(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-10-23
(54)【発明の名称】植物栽培装置
(51)【国際特許分類】
A01G 31/00 20180101AFI20241016BHJP
【FI】
A01G31/00 601C
A01G31/00 612
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024526785
(86)(22)【出願日】2021-12-23
(85)【翻訳文提出日】2024-04-26
(86)【国際出願番号】 KR2021019724
(87)【国際公開番号】W WO2023075022
(87)【国際公開日】2023-05-04
(31)【優先権主張番号】10-2021-0144651
(32)【優先日】2021-10-27
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】524164130
【氏名又は名称】ジーエスエフシステム・コーポレーション
【住所又は居所原語表記】10ho, 3F, Startup Venture Hall, Changwon Munsung University, Chunghon-ro 91, Seongsan-gu, Changwon-si, Gyeongsangnam-do 51410 REPUBLIC OF KOREA
(74)【代理人】
【識別番号】110002789
【氏名又は名称】弁理士法人IPX
(72)【発明者】
【氏名】ソ・ミンソン
【テーマコード(参考)】
2B314
【Fターム(参考)】
2B314MA33
2B314MA38
2B314MA41
2B314MA70
2B314PB22
2B314PB36
2B314PB37
2B314PB39
2B314PB44
2B314PB64
2B314PB70
2B314PD59
(57)【要約】
本開示の複数の実施例における植物栽培装置は、植物が配置される植物配置部;上記植物配置部と繋がっており、上記植物に液体を噴霧する加湿供給部;及び上記加湿供給部と繋がっており、上記加湿供給部に上記液体を供給する液体供給部;を含むことが可能である。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
植物が配置される植物配置部;
前記植物配置部と繋がっており、前記植物に液体を噴霧する加湿供給部;及び
前記加湿供給部と繋がっており、前記加湿供給部に前記液体を供給する液体供給部;
を含む、
植物栽培装置。
【請求項2】
請求項1において、
前記加湿供給部は、
前記液体の量が基準液体量以下に収容され、前記液体供給部と繋がっている液体容器;
前記液体容器の下部に備えられ、前記液体に振動を加え霧化させる振動子;
前記液体容器の上部に形成され、霧化された液体を前記植物配置部へ排出する排出口;
前記液体容器の上部に形成され、前記排出口を介して前記植物配置部へ排出された前記霧化された液体を吸入する吸入口;及び
前記液体容器の上部において前記吸入口と対応するように備えられ、前記霧化された液体を循環させる循環機器;
を含む、
植物栽培装置。
【請求項3】
請求項1において、
前記液体供給部は、
前記液体が保存され、前記加湿供給部に前記液体を供給させるための動力を提供するポンプを含む液体保存部;
内部が空になっている管の形状をしており、一側は前記液体保存部と、他側は前記加湿供給部と繋がっており、前記液体保存部に保存された前記液体が前記加湿供給部へ移動する給水管;
内部が空になっている管の形状をしており、一側は前記加湿供給部と、他側は前記液体保存部と繋がっており、前記加湿供給部に収容されている液体が前記液体保存部へ移動する第1排水管;及び
内部が空になっている管の形状をしており、一側は前記植物配置部と、他側は前記液体保存部と繋がっており、前記植物配置部において凝結した液体が前記液体保存部へ移動する第2排水管;
を含む、
植物栽培装置。
【請求項4】
請求項3において、
前記第1排水管の一側は,
前記加湿供給部において予め設定された位置へ繋がっており、
前記予め設定された位置は、
前記加湿供給部に収容されている前記液体の量が、基準液体量を超過する場合、前記加湿供給部に収容されている液体のうち少なくとも一部が、前記液体保存部へ移動するように設定された位置である、
植物栽培装置。
【請求項5】
請求項3において、
前記液体保存部は、
保存された前記液体の水位を感知する水位センサーモジュール;
を含み、
前記植物栽培装置は、
前記水位センサーモジュールにより前記水位が感知された場合、前記水位に基づき、外部機器へ危険信号を伝送するか否かを判断する制御部;
をさらに含む、
植物栽培装置。
【請求項6】
請求項5において、
前記植物栽培装置は、
前記制御部により制御されるネットワーク部;
をさらに含み、
前記制御部は、
前記水位が予め設定された高さ以下であると認識された場合、前記ネットワーク部を介し、前記水位に係る情報を含む前記危険信号を前記外部機器に伝送する、
植物栽培装置。
【請求項7】
請求項3において、
前記液体保存部は、
保存された前記液体の溶存酸素の量を測定する溶存酸素測定センサーモジュール;
を含む、
植物栽培装置。
【請求項8】
請求項7において、
前記植物栽培装置は、
前記液体供給部と繋がっており、前記液体供給部に酸素を供給する酸素供給部;及び
前記溶存酸素測定センサーモジュールにより前記溶存酸素の量が測定された場合、前記溶存酸素の量に基づき、前記酸素供給部による前記酸素の供給を行うか否かを判断する制御部;
をさらに含む、
植物栽培装置。
【請求項9】
請求項8において、
前記制御部は、
前記溶存酸素の量が基準値となる溶存酸素量以下であると認識された場合、前記酸素供給部において前記酸素を供給するように制御する、
植物栽培装置。
【請求項10】
請求項1において、
前記植物に向けて光を照射する少なくとも1つの照明が備えられる照明部;及び
前記少なくとも1つの照明の照射角度及び光の強さのうち、少なくとも1つを、前記植物の配置に基づいて制御する制御部;
をさらに含む、
植物栽培装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、植物栽培装置に係り、具体的には、液体を噴霧する植物栽培装置に関する。
【背景技術】
【0002】
一般的に、作物用又は観賞用植物を栽培するための技術として、水耕栽培の技術が知られている。水耕栽培は、培養土等の土を必要とせず、作物に供給される液体(例えば、養液)の成分を、任意に調整でき、衛生的に作物栽培を行うことが可能であることから、重要な室内農業技術として注目を集めている。前述の水耕栽培方式は、産業の発展に伴う農耕地の減少並びに農薬の発達及び使用増加がもたらした、食の安全を求める消費者の意識の高まり、季節を問わず環境にやさしい野菜を食したいという需要の増加、核家族化及び高齢化に伴い家族数が減少し、一度に購入する量が減る傾向にあること等により、さらに浸透しつつある。
ところが、前述の水耕栽培技術は、根本の少なくとも一部が液体に浸かり、根に対する酸素の供給が低下しがちになるため、このような条件に脆弱な植物には適合せず、栽培可能な植物の種類に制限があるという問題がある。
【0003】
また、液体は、藻類や細菌の成長にも適合する環境であるため、これらの成長を防ぐための措置が必要であるという問題がある。さらに、このような方式においては、植物が必要とする量より、多くの液体が必要になるため、液体の使用量が増える問題もある。
なお、これに関連し、大韓民国登録特許第10-1802874号が案出されている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本開示は、前述の背景技術に対応するために案出されたものであり、液体を噴霧する植物栽培装置を提供することを目的とする。
【0005】
本開示における技術的課題は、前述の技術的課題に限定されるものではなく、当業者は、以下の記載内容に基づき、前述の技術的課題以外の課題についても明確に理解することが可能である。
【課題を解決するための手段】
【0006】
前述の課題を解決するための複数の実施例における植物栽培装置に関するものであって、植物栽培装置は、植物が配置される植物配置部;上記植物配置部と繋がっており、上記植物に液体を噴霧する加湿供給部;及び上記加湿供給部と繋がっており、上記加湿供給部に上記液体を供給する液体供給部;を含むことが可能である。
【0007】
代案として、上記加湿供給部は、上記液体の量が基準液体量以下に収容され、上記液体供給部と繋がっている液体容器;上記液体容器の下部に備えられ、上記液体に振動を加え霧化させる振動子;上記液体容器の上部に形成され、霧化された液体を上記植物配置部へ排出する排出口;上記液体容器の上部に形成され、上記排出口を介して上記植物配置部へ排出された上記霧化された液体を吸入する吸入口;及び上記液体容器の上部において上記吸入口と対応するように備えられ、上記霧化された液体を循環させる循環機器;を含むことが可能である。
代案として、上記液体供給部は、上記液体が保存され、上記加湿供給部に上記液体を供給させるための動力を提供するポンプを含む液体保存部;内部が空になっている管の形状をしており、一側は上記液体保存部と、他側は上記加湿供給部と繋がっており、上記液体保存部に保存された上記液体が上記加湿供給部へ移動する給水管;内部が空になっている管の形状をしており、一側は上記加湿供給部と、他側は上記液体保存部と繋がっており、上記加湿供給部に収容されている液体が上記液体保存部へ移動する第1排水管;及び内部が空になっている管の形状をしており、一側は上記植物配置部と、他側は上記液体保存部と繋がっており、上記植物配置部において凝結した液体が上記液体保存部へ移動する第2排水管;を含むことが可能である。
【0008】
代案として、上記第1排水管の一側は、上記加湿供給部において予め設定された位置へ繋がっており、上記予め設定された位置は、上記加湿供給部に収容されている上記液体の量が、基準液体量を超過する場合、上記加湿供給部に収容されている液体のうち少なくとも一部が、上記液体保存部へ移動するように設定された位置であることが可能である。
代案として、上記液体保存部は、保存された上記液体の水位を感知する水位センサーモジュール;を含み、上記植物栽培装置は、上記水位センサーモジュールにより上記水位が感知された場合、上記水位に基づき、外部機器へ危険信号を伝送するか否かを判断する制御部;をさらに含むことも可能である。
【0009】
代案として、上記植物栽培装置は、上記制御部により制御されるネットワーク部;をさらに含み、上記制御部は、上記水位が予め設定された高さ以下であると認識された場合、上記ネットワーク部を介し、上記水位に係る情報を含む上記危険信号を上記外部機器へ伝送することが可能である。
代案として、上記液体保存部は、保存された上記液体の溶存酸素の量を測定する溶存酸素測定センサーモジュール;を含むことが可能である。
【0010】
代案として、上記植物栽培装置は、上記液体供給部と繋がっており、上記液体供給部に酸素を供給する酸素供給部;及び上記溶存酸素測定センサーモジュールにより上記溶存酸素の量が測定された場合、上記溶存酸素の量に基づき、上記酸素供給部による上記酸素の供給を行うか否かを判断する制御部;をさらに含むことも可能である。
代案として、上記制御部は、上記溶存酸素の量が基準値となる溶存酸素量以下であると認識された場合、上記酸素供給部において上記酸素を供給するように制御することが可能である。
【0011】
代案として、上記植物に向けて光を照射する少なくとも1つの照明が備えられる照明部;及び上記少なくとも1つの照明の照射角度及び光の強さのうち、少なくとも1つを、上記植物の配置に基づいて制御する制御部;をさらに含むことも可能である。
【発明の効果】
【0012】
本開示は、液体を噴霧する植物栽培装置を提供し、液体の使用を減らすことが可能である。
【0013】
本開示から得られる効果は、前述の効果に限定されることなく、本開示が属する技術分野における通常の知識を有する者は、以下の記載内容に基づき、前述の効果以外の効果についても明確に理解することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図面を参照して多様な様相について説明する。以下の図面の記載において、類似の図面番号は、全般的に類似の構成要素を示すために使われる。以下の実施例において、説明のために、多数の特定の細部事項が、1つ以上の様相の総合的な理解を助けるために提供される。しかし、かかる(複数の)要素が、かかる細部事項がなくても実施されることができることは、明確である。
【0015】
【
図1】本開示の複数の実施例に基づく、植物栽培装置を含む植物栽培システムを示す図面である。
【
図2】本開示の複数の実施例に基づく、植物栽培装置の一部を示す正面図である。
【0016】
【
図3】本開示の複数の実施例に基づく、植物栽培装置の一部を示す側面図である。
【
図4】本開示の複数の実施例に基づく、植物栽培装置の一部を示す上面図である。
【0017】
【
図5】本開示の複数の実施例に基づく、植物栽培装置の加湿供給部を示す正面図である。
【
図6】本開示の複数の実施例に基づく、植物栽培装置の加湿供給部を示す側面図である。
【0018】
【
図7】本開示の複数の実施例に基づく、植物栽培装置の加湿供給部を示す上面図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、添付の図面を参照して、多様な実施例及び/又は様相を開示する。下記の説明において、説明を目的に、1つ以上の様相に対する全般的な理解を助けるために多数の具体的な細部事項を開示する。しかし、このような(複数の)様相は、このような具体的な細部事項がなくても実行できるということを、本開示の技術分野における通常の知識を持つ者は、認知することが可能である。以下に記載及び添付されている複数の図面は、1つ以上の様相の特定の例示的様相について詳細に記述している。しかし、これらの様相は例示的なものであり、多様な様相の原理に基づく多様な方法のうち一部が利用される場合もあり、ここに述べられている説明は、そのような様相及びそれらの均等物をすべて含むという意図を持っている。具体的に、本明細書における「実施例」、「例」、「様相」、「例示」等として記述されている任意の様相又は設計が、他の様相又は設計より優れており、又は利点があると解釈されるとは限らない。
【0020】
以下、図面の符号と関係なく、同一又は類似の構成要素に対しては、同一の参照番号を付し、それに係る重複する説明は省略する。また、本明細書に開示されている実施例を説明する際、それに係る公知の技術に関する具体的な説明が、本明細書に開示されている実施例の要旨を不明確にする可能性があると判断される場合は、その詳細な説明を省略する。また、添付の図面は、本明細書に開示されている実施例に対する理解をより容易にするためのものに過ぎず、添付の図面によって本明細書に開示されている技術的思想が制限されるわけではない。
別段の定義がない限り、本明細書において用いられているすべての用語(技術及び科学的用語を含む)は、本開示が属する技術分野における通常の知識を持つ者にとって共通して理解できる意味として用いられていると解釈できる。また、一般的な辞書に定義されている用語は、別段の定義がない限り、理想的に又は過度に解釈されないものとする。
【0021】
また、「又は」及び「または」は、排他的な意味の「又は」及び「または」ではなく、内包的な意味の「又は」及び「または」を意味するものとみなされる。つまり、特に意味が特定されておらず、文脈上明確ではない場合、「XはA又はBを利用する」は、自然な内包的置換のうち1つを意味するものとする。つまり、XがAを利用したり;XがBを利用したり;又はXがA及びBの両方を利用する場合、「XはA又はBを利用する」は、これらのいずれにも当てはまるものとすることが可能である。また、本明細書における「及び/又は」という用語は、取り挙げられた複数の関連アイテムのうち、1つ以上のアイテムの可能なすべての組み合わせを指し、含むものとする。
また、述語としての「含む(含める)」及び/又は修飾語としての「含む(含める)」という用語は、当該特徴及び/又は構成要素が存在することを意味するが、1つ以上の他のさらなる特徴、構成要素及び/又はこれらのグループの存在又は、追加を排除しないものと理解することとする。また、特に数が特定されていない場合や、単数を示すことが文脈上明確でない場合、本明細書と請求範囲において単数は、一般的に「1つ又はそれ以上」を意味するものと解釈すべきである。
【0022】
そして、「A又はBのうち少なくとも1つ」という用語については、「Aだけを含む場合」、「Bだけを含む場合」、「AとBの組み合わせの場合」を意味するものと解釈されるべきである。
ある構成要素が他の構成要素に「繋がって」いる、「連結されて」いる、又は「接続して」いるなどと記載された場合は、当該他の構成要素に直接繋がっていたり、連結されていたり又は接続していることも可能であるが、その間に他の構成要素が介在していることも可能であると解釈すべきである。一方、ある構成要素が他の構成要素に「直接繋がって」いる、「直接連結されて」いる、又は「直接接続して」いるなどと記述されている場合は、その間に他の構成要素が存在しないと解釈すべきである。
【0023】
以下の説明において用いられる構成要素に係る接尾語の「モジュール」及び「部」は、明細書作成を容易にするためだけの目的で付されたり混用されているものであり、これらの接尾語自体がそれぞれ異なる特定の意味や役割を有するわけではない。
本開示の目的及び効果並びにそれらを達成するための技術的構成は、添付の図面とともに詳しく後述する実施例を参照することで明確になる。本開示の説明において、公知の機能又は構成に係る具体的な説明が、本開示の要旨を不明確にする可能性があると判断される場合は、その詳しい説明を省略する。そして後述の用語は、本開示における機能を考慮して定義された用語であり、当該用語は、利用者や運用者の意図又は慣例等によって変わることが可能である。
【0024】
しかし、本開示は、以下に開示される実施例によって限定されるものではなく、多様な形で具現化されることが可能である。これらの実施例は、あくまでも、本開示を完全なものにし、本開示が属する技術分野における通常の知識を持つ者に、開示の範囲を完全に理解させるために提供されるものであり、本開示は、請求項の範囲によって定義されるものである。従って、その定義は、本明細書全般において記載されている内容に基づき決められるべきである。
本開示における複数の実施例に基づく植物栽培装置は、液体を噴霧することで、水耕栽培方式に比べ液体の使用量を減らすことが可能である。ただし、これに限定されない。
【0025】
図1は、本開示の複数の実施例に基づく、植物栽培装置を含む植物栽培システムを示す図面である。
図1を参照すると、植物栽培システムは、植物栽培装置(1000)、外部機器(2000)及びネットワークを含むことが可能である。ただし、上述の構成要素は、植物栽培システムを具現化するにあたり、必須のものではなく、植物栽培システムは、上述の構成要素より多い又は少ない構成要素を持つことも可能である。
【0026】
先ず、植物栽培装置(1000)は、制御部(1100)、植物配置部(1200)、加湿供給部(1300)、液体供給部(1400)、酸素供給部(1500)、照明部(1600)及びネットワーク部(1700)を含むことが可能である。
制御部(1100)は、通常、植物栽培装置(1000)の全般的な動作を処理することが可能である。制御部(1100)は、植物栽培装置(1000)を介して入力又は出力される信号、データ、情報等を処理したり、保存部に保存されている応用プログラムを実行させることが可能である。この場合、保存部においては、あらゆる植物の生育に係る情報をデータベースとして保存していることが可能である。例えば、植物による供給量、供給回数、供給時期等のような情報をデータベースとして保存していることが可能である。この場合、制御部(1100)は、保存部に保存されているあらゆる植物の生育に係る情報に基づき、複数の構成要素を制御し、液体を植物に提供することが可能である。
【0027】
具体的に、制御部(1100)は、植物配置部(1200)、加湿供給部(1300)、液体供給部(1400)、酸素供給部(1500)、照明部(1600)及びネットワーク部(1700)を制御することで、植物を栽培するための動作を行うことが可能である。例えば、制御部(1100)は、加湿供給部(1300)を介し、植物配置部(1200)に液体を供給することが可能である。液体は、植物の生育に必要な成分を有する養液を含むことが可能である。従って、植物は、生育に必要な液体の供給を受けることが可能である。
以下において、制御部(1100)により制御される植物栽培装置(1000)の一部について、
図2乃至
図7を用いて後述する。
【0028】
図2は、本開示の複数の実施例に基づく、植物栽培装置の一部を示す正面図である。
図3は、本開示の複数の実施例に基づく、植物栽培装置の一部を示す側面図である。
図4は、本開示の複数の実施例に基づく、植物栽培装置の一部を示す上面図である。
図2乃至4を参照すると、植物配置部(1200)は、一定の深さ(例えば、10cm等)があり、内部に空き空間がある六面体の形状をしており、上部に少なくとも1つの植物(10)が配置されることが可能である。従って、少なくとも1つの植物(10)は、根本が植物配置部(1200)の空き空間に位置することが可能である。そして、植物配置部(1200)は、キャビネットの上部及び中部にそれぞれ位置するように設置されることが可能である。
【0029】
加湿供給部(1300)は、植物配置部(1200)と繋がっており、少なくとも1つの植物(10)に液体を噴霧することが可能である。具体的に、加湿供給部(1300)は、植物配置部(1200)の空き空間に位置するように設置され、少なくとも1つの植物(10)の根本に、液体を噴霧することが可能である。従って、加湿供給部(1300)は、液体を加湿の方式で供給することで、最小限の液体で植物を栽培でき、養液供給費用が節減され、植物配置部(1200)の空き空間、即ち、空気中に露出されている植物の根に酸素を充分に供給することが可能であるため、他の水耕栽培方法に比べて、生育発達がとても速くなることが可能である。
本開示における複数の実施例によると、加湿供給部(1300)は、複数設けられ、植物配置部(1200)の各々に位置するように備えられ、液体供給部(1400)とは、個別に又は一括で繋がっており、 液体供給部(1400)において個別に又は複数をまとめて液体(20)の供給を受けることが可能である。
【0030】
一方、加湿供給部(1300)に係る具体的な説明は、
図5乃至
図7を用いて後述する。
図5は、本開示の複数の実施例に基づく、植物栽培装置の加湿供給部を示す正面図である。
図6は、本開示の複数の実施例に基づく、植物栽培装置の加湿供給部を示す側面図である。
図7は、本開示の複数の実施例に基づく、植物栽培装置の加湿供給部を示す上面図である。
【0031】
図5乃至
図7を参照すると、加湿供給部(1300)は、液体容器(1310)、振動子(1320)、排出口(1330)、吸入口(1340)、循環機器(1350)、給水管繋ぎ部(1360)及び第1排水管繋ぎ部(1370)を含むことが可能である。ただし、上述の構成要素は、加湿供給部(1300)を具現化するにあたり、必須のものではなく、加湿供給部(1300)は、ここに取り挙げられた構成要素より多い又は少ない構成要素を持つことが可能である。
【0032】
液体容器(1310)は、液体(20)が収容され、液体供給部(1400)と繋がることが可能である。具体的に、液体容器(1310)は、液体(20)が基準液体量以下に収容されることが可能である。基準液体量は、液体(20)の水位が、第1排水管繋ぎ部(1370)が形成された位置より低くなるように、設定されることが可能である。ただし、これに限らず、基準液体量は、状況に応じて又は噴霧に必要な液体量に応じて、設定が変わることが可能である。
【0033】
また、液体容器(1310)がY字型に形成され、液体(20)はY字型の下部に収容されることが可能である。ただし、液体容器(1310)の形状なこれに限らず、多様な形状に形成されることが可能である。
振動子(1320)は、液体容器(1310)の下部に設けられ、液体(20)に振動を加えて霧化させることが可能である。具体的に、振動子(1320)は、液体容器(1310)の液体(20)が収容される部分とは分離され、液体容器(1310)の液体(20)が収容される部分の下部に設けられ、液体(20)に振動を加えることが可能である。ただし、振動子(1320)の位置はこれに限らず、振動子(1320)は、液体(20)に振動を加えることのできる位置に設けられることが可能である。
【0034】
一方、振動子(1320)は、制御部(1100)により振動数、振動時間等が制御されることが可能である。つまり、制御部(1100)は、振動子(1320)の振動数、振動時間等を制御することで、霧化される液体の量、液体が霧化される時間等を制御することが可能である。従って、制御部(1100)は、振動子(1320)を制御することで、過度な量の霧化された液体が植物配置部(1200)へ排出されることを防ぐことが可能である。本開示の複数の他の実施例によると、振動子(1320)はタイマーを含み、タイマーによって予め設定された時間に作動することが可能である。
排出口(1330)は、液体容器(1310)の上部に形成され、霧化された液体を植物配置部(1200)へ排出することが可能である。具体的に、排出口(1330)は、液体容器(1310)の右側の上部に形成され、振動子(1320)によって霧化された液体が植物配置部(1200)へ排出されることが可能である。
【0035】
一方、排出口(1330)と対応するように、排出口開閉器が設けられることが可能である。従って、制御部(1100)は、排出口開閉器を制御することで、排出口(1330)を介して植物配置部(1200)へ排出される霧化された液体の量、時間等を調整することが可能である。
吸入口(1340)は、液体容器(1310)の上部に形成され、排出口(1330)を介して植物配置部(1200)へ排出された霧化された液体を吸入することが可能である。具体的に、吸入口(1340)は液体容器(1310)の左側の上部に形成され、排出口(1330)を介して植物配置部(1200)へ排出された霧化された液体が吸入され、液体容器(1310)の中へ移動することが可能である。
【0036】
一方、吸入口(1340)と対応するように、吸入口開閉器が別途備えられることが可能である。従って、制御部(1100)は、吸入口開閉器を制御することで、吸入口(1340)を介して液体容器(1310)へ吸入される液体が吸入される時間、液体の量等を調整することが可能である。
循環機器(1350)は、液体容器(1310)の上部において吸入口(1340)と対応するように備えられ、霧化された液体を循環させることが可能である。具体的に、循環機器(1350)は、液体容器(1310)の右側の上部において吸入口(1340)と対応するように備えられ、吸入口(1340)を介して植物配置部(1200)へ排出された霧化された液体が吸入されるように作動されることが可能である。つまり、制御部(1100)は、吸入口(1340)を介して植物配置部(1200)へ排出された霧化された液体が吸入されるように、循環機器(1350)を制御することが可能である。従って、制御部(1100)は、循環機器(1350)が作動される時間、回数等を制御することで、植物配置部(1200)へ排出された霧化された液体が円滑に吸入されるようにすることが可能である。循環機器(1350)により吸入された、植物配置部(1200)へ排出された霧化された液体は、液体容器(1310)の中に収容された液体(20)に混ざることが可能である。
【0037】
給水管繋ぎ部(1360)は、後述する液体供給部(1400)の給水管(1420)と繋がる部分であり、給水管(1420)を介して液体供給部(1400)の液体保存部(1410)に保存された液体の供給を受けることが可能である。
第1排水管繋ぎ部(1370)は、後述する液体供給部(1400)の第1排水管(1430)と繋がる部分であることが可能である。第1排水管繋ぎ部(1370)は液体容器(1310)の予め設定された基準液体量より多くの量の液体(20)が収容された場合、基準液体量を超過した分の液体(20)を、第1排水管(1430)を介して液体保存部(1410)に伝達することが可能である。
【0038】
再び
図2乃至4を参照すると、液体供給部(1400)は、加湿供給部(1300)と繋がっており、加湿供給部(1300)に液体(20)を供給することが可能である。そして、液体供給部(1400)は、キャビネットの下部に位置するように設置されることが可能である。
具体的に、液体供給部(1400)は、液体保存部(1410)、給水管(1420)、第1排水管(1430)、第2排水管(1440)、水位センサーモジュール(1450)及び溶存酸素測定センサーモジュール(1460)を含むことが可能である。ただし、上述の構成要素は、液体供給部(1400)を具現化するにあたり、必須のものではなく、液体供給部(1400)は、上述の構成要素より多い又は少ない構成要素を持つことも可能である。
【0039】
液体保存部(1410)は、内部に収容空間が形成されている容器の形状をしており、加湿供給部(1300)に液体(20)を供給させるための動力を提供するポンプを含むことが可能である。ただし、液体保存部(1410)の形状はこれに限らず、必要に応じて多様な形状に形成されることが可能である。ポンプは、液体保存部(1410)の下面に設けられており、給水管(1420)を介して加湿供給部(1300)に液体(20)を供給することが可能である。
給水管(1420)は、内部が空になっている管の形状をしており、一側は液体保存部(1410)と、他側は加湿供給部(1300)と繋がっており、液体保存部(1410)に保存された液体(20)が加湿供給部(1300)へ移動することが可能である。具体的に、給水管(1420)は、一側が液体保存部(1410)の内側に保存されている液体(20)に接触するように設置されており、液体保存部(1410)のポンプにより液体(20)が移動することが可能である。
【0040】
本開示における複数の実施例によると、給水管(1420)は、少なくとも1つの加湿供給部(1300)の各々と繋がっており複数の加湿供給部(1300)の各々に選択的に液体(20)を供給するバルブを、含むことが可能である。従って、制御部(1100)は、給水管(1420)のバルブを制御することで、少なくとも1つの加湿供給部(1300)に選択的に液体(20)を供給することが可能である。従って、制御部(1100)は、植物配置部(1200)に配置された植物(10)の種類によって、液体の量、液体が供給される時間等を変えて制御することで、各植物(10)が順調に成長できるようにすることが可能である。
第1排水管(1430)は、内部が空になっている管の形状をしており、一側は加湿供給部(1300)と、他側は 液体保存部(1410)と繋がっており、加湿供給部(1300)に収容された液体が、液体保存部(1410)へ移動することが可能である。具体的に、第1排水管(1430)の一側は、加湿供給部(1300)における予め設定された位置で繋がっていることが可能である。予め設定された位置は、加湿供給部(1300)に収容された液体の量が、基準液体量を超過する場合、加湿供給部に収容されている液体のうち少なくとも一部が、液体保存部(1410)へ移動するように設定された位置であることが可能である。例えば、第1排水管(1430)の一側は、予め設定された位置に形成されている第1排水管繋ぎ部(1370)と繋がることが可能である。
【0041】
第2排水管(1440)は、内部が空になっている管の形状をしており、一側は植物配置部(1200)と、他側は液体保存部(1410)と繋がっており、植物配置部(1200)の底面に存在する液体が、液体保存部(1400)へ移動することが可能である。本開示における複数の実施例によると、植物配置部(1200)は、植物配置部(1200)の床に存在する液体が第2排水管(1440)へ円滑に移動できるように、底面に傾斜がついていることが可能である。具体的に、植物配置部(1200)の底面は、第2排水管(1440)が存在する方に向けて徐々に低くなる一定の角度の傾斜を含むことが可能である。
水位センサーモジュール(1450)は、液体保存部(1410)に含まれ、且つ、液体保存部(1410)の内部に設けられ、液体保存部(1410)に保存された液体(20)の水位を感知することが可能である。従って、制御部(1100)は、水位センサーモジュール(1450)により水位が感知された場合、水位に基づき、外部機器(2000)へ危険信号を伝送するか否かを判断することが可能である。具体的に、制御部(1100)は、水位が予め設定された高さ(例えば、50cm) 以下であると認識された場合、ネットワーク部(1700)を介して、水位に係る情報を含む危険信号を外部機器(2000)へ伝送することが可能である。
【0042】
溶存酸素測定センサーモジュール(1460)は、液体保存部(1410)に含まれ、且つ、液体保存部(1410)の内部に設けられ、液体保存部(1410)に保存された液体(20)の溶存酸素の量を測定することが可能である。この場合、制御部(1100)は、溶存酸素測定センサーモジュール(1460)により測定された溶存酸素の量に係る情報を認識することが可能である。
酸素供給部(1500)は、液体供給部(1400)と繋がっており、液体供給部(1400)に酸素を供給することが可能である。この場合、制御部(1100)は、溶存酸素測定センサーモジュール(1460)により溶存酸素の量が測定された場合、溶存酸素の量に基づき、酸素供給部(1500)による酸素供給を行うか否かを判断することが可能である。具体的に、制御部(1100)は、溶存酸素測定センサーモジュール(1460)により測定された溶存酸素の量が、基準値となる溶存酸素量以下であると認識された場合、酸素供給部(1500)において酸素を液体供給部(1400)に供給するように、制御することが可能である。本開示における複数の実施例によると、制御部(1100)は、酸素供給部(1500)により予め設定された時間ごとに酸素を液体供給部(1400)に供給するように、制御することが可能である。
【0043】
照明部(1600)には、植物に向けて光を照射する少なくとも1つの照明が備えられることが可能である。具体的に、照明部(1600)は、植物配置部(1200)の上方に位置しており、制御部(1100)により少なくとも1つの照明がそれぞれ制御されることが可能である。
再び
図1を参照すると、ネットワーク部(1700)は、制御部により制御され、任意の形態のデータ及び信号等を送受信できる任意の有線・無線通信ネットワークを含むことが可能である。例えば、ネットワーク部(1700)は、制御部(1100)により生成された危険信号を、外部機器(2000)へ伝送することが可能である。そして、ネットワーク部(1700)は、外部機器(2000)から制御信号を受信することが可能である。
【0044】
外部機器(2000)は、植物栽培装置(1000)との通信のためのメカニズムを有するシステムにおける任意の形態の機器を意味することが可能である。例えば、外部機器(2000)は、PC(personal computer)、ノートパソコン(notebook)及びタブレットPC(tablet pc)等を含むことが可能である。ただし、外部機器(2000)はこれに限定されない。
外部機器(2000)は、植物栽培装置(1000)から危険信号を受信することが可能である。従って、ユーザーは、外部機器(2000)を用いて植物栽培装置(1000)の状態を確認することが可能である。また、外部機器(2000)は、ユーザーの入力に対応して生成された制御信号を、植物栽培装置(1000)へ伝送することが可能である。
【0045】
従って、植物栽培装置(1000)の制御部(1100)は、外部機器(2000)から受信した制御信号に基づき、植物栽培装置(1000)における複数の構成要素を制御することが可能である。例えば、制御部(1100)は、受信した制御信号が液体の噴霧回数に係る情報を含む場合、加湿供給部(1300)及び液体供給部(1400)を制御することで、液体の噴霧回数に係る情報と対応する回数分の液体を噴霧するように、制御することが可能である。ただし、これに限らず、制御部(1100)は、植物栽培装置(1000)の複数の構成要素を制御し、受信した制御信号に対応する動作を行うことが可能である。
ネットワークは、植物栽培装置(1000)及び外部機器(2000)が、互いに任意の形態のデータ及び信号を送受信できる任意の有線・無線通信ネットワークを含むことが可能である。
【0046】
上述したように、本開示における複数の実施例に基づく植物栽培装置(1000)は、振動子を用いて液体の使用を最小化することで、植物栽培における運用費用を節減することが可能である。
また、植物栽培装置(1000)は、全ての作物の固体に対し、それぞれ一定の生育環境を提供することで、最終的な収穫物の一定の増量と品質確保を期待できる。
【0047】
また、植物栽培装置(1000)は、植物配置部(1200)の中の空間、すなわち、空気中に露出された植物(10)の根への持続的な養分の供給はもちろんのこと、酸素を充分に供給し、生育促進に伴う生育期間短縮により生産性が大いに向上されることが可能である。
また、植物栽培装置(1000)は、従来の水耕栽培方式である噴射ノズルを用いた噴霧式の方法とは違った形態の、本開示の複数の実施例に基づく加湿供給部(1300)を使用することで、技術競争力を高めることが可能である。
【0048】
また、植物栽培装置(1000)は、BT、ET、IT、NT等の技術の融合や複合化により、農食品6次産業へ跳躍することが可能であり、関連産業に従事する人員への需要が増加し、新規雇用の創出につながることが可能である。
ここに示された実施例に関する説明は、本開示の技術分野において通常の知識を持つ任意の者が、本開示を利用したり又は実施できるようにするために提供される。かかる実施例に対する多様な変形は、本開示の技術分野において通常の知識を持つ者には明確に理解できるものであり、ここに定義された一般的な原理は、本開示の範囲を逸脱することなく他の実施例に適用されることが可能である。従って、本開示は、ここに示す実施例によって限定されるものではなく、ここに示す原理及び新規な特徴と一貫する最広義の範囲で解釈されるべきである。
【0049】
上述のように、発明の実施のための最良の形態において、関連する内容を述べた。
【産業上の利用可能性】
【0050】
本発明は、植物栽培のための装置、システム等において利用されることが可能である。
【国際調査報告】