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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-10-23
(54)【発明の名称】がん治療のための小分子
(51)【国際特許分類】
   C07D 471/04 20060101AFI20241016BHJP
   A61P 35/00 20060101ALI20241016BHJP
   A61P 35/02 20060101ALI20241016BHJP
   A61P 1/18 20060101ALI20241016BHJP
   A61P 1/00 20060101ALI20241016BHJP
   A61P 11/00 20060101ALI20241016BHJP
   A61K 45/00 20060101ALI20241016BHJP
   A61P 43/00 20060101ALI20241016BHJP
   A61K 31/541 20060101ALI20241016BHJP
   A61K 31/5377 20060101ALI20241016BHJP
   A61K 31/517 20060101ALI20241016BHJP
   A61K 31/496 20060101ALI20241016BHJP
   A61K 31/4545 20060101ALI20241016BHJP
【FI】
C07D471/04 113
C07D471/04 CSP
A61P35/00
A61P35/02
A61P1/18
A61P1/00
A61P11/00
A61K45/00
A61P43/00 121
A61K31/541
A61K31/5377
A61K31/517
A61K31/496
A61K31/4545
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024545072
(86)(22)【出願日】2022-10-07
(85)【翻訳文提出日】2024-05-29
(86)【国際出願番号】 IB2022059630
(87)【国際公開番号】W WO2023057985
(87)【国際公開日】2023-04-13
(31)【優先権主張番号】202141046053
(32)【優先日】2021-10-08
(33)【優先権主張国・地域又は機関】IN
(31)【優先権主張番号】63/308,727
(32)【優先日】2022-02-10
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.TWEEN
(71)【出願人】
【識別番号】524134328
【氏名又は名称】ブライズ セラピューティクス,インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100114775
【弁理士】
【氏名又は名称】高岡 亮一
(74)【代理人】
【識別番号】100121511
【弁理士】
【氏名又は名称】小田 直
(74)【代理人】
【識別番号】100202751
【弁理士】
【氏名又は名称】岩堀 明代
(74)【代理人】
【識別番号】100208580
【弁理士】
【氏名又は名称】三好 玲奈
(74)【代理人】
【識別番号】100191086
【弁理士】
【氏名又は名称】高橋 香元
(72)【発明者】
【氏名】バヴァル,プラシャント カシナス
(72)【発明者】
【氏名】クシルサガル,アヌジ ラメシュ
(72)【発明者】
【氏名】サルマ,パルタ プラティム
(72)【発明者】
【氏名】ガンダム,アディラクシュミ
(72)【発明者】
【氏名】スラプディ,ウダイ クマール
【テーマコード(参考)】
4C084
4C086
【Fターム(参考)】
4C084AA19
4C084MA12
4C084MA16
4C084MA27
4C084MA31
4C084MA34
4C084MA35
4C084MA37
4C084MA44
4C084MA52
4C084MA56
4C084MA57
4C084MA60
4C084MA63
4C084MA65
4C084MA66
4C084MA67
4C084NA05
4C084ZA591
4C084ZA592
4C084ZA661
4C084ZA662
4C084ZB261
4C084ZB262
4C084ZB271
4C084ZB272
4C084ZC751
4C086AA01
4C086AA02
4C086AA03
4C086CB09
4C086GA16
4C086MA01
4C086MA02
4C086MA04
4C086NA05
4C086NA14
4C086ZA59
4C086ZA66
4C086ZB26
4C086ZB27
4C086ZC75
(57)【要約】
本願は、本明細書に記載される新規化合物、それを調製する方法、その医薬組成物、およびその使用方法に関する。特に、本発明は、KRASタンパク質の阻害剤として、かつKRASに関連する疾患または障害、特にがん、の治療、予防および/または改善に有用な、式(A)の化合物またはその薬学的に許容可能な塩に関する。
【化1】
【選択図】なし

【特許請求の範囲】
【請求項1】
式(A)の化合物、
【化1】
またはその互変異性体、その同位体、そのプロドラッグ、そのN-オキシド、その薬学的に許容可能なエステル、その薬学的に許容可能な塩、もしくはその立体異性体であり、式中、
は、存在しないか、または独立に、置換もしくは非置換C1~4アルキル、置換もしくは非置換C2~4アルケニル、置換もしくは非置換C2~4アルキニル、置換もしくは非置換C3~10シクロアルキル、置換もしくは非置換C3~10ヘテロシクロアルキル、-(CR-、-O-、-S-、-S(=O)-,-C(=O)-、-NR-、-CO-NR-、および-NR-CO-から選択され、
は、存在しないか、または独立に、置換もしくは非置換C1~4アルキル、置換もしくは非置換C2~4アルケニル、置換もしくは非置換C2~4アルキニル、置換もしくは非置換C3~10シクロアルキル、置換もしくは非置換C3~10ヘテロシクロアルキル、-(CR-,-O-,-S-,-S(=O)-,-C(=O)-,-NR-,-CO-NR- 、および-NR-CO-から選択され、
Cyは、置換または非置換シクロアルキル、置換または非置換シクロアルケニル、置換または非置換シクロアルキルアルキル、置換または非置換シクロアルケニルアルキル、置換または非置換ヘテロシクリル、置換または非置換ヘテロシクリルアルキル、置換または非置換アリール、置換または非置換アリールアルキル、置換または非置換ヘテロアリール、置換または非置換ヘテロアリールアルキルから選択される環状基から選択され、
Cyは、置換または非置換シクロアルキル、置換または非置換シクロアルケニル、置換または非置換シクロアルキルアルキル、置換または非置換シクロアルケニルアルキル、置換または非置換ヘテロシクリル、置換または非置換ヘテロシクリルアルキル、置換または非置換アリール、置換または非置換アリールアルキル、置換または非置換ヘテロアリール、Eで置換されていてもよい置換または非置換ヘテロアリールアルキルから選択される環状基から選択され、
Eは、共有結合を形成することができる基、または共有結合を形成することができる「求電子体」もしくは「求電子性部分」であり、
Rは、出現ごとに、独立に、CN(シアノ)、COOH,CONH2,SOH,C(=O)OR,-C(=O)R,-C(=S)R,-C(=O)NR,-C(=O)ONR,-NR,-NRC(=O)NR,-NRS(=O)R,-NRS(=O),-NR-OR,=N-NR,-NRC(=O)OR,-NRC(=O)R,-NRC(=S)R,-NRC(=S)NR,-SONR,-SONR,-OR,-ORC(=O)NR,-ORC(=O)OR,-OC(=O)R,-OC(=O)NR,-RNRC(=O)R,-ROR,-RC(=O)OR,-RC(=O)NR,-RC(=O)R,-ROC(=O)R,-SR,-SOR,-SO,-CRC(=O)Rまたは-CRC(=S)Rから選択され、
は、出現ごとに、独立に、水素、ヒドロキシ、ハロゲン、置換もしくは非置換アミノ、置換もしくは非置換アルキル、置換もしくは非置換アルコキシ、置換もしくは非置換アルケニル、置換もしくは非置換アルキニル、置換もしくは非置換シクロアルキル、置換もしくは非置換シクロアルケニル、置換もしくは非置換シクロアルキルアルキル、置換もしくは非置換シクロアルケニルアルキル、置換もしくは非置換ヘテロシクリル、置換もしくは非置換ヘテロシクリルアルキル、置換もしくは非置換アリール、置換もしくは非置換アリールアルキル、置換もしくは非置換ヘテロアリール、置換もしくは非置換ヘテロアリールアルキル、C(=O)OR,-C(=O)R,-C(=S)R,-C(=O)NR,-C(=O)ONR,-NR,-NRC(=O)NR,-NRS(=O)R,-NRS(=O),-NR-OR,=N-NR,-NRC(=O)OR,-NRC(=O)R,-NRC(=S)R,-NRC(=S)NR,-SONR,-SONR,-OR,-ORC(=O)NR,-ORC(=O)OR,-OC(=O)R,-OC(=O)NR,-RNRC(=O)R,-ROR,-RC(=O)OR,-RC(=O)NR,-RC(=O)R,-ROC(=O)R,-SR,-SOR,-SO,-CRC(=O)R、または-CRC(=S)Rから選択され、
は、出現ごとに、独立に、水素、ヒドロキシ、ハロゲン、置換もしくは非置換アルキル、置換もしくは非置換アルコキシ、-C(=O)OR,-C(=O)R,-C(=S)R,-C(=O)NR,-C(=O)ONR,-NR,-NR-OR,-NRC(=O)NR,-NRS(=O)R,-NRS(=O),-NR-OR,=N-NR,-NRC(=O)OR,-NRC(=O)R,-NRC(=S)R,-NRC(=S)NR,-SONR,-SONR,-OR,-ORC(=O)NR,-ORC(=O)OR,-OC(=O)R,-OC(=O)NR,-RNRC(=O)R,-ROR,-RC(=O)OR,-RC(=O)NR,-RC(=O)R,-ROC(=O)R,-SR,-SOR,-SO,-CRC(=O)R 、もしくは-CRC(=S)Rから選択されるか、または任意の二つのRが、一緒になって置換もしくは非置換の飽和もしくは不飽和の3~6員環を形成し得、これは随意に同一もしくは異なるものであり得、かつO、NRaもしくはSから選択されるヘテロ原子を含み得るか、もしくは同一の炭素原子に結合する任意の二つのRが一緒になって、オキソ(C=O)、イミノ(=NR)、C=S(O)、もしくは置換もしくは非置換の飽和もしくは不飽和の3~6員環を形成し得、これは随意に、同一もしくは異なるものであり得、かつO、NRもしくはSから選択されるヘテロ原子を含み得るものであり、
およびRは、出現ごとに、独立に、水素、置換もしくは非置換アルキル、置換もしくは非置換アルコキシ、置換もしくは非置換アルケニル、置換もしくは非置換アルキニル、置換もしくは非置換アリール、置換もしくは非置換アリールアルキル、置換もしくは非置換ヘテロアリール、置換もしくは非置換ヘテロアリールアルキル、置換もしくは非置換シクロアルキル、置換もしくは非置換シクロアルキルアルキル、置換もしくは非置換シクロアルケニル、置換もしくは非置換複素環式環、置換ヘテロシクリルアルキル環、もしくは置換もしくは非置換アミノから選択されるか、または共通原子に結合されたときのRおよびRのうちのいずれか二つが一緒になって、(i)置換もしくは非置換の飽和もしくは不飽和の3~14員環を形成し得、これは随意に、同一もしくは異なるものであり得、かつO、NRもしくはSから選択される一以上のヘテロ原子を含み得るか、もしくは(ii)オキソ(=O)基、チオ(=S)基もしくはイミノ(=NR)基を形成し得るものであり、
およびRは、出現ごとに、独立に、水素、ヒドロキシ、シアノ、ハロゲン、-OR、-COOR、-S(=O)q-R、-NR、-C(=Z)-R、置換または非置換アルキル基、置換または非置換アルケニル、置換または非置換アルキニル、および置換または非置換シクロアルキルから選択され、
Zは、OまたはSから選択され、ならびに
pは、出現ごとに、独立に、0、1、または2であるものである、化合物。
【請求項2】
式(A-I)の化合物、
【化2】
またはその互変異性体、その同位体、そのプロドラッグ、そのN-オキシド、その薬学的に許容可能なエステル、その薬学的に許容可能な塩、もしくはその立体異性体であり、式中、
は、存在しないか、または独立に、置換もしくは非置換C1~4アルキル、置換もしくは非置換C2~4アルケニル、置換もしくは非置換C2~4アルキニル、置換もしくは非置換C3~10シクロアルキル、置換もしくは非置換C3~10ヘテロシクロアルキル、-(CR-,-O-,-S-,-S(=O)-,-C(=O)-,-NR-,-CO-NR、および-NR-CO-から選択され、
Cyは、置換または非置換シクロアルキル、置換または非置換シクロアルケニル、置換または非置換シクロアルキルアルキル、置換または非置換シクロアルケニルアルキル、置換または非置換ヘテロシクリル、置換または非置換ヘテロシクリルアルキル、置換または非置換アリール、置換または非置換アリールアルキル、置換または非置換ヘテロアリール、置換または非置換ヘテロアリールアルキルから選択される環状基から選択され、
Cyは、置換または非置換シクロアルキル、置換または非置換シクロアルケニル、置換または非置換シクロアルキルアルキル、置換または非置換シクロアルケニルアルキル、置換または非置換ヘテロシクリル、置換または非置換ヘテロシクリルアルキル、置換または非置換アリール、置換または非置換アリールアルキル、置換または非置換ヘテロアリール、Eで置換されていてもよい置換または非置換ヘテロアリールアルキルから選択される環状基から選択され、
Eは、共有結合を形成することができる基、または共有結合を形成することができる「求電子体」もしくは「求電子性部分」であり、
は、出現ごとに、独立に、水素、ヒドロキシ、ハロゲン、置換もしくは非置換アミノ、置換もしくは非置換アルキル、置換もしくは非置換アルコキシ、置換もしくは非置換アルケニル、置換もしくは非置換アルキニル、置換もしくは非置換シクロアルキル、置換もしくは非置換シクロアルケニル、置換もしくは非置換シクロアルキルアルキル、置換もしくは非置換シクロアルケニルアルキル、置換もしくは非置換ヘテロシクリル、置換もしくは非置換ヘテロシクリルアルキル、置換もしくは非置換アリール、置換もしくは非置換アリールアルキル、置換もしくは非置換ヘテロアリール、置換もしくは非置換ヘテロアリールアルキル、C(=O)OR,-C(=O)R,-C(=S)R,-C(=O)NR,-C(=O)ONR,-NR,-NRC(=O)NR,-NRS(=O)R,-NRS(=O),-NR-OR,=N-NR,-NRC(=O)OR,-NRC(=O)R,-NRC(=S)R,-NRC(=S)NR,-SONR,-SONR,-OR,-ORC(=O)NR,-ORC(=O)OR,-OC(=O)R,-OC(=O)NR,-RNRC(=O)R,-ROR,-RC(=O)OR,-RC(=O)NR,-RC(=O)R,-ROC(=O)R,-SR,-SOR,-SO,-CRC(=O)R、または-CRC(=S)Rから選択され、
は、出現ごとに、独立に、水素、ヒドロキシ、ハロゲン、置換もしくは非置換アルキル、置換もしくは非置換アルコキシ、-C(=O)OR,-C(=O)R,-C(=S)R,-C(=O)NR,-C(=O)ONR,-NR,-NR-OR,-NRC(=O)NR,-NRS(=O)R,-NRS(=O),-NR-OR,=N-NR,-NRC(=O)OR,-NRC(=O)R,-NRC(=S)R,-NRC(=S)NR,-SONR,-SONR,-OR,-ORC(=O)NR,-ORC(=O)OR,-OC(=O)R,-OC(=O)NR,-RNRC(=O)R,-ROR,-RC(=O)OR,-RC(=O)NR,-RC(=O)R,-ROC(=O)R,-SR,-SOR,-SO,-CRC(=O)R、もしくは-CRC(=S)Rから選択されるか、または任意の二つのRが、一緒になって置換もしくは非置換の飽和もしくは不飽和の3~6員環を形成し得、これは随意に同一もしくは異なるものであり得、かつO、NRもしくはSから選択されるヘテロ原子を含み得るか、もしくは同一の炭素原子に結合する任意の二つのRが一緒になって、オキソ(C=O)、イミノ(=NR)、C=S(O)、もしくは置換もしくは非置換の飽和もしくは不飽和の3~6員環を形成し得、これは随意に、同一もしくは異なるものであり得、かつO、NRもしくはSから選択されるヘテロ原子を含み得るものであり、
およびRは、出現ごとに、独立に、水素、置換もしくは非置換アルキル、置換もしくは非置換アルコキシ、置換もしくは非置換アルケニル、置換もしくは非置換アルキニル、置換もしくは非置換アリール、置換もしくは非置換アリールアルキル、置換もしくは非置換ヘテロアリール、置換もしくは非置換ヘテロアリールアルキル、置換もしくは非置換シクロアルキル、置換もしくは非置換シクロアルキルアルキル、置換もしくは非置換シクロアルケニル、置換もしくは非置換複素環式環、置換ヘテロシクリルアルキル環、もしくは置換もしくは非置換アミノから選択されるか、または共通原子に結合されたときのRおよびRのうちのいずれか二つが一緒になって、(i)置換もしくは非置換の飽和もしくは不飽和の3~14員環を形成し得、これは随意に、同一もしくは異なるものであり得、かつO、NRもしくはSから選択される一以上のヘテロ原子を含み得るか、もしくは(ii)オキソ(=O)基、チオ(=S)基もしくはイミノ(=NR)基を形成し得るものであり、ならびに
pは、出現ごとに、独立に、0、1、または2であるものである、化合物。
【請求項3】
式(A-II)の化合物、
【化3】
またはその互変異性体、その同位体、そのプロドラッグ、そのN-オキシド、その薬学的に許容可能なエステル、その薬学的に許容可能な塩、もしくはその立体異性体であり、式中、
は、存在しないか、または独立に、置換もしくは非置換C1~4アルキル、置換もしくは非置換C2~4アルケニル、置換もしくは非置換C2~4アルキニル、置換もしくは非置換C3~10シクロアルキル、置換もしくは非置換C3~10ヘテロシクロアルキル、-(CR-,-O-,-S-,-S(=O)-,-C(=O)-,-NR-,-CO-NR-、および-NR-CO-から選択され、
Cyは、置換または非置換シクロアルキル、置換または非置換シクロアルケニル、置換または非置換シクロアルキルアルキル、置換または非置換シクロアルケニルアルキル、置換または非置換ヘテロシクリル、置換または非置換ヘテロシクリルアルキル、置換または非置換アリール、置換または非置換アリールアルキル、置換または非置換ヘテロアリール、置換または非置換ヘテロアリールアルキルから選択される環状基から選択され、
Cyは、置換または非置換ヘテロシクリルであって、これはEで置換されていてもよいものであり、
Eは、共有結合を形成することができる基、または共有結合を形成することができる「求電子体」もしくは「求電子性部分」であり、
は、出現ごとに、独立に、水素、ヒドロキシ、ハロゲン、置換もしくは非置換アミノ、置換もしくは非置換アルキル、置換もしくは非置換アルコキシ、置換もしくは非置換アルケニル、置換もしくは非置換アルキニル、置換もしくは非置換シクロアルキル、置換もしくは非置換シクロアルケニル、置換もしくは非置換シクロアルキルアルキル、置換もしくは非置換シクロアルケニルアルキル、置換もしくは非置換ヘテロシクリル、置換もしくは非置換ヘテロシクリルアルキル、置換もしくは非置換アリール、置換もしくは非置換アリールアルキル、置換もしくは非置換ヘテロアリール、置換もしくは非置換ヘテロアリールアルキル、C(=O)OR,-C(=O)R,-C(=S)R,-C(=O)NR,-C(=O)ONR,-NR,-NRC(=O)NR,-NRS(=O)R,-NRS(=O),-NR-OR,=N-NR,-NRC(=O)OR,-NRC(=O)R,-NRC(=S)R,-NRC(=S)NR,-SONR,-SONR,-OR,-ORC(=O)NR,-ORC(=O)OR,-OC(=O)R,-OC(=O)NR,-RNRC(=O)R,-ROR,-RC(=O)OR,-RC(=O)NR,-RC(=O)R,-ROC(=O)R,-SR,-SOR,-SO,-CRC(=O)R 、または-CRC(=S)Rから選択され、
は、出現ごとに、独立に、水素、ヒドロキシ、ハロゲン、置換もしくは非置換アルキル、置換もしくは非置換アルコキシ、-C(=O)OR,-C(=O)R,-C(=S)R,-C(=O)NR,-C(=O)ONR,-NR,-NR-OR,-NRC(=O)NR,-NRS(=O)R,-NRS(=O),-NR-OR,=N-NR,-NRC(=O)OR,-NRC(=O)R,-NRC(=S)R,-NRC(=S)NR,-SONR,-SONR,-OR,-ORC(=O)NR,-ORC(=O)OR,-OC(=O)R,-OC(=O)NR,-RNRC(=O)R,-ROR,-RC(=O)OR,-RC(=O)NR,-RC(=O)R,-ROC(=O)R,-SR,-SOR,-SO,-CRC(=O)R、もしくは-CRC(=S)Rから選択されるか、または任意の二つのRが、一緒になって置換もしくは非置換の飽和もしくは不飽和の3~6員環を形成し得、これは随意に同一もしくは異なるものであり得、かつO、NRもしくはSから選択されるヘテロ原子を含み得るか、もしくは同一の炭素原子に結合する任意の二つのRが一緒になって、オキソ(C=O)、イミノ(=NR)、C=S(O)、もしくは置換もしくは非置換の飽和もしくは不飽和の3~6員環を形成し得、これは随意に、同一もしくは異なるものであり得、かつO、NRもしくはSから選択されるヘテロ原子を含み得るものであり、
およびRは、出現ごとに、独立に、水素、置換もしくは非置換アルキル、置換もしくは非置換アルコキシ、置換もしくは非置換アルケニル、置換もしくは非置換アルキニル、置換もしくは非置換アリール、置換もしくは非置換アリールアルキル、置換もしくは非置換ヘテロアリール、置換もしくは非置換ヘテロアリールアルキル、置換もしくは非置換シクロアルキル、置換もしくは非置換シクロアルキルアルキル、置換もしくは非置換シクロアルケニル、置換もしくは非置換複素環式環、置換ヘテロシクリルアルキル環、もしくは置換もしくは非置換アミノから選択されるか、または共通原子に結合されたときのRおよびRのうちのいずれか二つが一緒になって、(i)置換もしくは非置換の飽和もしくは不飽和の3~14員環を形成し得、これは随意に、同一もしくは異なるものであり得、かつO、NRもしくはSから選択される一以上のヘテロ原子を含み得るか、もしくは(ii)オキソ(=O)基、チオ(=S)基もしくはイミノ(=NR)基を形成し得るものであり、ならびに
pは、出現ごとに、独立に、0、1、または2であるものである、化合物。
【請求項4】
は、存在しないか、または-CR-であり、式中RおよびRの各々は、独立に、水素または置換もしくは非置換アルキルから選択される、請求項1~3のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項5】
は、存在しないか、または-CR-であり、式中Rは、独立に、メチルまたはエチルであり、Rは、水素である、請求項1~4のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項6】
は、存在しないか、または-CR-であり、式中Rは、水素であり、Rは、水素である、請求項1~5のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項7】
は、存在しないか、または-CHもしくは-(C=O)である、請求項1~6のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項8】
は、存在しないか、または-CR-であり、式中RおよびRの各々は、独立に、水素、置換アルキルまたは非置換アルキルから選択される、請求項1~7のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項9】
は、存在しないか、または-CR-であり、式中Rは、独立に、メチルまたはエチルであり、Rは、水素である、請求項1~8のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項10】
は、存在しない、請求項1~9のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項11】
Cyは、置換もしくは非置換ヘテロシクリル、置換もしくは非置換アリール、置換もしくは非置換アリールアルキル、置換もしくは非置換ヘテロアリール、置換もしくは非置換ヘテロアリールアルキルから選択される環状基から選択される、請求項1~10のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項12】
Cyは、置換アリールまたは非置換アリールおよび置換ヘテロアリールまたは非置換ヘテロアリールから選択される環状基から選択される、請求項1~11のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項13】
Cyは、以下から選択される、請求項1~12のいずれか一項に記載の化合物。
【化4】
【請求項14】
Cyは、置換または非置換シクロアルキル、置換または非置換シクロアルキルアルキル、置換または非置換ヘテロシクリル、および置換または非置換ヘテロシクリルアルキルから選択される環状基から選択される、請求項1~13のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項15】
Cyは、置換または非置換シクロアルキル、置換または非置換シクロアルキルアルキル、置換または非置換ヘテロシクリル、および置換または非置換ヘテロシクリルアルキルから選択される環状基から選択され、各基は、E基でさらに置換されていてもよいものである、請求項1~14のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項16】
Cyは、以下から選択され、
【化5】
これらは共有結合を形成することができる基Eで置換される、請求項1~15のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項17】
Eは、以下から選択される、請求項1~16のいずれか一項に記載の化合物。
【化6】
【請求項18】
Eは、以下から選択される、請求項1~17のいずれか一項に記載の化合物。
【化7】
【請求項19】
-Cy-Eは、以下から選択される、請求項1~18のいずれか一項に記載の化合物。
【化8】
【請求項20】
-Cy-Eは、以下から選択される、請求項1~19のいずれか一項に記載の化合物。
【化9】
【請求項21】
Rは、シアノ(CN)である、請求項1~20のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項22】
は、水素、ハロゲン、OR、S-R、-S(=O)pR-、-C(=O)-R、-NR、-CO-NR-、および-NR-CO-Rから選択される、請求項1~21のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項23】
は、-O-Rである、請求項1~22のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項24】
は、-NRである、請求項1~23のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項25】
は、独立に、置換または非置換アルキル、置換または非置換アルコキシ、置換または非置換ヘテロシクリル、置換または非置換ヘテロシクリルアルキル、置換または非置換ヘテロアリール、置換または非置換ヘテロアリールアルキルから選択される、請求項1~24のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項26】
は、独立に、置換または非置換アルキル、置換または非置換ヘテロシクリル、置換または非置換ヘテロシクリルアルキル、および置換または非置換ヘテロアリールから選択される、請求項1~25のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項27】
は、独立に、以下から選択される、請求項1~26のいずれか一項に記載の化合物。
【化10】
【請求項28】
は、水素または置換アルキルまたは非置換アルキルである、請求項1~27のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項29】
同じ炭素原子に結合した二つのRが、C=O(オキソ)基を形成する、請求項1~28のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項30】
式(A-III)の化合物、
【化11】
またはその互変異性体、その同位体、そのプロドラッグ、そのN-オキシド、その薬学的に許容可能なエステル、その薬学的に許容可能な塩、もしくはその立体異性体であり、式中、
は、存在しないか、または置換もしくは非置換アルキルであり、
Cyは、置換もしくは非置換アリールまたは置換もしくは非置換ヘテロアリールから選択され、
は、水素、ハロゲン、置換もしくは非置換アルキル、-NR、または-ORから選択され、
およびRは、出現ごとに、独立に、水素、置換アルキルもしくは非置換アルキルから選択されるか、またはRおよびRである可変成分は、それらが結合する窒素と一緒になって、置換もしくは非置換複素環式環を形成し得、
は、CまたはNであり、
は、-N-EまたはCH-E、OまたはSから選択され、
Eは、共有結合を形成することができる基、または共有結合を形成することができる「求電子体」もしくは「求電子性部分」であり、
は、水素、ハロゲン、置換アルキルまたは非置換アルキルから選択され、また
nは、0、1、2、3、4、5、6、7、または8である、化合物。
【請求項31】
は、存在しないか、またはメチルである、請求項1~30のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項32】
は、存在しない、請求項1~31のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項33】
Cyは、置換アリールまたは非置換アリールから選択される、請求項1~32のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項34】
Cyは、ハロゲン、ヒドロキシまたは置換もしくは非置換アルキルで置換されていてもよいフェニルまたはナフタレンから選択される、請求項1~33のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項35】
Cyは、ハロゲン、ヒドロキシまたは置換もしくは非置換アルキルで置換されていてもよいキノリンまたはキナゾリンから選択される、請求項1~34のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項36】
は、水素、ハロゲン、以下のものから選択される、請求項1~35のいずれか一項に記載の化合物。
【化12】
【請求項37】
は、Nである、請求項30~36のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項38】
は、-N-EまたはCH-EまたはOから選択され、Eは、以下から選択される、請求項30~37のいずれか一項に記載の化合物。
【化13】
【請求項39】
は、-N-EまたはCH-EまたはOから選択され、Eは、以下から選択される、請求項30~38のいずれか一項に記載の化合物。
【化14】
【請求項40】
は、存在しないか、またはメチルであり、
Cyは、置換もしくは非置換アリールから選択され、
は、水素、ハロゲン、以下のものから選択され、
【化15】
は、Nであり、また
は、-N-EまたはCH-EまたはOから選択されるものであって、式中、Eは、以下から選択されるものである、請求項30~39のいずれか一項に記載の化合物。
【化16】
【請求項41】
化合物であって、
1-(4-アクリロイルピペラジン-1-イル)-3-(1,1-ジオキシドチオモルホリノ)-6-(ナフタレン-1-イル)-5,6,7,8-テトラヒドロ-2,6-ナフチリジン-4-カルボニトリル、
1-(4-アクリロイルピペラジン-1-イル)-6-(8-クロロナフタレン-1-イル)-3-モルホリノ-5,6,7,8-テトラヒドロ-2,6-ナフチリジン-4-カルボニトリル、
1-(4-アクリロイルピペラジン-1-イル)-3-(2-モルホリノエトキシ)-6-(ナフタレン-1-イル)-5,6,7,8-テトラヒドロ-2,6-ナフチリジン-4-カルボニトリル、
1-(4-アクリロイルピペラジン-1-イル)-6-(8-クロロナフタレン-1-イル)-3-(2-オルホリノエトキシ)-5,6,7,8-テトラヒドロ-2,6-ナフチリジン-4-カルボニトリル、
3-(4-アクリロイルピペラジン-1-イル)-1-(2,6-ジメチルモルホリノ)-6-(ナフタレン-1-イル)-5,6,7,8-テトラヒドロ-2,6-ナフチリジン-4-カルボニトリル、
3-(4-アクリロイルピペラジン-1-イル)-6-(8-クロロナフタレン-1-イル)-1-(2,6-ジメチルモルホリノ)-5,6,7,8-テトラヒドロ-2,6-ナフチリジン-4-カルボニトリル、
3-(4-アクリロイル-3-(シアノメチル)ピペラジン-1-イル)-1-(2,6-ジメチルモルホリノ)-6-(ナフタレン-1-イル)-5,6,7,8-テトラヒドロ-2,6-ナフチリジン-4-カルボニトリル、
(S)-1-(4-アクリロイルピペラジン-1-イル)-6-(8-クロロナフタレン-1-イル)-3-((1-メチルピロリジン-2-イル)メトキシ)-5,6,7,8-テトラヒドロ-2,6-ナフチリジン-4-カルボニトリル、
(S)-1-(4-アクリロイルピペラジン-1-イル)-6-(3-ヒドロキシナフタレン-1-イル)-3-((1-メチルピロリジン-2-イル)メトキシ)-5,6,7,8-テトラヒドロ-2,6-ナフチリジン-4-カルボニトリル、
(S)-1-(4-(2-フルオロアクリロイル)ピペラジン-1-イル)-3-((1-メチルピロリジン-2-イル)メトキシ)-6-(キナゾリン-4-イル)-5,6,7,8-テトラヒドロ-2,6-ナフチリジン-4-カルボニトリル、
(S)-6-(8-クロロナフタレン-1-イル)-3-((1-メチルピロリジン-2-イル)メトキシ)-1-(4-(ビニルスルホニル)ピペラジン-1-イル)-5,6,7,8-テトラヒドロ-2,6-ナフチリジン-4-カルボニトリル、
6-(8-クロロナフタレン-1-イル)-1-(4-(2-フルオロアクリロイル)-3-メチルピペラジン-1-イル)-3-(((S)-1-メチルピロリジン-2-イル)メトキシ)-5,6,7,8-テトラヒドロ-2,6-ナフチリジン-4-カルボニトリル、
1-(4-アクリロイル-3-(シアノメチル)ピペラジン-1-イル)-3-(2,6-ジメチルモルホリノ)-6-(ナフタレン-1-イル)-5,6,7,8-テトラヒドロ-2,6-ナフチリジン-4-カルボニトリル、
1-((S)-4-アクリロイル-3-(シアノメチル)ピペラジン-1-イル)-3-(2,6-ジメチルモルホリノ)-6-(ナフタレン-1-イル)-5,6,7,8-テトラヒドロ-2,6-ナフチリジン-4-カルボニトリル、
1-((R)-4-アクリロイル-3-(シアノメチル)ピペラジン-1-イル)-3-(2,6-ジメチルモルホリノ)-6-(ナフタレン-1-イル)-5,6,7,8-テトラヒドロ-2,6-ナフチリジン-4-カルボニトリル、
1-(4-アクリロイル-3-(シアノメチル)ピペラジン-1-イル)-3-(((S)-1-メチルピロリジン-2-イル)メトキシ)-6-(ナフタレン-1-イル)-5,6,7,8-テトラヒドロ-2,6-ナフチリジン-4-カルボニトリル、
1-((S)-4-アクリロイル-3-(シアノメチル)ピペラジン-1-イル)-3-(((S)-1-メチルピロリジン-2-イル)メトキシ)-6-(ナフタレン-1-イル)-5,6,7,8-テトラヒドロ-2,6-ナフチリジン-4-カルボニトリル、
1-((R)-4-アクリロイル-3-(シアノメチル)ピペラジン-1-イル)-3-(((S)-1-メチルピロリジン-2-イル)メトキシ)-6-(ナフタレン-1-イル)-5,6,7,8-テトラヒドロ-2,6-ナフチリジン-4-カルボニトリル、
1-(4-アクリロイル-3-(シアノメチル)ピペラジン-1-イル)-6-(3-ヒドロキシナフタレン-1-イル)-3-(((S)-1-メチルピロリジン-2-イル)メトキシ)-5,6,7,8-テトラヒドロ-2,6-ナフチリジン-4-カルボニトリル、
1-(3-(シアノメチル)-4-(2-フルオロアクリロイル)ピペラジン-1-イル)-3-(((S)-1-メチルピロリジン-2-イル)メトキシ)-6-(ナフタレン-1-イル)-5,6,7,8-テトラヒドロ-2,6-ナフチリジン-4-カルボニトリル、
(S)-1-(4-アクリロイルピペラジン-1-イル)-6-(イソキノリン-4-イル)-3-((1-メチルピロリジン-2-イル)メトキシ)-5,6,7,8-テトラヒドロ-2,6-ナフチリジン-4-カルボニトリル、
(S)-1-(4-アクリロイルピペラジン-1-イル)-3-((1-メチルピロリジン-2-イル)メトキシ)-6-(キノリン-8-イル)-5,6,7,8-テトラヒドロ-2,6-ナフチリジン-4-カルボニトリル、
1-(4-アクリロイル-3-(シアノメチル)ピペラジン-1-イル)-6-(8-クロロナフタレン-1-イル)-3-(((S)-1-メチルピロリジン-2-イル)メトキシ)-5,6,7,8-テトラヒドロ-2,6-ナフチリジン-4-カルボニトリル、
1-((R)-4-アクリロイル-3-(シアノメチル)ピペラジン-1-イル)-6-(8-クロロナフタレン-1-イル)-3-(((S)-1-メチルピロリジン-2-イル)メトキシ)-5,6,7,8-テトラヒドロ-2,6-ナフチリジン-4-カルボニトリル、
1-((S)-4-アクリロイル-3-(シアノメチル)ピペラジン-1-イル)-6-(8-クロロナフタレン-1-イル)-3-(((S)-1-メチルピロリジン-2-イル)メトキシ)-5,6,7,8-テトラヒドロ-2,6-ナフチリジン-4-カルボニトリル、
6-(8-クロロナフタレン-1-イル)-1-(3-(シアノメチル)-4-(2-フルオロアクリロイル)ピペラジン-1-イル)-3-(((S)-1-メチルピロリジン-2-イル)メトキシ)-5,6,7,8-テトラヒドロ-2,6-ナフチリジン-4-カルボニトリル、
6-(8-クロロナフタレン-1-イル)-1-((S)-3-(シアノメチル)-4-(2-フルオロアクリロイル)ピペラジン-1-イル)-3-(((S)-1-メチルピロリジン-2-イル)メトキシ)-5,6,7,8-テトラヒドロ-2,6-ナフチリジン-4-カルボニトリル、
6-(8-クロロナフタレン-1-イル)-1-((R)-3-(シアノメチル)-4-(2-フルオロアクリロイル)ピペラジン-1-イル)-3-(((S)-1-メチルピロリジン-2-イル)メトキシ)-5,6,7,8-テトラヒドロ-2,6-ナフチリジン-4-カルボニトリル、
1-(4-アクリロイルピペラジン-1-イル)-6-ベンジル-3-クロロ-5,6,7,8-テトラヒドロ-2,6-ナフチリジン-4-カルボニトリル、
N-(1-(6-ベンジル-3-クロロ-4-シアノ-5,6,7,8-テトラヒドロ-2,6-ナフチリジン-1-イル)ピペリジン-4-イル)アクリルアミド、
N-(1-(6-ベンジル-4-シアノ-5,6,7,8-テトラヒドロ-2,6-ナフチリジン-1-イル)ピペリジン-4-イル)アクリルアミド、
1,3-ビス(4-アクリロイルピペラジン-1-イル)-6-ベンジル-5,6,7,8-テトラヒドロ-2,6-ナフチリジン-4-カルボニトリル、
アクリル酸1-(4-アクリロイルピペラジン-1-イル)-6-ベンジル-4-シアノ-5,6,7,8-テトラヒドロ-2,6-ナフチリジン-3-イル、
1-(4-アクリロイルピペラジン-1-イル)-6-ベンジル-3-モルホリノ-5,6,7,8-テトラヒドロ-2,6-ナフチリジン-4-カルボニトリル、
1-(4-アクリロイルピペラジン-1-イル)-6-ベンジル-3-(4-メチルピペラジン-1-イル)-5,6,7,8-テトラヒドロ-2,6-ナフチリジン-4-カルボニトリル、
1-(4-アクリロイル-3-(シアノメチル)ピペラジン-1-イル)-6-ベンジル-3-(4-メチルピペラジン-1-イル)-5,6,7,8-テトラヒドロ-2,6-ナフチリジン-4-カルボニトリル、
6-(1-ナフトイル)-1-(4-アクリロイル-3-(シアノメチル)ピペラジン-1-イル)-3-(4-メチルピペラジン-1-イル)-5,6,7,8-テトラヒドロ-2,6-ナフチリジン-4-カルボニトリル、
(S)-1-(4-アクリロイル-2-メチルピペラジン-1-イル)-6-ベンジル-3-(4-メチルピペラジン-1-イル)-5,6,7,8-テトラヒドロ-2,6-ナフチリジン-4-カルボニトリル、
(R)-1-(4-アクリロイル-2-メチルピペラジン-1-イル)-6-ベンジル-3-(4-メチルピペラジン-1-イル)-5,6,7,8-テトラヒドロ-2,6-ナフチリジン-4-カルボニトリル、
1-(4-アクリロイルピペラジン-1-イル)-6-ベンジル-3-ヒドロキシ-5,6,7,8-テトラヒドロ-2,6-ナフチリジン-4-カルボニトリル、
1-(4-アクリロイルピペラジン-1-イル)-3-(4-メチルピペラジン-1-イル)-6-(ナフタレン-1-イル)-5,6,7,8-テトラヒドロ-2,6-ナフチリジン-4-カルボニトリル、
1-(4-アクリロイルピペラジン-1-イル)-6-ベンジル-3-(ピペリジン-1-イル)-5,6,7,8-テトラヒドロ-2,6-ナフチリジン-4-カルボニトリル、
1-(4-アクリロイルピペラジン-1-イル)-6-ベンジル-3-(2-フルオロピリジン-4-イル)-5,6,7,8-テトラヒドロ-2,6-ナフチリジン-4-カルボニトリル、
1-(4-アクリロイルピペラジン-1-イル)-6-(ナフタレン-1-イル)-3-(ピペリジン-1-イル)-5,6,7,8-テトラヒドロ-2,6-ナフチリジン-4-カルボニトリル、
1-(4-アクリロイルピペラジン-1-イル)-6-ベンジル-3-((1-メチルピロリジン-2-イル)メトキシ)-5,6,7,8-テトラヒドロ-2,6-ナフチリジン-4-カルボニトリル、
1,3-ビス(4-アクリロイルピペラジン-1-イル)-6-(ナフタレン-1-イル)-5,6,7,8-テトラヒドロ-2,6-ナフチリジン-4-カルボニトリル、
1,3-ビス(4-アクリロイルピペラジン-1-イル)-6-(ベンゾ[b]チオフェン-4-イル)-5,6,7,8-テトラヒドロ-2,6-ナフチリジン-4-カルボニトリル、
1-(4-アクリロイルピペラジン-1-イル)-6-(ナフタレン-1-イル)-3-(4-プロピオニルピペラジン-1-イル)-5,6,7,8-エトラヒドロ-2,6-ナフチリジン-4-カルボニトリル、
3-(4-アクリロイルピペラジン-1-イル)-6-(ナフタレン-1-イル)-1-(4-プロピオニルピペラジン-1-イル)-5,6,7,8-テトラヒドロ-2,6-ナフチリジン-4-カルボニトリル、
1-(4-アクリロイルピペラジン-1-イル)-3-モルホリノ-6-(ナフタレン-1-イル)-5,6,7,8-テトラヒドロ-2,6-ナフチリジン-4-カルボニトリル、
3-(4-アセチルピペラジン-1-イル)-1-(4-アクリロイルピペラジン-1-イル)-6-(ナフタレン-1-イル)-5,6,7,8-テトラヒドロ-2,6-ナフチリジン-4-カルボニトリル、
1-(4-アクリロイルピペラジン-1-イル)-3-(2,6-ジメチルモルホリノ)-6-(ナフタレン-1-イル)-5,6,7,8-テトラヒドロ-2,6-ナフチリジン-4-カルボニトリル、
1-(4-アクリロイルピペラジン-1-イル)-3-(4-(メチルスルホニル)ピペラジン-1-イル)-6-(ナフタレン-1-イル)-5,6,7,8-テトラヒドロ-2,6-ナフチリジン-4-カルボニトリル、
1-(4-アクリロイルピペラジン-1-イル)-3-(4-エチルピペラジン-1-イル)-6-(ナフタレン-1-イル)-5,6,7,8-テトラヒドロ-2,6-ナフチリジン-4-カルボニトリル、
(S)-1-(4-アクリロイルピペラジン-1-イル)-3-((1-メチルピロリジン-2-イル)メトキシ)-6-(ナフタレン-1-イル)-5,6,7,8-テトラヒドロ-2,6-ナフチリジン-4-カルボニトリル、
1-(4-アクリロイルピペラジン-1-イル)-6-(ナフタレン-1-イル)-5,6,7,8-テトラヒドロ-2,6-ナフチリジン-4-カルボニトリル、
1-(4-(2-フルオロアクリロイル)ピペラジン-1-イル)-6-(ナフタレン-1-イル)-3-(4-プロピオニルピペラジン-1-イル)-5,6,7,8-テトラヒドロ-2,6-ナフチリジン-4-カルボニトリル、
およびその薬学的に許容可能な塩から選択される、化合物。
【請求項42】
化合物であって、
1-(4-アクリロイル-3-(シアノメチル)ピペラジン-1-イル)-6-(8-クロロナフタレン-1-イル)-3-(((S)-1-メチルピロリジン-2-イル)メトキシ)-5,6,7,8-テトラヒドロ-2,6-ナフチリジン-4-カルボニトリル、
1-((R)-4-アクリロイル-3-(シアノメチル)ピペラジン-1-イル)-6-(8-クロロナフタレン-1-イル)-3-(((S)-1-メチルピロリジン-2-イル)メトキシ)-5,6,7,8-テトラヒドロ-2,6-ナフチリジン-4-カルボニトリル、
1-((S)-4-アクリロイル-3-(シアノメチル)ピペラジン-1-イル)-6-(8-クロロナフタレン-1-イル)-3-(((S)-1-メチルピロリジン-2-イル)メトキシ)-5,6,7,8-テトラヒドロ-2,6-ナフチリジン-4-カルボニトリル、およびその薬学的に許容可能な塩から選択される、化合物。
【請求項43】
化合物であって、
1-(4-アクリロイル-3-(シアノメチル)ピペラジン-1-イル)-6-(8-クロロナフタレン-1-イル)-3-(((S)-1-メチルピロリジン-2-イル)メトキシ)-5,6,7,8-テトラヒドロ-2,6-ナフチリジン-4-カルボニトリル、およびその薬学的に許容可能な塩から選択される、化合物。
【請求項44】
化合物であって、
1-((R)-4-アクリロイル-3-(シアノメチル)ピペラジン-1-イル)-6-(8-クロロナフタレン-1-イル)-3-(((S)-1-メチルピロリジン-2-イル)メトキシ)-5,6,7,8-テトラヒドロ-2,6-ナフチリジン-4-カルボニトリル、およびその薬学的に許容可能な塩から選択される、化合物。
【請求項45】
化合物であって、
1-((S)-4-アクリロイル-3-(シアノメチル)ピペラジン-1-イル)-6-(8-クロロナフタレン-1-イル)-3-(((S)-1-メチルピロリジン-2-イル)メトキシ)-5,6,7,8-テトラヒドロ-2,6-ナフチリジン-4-カルボニトリル、およびその薬学的に許容可能な塩から選択される、化合物。
【請求項46】
化合物であって、
6-(8-クロロナフタレン-1-イル)-1-(3-(シアノメチル)-4-(2-フルオロアクリロイル)ピペラジン-1-イル)-3-(((S)-1-メチルピロリジン-2-イル)メトキシ)-5,6,7,8-テトラヒドロ-2,6-ナフチリジン-4-カルボニトリル、
6-(8-クロロナフタレン-1-イル)-1-((S)-3-(シアノメチル)-4-(2-フルオロアクリロイル)ピペラジン-1-イル)-3-(((S)-1-メチルピロリジン-2-イル)メトキシ)-5,6,7,8-テトラヒドロ-2,6-ナフチリジン-4-カルボニトリル、
6-(8-クロロナフタレン-1-イル)-1-((R)-3-(シアノメチル)-4-(2-フルオロアクリロイル)ピペラジン-1-イル)-3-(((S)-1-メチルピロリジン-2-イル)メトキシ)-5,6,7,8-テトラヒドロ-2,6-ナフチリジン-4-カルボニトリル、およびその薬学的に許容可能な塩から選択される、化合物。
【請求項47】
化合物であって、
6-(8-クロロナフタレン-1-イル)-1-(3-(シアノメチル)-4-(2-フルオロアクリロイル)ピペラジン-1-イル)-3-(((S)-1-メチルピロリジン-2-イル)メトキシ)-5,6,7,8-テトラヒドロ-2,6-ナフチリジン-4-カルボニトリル、
およびその薬学的に許容可能な塩から選択される、化合物。
【請求項48】
化合物であって、
6-(8-クロロナフタレン-1-イル)-1-((S)-3-(シアノメチル)-4-(2-フルオロアクリロイル)ピペラジン-1-イル)-3-(((S)-1-メチルピロリジン-2-イル)メトキシ)-5,6,7,8-テトラヒドロ-2,6-ナフチリジン-4-カルボニトリル、
およびその薬学的に許容可能な塩から選択される、化合物。
【請求項49】
化合物であって、
6-(8-クロロナフタレン-1-イル)-1-((R)-3-(シアノメチル)-4-(2-フルオロアクリロイル)ピペラジン-1-イル)-3-(((S)-1-メチルピロリジン-2-イル)メトキシ)-5,6,7,8-テトラヒドロ-2,6-ナフチリジン-4-カルボニトリル、およびその薬学的に許容可能な塩から選択される、化合物。
【請求項50】
化合物であって、
【化17】
またはその薬学的に許容可能な塩から選択される、化合物。
【請求項51】
化合物であって、
【化18】
またはその薬学的に許容可能な塩から選択される、化合物。
【請求項52】
化合物であって、
【化19】
またはその薬学的に許容可能な塩から選択される、化合物。
【請求項53】
化合物であって、
【化20】
またはその薬学的に許容可能な塩から選択される、化合物。
【請求項54】
請求項1~59に記載の化合物、またはその薬学的に許容可能な塩、および薬学的に許容可能な担体を含む、医薬組成物。
【請求項55】
それを必要とする対象においてがんを治療する方法であって、それを必要とする対象に、治療有効量の、請求項1~54に記載の化合物、もしくはその薬学的に許容可能な塩、または請求項1~54に記載の化合物、もしくはその薬学的に許容可能な塩を含む組成物を投与することを含む、方法。
【請求項56】
それを必要とする対象に、少なくとも一つの他の抗がん剤、抗炎症剤、免疫抑制剤、ステロイド、非ステロイド性抗炎症剤、抗ヒスタミン剤、鎮痛剤、またはそれらの混合物を同時にまたは連続的に投与する工程をさらに含む、請求項55に記載の方法。
【請求項57】
それを必要とする対象においてKRAS介在性の障害、特にKRAS G12C介在性の障害を治療する方法であって、それを必要とする対象に、治療有効量の、請求項1~54に記載の化合物、もしくはその薬学的に許容可能な塩、または請求項1~54に記載の化合物、もしくはその薬学的に許容可能な塩を含む医薬組成物を投与することを含む、方法。
【請求項58】
対象において、がんまたはRAS介在性の障害、特にKRAS G12C介在性のがんまたは障害を治療するための、請求項1~54に記載の化合物の使用。
【請求項59】
対象において、がんまたはRAS介在性の障害、特にKRAS G12C介在性のがんまたは障害を治療するための医薬の製造のための、請求項1~54に記載の化合物の使用。
【請求項60】
固形がん、より具体的には、KRASG12変異を有する固形がんなどである様々ながんを治療する方法であって、請求項1~54に記載の化合物、またはその薬学的に許容可能な塩および/または組成物を対象に投与することを含む、方法。
【請求項61】
がんは、心臓:肉腫(血管肉腫、線維肉腫、横紋筋肉腫、脂肪肉腫)、粘液腫、横紋筋腫、線維腫、脂肪腫および奇形腫、肺:気管支原性がん(扁平上皮がん、未分化小細胞がん、未分化大細胞がん、腺がん)、肺胞(細気管支)癌、気管支腺腫、肉腫、リンパ腫、軟骨性過誤腫、中皮腫、胃腸管系:食道(扁平上皮がん、腺がん、平滑筋肉腫、リンパ腫)、胃(癌腫、リンパ腫、平滑筋肉腫)、膵臓(管腺がん、インスリノーマ、グルカゴノーマ、ガストリノーマ、カルチノイド腫瘍、ビポーマ)、小腸(腺がん、リンパ腫、カルチノイド腫瘍、カポジ肉腫、平滑筋腫、血管腫、脂肪腫、神経線維腫、線維腫)、大腸(腺がん、管状腺腫、絨毛腺腫、過誤腫、平滑筋腫)、泌尿生殖器系:腎臓(腺がん、ウィルムス腫瘍(腎芽腫)、リンパ腫、白血病)、膀胱および尿道(扁平上皮がん、移行上皮がん、腺がん)、前立腺(腺がん、肉腫)、精巣(精上皮腫、奇形腫、胚性がん腫、奇形がん腫、絨毛がん、肉腫、間質細胞がん、線維腫、線維腺腫、腺腫様腫瘍、脂肪腫)、肝臓:ヘパトーマ(肝細胞がん)、胆管がん、肝芽腫、血管肉腫、肝細胞腺腫、血管腫、胆道:胆嚢がん、膨大部がん、胆管がん、骨:骨原性肉腫(骨肉腫)、線維肉腫、悪性線維性組織球腫、軟骨肉腫、ユーイング肉腫、悪性リンパ腫(細網肉腫)、多発性骨髄腫、悪性巨細胞性腫瘍脊索腫、骨クロマ(osteochronfroma)(骨軟骨性外骨腫)、良性軟骨腫、軟骨芽細胞腫、軟骨粘液線維腫、類骨骨腫および巨細胞腫瘍、神経系:頭蓋骨(骨腫、血管腫、肉芽腫、キサントーマ、変形性骨炎)、髄膜(髄膜腫、髄膜肉腫、神経膠腫症)、脳(星細胞腫、髄芽細胞腫、神経膠腫、上衣腫、胚細胞腫(松果体腫)、多形神経膠芽腫、 乏突起神経膠腫、シュワン細胞腫、網膜芽細胞腫、 先天性腫瘍)、脊髄神経線維腫、髄膜腫、神経膠腫、肉腫)、婦人科:子宮(子宮内膜がん)、子宮頸部(子宮頸がん、腫瘍前子宮頸部異形成症)、卵巣(卵巣がん(漿液性嚢胞腺がん、粘液性嚢胞腺がん、分類不能の癌腫)、顆粒膜-莢膜細胞腫(granulosa-thecal cell tumor)、セルトリ-ライディッヒ細胞腫、未分化胚細胞腫、悪性奇形腫)、外陰部(扁平上皮がん、上皮内がん、腺がん、線維肉腫、黒色腫)、膣(明細胞がん、扁平上皮がん、ブドウ状肉腫(胎児性横紋筋肉腫)、ファローピウス管(癌腫)、血液系:血液(骨髄性白血病(急性および慢性)、急性リンパ芽球性白血病、慢性リンパ球性白血病、骨髄増殖性疾患、多発性骨髄腫、骨髄異形成症候群)、ホジキン病、非ホジキンリンパ腫(悪性リンパ腫)、皮膚:悪性黒色腫、基底細胞がん、扁平上皮がん、カポジ肉腫、異形成母斑、脂肪腫、血管腫、皮膚線維腫、ケロイド、乾癬、および副腎:神経芽細胞腫から選択される、請求項55~60に記載の方法。
【請求項62】
前記がんは、肺がん、膵がん、または結腸直腸がんである、請求項55~61に記載の方法。
【請求項63】
前記がんは肺がんである、請求項62に記載の方法。
【請求項64】
前記がんは非小細胞肺がんである、請求項62に記載の方法。
【請求項65】
前記がんは膵がんである、請求項62に記載の方法。
【請求項66】
前記がんは結腸直腸がんである、請求項62に記載の方法。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願は、2021年10月8日付で出願されたインド仮特許出願第202141046053号、および2022年2月10日付で出願された米国仮特許出願第63/308727号に対する優先権の利益を主張するものであり、その両方の開示は参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。
【0002】
本願は、本明細書に記載される新規化合物、それを調製する方法、その医薬組成物、およびその使用方法に関する。特に、本発明は、KRASタンパク質の阻害剤として、かつKRASに関連する疾患または障害、特にがん、の治療、予防および/または改善に有用な、式(A)の化合物またはその薬学的に許容可能な塩に関する。
【背景技術】
【0003】
遺伝子は人体の各細胞のDNA中にあり、それが、細胞がどれだけ速く成長するか、どのくらいの頻度で分裂するか、またはどれくらいの期間生存するかをはじめとする、細胞がどのように機能するかを制御する。遺伝子は、タンパク質を作製することによって細胞がどのように機能するかを制御する。タンパク質は特定の機能を有し、細胞のメッセンジャーとして作用するので、各遺伝子は、そのタンパク質を作製するために正確な指示を有していなければならない。このことが、タンパク質に対して、細胞に対して正確に機能することを可能にさせる。全てのがんは、細胞中の一つ以上の遺伝子が変異したときに始まる。突然変異は変化であり、異常なタンパク質を生成する。または、タンパク質の形成を防止し得る。異常なタンパク質は、正常なタンパク質とは異なる情報を提供する。これにより、細胞が制御不能に増殖し、がん性になる可能性がある。
【0004】
総じて、研究者が言及する二つの基本的なタイプの遺伝子変異には、(a)たばこの使用、紫外線(UV)放射への曝露、ウイルス、または年齢をはじめとする後天性の変異およびこれらの変異を引き起こす因子であって、散発性がんと呼ばれる後天性変異を理由に発生するがん、(b)生殖細胞系列変異であって、生殖細胞系列変異はより稀であるが精子細胞または卵細胞で発生するというものがある。突然変異は生殖細胞に影響を及ぼすため、世代間で伝達され得る。生殖細胞系列変異が引き起こすがんは、遺伝性がんと呼ばれ、全てのがんの約5%~20%を占める。
【0005】
がんの発生に寄与する遺伝子の多くは、以下の広範なカテゴリーに分類される:
【0006】
DNA修復遺伝子。これらはDNAがコピーされたときに生じた誤りを修正する。それらの多くは腫瘍抑制遺伝子として機能する。BRCA1、BRCA2、およびp53は全てDNA修復遺伝子である。DNA修復遺伝子にエラーがある者では、誤りが修正されず、この誤りが変異をもたらす可能性がある。これら突然変異は最終的にがんにつながり得るが、特に該突然変異は腫瘍抑制遺伝子またはがん遺伝子において発生する。
【0007】
腫瘍抑制遺伝子。これらは保護遺伝子である。通常、それらは、細胞がどの程度迅速に新しい細胞に分裂するかを監視し、ミスマッチDNAを修復し、細胞死を制御することによって、細胞増殖を制限する。腫瘍抑制遺伝子が変異すると、細胞は制御不能に増殖し、最終的に腫瘍を形成し得る。腫瘍抑制遺伝子の例としては、BRCA1、BRCA2、およびp53またはTP53が挙げられる。
【0008】
がん遺伝子。これらが健康な細胞をがん細胞に変える。これらの遺伝子における変異は、遺伝性であることが知られていない。最もよくあるがん遺伝子の二つはHER2であり、がんの増殖および転移を制御する特殊タンパク質である。一部のがん細胞中に見られる。例えば、乳がんおよび卵巣がん細胞、ならびにRASファミリーの遺伝子RASであり、該遺伝子は、細胞間情報伝達経路、細胞増殖、および細胞死に関与するタンパク質を作製する。
【0009】
報告されているそのような突然変異の一つは、遺伝子のRASファミリーにおける突然変異である。RASは分子スイッチとして作用することが知られており、細胞膜に関連する単量体球状タンパク質である。RASは、グアノシン5’-二リン酸(GDP)(休息状態として、または不活性状態であるとして知られる)またはグアノシン-5’-三リン酸(GTP)のいずれかに結合し、GDPをGTPに変換(「スイッチオン」状態として、または活性状態であるとして知られる)することができる。それはRASの誘導を引き起こす成長促進刺激であり、活性状態のRASが他のタンパク質と相互作用して他のタンパク質を活性化することを可能にすることによって、GDPのGTPへの切り替えが生じる。RASのこの活性化が、細胞にシグナルを与え、増殖および分化を継続させる。
【0010】
注目すべきことに、GTPからGDPに戻ることによってRASタンパク質をオフにする本来の能力は非常に低く、RASをオフにするには、RASと相互作用し、GTPのGDPへの変換を大幅に加速させるGTPase活性化タンパク質(GAP)が必要である。GAPと相互作用する能力、またはGTPをGDPに戻す能力に影響を及ぼすRASにおけるあらゆる変異が、タンパク質の活性化の延長と、その結果の長期かつ過活性なRASシグナル伝達とをもたらし、最終的にがんにつながる。
【0011】
RASファミリーはさらに、HRAS、KRAS、DIRAS1、DIRAS2、DIRAS3、ERAS、GEM、MRAS、NKIRAS1、NKIRAS2、NRAS、RALA、RALB、RAP1A、RAP1B、RAP2A、RAP2B、RAP2C、RASD1、RASD2、RASL10A、RASL10B、RASL11A、RASL11B、RASL12、REM1、REM2、RERG、RERGL、RRAD、RRASなどの種々のメンバーに分けられるが、がんに関連する最も注目すべきRASメンバーは、Harveyラット肉腫ウイルス癌遺伝子相同体(HRAS)、Kirstenラット肉腫ウイルス癌遺伝子相同体(KRAS)および神経芽細胞腫ラット肉腫ウイルス癌遺伝子相同体(NRAS)である。
【0012】
全てのヒト腫瘍の約30%がRAS遺伝子に対するいくらかの変異を有することが報告されているものでありながら、HRAS、KRAS、およびNRASの三種のメンバーでは、腫瘍の約25~30%の変異の大部分がKRAS遺伝子中で検出されている。
【0013】
KRAS遺伝子の変異は、膵がん、肺腺がん、結腸直腸がん、胆嚢がん、甲状腺がん、および胆管がんにおいてより多く見られる。KRAS変異はまた、NSCLC患者の約25%で見られ、一部の研究は、KRAS変異がNSCLC患者における陰性予後因子であることを示している。最近、KRAS変異は、結腸直腸がんにおける上皮成長因子受容体(EGFR)標的療法に対する耐性を付与することが見出されており、KRAS変異の状態を理解することが、チロシンキナーゼ阻害剤(TKI)の使用前にますます重要になっているようである。
【0014】
最もよく見られるKRAS変異は、そのPループにある残基G12およびG13および残基Q61で見られ、G12CではKRAS遺伝子の変異が頻繁である。G12C変異は、種々のがんにわたって約14~15%であることが報告されており、大部分が肺がんおよび結腸がんで報告されている。
【0015】
研究者は、がん遺伝子がどのように作用するかについて多くのことを学習してきた。しかし、多くのがんは特定の遺伝子と結び付けられていない。がんは、複数の遺伝子変異を伴う可能性が高い。さらに、一部の証拠により、遺伝子はそれらの環境と相互作用することが示唆されている。このことがさらに、遺伝子ががんにおいて果たす役割の理解を複雑にする。研究者は、遺伝子変化ががんの発症にどのように影響するかを研究し続けている。こうした知識が、早期発見、リスク低減、標的療法の使用、および生存を含む、がんケアの改善につながってきた。
【0016】
がんは、一般的に、特にがんが転移の結果であるために切除不可能な場合、治療選択肢は非常に少ないと考えられる。一方では、例えば化学療法を単独で、または放射線および/もしくは手術と組み合わせて使用するための治療の選択肢にいくつかの進歩があったが、他方では、特に肺がん、膵がん、前立腺がん、胃がん、子宮内膜がん、卵巣がん、結腸直腸がんなどのがんについて、予後にかなりの課題があった。
【0017】
したがって、かかるがんの治療に関して未だ対処されていない医学的要望が存在するため、本発明は、それに対処することを目的としている。
【発明の概要】
【0018】
本発明は、式(A)の化合物、または薬学的に許容可能な塩、またはその組成物およびそれらを用いた治療方法に関し、特に本発明は、RAS介在性のがんの治療に有用な式(A)の化合物およびその薬学的に許容可能な塩に関する。
【0019】
本発明の一実施形態では、構造式(A)で表す置換ナフチリジン化合物、
【化1】
またはその互変異性体、その同位体、そのプロドラッグ、そのN-オキシド、その薬学的に許容可能なエステル、その薬学的に許容可能な塩、もしくはその立体異性体であり、式中、
は、存在しないか、または独立に、置換もしくは非置換C1~4アルキル、置換もしくは非置換C2~4アルケニル、置換もしくは非置換C2~4アルキニル、置換もしくは非置換C3~10シクロアルキル、置換もしくは非置換C3~10ヘテロシクロアルキル、-(CR-、-O-、-S-、-S(=O)-、-C(=O)-、-NR-、-CO-NR-、および-NR-CO-から選択され、
は、存在しないか、または独立に、置換もしくは非置換C1~4アルキル、置換もしくは非置換C2~4アルケニル、置換もしくは非置換C2~4アルキニル、置換もしくは非置換C3~10シクロアルキル、置換もしくは非置換C3~10ヘテロシクロアルキル、-(CR-、-O-、-S-、-S(=O)-、-C(=O)-、-NR-、-CO-NR-、および-NR-CO-から選択され、
Cyは、置換または非置換シクロアルキル、置換または非置換シクロアルケニル、置換または非置換シクロアルキルアルキル、置換または非置換シクロアルケニルアルキル、置換または非置換ヘテロシクリル、置換または非置換ヘテロシクリルアルキル、置換または非置換アリール、置換または非置換アリールアルキル、置換または非置換ヘテロアリール、置換または非置換ヘテロアリールアルキルから選択される環状基から選択され、
Cyは、置換または非置換シクロアルキル、置換または非置換シクロアルケニル、置換または非置換シクロアルキルアルキル、置換または非置換シクロアルケニルアルキル、置換または非置換ヘテロシクリル、置換または非置換ヘテロシクリルアルキル、置換または非置換アリール、置換または非置換アリールアルキル、置換または非置換ヘテロアリール、Eで置換されていてもよい置換または非置換ヘテロアリールアルキルから選択される環状基から選択され、
Eは、共有結合を形成することができる基、または共有結合を形成することができる「求電子体」もしくは「求電子性部分」であり、
Rは、出現ごとに、独立に、CN(シアノ)、COOH、CONH、SOH、C(=O)OR、-C(=O)R、-C(=S)R、-C(=O)NR、-C(=O)ONR、-NR、-NRC(=O)NR、-NRS(=O)R、-NRS(=O)、-NR-OR、=N-NR、-NRC(=O)OR、-NRC(=O)R、-NRC(=S)R、-NRC(=S)NR、-SONR、-SONR、-OR、-ORC(=O)NR、-ORC(=O)OR、-OC(=O)R、-OC(=O)NR、-RNRC(=O)R、-ROR、-RC(=O)OR、-RC(=O)NR、-RC(=O)R、-ROC(=O)R、-SR、-SOR、-SO、-CRC(=O)R、または-CRC(=S)Rから選択され、
は、出現ごとに、独立に、水素、ヒドロキシ、ハロゲン、置換もしくは非置換アミノ、置換もしくは非置換アルキル、置換もしくは非置換アルコキシ、置換もしくは非置換アルケニル、置換もしくは非置換アルキニル、置換もしくは非置換シクロアルキル、置換もしくは非置換シクロアルケニル、置換もしくは非置換シクロアルキルアルキル、置換もしくは非置換シクロアルケニルアルキル、置換もしくは非置換ヘテロシクリル、置換もしくは非置換ヘテロシクリルアルキル、置換もしくは非置換アリール、置換もしくは非置換アリールアルキル、置換もしくは非置換ヘテロアリール、置換もしくは非置換ヘテロアリールアルキル、C(=O)OR、-C(=O)R、-C(=S)R、-C(=O)NR、-C(=O)ONR、-NR、-NRC(=O)NR、-NRS(=O)R、-NRS(=O)、-NR-OR、=N-NR、-NRC(=O)OR、-NRC(=O)R、-NRC(=S)R、-NRC(=S)NR、-SONR、-SONR、-OR、-ORC(=O)NR、-ORC(=O)OR、-OC(=O)R、-OC(=O)NR、-RNRC(=O)R、-ROR、-RC(=O)OR、-RC(=O)NR、-RC(=O)R、-ROC(=O)R、-SR、-SOR、-SO、-CRC(=O)R、または-CRC(=S)Rから選択され、
は、出現ごとに、独立に、水素、ヒドロキシ、ハロゲン、置換もしくは非置換アルキル、置換もしくは非置換アルコキシ、-C(=O)OR、-C(=O)R、-C(=S)R、-C(=O)NR、-C(=O)ONR、-NR、-NR-OR、-NRC(=O)NR、-NRS(=O)R、-NRS(=O)、-NR-OR、=N-NR、-NRC(=O)OR、-NRC(=O)R、-NRC(=S)R、-NRC(=S)NR、-SONR、-SONR、-OR、-ORC(=O)NR、-ORC(=O)OR、-OC(=O)R、-OC(=O)NR、-RNRC(=O)R、-ROR、-RC(=O)OR、-RC(=O)NR、-RC(=O)R、-ROC(=O)R、-SR、-SOR、-SO、-CRC(=O)R、もしくは-CRC(=S)Rから選択されるか、または任意の二つのRが、一緒になって置換もしくは非置換の飽和もしくは不飽和の3~6員環を形成し得、これは随意に同一もしくは異なるものであり得、かつO、NRaもしくはSから選択されるヘテロ原子を含み得るか、もしくは同一の炭素原子に結合する任意の二つのRが一緒になって、オキソ(C=O)、イミノ(=NR)、C=S(O)、もしくは置換もしくは非置換の飽和もしくは不飽和の3~6員環を形成し得、これは随意に、同一もしくは異なるものであり得、かつO、NRもしくはSから選択されるヘテロ原子を含み得るものであり、
およびRは、出現ごとに、独立に、水素、置換もしくは非置換アルキル、置換もしくは非置換アルコキシ、置換もしくは非置換アルケニル、置換もしくは非置換アルキニル、置換もしくは非置換アリール、置換もしくは非置換アリールアルキル、置換もしくは非置換ヘテロアリール、置換もしくは非置換ヘテロアリールアルキル、置換もしくは非置換シクロアルキル、置換もしくは非置換シクロアルキルアルキル、置換もしくは非置換シクロアルケニル、置換もしくは非置換複素環式環、置換ヘテロシクリルアルキル環、もしくは置換もしくは非置換アミノから選択されるか、または共通原子に結合されたときのRおよびRのうちのいずれか二つが一緒になって、(i)置換もしくは非置換の飽和もしくは不飽和の3~14員環を形成し得、これは随意に、同一もしくは異なるものであり得、かつO、NRもしくはSから選択される一以上のヘテロ原子を含み得るか、もしくは(ii)オキソ(=O)基、チオ(=S)基もしくはイミノ(=NR)基を形成し得るものであり、
およびRは、出現ごとに、独立に、水素、ヒドロキシ、シアノ、ハロゲン、-OR、-COOR、-S(=O)q-R、-NR、-C(=Z)-R、置換または非置換アルキル基、置換または非置換アルケニル、置換または非置換アルキニル、および置換または非置換シクロアルキルから選択され、
Zは、OまたはSから選択され、ならびに
pは、出現ごとに、独立に、0、1、または2である。
【0020】
本発明の一実施形態では、構造式(A-I)で表す置換ナフチリジン化合物、
【化2】
またはその互変異性体、その同位体、そのプロドラッグ、そのN-オキシド、その薬学的に許容可能なエステル、その薬学的に許容可能な塩、もしくはその立体異性体であり、式中、
は、存在しないか、または独立に、置換もしくは非置換C1~4アルキル、置換もしくは非置換C2~4アルケニル、置換もしくは非置換C2~4アルキニル、置換もしくは非置換C3~10シクロアルキル、置換もしくは非置換C3~10ヘテロシクロアルキル、-(CR-、-O-、-S-、-S(=O)-、-C(=O)-、-NR-、-CO-NR-、および-NR-CO-から選択され、
Cyは、置換または非置換シクロアルキル、置換または非置換シクロアルケニル、置換または非置換シクロアルキルアルキル、置換または非置換シクロアルケニルアルキル、置換または非置換ヘテロシクリル、置換または非置換ヘテロシクリルアルキル、置換または非置換アリール、置換または非置換アリールアルキル、置換または非置換ヘテロアリール、置換または非置換ヘテロアリールアルキルから選択される環状基から選択され、
Cyは、置換または非置換シクロアルキル、置換または非置換シクロアルケニル、置換または非置換シクロアルキルアルキル、置換または非置換シクロアルケニルアルキル、置換または非置換ヘテロシクリル、置換または非置換ヘテロシクリルアルキル、置換または非置換アリール、置換または非置換アリールアルキル、置換または非置換ヘテロアリール、Eで置換されていてもよい置換または非置換ヘテロアリールアルキルから選択される環状基から選択され、
Eは、共有結合を形成することができる基、または共有結合を形成することができる「求電子体」もしくは「求電子性部分」であり、
は、出現ごとに、独立に、水素、ヒドロキシ、ハロゲン、置換もしくは非置換アミノ、置換もしくは非置換アルキル、置換もしくは非置換アルコキシ、置換もしくは非置換アルケニル、置換もしくは非置換アルキニル、置換もしくは非置換シクロアルキル、置換もしくは非置換シクロアルケニル、置換もしくは非置換シクロアルキルアルキル、置換もしくは非置換シクロアルケニルアルキル、置換もしくは非置換ヘテロシクリル、置換もしくは非置換ヘテロシクリルアルキル、置換もしくは非置換アリール、置換もしくは非置換アリールアルキル、置換もしくは非置換ヘテロアリール、置換もしくは非置換ヘテロアリールアルキル、C(=O)OR、-C(=O)R、-C(=S)R、-C(=O)NR、-C(=O)ONR、-NR、-NRC(=O)NR、-NRS(=O)R、-NRS(=O)、-NR-OR、=N-NR、-NRC(=O)OR、-NRC(=O)R、-NRC(=S)R、-NRC(=S)NR、-SONR、-SONR、-OR、-ORC(=O)NR、-ORC(=O)OR、-OC(=O)R、-OC(=O)NR、-RNRC(=O)R、-ROR、-RC(=O)OR、-RC(=O)NR、-RC(=O)R、-ROC(=O)R、-SR、-SOR、-SO、-CRC(=O)R、または-CRC(=S)Rから選択され、
は、出現ごとに、独立に、水素、ヒドロキシ、ハロゲン、置換もしくは非置換アルキル、置換もしくは非置換アルコキシ、-C(=O)OR、-C(=O)R、-C(=S)R、-C(=O)NR、-C(=O)ONR、-NR、-NR-OR、-NRC(=O)NR、-NRS(=O)R、-NRS(=O)、-NR-OR、=N-NR、-NRC(=O)OR、-NRC(=O)R、-NRC(=S)R、-NRC(=S)NR、-SONR、-SONR、-OR、-ORC(=O)NR、-ORC(=O)OR、-OC(=O)R、-OC(=O)NR、-RNRC(=O)R、-ROR、-RC(=O)OR、-RC(=O)NR、-RC(=O)R、-ROC(=O)R、-SR、-SOR、-SO、-CRC(=O)R、もしくは-CRC(=S)Rから選択されるか、または任意の二つのRが、一緒になって置換もしくは非置換の飽和もしくは不飽和の3~6員環を形成し得、これは随意に同一もしくは異なるものであり得、かつO、NRもしくはSから選択されるヘテロ原子を含み得るか、もしくは同一の炭素原子に結合する任意の二つのRが一緒になって、オキソ(C=O)、イミノ(=NR)、C=S(O)、もしくは置換もしくは非置換の飽和もしくは不飽和の3~6員環を形成し得、これは随意に、同一もしくは異なるものであり得、かつO、NRもしくはSから選択されるヘテロ原子を含み得るものであり、
およびRは、出現ごとに、独立に、水素、置換もしくは非置換アルキル、置換もしくは非置換アルコキシ、置換もしくは非置換アルケニル、置換もしくは非置換アルキニル、置換もしくは非置換アリール、置換もしくは非置換アリールアルキル、置換もしくは非置換ヘテロアリール、置換もしくは非置換ヘテロアリールアルキル、置換もしくは非置換シクロアルキル、置換もしくは非置換シクロアルキルアルキル、置換もしくは非置換シクロアルケニル、置換もしくは非置換複素環式環、置換ヘテロシクリルアルキル環、もしくは置換もしくは非置換アミノから選択されるか、または共通原子に結合されたときのRおよびRのうちのいずれか二つが一緒になって、(i)置換もしくは非置換の飽和もしくは不飽和の3~14員環を形成し得、これは随意に、同一もしくは異なるものであり得、かつO、NRもしくはSから選択される一以上のヘテロ原子を含み得るか、もしくは(ii)オキソ(=O)基、チオ(=S)基もしくはイミノ(=NR)基を形成し得るものであり、ならびに
pは、出現ごとに、独立に、0、1、または2である。
【0021】
本発明の一実施形態では、構造式(A-II)で表す置換ナフチリジン化合物、
【化3】
またはその互変異性体、その同位体、そのプロドラッグ、そのN-オキシド、その薬学的に許容可能なエステル、その薬学的に許容可能な塩、もしくはその立体異性体であり、式中、
は、存在しないか、または独立に、置換もしくは非置換C1~4アルキル、置換もしくは非置換C2~4アルケニル、置換もしくは非置換C2~4アルキニル、置換もしくは非置換C3~10シクロアルキル、置換もしくは非置換C3~10ヘテロシクロアルキル、-(CR-、-O-、-S-、-S(=O)-、-C(=O)-、-NR-、-CO-NR-、および-NR-CO-から選択され、
Cyは、置換または非置換シクロアルキル、置換または非置換シクロアルケニル、置換または非置換シクロアルキルアルキル、置換または非置換シクロアルケニルアルキル、置換または非置換ヘテロシクリル、置換または非置換ヘテロシクリルアルキル、置換または非置換アリール、置換または非置換アリールアルキル、置換または非置換ヘテロアリール、置換または非置換ヘテロアリールアルキルから選択される環状基から選択され、
Cyは、置換または非置換ヘテロシクリルであって、これはEで置換されていてもよいものであり、
Eは、共有結合を形成することができる基、または共有結合を形成することができる「求電子体」もしくは「求電子性部分」であり、
は、出現ごとに、独立に、水素、ヒドロキシ、ハロゲン、置換もしくは非置換アミノ、置換もしくは非置換アルキル、置換もしくは非置換アルコキシ、置換もしくは非置換アルケニル、置換もしくは非置換アルキニル、置換もしくは非置換シクロアルキル、置換もしくは非置換シクロアルケニル、置換もしくは非置換シクロアルキルアルキル、置換もしくは非置換シクロアルケニルアルキル、置換もしくは非置換ヘテロシクリル、置換もしくは非置換ヘテロシクリルアルキル、置換もしくは非置換アリール、置換もしくは非置換アリールアルキル、置換もしくは非置換ヘテロアリール、置換もしくは非置換ヘテロアリールアルキル、C(=O)OR、-C(=O)R、-C(=S)R、-C(=O)NR、-C(=O)ONR、-NR、-NRC(=O)NR、-NRS(=O)R、-NRS(=O)、-NR-OR、=N-NR、-NRC(=O)OR、-NRC(=O)R、-NRC(=S)R、-NRC(=S)NR、-SONR、-SONR、-OR、-ORC(=O)NR、-ORC(=O)OR、-OC(=O)R、-OC(=O)NR、-RNRC(=O)R、-ROR、-RC(=O)OR、-RC(=O)NR、-RC(=O)R、-ROC(=O)R、-SR、-SOR、-SO、-CRC(=O)R、または-CRC(=S)Rから選択され、
は、出現ごとに、独立に、水素、ヒドロキシ、ハロゲン、置換もしくは非置換アルキル、置換もしくは非置換アルコキシ、-C(=O)OR、-C(=O)R、-C(=S)R、-C(=O)NR、-C(=O)ONR、-NR、-NR-OR、-NRC(=O)NR、-NRS(=O)R、-NRS(=O)、-NR-OR、=N-NR、-NRC(=O)OR、-NRC(=O)R、-NRC(=S)R、-NRC(=S)NR、-SONR、-SONR、-OR、-ORC(=O)NR、-ORC(=O)OR、-OC(=O)R、-OC(=O)NR、-RNRC(=O)R、-ROR、-RC(=O)OR、-RC(=O)NR、-RC(=O)R、-ROC(=O)R、-SR、-SOR、-SO、-CRC(=O)R、もしくは-CRC(=S)Rから選択されるか、または任意の二つのRが、一緒になって置換もしくは非置換の飽和もしくは不飽和の3~6員環を形成し得、これは随意に同一もしくは異なるものであり得、かつO、NRもしくはSから選択されるヘテロ原子を含み得るか、もしくは同一の炭素原子に結合する任意の二つのRが一緒になって、オキソ(C=O)、イミノ(=NR)、C=S(O)、もしくは置換もしくは非置換の飽和もしくは不飽和の3~6員環を形成し得、これは随意に、同一もしくは異なるものであり得、かつO、NRもしくはSから選択されるヘテロ原子を含み得るものであり、
およびRは、出現ごとに、独立に、水素、置換もしくは非置換アルキル、置換もしくは非置換アルコキシ、置換もしくは非置換アルケニル、置換もしくは非置換アルキニル、置換もしくは非置換アリール、置換もしくは非置換アリールアルキル、置換もしくは非置換ヘテロアリール、置換もしくは非置換ヘテロアリールアルキル、置換もしくは非置換シクロアルキル、置換もしくは非置換シクロアルキルアルキル、置換もしくは非置換シクロアルケニル、置換もしくは非置換複素環式環、置換ヘテロシクリルアルキル環、もしくは置換もしくは非置換アミノから選択されるか、または共通原子に結合されたときのRおよびRのうちのいずれか二つが一緒になって、(i)置換もしくは非置換の飽和もしくは不飽和の3~14員環を形成し得、これは随意に、同一もしくは異なるものであり得、かつO、NRもしくはSから選択される一以上のヘテロ原子を含み得るか、もしくは(ii)オキソ(=O)基、チオ(=S)基もしくはイミノ(=NR)基を形成し得るものであり、ならびに
pは、出現ごとに、独立に、0、1、または2である。
【0022】
式(A)、(A-I)または(A-II)であり、式中、Aは、存在しないか、または-CR-であり、式中、RおよびRの各々は、独立に、水素または置換もしくは非置換アルキルから選択されるものである、化合物がさらに好ましい。
【0023】
式(A)、(A-I)または(A-II)であり、式中、Aは、存在しないか、または-CR-であり、式中、Rは、独立に、メチルまたはエチルであり、またRは、水素であるものである、化合物がさらに好ましい。
【0024】
式(A)、(A-I)または(A-II)であり、式中、Aは、存在しないか、または-CR-であり、式中、Rは水素であり、またRは水素であるものである、化合物がさらに好ましい。
【0025】
式(A)、(A-I)または(A-II)であり、式中、Aは、存在しないか、または-CH、もしくは-(C=O)であるものである、化合物がさらに好ましい。
【0026】
式(A)、(A-I)または(A-II)であり、式中、Aは、存在しないか、または-CR-であり、式中、RおよびRの各々は、独立に、水素、置換アルキル、または非置換アルキルから選択されるものである、化合物がさらに好ましい。
【0027】
式(A)、(A-I)または(A-II)であり、式中、Aは、存在しないか、または-CR-であり、式中、Rは、独立に、メチルまたはエチルであり、またRは水素であるものである、化合物がさらに好ましい。
【0028】
式(A)、(A-I)または(A-II)であり、式中、Aは、存在しないものである、化合物がさらに好ましい。
【0029】
式(A)、(A-I)または(A-II)であり、式中、Cyは、置換または非置換ヘテロシクリル、置換または非置換アリール、置換または非置換アリールアルキル、置換または非置換ヘテロアリール、置換または非置換ヘテロアリールアルキルから選択される環状基から選択されるものである、化合物がさらに好ましい。
【0030】
式(A)、(A-I)または(A-II)であり、式中、Cyは、置換または非置換アリール、および置換または非置換ヘテロアリールから選択される環状基から選択されるものである、化合物がさらに好ましい。
【0031】
式(A)、(A-I)または(A-II)であり、式中、Cyは、以下から選択されるものである、化合物がさらに好ましい。
【化4】
【0032】
式(A)、(A-I)または(A-II)であり、式中、Cyは、置換または非置換シクロアルキル、置換または非置換シクロアルキルアルキル、置換または非置換ヘテロシクリル、および置換または非置換ヘテロシクリルアルキルから選択される環状基から選択されるものである、化合物がさらに好ましい。
【0033】
式(A)、(A-I)または(A-II)であり、式中、Cyは、置換または非置換シクロアルキル、置換または非置換シクロアルキルアルキル、置換または非置換ヘテロシクリル、および置換または非置換ヘテロシクリルアルキルから選択される環状基から選択され、ここで各基は、基Eでさらに置換されていてもよいものである、化合物がさらに好ましい。
【0034】
式(A)、(A-I)または(A-II)であり、式中、Cyは、以下から選択され、
【化5】
これらは共有結合を形成することができる基Eで置換されるものである、化合物がさらに好ましい。
【0035】
式(A)、(A-I)または(A-II)であり、式中、Eは、以下から選択されるものである、化合物がさらに好ましい。
【化6】
【0036】
式(A)、(A-I)または(A-II)であり、式中、Eは、以下から選択されるものである、化合物がさらに好ましい。
【化7】
【0037】
式(A)、(A-I)または(A-II)であり、式中、A-Cy-Eは、以下から選択されるものである、化合物がさらに好ましい。
【化8】
【0038】
式(A)、(A-I)または(A-II)であり、式中、A-Cy-Eは、以下から選択されるものである、化合物がさらに好ましい。
【化9】
【0039】
式(A)、(A-I)または(A-II)であり、式中、Rはシアノ(CN)であるものである、化合物がさらに好ましい。
【0040】
式(A)、(A-I)または(A-II)であり、式中、Rは、水素、ハロゲン、OR、S-R、-S(=O)pR-、-C(=O)-R、-NR、-CO-NR-、および-NR-CO-Rから選択されるものである、化合物がさらに好ましい。
【0041】
式(A)、(A-I)または(A-II)であり、式中、Rは、-O-Rであるものである、化合物がさらに好ましい。
【0042】
式(A)、(A-I)または(A-II)であり、式中、Rは、-NRであるものである、化合物がさらに好ましい。
【0043】
式(A)、(A-I)または(A-II)であり、式中、Rは、独立に、置換または非置換アルキル、置換または非置換アルコキシ、置換または非置換ヘテロシクリル、置換または非置換ヘテロシクリルアルキル、置換または非置換ヘテロアリール、置換または非置換ヘテロアリールアルキルから選択されるものである、化合物がさらに好ましい。
【0044】
式(A)、(A-I)または(A-II)であり、式中、Rは、独立に、置換または非置換アルキル、置換または非置換ヘテロシクリル、置換または非置換ヘテロシクリルアルキル、および置換または非置換ヘテロアリールから選択されるものである、化合物がさらに好ましい。
【0045】
式(A)、(A-I)または(A-II)であり、式中、Rは、独立に、以下から選択されるものである、化合物がさらに好ましい。
【化10】
【0046】
式(A)、(A-I)または(A-II)であり、式中、Rは、水素または置換アルキルまたは非置換アルキルであるものである、化合物がさらに好ましい。
【0047】
式(A)、(A-I)または(A-II)であり、式中、同じ炭素原子に結合した二つのRが、C=O(オキソ)基を形成するものである、化合物がさらに好ましい。
【0048】
式(A)、(A-I)または(A-II)であり、式中、Aは、
(i)存在しないか、もしくは-CR-であり、式中、RおよびRの各々は、独立に、水素、もしくは置換アルキルもしくは非置換アルキルから選択され、および/または
(ii)存在しないか、もしくは-CR-であり、式中、Rは、独立に、メチルもしくはエチルであり、またRは、水素であり、および/または
(iii)存在しないか、もしくは-CR-であり、式中、Rは、水素であり、またRは、水素であり、および/または
(iv)存在しないか、もしくは-CHもしくは-(C=O)であり、および/またはそれらの任意の組み合わせであり、
は、
(i)存在しないか、もしくは-CR-であり、式中、RおよびRの各々は、独立に、水素、置換アルキルもしくは非置換アルキルから選択され、および/または
(ii)存在しないか、もしくは-CR-であり、式中、Rは、独立に、メチルもしくはエチルであり、またRは、水素であり、および/または
(iii)存在しないか、および/またはそれらの任意の組み合わせであり、
Cyは、
(i)置換もしくは非置換ヘテロシクリル、置換もしくは非置換アリール、置換もしくは非置換アリールアルキル、置換もしくは非置換ヘテロアリール、置換もしくは非置換ヘテロアリールアルキルから選択される環状基、および/または
(ii)置換もしくは非置換アリールおよび置換もしくは非置換ヘテロアリールから選択される環状基、ならびに/またはそれらの組み合わせから選択され、
Cyは、
(i)置換もしくは非置換シクロアルキル、置換もしくは非置換シクロアルキルアルキル、置換もしくは非置換ヘテロシクリル、および置換もしくは非置換ヘテロシクリルアルキルから選択される環状基、および/または
(ii)置換もしくは非置換シクロアルキル、置換もしくは非置換シクロアルキルアルキル、置換もしくは非置換ヘテロシクリル、および置換もしくは非置換ヘテロシクリルアルキルから選択される環状基であって、各基は、基Eでさらに置換されていてもよいものである、環状基、ならびに/またはそれらの組み合わせ、から選択され、
Rは、シアノ(CN)であり、また
は、
(i)水素、ハロゲン、OR、S-R、-S(=O)pR-、-C(=O)-R、-NR、-CO-NR-および-NR-CO-R、および/または
(ii)-O-R、および/または
(iii)-NR、および/または
(iv)置換もしくは非置換アルキル、置換もしくは非置換アルコキシ、置換もしくは非置換ヘテロシクリル、置換もしくは非置換ヘテロシクリルアルキル、置換もしくは非置換ヘテロアリール、置換もしくは非置換ヘテロアリールアルキル、および/または
(v)置換もしくは非置換アルキル、置換もしくは非置換ヘテロシクリル、置換もしくは非置換ヘテロシクリルアルキル、および置換もしくは非置換ヘテロアリール、ならびに/またはそれらの組み合わせ、から選択されるものである、化合物がさらに好ましい。
【0049】
式(A)、(A-I)または(A-II)であり、式中、
Rは、出現ごとに、独立に、CN(シアノ)、COOH、CONH、SOH、C(=O)OR、-C(=O)R、-C(=S)R、-C(=O)NR、-C(=O)ONR、-NR、-NRC(=O)NR、-NRS(=O)R、-NRS(=O)、-NR-OR、=N-NR、-NRC(=O)OR、-NRC(=O)R、-NRC(=S)R、-NRC(=S)NR、-SONR、-SONR、-OR、-ORC(=O)NR、-ORC(=O)OR、-OC(=O)R、-OC(=O)NR、-RNRC(=O)R、-ROR、-RC(=O)OR、-RC(=O)NR、-RC(=O)R、-ROC(=O)R、-SR、-SOR、-SO、-CRC(=O)R、または-CRC(=S)Rから選択され、
は、存在しないか、または置換もしくは非置換C1~4アルキルであり、
は、存在しないか、または置換もしくは非置換C1~4アルキルであり、
Cyは、置換もしくは非置換アリールまたは置換もしくは非置換ヘテロアリールから選択され、
Cyは、置換または非置換ヘテロシクリルから選択され、これはEで置換されていてもよいものであり、
Eは、共有結合を形成することができる基、または共有結合を形成することができる「求電子体」もしくは「求電子性部分」であり、
は、出現ごとに、独立に、水素、ヒドロキシ、ハロゲン、置換もしくは非置換アミノ、置換もしくは非置換アルキル、置換もしくは非置換アルコキシ、置換もしくは非置換アルケニル、置換もしくは非置換アルキニル、置換もしくは非置換シクロアルキル、置換もしくは非置換シクロアルケニル、置換もしくは非置換シクロアルキルアルキル、置換もしくは非置換シクロアルケニルアルキル、置換もしくは非置換ヘテロシクリル、置換もしくは非置換ヘテロシクリルアルキル、置換もしくは非置換アリール、置換もしくは非置換アリールアルキル、置換もしくは非置換ヘテロアリール、置換もしくは非置換ヘテロアリールアルキル、C(=O)OR、-C(=O)R、-C(=S)R、-C(=O)NR、-C(=O)ONR、-NR、-NRC(=O)NR、-NRS(=O)R、-NRS(=O)、-NR-OR、=N-NR、-NRC(=O)OR、-NRC(=O)R、-NRC(=S)R、-NRC(=S)NR、-SONR、-SONR、-OR、-ORC(=O)NR、-ORC(=O)OR、-OC(=O)R、-OC(=O)NR、-RNRC(=O)R、-ROR、-RC(=O)OR、-RC(=O)NR、-RC(=O)R、-ROC(=O)R、-SR、-SOR、-SO、-CRC(=O)R、または-CRC(=S)Rから選択され、
は、出現ごとに、独立に、水素、ヒドロキシ、ハロゲン、置換もしくは非置換アルキル、置換もしくは非置換アルコキシ、-C(=O)OR、-C(=O)R、-C(=S)R、-C(=O)NR、-C(=O)ONR、-NR、-NR-OR、-NRC(=O)NR、-NRS(=O)R、-NRS(=O)、-NR-OR、=N-NR、-NRC(=O)OR、-NRC(=O)R、-NRC(=S)R、-NRC(=S)NR、-SONR、-SONR、-OR、-ORC(=O)NR、-ORC(=O)OR、-OC(=O)R、-OC(=O)NR、-RNRC(=O)R、-ROR、-RC(=O)OR、-RC(=O)NR、-RC(=O)R、-ROC(=O)R、-SR、-SOR、-SO、-CRC(=O)R、もしくは-CRC(=S)Rから選択されるか、または任意の二つのRが、一緒になって置換もしくは非置換の飽和もしくは不飽和の3~6員環を形成し得、これは随意に、同一もしくは異なるものであり得、かつO、NRもしくはSから選択されるヘテロ原子を含み得るか、もしくは同一の炭素原子に結合する任意の二つのRが一緒になって、オキソ(C=O)、イミノ(=NR)、C=S(O)、もしくは置換もしくは非置換の飽和もしくは不飽和の3~6員環を形成し得、これは随意に、同一もしくは異なるものであり得、かつO、NRもしくはSから選択されるヘテロ原子を含み得るものであり、
およびRは、出現ごとに、独立に、水素、置換もしくは非置換アルキル、置換もしくは非置換アルコキシ、置換もしくは非置換アルケニル、置換もしくは非置換アルキニル、置換もしくは非置換アリール、置換もしくは非置換アリールアルキル、置換もしくは非置換ヘテロアリール、置換もしくは非置換ヘテロアリールアルキル、置換もしくは非置換シクロアルキル、置換もしくは非置換シクロアルキルアルキル、置換もしくは非置換シクロアルケニル、置換もしくは非置換複素環式環、置換ヘテロシクリルアルキル環、もしくは置換もしくは非置換アミノから選択されるか、または共通原子に結合されたときのRおよびRのうちのいずれか二つが一緒になって、(i)置換もしくは非置換の飽和もしくは不飽和の3~14員環を形成し得、これは随意に、同一もしくは異なるものであり得、かつO、NRもしくはSから選択される一以上のヘテロ原子を含み得るか、もしくは(ii)オキソ(=O)基、チオ(=S)基もしくはイミノ(=NR)基を形成し得るものであり、
およびRは、出現ごとに、独立に、水素、ヒドロキシ、シアノ、ハロゲン、-OR、-COOR、-S(=O)q-R、-NR、-C(=Z)-R、置換または非置換アルキル基、置換または非置換アルケニル、置換または非置換アルキニル、および置換または非置換シクロアルキルから選択され、
Zは、OまたはSから選択され、ならびに
pは、出現ごとに、独立に、0、1、または2であるものである、化合物がさらに好ましい。
【0050】
式(A)、(A-I)または(A-II)であり、式中、
は、存在しないか、または置換もしくは非置換アルキルであり、
Cyは、置換または非置換シクロアルキル、置換または非置換シクロアルケニル、置換または非置換シクロアルキルアルキル、置換または非置換シクロアルケニルアルキル、置換または非置換ヘテロシクリル、置換または非置換ヘテロシクリルアルキル、置換または非置換アリール、置換または非置換アリールアルキル、置換または非置換ヘテロアリール、置換または非置換ヘテロアリールアルキルから選択される環状基から選択され、
Cyは、置換または非置換シクロアルキル、置換または非置換シクロアルケニル、置換または非置換シクロアルキルアルキル、置換または非置換シクロアルケニルアルキル、置換または非置換ヘテロシクリル、置換または非置換ヘテロシクリルアルキル、置換または非置換アリール、置換または非置換アリールアルキル、置換または非置換ヘテロアリール、Eで置換されていてもよい置換または非置換ヘテロアリールアルキルから選択される環状基から選択され、
Eは、共有結合を形成することができる基、または共有結合を形成することができる「求電子体」もしくは「求電子性部分」であり、
Rは、出現ごとに、独立に、CN(シアノ)、COOH、CONH、SOH、C(=O)OR、-C(=O)R、-C(=S)R、-C(=O)NR、-C(=O)ONR、-NR、-NRC(=O)NR、-NRS(=O)R、-NRS(=O)、-NR-OR、=N-NR、-NRC(=O)OR、-NRC(=O)R、-NRC(=S)R、-NRC(=S)NR、-SONR、-SONR、-OR、-ORC(=O)NR、-ORC(=O)OR、-OC(=O)R、-OC(=O)NR、-RNRC(=O)R、-ROR、-RC(=O)OR、-RC(=O)NR、-RC(=O)R、-ROC(=O)R、-SR、-SOR、-SO、-CRC(=O)R、または-CRC(=S)Rから選択され、
は、出現ごとに、独立に、水素、ヒドロキシ、ハロゲン、置換もしくは非置換アミノ、置換もしくは非置換アルキル、置換もしくは非置換アルコキシ、置換もしくは非置換アルケニル、置換もしくは非置換アルキニル、置換もしくは非置換シクロアルキル、置換もしくは非置換シクロアルケニル、置換もしくは非置換シクロアルキルアルキル、置換もしくは非置換シクロアルケニルアルキル、置換もしくは非置換ヘテロシクリル、置換もしくは非置換ヘテロシクリルアルキル、置換もしくは非置換アリール、置換もしくは非置換アリールアルキル、置換もしくは非置換ヘテロアリール、置換もしくは非置換ヘテロアリールアルキル、C(=O)OR、-C(=O)R、-C(=S)R、-C(=O)NR、-C(=O)ONR、-NR、-NRC(=O)NR、-NRS(=O)R、-NRS(=O)、-NR-OR、=N-NR、-NRC(=O)OR、-NRC(=O)R、-NRC(=S)R、-NRC(=S)NR、-SONR、-SONR、-OR、-ORC(=O)NR、-ORC(=O)OR、-OC(=O)R、-OC(=O)NR、-RNRC(=O)R、-ROR、-RC(=O)OR、-RC(=O)NR、-RC(=O)R、-ROC(=O)R、-SR、-SOR、-SO、-CRC(=O)R、または-CRC(=S)Rから選択され、
は、出現ごとに、独立に、水素、ヒドロキシ、ハロゲン、置換もしくは非置換アルキル、置換もしくは非置換アルコキシ、-C(=O)OR、-C(=O)R、-C(=S)R、-C(=O)NR、-C(=O)ONR、-NR、-NR-OR、-NRC(=O)NR、-NRS(=O)R、-NRS(=O)、-NR-OR、=N-NR、-NRC(=O)OR、-NRC(=O)R、-NRC(=S)R、-NRC(=S)NR、-SONR、-SONR、-OR、-ORC(=O)NR、-ORC(=O)OR、-OC(=O)R、-OC(=O)NR、-RNRC(=O)R、-ROR、-RC(=O)OR、-RC(=O)NR、-RC(=O)R、-ROC(=O)R、-SR、-SOR、-SO、-CRC(=O)R、もしくは-CRC(=S)Rから選択されるか、または任意の二つのRが、一緒になって置換もしくは非置換の飽和もしくは不飽和の3~6員環を形成し得、これは随意に同一もしくは異なるものであり得、かつO、NRもしくはSから選択されるヘテロ原子を含み得るか、もしくは同一の炭素原子に結合する任意の二つのRが一緒になって、オキソ(C=O)、イミノ(=NR)、C=S(O)、もしくは置換もしくは非置換の飽和もしくは不飽和の3~6員環を形成し得、これは随意に、同一もしくは異なるものであり得、かつO、NRもしくはSから選択されるヘテロ原子を含み得るものであり、
およびRは、出現ごとに、独立に、水素、置換もしくは非置換アルキル、置換もしくは非置換アルコキシ、置換もしくは非置換アルケニル、置換もしくは非置換アルキニル、置換もしくは非置換アリール、置換もしくは非置換アリールアルキル、置換もしくは非置換ヘテロアリール、置換もしくは非置換ヘテロアリールアルキル、置換もしくは非置換シクロアルキル、置換もしくは非置換シクロアルキルアルキル、置換もしくは非置換シクロアルケニル、置換もしくは非置換複素環式環、置換ヘテロシクリルアルキル環、もしくは置換もしくは非置換アミノから選択されるか、または共通原子に結合されたときのRおよびRのうちのいずれか二つが一緒になって、(i)置換もしくは非置換の飽和もしくは不飽和の3~14員環を形成し得、これは随意に、同一もしくは異なるものであり得、かつO、NRもしくはSから選択される一以上のヘテロ原子を含み得るか、もしくは(ii)オキソ(=O)基、チオ(=S)基もしくはイミノ(=NR)基を形成し得るものであり、
およびRは、出現ごとに、独立に、水素、ヒドロキシ、シアノ、ハロゲン、-OR、-COOR、-S(=O)q-R、-NR、-C(=Z)-R、置換または非置換アルキル基、置換または非置換アルケニル、置換または非置換アルキニル、および置換または非置換シクロアルキルから選択され、
Zは、OまたはSから選択され、ならびに
pは、出現ごとに、独立に、0、1、または2であるものである、化合物がさらに好ましい。
【0051】
式(A)、(A-I)または(A-II)であり、式中、
Cyは、置換もしくは非置換アリールまたは置換もしくは非置換ヘテロアリールから選択され、
は、存在しないか、または独立に、置換もしくは非置換C1~4アルキル、置換もしくは非置換C2~4アルケニル、置換もしくは非置換C2~4アルキニル、置換もしくは非置換C3~10シクロアルキル、置換もしくは非置換C3~10ヘテロシクロアルキル、-(CR-、-O-、-S-、-S(=O)-、-C(=O)-、-NR-、-CO-NR-、および-NR-CO-から選択され、
Cyは、置換または非置換シクロアルキル、置換または非置換シクロアルケニル、置換または非置換シクロアルキルアルキル、置換または非置換シクロアルケニルアルキル、置換または非置換ヘテロシクリル、置換または非置換ヘテロシクリルアルキル、置換または非置換アリール、置換または非置換アリールアルキル、置換または非置換ヘテロアリール、Eで置換されていてもよい置換または非置換ヘテロアリールアルキルから選択される環状基から選択され、
Eは、共有結合を形成することができる基、または共有結合を形成することができる「求電子体」もしくは「求電子性部分」であり、
は、出現ごとに、独立に、水素、ヒドロキシ、ハロゲン、置換もしくは非置換アミノ、置換もしくは非置換アルキル、置換もしくは非置換アルコキシ、置換もしくは非置換アルケニル、置換もしくは非置換アルキニル、置換もしくは非置換シクロアルキル、置換もしくは非置換シクロアルケニル、置換もしくは非置換シクロアルキルアルキル、置換もしくは非置換シクロアルケニルアルキル、置換もしくは非置換ヘテロシクリル、置換もしくは非置換ヘテロシクリルアルキル、置換もしくは非置換アリール、置換もしくは非置換アリールアルキル、置換もしくは非置換ヘテロアリール、置換もしくは非置換ヘテロアリールアルキル、C(=O)OR、-C(=O)R、-C(=S)R、-C(=O)NR、-C(=O)ONR、-NR、-NRC(=O)NR、-NRS(=O)R、-NRS(=O)、-NR-OR、=N-NR、-NRC(=O)OR、-NRC(=O)R、-NRC(=S)R、-NRC(=S)NR、-SONR、-SONR、-OR、-ORC(=O)NR、-ORC(=O)OR、-OC(=O)R、-OC(=O)NR、-RNRC(=O)R、-ROR、-RC(=O)OR、-RC(=O)NR、-RC(=O)R、-ROC(=O)R、-SR、-SOR、-SO、-CRC(=O)R、または-CRC(=S)Rから選択され、
は、出現ごとに、独立に、水素、ヒドロキシ、ハロゲン、置換もしくは非置換アルキル、置換もしくは非置換アルコキシ、-C(=O)OR、-C(=O)R、-C(=S)R、-C(=O)NR、-C(=O)ONR、-NR、-NR-OR、-NRC(=O)NR、-NRS(=O)R、-NRS(=O)、-NR-OR、=N-NR、-NRC(=O)OR、-NRC(=O)R、-NRC(=S)R、-NRC(=S)NR、-SONR、-SONR、-OR、-ORC(=O)NR、-ORC(=O)OR、-OC(=O)R、-OC(=O)NR、-RNRC(=O)R、-ROR、-RC(=O)OR、-RC(=O)NR、-RC(=O)R、-ROC(=O)R、-SR、-SOR、-SO、-CRC(=O)R、もしくは-CRC(=S)Rから選択されるか、または任意の二つのRが、一緒になって置換もしくは非置換の飽和もしくは不飽和の3~6員環を形成し得、これは随意に、同一もしくは異なるものであり得、かつO、NRもしくはSから選択されるヘテロ原子を含み得るか、もしくは同一の炭素原子に結合する任意の二つのRが一緒になって、オキソ(C=O)、イミノ(=NR)、C=S(O)、もしくは置換もしくは非置換の飽和もしくは不飽和の3~6員環を形成し得、これは随意に、同一もしくは異なるものであり得、かつO、NRもしくはSから選択されるヘテロ原子を含み得るものであり、
およびRは、出現ごとに、独立に、水素、置換もしくは非置換アルキル、置換もしくは非置換アルコキシ、置換もしくは非置換アルケニル、置換もしくは非置換アルキニル、置換もしくは非置換アリール、置換もしくは非置換アリールアルキル、置換もしくは非置換ヘテロアリール、置換もしくは非置換ヘテロアリールアルキル、置換もしくは非置換シクロアルキル、置換もしくは非置換シクロアルキルアルキル、置換もしくは非置換シクロアルケニル、置換もしくは非置換複素環式環、置換ヘテロシクリルアルキル環、もしくは置換もしくは非置換アミノから選択されるか、または共通原子に結合されたときのRおよびRのうちのいずれか二つが一緒になって、(i)置換もしくは非置換の飽和もしくは不飽和の3~14員環を形成し得、これは随意に、同一もしくは異なるものであり得、かつO、NRもしくはSから選択される一以上のヘテロ原子を含み得るか、もしくは(ii)オキソ(=O)基、チオ(=S)基もしくはイミノ(=NR)基を形成し得るものであり、
およびRは、出現ごとに、独立に、水素、ヒドロキシ、シアノ、ハロゲン、-OR、-COOR、-S(=O)q-R、-NR、-C(=Z)-R、置換または非置換アルキル基、置換または非置換アルケニル、置換または非置換アルキニル、および置換または非置換シクロアルキルから選択され、
Zは、OまたはSから選択され、ならびに
pは、出現ごとに、独立に、0、1、または2であるものである、化合物がさらに好ましい。
【0052】
式(A)、(A-I)または(A-II)であり、式中、
Cyは、置換または非置換ヘテロシクリルであって、これはEで置換されていてもよいものであり、
Eは、共有結合を形成することができる基、または共有結合を形成することができる「求電子体」もしくは「求電子性部分」であり、
は、存在しないか、または独立に、置換もしくは非置換C1~4アルキル、置換もしくは非置換C2~4アルケニル、置換もしくは非置換C2~4アルキニル、置換もしくは非置換C3~10シクロアルキル、置換もしくは非置換C3~10ヘテロシクロアルキル、-(CR-、-O-、-S-、-S(=O)-、-C(=O)-、-NR-、-CO-NR-、および-NR-CO-から選択され、
Cyは、置換または非置換シクロアルキル、置換または非置換シクロアルケニル、置換または非置換シクロアルキルアルキル、置換または非置換シクロアルケニルアルキル、置換または非置換ヘテロシクリル、置換または非置換ヘテロシクリルアルキル、置換または非置換アリール、置換または非置換アリールアルキル、置換または非置換ヘテロアリール、置換または非置換ヘテロアリールアルキルから選択される環状基から選択され、
は、出現ごとに、独立に、水素、ヒドロキシ、ハロゲン、置換もしくは非置換アミノ、置換もしくは非置換アルキル、置換もしくは非置換アルコキシ、置換もしくは非置換アルケニル、置換もしくは非置換アルキニル、置換もしくは非置換シクロアルキル、置換もしくは非置換シクロアルケニル、置換もしくは非置換シクロアルキルアルキル、置換もしくは非置換シクロアルケニルアルキル、置換もしくは非置換ヘテロシクリル、置換もしくは非置換ヘテロシクリルアルキル、置換もしくは非置換アリール、置換もしくは非置換アリールアルキル、置換もしくは非置換ヘテロアリール、置換もしくは非置換ヘテロアリールアルキル、C(=O)OR、-C(=O)R、-C(=S)R、-C(=O)NR、-C(=O)ONR、-NR、-NRC(=O)NR、-NRS(=O)R、-NRS(=O)、-NR-OR、=N-NR、-NRC(=O)OR、-NRC(=O)R、-NRC(=S)R、-NRC(=S)NR、-SONR、-SONR、-OR、-ORC(=O)NR、-ORC(=O)OR、-OC(=O)R、-OC(=O)NR、-RNRC(=O)R、-ROR、-RC(=O)OR、-RC(=O)NR、-RC(=O)R、-ROC(=O)R、-SR、-SOR、-SO、-CRC(=O)R、または-CRC(=S)Rから選択され、
は、出現ごとに、独立に、水素、ヒドロキシ、ハロゲン、置換もしくは非置換アルキル、置換もしくは非置換アルコキシ、-C(=O)OR、-C(=O)R、-C(=S)R、-C(=O)NR、-C(=O)ONR、-NR、-NR-OR、-NRC(=O)NR、-NRS(=O)R、-NRS(=O)、-NR-OR、=N-NR、-NRC(=O)OR、-NRC(=O)R、-NRC(=S)R、-NRC(=S)NR、-SONR、-SONR、-OR、-ORC(=O)NR、-ORC(=O)OR、-OC(=O)R、-OC(=O)NR、-RNRC(=O)R、-ROR、-RC(=O)OR、-RC(=O)NR、-RC(=O)R、-ROC(=O)R、-SR、-SOR、-SO、-CRC(=O)R、もしくは-CRC(=S)Rから選択されるか、または任意の二つのRが、一緒になって置換もしくは非置換の飽和もしくは不飽和の3~6員環を形成し得、これは随意に、同一もしくは異なるものであり得、かつO、NRもしくはSから選択されるヘテロ原子を含み得るか、もしくは同一の炭素原子に結合する任意の二つのRが一緒になって、オキソ(C=O)、イミノ(=NR)、C=S(O)、もしくは置換もしくは非置換の飽和もしくは不飽和の3~6員環を形成し得、これは随意に、同一もしくは異なるものであり得、かつO、NRもしくはSから選択されるヘテロ原子を含み得るものであり、
およびRは、出現ごとに、独立に、水素、置換もしくは非置換アルキル、置換もしくは非置換アルコキシ、置換もしくは非置換アルケニル、置換もしくは非置換アルキニル、置換もしくは非置換アリール、置換もしくは非置換アリールアルキル、置換もしくは非置換ヘテロアリール、置換もしくは非置換ヘテロアリールアルキル、置換もしくは非置換シクロアルキル、置換もしくは非置換シクロアルキルアルキル、置換もしくは非置換シクロアルケニル、置換もしくは非置換複素環式環、置換ヘテロシクリルアルキル環、もしくは置換もしくは非置換アミノから選択されるか、または共通原子に結合されたときのRおよびRのうちのいずれか二つが一緒になって、(i)置換もしくは非置換の飽和もしくは不飽和の3~14員環を形成し得、これは随意に、同一もしくは異なるものであり得、かつO、NRもしくはSから選択される一以上のヘテロ原子を含み得るか、もしくは(ii)オキソ(=O)基、チオ(=S)基もしくはイミノ(=NR)基を形成し得るものであり、
およびRは、出現ごとに、独立に、水素、ヒドロキシ、シアノ、ハロゲン、-OR、-COOR、-S(=O)q-R、-NR、-C(=Z)-R、置換または非置換アルキル基、置換または非置換アルケニル、置換または非置換アルキニル、および置換または非置換シクロアルキルから選択され、
Zは、OまたはSから選択され、ならびに
pは、出現ごとに、独立に、0、1、または2であるものである、化合物がさらに好ましい。
【0053】
式(A)、(A-I)または(A-II)であり、式中、
は、水素、ハロゲン、-NR、または-ORから選択され、
は、存在しないか、または独立に、置換もしくは非置換C1~4アルキル、置換もしくは非置換C2~4アルケニル、置換もしくは非置換C2~4アルキニル、置換もしくは非置換C3~10シクロアルキル、置換もしくは非置換C3~10ヘテロシクロアルキル、-(CR-、-O-、-S-、-S(=O)-、-C(=O)-、-NR-、-CO-NR-、および-NR-CO-から選択され、
Cyは、置換または非置換シクロアルキル、置換または非置換シクロアルケニル、置換または非置換シクロアルキルアルキル、置換または非置換シクロアルケニルアルキル、置換または非置換ヘテロシクリル、置換または非置換ヘテロシクリルアルキル、置換または非置換アリール、置換または非置換アリールアルキル、置換または非置換ヘテロアリール、置換または非置換ヘテロアリールアルキルから選択される環状基から選択され、
Cyは、置換または非置換シクロアルキル、置換または非置換シクロアルケニル、置換または非置換シクロアルキルアルキル、置換または非置換シクロアルケニルアルキル、置換または非置換ヘテロシクリル、置換または非置換ヘテロシクリルアルキル、置換または非置換アリール、置換または非置換アリールアルキル、置換または非置換ヘテロアリール、Eで置換されていてもよい置換または非置換ヘテロアリールアルキルから選択される環状基から選択され、
Eは、共有結合を形成することができる基、または共有結合を形成することができる「求電子体」もしくは「求電子性部分」であり、
は、出現ごとに、独立に、水素、ヒドロキシ、ハロゲン、置換もしくは非置換アルキル、置換もしくは非置換アルコキシ、-C(=O)OR、-C(=O)R、-C(=S)R、-C(=O)NR、-C(=O)ONR、-NR、-NR-OR、-NRC(=O)NR、-NRS(=O)R、-NRS(=O)、-NR-OR、=N-NR、-NRC(=O)OR、-NRC(=O)R、-NRC(=S)R、-NRC(=S)NR、-SONR、-SONR、-OR、-ORC(=O)NR、-ORC(=O)OR、-OC(=O)R、-OC(=O)NR、-RNRC(=O)R、-ROR、-RC(=O)OR、-RC(=O)NR、-RC(=O)R、-ROC(=O)R、-SR、-SOR、-SO、-CRC(=O)R、もしくは-CRC(=S)Rから選択されるか、または任意の二つのRが、一緒になって置換もしくは非置換の飽和もしくは不飽和の3~6員環を形成し得、これは随意に、同一もしくは異なるものであり得、かつO、NRもしくはSから選択されるヘテロ原子を含み得るか、もしくは同一の炭素原子に結合する任意の二つのRが一緒になって、オキソ(C=O)、イミノ(=NR)、C=S(O)、もしくは置換もしくは非置換の飽和もしくは不飽和の3~6員環を形成し得、これは随意に、同一もしくは異なるものであり得、かつO、NRもしくはSから選択されるヘテロ原子を含み得るものであり、
およびRは、出現ごとに、独立に、水素、置換アルキルもしくは非置換アルキルから選択されるか、またはRおよびRである可変成分は、それらが結合する窒素と一緒になって、置換もしくは非置換複素環式環を形成し得、
およびRは、出現ごとに、独立に、水素、ヒドロキシ、シアノ、ハロゲン、-OR、-COOR、-S(=O)q-R、-NR、-C(=Z)-R、置換または非置換アルキル基、置換または非置換アルケニル、置換または非置換アルキニル、および置換または非置換シクロアルキルから選択され、
Zは、OまたはSから選択され、ならびに
pは、出現ごとに、独立に、0、1、または2であるものである、化合物がさらに好ましい。
【0054】
本発明の別の実施形態では、構造式(A-III)で表す置換ナフチリジン化合物、
【化11】
またはその互変異性体、その同位体、そのプロドラッグ、そのN-オキシド、その薬学的に許容可能なエステル、その薬学的に許容可能な塩、もしくはその立体異性体であり、式中、
は、存在しないか、または置換もしくは非置換アルキルであり、
Cyは、置換もしくは非置換アリールまたは置換もしくは非置換ヘテロアリールから選択され、
は、水素、ハロゲン、置換もしくは非置換アルキル、-NR、または-ORから選択され、
およびRは、出現ごとに、独立に、水素、置換アルキルもしくは非置換アルキルから選択されるか、またはRおよびRである可変成分は、それらが結合する窒素と一緒になって、置換もしくは非置換複素環式環を形成し得、
は、CまたはNであり、
は、-N-EまたはCH-E、OまたはSから選択され、
Eは、共有結合を形成することができる基、または共有結合を形成することができる「求電子体」もしくは「求電子性部分」であり、
は、水素、ハロゲン、置換アルキルまたは非置換アルキルから選択され、また
nは、0、1、2、3、4、5、6、7、または8であるものである。
【0055】
式(A-III)であり、式中、Aは、存在しないか、またはメチルであるものである、化合物がさらに好ましい。
【0056】
式(A-III)であり、式中、Aは、存在しないものである、化合物がさらに好ましい。
【0057】
式(A-III)であり、式中、Cyは、置換アリールまたは非置換アリールから選択されるものである、化合物がさらに好ましい。
【0058】
式(A-III)であり、式中、Cyは、ハロゲン、ヒドロキシまたは置換もしくは非置換アルキルで置換されていてもよいフェニルまたはナフタレンから選択されるものである、化合物がさらに好ましい。
【0059】
式(A-III)であり、式中、Cyは、ハロゲン、ヒドロキシまたは置換もしくは非置換アルキルで置換されていてもよいキノリンまたはキナゾリンから選択されるものである、化合物がさらに好ましい。
【0060】
式(A-III)であり、式中、Rは、水素、ハロゲン、以下のものから選択されるものである、化合物がさらに好ましい。
【化12】
【0061】
式(A-III)であり、式中、Xは、Nであるものである、化合物がさらに好ましい。
【0062】
式(A-III)であり、式中、Xは、-N-EまたはCH-EまたはOから選択され、式中、Eは、以下から選択されるものである、化合物がさらに好ましい。
【化13】
【0063】
式(A-III)であり、式中、Xは、-N-EまたはCH-EまたはOから選択され、式中、Eは、以下から選択されるものである、化合物がさらに好ましい。
【化14】
【0064】
式(A-III)であり、式中、
は、存在しないか、またはメチルであり、
Cyは、置換もしくは非置換アリールから選択され、
は、水素、ハロゲン、以下のものから選択され、
【化15】
は、Nであり、また
は、-N-EまたはCH-EまたはOから選択されるものであって、式中、Eは、以下から選択されるものである、化合物がさらに好ましい。
【化16】
【0065】
本発明の非限定的な代表的な化合物は、本明細書において以下に列挙されるとおりであり、またその薬学的に許容可能な塩である。本発明は、これら化合物に限定されると解釈されるべきではない。
1.1-(4-アクリロイルピペラジン-1-イル)-3-(1,1-ジオキシドチオモルホリノ)-6-(ナフタレン-1-イル)-5,6,7,8-テトラヒドロ-2,6-ナフチリジン-4-カルボニトリル、
2.1-(4-アクリロイルピペラジン-1-イル)-6-(8-クロロナフタレン-1-イル)-3-モルホリノ-5,6,7,8-テトラヒドロ-2,6-ナフチリジン-4-カルボニトリル、
3.1-(4-アクリロイルピペラジン-1-イル)-3-(2-モルホリノエトキシ)-6-(ナフタレン-1-イル)-5,6,7,8-テトラヒドロ-2,6-ナフチリジン-4-カルボニトリル、
4.1-(4-アクリロイルピペラジン-1-イル)-6-(8-クロロナフタレン-1-イル)-3-(2-オルホリノエトキシ)-5,6,7,8-テトラヒドロ-2,6-ナフチリジン-4-カルボニトリル、
5.3-(4-アクリロイルピペラジン-1-イル)-1-(2,6-ジメチルモルホリノ)-6-(ナフタレン-1-イル)-5,6,7,8-テトラヒドロ-2,6-ナフチリジン-4-カルボニトリル、
6.3-(4-アクリロイルピペラジン-1-イル)-6-(8-クロロナフタレン-1-イル)-1-(2,6-ジメチルモルホリノ)-5,6,7,8-テトラヒドロ-2,6-ナフチリジン-4-カルボニトリル、
7.3-(4-アクリロイル-3-(シアノメチル)ピペラジン-1-イル)-1-(2,6-ジメチルモルホリノ)-6-(ナフタレン-1-イル)-5,6,7,8-テトラヒドロ-2,6-ナフチリジン-4-カルボニトリル、
8.(S)-1-(4-アクリロイルピペラジン-1-イル)-6-(8-クロロナフタレン-1-イル)-3-((1-メチルピロリジン-2-イル)メトキシ)-5,6,7,8-テトラヒドロ-2,6-ナフチリジン-4-カルボニトリル、
9.(S)-1-(4-アクリロイルピペラジン-1-イル)-6-(3-ヒドロキシナフタレン-1-イル)-3-((1-メチルピロリジン-2-イル)メトキシ)-5,6,7,8-テトラヒドロ-2,6-ナフチリジン-4-カルボニトリル、
10.(S)-1-(4-(2-フルオロアクリロイル)ピペラジン-1-イル)-3-((1-メチルピロリジン-2-イル)メトキシ)-6-(キナゾリン-4-イル)-5,6,7,8-テトラヒドロ-2,6-ナフチリジン-4-カルボニトリル、
11.(S)-6-(8-クロロナフタレン-1-イル)-3-((1-メチルピロリジン-2-イル)メトキシ)-1-(4-(ビニルスルホニル)ピペラジン-1-イル)-5,6,7,8-テトラヒドロ-2,6-ナフチリジン-4-カルボニトリル、
12.6-(8-クロロナフタレン-1-イル)-1-(4-(2-フルオロアクリロイル)-3-メチルピペラジン-1-イル)-3-(((S)-1-メチルピロリジン-2-イル)メトキシ)-5,6,7,8-テトラヒドロ-2,6-ナフチリジン-4-カルボニトリル、
13.1-(4-アクリロイル-3-(シアノメチル)ピペラジン-1-イル)-3-(2,6-ジメチルモルホリノ)-6-(ナフタレン-1-イル)-5,6,7,8-テトラヒドロ-2,6-ナフチリジン-4-カルボニトリル、
14.1-((S)-4-アクリロイル-3-(シアノメチル)ピペラジン-1-イル)-3-(2,6-ジメチルモルホリノ)-6-(ナフタレン-1-イル)-5,6,7,8-テトラヒドロ-2,6-ナフチリジン-4-カルボニトリル、
15.1-((R)-4-アクリロイル-3-(シアノメチル)ピペラジン-1-イル)-3-(2,6-ジメチルモルホリノ)-6-(ナフタレン-1-イル)-5,6,7,8-テトラヒドロ-2,6-ナフチリジン-4-カルボニトリル、
16.1-(4-アクリロイル-3-(シアノメチル)ピペラジン-1-イル)-3-(((S)-1-メチルピロリジン-2-イル)メトキシ)-6-(ナフタレン-1-イル)-5,6,7,8-テトラヒドロ-2,6-ナフチリジン-4-カルボニトリル、
17.1-((S)-4-アクリロイル-3-(シアノメチル)ピペラジン-1-イル)-3-(((S)-1-メチルピロリジン-2-イル)メトキシ)-6-(ナフタレン-1-イル)-5,6,7,8-テトラヒドロ-2,6-ナフチリジン-4-カルボニトリル、
18.1-((R)-4-アクリロイル-3-(シアノメチル)ピペラジン-1-イル)-3-(((S)-1-メチルピロリジン-2-イル)メトキシ)-6-(ナフタレン-1-イル)-5,6,7,8-テトラヒドロ-2,6-ナフチリジン-4-カルボニトリル、
19.1-(4-アクリロイル-3-(シアノメチル)ピペラジン-1-イル)-6-(3-ヒドロキシナフタレン-1-イル)-3-(((S)-1-メチルピロリジン-2-イル)メトキシ)-5,6,7,8-テトラヒドロ-2,6-ナフチリジン-4-カルボニトリル、
20.1-(3-(シアノメチル)-4-(2-フルオロアクリロイル)ピペラジン-1-イル)-3-(((S)-1-メチルピロリジン-2-イル)メトキシ)-6-(ナフタレン-1-イル)-5,6,7,8-テトラヒドロ-2,6-ナフチリジン-4-カルボニトリル、
21.(S)-1-(4-アクリロイルピペラジン-1-イル)-6-(イソキノリン-4-イル)-3-((1-メチルピロリジン-2-イル)メトキシ)-5,6,7,8-テトラヒドロ-2,6-ナフチリジン-4-カルボニトリル、
22.(S)-1-(4-アクリロイルピペラジン-1-イル)-3-((1-メチルピロリジン-2-イル)メトキシ)-6-(キノリン-8-イル)-5,6,7,8-テトラヒドロ-2,6-ナフチリジン-4-カルボニトリル、
23.1-(4-アクリロイル-3-(シアノメチル)ピペラジン-1-イル)-6-(8-クロロナフタレン-1-イル)-3-(((S)-1-メチルピロリジン-2-イル)メトキシ)-5,6,7,8-テトラヒドロ-2,6-ナフチリジン-4-カルボニトリル、
24.1-((R)-4-アクリロイル-3-(シアノメチル)ピペラジン-1-イル)-6-(8-クロロナフタレン-1-イル)-3-(((S)-1-メチルピロリジン-2-イル)メトキシ)-5,6,7,8-テトラヒドロ-2,6-ナフチリジン-4-カルボニトリル、
25.1-((S)-4-アクリロイル-3-(シアノメチル)ピペラジン-1-イル)-6-(8-クロロナフタレン-1-イル)-3-(((S)-1-メチルピロリジン-2-イル)メトキシ)-5,6,7,8-テトラヒドロ-2,6-ナフチリジン-4-カルボニトリル、
26.6-(8-クロロナフタレン-1-イル)-1-(3-(シアノメチル)-4-(2-フルオロアクリロイル)ピペラジン-1-イル)-3-(((S)-1-メチルピロリジン-2-イル)メトキシ)-5,6,7,8-テトラヒドロ-2,6-ナフチリジン-4-カルボニトリル、
27.6-(8-クロロナフタレン-1-イル)-1-((S)-3-(シアノメチル)-4-(2-フルオロアクリロイル)ピペラジン-1-イル)-3-(((S)-1-メチルピロリジン-2-イル)メトキシ)-5,6,7,8-テトラヒドロ-2,6-ナフチリジン-4-カルボニトリル、
28.6-(8-クロロナフタレン-1-イル)-1-((R)-3-(シアノメチル)-4-(2-フルオロアクリロイル)ピペラジン-1-イル)-3-(((S)-1-メチルピロリジン-2-イル)メトキシ)-5,6,7,8-テトラヒドロ-2,6-ナフチリジン-4-カルボニトリル、
29.1-(4-アクリロイルピペラジン-1-イル)-6-ベンジル-3-クロロ-5,6,7,8-テトラヒドロ-2,6-ナフチリジン-4-カルボニトリル、
30.N-(1-(6-ベンジル-3-クロロ-4-シアノ-5,6,7,8-テトラヒドロ-2,6-ナフチリジン-1-イル)ピペリジン-4-イル)アクリルアミド、
31.N-(1-(6-ベンジル-4-シアノ-5,6,7,8-テトラヒドロ-2,6-ナフチリジン-1-イル)ピペリジン-4-イル)アクリルアミド、
32.1,3-ビス(4-アクリロイルピペラジン-1-イル)-6-ベンジル-5,6,7,8-テトラヒドロ-2,6-ナフチリジン-4-カルボニトリル、
33.アクリル酸1-(4-アクリロイルピペラジン-1-イル)-6-ベンジル-4-シアノ-5,6,7,8-テトラヒドロ-2,6-ナフチリジン-3-イル、
34.1-(4-アクリロイルピペラジン-1-イル)-6-ベンジル-3-モルホリノ-5,6,7,8-テトラヒドロ-2,6-ナフチリジン-4-カルボニトリル、
35.1-(4-アクリロイルピペラジン-1-イル)-6-ベンジル-3-(4-メチルピペラジン-1-イル)-5,6,7,8-テトラヒドロ-2,6-ナフチリジン-4-カルボニトリル、
36.1-(4-アクリロイル-3-(シアノメチル)ピペラジン-1-イル)-6-ベンジル-3-(4-メチルピペラジン-1-イル)-5,6,7,8-テトラヒドロ-2,6-ナフチリジン-4-カルボニトリル、
37.6-(1-ナフトイル)-1-(4-アクリロイル-3-(シアノメチル)ピペラジン-1-イル)-3-(4-メチルピペラジン-1-イル)-5,6,7,8-テトラヒドロ-2,6-ナフチリジン-4-カルボニトリル、
38.(S)-1-(4-アクリロイル-2-メチルピペラジン-1-イル)-6-ベンジル-3-(4-メチルピペラジン-1-イル)-5,6,7,8-テトラヒドロ-2,6-ナフチリジン-4-カルボニトリル、
39.(R)-1-(4-アクリロイル-2-メチルピペラジン-1-イル)-6-ベンジル-3-(4-メチルピペラジン-1-イル)-5,6,7,8-テトラヒドロ-2,6-ナフチリジン-4-カルボニトリル、
40.1-(4-アクリロイルピペラジン-1-イル)-6-ベンジル-3-ヒドロキシ-5,6,7,8-テトラヒドロ-2,6-ナフチリジン-4-カルボニトリル、
41.1-(4-アクリロイルピペラジン-1-イル)-3-(4-メチルピペラジン-1-イル)-6-(ナフタレン-1-イル)-5,6,7,8-テトラヒドロ-2,6-ナフチリジン-4-カルボニトリル、
42.1-(4-アクリロイルピペラジン-1-イル)-6-ベンジル-3-(ピペリジン-1-イル)-5,6,7,8-テトラヒドロ-2,6-ナフチリジン-4-カルボニトリル、
43.1-(4-アクリロイルピペラジン-1-イル)-6-ベンジル-3-(2-フルオロピリジン-4-イル)-5,6,7,8-テトラヒドロ-2,6-ナフチリジン-4-カルボニトリル、
44.1-(4-アクリロイルピペラジン-1-イル)-6-(ナフタレン-1-イル)-3-(ピペリジン-1-イル)-5,6,7,8-テトラヒドロ-2,6-ナフチリジン-4-カルボニトリル、
45.1-(4-アクリロイルピペラジン-1-イル)-6-ベンジル-3-((1-メチルピロリジン-2-イル)メトキシ)-5,6,7,8-テトラヒドロ-2,6-ナフチリジン-4-カルボニトリル、
46.1,3-ビス(4-アクリロイルピペラジン-1-イル)-6-(ナフタレン-1-イル)-5,6,7,8-テトラヒドロ-2,6-ナフチリジン-4-カルボニトリル、
47.1,3-ビス(4-アクリロイルピペラジン-1-イル)-6-(ベンゾ[b]チオフェン-4-イル)-5,6,7,8-テトラヒドロ-2,6-ナフチリジン-4-カルボニトリル、
48.1-(4-アクリロイルピペラジン-1-イル)-6-(ナフタレン-1-イル)-3-(4-プロピオニルピペラジン-1-イル)-5,6,7,8-エトラヒドロ-2,6-ナフチリジン-4-カルボニトリル、
49.3-(4-アクリロイルピペラジン-1-イル)-6-(ナフタレン-1-イル)-1-(4-プロピオニルピペラジン-1-イル)-5,6,7,8-テトラヒドロ-2,6-ナフチリジン-4-カルボニトリル、
50.1-(4-アクリロイルピペラジン-1-イル)-3-モルホリノ-6-(ナフタレン-1-イル)-5,6,7,8-テトラヒドロ-2,6-ナフチリジン-4-カルボニトリル、
51.3-(4-アセチルピペラジン-1-イル)-1-(4-アクリロイルピペラジン-1-イル)-6-(ナフタレン-1-イル)-5,6,7,8-テトラヒドロ-2,6-ナフチリジン-4-カルボニトリル、
52.1-(4-アクリロイルピペラジン-1-イル)-3-(2,6-ジメチルモルホリノ)-6-(ナフタレン-1-イル)-5,6,7,8-テトラヒドロ-2,6-ナフチリジン-4-カルボニトリル、
53.1-(4-アクリロイルピペラジン-1-イル)-3-(4-(メチルスルホニル)ピペラジン-1-イル)-6-(ナフタレン-1-イル)-5,6,7,8-テトラヒドロ-2,6-ナフチリジン-4-カルボニトリル、
54.1-(4-アクリロイルピペラジン-1-イル)-3-(4-エチルピペラジン-1-イル)-6-(ナフタレン-1-イル)-5,6,7,8-テトラヒドロ-2,6-ナフチリジン-4-カルボニトリル、
55.(S)-1-(4-アクリロイルピペラジン-1-イル)-3-((1-メチルピロリジン-2-イル)メトキシ)-6-(ナフタレン-1-イル)-5,6,7,8-テトラヒドロ-2,6-ナフチリジン-4-カルボニトリル、
56.1-(4-アクリロイルピペラジン-1-イル)-6-(ナフタレン-1-イル)-5,6,7,8-テトラヒドロ-2,6-ナフチリジン-4-カルボニトリル、
57.1-(4-(2-フルオロアクリロイル)ピペラジン-1-イル)-6-(ナフタレン-1-イル)-3-(4-プロピオニルピペラジン-1-イル)-5,6,7,8-テトラヒドロ-2,6-ナフチリジン-4-カルボニトリル、およびその薬学的に許容可能な塩。
【0066】
さらに好ましいのは、
1-(4-アクリロイル-3-(シアノメチル)ピペラジン-1-イル)-6-(8-クロロナフタレン-1-イル)-3-(((S)-1-メチルピロリジン-2-イル)メトキシ)-5,6,7,8-テトラヒドロ-2,6-ナフチリジン-4-カルボニトリル、
1-((R)-4-アクリロイル-3-(シアノメチル)ピペラジン-1-イル)-6-(8-クロロナフタレン-1-イル)-3-(((S)-1-メチルピロリジン-2-イル)メトキシ)-5,6,7,8-テトラヒドロ-2,6-ナフチリジン-4-カルボニトリル、
1-((S)-4-アクリロイル-3-(シアノメチル)ピペラジン-1-イル)-6-(8-クロロナフタレン-1-イル)-3-(((S)-1-メチルピロリジン-2-イル)メトキシ)-5,6,7,8-テトラヒドロ-2,6-ナフチリジン-4-カルボニトリル、およびその薬学的に許容可能な塩から選択される化合物である。
【0067】
さらに好ましいのは、
1-(4-アクリロイル-3-(シアノメチル)ピペラジン-1-イル)-6-(8-クロロナフタレン-1-イル)-3-(((S)-1-メチルピロリジン-2-イル)メトキシ)-5,6,7,8-テトラヒドロ-2,6-ナフチリジン-4-カルボニトリル、およびその薬学的に許容可能な塩である化合物である。
【0068】
さらに好ましいのは、
1-((R)-4-アクリロイル-3-(シアノメチル)ピペラジン-1-イル)-6-(8-クロロナフタレン-1-イル)-3-(((S)-1-メチルピロリジン-2-イル)メトキシ)-5,6,7,8-テトラヒドロ-2,6-ナフチリジン-4-カルボニトリル、およびその薬学的に許容可能な塩である化合物である。
【0069】
さらに好ましいのは、
1-((S)-4-アクリロイル-3-(シアノメチル)ピペラジン-1-イル)-6-(8-クロロナフタレン-1-イル)-3-(((S)-1-メチルピロリジン-2-イル)メトキシ)-5,6,7,8-テトラヒドロ-2,6-ナフチリジン-4-カルボニトリル、およびその薬学的に許容可能な塩から選択される化合物である。
【0070】
さらに好ましいのは、
6-(8-クロロナフタレン-1-イル)-1-(3-(シアノメチル)-4-(2-フルオロアクリロイル)ピペラジン-1-イル)-3-(((S)-1-メチルピロリジン-2-イル)メトキシ)-5,6,7,8-テトラヒドロ-2,6-ナフチリジン-4-カルボニトリル、
6-(8-クロロナフタレン-1-イル)-1-((S)-3-(シアノメチル)-4-(2-フルオロアクリロイル)ピペラジン-1-イル)-3-(((S)-1-メチルピロリジン-2-イル)メトキシ)-5,6,7,8-テトラヒドロ-2,6-ナフチリジン-4-カルボニトリル、
6-(8-クロロナフタレン-1-イル)-1-((R)-3-(シアノメチル)-4-(2-フルオロアクリロイル)ピペラジン-1-イル)-3-(((S)-1-メチルピロリジン-2-イル)メトキシ)-5,6,7,8-テトラヒドロ-2,6-ナフチリジン-4-カルボニトリル、およびその薬学的に許容可能な塩から選択される化合物である。
【0071】
さらに好ましいのは、
6-(8-クロロナフタレン-1-イル)-1-(3-(シアノメチル)-4-(2-フルオロアクリロイル)ピペラジン-1-イル)-3-(((S)-1-メチルピロリジン-2-イル)メトキシ)-5,6,7,8-テトラヒドロ-2,6-ナフチリジン-4-カルボニトリル、およびその薬学的に許容可能な塩である化合物である。
【0072】
さらに好ましいのは、
6-(8-クロロナフタレン-1-イル)-1-((S)-3-(シアノメチル)-4-(2-フルオロアクリロイル)ピペラジン-1-イル)-3-(((S)-1-メチルピロリジン-2-イル)メトキシ)-5,6,7,8-テトラヒドロ-2,6-ナフチリジン-4-カルボニトリル、およびその薬学的に許容可能な塩である化合物である。
【0073】
さらに好ましいのは、
6-(8-クロロナフタレン-1-イル)-1-((R)-3-(シアノメチル)-4-(2-フルオロアクリロイル)ピペラジン-1-イル)-3-(((S)-1-メチルピロリジン-2-イル)メトキシ)-5,6,7,8-テトラヒドロ-2,6-ナフチリジン-4-カルボニトリル、およびその薬学的に許容可能な塩である化合物である。
【表1】
本明細書において以下に列記される本発明の非限定的な代表的な化合物、およびその薬学的に許容可能な塩は、以下のものである。
【表2】
【0074】
本発明の別の実施形態は、本発明の化合物、またはその薬学的に許容可能な塩、および薬学的に許容可能な担体を含む組成物である。
【0075】
本発明のさらに別の実施形態は、それを必要とする対象においてがんを治療する方法であって、それを必要とする対象に、治療有効量の本発明の化合物、もしくはその薬学的に許容可能な塩、または本発明の化合物、もしくはその薬学的に許容可能な塩を含む組成物を投与することを含む、方法である。
【0076】
特定の理論に拘束されることなく、KRASファミリーの一以上のメンバー、例えば、KRAS変異体のうちの一以上を、調節(例えば、阻害)することができる化合物が本明細書に提供される。より具体的には、特定の理論に拘束されることなく、本明細書に記載される化合物は、KRAS G12Cに結合し、KRAS G12Cの共有結合性阻害剤(covalent inhibitor)として機能することができると考えられる。
【0077】
それにより、別の実施形態では、本発明は、それを必要とする対象においてKRAS介在性の障害を、特にKRAS G12C介在性の障害を治療する方法であって、それを必要とする対象に、治療有効量の本発明の化合物、もしくはその薬学的に許容可能な塩、または本発明の化合物、もしくはその薬学的に許容可能な塩を含む医薬組成物を投与することを含む、方法である。
【0078】
本発明の別の実施形態は、対象におけるがんまたはRAS介在性の障害、特にKRAS G12C介在性の障害を治療するための本発明の化合物の使用である。
【0079】
本発明の別の実施形態は、対象におけるがんまたはRAS介在性の障害、特にKRAS G12C介在性の障害を治療する医薬の製造のための本発明の化合物の使用である。
【0080】
本発明の化合物、ならびにその薬学的に許容可能な塩および/またはその組成物は、固形がん、より具体的には、KRASG12変異を伴う固形がんなどである様々ながんの治療に有用である。
【図面の簡単な説明】
【0081】
図1図1A:2D細胞生存率アッセイにおける、KRASG12C変異細胞株に対するCpd Aの効果を示す線グラフである。
【0082】
図1B:3D細胞生存率アッセイにおける、KRASG12C変異細胞株に対するCpd Aの効果を示す線グラフである。
【0083】
図1C:3D細胞生存率アッセイにおける、eCT26細胞株に対するCpd Aの効果を示す線グラフである。
【0084】
図1D:3D細胞生存率アッセイにおける、CO-04-0070患者由来細胞株に対するCpd Aの効果を示す線グラフである。
【0085】
図1E:2D細胞生存率アッセイにおける、非KRASG12C細胞株に対するCpd Aの選択性を示す線グラフである。
【0086】
図2図2:NCI-H358異種移植片に対するCpd Aの抗腫瘍効果を示す折れ線グラフである。
【発明を実施するための形態】
【0087】
本発明の例示的な実施形態の説明は、以下のとおりである。定義
【0088】
本発明の化合物は、概括的に上述した化合物を含み、本明細書に開示されるクラス、サブクラス、および種によってさらに説明される。本明細書で使用される場合、別段の指示がない限り、以下の定義が適用されるものとする。本発明の目的のために、化学元素は、元素の周期表(Periodic Table of the Elements,CAS version,Handbook of Chemistry and Physics,7 5th Ed.)に従って特定される。さらに、有機化学の一般原則は、“Organic Chemistry”,Thomas Sorrell,University Science Books,Sausalito:1999,and“March’s Advanced Organic Chemistry”,5th Ed.,Ed.:Smith,M.B.and March,J.,John Wiley & Sons,New York:2001に記載されており、その内容全体は参照により本明細書に組み込まれる。
【0089】
本明細書内で別段の指定がない限り、本明細書において使用される命名法は、概して、Nomenclature of Organic Chemistry,Sections A,B,C,D,E,F,and H,Pergamon Press,Oxford,1979に記載される例および規則に従うものであり、化学構造を命名する際にその例示的な化学構造名および規則に関して参照により本明細書に組み込まれる。随意に、化合物の名称は、以下の化学命名プログラム、ACD/ChemSketch,バージョン5.09/September 2001,Advanced Chemistry Development,Inc.社、カナダ国トロント、を使用して生成されてもよい。
【0090】
本発明の化合物は、不斉中心、キラル軸、およびキラル面を有し得(例えば、E.L.Eliel and S.H.Wilen,Stereo-chemistry of Carbon Compounds,John Wiley & Sons,New York,1994,pages 1119-1190に記載されるとおり)、またラセミ体、ラセミ混合物として、および光学異性体を含むあり得る全ての異性体およびそれらの混合物を含む個々のジアステレオマーまたはエナンチオマーとして生じ得、本発明に含まれる。
【0091】
本明細書で使用される場合、別段の指示がない限り、以下の定義を適用するものとする。さらに本明細書に定義される基の多くは、置換されていてもよい。定義における置換基の列記は例示であり、本明細書の他の場所で定義される置換基を制限するものと解釈されるべきではない。
【0092】
「アルキル」という用語は、別段の指定がない限り、不飽和でなく、一から八個の炭素原子を有し、単結合により分子の残りの部分に結合する、炭素および水素原子のみからなる直鎖または分枝鎖の炭化水素鎖ラジカルを指し、例えば、メチル、エチル、n-プロピル、1-メチルエチル(イソプロピル)、n-ブチル、n-ペンチル、および1,1-ジメチルエチル(t-ブチル)である。「C1~3アルキル」という用語は、最大3個の炭素原子を有する上記に規定したアルキル基を指す。「C1~6アルキル」という用語は、最大6個の炭素原子を有する上記に規定したアルキル基を指す。適切な状況では、「アルキル」という用語は、二価である上述の炭化水素鎖ラジカルを指す。
【0093】
「アルケニル」という用語は、別段の指定がない限り、一つ以上の炭素-炭素二重結合を含有し、約2個~約10個の炭素原子を有する直鎖または分枝鎖であり得る脂肪族炭化水素基を指し、例えばエテニル、1-プロペニル、2-プロペニル(アリル)、イソ-プロペニル、2-メチル-1-プロペニル、1-ブテニル、および2-ブテニルである。「C2~6アルケニル」という用語は、最大6個の炭素原子を有する上記に規定したアルケニル基を指す。適切な状況では、「アルケニル」という用語は、二価である上述の炭化水素基を指す。
【0094】
「アルキニル」という用語は、別段の指定がない限り、少なくとも一つの炭素-炭素三重結合を有し、2個~最大12個の範囲の炭素原子(ここで好ましいのは2個~最大10個の範囲の炭素原子を有するラジカル)を有する直鎖または分枝鎖のヒドロカルビルラジカルを指し、例えば、エチニル、プロピニル、およびブチニルである。「C2~6アルキニル」という用語は、最大6個の炭素原子を有する上記に規定したアルキニル基を指す。適切な状況では、「アルキニル」という用語は、二価である上述のヒドロカルビルラジカルを指す。
【0095】
「アルコキシ」という用語は、別段の指定がない限り、分子の残りの部分に酸素結合を介して結合した、上記に規定されるアルキル、シクロアルキル、またはシクロアルキルアルキル基を示す。「置換アルコキシ」という用語は、アルキル成分が置換されているアルコキシ基(すなわち、-O-(置換アルキル))を指す。例えば、「アルコキシ」とは、酸素原子を介して親構造に結合した直鎖、分枝、環状の構成の1~8個の炭素原子およびそれらの組み合わせを含む、-O-アルキル基を指す。例としては、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、イソプロポキシ、シクロプロピルオキシ、およびシクロヘキシルオキシが挙げられる。適切な状況では、「アルコキシ」という用語は、二価である上述の基を指す。
【0096】
「シクロアルキル」という用語は、別段の指定がない限り、約3~12個の炭素原子の非芳香族の単環式または多環式環系を示し、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、およびシクロヘキシルなどである。多環式シクロアルキル基の例としては、ペルヒドロナフチル基、アダマンチル基およびノルボルニル基、架橋環状基、ならびにスプリロ二環式(sprirobicyclic)基、例えばスプリオ(4,4)ノン-2-イル(sprio(4,4)non-2-yl)、が挙げられる。「C3~6シクロアルキル」という用語は、最大6個の炭素原子を有する上記に規定したシクロアルキル基を指す。
【0097】
「シクロアルキルアルキル」という用語は、別段の指定がない限り、アルキル基に直接結合した約3個から最大8個の範囲の炭素原子を含有し、これはその後アルキル基よりのいずれかの炭素において主鎖構造と結合するものである環状環含有ラジカルを指し、シクロプロピルメチル、シクロブチルエチル、およびシクロペンチルエチルなどである。
【0098】
「シクロアルケニル」という用語は、別段の指定がない限り、少なくとも一つの炭素-炭素二重結合を有する約3個から最大8個の範囲の炭素原子を含有する環状環含有ラジカルを指し、シクロプロペニル、シクロブテニル、およびシクロペンテニルなどである。「シクロアルケニルアルキル」という用語は、アルキル基に直接結合したシクロアルケニル基であって、これはその後アルキル基よりのいずれかの炭素において主鎖構造に結合することとなるシクロアルケニル基を指す。
【0099】
「アリール」という用語は、別段の指定がない限り、6個から最大20個の範囲の炭素原子を有する芳香族ラジカルを指し、フェニル、ナフチル、テトラヒドロナフチル、インダニル、およびビフェニルなどである。
【0100】
「アリールアルキル」という用語は、別段の指定がない限り、アルキル基に直接結合した上記に規定されるアリール基を指し、例えば-CHおよび-Cである。
【0101】
「複素環式環」という用語は、別段の指定がない限り、炭素原子と、窒素、リン、酸素および硫黄から選択される少なくとも一つのヘテロ原子とからなる非芳香族の3~15員環ラジカルを指す。本発明のためには、複素環式環ラジカルは、単環式、二環式、三環式、または四環式環系であり得、これは縮合環系、架橋環系、またはスピロ環系を含み得、また複素環式環ラジカル内の窒素原子、リン原子、炭素原子、酸素原子、または硫黄原子は、任意に様々な酸化状態に酸化されていてもよい。加えて、窒素原子は、任意に四級化されていてもよい。複素環式環ラジカルは、任意のヘテロ原子または炭素原子において主鎖構造に結合し得る。
【0102】
「ヘテロシクリル」という用語は、別段の指定がない限り、上記に規定した複素環式環(heterocylic ring)ラジカルを指す。ヘテロシクリル(heterocylcyl)環ラジカルは、任意のヘテロ原子または炭素原子において主鎖構造に結合し得る。
【0103】
「ヘテロシクリルアルキル」という用語は、別段の指定がない限り、アルキル基に直接結合した上記に規定したヘテロ環式環ラジカルを指す。ヘテロシクリルアルキルラジカルは、アルキル基内のいずれかの炭素原子において主鎖構造に結合し得る。こうしたヘテロシクロアルキルラジカルの例としては、以下に限定されるものではないが、ジオキソラニル、チエニル[1,3]ジチアニル、デカヒドロイソキノリル、イミダゾリニル、イミダゾリジニル、イソチアゾリジニル、イソキサゾリジニル、モルホリニル、オクタヒドロインドリル、オクタヒドロイソインドリル、2-オキソピペラジニル、2-オキソピペリジニル、2-オキソピロリジニル、オキサゾリジニル、ピペリジニル、ピペラジニル、4-ピペリドニル、ピロリジニル、ピラゾリジニル、キヌクリジニル、チアゾリジニル、テトラヒドロフリル、トリチアニル、テトラヒドロピラニル、チオモルホリニル、チアモルホリニル、1-オキソ-チオモルホリニル、および1,1-ジオキソ-チオモルホリニルが挙げられる。
【0104】
「ヘテロアリール」という用語は、別段の指定がない限り、環原子としてN、OおよびSから選択される一つ以上のヘテロ原子を有する、置換されていてもよい5~14員の芳香族環を指す。ヘテロアリールは、単環式、二環式、または三環式環系であり得る。こうした「複素環式環」または「ヘテロアリール」ラジカルの例としては、以下に限定されるものではないが、オキサゾリル、チアゾリル、イミダゾリル、ピロリル、フラニル、ピリジニル、ピリミジニル、ピラジニル、ベンゾフラニル、インドリル、ベンゾチアゾリル、ベンゾキサゾリル、カルバゾリル、キノリル、イソキノリル、アゼチジニル、アクリジニル、ベンゾジオキソリル、ベンゾジオキサニル、ベンゾフラニル、カルバゾリル、シンノリニル、ジオキソラニル、インドリジニル、ナフチリジニル、ペルヒドロアゼピニル、フェナジニル、フェノチアジニル、フェノキサジニル、フタラジニル、プテリジニル、プリニル、キナゾリニル、キノキサリニル、テトラゾイル、テトラヒドロイソキノリル、ピペリジニル、ピペラジニル、2-オキソピペラジニル、2-オキソピペリジニル、2-オキソピロリジニル、2-オキソアゼピニル、アゼピニル、4-ピペリドニル、ピロリジニル、ピリダジニル、オキサゾリニル、オキサゾリジニル、トリアゾリル、インダニル、イソキサゾリル、イソキサゾリジニル、モルホリニル、チアゾリニル、チアゾリジニル、イソチアゾリル、キヌクリジニル、イソチアゾリジニル、イソインドリル、インドリニル、イソインドリニル、オクタヒドロインドリル、オクタヒドロイソインドリル、デカヒドロイソキノリル、ベンズイミダゾリル、チアジアゾリル、ベンゾピラニル、テトラヒドロフリル、テトラヒドロピラニル、チエニル、ベンゾチエニル、チアモルホリニル、チアモルホリニルスルホキシド、チアモルホリニルスルホン、ジオキサホスホラニル、オキサジアゾリル、クロマニル、およびイソクロマニルが挙げられる。ヘテロアリール環ラジカルは、任意のヘテロ原子または炭素原子において主鎖構造に結合し得る。「置換ヘテロアリール」という用語はまた、一つ以上のオキシド(-O-)置換基で置換された環系を含み、ピリジニルN-オキシドなどである。
【0105】
「ヘテロアリールアルキル」という用語は、別段の指定がない限り、アルキル基に直接結合した上記に規定したヘテロアリール環ラジカルを指す。ヘテロアリールアルキルラジカルは、アルキル基よりのいずれかの炭素原子において主鎖構造に結合し得る。
【0106】
「環式環」という用語は、3~10個の炭素原子を含有する環式環を指す。
【0107】
「置換」という用語は、別段の指定がない限り、同一でも異なっていてもよい以下の置換基であって、独立に、水素、ヒドロキシ、ハロゲン、カルボキシル、シアノ、ニトロ、オキソ(=O)、チオ(=S)、置換または非置換アルキル、置換または非置換アルコキシ、置換または非置換アルケニル、置換または非置換アルキニル、置換または非置換アリール、置換または非置換アリールアルキル、置換または非置換シクロアルキル、置換または非置換シクロアルキルアルキル、置換または非置換シクロアルケニル、置換または非置換シクロアルケニルアルキル、置換または非置換ヘテロアリール、置換または非置換ヘテロアリールアルキル、置換または非置換複素環式環、置換ヘテロシクリルアルキル環、置換または非置換グアニジン、-COOR、-C(O)R、-C(S)R、-C(O)NR、-C(O)ONR、-NR、-NRCONR、-N(R)SOR、-N(R)SO、-(=N-N(R)R)、-NRC(O)OR、-NR、-NRC(O)R-、-NRC(S)R-、-NRC(S)NR、-SONR-、-SONR-、-OR、-ORC(O)NR、-ORC(O)OR-、-OC(O)R、-OC(O)NR、-RNRC(O)R、-ROR、-RC(O)OR、-RC(O)NR、-RC(O)R、-ROC(O)R、-SR、-SOR、-SO、および-ONOから選択され、式中、上記の基の各々におけるR、RおよびRは水素、置換もしくは非置換アルキル、置換もしくは非置換アルコキシ、置換もしくは非置換アルケニル、置換もしくは非置換アルキニル、置換もしくは非置換アリール、置換もしくは非置換アリールアルキル、置換もしくは非置換シクロアルキル、置換もしくは非置換シクロアルキルアルキル、置換もしくは非置換シクロアルケニル、置換もしくは非置換アミノ、置換もしくは非置換ヘテロアリール、置換もしくは非置換ヘテロアリールアルキル、置換もしくは非置換複素環式環、もしくは置換ヘテロシクリルアルキル環であり得るか、またはR、RおよびRのうちのいずれか二つが一緒になって、置換もしくは非置換の飽和もしくは不飽和の3~10員環を形成し得、当該環は任意で同一でも異なっていてもよく、かつO、NR(例えばRは、水素またはC1~6アルキル)もしくはSから選択されるヘテロ原子を含み得るものである、置換基の任意の一つまたは任意の組み合わせでの置換を指す。本発明によって想定される置換または置換基の組み合わせは、安定または化学的に実行可能な化合物の形成をもたらすものであることが好ましい。安定という用語は、本明細書で使用される場合、その製造、検出、好ましくはその回収、精製、および医薬組成物への組み込みを可能にするための条件に供されたときに実質的に変化しない化合物または構造を指す。前述の「置換」された基内の置換基は、さらに置換することができない。例えば、「置換アルキル」上の置換基が「置換アリール」である場合、「置換アリール」上の置換基は「置換アルケニル」であってはならない。
【0108】
「ハロ」、「ハロゲン化物」または代替的に「ハロゲン」という用語は、フルオロ、クロロ、ブロモ、またはヨードを意味する。
【0109】
「ハロアルキル」、「ハロアルケニル」、「ハロアルキニル」、および「ハロアルコキシ」という用語は、一つ以上のハロ基またはそれらの組み合わせで置換されているアルキル、アルケニル、アルキニル、およびアルコキシ構造を含む。例えば、「フルオロアルキル」および「フルオロアルコキシ」という用語は、それぞれハロアルキル基およびハロアルコキシ基を含み、そのハロはフッ素である。
【0110】
「保護基」または「PG」という用語は、特定の機能性を遮断または保護するために使用される置換基を指す。化合物上の他の官能基は、反応性を残したままであり得る。例えば、「アミノ保護基」は、化合物内のアミノ官能性を遮断または保護する、アミノ基に結合した置換基である。好適なアミノ保護基としては、これに限定されるものではないが、アセチル、トリフルオロアセチル、tert-ブトキシカルボニル(BOC)、ベンジルオキシカルボニル(CBz)、および9-フルオレニルメチルエノキシカルボニル(Fmoc)が挙げられる。同様に、「ヒドロキシ保護基」とは、ヒドロキシ官能性を遮断または保護する、ヒドロキシ基の置換基を指す。適切なヒドロキシ保護基としては、これに限定されるものではないが、アセチルおよびシリルが挙げられる。「カルボキシ保護基」とは、カルボキシ官能性を遮断または保護する、カルボキシ基の置換基を指す。好適なカルボキシ保護基としては、これに限定されるものではないが、-CHCHSOPh、シアノエチル、2-(トリメチルシリル)エチル、2-(トリメチルシリル)エトキシメチル、2-(p-トルエンスルホニル)エチル、2-(p-ニトロフェニルスルフェニル)エチル、2-(ジフェニルホスフィノ)-エチル、およびニトロエチルが挙げられる。保護基およびその使用の概略的な説明については、T.W.Greene,Protective Groups in Organic Synthesis,John Wiley & Sons,New York,1991を参照されたい。
【0111】
本明細書に記載される化合物のいくつかは、一以上の不斉中心を含有し、したがってエナンチオマー、ジアステレオマー、および絶対立体化学の観点から、(R)-または(S)-として規定され得る他の立体異性体形態を生じさせ得る。本願の化学的実体、医薬組成物、および方法は、そうしたあり得る異性体の全てを含むことを意味し、これにはラセミ混合物、光学的に純粋な形態、および中間体混合物が含まれる。中間体混合物の非限定的な例としては、10:90、13:87、17:83、20:80、または22:78の比率での異性体の混合物が挙げられる。光学的に活性な(R)異性体および(S)異性体は、キラル合成またはキラル試薬を使用して調製することができ、または従来の技術を使用して分離することができる。本明細書に記載される化合物がオレフィン性二重結合または他の幾何不斉中心を含有する場合、特に明記しない限り、化合物はEおよびZの幾何異性体の両方を含むことが意図される。
【0112】
「互変異性体」という用語は、平衡な異性体の比較的容易な相互変換を特徴とする化合物を指す。これら異性体は、本発明によって網羅されることが意図されている。「互変異性体」は、互変異性によって相互変換される構造的に異なる異性体である。「互変異性」は、異性化の一形態であり、酸塩基化学のサブセットとみなされるプロトトロピックな互変異性またはプロトンシフト互変異性を含む。「プロトトロピックな互変異性」または「プロトンシフト互変異性」は、結合順序の変更に付随して生じるプロトンの移動、多くの場合、単結合と隣接する二重結合との交換を伴う。互変異性が可能である場所では(例えば、溶液中で)、互変異性体の化学的平衡に達することがある。互変異性の例には、ケト-エノール互変異性がある。ケト-エノール互変異性の具体的な例としては、ペンタン-2,4-ジオンと4-ヒドロキシペンタ-3-エン-2-オン互変異性体の相互変換がある。互変異性の別の例には、ケト-エノール互変異性がある。フェノール-ケト互変異性の具体的な例には、ピリジン-4-オールおよびピリジン-4(1H)-オン互変異性体の相互変換がある。
【0113】
別段の記載がない限り、本明細書に示される構造はまた、構造の全ての異性体(例えば、エナンチオマー、ジアステレオマー、および幾何(または立体構造))の形態、例えば不斉中心ごとのRおよびS配置、ZおよびE二重結合異性体、ならびにZおよびE立体構造異性体、を含むことも意図される。したがって、本願の化合物の単一の立体化学異性体、ならびにエナンチオマー、ジアステレオマー、および幾何(または立体構造)混合物は、本発明の範囲内である。別段の記載がない限り、本発明の化合物の互変異性形態の全てが、本発明の範囲内である。
【0114】
さらに、別段の記載がない限り、本明細書に示される構造はまた、一つ以上の同位体濃縮原子の存在下でのみ異なる化合物を含むことも意図される。例えば、水素の重水素もしくはトリチウムでの置換、または炭素の3Cまたは14Cの濃縮炭素での置換によって生成される化合物は、本発明の範囲内である。こうした化合物は、例えば分析ツールとして、生物学的アッセイにおけるプローブとして、または本発明による治療薬として、有用である。例えば、可変成分Rの場合、(C~C)アルキルまたは-O-(C~C)アルキルは、好適に重水素化され得る(例えば、-CD、-OCD)。
【0115】
本発明の化合物はまた、こうした化合物を構成する原子のうちの一つ以上において、非天然の割合での原子同位体を含有し得る。例えば、化合物は、例えばトリチウム(H)、ヨウ素-125(125I)、または炭素-14(14C)などである放射性同位体で放射性標識することができる。本発明の化合物の同位体の様々な形態の全てが、放射性か否かにかかわらず、本発明の範囲内に包含される。
【0116】
「立体異性体」という用語は、空間におけるそれらの原子の配向のみが異なる個々の分子の全ての異性体に対する全般的な用語である。これには、鏡像異性体(エナンチオマー)、幾何(シス/トランス)異性体、および互いの鏡像ではない複数のキラル中心を有する化合物の異性体(ジアステレオマー)が含まれる。
【0117】
「求電子体」または「求電子性部分」は、求核試薬と反応することができるあらゆる部分(例えば、孤立電子対、負電荷、部分的に負の電荷、および/または過剰な電子を有する部分、例えば-SH基)である。求電子体は、典型的には、電子不足であるか、または電子不足である原子を含む。特定の実施形態では、求電子体は、正電荷もしくは部分的に正の電荷を含有するか、正電荷もしくは部分的に正の電荷を含有する共鳴構造を有するか、または電子の非局在化もしくは分極が、正電荷もしくは部分的に正の電荷を含有する一以上の原子を結果としてもたらす部分である。いくつかの実施形態では、求電子体は、共役二重結合、例えばα,β-不飽和カルボニルまたはα,β-不飽和チオカルボニル化合物を含む。
【0118】
「脱離基または原子」(Lgまたはlg)は、反応条件下で、出発物質から切断し、したがって特定の部位での反応を促進することとなる、任意の基または原子である。別段の指定がない限り、こうした基の適切な例としては、ハロゲン原子およびメシルオキシ基、p-ニトロベンゼンスルホニルオキシ基ならびにトシルオキシ基がある。
【0119】
「プロドラッグ」は、生理条件下で、または溶媒和によって、本明細書に記載の生物学的に活性な化合物(例えば、構造(A)、(A-I)、(A-II)および(A-III)の化合物)へと変換され得る化合物を示すことを意味する。したがって、「プロドラッグ」という用語は、薬学的に許容可能な生物学的に活性な化合物の前駆体を指す。一部の態様では、プロドラッグは、対象に投与されるときには不活性であるが、例えば加水分解によってインビボで活性化合物に変換される。プロドラッグ化合物は多くの場合、哺乳類生物における溶解性、組織適合性、または遅延放出性という利点を提供する(例えば、Bundgard,H.,Design of Prodrugs(1985),pp.7-9,21-24(Elsevier,Amsterdam)を参照されたい。プロドラッグの議論は、Higuchi,T.,et al.,“Pro-drugs as Novel Delivery Systems,”A.C.S.Symposium Series,Vol.14、およびBioreversible Carriers in Drug Design,ed.Edward B.Roche,American Pharmaceutical Association and Pergamon Press,1987において提供され、プロドラッグ設計については、概して、Hardma,et al.(Eds.),Goodman and Gilman’s The Pharmacological Basis of Therapeutics,9th ed.,pp.11-16(1996)において議論され、それら全てが、参照により本明細書に完全に組み込まれる。「プロドラッグ」という用語はまた、任意の共有結合性の担体を含むことを意味しており、これは当該プロドラッグが哺乳類対象に投与されるときにインビボで活性化合物を放出する。本明細書に記載されるとおり、活性化合物のプロドラッグは、典型的には、修飾がありふれた操作またはインビボのいずれかで親活性化合物へと切断されるように、活性化合物中に存在する官能基を修飾することによって調製される。プロドラッグとしては、ヒドロキシ基、アミノ基、またはメルカプト基が、活性化合物のプロドラッグが哺乳類対象に投与されると、切断して、それぞれが遊離ヒドロキシ基、遊離アミノ基または遊離メルカプト基を形成するような任意の基に結合している化合物が挙げられる。プロドラッグの例としては、これに限定されるものではないが、ヒドロキシ官能基の酢酸塩、ギ酸塩および安息香酸塩誘導体、または活性化合物中のアミン官能基のアセトアミド、ホルムアミドおよびベンズアミド誘導体などが挙げられる。
【0120】
いくつかの実施形態では、プロドラッグは、リン酸、ホスホアルコキシのエステルまたはボロン酸エステル置換基を有する、構造(A)、(A-I)、(A-II)および(A-III)の化合物を含む。理論に拘束されるものではないが、こうした置換基は、生理条件下でヒドロキシル基に変換されると考えられる。したがって、実施形態には、ヒドロキシル基が、リン酸、ホスホアルコキシのエステルまたはボロン酸エステル基で置換されているような、例えばリン酸またはホスホアルコキシ基で置換されているような、本明細書に開示される化合物のいずれかが含まれる。例えば、いくつかの実施形態では、R部分上のヒドロキシル基が、リン酸、ホスホアルコキシのエステルまたはボロン酸エステル基、例えばリン酸またはアルコキシリン酸基で置換される。
【0121】
「エステル」という用語は、酸およびアルコール間の水の除去反応によって形成される化合物を指す。エステルは、一般式RCOOR’で表され得る。
【0122】
これらプロドラッグおよびエステルは、本発明の範囲内で網羅されることが意図される。
【0123】
さらに、本発明はまた、例えば水素の重水素もしくはトリチウムでの置換、または炭素の13C-もしくは14C-濃縮炭素での置換など、一つ以上の同位体濃縮原子の存在のみが異なる化合物を含む。
【0124】
本明細書において、分子量などの物理的特性、または化学式などの化学的特性に関して範囲が使用される場合、範囲およびその特定の実施形態の全ての組み合わせおよび下位の組み合わせが含まれることが意図される。
【0125】
数値または数値範囲を指す場合の「約」という用語は、参照される数または数値範囲が、実験的な変動内(または統計的な実験誤差の範囲内)の近似であり、したがって数または数値範囲は、例えば記載された数または数値範囲の1%~15%で変化し得ることを意味する。
【0126】
「含むこと(comprising)」という用語(および「含む(comprise)または「有すること(having)」、または「含むこと(including)」などの関連する用語)は、例えば、記載された特徴「からなる」または「本質的に」記載された特徴「からなる」ものである物質、組成物、方法またはプロセスなどの任意の組成の実施形態をはじめとするそれらの実施形態を含む。
【0127】
以下の略語および用語は、全体を通して示される意味を有し、本明細書で使用される略語は、化学的および生物学的技術分野内でのそれらの従来の意味を有する。
【0128】
「細胞増殖」という用語は、分裂の結果として細胞数が変化したことによる現象を指す。この用語はまた、細胞形態が増殖シグナルと一致して変化(例えば、サイズが増加した)した細胞増殖を包含する。
【0129】
本明細書で使用される場合、「同時投与」、「~と併用して投与される」、およびそれらの文法的に同等の記載は、二つ以上の薬剤を、両方の薬剤および/またはその代謝物が動物において同時に存在するように動物に投与することを包含する。同時投与には、別個の組成物での同時投与、別個の組成物での異なる時点での投与、または両方の薬剤が存在する組成物での投与が含まれる。
【0130】
「有効量」または「治療有効量」という用語は、以下に規定されるような、疾患治療を含むがこれに限定されない意図される適用をもたらすのに十分である、本明細書に記載の化合物の量を指す。治療有効量は、意図される適用(インビトロまたはインビボ)に応じて、または治療しようとする対象および疾患状態、例えば対象の体重および年齢、疾患状態の重症度、投与方法などに応じて、様々であり得、これは当業者によって容易に決定され得る。この用語はまた、例えば血小板の粘着および/または細胞遊走の減少など、標的細胞において特定の応答を誘発することとなる用量にも適用される。特定の用量は、選択された特定の化合物、従うべき投与レジメン、それが他の化合物との併用での投与か否か、投与のタイミング、施与対象の組織、およびそれを運搬する物理的送達システムに応じて、様々であることとなる。一実施形態では、投与される化合物の量は、約0.1mg~5g、約1mg~2.0g、約100mg~1.5g、約200mg~1.5g、約400mg~1.5g、および約400mg~1.0gの範囲である。
【0131】
本明細書で使用される場合、「治療」、「治療すること」、または「改善すること」は、治療的利益および/または予防的利益を含むがこれに限定されない、有益または望ましい結果を得るためのアプローチを指す。治療的利益とは、治療しようとする基礎疾患の根絶または改善を意味する。さらに、治療的利益は、患者が依然として基礎疾患に罹患している可能性があるにもかかわらず、患者において改善が観察されるように、基礎疾患に関連する生理学的症状のうちの一以上を根絶または改善することによっても達成される。予防的利益にのため、組成物は、特定の疾患を発症するリスクがある患者に、または疾患の生理学的症状のうちの一以上が報告されるがこの疾患の診断は行われていない可能性がある患者に、投与され得る。これら用語は区別なく使用される。
【0132】
「治療効果」は、その用語が本明細書で使用される場合、上述の治療的利益および/または予防的利益を包含する。予防的効果には、疾患もしくは状態の出現を遅延もしくは除去すること、疾患もしくは状態の症状の発症を遅延もしくは除去すること、疾患もしくは状態の進行を遅延、停止もしくは逆行させること、またはそれらの任意の組み合わせが含まれる。
【0133】
本明細書で使用される場合、障害を治療するのに有効な化合物の量、または「治療有効量」とは、対象または細胞への単一用量または多用量での施与によって障害の一以上の症状を治癒、軽減、緩和または改善するのに有効である化合物の量を指す。
【0134】
本明細書で使用される場合、障害を予防するのに有効な化合物の量、または化合物の「予防的有効量」は、対象への単一用量または多用量での投与によって障害または該障害の一以上の症状の発症または再発を防止または遅延させるのに有効な量を指す。
【0135】
本明細書で使用される場合、「対象」または「患者」という用語は、ヒトおよび非ヒト動物を含むことが意図される。例示的なヒト対象としては、障害、例えば本明細書に記載される障害を有するヒト患者、または健常な対象が挙げられる。本発明の「非ヒト動物」という用語は、全ての脊椎動物、例えば非哺乳類(ニワトリ、両生類、爬虫類など)、および哺乳類、例えば非ヒト霊長類、家畜化動物および/または農業に有用な動物、例えばヒツジ、ウシ、ブタなど、ならびに伴侶動物(イヌ、ネコ、ウマなど)を含む。
【0136】
本明細書に記載される方法は、ヒト治療剤および獣医用途(例えば、イヌ、ネコ、ウシ、ヒツジ、ブタ、ウマ、ヤギ、ニワトリ、七面鳥、アヒル、およびガチョウ)の両方で有用であり得る。
【0137】
一部の実施形態では、患者は哺乳動物であり、一部の実施形態では、患者はヒトである。
【0138】
「放射線療法」とは、医師に公知であるよくある方法および組成物を使用して、例えばアルファ粒子放出放射性核種(例えば、アクチニウムおよびトリウム放射性核種)、低線形エネルギー移動(LET)放射線放出体(すなわち、ベータ放出体)、変換電子放出体(例えば、ストロンチウム-89およびサマリウム-153-EDTMP)、または例えば限定されないがX線、ガンマ線およびニュートロンなどの高エネルギー放射線などである、放射線放出体に患者を曝露することを意味する。
【0139】
「薬学的に許容可能な担体」または「薬学的に許容可能な賦形剤」という用語は、以下に限定されるものではないが、いずれかおよび全ての、非毒性溶媒、分散剤、賦形剤、アジュバント、充填剤、塩類、崩壊剤、結合剤、潤滑剤、流動促進剤、湿潤剤、徐放性マトリックス、着色剤/風味剤、担体、緩衝剤、安定剤、可溶化剤、または医薬組成物の形成、すなわち患者に投与することができる剤形の形成を可能にするために活性成分と混合される他の材料およびそれらの組み合わせを含む。こうした担体の一例には、非経口投与に典型的に使用される薬学的に許容可能な油がある。薬学的に許容可能な担体は、当技術分野で周知である。
【0140】
当然のことながら、本発明の化合物の置換基および置換パターンは、当業者によって選択されて、化学的に安定かつ当技術分野で公知の技術によって容易に合成することができる化合物、ならびに以下に記載される方法を提供することができる。概して、「置換(された)」という用語は、「任意」という用語が先行するか否かにかかわらず、指し示した部分の一つ以上の水素が適切な置換基で置換されていることを意味する。別段の示唆がない限り、「任意で置換される(置換されていてもよい)基」は、当該基の置換可能な位置のそれぞれにおいて好適な置換基を有することができ、また任意の所与の構造内の複数の位置において、特定の群から選択された複数の置換基で置換されてもよい場合、該置換基は、位置ごとに同一であっても異なっていてもよい。あるいは、「任意に置換された(置換されていてもよい)基」は、非置換であり得る。
【0141】
本発明によって想定される置換基の組み合わせは、安定または化学的に実行可能な化合物の形成をもたらすものであることが好ましい。置換基自体が複数の基で置換されている場合、これら複数の基は、結果的に安定した構造がもたらされる限り、同じ炭素原子上であっても異なる炭素原子上であってもよいことが理解される。本明細書で使用される場合、「安定な」という用語は、その生成、検出、ならびに特定の実施形態では、本明細書に開示される目的のうちの一以上に対するそれらの回収、精製および使用を可能にする条件に供されたときに実質的に変化しない化合物を指す。
【0142】
本明細書で使用される場合、「薬学的に許容可能な塩」という用語は、健全な医学的判断の範囲内で、過度の毒性、刺激、アレルギー反応などなしにヒトおよび下等動物の組織と接触しての使用に適しており、合理的なベネフィット/リスク比に相応する塩を指す。薬学的に許容可能な塩は、当技術分野で周知である。例えば、S.M.Bergeらは、J.Pharmaceutical Sciences,1977,66,1-19において薬学的に許容可能な塩について詳細に記述しており、その関連する教示は参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。本発明の化合物の薬学的に許容可能な塩は、好適な無機酸および有機酸に由来する塩、ならびに患者の治療に適合する塩基を含む。
【0143】
薬学的に許容可能で、非毒性の酸付加塩の例としては、塩酸、臭化水素酸、リン酸、硫酸および過塩素酸などの無機酸で、または酢酸、シュウ酸、マレイン酸、酒石酸、クエン酸、コハク酸もしくはマロン酸などの有機酸で、またはイオン交換などの当技術分野で使用される他の方法を使用することによって形成されるアミノ基の塩である。他の薬学的に許容可能な酸付加塩としては、アジピン酸塩、アルギン酸塩、アスコルビン酸塩、アスパラギン酸塩、ベンゼンスルホン酸塩、安息香酸塩、硫酸水素塩、ホウ酸塩、酪酸塩、ショウノウ酸塩、カンファースルホン酸塩、クエン酸塩、シクロペンタンプロピオン酸塩、ジグルコン酸塩、ドデシル硫酸塩、エタンスルホン酸塩、ギ酸塩、フマル酸塩、グルコヘプトン酸塩、グリセロリン酸塩、グルコン酸塩、ヘミ硫酸塩、ヘプタン酸塩、ヘキサン酸塩、ヨウ化水素酸塩、2-ヒドロキシエタンスルホン酸塩、ラクトビオン酸塩、乳酸塩、ラウリン酸塩、ラウリル硫酸塩、リンゴ酸塩、マレイン酸塩、マロン酸塩、メタンスルホン酸塩、2-ナフタレンスルホン酸塩、ニコチン酸塩、硝酸塩、オレイン酸塩、シュウ酸塩、パルミチン酸塩、パモ酸塩、ペクチネート(pectinate)、過硫酸塩、3-フェニルプロピオネート、リン酸塩、ピバル酸塩、プロピオネート、ステアリン酸塩、コハク酸塩、硫酸塩、酒石酸塩、チオシアン酸塩、p-トルエンスルホン酸塩、ウンデカン酸塩、吉草酸塩などが挙げられる。
【0144】
いくつかの実施形態では、好適な塩を形成する例示的な無機酸としては、塩酸、臭化水素酸、硫酸およびリン酸、ならびにオルトリン酸一水素ナトリウム(sodium monohydrogen orthophosphate)および硫酸水素カリウムなどの酸金属塩が挙げられるが、これらに限定されない。好適な塩を形成する例示的な有機酸としては、モノカルボン酸、ジカルボン酸、およびトリカルボン酸が挙げられる。こうした酸の例示としては、例えば、酢酸、グリコール酸、乳酸、ピルビン酸、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、フマル酸、リンゴ酸、酒石酸、クエン酸、アスコルビン酸、マレイン酸、ヒドロキシマレイン酸、安息香酸、ヒドロキシ安息香酸、フェニル酢酸、ケイ皮酸、サリチル酸、2フェノキシ安息香酸、p-トルエンスルホン酸、ならびにメタンスルホン酸および2-ヒドロキシエタンスルホン酸などの他のスルホン酸がある。一酸塩または二酸塩のいずれかを形成することができ、またはこうした塩は、水和、溶媒和、または実質的に無水の形態のいずれかで存在することができる。概して、これら化合物の酸付加塩は、水および様々な親水性有機溶媒中でより溶解可能であり、また通常、それらの遊離塩基形態と比較してより高い融点を示す。
【0145】
いくつかの実施形態では、式Aの化合物の酸付加塩が、薬学的に許容可能な酸から最も好適に形成され、例えば、塩酸、硫酸またはリン酸などの無機酸で形成される酸付加塩、およびコハク酸、マレイン酸、酢酸またはフマル酸などの有機酸で形成される酸付加塩を含む。
【0146】
他の薬学的に許容可能でない塩、例えばシュウ酸塩は、例えば、実験室使用のため、または薬学的に許容可能な酸付加塩へのその後の変換のために、式(A)、(A-I)、(A-II)および(A-III)の化合物の単離に使用され得る。また、本発明の化合物の塩基付加塩(ナトリウム塩、カリウム塩およびアンモニウム塩など)、溶媒和物、および水和物も、本発明の範囲内に含まれる。所与の化合物塩の所望の化合物塩への変換は、当業者に周知の標準的な技術を適用することによって達成される。
【0147】
「抗がん剤」、「抗腫瘍剤」または「化学療法剤」は、新生物症状の治療に有用なあらゆる薬剤を指す。抗がん剤の一つのクラスとして、化学療法剤が含まれる。「化学療法」とは、静脈内、経口、筋肉内、腹腔内、膀胱内、皮下、経皮、口腔内もしくは吸入を含む様々な方法、または座薬の形態による、一以上の化学療法薬および/または他の薬剤のがん患者への投与を意味する。「細胞増殖」という用語は、分裂の結果として細胞数が変化した現象を指す。この用語はまた、細胞の構造が増殖シグナルと一致して変化(例えば、サイズが増加した)した細胞増殖を包含する。
【0148】
「選択的阻害」または「選択的に阻害する」という用語は、標的との直接的または間接的な相互作用を介して、オフターゲットシグナル伝達活性と比較して標的シグナル伝達活性を優先的に低下させる作用剤の能力を指す。
【0149】
「任意の」または「任意で」とは、その後に記載される状況の事象が起こり得るか、起こらないかを意味するので、その記載は、当該事象または状況が発生する事例と発生しない事例とを含む。例えば、「任意で置換された(置換されていてもよい)アリール」は、アリールラジカルが置換されていても置換されていなくてもよく、その記載は、置換アリールラジカルと置換されていないアリールラジカルとの両方を含むことを意味する。
【0150】
「医薬組成物」は、本発明の化合物の製剤、および哺乳動物、例えばヒトへの生物学的に活性な化合物の送達に関して当技術分野で通常受け入れられる媒体を指す。かかる媒体は、その全ての薬学的に許容可能な担体、希釈剤、または賦形剤を含む。
【0151】
本明細書に開示される要素を導入する場合、冠詞「a」、「an」、「the」および「said」は、一つ以上の要素が存在することを意味することが意図される。「含むこと(comprising)」、「有すること(having)」および「含むこと(including)」という用語は、オープンエンドであることを意図しており、列挙した要素以外のさらなる要素が存在してもよいことを意味する。
【0152】
例えば、本明細書においては、哺乳類(ヒトおよび非ヒトを含む)における様々ながんを治療する方法であって、それを必要とする患者に、本発明の化合物またはその薬学的に許容可能な塩を投与することを含む方法が提供される。こうしたがんには、血液悪性腫瘍(白血病、リンパ腫、骨髄腫、骨髄異形成症候群および骨髄増殖症候群)、および固形腫瘍(口腔、胆嚢、前立腺、乳房、肺、結腸、膵臓、腎臓、卵巣などの癌腫、ならびに軟部組織の肉腫および骨肉腫、ならびに間質腫瘍)が含まれる。
【0153】
医薬組成物
本発明は、本発明の一以上の化合物を含む医薬組成物を提供する。医薬組成物は、本明細書に記載の一以上の追加の活性成分を含み得る。医薬組成物は、本明細書に記載される障害のいずれかに対して投与され得る。
【0154】
主題の医薬組成物は、典型的には、有効成分として本発明の化合物の治療有効量を提供するように製剤化される。必要に応じて、医薬組成物は、有効成分としての本発明の化合物と、例えば不活性固体希釈剤および充填剤、滅菌水溶液をはじめとする希釈剤、ならびに様々な有機溶媒、浸透促進剤、可溶化剤およびアジュバントなどである一以上の薬学的に許容可能な担体または賦形剤とを含有する。
【0155】
医薬組成物は、単独で、または一以上の他の薬剤と組み合わせて投与することができ、これはまた典型的には医薬組成物の形態で投与される。必要に応じて、主題化合物および他の薬剤は、ある調製物へと混合されてもよく、または両方の構成成分が、別個の調製物へと製剤化されて、それらを別々もしくは同時に組み合わせて使用してもよい。
【0156】
方法は、本発明の化合物を単独で、または本明細書に記載されるように併用で投与することを含み、いずれの場合も、任意に、一以上の好適な希釈剤、充填剤、塩類、崩壊剤、結合剤、潤滑剤、流動促進剤、湿潤剤、徐放性マトリックス、着色剤/風味剤、担体、賦形剤、緩衝剤、安定剤、可溶化剤、およびそれらの組み合わせを含む。
【0157】
様々な医薬組成物の調製は、当技術分野で公知であり、例えばAnderson,Philip O.;Knoben,James E.;Troutman,William G,eds.,Handbook of Clinical Drug Data,Tenth Edition,McGraw-Hill,2002;Pratt and Taylor,eds.,Principles of Drug Action,Third Edition,Churchill Livingston,New York,1990;Katzung,ed.,Basic and Clinical Pharmacology,Ninth Edition,McGraw Hill,2003;Goodman and Gilman,eds.,The Pharmacological Basis of Therapeutics,Tenth Edition,McGraw Hill,2001;Remingtons Pharmaceutical Sciences,20th Ed.,Lippincott Williams & Wilkins.,2000;Martindale,The Extra Pharmacopoeia,Thirty-Second Edition(The Pharmaceutical Press,London,1999)であり、その全てが、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。
【0158】
本発明の化合物または医薬組成物は、例えば経口経路、十二指腸内経路、非経口注射(静脈内、動脈内、皮下、筋肉内、血管内、腹腔内、または注入を含む)、局所投与(例えば、経皮投与)、直腸投与、カテーテルもしくはステントによる局所送達、または吸入によるなど、作用部位への化合物の送達を可能にするあらゆる経路によって投与することができる。化合物はまた、脂肪内に(intraadiposally)またはくも膜下腔内に投与することができる。
【0159】
組成物は、固体、半固体、液体もしくは気体の形態で投与され得、または凍結乾燥形態などの乾燥粉末であってもよい。医薬組成物は、例えばカプセル、小袋、カシェ、ゼラチン、紙剤、錠剤、カプセル、座薬、ペレット、丸剤、トローチ、およびロゼンジなどの固形剤形を含む、送達に簡便な形態で包装され得る。包装のタイプは、概して、所望の投与経路に依存する。移植可能な徐放性製剤も、経皮的製剤と同様に企図される。
【0160】
治療方法
さらなる態様では、本発明は、がんの治療のための医薬の製造のための、本発明の化合物の使用、その薬学的に許容可能な塩の使用を提供する。一部の実施形態では、本発明は、がんおよび/または新生物障害のいずれかの治療のための医薬の製造における本発明の化合物の使用を提供する。
【0161】
本明細書に記載の化合物または組成物を使用して、新生物性障害を治療することができる。「新生物障害」は、例えば、増殖性細胞増殖を特徴とする異常な状態または症状など、自律増殖または自律複製の能力を有する細胞を特徴とする疾患または障害である。例示的な新生物障害としては、これらに限定されるものではないが、癌腫、肉腫、転移性障害、例えば経口、胆嚢、前立腺、乳房、肺、結腸、膵臓、腎臓、卵巣などの固形腫瘍、ならびに軟部組織の肉腫および骨肉腫、ならびに例えば前立腺、脳、骨、結腸、膵臓、肺、乳房、卵巣および肝臓から生じる腫瘍に関する間質性腫瘍、造血新生物障害であって例えば白血病、リンパ腫、骨髄腫、骨髄異形成症候群、骨髄増殖性症候群および他の悪性形質細胞障害、ならびに転移性腫瘍が挙げられる。よくみられるがんには、乳がん、前立腺がん、結腸がん、肺がん、肝がん、および膵がんが挙げられる、これらに限定されない。化合物を用いた治療は、例えば細胞増殖の減少、腫瘍質量の減少など、新生物障害の少なくとも一つの症状を改善するのに有効な量での治療であり得る。
【0162】
本開示の方法は、例えば固形腫瘍、軟部組織腫瘍、およびそれらの転移を含むがんの予防および治療、ならびにリー・フラウメニ症候群、家族性乳房卵巣がん(BRCA1またはBRAC2の変異)症候群などの家族性がん症候群などにおいて有用である。本開示の方法はまた、非固形がんの治療にも有用である。固形腫瘍の例としては、肺、乳房、リンパ、胃腸管系(例えば結腸)、および尿生殖路(例えば、腎臓、尿路上皮、または精巣腫瘍)、咽頭、前立腺、および卵巣などの様々な臓器系の悪性腫瘍(例えば、肉腫、腺がん、および癌腫)が挙げられる。例示的な腺がんには、結腸直腸がん、腎細胞がん、肝がん、肺の非小細胞がん、および小腸のがんが含まれる。
【0163】
例示的ながんとしては、肺、前立腺、乳房、脳、皮膚、子宮頸部、精巣などの癌腫である腫瘍が挙げられるが、これらに限定されない。より具体的には、本発明の組成物および方法によって治療され得るがんには、星状細胞、乳房、子宮頸部、結腸直腸、子宮内膜、食道、胃、頭頸部、肝細胞、咽頭、肺、経口、卵巣、前立腺および甲状腺の癌腫および肉腫などの腫瘍タイプが含まれるが、これらに限定されない。より具体的には、これらの化合物は、以下を治療するために使用することができる:心臓:肉腫(血管肉腫、線維肉腫、横紋筋肉腫、脂肪肉腫)、粘液腫、横紋筋腫、線維腫、脂肪腫および奇形腫、肺:気管支原性がん(扁平上皮がん、未分化小細胞がん、未分化大細胞がん、腺がん)、肺胞(細気管支)癌、気管支腺腫、肉腫、リンパ腫、軟骨性過誤腫、中皮腫、胃腸管系:食道(扁平上皮がん、腺がん、平滑筋肉腫、リンパ腫)、胃(癌腫、リンパ腫、平滑筋肉腫)、膵臓(管腺がん、インスリノーマ、グルカゴノーマ、ガストリノーマ、カルチノイド腫瘍、ビポーマ)、小腸(腺がん、リンパ腫、カルチノイド腫瘍、カポジ肉腫、平滑筋腫、血管腫、脂肪腫、神経線維腫、線維腫)、大腸(腺がん、管状腺腫、絨毛腺腫、過誤腫、平滑筋腫)、泌尿生殖器系:腎臓(腺がん、ウィルムス腫瘍(腎芽腫)、リンパ腫、白血病)、膀胱および尿道(扁平上皮がん、移行上皮がん、腺がん)、前立腺(腺がん、肉腫)、精巣(精上皮腫、奇形腫、胚性がん腫、奇形がん腫、絨毛がん、肉腫、間質細胞がん、線維腫、線維腺腫、腺腫様腫瘍、脂肪腫)、肝臓:ヘパトーマ(肝細胞がん)、胆管がん、肝芽腫、血管肉腫、肝細胞腺腫、血管腫、胆道:胆嚢がん、膨大部がん、胆管がん、骨:骨原性肉腫(骨肉腫)、線維肉腫、悪性線維性組織球腫、軟骨肉腫、ユーイング肉腫、悪性リンパ腫(細網肉腫)、多発性骨髄腫、悪性巨細胞性腫瘍脊索腫、骨クロマ(osteochronfroma)(骨軟骨性外骨腫)、良性軟骨腫、軟骨芽細胞腫、軟骨粘液線維腫、類骨骨腫および巨細胞腫瘍、神経系:頭蓋骨(骨腫、血管腫、肉芽腫、キサントーマ、変形性骨炎)、髄膜(髄膜腫、髄膜肉腫、神経膠腫症)、脳(星細胞腫、髄芽細胞腫、神経膠腫、上衣腫、胚細胞腫(松果体腫)、多形神経膠芽腫、乏突起神経膠腫、シュワン細胞腫、網膜芽細胞腫、先天性腫瘍)、脊髄神経線維腫、髄膜腫、神経膠腫、肉腫)、婦人科:子宮(子宮内膜がん)、子宮頸部(子宮頸がん、腫瘍前子宮頸部異形成症)、卵巣(卵巣がん(漿液性嚢胞腺がん、粘液性嚢胞腺がん、分類不能の癌腫)、顆粒膜-莢膜細胞腫(granulosa-thecal cell tumor)、セルトリ-ライディッヒ細胞腫、未分化胚細胞腫、悪性奇形腫)、外陰部(扁平上皮がん、上皮内がん、腺がん、線維肉腫、黒色腫)、膣(明細胞がん、扁平上皮がん、ブドウ状肉腫(胎児性横紋筋肉腫)、ファローピウス管(癌腫)、血液系:血液(骨髄性白血病(急性および慢性)、急性リンパ芽球性白血病、慢性リンパ球性白血病、骨髄増殖性疾患、多発性骨髄腫、骨髄異形成症候群)、ホジキン病、非ホジキンリンパ腫(悪性リンパ腫)、皮膚:悪性黒色腫、基底細胞がん、扁平上皮がん、カポジ肉腫、異形成母斑、脂肪腫、血管腫、皮膚線維腫、ケロイド、乾癬、および副腎:神経芽細胞腫。
【0164】
さらに好ましいことに、本発明は、細胞においてKRAS活性を阻害する方法を提供し、当該方法は、KRAS活性の阻害が所望される細胞を、有効量の式(A)、(A-I)、(A-II)および(A-III)の化合物、その薬学的に許容可能な塩、または化合物もしくはその薬学的に許容可能な塩を含有する医薬組成物と接触させることを含む。
【0165】
さらに好ましくは、本発明は、細胞においてKRAS G12C活性を阻害する方法を提供し、当該方法は、KRAS G12C活性の阻害が所望される細胞を、有効量の式(A)、(A-I)、(A-II)および(A-III)の化合物、その薬学的に許容可能な塩、または化合物もしくはその薬学的に許容可能な塩を含有する医薬組成物と接触させることを含む。
【0166】
一実施形態では、KRAS G12C活性の阻害が所望される細胞を、有効量の式(A)、(A-I)、(A-II)および(A-III)の化合物と接触して、KRAS G12Cの活性を負に調節する。
【0167】
さらに好ましくは、式(A)、(A-I)、(A-II)および(A-III)の化合物を含有する薬学的に許容可能な塩または医薬組成物の治療有効量を使用し得る。
【0168】

本明細書に記載の方法は、KRAS G12Cの活性を負に調節することによって、細胞内において増強したKRAS G12C活性により生じる望ましくない細胞増殖を阻害するように設計される。細胞は、特定の治療レジメンに従って単回用量または複数回用量で接触されて、KRAS G12Cの所望の負の調節をもたらし得る。
【0169】
さらに好ましくは、それを必要とする患者におけるがんを治療する方法であって、治療有効量の式(A)、(A-I)、(A-II)および(A-III)の化合物、その薬学的に許容可能な塩、または化合物もしくはその薬学的に許容可能な塩を含む医薬組成物を患者に投与することを含む、方法が提供される。
【0170】
本明細書において提供される組成物および方法は、それを必要とする患者におけるKRAS関連がんの治療で使用され得、該方法は、治療有効量の式(A)、(A-I)、(A-II)および(A-III)の化合物、その薬学的に許容可能な塩、または化合物もしくはその薬学的に許容可能な塩を含む医薬組成物を患者に投与することを含む、方法が提供される。一実施形態では、KRAS G12C関連がんは、肺がんである。
【0171】
本明細書において提供される組成物および方法は、それを必要とする患者におけるKRAS G12C関連がんの治療で使用され得、該方法は、治療有効量の式(A)、(A-I)、(A-II)および(A-III)の化合物、その薬学的に許容可能な塩、または化合物もしくはその薬学的に許容可能な塩を含む医薬組成物を患者に投与することを含む、方法が提供される。一実施形態では、KRAS G12C関連がんは、肺がんである。
【0172】
本明細書に提供される組成物および方法は、肺、前立腺、乳房、脳、皮膚、子宮頸部、精巣などの癌腫である腫瘍を含むがこれらに限定されない、幅広いがんの治療に使用され得る。より具体的には、本発明の組成物および方法によって治療され得るがんには、星状細胞、乳房、子宮頸部、結腸直腸、子宮内膜、食道、胃、頭頸部、肝細胞、咽頭、肺、経口、卵巣、前立腺および甲状腺の癌腫および肉腫などの腫瘍タイプが含まれるが、これらに限定されない。より具体的には、これらの化合物は、以下を治療するために使用することができる:心臓:肉腫(血管肉腫、線維肉腫、横紋筋肉腫、脂肪肉腫)、粘液腫、横紋筋腫、線維腫、脂肪腫および奇形腫、肺:気管支原性がん(扁平上皮がん、未分化小細胞がん、未分化大細胞がん、腺がん)、肺胞(細気管支)癌、気管支腺腫、肉腫、リンパ腫、軟骨性過誤腫、中皮腫、胃腸管系:食道(扁平上皮がん、腺がん、平滑筋肉腫、リンパ腫)、胃(癌腫、リンパ腫、平滑筋肉腫)、膵臓(管腺がん、インスリノーマ、グルカゴノーマ、ガストリノーマ、カルチノイド腫瘍、ビポーマ)、小腸(腺がん、リンパ腫、カルチノイド腫瘍、カポジ肉腫、平滑筋腫、血管腫、脂肪腫、神経線維腫、線維腫)、大腸(腺がん、管状腺腫、絨毛腺腫、過誤腫、平滑筋腫)、泌尿生殖器系:腎臓(腺がん、ウィルムス腫瘍(腎芽腫)、リンパ腫、白血病)、膀胱および尿道(扁平上皮がん、移行上皮がん、腺がん)、前立腺(腺がん、肉腫)、精巣(精上皮腫、奇形腫、胚性がん腫、奇形がん腫、絨毛がん、肉腫、間質細胞がん、線維腫、線維腺腫、腺腫様腫瘍、脂肪腫)、肝臓:ヘパトーマ(肝細胞がん)、胆管がん、肝芽腫、血管肉腫、肝細胞腺腫、血管腫、胆道:胆嚢がん、膨大部がん、胆管がん、骨:骨原性肉腫(骨肉腫)、線維肉腫、悪性線維性組織球腫、軟骨肉腫、ユーイング肉腫、悪性リンパ腫(細網肉腫)、多発性骨髄腫、悪性巨細胞性腫瘍脊索腫、骨クロマ(osteochronfroma)(骨軟骨性外骨腫)、良性軟骨腫、軟骨芽細胞腫、軟骨粘液線維腫、類骨骨腫および巨細胞腫瘍、神経系:頭蓋骨(骨腫、血管腫、肉芽腫、キサントーマ、変形性骨炎)、髄膜(髄膜腫、髄膜肉腫、神経膠腫症)、脳(星細胞腫、髄芽細胞腫、神経膠腫、上衣腫、胚細胞腫(松果体腫)、多形神経膠芽腫、乏突起神経膠腫、シュワン細胞腫、網膜芽細胞腫、先天性腫瘍)、脊髄神経線維腫、髄膜腫、神経膠腫、肉腫)、婦人科:子宮(子宮内膜がん)、子宮頸部(子宮頸がん、腫瘍前子宮頸部異形成症)、卵巣(卵巣がん(漿液性嚢胞腺がん、粘液性嚢胞腺がん、分類不能の癌腫)、顆粒膜-莢膜細胞腫(granulosa-thecal cell tumor)、セルトリ-ライディッヒ細胞腫、未分化胚細胞腫、悪性奇形腫)、外陰部(扁平上皮がん、上皮内がん、腺がん、線維肉腫、黒色腫)、膣(明細胞がん、扁平上皮がん、ブドウ状肉腫(胎児性横紋筋肉腫)、ファローピウス管(癌腫)、血液系:血液(骨髄性白血病(急性および慢性)、急性リンパ芽球性白血病、慢性リンパ球性白血病、骨髄増殖性疾患、多発性骨髄腫、骨髄異形成症候群)、ホジキン病、非ホジキンリンパ腫(悪性リンパ腫)、皮膚:悪性黒色腫、基底細胞がん、扁平上皮がん、カポジ肉腫、異形成母斑、脂肪腫、血管腫、皮膚線維腫、ケロイド、乾癬、および副腎:神経芽細胞腫。
【0173】
さらに好ましくは、がんは、非小細胞肺がん、結腸直腸がん、または膵がんである。
【0174】
さらに好ましくは、がんは、肺がんまたは結腸直腸がんである。
【0175】
患者への投与の濃度および経路は、治療しようとするがんに応じて様々となり得る。化合物、その薬学的に許容可能な塩、ならびにかかる化合物および塩を含む医薬組成物はまた、例えば化学療法などの他の抗腫瘍性の化合物と同時投与されてもよく、または手術前もしくは術後のいずれかの補助として、他の標的薬剤もしくは放射線もしくは外科的介入との併用など、他の治療との併用で使用されてもよい。
【0176】
本発明はさらに、治療で使用するための、本明細書で規定する、式(A)、(A-I)、(A-II)および(A-III)の化合物、またはその薬学的に許容可能な塩もしくは溶媒和物、またはその医薬組成物を提供する。
【0177】
本発明はさらに、がんの治療で使用するための、本明細書で規定する、式(A)、(A-I)、(A-II)および(A-III)の化合物、またはその薬学的に許容可能な塩もしくは溶媒和物、またはその医薬組成物を提供する。
【0178】
本明細書でさらに提供する本発明は、KRAS G12Cの阻害で使用するための、式(A)、(A-I)、(A-II)および(A-III)の化合物、またはその薬学的に許容可能な塩もしくは溶媒和物である。
【0179】
本明細書でさらに提供する本発明は、KRAS G12C関連の疾患または障害の治療で使用するための、本明細書で規定する、式(A)、(A-I)、(A-II)および(A-III)の化合物、またはその薬学的に許容可能な塩もしくは溶媒和物、またはその医薬組成物である。
【0180】
本明細書でさらに提供する本発明は、がんの治療のための医薬の製造において、本明細書で規定する、式(A)、(A-I)、(A-II)および(A-III)の化合物、またはその薬学的に許容可能な塩もしくは溶媒和物の使用である。
【0181】
本明細書でさらに提供する本発明は、KRAS G12Cの活性の阻害のための医薬の製造において、本明細書で規定する、式(A)、(A-I)、(A-II)および(A-III)の化合物、またはその薬学的に許容可能な塩もしくは溶媒和物の使用である。
【0182】
本明細書でさらに提供する本発明は、KRAS G12C関連の疾患または障害の治療のための医薬の製造において、本明細書で規定する、式(A)、(A-I)、(A-II)および(A-III)の化合物、またはその薬学的に許容可能な塩もしくは溶媒和物の使用である。
【0183】
本明細書でさらに提供する本発明は、それを必要とする患者におけるがんを治療するための方法であって、該方法は、(a)がんがKRAS G12C変異に関連することを決定すること(例えば、KRAS G12C関連がん)(例えば、規制当局が承認した、例えばFDAが承認した、アッセイまたはキットを使用して決定される)、および(b)患者に、治療有効量の式(A)、(A-I)、(A-II)および(A-III)の化合物もしくはその薬学的に許容可能な塩またはその医薬組成物を投与すること含む。
【0184】
前述のがんの転移はまた、本明細書に記載される方法に従って治療または予防することができる。
【0185】
併用療法
いくつかの実施形態では、本明細書に記載の化合物は、追加的な「第二の」治療剤または治療と一緒に施与される。第二の治療剤は、適応とされる疾患または状態を治療するための単剤療法で典型的に使用されるあらゆる薬剤から選択され得る。本明細書で使用される場合、「一緒に投与される」という用語および関連する用語は、本発明による治療剤の同時または連続的な投与を指す。例えば、本発明の化合物は、別個の単位剤形で同時もしくは連続的に、または単一の単位剤形で一緒に、別の治療剤と投与され得る。したがって、本発明は、本明細書に記載される式のいずれかの化合物、追加の治療剤、および薬学的に許容可能な担体、アジュバント、またはビヒクルを含む単一の単位剤形を提供する。
【0186】
本発明の一実施形態では、第二の治療剤が対象に投与される場合、本発明の化合物の有効量は、第二の治療剤が投与されない場合のその有効量よりも少ない。別の実施形態では、第二の治療剤の化合物の有効量は、本発明の化合物が投与されない場合のその有効量よりも少ない。このようにして、高用量でのいずれの薬剤に付随する望ましくない副作用が最小化することができる。他の潜在的な利点(投与レジメンの改善および/または薬物コストの低減を含むがこれらに限定されない)は、当業者には明らかであろう。追加の薬剤は、複数回投与レジメンの一部として、本発明の化合物とは別個に投与されてもよい。あるいは、これらの薬剤は、単一組成物中で本発明の化合物と一緒に混合された単一剤形の一部であってもよい。
【0187】
化合物、その薬学的に許容可能な塩、ならびにかかる化合物および塩を含む医薬組成物はまた、例えば化学療法などの他の抗腫瘍性の化合物と同時投与されてもよく、または手術前もしくは術後のいずれかの補助として、他の標的薬剤もしくは放射線もしくは外科的介入との併用など、他の治療との併用で使用されてもよい。
【0188】
化合物、その薬学的に許容可能な塩、およびかかる化合物を含む医薬組成物は、それを必要とする対象に、少なくとも一つの他の抗がん剤、抗炎症剤、免疫抑制剤、ステロイド、非ステロイド性抗炎症剤、抗ヒスタミン剤、鎮痛剤、またはそれらの混合物を同時にまたは連続的に投与する工程を含む。
【0189】
本発明の化合物の調製プロセス
本発明の本化合物は、以下の全般的なプロセスによって調製され得る。本明細書に提供されるプロセスは、同様に、本発明の化合物のあり得る全ての形態を、特に、全ての意図される変形を伴って、またはいかなる変形も伴わずに本明細書で上記に提供される式(A)、(A-I)、(A-II)および(A-III)の化合物を、合成するために適用され得る。別途示されない限り、本明細書において様々な中間体または化合物の式において使用されるR、R、R、A、A、Cy、Cy、およびEなどの可変成分は、本発明の化合物、特に式(A)、(A-I)、(A-II)、および(A-III)の化合物に関して本明細書において上記に規定したものであるように構築されるべきものである。
合成スキームA:スキームのこの概略図は、式(A)、(A-I)、(A-II)、および(A-III)の化合物の調製のための可能な経路を提供することを目的とする。
【化17】
【0190】
式(A1)である中間体において、式中Pgは好適な保護基であって、好適な塩基または試薬を使用して、式R-CH-CONHである中間体と反応させたときに式(A2)である中間体が得られる、好適な保護基である。次いで、式(A2)である中間体を、POClを使用して塩素化に供して、式(A3)である中間体を得ることができ、これは式Lg-A-Cyである中間体fと反応すると、Lgは、良好な脱離基であり、好適な塩基の使用で式(A4)である中間体が得られる。式(A4)である中間体は、次いで、式Lg-Rである中間体と結合することができ、ここでLgは、良好な脱離基であり、好適な塩基の使用で式(A5)である中間体が得られる。式(A5)である中間体。次いで、中間体(A5)を脱保護し、続いて、ブクワード(bukward)カップリングまたは他の好適なN-アルキル化もしくはN-アリール化などの好適な条件下でLg-A-Cy基とカップリングして、式(A)である所望の化合物を得ることができる。
A.実施例1のスキームは、以下のとおりスキームAの例示的な使用を提供する。
【化18】
B.以下のスキームは、本発明の化合物を調製するためのスキームAのさらに別の例示的使用を提供する。
【化19】
C.以下のスキームは、本発明の化合物を調製するためのスキームAのさらに別の例示的使用を提供する。
【化20】
【0191】
実験の詳細
以下に提供される実施例および調製物は、本発明の化合物およびかかる化合物を調製する方法をさらに説明および例示する。本発明の範囲は、以下の実施例および調製物の範囲によっていかなる手法でも限定されないことが理解されるべきである。以下の実施例では、特に明記されない限り、単一のキラル中心を有する分子は、ラセミ混合物として存在する。二つ以上のキラル中心を有する分子は、別段の記載がない限り、ジアステレオマーのラセミ混合物として存在する。単一エナンチオマー/ジアステレオマーは、当業者に公知の方法によって得られ得る。
【0192】
パートA:中間体の調製
中間体1:(1-ベンジル-3-オキソピペリジン-4-カルボン酸エチル)反応フラスコ内で、(26g、80.00mmol)の4-(ベンジル(2-メトキシ-2-オキソエチル)アミノ)ブタン酸エチルおよび(11g、160mmol)のナトリウムエトキシドを、260mLのトルエンに添加し、反応物を加熱して5時間還流し、原料のTLCモニタリングにより反応を完全に完了し、反応溶液を室温まで冷却し、水150mLを添加し、酢酸エチル250mLで反応物を2回、有機相に抽出した。有機相をある量の飽和ブライン溶液で洗浄し、有機相を蒸留して、14gの油状化合物を得た。MS(m/z):262.24[M+H]
【0193】
中間体2:6-ベンジル-1,3-ジオキソ-1,2,3,4,5,6,7,8-オクタヒドロ-2,6-ナフチリジン-4-カルボニトリル:メカニカルスターラーおよび冷却器を備えた2つ口フラスコに、メタノール(105ml)中の中間体1(14g、50.00mmol)を入れた。シアノアセトアミド(4.5g、50.00mmol)を添加し、続いて、メタノール中の水酸化カリウム溶液(3.94g、50mLのMeOH中の50mmolのKOH)を添加した。得られた混合物を撹拌し、加熱して還流した。数分後、生成物が白色固体として形成し始めた。反応混合物を4時間還流し、室温まで一晩冷却した。白色固体を回収し、ろ過ケーキをメタノール(300mL)で洗浄した。白色固体を、温水(55℃、250ml)で補助しながらメカニカルスターラーを備えた1Lの一口フラスコに移した。得られた混合物を撹拌し、酢酸でpH=6に酸性化した。1時間撹拌した後、白色固体を回収し、水で洗浄し、ラバーダムでよくプレスし、ドラフト内で一晩空気乾燥させて、10gの表題化合物を得た。MS(m/z):282.20[M+H]
【0194】
中間体3:6-ベンジル-1,3-ジクロロ-5,6,7,8-テトラヒドロ-2,6-ナフチリジン-4-カルボニトリル:
【0195】
方法I:中間体2(5g、10.00mmol)およびオキシ塩化リン(20mL)。容器を密封し、180℃で4時間加熱し、反応混合物を減圧下で濃縮した。残渣をジクロロメタン(500ml)中に溶解し、氷(約45g)を含有するメカニカルスターラーを備えた1Lの3つ口フラスコに添加した。得られた混合物を、およそ50mLの20%水酸化ナトリウム水溶液を添加することによってpH=9~10に塩基性化した。この添加の間、内部温度を30℃より下に維持するために、追加の氷を添加した。混合物を15分間撹拌し、次いで、ろ過して、ゲル状の粒子を除去した。有機層を分離し、ブライン(50mL)で洗浄し、ろ紙でろ過し、減圧下で濃縮した。油状物としての(1.5g)を、静置して固化した。MS(m/z):318.20[M+H]
【0196】
方法II:中間体2(20gmg、0.071mol、塩を含まない)、塩化テトラメチルアンモニウム(9.3g、0.085mol)、およびオキシ塩化リン(67mL、0.71mol)を500mLの密封容器に取り、120℃で8時間加熱した。反応物を室温に冷却し、容器をゆっくりと開いた。反応混合物を氷中にゆっくりと注ぎ、反応混合物を30分間撹拌した。その後、NaOHの飽和溶液を、冷却して希釈した反応混合物にゆっくりと添加し、それをアルカリ性にし(pH=8~10)、温度を40℃未満に維持した。褐色の固体が形成され、ろ過フラスコ上でろ過し、2時間の間乾燥させ、中間体3(14g)を得た。1H-NMR(δppm,CDCl,400MHz):7.36-7.30(m,5H),3.81(s,2H),3.75(s,2H),2.84-2.82(d,2H,J=5.2Hz),2.80-2.78(d,2H,J=5.2Hz).MS(m/z):318.20[M+H]
【0197】
中間体4A:ビス(トリフルオロメタンスルホン酸)ベンジル-4-シアノ-5,6,7,8-テトラヒドロ-2,6-ナフチリジン-1,3-ジイル:中間体2(5グラム、0.01モル)および2,6ルチジン(5.9グラム、0.055モル)をDCM(200ml)中に溶解させ、窒素雰囲気下で0℃まで冷却し、次いで、DCM(25ml)中のトリフル酸無水物(Triflic Anhydride)(10グラム、0.035)を20分間かけて滴加した。反応物を、2時間かけて25℃に徐々に昇温させた。反応混合物を真空中で濃縮し、得られた油状物を酢酸エチル中に溶解させ、有機層を10%KHSOで三回、続いてブラインで洗浄し、有機層を真空中で濃縮した。得られた固体をカラムクロマトグラフィー(100~200メッシュのシリカゲル、0~40%酢酸エチル-ヘキサン)により精製して、中間体4(3.2gm)を得た。1H-NMR(δppm,CDCl3,400MHz):7.35(m,5H),3.91(s,2H),3.79(s,2H),2.91(t,2H),2.83(m,2H).MS(m/z):545[M+H]
【0198】
中間体5:(1-(6-ベンジル-3-クロロ-4-シアノ-5,6,7,8-テトラヒドロ-2,6-ナフチリジン-1-イル)ピペリジン-4-イル)カルバミン酸tert-ブチル:ピペリジン-4-イルカルバミン酸tert-ブチル(0.5g、16mmol)をDMF(5ml)中に溶解させ、続いて反応混合物中に炭酸カリウム(0.54g、30mmol)を添加し、室温で10分間撹拌した。中間体3(0.5g、10mmol)を反応混合物中で添加し、反応物を80℃で20分間加熱した。反応完了をTLCにより確認し、反応物を水および酢酸エチル中に注いで、分離した。有機層を硫酸ナトリウムで乾燥させ、減圧下で濃縮して、油状(0.3g)化合物を得て、分析データなしで次のステップで使用した。
【0199】
中間体5A:4-(6-ベンジル-4-シアノ-3-(((トリフルオロメチル)スルホニル)オキシ)-5,6,7,8-テトラヒドロ-2,6-ナフチリジン-1-イル)ピペラジン-1-カルボン酸tert-ブチル:THF(30ml)中のピペラジン-1-カルボン酸tert-ブチル(0.46gm、0.001mol)の溶液に、DIPEA(1.2ml、0.03mol)を添加し、撹拌した。THF(10ml)中の中間体4A(1.5gm、0.001mol)の溶液を、反応混合物に滴加し、室温で2時間撹拌した。反応混合物を水でクエンチし、酢酸エチルで抽出した。分離した有機層をブラインで洗浄し、続いて硫酸ナトリウムで乾燥させた。有機層を減圧下で濃縮して未精製残渣を得て、これを酢酸エチル:ヘキサン(25%)を使用するカラムクロマトグラフィーにより精製して中間体5Aを得た(1.25gm)。1H-NMR(δppm,CDCl3,400MHz):7.36-7.35(m,4H),7.32-7.30(m,1H),3.82(s,2H),3.72(s,2H),3.52-3.51(m,4H),3.43-3.41(m,4H),2.68-2.63(m,4H).MS(m/z):582.50[M+H]
【0200】
中間体5B:4-(6-ベンジル-4-シアノ-3-(((トリフルオロメチル)スルホニル)オキシ)-5,6,7,8-テトラヒドロ-2,6-ナフチリジン-1-イル)ピペラジン-1-カルボン酸tert-ブチル:2-(ピペラジン-2-イル)アセトニトリル(0.920gm、0.0073mol)およびDIEPA(1.37ml、0.0073mol)をDCM(40ml)に溶解し、窒素雰囲気下で0℃に冷却した。反応混合物に、DCM(10ml)中の中間体4A(2.7gm、0.0049mol)を滴加した。反応物を室温で12時間撹拌した。上記反応混合物に、DCM(10ml)中の(BOC)Oの溶液を室温で滴加し、さらに12時間撹拌した。反応混合物を水でクエンチし、有機層を分離し、ブラインで洗浄し、真空中で濃縮して、油状残渣を得て、これを30%酢酸エチル:ヘキサンを使用したカラムクロマトグラフィー(100~200メッシュのシリカゲル)により精製して、白色固体として中間体9Bを得た(1.7gm)。1H-NMR(δppm,CDCl3,400MHz):7.38-7.33(m,5H),4.62-4.60(m,1H),4.06(bs,1H),3.99-3.82(m,1H),3.76-3.67(m,5H),3.35-3.34(m,1H),3.24-3.23(m,1H),2.83-2.71(m,5H),2.58-2.55(m,1H),1.48(s,9H).MS(m/z):621.22[M+H]
【0201】
中間体5C:4-(6-ベンジル-3-クロロ-4-シアノ-5,6,7,8-テトラヒドロ-2,6-ナフチリジン-1-イル)-2-(シアノメチル)ピペラジン-1-カルボン酸tert-ブチル:2-(ピペラジン-2-イル)アセトニトリル(29.48g、0.23mol)を、1,4-ジオキサン(1000ml)中、3リットルの4つ口RBFに添加し、続いて上記の懸濁液中でDIPEA(144mL、0.75mol)を添加し、0℃で10分間撹拌した。反応混合物に中間体3(50g、0.15mol)を添加し、55℃で12時間撹拌した。新しい極性スポットが形成された後で、反応混合物を室温まで冷却し、Boc無水物(98mL、0.45mol)をそれに添加し、55℃で2時間撹拌した。反応が完了した後、反応混合物を冷水に注ぎ、酢酸エチル(1リットル×2)で抽出した。有機層を硫酸ナトリウムで乾燥させ、減圧下で濃縮して、未精製残渣を得た。粗製物を、石油エーテル(pet ether)中20~50%のEtOAcを移動相として使用したカラムクロマトグラフィーにより精製した。純粋な画分を回収し、減圧下で濃縮して、白色固体として中間体5C(40g)を得た。1H-NMR(δppm,CDCl,400MHz):7.35-7.34(m,4H),7.31-7.29(m,1H),4.59(bs,1H),3.90(bs,1H),3.83-3.68(m,6H),3.27-3.23(m,2H),2.99-2.92(m,1H),2.81-2.69(m,5H),2.67-2.65(m,1H).MS(m/z):507.2[M+H]
【0202】
中間体5D:4-(6-ベンジル-4-シアノ-3-(((トリフルオロメチル)スルホニル)オキシ)-5,6,7,8-テトラヒドロ-2,6-ナフチリジン-1-イル)-2-メチルピペラジン-1-カルボン酸tert-ブチル:ピペラジン-1-カルボン酸3-メチル(1.21gm、0.0065mmol)および中間体4(3.0gm、0.0055mol)を使用して、中間体5Aについて上述したとおりのプロセスを使用して調製し、中間体5Dを得た(2.22gm)。MS(m/z):596.24[M+H].。
【0203】
中間体5E:トリフルオロメタンスルホン酸6-ベンジル-4-シアノ-1-(2,6-ジメチルモルホリノ)-5,6,7,8-テトラヒドロ-2,6-ナフチリジン-3-イル:2,6-ジメチルモルホリン(1.25gm、0.00688mmmol)および中間体4(2.5gm、0.0045mol)を使用して、中間体5Aについて上述したとおりのプロセスを使用して調製し、中間体5Eを得た(1.8gm)。MS(m/z):510.95[M+H]
【0204】
中間体5F:(R)-4-(6-ベンジル-4-シアノ-3-(((トリフルオロメチル)スルホニル)オキシ)-5,6,7,8-テトラヒドロ-2,6-ナフチリジン-1-イル)-3-メチルピペラジン-1-カルボン酸tert-ブチル:(R)3-メチルピペラジン-1-カルボン酸tert-ブチル(1.21gm、0.0065mmol)および中間体4A(3.0gm、0.0055mol)を使用して、中間体5Aについて上述したとおりのプロセスを使用して調製し、中間体5Fを得た(2.22gm)。MS(m/z):596.24[M+H]
【0205】
中間体5G:(S)-4-(6-ベンジル-4-シアノ-3-(((トリフルオロメチル)スルホニル)オキシ)-5,6,7,8-テトラヒドロ-2,6-ナフチリジン-1-イル)-3-メチルピペラジン-1-カルボン酸tert-ブチル:(S)3-メチルピペラジン-1-カルボン酸tert-ブチル(1.21gm、0.0065mmol)および中間体4A(3.0gm、0.0055mol)を使用して、中間体5Aについて上述したとおりのプロセスを使用して調製し、中間体5G(2.22gm)を得た。MS(m/z):596.24[M+H]
【0206】
中間体5H:4-(6-ベンジル-3-クロロ-4-シアノ-5,6,7,8-テトラヒドロ-2,6-ナフチリジン-1-イル)ピペラジン-1-カルボン酸tert-ブチル:N-Bocピペラジン(1.1gm)および中間体3(2.5gm)を使用して、中間体5Aについて上述したとおりのプロセスを使用して調製し、中間体5Hを得た(1.85gm)。496.21[M+H]
【0207】
中間体6:1-(4-アミノピペリジン-1-イル)-6-ベンジル-3-クロロ-5,6,7,8-テトラヒドロ-2,6-ナフチリジン-4-カルボニトリル:中間体5(0.5g)の溶液に、ジオキサン:HCl(10ml)中に溶解し、反応混合物を0℃で1時間撹拌した。反応が完了した後、これを減圧留去させて油状化合物を得て、ジエチルエーテル中に溶解して固体を得て、分析データなしで次のステップで直接使用した。
【0208】
中間体6A1:4-(6-ベンジル-4-シアノ-3-ヒドロキシ-5,6,7,8-テトラヒドロ-2,6-ナフチリジン-1-イル)ピペラジン-1-カルボン酸Bert-ブチル:中間体5A(1.0gm、0.0018mmol)をTHF(20ml)中に溶解させ、反応混合物を室温で撹拌し、続いて10%NaOH(5ml)を添加し、混合物を30分間撹拌した。反応混合物を酢酸エチルで抽出した。ひとつに合わせたTHFと酢酸エチルの層を硫酸ナトリウムで乾燥させ、真空下で濃縮して、白色固体として中間体6A1を得た(0.8gm)。MS(m/z):450.12[M+H]
【0209】
中間体6A2:4-(6-ベンジル-4-シアノ-3-ヒドロキシ-5,6,7,8-テトラヒドロ-2,6-ナフチリジン-1-イル)-2-(シアノメチル)ピペラジン-1-カルボン酸tert-ブチル:中間体5B(1.0gm、0.0018mmol)をTHF(20ml)中に溶解させ、反応混合物を室温で撹拌し、続いて10%NaOH(5ml)を添加し、混合物を30分間撹拌した。反応混合物を酢酸エチルで抽出した。ひとつに合わせたTHFと酢酸エチルの層を硫酸ナトリウムで乾燥させ、真空下で濃縮して、褐色固体として中間体6A2を得た(0.8gm)。1H-NMR(400MHz)(CDCl3):7.30-7.22(m,5H),4.41(bs,1H),4.13-4.11(m,1H),3.75(bs,1H),3.62(bs,2H),3.51-3.47(m,2H),3.33-3.22(m,3H),2.68(bs,2H),2.44-2.39(m,5H),1.43(s,9H).MS:m/Z;489.2(M+1)。
【0210】
中間体6B:4-(6-ベンジル-4-シアノ-3-モルホリノ-5,6,7,8-テトラヒドロ-2,6-ナフチリジン-1-イル)ピペラジン-1-カルボン酸tert-ブチル:KCO(0.29gm、0.0021mol)をモルホリン(0.112ml、0.0012mol)のN-メチルピロリドン(NMP、4ml)溶液に添加し、室温で撹拌した。反応混合物にNMP中の中間体5A(0.5gm、0.00086mol)を滴加し、続いて、60℃で2時間加熱した。反応混合物を水でクエンチし、酢酸エチルで抽出した。有機層をブラインで洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させ、真空下で濃縮して、未精製残渣を得て、これを酢酸エチル:ヘキサン(25%)を使用したカラムクロマトグラフィーにより精製して、中間体6Bを得た(0.4gm)。1H-NMR(δppm,CDCl3,400MHz):7.38-7.34(m,4H),7.30-7.7.29(m,1H),3.81-3.79(m,4H),3.76(s,2H),3.70(s,2H),3.61-3.58(m,4H),3.51-3.47(m,4H).3.28-3.26(m,4H),2.58(bs,4H),1.47(s,9H).MS(m/z):519.22[M+H]
【0211】
中間体6C:4-(6-ベンジル-4-シアノ-3-(1,1-ジオキシドチオモルホリノ)-5,6,7,8-テトラヒドロ-2,6-ナフチリジン-1-イル)ピペラジン-1-カルボン酸tert-ブチル:チオモルホリン1,1ジオキシド(0.52gm、0.0051mmol)および中間体5B(1.5gm、0.0025mol)を使用して、中間体6Bについて上述したとおりのプロセスを使用して調製し、白色固体として中間体6Cを得た(1.25gm).1H-NMR(δppm,CDCl3,400MHz):7.38-7.32(m,4H),7.31-7.30(m,1H),4.12-4.10(m,4H),3.76(m,4H),3.52-3.50(m,4H),3.28-3.25(m,4H),3.18-3.16(m,4H),2.78(bs,4H),1.47(s,9H).MS(m/z):567.20[M+H]
【0212】
中間体6D:4-(6-ベンジル-4-シアノ-3-(4-メチルピペラジン-1-イル)-5,6,7,8-テトラヒドロ-2,6-ナフチリジン-1-イル)ピペラジン-1-カルボン酸tert-ブチル:N-メチルピペラジン(0.63ml、0.005mol)のNMP(30ml)溶液に、DIPEA(2.0ml、0.01mol)を添加し、室温で撹拌した。反応混合物にNMP中の中間体5A(2.2gm、0.003mol)を滴加し、60℃で2時間加熱した。反応混合物を水でクエンチし、酢酸エチルで抽出した。有機層をブラインで洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させ、真空下で濃縮して、未精製残渣を得て、これを酢酸エチル:ヘキサン(25%)を使用したカラムクロマトグラフィーにより精製して、中間体6Dを得た(1.0gm)。1H-NMR(δppm,CDCl3,400MHz):7.38-7.32(m,4H),7.29-7.28(m,1H),3.76(s,2H),3.70(s,2H),3.50-3.49(m,4H),3.39-3.36(m,4H),3.27-3.23(m,4H).2.84(s,3H),2.55-2.53(4H),2.39-2.35(2H),2.02-2.01(2H).MS(m/z):532.50[M+H]
【0213】
中間体6E:4-(6-ベンジル-4-シアノ-3-(2-フルオロピリジン-4-イル)-5,6,7,8-テトラヒドロ-2,6-ナフチリジン-1-イル)ピペラジン-1-カルボン酸tert-ブチル:ジオキサン:HO中の中間体5A(1.5gm、0.0025mol)および3-フルオロ4-ピリジンボロン酸(0.38g、0.0027mol)の溶液に、KCO(0.71g、0.0051mol)を添加し、N2ガスで15分間パージした。テトラキス(0.13g、0.00012mol)を添加し、再びN2ガスで5分間パージし、反応混合物を110℃で2時間加熱した。反応混合物を室温に冷却し、氷冷水でクエンチし、EtOAc(3×50ml)で抽出し、EtOAc層をNa2SO4で乾燥させ、真空下で濃縮して、未精製残渣を得て、これをヘキサン中30%EAで溶出するカラムクロマトグラフィー化合物により精製して、白色固体として中間体6Eを得た(0.2gm). 1H-NMR(δppm,CDCl3,400MHz):8.35-8.34(m,1H),7.75-7.74(m,1H),7.45(s,1H),7.38-7.35(m,4H),7.32-7.30(m,1H),3.89(s,2H),3.76(s,2H),3.56(bs,4H),3.39(bs,4H),2.76(bs,2H),2.69-2.68(m,2H),1.48(s,9H).MS(m/z):527[M+H]
【0214】
中間体6F:4-(6-ベンジル-4-シアノ-3-(ピペリジン-1-イル)-5,6,7,8-テトラヒドロ-2,6-ナフチリジン-1-イル)ピペラジン-1-カルボン酸tert-ブチル。ピペリジン(0.63mL、0.005mol)および中間体5A(2.2gm、0.003mol)を使用して、中間体6Dについて上述したとおりのプロセスを使用して調製し、中間体6Fを得た(1.0gm)。1H-NMR(δppm,CDCl3,400MHz):7.38-7.35(m,4H),7.34-7.32(m,1H),3.75(s,2H),3.69(s,2H),3.58-3.51(m,4H),3.49-3.48(m,4H),3.26-3.24(m,4H),2.57(bs,4H),1.69-1.64(bs,6H),1.47(s,9H).MS(m/z):517[M+H]
【0215】
中間体6G:4-(6-ベンジル-4-シアノ-3-(2,6-ジメチルモルホリノ)-5,6,7,8-テトラヒドロ-2,6-ナフチリジン-1-イル)ピペラジン-1-カルボン酸tert-ブチル:2,6ジモルホリン(0.112ml、0.0012mol)および中間体5A(0.5gm、0.00086mol)を使用して、中間体6Cについて上述したとおりのプロセスを使用して調製し、中間体6Gを得た(0.4gm)。1H-NMR(δppm,CDCl3,400MHz):7.36-7.35(m,5H),4.11-4.08(m,2H),3.76-3.70(m,6H),3.51-3.48(m,4H),3.26-3.24(m,4H),2.69-2.67(m,2H),2.58(bs,4H),1.48(s,9H),1.29(s,3H),1.20(s,3H).MS(m/z):547.72[M+H]
【0216】
中間体6H:4-(6-ベンジル-4-シアノ-3-(4-プロピオニルピペラジン-1-イル)-5,6,7,8-テトラヒドロ-2,6-ナフチリジン-1-イル)ピペラジン-1-カルボン酸tert-ブチル:THF(15)中のピペラジン(0.33gm、0.0028mmol)の溶液に、DIPEA(1.29ml、0.0075mmol)を添加し、室温で撹拌した。反応混合物にTHF中の中間体5A(1.5gm、0.00258mmol)を滴加し、80℃で2時間加熱した。反応混合物を0℃で冷却し、プロピオニルクロリド(0.46ml、0.005mmol)を10分間かけて滴加し、反応混合物を1時間撹拌した。反応混合物を水でクエンチし、酢酸エチルで抽出した。有機層をブラインで洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させ、真空下で濃縮して、未精製残渣を得て、これを酢酸エチル:ヘキサン(25%)を使用したカラムクロマトグラフィーにより精製して、中間体6Hを得た(1.2gm)。1H-NMR(δppm,CDCl3,400MHz):7.38-7.26(m,5H),3.76(s,2H),3.70(s,4H),3.55-3.54(bs,10H),3.32-3.27(m,4H),2.60(bs,4H),2.40-2.30(q,2H),1.47(s,9H),1.90-1.54(t,3H).MS(m/z):574.16(M+H)
【0217】
中間体6I:4-(6-ベンジル-4-シアノ-3-(4-(メチルスルホニル)ピペラジン-1-イル)-5,6,7,8-テトラヒドロ-2,6-ナフチリジン-1-イル)ピペラジン-1-カルボン酸ブチル:THF(15ml)中のピペラジン(0.33gm、0.0028mmol)の溶液に、DIPEA(1.29ml、0.0075mmol)を添加し、室温で撹拌した。上記の反応混合物に、THF中の4-(6-ベンジル-4-シアノ-3-(((トリフルオロメチル)スルホニル)オキシ)-5,6,7,8-テトラヒドロ-2,6-ナフチリジン-1-イル)ピペラジン-1-カルボン酸tert-ブチル(1.5gm、0.00258mmol)を同温で滴加し、80℃で2時間加熱した。反応混合物を0℃で冷却し、反応混合物にメタンスルホニルクロリド(0.32ml、0.005mmol)を10分間かけて滴加し、1時間撹拌した。反応混合物を水でクエンチし、酢酸エチルで抽出し、有機層をブラインで洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させ、続いて蒸発させて粗生成物を得、これを酢酸エチル:ヘキサン(25%)を使用するカラムクロマトグラフィーにより精製して、所望の化合物を得た(1.2gm)。1H-NMR(δppm,CDCl3,400MHz):7.38-7.26(m,5H),3.76(s,2H),3.70(s,4H),3.55-3.54(bs,10H),3.32-3.27(m,4H),2.60(bs,4H),2.40-2.30(q,2H),1.47(s,9H),1.90-1.54(t,3H).MS(m/z):574.16(M+H)
【0218】
中間体6J:4-(3-(4-アセチルピペラジン-1-イル)-6-ベンジル-4-シアノ-5,6,7,8-テトラヒドロ-2,6-ナフチリジン-1-イル)ピペラジン-1-カルボン酸tert-ブチル:THF(15)中のピペラジン(0.33gm、0.0028mmol)の溶液に、DIPEA(1.29ml、0.0075mmol)を添加し、室温で撹拌した。上記の反応混合物に、THF中の4-(6-ベンジル-4-シアノ-3-(((トリフルオロメチル)スルホニル)オキシ)-5,6,7,8-テトラヒドロ-2,6-ナフチリジン-1-イル)ピペラジン-1-カルボン酸tert-ブチル(1.5gm、0.00258mmol)を同温で滴加し、それを80℃で2時間加熱した。反応完了を、酢酸エチルおよびヘキサン(30%)を使用してTLCにより確認した。反応混合物を0℃で冷却し、反応混合物に塩化アセチル(0.22ml、0.005mmol)を10分間かけて滴加し、反応混合物を1時間撹拌した。反応混合物を水および酢酸エチル中に注いで、分離した有機層をブラインで洗浄した。有機層を硫酸ナトリウムで乾燥させ、留去させて粗生成物にした。粗製物を、酢酸エチル:ヘキサン(25%)を使用するカラムクロマトグラフィーにより精製して、中間体6J(1.0gm)を得た。1H-NMR(δppm,CDCl3,400MHz):7.38-7.32(m,4H),7.30-7.28(m,1H),3.76-3.70(m,6H),3.60(s,4H),3.56-3.54(m,2H),3.51-3.49(m,4H),3.28-3.26(m,4H),2.59(bs,4H),2.13(s,3H),1.47(s,9H).MS(m/z):560.12(M+H)
【0219】
中間体7:1-(4-アミノピペリジン-1-イル)-6-ベンジル-5,6,7,8-テトラヒドロ-2,6-ナフチリジン-4-カルボニトリル:(1-(6-ベンジル-3-クロロ-4-シアノ-5,6,7,8-テトラヒドロ-2,6-ナフチリジン-1-イル)ピペリジン-4-イル)カルバミン酸tert-ブチル(0.35g)の溶液に、メタノール(10ml)中で、トリエチルアミン(20ul)およびPd/C(0.35g)を溶解し、反応混合物を室温で12時間撹拌した。反応が完了した後、これをセライト上でろ過し、混合物を留去させて油状化合物(0.25gm)を得て、分析データなしで次のステップで直接使用した。
【0220】
中間体7A:4-(6-ベンジル-4-シアノ-3-(2,6-ジメチルモルホリノ)-5,6,7,8-テトラヒドロ-2,6-ナフチリジン-1-イル)-2-(シアノメチル)ピペラジン-1-カルボン酸tert-ブチル.2,6ジモルホリン(0.953ml、0.0051mmol)および中間体5C(3gm、0.0051mmol)を使用して、中間体6Cについて上述したとおりのプロセスを使用して調製し、中間体7Aを得た(2.6gm)。1H-NMR(δppm,CDCl3,400MHz):7.38-7.34(m,4H),7.30-7.28(m,1H),4.68(m,2H),4.13-4.07(m,3H),3.84-3.76(m,4H),3.67-3.61(m,4H),3.13-3.08(m,2H),2.77-26(m,3H),2.65-2.64(m,3H),2.48(m,2H),1.48(s,9H),1.29(s,3H),1.20(s,3H).MS(m/z):586.29[M+H]
【0221】
中間体7B:4-(6-ベンジル-4-シアノ-1-(2,6-ジメチルモルホリノ)-5,6,7,8-テトラヒドロ-2,6-ナフチリジン-3-イル)ピペラジン-1-カルボン酸tert-ブチル:ピペラジン-1-カルボン酸tert-ブチル(0.74gm、4.02mmol)および中間体5C(1.37gm、2.68mmol)を使用して、中間体6Cについて上述したとおりのプロセスを使用して調製し、中間体7Bを得た(1.2gm)。1H-NMR(400MHz):δ7.34(m,4H),7.30(m,1H),4.22-4.17(q,2H),3.64(s,2H),3.20(t,2H),2.81-2.76(m 1H),2.60-2.58(t,2H),2.40-2.31(m,2H).,1.26(q,3H).MS(m/z):547.3(M+1)。
【0222】
中間体7C:4-(6-ベンジル-4-シアノ-1-(2,6-ジメチルモルホリノ)-5,6,7,8-テトラヒドロ-2,6-ナフチリジン-3-イル)-2-(シアノメチル)ピペラジン-1-カルボン酸tert-ブチル:2-(ピペラジン-2-イル)アセトニトリル二塩酸塩(1.6gm、13.1mmol)および中間体5E(4.4gm、8.6mmol)を使用して、中間体7Bについて上述したとおりのプロセスを使用して調製し、中間体7Cを得た(2.3gm,45.71%)。MS(m/z):547.3(M+1)。
【0223】
中間体7D:4,4’-(6-ベンジル-4-シアノ-5,6,7,8-テトラヒドロ-2,6-ナフチリジン-1,3-ジイル)ビス(ピペラジン-1-カルボン酸)ジtert-ブチル:THF(30ml)中のピペラジン-1-カルボン酸tert-ブチル(0.9gm、0.002mol)の溶液に、DIPEA(1.2ml、0.03mol)を添加し、室温で撹拌した。反応混合物にTHF(10ml)中の中間体5A(1.5gm、0.001mol)を滴加し、2時間かけて80℃に加熱した。反応混合物を水でクエンチし、酢酸エチルで抽出した。有機層をブラインで洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させ、真空中で濃縮して、未精製残渣を得て、これを酢酸エチル:ヘキサン(25%)を使用したカラムクロマトグラフィーにより精製して、中間体7Dを得た(1.25gm)。MS(m/z):618.22[M+H]
【0224】
中間体7E:(R)-4-(6-ベンジル-4-シアノ-3-(4-メチルピペラジン-1-イル)-5,6,7,8-テトラヒドロ-2,6-ナフチリジン-1-イル)-3-メチルピペラジン-1-カルボン酸tert-ブチル:1-メチルピペラジン(0.30mL、0.0027mmol)(1.1gm、0.0018mmol)を使用して、中間体5Fについて上述したとおりのプロセスを使用して調製し、中間体7Eを得た(0.9gm)。MS(m/z):546.23(M+H)
【0225】
中間体7F:(S)-4-(6-ベンジル-4-シアノ-3-(4-メチルピペラジン-1-イル)-5,6,7,8-テトラヒドロ-2,6-ナフチリジン-1-イル)-3-メチルピペラジン-1-カルボン酸tert-ブチル:1-メチルピペラジン(0.30mL、0.0027mmol)および中間体5G(1.1gm、0.0018mmol)を使用して、中間体5Aについて上述したとおりのプロセスを使用して調製し、白色固体として中間体7Fを得た(0.5gm)。MS(m/z):546.23(M+H)
【0226】
中間体7G:4-(6-ベンジル-4-シアノ-3-(4-メチルピペラジン-1-イル)-5,6,7,8-テトラヒドロ-2,6-ナフチリジン-1-イル)-2-(シアノメチル)ピペラジン-1-カルボン酸tert-ブチル:1-メチルピペラジン(0.30ml、0.0027mol)(0.9g、0.0018mmol)を使用して、中間体5Cについて上述したとおりのプロセスを使用して調製し、中間体7Gを得た(0.9gm)。71.35(M+H)
【0227】
中間体8:4-(6-ベンジル-4-シアノ-3-(2-モルホリノエトキシ)-5,6,7,8-テトラヒドロ-2,6-ナフチリジン-1-イル)ピペラジン-1-カルボン酸tert-ブチル:DMSO(20mL)中の中間体5A(1.6gm、0.0035mmol)の溶液に、NaH(鉱油中60%)(213mg、0.0089mmol)を添加し、0℃で20分間撹拌した。4(2-クロロエチルモルホリン塩酸塩)(1.3gm、0.0071mmol)をゆっくりと添加し、反応混合物を80℃で3時間撹拌した。反応混合物を冷水(50mL)でクエンチし、酢酸エチル(30mLx2)で抽出した。ひとつに合わせた有機層をブライン溶液(30mL)で洗浄し、Na2SO4で乾燥させ、減圧留去させて、粗生成物を得、これを酢酸エチルおよび石油エーテル(50%)を使用したカラムクロマトグラフィーにより精製して、白色固体として中間体8を得た(1gm)。1H-NMR(400MHz):δ7.37-7.34(m,4H),7.32-7.30(m,1H),4.49-4.46(m,4H),3.77(s,2H),3.73-3.69(m,6H),3.51-3.50(bs 4H),3.29(bs,4H),2.81-2.86(m,2H).2.60(bs,8H),1.47(s,9H).MS(m/z):563.18(M+1)
【0228】
中間体9A:4-(6-ベンジル-4-シアノ-3-((メチルスルホニル)オキシ)-5,6,7,8-テトラヒドロ-2,6-ナフチリジン-1-イル)ピペラジン-1-カルボン酸tert-ブチル:DCM(30mL)中の中間体6A1(2.1gm、0.0043mol)の溶液に、TEA(1.5mL、0.0107mol)を0℃で添加した。その後、上記の溶液に、メタンスルホニルクロリド(methanesulphonyl chloride)(0.5mL、0.0064mol)のDCM(12mL)溶液をゆっくりと添加し、反応混合物を室温で2時間撹拌した。反応完了を、移動相として40%酢酸エチルおよびヘキサンを使用してTLCにより確認した。反応混合物を冷水中にクエンチし、有機層を分離した。水層を追加のDCM(20mL×2)で抽出し、ひとつに合わせた有機層をブライン溶液(20mL)で洗浄した。有機層をNa2SO4で乾燥させ、減圧および温度(30~35℃)下で濃縮し、未精製残渣を得て、これを、移動相としてヘキサン中20~40%酢酸エチルを使用するカラムクロマトグラフィー(100~200メッシュのシリカゲル)により精製した。純粋な画分を回収し、濃縮して、灰白色固体として中間体9A(1.72gm、70.72%)を得て、これを次の反応に使用した。
【0229】
中間体9B:4-(6-ベンジル-4-シアノ-3-((メチルスルホニル)オキシ)-5,6,7,8-テトラヒドロ-2,6-ナフチリジン-1-イル)-2-(シアノメチル)ピペラジン-1-カルボン酸tert-ブチル:中間体9A.について上述したとおりのプロセスを使用して調製した。1H-NMR(400MHz)(CDCl3):7.36-7.26(m,5H),4.62(bs,1H),4.13-4.09(m,1H),3.90-3.81(m,2H),3.78-3.67(m,4H),3.44(s,3H),2.29-3.25(m,2H),3.05-2.98(m,1H),2.79-2.68(m,5H),2.61-2.58(m,1H)1.50(s,9H).MS:m/Z;567.2(M+1)。
【0230】
中間体10A:(4-(6-ベンジル-4-シアノ-3-((1-メチルピロリジン-2-イル)メトキシ)-5,6,7,8-テトラヒドロ-2,6-ナフチリジン-1-イル)ピペラジン-1-カルボン酸tert-ブチル):100mLの加圧容器内で、トルエン(38mL)中の中間体5A(2.5gm、4.3mmol)、1-メチルピロリジン(0.99gm、8.6mmol)、Cs2CO3(4.2gm、12.9mmol)、およびras BINAP(0.53gm、0.86mmol)の懸濁液を、N2ガスで20分間パージした。上記の反応混合物に、Pd(OAc)2(0.096gm、0.43mmol)を添加し、120℃で3時間撹拌した。反応混合物を冷水(40mL)でクエンチし、酢酸エチル(20mLx2)で抽出した。ひとつに合わせた有機層をブライン溶液(30mL)で洗浄し、Na2SO4で乾燥させ、減圧留去させて、粗生成物を得、これを酢酸エチルおよび石油エーテル(30~100%)を使用したカラムクロマトグラフィーにより精製して、中間体10Aを得た(1.2gm,50.93%).1H-NMR(400MHz):δ7.38-7.26(m,5H),4.32-4.23(m,2H),3.78(bs,2H),3.70(bs,2H),3.52-3.43(m,4H),3.31-3.28(m,4H),3.11-3.07(m,1H),2.70-2.66(m,1H),2.60(bs,4H),2.50(s,3H),2.31-2.29(m,1H),2.06-2.01(m,1H),1.81-1.77(m,3H),1.48(s,9H).MS(m/z):547.3(M+1),HPLC 純度:83.95%。
【0231】
中間体10B:4-(6-ベンジル-4-シアノ-3-(((S)-1-メチルピロリジン-2-イル)メトキシ)-5,6,7,8-テトラヒドロ-2,6-ナフチリジン-1-イル)-2-(シアノメチル)ピペラジン-1-カルボン酸tert-ブチル:
【0232】
方法A:中間体10Aについて上述したとおりのプロセスを使用して調製した。1H-NMR(400MHz)(CDCl3):7.37-7.29(m,5H),4.62(bs,2H),4.33-4.21(m,1H),3.90-3.62(m,8H),3.48-3.39(m,2H),3.20-3.12(m,2H),2.92-2.51(m,9H),2.37-2.24(m,2H),2.20-2.05(m,1H),2.00-1.89(m,2H)1.50(s,9H).MS:m/Z;586.3(M+1)。
【0233】
方法B:500mLの密封管内で、(S)-(1-メチルピロリジン-2-イル)メタノール(6.2gm、0.054mol)を添加し、続いて乾燥THF(150ml)を添加し、反応混合物を0℃で撹拌した。反応混合物にNaH(60%)(1.74gm、0.072mol)を添加し、窒素下で30分間にわたって同温で反応物を撹拌した。中間体5(18.5g、0.036mol)を乾燥THF(120mL)中に溶解させ、反応混合物に滴加し、85℃で12時間撹拌した。反応が完了した後、反応混合物を飽和塩化アンモニウム溶液(200mL)中に注ぎ入れ、酢酸エチル(500mL×2)で抽出した。有機層を硫酸ナトリウムで乾燥させ、減圧下で濃縮して、未精製残渣を得た。粗製物を、移動相として3%DCM:メタノールを使用したカラムクロマトグラフィーにより精製した。純粋な画分を回収し、減圧下で濃縮して、淡黄色固体として中間体6(14g)を得た。1H-NMR(δppm,CDCl,400MHz):7.37-7.32(m,4H),7.31-7.29(m,1H),4.31(bs,1H),3.90(bs,1H),3.67(bs,1H),3.65-3.55(m,1H),3.48-3.44(m,1H),3.18-3.14(m,2H),2.85-2.82(m,6H).2.63(s,3H),2.45(m,1H),2.03-1.99(m,1H),1.78.1.75(m,6H),1.50(s,9H),MS(m/z):586.34[M+H]
【0234】
中間体11:4-(4-シアノ-3-モルホリノ-5,6,7,8-テトラヒドロ-2,6-ナフチリジン-1-イル)ピペラジン-1-カルボン酸tert-ブチル:100mLの二つ口RBF内で、エタノール(18mL)中の中間体6B(0.9gm、1.59mmol)を、N2ガスで20分間パージし、続いてPd(OH)2/C(20%、0.27gm、0.3/w)を添加した。反応混合物を、H2雰囲気下、50℃で3時間撹拌した。反応完了を、MeOH:DCM(5%)を使用したTLCにより確認した。反応が完了した後、混合物を不活性雰囲気下でセライト床を通してろ過し、ろ液を減圧留去させて未精製残渣を得、これを、移動相としてDCM中5%MeOHを使用したカラムクロマトグラフィーにより精製した。純粋な画分を回収し、濃縮して、所望の生成物を得た(0.4gm,52.78%)。1H-NMR(400MHz):δ4.15-4.13(m,4H)),3.55-3.53(m,4H),3.29-3.26(m,4H),3.19-3.17(m,4H),3.14-3.10(m,2H),3.09-3.06(m 2H),2.64-2.62(m,2H),2.07(s,1H),1.49(s,9H).MS(m/z):477.2(M+1)。
【0235】
中間体12:4-(4-シアノ-3-(1,1-ジオキシドチオモルホリノ)-5,6,7,8-テトラヒドロ-2,6-ナフチリジン-1-イル)ピペラジン-1-カルボン酸tert-ブチル:中間体6C(0.9gm、0.0015mmol)を使用して、中間体11について上述したとおりのプロセスを使用して調製し、白色固体として中間体12を得た。(0.6gm).1H-NMR(δppm,CDCl3,400MHz):4.15-4.12(m,5H),3.55-3.53(m,4H),3.29-3.26(m,4H),3.19-3.14(m,4H),3.11-3.09(m,2H),3.07-3.05(m,2H),2.64-2.61(m 1H),1.48(s,9H).MS(m/z):478.02[M+H]
【0236】
中間体13:4-(4-シアノ-3-(2-モルホリノエトキシ)-5,6,7,8-テトラヒドロ-2,6-ナフチリジン-1-イル)ピペラジン-1-カルボン酸tert-ブチル:中間体8(1.0gm、0.0017mmol)を使用して、中間体11について上述したとおりのプロセスを使用して調製し、中間体13を得た(0.3gm)。1H-NMR(δppm,CDCl3,400MHz):4.49-4.46(t,2H),4.11(s,4H),3.73-3.71(t,4H),3.54-3.52(t,4H),3.30-3.81(m,4H),3.01-2.99(m,2H),2.91-2.78(m 2H),2.61-2.59(m,4H),2.50(bs,2H),1.48(s,9H).MS(m/z):473.56[M+H]
【0237】
中間体14:4-(4-シアノ-3-(2,6-ジメチルモルホリノ)-5,6,7,8-テトラヒドロ-2,6-ナフチリジン-1-イル)-2-(シアノメチル)ピペラジン-1-カルボン酸tert-ブチル:中間体7A(2.6gm、0.0044mmol)を使用して、中間体11について上述したとおりのプロセスを使用して調製し、白色固体として中間体14を得た(2.2gm)。1H-NMR(δppm,CDCl3,400MHz):4.15-4.11(m,4H),3.98(s,4H),3.75-3.72(m,2H),3.54-3.51(m,4H),3.26-3.24(m,4H),3.02-3.01(m,2H),2.68-2.51(m 2H),1.48(s,9H),1.29(s,3H),1.20(s,3H).MS(m/z):457.12[M+H]
【0238】
中間体15:(4-(4-シアノ-1-(2,6-ジメチルモルホリノ)-5,6,7,8-テトラヒドロ-2,6-ナフチリジン-3-イル)ピペラジン-1-カルボン酸tert-ブチル):中間体7A(1.2gm、2.19mmol)を使用して、中間体11について上述したとおりのプロセスを使用して調製し、中間体15を得た(0.4gm,40%)。1H-NMR(400MHz):δ4.15(s,2H)),3.76-3.72(m,8H),3.60-3.56(m,4H),2.09-3.06(m,2H),2.66-2.60(m,4H),2.04(s,1H),1.48(s,9H),1.24(s,3H),1.22(s,3H).MS(m/z):457.3(M+1)。
【0239】
中間体16:(4-(4-シアノ-1-(2,6-ジメチルモルホリノ)-5,6,7,8-テトラヒドロ-2,6-ナフチリジン-3-イル)-2-(シアノメチル)ピペラジン-1-カルボン酸tert-ブチル):中間体7B(2.3gm、3.91mmol)を使用して、中間体11について上述したとおりのプロセスを使用して調製し、中間体16を得た(0.9gm,46.46%)。MS:m/z;496.3(M+1)。
【0240】
中間体17:(4-(4-シアノ-3-((1-メチルピロリジン-2-イル)メトキシ)-5,6,7,8-テトラヒドロ-2,6-ナフチリジン-1-イル)ピペラジン-1-カルボン酸tert-ブチル):中間体10A(1.2gm、2.19mmol)を使用して、中間体11について上述したとおりのプロセスを使用して調製し、中間体17を得た(0.32gm,32.37%)。MS(m/z):457.2(M+1)。
【0241】
中間体18:4-(4-シアノ-3-(((S)-1-メチルピロリジン-2-イル)メトキシ)-5,6,7,8-テトラヒドロ-2,6-ナフチリジン-1-イル)-2-(シアノメチル)ピペラジン-1-カルボン酸tert-ブチル:500mLの二つ口RBF内において、エタノール(200mL)中の中間体10B(10gm、0.017mol)を、N2で20分間脱気した。次いで、上記の溶液に、アンモニアメタノール溶液(12mL)を添加し、続いて6gmのPd(OH)2/C(20%)を添加した。反応混合物全体を、H2ガス雰囲気下、70℃で24時間撹拌した。反応完了を、DCM中5%MeOHおよびアンモニアメタノール溶液1滴を使用してTLCにより確認した。反応の完了後、混合物を不活性雰囲気下でセライト床を通してろ過し、ろ液を減圧留去させて、淡黄色固体の所望の生成物、中間体17を得た(7.3gm)。1H-NMR(400MHz)(CDCl3):4.81-4.78(m,1H),4.61(bs,1H),4.49-4.44(m,1H),4.14-4.04(m,3H),3.85-3.79(m,1H),3.67-3.64(m,1H),3.56-3.54(m,1H),3.36-3.18(m,5H),2.96-2.92(m,6H),2.71-2.61(m,2H),2.32-1.97(m,5H),1.51(s,9H).MS(m/z):496.3(M+1)。
【0242】
中間体18A:4,4’-(4-シアノ-5,6,7,8-テトラヒドロ-2,6-ナフチリジン-1,3-ジイル)ビス(ピペラジン-1-カルボン酸)ジtert-ブチル:エタノール中の中間体7D(1.0gm、0.001mol)の溶液に、窒素ガスを20分間パージし、その後、5滴の酢酸を添加し、続いてPd(OH)(0.3gm)を添加し、反応混合物を50℃で12時間加熱した。反応混合物をセライトパッド上でろ過し、ろ液を、減圧留去させて、粗生成物を得た。粗製物を、メタノール:DCM(10%)を使用するカラムクロマトグラフィーにより生成して、白色固体として中間体26を得た(0.4gm)。1H-NMR(δppm,CDCl3,400MHz):4.14(s,2H),3.59-3.52(m,12H),3.28-3.25(m,4H),3.04-3.01(m,2H),2.57-2.51(m,2H),1.43(s,18H).MS(m/z):528.25[M+H]
【0243】
中間体18B:4-(4-シアノ-3-(4-メチルピペラジン-1-イル)-5,6,7,8-テトラヒドロ-2,6-ナフチリジン-1-イル)ピペラジン-1-カルボン酸tert-ブチル:中間体6D(1.0gm、0.001mol)を使用して、中間体18Aについて上述したとおりのプロセスを使用して調製し、白色固体として中間体18Bを得た(0.4gm)。1H-NMR(δppm,CDCl3,400MHz):4.08(s,2H),3.69-3.67(m,4H),3.53-3.48(m,4H),3.28-3.27(m,4H),3.00-2.98(m,2H),2.60-2.58(m,4H),2.55-2.53(m,2H),2.37(s,3H),1.48(s,9H).MS(m/z):442[M+H]
【0244】
中間体18C:4-(4-シアノ-3-(ピペリジン-1-イル)-5,6,7,8-テトラヒドロ-2,6-ナフチリジン-1-イル)ピペラジン-1-カルボン酸tert-ブチル:中間体6F(0.6gm、0.0011mol)を使用して、中間体18Aについて上述したとおりのプロセスを使用して調製し、白色固体として中間体18Cを得た(0.4gm)。MS(m/z):428.45[M+H]
【0245】
中間体18D:4-(4-シアノ-3-(2,6-ジメチルモルホリノ)-5,6,7,8-テトラヒドロ-2,6-ナフチリジン-1-イル)ピペラジン-1-カルボン酸tert-ブチル:中間体6G(0.8gm、0.0018mmol)を使用して、中間体18Aについて上述したとおりのプロセスを使用して調製し、中間体18Dを得た(0.6gm)。1H-NMR(δppm,CDCl3,400MHz):4.15-4.11(m,4H),3.98(s,4H),3.75-3.72(m,2H),3.54-3.51(m,4H),3.26-3.24(m,4H),3.02-3.01(m,2H),2.68-2.51(m 2H),1.48(s,9H),1.29(s,3H),1.20(s,3H).MS(m/z):457.12[M+H]
【0246】
中間体18E:4-(4-シアノ-3-(4-プロピオニルピペラジン-1-イル)-5,6,7,8-テトラヒドロ-2,6-ナフチリジン-1-イル)ピペラジン-1-カルボン酸tert-ブチル:中間体6H(1.0gm、0.0017mmol)を使用して、中間体18Aについて上述したとおりのプロセスを使用して調製し、白色固体として中間体18Eを得た(0.6gm)。MS(m/z):484.12[M+H]
【0247】
中間体18F:4-(4-シアノ-3-(4-メチルスルホニル)ピペラジン-1-イル)-5,6,7,8-テトラヒドロ-2,6-ナフチリジン-1-イル)ピペラジン-1-カルボン酸tert-ブチル:中間体6I(1.0gm、0.0017mmol)を使用して、中間体18Aについて上述したとおりのプロセスを使用して調製し、白色固体として中間体18Fを得た(0.6gm)。1H-NMR(δppm,CDCl3,400MHz):4.113(s,2H),3.68-3.66(m,4H),3.54-3.51(m,4H),3.37-3.35(m,4H),3.29-3.27(m,4H),3.06-3.03(m,2H),2.83(s 3H),2.61-2.58(m,2H),1.48(s,9H).MS(m/z):506.20[M+H]
【0248】
中間体18G:4-(3-(4-アセチルピペラジン-1-イル)-4-シアノ-5,6,7,8-テトラヒドロ-2,6-ナフチリジン-1-イル)ピペラジン-1-カルボン酸tert-ブチル:中間体6J(0.8gm、0.0017mmol)を使用して、中間体26について上述したとおりのプロセスを使用して調製し、白色固体として中間体18Gを得た(0.6gm)。1H-NMR(δppm,CDCl3,400MHz):4.11(s,2H),3.75-3.74(m,2H),3.64-3.59(m,6H),3.58-3.52(m,4H),3.29-3.27(m,4H),3.04-3.03(m,2H),2.58-2.56(m 2H),2.13(s,3H),1.48(s,9H).MS(m/z):470.12[M+H]
【0249】
中間体18H:4-(4-シアノ-5,6,7,8-テトラヒドロ-2,6-ナフチリジン-1-イル)ピペラジン-1-カルボン酸tert-ブチル:中間体5H(0.7gm、0.0015mol)を使用して、中間体11について上述したとおりのプロセスを使用して調製し、中間体18Hを得た(0.4gm)。344.20[M+H]
【0250】
中間体19A:4-(6-(8-クロロナフタレン-1-イル)-4-シアノ-3-モルホリノ-5,6,7,8-テトラヒドロ-2,6-ナフチリジン-1-イル)ピペラジン-1-カルボン酸tert-ブチル:窒素ガス下で20分間パージした1,4-ジオキサン(10ml)中の中間体11(0.4g、0.00075mmol)の溶液に、1-ブロモ-8-ブロモナフタレン(0.3gm、0.0015mmol)、ナトリウムtert.ブトキシド(0.29gm、0.0030mmol)、およびr-BINAP(0.093gm、0.00015mmol)を10分間かけて添加し、窒素雰囲気下で撹拌した。次いで、反応混合物に、Pd2(dba)3(0.068gm、0.000075mmol)を添加し、130℃で16時間加熱した。反応混合物を、セライトパッドでろ過し、ろ液を、減圧留去させて、未精製残渣を得、これをMeOH:DCM(5%)を使用したカラムクロマトグラフィーにより精製し、中間体19Aを得た。1H-NMR(δppm,CDCl3,400MHz):7.77-7.75(m,1H),7.64-7.62(m,1H),7.53-7.51(m,1H),7.46-7.42(m,1H),7.31-7.32(m,1H),7.23-7.21(m,1H),4.58-4.53(m,1H),3.87-3.81(m,1H),3.64-3.62(m,4H),3.59-3.54(m,4H),3.52-3.49(m,2H),3.23-3.22(m,2H),3.15-3.05(m,2H),2.60(bs,2H)1.49(s,9H)。
【0251】
中間体19B:4-(4-シアノ-3-(1,1-ジオキシドチオモルホリノ)-6-(ナフタレン-1-イル)-5,6,7,8-テトラヒドロ-2,6-ナフチリジン-1-イル)ピペラジン-1-カルボン酸tert-ブチル):中間体12を使用して、中間体19Aについて上述したとおりのプロセスを使用して調製し、白色固体として中間体19Bを得た(0.22gm,43.45%)。1H-NMR(400MHz):δ8.20-8.18(m,1H)),7.89-7.87(m,1H),7.64(d,J=8.0Hz,1H),7.53-7.50(m,2H),7.46-7.43(m,1H),7.19(d,J=6.8Hz,1H),4.40(bs,2H),4.18-4.15(m,4H),3.60-3.58(m,4H),3.36(bs,6H),3.22-3.19(m,4H),2.88(bs,2H),1.50(s,9H).MS(m/z):603.2(M+1)。
【0252】
中間体19C:4-(4-シアノ-3-(2,6-ジメチルモルホリノ)-6-(ナフタレン-1-イル)-5,6,7,8-テトラヒドロ-2,6-ナフチリジン-1-イル)-2-(シアノメチル)ピペラジン-1-カルボン酸tert-ブチル:中間体14(1g、0.0020mmol)、1-ブロモナプテン(1-Bromonapthene)(0.59ml、0.004mmol)、炭酸セシウム(1.97gm、0.0066mmol)、Ruphos(0.18gm、0.0004mmol)およびPd2(dba)3(0.184gm、0.000022mmol)を用いて、中間体19Aについて上述したとおりのプロセスを使用して、トルエンを溶媒として110℃で3時間調製し、白色販売品として中間体19Cを得た(0.9gm)。1H-NMR(δppm,CDCl3,400MHz):8.19-8.17(m,1H),7.88-7.85(m,1H),7.64-7.61(m,1H),7.51-7.49(m,2H),7.44-7.7.42(m,1H),7.19-7.17(m,1H),4.41(bs,1H),4.40(bs,1H),4.17-4.11(m,3H),3.80-3.73(m,4H),3.70(bs,1H),2.25(bs,3H),2.89-2.79(m,5H),2.75-2.69(m,3H),1.52(s,9H),1.29(s,6H).MS(m/z):622.22[M+H]
【0253】
中間体19D:4-(4-シアノ-3-(2-モルホリノエトキシ)-6-(ナフタレン-1-イル)-5,6,7,8-テトラヒドロ-2,6-ナフチリジン-1-イル)ピペラジン-1-カルボン酸tert-ブチル:中間体13(0.3gm、0.00063mmol)、1-ブロモナフタレン(0.18mL、0.001271mmol)、Ruphos(0.06gm、0.00012mmol)、Cs2CO3(0.13gm、0.00031mmol)およびPd2(dba)3(0.058gm、0.000063mmol)を用いて、中間体19Aについて上述したとおりのプロセスを使用して、トルエンを溶媒として110℃で4時間調製し、白色固体として中間体19Dを得た(0.25gm,18.17%)。1H-NMR(400MHz):δ8.20-8.17(m,1H),7.88-7.86(m,1H),7.64-7.62(m,1H),7.52-7.50(m,2H),7.48-7.43(m,1H),7.18-7.17(m,1H),4.54(bs,2H),4.41(bs,2H),3.75(bs,4H),3.58-3.57(bs,4H),3.38(bs,5H),2.85(bs,4H),2.64(bs,4H),1.49(s,9H).MS(m/z):599.21(M+1)。
【0254】
中間体19E:4-(6-(8-クロロナフタレン-1-イル)-4-シアノ-3-(2-モルホリノエトキシ)-5,6,7,8-テトラヒドロ-2,6-ナフチリジン-1-イル)ピペラジン-1-カルボン酸tert-ブチル。中間体13(0.3gm、0.00063mmol)、1-ブロモ-8-クロロナフタレン(0.36mg、0.001271mmol)、Ruphos(0.06gm、0.00012mmol)、Cs2CO3(0.13gm、0.00031mmol)およびPd2(dba)3(0.058gm、0.000063mmol)を用いて、中間体19Aについて上述したとおりのプロセスを使用して、トルエンを溶媒として110℃で4時間調製し、白色固体として中間体19Eを得た(0.25gm,18.17%)。1H-NMR(400MHz):δ7.78-7.75(m,1H),7.65-7.63(m,1H),7.54-7.52(m,1H),7.47-7.23(m,1H),7.36-7.32(m,1H),7.24-7.23(m,1H),4.60-4.48(m,3H),3.94-3.74(m,1H),3.64-3.61(m,4H),3.54-3.52(m,2H),3.49-3.44(m,5H),3.28-3.26(m,2H),3.24-3.12(m,2H),2.80-2.52(m,4H),1.49(s,9H).MS(m/z):634.20(M+1)。
【0255】
中間体19F:(4-(4-シアノ-1-(2,6-ジメチルモルホリノ)-6-(ナフタレン-1-イル)-5,6,7,8-テトラヒドロ-2,6-ナフチリジン-3-イル)ピペラジン-1-カルボン酸)tert-ブチル):中間体16(0.4gm、0.88mmol)、1-ブロモナフタレン(0.25mL、1.75mmol)、キサントホス(0.1gm、0.17mmol)、Cs2CO3(0.86gm、2.63mmol)およびPd2(dba)3を用いて、中間体19Aについて上述したとおりのプロセスを使用して、トルエンを溶媒として110℃で4時間調製し、中間体19Eを得た(0.32gm,63.7%)。1H-NMR(400MHz):δ8.22-8.20(m,1H),7.88-7.86(m,1H),7.64-7.62(m,1H),7.52-7.50(m,2H),7.46-7.42(m,1H),7.20-7.18(m,1H),4.38(bs,2H)),3.79-3.78(m,2H),3.69-3.68(m,2H),3.59-3.58(m,8H),3.38-25(m,2H),2.88-2.79(m,2H),2.72-2.62(m,2H),1.42(s,9H),1.28(s,3H),1.26(s,3H).MS(m/z):583.3(M+1)。
【0256】
中間体19G:(4-(4-シアノ-1-(2,6-ジメチルモルホリノ)-6-(ナフタレン-1-イル)-5,6,7,8-テトラヒドロ-2,6-ナフチリジン-3-イル)-2-(シアノメチル)ピペラジン-1-カルボン酸tert-ブチル):中間体16(0.88gm、1.78mmol)、1-ブロモナフタレン(0.53mL、3.56mmol)、キサントホス(0.2gm、0.36mmol)、Cs2CO3(1.72gm、5.34mmol)およびPd2(dba)3(0.16gm、0.18mmol)を用いて、中間体19Aについて上述したとおりのプロセスを使用して、トルエンを溶媒として110℃で4時間調製し、白色固体として中間体19Fを得た(0.2gm,18.17%)。MS(m/z):622.3(M+1)。
【0257】
中間体19H:(4-(4-シアノ-3-((1-メチルピロリジン-2-イル)メトキシ)-6-(ナフタレン-1-イル)-5,6,7,8-テトラヒドロ-2,6-ナフチリジン-1-イル)ピペラジン-1-カルボン酸tert-ブチル):中間体17(0.32gm、0.71mmol)、1-ブロモナフタレン(0.21mL、1.42mmol)、RuPhos(0.066gm、0.14mmol)、Cs2CO3(0.7gm、2.13mmol)およびPd2(dba)3(0.064gm、0.071mmol)を用いて、中間体19Aについて上述したとおりのプロセスを使用して、トルエンを溶媒として110℃で3時間調製し、中間体19Gを得た(0.2gm,48.31%)。1H-NMR(400MHz):δ8.20-8.18(m,1H),7.88-7.85(m,1H),7.64-7.62(m,1H),7.53-7.48(m,2H),7.46-7.41(m,1H),7.19-7.17(m,1H),4.40-3.70(m,4H),3.67(bs,4H),3.30-3.12(m,5H),3.11-2.87(m,1H),2.75(bs,2H),2.73-2.54(m,1H),2.53(s,3H),2.31-2.08(m,1H),2.07-2.01(m,1H),1.87-1.68(m,4H),1.42(s,9H).MS(m/z):583.3(M+1)。
【0258】
中間体19I:4-(6-(8-クロロナフタレン-1-イル)-4-シアノ-3-(((S)-1-メチルピロリジン-2-イル)メトキシ)-5,6,7,8-テトラヒドロ-2,6-ナフチリジン-1-イル)-2-(シアノメチル)ピペラジン-1-カルボン酸tert-ブチル:500mLの密封管中で、トルエン(140mL)中の中間体18(7gm、0.014mol)、1-ブロモ-8-クロロナフタレン(5.01gm、0.027mol)、キサントホス(1.6gm、0.002mol)およびCs2CO3(13.8gm、0.042mol)を、N2で20分間脱気した。次いで、Pd2(dba)3(1.3gm、0.0014mol)を上記の溶液に添加し、反応混合物全体を120℃で12時間撹拌した。反応完了を、DCM中5%MeOHおよびアンモニアメタノール溶液1滴を使用してTLCにより確認した。反応が完了した後、混合物を冷水(20mL)に注ぎ入れ、酢酸エチル(30mL×2)で抽出した。有機層をブライン溶液(10mL)で洗浄し、Na2SO4で乾燥させ、減圧留去させて、未精製残渣を得て、これを、移動相として3%MeOHのDCM溶液を使用したカラムクロマトグラフィー(100~200メッシュのシリカゲル)により精製した。純粋な画分を回収し、濃縮して、所望の生成物として中間体19Iを得た(7.26gm)。1H-NMR(400MHz)(CDCl3):7.77-7.75(m,1H),7.66-7.62(m,1H),7.53-7.51(m,1H),7.48-7.42(m,1H),7.40-7.32(m,1H),7.28-7.18(m,1H),4.59-4.55(m,2H),4.34-4.30(m,2H),3.90-3.77(m,1H),3.60-3.55(m,2H),3.34-3.31(m,1H),3.19-3.13(m,1H),3.09-3.03(m,4H),2.73-2.64(m,3H),2.53(s,3H),2.33-2.31(m,1H),2.06-2.03(m,1H),1.85-1.78(m,5H),1.51(s,9H).MS(m/z):656.3(M+1).HPLC:99.01%。
【0259】
中間体19J:4-(6-(3-(ベンジルオキシ)ナフタレン-1-イル)-4-シアノ-3-(((S)-1-メチルピロリジン-2-イル)メトキシ)-5,6,7,8-テトラヒドロ-2,6-ナフチリジン-1-イル)-2-(シアノメチル)ピペラジン-1-カルボン酸tert-ブチル:中間体18(1.4gm、0.0028mol)、3-(ベンジルオキシ)-1-ブロモナフタレン(1.77gm、0.0056mol)、キサントホス(0.32gm、0.00056mol)、Cs2CO3(2.7gm、0.0084mol)、トルエン(20mL)、およびPd2(dba)3(0.26gm、0.00028mol)を使用して、中間体19Aについて上述したとおりのプロセスを使用して調製し、所望の生成物である中間体19Jを得た(1gm,49.06%).MS(m/z):728.5(M+1).HPLC:80.75%。
【0260】
中間体19K:4,4’-(4-シアノ-6-(ナフタレン-1-イル)-5,6,7,8-テトラヒドロ-2,6-ナフチリジン-1,3-ジイル)ビス(ピペラジン-1-カルボン酸)ジtert-ブチル:窒素ガス下で20分間パージした1,4-ジオキサン(10ml)中の中間体18A(0.4g、0.00075mmol)の溶液に、1-ブロモナプテン(1-Bromonapthene)(0.22ml、0.0015mmol)、ナトリウムtert.ブトキシド(0.29gm、0.0030mmol)、およびr-BINAP(0.093gm、0.00015mmol)を10分間かけて添加し、窒素雰囲気下で撹拌した。次いで、反応混合物に、Pd2(dba)3(0.068gm、0.000075mmol)を添加し、130℃で16時間加熱した。反応混合物を、セライトパッドでろ過し、ろ液を、減圧留去させて、未精製残渣を得、これをMeOH:DCM(5%)を使用したカラムクロマトグラフィーにより精製し、中間体19Kを得た(0.34gm)。1H-NMR(δppm,CDCl3,400MHz):8.21-8.18(m,1H),7.87-7.85(m,1H),7.61-7.52(m,1H),7.51-7.49(m,2H),7.47-7.63(m,1H),7.26-7.19(m,1H),4.38(s,2H),3.62-3.56(m,13H),3.53(bs,5H),2.85(bs,2H),1.49(s,18H).MS(m/z):554.37[M+H]
【0261】
中間体19L B:4,4’-(6-(ベンゾ[b]チオフェン-4-イル)-4-シアノ-5,6,7,8-テトラヒドロ-2,6-ナフチリジン-1,3-ジイル)ビス(ピペラジン-1-カルボン酸)ジtert-ブチル:中間体18A(0.4g、0.00075mmol)および4-ブロモベンゾ[b]チオフェン(0.31ml、0.0015mmol)を使用して、中間体19Kについて上述したとおりのプロセスを使用して調製し、中間体19Lを得た(0.3gm).1H-NMR(δppm,CDCl3,400MHz):7.62-7.59(m,1H),7.45-7.44(m,2H),7.32-7.26(m,1H),6.99-6.97(m,1H),4.41(s,2H),3.62-3.55(m,11H),3.45-3.32(m,7H),2.82-2.79(bs,2H),1.49(s,18H).MS(m/z):660.12[M+H]
【0262】
中間体19M:4-(4-シアノ-3-(4-メチルピペラジン-1-イル))-6-(ナフタレン-1-イル)-5,6,7,8-テトラヒドロ-2,6-ナフチリジン-1-イル)ピペラジン-1-カルボン酸tert-ブチル:中間体18B(0.4g、0.009mmol)、1-ブロモナプテン(1-Bromonapthene)(0.26ml、0.0018mol)、ナトリウムtert.ブトキシド(0.348gm、0.0036mol)、r-BINAP(0.112gm、0.00018mol)、およびPd2(dba)3(0.083gm、0.00009mol)を使用して、中間体19Kについて上述したとおりのプロセスを使用して調製し、中間体19Mを得た(0.34gm).1H-NMR(δppm,CDCl3,400MHz):8.21-8.19(m,1H),7.787-7.85(m,1H),7.62-7.60(m,1H),7.52-747(m,2H),7.45-7.41(m,1H),7.19-7.17(m,1H),4.38(s,2H),3.72-3.69(m,4H),3.58-3.55(m,4H),3.55(bs,5H),3.21(s,1H),2.84(bs,2H),2.57-2.55(m,4H),2.35(s,3H),1.49(s,9H).MS(m/z):568.10[M+H]
【0263】
中間体19N:4-(4-シアノ-6-(ナフタレン-1-イル)-3-(ピペリジン-1-イル)-5,6,7,8-テトラヒドロ-2,6-ナフチリジン-1-イル)ピペラジン-1-カルボン酸tert-ブチル:中間体18C(0.27g、0.0006mmol)、1-ブロモナプテン(1-Bromonapthene)(0.18ml、0.0018mol)、ナトリウムtert.ブトキシド(0.243gm、0.00025mol)、r-BINAP(0.078gm、0.00016mol)、およびPd2(dba)3(0.057gm、0.000063mmol)を使用して、中間体19Kについて上述したとおりのプロセスを使用して調製し、白色固体として中間体19Nを得た(0.34gm)。1H-NMR(δppm,CDCl3,400MHz):8.22-8.19(m,1H),7.78-7.84(m,1H),7.62-7.60(m,1H),7.51-7.48(m,2H),7.45-7.41(m,1H),7.19-7.17(m,1H),4.37(bs,2H),3.63-3.62(m,4H),3.58-3.55(m,4H),3.33(bs,6H),2.80(bs,2H),1.49(s,9H),1.23(bs,6H).MS(m/z):553.10[M+H]
【0264】
中間体19O:4-(4-シアノ-3-(2,6-ジメチルモルホリノ)-6-(ナフタレン-1-イル)-5,6,7,8-テトラヒドロ-2,6-ナフチリジン-1-イル)ピペラジン-1-カルボン酸tert-ブチル:中間体18D(0.5g、0.0010mmol)、1-ブロモナプテン(1-Bromonapthene)(0.25ml、0.0020mmol)、ナトリウムtert.ブトキシド(0.38gm、0.004mmol)、r-BINAP(0.12gm、0.0002mmol)、およびPd2(dba)3(0.09gm、0.00001mmol)を使用して、中間体19Kについて上述したとおりのプロセスを使用して調製し、中間体19Oを得た(0.4gm)。1H-NMR(δppm,CDCl3,400MHz):8.21-8.19(m,1H),7.87-7.85(m,1H),7.62-7.60(m,1H),7.51-7.49(m,2H),7.45-7.41(m,1H),7.26-7.17(m,1H),4.38(s,2H),4.17-4.14(m,2H),3.80-3.72(m,2H),3.69-3.57(m,4H),3.56-3.33(m,6H),2.89(bs,2H),2.74-2.68(m,1H)1.54(s,9H),1.25(s,6H).MS(m/z):584.12[M+H]
【0265】
中間体19P:4-(4-シアノ-6-(ナフタレン-1-イル)-3-(4-プロピオニルピペラジン-1-イル)-5,6,7,8-テトラヒドロ-2,6-ナフチリジン-1-イル)ピペラジン-1-カルボン酸tert-ブチル:中間体18E(0.5g、0.0010mmol)、1-ブロモナプテン(1-Bromonapthene)(0.25ml、0.0020mmol)、ナトリウムtert.ブトキシド(0.38gm、0.004mmol)、r-BINAP(0.12gm、0.0002mmol)、およびPd2(dba)3(0.09gm、0.00001mmol)を使用して、中間体19Kについて上述したとおりのプロセスを使用して調製し、中間体19Pを得た(0.4gm)。1H-NMR(δppm,CDCl3,400MHz):8.21-8.18(m,1H),7.87-7.85(m,1H),7.63-7.61(m,1H),7.51-7.49(m,2H),7.48-7.43(m,1H),7.19-7.7(m,1H),4.41(s,2H),3.82(s,2H),3.62-3.61(m,10H),3.50-3.41(m,6H),2.64(bs,2H),2.50-2.48(q,2H),1.48(s,9H),1.30-1.25(t,3H)1.25(s,6H).MS(m/z):610.34[M+H]
【0266】
中間体19Q:4-(4-シアノ-3-(4-(メチルスルホニル)ピペラジン-1-イル)-6-(ナフタレン-1-イル)-5,6,7,8-テトラヒドロ-2,6-ナフチリジン-1-イル)ピペラジン-1-カルボン酸tert-ブチル:中間体18F(0.6g、0.0011mmol)、1-ブロモナプテン(1-Bromonapthene)(0.5ml、0.0022mmol)、ナトリウムtert.ブトキシド(0.42gm、0.0044mmol)、r-BINAP(0.13gm、0.00022mmol)、およびPd2(dba)3(0.11gm、0.000011mmol)を使用して、中間体19Kについて上述したとおりのプロセスを使用して調製し、白色固体として中間体19Qを得た(0.4gm)。1H-NMR(δppm,CDCl3,400MHz):8.20-8.18(m,1H),7.88-7.85(m,1H),7.63-7.53(m,1H),7.51-7.49(m,2H),7.45-7.43(m,1H),7.19-7.17(m,1H),4.39(bs,2H),3.71-3.69(m,4H),3.59-3.56(m,4H),3.48(bs,1H),3.40-3.37(m,9H),2.87(bs,2H),2.82(s,3H),1.48(s,9H)。
【0267】
中間体19R:4-(3-(4-アセチルピペラジン-1-イル)-4-シアノ-6-(ナフタレン-1-イル)-5,6,7,8-テトラヒドロ-2,6-ナフチリジン-1-イル)ピペラジン-1-カルボン酸tert-ブチル:中間体18G(0.6g、0.0011mmol)、1-ブロモナプテン(1-Bromonapthene)(0.5ml、0.0022mmol)、ナトリウムtert.ブトキシド(0.42gm、0.0044mmol)、r-BINAP(0.13gm、0.00022mmol)、およびPd2(dba)3(0.11gm、0.000011mmol)を使用して、中間体19Kについて上述したとおりのプロセスを使用して調製し、白色販売品として中間体19Rを得た(0.4gm)。1H-NMR(δppm,CDCl3,400MHz):8.22-8.18(m,1H),7.87-7.85(m,1H),7.63-7.61(m,1H),7.51-7.49(m,2H),7.45-7.2(m,1H),7.19-7.17(m,1H),4.34(bs,2H),3.78-3.75(m,2H),3.65-3.56(m,11H),3.35(bs,5H),2.68(bs,2H),2.14(s,3H),1.48(s,9H).MS(m/z):596.20[M+H]
【0268】
中間体19S:4-(6-(8-クロロナフタレン-1-イル)-4-シアノ-1-(2,6-ジメチルモルホリノ)-5,6,7,8-テトラヒドロ-2,6-ナフチリジン-3-イル)ピペラジン-1-カルボン酸tert-ブチル:中間体15(0.6g、0.00131mol)、1-ブロモ-8-クロロナフタレン(0.47g、0.0019mol)、ナトリウムtert.ブトキシド(0.44gm、0.0039mol)、r-BINAP(0.13gm、0.00013mol)、およびPd2(dba)3(0.11gm、0.000013mol)を使用して、中間体19Kについて上述したとおりのプロセスを使用して調製し、中間体19S(0.4gm)を得た。618.29[M+H]
【0269】
中間体19T:(S)-4-(6-(8-クロロナフタレン-1-イル)-4-シアノ-3-((1-メチルピロリジン-2-イル)メトキシ)-5,6,7,8-テトラヒドロ-2,6-ナフチリジン-1-イル)ピペラジン-1-カルボン酸tert-ブチル:中間体15(0.6g、0.00131mol)、1-ブロモ-8-クロロナフタレン(0.47g、0.0019mol)、ナトリウムtert.ブトキシド(0.44gm、0.0039mol)、r-BINAP(0.13gm、0.00013mol)、およびPd2(dba)3(0.11gm、0.000013mol)を使用して、中間体19Kについて上述したとおりのプロセスを使用して調製し、中間体19S(0.35g)を得た。618.29[M+H]
【0270】
中間体19U:(S)-4-(4-シアノ-6-(3-ヒドロキシナフタレン-1-イル)-3-((1-メチルピロリジン-2-イル)メトキシ)-5,6,7,8-テトラヒドロ-2,6-ナフチリジン-1-イル)ピペラジン-1-カルボン酸tert-ブチル:中間体17(0.6g、0.00131mol)、3ヒドロキシ-1-ブロモナフタレン(0.43g、0.0019mol)、ナトリウムtert.ブトキシド(0.44g、0.0039mol)、r-BINAP(0.13g、0.00013mol)、およびPd2(dba)3(0.11gm、0.000013mol)を使用して、中間体19Kについて上述したとおりのプロセスを使用して調製し、中間体19Uを得た(0.38g)。599.33[M+H]
【0271】
中間体19V:(S)-4-(4-シアノ-3-((1-メチルピロリジン-2-イル)メトキシ)-6-(キナゾリン-4-イル)-5,6,7,8-テトラヒドロ-2,6-ナフチリジン-1-イル)ピペラジン-1-カルボン酸tert-ブチル:中間体17(0.6g、0.0013mol)、4-ブロモキナゾリン(0.41g、0.0019mol)、ナトリウムtert.ブトキシド(0.44gm、0.0039mol)、r-BINAP(0.13gm、0.00019mol)、およびPd2(dba)3(0.11gm、0.000013mol)を使用して、中間体19Kについて上述したとおりのプロセスを使用して調製し、灰白色固体として中間体19Vを得た(0.28gm)。585.33[M+H]
【0272】
中間体19W:(S)-4-(4-シアノ-3-((1-メチルピロリジン-2-イル)メトキシ)-6-(キノリン-4-イル)-5,6,7,8-テトラヒドロ-2,6-ナフチリジン-1-イル)ピペラジン-1-カルボン酸tert-ブチル:中間体17(0.6g、0.0013mol)、4-ブロモキノリン(0.4g、0.0019mol)、ナトリウムtert.ブトキシド(0.44gm、0.0039mol)、r-BINAP(0.13gm、0.00013mol)、およびPd2(dba)3(0.11gm、0.000013mol)を使用して、中間体19Kについて上述したとおりのプロセスを使用して調製し、灰白色固体として中間体19Wを得た(0.39g)。584.50[M+H]
【0273】
中間体19X:(S)-4-(4-シアノ-6-(イソキノリン-1-イル)-3-((1-メチルピロリジン-2-イル)メトキシ)-5,6,7,8-テトラヒドロ-2,6-ナフチリジン-1-イル)ピペラジン-1-カルボン酸tert-ブチル:中間体17(0.6g、0.0013mol)、1-ブロモイソキノリン(0.4g、0.0019mol)、ナトリウムtert.ブトキシド(0.44gm、0.0039mol)、r-BINAP(0.13gm、0.00013mol)、およびPd2(dba)3(0.11gm、0.000013mol)を使用して、中間体19Kについて上述したとおりのプロセスを使用して調製し、灰白色固体として中間体19Wを得た(0.39g)。584.30[M+H]
【0274】
中間体19Y:(S)-4-(4-シアノ-3-((1-メチルピロリジン-2-イル)メトキシ)-6-(ナフタレン-1-イル)-5,6,7,8-テトラヒドロ-2,6-ナフチリジン-1-イル)ピペラジン-1-カルボン酸tert-ブチル:中間体17(0.6g、0.0013mol)、1-ブロモナフタレン(0.4g、0.0019mol)、ナトリウムtert.ブトキシド(0.44gm、0.0039mol)、r-BINAP(0.13gm、0.00013mol)、およびPd2(dba)3(0.11gm、0.000013mol)を使用して、中間体19Kについて上述したとおりのプロセスを使用して調製し、灰白色固体として中間体19Yを得た(0.41gm)。583.20[M+H]
【0275】
中間体19Z:4-(4-シアノ-3-(((S)-1-メチルピロリジン-2-イル)メトキシ)-6-(ナフタレン-1-イル)-5,6,7,8-テトラヒドロ-2,6-ナフチリジン-1-イル)-2-(シアノメチル)ピペラジン-1-カルボン酸tert-ブチル:中間体18(0.6g、0.0012mol)、1-ブロモナフタレン(0.37g、0.00018mol)、ナトリウムtert.ブトキシド(0.4gm、0.0036mol)、r-BINAP(0.075g、0.00012mmol)、およびPd2(dba)3(0.11gm、0.000012mol)を使用して、中間体19Kについて上述したとおりのプロセスを使用して調製し、中間体19Zを得た(0.36gm)。622.35[M+H]
【0276】
中間体20:4-(4-シアノ-3-モルホリノ-6-(ナフタレン-1-イル)-5,6,7,8-テトラヒドロ-2,6-ナフチリジン-1-イル)ピペラジン-1-カルボン酸tert-ブチル:中間体11(0.5g、0.001mol)、1-ブロモナフタレン(0.36g、0.0017mol)、ナトリウムtert.ブトキシド(0.39g、0.0035mol)、r-BINAP(0.072g、0.0001mol)、およびPd2(dba)3(0.11gm、0.00001mol)を使用して、中間体19Kについて上述したとおりのプロセスを使用して調製し、中間体20を得た(約0.4gm)。555.28[M+H]
【0277】
中間体20A:4-(4-シアノ-6-(ナフタレン-1-イル)-5,6,7,8-テトラヒドロ-2,6-ナフチリジン-1-イル)ピペラジン-1-カルボン酸tert-ブチル:中間体18H(0.5g、0.0014mol)、1-ブロモナフタレン(0.45g、0.0021mol)、ナトリウムtert.ブトキシド(0.48gm、0.0043mol)、r-BINAP(0.09g、0.00014mol)、およびPd2(dba)3(0.13gm、0.000014mol)を使用して、中間体19Kについて上述したとおりのプロセスを使用して調製し、中間体20Aを得た(0.38gm)。470.25[M+H]
【0278】
脱保護の全般的手順(方法20)
一つ口RBF内において、DCM中の中間体19A~19Z、20および20A(上述したとおりの量)の所望の溶液に、0℃で1~2時間かけて、HCl中のトリフルオロ酢酸(TFA)またはジオキサンを添加した。反応完了を、メタノール:DCM(5%)およびアンモニアメタノール溶液1滴を使用してTLCにより確認した。溶媒を減圧留去させて、脱保護化合物の未精製固体を得て、これを精製または特徴決定を何もすることなく次のステップに使用した。
【表3】
【0279】
パートB-化合物の調製
実施例1:1-(4-アクリロイルピペラジン-1-イル)-3-(1,1-ジオキシドチオモルホリノ)-6-(ナフタレン-1-イル)-5,6,7,8-テトラヒドロ-2,6-ナフチリジン-4-カルボニトリル:100mLの一つ口RBF内において、DCM(5mL)中の方法20からの脱保護中間体(0.2gm、0.39mmol)に、DIEPA(0.21mL、1.17mmol)を0℃で添加し、10分間撹拌した。上記の溶液に、DCM(3ml)中の塩化アクリロイル(0.06mL、0.79mmol)を0℃でゆっくりと添加した。反応混合物を0℃で40分間撹拌した。反応完了を、MeOH:DCM(5%)を使用してTLCにより確認した。反応混合物を、NaHCO3の飽和溶液(10mL)でクエンチし、溶液全体を10分間撹拌し、次いで、有機層を単離した。水層をDCM(10mL×2)で再び抽出し、またひとつに合わせた有機層をブライン溶液(10mL)で洗浄し、Na2SO4で乾燥させ、減圧下で濃縮して、未精製残渣を得て、これを、移動相としてDCM中2~3%MeOH溶液を使用したカラムクロマトグラフィーにより精製した。純粋な画分を回収し、濃縮して、所望の生成物を得た(0.065gm,29.94%)。1H-NMR(δppm,CDCl3,400MHz):δ7.25(m,5H),6.59(dd,1H),6.34(dd,1H),5.75(dd,1H),4.39(s,2H),3.82(s,3H).3.74(m,7H),3.24(m,4H),3.08(t,2H),2.54(t,4H),2.35(d,3H),1.25(s,1H),1.19(s,1H).MS(m/z):557.2[M+H].HPLC 純度:95.88%。
【0280】
実施例2:1-(4-アクリロイルピペラジン-1-イル)-6-(8-クロロナフタレン-1-イル)-3-モルホリノ-5,6,7,8-テトラヒドロ-2,6-ナフチリジン-4-カルボニトリル:中間体19Aを使用して、実施例1について上述したとおりのプロセスを使用して調製し、0.06gmの1-(4-アクリロイルピペラジン-1-イル)-6-(8-クロロナフタレン-1-イル)-3-モルホリノ-5,6,7,8-テトラヒドロ-2,6-ナフチリジン-4-カルボニトリルを得た。1H-NMR(δppm,CDCl3,400MHz):δ7.36-7.33(m,4H),7.31-7.28(m,1H),6.62-6.55(m,1H),6.35-6.31(m,1H),5.76-5.73(m,1H),4.33-4.23(m,2H),3.79-3.77(bs,4H),3.70-3.66(bs,4H),3.36(bs,4H),3.12-3.08(m,1H),2.72-2.68(m,1H),2.61-2.59(bs,4H),2.51(bs,3H),2.34-2.30(m,1H),2.06-2.-01(m,1H),1.83-1.67(m,3H).MS(m/z):543.2[M+H]+.HPLC純度:96.69%。
【0281】
実施例3:1-(4-アクリロイルピペラジン-1-イル)-3-(2-モルホリノエトキシ)-6-(ナフタレン-1-イル)-5,6,7,8-テトラヒドロ-2,6-ナフチリジン-4-カルボニトリル:中間体19Dを使用して、実施例1について上述したとおりのプロセスを使用して調製し、0.17gmの1-(4-アクリロイルピペラジン-1-イル)-3-(2-モルホリノエトキシ)-6-(ナフタレン-1-イル)-5,6,7,8-テトラヒドロ-2,6-ナフチリジン-4-カルボニトリルを得た。1H-NMR(δppm,CDCl3,400MHz):δ7.36-7.33(m,4H),7.31-7.28(m,1H),6.62-6.55(m,1H),6.35-6.31(m,1H),5.76-5.73(m,1H),4.33-4.23(m,2H),3.79-3.77(bs,4H),3.70-3.66(bs,4H),3.36(bs,4H),3.12-3.08(m,1H),2.72-2.68(m,1H),2.61-2.59(bs,4H),2.51(bs,3H),2.34-2.30(m,1H),2.06-2.-01(m,1H),1.83-1.67(m,3H).MS(m/z):553.3[M+H]+.HPLC純度:96.11%。
【0282】
実施例4:1-(4-アクリロイルピペラジン-1-イル)-6-(8-クロロナフタレン-1-イル)-3-(2-オルホリノエトキシ)-5,6,7,8-テトラヒドロ-2,6-ナフチリジン-4-カルボニトリル:中間体19Eを使用して、実施例1について上述したとおりのプロセスを使用して調製し、0.1gmの1-(4-アクリロイルピペラジン-1-イル)-6-(8-クロロナフタレン-1-イル)-3-(2-モルホリノエトキシ)-5,6,7,8-テトラヒドロ-2,6-ナフチリジン-4-カルボニトリルを得た。1H-NMR(δppm,CDCl3,400MHz):δ7.36-7.33(m,4H),7.31-7.28(m,1H),6.62-6.55(m,1H),6.35-6.31(m,1H),5.76-5.73(m,1H),4.33-4.23(m,2H),3.79-3.77(bs,4H),3.70-3.66(bs,4H),3.36(bs,4H),3.12-3.08(m,1H),2.72-2.68(m,1H),2.61-2.59(bs,4H),2.51(bs,3H),2.34-2.30(m,1H),2.06-2.-01(m,1H),1.83-1.67(m,3H).MS(m/z):587.3[M+H]+.HPLC 純度:96.11%。
【0283】
実施例5:3-(4-アクリロイルピペラジン-1-イル)-1-(2,6-ジメチルモルホリノ)-6-(ナフタレン-1-イル)-5,6,7,8-テトラヒドロ-2,6-ナフチリジン-4-カルボニトリル:中間体19Hを使用して、実施例1について上述したプロセスを使用して調製し、0.12gmの3-(4-アクリロイルピペラジン-1-イル)-1-(2,6-ジメチルモルホリノ)-6-(ナフタレン-1-イル)-5,6,7,8-テトラヒドロ-2,6-ナフチリジン-4-カルボニトリルを得た。1H-NMR(δppm,CDCl3,400MHz):δ7.36-7.33(m,4H),7.31-7.28(m,1H),6.62-6.55(m,1H),6.35-6.31(m,1H),5.76-5.73(m,1H),4.33-4.23(m,2H),3.79-3.77(bs,4H),3.70-3.66(bs,4H),3.36(bs,4H),3.12-3.08(m,1H),2.72-2.68(m,1H),2.61-2.59(bs,4H),2.51(bs,3H),2.34-2.30(m,1H),2.06-2.-01(m,1H),1.83-1.67(m,3H).MS(m/z):537.3[M+H]+.HPLC純度:98.23%。
【0284】
実施例6:3-(4-アクリロイルピペラジン-1-イル)-6-(8-クロロナフタレン-1-イル)-1-(2,6-ジメチルモルホリノ)-5,6,7,8-テトラヒドロ-2,6-ナフチリジン-4-カルボニトリル:実施例1に関して上述したとおりのプロセスを使用して調製し、0.1gmの3-(4-アクリロイルピペラジン-1-イル)-6-(8-クロロナフタレン-1-イル)-1-(2,6-ジメチルモルホリノ)-5,6,7,8-テトラヒドロ-2,6-ナフチリジン-4-カルボニトリルを得た。1H-NMR(δppm,CDCl3,400MHz):δ7.36-7.33(m,4H),7.31-7.28(m,1H),6.62-6.55(m,1H),6.35-6.31(m,1H),5.76-5.73(m,1H),4.33-4.23(m,2H),3.79-3.77(bs,4H),3.70-3.66(bs,4H),3.36(bs,4H),3.12-3.08(m,1H),2.72-2.68(m,1H),2.61-2.59(bs,4H),2.51(bs,3H),2.34-2.30(m,1H),2.06-2.-01(m,1H),1.83-1.67(m,3H).MS(m/z):571.3[M+H]+.HPLC純度:98.08%。
【0285】
実施例7:3-(4-アクリロイル-3-(シアノメチル)ピペラジン-1-イル)-1-(2,6-ジメチルモルホリノ)-6-(ナフタレン-1-イル)-5,6,7,8-テトラヒドロ-2,6-ナフチリジン-4-カルボニトリル、中間体19Fを使用して、実施例1について上述したとおりのプロセスを使用して調製し、所望の生成物(0.04 gm,17.03%).を得た。1H-NMR(δppm,CDCl3,400MHz):δ7.25(m,5H),6.59(dd,1H),6.34(dd,1H),5.75(dd,1H),4.39(s,2H),3.82(s,3H).3.74(m,7H),3.24(m,4H),3.08(t,2H),2.54(t,4H),2.35(d,3H),1.25(s,1H),1.19(s,1H).MS(m/z):576.2[M+H].HPLC純度:95.4%。
【0286】
実施例8:(S)-1-(4-アクリロイルピペラジン-1-イル)-6-(8-クロロナフタレン-1-イル)-3-((1-メチルピロリジン-2-イル)メトキシ)-5,6,7,8-テトラヒドロ-2,6-ナフチリジン-4-カルボニトリル:実施例1について上述したとおりのプロセスを使用して調製し、灰白色固体として(S)-1-(4-アクリロイルピペラジン-1-イル)-6-(8-クロロナフタレン-1-イル)-3-((1-メチルピロリジン-2-イル)メトキシ)-5,6,7,8-テトラヒドロ-2,6-ナフチリジン-4-カルボニトリル(0.05gm、12%)を得た。1H-NMR(400MHz)(CDCl3):7.77(d,J=6.8Hz,1H),7.67-7.65(m,1H),7.54-7.52(m,1H),7.36-7.35(m,1H),7.34-7.28(m,1H),6.64-6.58(m,1H),6.37-6.32(m,1H),5.85-5.71(m,1H),4.94-4.92(m,1H),4.59-4.51(m,2H),3.94-3.80(m,2H),3.81-3.65(m,2H),3.64-3.61(m,2H),3.60-3.54(m,2H),3.34-3.28(m,2H),3.16-3.10(m,2H),2.92(s,3H),2.62-2.59(m,2H),2.28-2.24(m,2H),2.06-2.01(m,2H),1.41-1.37(m,2H).MS(m/z):571.2(M+1).HPLC純度:94.39%。
【0287】
実施例9:(S)-1-(4-アクリロイルピペラジン-1-イル)-6-(3-ヒドロキシナフタレン-1-イル)-3-((1-メチルピロリジン-2-イル)メトキシ)-5,6,7,8-テトラヒドロ-2,6-ナフチリジン-4-カルボニトリル:実施例1について上述したとおりのプロセスを使用して調製し、白色固体として所望の生成物である(S)-1-(4-アクリロイルピペラジン-1-イル)-6-(3-ヒドロキシナフタレン-1-イル)-3-((1-メチルピロリジン-2-イル)メトキシ)-5,6,7,8-テトラヒドロ-2,6-ナフチリジン-4-カルボニトリル(0.035gm)を得た。1H-NMR(400MHz)(CDCl3):7.98(d,J=6.4Hz,1H),7.65(d,J=6.8Hz,1H),7.42-7.40(m,1H),7.32-7.29(m,1H),6.90(s,1H),6.74(s,1H),6.59-6.53(m,1H),6.35-6.32(d,J=14Hz,1H),5.75(d,J=8.4Hz,1H),4.48-4.44(m,1H),4.33.4.30(m,2H),4.21-4.18(m,1H),3.78-3.61(m,4H),3.36-3.33(m,5H),3.18-3.15(m,1H),2.83-2.79(m,2H),2.62(s,3H),2.10-2.06(m,2H),1.82-1.81(m,1H),1.78-1.74(m,2H),1.44-1.41(m,2H).MS(m/z):553.5(M+1).HPLC純度:94.12%。
【0288】
実施例10:(S)-1-(4-(2-フルオロアクリロイル)ピペラジン-1-イル)-3-((1-メチルピロリジン-2-イル)メトキシ)-6-(キナゾリン-4-イル)-5,6,7,8-テトラヒドロ-2,6-ナフチリジン-4-カルボニトリル:100mLの二つ口RBFの、0℃での酢酸エチル(1.8mL)中の(S)-3-((1-メチルピロリジン-2-イル)メトキシ)-1-(ピペラジン-1-イル)-6-(キナゾリン-4-イル)-5,6,7,8-テトラヒドロ-2,6-ナフチリジン-4-カルボニトリル塩酸塩(0.3gm、0.00062mol)の懸濁液に、トリエチルアミン(0.7mL、0.00496mol)、2-フルオロプロパ-2-エン酸(0.11gm、0.00124mol)およびT3P(1.2mL、0.00186mol、酢酸エチル中50重量%)を添加した。混合物を30分かけて15℃に昇温させ、反応混合物を飽和炭酸ナトリウム水溶液(10mL)で希釈した。水相を酢酸エチル(15mL×2)で抽出し、ひとつに合わせた有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、ろ過し、濃縮して、未精製残渣を得た。残渣を、分取HPLCにより、カラムを Waters社Xbridge C18 150×50mm×10μmとし、移動相を A[水(10mMのNHHCO)]、B(ACN)、Bの%:42%~72%、11.5分)として精製して、(S)-1-(4-(2-フルオロアクリロイル)ピペラジン-1-イル)-3-((1-メチルピロリジン-2-イル)メトキシ)-6-(キナゾリン-4-イル)-5,6,7,8-テトラヒドロ-2,6-ナフチリジン-4-カルボニトリルを得た(0.065gm,18.83%).MS(m/z):557.2(M+1).。
【0289】
実施例11:(S)-6-(8-クロロナフタレン-1-イル)-3-((1-メチルピロリジン-2-イル)メトキシ)-1-(4-(ビニルスルホニル)ピペラジン-1-イル)-5,6,7,8-テトラヒドロ-2,6-ナフチリジン-4-カルボニトリル:100mLの二つ口RBF内において、DCM(4mL)中の(S)-6-(8-クロロナフタレン-1-イル)-3-((1-メチルピロリジン-2-イル)メトキシ)-1-(ピペラジン-1-イル)-5,6,7,8-テトラヒドロ-2,6-ナフチリジン-4-カルボニトリル塩酸塩(0.32gm、0.00062mol)の懸濁液に、0℃でTEA(0.26mL、0.00186mol)を添加した。5分後、DCM(8.8mL)中の2-クロロエタンスルホニルクロリド(0.1mL、0.00124mol)の溶液を滴加し、室温で12時間撹拌した。反応完了を、移動相としてメタノール:DCM(5%)およびアンモニアメタノール溶液1滴を使用して、TLCにより確認した。反応混合物を減圧下で濃縮して未精製の物質を得、これを、移動相としてDCM中5~8%MeOHを使用したカラムクロマトグラフィー(100~200メッシュのシリカゲル)により精製して、白色固体として(S)-6-(8-クロロナフタレン-1-イル)-3-((1-メチルピロリジン-2-イル)メトキシ)-1-(4-(ビニルスルホニル)ピペラジン-1-イル)-5,6,7,8-テトラヒドロ-2,6-ナフチリジン-4-カルボニトリル(0.04gm、10.6%)を得た。1H-NMR(400MHz)(CDCl3):7.79-7.76(m,1H),7.67-7.64(m,1H),7.57-7.44(m,2H),7.38-7.33(m,1H),7.28-7.26(m,1H),6.49-6.47(m,1H),6.33-6.29(m,1H),6.15-6.11(m,1H),5.21(bs,1H),4.58-4.54(m,2H),3.96-3.90(m,2H),3.67-3.55(m,4H),3.47-3.42(m,2H),3.39-3.34(m,2H),3.30-3.26(m,2H),3.16-2.86(m,6H),2.59-2.50(m,1H),2.36-2.32(m,2H),2.13-2.07(m,2H).MS(m/z):607.4(M+1).HPLC純度:92.22%。
【0290】
実施例12:6-(8-クロロナフタレン-1-イル)-1-(4-(2-フルオロアクリロイル)-3-メチルピペラジン-1-イル)-3-(((S)-1-メチルピロリジン-2-イル)メトキシ)-5,6,7,8-テトラヒドロ-2,6-ナフチリジン-4-カルボニトリル:実施例10について上述したとおりのプロセスを使用して調製し、粗生成物を得、これを分取HPLCによって、カラムを Sunfire C18 150×50mm×10μmとし、移動相を A[水(10mMのNHHCO)]、B(ACN)、Bの%:42%~72%)としてさらに精製して、6-(8-クロロナフタレン-1-イル)-1-((R)-4-(2-フルオロアクリロイル)-3-メチルピペラジン-1-イル)-3-(((S)-1-メチルピロリジン-2-イル)メトキシ)-5,6,7,8-テトラヒドロ-2,6-ナフチリジン-4-カルボニトリルを得た(0.16gm,22.4%).。1H-NMR(400MHz)(CDCl3):7.79-7.76(m,1H),7.67-7.64(m,1H),7.55-7.52(m,1H),7.50-7.42(m,1H),7.37-7.33(m,1H),7.28-7.21(m,1H),5.35-5.14(m,2H),4.80-4.69(m,2H),4.62-4.51(m,3H),3.99-3.89(m,2H),3.75-3.55(m,4H),3.51-3.40(m,2H),3.34-2.53(m,8H),2.29-1.99(m,4H),1.50-1.19(m,3H).MS(m/z):603.2(M+1).HPLC 純度:96.3%(ジアステレオマー画分を含むと考えられる)。
【0291】
実施例13:1-(4-アクリロイル-3-(シアノメチル)ピペラジン-1-イル)-3-(2,6-ジメチルモルホリノ)-6-(ナフタレン-1-イル)-5,6,7,8-テトラヒドロ-2,6-ナフチリジン-4-カルボニトリル:中間体19Cを使用して、実施例1について上述したとおりのプロセスを使用して調製し、0.85gmの1-(4-アクリロイル-3-(シアノメチル)ピペラジン-1-イル)-3-(2,6-ジメチルモルホリノ)-6-(ナフタレン-1-イル)-5,6,7,8-テトラヒドロ-2,6-ナフチリジン-4-カルボニトリルを得た。ラセミ混合物(0.8gm)を、キラルセル(CHIRALCEL)-ODH(4.6×250mm)5μm、および移動相としてアセトニトリル(100%)を使用したキラル分離によって単離して、それぞれ、実施例14および実施例15.として0.33gmおよび0.36gmの異性体1および異性体2を得た 1H-NMR(δppm,CDCl3,400MHz):δ7.36-7.33(m,4H),7.31-7.28(m,1H),6.62-6.55(m,1H),6.35-6.31(m,1H),5.76-5.73(m,1H),4.33-4.23(m,2H),3.79-3.77(bs,4H),3.70-3.66(bs,4H),3.36(bs,4H),3.12-3.08(m,1H),2.72-2.68(m,1H),2.61-2.59(bs,4H),2.51(bs,3H),2.34-2.30(m,1H),2.06-2.-01(m,1H),1.83-1.67(m,3H).MS(m/z):576.2[M+H]+.HPLC 純度:96.72%。
【0292】
実施例14:1-((S)-4-アクリロイル-3-(シアノメチル)ピペラジン-1-イル)-3-(2,6-ジメチルモルホリノ)-6-(ナフタレン-1-イル)-5,6,7,8-テトラヒドロ-2,6-ナフチリジン-4-カルボニトリル:1H-NMR(δppm,CDCl3,400MHz):δ7.36-7.33(m,4H),7.31-7.28(m,1H),6.62-6.55(m,1H),6.35-6.31(m,1H),5.76-5.73(m,1H),4.33-4.23(m,2H),3.79-3.77(bs,4H),3.70-3.66(bs,4H),3.36(bs,4H),3.12-3.08(m,1H),2.72-2.68(m,1H),2.61-2.59(bs,4H),2.51(bs,3H),2.34-2.30(m,1H),2.06-2.-01(m,1H),1.83-1.67(m,3H).MS(m/z):576.2[M+H]+.HPLC 純度:97.62%。
【0293】
実施例15:1-((R)-4-アクリロイル-3-(シアノメチル)ピペラジン-1-イル)-3-(2,6-ジメチルモルホリノ)-6-(ナフタレン-1-イル)-5,6,7,8-テトラヒドロ-2,6-ナフチリジン-4-カルボニトリル:1H-NMR(δppm,CDCl3,400MHz):δ7.36-7.33(m,4H),7.31-7.28(m,1H),6.62-6.55(m,1H),6.35-6.31(m,1H),5.76-5.73(m,1H),4.33-4.23(m,2H),3.79-3.77(bs,4H),3.70-3.66(bs,4H),3.36(bs,4H),3.12-3.08(m,1H),2.72-2.68(m,1H),2.61-2.59(bs,4H),2.51(bs,3H),2.34-2.30(m,1H),2.06-2.-01(m,1H),1.83-1.67(m,3H).MS(m/z):576.2[M+H]+.HPLC 純度:97.31%。
【0294】
実施例16:1-(4-アクリロイル-3-(シアノメチル)ピペラジン-1-イル)-3-(((S)-1-メチルピロリジン-2-イル)メトキシ)-6-(ナフタレン-1-イル)-5,6,7,8-テトラヒドロ-2,6-ナフチリジン-4-カルボニトリル:実施例1について上述したとおりのプロセスを使用して調製して得た。純粋な画分を回収し、濃縮して、所望の生成物を得た(0.61 gm,34.51%).。1H-NMR(400MHz)(CDCl3):8.20-8.17(m,1H),7.88-7.86(m,1H),7.64(d,J=8.4Hz,1H),7.53-7.51(m,2H),7.50-7.44(m,1H),7.18(d,J=7.2Hz,1H),6.64-6.59(m,1H),6.42-6.35(m,1H),5.84-5.77(m,1H),4.94-4.91(m,2H),4.49-4.41(m,4H),4.03-3.95(m,2H),3.86-3.83(m,1H),3.58-3.31(m,7H),3.02-2.98(m,5H),2.25-2.23(m,2H),2.03-1.98(m,3H),1.41-1.29(m,1H).MS(m/z):576.25(M+1).HPLC 純度:95.04%。
【0295】
実施例17:1-((S)-4-アクリロイル-3-(シアノメチル)ピペラジン-1-イル)-3-(((S)-1-メチルピロリジン-2-イル)メトキシ)-6-(ナフタレン-1-イル)-5,6,7,8-テトラヒドロ-2,6-ナフチリジン-4-カルボニトリル:1-((S)-4-アクリロイル-3-(シアノメチル)ピペラジン-1-イル)-3-(((S)-1-メチルピロリジン-2-イル)メトキシ)-6-(ナフタレン-1-イル)-5,6,7,8-テトラヒドロ-2,6-ナフチリジン-4-カルボニトリル(0.13gm)を、キラルセル(CHIRALCEL)-ODH(4.6×250mm)5μmおよび移動相としてアセトニトリル(100%)を使用したキラル分離によって、ラセミ混合物の1-(4-アクリロイル-3-(シアノメチル)ピペラジン-1-イル)-3-(((S)-1-メチルピロリジン-2-イル)メトキシ)-6-(ナフタレン-1-イル)-5,6,7,8-テトラヒドロ-2,6-ナフチリジン-4-カルボニトリルから単離した(0.57gm).1H-NMR(δppm,CDCl3,400MHz):δ8.19-8.17(m,1H),7.88-7.86(m,1H),7.64(d,J=6Hz,1H),7.52-7.51(m,2H),7.46-7.43(m,1H),7.18(d,J=6Hz,1H),6.61(bs,1H),6.40(d,J=12.4Hz,1H),5.83(d,J=8.4Hz,1H),5.09(bs,1H),4.86(bs,2H),4.51-4.43(m,4H),4.01-3.84(m,4H),3.59-3.35(m,4H),3.23-3.11(m,2H),3.01-2.96(m,2H),2.84(s,3H),2.27-2.16(m,2H),2.03-1.99(m,2H),1.41-1.36(m,1H).MS(m/z):576.5[M+H]+.HPLC純度:96.8%。
【0296】
実施例18:1-((R)-4-アクリロイル-3-(シアノメチル)ピペラジン-1-イル)-3-(((S)-1-メチルピロリジン-2-イル)メトキシ)-6-(ナフタレン-1-イル)-5,6,7,8-テトラヒドロ-2,6-ナフチリジン-4-カルボニトリル:1-((R)-4-アクリロイル-3-(シアノメチル)ピペラジン-1-イル)-3-(((S)-1-メチルピロリジン-2-イル)メトキシ)-6-(ナフタレン-1-イル)-5,6,7,8-テトラヒドロ-2,6-ナフチリジン-4-カルボニトリル(0.125gm)を、キラルセル(CHIRALCEL)-ODH(4.6×250mm)5μmおよび移動相としてアセトニトリル(100%)を使用したキラル分離によって、ラセミ混合物の1-(4-アクリロイル-3-(シアノメチル)ピペラジン-1-イル)-3-(((S)-1-メチルピロリジン-2-イル)メトキシ)-6-(ナフタレン-1-イル)-5,6,7,8-テトラヒドロ-2,6-ナフチリジン-4-カルボニトリルから単離した(0.57gm).1H-NMR(δppm,CDCl3,400MHz):δ8.19-8.17(m,1H),7.88-7.86(m,1H),7.64(d,J=6Hz,1H),7.52-7.50(m,2H),7.44-7.43(m,1H),7.18(d,J=6Hz,1H),6.60(bs,1H),6.40(d,J=13.2Hz,1H),5.83(d,J=8.4Hz,1H),5.11-5.05(m,1H),4.84-4.80(m,1H),4.53-4.39(m,4H),3.98-3.95(m,1H),3.84-3.82(m,1H),3.63(bs,2H),3.36-3.33(m,4H),3.11-3.10(m,2H),3.02-2.95(m,2H),2.86(s,3H),2.78-2.75(m,1H),2.26-2.14(m,2H),2.02-1.98(m,2H),1.37-1.32(m,1H).MS(m/z):576.5[M+H]+.HPLC純度:93.99%。
【0297】
実施例19:1-(4-アクリロイル-3-(シアノメチル)ピペラジン-1-イル)-6-(3-ヒドロキシナフタレン-1-イル)-3-(((S)-1-メチルピロリジン-2-イル)メトキシ)-5,6,7,8-テトラヒドロ-2,6-ナフチリジン-4-カルボニトリル:中間体19Jを使用して、実施例1について上述したとおりのプロセスを使用して調製し、1-(4-アクリロイル-3-(シアノメチル)ピペラジン-1-イル)-6-(3-ヒドロキシナフタレン-1-イル)-3-(((S)-1-メチルピロリジン-2-イル)メトキシ)-5,6,7,8-テトラヒドロ-2,6-ナフチリジン-4-カルボニトリルを得て、これを分取HPLCにより、カラムを Sunfire C18 150×50mm×10μmとし、移動相を A[水(10mMのNH4HCO3)]、B(ACN)、Bの%:42%~72%)としてさらに精製して、白色固体として1-(4-アクリロイル-3-(シアノメチル)ピペラジン-1-イル)-6-(3-ヒドロキシナフタレン-1-イル)-3-(((S)-1-メチルピロリジン-2-イル)メトキシ)-5,6,7,8-テトラヒドロ-2,6-ナフチリジン-4-カルボニトリル(0.05gm)を得た。1H-NMR(400MHz)(CDCl3):8.00-7.96(m,1H),7.64(m,J=6Hz,1H),7.42-7.39(m,1H),7.32-7.29(m,1H),6.90(s,1H),6.70(s,1H),6.55(bs,1H),6.37(d,J=13.2Hz,1H),5.81(d,J=8.4Hz,1H),5.01-4.92(m,1H),4.59-4.58(m,1H),4.34-4.26(m,3H),3.85-3.82(m,1H),3.76-3.64(m,2H),3.44-3.24(m,4H),2.95-2.79(m,5H),2.71(s,3H),2.49(bs,2H),2.10-1.99(m,3H),1.88-1.82(m,2H),1.62-1.60(m,1H).MS(m/z):592.5(M+1).HPLC 純度:98.62%。
【0298】
実施例20:1-(3-(シアノメチル)-4-(2-フルオロアクリロイル)ピペラジン-1-イル)-3-(((S)-1-メチルピロリジン-2-イル)メトキシ)-6-(ナフタレン-1-イル)-5,6,7,8-テトラヒドロ-2,6-ナフチリジン-4-カルボニトリル.:実施例1について上述したとおりのプロセスを使用して調製し、未精製残渣を得た。残渣を、分取HPLCにより、カラムを Sunfire C18 150×50mm×10μmとし、移動相を A[水(10mMのNHHCO)]、B(ACN)、Bの%:42%~72%)として精製して、1-(3-(シアノメチル)-4-(2-フルオロアクリロイル)ピペラジン-1-イル)-3-(((S)-1-メチルピロリジン-2-イル)メトキシ)-6-(ナフタレン-1-イル)-5,6,7,8-テトラヒドロ-2,6-ナフチリジン-4-カルボニトリルを得た(0.09 gm,26.6%).1H-NMR(400MHz)(CDCl3):8.19-8.17(m,1H),7.88-7.85(m,1H),7.64(d,J=8.0Hz,1H),7.54-7.49(m,2H),7.46-7.42(m,1H),7.18(d,J=7.6Hz,1H),5.48-5.36(m,1H),5.28-5.23(m,1H),4.92(bs,2H),4.50-4.43(m,3H),4.09-3.95(m,2H),3.84-3.81(m,1H),3.56-3.31(m,6H),3.09-2.71(m,8H),2.31-2.15(m,2H),2.06-1.97(m,2H),1.43-1.41(m,1H).MS(m/z):594.4(M+1).HPLC 純度:95.35%。
【0299】
実施例21:(S)-1-(4-アクリロイルピペラジン-1-イル)-6-(イソキノリン-4-イル)-3-((1-メチルピロリジン-2-イル)メトキシ)-5,6,7,8-テトラヒドロ-2,6-ナフチリジン-4-カルボニトリル.:実施例1について上述したとおりのプロセスを使用して調製し、未精製残渣を得た。残渣を、分取HPLCにより、カラムを Sunfire C18 150×50mm×10μmとし、移動相を A[水(10mMのNHHCO)]、B(ACN)、Bの%:42%~72%)として精製して、(S)-1-(4-アクリロイルピペラジン-1-イル)-6-(イソキノリン-4-イル)-3-((1-メチルピロリジン-2-イル)メトキシ)-5,6,7,8-テトラヒドロ-2,6-ナフチリジン-4-カルボニトリルを得た(0.04 gm,12%).1H-NMR(400MHz)(CDCl3):9.05(s,1H),8.28(m,1H),8.13(d,J=6.4Hz,1H),8.01(d,J=6.4Hz,1H),7.76-7.73(m,1H),7.66-7.63(m,1H),6.64-6.58(m,1H),6.35(d,J=14.0Hz,1H),5.77(d,J=8.8Hz,1H),4.47-4.33(m,4H),3.84-3.73(m,4H),3.49-3.44(m,6H),3.19(bs,1H),2.87-2.80(m,3H),2.58(s,3H),2.39-2.31(m,1H),2.09-2.04(m,2H),2.03-1.92(m,2H).MS(m/z):538.5(M+1).HPLC 純度:97.64%。
【0300】
実施例22:(S)-1-(4-アクリロイルピペラジン-1-イル)-3-((1-メチルピロリジン-2-イル)メトキシ)-6-(キノリン-8-イル)-5,6,7,8-テトラヒドロ-2,6-ナフチリジン-4-カルボニトリル:実施例1について上述したとおりのプロセスを使用して調製し、未精製残渣を得た。残渣を、分取HPLCにより、カラムを Sunfire C18 150×50mm×10μmとし、移動相を A[水(10mMのNHHCO)]、B(ACN)、Bの%:42%~72%)として精製して、(S)-1-(4-アクリロイルピペラジン-1-イル)-6-(イソキノリン-4-イル)-3-((1-メチルピロリジン-2-イル)メトキシ)-5,6,7,8-テトラヒドロ-2,6-ナフチリジン-4-カルボニトリルを得た(0.04 gm,12%).1H-NMR(400MHz)(CDCl3):9.05(s,1H),8.28(m,1H),8.13(d,J=6.4Hz,1H),8.01(d,J=6.4Hz,1H),7.76-7.73(m,1H),7.66-7.63(m,1H),6.64-6.58(m,1H),6.35(d,J=14.0Hz,1H),5.77(d,J=8.8Hz,1H),4.47-4.33(m,4H),3.84-3.73(m,4H),3.49-3.44(m,6H),3.19(bs,1H),2.87-2.80(m,3H),2.58(s,3H),2.39-2.31(m,1H),2.09-2.04(m,2H),2.03-1.92(m,2H).MS(m/z):538.5(M+1).HPLC純度:97.64%。
【0301】
実施例23:1-(4-アクリロイル-3-(シアノメチル)ピペラジン-1-イル)-6-(8-クロロナフタレン-1-イル)-3-(((S)-1-メチルピロリジン-2-イル)メトキシ)-5,6,7,8-テトラヒドロ-2,6-ナフチリジン-4-カルボニトリル:DCM(80ml)中の中間体9(8gm、0.014mol)に、0℃でDIPEA(5.1ml、0.028mol)を添加した。5分後、塩化アクリロイル(1.7mL、0.021モル)のDCM(15mL)溶液を滴加し、0℃で30分間撹拌した。反応完了を、移動相としてメタノール:DCM(5%)を使用してTLCにより確認した。反応混合物にNaHCOの飽和溶液(20mL)を添加し、さらに15分間撹拌し、次いでDCM(20ml×3)で抽出した。有機層をNaHCO(10mL)で洗浄し、Na2SO4で乾燥させ、減圧留去させて得て、分取HPLCにより、カラムを TriArt C18*250*20*mm*5umとし、移動相をH2O中0.1%NH3、B:ACN(25:75)として精製し、1-(4-アクリロイル-3-(シアノメチル)ピペラジン-1-イル)-6-(8-クロロナフタレン-1-イル)-3-(((S)-1-メチルピロリジン-2-イル)メトキシ)-5,6,7,8-テトラヒドロ-2,6-ナフチリジン-4-カルボニトリルを得た(1.2g).1H-NMR(400MHz)(CDCl3):7.77-7.75(m,1H),7.66-7.62(m,1H),7.53-7.51(m,1H),7.46-7.41(m,1H),7.36-7.32(m,1H),7.28-7.19(m,1H),6.59(bs,1H),6.37(m,1H),5.82(m,1H),4.65-4.54(m,1H),4.32-4.12(m,2H),3.90-3.82(m,4H),3.62-3.52(m,2H),3.45-3.47(m,1H),2.70-2.62(m,4H),2.52-2.42(m,5H),2.34(s,3H),1.87-1.85(m,1H),1.82-1.78(m,1H),1.76-1.72(m,6H).MS(m/z):610.4(M+1).HPLC 純度:97.16%。
【0302】
ラセミ混合物の1-(4-アクリロイル-3-(シアノメチル)ピペラジン-1-イル)-6-(8-クロロナフタレン-1-イル)-3-(((S)-1-メチルピロリジン-2-イル)メトキシ)-5,6,7,8-テトラヒドロ-2,6-ナフチリジン-4-カルボニトリル(1.2gm)を、キラルセル(CHIRALCEL)-ODH(4.6×250mm)5μmと移動相としてアセトニトリル(100%):0.1%DEAとを使用したキラル分離にかけ、1-((R)-4-アクリロイル-3-(シアノメチル)ピペラジン-1-イル)-6-(8-クロロナフタレン-1-イル)-3-(((S)-1-メチルピロリジン-2-イル)メトキシ)-5,6,7,8-テトラヒドロ-2,6-ナフチリジン-4-カルボニトリル(異性体1)(0.51gm)および1-((S)-4-アクリロイル-3-(シアノメチル)ピペラジン-1-イル)-6-(8-クロロナフタレン-1-イル)-3-(((S)-1-メチルピロリジン-2-イル)メトキシ)-5,6,7,8-テトラヒドロ-2,6-ナフチリジン-4-カルボニトリル(異性体2)(0.49gm)を得た。
【0303】
実施例24:1-((R)-4-アクリロイル-3-(シアノメチル)ピペラジン-1-イル)-6-(8-クロロナフタレン-1-イル)-3-(((S)-1-メチルピロリジン-2-イル)メトキシ)-5,6,7,8-テトラヒドロ-2,6-ナフチリジン-4-カルボニトリル(異性体1):1H-NMR(δppm,CDCl3,400MHz):δ7.78-7.75(m,1H),7.67-7.63(m,1H),7.53(d,J=7.6Hz,1H),7.52-7.51(m,2H),7.49-7.41(m,1H),7.37-7.33(m,1H),7.29-7.26(m,1H),6.63-6.56(m,1H),6.39(d,J=16.8Hz,1H),5.83(d,J=11.2Hz,1H),5.12-5.10(m,1H),4.64-4.56(m,1H),4.38-4.29(m,2H),4.01-3.83(m,3H),3.68-3.59(m,2H),3.41-3.38(m,1H),3.22-3.05(m,4H),2.94-2.84(m,1H),2.75-2.62(m,3H),2.54(s,3H),2.35-2.33(m,1H),2.09-2.02(m,1H),1.88-1.73(m,1H).MS(m/z):610.4[M+H]+.HPLC純度:97.6%。キラル純度:99.01%。
【0304】
実施例25:1-((S)-4-アクリロイル-3-(シアノメチル)ピペラジン-1-イル)-6-(8-クロロナフタレン-1-イル)-3-(((S)-1-メチルピロリジン-2-イル)メトキシ)-5,6,7,8-テトラヒドロ-2,6-ナフチリジン-4-カルボニトリル(異性体2)(Cpd A):1H-NMR(δppm,CDCl3,400MHz):δ7.78-7.76(m,1H),7.67-7.63(m,1H),7.53(d,J=7.6Hz,1H),7.49-7.42(m,1H),7.37-7.33(m,1H),7.29-7.26(m,1H),6.59-6.56(m,1H),6.39(d,J=16.8Hz,1H),5.83(d,J=10.4Hz,1H),5.12(bs,1H),4.64-4.56(m,1H),4.42-4.29(m,2H),4.01-3.83(m,3H),3.69-3.59(m,1H),3.42-3.38(m,1H),3.23-3.04(m,4H),2.91-2.77(m,2H),2.71-2.67(m,1H),2.55(s,3H),2.40-2.33(m,1H),2.10-2.03(m,2H),2.01-1.73(m,5H).MS(m/z):610.4[M+H]+.HPLC 純度:98.9%。キラル純度:99.6%
【0305】
実施例26:6-(8-クロロナフタレン-1-イル)-1-(3-(シアノメチル)-4-(2-フルオロアクリロイル)ピペラジン-1-イル)-3-(((S)-1-メチルピロリジン-2-イル)メトキシ)-5,6,7,8-テトラヒドロ-2,6-ナフチリジン-4-カルボニトリル:0℃での酢酸エチル(10.8mL)中の6-(8-クロロナフタレン-1-イル)-1-(3-(シアノメチル)ピペラジン-1-イル)-3-(((S)-1-メチルピロリジン-2-イル)メトキシ)-5,6,7,8-テトラヒドロ-2,6-ナフチリジン-4-カルボニトリル塩酸塩(1.8gm、0.00324mol)の懸濁液に、トリエチルアミン(3.6mL、0.02592mol)、2-フルオロプロパ-2-エン酸(0.58gm、0.00647mol)およびT3P(6.2mL、0.00972mol、酢酸エチル中50重量%)を添加した。混合物を30分かけて15℃に昇温させ、反応混合物を飽和炭酸ナトリウム水溶液(40mL)で希釈した。水相を酢酸エチル(100mL×2)で抽出し、ひとつに合わせた有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、ろ過し、濃縮して、未精製残渣を得た。残渣を、分取HPLCにより、カラムをSunfire C18 150×50mm×10μmとし、移動相をA:水(10mMのNH4HCO3)、B:ACN、Bの%:25%~55%として精製し、6-(8-クロロナフタレン-1-イル)-1-(3-(シアノメチル)-4-(2-フルオロアクリロイル)ピペラジン-1-イル)-3-(((S)-1-メチルピロリジン-2-イル)メトキシ)-5,6,7,8-テトラヒドロ-2,6-ナフチリジン-4-カルボニトリル(0.42gm、20.64%)を得た。
【0306】
実施例27:6-(8-クロロナフタレン-1-イル)-1-((S)-3-(シアノメチル)-4-(2-フルオロアクリロイル)ピペラジン-1-イル)-3-(((S)-1-メチルピロリジン-2-イル)メトキシ)-5,6,7,8-テトラヒドロ-2,6-ナフチリジン-4-カルボニトリル:6-(8-クロロナフタレン-1-イル)-1-((S)-3-(シアノメチル)-4-(2-フルオロアクリロイル)ピペラジン-1-イル)-3-(((S)-1-メチルピロリジン-2-イル)メトキシ)-5,6,7,8-テトラヒドロ-2,6-ナフチリジン-4-カルボニトリル(0.075gm、キラル純度:99%)を、キラルセル(CHIRALCEL)-ODH(4.6×250mm)5μmおよび移動相アセトニトリル(100%)を使用したキラル分離により、ラセミ混合物である6-(8-クロロナフタレン-1-イル)-1-(3-(シアノメチル)-4-(2-フルオロアクリロイル)ピペラジン-1-イル)-3-(((S)-1-メチルピロリジン-2-イル)メトキシ)-5,6,7,8-テトラヒドロ-2,6-ナフチリジン-4-カルボニトリルから単離した(0.42gm).1H-NMR(δppm,CDCl3,400MHz):δ7.79-7.76(m,1H),7.67-7.63(m,1H),7.53(d,J=7.2Hz,1H),7.49.7.42(m,1H),7.37-7.33(m,1H),7.29-7.26(m,1H),5.48-5.36(m,1H),5.28-5.23(m,1H),4.64-4.56(m,1H),4.38-4.27(m,2H),4.09-3.81(m,3H),3.67-3.59(m,2H),3.51-3.45(m,1H),3.41-3.36(m,1H),3.29-3.10(m,4H),2.99-2.89(m,2H),2.74-2.70(m,2H),2.53(s,3H),2.36-2.29(m,1H),2.10-1.98(m,1H),1.89-1.61(m,3H),1.29-1.23(m,1H).MS(m/z):628.3[M+H]+.HPLC純度:97.6%。
【0307】
実施例28:6-(8-クロロナフタレン-1-イル)-1-((R)-3-(シアノメチル)-4-(2-フルオロアクリロイル)ピペラジン-1-イル)-3-(((S)-1-メチルピロリジン-2-イル)メトキシ)-5,6,7,8-テトラヒドロ-2,6-ナフチリジン-4-カルボニトリル:6-(8-クロロナフタレン-1-イル)-1-((R)-3-(シアノメチル)-4-(2-フルオロアクリロイル)ピペラジン-1-イル)-3-(((S)-1-メチルピロリジン-2-イル)メトキシ)-5,6,7,8-テトラヒドロ-2,6-ナフチリジン-4-カルボニトリル(0.095gm、キラル純度:99%)を、キラルセル(CHIRALCEL)-ODH(4.6×250mm)5μmおよび移動相アセトニトリル(100%)を使用したキラル分離により、ラセミ混合物である6-(8-クロロナフタレン-1-イル)-1-(3-(シアノメチル)-4-(2-フルオロアクリロイル)ピペラジン-1-イル)-3-(((S)-1-メチルピロリジン-2-イル)メトキシ)-5,6,7,8-テトラヒドロ-2,6-ナフチリジン-4-カルボニトリルから単離した(0.42gm).1H-NMR(δppm,CDCl3,400MHz):δ7.79-7.76(m,1H),7.67-7.63(m,1H),7.53(d,J=7.2Hz,1H),7.49.7.42(m,1H),7.37-7.33(m,1H),7.29-7.26(m,1H),5.48-5.36(m,1H),5.28-5.23(m,1H),4.64-4.56(m,1H),4.38-4.27(m,2H),4.09-3.81(m,3H),3.67-3.59(m,2H),3.51-3.45(m,1H),3.41-3.36(m,1H),3.29-3.10(m,4H),2.99-2.89(m,2H),2.74-2.70(m,2H),2.53(s,3H),2.36-2.29(m,1H),2.10-1.98(m,1H),1.89-1.61(m,3H),1.29-1.23(m,1H).MS(m/z):628.3[M+H]+.HPLC純度:97.6%。
【0308】
実施例29:1-(4-アクリロイルピペラジン-1-イル)-6-ベンジル-3-クロロ-5,6,7,8-テトラヒドロ-2,6-ナフチリジン-4-カルボニトリル:中間体4(0.2g、0.5mmol)の溶液に乾燥DCM(10ml)中に溶解させ、続いてDIPEA(0.3g、1.5mmol)を添加し、反応混合物を0℃で20分間撹拌した。反応混合物中に塩化アクリロイル(0.053g、0.6mmol)を滴加し、同温で30分間撹拌した。反応混合物をDCMで希釈し、水で洗浄した。有機層を硫酸ナトリウムで乾燥させ、減圧下で濃縮して、表題の固体化合物を得た。収率(20 mg).1H-NMR(δppm,CDCl3,400MHz):7.36-7.29(m,5H),6.60-6.54(m,1H),6.34-6.30(m,1H,),5.75-5.73(m,1H),3.80(s,4H),3.68-3.65(m,4H),3.43-3.41(m,4H),2.67-2.59(m,4H).,MS(m/z):422.19[M+H]+.HPLC 純度:97.38%。
【0309】
実施例30:N-(1-(6-ベンジル-3-クロロ-4-シアノ-5,6,7,8-テトラヒドロ-2,6-ナフチリジン-1-イル)ピペリジン-4-イル)アクリルアミド:中間体7(0.2g、52mmol)の溶液に乾燥DCM(10ml)中に溶解させ、続いてDIPEA(0.23g、157mmol)を添加し、反応混合物を0℃で20分間撹拌した。反応混合物中に塩化アクリロイル(0.2g、62mmol)を滴加し、同温で30分間撹拌した。反応混合物をDCMで希釈し、水で洗浄した。有機層を硫酸ナトリウムで乾燥させ、減圧下で濃縮して、表題の固体化合物を得た。収率(25mg).1H-NMR(δppm,CDCl3,400MHz):8.32(s,1H),7.36-7.34(m,5H),6.31-6.27(m,1H),6.09-6.03(m,1H,),5.67-5.65(m,1H),5.43-5.41(d,1H),4.41-4.08(m,1H),3.80(s,2H),3.75-3.71(m,4H),3.06-3.01(m,2H),2.70-2.62(m,4H),2.08-2.03(m,2H),MS(m/z):402.21[M+H]+.HPLC純度:97.00%。
【0310】
実施例31:N-(1-(6-ベンジル-4-シアノ-5,6,7,8-テトラヒドロ-2,6-ナフチリジン-1-イル)ピペリジン-4-イル)アクリルアミド:中間体6(0.12g、31mmol)の溶液に乾燥DCM(10ml)中に溶解させ、続いてDIPEA(0.17g、91mmol)を添加し、反応混合物を0℃で20分間撹拌した。反応混合物中に塩化アクリロイル(0.033g、35mmol)を滴加し、同温で30分間撹拌した。反応混合物をDCMで希釈し、水で洗浄した。有機層を硫酸ナトリウムで乾燥させ、減圧下で濃縮して、表題の固体化合物を得た。収率(25mg).1H-NMR(δppm,CDCl3,400MHz):7.36-7.27(m,5H),6.30-6.27(m,1H),6.08-6.03(m,1H,),5.67-5.65(m,1H),5.43-5.41(d,1H),4.14-4.10(m,1H),3.80(s,4H),3.78-3.68(m,2H),3.09-3.04(m,2H),2.64-2.61(m,5H),2.21-2.02(m,3H),MS(m/z):436.12[M+H]+.HPLC純度:96.25%。
【0311】
実施例32:1,3-ビス(4-アクリロイルピペラジン-1-イル)-6-ベンジル-5,6,7,8-テトラヒドロ-2,6-ナフチリジン-4-カルボニトリル:中間体7Dを使用して、実施例1について上述したとおりのプロセスを使用して調製し、20mgの1,3-ビス(4-アクリロイルピペラジン-1-イル)-6-ベンジル-5,6,7,8-テトラヒドロ-2,6-ナフチリジン-4-カルボニトリルを得た。1H-NMR(δppm,CDCl3,400MHz):7.38-7.26(m,5H),6.57-6.53(m,2H),6.34-6.31(m,2H),5.75-5.73(m,2H),3.81-3.61(m,9H),3.33(s,4H),2.63(s,4H),1.53-1.50(m,2H),1.42-1.41(m,2H),1.29-1.23(m,4H)526.27[M+H].HPLC純度:97.67%
【0312】
実施例33 アクリル酸1-(4-アクリロイルピペラジン-1-イル)-6-ベンジル-4-シアノ-5,6,7,8-テトラヒドロ-2,6-ナフチリジン-3-イル:中間体6A1を使用して、実施例1について上述したとおりのプロセスを使用して調製し、50mgのアクリル酸1-(4-アクリロイルピペラジン-1-イル)-6-ベンジル-4-シアノ-5,6,7,8-テトラヒドロ-2,6-ナフチリジン-3-イルを得た。1H-NMR(δppm,CDCl3,500MHz):δ7.37-7.33(m,4H),7.32-7.29(m,1H),6.70-6.66(m,1H),6.60-6.53(m,1H),6.37-6.29(m,2H),6.12-6.10(m,1H),5.75-5.72(m,1H),3.83(s,2H),3.77(bs,2H),3.73(s,2H),3.66(bs,2H),3.40(bs,4H),2.70-2.66(m,4H).MS(m/z):458.25[M+H]+.HPLC純度:96.00%。
【0313】
実施例34:1-(4-アクリロイルピペラジン-1-イル)-6-ベンジル-3-モルホリノ-5,6,7,8-テトラヒドロ-2,6-ナフチリジン-4-カルボニトリル:中間体6Bを使用して、実施例1について上述したとおりのプロセスを使用して調製し、70mgの1-(4-アクリロイルピペラジン-1-イル)-6-ベンジル-3-モルホリノ-5,6,7,8-テトラヒドロ-2,6-ナフチリジン-4-カルボニトリルを得た。1H-NMR(δppm,CDCl3,400MHz):δ7.36(m,4H),7.30(m,1H),6.58(m,1H),6.33(m,1H),5.74(m,1H),3.81(m,4H),3.77(s,4H),3.71(m,2H),3.66(s,2H),3.60(m,4H),3.34(s,4H),2.60(s,4H).MS(m/z):473[M+H]+.HPLC純度:99.75%。
【0314】
実施例35:1-(4-アクリロイルピペラジン-1-イル)-6-ベンジル-3-(4-メチルピペラジン-1-イル)-5,6,7,8-テトラヒドロ-2,6-ナフチリジン-4-カルボニトリル:中間体6Dを使用して、実施例1について上述したとおりのプロセスを使用して調製し、30mgの1-(4-アクリロイルピペラジン-1-イル)-6-ベンジル-3-(4-メチルピペラジン-1-イル)-5,6,7,8-テトラヒドロ-2,6-ナフチリジン-4-カルボニトリルを得た。1H-NMR(δppm,CDCl3,400MHz):7.39-7.33(m,4H),7.30-7.27(m,1H),6.61-6.55(m,1H),6.34-6.30(m,1H),5.74-5.71(m,1H),3.76(s,4H),3.70(s,2H),3.66-3.64(m,6H),3.33(bs,4H),2.59(bs,4H),2.55-2.53(m,4H),2.34(s,3H).HPLC 純度:99.06%
【0315】
実施例36:1-(4-アクリロイル-3-(シアノメチル)ピペラジン-1-イル)-6-ベンジル-3-(4-メチルピペラジン-1-イル)-5,6,7,8-テトラヒドロ-2,6-ナフチリジン-4-カルボニトリル:実施例1について上述したとおりのプロセスを使用して調製され、70mgの1-(4-アクリロイル-3-(シアノメチル)ピペラジン-1-イル)-6-ベンジル-3-(4-メチルピペラジン-1-イル)-5,6,7,8-テトラヒドロ-2,6-ナフチリジン-4-カルボニトリルを得た。1H-NMR(δppm,CDCl3,400MHz):δ7.33(m,5H),6.57(m,1H),6.35(m,1H),5.79(m,1H),3.86(m,1H),3.77(m,2H),3.66(m,7H),3.53(s,1H),3.22(s,1H),2.91(q,2H),2.73(m,2H),2.67(m,2H),2.60(m,4H),2.52(s,2H),2.37(s,3H).MS(m/z):525[M+H]+.HPLC純度:97.00%。
【0316】
実施例37:6-(1-ナフトイル)-1-(4-アクリロイル-3-(シアノメチル)ピペラジン-1-イル)-3-(4-メチルピペラジン-1-イル)-5,6,7,8-テトラヒドロ-2,6-ナフチリジン-4-カルボニトリル:実施例1について上述したとおりのプロセスを使用して調製され、40mgの6-(1-ナフトイル)-1-(4-アクリロイル-3-(シアノメチル)ピペラジン-1-イル)-3-(4-メチルピペラジン-1-イル)-5,6,7,8-テトラヒドロ-2,6-ナフチリジン-4-カルボニトリルを得た。1H-NMR(δppm,CDCl3,400MHz):7.93-7.80(m,3H),7.54-7.32(m,4H),6.59-6.51(m,1H),6.42-6.34(m,1H),5.84-5.78(m,1H),4.44-4.42(m,2 H),3.85-3.83(m,1H),3.77-3.67(m,4H),3.64-3.61(m,4H),3.29-3.21(m,2H),2.95-2.77(m,4H),2.61-2.57(m,1H),2.54-2.49(s,4H),2.47-2.46(m,1H),2.30(s,3H).HPLC 純度:88.73%
【0317】
実施例38:(S)-1-(4-アクリロイル-2-メチルピペラジン-1-イル)-6-ベンジル-3-(4-メチルピペラジン-1-イル)-5,6,7,8-テトラヒドロ-2,6-ナフチリジン-4-カルボニトリル:中間体7Fを使用して、実施例1について上述したとおりのプロセスを使用して調製し、95mgの(S)-1-(4-アクリロイル-2-メチルピペラジン-1-イル)-6-ベンジル-3-(4-メチルピペラジン-1-イル)-5,6,7,8-テトラヒドロ-2,6-ナフチリジン-4-カルボニトリルを得た。1H-NMR(δppm,CDCl3,400MHz):δ7.39-7.27(m,5H),6.65-6.51(m,1H),6.36-6.30(m,1H),5.76-5.71(m,1H),4.00-4.04(m,1H),3.86-3.80(m,1H),3.77-3.74(m,3H),3.66-3.61(m,4H),3.53-3.43(m,2H),3.37-3.25(m,1H),2.64-2.55(m,8H),2.35(s,3H),2.12-1.88(m,3H),1.24(s,3H).MS(m/z):500.02[M+H]+.HPLC 純度:95%。
【0318】
実施例39:(R)-1-(4-アクリロイル-2-メチルピペラジン-1-イル)-6-ベンジル-3-(4-メチルピペラジン-1-イル)-5,6,7,8-テトラヒドロ-2,6-ナフチリジン-4-カルボニトリル:中間体7Eを使用して、実施例1について上述したとおりのプロセスを使用して調製し、114mgの(R)-1-(4-アクリロイル-2-メチルピペラジン-1-イル)-6-ベンジル-3-(4-メチルピペラジン-1-イル)-5,6,7,8-テトラヒドロ-2,6-ナフチリジン-4-カルボニトリルを得た。1H-NMR(δppm,CDCl3,500MHz):δ7.39-7.35(m,4H),7.33-7.28(m,1H),6.64-6.50(m,1H),6.35-6.30(m,1H),5.77-5.71(m,1H),4.39-4.36(m,1H),4.16-4.13(m,1H),3.99-3.97(m,2H),3.83-3.64(m,4H),3.62-3.35(m,4H),3.31-3.17(m,3H),2.67-2.65(m,4H),2.62-2.53(m,4H),2.40(s,3H),1.15-1.14(m,3H).MS(m/z):500[M+H]+.HPLC純度:96.42%。
【0319】
実施例40:1-(4-アクリロイルピペラジン-1-イル)-6-ベンジル-3-ヒドロキシ-5,6,7,8-テトラヒドロ-2,6-ナフチリジン-4-カルボニトリル:中間体6A1を使用して、実施例1について上述したとおりのプロセスを使用して調製し、30mgの1-(4-アクリロイルピペラジン-1-イル)-6-ベンジル-3-ヒドロキシ-5,6,7,8-テトラヒドロ-2,6-ナフチリジン-4-カルボニトリルを得た。1H-NMR(δppm,CDCl3,500MHz):δ12.13(bs,1H),7.38-7.34(m,4H),7.32-7.27(m,1H),6.64-6.58(m,1H),6.34-6.31(m,1H),5.77-5.74(m,1H),3.78(bs,4H),3.75(s,2H),3.65(s,2H),3.53(bs,2H),3.42(bs,2H),2.59-2.54(m,4H).MS(m/z):404[M+H]+.HPLC 純度:99.79%。
【0320】
実施例41:1-(4-アクリロイルピペラジン-1-イル)-3-(4-メチルピペラジン-1-イル)-6-(ナフタレン-1-イル)-5,6,7,8-テトラヒドロ-2,6-ナフチリジン-4-カルボニトリル:中間体19Mを使用して、実施例1について上述したとおりのプロセスを使用して調製し、113mgの1-(4-アクリロイルピペラジン-1-イル)-3-(4-メチルピペラジン-1-イル)-6-(ナフタレン-1-イル)-5,6,7,8-テトラヒドロ-2,6-ナフチリジン-4-カルボニトリルを得た。1H-NMR(δppm,CDCl3,500MHz):δ8.21-8.19(m,1H),7.88-7.86(m,1H),7.62(d,J=8.0Hz,1H),7.52-7.49(m,2H),7.45-7.42(m,1H),7.19-7.18(d,J=7.0Hz,1H),6.64-6.58(m,1H),6.42-6.33(m,2H),6.17-6.12(m,1H),5.86-5.74(m,2H),4.39(bs,2H),3.84(bs,2H),3.75-3.71(m,6H),3.42(bs,6H),2.87(bs,2H),2.65-2.63(m,4H),2.39(s,3H).MS(m/z):523[M+H]+.HPLC 純度:95.75%。
【0321】
実施例42:1-(4-アクリロイルピペラジン-1-イル)-6-ベンジル-3-(ピペリジン-1-イル)-5,6,7,8-テトラヒドロ-2,6-ナフチリジン-4-カルボニトリル:中間体6Fを使用して、実施例1について上述したとおりのプロセスを使用して調製し、65mg、0.065gmの1-(4-アクリロイルピペラジン-1-イル)-6-ベンジル-3-(ピペリジン-1-イル)-5,6,7,8-テトラヒドロ-2,6-ナフチリジン-4-カルボニトリルを得た。1H-NMR(δppm,CDCl3,500MHz):δ7.39-7.33(m,4H),7.30-7.28(m,1H),6.61-6.55(m,1H),6.34-6.29(m,1H),5.73-5.71(m,1H),3.76(bs,4H),3.70(s,2H),3.65(bs,2H),3.58(bs,4H),3.32(bs,4H),2.59(bs,4H),1.65(bs,6H).MS(m/z):471[M+H]+.HPLC 純度:99.53%。
【0322】
実施例43:1-(4-アクリロイルピペラジン-1-イル)-6-ベンジル-3-(2-フルオロピリジン-4-イル)-5,6,7,8-テトラヒドロ-2,6-ナフチリジン-4-カルボニトリル:中間体6Eを使用して、実施例1について上述したとおりのプロセスを使用して調製し、110mgの1-(4-アクリロイルピペラジン-1-イル)-6-ベンジル-3-(2-フルオロピリジン-4-イル)-5,6,7,8-テトラヒドロ-2,6-ナフチリジン-4-カルボニトリルを得た。1H-NMR(δppm,CDCl3,400MHz):δ8.35(d,J=5.6Hz,1H),7.76-7.73(m,1H),7.44(bs,1H),7.40-7.35(m,4H),7.33-7.23(m,1H),6.63-6.56(m,1H),6.36-6.31(m,1H),5.77-5.74(m,1H),3.91-3.72(m,8H),3.49-3.44(m,4H),2.80-2.78(m,2H),2.71-2.69(m,2H).MS(m/z):483[M+H]+.HPLC 純度:99.8%。
【0323】
実施例44:1-(4-アクリロイルピペラジン-1-イル)-6-(ナフタレン-1-イル)-3-(ピペリジン-1-イル)-5,6,7,8-テトラヒドロ-2,6-ナフチリジン-4-カルボニトリル:中間体19Nを使用して、実施例1について上述したとおりのプロセスを使用して調製し、150mgの1-(4-アクリロイルピペラジン-1-イル)-6-(ナフタレン-1-イル)-3-(ピペリジン-1-イル)-5,6,7,8-テトラヒドロ-2,6-ナフチリジン-4-カルボニトリルを得た。1H-NMR(δppm,CDCl3,400MHz):δ8.21(m,1H),7.86(m,1H),7.62(m,1H),7.51(m,2H),7.43(m,1H),7.19(m,1H),6.61(m,1H),6.34(s,1H),5.75(m,1H),4.38(s,2H),3.84(s,2H),3.72(s,2H),3.63(m,4H),3.37(m,6H),2.83(d,2H),1.68(m,6H),MS(m/z):507[M+H]+.HPLC純度:98.89%。
【0324】
実施例45:1-(4-アクリロイルピペラジン-1-イル)-6-ベンジル-3-((1-メチルピロリジン-2-イル)メトキシ)-5,6,7,8-テトラヒドロ-2,6-ナフチリジン-4-カルボニトリル:中間体10Aを使用して、実施例1について上述したとおりのプロセスを使用して調製し、52mgの1-(4-アクリロイルピペラジン-1-イル)-6-ベンジル-3-((1-メチルピロリジン-2-イル)メトキシ)-5,6,7,8-テトラヒドロ-2,6-ナフチリジン-4-カルボニトリルを得た。1H-NMR(δppm,CDCl3,400MHz):δ7.36-7.33(m,4H),7.31-7.28(m,1H),6.62-6.55(m,1H),6.35-6.31(m,1H),5.76-5.73(m,1H),4.33-4.23(m,2H),3.79-3.77(bs,4H),3.70-3.66(bs,4H),3.36(bs,4H),3.12-3.08(m,1H),2.72-2.68(m,1H),2.61-2.59(bs,4H),2.51(bs,3H),2.34-2.30(m,1H),2.06-2.-01(m,1H),1.83-1.67(m,3H).MS(m/z):502[M+H]+.HPLC純度:96.86%。
【0325】
実施例46:1,3-ビス(4-アクリロイルピペラジン-1-イル)-6-(ナフタレン-1-イル)-5,6,7,8-テトラヒドロ-2,6-ナフチリジン-4-カルボニトリル:中間体19Kを使用して、実施例1について上述したとおりのプロセスを使用して調製し、85mgの1,3-ビス(4-アクリロイルピペラジン-1-イル)-6-(ナフタレン-1-イル)-5,6,7,8-テトラヒドロ-2,6-ナフチリジン-4-カルボニトリルを得た。1H-NMR(δppm,CDCl3,400MHz):8.21-8.18(m,1H),7.88-7.85(m,1H),7.64-7.62(m,1H),7.53-7.48(m,2H),7.45-7.41(m,1H),7.19-7.17(m,1H),6.63-6.56(m,2H),6.37-6.31(m,2H),5.77-5.73(m,2H),4.40(s,2 H),3.84(bs,4H),3.72(bs,4H),3.68-3.66(m,4H),3.50-3.35(m,6H),2.88(bs,2H).562[M+H].HPLC純度:98.56%
【0326】
実施例47:1,3-ビス(4-アクリロイルピペラジン-1-イル)-6-(ベンゾ[b]チオフェン-4-イル)-5,6,7,8-テトラヒドロ-2,6-ナフチリジン-4-カルボニトリル:中間体19Lを使用して、実施例1について上述したとおりのプロセスを使用して調製し、60mgの1,3-ビス(4-アクリロイルピペラジン-1-イル)-6-(ベンゾ[b]チオフェン-4-イル)-5,6,7,8-テトラヒドロ-2,6-ナフチリジン-4-カルボニトリルを得た。1H-NMR(δppm,CDCl3,400MHz):7.63-7.61(m,1H),7.45-7.44(m,2H),7.33-7.29(m,1H),6.99-6.97(m,1H),6.63-6.56(m,2H),6.37-6.31(m,2H),5.77-5.72(m,2H),4.43(s,2 H),3.88(bs,4H),3.72-3.66(m,8H),3.43-3.40(m,6H),2.84-2.82(m,2H).568.41[M+H].HPLC純度:99.38%
【0327】
実施例48:1-(4-アクリロイルピペラジン-1-イル)-6-(ナフタレン-1-イル)-3-(4-プロピオニルピペラジン-1-イル)-5,6,7,8-テトラヒドロ-2,6-ナフチリジン-4-カルボニトリル:中間体19Pを使用して、実施例1について上述したとおりのプロセスを使用して調製し、55mgの1-(4-アクリロイルピペラジン-1-イル)-6-(ナフタレン-1-イル)-3-(4-プロピオニルピペラジン-1-イル)-5,6,7,8-テトラヒドロ-2,6-ナフチリジン-4-カルボニトリルを得た。1H-NMR(δppm,CDCl3,400MHz):8.21-8.18(m,1H),7.88-7.65(m,1H),7.64-7.62(m,1H),7.53-7.49(m,2H),7.45-7.41(m,1H),7.21-7.18(m,1H),6.64-6.57(m,1H),6.37-6.32(m,1H),5.77-5.74(m,1H),4.40(s,2 H),3.83-3.72(m,6H),3.65-3.63(m,6H),3.41(bs,4H),3.40-3.35(m,2H),2.87(s,2H),1.20-1.16(m,3H).564.11[M+H].HPLC純度:97.59%
【0328】
実施例49:3-(4-アクリロイルピペラジン-1-イル)-6-(ナフタレン-1-イル)-1-(4-プロピオニルピペラジン-1-イル)-5,6,7,8-テトラヒドロ-2,6-ナフチリジン-4-カルボニトリル:
ステップ1:4-(4-シアノ-6-(ナフタレン-1-イル)-1-(4-プロピオニルピペラジン-1-イル)-5,6,7,8-テトラヒドロ-2,6-ナフチリジン-3-イル)ピペラジン-1-カルボン酸tert-ブチルを、出発材料および反応物質に必要な変更を加えて、実施例41について上述したものと類似したプロセスを使用して調製して、150mgの傾斜した化合物を得た。609.34[M+H]
ステップ 2: 実施例1について上述したとおりのプロセスを使用して調製し(ステップ1の中間体を使用して)、85mgの3-(4-アクリロイルピペラジン-1-イル)-6-(ナフタレン-1-イル)-1-(4-プロピオニルピペラジン-1-イル)-5,6,7,8-テトラヒドロ-2,6-ナフチリジン-4-カルボニトリルを得た。1H-NMR(δppm,CDCl3,400MHz):8.21-8.18(m,1H),7.88-7.86(m,1H),7.64-7.62(m,1H),7.53-7.49(m,2H),7.46-7.42(m,1H),7.19-7.18(m,1H),6.63-6.56(m,1H),6.36-6.31(m,1H),5.76-5.73(m,1H),4.40(s,2 H),3.84-3.72(m,6H),3.67-3.62(m,6H),3.40-3.36(m,6H),2.88-2.87(m,2H),2.43-2.38(m,2H),1.22-1.17(m,3H).564.52[M+H].HPLC純度:97.49%
【0329】
実施例50:1-(4-アクリロイルピペラジン-1-イル)-3-モルホリノ-6-(ナフタレン-1-イル)-5,6,7,8-テトラヒドロ-2,6-ナフチリジン-4-カルボニトリル:実施例1について上述したとおりのプロセスを使用して調製し、80mgの1-(4-アクリロイルピペラジン-1-イル)-3-モルホリノ-6-(ナフタレン-1-イル)-5,6,7,8-テトラヒドロ-2,6-ナフチリジン-4-カルボニトリルを得た。1H-NMR(δppm,CDCl3,400MHz):8.21-8.18(m,1H),7.88-7.84(m,1H),7.63-7.61(m,1H),7.53-7.49(m,2H),7.45-7.41(m,1H),7.19-7.17(m,1H),6.64-6.57(m,1H),6.37-6.32(m,1H),5.77-5.74(m,1H),4.39(s,2 H),3.84-3.82(m,6H),3.72-3.64(m,6H),3.41(bs,4H),2.88(s,2H).509.44[M+H].HPLC 純度:95.74%
【0330】
実施例51:3-(4-アセチルピペラジン-1-イル)-1-(4-アクリロイルピペラジン-1-イル)-6-(ナフタレン-1-イル)-5,6,7,8-テトラヒドロ-2,6-ナフチリジン-4-カルボニトリル:中間体19Rを使用して、実施例1について上述したとおりのプロセスを使用して調製し、75mgの3-(4-アセチルピペラジン-1-イル)-1-(4-アクリロイルピペラジン-1-イル)-6-(ナフタレン-1-イル)-5,6,7,8-テトラヒドロ-2,6-ナフチリジン-4-カルボニトリルを得た。1H-NMR(δppm,CDCl3,400MHz):8.21-8.18(m,1H),7.88-7.86(m,1H),7.64-7.62(m,1H),7.52-7.50(m,2H),7.45-7.42(m,1H),7.19-7.17(m,1H),6.64-6.57(m,1H),6.37-6.32(m,1H),5.77-5.74(m,1H),4.40(s,2H),3.78-3.75(m,2H),3.67-3.65(m,4H),3.62-3.60(m,6H),3.40(bs,6H),2.88(s,2H),2.14(m,3H).550.51[M+H].HPLC純度:98.69%
【0331】
実施例52:1-(4-アクリロイルピペラジン-1-イル)-3-(2,6-ジメチルモルホリノ)-6-(ナフタレン-1-イル)-5,6,7,8-テトラヒドロ-2,6-ナフチリジン-4-カルボニトリル:中間体19Oを使用して、実施例1について上述したプロセスを使用して調製し、60mgの1-(4-アクリロイルピペラジン-1-イル)-3-(2,6-ジメチルモルホリノ)-6-(ナフタレン-1-イル)-5,6,7,8-テトラヒドロ-2,6-ナフチリジン-4-カルボニトリルを得た。1H-NMR(δppm,CDCl3,400MHz):8.22-8.19(m,1H),7.88-7.84(m,1H),7.63-7.61(m,1H),7.53-7.49(m,2H),7.48-7.41(m,1H),7.19-7.17(m,1H),6.66-6.58(m,1H),6.37-6.32(m,1H),5.77-5.74(m,1H),4.39(s,2H),4.17-4.14(m,2H),3.84-3.81(m,2H),3.79-3.72(m,5H),3.39(bs,5H),2.88(s,2H),2.74-2.68(m,2H),1.25-1.20(m,6H).535.35[M+H].HPLC純度:99.19%
【0332】
実施例53:1-(4-アクリロイルピペラジン-1-イル)-3-(4-(メチルスルホニル)ピペラジン-1-イル)-6-(ナフタレン-1-イル)-5,6,7,8-テトラヒドロ-2,6-ナフチリジン-4-カルボニトリル:中間体19Qを使用して、実施例1について上述したとおりのプロセスを使用して調製し、61mgの1-(4-アクリロイルピペラジン-1-イル)-3-(4-(メチルスルホニル)ピペラジン-1-イル)-6-(ナフタレン-1-イル)-5,6,7,8-テトラヒドロ-2,6-ナフチリジン-4-カルボニトリルを得た。1H-NMR(δppm,CDCl3,400MHz):8.20-8.18(m,1H),7.88-7.86(m,1H),7.64-7.62(m,1H),7.52-7.50(m,2H),7.46-7.42(m,1H),7.19-7.17(m,1H),6.65-6.58(m,1H),6.38-6.33(m,1H),5.78-5.75(m,1H),4.40(s,2H),3.84-3.73(m,2H),3.71-3.68(m,6H),3.49(bs,4H),3.43-3.378(m,6H),2.88(s,2H),2.86-2.83(s,2H).586.07[M+H].HPLC純度:98.43%
【0333】
実施例54:1-(4-アクリロイルピペラジン-1-イル)-3-(4-エチルピペラジン-1-イル)-6-(ナフタレン-1-イル)-5,6,7,8-テトラヒドロ-2,6-ナフチリジン-4-カルボニトリル:
ステップ1:4-(4-シアノ-3-(4-エチルピペラジン-1-イル)-6-(ナフタレン-1-イル)-5,6,7,8-テトラヒドロ-2,6-ナフチリジン-1-イル)ピペラジン-1-カルボン酸tert-ブチルを、中間体5Aと1-メチルピペラジンの代わりに1-エチルピペラジンとを使用して、実施例41について上述したとおりのプロセスを使用して調製して、120mgの所望の中間体を得た。581.35[M+H]
ステップ 2:実施例1について上述したとおりのプロセスを使用して調製し(ステップ1の中間体を使用して)、45mgの1-(4-アクリロイルピペラジン-1-イル)-3-(4-エチルピペラジン-1-イル)-6-(ナフタレン-1-イル)-5,6,7,8-テトラヒドロ-2,6-ナフチリジン-4-カルボニトリルを得た。1H-NMR(δppm,CDCl3,400MHz):8.20-8.18(m,1H),7.87-7.86(m,1H),7.63-7.62(m,1H),7.52-7.48(m,2H),7.45-7.42(m,1H),7.19-7.17(m,1H),6.64-6.58(m,1H),6.41-6.33(m,1H),5.77-5.75(m,1H),4.39(s,2 H),3.84-3.72(m,9H),3.49-3.43(m,7H),2.88(s,4H),2.80-2.78(m,2H),1.33-1.23(m,3H).536.13[M+H].HPLC純度:98.10%
【0334】
実施例55:(S)-1-(4-アクリロイルピペラジン-1-イル)-3-((1-メチルピロリジン-2-イル)メトキシ)-6-(ナフタレン-1-イル)-5,6,7,8-テトラヒドロ-2,6-ナフチリジン-4-カルボニトリル:実施例1について上述したとおりのプロセスを使用して調製し、50mgの(S)-1-(4-アクリロイルピペラジン-1-イル)-3-((1-メチルピロリジン-2-イル)メトキシ)-6-(ナフタレン-1-イル)-5,6,7,8-テトラヒドロ-2,6-ナフチリジン-4-カルボニトリルを得た。1H-NMR(δppm,CDCl3,400MHz):δ8.20-8.18(m,1H),7.88-7.85(m,1H),7.64-7.61(m,1H),7.53-7.48(m,2H),7.45-7.41(m,1H),7.18-7.17(m,1H),6.64-6.57(m,1H),6.37-6.33(m,1H),5.78-5.75(m,1H),4.41(bs,2H),4.34-4.27(m,2H),3.84-3.73(m,4H),3.44-3.34(m,6H),3.12-3.08(m,1H),2.88(bs,2H),2.73-2.70(m,1H),2.52(s,3H),2.35-2.28(m,1H),2.08-2.03(m,1H),1.84-1.69(m,3H).MS(m/z):537.24[M+H]+.HPLC純度:97.91%
【0335】
実施例56:1-(4-アクリロイルピペラジン-1-イル)-6-(ナフタレン-1-イル)-5,6,7,8-テトラヒドロ-2,6-ナフチリジン-4-カルボニトリル:実施例1について上述したとおりのプロセスを使用して調製し、60mgの1-(4-アクリロイルピペラジン-1-イル)-6-(ナフタレン-1-イル)-5,6,7,8-テトラヒドロ-2,6-ナフチリジン-4-カルボニトリルを得た。1H-NMR(δppm,CDCl3,400MHz):δ8.42(s,1H),8.20-8.18(m,1H),7.89-7.86(m,1H),7.66-7.64(m,1H),7.53-7.52(m,2H),7.51-7.45(m,1H),7.21-7.19(m,1H),6.64-6.59(m,1H),6.37-6.33(m,1H),5.77-5.75(m,1H),4.45(bs,2H),3.86-3.75(m,4H),3.45(bs,6H),2.99(bs,2H).MS(m/z):424.13[M+H]+.HPLC 純度:99.08%
【0336】
実施例57:1-(4-(2-フルオロアクリロイル)ピペラジン-1-イル)-6-(ナフタレン-1-イル)-3-(4-プロピオニルピペラジン-1-イル)-5,6,7,8-テトラヒドロ-2,6-ナフチリジン-4-カルボニトリル:0℃での酢酸エチル(19mL)中の6-(ナフタレン-1-イル)-1-(ピペラジン-1-イル)-3-(4-プロピオニルピペラジン-1-イル)-5,6,7,8-テトラヒドロ-2,6-ナフチリジン-4-カルボニトリル塩酸塩(0.30g、0.54mmol)の溶液に、トリエチルアミン(0.62mL、4.4mmol)、2-フルオロプロパ-2-エン酸(0.086mL、1.1mmol)およびT3P(0.98mL、1.65mmol、酢酸エチル中50重量%)を添加した。混合物を30分かけて15℃に昇温させ、反応混合物を飽和炭酸ナトリウム溶液(20mL)で希釈した。水相を酢酸エチル(2×20mL)で抽出し、ひとつに合わせた有機層をNa2SO4で乾燥させ、ろ過し、濃縮して、未精製残渣を得た。粗製物を、DCM中4%MeOHを使用したカラムクロマトグラフィーにより精製した。純粋な画分を減圧下で濃縮して、0.06gmの1-(4-(2-フルオロアクリロイル)ピペラジン-1-イル)-6-(ナフタレン-1-イル)-3-(4-プロピオニルピペラジン-1-イル)-5,6,7,8-テトラヒドロ-2,6-ナフチリジン-4-カルボニトリルを得た。1H-NMR(δppm,CDCl3,400MHz):δ8.20-8.18(m,1H),7.88-7.86(m,1H),7.66-7.64(m,1H),7.52-7.49(m,2H),7.46-7.42(m,1H),7.20-7.18(m,1H),5.39-5.16(m,2H),4.40(bs,2H),3.77(bs,6H),3.66-3.63(m,6H),3.43(bs,6H),2.88(bs,2H),2.42-2.36(m,2H),1.18-1.68(m,3H).MS(m/z):582.26[M+H]+.HPLC 純度:98.33%
【0337】
上記の実施例および他の例示された化合物のいずれかを調製するために必要な他の中間体を、本明細書に想定されるように、当該中間体および化合物を合成するために必要な全ての可能性のある変形を加えて、本明細書において上述したとおりの全般的プロセスおよび具体的プロセスを使用して合成してもよい。
【0338】
パートC:生物活性
本発明の化合物の生物学的および/または薬理学的特性は、様々なアッセイによって確認することができる。本発明による化合物および/またはその薬学的に許容可能な塩を用いて実施され得る生物学的および/または薬理学的アッセイを以下に例示する。
【0339】
試験1:NCI-H358細胞株およびMIAPACA-2細胞株でのインビトロ細胞増殖アッセイ
増殖阻害アッセイを、10%FBS補充培地を使用して実施するものとする。細胞を、96ウェルプレート中に1500~6,000細胞/ウェルの所望の濃度で播種するものとする。試験化合物を、1~30uMの濃度範囲で24時間後に添加する。試験化合物の添加の0時間後(試験化合物の添加前)および72時間後に、減少を測定するために、CCK-8キットを使用して増殖を評価することとなる。BIO-RAD社iMarkマイクロプレートリーダーまたは任意の同等のマイクロプレートリーダーで、波長450nmで吸光度を読み取った。データを分析し、対照と比較した試験化合物による阻害率を適宜計算した。
【表4】
【0340】
試験2:KRASG12細胞株でのインビトロ細胞増殖アッセイ
増殖阻害アッセイを、10%FBS補充培地を使用して実施した。細胞を、所望の数のウェルを有するウェルプレート中に、1000~6,000細胞/ウェルの所望の濃度で播種した。試験化合物を、所望の濃度範囲で24時間後に添加した。試験化合物の添加の0時間後(試験化合物の添加前)および3日後(2D)または7日後(3D)に、減少を測定するために、Cell Titer-Glo(CTG、Cell Signaling社)を使用して増殖を評価した。BIO-RAD社iMarkマイクロプレートリーダーまたは任意の同等のマイクロプレートリーダーで、予め決定した例えば450nmの波長で吸光度を読み取った。データを分析し、各試験化合物の阻害率および/またはIC50を適宜計算した。
結果:データは、様々な細胞株に対する代表的なCpd Aに関するデータを提供し、選択性を含める。
【表5】
【表6】
【0341】
試験3:ヌクレオチド交換アッセイ
K-RasへのGTP結合を検出するHTRFに基づくヌクレオチド交換アッセイ
ヒトKRAS G12Cタンパク質(アミノ酸2~169に対応する)を、a-GST Tb抗体(1.5×溶液)と混合し、この溶液10uLを反応ウェルに添加した。次いで、化合物(それぞれについて、開始濃度が約300umまたは100μMまたは50uMでの段階希釈に対して3倍または最適の倍率での10種の濃度または最適のその他の濃度)を、音響ディスペンサ(Echo、Labcyte社)を使用して反応ウェルに入れ、Kras/aGST-Tb抗体と共に室温で1時間インキュベートした。1時間のインキュベーション後、5μLのSOS1/GTP溶液(SOS1-(アミノ酸564~1049に対応する)、および反応緩衝液-20mMのHepes、pH7.4、150mMのNaCl、5mMのMgCl2、1mMのDTT、0,05%のBSA、0.0025%のNP40を使用して調製したGDP-DY-647P1)を反応ウェルに添加して、交換反応を開始した。HTRFに基づくSOS1介在性のGDPからGTPへの交換を、337nmの励起波長ならびに665および620nmの発光波長で、マイクロプレートリーダーPEHRAstar(BMG Labtech社)で測定した。非SOS1反応または最高対照化合物濃度をブランクとして使用し、阻害率%を計算し、および/またはシグモイド用量反応(可変勾配)方程式を使用してIC50を決定した。代表的な化合物Cpd Aが、<10nMのIC50を示した。
【0342】
試験4:タンパク質間相互作用アッセイ(PPIアッセイ):cRAFタンパク質へのKRASの結合(KRAS:cRAF)を検出するHTRFに基づくPPIアッセイ
5μLの3×ヒトKRAS G12Cタンパク質(b-Kras G12C(GppNHp)、アミノ酸2~169に対応する)をアッセイウェルに入れた。化合物(10μMの開始濃度で二つ組みの3倍段階希釈で10種の濃度のIC50モードで試験)を、音響技術(ECHO、Labcyte社)を使用してアッセイウェルに添加し、続いて室温で30分間インキュベーションした。インキュベーション後、5uLの3×cRAFタンパク質(アミノ酸2~303に対応するGST-cRAF))をアッセイウェルに添加した。30分間のインキュベーション後、MAb抗GST-Tb(Cisbio社61GSTTLB)およびストレプトアビジン-XL665(Cisbio社610SAXLB)クリプテートを含有する5uLの3×検出ミックスをアッセイウェルに添加する。60~120分のインキュベーション後、HTRF由来のシグナルが、337nmの励起波長ならびに665および620nmの発光波長で、マイクロプレートリーダーPEHRAstar(BMG Labtech社)で測定された。化合物の最高濃度での活性が65%未満であるときに、シグモイド用量応答(可変勾配)方程式を使用して、IC50を決定した。
【0343】
試験5:ウェスタンブロッティングを使用したNCI-H358細胞およびMIA PaCa-2細胞でのバイオマーカー評価
タンパク質溶解物を、対照試料および試験試料の両方を表すRIPA溶解緩衝液を使用して調製した。本発明では、タンパク質溶解物を、pERKの調節を測定するため、9点濃度応答を使用して、経時的に本発明の代表的な実施例で処置されたNCI-H358細胞およびMIA PaCa-2細胞を使用して調製した。総タンパク質を、Bradford法によって推定し、Bio-Rad社imarkリーダーを使用して595nmで吸光度を測定した。単離された総タンパク質を、10%SDS PAGE電気泳動で分離し、ニトロセルロース膜に移した。移動後、膜を、PBST(0.1%tween-20)中で調製された5%BSAを使用して、室温で1時間ブロッキングし、1×PBSおよびPBSTで洗浄した。次いで、膜を、Invitrogen(商標)、米国ThermoFisher Scientific社から調達された、pERK(MA5-15173)、ERK(MA5-15134)などのウサギモノクローナル一次抗体でプローブした。一次抗体(1:2000希釈)は、5%BSA、0.1%tween-20の溶液中で4℃で一晩調製された。一次抗体膜でのインキュベーション後、1×PBSおよびPBSTで3回洗浄し、続いてヤギ抗ウサギ二次IgG HRPコンジュゲート(Invitrogen(商標)より)により(1:10000希釈、3%スキムミルク、0.1%tween-20で調製)で室温で1時間インキュベーションした。インキュベーション後、ブロットを洗浄し、Bio-Rad社Chemidoc(商標)ImagerシステムにおいてG-biosciences社femto LUCENT(商標)PLUS-HRP Chemiluminescent試薬を使用して発色させる。ブロットの結果得られたバンドを、Image Jソフトウェアを使用して定量した。
結果:試験した代表的な化合物は、pERKの用量および時間依存的調節を示し、下流バイオマーカーが、KRASシグナル伝達を表す。
【表7】
【0344】
試験6:NCI-H358ヒト非小細胞肺がん異種移植片を有するメスのBalb/cヌードマウスでの本発明の化合物の抗腫瘍効果
NCI-H358異種移植片を使用して、本発明の代表的な化合物を試験したが、そこではNCI-H358細胞を、対照(ビヒクルで処置、G1)と、二つの治療コホート/群、すなわち各コホート/群と共に標準としてのパクリタキセル(10mg/kgのQ3D、IV、G3)および試験化合物(100mg/kgのQD、Cpd A、G3)とを含む二つの異なるコホート/群で、肺がんを呈するマウスモデルに接種した。最大腫瘍増殖が>200mm3に達したときに治療を開始し、ビヒクルが2000mm3の最大腫瘍体積に達するまで続けた。
【0345】
結果:
試験化合物は、>65%の腫瘍増殖阻害(TGI)を示し、3日目以降は腫瘍体積の統計的に有意な(P<0.01^)減少が見られた(n=5)。試験化合物は、10mg/kgのQ3D×3週でのパクリタキセル、IVと比較して、腫瘍体積の統計的に有意な減少を示した。21日間の試験期間中、体重全体に対する著しい影響は見られなかった。
【0346】
本発明について、特定の機能およびその関係の実施を示す機能構成単位の補助とともに説明してきた。説明の便宜上、これらの機能構成単位の境界が、本明細書で任意に定義されている。特定の機能およびその関係が適切に実施される限り、上記に代わる境界を定めてもよい。
【0347】
特定の実施形態の前述の説明は、本発明の概略的な性質を完全に明らかにすることとなるため、他者は、当業者が有する知識を適用することによって、本発明の概略的な概念から逸脱することなく、過度の実験なしに、このような特定の実施形態を様々な用途に対して容易に修正および/または適合させることができる。したがって、こうした適合および修正は、本明細書に提示される教示およびガイダンスに基づいて、開示された実施形態と均等の意味および範囲内であることが意図される。本明細書の語句または用語は、本明細書の語句または語句が教示およびガイダンスを考慮して当業者によって解釈されるように、限定ではなく説明の目的のためであることが理解されるべきである。
図1
図2
【国際調査報告】