(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-10-23
(54)【発明の名称】電気化学装置および電気機器
(51)【国際特許分類】
H01M 50/531 20210101AFI20241016BHJP
H01M 50/548 20210101ALI20241016BHJP
H01M 50/109 20210101ALI20241016BHJP
H01M 50/119 20210101ALI20241016BHJP
H01M 50/586 20210101ALI20241016BHJP
H01M 50/593 20210101ALI20241016BHJP
H01M 50/559 20210101ALI20241016BHJP
H01M 50/184 20210101ALI20241016BHJP
【FI】
H01M50/531
H01M50/548 201
H01M50/109
H01M50/119
H01M50/586
H01M50/593
H01M50/559
H01M50/184 E
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024525558
(86)(22)【出願日】2021-10-29
(85)【翻訳文提出日】2024-06-12
(86)【国際出願番号】 CN2021127691
(87)【国際公開番号】W WO2023070590
(87)【国際公開日】2023-05-04
(81)【指定国・地域】
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
(71)【出願人】
【識別番号】513054978
【氏名又は名称】寧徳新能源科技有限公司
【氏名又は名称原語表記】Ningde Amperex Technology Limited
【住所又は居所原語表記】No.1 Xingang Road, Zhangwan Town, Jiaocheng District, Ningde City, Fujian Province, 352100, People’s Republic of China
(74)【代理人】
【識別番号】100160691
【氏名又は名称】田邊 淳也
(72)【発明者】
【氏名】蘇 士偉
(72)【発明者】
【氏名】▲デン▼ 道林
(72)【発明者】
【氏名】楊 興富
(72)【発明者】
【氏名】陳 文
【テーマコード(参考)】
5H011
5H043
【Fターム(参考)】
5H011AA03
5H011BB04
5H011CC06
5H043AA10
5H043AA11
5H043CA07
5H043CA12
5H043DA01
5H043DA08
5H043EA06
5H043GA22
5H043GA26
5H043LA02E
5H043LA11D
5H043LA23D
(57)【要約】
本開示は、エネルギー貯蔵技術分野に関し、特に電気化学装置および当該電気化学装置を含む電気機器に関する。電気化学装置は、ケース1、電極組立体と、第1タブと、第2タブと、第一接続子と、第2接続子とを含む。ケースは、第1電極が設けられた天壁と、側壁と、底壁とを含む。電極組立体は、第1極片と第2極片とを含む。第1タブは、第1極片と第1電極とを接続し、第1接続子は第1電極と接続している。第2タブは、第2極片とケースとを接続し、第2接続子はケースと接続する。電気化学装置が充放電状態にあるとき、第1タブから発生される磁界と第1接続子から発生される磁界とが少なくとも部分的に相殺され、第2タブから発生される磁界と第2接続子から発生される磁界とが少なくとも部分的に相殺され、電気化学装置から生じる磁界が弱くなり、電気化学装置が電気機器に対する電磁的な干渉を低減する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
電気化学装置であって、
第1電極が設けられた天壁と、側壁と、底壁とを含むケースと、
前記ケース内に収容され、第1極片と第2極片とを含む電極組立体と、を含み、
以下の条件(i)から(ii)のうち少なくとも一つを満たし、
条件(i)は、
前記電気化学装置が、
前記第1極片と前記第1電極とを接続し、前記第1極片に接続する第1接続領域を有する第1タブと、
前記ケース外に設けられ、前記第1電極に接続された第1接続子と、をさらに含み、
前記天壁に垂直な方向から見て、前記第1接続領域の幾何学中心と前記第1電極の幾何学中心とを結ぶ線を、第1基準線とし、前記第1電極の幾何学中心を中心とし、前記第1接続領域の幾何学中心と前記第1電極の幾何学中心との間の線分の長さL1を半径として、前記第1基準線の両側の±45°の扇形の領域が第1領域となり、前記第1接続子の面積をS1とし、前記第1接続子と前記第1領域の重なり部分の面積をS2とする場合、S2/S1≧50%を満たすことであり、
条件(ii)は、
前記電気化学装置が、
前記第2極片と前記ケースとを接続し、前記第2極片に接続する第2接続領域と、前記ケースに接続する第3接続領域とを含む第2タブと、
前記ケース外に設けられ、前記ケースに接続された第2接続子と、をさらに含み、
前記底壁に垂直な方向から見て、前記第2接続領域の幾何学中心と前記第3接続領域の幾何学中心とを結ぶ線を、第2基準線とし、前記第3接続領域の幾何学中心を中心とし、前記第2接続領域の幾何学中心と前記第3接続領域の幾何学中心との間の線分の長さL2を半径として、前記第2基準線の両側の±45°の扇形領域が第2領域となり、前記第2接続子の面積をS3とし、前記第2接続子と前記第2領域の重なり部分の面積をS4とする場合、S4/S3≧50%を満たすことである
ことを特徴とする電気化学装置。
【請求項2】
以下の条件(iii)から(iv)のうち少なくとも一つを満たし、
条件(iii)はS2/S1≧70%を満たすことであり、
条件(iv)はS4/S3≧70%を満たすことである
ことを特徴とする請求項1に記載の電気化学装置。
【請求項3】
以下の条件(v)から(vi)のうち少なくとも一つを満たし、
条件(v)は、
前記第1接続子において、前記第1電極から離れた端部に第4接続領域が設けられており、
前記天壁に垂直な方向から見て、前記第4接続領域の幾何学中心と前記第1電極の幾何学中心とを結ぶ線と、前記第1接続領域の幾何学中心と前記第1電極の幾何学中心とを結ぶ線とがなす角をθとする場合、0°≦θ≦45°を満たすことであり、
条件(vi)は、
前記第2接続子において、前記第3接続領域から離れた端部に第5接続領域が設けられており、
前記底壁に垂直な方向から見て、前記第5接続領域の幾何学中心と前記第3接続領域の幾何学中心とを結ぶ線と、前記第2接続領域の幾何学中心と前記第3接続領域の幾何学中心とを結ぶ線とがなす角をβとする場合、0°≦β≦45°を満たすことである
ことを特徴とする請求項1に記載の電気化学装置。
【請求項4】
前記第1接続子は、前記第1電極から離れた端部に第4接続領域が設けられ、
前記天壁に垂直な方向から見て、前記第4接続領域の幾何学中心と前記第1電極の幾何学中心とを結ぶ線を、第3基準線とし、前記第1電極の幾何学中心を中心とし、前記第4接続領域の幾何学中心と第1電極の幾何学中心との間の線分の長さL3を半径として、前記第三基準線の両側の±45°の扇形領域が第三領域となり、前記第二接続子と前記第三領域との重なり部分の面積をS5とする場合、S5/S3≧50%を満たす、ことを特徴とする請求項1に記載の電気化学装置。
【請求項5】
前記面積S5と前記面積S3との比は、S5/S3≧85%を満たす、ことを特徴とする請求項4に記載の電気化学装置。
【請求項6】
前記天壁に垂直な方向から見て、前記第1基準線と前記第2基準線とがなす角をαとする場合、0°≦α≦60°を満たす、ことを特徴とする請求項4に記載の電気化学装置。
【請求項7】
前記電極組立体は、捲回構造であり、
前記第1極片は、第1端部を有する第1活物質層を備え、前記第1端部は、捲回構造の巻き始め端に設けられており、
前記第2極片は、第2端部を有する第2活物質層を備え、前記第2端部は、捲回構造の巻き始め端に設けられており、
前記第1極片の長手方向に沿って、前記第1接続領域の幾何学中心と前記第1端部との間の距離をD1とし、前記第2極片の長手方向に沿って、前記第2接続領域の幾何学中心と前記第2端部との間の距離をD2とする場合、0.5≦D1/D2≦2を満たす、ことを特徴とする請求項1に記載の電気化学装置。
【請求項8】
以下の条件(a)から(b)のうち少なくとも一つを満たし、
条件(a)は、
前記第1接続子において、前記第1電極から離れた端部に第4接続領域が設けられており、
前記天壁に垂直な方向から見て、前記第4接続領域の幾何学中心と前記第1電極の幾何学中心との間の線分の長さをL3とする場合、0.5≦L1/L3≦2を満たすことであり、
条件(b)は、
前記第2接続子において、前記第3接続領域から離れた端部に第5接続領域が設けられており、
前記底壁に垂直な方向から見て、前記第5接続領域の幾何学中心と前記第3接続領域の幾何学中心との線分の長さをL4とする場合、0.5≦L2/L4≦2を満たすことである
ことを特徴とする請求項1に記載の電気化学装置。
【請求項9】
以下の条件(1)から(4)のうち少なくとも一つを満たし、
条件(1)は、前記第1タブ及び前記第2タブが前記電極組立体の反対側に位置することであり、
条件(2)は、前記頂壁において、対向する第1表面と第2表面とを有し、前記第1表面と前記第2表面とを貫通する貫通孔が設けられており、前記第1電極が前記貫通孔に設けられることであり、
条件(3)は、前記天壁と前記第1電極との間に絶縁材が設けられることであり、
条件(4)は、前記ケースが金属材料を含むことである
ことを特徴とする請求項1に記載の電気化学装置。
【請求項10】
請求項1~9のいずれかに記載の電気化学装置を含むことを特徴とする電気機器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、エネルギー貯蔵技術分野に関し、特に電気化学装置および電気機器に関する。
【背景技術】
【0002】
ボタン電池はBluetoothイヤホンに広く適用されているが、ボタン電池は自己磁界によるノイズフロアがBluetoothイヤホンの音効に影響を与え、ユーザ体験に影響する。
【発明の概要】
【0003】
このような状況に鑑み、電気機器に対する電磁的な干渉を低減する電気化学装置を提供することが必要である。
【0004】
本発明の第1態様は、ケースとケース内に収容された電極組立体とを含む電気化学装置を提供する。ケースは、第1電極が設けられた天壁と、側壁と、底壁とを含む。電極組立体は、第1極片と第2極片とを含む。当該電気化学装置は、以下の条件(i)から(ii)の少なくとも一つを満たす。
【0005】
条件(i)
電気化学装置は、第1タブと、ケース外に設けられた第1接続子と、をさらに備える。第1タブは、第1極片と第1電極とを接続し、第1タブは、第1極片に接続する第1接続領域を有する。第1接続子は、第1電極に接続される。天壁に垂直な方向から見て、第1接続領域の幾何学中心と第1電極の幾何学中心とを結ぶ線は、第1基準線である。第1電極の幾何学中心を中心とし、第1接続領域の幾何学中心と第1電極の幾何学中心との間の線分の長さL1を半径として、第1基準線の両側の±45°の扇形の領域が第1領域となる。第1接続子の面積をS1とし、第1接続子と第1領域の重なり部分の面積をS2とする場合、S2/S1≧50%を満たす。
【0006】
条件(ii)
電気化学装置は、第2タブと、ケース外に設けられた第2接続子と、をさらに備える。第2タブは、第2極片とケースとを接続し、第2タブは、第2極片に接続する第2接続領域と、ケースに接続する第3接続領域とを含む。第2接続子は、ケースに接続される。底壁に垂直な方向から見て、第2接続領域の幾何学中心と第3接続領域の幾何学中心とを結ぶ線は、第2基準線である。第3接続領域の幾何学中心を中心とし、第2接続領域の幾何学中心と第3接続領域の幾何学中心との間の線分の長さL2を半径として、第2基準線の両側の±45°の扇形領域が第2領域となる。第2接続子の面積をS3とし、第2接続子と第2領域の重なり部分の面積をS4とする場合、S4/S3≧50%を満たす。
【0007】
電気化学装置が充放電状態にあるとき、第1タブから発生される磁界と第1接続子から発生される磁界とが少なくとも部分的に相殺され、および/または、第2タブから発生される磁界と第2接続子から発生される磁界とが少なくとも部分的に相殺され、電気化学装置端面から生じる磁界が弱くなる。S2/S1及び/又はS4/S3の他の値に比べて、S2/S1≧50%及び/又はS4/S3≧50%の場合、電気化学装置端面の磁界が弱く、電気機器に対する電磁干渉が小さい。
【0008】
本開示のいくつかの態様において、上記電気化学装置は、以下の条件(iii)~(iv)の少なくとも1つをさらに満たす。
【0009】
条件(iii)はS2/S1≧70%を満たすことである。
【0010】
条件(iv)はS4/S3≧70%を満たすことである。
【0011】
S2/S1≧70%および/またはS4/S3≧70%のとき、電気化学装置端面に発生する磁界が小さく、端面での磁界強度の差が小さい。
【0012】
本開示のいくつかの態様において、電気化学装置は、以下の条件(v)から(vi)の少なくとも一つをさらに満たす。
【0013】
条件(v)
第1接続子は、第1電極から離れた端部に第4接続領域が設けられる。また、天壁に垂直な方向から見て、第4接続領域の幾何学中心と第1電極の幾何学中心とを結ぶ線と、第1接続領域の幾何学中心と第1電極の幾何学中心とを結ぶ線とがなす角をθとする場合、0°≦θ≦45°を満たす。
【0014】
条件(vi)
第2接続子は、第3接続領域から離れた端部に第5接続領域が設けられる。また、底壁に垂直な方向から見て、第5接続領域の幾何学中心と第3接続領域の幾何学中心とを結ぶ線と、第2接続領域の幾何学中心と第3接続領域の幾何学中心とを結ぶ線とがなす角をβとする場合、0°≦β≦45°を満たす。
【0015】
θ>45°と比べ、θ≦45°である場合、第1タブが発生する磁界と第1接続子が発生する磁界とがお互いに相殺する効果が高く、電気化学装置の電磁気特性がよい。β>45°と比べ、β≦45°である場合、第2タブが発生する磁界と第2接続子が発生する磁界とがお互いに相殺する効果が高く、電気化学装置の電磁気特性がよい。
【0016】
本開示のいくつかの実施形態では、第1接続子は、第1電極から離れた端部に第4接続領域が設けられている。天壁に垂直な方向から見て、第4接続領域の幾何学中心と第1電極の幾何学中心とを結ぶ線は、第3基準線である。第1電極の幾何学中心を中心とし、第4接続領域の幾何学中心と第1電極の幾何学中心との間の線分の長さL3を半径として、第3基準線の両側の±45°の扇形領域が第3領域となる。第2接続子と第3領域との重なり部分の面積をS5とする場合、S5/S3≧50%を満たす。電気化学装置が充放電状態にあるとき、第1接続子が発生する磁界と第2接続子が発生する磁界とが少なくとも部分的に相殺され、電気化学装置全体が発生する磁界を弱めることができる。S5/S3<50%と比べ、S5/S3≧50%である場合、第1接続子が発生する磁界と第2接続子が発生する磁界とがお互いに相殺する効果が高く、電気化学装置の電磁気特性がよい。
【0017】
本開示のいくつかの態様において、面積S5と面積S3との比は、S5/S3≧85%を満たす。S5/S3≧85%である場合、第1接続子が発生する磁界と第2接続子が発生する磁界とがお互いに相殺する効果がより高く、かつ、端面での磁界強度の差が小さい。
【0018】
本開示のいくつかの態様において、天壁に垂直な方向から見て、第1基準線と第2基準線とがなす角をαとする場合、0°≦α≦60°を満たす。α>60°と比べ、0°≦α≦60°である場合、第1タブが発生する磁界と第2タブが発生する磁界とがお互いに相殺する効果が高く、電気化学装置全体が発生する磁界は小さい。
【0019】
本願のいくつかの実施例では、電極組立体は捲回構造である。第1極片は、第1端部を有する第1活物質層を備え、第1端部は、捲回構造の巻き始め端に設けられている。第2極片は、第2端部を有する第2活物質層を備え、第2端部は、捲回構造の巻き始め端に設けられている。第1極片の長手方向に沿って、第1接続領域の幾何学中心と第1端部との間の距離をD1とし、第2極片の長手方向に沿って、第2接続領域の幾何学中心と第2端部との間の距離をD2とすると、0.5≦D1/D2≦2を満たす。D1/D2の他の値と比べ、0.5≦D1/D2≦2である場合、第1極片が発生する磁界と第2極片が発生する磁界とがお互いに相殺する効果が高く、電気化学装置が発生する磁界が電気機器に与える影響は小さい。さらに、0.9≦D1/D2≦1.1であると、第1極片が発生する磁界と第2極片が発生する磁界とがお互いに相殺する効果がよりよくなり、電気化学装置端面での磁界強度の差が小さい。
【0020】
本開示のいくつかの態様において、当該電気化学装置は、以下の条件(a)から(b)の少なくとも一つをさらに満たす。
【0021】
条件(a)
第1接続子は、第1電極から離れた端部に第4接続領域が設けられている。天壁に垂直な方向から見て、第4接続領域の幾何学中心と第1電極の幾何学中心との間の線分の長さをL3とする場合、0.5≦L1/L3≦2を満たす。
【0022】
条件(b)
第2接続子は、第3接続領域から離れた端部に第5接続領域が設けられている。底壁に垂直な方向から見て、第5接続領域の幾何学中心と第3接続領域の幾何学中心との線分の長さをL4とする場合、0.5≦L2/L4≦2を満たす。
【0023】
L1/L3の他の値と比べ、0.5≦L1/L3≦2である場合、第1タブが発生する磁界と第1接続子が発生する磁界とがお互いに相殺する効果が高く、電気化学装置の天壁側の各所における磁界強度の差が小さい。L2/L4の他の値と比べ、0.5≦L2/L4≦2である場合、第2タブが発生する磁界と第2接続子が発生する磁界とがお互いに相殺する効果が高く、電気化学装置底壁側の各所における磁界強度の差が小さい。
【0024】
本開示のいくつかの態様において、上記電気化学装置は、以下の(1)~(4)の条件の少なくとも一つをさらに満たす。(1)第1タブ及び第2タブが電極組立体の反対側に位置する。(2)頂壁は、対向する第1表面と第2表面とを有し、第1表面と第2表面とを貫通する貫通孔が設けられており、第1電極は貫通孔に設けられる。(3)天壁と第1電極との間には絶縁材が設けられる。(4)ケースは金属材料を含む。
【0025】
本発明の第2態様は、上記いずれかの実施形態に係る電気化学装置を備えた電気機器を提供する。上記電気化学装置は、自己が発生する磁界を弱め、良好な電磁気特性を持ち、自己磁界による電気機器への影響を低減させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【
図1】本開示の一実施形態に係る電気化学装置を示す第1立体図である。
【
図2】本開示の一実施形態に係る電気化学装置を示す第2立体図である。
【
図3】本開示の一実施形態に係る電気化学装置を示す部分断面図である。
【
図4】本開示の一実施形態に係る第1電極の構成を示す図である。
【
図5】本開示の一実施形態に係る電極組立体、第1タブ及び第2タブを示す第1立体図である。
【
図6】本開示の一実施形態に係る電極組立体、第1タブ及び第2タブを示す第2立体図である。
【
図7】本開示の一実施形態に係る電気化学装置を示す第3平面図である。
【
図8】本開示の一実施形態に係る電極組立体、第1タブ及び第2タブを示す第3平面図である。
【
図9】本開示の他の実施形態に係る電気化学装置を示す第4平面図である。
【
図10】本開示の一実施形態に係る電気化学装置を示す第5平面図である。
【
図11】本開示の一実施形態に係る電気化学装置を示す第6平面図である。
【
図12】本開示の一実施形態に係る電気機器の構成を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0027】
本開示は、以下の詳細な説明において上記の図面と併せてさらに説明される。
以下、本願実施例に係わる発明を、本願実施例における図面と共に説明するが、当然のことながら、記載された実施例は、本願の実施例の一部であって、全ての実施例に限定されるものではない。
【0028】
なお、1つの要素がもう1つの要素に「接続される」と考えられる場合、それは前記もう1つの要素に直接に接続されてもよいし、他の要素を介して前記もう1つの要素に接続されてもよい。ある要素がもう1つの要素に「設けられる」と記載されている場合、それは前記もう1つの要素に直接に設けられてもよいし、他の要素を介して前記もう1つの要素に設けられてもよい。
【0029】
本明細書において用いられる技術および科学の用語は、特に定義されない限り、本開示の技術分野に属する当業者が通常理解する意味合いと同義である。本願明細書において使用される用語は、具体的な実施例を記述する目的のみであり、本願を制限することを意図するものではない。
【0030】
本発明の第1態様は、ケースと、ケース内に収容された電極組立体とを含む電気化学装置を提供する。ケースは、第1電極が設けられた天壁と、側壁と、底壁とを含む。電極組立体は、第1極片と第2極片とを含む。当該電気化学装置は、以下の条件(i)から(ii)の少なくとも一つを満たす。
【0031】
条件(i)
電気化学装置は、第1タブと、ケース外に設けられた第1接続子と、をさらに備える。第1タブは、第1極片と第1電極とを接続し、第1タブは、第1極片に接続する第1接続領域を有する。第1接続子は、第1電極に接続される。天壁に垂直な方向から見て、第1接続領域の幾何学中心と第1電極の幾何学中心とを結ぶ線は、第1基準線である。第1電極の幾何学中心を中心とし、第1接続領域の幾何学中心と第1電極の幾何学中心との間の線分の長さL1を半径として、第1基準線の両側の±45°の扇形の領域が第1領域となる。第1接続子の面積をS1とし、第1接続子と第1領域の重なり部分の面積をS2とする場合、S2/S1≧50%を満たす。
【0032】
条件(ii)
電気化学装置は、第2タブと、ケース外に設けられた第2接続子と、をさらに備える。第2タブは、第2極片とケースとを接続し、第2タブは、第2極片に接続する第2接続領域と、ケースに接続する第3接続領域とを含む。第2接続子は、ケースに接続される。底壁に垂直な方向から見て、第2接続領域の幾何学中心と第3接続領域の幾何学中心とを結ぶ線は、第2基準線である。第3接続領域の幾何学中心を中心とし、第2接続領域の幾何学中心と第3接続領域の幾何学中心との間の線分の長さL2を半径として、第二基準線の両側の±45°の扇形領域が第二領域となる。第二接続子の面積をS3とし、第二接続子と第二領域の重なり部分の面積をS4とする場合、S4/S3≧50%を満たす。
【0033】
電気化学装置が充放電状態にあるとき、第1タブから発生される磁界と第1接続子から発生される磁界とが少なくとも部分的に相殺され、および/または、第2タブから発生される磁界と第2接続子から発生される磁界とが少なくとも部分的に相殺され、電気化学装置端面から生じる磁界が弱くなる。S2/S1及び/又はS4/S3の他の値に比べて、S2/S1≧50%及び/又はS4/S3≧50%の場合、電気化学装置端面の磁界が弱く、電気機器に対する電磁干渉が小さい。
【0034】
例示として、電気化学装置が水平面に設けられて、底壁が下、天壁が上にある場合を例としてさらに説明する。
【0035】
以下、図面を参照して、本開示の実施例をさらに説明する。
【0036】
図1、
図2、及び
図3に示すように、本開示の実施形態は、ケース1と、電極組立体2と、第1タブ3と、第2タブ4と、第一接続子5と、第2接続子6とを備える電気化学装置100を提供する。電極組立体2、第1タブ3及び第2タブ4は、ケース1の内部に設けられており、電極組立体2は、第1タブ3と第2タブ4とを接続している。第1接続子5及び第2接続子6は、ケース1外に設けられ、第1接続子5と第1タブ3とが電気的に接続され、第2接続子6と第2タブ4とが電気的に接続されている。第1接続子5及び第2接続子6は電気機器と接続するためのものであり、電気化学装置100が電気機器に給電することができる。
【0037】
ケース1は、天壁11、側壁12、及び底壁13を備え、天壁11、側壁12、及び底壁13は、囲んで収納空間14を形成し、電極組立体2、第1タブ3、及び第2タブ4は、収納空間14内に設けられている。
【0038】
天壁11には、第1タブ3と第1接続子5とを接続する第1電極111が設けられている。
【0039】
一実施形態において、天壁11は、貫通孔114が設けられ、お互いに背離する第1表面112及び第2表面113を含み、貫通孔114は第1表面112および第2表面113を貫し、第1表面は天壁11の収納空間14に対向する一側に位置し、第2表面113は天壁11の収納空間14から背離する一側に位置する。
【0040】
第1電極111は、少なくとも一部が貫通孔114内に設けられている。一実施形態において、電気化学装置100は絶縁材7をさらに備え、絶縁材7は、天壁11と第1電極111との間に設けられ、天壁11と第1電極111とを接続して天壁11と第1電極111とを絶縁し、電気化学装置100が短絡するリスクを低減する。
【0041】
一実施形態において、第1電極111の材質は、アルミニウムや銅金属を含むが、これらに限られない。
【0042】
一実施形態において、底壁13は、第2タブ4と第2接続子6とを接続し、第2タブ4と第2接続子6とを電気的に接続する導電部131を含む。一実施形態において、導電部131は金属材料を含む。
【0043】
一実施形態において、第1接続子5は、金属材料を含む。一実施形態において、第2接続子6は、金属材料を含む。
【0044】
別の実施形態において、第1電極111は貫通孔114内に設けられてもよく(図示せず)、絶縁材7は第1電極111と貫通孔114の内壁との間に設けられてもよい。
【0045】
図3及び
図4に示すように、第1電極111は、第1部分1111と第2部分1112とを含む。第1部分1111は、第3表面1111aを有し、第2部分1112は、第3表面1111aよりも突出している。第1部分1111は、収納空間14内に設けられており、第2部分1112は、貫通孔114内に位置している。
【0046】
理解及び記述の便宜のため、以下では、天壁11に垂直な方向を第3方向Zとし、第3方向Zに沿って見て、第1接続子5の長手方向を第1方向Xとし、第2接続子6の長手方向を第2方向Yとして、さらに説明する。
【0047】
一実施形態において、絶縁材7は、リング構造であり、第1電極111の第2の部分1112は、リング構造を貫通する。
【0048】
一実施形態において、絶縁材7は、シーラント材によって構成されているが、これに限られない。
【0049】
図5および
図6に示すように、電極組立体2は、第1極片21と、第2極片22と、第1極片21と第2極片22との間に設けられた分離膜23とを含む。一実施形態において、第1極片21、分離膜23及び第2極片22は捲回されて設けられる。
【0050】
第1極片21及び第2極片22は、一方が正極片であり、他方が負極片である。
【0051】
第1タブ3及び第2タブ4の一方は正タブであり、他方は負タブである。
【0052】
第1極片21は、第1活物質層211を含み、第1タブ3は、第1接続領域31を有し、第1タブ3は、第1接続領域31において第1極片21と接続されている。
【0053】
第2極片22は、第2活物質層221を含み、第2タブ4は、第2接続領域41を有し、第2タブ4は、第2接続領域41において第2極片22と接続されている。
【0054】
一実施形態において、第1タブ3は電極組立体2の一方側に位置し、第2タブ4は電極組立体2の対向する他方側に位置する。別の実施形態において、第1タブ3及び第2タブ4は、電極組立体2の同じ側に位置してもよい(図示せず)。
【0055】
電極組立体2は、捲回構造である。一実施形態において、第1活物質層211は、巻き構造の巻き始め端に設けられた第1端部2111を含み、第2活物質層221は、巻き構造の巻き始め端に設けられた第2端部2211を含む。
【0056】
第1極片21の長手方向に沿って、第1接続領域31の幾何学中心と第1端部2111との間の距離をD1とする。第2極片22の長手方向に沿って、第2接続領域41の幾何学中心と第2端部2211との間の距離をD2とする。好ましくは、0.5≦D1/D2≦2である。
【0057】
電気化学装置100が充放電状態にあるとき、第1端部2111から第1接続領域31までの間の電流の向きと、第2端部2211から第2接続領域41までの間の電流の向きとが逆となり、第1極片21と第2極片22とにおいて逆電流により発生する磁界は少なくとも部分的に相殺することができ、電気化学装置100が発生する磁界が電気機器に与える影響を低減することができる。
【0058】
さらに、好ましくは、0.9≦D1/D2≦1.1である。0.9≦D1/D2≦1.1である場合、第1極片21が発生する磁界と第2極片22が発生する磁界とがお互いに相殺する効果がより高く、電気化学装置100の端面各所の磁界強度の差が小さくなる。
図1、
図2及び
図3を参照して、第2タブ4は、第3接続領域42をさらに有し、第2タブ4は、第3接続領域42において底壁13の導電部131に接続されている。
【0059】
第1接続子5は、第1電極111から離れた端部に第4接続領域51が設けられ、第2接続子6は、第3接続領域42から離れた端部に第5接続領域61が設けられ、第4接続領域51及び第5接続領域61は電気機器と接続して、電気化学装置100を電気機器に電気的に接続する。
【0060】
図5、
図6および
図7を併せて参照して、第3方向Zに沿って見ると、第4接続領域51の幾何学中心と第1電極111の幾何学中心との間を結ぶ線をW1とし、第1接続領域31の幾何学中心と第1電極111の幾何学中心との間を結ぶ線をW2とし、線W1と線W2とがなす角をθとする。
【0061】
本願において、θは、第3方向Zに沿って見て、第1電極111の幾何学中心を端点とし、第4接続領域51の幾何学中心を通る線と、第1接続領域31の幾何学中心を通る線とがなす角度である。
【0062】
一実施形態において、0°≦θ≦45°である。電気化学装置100が充放電状態にあるとき、第3方向Zに沿って見ると、第1タブ3および第1接続子5に流れる電流の向きが逆になり易く、第1タブ3が発生する磁界と第1接続子5が発生する磁界とが少なくとも部分的に相殺され、電気化学装置100の天壁11側で発生する磁界が弱まり、電気化学装置100が発生する磁界が電気機器に与える影響を低減する。θ>45°と比べ、θ≦45°である場合、第1タブ3が発生する磁界と第1接続子5が発生する磁界とがお互いに相殺する効果が高く、電気化学装置100の電磁気特性がよい。
【0063】
第3方向Zから見て、第5接続領域61の幾何学中心と第3接続領域42の幾何学中心との間の結ぶ線をW3とし、第2接続領域41の幾何学中心と第3接続領域42の幾何学中心との間を結ぶ線をW4とし、線W3と線W4とのなす角をβとする。
【0064】
本願において、βは、第3方向Zから見て、第3接続領域42の幾何学中心を端点とし、第5接続領域61の幾何学中心を通る線と第2接続領域41の幾何学中心を通る線とがなす角度である。
【0065】
一実施形態において、0°≦β≦45°である。電気化学装置100が充放電状態にあるとき、第3方向Zに沿って見ると、第2タブ4および第2接続子6に流れる電流の向きが逆になり易く、第2タブ4が発生する磁界と第2接続子6が発生する磁界とが少なくとも部分的に相殺され、電気化学装置100の底壁13側で発生する磁界が弱まり、電気化学装置100が発生する磁界が電気機器に与える影響を低減する。β>45°と比べ、β≦45°である場合、第2タブ4が発生する磁界及びインダクタンスと、第2接続子6が発生する磁界及びインダクタンスとがお互いに相殺する効果が高く、電気化学装置100の電磁気特性がよい。
【0066】
第3方向Zから見て、第1接続領域31の幾何学中心と第1電極111の幾何学中心との間の線分の長さをL1とし、第4接続領域51の幾何学中心と第1電極111の幾何学中心との間の線分の長さをL3とする。
【0067】
好ましくは、0.5≦L1/L3≦2である。L1/L3の他の値と比べ、0.5≦L1/L3≦2である場合、第1タブ3が発生する磁界と第1接続子5が発生する磁界とがお互いに相殺する効果が高く、電気化学装置100が発生する磁界が電気機器に与える影響が小さい。好ましくは、0.9≦L1/L3≦1.1である。
【0068】
第3方向Zから見て、第2接続領域41の幾何学中心と第3接続領域42の幾何学中心との間の線分の長さをL2とし、第5接続領域61の幾何学中心と第3接続領域42の幾何学中心との間の線分の長さをL4とする。
【0069】
一実施形態において、0.5≦L2/L4≦2である。L2/L4の他の値と比べ、0.5≦L2/L4≦2である場合、第2タブ4が発生する磁界と第2接続子6が発生する磁界とがお互いに相殺する効果が高く、電気化学装置100が発生する磁界が電気機器に与える影響が小さい。好ましくは、0.9≦L2/L4≦1.1である。
【0070】
一実施形態において、線W2と線W4とがなす角は、0°≦α≦60°であることが好ましい。電気化学装置100が充放電状態にあるとき、第1タブ3が発生する磁界と第2タブ4が発生する磁界とが少なくとも部分的に相殺され、電気化学装置100全体で発生する磁界が弱まり、電気化学装置100が発生する磁界が電気機器に与える影響を低減する。本願において、挟角αは、線W2と線W4または両者の延長線との交点から第1接続領域31の幾何学中心までの線と当該交点から第2接続領域41の幾何学中心までの線との挟角である。
【0071】
図8及び
図9に示すように、第3方向Zから見て、線W2を第1基準線とし、第1電極111の幾何学中心を中心とし、線分の長さL1を半径とし、第1基準線の両側の±45°の扇形領域を第1領域A1となり、第1接続子5の面積をS1とし、第1接続子5と第1領域A1との重なり部分の面積をS2とする。
【0072】
好ましくは、S2/S1≧50%である。S2/S1<50%と比べ、S2/S1≧50%である場合、第1タブ3が発生する磁界と第1接続子5が発生する磁界とがお互いに相殺する効果が高く、電気化学装置100の天壁11側で発生する磁界が、電気機器に与える影響が小さい。
【0073】
好ましくは、S2/S1≧70%である。S2/S1≧70%のとき、第1タブ3が発生する磁界と第1接続子5が発生する磁界とがお互いに相殺する効果がより高く、かつ、天壁11側の各所における磁界の差が小さい。
【0074】
一実施形態において、第3方向Zから見て、線W4を第2基準線とし、第3接続領域42の幾何学中心を中心とし、線分の長さL2を半径とすると、第2基準線の両側±45°の扇形領域が第2領域A2となり、第2接続子6の面積をS3とし、第2接続子6と第2領域A2との重なり部分の面積をS4とする。
【0075】
好ましくは、S4/S3≧50%である。S4/S3<50%と比べ、S4/S3≧50%である場合、第2タブ4が発生する磁界と第2接続子6が発生する磁界とがお互いに相殺する効果が高く、電気化学装置100の底壁13側で発生する磁界が電気機器に与える影響は小さい。
【0076】
さらに、S4/S3≧70%である。S4/S3≧70%のとき、第2タブ4が発生する磁界と第2接続子6が発生する磁界とがお互いに相殺する効果がより高く、かつ、底壁13側の各所における磁界の差が小さい。
【0077】
図10及び
図11に示すように、一実施形態において、第3方向Zから見て、線W1を第3基準線とし、第1電極111の幾何学中心を中心とし、線分の長さL3を半径とすると、第3基準線の両側の±45°の扇形の領域を第3領域A3となり、第2接続子6と第3領域A3との重なり部分の面積をS5とする。
【0078】
一実施形態において、S5/S3≧50%である。電気化学装置100が充放電状態にあるとき、第1接続子5が発生する磁界と第2接続子6が発生する磁界とが少なくとも部分的に相殺するため、電気化学装置100全体が発生する磁界が弱まり、電気化学装置100が発生する磁界が電気機器に与える影響を低減することができる。
【0079】
好ましくは、S5/S3≧85%である。S5/S3≧85%であると、第1接続子5が発生する磁界と第2接続子6が発生する磁界とがお互いに相殺する効果がより高く、電気化学装置100の天壁11側及び底壁13側の各所における磁界の差が小さい。
【0080】
本願の電気化学装置100が発生する磁界の低減効果を検証するため、以下の複数の比較試験を行っている。
【0081】
試験-1:
第1タブを正タブ、第2タブを負タブ、挟角βを0°、S4/S3の値を100%、挟角αを0°、D1/D2の値を0.9418とし、S2/S1及び挟角θの大きさを変えて、天壁11側の磁束密度Bを記録する。
【0082】
本願では、磁束密度は、磁気誘導強度とも呼ばれ、磁界の強弱を表すことができる。磁束密度の数値が大きいほど、磁界が強いことを表し、磁界が強いほど、電気化学装置100が発生する磁界に対する低減効果が小さいことを示す。磁束密度の数値が小さいほど、磁界が弱いことを表し、磁界が弱いほど、電気化学装置100が発生する磁界に対する低減効果が大きいことを示す。
【0083】
【0084】
表1より分かるように、S2/S1が100%、θが0°のとき、磁束密度Bは約4.56×10-6Tである。S2/S1が50%、θが47°のとき、磁束密度Bは、約6.73×10-6T(約82/S1が100%、θが0°のときの1.48倍)である。S2/S1が0%、θが70°のとき、磁束密度Bは、約7.47×10-6T(約S1が1002/S1が100%、θが0°のときの1.6であり、S2/S1が0%、θが180°のとき、磁束密度Bは、約9.83×10-6T(約82/S1が100%、θが0°のときの2.16倍)である。
【0085】
S2/S1が100%のとき、第3方向Zから見て、第1接続子5の投影と第1領域A1の投影とが重なり、電気化学装置100の電磁気特性がよい。そして、挟角θの値が小さくなるに従って、電気化学装置100の電磁気特性が徐々に最適化される。
【0086】
試験-2:
第1タブを正タブ、第2タブを負タブ、挟角をθ0°、S2/S1の値を100%、挟角βを0°とし、S5/S3、挟角αおよびD1/D2の大きさを変えて、天壁11側の磁束密度B1および底壁13側の磁束密度B2を記録する。
【0087】
【0088】
表2より分かるように、S5/S3が100%、αが0°のとき、磁束密度B1は約4.560×10-6Tであり、磁束密度B2は約3.390×10-6Tである。S5/S3が55%、αが45°のとき、磁束密度B1は約5.265×10-6T(約S5/S3が100%、αが0°のときの1.15倍)であり、磁束密度B2は約4.115×10-6T(約5/S3が100%、αが0°のときの1.21倍)である。S5/S3が0%、αが90°のとき、磁束密度B1は約5.940×10-6T(約S5/S3が100%、αが0°のときの1.30倍)であり、磁束密度B2は約4.850×10-6T(約S5/S3が100%、αが0°のときの1.43倍)である。
【0089】
S2/S1が100%のとき、第3方向Zから見て、第2接続子6の投影と第1領域A3の投影とが重なり、電気化学装置100の電磁気特性がよい。そして、α値が小さくなるに従って、電気化学デバイス100の電磁気特性が徐々に最適化され、電気化学装置100の天壁11側及び底壁13側の磁束密度はさらに顕著に低下する。
【0090】
図12に示すように、本出願の実施形態は、機器本体210と、上述のいずれかの実施形態に係る電気化学装置100とを備え、電気化学装置100が機器本体210に設けられた電気機器200をさらに提供する。電気化学装置100は、自己が発生する磁界を弱め、良好な電磁気特性を持ち、自己磁界が電気機器に与える影響を低減することができる。
【0091】
また、当業者は、本願の精神内でその他の変更を行うことも可能であり、当然のことながら、本願の精神に基づく変更は、本願において開示されている範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0092】
100 電気化学装置
1 ケース
11 天壁
111 第1電極
1111 第1部分
1111a 第3表面
1112 第2部分
112 第1表面
113 第2表面
114 貫通孔
12 側壁
13 底壁
131 導電部
14 収容空間
2 電極組立体
21 第1極片
211 第1活物質層
2111 第1端部
22 第2極片
221 第2活物質層
2211 第2端部
23 分離膜
3 第1タブ
31 第1接続領域
4 第2タブ
41 第2接続領域
42 第3接続領域
5 第1接続子
51 第4接続領域
6 第2接続子
61 第5接続領域
7 絶縁材
W1 第4接続領域の幾何学中心と第1電極の幾何学中心とを結ぶ線
W2 第1接続領域の幾何学中心と第1電極の幾何学中心とを結ぶ線
W3 第5接続領域の幾何学中心と第3接続領域の幾何学中心とを結ぶ線
W4 第2接続領域の幾何学中心と第3接続領域の幾何学中心とを結ぶ線
L1 第1接続領域の幾何学中心と第1電極の幾何学中心との線分の長さ
L2 第2接続領域の幾何学中心と第3接続領域の幾何学中心との線分の長さ
L3 第4接続領域の幾何学中心と第1電極の幾何学中心との線分の長さ
L4 第5接続領域の幾何学中心と第3接続領域の幾何学中心との線分の長さ
A1 第1領域
A2 第2領域
A3 第3領域
200 電気機器
210 機器本体
X 第1方向
Y 第2方向
Z 第3方向
【国際調査報告】