(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-10-24
(54)【発明の名称】加圧流体容器
(51)【国際特許分類】
F16J 13/02 20060101AFI20241017BHJP
F16J 15/10 20060101ALI20241017BHJP
【FI】
F16J13/02
F16J15/10 C
F16J15/10 T
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024524615
(86)(22)【出願日】2022-11-03
(85)【翻訳文提出日】2024-05-10
(86)【国際出願番号】 EP2022080735
(87)【国際公開番号】W WO2023079031
(87)【国際公開日】2023-05-11
(32)【優先日】2021-11-05
(33)【優先権主張国・地域又は機関】FR
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】523348874
【氏名又は名称】エイフハイテック
(74)【代理人】
【識別番号】100079108
【氏名又は名称】稲葉 良幸
(74)【代理人】
【識別番号】100109346
【氏名又は名称】大貫 敏史
(74)【代理人】
【識別番号】100117189
【氏名又は名称】江口 昭彦
(74)【代理人】
【識別番号】100134120
【氏名又は名称】内藤 和彦
(72)【発明者】
【氏名】シーグワルド,コランタン
【テーマコード(参考)】
3J040
3J046
【Fターム(参考)】
3J040AA02
3J040AA13
3J040BA03
3J040EA01
3J040EA16
3J040HA05
3J046AA01
3J046BA01
3J046BB10
3J046BC02
3J046BC16
3J046DA10
(57)【要約】
本発明は、本体と、少なくとも1つの端部部品(1)と、を有し、当該本体が、シリンダ形状を有し、かつその長手方向端部において2つの本体端部に接続された、中央部(2)を備えており、当該少なくとも1つの端部部品が、少なくとも1本のピン(4)によって第1の本体端部(3)に取り付けられている、加圧流体容器であって、当該ピン(4)が、
-当該第1の本体の側壁を少なくとも部分的に貫通する本体開口部(5)に収容された少なくとも1つの第1の部分(4a)と、
-当該端部部分(1)の側壁を少なくとも部分的に貫通する端部部品開口部(6)に収容された少なくとも1つの第2の部分(4b)と、を含む、加圧流体容器に関するものである。
本発明はまた、本発明による容器を製造するための過程にも関する。
【選択図】
図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
本体と、少なくとも1本のピン(4)によって前記本体(3)に取り付けられた少なくとも1つの端部部品(1)と、を備えている、加圧流体容器であって、前記ピン(4)が、
-前記本体の側壁を少なくとも部分的に貫通する本体開口部(5)に収容された少なくとも1つの第1の部分(4a)と、
-前記端部部品(1)の側壁を少なくとも部分的に貫通する端部部品開口部(6)に収容された少なくとも1つの第2の部分(4b)と、を含み、
前記容器が、長手方向支持手段を更に備えており、前記少なくとも1本のピン(4)のうちの1本が、前記容器の外側に面する前記本体開口部(5)の前記端部におけるその断面よりも、前記容器の前記外側に位置付けられた前記本体開口部の前記端部におけるその断面よりも小さい、前記容器の内側に位置付けられた前記端部部品開口部(6)の前記端部における断面を有しており、前記少なくとも1本のピン(4)が、前記ピン(4)を前記本体開口部(5)及び前記端部部品開口部(6)に押圧するための力を及ぼすように構成された、ねじなどのクランプ手段を含む、加圧流体容器。
【請求項2】
前記長手方向支持手段が、本体肩部(9)と、端部部品肩部(10)と、を含み、前記端部部品(1)が、好ましくは、前記本体肩部(9)と前記端部部品肩部(10)との間に収容された、シール(8)、例えばOリングを含む、請求項1に記載の容器。
【請求項3】
前記長手方向支持手段が、本体テーパ面(11)と、端部部品テーパ面(12)と、を含む、請求項1に記載の容器。
【請求項4】
前記本体開口部(5)及び前記端部部品開口部(6)が、前記本体から前記端部部品(1)を分離する傾向がある流体圧力によって誘導された力に対して垂直な方向に整列される、請求項1~3のいずれか一項に記載の容器。
【請求項5】
少なくとも4本のピン(4)を備えている、請求項1~4のいずれか一項に記載の容器。
【請求項6】
前記少なくとも1本のピン(4)の前記断面が、前記本体(2)から前記端部部品(1)を分離する傾向がある前記流体の前記圧力によって誘導された前記力の前記方向において、前記力に対して直角な方向よりも大きい寸法を有する、請求項1~5のいずれか一項に記載の容器。
【請求項7】
前記端部部品(1)が、ストッパである、請求項1~6のいずれか一項に記載の容器。
【請求項8】
前記本体が、シリンダ形状を有し、かつその長手方向端部において2つの本体端部に接続された、中央部分(2)を備えており、前記ピンが、第1の本体端部(3)において前記少なくとも1つの端部部品を固定し、前記本体開口部(5)が、前記第1の本体端部(3)において前記本体の前記側壁を貫通している、請求項1~7のいずれか一項に記載の容器。
【請求項9】
前記第1の本体端部(3)の外部形状が、前記中央部分(2)によって形成された前記シリンダを拡張し、前記端部部品(1)の少なくとも部分が、前記第1の本体端部(3)の内側に配設されている、請求項8に記載の容器。
【請求項10】
熱交換器を更に備えており、その主要部分が、前記中央部分(2)に位置付けられており、前記容器の前記中央部分(2)によって形成された前記シリンダのセクションにおいて測定された前記主要部分の最大全体寸法が、前記セクションの表面積の例えば50~100%である、請求項8又は9に記載の容器。
【請求項11】
前記中央部分(2)によって形成された前記シリンダが、円形シリンダである、請求項8~10のいずれか一項に記載の容器。
【請求項12】
請求項8~11のいずれか一項に記載の容器を製造するための過程であって、以下の工程:
-シリンダ状中央部分(2)と、2つの本体端部と、を備えている前記本体の製造、
-前記第1の本体端部(3)の前記壁に少なくとも1つの本体開口部(5)を穿孔し、前記端部部品(1)の前記壁に少なくとも1つの端部部品開口部(6)を穿孔すること、
-前記第1の本体端部(3)に、又はその周りに前記端部部品(1)を配置すること、
-前記少なくとも1本のピン(4)を、前記少なくとも1つの本体開口部(5)及び前記少なくとも1つの端部部品開口部(6)を少なくとも部分的に貫通するように配置すること、を含む、過程。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、加圧流体貯蔵の分野に関するものである。より具体的には、本発明は、加圧流体容器に関するものである。
【背景技術】
【0002】
加圧ガスは、通常、ストッパによって閉じられた部分シリンダ状容器に貯蔵される。ストッパに及ぼされた力を制限するために、容器は、しばしば、ストッパが容器の幅全体を覆う必要がないように、ストッパの近くにくびれを有する。このくびれによる問題は、容器を製造するコストを増大させることである。加えて、狭幅化は、ストッパによって閉じられた開口部を通して熱交換器を容器に挿入することを不可能にするか、又はかかる熱交換器の寸法を、したがってその効率を大幅に制限する。
【0003】
この問題を解決するために、容器の幅全体を覆うフランジが作製されたストッパが存在する。そうしたフランジは、ねじによって固定される。加圧流体によって及ぼされた力に耐えるために、多数のねじを使用することが必要であり、これは、容器のコストを増大させる。その上、フランジは、しばしば、容器の残部よりもはるかに大きい直径を占有し、これは、容器の全体的な寸法を増大させる。
【0004】
また、2部分型ストッパも存在する。第1の部分は、容器本体の一端部に挿入され、密封シールを含む。第2の部分は、第1の部分の後に挿入され、容器本体にねじ込まれる。第2の部分は、容器本体に締め付けられたときに第1の部分を押圧して容器を密封する。この解決策は、複雑な構成要素で構成されているので、コストが高く、また、ストッパの近傍で容器の厚さが減少し、したがって、圧力に対する抵抗性が減少する。
【0005】
本発明の目的の1つは、圧力に対する十分な抵抗性を維持しながら、容器のサイズを制限する端部部品を有する容器を提供することである。
【0006】
本発明の更なる目的は、製造するのに容易かつ安価で使い易い、端部部品を有する容器を提供することである。
【0007】
本発明の別の目的は、異なる形状を容易に採ることができ、異なる流体を保持することができ、かつ異なる圧力に適合させることができる容器を提供することである。
【発明の概要】
【0008】
本発明の目的は、横ピンによって所定の位置に保持された端部部品を備えている容器を提案することによって、上述した目的に少なくとも部分的に応えることである。この目的のために、本体と、少なくとも1本のピンによって当該本体に固定された少なくとも1つの端部部品と、を備えている、加圧流体容器であって、当該ピンが、
-当該本体の側壁を少なくとも部分的に貫通する本体開口部に収容された少なくとも1つの第1の部分と、
-当該端部部品の側壁を少なくとも部分的に貫通する端部部品開口部に収容された少なくとも1つの第2の部分と、を含む、加圧流体容器を提案する。
【0009】
そうした構成のおかげで、容器壁の厚さを修正することを必要とせずに、かつ最小の容器フットプリントで、容器内部の幅全体を覆う端部部品を、高圧レベルを含む広範囲の圧力にわたって維持することができる。
【0010】
更なる特徴としては、
-当該本体開口部及び当該端部部品開口部を、本体から端部部品を分離する傾向がある流体圧力によって誘導された力に対して垂直な方向において整列させることができ、この力の下で端部部品を最適に保持することを可能にすること、
-当該容器が、少なくとも4本のピンを備え得、これが本発明を実施する簡単かつ堅牢な方法であり、力を容器の外周の周りに分散させること可能にすること、
-当該少なくとも1本のピンの断面が、本体から端部部品を分離する傾向がある流体圧力によって誘導された力の方向において、当該力に対して直角な方向よりも大きい寸法を有することができ、端部部品の領域における容器壁の厚さを増大させることを必要とせずに、容器をより高い圧力値にわたって使用することを可能にすること、
-端部部品が、本体肩部と端部部品肩部との間に収容されたシール、好ましくはOリングシールを含み得、当該少なくとも1本のピンうちの1本が、容器の内側に面する端部部品開口部の端部において、容器の外側に面する本体開口部の端部におけるその断面よりも小さい断面を有し、当該少なくとも1本のピンが、本体及び端部部品開口部において当該ピンに駆動力を及ぼし、したがって、シールの圧縮手段を得る簡単かつ堅牢な手段によって、特定の用途に対する容器の良好な密封を確実にするように構成された、ねじなどのクランプ手段を含むこと、
-当該本体が、シリンダ形状を有し、かつその長手方向端部において2つの本体端部に接続された中央部分を含むことができ、当該ピンが、第1の本体端部において当該少なくとも1つの端部部品を固定することができ、当該本体開口部が、当該第1の本体端部において当該本体の側壁を貫通することができ、これが、加圧流体を貯蔵するための特に効率的なタイプの容器であり、当該第1の本体端部の外部形状が、当該中央部分によって形成されたシリンダを拡張することができ、端部部品の少なくとも部分を、当該第1の本体端部の内側に配置することができ、これにより、端部部品における容器の任意の拡大を回避し、また、容器の製造を特に容易かつ安価にし、当該容器が、熱交換器を更に備えることができ、その主要部分が、中央部分に位置付けられており、容器の中央部分によって形成されたシリンダのセクションにおいて測定された当該主要部分の最大寸法を、例えば、当該セクションの表面積の50~100%とすることができ、これが、容器に含まれる流体を効率的に加熱又は冷却することを可能にすること、
-当該中央部分によって形成されたシリンダが、本発明の簡単かつ堅牢な実現形態であり、また、応力分布を最適化する円形シリンダであり得ること、が挙げられる。
【0011】
本発明はまた、本発明による容器を製造するための過程にも関するものであり、以下の工程:
-シリンダ状中央部分と、2つの本体端部と、を含んでいる本体の製造、
-当該第1の本体端部の壁に少なくとも1つの本体開口部を穿孔し、当該端部部品の壁に少なくとも1つの端部部品開口部を穿孔すること、
-当該第1の本体端部に、又はその周りに端部部品を配置すること、
-当該少なくとも1本のピンを、当該少なくとも1つの本体開口部及び当該少なくとも1つの端部部品開口部を少なくとも部分的に貫通するように配置すること、を含む。
【0012】
その結果、容器壁の厚さを修正することを必要とせずに、かつ最小の容器フットプリントで、容器内部の幅全体を覆う端部部品を、高圧レベルにおいて適所に保持することができる容器が得られる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
本発明は、添付の図面を参照しながら、以下の詳細な説明を読むことで、より良く理解されるであろう。
【
図1】本発明の第1の実施形態による、容器の一端部の断面図である。
【
図3】本発明の第2の実施形態による、容器の一端部の断面図である。
【
図4】本発明の第3の実施形態による、容器の一端部の断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
本発明による容器は、その一実施形態が
図1及び
図2に例示されており、加圧流体を収容するのに適している。流体は、好ましくは、二水素、酸素、又は窒素などのガスである。流体の圧力は、例えば、1.015~1500バールである。
【0015】
容器は、本体と、少なくとも1つの端部部品1と、を備える。
【0016】
図1~
図3に例示されるように、容器は、流体貯蔵タンクであり得、端部部品は、例えば、ストッパ1である。
【0017】
容器はまた、機械の部分、例えば、流体コンプレッサのチャンバ形成部分であり得、端部部品は、例えば、ストッパ1である。
【0018】
容器はまた、加圧流体を収容するパイプであり得、パイプの管がコネクタに取り付けられる。よって、
図4に示されるように、本体がパイプであり得、端部部品がコネクタであり得るか、又は逆に、本体がコネクタであり得、端部部品がパイプであり得る。いくつかの実施形態では、端部部品がコネクタであり、本体がパイプであることが好ましい。その理由は、本発明による端部部品を生成するために標準コネクタ又は管に行われる修正が、本発明による本体を生成するために行われる修正よりも複雑であるからである。取り付け具は、通常、パイプよりも製造するのが複雑な部分であるので、取り付け具に対して最も複雑な製造作業を保つことが有利である。
【0019】
本体は、シリンダのように成形された中央部分2と、中央部分2によって形成されたシリンダの第1の長手方向端部において中央部分2に接続された第1の本体端部3と、中央部分2によって形成されたシリンダの第2の長手方向端部において中央部分2に接続された第2の本体端部と、を含み得る。よって、流体の大部分がシリンダ内に収容される。そうした構成は、容器が流体リザーバであるときに特に適している。
【0020】
シリンダは、好ましくは円形であり、これは、製造するのに容易であり、そこに貯蔵された流体の圧力により良く耐えることができるという利点を有する。しかしながら、例えば、正方形、楕円形、又は長方形の断面を有する他のシリンダも可能である。
【0021】
代替的に、本体は、シリンダ状中央部分を有しなくてもよい。これは、容器が、例えば流体コンプレッサのチャンバである場合に、かつチャンバが、例えば端部部品及び/又は本体に存在する凹面によって少なくとも部分的に形成されている場合に特に当てはまる。
【0022】
端部部品1は、少なくとも1本のピン4によって第1の本体端部3に取り付けられている。少なくとも1本のピン4は、本体及び端部部品1の側壁に位置付けられている。「側壁」とは、本体から端部部品1を分離する傾向がある流体圧力によって誘導された力と実質的に同じ方向に延在する壁を意味する。これは、同じ方向であるか、又は僅かに、例えば1~5°程度異なる方向であり得る。
【0023】
本体がシリンダ状中央部分2及び第1の本体端部3を有する場合は、少なくとも1本のピン4が第1の本体端部3の側壁に位置付けられる。第1の本体端部3がシリンダを拡張する場合、側壁は、シリンダ壁の拡張部であり得る。他の場合では、側壁は、シリンダの内側又は外側に向かって僅かにオフセットされた拡張部であり得る。
【0024】
側壁は、平坦であってもよいか、又は湾曲していてもよい。
【0025】
いくつかの実施形態では、容器は、第1の本体の端部3に位置する単一の端部部品1を備え得る。他の実施形態では、容器は、本体の両側に位置する2つの端部部品1を備え得る。
【0026】
ピン4が貫通することを可能にするために、本体の側壁には、本体アパーチャ5が少なくとも部分的に通っており、端部部品1の側壁には、端部部品アパーチャ6が少なくとも部分的に通っている。
【0027】
ピン4は、本体開口部5に収容された第1の部分4aと、端部部品開口部6に収容された第2の部分4bと、を含む。
【0028】
いくつかの構成が可能である。
【0029】
本体開口部5が本体の側壁を完全に貫通し、端部部品開口部6が端部部品1の側壁を完全に貫通している場合、ピン4は、その第1の部分4a及び第2の部分4bに加えて、ヘッド及びナットなどの保持手段で、又はそれぞれに1つずつのナットで、開口部5、6の両側に開いている2つの他の部分を含み得る。
【0030】
本体開口部5が本体側壁を部分的にだけ貫通している場合、ピン4は、端部部品開口部6の側に1つの貫通部だけを有し得る。この場合、ピンは、開口部5、6に挿入され、最初に、端部部品開口部6を貫通し得る。
【0031】
端部部品開口部6が端部部品1の側壁を部分的にだけ通っている場合、ピン4は、本体開口部5の側に1つの開口端部だけを有し得る。この場合、ピンは、開口部5、6に挿入され、最初に、本体開口部5を通り得る。
【0032】
好ましくは、各ピン4、本体開口部5、及び端部部品開口部6は、本体から端部部品1を分離する傾向がある流体圧力によって誘導された力に対して垂直な方向に整列される。この力の方向は、例えば、適用可能な場合に容器本体の中央部分2によって形成された長手方向シリンダの軸と一致し得る。シリンダが円形である場合、開口部5、6は、好ましくは、シリンダの長手方向軸を通る直線に沿って整列される。このようにして、ピン4は、本体から端部部品1を分離する傾向がある流体圧力によって誘導された力の方向に、端部部品1が容器本体に対して移動することを防止するように最適に位置決めされる。よって、本体開口部5及び端部部品開口部6は、好ましくは、端部部品1の側壁に隣接し、本体は、それらの開口部5、6の近傍で互いに接触している。ピン4及び開口部5、6は、好ましくは、シリンダの長手方向軸の周りの端部部品1の全周にわたって分配することができる。このようにして、ピン4が所定の位置に配置されると、本体に対する端部部品1のいかなる移動も不可能になる。
【0033】
図1及び
図2に例示される特定の実施形態では、第1の本体端部3の外形は、中央部分2のシリンダ状外形状を拡張することができる。よって、端部部品1は、第1の本体端部3に少なくとも部分的に配置することができる。このようにして、容器のサイズが制限され、本発明による容器は、製造が特に簡単である。
【0034】
図2に例示される本発明の好ましい一実施形態では、容器は、端部部品1の外周の周りに均等に分配された複数のピン4、例えば4本のピンを含む。ピン4の数は、特に容器の寸法、その中に貯蔵される流体の圧力、並びにピン4の形状及び寸法の関数として、当業者によって容易に決定される。1列以上のピン4を端部部品及び本体の側壁の外周の周りに配置することが可能である。
【0035】
ピン4は、シリンダ形状であり得る。よって、ピン4の断面は、
図1及び
図2に例示されるように、円形であり得る。代替的に、断面は、正方形であってもよく、これは、同様の断面寸法に対してより大きい剪断強度を提供する。
【0036】
特定の実施形態では、ピン4の断面は、端部部品1を本体から分離する傾向がある流体圧力によって誘導された力の方向において、この力に対して直角な方向よりも大きい。例えば、当該ピンは、楕円形断面、更には長方形断面を有するピンであってもよく、前述した円形断面に対する正方形断面の利点と同じ利点を、楕円形断面に対して提供する。これは、容器内部の圧力に対するピンの抵抗性を高め、非常に高い圧力、例えば1200バールの流体を貯蔵することを可能にする。
【0037】
容器は、収容している流体を冷却又は加熱するのに適した熱交換器を含み得る。熱交換器は、好ましくは、熱伝達流体と容器に貯蔵されている流体との間で可能な最も効率的な熱交換を達成するために、容器の本体内部で、例えば中央部分2によって形成されたシリンダの長手方向軸全体に沿って、かつ全断面にわたって、できる限り離して分配された、熱伝達流体がその中を循環する要素を含む。容器の中央部分2によって形成されたシリンダのセクションにわたって測定される、中央部分に位置付けられた熱交換器の部分の最大全体寸法は、例えば、当該セクションの表面積の50~100%である。全体寸法は、熱交換器のセクションを完全に覆っている最小凸状表面積として画定される。容器は、熱伝達流体移送手段を配置することができる少なくとも2つの孔7を有し、1つの孔7aが容器への流入用であり、1つの孔7bが流出用である。2つの孔7は、例えば、同じ端部部品1に位置付けられ得るか、又は容器が2つの端部部品1を備えている場合は、1つの孔7が、例えば、各端部部品に1つずつ位置付けられ得る。
【0038】
端部部品1は、好ましくは、本体を閉じる端壁を有する。よって、孔7をこの端壁に位置付けることができる。
【0039】
容器を密封するために、端部部品1は、長手方向支持手段において端部部品1と第1の本体端部3との間に配置された、好ましくは少なくとも1つのシール8、例えば、Oリング8を含む。シール8はまた、例えば、断面に4つのローブを有する4ローブシール、又はフラットシールであってもよい。
【0040】
図3に例示される特定の実施形態では、長手方向支持手段は、本体肩部9と、端部部品肩部10と、を含み、Oリング8は、本体肩部9と端部部品肩部10との間に収容されている。長手方向支持手段を得るために、肩部以外の他の形状を実装することができる。例えば、長手方向支持手段は、本体テーパ面11と、端部部品テーパ面12と、を含み得る。
【0041】
容器は、いくつかの用途では良好なシールを確実にするのに必要なシール8を圧縮するための手段を含み得る。他の実施形態では、シール8は、圧縮されない。更に他の実施形態では、容器は、複数のシール8を備える。よって、シール8は、全てが圧縮され得るか、又はそれらのうちの1つ以上が圧縮され得るか、又はいずれも圧縮され得ない。
【0042】
シリンダ状中央部分2と、第1の本体端部3と、を含んでいる本体設計では、Oリング8を圧縮する手段は、例えば、1つ以上のピン4の特定の形状によって達成することができる。例えば、ピン4は、容器の内側の端部部品アパーチャ6の端部において、容器の外側の本体アパーチャ5の端部におけるその断面よりも小さい断面を有し得る。よって、ピン4は、ピン4を本体開口部5及び端部部品開口部6に押圧するための力を及ぼすように構成された、ねじなどのクランプ手段を含み得る。この場合、端部部品開口部6、本体開口部5はそれぞれ、端部部品1の側壁を貫通し得ず、よって、ねじは、端部部品1、本体のそれぞれ側壁の部分に係合し、端部部品開口部6、本体開口部5のそれぞれの底部に残り得る。このようにして、Oリング8の圧縮レベルは、クランプ手段が締め付けられるレベルに調節することができる。クランプ手段はまた、ピン4が容器の外へ又は中へ押し出されるのを防止する。
【0043】
別の実施形態では、密封は、シール8を伴わずに達成される。前述の実施形態のように、ピン4は、容器の内側に面する端部部品アパーチャ6の端部において、容器の外側に面する本体アパーチャ5の端部のその断面よりも小さい断面を有し得る。よって、ピン4は、ピン4を本体開口部5及び端部部品開口部6に押圧するための力を及ぼすように構成された、ねじなどのクランプ手段を含み得る。長手方向支持手段の形状は、クランプ手段が適用されたときに十分なシールを確実にする。長手方向支持手段は、本体肩部9及び端部部品肩部10を含み得るか、又は
図4に示されるように、本体テーパ面11及び端部部品テーパ面12を含み得るか、又は本発明に適した任意の他の形状を含み得る。
【0044】
少なくとも1本のピン4がシリンダ状である場合、当該ピンが容器の中へ又は外へ落下しないことを確実にするために、当該ピンがその軸に沿って移動するのを防止する手段を提供することができる。よって、更には、容器の位置に応じてピン4の自重の他にピンが抵抗しなければならない、この方向におけるいかなる特定の力も存在しないように、いくつかの解決策が可能である。ピン4が円形断面を有する場合、当該ピンの端部にナットをねじ込むことができるねじ山を提供することができる。全ての場合において、必要に応じて本体及び/又は端部部品1の側壁に当接することによって、クロスバー又はプレートをピン4の端部に嵌合して、ピン4のいかなる長手方向移動も防止することができる。
図1及び
図2には、ピン4の端部のねじ孔に挿入されたねじによってディスクがピン端部に取り付けられた状態の一例が示されている。それでも他の解決策が可能であり、当業者の範囲内である。
【0045】
特定の容器構成では、容器が複数のピン4を備えている場合、ピン4は、弾性ピンとして設計することができ、すなわち、当該弾性ピンに力が及ぼされたときに、当該弾性ピンの断面を低減させることができる。そうしたものは、「mechanindus」型(登録商標)の中空スロット付きピンであり得る。製造公差のため1つ以上のピン4が他のピンよりも小さい断面を有する場合、又はより大きい開口部5、6に位置付けられた場合、又は本体開口部5及び端部部品開口部6が正確に互いに対向していない場合、1本のピン4が、容器内に貯蔵された加圧流体によって及ぼされる力を受ける唯一のピンになり得る。この場合、このピン4は、予想よりも大きい応力を受けて破断し得、この応力が次のピン4に伝達されることにより、そのピンが同様に破断し得る、などがある。弾性ピンの使用は、第1群のピン4が端部部品1の保持力に寄与するまで、当該ピンの断面が収縮することを可能にすることによって、他のピン4が破断することを防止する。このようにして、製造公差は、加圧ガスによって及ぼされる力が全てのピンに及ぼされるのではなく、当該ピンのうちの1本にだけ及ぼされることを防止する。
【0046】
他の容器構成では、ピン4の固有弾性は、公差の逸脱を補償するのに十分であり得、当該逸脱を十分に小さい値まで低減することができる。
【0047】
容器は、端部部品を位置決めする手段を備え得る。これは、例えば、容器本体に位置付けられたグルーブであり得、端部部品1に位置付けられたリブと協働する。この手段は、端部部品1が容器に設置されると、本体5とピン6開口部との間の整列を確実にする。
【0048】
実施例:
-本体は、中央部分2によって形成されたシリンダを含み、当該シリンダは、直径が180~220mmで長さが1メートルの円形シリンダであり、
-端部部品1は、40~60mmの範囲の直径を有する4本の円形のシリンダ状ピンを有し、
-容器内の流体は、400~500バールの圧力にある。
【0049】
本発明による容器は、以下の工程:
-シリンダ状中央部分2と、2つの本体端部3と、端部部品1と、を含んでいる本体の製造、
-当該第1の本体端部3の壁に少なくとも1つの本体開口部5を穿孔し、当該端部部品1の壁に少なくとも1つの端部部品開口部6を穿孔すること、
-当該第1の本体端部3に、又はその周りに端部部品1を配置すること、
-当該少なくとも1本のピン4を、当該少なくとも1つの本体開口部5及び当該少なくとも1つの端部部品開口部6を貫通するように配置すること、を含む過程に従って製造することができる。
【0050】
上記の説明が特定実施形態に基づいているが、本発明の範囲を決して限定するものではなく、とりわけ、技術的均等物の置換、又は上記で開発された特徴の全部若しくは一部の異なる組み合わせによって、変更を加えてもよい。
【手続補正書】
【提出日】2024-07-03
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
本体と、少なくとも1本のピン(4)によって前記本体(3)に取り付けられた少なくとも1つの端部部品(1)と、を備えている、加圧流体容器であって、前記ピン(4)が、
-前記本体の側壁を少なくとも部分的に貫通する本体開口部(5)に収容された少なくとも1つの第1の部分(4a)と、
-前記端部部品(1)の側壁を少なくとも部分的に貫通する端部部品開口部(6)に収容された少なくとも1つの第2の部分(4b)と、を含み、
前記少なくとも1本のピン(4)の断面が、前記本体(2)から前記端部部品(1)を分離する傾向がある流体圧力によって誘導された力の方向において、前記力に対して直角な方向よりも大きい寸法を有する、加圧流体容器。
【請求項2】
長手方向支持手段を更に備えており、前記少なくとも1本のピン(4)のうちの1本が、前記容器の外側に面する前記本体開口部(5)の前記端部におけるその断面よりも、前記容器の前記外側に位置付けられた前記本体開口部の前記端部におけるその断面よりも小さい、前記容器の内側に位置付けられた前記端部部品開口部(6)の前記端部における断面を有しており、前記少なくとも1本のピン(4)が、前記ピン(4)を前記本体開口部(5)及び前記端部部品開口部(6)に押圧するための力を及ぼすように構成された、ねじなどのクランプ手段を含む、請求項1に記載の容器。
【請求項3】
前記長手方向支持手段が、本体肩部(9)と、端部部品肩部(10)と、を含み、前記端部部品(1)が、好ましくは、前記本体肩部(9)と前記端部部品肩部(10)との間に収容された、シール(8)、例えばOリングを含む、請求項2に記載の容器。
【請求項4】
前記長手方向支持手段が、本体テーパ面(11)と、端部部品テーパ面(12)と、を含む、請求項2に記載の容器。
【請求項5】
前記本体開口部(5)及び前記端部部品開口部(6)が、前記本体から前記端部部品(1)を分離する傾向がある流体圧力によって誘導された力に対して垂直な方向に整列される、請求項1~4のいずれか一項に記載の容器。
【請求項6】
少なくとも4本のピン(4)を備えている、請求項1~5のいずれか一項に記載の容器。
【請求項7】
前記端部部品(1)が、ストッパである、請求項1~6のいずれか一項に記載の容器。
【請求項8】
前記本体が、シリンダ形状を有し、かつその長手方向端部において2つの本体端部に接続された、中央部分(2)を備えており、前記ピンが、第1の本体端部(3)において前記少なくとも1つの端部部品を固定し、前記本体開口部(5)が、前記第1の本体端部(3)において前記本体の前記側壁を貫通している、請求項1~7のいずれか一項に記載の容器。
【請求項9】
前記第1の本体端部(3)の外部形状が、前記中央部分(2)によって形成された前記シリンダを拡張し、前記端部部品(1)の少なくとも部分が、前記第1の本体端部(3)の内側に配設されている、請求項8に記載の容器。
【請求項10】
熱交換器を更に備えており、その主要部分が、前記中央部分(2)に位置付けられており、前記容器の前記中央部分(2)によって形成された前記シリンダのセクションにおいて測定された前記主要部分の最大全体寸法が、前記セクションの表面積の例えば50~100%である、請求項8又は9に記載の容器。
【請求項11】
前記中央部分(2)によって形成された前記シリンダが、円形シリンダである、請求項8~10のいずれか一項に記載の容器。
【請求項12】
請求項8~11のいずれか一項に記載の容器を製造するための過程であって、以下の工程:
-シリンダ状中央部分(2)と、2つの本体端部と、を備えている前記本体の製造、
-前記第1の本体端部(3)の前記壁に少なくとも1つの本体開口部(5)を穿孔し、前記端部部品(1)の前記壁に少なくとも1つの端部部品開口部(6)を穿孔すること、
-前記第1の本体端部(3)に、又はその周りに前記端部部品(1)を配置すること、
-前記少なくとも1本のピン(4)を、前記少なくとも1つの本体開口部(5)及び前記少なくとも1つの端部部品開口部(6)を少なくとも部分的に貫通するように配置すること、を含む、過程。
【国際調査報告】