
前記少なくとも1つの可動取り付け特徴部が、前記組織作用部分を前記ステープル留め表面に取り付けるために前記エンドエフェクタの細長いスロット又はアンダーカット特徴部のうちの少なくとも1つに係合するように構成された少なくとも1つの突出部を含む、請求項1に記載の補助材。
【請求項5】
前記少なくとも1つの可動取り付け特徴部が、前記組織作用部分を前記ステープル留め表面から解放するために、前記エンドエフェクタからの前記ステープルの射出に応答して、前記補助材の長手方向中心線に向かって横方向内側に移動するように構成されている、請求項4に記載の補助材。
【請求項6】
前記ステープル留め表面からの前記組織作用部分の解放に応答して、前記少なくとも1つの可動取り付け部が前記組織作用部分に対して実質的に平坦である面一状態に移行するように、前記少なくとも1つの可動取り付け特徴部が構成されている、請求項4又は5に記載の補助材。
【請求項7】
前記少なくとも1つの突出部が弾性変形可能である、請求項4に記載の補助材。
【請求項8】
前記第2の材料が、ポリマー形状記憶材料を含む、請求項1に記載の補助材。
【請求項9】
前記ポリマー形状記憶材料は、前記ポリマー形状記憶材料が乾燥している場合に第1の剛性を有し、前記ポリマー形状記憶材料は、前記ポリマー形状記憶材料が湿潤している場合に前記第1の剛性よりも低い第2の剛性を有する、請求項8に記載の補助材。
【請求項10】
前記少なくとも1つの取り付け特徴部が脆弱である、請求項1に記載の補助材。
【請求項11】
前記少なくとも1つの取り付け特徴部が、中空内部を有するレールを含み、前記レールが、前記組織作用部分を前記ステープル留め表面から解放するために、前記エンドエフェクタからの前記ステープルの射出に応答して切断されるように構成されている、請求項1に記載の補助材。
【請求項12】
前記組織作用部分が、複数の弾力的に圧縮可能な小塊部によって画定されている格子構造を含む、請求項1に記載の補助材。
【請求項13】
前記複数の弾力的に圧縮可能な小塊部及び前記少なくとも1つの取り付け特徴部が、単一部品として、共に一体的に形成されている、請求項12に記載の補助材。
【請求項14】
前記組織作用部分がバットレス本体を含む、請求項1に記載の補助材。
【請求項15】
外科用ステープラであって、
(a)エンドエフェクタであって、
(i)第1のステープル留め表面と、
(ii)前記第1のステープル留め表面と協働して組織をクランプしてステープル留めするように構成された、第2のステープル留め表面と、を含む、エンドエフェクタと、
(b)請求項1に記載の補助材であって、前記補助材の前記組織作用部分が、前記少なくとも1つの可動取り付け特徴部を介して、前記第1のステープル留め表面又は前記第2のステープル留め表面のうちの1つに解放可能に取り付けられている、請求項1に記載の補助材と、を備える、外科用ステープラ。
【請求項16】
外科用ステープラのエンドエフェクタと共に使用するために構成された、補助材であって、
(a)第1の材料を含む格子構造と、
(b)前記格子構造に連結され、前記第1の材料とは異なる第2の材料を含む、少なくとも1つのラッチであって、前記少なくとも1つのラッチが、前記格子構造を前記エンドエフェクタのステープル留め表面に解放可能に取り付けるように構成されている、少なくとも1つのラッチと、を備え、
前記格子構造が、前記エンドエフェクタの閉鎖中に、前記エンドエフェクタによってクランプされた組織に接触するように構成されており、
前記格子構造が、前記エンドエフェクタから前記クランプされた組織内へと射出されたステープルによって穿刺されて捕捉され、それによって、前記射出されたステープルと前記クランプされた組織との間の係合を強化するように更に構成されている、補助材。
【請求項17】
前記格子構造が、複数の弾力的に圧縮可能な小塊部によって画定されている、請求項16に記載の補助材。
【請求項18】
前記少なくとも1つのラッチが偏向可能である、請求項16又は17に記載の補助材。
【請求項19】
外科用ステープラのエンドエフェクタと共に使用するために構成された、補助材であって、
(a)第1の材料を含む格子構造と、
(b)前記格子構造に連結され、前記第1の材料とは異なる第2の材料を含む、少なくとも1つのレールであって、前記少なくとも1つのレールが、前記格子構造を前記エンドエフェクタのステープル留め表面に解放可能に取り付けるように構成されている、少なくとも1つのレールと、を備え、
前記格子構造が、前記エンドエフェクタの閉鎖中に、前記エンドエフェクタによってクランプされた組織に接触するように構成されており、
前記格子構造が、前記エンドエフェクタから前記クランプされた組織内へと射出されたステープルによって穿刺されて捕捉され、それによって、前記射出されたステープルと前記クランプされた組織との間の係合を強化するように更に構成されている、補助材。
【請求項20】
前記少なくとも1つのレールが、ダブテール形状又はT字形状のうちの少なくとも1つである、請求項19に記載の補助材。
【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
いくつかの外科的状況において、内視鏡外科用器具は、患者の体内におけるより小さい切開を利用するために、従来の開放外科用デバイスよりも好まれる場合があり、このより小さい切開の利用により、術後回復時間及び合併症が低減され得る。いくつかの内視鏡外科用器具は、トロカールのカニューレによって、所望の手術部位に遠位エンドエフェクタを配置するのに好適であり得る。これらの遠位エンドエフェクタは、いくつかの方式で組織と係合して、診断効果又は治療効果を達成し得る(例えば、エンドカッター、把持具、カッター、ステープラ、クリップアプライヤ、アクセスデバイス、薬物/遺伝子治療送達デバイス、及び超音波、RF、レーザを使用するエネルギー送達デバイス等)。内視鏡外科用器具は、エンドエフェクタとハンドル部分との間に、臨床医によって操作される、シャフトを含み得る。このようなシャフトは、所望の深さへの挿入及びシャフトの長手方向軸線を中心とした回転を可能にし、それによって、患者の体内でエンドエフェクタの位置付けを行うことを容易にし得る。エンドエフェクタの位置付けは、エンドエフェクタを、シャフトの長手方向軸線に対して選択的に関節動作させる、又は別の様式で偏向させることを可能にする、1つ以上の関節動作接合部又は特徴部を含めることによって、更に容易に行うことが可能である。
【0002】
内視鏡外科用器具の例としては、外科用ステープラが挙げられる。いくつかのこのようなステープラは、組織層をクランプし、クランプされた組織層を切断し、組織層を通してステープルを打ち込むことによって、組織層の切断された端部の近くで切断された組織層を互いに実質的に封止するように動作可能である。単なる例示的な外科用ステープラが、2008年6月3日発行の「Articulating Surgical Stapling Instrument Incorporating a Two-Piece E-Beam Firing Mechanism」と題する米国特許第7,380,696号、2013年4月2日発行の米国特許第8,408,439号、発明の名称「Surgical Stapling Instrument with An Articulatable End Effector」及び2013年6月4日発行の米国特許第8,453,914号、発明の名称「Motor-Driven Surgical Cutting Instrument with Electric Actuator Directional Control Assembly」に開示されている。上に引用した米国特許及び米国特許出願公開のそれぞれの開示内容は、参照により本明細書に組み込まれる。
【0003】
外科用ステープラはまた、開腹処置において及び/又はその他の非内視鏡処置において使用され得る。単に一例として、トロカールをステープラの導管として使用しない胸部外科的処置では、外科用ステープラを、開胸術によって患者の肋骨の間に挿入し、1つ以上の臓器に到達させ得る。例えば、胸腔から臓器を切除する前に、臓器につながる血管をステープラによって切断して閉鎖し得る。当然のことながら、外科用ステープラは、様々なその他の設定及び処置において使用され得る。
【0004】
様々な種類の外科用ステープル留め器具及び関連構成要素が、製造及び使用されてきたが、本発明者ら以前の誰も、添付の特許請求の範囲に記載されている発明を製造又は使用したことがないと考えられる。
【図面の簡単な説明】
【0005】
本明細書に組み込まれ、かつその一部をなす添付の図面は、本発明の実施形態を例解するものであり、上記の本発明の全般的な説明、及び以下の実施形態の詳細な説明と共に、本発明の原理を解説する役割を果たすものである。
図1】例示的な外科用ステープラの斜視図を示す。
図2図1の外科用ステープラの側面立面図を示す。
図3】開放状態にある、図1の外科用ステープラのエンドエフェクタの斜視図を示す。
図4図3のエンドエフェクタの分解斜視図を示す。
図5A】発射部材が近位位置にある、図3の線5-5に沿って取られた、図3のエンドエフェクタの横断面図を示す。
図5B】発射部材が遠位位置にある、図3の線5-5に沿って取られた、図3のエンドエフェクタの横断面図を示す。
図6】組織に位置付けられ、組織内で1回発射された後の、図3のエンドエフェクタの斜視図を示す。
図7】それぞれが、図3のエンドエフェクタの顎部に適用され得る、バットレス組立体の形態における例示的な一対の補助材の斜視図を示す。
図8A】組織が、上側顎部と下側顎部との間に位置付けられた状態で、開放状態にあるエンドエフェクタ顎部を示している、図7のバットレス組立体がエンドエフェクタの上側顎部及び下側顎部に適用された状態の、図3のエンドエフェクタの一部分の断面端面図を示す。
図8B】組織上で閉鎖状態にあるエンドエフェクタを示している、図8Aのエンドエフェクタ及びバットレス組立体の断面端面図を示す。
図8C図3のエンドエフェクタによって組織に固定された後の、図8Aの形成されたステープル及びバットレス組立体の断面図を示す。
図9図3のエンドエフェクタによって組織に固定された後の、図8Aの形成されたステープル及びバットレス組立体の斜視図を示す。
図10】別の例示的な補助材と組み合わせた別の例示的なステープルカートリッジの斜視図を示す。
図11図10の線11-11に沿って取られた、図10の補助材の断面端面図を示す。
図12図10の線12-12に沿って取られた、図10の補助材の横断面図を図示する。
図13A】補助材をステープルカートリッジに取り付けるために、ステープルカートリッジのアンダーカット特徴部と係合した、補助材のヒンジ式取り付け特徴部を示す、別の例示的な補助材と組み合わせた別の例示的なステープルカートリッジの断面端面図を示す。
図13B】補助材をステープルカートリッジから解放するために、ヒンジ式取り付け特徴部をアンダーカット特徴部から係合解除するように上向きに駆動された、ステープルカートリッジ内に収容されたステープルドライバを示す、図13Aのステープルカートリッジ及び補助材の断面端面図を示す。
図14A】補助材をステープルカートリッジに取り付けるために、ステープルカートリッジのアンダーカット特徴部と係合した、補助材の偏向可能な取り付け特徴部を示す、別の例示的な補助材と組み合わせた別の例示的なステープルカートリッジの断面端面図を示す。
図14B】補助材をステープルカートリッジから解放するために、偏向可能な取り付け特徴部をアンダーカット特徴部から係合解除するように上向きに駆動された、ステープルカートリッジ内に収容されたステープルドライバを示す、図14Aのステープルカートリッジ及び補助材の断面端面図を示す。
図15】ステープルカートリッジのアンダーカット特徴部に選択的に係合するための、補助材のそれぞれの小塊部から下向きに延在する偏向可能な取り付け特徴部の、横方向にオフセットされた対を示す、別の例示的な補助材と組み合わせた別の例示的なステープルカートリッジの分解斜視図を示す。
図16A】偏向可能な取り付け特徴部のカム面が、ステープルカートリッジの細長いスロットのそれぞれの上縁部と位置合わせされた状態で、ステープルカートリッジの上方に位置付けられた補助材を示す、図15のステープルカートリッジ及び補助材の断面端面図を示す。
図16B】補助材をステープルカートリッジに取り付けるために、ステープルカートリッジのアンダーカット特徴部と係合された、補助材の偏向可能な取り付け特徴部を示す、図15のステープルカートリッジ及び補助材の断面端面図を示す。
図17A】偏向可能な取り付け特徴部が、補助材の格子構造に対して一般に直交するように一般に垂直に延在する、偏向可能な取り付け特徴部を示す、別の例示的な補助材の断面端面図を示す。
図17B】偏向可能な取り付け特徴部が、補助材の格子構造と一般に同一平面になるように一般に水平に延在する、偏向可能な取り付け特徴部を示す、図17Aの補助材の断面端面図を示す。
図18】補助材をステープルカートリッジに取り付けるために、ステープルカートリッジのアンダーカット特徴部と係合した、補助材のダブテール形状の取り付け特徴部を示す、別の例示的な補助材と組み合わせた別の例示的なステープルカートリッジの断面端面図を示す。
図19】補助材をステープルカートリッジに取り付けるために、ステープルカートリッジのアンダーカット特徴部と係合した、補助材のT字形取り付け特徴部を示す、別の例示的な補助材と組み合わせた別の例示的なステープルカートリッジの断面端面図を示す。
図20】補助材をステープルカートリッジに取り付けるために、ステープルカートリッジの底面と係合された補助材のT字形取り付け特徴部を示す、別の例示的な補助材と組み合わせた別の例示的なステープルカートリッジの断面端面図を示す。
図21A】ステープルカートリッジに対する第1の長手方向位置にある補助材を示す、図20のステープルカートリッジ及び補助材の斜視図を示す。
図21B】ステープルカートリッジに対して第2の長手方向位置まで長手方向に並進された補助材を示す、図20のステープルカートリッジ及び補助材の斜視図を示す。
図22】補助材の偏向可能な取り付け特徴部がステープルカートリッジのそれぞれの側壁と位置合わせされた状態で、ステープルカートリッジの上に配置された補助材を示す、別の例示的な補助材と組み合わせた別の例示的なステープルカートリッジの断面斜視図を示す。
図23】補助材をステープルカートリッジに取り付けるために、ステープルカートリッジの側壁と係合された補助材の偏向可能な取り付け特徴部を示す、図22のカートリッジ及び補助材の拡大断面斜視図を示す。
図24A】補助材の偏向可能な取り付け特徴部がステープルカートリッジのそれぞれの側壁と位置合わせされた状態で、ステープルカートリッジの上方に配置された補助材を示す、別の例示的な補助材と組み合わせた別の例示的なステープルカートリッジの断面端面図を示す。
図24B】補助材をステープルカートリッジに取り付けるために、ステープルカートリッジの側壁と係合された補助材の偏向可能な取り付け特徴部を示す、図24Aのカートリッジ及び補助材の断面端面図である。
図25A】補助材の小塊部から分離された補助材の連結器を示す、別の例示的な補助材の部分的分解断面斜視図を示す。
図25B】小塊部にしっかりと固定されたカプラを示す、図25Aの補助材の部分的分解断面斜視図である。
図26】補助材の偏向可能な取り付け特徴部がステープルカートリッジのそれぞれの側壁孔と整列した状態で、ステープルカートリッジの上に配置された補助材を示す、別の例示的な補助材と組み合わせた別の例示的なステープルカートリッジの部分的分解斜視図を示す。
図27A】補助材をステープルカートリッジに取り付けるために、ステープルカートリッジの側壁孔と係合された補助材の偏向可能な取り付け特徴部を示す、図26のステープルカートリッジ及び補助材の部分断面斜視図を示す。
図27B】補助材をステープルカートリッジから解放するために、ステープルカートリッジの側壁孔から係合解除された補助材の偏向可能な取り付け特徴部を示す、図26のステープルカートリッジ及び補助材の部分断面斜視図を示す。
図28A】補助材をステープルカートリッジに取り付けるために、ステープルカートリッジの側壁鍵穴スロットと係合された補助材の偏向不可能な取り付け特徴部を示す、別の例示的な補助材と組み合わせた別の例示的なステープルカートリッジの部分断面斜視図を示す。
図28B】補助材を解放するために、ステープルカートリッジの側壁鍵穴スロットから係合解除された、補助材の偏向不可能な取り付け特徴部を示す、図28Aのステープルカートリッジ及び補助材の部分断面斜視図である。
図29】補助材がステープルカートリッジの上に配置され、補助材の感湿性発泡体取り付け特徴部が、ステープルカートリッジのそれぞれの横方向凹部と位置合わせされている様子を示す、別の例示的な補助材と組み合わせた別の例示的なステープルカートリッジの分解斜視図を示す。
図30A】乾燥状態の感湿性発泡体取り付け特徴部を示す、図29の補助材の断面端面図を示す。
図30B】感湿性発泡体取り付け特徴部を乾燥状態から湿潤状態に移行させるために、水溶液に浸漬された、感湿性発泡体取り付け特徴部を示す、図29の補助材の断面端面図を示す。
図30C】ステープルカートリッジによってわずかに横方向外側に付勢された感湿性発泡体取り付け特徴部を示す、別の例示的なステープルカートリッジの上に配置された、図29の補助材の断面端面図を示す。
図30D】一対のプッシャによって横方向凹部内に横方向内側に押圧された感湿性発泡体取り付け特徴部を示す、図29のステープルカートリッジの上に配置された、図29の補助材の断面端面図を示す。
図30E】補助材をステープルカートリッジに取り付けるために、一対の乾燥機によって湿潤状態から乾燥状態に移行された感湿性発泡体取り付け特徴部を示す、図29のステープルカートリッジの上に配置された、図29の補助材の断面端面図を示す。
図30F】補助材をステープルカートリッジから解放するために、患者の体内の組織によって乾燥状態から湿潤状態に移行した感湿性発泡体取り付け特徴部を示す、図29のステープルカートリッジの上に配置された、図29の補助材の断面端面図を示す。
図31A】補助材の感湿性発泡体取り付け特徴部がステープルカートリッジの細長いスロットと位置合わせされた状態で、ステープルカートリッジの上に配置された補助材を示す、別の例示的な補助材と組み合わせた別の例示的なステープルカートリッジの断面端面図を示す。
図31B】補助材をステープルカートリッジに取り付けるために、ステープルカートリッジの細長いスロット内に受容された補助材の感湿性発泡体取り付け特徴部を示す、図31Aのステープルカートリッジの上に配置された、図31Aの補助材の断面端面図を示す。
図32】ステープルカートリッジのカートリッジ本体上にオーバーモールドされ、それぞれが、それぞれの凹部を有する一対の形状記憶層を示す、別の例示的なステープルカートリッジの部分斜視図を示す。
図33A】補助材の剛性取り付け特徴部が、ステープルカートリッジのそれぞれの凹部と位置合わせされている、ステープルカートリッジの上方に配置された別の例示的な補助材を示す、図32のステープルカートリッジの部分断面端面図を示す。
図33B】補助材をステープルカートリッジに取り付けるために、ステープルカートリッジのそれぞれの凹部内に受容された補助材の剛性取り付け特徴部を示す、図32のステープルカートリッジの上に配置された、図33Aの補助材の部分断面端面図を示す。
図33C】ステープルカートリッジのそれぞれの凹部内に受容された補助材の剛性取り付け特徴部と、ステープルカートリッジから補助材を解放するために拡張された凹部とを示す、図32のステープルカートリッジの上に配置された、図33Aの補助材の部分断面端面図を示す。
図34A】補助材の形状記憶取り付け特徴部が、ステープルカートリッジのそれぞれの凹部と位置合わせされた状態で、ステープルカートリッジの上方に配置された補助材を示す、別の例示的な補助材と組み合わせた別の例示的なステープルカートリッジの部分断面端面図を示す。
図34B】補助材をステープルカートリッジに取り付けるために、ステープルカートリッジのそれぞれの凹部内に受容された補助材の形状記憶取り付け特徴部を示す、図34Aのステープルカートリッジ及び補助材の部分断面端面図を示す。
図34C】ステープルカートリッジのそれぞれの凹部内に受容された補助材の形状記憶取り付け特徴部と、ステープルカートリッジから補助材を解放するために収縮された形状記憶取り付け特徴部とを示す、図34Aのステープルカートリッジ及び補助材の部分断面端面図である。
図35】補助材をステープルカートリッジに取り付けるために、ステープルカートリッジのカートリッジパンフィンガと係合したウェビングアーム取り付け特徴部を示す、別の例示的な補助材と組み合わせた別の例示的なステープルカートリッジの部分斜視図を示す。
図36】補助材をステープルカートリッジに取り付けるために、ステープルカートリッジの細長いスロット内に受容された補助材のトラス形状の取り付け特徴部を示す、別の例示的な補助材と組み合わせた別の例示的なステープルカートリッジの断面端面図を示す。
図37】ステープルカートリッジのフックストリップを選択的に係合するための補助材のループストリップを示す、別の例示的な補助材と組み合わせた別の例示的なステープルカートリッジの分解斜視図を示す。
【0006】
図面は、いかなる方式でも限定することを意図しておらず、本発明の様々な実施形態は、図面に必ずしも描画されていないものを含め、様々なその他の方式で実施し得ることが企図される。本明細書に組み込まれ、かつその一部を形成する添付図面は、本発明のいくつかの態様を例解するものであり、本明細書と一緒に本発明の原理を解説する役割を果たすものであるが、しかしながら、本発明が、示される正確な配置に限定されない点は理解される。
【発明を実施するための形態】
【0007】
本技術の特定の実施例の以下の説明は、その範囲を限定する目的で使用されるべきではない。本技術のその他の実施例、特徴、態様、実施形態、及び利点が、実例として、本技術を実施する上で想到される最良の態様の1つである以下の説明により、当業者に明らかになるであろう。理解されるように、本明細書に記載される技術は、いずれもその技術から逸脱することなく、その他の異なる、かつ明らかな態様が可能である。したがって、図面及び説明は、限定的なものではなく、本質的に例示的なものとしてみなされるべきである。
【0008】
本明細書に記載される教示、表現、実施形態、実施例等のうちのいずれか1つ以上を、本明細書に記載されるその他の教示、表現、実施形態、実施例等のうちのいずれか1つ以上と組み合わせてもよい点が、更に理解されよう。それゆえに、以下に記載される教示、表現、実施形態、実施例等は、互いに対して切り離して考慮されるべきではない。本明細書の教示を組み合わせ得る様々な好適な方式が、本明細書の教示を考慮することにより、当業者に容易に明らかになるであろう。このような修正例及び変形形態は、特許請求の範囲に含まれることが意図される。
【0009】
本開示の明瞭さのために、「近位(proximal)」及び「遠位(distal)」という用語は、人間又はロボットである外科用器具の操作者に対して本明細書で定義される。「近位」という用語は、人間又はロボットである外科用器具の操作者により近く、かつ外科用器具の外科用エンドエフェクタから更に離れた要素の位置を意味する。「遠位」という用語は、外科用器具の外科用エンドエフェクタにより近く、かつ人間又はロボットである外科用器具の操作者から更に離れた要素の位置を意味する。なお、「上側(upper)」、「下側(lower)」、「側方(lateral)」、「横断(transverse)」、「底部(bottom)」、「頂部(top)」という用語は、以下に提供される図の記載に更なる明瞭性を提供するための相対的な用語である。「上側」、「下側」、「側方」、「横断」、「底部」、「頂部」という用語は、したがって、本明細書に記載される発明を不必要に限定することを意図していない。
【0010】
I.例示的な外科用ステープラ
図1図6は、外科的処置を行うために、トロカールのカニューレ又は切開術(例えば、開胸術等)によって、患者の手術部位に挿入するようにサイズ決定された、例示的な外科用ステープラ(10)を示す。図1及び図2に示すように、本実施例の外科用ステープラ(10)は、ハンドル組立体(20)の形態の近位本体と、ハンドル組立体(20)から遠位方向に延在し、関節運動接合部(40)で終端するシャフト組立体(30)と、関節運動接合部(40)を介してシャフト組立体(30)の遠位端部と連結されたエンドエフェクタ(50)と、を含む。関節運動接合部(40)は、ハンドル組立体(20)の関節運動制御特徴部(22)の作動を介して、シャフト組立体(30)の長手方向軸線(LA)に対するエンドエフェクタ(50)の所望の角度(α)への、能動的又は受動的な横方向偏向を可能にするように構成されている。
【0011】
図3及び図4に最もよく示されるように、エンドエフェクタ(50)は、第1のステープル留め表面を有する交換可能なステープルカートリッジ(70)の形態のステープル留め組立体を支持する下側顎部(52)と、複数のステープル成形ポケット(58)を有する第2のステープル留め表面を有するアンビル(56)を提示する上側顎部(54)と、を含む。上側顎部(54)は、下側顎部(52)に対して枢動して、ステープルカートリッジ(70)のステープル留め表面とアンビル(56)との間に組織をクランプし、その後、ステープルカートリッジ(70)によって配備されたステープルを形成するように構成されている。エンドエフェクタ(50)は、エンドエフェクタ(50)を通って遠位方向に並進して、ステープルをステープルカートリッジ(70)からアンビル(56)に向かって駆動し、同時に、遠位方向に提示された切断縁部(62)で組織を切断するように構成された細長い発射部材(60)を更に含む。したがって、エンドエフェクタ(50)は、組織をクランプし、ステープル留めし、切断するように動作可能である。
【0012】
図1及び図2に最も良く示されているように、ハンドル組立体(20)は、ピストル把持部(24)、閉鎖トリガ(26)、及び発射トリガ(28)を更に含む。閉鎖トリガ(26)は、上側顎部(54)を下側顎部(16)に向かって枢動可能に作動させ、それによって、エンドエフェクタ(50)を組織上で閉鎖するように、ピストル把持部(24)に向かって枢動可能である。次に、発射トリガ(28)は、ピストル把持部(24)に向かって枢動可能であり、クランプされた組織上でエンドエフェクタ(50)を発射する。より具体的には、発射トリガ(28)の作動により、発射部材(60)が、ステープルカートリッジ(70)を含むエンドエフェクタ(50)を通って遠位方向に並進し、それによってクランプされた組織をステープル留めし、同時に切断する。
【0013】
図3図5Bに示すように、ステープルカートリッジ(70)は、上向きデッキ(74)を有するカートリッジ本体(72)と、カートリッジ本体(72)の中心軸に沿って延在し、デッキ(74)を通って上向きに開口する細長いスロット(76)と、細長いスロット(76)の各側でデッキ(74)を通って延在する複数のステープル開口部(78)(開孔部としても知られる)とを含む。各ステープル開口部(78)は、未形成ステープル(80)と、ステープル(80)の下に位置付けられたそれぞれのステープルドライバ(82)とを摺動可能に収容する。パン(受け皿)としても周知の下側トレイ(84)は、カートリッジ本体(72)の下側を包囲し、それによって、ステープル(80)及びステープルドライバ(82)を、カートリッジ本体(72)内に保持する。楔形スレッド(86)は、カートリッジ本体(72)内に摺動可能に配置され、ステープルドライバ(82)の下面に係合するように構成された、上向きのカム面を含む。
【0014】
図5A図5Bは、発射部材(60)が、ステープルカートリッジ(70)の細長いスロット(76)を含むエンドエフェクタ(50)を通して遠位方向に作動される外科用ステープラ(10)の発射ストロークを示す。発射部材(60)の遠位端部は、楔形スレッド(86)を遠位方向に駆動して、ステープルドライバ(82)を上向きにカム駆動し、それによって、それぞれのステープル(80)をステープル開口部(78)から外向きに駆動する。ステープル(80)の脚部は、クランプされた組織(図示せず)を通過し、その後、アンビル(56)のステープル成形ポケット(58)によって成形される(図3を参照のこと)。同時に、クランプされた組織は、発射部材(60)の切断縁部(62)によって切断される。
【0015】
図6は、組織(T)を通した1回のストロークにわたって作動された後のエンドエフェクタ(50)を示す。発射部材(60)の切断縁部(62)は、組織(T)を切断しており、かつ、ステープルドライバ(82)は、切断縁部(62)により形成される切断線の両側にステープル(80)の3本の交互の列を組織(T)を貫通して打ち込んでいる。第1のストロークが完了した後、エンドエフェクタ(50)を患者から引き抜き、使用済みのステープルカートリッジ(70)を新しいステープルカートリッジ(70)と交換し、次に、エンドエフェクタ(50)を、再び患者の体内へと挿入して、ステープル留めする部位に到達させて、更なる切断及びステープル留めを行う。本プロセスは、組織(T)を横切る発射ストロークの所望の量及びパターンが完了するまで、繰り返され得る。
【0016】
外科用ステープラ(10)は、以下の参考文献:2012年7月3日発行の米国特許第8,210,411号、発明の名称「Motor-Driven Surgical Instrument」、2015年11月17日発行の米国特許第9,186,142号、発明の名称「Surgical Instrument End Effector Articulation Drive with Pinion and Opposing Racks」、2016年12月13日発行の米国特許第9,517,065号、発明の名称「Integrated Tissue Positioning and Jaw Alignment Features for Surgical Stapler」、2017年4月18日発行の米国特許第9,622,746号、発明の名称「Distal Tip Features for End Effector of Surgical Instrument」、2017年8月1日発行の米国特許第9,717,497号、発明の名称「Lockout Feature for Movable Cutting Member of Surgical Instrument」、2017年10月24日発行の米国特許第9,795,379号、発明の名称「Surgical Instrument with Multi-Diameter Shaft」、2017年11月7日発行の米国特許第9,808,248号、発明の名称「Installation Features for Surgical Instrument End Effector Cartridge」、2017年12月12日発行の米国特許第9,839,421号、発明の名称「Jaw Closure Feature for End Effector of Surgical Instrument」、及び/又は2018年10月9日発行の米国特許第10,092,292号、発明の名称「Staple Forming Features for Surgical Stapling Instrument」の教示のうちのいずれかに従って更に構成され、動作可能であってもよく、これらの参考文献の開示内容は、参照により本明細書に組み込まれる。
【0017】
II.例示的なバットレス組立体
場合によっては、ステープル(80)によって提供される組織の機械的固定を強化するために、外科用ステープラ(10)のエンドエフェクタ(50)に、バットレス又は組織厚さ補償装置としても周知の補助材を装備することが望ましい場合がある。このようなバットレスは、適用されたステープル(80)が組織から抜け出ることを防止し得、そうしない場合に生じる、ステープル(80)の適用部位又はその付近において組織が断裂するリスクを低減させ得る。ステープル(80)のラインに構造的支持及び一体性を提供することに加えて又はそれに代えて、バットレスは、空隙又は間隙の充填、治療薬の投与、及び/又は別の効果などの様々なその他の種類の効果を提供し得る。場合によっては、バットレスは、ステープルカートリッジ(70)の上側デッキ(74)上に設けられ得る。いくつかのその他の事例では、バットレスは、ステープルカートリッジ(70)に面するアンビル(56)の表面上に提供され得る。第1のバットレスが、ステープルカートリッジ(70)の上側デッキ(74)上に提供され得る一方で、第2のバットレスが、同じエンドエフェクタ(50)のアンビル(56)上に提供されることもまた理解されるべきである。
【0018】
A.バットレス組立体の例示的な構成
図7は、バットレス組立体の形態における例示的な一対の補助材(110、112)(それぞれが、個別に「バットレス」とも称される)を示す。本実施例のバットレス組立体(110)は、バットレス本体(114)と、上側接着層(116)と、を備える。同様に、バットレス組立体(112)は、バットレス本体(118)と、下側接着層(120)と、を備える。本実施例では、各バットレス本体(114、118)は、ステープル(80)のラインを構造的に支持するように構成された、強固でありながらも可撓性を有する材料を含む。あくまで一例として、各バットレス本体(114、118)は、Ethicon,Inc.(Somerville,New Jersey)によるポリグラクチン910材料のメッシュを含み得る。あるいは、各バットレス本体(114、118)を形成するために、ポリグラクチン910材料に加えて又はそれに代えて、任意のその他の好適な材料又は材料の組み合わせが使用され得る。
【0019】
各バットレス本体(114、118)は、例えば、血液を凝固させることを支援し、かつ組織(T、T)に沿った切断及び/又はステープル留めされた手術部位における出血を低減するためのフィブリンなどの止血剤を含む材料を含み得る。別の単なる例示的な実施例として、各バットレス本体(114、118)が、血液を凝固させ、かつ手術部位における出血量を低減させることを支援し得るように、各バットレス本体(114、118)は、その他の添加剤を含み得る、又はトロンビンなどの止血剤を含み得る。各バットレス本体(114、118)に組み込まれ得るその他の添加剤又は試薬として、薬液又はマトリックス成分が更に挙げられ得るが、これらに限定されない。
【0020】
本実施例では、バットレス本体(114)をアンビル(56)の下面(124)に接着するために、接着層(116)がバットレス本体(114)上に設けられる。同様に、バットレス本体(118)をステープルカートリッジ(70)の上側デッキ(74)に接着するために、接着層(120)がバットレス本体(118)上に設けられる。このような接着材料は、エンドエフェクタ(50)の作動前及び作動中におけるバットレス本体(114、118)の適切な位置付けをもたらし、次に、バットレス本体(114、118)のその後の適切な機能を損なうのに実質的に十分な損傷をバットレス本体(114、118)に引き起こすことなく、エンドエフェクタ(50)が作動された後に、バットレス本体(114、118)をエンドエフェクタ(50)から分離させることを可能にし得る。
【0021】
B.バットレス組立体を用いた、組織の例示的なステープル留め
図8A図8Cは、バットレス組立体(110、112)を装填されたエンドエフェクタ(50)が作動されて、2つの対向する組織層(T、T)を通してステープル(80)を駆動させ、バットレス組立体(110、112)が、ステープル(80)によって同じ組織層(T、T)に固定される、例示的な順序を示す。具体的には、図8Aは、アンビル(56)とステープルカートリッジ(70)との間に位置付けられた組織層(T、T)を示し、アンビル(56)は開放位置にある。バットレス組立体(110)は、接着層(116)を介して、アンビル(56)の下面(124)に接着されており、バットレス組立体(112)は、接着層(120)を介して、ステープルカートリッジ(70)の上側デッキ(74)に接着されている。組織層(T、T)はこのようにして、バットレス組立体(110、112)の間に挟入される。次に、アンビル(56)が、ステープルカートリッジ(70)に対して閉じられ、それによって、組織の層(T、T)が、アンビル(56)とステープルカートリッジ(70)との間で圧縮され、バットレス組立体(110、112)が、組織の層(T、T)の対向する表面と係合する。次に、上述のようにエンドエフェクタ(50)が発射され、バットレス組立体(110、112)及び組織(T、T)を通してステープル(80)を駆動させる。図8Cに示されるように、駆動されたステープル(80)の最頂部(122)は、組織(T)の層に対して、バットレス組立体(112)を捕捉し保持する。ステープル(80)の変形した脚部(126)は、組織層(T)に接して、バットレス組立体(110)を捕捉し保持する。
【0022】
一連のステープル(80)が同様に、組織層(T、T)に対して、バットレス組立体(110、112)を捕捉し保持することにより、図10に示されるように、バットレス組立体(110、112)が組織(T、T)に固定されることになる。ステープル(80)及びバットレス組立体(110、112)が配備された後に、エンドエフェクタ(50)が組織(T、T)から引き離された際に、バットレス組立体(110、112)はエンドエフェクタから係合解除され、それによって、バットレス組立体(110、112)は、ステープル(80)で組織(T、T)に固定された状態を維持する。このように、バットレス組立体(110、112)は、組織(T、T)内に形成されたステープル(80)のラインを構造的に補強する。また図9に最もよく見られることができるように、遠位方向に示される、発射部材(60)の切断縁部(62)はまた、バットレス組立体(110、112)の中央線を通って切断し、各バットレス組立体(110、112)を対応する対のセクションに分離し、それにより各セクションは組織(T、T)のそれぞれの切断領域に固定されたままである。
【0023】
使用中、外科用器具(10)は、1回の外科的処置中に複数回作動され得え、それによって、操作者がその1回の外科的処置中に繰り返しかつ簡単にバットレス組立体(110、112)を下側顎部及びアンビル(16、18)に装填できることが望ましい場合がある。したがって、バットレス組立体(110、112)を下側顎部及びアンビル(16、18)に適用するために、バットレスアプライヤカートリッジとも称される補助材アプリケータを使用することが、望ましい場合がある。このようなアプリケータの例示的な変形例は、その開示内容が参照により本明細書に組み込まれる、2020年9月16日に出願の米国特許出願番号第17/022,520号、発明の名称「Method of Applying Buttress to End Effector of Surgical Stapler」に開示されている。
【0024】
例示的な補助材及び補助材アプリケータは、その開示内容が参照により本明細書に組み込まれる、2019年1月1日発行の米国特許第10,166,023号、発明の名称「Method of Applying a Buttress to a Surgical Stapler End Effector」、2019年7月16日に発行の米国特許第10,349,939号、発明の名称「Method of Applying a Buttress to a Surgical Stapler」、2012年4月5日に公開され、現在は放棄されている、米国特許出願公開第2012/0080336号、発明の名称「Staple Cartridge Comprising Staples Positioned Within a Compressible Portion Thereof」の1つ以上の教示に従って更に構成され得ることが理解されよう。
【0025】
III.例示的な圧縮性補助材
場合によっては、エンドエフェクタ(50)のステープル留め表面に直交する方向に、高度の圧縮性を有する補助材を使用することが望ましい場合がある。このような補助材は、形成されたステープルパターンの全長に沿って一貫して、ステープル留めされた組織に、圧縮ばね力を加えるように構成されてもよく、それによって、形成されたステープルパターン及びエンドエフェクタ(50)の長さに沿って変化する厚さを有する組織の確実な封止を確実にする。図10図12は、ステープルカートリッジ(200)と組み合わせた、本明細書においてバットレス又はクッションとも称されるこのような補助材(230)の例を示す。ステープルカートリッジ(200)及び補助材(230)は、エンドエフェクタ(50)と共に使用するように構成されており、以下に別途記載する場合を除いて、上述のステープルカートリッジ(70)及びバットレス組立体(110、112)と同様である。
【0026】
ステープルカートリッジ(200)及び/又は補助材(230)は、1つ以上の以下の参考文献であって、その開示内容が参照により本明細書に組み込まれる、2019年10月15日に発行の米国特許第10,441,285号、発明の名称「Tissue Thickness Compensator Comprising Tissue Ingrowth Features」、2020年1月7日に発行の米国特許第10,524,788号、発明の名称「Compressible Adjunct with Attachment Regions」、2020年2月25日に発行の米国特許第10,568,621号、発明の名称「Surgical Staple Buttress with Integral Adhesive for Releasably Attaching to a Surgical Stapler」、2020年3月17日発行の米国特許第10,588,623号、発明の名称「Adhesive Film Laminate」、2020年4月21日に発行の米国特許第10,624,861号、発明の名称「Tissue Thickness Compensator Configured to Redistribute Compressive Forces」、2020年6月2日に発行の米国特許第10,667,808号、発明の名称「Staple Cartridge Comprising an Absorbable Adjunct」、2021年3月16日に発行の米国特許第10,945,731号、発明の名称「Tissue Thickness Compensator Comprising Controlled Release and Expansion」、2021年4月6日に発行の米国特許第10,966,722号、発明の名称「Adjunct Materials and Methods of Using Same in Surgical Methods for Tissue Sealing」、2021年7月13日に発行の米国特許第11,058,425号、発明の名称「Implantable Layers for a Surgical Instrument」、2019年7月4日に公開の米国特許出願公開第2019/0200978号、発明の名称「Tissue Ingrowth Materials and Method of Using the Same」のうちのいずれかの教示に従って更に構成され得ることが理解されよう。
【0027】
図10に示すように、ステープルカートリッジ(200)は、上向きのデッキ(204)を有するカートリッジ本体(202)と、カートリッジ本体(202)の中心軸に沿って延在し、デッキ(204)を通って上向きに開口する細長いスロット(206)と、細長いスロット(206)の各側でデッキ(204)を通って延在する複数のステープル開口部(208)と、を含む。各ステープル開口部(208)は、ステープル(80)と同様の未形成ステープル(図示せず)と、形成されるアンビル(56)に向かって外向きにステープルを駆動するように構成された、ステープルドライバ(82)と同様のそれぞれのステープルドライバ(図示せず)とを摺動可能に収容する。ステープルカートリッジ(200)の下側トレイ(210)は、ステープル及びステープルドライバをカートリッジ本体(202)内に保持する。
【0028】
本実施例のカートリッジ本体(202)は、デッキ(204)内に形成され、ステープル開口部(208)が延在する基部面を有する複数の上向きに開口する凹部(212、214、216)を更に含む。より具体的には、細長いスロット(206)の各側において、デッキ(204)は、細長いスロット(206)から離れて横方向に向く中間頂点をそれぞれが有する三角形凹部(212)の内側列と、細長いスロット(206)に向かって横方向に向く中間頂点をそれぞれ有する外側列の三角形凹部(214)と、細長いスロット(206)に向かって横断方向に向く内側中間頂点と、細長いスロット(206)から離れて横断方向に向く反対側の外側中間頂点とをそれぞれ有する菱形凹部(216)の中間列と、を含む。凹部(212、214、216)は、クランプされた組織のステープル留め及び切断中に、クランプされた組織をより確実に把持し、それによって安定させるように協働し得る。
【0029】
本実施例のカートリッジ本体(202)は、カートリッジ本体(202)の各側面上のデッキ(204)から横方向外側に突出する複数の細長いタブ(218)を更に含む。本実施例のタブ(218)は、長手方向に互いに離間しており、各タブ(218)は、一般に丸みを帯びた矩形形状を有する。カートリッジ本体(202)は、細長いスロット(206)の各側に長手方向に1つずつ離間した複数の取り付け開口部(220)を更に含み、各取り付け開口部(220)は、ステープル開口部(208)よりも小さく、六角形の形状を有する。本変形例では、各タブ(218)は、少なくとも1つの取り付け開口部(220)を含む。取り付け開口部(220)は、ステープルカートリッジデッキ(204)への、補助材(230)などの補助材の解放可能な取り付けを容易にするように構成され得る。
【0030】
補助材(230)は、補助材(230)の下側部分を画定し、補助材(230)の上側部分(233)を介して、細長い矩形形状を有する格子構造を画定する複数の線形配列で互いに一体的に接続される、三次元の弾力的に圧縮可能な(又は折り畳み可能な)小塊部(232)の形態の複数の副構造を有する。本実施例では、補助材(230)は、補助材(230)の長さを画定するために近位-遠位方向にそれぞれ延在する4つの軸方向列の小塊部(232)と、補助材(230)の横幅を画定するためにステープルカートリッジ(200)の長さに対して横方向にそれぞれ延在する16個の横方向列の小塊部(232)と、を含む。その他の変形例の補助材(230)は、小塊部(232)の様々なその他の量及び構成を有し得ることが理解されよう。
【0031】
本実施例の各小塊部(232)は、4つの側面(234)と、下面(236)と、小塊部(232)の垂直中心軸線(A1)に沿って延在し、小塊部(232)の開いた中空内部を画定する下面(236)内の開口部(238)と、を画定する、一般に立方形の形状を有する。なお、各小塊部(232)は、補助材(230)の長さに平行な近位-遠位方向に水平に延在する小塊部(232)の第2の軸線(A2)に沿って、かつ補助材(230)の長さを横切る方向に水平に延在する小塊部(232)の第3の軸線(A3)に沿って、その重心に関して対称であり、各軸線(A1、A2、A3)は、重心を通って延在する。小塊部(232)は、補助材(230)のその他の変形例において代替的に成形されてもよいことが理解されよう。図示されていないが、いくつかの変形例では、各小塊部(232)の側面(234)のうちの1つ以上は、小塊部(232)の中空内部と連通する開口部を含み得る。なお、いくつかの変形例では、隣接する小塊部(232)は、隣接する小塊部(232)の中空内部の間にそれぞれの内腔を画定し得る接続構造によって側面(234)において相互接続され得る。
【0032】
補助材(230)は、補助材(230)が圧縮してその元の形状を弾性的に回復することを可能にする好適な程度の弾性を有する弾性生体吸収性ポリマー材料から形成されてもよい。本実施例では、補助材(230)の各小塊部(232)は、少なくともその3つの軸線(A1、A2、A3)のそれぞれに沿って弾力的に圧縮可能である。なお、補助材(230)は、例えば、付加製造プロセスを介して一体型構造として形成され得る。補助材(230)は、本明細書で行われるその他の教示のいずれか、及び/又は参照により本明細書に組み込まれる特許文献のいずれかの教示に従って、更に又は代替的に構成され、動作可能であってもよいことが理解されよう。
【0033】
補助材(230)は、1つ以上の取り付け特徴部を介して、ステープルカートリッジ(70、200)のデッキ(74、204)などのステープルカートリッジのデッキに解放可能に取り付けられ得、その例は、以下でより詳細に説明される。補助材(230)は、アプリケータデバイスの有無にかかわらずステープルカートリッジに取り付けられ得ることが理解されよう。
【0034】
IV.補助材をステープルカートリッジに取り付けるための例示的な特徴部
場合によっては、上記のステープルカートリッジ(70、200)のいずれかなどのステープルカートリッジのデッキに、補助材を解放可能かつ機械的に取り付けるための1つ以上の特徴部を補助材に提供することが望ましい場合がある。このような補助材取り付け特徴部の例示的な変形例は、以下により詳細に記載される。別段の記載がない限り、このような取り付け特徴部は、図7図9に関連して上述したバットレス組立体(110、112)と同様の多層補助材、又は代替的に、図10図12に関連して上述した補助材(230)と同様の圧縮性一体型補助材に適用され得ることが理解されよう。説明されるように、いくつかの例示的な補助材取り付け特徴部は、ステープルカートリッジの発射に応答してステープルカートリッジのデッキから補助材を解放するように構成され得る(「能動的」解放と称される)。その他の例示的な補助材取り付け特徴部は、ステープル留めされた組織からの外科用ステープラエンドエフェクタの分離に単に応答して、ステープルカートリッジのデッキから補助材を解放するように構成され得る(「受動的」解放と称される)。なお、別段の記載がない限り、以下に記載される例示的な補助材取り付け特徴部のいずれも、対応する補助材の長さに沿った別個の位置に配置され、このような取り付け特徴部のそれぞれが、補助材の組織接触部分とは異なる材料で構成され得ることが理解されよう。
【0035】
A.カートリッジスロットのアンダーカット特徴部に係合するためのヒンジ式取り付け特徴部を有する例示的な補助材
図13A図13Bは、ステープルカートリッジ(300)への解放可能な取り付けのために構成された別の例示的な圧縮性一体型補助材(330)を示す。ステープルカートリッジ(300)及び補助材(330)は、エンドエフェクタ(50)と共に使用するように構成されており、以下に別途記載する場合を除いて、上述のステープルカートリッジ(200)及び補助材(230)と同様である。これに関して、ステープルカートリッジ(300)は、上向きのデッキ(304)を有するカートリッジ本体(302)と、カートリッジ本体(302)の中心軸に沿って延在し、デッキ(304)を通って上向きに開口する細長いスロット(306)と、細長いスロット(306)の各側でデッキ(304)を通って延在する複数のステープル開口部(308)と、を含む。各ステープル開口部(308)は、ステープル(80)と同様の未形成ステープル(図示せず)と、形成されるアンビル(56)に向かって外向きにステープルを駆動するように構成されたそれぞれのステープルドライバ(309)とを、摺動可能に収容する。ステープルカートリッジ(300)の下側トレイ(図示せず)は、ステープル及びステープルドライバをカートリッジ本体(302)内に保持する。本実施例のカートリッジ本体(302)は、以下でより詳細に説明するように、横方向に対向する一対のアンダーカット部であって、細長いスロット(306)のそれぞれの側にそれぞれ位置付けられ、ステープルカートリッジデッキ(304)への補助材(330)などの補助材の解放可能な取り付けを容易にするように構成された、横方向に対向する一対のアンダーカット面(320)を更に含む。
【0036】
補助材(330)は、図10図12に関連して上述したものと同様の方法で細長い矩形形状を有する格子構造を画定する、複数の線形配列で互いに一体的に接続された複数の三次元の弾力的に圧縮可能な小塊部(332)を有する。本実施例の各小塊部(332)は、4つの側面(334)と、下面(336)と、小塊部(332)の垂直中心軸線に沿って延在し、小塊部(332)の開いた中空内部を画定する下面(336)内の開口部(338)と、を画定する、一般に立方形の形状を有する。
【0037】
図示の例では、補助材(330)は、横方向内側小塊部(332)に連結され、細長いスロット(306)内に少なくとも部分的に受容されるように構成されたヒンジ式ラッチ(340a、340b)の形態の一対の取り付け特徴部を更に含む。各ラッチ(340a、340b)は、一般に下向きに延在するビーム(342a、342b)と、それぞれのビーム(342a、342b)の上側部分から一般に横方向内側に延在するレバーアーム(344a、344b)と、を含む。示されるように、各ラッチ(340a、340b)は、カートリッジ本体(302)のそれぞれのアンダーカット面(320)に選択的に係合するための、それぞれのビーム(342a、342b)の下側部分から一般に横方向外側に延在する下側戻り止め(346a、346b)と、カートリッジ本体(302)内に収容されたそれぞれの横方向内側ステープルドライバ(309)に選択的に係合するための、それぞれのレバーアーム(344a、344b)の外端から一般に下向きに延在する上側戻り止め(348a、348b)と、を更に含む。図示の例では、各下側戻り止め(346a、346b)は、一般に水平に延在する当接面(350a、350b)と、それぞれの当接面(350a、350b)の外縁から一般に下向きの方向に横方向内側にテーパ状であるカム面(352a、352b)と、を含み、その目的が以下で説明される。
【0038】
本変形例のラッチ(340a、340b)のレバーアーム(344a、344b)は、ラッチ(340a、340b)が、ラッチ状態(図13A)とラッチ解除状態(図13B)との間でヒンジ(354)を中心として互いに対して枢動可能であるようにヒンジ(354)を介して互いに枢動可能に連結される。いくつかの変形例では、ラッチ(340a、340b)は、ラッチ状態に向かって弾性的に付勢され得る。加えて、又は代替的に、小塊部(332)、ラッチ(340a、340b)、及び/又はヒンジ(354)のうちのいずれか1つ以上は、単一部品として共に一体的に形成され得る。例えば、小塊部(332)、ラッチ(340a、340b)及び/又はヒンジ(354)のうちのいずれか1つ以上は、一緒に3D印刷され得る。いくつかの変形例では、ラッチ(340a、340b)及び/又はヒンジ(354)は小塊部(332)の材料とは異なる材料から構成され得る。いずれにしても、ラッチ(340a、340b)は、それぞれの下側戻り止め(346a、346b)及びそれぞれの上側戻り止め(348a、348b)が細長いスロット(306)の両側に配置され、ヒンジ(354)が細長いスロット(306)に対して一般に横方向に中心に置かれるように細長いスロット(306)にわたって広がるように構成される。
【0039】
図13Aに示されるように、補助材(330)は、ラッチ(340a、340b)がラッチ状態にある場合にラッチ(340a、340b)を介してステープルカートリッジデッキ(304)に選択的に取り付けられ得る。図示されたラッチ状態では、下側戻り止め(348a、348b)の当接面(350a、350b)は、カートリッジ本体(302)のそれぞれのアンダーカット面(320)に係合し、それによって、補助材(330)をステープルカートリッジデッキ(304)に取り付け、上側戻り止め(346a、346b)はそれぞれ、細長いスロット(306)の反対側の横方向内側ステープルドライバ(309)の少なくとも一部分と垂直方向に整列する。いくつかの変形例では、下側戻り止め(346a、346b)のカム表面(352a、352b)は、ステープルカートリッジデッキ(304)への補助材(330)の取り付け中にビーム(342a、342b)をわずかに横方向内側に一時的に枢動させて細長いスロット(306)内へのラッチ(340a、340b)の挿入を容易にするために細長いスロット(306)のそれぞれの上縁部に係合し得、ラッチ(340a、340b)は、その後、ラッチ状態を弾性的に呈してラッチ(340a、340b)とアンダーカット表面(320)との間にスナップ嵌めを提供する。
【0040】
図13Bに示されるように、補助材(330)は、ラッチ(340a、340b)がラッチ解除状態にある場合にラッチ(340a、340b)によってステープルカートリッジデッキ(304)から解放され得る。図示されたラッチ解除状態では、下側戻り止め(346a、346b)の当接面(350a、350b)は、カートリッジ本体(302)のそれぞれのアンダーカット面(320)を係合解除し、それによって、補助材(330)をステープルカートリッジデッキ(304)から解放する。本変形例のラッチ(340a、340b)は、ステープルカートリッジ(300)の発射中の横方向内側ステープルドライバ(309)の上方への上昇を下側戻り止め(346a、346b)の横方向内側への枢動に変換することによってステープルカートリッジ(300)の発射に応答して、ステープルカートリッジデッキ(304)から補助材(330)を能動的に解放するように構成されている。より具体的には、横方向内側ステープルドライバ(309)は、横方向内側ステープルドライバ(309)が楔形スレッド(86)によって上向きにカム駆動される場合に、それぞれの上側戻り止め(348a、348b)と係合し得、それぞれの上側戻り止め(348a、348b)を上向きに付勢して、ヒンジ(354)の周りでラッチ(340a、340b)を枢動させて、下側戻り止め(346a、346b)が、それぞれ横方向内側に枢動して、当接面(350a、350b)を、それぞれのアンダーカット面(320)から係合解除し得る。
【0041】
ラッチ(340a、340b)は、圧縮性一体型補助材(330)に組み込まれるものとして説明されているが、ラッチ(340a、340b)は、図7図9に関連して上述したバットレス組立体(110、112)と同様の多層補助材に、同様に容易に組み込まれ得ることが理解されよう。
【0042】
B.カートリッジスロットのアンダーカット特徴部に係合するための偏向可能な取り付け特徴部を有する例示的な補助材
図14A図14Bは、ステープルカートリッジ(400)への解放可能な取り付けのために構成された別の例示的な圧縮性一体型補助材(430)を示す。ステープルカートリッジ(400)及び補助材(430)は、エンドエフェクタ(50)と共に使用するように構成されており、以下に別途記載する場合を除いて、上述のステープルカートリッジ(200)及び補助材(230)と同様である。これに関して、ステープルカートリッジ(400)は、上向きのデッキ(404)を有するカートリッジ本体(402)と、カートリッジ本体(402)の中心軸に沿って延在し、デッキ(404)を通って上向きに開口する細長いスロット(406)と、細長いスロット(406)の各側でデッキ(404)を通って延在する複数のステープル開口部(408)と、を含む。各ステープル開口部(408)は、ステープル(80)と同様の未形成ステープル(図示せず)と、形成されるアンビル(56)に向かって外向きにステープルを駆動するように構成されたそれぞれのステープルドライバ(409)とを摺動可能に収容する。ステープルカートリッジ(400)の下側トレイ(図示せず)は、ステープル及びステープルドライバを、カートリッジ本体(402)内に保持する。本実施例のカートリッジ本体(402)は、以下でより詳細に説明するように、横方向に対向する一対のアンダーカット部であって、細長いスロット(406)のそれぞれの側にそれぞれ位置付けられ、ステープルカートリッジデッキ(404)への補助材(430)などの補助材の解放可能な取り付けを容易にするように構成された、横方向に対向する一対のアンダーカット面(420)を更に含む。
【0043】
補助材(430)は、図10図12に関連して上述したものと同様の方法で、細長い矩形形状を有する格子構造を画定する、複数の線形配列で互いに一体的に接続された複数の三次元の弾力的に圧縮可能な小塊部(432)を有する。本実施例の各小塊部(432)は、4つの側面(434)と、下面(436)と、小塊部(432)の垂直中心軸線に沿って延在し、小塊部(432)の開いた中空内部を画定する下面(436)内の開口部(438)と、を画定する一般に立方形の形状を有する。
【0044】
図示の例では、補助材(430)は、横方向内側小塊部(432)に連結され、細長いスロット(406)の両側で、細長いスロット(406)内に少なくとも部分的に受容されるように構成された、偏向可能なラッチ(440a、440b)の形態の一対の取り付け特徴部を更に含む。各ラッチ(440a、440b)は、それぞれの小塊部(432)の内側側壁から一般に下向きに延在するビーム(442a、442b)と、カートリッジ本体(402)のそれぞれのアンダーカット面(420)に選択的に係合するために、それぞれのビーム(442a、442b)の下側部分から一般に横方向外側に延在する下側戻り止め(446a、446b)と、を含む。図示の例では、各下側戻り止め(446a、446b)は、一般に水平に延在する当接面(450a、450b)と、それぞれの当接面(450a、450b)の外縁から一般に下向きの方向に横方向内側にテーパ状であるカム面(452a、452b)と、を含み、その目的が以下で説明される。
【0045】
本変形例のラッチ(440a、440b)のビーム(442a、442b)は、ラッチ(440a、440b)がラッチ状態(図14A)と非ラッチ状態(図14B)との間で横方向に互いに対して偏向可能であるように、それぞれの小塊部(432)から可動的に片持ち梁式に支持される。いくつかの変形例では、ラッチ(440a、440b)は、ラッチ状態に向かって弾性的に付勢され得る。加えて、又は代替的に、小塊部(432)及び/又はラッチ(440a、440b)のうちのいずれか1つ以上は、単一部品として共に一体的に形成され得る。例えば、小塊部(432)及び/又はラッチ(440a、440b)のうちのいずれか1つ以上は、一緒に3D印刷され得る。いくつかの変形例では、ラッチ(440a、440b)は、小塊部(432)の材料とは異なる材料から構成され得る。
【0046】
図14Aに示されるように、補助材(430)は、ラッチ(440a、440b)がラッチ状態にある場合に、ラッチ(440a、440b)を介してステープルカートリッジデッキ(404)に選択的に取り付けられ得る。図示されたラッチ状態では、下側戻り止め(446a、446b)の当接面(450a、450b)は、カートリッジ本体(402)のそれぞれのアンダーカット面(420)に係合し、それによって、補助材(430)をステープルカートリッジデッキ(404)に取り付け、一方、下側戻り止め(446a、446b)のカム面(452a、452b)はそれぞれ、細長いスロット(406)の対応する同じ側の横方向内側ステープルドライバ(409)の少なくとも一部分と垂直方向に整列する。いくつかの変形例では、下側戻り止め(446a、446b)のカム表面(452a、452b)は、ステープルカートリッジデッキ(404)への補助材(430)の取り付け中にビーム(442a、442b)をわずかに横方向内側に一時的に偏向させて、細長いスロット(406)内へのラッチ(440a、440b)の挿入を容易にするために、細長いスロット(406)のそれぞれの上縁部に係合し得、ラッチ(440a、440b)は、その後、ラッチ状態を弾性的に呈してラッチ(440a、440b)とアンダーカット表面(420)との間にスナップ嵌めを提供する。
【0047】
図14Bに示されるように、補助材(430)は、ラッチ(440a、440b)がラッチ解除状態にある場合に、ラッチ(440a、440b)によってステープルカートリッジデッキ(404)から解放され得る。図示されたラッチ解除状態では、下側戻り止め(446a、446b)の当接面(450a、450b)は、カートリッジ本体(402)のそれぞれのアンダーカット面(420)を係合解除し、それによって、補助材(430)を、ステープルカートリッジデッキ(404)から解放する。本変形例のラッチ(440a、440b)は、ステープルカートリッジ(400)の発射中の横方向内側ステープルドライバ(409)の上方への上昇を下側戻り止め(446a、446b)の横方向内側への偏向に変換することによって、ステープルカートリッジ(400)の発射に応答してステープルカートリッジデッキ(404)から補助材(430)を能動的に解放するように構成されている。より具体的には、横方向内側ステープルドライバ(409)は、横方向内側ステープルドライバ(409)が楔形スレッド(86)によって上向きにカム駆動される場合に、下側戻り止め(446a、446b)のそれぞれのカム面(452a、452b)に係合し得、それぞれのアンダーカット面(420)から当接面(450a、450b)を係合解除するために、それぞれの下側戻り止め(446a、446b)を横方向内側に付勢し得る。
【0048】
本変形例のラッチ(440a、440b)は、横方向内側小塊部(432)に連結され、補助材(430)の取り付けを容易にするために当接面(450a、450b)をアンダーカット面(420)と係合させ、補助材(430)の能動的解放を容易にするためにカム面(452a、452b)を横方向内側ステープルドライバ(409)と係合させるために細長いスロット(406)内に挿入されるように構成されるが、ラッチ(440a、440b)は、代替的に横方向外側小塊部(432)に連結され得ることが理解されよう。例えば、このように配置されたラッチ(440a、440b)は、当接面(450a、450b)を、カートリッジ本体(402)の外側に配置されたアンダーカット面と係合させて補助材(430)の取り付けを容易にし、カム面(452a、452b)を、横方向外側ステープルドライバ(409)と係合させて補助材(430)の能動的解放を容易にするように構成され得る。ラッチ(440a、440b)は、圧縮性一体型補助材(430)に組み込まれるものとして説明されているが、ラッチ(440a、440b)は、図7図9に関連して上述したバットレス組立体(110、112)と同様の多層補助材に同様に容易に組み込まれ得ることが理解されよう。
【0049】
C.カートリッジスロットのアンダーカット特徴部に係合するための偏向可能な取り付け特徴部のオフセット対を有する例示的な補助材
図15図16Bは、ステープルカートリッジ(500)への解放可能な取り付けのために構成された別の例示的な圧縮性一体型補助材(530)を示す。ステープルカートリッジ(500)及び補助材(530)は、エンドエフェクタ(50)と共に使用するように構成されており、以下に別途記載する場合を除いて、上述のステープルカートリッジ(200)及び補助材(230)と同様である。これに関して、ステープルカートリッジ(500)は、上向きのデッキ(504)を有するカートリッジ本体(502)と、カートリッジ本体(502)の中心軸に沿って延在し、デッキ(504)を通って上向きに開口する細長いスロット(506)と、細長いスロット(506)の各側でデッキ(504)を通って延在する複数のステープル開口部(508)と、を含む。各ステープル開口部(508)は、ステープル(80)と同様の未形成ステープル(図示せず)と、形成されるアンビル(56)に向かって外向きにステープルを駆動するように構成されたそれぞれのステープルドライバ(509)(図16A図16B)とを摺動可能に収容する。ステープルカートリッジ(500)の下側トレイ(510)は、ステープル及びステープルドライバをカートリッジ本体(502)内に保持する。本実施例のカートリッジ本体(502)は、以下でより詳細に説明するように、複数のアンダーカット部であって、細長いスロット(506)のそれぞれの側にそれぞれ位置付けられ、ステープルカートリッジデッキ(504)への補助材(530)などの補助材の解放可能な取り付けを容易にするように構成された横方向に対向する一対のアンダーカット面(520)を更に含む。
【0050】
補助材(530)は、図10図12に関連して上述したものと同様の方法で、細長い矩形形状を有する格子構造を画定する、複数の線形配列で互いに一体的に接続された複数の三次元の弾力的に圧縮可能な小塊部(532)を有する。本実施例の各小塊部(532)は、4つの側面(534)と、下面(536)と、小塊部(532)の垂直中心軸線に沿って延在し、小塊部(532)の開いた中空内部を画定する下面(536)内の開口部(538)と、を画定する一般に立方形の形状を有する。
【0051】
図示の例では、補助材(530)は、横方向内側小塊部(532)に連結され、細長いスロット(506)の両側で細長いスロット(506)内に少なくとも部分的に受容されるように構成された偏向可能なラッチ(540a、540b)の横方向にオフセットされた対の形態の複数の取り付け特徴部を更に含む。より具体的には、各対のラッチ(540a、540b)は、長手方向に互いにオフセットされる。4つのオフセット対のラッチ(540a、540b)が示されているが、任意の好適な数のオフセット対のラッチ(540a、540b)が使用され得ることが理解されよう。各ラッチ(540a、540b)は、隣接する一対の小塊部(532)の間の位置で補助材(530)から一般に下向きに延在するビーム(542a、542b)と、カートリッジ本体(502)のそれぞれのアンダーカット面(520)に選択的に係合するためにそれぞれのビーム(542a、542b)の下側部分から一般に横方向外側に延在する下側戻り止め(546a、546b)と、を含む。図示の例では、各下側戻り止め(546a、546b)は、一般に水平に延在する当接面(550a、550b)と、それぞれの当接面(550a、550b)の外縁から一般に下向きの方向に横方向内側にテーパ状であるカム面(552a、552b)と、を含み、その目的が以下で説明される。
【0052】
本変形例のラッチ(540a、540b)のビーム(542a、542b)は、ラッチ(540a、540b)が、図示されたラッチ状態とラッチ解除状態(図示せず)との間で横方向に互いに対して偏向可能であるように、それぞれの小塊部(532)から可動的に片持ち梁式に支持される。いくつかの変形例では、ラッチ(540a、540b)は、ラッチ状態に向かって弾性的に付勢され得る。加えて、又は代替的に、小塊部(532)及び/又はラッチ(540a、540b)のうちのいずれか1つ以上は単一部品として共に一体的に形成され得る。例えば、小塊部(532)及び/又はラッチ(540a、540b)のうちのいずれか1つ以上は一緒に3D印刷され得る。いくつかの変形例では、ラッチ(540a、540b)は、小塊部(532)の材料とは異なる材料から構成され得る。
【0053】
図16Aに示されるように、補助材(530)は、最初に、下側戻り止め(546a、546b)のカム面(552a、552b)が細長いスロット(504)の上縁と垂直方向に整列した状態でステープルカートリッジデッキ(504)上に位置付けられ得、それによって、カム面(552a、552b)はステープルカートリッジデッキ(506)への補助材(530)の取り付け中に細長いスロット(506)のそれぞれの上縁と係合してビーム(542a、542b)をわずかに横方向内側に一時的に偏向させてラッチ(540a、540b)の細長いスロット(506)への挿入を容易にし、ラッチ(540a、540b)は、その後、ラッチ(540a、540b)とアンダーカット面(520)との間にスナップ嵌めを提供するためにラッチ状態を弾性的にとる。ラッチ(540a、540b)の長手方向における互いからのオフセットにより、各ラッチ(540a、540b)は、ステープルカートリッジデッキ(504)への補助材(530)のこのような取り付け中に互いに衝突することなく補助材(530)の中心線を横切って横方向内側に偏向され得る。
【0054】
図16Bに示されるように、補助材(530)は、ラッチ(540a、540b)がラッチ状態にある場合に、ラッチ(540a、540b)を介してステープルカートリッジデッキ(504)に選択的に取り付けられ得る。図示されたラッチ状態では、下側戻り止め(546a、546b)の当接面(550a、550b)は、カートリッジ本体(502)のそれぞれのアンダーカット面(520)に係合し、それによって、補助材(530)をステープルカートリッジデッキ(504)に取り付ける。補助材(530)は、ラッチ(540a、540b)がラッチ解除状態にある場合に、ラッチ(540a、540b)によってステープルカートリッジデッキ(504)から解放され得るが、これは図14Bに示されるものと同様であり得ることが理解されよう。例えば、ラッチ解除状態では、下側戻り止め(546a、546b)の当接面(550a、550b)は、カートリッジ本体(502)のそれぞれのアンダーカット面(520)を係合解除し、それによって、補助材(530)をステープルカートリッジデッキ(504)から解放し得る。いくつかの変形例では、ラッチ(540a、540b)は、ステープルカートリッジ(500)の発射に応答して、ステープルカートリッジデッキ(504)から補助材(530)を能動的に解放するように構成され得、例えば、ステープルカートリッジ(500)の発射中の横方向内側ステープルドライバ(509)の上方への上昇を、図14A図14Bに関連して上述したものと同様の方法で下側戻り止め(546a、546b)の横方向内側への偏向に変換することによって構成され得る。
【0055】
ラッチ(540a、540b)は、圧縮性一体型補助材(530)に組み込まれるものとして説明されているが、ラッチ(540a、540b)は、図7図9に関連して上述したバットレス組立体(110、112)と同様の多層補助材に同様に容易に組み込まれ得ることが理解されよう。
【0056】
D.面一状態に向かって弾性的に付勢された偏向可能な取り付け特徴部を有する例示的な補助材
図17A図17Bは、ステープルカートリッジ(200)と同様のステープルカートリッジ(図示せず)への解放可能な取り付けのために構成された、別の例示的な圧縮性一体型補助材(630)を示す。補助材(630)は、エンドエフェクタ(50)と共に使用するように構成されており、以下に別途記載する場合を除いて上述した補助材(230)と同様である。この点に関して、補助材(630)は、図10図12に関連して上述したものと同様の方法で、細長い矩形形状を有する格子構造を画定する、複数の線形配列で互いに一体的に接続された複数の三次元の弾力的に圧縮可能な小塊部(632)を有する。本実施例の各小塊部(632)は、4つの側面(634)と、下面(636)と、小塊部(632)の垂直中心軸線に沿って延在し、小塊部(632)の開いた中空内部を画定する下面(636)内の開口部(638)と、を画定する、一般に立方形の形状を有する。
【0057】
図示の例では、補助材(630)は、ステープルカートリッジの細長いスロット内に少なくとも部分的に受容されるように構成された、横方向内側小塊部(632)の側壁に連結された偏向可能ラッチ(640)の形態の少なくとも1つの取り付け特徴部を更に含む。ラッチ(640)は、それぞれの小塊部(632)の側壁から一般に下向きに延在するように構成されたビーム(642)と、カートリッジ本体のそれぞれのアンダーカット面(図示せず)に選択的に係合するために、ビーム(642)の下側部分から一般に横方向外側に延在する下側戻り止め(646)と、を含む。図示の例では、下側戻り止め(646)は、一般に水平に延在する当接面(650)と、当接面(650)の外縁又はその近くの点から一般に下向きの方向に横方向内側に先細にされたカム面(652)と、を含み、その目的が以下に説明される。
【0058】
本変形例のラッチ(640)のビーム(642)は、ラッチ(640)が、ラッチ状態(図17A)とラッチ解除状態(図示せず)との間で横方向に偏向可能であり、更に面一状態(図17B)に移動可能であるように、それぞれの小塊部(632)から、可動的に片持ち梁式に支持される。いくつかの変形例では、ラッチ(640)は、面一状態に向かって、弾性的に付勢され得る。加えて、又は代替的に、小塊部(632)及びラッチ(640)は、単一部品として一緒に一体的に形成され得る。例えば、小塊部(632)及びラッチ(640)は、一緒に3D印刷され得る。いくつかの変形例では、ラッチ(640)は、小塊部(632)の材料とは異なる材料から構成され得る。
【0059】
補助材(630)は、例えば、図14A図14Bに関連して上述したものと同様の方法で、ラッチ(640)がラッチ状態にある場合に、ラッチ(640)を介してステープルカートリッジデッキ(604)に選択的に取り付けられ得、ラッチ(640)がラッチ解除状態にある場合に、ラッチ(640)によってステープルカートリッジデッキ(604)から選択的に解放され得ることが理解されよう。いくつかの変形例では、ラッチ(640)は、図17Bに示すように、ステープル(80)が貫通した状態で、補助材(630)がステープルカートリッジデッキ(604)から解放された後に、弾性的に面一状態を呈し得る。図示された面一状態では、ビーム(642)は、一般に横方向に延在し、したがって、小塊部(632)によって画定された格子構造に実質的に平行であり、それによって、ステープル(80)のクラウンに接触し、追加の圧縮力を加える。
【0060】
ラッチ(640)は、圧縮可能な一体型補助材(630)に組み込まれるものとして説明されているが、ラッチ(640)は、図7図9に関連して上述したバットレス組立体(110、112)と同様の多層補助材に容易に組み込まれ得ることが理解されよう。
【0061】
E.カートリッジスロットのアンダーカット特徴部に係合するためのダブテール形状の取り付け特徴部を有する例示的な補助材
図18は、ステープルカートリッジ(700)への解放可能な取り付けのために構成された別の例示的な圧縮性一体型補助材(730)を示す。ステープルカートリッジ(700)及び補助材(730)は、エンドエフェクタ(50)と共に使用するように構成されており、以下に別途記載する場合を除いて上述のステープルカートリッジ(200)及び補助材(230)と同様である。これに関して、ステープルカートリッジ(700)は、上向きのデッキ(704)を有するカートリッジ本体(702)と、カートリッジ本体(702)の中心軸に沿って延在し、デッキ(704)を通って上向きに開口する細長いスロット(706)と、細長いスロット(706)の各側でデッキ(704)を通って延在する複数のステープル開口部(図示せず)と、を含む。各ステープル開口部は、ステープル(80)と同様の未形成ステープル(図示せず)と、形成されるアンビル(56)に向かって外向きにステープルを駆動するように構成されたそれぞれのステープルドライバ(図示せず)とを摺動可能に収容する。ステープルカートリッジ(700)の下側トレイ(図示せず)は、ステープル及びステープルドライバを、カートリッジ本体(702)内に保持する。本実施例のカートリッジ本体(702)は、以下でより詳細に説明するように、横方向に対向する一対のアンダーカット部であって、細長いスロット(706)のそれぞれの側にそれぞれ位置付けられ、ステープルカートリッジデッキ(704)への補助材(730)などの補助材の解放可能な取り付けを容易にするように構成された、横方向に対向する一対のアンダーカット面(720)を更に含む。
【0062】
補助材(730)は、図10図12に関連して上述したものと同様の方法で、細長い矩形形状を有する格子構造を画定する、複数の線形配列で互いに一体的に接続された複数の三次元の弾力的に圧縮可能な小塊部(732)を有する。本実施例の各小塊部(732)は、4つの側面(734)と、下面(736)と、小塊部(732)の垂直中心軸線に沿って延在し、小塊部(732)の開いた中空内部を画定する下面(736)内の開口部(738)と、を画定する、一般に立方形の形状を有する。
【0063】
図示の例では、補助材(730)は、横方向内側小塊部(732)に連結され、細長いスロット(706)内に少なくとも部分的に受容されるように構成された、少なくとも1つの横方向中心ダブテール形状レール(740)の形態の少なくとも1つの取り付け特徴部を更に含む。レール(740)は、それぞれの小塊部(732)の内側側壁から一般に下向きにそれぞれ延在する一対のビーム(742a、742b)と、カートリッジ本体(702)のそれぞれのアンダーカット面(720)に選択的に係合するために、それぞれのビーム(742a、742b)の下側部分から一般に横方向外側に延在する下側戻り止め(746a、746b)と、を含む。図示の例では、各下側戻り止め(746a、746b)は、一般に下向きの方向に横方向外側にテーパ状の角度付き当接面(750a、750b)を含み、その目的が以下で説明される。いずれにしても、レール(740)はまた、下側戻り止め(746a、746b)を互いから一定の距離に維持するためにビーム(742a、742b)の下側の間に横方向に延在する下側ブリッジ(756)を含む。下側ブリッジ(756)は、ステープルカートリッジ(700)の発射中に、発射部材(60)の切断縁部(62)などによって切断されて、下側戻り止め(746a、746b)間の横方向の相対移動を可能にするように構成されている。この点に関して、下側ブリッジ(756)、ビーム(742a、742b)、及び横方向内側小塊部(732)は、切断刃(62)によるブリッジ(756)の切断を促進するための中空内部(758)を集合的に画定する。いくつかの変形例では、レール(740)は、小塊部(732)によって画定されている格子構造の実質的に、全長に沿って延在し得る。その他の変形例では、複数のレール(740)が、小塊部(732)によって画定されている格子構造の長さのそれぞれの部分に沿って延在し得る。
【0064】
本変形例のレール(740)のビーム(742a、742b)は、レール(740)の分離された横方向に対向するセグメントが横方向に互いに対して偏向可能であるように下側ブリッジ(756)が切断された場合に、それぞれの小塊部(732)から可動的に片持ち梁式に支持される。いくつかの変形例では、小塊部(732)及び/又はレール(740)のうちのいずれか1つ以上は、一体部品として、一緒に一体的に形成され得る。例えば、小塊部(732)及び/又はレール(740)のうちのいずれか1つ以上は、一緒に3D印刷され得る。いくつかの変形例では、レール(740)は、小塊部(732)の材料とは異なる材料から構成され得る。
【0065】
図18に示されるように、補助材(730)は、レール(740)が切断されていない状態にある場合に、レール(740)を介して、ステープルカートリッジデッキ(704)に選択的に取り付けられ得る。図示される切断されていない状態では、下側戻り止め(746a、746b)の当接面(750a、750b)は、カートリッジ本体(702)のそれぞれのアンダーカット面(720)に係合し、それによって、補助材(730)をステープルカートリッジデッキ(704)に取り付ける。いくつかの変形例では、補助材(730)は、ステープルカートリッジ(700)の長さに沿って、例えば、その近位端部から長手方向に並進され得、当接面(750a、750b)が、それぞれのアンダーカット面(720)に沿って摺動して、細長いスロット(706)内へのレール(740)の挿入を容易にする。その目的のために、ステープル(80)は、補助材(730)のこのような長手方向並進中に、ステープルカートリッジデッキ(704)と同一平面であるか、あるいはステープルカートリッジデッキ(704)の下に陥凹して、小塊部(732)によるステープル(80)の引っ掛かりを阻止し得る。
【0066】
レール(740)が切断状態にある場合に、レール(740)の分離された横方向に対向するセグメントによって、補助材(730)が、ステープルカートリッジデッキ(704)から解放され得ることが理解されよう。切断状態(図示せず)では、下側戻り止め(746a、746b)の当接面(750a、750b)は、カートリッジ本体(702)のそれぞれのアンダーカット面(720)を係合解除し、それによって、補助材(730)をステープルカートリッジデッキ(704)から解放し得る。本変形例のレール(740)は、ステープル留めされた組織からのエンドエフェクタ(50)の分離に応答して、ステープルカートリッジ(700)の発射及び結果として生じる下側ブリッジ(756)の切断の後に、ステープルカートリッジデッキ(704)から補助材(730)を受動的に解放するように構成されている。より具体的には、ステープルカートリッジデッキ(704)は、ステープル留めされた組織からのエンドエフェクタ(50)のこのような分離中に、補助材(730)に対して下向きに下げられ得、当接面(750a、750b)を、それぞれのアンダーカット面(720)から係合解除するために、それぞれの下側戻り止め(746a、746b)を横方向内側に付勢し得る。いくつかの変形例では、レール(740)が、ステープルカートリッジ(700)の発射に応答して、ステープルカートリッジデッキ(704)から補助材(730)を能動的に解放するように構成され得るように、下側戻り止め(746a、746b)は、下側ブリッジ(756)が切断された場合に、横方向内側に弾性的に付勢され得る。
【0067】
レール(740)は、圧縮可能な一体型補助材(730)に組み込まれるものとして説明されているが、レール(740)は、図7図9に関連して上述したバットレス組立体(110、112)と同様の多層補助材に、容易に組み込まれ得ることが理解されよう。
【0068】
F.カートリッジスロットのアンダーカット特徴部に係合するための短いT字形取り付け特徴部を有する例示的な補助材
図19は、ステープルカートリッジ(800)への解放可能な取り付けのために構成された、別の例示的な圧縮性一体型補助材(830)を示す。ステープルカートリッジ(800)及び補助材(830)は、エンドエフェクタ(50)と共に使用するように構成されており、以下に別途記載する場合を除いて、上述のステープルカートリッジ(200)及び補助材(230)と同様である。これに関して、ステープルカートリッジ(800)は、上向きのデッキ(804)を有するカートリッジ本体(802)と、カートリッジ本体(802)の中心軸に沿って延在し、デッキ(804)を通って上向きに開口する細長いスロット(806)と、細長いスロット(806)の各側でデッキ(804)を通って延在する複数のステープル開口部(図示せず)と、を含む。各ステープル開口部は、ステープル(80)と同様の未形成ステープル(図示せず)と、形成されるアンビル(56)に向かって外向きにステープルを駆動するように構成されたそれぞれのステープルドライバ(図示せず)とを摺動可能に収容する。ステープルカートリッジ(800)の下側トレイ(図示せず)は、ステープル及びステープルドライバを、カートリッジ本体(802)内に保持する。本実施例のカートリッジ本体(802)は、以下でより詳細に説明するように、横方向に対向する一対のアンダーカット部であって、細長いスロット(806)のそれぞれの側にそれぞれ位置付けられ、ステープルカートリッジデッキ(804)への補助材(830)などの補助材の解放可能な取り付けを容易にするように構成された、横方向に対向する一対のアンダーカット面(820)を更に含む。
【0069】
補助材(830)は、図10図12に関連して上述したものと同様の方法で、細長い矩形形状を有する格子構造を画定する、複数の線形配列で互いに一体的に接続された、複数の三次元の弾力的に圧縮可能な小塊部(832)を有する。本実施例の各小塊部(832)は、4つの側面(834)と、下面(836)と、小塊部(832)の垂直中心軸線に沿って延在し、小塊部(832)の開いた中空内部を画定する下面(836)内の開口部(838)と、を画定する、一般に立方形の形状を有する。
【0070】
図示の例では、補助材(830)は、横方向内側小塊部(832)に連結され、細長いスロット(806)内に少なくとも部分的に受容されるように構成された、少なくとも1つの横方向中心T形状レール(840)の形態の少なくとも1つの取り付け特徴部を更に含む。レール(840)は、それぞれの小塊部(832)の内側側壁から一般に下向きにそれぞれ延在する一対のビーム(842a、842b)と、カートリッジ本体(802)のそれぞれのアンダーカット面(820)に選択的に係合するために、それぞれのビーム(842a、842b)の下側部分から一般に横方向外側に延在する下側戻り止め(846a、846b)と、を含む。図示の例では、各下側戻り止め(846a、846b)は、一般に、水平に延在する当接面(850a、850b)を含み、その目的が以下で説明される。いずれにしても、レール(840)はまた、下側戻り止め(846a、846b)を互いから一定の距離に維持するために、ビーム(842a、842b)の下側の間に横方向に延在する、下側ブリッジ(856)を含む。下側ブリッジ(856)は、ステープルカートリッジ(800)の発射中に、発射部材(60)の切断縁部(62)などによって切断されて、下側戻り止め(846a、846b)間の横方向の相対移動を可能にするように構成されている。この点に関して、下側ブリッジ(856)、ビーム(842a、842b)、及び横方向内側小塊部(832)は、切断刃(62)によるブリッジ(856)の切断を促進するための中空内部(858)を、集合的に画定する。いくつかの変形例では、レール(840)は、小塊部(832)によって画定されている格子構造の実質的に、全長に沿って延在し得る。その他の変形例では、複数のレール(840)が、小塊部(832)によって画定されている格子構造の長さのそれぞれの部分に沿って、延在し得る。
【0071】
本変形例のレール(840)のビーム(842a、842b)は、レール(840)の分離された横方向に対向するセグメントが、横方向に互いに対して偏向可能であるように、下側ブリッジ(856)が切断された場合に、それぞれの小塊部(832)から、可動的に片持ち梁式に支持される。いくつかの変形例では、小塊部(832)及び/又はレール(840)のうちのいずれか1つ以上は、一体部品として、一緒に一体的に形成され得る。例えば、小塊部(832)及び/又はレール(840)のうちのいずれか1つ以上は、一緒に3D印刷され得る。いくつかの変形例では、レール(840)は、小塊部(832)の材料とは異なる材料から構成され得る。
【0072】
図19に示されるように、補助材(830)は、レール(840)が切断されていない状態にある場合に、レール(840)を介して、ステープルカートリッジデッキ(804)に選択的に取り付けられ得る。図示される切断されていない状態では、下側戻り止め(846a、846b)の当接面(850a、850b)は、カートリッジ本体(802)のそれぞれのアンダーカット面(820)に係合し、それによって、補助材(830)を、ステープルカートリッジデッキ(804)に取り付ける。いくつかの変形例では、補助材(830)は、ステープルカートリッジ(800)の長さに沿って、例えば、その近位端部から長手方向に並進され得、当接面(850a、850b)が、それぞれのアンダーカット面(820)に沿って摺動して、細長いスロット(806)内へのレール(840)の挿入を容易にする。その目的のために、ステープル(80)は、補助材(830)のこのような長手方向並進中に、ステープルカートリッジデッキ(804)と同一平面であるか、あるいはステープルカートリッジデッキ(804)の下に陥凹して、小塊部(832)によるステープル(80)の引っ掛かりを阻止し得る。
【0073】
レール(840)が切断状態にある場合に、レール(840)の分離された横方向に対向するセグメントによって、補助材(830)が、ステープルカートリッジデッキ(804)から解放され得ることが理解されよう。切断状態(図示せず)では、下側戻り止め(846a、846b)の当接面(850a、850b)は、カートリッジ本体(802)のそれぞれのアンダーカット面(820)を係合解除し、それによって、補助材(830)を、ステープルカートリッジデッキ(804)から解放し得る。本変形例のレール(840)は、ステープル留めされた組織からのエンドエフェクタ(50)の分離に応答して、ステープルカートリッジ(800)の発射及び結果として生じる下側ブリッジ(856)の切断の後に、ステープルカートリッジデッキ(804)から補助材(830)を受動的に解放するように、構成されている。より具体的には、ステープルカートリッジデッキ(804)は、ステープル留めされた組織からのエンドエフェクタ(50)のこのような分離中に、補助材(830)に対して下向きに下げられ得、当接面(850a、850b)を、それぞれのアンダーカット面(820)から係合解除するために、それぞれの下側戻り止め(846a、846b)を、横方向内側に付勢し得る。いくつかの変形例では、レール(840)が、ステープルカートリッジ(800)の発射に応答して、ステープルカートリッジデッキ(804)から補助材(830)を能動的に解放するように構成され得るように、下側戻り止め(846a、846b)は、下側ブリッジ(856)が切断された場合に、横方向内側に弾性的に付勢され得る。
【0074】
レール(840)は、圧縮可能な一体型補助材(830)に組み込まれるものとして説明されているが、レール(840)は、図7図9に関連して上述したバットレス組立体(110、112)と同様の多層補助材に容易に組み込まれ得ることが理解されよう。
【0075】
G.カートリッジの底面に係合するための丈の高いT字形取り付け特徴部を有する、例示的な補助材
図20図21Bは、ステープルカートリッジ(900)への解放可能な取り付けのために構成された、別の例示的な圧縮性一体型補助材(930)を示す。ステープルカートリッジ(900)及び補助材(930)は、エンドエフェクタ(50)と共に使用するように構成されており、以下に別途記載する場合を除いて、上述のステープルカートリッジ(200)及び補助材(230)と同様である。これに関して、ステープルカートリッジ(900)は、上向きのデッキ(904)を有するカートリッジ本体(902)と、カートリッジ本体(902)の中心軸に沿って延在し、デッキ(904)を通って上向きに開口する細長いスロット(906)と、細長いスロット(906)の各側でデッキ(904)を通って延在する複数のステープル開口部(908)(図21A)と、を含む。各ステープル開口部(908)は、ステープル(80)と同様の未形成ステープル(図示せず)と、形成されるアンビル(56)に向かって外向きにステープルを駆動するように構成されたそれぞれのステープルドライバ(図示せず)とを、摺動可能に収容する。ステープルカートリッジ(900)の下側トレイ(図示せず)は、ステープル及びステープルドライバを、カートリッジ本体(902)内に保持する。本実施例のカートリッジ本体(902)は、以下でより詳細に説明するように、横方向に対向する一対のアンダーカット部であって、細長いスロット(906)のそれぞれの側にそれぞれ位置付けられ、ステープルカートリッジデッキ(904)への補助材(930)などの補助材の解放可能な取り付けを容易にするように構成された、横方向に対向する一対の底面(920)を更に含む。
【0076】
補助材(930)は、図10図12に関連して上述したものと同様の方法で、細長い矩形形状を有する格子構造を画定する、複数の線形配列で互いに一体的に接続された、複数の三次元の弾力的に圧縮可能な小塊部(932)を有する。本実施例の各小塊部(932)は、4つの側面(934)と、下面(936)と、小塊部(932)の垂直中心軸線に沿って延在し、小塊部(932)の開いた中空内部を画定する下面(936)内の開口部(938)と、を画定する、一般に立方形の形状を有する。
【0077】
図示の例では、補助材(930)は、横方向内側小塊部(932)に連結され、細長いスロット(906)内に少なくとも部分的に受容されるように構成された、少なくとも1つの横方向中心T形状レール(940)の形態の少なくとも1つの取り付け特徴部を更に含む。レール(940)は、それぞれの小塊部(932)の内側側壁から一般に下向きにそれぞれ延在する一対のビーム(942a、942b)と、カートリッジ本体(902)のそれぞれの底面(920)に選択的に係合するために、それぞれのビーム(942a、942b)の下側部分から一般に横方向外側に延在する下側戻り止め(946a、946b)と、を含む。この点に関して、本変形例のレール(940)のビーム(942a、942b)はそれぞれ、細長いスロット(906)の高さと実質的に等しいか、あるいはそれよりもわずかに高い高さを有する。図示の例では、各下側戻り止め(946a、946b)は、一般に、水平に延在する当接面(950a、950b)を含み、その目的が以下で説明される。いずれにしても、レール(940)はまた、下側戻り止め(946a、946b)を互いから一定の距離に維持するためにビーム(942a、942b)の下側の間に横方向に延在する下側ブリッジ(956)を含む。下側ブリッジ(956)は、ステープルカートリッジ(900)の発射中に、発射部材(60)の切断縁部(62)などによって切断されて、下側戻り止め(946a、946b)間の横方向の相対移動を可能にするように構成されている。この点に関して、下側ブリッジ(956)、ビーム(942a、942b)、及び横方向内側小塊部(932)は、切断刃(62)によるブリッジ(956)の切断を促進するための中空内部(958)を集合的に画定する。いくつかの変形例では、レール(940)は、小塊部(932)によって画定されている格子構造の実質的に全長に沿って延在し得る。その他の変形例では、複数のレール(940)が、小塊部(932)によって画定されている格子構造の長さのそれぞれの部分に沿って延在し得る。
【0078】
本変形例のレール(940)のビーム(942a、942b)は、レール(940)の分離された横方向に対向するセグメントが、横方向に互いに対して偏向可能であるように、下側ブリッジ(956)が切断された場合に、それぞれの小塊部(932)から可動的に片持ち梁式に支持される。いくつかの変形例では、小塊部(932)及び/又はレール(940)のうちのいずれか1つ以上は、一体部品として、一緒に一体的に形成され得る。例えば、小塊部(932)及び/又はレール(940)のうちのいずれか1つ以上は一緒に3D印刷され得る。いくつかの変形例では、レール(940)は、小塊部(932)の材料とは異なる材料から構成され得る。
【0079】
図20に示されるように、補助材(930)は、レール(940)が切断されていない状態にある場合に、レール(940)を介して、ステープルカートリッジデッキ(904)に選択的に取り付けられ得る。図示される切断されていない状態では、下側戻り止め(946a、946b)の当接面(950a、950b)は、カートリッジ本体(902)のそれぞれの底面(920)に係合し、それによって、補助材(930)をステープルカートリッジデッキ(904)に取り付ける。いくつかの変形例では、補助材(930)は、ステープルカートリッジ(900)の長さに沿って、例えば、その近位端部から長手方向に並進され得、当接面(950a、950b)が、それぞれの底面(920)に沿って摺動して、図21A図21Bに示すように、細長いスロット(906)内へのレール(940)の挿入を容易にする。その目的のために、ステープル(80)は、補助材(930)のこのような長手方向並進中に、ステープルカートリッジデッキ(904)と同一平面であるか、あるいはステープルカートリッジデッキ(904)の下に陥凹して、小塊部(932)によるステープル(80)の引っ掛かりを阻止し得る。
【0080】
レール(940)が切断状態にある場合に、レール(940)の分離された横方向に対向するセグメントによって、補助材(930)が、ステープルカートリッジデッキ(904)から解放され得ることが理解されよう。切断状態(図示せず)では、下側戻り止め(946a、946b)の当接面(950a、950b)は、カートリッジ本体(902)のそれぞれの底面(920)を係合解除し、それによって、補助材(930)を、ステープルカートリッジデッキ(904)から解放し得る。本変形例のレール(940)は、ステープル留めされた組織からのエンドエフェクタ(50)の分離に応答して、ステープルカートリッジ(900)の発射及び結果として生じる下側ブリッジ(956)の切断の後に、ステープルカートリッジデッキ(904)から補助材(930)を受動的に解放するように構成されている。より具体的には、ステープルカートリッジデッキ(904)は、ステープル留めされた組織からのエンドエフェクタ(50)のこのような分離中に、補助材(930)に対して下向きに下げられ得、当接面(950a、950b)を、それぞれの底面(920)から係合解除するために、それぞれの下側戻り止め(946a、946b)を横方向内側に付勢し得る。いくつかの変形例では、レール(940)が、ステープルカートリッジ(900)の発射に応答して、ステープルカートリッジデッキ(904)から補助材(930)を能動的に解放するように構成され得るように、下側戻り止め(946a、946b)は、下側ブリッジ(956)が切断された場合に、横方向内側に弾性的に付勢され得る。
【0081】
レール(940)は、圧縮可能な一体型補助材(930)に組み込まれるものとして説明されているが、レール(940)は、図7図9に関連して上述したバットレス組立体(110、112)と同様の多層補助材に容易に組み込まれ得ることが理解されよう。
【0082】
H.補助材小塊部の下のカートリッジの側壁に係合するための一体型取り付け特徴部を有する例示的な補助材
図22図23は、ステープルカートリッジ(1000)への解放可能な取り付けのために構成された別の例示的な圧縮性一体型補助材(1030)を示す。ステープルカートリッジ(1000)及び補助材(1030)は、エンドエフェクタ(50)と共に使用するように構成されており、以下に別途記載する場合を除いて、上述のステープルカートリッジ(200)及び補助材(230)と同様である。これに関して、ステープルカートリッジ(1000)は、上向きのデッキ(1004)を有するカートリッジ本体(1002)と、カートリッジ本体(1002)の中心軸に沿って延在し、デッキ(1004)を通って上向きに開口する細長いスロット(1006)と、細長いスロット(1006)の各側でデッキ(1004)を通って延在する複数のステープル開口部(1008)と、を含む。各ステープル開口部(1008)は、ステープル(80)と同様の未形成ステープル(図示せず)と、形成されるアンビル(56)に向かって外向きにステープルを駆動するように構成されたそれぞれのステープルドライバ(図示せず)とを摺動可能に収容する。ステープルカートリッジ(1000)の下側トレイ(図示せず)は、ステープル及びステープルドライバを、カートリッジ本体(1002)内に保持する。本実施例のカートリッジ本体(1002)は、デッキ(1004)内に形成され、ステープル開口部(1008)が延在する基部面を有する、複数の上向きに開口する凹部(1012、1014、1016)を更に含む。より具体的には、細長いスロット(1006)の各側において、デッキ(1004)は、細長いスロット(1006)から離れて横方向に向く中間頂点をそれぞれが有する三角形凹部(1012)の内側列と、細長いスロット(1006)に向かって横方向に向く中間頂点をそれぞれ有する外側列の三角形凹部(1014)と、細長いスロット(1006)に向かって横断方向に向く内側中間頂点と、細長いスロット(1006)から離れて横断方向に向く反対側の外側中間頂点とをそれぞれ有する菱形凹部(1016)の中間列と、を含む。図示の例では、側壁(1020)は、内側列の三角形凹部(1012)の各中間頂点と、外側列の三角形凹部(1014)の隣接する中間頂点との間に画定され、以下でより詳細に説明するように、ステープルカートリッジデッキ(1004)への補助材(1030)などの補助材の解放可能な取り付けを容易にするように構成されている。
【0083】
補助材(1030)は、図10図12に関連して上述したものと同様の方法で、細長い矩形形状を有する格子構造を画定する、複数の線形配列で互いに一体的に接続された、複数の三次元の弾力的に圧縮可能な小塊部(1032)を有する。本実施例の各小塊部(1032)は、4つの側面(1034)と、下面(1036)と、小塊部(1032)の垂直中心軸線に沿って延在し、小塊部(1032)の開いた中空内部を画定する下面(336)内の開口部(1038)と、を画定する、一般に立方形の形状を有する。
【0084】
図示の例では、補助材(1030)は、横方向外側小塊部(1032)に連結され、側壁(1020)を集合的に少なくとも部分的に受容するように構成された、偏向可能なタブ(1040a、1040b)の対の形態の複数の取り付け特徴部を更に含む。各対のタブ(1040a、1040b)は、それぞれの小塊部(1032)の下面(1036)から一般に下向きに延在し、カートリッジ本体(1002)の対応する側壁(1020)のそれぞれの側面に選択的に係合するための、一般に垂直に延在する把持面(1050a、1050b)を含む。
【0085】
本変形例のタブ(1040a、1040b)は、タブ(1040a、1040b)が、係合解除状態(図22)と係合状態(図23)との間で横方向に互いに対して偏向可能であるように、それぞれの小塊部(1032)から、可動的に片持ち梁式に支持される。いくつかの変形例では、タブ(1040a、1040b)は、係合解除状態に向かって、弾性的に付勢され得る。加えて、又は代替的に、小塊部(1032)及び/又はタブ(1040a、1040b)のうちのいずれか1つ以上は、単一部品として共に一体的に形成され得る。例えば、小塊部(1032)及び/又はタブ(1040a、1040b)のうちのいずれか1つ以上は一緒に3D印刷され得る。いくつかの変形例では、タブ(1040a、1040b)は、小塊部(1032)の材料とは異なる材料から構成され得る。
【0086】
図22に示すように、補助材(1030)は、ステープルカートリッジデッキ(1004)上に最初に位置付けられ得、側壁(1020)は、対応するタブ(1040a、1040b)間の空間と垂直方向に位置合わせされ、側壁(1020)の側面がそれぞれの把持面(1050a、1050b)に係合して、補助材(1030)をステープルカートリッジデッキ(1004)に取り付ける間に、タブ(1040a、1040b)をそれぞれの側壁(1020)からわずかに横方向に離して偏向させ、タブ(1040a、1040b)がそれぞれの側壁(1020)に対して弾性的に付勢されて、タブ(1040a、1040b)と側壁(1020)との間に摩擦嵌めを提供するように、タブ(1040a、1040b)のそれぞれの対の間への側壁(1020)の挿入を容易にする。
【0087】
図23に示されるように、補助材(1030)は、タブ(1040a、1040b)が係合状態にある場合に、タブ(1040a、1040b)を介して、ステープルカートリッジデッキ(1004)に選択的に取り付けられ得る。図示された係合状態では、タブ(1040a、1040b)の把持面(1050a、1050b)は、側壁(1020)のそれぞれの側面に係合し、それによって、補助材(1030)をステープルカートリッジデッキ(1004)に取り付ける。本変形例のタブ(1040a、1040b)は、ステープル留めされた組織からのエンドエフェクタ(50)の分離に応答して、ステープルカートリッジデッキ(1004)から補助材(1030)を受動的に解放するように構成されている。より具体的には、ステープルカートリッジデッキ(1004)は、ステープル留めされた組織からのエンドエフェクタ(50)のこのような分離中に、補助材(1030)に対して下向きに下げられ得、把持面(1050a、1050b)を、それぞれの側壁(1020)の側面から係合解除するために、それぞれのタブ(1040a、1040b)間の空間から、側壁(1020)を下向きに付勢し得る。
【0088】
I.補助材小塊部間のカートリッジの側壁を係合するための一体型取り付け特徴部を有する例示的な補助材
図24A図24Bは、ステープルカートリッジ(1100)への解放可能な取り付けのために構成された、別の例示的な圧縮性一体型補助材(1130)を示す。ステープルカートリッジ(1100)及び補助材(1130)は、エンドエフェクタ(50)と共に使用するように構成されており、以下に別途記載する場合を除いて、上述のステープルカートリッジ(200)及び補助材(230)と同様である。これに関して、ステープルカートリッジ(1100)は、上向きのデッキ(1104)を有するカートリッジ本体(1102)と、カートリッジ本体(1102)の中心軸に沿って延在し、デッキ(1104)を通って上向きに開口する細長いスロット(図示せず)と、細長いスロットの各側でデッキ(1104)を通って延在する複数のステープル開口部(図示せず)と、を含む。各ステープル開口部は、ステープル(80)と同様の未形成ステープル(図示せず)と、形成されるアンビル(56)に向かって外向きにステープルを駆動するように構成されたそれぞれのステープルドライバ(図示せず)とを摺動可能に収容する。ステープルカートリッジ(1100)の下側トレイ(図示せず)は、ステープル及びステープルドライバを、カートリッジ本体(1102)内に保持する。本実施例のカートリッジ本体(1102)は、デッキ(1104)内に形成され、ステープル開口部が延在する基部面を有する、複数の上向きに開口する凹部(1112、1114)を更に含む。より具体的には、細長いスロットの各側において、デッキ(1104)は、細長いスロットから離れるように横方向に向く中間頂点をそれぞれ有する内側列の三角形凹部(1112)と、細長いスロットに向かって横方向に向く中間頂点をそれぞれ有する外側列の三角形凹部(1114)と、を含む。図示の例では、側壁(1120)は、内側列の三角形凹部(1112)の各中間頂点と、外側列の三角形凹部(1114)の隣接する中間頂点との間に画定され、以下でより詳細に説明するように、ステープルカートリッジデッキ(1104)への補助材(1130)などの補助材の解放可能な取り付けを容易にするように構成されている。
【0089】
補助材(1130)は、図10図12に関連して上述したものと同様の方法で、細長い矩形形状を有する格子構造を画定する、複数の線形配列で互いに一体的に接続された、複数の三次元の弾力的に圧縮可能な小塊部(1132)を有する。本実施例の各小塊部(1132)は、4つの側面(1134)と、下面(1136)と、小塊部(1132)の垂直中心軸線に沿って延在し、小塊部(1132)の開いた中空内部を画定する下面(1136)内の開口部(1138)と、を画定する、一般に立方形の形状を有する。
【0090】
図示の例では、補助材(1130)は、横方向に隣接する一対の小塊部(1132)に連結され、側壁(1120)を集合的に少なくとも部分的に受容するように構成された、偏向可能なタブ(1140a、1140b)の対の形態の複数の取り付け特徴部を更に含む。各対のタブ(1140a、1140b)は、横方向に隣接する小塊部(1132)の対向する内側側壁から、一般に下向きに延在し、カートリッジ本体(1102)の対応する側壁(1120)のそれぞれの側面に選択的に係合するための、一般に垂直に延在する把持面(1150a、1150b)を、含む。
【0091】
本変形例のタブ(1140a、1140b)は、タブ(1140a、1140b)が、係合解除状態(図24A)と係合状態(図24B)との間で横方向に互いに対して偏向可能であるように、それぞれの小塊部(1132)から可動的に片持ち梁式に支持される。いくつかの変形例では、タブ(1140a、1140b)は、係合解除状態に向かって弾性的に付勢され得る。加えて、又は代替的に、小塊部(1132)及び/又はタブ(1140a、1140b)のうちのいずれか1つ以上は、単一部品として共に一体的に形成され得る。例えば、小塊部(1132)及び/又はタブ(1140a、1140b)のうちのいずれか1つ以上は、一緒に3D印刷され得る。いくつかの変形例では、タブ(1140a、1140b)は、小塊部(1132)の材料とは異なる材料から構成され得る。
【0092】
図24Aに示すように、補助材(1130)は、ステープルカートリッジデッキ(1104)上に最初に位置付けられ得、側壁(1120)は、対応するタブ(1140a、1140b)間の空間と垂直方向に位置合わせされ、側壁(1120)の側面がそれぞれの把持面(1150a、1150b)に係合して、補助材(1130)をステープルカートリッジデッキ(1104)に取り付ける間に、タブ(1140a、1140b)をそれぞれの側壁(1120)からわずかに横方向に離して偏向させ、タブ(1140a、1140b)がそれぞれの側壁(1120)に対して弾性的に付勢されて、タブ(1140a、1140b)と側壁(1120)との間に摩擦嵌めを提供するように、タブ(1140a、1140b)のそれぞれの対の間への側壁(1120)の挿入を容易にする。
【0093】
図24Bに示されるように、補助材(1130)は、タブ(1140a、1140b)が係合状態にある場合に、タブ(1140a、1140b)を介して、ステープルカートリッジデッキ(1104)に選択的に取り付けられ得る。図示された係合状態では、タブ(1140a、1140b)の把持面(1150a、1150b)は、側壁(1120)のそれぞれの側面に係合し、それによって、補助材(1130)をステープルカートリッジデッキ(1104)に取り付ける。本変形例のタブ(1140a、1140b)は、ステープル留めされた組織からのエンドエフェクタ(50)の分離に応答して、ステープルカートリッジデッキ(1104)から補助材(1130)を受動的に解放するように構成されている。より具体的には、ステープルカートリッジデッキ(1104)は、ステープル留めされた組織からのエンドエフェクタ(50)のこのような分離中に、補助材(1130)に対して下向きに下げられ得、把持面(1150a、1150b)を、それぞれの側壁(1120)の側面から係合解除するために、それぞれのタブ(1140a、1040b)間の空間から側壁(1120)を下向きに付勢し得る。
【0094】
J.補助材小塊部の下のカートリッジの側壁に係合するための別個に形成された取り付け特徴部を有する、例示的な補助材
図25A図25Bは、ステープルカートリッジ(200)と同様のステープルカートリッジ(図示せず)への解放可能な取り付けのために構成された、別の例示的な圧縮性一体型補助材(1230)の一部分を示す。補助材(1230)は、エンドエフェクタ(50)と共に使用するように構成されており、以下に別途記載する場合を除いて上述した補助材(230)と同様である。この点に関して、補助材は、図10図12に関連して上述したものと同様の方法で、細長い矩形形状を有する格子構造を画定する、複数の線形配列で互いに一体的に接続された、複数の三次元の弾力的に圧縮可能な小塊部(1232)(1つを示す)を有する。本実施例の各小塊部(1232)は、4つの側面(1234)と、下面(1236)と、小塊部(1232)の垂直中心軸線に沿って延在し、小塊部(1232)の開いた中空内部を画定する下面(1236)内の開口部(1238)と、を画定する、一般に立方形の形状を有する。
【0095】
図示の例では、補助材(1230)は、小塊部(1232)に連結され、ステープルカートリッジ(200)のカートリッジ本体(202)の側壁、例えば、三角形凹部(214)の内側列の各中間頂点と、三角形凹部(212)の外側列の隣接する中間頂点と、の間に画定される側壁を、集合的に少なくとも部分的に受容するように構成された、一対の偏向可能タブ(1240a、1240b)の形態の複数の取り付け特徴部を有するカプラ(1239)を更に含む。各対のタブ(1240a、1240b)は、それぞれの小塊部(1232)の下側開口部(1238)内で小塊部(1232)にしっかりと固定されたカプラ(1239)の上側フレーム(1241)から、一般に下向きに延在し、カートリッジ本体(202)の対応する側壁のそれぞれの側面に選択的に係合するための、一般に垂直に延在する把持面(1250a、1250b)を含む。
【0096】
本変形例のタブ(1240a、1240b)は、タブ(1240a、1240b)が、図示された係合解除状態と係合状態(図示せず)との間で、横方向に互いに対して偏向可能であるように、上側フレーム(1241)から可動的に片持ち梁式に支持される。いくつかの変形例では、タブ(1240a、1240b)は、係合解除状態に向かって弾性的に付勢され得る。いずれにしても、小塊部(1232)及びカプラ(1239)は、別個の部品として互いに別個に形成され、任意の好適な方法で互いに固定され得る。例えば、上側フレーム(1241)は、下側開口部(1238)内の小塊部(1232)の内面に接着され得る。いくつかの変形例では、カプラ(1239)は、小塊部(1232)の材料とは異なる材料から構成され得る。
【0097】
補助材(1230)は、例えば、図22図23に関連して上述したものと同様の方法で、タブ(1240a、1240b)を介して、ステープルカートリッジデッキ(204)に選択的に取り付けられ得ることが理解されよう。
【0098】
K.カートリッジの側壁孔に係合するための偏向可能な取り付け特徴部を有する例示的な補助材
図26図27Bは、ステープルカートリッジ(1300)への解放可能な取り付けのために構成された、別の例示的な圧縮性一体型補助材(1330)の一部分を示す。ステープルカートリッジ(1300)及び補助材(1330)は、エンドエフェクタ(50)と共に使用するように構成されており、以下に別途記載する場合を除いて上述のステープルカートリッジ(200)及び補助材(230)と同様である。これに関して、ステープルカートリッジ(1300)は、上向きのデッキ(1304)を有するカートリッジ本体(1302)と、カートリッジ本体(1302)の中心軸に沿って延在し、デッキ(1304)を通って上向きに開口する細長いスロット(図示せず)と、細長いスロット(1306)の各側でデッキ(1304)を通って延在する複数のステープル開口部(1308)と、を含む。各ステープル開口部(1308)は、ステープル(80)と同様の未形成ステープル(図示せず)と、形成されるアンビル(56)に向かって外向きにステープルを駆動するように構成されたそれぞれのステープルドライバ(図示せず)とを摺動可能に収容する。ステープルカートリッジ(1300)の下側トレイ(図示せず)は、ステープル及びステープルドライバを、カートリッジ本体(1302)内に保持する。本実施例のカートリッジ本体(1302)は、デッキ(1304)内に形成され、ステープル開口部(1308)が延在する基部面を有する、複数の上向きに開口する凹部(1312、1314、1316)を更に含む。より具体的には、細長いスロットの各側において、デッキ(1304)は、それぞれが、細長いスロットから横方向に離れる方向を向く中間頂点を有する、内側列の三角形凹部(1312)と、それぞれが、細長いスロットに向かって横方向に向く中間頂点を有する、外側列の三角形凹部(1314)と、それぞれ、細長いスロットに向かって横方向に向く内側中間頂点、及び細長いスロットから横方向に離れる方向に向く対向する外側中間頂点を有する、中央列の菱形凹部(1316)と、を含む。図示の例では、少なくとも1つの側壁(1320)が、各菱形凹部(1316)と隣接する三角形凹部(1312、1314)のそれぞれとの間に画定される。孔(1321)は、各側壁(1320)を通って延在し、以下でより詳細に説明するように、ステープルカートリッジデッキ(1304)への補助材(1330)などの補助材の解放可能な取り付けを容易にするように構成されている。
【0099】
補助材(1330)は、図10図12に関連して上述したものと同様の方法で、細長い矩形形状を有する格子構造を画定する、複数の線形配列で互いに一体的に接続された、複数の三次元の弾力的に圧縮可能な小塊部(1332)(1つを示す)を有する。本実施例の各小塊部(1332)は、4つの側面(1334)と、下面(1336)と、小塊部(1332)の垂直中心軸線に沿って延在し、小塊部(1332)の開いた中空内部を画定する下面(1336)内の開口部(図示せず)と、を画定する、一般に立方形の形状を有する。
【0100】
図示の例では、補助材(1330)は、小塊部(1332)に連結され、それぞれの菱形凹部(1316)内に少なくとも部分的に受容されるように構成された、少なくとも1つの偏向可能ラッチ(1340)の形態の少なくとも1つの取り付け特徴部を更に含む。各ラッチ(1340)は、小塊部(1332)の下側部分から一般に下向きに延在するビーム(1342)と、カートリッジ本体(1302)のそれぞれの孔(1321)に選択的に係合するために、ビーム(1342)の下側部分から一般に横方向に延在する下側戻り止め(1346)と、を含む。図示の例では、各下側戻り止め(1346)は、球根状ヘッド部(1350)で終端しており、その目的が以下で説明される。
【0101】
本変形例のラッチ(1340)のビーム(1342)は、ラッチ(1340a、1340b)が、ラッチ状態(図27A)とラッチ解除状態(図27B)との間で横方向に偏向可能であるように、小塊部(1332)から、可動的に片持ち梁式に支持される。いくつかの変形例では、ラッチ(1340)は、ラッチ解除状態に向かって、弾性的に付勢され得る。加えて、又は代替的に、小塊部(1332)及びラッチ(1340)は、単一部品として、一緒に一体的に形成され得る。例えば、小塊部(1332)及びラッチ(1340)は、一緒に3D印刷され得る。いくつかの変形例では、ラッチ(1340)は、小塊部(1332)の材料とは異なる材料から構成され得る。
【0102】
図27Aに示されるように、補助材(1330)は、ラッチ(1340)がラッチ状態にある場合に、ラッチ(1340)を介してステープルカートリッジデッキ(1304)に選択的に取り付けられ得る。図示されたラッチ状態では、下側戻り止め(1346)のヘッド部(1350)は、カートリッジ本体(1302)のそれぞれの孔(1321)に係合し、それによって、補助材(1330)をステープルカートリッジデッキ(1304)に取り付ける。いくつかの変形例では、ヘッド部(1350)は、ステープルカートリッジデッキ(1304)への補助材(1330)の取り付け中に、孔(1321)によってわずかに圧縮されて、孔(1321)内へのヘッド部(1350)の挿入を容易にし得るが、その後、ヘッド部(1350)は、弾性的に拡張して、孔(1321)を把持する、及び/又はビーム(1342)の反対側の側壁(1320)の表面を把持する。
【0103】
図27Bに示されるように、補助材(1330)は、ラッチ(1340)が、ラッチ解除状態にある場合に、ラッチ(1340)によって、ステープルカートリッジデッキ(1304)から解放され得る。図示されたラッチ解除状態では、下側戻り止め(1346)のヘッド部(1350)は、カートリッジ本体(1302)のそれぞれの孔(1321)から係合解除し、それによって、補助材(1330)を、ステープルカートリッジデッキ(1304)から解放する。本変形例のラッチ(1340)は、ステープル留めされた組織からのエンドエフェクタ(50)の分離に応答して、ステープルカートリッジデッキ(1304)から補助材(1330)を受動的に解放するように構成されている。より具体的には、ステープルカートリッジデッキ(1304)は、ステープル留めされた組織からのエンドエフェクタ(50)のこのような分離中に、補助材(1330)に対して下向きに下げられ得、孔(1321)を、ラッチ(1340)から離れるように下向きに付勢して、ヘッド部(1350)を、孔(1321)及び/又はビーム(1342)の反対側の側壁(1320)の表面から係合解除し得る。
【0104】
L.カートリッジの側壁鍵穴スロットに係合するための取り付け特徴部を有する例示的な補助材
図28A図28Bは、ステープルカートリッジ(1400)への解放可能な取り付けのために構成された、別の例示的な圧縮性一体型補助材(1430)の一部分を示す。ステープルカートリッジ(1400)及び補助材(1430)は、エンドエフェクタ(50)と共に使用するように構成されており、以下に別途記載する場合を除いて上述のステープルカートリッジ(200)及び補助材(230)と同様である。これに関して、ステープルカートリッジ(1400)は、上向きのデッキ(1404)を有するカートリッジ本体(1402)と、カートリッジ本体(1402)の中心軸に沿って延在し、デッキ(1404)を通って上向きに開口する細長いスロット(図示せず)と、細長いスロット(1406)の各側でデッキ(1404)を通って延在する複数のステープル開口部(1408)と、を含む。各ステープル開口部(1408)は、ステープル(80)と同様の未形成ステープル(図示せず)と、形成されるアンビル(56)に向かって外向きにステープルを駆動するように構成されたそれぞれのステープルドライバ(図示せず)とを摺動可能に収容する。ステープルカートリッジ(1400)の下側トレイ(図示せず)は、ステープル及びステープルドライバを、カートリッジ本体(1402)内に保持する。本実施例のカートリッジ本体(1402)は、デッキ(1404)内に形成され、ステープル開口部(1408)が延在する基部面を有する、複数の上向きに開口する凹部(1416)を更に含む。より具体的には、細長いスロットの各側において、デッキ(1404)は、それぞれが、細長いスロットから横方向に離れる方向を向く中間頂点を有する、内側列の三角形凹部(図示せず)と、それぞれが、細長いスロットに向かって横方向に向く中間頂点を有する、外側列の三角形凹部(図示せず)と、それぞれ、細長いスロットに向かって横方向に向く内側中間頂点、及び細長いスロットから横方向に離れる方向に向く対向する外側中間頂点を有する、中央列の菱形凹部(1416)と、を含む。図示の例では、少なくとも1つの側壁(1420)が、各菱形凹部(1416)と隣接する三角形凹部のそれぞれとの間に画定される。鍵穴スロット(1421)は、各側壁(1420)を通って延在し、以下でより詳細に説明するように、ステープルカートリッジデッキ(1404)への補助材(1430)などの補助材の解放可能な取り付けを容易にするように構成されている。
【0105】
補助材(1430)は、図10図12に関連して上述したものと同様の方法で、細長い矩形形状を有する格子構造を画定する、複数の線形配列で互いに一体的に接続された、上述した小塊部(332)と同様の複数の三次元の弾力的に圧縮可能な小塊部(図示せず)を有する。図示の例では、補助材(1430)は、それぞれの小塊部に連結され、それぞれの菱形凹部(1416)内に少なくとも部分的に受容されるように構成された、少なくとも1つの偏向不可能なラッチ(1440)の形態の少なくとも1つの取り付け特徴部を更に含む。各ラッチ(1440)は、小塊部の下側部分から一般に下向きに延在するビーム(1442)と、カートリッジ本体(1402)のそれぞれの鍵穴スロット(1421)に選択的に係合するためにビーム(1442)の下側部分から一般に横方向に延在する下側戻り止め(1446)と、を含む。図示の例では、各下側戻り止め(1446)は、球根状ヘッド部(1450)で終端しており、その目的が以下で説明される。
【0106】
本変形例のラッチ(1440)のビーム(1442)は、それぞれの小塊部から堅固に片持ち梁式に支持される。いくつかの変形例では、ラッチ(1440)は、小塊部から可動的に片持ち梁式に支持され得る。加えて、又は代替的に、小塊部及びラッチ(1440)は、単一部品として一体的に形成され得る。例えば、小塊部及びラッチ(1440)は、一緒に3D印刷され得る。いくつかの変形例では、ラッチ(1440)は、小塊部の材料とは異なる材料から構成され得る。
【0107】
図28Aに示されるように、補助材(1430)は、ラッチ(1340)がラッチ位置にある場合に、ラッチ(1440)を介して、ステープルカートリッジデッキ(1404)に選択的に取り付けられ得る。図示されたラッチ位置において、下側戻り止め(1446)のヘッド部(1450)は、カートリッジ本体(1402)の鍵穴スロット(1421)の下側部分の狭い部分に係合し、それによって、補助材(1430)をステープルカートリッジデッキ(1404)に取り付ける。いくつかの変形例では、ヘッド部(1450)は、鍵穴スロット(1421)へのヘッド部(1450)の挿入を容易にするために、ステープルカートリッジデッキ(1404)への補助材(1430)の取り付け中に、鍵穴スロット(1421)の広い上側部分に最初に通され得、ヘッド部(1450)は、その後、鍵穴スロット(1421)の狭い下側部分に向かって下げられて、鍵穴スロット(1421)の狭い下側部分を把持する、及び/又はビーム(1442)の反対側の側壁(1420)の表面を把持する。
【0108】
図27Bに示されるように、補助材(1430)は、ラッチ(1440)が、ラッチ解除位置にある場合に、ラッチ(1440)によってステープルカートリッジデッキ(1404)から解放され得る。図示されたラッチ解除位置では、下側戻り止め(1446)のヘッド部(1450)は、カートリッジ本体(1402)のそれぞれの鍵穴スロット(1421)の狭い下側部分を係合解除し、それによって、補助材(1430)をステープルカートリッジデッキ(1404)から解放する。本変形例のラッチ(1440)は、ステープル留めされた組織からのエンドエフェクタ(50)の分離に応答して、ステープルカートリッジデッキ(1404)から補助材(1430)を受動的に解放するように構成されている。より具体的には、ステープルカートリッジデッキ(1404)は、ステープル留めされた組織からのエンドエフェクタ(50)のこのような分離中に、補助材(1430)に対して下向きに下げられ得、鍵穴スロット(1421)の狭い下側部分及び/又はビーム(1442)の反対側の側壁(1420)の表面から、ヘッド部(1450)を係合解除するために、ラッチ(1440)から離れるように、鍵穴スロット(1421)を下向きに付勢し得る。
【0109】
M.カートリッジの横方向凹部に係合するための発泡体取り付け特徴部を有する例示的な補助材
図29図30Fは、ステープルカートリッジ(1500)への解放可能な取り付けのために構成された、別の例示的な多層補助材(1530)を示す。ステープルカートリッジ(1500)及び補助材(1530)は、エンドエフェクタ(50)と共に使用するように構成されており、以下に別途記載する場合を除いて、上述のステープルカートリッジ(200)及びバットレス組立体(110、112)と同様である。これに関して、ステープルカートリッジ(1500)は、上向きのデッキ(1504)を有するカートリッジ本体(1502)と、カートリッジ本体(1502)の中心軸に沿って延在し、デッキ(1504)を通って上向きに開口する細長いスロット(1506)と、細長いスロット(1506)の各側でデッキ(1504)を通って延在する複数のステープル開口部(1508)と、を含む。各ステープル開口部(1508)は、ステープル(80)と同様の未形成ステープル(図示せず)と、形成されるアンビル(56)に向かって外向きにステープルを駆動するように構成されたそれぞれのステープルドライバ(図示せず)とを摺動可能に収容する。ステープルカートリッジ(1500)の下側トレイ(図示せず)は、ステープル及びステープルドライバをカートリッジ本体(1502)内に保持する。本実施例のカートリッジ本体(1502)は、以下でより詳細に説明するように、それぞれが、カートリッジ本体(1502)のそれぞれの側壁の横方向外側から横方向内側に延在し、ステープルカートリッジデッキ(1504)への補助材(1530)などの補助材の解放可能な取り付けを容易にするように構成された、複数の横方向に対向する対の凹部(1520)を更に含む。
【0110】
補助材(1530)は、ステープル(80)のラインを構造的に支持するように構成された、強力でありながら柔軟な材料を含む、バットレス本体(1532)を含む。あくまで一例として、バットレス本体(1532)は、組織補償効果を提供するように構成された材料特性を有する複合ポリマー発泡体層を含み得る。その他の変形例では、バットレス本体(1532)は、Ethicon,Inc.(Somerville,New Jersey)による、ポリグラクチン910材料のメッシュを含み得る。あるいは、バットレス本体(1532)を形成するために、ポリグラクチン910材料に加えて又はそれに代えて、任意のその他の好適な材料又は材料の組み合わせが使用され得る。
【0111】
図示の例では、補助材(1530)は、バットレス本体(1532)の横方向外側に連結され、それぞれの凹部(1520)内に少なくとも部分的に受容されるように構成された、複数の横方向に対向する対の形状記憶タブ(1540a、1540b)の形態の複数の取り付け特徴部を更に含む。各タブ(1540a、1540b)は、乾燥時に比較的高い剛性を有し、湿潤時に比較的低い剛性を有するように構成された、感湿性複合形状記憶ポリマー発泡体を含む。本変形例のタブ(1540a、1540b)は、タブ(1540a、1540b)が、水分に曝露された場合に横方向に互いに対して変形可能であるように、バットレス本体(1532)のそれぞれの横方向外側から下向きに延在する。
【0112】
図30Aに示すように、タブ(1540a、1540b)は、最初は乾燥状態にあってもよく、この状態では、タブ(1540a、1540b)は、第1の剛性を有し、タブ(1540a、1540b)は、バットレス本体(1532)に対して一般に直交して配向されている。図30Bに示すように、タブ(1540a、1540b)は、その後、例えば、タブ(1540a、1540b)を、恒温槽(B)内の水溶液(S)に浸漬することによって、水分に曝露されてもよく、それによって、乾燥状態から、タブ(1540a、1540b)が、第1の剛性未満の第2の剛性を有する湿潤状態にタブ(1540a、1540b)を移行させる。図30Cに示されるように、補助材(1530)は、次に、タブ(1540a、1540b)が、カートリッジ本体(1502)のそれぞれの側壁によって、一時的にわずかに横方向外側に偏向され得るように、タブ(1540a、1540b)が湿潤状態にあるステープルカートリッジデッキ(1504)の上に位置付けられ得る。図30Dに示すように、各タブ(1540a、1540b)の少なくとも一部分が、カートリッジ本体(1502)のそれぞれの凹部(1520)内に変形されるように、タブ(1540a、1540b)は、その後、湿潤状態にある間に、一対の横方向に対向するプッシャ(P)などによって横方向内側に付勢され得る。
【0113】
図30Eに示すように、補助材(1530)は、各タブ(1540a、1540b)の少なくとも一部分がカートリッジ本体(1502)のそれぞれの凹部(1520)内で変形したままである間に、タブ(1540a、1540b)を湿潤状態から乾燥状態に移行させて、タブ(1540a、1540b)と凹部(1540)との間に締まり嵌めを提供するために、一対の横方向に対向する乾燥機(D)などによって、タブ(1540a、1540b)を乾燥させることによって、タブ(1540a、1520b)を介して、ステープルカートリッジデッキ(1504)に選択的に取り付けられ得る。図30Fに示されるように、補助材(1530)は、患者の体内の組織(T)に隣接して補助材(1530)を位置付けることなどによって、タブ(1540a、1540b)が、水分に再び曝露された場合に、タブ(1540a、1540b)によって、ステープルカートリッジデッキ(1504)から解放され得る。本変形例のタブ(1540a、1540b)は、ステープル留めされた組織(T)からのエンドエフェクタ(50)の分離に応答して、ステープルカートリッジデッキ(1504)から補助材(1530)を受動的に解放するように構成されている。より具体的には、ステープルカートリッジデッキ(1504)は、ステープル留めされた組織(T)からのエンドエフェクタ(50)のこのような分離中に、補助材(1530)に対して下向きに下げられ得、タブ(1540a、1540b)を、それぞれの凹部(1520)から係合解除するために、タブ(1540a、1540b)を横方向外側に付勢し得る。いくつかの変形例では、タブ(1540a、1540b)の形状記憶特性は、タブ(1540a、1540b)が水分に再曝露された場合に、タブ(1540a、1540b)を、横方向外側に付勢し得、それによって、タブ(1540a、1540b)は、患者の体内の組織(T)に隣接して補助材(1530)を位置付けすることに応答して、ステープルカートリッジデッキ(1504)から補助材(1530)を能動的に解放するように構成され得る。
【0114】
タブ(1540a、1540b)は、多層補助材(1530)に組み込まれるものとして説明されているが、タブ(1540a、1540b)は、図10図12に関連して上述した補助材(230)と同様の圧縮可能な一体型補助材に容易に組み込まれ得ることが理解されよう。
【0115】
N.カートリッジスロットに係合するための発泡体取り付け特徴部を有する例示的な補助材
図31A図31Bは、ステープルカートリッジ(1600)への解放可能な取り付けのために構成された、別の例示的な多層補助材(1630)を示す。ステープルカートリッジ(1600)及び補助材(1630)は、エンドエフェクタ(50)と共に使用するように構成されており、以下に別途記載する場合を除いて、上述のステープルカートリッジ(70)及びバットレス組立体(110、112)と同様である。これに関して、ステープルカートリッジ(1600)は、上向きのデッキ(1604)を有するカートリッジ本体(1602)と、カートリッジ本体(1602)の中心軸に沿って延在し、デッキ(1604)を通って上向きに開口する細長いスロット(1606)と、細長いスロット(1606)の各側でデッキ(1604)を通って延在する複数のステープル開口部(図示せず)と、を含む。各ステープル開口部は、ステープル(80)と同様の未形成ステープル(図示せず)と、形成されるアンビル(56)に向かって外向きにステープルを駆動するように構成されたそれぞれのステープルドライバ(図示せず)とを摺動可能に収容する。ステープルカートリッジ(1600)の下側トレイ(図示せず)は、ステープル及びステープルドライバを、カートリッジ本体(1602)内に保持する。本実施例の細長いスロット(1606)は、以下でより詳細に説明するように、ステープルカートリッジデッキ(1604)への補助材(1630)などの補助材の解放可能な取り付けを容易にするように構成されている。
【0116】
補助材(1630)は、ステープル(80)のラインを構造的に支持するように構成された、強力でありながら柔軟な材料を含む、バットレス本体(1632)を含む。あくまで一例として、バットレス本体(1632)は、組織補償効果を提供するように構成された材料特性を有する複合ポリマー発泡体層を含み得る。その他の変形例では、バットレス本体(1632)は、Ethicon,Inc.(Somerville,New Jersey)による、ポリグラクチン910材料のメッシュを含み得る。あるいは、バットレス本体(1632)を形成するために、ポリグラクチン910材料に加えて又はそれに代えて、任意のその他の好適な材料又は材料の組み合わせが使用され得る。
【0117】
図示の例では、補助材(1630)は、バットレス本体(1632)の中心線に連結され、細長いスロット(1606)内に少なくとも部分的に受容されるように構成された、少なくとも1つの横方向中心形状記憶タブ(1640)の形態の少なくとも1つの取り付け特徴部を更に含む。タブ(1640)は、乾燥時に比較的高い剛性を有し、湿潤時に比較的低い剛性を有するように構成された、感湿性複合形状記憶ポリマー発泡体を含む。いくつかの変形例では、タブ(1640)は、バットレス本体(1632)の実質的に全長に沿って延在し得る。その他の変形例では、複数のタブ(1640)が、バットレス本体(1632)の長さのそれぞれの部分に沿って延在し得る。本変形例のタブ(1640)は、タブ(1640)が、水分に曝露された場合に、横方向に変形可能であるようにバットレス本体(1632)の中心線からフレア状に下向きに延在する。
【0118】
図31Aに示されるように、補助材(1630)は、最初に、タブ(1640)が第1の剛性を有し、タブ(1640)の少なくとも一部分が、細長いスロット(1606)よりも広い乾燥状態にあるタブ(1640)と共にステープルカートリッジデッキ(1604)上に位置付けられ得る。タブ(1640)は、その後、水分に曝露されてもよく、それによって、乾燥状態から、タブ(1640)が第1の剛性よりも低い第2の剛性を有する湿潤状態にタブ(1640)を移行させる。図31Bに示すように、次に、補助材(1630)は、タブ(1640)が、細長いスロット(1606)内に変形可能に受容され得るように、タブ(1640)が湿潤状態にあるステープルカートリッジデッキ(1604)上に位置付けられ得る。
【0119】
補助材(1630)は、タブ(1640)と細長いスロット(1606)との間に締まり嵌めを提供するために、タブ(1640)の少なくとも一部分が細長いスロット(1606)内で変形したままである間にタブ(1640)を乾燥させて、タブ(1640)を湿潤状態から乾燥状態に移行させることによって、タブ(1640)を介してステープルカートリッジデッキ(1604)に選択的に取り付けられ得ることが理解されよう。また、タブ(1640)が水分に再曝露された場合に、例えば、補助部材(1630)を、患者の体内で組織に隣接して位置付けることによって、補助部材(1630)が、タブ(1640)によってステープルカートリッジデッキ(1604)から解放され得ることもまた理解されよう。本変形例のタブ(1640)は、ステープル留めされた組織からのエンドエフェクタ(50)の分離に応答して、ステープルカートリッジデッキ(1604)から補助材(1630)を受動的に解放するように構成されている。より具体的には、ステープルカートリッジデッキ(1604)は、タブ(1640)を細長いスロット(1606)から係合解除するために、ステープル留めされた組織からの、エンドエフェクタ(50)のこのような分離中に、補助材(1630)に対して下向きに下げられ得る。
【0120】
タブ(1640)は、多層補助材(1630)に組み込まれるものとして説明されているが、タブ(1640)は、図10図12に関連して上述した補助材(230)と同様の、圧縮性一体型補助材に同様に容易に組み込まれ得ることが理解されよう。
【0121】
O.カートリッジの拡張可能な凹部に係合するための取り付け特徴部を有する例示的な補助材
図32図33Cは、ステープルカートリッジ(1700)への解放可能な取り付けのために構成された、別の例示的な多層補助材(1730)を示す。ステープルカートリッジ(1700)及び補助材(1730)は、エンドエフェクタ(50)と共に使用するように構成されており、以下に別途記載する場合を除いて、上述のステープルカートリッジ(200)及びバットレス組立体(110、112)と同様である。これに関して、ステープルカートリッジ(1700)は、上向きのデッキ(1704)を有するカートリッジ本体(1702)と、カートリッジ本体(1702)の中心軸に沿って延在し、デッキ(1704)を通って上向きに開口する細長いスロット(図示せず)と、細長いスロットの各側でデッキ(1704)を通って延在する複数のステープル開口部(1708)と、を含む。各ステープル開口部(1708)は、ステープル(80)と同様の未形成ステープル(図示せず)と、形成されるアンビル(56)に向かって外向きにステープルを駆動するように構成されたそれぞれのステープルドライバ(図示せず)とを摺動可能に収容する。ステープルカートリッジ(1700)の下側トレイ(図示せず)は、ステープル及びステープルドライバをカートリッジ本体(1702)内に保持する。本実施例のカートリッジ本体(1702)は、デッキ(1704)内に形成され、ステープル開口部(1708)が延在する基部面を有する、複数の上向きに開口する凹部(1712、1714、1716)を更に含む。より具体的には、細長いスロットの各側において、デッキ(1704)は、それぞれが、細長いスロットから横方向に離れる方向を向く中間頂点を有する、内側列の三角形凹部(1712)と、それぞれが、細長いスロットに向かって横方向に向く中間頂点を有する、外側列の三角形凹部(1714)と、それぞれ、細長いスロットに向かって横方向に向く内側中間頂点、及び細長いスロットから横方向に離れる方向に向く対向する外側中間頂点を有する、中央列の菱形凹部(1716)と、を含む。
【0122】
図示の例では、一対の形状記憶層(1720)が、オーバーモールドなどによって、それぞれのステープル開口部(1708)の両側の少なくとも1つの菱形凹部(1716)内で、カートリッジ本体(1702)に連結されている。いくつかの変形例では、各層(1720)は、デッキ(1704)の上面の下に陥凹している。加えて、又は代替的に、各層(1720)は、それぞれの菱形凹部(1716)によって画定されている側壁に接着されてもよい。いずれにしても、各層(1720)は、閾値湿度及び/又は温度に曝露された場合に水熱収縮するように構成された、感湿性及び/又は温度感受性の複合形状記憶ポリマー膜を含む。凹部(1721)は、各層(1720)内に下向きに延在し、以下でより詳細に説明するように、ステープルカートリッジデッキ(1704)への補助材(1730)などの補助材の解放可能な取り付けを容易にするように構成されている。
【0123】
補助材(1730)は、ステープル(80)のラインを構造的に支持するように構成された、強力でありながら柔軟な材料を含む、バットレス本体(1732)を含む。あくまで一例として、バットレス本体(1732)は、組織補償効果を提供するように構成された材料特性を有する複合ポリマー発泡体層を含み得る。その他の変形例では、バットレス本体(1732)は、Ethicon,Inc.(Somerville,New Jersey)による、ポリグラクチン910材料のメッシュを含み得る。あるいは、バットレス本体(1732)を形成するために、ポリグラクチン910材料に加えて又はそれに代えて、任意のその他の好適な材料又は材料の組み合わせが使用され得る。
【0124】
図示の例では、補助材(1730)は、バットレス本体(1732)に連結され、それぞれの凹部(1721)によって少なくとも部分的に受容されるように構成された、少なくとも1つのポスト(1740)の形態の少なくとも1つの取り付け特徴部を更に含む。ポスト(1740)は、バットレス本体(1732)から一般に下向きに延在し、対応する凹部(1721)の側面(複数可)に選択的に係合するための下側球根状(例えば、球状)突出部(1750)を含む。
【0125】
図33Aに示されるように、補助材(1730)は、最初にステープルカートリッジデッキ(1704)の上に位置付けられ得、各層(1720)は、凹部(1721)が下側球根状突出部(1750)の幅よりも少なくともわずかに小さい幅を有する乾燥状態及び/又は低温(例えば、室温)状態にある。図33Bに示されるように、補助材(1730)は、突出部(1750)と凹部(1721)の側面(複数可)との間に圧入を提供するために、ポスト(1740)を凹部(1721)内へと挿入することによって、ポスト(1740)を介して、ステープルカートリッジデッキ(1704)に選択的に取り付けられ得る。いくつかの変形例では、突出部(1750)は、凹部(1721)内へのポスト(1740)の挿入を容易にするために、ステープルカートリッジデッキ(1704)への補助材(1730)の取り付け中に、突出部(1750)からわずかに離れるように凹部(1721)の側面を変形させるために凹部(1721)の側面に係合し得る。
【0126】
図33Cに示すように、補助材(1730)は、ステープルカートリッジ(1700)を患者の体内の組織に隣接して位置付けることなどによって、各層(1720)が、水分及び/又は熱に曝露された場合に、各層(1720)によってステープルカートリッジデッキ(1704)から解放され得る。本変形例の層(1720)は、ステープルカートリッジ(1700)を患者の体内の組織に隣接して位置付けすることに応答して、ステープルカートリッジデッキ(1704)から補助材(1730)を能動的に解放するように構成されている。より具体的には、層(1720)の形状記憶特性は、層(1720)が水分及び/又は熱に曝露された場合に、凹部(1721)の側面(複数可)を、突出部(1750)から離れるように拡張し、それによって、突出部(1750)を、凹部(1721)の側面(複数可)から係合解除し得る。
【0127】
ポスト(1740)は、多層補助材(1730)に組み込まれるものとして説明されているが、ポスト(1740)は、図10図12に関連して上述した補助材(230)と同様の圧縮性一体型補助材に同様に容易に組み込まれ得ることが理解されよう。
【0128】
P.カートリッジの凹部に係合するための拡張可能な取り付け特徴部を有する例示的な補助材
図34A図34Cは、ステープルカートリッジ(1800)への解放可能な取り付けのために構成された、別の例示的な多層補助材(1830)を示す。ステープルカートリッジ(1800)及び補助材(1830)は、エンドエフェクタ(50)と共に使用するように構成されており、以下に別途記載する場合を除いて、上述のステープルカートリッジ(70)及びバットレス組立体(110、112)と同様である。これに関して、ステープルカートリッジ(1800)は、上向きのデッキ(1804)を有するカートリッジ本体(1802)と、カートリッジ本体(1802)の中心軸に沿って延在し、デッキ(1804)を通って上向きに開口する細長いスロット(図示せず)と、細長いスロットの各側でデッキ(1804)を通って延在する複数のステープル開口部(図示せず)と、を含む。各ステープル開口部は、ステープル(80)と同様の未形成ステープル(図示せず)と、形成されるアンビル(56)に向かって外向きにステープルを駆動するように構成されたそれぞれのステープルドライバ(図示せず)とを摺動可能に収容する。ステープルカートリッジ(1800)の下側トレイ(図示せず)は、ステープル及びステープルドライバを、カートリッジ本体(1802)内に保持する。本例のカートリッジ本体(1802)は、以下でより詳細に説明するように、デッキ(1804)に形成され、ステープルカートリッジデッキ(1804)への補助材(1830)などの補助材の取り外し可能な取り付けを容易にするように構成された、少なくとも1つの上向きに開口する凹部(1820)を更に含む。
【0129】
補助材(1830)は、ステープル(80)のラインを構造的に支持するように構成された、強力でありながら柔軟な材料を含むバットレス本体(1814)を含む。あくまで一例として、バットレス本体(1814)は、組織補償効果を提供するように構成された材料特性を有する複合ポリマー発泡体層を、含み得る。その他の変形例では、バットレス本体(1814)は、Ethicon,Inc.(Somerville,New Jersey)による、ポリグラクチン910材料のメッシュを含み得る。あるいは、バットレス本体(1814)を形成するために、ポリグラクチン910材料に加えて又はそれに代えて、任意のその他の好適な材料又は材料の組み合わせが使用され得る。
【0130】
図示の例では、補助材(1830)は、バットレス本体(1814)に連結され、凹部(1820)内に少なくとも部分的に受容されるように構成された、少なくとも1つの形状記憶ポスト(1840)の形態の少なくとも1つの取り付け特徴部を更に含む。ポスト(1840)は、閾値湿度及び/又は閾値温度に曝露された場合に水熱収縮するように構成された、感湿性の複合形状記憶ポリマー材料を含む。ポスト(1840)は、バットレス本体(1814)から一般に下向きに延在し、凹部(1820)の側面(複数可)に選択的に係合するための下側球根状(例えば、球状)突出部(1850)を含む。
【0131】
図34Aに示すように、補助材(1830)は、最初に、ポスト(1840)が乾燥及び/又は冷却(例えば、室温)状態にある状態で、ステープルカートリッジデッキ(1804)上に位置付けられ得、この状態では、下側球根状突出部(1850)は、凹部(1820)の幅よりも少なくともわずかに大きい幅を有する。図34Bに示されるように、補助材(1830)は、突出部(1850)と凹部(1820)の側面(複数可)との間に圧入を提供するために、ポスト(1840)を凹部(1820)内へと挿入することによって、ポスト(1840)を介して、ステープルカートリッジデッキ(1804)に選択的に取り付けられ得る。いくつかの変形例では、突出部(1850)は、凹部(1820)内へのポスト(1840)の挿入を容易にするために、ステープルカートリッジデッキ(1804)への補助材(1830)の取り付け中に、凹部(1820)の側面(複数可)からわずかに離れて突出部(1850)を変形させるために凹部(1820)の側面に係合し得る。
【0132】
図34Cに示されるように、補助材(1830)は、患者の体内の組織に隣接して補助材(1830)を位置付けることなどによって、ポスト(1840)が、水分及び/又は熱に曝露された場合に、ポスト(1840)によってステープルカートリッジデッキ(1804)から解放され得る。本変形例のポスト(1840)は、補助材(1830)を患者の体内の組織に隣接して位置付けすることに応答して、ステープルカートリッジデッキ(1804)から補助材(1830)を能動的に解放するように構成されている。より具体的には、ポスト(1840)の形状記憶特性は、ポスト(1840)が、水分及び/又は熱に曝露された場合に、凹部(1820)の側面(複数可)から離れるように突出部(1850)を収縮させ、それによって、凹部(1820)の側面(複数可)から突出部(1850)を係合解除し得る。
【0133】
ポスト(1840)は、多層補助材(1830)に組み込まれるものとして説明されているが、ポスト(1840)は、図10図12に関連して上述した補助材(230)と同様の圧縮性一体型補助材に同様に容易に組み込まれ得ることが理解されよう。
【0134】
Q.カートリッジパンに係合するための取り付け特徴部を有する例示的な補助材
図35は、ステープルカートリッジ(1900)への解放可能な取り付けのために構成された、別の例示的な圧縮性一体型補助材(1930)を示す。ステープルカートリッジ(1900)及び補助材(1930)は、エンドエフェクタ(50)と共に使用するように構成されており、以下に別途記載する場合を除いて、上述のステープルカートリッジ(200)及び補助材(230)と同様である。これに関して、ステープルカートリッジ(1900)は、上向きのデッキ(1904)を有するカートリッジ本体(1902)と、カートリッジ本体(1902)の中心軸に沿って延在し、デッキ(1904)を通って上向きに開口する細長いスロット(1906)と、細長いスロットの各側でデッキ(1904)を通って延在する複数のステープル開口部(図示せず)と、を含む。各ステープル開口部は、ステープル(80)と同様の未形成ステープル(図示せず)と、形成されるアンビル(56)に向かって外向きにステープルを駆動するように構成されたそれぞれのステープルドライバ(図示せず)とを摺動可能に収容する。ステープルカートリッジ(1900)の下側トレイ(1910)は、ステープル及びステープルドライバを、カートリッジ本体(1902)内に保持する。本実施例の下側トレイ(1910)は、デッキ(1904)の上面に向かって上向きに延在し、その上で横方向内側に延在し、以下でより詳細に説明するように、ステープルカートリッジデッキ(1904)への補助材(1930)などの補助材の解放可能な取り付けを容易にするように構成された、一対の横方向に対向するフィンガ(1920)(1つを示す)を含む。
【0135】
補助材(1930)は、図10図12に関連して上述したものと同様の方法で、細長い矩形形状を有する格子構造を画定する、複数の線形配列で互いに一体的に接続された、複数の三次元の弾力的に圧縮可能な小塊部(1932)を有する。各小塊部(1932)は、上述の小塊部(332)と同様に構成され、4つの側面と、下面(図示せず)と、小塊部(1932)の垂直中心軸線に沿って延在し、小塊部(1932)の開いた中空内部を画定する下面の開口部(図示せず)と、を画定する、一般に立方形の形状を有する。
【0136】
図示の例では、補助材(1930)は、横方向外側小塊部(1932)に連結され、それぞれのフィンガ(1920)によって捕捉されるように構成された、少なくとも1対の横方向に対向するウェビングアーム(1940)(1つを図示)の形態の複数の取付特徴部を更に含む。ウェビングアーム(1940)はそれぞれ、長手方向に隣接する一対の小塊部(1932)の下端部間に延在し、それぞれ、一般にU字形状の外形を有する。
【0137】
本変形例のウェビングアーム(1940)は、ウェビングアーム(1940)が屈曲可能及び/又は伸縮可能であるように、それぞれの対の小塊部(1932)に可動的に連結される。いくつかの変形例では、小塊部(1932)及び/又はウェビングアーム(1940)のうちの任意の1つ以上は、一体部品として一緒に一体的に形成され得る。例えば、小塊部(1932)及び/又はウェビングアーム(1940)のうちのいずれか1つ以上は、一緒に3D印刷され得る。いくつかの変形例では、ウェビングアーム(1940)は、小塊部(1932)の材料とは異なる材料から構成され得る。
【0138】
図35に示すように、補助材(1930)は、ウェビングアーム(1940)が、それぞれのフィンガ(1920)とカートリッジ本体(1902)との間にそれぞれ捕捉されるように、ウェビングアーム(1940)がそれぞれのフィンガ(1920)によって捕捉される場合に、ウェビングアーム(1940)を介して、ステープルカートリッジデッキ(1904)に選択的に取り付けられ得る。本変形例のフィンガ(1920)は、ステープル留めされた組織からのエンドエフェクタ(50)の分離に応答して、ステープルカートリッジデッキ(1904)から補助材(1930)を受動的に解放するように構成されている。より具体的には、ステープルカートリッジデッキ(1904)は、ステープル留めされた組織からのエンドエフェクタ(50)のこのような分離中に、補助材(1930)に対して下向きに下げられ得、ウェビングアーム(1940)がそれぞれのフィンガ(1920)によって解放されるまでウェビングアーム(1940)を屈曲及び/又は伸張させ得る。いくつかの変形例では、ウェビングアーム(1940)は、指(1920)によるウェビングアーム(1940)の引き裂きを促進するためにウェビングアーム(1940)が脆弱であり得るように穿孔及び/又は弱化部分を含み得る。
【0139】
R.カートリッジスロットに係合するためのトラス形状の取り付け特徴部を有する、例示的な補助材
図36は、ステープルカートリッジ(2000)への解放可能な取り付けのために構成された、別の例示的な圧縮性一体型補助材(2030)を示す。ステープルカートリッジ(2000)及び補助材(2030)は、エンドエフェクタ(50)と共に使用するように構成されており、以下に別途記載する場合を除いて、上述のステープルカートリッジ(200)及び補助材(230)と同様である。これに関して、ステープルカートリッジ(2000)は、上向きのデッキ(2004)を有するカートリッジ本体(2002)と、カートリッジ本体(2002)の中心軸に沿って延在し、デッキ(2004)を通って上向きに開口する細長いスロット(2006)と、細長いスロット(2006)の各側でデッキ(2004)を通って延在する複数のステープル開口部(図示せず)と、を含む。各ステープル開口部は、ステープル(80)と同様の未形成ステープル(図示せず)と、形成されるアンビル(56)に向かって外向きにステープルを駆動するように構成されたそれぞれのステープルドライバ(図示せず)とを、摺動可能に収容する。ステープルカートリッジ(2000)の下側トレイ(図示せず)は、ステープル及びステープルドライバを、カートリッジ本体(2002)内に保持する。本実施例の細長いスロット(2006)は、以下でより詳細に説明するように、ステープルカートリッジデッキ(2004)への補助材(2030)などの補助材の解放可能な取り付けを容易にするように構成されている。
【0140】
補助材(2030)は、図10図12に関連して上述したものと同様の方法で、細長い矩形形状を有する格子構造を画定する、複数の線形配列で互いに一体的に接続された複数の三次元の弾力的に圧縮可能な小塊部(2032)を有する。本実施例の各小塊部(2032)は、4つの側面(2034)と、下面(2036)と、小塊部(2032)の垂直中心軸線に沿って延在し、小塊部(2032)の開いた中空内部を画定する下面(2036)内の開口部(2038)と、を画定する、一般に立方形の形状を有する。
【0141】
図示の例では、補助材(2030)は、横方向内側小塊部(2032)に連結され、細長いスロット(2006)内に少なくとも部分的に受容されるように構成された、少なくとも1つの横方向中心トラス形状レール(2040)の形態の少なくとも1つの取り付け特徴部を更に含む。レール(2040)は、細長いスロット(2006)のそれぞれの側面に選択的に係合するために、それぞれの小塊部(2032)の側壁から一般に下向きかつ横方向内側に延在する、一対の角度付きビーム(2042a、2042b)と、角度付きビーム(2042a、2042b)の間に延在する一対の垂直ビーム(2043a、2043b)と、を含む。角度付きビーム(2042a、2042b)は、発射部材(60)の切断縁部(62)などによってステープルカートリッジ(2000)の発射中に切断されるように構成された接合部(2045)で互いに交差する。いくつかの変形例では、レール(2040)は、小塊部(2032)によって画定されている格子構造の実質的に、全長に沿って延在し得る。その他の変形例では、複数のレール(2040)が、小塊部(2032)によって画定されている格子構造の長さのそれぞれの部分に沿って延在し得る。
【0142】
図36に示されるように、補助材(2030)は、レール(2040)が切断されていない状態にある場合に、レール(2040)を介してステープルカートリッジデッキ(2004)に選択的に取り付けられ得る。図示された切断されていない状態では、垂直ビーム(2043a、2043b)は、細長いスロット(2006)のそれぞれの側面に係合し、それによって、補助材(2030)をステープルカートリッジデッキ(2004)に取り付ける。いくつかの変形例では、細長いスロット(2006)の側面は、ステープルカートリッジデッキ(2004)への補助材(2030)の取り付け中に、垂直ビーム(2043a、2043b)をわずかに横方向内側に偏向させて、細長いスロット(2006)へのレール(2040)の挿入を容易にするために、垂直ビーム(2043a、2043b)のそれぞれの表面に係合し得、垂直ビーム(2043a、2043b)は、細長いスロット(2006)のそれぞれの側面に対して弾性的に付勢されて、それらの間に摩擦嵌合を提供する。レール(2040)が切断状態にある場合に、レール(2040)の分離された横方向に対向するセグメントによって、補助材(2030)が、ステープルカートリッジデッキ(2004)から解放され得ることが理解されよう。切断状態(図示せず)では、垂直ビーム(2043a、2043b)は、細長いスロット(2006)のそれぞれの側面を係合解除し、それによって、補助材(2030)を、ステープルカートリッジデッキ(2004)から解放し得る。
【0143】
S.カートリッジフックを係合するためのループ取り付け特徴部を有する例示的な補助材
図37は、ステープルカートリッジ(2100)への解放可能な取り付けのために構成された、別の例示的な圧縮性一体型補助材(2130)を示す。ステープルカートリッジ(2100)及び補助材(2130)は、エンドエフェクタ(50)と共に使用するように構成されており、以下に別途記載する場合を除いて、上述のステープルカートリッジ(200)及び補助材(230)と同様である。これに関して、ステープルカートリッジ(2100)は、上向きのデッキ(2104)を有するカートリッジ本体(2102)と、カートリッジ本体(2102)の中心軸に沿って延在し、デッキ(2104)を通って上向きに開口する細長いスロット(2106)と、細長いスロット(2106)の各側でデッキ(2104)を通って延在する複数のステープル開口部(2108)と、を含む。各ステープル開口部(2108)は、ステープル(80)と同様の未形成ステープル(図示せず)と、形成されるアンビル(56)に向かって外向きにステープルを駆動するように構成されたそれぞれのステープルドライバ(図示せず)とを摺動可能に収容する。ステープルカートリッジ(2100)の下側トレイ(2110)は、ステープル及びステープルドライバを、カートリッジ本体(2102)内に保持する。本実施例のステープルカートリッジ(2100)は、デッキ(2104)上に位置付けられ、以下でより詳細に説明するように、ステープルカートリッジデッキ(2104)への補助材(21030)などの補助材の解放可能な取り付けを容易にするように構成された、近位フックストリップ(2120a)、横方向に対向する一対の中間フックストリップ(2120b、2120c)、及び遠位フックストリップ(2120d)を含む、複数のフック(例えば、Velcro)ストリップ(2120a、2120b、2120c、2120d)を更に含む。いくつかの変形例では、フックストリップ(2120a、2120b、2120c、2120d)は、それぞれ、デッキ(2104)上に、又はデッキと一緒に成形され得る。
【0144】
補助材(2130)は、図10図12に関連して上述したものと同様の方法で、細長い矩形形状を有する格子構造を画定する、複数の線形配列で互いに一体的に接続された、複数の三次元の弾力的に圧縮可能な小塊部(2132)を有する。本実施例の各小塊部(2132)は、4つの側面(2134)と、下面(2136)と、小塊部(2132)の垂直中心軸線に沿って延在し、小塊部(2132)の開いた中空内部を画定する下面(2136)内の開口部(2138)と、を画定する、一般に立方形の形状を有する。
【0145】
図示の例では、補助材(2130)は、近位小塊部(2032)に連結された近位ループストリップ(2140a)と、中間小塊部(2032)に連結された横方向に対向する一対の中間ループストリップ(2140b、2140c)と、遠位小塊部(2032)に連結された遠位ループストリップ(2140d)と、を含むループ(例えば、Velcro)ストリップ(2140a、2140b、2140c、2140d)の形態の複数の取り付け特徴部を更に含み、それぞれは、フック・ループ係合でそれぞれのフックストリップ(2120a、2120b、2120c、2120d)によって捕捉されるように構成されている。いくつかの変形例では、ループストリップ(2140a、2140b、2140c、2140d)はそれぞれ、フックストリップ(2120a、2120b、2120c、2120d)の対応するフックによって捕捉されるように構成された、複数の孔(図示せず)を画定し得る。
【0146】
補助材(2130)は、ループストリップ(2140a、2140b、2140c、2140d)が、それぞれのフックストリップ(2120a、2120b、2120c、2120d)によって捕捉された場合に、ループストリップ(2140a、2140b、2140c、2140d)を介して、ステープルカートリッジデッキ(2104)に選択的に取り付けられ得ることが理解されよう。本変形例のフックストリップ(2120a、2120b、2120c、2120d)は、ステープル留めされた組織からのエンドエフェクタ(50)の分離に応答して、ステープルカートリッジデッキ(2104)から補助材(2130)を受動的に解放するように構成されている。より具体的には、ステープルカートリッジデッキ(2104)は、ステープル留めされた組織からのエンドエフェクタ(50)のこのような分離中に、補助材(2130)に対して下向きに下げられ得、それによって、ループストリップ(2140a、2140b、2140c、2140d)は、それぞれのフックストリップ(2120a、2120b、2120c、2120d)によって解放される。
【0147】
V.例示的な組み合わせ
以下の実施例は、本明細書の教示が組み合わされ得るか又は適用され得る、様々な非網羅的な方式に関する。以下の実施例は、本出願又は本出願のその後の出願において任意の時点で提示され得るいかなる特許請求の範囲も限定することを意図するものではないことを理解されたい。一切の権利放棄が、意図されていない。以下の実施例は、単に例解目的で提供されているに過ぎない。本明細書の様々な教示は、その他の多くの方式で構成及び適用され得ることが企図される。また、いくつかの変形例では、以下の実施例において言及される特定の特徴を省略し得ることもまた、企図される。したがって、以下に言及される態様又は特徴のいずれも、本発明者ら又は本発明者らの権利相続人によって後にそのように明示的に示されていない限り、重要であるとみなされるべきではない。本出願又は本出願に関連する後続の出願において提示される特許請求の範囲が、以下に言及されるもの以外の追加の特徴を含む場合、それらの追加の特徴は、特許性に関するいかなる理由のためにも追加されているものとみなされるべきではない。
【実施例1】
【0148】
外科用ステープラのエンドエフェクタと共に使用するように構成された、補助材であって、(a)第1の材料を含む組織作用部分と、(b)当該組織作用部分に連結され、当該第1の材料とは異なる第2の材料を含む、少なくとも1つの可動取り付け特徴部であって、当該少なくとも1つの可動取り付け特徴部が、当該組織作用部分を当該エンドエフェクタのステープル留め表面に解放可能に取り付けるように構成されている、当該少なくとも1つの可動取り付け特徴部と、を備え、当該組織作用部分が、当該エンドエフェクタの閉鎖中に、当該エンドエフェクタによってクランプされた組織に接触するように構成されており、当該組織作用部分が、当該エンドエフェクタから当該クランプされた組織内へと射出されたステープルによって穿孔されて捕捉され、それによって、当該射出されたステープルと当該クランプされた組織との間の係合を強化するように更に構成されている、補助材。
【実施例2】
【0149】
少なくとも1つの可動取り付け特徴部が、ステープル留め表面に沿った対応する別個の位置において組織作用部分を当該ステープル留め表面に解放可能に取り付けるようにそれぞれが構成されている複数の可動取り付け特徴部を含む、実施例1に記載の補助材。
【実施例3】
【0150】
少なくとも1つの可動取り付け特徴部は、当該少なくとも1つの可動取り付け特徴部が組織作用部分をステープル留め表面に取り付ける第1の状態と、当該少なくとも1つの可動取り付け特徴部が当該組織作用部分を当該ステープル留め表面から解放する第2の状態との間で移行するように構成されている、実施例1又は2に記載の補助材。
【実施例4】
【0151】
少なくとも1つの可動取り付け特徴部が、組織作用部分をステープル留め表面に取り付けるためにエンドエフェクタの細長いスロット又はアンダーカット特徴部のうちの少なくとも1つに係合するように構成された少なくとも1つの突出部を含む、実施例1~3のいずれか一項に記載の補助材。
【実施例5】
【0152】
少なくとも1つの可動取り付け特徴部が、組織作用部分をステープル留め表面から解放するために、エンドエフェクタからのステープルの射出に応答して、補助材の長手方向中心線に向かって横方向内側に移動するように構成されている、実施例4に記載の補助材。
【実施例6】
【0153】
ステープル留め表面からの組織作用部分の解放に応答して、少なくとも1つの可動取り付け部が組織作用部分に対して実質的に平坦である面一状態に移行するように、少なくとも1つの可動取り付け特徴部が構成されている、実施例4~5のいずれか一項に記載の補助材。
【実施例7】
【0154】
少なくとも1つの突出部が弾性変形可能である、実施例4~6のいずれか一項に記載の補助材。
【実施例8】
【0155】
第2の材料が、ポリマー形状記憶材料を含む、実施例1~7のいずれか一項に記載の補助材。
【実施例9】
【0156】
ポリマー形状記憶材料は、当該ポリマー形状記憶材料が乾燥している場合に第1の剛性を有し、当該ポリマー形状記憶材料は、当該ポリマー形状記憶材料が湿潤している場合に当該第1の剛性よりも低い第2の剛性を有する、実施例8に記載の補助材。
【実施例10】
【0157】
少なくとも1つの取り付け特徴部が脆弱である、実施例1~9のいずれか一項に記載の補助材。
【実施例11】
【0158】
少なくとも1つの取り付け特徴部が、中空内部を有するレールを含み、当該レールが、組織作用部分をステープル留め表面から解放するために、エンドエフェクタからのステープルの射出に応答して切断されるように構成されている、実施例1~10のいずれか一項に記載の補助材。
【実施例12】
【0159】
組織作用部分が、複数の弾力的に圧縮可能な小塊部によって画定されている格子構造を含む、実施例1~11のいずれか一項に記載の補助材。
【実施例13】
【0160】
複数の弾力的に圧縮可能な小塊部及び少なくとも1つの取り付け特徴部が、単一部品として、共に一体的に形成されている、実施例1~12のいずれか一項に記載の補助材。
【実施例14】
【0161】
組織作用部分がバットレス本体を含む、実施例1~13のいずれか一項に記載の補助材。
【実施例15】
【0162】
外科用ステープラであって、(a)エンドエフェクタであって、(i)第1のステープル留め表面と、(ii)当該第1のステープル留め表面と協働して組織をクランプしてステープル留めするように構成された、第2のステープル留め表面と、を含む、エンドエフェクタと、(b)実施例1~14のいずれか一項に記載の補助材であって、補助材の組織作用部分が、少なくとも1つの可動取り付け特徴部を介して、当該第1のステープル留め表面又は当該第2のステープル留め表面のうちの1つに解放可能に取り付けられている、実施例1~14のいずれか一項に記載の補助材と、を備える、外科用ステープラ。
【実施例16】
【0163】
外科用ステープラのエンドエフェクタと共に使用するように構成された、補助材であって、(a)第1の材料を含む格子構造と、(b)当該格子構造に連結され、当該第1の材料とは異なる第2の材料を含む、少なくとも1つのラッチであって、当該少なくとも1つのラッチが、当該格子構造を当該エンドエフェクタのステープル留め表面に解放可能に取り付けるように構成されている、少なくとも1つのラッチと、を備え、当該格子構造が、当該エンドエフェクタの閉鎖中に当該エンドエフェクタによってクランプされた組織に接触するように構成されており、当該格子構造が、当該エンドエフェクタから当該クランプされた組織内へと射出されたステープルによって穿孔され捕捉され、それによって、当該射出されたステープルと当該クランプされた組織との間の係合を強化するように更に構成されている、補助材。
【実施例17】
【0164】
格子構造が、複数の弾力的に圧縮可能な小塊部によって画定されている、実施例16に記載の補助材。
【実施例18】
【0165】
少なくとも1つのラッチが偏向可能である、実施例16~17のいずれか一項に記載の補助材。
【実施例19】
【0166】
外科用ステープラのエンドエフェクタと共に使用するように構成された、補助材であって、(a)第1の材料を含む格子構造と、(b)当該格子構造に連結され、当該第1の材料とは異なる第2の材料を含む、少なくとも1つのレールであって、当該少なくとも1つのレールが、当該格子構造を当該エンドエフェクタのステープル留め表面に解放可能に取り付けるように構成されている、少なくとも1つのレールと、を備え、当該格子構造が、当該エンドエフェクタの閉鎖中に当該エンドエフェクタによってクランプされた組織に接触するように構成されており、当該格子構造が、当該エンドエフェクタから当該クランプされた組織内へと射出されたステープルによって穿孔され捕捉され、それによって、当該射出されたステープルと当該クランプされた組織との間の係合を強化するように更に構成されている、補助材。
【実施例20】
【0167】
少なくとも1つのレールが、ダブテール形状又はT字形状のうちの少なくとも1つである、実施例19に記載の補助材。
【0168】
VI.その他
本明細書に記載の教示、表現、実施形態、実施例等のうちのいずれか1つ以上は、本明細書に記載のその他の教示、表現、実施形態、実施例等のうちのいずれか1つ以上と組み合わせられ得ることを理解されたい。したがって、上記の教示、表現、実施形態、実施例等は、互いに対して単独で考慮されるべきではない。本明細書の教示を組み合わせ得る様々な好適な方式が、本明細書の教示を考慮することにより、当業者に容易に明らかとなるであろう。このような修正例及び変形例は、特許請求の範囲に含まれることが意図される。
【0169】
更に、本明細書の教示のうちのいずれか1つ以上を、米国特許出願[代理人整理番号END9378USNP1]号、発明の名称「Displaceable Adjunct Attachment Features for Surgical Stapler」、及び/又は、本明細書と同日に出願の米国特許出願[代理人整理番号END9378USNP3]号、発明の名称「Compressible Adjunct for Surgical Stapler」に開示のいずれか1つ以上の教示と組み合わせ得る。これらの米国特許参考文献のそれぞれの開示内容は、参照により本明細書に組み込まれる。
【0170】
参照により本明細書に組み込まれると言及されるあらゆる特許、刊行物、又はその他の開示内容の全部又は一部は、組み込まれる内容が本開示に記載されている既存の定義、見解、又はその他の開示内容と矛盾しない範囲でのみ、本明細書に組み込まれることを理解されたい。それ自体、また必要な範囲で、本明細書に明瞭に記載される開示は、参照により本明細書に組み込まれるあらゆる矛盾する記載に優先するものとする。参照により本明細書に組み込まれると言及されているが、現行の定義、見解、又は本明細書に記載のその他の開示内容と矛盾するあらゆる内容、又はそれらの部分は、組み込まれた内容と現行の開示内容との間に矛盾が生じない範囲においてのみ、組み込まれるものとする。
【0171】
上記のデバイスの変形例は、医療専門家によって行われる従来の医療処置及び手術に適用されるだけではなく、ロボット支援医療処置及びロボット支援手術にも適用され得る。ほんの一例として、本明細書の様々な教示は、インテュイティヴ・サージカル社(Intuitive Surgical,Inc.、カリフォルニア州サニーベール(Sunnyvale,California))によるDAVINCI(商標)システムなどのロボット外科用システムに、容易に組み込まれ得る。
【0172】
上で説明されるデバイスの変形例は、1回の使用後に処分するように設計されてもよい、又はそれらは、複数回使用するように設計され得る。変形例は、いずれか又は両方の場合においても、少なくとも1回の使用後に再利用のために再調整され得る。再調整は、デバイスの分解工程、それに続く特定の部品の洗浄又は交換工程、及びその後の再組み立て工程の任意の組み合わせを含み得る。具体的には、デバイスのいくつかの変形例は分解され得、また、デバイスの任意の数の特定の部分又は部品を、任意の組み合わせで選択的に交換され得る又は取り外され得る。特定の部品の洗浄及び/又は交換の際、デバイスのいくつかの変形例は、再調整施設において、又は処置の直前にユーザによって、その後の使用のために再組立され得る。当業者であれば、デバイスの再調整において、分解、洗浄/交換、及び再組み立てのための様々な技術を利用することができることを理解するであろう。このような技術の使用、及び結果として得られる再調整されたデバイスは、全て本出願の範囲内にある。
【0173】
単に例として、本明細書に記載される変形例は、手技の前及び/又は後に滅菌され得る。1つの滅菌技術では、デバイスを、プラスチック製又はTYVEK製のバックなどの密閉された容器及び封止された容器に入れる。次に、容器及びデバイスは、ガンマ線、X線、又は高エネルギー電子線などの、容器を透過し得る放射線場に置かれ得る。放射線は、デバイス上及び容器内の細菌を死滅させ得る。次に、滅菌されたデバイスは、後の使用のために、滅菌容器内に保管され得る。デバイスはまた、ベータ線若しくはガンマ線、エチレンオキシド、又は蒸気を含むがこれらに限定されない、当該技術分野で周知の任意のその他の技術を使用して滅菌され得る。
【0174】
本発明の様々な実施形態を示し記載してきたが、当業者による適切な修正により、本発明の範囲から逸脱することなく、本明細書に記載の方法及びシステムの更なる適合化が実現され得る。このような可能な修正のいくつかについて述べたが、その他の修正は、当業者に明らかであろう。例えば、上で考察された実施例、実施形態、幾何学的形状、材料、寸法、比率、工程などは例示的なものであり、必須のものではない。したがって、本発明の範囲は、以下の特許請求の範囲に関して考慮されるべきであり、本明細書及び図面に示され記載された構造及び操作の詳細に限定されないことが理解される。
【0175】
〔実施の態様〕
(1) 外科用ステープラのエンドエフェクタと共に使用するために構成された、補助材であって、
(a)第1の材料を含む組織作用部分と、
(b)前記組織作用部分に連結され、前記第1の材料とは異なる第2の材料を含む、少なくとも1つの可動取り付け特徴部であって、前記少なくとも1つの可動取り付け特徴部が、前記組織作用部分を前記エンドエフェクタのステープル留め表面に解放可能に取り付けるように構成されている、少なくとも1つの可動取り付け特徴部と、を備え、
前記組織作用部分が、前記エンドエフェクタの閉鎖中に、前記エンドエフェクタによってクランプされた組織に接触するように構成されており、
前記組織作用部分が、前記エンドエフェクタから前記クランプされた組織内へと射出されたステープルによって穿刺されて捕捉され、それによって、前記射出されたステープルと前記クランプされた組織との間の係合を強化するように更に構成されている、補助材。
(2) 前記少なくとも1つの可動取り付け特徴部が、前記ステープル留め表面に沿った対応する別個の位置において前記組織作用部分を前記ステープル留め表面に解放可能に取り付けるようにそれぞれが構成されている複数の可動取り付け特徴部を含む、実施態様1に記載の補助材。
(3) 前記少なくとも1つの可動取り付け特徴部は、前記少なくとも1つの可動取り付け特徴部が前記組織作用部分を前記ステープル留め表面に取り付ける第1の状態と、前記少なくとも1つの可動取り付け特徴部が前記組織作用部分を前記ステープル留め表面から解放する第2の状態との間で移行するように構成されている、実施態様1又は2に記載の補助材。
(4) 前記少なくとも1つの可動取り付け特徴部が、前記組織作用部分を前記ステープル留め表面に取り付けるために前記エンドエフェクタの細長いスロット又はアンダーカット特徴部のうちの少なくとも1つに係合するように構成された少なくとも1つの突出部を含む、実施態様1に記載の補助材。
(5) 前記少なくとも1つの可動取り付け特徴部が、前記組織作用部分を前記ステープル留め表面から解放するために、前記エンドエフェクタからの前記ステープルの射出に応答して、前記補助材の長手方向中心線に向かって横方向内側に移動するように構成されている、実施態様4に記載の補助材。
【0176】
(6) 前記ステープル留め表面からの前記組織作用部分の解放に応答して、前記少なくとも1つの可動取り付け部が前記組織作用部分に対して実質的に平坦である面一状態に移行するように、前記少なくとも1つの可動取り付け特徴部が構成されている、実施態様4又は5に記載の補助材。
(7) 前記少なくとも1つの突出部が弾性変形可能である、実施態様4に記載の補助材。
(8) 前記第2の材料が、ポリマー形状記憶材料を含む、実施態様1に記載の補助材。
(9) 前記ポリマー形状記憶材料は、前記ポリマー形状記憶材料が乾燥している場合に第1の剛性を有し、前記ポリマー形状記憶材料は、前記ポリマー形状記憶材料が湿潤している場合に前記第1の剛性よりも低い第2の剛性を有する、実施態様8に記載の補助材。
(10) 前記少なくとも1つの取り付け特徴部が脆弱である、実施態様1に記載の補助材。
【0177】
(11) 前記少なくとも1つの取り付け特徴部が、中空内部を有するレールを含み、前記レールが、前記組織作用部分を前記ステープル留め表面から解放するために、前記エンドエフェクタからの前記ステープルの射出に応答して切断されるように構成されている、実施態様1に記載の補助材。
(12) 前記組織作用部分が、複数の弾力的に圧縮可能な小塊部によって画定されている格子構造を含む、実施態様1に記載の補助材。
(13) 前記複数の弾力的に圧縮可能な小塊部及び前記少なくとも1つの取り付け特徴部が、単一部品として、共に一体的に形成されている、実施態様12に記載の補助材。
(14) 前記組織作用部分がバットレス本体を含む、実施態様1に記載の補助材。
(15) 外科用ステープラであって、
(a)エンドエフェクタであって、
(i)第1のステープル留め表面と、
(ii)前記第1のステープル留め表面と協働して組織をクランプしてステープル留めするように構成された、第2のステープル留め表面と、を含む、エンドエフェクタと、
(b)実施態様1に記載の補助材であって、前記補助材の前記組織作用部分が、前記少なくとも1つの可動取り付け特徴部を介して、前記第1のステープル留め表面又は前記第2のステープル留め表面のうちの1つに解放可能に取り付けられている、実施態様1に記載の補助材と、を備える、外科用ステープラ。
【0178】
(16) 外科用ステープラのエンドエフェクタと共に使用するために構成された、補助材であって、
(a)第1の材料を含む格子構造と、
(b)前記格子構造に連結され、前記第1の材料とは異なる第2の材料を含む、少なくとも1つのラッチであって、前記少なくとも1つのラッチが、前記格子構造を前記エンドエフェクタのステープル留め表面に解放可能に取り付けるように構成されている、少なくとも1つのラッチと、を備え、
前記格子構造が、前記エンドエフェクタの閉鎖中に、前記エンドエフェクタによってクランプされた組織に接触するように構成されており、
前記格子構造が、前記エンドエフェクタから前記クランプされた組織内へと射出されたステープルによって穿刺されて捕捉され、それによって、前記射出されたステープルと前記クランプされた組織との間の係合を強化するように更に構成されている、補助材。
(17) 前記格子構造が、複数の弾力的に圧縮可能な小塊部によって画定されている、実施態様16に記載の補助材。
(18) 前記少なくとも1つのラッチが偏向可能である、実施態様16又は17に記載の補助材。
(19) 外科用ステープラのエンドエフェクタと共に使用するために構成された、補助材であって、
(a)第1の材料を含む格子構造と、
(b)前記格子構造に連結され、前記第1の材料とは異なる第2の材料を含む、少なくとも1つのレールであって、前記少なくとも1つのレールが、前記格子構造を前記エンドエフェクタのステープル留め表面に解放可能に取り付けるように構成されている、少なくとも1つのレールと、を備え、
前記格子構造が、前記エンドエフェクタの閉鎖中に、前記エンドエフェクタによってクランプされた組織に接触するように構成されており、
前記格子構造が、前記エンドエフェクタから前記クランプされた組織内へと射出されたステープルによって穿刺されて捕捉され、それによって、前記射出されたステープルと前記クランプされた組織との間の係合を強化するように更に構成されている、補助材。
(20) 前記少なくとも1つのレールが、ダブテール形状又はT字形状のうちの少なくとも1つである、実施態様19に記載の補助材。
図1
図2
図3
図4
図5A
図5B
図6
図7
図8A
図8B
図8C
図9
図10
図11
図12
図13A
図13B
図14A
図14B
図15
図16A
図16B
図17A
図17B
図18
図19
図20
図21A
図21B
図22
図23
図24A
図24B
図25A
図25B
図26
図27A
図27B
図28A
図28B
図29
図30A
図30B
図30C
図30D
図30E
図30F
図31A
図31B
図32
図33A
図33B
図33C
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図34B
図34C
図35
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図37
【国際調査報告】