IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ エルジー エナジー ソリューション リミテッドの特許一覧

(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-10-23
(54)【発明の名称】電極組立体及びその製造方法
(51)【国際特許分類】
   H01M 10/04 20060101AFI20241016BHJP
   H01M 50/105 20210101ALI20241016BHJP
   H01M 50/528 20210101ALI20241016BHJP
   H01M 50/55 20210101ALI20241016BHJP
   H01M 10/052 20100101ALI20241016BHJP
   H01M 10/0585 20100101ALI20241016BHJP
   H01M 50/46 20210101ALI20241016BHJP
【FI】
H01M10/04 Z
H01M50/105
H01M50/528
H01M50/55 301
H01M10/052
H01M10/0585
H01M50/46
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024530005
(86)(22)【出願日】2023-09-01
(85)【翻訳文提出日】2024-05-21
(86)【国際出願番号】 KR2023013108
(87)【国際公開番号】W WO2024063383
(87)【国際公開日】2024-03-28
(31)【優先権主張番号】10-2022-0119740
(32)【優先日】2022-09-22
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】521065355
【氏名又は名称】エルジー エナジー ソリューション リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100188558
【弁理士】
【氏名又は名称】飯田 雅人
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【弁理士】
【氏名又は名称】実広 信哉
(72)【発明者】
【氏名】ドゥ・ヒュン・ベク
(72)【発明者】
【氏名】イン・ウ・カン
(72)【発明者】
【氏名】ウイ・ジン・ホン
(72)【発明者】
【氏名】ヒュン・ジュ・イ
(72)【発明者】
【氏名】スン・ス・チョ
【テーマコード(参考)】
5H011
5H021
5H028
5H029
5H043
【Fターム(参考)】
5H011AA09
5H011CC02
5H011CC06
5H011CC10
5H021AA06
5H021BB11
5H021HH10
5H028AA05
5H028BB05
5H028CC01
5H028CC05
5H029AJ14
5H029AK01
5H029AK02
5H029AK03
5H029AL02
5H029AL03
5H029AL07
5H029AL11
5H029AL12
5H029AL16
5H029BJ04
5H029BJ12
5H029CJ05
5H029DJ04
5H029DJ05
5H029HJ12
5H043AA19
5H043BA11
5H043BA19
5H043CA08
5H043DA08
5H043FA11
5H043FA22
5H043HA11D
5H043HA11E
5H043LA21D
5H043LA21E
5H043LA21F
(57)【要約】
本発明は電極組立体及びその製造方法に関し、具体的には、第1モノセルと、前記第1モノセルの上部に位置する第2モノセルと、前記第1モノセルと前記第2モノセルとの間に位置する第3分離膜と、を含み、前記第1モノセルは、下から、第1分離膜、第1負極、第1分離膜、及び第1正極の順に積層され、前記第2モノセルは、上から、第2分離膜、第2負極、第2分離膜、及び第2正極の順に積層され、前記第1正極の第1正極タブと前記第2負極の第2負極タブとが連結されて複合タブ束を形成し、前記第1負極の第1負極タブが連結されて、負極端子として機能する第1負極タブ束を形成するとともに、前記第2正極の第2正極タブが連結されて、正極端子として機能する第2正極タブ束を形成することを特徴とする電極組立体及びその製造方法に関する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1モノセルと、
前記第1モノセルの上部に位置する第2モノセルと、
前記第1モノセルと前記第2モノセルとの間に位置する第3分離膜と、を含み、
前記第1モノセルは、下から、第1分離膜、第1負極、第1分離膜、及び第1正極の順に積層され、
前記第2モノセルは、上から、第2分離膜、第2負極、第2分離膜、及び第2正極の順に積層され、
前記第1正極の第1正極タブと前記第2負極の第2負極タブとが連結されて複合タブ束を形成し、
前記第1負極の第1負極タブが連結されて、負極端子として機能する第1負極タブ束を形成するとともに、前記第2正極の第2正極タブが連結されて、正極端子として機能する第2正極タブ束を形成する、電極組立体。
【請求項2】
前記第3分離膜は互いに密着した状態で位置する1枚以上からなる、請求項1に記載の電極組立体。
【請求項3】
前記第1モノセル及び前記第2モノセルは同じ個数からなる、請求項1に記載の電極組立体。
【請求項4】
前記第1正極の第1正極タブが連結されて第1正極タブ束を形成するとともに、前記第2負極の第2負極タブが連結されて第2負極タブ束を形成し、前記第1正極タブ束と前記第2負極タブ束とはタブ束連結部材によって電気的に連結されている、請求項1から3のいずれか一項に記載の電極組立体。
【請求項5】
請求項1に記載の電極組立体を含む、パウチ型二次電池。
【請求項6】
下から、第1分離膜、第1負極、第1分離膜、及び第1正極の順に積層された第1モノセルの上部に第3分離膜を位置させて二つ以上の変形形態の第1モノセルを準備する第1段階と、
前記変形形態の第1モノセルのうちのいずれか一つを180°回転させることにより、上から、第2分離膜、第2負極、第2分離膜、第2正極、及び第3分離膜の順に積層された変形形態の第2モノセルを準備する第2段階と、
前記変形形態の第1モノセルの上部に前記変形形態の第2モノセルを積層する第3段階と、
前記第1正極の第1正極タブと前記第2負極の第2負極タブとを連結して複合タブ束を形成するとともに、前記第1負極の第1負極タブを連結して、負極端子として機能する第1負極タブ束を形成し、前記第2正極の第2正極タブを連結して、正極端子として機能する第2正極タブ束を形成する第4段階と、を含む、電極組立体製造方法。
【請求項7】
前記第1分離膜、第2分離膜、及び第3分離膜は同じ素材からなる、請求項6に記載の電極組立体製造方法。
【請求項8】
前記第1段階は、下から、第1分離膜、第1負極、第1分離膜、及び第1正極の順に積層された第1モノセルを一つ以上準備し、前記第2段階は、前記第1モノセルを180°回転させて、上から、第2分離膜、第2負極、第2分離膜、及び第2正極の順に積層された第2モノセルを準備する段階をさらに含む、請求項6または7に記載の電極組立体製造方法。
【請求項9】
前記第3段階は、下から、一つ以上の第1モノセル、変形形態の第1モノセル、変形形態の第2モノセル、及び一つ以上の第2モノセルの順に積層する、請求項8に記載の電極組立体製造方法。
【請求項10】
前記第1モノセル及び第2モノセルのそれぞれは複数である、請求項9に記載の電極組立体製造方法。
【請求項11】
前記第4段階は、前記第1正極の第1正極タブを連結して第1正極タブ束を形成するとともに、前記第2負極の第2負極タブを連結して第2負極タブ束を形成し、タブ束連結部材を使用して前記第1正極タブ束と前記第2負極タブ束とを連結する、請求項10に記載の電極組立体製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は2022年9月22日付け韓国特許出願第10-2022-0119740号に基づく優先権の利益を主張し、当該韓国特許出願に開示されたすべての内容は本明細書の一部として含まれる。
【0002】
本発明は電極組立体及びその製造方法に関し、具体的には、一つの電池セル内で電圧を自由に調節することができ、さらに製造工程が比較的簡単である電極組立体及びその製造方法に関する。
【背景技術】
【0003】
近年、化石燃料の使用による大気汚染、エネルギー枯渇による代替エネルギーの開発によって生産された電気エネルギーを貯蔵することができる二次電池に対する需要が増加している。充放電の可能な二次電池は、モバイル機器、電気自動車、ハイブリッド電気自動車などの日常生活に密接に使用されている。
【0004】
現代社会で必要不可欠に使用されている各種の電子機器のエネルギー源として使用されている二次電池は、モバイル機器の使用量の増加及び複雑化、電気自動車などの開発によって所要容量が増加している。使用者の需要を満たすために、小型機器には多数の電池セルを配置しているが、自動車などには多数の電池セルを電気的に連結した電池モジュール又はこのような電池モジュールを多数備えた電池パックが使用される。
【0005】
一方、パウチ型二次電池は、ケース内に電極組立体が収容された後、シーリングされる。電極組立体は、長いシート状の負極及び正極の間に分離膜が介在された後、巻き取られる構造を有するゼリーロール型電極組立体、長方形の正極及び負極が分離膜を間に介在した状態で積層された構造の単位セルで構成されるスタック型電極組立体、単位セルが長い分離フィルムによって巻き取られるスタック-フォルディング型電極組立体、又は単位セルが分離膜を間に介在した状態で積層され、互いに付着されるラミネーション-スタック型電極組立体などのように多様である。
【0006】
図1は従来技術による電極組立体の断面図である。図1に示すように、一般的に知られている電極組立体は、下から、分離膜1、負極2、分離膜1、及び正極3の順に積層されたモノセル10を積み上げた後、最上側には、一対の分離膜の間に負極が介在されているハーフセル20が位置する。そして、すべての負極及び正極がそれぞれ並列に連結されて負極端子及び正極端子となる構造である。
【0007】
前記のような従来の電極組立体によれば、一つの電池セルで容量を増加させることができるが、負極及び正極が全部並列に連結されるので、電圧を高めることができないという欠点がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】韓国公開特許第10-2021-0065655号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
前記のような問題点を解決するために、本発明は、一つの電池セル内で電圧を自由に増減させることができる電極組立体を提供することを目的とする。
【0010】
また、本発明は、電圧を自由に調節することができる電極組立体の製造の際、製造工程を簡素化することができる電極組立体の製造方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
前記のような目的を達成するために、本発明による電極組立体は、第1モノセル(200)と、前記第1モノセル(200)の上部に位置する第2モノセル(300)と、前記第1モノセル(200)と前記第2モノセル(300)との間に位置する第3分離膜(400)と、を含み、前記第1モノセル(200)は、下から、第1分離膜(210)、第1負極(220)、第1分離膜(210)、及び第1正極(230)の順に積層され、前記第2モノセル(300)は、上から、第2分離膜(310)、第2負極(320)、第2分離膜(310)、及び第2正極(330)の順に積層され、前記第1正極(230)の第1正極タブ(231)と前記第2負極(320)の第2負極タブ(321)とが連結されて複合タブ束(C)を形成し、前記第1負極(220)の第1負極タブ(221)が連結されて、負極端子として機能する第1負極タブ束(A)を形成するともに、前記第2正極(330)の第2正極タブ(331)が連結されて、正極端子として機能する第2正極タブ束(B)を形成することを特徴とする。
【0012】
また、本発明の電極組立体において、前記第3分離膜(400)は、互いに密着した状態で位置する1枚以上からなることを特徴とする。
【0013】
また、本発明の電極組立体において、前記第1モノセル(200)及び前記第2モノセル(300)は同じ個数でなることを特徴とする。
【0014】
また、本発明の電極組立体において、前記第1正極(230)の第1正極タブ(231)が連結されて第1正極タブ束(A’)を形成するとともに、前記第2負極(320)の第2負極タブ(321)が連結されて第2負極タブ束(B’)を形成し、前記第1正極タブ束(A’)と前記第2負極タブ束(B’)とはタブ束連結部材(D)によって電気的に連結されていることを特徴とする。
【0015】
また、本発明は、前述した電極組立体を含むパウチ型二次電池であることを特徴とする。
【0016】
また、本発明による電極組立体製造方法は、下から、第1分離膜、第1負極、第1分離膜、及び第1正極の順に積層された第1モノセルの上部に第3分離膜を位置させて二つ以上の変形形態の第1モノセルを準備する第1段階と、前記変形形態の第1モノセルのうちのいずれか一つを180°回転させることにより、上から、第2分離膜、第2負極、第2分離膜、第2正極、及び第3分離膜の順に積層された変形形態の第2モノセルを準備する第2段階と、前記変形形態の第1モノセルの上部に前記変形形態の第2モノセルを積層する第3段階と、前記第1正極の第1正極タブと前記第2負極の第2負極タブとを連結して複合タブ束を形成するとともに、前記第1負極の第1負極タブを連結して、負極端子として機能する第1負極タブ束を形成し、前記第2正極の第2正極タブを連結して、正極端子として機能する第2正極タブ束を形成する第4段階と、を含むことを特徴とする。
【0017】
また、本発明による電極組立体製造方法において、前記第1分離膜、第2分離膜、及び第3分離膜は同じ素材からなることを特徴とする。
【0018】
また、本発明による電極組立体製造方法において、前記第1段階は、下から、第1分離膜、第1負極、第1分離膜、及び第1正極の順に積層された第1モノセルを一つ以上準備し、前記第2段階は、前記第1モノセルを180°回転させて、上から、第2分離膜、第2負極、第2分離膜、及び第2正極の順に積層された第2モノセルを準備する段階をさらに含むことを特徴とする。
【0019】
また、本発明による電極組立体製造方法において、前記第3段階は、下から、一つ以上の第1モノセル、変形形態の第1モノセル、変形形態の第2モノセル、及び一つ以上の第2モノセルの順に積層することを特徴とする。
【0020】
また、本発明による電極組立体製造方法において、前記第1モノセル及び第2モノセルのそれぞれは複数であることを特徴とする。
【0021】
また、本発明による電極組立体製造方法において、前記第4段階は、前記第1正極の第1正極タブを連結して第1正極タブ束(A’)を形成するとともに、前記第2負極の第2負極タブを連結して第2負極タブ束(B’)を形成し、タブ束連結部材(D)を使用して前記第1正極タブ束(A’)と前記第2負極タブ束(B’)とを連結することを特徴とする。
【発明の効果】
【0022】
以上で説明したように、本発明による電極組立体は、正極と負極とを電気的に連結するとき、並列連結及び直列連結を混合することにより、一つの電池セル内で電圧を自由に調節することができるという利点がある。
【0023】
また、本発明による電極組立体製造方法は、モノセル又は分離膜が追加された変形モノセルの上部にこれらのモノセル又は変形モノセルを回転させて積層するので、製造工程が複雑になることを防止することができるという利点がある。
【0024】
さらに、本発明による電極組立体製造方法は、正極タブ束と負極タブ束とをそれぞれ連結した後、これらを電気的に連結するタブ束連結部材をさらに備えることができるので、容量を増加させる目的で多くの電極を備えてもスウェリングによるタブの損傷を最小化することができるという利点がある。
【図面の簡単な説明】
【0025】
図1】従来技術による電極組立体の断面図である。
図2】本発明による第1モノセル及び第2モノセルを説明するための図である。
図3】本発明による変形形態の第1モノセル及び変形形態の第2モノセルを説明するための図である。
図4】本発明の好適な第1実施例による電極組立体を説明するための図である。
図5】本発明の好適な第2実施例による電極組立体を説明するための図である。
図6】本発明の好適な第3実施例による電極組立体を説明するための図である。
図7】本発明の好適な第4実施例による電極組立体を説明するための図である。
図8】本発明による電極組立体を製造する方法を説明するためのフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0026】
以下、添付図面に基づき、本発明が属する技術分野で通常の知識を有する者が本発明を容易に実施することができる実施例を詳細に説明する。ただし、本発明の好適な実施例の動作原理を詳細に説明するにあたり、関連した公知の機能又は構成についての具体的な説明が本発明の要旨を不必要にあいまいにする可能性があると判断される場合にはその詳細な説明を省略する。
【0027】
また、図面全般にわたって類似の機能及び作用をする部分に対しては同じ図面符号を使う。明細書全般にわたって、ある部分が他の部分と連結されていると言うとき、これは直接的に連結されている場合だけでなく、その中間に他の素子を挟んで間接的に連結されている場合も含む。また、ある構成要素を含むというのは、特に反対の記載がない限り、他の構成要素を除くものではなく、他の構成要素をさらに含むことができることを意味する。
【0028】
以下、本発明による電極組立体及びその製造方法について添付図面を参照しながら説明する。
【0029】
図2は本発明による第1モノセル及び第2モノセルを説明するための図であり、図3は本発明による変形形態の第1モノセル及び変形形態の第2モノセルを説明するための図である。
【0030】
これらの図を参照しながら、本発明による第1モノセル、第2モノセル、変形形態の第1モノセル、及び変形形態の第2モノセルを説明する。
【0031】
まず、図2(a)を参照すると、第1モノセル200は、2枚の分離膜、1個の負極、及び1個の正極からなる一般的に知られたモノセルと同じ構成を有する。すなわち、下から、第1分離膜210、第1負極220、第1分離膜210、及び第1正極230の順に積層されている。
【0032】
第2モノセル300は、前述した第1モノセル200が180°回転した状態であり、図2(b)のように、上から、第2分離膜310、第2負極320、第2分離膜310、及び第2正極330の順に積層されている。
【0033】
そして、変形形態の第1モノセル200’は、第1モノセル200の最上部に位置する第1正極230上に第1分離膜210をさらに備えることにより、下から、第1分離膜210、第1負極220、第1分離膜210、第1正極230、及び第1分離膜210の順に積層された構造を有する(図3(a)参照)。
【0034】
また、変形形態の第2モノセル300’は、第2モノセル300の最下部に位置する第2正極330の下に第2分離膜310をさらに備えることにより、上から、第2分離膜310、第2負極320、第2分離膜310、第2正極330、及び第2分離膜310の順に積層された構造を有する(図3(b)参照)。
【0035】
ここで、第1負極220と第2負極320、第1正極230と第2正極330、及び第1分離膜210と第2分離膜310は同じ構成を有する。
【0036】
第1負極220及び第2負極320は、負極集電体に負極活物質及びバインダーが混合されたスラリーを塗布することで製造する。
【0037】
ここで、負極活物質としては、例えば、難黒鉛化炭素、黒鉛系炭素などの炭素;LiFe(0≦x≦1)、LiWO(0≦x≦1)、SnMe1-xMe’(Me:Mn、Fe、Pb、Ge;Me’:Al、B、P、Si、周期表の1族、2族、3族元素、ハロゲン;0<x≦1;1≦y≦3;1≦z≦8)などの金属複合酸化物;リチウム金属;リチウム合金;ケイ素系合金;スズ系合金;SnO、SnO、PbO、PbO、Pb、Pb、Sb、Sb、Sb、GeO、GeO、Bi、Bi、Biなどの金属酸化物;ポリアセンチレンなどの導電性高分子;Li-Co-Ni系材料;Si、SiO、SiOの単独又はこれらの混合物であるSi系材料などを使うことができるが、これらにのみ限定されるものではない。
【0038】
また、第1正極230及び第2正極330は、正極集電体に正極活物質及びバインダーが混合されたスラリーを塗布することで製造する。
【0039】
ここで、正極活物質としては、リチウムコバルト酸化物(LiCoO)、リチウムニッケル酸化物(LiNiO)などの層状化合物又は1種又はそれ以上の遷移金属に置換された化合物;化学式Li1+xMn2-x(ここで、xは0~0.33である)、LiMnO、LiMn、LiMnOなどのリチウムマンガン酸化物;リチウム銅酸化物(LiCuO);LiV、V、Cuなどのバナジウム酸化物;化学式LiNi1-x(ここで、M=Co、Mn、Al、Cu、Fe、Mg、B又はGaであり、x=0.01~0.3である)で表現されるNiサイト型リチウムニッケル酸化物;化学式LiMn2-x(ここで、M=Co、Ni、Fe、Cr、Zn又はTaであり、x=0.01~0.1である)又はLiMnMO(ここで、M=Fe、Co、Ni、Cu又はZnである)で表現されるリチウムマンガン複合酸化物;化学式のLiの一部がアルカリ土類金属イオンに置換されたLiMn;ジスルフィド化合物;Fe(MoOなどを挙げることができるが、これらにのみ限定されるものではない。
【0040】
一方、負極集電体及び正極集電体には、活物質が混合されたスラリーが塗布された部分とスラリーが塗布されていない無地部とを含み、無地部を裁断して形成された電極タブ、より詳細には、第1負極タブ221、第2負極タブ321、第1正極タブ231、及び第2正極タブ331を備えている。
【0041】
また、正極と負極との間などに介在される第1分離膜210及び第2分離膜310としては、高いイオン透過度及び機械的強度を有する絶縁性の薄膜を使用する。分離膜の気孔の直径は一般的に0.01μm~10μmであり、厚さは一般的に5μm~300μmである。このような分離膜としては、例えば、耐化学性及び疎水性のポリプロピレンなどのオレフィン系ポリマー、ガラスファイバー又はポリエチレンなどから製造されたシートや不織布などを使用することができるが、これに限定されない。
【0042】
図4は本発明の好適な第1実施例による電極組立体を説明するための図である。図4に示すように、第1実施例による電極組立体は、2個の第1モノセル200の上部に2個の第2モノセル300が位置し、また第1モノセル200と第2モノセル300との間には2枚の第3分離膜400が介在されている構造を有する。
【0043】
具体的には、下から、第1分離膜210、第1負極220、第1分離膜210、及び第1正極230の順になる第1モノセル200の2個が上方に順次積層される一方で、上から、第2分離膜310、第2負極320、第2分離膜310、及び第2正極330の順になる第2モノセル300の2個は下方に順次積層される。
【0044】
ここで、第1モノセル200と第2モノセル300とが交わる部分には、1枚以上、より好ましくは2枚の第3分離膜400が介在されることが好ましい。これは、第1モノセル200の正極と第2モノセル300の正極との間の短絡を確実に防止することができ、さらに分離膜製造の際、分離膜、負極、分離膜、正極、及び分離膜の順に積層してスタックを作ることが工程上有利であるからである。
【0045】
前記のような構造を有する第1モノセル200と第2モノセル300とは、同じ容量を維持しながらも高電圧を出すことができるように、直列連結及び並列連結が混合される。
【0046】
詳細には、第1モノセル200の第1正極230を構成する2個の第1正極タブ231と第2モノセル300の第2負極320を構成する2個の第2負極タブ321とが連結されて複合タブ束Cを形成することにより、第1正極230及び第2負極320のそれぞれは並列に連結されるとともに、これらは再び直列に連結される構造を有する。
【0047】
そして、第1モノセル200の2個の第1負極タブ221が連結されて第1負極タブ束Aを形成して負極端子として機能し、第2モノセル300の2個の第2正極タブ331が連結されて第2正極タブ束Bを形成して正極端子として作用する。
【0048】
前述したような連結構造を有する電極組立体は、電極リード500と連結された後、収容空間を備えたケース100に収容及びシーリングされることによってパウチ型二次電池を構成する。
【0049】
すなわち、第1負極タブ束Aは負極リード510と、そして第2正極タブ束Bは正極リード520とそれぞれ電気的に連結された後、ケース100の外部に露出される。
【0050】
ここで、これらのタブ束と電極リード500とは、溶接、より詳細には超音波溶接によってそれぞれ電気的に連結することができる。このような超音波溶接による結合は、略20kHzの高い超音波によって発生した高周波振動を印加することで、電極タブ束と電極リードとの間の境界面でホーン(Horn)及びアンビル(Anvil)の作動によって振動エネルギーが摩擦によって熱エネルギーに変換されながら急速に溶接する原理で実施することができる。
【0051】
一方、ケース100は上部ケース及び下部ケースで構成され、電極組立体を収容することができるようにポケット状の収容空間が形成されている。
【0052】
このようなケース100は、外部樹脂層、金属層及び内部樹脂層からなるラミネートシートを使用して収容部を形成する。
【0053】
外部樹脂層はケース100の外郭に位置し、このような外部樹脂層は電極組立体を保護しながら耐熱性及び耐化学性を確保するように、引張強度、透湿防止性及び空気透過防止性に優れた耐熱性ポリマーを使用することができ、一例としてナイロン又はポリエチレンテレフタレートを使用することができるが、これに限定されない。
【0054】
外部樹脂層と接する金属層は外部から水分や各種のガスが電池の内部に浸透することを防止するバリア層に相当し、このような金属層の好適な材料としては、軽いながらも成形性に優れたアルミニウム薄膜を使用することができる。
【0055】
そして、内部樹脂層は電極組立体と直接的に接触するので、絶縁性及び耐電解性を有しなければならず、また外部に対する密閉のために、シーリング性、すなわち内部層同士熱接着されたシーリング部は優れた熱接着強度を有しなければならない。このような内部樹脂層の材料としては、耐化学性に優れながらもシーリング性が良いポリプロピレン(Polypropylene)、ポリエチレン(Polyethylene)、ポリエチレンアクリル酸(Polyethylene Acrylic Acid)、ポリブチレン(Polybutylene)などのポリオレフィン系樹脂、ポリウレタン樹脂、及びポリイミド樹脂から選択され得るが、これに限定されず、引張強度、剛性、表面硬度、耐衝撃強度などの機械的物性及び耐化学性に優れたポリプロピレンが最も好ましい。
【0056】
熱融着するケース100のシーリング部のうち電極リード500と重畳する部分には、電極組立体で生成された電気が電極リード500を通してケース100に流れることを防止するとともにケース100のシーリングを維持することができるように、リードフィルムが介在されることが一般的である。
【0057】
このようなフィルムは電気が通じ難い非伝導性材質であることが好ましく、一般的に電極リード500に付着しやすく、厚さが比較的薄い絶縁テープを多く使用しているが、これに限定されない。
【0058】
具体的には、フィルムは、ポリイミド(PI:polyimide)、ポリプロピレン(PP:polyprophylene)、ポリエチレン(PE:polyethylene)、ポリエチレンテレフタレート(PET:Polyethylene Terephthalate)、及びポリビニルクロライド(PVC:polyvinyl chloride)、高密度ポリエチレン(HDPE:high density polyethylene)、及びエポキシ樹脂からなる群から選択されるいずれか1種又は2種以上の物質であり得、熱及び圧力によってパウチケースの内部樹脂層と熱融着して接着される。
【0059】
一方、第3分離膜400は前述した第1分離膜210及び第2分離膜310と構成が同一であるので、重複説明は省略する。
【0060】
例えば、図4は正極タブと負極タブとが互いに反対方向に突出するものとして示しているが、これは一例示に過ぎず、同じ方向に位置する一方向電極組立体でもあり得る。
【0061】
また、2枚の第3分離膜400の代わりに、図3に示すような第1分離膜210及び第2分離膜310がそれぞれ追加された変形形態の第1モノセル200’及び変形形態の第2モノセル300’に代替され得る。言い換えれば、下から、第1モノセル200、変形形態の第1モノセル200’、変形形態の第2モノセル300’、及び第2モノセル300の順になっても問題ない。
【0062】
さらに、モノセルがそれぞれ1個、すなわち1個の第1モノセル200の上部に1個の第2モノセル300が位置し、第1モノセル200と第2モノセル300との間には2枚の第3分離膜400が介在された構造を有し得る。この場合、下から、変形形態の第1モノセル200’及び変形形態の第2モノセル300’が積層された構造に代替され得る。
【0063】
図5は本発明の好適な第2実施例による電極組立体を説明するための図である。図5に示すように、第2実施例による電極組立体は、第3分離膜400が1枚からなることを除き、残りは第1実施例と同様である。
【0064】
すなわち、2個の第1モノセル200の上部に2個の第2モノセル300が位置するが、これらの第1モノセル200と第2モノセル300との間には1枚の第3分離膜400が介在されている構造である。
【0065】
したがって、下から、第1モノセル200、変形形態の第1モノセル200’、第2モノセル300、及び第2モノセル300の順に積層されるか、又は第1モノセル200、第1モノセル200、変形形態の第2モノセル300’、及び第2モノセル300の順に積層されても関係ない。
【0066】
図6は本発明の好適な第3実施例による電極組立体を説明するための図である。図6に示すように、第3実施例による電極組立体は、第1モノセル200及び第2モノセル300がそれぞれ3個以上でありながら同じ個数であることを除き、残りは第1実施例と同様である。
【0067】
詳細には、密着した状態で位置する3個以上の第1モノセル200の上部に2枚の第3分離膜400が介在され、第3分離膜400上には3個以上の第2モノセル300が積層された構造である。もちろん、第3分離膜400を省略し、変形形態の第1モノセル200’又は変形形態の第2モノセル300’を適宜配置することにより、同じ構造の電極組立体を具現することができるというのは自明である。
【0068】
図7は本発明の好適な第4実施例による電極組立体を説明するための図である。二次電池が適用されるデバイスの種類によっては、高容量及び高電圧を同時に必要とする場合がある。この場合、第1モノセル200及び第2モノセル300は多数が積層される必要がある。
【0069】
しかし、使用中に持続的に繰り返される充放電過程で発生するガスによってスウェリングが発生する。この際、多数のモノセルが積層された二次電池では、電極タブ又はタブ束が切れるなどの問題点が発生する可能性が高い。
【0070】
第4実施例は、前述した問題点に対応するために、第1実施例の複合タブ束Cの代わりに、第1正極タブ束A’、第2負極タブ束B’、及びこれらを電気的に連結するためのタブ束連結部材Dを備えている。
【0071】
具体的には、第1正極230の第1正極タブ231を連結した第1正極タブ束A’とともに、第2負極320の第2負極タブ321を連結した第2負極タブ束B’を備えている。また、これらの第1正極タブ束A’及び第2負極タブ束B’はタブ束連結部材Dによって電気的に連結される。
【0072】
もちろん、図7は第1正極タブ束A’、第2負極タブ束B’、及びタブ束連結部材Dがそれぞれ1個であるものとして示しているが、積層されるモノセルの個数を考慮して、第1正極タブ束A’、第2負極タブ束B’、及びタブ束連結部材Dの個数はいくらでも変更可能である。
【0073】
また、図7では、第1負極タブ束A及び第2正極タブ束Bがそれぞれ1個ずつであるものとして示しているが、それぞれ2個以上であり得る。ここで、第1負極タブ束A及び第2正極タブ束Bのそれぞれを互いに連結することができる別途の連結部材を備えることにより、負極端子又は正極端子として機能することができるというのは自明である。
【0074】
残りは前述した第1実施例と同様であるので、重複説明は省略する。
【0075】
次に、本発明による電極組立体を製造する方法について説明する。図8は本発明による電極組立体を製造する方法を説明するためのフローチャートである。
【0076】
図8に示すように、本発明の電極組立体製造方法は、変形形態の第1モノセルを準備する第1段階と、変形形態の第2モノセルを準備する第2段階と、変形形態の第1モノセルの上部に前記変形形態の第2モノセルを積層する第3段階と、タブを連結する第4段階と、を含むことができる。
【0077】
まず、第1段階では、下から、第1分離膜、第1負極、第1分離膜、及び第1正極の順に積層された第1モノセルの上部に第3分離膜を位置させることにより、変形形態の第1モノセルを複数準備する段階である。
【0078】
ここで、前記のように積層した後には、所定の熱及び圧力をかけることにより、これらの第1分離膜、第1負極、第1分離膜、第1正極、及び第3分離膜を一体化させる。
【0079】
一方、大容量の二次電池が必要なときには、第3分離膜が積層されない状態の多数の第1モノセルをさらに準備することが好ましい。
【0080】
第2段階は、第1段階で準備した変形形態の第1モノセルの一部を180°回転させることにより、上から、第2分離膜、第2負極、第2分離膜、第2正極、及び第3分離膜の順に積層された変形形態の第2モノセルを準備する段階である。
【0081】
また、大容量の二次電池が必要なときには、第1段階でさらに準備した第1モノセル一部を180°回転させて第2モノセルを一緒に準備することができる。
【0082】
第3段階は、第1段階で得た変形形態の第1モノセルの上部に、第2段階で変形形態の第2モノセルを積層する段階である。
【0083】
もちろん、変形形態の第1モノセル及び変形形態の第2モノセルのそれぞれが一つからなる場合を含めて、一つの第1モノセル、一つの変形形態の第1モノセル、一つの変形形態の第2モノセル、及び一つの第2モノセルの順に積層された構造であり得る。
【0084】
また、一つの第1モノセル、一つの変形形態の第1モノセル、一つの変形形態の第2モノセル、及び二つ以上の第2モノセルの順に積層された構造、又は二つ以上の第1モノセル、一つの変形形態の第1モノセル、一つの変形形態の第2モノセル、及び二つ以上の第2モノセルの順に積層された構造など、第1モノセル及び第2モノセルの個数が互いに同じか異なる場合など、必要によって多様に変更可能である。
【0085】
第4段階では、第1正極の第1正極タブと第2負極の第2負極タブとを連結して複合タブ束を形成するとともに、第1負極の第1負極タブを連結することにより、負極端子として機能する第1負極タブ束を形成し、第2正極の第2正極タブを連結することにより、正極端子として機能する第2正極タブ束を形成する。
【0086】
また、第1モノセル及び第2モノセルの個数が多いときには、第1正極の第1正極タブを連結して第1正極タブ束を形成し、第2負極の第2負極タブを連結して第2負極タブ束を形成し、その後、タブ束連結部材Dを使用してこれらの第1正極タブ束及び第2負極タブ束を連結する過程を実施することができる。
【0087】
一方、前述した第1段階で、変形形態の第1モノセルの代わりに、第1分離膜、第1負極、第1分離膜、及び第1正極の順に積層された第1モノセル及び第3分離膜をそれぞれ多数準備し、第2段階では、第1モノセルを180°回転させて第2モノセルを準備した後、第1モノセルと第2モノセルとの間に第3分離膜を介在する第3段階を実施することも可能である。
【0088】
しかし、この場合、第1モノセルと第2モノセルとの間に第3分離膜を整列して介在する工程がさらに必要であるので、第1段階では、第3分離膜を予め一体化させた変形形態の第1モノセルを準備することがより好ましい。
【0089】
本発明は前述した電極組立体を収容するパウチ型二次電池であり、また前記の二次電池を含む電池モジュール又は電池パックであり得る。
【0090】
本発明が属する分野で通常の知識を有する者であれば前記内容に基づいて本発明の範疇内で多様な応用及び変形をなすことが可能であろう。
【符号の説明】
【0091】
100 ケース
200 第1モノセル
200’ 変形形態の第1モノセル
210 第1分離膜
220 第1負極
221 第1負極タブ
230 第1正極
231 第1正極タブ
300 第2モノセル
300’ 変形形態の第2モノセル
310 第2分離膜
320 第2負極
321 第2負極タブ
330 第2正極
331 第2正極タブ
400 第3分離膜
500 電極リード
510 負極リード
520 正極リード
A 第1負極タブ束
A’ 第1正極タブ束
B 第2正極タブ束
B’ 第2負極タブ束
C 複合タブ束
D タブ束連結部材
図1
図2(a)】
図2(b)】
図3(a)】
図3(b)】
図4
図5
図6
図7
図8
【国際調査報告】